JP2016021077A - 投射装置および投射型映像表示装置 - Google Patents

投射装置および投射型映像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】投射装置の極端な大型化を防止しながら、映像を投射する面上でのスペックルを効果的に目立たなくさせることができる投射装置を提供する。【解決手段】投射装置20は空間光変調器30と照明装置40とを備える。照明装置は、ホログラム記録媒体55を含む光学素子50と、ホログラム記録媒体の各位置に入射した光がそれぞれ回折されて空間光変調器を照明するように、コヒーレント光を光学素子へ照射する照射装置60と、を有する。ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される領域は少なくとも一部分において重なり合う。コヒーレント光は、ホログラム記録媒体上で、変調画像形成面をなす端辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査する。【選択図】図1

Description

本発明は、空間光変調器と空間光変調器をコヒーレント光で照明する照明装置とを有する投射装置、この投射装置を有する投射型映像表示装置に係り、とりわけ、スペックルの発生を目立たなくさせることができる投射装置および投射型映像表示装置に関する。
スクリーンと、スクリーン上に映像光を投射する投射装置と、を有した投射型映像表示装置が、広く使用されている。典型的な投射型映像表示装置では、液晶マイクロディスプレイやDMD(デジタルマイクロミラーデバイス:Digital Micromirror Device)といった空間光変調器を用いて元になる二次元画像を生成し、この二次元画像を投射光学系を利用してスクリーン上に拡大投影することにより、スクリーン上に映像を表示している。
投射装置としては、いわゆる「光学式プロジェクタ」と呼ばれている市販品を含めて、様々な方式のものが提案されている。一般的な光学式プロジェクタでは、高圧水銀ランプなどの白色光源からなる照明装置を用いて液晶ディスプレイ等の空間光変調器を照明し、得られた変調画像をレンズでスクリーン上に拡大投影する方式を採っている。たとえば、下記の特許文献1には、超高圧水銀ランプで発生させた白色光を、ダイクロイックミラーによってR,G,Bの三原色成分に分け、これらの光を各原色ごとの空間光変調器へ導き、生成された各原色ごとの変調画像をクロスダイクロイックプリズムによって合成してスクリーン上に投影する技術が開示されている。
ただし、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプは、寿命が比較的短く、光学式プロジェクタなどに利用した場合、頻繁にランプ交換を行う必要がある。また、各原色成分の光を取り出すために、ダイクロイックミラーなどの比較的大型な光学系を利用する必要があるため、装置全体が大型化するという難点がある。
このような問題に対処するため、レーザなどのコヒーレント光源を用いる方式も提案されている。たとえば、産業上で広く利用されている半導体レーザは、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプに比べて極めて長寿命である。また、単一波長の光を生成可能な光源であるため、ダイクロイックミラーなどの分光装置が不要になり、装置全体を小型化できるという利点も有する。
その一方で、レーザ光などのコヒーレント光源を用いる方式には、スペックルの発生といった新たな問題が生じている。スペックル(speckle)は、レーザ光などのコヒーレント光を散乱面に照射したときに現れる斑点状の模様であり、スクリーン上に発生すると斑点状の輝度ムラ(明るさのムラ)として観察され、観察者に対して生理的な悪影響を及ぼす要因になる。コヒーレント光を用いた場合にスペックルが発生する理由は、スクリーンなどの散乱反射面の各部で反射したコヒーレント光が、その極めて高い可干渉性ゆえに、互いに干渉し合うことによって生じるものとされている。たとえば、下記の非特許文献1には、スペックルの発生についての詳細な理論的考察がなされている。
このように、コヒーレント光源を用いる方式では、スペックルの発生という固有の問題が生じるため、スペックルの発生を抑制するための技術が提案されている。たとえば、下記の特許文献2には、レーザ光を散乱板に照射し、そこから得られる散乱光を空間光変調器に導くとともに、散乱板をモータによって回転駆動することにより、スペックルを低減する技術が開示されている。
特開2004−264512号公報 特開平6−208089号公報
Speckle Phenomena in Optics, Joseph W. Goodman, Roberts & Co., 2006
上述したとおり、コヒーレント光源を用いた投射装置および投射型映像表示装置において、スペックルを低減する技術が提案されているが、これまでに提案された手法では、スペックルを効率的かつ十分に抑制することはできていない。たとえば、前掲の特許文献2に開示されている方法では、レーザ光を散乱板に照射して散乱させてしまうため、一部のレーザ光は映像表示に全く貢献することなく浪費されてしまう。また、散乱板を回転させたとしても、照明光の光軸の位置は変わらないため、スクリーン上で視認されるスペックルを十分に抑制することはできない。
ところで、昨今では、光学式プロジェクタに代表される投射装置に対し、小型化の要求が強まっている。その一方で、特許文献2に開示された方法では、スペックル低減のために散乱板を回転させる必要があり、そのような機械的な回転機構を含めることによって、投射装置が極端に大型化してしまう可能性もある。この点においても、特許文献2に開示された方法は好ましくない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、コヒーレント光を用いた投射装置および投射型映像表示装置であって、装置の極端な大型化を防止しながら、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる投射装置および投射型映像表示装置を提供することを目的とする。
本発明による第1の投射装置は、
矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第1の投射装置において、前記ホログラム記録媒体は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第2の投射装置は、
矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記ホログラム記録媒体は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状である。
本発明による第1または第2の投射装置において、前記矩形状の前記一辺は、前記矩形状の短辺であってもよい。
本発明による第3の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記空間光変調器は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第3の投射装置において、前記ホログラム記録媒体は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第4の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記空間光変調器は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記ホログラム記録媒体は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状である。
本発明による第5の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第5の投射装置において、前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第6の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である。
本発明による第7の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第7の投射装置において、前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第8の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である。
本発明による第7または第8の投射装置において、前記照射装置は、前記偏光ビームスプリッターの前記分離面で反射されるようになる偏光成分のコヒーレント光が前記空間光変調器を証明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射するようにしてもよい。
本発明による第9の投射装置は、
矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第9の投射装置において、前記光拡散素子は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第10の投射装置は、
矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記光拡散素子は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状である。
本発明による第9または第10の投射装置において、前記矩形状の前記一辺は、前記矩形状の短辺であってもよい。
本発明による第11の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記空間光変調器は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第11の投射装置において、前記光拡散素子は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第12の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
