JP2016033866A - 亜鉛空気二次電池 - Google Patents
亜鉛空気二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016033866A JP2016033866A JP2014155916A JP2014155916A JP2016033866A JP 2016033866 A JP2016033866 A JP 2016033866A JP 2014155916 A JP2014155916 A JP 2014155916A JP 2014155916 A JP2014155916 A JP 2014155916A JP 2016033866 A JP2016033866 A JP 2016033866A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zinc
- electrode
- air
- separator
- negative electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Hybrid Cells (AREA)
Abstract
【解決手段】空気極と、亜鉛、亜鉛合金及び/又は亜鉛化合物を含んでなる負極と、負極が浸漬される水系電解液と、電解液と接触するが前記負極と接触しないように設けられる第三電極と、開口部を有し、前記負極、前記電解液及び前記第三電極を収容する容器と、開口部を電解液と接触可能に塞いで容器と負極側密閉空間を形成し、それにより空気極と電解液を水酸化物イオン伝導可能に隔離する、水酸化物イオン伝導性を有するが透水性及び通気性を有しないセパレータとを備えてなり、第三電極が外部回路を経て空気極と接続されてなる、亜鉛空気二次電池。
【選択図】図1A
Description
正極: O2+2H2O+4e−→4OH−
負極: 2Zn+4OH−→2ZnO+2H2O+4e−
亜鉛、亜鉛合金及び/又は亜鉛化合物を含んでなる負極と、
前記負極が浸漬される水系電解液と、
前記電解液と接触するが前記負極と接触しないように設けられる第三電極と、
開口部を有し、前記負極、前記電解液及び前記第三電極を収容する容器と、
前記開口部を前記電解液と接触可能に塞いで前記容器と負極側密閉空間を形成し、それにより前記空気極と前記電解液を水酸化物イオン伝導可能に隔離する、水酸化物イオン伝導性を有するが透水性及び通気性を有しないセパレータと、
を備えてなり、前記第三電極が外部回路を経て前記空気極と接続されてなる、亜鉛空気二次電池が提供される。
図1A及び1Bに、本発明による亜鉛空気二次電池の一例を模式的に示す。図1A及び1Bに示されるように、本発明による亜鉛空気二次電池10は、空気極12、負極14、電解液16、第三電極18、セパレータ20及び容器26を備えてなる。空気極12は正極として機能する。負極14は亜鉛、亜鉛合金及び/又は亜鉛化合物を含んでなる。電解液16は、負極14が浸漬される水系電解液である。容器26は、開口部26aを有し、負極14、電解液16及び第三電極18を収容する。セパレータ20は開口部26aを電解液16と接触可能に塞いで容器26と負極側密閉空間を形成し、それにより空気極12と電解液16を水酸化物イオン伝導可能に隔離する。所望により、正極集電体22が空気極12に接触して設けられてよい。また、所望により、負極集電体24が負極14に接触して設けられてよく、その場合、負極集電体24も容器26内に収容されうる。
第三電極: H2+2OH−→2H2O+2e−
正極放電: O2+2H2O+4e−→4OH−
により水に戻すことができる。別の表現をすれば、負極14で発生した水素ガスが第三電極18で吸収され自己放電をすることになる。これにより、水素ガスの発生による負極側密閉空間における内圧の上昇及びそれに伴う不具合を抑制又は回避できるとともに、(放電反応に伴い上記反応式に従い減少することになる)水を発生させて負極側密閉空間内での水不足を抑制又は回避することができる。すなわち、負極から発生した水素ガスを負極側密閉空間内で水に戻して再利用することができる。その結果、亜鉛デンドライトによる短絡及び二酸化炭素の混入の両方を防止するのに極めて効果的な構成を有しながら、水素ガス発生の問題にも対処可能な、信頼性の高い亜鉛空気二次電池を提供することができる。
第三電極18は、外部回路を経て空気極12と接続されることで、上述したような反応により水素ガス(H2)を水(H2O)に変換可能な電極であれば特に限定されないが、空気極12よりも酸素過電圧が大きいことが望まれる。また、第三電極18は通常の充放電反応に関与しないことも望まれる。第三電極18は、白金及び/又は炭素材料を含んでなるのが好ましく、より好ましくは炭素材料を含んでなる。炭素材料の好ましい例としては、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、活性炭、及びそれらの任意の組合せが挙げられる。第三電極18の形状は特に限定されないが、比表面積が大きくなるような形状(例えばメッシュ状や粒子状)とするのが好ましい。第三電極18(好ましくは比表面積の大きい形状の第三電極)は集電体上に塗工及び/又は配置されるのがより好ましい。第三電極18用の集電体はいかなる形状であってもよいが、好ましい例としては、線材(例えばワイヤ)、パンチングメタル、メッシュ、発泡金属、及びそれらの任意の組合せが挙げられる。第三電極18用集電体の材質としては第三電極18の材質と同様の材質であってもよいし、金属(例えばニッケル)、合金又はその他の導電性材料であってもよい。
セパレータ20は水酸化物イオン伝導性を有するが透水性及び通気性を有しない部材であり、典型的には板状、膜状又は層状の形態である。セパレータ20が開口部26aを電解液16と接触可能に塞いで容器26と負極側密閉空間を形成することで、空気極12と電解液16を水酸化物イオン伝導可能に隔離する。
空気極12は、亜鉛空気電池等の金属空気電池に使用される公知の空気極であってよく特に限定されない。空気極12は、空気極触媒、電子伝導性材料、及び所望により水酸化物イオン伝導性材料を含んでなるのが典型的である。もっとも、電子伝導性材料としても機能する空気極触媒を用いる場合には、空気極12は、そのような電子伝導性材料兼空気極触媒、及び所望により水酸化物イオン伝導性材料を含んでなるものであってもよい。
