JP2016036512A - 遊技機 - Google Patents

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豊浩 埜口
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Abstract

【課題】可動役物の位置がセンサにより検出できない場合の演出上の不具合発生を抑制することが可能な遊技機を提供する。【解決手段】展開演出部が展開状態に移行する場合、フォトセンサによる稼働位置検出があるか否かを判断し(S5401)、稼働位置検出がない場合(S5401でNo)、変数ERに1を加算し(S5402)、加算後の変数ERが閾値SH2よりも大きいか否かを判定する(S5403)。リトライせず、エラーカウントをする。変数ERが閾値SH2を超える場合(S5403でYes)は、エラー処理を行う(S5404)。フォトセンサ94による稼働位置検出がある場合(S5401でYes)、変数ERを初期化し(S5405)、処理を終了する。【選択図】図54

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、大入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。また、遊技機では、遊技者による遊技球の遊技に伴って、画像表示部での表示や各種のランプの点灯、スピーカによる音響等の各種の演出が行われる。
演出に用いられる役物の構成として、従来から種々のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、遊技の演出に用いられ、電気的機器を搭載した可動体と、往復動する可動体と相対移動する部位に配設され、可動体の電気的機器を駆動するドライバと、ドライバから電気的機器へ制御信号及び/又は電源の供給を行うフラットケーブルと、を備える構成の遊技機が開示されている。
特開2010−187992号公報
ここで、可動役物の位置をセンサで検出してそれにより可動役物の動作が正常であるか否かを確認する場合、可動役物の位置をセンサで検出することができないときに可動役物が本来の演出内容とは異なる動作を行うと、抽選結果の報知示唆として可動役物を目で追っている遊技者が混乱してしまうおそれがあり、演出上好ましいものではない。
本発明は、可動役物の位置がセンサにより検出できない場合の演出上の不具合発生を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明が適用される遊技機は、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が動作中の特定の状態であることを検知する特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が演出において前記特定の状態となるべきときに、前記特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が当該特定の状態であることが検知されなかった場合に、当該特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により検知されなかった回数を計数する計数手段(例えばCPU321)と、前記計数手段(例えばCPU321)により計数された前記回数が予め定められた条件を満足する場合に、エラー処理を行うエラー処理手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
また、本発明が適用される遊技機は、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることを検知する初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)と、演出における前記可動役物(例えば可動役物115)の一連の動作が終了して当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態となるべきときに、前記初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかった場合、当該可動役物(例えば可動役物115)の次の動作開始の際、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されたならばエラー処理を行わず、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかったならばエラー処理を行うエラー処理手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、可動役物の位置がセンサにより検出できない場合の演出上の不具合発生を抑制することが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図19の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図19の当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 可動役物を説明する図である。 可動役物を説明する図である。 可動役物を説明する図である。 保持部の構成を説明する図である。 回転駆動部の構成を説明する図である。 ブラシ部を説明する図である。 ホルダへの接触子の取り付けを説明する図である。 接触子の接点を説明する図である。 環状部の帯状部材の構成を説明する斜視図である。 環状部の帯状部材の相互の位置関係を説明する図である。 通信ラインに関する基板の構成例を説明するブロック図である。 演出制御基板から送信される各種の信号についてのタイミングチャートである。 電力ラインに関する基板の構成例を説明するブロック図である。 別の可動役物を説明する図である。 別の可動役物に取り付けられるフレキシブル基板を説明する図である。 別の可動役物を説明する図である。 別の可動役物を説明する図である。 展開演出部の一部を構成する旋回刃の正面図である。 展開演出部の一部を構成する旋回刃の背面図である。 旋回刃の分解斜視図である。 先端部用駆動系を説明する概略斜視図である。 旋回刃を説明する概略正面図である。 旋回刃を説明する概略背面図である。 回転演出部の本体に対する揺動部材の位置を検出する構成を説明する斜視図である。 回転演出部のベース部材に対する原点位置を検出する構成を説明する斜視図である。 収納状態移行処理の内容を示すフローチャートである。 展開演出部の旋回刃が異常な状態にある場合を説明する図である。 ステッピングモータのトルクと回転速度との関係を示すグラフである。 稼働位置検出処理の内容を示すフローチャートである。 原点位置検出処理の内容を示すフローチャートである。 電源スイッチのONにより行われる起動処理の内容を示すフローチャートである。 各種の原点位置検出器と枠ランプとの対応付けを説明する図である。 図56の(b)の可動役物チェック処理の内容を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110には、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、通常の確率で大当たり抽選を行う低確率状態と、低確率状態よりも高い確率で大当たり抽選を行う高確率状態とを有している。なお、所定の条件において低確率状態と、高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。なお、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。ここで、時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたはすべての組合せによって制御される。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、パチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、2個のLEDを配列した表示装置で構成されている。2個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。なお、状態表示器224には、さらにLEDを設け、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知してもよい。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
なお、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を、枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことを言う。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たりが有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが例えば15回繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが例えば15回繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が15回行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(ステップ603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態か低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップ608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップ608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(ステップ609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わないパチンコ遊技機100においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
ステップ704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、ステップ703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803〜806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U2が1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップ805)。保留数U1が1以上である場合(ステップ805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップ806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップ805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ816)。
ステップ804またはステップ806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(ステップ816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ808、809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ811)。ステップ811でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、またはステップ811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ812)。すなわち、ステップ810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップ812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をステップ808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(ステップ813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ815)。停止中処理の内容については後述する。ステップ814でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のステップ604または610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップ902でNo、ステップ905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップ902、ステップ905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数値およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNo)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNo)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、ステップ1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。また、遊技制御部200は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1115)。小当たりでなかった場合は(ステップ1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(ステップ1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYes)、普通図柄変動制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYes)、普通図柄変動制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYes)、普通図柄変動制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄変動制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、大入賞口125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
ステップ1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップ1410)。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(ステップ1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1415でYes)、上記ステップ1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、作動中でないならば(ステップ1416でNo)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1416でYes)、上記ステップ1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(ステップ1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、1502でYes、ステップ1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502でNo、ステップ1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(ステップ1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502、ステップ1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップ1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYes)、またはステップ1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の判定(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の判定の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の判定の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の判定の構成例、図17(d)には当たり乱数の判定の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では1009)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303(図3参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(ステップ1901でNo)、またはステップ1903の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップ1904)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ811)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(ステップ1901およびステップ1904でNo)、またはステップ1905の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(ステップ1906)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ814)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904およびステップ1906でNo)、またはステップ1907の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップ1908)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(ステップ1118)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906およびステップ1908でNo)、またはステップ1909の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップ1910)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(ステップ1413)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906、ステップ1908およびステップ1910でNo)、またはステップ1911のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップ1912)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図20は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図21は、図19の演出選択処理(ステップ1905)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
詳述しないが、ステップ2104における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図18のステップ1801において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図22は、図19の変動演出終了中処理(ステップ1907)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303(図3参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)であるか否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(ステップ2203でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(ステップ2205)。モードフラグが0でない場合(ステップ2205でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(ステップ2206)、Mの値が0になったか否かを調べる(ステップ2207)。Mの値が0になったならば(ステップ2207でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(ステップ2208)。
ステップ2205でモードフラグが0であった場合(ステップ2205でYes)、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合(ステップ2207でNo)、またはステップ2208でモードフラグを0に設定した後、あるいはステップ2204でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(ステップ2209)。ここで、図20を参照すると、ステップ2204でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、ステップ2205でモードフラグが0であった場合およびステップ2208でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図23は、図19の当たり演出選択処理(ステップ1909)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図24は、図19のエンディング演出選択処理(ステップ1911)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2403)。
図25は、図19の客待ちコマンド受信処理(ステップ1912)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(ステップ2504でYesまたはステップ2503でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップ2505)。タイムアップしていない場合(ステップ2505でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップ2505でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(ステップ2506)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(ステップ2507)。
以上のようにして客待ちコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドのいずれかがセットされている。
図26は、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン等が操作されたならば(ステップ2601でYes)、演出制御部300は、演出ボタン等の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303(図3参照)にセットして演出ボタン処理を終了する(ステップ2602)。
この後、演出制御部300は、図18(b)のコマンド送信処理(ステップ1813)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔可動役物115〕
次に、上述した可動役物115(図1参照)について説明する。
この可動役物115は、パチンコ遊技機100(図1参照)が行う演出のうち、動きの演出(動き演出)および光による演出(光演出)を担うように構成されており、パチンコ遊技機100の平面視で遊技盤110(図1参照)と画像表示部114(図1参照)との間に位置する。すなわち、可動役物115は、画像表示部114よりも前側に位置する。可動役物115は、遊技盤110よりも後ろ側に位置するが、部分的に遊技盤110よりも前側に位置するような構成も考えられる。
なお、遊技盤110の一部を構成する遊技盤本体は、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、透明遊技板である。このため、遊技盤110に隠れている可動役物115の部分も、遊技者が視認可能である。
付言すると、遊技盤本体は、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるポリカーボネート(PC)製である。また、遊技盤本体を、素材としてのアクリル製の板材を切削加工により凹凸形状や切欠き形状を形成する場合に適用することも考えられる。
図27、図28および図29は、可動役物115を説明する図である。すなわち、図27は可動役物115の正面図であり、図28は可動役物115の分解斜視図である。また、図29は、可動役物115の一部を構成する後述の回転演出部115bの一演出を説明する正面図であり、図29の(a)は、可動役物115が備える後述の展開演出部115c(図43、図44参照)が収納状態である場合を示し、図29の(b)は展開状態の場合を示す。
