以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図41を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2及び図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2は、パチンコ機10の可変表示装置ユニット80に設けた第1役物87が第3図柄表示装置81の表示面の上側の一部を覆うようにして下降した状態を示し、図3は、パチンコ機10の可変表示装置80に設けた第2役物88が第3図柄表示装置81の表示面の下側の一部を覆うようにして上昇した状態を示している。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2,図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことであり、後述する第1入球口64又は第2入球口640への入球(始動始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。例えば、町中をモチーフにした「町中ステージ」、海をモチーフにした「海ステージ」、山をモチーフにした「山ステージ」等が、ステージとして用意される。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われる。
また、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED(Light Emitting Device)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。ただし、打ち止めスイッチ51bが押下操作された場合は、その押下操作がされている期間中、球の発射を停止する。操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2,図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2,図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ遊技領域の正面視右側(図2の右側)を流下するように跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。第1図柄表示装置37は、遊技の主な制御を行う後述の主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、詳細については後述するが、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
詳細は後述するが、確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域の正面視左側(図2の左側)には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。
可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。更に、可変表示装置ユニット80には、第1役物87、第2役物88、及び、第3役物89といった予告演出用の可動役物が3つ設けられている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図6参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、実際の表示画面を例示した図である。また、図5には、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とが、あわせて模式的に示してある。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)による大当たり抽選の結果が「大当たり」であった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」「確変図柄」とも称す)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」「通常図柄」とも称す)が揃う変動演出が行われる。
第3図柄表示装置81の表示画面は、大きく3つの領域に分割されている。1つは、変動表示領域Dmであり、1つは、演出表示領域Dbであり、もう1つは、保留表示領域Dsである。
変動表示領域Dmは、第3図柄が可変表示される変動演出が表示される領域である。変動表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。また、変動表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、変動表示領域Dmには、3列×3段の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、各図柄列Z1〜Z3の中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技(変動演出)に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとなって、大当たり演出が行われる。
演出表示領域Dbは、第3図柄の背面側または前面側にキャラクタや文字情報等を表示して、変動表示領域Dmにて変動演出が行われている途中に予告演出を表示したり、大当たり時に大当たり演出を表示したりして、各種の演出画像を表示する領域である。
ここで、予告演出は、現在行われている変動演出において大当たりとなる期待度を示唆する演出であり、予告演出で表示される画像の内容によって、その大当たりとなる期待度が遊技者に分かるようになっている。本実施形態では、また、この予告演出の態様として、第1役物87,第2役物88,第3役物89を動作させたり発光させたりしながら、これらの可動役物87〜89の動きや発光を強調する画像を演出表示領域Dbに表示することで、大当たりとなる期待度を遊技者に通知する態様も用意されている。遊技者は、変動演出中に実行される予告演出を見ることによって、大当たりとなる期待感を高めることができる。
パチンコ機10では、変動時間の短い変動演出から変動時間の長い変動演出まで用意されており、予告演出は、変動演出の変動時間が長いものほど多く実行されるように構成されている。それは、変動演出の変動時間が長いと、停止表示されるまで遊技者が退屈してしまうおそれがあるからであり、予告演出を数多く実行することで、予告演出が表示される度に、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。よって、遊技者に対して、遊技への興趣を高めることができ、遊技を継続して行わせることができる。
保留表示領域Dsは、第1入球口64又は第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、第1保留表示領域Ds1と第2保留表示領域Ds2とに分割されている。第1保留表示領域Ds1は、第1入球口64に入球された球に対する保留球数が表示される。第2保留表示領域Ds2は、第2入球口640に入球された球に対する保留球数が表示される。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置87)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留される。その保留球数は、第1図柄表示装置37により示されると共に、第1保留表示領域Ds1においても示される。また、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置87)にて変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球した場合も、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は、第1図柄表示装置37により示されると共に、第2保留表示領域Ds2においても示される。
第1保留表示領域Ds1及び第2保留表示領域Ds2には、それぞれ、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(「●」図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、第1保留表示領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、第1入球口64に対する保留球数が1球であることを示し、第2保留表示領域Ds2に4つの保留球数図柄が表示されている場合は、第2入球口640に対する保留球数が4球であることを示す。
また、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2に保留球数図柄(「●」図柄)が表示されていない場合は、対応する入球口64,640に対する保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。遊技者は、保留表示領域Dsに表示された保留球数から、その時点で保留されている保留球の数を把握することができる。
尚、保留表示領域Dsにおける保留球数図柄の表示に代えて、第1入球口64に対する保留球数および第2入球口640に対する保留球数をそれぞれ第3図柄表示装置81の一部に数字で表示してもよい。また、第3図柄表示装置81のある領域を第1入球口64に対する保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示し、第3図柄表示装置81にある別の領域を第2入球口640に対する保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示しするようにしてもよい。また、第1図柄表示装置87により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は扉枠12等に、第1入球口64に対する保留球数を示す保留ランプを最大保留球数分の4つ設け、第2入球口640に対する保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設けて、点灯状態の保留ランプの数に応じて、第1入球口64に対する保留球数および第2入球口640に対する保留球数を表示するものとしてもよい。
図2,図3に戻って、説明を続ける。第1役物87は、遊技領域の正面視において円盤状の可動役物であり、予告演出に用いられるものである。第1役物87は、通常時において、遊技領域を正面視した場合のセンターフレーム86の上側内部に格納されており、遊技者に視認不能となっている。そして、第3図柄表示装置81にて行われている第3図柄の変動演出が大当たりとなる場合に、その変動演出が行われている間の任意のタイミングで、第1役物87をセンターフレーム86から下降させ且つ遊技領域の正面視時計回り(図2の矢印A方向)に回転動作させることで、遊技者に回転動作した第1役物87を視認させて、その変動演出において大当たりとなることを予告する予告演出(所謂、一発告知)が行われる。
また、第1役物87の回転中心付近には、LED(図示せず)が内蔵されており、第1役物87の回転動作と合わせて、LEDを点灯または点滅させることにより、その予告演出がより強調される。更に、第1役物87の動作に合わせて、第1役物87の周囲の明度が高くなるように、第3図柄表示装置81の表示を行う。これにより、第1役物87による予告演出が更に強調される。
第1役物87には、その第1役物87を動作させるための第1役物上下動ソレノイド87a(図6参照)と第1役物回転用モータ87b(図6参照)とが接続されており、パチンコ機10は、第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bとを駆動することにより、第1役物87を回転動作させながらセンターフレーム86から下降させて、予告演出を行う。この第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bの駆動制御は、音声の出力や、電飾部29〜33,表示ランプ34等の点灯および消灯などを制御する後述の音声ランプ制御装置112によって行われる。この第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bの駆動制御の詳細については、図6を参照して後述する。
第2役物88(図3)は、遊技領域の正面視において板状の可動役物であり、第1役物87と同様に、予告演出に用いられるものである。第2役物88には、その正面視前面側(遊技者が視認可能な側)において、「億万長者」との文字が記載されている。
第2役物88は、通常時において、遊技領域を正面視した場合のセンターフレーム86の下側内部に格納されており、遊技者に視認不能となっている。そして、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動演出が行われている場合に、大当たりとなる期待度が非常に高いスペシャルリーチに発展したタイミングや、変動演出の途中で一旦擬似的に外れ図柄が停止表示され、その後、再び変動演出が実行される逆転演出が行われるタイミングで、第2役物88を所定時間だけセンターフレーム86から上昇させることで、遊技者に第2役物88に記載された「億万長者」の文字を視認させる予告演出が行われる。この第2役物88による予告演出により、スペシャルリーチへの発展によって期待される大当たりとなる期待度、又は、逆転演出によって期待される大当たりとなる期待度がより高まることを、遊技者に対して示唆している。
第2役物88には、その第2役物88を動作させるための第2役物上下動ソレノイド88a(図6参照)が接続されており、パチンコ機10は、第2役物上下動ソレノイド88aを駆動することにより、第2役物88をセンターフレーム86から上昇させて、予告演出を行う。この第2役物上下動ソレノイド88aの駆動制御は、第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bと同様に、後述の音声ランプ制御装置112によって行われる。この第2役物上下動ソレノイド88aの駆動制御の詳細については、図6を参照して後述する。
第3役物89は、円柱形の可動役物であって、その円柱形の側面に「一発逆転」の文字が装飾されており、第1役物87や第2役物88と同様に、予告演出に用いられるものである。第3役物89は、第3図柄表示装置81の正面視右側において、円柱形の側面が遊技領域の正面視にて視認可能となるように、円柱形の中心軸を遊技領域の正面視上下方向と並行にして、センターフレーム86に取り付けられている。また、第3役物89は、円柱の中心軸を回転軸として、回転軸を遊技機の上方から見た場合に時計回り(図2の矢印B方向)に回転動作するように、センターフレーム87に取り付けられている。また、第3役物89には、「一発逆転」の文字が、青、黄、赤のいずれかの色で光るように、LED(図示せず)が内蔵されている。
第3役物89は、通常時は、停止状態が維持され、「一発逆転」の文字も非発光な状態とされる。そして、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動演出が行われている場合に、リーチが発生したタイミング、大当たりとなる期待度の高いスーパーリーチに発展したタイミング、又は、スーパーリーチよりも大当たりとなる期待度の高いスペシャルリーチに発展したタイミングで、「一発逆転」を青、黄、赤のいずれかの色で点灯または点滅させながら、第3役物89を所定時間だけ回転動作させることで、予告演出が行われる。この第3役物89による予告演出により、リーチの発生またはスーパーリーチ若しくはスペシャルリーチへの発展によって期待される大当たりとなる期待度がより高まることを、遊技者に対して示唆している。
また、「一発逆転」の文字の色に応じて、具体的には、青→黄→赤の順番で、大当たりとなる期待度の高まり度合いが大きくなるように、「一発逆転」の発光色を決定している。これにより、「一発逆転」の文字の色によって、遊技者に示唆する大当たりとなる期待度の高まりを変化させることができる。よって、遊技者に、「一発逆転」の文字の色に注目させることができ、その文字の色によって遊技への興趣を更に高めることができる。よって、遊技者を飽きさせることなく、遊技を継続させることができる。
第3役物89には、その第3役物89を回転動作させるための第3役物回転用モータ89a(図6参照)が接続されており、パチンコ機10は、第3役物回転用モータ89aを駆動することにより、第3役物89を回転動作させて、予告演出を行う。この第3役物回転用モータ89aの駆動制御は、第1役物上下動ソレノイド87a、第1役物回転用モータ87b、第2役物上下動ソレノイド88aと同様に、後述の音声ランプ制御装置112によって行われる。この第3役物回転用モータ88aの駆動制御の詳細については、図6を参照して後述する。
なお、詳細については後述するが、第1役物87、第2役物88又は第3役物89を用いて予告演出を行うか否かは、第3図柄表示装置81の表示を制御する表示制御装置114が決定する。これは、予告演出を含めて第3図柄表示装置81で実行される変動演出の詳細な実行態様(変動パターン)を、表示制御装置114で決定しているからであり、換言すれば、表示制御装置114にて決定した詳細な変動パターンに応じて、第1役物87、第2役物88又は第3役物89を用いた予告演出を行うか否かが決まるのである。
表示制御装置114において、第1役物87、第2役物88又は第3役物89を用いた予告演出を行うことが決定された場合、その予告演出で用いられることが決定された第1役物87、第2役物88又は第3役物89の動作態様を含めて、その旨が役物動作開始コマンドとして、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して通知される。
第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されと、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、遊技領域の正面視右側、即ち、可変表示装置ユニット80の右方(図2の右側)において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技領域の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。
当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、保留された球の数分だけ、第2図柄の変動表示が行われる。その保留球数は、上述した第1図柄表示装置37により表示される。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるが、第1図柄表示装置37とは別に、第2図柄の変動表示の保留球数を表示する第2図柄保留ランプを最大保留分の4つ設け、その第2図柄保留ランプを保留球数分だけ点灯表示させることで、その保留球数を示してもよい。また、その保留球数を、7セグメント表示器で表示したり、第3図柄表示装置83の所定領域に表示させてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。本パチンコ機10では、第1入球口64に対し、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように発射された球(所謂「左打ち」された球)が、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように発射された球(所謂「右打ち」された球)よりも多く入球されるように構成されている。
第1入球口64の正面視下方には、また、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。本パチンコ機10では、第2入球口640に対し、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように発射された球(所謂「右打ち」された球)が、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように発射された球(所謂「左打ち」された球)よりも多く入球されるように構成されている。
第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると3個の球が賞球として払い出される入賞口の1つになっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を1個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、詳細については後述するが、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として、遊技者に最も有利な15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(左打ちし)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、また、電動役物640aを開放状態とする当たり抽選の契機となるスルーゲート67が可変表示装置80の右方に配設されているので、スルーゲート67や第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(右打ちし)、電動役物640aを開放状態にしつつ第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
可変表示装置80の右方であってスルーゲート67の下方には、可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64又は第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口65aに球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる特定入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、15個の球が賞球として払い出される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしてもよい。
遊技盤13の下側における左の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,640,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選(第2図柄の当たり抽選)といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。また、主制御装置110は、データ送受信回路を介して、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して、各種の動作を指示するためのコマンドを送信する。なお、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。これは、主制御基板110とサブ制御基板とを接続する信号線を介して、主制御装置110に対し不正な信号が入力されることを抑制するためである。
ここで、図7を参照して、RAM203及びROM202に格納されている各種データについて説明する。図7(a)は、RAM203に格納される各種データを模式的に示した模式図であり、図7(b)は、ROM202に格納される各種データを模式的に示した模式図である。
RAM203は、図7(a)に示す通り、特図1保留球格納エリア203a、特図2保留球格納エリア203b、特図保留球実行エリア203c、特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球カウンタ203e、普図保留球数カウンタ203f、普図1保留球数カウンタ203g、普図保留球数カウンタ203h、普図保留球格納エリア203i、普図保留球実行エリア203j、特図種別フラグ203kを少なくとも有している。
また、ROM202は、図7(b)に示す通り、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c、外れ用変動パターンテーブル202dを少なくとも有している。
更に、主制御装置110では、上述した、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行するために、RAM203には、各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図8参照)が設けられている。
ここで、図8及び図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dと、RAM203内に設けられた各種保留球格納エリア203a,203b,203i及び各種保留球実行エリア203c,203jとについて説明する。まず、図8は、各種カウンタの概要を示す図である。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図22参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。カウンタ用バッファは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その新たに読み込まれた初期値から、第1乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図22参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、詳細については後述するが、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり乱数カウンタC1の値が、特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり乱数カウンタC1の値が、特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。
大当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図7(b))によって設定されている。第1入球口64又は第2入球口640に球が入賞(始動入賞)したタイミングで特図1保留球格納エリア203a又は特図第2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)と一致する場合に、MPU201は大当たりと判定する。
ここで、図9(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図9(a)は、大当たり乱数テーブル202aの一例を示した模式図である。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(確変中ではない状態)用と、その低確率状態より大当たりとなる確率の高い高確率状態(確変中の状態)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率状態に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は3で、その大当たり乱数値「7,307,582」が、「遊技状態」の「低確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
一方で、高確率状態における大当たり乱数値の数は30で、その大当たり乱数値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「遊技状態」の「高確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
尚、本実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「低確率状態」に対応付けられている大当たり乱数値と、「高確率状態」に対応付けられている大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図8に戻り、説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり種別カウンタC2の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり種別カウンタC2の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202b(図7(b))とに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図9(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図9(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図9(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「4R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、第1入球口64への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けと、第2入球口640への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けが別々に規定されている。
図9(b)の例では、第1入球口64への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けとして、「第1入球口」用の大当たり種別テーブルとして次のように規定している。即ち、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「25〜49」が対応付けられ、4R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられている。つまり、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
一方、第2入球口640への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けとして、「第2入球口」用の大当たり種別テーブルとして次のように規定している。即ち、4R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「25〜49」が対応付けられ、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられている。つまり、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
このように、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、上述した通り、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
また、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した方が(左打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した場合よりも(右打ちした場合よりも)、第1入球口64に球が入球し易いように構成されている。一方、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した方が(右打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した場合よりも(左打ちした場合よりも)、第2入球口640に球が入球し易いように構成されている。また、電動役物640aを開放状態とする当たり抽選の契機となるスルーゲート67が可変表示装置80の右方に配設されており、通常時は、スルーゲート67を球が通過しても電動役物640aが開放状態となり難いのに対し、確変中または時短中は、スルーゲート67を球が通過すると電動役物640aが開放状態になり易い。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(左打ちし)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(右打ちし)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
図8に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンが選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの停止パターン選択カウンタC3の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの停止パターン選択カウンタC3の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、外れ時の停止種別として、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、停止種別が選択される。
停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いられるカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図16参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図22参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの変動種別カウンタCS1の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの変動種別カウンタCS1の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
MPU201は、変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202bc,203d(図7(b))とによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定する。
本パチンコ機10は、変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態か、もしくは、時短中または確変中であるかに応じて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1および外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2が用意されている。
ここで、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、同じ保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動パターンテーブル202cから決定される。
また、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する停止パターンが、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1から決定され、遊技状態が時短中または確変中にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する停止パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
図9(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。大当たりの場合に選択される変動パターンには、ノーマルリーチ各種と、スーパーリーチ各種と、スペシャルリーチ各種とがあり、これらの変動パターンの中から、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)が選択される。
ここで、ノールリーチ各種とは、変動時間が30秒と短い変動パターンであり、短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。スーパーリーチ各種とは、変動時間が60秒とノーマルリーチ各種よりも長い変動パターンであり、比較的長く行われるリーチ(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。スペシャルリーチ各種とは、変動時間が90秒とスーパーリーチ各種より更に長い変動パターンであり、最も長い時間行われるリーチ(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。
なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動開始前の予告演出が付加されるもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
図9(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cにおいて、外れ用変動パターンテーブル202d(図9(d),(e)参照)と同様に、遊技状態が通常中と、時短中または確変中とで、変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)を異ならせている。
具体的には、遊技状態が通常中である場合の各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜50、スーパーリーチ各種が51〜179、スペシャルリーチ各種が180〜198となっている。一方、遊技状態が時短中または確変中である場合の各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜149、スーパーリーチ各種が150〜198となっている。
図9(c)に示した大当たり用変動パターンテーブル202cでは、遊技状態が通常中である場合において、変動時間の長いスーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種が、変動パターンとして選択されやすくなっているのに対し、遊技状態が時短中または確変中である場合は、変動時間の短いノーマルリーチ各種が、変動パターンとして選択されやすくなっている。
通常中は、大当たりとなる確率が低いため、変動時間の長いスーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種が変動パターンとして多く選択されることにより、スーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種による変動演出が行われている間、遊技者に大当たりとなる期待感を大きく膨らませることができる。一方、時短中や確変中は、電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640において始動入賞が発生しやすくなる。よって、時短中や確変中において変動時間の長い変動パターンを多く選択すると、次の変動演出の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、遊技状態が時短中または確変中にあるときは、通常中の場合よりも変動時間の短いノーマルリーチ各種が選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
また、図9(c)に示した大当たり用変動パターンテーブル202cでは、遊技状態が時短中または確変中の場合は、スペシャルリーチ各種が選択されないようになっている。詳細については後述するが、スペシャルリーチ各種は、外れの場合には選択されない。即ち、スペシャルリーチによって変動演出が行われた場合、それは100%大当たりとなることを意味する。ここで、確変中は、遊技者からすれば必ず大当たりとなる遊技状態であるので、仮に確変中にスペシャルリーチによって変動演出が行われた場合、大当たりとなった喜びよりも、早く変動演出が終了して特別遊技状態(大当たり状態)へ移行して欲しい、との不満感を強く持たせることとなる。本パチンコ機10では、時短中または確変中において、スペシャルリーチによる変動演出が行われないので、このような遊技者の不満感を回避することができる。
なお、本パチンコ機10では、遊技状態が時短中と確変中とで、各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けを同じものとしたが、時短中と確変中とでも、各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けを異ならせてもよい。例えば、時短中においては、変動パターンとしてスペシャルリーチ各種が選択されるように、大当たり用変動パターンテーブル202cを規定してもよい。時短中は、必ずしも大当たりとなることが確約されている訳ではないので、スペシャルリーチによる変動演出が行われることによって、大当たりとなる期待感を遊技者に持たせることができる。
また、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
図9(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図9(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1から決定される。