セパレータ20及び空気極12の間には中間層が設けられてもよい。中間層はセパレータ20と空気極12の密着性を向上し、かつ、水酸化物イオン伝導性を有するものであれば特に限定されず、有機材料及び無機材料を問わず、公知各種の組成及び構成の層であることができる。中間層は高分子材料及び/又はセラミックス材料を含んでなるのが好ましく、この場合、中間層に含まれる高分子材料及びセラミックス材料の少なくともいずれか一方が水酸化物イオン伝導性を有していればよい。
負極14は、負極活物質として機能する亜鉛、亜鉛合金及び/又は亜鉛化合物を含んでなる。負極14は、粒子状、板状、ゲル状等のいかなる形状又は形態であってもよいが、粒子状またはゲル状とするのが反応速度の点で好ましい。粒子状の負極としては、30〜350μmの粒径のものを好ましく用いることができる。ゲル状の負極としては、100〜300μmの粒径の無汞化亜鉛合金粉、アルカリ電解液及び増粘剤(ゲル化剤)を混合攪拌してゲル状に形成したものを好ましく用いることができる。亜鉛合金は、マグネシウム、アルミニウム、リチウム、ビスマス、インジウム、鉛等の汞化又は無汞化の合金であることができ、負極活物質として所望の性能を確保できる限り、その含有量は特に限定されない。好ましい亜鉛合金は、無水銀かつ鉛無添加の無汞化亜鉛合金であり、アルミニウム、ビスマス、インジウム又はこれらの組合せを含むものがより好ましい。さらに好ましくは、ビスマスを50〜1000ppm、インジウムを100〜1000ppmで、アルミニウム及び/又はカルシウムを10〜100ppm含む無汞化亜鉛合金であり、特に好ましくはビスマスを100〜500ppm、インジウムを300〜700ppm、アルミニウム及び/又はカルシウムを20〜50ppm含む。好ましい亜鉛化合物の例としては酸化亜鉛が挙げられる。
電解液16としては、亜鉛空気電池に一般的に使用される各種の水系の電解液、特にアルカリ電解液が使用可能である。そのような電解液の例としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ金属水酸化物水溶液、塩化亜鉛や過塩素酸亜鉛を含む水溶液等が挙げられる。中でも、アルカリ金属水酸化物水溶液、特に水酸化カリウム水溶液が好ましく、より好ましくは6〜9mol/Lの濃度の水酸化カリウム水溶液である。亜鉛合金の自己溶解を抑制するために、電解液中に酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物を溶解させてもよい。例えば、電解液に酸化亜鉛を飽和状態になるまで溶解させてもよい。また、電解液をゲル化してもよく、この場合には、電解液16を、その量の増減に関わらず、負極14、第三電極18及びセパレータ20に常時接触させやすくなる。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸収して膨潤するようなポリマーを用いるのが望ましく、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどのポリマーやデンプンが用いられる。
容器26は、開口部26aを有し、負極14、電解液16及び第三電極18をする容器であり、開口部26aが密閉された場合に液密性及び気密性が確保される構造を有する。密閉容器の材質は電解液16(特に水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物)に対する耐性を有するものであれば特に限定されず、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂等の樹脂製であるのが好ましい。容器26にはセパレータ20が様々な手法で固定されてよいが、電解液16(特に水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物)に対する耐性を有する接着剤により固定されるのが好ましい。また、ポリオレフィン樹脂製の容器26を用いた場合には熱融着によるセパレータ20の固定も好ましい。
図1A及び図2に示される亜鉛空気二次電池10は1対の空気極12及び負極14を備えたものであるが、容器26内に空気極12及び負極14の対を2以上備えた構成としてもよい。この場合、空気極12、負極14(負極集電体24の両面に形成されうる)及び空気極12の順に並置して(あるいはさらにこの並置を繰り返して)並列積層型の亜鉛空気二次電池に構成するのが好ましい。そのような並列積層型亜鉛空気二次電池の一例が図3に示される。なお、図3に示される並列積層型亜鉛空気二次電池30の各構成要素は、図1A及び2に示される亜鉛空気二次電池10の各構成要素と同様のため、図1A及び2と同じ符号を付してある。図3に並列積層型亜鉛空気二次電池30は、図2に示される縦型構造の亜鉛空気二次電池10’を備えた電池ユニットであり、負極集電体24の両面に負極14を設けて負極集電体24を基準に左右対称となるように構成としたものである。このとき、第三電極18が負極14の上方に位置するように配置されるのが好ましい。具体的には、並列積層型亜鉛空気二次電池30は、空気極側積層体(正極集電体22、空気極12及びセパレータ20を順に含む)/電解液16/負極側積層体(負極14、負極集電体24及び負極14を順に含む)/電解液16/空気極側積層体(セパレータ20、空気極12及び正極集電体22を順に含む)をこの順に配置された構成を有している。なお、負極側積層体を電解液16が連通する構成としてもよい。このような電池ユニットを所望の個数並列積層することで、所望の数の空気極12及び負極14を備えた並列積層型亜鉛空気二次電池を構成することもできる。
