JP2016036512A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、可動役物の位置がセンサにより検出できない場合の演出上の不具合発生を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
また、本発明が適用される遊技機は、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることを検知する初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)と、演出における前記可動役物(例えば可動役物115)の一連の動作が終了して当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態となるべきときに、前記初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかった場合、当該可動役物(例えば可動役物115)の次の動作開始の際、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されたならばエラー処理を行わず、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかったならばエラー処理を行うエラー処理手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110には、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
なお、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を、枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の判定(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の判定の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の判定の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の判定の構成例、図17(d)には当たり乱数の判定の構成例が、それぞれ示されている。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303(図3参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303(図3参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)であるか否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2403)。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
次に、上述した可動役物115(図1参照)について説明する。
この可動役物115は、パチンコ遊技機100(図1参照)が行う演出のうち、動きの演出(動き演出)および光による演出(光演出)を担うように構成されており、パチンコ遊技機100の平面視で遊技盤110(図1参照)と画像表示部114(図1参照)との間に位置する。すなわち、可動役物115は、画像表示部114よりも前側に位置する。可動役物115は、遊技盤110よりも後ろ側に位置するが、部分的に遊技盤110よりも前側に位置するような構成も考えられる。
なお、遊技盤110の一部を構成する遊技盤本体は、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、透明遊技板である。このため、遊技盤110に隠れている可動役物115の部分も、遊技者が視認可能である。
付言すると、遊技盤本体は、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるポリカーボネート(PC)製である。また、遊技盤本体を、素材としてのアクリル製の板材を切削加工により凹凸形状や切欠き形状を形成する場合に適用することも考えられる。
ここで、可動役物115の展開演出部115cは、図29の(a)に示す収納状態で停止する場合(待機状態。通常時の状態)のほか、収納状態で回転する場合(回転演出時の状態)がある。また、展開演出部115cは、図29の(b)に示す展開状態で一時的に停止する場合(展開停止演出時の状態)があり、さらには、展開状態で回転する場合(展開回転演出時の状態)もある。
ベース部材115aは、略中央に円形状の開口部kaが形成されている板状部材である。また、回転演出部115bは、略中央に円形状の開口部kbが形成されている円筒形状である。
ベース部材115aの開口部kaおよび回転演出部115bの開口部kbは、互いに重なり合うことで、可動役物115の前側と後側とが連通する中央空間を形成する。かかる中央空間により、画像表示部114(図1参照)に表示される画像が遊技者に視認可能になる。
この展開演出部115cは、ベース部材115aに対して可動の回転演出部115bに取り付けられている。そして、図29の(a)に示すように通常時には収納されている一方で、同図の(b)に示すように、演出時には展開して中央空間に登場する動きの演出(動き演出)を行う。付言すると、展開演出部115cは、光源としての複数のLEDを備え、かかる複数のLEDで光による演出(光演出)を実行する。
可動役物115の展開演出部115cについては後述する。
可動役物115の回転演出部115bについてさらに説明する。
図27または図28に示すように、回転演出部115bは、正面視で時計方向および反時計方向に回転可能であり、正逆ともに回転可能である。
本実施の形態に係る回転演出部115bには、回転中心の位置に設けられる回転軸部を備える構成が採用されていない。すなわち、回転演出部115bには、その周囲を保持部115d1,115d2で回転自在に保持される構成が採用されている。
保持部115d1,115d2は、回転演出部115bと係合する係合部材11(図30参照)を含んで構成されている。保持部115d1,115d2のより詳細な構成は後述する(図30参照)。
回転駆動部115eのより詳細な構成は後述する(図31参照)。
また、回転演出部115bは、樹脂製の本体115b1に取り付けられ、蓋部材115b2に覆われる複数の基板31,32,33(図29参照)と、動きの演出時に展開演出部115cを駆動するためのモータ35,36,37と、を含んで構成されている。
基板31〜33には、例えばモータ35〜37を駆動制御するモータドライバ34b,34c,34e(図37参照)などの各種電子部品が搭載されている。
ここにいう通信ラインは、例えば赤外線通信等の無線ではなく、ここにいう電力ラインと同じく有線により確保されるものである。言い換えると、通信ラインは、電力ラインと同じ方式(有線)で構成される。
すなわち、ブラシ部40A,40Bが、ベース部材115aにおける回転演出部115bの円周方向の互いに異なる位置に配設されている。ブラシ部40A,40Bの各々は、接触子41,42,43(図32参照)を含んで構成されている。接触子41〜43は、電力ラインおよび通信ラインを確保すべく、環状部50に押圧される状態で接触する。これにより、回転演出部115bの回転時に環状部50との接触が維持されるようになる。
ブラシ部40A,40Bのより詳細な構成は後述する。
環状部50のより詳細な構成は後述する。
次に、保持部115d1および保持部115d2の構成について説明する。
ここで、保持部115d2は、保持部115d1と基本的な構成が共通することから、以下保持部115d1の構成を説明することとし、保持部115d2については基本的な構成の説明を省略する。
付言すると、保持部115d2は、回転演出部115bを保持する構成が保持部115d1と共通するものの、保持部115d1が備えていない構成を備えている。すなわち、保持部115d2は、フォトセンサ115d21(図50参照)を備えている。より詳細な説明は後述する。
図30の(a)に示すように、保持部115d1は、回転演出部115bと係合する上述の係合部材11と、係合部材11を保持する保持部材12と、を備えている。また、保持部115d1は、保持部材12を本体115b1に取り付ける取り付け部材13を備えている。
取り付け部材13には、保持部材12に向かって延びる2つの位置決めピン13aが形成されている。そして、この2つの位置決めピン13aが保持部材12の位置決め穴12bに入れられることで、保持部材12が係合部材11と共に取り付け部材13に対して位置決めされる。その後、保持部材12が取り付け部材13にねじ止めされる。
より詳細には、保持部115d1は、回転演出部115bの円周方向に複数配設されている。これにより、回転演出部115bは、ベース部材115aに回転自在に保持される。
次に、駆動源を含む回転駆動部115eについて説明する。
図31は、回転駆動部115eの構成を説明する図であり、同図の(a)は、回転駆動部115eの駆動対象である回転演出部115bと共に示す回転駆動部115eの分解斜視図である。図31の(b)は、回転演出部115bに対する回転駆動部115eの位置を示すための回転演出部115bおよび回転駆動部115eの背面図であり、同図の(a)に対応する領域を円aで囲んで示している。
図31の(a)に示すように、回転駆動部115eは、駆動力を出力する駆動軸21aを持つ上述のモータ21と、モータ21の駆動軸21aに取り付けられる上述のギア22と、ギア22から駆動力が伝達される上述のギア23と、ギア23から駆動力が伝達される上述のギア24と、を備えている。ギア22〜24はいずれも平歯車である。
付言すると、歯車24bは、歯車24aよりもモジュールが大きい。すなわち、歯車24bの歯厚が歯車24aよりも大きく、歯車24bの強度を歯車24aよりも高めている。なお、歯車24bの歯先円直径は、歯車24aと同じように形成されている。
なお、回転駆動部115eのケース部材27は、ベース部材115a(例えば図28参照)にねじ止めされる。すなわち、回転駆動部115eは、可動役物115のベース部材115a(図28参照)に取り付けられている。
この取り付け部材115b5は、詳細を後述する小径外歯車86(図46参照)を本体115b1に取り付けるためのものである。また、取り付け部材115b5は、詳細を後述する湾刀部83a(例えば図43、図44参照)のための当て部115b51を持つ(図44の(a)参照)。なお、ここにいう湾刀部83aは、展開演出部115c(例えば図29参照)が備える旋回刃80Aの先端部83(例えば図43、図44参照)の一部を構成するものである。
次に、上述した電力ラインおよび通信ラインの一部を構成するブラシ部40および環状部50について説明する。なお、ここにいう電力ラインおよび通信ラインは、上述したように、ベース部材115aと回転演出部115bとの間に形成されるものを含む。そして、ブラシ部40A,40Bは、ベース部材115a側に取り付けられるものであり(図28参照)、環状部50(帯状部材51,52,53)は、回転演出部115b側に取り付けられるものである(図28参照)。
付言すると、ここにいう電力ラインおよび通信ラインは、ベース部材115aと回転演出部115bとの間に配設されるスリップリング構造を含むものである。言い換えると、ベース部材115aと回転演出部115bとの間における電力ラインおよび通信ラインをコネクタ接続により構成するものではない。
まず、ブラシ部40A,40Bについて説明する。
図32は、ブラシ部40Aを説明する図であり、(a)は、ベース部材115aと共に示すブラシ部40Aの斜視図であり、(b)は、ブラシ部40Aの構成を説明する分解斜視図である。
図32の(a)に示すように、2つのブラシ部40Aがブラシユニット40に互いに逆向きとなるように取り付けられている。すなわち、2つのブラシ部40Aは、ブラシユニット40を介してベース部材115aに取り付けられる。
このブラシユニット40は、互いに反対の方向に延びる二組の接触子群を備えている。より具体的には、二組の接触子群のうち一方は右斜め上向きに延び、他方は左斜め上向きに延びている。
なお、ブラシ部40Aとブラシ部40Bとは、接触子群のための基本的な構造が共通することから、図32を用いてブラシ部40Aを説明し、ブラシ部40Bの説明を省略することがある。
接触子41〜43は長手形状の板状部材であり、その一端側に位置する接点44と他端側に位置する取り付け部45とを備えている。接触子41〜43における取り付け部45から接点44へと向かう部分は、取り付け部45よりも幅が狭く形成され、たわみ易くなっている。
接点44は、帯状部材51〜53のいずれかと接触する部分であり、所定の領域を持って形成されている。接点44は、上述の帯状部材51〜53のいずれか一と面接触する。すなわち、接触子41の接点44は帯状部材51と面接触し、接触子42の接点44は帯状部材52と面接触し、接触子43の接点44は帯状部材53と面接触する。
また、ブラシ部40Aは、電力ラインの一部を構成するコネクタ48と、通信ラインの一部を構成するコネクタ49と、を備えている。
図33は、ホルダ47への接触子41〜43の取り付けを説明する図である。同図の(a)は、接触子41〜43のとりわけ取り付け部45を説明する図であり、(b)〜(d)は、ホルダ47に対する接触子41〜43の取り付け位置を説明する図である。
図33の(a)に示すように、接触子41〜43における各取り付け部45には、押さえ部材46およびねじ部材(雄ネジ)を介してホルダ47に固定するための穴が複数形成されている。
接触子41〜43における押さえ部材46の接点44寄り端位置から接点44の押さえ部材46寄り端位置までの中間部分Lの長さをアーム長とすると、図33の(b)〜(d)に示すように、取り付け穴45a〜45cのいずれを用いてホルダ47にねじ止めされるかによって、アーム長が異なる。
また、同図の(c)では、接触子41〜43の各々が取り付け穴45bを用いてホルダ47にねじ止めされており、アーム長は距離Lbである。また、同図の(d)では、取り付け穴45cでホルダ47にねじ止めされ、アーム長は距離Lcである。また、ねじ止め位置が取り付け穴45dの場合のアーム長は距離Ldである。
ここにいう距離La〜Ldのうち距離Laが最も小さく、距離Lb、距離Lc、距離Ldの順で大きくなる(La<Lb<Lc<Ld)。
このように、アーム長を段階的に設定できるように構成されている。すなわち、本実施の形態では、ブラシ部40A,40Bの組み立て作業の際に距離La,Lb,Lc,Ldのうち予め定められたものを選択可能である。