完全外れ専用には、短時間(7秒)で変動が終了してリーチも成立しない短外れと、その短外れより長い変動時間(10秒)となるがリーチが成立しない長外れとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜98、長外れが99〜198となっている。また、リーチ共通には、リーチは成立するが変動時間が30秒と短いノーマルリーチ各種と、そのノーマルリーチ各種より変動時間が60秒と長いスーパーリーチ各種とがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜149、スーパーリーチ各種が150〜198となっている。
図9(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図9(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照され、短外れと長外れとがある完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照され、ノーマルリーチ各種とスーパーリーチ各種とがあるリーチ共通というように、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜190、長外れが191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜190、スーパーリーチ各種が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短中または確変中にあるときに参照されるテーブルであるので、電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640において始動入賞が発生しやすい状態となる。よって、時短中または確変中にあるときに、長外れが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、それ以外の場合よりも短外れが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
また、外れの場合に参照される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1及び外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2では、大当たりの場合に変動パターンとして選択され得るスペシャルリーチ各種が選択されない。これにより、スペシャルリーチによる変動演出が行われた場合は、100%大当たりとなる。また、大当たりの場合であっても、変動パターンとしてスペシャルリーチが選択されるのは、遊技状態が通常中の場合だけであり、その選択される確率も10/199と低い。よって、スペシャルリーチは特別な変動演出として遊技者に感じさせることができ、スペシャルリーチによる変動演出が行われた場合に遊技者に大きな喜びを与えることができる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図9(d)及び図9(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、短外れ及び長外れを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、短外れと長外れとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
図8に戻り、各種カウンタの説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、第2図柄表示装置83にて行われる第2図柄(普通図柄)の変動表示の当たり抽選に用いられるカウンタであり、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図16参照)毎に更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203に設けられた普図保留球格納エリア203iの普図保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。
第2当たり乱数カウンタC4において、遊技状態が通常中における当たりとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に、遊技状態が通常中の場合は当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640の電動役物640aが所定時間だけ開放される。また、遊技状態が時短中または確変中における当たりとなる乱数の値の数は250あり、その範囲は「1〜250」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「1〜250」の範囲にある場合に、遊技状態が時短中または確変中の場合は当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640の電動役物640aが、通常中のときよりも長い所定時間だけ開放される。
このように、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く設定されている。また、上述した通り、第2図柄の変動表示にかかる時間も通常中よりも短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。一方、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、上述した通り、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一であるが、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
加えて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した方が(左打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した場合よりも(右打ちした場合よりも)、第1入球口64に球が入球し易いように構成されている。一方、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した方が(右打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した場合よりも(左打ちした場合よりも)、第2入球口640に球が入球し易いように構成されている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(左打ちし)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(右打ちし)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図22参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
さて、RAM203には、第1入球口63への入球に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア)からなる特図1保留球格納エリア203aが設けられている。また、RAM203には、第2入球口64への入球に対して各カウンタ値が格納される特図2保留球格納エリア203bが設けられている。図示はしていないが、特図2保留球格納エリア203bも、特図1保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリア(特図2保留第1〜第4エリア)を有している。
特図1保留球格納エリア203aに設けられた各保留エリアは、第1入球口64への入球によってカウンタ用バッファより取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値をそれぞれ格納するための、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2、変動パターン選択カウンタ格納エリア203a3、変動種別カウンタ格納エリア203a4を有している。また、図示はしていないが、特図2保留球格納エリア203bに設けられたいずれの各保留エリアは、第2入球口640への入球によってカウンタ用バッファより取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値を格納するための格納エリアが、カウンタ毎に設けられている。
特図1保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値が格納される。このとき、特図1保留球格納エリア203aに保留が全くなく、特図1保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、特図1保留第1エリアに各カウンタの値が格納される。特図1保留球格納エリア203aに保留が1つのみで、特図1保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。
特図1保留球格納エリア203aでの保留が2つで、特図1保留第1〜第2エリアに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。特図1保留球格納エリア203aでの保留が3つで、特図1保留第1〜第3エリアに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、第1入球口64への始動入賞があった順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、特図1保留第1エリア、特図1保留第2エリア、特図1保留第3エリア、特図1保留第4エリアの順で格納することができる。
一方、特図2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。各カウンタの値を、特図2保留球格納エリア203bのどの保留エリア(特図2保留第1〜第4エリア)に格納するかは、特図2保留球格納エリア203bに格納された保留の数に基づいて、特図1保留球格納エリア203aの場合と同じ方法で決められる。これにより、第2入球口640への始動入賞があった順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、特図2保留第1エリア、特図2保留第2エリア、特図2保留第3エリア、特図2保留第4エリアの順で格納することができる。
尚、特図1保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに第1入球口64への始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。同様に、特図2保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに第2入球口640への始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、第1入球口64及び第2入球口640のそれぞれにおいて、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
RAM203には、また、特図保留球実行エリア203cが設けられている。変動演出の開始タイミングになると、特図2保留球格納エリア203bでの保留がある場合は、その特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び停止種別カウンタCS1の各値が、それぞれ、特図保留球実行エリア203cに設けられた第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4に移される。
また、特図2保留球格納エリア203bでの保留がなく、特図1保留球格納エリア203aでの保留がある場合は、その特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び停止種別カウンタCS1の各値が、それぞれ、特図保留球実行エリア203cに設けられた第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4に移される。
そして、特図保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4に格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
第1図柄表示装置37では、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
このように、特図2保留球格納エリア203bでの保留があれば、特図1保留球格納エリア203aでの保留の有無にかかわらず、特図2保留球格納エリア203bに格納された各カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへ移され、その特図保留球実行エリア203cに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。よって、本パチンコ機10では、第2入球口640における始動入賞が、第1入球口64における始動入賞よりも優先して大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選に基づいて変動演出が行われるように構成されている。
尚、特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアの各カウンタの値、又は、特図2保留球格納エリア203bの特図2保留球第1エリアの各カウンタの値が、特図保留球実行エリア203cに移されると、その後、特図1保留第2エリア又は特図2保留第2エリアに格納された各カウンタの値が、空いた特図1保留第1エリア又は特図2保留第1エリアにシフトされる。そして、特図1保留第3エリア又は特図2保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた特図1保留第2エリア又は特図2保留第2エリアにシフトされ、特図1保留第4エリア又は特図2保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた特図1保留第3エリア又は特図2保留第3エリアにシフトされる。
これにより、特図2保留球格納エリア203bに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、第2入球口640による保留が1つ分だけ減り、特図2保留球格納エリア203bの1エリアが開放される。また、特図1保留球格納エリア203aに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、第1入球口64による保留が1つ分だけ減り、特図1保留球格納エリア203aの1エリアが開放される。
なお、本パチンコ機10では、各保留エリアにおけるデータの有無にかかわらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成したが、データ(各種カウンタの値)が記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行ってもよい。例えば、データのシフトを行う前の特図1保留球格納エリア203aに保留された変動演出の数(保留球数)が2であり、特図1保留第1エリアと特図1保留第2エリアとにのみ、データが記憶されていた場合は、特図1保留第1エリアのデータを特図保留球実行エリア203cへシフトした後、特図1保留第2エリアのデータを特図1保留第1エリアへシフトさせて、シフト処理を終了させてもよい。これにより、データが記憶(保留)されていない保留エリア(上記の例では、特図1保留第3〜第4エリア)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
RAM203には、また、スルーゲート67における球の通過に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)からなる普図保留球格納エリア203iが設けられている。各保留エリアは、それぞれ、スルーゲート67における球の通過によってカウンタ用バッファより取得される第2当たり乱数カウンタC4の値を格納するための第2当たり乱数カウンタ格納エリア203i1を有している。
普図保留球格納エリア203iには、スルーゲート67における球の通過タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第2当たり乱数カウンタC4が格納される。このとき、普図保留球格納エリア203iに保留が全くなく、普図保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、普図第1保留エリアに第2当たり乱数カウンタC2の値が格納される。普図保留球格納エリア203aに保留が1つのみで、普図保留第1エリアだけに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第2エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。普図保留球格納エリア203iでの保留が2つで、普図保留第1〜第2エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第3エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。普図保留球格納エリア203aでの保留が3つで、普図保留第1〜第3エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第4エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。
これにより、スルーゲート67において球の通過が検出された順に、その球の通過タイミングでカウンタ用バッファから取得した第2当たり乱数カウンタC4の値を、普図保留第1エリア、普図保留第2エリア、普図保留第3エリア、普図保留第4エリアの順で格納することができる。尚、普図保留第1〜第4エリアの全てに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されているときに、スルーゲート67において球の通過が検出された場合は、そのときの第2当たり乱数カウンタC4の値は保留されずに破棄される。
RAM203には、また、普図保留球実行エリア203jが設けられている。第2図柄(普通図柄)の変動表示の開始タイミングになると、普図保留球格納エリア203iでの保留がある場合は、その普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の各値が、普図保留球実行エリア203jに設けられた第2当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に移される。そして、普図保留球実行エリア203jの第2当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に格納された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、第2図柄(普通図柄)の当たり抽選が行われる。
尚、普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアの第2当たり乱数カウンタC4の値が、普図保留球実行エリア203jに移されると、その後、普図保留第2エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が、空いた普図保留第1エリアにシフトされる。そして、普図保留第3エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が空いた普図保留第2エリアにシフトされ、普図保留第4エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が空いた普図保留第3エリアにシフトされる。
これにより、普図保留球格納エリア203iに保留された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて第2図柄(普通図柄)の変動表示が開始されると、普通図柄の保留が1つ分だけ減り、普図保留球格納エリア203iの1エリアが開放される。
なお、本パチンコ機10では、普図保留球格納エリア203iの各保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)間でデータのシフト処理を行う場合に、各保留エリアにおけるデータの有無にかかわらず、保留エリア(普図保留第2〜第4エリア)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成したが、特図の場合と同様に、データ(各種カウンタの値)が記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行ってもよい。例えば、データのシフトを行う前の普図保留球格納エリア203iに保留された変動演出の数(保留球数)が2であり、普図保留第1エリアと普図保留第2エリアとにのみ、データが記憶されていた場合は、普図保留第1エリアのデータを普図保留球実行エリア203jへシフトした後、普図保留第2エリアのデータを普図保留第1エリアへシフトさせて、シフト処理を終了させてもよい。これにより、データが記憶(保留)されていない保留エリア(上記の例では、普図保留第3〜第4エリア)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、RAM203の説明を続ける。特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図16参照)の中で検出される第1入球口64又は第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動演出(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)を、それぞれ最大4回まで計数するカウンタである。特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図21のS1613)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、特図1保留球数カウンタ203a、特図2保留球数カウンタ203bは、変動演出が実行される毎に1減算される。
また、特図1保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、第1入球口64に球が入球したことに基づいて特図1保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納された場合に、主制御基板から出力される特図1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へ通知される。特図1保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて特図1保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、特図2保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第2入球口640に球が入球したことに基づいて特図2保留球格納エリア203bに各カウンタ値が格納された場合に、主制御基板から出力される特図2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。特図2保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて特図2保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンド及び特図2保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数、及び、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数そのものの値を、取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく変動演出の保留球数を管理することができる(図10(a)の特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bを参照)。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される変動演出の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の変動演出の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113内で管理される第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数(特図1保留球数カウンタ223a)、及び、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数(特図2保留球数カウンタ223b)は、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定するタイミング(即ち、変動演出を開始するタイミング)で更新される。即ち、開始する変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものであれば、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数が1減らされ、開始する変動演出が第2入球口640への始動入賞に伴うものであれば、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数が1減らされる。
主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドに、その変動パターンコマンドによって変動種別が示される変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴うものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴うものであるのかを示す情報を含めている。音声ランプ制御装置113では、その変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて、開始する変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴うものであるのかを判断し、その判断結果に基づいて、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数および第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数のいずれかを1減らす処理が行われる。
また、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数(特図1保留球数カウンタ223aの値)が変化する度に、その変化後の保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用特図1保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用特図1保留球数コマンドによって通知された保留球数分の保留球数図柄を、第3図柄表示装置81の第1保留表示領域Ds1に表示する。これにより、第1保留表示領域Ds1において、第1入球口64への始動入賞によって保留された変動表示の数(保留球数)が、遊技者に対して示される。
また、音声ランプ制御装置113は、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数(特図2保留球数カウンタ223bの値)が変化する度に、その変化後の保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用特図2保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用特図2保留球数コマンドによって通知された保留球数分の保留球数図柄を、第3図柄表示装置81の第2保留表示領域Ds2に表示する。これにより、第2保留表示領域Ds2において、第2入球口640への始動入賞によって保留された変動表示の数(保留球数)が、遊技者に対して示される。
特図種別フラグ203kは、特別図柄である第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであるのか、を示すフラグである。特図種別フラグ203kがオフの場合に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを示し、特図種別フラグ203kがオンの場合に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを示す。
この特図種別フラグ203kは、第1図柄(第3図柄)の変動演出の開始を設定する初めの段階で、オフ又はオンに設定される。具体的には、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、特図2保留球数カウンタ203eの値が0より大きく、第2入球口640への始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値が特図2保留球格納エリア203bに保留されていれば、その特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納された各種カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへシフトされると共に、特図種別フラグ203kがオンに設定される(図18のS1304〜S1307参照)。
また、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、特図2保留球数カウンタ203eの値が0である一方、特図1保留球数カウンタ203dの値が0より大きく、第1入球口64への始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値が特図1保留球格納エリア203aに保留されていれば、その特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納された各種カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへシフトされると共に、特図種別フラグ203kがオフに設定される(図18のS1304,S1309〜S1312参照)。
MPU201では、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングで行う大当たり抽選によって大当たりと判定した場合に、大当たり種別の決定に用いる大当たり種別テーブル(図9(b)参照)として、特図種別フラグ203kに基づいて、「第1入球口」用と「第2入球口」用とのいずれかを設定する。具体的には、特図種別フラグ203kがオフの場合、大当たりと判定された第1図柄(第3図柄)の変動演出は、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであるので、「第1入球口」用の大当たり種別テーブルを設定する。一方、特図種別フラグ203kがオンの場合、大当たりと判定された第1図柄(第3図柄)の変動演出は、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであるので、「第2入球口」用の大当たり種別テーブルを設定する。
上述した通り、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合の大当たり種別は、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。また、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合の大当たり種別は、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。即ち、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。
ここで、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
また、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した方が(左打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した場合よりも(右打ちした場合よりも)、第1入球口64に球が入球し易いように構成されている。一方、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した方が(右打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した場合よりも(左打ちした場合よりも)、第2入球口640に球が入球し易いように構成されている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(左打ちし)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(右打ちし)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7(a)に図示した各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図22参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図21参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図20参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図20参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、及び、第1〜第3役物87〜89の駆動を制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、第1役物上下動ソレノイド87a、第1役物回転用モータ87b、第2役物条手道ソレノイド88a、第3役物回転用モータ89aなどがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドや停止種別コマンドといった変動演出に関するコマンドを、第3図柄表示装置81へ送信する。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づいて、変動演出の詳細な実行態様(変動パターン)を決定し、その決定した詳細な変動パターンで第3図柄表示装置81にて変動演出を実行する。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示種別コマンド)を受信する。詳細については後述するが、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81にこれから表示させる表示内容を、表示種別コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示種別コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
更に、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から役物動作開始コマンドを受信すると、その役物動作開始コマンドに応じて、第1役物87、第2役物88、第3役物89のいずれかを駆動する。役物動作開始コマンドは、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドであり、動作(駆動)を開始すべき可動役物の種別に関する情報と、その可動役物をどのように動作させるかを示す動作態様に関する情報とが含まれる。
表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した変動パターンコマンドや停止種別コマンド等に基づいて、予告演出を含めた変動演出の詳細な実行態様(変動パターン)を決定する。このとき、その決定した詳細な変動パターンに応じて、第1役物87、第2役物88又は第3役物89を用いた予告演出を行うか否かが決定され、また、その動作態様が決定される。表示制御装置114は、その決定に基づき、第1役物87〜第3役物89のいずれかの可動役物の動作を開始させるタイミングで、その動作させる可動役物の種別(役物種別)に関する情報とその動作態様に情報とを含む役物動作開始コマンドを生成して、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113では、ROM222に可動役物種別および動作態様に対応付けて、対応する可動役物を対応する動作態様で駆動させるための役物駆動制御データが記憶されている。例えば、第1役物87に対して5つの動作態様が設定されている場合には、5つの動作態様毎に第1役物87を駆動させる役物駆動制御データがROM222に格納される。同様に、第2役物88に対して4つの動作態様が設定され、第3役物89に対して3つの動作態様が設定されている場合には、第2役物88については4つの動作態様毎に、第3役物89については3つの動作態様毎に、それぞれの可動役物を駆動させる役物駆動制御データがROM222に格納されている。
音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信すると、その役物動作開始コマンドで示される可動役物種別の動作態様に対応した役物駆動制御データをROM222から読み出し、その役物駆動制御データに従って、可動役物種別で示される可動役物を動作させる。
第1役物87を動作させる場合、音声ランプ制御装置113は、第1役物上下動ソレノイド87aと第1役物回転用モータ87bとを役物駆動制御データに従って駆動する。第2役物88を動作させる場合、音声ランプ制御装置113は、第2役物上下動ソレノイド88aを駆動パターンに従って駆動する。また、第3役物89を動作させる場合、音声ランプ制御装置113は、第3役物回転用モータ89aを駆動パターンに従って駆動する。
第1役物上下動ソレノイド87aは、遊技領域の正面視下方向に第1役物87を移動させるためのソレノイドである。第1役物上下動ソレノイド87aが駆動されると、センターフレーム86内に格納されていた第1役物87が下降し、遊技者に視認可能な状態となる。また、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動が解除されると(非駆動状態となると)、遊技者に視認状態となっていた第1役物87が上昇し、再びセンターフレーム86内に格納され、遊技者に視認不能な状態となる。
第1役物回転用モータ87bは、第1役物87を回転動作させるためのモータである。第1役物回転用モータ87bが駆動されると、第1役物87が、遊技領域の正面視時計回り(図2の矢印A方向)に回転動作する。
ここで、本パチンコ機10における第1役物87は、第1役物87が下降して遊技者に視認可能な状態にある間、回転動作されている。従来のパチンコ機では、このような場合、第1役物87を動作させるための役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンと第1役物回転用モータ87bの駆動パターンとの両方を規定し、ROM222に格納していた。これにより、従来のパチンコ機では、パチンコ機10の設計を行う段階で、設計者が第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンと第1役物回転用モータ87bの駆動パターンとの両方を設計しなければならず、設計の負担となっていた。また、それぞれの駆動パターンを含む役物駆動制御データをROM222に格納しなければならないため、ROM222の記憶容量を圧迫し、又は、ROM222の記憶容量を大容量化しなければならないという問題があった。
これに対し、本パチンコ機10では、ROM222に格納する第1役物87の役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定している。そして、音声ランプ制御装置110では、第1役物上下動ソレノイド87aが駆動中であるか否かを判定し、第1役物上下動ソレノイド87aが駆動中である場合に、第1役物回転用モータ87bを駆動している。これにより、第1役物87が下降して遊技者に視認可能な状態にある間、その第1役物87を回転動作させることができる。そして、パチンコ機10の設計者は、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンだけを設計すればよいので、設計負担を軽減できる。また、役物駆動制御データとして第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定してROM222に格納するので、ROM222として必要な記憶容量の増大を抑制することができる。