セパレータ20を構成しうる無機固体電解質体は膜状又は層状の形態であることができる。この場合、膜状又は層状の無機固体電解質体が多孔質基材上又はその中に形成されてなる、多孔質基材付きセパレータとするのが好ましい。特に好ましい多孔質基材付きセパレータは、多孔質基材と、この多孔質基材上及び/又は多孔質基材中に形成されるセパレータ層とを備えてなり、セパレータ層が前述したような層状複水酸化物(LDH)を含んでなるものである。セパレータ層は透水性及び通気性を有しない。すなわち、多孔質材料は孔の存在により透水性及び通気性を有しうるが、セパレータ層は透水性及び通気性を有しない程にまでLDHで緻密化されている。セパレータ層は多孔質基材上に形成されるのが好ましい。例えば、図4に示されるように、多孔質基材28上にセパレータ層20がLDH緻密膜として形成されるのが好ましい。この場合、多孔質基材28の性質上、図4に示されるように多孔質基材28の表面及びその近傍の孔内にもLDHが形成されてよいのはいうまでもない。あるいは、図5に示されるように、多孔質基材28中(例えば多孔質基材28の表面及びその近傍の孔内)にLDHが緻密に形成され、それにより多孔質基材28の少なくとも一部がセパレータ層20’を構成するものであってもよい。この点、図5に示される態様は図4に示される態様のセパレータ層20における膜相当部分を除去した構成となっているが、これに限定されず、多孔質基材28の表面と平行にセパレータ層が存在していればよい。いずれにしても、セパレータ層は透水性及び通気性を有しない程にまでLDHで緻密化されているため、水酸化物イオン伝導性を有するが透水性及び通気性を有しないという特有の機能を有することができる。
多孔質基材は、前述したとおりであり、セラミックス材料、金属材料、及び高分子材料からなる群から選択される少なくとも1種で構成されるのが好ましい。多孔質基材は、セラミックス材料で構成されるのがより好ましい。この場合、セラミックス材料の好ましい例としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、スピネル、カルシア、コージライト、ゼオライト、ムライト、フェライト、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、及びそれらの任意の組合せが挙げられ、より好ましくは、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びそれらの任意の組合せであり、特に好ましくはアルミナ及びジルコニアであり、最も好ましくはアルミナである。これらの多孔質セラミックスを用いるとLDH含有セパレータ層の緻密性を向上しやすい傾向がある。セラミックス材料製の多孔質基材を用いる場合、超音波洗浄、イオン交換水での洗浄等を多孔質基材に施すのが好ましい。
次に、多孔質基材を原料水溶液に所望の向きで(例えば水平又は垂直に)浸漬させる。多孔質基材を水平に保持する場合は、吊るす、浮かせる、容器の底に接するように多孔質基材を配置すればよく、例えば、容器の底から原料水溶液中に浮かせた状態で多孔質基材を固定としてもよい。多孔質基材を垂直に保持する場合は、容器の底に多孔質基材を垂直に設置できるような冶具を置けばよい。いずれにしても、多孔質基材にLDHを略垂直方向又はそれに近い方向(すなわちLDH板状粒子がそれらの板面が多孔質基材の表面(基材面)と略垂直に又は斜めに交差するような向きに)に成長させる構成ないし配置とするのが好ましい。原料水溶液は、マグネシウムイオン(Mg2+)及びアルミニウムイオン(Al3+)を所定の合計濃度で含み、かつ、尿素を含んでなる。尿素が存在することで尿素の加水分解を利用してアンモニアが溶液中に発生することによりpH値が上昇し、共存する金属イオンが水酸化物を形成することによりLDHを得ることができる。また、加水分解に二酸化炭素の発生を伴うため、陰イオンが炭酸イオン型のLDHを得ることができる。原料水溶液に含まれるマグネシウムイオン及びアルミニウムイオンの合計濃度(Mg2++Al3+)は0.20〜0.40mol/Lが好ましく、より好ましくは0.22〜0.38mol/Lであり、さらに好ましくは0.24〜0.36mol/L、特に好ましくは0.26〜0.34mol/Lである。このような範囲内の濃度であると核生成と結晶成長をバランスよく進行させることができ、配向性のみならず緻密性にも優れたLDH含有セパレータ層を得ることが可能となる。すなわち、マグネシウムイオン及びアルミニウムイオンの合計濃度が低いと核生成に比べて結晶成長が支配的となり、粒子数が減少して粒子サイズが増大する一方、この合計濃度が高いと結晶成長に比べて核生成が支配的となり、粒子数が増大して粒子サイズが減少するものと考えられる。
そして、原料水溶液中で多孔質基材を水熱処理して、LDHを含んでなるセパレータ層を多孔質基材上及び/又は多孔質基材中に形成させる。この水熱処理は密閉容器中、60〜150℃で行われるのが好ましく、より好ましくは65〜120℃であり、さらに好ましくは65〜100℃であり、特に好ましくは70〜90℃である。水熱処理の上限温度は多孔質基材(例えば高分子基材)が熱で変形しない程度の温度を選択すればよい。水熱処理時の昇温速度は特に限定されず、例えば10〜200℃/hであってよいが、好ましくは100〜200℃/hである、より好ましくは100〜150℃/hである。水熱処理の時間はLDH含有セパレータ層の目的とする密度と厚さに応じて適宜決定すればよい。
板状の無機固体電解質の好ましい形態として、層状複水酸化物(LDH)緻密体が挙げられる。LDH緻密体はあらゆる方法によって作製されたものであってもよいが、以下に好ましい製造方法の一態様を説明する。この製造方法は、ハイドロタルサイトに代表されるLDHの原料粉末を成形及び焼成して酸化物焼成体とし、これを層状複水酸化物へ再生した後、余剰の水分を除去することにより行われる。この方法によれば、88%以上の相対密度を有する高品位な層状複水酸化物緻密体を簡便に且つ安定的に提供及び製造することができる。
原料粉末として、一般式:M2+ 1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1〜0.4である)で表される層状複水酸化物の粉末を用意する。上記一般式において、M2+は任意の2価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはMg2+、Ca2+及びZn2+が挙げられ、より好ましくはMg2+である。M3+は任意の3価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはAl3+又はCr3+が挙げられ、より好ましくはAl3+である。An−は任意の陰イオンでありうるが、好ましい例としてはOH−及びCO3 2−が挙げられる。したがって、上記一般式は、少なくともM2+がMg2+を、M3+がAl3+を含み、An−がOH−及び/又はCO3 2−を含むのが好ましい。nは1以上の整数であるが、好ましくは1又は2である。xは0.1〜0.4であるが、好ましくは0.2〜0.35である。このような原料粉末は市販の層状複水酸化物製品であってもよいし、硝酸塩や塩化物を用いた液相合成法等の公知の方法にて作製した原料であってもよい。原料粉末の粒径は、所望の層状複水酸化物緻密体が得られる限り限定されないが、体積基準D50平均粒径が0.1〜1.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.3〜0.8μmである。原料粉末の粒径が細かすぎると粉末が凝集しやすく、成形時に気孔が残留する可能性が高く、大きすぎると成形性が悪くなるためである。
