JP2016025826A - Dc−dcコンバータ、二次電池システム及びdc−dcコンバータの制御方法 - Google Patents

Dc−dcコンバータ、二次電池システム及びdc−dcコンバータの制御方法 Download PDF

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久幸 金井
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Abstract

【課題】DC−DCコンバータにおけるロスを低減しコンバータ効率を高める。
【解決手段】DC−DCコンバータ20は、負荷5及び電源6が一次側に接続され二次電池11が二次側に接続され二次電池11への充電を可能かつ二次電池11による放電を可能とする。DC−DCコンバータ20は、インダクタ29、インダクタ29の一次側に接続された第1及び第2スイッチS1,S2、及び、インダクタ29の二次側に接続された第3及び第4スイッチS3,S4を含むHブリッジ回路と、前記充電又は前記放電の際に、スイッチのオンオフの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、スイッチのオンオフの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行可能である制御部30とを備えている。制御部30が行う制御に、スイッチ全てのオンオフ状態を変化させないで前記昇圧動作から前記降圧動作へ切り替える非スイッチング制御が含まれている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、DC−DCコンバータ、二次電池及びDC−DCコンバータを備えている二次電池システム、並びに、DC−DCコンバータの制御方法に関する。
近年、例えば停電時の非常用電源として使用することのできる二次電池を備えたシステムの市場ニーズが高まっている。前記システムの二次電池として、溶融塩電池、ナトリウム硫黄電池、リチウムイオン電池及び鉛蓄電池等が知られているが、これらの中でも、溶融塩電池(例えば特許文献1参照)は、高いエネルギー密度を備えていることに加えて、不燃性であるという利点を有しており注目されている。
このような二次電池を備えているシステムでは、図16に示すように、二次電池83と、設備機械等の負荷81及びこの負荷81へ電力を供給する電源82とは、DC−DCコンバータ80を介して接続されている。このDC−DCコンバータ80の一次側に、負荷81及び電源82が接続され、二次側に二次電池83が接続されており、一次側から二次側へ電流が流れることで二次電池83への充電が可能となり、二次側から一次側へ電流が流れることで二次電池83から負荷81への電力共有(放電)が可能となる。また、DC−DCコンバータ80は、充電及び放電それぞれの場合において、所望の電圧を出力させるために昇圧動作及び降圧動作を行うことができる回路構成を有している。
特開2014−56811号公報
図16に示すDC−DCコンバータ80の回路構成について説明する。DC−DCコンバータ80は、単一のインダクタ86及び四つのスイッチS1,S2,S3,S4を有しており、これらスイッチS1,S2,S3,S4は、制御部84からの制御信号(駆動信号)に従ってオンオフの切り替えが行われる。制御部84は、これらスイッチS1,S2,S3,S4の一部に対してPWM制御等を行うことにより、昇圧動作及び降圧動作が可能となる。
図17は、図16に示すスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明しており、二次電池83に対して昇圧を伴う充電(昇圧充電)を行う場合の説明図である。図17に示す最初のPWM周期(例えば10μsec、周波数100kHz)では、スイッチS1がOFF(オフ)の状態にあり、スイッチS2がON(オン)の状態にあり、スイッチS3がONからOFFへ切り替わり、スイッチS4がOFFからONへ切り替わる。そして、フィードバック周期fの間、このスイッチ制御(PWM制御)が繰り返し実行される。
また、各PWM周期内においてスイッチS3をON状態に維持する時間(オンデューティ時間t1)は、フィードバック制御により決定される。つまり、次の周期のフィードバック制御の開始前に、所望の電圧(又は電流)と現在の電圧(又は電流)との差分が求められ、この差分に応じて当該次の周期のフィードバック制御でのオンデューティ時間t1が決定される。
以上のような制御が制御部30によって行われることで、インダクタ86に溜められるエネルギーが種々変更され、一次側の電圧を昇圧し二次側へ出力し、二次電池83へ充電を行うことが可能となる。
ここで、図16に示す回路構成を有するDC−DCコンバータ80の場合、前記の昇圧充電の際のスイッチ制御に関する注意点として、インダクタ86の二次側に接続されているスイッチS3,S4が同時にONの状態になることを防止する必要がある。これは、二つのスイッチS3,S4が瞬時であっても同時にONの状態になると、回路を破壊するほどの大きな貫通電流が流れてしまうためである。
そこで、二次側の二つのスイッチS3,S4のON/OFF切り替えの際、図18に示すように、両者を共にOFFとするデッドタイムtdと呼ばれる休止時間を設ける必要がある。なお、図18では、デッドタイムtdの時間帯にクロスハッチを付している。
このデッドダイムtdの長さはスイッチS3,S4の仕様によって決定されるが、スイッチS3,S4が比較的性能の高いFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ))であっても、200nsec程度のデッドタイムtdが必要になる。このデッドタイムtdは、昇圧が実行されないためコンバータ効率を低下させる原因の一つとなる。
降圧充電の場合について説明する。図19は、図16に示すスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明しており、二次電池83へ降圧を伴う充電(降圧充電)を行う場合の説明図である。降圧充電の際のスイッチ制御に関する注意点として、インダクタ86の一次側に接続されているスイッチS1,S2が同時にONの状態になることを防止する必要がある。これは、二つのスイッチS1,S2が瞬時であっても同時にONの状態になると、回路を破壊するほどの大きな貫通電流が流れてしまうためである。
そこで、一次側の二つのスイッチS1,S2のON/OFF切り替えの際、図20に示すように、両者を共にOFFとするデッドタイムtdと呼ばれる休止時間を設ける必要がある。なお、図20では、デッドタイムtdの時間帯にクロスハッチを付している。
このように、昇圧充電の場合(図18)及び降圧充電の場合(図20)それぞれにおいて、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdが生じる。
更に、充電のための制御に関して説明する。通常、一次側と二次側との電圧差が大きい場合、前記のような昇圧動作(図18)又は降圧動作(図20)を繰り返し実行すれば所望の電圧を得ることが可能である。しかし、一次側と二次側との電圧差がある程度まで小さくなると、昇圧してから降圧しないと所望の電圧を得られない場合がある。このため、一次側と二次側との電圧差が小さい場合、図21に示すように、フィードバック周期f毎に昇圧と降圧とを繰り返し行う制御が実行される。
ここで、昇圧の場合であっても降圧の場合であってもDC−DCコンバータでは高速スイッチングが行われており、例えばPWM周期を10μsecとしてスイッチングを行う場合、デッドタイムtdが200nsecであると、コンバータ効率に関して、1回のデッドタイムにつき(200nsec/10μsec×100=)2%のロスが発生する。
近年では、デッドタイムを含む全てのロスを考慮しても90%以上のコンバータ効率が主流となっている中で、このデッドタイムtdに起因する2%のロスは大きい。
なお、以上の説明は、「充電」の場合に関するものであるが、「放電」の場合も同様であり、コンバータロスを低減し、コンバータ効率を高めることが求められている。
そこで、本発明は、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となるDC−DCコンバータ、このDC−DCコンバータを備えている二次電池システム、及びDC−DCコンバータの制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るDC−DCコンバータは、負荷及び電源が一次側に接続され二次電池が二次側に接続され当該二次電池への充電を可能かつ当該二次電池による放電を可能とするDC−DCコンバータであって、インダクタ、当該インダクタの前記一次側に接続された第1及び第2スイッチ、及び、当該インダクタの前記二次側に接続された第3及び第4スイッチを含むHブリッジ回路と、前記充電又は前記放電の際に、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行可能である制御部と、を備え、前記充電又は前記放電のために前記制御部が行う制御に、前記スイッチ全てのオンオフ状態を変化させないで前記昇圧動作から前記降圧動作へ切り替える非スイッチング制御が含まれている。