前記光拡散素子は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記光拡散素子は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状である。
本発明による第13の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第13の投射装置において、前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第14の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である。
本発明による第15の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する。
本発明による第15の投射装置において、前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状であってもよい。
本発明による第16の投射装置は、
空間光変調器と、
前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である。
本発明による第15または第16の投射装置において、前記照射装置は、前記偏光ビームスプリッターの前記分離面で反射されるようになる偏光成分のコヒーレント光が前記空間光変調器を証明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射してもよい。
本発明による第9〜第16の投射装置のいずれかにおいて、前記光拡散素子はレンズアレイであってもよい。
本発明による第1〜第16の投射装置のいずれかが、前記空間光変調器によって生成された変調画像をなす光を投射する投射光学系を、さらに備えるようにしてもよい。
本発明による投射型映像表示装置は、
上述した本発明による第1〜第16の投射装置のいずれかと、
前記空間光変調器によって生成された変調画像を投影されるスクリーンと、を備える。
本発明によれば、投射装置の極端な大型化を防止しながら、映像を投射する面上でのスペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、一実施の形態としての投射装置および投射型映像表示装置の概略構成を、上方から示す、言い変えると、投射装置の光学系を構成する面への法線方向から示す、平面図である。 図2は、図1の投射装置の概略構成を側方から示す、言い変えると、投射装置の光学系を構成する面と平行な方向から示す、側面図である。 図3は、図1の投射型映像表示装置の概略構成を図2と同一の方向から示す図である。ただし、図3において、投射装置の照射装置が省略されている。 図4は、図1の投射装置の概略構成を示す斜視図である。 図5は、図2の投射装置の光学素子をなすホログラム記録媒体を作製するための露光方法を説明するための図である。 図6は、図5の露光方法を経て作製されたホログラム記録媒体の作用を説明するための図である。 図7は、図1に対応する図であって、投射装置の照明装置の一変形例およびその作用を説明するための平面図である。 図8は、図1に対応する図であって、投射装置の照明装置の他の変形例およびその作用を説明するための平面図である。 図9は、図2に対応する図であって、投射装置の照明装置に含まれる照射装置の一変形例およびその作用を説明するための側面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1〜図9は、本発明の一実施の形態に係る投射装置および投射型映像表示装置、並びに、その変形例を説明するための図である。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
〔一実施の形態〕
まず、図1〜図6を参照して、一実施の形態に係る投射装置および投射型映像表示装置について説明する。その後、図7〜図9を適宜参照しながら、一実施の形態に係る投射装置および投射型映像表示装置に対する変形の一例について説明する。
まず、コヒーレント光を投射する照明装置および投射装置を含み且つスペックルを目立たなくさせることができる投射型映像表示装置の構成を、主として図1〜図6を参照して説明する。
図1に示す投射型映像表示装置10は、スクリーン15と、コヒーレント光からなる映像光を投射する投射装置20と、を有している。投射装置20は、仮想面上に位置する被照明領域LZをコヒーレント光で照明する照明装置40と、被照明領域LZと重なる位置に配置され照明装置40によってコヒーレント光で照明される空間光変調器30と、空間光変調器30からのコヒーレント光をスクリーン15に投射する投射光学系25と、を有している。
空間光変調器30は、照明装置40によって面状に照明され、照明光を用いて変調画像を形成する。空間光変調器30によって形成された変調画像(映像光)は、投射光学系25によって、等倍で或いは変倍されてスクリーン15へ投射される。これにより、変調画像がスクリーン15上に等倍で或いは変倍、通常、拡大されて表示され、観察者は当該画像を観察することができる。
一具体例として添付図においては、空間光変調器30が、上述した特許文献2と同様に、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device)として構成されている。デジタルマイクロミラーデバイス30は、多数の微小ミラー32を配列してなる変調画像形成面31を有したMEMS素子であり、反射型の空間光変調器として機能する。変調画像形成面31は、図4から理解され得るように、矩形形状、すなわち長方形または正方形の外輪郭を有している。このような反射型空間光変調器では、空間光変調器30へ照明装置40からコヒーレント光が照射される面と、空間光変調器30から変調画像をなす映像光が進みでる面と、空間光変調器30から変調画像を形成しない捨て光が進みでる面と、が同一となっている。
図4に示すように、デジタルマイクロミラーデバイス30の多数の微小ミラー32は、互いに平行な回動軸線RAmを中心として回動可能に構成されている。各微小ミラー32は、反射面32aを有しており、照明装置40からの光は、各微小ミラー32によって、投射光学系25に向けて反射されるようになる。すなわち、デジタルマイクロミラーデバイスとして構成された空間光変調器30では、各微小ミラー32が一画素を形成し、各微小ミラー32を駆動して反射面32aの向きを制御することによって、所定の方向へ向けて変調画像を形成することができる。一方、デジタルマクロミラーデバイス30に代表される多くの反射型空間光変調器では、図1に示すように、映像を形成しない光、言い換えると捨て光が、映像を形成する光とは異なる方向に反射され、適切な素子等によって吸収されるようになる。なお、図1では、投射装置20が、微小ミラー32の回動軸線RAmの沿った方向から示されている。
なお、ここで使用され得る空間光変調器30は、例示した反射型の空間光変調器(反射型のマイクロディスプレイ)に限られず、透過型空間光変調器(透過型のマイクロディスプレイ)によっても構成され得る。既知のいずれの空間光変調器を空間光変調器30として用いた場合でも、後述するように、投射装置20の寸法が極端に大型化されることを防止しながら、スペックルを目立たなくさせることができる。
また、空間光変調器30の入射面、すなわち変調画像形成面31は、照明装置40によってコヒーレント光を照射される被照明領域LZと同一の形状および大きさであることが好ましい。この場合、照明装置40からのコヒーレント光を、スクリーン15への映像の表示に高い利用効率で利用することができるからである。
スクリーン15は、透過型スクリーンとして構成されていてもよいし、反射型スクリーンとして構成されていてもよい。スクリーン15が反射型スクリーンとして構成されている場合には、観察者は、スクリーン15に関して投射装置20と同じ側から、スクリーン15で反射されるコヒーレント光によって表示される映像を観察することになる。一方、スクリーン15が透過型スクリーンとして構成されている場合、観察者は、スクリーン15に関して投射装置20とは反対の側から、スクリーン15を透過したコヒーレント光によって表示される映像を観察することになる。
ところで、スクリーン15に投射されたコヒーレント光は、拡散され、観察者に映像として認識されるようになる。この際、スクリーン上に投射されたコヒーレント光は拡散によって干渉し、スペックルを生じさせることになる。ただし、ここで説明する投射型映像表示装置10では、以下に説明する照明装置40が、時間的に角度変化するコヒーレント光で、空間光変調器30が重ねられている被照明領域LZを照明するようになっている。
より具体的には、以下に説明する照明装置40は、コヒーレント光からなる拡散光で被照明領域LZを照明するが、この拡散光の入射角度が経時的に変化していく。この結果、スクリーン15上でのコヒーレント光の拡散パターンも時間的に変化するようになり、コヒーレント光の拡散で生じるスペックルが時間的に重畳されて目立たなくなる。以下、このような照明装置40について、さらに詳細に説明する。
図1〜図4に示された照明装置40は、コヒーレント光の進行方向を被照明領域LZへ向ける光学素子50と、光学素子50へコヒーレント光を照射する照射装置60と、を有している。光学素子50は、光拡散素子(光拡散要素)として機能するホログラム記録媒体55、とりわけ、散乱板6の像5を再生し得るホログラム記録媒体55を含んでいる。
図示する例では、光学素子50はホログラム記録媒体55から形成されている。
図2に示すように、光学素子50をなしているホログラム記録媒体55は、照射装置60から照射されるコヒーレント光を再生照明光Laとして受けて、当該コヒーレント光を高効率で回折することができる。とりわけ、ホログラム記録媒体55は、その各位置、言い換えると、その各点とも呼ばれるべき各微小領域に入射するコヒーレント光を回折することによって、散乱板6の像5を再生することができるようになっている。