原料粉末を成形して成形体を得る。この成形は、成形後且つ焼成前の成形体(以下、成形体という)が、43〜65%、より好ましくは45〜60%であり、さらに好ましくは47%〜58%の相対密度を有するように、例えば加圧成形により行われるのが好ましい。成形体の相対密度は、成形体の寸法及び重量から密度を算出し、理論密度で除して求められるが、成形体の重量は吸着水分の影響を受けるため、一義的な値を得るために、室温、相対湿度20%以下のデシケータ内で24時間以上保管した原料粉末を用いた成形体か、もしくは成形体を前記条件下で保管した後に相対密度を測定するのが好ましい。ただし、原料粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、成形体の相対密度が26〜40%であるのが好ましく、より好ましくは29〜36%である。なお、酸化物粉末を用いる場合の相対密度は、層状複水酸化物を構成する各金属元素が仮焼により各々酸化物に変化したと仮定し、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求めた。一例に挙げた加圧成形は、金型一軸プレスにより行ってもよいし、冷間等方圧加圧(CIP)により行ってもよい。冷間等方圧加圧(CIP)を用いる場合は原料粉末をゴム製容器中に入れて真空封じするか、あるいは予備成形したものを用いるのが好ましい。その他、スリップキャストや押出成形など、公知の方法で成形してもよく、成形方法については特に限定されない。ただし、原料粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、乾式成形法に限られる。これらの成形体の相対密度は、得られる緻密体の強度だけではなく、通常板状形状を有する層状複水酸化物の配向度への影響もあることから、その用途等を考慮して成形時の相対密度を上記の範囲で適宜設定するのが好ましい。
上記工程で得られた成形体を焼成して酸化物焼成体を得る。この焼成は、酸化物焼成体が、成形体の重量の57〜65%の重量となり、且つ/又は、成形体の体積の70〜76%以下の体積となるように行われるのが好ましい。成形体の重量の57%以上であると、後工程の層状複水酸化物への再生時に再生できない異相が生成しにくくなり、65%以下であると焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。また、成形体の体積の70%以上であると、後工程の層状複水酸化物への再生時に異相が生成にくくなるとともに、クラックも生じにくくなり、76%以下であると、焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。原料粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、成形体の重量の85〜95%、及び/又は成形体の体積の90%以上の酸化物焼成体を得るのが好ましい。原料粉末が仮焼されるか否かに関わらず、焼成は、酸化物焼成体が、酸化物換算で20〜40%の相対密度を有するように行われるのが好ましく、より好ましくは20〜35%であり、さらに好ましくは20〜30%である。ここで、酸化物換算での相対密度とは、層状複水酸化物を構成する各金属元素が焼成により各々酸化物に変化したと仮定し、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求めた相対密度である。酸化物焼成体を得るための好ましい焼成温度は400〜850℃であり、より好ましくは700〜800℃である。この範囲内の焼成温度で1時間以上保持されるのが好ましく、より好ましい保持時間は3〜10時間である。また、急激な昇温により水分や二酸化炭素が放出して成形体が割れるのを防ぐため、上記焼成温度に到達させるための昇温は100℃/h以下の速度で行われるのが好ましく、より好ましくは5〜75℃/hであり、さらに好ましくは10〜50℃/hである。したがって、昇温から降温(100℃以下)に至るまでの全焼成時間は20時間以上確保するのが好ましく、より好ましくは30〜70時間、さらに好ましくは35〜65時間である。
上記工程で得られた酸化物焼成体を上述したn価の陰イオン(An−)を含む水溶液中又はその直上に保持して層状複水酸化物へと再生し、それにより水分に富む層状複水酸化物固化体を得る。すなわち、この製法により得られる層状複水酸化物固化体は必然的に余分な水分を含んでいる。なお、水溶液中に含まれる陰イオンは原料粉末中に含まれる陰イオンと同種の陰イオンとしてよいし、異なる種類の陰イオンとしてもよい。酸化物焼成体の水溶液中又は水溶液直上での保持は密閉容器内で水熱合成の手法により行われるのが好ましく、そのような密閉容器の例としてはテフロン製の密閉容器が挙げられ、より好ましくはその外側にステンレス製等のジャケットを備えた密閉容器である。層状複水酸化物化は、酸化物焼成体を20℃以上200℃未満で、少なくとも酸化物焼成体の一面が水溶液に接する状態に保持することにより行われるのが好ましく、より好ましい温度は50〜180℃であり、さらに好ましい温度は100〜150℃である。このような層状複水酸化物化温度で酸化物焼結体が1時間以上保持されるのが好ましく、より好ましくは2〜50時間であり、さらに好ましくは5〜20時間である。このような保持時間であると十分に層状複水酸化物への再生を進行させて異相が残るのを回避又は低減できる。なお、この保持時間は、長すぎても特に問題はないが、効率性を重視して適時設定すればよい。
