以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行なう演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行なう可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行なわれる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行なう。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示が行なわれるが、演出表示装置9で行なわれる演出は、そのような演出にかぎられず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行なうとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行ない、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行なうようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行なわれる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行なわれる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行なわれる。)、演出表示装置9を用いた演出を行なう場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行なわれたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行なわれるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行なうことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域が演出表示装置9の表示画面の一部に設けられているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dが備えられているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行なうことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行なうことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
さらに、上記の全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記の各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記の各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(単に、「S」とも記載する)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S44)。そして、S14に移行する。なお、S44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行なうことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行なわれた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
小当りは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態が確変状態に移行するような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行なわれると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示す再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められているが(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行なう場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行なう場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。
なお、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行なう場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行なうように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行なわないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定されるが、付与される遊技価値は、この実施の形態におけるラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類であるが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態におけるものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類であるが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(S168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(S132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(S132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(S132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態における態様にかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行なわれ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行なわれる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。図10(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。図10(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。図10(C)には、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが示されている。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」は、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示す。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行なう。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行なう。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
図16および図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16および図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態または時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行なったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図9、図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する先読み予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図16および図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、後述するように、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行される「保留球変化」の態様の先読み予告演出を実行する場合を説明する。なお、「保留球変化」の態様の先読み予告演出にかぎらず、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示にわたって連続して実行される先読み予告演出(例えば、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」の態様の先読み予告演出)を実行可能に構成してもよい。ただし、必ずしも複数回の変動表示にわたって予告演出を実行する必要は無く、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行なうものであってもよい。また、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にもわたって予告演出を行なうものであってもよい。また、複数回の変動表示にわたって必ずしも連続して実行する必要はなく、例えば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の可変表示において予告演出を実行してもよい。ただし、例えば、「カウントダウン」の態様の先読み予告演出に関しては、カウントダウンが1回のみであったり間欠的あったりすると演出が不自然となってしまうので、複数の変動表示にわたって連続して行なうことが望ましい。
なお、この実施の形態では、時短状態(高ベース状態)であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(S1215A,S1216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図15に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図16および図17に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行なう演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18および図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S313,S314)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図30参照)、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図20は、S312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図20(A)は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図20(B)は、S314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図20(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1214A)。なお、S1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S1215A)。セットされていれば、S1220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(S1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、S1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220A)。
なお、S1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、S1215AまたはS1216AでYと判定したことによりS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、S1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行ない、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行なわない。なお、S1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、S1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が通常状態(確変状態および時短状態以外の遊技状態)である場合にのみS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、S1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみS1217Aの入賞時演出処理が実行される。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行なわれ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305参照)から大当り終了処理(S307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図20(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1214B)。なお、S1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220B)。
なお、S1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図22は、S1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行なう(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行なう閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図16および図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
なお、S225の遊技状態の判定を行なうことなく、常に通常状態における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(S228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行なうことなく、EXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S230)。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。
次いで、CPU56は、S226,S228,S231で設定した閾値と、S1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行なう(S233)。具体的には、CPU56は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16および図17に示すような「00(H)」〜「09(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行なう。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定するが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行なわないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行ない(S51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(S52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行なう。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、S75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行なう。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、そのような決定方法にかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(S94)。そして、S100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S96)。合算保留記憶数が3未満であれば(S96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(S97)。そして、S100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(S96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(S98)。そして、S100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(S95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(S169,S170参照)、S95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(S99)。そして、S100に移行する。
この実施の形態では、S95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行なわれる場合がある。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、S92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S100)。
次いで、CPU56は、S100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(S101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、S101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S106)。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態のように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行なうことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行なうように構成することが好ましい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(S110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行なう(S117)。小当りフラグもセットされていないときは(S116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S119)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(S1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、S1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグおよび時短状態であることを示す時短フラグをリセットし、時短回数カウンタの値を0にする(S132)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S133)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(S135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S136)。
また、S131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(S137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(S138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S139)、時短フラグをリセットする(S140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(S142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S145)。