一方、照射装置60は、ホログラム記録媒体55のコヒーレント光が、光学素子50のホログラム記録媒体55上を走査するようにして、光学素子50へコヒーレント光を照射する。したがって、ある瞬間に、照射装置60によってコヒーレント光を照射されているホログラム記録媒体55上の領域は、ホログラム記録媒体55の表面の一部分であって、とりわけ図示する例では、点と呼ばれるべき微小領域となっている。
そして、照射装置60から照射されてホログラム記録媒体55上を走査するコヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上の各位置(各点または各領域(以下、同じ))に、当該ホログラム記録媒体55の回折条件を満たすような入射角度で、入射するようになっている。照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明する。とりわけここで説明する形態では、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55で回折されて同一の被照明領域LZを照明するようになっている。より詳細には、図2に示すように、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光が、それぞれ、被照明領域LZに重ねて散乱板6の像5を再生するようになっている。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、光学素子50で拡散されて拡げられて、被照明領域LZに入射するようになる。
このようなコヒーレント光の回折作用を可能にするホログラム記録媒体55として、図示する例では、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラムが用いられている。このホログラム記録媒体55は、図5に示すように、実物の散乱板6からの散乱光を物体光Loとして用いて作製されている。図5には、ホログラム記録媒体55をなすようになる感光性を有したホログラム感光材料58に、互いに干渉性を有したコヒーレント光からなる参照光Lrと物体光Loとが露光されている状態が、示されている。
参照光Lrは、例えば、特定波長域のレーザ光を発振するレーザ光源からのレーザ光が用いられており、レンズからなる集光素子7を透過してホログラム感光材料58に入射する。図5に示す例では、参照光Lrをなすようになるレーザ光が、集光素子7の光軸と平行な平行光束として、集光素子7へ入射する。参照光Lrは、集光素子7を透過することによって、それまでの平行光束から収束光束に整形(変換)され、ホログラム感光材料58へ入射する。この際、収束光束Lrの焦点位置FPは、ホログラム感光材料58を越えた位置にある。すなわち、ホログラム感光材料58は、集光素子7と、集光素子7によって集光された収束光束Lrの焦点位置FPと、の間に配置されている。
次に、物体光Loは、たとえばオパールガラスからなる散乱板6からの散乱光として、ホログラム感光材料58に入射する。ここでは作製されるべきホログラム記録媒体55が反射型なので、物体光Loは、参照光Lrとは反対側の面からホログラム感光材料58へ入射する。物体光Loは、参照光Lrと干渉性を有している必要がある。したがって、例えば、同一のレーザ光源から発振されたレーザ光を分割して、分割された一方を上述の参照光Lrとして利用し、他方を物体光Loとして使用することができる。
図5に示す例では、散乱板6の板面への法線方向と平行な平行光束が、散乱板6へ入射して散乱され、そして、散乱板6を透過した散乱光が物体光Loとしてホログラム感光材料58へ入射している。この方法によれば、通常安価に入手可能な等方散乱板を散乱板6として用いた場合に、散乱板6からの物体光Loが、ホログラム感光材料58に概ね均一な光量分布で入射することが可能となる。またこの方法によれば、散乱板6による散乱の度合いにも依存するが、ホログラム感光材料58の各位置に、散乱板6の出射面6aの全域から概ね均一な光量で参照光Lrが入射しやすくなる。このような場合には、得られたホログラム記録媒体55の各位置に入射した光が、それぞれ、散乱板6の像5を同様の明るさで再生すること、および、再生された散乱板6の像5が概ね均一な明るさで観察されることが実現され得る。
以上のようにして、参照光Lrおよび物体光Loがホログラム記録材料58に露光されると、参照光Lrおよび物体光Loが干渉してなる干渉縞が生成され、この光の干渉縞が、何らかのパターン、体積型ホログラムでは、一例として、屈折率変調パターンとして、ホログラム記録材料58に記録される。その後、ホログラム記録材料58の種類に対応した適切な後処理が施され、ホログラム記録媒体55が得られる。
図6には、図5の露光工程を経て得られたホログラム記録媒体55の回折作用(再生作用)が示されている。図6に示すように、図5のホログラム感光材料58から形成されたホログラム記録媒体55は、露光工程で用いられたレーザ光と同一波長の光であって、露光工程における参照光Lrの光路を逆向きに進む光によって、そのブラッグ条件が満たされるようになる。すなわち、図6に示すように、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する焦点FPの相対位置(図5参照)と同一の位置関係をなすようにしてホログラム記録媒体55に対して位置する基準点SPから発散し、露光工程時における参照光Lrと同一の波長を有する発散光束は、再生照明光Laとして、ホログラム記録媒体55に回折され、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する散乱板6の相対位置(図3参照)と同一の位置関係をなすようになるホログラム記録媒体50に対する特定の位置に、散乱板6の再生像5を生成する。
この際、散乱板6の再生像5を生成する再生光Lb、すなわち、再生照明光Laをホログラム記録媒体55で回折してなる回折光Lbは、露光工程時に散乱板6からホログラム感光材料58へ向かって進んでいた物体光Loの光路を逆向きに進む光として散乱板6の像5の各点を再生する。そして、上述したように、また図5に示すように、露光工程時に散乱板6の出射面6aの各位置から出射する散乱光Loが、それぞれ、ホログラム感光材料58の概ね全領域に入射するように拡散している(広がっている)。すなわち、ホログラム感光材料58上の各位置には、散乱板6の出射面6aの全領域からの物体光Loが入射し、結果として、出射面6a全体の情報がホログラム記録媒体55の各位置にそれぞれ記録されている。このため、図6に示された、再生照明光Laとして機能する基準点SPからの発散光束をなす各光は、それぞれ単独で、ホログラム記録媒体55の各位置に入射して互いに同一の輪郭を有した散乱板6の像5を、互いに同一の位置(被照明領域LZ)に再生することができる。
一方、このようなホログラム記録媒体55からなる光学素子50にコヒーレント光を照射する照射装置60は、次のように構成され得る。図2によく示されているように、照射装置60は、特定波長域のコヒーレント光を生成するレーザ光源61aと、レーザ光源61aからのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイス65と、を有している。
走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を経時的に変化させ、コヒーレント光の進行方向が一定とはならないよう種々の方向へ向ける。この結果、走査デバイス65で進行方向を変化させられるコヒーレント光が、光学素子50のホログラム記録媒体55の入射面上を走査するようになる。
図2および図4によく示されているように、図示された形態では、走査デバイス65は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aを有した反射デバイス66を含んでいる。より具体的に説明すると、反射デバイス66は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aとしてのミラーを有したミラーデバイスとして、構成されている。そして、図2および図4に示すように、このミラーデバイス66は、ミラー66aの配向を変化させることによって、レーザ光源61aからのコヒーレント光の進行方向を変化させるようになっている。この際、図2及び図4に示すように、ミラーデバイス66は、概ね、基準点SPにおいてレーザ光源61aからコヒーレント光を受けるようになっている。このため、ミラーデバイス66で進行方向を最終調整されたコヒーレント光は、基準点SPからの発散光束の一光線をなし得る再生照明光La(図6参照)として、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射し得る。結果として、照射装置60からのコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようになり、且つ、ホログラム記録媒体55上の各位置に入射したコヒーレント光が同一の輪郭を有した散乱板6の像5を同一の位置(被照明領域LZ)に再生するようになる。
なお、実際上の問題として、ホログラム記録媒体55を作成する際、ホログラム記録材料58が収縮する場合がある。このような場合、ホログラム記録材料58の収縮を考慮して、照射装置60から光学素子50に照射されるコヒーレント光の入出射角度が調整されることが好ましい。したがって、コヒーレント光源61aで生成するコヒーレント光の波長は、図3の露光工程(記録工程)で用いた光の波長と厳密に一致させる必要はなく、ほぼ同一となっていてもよい。