上記工程で得られた水分に富む層状複水酸化物固化体から余剰の水分を除去する。こうして本発明の層状複水酸化物緻密体が得られる。この余剰の水分を除去する工程は、300℃以下、除去工程の最高温度での推定相対湿度25%以上の環境下で行われるのが好ましい。層状複水酸化物固化体からの急激な水分の蒸発を防ぐため、室温より高い温度で脱水する場合は層状複水酸化物への再生工程で使用した密閉容器中に再び封入して行うことが好ましい。その場合の好ましい温度は50〜250℃であり、さらに好ましくは100〜200℃である。また、脱水時のより好ましい相対湿度は25〜70%であり、さらに好ましくは40〜60%である。脱水を室温で行ってもよく、その場合の相対湿度は通常の室内環境における40〜70%の範囲内であれば問題はない。
(1)多孔質基材の作製
ベーマイト(サソール社製、DISPAL 18N4−80)、メチルセルロース、及びイオン交換水を、(ベーマイト):(メチルセルロース):(イオン交換水)の質量比が10:1:5となるように秤量した後、混練した。得られた混練物を、ハンドプレスを用いた押出成形に付し、5cm×8cmを十分に超える大きさで且つ厚さ0.5cmの板状に成形した。得られた成形体を80℃で12時間乾燥した後、1150℃で3時間焼成して、アルミナ製多孔質基材を得た。こうして得られた多孔質基材を5cm×8cmの大きさに切断加工した。
得られた多孔質基材をアセトン中で5分間超音波洗浄し、エタノール中で2分間超音波洗浄、その後、イオン交換水中で1分間超音波洗浄した。
原料として、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO3)2・6H2O、関東化学株式会社製)、硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO3)3・9H2O、関東化学株式会社製)、及び尿素((NH2)2CO、シグマアルドリッチ製)を用意した。カチオン比(Mg2+/Al3+)が2となり且つ全金属イオンモル濃度(Mg2++Al3+)が0.320mol/Lとなるように、硝酸マグネシウム六水和物と硝酸アルミニウム九水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を75mlとした。得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO3 −=4の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得た。
テフロン製密閉容器(内容量100ml、外側がステンレス製ジャケット)に上記(3)で作製した原料水溶液と上記(2)で洗浄した多孔質基材を共に封入した。このとき、基材はテフロン製密閉容器の底から浮かせて固定し、基材両面に溶液が接するように水平に設置した。その後、水熱温度70℃で168時間(7日間)水熱処理を施すことにより基材表面に層状複水酸化物配向膜(セパレータ層)の形成を行った。所定時間の経過後、基材を密閉容器から取り出し、イオン交換水で洗浄し、70℃で10時間乾燥させて、層状複水酸化物(以下、LDHという)の緻密膜(以下、膜試料という)を基材上に得た。得られた膜試料の厚さは約1.5μmであった。こうして、層状複水酸化物含有複合材料試料(以下、複合材料試料という)を得た。なお、LDH膜は多孔質基材の両面に形成されていたが、セパレータとして形態を複合材料に付与するため、多孔質基材の片面のLDH膜を機械的に削り取った。
(5a)膜試料の同定
X線回折装置(リガク社製 RINT TTR III)にて、電圧:50kV、電流値:300mA、測定範囲:10〜70°の測定条件で、膜試料の結晶相を測定したところ、図8に示されるXRDプロファイルが得られた。得られたXRDプロファイルについて、JCPDSカードNO.35−0964に記載される層状複水酸化物(ハイドロタルサイト類化合物)の回折ピークを用いて同定した。その結果、膜試料は層状複水酸化物(LDH、ハイドロタルサイト類化合物)であることが確認された。なお、図8に示されるXRDプロファイルにおいては、膜試料が形成されている多孔質基材を構成するアルミナに起因するピーク(図中で○印が付されたピーク)も併せて観察されている。
膜試料の表面微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10〜20kVの加速電圧で観察した。得られた膜試料の表面微構造のSEM画像(二次電子像)を図9に示す。
膜試料について、画像処理を用いた手法により、膜の表面の気孔率を測定した。この気孔率の測定は、1)表面微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10〜20kVの加速電圧で観察して膜の表面の電子顕微鏡(SEM)画像(倍率10000倍以上)を取得し、2)Photoshop(Adobe社製)等の画像解析ソフトを用いてグレースケールのSEM画像を読み込み、3)[イメージ]→[色調補正]→[2階調化]の手順でヒストグラムのしきい値を調整して白黒の2値画像を作成し、4)黒い部分が占めるピクセル数を画像の全ピクセル数で割った値を気孔率(%)とすることにより行った。この気孔率の測定は配向膜表面の6μm×6μmの領域について行われた。その結果、膜の表面の気孔率は19.0%であった。また、この膜表面の気孔率を用いて、膜表面から見たときの密度D(以下、表面膜密度という)をD=100%−(膜表面の気孔率)により算出したところ、81.0%であった。
膜試料が透水性を有しない程の緻密性を有することを確認すべく、緻密性判定試験を以下のとおり行った。まず、図11Aに示されるように、上記(1)において得られた複合材料試料120(1cm×1cm平方に切り出されたもの)の膜試料側に、中央に0.5cm×0.5cm平方の開口部122aを備えたシリコンゴム122を接着し、得られた積層物を2つのアクリル製容器124,126で挟んで接着した。シリコンゴム122側に配置されるアクリル製容器124は底が抜けており、それによりシリコンゴム122はその開口部122aが開放された状態でアクリル製容器124と接着される。一方、複合材料試料120の多孔質基材側に配置されるアクリル製容器126は底を有しており、その容器126内にはイオン交換水128が入っている。すなわち、組み立て後に上下逆さにすることで、複合材料試料120の多孔質基材側にイオン交換水128が接するように各構成部材が配置されてなる。これらの構成部材等を組み立て後、総重量を測定した。図11Bに示されるように組み立て体を上下逆さに配置して25℃で1週間保持した後、総重量を再度測定した。このとき、アクリル製容器124の内側側面に水滴が付着している場合には、その水滴を拭き取った。そして、試験前後の総重量の差を算出することにより緻密度を判定した。その結果、25℃で1週間保持した後においても、イオン交換水の重量に変化は見られなかった。このことから、膜試料(すなわち機能膜)は透水性を有しない程に高い緻密性を有することが確認された。