ここで、可動役物115の展開演出部115cは、図29の(a)に示す収納状態で停止する場合(待機状態。通常時の状態)のほか、収納状態で回転する場合(回転演出時の状態)がある。また、展開演出部115cは、図29の(b)に示す展開状態で一時的に停止する場合(展開停止演出時の状態)があり、さらには、展開状態で回転する場合(展開回転演出時の状態)もある。
図27または図28に示すように、可動役物115は、固定のベース部材115aと、ベース部材115aに対して可動の回転演出部115bと、を備えている。
ベース部材115aは、略中央に円形状の開口部kaが形成されている板状部材である。また、回転演出部115bは、略中央に円形状の開口部kbが形成されている円筒形状である。
ベース部材115aの開口部kaおよび回転演出部115bの開口部kbは、互いに重なり合うことで、可動役物115の前側と後側とが連通する中央空間を形成する。かかる中央空間により、画像表示部114(図1参照)に表示される画像が遊技者に視認可能になる。
また、可動役物115は、ベース部材115aの開口部kaと回転演出部115bの開口部kbとによる中央空間を利用して動きの演出を行う展開演出部115cを備えている。
この展開演出部115cは、ベース部材115aに対して可動の回転演出部115bに取り付けられている。そして、図29の(a)に示すように通常時には収納されている一方で、同図の(b)に示すように、演出時には展開して中央空間に登場する動きの演出(動き演出)を行う。付言すると、展開演出部115cは、光源としての複数のLEDを備え、かかる複数のLEDで光による演出(光演出)を実行する。
可動役物115の展開演出部115cについては後述する。
〔可動役物115の回転演出部115b〕
可動役物115の回転演出部115bについてさらに説明する。
図27または図28に示すように、回転演出部115bは、正面視で時計方向および反時計方向に回転可能であり、正逆ともに回転可能である。
本実施の形態に係る回転演出部115bには、回転中心の位置に設けられる回転軸部を備える構成が採用されていない。すなわち、回転演出部115bには、その周囲を保持部115d1,115d2で回転自在に保持される構成が採用されている。
本実施の形態では、4つの保持部115d1および1つの保持部115d2がベース部材115aに取り付けられている。これらの保持部115d1,115d2は、ベース部材115aにおける回転演出部115bの円周方向における互いに異なる位置に配設されている。より具体的には、4つの保持部115d1は、図27に示すように、正面視で右斜め上の位置、右斜め下の位置、左斜め下の位置および左斜め上の位置に配設されており(略90度間隔)、そして、かかる左斜め下の位置および左斜め上の位置との間に保持部115d2が配設されている。
保持部115d1,115d2は、回転演出部115bと係合する係合部材11(図30参照)を含んで構成されている。保持部115d1,115d2のより詳細な構成は後述する(図30参照)。
回転演出部115bは、駆動源を含む回転駆動部115eにより駆動される。回転駆動部115eは、駆動源としてのモータ21(図31参照)と、モータ21の駆動力が順に伝達されるギア22,23,24(図31参照)と、を含んで構成されている。付言すると、可動役物115の回転演出部115bは、回転駆動部115eのモータ21により作動することから、可動役物115を電動役物ないし回転役物ということができる。
回転駆動部115eのより詳細な構成は後述する(図31参照)。
回転演出部115bは、外周面と内周面との半径方向の寸法差が比較的大きいリング形状の本体115b1(例えば図30参照)と、本体115b1に取り付けられる蓋部材115b2(例えば図28参照)と、を含んで構成されている。
また、回転演出部115bは、樹脂製の本体115b1に取り付けられ、蓋部材115b2に覆われる複数の基板31,32,33(図29参照)と、動きの演出時に展開演出部115cを駆動するためのモータ35,36,37と、を含んで構成されている。
基板31〜33には、例えばモータ35〜37を駆動制御するモータドライバ34b,34c,34e(図37参照)などの各種電子部品が搭載されている。
そして、可動役物115は、固定側のベース部材115aから回転側の回転演出部115bに電力を供給するための電力ライン(給電ライン、電源ライン)と、ベース部材115aと回転演出部115bとの間で信号の送受を行うための通信ライン(信号ライン)と、を備えている。
ここにいう通信ラインは、例えば赤外線通信等の無線ではなく、ここにいう電力ラインと同じく有線により確保されるものである。言い換えると、通信ラインは、電力ラインと同じ方式(有線)で構成される。
より具体的には、電力ラインおよび通信ラインは、固定側と回転側とが互いに接触することで電気的に接続するスリップリング構造により形成される。本実施の形態では、固定側のベース部材115aに複数のブラシ部40A,40Bが取り付けられ、また、回転側の回転演出部115bに環状部50(図28参照)が取り付けられる。
すなわち、ブラシ部40A,40Bが、ベース部材115aにおける回転演出部115bの円周方向の互いに異なる位置に配設されている。ブラシ部40A,40Bの各々は、接触子41,42,43(図32参照)を含んで構成されている。接触子41〜43は、電力ラインおよび通信ラインを確保すべく、環状部50に押圧される状態で接触する。これにより、回転演出部115bの回転時に環状部50との接触が維持されるようになる。
ブラシ部40A,40Bのより詳細な構成は後述する。
また、環状部50は、回転演出部115bの本体115b1の外周面に配設されている。本体115b1の外周面には、円周方向に沿って互いに略平行に位置する三条の溝が形成され、そして、環状部50は、三条の溝に位置する帯状部材51,52,53(図35、図36参照)を含んで構成されている。環状部50の帯状部材51,52,53はそれぞれ、ブラシ部40A,40Bの接触子41,42,43と接触して電気的接続を確保する。すなわち、帯状部材51は接触子41と接触し、帯状部材52は接触子42と接触し、帯状部材53は接触子43と接触する。
環状部50のより詳細な構成は後述する。
〔保持部115d1および保持部115d2〕
次に、保持部115d1および保持部115d2の構成について説明する。
ここで、保持部115d2は、保持部115d1と基本的な構成が共通することから、以下保持部115d1の構成を説明することとし、保持部115d2については基本的な構成の説明を省略する。
付言すると、保持部115d2は、回転演出部115bを保持する構成が保持部115d1と共通するものの、保持部115d1が備えていない構成を備えている。すなわち、保持部115d2は、フォトセンサ115d21(図50参照)を備えている。より詳細な説明は後述する。
図30は、保持部115d1の構成を説明する図であり、(a)は、ベース部材115aと共に示す保持部115d1の分解斜視図であり、(b)は、回転演出部115bの本体115b1との係合を示す斜視図である。
図30の(a)に示すように、保持部115d1は、回転演出部115bと係合する上述の係合部材11と、係合部材11を保持する保持部材12と、を備えている。また、保持部115d1は、保持部材12を本体115b1に取り付ける取り付け部材13を備えている。
より具体的に説明すると、保持部115d1の係合部材11は、自身の外周面に一条の溝11aが形成されている円盤状の部材であり、円盤の軸方向に延びる中心穴11bを持つ。保持部材12は、係合部材11の中心穴11bに挿入される軸部12aを持ち、本体115b1に取り付けられた取り付け部材13にねじ止めされる。係合部材11は、保持部材12に対して回転自在である。
取り付け部材13には、保持部材12に向かって延びる2つの位置決めピン13aが形成されている。そして、この2つの位置決めピン13aが保持部材12の位置決め穴12bに入れられることで、保持部材12が係合部材11と共に取り付け部材13に対して位置決めされる。その後、保持部材12が取り付け部材13にねじ止めされる。
このように組み立てられた保持部115d1は、図30の(b)に示すように、回転演出部115bの本体115b1の外周面と係合する。すなわち、本体115b1の外周面には、円周方向に延びるフランジ部115b3が形成されている。そして、回転演出部115b側のフランジ部115b3が、保持部115d1における係合部材11の溝11aに入り込む。これにより、保持部115d1が回転演出部115bに係合する。
より詳細には、保持部115d1は、回転演出部115bの円周方向に複数配設されている。これにより、回転演出部115bは、ベース部材115aに回転自在に保持される。
〔回転駆動部115e〕
次に、駆動源を含む回転駆動部115eについて説明する。
図31は、回転駆動部115eの構成を説明する図であり、同図の(a)は、回転駆動部115eの駆動対象である回転演出部115bと共に示す回転駆動部115eの分解斜視図である。図31の(b)は、回転演出部115bに対する回転駆動部115eの位置を示すための回転演出部115bおよび回転駆動部115eの背面図であり、同図の(a)に対応する領域を円aで囲んで示している。
図31の(a)に示すように、回転駆動部115eは、駆動力を出力する駆動軸21aを持つ上述のモータ21と、モータ21の駆動軸21aに取り付けられる上述のギア22と、ギア22から駆動力が伝達される上述のギア23と、ギア23から駆動力が伝達される上述のギア24と、を備えている。ギア22〜24はいずれも平歯車である。
さらに説明すると、ギア23,24は、同軸で回転数が互いに等しくなる複数の歯車を持つ。すなわち、ギア23は、ギア22と噛合する大歯車23aと、大歯車23aよりも基準ピッチ円が小径の小歯車23bと、を持つ。また、ギア24は、ギア23の小歯車23bと噛合する歯車24aと、回転演出部115bの本体115b1の全周にわたって外周面近傍に形成されている大径外歯車115b4と噛合する歯車24bと、を持つ。
付言すると、歯車24bは、歯車24aよりもモジュールが大きい。すなわち、歯車24bの歯厚が歯車24aよりも大きく、歯車24bの強度を歯車24aよりも高めている。なお、歯車24bの歯先円直径は、歯車24aと同じように形成されている。
また、回転駆動部115eは、ギア23の中心穴に挿入されるピン25と、ギア24の中心穴に挿入されるピン26と、ピン25を介してギア23を保持すると共にピン26を介してギア24を保持し、かつモータ21がねじ止めされるケース部材27と、を備えている。
なお、回転駆動部115eのケース部材27は、ベース部材115a(例えば図28参照)にねじ止めされる。すなわち、回転駆動部115eは、可動役物115のベース部材115a(図28参照)に取り付けられている。
このように構成された回転駆動部115eにおいて、モータ21の駆動力が複数のギアを介して回転演出部115bの大径外歯車115b4に伝達されると、保持部115d1,115d2により保持されている回転演出部115bは、ベース部材115aに対して正回転または逆回転を行う。
ここで、図31の(a)または(b)を参照すると、回転演出部115bの本体115b1に板状の取り付け部材115b5が複数(本実施の形態では4個)取り付けられている。
この取り付け部材115b5は、詳細を後述する小径外歯車86(図46参照)を本体115b1に取り付けるためのものである。また、取り付け部材115b5は、詳細を後述する湾刀部83a(例えば図43、図44参照)のための当て部115b51を持つ(図44の(a)参照)。なお、ここにいう湾刀部83aは、展開演出部115c(例えば図29参照)が備える旋回刃80Aの先端部83(例えば図43、図44参照)の一部を構成するものである。
〔ブラシ部40A,40Bおよび環状部50〕
次に、上述した電力ラインおよび通信ラインの一部を構成するブラシ部40および環状部50について説明する。なお、ここにいう電力ラインおよび通信ラインは、上述したように、ベース部材115aと回転演出部115bとの間に形成されるものを含む。そして、ブラシ部40A,40Bは、ベース部材115a側に取り付けられるものであり(図28参照)、環状部50(帯状部材51,52,53)は、回転演出部115b側に取り付けられるものである(図28参照)。
付言すると、ここにいう電力ラインおよび通信ラインは、ベース部材115aと回転演出部115bとの間に配設されるスリップリング構造を含むものである。言い換えると、ベース部材115aと回転演出部115bとの間における電力ラインおよび通信ラインをコネクタ接続により構成するものではない。
〔ブラシ部40A,40Bについて〕
まず、ブラシ部40A,40Bについて説明する。
図32は、ブラシ部40Aを説明する図であり、(a)は、ベース部材115aと共に示すブラシ部40Aの斜視図であり、(b)は、ブラシ部40Aの構成を説明する分解斜視図である。
図32の(a)に示すように、2つのブラシ部40Aがブラシユニット40に互いに逆向きとなるように取り付けられている。すなわち、2つのブラシ部40Aは、ブラシユニット40を介してベース部材115aに取り付けられる。
このブラシユニット40は、互いに反対の方向に延びる二組の接触子群を備えている。より具体的には、二組の接触子群のうち一方は右斜め上向きに延び、他方は左斜め上向きに延びている。
なお、ブラシ部40Aとブラシ部40Bとは、接触子群のための基本的な構造が共通することから、図32を用いてブラシ部40Aを説明し、ブラシ部40Bの説明を省略することがある。
ここにいう一組の接触子群は、上述の接触子41,42,43からなるものであり、3枚の接触子41〜43の各々は、互いに同じ形状のものである。すなわち、可動役物115の製造工程では、接触子41〜43として一つの部品を用意しておけば足りる(図33の(a)参照)。これにより、部品点数の削減を図っている。
接触子41〜43は長手形状の板状部材であり、その一端側に位置する接点44と他端側に位置する取り付け部45とを備えている。接触子41〜43における取り付け部45から接点44へと向かう部分は、取り付け部45よりも幅が狭く形成され、たわみ易くなっている。
接点44は、帯状部材51〜53のいずれかと接触する部分であり、所定の領域を持って形成されている。接点44は、上述の帯状部材51〜53のいずれか一と面接触する。すなわち、接触子41の接点44は帯状部材51と面接触し、接触子42の接点44は帯状部材52と面接触し、接触子43の接点44は帯状部材53と面接触する。
ここで、ブラシ部40Aは、接触子41〜43を固定するための押さえ部材46およびホルダ47を備えている。すなわち、接触子41〜43は、ホルダ47のねじ穴に押さえ部材46の穴を介してねじ部材が螺合することにより、ホルダ47と押さえ部材46との間に取り付け部45が挟まれる形で固定される。なお、押さえ部材46およびホルダ47は、絶縁性の樹脂部材である。
また、ブラシ部40Aは、電力ラインの一部を構成するコネクタ48と、通信ラインの一部を構成するコネクタ49と、を備えている。
ブラシ部40Aの接触子41〜43(一組の接触子群)についてさらに説明する。
図33は、ホルダ47への接触子41〜43の取り付けを説明する図である。同図の(a)は、接触子41〜43のとりわけ取り付け部45を説明する図であり、(b)〜(d)は、ホルダ47に対する接触子41〜43の取り付け位置を説明する図である。
図33の(a)に示すように、接触子41〜43における各取り付け部45には、押さえ部材46およびねじ部材(雄ネジ)を介してホルダ47に固定するための穴が複数形成されている。
本実施の形態では、接触子41〜43の取り付け部45に4つの取り付け穴45a,45b,45c,45dが形成されている。取り付け穴45aは、接点44に最も近く、取り付け穴45dは、接点44に対して最も遠い。そして、取り付け穴45b,45cは、取り付け穴45aと取り付け穴45dとの間に位置する。さらに説明すると、取り付け穴45bは、取り付け穴45a寄りに位置し、また、取り付け穴45cは、取り付け穴45d寄りに位置する。
ブラシ部40Aの接触子41〜43は、取り付け穴45a〜45cのいずれかの位置でホルダ47に押さえ部材46を用いてねじ止めされる。このため、ホルダ47に対する接触子41〜43の取り付け位置が複数用意されており、選択可能である。
接触子41〜43における押さえ部材46の接点44寄り端位置から接点44の押さえ部材46寄り端位置までの中間部分Lの長さをアーム長とすると、図33の(b)〜(d)に示すように、取り付け穴45a〜45cのいずれを用いてホルダ47にねじ止めされるかによって、アーム長が異なる。
より具体的に説明すると、図33の(b)では、接触子41〜43の各々が取り付け穴45aを用いてホルダ47にねじ止めされており、この場合のアーム長は距離Laである。
また、同図の(c)では、接触子41〜43の各々が取り付け穴45bを用いてホルダ47にねじ止めされており、アーム長は距離Lbである。また、同図の(d)では、取り付け穴45cでホルダ47にねじ止めされ、アーム長は距離Lcである。また、ねじ止め位置が取り付け穴45dの場合のアーム長は距離Ldである。
ここにいう距離La〜Ldのうち距離Laが最も小さく、距離Lb、距離Lc、距離Ldの順で大きくなる(La<Lb<Lc<Ld)。
このように、アーム長を段階的に設定できるように構成されている。すなわち、本実施の形態では、ブラシ部40A,40Bの組み立て作業の際に距離La,Lb,Lc,Ldのうち予め定められたものを選択可能である。
〔ブラシ部40A,40Bの意義〕
ここで、可動体に対して相対移動接触部分(接点)を介して給電ないし通信を行う構成を採用する場合、何らかの理由で相対移動接触部分が非接触な状態になって一時的に給電ないし通信ができなくなると、可動体による演出が中断してしまい、好ましくない。
そこで、可動体との間で相対移動接触部分を介する給電および/または通信が一時的にできなくなる事態の発生を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、環状体(例えば帯状部材51,52,53)を持ち、当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)と共に回転可能に配設され、演出を行う可動体(例えば回転演出部115b)と、前記可動体(例えば回転演出部115b)の前記環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第1の接触部分(例えば接点44)を持つ第1の部材(例えば接触子41,42,43)をベース部材(例えばホルダ47)に取り付けて構成され、当該第1の部材(例えば接触子41,42,43)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)とを介して前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)から当該可動体(例えば回転演出部115b)に電力または信号を送る第1の送り部(例えばブラシ部40A,40B)と、前記可動体(例えば回転演出部115b)の前記環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第2の接触部分(例えば接点44)を持つ第2の部材(例えば接触子41,42,43)をベース部材(例えばホルダ47)に取り付けて構成され、当該第2の部材(例えば接触子41,42,43)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)とを介して前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)から当該可動体(例えば回転演出部115b)に電力または信号を送る第2の送り部(例えばブラシ部40A,40B)と、を備え、前記第1の送り部(例えばブラシ部40A,40B)において前記ベース部材(例えばホルダ47)に取り付けられる前記第1の部材(例えば接触子41,42,43)の前記第1の接触部分(例えば接点44)を保持する第1の保持部分(例えば中間部分L)は、前記第2の送り部(例えば接触子41,42,43)において前記ベース部材(例えばホルダ47)に取り付けられる前記第2の部材(例えば接触子41,42,43)の前記第2の接触部分(例えば接点44)を保持する第2の保持部分(例えば中間部分L)とは異なる長さ(例えば距離La,Lb,Lc,Ld)であることを特徴とするものである。
また、所定の演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)に回転可能に配設され、演出を行う可動体(例えば回転演出部115b)と、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)に固定される環状体(例えば帯状部材51,52,53)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第1の接触部分(例えば接点44)を持ち前記可動体(例えば回転演出部115b)に設けられる第1の部材(例えば接触子41,42,43)とを介して当該遊技機(例えばパチンコ遊技機100)からの電力または信号を受ける第1の受け部(例えばブラシ部40A,40B)と、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)に固定される環状体(例えば帯状部材51,52,53)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第2の接触部分(例えば接点44)を持ち前記可動体(例えば回転演出部115b)に設けられる第2の部材(例えば接触子41,42,43)とを介して当該遊技機(例えばパチンコ遊技機100)からの電力または信号を受ける第2の受け部(例えばブラシ部40A,40B)と、を備え、前記第1の受け部(例えばブラシ部40A,40B)の一部を構成するベース部材(例えばホルダ47)に前記第1の部材(例えば接触子41,42,43)が取り付けられると共に前記第2の受け部(例えばブラシ部40A,40B)の一部を構成するベース部材(例えばホルダ47)に前記第2の部材(例えばブラシ部40A,40B)が取り付けられる場合、当該第1の受け部(例えばブラシ部40A,40B)において当該第1の部材(例えば接触子41,42,43)の前記第1の接触部分(例えば接点44)を保持する第1の保持部分(例えば中間部分L)は、当該第2の受け部(例えばブラシ部40A,40B)において当該第2の部材(例えばブラシ部40A,40B)の前記第2の接触部分(例えば接点44)を保持する第2の保持部分(例えば中間部分L)とは異なる長さ(例えば距離La,Lb,Lc,Ld)であることを特徴とするものである。
より詳細に説明する。上述したように、可動役物115の固定のベース部材115aには、接触子41,42,43からなる接触子群を二組持つブラシ部40A(図32参照)を1個備えると共に、一組の接触子群を持つブラシ部40Bを2個備える(例えば図28参照)。すなわち、可動役物115は、四組の接触子群を持っている。
四組の接触子群における接触子41は、回転演出部115bにおける環状部50の帯状部材51と接触し、接触子42は帯状部材52と接触し、接触子43は帯状部材53と接触する。言い換えると、帯状部材51には4つの接触子41が接触し、帯状部材52には4つの接触子42が接触し、帯状部材53には4つの接触子43が接触する。
なお、このような環状部50の帯状部材51,52,53は、板厚が視認できる方向から見ると、連続する曲線で形成されているが(図35、図36参照)、かかる曲線のみならず直線の部分を含むものであってもよい。
そして、本実施の形態では、帯状部材51に接する4つの接触子41の各々は、中間部分Lの長さであるアーム長が互いに異なるように構成されている。同じく、帯状部材52に接する4つの接触子42の各々は、アーム長が互いに異なるように構成されており、帯状部材53に接する4つの接触子43の各々もまた、アーム長が互いに異なるように構成されている。
このように、ホルダ47に対する接触子41〜43のねじ止め位置を変えることで、接触子41〜43の振動部分の長さ(アーム長)を異ならしめている。すなわち、帯状部材51〜53が回転することに伴って接触子41〜43が振動する部分の長さが揃わないようにしている。
ここでは説明の便宜のために、接触子41〜43のうち接触子41をその代表として説明する。以下説明する接触子41についての技術説明は、接触子41以外の他の接触子42,43についても同じであり、その説明を省略する。
本実施の形態では、回転演出部115bの円周方向に関して所定位置に配設された4つの接触子41のアーム長を互いに異ならしめることにより、4つの接触子41の各々の固有振動数を別のものとしている。すなわち、4つの接触子41がすべて同じ固有振動数ではなく、様々な固有振動数になるように構成している。
より詳細には、4つの接触子41が帯状部材51に接触している状態で帯状部材51が回転すると、その構造状況や回転状況等に応じた所定振動数の振動(固有振動)が生じる。そして、その所定振動数と同じ固有振動数を持つ接触子41は共振し、より大きく振動するようになる。大きく振動する接触子41は、帯状部材51との接触状態が維持され難くなり、帯状部材51と一時的に離れて非接触状態になってしまうこと(瞬断)のおそれが想定される。
しかしながら、上述したように、4つの接触子41の各々における振動部分の長さが揃わないようにしている。すなわち、4つの接触子41は互いに異なる固有振動数を持つことから、4つの接触子41のすべてが一度に共振する可能性が低い。言い換えると、4つの接触子41すべてがこのような非接触状態になることはない。したがって、帯状部材51が回転しているときに、4つの接触子41のすべてまたはその一部を介して、スリップリングを用いて構成される電力ラインないし通信ラインの確保が担保される(共振による瞬断対策)。