小当りフラグもセットされていなければ(S141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S146)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(S166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(S167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(S168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(S169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(S170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S171)。
図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(S32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(S3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行なう(S3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行なうための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(S3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行なう(S3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、S3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行なわれないので、S22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行なう(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図32は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図33〜図36は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(S623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行ない(S634)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(S653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(S656A)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する(S656B)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(S658A)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する(S658B)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S662A)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示され、1つ目に第1保留記憶に対応する保留表示(例えば、赤色の丸形表示)が表示され、2つ目に第2保留記憶に対応する保留表示(例えば、青色の丸形表示)が表示されていた場合に、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には(この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されるので、1つでも第2保留記憶があれば第2保留記憶数減算指定コマンドを受信することになる)、第2保留記憶に対応する1番目の保留表示(本例では、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示)を消去するとともに、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。また、例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜3つ目まで保留表示が表示され、それらの全てに第1保留記憶に対応する保留表示(例えば、赤色の丸形表示)が表示されていた場合に、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目に表示されていた保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。
また、演出制御用CPU101は、消去した保留表示が後述する第1ボタン保留表示、第2ボタン保留表示、第1特殊保留表示、または第2特殊保留表示であった場合(すなわち、後述する「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が実行され、その予告対象の保留表示を消去した場合)には、セットされている先読み予告実行中フラグをリセットする(S662B)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する(S662C)。
なお、演出制御用CPU101は、S662Cの処理で、第1保留記憶数カウンタの値を−1する処理(第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)、または第2保留記憶数カウンタの値を−1する処理(第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)も行なう。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行なう(S664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数をクリアする(S665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、合算保留記憶数が0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する合算保留記憶数をリセットする。S665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で合算保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った合算保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって合算保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(S666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(S667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(S668)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(S669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(S670)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S671)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、時短状態フラグをリセットする(S672)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(S673)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(S674)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S675)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、確変状態フラグをリセットする(S676)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(S680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(S683)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S684)。そして、S611に移行する。
図37は、図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する先読み予告演出決定処理を実行する(S800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図38は、先読み予告演出決定処理(S800A)を示すフローチャートである。先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(S6001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、既に先読み予告演出を実行中であることを示す先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S6002)。なお、先読み予告実行中フラグは、後述するS6010Aにおいてセットされる。先読み予告実行中フラグがセットされていれば、S6014に移行する。
なお、S6002の処理が実行されることによって、この実施の形態では、先読み予告演出を実行中でないことを条件に先読み予告演出の決定処理が実行される。そして、先読み予告演出を開始した後には、既に先読み予告実行中フラグがセットされていることから、先読み予告演出の決定処理を再度実行することなく、既に決定した演出態様で先読み予告演出が実行される。なお、「非リーチはずれ」の入賞時判定結果にもとづき先読み予告演出を実行しているときにスーパーリーチや大当りとなる始動入賞が発生した場合には、実行中の先読み予告演出から切り替えてスーパーリーチや大当りの演出(例えば、リーチ予告や大当り予告)を実行するようにしてもよい。なお、S6002の先読み予告実行中フラグの有無の判定処理を設けないようにし、先読み予告演出の実行中であるか否かにかかわらず、S6003以降の処理を実行するようにしてもよい。
先読み予告実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされているか否かを確認する(S6003)。確変状態フラグおよび時短状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の最新のコマンドを格納している格納領域に第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されているか否かを確認する(S6004)。第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されていれば(すなわち、第1保留記憶が増加し、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば)、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の有無および先読み予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして先読み予告振分テーブルAを選択する(S6005)。第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されていなければ、S6014に移行する。
確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされていれば(すなわち、確変状態または時短状態であれば)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の最新のコマンドを格納している格納領域に第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されているか否かを確認する(S6006)。第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されていれば(すなわち、第2保留記憶が増加し、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば)、演出制御用CPU101は、先読み予告振分テーブルBを選択する(S6007)。第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されていなければ、S6014に移行する。
S6003〜S6007の処理が実行されることによって、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であれば第1保留記憶に対応する変動表示に対してのみ先読み予告演出の設定および実行が可能であり、遊技状態が確変状態または時短状態であれば第2保留記憶に対応する変動表示に対してのみ先読み予告演出の設定および実行が可能である。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の演出態様を決定するための先読み予告演出態様決定用乱数を抽出し、受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、抽出した先読み予告演出態様決定用乱数の値がS6005,S6007で選択した先読み予告振分テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、先読み予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(S6008)。
図39は、先読み予告演出の振り分けを示す先読み予告振分テーブルの具体例を示す説明図である。現在の遊技状態が通常状態あれば、演出制御用CPU101は、S6005で選択した図39(A)に示す通常状態時の先読み予告振分テーブルAを用いて、受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別の入賞時判定結果にもとづいて、先読み予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、先読み予告振分テーブルAを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)、および変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)のいずれの場合にも、図39(A)に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。
また、現在の遊技状態が確変状態または時短状態であれば、演出制御用CPU101は、S6007で選択した図39(B)に示す確変/時短状態時の先読み予告振分テーブルBを用いて、受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別の入賞時判定結果にもとづいて、先読み予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、先読み予告振分テーブルBを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC60A(H)を受信している場合)には、図39(B)に示すように、割り振りがなく、先読み予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC609(H)またはコマンドC60B(H)を受信している場合)、および変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)には、図39(B)に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。
なお、図39に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドによって変動パターン種別の入賞時判定結果として「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」のいずれかの判定結果が示されている場合に、先読み予告演出が実行される場合がある。
また、この実施の形態では、プッシュボタン120が複数回押下されると保留球表示の表示態様が変化するが、その複数回は、そのときの保留記憶数に応じて異なっている。すなわち、図39(C)に示すように、保留記憶数が多いほど、操作回数は多い。よって、保留記憶がなくなることによって第1演出の演出対象(この例では、保留数変化の態様)が消滅するまでの期間が短い場合に、操作回数の不足により第1演出情報の態様が変化しないことが生ずる可能性が低減する。
なお、この実施の形態では、各保留記憶数に対する操作回数は1種類であるが、保留球表示の表示態様が複数種類あるようにした場合には、表示態様の複数に応じた操作回数を設定するようにしてもよい。一例として、保留記憶数が「4」であるときに、表示態様が「熱」の文字である場合には操作回数を「5」とし、表示態様が星形表示である場合には操作回数を「10」とする。
また、この実施の形態では、操作回数は、第1保留記憶数および第2保留記憶数の各々に対応して設定されているが、合算保留記憶数に対応して設定されていてもよい。
また、この実施の形態では、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行することに決定され、実際に先読み予告演出を実行するときに、プッシュボタン120に対して所定回数の操作が行なわれると必ず保留球表示が特殊保留表示に変更されるが(図48に示すS8122A〜S8122C,S8123参照)、プッシュボタン120に対する操作が何回行なわれても演出態様を変化させないようにしてもよい。そのように構成する場合には、例えば、操作回数として極端に大きな値(一般的な遊技者の遊技では到達不能な操作回数に相当する値)を選択可能であるように構成される。
また、所定回数の操作が行なわれると、保留球表示を特殊保留表示に変更するのではなく、通常保留表示(先読み予告演出が実行されていないときの表示態様)に戻すこともあるように構成してもよい。
なお、S6008では、演出制御用CPU101は、大当り遊技中であるか否かも確認するようにし、大当り遊技中であれば、強制的に先読み予告演出を実行しないように決定することが望ましい。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理を示す値(具体的には、4〜7)となっているか否かを確認することによって判定できる。
なお、大当り遊技中であっても先読み予告演出を実行可能に構成してもよい。例えば、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングではなく、大当り遊技中の特定のラウンド(例えば、10ラウンド)において、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを読み出して先読み予告演出を実行するか否かを決定して、その特定のラウンドにおいて先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告演出として、連続した態様の演出ではなく、例えば、今回の大当り遊技終了後の変動表示において大当りが確定することを報知するいわゆる一発告知態様の演出を実行してもよく、「保留球変化」と同様の先読み予告演出のみを実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(S6009)。例えば、先読み予告振分テーブルA,Bに振り分けがないことにより先読み予告演出を実行しないことに決定された場合には、S6014に移行する。
先読み予告演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の実行を決定したことを示す先読み予告実行中フラグをセットする(S6010A)。
また、保留球表示の表示態様変更までの操作回数を、RAM55における操作回数カウンタにセットする(S6010B)。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(S6011)。第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第1ボタン保留表示を1つ増加させる(S6012)。
この実施の形態では、通常時(先読み予告演出の実行を行なっていないとき)には、第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合には、保留表示として赤色の丸形表示(以下、第1通常保留表示ともいう)を1つ増加させ、第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合には、保留表示として青色の丸形表示(以下、第2通常保留表示ともいう)を1つ増加させる。