また、同様の理由から、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射する光の進行方向も、基準点SPからの発散光束に含まれる一光線と厳密に同一の経路を取っていなくとも、被照明領域LZに像5を再生することができる。実際に、図2および図4に示す例では、走査デバイス65をなすミラーデバイス66のミラー(反射面)66aは、必然的に、その回動軸線RA1からずれる。したがって、基準点SPを通過しない回動軸線RA1を中心としてミラー66aを回動させた場合、ホログラム記録媒体55へ入射する光は、基準点SPからの発散光束をなす一光線とはならないことがある。しかしながら、実際には、図示された構成の照射装置60からのコヒーレント光によって、被照明領域LZに重ねて像5を実質的に再生することができる。
ところで、図1〜図4に示された本実施の形態による投射装置20と同様に、従来の光学式プロジェクタでは、空間光変調器の正面に、言い換えると、変調画像形成面への法線方向に沿って空間光変調器に対向する位置に投射光学系をなす例えばプロジェクションレンズが配置されてきた。このため照明装置は、図1に示された形態と同様に、空間光変調器の変調画像形成面を、正面方向に対して傾斜した方向から照明する。そしてさらに従来の一般的な光学式プロジェクタでは、光源から空間光変調器までの光路の光軸、すなわち中心光路が、デジタルマイクロミラーデバイスの微小ミラーの回動軸線と概ね直交する方向に沿っていた。
既に説明したように、デジタルマイクロミラーデバイス等の光学系では微小ミラーの回動軸線を中心とした回動によって、変調画像を形成することのない不要光を捨て光として、変調画像とは異なる方向へ向けている。この結果、このような従来の光学式プロジェクタでは、光源から空間光変調器へ入射して変調画像を形成する光、並びに、光源から空間光変調器へ入射して捨て光となる光は、微小ミラーの回動軸線に直交する一つの仮想平面に沿った光学系を形成する。言い換えると、従来の光学式プロジェクタでは、光源から空間光変調器へ入射して変調画像を形成する光の光路中心、並びに、光源から空間光変調器へ入射して捨て光となる光の光路中心は、微小ミラーの回動軸線の回動軸線に直交する一つの仮想平面に沿って進む。このような構成によれば、光学式プロジェクタ内での光路が極めて簡略化され、且つ、微小ミラーの回動軸線の方向に沿った光学式プロジェクタの寸法を小さくすることができ、これにより、光学式プロジェクタの小型化が実現され得る。
図1、図3および図4によく示されているように、本実施の形態では、従来と同様に、空間光変調器30の正面に、言い換えると、変調画像形成面31への法線方向に沿って空間光変調器30に対向する位置に投射光学系25が配置されている。そして、照明装置40は、図1によく示されているように、空間光変調器30の変調画像形成面31を、当該変調画像形成面31への法線方向、つまり、正面方向に対して傾斜した方向から照明している。また、照明装置40に含まれる光源61aから空間光変調器30までのコヒーレント光の光路の光軸、すなわち中心光路が、デジタルマイクロミラーデバイス30の微小ミラー32の回動軸線RAmと直交する方向に沿っている。
このため、本実施の形態による投射装置20においても、照明装置40の光源61aから空間光変調器30へ入射して変調画像を形成する光、並びに、光源61aから空間光変調器30へ入射して捨て光となる光は、微小ミラー32の回動軸線RAmに直交する一つの仮想平面に沿った光学系を形成し、当該仮想平面に沿って進む。このような投射装置20によれば、投射装置20内での光路を極めて簡略化することができ、且つ、微小ミラー32の回動軸線RAmの方向に沿った投射装置20の寸法を小さくすることができ、これにより、投射装置20の小型化を実現することができる。
なお、上述してきたように本実施の形態では、投射装置20の照明装置40は、ホログラム記録媒体55からなる光学素子50と、光学素子50にコヒーレント光を照射する照射装置60と、を有している。そして、空間光変調器30の変調画像形成面31は、ホログラム記録媒体55からの回折光によって照明される。また、照射装置60は、走査デバイス65を含んでおり、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようにして光学素子60にコヒーレント光を照射する。そして、本実施の形態によれば、このような構成の照明装置40を含みながら、投射装置20の大型化が効果的に防止されている。
具体的には、図2および図4に示すように、照射装置60の走査デバイス65をなすミラーデバイス66は、一つの軸線RA1に沿ってミラー66aを回動させるように、構成されている。とりわけ図4に示されているように、ミラー66aの回動軸線RA1は、投射装置20内での光路によって画成される光学系と平行に、すなわち、デジタルマイクロミラーデバイス30の微小ミラー32の回動軸線RAmに直交して、延びている。また、光源61aから走査デバイス65へ入射する光は、投射装置20内での光路によって画成される光学系と平行に直線状に進んでいる。このため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、投射装置20内での光路によって画成される光学系と直交する方向に往復動するようになる。
したがって、照射装置60から照射されるコヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上において、デジタルマイクロミラーデバイス30の微小ミラー32の反射面32aの回動軸線RAmと平行な直線状の経路を繰り返し走査するようになる。本実施の形態では、照射装置60から照射されるコヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上において、空間光変調器30の変調画像形成面31をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査するようになる。なお、図4に示された形態において、空間光変調器30の変調画像形成面31は長方形からなり、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路は、当該長方形の短辺と平行となっている。
そして、このようなコヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路に対応して、光学素子50をなすホログラム記録媒体55は、図4に示すように、デジタルマイクロミラーデバイス30の微小ミラー32の反射面32aの回動軸線RAmと平行な方向に延びる細長状となっている。また、本実施の形態においては、言い換えると、光学素子50をなすホログラム記録媒体55は、空間光変調器30の変調画像形成面31をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状、とりわけ、変調画像形成面31をなす長方形の短辺と平行な方向に延びる細長状となっている。
なお、詳しくは後述するように、光学素子50へのコヒーレント光の入射位置IPがホログラム記録媒体55上で走査するようにしたのは、空間光変調器30の各位置へ入射するコヒーレント光の入射角度を経時的に多重化させて、最終的に、空間光変調器30で形成された変調画像が観察される際に生じるスペックルを目立たなくさせることを目的としている。そしてこの目的を満たす上で、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路の長さは、図示された例のように、空間光変調器30の一辺の長さを越える長さとする必要はない。
このため、ホログラム記録媒体55からなる細長状の光学素子50が、デジタルマイクロミラーデバイス30の微小ミラー32の反射面32aの回動軸線RAmと平行な方向に延びている場合、この回動軸線RAmに沿った投射装置20の寸法、言い換えると、投射装置20内での光学系によって画成される面に直交する方向に沿った投射装置20の寸法を大型化させることなく、回動軸線RAmに直交する方向に沿った投射装置20の寸法、言い換えると、投射装置20内での光学系によって画成される面に沿った投射装置20の寸法を十分に小型化することができる。すなわち、本実施の形態による投射装置20によれば、投射装置が大型化してしまうことを効果的に抑制しながら、後述するようにスペックルを目立たなくさせることができる。
次に、以上の構成からなる照明装置40、投射装置20および投射型映像表示装置10の作用について説明する。
まず、照射装置60は、コヒーレント光が光学素子50のホログラム記録媒体55上を走査するようにして、光学素子50へコヒーレント光を照射する。具体的には、レーザ光源61aで一定方向に沿って進む特定波長のコヒーレント光が生成され、このコヒーレント光が走査デバイス65で進行方向を変えられる。走査デバイス65は、ホログラム記録媒体55上の各位置に、当該位置でのブラッグ条件を満たす入射角度で特定波長のコヒーレント光を入射させる。この結果、各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55での回折により、被照明領域LZに重ねて散乱板6の像5を再生する。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、光学素子50で拡散されて(拡げられて)、被照明領域LZの全域に入射するようになる。このようにして、照射装置60は、被照明領域LZをコヒーレント光で照明するようになる。
図1に示すように、投射装置20においては、空間光変調器30の変調画像形成面31が照明装置40の被照明領域LZと重なるようにして、空間光変調器30が配置されている。このため、空間光変調器30の変調画像形成面31は、照明装置40によって面状に照明され、画素毎にコヒーレント光の反射を制御することにより、変調画像を形成するようになる。形成された変調画像は、投射光学系25によってスクリーン15に投射される。スクリーン15に投射されたコヒーレント光は、拡散され、観察者に映像として認識されるようになる。ただし、この際、スクリーン上に投射されたコヒーレント光は拡散によって干渉し、スペックルを生じさせることになる。
しかしながら、ここで説明してきた本実施の形態における照明装置40によれば、次に説明するように、スペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。