なお、本実施形態では、ROM222に格納する第1役物87の役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定する場合について説明するが、ROM222に格納する第1役物87の役物駆動制御データとして、第1役物回転用モータ87bの駆動パターンのみを規定してもよい。この場合、音声ランプ制御装置110では、第1役物回転用モータ87bが駆動中であるか否かを判定し、第1回転用モータ87bが駆動中である場合に、第1役物上下動ソレノイド87aを駆動すればよい。これによっても、第1役物87が下降して遊技者に視認可能な状態にある間、その第1役物87を回転動作させることができる。そして、パチンコ機10の設計者は、第1役物回転用モータ87bの駆動パターンだけを設計すればよいので、設計負担を軽減できる。また、役物駆動制御データとして第1役物回転用モータ87bの駆動パターンのみを規定してROM222に格納するので、ROM222として必要な記憶容量の増大を抑制することができる。
第2役物上下動ソレノイド88aは、遊技領域の正面視上方向に第2役物87を移動させるためのソレノイドである。第2役物上下動ソレノイド88aが駆動されると、センターフレーム86内に格納されていた第2役物88が上昇し、遊技者に視認可能な状態となる。また、第2役物上下動ソレノイド88aの駆動が解除されると(非駆動状態となると)、遊技者に視認状態となっていた第2役物88が下降し、再びセンターフレーム86内に格納され、遊技者に視認不能な状態となる。
第3役物回転用モータ89aは、第3役物89を回転動作させるためのモータである。上述した通り、第3役物89は、円柱形の側面が遊技領域の正面視にて視認可能となるように、円柱形の中心軸を遊技領域の正面視上下方向と並行にして、センターフレーム87に取り付けられている。第3役物回転用モータ89aが駆動されると、第3役物89は、円柱の中心軸を回転軸として、回転軸を遊技機の上方から見た場合に時計回り(図2の矢印B方向)に回転動作する。
次いで、図10(a)を参照して、RAM223の詳細について説明する。図10(a)は、RAM223に格納される各種データを模式的に示した模式図である。RAM223は、特図1保留球数カウンタ223a、特図2保留球数カウンタ223b、第1役物駆動フラグ223c、第2役物駆動フラグ223d、第3役物駆動フラグ223e、動作役物数カウンタ223f、動作干渉フラグ223g、動作済フラグ223hを少なくとも有している。
特図1保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dと同様に、第1入球口64への始動入賞に伴って第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
特図2保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特図2保留球数カウンタ203eと同様に、第2入球口640への始動入賞に伴って第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特図1保留球数カウンタ203d及び特図2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞した保留球数をそれぞれカウントし、特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bにて、これらの保留球数を管理するようにしている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への始動入賞によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において特図1保留球数カウンタ203dの値が加算された場合に主制御装置110より送信される特図1保留球数コマンドを受信すると、その特図1保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を特図1保留球数カウンタ223aに格納する(図25のS2007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、第2入球口640への始動入賞によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において特図2保留球数カウンタ203eの値が加算された場合に主制御装置110より送信される特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図2保留球数カウンタ203eの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を特図2保留球数カウンタ223bに格納する(図25のS2010参照)。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において特図1保留球数カウンタ203d又は特図2保留球数カウンタ203eの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定すると、その変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものか第2入球口640への始動入賞に伴うものなのかに応じて、特図1保留球数カウンタ223aおよび特図2保留球数カウンタ223bのいずれか一方の値を、1減算する(図26のS2108,S2110参照)。なお、変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものか第2入球口640への始動入賞に伴うものなのかは、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに、そのことを示す情報が含まれており、その情報に基づいて判断する。
このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、特図1保留球数カウンタ223a,特図2保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203d,特図2保留球数カウンタ203eと同期させながら、その値を更新することができる。
特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特図1保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて特図1保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、その格納もしくは更新が行われた後の特図1保留球数カウンタ223aの値を、表示制御装置114に通知するべく、表示用特図1保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する(図25のS2008及び図26のS2109参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特図2保留球数カウンタ223bに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて特図2保留球数カウンタ223bの値を更新したりするタイミングで、その格納もしくは更新が行われた後の特図2保留球数カウンタ223bの値を、表示制御装置114に通知するべく、表示用特図2保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する(図25のS2011及び図26のS2111参照)。
表示制御装置114では、表示用特図1保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特図1保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。また、表示制御装置114では、表示用特図2保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特図2保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Ds2に表示するように、画像の描画を制御する。
上述したように、特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203d及び特図2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の保留表示領域Ds1,Ds2に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203d及び特図2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
第1役物駆動フラグ223cは、第1役物87を動作させるために第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bを駆動させているか否かを示すフラグであり、オンの場合に、第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bを駆動させていることを示し、オフの場合に、第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bを駆動させていないことを示す。
第1役物駆動フラグ223cは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図23のS1810参照)において、初期値としてオフが設定される。音声ランプ制御装置113において表示制御装置114から第1役物87の動作開始を示す役物動作開始コマンドが受信され、役物動作開始コマンドで示される動作態様に対応する役物駆動制御データが設定されて、その役物駆動制御データに基づいて第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bが駆動される場合に、第1役物駆動フラグ223cはオンに設定される(図27のS2213参照)。また、役物駆動制御データに基づき、第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87bの駆動を終了して第1役物87の動作を停止させるタイミングとなった場合に、第1役物駆動フラグ223cはオフされる(図30のS2304参照)。
第1役物駆動フラグ223cは、MPU221によって実行される役物駆動処理(図30参照)にて参照され、第1役物駆動フラグ223cがオンの場合に、設定された役物駆動制御データに従って、第1役物上下動ソレノイド87aが駆動される(図30のS2302参照)。また、第1役物上下動ソレノイド87aが駆動されている間、MPU21により実行される役物駆動処理によって、第1役物回転用モータ87bもあわせて駆動される(図30のS2314)。これにより、第1役物87を下降させて遊技者に視認可能にしつつ、その第1役物87を回転動作させることで、遊技者が感じる大当たりとなる期待度を高める予告演出が実行される。上述した通り、パチンコ機10の設計者は、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンだけを設計して役物駆動制御データを作成すればよいので、設計負担を軽減できる。また、役物駆動制御データとして第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定してROM222に格納すればよいので、ROM222として必要な記憶容量の増大を抑制することができる。
第2役物駆動フラグ223dは、第2役物88を動作させるために第2役物上下動ソレノイド88aを駆動させているか否かを示すフラグであり、オンの場合に、第2役物上下動ソレノイド88aを駆動させていることを示し、オフの場合に、第2役物上下動ソレノイド88aを駆動させていないことを示す。
第2役物駆動フラグ223dは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図23のS1810参照)において、初期値としてオフが設定される。音声ランプ制御装置113において表示制御装置114から第2役物88の動作開始を示す役物動作開始コマンドが受信され、役物動作開始コマンドで示される動作態様に対応する役物駆動制御データが設定されて、その役物駆動制御データに基づいて第2役物上下動ソレノイド88aが駆動される場合に、第2役物駆動フラグ223dはオンに設定される(図27のS2213参照)。また、役物駆動制御データに基づき、第2役物上下動ソレノイド88aの駆動を終了して第2役物88の動作を停止させるタイミングとなった場合に、第1役物駆動フラグ223cはオフされる(図30のS2308参照)。
第2役物駆動フラグ223dは、MPU221によって実行される役物駆動処理(図30参照)にて参照され、第2役物駆動フラグ223dがオンの場合に、設定された役物駆動制御データに従って、第2役物上下動ソレノイド88aが駆動される(図30のS2306参照)。これにより、第2役物88を上昇させて遊技者に視認させることで、遊技者が感じる大当たりとなる期待度を高めることができる。
第3役物駆動フラグ223eは、第3役物89を動作させるために第3役物回転用モータ89aを駆動させているか否かを示すフラグであり、オンの場合に、第3役物回転用モータ89aを駆動させていることを示し、オフの場合に、第3役物回転用モータ89aを駆動させていないことを示す。
第3役物駆動フラグ223eは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図23のS1810参照)において、初期値としてオフが設定される。音声ランプ制御装置113において表示制御装置114から第3役物89の動作開始を示す役物動作開始コマンドが受信され、役物動作開始コマンドで示される動作態様に対応する役物駆動制御データが設定されて、その役物駆動制御データに基づいて第3役物回転用モータ89aが駆動される場合に、第3役物駆動フラグ223eはオンに設定される(図27のS2213参照)。また、役物駆動制御データに基づき、第3役物回転用モータ89aの駆動を終了して第3役物89の動作を停止させるタイミングとなった場合に、第1役物駆動フラグ223cはオフされる(図30のS2312参照)。
第3役物駆動フラグ223eは、MPU221によって実行される役物駆動処理(図30参照)にて参照され、第3役物駆動フラグ223eがオンの場合に、設定された役物駆動制御データに従って、第3役物回転用モータ89aが駆動される(図30のS2310参照)。これにより、第3役物89の回転動作を遊技者に視認させることで、遊技者が感じる大当たりとなる期待度を高めることができる。
また、第1役物駆動フラグ223c、第2役物駆動フラグ223d、第3役物駆動フラグ223eは、それぞれ、MPU221により実行される動作済判定処理(図28参照)によって参照される。詳細については後述するが、動作済判定処理は、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合に実行される処理であり、役物動作開始コマンドに含まれる可動役物種別で示される可動役物(第1役物87〜第3役物89)が、既に動作している役物である場合、その役物動作開始コマンドを無視し、役物動作開始コマンドを受信する前に既に設定されている役物駆動制御データに基づいて、引き続きその可動役物を動作させるものである。
本パチンコ機10では、既に動作された可動役物に対し、役物動作開始コマンドによって新たに動作開始が指示されることがないように、表示制御装置114での処理がプログラムされている。しかしながら、ノイズ等の影響により、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114より受信したコマンドの一部が破壊され、本来であれば別のコマンドであったにもかかわらず、既に動作している役物に対する役物動作開始コマンドとして、そのコマンドを解釈してしまうおそれがある。また、近年は、第3図柄表示装置81にて表示される各種の演出も複雑になっており、表示制御装置114にて実行させるプログラムも複雑になっていることから、プログラム上の誤りや欠陥が残ったままパチンコ機10が出荷される場合も生じ得る。この場合、表示制御装置114が、既に動作している可動役物に対して再び役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信してしまうおそれもある。
本パチンコ機10では、このような不具合により、ある動作態様で動作中の可動役物が、別の動作態様で動作を開始してしまうことを抑制するために、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合に、その受信した役物動作開始コマンドによって動作が開始される可動役物が既に動作中の役物であれば、受信した役物動作開始コマンドを無視して、役物動作開始コマンドを受信する前に既に設定されている役物駆動制御データに基づいて、引き続きその可動役物を動作させる。
具体的には、受信した役物動作開始コマンドにより第1役物87の動作開始が指示された場合、第1役物駆動フラグ87aの値を確認して第1役物87が動作中であるか否かを判断する。第1役物87が動作中であれば、受信した役物動作開始コマンドを無視して、既に動作中の動作態様で第1役物87を動作させ続ける。
受信した役物動作開始コマンドにより第2役物88の動作開始が指示された場合、第2役物駆動フラグ88aの値を確認して第2役物88が動作中であるか否かを判断する。第2役物88が動作中であれば、受信した役物動作開始コマンドを無視して、既に動作中の動作態様で第2役物88を動作させ続ける。
受信した役物動作開始コマンドにより第3役物89の動作開始が指示された場合、第3役物駆動フラグ89aの値を確認して第3役物89が動作中であるか否かを判断する。第3役物89が動作中であれば、受信した役物動作開始コマンドを無視して、既に動作中の動作態様で第3役物89を動作させ続ける。
これにより、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等によって、ある動作態様で動作中の可動役物が、別の動作態様で動作を開始してしまうことを抑制できる。よって、遊技者に違和感なく、可動役物を動作させ続けることができる。
また、第1役物駆動フラグ223c及び第2役物駆動フラグ223dは、それぞれ、MPU221により実行される動作干渉判定処理(図29参照)によって参照される。詳細については後述するが、動作干渉判定処理は、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合に実行される処理であり、役物動作開始コマンドに含まれる可動役物種別で示される可動役物を動作させた場合に、既に動作している可動役物とその動作が干渉してしまう場合、その役物動作開始コマンドで示された可動役物の動作を非実行とするためのものである。
本パチンコ機10では、第1役物87及び第2役物88を遊技者に目立たせるために、いずれの可動役物87,88も大型化している。これらの第1役物87及び第2役物88を同時に動作させると、センターフレーム86から下降した第1役物87と、センターフレーム86から上昇した第2役物88とが衝突し、互いの動作を干渉し合う。
ここで、図10(b)は、役物動作開始コマンドを受信したときに動作中の可動役物との関係で、その役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物の動作が実行とされるか非実行とされるかを示した図である。図10(b)に示す通り、役物動作開始コマンドにより第1役物87の動作開始が指示された場合、その役物動作開始コマンドを受信したときに第2役物88が動作中であれば、第1役物87を動作させると第2役物88との間で互いに干渉し合うので、第1役物87の動作を非実行とする。一方、役物動作開始コマンドにより第1役物87の動作開始が指示された場合、その役物動作開始コマンドを受信したときに第3役物89が動作中であれば、第1役物87と第3役物89とは干渉し合わないので、第1役物87の動作は実行される。
また、役物動作開始コマンドにより第2役物88の動作開始が指示された場合、その役物動作開始コマンドを受信したときに第1役物87が動作中であれば、第1役物87を動作させると第2役物88との間で互いに干渉し合うので、第2役物88の動作を非実行とする。一方、役物動作開始コマンドにより第2役物88の動作開始が指示された場合、その役物動作開始コマンドを受信したときに第3役物89が動作中であれば、第2役物88と第3役物89とは干渉し合わないので、第2役物88の動作は実行される。
また、役物動作開始コマンドにより第2役物88の動作開始が指示された場合、その役物動作開始コマンドを受信したときに第1役物87や第2役物88が動作中であっても、第1役物87と第3役物89との間で、また、第2役物88と第3役物89との間で、互いに干渉し合わない。よって、この場合、第2役物88の動作は実行される。
このように、本パチンコ機10では、第1役物87と第2役物88とが互いに干渉し合うことを防ぐために、第1役物87と第2役物88とが同時に動作することがないように役物動作開始コマンドが表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信するよう、表示制御装置114での処理をプログラムしている。
しかしながら、ノイズ等の影響により、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114より受信したコマンドの一部が破壊され、本来であれば別のコマンドであったにもかかわらず、ある可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドとして、そのコマンドを解釈してしまうおそれがある。また、近年は、第3図柄表示装置81にて表示される各種の演出も複雑になっており、表示制御装置114にて実行させるプログラムも複雑になっていることから、プログラム上の誤りや欠陥が残ったままパチンコ機10が出荷される場合も生じ得る。この場合、表示制御装置114が、既に動作している可動役物と干渉する可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信してしまうおそれもある。
本パチンコ機10では、このような不具合により第1役物87が動作中に第2役物88が動作してしまうことを抑制するために、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より第2役物88の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信した場合、MPU221は、動作干渉判定処理を実行することにより第1役物駆動フラグ223cの値に基づいて第1役物87が動作中であるか否かを判断する。そして、第1役物87が動作中であれば、受信した第2役物88の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを無視し、第2役物88を非動作とする。
また、上記の不具合により第2役物88が動作中に第1役物87が動作してしまうことを抑制するために、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信した場合、MPU221は、動作干渉判定処理を実行することにより第2役物駆動フラグ223dの値に基づいて第2役物88が動作中であるか否かを判断する。そして、第2役物88が動作中であれば、受信した第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを無視し、第1役物87を非動作とする。
これにより、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等によって、第1役物87と第2役物88とが同時に動作して,互いに干渉し合うことを抑制できる。
なお、動作干渉判定処理の結果、役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物を非動作とした場合、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114に対してその旨を通知する役物動作非実行コマンドを送信する(図27のS2216参照)。役物動作非実行コマンドは、その非動作とした可動役物の種別に関する情報と、非動作とされた可動役物の動作態様に関する情報とを含めて、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信される。
役物動作非実行コマンドは、非動作とされた可動役物の役物動作開始コマンドが、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等ではなく、正規の役物動作開始コマンドであった場合に、その正規に出力した役物動作開始コマンドに対応して、可動役物が動作しなかったことに対する対応を、表示制御装置114に対して行わせるためのものである。
ここで、図11(a)を参照して、第1役物87が動作中に第3図柄表示装置81に表示される画像を説明する。図11(a)は、第1役物87が動作中に第3図柄表示装置81に表示される画像を示す図である。
表示制御装置114では、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力した場合、その第1役物87の動作を遊技者に対して効果的に目立たせるために、センターフレーム86から下降した第1役物87の周辺を光らせた画像81aを第3図柄表示装置81に表示させる。
音声ランプ制御装置113では、第2役物88の動作中に第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信した場合、上述した通り、動作干渉判定処理によって、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドの動作を非実行としたが、ノイズ等の影響やプラグラム上の誤り等によって誤って受信されたのが、先に送受信された第2役物88の動作開始を指示する役物動作開始コマンドであることもあり得る。つまり、この場合、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して正規に出力されたものであることも十分にあり得る。
ところが、音声ランプ制御装置113の動作干渉処理によって、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが無視され、第1役物87が非動作とされた場合、この第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが正規のコマンドであれば、第1役物87が下降しないにもかかわらず、本来下降されるはずの第1役物87の周辺を光らせた画像81aだけが第3図柄表示装置81に表示されることとなる。よって、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、意味のない画像を見せることになり、遊技に対する興趣を削ぐ結果となるおそれがあった。
これに対し、表示制御装置113は、役物動作非実行コマンドを受信すると、その役物動作非実行コマンドにより示された可動役物と動作態様とに従って、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる。この例を図11(b)に示す。図11(b)は、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して、第1役物87が非実行とされたことを示す役物動作非実行コマンドが送信された場合に、第3図柄表示装置81に表示される画像を示す図である。
図11(b)で示した例では、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して、第1役物87が非実行とされたことを示す役物動作非実行コマンドが送信されると、表示制御装置114は、その役物動作非実行コマンドにより示される第1役物87が、その役物動作非実行コマンドにより示される動作態様で動作する画像81bを、その第1役物87の周辺を光らせた画像81aにかぶせた形で表示する。これにより、第1役物87が実際に動作されなくても、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、第1役物87がセンターフレーム86から下降して、その周辺を光らせながら、回転動作する画像を見せることができる。よって、遊技に対する興趣を高める演出を行うことができる。
図10(a)に戻り、説明を続ける。動作役物数カウンタ223fは、第1役物87〜第3役物89のうち、動作している可動役物の数をカウントするためのカウンタである。動作役物数カウンタ223fは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図23のS1810参照)において、初期値として0が設定される。
音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信したことに基づいて、その受信した役物動作開始コマンドにより示される動作態様で、その役物動作開始コマンドにより示される可動役物の動作が開始された場合に、動作役物数カウンタ223fには1が加算される(図27のS2214参照)。また、役物駆動制御データに基づいてソレノイドやモータが駆動されていた第1役物87〜第3役物89のいずれかが、その役物駆動制御データによってソレノイドやモータの駆動終了タイミングとなり、その可動役物の動作が終了となった場合に、役物動作数カウンタ223fに対して1が減算される(図30のS2305,S2310,S2315参照)。
この動作役物数カウンタ223fは、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合に参照され、そのときに動作している可動役物の数が確認される(図27のS2209参照)。そして、そのときに動作している可動役物が2未満である場合に限り、受信した役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物を、その役物動作開始コマンドによって示される動作態様に従って、動作を開始する。一方、役物動作開始コマンドを受信したときに動作している可動役物の数が2以上であれば、その役物動作開始コマンドを無視し、その動作役物開始コマンドによって示される可動役物を非動作とする。
本パチンコ機10では、第1役物87,第2役物88,第3役物89を、所定数(本実施形態では2)を超えて同時に動作させた場合、第1役物87の第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87b、第2役物88の第2役物上下動ソレノイド88a、第3役物の第3役物回転用モータ89aといったソレノイドやモータを数多く同時に動作させなければならず、パチンコ機10に供給されている電力が不足して、パチンコ機10の動作に不具合が生じるおそれがある。
特に、大当たり抽選など遊技の重要な制御を行う主制御装置110や、遊技者への賞球や貸球の払出を制御する払出制御装置111、球を払い出すための払出モータ216、各種入賞口への球の入球を検出するスイッチ、払い出される球を検出するスイッチ等において、その動作が不安定になると、遊技者に大当たりが正しく付与されなかったり、払い出されるべき球が払い出されなくなると、遊技者に不利益を被らせるおそれがある。
そこで、本パチンコ機10では、第1役物87、第2役物88、第3役物89が同時に動作することがないように役物動作開始コマンドが表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信されるよう、表示制御装置114での処理をプログラムしている。
しかしながら、ノイズ等の影響により、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114より受信したコマンドの一部が破壊され、本来であれば別のコマンドであったにもかかわらず、ある可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドとして、そのコマンドを解釈してしまうおそれがある。また、近年は、第3図柄表示装置81にて表示される各種の演出も複雑になっており、表示制御装置114にて実行させるプログラムも複雑になっていることから、プログラム上の誤りや欠陥が残ったままパチンコ機10が出荷される場合も生じ得る。この場合、既に2つの可動役物が動作しているにもかかわらず、表示制御装置114が、別の可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信してしまうおそれもある。
そこで、音声ランプ制御装置113では、第1役物87,第2役物88,第3役物89の全てが動作されることを抑制するために、動作役物数カウンタ223fによって動作中の可動役物の数をカウントし、動作役物数カウンタ223fの値が2未満の場合に限り、受信視した役物動作開始コマンドに従って可動役物の動作を開始する。これにより、第1役物87,第2役物88,第3役物89の全てが動作されることを抑制でき、これらの可動役物が全て動作することにより、遊技者に不利益を被らせるような不具合がパチンコ機10にて発生することを抑制できる。
なお、動作役物数カウンタ223fの値が2以上となっていることにより、役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物を非動作とした場合、動作干渉判定処理の結果、役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物を非動作とした場合と同様に、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114に対してその旨を通知する役物動作非実行コマンドを送信する(図27のS2216参照)。
例えば、音声ランプ制御装置113では、第2役物88及び第3役物89と2つの可動役物が動作しているときに第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信した場合、上述した通り、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドの動作を非実行としたが、ノイズ等の影響やプラグラム上の誤り等によって誤って受信されたのが、先に送受信された第2役物88の動作開始を指示する役物動作開始コマンドであるか、第3役物89の動作開始を指示する役物動作開始コマンドであることもあり得る。つまり、この場合、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して正規に出力されたものであることも十分にあり得る。
上述した通り、表示制御装置114では、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力した場合、その第1役物87の動作を遊技者に対して効果的に目立たせるために、センターフレーム86から下降した第1役物87の周辺を光らせた画像81aを第3図柄表示装置81に表示させる(図11(a)参照)。ところが、音声ランプ制御装置113によって、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが無視され、第1役物87が非動作とされた場合、第1役物87が下降しないにもかかわらず、本来下降されるはずの第1役物87の周辺を光らせた画像81aだけが第3図柄表示装置81に表示されることとなる。よって、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、意味のない画像を見せることになり、遊技に対する興趣を削ぐ結果となるおそれがあった。
これに対し、表示制御装置113は、役物動作非実行コマンドを受信すると、その役物動作非実行コマンドにより示された可動役物と動作態様とに従って、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる。例えば、上述した例では、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して、第1役物87が非実行とされたことを示す役物動作非実行コマンドが送信されるので、表示制御装置114は、その役物動作非実行コマンドにより示される第1役物87が、その役物動作非実行コマンドにより示される動作態様で動作する画像81bを、その第1役物87の周辺を光らせた画像81aにかぶせた形で表示する(図11(b))。これにより、第1役物87が実際に動作されなくても、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、第1役物87がセンターフレーム86から下降して、その周辺を光らせながら、回転動作する画像を見せることができるので、遊技に対する興趣を高める演出を行うことができる。
動作干渉フラグ223gは、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドに従って可動役物を動作させた場合に、第1役物87と第2役物88との間で互いに干渉し合うことを示すフラグである。動作干渉フラグ223gは、御布場合に、第1役物87と第2役物88との間で互いに干渉し合っていないことを示す。一方、動作干渉フラグ223gは、オンの場合に、第1役物87と第2役物88との間で互いに干渉し合うことを示す。
動作干渉フラグ223gは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図23のS1810参照)において、初期値としてオフが設定される。そして、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合にMPU221により実行される動作干渉判定処理(図29参照)において、第2役物が動作中に(第2役物駆動フラグ223dがオンの場合に)第1役物の動作開始が指示されていれば、動作干渉フラグ223gをオンに設定し(S2255)、第1役物87と第2役物88との間で互いに干渉し合うことを示す。また、動作干渉判定処理(図29参照)において、第1役物が動作中に(第1役物駆動フラグ223cがオンの場合に)第2役物の動作開始が指示されていれば、動作干渉フラグ223gをオンに設定し(S2255)、第1役物87と第2役物88との間で互いに干渉し合うことを示す。
音声ランプ制御装置113は、動作干渉フラグ223gがオンに設定されると、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドを無視し、その役物動作開始コマンドにより動作開始の指示された可動役物が非動作とする処理がなされる(図27のS2211:Yes参照)。これにより、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等によって、第1役物87と第2役物88とが同時に動作して、互いに干渉し合うことを抑制できる。
その後、動作干渉フラグ223gがオフに設定され、また、上述した役物動作非実行コマンドが表示制御装置114に対して送信される。
動作済フラグ223hは、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合に、その受信した役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物が、既に動作中であることを示すフラグである。動作済みフラグ223hは、オンの場合に、受信した役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物が、既に動作中であることを示し、オフの場合に、受信した役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物は動作していないことを示す。
動作済フラグ223hは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図23のS1810参照)において、初期値としてオフが設定される。そして、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合にMPU221により実行される動作済判定処理(図28参照)において、その受信した役物動作開始コマンドにより動作開始が指示された可動役物が、既に動作中であると判定した場合に、動作済フラグ223hをオンに設定する。
音声ランプ制御装置113は、動作済フラグ223hがオンに設定されると、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドを無視する(図27のS2207:Yes)。これにより、その役物動作開始コマンドにより動作開始が指示された可動役物を、既に動作中の動作態様にて継続して動作させ続けることができる。よって、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等によって、ある動作態様で動作中の可動役物が、別の動作態様で動作を開始してしまうことを抑制できるので、遊技者に違和感なく、可動役物を動作させ続けることができる。その後、動作済フラグ223hはオフに設定される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶する主制御コマンド記憶領域(図示せず)や、表示制御装置114により受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶する表示制御コマンド記憶領域(図示せず)、オン状態で変動演出を開始すべきことを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。