ここで、可動体に対して相対移動接触部分(接点)を介して給電ないし通信を行う構成を採用する場合、何らかの理由で相対移動接触部分が非接触な状態になって一時的に給電ないし通信ができなくなると、可動体による演出が中断してしまい、好ましくない。
そこで、可動体との間で相対移動接触部分を介する給電および/または通信が一時的にできなくなる事態の発生を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、環状体(例えば帯状部材51,52,53)を持ち、当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)と共に回転可能に配設され、演出を行う可動体(例えば回転演出部115b)と、前記可動体(例えば回転演出部115b)の前記環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第1の接触部分(例えば接点44)を持つ第1の部材(例えば接触子41,42,43)をベース部材(例えばホルダ47)に取り付けて構成され、当該第1の部材(例えば接触子41,42,43)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)とを介して前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)から当該可動体(例えば回転演出部115b)に電力または信号を送る第1の送り部(例えばブラシ部40A,40B)と、前記可動体(例えば回転演出部115b)の前記環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第2の接触部分(例えば接点44)を持つ第2の部材(例えば接触子41,42,43)をベース部材(例えばホルダ47)に取り付けて構成され、当該第2の部材(例えば接触子41,42,43)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)とを介して前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)から当該可動体(例えば回転演出部115b)に電力または信号を送る第2の送り部(例えばブラシ部40A,40B)と、を備え、前記第1の送り部(例えばブラシ部40A,40B)において前記ベース部材(例えばホルダ47)に取り付けられる前記第1の部材(例えば接触子41,42,43)の前記第1の接触部分(例えば接点44)を保持する第1の保持部分(例えば中間部分L)は、前記第2の送り部(例えば接触子41,42,43)において前記ベース部材(例えばホルダ47)に取り付けられる前記第2の部材(例えば接触子41,42,43)の前記第2の接触部分(例えば接点44)を保持する第2の保持部分(例えば中間部分L)とは異なる長さ(例えば距離La,Lb,Lc,Ld)であることを特徴とするものである。
また、所定の演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)に回転可能に配設され、演出を行う可動体(例えば回転演出部115b)と、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)に固定される環状体(例えば帯状部材51,52,53)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第1の接触部分(例えば接点44)を持ち前記可動体(例えば回転演出部115b)に設けられる第1の部材(例えば接触子41,42,43)とを介して当該遊技機(例えばパチンコ遊技機100)からの電力または信号を受ける第1の受け部(例えばブラシ部40A,40B)と、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)に固定される環状体(例えば帯状部材51,52,53)と当該環状体(例えば帯状部材51,52,53)に接触可能な第2の接触部分(例えば接点44)を持ち前記可動体(例えば回転演出部115b)に設けられる第2の部材(例えば接触子41,42,43)とを介して当該遊技機(例えばパチンコ遊技機100)からの電力または信号を受ける第2の受け部(例えばブラシ部40A,40B)と、を備え、前記第1の受け部(例えばブラシ部40A,40B)の一部を構成するベース部材(例えばホルダ47)に前記第1の部材(例えば接触子41,42,43)が取り付けられると共に前記第2の受け部(例えばブラシ部40A,40B)の一部を構成するベース部材(例えばホルダ47)に前記第2の部材(例えばブラシ部40A,40B)が取り付けられる場合、当該第1の受け部(例えばブラシ部40A,40B)において当該第1の部材(例えば接触子41,42,43)の前記第1の接触部分(例えば接点44)を保持する第1の保持部分(例えば中間部分L)は、当該第2の受け部(例えばブラシ部40A,40B)において当該第2の部材(例えばブラシ部40A,40B)の前記第2の接触部分(例えば接点44)を保持する第2の保持部分(例えば中間部分L)とは異なる長さ(例えば距離La,Lb,Lc,Ld)であることを特徴とするものである。
四組の接触子群における接触子41は、回転演出部115bにおける環状部50の帯状部材51と接触し、接触子42は帯状部材52と接触し、接触子43は帯状部材53と接触する。言い換えると、帯状部材51には4つの接触子41が接触し、帯状部材52には4つの接触子42が接触し、帯状部材53には4つの接触子43が接触する。
なお、このような環状部50の帯状部材51,52,53は、板厚が視認できる方向から見ると、連続する曲線で形成されているが(図35、図36参照)、かかる曲線のみならず直線の部分を含むものであってもよい。
このように、ホルダ47に対する接触子41〜43のねじ止め位置を変えることで、接触子41〜43の振動部分の長さ(アーム長)を異ならしめている。すなわち、帯状部材51〜53が回転することに伴って接触子41〜43が振動する部分の長さが揃わないようにしている。
本実施の形態では、回転演出部115bの円周方向に関して所定位置に配設された4つの接触子41のアーム長を互いに異ならしめることにより、4つの接触子41の各々の固有振動数を別のものとしている。すなわち、4つの接触子41がすべて同じ固有振動数ではなく、様々な固有振動数になるように構成している。
しかしながら、上述したように、4つの接触子41の各々における振動部分の長さが揃わないようにしている。すなわち、4つの接触子41は互いに異なる固有振動数を持つことから、4つの接触子41のすべてが一度に共振する可能性が低い。言い換えると、4つの接触子41すべてがこのような非接触状態になることはない。したがって、帯状部材51が回転しているときに、4つの接触子41のすべてまたはその一部を介して、スリップリングを用いて構成される電力ラインないし通信ラインの確保が担保される(共振による瞬断対策)。
より詳細には、回転演出部115bが回転している状態で乗り上げると、接触子41が乗り上げ後にバウンドして一時的に非接触状態になる。また、回転演出部115bが回転しておらず停止しているときに乗り上げると、その接触子41が非接触状態になる。このような非接触状態は、電力供給が一時的に遮断されるおそれがあり、好ましくない。
しかしながら、本実施の形態のように、接触子41が4つ(複数個)あれば、接触子41のすべてが同時に乗り上げて非接触状態になる可能性は極めて低いと言える。したがって、4つの接触子41のいずれかが乗り上げるときであっても、スリップリングを用いて構成される電力ラインないし通信ラインの確保が担保される(乗り上げによる瞬断対策)。
図34は、接触子41〜43の接点44を説明する図であり、(a)および(b)はその具体的な形状例を示す。
図34に示す接点44は、帯状部材51の表面にあるグリスやゴミ等をかき分けることが可能な形状に形成されている。すなわち、接点44は、帯状部材51の回転に伴い、グリス等を帯状部材51の表面から除去したり帯状部材51の表面における接点44との接触領域以外の領域に移したりするものである。
なお、このようなかき分け作用は、正方向と逆方向との双方向で回転させることでより有用なものとなる。
また、接点44の接触部分44aは、平たんである。このため、帯状部材51に対する接点44の両端部のうち先頭側の一端部によるグリス等のかき分け作用を実現する。
ブラシ部40A,40Bについて各種の変形例が考えられる。
本実施の形態では、回転演出部115bの回転が正方向および逆方向であることから(正逆の双方向回転)、接点44の接触部分44aにおける両端部を幅狭としている(図34の(b)参照)。しかしながら、一方向の回転のみの場合であれば、両端部のうち先頭側の一端部のみを幅狭に形成する変形例が考えられる。
また、本実施の形態では、接点44の接触部分44aの高さが略一定であるが(図34の(b)を参照)、接触部分44aの両端部と中間部とで高さが異なるように構成する変形例が考えられる。例えば、両端部が中間部よりも低い場合のほか、両端部が中間部よりも高い場合である。
しかしながら、これに限らず、帯状部材51〜53の各々に対する4つの接触子41〜43の振動部分の長さが異なるような構成を採用するのであれば、ブラシ部40A,40Bの各々における隣り合う接触子41〜43同士の振動部分の長さを互いに異なる距離とする変形例も考えられる。
かかる変形例の場合に、ブラシ部40Aないし40Bの組み立ての作業性低下を防止するために、予め定められた取り付け位置を作業者が視認可能になるように、何らかの目印等の表示を行うことが考えられる。例えば、接触子41〜43の取り付け部45に、ホルダ47に対する取り付け位置を示す刻印を設ける例が挙げられる。
この場合には、他の接触子42〜43についても、上述の接触子41と同じ構成となることから、その説明を省略する。
次に、回転演出部115bの環状部50について説明する。
図35は、環状部50の帯状部材51〜53の構成を説明する斜視図である。帯状部材51〜53の構成は共通するものであることから、まとめて説明する。
図35に示すように、環状部50が備える帯状部材51〜53の各々は、幅の狭い細長形状の板状部材であり、その板厚は比較的薄い。そして、帯状部材51〜53の各々は、回転演出部115bの本体115b1(例えば図30参照)の外周面に形成された三条の溝に巻き掛けられる(例えば図28参照)。なお、帯状部材51〜53の各々は、高導電率の例えば銅により構成される長手形状の導電性の部材である。
また、帯状部材51〜53の各々は、幅一定に形成された本体部54aと、本体部54aよりも幅が狭くなるように切り欠かれた一端部54bおよび他端部54cと、を備える。一端部54bの切り欠かれる部分は、他端部54cの切り欠かれる部分とは幅方向(図35における左右方向)に対してずれており、互い違いの位置関係である。
また、帯状部材51〜53の他端部54cは、コイルバネ(余長バネ)55を介して本体115b1に取り付けられる。ここにいうコイルバネ55は、両端にフックが形成され、全長が伸ばされるように引っ張り荷重を受けると縮む方向に付勢力を発生させる引っ張りコイルバネである。すなわち、コイルバネ55の付勢力により本体115b1に締め付けられるように、帯状部材51〜53は本体115b1の三条の溝に各々配設される(図28参照)。
図36に示す帯状部材51と帯状部材53は、いずれか一方が電力ラインの一部を構成し、他方が通信ラインの一部を構成する。例えば、帯状部材51が4つの接触子41と共に電力ラインの一部を構成する場合には、帯状部材53は、4つの接触子43と共に通信ラインの一部を構成する。また、帯状部材51が4つの接触子41と共に通信ラインの一部を構成する場合には、帯状部材53は、4つの接触子43と共に電力ラインの一部を構成する。
より具体的には、電力ラインに含まれる帯状部材51,53のいずれか一方は、所定電圧(例えば35V)用のスリップリングであり、他方が通信用(I/O用)のスリップリングである。
なお、通信ラインは、固定側のベース部材115a側に配置される送信モジュール39a(図37参照)と、回転側の回転演出部115b側に配置される受信モジュール39b(図37参照)と、を含んで構成される。
付言すると、帯状部材51は、可動役物115の奥側(パチンコ遊技機100の裏側)に位置するものであり、また、帯状部材53は、帯状部材51よりも可動役物115の手前側(パチンコ遊技機100の表側)に位置するものである(図28参照)。
ここで、可動体に対して相対移動接触部分(接点)を介して通信を行う構成を採用する場合、例えばノイズの影響により可動体が演出を行うためのデータが通信途中で消えたり改変したりすると、好ましくない。
そこで、可動体との間の相対移動接触部分におけるノイズの影響を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、曲線で形成される第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)、第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)および第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)を持ち、当該第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)、当該第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)および当該第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)が共に回転するように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に配設される演出用の可動体(例えば、回転演出部115b)と、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)に接触可能なように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定される第1の接触部(例えば、接触子41)と、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)に接触可能なように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定される第2の接触部(例えば、接触子43)と、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)に接触可能なように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定される第3の接触部(例えば、接触子42)と、を備え、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)は、前記第1の接触部(例えば、接触子41)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から電力を受け、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)は、前記第2の接触部(例えば、接触子43)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から信号を受け、前記可動体(例えば、回転演出部115b)の前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)は、当該可動体(例えば、回転演出部115b)において前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)と前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)との間に位置し、前記第3の接触部(例えば、接触子42)と接触することで当該可動体を接地することを特徴とするものである。