そして、始動入賞が発生したときに「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を開始するときには、通常時とは異なる態様で保留表示を1つ増加させる。この実施の形態では、先読み予告演出を実行する場合には、プッシュボタン120の操作を促す態様のボタン保留表示(例えば、プッシュボタン120の形状を模した態様の保留表示)を1つ増加させ、その後、プッシュボタン120に対する複数回(操作回数カウンタに設定された回数)の操作を検出したことにもとづいてボタン保留表示を特殊保留表示(例えば、「熱」などの文字を含む丸形表示)に変更させる。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、赤色のボタン保留表示(第1ボタン保留表示ともいう)を1つ増加させ、その後、プッシュボタン120に対する操作を検出したことにもとづいて第1ボタン保留表示を赤色の特殊保留表示(第1特殊保留表示ともいう)に変更する。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、青色のボタン保留表示(第2ボタン保留表示ともいう)を1つ増加させ、その後、プッシュボタン120に対する操作を検出したことにもとづいて第2ボタン保留表示を青色の特殊保留表示(第2特殊保留表示ともいう)に変更する。
なお、この実施の形態では、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出として、最終的に「熱」などの文字を含む丸形表示の保留表示が表示されるが、そのような態様にかぎらず、例えば、星形表示の保留表示を表示させたり、金色の保留表示を表示させたり、ハート形の保留表示を表示させるなど、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出の態様は、そのような態様に限定されない。なお、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出として、星形表示や金色表示、ハート形表示など複数種類の態様の演出を実行可能に構成し、いずれの演出態様であるかに応じて大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにしてもよい。
最新の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでなければ(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合であれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第2ボタン保留表示を1つ増加させる(S6013)。
以上のように、S6011〜S6013の処理が実行されることによって、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行すると決定された場合に、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が開始される。
S6014では、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する。第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第1通常保留表示を1つ増加させる(S6015)。
なお、演出制御用CPU101は、S6015の処理で、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を+1する処理も行なう。
最新の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでなければ(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合であれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第2通常保留表示を1つ増加させる(S6016)。
なお、演出制御用CPU101は、S6016の処理で、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を+1する処理も行なう。
図40は、図31に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行なわれる(S44参照)のであるが、図40に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図41は、図37に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S8000)。次いで、演出制御用CPU101は、S8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、S8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、S8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図42は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図42に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(先読み予告演出以外の予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(S8002)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8003)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S8004)。
図43は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図43に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、S8003において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、変動開始時に後述する予告演出A,Bを実行することに決定されている場合には、S8003でセットされたプロセステーブルに従って、予告演出A,Bを開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S8006)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)を1つ削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S8007)。
S8007では、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行する場合であれば(例えば、第1図柄変動指定コマンドや第1保留記憶数減算指定コマンドを受信している場合であれば)、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている内容を削除し(この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されることから、第1特別図柄の変動表示が実行されるということは、始動入賞時コマンド格納領域に格納されているコマンドは、全て第1始動入賞口13への始動入賞時に受信したコマンドである)、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする。
また、第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行する場合であれば(例えば、第2図柄変動指定コマンドや第2保留記憶数減算指定コマンドを受信している場合であれば)、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち、第2始動入賞口14への始動入賞時に受信したコマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除し(例えば、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除し)、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする。例えば、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に第1始動入賞口13への始動入賞時に受信したコマンドが格納され、2つ目の格納領域に第2始動入賞口14への始動入賞時に受信したコマンドが格納されている場合には、2つ目の格納領域の内容を削除し、3つ目以降の格納領域の内容をシフトする。
なお、例えば、第1始動入賞時コマンド格納領域と第2始動入賞時格納領域とを別々に設けるように構成する場合には、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行する場合であれば、第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている内容を削除して第1始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトし、第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行する場合であれば、第2始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている内容を削除して第2始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトするようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S8008)。
図44は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(S8002)を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の変動表示中に出現する予告演出の信頼度の組み合わせのパターン(予告信頼度パターンともいう)を決定する(S6500)。
図45は、予告信頼度パターンを決定するための予告信頼度パターン決定テーブルの例を示す説明図である。図45に示すように、この実施の形態では、予告信頼度パターンとして、予告信頼度パターン1〜予告信頼度パターン9のいずれかのパターンが決定される。また、図45に示すように、この実施の形態では、予告信頼度パターンを決定することによって、演出図柄の変動開始時に実行する予告演出、全図柄変動中(高速変動中)に実行する予告演出、変動減速時に実行する予告演出、およびリーチ成立後(ノーマルリーチ発生後、スーパーリーチに発展する前の段階)に実行する予告演出の信頼度を一括して決定する。
また、図45に示すように、この実施の形態では、1回の演出図柄の変動表示中において、後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度と少なくとも同じであるか高い信頼度となるように決定される。例えば、図45に示すように、中信頼度の予告演出が実行された後には必ず中信頼度または高信頼度の予告演出が実行される(低信頼度の予告演出は出現しない)ように決定され、高信頼度の予告演出が実行された後には必ず高信頼度の予告演出が実行される(低信頼度や中信頼度の予告演出は出現しない)ように決定される。そのように構成することによって、この実施の形態では、予告演出が出現した後に大当りとなる信頼度が低い予告演出が出現して却って大当りに対する期待感が減退してしまうことを防止し、遊技者が一度抱いた期待感を損なうことを防止している。
S6500では、演出制御用CPU101は、例えば、図45に示す予告信頼度パターン決定テーブルを用いて、予告信頼度パターンを決定するための予告信頼度パターン決定用乱数にもとづく抽選処理を実行することによって、予告信頼度パターン1〜予告信頼度パターン9のいずれとするかを決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、S6500で決定した予告信頼度パターンにもとづいて、演出図柄の変動開始時における予告演出の有無および予告演出の種類を決定する(S6501)。
図46は、予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための予告決定テーブルの例を示す説明図である。このうち、図46(A)は、はずれと決定されている場合に低信頼度の予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための低信頼度予告決定テーブル(はずれ用)である。また、図46(B)は、大当りと決定されている場合に低信頼度の予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための低信頼度予告決定テーブル(大当り用)である。また、図46(C)は、はずれと決定されている場合に中信頼度の予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための中信頼度予告決定テーブル(はずれ用)である。また、図46(D)は、大当りと決定されている場合に中信頼度の予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための中信頼度予告決定テーブル(大当り用)である。また、図46(E)は、はずれと決定されている場合に高信頼度の予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための高信頼度予告決定テーブル(はずれ用)である。また、図46(F)は、大当りと決定されている場合に高信頼度の予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための高信頼度予告決定テーブル(大当り用)である。
S6501では、演出制御用CPU101は、まず、S6500で決定した予告信頼度パターンで示される変動開始時の信頼度が低信頼度であるか中信頼度であるかを確認する。また、演出制御用CPU101は、今回実行する変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、今回の変動表示が大当りとなるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより判定できる。そして、低信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(A)に示す低信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、低信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(B)に示す低信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。また、中信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(C)に示す中信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、中信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(D)に示す中信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した予告決定テーブルを用いて、予告演出の有無および予告演出の種類を決定するための予告決定用乱数にもとづく抽選処理を実行することによって、予告演出の有無および予告演出の種類を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、S6500で決定した予告信頼度パターンにもとづいて、演出図柄の全図柄変動中(高速変動中)における予告演出の有無および予告演出の種類を決定する(S6502)。
S6502では、演出制御用CPU101は、まず、S6500で決定した予告信頼度パターンで示される全図柄変動中の信頼度が低信頼度であるか中信頼度であるかを確認する。また、演出制御用CPU101は、今回実行する変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、今回の変動表示が大当りとなるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより判定できる。そして、低信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(A)に示す低信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、低信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(B)に示す低信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。また、中信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(C)に示す中信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、中信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(D)に示す中信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した予告決定テーブルを用いて、予告決定用乱数にもとづく抽選処理を実行することによって、予告演出の有無および予告演出の種類を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、S6500で決定した予告信頼度パターンにもとづいて、演出図柄の変動減速時における予告演出の有無および予告演出の種類を決定する(S6503)。
S6503では、演出制御用CPU101は、まず、S6500で決定した予告信頼度パターンで示される変動減速時の信頼度が低信頼度であるか中信頼度であるかを確認する。また、演出制御用CPU101は、今回実行する変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、今回の変動表示が大当りとなるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより判定できる。そして、低信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(A)に示す低信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、低信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(B)に示す低信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。また、中信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(C)に示す中信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、中信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(D)に示す中信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した予告決定テーブルを用いて、予告決定用乱数にもとづく抽選処理を実行することによって、予告演出の有無および予告演出の種類を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、S6500で決定した予告信頼度パターンにもとづいて、演出図柄のリーチ成立後における予告演出の有無および予告演出の種類を決定する(S6504)。
S6504では、演出制御用CPU101は、まず、S6500で決定した予告信頼度パターンで示されるリーチ成立後の信頼度が低信頼度であるか中信頼度であるか高信頼度であるかを確認する。また、演出制御用CPU101は、今回実行する変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、今回の変動表示が大当りとなるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより判定できる。そして、低信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(A)に示す低信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、低信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(B)に示す低信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。また、中信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(C)に示す中信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、中信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(D)に示す中信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。また、高信頼度かつはずれとなる場合であれば図46(E)に示す高信頼度予告決定テーブル(はずれ用)を選択し、高信頼度かつ大当りとなる場合であれば図46(F)に示す高信頼度予告決定テーブル(大当り用)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した予告決定テーブルを用いて、予告決定用乱数にもとづく抽選処理を実行することによって、予告演出の有無および予告演出の種類を決定する。