前掲の非特許文献1によれば、スペックルを目立たなくさせるには、偏光・位相・角度・時間といったパラメータを多重化し、モードを増やすことが有効であるとされている。
ここでいうモードとは、互いに無相関なスペックルパターンのことである。例えば、複数のレーザ光源から同一のスクリーンに異なる方向からコヒーレント光を投射した場合、レーザ光源の数だけ、モードが存在することになる。また、同一のレーザ光源からのコヒーレント光を、時間を区切って異なる方向から、スクリーンに投射した場合、人間の目で分解不可能な時間の間にコヒーレント光の入射方向が変化した回数だけ、モードが存在することになる。そして、このモードが多数存在する場合には、光の干渉パターンが無相関に重ねられ平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルが目立たなくなるものと考えられている。
上述した照射装置60では、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上を走査するようにして、光学素子50に照射される。また、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、少なくとも一部において重なり合う部分を含む領域をコヒーレント光で照明するが、重なり合う部分を照明するコヒーレント光の照明方向は互いに異なる。とりわけ、本実施の形態では、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、同一の被照明領域LZの全域をコヒーレント光で照明し、当該被照明領域LZを照明するコヒーレント光の照明方向は互いに異なるようになる。そして、コヒーレント光が入射するホログラム記録媒体55上の位置が経時的に変化するため、被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向も経時的に変化する。
被照明領域LZを基準にして考えると、被照明領域LZ内の各位置には絶えずコヒーレント光が入射してくるが、その入射方向は、図2および図3に矢印A1で示すように、常に変化し続けることになる。結果として、空間光変調器30の透過光によって形成された映像の各画素をなす光が、図3に矢印A2で示すように経時的に光路を変化させながら、スクリーン15の特定の位置に投射されるようになる。
なお、コヒーレント光はホログラム記録媒体55上を連続的に走査する。これにともなって、照射装置60から被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向も連続的に変化するとともに、投射装置20からスクリーン15へのコヒーレント光の入射方向も連続的に変化する。ここで、投射装置20からスクリーン15へのコヒーレント光の入射方向が僅か、例えば0.数°だけ変化すれば、スクリーン15上に生じるスペックルのパターンも大きく変化し、無相関なスペックルパターンが十分に重畳されることになる。加えて、実際に市販されているMEMSミラーやポリゴンミラー等の走査デバイス65の周波数は通常数百Hz以上であり、数万Hzにも達する走査デバイス65も珍しくない。
以上のことから、上述してきた本実施の形態によれば、映像を表示しているスクリーン15上の各位置において時間的にコヒーレント光の入射方向が変化していき、且つ、この変化は、人間の目で分解不可能な速さであり、結果として、人間の目には、相関の無いコヒーレント光の散乱パターンが多重化されて観察されることになる。したがって、各散乱パターンに対応して生成されたスペックルが重ねられ平均化されて、観察者に観察されることになる。これにより、スクリーン15に表示されている映像を観察する観察者に対して、スペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。
なお、人間によって観察される従来のスペックルには、スクリーン15上でのコヒーレント光の散乱を原因とするスクリーン側でのスペックルだけでなく、スクリーンに投射される前におけるコヒーレント光の散乱を原因とする投射装置側でのスペックルも発生し得る。この投射装置側で発生したスペックルパターンは、空間光変調器30を介してスクリーン15上に投射されることによって、観察者に認識され得るようにもなる。しかしながら、上述してきた基本形態によれば、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を連続的に走査し、そしてホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光が、それぞれ、空間光変調器30が重ねられた被照明領域LZの全域を照明するようになる。すなわち、ホログラム記録媒体55が、スペックルパターンを形成していたそれまでの波面とは別途の新たな波面を形成し、複雑且つ均一に、被照明領域LZ、さらには、空間光変調器30を介してスクリーン15を照明するようになる。このようなホログラム記録媒体55での新たな波面の形成により、投射装置側で発生するスペックルパターンは不可視化されることになる。
ところで、前掲の非特許文献1には、スクリーン上に生じたスペックルの程度を示すパラメータとして、スペックルコントラスト(単位%)という数値を用いる方法が提案されている。このスペックルコントラストは、本来は均一の輝度分布をとるべきテストパターン映像を表示した際に、スクリーン上に実際に生じる輝度のばらつきの標準偏差を、輝度の平均値で除した値として定義される量である。このスペックルコントラストの値が大きければ大きいほど、スクリーン上のスペックル発生程度が大きいことを意味し、観察者に対して、斑点状の輝度ムラ模様がより顕著に提示されていることを示す。
図1〜図6を参照しながら説明してきた基本形態の投射型映像表示装置10について、スペックルコントラストを測定したところ、3.0%となった(条件1)。また、上述の光学素子50として、反射型の体積型ホログラムに代えて、特定の再生照明光を受けた場合に散乱板6の像5を再生し得るように計算機を用いて設計された凹凸形状を有する計算機合成ホログラム(CGH)としてのレリーフ型ホログラムを用いた場合についてのスペックルコントラストは3.7%となった(条件2)。HDTV(高精細テレビ)の映像表示用途にて、観察者が肉眼観察した場合に輝度ムラ模様がほとんど認識できないレベルとして、スペックルコントラスト6.0%以下という基準(たとえば、WO/2001/081996号公報参照)が示されているが、上述してきた基本形態はこの基準を十分に満たしている。また、実際に肉眼観察したところ、視認され得る程度の輝度ムラ(明るさのムラ)は発生していなかった。
一方、レーザ光源からのレーザ光を平行光束に整形して空間光変調器30に入射させた場合、すなわち、図1に示された投射型映像表示装置10の空間光変調器30に、走査デバイス65や光学素子50を介さず、レーザ光源61aからのコヒーレント光を平行光束として入射させた場合、スペックルコントラストは20.7%となった(条件3)。この条件下では、肉眼観察により、斑点状の輝度ムラ模様がかなり顕著に観察された。
また、光源61aを緑色のLED(非コヒーレント光源)に交換し、このLED光源からの光を空間光変調器30に入射させた場合、すなわち、図1等に示された投射型映像表示装置10の空間光変調器30に、走査デバイス65や光学素子50を介さず、LED光源からの非コヒーレント光を平行光束として入射させた場合、スペックルコントラストは4.0%となった(条件4)。この条件下では、肉眼観察で視認され得る程度の輝度ムラ(明るさのムラ)は発生していなかった。
条件1および条件2の結果が、条件3の結果よりも極めて良好であり、さらに、条件4の測定結果と比較しても良好となった。既に述べたとおり、スペックルの発生という問題は、実用上、レーザ光などのコヒーレント光源を用いた場合に生じる固有の問題であり、LEDなどの非コヒーレント光源を用いた装置では、考慮する必要のない問題である。加えて、条件1および条件2では、条件4と比較して、スペックル発生の原因となり得る光学素子50が追加されている。これらの点から、条件1および条件2によれば、スペックル不良に十分に対処することができたと言える。
加えて、上述してきた実施の形態によれば、次の利点を享受することもできる。
上述してきた実施の形態によれば、ホログラム記録媒体55の各位置に入射するコヒーレント光が、互いに同一の位置に散乱板6の像5を生成することによって互いに同一の被照明領域LZを照明し、当該被照明領域LZに重ねて空間光変調器30が配置されている。このため、ホログラム記録媒体55で回折された光を、高効率で、映像形成のために利用することが可能となり、光源61aからの光の利用効率の面においても優れる。
また、上述してきた実施の形態によれば、スペックルを目立たなくさせるための光学素子50が、照射装置60から照射されるコヒーレント光のビーム形態を整形および調整するための光学部材としても機能し得る。したがって、光学系を小型且つ簡易化することができる。
さらに、上述してきた実施の形態によれば、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、デジタルマイクロミラーデバイス30の反射面32aの回動軸線RAmと平行な直線状の経路を繰り返し走査し、且つ、この構成に対応して、ホログラム記録媒体55は、デジタルマイクロミラーデバイス30の反射面32aの回動軸線RAmと平行な方向に延びる細長状となっている。また、本実施の形態によれば、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、変調画像形成面31をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査し、且つ、この構成に対応して、ホログラム記録媒体55は、変調画像形成面31をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状となっている。このため、投射装置20内での光路によって画成される光学系が平面状となっている投射装置において、投射装置20を大型化させてしまうことを効果的に抑制しながら、スペックルを目立たなくさせることが可能となる。
