JP2016023224A - 研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法 - Google Patents

研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法 Download PDF

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哲朗 山下
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友洋 岩野
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奈央 山村
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久貴 南
利明 阿久津
Toshiaki Akutsu
利明 阿久津
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雅子 小泉
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Abstract

【課題】半導体素子の製造過程における基体表面の平坦化工程に用いるストッパ材料に対する研磨速度を抑制できる研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法の提供。
【解決手段】水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、式(1)の構造を有するノニオン性化合物とを含有する、研磨剤。SIT絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、ストッパを用いて絶縁材料を研磨する、研磨速度を抑制する。
Figure 2016023224

[m及びnは1以上の整数;(AO)はアルキレンオキシド]
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法に関する。特に、本発明は、半導体素子の製造技術である、基体表面の平坦化工程に用いられる研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法に関する更に詳しくは、本発明は、シャロートレンチ分離絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等の平坦化工程において用いられる研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法に関する。
近年の半導体素子の製造工程では、高密度化・微細化のための加工技術の重要性がますます高まっている。加工技術の一つであるCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:化学機械研磨)技術は、半導体素子の製造工程において、シャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)の形成、プリメタル絶縁材料又は層間絶縁材料の平坦化、プラグ又は埋め込み金属配線の形成等に必須の技術となっている。
研磨剤として最も多用されているのは、砥粒として、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ(酸化珪素)粒子を含むシリカ系研磨剤である。シリカ系研磨剤は汎用性が高いことが特徴であり、砥粒含有量、pH、添加剤等を適切に選択することで、絶縁材料及び導電材料を問わず幅広い種類の材料を研磨できる。
一方で、主に酸化珪素等の絶縁材料を対象とした、砥粒としてセリウム化合物粒子を含む研磨剤の需要も拡大している。例えば、酸化セリウム(セリア)粒子を砥粒として含む酸化セリウム系研磨剤は、シリカ系研磨剤よりも低い砥粒含有量でも高速に酸化珪素を研磨できる(例えば、下記特許文献1、2参照)。
ところで、近年、半導体素子の製造工程では更なる配線の微細化を達成することが求められており、研磨時に発生する研磨傷が問題となっている。すなわち、従来の酸化セリウム系研磨剤を用いて研磨を行った際に微小な研磨傷が発生しても、この研磨傷の大きさが従来の配線幅より小さいものであれば問題にならなかったが、更なる配線の微細化を達成しようとする場合には、研磨傷が微小であっても問題となってしまう。
この問題に対し、4価金属元素の水酸化物の粒子を用いた研磨剤が検討されている(例えば、下記特許文献3〜5参照)。また、4価金属元素の水酸化物の粒子の製造方法についても検討されている(例えば、下記特許文献6、7参照)。これらの技術は、4価金属元素の水酸化物の粒子が有する化学的作用を活かしつつ機械的作用を極力小さくすることによって、粒子による研磨傷を低減しようとするものである。
また、STIを形成するためのCMP工程等においては、凹凸パターンを有する基板の凸部上に配置されたストッパ(ストッパ材料を含む研磨停止層)と、凹凸パターンの凹部を埋めるように基板及びストッパの上に配置された絶縁材料(例えば酸化珪素)と、を有する積層体の研磨が行われる。このような研磨では、絶縁材料の研磨はストッパにより停止される。すなわち、ストッパが露出した段階で絶縁材料の研磨を停止させる。これは絶縁材料の研磨量(絶縁材料の除去量)を人為的に制御することが難しいためであり、ストッパが露出するまで絶縁材料を研磨することにより研磨の程度を制御している。この場合、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性(研磨速度比:絶縁材料の研磨速度/ストッパ材料の研磨速度)を高める必要がある。この課題に対し、下記特許文献8には、研磨剤が、4価金属元素の水酸化物の粒子と、カチオン性の重合体及び多糖類の少なくとも一方とを含むことにより、酸化珪素が高速に研磨され、窒化珪素に対する絶縁材料の研磨選択比に優れることが開示されている。また、下記特許文献9には、4価金属元素の水酸化物の粒子と、ケン化度95mol%以下のポリビニルアルコールとを含む研磨剤を用いることで、ポリシリコンに対する絶縁材料の高い研磨選択比が得られることが開示されている。