図46に示すように、この実施の形態では、中信頼度の予告演出として、ボタン予告演出、連打予告演出Aまたは連打予告演出Bのいずれかを決定可能である。「ボタン予告演出」とは、プッシュボタン120に対する操作を伴う予告演出である。ボタン予告演出では、まずプッシュボタン120に対する操作を示唆するボタン操作示唆表示が表示され、プッシュボタン120に対する押圧操作が少なくとも1回検出されたことにもとづいて、ボタン操作示唆表示を特定表示(大当りとなる可能性を示唆する表示)に変更する演出が実行される。
「連打予告演出A」および「連打予告演出B」とは、プッシュボタン120に対する連続操作を伴う予告演出である。連打予告演出Aおよび連打予告演出Bでは、まずプッシュボタン120に対する連続操作を示唆するボタン連打示唆表示が表示され、プッシュボタン120に対する押圧操作が所定の数(後述する第2所定数(例えば、10回))以上検出されたことにもとづいて、ボタン連打示唆表示を特殊表示(大当りとなる可能性を示唆する表示)に変更する演出が実行される。なお、後述するように、この実施の形態では、連打予告演出Aでは、プッシュボタン120に対する押圧操作が第2所定数に達してもプッシュボタン120の操作感は変化しないのに対して、連打予告演出Bでは、プッシュボタン120に対する押圧操作回数が第2所定数となる前の第1所定数(例えば、5回)に達するとプッシュボタン120の操作感が重くなる。この実施の形態では、図46(D)に示すように、連打予告演出Bが実行される場合には、連打予告演出Aが実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が若干高くなるように割り振られているので、プッシュボタン120の連打中にプッシュボタン120の操作感が重くなった場合には、より大当りに対する期待感を感じさせることができる。
なお、この実施の形態では、いずれの時期でも同じ予告決定テーブルが用いられる場合があるが(予告信頼度パターン1および予告信頼度パターン8の場合)、例えば、各時期(変動開始時、全図柄変動中、変動減速時、リーチ成立後)において使用される低信頼度予告決定テーブルの内容(予告種類または割振)を変えるようにしてもよい。一例として、予告信頼度パターン1では、「予告A」が連続する頻度は、0.2(20%)×0.2(20%)=0.04であるが、その値をさらに低くしたい場合には、時期に応じて予告種類を変えた低信頼度予告決定テーブルを使用する。
図47および図48は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S8101)、変動時間タイマの値を1減算する(S8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S8103)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S8105)。この場合、変動開始時や全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、リーチ成立後に予告演出A,Bを実行することに決定されている場合には、プロセステーブルに従って、変動開始時や全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、リーチ成立後に予告演出A,Bを実行する。また、リーチ成立後に予告演出C,Dを実行することに決定されている場合には、プロセステーブルに従って、リーチ成立後に予告演出C,Dを実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、スーパーリーチの開始時間を経過しているか否かを確認する(S8106)。なお、スーパーリーチの開始時間を経過しているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することによって判定できる。スーパーリーチの開始時間を経過している場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示を一旦消去する(S8107)。
この場合、演出制御用CPU101は、消去する前の合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の状態をRAMに設けられた所定の保留表示状態記憶領域に格納する。そして、S8136に移行する。なお、演出制御用CPU101は、S8107の処理を、1回の演出図柄の変動表示中において最初にスーパーリーチの開始時間に達したときに1回だけ実行する。スーパーリーチの開始時刻を経過していなければ、S8109に移行する。変動パターンにおいてスーパーリーチが指定されていない場合(すなわち、非リーチまたはノーマルリーチの変動パターンに従って変動表示を行なう場合)には、S8106でNと判定され、S8109に移行する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチに発展した後では、S8107に移行して保留表示を一旦消去するとともに、S8109〜S8135の処理には移行しないので、スーパーリーチに発展した後にプッシュボタン120に対する操作がなされても、後述するようなボタン保留表示を特殊保留表示に変更したり、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更したり、ボタン連打示唆表示を特殊表示に変更したりする処理は実行されない。
ただし、保留表示が消去されているときにプッシュボタン120に対する操作がなされた場合に操作回数を記憶し、保留表示の消去が解除されたときに、記憶されている操作回数にもとづいて、ボタン保留表示を特殊保留表示に変更したり、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更したり、ボタン連打示唆表示を特殊表示に変更したりする処理を実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタン予告演出の実行中であることを示すボタン予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8109)。ボタン予告実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、予告演出設定処理(S8002参照)において、ボタン予告演出を実行することに決定されているか否かを確認する(S8110)。なお、この実施の形態では、図44〜図46で説明したように、ボタン予告演出を実行するか否かは、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後それぞれについて個別に決定される。そのため、S8110では、例えば、変動時間タイマの値を確認することによって、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、またはリーチ成立後のいずれの段階であるかを確認する。そして、演出制御用CPU101は、変動開始時であれば予告演出設定処理において変動開始時にボタン予告演出を実行することに決定されているか否かを確認し、全図柄変動中であれば予告演出設定処理において全図柄変動中にボタン予告演出を実行することに決定されているか否かを確認し、変動減速時であれば予告演出設定処理において変動減速時にボタン予告演出を実行することに決定されているか否かを確認し、リーチ成立後であれば予告演出設定処理においてリーチ成立後にボタン予告演出を実行することに決定されているか否かを確認する。
ボタン予告演出を実行することに決定されていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてプッシュボタン120に対する操作を示唆するボタン操作示唆表示(例えば、「PUSH!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示)を表示する(S8111)。また、演出制御用CPU101は、ボタン予告実行中フラグをセットして(S8112)、ボタン予告演出を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、連打予告演出Aの実行中であることを示す連打予告A実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8113)。連打予告A実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、予告演出設定処理(S8002参照)において、連打予告演出Aを実行することに決定されているか否かを確認する(S8114)。なお、この実施の形態では、図44〜図46で説明したように、連打予告演出Aを実行するか否かは、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後それぞれについて個別に決定される。そのため、S8114では、例えば、変動時間タイマの値を確認することによって、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、またはリーチ成立後のいずれの段階であるかを確認する。そして、演出制御用CPU101は、変動開始時であれば予告演出設定処理において変動開始時に連打予告演出Aを実行することに決定されているか否かを確認し、全図柄変動中であれば予告演出設定処理において全図柄変動中に連打予告演出Aを実行することに決定されているか否かを確認し、変動減速時であれば予告演出設定処理において変動減速時に連打予告演出Aを実行することに決定されているか否かを確認し、リーチ成立後であれば予告演出設定処理においてリーチ成立後に連打予告演出Aを実行することに決定されているか否かを確認する。
連打予告演出Aを実行することに決定されていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてプッシュボタン120に対する連続操作を示唆するボタン連打示唆表示(例えば、「連打せよ!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示)を表示する(S8115)。また、演出制御用CPU101は、連打予告A実行中フラグをセットして(S8116)、連打予告演出Aを開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、連打予告演出Bの実行中であることを示す連打予告B実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8117)。連打予告B実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、予告演出設定処理(S8002参照)において、連打予告演出Bを実行することに決定されているか否かを確認する(S8118)。なお、この実施の形態では、図44〜図46で説明したように、連打予告演出Bを実行するか否かは、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後それぞれについて個別に決定される。そのため、S8118では、例えば、変動時間タイマの値を確認することによって、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、またはリーチ成立後のいずれの段階であるかを確認する。そして、演出制御用CPU101は、変動開始時であれば予告演出設定処理において変動開始時に連打予告演出Bを実行することに決定されているか否かを確認し、全図柄変動中であれば予告演出設定処理において全図柄変動中に連打予告演出Bを実行することに決定されているか否かを確認し、変動減速時であれば予告演出設定処理において変動減速時に連打予告演出Bを実行することに決定されているか否かを確認し、リーチ成立後であれば予告演出設定処理においてリーチ成立後に連打予告演出Bを実行することに決定されているか否かを確認する。
連打予告演出Bを実行することに決定されていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてプッシュボタン120に対する連続操作を示唆するボタン連打示唆表示(例えば、「連打せよ!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示)を表示する(S8119)。また、演出制御用CPU101は、連打予告B実行中フラグをセットして(S8120)、連打予告演出Bを開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する押圧操作を検出したか否かを確認する(S8121)。具体的には、演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124からの操作検出信号を入力したか否かを確認する。プッシュボタン120に対する押圧操作を検出していなければ、S8136に移行する。
プッシュボタン120に対する押圧操作を検出していれば、演出制御用CPU101は、先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8122A)。先読み予告実行中フラグがセットされていなければ、S8125に移行する。先読み予告実行中フラグがセットされていれば(すなわち、「保留球変化」の態様の先読み予告演出の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の操作回数をカウントするための操作回数カウンタ(図38におけるS6010B参照)の値を−1する(S8122B)。そして、操作回数カウンタの値が0になった場合には(S8122C)、合算保留記憶表示部18cに表示されている第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を第1特殊保留表示または第2特殊保留表示に変更する(S8123)。この場合、例えば、合算保留記憶表示部18cに第1ボタン保留表示(赤色のプッシュボタン120の形状を模した態様の保留表示)が表示されている場合には、その第1ボタン保留表示を第1特殊保留表示(赤色の「熱」などの文字を含む丸形表示)に変更する。また、例えば、合算保留記憶表示部18cに第2ボタン保留表示(青色のプッシュボタン120の形状を模した態様の保留表示)が表示されている場合には、その第2ボタン保留表示を第2特殊保留表示(青色の「熱」などの文字を含む丸形表示)に変更する。
以上のような処理によって、プッシュボタン120が複数回押下されると、保留表示の表示態様が変化する。
なお、この実施の形態では、先読み予告実行中フラグがセットされている場合には、図38におけるS6010Bの処理で操作回数カウンタに設定された値に相当する複数回(図39(C)に示す操作回数)プッシュボタン120が押下されると、S8126の処理が実行可能になるが、そのことは必須のことではない。操作回数カウンタに設定された値に達していなくても、S8126の処理が実行可能になるようにしてもよい(S8122Cの判定が「N」の場合にもS8125に移行するように制御する。)。
また、この実施の形態では、先読み予告実行中フラグは、第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドを受信したときにリセットされるが(図35におけるS661,S662B参照)、S8123の処理は演出図柄変動中処理において実行されるので、第1演出(この実施の形態では、先読み予告演出)を実行可能な第1の操作有効期間は、演出図柄が変動している期間内における期間である。しかし、第1の操作有効期間を、演出図柄が変動している期間より拡張してもよい(例えば、大当り遊技中でもS8122A〜S8123の処理を実行する)。
上述したように、第1の操作有効期間を、「保留球変化」の態様の先読み予告演出の実行期間と規定し、第2の操作有効期間を、ボタン予告演出の実行期間(一例として、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時またはリーチ成立後の期間)と規定しているが、第1の操作有効期間を保留表示がなされている期間や当該期間内の所定の期間(非変動中を除く)にしてもよい。また、第1の操作有効期間と第2の操作有効期間とが重複する期間があることを条件に、予告演出の実行期間とは別に、演出制御用CPU101が各々の期間を設定してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタン予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8125)。ボタン予告実行中フラグがセットされていなければ、S8128に移行する。ボタン予告実行中フラグがセットされていれば(すなわち、ボタン予告演出の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されているボタン操作示唆表示(例えば、「PUSH!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示)を特定表示(例えば、「チャンス」などの文字列を含む表示)に変更する(S8126)。そして、ボタン予告実行中フラグをリセットする(S8127)。
なお、演出制御用CPU101は、ボタン予告実行中フラグがセットされたままプッシュボタン120に対する操作を検出することなく、全図柄変動(高速変動)の開始時間や、変動減速の開始時間、リーチ成立時間、スーパーリーチ発展時間に到達した場合には、ボタン操作示唆表示を消去するとともにボタン予告実行中フラグをリセットしてボタン予告演出を終了するものとする。例えば、変動開始時のボタン予告演出を実行したもののプッシュボタン120に対する操作を検出することなく全図柄変動中(高速変動中)に至った場合や、全図柄変動中のボタン予告演出を実行したもののプッシュボタン120に対する操作を検出することなく変動減速時に至った場合、変動減速時のボタン予告演出を実行したもののプッシュボタン120に対する操作を検出することなくリーチ成立に至った場合、リーチ成立後のボタン予告演出を実行したもののプッシュボタン120に対する操作を検出することなくスーパーリーチ発展に至った場合には、ボタン予告実行中フラグをリセットしてボタン予告演出を終了する。
なお、この実施の形態では、S8121〜S8127の処理が実行されることによって、具体的には、S8122の処理で「Y」と判定されたときには、ボタン予告実行中フラグの有無にかかわらずS8123の処理が実行され、S8125の処理で「Y」と判定されたときには、先読み予告実行中フラグの有無にかかわらずS8126が実行されるので、「保留球変化」の態様の先読み予告演出とボタン予告演出とが並行して実行されているときに、プッシュボタン120に対する操作を検出したことにもとづいて、同じタイミングで演出表示装置9に表示されている第1ボタン保留表示や第2ボタン保留表示を第1特殊保留表示や第2特殊保留表示に変更するとともに、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更する。
次いで、演出制御用CPU101は、連打予告A実行中フラグまたは連打予告B実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8128)。連打予告A実行中フラグおよび連打予告B実行中フラグのいずれもセットされていなければ、S8136に移行する。連打予告A実行中フラグまたは連打予告B実行中フラグがセットされていれば(すなわち、連打予告演出Aまたは連打予告演出Bの実行中であれば)、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の操作回数をカウントするための連打回数カウンタの値を1加算する(S8129)。
次いで、演出制御用CPU101は、連打予告B実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8130)。連打予告B実行中フラグがセットされていなければ、S8133に移行する。連打予告B実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、連打回数カウンタの値が第1所定数(例えば、5回)以上となっているか否かを確認する(S8131)。連打回数カウンタの値が第1所定数以上となっていれば、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の操作の重みを変更する制御を行なう(S8132)。この場合、例えば、プッシュボタン120内に操作負荷を調整するためのソレノイドを設けるようにし、演出制御用CPU101は、ソレノイドに印加する電圧値を変化させることによって、プッシュボタン120の操作の重みを変更するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、連打回数カウンタの値が第2所定数(例えば、10回)以上となっているか否かを確認する(S8133)。連打回数カウンタの値が第2所定数以上となっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されているボタン連打示唆表示(例えば、「連打せよ!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示)を特殊表示(例えば、「大チャンス」などの文字列を含む表示)に変更する(S8134)。そして、連打予告A実行中フラグや連打予告B実行中フラグをリセットする(S8135)。