加えて、本実施の形態においては、空間光変調器30の正面に、言い換えると、変調画像形成面31への法線方向に沿って空間光変調器30に対向する位置に投射光学系25が配置されている。このため、照明装置40は、図1によく示されているように、空間光変調器30の変調画像形成面31を、当該変調画像形成面31への法線方向、つまり、正面方向に対して傾斜した方向から照明している。そして、このような構成との組み合わせにおいて、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路が、デジタルマイクロミラーデバイス30の反射面32aの回動軸線RAmと平行となっている場合、次に説明するように、ホログラム記録媒体55が、照射装置60からの光を空間光変調器30に向けて、高い回折効率で安定して回折することが可能となる。
まず、理解の便宜を図り、図4に示すように、空間光変調器30の変調画像形成面31上にXY座標系を定義する。このXY座標系においてY軸は、微小ミラー32の回動軸線RAmと平行な方向であり、X軸は、Y軸と直交する変調画像形成面31上の方向と平行になっている。この座標系を用いて表現するならば、上述した実施の形態におけるコヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路は、Y軸と平行となっている。
既に説明したように、投射装置20の小型化を図る観点からすれば、投射装置20内の光路によって画成される光学系が仮想平面上に形成され、且つ、当該仮想平面は、微小ミラー32の回動軸線RAmと直交する。この場合、光学素子50をなすホログラム記録媒体55は、空間光変調器30の正面に投射光学系25が配置されているため、空間光変調器30の正面からX軸方向へずれた位置に配置される。
ここで、ホログラム記録媒体55の各位置からの回折光によって照明される領域が少なくとも一部分において互いに重なり合っている必要があることから、つまり同一の被照明領域LZを照明する必要があることから、当該ホログラム記録媒体55内に記録される干渉縞の向きは、走査経路上の各位置で異なっている。そして、本実施の形態のように、ホログラム記録媒体55が空間光変調器30に対してX軸方向へずれた位置に配置され、且つ、当該ホログラム記録媒体55上でのコヒーレント光の走査経路がY軸方向に平行となっている場合、ホログラム記録媒体55の走査経路に沿った各位置に記録される干渉縞の向きの変化を最小に抑えることができる。このため、このホログラム記録媒体55の作製、より具体的には、干渉縞の記録を比較的に容易化することができ、あわせて、ホログラム記録媒体55が照射装置60からのコヒーレント光を高い効率で回折し、空間光変調器30を明るく照明することも可能となる。
一方、ホログラム記録媒体55上でのコヒーレント光の走査経路がY軸方向に対して傾斜していると、ホログラム記録媒体55の走査経路に沿った各位置に記録される干渉縞の向きの変化が大きくなる。とりわけ、ホログラム記録媒体55が空間光変調器30に対してX軸方向へずれた位置に配置され、且つ、当該ホログラム記録媒体55上でのコヒーレント光の走査経路がX軸方向に平行となっている場合、ホログラム記録媒体55に記録される干渉縞の向きは、直線状の走査経路の一端と他端との間で非常に大きく異なるようになる。さらに、直線状の走査経路のうち空間光変調器30から最も離れた位置では、回折方向が正面方向から非常に大きく傾斜した方向となってしまう。
そして、このように一つのホログラム記録媒体55に記録されるべき干渉縞の向きが大きく変化する場合、材料の収縮や再生波長シフトを考慮し入出射角度を調整すると必ずしも全ての干渉縞がブラッグ条件を満たさなくなってしまう。加えて、ここで用いられるホログラム記録媒体55には、光拡散機能を発揮し得る複雑パターンの干渉縞が記録されるため、このような傾向がより強く現れやすい。なお、予定した干渉縞が再生波長にて十分にブラッグ条件を満たさなくなった場合、当該ホログラム記録媒体は、もはや、高い回折効率を呈することができず、空間光変調器30を明るく照明することができない。また、装置全体としてのエネルギー効率も低下してしまい、この点においても好ましくない。
さらに、上述したホログラム感光材料58を実際に露光することによってホログラム記録媒体55を作製する際、投射装置20に搭載される光源61aで生成されるコヒーレント光の波長とは異なる波長を有した参照光Lrおよび物体光Loが用いられることも想定される。高い回折効率を実現するためには、高出力の光源を用いてホログラム感光材料58を露光する必要があるが、その一方で、露光に用いられ得る高出力の光源で生成され得る光の波長は限られているためである。投射装置20の光源61aで生成されるコヒーレント光の波長とは異なる波長の参照光Lrおよび物体光Loを用いてホログラム感光材料58を露光する場合、当該参照光Lrおよび物体光Loの波長によって記録され得るべき干渉縞のブラッグ条件が満たされるよう、当該参照光Lrおよび物体光Loは、投射装置20内での予定されたコヒーレント光の光路からずれた光路に沿って、ホログラム感光材料58に照射される。この際、記録されるべき干渉縞の向きが、予定された走査経路に沿ったホログラム記録媒体55の間で大きく変化する場合、実際上、高出力で発振され得る参照光Lrおよび物体光Loをなす光が、予定された走査経路に沿ったすべての位置でブラッグ条件を満たすことが不可能となることもある。すなわち、高出力で発振され得る露光光を用いて干渉縞を記録することができなくなる。結果として、走査経路に沿った各位置での向きが大きく変化する干渉縞を明瞭且つ精確に記録することができず、ホログラム記録媒体55の回折効率が低下してしまう。
以上のことから、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路が、デジタルマイクロミラーデバイス30の反射面32aの回動軸線RAmと平行となっている上述の実施の形態によれば、ホログラム記録媒体55の走査経路に沿った各位置に記録される干渉縞の向きの変化が抑制されるので、当該干渉縞を明瞭且つ精確に記録することが可能となる。このため、ホログラム記録媒体55が、照射装置60からの光を空間光変調器30に向けて、高い回折効率で安定して回折することが可能となる。結果として、ホログラム記録媒体55が照射装置60からの光を高い効率で回折することができ、空間光変調器30を明るく照明することもできる。
〔上述した一実施の形態への変形〕
図1〜6に例示された一実施の形態に対して、種々の変更を加えることが可能である。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
(照明装置)
上述した形態によれば、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。ただし、この作用効果は、主として照明装置40に起因したものである。したがって、この照明装置40を種々の態様で有用に使用することができる。例えば、照明装置40を単なる照明として用いることができ、この場合、明るさのムラ(輝度ムラ、ちらつき)を目立たなくさせることができる。
また、照明装置40の全体構成を変更してもよい。例えば、コヒーレント光の進行方向を変化させる偏向素子を設けてもよい。図7には、空間光変調器30と投射光学系25との間に偏向素子70を配置した例が示されている。図7に示された例は、偏光素子70を設けた点において、上述した実施の形態と異なっており、その他の点は同一に構成され得る。以下、図7に示された変形例について、上述した実施の形態との相違点を中心としてさらに説明する。
図7に示された変形例において、偏向素子70は、照射装置60の光源61aからのコヒーレント光の空間光変調器30までの光路における光学素子50と空間光変調器30との間に配置されている。偏向素子70は、第1プリズム71および第2プリズム72によって形成されている。一対のプリズム71,72は、略一定の間隔をあけて配置され、その間に空隙73を形成している。第1のプリズム71は、空間光変調器30に対面する第1面71a、第2のプリズム72に対面する第2面71b、および、光学素子50からの光を受ける第3面71cを有している。第2のプリズム72は、第1のプリズム71と対称的な形状を有し、第1のプリズム71と対称的に配置されている。したがって、第2のプリズム72は、投射光学系25に対面する第1面72a、第1のプリズム71の対面する第2面72b、および、第1プリズム71の第3面71cに対する反対側の面をなす第3面72cを有している。
この偏向素子70は、ホログラム記録媒体55の各位置での回折によって整形された拡散光束を、空間光変調器30に向ける。具体的には、第1プリズム71の第3面71cから入射した光が、第1プリズム71の第2面71bで反射し、その後、第1面71aを介して空間光変調器30に入射するようになる。なお、光学素子50の構成および配置は、第1プリズム71の第2面71bでの反射が、第1プリズム71と空隙73との間での屈折率差に起因した全反射となるように、決定される。したがって、光学素子50から偏向素子70へ入射した光は、光量損失を起こすこと無く、予定した通りにその進行方向を変化するようになる。
空間光変調器30へ入射した光は、その後、変調画像をなす光として、第1プリズム71の第2面71bで全反射することなく、偏向素子70を透過して投射光学系25へ向かう。なお、第1プリズム71の第2面71bおよび第2プリズム72の第2面72bが平行となっており、且つ、第1プリズム71の第1面71aおよび第2プリズム72の第1面72aが平行となっている場合、偏向素子70から投射光学系25へ入射する際の光の進行方向は、空間光変調器30から偏向素子70へ再入射する際の進行方向と平行に維持されるようになる。