特開平10−106994号公報 特開平08−022970号公報 国際公開第2002/067309号 国際公開第2012/070541号 国際公開第2012/070542号 特開2006−249129号公報 国際公開第2012/070544号 国際公開第2009/131133号 国際公開第2010/143579号
近年、STIを形成するためのCMP工程等においては、平坦性を向上させるため、エロージョン(ストッパ材料の過研磨)を抑制するため等の目的で、ストッパ材料の研磨速度を抑制する必要がある。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、ストッパ材料に対する研磨速度を抑制できる研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者は、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、下記式(1)の構造を有するノニオン性化合物とを含有する研磨剤を用いることで、ストッパ材料の研磨速度を抑制できることを見出した。
Figure 2016023224
[式(1)中、m及びnは1以上の整数を示し、(AO)はアルキレンオキシドを示す。]
本発明に係る研磨剤は、水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、上記式(1)の構造を有するノニオン性化合物と、を含有する。
本発明に係る研磨剤によれば、ストッパ材料の研磨速度を抑制できる。
また、本発明に係る研磨剤によれば、シャロートレンチ分離絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、絶縁材料を高度に平坦化しつつ、絶縁材料を低研磨傷で研磨することもできる。
前記ノニオン性化合物の含有量は、前記研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上であることが好ましい。これにより、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制できる。
前記4価金属元素は、4価セリウムであることが好ましい。これにより、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制しつつ、被研磨面における研磨傷の発生を抑制できる。
本発明の一態様は、窒化珪素を含む被研磨面の研磨への前記研磨剤の使用に関する。すなわち、本発明に係る研磨剤の一態様は、窒化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用されることが好ましい。
本発明は、前記研磨剤の構成成分が第一の液と第二の液とに分けて保存され、前記第一の液が前記砥粒及び水を含み、前記第二の液が前記ノニオン性化合物及び水を含む、研磨剤セットを提供する。本発明に係る研磨剤セットによれば、本発明に係る研磨剤と同様の上記効果を得ることができる。
本発明は、前記研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備え、前記被研磨面が窒化珪素を含む、基体の研磨方法を提供する。このような基体の研磨方法によれば、本発明に係る研磨剤と同様の上記効果を得ることができる。
本発明は、前記研磨剤セットにおける前記第一の液と前記第二の液とを混合して得られる研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備え、前記被研磨面が窒化珪素を含む、基体の研磨方法を提供する。このような基体の研磨方法によれば、本発明に係る研磨剤と同様の上記効果を得ることができる。
本発明によれば、ストッパ材料の研磨速度を抑制できる研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法を提供できる。
本発明によれば、ストッパを用いた絶縁材料の研磨において、ストッパ材料の研磨速度を抑制できる。また、本発明によれば、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、ストッパを用いて絶縁材料を研磨するに際し、ストッパ材料の研磨速度を抑制できる。
本発明によれば、ストッパを用いた絶縁材料の研磨への研磨剤又は研磨剤セットの使用を提供できる。また、本発明によれば、ストッパを用いたSTI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等の研磨への研磨剤又は研磨剤セットの使用を提供できる。更に、本発明によれば、窒化珪素を含むストッパを用いた絶縁材料の研磨への研磨剤又は研磨剤セットの使用を提供できる。
以下、本発明の一実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット、及び、前記研磨剤又は前記研磨剤セットを用いた基体の研磨方法について詳細に説明する。
<定義>
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「研磨速度(Polishing Rate)」とは、単位時間当たりに材料が除去される速度(除去速度=Removal Rate)を意味する。
<研磨剤>
本実施形態に係る研磨剤は、研磨時に被研磨面に触れる組成物であり、例えばCMP用研磨剤である。具体的には、本実施形態に係る研磨剤は、水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、上記式(1)の構造を有するノニオン性化合物と、を少なくとも含有する。以下、必須成分、及び、任意に添加できる成分について説明する。
(砥粒)