また、本発明の一態様に係る二次電池システムは、二次電池と、前記DC−DCコンバータと、を備えている。
また、本発明の一態様に係るDC−DCコンバータの制御方法は、負荷及び電源が一次側に接続され二次電池が二次側に接続され当該二次電池への充電が可能かつ当該二次電池による放電が可能であって、インダクタ、当該インダクタの前記一次側に接続された第1及び第2スイッチ、及び、当該インダクタの前記二次側に接続された第3及び第4スイッチを含むHブリッジ回路を備えているDC−DCコンバータの制御方法であって、前記充電又は前記放電の際に、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を行うと共に、前記充電又は前記放電のために行う制御中に、前記スイッチ全てのオンオフ状態を変化させないで前記昇圧動作から前記降圧動作へ切り替える非スイッチング制御を行う。
本発明によれば、DC−DCコンバータのコンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
本発明の一形態に係る二次電池システムの回路構成を示すブロック図である。 第1充電モード及び第2充電モードとなる場合のスイッチそれぞれの状態をまとめて示した説明図である。 DC−DCコンバータが第1充電モードにある状態の説明図である。 DC−DCコンバータが第2充電モードにある状態の説明図である。 第1放電モード及び第2放電モードとなる場合のスイッチそれぞれの状態をまとめて示した説明図である。 DC−DCコンバータが第1放電モードにある状態の説明図である。 DC−DCコンバータが第2放電モードにある状態の説明図である。 昇圧充電制御を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 降圧充電制御を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 昇降圧充電制御(その1)を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 昇降圧充電制御(その2)を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 昇圧放電制御を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 降圧放電制御を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 昇降圧放電制御(その1)を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 昇降圧放電制御(その2)を行う場合のスイッチの状態を説明する説明図である。 従来技術を説明するブロック図である。 昇圧充電を行う場合(従来技術)の説明図である。 昇圧充電を行う場合(デッドタイムを含む従来技術)の説明図である。 降圧充電を行う場合(従来技術)の説明図である。 降圧充電を行う場合(デッドタイムを含む従来技術)の説明図である。 昇圧動作と降圧動作とを繰り返し行う制御(従来技術)の説明図である。 昇圧動作と降圧動作とを繰り返し行う制御(従来技術)の説明図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るDC−DCコンバータは、負荷及び電源が一次側に接続され二次電池が二次側に接続され当該二次電池への充電を可能かつ当該二次電池による放電を可能とするDC−DCコンバータであって、インダクタ、当該インダクタの前記一次側に接続された第1及び第2スイッチ、及び、当該インダクタの前記二次側に接続された第3及び第4スイッチを含むHブリッジ回路と、前記充電又は前記放電の際に、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行可能である制御部と、を備え、前記充電又は前記放電のために前記制御部が行う制御に、前記スイッチ全てのオンオフ状態を変化させないで前記昇圧動作から前記降圧動作へ切り替える非スイッチング制御が含まれている。
このように構成されたDC−DCコンバータによれば、充電又は放電のために行う制御に、昇圧動作から降圧動作への切り替えにおいてスイッチ全てのオンオフ状態を変化させない、つまり、スイッチ全てについてオンオフの切り替えを行わない非スイッチング制御が含まれているので、昇圧動作から降圧動作への切り替えの際に、一次側の第1及び第2スイッチの双方、又は、二次側の第3及び第4スイッチの双方を、回路の保安のためにオフ(OFF)とするデッドタイム(休止時間)が不要となる部分を生じさせることができる。このようにデッドタイムが不要となる部分を生じさせることで、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
(2)また、前記制御部は、前記昇圧動作又は前記降圧動作のために前記スイッチの一部をオン状態に維持するオンデューティ時間を決定するためのフィードバック制御を行い、前記非スイッチング制御が、前記フィードバック制御の1周期内に少なくとも1回含まれるのが好ましい。
この場合、フィードバック制御の1周期毎に、デッドタイムが不要となる部分を生じさせることができる。
(3)また、フィードバック制御の1周期の間、昇圧動作を継続して行い、次のフィードバック制御の1周期の間、降圧動作を継続して行うようにして、昇圧動作と降圧動作とを繰り返したり、フィードバック制御の1周期の間に、複数回の昇圧動作を継続して行った後に複数回の降圧動作を継続して行うようにして、昇圧動作と降圧動作とを繰り返したりしてもよいが、前記制御部は、前記フィードバック制御の1周期内で、前記昇圧動作と前記降圧動作とを交互に繰り返す制御を行うと共に、この繰り返す制御毎に前記非スイッチング制御を行うが好ましい。この構成により、昇圧動作と降圧動作とを交互に行う毎にデッドタイムを削減することが可能となる。
(4)また、前記制御部は、前記昇圧動作のための前記オンデューティ時間と前記降圧動作のための前記オンデューティ時間との双方を、前記フィードバック制御の1周期毎に決定するのが好ましい。
この場合、出力電圧を所望の電圧に収束させるのを早めることが可能となる。
(5)また、本発明の一態様に係る二次電池システムは、二次電池と、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のDC−DCコンバータと、を備えている。
このように構成された二次電池システムによれば、DC−DCコンバータは、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となるため、作動効率のよい二次電池システムが得られる。
(6)また、本発明の一態様に係るDC−DCコンバータの制御方法は、負荷及び電源が一次側に接続され二次電池が二次側に接続され当該二次電池への充電が可能かつ当該二次電池による放電が可能であって、インダクタ、当該インダクタの前記一次側に接続された第1及び第2スイッチ、及び、当該インダクタの前記二次側に接続された第3及び第4スイッチを含むHブリッジ回路を備えているDC−DCコンバータの制御方法であって、前記充電又は前記放電の際に、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を行うと共に、前記充電又は前記放電のために行う制御中に、前記スイッチ全てのオンオフ状態を変化させないで前記昇圧動作から前記降圧動作へ切り替える非スイッチング制御を行う。
このように構成されたDC−DCコンバータの制御方法によれば、充電又は放電のために行う制御中に、昇圧動作から降圧動作へ切り替えにおいてスイッチ全てのオンオフ状態を変化させない、つまり、スイッチ全てについてオンオフの切り替えを行わない非スイッチング制御が行われるので、昇圧動作から降圧動作への切り替えの際に、一次側の第1及び第2スイッチの双方、又は、二次側の第3及び第4スイッチの双方を、回路の保安のためにオフ(OFF)とするデッドタイム(休止時間)が不要となる部分を生じさせることができる。このようにデッドタイムが不要となる部分を生じさせることで、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<二次電池システムについて>
図1は、本発明の一形態に係る二次電池システム10の回路構成を示すブロック図である。本実施形態の二次電池システム10は、設備機械等の負荷5が電源6に接続されて構成されている回路に接続されている。この二次電池システム10は、電源6のバックアップ電源として二次電池11を備えている他に、DC−DCコンバータ20を備えている。
通常、負荷5は、電源6に接続されており、この電源6から電力供給されるが、この電源6が停電した場合や、電源6を使用しない場合にのみ、二次電池システム10(二次電池11)から負荷5へ電力が供給される。電源6からの電力供給が停止すると二次電池11から電力供給されることから、本実施形態の二次電池システム10を無停電電源装置として使用することができる。
負荷5を、様々な電気機器とすることができるが、本実施形態の負荷5は直流のものであり、また、前記電源6も直流の電源である。なお、電源6が交流である場合、負荷5との間にAC−DCコンバータが介在する。本実施形態では、負荷5の定格電圧は48Vであり、電源6は、定格電圧(48V)を負荷5に対して供給するように構成されている。