膜試料が通気性を有しない程の緻密性を有することを確認すべく、緻密性判定試験を以下のとおり行った。まず、図12A及び12Bに示されるように、蓋の無いアクリル容器130と、このアクリル容器130の蓋として機能しうる形状及びサイズのアルミナ治具132とを用意した。アクリル容器130にはその中にガスを供給するためのガス供給口130aが形成されている。また、アルミナ治具132には直径5mmの開口部132aが形成されており、この開口部132aの外周に沿って膜試料載置用の窪み132bが形成されてなる。アルミナ治具132の窪み132bにエポキシ接着剤134を塗布し、この窪み132bに複合材料試料136の膜試料136b側を載置してアルミナ治具132に気密かつ液密に接着させた。そして、複合材料試料136が接合されたアルミナ治具132を、アクリル容器130の開放部を完全に塞ぐようにシリコーン接着剤138を用いて気密かつ液密にアクリル容器130の上端に接着させて、測定用密閉容器140を得た。この測定用密閉容器140を水槽142に入れ、アクリル容器130のガス供給口130aを圧力計144及び流量計146に接続して、ヘリウムガスをアクリル容器130内に供給可能に構成した。水槽142に水143を入れて測定用密閉容器140を完全に水没させた。このとき、測定用密閉容器140の内部は気密性及び液密性が十分に確保されており、複合材料試料136の膜試料136b側が測定用密閉容器140の内部空間に露出する一方、複合材料試料136の多孔質基材136a側が水槽142内の水に接触している。この状態で、アクリル容器130内にガス供給口130aを介してヘリウムガスを測定用密閉容器140内に導入した。圧力計144及び流量計146を制御して膜試料136a内外の差圧が0.5atmとなる(すなわちヘリウムガスに接する側に加わる圧力が反対側に加わる水圧よりも0.5atm高くなる)ようにして、複合材料試料136から水中にヘリウムガスの泡が発生するか否かを観察した。その結果、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。よって、膜試料136bは通気性を有しない程に高い緻密性を有することが確認された。
(1)多孔質基材付きセパレータの用意
例1と同様の手順により、多孔質基材付きセパレータ(以下、単にセパレータという)として、アルミナ基材上ハイドロタルサイト膜を用意した。
空気極触媒としてのα−MnO2粒子を次のようにして作製した。まず、Mn(SO4)・5H2O及びKMnO4を5:13のモル比で脱イオン水に溶かして混合した。得られた混合液をテフロンが内貼りされたステンレス製密閉容器に入れ、140℃で水熱合成を2時間行う。水熱合成により得られた沈殿物をろ過し、蒸留水で洗浄した後、80℃で6時間乾燥した。こうしてα−MnO2の粉末を得た。
アニオン交換膜(アストム社、ネオセプタAHA)を1MのNaOH水溶液に一晩浸漬させた。このアニオン交換膜をセパレータのハイドロタルサイト膜上に中間層として積層して、セパレータ/中間層積層体を得る。中間層の厚さは30μmである。得られたセパレータ/中間層積層体に、先に作製した空気極層/集電体の積層シートを、空気極層側が中間層と接するように圧着して、セパレータ付き空気極試料を得る。
銅パンチングメタルからなる集電体上に、酸化亜鉛粉末80重量部、亜鉛粉末20重量部及びポリテトラフルオロエチレン粒子3重量部からなる混合物を塗布して、多孔度約50%で活物質部分が塗工された負極板を得る。
ニッケルメッシュからなる集電体上に白金ペーストを塗布して、第三電極を得る。
上記得られたセパレータ付き空気極、負極板、及び第三電極を用いて、図1Aに示されるような横型構造の亜鉛空気二次電池を以下のような手順で作製する。まず、ABS樹脂製で直方体形状を有する蓋の無い容器(以下、樹脂容器という)を用意する。この樹脂容器の底に負極板を、負極活物質が塗工された側が上を向くように載置する。このとき、負極集電体が樹脂容器の底部に接しており、負極集電体の端部が樹脂容器側面に貫通して設けられる外部端子と接続する。次に、樹脂容器内壁の負極板の上面よりも高い位置に(すなわち負極板と接触せず充放電反応に関与しない位置)に第三電極を設け、不織布セパレータを第三電極と接触するように配置する。樹脂容器の開口部をセパレータ付き空気極で空気極側が外側になるように塞ぎ、その際、開口部の外周部分に市販の接着剤を塗工して気密性及び液密性を与えるように封止する。樹脂容器の上端近傍に設けられた小さな注入口を介して樹脂容器内に6mol/LのKOH水溶液を電解液として注入する。こうして、セパレータが電解液と接触するとともに、不織布セパレータの保液性により電解液の増減に関わらず電解液が第三電極に常時接触可能な状態とされる。このとき、注入する電解液の量は、放電末状態で電池を作製すべく、樹脂容器内で負極活物質塗工部分が十分に隠れるだけでなく、充電時に減少することが見込まれる水分量を考慮した過剰量とする。したがって、樹脂容器は上記過剰量の電解液を収容できるように設計されている。最後に、樹脂容器の注入口を封止する。こうして樹脂容器及びセパレータで区画された内部空間は気密且つ液密に密閉されている。最後に第三電極と空気極の集電層とを外部回路を介して接続する。こうして本発明の亜鉛空気二次電池を得る。
12 空気極
14 負極
16 電解液
18 第三電極
20,20’ セパレータ
22 正極集電体
24 負極集電体
26 容器
26a 開口部
28 多孔質基材
30 並列積層型亜鉛空気二次電池
Claims (19)
- 正極としての空気極と、
亜鉛、亜鉛合金及び/又は亜鉛化合物を含んでなる負極と、
前記負極が浸漬される水系電解液と、
前記電解液と接触するが前記負極と接触しないように設けられる第三電極と、
開口部を有し、前記負極、前記電解液及び前記第三電極を収容する容器と、