主制御コマンド記憶領域および表示制御コマンド記憶領域は、いずれも、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113の主コマンド判定処理(図25参照)が実行されると、主制御コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、主コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
また、音声ランプ制御装置113によって、表示コマンド判定処理(図27参照)が実行されると、表示制御コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納された表示コマンドが読み出され、表示コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
変動開始フラグは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図25のS2004参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図26のS2102参照)。
図6に戻って説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示種別コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示種別コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
更に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に表示させる変動パターンに応じて、第1役物87、第2役物88又は第3役物89を用いた予告演出を行うかを決定する。そして、表示制御装置114において、第1役物87、第2役物88又は第3役物89を用いた予告演出を行うことが決定された場合、その予告演出で用いられることが決定された第1役物87、第2役物88又は第3役物89の動作態様を含めて、その旨が、役物動作開始コマンドとして、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して通知される。音声ランプ制御装置113は、この役物動作開始コマンドによって示される可動役物を、その役物動作開始コマンドによって示される動作態様で動作するように、各可動役物に設けられたソレノイドやモータを駆動する。この表示制御装置114の詳細については、図12を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209、第1役物上下動ソレノイド87a、第2役物上下動ソレノイド88aなどのソレノイド、第1役物回転用モータ87b、第3役物回転用モータ89aなどのモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図20参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図4参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図12を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図12は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入出力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入出力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信すると共に、表示制御装置114の制御によって実際に第3図柄表示装置81に表示する表示内容を通知する表示種別コマンドや、第3図柄表示装置81に表示される変動演出に合わせて第1役物87,第2役物88,第3役物89の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。
入出力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。また、ROM232は、表示データテーブル格納エリア232aと、追加データテーブル格納エリア232bとを少なくとも有している。
表示データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる演出毎に用意された表示データテーブルが格納される領域である。表示データテーブルは、その表示データテーブルに対応した演出において、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルが格納される領域である。MPU231は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに従って第3図柄表示装置81に表示させる演出を決定し、その演出に対応する表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、その読み出した表示データテーブルに従って、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、表示データテーブルの詳細について説明する。表示データテーブルは、音声ランプ制御装置113からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、4R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
再始動演出は、変動パターンコマンドにより示された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
表示データテーブル格納エリア232aには、デモ演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンと停止図柄との組み合わせに応じて、1テーブルずつ用意される。また、確定表示演出に対応する表示データテーブルとしては、停止図柄として外れ図柄を確定表示させるものと、確変大当たり(15R確変大当たり又は4R確変大当たり)を確定表示されるものと、通常大当たり(15R通常大当たり)を確定表示させるものとが、それぞれ用意されている。
ここで、図13を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図13は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、人物や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者が枠ボタン22を操作することによって選択されているステージ(「町中ステージ」、「海ステージ」、「山ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応して、どの状態の背面画像を表示すべきかを示す表示状態情報とを規定するようにしてもよい。背面画像は、時間の経過とともに表示範囲や、明るさ、色合いなどが変化して表示される。この表示状態情報は、例えば、初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示状態情報により示される初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、表示状態情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、この表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示データテーブルに基づき画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の状態と、表示状態情報により示される該画像の描画(もしくは、該画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、表示状態情報は、背面種別に応じて、初期状態に対応する背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および表示状態情報とともに、その表示状態情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、表示状態情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、第3図柄に割り当てられた固有の識別番号が記載されている。本実施形態では、第3図柄の一つ一つに、それぞれを識別するための固有の識別番号を付している。例えば、「0」の主図柄には識別番号として「0」が付され、「1」の主図柄には識別番号として「1」が付され、「2」の主図柄には識別番号として「2」が付されている。
また、変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報としては、第3図柄の識別情報を直接規定するのではなく、1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に対して付された識別番号の差分を表す情報である。
変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報として、オフセット情報を規定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためである。変動が開始されてから所定時間経過するまでは、各アドレスにおける図柄種別情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄の識別情報と1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別情報との差分(オフセット情報)を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出を開始することができる。
なお、図柄種別情報として、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報から、実際に表示する第3図柄の識別番号そのものに切り換えられる前記所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルでは、描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、これから第3図柄表示装置81に表示させる画像の表示内容を規定している。例えば、高速変動を表示させる場合は、表示内容として「高速変動表示」と規定し、女の子のキャラクタ画像を表示させる場合には、表示内容として「女の子キャラクタ表示」と規定し、発光エフェクト画像を表示させる場合は、表示内容として「発光エフェクト表示」と規定する。
確変リーチの成立を表示させる場合は、表示内容として、その確変リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「確変リーチ成立」を規定する。通常リーチの成立を表示させる場合は、表示内容として、その通常リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「通常リーチ成立」を規定する。また、ダブルリーチを表示させる場合は、確変リーチおよび通常リーチの両方が成立しているので、表示内容として、まず、確変リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「確変リーチ成立」を規定し、更に、通常リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「通常リーチ成立」を規定する。
この表示データテーブルに規定される表示内容は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を通知するために用いられる。
また、表示データテーブルでは、描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、第1役物87〜第3役物89の動作開始を示す「役物駆動」情報を規定している。第1役物87〜第3役物89は、第3図柄表示装置81に表示される演出に合わせて駆動されるようになっており、表示データテーブルは、その表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて、第1役物87〜第3役物89のいずれかが駆動されるように、「役物駆動」情報が規定されている。
「役物駆動」情報は、動作を開始させる可動役物の種別(可動役物種別)と、その可動役物の動作内容を示す動作態様とによって構成される。可動役物種別は、第1役物87,第2役物88,第3役物89のいずれかが規定される。また、動作態様は、各可動役物87〜89に対し、それぞれに予め設定された複数の動作態様のうち、1の動作態様が規定される。
表示制御装置114は、この「役物駆動」情報に基づいて、これから動作開始させる可動役物種別に関する情報と、その動作態様に関する情報とを含む役物動作開始コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113に対して送信する。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図13の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、ワークRAM233に設けられた後述の表示データテーブルバッファ233aに格納すると共に、ポインタ233cを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233cを1加算し、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図15参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラに対しその画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
また、ポインタ233cが示すアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容に従って、その表示内容を表す表示種別コマンドを生成し、その表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
また、ポインタ233cが示すアドレスに役物駆動情報が規定されている場合は、その役物駆動情報に従って、これから動作開始させる可動役物種別に関する情報と、その動作態様に関する情報とを含む役物動作開始コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113に対して送信する。音声ランプ制御装置113は、この役物動作開始コマンドを受信すると、この役物動作開始コマンドにより示される可動役物が、この役物動作開始コマンドにより示される動作態様で動作するように、各可動役物に設けられたソレノイドやモータを駆動する。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
図12に戻り説明を続ける。追加データテーブル格納エリア232bは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に対し、追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出の表示内容を、その演出毎に用意された追加データテーブルが格納される領域である。ここで、「一の演出に対し、追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
なお、本実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される、第1役物87または第2役物88を模した画像を表示するための表示内容が、追加データテーブルによって規定される場合について説明する。
即ち、音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114からの役物動作開始コマンドにより、第1役物87,第2役物88,第3役物89を動作させるが、第1役物87と第2役物88とを同時に動作させると互いに衝突して干渉し合うため、第1役物87が動作中に、第2役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信しても、第2役物88の動作を非実行とする。また、第2役物88が動作中に、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信しても、第1役物87の動作を非実行とする。また、第1役物87,第2役物88,第3役物89を、所定数(本実施形態では2)を超えて同時に動作させると、電力の供給に不足が生じ、パチンコ機10の動作が不安定となって遊技者に不利益を被らせるおそれがあるため、2つの可動役物が動作しているときに、新たに役物動作開始コマンドを受信すると、その可動役物の動作を非実行とする。
ここで、表示制御装置114では、第1役物87と第2役物88とが同時に動作したり、第1役物87,第2役物88,第3役物89が全て同時に動作したりしないように、表示データテーブルにおいて役物駆動情報を規定している。しかしながら、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が破壊されたり、プログラム上の誤り等によって、第1役物87と第2役物88とが同時に動作したり、第1役物87,第2役物88,第3役物89が全て同時に動作したりすることが起こり得る。そこで、音声ランプ制御装置113では、役物動作開始コマンドを表示制御装置114より受信しても、可動役物の動作状況に応じて、役物動作開始コマンドによって示された可動役物の動作を非実行としている。
ただし、ノイズ等の影響やプラグラム上の誤り等によって誤って受信されたのが、今回非実行とされた可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドではなく、先に送受信された役物動作開始コマンドであることもあり得る。つまり、今回非実行とされた可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して正規に出力されたものであることも十分にあり得る。この場合、第3図柄表示装置81では、動作開始を正規に指示した可動役物を目立たせるための画像が表示される。しかしながら、本来動作するはずの可動役物が動作しないため、その可動役物を目立たせるための画像だけが表示され、意味のない画像を遊技者に見せることとなる。
そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、役物動作開始コマンドにて示された可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、役物動作非実行コマンドを受信すると、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる。
追加データテーブルは、この実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、表示データテーブルに従って表示される画像にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させるため必要な描画内容が規定されており、各可動役物に対して、その可動役物に対して用意された動作態様毎に、追加データテーブルが用意される。
追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
例えば、図14の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、1つのキャラクタ(キャラクタ1:可動役物の画像に相当)に対して、スプライト種別(キャラクタ種別:第1役物、第2役物・・・等)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図14のアドレス「0001H」が該当)。
尚、本実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される、第1役物87または第2役物88を模した画像を表示するための表示内容が、追加データテーブルによって規定される場合について説明したが、これに限らず、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される、予告演出画像を表示するための表示内容が追加データテーブルによって規定されてもよい。
また、追加データテーブルでは、表示データテーブルと同様に、上述した描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、これから第3図柄表示装置81に表示させる画像の表示内容を規定してもよい。例えば、「魚群」を使用した予告演出を追加して表示する場合は、表示内容として「魚群」を規定してもよい。
また、追加データテーブルでは、表示データテーブルと同様に、描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、第1役物87〜第3役物89の動作開始を示す「役物駆動」情報を規定してもよい。第1役物87〜第3役物89は、第3図柄表示装置81に表示される演出に合わせて駆動されるようになっており、追加データテーブルは、その追加データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて、第1役物87〜第3役物89のいずれかが駆動されるように、「役物駆動」情報が規定されてもよい。
追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図14の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から役物動作非実行コマンドを受信すると、その役物動作非実行コマンドにより示される可動役物と動作態様とに応じた追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233bに格納する。そして、ポインタ233cの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図15参照)を作成する。
例えば、図14の例では、ポインタ233gが「0097H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたキャラクタ1のスプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ233cが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
また、追加データテーブルにおいてポインタ233cが示すアドレスで規定される情報が「End」情報であった場合、また、ポインタ233cが追加データテーブルに規定されていないアドレスを指示するものであった場合(例えば、図14の例では、ポインタ233cが「00FEH」以降のアドレスを示すような場合)にも、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルに規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ237に生成した描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して、他の演出画像(例えば、第1役物を模した画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データデーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が2種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+2)=96種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+2=34種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、ROM232の容量増大を抑制することができる。よって、ROM232に用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ233cを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
図12に戻り、説明を続ける。ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233は、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ223b、ポインタ233c、描画リストエリア233d、計時カウンタ233eを少なくとも有している。
表示データテーブルバッファ233aは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定し、その演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア223aから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
また、ポインタ233cで示されるアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容に従って、その表示内容を表す表示種別コマンドを生成し、その表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
更に、ポインタ233cが示すアドレスに役物駆動情報が規定されている場合は、その役物駆動情報に従って、これから動作開始させる可動役物種別に関する情報と、その動作態様に関する情報とを含む役物動作開始コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113に対して送信する。音声ランプ制御装置113は、この役物動作開始コマンドを受信すると、この役物動作開始コマンドにより示される可動役物が、この役物動作開始コマンドにより示される動作態様で動作するように、各可動役物に設けられたソレノイドやモータを駆動する。
追加データテーブルバッファ233bは、音声ランプ制御装置113からの役物動作非実行コマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出(第1役物,第2役物等を模した画像など)に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233bに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出態様に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233bにはNullデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
ポインタ233cは、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ233bの各バッファに格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233cを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理の中で、ポインタ更新処理が実行され(図37のS1709,図40参照)、ポインタ233cの値が1ずつ加算される(図40のS1781参照)。
MPU231は、このようなポインタ233cの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図15参照)を作成する。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、表示データテーブルバッファ233aに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ233bに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。よって、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
描画リストエリア233dは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図15を参照して、描画リストの詳細について説明する。図15は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図15に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているアドレスが記述されており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234に設けられた後述のキャラクタ記憶エリア234aのそのアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、ビデオRAM236に展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルおよび追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233cによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納アドレスは、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタ記憶エリア234aのエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されているアドレスを即座に特定し、その情報を、描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
図12に戻って、説明を続ける。計時カウンタ233eは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図32(b)参照)の表示設定処理(S1404,図37参照)が実行される度に、計時カウンタ233eが1ずつ減算される。その結果、計時カウンタ233eの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア235aを備えている。キャラクタ記憶エリア235aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、圧縮前の画像データは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトの画像データが、約768Mバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリア235aに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ236は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア235aから読み出し、その画像データを解凍した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAMの一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも20ミリ秒で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次に、図16から図22のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64及び第2入球口640への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。変動処理及び始動入賞処理の詳細は、それぞれ図18及び図17を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1107)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1108)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図17は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、保留球数の計数処理とを実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1201)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1201:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1202)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1201:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA<4でなければ(S1202:No)、S1206の処理へ移行する。
一方、第1入球口64への入賞があり(S1201:Yes)、且つ、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA<4であれば(S1202:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)を1加算し(S1203)、更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特図1保留球格納エリア203aの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1204)。
次いで、S1203の処理によって更新された、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NAの値を含めた特図1保留球数コマンドを設定し(S1205)、S1206の処理へ移行する。この特図1保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図22)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、特図1保留球数コマンドに含められた第1入球口64への入賞に伴う変動演出の保留球数NAに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
続くS11206の処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1206)。ここでは、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S1206:Yes)、特図2保留球数カウンタ203eの値(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1207)。そして、第2入球口640への入賞がないか(S1206:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB<4でなければ(S1207:No)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
一方、第2入球口640への入賞があり(S1206:Yes)、且つ、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB<4であれば(S1207:Yes)、特図2保留球数カウンタ203の値(保留球数NB)を1加算し(S1208)、更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特図2保留球格納エリア203bの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1209)。
次いで、S1208の処理によって更新された、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NBの値を含めた特図2保留球数コマンドを設定し(S1210)、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。この特図2保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図22)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、特図2保留球数コマンドに含められた第2入球口640への入賞に伴う変動演出の保留球数NBに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図18は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S1302:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1303)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1303:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1303の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1303:Yes)、第1図柄(第3図柄)の変動演出が開始可能な状態となったことを意味するので、まず、特図2保留球数カウンタ203eの値(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB)が0よりも大きいか否かを判別する(S1304)。その結果、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)が0より大きいと判別された場合は(S1304:Yes)、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)を1減算し(S1305)、特図2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S1306)。
このデータシフト処理は、特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納されているデータ(各カウンタ値)を特図保留球実行エリア203cへシフトさせ、また、特図2保留第2エリア→特図2保留第1エリア、特図2保留第3エリア→特図2保留第2エリア、特図2保留第4エリア→特図2保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内のデータ(各カウンタ値)をシフトさせるものである。
データシフト処理の後は、特図種別フラグ203kをオンに設定し(S1307)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを指し示した後、第1図柄表示装置37Bにおける変動開始処理(S1308)を実行し、本処理を終了する。なお、変動開始処理については、図19を参照して後述する。
S1304の処理の結果、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)が0よりも大きくない、即ち、保留球数NBが0であり、第2入球口640への始動入賞に伴う保留された変動演出がないと判別されると(S1304:No)、次いで、特図1保留球数カウンタ203dの値(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA)が0よりも大きいか否かを判別する(S1309)。
その結果、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)が0よりも大きくない、即ち、保留球数NAが0であり、第1入球口64への始動入賞に伴う保留された変動演出がないと判別されると(S1309:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1317)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1317:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S1318)、タイマ割込処理に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S1317:Yes)、そのままタイマ割込処理に戻る。S1318の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図22のS1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動表示が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
S1309の処理の結果、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)が0より大きいと判別された場合は(S1309:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)を1減算し(S1310)、特図1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S1311)。