そして、負荷5が必要とする電圧、つまり定格電圧48Vを確保するために、二次電池11は、複数個の電池セルを直列に接続して構成された組電池からなる。二次電池11(電池セル)の例としてはリチウム電池や溶融塩電池等がある。
DC−DCコンバータ20は、図1に示す回路部の他に、制御部30を備えている。この制御部30は、基板上に実装されたマイコンからなり、所定の制御プログラムに従って前記回路部に含まれる後述のスイッチS1,S2,S3,S4それぞれのオンオフスイッチングを制御することができ、また、後述する二次電池システム10の制御を実行する。
DC−DCコンバータ20は、前記回路部として、インダクタ29及びスイッチS1,S2,S3,S4を備えている。本実施形態のDC−DCコンバータ20は、更に、整流器21,22,23,24及びキャパシタ25,26を備えている。
スイッチS1,S2,S3,S4それぞれは、オンオフのスイッチング(切り替え)を行う構成であり、オン状態で通電可能、オフ状態で通電を遮断する。なお、以下に説明する各図では、各スイッチのオンをONと記載し、オフをOFFと記載している。
スイッチS1,S2,S3,S4は、様々な形式のものを採用可能であるが、本実施形態は半導体スイッチング素子であり、特に、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)である。スイッチS1,S2,S3,S4それぞれは、制御部30から出力される制御信号(駆動信号)を受けてオンからオフ及びオフからオンへと切り替わる。
DC−DCコンバータ20は、負荷5及び電源6と、二次電池11との間に設けられており、DC−DCコンバータ20を構成する前記各素子は、図1に示すように電気的に接続されている。このDC−DCコンバータ20では、Hブリッジが構成されており、インダクタ29を中心とした対称型の回路構成を有している。以下、具体的な回路構成を説明する。なお、DC−DCコンバータ20において、電源6及び負荷5が接続される側を「一次側」と呼び、二次電池11と接続される側を「二次側」と呼ぶ。
インダクタ29の一次側の端部に第1スイッチS1の一端及び第2スイッチS2の一端が接続されており、インダクタ29の二次側の端部に第3スイッチS3の一端及び第4スイッチS4の一端が接続されている。一対の第1及び第2スイッチS1,S2は、インダクタ29に並列接続されている。一対の第3及び第4スイッチS3,S4は、インダクタ29に並列接続されている。第1スイッチS1の他端と第3スイッチS3の他端とは接続されており、更に、これら他端の接続部は、一次側の第1端子71及び二次側の第2端子72を結ぶ線路に接続されている。第2スイッチS2の他端と第4スイッチS4の他端とは接続されておらず、第2スイッチS2の他端は第3端子73と接続され、第4スイッチS4の他端は第4端子74と接続されている。第1スイッチS1と第1整流器21とは並列接続され、第2スイッチS2と第2整流器22とは並列接続され、第3スイッチS3と第3整流器23とは並列接続され、第4スイッチS4と第4整流器24とは並列接続されている。第1キャパシタ25は端子71と端子73との間に接続され、第2キャパシタ26は端子72と端子74との間に接続されている。
このような構成によれば、スイッチS1,S2,S3,S4が制御部30によってそれぞれ制御されることにより、DC−DCコンバータ20は、二次電池11から負荷5へ電力を供給させる放電状態、及び、電源6から二次電池11へ電力を供給させる充電状態のどちらかの状態となることができる。また、スイッチS1,S2,S3,S4が制御部30によってそれぞれ制御されることにより、DC−DCコンバータ20は、充電に関して二つの動作モードとなることができ、また、放電に関して二つの動作モードとなることができる。
なお、二次電池11にとって、一次側から二次側へ電流が流れる場合が充電であり、二次側から一次側へ電流が流れる場合が放電となる。このため、DC−DCコンバータ20は、端子71,73が入力となりかつ端子72,74が出力となることで充電状態となり、これとは反対に、端子72,74が入力となりかつ端子73,71が出力となることで放電状態となる。
DC−DCコンバータ20の「充電状態」には、第1充電モード及び第2充電モードが含まれる。第1充電モードでは、DC−DCコンバータ20が昇圧充電回路として機能する。第2充電モードでは、DC−DCコンバータ20が降圧充電回路として機能する。
図2は、第1充電モード及び第2充電モードとなる場合のスイッチS1,S2,S3,S4それぞれの状態をまとめて示した説明図である。図2に示すスイッチS1,S2,S3,S4それぞれにおいて、「オン(ON)」は短絡状態、「オフ(OFF)」は開放状態、「SW」は例えばPWM制御等により適当な昇圧比又は降圧比となるようにオンオフを断続的に行うオンオフスイッチング状態である。
DC−DCコンバータ20が第1充電モード(昇圧充電モード)にある状態を、図3(A)(B)に示している。この第1充電モードでは、図3の(A)に示す状態と(B)に示す状態とが交互に繰り返されることで、電源6の電圧を昇圧して二次電池11へ供給(充電)することが可能となる。
また、DC−DCコンバータ20が第2充電モード(降圧充電モード)にある状態を、図4(A)(B)に示している。この第2充電モードでは、図4の(A)に示す状態と(B)に示す状態とが交互に繰り返されることで、電源6の電圧を降圧して二次電池11へ供給(充電)することが可能となる。
すなわち、DC−DCコンバータ20は、充電の場合において、所望の電圧を出力させるために昇圧動作及び降圧動作を行うことができる回路構成を有しており、制御部30のスイッチ制御によって、充電の際に、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作が可能となり(第1充電モード)、また、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作が可能となる(第2充電モード)。
DC−DCコンバータ20の「放電状態」には、第1放電モード及び第2放電モードが含まれる。第1放電モードでは、DC−DCコンバータ20が昇圧放電回路として機能する。第2充電モードでは、DC−DCコンバータ20が降圧充電回路として機能する。
図5は、第1放電モード及び第2放電モードとなる場合のスイッチS1,S2,S3,S4それぞれの状態をまとめて示した説明図である。図5に示すスイッチS1,S2,S3,S4それぞれにおいて、「オン(ON)」は短絡状態、「オフ(OFF)」は開放状態、「SW」は例えばPWM制御等により適当な昇圧比又は降圧比となるようにオンオフを断続的に行うオンオフスイッチング状態である。
DC−DCコンバータ20が第1放電モード(昇圧放電モード)にある状態を、図6(A)(B)に示している。この第1放電モードでは、図6の(A)に示す状態と(B)に示す状態とが交互に繰り返されることで、二次電池11の電圧を昇圧して負荷5へ供給(放電)することが可能となる。
また、DC−DCコンバータ20が第2放電モード(降圧放電モード)にある状態を、図7(A)(B)に示している。この第2放電モードでは、図7の(A)に示す状態と(B)に示す状態とが交互に繰り返されることで、二次電池11の電圧を降圧して負荷5へ供給(放電)することが可能となる。
すなわち、DC−DCコンバータ20は、放電の場合において、所望の電圧を出力させるために昇圧動作及び降圧動作を行うことができる回路構成を有しており、制御部30のスイッチ制御によって、放電の際に、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作が可能となり(第1放電モード)、また、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作が可能となる(第2放電モード)。
また、図1において、二次電池システム10は、一次側の電流及び電圧を計測する電流計36及び電圧計38を有しており、また、二次側の電流及び電圧を計測する電流計37及び電圧計39を有している。一次側の電圧計38は、第1端子71と第3端子73との間の電圧を計測し、二次側の電圧計39は、第2端子72と第4端子74との間の電圧を計測する。計測値は制御部30に送信され、制御部30は計測値に基づいてスイッチング制御を行う。
以上より、DC−DCコンバータ20の構成をまとめて説明すると、図1に示すように、このDC−DCコンバータ20は、単一のインダクタ29、このインダクタ29の一次側に接続された第1及び第2スイッチS1,S2、及び、インダクタ29の二次側に接続された第3及び第4スイッチS3,S4を含むHブリッジ回路を有している。
そして、この回路構成を有するDC−DCコンバータ20を、機能面から説明すると、DC−DCコンバータ20は、一方側の一対のスイッチ(S1,S2)が入力、及び、他方側の一対のスイッチ(S3,S4)が出力となって充電動作可能である。更に、前記入力と前記出力とが反対となっても動作可能であり、このように反対になると放電動作可能となる。つまり、このDC−DCコンバータ20は、条件に応じて二次電池11から放電可能となったり二次電池11へ充電可能となったりし、双方向のコンバータとして機能することができる。しかも、充電の際に昇圧又は降圧可能となり、また、放電の際に昇圧又は降圧可能となる。
また、このDC−DCコンバータ20の回路構成を、機能面から更に説明すると、DC−DCコンバータ20は、その一次側に負荷5及び電源6が接続され、その二次側に二次電池11が接続されており、電源6から二次電池11へ電流が流れることで充電を可能とし、かつ、二次電池11から負荷5へ電流が流れることで放電を可能とする。
より具体的に説明すると、DC−DCコンバータ20は、図2に示すように、複数のスイッチS1,S2,S3,S4のオンオフの状態、つまりオンオフの切り替えに応じて、スイッチS3,S4がオンオフスイッチングすることで電源6の電圧を昇圧して二次電池11へ出力する第1充電モード、及び、スイッチS1,S2がオンオフスイッチングすることで電源6の電圧を降圧して二次電池11へ出力する第2充電モードとなることができる。
更に、このDC−DCコンバータ20は、図5に示すように、複数のスイッチS1,S2,S3,S4のオンオフの状態、つまりオンオフの切り替えに応じて、スイッチS1,S2がオンオフスイッチングすることで二次電池11の電圧を昇圧して負荷5へ出力する第1放電モード、及び、スイッチS3,S4がオンオフスイッチングすることで二次電池11の電圧を降圧して負荷5へ出力する第2放電モードとなることができる。
<二次電池システム10の制御方法について>
以上の回路構成を備えた二次電池システム10の制御方法について説明する。
前記のとおり、スイッチS1,S2,S3,S4は、制御部30からの制御信号に従ってオンオフの切り替えが行われ、制御部30は、これらスイッチS1,S2,S3,S4の一部に対してPWM制御等のオンオフスイッチング制御を行うことにより、充電及び放電の際に、昇圧動作及び降圧動作が可能となる。
<<制御部30が行う昇圧充電制御(第1充電モード)に関して>>
図8は、昇圧充電制御を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。図8に示す各PWM周期(例えば10μsec、周波数100kHz)では、スイッチS1がOFF(オフ)の状態にあり、スイッチS2がON(オン)の状態にあり、スイッチS3がONからOFFへ切り替わり、スイッチS4がOFFからONへ切り替わる。そして、フィードバック周期fの間、このスイッチ制御(PWM制御)が繰り返し実行される。なお、本実施形態では、フィードバック周期fを5msec(200Hz)としている。
各PWM周期内においてスイッチS3をON状態に維持する時間(オンデューティ時間t1)は、フィードバック制御により決定される。つまり、制御部30によって、次の周期のフィードバック制御の開始前に、所望の電圧と現在の電圧との差分が求められ、この差分に応じて当該次の周期のフィードバック制御でのオンデューティ時間t1が決定される。つまり、制御部30は、出力電圧を目標電圧へ近づけるべく、昇圧動作のためにスイッチS3をON状態に維持するオンデューティ時間t1を調整するためのフィードバック制御を行う。オンデューティ時間t1の決定に関する具体例は最後に説明する。なお、オンデューティ時間t1を決定するために、前記実施形態では所望の電圧と現在の電圧との差分を求める場合について説明したが、所望の電流と現在の電流との差分を求めてもよく、電流の場合であっても結果的に電圧を制御することができる。
ここで、図1に示す回路構成を有するDC−DCコンバータ20の場合、昇圧充電の際のスイッチ制御に関する注意点として、インダクタ29の二次側に接続されているスイッチS3,S4が同時にONの状態になることを防止する必要がある。
そこで、これらスイッチS3,S4のON/OFF切り替えの際、図8に示すように、両者が共にOFFとなるデッドタイムtdと呼ばれる休止時間が設けられている。図8では、デッドタイムtdの時間帯にクロスハッチを付している。このデッドダイムtdの長さはスイッチS3,S4の仕様によって決定され、本実施形態では、デッドタイムtdを200nsecとしている。この昇圧充電の際、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdが生じる。
<<制御部30が行う降圧充電制御(第2充電モード)に関して>>
図9は、降圧充電制御を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。図9に示す各PWM周期(例えば10μsec)では、スイッチS1がOFFからONへ切り替わり、スイッチS2がONからOFFへ切り替わり、スイッチS3がOFF(オフ)の状態にあり、スイッチS4がON(オン)の状態にある。そして、フィードバック周期fの間、このスイッチ制御(PWM制御)が繰り返し実行される。
各PWM周期内においてスイッチS2をON状態に維持する時間(オンデューティ時間t2)は、フィードバック制御により決定される。つまり、次の周期のフィードバック制御の開始前に、所望の電圧と現在の電圧との差分が求められ、この差分に応じて当該次の周期のフィードバック制御でのオンデューティ時間t2が決定される。このように、制御部30は、出力電圧を目標電圧へ近づけるべく、降圧動作のためにスイッチS2をON状態に維持するオンデューティ時間t2を調整するためのフィードバック制御を行う。なお、オンデューティ時間t2を決定するために、前記実施形態では所望の電圧と現在の電圧との差分を求める場合について説明したが、所望の電流と現在の電流との差分を求めてもよく、電流の場合であっても結果的に電圧を制御することができる。
そして、降圧充電の際のスイッチ制御に関する注意点としては、インダクタ29の一次側に接続されているスイッチS1,S2が同時にONの状態になることを防止する必要がある。
そこで、これらスイッチS1,S2のON/OFF切り替えの際、図9に示すように、両者を共にOFFとするデッドタイムtdと呼ばれる休止時間が設けられている。図9では、デッドタイムtdの時間帯にクロスハッチを付している。このデッドダイムtdの長さはスイッチS1,S2の仕様によって決定され、本実施形態では、デッドタイムtdを200nsecとしている。
このように、降圧充電の際、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdが生じる。
<<制御部30が行う昇降圧充電制御に関して>>
一次側の電圧が二次側の電圧よりも低く一次側と二次側との電圧差が大きい場合、前記のような昇圧動作(図8)を繰り返し実行すれば所望の電圧を出力することが可能である。また、反対に、一次側の電圧が二次側の電圧よりも高く一次側と二次側との電圧差が大きい場合、前記のような降圧動作(図9)を繰り返し実行すれば所望の電圧を出力することが可能である。
これに対して、一次側の電圧が二次側の電圧よりも低くても、又は、一次側の電圧が二次側の電圧よりも高くても、一次側と二次側との電圧差がある程度小さい場合、DC−DCコンバータ20が所望の電圧を出力するために、制御部30は、図10に示すように、昇圧してから降圧する昇降圧充電を行う。図10に示す方法では、フィードバック周期f毎に、前記昇圧動作と前記降圧動作とを交互に繰り返し行う制御が実行される。つまり、フィードバック制御の1周期の間、昇圧動作を継続して行い、次のフィードバック制御の1周期の間、降圧動作を継続して行うようにして、昇圧動作と降圧動作とを繰り返し行う。
このために、制御部30は、充電の際、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行する。
ここで、従来の昇降圧充電制御について、図21により説明する。図21に示す最初の第1のフィードバック周期fでは、昇圧動作が行われ、この第1のフィードバック周期f内では、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdを生じさせている。そして、次の第2のフィードバック周期fでは、降圧動作が行われ、この第2のフィードバック周期f内では、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdを生じさせている。
<<昇降圧充電制御(その1)>>
これに対して、本実施形態では、図10に示すように、最初の第1のフィードバック周期fの終わり(最後)のPWM周期では、制御部30のスイッチ制御によれば、1回のデッドタイムtdしか生じさせていない。なお、図10は、昇降圧充電制御(その1)を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。
すなわち、図21の従来例では、第1のフィードバック周期fの終わりのPWM周期において、スイッチS3がONからOFFへ切り替わる際にデッドタイムtdを生じさせ、かつ、スイッチS4がOFFからONへ切り替わった後のこのONの状態の最後に、デッドタイムtd(図21において※印のデッドタイムtd)を生じさせている。
これに対して、図10に示す本実施形態では、第1のフィードバック周期fの終わりのPWM周期において、スイッチS3がONからOFFへ切り替わる際にデッドタイムtdを生じさせているが、スイッチS4がOFFからONへ切り替わった後のこのONの状態の最後に、デッドタイムtdを生じさせていない。
このように、フィードバック制御の1周期において、デッドタイムtdを1回省略できる理由は、図10に示すように、第1のフィードバック周期fの最後のPWM周期と、その次の第2のフィードバック周期の最初のPWM周期とでは、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)が変化しないためである。
つまり、第1のフィードバック周期でON/OFFスイッチングしONの状態でスイッチングを終了したスイッチS4は、第2のフィードバック周期の開始において、そのままONの状態が維持され、また、第1のフィードバック周期でON/OFFスイッチングしOFFの状態でスイッチングを終了したスイッチS3は、第2のフィードバック周期の開始において、そのままOFFの状態が維持されるためである。そして、第1のフィードバック周期fでOFFの状態で維持されていたスイッチS1は、第2のフィードバック周期の開始に併せて、OFFからONへスイッチングする動作を開始し、また、第1のフィードバック周期fでONの状態で維持されていたスイッチS2は、第2のフィードバック周期の開始に併せて、ONからOFFへスイッチングする動作を開始するためである。
以上のように、本実施形態のDC−DCコンバータ20によれば、制御部30は、充電の際に、図10に示すように、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行する。そして、この充電のために制御部30が行う制御には、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)を変化させないで、第1のフィードバック周期fの最後の昇圧動作(PWM制御)から、第2のフィードバック周期fの最初の降圧動作(PWM制御)へ切り替える非スイッチング制御が含まれている。
つまり、制御部30が行う制御に、スイッチS1,S2,S3,S4の全てについてONとOFFの切り替えを行わないで、昇圧動作から降圧動作へ移行している前記非スイッチング制御が含まれているので、昇圧動作から降圧動作への切り替えの際に、二次側の第3スイッチS3及び第4スイッチS4の双方を、回路の保安のためにOFFとするデッドタイムtdが不要となる部分を、フィードバック周期fの間において、生じさせることができる。このようにデッドタイムtdが不要となる部分を生じさせることで、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
DC−DCコンバータ20による昇降圧充電制御において、昇圧動作から降圧動作へ切り替わる際に、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)を変化させない制御を、非スイッチング制御という。
<<昇降圧充電制御(その2)>>
図11は、制御部30が昇降圧充電制御(その2)を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。
前記昇降圧充電制御(その1)の場合と同様に、DC−DCコンバータ20が所望の電圧を出力すべく、制御部30は昇圧してから降圧する昇降圧充電を行うが、図11に示す方法では、フィードバック制御の1周期内で(各フィードバック周期f内で)、前記昇圧動作と前記降圧動作との双方を行い、しかも、PWM周期毎に前記昇圧動作と前記降圧動作とを交互に繰り返す制御が実行される。
このために、図11に示す本実施形態では、制御部30が、フィードバック制御の1周期内で、1回の昇圧動作と1回の降圧動作とを交互に繰り返す制御を行うと共に、更に、この繰り返す制御毎に前記非スイッチング制御を行う。
この制御について具体的に説明する。図11に示す最初の第1のフィードバック周期fにおいて、最初の(第1の)PWM周期では昇圧動作を行い、その次の(第2の)PWM周期では降圧動作を行う。これら第1のPWM周期の昇圧動作と第2のPWM周期の降圧動作とを、一組の昇降圧動作と定義すると、第1のフィードバック周期fにおいて、この昇降圧動作が、繰り返し実行される。また、その後に続く、他の(第2以降の)フィードバック周期fにおいても、この昇降圧動作が繰り返し実行される。なお、前記昇降圧動作の時間は、連続するPWM制御の2周期に相当する。本実施形態では、PWM周期が10μsecであることから、前記昇降圧動作の時間は20μsecとなる。
ここで、図21の従来例の場合、PWM周期毎、つまり、1回のPWM周期における昇圧動作の間に2回のデッドタイムtdが生じており、1回のPWM周期における降圧動作の間に2回のデッドタイムtdが生じている。つまり、1回の昇圧動作と1回の降圧動作とを行う間に、合計4回のデッドタイムtdが生じている。つまり、PWM周期が10μsecであることから、PWM制御の2周期は、20μsecの時間に相当し、この20μsec毎に、4回のデッドタイムtdが生じている。
これに対して、図11に示す本実施形態では、昇降圧動作の時間には、つまり、連続するPWM制御の2周期の間には、3回のデッドタイムtdが生じている。つまり、20μsec毎に、3回のデッドタイムtdが生じている。
このように、本実施形態によれば、昇降圧動作毎に(連続するPWM制御の2周期毎に)、デッドタイムtdが不要となる部分を、1回生じさせることができる。
これによる効果を、DC−DCコンバータ20のコンバータ効率の観点で具体的に説明する。
従来例の場合、1回のPWM周期における昇圧動作の間に2回のデッドタイムtdが生じており、また、1回のPWM周期における降圧動作の間に2回のデッドタイムtdが生じている。そして、1回のデッドタイムtdが200nsecであり、PWM周期が10μsecであるため、コンバータロスは次のとおり計算される。
(200nsec×4)/(10μsec×2)×100=4%
これに対して、図11に示す本実施形態の場合、昇圧動作と降圧動作とを1回ずつ含む昇降圧動作の間に3回のデッドタイムtdが生じているため、コンバータロスは次のとおり計算される。
(200nsec×3)/(10μsec×2)×100=3%
このように、1%のコンバータ効率が改善される。
近年では、デッドタイムtdを含む全てのロスを考慮しても90%以上のコンバータ効率が主流となっている。そして、本実施形態のように、DC−DCコンバータ20では高速スイッチング(PWM周期が10μsec)が行われており、デッドタイムtdが200nsecである場合における、この1%のコンバータ効率の改善は非常に有効となる。
このように、昇降圧動作毎に、デッドタイムtdを1回省略できる理由は、図11に示すように、昇圧動作のためのPWM周期と、その次の降圧動作のためのPWM周期とでは、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)が変化しないためである。
つまり、昇圧動作のためのPWM周期でON/OFFスイッチングしONの状態でスイッチングを終了したスイッチS4は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始において、そのままONの状態が維持され、また、昇圧動作のためのPWM周期でON/OFFスイッチングしOFFの状態でスイッチングを終了したスイッチS3は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始において、そのままOFFの状態が維持されるためである。そして、昇圧動作のためのPWM周期でOFFの状態で維持されていたスイッチS1は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始に併せて、OFFからONへスイッチングする動作を開始し、また、昇圧動作のためのPWM周期でONの状態で維持されていたスイッチS2は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始に併せて、ONからOFFへスイッチングする動作を開始するためである。
以上のように、図11に示す実施形態においても、制御部30は、充電の際に、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行する。そして、この充電のために制御部30が行う制御には、スイッチS1,S2,S3,S4全てのON/OFF状態(オンオフ状態)を変化させないで、昇圧動作から降圧動作へ切り替える非スイッチング制御を行う。
このように制御部30が行う制御に、スイッチS1,S2,S3,S4全てについてオンオフの切り替えを行わないで、昇圧動作から降圧動作へ移行している前記非スイッチング制御が含まれているので、昇圧動作から降圧動作への切り替えの際に、二次側の第3スイッチS3及び第4スイッチS4の双方を、回路の保安のためにOFFとするデッドタイムtdが不要となる部分を、昇降圧動作毎に、生じさせることができる。このようにデッドタイムtdが不要となる部分を生じさせることで、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