前記開口部を前記電解液と接触可能に塞いで前記容器と負極側密閉空間を形成し、それにより前記空気極と前記電解液を水酸化物イオン伝導可能に隔離する、水酸化物イオン伝導性を有するが透水性及び通気性を有しないセパレータと、
を備えてなり、前記第三電極が外部回路を経て前記空気極と接続されてなる、亜鉛空気二次電池。 - 前記第三電極は前記空気極よりも酸素過電圧が大きい、請求項1に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記第三電極が通常の充放電反応に関与しない、請求項1又は2に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記第三電極が白金及び/又は炭素材料を含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記第三電極が炭素材料を含んでなり、該炭素材料が天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、活性炭からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記セパレータが横に設けられ、前記負極側密閉空間が前記セパレータの下方に位置し、かつ、前記第三電極が前記負極の上方に設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記セパレータが縦に設けられ、前記負極側密閉空間が前記セパレータの側方に位置し、かつ、前記第三電極が前記負極の上方に設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記セパレータが無機固体電解質体からなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記無機固体電解質体が90%以上の相対密度を有する、請求項8に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記無機固体電解質体が、一般式:
M2+ 1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O
(式中、M2+は2価の陽イオンであり、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4である)
の基本組成を有する層状複水酸化物からなる、請求項8又は9に記載の亜鉛空気二次電池。 - 前記一般式において、M2+がMg2+を含み、M3+がAl3+を含み、An−がOH−及び/又はCO3 2−を含む、請求項10に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記無機固体電解質体が、板状、膜状又は層状の形態を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記セパレータの片面又は両面に多孔質基材をさらに備えた、請求項8〜12のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記無機固体電解質体が膜状又は層状の形態であり、該膜状又は層状の無機固体電解質体が前記多孔質基材上又はその中に形成されたものである、請求項13に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記無機固体電解質体が水熱処理によって緻密化されたものである、請求項8〜14のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記空気極の前記セパレータと反対側に設けられる、通気性を有する正極集電体をさらに備えた、請求項1〜15のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記負極に接触して設けられる負極集電体をさらに備えた、請求項1〜16のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記負極集電体が前記容器を貫通して延在してなる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
- 前記水系電解液が、アルカリ金属水酸化物水溶液である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の亜鉛空気二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014155916A JP6313156B2 (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | 亜鉛空気二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014155916A JP6313156B2 (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | 亜鉛空気二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016033866A true JP2016033866A (ja) | 2016-03-10 |
JP6313156B2 JP6313156B2 (ja) | 2018-04-18 |
Family
ID=55452693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014155916A Active JP6313156B2 (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | 亜鉛空気二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6313156B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190056681A (ko) * | 2017-11-17 | 2019-05-27 | 주식회사 유뱃 | 전극 잉크용 조성물 및 이를 포함하는 잉크 펜, 전기 화학 소자 |
CN114391198A (zh) * | 2019-09-25 | 2022-04-22 | 日本碍子株式会社 | 空气极/隔板接合体及锌空气二次电池 |