なお、演出制御用CPU101は、連打予告A実行中フラグや連打予告B実行中フラグがセットされたままプッシュボタン120に対する操作回数が第2所定数に到達することなく、全図柄変動(高速変動)の開始時間や、変動減速の開始時間、リーチ成立時間、スーパーリーチ発展時間に到達した場合には、ボタン連打示唆表示を消去するとともに連打予告A実行中フラグや連打予告B実行中フラグをリセットして連打予告演出Aや連打予告演出Bを終了するものとする。例えば、変動開始時の連打予告演出Aや連打予告演出Bを実行したもののプッシュボタン120に対する操作回数が第2所定数に到達することなく全図柄変動中(高速変動中)に至った場合や、全図柄変動中の連打予告演出Aや連打予告演出Bを実行したもののプッシュボタン120に対する操作回数が第2所定数に到達することなく変動減速時に至った場合、変動減速時の連打予告演出Aや連打予告演出Bを実行したもののプッシュボタン120に対する操作回数が第2所定数に到達することなくリーチ成立に至った場合、リーチ成立後の連打予告演出Aや連打予告演出Bを実行したもののプッシュボタン120に対する操作回数が第2所定数に到達することなくスーパーリーチ発展に至った場合には、連打予告A実行中フラグや連打予告B実行中フラグをリセットして連打予告演出Aや連打予告演出Bを実行する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S8136)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S8137)。
図49は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S8307に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄が表示された場合には、S8306で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄が停止表示されたがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S8307に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S8302)。また、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を一旦消去している場合であれば(S8107参照)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を再表示する(S8303)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、S8107でRAMに設けられた所定の保留表示状態記憶領域に格納した保留表示の状態にもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を消去前の状態に復帰させる。また、演出制御用CPU101は、例えば、保留表示を一旦消去している間に新たな第1保留記憶数加算指定コマンドや第2保留記憶数加算指定コマンドを受信している場合には、図38に示すS6001〜S6016と同様の処理を行なって新たな保留表示を増加させるようにすればよい。また、演出制御用CPU101は、表示中であれば、演出表示装置9における特定表示や特殊表示、ボタン操作示唆表示、ボタン連打示唆表示を消去する(S8304)。
次いで、S8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S8305のN)、演出制御用CPU101は、S8313に移行する。
S8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(S8305のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S8306)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S8307)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S8308)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8309)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S8310)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S8311)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S8312)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S8305のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S8313)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、ボタン予告実行中フラグや、連打予告A実行中フラグ、連打予告B実行中フラグをリセットするとともに、連打回数カウンタをクリアする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S8314)。
図50は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、大入賞口LED20A、枠LED28等)の制御を実行する(S1903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行なう(S1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(S1907)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S1908)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S1910)。
図51は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(S880)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S881)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中処理(S805参照)において、エンディングコマンドの受信を確認したことにもとづいてセットされる。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(S881のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S882)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S883)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(S884のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S884のY)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S885)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(S886)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(S881のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S888)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、ボタン予告実行中フラグや、連打予告A実行中フラグ、連打予告B実行中フラグをリセットするとともに、連打回数カウンタをクリアする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S889)。
次いで、演出図柄変動中処理の他の処理例について説明する。図52および図53は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)の他の処理例を示すフローチャートである。図47および図48に示す例では、「保留球変化」の態様の先読み予告演出とボタン予告演出とが並行して実行されているときに、プッシュボタン120に対する操作を検出したことにもとづいて、同じタイミングで演出表示装置9に表示されている第1ボタン保留表示や第2ボタン保留表示を第1特殊保留表示や第2特殊保留表示に変更するとともに、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更したが、第1ボタン保留表示や第2ボタン保留表示を第1特殊保留表示や第2特殊保留表示に変更するタイミングと、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更するタイミングとをずらすように制御してもよい。
図52および図53に示す他の処理例において、S8101〜S8120の処理は、図47に示されたそれらの処理と同様である。次いで、演出制御用CPU101は、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更したことを示す特定表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8120A)。特定表示フラグがセットされていれば(すなわち、ボタン予告演出が実行され、ボタン操作示唆表示が特定表示に変更された後であれば)、演出制御用CPU101は、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更した後の経過時間を計測するための特定表示後タイマを1減算する(S8120B)。
S8121〜S8122Cの処理は、図48に示されたそれらの処理と同様である。次いで、演出制御用CPU101は、ボタン予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8122D)。ボタン予告実行中フラグがセットされていれば(すなわち、ボタン予告演出の実行中であれば)、S8125に移行する。ボタン予告実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、特定表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8122E)。特定表示フラグがセットされていれば(すなわち、ボタン予告演出が実行され、ボタン操作示唆表示が特定表示に変更された後であれば)、S8125に移行する。
S8123の処理は、図48に示された処理と同様である。ただし、この実施の形態では、S8122D,S8122Eの処理が実行されることによって、ボタン予告演出が並行して実行(ボタン操作示唆表示が特定表示に変更された後も含む)されていない場合にのみ、S8123の処理が実行されて、第1ボタン保留表示や第2ボタン保留表示が第1特殊保留表示や第2特殊保留表示に変更されることがある。なお、「保留球変化」の態様の先読み予告演出とボタン予告演出とが並行して実行されている場合には、後述するS8135A〜S8135Bの処理によって、第1ボタン保留表示や第2ボタン保留表示が第1特殊保留表示や第2特殊保留表示に変更される。
S8125〜S8127の処理は、図48に示されたそれらの処理と同様である。次いで、演出制御用CPU101は、特定表示後タイマに所定時間(例えば、1秒)をセットし(S8127A)、特定表示フラグをセットする(S8127B)。
S8128〜S8135の処理は、図48に示されたそれらの処理と同様である。次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S8135A)。先読み予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、特定表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8135B)。特定表示フラグがセットされていれば(すなわち、ボタン予告演出が実行され、ボタン操作示唆表示が特定表示に変更された後であれば)、演出制御用CPU101は、特定表示後タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(S8135C)。特定表示後タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、S8123と同様の処理に従って、合算保留記憶表示部18cに表示されている第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を第1特殊保留表示または第2特殊保留表示に変更する(S8135D)。S8136〜S8137の処理は、図48に示されたそれらの処理と同様である。
上記の処理が実行されることによって、「保留球変化」の態様の先読み予告演出と「ボタン予告演出」とが並行して実行される場合に、プッシュボタン120に対する操作を検出した場合には、まずボタン操作示唆表示を特定表示に変更した後に、所定時間(例えば、1秒)経過してから、第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示が第1特殊保留表示または第2特殊保留表示に変更される。そのように、先読み予告演出とボタン予告演出との変化タイミングを異ならせることによって、先読み予告演出およびボタン予告演出それぞれの態様が変化したことを遊技者に確実に認識させることができる。
なお、演出制御用CPU101は、「保留球変化」の態様の先読み予告演出と「ボタン予告演出」とが並行して実行される場合に、先読み予告演出の期待度(大当り期待度に応じた複数種類の演出態様がある場合)と「ボタン予告演出」の期待度とのうち、期待度が高い方から予告演出を順に実行するようにしてもよい。また、あらかじめ決められている実行時期が早いほうから順に予告演出を順に実行するようにしてもよい。
また、第1の実施の形態では、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対して所定の複数回の操作がなされた後に、「ボタン予告演出」の態様を変化させるが、図48におけるS8122B,S8122C,S8123参照)、所定の複数回の操作が完了する前に、「ボタン予告演出」の態様を変化させてもよい。そのように構成する場合には、例えば、操作回数カウンタと連打回数カウンタとを1つのカウンタで実現し、当該カウンタの値が、0(操作回数カウンタ=0に対応)になる前に、第1所定数または第2所定数(図48等参照)に相当する値の分だけ減少したら、「ボタン予告演出」の態様を変化させる。
また、演出制御用CPU101は、「保留球変化」の態様の先読み予告演出と「ボタン予告演出」とが並行して実行される場合に、プッシュボタン120に対する操作を検出したときに、ボタン操作示唆表示を特定表示に変更するとともに、第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示が第1特殊保留表示または第2特殊保留表示に変更してもよい。そのように構成されている場合には、より目立つ演出が実行される。
次に、先読み予告演出およびボタン予告演出の変化態様の具体例について説明する。図54は、先読み予告演出およびボタン予告演出の変化態様の具体例を示す説明図である。なお、図54において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。また、図54に示す例では、全図柄変動中(高速変動中)にボタン予告演出を実行する場合が示されているが、変動開始時や、変動減速時、リーチ成立後にボタン予告演出を実行する場合も同様である。
合算保留記憶表示部18cにボタン保留表示(第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示)を表示して「保留球変化」の態様の先読み予告演出を開始(S6012,S6013参照)した後の変動表示において、ボタン操作示唆表示を表示してボタン予告演出が開始されると(S8111,S8112参照)、図54(1)に示すように、演出表示装置9においてボタン保留表示200とボタン操作示唆表示201とが同時に表示された状態となる。具体的には、図54(1)に示すように、ボタン保留表示200として、プッシュボタン120の形状を模した態様の保留表示が表示されるとともに、ボタン操作示唆表示201として、「PUSH!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示が表示される。
次いで、先読み予告演出とボタン予告演出とが並行して実行されている間に、プッシュボタン120に対する押圧操作が検出されると(S8121参照)、図54(2)に示すように、ボタン保留表示200が特殊保留表示202(第1特殊保留表示または第2特殊保留表示)に変更される(S8123参照)と同時に、ボタン操作示唆表示201が特定表示203に変更される(S8126参照)。具体的には、図54(2)に示すように、特殊保留表示202として、「熱」などの文字を含む丸形表示に変更されるとともに、特定表示203として、「チャンス」などの文字列を含む表示に変更される。
また、図52および図53に示す他の処理例のように制御される場合には、合算保留記憶表示部18cにボタン保留表示(第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示)を表示して「保留球変化」の態様の先読み予告演出を開始(S6012,S6013参照)した後の変動表示において、ボタン操作示唆表示を表示してボタン予告演出が開始されると(S8111,S8112参照)、図54(3)に示すように、演出表示装置9においてボタン保留表示200とボタン操作示唆表示201とが同時に表示された状態となる。具体的には、図54(3)に示すように、ボタン保留表示200として、プッシュボタン120の形状を模した態様の保留表示が表示されるとともに、ボタン操作示唆表示201として、「PUSH!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示が表示される。
次いで、先読み予告演出とボタン予告演出とが並行して実行されている間に、プッシュボタン120に対する押圧操作が検出されると(図52のS8121参照)、図54(4)に示すように、まず、ボタン操作示唆表示201だけが特定表示203に変更され(図52のS8126参照)、合算保留記憶表示部18cではボタン保留表示200が表示されたままの状態となる。具体的には、図54(4)に示すように、特定表示203として、「チャンス」などの文字列を含む表示に変更されるだけで、ボタン保留表示200として、プッシュボタン120の形状を模した態様の保留表示が表示されたままの状態になる。
次いで、特定表示203に変更されてから所定時間(例えば、1秒)が経過すると(S8135C参照)、図54(5)に示すように、ボタン保留表示200が特殊保留表示202(第1特殊保留表示または第2特殊保留表示)に変更される(S8135D参照)。具体的には、図54(5)に示すように、特定表示203として、「チャンス」などの文字列を含む表示が表示された状態で、特殊保留表示202として、「熱」などの文字を含む丸形表示に変更される。
次に、先読み予告演出の実行タイミングについて説明する。図55は、先読み予告演出の実行タイミングを示す説明図である。なお、図55には、特別図柄および演出図柄の変動表示中に新たな始動入賞が発生した場合が例示されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への新たな始動入賞を検出すると(S311,S313参照)、入賞時演出処理(S1217A,S1217B参照)を実行し入賞時判定を行なう。なお、図55に示す例では、演出図柄の変動表示A中に新たな始動入賞があり入賞時判定を行なったものとする。そして、入賞時判定の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する(S1218A,S1219A,S1218B,S1219B参照)とともに、同じ割り込み内で、保留記憶情報としての保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する(S1220A,S1220B参照)。
図55に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドおよび保留記憶情報の受信前の合算保留記憶数が3であったものとし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示A中の始動入賞により合算保留記憶数が4になったものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み予告演出決定処理を実行し(S800A参照)、「保留球変化」の態様の先読み予告演出を実行することに決定したものとする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図55に示すように、受信した保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)にもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおいて第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を1増し(S6012,S6013参照)、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに先読み予告演出を開始する。