また、図11に示す実施形態において、制御部30は、フィードバック周期f内で昇圧動作と降圧動作とを行い、フィードバック周期f内では、昇圧動作におけるスイッチS3のオンデューティ時間t1は一定であり、降圧動作におけるスイッチS2のオンデューティ時間t2は一定である。そして、次のフィードバック周期fのために、スイッチS3のオンデューティ時間t1及びスイッチS2のオンデューティ時間t2が、フィードバック制御により決定される。つまり、次の周期のフィードバック制御の開始前に、所望の電圧と現在の電圧との差分が求められ、この差分に応じて当該次の周期のフィードバック制御でのスイッチS3のオンデューティ時間t1及びスイッチS2のオンデューティ時間t2が決定される。なお、オンデューティ時間t1,t2を決定するために、前記実施形態では所望の電圧と現在の電圧との差分を求める場合について説明したが、所望の電流と現在の電流との差分を求めてもよく、電流の場合であっても結果的に電圧を制御することができる。
このように、制御部30は、昇圧動作のためのスイッチS3のオンデューティ時間t1と降圧動作のためのスイッチS2のオンデューティ時間t2との双方を、フィードバック制御の1周期毎に決定し、調整することで、出力電圧を所望の電圧に収束させるのを早めることが可能となる。
なお、図11に示すように、フィードバック制御の1周期(フィードバック周期f内)において、PWM周期毎に昇圧動作と降圧動作とを交互に切り替えるのではなく、その変形例として、フィードバック制御の1周期の間に、複数回の昇圧動作を継続して行った後に(1回又は複数回の)降圧動作を継続して行うようにして、昇圧動作と降圧動作とを繰り返してもよい。つまり、フィードバック周期f内において、複数回の昇圧動作を連続して行った後に、これと連続して(複数の)降圧動作を行ってもよい。または、1回の昇圧動作を行った後に、これと連続して複数の降圧動作を行ってもよい。
この場合であっても、スイッチS1,S2,S3,S4全てのオンオフ状態を変化させないで昇圧動作から降圧動作へ切り替える非スイッチング制御が、フィードバック制御の1周期内に少なくとも1回含まれるように、制御部30はスイッチ制御を行う。これにより、フィードバック制御の1周期毎に、デッドタイムtdが不要となる部分を生じさせることができる。
<<制御部30が行う昇圧放電制御(第1放電モード)に関して>>
図12は、昇圧放電を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。図12に示す各PWM周期(例えば10μsec)では、スイッチS1がONからOFFへ切り替わり、スイッチS2がOFFからONへ切り替わり、スイッチS3がOFF(オフ)の状態にあり、スイッチS4がON(オン)の状態にある。そして、フィードバック周期fの間、このスイッチ制御(PWM制御)が繰り返し実行される。
各PWM周期内においてスイッチS1をON状態に維持する時間(オンデューティ時間t1)は、フィードバック制御により決定される。つまり、制御部30によって、次の周期のフィードバック制御の開始前に、所望の電圧と現在の電圧との差分が求められ、この差分に応じて当該次の周期のフィードバック制御でのオンデューティ時間t1が決定される。つまり、制御部30は、出力電圧を目標電圧へ近づけるべく、昇圧動作のためにスイッチS1をON状態に維持するオンデューティ時間t1を調整するためのフィードバック制御を行う。なお、オンデューティ時間t1を決定するために、前記実施形態では所望の電圧と現在の電圧との差分を求める場合について説明したが、所望の電流と現在の電流との差分を求めてもよく、電流の場合であっても結果的に電圧を制御することができる。
ここで、図1に示す回路構成を有するDC−DCコンバータ20の場合、昇圧放電の際のスイッチ制御に関する注意点として、インダクタ29の一次側に接続されているスイッチS1,S2が同時にONの状態になることを防止する必要がある。
そこで、これらスイッチS1,S2のON/OFF切り替えの際、図12に示すように、両者が共にOFFとなるデッドタイムtdと呼ばれる休止時間が設けられている。図12では、デッドタイムtdの時間帯にクロスハッチを付している。このデッドダイムtdの長さはスイッチS1,S2の仕様によって決定され、本実施形態では、デッドタイムtdを200nsecとしている。この昇圧放電の際、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdが生じる。
<<制御部30が行う降圧放電制御(第2放電モード)に関して>>
図13は、降圧放電制御を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。図13に示す各PWM周期(例えば10μsec)では、スイッチS1がOFF(オフ)の状態にあり、スイッチS2がON(オン)の状態にあり、スイッチS3がOFFからONへ切り替わり、スイッチS4がONからOFFへ切り替わる。そして、フィードバック周期fの間、このスイッチ制御(PWM制御)が繰り返し実行される。
各PWM周期内においてスイッチS4をON状態に維持する時間(オンデューティ時間t2)は、フィードバック制御により決定される。つまり、次の周期のフィードバック制御の開始前に、所望の電圧と現在の電圧との差分が求められ、この差分に応じて当該次の周期のフィードバック制御でのオンデューティ時間t2が決定される。このように、制御部30は、出力電圧を目標電圧へ近づけるべく、降圧動作のためにスイッチS4をON状態に維持するオンデューティ時間t2を調整するためのフィードバック制御を行う。なお、オンデューティ時間t2を決定するために、前記実施形態では所望の電圧と現在の電圧との差分を求める場合について説明したが、所望の電流と現在の電流との差分を求めてもよく、電流の場合であっても結果的に電圧を制御することができる。
そして、降圧放電の際のスイッチ制御に関する注意点としては、インダクタ29の二次側に接続されているスイッチS3,S4が同時にONの状態になることを防止する必要がある。
そこで、これらスイッチS3,S4のON/OFF切り替えの際、図13に示すように、両者を共にOFFとするデッドタイムtdと呼ばれる休止時間が設けられている。図13では、デッドタイムtdの時間帯にクロスハッチを付している。このデッドダイムtdの長さはスイッチS3,S4の仕様によって決定され、本実施形態では、デッドタイムtdを200nsecとしている。
このように、降圧放電の際、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdが生じる。
<<制御部30が行う昇降圧放電制御に関して>>
一次側の電圧が二次側の電圧よりも低く一次側と二次側との電圧差が大きい場合、前記のような昇圧動作(図12)を繰り返し実行すれば所望の電圧を出力することが可能である。また、反対に、一次側の電圧が二次側の電圧よりも高く一次側と二次側との電圧差が大きい場合、前記のような降圧動作(図13)を繰り返し実行すれば所望の電圧を出力することが可能である。
これに対して、一次側の電圧が二次側の電圧よりも低くても、又は、一次側の電圧が二次側の電圧よりも高くても、一次側と二次側との電圧差がある程度小さい場合、DC−DCコンバータ20が所望の電圧を出力するために、制御部30は、図14に示すように、昇圧してから降圧する昇降圧放電を行う。図14に示す方法では、フィードバック周期f毎に、前記昇圧動作と前記降圧動作とを交互に繰り返し行う制御が実行される。つまり、フィードバック制御の1周期の間、昇圧動作を継続して行い、次のフィードバック制御の1周期の間、降圧動作を継続して行うようにして、昇圧動作と降圧動作とを繰り返し行う。
このために、制御部30は、放電の際に、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行する。
ここで、従来の昇降圧放電制御について、図22により説明する。図22に示す最初の第1のフィードバック周期fでは、昇圧動作が行われ、この第1のフィードバック周期f内では、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdを生じさせている。そして、次の第2のフィードバック周期fでは、降圧動作が行われ、この第2のフィードバック周期f内では、PWM周期毎に2回のデッドタイムtdを生じさせている。
<<昇降圧放電制御(その1)>>
これに対して、本実施形態では、図14に示すように、最初の第1のフィードバック周期fの終わり(最後)のPWM周期では、制御部30のスイッチ制御によれば、1回のデッドタイムtdしか生じさせていない。なお、図14は、昇降圧放電制御(その1)を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。
すなわち、図22の従来例では、第1のフィードバック周期fの終わりのPWM周期において、スイッチS1がONからOFFへ切り替わる際にデッドタイムtdを生じさせ、かつ、スイッチS2がOFFからONへ切り替わった後のこのONの状態の最後に、デッドタイムtd(図22において※印のデッドタイムtd)を生じさせている。
これに対して、図14に示す本実施形態では、第1のフィードバック周期fの終わりのPWM周期において、スイッチS1がONからOFFへ切り替わる際にデッドタイムtdを生じさせているが、スイッチS2がOFFからONへ切り替わった後のこのONの状態の最後に、デッドタイムtdを生じさせていない。