また、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定され、曲線で形成される第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)、第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)および第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)と、前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)と接触する第1の接触部(例えば、接触子41)、前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)と接触する第2の接触部(例えば、接触子43)および前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)と接触する第3の接触部(例えば、接触子42)を持ち、当該第1の接触部(例えば、接触子41)、当該第2の接触部(例えば、接触子43)および当該第3の接触部(例えば、接触子42)が共に回転するように前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に配設される演出用の可動体(例えば、回転演出部115b)と、を備え、前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)は、前記第1の接触部(例えば、接触子41)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から前記可動体(例えば、回転演出部115b)に電力を供給し、前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)は、前記第2の接触部(例えば、接触子43)と接触することで前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から前記可動体(例えば、回転演出部115b)に信号を供給し、前記第3の環状体(例えば、グランド用の帯状部材52)は、前記第1の環状体(例えば、所定電圧用の帯状部材51)と前記第2の環状体(例えば、I/O用の帯状部材53)との間に位置し、前記第3の接触部(例えば、接触子42)と接触することで当該可動体(例えば、回転演出部115b)を接地することを特徴とするものである。
上述したように、グランド用のスリップリングである帯状部材52は、所定電圧用のスリップリングである帯状部材51とI/O用のスリップリングである帯状部材53との間に位置する。言い換えると、所定電圧用のスリップリングとI/O用のスリップリングとが、グランド用のスリップリングを介して隔てられている。
このような電力ラインおよび通信ラインの配置構成を採用する場合には、演出制御部300ないしランプ制御部320(図3参照)と可動役物115の回転演出部115bとの間における通信の安定化を図ることができる。
しかしながら、本実施の形態では、所定電圧用の帯状部材51とI/O用の帯状部材53との間にグランド用の帯状部材52が位置する構成を採用し、これにより、電力ラインのノイズが通信ラインに及ぼす影響を軽減している。
なお、帯状部材51〜53の各々の間にノイズの影響を低減可能な部材等を配置することで、さらにノイズ対策を行うことも考えられる。
環状部50について各種の変形例が考えられる。
本実施の形態では、グランド用スリップリングとして1本の帯状部材52を備えているが、所定電圧用の帯状部材51とI/O用の帯状部材53との間に位置するグランド用の帯状部材52を複数本備える変形例が考えられる。これにより、例えば回転演出部115b以外のいずれかの場所から電力ラインに入力されたノイズが通信ラインに及ぼす影響をさらに軽減することが可能になる。
また、グランド用の帯状部材52を、帯状部材51と帯状部材53との間に配置するほか、帯状部材51の外側にも配置する変形例が考えられる。
次に、回転演出部115bが持つモータ35〜37の制御について説明する。
図37は、通信ラインに関する基板31〜33の構成例を説明するブロック図である。
図37に示す演出制御基板330は、演出制御部300のCPU301(図3参照)、画像/音響制御部310のCPU311(同図参照)およびランプ制御部320のCPU321(同図参照)等が搭載されている基板である。そして、回転演出部115bの基板31(図29参照)等との間でI/O用の帯状部材53を含む通信ラインを介して演出に関する各種の制御信号の送受を行う。
なお、通信ラインには、I/O用のスリップリングで互いに隔てられる送信モジュール39aおよび受信モジュール39bが含まれる。受信モジュール39bは、回転演出部115bに位置する。
なお、ラッチ信号(SLAT)は、演出制御基板330から送信されるものである。
基板31のモータドライバ34bには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)、ラッチ信号(SLAT)および出力信号(SO)が入力される。
このモータドライバ34cには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)およびラッチ信号(SLAT)が入力され、かつ、基板31のモータドライバ34bから出力された出力信号(SO)が入力される。
シフトレジスタ34dには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)およびラッチ信号(SLAT)が入力され、かつ、基板32のモータドライバ34cから出力された出力信号(SO)が入力される。
また、モータドライバ34eには、シフトレジスタ34dから出力されたイネーブル信号(PHASE ENBL)が入力される。
このシフトレジスタ34fには、演出制御基板330からのクロック信号(SCLK)およびラッチ信号(SLAT)が入力され、かつ、シフトレジスタ34dから出力された所定信号が入力される。
このSRS信号は、演出制御基板330からHIとLOWを交互に出力する出力信号(SO)に含まれるものであり、ラッチ信号(SLAT)の受信を契機として、シフトレジスタ34fが入力信号(SI)として演出制御基板330に送信する。そして、SRS信号がシフトレジスタ34fに届くタイミングでラッチ信号(SLAT)が演出制御基板330により送信されると、シフトレジスタ34fは、SRS信号を演出制御基板330に送信する。
モータドライバ34b〜34eの各々は、WD回路部34aから送信されたクリア信号(CLR)を受信すると、対応するモータ35〜37を停止させる。言い換えると、クリア信号(CLR)は、モータ35〜37を停止させる信号であるということができる。
これらセンサ38a〜38fは、回転演出部115b(図29参照)の位置および展開演出部115c(同図参照)の状態等を検出するためのものである。センサ38a〜38fには、例えば、小径外歯車86の回転の変位量(旋回刃80の先端部83の状態)を検出する検出部87(図46参照)や、揺動部材91の位置(旋回刃80の根元部82の原点位置、可変位置)を検出するフォトセンサ93,94(図49参照)等が含まれる。
演出制御基板330と基板31〜33(同図参照)との間の通信は、マスターICとスレーブICとの間の通信を行うためのクロック同期式のシリアル通信の規格であるSPI(Serial Peripheral Interface)で行われる。
なお、かかるSPIの監視に伴い、SRS信号が出力信号(SO)に含まれている。付言すると、本実施の形態では、シリアル通信を採用するが、パラレル通信を採用することも考えられる。
この出力信号(SO)には、上述したようにSRS信号(図38のSOにおいてハッチングにより図示)が含まれる。そして、SRS信号は、出力信号(SO)の先頭部分に位置するものである。すなわち、SRS信号は、出力信号(SO)として演出制御基板330から最初に送信されるものである。
付言すると、出力信号(SO)において、SRS信号は1ビットであるものの、SPIは8ビット単位でデータ送信されることから、3ビットをブランク信号としている(図38に×で図示)。このブランク信号は、HIでもLOWでも演出制御に影響されないものである。
なお、出力信号(SO)の一部を空データ(LOW)とすることで、出力信号(SO)が非作動指示を含む場合がある。すなわち、出力信号(SO)には、動作指示のほかに非動作指示をも含ませることができる。これにより、モータドライバが正常状態であることを確認することが可能になる。
このような順番は、出力信号(SO)がモータドライバ34b,34c,34eの順にシフトされていくということによるものである。すなわち、シフトレジスタ34fにSRS信号が送信される時点で、モータドライバ34eがモータ37の制御信号を保持し、また、モータドライバ34cがモータ36の制御信号、モータドライバ34bがモータ35の制御信号をそれぞれ保持(格納)することになる。
付言すると、出力信号(SO)は、複数のモータドライバ34b,34c,34eによって受信されるものである。
さらに説明すると、本実施の形態では、出力信号(SO)において、モータ35に対する制御信号に続くものは、回転演出部115bについてのものではなく、回転駆動部115eが持つ例えばモータ21(図31参照)の制御信号が含まれる。
ここで、演出体に駆動力を供給するための駆動制御系が正常に作動しないと、演出体による演出内容を実行することができず、好ましくない。
そこで、演出体の異常状態を検出することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、複数の駆動源(例えば、モータ35,36,37)により動きの演出を行う演出体(例えば、可動役物115)と、前記複数の駆動源(例えば、モータ35,36,37)の各々に対応して設けられ、当該対応する駆動源(例えば、モータ35,36,37)を制御信号に応じて駆動制御する複数の駆動制御手段(例えば、モータドライバ34b,34c,34e)と、前記複数の駆動制御手段(例えば、モータドライバ34b,34c,34e)の各々に対応して設けられ、前記制御信号が順次入力され、入力された制御信号のうち自身に対応する前記駆動制御手段(例えば、モータドライバ34b,34c,34e)に渡す制御信号を所定のタイミングで取得する取得手段(例えば、シフトレジスタ34d,34f、モータドライバ34b,34c)と、前記制御信号(モータの制御信号)と当該制御信号以外の特定信号(SRS信号)とを含む信号(出力信号)を出力する出力手段(例えば、CPU321)と、を備えることを特徴とするものである。
前記出力手段(例えば、CPU321)に対し、前記信号に含まれる前記特定信号(SRS信号)を前記所定のタイミングで返す返信手段(例えば、シフトレジスタ34f)と、前記所定のタイミングで前記返信手段(例えば、シフトレジスタ34f)による前記特定信号(SRS信号)を前記出力手段(例えば、CPU321)が受け取らない場合に異常が発生したとの判定を行う判定手段(例えば、CPU321)と、をさらに備えることを特徴とすることができる。
このような異常状態の発生を検出するために、追加のセンサ等を設けることが考えられるが、異常状態の発生を確実に把握できるとは限らず、さらには、設置スペースを確保する必要性やコストダウンの実現が困難になる等の新たな問題点が生じ得る。
ラッチ信号(SLAT)を送信してもSRS信号の受け取りがない場合、演出制御基板330は、ハングアップ状態が発生したとして、モータドライバ34b,34c,34eのすべてに対してクリア信号(CLR)を送信する。これにより、モータドライバ34b,34c,34eに関する異常状態から正常状態へと移行する(正常状態の復帰)。
このように、異常状態有無の検出と異常状態検出時の対処が、演出制御基板330に搭載されているCPU321(図3参照)のソフトウエアにより実現される。
この場合、監視対象をモータドライバ34b,34eとすることが考えられる。また、モータドライバ34eにより駆動されるモータ37がモータドライバ34bにより駆動されるモータ35よりも演出上の重要性が低い場合には、監視対象からモータドライバ34eを除外する構成が考えられる。
そこで、以下の説明では、監視対象がモータドライバ34bのみであるとする。なお、監視対象が、例えばモータドライバ34b,34c,34eである場合には、以下の説明をそのように読み替えることにより適用可能である。
付言すると、本実施の形態では、SRS信号が監視対象であるモータドライバ34bから他のモータドライバ等を介してシフトレジスタ34fに渡されるものであるが、監視対象からシフトレジスタ34fに直接渡される変形例も考えられる。
付言すると、シフトレジスタ34fがラッチ信号(SLAT)の受信を契機に行う演出制御基板330への送信形態として、SRS信号およびセンサ信号を送信する態様と、センサ信号のみを送信する態様と、がある。前者が正常状態であり、後者が異常状態である。
また、監視対象に対応するモータで励磁状態が継続されている状態が発生しても、クリア信号(CLR)により励磁状態が停止される。言い換えると、モータ制御に対応する出力信号(SO)の部分がノイズ等によって消えてしまう事態のほかに、モータ制御に対応する出力信号(SO)の部分がノイズ等によって変わってしまう事態にも対応することが可能である。
モータ制御について各種の変形例が考えられる。