本実施形態に係る研磨剤は、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を含有する。前記4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、シリカ又はセリアからなる従来の砥粒と比較して、絶縁材料(例えば酸化珪素)との反応性が高く、絶縁材料を高研磨速度で研磨できる。本実施形態に係る研磨剤において、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と併用することのできる他の砥粒としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、セリア粒子等が挙げられる。また、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒として、4価金属元素の水酸化物粒子とシリカ粒子との複合粒子等を用いることもできる。
前記砥粒における前記4価金属元素の水酸化物の含有量の下限は、砥粒の全質量を基準として80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が特に好ましく、99質量%以上が極めて好ましい。前記砥粒は、研磨剤の調製が容易であると共に研磨特性にも更に優れる観点から、前記4価金属元素の水酸化物粒子からなる(実質的に砥粒の100質量%が前記4価金属元素の水酸化物粒子である)ことが好ましい。
4価金属元素の水酸化物は、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制しつつ被研磨面における研磨傷の発生を抑制する観点から、希土類元素の水酸化物及びジルコニウムの水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。4価金属元素は、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制させる観点から、希土類元素が好ましい。4価を取りうる希土類元素としては、セリウム、プラセオジム、テルビウム等のランタノイドなどが挙げられ、入手が容易である観点から、セリウムがより好ましい。希土類元素の水酸化物とジルコニウムの水酸化物とを併用してもよく、希土類元素から二種以上を選択して使用することもできる。
4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を作製する方法としては、4価金属元素を含む塩とアルカリ液とを混合する手法が使用できる。この方法は、例えば、「希土類の科学」[足立吟也編、株式会社化学同人、1999年]304〜305頁に説明されている。
4価金属元素を含む塩としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、M(SO、M(NH(NO、M(NH(SO(Mは希土類元素を示す。)、Zr(SO・4HO等が挙げられる。Mとしては、化学的に活性なセリウム(Ce)が好ましい。
アルカリ液としては、従来公知のものを特に制限なく使用できる。アルカリ液中の塩基性化合物としては、イミダゾール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、グアニジン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピロリジン、キトサン等の有機塩基;アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の無機塩基などが挙げられる。これらのうち、絶縁材料の研磨速度が更に向上する観点から、アンモニア及びイミダゾールが好ましく、イミダゾールがより好ましい。前記方法で合成された4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、洗浄して金属不純物を除去できる。砥粒の洗浄方法としては、遠心分離等で固液分離を数回繰り返す方法などが使用できる。また、遠心分離、透析、限外濾過、イオン交換樹脂等によるイオンの除去などの工程で砥粒を洗浄することもできる。
前記で得られた砥粒が凝集している場合、適切な方法で水中に分散させることが好ましい。主な分散媒である水に砥粒を分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等湿式ボールミル等を用いた機械的な分散処理などが挙げられる。分散方法及び粒径制御方法については、例えば、「分散技術大全集」[株式会社情報機構、2005年7月]第3章「各種分散機の最新開発動向と選定基準」に記述されている方法を用いることができる。また、前記の洗浄処理を行って、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を含有する分散液の電気伝導度を下げる(例えば500mS/m以下)ことによっても、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の分散性を高めることができる。そのため、前記洗浄処理を分散処理として適用してもよく、前記洗浄処理と分散処理とを併用してもよい。
砥粒の平均粒径の下限は、絶縁材料に対する更に好適な研磨速度を得る観点から、1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、3nm以上が更に好ましい。砥粒の平均粒径の上限は、被研磨面に傷が発生することが更に抑制される観点から、300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましい。上記観点から、砥粒の平均粒径は、1nm以上300nm以下であることがより好ましい。
砥粒の「平均粒径」とは、砥粒の平均二次粒径を意味する。砥粒の平均粒径は、例えば、研磨剤、又は、後述する研磨剤セットにおけるスラリについて、光子相関法で測定でき、具体的には例えば、マルバーン社製の装置名:ゼータサイザー3000HS(「ゼータサイザー」は、登録商標。)、ベックマンコールター社製の装置名:N5等で測定できる。N5を用いた測定方法は、具体的には例えば、砥粒の含有量を0.2質量%に調整した水分散液を調製し、この水分散液を1cm×1cmのセルに約4mL(Lは「リットル」を示す。以下同じ)入れ、装置内にセルを設置する。分散媒の屈折率を1.33、粘度を0.887mPa・sに調整し、25℃において測定を行い、表示される平均粒径値を砥粒の平均粒径として採用できる。