このように、フィードバック制御の1周期において、デッドタイムtdを1回省略できる理由は、図14に示すように、第1のフィードバック周期fの最後のPWM周期と、その次の第2のフィードバック周期の最初のPWM周期とでは、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)が変化しないためである。
つまり、第1のフィードバック周期でON/OFFスイッチングしONの状態でスイッチングを終了したスイッチS2は、第2のフィードバック周期の開始において、そのままONの状態が維持され、また、第1のフィードバック周期でON/OFFスイッチングしOFFの状態でスイッチングを終了したスイッチS1は、第2のフィードバック周期の開始において、そのままOFFの状態が維持されるためである。そして、第1のフィードバック周期fでOFFの状態で維持されていたスイッチS3は、第2のフィードバック周期の開始に併せて、OFFからONへスイッチングする動作を開始し、また、第1のフィードバック周期でONの状態で維持されていたスイッチS4は、第2のフィードバック周期の開始に併せて、ONからOFFへスイッチングする動作を開始するためである。
以上のように、本実施形態のDC−DCコンバータ20によれば、制御部30は、放電の際に、図14に示すように、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行する。そして、この放電のために制御部30が行う制御には、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)を変化させないで、第1のフィードバック周期fの最後の昇圧動作(PWM制御)から、第2のフィードバック周期fの最初の降圧動作(PWM制御)へ切り替える非スイッチング制御が含まれている。
つまり、制御部30が行う制御に、スイッチS1,S2,S3,S4の全てについてONとOFFの切り替えを行わないで、昇圧動作から降圧動作へ移行している前記非スイッチング制御が含まれているので、昇圧動作から降圧動作への切り替えの際に、一次側の第1スイッチS1及び第2スイッチS2の双方を、回路の保安のためにOFFとするデッドタイムtdが不要となる部分を、フィードバック周期fの間において、生じさせることができる。このようにデッドタイムtdが不要となる部分を生じさせることで、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
DC−DCコンバータ20による昇降圧放電制御において、昇圧動作から降圧動作へ切り替わる際に、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)を変化させない制御を、非スイッチング制御という。
<<昇降圧放電制御(その2)>>
図15は、制御部30が昇降圧放電制御(その2)を行う場合のスイッチS1,S2,S3,S4の状態を説明する説明図である。
前記昇降圧放電制御(その1)の場合と同様に、DC−DCコンバータ20が所望の電圧を出力すべく、制御部30は昇圧してから降圧する昇降圧放電を行うが、図15に示す方法では、フィードバック制御の1周期内で(各フィードバック周期f内で)、前記昇圧動作と前記降圧動作との双方を行い、しかも、PWM周期毎に前記昇圧動作と前記降圧動作とを交互に繰り返す制御が実行される。
このために、図15に示す本実施形態では、制御部30が、フィードバック制御の1周期内で、1回の昇圧動作と1回の降圧動作とを交互に繰り返す制御を行うと共に、更に、この繰り返す制御毎に前記非スイッチング制御を行う。
この制御について具体的に説明する。図15に示す最初の第1のフィードバック周期fにおいて、最初の(第1の)PWM周期では昇圧動作を行い、その次の(第2の)PWM周期では降圧動作を行う。これら第1のPWM周期の昇圧動作と第2のPWM周期の降圧動作とを、一組の昇降圧動作と定義すると、第1のフィードバック周期fにおいて、この昇降圧動作が、繰り返し実行される。また、その後に続く、他の(第2以降の)フィードバック周期fにおいても、この昇降圧動作が繰り返し実行される。なお、前記昇降圧動作の時間は、連続するPWM制御の2周期に相当する。本実施形態では、PWM周期が10μsecであることから、前記昇降圧動作の時間は20μsecとなる。
ここで、図22の従来例の場合、PWM周期毎、つまり、1回のPWM周期における昇圧動作の間に2回のデッドタイムtdが生じており、1回のPWM周期における降圧動作の間に2回のデッドタイムtdが生じている。つまり、1回の昇圧動作と1回の降圧動作とを行う間に、合計4回のデッドタイムtdが生じている。つまり、PWM周期が10μsecであることから、PWM制御の2周期は、20μsecの時間に相当し、この20μsec毎に、4回のデッドタイムtdが生じている。
これに対して、図15に示す本実施形態では、昇降圧動作の時間には、つまり、連続するPWM制御の2周期の間には、3回のデッドタイムtdが生じている。つまり、20μsec毎に、3回のデッドタイムtdが生じている。
このように、本実施形態によれば、昇降圧動作毎に(連続するPWM制御の2周期毎に)、デッドタイムtdが不要となる部分を、1回生じさせることができる。
これにより、前記昇降圧充電制御(その2)の場合と同様に、従来例の場合のコンバータロスは4%であるのに対して、本実施形態の場合のコンバータロスは3%となり、1%のコンバータ効率が改善される。
近年では、デッドタイムtdを含む全てのロスを考慮しても90%以上のコンバータ効率が主流となっている。そして、本実施形態のように、DC−DCコンバータ20では高速スイッチング(PWM周期が10μsec)が行われており、デッドタイムtdが200nsecである場合における、この1%のコンバータ効率の改善は非常に有効である。
このように、昇降圧動作毎に、デッドタイムtdを1回省略できる理由は、図15に示すように、昇圧動作のためのPWM周期と、その次の降圧動作のためのPWM周期とでは、全てのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態(オンオフ状態)が変化しないためである。
つまり、昇圧動作のためのPWM周期でON/OFFスイッチングしONの状態でスイッチングを終了したスイッチS2は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始において、そのままONの状態が維持され、また、昇圧動作のためのPWM周期でON/OFFスイッチングしOFFの状態でスイッチングを終了したスイッチS1は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始において、そのままOFFの状態が維持されるためである。そして、昇圧動作のためのPWM周期でOFFの状態で維持されていたスイッチS3は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始に併せて、OFFからONへスイッチングする動作を開始し、また、昇圧動作のためのPWM周期でONの状態で維持されていたスイッチS4は、その次の降圧動作のためのPWM周期の開始に併せて、ONからOFFへスイッチングする動作を開始するためである。
以上のように、図15に示す実施形態においても、制御部30は、放電の際に、スイッチの一部(S1,S2)についてONとOFFの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、スイッチの一部(S3,S4)についてONとOFFの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行する。そして、この放電のために制御部30が行う制御には、スイッチS1,S2,S3,S4全てのON/OFF状態(オンオフ状態)を変化させないで、昇圧動作から降圧動作へ切り替える非スイッチング制御を行う。
このように制御部30が行う制御に、スイッチS1,S2,S3,S4全てについてオンオフの切り替えを行わないで、昇圧動作から降圧動作へ移行している前記非スイッチング制御が含まれているので、昇圧動作から降圧動作への切り替えの際に、一次側の第1スイッチS1及び第2スイッチS2の双方を、回路の保安のためにOFFとするデッドタイムtdが不要となる部分を、昇降圧動作毎に、生じさせることができる。このようにデッドタイムtdが不要となる部分を生じさせることで、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
また、図15に示す実施形態において、制御部30は、フィードバック周期f内で昇圧動作と降圧動作とを行い、フィードバック周期f内では、昇圧動作におけるスイッチS1のオンデューティ時間t1は一定であり、降圧動作におけるスイッチS4のオンデューティ時間t2は一定である。そして、次のフィードバック周期fのために、スイッチS1のオンデューティ時間t1及びスイッチS4のオンデューティ時間t2が、フィードバック制御により決定される。つまり、次の周期のフィードバック制御の開始前に、所望の電圧と現在の電圧との差分が求められ、この差分に応じて当該次の周期のフィードバック制御でのスイッチS1のオンデューティ時間t1及びスイッチS4のオンデューティ時間t2が決定される。なお、オンデューティ時間t1,t2を決定するために、前記実施形態では所望の電圧と現在の電圧との差分を求める場合について説明したが、所望の電流と現在の電流との差分を求めてもよく、電流の場合であっても結果的に電圧を制御することができる。
このように、制御部30は、昇圧動作のためのスイッチS1のオンデューティ時間t1と降圧動作のためのスイッチS4のオンデューティ時間t2との双方を、フィードバック制御の1周期毎に決定し、調整することで、出力電圧を所望の電圧に収束させるのを早めることが可能となる。
なお、図15に示すように、フィードバック制御の1周期(フィードバック周期f内)において、PWM周期毎に昇圧動作と降圧動作とを交互に切り替えるのではなく、その変形例として、フィードバック制御の1周期の間に、複数回の昇圧動作を継続して行った後に(1回又は複数回の)降圧動作を継続して行うようにして、昇圧動作と降圧動作とを繰り返してもよい。つまり、フィードバック周期f内において、複数回の昇圧動作を連続して行った後に、これと連続して(複数の)降圧動作を行ってもよい。または、1回の昇圧動作を行った後に、これと連続して複数の降圧動作を行ってもよい。
この場合であっても、スイッチS1,S2,S3,S4全てのオンオフ状態を変化させないで昇圧動作から降圧動作へ切り替える非スイッチング制御が、フィードバック制御の1周期内に少なくとも1回含まれるように、制御部30はスイッチ制御を行う。これにより、フィードバック制御の1周期毎に、デッドタイムtdが不要となる部分を生じさせることができる。
<二次電池システム10に関して>
以上の構成を備えているDC−DCコンバータ20と、二次電池11とを備えている二次電池システム10によれば、前記のとおり、DC−DCコンバータ20は、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となるため、作動効率のよい二次電池システム10が得られる。
また、この二次電池システム10は、例えば、携帯電話の基地局装置に用いられる。この場合、基地局が備えている各種の設備機械(負荷5)が電源6に接続されており、二次電池システム10(DC−DCコンバータ20)は、この基地局装置が備えている例えば19インチラックに格納される。このために、二次電池システム10(DC−DCコンバータ20)を小型化するのが好ましく、小型化の手段として、例えばインダクタ29(図1参照)等の素子及び当該素子を実装する回路基板を小さくすればよい。
インダクタ29を小型化する場合、DC−DCコンバータ29において高速でオンオフスイッチング制御(PWM制御)を行う必要がある。しかし、このオンオフスイッチング制御を高速にすると、つまり、PWM周期を短くすると、前記デッドタイムtdの数(発生頻度)が増加し、コンバータ効率が低下する原因となる。
しかし、本実施形態によれば、オンオフスイッチング制御(PWM制御)を高速に行っても、つまり、PWM周期を短くしても、前記の各形態で説明したとおり、従来と比べてデッドタイムtdを減らすことができ、コンバータロスを低減しコンバータ効率を高めることが可能となる。
なお、高速でのオンオフスイッチング制御(PWM制御)の一例としては、上記実施形態のとおり、オンオフスイッチング制御(PWM制御)の周波数が100kHz(周期が10μsec)である場合があり、また、ここでの高速の定義は、オンオフスイッチング制御(PWM制御)の周波数が80kHz以上である場合とすることができ、好ましくは100kHz以上である。
なお、前記実施形態では、PWM周期を10μsecとし、フィードバック周期fを5msecとしているが、これらの値は変更自在である。PWM周期は、インダクタ29に貯蔵するエネルギーの大小に影響を与え、インダクタ29に貯蔵するエネルギーによってPWM周期を設定することができる。また、フィードバック周期は、適用対象に応じて変更自在であるが、フィードバック制御に用いる電圧計38,39や電流計36,37等の測定値(電圧値や電流値)を取得するために必要な時間よりも大きく設定されている。この電圧値や電流値を取得するために要する時間よりも短い周期でフィードバック制御を行うと、古い(過去の)電圧値や電流値を用いることになってしまう。
本実施形態では、電圧値や電流値を取得するために要する時間を1msecとしており、フィードバック周期を5msecとしている。
前記のとおり、制御部30は、出力電圧を目標電圧へ近づけるべく、スイッチをON状態に維持するオンデューティ時間を調整するためのフィードバック制御を行う。この制御部30によるオンデューティ時間の決定は、例えば、次の方法により行うことができる。
例えば、充電の際、一次側の電圧が48Vであり2次側の電圧が40Vである場合、目標値を40Vに設定すると降圧動作(降圧制御)が必要である。降圧動作のための理論式を、次に示す。
Vout=(Ton/(Ton+Toff))×Vin
ただし、Vin:一次側の電圧
Vout:二次側の電圧
Ton:オンデューティ時間
Toff:(PWM周期−オンデューティ時間)
ここでTon+Toffを100%とすると、前記の場合、演算により、Ton=83%となる。
なお、オンデューティ時間の決定は、PID制御が用いられ、所定の係数とP(比例)成分、I(積分)成分、D(微分)成分を乗算することで行われる。実際には、理論値とおり40Vにならず差分が残るため、次のフィードバック制御において次のオンデューティ時間を設定する。そして、このような処理を以降繰り返し実行すればよい。
[付記]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 負荷
6 電源
10 二次電池システム
11 二次電池
20 DC−DCコンバータ
21,22,23,24 整流器
25,26 キャパシタ
29 インダクタ
29 コンバータ
30 制御部
36,37 電流計
38,39 電圧計
71 第1端子
72 第2端子
73 第3端子
74 第4端子
S1,S2,S3,S4 スイッチ
t1 オンデューティ時間
t2 オンデューティ時間

Claims (6)

  1. 負荷及び電源が一次側に接続され二次電池が二次側に接続され当該二次電池への充電を可能かつ当該二次電池による放電を可能とするDC−DCコンバータであって、
    インダクタ、当該インダクタの前記一次側に接続された第1及び第2スイッチ、及び、当該インダクタの前記二次側に接続された第3及び第4スイッチを含むHブリッジ回路と、
    前記充電又は前記放電の際に、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を実行可能である制御部と、を備え、
    前記充電又は前記放電のために前記制御部が行う制御に、前記スイッチ全てのオンオフ状態を変化させないで前記昇圧動作から前記降圧動作へ切り替える非スイッチング制御が含まれているDC−DCコンバータ。
  2. 前記制御部は、前記昇圧動作又は前記降圧動作のために前記スイッチの一部をオン状態に維持するオンデューティ時間を決定するためのフィードバック制御を行い、
    前記非スイッチング制御が、前記フィードバック制御の1周期内に少なくとも1回含まれる請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
  3. 前記制御部は、前記フィードバック制御の1周期内で、前記昇圧動作と前記降圧動作とを交互に繰り返す制御を行うと共に、この繰り返す制御毎に前記非スイッチング制御を行う請求項2に記載のDC−DCコンバータ。
  4. 前記制御部は、前記昇圧動作のための前記オンデューティ時間と前記降圧動作のための前記オンデューティ時間との双方を、前記フィードバック制御の1周期毎に決定する請求項2又は3に記載のDC−DCコンバータ。
  5. 二次電池と、請求項1〜4のいずれか一項に記載のDC−DCコンバータと、を備えている二次電池システム。
  6. 負荷及び電源が一次側に接続され二次電池が二次側に接続され当該二次電池への充電が可能かつ当該二次電池による放電が可能であって、インダクタ、当該インダクタの前記一次側に接続された第1及び第2スイッチ、及び、当該インダクタの前記二次側に接続された第3及び第4スイッチを含むHブリッジ回路を備えているDC−DCコンバータの制御方法であって、
    前記充電又は前記放電の際に、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って昇圧する昇圧動作と、前記スイッチのオンオフの切り替えを行って降圧する降圧動作とを繰り返す制御を行うと共に、
    前記充電又は前記放電のために行う制御中に、前記スイッチ全てのオンオフ状態を変化させないで前記昇圧動作から前記降圧動作へ切り替える非スイッチング制御を行うDC−DCコンバータの制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019009854A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 株式会社村田製作所 Dc−dcコンバータ
KR102194327B1 (ko) * 2020-06-19 2020-12-22 주식회사 이엘티 분산형 부하에 대응하기 위한 확장형 ess

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