このデータシフト処理は、特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納されているデータ(各カウンタ値)を特図保留球実行エリア203cへシフトさせ、また、特図1保留第2エリア→特図1保留第1エリア、特図1保留第3エリア→特図1保留第2エリア、特図1保留第4エリア→特図1保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内のデータ(各カウンタ値)をシフトさせるものである。
データシフト処理の後は、特図種別フラグ203kをオフに設定し(S1312)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを指し示した後、S1308の処理へ移行し、第1図柄表示装置37における変動開始処理を実行して、本処理を終了する。
この変動処理では、変動演出を開始可能な状態となった場合(S1303:Yesの場合)に、まず、特図2保留球数カウンタ203eの値が0よりも大きいか否かを確認し(S1304)、特図2保留球数カウンタ203eの値が0よりも大きい場合、即ち、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出が保留されている場合は(S1304:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値にかかわらず、即ち、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出が保留されているか否かにかかわらず、特図2保留球格納エリア203bに保留されたデータ(各カウンタ値)に基づいて、変動演出を開始する。これにより、第2入球口640における始動入賞が、第1入球口64における始動入賞よりも優先して大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選に基づいて変動演出が行われるように構成されている。
S1302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S1302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1313)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1313:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S1314)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37b又は第1図柄表示装置37BのLED37Bbの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S1313:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1315)。停止図柄の設定は、図19を参照して後述する変動開始処理(S1308)によって予め行われる。
即ち、S1308の処理により、特図保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、4R確変大当たり(最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、4R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1315の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1316)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1308)について説明する。図19は、変動開始処理(S1308)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1308)は、タイマ割込処理(図16参照)の変動処理(図18参照)の中で実行され、特図保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、特図保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選処理を行う(S1401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態(即ち、通常中および時短中)の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1401:Yes)、大当たり時の表示態様を設定するために、まず、特図種別フラグ203kはオンか否かを判別する(S1402)。そして、特図種別フラグ203kがオンの場合は(S1402:Yes)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを示しているので、大当たり種別を決定する大当たり種別テーブル202bとして、「第2入球口」用の大当たり種別テーブル(図9(b)参照)を設定する(S1403)。
一方、特図種別フラグ203kがオフの場合は(S1402:No)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを示しているので、大当たり種別を決定する大当たり種別テーブル202bとして、「第1入球口」用の大当たり種別テーブル(図9(b)参照)を設定する(S1404)。
そして、S1403又はS1404の処理によって設定された大当たり種別テーブルと、特図保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて大当たり種別を決定し、その大当たり種別に対応する大当たり時の表示態様を設定する(S1405)。
即ち、第1当たり種別カウンタC2と、S1403又はS1404の処理によって設定された大当たり種別テーブルとによって選定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する4R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。
また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
ここで、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合、その大当たり種別は、「第1入球口」用の大当たり種別テーブル(図9(b)参照)によって、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
一方、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、「第2入球口」用の大当たり種別テーブル(図9(b)参照)によって、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
このように、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、上述した通り、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
また、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した方が(左打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した場合よりも(右打ちした場合よりも)、第1入球口64に球が入球し易いように構成されている。一方、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した方が(右打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した場合よりも(左打ちした場合よりも)、第2入球口640に球が入球し易いように構成されている。また、電動役物640aを開放状態とする当たり抽選の契機となるスルーゲート67が可変表示装置80の右方に配設されており、通常時は、スルーゲート67を球が通過しても電動役物640aが開放状態となり難いのに対し、確変中または時短中は、スルーゲート67を球が通過すると電動役物640aが開放状態になり易い。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(左打ちし)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(右打ちし)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1406)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(通常中か、時短中・確変中か)と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202c(図9(c)参照)とに基づいて行われる。S1406の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1407)。S1407の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を、外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特図保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1408)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(通常中か、時短中・確変中か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202d(外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2)とに基づいて行われる。S1408の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1406の処理またはS1408の処理が終わると、そのS1406又はS1408の処理で決定された変動パターン種別を、特図1(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出)か特図2(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出)かを示す特図種別情報を含めて、表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1409)。
次いで、S1405又はS1407の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1410)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図22)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、図20は、このNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1551)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図21を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図21は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図22のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図22を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図22は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図16参照)の中でRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。
具体的には、タイマ割込処理(図16参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図17参照)で設定された特図1保留球数コマンドや特図2保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。
更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンドや、大当たり時の特別遊技状態において特定入賞口65aを開閉動作させている場合に第3図柄表示装置81に各種画面を表示させるのに必要なコマンド等を、音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり時の特別遊技状態となっている場合に、特定入賞口65aの開閉動作(閉鎖条件)に従って、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(普通図柄。例えば「○」又は「×」の図柄。)の表示を制御する普通図柄制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、また、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される直前に、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、その抽選の結果に基づいて、第2図柄の変動表示の結果として「○」又は「×」の図柄が停止表示される。そして、「○」の図柄が停止表示され、第2図柄の当たり状態になると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間開放される。一方、「×」の図柄が停止表示され、第2図柄の外れ状態になると、電動役物640aは閉鎖状態のままとされる。
なお、第2図柄の抽選において、当たりとなる乱数値は、遊技状態が通常中と時短中及び確変中とで、異なる数が設定される。即ち、遊技状態が通常中における当たりとなる乱数の値の数は149あり、その値は「5〜153」となっている。つまり、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に、遊技状態が通常中の場合は当たりと判定される。一方、遊技状態が時短中または確変中における当たりとなる乱数の値の数は250あり、その範囲は「1〜250」となっている。つまり、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「1〜250」の範囲にある場合に、遊技状態が時短中または確変中の場合は当たりと判定される。
また、第2図柄(普通図柄)の変動時間は、遊技状態が時短中または確変中のほうが、通常中のときよりも短く設定される。更に、第2図柄(普通図柄)の当たりと判定された場合の電動役物640aの開放時間は、遊技状態が時短中または確変中のほうが、通常中のときよりも長い時間開放される。
このように、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く設定されている。また、本パチンコ機10では、第2図柄の変動表示にかかる時間も、確変中および時短中は、通常中よりも短く設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。一方、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、上述した通り、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一であるが、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物640aを有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
また、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した方が(左打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した場合よりも(右打ちした場合よりも)、第1入球口64に球が入球し易いように構成されている。一方、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射した方が(右打ちした方が)、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射した場合よりも(左打ちした場合よりも)、第2入球口640に球が入球し易いように構成されている。また、電動役物640aを開放状態とする当たり抽選の契機となるスルーゲート67が可変表示装置80の右方に配設されている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、スルーゲート67や第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
S1705の処理の後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図20のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図23から図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図23を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図23は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1920の電源断処理(図24参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図24を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図24のS1917参照)、S1920の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1920の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1920の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
一方、電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1820の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S1806)、S1808の処理へ移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1920の電源断処理の実行時にオンされる(図24のS1919参照)。つまり、電源断フラグは、S1920の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1920の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1920の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから初めてS1901の処理が実行されたか、又は、前回S1901の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1912の処理を行わずにS1913の処理へ移行する。
S1901の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S912が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1913の変動表示処理やS1915の主コマンド判定処理、S1916の表示コマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。
S1915の主コマンド判定処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。S1916の表示コマンド判定処理が短い周期で実行されることにより、表示制御装置114から送信されるコマンドの受信漏れを防止できる。また、S1913の変動表示処理が短い周期で実行されることにより、主コマンド判定処理によって受信された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1901の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1916の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1902)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1909の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1905の処理へ移行する。
S1905の処理では客待ち演出が実行される(S1905)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1907)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1907の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、第1役物87〜第3役物89に設けられた各種ソレノイドや各種モータを役物駆動制御データに従って駆動して、第1役物87〜第3役物89を動作させるための役物駆動処理を実行する(S1908)。この役物駆動処理の詳細については、図30を参照して後述する。
次いで、ランプ編集処理を実行し(S1909)、その後音編集・出力処理を実行する(S1910)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように、表示制御装置113からの表示種別コマンドに従って音声データを復号し、音声出力装置226から復号した音を出力する。また、警報音の出力が設定された場合は、この音編集・出力処理によって、警報音が音声出力装置226から出力される。
S1910の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1911)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1909のランプ編集処理が実行される。なお、S1910の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。S1911の処理後、カウンタ更新処理を実行し(S1912)、S1913の処理へ移行する。カウンタ更新処理では、MPU221が使用する各種カウンタを更新する。
S1913の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、生成したこれらのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図26を参照して後述する。
変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う主コマンド判定処理を行う(S1915)。この主コマンド判定処理の詳細については、図25を参照して後述する。主コマンド判定処理の後、表示制御装置114より受信したコマンドに応じた処理を行う表示コマンド判定処理を行う(S1916)。この表示コマンド判定処理の詳細については、図27を参照して後述する。
S1916の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1917)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1917の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1917:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1919)、電源断処理を実行する(S1920)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1921)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1917の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1917:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1918)、RAM223が破壊されていなければ(S1918:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1918:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される主コマンド判定処理(S1915)について説明する。図25は、この主コマンド判定処理(S1915)を示したフローチャートである。この主コマンド判定処理(S1915)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図24参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定し、受信したコマンドに対応する処理を行う。以下、主コマンド判定処理の詳細を説明する。
主コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられた主制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2000)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2000:Yes)、変動パターンコマンドから、これから開始すべき変動演出の変動パターン種別(ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、短外れ、長外れ)を抽出し(S2001)、更に、その変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴うものであるのかを示す特図種別情報を、変動パターンコマンドから抽出して(S2002)、メイン処理に戻る。
ここで抽出された変動パターン種別と特図種別情報とは、RAM223に記憶される。そして、変動パターン種別は、後述の変動表示処理(図26参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。また、特図種別情報は、その変動表示処理において、変動演出を開始することに伴い、特図1保留球数カウンタ223a又は特図2保留球数カウンタ223bのいずれか一方の値を1減らす場合に参照される。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2000:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、変動開始フラグをオンに設定し(S2004)、その停止種別コマンドで示される停止種別(15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たり、完全外れ、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を抽出して、RAM233に記憶する(S2005)。そして、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理に戻る。
変動開始フラグをオンに設定することにより、変動演出の開始が設定され、第3図柄表示装置81に変動演出を開始させる。また、停止種別は、後述の変動表示処理(図26参照)において、開始する変動演出の停止図柄を決定し、その決定した停止図柄で停止表示させるために、その停止図柄を通知する表示用停止種別コマンドを設定する場合に用いされる。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2003:No)、次いで、主制御装置110より特図1保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、特図1保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、特図1保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dの値(即ち、主制御装置110に保留された、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特図1保留球数カウンタ223aに格納する(S2007)。
そして、特図1保留球数カウンタ223aの値を、第1入球口64への入球に基づき主制御装置110に保留されている第3図柄の変動演出の数として表示制御装置114へ通知するための表示用特図1保留球数コマンドを設定して(S2008)、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用特図1保留球数コマンドは、表示制御装置114へ送信される。表示制御装置114は、表示用特図1保留球数コマンドを受信すると、その表示用特図1保留球数コマンドによって示される保留球数分の保留球数図柄(●図柄)を第3図柄表示装置81の第1保留表示領域Ds1に表示する。
一方、特図1保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、次いで、主制御装置110より特図2保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2009)。そして、特図2保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2009:Yes)、特図2保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特図2保留球数カウンタ203eの値(即ち、主制御装置110に保留された、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特図2保留球数カウンタ223bに格納する(S2010)。
そして、特図2保留球数カウンタ223bの値を、第2入球口640への入球に基づき主制御装置110に保留されている第3図柄の変動演出の数として表示制御装置114へ通知するための表示用特図2保留球数コマンドを設定して(S2011)、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用特図2保留球数コマンドは、表示制御装置114へ送信される。表示制御装置114は、表示用特図2保留球数コマンドを受信すると、その表示用特図2保留球数コマンドによって示される保留球数分の保留球数図柄(●図柄)を第3図柄表示装置81の第2保留表示領域Ds2に表示する。
一方、特図2保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2009:No)、次いで、主制御装置110よりその他のコマンドを受信したか否かを判別する(S2012)。そして、その他のコマンドを受信していなければ(S2012:No)、そのまま主コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。一方、その他のコマンドを受信していれば(S2012:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2013)、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1913)について説明する。図26は、この変動表示処理(S1913)を示したフローチャートである。この変動表示処理(S1913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図24参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを示制御装置114に送信するために設定する処理である。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、主コマンド判定処理(図25参照)のS2102の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、短外れ、長外れのいずれか)と、S2105の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
次いで、その抽出された変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2105)。また、その抽出された停止図柄を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2106)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、このとき、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンに基づき、詳細な変動パターンを決定する。また、表示制御装置114は、表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に基づき、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、第3図柄表示装置81に表示させる停止図柄を決定する。
ここで、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、表示制御装置114では、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。また、主制御装置110から停止種別コマンドによって通知される停止種別は、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たり、完全外れ、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチといった、大まかな停止種別が示されているのみであり、表示制御装置114において、その停止種別に合う停止図柄が決定される。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動演出の設定が行われた)のに合わせて、音声ランプ制御装置113で管理している保留球数を減らすために、まず、S2002の処理で抽出した特図種別情報から、今回開始する変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものか否か、即ち、特図1による変動か否かを判断し(S2107)、特図1による変動であれば(S2107:Yes)、特図1保留球数カウンタ223aの値を1減算する(S2108)。
そして、特図1保留球数カウンタ223aの値を、第1入球口64への入球に基づき主制御装置110に保留されている第3図柄の変動演出の数として表示制御装置114へ通知するための表示用特図1保留球数コマンドを設定して(S2109)、変動表示処理を終了し、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用特図1保留球数コマンドは、表示制御装置114へ送信される。表示制御装置114は、表示用特図1保留球数コマンドを受信すると、その表示用特図1保留球数コマンドによって示される保留球数分の保留球数図柄(●図柄)を第3図柄表示装置81の第1保留表示領域Ds1に表示する。
一方、S2107の処理の結果、今回開始する変動演出が第2入球口640への始動入賞に伴うものである、即ち、特図2による変動であると判断される場合は(S2107:No)、特図2保留球数カウンタ202bの値を1減算する(S2110)。そして、特図2保留球数カウンタ223bの値を、第2入球口640への入球に基づき主制御装置110に保留されている第3図柄の変動演出の数として表示制御装置114へ通知するための表示用特図2保留球数コマンドを設定して(S2111)、変動表示処理を終了し、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用特図2保留球数コマンドは、表示制御装置114へ送信される。表示制御装置114は、表示用特図2保留球数コマンドを受信すると、その表示用特図2保留球数コマンドによって示される保留球数分の保留球数図柄(●図柄)を第3図柄表示装置81の第2保留表示領域Ds2に表示する。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示コマンド判定処理(S1916)について説明する。図27は、この表示コマンド判定処理(S1916)を示したフローチャートである。表示コマンド判定処理(S1916)は、上述した通り、表示制御装置114より受信したコマンドを判定し、受信したコマンドに対応する処理を行う。以下、表示コマンド判定処理の詳細を説明する。
表示コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられた表示制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち表示制御装置114より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、表示制御装置110より表示種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。そして、表示種別コマンドを受信したと判別された場合(S2201:Yes)、その受信した表示種別コマンドから第3図柄表示装置81においてこれから表示される表示内容(表示種別)を抽出する(S2202)。そして、その表示内容に対応した音声データをROM222から読み出すための設定を行い、音声の再生を開始すし(S2203)、表示コマンド判定処理を終了する。
一方、S2201の処理の結果、表示種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2201:No)、次いで、表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信したか否かを判別する(S2204)。そして、役物動作開始コマンドを受信したと判別された場合(S2204:Yes)、その役物動作開始コマンドにより示される動作させる可動役物の種別と、その動作態様とを抽出し(S2205)、その役物動作開始コマンドによって動作開始が指示された可動役物が既に動作中であるか否かを判定する動作済判定処理を実行する(S2206)。
ここで、図28を参照して動作済判定処理(S2206)の詳細について説明する。図28は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される動作済判定処理(S2206)を示すフローチャートである。
動作済判定処理では、まず、役物動作開始コマンドの受信により動作させる役物種別が第1役物87か否かを判定し(S2231)、第1役物87であれば(S2231:Yes)、第1役物駆動フラグ223cがオンか否かを判別する(S2232)。その結果、第1役物駆動フラグ223cがオフであれば(S2232:No)、第1役物87は動作していないので、そのまま動作済判定処理を終了し、第1役物駆動フラグ223cがオンであれば(S2232:Yes)、第1役物87が既に動作中であるので、動作済フラグ223hをオンにして(S2236)、動作済判定処理を終了する。
S2231の処理の結果、役物動作開始コマンドの受信により動作させる役物種別が第1役物87ではないと判定された場合(S2231:No)、次いで、その役物動作開始コマンドの受信により動作させる役物種別が第2役物88か否かを判定する(S2233)。そして、その役物動作開始コマンドの受信により動作させる役物種別が第2役物88であれば(S2233:Yes)、次いで、第2役物駆動フラグ223dがオンか否かを判断する(S2234)。その結果、第2役物駆動フラグ223dがオフであれば(S2234:No)、そのまま動作済判定処理を終了し、第2役物駆動フラグ223dがオンであれば(S2234:Yes)、第2役物87が既に動作中であるので、動作済フラグ223hをオンにして(S2236)、動作済判定処理を終了する。
S2233の処理の結果、役物動作開始コマンドの受信により動作させる可動役物種別が第2役物88ではないと判定された場合(S2233:No)、その役物動作開始コマンドの受信により動作させる可動役物種別は、第3役物89である。そこで、第3役物駆動フラグ223eがオンか否かを判断する(S2235)。その結果、第3役物駆動フラグ223eがオフであれば(S2235:No)、そのまま動作済判定処理を終了し、第3役物駆動フラグ223eがオンであれば(S2235:Yes)、第3役物89が既に動作中であるので、動作済フラグ223hをオンにして(S2236)、動作済判定処理を終了する。
このように、動作済判定処理(S2206)では、受信した役物動作開始コマンドにより動作開始が指示された可動役物が、既に動作中であるか否かを判断し、既に動作中である場合に、動作済フラグ223hをオンに設定する。
図27に戻り、表示コマンド判定処理(S1916)の説明を続ける。動作済判定処理(S2206)が実行されると、次いで、動作済フラグ223hがオンか否かを判別し(S2207)、動作済フラグ223hがオンであれば(S2207:Yes)、その動作済フラグ223hをオフに設定して(S2208)、そのまま表示コマンド判定処理を終了する。
つまり、動作済判定処理(S2206)によって、S2204の処理において受信した役物動作開始コマンドにより動作開始が指示された可動役物が既に動作中であることに基づいて動作済フラグ223hがオンに設定されると、その受信した役物動作開始コマンドを無視する。これにより、その受信した役物動作開始コマンドにより動作開始が指示された可動役物を、その役物動作開始コマンドにて示された動作態様で新たに動作を開始するのではなく、既に動作中の動作態様にて継続して動作させ続けることができる。
ここで、本パチンコ機10では、既に動作された可動役物に対し、役物動作開始コマンドによって新たに動作開始が指示されることがないように、表示制御装置114での処理がプログラムされている。しかしながら、ノイズ等の影響により、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114より受信したコマンドの一部が破壊され、本来であれば別のコマンドであったにもかかわらず、既に動作している可動役物に対する役物動作開始コマンドとして、そのコマンドを解釈してしまうおそれがある。また、近年は、第3図柄表示装置81にて表示される各種の演出も複雑になっており、表示制御装置114にて実行させるプログラムも複雑になっていることから、プログラム上の誤りや欠陥が残ったままパチンコ機10が出荷される場合も生じ得る。この場合、表示制御装置114が、既に動作している可動役物に対して再び役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信してしまうおそれもある。
本パチンコ機10では、このような不具合により、ある動作態様で動作中の可動役物が、別の動作態様で動作を開始してしまうことを抑制するために、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114より役物動作開始コマンドを受信した場合に、MPU221は動作済判定処理を実行し、受信した役物動作開始コマンドによって動作が開始される可動役物が既に動作中の可動役物であれば、動作済フラグ223hをオンに設定する。そして、動作済フラグ223hがオンに設定された場合、受信した役物動作開始コマンドを無視して、役物動作開始コマンドを受信する前に既に設定されている役物駆動制御データに基づいて、引き続きその可動役物を動作させる。これにより、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等によって、ある動作態様で動作中の可動役物が、別の動作態様で動作を開始してしまうことを抑制できる。よって、遊技者に違和感なく、可動役物を動作させ続けることができる。
S2207の処理の結果、動作済フラグ223hがオフの場合(S2207:No)、次いで、動作役物数カウンタ223fが2未満かを判別する(S2209)。そして、動作役物数カウンタ223fが2以上の場合は(S2209:No)、既に可動役物が2以上動作しているので、受信した役物動作開始コマンドを無視し、その動作役物開始コマンドによって示される可動役物を非動作として、S2216の処理へ移行する。
本パチンコ機10では、第1役物87,第2役物88,第3役物89を、所定数(本実施形態では2)を超えて同時に動作させた場合、第1役物87の第1役物上下動ソレノイド87a及び第1役物回転用モータ87b、第2役物88の第2役物上下動ソレノイド88a、第3役物の第3役物回転用モータ89aといったソレノイドやモータを数多く同時に動作させなければならず、パチンコ機10に供給されている電力が不足して、パチンコ機10の動作に不具合が生じるおそれがある。
特に、大当たり抽選など遊技の重要な制御を行う主制御装置110や、遊技者への賞球や貸球の払出を制御する払出制御装置111、球を払い出すための払出モータ216、各種入賞口への球の入球を検出するスイッチ、払い出される球を検出するスイッチ等において、その動作が不安定になると、遊技者に大当たりが正しく付与されなかったり、払い出されるべき球が払い出されなくなると、遊技者に不利益を被らせるおそれがある。
ここで、本パチンコ機10では、第1役物87、第2役物88、第3役物89が同時に動作することがないように役物動作開始コマンドが表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信されるよう、表示制御装置114での処理をプログラムしている。
しかしながら、ノイズ等の影響により、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114より受信したコマンドの一部が破壊され、本来であれば別のコマンドであったにもかかわらず、ある可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドとして、そのコマンドを解釈してしまうおそれがある。また、近年は、第3図柄表示装置81にて表示される各種の演出も複雑になっており、表示制御装置114にて実行させるプログラムも複雑になっていることから、プログラム上の誤りや欠陥が残ったままパチンコ機10が出荷される場合も生じ得る。この場合、既に2つの可動役物が動作しているにもかかわらず、表示制御装置114が、別の可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信してしまうおそれもある。
そこで、表示コマンド判定処理では、第1役物87,第2役物88,第3役物89の全てが動作されることを抑制するために、動作役物数カウンタ223fによって動作中の可動役物の数をカウントし、動作役物数カウンタ223fの値が2未満の場合に限り、受信視した役物動作開始コマンドに従って可動役物の動作を開始する。これにより、第1役物87,第2役物88,第3役物89の全てが動作されることを抑制でき、これらの可動役物が全て動作することにより、遊技者に不利益を被らせるような不具合がパチンコ機10にて発生することを抑制できる。
S2209の処理の結果、動作役物数カウンタ223fが2未満の場合(S2209:Yes)、次いで、動作干渉判定処理を実行する(S2210)。この動作干渉判定処理は、役物動作開始コマンドに含まれる役物種別で示される可動役物を動作させた場合に、既に動作している可動役物とその動作が干渉するか否かを判定するための処理である。
本パチンコ機10では、第1役物87及び第2役物88を遊技者に目立たせるために、いずれの可動役物87,88も大型化している。これらの第1役物87及び第2役物88を同時に動作させると、センターフレーム86から下降した第1役物87と、センターフレーム86から上昇した第2役物88とが衝突し、互いの動作を干渉し合う。
ここで、本パチンコ機10では、第1役物87と第2役物88とが互いに干渉し合うことを防ぐために、第1役物87と第2役物88とが同時に動作することがないように役物動作開始コマンドが表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信するよう、表示制御装置114での処理をプログラムしている。
しかしながら、ノイズ等の影響により、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114より受信したコマンドの一部が破壊され、本来であれば別のコマンドであったにもかかわらず、ある可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドとして、そのコマンドを解釈してしまうおそれがある。また、近年は、第3図柄表示装置81にて表示される各種の演出も複雑になっており、表示制御装置114にて実行させるプログラムも複雑になっていることから、プログラム上の誤りや欠陥が残ったままパチンコ機10が出荷される場合も生じ得る。この場合、表示制御装置114が、既に動作している可動役物と干渉する可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信してしまうおそれもある。
そこで、表示コマンド判定処理では、このような不具合によって第1役物87と第2役物88とが互いに干渉し合うことを防ぐために、第1役物87と第2役物88とが同時に動作することがないように、動作干渉判定処理(S2210)を実行しているのである。
ここで、図29を参照して、動作干渉判定処理(S2210)の詳細について説明する。図29は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される動作干渉判定処理(S2210)を示すフローチャートである。
この動作干渉判定処理では、まず、役物動作開始コマンドの受信により動作させる可動役物種別が第1役物87か否かを判定し(S2251)、第1役物87であれば(S2251:Yes)、第2役物駆動フラグ223dがオンか否かを判別する(S2252)。その結果、第2役物駆動フラグ223dがオフであれば(S2252:No)、第2役物88は動作しておらず、第1役物87が第2役物88と干渉し合うことがないので、そのまま動作干渉判定処理を終了する。また、第2役物駆動フラグ223dがオンであれば(S2252:Yes)、第1役物87を動作させると、既に動作中の第2役物88との間で干渉し合うことになるので、第1役物87を非動作とするために、動作干渉フラグ223gをオンに設定し(S2255)、動作干渉判定処理を終了する。
S2251の処理の結果、役物動作開始コマンドの受信により動作させる可動役物種別が第1役物87ではないと判別される場合(S2251:No)、次いで、その動作させる可動役物種別が第2役物88か否かを判定する(S2253)。その結果、第2役物88であれば(S2253:Yes)、第1役物駆動フラグ223cがオンか否かを判別する(S2254)。その結果、第1役物駆動フラグ223cがオフであれば(S2254:No)、第1役物87は動作しておらず、第2役物88が第1役物87と干渉し合うことがないので、そのまま動作干渉判定処理を終了する。また、第1役物駆動フラグ223cがオンであれば(S2254:Yes)、第2役物88を動作させると、既に動作中の第1役物87との間で干渉し合うことになるので、第2役物88を非動作とするために、動作干渉フラグ223gをオンに設定し(S2255)、動作干渉判定処理を終了する。
S2253の処理の結果、役物動作開始コマンドの受信により動作させる可動役物種別が第2役物88ではないと判別される場合(S2253:No)、その役物動作開始コマンドにより動作開始する可動役物種別は、第3役物89である。第3役物89は、第1役物87や第2役物88と干渉することがないので、役物動作開始コマンドに従って第3役物の動作を開始すべく、そのまま、動作干渉判定処理を終了する。
このように、動作干渉判定処理(S2210)では、受信した役物動作開始コマンドにより動作開始が指示された可動役物が、既に動作中である可動役物と衝突して干渉し合う場合に、動作干渉フラグ223gをオンに設定する。
図27に戻り、表示コマンド判定処理(S1916)の説明を続ける。動作干渉判定処理(S2210)が実行されると、次いで、動作干渉フラグ223fがオンか否かを判別し(S2211)、動作干渉フラグ223fがオンであれば(S2211:Yes)、受信した役物動作開始コマンドを無視し、その役物動作開始コマンドによって示される可動役物を非動作として、その動作干渉フラグ223fをオフに設定し(S2215)、S2216の処理へ移行する。れにより、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等によって、第1役物87と第2役物88とが同時に動作して,互いに干渉し合うことを抑制できる。
S2216の処理では、S2209の処理の結果や、S2210,S2211の処理の結果に基づいて、S2204の処理により受信した役物動作開始コマンドにて示された可動役物が非動作とされた場合に、その非動作とされた可動役物の種別と、その動作態様とを示した役物動作非実行コマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するためにその生成した役物動作非実行コマンドを設定し(S2216)、表示コマンド判定処理を終了する。ここで設定された役物動作非実行コマンドは、表示制御装置114へ送信される。
ここで、音声ランプ制御装置113では、第1役物87の動作中に第2役物88の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信した場合や、第2役物88の動作中に第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信した場合、または、2以上の可動役物が動作している場合に新たに役物動作開始コマンドを受信した場合に、新たに受信した役物動作開始コマンドで示される可動役物の動作を非実行とした。しかしながら、ノイズ等の影響やプラグラム上の誤り等によって誤って受信されたのが、先に送受信された役物動作開始コマンドであることもあり得る。つまり、この場合、後で送受信された役物動作開始コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して正規に出力されたものであることも十分にあり得る。
表示制御装置114は、ある可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力した場合、その可動役物の動作を遊技者に対して効果的に目立たせるために、その可動役物の周辺を光らせた画像81を第3図柄表示装置81に表示させる(図11(a)参照)。ところが、音声ランプ制御装置113の処理によって、表示制御装置114から送信された役物動作開始コマンドが無視され、その役物動作開始コマンドによって示される可動役物が非動作とされた場合、この可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが正規のコマンドであれば、可動役物が動作しないにもかかわらず、その可動役物の周辺を光らせた画像だけが第3図柄表示装置81に表示されることとなる。よって、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、意味のない画像を見せることになり、遊技に対する興趣を削ぐ結果となるおそれがあった。
これに対し、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114に対して役物動作非実行コマンドを送信すると、表示制御装置113は、その役物動作非実行コマンドにより示された可動役物と動作態様とに従って、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる。例えば、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して、第1役物87が非実行とされたことを示す役物動作非実行コマンドが送信されると、表示制御装置114は、その役物動作非実行コマンドにより示される第1役物87が、その役物動作非実行コマンドにより示される動作態様で動作する画像81bを、その第1役物87の周辺を光らせた画像81aにかぶせた形で表示する(図11(b))。これにより、第1役物87が実際に動作されなくても、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、第1役物87がセンターフレーム86から下降して、その周辺を光らせながら、回転動作する画像を見せることができるので、遊技に対する興趣を高める演出を行うことができる。
S2211の処理の結果、動作干渉フラグ223fがオフであれば(S2211:No)、S2204の処理によって受信した役物動作開始コマンドにより動作開始が指示される可動役物が、既に動作中である可動役物と衝突して干渉し合うこともない。そこで、S2204の処理により受信した役物動作開始コマンドにより動作開始が指示された可動役物の、その役物動作開始コマンドにより示された動作態様に対応した役物駆動制御データを、ROM222から読み出し、その役物駆動制御データに従って当該可動役物に設けられたソレノイドやモータを駆動するように、設定する(S2212)。そして、動作させる可動役物種別に対応する役物駆動フラグ(第1役物駆動フラグ223c〜第3役物駆動フラグ223eのいずれか)をオンに設定し(S2213)、動作役物数カウンタ223fに1加算して(S2214)、表示コマンド判定処理を終了する。
S2204の処理の結果、役物動作開始コマンドを受信していないと判別される場合は(S2204:No)、次いで、表示制御装置114よりその他のコマンドを受信したか否かを判別する(S2216)。そして、その他のコマンドを受信していなければ(S2216:No)、そのまま表示コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。一方、その他のコマンドを受信していれば(S2216:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2217)、表示コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
次いで、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図24)の一処理である役物駆動処理(S1908)の詳細について説明する。図30は、その役物駆動処理(S1908)を示すフローチャートである。この役物駆動処理は、上述した通り、第1役物87〜第3役物89に設けられた各種ソレノイドや各種モータを役物駆動制御データに従って駆動して、第1役物87〜第3役物89を動作させるための処理であり、メイン処理のなかで1秒毎に実行される。
この役物駆動処理では、まず、第1役物駆動フラグ223cはオンか否かを判別し(S2301)、第1役物駆動フラグ223cがオンであれば(S2301:Yes)、第1役物87が動作中であるので、その第1役物87に対して設定された役物駆動制御データに従って、遊技領域の正面視下方向に第1役物87を移動させる第1役物上下動ソレノイド87aを駆動する(S2302)。次に、役物駆動制御データに基づき、第1役物87の駆動終了タイミングか否かを判断し(S2303)、第1役物87の駆動終了タイミングであれば(S2303:Yes)、第1役物駆動フラグ223cをオフに設定し(S2304)、動作役物数カウンタ223fを1減算して(S2305)、S2306の処理へ移行する。
また、S2303の処理の結果、第1役物87の駆動終了タイミングでなければ(S2303:No)、S2304,S2305の処理をスキップして、S2306の処理へ移行する。また、S2301の処理の結果、第1役物駆動フラグ223cがオフであれば、S2302〜S2305の処理をスキップし、S2306の処理へ移行する。
S2306の処理では、第2役物駆動フラグ223dはオンか否かを判別し(S2306)、第2役物駆動フラグ223dがオンであれば(S2306:Yes)、第2役物88が動作中であるので、その第2役物88に対して設定された役物駆動制御データに従って、第2役物88を遊技領域の正面視上方向に移動させる第2役物上下動ソレノイド88aを駆動する(S2307)。次に、役物駆動制御データに基づき、第2役物88の駆動終了タイミングか否かを判断し(S2308)、第2役物88の駆動終了タイミングであれば(S2308:Yes)、第2役物駆動フラグ223dをオフに設定し(S2309)、動作役物数カウンタ223fを1減算して(S2310)、S2311の処理へ移行する。
また、S2308の処理の結果、第2役物88の駆動終了タイミングでなければ(S2308:No)、S2309,S2310の処理をスキップして、S2311の処理へ移行する。また、S2306の処理の結果、第2役物駆動フラグ223dがオフであれば、S2307〜S2310の処理をスキップし、S2311の処理へ移行する。
S2311の処理では、第3役物駆動フラグ223eはオンか否かを判別し(S2311)、第3役物駆動フラグ223eがオンであれば(S2311:Yes)、第3役物89が動作中であるので、その第3役物89に対して設定された役物駆動制御データに従って、第3役物89を回転動作させる第3役物回転用モータ89aを駆動する(S2312)。次に、役物駆動制御データに基づき、第3役物89の駆動終了タイミングか否かを判断し(S2313)、第3役物89の駆動終了タイミングであれば(S2313:Yes)、第3役物駆動フラグ223eをオフに設定し(S2314)、動作役物数カウンタ223fを1減算して(S2315)、S2316の処理へ移行する。
また、S2313の処理の結果、第3役物89の駆動終了タイミングでなければ(S2313:No)、S2314,S2315の処理をスキップして、S2316の処理へ移行する。また、S2311の処理の結果、第3役物駆動フラグ223eがオフであれば、S2312〜S2315の処理をスキップし、S2316の処理へ移行する。
S2316の処理では、S2302の処理によって、第1役物上下動ソレノイド87aを駆動中か否かを判別する(S2316)。そして、第1役物上下動ソレノイド87aを駆動中であれば(S2316:Yes)、それにあわせて、第1役物回転用モータ87bも回転駆動し(S2317)、この役物駆動処理を終了する。一方、第1役物上下同ソレノイド87aを駆動中でなければ(S2317:No)、S2317の処理をスキップして、そのまま役物駆動処理を終了する。
ここで、本パチンコ機10における第1役物87は、第1役物87が下降して遊技者に視認可能な状態にある間、回転動作する。従来のパチンコ機では、このような場合、第1役物87を動作させるための役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンと第1役物回転用モータ87bの駆動パターンとの両方を規定し、ROM222に格納していた。これにより、従来のパチンコ機では、パチンコ機10の設計を行う段階で、設計者が第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンと第1役物回転用モータ87bの駆動パターンとの両方を設計しなければならず、設計の負担となっていた。また、それぞれの駆動パターンを含む役物駆動制御データをROM222に格納しなければならないため、ROM222の記憶容量を圧迫し、又は、ROM222の記憶容量を大容量化しなければならないという問題があった。
これに対し、本パチンコ機10では、ROM222に格納する第1役物87の役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定している。そして、MPU221では、S2316の処理によって第1役物上下動ソレノイド87aが駆動中であるか否かを判定し、第1役物上下動ソレノイド87aが駆動中である場合に、第1役物回転用モータ87bを駆動している。これにより、第1役物87が下降して遊技者に視認可能な状態にある間、その第1役物87を回転動作させることができる。そして、パチンコ機10の設計者は、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンだけを設計すればよいので、設計負担を軽減できる。また、役物駆動制御データとして第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定してROM222に格納するので、ROM222として必要な記憶容量の増大を抑制することができる。
次いで、図31〜図41を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、V割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。V割込信号は、画像コントローラ237がMPU231に対して送信する信号で、画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理を完了する20ミリ秒毎にMPU231に対してV割込信号を送信する。
MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図31を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図31は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理では、初期設定処理を実行する(S2401)。具体的には、ワークRAM233、ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
S2401の処理の後、割込許可を設定し(S2402)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2402の処理によって割込許可が設定されて以降、MPU231は、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図32(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図32(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図32(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図32(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図15参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。V割込処理では、まず、コマンド判定処理(S2602)を実行し、次いで、表示設定処理(S2603)を実行する。コマンド判定処理(S2602)では、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、コマンドバッファ領域に表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターン種別に応じた詳細な変動パターンを決定し、その詳細な変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが20ミリ秒の間にコマンドバッファ領域に格納される可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出等の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図33〜図36を参照して後述する。
表示設定処理(S2603)では、コマンド判定処理(S2602)などによって表示データテーブルバッファ233aおよび追加データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブルおよび追加データテーブルの内容に基づき、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に従って、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。
また、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルや追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルにおいて、そのポインタ233cが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図13参照)が規定されている場合は、その表示内容を音声ランプ制御装置113へ通知する表示種別コマンドを生成し、生成した表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を行う。
また、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルや追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルにおいて、そのポインタ233cが示すアドレスに、役物駆動情報が規定されている場合は、その役物駆動情報に従って、これから動作開始させる可動役物種別に関する情報と、その動作態様に関する情報とを含む役物動作開始コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113に対して送信するための処理を行う。
更に、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図37〜図40を参照して後述する。
表示設定処理(S2603)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2604)。このタスク処理では、表示設定処理(S2603)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、描画処理を実行する(S2605)。この描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータから、図15に示す描画リストを生成し、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。描画処理の詳細については、図41を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2606)。そして、V割込処理を終了する。S2606の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
次いで、図33〜図36を参照して、V割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S1402)の詳細について説明する。まず、図33は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド割込処理は、表示制御装置114内のMPU231によって実行される。
このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2701)、未処理の新規コマンドがなければ(S2701:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、オン状態で新規コマンドが処理されたことを表示設定処理(S2603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2702)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2703)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用特図1保留球数コマンド又は表示用特図2保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S2704)、表示用特図1保留球数コマンド又は表示用特図2保留球数コマンドがあれば(S2704:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S2705)、S2701の処理に戻る。
ここで、図34(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S2705)の詳細について説明する。図34(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用特図1保留球数コマンド又は表示用特図2保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理では、まず、新規保留球数コマンドフラグをオンする(S2801)。表示用保留級数コマンドフラグは、オン状態で表示用保留球数コマンドを処理したことを表示設定処理(S1403)に通知するフラグである。次いで、表示用特図1保留球数コマンド又は表示用特図2保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を、特図1(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出)に対する保留球数か、特図2(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出)に対する保留球数かに対応付けて、取得する(S1602)。
尚、S1602の処理において、2以上の表示用特図1保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用特図1保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の特図1に対する保留球数情報を取得することができる。同様に、2以上の表示用特図2保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用特図2保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の特図2に対する保留球数情報を取得することができる。
そして、特図1および特図2のそれぞれについて保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S2802の処理で特図1に対する保留球数を取得した場合は、その保留球数に対応する特図1の個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する特図1の個数判別フラグをオフにして(S2803)、コマンド判定処理に戻る。また、S2802の処理で特図2に対する保留球数を取得した場合は、その保留球数に対応する特図2の個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する特図2の個数判別フラグをオフにして(S2803)、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、特図1の個数判別フラグと特図2の個数判別フラグとを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が、特図1については第1保留表示領域Ds1に、特図2については第2保留表示領域Ds2に表示されるように、保留画像データを展開する。
図33に戻り、S2704の処理において、表示用特図1保留球数コマンドも表示用特図2保留球数コマンドもないと判別されると(S2704:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S2706)、表示用確定コマンドがあれば(S2706:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S2707)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図34(b)を参照して、確定コマンド処理(S2707)の詳細について説明する。図34(b)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S2707)では、確定コマンドフラグをオンに設定して(S2811)、本処理を終了する。確定コマンドフラグは、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S2603)に通知するフラグである。表示設定処理では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した後に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
図33に戻り、S2706の処理において、表示用確定コマンドがないと判別されると(S2706:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S2708)、表示用デモコマンドがあれば(S2708:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S2709)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図34(c)を参照して、デモコマンド処理(S2709)の詳細について説明する。図34(c)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S2709)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから選定して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2821)。次いで、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S2822)。
次いで、デモ演出に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2823)、ポインタ233cを0に初期化する(S2824)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定すると共に、デモ表示フラグをオンに設定し、更に、確定表示フラグをオフに設定して(S2825)、コマンド判定処理に戻る。尚、デモ表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されることを示すフラグである。確定表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示すフラグである。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2824の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S2821の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定されたデモ用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、表示設定処理では、S2823の処理によってデモ演出に対応する時間データの設定された計時カウンタ233eを用いて、デモ用表示データテーブルで規定されたデモ演出の時間を計時すると共に、S2825の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定制御計時カウンタ233eの計時によってデモ用表示データテーブルにおけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S2707)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、このデモコマンド処理(S2709)が実行され、S2825の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
これにより、このような場合には、確定表示演出は行われずにデモ演出が表示される。主制御装置110は、確定コマンドを送信した後、所定時間(例えば、5分)経過後に変動演出の開始タイミングとならなければ、デモコマンドを送信するように構成されているので、本来であれば、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとが共に格納されることはあり得ない。よって、それらのコマンドが、コマンド判定処理の実行開始時にコマンドバッファ領域にいずれも格納されている場合は、コマンドの送受信が正常に行われていない可能性が高い。
表示制御装置114は、このような場合に、遊技に直接関係のないデモ演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させるので、誤った確定表示演出が第3図柄表示装置81に未表示とされ、遊技者に遊技結果に対する誤解を与えることを抑制できる。また、確定表示演出が行われずにデモ演出が開始されることで、異常が発生していることを遊技者に容易に認識させることができる。よって、遊技者はすぐにホール関係者を呼んで対処の依頼を行うことができる。
図33に戻り、S2708の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S2708:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2710)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2710:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2711)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図35(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2711)の詳細について説明する。図35(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動演出が実行される複数の詳細な変動パターンの中から、1つ詳細な変動パターンを決定する(S2831)。ここで決定された詳細な変動パターンによって、変動演出中に行われる予告演出の内容が一意に定まり、その予告演出で動作される第1役物87〜第3役物89の動作態様が一意に決まる。
次いで、決定した詳細は変動パターンに対応した変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2832)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2832の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が突然停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S2833)。次いで、S2832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233eに設定する(S2834)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S2835)、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S2836)。
デモ表示フラグおよび確定表示フラグをオフに設定することにより、表示中のデモ演出や確定表示演出に代えて、第3図柄表示装置81に変動演出を表示させることができる。また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S2707)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、この変動パターンコマンド処理(S2711)が実行され、S2836の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
S2836の処理が完了すると、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S2837)、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2835の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S2832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。
また、表示設定処理では、S2834の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ233eを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示する。また、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2836の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2832の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233aに設定されたデモ用表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図33に戻り、S2710の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2710:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2712)、表示用停止種別コマンドがあれば(S2711:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2713)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図35(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2713)の詳細について説明する。図35(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、特殊停止図柄のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2841)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図32(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2842)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2842の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2843)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、所定時間以後のアドレスに対応する描画内容において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S1642の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2604)では、変動が開始されてから上記の所定時間が経過して以後、S2843によって設定された停止図柄判別フラグからS2842の処理によって設定された停止図柄を特定し、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定する。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2841の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2842の処理によって設定される。なお、このような場合において、停止種別を完全外れの中でも特殊停止図柄であると仮定して、停止種別テーブルを決定してもよい。
ここで、仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図33に戻り、S2712の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2712:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、役物動作非実行コマンドがあるか否かを判別し(S2714)、役物動作非実行コマンドがあれば(S2714:Yes)、役物動作非実行コマンド処理を実行して(S2715)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図36を参照して、役物動作非実行コマンド処理(S2715)の詳細について説明する。図36は、役物動作非実行コマンド処理を示すフローチャートである。この役物動作非実行コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した役物動作非実行コマンドに対応する処理を実行するものである。
役物動作非実行コマンドは、音声ランプ制御装置113において、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドにて示された可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含めて、表示制御装置114に対して送信されるコマンドである。
役物動作非実行コマンドでは、この役物動作非実行コマンドに含まれる、動作が非実行とされた可動役物種別と、その非実行とされた動作態様とに対応した追加データテーブルを特定し、その特定された追加データテーブルをデータテーブル格納エリア232bから読み出して、それを追加データテーブルバッファ233bに設定する(S2851)。そして、コマンド判定処理に戻る。
これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出に対し、S2851の処理によって追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルに対応する画像が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
上述した通り、S2851の処理により設定される追加データテーブルは、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、表示データテーブルに従って表示される画像にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させるため必要な描画内容が規定されており、各可動役物に対して、その可動役物に対して用意された動作態様毎に、追加データテーブルが用意される。
ここで、音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114からの役物動作開始コマンドにより、第1役物87,第2役物88,第3役物89を動作させるが、第1役物87と第2役物88とを同時に動作させると互いに衝突して干渉し合うため、第1役物87が動作中に、第2役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信しても、第2役物88の動作を非実行とする。また、第2役物88が動作中に、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信しても、第1役物87の動作を非実行とする。また、第1役物87,第2役物88,第3役物89を、所定数(本実施形態では2)を超えて同時に動作させると、電力の供給に不足が生じ、パチンコ機10の動作が不安定となって遊技者に不利益を被らせるおそれがあるため、2つの可動役物が動作しているときに、新たに役物動作開始コマンドを受信すると、その可動役物の動作を非実行とする。
なお、表示制御装置114では、第1役物87と第2役物88とが同時に動作したり、第1役物87,第2役物88,第3役物89が全て同時に動作したりしないように、表示データテーブルにおいて役物駆動情報を規定している。しかしながら、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が破壊されたり、プログラム上の誤り等によって、第1役物87と第2役物88とが同時に動作したり、第1役物87,第2役物88,第3役物89が全て同時に動作したりすることが起こり得る。そこで、音声ランプ制御装置113では、役物動作開始コマンドを表示制御装置114より受信しても、可動役物の動作状況に応じて、役物動作開始コマンドによって示された可動役物の動作を非実行としている。
ただし、ノイズ等の影響やプラグラム上の誤り等によって誤って受信されたのが、今回非実行とされた可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドではなく、先に送受信された役物動作開始コマンドであることもあり得る。つまり、今回非実行とされた可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して正規に出力されたものであることも十分にあり得る。この場合、第3図柄表示装置81では、動作開始を正規に指示した可動役物を目立たせるための画像が表示される。しかしながら、本来動作するはずの可動役物が動作しないため、その可動役物を目立たせるための画像だけが表示され、意味のない画像を遊技者に見せることとなる。
そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、役物動作開始コマンドにて示された可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、役物動作非実行コマンドを受信すると、この役物動作非実行コマンドに含まれる、動作が非実行とされた可動役物種別と、その非実行とされた動作態様とに対応した追加データテーブルを特定し、その特定された追加データテーブルを設定する。
これにより、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる。よって、表示制御装置114から動作開始が指示された可動役物が実際に動作されなくても、その動作しなかった可動役物が、表示制御装置114より指示された動作態様で動作している画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。従って、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、遊技に対する興趣を高める演出を行うことができる。
図33に戻り、S2714の処理において、役物動作非実行コマンドがないと判別されると(S2714:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2722)、S2701の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2701の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、再びS2702〜S2722の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2701〜S2722の処理が繰り返し実行され、S2701の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると(S2701:No)、このコマンド判定処理を終了する。
次いで、図37〜図40を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2603)の詳細について説明する。まず、図37及び図38は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図37に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2901)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2901:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S2902〜S2904の処理をスキップし、S2909の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S2901:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2902)、S2903,S2904の各処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2903の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S2903)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S2903:Yes)、先のコマンド判定処理において表示用特図1保留球数コマンドまたは表示用特図2保留球数コマンドが処理されたと判断して、保留画像設定処理を実行する(S2904)。
ここで、図39を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図39は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるために、その画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、特図1の個数判別フラグと特図2の個数判別フラグとを参照し、オンが設定された特図1の個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の第1保留表示領域Ds1(図5参照)に表示させる保留画像データを展開し、また、オンが設定された特図2の個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の第2保留表示領域Ds2(図5参照)に表示させる保留画像データを展開する(S2951)。タスク処理では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
保留画像設定処理では、S2951の処理の後、新規保留球数コマンドをオフに設定して(S2952)、表示設定処理に戻る。
図37に戻り、保留画像設定処理(S2904)の後、又は、S2903の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2903:No)、次いで、S2909の処理へ移行する。
S2909では、ポインタ更新処理を実行する(S2909)。ここで、図40を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図40は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するポインタ233gの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233cに1を加算する(S2981)。即ち、ポインタ233cは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに格納されるのに合わせてポインタ233cの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S1781の処理によって、ポインタ233cの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2982)。その結果、End情報であれば(S2982:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233cが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S2983)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S2983:Yes)、ポインタ233cを1に設定し(S2984)、更に、表示データテーブルバッファ233aに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定して(S2985)、S2987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2983の処理において、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S2983:No)、ポインタ233cの値を1だけ減算して(S2986)、S2987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233aにデモ用表示データテーブルおよび再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。
S2982の処理の結果、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、S2981の処理による更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は(S2982:No)、S2983〜S2986の処理をスキップして、S2987の処理へ移行する。
S2987の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2987)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2987:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S2987:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233cの値を設定し(S2988)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S2989)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図37に戻り、ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233cで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2910)。タスク処理では、先に展開された保留画像と共に、S2910の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。追加データテーブルバッファ233bがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233bから展開されることになる。
S2910の処理では、また、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル及び追加データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図13参照)が規定されている場合は、その表示内容を音声ランプ制御装置113へ通知する表示種別コマンドを生成し、生成した表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
更に、S2910の処理では、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル及び追加データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに、役物駆動情報が規定されている場合は、その役物駆動情報に従って、これから動作開始させる可動役物種別に関する情報と、その動作態様に関する情報とを含む役物動作開始コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113に対して送信する。音声ランプ制御装置113は、この役物動作開始コマンドを受信すると、この役物動作開始コマンドにより示される可動役物が、この役物動作開始コマンドにより示される動作態様で動作するように、各可動役物に設けられたソレノイドやモータを駆動する。
S2910の処理の後、計時カウンタ233eの値を1だけ減算し(S2911)、減算後の計時カウンタ233eの値が0以下であるか否かを判別する(S2912)。そして、計時カウンタ233eの値が1以上である場合は(S2912:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233eの値が0以下である場合は(S2912:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2913の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2913)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2913:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、停止図柄判別フラグによって示される停止図柄に応じた確定表示演出の態様を決定し、その態様の確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S2914)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2915)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化する(S2916)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S2917)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定後(S2918)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2919)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、S2919の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄から開始されるため、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまで、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が規定されている。タスク処理(S2604)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2919によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前の変動演出における停止図柄を特定する。そして、その特定した停止図柄に対して、上述の変動用表示データテーブルに規定された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S2913の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S2913:No)、図38に示すS2920の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2920)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2920:Yes)、S2912の処理における判定の結果(S2912:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S2921)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定し(S2922)、次いで、データ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定する(S2923)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S2924)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2925)、V割込処理を終了する。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
尚、S2920:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2914の処理によって、追加データテーブルバッファ233bはその内容がクリアされている。よって、S2922の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
S2920の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2920:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2926)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S2926:Yes)、S2912の処理における判定の結果(S2912:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S2926の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2926:No)、S2912の処理における判定の結果(S2912:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S2927)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S2928)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S2928:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。また、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2928:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S2929)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2930)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化して(S2931)、V割込処理に戻る。
これにより、表示制御装置114では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
尚、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、再始動演出は、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させる態様で第3図柄表示装置81に表示させるものであり、その再始動表示データテーブルでは、第3図柄を少なくとも1回揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを規定する。そして、この再始動表示データテーブルの先頭から繰り返し描画内容を展開することで、第3図柄表示装置81に第3図柄を繰り返し振動させた再始動演出が表示される。このように、再始動演出を、第3図柄表示装置81に第3図柄を振動させて表示させる演出とすることで、その再始動表示データテーブルを、少なくとも1回第3図柄を揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを記憶させておけばよいので、再始動表示データテーブルを記憶するために必要な容量を小さく抑えることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信した場合は、図37に示すS2914の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには確定表示データテーブルが設定される。これにより、再始動演出中であっても表示用確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄判別フラグで示される停止図柄で第3図柄の停止表示がなされ、確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図35(a)のS2832の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには、変動用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81に変動演出が表示される。また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用デモコマンドを受信した場合は、図34(c)のS2821の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには、デモ用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、本来受信されるべき主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に表示される演出であるため、ノイズや誤動作等の影響により、再始動演出が表示されている間も確定コマンドが受信されない可能性がある。これに対し、本実施形態では、再始動演出中に表示用変動パターンコマンドや表示用デモコマンドを受信すれば、そのコマンドに対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができるので、第3図柄表示装置81における各種演出をパチンコ機10の遊技状態に合わせて行わせることができる。
次いで、図41を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2605)の詳細について説明する。図41は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)から、図15に示す描画リストを生成する(S3001)。即ち、S3001の処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定し、その特定されたアドレスに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ(図示せず)によって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3002)。ここでは、描画対象バッファフラグが0である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAM236に設けられた第1フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。また、描画対象バッファフラグが0である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAMに設けられた第2フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3002の処理の後、描画対象バッファフラグを更新する(S3003)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、ビデオRAM236の第1フレームバッファと第2フレームバッファとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図32(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファが指定される。よって、先に第1フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定される。よって、先に第2フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファおよび第2フレームバッファをそれぞれ交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、始動入賞に伴って変動演出を実行する場合に、主制御装置110において、変動演出の変動時間が決定され、表示制御装置114において、その変動時間にあわせて詳細な変動パターンが決定される。また、この詳細な変動パターンに合わせて、第1役物87,第2役物88,第3役物89を動作させることによる予告演出の実行の有無が、その動作態様と共に、表示制御装置114で決定される。これらの可動役物は、音声ランプ制御装置113にて駆動され、表示制御装置114にて一の可動役物の動作開始と、その動作態様とが決定されると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、役物動作開始コマンドを送信し、動作を開始する可動役物種別とその動作態様とが通知される。音声ランプ制御装置113は、この役物動作開始コマンドに従って、役物動作開始コマンドで示された可動役物を、役物動作開始コマンドで示された動作態様で動作するように、その可動役物に設けられたソレノイドやモータを駆動する。
ここで、本パチンコ機10では、第1役物87,第2役物88,第3役物89を、所定数(本実施形態では2)を超えて同時に動作させると、電力の供給に不足が生じ、パチンコ機10の動作が不安定となって遊技者に不利益を被らせるおそれがある。また、本パチンコ機10では、第1役物87と第2役物88とが同時に動作すると、それらが衝突して互いに干渉し合うという問題がある。
一方、表示制御装置114では、第1役物87と第2役物88とが同時に動作したり、第1役物87,第2役物88,第3役物89が全て同時に動作したりしないように、プログラムしている。しかしながら、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が破壊されたり、プログラム上の誤り等によって、第1役物87と第2役物88とが同時に動作したり、第1役物87,第2役物88,第3役物89が全て同時に動作したりすることが起こり得る。そこで、音声ランプ制御装置113では、役物動作開始コマンドを表示制御装置114より受信しても、可動役物の動作状況に応じて、役物動作開始コマンドによって示された可動役物の動作を非実行としている。
具体的には、音声ランプ制御装置113では、動作中の可動役物の数を動作役物数カウンタ223fによってカウントし、動作役物数カウンタ223fが2以上の場合、即ち、少なくとも2つの可動役物が動作している場合に、役物動作開始コマンドを受信しても、その役物動作開始コマンドを無視して、その役物動作開始コマンドで動作開始が指示された可動役物を非動作とさせる。また、音声ランプ制御装置113は、第1役物87が動作中であることを示す第1役物駆動フラグ223cを有し、第1役物駆動フラグ223cによって第1役物87が動作中であると判断される場合に、第2役物88の動作開始を指示する役物駆動開始コマンドを受信しても、その役物動作開始コマンドを無視して、第2役物88を非動作とさせる。更に、音声ランプ制御装置113は、第2役物88が動作中であることを示す第2役物駆動フラグ223dを有し、第2役物駆動フラグ223dによって第2役物88が動作中であると判断される場合に、第1役物87の動作開始を指示する役物駆動開始コマンドを受信しても、その役物動作開始コマンドを無視して、第1役物87を非動作とさせる。
これにより、ノイズ等の影響やプログラム上の誤り等によって、第1役物87,第2役物88,第3役物89の全ての可動役物が同時に動作したり、第1役物87と第2役物88とが同時に動作して,互いに干渉し合ったりすることを抑制できる。
一方、ノイズ等の影響やプラグラム上の誤り等によって誤って受信されたのが、今回非実行とされた可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドではなく、先に送受信された役物動作開始コマンドであることもあり得る。つまり、今回非実行とされた可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して正規に出力されたものであることも十分にあり得る。この場合、第3図柄表示装置81では、動作開始を正規に指示した可動役物を目立たせるための画像が表示される。しかしながら、本来動作するはずの可動役物が動作しないため、その可動役物を目立たせるための画像だけが表示され、意味のない画像を、遊技者に見せることとなる。
そこで、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置113において、役物動作開始コマンドにて示された可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、役物動作非実行コマンドを受信すると、この役物動作非実行コマンドに含まれる、動作が非実行とされた可動役物種別と、その非実行とされた動作態様とに対応した追加データテーブルを特定し、その特定された追加データテーブルを設定する。
これにより、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる。よって、表示制御装置114から動作開始が指示された可動役物が実際に動作されなくても、その動作しなかった役物が、表示制御装置114より指示された動作態様で動作している画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。従って、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、遊技に対する興趣を高める演出を行うことができる。
また、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、第1役物87には、遊技領域の正面視下方向に第1役物87を移動させるための第1役物上下動ソレノイド87aと、第1役物87を回転動作させるための第1役物回転用モータ87bとが設けられている。本パチンコ機10における第1役物87は、第1役物87が下降して遊技者に視認可能な状態にある間、回転動作されている。
ここで、従来のパチンコ機では、このような場合、第1役物87を動作させるための役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンと第1役物回転用モータ87bの駆動パターンとの両方を規定し、ROM222に格納していた。これにより、従来のパチンコ機では、パチンコ機10の設計を行う段階で、設計者が第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンと第1役物回転用モータ87bの駆動パターンとの両方を設計しなければならず、設計の負担となっていた。また、それぞれの駆動パターンを含む役物駆動制御データをROM222に格納しなければならないため、ROM222の記憶容量を圧迫し、又は、ROM222の記憶容量を大容量化しなければならないという問題があった。
これに対し、本パチンコ機10では、ROM222に格納する第1役物87の役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定している。そして、音声ランプ制御装置110では、第1役物上下動ソレノイド87aが駆動中であるか否かを判定し、第1役物上下動ソレノイド87aが駆動中である場合に、第1役物回転用モータ87bを駆動している。これにより、第1役物87が下降して遊技者に視認可能な状態にある間、その第1役物87を回転動作させることができる。そして、パチンコ機10の設計者は、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンだけを設計すればよいので、設計負担を軽減できる。また、役物駆動制御データとして第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定してROM222に格納するので、ROM222として必要な記憶容量の増大を抑制することができる。
次いで、図42を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドにて示される可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信し、表示制御装置114は、この役物動作非実行コマンドを受信することに基づいて、実際には非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる場合について説明した。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、表示制御装置114において、第1役物87又は第2役物88をある動作態様で動作させることが決定された場合、音声ランプ制御装置113で実際にその可動役物が動作されたか非動作とされたかにかかわらず、表示制御装置114は、その動作させることが決定された可動役物が、その決定された動作態様で動作している画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
図42は、第2実施形態における表示制御装置114において第1役物87をある動作態様で動作させることが決定された場合に、第3図柄表示装置81に表示される画像を模式的に示した図である。
表示制御装置114では、第1役物87の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力した場合、その第1役物87の動作を遊技者に対して効果的に目立たせるために、センターフレーム86から下降した第1役物87の周辺を光らせた画像81aを第3図柄表示装置81に表示させるだけでなく、第1役物87を模した画像81cを、実際に決定された第1役物87の動作態様に合わせて動作させながら、第3図柄表示装置81に表示される。
このとき、第3図柄表示装置81に表示される第1役物87を模した画像81cの大きさは、実際に第1役物87が動作した場合に、その第1役物87によって、第1役物87を模した画像81cが隠れる程度の大きさに設定される。即ち、第3図柄表示装置81に表示される第1役物87を模した画像81cの大きさは、第1役物87と同等の大きさか、第1役物87と比して小さな画像となるように、第3図柄表示装置81に第1役物87を模した画像81cを表示させる。
但し、第1役物87を模した画像81cが小さくなりすぎると、第3図柄表示装置81に表示される第1役物87を模した画像81cの存在感が薄れ、予告演出として遊技者に与える興趣が低下するおそれがある。従って、第3図柄表示装置81に表示される第1役物87を模した画像81cは、第1役物87により隠れる程度の大きさとなる範囲で、可能な限り大きい画像とするのがよい。これにより、第1役物87が動作せず、第3図柄表示装置81に表示された第1役物87を模した画像81cを遊技者が視認したとしても、画像81cの存在感を遊技者に与えることができる。よって、この画像81cによって、遊技に対して予告演出を深く印象付けることができる。
なお、図42では、第1役物87を例として、表示制御装置114において第1役物87をある動作態様で動作させることが決定された場合に、第3図柄表示装置81に、その第1役物87を模した画像81cを、実際に決定された第1役物87の動作態様にあわせて動作させながら表示する場合について説明したが、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、表示制御装置114において第2役物88をある動作態様で動作させることが決定された場合にも、第3図柄表示装置81に、その第2役物88を模した画像を、実際に決定された第2役物88の動作態様にあわせて動作させながら表示する。
なお、第3役物89は、それが回転動作するか否かによって予告演出を行うものであり、第1役物87や第2役物88とは異なり、常に遊技者に視認される位置に配設される。よって、第3図柄表示装置81に第3役物89を模した画像を表示させても、常に、その画像は第3役物89に隠れて視認できない状態にある。よって、本パチンコ機10では、第3役物89をある動作態様で動作させることが決定された場合であっても、第3図柄表示装置81に、その第3役物88を模した画像は非表示としている。
さて、可動役物を使用した予告演出は、第1実施形態においても説明した通り、表示制御装置114が、主制御装置110より通知された変動パターン(変動時間)に基づいて、詳細な変動パターンを決定すると、その決定された詳細な変動パターンによって、変動演出中に行われる予告演出の内容が一意に定まり、その予告演出で動作される第1役物87〜第3役物89の動作態様も一意に決まる。つまり、詳細な変動パターンが決定された時点で、可動役物を模した画像の表示内容も決まってくる。
そこで、本実施形態では、変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルに、可動役物を模した画像を表示させるための描画内容が規定されている。ただし、可動役物を模した画像を表示させるための描画内容を、変動用表示データテーブルから分けて、追加データテーブルによって規定するようにしてもよい。
この第2実施形態におけるパチンコ機10によれば、表示制御装置114において、第1役物87又は第2役物88をある動作態様で動作させることが決定された場合、音声ランプ制御装置113で実際にその可動役物が動作されたか非動作とされたかにかかわらず、表示制御装置114は、その動作させることが決定された可動役物が、その決定された動作態様で動作している画像を、第3図柄表示装置81に表示させる。また、第3図柄表示装置81に表示される可動役物を模した画像は、実際に対応する可動役物が動作された場合に、その可動役物によって、可動役物を模した画像が隠れる程度の大きさに設定される。
これにより、音声ランプ制御装置113による駆動によって、実際に可動役物が動作している場合は、その可動役物を遊技者に見せることができる一方、第3図柄表示装置81に表示された可動役物を模した画像は、実際の可動役物に隠れ、遊技者からは見えない。また、所定数(本実施形態では2)を超えた可動役物が同時に動作して電力供給に不足が生じ、パチンコ機10の動作が不安定になったり、第1役物87と第2役物88とが同時に動作して衝突し、互いに干渉し合ったりすることを抑制するために、音声ランプ制御装置113の制御によって、ある可動役物が非動作とされて、その可動役物がセンターフレーム86内に格納されたままとなった場合は、第3図柄表示装置81に表示された画像であって、その非動作とされた可動役物が元々動作すべき動作態様で動作している画像を、実際の可動役物に代えて遊技者に見せることができる。
よって、表示制御装置114から動作開始が指示された可動役物が実際に動作されなくても、第3図柄表示装置81に表示されている可動役物を模した画像を遊技者に見えることで、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、遊技に対する興趣を高める演出を行うことができる。また、可動役物が実際に動作されるか否かにかかわらず、第3図柄表示装置81に、可動役物を模した画像を表示させればよいので、第1実施形態のように、可動役物を非動作とした場合に、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して、役物動作非実行コマンドを送信する必要がない。よって、プログラムの簡略化を図ることができる。
また、可動役物を動作させるソレノイドやモータ等が故障していた場合、第1実施形態では、故障したソレノイド等を有する可動役物は動作しないが、音声ランプ制御装置113では、ソレノイド等が故障していることを把握することなく駆動制御を行うので、その動作しない可動役物について、音声ランプ制御装置113が役物動作非実行コマンドを表示制御装置114に対して送信することはない。よって、この場合、可動役物を模した画像が第3図柄表示装置81に表示されることはなく、本来動作するはずの可動役物を目立たせるための画像だけが第3図柄表示装置81に表示されるので、意味のない画像を遊技者に見せることとなる。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、故障したソレノイド等を有する可動役物は動作しないが、この場合も、第3図柄表示装置81に、その故障によって非動作とされた可動役物が元々動作すべき動作態様で動作している画像を、実際の可動役物に代えて遊技者に見せることができる。よって、役物を動作させるソレノイドやモータ等が故障した場合であっても、第3図柄表示装置81を注視しながら遊技を行っている遊技者に対して、遊技に対する興趣を高める演出を行うことができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
例えば、上記各実施形態では、動作役物数カウンタ223fにより、動作中の可動役物の数をカウントし、動作役物数カウンタ223fが2以上の場合、即ち、少なくとも2つの可動役物が動作している場合に、役物動作開始コマンドを受信しても、その役物動作開始コマンドを無視して、その役物動作開始コマンドで動作開始が指示された可動役物を非動作とさせる場合について説明した。これに対し、動作中の可動役物の数をカウントするためのカウンタを設けず、第1役物87が動作中であることを示す第1役物駆動フラグ223cと、第2役物88が動作中であることを示す第2役物駆動フラグ223dと、第3役物89が動作中であることを示す第3役物駆動フラグ223eとを参照し、これらのフラグの値から、現在動作中の可動役物の数を把握することで、少なくとも2つの可動役物が動作している場合に、役物動作開始コマンドを受信しても、その役物動作開始コマンドを無視して、その役物動作開始コマンドで動作開始が指示された可動役物を非動作とさせてもよい。
上記第1実施形態では、音声ランプ制御装置113において、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドにて示される可動役物の動作を非実行とした場合、その非実行とされた可動役物の種別にかかわらず、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信することで、非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させる場合について説明した。これに対し、第3役物89は、それが回転動作するか否かによって予告演出を行うものであり、第1役物87や第2役物88とは異なり、第3役物89が非動作とされても、常に遊技者に視認される位置に配設される。よって、第3図柄表示装置81に第3役物89を模した画像を表示させても、実際には第3役物89が停止した状態のままとなっているので、遊技者にしてみれば不可解な演出に見えてしまう。よって、動作させることで遊技者に視認可能となる可動役物(上記第1実施形態では第1役物87及び第2役物88)についてのみ、その可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを受信したにもかかわらず、音声ランプ制御装置113がその可動役物の動作を非実行とした場合に、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信するように構成してもよい。または、表示制御手段114は、音声ランプ制御装置113から役物動作非実行コマンドを受信した場合に、動作させることで遊技者に視認可能となる可動役物(上記第1実施形態では第1役物87及び第2役物88)についてのみ、その可動役物の画像を、その非実行とされた動作態様で、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させてもよい。これにより、動作が非実行とされたことで遊技者に視認されなかった可動役物の画像を、その非実行とされた動作態様で、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させることができるので、遊技者は、その可動役物の画像を視認することで、遊技への興趣を高めることができる。
上記第1実施形態では、音声ランプ制御装置113において、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドにて示される可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113に対して送信した役物動作開始コマンドで示される可動役物種別と、その可動役物の動作態様とを記憶しておき、音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドにて示される可動役物の動作を非実行とした場合、単に、可動役物の動作を非実行としたことを通知するだけのコマンドを表示制御装置114に対して送信してもよい。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から当該コマンドを受信すると、表示制御装置114にて記憶していた可動役物種別と、その可動役物の動作態様とに基づいて、非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させるように構成してもよい。この場合、音声ランプ制御装置113は、第1実施形態のように種々の情報を含む可動役物動作非実行コマンドを生成する必要がないため、可動役物の動作を非実行としたことを、速く音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して通知できる。また、表示制御装置114では、役物動作非実行コマンドを受信してから、第3図柄表示装置81に表示させる可動役物の画像を準備するのではなく、予め、第3図柄表示装置81に表示させる可動役物の画像を準備しておき、音声ランプ制御装置114から、可動役物の動作を非実行としたことを通知するコマンドを受信した段階で、すぐに、その非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113に対して送信した役物動作開始コマンドで示される可動役物種別と、その可動役物の動作態様とを記憶しておき、音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドにて示される可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報を含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信し、表示制御装置114にて、記憶していた可動役物種別と、受信した役物動作非実行コマンドに含まれる可動役物種別とが一致するかを判断して、一致する場合にのみ、表示制御装置114にて記憶していた、若しくは、役物動作非実行コマンドにより示される可動役物種別と、その可動役物の動作態様とに基づいて、非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させるように構成してもよい。または、表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113に対して送信した役物動作開始コマンドで示される役物種別を記憶しておき、音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114より受信した役物動作開始コマンドにて示される可動役物の動作を非実行とした場合、その可動役物の種別に関する情報と、その可動役物が本来実行されるはずであった動作態様に関する情報とを含む役物動作非実行コマンドを、表示制御装置114に対して送信し、表示制御装置114にて、記憶していた可動役物種別と、受信した役物動作非実行コマンドに含まれる可動役物種別とが一致するかを判断して、一致する場合にのみ、役物動作非実行コマンドにより示されるか、若しくは、表示制御装置114に記憶されている可動役物種別と、その可動役物の動作態様とに基づいて、非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させるように構成してもよい。表示制御装置114にて、記憶していた可動役物種別と、受信した役物動作非実行コマンドに含まれる可動役物種別とが一致しない場合は、表示制御装置114が、役物動作非実行コマンドにより示される可動役物に対して動作開始を指示していない可能性が高く、音声ランプ制御装置114は、ノイズの影響等による誤動作によって、役物動作非実行コマンドを送信した可能性が高い。よって、この場合に、非実行とされた可動役物が非実行とされた動作態様で動作する画像を、元々表示される画像(表示データテーブルに従って表示させる画像)にかぶせる形で第3図柄表示装置81に表示させないようにすることで、変動演出中におかしな演出が行われることを抑制することができる。
上記各実施形態では、第1役物87〜第3役物89の動作タイミングを、表示制御装置114において決定した詳細な変動パターンに合わせて一意に決定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1役物87〜第3役物89の少なくとも一部については、例えば、第1役物87については、詳細な変動パターンにかかわらず、変動演出が行われている期間中、ランダムなタイミングで動作されるように、その動作のタイミングが表示制御装置114の抽選によって決定されてもよい。これにより、遊技者は変動演出が行われている期間中、遊技者は常に第1役物87が動作することを期待しながら遊技を行うことができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
上記各実施形態では、可動役物として、第3図柄表示装置81の正面視上側に設けられた円盤状の可動役物である第1役物87と、第3図柄表示装置81の正面視下側に設けられた板状の可動役物である第2役物88と、第3図柄表示装置81の正面視右側に設けられた円柱形の可動役物である第3役物89とを例示したが、これに限られるものではなく、複数の可動役物を有する遊技機であれば、本発明を適用可能である。
上記各実施形態では、第1役物87に、第1役物上下動ソレノイド87aと第1役物回転用ソレノイド87bとが設けられ、ROM222に格納する第1役物87の役物駆動制御データとして、第1役物上下動ソレノイド87aの駆動パターンのみを規定し、その駆動パターンに従って第1役物上下動ソレノイド87aが駆動中である場合に、第1役物回転用モータ87bを駆動する場合について説明した。これに対し、例えば、1つの可動役物に3つ以上の駆動手段(ソレノイドやモータ等)を設け、ROMに格納する役物駆動制御データとして、1の駆動手段の駆動パターンのみを規定し、その駆動パターンに従って1の駆動手段が駆動中である場合に、他の2つの駆動手段を駆動してもよい。これにより、パチンコ機10の設計者は、1の駆動手段の駆動パターンだけを設計すればよいので、設計負担を軽減できる。また、役物駆動制御データとして1の駆動手段の駆動パターンのみを規定してROMに格納するので、ROMとして必要な記憶容量の増大を抑制することができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な要素に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記各実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態において、表示データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特図1保留球数カウンタ223a又は特図2保留級数カウンタ223bの値を1減らす(図26のS2107〜S2111参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図18参照)において、変動開始処理(S1308)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dの値(NA)又は特図2保留球数カウンタ203eを(図18のS1310,S1305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドを設定し、その特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。尚、この場合、図26のS2107〜S2111は省略される。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドや、役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを、音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。このとき、表示制御装置が、主制御装置110から直接受信したコマンドに基づいて、詳細な変動パターンを決定し、その詳細な変動パターンに基づいて、表示制御装置から音声ランプ制御装置に対して、各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドや、可動役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを送信してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知するコマンドに代えてフラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定したり、警告画像などの各種画像データを生成したりしてもよい。また、表示制御装置114で生成して音声ランプ制御装置113に通知する表示種別コマンドや役物動作開始コマンドに代えて、表示種別フラグや役物動作開始フラグを生成し、その表示種別フラグに基づいて、音声データを音声データ記憶エリア222aから読み出し、再生音声データ記憶エリア223dへ設定してもよいし、役物動作開始フラグに基づいて、役物動作開始フラグで示される可動役物が、役物動作開始フラグで示される動作態様で動作するように、その可動役物に設けられたソレノイドやモータ等を駆動してもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞、第2入球口640への入賞、および、スルーゲート67への球の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動演出の保留球数および第2入球口640への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技領域に設けられた複数の可動役物と、各々の可動役物に対して設けられ、対応する可動役物を動作させるための駆動手段とを備えた遊技機であって、前記複数の可動役物毎に、その可動役物の動作を設定する設定手段と、前記複数の可動役物の動作状況を判断する判断手段と、前記設定手段により一の可動役物に対して動作させることが設定された場合に、前記判断手段による判断結果に基づいて、前記一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にあるかを判定する判定手段と、その判定手段により前記一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にある場合は、前記設定手段により動作させることが設定された前記一の可動役物に対応する前記駆動手段の駆動を非実行とする非実行手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技領域に複数の可動役物が設けられており、各々の可動役物は、それぞれの可動役物に対して設けられた駆動手段によって動作させられる。また、この複数の可動役物の動作は、可動役物毎に設定手段によって設定される。ここで、複数の可動役物の動作状況が判断手段により判断される。そして、一の可動役物に対して動作させることが設定手段により設定された場合に、その判断手段による判断結果に基づいて、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にあるかが判定手段により判定される。そして、判定手段により、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にある場合は、設定手段により動作させることが設定された一の可動役物に対応する駆動手段の駆動が、非実行手段により非実行とされる。よって、複数の可動役物を適切に動作させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記判定手段は、前記判断手段により、少なくとも所定数の可動役物が動作している状況にあると判断される場合に、前記一の可動役物の動作を非実行とすべき状況にあると判定することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一の可動役物に対して動作させることが設定手段により設定されたときに、少なくとも所定数の可動役物が動作している状況にあると判断手段により判断される場合に、判定手段によって、一の可動役物の動作が非実行とされる。これにより、同時に所定数を超えて可動役物が動作することを抑制できるので、所定数を超える可動役物が動作することにより、各可動役物を動作させる駆動手段に多くの電力が消費され、電力不足によって遊技機の動作に不具合が生じることを抑制できるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、前記複数の可動役物は、第1の可動役物と、第1の可動役物とは別に動作させられる第2の可動役物とを含み、前記第1の可動役物と前記第2の可動役物とが同時に動作した場合に、前記第1の可動役物と前記第2の可動役物とでその動作が互いに干渉し合うものであり、前記判定手段は、前記第1の可動役物に対して動作させることが前記設定手段により設定された場合に、前記判断手段により、前記第2の可動役物が動作している状況にあると判断される場合において、前記第1の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にあると判定することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の可動役物と第2の可動役物とが同時に動作した場合に、その第1の可動役物と第2の可動役物とでその動作が互いに干渉し合う遊技機であり、第1の可動役物に対して動作させることが設定手段により設定された場合に、第2の可動役物が動作している状況にあると判断手段により判断される場合には、第1の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にあると判定手段によって判定される。これにより、第1の可動役物と第2の可動役物とが、同時に動作することによって互いに干渉し合うことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A3のいずれかにおいて、前記設定手段を有する第1制御手段と、前記駆動手段を制御する第2制御手段とを備え、前記第1制御手段と第2制御手段とは別体に構成されており、前記第1制御手段は、前記設定手段により一の可動役物に対して動作させることが設定された場合に、その設定情報を前記第2制御手段に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1〜A3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。設定手段は第1制御手段に設けられ、駆動手段は、第1制御手段とは別体に構成された第2制御手段により制御される。また、第1制御手段には送信手段が設けられ、設定手段により一の可動役物に対して動作させることを設定した場合に、その設定情報が、送信手段によって第2制御手段に対して送信される。これにより、ノイズ等の影響により設定情報の一部が壊れ、第2制御手段は、誤った設定情報に基づいて駆動手段を駆動し、可動役物を動作させる場合が生じ得る。しかしながら、判定手段により、可動役物の動作状況に基づいて、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にあるか否かが判定され、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にある場合は、設定手段により動作させることが設定された一の可動役物に対応する駆動手段の駆動は、非実行手段により非実行とされるので、ノイズ等の影響により誤って可動役物の動作が設定される状況が発生しても、複数の可動役物を適切に動作させることができるという効果がある。
遊技機A4において、遊技の進行に合わせて演出画像を表示する表示手段を備え、前記第1制御手段は、前記表示手段に表示する前記演出画像を設定する演出画像設定手段を備え、前記設定手段は、前記演出画像設定手段により設定される前記演出画像にあわせて、前記複数の可動役物毎に、その可動役物の動作を設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の進行に合わせて演出画像が表示される表示手段に表示するその演出画像が、第1制御手段に設けられた演出画像設定手段により設定される。そして、複数の可動役物の動作は、演出画像設定手段により設定される演出画像にあわせて、複数の可動役物毎に設定手段により設定される。よって、表示手段に表示される演出画像と複数の可動役物の動作とを一体にした演出を遊技機において実行できるので、遊技者の興趣を高めることができる。一方、第1制御手段に設けられた設定手段により、表示手段に表示される演出画像にあわせて、一の可動役物に対して動作させることを設定した場合に、その設定情報が、送信手段によって第2制御手段に対して送信されるので、ノイズ等の影響により設定情報の一部が壊れ、第2制御手段は、誤った設定情報に基づいて駆動手段を駆動し、可動役物を動作させる場合が生じ得る。仮に、誤った設定情報に基づいて駆動手段を駆動し、可動役物を動作させると、表示手段に表示される演出画像と一致しない動作が一部の可動役物で行われるおそれがあり、表示手段と複数の可動役物とで行われる演出の一体感が損なわれるおそれがある。しかしながら、判定手段により、可動役物の動作状況に基づいて、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にあるか否かが判定され、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にある場合は、設定手段により動作させることが設定された一の可動役物に対応する駆動手段の駆動は、非実行手段によって非実行とされるので、ノイズ等の影響により誤って可動役物の動作が設定される状況が発生しても、複数の可動役物を適切に動作させることができる。よって、表示手段と可動役物とで行われる演出の一体感を保つことができるという効果がある。
遊技機A1〜A5のいずれかにおいて、遊技の進行に合わせて演出画像を表示する表示手段と、その表示手段に表示する前記演出画像を設定する演出画像設定手段とを備え、前記設定手段は、前記演出画像設定手段により設定される前記演出画像にあわせて、前記複数の可動役物毎に、その可動役物の動作を設定するものであり、前記非実行手段は、前記設定手段により動作させることが設定された前記一の可動役物に対応する前記駆動手段の駆動を非実行とした場合に、その非実行を通知するための非実行情報を前記演出画像設定手段へ送信する非実行情報送信手段を備え、前記演出画像設定手段は、前記非実行情報送信手段より前記非実行情報を受信した場合に、動作が非実行とされた前記一の可動役物が動作した状態を表す画像を前記表示手段に表示するための設定を行うことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1〜A5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の進行に合わせて演出画像が表示される表示手段に表示するその演出画像が、演出画像設定手段により設定され、複数の可動役物の動作は、演出画像設定手段により設定される演出画像にあわせて、複数の可動役物毎に設定手段により設定される。これにより、表示手段に表示される演出画像と複数の可動役物の動作とを一体にした演出を遊技機において実行できるので、遊技者の興趣を高めることができる。ここで、判定手段により、可動役物の動作状況に基づいて、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にあるか否かが判定され、一の可動役物の動作を非実行とさせるべき状況にある場合は、設定手段により動作させることが設定された一の可動役物に対応する駆動手段の駆動は、非実行手段により非実行とされる。このとき、表示手段では、一の可動役物が動作されるものとして、その一の可動役物の動作にあわせた演出画像が表示されている場合があり、一の可動役物の動作が非実行とされると、演出の一体感が損なわれるおそれがある。これに対し、非実行手段が一の可動役物に対応する駆動手段の駆動を非実行として、その一の可動役物の動作が非実行とされた場合、その非実行を通知するための非実行情報が、非実行情報送信手段によって、演出画像設定手段へ送信される。そして、演出画像設定手段は、非実行情報を受信すると、動作が非実行とされた一の可動役物が動作した状態を表す画像を表示手段に表示するための設定を行う。これにより、一の可動役物そのものは実際には動作しないものの、その一の可動役物が動作した状態を表す画像が表示手段に表示されるので、演出の一体感を保たせることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記複数の可動役物は、対応する駆動手段の駆動によって、遊技者に視認可能となる第3の可動役物を含み、前記演出画像設定手段は、前記非実行情報送信手段より前記非実行情報を受信した場合に、動作が非実行とされた可動役物が第3の可動役物であれば、その第3の可動役物が動作した状態を表す画像を前記表示手段に表示するための設定を行うことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3の可動役物は、対応する駆動手段の駆動によって、遊技者に視認可能となるものであり、動作が非実行とされた可動役物が、この第3の可動役物である場合に、その第3の可動役物が動作した状態を表す画像を前記表示手段に表示するための設定が、演出画像設定手段によって行われる。非動作の場合も常に遊技者に視認可能な可動役物に対してまで、その可動役物の動作が非実行とされることで、その可動役物が動作した状態を表す画像を表示手段に表示させると、実際には非動作の可動役物が遊技者に視認された状態にあるので、実際の可動役物の動作と表示手段における表示とに不一致が生じ、遊技者にしてみれば不可解な演出に見えるおそれがある。一方で、非動作の場合に遊技者に視認不能な第3の可動役物については、その第3の可動役物が非動作とされることで、第3の可動役物が視認不能な状態のままとされると、表示手段にはその第3の可動役物が視認されていることを前提とする演出画像が表示されているので、表示手段に表示される演出画像がおかしなものとなる。これに対し、第3の可動役物が非実行とされた場合に限り、その第3の可動役物が動作した状態を表す画像が表示手段に表示されるので、第3可動役物の動作が非実行とされる場合であっても、表示手段にて違和感の少ない演出を行うことができるという効果がある。
遊技機A1〜A5のいずれかにおいて、遊技の進行に合わせて演出画像を表示する表示手段と、その表示手段に表示する前記演出画像を設定する演出画像設定手段とを備え、前記複数の可動役物は、対応する駆動手段の駆動によって、遊技者に視認可能となる第3の可動役物を含み、前記設定手段は、前記演出画像設定手段により設定される前記演出画像にあわせて、前記複数の可動役物毎に、その可動役物の動作を設定するものであり、前記演出画像設定手段は、前記設定手段により前記第3の可動役物の動作が設定される場合に、その第3の可動役物が動作した状態を表す画像を前記表示手段に表示するための設定を行うことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1〜A5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の進行に合わせて演出画像が表示される表示手段に表示するその演出画像が、演出画像設定手段により設定される。また、複数の可動役物の動作は、演出画像設定手段により設定される演出画像にあわせて、複数の可動役物毎に設定手段により設定される。これにより、表示手段に表示される演出画像と複数の可動役物の動作とを一体にした演出を遊技機において実行できるので、遊技者の興趣を高めることができる。ここで、第3の可動役物は、対応する駆動手段の駆動によって、遊技者に視認可能となるものである。そして、設定手段により第3の可動役物の動作が設定される場合に、その第3の可動役物が動作した状態を表す画像を表示手段に表示するための画像が、演出画像設定手段によって設定される。これにより、第3の可動役物の動作が設定された場合に、その第3の可動役物が動作した状態を表す画像が表示手段に表示されるので、非実行手段により第3の可動役物の動作が非実行とされ、実際には第3の可動役物そのものを遊技者が視認できなくても、遊技者は、表示手段に表示された画像を通して、第3の可動役物の動作を視認することができる。よって、第3の可動役物の動作が非実行とされても、演出の一体感を保たせることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記演出画像設定手段は、前記設定手段により前記第3の可動役物の動作が設定される場合に、前記表示手段に表示される第3の可動役物の画像が、前記第3の可動役物が動作した状態でその第3の可動役物により視認し難くなるように、前記第3の可動役物の画像を表示手段に表示するよう設定することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により第3の可動役物の動作が設定される場合に、表示手段に表示される第3の可動役物の画像が、実際の第3の可動役物が動作した状態でその第3の可動役物により視認し難くなるように、第3の可動役物の画像を表示手段に表示するよう、演出画像設定手段によって設定される。よって、実際の第3の可動役物が動作している場合は、表示手段に表示される第3の可動役物の画像は、遊技者から視認し難いので、遊技者は実際の第3の可動役物の動作を注視できる。よって、第3の可動役物の画像を表示手段に表示させつつ、実際の第3の可動役物が動作している場合であっても、表示手段に表示される演出画像と第3の可動役物の動作とを一体にした演出を、遊技者に違和感なく楽しませることができるという効果がある。
遊技領域に設けられた可動役物と、その可動役物を動作させるための複数の駆動手段とを備えた遊技機であって、前記複数の駆動手段のうち、一部の駆動手段の駆動態様を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された駆動態様に基づいて、前記一部の駆動手段の駆動を制御する第1駆動制御手段と、その第1駆動制御手段により制御される前記一部の駆動手段の駆動状況に基づいて、その他の駆動手段の駆動を制御する第2駆動制御手段とを備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技領域に設けられた可動役物は、複数の駆動手段によって動作させられるものであり、この複数の駆動手段のうち、一部の駆動手段の駆動については、記憶手段に記憶された駆動態様に基づいて、第1駆動制御手段により制御される。一方、その他の駆動手段については、第1駆動制御手段により制御される一部の駆動手段の駆動状況に基づいて、第2駆動制御手段によって制御される。近年、可動役物の動作の複雑化に伴い、その可動役物を動作させるために設けられる駆動手段の数が増加しているが、駆動手段の数が多い場合、全ての駆動手段に対して駆動態様を設計すると、それぞれの駆動手段との関係性まで考慮しなければならず、設計が複雑になるところ、これにより、全ての駆動手段について、その駆動態様を設計する必要がなく、一部の駆動手段に対して、その駆動態様を設計すればよいので、複数の駆動手段によって可動役物を動作させる場合に、駆動手段の駆動態様の設計を容易化させることができるという効果がある。また、記憶手段は、一部の駆動手段の駆動態様を記憶しておけばよいので、駆動手段の増加に伴う記憶手段に必要な記憶容量の大容量化を抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機E1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、パチンコ機等の遊技機において、複数の可動役物を遊技領域等に設け、各可動役物を動作させながら、様々な演出を行っているものがある(例えば、特許文献1:特開2012−85862号公報)。
今後、可動役物の数が増加していくことが予想されるが、所定数を超える可動役物を同時に動作させると、その可動役物を駆動するための駆動装置に多くの電力が消費されることになり、電力の供給不足が発生して、遊技機の動作が不安定になるおそれがあった。また、個々の可動役物が大型化する傾向にあり、動作させる可動役物の組合せによっては、衝突してしまうなど、互いにその動作が干渉し合うおそれがあった。
本技術的思想は、上記事情を鑑みてなされたものであり、複数の可動役物を適切に動作させることができる遊技機を提供することを目的とする。