次いで、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を受信して、次の変動表示Bを開始する。そして、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(S662A参照)、残りの第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、図55に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。
次いで、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を受信して、次の変動表示Cを開始する。そして、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(S662A参照)、残りの第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、図55に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。
また、図55に示す例では、変動表示Cの実行中にプッシュボタン120に対する操作が検出されたものとする(S8121参照)。すると、図55に示すように、プッシュボタン120に対する操作を検出したことにもとづいて、第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示が第1特殊保留表示または第2特殊保留表示に変更される(S8123参照)。
以降、変動表示Dが開始された場合も同様に、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(S662A参照)、残りの第1特殊保留表示または第2特殊保留表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、図55に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。そして、予告対象の変動表示Eが開始されるときに、予告対象の変動表示に対応する保留記憶が消化されたことにより、予告対象の保留表示(第1特殊保留表示または第2特殊保留表示)が合算保留記憶表示部18cから消去され、図55に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を終了する。
以上に説明したように、この実施の形態では、プッシュボタン120に対する複数回の操作がなされたことにより態様が変化する「保留球変化」の態様の先読み予告演出を実行可能であるとともに、プッシュボタン120に対する操作がなされたことにより態様が変化するボタン予告演出を実行可能である。また、先読み予告演出の操作有効期間とボタン予告演出の操作有効期間とは重複する場合があり、先読み予告演出の操作有効期間とボタン予告演出の操作有効期間とが重複している期間にプッシュボタン120に対する操作がなされたことにより、先読み予告演出およびボタン予告演出の両方の態様を変化させる。そのため、複数の予告演出で表示されている演出情報をプッシュボタン120に対する操作により同時期に変化させることが可能となるとともに、プッシュボタン120を複数回操作しなくても複数の演出情報を変化させることができるので、プッシュボタン120に対する操作の回数が増加することを防止し、遊技者に却って操作に対して煩わしさを感じさせてしまうことを防止することができる。
例えば、操作手段に対する操作を伴う演出を複数種類実行可能に構成する場合がある。例えば、特開2009−89734号公報には、操作ボタンからの検知信号を入力したことにもとづいて図柄変動ゲームに関わる表示領域および表示画像の大きさを変更する演出と、操作ボタンからの検知信号を入力したことにもとづいて大当り予告を実行する演出とを選択的に実行することが記載されている。しかしながら、一般に、特開2009−89734号公報に記載されたような遊技機では、操作手段に対する操作を伴う演出のいずれかを選択的に実行できるにすぎず、操作手段に対する操作を伴う複数の演出を同じタイミングで並行して実行することはできない。これに対して、この実施の形態では、操作手段に対する操作を伴う複数の演出(本例では、先読み予告演出とボタン予告演出)を同じタイミングで並行して実行可能であるとともに、プッシュボタン120に対する操作により同時期に変化させることができるので、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、プッシュボタン120を複数回操作しなくても1回操作しただけで、先読み予告演出とボタン予告演出との両方を変化させることができるので、プッシュボタン120に対する操作の回数が増加することを防止し、遊技者に却って操作に対して煩わしさを感じさせてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、操作手段としてプッシュボタン120に対する操作を検出したことにもとづいて、先読み予告演出およびボタン予告演出の態様を変化させるが、プッシュボタン120以外の操作手段に対する操作を検出したことにもとづいて、先読み予告演出およびボタン予告演出の態様を変化させてもよい。例えば、スティックコントローラ122のトリガボタン121が押圧操作されたことにもとづいて、先読み予告演出およびボタン予告演出の態様を変化させてもよい。また、例えば、スティックコントローラ122が前後方向や左右方向に傾倒操作されたことにもとづいて、先読み予告演出およびボタン予告演出の態様を変化させてもよい。また、例えば、遊技機がジョグダイヤルなどの回転操作可能な操作手段を備えている場合、そのジョクダイヤルなどの操作手段が回転操作されたことにもとづいて、先読み予告演出およびボタン予告演出の態様を変化させてもよい。
また、この実施の形態における図52および図53に示す他の処理例では、先読み予告演出の操作有効期間とボタン予告演出の操作有効期間とが重複している期間にプッシュボタン120に対する操作がなされたことにより、先読み予告演出およびボタン予告演出のうちの一方(本例では、ボタン予告演出)の態様を変化させた後に、他方(本例では、先読み予告演出)の態様を変化させる。例えば、先読み予告演出とボタン予告演出とを同時に変化させてしまったのでは、遊技者がいずれか一方の変化を見落としてしまうおそれがあるが、図52および図53に示された他の処理例では、先読み予告演出とボタン予告演出との変化タイミングを異ならせることによって、先読み予告演出およびボタン予告演出それぞれの態様が変化したことを遊技者に確実に認識させることができる。なお、図52および図53に示された例では、ボタン予告演出を先に変化させた後に先読み予告演出が変化するが、逆に先読み予告演出を変化させた後にボタン予告演出を変化させてもよい。
また、この実施の形態では、プッシュボタン120に対する操作により演出情報が変化する演出として、未だに変動表示が開始されていない保留記憶を予告対象とする「保留球変化」の態様の先読み予告演出と、今回の変動表示を予告対象とするボタン予告演出とを実行可能である。そのため、プッシュボタン120に対する操作により、今回の変動表示で大当りとなる可能性と、保留記憶として待機中の変動表示が大当りとなる可能性との両方を認識することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、先読み予告演出として「保留球変化」の態様の先読み予告演出が行なわれるが、「保留球変化」以外の態様の先読み予告演出を実行する場合に、この実施の形態におけるプッシュボタン120の操作にもとづく演出情報を変化させる構成を適用してもよい。例えば、予告対象の変動表示以前の各変動表示において連続して画面がフラッシュしたりチャンス目図柄を停止表示させる「図柄変動時の変動形態の変化」の態様の先読み予告演出に適用したり、予告対象の変動表示が近づくにつれてカウントダウンしていくような「カウントダウン」の態様の先読み予告演出に適用したり、異なるモードの背景図面がせめぎ合うような態様で予告対象の変動表示に向かってモード変更していくような「モード変更」の態様の先読み予告演出に適用するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、「第1演出情報を用いた第1演出」として、ボタン保留表示や特殊保留表示を用いた先読み予告演出が実行され、「第2演出情報を用いた第2演出」として、ボタン操作示唆表示や特定表示を用いたボタン予告演出が実行されるが、先読み予告演出やボタン予告演出を行なう場合にかぎらず、また予告演出以外の演出を行なう場合の演出情報を変化させる場合に、この実施の形態の構成を適用してもよい。例えば、第1演出として、この実施の形態における「保留球変化」の態様の先読み予告演出を実行する一方で、第2演出として、演出表示装置9における背景画面を変化させたりスピーカ27から出力される音量を変化させたりすることによりモード変更する演出を実行する場合に、この実施の形態の構成を適用してもよい。また、例えば、第1演出として、この実施の形態におけるボタン予告演出を実行する一方で、第2演出として、演出表示装置9における背景画面を変化させたりスピーカ27から出力される音量を変化させたりすることによりモード変更する演出を実行する場合に、この実施の形態の構成を適用してもよい。
また、この実施の形態では、1回の変動表示中の第1のタイミングおよび該第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて、大当りとなる可能性があることを予告する予告演出を実行可能である。例えば、変動開始時に予告演出を実行可能であるとともに、変動開始後の全図柄変動中(高速変動中)にも予告演出を実行可能であり、さらに全図柄変動後の変動減速時にも予告演出を実行可能であり、さらに変動減速後のリーチ成立後にも予告演出を実行可能である。また、大当りに対する期待度(信頼度)が異なる複数種類の予告演出(本例では、低信頼度、中信頼度、および高信頼度の予告演出)を実行可能であり、第2のタイミング(後のタイミング)で予告演出を実行する場合には、第1のタイミング(先のタイミング)で予告演出を実行する場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が同程度の予告演出または大当りに対する期待度(信頼度)が高い予告演出を実行する。そのため、予告演出が出現した後に大当りに対する期待度(信頼度)が低い予告演出が出現して却って大当りに対する期待感が減退してしまうことを防止することができ、遊技者が一度抱いた期待感を損なわないようにすることができる。
なお、この実施の形態では、図45に示す予告信頼度パターン決定テーブルを用いて、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行しうる予告演出の信頼度をまず一括して決定した後に、その決定した信頼度に応じた予告演出を変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後毎に個別に決定することによって、後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度と少なくとも同じであるか高い信頼度になるように決定するが、そのような決定方法にかぎられない。例えば、まず変動開始時の予告演出を決定し、次に変動開始時の予告演出と信頼度が同じであるか高い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて全図柄変動中の予告演出を決定し、さらに全図柄変動中の予告演出と信頼度が同じであるか高い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて変動減速時の予告演出を決定するというように、実行時期ごとに順番に予告演出を決定するようにしてもよい。なお、そのように決定する場合、先のタイミングよりも信頼度が同じであるか高い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを複数備えていなければならない。そこで、先のタイミングで決定された予告演出にかかわらず、まず乱数を用いた抽選処理によって予告演出を決定し、その決定した予告演出が先のタイミングで決定された予告演出よりも信頼度が低いものであれば、同じ信頼度の予告演出または高い信頼度の予告演出に強制的に変更するように構成してもよい。そのように構成すれば、あらかじめ用意しなければならないテーブル数を低減することができ、必要な記憶容量を低減することができる。
また、逆に、まずリーチ成立後の予告演出を決定し、次にリーチ成立後の予告演出と信頼度が同じであるか低い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて変動減速時の予告演出を決定し、さらに変動減速時の予告演出と信頼度が同じであるか低い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて全図柄変動中の予告演出を決定するというように、変動時間の終わりに近い方から順番に予告演出を決定するようにしてもよい。なお、このように決定する場合も、後のタイミングよりも信頼度が同じであるか低い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを複数備えていなければならない。そこで、後のタイミングで決定された予告演出にかかわらず、まず乱数を用いた抽選処理によって予告演出を決定し、その決定した予告演出が後のタイミングで決定された予告演出よりも信頼度が高いものであれば、同じ信頼度の予告演出または低い信頼度の予告演出に強制的に変更するように構成してもよい。そのように構成すれば、あらかじめ用意しなければならないテーブル数を低減することができ、必要な記憶容量を低減することができる。
また、この実施の形態では、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後の各タイミングで実行される予告演出のいずれを比較しても、必ず後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度と少なくとも同じであるか高い信頼度になるように決定するが、必ずしも、そのように決定される場合に限定されない。例えば、最初に実行される変動開始時の予告演出の信頼度を基準として、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行される予告演出の信頼度が、変動開始時の予告演出の信頼度と同程度か高い信頼度となっていれば、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行される予告演出の間では、後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度よりも低い信頼度となる場合があるようにしてもよい。例えば、変動開始時に中信頼度の予告演出を決定した場合、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行される予告演出がそれぞれ中信頼度か高信頼度の予告演出となっていればよく、例えば、全図柄変動中に高信頼度の予告演出を実行した後に、変動減速時に中信頼度の予告演出を実行する場合があってもよい。そのように構成しても、少なくとも、変動開始時の予告演出よりも低い信頼度の予告演出が後に実行される場合はないので、ある程度大当りに対する期待感が減退してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、プッシュボタン120に対する所定回数(本例では、第2所定数(10回))の操作を伴う連打予告演出Bを実行可能である。そして、連打予告演出Bの実行中に、プッシュボタン120に対する所定回数のうちの特定回数(本例では、第1所定数(5回))の操作がなされたことにより、プッシュボタン120の操作感を変化させる。そのため、プッシュボタン120の操作感を変化させることによって遊技に対する興趣を向上させることができるとともに、所定回数のうちの途中の特定回数からプッシュボタン120の操作感を変化させるので、プッシュボタン120の操作感が変化したことを遊技者に確実に認識させることができる。
なお、この実施の形態では、プッシュボタン120の操作の重みを変更すること(S8132参照)によって、操作手段の操作感を変化させるが、変化のさせ方はそのような方法にかぎられない。例えば、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の表面の硬度を変化させることによって、操作手段の操作感を変化させてもよい。この場合、例えば、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の表面を柔らかい合成樹脂製の材料で形成し、その合成樹脂製の表面の内側に注入する空気の量を変化させることによって、操作手段の表面の固さを見た目上変化させてもよい。また、例えば、プッシュボタン120やスティックコントローラ122内部に電熱線などを設けて、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の温度を変化させることにより、操作手段の操作感を変化させてもよい。また、例えば、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の近辺に送風部を設け、遊技者の手に風が当たるように送風することによって、操作手段の操作感を変化させてもよい。
また、この実施の形態では、今回の変動表示中に実行する連打予告演出Bにおいてプッシュボタン120の操作の重みを変更して操作感を変化させたが、例えば、「保留球変化」の態様の先読み予告演出においても、同様に操作手段の操作感を変化させてもよい。この場合、例えば、プッシュボタン120が所定回数(例えば、10回)押圧操作されたことにもとづいてボタン保留表示を特殊保留表示に変更するようにし、プッシュボタン120が所定回数に達する前の特定回数(例えば、5回)押圧操作された段階で、プッシュボタン120の操作の重みを変更して操作感を変化させてもよい。また、操作手段の操作感を変化させる場合に、複数種類の操作感から選択するようにしてもよい。さらに、「保留球変化」の態様の先読み予告演出において、複数種類の演出を実行可能にした場合、例えば、星形表示の保留表示を表示させたり、金色の保留表示を表示させたり、ハート形の保留表示を表示させたりする場合(一例として、いずれの演出態様であるかに応じて大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせる場合)には、演出の種類に応じて操作感の選択割合を変えるようにしてもよい。一例として、星形表示の保留表示に変化させる場合には高い割合で操作手段を振動させ、ハート形の保留表示を表示させる場合には高い割合で操作手段の硬度を高くする。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中にスーパーリーチに発展した場合には、合算保留記憶表示部18cに表示している保留表示を一旦非表示にするとともに、先読み予告演出におけるプッシュボタン120の操作受付を無効にする(S8106のY、S8107参照)。そのようにすることによって、先読み予告演出の実行中であっても遊技者にスーパーリーチの演出に注意を向けさせるとともに、演出が煩わしくなることを防止している。なお、遊技領域に可動部材が設けられ、可動部材が可動することによって合算保留記憶表示部18cが覆い隠されるような場合には、その可動部材が稼働して合算保留記憶表示部18cが覆い隠されている場合にも、保留表示を一旦非表示とし、プッシュボタン120の操作受付を無効とするようにすることが好ましい。
なお、演出図柄の変動表示中にスーパーリーチに発展した場合であっても、合算保留記憶表示部18cに表示している保留表示の表示を継続するとともに、先読み予告演出におけるプッシュボタン120の操作受付を有効のままとしてもよい。また、例えば、演出図柄の変動表示中にスーパーリーチに発展した場合に、合算保留記憶表示部18cに表示している保留表示を一旦非表示にするのみで、先読み予告演出におけるプッシュボタン120の操作受付を有効のままにしてもよい。その場合、例えば、保留表示の非表示中にプッシュボタン120に対する操作を検出した場合には、内部的にボタン保留表示から特殊保留表示に変更(表示は非表示のままで)する処理を実行し、演出図柄の変動表示を停止するタイミングで特殊保留表示に変更された状態で保留表示を再表示するようにしてもよい。そのようにすれば、ボタン保留表示であった筈のものが特殊保留表示に突然変わったかのような印象を与えることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
変形例1.
上記の実施の形態では、「保留球変化」の演出態様による先読み予告演出として、最終的に「熱」などの文字を含む丸形表示の保留表示を表示したが、先読み予告演出として、大当りに対する期待度(信頼度)に応じた複数種類の保留表示を実行可能なようにしてもよい。すなわち、第1演出情報を用いた第1演出(具体的には、特殊保留表示)の種類が複数あってもよい。
変形例2.