CN115172946A (zh) * | 2022-09-08 | 2022-10-11 | 香港理工大学深圳研究院 | 电解液、二次锌空气电池及制备方法 |
WO2024154564A1 (ja) * | 2023-01-19 | 2024-07-25 | 三菱重工業株式会社 | 金属空気電池用の正極電極及びこの正極電極を備える金属空気電池並びにこの正極電極の製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11339865A (ja) * | 1998-05-22 | 1999-12-10 | Sony Corp | 空気電極及び空気電池 |
JP2004507865A (ja) * | 2000-06-28 | 2004-03-11 | ザ ジレット カンパニー | 水素再結合触媒 |
WO2008015844A1 (fr) * | 2006-07-31 | 2008-02-07 | Techno Bank Co., Ltd. | Appareil générateur de courant |
WO2013073292A1 (ja) * | 2011-11-16 | 2013-05-23 | 日本碍子株式会社 | 亜鉛空気二次電池 |
-
2014
- 2014-07-31 JP JP2014155916A patent/JP6313156B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11339865A (ja) * | 1998-05-22 | 1999-12-10 | Sony Corp | 空気電極及び空気電池 |
JP2004507865A (ja) * | 2000-06-28 | 2004-03-11 | ザ ジレット カンパニー | 水素再結合触媒 |
WO2008015844A1 (fr) * | 2006-07-31 | 2008-02-07 | Techno Bank Co., Ltd. | Appareil générateur de courant |
WO2013073292A1 (ja) * | 2011-11-16 | 2013-05-23 | 日本碍子株式会社 | 亜鉛空気二次電池 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190056681A (ko) * | 2017-11-17 | 2019-05-27 | 주식회사 유뱃 | 전극 잉크용 조성물 및 이를 포함하는 잉크 펜, 전기 화학 소자 |
KR102082751B1 (ko) * | 2017-11-17 | 2020-03-02 | 주식회사 유뱃 | 전극 잉크용 조성물 및 이를 포함하는 잉크 펜, 전기 화학 소자 |
CN114391198A (zh) * | 2019-09-25 | 2022-04-22 | 日本碍子株式会社 | 空气极/隔板接合体及锌空气二次电池 |
CN115172946A (zh) * | 2022-09-08 | 2022-10-11 | 香港理工大学深圳研究院 | 电解液、二次锌空气电池及制备方法 |
WO2024154564A1 (ja) * | 2023-01-19 | 2024-07-25 | 三菱重工業株式会社 | 金属空気電池用の正極電極及びこの正極電極を備える金属空気電池並びにこの正極電極の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6313156B2 (ja) | 2018-04-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6067925B2 (ja) | 亜鉛空気二次電池 | |
JP6001198B2 (ja) | 層状複水酸化物を用いた電池 | |
JP5986697B2 (ja) | 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池 | |
JP5940237B1 (ja) | 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池 | |
JP5914775B1 (ja) | ニッケル亜鉛電池 | |
WO2017002815A1 (ja) | 亜鉛空気電池セルパック及びそれを用いた組電池 | |
JP5936788B1 (ja) | ニッケル亜鉛電池 | |
JP6030780B2 (ja) | 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池 | |
JP5936789B1 (ja) | ニッケル亜鉛電池 | |
JP6598290B2 (ja) | 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池 | |
JP6429378B2 (ja) | 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池 | |
JP6408878B2 (ja) | 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池 | |
JP6313156B2 (ja) | 亜鉛空気二次電池 | |
JP5936787B1 (ja) | ニッケル亜鉛電池 | |
JP2017016901A (ja) | 亜鉛空気電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170414 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180301 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180319 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180322 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6313156 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |