(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態によるパチンコ遊技機(遊技機)1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」と称する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
なお、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)や大入賞口(後述)などの入賞口を通過(進入)した遊技球が、夫々の入賞口に対応して設けられたスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23(後述))によって検出されることを「入賞」と称する。「入賞」のうち、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)への入賞を「始動入賞」と称し、特に、第1始動入賞口への入賞を第1始動入賞と称し、第2始動入賞口への入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞の発生(第1始動口スイッチ22Aによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。
また、第2始動入賞の発生(第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分(普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態と、遊技球が通過(進入)できる開放状態とに変化する大入賞口を形成する。具体的には、特別可変入賞球装置7は、例えば図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉の開閉によって大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。
一例として、特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態とし、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態とする。開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。つまり、大入賞口を開放状態とすることによって、大入賞口への入賞が発生する。
大入賞口への入賞の発生(カウントスイッチ23による遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば12個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば12個)は、第1始動入賞の発生に基づいては払い出される賞球の個数(例えば3個)、第2始動入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば3個)よりも多い。つまり、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)が、遊技者にとって有利か否かに大きく影響する。即ち、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて多くの賞球が期待できるので、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて遊技者にとって非常に有利である。
なお、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態に加えて、または代えて、遊技球が通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「.(ドット)」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。一例として、第1特別図柄表示装置4Aは、特別図柄として、ドット無(ドット消灯)の各数字(「0」〜「9」)やドット有(ドット点灯)の各数字(「0.」〜「9.」)を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。一例として、ドット無の各数字(「0」〜「9」)には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、ドット有の各数字(「0.」〜「9.」)には「10」〜「19」の各図柄番号が付されていればよい。なお、特別図柄は、上記に限定されない。例えば、7セグメント(ドットを含めて8セグメントのものであってもよい)のLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(例えば、アルファベットの「E」や「F」や「L」や「P」や「b」や「d」のような点灯パターンや、漢字の「二」や「三」のような点灯パターンや、「−」のような点灯パターン)を予め設定しておき、特別図柄として表示してもよい。また、複数個の点状(丸型)のLEDの点灯と消灯によって表現される点灯パターンを特別図柄として表示してもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。例えば、第1保留表示器25Aは、点灯させるLEDの数によって、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。例えば、第2保留表示器25Bは、点灯させるLEDの数によって、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。ゲートスイッチ21による遊技球の検出によって、普図ゲームを実行するための普図始動条件は成立した場合であっても、普図ゲームの開始を許容する普図開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した普図ゲームが実行中である場合)には、当該普図ゲームの実行は保留される(当該普図ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置されている。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として、図1に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、即ち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、即ち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置5の表示領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と連動(対応)して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。夫々の飾り図柄には、夫々の飾り図柄に対応する図柄番号が付されている。一例として、「1」〜「8」を示す各英数字には「1」〜「8」の各図柄番号が付されていればよい。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
なお、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(普図表示結果とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、完全停止表示、最終停止表示、又は、導出表示(又は、単に「導出」)とも称する。なお、飾り図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングは、特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングと必ずしも一致していなくてもよく、特別図柄の変動時間(特図変動時間)内に、飾り図柄の変動時間が収まっていればよい。
即ち、飾り図柄の変動開始タイミングが特別図柄の変動開始タイミングよりも遅くてもよいし、特別図柄の変動終了タイミング(確定特別図柄の停止表示タイミング)が飾り図柄の変動終了タイミング(確定飾り図柄の停止表示タイミング)よりも遅くてもよい。例えば、確定飾り図柄の停止表示後に所定演出の実行を開始し、当該所定演出の実行の終了時に確定特別図柄を停止表示させてもよい。
また、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示を行ってもよい。例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に飾り図柄を仮停止表示させてもよい。なお、仮停止表示には、変動速度が「0」となった飾り図柄が、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせつつ停留して表示させるものや、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間、微少な揺れや伸縮なども生じさせずに停止表示させるものなどが含まれる。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第2保留表示器25Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、例えば右詰めで、第1保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が増加したときは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第1特図保留情報に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加するようにしてもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第1特図保留情報に対応する保留表示に相当する第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている第1保留表示(一番古くから表示されている第1保留表示)を消去し、他の第1保留表示の夫々を、消去した第1保留表示側(右側)に移動(シフト)する。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、例えば左詰めで、第2保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が増加したときは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの左側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第2特図保留情報に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加するようにしてもよい。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第2特図保留情報に対応する保留表示に相当する第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている第2保留表示(一番古くから表示されている第2保留表示)を消去し、他の第2保留表示の夫々を、消去した第2保留表示側(左側)に移動(シフト)する。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
また、画像表示装置5の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRから消去された(移動された)保留表示(即ち、第1開始条件の成立によって消化される第1特図保留情報や、第2開始条件の成立によって消化される第2特図保留情報に基づき実行される飾り図柄の可変表示に対応する保留表示に応じたアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示エリアAHA(消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、アクティブ表示領域、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部などとも称する。)が、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間が配置されている。
パチンコ遊技機1では、図1に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間にアクティブ表示エリアAHAを配置しているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。また、パチンコ遊技機1では、アクティブ表示のほかには、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠、アクティブ表示またはアクティブ表示の周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像などのアクティブ表示に応じた情報などが特別画像によって表示される。
遊技盤2における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口の何れかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ8は、遊技機1の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機1の状況に応じて警告音を出力する。
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音などが含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌などである。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出など)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)などである。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される音、声などである。なお、プッシュボタン31Bへの操作行為は、プッシュセンサによって検出されるものでもあるため、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行される前にリーチ状態に移行される旨を報知する音、声や、大当り遊技状態に制御される前に大当り遊技状態に制御される旨を予告又は示唆する音、声などである。
警告音の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときに出力される警告音、ガラス扉(非図示)が開放しているときに出力される警告音などである。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に発光部材9CC、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、総称してランプ9と称する。ランプ9は、例えば、1以上のLEDから構成されたものであってもよいし、フラッシュランプから構成されるものであってもよい。発光部材9Uは、回転部を有する回転灯(例えばパトランプ)であってもよい。また、上記以外にも、例えば、遊技領域における各構造物(例えば、特別可変入賞球装置7等)の周囲などに、種々の発光部材を設置してもよい。
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9などは演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、演出装置として、駆動部を有する演出用模型など他の演出装置を備えていてもよい。
なお、各構成の配置位置(設置位置)は、一例であって、他の位置に配置されていてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20が、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。また例えば、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cが、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄やハズレ図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
第1の実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、特別図柄「3 」(ドット無3。即ちドットが消灯した「3」)、特別図柄「7 」(ドット無7。即ちドットが消灯した「7」)、特別図柄「3.」(ドット有3。即ちドットが点灯した「3」)、特別図柄「7.」(ドット有7。即ちドットが点灯した「7」)を大当り図柄とし、他の特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1の実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとで、大当り図柄は同一であるが、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとで、大当り図柄を異ならせてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後(確定特別図柄として大当り図柄が停止表示された後)には、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。なお、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である小当り遊技状態に制御される。
パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、その後、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態に維持し、1回のラウンドを終了させる。
パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき1回、大入賞口を開放状態に変化させる(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態と変化させる)。なお、パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき複数回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい。例えば、パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき2回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態→開放状態→閉鎖状態と変化させてもよい)。
なお、上述のような、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時に大入賞口扉を直ちに開く態様)ではなく、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時には大入賞口扉を開かない態様)であってもよい。つまり、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時には大入賞口扉を開くことなく大入賞口を閉鎖状態に維持し、その後、大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて1回のラウンドを終了させてもよい。
大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、固定(一定)の回数(例えば、常に15回)でなくてもよい。例えば、大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、複数種類の回数(例えば、2回、8回、15回)のなかから選択(抽選)されたいずれかの回数であってもよい。
つまり、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、ラウンドの実行回数が上限回数(上述所定の回数が固定の回数である場合には当該固定の回数、上述の所定の回数が複数種類から選択される場合には選択された回数)に達するまで、ラウンドを繰り返し実行する。なお、パチンコ遊技機1は、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行を終了してもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の時間(開放期間)が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば10個)の入賞が発生するか、のいずれかとなるまでの期間、開放状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に29秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、複数種類の時間(例えば、0.1秒間、29秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態(ラウンドにおける閉鎖状態)に維持される。例えば、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、大入賞口扉を閉じた後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。また例えば、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、ラウンドの開始した後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に3秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、複数種類の時間(例えば、1秒間、3秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
以上から、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、例えば、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したり、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを15回実行したり、大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)→開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを2回実行したりすることができる。また、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行した後に大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを7回実行したりすることもできる。
なお、大当り遊技状態におけるラウンドのうち、大入賞口を開放状態とする所定の時間(開放期間)が比較的長いラウンド(例えば、開放状態が29秒間であるラウンド)は通常開放ラウンドとも称され、大入賞口を開放状態とする所定の時間(開放期間)が比較的短いラウンド(例えば、開放状態が0.1秒間であるラウンド)は短期開放ラウンドとも称される。
また、大当り図柄である特別図柄のうち、通常開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)は、通常開放ラウンド大当り図柄と称する場合がある。大当り図柄である特別図柄のうち、短期開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)は、短期開放ラウンド大当り図柄と称する場合がある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、通常開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、短期開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。なお、短期開放大当り状態に比べ通常開放大当り状態の方が通常開放ラウンドの実行回数が多くなるなどしていれば、通常開放大当り状態において通常開放ラウンドの他に短期開放ラウンドを実行し、短期開放大当り状態において短期開放ラウンドの他に通常開放ラウンドを実行してもよい。
以上のように、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、夫々の大当り遊技状態において遊技者が得る価値、即ち、遊技者から見た有利度(例えば、賞球数(出玉数))を夫々異ならせた多様な大当り遊技状態を用意(実現)することができる。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組み合わせの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8による音声出力動作や、ランプ9などの発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、即ち、いずれのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
なお、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される滑り演出や擬似連演出などが実行可能である。滑り演出では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rの何れか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、滑り演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目などが飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に表示される)を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。
擬似連演出における再可変表示の回数(再可変表示回数)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、全部の飾り図柄が最初に仮停止するまでの可変表示(初回可変表示)の回数(1回)と、全部の飾り図柄が最後に仮停止した後の再可変表示(最終可変表示)の回数(1回)と、初回可変表示と最終可変表示の間の再可変表示の回数X(Xは0又は1以上)と、を合算した回数(X+2)よりも1回少ない回数(X+1)として把握される。また、再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて全部の飾り図柄が仮停止表示される回数(仮停止回数)と同数となる。なお、初回可変表示〜1回目の仮停止表示を1回目の擬似連とも称し、2回目の可変表示(1回目の再可変表示)〜2回目の仮停止表示を2回目の擬似連とも称し、3回目の可変表示(2回目の再可変表示)〜3回目の仮停止表示を3回目の擬似連とも称し、4回目の可変表示(3回目の再可変表示)〜4回目の仮停止表示を4回目の擬似連とも称する。また、擬似連演出における擬似連の回数を擬似連変動回数(又は、擬似連回数)とも称する。つまり、擬似連変動回数と再可変表示回数と仮停止回数は同数となる。なお、1回目、2回目、3回目、…と擬似連の回数が増えることを「擬似連が継続する」とも称する。
「擬似連」の可変表示演出において、再可変表示(再変動)が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、図5では、再可変表示(再変動)を1回又は2回行う例を示しているが、再可変表示(再変動)が3回以上行ってもよい。
なお、擬似連演出は、当該変動においてリーチが成立する前(リーチ状態となる前に)に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止させてもよいし、リーチが成立した後に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止してもよい。つまり、擬似連演出における仮停止表示の演出態様には、少なくとも、リーチ状態となる前に仮停止表示させる演出態様と、リーチと状態となった後にチャンス図柄を仮停止表示させる演出態様とがあってもよい。なお、チャンス図柄はリーチ状態とならないときにも停止表示され得る。
滑り演出(擬似連演出も同様)は、何れかのリーチ演出、若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するものであってもよい。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するための演出を予告演出と総称する場合がある。予告演出には、滑り演出や擬似連演出の他にも、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示動作を利用するものがあってもよいし、例えば、背景画像の表示、メッセージウィンドウの表示、保留表示、音声出力、発光(点灯、点滅、消灯)などのように可変表示演出とは異なる演出動作を利用するものがあってもよい。
なお、予告演出は、当該予告演出が予告又は示唆する内容が実現されるか否かを遊技者が判別(実際に確認)できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する第1保留表示をターゲットの第1保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する第2保留表示をターゲットの第2保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。また、先読予告演出は、ターゲットの保留情報の消化中に実行する場合(ターゲットの可変表示中を含むターゲットの保留情報の消化処理中に実行する場合)と、ターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合と、ターゲットの保留情報の消化中、及びターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合とがある。
ある遊技球の入賞による先読予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
なお、先読予告演出(事前判定予告演出)として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示や第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様による保留演出が用意されていてもよい。保留演出には、第1始動入賞の発生時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する第1保留表示や第2始動入賞の発生時に第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する第2保留表示を予告態様で表示する演出(追加時保留演出)や、既に表示されている第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む。以下、同様)する演出(保留変化演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化するときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化しないときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用ガセ演出)などが含まれていてもよい。なお、保留作用演出が実行されたときには、作用対象である第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化するが、保留作用ガセ演出が実行されたときには、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化しない。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
第1の実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄「3」(ドット無3)、特別図柄「7 」(ドット無7)、特別図柄「3.」(ドット有3)、特別図柄「7.」(ドット有7)のうち、特別図柄「7.」(ドット有7)が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「第1大当り(15R確変大当り)」となる。また、特別図柄「3.」(ドット有3)が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「第2大当り(8R確変大当り)」となる。また、特別図柄「7 」(ドット無7)が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「第3大当り(15R通常時短無大当り)」となる。また、特別図柄「3 」(ドット無3)が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「第4大当り(8R通常時短無大当り)」となる。「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」といった大当り種類の別は、「大当り種別」と称する。
本実施形態では、何れの大当り種別の大当りであっても通常開放ラウンドが実行される。つまり、「第1大当り」となったときに制御されるラウンドは通常開放ラウンドである。「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」となったときも同様である。但し、上記の大当り種別に代えて又は加えて、短期開放ラウンドが実行される大当り(例えば、「2R確変大当り(突確)」を用意してもよい。
「第1大当り」となる場合には、具体的には特別図柄「7.」(ドット有7)が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、「第1大当り」に対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。第1大当り」に対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に、奇数のうち15R確変大当りに対応するものとして予め定めたもの(例えば、7)を示す飾り図柄が3個並んだもの(即ち、「7」「7」「7」と並んだもの)である。なお、「第1大当り」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが15回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。
「第2大当り」となる場合には、具体的には特別図柄「3.」(ドット有3)が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、「第2大当り」に対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。「第2大当り」に対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、奇数のうち8R確変大当りに対応するものとして予め定めたもの(例えば、「3」又は「5」)を示す飾り図柄が3個並んだもの(即ち、「3」「3」「3」と並んだものや、「5」「5」「5」とならんだもの)である。なお、「第2大当り」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われる。
「第3大当り」となる場合には、具体的には特別図柄「7 」(ドット無7)が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、「第3大当り」に対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。「第3大当り」に対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、奇数のうち15R通常大当りに対応するものとして予め定めたもの(例えば、「1」又は「9」)を示す飾り図柄が3個並んだもの(即ち、「1」「1」「1」と並んだものや、「9」「9」「9」とならんだもの)である。なお、「第3大当り」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが15回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御されるが、その終了後には、時短制御(時間短縮制御)も確変制御(確率変動制御)も行われない。
「第4大当り」となる場合には、具体的には特別図柄「3 」(ドット無3)が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、「第4大当り」に対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。「第4大当り」に対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、偶数を示す飾り図柄が3個並んだもの(即ち、「2」「2」「2」と並んだものや、「4」「4」「4」と並んだものなど)である。なお、「第4大当り」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御されるが、その終了後には、時短制御(時間短縮制御)も確変制御(確率変動制御)も行われない。
なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けたときに2R確変大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、または、リーチ状態になることなく、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されるようにすればよい。2R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、図柄番号が奇数であって異なる飾り図柄(少なくとも3個のうち1個が異なる飾り図柄)が3個並んだもの(例えば、「1」「3」「5」と並んだもの、「3」「5」「7」と並んだもの、「5」「5」「7」と並んだもの)や、チャンス図柄などを含む飾り図柄の組合せ(例えば、「1」「突確」「2」の組合せ。「突確」はチャンス図柄の一例)である。
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常の遊技状態である。通常状態では、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、次回(再度)、可変表示結果が「大当り」となるときに終了するが、次回(再度)の大当りが、確変大当り(「第1大当り(15R確変大当り)」又は「第2大当り(8R確変大当り)」)であったときには、大当り遊技状態の終了後に、再度、確変制御が行われる。つまり、確変大当りが連続している場合には、大当り遊技状態の終了後に、連続して確変制御が行われる。
但し、第1の実施形態では、確変大当りが所定回数(例えば5回)連続したときには、当該所定回数目の大当りの大当り遊技状態の終了後には、再度、確変制御が行わないようにしている。つまり、所定回数目の大当りについては、常に(あるいはいわば強制的に)、通常大当り(非確変大当り)となるようにしている。即ち、第1の実施形態では、いわゆる確変リミッタを設けている。
なお、確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が「大当り」となるときと、所定のST回数(確変回数とも称する)の特図ゲームが消化(実行)されたときとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するようにしてもよい。つまり、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御を終了するようにしてもよい。
また、時短制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、次回(再度)、可変表示結果が「大当り」となるときに終了するが、次回(再度)の大当りが、確変大当り(「第1大当り」又は「第2大当り」)であったときには、大当り遊技状態の終了後に、再度、時短制御が行われる。つまり、確変大当りが連続している場合には、大当り遊技状態の終了後に、連続して時短制御が行われる。
なお、時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が「大当り」となるときと、所定の時短回数の特図ゲームが消化(実行)されたときとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するようにしてもよい。つまり、時短制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定の時短回数の特図ゲームを消化した場合には、時短制御を終了するようにしてもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御という。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。高開放制御が行われることにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が行われる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
上述したように、高開放制御が行われているときには高開放制御が行われていないときよりも、第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高められるため、高開放制御が行われる遊技状態を高頻度遊技状態(又は、高頻度状態)と称し、高開放制御が行われない状態を低頻度遊技状態(又は、低頻度状態)と称する場合がある。
また、高開放制御と時短制御のうち少なくとも高開放制御が行われる遊技状態を高ベース状態(又は時短状態)と称する場合がある。一方、高開放制御と時短制御のうち少なくとも高開放制御が行われない遊技状態を低ベース状態と称する場合がある。但し、高開放制御と時短制御の両方とも行われる遊技状態を高ベース状態(又は時短状態)と称し、一方、高開放制御と時短制御のうち少なくとも一方が行われない遊技状態を低ベース状態と称する場合もある。また、高開放制御と時短制御のうち少なくとも一方が行われる遊技状態を高ベース状態(又は時短状態)とも称し、一方、高開放制御と時短制御の両方とも行われない遊技状態を低ベース状態と称する場合もある。
また、確変制御が行われる遊技状態を、高確状態(又は確変状態)と称する。確変制御が行われない遊技状態を、低確状態(又は非確変状態)と称する。
また、高確状態且つ高ベース状態である遊技状態を高確高ベース状態と称し、高確各状態且つ低ベース状態である遊技状態を高確低ベース状態と称し、低確状態且つ高ベース状態である遊技状態を低確高ベース状態と称し、低確各状態且つ低ベース状態である遊技状態を低確低ベース状態(通常状態)と称する。なお、高確低ベース状態を除外し、特に高確高ベース状態を対象に、単に確変状態と称する場合がある。高確高ベース状態と高確低ベース状態と特にを区別するために、高確高ベース状態を時短付確変状態と称し、高確低ベース状態を時短無確変状態と称する場合もある。
低確低ベース状態(通常状態)の遊技状態においては、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、「ハズレ」である旨の決定結果や、「大当り」であるときの大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、確定飾り図柄(最終停止図柄)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて第1始動入賞が発生したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて第2始動入賞が発生したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLなどにて第1特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
例えば、保留記憶情報として送信されるコマンドは、第1始動入賞口に始動入賞したか、第2始動入賞口に始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動カテゴリ(「変動パターン種別」とも称する)の判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。変動カテゴリとは、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図17(A))において、始動入賞の発生時に、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定し、「大当り」に決定された場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2を用いて大当りの種別を判定し、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリ(変動パターン種別)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
なお、変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドなどの演出制御コマンドは、演出制御用CPU120が、1以上の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9など)を制御する際に用いられる。以下、画像表示装置5における画像表示動作の制御に用いられる演出制御コマンドを表示制御コマンド、スピーカ8からの音声出力を制御するために用いられる演出制御コマンドを音声制御コマンド、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を制御するために用いられる演出制御コマンドをランプ制御コマンドとも称する。なお、演出制御コマンドのうちには、表示制御コマンド、かつ、音声制御コマンド、かつ、ランプ制御コマンドであるものが存在してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図10に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれてもよい。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
図5は、変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」が属している。
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA4−2」の特図変動時間は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA4−1」の特図変動時間よりも長くなっている。ガセとして擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。
なお、本実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、2R確変大当り(突確)用の変動カテゴリ「PC1」、「PC2」、「PC3」を設けてもよい。変動カテゴリ「PC1」には、変動パターン「PC1−1」〜「PC1−3」が属している。変動パターン「PC1−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(突確)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC2」には、変動パターン「PC2−1」〜「PC2−4」が属している。変動パターン「PC2−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC3」には、変動パターン「PC3−1」〜「PC3−4」が属している。変動パターン「PC3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、各種のテーブルを構成するデータなどが記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。図6に示す表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームや第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(第1大当り〜第4大当り)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、表示結果決定テーブル130では、低確状態であるか、高確状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される判定値が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果決定テーブル130では、遊技状態が高確状態であるときに、遊技状態が低確低ベース状態であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、低確状態では所定個数(具体的には190個)の判定値(「8000」〜「8189」の範囲の値)が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。一方、高確状態では所定個数よりも多い個数(具体的には819個)の判定値「8000」〜「8818」が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。このような設定により、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる高確状態(確変状態)では、低確状態であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブルを用いてもよい。例えば、「小当り」を設けることとし、第1特図用の第1特図表示結果決定テーブルでは、「小当り」の特図表示結果に所定範囲の判定値が割り当てられるようにし、第2特図用の第2特図表示結果決定テーブルでは、第1特図表示結果決定テーブルよりも少ない所定範囲の判定値が「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「小当り」の頻発を回避することができる。
図7は、第1の実施形態による大当り種別の決定方法を説明するための説明図である。第1の実施形態では、抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2に対して演算処理を行わずに当該抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当り種別を決定する場合と、抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2に対して演算処理を行い、当該演算結果に基づいて大当り種別を決定する場合とがある。具体的には、図7に示すように、大当り回数カウンタの格納値である大当り回数カウント値が「0」又は「2」又は「3」又は「4」であるときには、抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2に対して演算処理を行わずに当該抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当り種別を決定する。一方、大当り回数カウント値が「1」であるときには、抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2に対して演算処理(「100」を加算)を行い、演算結果(抽出した乱数値に「100」を加算した合算値)に基づいて大当り種別を決定する。
大当り回数カウンタは、パチンコ遊技機1において、いわゆる確変リミッタの機能を作動(発動)させるためのカウンタである。大当り回数カウンタの格納値である大当り回数カウント値は、例えば、遊技制御カウンタ設定部154(後述)に設けられていればよい。大当り回数カウント値は、パチンコ遊技機1が大当りになる度に更新される。なお、大当り回数カウント値の詳細は後述する。
上述したように、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値は「0」〜「99」の範囲の値である(図4参照)。従って、大当り回数カウント値が「1」であるときには、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値。例えば「10」)に基づいて大当り種別が決定される。また、大当り回数カウント値が「0」又は「2」又は「3」又は「4」であるときには、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した合算値(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別が決定される。つまり、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が、例えば「18」であった場合、大当り回数カウント値が「1」であれば、当該抽出値「18」に基づいて大当り種別が決定され、大当り回数カウント値が「0」又は「2」又は「3」又は「4」であれば、当該抽出値「18」に「100」を加算した合算値「118」に基づいて大当り種別が決定される。
図8は、第1の実施形態による大当り種別決定テーブルの構成例等を示す図である。図46は、各実施形態(第1〜第4の実施形態)における大当り種別と夫々の判定値について説明する説明図である。
図8(A)は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。図8(A)の大当り種別決定テーブル131の設定例では、図46(A)に示すように、大当り種別決定用の判定値として、「0」〜「49」の範囲の値が第1大当りに割り当てられ、「50」〜「99」の範囲の値が第2大当りに割り当てられ、「100」〜「149」の範囲の値が第3大当りに割り当てられ、「150」〜「199」の範囲の値が第4大当りに割り当てられている。なお、図46(A)において、左側の「0」、「49」、「50」は、大当り種別決定用の判定値を表している。後述する図46(B)〜図46(D)においても同様である。
図8(A)の大当り種別決定テーブル131の設定例によれば、第1大当り及び第2大当りは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて決定される。第3大当り及び第4大当りは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した合算値(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて決定される。つまり、大当り回数カウント値が「0」又は「2」又は「3」又は「4」であるときには、第1大当り又は第2大当りの何れかが決定され、大当り回数カウント値が「1」であるときには、第3大当り又は第4大当りの何れかが決定される。
図8(B)は、夫々の大当り種別について説明するための説明図である。図8(B)に示すように、第1大当りは、特図の図柄が「7.」(ドット有7。即ちドットが点灯した「7」)、ラウンド数が「15ラウンド」、大当り後の状態が「高確高ベース状態」である大当りである。即ち、第1大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7.」(ドット有7)が停止表示し、15ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第1大当りの終了後には高確高ベース状態に制御される。第2大当りは、特図の図柄が「3.」(ドット有3。即ちドットが点灯した「3」)、ラウンド数が「8ラウンド」、大当り後の状態が「高確高ベース状態」である大当りである。即ち、第2大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「3.」(ドット有3)が停止表示し、8ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第2大当りの終了後には高確高ベース状態に制御される。第3大当りは、特図の図柄が「7 」(ドット無7。即ちドットが消灯した「7」)、ラウンド数が「15ラウンド」、大当り後の状態が「低確低ベース状態」である大当りである。即ち、第3大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7 」(ドット無7)が停止表示し、15ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第3大当りの終了後には低確低ベース状態に制御される。第4大当りは、特図の図柄が「3 」(ドット無3。即ちドットが消灯した「3」)、ラウンド数が「8ラウンド」、大当り後の状態が「低確低ベース状態」である大当りである。即ち、第4大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「3 」(ドット無3)が停止表示し、8ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第4大当りの終了後には低確低ベース状態に制御される。
大当り回数カウント値について説明する。大当り回数カウント値は、「0」「1」「2」「3」「4」の何れかである。
(大当り回数カウント値「0」)
大当り回数カウント値「0」は、遊技状態が低確低ベース状態であることを示している。従って、大当り回数カウント値が「0」であるときの大当りは、1回目の大当り(いわゆる初当り)である。また、大当り回数カウント値が「0」であるときには、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別が決定されるため、1回目の大当りは、確変大当り(第1大当り又は第2大当り)となる。また、1回目の大当り(第1大当り又は第2大当り)の終了後は、大当り回数カウント値は「4」に更新される。
(大当り回数カウント値「4」)
大当り回数カウント値「4」は、遊技状態が、1回目の大当りの終了後の高確高ベース状態であることを示している。従って、大当り回数カウント値が「4」であるときの大当りは、2回目の大当り(いわゆる2連荘目)である。また、大当り回数カウント値が「4」であるときには、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別が決定されるため、2回目の大当りは、確変大当り(第1大当り又は第2大当り)となる。また、2回目の大当り(第1大当り又は第2大当り)の終了後は、大当り回数カウント値は「3」に更新される。
(大当り回数カウント値「3」)
大当り回数カウント値「3」は、遊技状態が、2回目の大当りの終了後の高確高ベース状態であることを示している。従って、大当り回数カウント値が「3」であるときの大当りは、3回目の大当り(いわゆる3連荘目)である。また、大当り回数カウント値が「3」であるときには、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別が決定されるため、3回目の大当りは、確変大当り(第1大当り又は第2大当り)となる。また、3回目の大当り(第1大当り又は第2大当り)の終了後は、大当り回数カウント値は「2」に更新される。
(大当り回数カウント値「2」)
大当り回数カウント値「2」は、遊技状態が、3回目の大当りの終了後の高確高ベース状態であることを示している。従って、大当り回数カウント値が「2」であるときの大当りは、4回目の大当り(いわゆる4連荘目)である。また、大当り回数カウント値が「2」であるときには、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別が決定されるため、4回目の大当りは、確変大当り(第1大当り又は第2大当り)となる。また、4回目の大当り(第1大当り又は第2大当り)の終了後は、大当り回数カウント値は「1」に更新される。
(大当り回数カウント値「1」)
大当り回数カウント値「1」は、遊技状態が、4回目の大当りの終了後の高確高ベース状態であることを示している。従って、大当り回数カウント値が「1」であるときの大当りは、5回目の大当り(いわゆる5連荘目)である。また、大当り回数カウント値が「1」であるときには、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した合算値(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別が決定されるため、5回目の大当りは、通常大当り(第3大当り又は第4大当り)となる。また、5回目の大当り(第3大当り又は第4大当り)の終了後は、大当り回数カウント値は「0」に更新される。
つまり、図8(B)に示すように、第1大当り又は第2大当り(1回目〜4回目の大当り)の終了後は、大当り回数カウント値が「0」であったときには(即ち、1回目の大当りであったときには)、大当り回数カウント値が「0」から「4」に更新され、大当り回数カウント値が「4」であったときには(即ち、2回目の大当りであったときには)、大当り回数カウント値が「4」から「3」に更新され、大当り回数カウント値が「3」であったときには(即ち、3回目の大当りであったときには)、大当り回数カウント値が「3」から「2」に更新され、大当り回数カウント値が「2」であったときには(即ち、4回目の大当りであったときには)、大当り回数カウント値が「2」から「1」に更新される。また、第3大当り又は第4大当り(5回目の大当り)の終了後は、大当り回数カウント値が「1」から「0」に更新される。
図9は、第1の実施形態によるパチンコ遊技機における遊技状態の変化等を説明するための説明図である。なお、図9(図29も同様)において、「OKC値」は大当り回数カウント値の略である。
図9に示すように、第1の実施形態によるパチンコ遊技機1は、大当り回数カウント値が「0」であるときには、約345分の1の大当り確率(190/65536)で第1大当り(振分率は50/100)、又は、第2大当り(振分率は50/100)となる。大当り回数カウント値が「0」であるときに、第1大当り、又は、第2大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「4」に制御(更新)される。
また、大当り回数カウント値が「4」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1大当り(振分率は50/100)、又は、第2大当り(振分率は50/100)となる。大当り回数カウント値が「4」であるときに、第1大当り、又は、第2大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「3」に制御(更新)される。
大当り回数カウント値が「3」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1大当り(振分率は50/100)、又は、第2大当り(振分率は50/100)となる。大当り回数カウント値が「3」であるときに、第1大当り、又は、第2大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「2」に制御(更新)される。
大当り回数カウント値が「2」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1大当り(振分率は50/100)、又は、第2大当り(振分率は50/100)となる。大当り回数カウント値が「2」であるときに、第1大当り、又は、第2大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「1」に制御される。
大当り回数カウント値が「1」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第3大当り(振分率は50/100)、又は、第4大当り(振分率は50/100)となる。大当り回数カウント値が「1」であるときに、第3大当り、又は、第4大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「0」に制御される。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。変動カテゴリ決定テーブルには、変動カテゴリの夫々に、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動カテゴリのうち少なくとも1つの変動カテゴリに割り当てられている上記判定値(例えば、判定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動パターン決定テーブルにおいて決定され得る変動パターンの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルには、変動パターンの夫々に、変動パターン決定用の乱数値MR5と比較される数値(判定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動パターンのうち少なくとも1つの変動パターンに割り当てられている上記判定値(例えば、判定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、夫々の変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち、遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図10に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図10に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155と、を備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられ、夫々のフラグの値を示すデータや、夫々のフラグがオン状態であるかオフ状態であるかを示すデータが記憶される。遊技制御フラグ設定部152には、大当り遊技状態にあることを示した大当りフラグが設けられ、大当りフラグの値を示すデータや、大当りフラグがオン状態であるかオフ状態であるかを示すデータが記憶される。また、遊技制御フラグ設定部152には、遊技状態が高確状態(確変状態)であるか低確状態(非確変状態)であるかを示した確変フラグが設けられ、確変フラグの値を示すデータや、確変フラグがオン状態であるかオフ状態であるかを示すデータが記憶される。また、遊技制御フラグ設定部152には、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを示した高ベースフラグが設けられ、高ベースフラグの値を示すデータ、あるいは、高ベースフラグがオン状態であるかオフ状態であるかを示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、大当り回数カウンタの格納値である大当り回数カウント値などが記憶される。
なお、大当り遊技状態の終了後に所定のST回数(確変回数)の特図ゲームが消化されたときに高確状態を終了させる態様とする場合や、大当り遊技状態の終了後に所定の時短回数の特図ゲームが消化されたときに高ベース状態を終了させる態様とする場合には、遊技制御カウンタ設定部154に、特別図柄の変動回数(特図ゲームの実行回数)を計数するための変動数カウンタの格納値である変動数カウント値を記憶してもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられ、夫々のバッファのバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
例えば、ROM121には、第1保留表示の追加時保留演出を実行するためのテーブルとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される第1保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該第1保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の第1保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の第1保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様の夫々に、追加時の第1保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の第1保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の第1保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第1保留表示の追加時保留演出を実行するためのテーブルとして、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示される第2保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される第2保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、飾り図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示の表示態様に対する保留演出や、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留表示の表示態様に対する保留演出など)といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
図11(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図11(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図11(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図12(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図12(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられ、夫々のフラグの値を示すデータや、夫々のフラグがオン状態であるかオフ状態であるかを示すデータが記憶される。例えば、演出制御フラグ設定部191には、遊技状態を特定するためのフラグ(例えば、RAM102に設けられた遊技制御フラグ設定部152に記憶される確変フラグや高ベースフラグと同様のフラグ)が記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。なお、RAM102に設けられた遊技制御カウンタ設定部154が変動数カウント値を記憶する場合には、演出制御カウンタ設定部193は、飾り図柄の変動回数を計数するための演出数カウンタの格納値である演出数カウント値を記憶してもよい。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられ、夫々のバッファのバッファ値を示すデータが記憶される。
図12(B)は、演出制御バッファ設定部194の所定領域に設けられた第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの一例である。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が確保されている。第1始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが、1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの格納領域には、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドが対応付けて格納される。
第1始動入賞時には、第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順に、主基板11から演出制御基板12へとコマンドが送信される。演出制御用CPU120は、受信したコマンドを、受信した順に、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納する。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図12(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図12(B)は、バッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にコマンドが格納され、バッファ番号「4」に対応する格納領域は空き領域となっている状態を表している。
図12(B)に示す第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図12(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされ、バッファ番号「3」に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」にシフトされる。
図12(C)は、演出制御バッファ設定部194の所定領域に設けられた第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bの一例である。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が確保されている。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが、1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bの格納領域には、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドが対応付けて格納される。
第2始動入賞時には、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドの順に、主基板11から演出制御基板12へとコマンドが送信される。演出制御用CPU120は、受信したコマンドを、受信した順に、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bの空き領域における先頭から格納する。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図12(C)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図12(C)は、バッファ番号「1」〜「2」に対応する格納領域にコマンドが格納され、バッファ番号「3」〜「4」に対応する格納領域は空き領域となっている状態を表している。
図12(C)に示す第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図12(C)に示す格納状態において第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされる。
図12(D)は、演出制御バッファ設定部194の所定領域に設けられた第1先読予告バッファ194Cの一例である。第1先読予告バッファ194Cには、図12(B)に示した第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに対応する格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応する領域)が確保されている。即ち、第1先読予告バッファ194Cには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容(演出内容)などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図12(B)に示した第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、図12(D)に示した第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
図12(E)は、演出制御バッファ設定部194の所定領域に設けられた第2先読予告バッファ194Dの一例である。第2先読予告バッファ194Dには、図12(C)に示した第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに対応する格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が確保されている。即ち、第2先読予告バッファ194Dには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容(演出内容)などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図12(C)に示した第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、図12(E)に示した第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、第1の実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図13のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図13に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS17)。コマンド制御処理では、例えば、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理により、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドが伝送させる。コマンド制御処理に続いて、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図14は、図13に示した遊技制御用タイマ割込み処理のステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図14に示した特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図15は、図14に示した特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図15に示した始動入賞判定処理(ステップS101)において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づいて、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば(ステップS201;YES)、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS207)。
ステップS207の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理を実行する(ステップS208)。始動入賞時処理については後述する。始動入賞時処理に続いて、CPU103は、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」する(ステップS209)。
第1始動口スイッチ22Aがオフ状態であるときや(ステップS201;NO)、第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(ステップS202;YES)、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づいて、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS203)。第2始動口スイッチ22Bがオフ状態であるときは(ステップS203;NO)、始動入賞判定処理を終了する。
第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば(ステップS203;YES)、CPU103は、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS204;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS210)。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理を実行する(ステップS211)。始動入賞時処理については後述する。始動入賞時処理に続いて、CPU103は、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
図16は、図15に示した始動入賞判定処理(ステップS101)のステップS208、ステップS211にて実行される始動入賞時処理の一例を示すフローチャートである。図16に示した始動入賞時処理(ステップS208、S211)において、CPU103は、まず、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理に続いて、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS218の処理に続いて、CPU103は、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、ROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、ROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図13に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。入賞時乱数値判定処理については後述する。入賞時乱数値判定処理に続いて、CPU103は、保留記憶数通知コマンドの送信設定を行う(ステップS221)。例えば、ROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図13に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図17(A)は、図16に示した始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。図17(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)において、CPU103は、まず、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。具体的には、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや高ベースフラグや状態(値)に基づいて、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する。例えば、CPU103は、確変フラグがオン状態であるときには、現在の遊技状態が高確状態(確変状態)であると特定し、確変フラグがオフ状態であるときには、現在の遊技状態が低確状態(非確変状態)であると特定する。また、CPU103は、高ベースフラグがオン状態であるときには、現在の遊技状態が高ベース状態であると特定し、高ベースフラグがオフ状態であるときには、現在の遊技状態が低ベース状態であると特定する。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、特図表示結果決定テーブルをセットする(ステップS402)。具体的には、CPU103は、表示結果決定テーブル130を構成するデータから現在の遊技状態に対応するデータを使用データとしてセットする。例えば、CPU103は、現在の遊技状態が低確状態であるときには、図6に示す例において、特図表示結果「大当り」に対する190個の判定値(「8000」〜「8189」の範囲の値)を割り当てたデータを使用データとしてセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態が高確状態であるときには、図6に示す例において、特図表示結果「大当り」に対する819個の判定値(「8000」〜「8818」の範囲の値)を割り当てたデータを使用データとしてセットする。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図表示結果決定テーブルを構成するデータから現在の遊技状態に対応するデータを使用データとしてセットし、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図表示結果決定テーブルを構成するデータから現在の遊技状態に対応するデータを使用データとしてセットすればよい。
ステップS402の処理に続いて、CPU103は、図16に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ(乱数値MR1の抽出値)が、ステップS402にてセットした特図表示結果決定テーブル(使用テーブル)における、大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS403の処理では、CPU103は、乱数値MR1の抽出値と、使用テーブルにおける「大当り」に対する各判定値とを逐一比較して乱数値MR1と合致する「大当り」に対する判定値の有無を判定することにより、乱数値MR1の抽出値が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。あるいは、CPU103は、乱数値MR1の抽出値と、使用テーブルにおける「大当り」に対する判定値の最小値及び最大値と比較して乱数値MR1の抽出値が最小値(下限値)と最大値(上限値)の範囲内であるか否かを判定することにより、乱数値MR1の抽出値が大当り判定範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS403にて大当り判定範囲内であれば(ステップS403;YES)、CPU103は、大当り種別判定処理を実行する(S409)。大当り種別判定処理については後述する。大当り種別判定処理に続いて、CPU103は、大当り種別判定処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドの送信設定を行う(ステップS410)。こうして設定された図柄指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図13に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS403にて大当り判定範囲内でないとき(ステップS403;NO)や、ステップS410の処理を実行した後には、CPU103は、変動カテゴリを判定する(ステップS412)。即ち、変動カテゴリを図5に示す複数種類の何れかに決定する。なお、変動カテゴリの判定方法については後述する。ステップS412の処理に続いて、CPU103は、ステップS412の判定結果に応じた変動カテゴリコマンドの送信設定を行う(ステップS413)。具体的には、CPU103は、例えば、図17(B)に示すように、ステップS412において判定した変動カテゴリに応じて異なるEXTデータを設定した変動カテゴリコマンドの送信設定を行う。そして、入賞時乱数値判定処理を終了する。
(大当り種別の判定)
図18(A)は、図17に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS409にて実行される大当り種別判定処理、及び、図21に示す特別図柄通常処理(ステップS110)のステップS244にて実行される大当り種別決定処理の一例を示すフローチャートである。図18(A)に示した大当り種別判定(決定)処理において、CPU103は、まず、大当り回数カウント値が「1」であるか否かを判定する(ステップS420)。
大当り回数カウント値が「1」でないときは(ステップS420;NO)、CPU103は、図16に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ(乱数値MR2の抽出値)を、大当り種別決定用の判定値と比較する値とする(ステップS423)。一方、大当り回数カウント値が「1」であるときは(ステップS420;YES)、CPU103は、大当り種別決定用の判定値と比較する値として、乱数値MR2の抽出値に「100」を加算する(ステップS424)。
ステップS423、又は、ステップS424の処理に続いて、CPU103は、大当り種別決定テーブル131に基づいて大当り種別を決定(判定)する(ステップS425)。そして、図18(A)に示した大当り種別判定処理(大当り種別決定処理)を終了する。
なお、図18(A)のステップS425の処理では、CPU103は、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」と、図8(A)の大当り種別決定テーブル131における夫々の大当り種別(第1大当り、第2大当り、第3大当り、第4大当り)に対する各判定値とを逐一比較することにより、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」が、夫々の大当り種別の何れの判定値の範囲内であるかを決定(判定)する。あるいは、CPU103は、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」と、夫々の大当り種別に対する各判定値の最小値及び最大値と比較することにより、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」が、夫々の大当り種別の何れの判定値の範囲内であるかを決定(判定)してもよい。
図18(A)に示した大当り種別判定処理によれば、大当り回数カウント値が「1」でないときには(ステップS420;NO)、即ち、初当り〜4連荘目迄の大当りのときには、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて、大当り種別が決定(判定)されるため(ステップS423、ステップS425)、図7、図8(A)に示すように、第1大当りか第2大当りの何れかになる。一方、大当り回数カウント値が「1」であるときには(ステップS420;YES)、即ち、5連荘目迄の大当りのときには、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて、大当り種別が決定(判定)されるため(ステップS424、ステップS425)、図7、図8(A)に示すように、第3大当りか第4大当りの何れかになる。
(変動カテゴリの判定)
図17のステップS412の処理では、CPU103は、まず、ROM101に記憶されている複数の変動カテゴリ決定テーブル(当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数種類の変動カテゴリ決定テーブル)のなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。
図19は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。CPU103は、特図表示結果(例えば、ステップS403の判定結果など)や、保留記憶数(例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値など)に基づいて、図19に示すように、使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。
続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動カテゴリ決定テーブルと、図16に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データ(乱数値MR3の抽出値)とに基づいて、複数種類の変動カテゴリのなかから何れかの変動カテゴリを決定する。
図20は、変動カテゴリ決定テーブルの構成例を示す図である。図20(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」(図20(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図20(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図20(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」も同様)は、図16に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データ(乱数値MR3の抽出値)と比較される数値(判定値)が、複数種類の変動カテゴリに割り当てられている。
図20(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、判定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、0個が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、70個(「0」〜「69」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、27個(「70」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図20(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が0%(0÷100)、変動カテゴリ「PA2」が70%(70÷100)、変動カテゴリ「PA3」が27%(27÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図20(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、判定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、4個(「0」〜「3」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、85個(「4」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図20(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が4%(4÷100)、変動カテゴリ「PA2」が85%(85÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図20(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の設定例では、判定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、64個(「0」〜「63」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、25個(「64」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図20(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が64%(64÷100)、変動カテゴリ「PA2」が25%(25÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図20(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、判定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、20個(「0」〜「19」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB3」に割り当てられ、40個(「20」〜「59」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB4」に割り当てられ、40個(「60」〜「99」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB5」に割り当てられている。つまり、図20(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、変動カテゴリ「PB3」が20%(20÷100)、変動カテゴリ「PB4」が40%(40÷100)、変動カテゴリ「PB5」が40%(40÷100)の割合で決定される。
図20(A)〜図20(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多いときには、保留記憶数が少ないときに比べて、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA1」)の決定割合を高くしている。具体的には、特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「4」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「64%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「3」又「2」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「4%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「1」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「0%」としている。
また、図20(A)〜図20(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多くても少なくても、スーパーリーチ(ハズレ)の変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA4」又は変動カテゴリ「PA5」)の決定割合を一定にしている。具体的には、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」の決定割合「1%」とし、変動カテゴリ「PA4」の決定割合「2%」としている。
また、図20(A)〜図20(C)の設定例では、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一(共通)の変動カテゴリに対応する(同一の変動カテゴリが決定される)、判定値が存在するようにしている。つまり、乱数値MR3の抽出値が、ある値であれば、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一の変動カテゴリが決定されるようにしている。例えば、乱数値MR3の抽出値が「99」であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」が決定される。また、乱数値MR3の抽出値が「97」〜「98」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA4」が決定される。
また、乱数値MR3の抽出値が「89」〜「96」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA3」が決定される。また、乱数値MR3の抽出値が「64」〜「69」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA2」が決定される。これにより、乱数値MR3の抽出値がある値(上述の各範囲の値)であれば、リーチとなることや、スーパーリーチとなることや、スーパーリーチαやスーパーリーチβとなることを、あらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、それらを報知すること等もでき、遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、図20(A)〜図20(C)の設定例では、乱数値MR3の抽出値が「0」〜「69」の範囲の値であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA1」又は「PA2」が決定される。これにより、少なくともリーチとならないかを、あらかじめ容易に判定することもできる。
図14に示した始動入賞判定処理(ステップS101)に続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。その後、特図プロセスフラグの値は、ステップS111の変動パターン設定処理に対応する値(“1”)に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを送信するための送信設定処理などが含まれている。その後、特図プロセスフラグの値は、ステップS112の特別図柄変動処理に対応する値(“2”)に更新される。
なお、ステップS111の変動パターン設定処理では、以下のように変動パターンを決定してもよい。即ち、CPU103は、図16に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データ(乱数値MR3の抽出値)を用いて、図17に示した入賞時乱数値判定処理のステップS412と同様、変動カテゴリを判定する。続いて、CPU103は、判定結果である変動カテゴリに基づいて、ROM101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動パターン決定テーブルと、新たに抽出した変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動パターンのなかから何れかの変動パターンを決定してもよい。なお、始動入賞時処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3などに加え、変動パターン決定用の乱数値MR5を抽出し、記憶しておくことにより、ステップS111の変動パターン設定処理において、始動入賞時処理において記憶した変動パターン決定用の乱数値MR5を用いて、変動パターンを決定してもよい。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。その後、特図プロセスフラグの値は、ステップS113の特別図柄停止処理に対応する値(“3”)に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。特別図柄停止処理では、特図プロセスフラグの値は、ステップS110の特別図柄通常処理に対応する値(“0”)、又は、ステップS114の大当り開放前処理に対応する値(“4”)に更新される。具体的には、特別図柄の可変表示結果がハズレであるときには(大当りフラグがオフ状態となっているときには)、特図プロセスフラグの値は“0”に更新され、特別図柄の可変表示結果が大当りであるときには(大当りフラグがオン状態となっているときには)、特図プロセスフラグの値は“4”に更新される。
なお、大当り遊技状態の終了後に所定のST回数の特図ゲームが実行されたときには高確状態を終了させる態様とする場合や、大当り遊技状態の終了後に所定の時短回数の特図ゲームが実行されたときには高ベース状態を終了させる態様とする場合には、特別図柄停止処理において、可変表示結果がハズレとなるときに、変動回数を計数する処理(例えば、変動数カウント値を更新(1加算)する処理)や、高確状態や高ベース状態を終了させるか否かの判定処理(例えば、変動回数がST回数や時短回数に達したか否かの判定処理など)や、高確状態や高ベース状態を終了させる処理(例えば、確変フラグや高ベースフラグをオフ状態にする処理など)を実行してもよい。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、大当り開始指定コマンドを送信する設定を行う処理や、大当り遊技状態における大入賞口の開閉に関する設定処理(例えば、大当り種別に応じたラウンド最大実行回数の設定など)や、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号を供給することによって大入賞口を開放状態に制御させる処理などが含まれている。その後、特図プロセスフラグの値は、ステップS115の大当り開放中処理に対応する値(“5”)に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、大入賞口に入賞した遊技球(カウントスイッチ23によって検出された遊技球))の個数をカウントする処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に制御させるか否かを判定する処理や、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させることによって大入賞口を閉鎖状態に制御させる処理などが含まれている。その後、特図プロセスフラグの値は、ステップS116の大当り開放後処理に対応する値(“6”)に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。大当り開放後処理には、ラウンド最大実行回数に達したか否かを判定する処理や、ラウンド最大実行回数に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信する設定を行う処理などが含まれている。大当り開放後処理の実行後では、特図プロセスフラグの値は、ステップS115の大当り開放中処理に対応する値(“5”)、又は、ステップS117の大当り終了処理に対応する値(“7”)に更新される。具体的には、ラウンド最大実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値は“5”に更新され、ラウンド最大実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値は“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理には、エンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に応じた大当り終了後の遊技状態の設定を行う処理(例えば、第1大当りや第2大当りの場合に、確変フラグや高ベースフラグをオン状態にする処理など)などが含まれている。その後、特図プロセスフラグの値は、ステップS110の特別図柄通常処理に対応する値(“0”)に更新される。
図21は、特別図柄通常処理(ステップS110)の一例を示すフローチャートである。図21に示した特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;NO)、CPU103は、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、CPU103は、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であれば(ステップS231;YES)、CPU103は、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定したときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS235;NO)、CPU103は、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、CPU103は、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、特図表示結果決定テーブルをセットする(ステップS402)。例えば、CPU103は、図17(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS402と同様に、特図表示結果決定テーブルをセットすればよい。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、ステップS402の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を参照したが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を参照すればよい。
続いて、CPU103は、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ(乱数値MR1の抽出値)と、ステップS239にてセットした特図表示結果決定テーブル(使用テーブル)とに基づいて、特図表示結果を決定する(ステップS240)。ステップS240の処理では、CPU103は、図17(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS403と同様、乱数値MR1の抽出値と、使用テーブルにおける「大当り」に対する各判定値とを逐一比較し、あるいは、使用テーブルにおける「大当り」に対する判定値の最小値及び最大値と比較することにより、特図表示結果(「大当り」とするか「ハズレ」とするか)を決定すればよい。
ステップS240の処理に続いて、CPU103は、ステップS240にて決定した特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。「大当り」であれば(ステップS241;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。なお、大当りフラグは、ステップS117の大当り終了処理においてオフ状態にリセットされる。ステップS242の処理に続いて、CPU103は、大当り種別決定処理を実行する(S244)。ステップS244の大当り種別決定処理は、図17(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS409において実行される大当り種別判定処理(図18(A))と同様である。ステップS244の大当り種別決定処理に続いて、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定する(ステップS245)。つまり、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が何であるかを記憶する。一例として、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が、「第1大当り」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「第2大当り」であれば大当り種別バッファ値を「2」とし、「第3大当り」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、「第4大当り」であれば大当り種別バッファ値を「4」と設定してもよい。
ステップS241にて「大当り」ではないとき(ステップS241;NO)や、ステップS245の処理を実行した後には、CPU103は、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。ステップS248に続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新し(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」であれば(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図22は、特別図柄停止処理(ステップS113)の一例を示すフローチャートである。図22に示した特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS291)。大当りフラグがオン状態であれば(ステップS291;YES)、CPU103は、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理においては、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドの送信設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理においては、ROM101における当り開始指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して当り開始指定コマンドを送信するための設定を行う。続いて、CPU103は、高確フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS294)、高確ベースフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS295)。なお、高確フラグがオフ状態であればステップS294の処理を省略してもよい。また、高確ベースフラグがオフ状態であればステップS295の処理を省略してもよい。ステップS295の処理に続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新し(ステップS296)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフ状態であれば(ステップS291;NO)、CPU103は、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新し(ステップS298)、特別図柄停止処理を終了する。
なお、大当り遊技状態の終了後に所定のST回数の特図ゲームが実行されたときには高確状態を終了させる態様とする場合や、大当り遊技状態の終了後に所定の時短回数の特図ゲームが実行されたときには高ベース状態を終了させる態様とする場合には、ステップS291にて大当りフラグがオフ状態であるときに(ステップS291;NO)、例えば、変動数カウント値を更新(1加算)する処理や、例えば、変動回数カウント値がST回数や時短回数に達したか否かの判定処理などや、変動回数カウント値がST回数や時短回数に達したときに確変フラグや高ベースフラグをオフ状態にする処理などを実行してもよい。
図23は、大当り終了処理(ステップS117)の一例を示すフローチャートである。図23に示した大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、当該大当り終了処理の前に実行される大当り開放後処理(ステップS116)においては、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。当該大当り終了処理のステップS311の処理においては、CPU103は、例えば、遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。
ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。一方、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していれば(ステップS311;YES)、CPU103は、第1大当り、又は、第2大当りの何れかであるか否かを判定する(ステップS312)。例えば、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値に基づいて、第1大当り、又は、第2大当りの何れかであるか否かを判定すればよい。第1大当り、又は、第2大当りの何れかであるときは(ステップS312;YES)、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS313)。続いて、CPU103は、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS315)。つまり、ステップS313、ステップS315の処理によって、大当り遊技状態の終了時には、遊技状態が高確高ベース状態に設定される。
第1大当り、又は、第2大当りの何れかでないとき(ステップS312;NO)や、ステップS315の処理を実行した後には、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている大当り回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS316)。大当り回数カウント値が「0」であれば(ステップS316;YES)、大当り回数カウント値に「4」をセットする(ステップS318)。一方、大当り回数カウント値が「0」でなければ(ステップS316;NO)、大当り回数カウント値を減算する(ステップS320)。即ち、ステップS316、ステップS318、ステップS320の処理によれば、大当り回数カウント値は、「0」であるときには「0」から「4」に更新され(ステップS318)、「1」であるときには「1」から「0」に更新され(ステップS320)、「2」であるときには「2」から「1」に更新され(ステップS320)、「3」であるときには「3」から「2」に更新され(ステップS320)、「4」であるときには「4」から「3」に更新される(ステップS320)。
ステップS318、又は、ステップS320の処理に続いて、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新し(ステップS322)、大当り終了処理を終了する。
なお、大当り遊技状態の終了後に所定のST回数の特図ゲームが実行されたときには高確状態を終了させる態様とする場合や、大当り遊技状態の終了後に所定の時短回数の特図ゲームが実行されたときには高ベース状態を終了させる態様とする場合には、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過したときに(ステップS311;YES)、所定のST回数や所定の時短回数をセットするとともに、変動数カウント値を初期化(0をセット)してもよい。
以上のように、主基板11では、ステップS101の始動入賞判定処理において、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS219)、ステップS403などにおいて判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS410)、ステップS412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定(ステップS413)が行われ、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(ステップS221)。これらの処理が実行されてから、図13に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。
また、主基板11では、ステップS110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、ステップS111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5などを用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。
更に、ステップS111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図13に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどが、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(ステップS110)にて特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(ステップS111)にて飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)により、「大当り」として大当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。
また、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングにおいて実行する大当り種別判定処理(ステップS409)や、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングにおいて実行する大当り種別決定処理(ステップS244)では、大当り回数カウント値に基づいて、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)を大当り種別決定用の判定値と比較する値とするときと、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「199」の範囲の値)を大当り種別決定用の判定値と比較する値とするときとがある。
具体的には、大当り回数カウント値が「1」以外の値の場合、即ち、確変リミッタの機能を作動させる連荘回数に到達していない場合には(5連荘目の大当りでない場合には)、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)を大当り種別決定用の判定値と比較する値とし、第1大当り、又は、第2大当りの何れかが判定(決定)されるようにしている(図7〜図9参照)。一方、大当り回数カウント値が「1」の場合、即ち、確変リミッタの機能を作動させる連荘回数に到達した場合には(5連荘目の大当りである場合には)、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「199」の範囲の値)を大当り種別決定用の判定値と比較する値とし、第3大当り、又は、第4大当りの何れかが判定(決定)されるようにしている(図7〜図9参照)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図24のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図24に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフ状態であれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオン状態であれば(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74のコマンド解析処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図25は、図24に示した演出制御メイン処理のステップS74にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図25に示したコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;YES)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;NO)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;YES)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;NO)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;NO)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;NO)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;NO)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;YES)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;YES)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS503の処理において、第1保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
また、ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;YES)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;YES)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS505の処理において、第2保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、第1変動開始コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
また、第2変動開始コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納しないようにしてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;NO)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。例えば、受信コマンドが遊技状態指定コマンドである場合、その遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定する。また、例えば、受信コマンドが当り終了指定コマンドである場合、その当り終了指定コマンドを解析して、確変大当り(第1大当り、第2大当り)であるか、通常大当り(第3大当り、第4大当り)否かを特定する。
なお、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。また、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
図26は、図24に示す演出制御メイン処理のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理などが実行される。
ステップS150の入賞時演出決定処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理や、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)を実行する処理や、デモ演出の実行中にアイテムに関する各画面(例えば、図37(A)参照)を表示する処理などを含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値は、ステップS171の可変表示開始設定処理に対応する値(“1”)に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理や、各種の演出(例えば、主予告演出)を決定する処理や、アイテムの付与を決定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値は、ステップS172の可変表示中演出処理に対応する値(“2”)に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読み出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、読み出した制御データ(プロセスデータ)に基づき、映像信号(演出画像)を画像表示装置5に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板13に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板14に出力してランプ9を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値は、ステップS173の特図当り待ち処理に対応する値(“3”)に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、停止図柄が大当り図柄であるときにファンファーレ演出を設定する処理などを含んでいる。停止図柄が大当り図柄であるときには、演出プロセスフラグの値は、ステップS174の大当り開始処理に対応する値(“4”)に更新される。停止図柄が大当り図柄でないときは、演出プロセスフラグの値は、ステップS170の可変表示開始待ち処理に対応する値(“0”)に更新される。
なお、大当り遊技状態の終了後に所定のST回数の特図ゲームが実行されたときには高確状態を終了させる態様とする場合や、大当り遊技状態の終了後に所定の時短回数の特図ゲームが実行されたときには高ベース状態を終了させる態様とする場合には、特図当り待ち処理において、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドに基づいて、演出制御基板12の側で把握(記憶する)する遊技状態を更新してもよい。また、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドに代えて、停止図柄が大当り図柄でないときに変動回数を計数する処理(例えば、飾り図柄の変動回数を計数するための演出数カウント値を更新(1加算)する処理)や、高確状態や高ベース状態を終了させるか否かの判定処理(例えば、飾り図柄の変動回数がST回数や時短回数に達したか否かの判定処理など)を実行することによって、演出制御基板12の側で把握(記憶する)する遊技状態を更新してもよい。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開始処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態となる前に実行され、ファンファーレ演出を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときに実行する演出を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値は、ステップS175のラウンド中処理に対応する値(“5”)に更新される。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。ラウンド中処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行され、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときの演出を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となったときに実行する演出を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値は、ステップS177のラウンド後処理に対応する値(“6”)に更新される。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。ラウンド後処理は、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態であるときに実行され、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となったときの演出を実行する処理を含んでいる。また、主基板11からの大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となったときに実行する演出が設定され、演出プロセスフラグの値は、ステップS175のラウンド中処理に対応する値(“5”)に更新される。また、
基板11からの当り終了指定コマンドを受信したときには、エンディング演出を設定され、演出プロセスフラグの値は、ステップS177の大当り終了後処理に対応する値(“7”)に更新される。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了後処理は、エンディング演出を実行する処理や、確変大当り(第1大当り、第2大当り)であるときには、演出制御基板12の側で把握(記憶する)する遊技状態を高確状態にセットする処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値は、ステップS170の可変表示開始待ち処理に対応する値(“0”)に更新される。
なお、大当り遊技状態の終了後に所定のST回数の特図ゲームが実行されたときには高確状態を終了させる態様とする場合や、大当り遊技状態の終了後に所定の時短回数の特図ゲームが実行されたときには高ベース状態を終了させる態様とする場合であって、ステップS173の特図当り待ち処理において演出数カウント値を更新(1加算)する態様とするときには、当該大当り終了後処理において演出数カウント値を初期化(0をセット)してもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001では、第1の実施形態によるパチンコ遊技機1と同様、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行わずに当該抽出値に基づいて大当り種別を決定する場合と、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行い、当該演算結果に基づいて大当り種別を決定する場合とがある。
図27は、第2の実施形態による大当り種別の決定方法を説明するための説明図である。第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001では、図27に示すように、大当り回数カウント値が「0」である場合には、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に対して演算処理を行わずに当該抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。大当り回数カウント値が「2」又は「3」又は「4」である場合には、乱数値MR2の抽出値が「0」〜「79」の範囲の値であるときには当該抽出値(「0」〜「79」の範囲の値)に対して演算処理を行わずに当該抽出値(「0」〜「79」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定し、乱数値MR2の抽出値が「80」〜「99」の範囲の値であるときには当該抽出値(「80」〜「99」の範囲の値)に対して演算処理(「100」を加算)を行い、当該演算結果(「180」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。大当り回数カウント値が「1」である場合には、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に対して演算処理(「100」を加算)を行い、当該演算結果(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。
図28は、第2の実施形態による大当り種別決定テーブルの構成例等を示す図である。図28(A)は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル1131Aの構成例を示している。大当り種別決定テーブル1131Aは、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。図28(A)の大当り種別決定テーブル1131Aの設定例では、図46(B)に示すように、大当り種別決定用の判定値として、「0」〜「79」の範囲の値が第1大当りに割り当てられ、「80」〜「99」の範囲の値が第2大当りに割り当てられ、「100」〜「163」、「180」〜「195」の範囲の値が第3A大当り(15R通常時短有大当り)に割り当てられ、「164」〜「179」、「196」〜「199」の範囲の値が第4大当りに割り当てられている。
図28(B)は、夫々の大当り種別について説明するための説明図である。図28(B)に示すように、第1大当りは、特図の図柄が「7.」(ドット有7)、ラウンド数が「15ラウンド」、大当り後の状態が「高確高ベース状態」である大当りである。即ち、第1大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7.」(ドット有7)が停止表示し、15ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第1大当りの終了後には高確高ベース状態に制御される。第2大当りは、特図の図柄が「3.」(ドット有3)、ラウンド数が「8ラウンド」、大当り後の状態が「高確高ベース状態」である大当りである。即ち、第2大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「3.」(ドット有3)が停止表示し、8ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第2大当りの終了後には高確高ベース状態に制御される。第3A大当りは、特図の図柄が「7 」(ドット無7)、ラウンド数が「15ラウンド」、大当り後の状態が「低確高ベース状態」である大当りである。即ち、第3A大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7 」(ドット無7)が停止表示し、15ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第3A大当りの終了後には低確高ベース状態に制御される。第4大当りは、特図の図柄が「3 」(ドット無3)、ラウンド数が「8ラウンド」、大当り後の状態が「低確低ベース状態」である大当りである。即ち、第4大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「3 」(ドット無3)が停止表示し、8ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第4大当りの終了後には低確低ベース状態に制御される。
図29は、第2の実施形態によるパチンコ遊技機の遊技状態の変化等を説明するための説明図である。図29に示すように、第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001は、大当り回数カウント値が「0」であるときには、約345分の1の大当り確率(190/65536)で第1大当り(振分率は80/100)、又は、第2大当り(振分率は20/100)となる。大当り回数カウント値が「0」であるときに、第1大当り、又は、第2大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「4」に制御(更新)される。また、大当り回数カウント値が「0」であって低確高ベース状態であるときには、所定回数(例えば、100回等)の変動終了後に、低確低ベース状態に制御(更新)される。
また、大当り回数カウント値が「4」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1大当り(振分率は80/100)、又は、第3A大当り(振分率は16/100)、又は、第4大当り(振分率は4/100)となる。大当り回数カウント値が「4」であるときに、第1大当りとなったときは大当り回数カウント値は「3」に制御(更新)され、第3A大当り又は第4大当りとなったときは大当り回数カウント値は「0」に制御(更新)される。
大当り回数カウント値が「3」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1大当り(振分率は80/100)、又は、第3A大当り(振分率は16/100)、又は、第4大当り(振分率は4/100)となる。大当り回数カウント値が「3」であるときに、第1大当りとなったときは大当り回数カウント値は「2」に制御(更新)され、第3A大当り又は第4大当りとなったときは大当り回数カウント値は「0」に制御(更新)される。
大当り回数カウント値が「2」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1大当り(振分率は80/100)、又は、第3A大当り(振分率は16/100)、又は、第4大当り(振分率は4/100)となる。大当り回数カウント値が「2」であるときに、第1大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「1」に制御(更新)され、第3A大当り又は第4大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「0」に制御(更新)される。
大当り回数カウント値が「1」であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で、第3A大当り(振分率は80/100)、又は、第4大当り(振分率は20/100)となる。大当り回数カウント値が「1」であるときに、第3A大当り、又は、第4大当りとなったときは、大当り回数カウント値は「0」に制御される。
つまり、第1の実施形態によるパチンコ遊技機1と、第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001とは、大当り種別、大当り種別決定用の判定値、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行うか否かの条件などが異なる。
具体的には、第1の実施形態のパチンコ遊技機1では、図8(B)に示すように、大当りの終了後に高ベース状態に制御される通常大当りがないが、第2の実施形態のパチンコ遊技機1001では、図28(B)に示すように、大当りの終了後に高ベース状態に制御される通常大当り(第3A大当り)がある。
また、大当り回数カウント値が「2」又は「3」又は「4」である場合、第1の実施形態では、図7に示すように、乱数値MR2の抽出値が「0」〜「99」の何れの値であっても当該抽出値に対して演算処理を行わずに当該抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定するのに対し、第2の実施形態では、図27に示すように、乱数値MR2の抽出値が「80」〜「99」の範囲にあるときには当該抽出値に対して演算処理(「100」を加算)を行い、当該演算結果(「180」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。
また、第1の実施形態では、大当り回数カウント値が「0」又は「2」又は「3」又は「4」である場合には、乱数値MR2の抽出値が何れの値(「0」〜「99」の範囲の値)であっても当該抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定するため、通常大当り(第3大当り、第4大当り)が決定されないが、第2の実施形態では、大当り回数カウント値が「2」又は「3」又は「4」である場合には、乱数値MR2の抽出値が第2大当りに対応する値(「80」〜「99」の範囲の値)であるときには当該抽出値(「80」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した合算値(「180」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定するため、通常大当り(第3A大当り、第4大当り)が決定される場合がある。
(大当り種別の判定)
図18(B)は、第2の実施形態における大当り種別判定処理、及び、大当り種別決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図18(B)に示した大当り種別判定処理(大当り種別決定処理)において、図18(A)に示した大当り種別判定処理(大当り種別決定処理)と共通する処理には、同一のステップ番号を付している。
図18(B)に示した大当り種別判定(決定)処理において、CPU103は、まず、大当り回数カウント値が「1」であるか否かを判定する(ステップS420)。大当り回数カウント値が「1」でないときは(ステップS420;NO)、CPU103は、大当り回数カウント値が「2」以上であるか否かを判定する(ステップS421)。大当り回数カウント値が「2」以上であるときは(ステップS421;YES)、CPU103は、乱数値MR2の抽出値が「80」以上(第2大当りに対応する範囲)であるか否かを判定する(ステップS422)。
大当り回数カウント値が「2」以上でないとき(ステップS421;NO)や、乱数値MR2の抽出値が80以上でないとき(ステップS422;NO)は、CPU103は、乱数値MR2の抽出値を、大当り種別決定用の判定値と比較する値とする(ステップS423)。一方、大当り回数カウント値が「1」であるとき(ステップS420;YES)や、乱数値MR2の抽出値が「80」以上であるとき(ステップS422;YES)は、CPU103は、大当り種別決定用の判定値と比較する値として、乱数値MR2の抽出値に「100」を加算する(ステップS424)。
ステップS423、又は、ステップS424の処理に続いて、CPU103は、大当り種別決定テーブル131に基づいて大当り種別を決定(判定)する(ステップS425)。そして、図18(B)に示した大当り種別判定処理(大当り種別決定処理)を終了する。
なお、図18(B)のステップS425の処理では、CPU103は、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」と、図28(A)に示した大当り種別決定テーブル1131Aにおける夫々の大当り種別(第1大当り、第2大当り、第3A大当り、第4大当り)に対する各判定値とを逐一比較することにより、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」が、夫々の大当り種別の何れの判定値の範囲内であるかを決定(判定)する。あるいは、CPU103は、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」と、夫々の大当り種別に対する各判定値の最小値及び最大値と比較することにより、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」が、夫々の大当り種別の何れの判定値の範囲内であるかを決定(判定)してもよい。
図18(B)に示した大当り種別判定処理によれば、大当り回数カウント値が「0」であるときは(ステップS420;NO、ステップS421;NO)、即ち、初当りのときには、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて、大当り種別が決定(判定)されるため(ステップS423、ステップS425)、図27、図28(A)に示すように、第1大当りか第2大当りの何れかになる。また、大当り回数カウント値が「2」以上であって且つ乱数値MR2の抽出値が「79」以下であるときは(ステップS420;NO、ステップS421;YES、ステップS422;NO)、即ち、2連荘目〜4連荘目迄の大当りであって乱数値MR2の抽出値が「0」〜「79」の範囲の値であるときには、当該抽出値(「0」〜「79」の範囲の値)に基づいて、大当り種別が決定(判定)されるため(ステップS423、ステップS425)、図27、図28(A)に示すように、第1大当りになる。
一方、大当り回数カウント値が「2」以上であって且つ乱数値MR2の抽出値が「80」以上であるときは(ステップS420;NO、ステップS421;YES、ステップS422;YES)、即ち、2連荘目〜4連荘目迄の大当りであって乱数値MR2の抽出値が「80」〜「99」の範囲の値であるときには、当該抽出値(「80」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「180」〜「199」の範囲の値)に基づいて、大当り種別が決定(判定)されるため(ステップS424、ステップS425)、図27、図28(A)に示すように、第3A大当りか第4大当りの何れかになる。また、大当り回数カウント値が「1」であるときは(ステップS420;YES)、即ち、5連荘目迄の大当りのときには、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて、大当り種別が決定(判定)されるため(ステップS424、ステップS425)、図27、図28(A)に示すように、第3A大当りか第4大当りの何れかになる。
なお、第2の実施形態におけるパチンコ遊技機1001では、大当り後の状態が「低確高ベース状態となる第3A大当りが存在するため、大当り終了処理(ステップS117)は、例えば、以下のようにしてもよい。
図30は、第2の実施形態における大当り終了処理(ステップS117)の一例を示すフローチャートである。なお、図30に示した大当り終了処理において、図23に示した大当り終了処理と共通する処理には、同一のステップ番号を付している。
図30に示した大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。一方、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していれば(ステップS311;YES)、CPU103は、第1大当り、又は、第2大当りの何れかであるか否かを判定する(ステップS312)。第1大当り、又は、第2大当りの何れかであるときは(ステップS312;YES)、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS313)、続いて、CPU103は、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS315)。
第1大当り、又は、第2大当りの何れかでないときは(ステップS312;NO)、CPU103は、第3A大当りであるか否かを判定する(ステップS314)。第3A大当りであるときは(ステップS314;YES)、CPU103は、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS315)。
第3A大当りでないとき(ステップS314;NO)や、ステップS315の処理を実行した後には、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている大当り回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS316)。大当り回数カウント値が「0」であれば(ステップS316;YES)、大当り回数カウント値に「4」をセットする(ステップS318)。一方、大当り回数カウント値が「0」でなければ(ステップS316;NO)、CPU103は、第3A大当り、又は、第4大当りであるか否かを判定する(ステップS317)。第3A大当り、又は、第4大当りであるときは(ステップS317;YES)、大当り回数カウント値に「0」をセットし(ステップS319)、第3A大当り、又は、第4大当りでないときは(ステップS317;NO)、大当り回数カウント値を減算する(ステップS320)。
ステップS318、ステップS319、又は、ステップS320の処理に続いて、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新し(ステップS322)、大当り終了処理を終了する。
図31は、図13のステップS13の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図31に示したフローチャートでは、大当り遊技状態又は高ベース状態であるときに、遊技状態を示す信号(特定信号)を外部出力する処理について示し、特定信号以外の信号(例えば、大当り情報や始動情報、確率変動情報、入賞情報、賞球情報など)を外部出力する処理については省略しているが、実際には、情報出力処理では、特定信号以外の信号も外部出力される。
図31に示した情報出力処理において、CPU103は、まず、大当り遊技状態又は高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS1001)。例えば、CPU103は、特図プロセスフラグの値が4〜7のいずれかの値であるか、又は、高ベースフラグがオン状態であるかを確認することにより、大当り遊技状態又は高ベース状態であるか否かを判定してもよい。
大当り遊技状態又は高ベース状態でなければ(ステップS1001;NO)、ステップS1005の処理に進む。大当り遊技状態又は高ベース状態であれば(ステップS1001;YES)、CPU103は、停電復旧時のときには、出力待機フラグ及び待機期間タイマをバックアップRAMに記憶された状態から復旧させる(S1001a)。
出力待機フラグは、特定信号の出力を待機させるために用いられるフラグである。出力待機フラグは、特定信号の出力を所定の待機期間停止させるときにセットされる。具体的には、大当り回数カウント値が「1」であるときに第3A大当りとなった場合にセットされる。例えば、図30に示した大当り終了処理において大当り回数カウント値が「1」であって且つ第3A大当りであるか否かを判定し、大当り回数カウント値が「1」であって且つ第3A大当りであるときに、出力待機フラグをセットしてもよい。また、出力待機フラグは、所定の待機期間が経過したときにリセットされる。
待機期間タイマは、特定信号の出力を待機させるためのタイマである。具体的には、大当り回数カウント値が「1」であるときに第3A大当りとなった場合に、特定信号の出力を待機させる期間(特定信号の出力を再開させる迄の時間)を経時するタイマである。
出力待機フラグ及び待機期間タイマは、例えば、RAM102の所定の記憶領域に記憶されていればよい。出力待機フラグ及び待機期間タイマによって、確変リミッタ機能が作動した大当りの大当り遊技状態の終了後に遊技状態が高ベース状態に移行されたことを外部装置(例えば、ホールコンピュータ)が認識することができる。
なお、出力待機フラグ及び待機期間タイマは、図13に示した遊技制御用タイマ割込み処理において実行される電源断検出処理(図13では非図示)にて電源断信号の出力が検出されるとバックアップRAMに記憶される。つまり、ステップS1001aの処理では、バックアップRAMに出力待機フラグや待機期間タイマが記憶されていれば、それらのデータをRAM102の所定の記憶領域に記憶させる。そのため、遊技機への電力供給が停止しても出力待機フラグ及び待機期間タイマが保持されるので、遊技機への電力供給停止後に再び電力供給が開始されても復旧処理が実行された場合には、出力待機フラグ及び待機期間タイマが保持されていることに基づいて情報出力処理が実行されることにより、停電復旧後に再び出力待機フラグ及び待機期間タイマの状態に基づく特定信号の外部出力が再開されることになる。なお、電源断検出処理において、停電復旧時に新たに待機期間タイマに所定の待機期間(本例では4秒)をセットするようにしてもよい。
ステップS1001aの処理に続いて、CPU103は、待機期間タイマの値が0より大きいか否か(即ち待機期間タイマが作動中であるか否か)を判定する(ステップS1002)。待機期間タイマの値が0より大きくない場合(ステップS1002;NO)、即ち待機期間タイマが作動していない場合には、CPU103は、出力待機フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1003)。出力待機フラグがセットされていないときには(ステップS1003;NO)、CPU103は、情報バッファの特定信号出力ビット位置をセットし(ステップS1004)、ステップS1005の処理に進む。出力待機フラグがセットされているときには(ステップS1003;YES)、CPU103は、待機期間タイマに所定の待機期間(本例では4秒)をセットし(ステップS1007)、ステップS1005の処理に進む。
また、ステップS1002において、待機期間タイマの値が0より大きい場合(ステップS1002;YES)、即ち待機期間タイマが作動中である場合には、CPU103は、待機期間タイマの値を1減算する(ステップS1008)。減算した結果、待機期間タイマがタイムアウトすれば(ステップS1009;YES)、出力待機フラグをリセットし(ステップS1010)、ステップS1005に進む。減算した結果、待機期間タイマがタイムアウトしなければ(ステップS1009;NO)、出力待機フラグをリセットせずに、ステップS1005に進む。
ステップS1003、S1004、S1007、S1008、S1009、S1010の処理が実行されることによって、確変リミッタの機能が作動した大当りの大当り遊技状態の終了後の遊技状態が低確高ベース状態となるときに(例えば、図29に示す例において、大当り回数カウント値が「1」であるときに、第3A大当りとなり、第3A大当りの大当り遊技状態の終了後に遊技状態が低確高ベース状態となるときに)、特定信号の出力が所定の待機期間停止された後に再度出力される。従って、外部装置は、特定信号の出力が所定の待機期間停止された後に再度出力されたことを認識することで、確変リミッタの機能が作動した大当りの大当り遊技状態の終了後に遊技状態が高ベース状態に制御されたことを認識することができる。例えば、外部装置は、特定信号の出力が停止されると、タイマを作動させ、所定の待機期間(本例では4秒)後に特定信号の出力が再開されるか否かを確認し、出力が再開された場合には、確変リミッタの機能が作動した大当りの大当り遊技状態の終了後の遊技状態が低確高ベース状態となったと判断し、出力が再開されなかった場合には、低確低ベース状態となったと判断する。
ステップS1004、S1007、S1009(NO)、S1000の処理に続いて、CPU103は、情報バッファを出力値にセットし(ステップS1005)、出力値を出力ポートに出力する(ステップS1006)。これにより、特定信号が出力ポートから出力される(オン状態となる)。なお、例えば、特定信号以外の信号(例えば、大当り情報や始動情報、確率変動情報、入賞情報、賞球情報など)を外部出力する場合には、CPU103は、情報バッファの夫々の信号の出力ビット位置をセットし、情報バッファを出力値にセットし、出力値を出力ポートに出力すればよい(ステップS1004、S1005、S1006)。
なお、本例では、図13に示すように、タイマ割込ごとに情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットし(ステップS1004)、情報バッファを出力値にセットし(ステップS1005)、出力値を出力ポートに出力し(ステップS1005)、出力ポートから外部出力する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、値が「1」にセットされている間、信号は出力が継続される。また、特定信号の出力ビット位置がセットされずに(ステップS1001、S1007、S1009、S1010の処理の後に)、ステップS1005,S1006の処理が実行される場合には、特定信号に対応する出力ビットの値が「1」にセットされていないため、特定信号は出力ポートから外部出力されない。
また、電源断検出処理においては、電源断信号の出力が検出されると、出力待機フラグ及び待機期間タイマがバックアップRAMに記憶されるが、上述の情報バッファ(又は情報バッファのうちのいずれの出力ビット位置がセットされているかを示すデータ)も合わせてバックアップRAMに記憶されるように構成してもよい。このように構成することによって、特定信号の出力中に遊技機への電力供給が停止し、再び電力供給が開始されても復旧処理(例えば、ステップS1001aにてバックアップRAMに記憶されている出力待機フラグ、待機期間タイマ及び情報バッファをRAM102の所定の記憶領域に記憶させる処理)が実行された場合には、出力待機フラグ、待機期間タイマ及び情報バッファが保持されていることに基づいて情報出力処理が実行されることにより、停電復旧後に再び情報バッファに基づく特定信号の外部出力が再開されることになる。
以上に示した処理によって、大当り遊技状態又は高ベース状態のときには、特定信号が継続的に出力されるため、大当り遊技状態又は高ベース状態に制御されていることを外部装置で認識することができる。また、大当り遊技状態又は高ベース状態であっても、待機期間タイマが作動している間(待機期間(本例では4秒間))は特定信号の出力が行われないため(つまり特定信号の出力が4秒間停止されるため)、確変リミッタの機能が作動した大当り(即ち、大当り回数カウント値が「1」であるときの大当り)の大当り遊技状態の終了後に遊技状態が高ベース状態に制御されたことを外部装置で認識することができる。
次に、特定信号の出力タイミングについて説明する。図32及び図33は、特定信号の出力例を示すタイムチャートである。図32は、特別図柄が変動状態から停止状態になり、第1大当り(又は第2大当り)が発生して、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態の終了後に、高確高ベース状態に制御されている旨を示している。図32に示すように、特定信号は、大当り遊技状態の期間中、及び、大当り遊技状態の終了後の高ベース状態の期間中において出力される。
確変リミッタの機能が作動して第3A大当りとなった場合(大当り回数カウンタの値が1であるときに大当りとなった場合)、大当り遊技状態の終了後に高確状態に制御されないが、高ベース状態には制御される(即ち、低確高ベース状態にに制御される)。この場合、特定信号は、待機期間中(本例では4秒)は出力が一旦停止され、待機期間経過後に再度出力される。つまり、特定信号は、高ベース状態に制御されているときには、原則的に出力されるが、確変リミッタの機能が作動した大当りの大当り遊技状態の終了後に高ベース状態に制御されたときには、待機期間(本例では4秒)が経過するまでは、出力が一旦停止される。
これにより、大当り遊技状態又は高ベース状態に制御されていることと、確変リミッタの機能が作動した大当りの大当り遊技状態の終了後に遊技状態が高ベース状態に制御されたこととを外部装置で認識可能にすることを単一の信号出力手段を用いて実現(本例では、情報バッファの特定信号出力ビット等によって実現)することができる。
また、確変リミッタの機能が作動して5連荘目に第3A大当りなったことが特定信号によって認識できるため、例えば、5連荘目の第3A大当りの終了後の低確高ベース状態(大当り回数カウント値が「1」から「0」になったときの低確高ベース状態)において、第1大当り(又は第2大当り)となり、再度、大当り回数カウント値が「4」である高確高ベース状態に制御され、大当りが再度連荘した場合であっても、最初の5連荘と、低確高ベース状態に一旦落ちた後の再度の連荘とを区別することができる。
なお、図32に示すように、本例では、待機期間が4秒間設けられているが、待機期間は任意の期間であってよい。但し、大当り遊技状態の終了後、1回目の特別ゲームの実行によって新たに大当りが発生し、それに基づいて特定信号を出力することも考えられる。即ち、待機期間が経過する前に新たに特定信号を出力する必要が生じることが考えられる。そのため、大当りとなるときの変動時間(変動パターン)を待機期間以上とするか、又は、短縮変動も含め何れの変動時間(変動パターン)よりも待機期間が短くなるようにすることが望ましい。
また、本例では、確変リミッタの機能が作動した第3A大当りの大当り遊技終了後から待機期間(本例では4秒)が経過するまで、特定信号の出力を一旦停止させているが、待機期間を開始するタイミングは、図32に示す例に限らず、例えば、図33に示すようにしてもよい。図33に示す例では、確変リミッタの機能が作動した第3A大当りの大当り遊技終了後から第1期間(図33の例では1秒間)まで特定信号の出力が継続され、その後、第2期間(図33の例では4秒間)が経過するまで、特定信号の出力を一旦停止させている。図32及び図33に示すように、待機期間を任意のタイミングで開始しても、特定信号の出力を一旦停止させることによって、確変リミッタの機能が始動した第3A大当りの大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されたことを外部装置で認識することができる。また、大当り遊技状態又は高ベース状態に制御されていることと、確変リミッタの機能が始動した第3A大当りの大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されたこととを外部装置で認識可能にすることを単一の信号出力手段を用いて実現することができる。
また、特定信号の一旦停止によって確変リミッタの機能が作動して第3A大当りなっと認識できるため、例えば、5連荘目の第3A大当り(初当りが第1大当り(又は第2大当り)→2連荘目が第1大当り→3連荘目が第1大当り→4連荘目が第1大当り→5連荘目が第3A大当り)の終了後の低確高ベース状態において、第1大当り(又は第2大当り)となり、大当り回数カウント値が「4」である高確高ベース状態に制御され、大当りが再度連荘した場合であっても、確変リミッタの機能の作動による第3A大当り迄の5連荘と、低確高ベース状態に制御された後の再度の連荘と、を区別することができる。
なお、本例では、確変リミッタの機能が作動した大当りの後に低確高ベース状態となったときに(大当り回数カウント値が「1」であるときに第3A大当りとなったときに)、出力待機フラグをセット(特定信号の出力を所定の待機期間停止)するが、確変リミッタの機能が作動せずに大当り後に低確高ベース状態となったときにも(大当り回数カウント値が「2」、「3」、「4」であるときに第3A大当りとなったときにも)、出力待機フラグをセット(特定信号の出力を所定の待機期間停止)してもよい。
これにより、例えば、3連荘目の第3A大当り(初当りが第1大当り(又は第2大当り)→2連荘目が第1大当り→3連荘目が第3A大当り)の終了後の低確高ベース状態において、第1大当り(又は第2大当り)となり、大当り回数カウント値が「4」である高確高ベース状態に制御され、大当りが再度連荘した場合であっても、第3A大当り迄の3連荘と、低確高ベース状態に制御された後の再度の連荘と、を区別することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態によるパチンコ遊技機1(第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001も同様)では、大当り回数カウント値に応じて、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行わずに当該抽出値に基づいて大当り種別を決定する場合と、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行い、当該演算結果に基づいて大当り種別を決定する場合とがあったが、第3の実施形態によるパチンコ遊技機1002では、第1特図の変動であるか第2特図の変動であるかに応じて(第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかに応じて)、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行わずに当該抽出値に基づいて大当り種別を決定する場合と、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行い、当該演算結果に基づいて大当り種別を決定する場合とがある。
図34は、第3の実施形態(第4の実施形態も同様)による大当り種別判定(決定)処理の一例を示すフローチャートである。図34に示した大当り種別判定(決定)処理において、CPU103は、まず、第2特図の変動であるか否かを判定する(ステップS1420)。
第2特図の変動でないときは(ステップS1420;NO)、CPU103は、図16に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ(乱数値MR2の抽出値)を、大当り種別決定用の判定値と比較する値とする(ステップS1423)。一方、第2特図の変動であるときは(ステップS1420;YES)、CPU103は、大当り種別決定用の判定値と比較する値として、乱数値MR2の抽出値に「100」を加算する(ステップS1424)。
ステップS1423、又は、ステップS1424の処理に続いて、CPU103は、大当り種別決定テーブル1131B(後述)に基づいて大当り種別を決定(判定)する(ステップS1425)。そして、図34に示した大当り種別判定処理(大当り種別決定処理)を終了する。
なお、図34のステップS1425の処理では、CPU103は、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」と、大当り種別決定テーブル1131B(図36(A)参照)における夫々の大当り種別(後述する、第1A大当り、第1B大当り)に対する各判定値とを逐一比較することにより、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」が、夫々の大当り種別の何れの判定値の範囲内であるかを決定(判定)する。あるいは、CPU103は、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」と、夫々の大当り種別に対する各判定値の最小値及び最大値と比較することにより、「大当り種別決定用の判定値と比較する値」が、夫々の大当り種別の何れの判定値の範囲内であるかを決定(判定)してもよい。
図35は、第3の実施形態による大当り種別の決定方法を説明するための説明図である。第3の実施形態によるパチンコ遊技機1002では、図35に示すように、変動特図が特図1である場合には、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に対して演算処理を行わずに当該抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。変動特図が特図2である場合には、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に対して演算処理(「100」を加算)を行い、当該演算結果(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。
図36は、第3の実施形態による大当り種別決定テーブルの構成例等を示す図である。図36(A)は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル1131Bの構成例を示している。大当り種別決定テーブル1131Bは、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。図36(A)の大当り種別決定テーブル1131Bの設定例では、図46(C)に示すように、大当り種別決定用の判定値として、「0」〜「49」、「100」〜「119」の範囲の値が第1A大当り(8R通常時短無大当り)に割り当てられ、「50」〜「99」、「120」〜「199」の範囲の値が第1B大当り(15R確変大当り)に割り当てられている。
図36(B)は、夫々の大当り種別について説明するための説明図である。図36(B)に示すように、第1A大当りは、特図の図柄が「7 」(ドット無7)、ラウンド数が「8ラウンド」、大当り後の状態が「低確低ベース状態」である大当りである。即ち、第1A大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7 」(ドット無7)が停止表示し、8ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第1A大当りの終了後には低確低ベース状態に制御される。第1B大当りは、特図の図柄が「7.」(ドット有7)、ラウンド数が「15ラウンド」、大当り後の状態が「高確高ベース状態」である大当りである。即ち、第1B大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7.」(ドット有7)が停止表示し、15ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第1B大当りの終了後には高確高ベース状態に制御される。
図37は、第3の実施形態によるパチンコ遊技機の遊技状態の変化等を説明するための説明図である。なお、説明の便宜上、低ベース状態であるときには変動特図は特図1、高ベース状態であるときには変動特図は特図2であるものとする。図37に示すように、第3の実施形態によるパチンコ遊技機1002は、変動特図が特図1であるときには(低確低ベース状態であるときには)、約345分の1の大当り確率(190/65536)で第1A大当り(振分率は50/100)、又は、第1B大当り(振分率は50/100)となる。変動特図が特図2であるときには(高確高ベース状態であるときには)、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1A大当り(振分率は20/100)、又は、第1B大当り(振分率は80/100)となる。第1A大当りとなったときには、大当り後に低確低ベース状態に制御され、第1B大当りとなったときには、大当り後に高確高ベース状態に制御される。
図38(A)は、第3の実施形態における大当り終了処理(ステップS117)の一例を示すフローチャートである。なお、図38(A)に示した大当り終了処理において、図23に示した大当り終了処理と共通する処理には、同一のステップ番号を付している。
図38(A)に示した大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。一方、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していれば(ステップS311;YES)、CPU103は、第1B大当りであるか否かを判定する(ステップS312A)。第1B大当りであるときは(ステップS312A;YES)、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS313)。続いて、CPU103は、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS315)。
第1B大当りでないとき(ステップS312A;NO)や、ステップS315の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新し(ステップS322)、大当り終了処理を終了する。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態を説明する。第4の実施形態によるパチンコ遊技機1003では、第3の実施形態によるパチンコ遊技機1002と同様、第1特図の変動であるか第2特図の変動であるかに応じて(第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかに応じて)、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行わずに当該抽出値に基づいて大当り種別を決定する場合と、乱数値MR2の抽出値に対して演算処理を行い、当該演算結果に基づいて大当り種別を決定する場合とがある。
図39は、第4の実施形態による大当り種別の決定方法を説明するための説明図である。第4の実施形態によるパチンコ遊技機1003では、図39に示すように、変動特図が特図1である場合には、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に対して演算処理を行わずに当該抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。変動特図が特図2である場合には、乱数値MR2の抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に対して演算処理(「100」を加算)を行い、当該演算結果(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定する。
図40は、第4の実施形態による大当り種別決定テーブルの構成例等を示す図である。図40(A)は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル1131Cの構成例を示している。大当り種別決定テーブル1131Cは、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。図40(A)の大当り種別決定テーブル1131Cの設定例では、図46(D)に示すように、大当り種別決定用の判定値として、「0」〜「79」の範囲の値が第1−1大当り(8R通常時短有大当り)に割り当てられ、「80」〜「199」の範囲の値が第1−2大当り(15R確変大当り)に割り当てられている。
図40(B)は、夫々の大当り種別について説明するための説明図である。図40(B)に示すように、第1−1大当りは、特図の図柄が「7 」(ドット無7)、ラウンド数が「8ラウンド」、大当り後の状態が「低確高ベース状態」である大当りである。即ち、第1−1大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7 」(ドット無7)が停止表示し、8ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第1−1大当りの終了後には低確高ベース状態に制御される。第1−2大当りは、特図の図柄が「7.」(ドット有7)、ラウンド数が「15ラウンド」、大当り後の状態が「高確高ベース状態」である大当りである。即ち、第1−2大当りとなるときは、大当り図柄として特別図柄「7.」(ドット有7)が停止表示し、15ラウンドの通常開放ラウンドが実行され、第1−2大当りの終了後には高確高ベース状態に制御される。
図41は、第4の実施形態によるパチンコ遊技機の遊技状態の変化等を説明するための説明図である。なお、説明の便宜上、低ベース状態であるときには変動特図は特図1、高ベース状態であるときには変動特図は特図2であるものとする。図41に示すように、第4の実施形態によるパチンコ遊技機1003は、変動特図が特図1であって低確低ベース状態であるときには、約345分の1の大当り確率(190/65536)で第1−1大当り(振分率は80/100)、又は、第1−2大当り(振分率は20/100)となる。変動特図が特図2であって低確高ベース状態であるときには、約345分の1の大当り確率(190/65536)で第1−2大当り(振分率は100/100)となる。
変動特図が特図2であって高確高ベース状態であるときには、約80分の1の大当り確率(819/65536)で第1−2大当り(振分率は100/100)となる。第1−1大当りとなったときには、大当り後に低確高ベース状態に制御され、第1−2大当りとなったときには、大当り後に高確高ベース状態に制御される。
また、低確高ベース状態であるときには、所定の第1回数(例えば、70回等)の変動終了後に、低確低ベース状態に制御(更新)され、高確高ベース状態であるときには、所定の第2回数(例えば、100回等)の変動終了後に、低確低ベース状態に制御(更新)される。なお、第1回数は、第2回数よりも少なくてもよい。また、第2回数と第1回数とが同数であってもよい。
図38(B)は、第4の実施形態における大当り終了処理(ステップS117)の一例を示すフローチャートである。なお、図38(B)に示した大当り終了処理において、図38(A)に示した大当り終了処理と共通する処理には、同一のステップ番号を付している。
図38(B)に示した大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。一方、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していれば(ステップS311;YES)、CPU103は、第1−2大当りであるか否かを判定する(ステップS312B)。第1−2大当りであるときは(ステップS312B;YES)、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS313)。続いて、CPU103は、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS315)。
第1−2大当りでないときは(ステップS312B;NO)、CPU103は、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS315)。
ステップS315に続いて、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新し(ステップS322)、大当り終了処理を終了する。
図42〜図45は、大当り図柄等について説明する説明図である。
第1の実施形態のパチンコ遊技機1では、第1条件が成立しているときの大当り(第1条件下の大当り)は、図42(A)に示すように、第1大当り、又は、第2大当りである。図42(A)において、第1条件とは、確変リミッタ未到達の状態(確変リミッタの機能が作動しない状態)であるという条件、換言すれば、大当り回数カウント値が「1」以外の値であるという条件である。図42(B)、図43(A)、図43(B)、図45(A)、図45(B)の夫々における、第1条件についても同様である。
また、第1の実施形態のパチンコ遊技機1では、第2条件が成立しているときの大当り(第2条件下の大当り)は、図42(A)に示すように、第3大当り、又は、第4大当りである。図42(A)において、第2条件とは、確変リミッタ到達の状態(確変リミッタの機能が作動する状態)であるという条件、換言すれば、大当り回数カウント値が「1」であるという条件である。図42(B)、図43(A)、図43(B)、図45(A)、図45(B)の夫々における、第2条件についても同様である。
図42(A)において、第1条件成立時に第1大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「7.」(ドット有7)が停止表示される。第1条件成立時に第2大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「3.」(ドット有3)が停止表示される。
図42(A)において、第2条件成立時に第3大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「7 」(ドット無7)が停止表示される。第2条件成立時に第4大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「3 」(ドット無3)が停止表示される。
図42(A)によれば、第1大当りとなるときと第3大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部が共通する。具体的には、第1大当りとなるときの大当り図柄は「7.」(ドット有7)、第3大当りとなるときの大当り図柄は「7 」(ドット無7)であるため、両者の大当り図柄は「.(ドット)」の有無が異なるが、数字部分「7」は共通する。
ここで、図8(A)に示すように、第1大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「49」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「49」の範囲の値)に基づいて決定される。第3大当りは、第2条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「49」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「49」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「149」の範囲の値)に基づいて決定される。つまり、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値(「0」〜「49」の範囲の値)であっても、第1条件が成立したか第2条件が成立したかに応じて、第1大当りとなる場合と第3大当りとなる場合とがある。換言すれば、第1条件が成立したときと第2条件が成立したときとでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値であっても、大当り図柄が異なる(具体的には一部が異なる)。
また、図42(A)によれば、第2大当りとなるときと第4大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部が共通する。具体的には、第2大当りとなるときの大当り図柄は「3.」(ドット有3)、第4大当りとなるときの大当り図柄は「3 」(ドット無3)であるため、両者の大当り図柄は「.(ドット)」の有無が異なるが、数字部分「3」は共通する。
ここで、図8(A)に示すように、第2大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「50」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「50」〜「99」の範囲の値)に基づいて決定される。第4大当りは、第2条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「50」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「50」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「150」〜「199」の範囲の値)に基づいて決定される。つまり、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値(「50」〜「99」の範囲の値)であっても、第1条件が成立したか第2条件が成立したかに応じて、第2大当りとなる場合と第4大当りとなる場合とがある。換言すれば、第1条件が成立したときと第2条件が成立したときとでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値であっても、大当り図柄が異なる(具体的には一部が異なる)。
なお、図42(A)に示したように、第1の実施形態のパチンコ遊技機1の確変大当り(第1大当り、第2大当り)の大当り図柄は「.(ドット)」が付いているが、図43(A)に示すように、確変大当りの大当り図柄として「.(ドット)」が付かないものがあってもよい。また、図42(A)に示したように、第1の実施形態のパチンコ遊技機1の通常大当り(第3大当り、第4大当り)の大当り図柄は「.(ドット)」が付いていないが、図43(A)に示すように、通常大当りの大当り図柄として「.(ドット)」が付くものがあってもよい。
図43(A)に示す例においても、図42(A)と同様に、第1大当りとなるときと第3大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、「.(ドット)」の有無)が異なり、第2大当りとなるときと第4大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、「.(ドット)」の有無)が異なる。また、第1条件が成立したときと第2条件が成立したときとでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値であっても、大当り図柄の一部(具体的には、「.(ドット)」の有無)が異なる。
第2の実施形態のパチンコ遊技機1001では、第1条件が成立しているときの大当りは、図42(B)に示すように、第1大当り、又は、第2大当り、又は、第3A大当り、又は、第4大当りである。
第1条件成立時に第1大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「7.」(ドット有7)が停止表示される。第1条件成立時に第2大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「3.」(ドット有3)が停止表示される。第1条件成立時に第3A大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「7 」(ドット無7)が停止表示される。第1条件成立時に第4大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「3 」(ドット無3)が停止表示される。
また、第2の実施形態のパチンコ遊技機1001では、第2条件が成立しているときの大当りは、図42(B)に示すように、第3A大当り、又は、第4大当りである。
第2条件成立時に第3A大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「7 」(ドット無7)が停止表示される。第2条件成立時に第4大当りとなるときには、第1特別図柄表示装置4A(又は、第2特別図柄表示装置4B)には、大当り図柄として「3 」(ドット無3)が停止表示される。
図42(B)によれば、第1大当りとなるときと第3A大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、「.(ドット)」の有無)が異なる(当該一部以外は共通である)。また、図42(B)によれば、第2大当りとなるときと第4大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、「.(ドット)」の有無)が異なる(当該一部以外は共通である)。
また、図28(A)に示すように、第1大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「79」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「79」の範囲の値)に基づいて決定される。第3A大当りは、第2条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「63」、「80」〜「95」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「63」、「80」〜「95」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「163」、「180」〜「195」の範囲の値)に基づいて決定される。また、図8(A)に示すように、第2大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「80」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「80」〜「99」の範囲の値)に基づいて決定される。第4大当りは、第2条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「64」〜「79」、「96」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「64」〜「79」、「96」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「164」〜「179」、「196」〜「199」の範囲の値)に基づいて決定される。
つまり、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値(「0」〜「63」の範囲の値)であっても、第1条件が成立したか第2条件が成立したかに応じて、第1大当りとなる場合と第3A大当りとなる場合とがある。換言すれば、第1条件が成立したときと第2条件が成立したときとでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値であっても、大当り図柄が異なる(具体的には一部が異なる)。また、第1条件成立時においては異なる種類の大当りとなる大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値であっても、第2条件成立時であれば同一の種類の大当りとなる場合がある。例えば、乱数値MR2の抽出値が「15」であるときと「85」であるときは、第1条件成立時においては異なる種類の大当り(「15」であれば第1大当り、「85」であれば第2大当り)となるが、第2条件成立時においては同一の種類の大当り(「15」に「100」を加えた「115」でも「85」に「100」を加えた「185」でも第3A大当り)となる。
また、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値(「96」〜「99」の範囲の値)であっても、第1条件が成立したか第2条件が成立したかに応じて、第2大当りとなる場合と第4大当りとなる場合とがある。換言すれば、第1条件が成立したときと第2条件が成立したときとでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値であっても、大当り図柄が異なる(具体的には一部が異なる)。また、第1条件成立時においては異なる種類の大当りとなる大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値であっても、第2条件成立時であれば同一の種類の大当りとなる場合がある。例えば、乱数値MR2の抽出値が「70」であるときと「98」であるときは、第1条件成立時においては異なる種類の大当り(「70」であれば第1大当り、「98」であれば第2大当り)となるが、第2条件成立時においては同一の種類の大当り(「70」に「100」を加えた「170」でも「98」に「100」を加えた「198」でも第4大当り)となる。
なお、図42(B)に代えて、図43(B)に示すように、大当り図柄を表示してもよい。図43(B)に示す例では、同一の種類の大当りであっても、第1条件が成立した場合と第2条件が成立した場合とで大きく図柄が異なる場合(「.(ドット)」の有無が異なる以上に図柄を大きく異ならせている場合)がある。具体的には、第1条件成立時の第3A大当りでは「7 」とし、第2条件成立時の第3A大当りでは「5 」としている。
なお、図43(B)の例では、第1条件成立時の第3A大当りの図柄は「7 」、第2条件成立時の第3A大当りの図柄は「5 」が決定されるが、第1条件成立時の第3A大当りの図柄は「7 」の他に「5 」が決定され、第2条件成立時の第3A大当りの図柄は「5 」の他に「7 」が決定されるようにしてもよい。これにより、図43(A)に示した例に比べ、図柄の決定が多様化し、例えば、遊技者(例えば、特別図柄に着目するような一部の遊技者)の興趣を向上させることができる。
第3の実施形態のパチンコ遊技機1002では、第1条件が成立しているときの大当りは、図44(A)に示すように、第1A大当り、又は、第1B大当りである。図44(A)において、第1条件とは、変動特図が特図1であるという条件、換言すれば、ヘソ入賞(普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への遊技球の入賞)に基づく可変表示であるという条件である。図44(B)における、第1条件についても同様である。
第3の実施形態のパチンコ遊技機1002では、第2条件が成立しているときの大当りは、図44(A)に示すように、第1A大当り、又は、第1B大当りである。図44(A)において、第2条件とは、変動特図が特図2であるという条件、換言すれば、電チュー入賞(普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への遊技球の入賞)に基づく可変表示であるという条件である。図44(B)における、第2条件についても同様である。
図44(A)によれば、第1A大当りとなるときと第1B大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、「.(ドット)」の有無)が異なる(当該一部以外は共通である)。
また、図36(A)に示すように、第1A大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「49」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「49」の範囲の値)に基づいて決定されるとともに、第2条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「19」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「19」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「119」の範囲の値)に基づいて決定される。
第1B大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「50」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「50」〜「99」の範囲の値)に基づいて決定されるとともに、第2条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「20」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「20」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「120」〜「199」の範囲の値)に基づいて決定される。
つまり、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値(「20」〜「49」の範囲の値)であっても、第1条件が成立したか第2条件が成立したかに応じて、第1A大当りとなる場合と第1B大当りとなる場合とがある。換言すれば、第1条件が成立したときと第2条件が成立したときとでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値であっても、大当り図柄が異なる(具体的には一部が異なる)。
第4の実施形態のパチンコ遊技機1003では、第1条件が成立しているときの大当りは、図44(B)に示すように、第1−1大当り、又は、第1−2大当りである。また、第2条件が成立しているときの大当りは、第1−2大当りである。
図44(B)によれば、第1−1大当りとなるときと第1−2大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、「.(ドット)」の有無)が異なる(当該一部以外は共通である)。
また、図40(A)に示すように、第1−1大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「79」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「79」の範囲の値)に基づいて決定される。第1−2大当りは、第1条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「80」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「80」〜「99」の範囲の値)に基づいて決定されるとともに、第2条件成立時に大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「0」〜「99」の範囲の値であったときに当該抽出値(「0」〜「99」の範囲の値)に「100」を加算した値(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて決定される。
つまり、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値(「0」〜「79」の範囲の値)であっても、第1条件が成立したか第2条件が成立したかに応じて、第1−1大当りとなる場合と第1−2大当りとなる場合とがある。換言すれば、第1条件が成立したときと第2条件が成立したときとでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が同一の値であっても、大当り図柄が異なる(具体的には一部が異なる)。
なお、第1〜第4の実施形態では、「3 」(ドット無3)や「7.」(ドット有7)などの数字と「.(ドット)」を組み合わせたものを特別図柄としているが、特別図柄の表示態様はこれに限定されない。例えば、図45に示したように、複数個のLED(図45では8個)の点灯と消灯の組み合わせたものを特別図柄としてもよい。
図45(A)は、図43(A)に示した数字と「.(ドット)」の組み合わせによる特別図柄について、8個のLEDの点灯と消灯の組み合わせによる特別図柄としたものである。図45(A)において黒丸は点灯、白丸は消灯を表している。図45(A)によれば、第1大当りとなるときと第3大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、1番右側のLEDの点灯/消灯の状態)が異なる(当該一部以外は共通である)。また、第2大当りとなるときと第4大当りとなるときとでは、大当り図柄の一部(具体的には、1番右側のLEDの点灯/消灯の状態)が異なる(当該一部以外は共通である)。
図45(B)は、図43(B)に示した数字と「.(ドット)」の組み合わせによる特別図柄について、8個のLEDの点灯と消灯の組み合わせによる特別図柄としたものである。図45(B)において黒丸は点灯、白丸は消灯を表している。図45(B)によれば、同一の種類の大当りであっても、第1条件が成立した場合と第2条件が成立した場合とで大きく図柄が異なる場合(1番右側のLEDの点灯/消灯の状態が異なる以上に図柄を異ならせている場合)がある。具体的には、第1条件成立時の第3A大当りと、第2条件成立時の第3A大当りとでは、2個のLED(左から2番目のLED、左から5個目のLED)の点灯/消灯の状態が異なっている。
なお、図45(A)の8個のLEDの点灯/消灯の状態は、図43(A)における、「3」や「7」の数字を2進数にて表現したものではないが、図43(A)における、「3」や「7」の数字を2進数にて表現したものとしてもよい。例えば、図45(A)の8個のLEDのうちの1番右側のLEDを図43(A)の「.(ドット)」の表示位置とし、右側から2番目のLED〜一番左側の7個のLEDを用いて、図43(A)の数字を2進数で表現してもよい。図45(B)についても同様である。例えば、「7.」(ドット有7)は、一番右側を黒丸とし(点灯させ)、右側から2番目を黒丸とし(点灯させ)、右側から3番目を黒丸とし(点灯させ)、右側から4番目を黒丸とし(点灯させ)、右側から5番目を白丸とし(消灯させ)、右側から6番目を白丸とし(消灯させ)、右側から7番目を白丸とし(消灯させ)、一番左を白丸とし(消灯させ)、表現してもよい。また、「5 」(ドット無5)は、一番右側を白丸とし(消灯させ)、右側から2番目を黒丸とし(点灯させ)、右側から3番目を白丸とし(消灯させ)、右側から4番目を黒丸とし(点灯させ)、右側から5番目を白丸とし(消灯させ)、右側から6番目を白丸とし(消灯させ)、右側から7番目を白丸とし(消灯させ)、一番左を白丸とし(消灯させ)、表現してもよい。
また、図45(A)や図45(B)では複数個のLEDを等間隔に並べているが、必ずしも等間隔に並べなくてもよい。また、図45(A)や図45(B)では複数個のLEDを横に並べているが縦や斜めに並べてもよい。また、図45(A)や図45(B)では複数個)のLEDを直線状に並べているが、直線状に並べなくてもよい。例えば、複数個のLEDを曲線的に配置してもよいし、格子状に配置してもよいし、ある範囲内に点在させてもよい。
なお、第1の実施形態(第2の実施形態も同様)では、第1条件及び第2条件は、確変リミッタに到達したか否かに関する条件である(例えば、図42、図43、図45参照)。また、第3の実施形態(第4の実施形態も同様)では、第1条件及び第2条件は、変動特図が特図1であるか特図2であるかに関する条件である(例えば、図44参照)。但し、第1条件は及び第2条件は、上記に限定されない。一例として、第1条件及び第2条件は、遊技状態が高確状態であるか低確状態であるかに関する条件であってもよい。また、第1条件及び第2条件は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかに関する条件であってもよい。
以上、上記実施形態による遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させ、表示結果として特定表示結果(例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止表示される大当り図柄等)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機1001、パチンコ遊技機1002、パチンコ遊技機1003等)であって、前記特定遊技状態には、複数種類の特定遊技状態(例えば、パチンコ遊技機1では、第1大当り、第2大当り、第3大当り、第4大当りの夫々による大当り遊技状態等、パチンコ遊技機1001では、第1大当り、第2大当り、第3A大当り、第4大当りの夫々による大当り遊技状態等、パチンコ遊技機1002では、第1A大当り、第1B大当りの夫々による大当り遊技状態等、パチンコ遊技機1003では、第1−1大当り、第1−2大当りの夫々による大当り遊技状態等)が含まれ、前記複数種類の特定遊技状態のうちのいずれの特定遊技状態に制御するかの決定に用いられる乱数値(例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2等)を抽出する乱数値抽出手段(例えば、CPU103による図16のステップS217の処理等)と、前記乱数値抽出手段によって抽出された乱数値を用いて前記複数種類の特定遊技状態のうちのいずれの特定遊技状態に制御するかを決定する特定遊技状態決定手段(例えば、CPU103による図21のステップS244の大当り種別決定処理(詳細は図18及び図34に記載)等)とを備え、前記特定遊技状態決定手段は、第1条件下において(例えば、確変リミッタに到達していないときや、変動特図が特図1であるときや、高確状態/低確状態のうちの一方の状態(例えば、高確状態)であるときや、高ベース状態/低ベース状態のうちの一方の状態(例えば、高ベース状態)であるとき等には)、前記乱数値抽出手段によって抽出された乱数値(例えば、MR2の抽出値である「0」〜「99」の範囲の値等)に基づいて前記複数種類の特定遊技状態のうちのいずれの特定遊技状態に制御するかを決定し、第2条件下において(例えば、確変リミッタに到達しているときや、変動特図が特図1であるときや、高確状態/低確状態のうちの上記一方の状態とは異なる状態(例えば、低確状態)であるときや、高ベース状態/低ベース状態のうちの上記一方の状態とは異なる状態(例えば、低ベース状態)であるとき等には)、前記乱数値抽出手段によって抽出された乱数値(例えば、MR2の抽出値である「0」〜「99」の範囲の値等)に演算処理(例えば、MR2の抽出値に100を加算する処理等)を行った演算値(例えば、「100」〜「199」の範囲の値等)に基づいて前記複数種類の特定遊技状態のうちのいずれの特定遊技状態に制御するかを決定している。
このような構成によれば、第1条件下と第2条件下とでいずれの特定遊技状態に制御するかの決定方法を異ならせることができ、興趣の低下を防止することができる。
また、上記遊技機(例えば、パチンコ遊技機1001等)は、特定信号(例えば、図32、図33に記載の特定信号等)を外部(例えば、ホールコンピュータ等)に出力する出力手段(例えば、CPU103による図13のステップS13の情報出力処理(詳細は図31に記載)等)を備える。
このような構成によれば、外部において遊技機の状態を認識できる。
また、上記遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)において、前記特定遊技状態は、該特定遊技状態の終了後に通常確率状態(例えば、低確状態等)に制御される第1特定遊技状態(例えば、通常大当りの大当り遊技状態等)と、該特定遊技状態の終了後に前記通常確率状態よりも表示結果として特定表示結果が導出表示されやすい高確率状態(例えば、高確状態等)に制御される第2特定遊技状態(例えば、確変大当りの大当り遊技状態等)と、を含み、前記第1特定遊技状態は、少なくとも、前記乱数値抽出手段によって抽出された乱数値(例えば、MR2の抽出値である「0」〜「99」の範囲の値等)に前記演算処理(例えば、MR2の抽出値に100を加算する処理等)を行った演算値(例えば、「100」〜「199」の範囲の値等)に基づいて決定され、前記第2特定遊技状態は、前記乱数値抽出手段によって抽出された乱数値(例えば、MR2の抽出値である「0」〜「99」の範囲の値等)に基づいて決定されることがある一方、前記乱数値抽出手段によって抽出された乱数値に前記演算処理を行った演算値(例えば、「100」〜「199」の範囲の値等)に基づいて決定されることはなく、前記第1条件は、前記第1特定遊技状態に制御されることなく連続して前記第2特定遊技状態に制御された連続発生回数が所定回数(例えば確変リミッタが作動する回数(例えば5回)等)に到達していないときに成立し、前記第2条件は、前記第1特定遊技状態に制御されることなく連続して前記第2特定遊技状態に制御された連続発生回数が所定回数に到達しているときに成立し、前記特定遊技状態決定手段は、前記第2条件下において(例えば、確変リミッタが作動する回数に到達しているとき等には)、前記乱数値抽出手段によって抽出された乱数値に前記演算処理を行うことにより、前記第1特定遊技状態に制御する旨を決定する。
このような構成によれば、第2条件下において、いずれの特定遊技状態に制御するかの決定を容易にすることができる。
また、上記遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)において、表示結果(例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止表示される図柄等)の態様は、前記第1条件下と前記第2条件下とで一部が共通となる場合がある。一例として、図42(A)に示した例では、第1条件下の第1大当りの図柄「7.」(ドット有7)と第2条件下の第3大当りの図柄「7 」(ドット無7)とは、ドットの有無が異なるが、数字「7」の部分は共通する。また、第1条件下の第2大当りの図柄「3.」(ドット有3)と第2条件下の第4大当りの図柄「3 」(ドット無3)とは、ドットの有無が異なるが、数字「3」の部分は共通する。
このような構成によれば、表示結果の態様を容易に作成することができる。なお、図42(A)に示した例では、ドット有の図柄が確変大当り(第1大当り、第2大当り)、ドット無の図柄が通常大当り(第3大当り、第4大当り)であるため、ドットの有無により確変大当りであるか通常大当りであるかを切り分けることができる。図43(A)に示した例では、ドット有の図柄かドット無の図画かで確変大当りであるか通常大当りであるかを切り分けることができないが、数字部分(「3」や「7」)とドットの有無によって確変大当りであるか通常大当りであるかを切り分けることができる。従って、図42(A)に示した例では、図43(A)に示した例に比べ、多くの遊技者にとって大当りの判別が可能になる。一方、図43(A)に示した例では、図42(A)に示した例に比べ、判別が複雑であるため、例えば、一部の遊技者にとって興趣が向上する。
また、上記遊技機(例えば、パチンコ遊技機1001等)は、遊技媒体が始動領域を通過しやすい第1状態(例えば、拡大開放状態等)と遊技媒体が前記始動領域を通過しにくいまたは通過しない第2状態(例えば、通常開放状態等)とに変化可能な可変入賞装置(例えば、通可変入賞球装置6B等)を備え、該特定遊技状態の終了後に通常確率状態(例えば、低確状態等)に制御される第1特定遊技状態(例えば、通常大当りの大当り遊技状態等)の終了後に前記可変入賞装置が前記第1状態となる頻度が低い低頻度遊技状態(例えば、高開放制御が行われない状態。又は、高開放制御が行われない低ベース状態等)と、前記第1特定遊技状態の終了後に前記可変入賞装置が前記第1状態となる頻度が高い高頻度遊技状態(例えば、高開放制御が行われる状態。又は、高開放制御が行われる高ベース状態等)と、に制御されることがあり、前記出力手段は、前記第1特定遊技状態の終了後に遊技状態が前記高頻度遊技状態に制御されたことが特定可能となるように特定信号を外部に出力する。例えば、図32(A)及び図33に示したように、外部において第1特定遊技状態の終了後に遊技状態が高頻度遊技状態に制御されたことを特定可能となるように、特定信号の出力を所定の待機期間(4秒)停止している。
このような構成によれば、第1特定遊技状態の終了後に高頻度遊技状態に制御されることを特定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機1(1001、1002、1003)の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
なお、第1の実施形態によるパチンコ遊技機1の通常大当りは、図8(B)や図9などに示したように、時短無の大当り(第3大当り、第4大当り)であるが、第1の実施形態によるパチンコ遊技機1において、時短有の通常大当りを設けてもよい。なお、時短有の通常大当りとなった場合には、図23の大当り終了処理(ステップS117)において、高ベースフラグをオン状態にセット(ステップS315)すればよい(但し、通常大当りであるため、高確フラグはオン状態にセットしない)。
また、各実施形態によるパチンコ遊技機1(1001、1002、1003)における大当り種別決定テーブルの値は一例であって、大当り種別決定テーブル131(図8(A))、大当り種別決定テーブル1131A(図28(A))、大当り種別決定テーブル1131B(図36(A))、大当り種別決定テーブル1131C(図40(A))に示した値に限定されない。
一例として、第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001における大当り種別決定テーブル1131A(図28(A))に代えて、「0」〜「79」の範囲を確変大当り(例えば、第1大当りと第2大当りとに振分)とし、「80」〜「199」の範囲を通常大当り(例えば、第3A大当りと第4大当りとに振分)としてもよい。
なお、上述のように、第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001において、「0」〜「79」の範囲を確変大当りとし、「80」〜「199」の範囲を通常大当りとした場合には、図18(B)のフローチャートでは、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値が「80」以上であっても(ステップS422;YES)、加算処理を行わないステップS423に進む場合がある。つまり、図28(A)に示した大当り種別決定テーブル1131Aでは、「100」〜「199」の範囲に通常大当り(第3A大当りと第4大当り)が割り当てられているため、通常大当りとするためには(確変リミッターを作動させるときには)、図18(B)のステップS424の加算処理が必要であったが、「0」〜「79」の範囲を確変大当りとし、「80」〜「199」の範囲を通常大当りとした場合には、「80」〜「99」の範囲でも通常大当りとなるので、通常大当りとするときに(確変リミッタを作動させるときに)、必ずしも加算処理を行わなくてもよい。これにより、加算処理が行われる頻度を抑えることができる。
また、第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001では、2回目の第3A大当り(大当り回数カウント値が4であるときの第3A大当り)も、3回目の第3A大当り(大当り回数カウント値が3であるときの第3A大当り)も、4回目の第3A大当り(大当り回数カウント値が2であるときの第3A大当り)も、5回目の第3A大当り(大当り回数カウント値が1であるときの第3A大当り)も、特別図柄「7 」(ドット無7)を停止表示させるが、2回目〜4回目の第3A大当りと、5回目の第3A大当りとで、別々の特別図柄を停止表示させてもよい。別々の特別図柄として、2回目〜4回目の第3A大当りと、5回目の第3A大当りとで、一部が共通し他の部分が異なる特別図柄を停止表示させてもよい。例えば、2回目〜4回目の第3A大当りでは特別図柄「1.」(ドット有1)を、5回目の第3A大当りでは特別図柄「1 」(ドット無1)を停止表示させてもよい。これにより、簡便に、特別図柄の種類を増え、且つ、興趣が向上する。
第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001では、2回目の第4大当り(大当り回数カウント値が4であるときの第4大当り)も、3回目の第4大当り(大当り回数カウント値が3であるときの第4大当り)も、4回目の第4大当り(大当り回数カウント値が2であるときの第4大当り)も、5回目の第4大当り(大当り回数カウント値が1であるときの第4大当り)も、特別図柄「3 」(ドット無3)を停止表示させるが、2回目〜4回目の第4大当りと、5回目の第4大当りとで、別々の特別図柄を停止表示させてもよい。別々の特別図柄として、2回目〜4回目の第4大当りと、5回目の第4大当りとで、一部が共通し他の部分が異なる特別図柄を停止表示させてもよい。例えば、2回目〜4回目の第4大当りでは特別図柄「9.」(ドット有9)を、5回目の第4大当りでは特別図柄「9 」(ドット無9)を停止表示させてもよい。これにより、簡便に、特別図柄の種類を増え、且つ、興趣が向上する。
なお、第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001では、初当り(低確低ベース状態における大当り)は、全て確変大当り(第1大当り、第2大当り)であるが、初当りにおいても通常大当り(例えば、第3A大当り、第4大当り)となる場合があってもよい。
第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001では、確変リミッタが作動した大当り(5連荘まで完走した大当り)として、時短有の通常大当り(第3A大当り)、又は、時短無の通常大当り(第4大当り)の何れかが決定されるが、何れか一方(例えば、時短有の通常大当り(第4大当り))が常に決定されるようにしてもよい。これにより、確変リミッタが作動することによる遊技者の落胆を軽減することができる。
第2の実施形態によるパチンコ遊技機1001では、確変リミッタが作動した大当り(5連荘まで完走した大当り)として、時短有の通常大当り(第3A大当り)、又は、時短無の通常大当り(第4大当り)の何れかが決定されるが、何れか一方(例えば、時短有の通常大当り(第4大当り))が常に決定されるようにしてもよい。これにより、確変リミッタが作動することによる遊技者の落胆を軽減することができる。
第1(第2)の実施形態によるパチンコ遊技機1(1001)は、5回目の大当りに確変リミッタが作動したが、2〜4回目、6回目以降に確変リミッタが作動するようにしてもよい。
各実施形態によるパチンコ遊技機1(1001、1002、1003)における大当りのラウンド数は、8ラウンド又は15ラウンドであったが、他のラウンド数の大当りを設けてもよい。また、各実施形態によるパチンコ遊技機1(1001、1002、1003)における大当りの各ラウンドは、何れも通常開放ラウンドであったが、短期開放ラウンドを含む大当りを設けてもよい(短期開放ラウンドのみの大当りを設けてもよい)。
各実施形態によるパチンコ遊技機1(1001、1002、1003)では、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値に対する演算処置として、当該乱数値MR2の抽出値に「100」を加算しているが、加算する値は「100」に限定されない。
また、各実施形態によるパチンコ遊技機1(1001、1002、1003)では、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値に対する演算処置として、当該乱数値MR2の抽出値に所定の値(具体的には「100」)を加算する加算処理を用いているが、加算処理に限定されない。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値に対する演算処置として、減算処理を用いてもよい。例えば、上記各実施形態では大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値は「0」〜「99」の範囲の値であるが、これに代えて、大当り種別決定用の乱数値MR2の抽出値を「100」〜「199」の範囲の値とし、第1条件が成立したとき(例えば、確変リミッタに到達していないときや、変動特図が特図1であるとき等)には、当該抽出値(「100」〜「199」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定し、第2条件が成立したとき(例えば、確変リミッタに到達しているときや、変動特図が特図2であるとき等)には、当該抽出値(「100」〜「199」の範囲の値)に減算処理(MR2の抽出値から100を減算する処理)を行った演算値(例えば、「0」〜「99」の範囲の値)に基づいて大当り種別を決定してもよい。減算処理の場合であっても加算処理と同様の効果を得ることができる。
また、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合」や「振分」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係のものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係のもの(即ち、一方が100%の他方が0%のとなるようなもの)も含む概念である。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことに基づいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことに基づいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施形態で示した構成を適用することもできる。即ち、いわゆる、確変大当りとしようとする大当りについて、上述のような確変領域を備える確変アタッカーをロング開放(確変領域を遊技球が通過するように開放)させて、確変大当りを確定させるタイプの遊技機であってもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。