なお、図7に示された変形例において、変調画像を形成しない不要光は、偏向素子70へ再入射した後に、第2プリズム72の第3面72cを介して偏向素子70から出射し、適切な素子等によって吸収されるようになる。
ところで、図7に示された例において、光学素子50からのコヒーレント光を反射する偏向素子70は、第1プリズム71の第2面71bへの法線方向と平行な面上に、光学素子50から空間光変調器30までの光路の光学系(中心光路)を画成する。上述したように、デジタルマイクロミラーディスプレイ30は、反射面32aの回動軸線RAmと直交する平面上に、デジタルマイクロミラーディスプレイ30で反射される前後の光路の光学系(中心光路)を画成し得る。そして、図7に示された例においては、第1プリズム71の第2面71bへの法線方向が、デジタルマイクロミラーディスプレイ30の反射面32aの回動軸線RAmと直交する平面上に位置するように、偏向素子70およびデジタルマイクロミラーディスプレイ30が位置決めされている。この結果、投射装置20内での光路によってなされる光学系(光路中心)を、一つの仮想平面上に形成することが可能となっている。
図7に示された変形例によれば、上述の実施の形態と同一の作用効果を奏することができる。すなわち、光学素子50のホログラム記録媒体55が、当該ホログラム記録媒体55上を走査するようにして当該ホログラム記録媒体55の各位置に入射するコヒーレント光を回折して、空間光変調器30を照明する。この際、空間光変調器30の各位置は、ホログラム記録媒体55上でのコヒーレント光の走査にともなって、連続的に異なる方向からコヒーレント光を照射されることになり、結果として、スクリーン15の各位置への映像光の入射角度も連続的に変化する。このため、コヒーレント光で映像を表示しながら、スペックルを目立たなくさせることができる。
また、図7に示された変形例において、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、空間光変調器30をなすデジタルマイクロミラーデバイスの反射面32aの回動軸線RAmと平行な直線状の経路を繰り返し走査し、且つ、この構成に対応して、ホログラム記録媒体55が、デジタルマイクロミラーデバイス30の反射面32aの回動軸線RAmと平行な方向に延びる細長状となっている場合、或いは、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、変調画像形成面31をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査し、且つ、この構成に対応して、ホログラム記録媒体55が、変調画像形成面31をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状となっている場合、投射装置20内での光路によって画成される光学系が平面状となっている投射装置20において、投射装置20を大型化させてしまうことを効果的に抑制しながら、スペックルを目立たなくさせることが可能となる。
さらに、図7に示された変形例において、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路が、空間光変調器30をなすデジタルマイクロミラーデバイスの反射面32aの回動軸線RAmと平行となっていれば、ホログラム記録媒体55が、照射装置60からの光を空間光変調器30に向けて、高い回折効率で安定して回折することが可能となる。結果として、ホログラム記録媒体55が照射装置60からの光を高い効率で回折することができ、空間光変調器30を明るく照明することもできる。
なお、図7に示された変形例においては、上述したように、投射装置20内での光路によってなされる光学系(光路中心)は、偏向素子70の第1プリズム71の第2面71bへの法線方向、言い換えると、偏向素子70の第1プリズム71の反射面71bへの法線方向と、空間光変調器30の変調画像形成面31への法線方向、言い換えると、空間光変調器30の入射面への法線方向と、によって画成される一つの仮想平面上に位置していることになる。そして、デジタルマイクロミラーデバイス30の反射面32aの回動軸線RAmは、偏向素子70の第1プリズム71の第2面71bへの法線方向と、空間光変調器30の入射面への法線方向と、によって画成される一つの仮想平面に直交している。
したがって、言い換えると、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、空間光変調器30の入射面(変調画像形成面)31への法線方向と、偏向素子70の第1プリズム71の反射面(第2面)71bへの法線方向と、の両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査し、且つ、この構成に対応して、ホログラム記録媒体55が、空間光変調器30の入射面(変調画像形成面)31への法線方向と、偏向素子70の第1プリズム71の反射面(第2面)71bへの法線方向と、の両方向に直交する方向に延びる細長状となっている場合、投射装置20内での光路によって画成される光学系が平面状となっている投射装置20において、投射装置20を大型化させてしまうことを効果的に抑制しながら、スペックルを目立たなくさせることが可能となる。さらに、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路が、空間光変調器30の入射面(変調画像形成面)31への法線方向と、偏向素子70の第1プリズム71の反射面(第2面)71bへの法線方向と、の両方向に直交する方向と平行となっていれば、ホログラム記録媒体55が、照射装置60からの光を空間光変調器35に向けて、高い回折効率で安定して回折することが可能となる。結果として、ホログラム記録媒体55が照射装置60からの光を高い効率で回折することができ、空間光変調器30を明るく照明することもできる。
そして、このような作用効果は、空間光変調器30が、デジタルマイクロミラーデバイス以外のデバイス、例えば液晶表示装置等からなる場合であっても、奏され得る。
(空間光変調器、投射光学系、スクリーン)
上述した形態によれば、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。ただし、この作用効果は、主として照明装置40に起因したものである。そして、この照明装置40を、種々の既知な空間光変調器、投射光学系、スクリーン等と組み合わせても、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。この点から、空間光変調器、投射光学系、スクリーンは、例示したものに限られず、種々の既知な部材、部品、装置等を用いることができる。例えば、上述したように、空間光変調器30が、透過型の液晶ディスプレイ等からなる透過型の空間光変調器として構成されていてもよい。
また、図8に示すように、空間光変調器35として、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)からなる反射型の空間光変調器を用いるようにしてもよい。図8に示された例は、空間光変調器35をLCOSに変更した点、および、偏光素子75を設けた点において、上述した実施の形態と異なっており、その他の点は同一に構成され得る。以下、図8に示された変形例について、上述した実施の形態との相違点を中心としてさらに説明する。
図8に示された変形例において、空間光変調器35は、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)からなる反射型の空間光変調器として構成されている。LCOS35は、反射型の液晶素子であり、入射してくる光のうちの一方向に振動する一方の直線偏光成分の光を用いて変調画像を形成する。より具体的には、LCOS35は、入射してきた一方の直線偏光成分の光を、画素毎に、前記一方向とは直交する他方向に振動する他方の直線偏光成分の光、言い換えると、前記一方の直線偏光成分の光とは位相が180°ずれた他方の直線偏光成分の光に変換する。LCOS35において一方の直線偏光成分から他方の直線偏光成分に変換された光は、投射光学系25に向けて反射されるようになる。一方、LCOS35に入射する他方の直線偏光成分の光、並びに、一方の直線偏光成分としてLCOS35に入射したものの他方の偏光成分に変換されなかった光は、LCOS35で吸収され、変調画像の形成に使用されない。
図8に示された変形例では、このようなLCOSからなる空間光変調器35との組み合わせにおいて、偏光ビームスプリッターからなる偏向素子75が用いられている。偏光ビームスプリッター75とは、一方の直線偏光成分を反射させ、他方の直線偏光成分を透過させる、光学素子である。具体的な構成として、図8に示された例では、偏光ビームスプリッター75は、偏光分離機能を発現する誘電体多層膜を間に挟んで二つの直角プリズムを互いの斜面が向かい合うようにして接着してなる直方体形状または立方体形状の素子として構成されている。この偏光ビームスプリッター75において、直角プリズム間に配置された誘電体多層膜が、一方向に振動する直線偏光成分を反射させる分離面(反射面)76として、機能する。
図8に示された変形例においては、偏光ビームスプリッターからなる偏向素子75が、空間光変調器35と投射光学系25との間に配置されている。図8に示された変形例では、光学素子50からのコヒーレント光を反射する偏光ビームスプリッター75は、その分離面76への法線方向と平行な面上に、光学素子50から空間光変調器35までの光路の光学系(中心光路)を画成する。一方、LCOS35は、その入射面が変調画像を形成する光を正反射(鏡面反射)する反射面として機能するため、当該入射面への法線方向と平行な面上に、LCOS35で反射される前後の光路の光学系(中心光路)を画成する。そして、図8に示された例においては、LCOS35の入射面36への法線方向ndaと、偏光ビームスプリッター75の分離面76への法線方向ndbと、が同一の仮想平面上に位置するように、偏光ビームスプリッター75およびLCOS35が位置決めされている。この結果、投射装置20内での光路によってなされる光学系(光路中心)を、一つの仮想平面上に形成することが可能となっている。