砥粒の含有量の下限は、絶縁材料に対する更に好適な研磨速度を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましい。砥粒の含有量の上限は、研磨剤の保存安定性が高くなる観点から、研磨剤の全質量を基準として20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。上記観点から、前記砥粒の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
(添加剤)
本実施形態に係る研磨剤は、添加剤を含有する。ここで、「添加剤」とは、研磨速度、研磨選択性等の研磨特性;砥粒の分散性、保存安定性等の研磨剤特性などを調整するために、水及び砥粒以外に研磨剤が含有する質を指す。添加剤は、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
[第一の添加剤]
本実施形態に係る研磨剤は、第一の添加剤として、上記式(1)の構造を有するノニオン性化合物を含有する。第一の添加剤は、ストッパ材料(例えば窒化珪素)の研磨速度が過度に高くなることを抑制する効果がある。この効果が得られる理由について、第一の添加剤がストッパを被覆することにより、砥粒による研磨の進行が緩和されて研磨速度が過度に高くなることが抑制されるものと推測される。
前記ノニオン性化合物としては、ポリアルキレンポリアミンプロピレンオキシド付与物やポリアルキレンポリアミンブチレンオキシド付与物等が挙げられる。
前記ノニオン性化合物は、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
組み合わせる場合、どちらか一方に上記式(1)の構造を有するノニオン性化合物が含まれていればよい。
ノニオン性化合物の含有量の下限は、ストッパ材料の研磨速度を抑制する観点から、研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.05質量%以上が特に好ましい。第一の添加剤の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制する観点から、研磨剤の全質量を基準として10.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が更に好ましい。上記の観点から、ノニオン性化合物の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。なお、第一の添加剤として複数のノニオン性化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。
[第二の添加剤]
本実施形態に係る研磨剤は、研磨速度等の研磨特性;砥粒の分散性、保存安定性等の研磨剤特性などを調整する目的で、前記第一の添加剤の他に、第二の添加剤を更に含有していてもよい。
第二の添加剤としては、カルボン酸、アミノ酸等が挙げられる。これらは、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。これらの化合物を用いることにより、砥粒の分散性及び研磨特性のバランスが向上する。
カルボン酸は、pHを安定化させると共に絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられる。
アミノ酸は、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の分散性を向上させ、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。アミノ酸としては、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、プロリン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン等が挙げられる。
第二の添加剤を使用する場合、第二の添加剤の含有量の下限は、砥粒の沈降を抑制しつつ第二の添加剤の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上が好ましく、0.003質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。第二の添加剤の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制しつつ第二の添加剤の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として10質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が更に好ましい。上記観点から、第二の添加剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
[水溶性高分子]
本実施形態に係る研磨剤は、平坦性、面内均一性、窒化珪素に対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/窒化珪素の研磨速度)、ポリシリコンに対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/ポリシリコンの研磨速度)等の研磨特性を調整する目的で、水溶性高分子を含有していてもよい。ここで、「水溶性高分子」とは、25℃において水100gに対して0.1g以上溶解する高分子として定義する。また、前記第一の添加剤は、「水溶性高分子」に含まれないものとする。
水溶性高分子としては、特に制限はなく、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン、グアーガム等の多糖類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体等のグリセリン系ポリマなどが挙げられる。水溶性高分子は、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