さらに説明すると、ホール店に設置されて使用されるのに伴い、接触子41が接触する帯状部材51の面(表面)に塗布されたグリスに接触子41が乗り上げたり、回転演出部115bの本体115b1の溝に集まったゴミ等に接触子41が乗り上げたりすることが想定される。
より詳細には、回転演出部115bが回転している状態で乗り上げると、接触子41が乗り上げ後にバウンドして一時的に非接触状態になる。また、回転演出部115bが回転しておらず停止しているときに乗り上げると、その接触子41が非接触状態になる。このような非接触状態は、電力供給が一時的に遮断されるおそれがあり、好ましくない。
しかしながら、本実施の形態のように、接触子41が4つ(複数個)あれば、接触子41のすべてが同時に乗り上げて非接触状態になる可能性は極めて低いと言える。したがって、4つの接触子41のいずれかが乗り上げるときであっても、スリップリングを用いて構成される電力ラインないし通信ラインの確保が担保される(乗り上げによる瞬断対策)。
このような乗り上げによる非接触状態の発生をより確実に防止するための構成として、接触子41〜43の接点44を特殊な形状とすることが考えられる。
図34は、接触子41〜43の接点44を説明する図であり、(a)および(b)はその具体的な形状例を示す。
図34に示す接点44は、帯状部材51の表面にあるグリスやゴミ等をかき分けることが可能な形状に形成されている。すなわち、接点44は、帯状部材51の回転に伴い、グリス等を帯状部材51の表面から除去したり帯状部材51の表面における接点44との接触領域以外の領域に移したりするものである。
例えば、図34の(a)では、接点44が、半球状態でその極地が平たんになるように形成されている。平たんな部分が帯状部材51との接触部分44aとなる。すなわち、この場合の接点44は、平たんな接触部分44aによって面接触することになり、また、接触部分44aと球面との境界部分により、グリス等のかき分け作用を実現する。
なお、このようなかき分け作用は、正方向と逆方向との双方向で回転させることでより有用なものとなる。
また、図34の(b)では、接点44が多角形状に形成されている。すなわち、接点44の接触部分44aでは、接触子41〜43の長手方向の両端部が細くなっていると共に中間部(中央部)が広くなっている。言い換えると、接触部分44aの両端部が幅狭であり、中間部が幅広である。
また、接点44の接触部分44aは、平たんである。このため、帯状部材51に対する接点44の両端部のうち先頭側の一端部によるグリス等のかき分け作用を実現する。
〔ブラシ部40A,40Bの変形例〕
ブラシ部40A,40Bについて各種の変形例が考えられる。
本実施の形態では、回転演出部115bの回転が正方向および逆方向であることから(正逆の双方向回転)、接点44の接触部分44aにおける両端部を幅狭としている(図34の(b)参照)。しかしながら、一方向の回転のみの場合であれば、両端部のうち先頭側の一端部のみを幅狭に形成する変形例が考えられる。
また、本実施の形態では、接点44の接触部分44aの高さが略一定であるが(図34の(b)を参照)、接触部分44aの両端部と中間部とで高さが異なるように構成する変形例が考えられる。例えば、両端部が中間部よりも低い場合のほか、両端部が中間部よりも高い場合である。
また、本実施の形態では、ブラシ部40A,40Bにおける接触子41〜43におけるアーム長を同じものとしている。すなわち、ブラシ部40A,40Bの各々における隣り合う接触子41〜43同士の振動部分の長さを互いに同じ距離としている。
しかしながら、これに限らず、帯状部材51〜53の各々に対する4つの接触子41〜43の振動部分の長さが異なるような構成を採用するのであれば、ブラシ部40A,40Bの各々における隣り合う接触子41〜43同士の振動部分の長さを互いに異なる距離とする変形例も考えられる。
また、本実施の形態では、例えば4つの接触子41の各々における振動部分の長さ(接点44からねじ止め位置までの長さ)が互いに揃わないようにしているが、振動部分の長さがすべて同じでなければ、上述した共振による瞬断対策として有用である。すなわち、4つの接触子41の中に振動部分の長さが同じものがあったとしても、振動部分の長さが複数あればよい。
また、本実施の形態に係る接触子41〜43の取り付け部45は、4つの取り付け穴45a〜45dを持つが、これ以外の2以上の数とすることも考えられる。また、複数の取り付け穴の代わりに、接触子41〜43の長手方向に延びる長孔(不図示)を形成する変形例も考えられる。
かかる変形例の場合に、ブラシ部40Aないし40Bの組み立ての作業性低下を防止するために、予め定められた取り付け位置を作業者が視認可能になるように、何らかの目印等の表示を行うことが考えられる。例えば、接触子41〜43の取り付け部45に、ホルダ47に対する取り付け位置を示す刻印を設ける例が挙げられる。
また、本実施の形態に係る接触子41〜43の取り付け部45は、4つの取り付け穴45a〜45dを持つが、取り付け部45が取り付け穴45a〜45dのうちいずれか一つのみを持つ変形例も考えられる。すなわち、例えば、4つの接触子41については、ホルダ47への取り付けに用いる穴として、アーム長が距離Laとなる取り付け穴45aのみを持つもの、距離Lbとなる取り付け穴45bのみを持つもの、距離Lcとなる取り付け穴45cのみを持つもの、および距離Ldとなる取り付け穴45dのみを持つものを用いる変形例である。
この場合には、他の接触子42〜43についても、上述の接触子41と同じ構成となることから、その説明を省略する。
なお、本実施の形態では、帯状部材51〜53を回転側に配設し、ブラシ部40A,40Bを固定側に配設する構成を採用するが、逆の場合、すなわち、帯状部材51〜53を固定側に配設し、ブラシ部40A,40Bを回転側に配設する変形例も考えられる。
〔環状部50について〕
次に、回転演出部115bの環状部50について説明する。
図35は、環状部50の帯状部材51〜53の構成を説明する斜視図である。帯状部材51〜53の構成は共通するものであることから、まとめて説明する。
図35に示すように、環状部50が備える帯状部材51〜53の各々は、幅の狭い細長形状の板状部材であり、その板厚は比較的薄い。そして、帯状部材51〜53の各々は、回転演出部115bの本体115b1(例えば図30参照)の外周面に形成された三条の溝に巻き掛けられる(例えば図28参照)。なお、帯状部材51〜53の各々は、高導電率の例えば銅により構成される長手形状の導電性の部材である。
また、帯状部材51〜53の各々は、幅一定に形成された本体部54aと、本体部54aよりも幅が狭くなるように切り欠かれた一端部54bおよび他端部54cと、を備える。一端部54bの切り欠かれる部分は、他端部54cの切り欠かれる部分とは幅方向(図35における左右方向)に対してずれており、互い違いの位置関係である。
帯状部材51〜53の一端部54bは、回転演出部115bの本体115b1が持つ端子1151b11に固定して取り付けられる。この端子1151b11は、配線材1151b12を介して中継基板(不図示)と電気的に接続される。
また、帯状部材51〜53の他端部54cは、コイルバネ(余長バネ)55を介して本体115b1に取り付けられる。ここにいうコイルバネ55は、両端にフックが形成され、全長が伸ばされるように引っ張り荷重を受けると縮む方向に付勢力を発生させる引っ張りコイルバネである。すなわち、コイルバネ55の付勢力により本体115b1に締め付けられるように、帯状部材51〜53は本体115b1の三条の溝に各々配設される(図28参照)。
帯状部材51〜53は、このようにコイルバネ55を用いて本体115b1に取り付けられる。このため、周囲の温度変化により帯状部材51〜53の長さが伸びたり縮んだりしたとしても、コイルバネ55は、帯状部材51〜53の長さの変化を打ち消して巻き付け状態が維持されるように作用する。すなわち、回転演出部115bの周囲温度が変化しても、環状部50側の帯状部材51〜53とブラシ部40A,40B側の接触子41〜43との相互の接触状態が維持され、また、帯状部材51〜53と接触子41〜43との相互の接触状態が維持される。
図36は、環状部50の帯状部材51〜53の相互の位置関係を説明する図であり、(a)は、ブラシ部40A,40Bの接触子41〜43と共に示す環状部50の斜視図であり、また、(b)は(a)の部分拡大図である。なお、図36の接触子41〜43については、取り付け部45の取り付け穴45a〜45dを図示省略している。
図36に示す帯状部材51と帯状部材53は、いずれか一方が電力ラインの一部を構成し、他方が通信ラインの一部を構成する。例えば、帯状部材51が4つの接触子41と共に電力ラインの一部を構成する場合には、帯状部材53は、4つの接触子43と共に通信ラインの一部を構成する。また、帯状部材51が4つの接触子41と共に通信ラインの一部を構成する場合には、帯状部材53は、4つの接触子43と共に電力ラインの一部を構成する。
より具体的には、電力ラインに含まれる帯状部材51,53のいずれか一方は、所定電圧(例えば35V)用のスリップリングであり、他方が通信用(I/O用)のスリップリングである。
なお、通信ラインは、固定側のベース部材115a側に配置される送信モジュール39a(図37参照)と、回転側の回転演出部115b側に配置される受信モジュール39b(図37参照)と、を含んで構成される。
また、帯状部材52は、グランド用のスリップリングである。そして、図36に示すように、4つの接触子42が接触する帯状部材52は、帯状部材51と帯状部材53との間に位置する。
付言すると、帯状部材51は、可動役物115の奥側(パチンコ遊技機100の裏側)に位置するものであり、また、帯状部材53は、帯状部材51よりも可動役物115の手前側(パチンコ遊技機100の表側)に位置するものである(図28参照)。
〔環状部50の意義〕
ここで、可動体に対して相対移動接触部分(接点)を介して通信を行う構成を採用する場合、例えばノイズの影響により可動体が演出を行うためのデータが通信途中で消えたり改変したりすると、好ましくない。
そこで、可動体との間の相対移動接触部分におけるノイズの影響を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、曲線で形成される第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)、第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)および第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)を持ち、当該第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)、当該第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)および当該第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)が共に回転するように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に配設される演出用の可動体(例えば、回転演出部115b)と、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)に接触可能なように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定される第1の接触部(例えば、接触子41)と、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)に接触可能なように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定される第2の接触部(例えば、接触子43)と、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)に接触可能なように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定される第3の接触部(例えば、接触子42)と、を備え、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)は、前記第1の接触部(例えば、接触子41)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から電力を受け、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)は、前記第2の接触部(例えば、接触子43)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から信号を受け、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)は、当該可動体(例えば、回転演出部115b)において前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)と前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)との間に位置し、前記第3の接触部(例えば、接触子42)と接触することで当該可動体を接地することを特徴とするものである。
また、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定され、曲線で形成される第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)、第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)および第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)と、前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)と接触する第1の接触部(例えば、接触子41)、前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)と接触する第2の接触部(例えば、接触子43)および前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)と接触する第3の接触部(例えば、接触子42)を持ち、当該第1の接触部(例えば、接触子41)、当該第2の接触部(例えば、接触子43)および当該第3の接触部(例えば、接触子42)が共に回転するように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に配設される演出用の可動体(例えば、回転演出部115b)と、を備え、前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)は、前記第1の接触部(例えば、接触子41)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から前記可動体(例えば、回転演出部115b)に電力を供給し、前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)は、前記第2の接触部(例えば、接触子43)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から前記可動体(例えば、回転演出部115b)に信号を供給し、前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)は、前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)と前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)との間に位置し、前記第3の接触部(例えば、接触子42)と接触することで当該可動体(例えば、回転演出部115b)を接地することを特徴とするものである。
より詳細に説明する。3本のスリップリングは、上述のような並び方で配設されている。本実施の形態では、奥側の帯状部材51が所定電圧用のスリップリングであり、また、帯状部材52がグランド用のスリップリング、そして、帯状部材53がI/O用のスリップリングである。
上述したように、グランド用のスリップリングである帯状部材52は、所定電圧用のスリップリングである帯状部材51とI/O用のスリップリングである帯状部材53との間に位置する。言い換えると、所定電圧用のスリップリングとI/O用のスリップリングとが、グランド用のスリップリングを介して隔てられている。
このような電力ラインおよび通信ラインの配置構成を採用する場合には、演出制御部300ないしランプ制御部320(図3参照)と可動役物115の回転演出部115bとの間における通信の安定化を図ることができる。
より詳細に説明する。上述したように、回転演出部115bには、基板31〜33やモータ35〜37、後述のモータドライバ34b,34c、34e(図37参照)等が搭載されている(図29参照)。そして、電力ラインからのノイズの影響を受けることで、通信ラインで伝送されている制御データ(制御信号)が途中で消えたり改変されたりするおそれがある。このような場合には、例えばモータ35〜37に励磁がかかり続けたり、展開演出部115cが展開して画像表示部114を覆い隠す状態で停止したりするおそれがある。
しかしながら、本実施の形態では、所定電圧用の帯状部材51とI/O用の帯状部材53との間にグランド用の帯状部材52が位置する構成を採用し、これにより、電力ラインのノイズが通信ラインに及ぼす影響を軽減している。
付言すると、帯状部材51と帯状部材52との間は、本体115b1の溝と溝との間に形成された突部(不図示)が位置し、これにより、帯状部材51,52は互いに所定距離離れている。同じく、帯状部材52と帯状部材53との間は、本体115b1の溝と溝との間に形成された突部(不図示)が位置し、これにより、帯状部材52,53は互いに所定距離離れている。このような構成によってもノイズに起因する通信の悪影響が軽減される。
なお、帯状部材51〜53の各々の間にノイズの影響を低減可能な部材等を配置することで、さらにノイズ対策を行うことも考えられる。
〔環状部50の変形例〕
環状部50について各種の変形例が考えられる。
本実施の形態では、グランド用スリップリングとして1本の帯状部材52を備えているが、所定電圧用の帯状部材51とI/O用の帯状部材53との間に位置するグランド用の帯状部材52を複数本備える変形例が考えられる。これにより、例えば回転演出部115b以外のいずれかの場所から電力ラインに入力されたノイズが通信ラインに及ぼす影響をさらに軽減することが可能になる。
また、帯状部材52を、帯状部材51と帯状部材53との間に配置するほか、帯状部材53の外側にも配設することで、帯状部材53を帯状部材52で挟んで配置する変形例が考えられる。すなわち、帯状部材53を2本の帯状部材52で電気的に隔絶しようというものである。これにより、通信ラインに対するノイズの影響を低減させることが可能になる。
また、グランド用の帯状部材52を、帯状部材51と帯状部材53との間に配置するほか、帯状部材51の外側にも配置する変形例が考えられる。
なお、本実施の形態では、帯状部材51〜53を回転側に配設し、接触子41〜43を固定側に配設する構成を採用するが、逆の場合、すなわち、帯状部材51〜53を固定側に配設し、接触子41〜43を回転側に配設する変形例も考えられる。
〔SRS信号を用いるモータ制御について〕
次に、回転演出部115bが持つモータ35〜37の制御について説明する。
図37は、通信ラインに関する基板31〜33の構成例を説明するブロック図である。
図37に示す演出制御基板330は、演出制御部300のCPU301(図3参照)、画像/音響制御部310のCPU311(同図参照)およびランプ制御部320のCPU321(同図参照)等が搭載されている基板である。そして、回転演出部115bの基板31(図29参照)等との間でI/O用の帯状部材53を含む通信ラインを介して演出に関する各種の制御信号の送受を行う。
なお、通信ラインには、I/O用のスリップリングで互いに隔てられる送信モジュール39aおよび受信モジュール39bが含まれる。受信モジュール39bは、回転演出部115bに位置する。
図37に示すように、回転演出部115bの基板31は、所定時間内にラッチ信号(SLAT)を受信しないとクリア信号(CLR)を出力するウォッチドッグ(WD)回路部34aと、モータ35を駆動制御するモータドライバ(モータドライブIC)34bと、を備えている。
なお、ラッチ信号(SLAT)は、演出制御基板330から送信されるものである。
ここにいうWD回路部34aは、タイムアップするとハードウェアをリセットするタイマを持つものであり、WD回路部34aは、正常な状態(通常)ではタイマがタイムアップする前にラッチ信号(SLAT)を受信する回路構成内に位置する。そして、WD回路部34aにおいて、タイムアップ前にラッチ信号(SLAT)を受信するとタイマが再スタートされ、その一方で、ラッチ信号(SLAT)を受信することなくタイムアップすると、クリア信号(CLR)が送信される。そして、正常状態から異常状態になった場合、WD回路部34aは、ラッチ信号(SLAT)を受信することなくタイムアップし、ハードウェアを正常状態に戻すべくクリア信号(CLR)を送信する。
基板31のモータドライバ34bには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)、ラッチ信号(SLAT)および出力信号(SO)が入力される。
また、回転演出部115bの基板32は、モータ36を駆動制御するモータドライバ(モータドライブIC)34cを備えている。
このモータドライバ34cには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)およびラッチ信号(SLAT)が入力され、かつ、基板31のモータドライバ34bから出力された出力信号(SO)が入力される。
また、回転演出部115bの基板33は、データが回路内を順次移動していくように構成された論理回路を持つシフトレジスタ(シフトレジスタIC)34dと、モータ37を駆動制御するモータドライバ(モータドライブIC)34eと、を備えている。
シフトレジスタ34dには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)およびラッチ信号(SLAT)が入力され、かつ、基板32のモータドライバ34cから出力された出力信号(SO)が入力される。
また、モータドライバ34eには、シフトレジスタ34dから出力されたイネーブル信号(PHASE ENBL)が入力される。
ここで、基板31のモータドライバ34bおよび基板32のモータドライバ34cは、基板33のモータドライバ34eの機能とシフトレジスタ34dの機能とを併有するものである。すなわち、モータドライバ34b,34cは、シフトレジスタ34dの論理回路を持つものであり、モータドライバ34eは、シフトレジスタ34dの論理回路を持たないものである。
モータドライバ34b,34c,34eの各々には、WD回路部34aから出力されるクリア信号が入力される。付言すると、WD回路部34aからのクリア信号は、モータドライバ34b,34eの各々のSTANDBY端子に入力されると共に、モータドライバ34cのRESET端子に入力される。すなわち、WD回路部34aからクリア信号(CLR)が出力されると、モータドライバ34b,34c,34eがリセットされるように構成されている。
また、回転演出部115bの基板33は、データが回路内を順次移動していくように構成された論理回路を持つシフトレジスタ(シフトレジスタIC)34fを備えている。
このシフトレジスタ34fには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)およびラッチ信号(SLAT)が入力され、かつ、シフトレジスタ34dから出力された所定信号が入力される。
ここにいう所定信号は、演出制御基板330からの出力信号(SO)に含まれるシフトレジスタ監視信号である。すなわち、モータドライバ34b,34c,34eがノイズ等の原因によってハングアップしていることを把握するための信号であるSRS信号(SPIエラー信号)である。
このSRS信号は、演出制御基板330からHIとLOWを交互に出力する出力信号(SO)に含まれるものであり、ラッチ信号(SLAT)の受信を契機として、シフトレジスタ34fが入力信号(SI)として演出制御基板330に送信する。そして、SRS信号がシフトレジスタ34fに届くタイミングでラッチ信号(SLAT)が演出制御基板330により送信されると、シフトレジスタ34fは、SRS信号を演出制御基板330に送信する。
このように、モータドライバ34b,34c,34eのいずれも正常に作動している場合であれば、演出制御基板330は、ラッチ信号(SLAT)を送信するタイミングでシフトレジスタ34fからのSRS信号を受け取る。そして、SRS信号を受け取った場合には、演出制御基板330は、演出制御を継続し、次の出力信号(SO)やラッチ信号(SLAT)の送信等を行う。これにより、WD回路部34aにラッチ信号(SLAT)が送信され(正常状態)、上述したように、WD回路部34aのタイマがリセットされることから、WD回路部34aからクリア信号(CLR)が送信されない。
その一方で、モータドライバ34b〜34eの少なくとも一つが正常に作動していない場合には、演出制御基板330は、ラッチ信号(SLAT)を送信してもSRS信号を受け取ることができない。一定周期でHI/LOWを繰り返すSRS信号を受け取らない場合(一定時間信号の変化がない場合)、演出制御基板330は、次の出力信号(SO)の送信やラッチ信号(SLAT)の送信等の演出制御を継続しない。すなわち、WD回路部34aにラッチ信号(SLAT)が送信されない(異常状態)。このため、WD回路部34aのタイマがタイムアップし、クリア信号(CLR)がモータドライバ34b,34c,34eに送信される。
モータドライバ34b〜34eの各々は、WD回路部34aから送信されたクリア信号(CLR)を受信すると、対応するモータ35〜37を停止させる。言い換えると、クリア信号(CLR)は、モータ35〜37を停止させる信号であるということができる。
付言すると、シフトレジスタ34fから演出制御基板330に送信される入力信号(SI)には、上述のSRS信号と共にセンサ信号が含まれる。ここにいうセンサ信号は、センサ38a,38b,38c,38d,38e,38fから出力されるものであり、可動役物115の演出制御に用いられるものである。
これらセンサ38a〜38fは、回転演出部115b(図29参照)の位置および展開演出部115c(同図参照)の状態等を検出するためのものである。センサ38a〜38fには、例えば、小径外歯車86の回転の変位量(旋回刃80の先端部83の状態)を検出する検出部87(図46参照)や、揺動部材91の位置(旋回刃80の根元部82の原点位置、可変位置)を検出するフォトセンサ93,94(図49参照)等が含まれる。
図38は、演出制御基板330から送信される各種の信号についてのタイミングチャートであり、モータドライバ34b,34c,34e(図37参照)の各々が正常状態の場合を示す。なお、出力信号(SO)のすべてを図示せず、後ろ側の図示を省略している。
演出制御基板330と基板31〜33(同図参照)との間の通信は、マスターICとスレーブICとの間の通信を行うためのクロック同期式のシリアル通信の規格であるSPI(Serial Peripheral Interface)で行われる。
なお、かかるSPIの監視に伴い、SRS信号が出力信号(SO)に含まれている。付言すると、本実施の形態では、シリアル通信を採用するが、パラレル通信を採用することも考えられる。
図38に示すように、クロック信号(SCLK)に同期して、ラッチ信号(SLAT)が演出制御基板330から送信されると、入力信号(SI)がシフトレジスタ34fから演出制御基板330に送信される。次に、出力信号(SO)が演出制御基板330から送信される。
この出力信号(SO)には、上述したようにSRS信号(図38のSOにおいてハッチングにより図示)が含まれる。そして、SRS信号は、出力信号(SO)の先頭部分に位置するものである。すなわち、SRS信号は、出力信号(SO)として演出制御基板330から最初に送信されるものである。
付言すると、出力信号(SO)において、SRS信号は1ビットであるものの、SPIは8ビット単位でデータ送信されることから、3ビットをブランク信号としている(図38に×で図示)。このブランク信号は、HIでもLOWでも演出制御に影響されないものである。
なお、出力信号(SO)の一部を空データ(LOW)とすることで、出力信号(SO)が非作動指示を含む場合がある。すなわち、出力信号(SO)には、動作指示のほかに非動作指示をも含ませることができる。これにより、モータドライバが正常状態であることを確認することが可能になる。
また、出力信号(SO)には、SRS信号に続いてモータ35〜37に対する信号が設定されている。すなわち、モータ37の制御信号、モータ36の制御信号およびモータ35の制御信号の順番で出力順が予め設定されている。
このような順番は、出力信号(SO)がモータドライバ34b,34c,34eの順にシフトされていくということによるものである。すなわち、シフトレジスタ34fにSRS信号が送信される時点で、モータドライバ34eがモータ37の制御信号を保持し、また、モータドライバ34cがモータ36の制御信号、モータドライバ34bがモータ35の制御信号をそれぞれ保持(格納)することになる。
そして、このようなシフトレジスタ34fにSRS信号が送信される時点で、ラッチ信号(SLAT)が演出制御基板330から送信されると、モータドライバ34bにより保持される制御信号がモータ35に送られ、また、モータドライバ34cにより保持される制御信号がモータ36、モータドライバ34eにより保持される制御信号がモータ37にそれぞれ送られる。そして、この時点で、シフトレジスタ34fにより保持されるSRS信号が、センサ38a〜38fのセンサ信号と共に演出制御基板330に入力信号(SI)として送信される(図38のSIにおいてハッチングにより図示)。
付言すると、出力信号(SO)は、複数のモータドライバ34b,34c,34eによって受信されるものである。
なお、本実施の形態では、出力信号(SO)において、モータ35〜37に対する制御信号がSRS信号に続いている。モータ35〜37に対する制御信号は、演出制御基板330から接触子43および帯状部材53を介して可動役物115の回転演出部115bに送信されるものである(図37参照)。
さらに説明すると、本実施の形態では、出力信号(SO)において、モータ35に対する制御信号に続くものは、回転演出部115bについてのものではなく、回転駆動部115eが持つ例えばモータ21(図31参照)の制御信号が含まれる。
〔SRS信号を用いるモータ制御の意義〕
ここで、演出体に駆動力を供給するための駆動制御系が正常に作動しないと、演出体による演出内容を実行することができず、好ましくない。
そこで、演出体の異常状態を検出することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、複数の駆動源(例えば、モータ35,36,37)により動きの演出を行う演出体(例えば、可動役物115)と、前記複数の駆動源(例えば、モータ35,36,37)の各々に対応して設けられ、当該対応する駆動源(例えば、モータ35,36,37)を制御信号に応じて駆動制御する複数の駆動制御手段(例えば、モータドライバ34b,34c,34e)と、前記複数の駆動制御手段(例えば、モータドライバ34b,34c,34e)の各々に対応して設けられ、前記制御信号が順次入力され、入力された制御信号のうち自身に対応する前記駆動制御手段(例えば、モータドライバ34b,34c,34e)に渡す制御信号を所定のタイミングで取得する取得手段(例えば、シフトレジスタ34d,34f、モータドライバ34b,34c)と、前記制御信号(モータの制御信号)と当該制御信号以外の特定信号(SRS信号)とを含む信号(出力信号)を出力する出力手段(例えば、CPU321)と、を備えることを特徴とするものである。
前記出力手段(例えば、CPU321)に対し、前記信号に含まれる前記特定信号(SRS信号)を前記所定のタイミングで返す返信手段(例えば、シフトレジスタ34f)と、前記所定のタイミングで前記返信手段(例えば、シフトレジスタ34f)による前記特定信号(SRS信号)を前記出力手段(例えば、CPU321)が受け取らない場合に異常が発生したとの判定を行う判定手段(例えば、CPU321)と、をさらに備えることを特徴とすることができる。
より詳細に説明する。送信した出力信号(SO)を順次受け取る複数のモータドライバのうち途中のモータドライバ(例えば図37のモータドライバ34c)が何らかの理由で停止してしまっている場合には、最後のモータドライバ(同図のモータドライバ34e)まで出力信号(SO)が届かない。そのような事態(異常状態の発生)を演出制御基板330が把握できないと、例えばモータ駆動が正常に行われず、予定どおりの動きの演出が行われない。
このような異常状態の発生を検出するために、追加のセンサ等を設けることが考えられるが、異常状態の発生を確実に把握できるとは限らず、さらには、設置スペースを確保する必要性やコストダウンの実現が困難になる等の新たな問題点が生じ得る。
そこで、本実施の形態は、モータ35〜37を駆動制御するモータドライバ34b,34c,34e(図37参照)のいずれかがハングアップ状態(異常状態)になっているか否かを、SRS信号の受け取りの有無によって検出する構成を採用する。
ラッチ信号(SLAT)を送信してもSRS信号の受け取りがない場合、演出制御基板330は、ハングアップ状態が発生したとして、モータドライバ34b,34c,34eのすべてに対してクリア信号(CLR)を送信する。これにより、モータドライバ34b,34c,34eに関する異常状態から正常状態へと移行する(正常状態の復帰)。
このように、異常状態有無の検出と異常状態検出時の対処が、演出制御基板330に搭載されているCPU321(図3参照)のソフトウエアにより実現される。
さらに説明すると、本実施の形態における監視対象は、モータドライバ34b,34c,34e(図37参照)である。仮にモータドライバ34b,34c,34eのうち製品としての信頼性が同じではなく、とりわけモータドライバ34bやモータドライバ34eの信頼性がモータドライバ34cに比べて低い場合について以下説明する。
この場合、監視対象をモータドライバ34b,34eとすることが考えられる。また、モータドライバ34eにより駆動されるモータ37がモータドライバ34bにより駆動されるモータ35よりも演出上の重要性が低い場合には、監視対象からモータドライバ34eを除外する構成が考えられる。
そこで、以下の説明では、監視対象がモータドライバ34bのみであるとする。なお、監視対象が、例えばモータドライバ34b,34c,34eである場合には、以下の説明をそのように読み替えることにより適用可能である。
監視対象であるモータドライバ34bの後段に、ラッチ信号(SLAT)を契機にSRS信号を演出制御基板330に送信するシフトレジスタ34fを配置する(図37参照)。すなわち、シフトレジスタ34fは、演出制御基板330からの出力信号(SO)に含まれるSRS信号が順次渡される順番における後側に配置されている。言い換えると、本実施の形態では、出力信号(SO)のSRS信号がモータドライバ34bに渡された後にシフトレジスタ34fに渡される配置構成を採用している。
付言すると、本実施の形態では、SRS信号が監視対象であるモータドライバ34bから他のモータドライバ等を介してシフトレジスタ34fに渡されるものであるが、監視対象からシフトレジスタ34fに直接渡される変形例も考えられる。
もし監視対象であるモータドライバ34b(図37参照)がハングアップしている場合には、SRS信号がシフトレジスタ34fには行かない。したがって、シフトレジスタ34fは、ラッチ信号(SLAT)を受信するとき、センサ信号を演出制御基板330に送信できるものの、演出制御基板330が送信したSRS信号を演出制御基板330に返信することができない。
付言すると、シフトレジスタ34fがラッチ信号(SLAT)の受信を契機に行う演出制御基板330への送信形態として、SRS信号およびセンサ信号を送信する態様と、センサ信号のみを送信する態様と、がある。前者が正常状態であり、後者が異常状態である。
このように、演出制御基板330(図37参照)は、自身が送信したSRS信号受信の有無によって監視対象が異常状態にあるか否かの検出(判定)を行う。異常状態にあることを検出すると、演出制御基板330は、次の出力信号(SO)の送信を行わない。また、異常状態にあるとの検出により、上述したように、WD回路部34aからモータドライバ34b,34c,34eにクリア信号(CLR)が一斉に送信される。かかるクリア信号(CLR)の受信により、モータドライバ34b,34c,34eに蓄積されている出力信号(SO)の制御信号がクリアされ、これにより、例えば監視対象に対応する駆動源が動作していたとしても、駆動源は停止する。こうして、異常状態から正常状態への復帰動作が行われる。
本実施の形態では、上述した制御を行うことから、出力信号(SO)およびラッチ信号(SLAT)を送信することで異常状態が検出される。このため、実際にモータ駆動の演出が行われたことを別のセンサで検出する構成を採用する必要がなく、かつ、モータ駆動の演出を行わなくても異常状態が検出される。
また、監視対象に対応するモータで励磁状態が継続されている状態が発生しても、クリア信号(CLR)により励磁状態が停止される。言い換えると、モータ制御に対応する出力信号(SO)の部分がノイズ等によって消えてしまう事態のほかに、モータ制御に対応する出力信号(SO)の部分がノイズ等によって変わってしまう事態にも対応することが可能である。
〔SRS信号を用いるモータ制御の変形例〕
モータ制御について各種の変形例が考えられる。
本実施の形態において図37に示す基板31〜33の構成はその一例であり、WD回路部34a、モータドライバ34b,34c,34eおよびシフトレジスタ34d,34fの各々を基板31〜33のいずれに搭載するかは、諸条件により適宜決定すればよい。
また、本実施の形態では、出力信号(SO)の先頭部分にSRS信号を設定した上で、出力信号(SO)が順次渡されるモータドライバ34b,34c,34eの後ろ側に、シフトレジスタ34fを配置する構成を採用するが、シフトレジスタ34fの位置は監視対象よりも出力信号(SO)のシフト方向後ろであれば足りる。このため、シフトレジスタ34fのシフト方向前側に監視対象を配置し、シフト方向後ろ側に非監視対象を配置する変形例が考えられる。
また、本実施の形態では、演出制御基板330は、予め定められた動作制御プログラム(ファームウェア)に従ってデジタル演算処理を実行するCPU(図37で不図示)と、CPUの作業用メモリ等として機能すると共にCPUにより実行される処理プログラムや処理プログラムにて用いられる設定値等のデータが格納されるメモリ(図37で不図示)と、で構成されている。
そして、本実施の形態では、SRS信号受信の有無による異常状態の判定を、演出制御基板330のCPUにより実現するが、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)による回路構成も考えられる(ハードウェア構成)。このようなハードウェアによる構成を採用すると、演出制御基板330のCPUやメモリ等を使用することなく、回路単体で動作することができるようになる。
また、本実施の形態では、通信ラインの一部を接触子43とI/O用の帯状部材53との接触によるスリップリングを介して構成する場合を説明したが、このようなスリップリングを介さない場合についても適用することが考えられる。例えば、可動役物115において回転演出部115b以外の場所に設けられるモータ(例えば図31の(a)に図示のモータ21)の制御に適用するものである。
また、本実施の形態では、SRS信号を用いてモータドライバ34b,34c,34eの異常状態を検出する構成例や制御例を採用し、回転演出部115bの展開演出部115cが備えるLEDドライバ(不図示)の異常状態の検出をしていないが、LEDドライバの異常を検出する変形例が考えられる。
〔電力ラインの瞬断対策について〕
次に、電力ラインが瞬断する場合の対策について説明する。かかる対策は、電力ラインが瞬断する一方で通信ラインは瞬断しない場合を想定した対策である。
まず、電力ラインの瞬断対策についての意義について説明する。
本実施の形態では、電力ラインのみならず通信ラインも、スリップリング構造を含むものである。そして、通信ラインでの制御の安定化を図るべく、上述したように、モータ制御に対しては図37に示す構成を採用し、異常状態をより確実に把握できるようにしている。
また、通信ラインに関して信頼性を高めるために、別の制御を実行する。以下具体的に説明する。
帯状部材53(例えば図28、図37参照)を介する通信は、I/O用のスリップリングを介して配置される送信モジュール39a(図37参照)と受信モジュール39b(同図参照)との間で、例えばラッチ1回分(0.5ms)内に複数回応答し合う。すなわち、受信モジュール39bは、送信モジュール39aによる送信データを受信すると、サム(SUM)値を返す制御を行う。同じデータの送信およびその都度のサム値送信が0.5ms内に複数回行われる。
なお、上述のとおり、帯状部材53は、連続する曲線で形成されているが(図35、図36参照)、直線の部分を含むものであってもよい。
このように、同じデータを受信する度にサム値チェックを行う。そして、複数回のサム値チェックの結果に応じて通信が正常であるか否かを判定する。すなわち、例えば全てのチェック結果でサム値が一致していれば、通信は正常に行われたものとされる。また、全てのチェック結果についてサム値が一致していなければ、通信は正常に行われておらず、異常である。
さらには、サム値が一致している場合とサム値が一致していない場合とが混在する場合には、多数決で正常であるか否かを判定する。より具体的には、サム値が一致している場合が多数のときは、通信は正常に行われたものとされ、サム値が一致していない場合が多数のときは、通信は正常に行われていないとされる。
通信が正常でない場合、送信モジュール39a(図37参照)は通信モジュールエラーを受信モジュール39b(同図参照)等に送信する。また、送信モジュール39aは、ラッチ信号(SLAT)の出力を停止する。このような通信モジュールエラーが送信されると、回転演出部115b(例えば図27、図28参照)は所定位置すなわち原点に戻る。
例えば、このような送信モジュール39aと受信モジュール39bとの間の通信が行われている際に、所定電圧用の帯状部材51と接触子41とが瞬間的に非接触になる場合(瞬断)、通信が停止してしまうと、回転演出部115b(例えば図27、図28参照)による演出が停止してしまい、好ましくない。また、再起動の復帰制御が複雑化するおそれもある。
そこで、本実施の形態では、可動役物115の回転演出部115bが電源のバックアップ部として、後述の電解コンデンサ62(図39参照)を備えている。以下、詳細に説明する。
なお、本実施の形態では、電力ラインの一部にスリップリング構造を採用する例を説明するが、無接点給電に適用することも考えられる。
図39は、電力ラインに関する基板31〜33の構成例を説明するブロック図であり、基板31〜33が図示されているという点で図37に対応するものであるといえる。
図39に示すように、回転演出部115bは、電圧を変換するレギュレータ61を備えている。すなわち、このレギュレータ61は、電力ラインの一部を構成する接触子41および帯状部材51を介する入力電圧35Vを出力電圧5Vに変換する。
レギュレータ61により変換された電圧5Vは、基板31〜33の各々に供給される。なお、モータ35〜37(図29、図37参照)には、35Vが供給される。
本実施の形態では、基板31に上述の受信モジュール39bが搭載されている。この受信モジュール39bは、基板31に供給される電力を受けて動作する。なお、受信モジュール39bは、上述のとおり通信ラインの一部を構成する。
また、基板31〜33の各々には、電源のバックアップ部としての電解コンデンサ62が搭載されている。すなわち、基板31が電解コンデンサ62を搭載し、基板32も電解コンデンサ62を搭載し、また、基板33も電解コンデンサ62を搭載する。
かかる電解コンデンサ62は、レギュレータ61からの電力を常に蓄積していくものであり、比較的大容量の電荷を蓄えることが可能である。なお、電解コンデンサ62の代わりに、他の蓄電デバイスを用いることも考えられる。
また、本実施の形態では、基板31,32に、発光LEDを駆動するLEDドライバ63が搭載されている。ここにいう発光LEDは、展開演出部115c(例えば図29参照)が備えるものであり、これにより光による演出が行われる。
なお、本実施の形態において図39に示す基板31〜33の構成はその一例であり、電解コンデンサ62を基板31〜33のいずれにも搭載する構成であれば、受信モジュール39bおよびLEDドライバ63の各々を基板31〜33のいずれに搭載するかは、諸条件により適宜決定すればよい。また、基板31〜33の一部または全部に、発光LEDを搭載する構成例も考えられる。
LEDドライバ63および/または発光LEDが搭載された基板31〜33を電飾基板ということができる。すなわち、本実施の形態では、電飾基板31〜33に電解コンデンサ62が搭載されている。
〔電力ラインの瞬断対策の意義〕
ここで、可動体側でのデータの中に、遊技機側に送信する必要があるものが含まれている場合には、その後の演出制御に影響が及んでしまう。
そこで、可動体の給電が一時的にできなくなることに起因する影響を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に回転可能に配設される演出用の可動体(例えば、回転演出部115b)と、環状体(例えば、帯状部材51,52,53)と当該環状体(例えば、帯状部材51,52,53)に接触可能な接触部(例えば、接触子41,42,43)とのいずれか一方が前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定され他方が前記可動体(例えば、回転演出部115b)と共に回転可能に構成され、当該遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から当該可動体(例えば、回転演出部115b)に電力を供給する供給手段(例えば、電力ライン)と、を備え、前記可動体(例えば、回転演出部115b)が持つ基板(例えば、基板31)は、当該可動体(例えば、回転演出部115b)から前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に送るべきデータを保持するデータ保持部(例えば、保持部39b1)を搭載すると共に前記供給手段(例えば、電力ライン)による電力供給がなされなくなったときまたは供給電力が不足するときに当該データ保持部(例えば、保持部39b1)に対して電力を供給する電源部(例えば、電解コンデンサ62)を搭載することを特徴とするものである。
より詳細に説明する。接触子41が所定電圧用の帯状部材51と非接触になって瞬断すると(電力ラインの遮断)、レギュレータ61からの給電が停止される。このため、レギュレータ61からの電力で受信モジュール39bやLEDドライバ63を作動させることができない。すなわち、接触子43がI/O用の帯状部材53と接触していて通信ラインが確保されているとしても、レギュレータ61からの電力で通信を行うことができない。
しかしながら、本実施の形態では、基板31〜33の各々に電解コンデンサ62が搭載されている。そして、このような電力ラインの瞬断時には、基板31〜33の各々は、自身が備える電解コンデンサ62に蓄積された電荷を使って、受信モジュール39bやLEDドライバ63を作動させる。すなわち、基板31〜33の外部からの電源バックアップを受けない。なお、外部からの電源バックアップを受ける構成も考えられる。
また、電力ラインの瞬断時に、受信モジュール39bが備える保持部39b1によるデータの保持を可能にする。すなわち、瞬断があった場合でも、送信モジュール39aに送信すべき情報、例えば以前に発生したエラーの内容を示すエラー情報を、受信モジュール39bが保持可能である。また、電力ラインの瞬断時に、LEDドライバ63が持つデータの保持も可能にする。
これにより、回転演出部115bは、送信モジュール39aとの間で通信を開始ないし継続することができ、また、LEDドライバ63による発光LEDの光演出を行うことができる。付言すると、発光LEDには、基板31〜33のいずれかの電解コンデンサ62から給電される。
このような電解コンデンサ62による電源バックアックは、所定時間内に限られる。より具体的には、電解コンデンサ62は、例えば10ms未満の停電に対応可能である。このような短い時間といえども、電源バックアップを基板31〜33のいずれにも搭載する構成は意義がある。
すなわち、本実施の形態では、スリップリング構造で電力ラインを形成する構成を採用し、かつ、回転演出部115bが接触子41〜43が帯状部材51〜53と常に接触するように構成しているものの、回転演出部115bの回転中に生じる振動等により、瞬断がまったく発生しないわけではない。
瞬断が発生しないように構成することも考えられるものの、スペース的な事情やコスト的な事情で完全を期すことは困難である。また、回転演出部115bに重量のある電源を設置する構成では、回転演出部115b自体の重量が増え、スピード感のある動き演出を実行しようとすると、モータの大型化を図る必要があり、設置スペースやコスト上昇を招くおそれがある。
そこで、本実施の形態では、きわめて短い時間間隔での電力遮断である瞬断が発生することがあり得ることを前提とし、瞬断発生時の演出面への影響をより少なくするための構成を採用している。すなわち、基板31〜33に搭載の電解コンデンサ62によって、通信の安定化を図り、通信手段の確保および光演出実行の確保を図っている。
付言すると、電解コンデンサ62による電源バックアップが所定時間を超えてしまうような長い電力ラインの遮断には対応しない。そのような事態が発生する確率は瞬断の場合に比べると低いものであるとして、電源バックアップのための容量を必要以上に大きくせず、電源バックアップによるコスト上昇を抑制する。
〔電力ラインの瞬断対策の変形例〕
なお、本実施の形態では、瞬断発生時の電源バックアップとして電解コンデンサ62を備える構成を説明したが、電力ラインからの供給電力が所定以下になった場合(供給電力が不足する場合)の電源バックアップとしても用いることが考えられる。
〔別の可動役物118について〕
ここで、上述した可動役物115とは別にパチンコ遊技機100が備える別の可動役物118について説明する。かかる可動役物118は、パチンコ遊技機100の平面視で遊技盤110(図1参照)と可動役物115との間に位置する。すなわち、可動役物118は、可動役物115の前側に配設されており、例えば遊技盤110の上方に位置して降下することで画像表示部114の前に登場する。
図40−1、図40−2、図41および図42は、別の可動役物118を説明する図である。図40−1は、本体部118aにフレキシブル基板70Bが取り付けられている状態を示す図であり、図40−2は、本体部118aに取り付けられている状態のフレキシブル基板70B単体を示す図である。図40−1および図40−2の各々の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。なお、図40−1および図40−2を「図40」ということがある。
また、図41は、取り付け前の状態を示す斜視図であり、(a)は分解斜視図で、曲げた状態のフレキシブル基板70Bを示している。図41の(b)は、曲げる前の状態のフレキシブル基板70Aの斜視図である。また、図42は、フレキシブル基板70を本体部118aに取り付ける位置を説明する正面図であり、図40−1の(b)に対応するものである。
図40〜図42に示すように、可動役物118の本体部118aは、外形形状が単調でなく、変化に富むものであり、一体に成形された樹脂製の板状部材である。言い換えると、本体部118aは、段差のある部分を持つ。
そして、平たんな形状から曲げても破損しないフレキシブル基板70が、本体部118aの形状に沿わせるように取り付けられる。かかるフレキシブル基板70を、平たんな場合にフレキシブル基板70Aといい、本体部118aの形状に倣うように曲げられた場合にフレキシブル基板70Bということがある。なお、フレキシブル基板70は、例えば板厚0.3mmの一層基板を用いることが考えられる。
まず、可動役物118の本体部118aの構成について、より詳細に説明する。
〔別の可動役物118の本体部118a〕
図40−1の(b)で示す正面視から明らかなように、本体部118aは、正面視で左右略対称の形状である。
より具体的に説明すると、かかる本体部118aは、例えば図41の(a)に示すように、正面視で横長の矩形形状部118a1と、矩形形状部118a1と連続して形成され、左右両端の各々から下方に延びる下行形状部118a2と、を備えている。また、本体部118aは、矩形形状部118a1および下行形状部118a2の周縁に沿って形成され、前方(図40−1の(a)における紙面右斜め下側)に延びるフランジ部118a3を備えている。
本体部118aの矩形形状部118a1は、正面視で矩形形状部118a1における上側に位置する上部分118a11と、下側に位置する下部分118a12と、を有する。とりわけ図40−1の(a)および(c)で明らかなように、下部分118a12は、上部分118a11と比べると前方に張り出すようになっている。また、下部分118a12は、上部分118a11よりも大きい曲率半径で形成されているといえる。
とりわけ図41の(a)に示すように、下部分118a12の正面視略中央の位置に、フレキシブル基板70の取り付けに用いられる中央部分118a121が形成されている。
また、矩形形状部118a1は、上部分118a11および下部分118a12の各端と下行形状部118a2とを互いに接続すると共に比較的大きく湾曲する大湾曲部分118a13を有する。
そして、矩形形状部118a1において、上部分118a11と下部分118a12との間に、正面視で横方向に細長く延びる壁部分118a14が形成されている。言い換えると、この壁部分118a14は、互いに前後方向に対してずれている上部分118a11と下部分118a12との間に形成される段差をつないで連続的な面を構成するものである。
さらに説明すると、本体部118aは、矩形形状部118a1および下行形状部118a2にわたって形成され、フランジ部118a3に囲まれる表面部118a4を有する。この表面部118a4は、フレキシブル基板70が取り付けられる領域であり、平たんに形成されているものではなく、起伏のあるものである。
付言すると、表面部118a4は、平たんな面が形成されていないような曲面形状である。
また、本体部118aは、曲げた状態のフレキシブル基板70Bを保持するための部分として、上述した中央部分118a121のほかに、例えば下行形状部118a2に形成された取り付け爪部118a21を持つ。
付言すると、本体部118aは、遊技盤110(図1参照)に取り付けるためのボス状の取り付け部を複数有する。
〔別の可動役物118が備えるフレキシブル基板70〕
フレキシブル基板70は、上述したように、たわませて曲げることができる変形可能なものである。すなわち、フレキシブル基板70は、通常は平たんであり(図41の(b)のフレキシブル基板70A参照)、曲げられるとそれに従う柔軟性がある(同図の(a)のフレキシブル基板70B参照)。フレキシブル基板70Bは連続曲面になっている。
フレキシブル基板70の外形形状は、フランジ部118a3に囲まれる本体部118aの表面部118a4の形状に対応する。
すなわち、フレキシブル基板70は、正面視で横長に形成され、本体部118aの矩形形状部118a1に対応する外形形状の矩形形状部71を備えている。
この矩形形状部71は、図42に示すように、5箇所で本体部118aに取り付けられる。
さらに説明すると、本体部118aの表面部118a4のうち、フレキシブル基板70の矩形形状部71が取り付けられる領域以外の領域には、リジッド基板72が取り付けられている。このリジッド基板72は、本体部118aの下行形状部118a2に対応する外形形状であり、下行形状部118a2の起伏のない平たんな面に取り付けられる。
そして、フレキシブル基板70とリジッド基板72とは、信号線ないし電力線としてのケーブル73により互いに電気的に接続されている。すなわち、ケーブル73は、フレキシブル基板70の矩形形状部71の左右両端の各々から下方に延び、リジッド基板72に達している。
付言すると、リジッド基板72は、本体部118aの取り付け爪部118a21に対応する取り付け穴部72aを有する。すなわち、図42に示すように、リジッド基板72を本体部118aに取り付ける場合には、リジッド基板72の取り付け穴部72aを本体部118aの取り付け爪部118a21に係合させることで、リジッド基板72を本体部118aの下行形状部118a2に取り付けることができる。
また、フレキシブル基板70は、コネクタや、本体部118aの取り付け部に対応する逃げ穴、自身を本体部118aと係合するための穴部、各種のスルーホール等を有する。
フレキシブル基板70の話しに戻って説明を続ける。
フレキシブル基板70の矩形形状部71は、本体部118aの上部分118a11に対応する外形形状の上部分71aと、本体部118aの下部分118a12に対応する外形形状の下部分71bと、を有する。
付言すると、フレキシブル基板70の下部分71bは、本体部118aの中央部分118a121に対応する部分がない。すなわち、フレキシブル基板70の下部分71bは、中央に向かって延びるものの互いにつながっておらず、いわば片持ち形状ともいえるものである。
また、フレキシブル基板70の矩形形状部71は、外形形状が大湾曲部分118a13の外形形状に対応する接続部分71cを有する。すなわち、矩形形状部71の接続部分71cは、通常は平たんであるものの(図41の(b)のフレキシブル基板70Aを参照)、フレキシブル基板70が外力により曲げられることで、矩形形状部118a1の大湾曲部分118a13と同じような曲がり具合とすることが可能である(図41の(a)のフレキシブル基板70Bを参照)。
また、フレキシブル基板70において、上部分71aと下部分71bとの間に、本体部118aの壁部分118a14による段差形状に対応するための切欠き部分71dが形成されている。この切欠き部分71dは、矩形形状部71の長手方向に沿って延びるものであり、また、下部分71bは、本体部118aの中央部分118a121に対応する部分がなく、片持ち形状である。
このような構成によって、フレキシブル基板70の下部分71bは、破損のおそれなく大きな曲がり具合の状態で本体部118aに取り付けることが可能になる。
なお、本実施の形態では、光演出を行う可動役物118の本体部118aに、発光LED75を搭載するフレキシブル基板70が取り付けられる構成例を説明したが、フレキシブル基板70が発光LED75を搭載しない場合にも、同じく適用することが考えられる。
また、可動役物118の光演出以外の動き演出に用いられる基板として、フレキシブル基板70を用いる構成例も考えられる。
さらに、本実施の形態では、フレキシブル基板70およびリジッド基板72を備える構成を採用するが、リジッド基板72の代わりに、フレキシブル基板70とは別のフレキシブル基板とする構成例も考えられる。
また、本実施の形態では、フレキシブル基板70およびリジッド基板72という2枚の基板を備え、両者をケーブル73で接続する構成を採用するが、リジッド基板72の回路を含むフレキシブル基板70のみとし、ケーブル73を省略する構成例も考えられる。
〔別の可動役物118が備えるフレキシブル基板70の意義〕
ここで、例えば演出体の外形を広い範囲にわたって発光させて光演出等の所定の演出を行う場合に、より簡易な構造で実現することが好ましい。
そこで、所定の演出をより簡易な構造で実現することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)が備える基板(例えばフレキシブル基板70,70A,70B)に、当該基板(例えばフレキシブル基板70,70A,70B)が取り付けられる部分の形状に倣うように変形するための切欠き(例えば切欠き部分71d)が形成されていることを特徴とするものである。
より詳細に説明する。フレキシブル基板70には、可動役物118が光による演出を実行するのに用いられる複数の発光LED75が実装されている電飾基板であり、また、図42に示す抵抗器76やLEDドライバ(不図示)も実装されている。そして、上述したように、可動役物118の本体部118aは、起伏の変化に富む表面部118a4を持つ。
かかる表面部118a4の形状は、効果的な演出の観点から設計されたものであり、そのような表面部118a4を光らせる必要があることから、発光LED75を搭載する基板を表面部118a4に取り付ける必要がある。そのような場合、曲面形状に曲げることが困難な一般的な基板を小さな形状にしてその複数枚を、表面部118a4の発光すべき位置に取り付ける構成が考えられる。
しかしながら、複数枚の基板を用いることで、基板同士をつなぐコネクタを基板に実装する必要があり、また、コネクタ同士をつなぐケーブルも必要になる。そのため、基板はその分だけ大型化したり周辺空間が混雑化して例えば放熱の問題が発生したりすることが想定される。これに対応すべく、基板を小型化すると、例えば発光LED75を駆動するLEDドライバを搭載することが困難になって配線が複雑化するおそれがある。
また、曲面形状に沿わせて基板を取り付けることができないことから、スペース的な問題が発生し得る。さらに、部品点数が多くなることから、組み立て作業が複雑化し、製造コストを低減させることが困難になるという問題も発生し得る。
そこで、本実施の形態では、フレキシブル基板70を用いることで、上述した問題に対応するものである。すなわち、本体部118aの表面部118a4の形状に合わせるように変形可能なフレキシブル基板70を用い、しかも、1枚のフレキシブル基板70に必要な発光LED75を実装することで、複数枚の基板とする場合に必要となるコネクタやケーブルをなくしている。これにより、1枚のフレキシブル基板70を本体部118aの表面部118a4の形状に倣うように取り付けることが可能になり、電飾部分回りの構造を簡素化することが可能になる。
さらには、フレキシブル基板70に、長手方向に延びる切欠き部分71d(図41の(a)参照)を形成することで、フレキシブル基板70の曲げ可能量(変形可能量)を大きくしている。また、フレキシブル基板70の下部分71b(図41参照)を長手方向中央位置で互いに分離することで、大きく曲げても、それに伴ってパターンに与えるダメージが低減され、部品としてのフレキシブル基板70の信頼性の低下を防止することが可能になる。
このような部品の信頼性という観点では、図42に示すように、フレキシブル基板70が曲げられた場合に抵抗器76の半田付け部分76aが剥離するように作用する入力が軽減されるように、配設されている。すなわち、抵抗器76は、2つの半田付け部分76aがフレキシブル基板70の長手方向(図42での左右方向)において互いに異なる位置になるように、配設されている。
また、とりわけ図42に示すように、本実施の形態では、可動役物118の本体部118aの表面部118a4をほぼ覆うようにフレキシブル基板70Bを取り付けることから、フレキシブル基板70に広い領域のグランドを確保することができ、ノイズ対策をより効果的に行うことが可能になる。
以上が、可動役物115とは別にパチンコ遊技機100が備える別の可動役物118(図40〜図42参照)についての説明である。
〔可動役物115の展開演出部115c〕
次に、可動役物115が備える展開演出部115c(図27〜図29参照)の構成について図43〜図49を用いて説明する。なお、展開演出部115cは、上述したように、回転演出部115b(例えば図28参照)に取り付けられるもので、回転演出部115bと共に回転する。
かかる展開演出部115cは、回転演出部115bの円周方向に略等分配置された4つの旋回刃80A,80B,80C,80Dを備えている(例えば図29参照)。これら4つの旋回刃80A,80B,80C,80Dの基本的な構造は共通するものであり、これらをまとめて旋回刃80ということがある。以下、展開演出部115cが備える旋回刃80A〜80Dの代表として、旋回刃80Aを説明図示し、他の旋回刃80B〜80Dの説明図示を省略することがある。
〔展開演出部115cの旋回刃80A〕
図43は、展開演出部115cの一部を構成する旋回刃80Aの正面図であり、図44はその背面図である。図43および図44の各(a)は、展開演出部115cが収納状態である場合の旋回刃80A,80を示し、各(b)は、展開演出部115cが展開後の状態(展開状態)である場合の旋回刃80A,80を示す。
図43および図44に示すように、展開演出部115cの旋回刃80Aは、回転演出部115b(例えば図28参照)に固定される基部81と、基部81に対して回転可能な湾曲した長手形状の根元部82と、根元部82に取り付けられ、根元部82に対して回転可能な先端部83と、を備えている。
旋回刃80Aの先端部83は、反り形状(円弧形状)の湾刀部83aおよび湾刀部83bと、略中央部で根元部82に回転可能に保持され、湾刀部83aと湾刀部83bとを互いに接続する円弧形状の接続部83cと、を含んで構成されている。
図43および図44の各(b)に示すように、先端部83の湾刀部83aは、一つの反り形状部からなるものであり、また、湾刀部83bは、一体に形成された2つの反り形状部からなるものである。
接続部83cは、湾刀部83aの長手方向略中央部で湾刀部83aと接続すると共に、湾刀部83bの長手方向略中央部で湾刀部83bと接続する。
旋回刃80Aの先端部83についてのより詳細な構成は後述する。
旋回刃80Aの根元部82は、一端部が基部81に回転可能に保持され、そして、他端部に先端部83を回転可能に保持する。根元部82は、基部81に対して一体で回転するものである。そして、根元部82は、光源としての複数のLEDを内蔵し、かかる光源による光の演出を行うことが可能なように構成されている。
旋回刃80Aの根元部82についてのより詳細な構成は後述する。
ここで、旋回刃80A,80B,80C,80D(図29参照)の基本的な構造は互いに共通すると説明したが、より詳細には、旋回刃80A,80Cと旋回刃80B,80Dとは、根元部82と先端部83との前後方向に関する相対的な位置関係が異なっている。言い換えると、旋回刃80Aと旋回刃80Cとは基本的な構造が互いに同じであり、旋回刃80Bと旋回刃80Dとは基本的な構造が互いに同じである。
すなわち、図43および図44に示す旋回刃80Aでは、先端部83が根元部82の後ろに位置することから、収納状態の場合には、正面視で先端部83の多くの部分が根元部82と重なって隠れている(図43および図44の各(a)を参照)。その一方で、展開状態の場合には、先端部83のほとんどの部分が根元部82と重ならず、見えている(図43および図44の各(b)を参照)。これに対し、旋回刃80B,80Dの正面視および背面視の見え方が旋回刃80A,80Cとは異なる。
ここで、展開演出部115cが収納状態ないし展開状態のときの旋回刃80の根元部82と旋回刃80の先端部83の状態をより詳細に説明する。
展開演出部115cが収納状態(図29の(a)参照)の場合には、図43および図44の各(a)に示すように、旋回刃80Aにおける先端部83の接続部83cは、根元部82と平行ではないものの同じ方向に延びるように位置する。そして、湾刀部83aおよび湾刀部83bもまた、根元部82と同じ方向に延びるように位置する。湾刀部83aおよび湾刀部83bは互いに近い位置にある。図43および図44の各(a)に示す先端部83の状態を「近接状態」ということがあり、また、「初期状態」ということがある。
その一方で、展開演出部115cが展開状態(図29の(b)参照)の場合には、図43および図44の各(b)に示すように、旋回刃80Aにおける先端部83の接続部83cは、近接状態と比べ根元部82に対して大きな角度をもって交差するように位置する。また、湾刀部83aおよび湾刀部83bは、近接状態と比べ接続部83cに対して大きな角度をもって交差するように位置する。湾刀部83aおよび湾刀部83bは、収納状態の場合よりも互いに遠ざかっており、かつ、互いに向かい合うように位置する。図43および図44の各(a)に示す先端部83の状態を「離間状態」ということがあり、「初期状態以外の状態」ないし「特定状態」、「特定の状態」ということがある。
また、展開演出部115cが収納状態(図29の(a)参照)の場合には、図43および図44の各(a)に示すように、旋回刃80Aにおける根元部82は「原点位置」にある。図43および図44の各(a)に示す根元部82の状態を「初期状態」ということがある。
その一方で、展開演出部115cが展開状態(図29の(b)参照)の場合には、図43および図44の各(b)に示すように、旋回刃80Aにおける根元部82は「稼働位置」にある。図43および図44の各(b)に示す根元部82の状態を、「初期状態以外の状態」ないし「特定の状態」、「特定状態」ということがある。
このように、展開演出部115cが収納状態のときには、旋回刃80Aの先端部83が近接状態になると共に根元部82が初期状態になる。そして、展開演出部115cが展開状態のときには、旋回刃80Aの先端部83が離間状態になると共に根元部82が特定状態になる。
〔旋回刃80A〕
図45は、旋回刃80Aの分解斜視図であり、旋回刃80Aの先端部83および根元部82についての構成を説明する図である。
図45に示すように、旋回刃80Aは、上述の基部81、根元部82および先端部83を備えている。また、旋回刃80Aは、根元部82を基部81に回転可能に保持するためのシャフト84を備えている。なお、基部81は、上述したように回転演出部115bの本体115b1(例えば図28参照)にねじ止めされる。
〔旋回刃80Aの先端部83〕
図45に示すように、旋回刃80Aの先端部83が備える上述の接続部83cは、略中央部にボス状の回転軸部83c1が形成され、かかる回転軸部83c1により、根元部82と回転可能に連結される。また、接続部83cは、湾刀部83aおよび湾刀部83bを回転可能に保持する。すなわち、湾刀部83aは、略中央部に回転軸部83a1を備え、かかる回転軸部83a1で接続部83cと回転可能に連結される。また、湾刀部83bは、略中央部に回転軸部83b1が形成され、かかる回転軸部83b1で接続部83cと回転可能に連結される。
また、先端部83は、一方向に開口し接続部83cを収容する凹形状部を持ち、接続部83cに対して長手方向にスライド(滑り)可能に構成されたスライド部83dと、一端が接続部83cのフック83c2に引っ掛けられると共に他端がスライド部83dのフック83d1に引っ掛けられる引っ張りコイルバネ83eと、を含んで構成されている。
なお、スライド部83dには、接続部83cに対する相対移動を可能にするために各種の長孔が形成されている。
〔旋回刃80Aの根元部82〕
図45に示すように、旋回刃80Aの根元部82は、一端側で基部81にシャフト84を介して回転可能に保持される本体82aを備えている。そして、本体82aに、各種の部品が取り付けられている。
より詳細には、根元部82は、本体82aの前面側に配設され、光源としての複数のLEDやこれに対応するLEDドライバ等の電子部品が搭載される基板82bを備えている。また、根元部82は、基板82bのLEDからの光を拡散して点光りを抑制するためのレンズ82cと、レンズ82cを覆う透明カバー82dと、を備えている。なお、透明カバー82dは、根元部82の表面における外装部品である。
また、根元部82は、本体82aの後面側に配設されるギア列(ギアトレイン)85を備えている。このギア列85は、シャフト84に保持され、回転演出部115bから駆動力が入力される入力ギア85aと、入力ギア85aの駆動力が旋回刃80に出力される出力ギア85bと、を含んで構成されている。また、ギア列85は、入力ギア85aから出力ギア85bへと順次駆動力を伝達するための複数のアイドルギア(中間歯車)を含んで構成されている。
また、根元部82は、ギア列85を本体82aと共に保持するためのギア取り付け板82eを備えている。より詳細には、ギア取り付け板82eは、入力ギア85a以外のギア列85を保持するものである。
なお、ギア取り付け板82eは、透明カバー82dとは反対側の裏面における外装部品である。また、旋回刃80Aにおけるギア取り付け板82eには、先端部83の接続部83cの回転軸部83c1が貫通する開口部82e1が形成されている。
〔旋回刃80Aの機構〕
旋回刃80Aの動作としては、上述のとおり、根元部82の動作と先端部83の動作とがある。根元部82の動作を実現する機構については後述することとし(図47、図48参照)、ここでは、先端部83の動作を実現する機構について説明する。
先端部83は、湾刀部83aの回転と湾刀部83bの回転とが互いに連動するように構成されている。すなわち、近接状態になるように湾刀部83aが回転(例えば時計方向の回転)すると、近接状態になるように湾刀部83bが逆方向の回転(例えば反時計方向の回転)を行う。また、離間状態になるように湾刀部83bが回転(例えば時計方向の回転)を行うと、離間状態になるように湾刀部83aが逆方向の回転(例えば反時計方向の回転)を行う(先端部83における湾刀部83a,83b相互の連動動作)。
また、図45に示すように、湾刀部83aは、回転軸部83a1から離れた一端部に位置し、後面から後方に突出する突出部83a2を備え、かかる突出部83a2は、根元部82が原点位置にあるときには(図43および図44の各(a)参照)、取り付け部材115b5の当て部115b51に当たる。また、接続部83cとスライド部83dとに引っ掛けられる引っ張りコイルバネ83eは、先端部83が離間状態(図43および図44の各(b)参照)になるように、湾刀部83bを付勢可能である。かかる構成により、接続部83cに対する湾刀部83a,83bの姿勢が変更可能である(先端部83における接続部83cに対する湾刀部83a,83bの姿勢変更)。
以下、旋回刃80Aの先端部83における湾刀部83a,83b相互の連動動作および接続部83cに対する湾刀部83a,83bの姿勢変更を、具体的に説明する。
〔先端部83における湾刀部83a,83bの相互の連動動作〕
図45に示すように、先端部83の湾刀部83aには、後面から後方に延びるボス83a3が形成されており、かかるボス83a3は、スライド部83dが備える係合部83d2の内空間内に位置する。すなわち、湾刀部83aのボス83a3は、スライド部83dの係合部83d2と係合する。ボス83a3は、略中央部の回転軸部83a1に対して一端部の突出部83a2とは反対の側に位置する。
これにより、湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に回転すると、湾刀部83aのボス83a3とスライド部83dの係合部82d2との係合により、スライド部83dが接続部83cに対してスライドする。逆に、スライド部83dが接続部83cに対してスライドすると、上述の係合によって湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に回転する。
また、図45に示すように、先端部83の湾刀部83bには、後面から後方に延びるボス83b2が形成されており、かかるボス83b2は、スライド部83dが備える係合部83d3の内空間内に位置する。すなわち、湾刀部83bのボス83b2は、スライド部83dの係合部83d3と係合する。そして、ボス83b2は、回転軸部83b1に対してスライド部83dの係合部83d3とは反対の側に位置する。
これにより、スライド部83dが接続部83cに対してスライドすると、湾刀部83bのボス83b2とスライド部83dの係合部82d3との係合により回転モーメントが作用し、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に回転する。逆に、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に回転すると、上述の係合によってスライド部83dが接続部83cに対してスライドする。
このように、先端部83において、湾刀部83aが外力により回転軸部83a1の回りを回転すると、これに連動してスライド部83dが接続部83cに対してスライドし、さらに湾刀部83bが回転軸部83b1の回りを回転する。
また、先端部83において、湾刀部83bが外力により回転軸部83b1の回りを回転すると、これに連動してスライド部83dが接続部83cに対してスライドし、さらに湾刀部83aが回転軸部83a1の回りを回転する。
言い換えると、湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に回転すると、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に逆方向に回転し、また、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に回転すると、湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に逆方向に回転する。すなわち、旋回刃80Aの先端部83において、接続部83cにより接続されている湾刀部83aおよび湾刀部83bの回転は、スライド部83dのスライド作用を介して機構的に連動する。
〔先端部83における接続部83cに対する湾刀部83a,83bの姿勢変更〕
さらに説明すると、旋回刃80Aの根元部82が原点位置にあり、先端部83が近接状態の場合には(図43および図44の各(a)参照)、湾刀部83aの突出部83a2が取り付け部材115b5の当て部115b51に当たっている。また、引っ張りコイルバネ83eは、スライド部83dが接続部83cに対してスライドすることで大きく引っ張られており、より大きなばね力を有する状態である。
このような状態になる過程を説明する。例えば展開演出部115cが展開状態から収納状態に移行する場合、根元部82が稼働位置から原点位置になるように回転する。かかる回転により、それまで取り付け部材115b5の当て部115b51に当たっていなかった湾刀部83aの突出部83a2が当て部115b51に当たり(図44の(a)参照)、これにより、先端部83の湾刀部83a,83bは、互いに近接する方向に姿勢を変えていく。これに伴い、スライド部83dが接続部83cに対してスライドし、引っ張りコイルバネ83eが大きく引っ張られる(図44の(a)参照)。なお、接続部83cが根元部82に対して回転することによっても、先端部83が近接状態に移行する。
その一方で、展開演出部115cが収納状態から展開状態に移行する場合、根元部82が原点位置から稼働位置になるように回転する。かかる回転により、湾刀部83aの突出部83a2が当て部115b51から外れて当たらなくなる。そうすると、引っ張りコイルバネ83eのばね力により、接続部83cが離間状態(図43および図44の各(b)参照)になる方向に、湾刀部83bを回転させ、これに伴い、湾刀部83aも逆回転する。なお、接続部83cが根元部82に対して回転することによっても、先端部83が離間状態に移行する。
〔旋回刃80Aの駆動系〕
このように、展開演出部115cの演出時には、旋回刃80Aは上述の動作を行う(図43、図44参照)。
以下、かかる動作を実現する駆動系について説明する。すなわち、まず先端部83の動作を実現するための駆動系(先端部用駆動系)をより詳細に説明した後に、根元部82の動作を実現するための駆動系(根元部用駆動系)をより詳細に説明する。また、ここにいう先端部83の動作としては、先端部83における湾刀部83a,83bの動作と、先端部83における接続部83cないしスライド部83dの動作と、がある。
なお、旋回刃80Aの場合を説明するが、他の旋回刃80B,80C,80Dについても同じであることは上述のとおりである。
〔先端部用駆動系の説明〕
図46は、先端部用駆動系を説明する概略斜視図である。
同図に示す先端部用駆動系は、根元部82に内蔵されるギア列85を含む駆動系である。より詳細には、先端部用駆動系は、モータ37(図29も参照)の駆動力をギア列85の出力ギア85bに伝達し、これにより、旋回刃80Aにおいて先端部83の接続部83cが根元部82に対して回転動作させる。
より具体的に説明する。図46に示す先端部用駆動系は、上述のモータ37と、モータ37の駆動力が不図示のギアを介して入力される小径外歯車86と、根元部82に内蔵され、小径外歯車86から駆動力を受けて旋回刃80Aの接続部83cに伝達する上述のギア列85と、を含んで構成されている。
小径外歯車86には、シャフト84により保持されている入力ギア85aが噛み合っている。
小径外歯車86は、回転演出部115bの本体115b1(図28〜図31参照)に回転自在に取り付けられている。すなわち、小径外歯車86は、本体115b1と連動せず本体115b1と独立した動きが可能なように、本体115b1に対して取り付け部材115b5(図31、図44の(a)参照)によって保持されている。小径外歯車86は、回転演出部115bの本体115b1(図28〜図31参照)に対して回転可能である。
小径外歯車86は、本体115b1の全周にわたって位置するものである。小径外歯車86は、大径外歯車115b4よりも小径であり(図31参照)、また、大径外歯車115b4と回転中心位置が略同じである。
〔先端部用駆動系による作用〕
本実施の形態では、小径外歯車86がモータ37の駆動力により一方向(例えば時計方向)に回転すると、先端部83の接続部83cは、回転軸部83c1を中心に他方向(反時計方向)に回転し、小径外歯車86が他方向に回転すると、接続部83cは、一方向に回転する。
こうして、モータ37の駆動力により、旋回刃80Aにおいて根元部82に対する先端部83の接続部83cの相対的な位置関係が変更される。
なお、モータ37の駆動力は、小径外歯車86を介して4つの旋回刃80A〜80D(図29参照)のすべてに対して一律に伝達される。このため、他の旋回刃80B,80C,80D(図28または図29参照)の各々も同じく、モータ37の駆動力が小径外歯車86を介してそれぞれに伝達されることで、根元部82に対する先端部83の接続部83cの相対的な位置関係が変更される。
そして、このような根元部82に対する接続部83c(ないしスライド部83d)の相対位置に着目すると、図46に示す先端部用駆動系によって、接続部83cが根元部82に対して交差する交差角度を変えることが可能である。以下、図43および図44をも用いて説明する。
上述したように、先端部83が近接状態の場合(図43および図44の各(a)を参照)には、接続部83cが根元部82と略平行に近くなり、交差角度は小さいといえる。その一方で、先端部83が離間状態の場合(両図の各(b)を参照)には、接続部83cが根元部82と直角まではいかないもののそれに近くなり、交差角度は大きい。
ここで、上述したように、根元部82と接続部83cとの位置関係は、モータ37の駆動力により接続部83cが根元部82に対して回転することで変更される。また、かかる接続部83cと湾刀部83a,83bとの位置関係は、引っ張りコイルバネ83eのばね力により変更される。
より詳細に説明する。先端部83の接続部83cが、離間状態から交差角度が小さくなる方向(近接状態に移行する方向)にモータ37の駆動力によって回転するときには、先端部83の湾刀部83aが持つ突出部83a2は、取り付け部材115b5の当て部115b51に当たり、やがて近接状態になる(図44の(a)参照)。かかる近接状態では引っ張りコイルバネ83eが伸ばされており、縮む方向のばね力が発生しているが、湾刀部83aの突出部83a2が回転演出部115bの当て部115b51に当たっていることから、近接状態が維持される。
そして、モータ37の駆動力により、接続部83cが近接状態から交差角度が大きくなる方向(離間状態に移行する方向)に回転する場合を考える。突出部83a2が取り付け部材115b5の当て部115b51に当たらなくなると、引っ張りコイルバネ83eのばね力によって、湾刀部83a,83bが接続部83cに対して回転し、湾刀部83aと湾刀部83bとが互いに向かい合うようになり、離間状態になる(図43および図44の各(b)を参照)。
〔先端部83の湾刀部83a,83bの姿勢検知〕
このように、湾刀部83a,83bが接続部83cに対して回転する動作はモータ37の駆動力を用いずに行われるものの、モータ37の駆動力で小径外歯車86が本体115b1に対して回転し、これに応じて接続部83cが回転動作し、かかる回転動作に伴って湾刀部83a,83bの姿勢が変わる。このため、湾刀部83a,83bの姿勢は、小径外歯車86の本体115b1に対する回転角度(回転ステップ)と対応するものであるといえる。言い換えると、小径外歯車86の本体115b1に対する回転角度を検出することで、湾刀部83a,83bの姿勢を把握することが可能である。
そこで、本実施の形態では、図46に示すように、小径外歯車86の回転を検出する検出部87を配設している。
かかる検出部87は、小径外歯車86と噛み合うギアを備え、このギアの回転を検出することで、小径外歯車86の回転を検出するものである。検出部87は、回転演出部115bの本体115b1(図28〜図31参照)に取り付けられている。
検出部87の信号(図37に図示のセンサ信号)は、ランプ制御部320のCPU321(図3参照)に出力される。より具体的には、検出部87の信号は、帯状部材53および接触子43(通信ライン)を介して演出制御基板330(図37参照)に送信される。
〔根元部用駆動系の説明〕
図47は、旋回刃80A〜80Dを説明する概略正面図であり、図48は、その概略背面図である。両図とも、旋回刃80A〜80Dの先端部83(図43〜図45参照)の図示を省略している。
図47および図48の各(a)は、旋回刃80A〜80Dの根元部82が原点位置にある場合を示し、各(b)は、根元部82が稼働位置にある場合を示す。なお、図47および図48の各(a)は、図43および図44の各(a)に対応するものであり、図47および図48の(b)は、図43および図44の各(b)に対応するものである。
ここにいう根元部用駆動系とは、上述したように、根元部82(図43または図44も参照)の動作を実現するための駆動系をいい、モータ35,36(図29も参照)の駆動力が伝達されることで根元部82が回転動作する。
なお、図47および図48に示す旋回刃80A〜80D(先端部83の図示省略)において、上述したように、各基部81は、回転演出部115bの本体115b1(図28〜図31参照)に固定されている。また、各根元部82は、シャフト84を介して基部81に回転可能に保持されている。すなわち、根元部82は、シャフト84の位置を中心にして回転する。さらに、図47および図48で図示省略した各先端部83は、接続部83cの回転軸部83c1(図45参照)を介して根元部82に回転可能に保持されている。
図47および図48に示すように、根元部用駆動系の一部が、モータ35,36の駆動力を受ける円弧形状の揺動部材91により構成される。この揺動部材91は、長手形状であり、板状部材である。
より具体的には、回転演出部115bの正面視で上側に位置する揺動部材91は、旋回刃80Aおよび旋回刃80Bを回転動作させるものであり、また、下側に位置する揺動部材91は、旋回刃80Cおよび旋回刃80Dを回転動作させるものである。
なお、上側の揺動部材91と下側の揺動部材91とは、基本的な構造が同じものであることから、両者を区別せずに説明することとする。
これらの揺動部材91は、回転演出部115bの本体115b1(図28〜図31参照)に取り付けられる。すなわち、揺動部材91は、本体115b1に固定されているのではなく、本体115b1に対して動くことができるように保持されている。より具体的には、2つの揺動部材91の各々には、本体115b1に固定される保持部材92を受け入れる長孔91aが3つずつ形成されている。これら3つの長孔91aは、揺動部材91の長手方向に沿って延びるように同形状に形成されている。
揺動部材91は、保持部材92が長孔91aでの移動範囲内で、本体115b1との相対的な動きが可能である。
揺動部材91には、揺動部材91の長手方向略中央に位置し、モータ35またはモータ36の駆動力が伝達されるギアと噛み合う円弧状のギア部91bが形成されている。かかるギア部91bにモータ35,36の駆動力が伝達されると、保持部材92(ないし本体115b1)に対して長手方向に移動する。モータ35,36の回転方向に応じて、揺動部材91は、図47および図48における右方向に移動したり左方向に移動したりする。
揺動部材91には、図47および図48の紙面垂直方向根元部82側に延びる係合ピン91cが形成されている。かかる係合ピン91cを受け入れ可能な円弧形状の係合溝82a1が根元部82に形成されている。この係合溝82a1は、根元部82の本体82a(図45参照)が備えるものである。
したがって、揺動部材91がモータ35,36の駆動力により長手方向に移動すると、根元部82は、根元部82の係合溝82a1と揺動部材91の係合ピン91cとの係合により、シャフト84の位置を中心に回転する。
この場合、例えば、上側の揺動部材91により駆動される2つの旋回刃80A,80Bの根元部82はいずれも、同じ方向に回転する。すなわち、旋回刃80Aの根元部82が図47および図48の各(a)に示す原点位置から各(b)に示す稼働位置に移行する方向に回転する場合には、旋回刃80Bの根元部82も同じく、原点位置から稼働位置に移行する方向に回転する。逆に、旋回刃80Aの根元部82が稼働位置から原点位置に移行する方向に回転する場合には、旋回刃80Bの根元部82も同じく、稼働位置から原点位置に移行する方向に回転する。
このため、モータ35,36を同じ方向に回転駆動することで、4つの旋回刃80A〜80Dのすべてを同期して回転させ、同じ状態に移行させることが可能である。
このように、根元部用駆動系は、モータ35,36、揺動部材91、シャフト84および根元部82の係合溝82a1等により構成されている。
その作用としては、モータ35,36の駆動力が揺動部材91のギア部91bに伝達され、これにより、揺動部材91が保持部材92に対して移動する。そして、かかる移動に伴い、揺動部材91の係合ピン91cが根元部82の係合溝82a1内をスライドし、やがて係合ピン91cに押される形で根元部82がシャフト84の位置を中心に回転し、旋回刃80A〜80Dを持つ展開演出部115cが収納状態または展開状態に移行する。
なお、シャフト84は、根元部82に内蔵されるギア列85の入力ギア85aの回転中心の位置に配設されていることから、根元部82がシャフト84を中心に回転しても、ギア列85に影響を及ぼすことがない。
〔根元部82の位置検出〕
さらに説明すると、旋回刃80A〜80Dの根元部82は、揺動部材91との係合作用によりシャフト84を中心に回転するものである。このため、揺動部材91の位置は、旋回刃80A〜80Dの根元部82の位置に対応する。言い換えると、揺動部材91の位置が分かれば、根元部82の位置を把握することが可能である。その一方で、根元部82の位置を直接検出する機構を採用するのは、スペースの関係上困難である。
そこで、本実施の形態では、根元部82の位置を把握するため、揺動部材91の位置を検出するための構成を採用する。以下説明する。
図49は、回転演出部115bの本体115b1に対する揺動部材91の位置を検出する構成を説明する斜視図であり、(a)は、旋回刃80の根元部82が原点位置にある場合の揺動部材91の位置を示し、(b)は、旋回刃80根元部82が稼働位置にある場合の揺動部材91の位置を示す。なお、同図の(a)は、図43、図44、図47および図48の各(a)に対応するものであり、同図の(b)は各(b)に対応するものである。
図49に示すように、揺動部材91には、揺動部材91の位置検出のために用いる突出片91dが形成されている。この突出片91dは、揺動部材91のギア部91b近傍に位置し、揺動部材91から根元部82側に突出する。
図49に示すように、基板31または基板32(図29参照)には、揺動部材91の突出片91dを検出するための2つのフォトセンサ93,94が搭載されている。すなわち、図47における上側の揺動部材91に対応して基板32にフォトセンサ93,94が搭載される。また、図47または図48における下側の揺動部材91に対応して基板31にフォトセンサ93,94が搭載される。
2つのフォトセンサ93,94は、基板31,32において互いに近接して配置されている。言い換えると、フォトセンサ93,94は、基板31,32において揺動部材91の回転動作による移動距離だけ離間している。
より詳細には、図49の(a)に示す状態、すなわち揺動部材91の突出片91dがフォトセンサ93のみにより検出される状態では、演出制御基板330(図37参照)のCPU321(図3参照)は、根元部82が原点位置(図47または図48の(a)参照)に対応する位置に揺動部材91があることを把握できる。言い換えると、CPU321(図3参照)は、展開演出部115cが収納状態であること(図29の(a)参照)を認識する。
また、図49の(b)に示す状態、すなわち揺動部材91の突出片91dがフォトセンサ94のみにより検出される状態では、演出制御基板330(図37参照)のCPU321(図3参照)は、根元部82が稼働位置(図47または図48の(b)参照)に対応する位置に揺動部材91があることを把握できる。言い換えると、CPU321(図3参照)は、展開演出部115cが展開状態であること(図29の(b)参照)を認識する。
なお、揺動部材91の突出片91dがフォトセンサ93により検出されず、フォトセンサ94によっても検出されない状態も存在する。そのような状態では、揺動部材91は、根元部82が原点位置(図47または図48の(a)参照)に対応する位置になく、稼働位置(図47または図48の(b)参照)に対応する位置にもない。すなわち、揺動部材91は、いわゆる中間位置にある。付言すると、フォトセンサ93,94のいずれの検出もない場合には、中間位置にある場合のほかに、フォトセンサ93,94の何れか一方または両方が故障している場合も想定される。
このように、旋回刃80A〜80Dの根元部82が原点位置にあるか稼働位置にあるかの検知は、根元部82を回転させる揺動部材91の位置を検出することで行われる。
なお、基板31,32のフォトセンサ93を、旋回刃80A〜80Dの根元部82が原点位置にあるか否かを検出する原点センサということができ、また、基板31,32のフォトセンサ94を、根元部82が原点以外の位置にあるか否かを検出する原点以外のセンサということができる。
上述したように、旋回刃80A〜80Dにおける先端部83の状態(近接状態、離間状態)は、小径外歯車86の回転を検出する検出部87(例えば図46参照)により検出される。かかる検出部87は、モータ37による小径外歯車86の変位量を検出するものである。
また、上述したように、旋回刃80A〜80Dにおける根元部82の位置(原点位置、稼働位置)は、揺動部材91の突出片91dを検出するフォトセンサ93,94により検出される。かかるフォトセンサ93,94は、揺動部材91が2つの所定の位置を検出するものである(二位置検知)。本実施の形態では、フォトセンサ93,94は、移動端のいずれかにあるか否かを検出する。
フォトセンサ93,94の信号(図37に図示のセンサ信号)は、ランプ制御部320のCPU321(図3参照)に出力される。より具体的には、フォトセンサ93,94の信号は、帯状部材53および接触子43(通信ライン)を介して演出制御基板330(図37参照)に送信される。
〔回転演出部115bの原点検出〕
ここで、上述の展開演出部115cを備える回転演出部115bの原点検出について説明する。かかる原点検出とは、可動役物115におけるベース部材115aに対する回転演出部115bの回転方向(例えば図28参照)における位置を検出することをいう。
図50は、回転演出部115bのベース部材115aに対する原点位置を検出する構成を説明する斜視図である。
同図に示すように、回転演出部115bの本体115b1は、半径方向外向きに突出する突出片115b11を備えている。この突出片115b11は、本体115b1の外周面に開口する貫通穴に取り付けられている。かかる貫通穴は、帯状部材51,52,53を収容するための溝(図28参照)の間に形成されている。
このように、突出片115b11は、回転演出部115bの本体115b1外縁から径方向外側に延びるように、本体115b1に取り付けられている。
そして、ベース部材115aに取り付けられる保持部115d2は、突出片115b11を検出する原点位置検出用のフォトセンサ115d21を備える。
かかるフォトセンサ115d21は、回転演出部115bがベース部材115aに対する原点位置にあるか否かを検出するためのものである。かかる検出をより確実に行うため、回転演出部115bを保持する保持部115d2に、原点検出用のフォトセンサ115d21を配設している。なお、フォトセンサ115d21は、保持部115d2に配設されているものの、保持部115d1には配設されていない(図30参照)。
フォトセンサ115d21の信号は、ランプ制御部320のCPU321(図3参照)に出力される。なお、フォトセンサ115d21の信号は、スリップリングを介さずにCPU321に届けられる。
〔旋回刃80の動作におけるモータ制御〕
次に、可動役物115の展開演出部115cにおける旋回刃80のモータ制御について説明する。
ここにいうモータ制御の対象は、モータ35,36,37(図29参照)である。すなわち、上述したように、揺動部材91を駆動するモータ35,36(図47、図48参照)および小径外歯車86を駆動するモータ37(図46参照)が制御対象である。
モータ35,36の駆動力は、旋回刃80の根元部82を動かすのに用いられる(図47、図48参照)。また、モータ37の駆動力は、旋回刃80の先端部83を動かすのに用いられる(図46参照)。
かかるモータ制御は、各種のセンサ検出結果に基づいて行われる。ここにいうセンサとしては、検出部87(図46参照)および基板31,32のフォトセンサ93,94(図49参照)が該当する。
より詳細には、旋回刃80の根元部82が所定位置にあるか否かがフォトセンサ93,94により検出される(図47参照)。すなわち、フォトセンサ93は根元部82が原点位置にあるか否かを検出し、フォトセンサ94は根元部82が稼働位置にあるか否かを検出する。フォトセンサ93,94の検出結果に基づいて、モータ35およびモータ36の動作制御が行われる。
上述したように、展開演出部115cが収納状態の場合には(図43および図44の各(a)参照)、旋回刃80の根元部82は原点位置にあり、展開演出部115cが展開状態の場合には(図43および図44の各(b)参照)、旋回刃80の根元部82は稼働位置にある。
また、旋回刃80の先端部83の状態が検出部87により検出される(図46参照)。検出部87の検出結果に基づいて、モータ37の動作制御が行われる。
上述したように、展開演出部115cが収納状態の場合には(図43および図44の各(a)参照)、先端部83の湾刀部83a,83bが互いに近接する近接状態であり、展開演出部115cが展開状態の場合には(図43および図44の各(b)参照)、湾刀部83a,83bが互いに離間する離間状態である。
付言すると、演出制御基板330(図37参照)のCPU321(図3参照)は、フォトセンサ93,94および検出部87の検出結果を信号として受け取り、かかる検出結果に応じてモータ35〜37を制御する。
なお、モータ35およびモータ36は、同期して動作するように制御されるものであるが、独立して動作するように制御することも考えられる。
〔展開演出部115cが収納状態へ移行する際の移行制御について〕
次に、展開演出部115cが展開状態から収納状態へ移行する際の移行制御について説明する。
図51は、収納状態移行処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示す処理手順において、可動役物115の展開演出部115cが展開状態(図29の(b)参照)から収納状態(同図の(a)参照)に移行する場合(ステップ5101)、上述したように、展開演出部115cの旋回刃80の姿勢が変わる(図43または図44参照)。
すなわち、上述したように、モータ37(図46参照)の駆動力によって、旋回刃80の先端部83が離間状態(図43の(b)または図44の(b)参照)から近接状態(各図の(a)参照)になり、これに伴って検出部87(図46参照)は原点検出を行う。
また、モータ35,36(図47または図48参照)の駆動力によって、旋回刃80の根元部82が稼働位置(各図の(b)参照)から原点位置(各図の(a)参照)に回転し、これに伴って、フォトセンサ93(図49参照)が原点位置検出を行う。
そこで、CPU321は、まず検出部87による原点検出があるか否かを判断する(ステップ5102)。より具体的には、CPU321は、検出部87からの原点検出信号の受信有無で判断する。原点検出信号の受信があれば、先端部83が初期状態になったことを認識する。すなわち、CPU321は、展開演出部115cが収納状態にあるとして、処理を終了する。
検出部87による原点検出がないと判断すると(ステップ5102でNo)、CPU321は、次に、フォトセンサ93による原点位置検出があるか否かを判断する(ステップ5103)。
フォトセンサ93による原点位置検出がない場合(ステップ5103でNo)、CPU321は、エラーが発生したとして、変数RTに1を加算する(ステップ5104)。かかる変数RTは、エラー回数をカウントするものである。
次に、変数RTが閾値SH1よりも大きいか否かを判定する(ステップ5105)。閾値SH1以下の場合(ステップ5105でNo)、CPU321は、展開演出部115cの旋回刃80における先端部83の接続部83cを近接状態になる方向(図43の(a)または図44の(a)参照)に、所定の角度分だけ動かす(ステップ5106)。すなわち、CPU321は、予め設定された特別動作(リトライ)を行わせる特別制御を行う。また、CPU321は、特別制御の後にまたは特別制御と共に、根元部82を原点位置の方向に動かして初期状態になるような制御を行う。
その後、ステップ5103に戻って、再びフォトセンサ93による原点位置検出があるか否かの判定を行う。旋回刃80の構造上、先端部83の接続部83cを動かすことによって収納状態になる可能性があるからである。
そして、フォトセンサ93による原点位置検出がある場合(ステップ5103でYes)、CPU321は、根元部82が初期状態になったことを認識する。これにより、CPU321は、変数RTを初期化して(ステップ5107)、処理を終了する。すなわち、リトライしたことで原点位置検出がなされたとしても、その事実は、その後の制御にまったく反映しない。
なお、当然ながら、その事実を、その後の制御に反映させる制御例も考えられる。例えば、次に展開演出部115cを収納状態へ移行させる場合には、モータトルクをより高い状態でモータを駆動させる例である。
その一方で、今回もフォトセンサ93による原点位置検出がない場合(ステップ5103でNo)、CPU321は、再度リトライした後にフォトセンサ93による原点位置検出があるか否かの判定を行う(ステップ5103〜5106)。
このような処理を、変数RTが閾値SH1よりも大きくなるか原点位置検出があるまで、繰り返し行う。なお、ここにいう閾値SH1は、一定回数(例えば10回等)の値を事前に設定することが考えられる。
そして、変数RTが閾値SH1よりも大きくなっても原点位置検出がない場合(ステップ5105でYes)、CPU321は、エラー処理を行い(ステップ5108)、終了する。
ここにいうエラー処理(ステップ5108)としては、画像表示部114に表示したり、枠ランプ157等の発光でホール店の店員に知らせたりすることが考えられる。
〔展開演出部115cが収納状態へ移行する際の移行制御の意義〕
ここで、センサによる検出ができない異常事態が発生すると、その異常事態に対応することが困難である。
そこで、発生した異常状態を検出できない場合の対応を可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、第1可動物(例えば先端部83)および当該第1可動物(例えば先端部83)とは独立に動作可能な第2可動物(例えば根元部82)を備えた可動役物(例えば旋回刃80,80A,80B,80C,80D)と、前記第1可動物(例えば先端部83)が初期状態であることを検知する第1初期状態検知手段(例えば検出部87)と、前記第2可動物(例えば根元部82)が初期状態であることを検知する第2初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93)と、前記第1可動物(例えば先端部83)の動作を制御し、前記第1初期状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が初期状態であることが検知されたことによって、当該第1可動物(例えば先端部83)が初期状態となったことを認識する第1制御手段(例えばCPU321)と、前記第2可動物(例えば根元部82)の動作を制御し、前記第2初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93)により当該第2可動物(例えば根元部82)が初期状態であることが検知されたことによって、前記可動役物(例えば旋回刃80,80A,80B,80C,80D)が初期状態となったことを認識する第2制御手段(例えばCPU321)と、を備え、前記第2可動物(例えば根元部82)は、前記第1可動物(例えば先端部83)が初期状態である場合に初期状態となることが可能であるように設けられ、前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第1制御手段(例えばCPU321)により前記第1可動物(例えば先端部83)を初期状態に戻す制御が行われた後、前記第1初期状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が初期状態であることが検知されたか否かに関わらず、前記第2可動物(例えば根元部82)を初期状態となるように制御し、前記第1制御手段(例えばCPU321)および前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第2初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93)により前記第2可動物(例えば根元部82)が初期状態であることが検知されなかった場合に、エラー処理を行うことを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。前記エラー処理として、前記第1制御手段(例えばCPU321)は、前記第1可動物(例えば先端部83)に予め設定された特別動作を行わせる特別制御を行い、前記第2制御手段(例えばCPU321)は、当該第1制御手段(例えばCPU321)により当該特別制御が行われた後に、前記第2可動物(例えば根元部82)を初期状態となるように制御することを特徴とすることができる。
また、演出において動作可能に設けられた第1可動物(例えば先端部83)と、前記第1可動物(例えば先端部83)が特定の状態にあるときに一の状態となることが可能であるように設けられた第2可動物(例えば根元部82)と、前記第1可動物(例えば先端部83)が前記特定の状態であることを検知する第1状態検知手段(例えば検出部87)と、前記第2可動物(例えば根元部82)が前記一の状態であることを検知する第2状態検知手段(例えばフォトセンサ93,94)と、前記第1可動物(例えば先端部83)の動作を制御し、前記第1状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が前記特定の状態であることが検知されたことによって、当該第1可動物(例えば先端部83)が当該特定の状態となったことを認識する第1制御手段(例えばCPU321)と、前記第2可動物(例えば根元部82)の動作を制御し、前記第2状態検知手段(例えばフォトセンサ93,94)により当該第2可動物(例えば根元部82)が前記一の状態であることが検知されたことによって、当該第2可動物(例えば根元部82)が当該一の状態となったことを認識する第2制御手段(例えばCPU321)と、を備え、前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第1制御手段(例えばCPU321)により前記第1可動物(例えば先端部83)を前記特定の状態に戻す制御が行われた後、前記第1状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が当該特定の状態であることが検知されたか否かに関わらず、前記第2可動物(例えば根元部82)を前記一の状態となるように制御し、前記第1制御手段(例えばCPU321)および前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第2状態検知手段(例えばフォトセンサ93,94)により前記第2可動物(例えば根元部82)が前記一の状態であることが検知されなかった場合に、エラー処理を行うことを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
より詳細に説明する。展開演出部115cが展開状態から収納状態へ移行する際の移行制御として上述の図51に示す処理を行う意義について説明する。
まず、展開演出部115cが展開状態から収納状態に移行しようとしているものの、収納状態にならない場合を説明する。
図52は、展開演出部115cの旋回刃80が異常な状態にある場合を説明する図であり、(a)はその概略正面図であり、(b)はその概略背面図である。
展開演出部115cが展開状態から収納状態に移行する際の正常な状態にある場合の作用をまず説明する。
展開演出部115cが収納状態に移行する場合、上述したように、旋回刃80の根元部82がモータ35,36(図47または図48参照)の駆動力により原点位置の方向に回転すると共に先端部83の接続部83cがモータ37(図46参照)の駆動力により根元部82に対して回転する。そして、この際、湾刀部83aの突出部83a2が取り付け部材115b5の当て部115b51(図44の(a)参照)に当たって湾刀部83aが回転する。
かかる湾刀部83aの回転動作に起因して、スライド部83dがスライドし、これにより、湾刀部83bが回転すると、先端部83の湾刀部83a,83bが近接状態になり(図43の(a)または図44の(a)参照)、展開状態の展開演出部115cは収納状態に移行する。
しかしながら、図52に示すように、先端部83の湾刀部83a,83bが近接状態(図43の(a)または図44の(a)参照)にならない場合には、先端部83の湾刀部83aが根元部82の回転を妨害し、根元部82が原点位置まで回転できなくなっているおそれがある。すなわち、先端部83の湾刀部83a,83bが正常に回転することができず、そのために先端部83が引っかかって根元部82が原点位置に移動できない場合である。
このような場合、先端部83の接続部83cを所定角度だけ回転させる動作を行うだけで(ステップ5106参照)、湾刀部83a,83bが回転し、先端部83が引っかからなくなって根元部82が原点位置に移動できる場合が想定される。
また、例えば、展開演出部115cを収納状態へ移行させる際に検出部87による原点検出がない場合(ステップ5102でNo)、展開状態にいったん戻ってから、再び収納状態に移行する動作を繰り返し行う制御例も考えられる。しかしながら、本実施の形態では、展開状態の展開演出部115cは、画像表示部114を覆うことになる。そのため、遊技中に展開演出部115cが遊技の状態や演出とは関係なく、展開状態に幾度となく移行することは、遊技者からすると、画像表示部114に表示される演出画像が見にくくなり、遊技へ集中することが困難になるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、リトライとして、先端部83の接続部83cを所定角度だけ回転させるという遊技者の集中力を途切れさせない程度の動作を行い(ステップ5106参照)、展開演出部115cを収納状態に移行させるようにしている。
また、検出部87とフォトセンサ93との製品としての信頼性が違う場合、より具体的には、検出部87がフォトセンサ93よりも故障し易いという事情がある場合には、検出部87により原点検出がないというだけで、先端部83に起因するエラーの発生と断定してしまわないようにすることが好ましいといえる。
このため、本実施の形態では、検出部87により原点検出がないという現象が起きると、より信頼度の高いフォトセンサ93で、先端部83に起因するエラーが発生したのかどうかを判断し、対処する。
付言すると、製品の信頼性の違いに鑑み、検出部87による原点検出がない場合(ステップ5102でNo)、それ以降は、検出部87の検出結果を用いず、フォトセンサ93の検出結果を用いて処理を進めている。
〔リトライでのモータ制御について〕
次に、上述したリトライにおけるモータ制御について説明する。この場合の制御対象は、モータ37であるが(図46〜図48参照)、モータ35,36についても制御対象とすることが可能である。
かかるモータ35〜37は、固定子(ステータ)に複数の巻線を巻き、電流を流す巻線を切り換えることによって動作させる同期電動機であり、ステッピングモータである。より具体的には、モータ35〜37は、固定子としてA、Aバー、BおよびBバーを持つ4相のモータである。また、モータ35〜37における各相当たりの磁極数は、3極である。すなわち、モータ35〜37は、4相12極のステッピングモータである。
なお、ステッピングモータには、ユニポーラ駆動とバイポーラ駆動とがあり、例えばトルク特性が互いに異なる。すなわち、前車は高速トルクが大きい傾向があり、後者は低速トルクが大きい傾向がある。本実施の形態では、可動役物115の動作態様から、ユニポーラ駆動を採用するが、バイポーラ駆動を採用することも考えられる。
モータ35〜37は、A相、Aバー相、B相およびBバー相を、ある決まったパターンで駆動することにより歯車状の回転子(ロータ)が回転する。
なお、ここにいうAバー相は、A相とは逆極性の磁界を発生するように構成されているものであり、また、ここにいうBバー相は、B相とは逆極性の磁界を発生するように構成されているものである。
さらに説明すると、モータ35〜37は、A相、Aバー相、B相およびBバー相を、ある決まったパターンで駆動することにより歯車状の回転子(ロータ)が回転する。
なお、モータ35〜37の励磁としては、ステップ角が基本ステップ角で駆動するフルステップと、ステップ角が基本ステップ角の1/2の角度で駆動するハーフステップと、ステップ角が基本ステップ角の1/Nの角度で駆動するマイクロステップと、がある。このような励磁方式の違いによって、回転子のステップ角が決まる。
なお、モータ35〜37の駆動方式として、定電圧電源によるモータ駆動方式と、スイッチング方式の定電流電源によるモータ駆動方式と、があるが、いずれを採用するかは、適用する機種の条件に応じて決定すれば足りる。
ここで、図53は、ステッピングモータのトルクと回転速度との関係を示すグラフであり、縦軸がトルクで横軸が回転速度(回転数)である。
ステッピングモータに対するパルス信号は、例えば2000pps(pulse per second)や666pps、333pps等というパルス速度で送信される。そして、このパルス速度に対応して、モータ35〜37の回転速度が定まる。
図53に示すように、一般的なステッピングは、回転速度の数値が異なると、トルクが変わる。より具体的には、回転速度を上げるに従ってトルクが下がり、回転速度を下げるに従ってトルクが上がる。両者は直線的に変化する関係である。
したがって、リトライでは、通常の演出における動作とは異なり、モータの最大トルク(最大駆動力)が得られる速度で動作させる。すなわち、最大トルクが得られる速度は、低速かつ一定速度であり、図53の破線枠MXで示す範囲である。
具体的な速度は、モータや可動役物115の機構に応じて設定される。
リトライでのモータ制御についてさらに説明すると、モータの動き始めの回転速度をそのまま維持する。すなわち、モータの動作開始時の回転速度から加速しないように制御する。これにより、リトライを最大トルクで実行することが可能になる。
付言すると、通常の演出における動作開始時に制御されるトルクが継続されるように、モータ制御する制御例が考えられる。また、通常の演出における動作とは異なる速度でリトライが行われるように制御する制御例が考えられる。
なお、リトライでのモータ35〜37の励磁を、フルステップで行う場合のほか、ハーフステップで行う場合が考えられ、また、途中で切り替える例も考えられる。
〔リトライでのモータ制御の意義〕
ここで、可動役物の動作が正常な状態でないことが判明した場合に正常な状態に戻そうとするときには、演出時とは異なるトルクで駆動制御するのが望ましい。
そこで、可動役物が正常な状態でないときに正常な状態に戻す制御を実行可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)と、前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を駆動する駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)と、前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御して前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させる駆動制御手段(例えば、CPU321)と、を備え、前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、演出を行う際に、当該演出に関連して予め設定された駆動力で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御し、当該可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)が当該演出において正常に動作しなかった場合に行われる再試行動作(例えば、リトライ)において、当該演出での動作における駆動力とは異なる駆動力で当該可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように当該駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とする、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、前記再試行動作(例えば、リトライ)において、前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)による最大駆動力で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように当該駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とすることができる。また、前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、前記再試行動作(例えば、リトライ)において、前記演出における動作開始時に制御される駆動力で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とすることができる。さらに、前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、前記再試行動作(例えば、リトライ)において、前記演出における動作とは異なる速度で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とすることができる。
より詳細に説明する。通常の演出ではなく演出動作が正常でないことが検出された場合に、モータを停止させてエラー報知を行う制御を採用する場合がある。また、そのような検出があると、正常な状態に戻すべく、モータを駆動してリトライを行う制御を採用する場合もある。
このようなリトライにおける動作開始時の抵抗等を考慮すると、可動役物115の動作のリトライにおいては、できるだけ大きいトルクで動作させることが望ましい。
そこで、本実施の形態では、モータの最大トルクが得られる速度を維持してリトライを行う制御を採用する。
付言すると、モータ制御の仕方が異なる場面としては、通常の演出時(演出動作時)、リトライ時、電源投入時(電源復旧時)の3つを挙げることができる。かかる3つの場面を比較しつつ説明する。
まず、通常の演出時では、インパクトある動き演出を実現すべく、スピード(移動速度)を重視するモータ制御が行われる。すなわち、動き始めは、トルク重視で強いトルクで動作させるものの、動き始めた後には、トルクよりも回転速度(回転数)を重視し、スピードを高めて(言い換えると、トルクを下げて)動作させる(図53参照)。
その一方で、リトライ時には、より確実に可動役物115を動かして原点復帰させるべく、トルク重視のモータ制御を行い、スピード重視のモータ制御を行わない。すなわち、リトライ時には、動き始めも動き始めた後も強いトルクで動作させ、回転速度は低いままである。
このようなリトライ時のモータ制御は、上述した電源投入時でも同じであり、可動役物115の動作確認をより確実に行うために、常にトルク重視のモータ制御を行うことになる。
また、可動役物115が待機状態では遊技者から見えないように退避して待機し、演出時には例えば画像表示部114の前まで移動すること(登場)に伴って所定の演出を行い、演出終了後には元の位置に戻る(退場)という一連の動作を可動役物115が行う場合のモータ制御について言及する。
通常の演出時において、登場および退場のときにスピードが必要になる場合には、登場時と退場時のいずれも、動き始めはトルク重視で動き始めた後はスピード重視というモータ制御を実行することが考えられる。
その一方で、リトライ時や電源投入時には、動き始めも動き始めた後もトルク重視というモータ制御を、登場時と退場時のいずれか一方または両方に対して行うことが考えられる。例えば、リトライの登場時では常にトルク重視のモータ制御を行い、リトライの退場時はトルク重視からスピード重視に切り替えるモータ制御を行うことが考えられる。また、リトライ時のモータ制御として、登場時には途中でスピード重視に切り替えるモータ制御を行い、退場時には常にトルク重視のモータ制御を行うことが考えられる。さらには、リトライのモータ制御を、登場時および退場時のいずれもトルク重視のモータ制御を行うことも考えられる。
また、電源投入時のモータ制御を、かかるリトライ時のモータ制御の場合と同じ内容とする場合のほか、異なる内容とする場合も考えられる。
このような、常にモータ重視か途中でスピード重視に移行するかのモータ制御の選択は、可動役物115の構造的な要因やモータの特性等を考慮して決定することができる。
ところで、最大トルクが得られる回転速度がモータの共振域である場合が想定される。そのような場合には、モータの共振を回避するために、最大トルクが得られる速度とは異なる速度が回転速度となるようにモータ制御を行う。こうして、モータの共振対策を行うことが考えられる。
〔展開演出部115cの状態検出処理について〕
次に、可動役物115(図27または図28参照)の演出に伴い、展開演出部115cが収納状態から展開状態に移行する場合(図29の(b)参照)および展開状態から収納状態に移行する場合(同図の(a)参照)の状態検出処理について説明する。
より具体的には、展開演出部115cが展開状態に移行する場合に最終的に展開状態にあるか否かを検出する処理(展開状態検出処理)と、展開演出部115cが収納状態に移行する場合に最終的に収納状態にあるか否かを検出する処理(収納状態検出処理)と、を説明する。
ここにいう展開状態検出処理とは、旋回刃80の根元部82が稼働位置(図43、図44、図47、図48、図49の各(b)参照)にあるか否か(稼働位置検出)、および/または、先端部83が離間状態(図43、図44の各(b)参照)にあるか否か(離間状態検出)を検出する処理をいう。
また、ここにいう収納状態検出処理とは、旋回刃80の根元部82が原点位置(各図の(a)参照)にあるか否か(原点位置検出)、および/または、先端部83が近接状態(図43、図44の各(a)参照)にあるか否か(近接状態検出)を検出する処理をいう。
なお、上述したように、ここにいう根元部82の稼働位置は、揺動部材91の突出片91dが基板31,32のフォトセンサ94により検出される場合の位置である(図49の(b)参照)。また、ここにいう先端部83の離間状態は、検出部87により移動端(原点から最も遠い位置)が検出される場合の位置である(図43、図44の各(b)参照)。
また、ここにいう根元部82の原点位置は、突出片91dが基板31,32のフォトセンサ93により検出される場合の位置である(図49の(a)参照)。また、ここにいう先端部83の近接状態は、検出部87により原点が検出される場合の位置である(図43、図44の各(a)参照)。
このようなフォトセンサ93ないし検出部87は、根元部82が原点位置にあること、ないし先端部83が近接状態にあることを検知するためのものであり、初期状態を検出する初期状態検知手段ということができ、また、動作中の特定の状態を検出する特定状態検知手段ということができる。
また、フォトセンサ94ないし検出部87は、根元部82が稼働位置にあること、ないし先端部83が離間状態にあることを検知するためのものであり、特定状態を検出する特定状態検知手段ということができる。
ここにいう展開演出部115cの状態検出処理を、旋回刃80の状態検出処理と同一視することができる。そのため、旋回刃80の状態検出処理として以下説明する。
なお、旋回刃80の状態検出処理として、旋回刃80の根元部82の位置検出処理を説明する。すなわち、根元部82の稼働位置検出処理(後述の図54参照)および、根元部82の原点位置検出処理(後述の図55参照)である。付言すると、かかる根元部82の位置検出処理に代え、またはこれと共に先端部83の状態検出処理を行うことは可能である。
図54は、稼働位置検出処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示す処理手順において、展開演出部115cが展開状態に移行する場合(図29の(b)参照)、CPU321(図3参照)は、フォトセンサ94により揺動部材91の突出片91dが検出されたか否かを判断する。すなわち、フォトセンサ94による稼働位置検出があるか否かを判断する(ステップ5401)。
ここで、フォトセンサ94による稼働位置検出を確認するタイミングとしては、展開状態への移行時に通常であればフォトセンサ94が揺動部材91の突出片91dを検出する時点で行う制御例が考えられる。また、収納状態の展開演出部115cが展開状態への移行を開始から所定時間経過するまでの期間内に、フォトセンサ94から検出信号を受信したか否かを判断する制御例も考えられる。
稼働位置検出がない場合(ステップ5401でNo)、CPU321は、変数ERに1を加算し(ステップ5402)、加算後の変数ERが閾値SH2よりも大きいか否かを判定する(ステップ5403)。すなわち、稼働位置検出がなされず、そのために根元部82の位置が確認できないときは、リトライせず、エラーカウントをする。
なお、閾値SH2の値としては、例えば3回や10回等を挙げることができる。かかる値は、可動役物115の構造上の特性や演出面の影響等を考慮し、適宜設定することが可能である。
変数ERが閾値SH2以下の場合(ステップ5403でNo)、処理を終了する。
また、変数ERが閾値SH2を超える場合(ステップ5403でYes)は、エラー処理を行う(ステップ5404)。
ここにいうエラー処理としては、画像表示部114に表示したり、枠ランプ157等の発光でホール店の店員に知らせたりすることが考えられる。
また、フォトセンサ94による稼働位置検出がある場合(ステップ5401でYes)、CPU321は変数ERを初期化し(ステップ5405)、処理を終了する。すなわち、フォトセンサ94による稼働位置検出がないことが連続して発生しても、所定回数以内にフォトセンサ94による稼働位置検出があれば、その後の制御に影響しない。
なお、本実施の形態では、稼働位置検出があれば初期化を行う制御を採用するが、稼働位置検出がある時点では初期化を行わないという変形例も考えられる。すなわち、かかる初期化を電源投入時のタイミングで行い、かつ、変数ERを電源投入時からの累積数として、上述の制御を行う例である。
また、旋回刃80の根元部82における稼働位置検出の処理のみならず、旋回刃80の先端部83における離間状態検出を行う処理についても同様のことがいえる。すなわち、フォトセンサ94(図49参照)の稼働位置検出の場合のほか、検出部87(図46参照)の離間状態検出の場合についても適用することが考えられる。
図55は、原点位置検出処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示す処理手順において、展開演出部115cによる演出を実行し、展開演出部115cの旋回刃80の動き演出が終了すると(ステップ5501)、旋回刃80が原点位置に戻ったか否かを確認する。すなわち、CPU321(図3参照)は、基板31,32のフォトセンサ93(図49参照)による原点位置検出が行われたか否かを判断する(ステップ5502)。
フォトセンサ93による原点位置検出がない場合(ステップ5502でNo)、CPU321は、原点未復帰フラグをONにし(ステップ5503)、RAM303(図3参照)に格納する。そして、CPU321は、次の旋回刃80の動き演出の実行指示を待つ。
すなわち、展開演出部115cによる演出が終了したにもかかわらず、旋回刃80が原点位置に戻っていない場合、リトライを行わず、その事実を記憶しておく。さらに説明すると、その事実を記憶するだけであり、その事実をパチンコ遊技機100の外部に向けて報知することはせず、示唆すらしない。
フォトセンサ93による原点位置検出がない場合(ステップ5502でNo)には、ステップ5504に進む。すなわち、原点未復帰フラグの処理(ステップ5503参照)を行わずに、次の旋回刃80の動き演出の実行指示を待つ。
そして、展開演出部115cによる演出に伴う次の旋回刃80の動き演出の実行指示があると(ステップ5504)、CPU321は、原点未復帰フラグがONであるか否かを判断する(ステップ5505)。かかる原点未復帰フラグは、上述したように、旋回刃80の動き演出の終了段階で、フォトセンサ93による原点位置検出が行われなかったかどうかを示すものであり、原点位置検出が行われないとONになる。
原点未復帰フラグONの場合(ステップ5505でYes)、CPU321は次に、基板31,32のフォトセンサ93(図49参照)による原点位置検出が行われたか否かを判断する(ステップ5506)。すなわち、前回の動き演出の終了時点では、原点位置検出が行われなかったものの、その後の時間経過に伴って、旋回刃80が原点位置に戻っている可能性があることから、再度の確認を行う。
さらに説明すると、再度の確認の際に、モータ35,36(図47または図48参照)を駆動することはせず、単なる再確認にとどまる。当然ながら、再確認に当たり、モータ35,36を、根元部82が原点位置に戻る方向に駆動する変形例が考えられる。
再確認の結果、フォトセンサ93による原点位置検出がある場合(ステップ5506でYes)、CPU321は、原点未復帰フラグをOFFにし(ステップ5507)、旋回刃80の動き演出を開始する(ステップ5508)。すなわち、前回の旋回刃80の動き演出終了時に原点位置検出がなされなかったことの記憶が消去され、次の演出動作に移っている。
その一方で、再確認しても原点位置検出がない場合(ステップ5506でNo)、CPU321は、エラー処理を行い(ステップ5509)、処理を終了する。
ここにいうエラー処理(ステップ5509)としては、画像表示部114に表示したり、枠ランプ157等の発光でホール店の店員に知らせたりすることが考えられる。
なお、本実施の形態では、フォトセンサ93による原点位置検出がないこと(エラー)が2回続く場合にエラー処理を行う制御を採用するが、エラー処理をエラーが所定回数続くまで待つ変形例も考えられる。
また、次の旋回刃80の動き演出の実行指示があった時点で、原点未復帰フラグがONでない場合は(ステップ5504、ステップ5505でNo)、原点未復帰フラグの処理を行うことなく、旋回刃80の動き演出を開始する(ステップ5508)。
ここで、前回の作動時に役物検知していないものの、次回の作動開始時に役物検知することの制御を採用する前提として、モータ35,36(図47または図48参照)による駆動以外に、他の何らかの作用によって原点復帰した場合を想定している。この場合の作用としては、本実施の形態の場合には、展開演出部115cが収納状態で回転演出部115bが回転することによる遠心力等の作用を挙げることができる。また、ばねの弾性力や、役物自体の自重等による作用も考えられる。
付言すると、かかる作用による原点復帰は、旋回刃80の根元部82における原点位置検出の処理のみならず、旋回刃80の先端部83における近接状態検出を行う処理についても同様のことがいえる。すなわち、フォトセンサ93(図49参照)の原点位置検出の場合のほか、検出部87(図46参照)の近接状態検出の場合についても適用することが考えられる。
〔展開演出部115cの状態検出処理の意義〕
ここで、可動役物の位置をセンサで検出してそれにより可動役物の動作が正常であるか否かを確認する場合、可動役物の位置をセンサで検出することができないときに可動役物が本来の演出内容とは異なる動作を行うと、抽選結果の報知示唆として可動役物を目で追っている遊技者が混乱してしまうおそれがあり、演出上好ましいものではない。
そこで、可動役物の位置がセンサにより検出できない場合の演出上の不具合発生を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が動作中の特定の状態であることを検知する特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が演出において前記特定の状態となるべきときに、前記特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が当該特定の状態であることが検知されなかった場合に、当該特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により検知されなかった回数を計数する計数手段(例えばCPU321)と、前記計数手段(例えばCPU321)により計数された前記回数が予め定められた条件を満足する場合に、エラー処理を行うエラー処理手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
また、本発明が適用される遊技機は、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることを検知する初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)と、演出における前記可動役物(例えば可動役物115)の一連の動作が終了して当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態となるべきときに、前記初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかった場合、当該可動役物(例えば可動役物115)の次の動作開始の際、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されたならばエラー処理を行わず、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかったならばエラー処理を行うエラー処理手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
より詳細に説明する。展開演出部115cが動きの演出に伴って展開状態や収納状態になるようにモータ35〜37(図29参照)により駆動制御される場合、展開状態や収納状態になっていることを確認する必要がある。かかる確認は、種々のセンサにより行われるものである。
そして、展開状態または収納状態になっていることが検出されないときには、リトライの制御を行うことが考えられる。展開演出部115cの動き演出が例えば大当たり抽選に伴うものであれば、リトライを実施することの必要性が高まる。
しかしながら、リトライを行うことで、通常の演出とは異なる内容が展開演出部115cにより行われることになり、大当たり抽選の結果や内部状態について遊技者が混乱してしまうおそれがあり、遊技者の遊技に対して集中できなくなってしまうことも想定される。
その一方で、次回の動き演出の開始時までに何らかの作用により、本来の状態に移行していることが期待できる場合がある。
そこで、本実施の形態では、展開状態または収納状態になっていることが検出されないときには、その事実を記憶しておき、次回の演出を開始する際に、展開状態または収納状態になっているか否かを再び確認するようにしている。これにより、リトライを行うことによる不都合な事態の発生を防止することが可能になる。
〔可動役物115における原点検出について〕
次に、可動役物115における各種の原点検出について説明する。ここにいう原点検出は、可動役物115のベース部材115aに対する回転演出部115bの原点検出(例えば図50に示すフォトセンサ115d21によるもの)に限られない。すなわち、回転演出部115bに対する根元部82の原点検出(例えば図49に示すフォトセンサ93によるもの)や、回転演出部115bに対する先端部83の原点検出(例えば図46に示す検出部87によるもの)が含まれる。
かかる原点検出は、起動処理の際に行われるものであることから、まず、パチンコ遊技機100の起動処理を説明し、次に、原点検出の制御について説明する。
〔遊技制御部での起動処理〕
図56は、電源スイッチ(不図示)のONにより行われる起動処理の内容を示すフローチャートである。図56の(a)は、遊技制御部200(図3参照)での起動処理の内容を示すフローチャートであり、(b)は、演出制御部300(図3参照)での起動処理の内容を示すフローチャートである。
図56の(a)に示すように、遊技制御部200は、この起動処理において、電源スイッチ(不図示)がOFFからONになり、スイッチング電源(不図示)の電源が投入されると(ステップ5601)、演出制御部300の立ち上がりを待つために例えば1000msの時間待ちをした後に、電源ONコマンドを演出制御部300に送信する(ステップ5602)。
そして、遊技制御部200は、RAMクリアの処理を行うか否かを判断する(ステップ5603)。すなわち、開店時等に遊技店の店員が、RAMに保持されているデータを消去してパチンコ遊技機100を立ち上げようとするときには、電源スイッチ(不図示)をONにする際にRAMクリアスイッチ(不図示)を押すRAMクリア操作を行う。遊技制御部200は、このRAMクリア操作が行われたか否かを判断する。
遊技制御部200は、RAMクリアの処理を行うと判断すると(ステップ5603でYes)、RAMに保持されている情報の初期化を行うRAMクリアの処理を行う(ステップ5604)。遊技制御部200は、RAMクリアの処理を行わないと判断すると(ステップ5603でNo)、処理を終了する。
〔演出制御部での起動処理〕
演出制御部300では、図56の(b)に示すように、遊技制御部200から電源ONコマンドを受信すると(ステップ5651)、電源投入に伴う初期処理を行う(ステップ5652)。ここにいう初期処理として、演出制御部300(図3参照)では、CPU301がROM302から起動プログラムを読み込み、演出制御部300のRAM303をクリアする処理等が行われる。また、初期処理として、外部インターフェイスやバス等のハードウェアの初期化を行う。なお、初期処理中は割込禁止状態であり、初期処理後に割込が許可される。
また、演出制御部300(図3参照)は、初期処理として、演出制御に用いられる各種の乱数等の更新を行うことや、ROM302からオペレーティングシステム(OS)をCPU301に読み込むこと等を行う。また、初期処理として、例えば画像/音響制御部310のCPU311では、遊技可能状態になるまでの途中経過の状況を画像で知らせるプログレスバー(不図示)を画像表示部114(図1参照)に表示する。
図56の(b)に示すステップ5653の可動役物チェック処理は、ステップ5652の初期処理に並行して処理される。可動役物チェック処理は、例えば、画像表示部114に表示されるプログレスバーが延びる際に行われるものであり、可動役物115に対するチェック処理である。
図57は、各種の原点位置検出器と枠ランプ157a,157b,157c,157dとの対応付けを説明する図である。図57の(a)はその対応表であり、(b)は、位置関係を説明する正面図であり、図1に対応するものである。ここにいう各種の原点位置検出器とは、フォトセンサ115d21、基板31のフォトセンサ93、基板32のフォトセンサ93、検出部87をいう。
図57の(a)に示すように、フォトセンサ115d21(図50参照)は枠ランプ157aに対応付けされ、基板31のフォトセンサ93(図29、図49参照)は枠ランプ157bに対応付けされている。また、基板32のフォトセンサ93(図29、図49参照)は枠ランプ157cに対応付けされ、検出部87(図29、図46参照)は枠ランプ157dに対応付けされている。
なお、枠ランプ157a〜157dは、枠ランプ157(図1も参照)の一部を構成するものである。
また、図57の(b)に示すように、枠ランプ157のうち正面視で左から右の順に、枠ランプ157a,157b,157c,157dが配設されている。なお、このような枠ランプ157a〜157dがいずれの原点位置検出器と対応付けられているかを明らかにすべく、画像表示部114(図1参照)に対応する原点位置検出器を特定する画像を表示することが考えられる。
なお、原点位置検出器と枠ランプ157a〜157dとの対応付けとしては、種々のものが考えられる。例えばランプ制御部320のROM322に対応付けデータとして格納しておき、ランプ制御部320のCPU321が電源投入時にROM322から対応付けデータを読み出すソフト的に対応付ける制御例である。また、配線によりハード的に対応付ける構成例も考えられる。
〔可動役物チェック処理〕
図58は、図56の(b)の可動役物チェック処理(ステップ5653)の内容を示すフローチャートである。
図58に示すように、ランプ制御部320のCPU321(図3参照)は、まず、枠ランプ157a〜157dのすべてを、予め定められた検査用発光パターンで点灯させる(ステップ5801)。かかる検査用発光パターンは、演出時に用いられる発光パターン(通常発光パターン)とは異なるものである。
このように枠ランプ157a〜157dの点灯をした後に、タイマをスタートさせる(ステップ5802)。かかるタイマがスタートする時点では、原点位置検出器は作動する準備を完了している。
なお、これら枠ランプ157a〜157dは、点灯、消灯または点滅等によって原点位置検出器(図57の(a)参照)の状態を報知するための報知用ランプということができる。
付言すると、上述したように、画像表示部114に、枠ランプ157a〜157dの各々にいずれの原点位置検出器が対応しているものであるかを知らせる画像を表示する制御例が考えられる。
CPU321は、次に、原点位置検出器すなわち、フォトセンサ115d21、基板31のフォトセンサ93、基板32のフォトセンサ93、検出部87のいずれかから原点検出信号を受信したか否かを判断する(ステップ5803)。すなわち、CPU321は、可動役物115が初期状態であるか否かを判断する。
原点検出信号を受信した場合(ステップ5803でYes)、CPU321は、枠ランプ157a〜157dのうち受信した原点検出信号に対応するものを消灯させる(ステップ5804)。その後、ステップ5803に戻る。
ここにいう対応付けは、上述した図57の(a)に示すものである。
原点検出信号を受信しない場合(ステップ5803でNo)、CPU321は、ステップ5802でスタートさせたタイマのタイマ値が閾値Tより大きくなっているか否かを判断する(ステップ5805)。
タイマ値が閾値Tより大きくなっていない場合(ステップ5805でNo)、未だ原点検出信号を受信していない原点位置検出器に対応する可動材を原点位置に移動させる(ステップ5806)。すなわち、未受信の原点検出信号に対応するモータを作動させ、原点位置に戻すように動作させる。言い換えると、初期状態に復帰させるようにモータを作動させる。
可動役物の構成部材のうち原点位置にないものが原点位置(初期状態)に戻れば、CPU321は、原点検出信号を受信することができる。そのため、ステップ5803に戻り、未受信の原点検出信号を受信したか否かを判断する。このような制御がタイムアップするまで行われる。
やがて、タイマ値が閾値Tより大きくなると(ステップ5805でYes)、CPU321は、枠ランプ157a〜157dの中で検査用発光パターンをまだ発光しているものがあるか否かを判断する(ステップ5807)。
より詳しく説明すると、原点検出信号を出力した原点位置検出器に対応する枠ランプ157a〜157dは、検査用発光パターンによる発光を停止している。すなわち、通常であれば、枠ランプ157a〜157dのすべては消灯している(ステップ5804参照)。しかしながら、何らかの事情により、原点検出信号を出力していない原点位置検出器があれば、対応する枠ランプ157a〜157dは点灯状態のままであり、検査用発光パターンによる発光を継続している。
そのような発光中の枠ランプ157a〜157dに対応する原点位置検出器が動作不良であったり、原点位置検出器に関連する機構に不具合があったり、モータが正常に作動しなかったりするおそれがある。
そこで、枠ランプ157a〜157dのうち発光中のものがある場合(ステップ5807でYes)、CPU321は、エラー報知を行って(ステップ5808)、一連の処理を終了する。
枠ランプ157a〜157dのいずれも発光していない場合(ステップ5807でNo)、CPU321は、通常発光パターンで枠ランプ157a〜157dを発光させ(ステップ5809)、一連の処理を終了する。
なお、本実施の形態では、原点位置検出器(フォトセンサ115d21、基板31のフォトセンサ93、基板32のフォトセンサ93、検出部87)の検査についてのものであるが、可動役物115の位置検出に用いられる他の検出器の検査に適用することが考えられる。
例えば、稼働位置検出器(基板31のフォトセンサ94、基板32のフォトセンサ94、検出部87)である。その場合には、枠ランプ157a〜157d以外の枠ランプ157の他の枠ランプに対応付けられ、また、原点位置に移動する処理(ステップ5806)のほかに、稼働位置に移動する処理が実行される。
ステップ5808におけるエラー報知としては、画像表示部114での画像による報知や、スピーカ156での警告音による報知、盤ランプ116および/または他の枠ランプ157での点滅発光による報知等が考えられる。
また、他のエラー報知の形態としては、検査用発光パターンや通常の発光パターン以外の特殊な発光パターンで枠ランプ157を発光する報知も考えられる。また、消灯されずにまだ点灯している枠ランプを例えば点滅させること等によりエラー報知する変形例も考えられる。また、エラー報知する場合に、原点位置検出器のうちいずれが故障しているかを画像表示部114に報知する変形例も考えられる。
ここで、所定時間を経過しても検査用発光パターンのままで通常発光パターンに切り替えられないときには、異常が検出されていることから、目視可能であり、エラーであることが一目瞭然であるといえる。そのため、パチンコ遊技機100の製造段階における検査工程ではエラー報知(ステップ5808)を省略することが考えられる。
このようにして、パチンコ遊技機100が設置されたホール店で開店前の電源投入時に原点位置検出器を行うことができる。
さらに説明すると、出荷後のホール店でのセンサチェックの他に、工場から出荷される前での工場検査にも適用することが考えられる。工場検査の場合には、センサチェック処理を行うためのプログラムを演出制御部300(図3参照)に格納する態様と、工場検査の際にパチンコ遊技機100に接続される検査ユニット(不図示)に格納する態様と、が考えられる。
〔可動役物チェック処理の意義〕
ここで、電源投入することで行われる可動役物の初期動作が正常であるか否かの確認を行うことが困難な場合がある。
そこで、可動役物の初期動作のより容易な確認を可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)の演出における動作を制御すると共に、起動時に、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であるか否かを判断し、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態でない場合は、当該可動役物(例えば可動役物115)を初期状態に復帰させるように制御する可動役物制御手段(例えばCPU321)と、演出において用いられると共に、起動時に、一の発光態様で発光し前記可動役物(例えば可動役物115)が初期状態である場合、または、前記可動役物制御手段(例えばCPU321)の制御により当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態となった場合に、当該一の発光態様とは異なる他の発光態様で発光する発光手段(例えば枠ランプ157,157a,157b,157c,157d)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
前記発光手段(例えば枠ランプ157,157a,157b,157c,157d)は、前記可動役物制御手段(例えばCPU321)が前記可動役物(例えば可動役物115)を初期状態に復帰させる制御を行っても当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態に復帰しない場合に、前記一の発光態様および前記他の発光態様の何れとも異なる発光態様で発光することを特徴とすることができる。
より詳細に説明する。例えば工場出荷前の検査は、不具合箇所の検出を正確に行うことが求められる。その一方で、かかる検査は大量のパチンコ遊技機100に対して行うことになり、迅速性も求められる。そのため、検査対象のパチンコ遊技機100が正常であるか異常であるかを検査作業者にわかり易く報知することで、正確性と迅速性の両方に対応することが可能になる。
さらに説明すると、パチンコ遊技機100を出荷する場合、搬送中に可動役物115が動いてしまうことを防止するために画像表示部114前側に可動役物115を固定する不図示の搬送用固定部材を装着する。可動役物115におけるモータ駆動の部材が原点位置にない状態で搬送用固定部材を装着しようとすると、可動役物115が破損したり、ホール店で設置された後の動作不良の原因になったりするおそれがある。
そこで、上述した可動役物チェック処理を実行することで、モータ駆動の部材が原点位置にあるか否かを自動的に検出可能になり、モータ駆動の部材が原点位置にあるパチンコ遊技機100に対して搬送用固定部材を装着することで、上述の不具合発生を防止することができる。
このような可動役物チェック処理(図58参照)は、修理のためにホール店のパチンコ遊技機100をメーカに搬送する場合も同じであり、搬送用固定部材を無理矢理装着することに起因する不具合の発生を防止することが可能になる。
本書にて可動役物115における種々の構造や制御等について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
ここで、可動役物115(例えば図27、図28参照)は可動役物の一例である。
基板31,32のフォトセンサ94(図49参照)および検出部87(図46参照)は、特定状態検知手段の一例である。
ランプ制御部320のCPU321(図3参照)は、計数手段の一例である。
演出制御部300のCPU301(図3参照)は、エラー処理手段の一例である。
パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。
基板31,32のフォトセンサ93(図49参照)および検出部87(図46参照)は、初期状態検知手段の一例である。
87…検出部(特定状態検知手段の一例)
93…フォトセンサ(初期状態検知手段の一例)
94…フォトセンサ(特定状態検知手段の一例)
115…可動役物(可動役物の一例)
301…CPU(エラー処理手段の一例)
321…CPU(計数手段の一例)
本発明が適用される遊技機は、演出において動作可能に設けられ、特定の状態になるように駆動される可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が前記特定の状態であることを検知する特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が演出において前記特定の状態となるべきときに、前記特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が当該特定の状態であることが検知されなかった場合に、当該特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により検知されなかった回数を計数する計数手段(例えばCPU321)とを備え前記計数手段(例えばCPU321)により前記回数が計数される場合、前記可動役物(例えば可動役物115)が前記特定の状態になるように駆動されず、前記計数手段(例えばCPU321)により計数された前記回数が予め定められた条件を満足する場合に、エラー処理を行うとを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である

Claims (2)

  1. 演出において動作可能に設けられた可動役物と、
    前記可動役物が動作中の特定の状態であることを検知する特定状態検知手段と、
    前記可動役物が演出において前記特定の状態となるべきときに、前記特定状態検知手段により当該可動役物が当該特定の状態であることが検知されなかった場合に、当該特定状態検知手段により検知されなかった回数を計数する計数手段と、
    前記計数手段により計数された前記回数が予め定められた条件を満足する場合に、エラー処理を行うエラー処理手段と、
    を備えることを特徴とする、遊技機。
  2. 演出において動作可能に設けられた可動役物と、
    前記可動役物が初期状態であることを検知する初期状態検知手段と、
    演出における前記可動役物の一連の動作が終了して当該可動役物が初期状態となるべきときに、前記初期状態検知手段により当該可動役物が初期状態であることが検知されなかった場合、当該可動役物の次の動作開始の際、当該初期状態検知手段により、当該可動役物が初期状態であることが検知されたならばエラー処理を行わず、当該初期状態検知手段により、当該可動役物が初期状態であることが検知されなかったならばエラー処理を行うエラー処理手段と、
    を備えることを特徴とする、遊技機。
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