第2の変形例では、図44に示された処理に加えて、特殊保留表示(例えば、「熱」などの文字を含む丸形表示)までの操作回数を操作回数カウンタにセットする処理を実行する。なお、第2の変形例では、操作回数カウンタの値は保存される(減算されない)。
第2の変形例では、演出制御用CPU101は、演出図柄の可変表示中(変動中)の所定期間においてプッシュボタン120に対して複数回の操作がなされたときに当該可変表示の表示結果を予告するための演出(この例では、ボタン予告)を実行し、演出制御用CPU101は、所定期間(この例では、変動中)においてプッシュボタン120に対する操作回数が所定回になったときに保留表示の態様を特殊表示態様に変更するので、遊技者が意識していないときに保留表示の態様が変化することがあり、遊技の興趣をより向上させることができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示された処理、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、上記の各実施の形態では、LEDやランプを駆動する信号を、演出制御基板80から、ランプドライバ基板35のLEDドライバ352に入力する構成であるが、複数のLEDを複数のグループに分け、各グループに含まれるLEDを制御するランプ制御装置350と、複数のランプ制御装置350を統括して制御する演出制御基板80との間で双方向通信を行なう構成であってもよい。
具体的に、演出制御基板80およびランプドライバ基板35の構成について図を用いて説明する。図56は、演出制御基板およびランプドライバ基板の別の回路構成例を示すブロック図である。なお、図56に示す構成要素において、図3に示した構成要素と同じものについては同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
演出制御基板80は、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンド(演出制御データ)を受信する。また、演出制御基板80は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP109に演出表示装置9の表示制御を行なわせ、出力ポート104を介して音声出力基板70に制御信号を出力し、スピーカ27から音声を出力する。
さらに、演出制御基板80は、NORゲート回路105A、電源投入検出回路105BおよびマスタIC105Cを備えている。演出制御用CPU101は、所定の条件が成立した場合に、バスを介してリセット信号を出力ポート105に出力する。そして、出力ポート105は、入力されたリセット信号をNORゲート回路105bに出力し、さらに、NORゲート回路105bから、マスタIC105cに当該リセット信号を出力する。所定の条件とは、たとえば、すべてのランプ制御装置350において、エラーフラグが「ON」になった場合などである。
なお、電源投入検出回路105BからNORゲート回路105Aに入力されるリセット信号と、演出制御用CPU101から出力ポート105を介してNORゲート回路105Aに入力されるリセット信号は、いずれの場合にもローレベルの状態のときにリセットを指令する信号として機能する。そのため、電源投入検出回路105B及び演出制御用CPU101の少なくとも一方からNORゲート回路105Aにリセット信号が出力されていれば、NORゲート回路105Aを介してリセット信号がマスタIC105Cに入力される。
マスタIC105Cは、制御対象となる演出装置(たとえば、大入賞口LED20Aや右枠LED28Aなど)を制御するためにランプドライバ基板35との間で双方向通信を行なう。マスタIC105Cとランプドライバ基板35との間で行なう双方向通信には、たとえばI2Cバス方式による通信がある。マスタIC105Cとランプドライバ基板35とは、データを送受信するための信号線SDA、およびクロック信号(タイミング信号)を伝達する信号線SCLで接続されている。なお、演出制御用CPU101には、マスタIC105Cからマスタ割込としての割込信号(INT)が入力される。
ランプドライバ基板35は、演出装置を制御するための制御手段であり、演出装置の種類(たとえば、大入賞口LED20Aや枠LED28など)の各々に含まれる演出装置を複数のグループ(単位)に分割して制御できるように複数のランプ制御装置350を含んでいる。ランプ制御装置350は、接続形態によって、分岐型、連結型および終端型の三種類に分類される。分岐型、連結型および終端型いずれのランプ制御装置350にも演出装置を接続可能であり、接続された演出装置を制御することが可能である。
分岐型のランプ制御装置350は、下流側に複数のランプ制御装置350が直接接続され、これらの複数のランプ制御装置350に対して、受信した演出制御データを送信する。連結型のランプ制御装置350は、下流側に一つのランプ制御装置350が接続され、接続されたランプ制御装置350に対して、受信した演出制御データを送信する。終端型のランプ制御装置350は、下流側にランプ制御装置350が接続されず、演出装置の制御のみを行なう。なお、上流側とは、演出制御基板80から途中のランプ制御装置350を経て末端のランプ制御装置350へ信号を送信する構成において、この信号を送信する側のことをいう。反対に、下流側とは、この信号を受信する側のことをいう。
図56に示すランプドライバ基板35では、分岐型のランプ制御装置350Aで種類の異なる大入賞口LED20Aと枠LED28とのグループに分け、さらに分岐型のランプ制御装置350Cで同じ種類の枠LED28を、設ける位置により右枠LED28A、中枠LED28Bおよび左枠LED28Cの3つのグループに分けている。複数の大入賞口LED20Aは、ランプ制御装置350Aに接続した終端型のランプ制御装置350Bにそれぞれ接続されている。また、複数の右枠LED28Aは、ランプ制御装置350Cに接続した終端型のランプ制御装置350Fにそれぞれ接続されている。複数の中枠LED28Bは、ランプ制御装置350Cに接続した終端型のランプ制御装置350Dにそれぞれ接続されている。複数の左枠LED28Cは、連結型のランプ制御装置350Eを介して、ランプ制御装置350Cに接続した終端型のランプ制御装置350Gにそれぞれ接続されている。なお、図56に示すランプドライバ基板35では、すべてのランプ制御装置350が1つの基板に含まれるように記載してあるが、1つのランプ制御装置350を含む基板を複数設けても、ある単位のランプ制御装置350に分け、それぞれの単位ごとに基板を設けてもよい。
ランプ制御装置350には、それぞれ個別アドレスが付与されており、具体的にランプ制御装置350Aの個別アドレスadは「0001」、ランプ制御装置350Bの個別アドレスadは「0010」、ランプ制御装置350Cの個別アドレスadは「0011」、ランプ制御装置350Dの個別アドレスadは「0100」、ランプ制御装置350Eの個別アドレスadは「0101」、ランプ制御装置350Fの個別アドレスadは「0110」、ランプ制御装置350Gの個別アドレスadは「0111」である。
演出制御基板80は、主基板31から受信した演出制御データに基づいて、演出装置(たとえば、大入賞口LED20Aや右枠LED28Aなど)の出力態様を決定する。そして、演出制御基板80は、決定された出力態様となるように、制御対象となるランプ制御装置350の個別アドレスを含む演出制御データをランプドライバ基板35に出力する。このとき、演出制御データは、信号線SDAを介してすべての制御対象のランプ制御装置350に出力される。
なお、本実施例では、ランプ制御装置350によって制御される演出装置が、主としてLED等の発光装置であるため、LEDの発光態様が演出装置の出力態様に相当する。この場合、演出制御データによって、LEDの点灯/点滅/消灯が指示され、さらに、LEDの点滅周期や点灯輝度も指示される。
各ランプ制御装置350には、前述のようにあらかじめ一意な個別アドレスが設定されており、演出制御データが入力されると、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されている個別アドレスとが一致するか否かを判定する。そして、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されている個別アドレスとが一致すると判定された場合には、ランプ制御装置350は、演出制御データを取り込んで、対応する演出装置の出力態様を制御するとともに、8ビット目のデータが入力された直後に返答信号をマスタIC105Cに出力する。
なお、各ランプ制御装置350には、個別アドレス以外にも、ランプ制御装置350を初期化するためのリセット用の共通アドレスが設定されている。そのため、各ランプ制御装置350は、入力されたデータに含まれるアドレスと、リセット用の共通アドレスとが一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合には、ランプ制御装置350は、返答信号をマスタIC105Cに出力するとともに、入力データを初期化指示データとして取り込み、自身を初期化することができる。
また、各ランプ制御装置350には、自または他のランプ制御装置350が信号線SDAを占有していることを検出するための占有検出手段を含んでいる。占有検出手段は、信号線SDAの信号レベルを取り込んで、連続してローレベルとなっている時間を計測することで信号線SDAが自または他のランプ制御装置350により占有されているか否かを検出することができる。さらに、占有検出手段は、信号線SDAが占有されてから所定の時間が経過すると、ランプ制御装置350に含まれるリセット信号発生回路を作動させて、当該ランプ制御装置350を初期化することもできる。
なお、信号線SDAは、他のランプ制御装置350にも接続されているので、占有検出手段は、信号線SDAが接続されたすべてのランプ制御装置350において、信号線SDAの占有状態を検出することができる。そして、これらのランプ制御装置350の内部に含まれたリセット信号発生回路を作動させることにより、信号線SDAが接続されているすべてのランプ制御装置350を初期化することができる。
各ランプ制御装置350は、互いに異なる個別アドレスが割り当てられているので、複数の演出装置は、各ランプ制御装置350に接続された単位で、グループに分割された形態となっている。すなわち、各ランプ制御装置350は、演出装置をグループ単位で制御可能な単位演出制御手段として構成されている。したがって、各ランプ制御装置350を統括する演出制御基板80は、単位演出制御手段を統括して制御する統括演出制御手段として機能している。
なお、グループ統括制御手段である演出制御基板80は、演出制御データの出力処理をVDP109から画像更新周期と同期する同期信号(VDP割込(約33.3ms周期))に同期して実行する。そのため、演出制御基板80は、最後のランプ制御装置350へのデータの出力が終了してから次のVDP割込が発生するまでの休止期間に、CPU551はランプ制御装置350への出力データの編集処理、すなわち、下り方向データの編集を行なってもよい。演出制御基板80は、ランプ制御装置350にデータを送信していない時間にもデータを処理するため、マスタIC105Cの処理能力を活用することが可能となり、マスタIC105Cの負荷を平準化することができる。
また、演出制御基板80は、各ランプ制御装置350に対してデータを送信するよりも先に、ランプ制御装置350に含まれる占有検出手段の使用可否(有効または無効)や、共通アドレスの使用可否(有効または無効)についての設定を行なってもよい。
また、演出制御基板80は、各ランプ制御装置350に含まれる占有検出手段の使用する場合、占有検出手段の監視期間を、信号線SCLに出力されるパルス幅(第1の時間値)よりも長く、かつ、VDP割込みの発生間隔(第2の時間値)よりも短い期間に設定してもよい。
信号線SCLに出力されるパルス幅よりも占有検出手段の監視期間を長い期間に設定すれば、データが正常に処理されているにもかかわらず、ランプ制御装置350がリセットされてしまうことを防止することが可能である。また、占有検出手段の監視期間をVDP割込みの発生間隔よりも短い期間に設定すれば、画像更新周期、すなわち、次のデータ送信のタイミングに間に合うように、早期に異常から復帰させることが可能となる。
以上のように、前述の実施例によれば、信号線SCL(タイミング信号線)および信号線SDA(データ信号線)を用いて、演出制御基板80(統括演出制御手段)と各ランプ制御装置350(単位演出制御手段)との間で、双方向通信を行なうので、配線を削減しながら、複数種類の演出装置を制御することができる。
なお、演出制御基板80が制御する演出装置として、大入賞口LED20Aや右枠LED28AなどのLED/ランプの例を示したが、これに限定されるものではなく可動部材のモータやソレノイドなどであってもよい。
なお、図56に示した実施例の変形例として、以下のような構成が考えられる。
(1) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線の信号レベルを、下り方向データに対応する信号レベルに設定しながら前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることで、順次前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に下り方向データの送信を行なう第1送信手段と、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なう際に、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定する占有判定手段と、前記データ信号線が占有状態であると判定された場合に、前記第1送信手段による下り方向データの送信を規制する規制手段とを備え、
前記単位演出制御手段は、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なった前記データ信号線を介して、上り方向データを前記統括演出制御手段へ出力する第2送信手段と、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定する占有状態判定手段とを備えるとともに、
前記第1送信手段は、前記タイミング信号線を介して第1の時間値となるパルス幅のパルスを送信しながら、第2の時間値となる所定の間隔で前記単位演出制御手段に所定バイト数の下り方向データを送信し、
前記占有状態判定手段は、前記データ信号線のレベルを所定のレベルで維持している状態が所定の監視時間継続した場合に前記占有状態であると判定し、かつ、該監視時間を前記第1の時間値よりも長く前記第2の時間値よりも短く設定した。
(2) 遊技の演出を行なう画像出力装置(演出表示装置9)を備え、前記第2の時間値は、前記画像出力装置に出力される画像の更新間隔である。
(3) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に前記所定バイト数の下り方向データを送信した後、当該下り方向データの送信開始から前記第2の時間値が経過するまでの間、前記各単位演出制御手段に次のタイミングで送信する下り方向データを編集する。
(4) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記データ信号線が占有状態であると判定された場合に当該単位演出制御手段自身を初期化する初期化手段と、前記初期化手段を有効化するか否かを設定する有効化設定手段とを備えるとともに、複数の単位演出制御手段の間で共通となる共通アドレスと、各単位演出制御手段同士で相違する個別アドレスとが予め割り当てられ、
前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記共通アドレスを指定して、前記各単位演出制御手段の初期化手段を有効化させる初期化手段有効化指令を当該各単位演出制御手段に送信し、
前記各単位演出制御手段は、前記統括演出制御手段から送信された前記初期化手段有効化指令が前記共通アドレスに送信されると、前記有効化設定手段によって前記初期化手段を有効化し、
前記統括演出制御手段は、その後、前記各単位演出制御手段の個別アドレスを指定して前記下り方向データを送信する。
(5) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記第1送信手段が送信したデータを取り込む取込手段と、前記取込手段がデータを取り込んだ際に、該データ送信を行なった前記データ信号線を介して、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)に返答信号を出力する返答信号出力手段とを備え、
前記第1送信手段は、前記返答信号出力手段が前記返答信号を出力したか否かにかかわらず、前記単位演出制御手段に前記下り方向データを順次送信する。
(6) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線の信号レベルを、下り方向データに対応する信号レベルに設定しながら前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることで、順次前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に下り方向データの送信を行なう第1送信手段と、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なう際に、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定する占有判定手段と、前記データ信号線が占有状態であると判定された場合に、前記第1送信手段による下り方向データの送信を規制する規制手段とを備え、
前記単位演出制御手段は、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なった前記データ信号線を介して、上り方向データを前記統括演出制御手段(演出制御基板80)へ出力する第2送信手段と、当該単位演出制御手段自身を初期化する初期化手段とを備えるとともに、
前記規制手段は、前記単位演出制御手段に対して下り方向データを送信する際に前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定し、占有状態と判定された場合に前記下り方向データの送信を規制し、
前記初期化手段は、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定し、占有状態と判定された場合に当該単位演出制御手段自身を初期化し、
前記単位演出制御手段には、前記初期化手段を有効化するか否かを設定する有効化設定手段が備えられるとともに、複数の単位演出制御手段の間で共通となる共通アドレスと、各単位演出制御手段同士で相違する個別アドレスとが予め割り当てられ、前記統括演出制御手段から、初期化手段有効化指令が前記共通アドレス宛に送信されると、前記有効化設定手段によって前記初期化手段を有効化させるための設定が行なわれる。
(7) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記共通アドレスを無効化する共通アドレス無効化設定手段を備え、前記共通アドレス宛に送信された初期化手段有効化指令を受信し、前記初期化手段を有効化した後、前記共通アドレス無効化設定手段によって、前記共通アドレスを無効化し、その後、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記単位演出制御手段の各々に前記共通アドレスを無効化する指令を周期的に送信する。
(8) 前記第1送信手段は、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に割り当てられた個別アドレスを指定して、前記初期化手段有効化指令を周期的に送信する。
(9) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)を初期化した後、前記共通アドレスを指定することによって、前記初期化手段有効化指令を前記各単位演出制御手段に送信し、その後、前記各単位演出制御手段の個別アドレスを指定して前記下り方向データを送信する。
(10) 前記下り方向データは、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)から前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に周期的に送信され、前記演出装置の演出態様を決定する演出制御データと、前記初期化手段有効化指令及び前記共通アドレスを無効化する指令を含む設定データと、を含み、前記設定データは、前記下り方向データが送信される周期内で、前記演出制御データよりも先行して送信される。
(11) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線の信号レベルを、送信データに対応する信号レベルに設定しながら前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることで、順次前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)にデータの送信を行なう送信手段と、前記送信手段によるデータ送信が可能な送信タイミングを定期的に発生させる送信タイミング発生手段と、前記送信手段により定期的にデータ送信を行なわせる通常送信制御手段と、前記通常送信制御手段によるデータ送信に異常が発生した場合に、前記送信手段により再度データ送信を行なわせる再送信制御手段とを備えるとともに、
前記通常送信制御手段は、前記送信タイミングの一部である定時タイミングに合わせて、前記送信手段により定期的にデータを送信させ、
前記再送信制御手段は、前記送信タイミングであって、かつ、前記定時タイミング以外の送信タイミングに合わせて、前記送信手段により再度データ送信を行なわせる。
(12) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記送信タイミングの発生にかかわらず、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に送信するデータの編集を継続し、前記定時タイミングになると、前記通常送信制御手段が前記送信手段によって前記編集されたデータを送信する。
(13) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記定時タイミングにおけるデータの送信に失敗すると、次の定時タイミングが発生する前に、前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)を初期化し、前記再送信制御手段によって、前記送信に失敗したデータを再送信する。
(14) 遊技の演出を行なう画像出力装置(演出表示装置9)を備え、前記送信タイミングは、前記画像出力装置に出力される画像を更新する画像更新タイミングと一致する。
(15) 遊技の演出を行なう画像出力装置(演出表示装置9)を備え、前記定時タイミングは、前記画像出力装置に出力される画像を更新する画像更新タイミングと一致し、前記画像更新タイミングの発生周期と、前記送信タイミングの周期とのいずれか一方の周期が、他方の周期の倍数とならない。
(16) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線を介して前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に、所定の電圧レベルを出力する電圧出力手段を備え、
前記電圧出力手段は、前記データ信号線に出力する電圧レベルを前記単位演出制御手段に送信するデータに対応させて変化させることにより、前記単位演出制御手段に当該データを順次送信する。
(17) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)によって送信された自宛のデータを受信すると、該統括演出制御手段によってデータが送信された前記データ信号線を介して、前記統括演出制御手段に返答信号を出力する双方向単位演出制御手段、又は、前記返答信号を出力しない単方向単位演出制御手段で構成され、前記統括演出制御手段と前記双方向単位演出制御手段との間、及び、前記統括演出制御手段と前記単方向単位演出制御手段との間を前記データ信号線により接続し、前記統括演出制御手段と前記双方向単位演出制御手段との間を接続するデータ信号線に、前記双方向単位演出制御手段が前記返答信号を出力した場合に前記データ信号線に流れる電流を規制する電流規制手段(たとえば、マスタIC105Cとランプ制御装置350との間の信号線SDA上に設けた抵抗Rなど)を備えた。
(18) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)には、各単位演出制御手段同士で相違する個別アドレスが予め割り当てられ、
前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記個別アドレスに基づいて、当該単位演出制御手段が、前記単方向単位演出制御手段又は前記双方向単位演出制御手段のいずれかに該当するかを特定可能に構成され、前記双方向単位演出制御手段にデータを送信する場合には、所定単位のデータを送信するたびに前記データ信号線の解放要求を行ない、前記単方向単位演出制御手段にデータを送信する場合には、前記データ信号線の解放要求を行なわない。
(19) 前記双方向単位演出制御手段は、前記タイミング信号線の信号レベルが変化する回数を計数し、前記返答信号を出力する返答タイミングを決定するために、前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が所定回数に達したか否かを判定する返答タイミング決定手段を備え、前記返答タイミング決定手段によって前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が前記所定回数に達したと判定された場合に、前記データ信号線を占有して信号レベルを変化させることによって前記返答信号を出力するとともに、前記返答信号を出力した後に前記タイミング信号線の信号レベルが変化したことに基づいて前記データ信号線を解放して前記返答信号の出力を停止する機能を有し、
前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、所定単位のデータを送信したことに基づいて、前記タイミング信号線の信号レベルを変化させて、前記双方向単位演出制御手段に前記データ信号線の解放要求をする解放要求出力手段を備えた。
(20) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に対して前記データ信号線の解放要求を行なうか否かを設定可能に構成され、
前記単方向単位演出制御手段は、前記統括演出制御手段からの指令によって、前記統括演出制御手段によって前記データ信号線の解放要求が行なわれるか否かを特定可能に構成され、前記データ信号線の解放要求が行なわれない場合にあっては、前記データ信号線の解放要求が行なわれるタイミングに前記タイミング信号線の信号レベルが変化したことに基づいて前記データ信号線の電圧レベルを受信データとして取得し、前記データ信号線の解放要求が行なわれる場合にあっては、前記データ信号線の解放要求が行なわれるタイミングに前記タイミング信号線の信号レベルが変化しても前記データ信号線の電圧レベルを受信データとして取得することなく破棄するようにした。
(21) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記送信手段によるデータ送信を開始する場合に、前記タイミング信号線の信号レベルを第1のレベルに維持させた状態で、前記データ信号線の信号レベルを第2のレベルに変化させる送信開始指令処理を実行可能に構成され、前記送信開始指令処理の実行に先立って、前記電圧出力手段によって前記データ信号線の電圧レベルを変更することによって、当該データ信号線の信号レベルを前記第1のレベルとは異なるレベルに変更し、さらに、前記タイミング線の信号レベルを前記第2のレベルとは異なるレベルに変更する事前出力変更手段を備えた。
(22) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、データ送信の途中又はデータ送信の最後のタイミングにて、前記タイミング信号線の信号レベルを第3のレベルに維持させた状態で、前記データ信号線の信号レベルを前記第2のレベルとは異なる第4のレベルに変化させる更新指令処理を実行可能に構成され、
前記事前出力変更手段は、前記更新指令処理の実行に先立って、前記電圧出力手段によって前記データ信号線の電圧レベルを変更することによって、当該データ信号線の信号レベルを前記第4のレベルとは異なるレベルに変更し、さらに、前記タイミング線の信号レベルを前記第3のレベルとは異なるレベルに変更する。