水溶性高分子を使用する場合、水溶性高分子の含有量の下限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。水溶性高分子の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。上記の観点から、水溶性高分子の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.0001質量%以上5質量%以下がより好ましい。
(研磨剤の特性)
本実施形態に係る研磨剤のpHの下限は、絶縁材料の研磨速度が更に向上する観点から、3.0以上が好ましく、3.3以上がより好ましく、3.5以上が更に好ましく、3.8以上が特に好ましい。また、pHの上限は、絶縁材料の研磨速度が更に向上する観点から、9.0以下が好ましく、8.5以下がより好ましく、8.0以下が更に好ましい。上記の観点から、研磨剤のpHは、3.0以上9.0以下がより好ましい。pHは液温25℃におけるpHと定義する。
研磨剤のpHは、無機酸、有機酸等の酸成分;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のアルカリ成分などによって調整できる。また、pHを安定化させるため、緩衝液を添加してもよい。このような緩衝液としては、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液等が挙げられる。
本実施形態に係る研磨剤のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器株式会社製の型番:PHL−40)で測定できる。具体的には例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH:4.01)と中性リン酸塩pH緩衝液(pH:6.86)を標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極を研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。このとき、標準緩衝液と研磨剤の液温は共に25℃とする。
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒と、第一の添加剤と、水とを少なくとも含む一液式研磨剤として保存してもよく、スラリ(第一の液)と添加液(第二の液)とを混合して前記研磨剤となるように前記研磨剤の構成成分をスラリと添加液とに分けた二液式の研磨剤セット(例えばCMP用研磨剤セット)として保存してもよい。スラリは、例えば、砥粒及び水を少なくとも含む。添加液は、例えば、第一の添加剤及び水を少なくとも含む。第一の添加剤、第二の添加剤、水溶性高分子及び緩衝液は、スラリ及び添加液のうち添加液に含まれることが好ましい。なお、前記研磨剤の構成成分は、三液以上に分けた研磨剤セットとして保存してもよい。
前記研磨剤セットにおいては、研磨直前又は研磨時に、スラリ及び添加液が混合されて研磨剤が調製される。また、一液式研磨剤は、水の含有量を減じた研磨剤用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に水で希釈して用いられてもよい。二液式の研磨剤セットは、水の含有量を減じたスラリ用貯蔵液及び添加液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に水で希釈して用いられてもよい。
一液式研磨剤を用いて研磨する場合、研磨定盤上への研磨剤の供給方法としては、研磨剤を直接送液して供給する方法;研磨剤用貯蔵液及び水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法;あらかじめ研磨剤用貯蔵液及び水を混合しておき供給する方法等を用いることができる。
スラリと添加液とに分けた二液式の研磨剤セットとして保存する場合、これら二液の配合を任意に変えることにより研磨速度の調整ができる。研磨剤セットを用いて研磨する場合、研磨定盤上への研磨剤の供給方法としては、例えば、下記に示す方法が挙げられる。例えば、スラリと添加液とを別々の配管で送液し、これらの配管を合流、混合させて供給する方法;スラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法;あらかじめスラリ及び添加液を混合しておき供給する方法;あらかじめスラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び水を混合しておき供給する方法を用いることができる。また、前記研磨剤セットにおけるスラリと添加液とをそれぞれ研磨定盤上へ供給する方法を用いることもできる。この場合、研磨定盤上においてスラリ及び添加液が混合されて得られる研磨剤を用いて被研磨面が研磨される。
<基体の研磨方法>
本実施形態に係る基体の研磨方法は、前記一液式研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよく、前記研磨剤セットにおけるスラリと添加液を混合して得られる研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよい。また、本実施形態に係る基体の研磨方法は、絶縁材料及びストッパ材料を有する基体の研磨方法であってもよく、例えば、前記一液式研磨剤、又は、前記研磨剤セットにおけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨剤を用いて、絶縁材料をストッパ材料に対して選択的に研磨する研磨工程を備えていてもよい。この場合、基体は、例えば、絶縁材料を含む部材と、ストッパ材料を含む部材(ストッパ)とを有していてもよい。ストッパ材料としては、窒化珪素が好ましい。
研磨工程では、例えば、被研磨材料(窒化珪素、及び/又は、窒化珪素以外の被研磨材料)を有する基体の当該被研磨材料を研磨定盤の研磨パッド(研磨布)に押圧した状態で、前記研磨剤を被研磨材料と研磨パッドとの間に供給し、基体と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨材料を研磨する。研磨工程では、例えば、被研磨材料の少なくとも一部を研磨により除去する。被研磨材料は、例えば膜状(被研磨膜)であってもよい。
研磨対象である基体としては、基板等が挙げられ、例えば、半導体素子製造に係る基板(例えば、STIパターン、ゲートパターン、配線パターン等が形成された半導体基板)上に被研磨材料が形成された基板等が挙げられる。被研磨材料としては、酸化珪素等の絶縁材料;ポリシリコン、窒化珪素等のストッパ材料などが挙げられる。被研磨材料は、単一の材料であってもよく、複数の材料であってもよい。複数の材料が被研磨面に露出している場合、それらを被研磨材料と見なすことができる。被研磨材料は、膜状(被研磨膜)であってもよく、酸化珪素膜、ポリシリコン膜、窒化珪素膜等であってもよい。
本実施形態では、少なくとも表面に酸化珪素を含む絶縁材料(例えば酸化珪素)と、絶縁材料の下層に配置されたストッパ(研磨停止層)と、ストッパの下に配置された半導体基板とを有する基体における絶縁材料を研磨できる。ストッパを構成するストッパ材料は、絶縁材料よりも研磨速度が低い材料であり、ポリシリコン、窒化珪素等が好ましい。このような基体では、ストッパが露出した時に研磨を停止させることにより、絶縁材料が過剰に研磨されることを防止できるため、絶縁材料の研磨後の平坦性を向上させることができる。
本実施形態に係る研磨剤により研磨される被研磨材料の作製方法としては、低圧CVD法、準常圧CVD法、プラズマCVD法等に代表されるCVD(化学気相蒸着)法;回転する基板に液体原料を塗布する回転塗布法などが挙げられる。
酸化珪素は、低圧CVD法を用いて、例えば、モノシラン(SiH)と酸素(O)を熱反応させることにより得られる。また、酸化珪素は、準常圧CVD法を用いて、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC)とオゾン(O)を熱反応させることにより得られる。その他の例として、テトラエトキシシランと酸素をプラズマ反応させることにより、同様に酸化珪素が得られる。
酸化珪素は、回転塗布法を用いて、例えば、無機ポリシラザン、無機シロキサン等を含む液体原料を基板上に塗布し、炉体等で熱硬化反応させることにより得られる。
以上のような方法で得られた酸化珪素等の材質を安定化させるために、必要に応じて200〜1000℃の温度で熱処理をしてもよい。また、以上のような方法で得られた酸化珪素には、埋込み性を高めるために微量のホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)等が含まれていてもよい。
窒化珪素の作製方法としては、ジクロルシランとアンモニアを熱反応させる低圧CVD法、モノシラン、アンモニア及び窒素をプラズマ反応させるプラズマCVD法等が挙げられる。
以上のような方法で得られた窒化珪素には、材質を調整するために、炭素(C)、水素(H)等のように、シリコンと窒素以外の元素が含まれていてもよい。
以下、絶縁材料が形成された半導体基板の研磨方法を一例に挙げて、本実施形態に係る研磨方法を更に説明する。本実施形態に係る研磨方法において、研磨装置としては、被研磨面を有する半導体基板等の基体を保持可能なホルダーと、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置を使用できる。ホルダー及び研磨定盤のそれぞれには、例えば、回転数が変更可能なモータ等が取り付けてある。研磨装置としては、例えば、APPLIED MATERIALS社製の研磨装置(商品名:Mirra−3400、Reflexion LK)、株式会社荏原製作所製の研磨装置(商品名:F REX−300)が挙げられる。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡体、非発泡体等が使用できる。研磨パッドの材質としては、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、アクリル−エステル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン、セルロース、セルロースエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン及びアラミド)、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリシロキサン共重合体、オキシラン化合物、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の樹脂が使用できる。研磨パッドの材質としては、特に、研磨速度及び平坦性の観点から、発泡ポリウレタン及び非発泡ポリウレタンが好ましい。研磨パッドには、研磨剤がたまるような溝加工が施されていてもよい。
研磨条件に制限はないが、研磨定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さないように200min−1以下が好ましく、半導体基板にかける研磨圧力(加工荷重)は、研磨傷が発生することを充分に抑制する観点から、100kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等で連続的に研磨剤を研磨パッドに供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、基板を流水中でよく洗浄して、基板に付着した粒子を除去することが好ましい。洗浄には、純水以外に希フッ酸又はアンモニア水を用いてもよく、洗浄効率を高めるためにブラシを用いてもよい。また、洗浄後は、半導体基板に付着した水滴を、スピンドライヤ等を用いて払い落としてから半導体基板を乾燥させることが好ましい。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、プリメタル絶縁材料の研磨にも使用できる。プリメタル絶縁材料としては、酸化珪素の他、例えば、リン−シリケートガラス又はボロン−リン−シリケートガラスが使用され、更に、シリコンオキシフロリド、フッ化アモルファスカーボン等も使用できる。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、酸化珪素等の絶縁材料以外の材料にも適用できる。このような材料としては、Hf系、Ti系、Ta系酸化物等の高誘電率材料;シリコン、アモルファスシリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、有機半導体等の半導体材料;GeSbTe等の相変化材料;ITO(酸化インジウムスズ)等の無機導電材料;ポリイミド系、ポリベンゾオキサゾール系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系等のポリマ樹脂などが挙げられる。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、膜状の研磨対象だけでなく、ガラス、シリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、サファイヤ、プラスチック等から構成される各種基板にも適用できる。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、半導体素子の製造だけでなく、TFT液晶、有機EL等の画像表示装置;フォトマスク、レンズ、プリズム、光ファイバー、単結晶シンチレータ等の光学部品;光スイッチング素子、光導波路等の光学素子;固体レーザ、青色レーザLED等の発光素子;磁気ディスク、磁気ヘッド等の磁気記憶装置の製造に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<4価金属元素の水酸化物の合成>
7.603Lの水を容器に入れた後、濃度50質量%の硝酸セリウムアンモニウム水溶液(化学式:Ce(NH(NO、式量:548.2、日本化学産業株式会社製、製品名:50%CAN液)を0.715L加えて混合した。その後、液温を40℃に調整して金属塩水溶液(金属塩濃度:0.114mol/L)を得た。
次に、イミダゾールを水に溶解させて濃度0.7mol/Lの水溶液を4.566L用意した後に、液温を40℃に調整してアルカリ液を得た。
前記金属塩水溶液の入った容器を、水を張った水槽に入れた。外部循環装置クールニクスサーキュレータ(東京理化器械株式会社製、製品名:クーリングサーモポンプ CTP101)を用いて、水槽の水温を40℃に調整した。水温を40℃に保持しつつ、撹拌速度400min−1で金属塩水溶液を撹拌しながら、前記アルカリ液を混合速度8.5×10−6/minで容器内に加え、4価セリウムの水酸化物を含む砥粒を含有するスラリ前駆体1を得た。スラリ前駆体1のpHは2.2であった。なお、羽根部全長5cmの3枚羽根ピッチパドルを用いて金属塩水溶液を撹拌した。
分画分子量50000の中空糸フィルタを用いて、得られたスラリ前駆体1を循環させながら限外ろ過して、導電率が50mS/m以下になるまでイオン分を除去することにより、スラリ前駆体2を得た。前記限外ろ過は、液面センサを用いて、スラリ前駆体1の入ったタンクの水位を一定にするように水を添加しながら行った。得られたスラリ前駆体2を適量とり、乾燥前後の質量を量ることにより、スラリ前駆体2の不揮発分含量(4価セリウムの水酸化物を含む砥粒の含量)を算出した。なお、この段階で不揮発分含量が1.0質量%未満であった場合には、限外ろ過を更に行うことにより、1.1質量%を超える程度に濃縮した。最後に、適量の水を追加し、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液(粒子の含有量:1.0質量%)を調製した。
セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液を適量採取し、砥粒含有量が0.2質量%となるように水で希釈して測定サンプル(水分散液)を得た。測定サンプルを1cm×1cmのセルに約4mL入れ、ベックマンコールター社製の装置名:N5内にセルを設置した。分散媒の屈折率を1.33、粘度を0.887mPa・sに調整して、25℃において測定を行い、表示された平均粒径値を平均二次粒径とした。結果は21nmであった。
<CMP用研磨剤の調製>
[実施例1]
ノニオン性材料としてポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド付与物であるディスコールN−518[第一工業製薬株式会社製、商品名(「ディスコール」は登録商標。)]0.1質量%、pH調整剤として酢酸[和光純薬工業株式会社製]0.3質量%及び25質量%アンモニア水[和光純薬工業株式会社製]0.2質量%、及び水99.55質量%を含有する添加液用貯蔵液100gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液150gと、水750gとを混合することにより、表1に記載される組成のCMP用研磨剤(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.15質量%、ノニオン性化合物としてポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド付与物を0.01質量%含有する。
[比較例1]
ポリオキシアルキレンモノフェニルエーテルであるPhF60[日本乳化剤株式会社製、商品名]0.1質量%、pH調整剤として酢酸[和光純薬工業株式会社製]0.3質量%及び25質量%アンモニア水[和光純薬工業株式会社製]0.2質量%、及び水99.55質量%を含有する添加液用貯蔵液100gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液150gと、水750gとを混合することにより、表1に記載される組成のCMP用研磨剤(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.15質量%、ポリオキシアルキレンモノフェニルエーテルを0.01質量%含有する。
[比較例2]
比較例1のポリオキシアルキレンモノフェニルエーテルをポリオキシプロピレンソルビットであるユニオールHS−1600D[日油株式会社製、商品名(「ユニオール」は登録商標。)]に変更した以外は比較例1と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.15質量%、ポリオキシプロピレンソルビットを0.01質量%含有するCMP用研磨剤を調製した。
[比較例3]
比較例1のポリオキシアルキレンモノフェニルエーテルを2、2−ビス(4−ポリオキシエチレンーオキシフェニル)プロパンであるBA−10グリコール[日本乳化剤株式会社製、商品名]に変更した以外は比較例1と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.15質量%、2、2−ビス(4−ポリオキシエチレンーオキシフェニル)プロパンを0.01質量%含有するCMP用研磨剤を調製した。
[比較例4]
pH調整剤として酢酸[和光純薬工業株式会社製]0.26質量%及び25質量%アンモニア水[和光純薬工業株式会社製]0.2質量%、及び水99.69質量%を含有する添加液用貯蔵液100gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液150gと、水750gとを混合することにより、表1に記載される組成のCMP用研磨剤(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.15質量%含有する。
<液状特性評価>
前記で得られたCMP用研磨剤のpHを下記の条件で評価した。
(pH測定条件)
測定温度:25±5℃
測定装置:電気化学計器株式会社製、型番:PHL−40
測定方法:標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液、pH:4.01(25℃);中性リン酸塩pH緩衝液、pH:6.86(25℃))を用いて2点校正した後、電極をCMP用研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後のpHを前記測定装置により測定した。
<CMP評価>
前記CMP用研磨剤のそれぞれを用いて下記CMP条件で被研磨基板を研磨した。
(CMP条件)
・研磨装置:Reflexion LK(APPLIED MATERIALS社製、商品名(「Reflexion」は、登録商標。))
・CMP用研磨剤流量:200mL/min
・被研磨基板:パターンが形成されていないブランケットウエハとして、厚さ0.2μm(200nm)の窒化珪素膜をシリコン基板上にCVD法で形成した基板を用いた。 ・研磨パッド:独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番:IC1010)、ショアD硬度:60
・研磨圧力:20kPa(3.0psi)
・基板と研磨定盤の回転数:基板/研磨定盤=93/87min−1
・研磨時間:1min
・ウエハの洗浄及び乾燥:CMP処理後、PVCブラシによる洗浄を行い、続いて、スピンドライヤで乾燥させた。
[ブランケットウエハ研磨速度の測定]
前記条件で研磨及び洗浄した被研磨膜(窒化珪素膜)の研磨速度(窒化珪素膜の研磨速度:SiNRR)を下記式より求めた。なお、研磨前後での各被研磨膜の膜厚差は、光干渉式膜厚装置(フィルメトリクス社製、商品名:F80)を用いて求めた。
(研磨速度:RR)=(研磨前後での各被研磨膜の膜厚差(nm))/(研磨時間(min))
実施例1及び比較例1〜4で得られた各測定結果を表1に示す。




Figure 2016023224
なお、上記表1中の記号は下記の通りである。
A1:ポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド
A2:ポリオキシアルキレンモノフェニルエーテル
A3:ポリオキシプロピレンソルビット
A4:2,2−ビス(4−ポリオキシエチレンーオキシフェニル)プロパン
以下、表1に示す結果について詳しく説明する。
実施例1において、SiNRRは318nm/minであり、窒化珪素膜の研磨速度が比較例1〜4より低い値を示した。
本発明によれば、ストッパを用いた絶縁材料の研磨において、ストッパ材料の研磨速度を抑制することが可能な研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法を提供できる。また、本発明によれば、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、ストッパを用いて絶縁材料を研磨するに際し、ストッパ材料の研磨速度を抑制することが可能な研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法を提供できる。

Claims (7)

  1. 水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、下記式(1)の構造を有するノニオン性化合物とを含有する、研磨剤。
    Figure 2016023224
    [式(1)中、m及びnは1以上の整数を示し、(AO)はアルキレンオキシドを示す。]
  2. 前記ノニオン性化合物の含有量が前記研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上である、請求項1に記載の研磨剤。
  3. 前記4価金属元素が4価セリウムである、請求項1又は2に記載の研磨剤。
  4. 窒化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨剤の構成成分が第一の液と第二の液とに分けて保存され、前記第一の液が前記砥粒及び水を含み、前記第二の液が前記ノニオン性化合物及び水を含む、研磨剤セット。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備え、前記被研磨面が窒化珪素を含む、基体の研磨方法。
  7. 請求項5に記載の研磨剤セットにおける前記第一の液と前記第二の液とを混合して得られる研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備え、前記被研磨面が窒化珪素を含む、基体の研磨方法。
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