本実施の形態において図37に示す基板31〜33の構成はその一例であり、WD回路部34a、モータドライバ34b,34c,34eおよびシフトレジスタ34d,34fの各々を基板31〜33のいずれに搭載するかは、諸条件により適宜決定すればよい。
そして、本実施の形態では、SRS信号受信の有無による異常状態の判定を、演出制御基板330のCPUにより実現するが、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)による回路構成も考えられる(ハードウェア構成)。このようなハードウェアによる構成を採用すると、演出制御基板330のCPUやメモリ等を使用することなく、回路単体で動作することができるようになる。
次に、電力ラインが瞬断する場合の対策について説明する。かかる対策は、電力ラインが瞬断する一方で通信ラインは瞬断しない場合を想定した対策である。
まず、電力ラインの瞬断対策についての意義について説明する。
帯状部材53(例えば図28、図37参照)を介する通信は、I/O用のスリップリングを介して配置される送信モジュール39a(図37参照)と受信モジュール39b(同図参照)との間で、例えばラッチ1回分(0.5ms)内に複数回応答し合う。すなわち、受信モジュール39bは、送信モジュール39aによる送信データを受信すると、サム(SUM)値を返す制御を行う。同じデータの送信およびその都度のサム値送信が0.5ms内に複数回行われる。
なお、上述のとおり、帯状部材53は、連続する曲線で形成されているが(図35、図36参照)、直線の部分を含むものであってもよい。
さらには、サム値が一致している場合とサム値が一致していない場合とが混在する場合には、多数決で正常であるか否かを判定する。より具体的には、サム値が一致している場合が多数のときは、通信は正常に行われたものとされ、サム値が一致していない場合が多数のときは、通信は正常に行われていないとされる。
通信が正常でない場合、送信モジュール39a(図37参照)は通信モジュールエラーを受信モジュール39b(同図参照)等に送信する。また、送信モジュール39aは、ラッチ信号(SLAT)の出力を停止する。このような通信モジュールエラーが送信されると、回転演出部115b(例えば図27、図28参照)は所定位置すなわち原点に戻る。
そこで、本実施の形態では、可動役物115の回転演出部115bが電源のバックアップ部として、後述の電解コンデンサ62(図39参照)を備えている。以下、詳細に説明する。
なお、本実施の形態では、電力ラインの一部にスリップリング構造を採用する例を説明するが、無接点給電に適用することも考えられる。
図39に示すように、回転演出部115bは、電圧を変換するレギュレータ61を備えている。すなわち、このレギュレータ61は、電力ラインの一部を構成する接触子41および帯状部材51を介する入力電圧35Vを出力電圧5Vに変換する。
レギュレータ61により変換された電圧5Vは、基板31〜33の各々に供給される。なお、モータ35〜37(図29、図37参照)には、35Vが供給される。
また、基板31〜33の各々には、電源のバックアップ部としての電解コンデンサ62が搭載されている。すなわち、基板31が電解コンデンサ62を搭載し、基板32も電解コンデンサ62を搭載し、また、基板33も電解コンデンサ62を搭載する。
かかる電解コンデンサ62は、レギュレータ61からの電力を常に蓄積していくものであり、比較的大容量の電荷を蓄えることが可能である。なお、電解コンデンサ62の代わりに、他の蓄電デバイスを用いることも考えられる。
なお、本実施の形態において図39に示す基板31〜33の構成はその一例であり、電解コンデンサ62を基板31〜33のいずれにも搭載する構成であれば、受信モジュール39bおよびLEDドライバ63の各々を基板31〜33のいずれに搭載するかは、諸条件により適宜決定すればよい。また、基板31〜33の一部または全部に、発光LEDを搭載する構成例も考えられる。
LEDドライバ63および/または発光LEDが搭載された基板31〜33を電飾基板ということができる。すなわち、本実施の形態では、電飾基板31〜33に電解コンデンサ62が搭載されている。
ここで、可動体側でのデータの中に、遊技機側に送信する必要があるものが含まれている場合には、その後の演出制御に影響が及んでしまう。
そこで、可動体の給電が一時的にできなくなることに起因する影響を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に回転可能に配設される演出用の可動体(例えば、回転演出部115b)と、環状体(例えば、帯状部材51,52,53)と当該環状体(例えば、帯状部材51,52,53)に接触可能な接触部(例えば、接触子41,42,43)とのいずれか一方が前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に固定され他方が前記可動体(例えば、回転演出部115b)と共に回転可能に構成され、当該遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)から当該可動体(例えば、回転演出部115b)に電力を供給する供給手段(例えば、電力ライン)と、を備え、前記可動体(例えば、回転演出部115b)が持つ基板(例えば、基板31)は、当該可動体(例えば、回転演出部115b)から前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)に送るべきデータを保持するデータ保持部(例えば、保持部39b1)を搭載すると共に前記供給手段(例えば、電力ライン)による電力供給がなされなくなったときまたは供給電力が不足するときに当該データ保持部(例えば、保持部39b1)に対して電力を供給する電源部(例えば、電解コンデンサ62)を搭載することを特徴とするものである。
また、電力ラインの瞬断時に、受信モジュール39bが備える保持部39b1によるデータの保持を可能にする。すなわち、瞬断があった場合でも、送信モジュール39aに送信すべき情報、例えば以前に発生したエラーの内容を示すエラー情報を、受信モジュール39bが保持可能である。また、電力ラインの瞬断時に、LEDドライバ63が持つデータの保持も可能にする。
これにより、回転演出部115bは、送信モジュール39aとの間で通信を開始ないし継続することができ、また、LEDドライバ63による発光LEDの光演出を行うことができる。付言すると、発光LEDには、基板31〜33のいずれかの電解コンデンサ62から給電される。
瞬断が発生しないように構成することも考えられるものの、スペース的な事情やコスト的な事情で完全を期すことは困難である。また、回転演出部115bに重量のある電源を設置する構成では、回転演出部115b自体の重量が増え、スピード感のある動き演出を実行しようとすると、モータの大型化を図る必要があり、設置スペースやコスト上昇を招くおそれがある。
そこで、本実施の形態では、きわめて短い時間間隔での電力遮断である瞬断が発生することがあり得ることを前提とし、瞬断発生時の演出面への影響をより少なくするための構成を採用している。すなわち、基板31〜33に搭載の電解コンデンサ62によって、通信の安定化を図り、通信手段の確保および光演出実行の確保を図っている。
なお、本実施の形態では、瞬断発生時の電源バックアップとして電解コンデンサ62を備える構成を説明したが、電力ラインからの供給電力が所定以下になった場合(供給電力が不足する場合)の電源バックアップとしても用いることが考えられる。
ここで、上述した可動役物115とは別にパチンコ遊技機100が備える別の可動役物118について説明する。かかる可動役物118は、パチンコ遊技機100の平面視で遊技盤110(図1参照)と可動役物115との間に位置する。すなわち、可動役物118は、可動役物115の前側に配設されており、例えば遊技盤110の上方に位置して降下することで画像表示部114の前に登場する。
また、図41は、取り付け前の状態を示す斜視図であり、(a)は分解斜視図で、曲げた状態のフレキシブル基板70Bを示している。図41の(b)は、曲げる前の状態のフレキシブル基板70Aの斜視図である。また、図42は、フレキシブル基板70を本体部118aに取り付ける位置を説明する正面図であり、図40−1の(b)に対応するものである。
そして、平たんな形状から曲げても破損しないフレキシブル基板70が、本体部118aの形状に沿わせるように取り付けられる。かかるフレキシブル基板70を、平たんな場合にフレキシブル基板70Aといい、本体部118aの形状に倣うように曲げられた場合にフレキシブル基板70Bということがある。なお、フレキシブル基板70は、例えば板厚0.3mmの一層基板を用いることが考えられる。
まず、可動役物118の本体部118aの構成について、より詳細に説明する。
図40−1の(b)で示す正面視から明らかなように、本体部118aは、正面視で左右略対称の形状である。
より具体的に説明すると、かかる本体部118aは、例えば図41の(a)に示すように、正面視で横長の矩形形状部118a1と、矩形形状部118a1と連続して形成され、左右両端の各々から下方に延びる下行形状部118a2と、を備えている。また、本体部118aは、矩形形状部118a1および下行形状部118a2の周縁に沿って形成され、前方(図40−1の(a)における紙面右斜め下側)に延びるフランジ部118a3を備えている。
とりわけ図41の(a)に示すように、下部分118a12の正面視略中央の位置に、フレキシブル基板70の取り付けに用いられる中央部分118a121が形成されている。
そして、矩形形状部118a1において、上部分118a11と下部分118a12との間に、正面視で横方向に細長く延びる壁部分118a14が形成されている。言い換えると、この壁部分118a14は、互いに前後方向に対してずれている上部分118a11と下部分118a12との間に形成される段差をつないで連続的な面を構成するものである。
付言すると、表面部118a4は、平たんな面が形成されていないような曲面形状である。
付言すると、本体部118aは、遊技盤110(図1参照)に取り付けるためのボス状の取り付け部を複数有する。
フレキシブル基板70は、上述したように、たわませて曲げることができる変形可能なものである。すなわち、フレキシブル基板70は、通常は平たんであり(図41の(b)のフレキシブル基板70A参照)、曲げられるとそれに従う柔軟性がある(同図の(a)のフレキシブル基板70B参照)。フレキシブル基板70Bは連続曲面になっている。
すなわち、フレキシブル基板70は、正面視で横長に形成され、本体部118aの矩形形状部118a1に対応する外形形状の矩形形状部71を備えている。
この矩形形状部71は、図42に示すように、5箇所で本体部118aに取り付けられる。
そして、フレキシブル基板70とリジッド基板72とは、信号線ないし電力線としてのケーブル73により互いに電気的に接続されている。すなわち、ケーブル73は、フレキシブル基板70の矩形形状部71の左右両端の各々から下方に延び、リジッド基板72に達している。
また、フレキシブル基板70は、コネクタや、本体部118aの取り付け部に対応する逃げ穴、自身を本体部118aと係合するための穴部、各種のスルーホール等を有する。
フレキシブル基板70の矩形形状部71は、本体部118aの上部分118a11に対応する外形形状の上部分71aと、本体部118aの下部分118a12に対応する外形形状の下部分71bと、を有する。
付言すると、フレキシブル基板70の下部分71bは、本体部118aの中央部分118a121に対応する部分がない。すなわち、フレキシブル基板70の下部分71bは、中央に向かって延びるものの互いにつながっておらず、いわば片持ち形状ともいえるものである。
このような構成によって、フレキシブル基板70の下部分71bは、破損のおそれなく大きな曲がり具合の状態で本体部118aに取り付けることが可能になる。
また、可動役物118の光演出以外の動き演出に用いられる基板として、フレキシブル基板70を用いる構成例も考えられる。
また、本実施の形態では、フレキシブル基板70およびリジッド基板72という2枚の基板を備え、両者をケーブル73で接続する構成を採用するが、リジッド基板72の回路を含むフレキシブル基板70のみとし、ケーブル73を省略する構成例も考えられる。
ここで、例えば演出体の外形を広い範囲にわたって発光させて光演出等の所定の演出を行う場合に、より簡易な構造で実現することが好ましい。
そこで、所定の演出をより簡易な構造で実現することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、前記遊技機(例えばパチンコ遊技機100)が備える基板(例えばフレキシブル基板70,70A,70B)に、当該基板(例えばフレキシブル基板70,70A,70B)が取り付けられる部分の形状に倣うように変形するための切欠き(例えば切欠き部分71d)が形成されていることを特徴とするものである。
かかる表面部118a4の形状は、効果的な演出の観点から設計されたものであり、そのような表面部118a4を光らせる必要があることから、発光LED75を搭載する基板を表面部118a4に取り付ける必要がある。そのような場合、曲面形状に曲げることが困難な一般的な基板を小さな形状にしてその複数枚を、表面部118a4の発光すべき位置に取り付ける構成が考えられる。
また、曲面形状に沿わせて基板を取り付けることができないことから、スペース的な問題が発生し得る。さらに、部品点数が多くなることから、組み立て作業が複雑化し、製造コストを低減させることが困難になるという問題も発生し得る。
このような部品の信頼性という観点では、図42に示すように、フレキシブル基板70が曲げられた場合に抵抗器76の半田付け部分76aが剥離するように作用する入力が軽減されるように、配設されている。すなわち、抵抗器76は、2つの半田付け部分76aがフレキシブル基板70の長手方向(図42での左右方向)において互いに異なる位置になるように、配設されている。
以上が、可動役物115とは別にパチンコ遊技機100が備える別の可動役物118(図40〜図42参照)についての説明である。
次に、可動役物115が備える展開演出部115c(図27〜図29参照)の構成について図43〜図49を用いて説明する。なお、展開演出部115cは、上述したように、回転演出部115b(例えば図28参照)に取り付けられるもので、回転演出部115bと共に回転する。
かかる展開演出部115cは、回転演出部115bの円周方向に略等分配置された4つの旋回刃80A,80B,80C,80Dを備えている(例えば図29参照)。これら4つの旋回刃80A,80B,80C,80Dの基本的な構造は共通するものであり、これらをまとめて旋回刃80ということがある。以下、展開演出部115cが備える旋回刃80A〜80Dの代表として、旋回刃80Aを説明図示し、他の旋回刃80B〜80Dの説明図示を省略することがある。
図43は、展開演出部115cの一部を構成する旋回刃80Aの正面図であり、図44はその背面図である。図43および図44の各(a)は、展開演出部115cが収納状態である場合の旋回刃80A,80を示し、各(b)は、展開演出部115cが展開後の状態(展開状態)である場合の旋回刃80A,80を示す。
図43および図44に示すように、展開演出部115cの旋回刃80Aは、回転演出部115b(例えば図28参照)に固定される基部81と、基部81に対して回転可能な湾曲した長手形状の根元部82と、根元部82に取り付けられ、根元部82に対して回転可能な先端部83と、を備えている。
図43および図44の各(b)に示すように、先端部83の湾刀部83aは、一つの反り形状部からなるものであり、また、湾刀部83bは、一体に形成された2つの反り形状部からなるものである。
接続部83cは、湾刀部83aの長手方向略中央部で湾刀部83aと接続すると共に、湾刀部83bの長手方向略中央部で湾刀部83bと接続する。
旋回刃80Aの先端部83についてのより詳細な構成は後述する。
旋回刃80Aの根元部82についてのより詳細な構成は後述する。
すなわち、図43および図44に示す旋回刃80Aでは、先端部83が根元部82の後ろに位置することから、収納状態の場合には、正面視で先端部83の多くの部分が根元部82と重なって隠れている(図43および図44の各(a)を参照)。その一方で、展開状態の場合には、先端部83のほとんどの部分が根元部82と重ならず、見えている(図43および図44の各(b)を参照)。これに対し、旋回刃80B,80Dの正面視および背面視の見え方が旋回刃80A,80Cとは異なる。
展開演出部115cが収納状態(図29の(a)参照)の場合には、図43および図44の各(a)に示すように、旋回刃80Aにおける先端部83の接続部83cは、根元部82と平行ではないものの同じ方向に延びるように位置する。そして、湾刀部83aおよび湾刀部83bもまた、根元部82と同じ方向に延びるように位置する。湾刀部83aおよび湾刀部83bは互いに近い位置にある。図43および図44の各(a)に示す先端部83の状態を「近接状態」ということがあり、また、「初期状態」ということがある。
その一方で、展開演出部115cが展開状態(図29の(b)参照)の場合には、図43および図44の各(b)に示すように、旋回刃80Aにおける根元部82は「稼働位置」にある。図43および図44の各(b)に示す根元部82の状態を、「初期状態以外の状態」ないし「特定の状態」、「特定状態」ということがある。
図45は、旋回刃80Aの分解斜視図であり、旋回刃80Aの先端部83および根元部82についての構成を説明する図である。
図45に示すように、旋回刃80Aは、上述の基部81、根元部82および先端部83を備えている。また、旋回刃80Aは、根元部82を基部81に回転可能に保持するためのシャフト84を備えている。なお、基部81は、上述したように回転演出部115bの本体115b1(例えば図28参照)にねじ止めされる。
図45に示すように、旋回刃80Aの先端部83が備える上述の接続部83cは、略中央部にボス状の回転軸部83c1が形成され、かかる回転軸部83c1により、根元部82と回転可能に連結される。また、接続部83cは、湾刀部83aおよび湾刀部83bを回転可能に保持する。すなわち、湾刀部83aは、略中央部に回転軸部83a1を備え、かかる回転軸部83a1で接続部83cと回転可能に連結される。また、湾刀部83bは、略中央部に回転軸部83b1が形成され、かかる回転軸部83b1で接続部83cと回転可能に連結される。
なお、スライド部83dには、接続部83cに対する相対移動を可能にするために各種の長孔が形成されている。
図45に示すように、旋回刃80Aの根元部82は、一端側で基部81にシャフト84を介して回転可能に保持される本体82aを備えている。そして、本体82aに、各種の部品が取り付けられている。
より詳細には、根元部82は、本体82aの前面側に配設され、光源としての複数のLEDやこれに対応するLEDドライバ等の電子部品が搭載される基板82bを備えている。また、根元部82は、基板82bのLEDからの光を拡散して点光りを抑制するためのレンズ82cと、レンズ82cを覆う透明カバー82dと、を備えている。なお、透明カバー82dは、根元部82の表面における外装部品である。
なお、ギア取り付け板82eは、透明カバー82dとは反対側の裏面における外装部品である。また、旋回刃80Aにおけるギア取り付け板82eには、先端部83の接続部83cの回転軸部83c1が貫通する開口部82e1が形成されている。
旋回刃80Aの動作としては、上述のとおり、根元部82の動作と先端部83の動作とがある。根元部82の動作を実現する機構については後述することとし(図47、図48参照)、ここでは、先端部83の動作を実現する機構について説明する。
先端部83は、湾刀部83aの回転と湾刀部83bの回転とが互いに連動するように構成されている。すなわち、近接状態になるように湾刀部83aが回転(例えば時計方向の回転)すると、近接状態になるように湾刀部83bが逆方向の回転(例えば反時計方向の回転)を行う。また、離間状態になるように湾刀部83bが回転(例えば時計方向の回転)を行うと、離間状態になるように湾刀部83aが逆方向の回転(例えば反時計方向の回転)を行う(先端部83における湾刀部83a,83b相互の連動動作)。
以下、旋回刃80Aの先端部83における湾刀部83a,83b相互の連動動作および接続部83cに対する湾刀部83a,83bの姿勢変更を、具体的に説明する。
図45に示すように、先端部83の湾刀部83aには、後面から後方に延びるボス83a3が形成されており、かかるボス83a3は、スライド部83dが備える係合部83d2の内空間内に位置する。すなわち、湾刀部83aのボス83a3は、スライド部83dの係合部83d2と係合する。ボス83a3は、略中央部の回転軸部83a1に対して一端部の突出部83a2とは反対の側に位置する。
これにより、湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に回転すると、湾刀部83aのボス83a3とスライド部83dの係合部82d2との係合により、スライド部83dが接続部83cに対してスライドする。逆に、スライド部83dが接続部83cに対してスライドすると、上述の係合によって湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に回転する。
これにより、スライド部83dが接続部83cに対してスライドすると、湾刀部83bのボス83b2とスライド部83dの係合部82d3との係合により回転モーメントが作用し、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に回転する。逆に、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に回転すると、上述の係合によってスライド部83dが接続部83cに対してスライドする。
また、先端部83において、湾刀部83bが外力により回転軸部83b1の回りを回転すると、これに連動してスライド部83dが接続部83cに対してスライドし、さらに湾刀部83aが回転軸部83a1の回りを回転する。
言い換えると、湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に回転すると、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に逆方向に回転し、また、湾刀部83bが回転軸部83b1を中心に回転すると、湾刀部83aが回転軸部83a1を中心に逆方向に回転する。すなわち、旋回刃80Aの先端部83において、接続部83cにより接続されている湾刀部83aおよび湾刀部83bの回転は、スライド部83dのスライド作用を介して機構的に連動する。
さらに説明すると、旋回刃80Aの根元部82が原点位置にあり、先端部83が近接状態の場合には(図43および図44の各(a)参照)、湾刀部83aの突出部83a2が取り付け部材115b5の当て部115b51に当たっている。また、引っ張りコイルバネ83eは、スライド部83dが接続部83cに対してスライドすることで大きく引っ張られており、より大きなばね力を有する状態である。
このような状態になる過程を説明する。例えば展開演出部115cが展開状態から収納状態に移行する場合、根元部82が稼働位置から原点位置になるように回転する。かかる回転により、それまで取り付け部材115b5の当て部115b51に当たっていなかった湾刀部83aの突出部83a2が当て部115b51に当たり(図44の(a)参照)、これにより、先端部83の湾刀部83a,83bは、互いに近接する方向に姿勢を変えていく。これに伴い、スライド部83dが接続部83cに対してスライドし、引っ張りコイルバネ83eが大きく引っ張られる(図44の(a)参照)。なお、接続部83cが根元部82に対して回転することによっても、先端部83が近接状態に移行する。
このように、展開演出部115cの演出時には、旋回刃80Aは上述の動作を行う(図43、図44参照)。
以下、かかる動作を実現する駆動系について説明する。すなわち、まず先端部83の動作を実現するための駆動系(先端部用駆動系)をより詳細に説明した後に、根元部82の動作を実現するための駆動系(根元部用駆動系)をより詳細に説明する。また、ここにいう先端部83の動作としては、先端部83における湾刀部83a,83bの動作と、先端部83における接続部83cないしスライド部83dの動作と、がある。
なお、旋回刃80Aの場合を説明するが、他の旋回刃80B,80C,80Dについても同じであることは上述のとおりである。
図46は、先端部用駆動系を説明する概略斜視図である。
同図に示す先端部用駆動系は、根元部82に内蔵されるギア列85を含む駆動系である。より詳細には、先端部用駆動系は、モータ37(図29も参照)の駆動力をギア列85の出力ギア85bに伝達し、これにより、旋回刃80Aにおいて先端部83の接続部83cが根元部82に対して回転動作させる。
小径外歯車86には、シャフト84により保持されている入力ギア85aが噛み合っている。
小径外歯車86は、本体115b1の全周にわたって位置するものである。小径外歯車86は、大径外歯車115b4よりも小径であり(図31参照)、また、大径外歯車115b4と回転中心位置が略同じである。
本実施の形態では、小径外歯車86がモータ37の駆動力により一方向(例えば時計方向)に回転すると、先端部83の接続部83cは、回転軸部83c1を中心に他方向(反時計方向)に回転し、小径外歯車86が他方向に回転すると、接続部83cは、一方向に回転する。
なお、モータ37の駆動力は、小径外歯車86を介して4つの旋回刃80A〜80D(図29参照)のすべてに対して一律に伝達される。このため、他の旋回刃80B,80C,80D(図28または図29参照)の各々も同じく、モータ37の駆動力が小径外歯車86を介してそれぞれに伝達されることで、根元部82に対する先端部83の接続部83cの相対的な位置関係が変更される。
上述したように、先端部83が近接状態の場合(図43および図44の各(a)を参照)には、接続部83cが根元部82と略平行に近くなり、交差角度は小さいといえる。その一方で、先端部83が離間状態の場合(両図の各(b)を参照)には、接続部83cが根元部82と直角まではいかないもののそれに近くなり、交差角度は大きい。
より詳細に説明する。先端部83の接続部83cが、離間状態から交差角度が小さくなる方向(近接状態に移行する方向)にモータ37の駆動力によって回転するときには、先端部83の湾刀部83aが持つ突出部83a2は、取り付け部材115b5の当て部115b51に当たり、やがて近接状態になる(図44の(a)参照)。かかる近接状態では引っ張りコイルバネ83eが伸ばされており、縮む方向のばね力が発生しているが、湾刀部83aの突出部83a2が回転演出部115bの当て部115b51に当たっていることから、近接状態が維持される。
そして、モータ37の駆動力により、接続部83cが近接状態から交差角度が大きくなる方向(離間状態に移行する方向)に回転する場合を考える。突出部83a2が取り付け部材115b5の当て部115b51に当たらなくなると、引っ張りコイルバネ83eのばね力によって、湾刀部83a,83bが接続部83cに対して回転し、湾刀部83aと湾刀部83bとが互いに向かい合うようになり、離間状態になる(図43および図44の各(b)を参照)。
このように、湾刀部83a,83bが接続部83cに対して回転する動作はモータ37の駆動力を用いずに行われるものの、モータ37の駆動力で小径外歯車86が本体115b1に対して回転し、これに応じて接続部83cが回転動作し、かかる回転動作に伴って湾刀部83a,83bの姿勢が変わる。このため、湾刀部83a,83bの姿勢は、小径外歯車86の本体115b1に対する回転角度(回転ステップ)と対応するものであるといえる。言い換えると、小径外歯車86の本体115b1に対する回転角度を検出することで、湾刀部83a,83bの姿勢を把握することが可能である。
そこで、本実施の形態では、図46に示すように、小径外歯車86の回転を検出する検出部87を配設している。
検出部87の信号(図37に図示のセンサ信号)は、ランプ制御部320のCPU321(図3参照)に出力される。より具体的には、検出部87の信号は、帯状部材53および接触子43(通信ライン)を介して演出制御基板330(図37参照)に送信される。
図47は、旋回刃80A〜80Dを説明する概略正面図であり、図48は、その概略背面図である。両図とも、旋回刃80A〜80Dの先端部83(図43〜図45参照)の図示を省略している。
図47および図48の各(a)は、旋回刃80A〜80Dの根元部82が原点位置にある場合を示し、各(b)は、根元部82が稼働位置にある場合を示す。なお、図47および図48の各(a)は、図43および図44の各(a)に対応するものであり、図47および図48の(b)は、図43および図44の各(b)に対応するものである。
ここにいう根元部用駆動系とは、上述したように、根元部82(図43または図44も参照)の動作を実現するための駆動系をいい、モータ35,36(図29も参照)の駆動力が伝達されることで根元部82が回転動作する。
より具体的には、回転演出部115bの正面視で上側に位置する揺動部材91は、旋回刃80Aおよび旋回刃80Bを回転動作させるものであり、また、下側に位置する揺動部材91は、旋回刃80Cおよび旋回刃80Dを回転動作させるものである。
なお、上側の揺動部材91と下側の揺動部材91とは、基本的な構造が同じものであることから、両者を区別せずに説明することとする。
揺動部材91は、保持部材92が長孔91aでの移動範囲内で、本体115b1との相対的な動きが可能である。
したがって、揺動部材91がモータ35,36の駆動力により長手方向に移動すると、根元部82は、根元部82の係合溝82a1と揺動部材91の係合ピン91cとの係合により、シャフト84の位置を中心に回転する。
このため、モータ35,36を同じ方向に回転駆動することで、4つの旋回刃80A〜80Dのすべてを同期して回転させ、同じ状態に移行させることが可能である。
その作用としては、モータ35,36の駆動力が揺動部材91のギア部91bに伝達され、これにより、揺動部材91が保持部材92に対して移動する。そして、かかる移動に伴い、揺動部材91の係合ピン91cが根元部82の係合溝82a1内をスライドし、やがて係合ピン91cに押される形で根元部82がシャフト84の位置を中心に回転し、旋回刃80A〜80Dを持つ展開演出部115cが収納状態または展開状態に移行する。
なお、シャフト84は、根元部82に内蔵されるギア列85の入力ギア85aの回転中心の位置に配設されていることから、根元部82がシャフト84を中心に回転しても、ギア列85に影響を及ぼすことがない。
さらに説明すると、旋回刃80A〜80Dの根元部82は、揺動部材91との係合作用によりシャフト84を中心に回転するものである。このため、揺動部材91の位置は、旋回刃80A〜80Dの根元部82の位置に対応する。言い換えると、揺動部材91の位置が分かれば、根元部82の位置を把握することが可能である。その一方で、根元部82の位置を直接検出する機構を採用するのは、スペースの関係上困難である。
そこで、本実施の形態では、根元部82の位置を把握するため、揺動部材91の位置を検出するための構成を採用する。以下説明する。
図49に示すように、揺動部材91には、揺動部材91の位置検出のために用いる突出片91dが形成されている。この突出片91dは、揺動部材91のギア部91b近傍に位置し、揺動部材91から根元部82側に突出する。
2つのフォトセンサ93,94は、基板31,32において互いに近接して配置されている。言い換えると、フォトセンサ93,94は、基板31,32において揺動部材91の回転動作による移動距離だけ離間している。
また、図49の(b)に示す状態、すなわち揺動部材91の突出片91dがフォトセンサ94のみにより検出される状態では、演出制御基板330(図37参照)のCPU321(図3参照)は、根元部82が稼働位置(図47または図48の(b)参照)に対応する位置に揺動部材91があることを把握できる。言い換えると、CPU321(図3参照)は、展開演出部115cが展開状態であること(図29の(b)参照)を認識する。
なお、基板31,32のフォトセンサ93を、旋回刃80A〜80Dの根元部82が原点位置にあるか否かを検出する原点センサということができ、また、基板31,32のフォトセンサ94を、根元部82が原点以外の位置にあるか否かを検出する原点以外のセンサということができる。
また、上述したように、旋回刃80A〜80Dにおける根元部82の位置(原点位置、稼働位置)は、揺動部材91の突出片91dを検出するフォトセンサ93,94により検出される。かかるフォトセンサ93,94は、揺動部材91が2つの所定の位置を検出するものである(二位置検知)。本実施の形態では、フォトセンサ93,94は、移動端のいずれかにあるか否かを検出する。
ここで、上述の展開演出部115cを備える回転演出部115bの原点検出について説明する。かかる原点検出とは、可動役物115におけるベース部材115aに対する回転演出部115bの回転方向(例えば図28参照)における位置を検出することをいう。
図50は、回転演出部115bのベース部材115aに対する原点位置を検出する構成を説明する斜視図である。
同図に示すように、回転演出部115bの本体115b1は、半径方向外向きに突出する突出片115b11を備えている。この突出片115b11は、本体115b1の外周面に開口する貫通穴に取り付けられている。かかる貫通穴は、帯状部材51,52,53を収容するための溝(図28参照)の間に形成されている。
このように、突出片115b11は、回転演出部115bの本体115b1外縁から径方向外側に延びるように、本体115b1に取り付けられている。
かかるフォトセンサ115d21は、回転演出部115bがベース部材115aに対する原点位置にあるか否かを検出するためのものである。かかる検出をより確実に行うため、回転演出部115bを保持する保持部115d2に、原点検出用のフォトセンサ115d21を配設している。なお、フォトセンサ115d21は、保持部115d2に配設されているものの、保持部115d1には配設されていない(図30参照)。
次に、可動役物115の展開演出部115cにおける旋回刃80のモータ制御について説明する。
ここにいうモータ制御の対象は、モータ35,36,37(図29参照)である。すなわち、上述したように、揺動部材91を駆動するモータ35,36(図47、図48参照)および小径外歯車86を駆動するモータ37(図46参照)が制御対象である。
モータ35,36の駆動力は、旋回刃80の根元部82を動かすのに用いられる(図47、図48参照)。また、モータ37の駆動力は、旋回刃80の先端部83を動かすのに用いられる(図46参照)。
より詳細には、旋回刃80の根元部82が所定位置にあるか否かがフォトセンサ93,94により検出される(図47参照)。すなわち、フォトセンサ93は根元部82が原点位置にあるか否かを検出し、フォトセンサ94は根元部82が稼働位置にあるか否かを検出する。フォトセンサ93,94の検出結果に基づいて、モータ35およびモータ36の動作制御が行われる。
上述したように、展開演出部115cが収納状態の場合には(図43および図44の各(a)参照)、旋回刃80の根元部82は原点位置にあり、展開演出部115cが展開状態の場合には(図43および図44の各(b)参照)、旋回刃80の根元部82は稼働位置にある。
上述したように、展開演出部115cが収納状態の場合には(図43および図44の各(a)参照)、先端部83の湾刀部83a,83bが互いに近接する近接状態であり、展開演出部115cが展開状態の場合には(図43および図44の各(b)参照)、湾刀部83a,83bが互いに離間する離間状態である。
なお、モータ35およびモータ36は、同期して動作するように制御されるものであるが、独立して動作するように制御することも考えられる。
次に、展開演出部115cが展開状態から収納状態へ移行する際の移行制御について説明する。
図51は、収納状態移行処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示す処理手順において、可動役物115の展開演出部115cが展開状態(図29の(b)参照)から収納状態(同図の(a)参照)に移行する場合(ステップ5101)、上述したように、展開演出部115cの旋回刃80の姿勢が変わる(図43または図44参照)。
すなわち、上述したように、モータ37(図46参照)の駆動力によって、旋回刃80の先端部83が離間状態(図43の(b)または図44の(b)参照)から近接状態(各図の(a)参照)になり、これに伴って検出部87(図46参照)は原点検出を行う。
また、モータ35,36(図47または図48参照)の駆動力によって、旋回刃80の根元部82が稼働位置(各図の(b)参照)から原点位置(各図の(a)参照)に回転し、これに伴って、フォトセンサ93(図49参照)が原点位置検出を行う。
フォトセンサ93による原点位置検出がない場合(ステップ5103でNo)、CPU321は、エラーが発生したとして、変数RTに1を加算する(ステップ5104)。かかる変数RTは、エラー回数をカウントするものである。
その後、ステップ5103に戻って、再びフォトセンサ93による原点位置検出があるか否かの判定を行う。旋回刃80の構造上、先端部83の接続部83cを動かすことによって収納状態になる可能性があるからである。
なお、当然ながら、その事実を、その後の制御に反映させる制御例も考えられる。例えば、次に展開演出部115cを収納状態へ移行させる場合には、モータトルクをより高い状態でモータを駆動させる例である。
このような処理を、変数RTが閾値SH1よりも大きくなるか原点位置検出があるまで、繰り返し行う。なお、ここにいう閾値SH1は、一定回数(例えば10回等)の値を事前に設定することが考えられる。
ここにいうエラー処理(ステップ5108)としては、画像表示部114に表示したり、枠ランプ157等の発光でホール店の店員に知らせたりすることが考えられる。
ここで、センサによる検出ができない異常事態が発生すると、その異常事態に対応することが困難である。
そこで、発生した異常状態を検出できない場合の対応を可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、第1可動物(例えば先端部83)および当該第1可動物(例えば先端部83)とは独立に動作可能な第2可動物(例えば根元部82)を備えた可動役物(例えば旋回刃80,80A,80B,80C,80D)と、前記第1可動物(例えば先端部83)が初期状態であることを検知する第1初期状態検知手段(例えば検出部87)と、前記第2可動物(例えば根元部82)が初期状態であることを検知する第2初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93)と、前記第1可動物(例えば先端部83)の動作を制御し、前記第1初期状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が初期状態であることが検知されたことによって、当該第1可動物(例えば先端部83)が初期状態となったことを認識する第1制御手段(例えばCPU321)と、前記第2可動物(例えば根元部82)の動作を制御し、前記第2初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93)により当該第2可動物(例えば根元部82)が初期状態であることが検知されたことによって、前記可動役物(例えば旋回刃80,80A,80B,80C,80D)が初期状態となったことを認識する第2制御手段(例えばCPU321)と、を備え、前記第2可動物(例えば根元部82)は、前記第1可動物(例えば先端部83)が初期状態である場合に初期状態となることが可能であるように設けられ、前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第1制御手段(例えばCPU321)により前記第1可動物(例えば先端部83)を初期状態に戻す制御が行われた後、前記第1初期状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が初期状態であることが検知されたか否かに関わらず、前記第2可動物(例えば根元部82)を初期状態となるように制御し、前記第1制御手段(例えばCPU321)および前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第2初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93)により前記第2可動物(例えば根元部82)が初期状態であることが検知されなかった場合に、エラー処理を行うことを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。前記エラー処理として、前記第1制御手段(例えばCPU321)は、前記第1可動物(例えば先端部83)に予め設定された特別動作を行わせる特別制御を行い、前記第2制御手段(例えばCPU321)は、当該第1制御手段(例えばCPU321)により当該特別制御が行われた後に、前記第2可動物(例えば根元部82)を初期状態となるように制御することを特徴とすることができる。
また、演出において動作可能に設けられた第1可動物(例えば先端部83)と、前記第1可動物(例えば先端部83)が特定の状態にあるときに一の状態となることが可能であるように設けられた第2可動物(例えば根元部82)と、前記第1可動物(例えば先端部83)が前記特定の状態であることを検知する第1状態検知手段(例えば検出部87)と、前記第2可動物(例えば根元部82)が前記一の状態であることを検知する第2状態検知手段(例えばフォトセンサ93,94)と、前記第1可動物(例えば先端部83)の動作を制御し、前記第1状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が前記特定の状態であることが検知されたことによって、当該第1可動物(例えば先端部83)が当該特定の状態となったことを認識する第1制御手段(例えばCPU321)と、前記第2可動物(例えば根元部82)の動作を制御し、前記第2状態検知手段(例えばフォトセンサ93,94)により当該第2可動物(例えば根元部82)が前記一の状態であることが検知されたことによって、当該第2可動物(例えば根元部82)が当該一の状態となったことを認識する第2制御手段(例えばCPU321)と、を備え、前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第1制御手段(例えばCPU321)により前記第1可動物(例えば先端部83)を前記特定の状態に戻す制御が行われた後、前記第1状態検知手段(例えば検出部87)により当該第1可動物(例えば先端部83)が当該特定の状態であることが検知されたか否かに関わらず、前記第2可動物(例えば根元部82)を前記一の状態となるように制御し、前記第1制御手段(例えばCPU321)および前記第2制御手段(例えばCPU321)は、前記第2状態検知手段(例えばフォトセンサ93,94)により前記第2可動物(例えば根元部82)が前記一の状態であることが検知されなかった場合に、エラー処理を行うことを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
まず、展開演出部115cが展開状態から収納状態に移行しようとしているものの、収納状態にならない場合を説明する。
図52は、展開演出部115cの旋回刃80が異常な状態にある場合を説明する図であり、(a)はその概略正面図であり、(b)はその概略背面図である。
展開演出部115cが展開状態から収納状態に移行する際の正常な状態にある場合の作用をまず説明する。
展開演出部115cが収納状態に移行する場合、上述したように、旋回刃80の根元部82がモータ35,36(図47または図48参照)の駆動力により原点位置の方向に回転すると共に先端部83の接続部83cがモータ37(図46参照)の駆動力により根元部82に対して回転する。そして、この際、湾刀部83aの突出部83a2が取り付け部材115b5の当て部115b51(図44の(a)参照)に当たって湾刀部83aが回転する。
かかる湾刀部83aの回転動作に起因して、スライド部83dがスライドし、これにより、湾刀部83bが回転すると、先端部83の湾刀部83a,83bが近接状態になり(図43の(a)または図44の(a)参照)、展開状態の展開演出部115cは収納状態に移行する。
このような場合、先端部83の接続部83cを所定角度だけ回転させる動作を行うだけで(ステップ5106参照)、湾刀部83a,83bが回転し、先端部83が引っかからなくなって根元部82が原点位置に移動できる場合が想定される。
そこで、本実施の形態では、リトライとして、先端部83の接続部83cを所定角度だけ回転させるという遊技者の集中力を途切れさせない程度の動作を行い(ステップ5106参照)、展開演出部115cを収納状態に移行させるようにしている。
このため、本実施の形態では、検出部87により原点検出がないという現象が起きると、より信頼度の高いフォトセンサ93で、先端部83に起因するエラーが発生したのかどうかを判断し、対処する。
付言すると、製品の信頼性の違いに鑑み、検出部87による原点検出がない場合(ステップ5102でNo)、それ以降は、検出部87の検出結果を用いず、フォトセンサ93の検出結果を用いて処理を進めている。
次に、上述したリトライにおけるモータ制御について説明する。この場合の制御対象は、モータ37であるが(図46〜図48参照)、モータ35,36についても制御対象とすることが可能である。
かかるモータ35〜37は、固定子(ステータ)に複数の巻線を巻き、電流を流す巻線を切り換えることによって動作させる同期電動機であり、ステッピングモータである。より具体的には、モータ35〜37は、固定子としてA、Aバー、BおよびBバーを持つ4相のモータである。また、モータ35〜37における各相当たりの磁極数は、3極である。すなわち、モータ35〜37は、4相12極のステッピングモータである。
なお、ステッピングモータには、ユニポーラ駆動とバイポーラ駆動とがあり、例えばトルク特性が互いに異なる。すなわち、前車は高速トルクが大きい傾向があり、後者は低速トルクが大きい傾向がある。本実施の形態では、可動役物115の動作態様から、ユニポーラ駆動を採用するが、バイポーラ駆動を採用することも考えられる。
なお、ここにいうAバー相は、A相とは逆極性の磁界を発生するように構成されているものであり、また、ここにいうBバー相は、B相とは逆極性の磁界を発生するように構成されているものである。
なお、モータ35〜37の励磁としては、ステップ角が基本ステップ角で駆動するフルステップと、ステップ角が基本ステップ角の1/2の角度で駆動するハーフステップと、ステップ角が基本ステップ角の1/Nの角度で駆動するマイクロステップと、がある。このような励磁方式の違いによって、回転子のステップ角が決まる。
なお、モータ35〜37の駆動方式として、定電圧電源によるモータ駆動方式と、スイッチング方式の定電流電源によるモータ駆動方式と、があるが、いずれを採用するかは、適用する機種の条件に応じて決定すれば足りる。
ステッピングモータに対するパルス信号は、例えば2000pps(pulse per second)や666pps、333pps等というパルス速度で送信される。そして、このパルス速度に対応して、モータ35〜37の回転速度が定まる。
したがって、リトライでは、通常の演出における動作とは異なり、モータの最大トルク(最大駆動力)が得られる速度で動作させる。すなわち、最大トルクが得られる速度は、低速かつ一定速度であり、図53の破線枠MXで示す範囲である。
具体的な速度は、モータや可動役物115の機構に応じて設定される。
付言すると、通常の演出における動作開始時に制御されるトルクが継続されるように、モータ制御する制御例が考えられる。また、通常の演出における動作とは異なる速度でリトライが行われるように制御する制御例が考えられる。
なお、リトライでのモータ35〜37の励磁を、フルステップで行う場合のほか、ハーフステップで行う場合が考えられ、また、途中で切り替える例も考えられる。
ここで、可動役物の動作が正常な状態でないことが判明した場合に正常な状態に戻そうとするときには、演出時とは異なるトルクで駆動制御するのが望ましい。
そこで、可動役物が正常な状態でないときに正常な状態に戻す制御を実行可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)と、前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を駆動する駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)と、前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御して前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させる駆動制御手段(例えば、CPU321)と、を備え、前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、演出を行う際に、当該演出に関連して予め設定された駆動力で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御し、当該可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)が当該演出において正常に動作しなかった場合に行われる再試行動作(例えば、リトライ)において、当該演出での動作における駆動力とは異なる駆動力で当該可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように当該駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とする、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、前記再試行動作(例えば、リトライ)において、前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)による最大駆動力で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように当該駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とすることができる。また、前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、前記再試行動作(例えば、リトライ)において、前記演出における動作開始時に制御される駆動力で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とすることができる。さらに、前記駆動制御手段(例えば、CPU321)は、前記再試行動作(例えば、リトライ)において、前記演出における動作とは異なる速度で前記可動役物(例えば、回転演出部115b、展開演出部115c)を動作させるように前記駆動手段(例えば、モータ35,36,37,21)を制御することを特徴とすることができる。
このようなリトライにおける動作開始時の抵抗等を考慮すると、可動役物115の動作のリトライにおいては、できるだけ大きいトルクで動作させることが望ましい。
そこで、本実施の形態では、モータの最大トルクが得られる速度を維持してリトライを行う制御を採用する。
まず、通常の演出時では、インパクトある動き演出を実現すべく、スピード(移動速度)を重視するモータ制御が行われる。すなわち、動き始めは、トルク重視で強いトルクで動作させるものの、動き始めた後には、トルクよりも回転速度(回転数)を重視し、スピードを高めて(言い換えると、トルクを下げて)動作させる(図53参照)。
その一方で、リトライ時には、より確実に可動役物115を動かして原点復帰させるべく、トルク重視のモータ制御を行い、スピード重視のモータ制御を行わない。すなわち、リトライ時には、動き始めも動き始めた後も強いトルクで動作させ、回転速度は低いままである。
このようなリトライ時のモータ制御は、上述した電源投入時でも同じであり、可動役物115の動作確認をより確実に行うために、常にトルク重視のモータ制御を行うことになる。
通常の演出時において、登場および退場のときにスピードが必要になる場合には、登場時と退場時のいずれも、動き始めはトルク重視で動き始めた後はスピード重視というモータ制御を実行することが考えられる。
その一方で、リトライ時や電源投入時には、動き始めも動き始めた後もトルク重視というモータ制御を、登場時と退場時のいずれか一方または両方に対して行うことが考えられる。例えば、リトライの登場時では常にトルク重視のモータ制御を行い、リトライの退場時はトルク重視からスピード重視に切り替えるモータ制御を行うことが考えられる。また、リトライ時のモータ制御として、登場時には途中でスピード重視に切り替えるモータ制御を行い、退場時には常にトルク重視のモータ制御を行うことが考えられる。さらには、リトライのモータ制御を、登場時および退場時のいずれもトルク重視のモータ制御を行うことも考えられる。
また、電源投入時のモータ制御を、かかるリトライ時のモータ制御の場合と同じ内容とする場合のほか、異なる内容とする場合も考えられる。
このような、常にモータ重視か途中でスピード重視に移行するかのモータ制御の選択は、可動役物115の構造的な要因やモータの特性等を考慮して決定することができる。
次に、可動役物115(図27または図28参照)の演出に伴い、展開演出部115cが収納状態から展開状態に移行する場合(図29の(b)参照)および展開状態から収納状態に移行する場合(同図の(a)参照)の状態検出処理について説明する。
より具体的には、展開演出部115cが展開状態に移行する場合に最終的に展開状態にあるか否かを検出する処理(展開状態検出処理)と、展開演出部115cが収納状態に移行する場合に最終的に収納状態にあるか否かを検出する処理(収納状態検出処理)と、を説明する。
また、ここにいう収納状態検出処理とは、旋回刃80の根元部82が原点位置(各図の(a)参照)にあるか否か(原点位置検出)、および/または、先端部83が近接状態(図43、図44の各(a)参照)にあるか否か(近接状態検出)を検出する処理をいう。
また、ここにいう根元部82の原点位置は、突出片91dが基板31,32のフォトセンサ93により検出される場合の位置である(図49の(a)参照)。また、ここにいう先端部83の近接状態は、検出部87により原点が検出される場合の位置である(図43、図44の各(a)参照)。
また、フォトセンサ94ないし検出部87は、根元部82が稼働位置にあること、ないし先端部83が離間状態にあることを検知するためのものであり、特定状態を検出する特定状態検知手段ということができる。
なお、旋回刃80の状態検出処理として、旋回刃80の根元部82の位置検出処理を説明する。すなわち、根元部82の稼働位置検出処理(後述の図54参照)および、根元部82の原点位置検出処理(後述の図55参照)である。付言すると、かかる根元部82の位置検出処理に代え、またはこれと共に先端部83の状態検出処理を行うことは可能である。
同図に示す処理手順において、展開演出部115cが展開状態に移行する場合(図29の(b)参照)、CPU321(図3参照)は、フォトセンサ94により揺動部材91の突出片91dが検出されたか否かを判断する。すなわち、フォトセンサ94による稼働位置検出があるか否かを判断する(ステップ5401)。
ここで、フォトセンサ94による稼働位置検出を確認するタイミングとしては、展開状態への移行時に通常であればフォトセンサ94が揺動部材91の突出片91dを検出する時点で行う制御例が考えられる。また、収納状態の展開演出部115cが展開状態への移行を開始から所定時間経過するまでの期間内に、フォトセンサ94から検出信号を受信したか否かを判断する制御例も考えられる。
なお、閾値SH2の値としては、例えば3回や10回等を挙げることができる。かかる値は、可動役物115の構造上の特性や演出面の影響等を考慮し、適宜設定することが可能である。
また、変数ERが閾値SH2を超える場合(ステップ5403でYes)は、エラー処理を行う(ステップ5404)。
ここにいうエラー処理としては、画像表示部114に表示したり、枠ランプ157等の発光でホール店の店員に知らせたりすることが考えられる。
また、旋回刃80の根元部82における稼働位置検出の処理のみならず、旋回刃80の先端部83における離間状態検出を行う処理についても同様のことがいえる。すなわち、フォトセンサ94(図49参照)の稼働位置検出の場合のほか、検出部87(図46参照)の離間状態検出の場合についても適用することが考えられる。
同図に示す処理手順において、展開演出部115cによる演出を実行し、展開演出部115cの旋回刃80の動き演出が終了すると(ステップ5501)、旋回刃80が原点位置に戻ったか否かを確認する。すなわち、CPU321(図3参照)は、基板31,32のフォトセンサ93(図49参照)による原点位置検出が行われたか否かを判断する(ステップ5502)。
すなわち、展開演出部115cによる演出が終了したにもかかわらず、旋回刃80が原点位置に戻っていない場合、リトライを行わず、その事実を記憶しておく。さらに説明すると、その事実を記憶するだけであり、その事実をパチンコ遊技機100の外部に向けて報知することはせず、示唆すらしない。
さらに説明すると、再度の確認の際に、モータ35,36(図47または図48参照)を駆動することはせず、単なる再確認にとどまる。当然ながら、再確認に当たり、モータ35,36を、根元部82が原点位置に戻る方向に駆動する変形例が考えられる。
ここにいうエラー処理(ステップ5509)としては、画像表示部114に表示したり、枠ランプ157等の発光でホール店の店員に知らせたりすることが考えられる。
なお、本実施の形態では、フォトセンサ93による原点位置検出がないこと(エラー)が2回続く場合にエラー処理を行う制御を採用するが、エラー処理をエラーが所定回数続くまで待つ変形例も考えられる。
付言すると、かかる作用による原点復帰は、旋回刃80の根元部82における原点位置検出の処理のみならず、旋回刃80の先端部83における近接状態検出を行う処理についても同様のことがいえる。すなわち、フォトセンサ93(図49参照)の原点位置検出の場合のほか、検出部87(図46参照)の近接状態検出の場合についても適用することが考えられる。
ここで、可動役物の位置をセンサで検出してそれにより可動役物の動作が正常であるか否かを確認する場合、可動役物の位置をセンサで検出することができないときに可動役物が本来の演出内容とは異なる動作を行うと、抽選結果の報知示唆として可動役物を目で追っている遊技者が混乱してしまうおそれがあり、演出上好ましいものではない。
そこで、可動役物の位置がセンサにより検出できない場合の演出上の不具合発生を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が動作中の特定の状態であることを検知する特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が演出において前記特定の状態となるべきときに、前記特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が当該特定の状態であることが検知されなかった場合に、当該特定状態検知手段(例えばフォトセンサ94、検出部87)により検知されなかった回数を計数する計数手段(例えばCPU321)と、前記計数手段(例えばCPU321)により計数された前記回数が予め定められた条件を満足する場合に、エラー処理を行うエラー処理手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
また、本発明が適用される遊技機は、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることを検知する初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)と、演出における前記可動役物(例えば可動役物115)の一連の動作が終了して当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態となるべきときに、前記初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかった場合、当該可動役物(例えば可動役物115)の次の動作開始の際、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されたならばエラー処理を行わず、当該初期状態検知手段(例えばフォトセンサ93、検出部87)により、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であることが検知されなかったならばエラー処理を行うエラー処理手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
そして、展開状態または収納状態になっていることが検出されないときには、リトライの制御を行うことが考えられる。展開演出部115cの動き演出が例えば大当たり抽選に伴うものであれば、リトライを実施することの必要性が高まる。
その一方で、次回の動き演出の開始時までに何らかの作用により、本来の状態に移行していることが期待できる場合がある。
そこで、本実施の形態では、展開状態または収納状態になっていることが検出されないときには、その事実を記憶しておき、次回の演出を開始する際に、展開状態または収納状態になっているか否かを再び確認するようにしている。これにより、リトライを行うことによる不都合な事態の発生を防止することが可能になる。
次に、可動役物115における各種の原点検出について説明する。ここにいう原点検出は、可動役物115のベース部材115aに対する回転演出部115bの原点検出(例えば図50に示すフォトセンサ115d21によるもの)に限られない。すなわち、回転演出部115bに対する根元部82の原点検出(例えば図49に示すフォトセンサ93によるもの)や、回転演出部115bに対する先端部83の原点検出(例えば図46に示す検出部87によるもの)が含まれる。
かかる原点検出は、起動処理の際に行われるものであることから、まず、パチンコ遊技機100の起動処理を説明し、次に、原点検出の制御について説明する。
図56は、電源スイッチ(不図示)のONにより行われる起動処理の内容を示すフローチャートである。図56の(a)は、遊技制御部200(図3参照)での起動処理の内容を示すフローチャートであり、(b)は、演出制御部300(図3参照)での起動処理の内容を示すフローチャートである。
図56の(a)に示すように、遊技制御部200は、この起動処理において、電源スイッチ(不図示)がOFFからONになり、スイッチング電源(不図示)の電源が投入されると(ステップ5601)、演出制御部300の立ち上がりを待つために例えば1000msの時間待ちをした後に、電源ONコマンドを演出制御部300に送信する(ステップ5602)。
遊技制御部200は、RAMクリアの処理を行うと判断すると(ステップ5603でYes)、RAMに保持されている情報の初期化を行うRAMクリアの処理を行う(ステップ5604)。遊技制御部200は、RAMクリアの処理を行わないと判断すると(ステップ5603でNo)、処理を終了する。
演出制御部300では、図56の(b)に示すように、遊技制御部200から電源ONコマンドを受信すると(ステップ5651)、電源投入に伴う初期処理を行う(ステップ5652)。ここにいう初期処理として、演出制御部300(図3参照)では、CPU301がROM302から起動プログラムを読み込み、演出制御部300のRAM303をクリアする処理等が行われる。また、初期処理として、外部インターフェイスやバス等のハードウェアの初期化を行う。なお、初期処理中は割込禁止状態であり、初期処理後に割込が許可される。
図56の(b)に示すステップ5653の可動役物チェック処理は、ステップ5652の初期処理に並行して処理される。可動役物チェック処理は、例えば、画像表示部114に表示されるプログレスバーが延びる際に行われるものであり、可動役物115に対するチェック処理である。
図57の(a)に示すように、フォトセンサ115d21(図50参照)は枠ランプ157aに対応付けされ、基板31のフォトセンサ93(図29、図49参照)は枠ランプ157bに対応付けされている。また、基板32のフォトセンサ93(図29、図49参照)は枠ランプ157cに対応付けされ、検出部87(図29、図46参照)は枠ランプ157dに対応付けされている。
なお、枠ランプ157a〜157dは、枠ランプ157(図1も参照)の一部を構成するものである。
図58は、図56の(b)の可動役物チェック処理(ステップ5653)の内容を示すフローチャートである。
図58に示すように、ランプ制御部320のCPU321(図3参照)は、まず、枠ランプ157a〜157dのすべてを、予め定められた検査用発光パターンで点灯させる(ステップ5801)。かかる検査用発光パターンは、演出時に用いられる発光パターン(通常発光パターン)とは異なるものである。
このように枠ランプ157a〜157dの点灯をした後に、タイマをスタートさせる(ステップ5802)。かかるタイマがスタートする時点では、原点位置検出器は作動する準備を完了している。
付言すると、上述したように、画像表示部114に、枠ランプ157a〜157dの各々にいずれの原点位置検出器が対応しているものであるかを知らせる画像を表示する制御例が考えられる。
原点検出信号を受信した場合(ステップ5803でYes)、CPU321は、枠ランプ157a〜157dのうち受信した原点検出信号に対応するものを消灯させる(ステップ5804)。その後、ステップ5803に戻る。
ここにいう対応付けは、上述した図57の(a)に示すものである。
タイマ値が閾値Tより大きくなっていない場合(ステップ5805でNo)、未だ原点検出信号を受信していない原点位置検出器に対応する可動材を原点位置に移動させる(ステップ5806)。すなわち、未受信の原点検出信号に対応するモータを作動させ、原点位置に戻すように動作させる。言い換えると、初期状態に復帰させるようにモータを作動させる。
可動役物の構成部材のうち原点位置にないものが原点位置(初期状態)に戻れば、CPU321は、原点検出信号を受信することができる。そのため、ステップ5803に戻り、未受信の原点検出信号を受信したか否かを判断する。このような制御がタイムアップするまで行われる。
より詳しく説明すると、原点検出信号を出力した原点位置検出器に対応する枠ランプ157a〜157dは、検査用発光パターンによる発光を停止している。すなわち、通常であれば、枠ランプ157a〜157dのすべては消灯している(ステップ5804参照)。しかしながら、何らかの事情により、原点検出信号を出力していない原点位置検出器があれば、対応する枠ランプ157a〜157dは点灯状態のままであり、検査用発光パターンによる発光を継続している。
そこで、枠ランプ157a〜157dのうち発光中のものがある場合(ステップ5807でYes)、CPU321は、エラー報知を行って(ステップ5808)、一連の処理を終了する。
枠ランプ157a〜157dのいずれも発光していない場合(ステップ5807でNo)、CPU321は、通常発光パターンで枠ランプ157a〜157dを発光させ(ステップ5809)、一連の処理を終了する。
例えば、稼働位置検出器(基板31のフォトセンサ94、基板32のフォトセンサ94、検出部87)である。その場合には、枠ランプ157a〜157d以外の枠ランプ157の他の枠ランプに対応付けられ、また、原点位置に移動する処理(ステップ5806)のほかに、稼働位置に移動する処理が実行される。
また、他のエラー報知の形態としては、検査用発光パターンや通常の発光パターン以外の特殊な発光パターンで枠ランプ157を発光する報知も考えられる。また、消灯されずにまだ点灯している枠ランプを例えば点滅させること等によりエラー報知する変形例も考えられる。また、エラー報知する場合に、原点位置検出器のうちいずれが故障しているかを画像表示部114に報知する変形例も考えられる。
さらに説明すると、出荷後のホール店でのセンサチェックの他に、工場から出荷される前での工場検査にも適用することが考えられる。工場検査の場合には、センサチェック処理を行うためのプログラムを演出制御部300(図3参照)に格納する態様と、工場検査の際にパチンコ遊技機100に接続される検査ユニット(不図示)に格納する態様と、が考えられる。
ここで、電源投入することで行われる可動役物の初期動作が正常であるか否かの確認を行うことが困難な場合がある。
そこで、可動役物の初期動作のより容易な確認を可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、演出において動作可能に設けられた可動役物(例えば可動役物115)と、前記可動役物(例えば可動役物115)の演出における動作を制御すると共に、起動時に、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態であるか否かを判断し、当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態でない場合は、当該可動役物(例えば可動役物115)を初期状態に復帰させるように制御する可動役物制御手段(例えばCPU321)と、演出において用いられると共に、起動時に、一の発光態様で発光し前記可動役物(例えば可動役物115)が初期状態である場合、または、前記可動役物制御手段(例えばCPU321)の制御により当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態となった場合に、当該一の発光態様とは異なる他の発光態様で発光する発光手段(例えば枠ランプ157,157a,157b,157c,157d)と、を備えることを特徴とする、遊技機(例えばパチンコ遊技機100)である。
前記発光手段(例えば枠ランプ157,157a,157b,157c,157d)は、前記可動役物制御手段(例えばCPU321)が前記可動役物(例えば可動役物115)を初期状態に復帰させる制御を行っても当該可動役物(例えば可動役物115)が初期状態に復帰しない場合に、前記一の発光態様および前記他の発光態様の何れとも異なる発光態様で発光することを特徴とすることができる。
さらに説明すると、パチンコ遊技機100を出荷する場合、搬送中に可動役物115が動いてしまうことを防止するために画像表示部114前側に可動役物115を固定する不図示の搬送用固定部材を装着する。可動役物115におけるモータ駆動の部材が原点位置にない状態で搬送用固定部材を装着しようとすると、可動役物115が破損したり、ホール店で設置された後の動作不良の原因になったりするおそれがある。
そこで、上述した可動役物チェック処理を実行することで、モータ駆動の部材が原点位置にあるか否かを自動的に検出可能になり、モータ駆動の部材が原点位置にあるパチンコ遊技機100に対して搬送用固定部材を装着することで、上述の不具合発生を防止することができる。
基板31,32のフォトセンサ94(図49参照)および検出部87(図46参照)は、特定状態検知手段の一例である。
ランプ制御部320のCPU321(図3参照)は、計数手段の一例である。
演出制御部300のCPU301(図3参照)は、エラー処理手段の一例である。
パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。
基板31,32のフォトセンサ93(図49参照)および検出部87(図46参照)は、初期状態検知手段の一例である。
93…フォトセンサ(初期状態検知手段の一例)
94…フォトセンサ(特定状態検知手段の一例)
115…可動役物(可動役物の一例)
301…CPU(エラー処理手段の一例)
321…CPU(計数手段の一例)
Claims (2)
- 演出において動作可能に設けられた可動役物と、
前記可動役物が動作中の特定の状態であることを検知する特定状態検知手段と、
前記可動役物が演出において前記特定の状態となるべきときに、前記特定状態検知手段により当該可動役物が当該特定の状態であることが検知されなかった場合に、当該特定状態検知手段により検知されなかった回数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された前記回数が予め定められた条件を満足する場合に、エラー処理を行うエラー処理手段と、
を備えることを特徴とする、遊技機。 - 演出において動作可能に設けられた可動役物と、
前記可動役物が初期状態であることを検知する初期状態検知手段と、
演出における前記可動役物の一連の動作が終了して当該可動役物が初期状態となるべきときに、前記初期状態検知手段により当該可動役物が初期状態であることが検知されなかった場合、当該可動役物の次の動作開始の際、当該初期状態検知手段により、当該可動役物が初期状態であることが検知されたならばエラー処理を行わず、当該初期状態検知手段により、当該可動役物が初期状態であることが検知されなかったならばエラー処理を行うエラー処理手段と、
を備えることを特徴とする、遊技機。
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