図8に示された変形例によれば、上述の実施の形態と同一の作用効果を奏することができる。すなわち、光学素子50のホログラム記録媒体55が、当該ホログラム記録媒体55上を走査するようにして当該ホログラム記録媒体55の各位置に入射するコヒーレント光を回折して、空間光変調器35を照明する。この際、空間光変調器35の各位置は、ホログラム記録媒体55上でのコヒーレント光の走査にともなって、連続的に異なる方向からコヒーレント光を照射されることになり、結果として、スクリーン15の各位置への映像光の入射角度も連続的に変化する。このため、コヒーレント光で映像を表示しながら、スペックルを目立たなくさせることができる。
また、図8に示された変形例において、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、空間光変調器35をなすLCOSの入射面(変調画像形成面)36への法線方向ndaと、偏向素子75をなす偏光ビームスプリッターの分離面(反射面)76への法線方向ndbと、の両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査し、且つ、この構成に対応して、ホログラム記録媒体55が、LCOS35の入射面36への法線方向ndaと偏光ビームスプリッター75の分離面(反射面)76への法線方向ndbとの両方向に直交する方向に延びる細長状となっている場合、或いは、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、入射面36をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査し、且つ、この構成に対応して、ホログラム記録媒体55が、入射面36をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状となっている場合、投射装置20内での光路によって画成される光学系が平面状となっている投射装置20において、投射装置20を大型化させてしまうことを効果的に抑制しながら、スペックルを目立たなくさせることが可能となる。
さらに、図8に示された変形例において、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での走査経路が、空間光変調器35をなすLCOSの入射面36への法線方向ndaと、偏向素子75をなす偏光ビームスプリッターの分離面(反射面)76への法線方向ndbと、の両方向に直交する方向と平行となっていれば、ホログラム記録媒体55が、照射装置60からの光を空間光変調器35に向けて、高い回折効率で安定して回折することが可能となる。結果として、ホログラム記録媒体55が照射装置60からの光を高い効率で回折することができ、空間光変調器35を明るく照明することもできる。
(照射装置)
上述した実施の形態では、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を直線状経路に沿って走査する例を示したが、これに限られない。例えば、上述した実施の形態や、図7に示された変形例において、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、変調画像形成面31をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査するようにしてもよい。このような変形例によっても、投射装置20を大型化させてしまうことを効果的に抑制しながら、スペックルを目立たなくさせることが可能となる。あるいは、上述した実施の形態や、図7に示された変形例において、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、デジタルマイクロミラーデバイス30の反射面32aの回動軸線RAmと平行な方向に延びる細長状の領域内を走査するようにしてもよい。このような変形例によっても、投射装置20を大型化させてしまうことを効果的に抑制しながら、スペックルを目立たなくさせることが可能となり、且つ、ホログラム記録媒体55が、照射装置60からの光を空間光変調器30に向けて、高い回折効率で安定して回折することが可能となる。さらに、図8に示された変形例において、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上において、空間光変調器35をなすLCOSの入射面36への法線方向ndaと偏向素子75をなす偏光ビームスプリッターの分離面76への法線方向ndbとの両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査するようにしてもよい。このような変形例によっても、投射装置20を大型化させてしまうことを効果的に抑制しながら、スペックルを目立たなくさせることが可能となり、且つ、ホログラム記録媒体55が、照射装置60からの光を空間光変調器30に向けて、高い回折効率で安定して回折することが可能となる。
なお、ホログラム記録媒体55上の領域内を走査可能とするためには、上述した実施の形態における一つの軸線方向を中心としてのみ回動可能なミラーデバイス66に代えて、互いに交差する二以上の軸線RA1を中心として回動可能なミラーデバイスを用いればよい。また、走査デバイス65が、二以上のミラーデバイス66を含んでいてもよい。この場合、ミラーデバイス66のミラー66aが、単一の軸線を中心としてのみ回動可能であっても、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPを、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動させることができる。
なお、走査デバイス65に含まれるミラーデバイス66aの具体例としては、MEMSミラー、ポリゴンミラー等を挙げることができる。
また、走査デバイス65は、反射によってコヒーレント光の進行方向を変化させる反射デバイス、一例として、上述してきたミラーデバイス66以外のデバイスを含んで構成されていてもよい。例えば、走査デバイス65が、屈折プリズムやレンズ等を含んでいていてもよい。
そもそも、走査デバイス65は必須ではなく、照射装置60の光源61aが、光学素子50に対して変位可能、例えば、移動、揺動、回転に構成され、光源61aの光学素子に対する変位によって、光源61aから照射されたコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようにしてもよい。
さらに、照射装置60の光源61aが、線状光線として整形されたレーザ光を発振する前提で説明してきたが、これに限られない。とりわけ、上述した形態では、光学素子50の各位置に照射されたコヒーレント光は、光学素子50によって、被照明領域LZの全域に入射するようになる光束に整形される。したがって、照射装置60の光源61aから光学素子50に照射されるコヒーレント光は精確に整形されていなくとも不都合は生じない。このため、光源61aから発生されるコヒーレント光は、発散光であってもよい。また、光源61aから発生されるコヒーレント光の断面形状は、円でなく、楕円等であってもよい。さらには、光源61aから発生されるコヒーレント光の横モードがマルチモードであってもよい。
なお、光源61aが発散光束を発生させる場合、コヒーレント光は、光学素子50のホログラム記録媒体55に入射する際に、点ではなくある程度の面積を持った領域に入射することになる。この場合、ホログラム記録媒体55で回折されて被照明領域LZの各位置に入射する光は、角度を多重化されることになる。言い換えると、各瞬間において、被照明領域LZの各位置には、或る程度の角度範囲の方向からコヒーレント光が入射する。このような角度の多重化によって、スペックルをさらに効果的に目立たなくさせることができる。
さらに、上述した形態において、照射装置60が、発散光束に含まれる一光線の光路をたどるようにして、コヒーレント光を光学素子50へ入射させる例を示したが、これに限られない。例えば、図9に示すように、走査デバイス65が、コヒーレント光の光路に沿ってミラーデバイス66の下流側に配置された集光レンズ67を、さらに含むようにしてもよい。この場合、図9に示すように、発散光束を構成する光線の光路を進むミラーデバイス66からの光が、集光レンズ67によって、一定の方向に進む光となる。すなわち、照射装置60は、平行光束を構成する光線の光路をたどるようにして、コヒーレント光を光学素子50へ入射させるようになる。このような例では、ホログラム記録媒体55を作製する際の露光工程において、参照光Lrとして、上述した収束光束に代えて、平行光束を用いることになる。このようなホログラム記録媒体55は、より簡単に作製および複製することができる。
上述した形態では、照射装置60が単一のレーザ光源61aのみを有する例を示したが、これに限られない。例えば、照射装置60が、同一波長域の光を発振する複数の光源を含んでいても良い。この場合、照明装置40は、被照明領域LZをより明るく照明することが可能となる。また、異なる固体のレーザ光源からのコヒーレント光は、互いに干渉性を有しない。したがって、散乱パターンの多重化がさらに進み、スペックルをさらに目立たなくさせることができる。
また、照射装置60が、異なる波長域のコヒーレント光を発生させる複数の光源を含んでいてもよいし、あるいは、異なる波長域の複数のコヒーレント光を発生させる単一の光源を含んでいてもよい。この例によれば、単一レーザ光では表示することが困難な色を加法混色によって生成し、当該色で被照明領域LZを照明することができる。また、この場合、投射装置20または透過型映像表示装置10において、空間光変調器30が、例えばカラーフィルタを含んでおり、各波長域のコヒーレント光毎に変調画像の形成が可能である場合には、複数色で映像を表示することが可能となる。あるいは、空間光変調器30がカラーフィルタを含んでいなくとも、照射装置60が各波長域のコヒーレント光を時分割的に照射し、且つ、空間光変調器30が、照射されている波長域のコヒーレント光に対応した変調画像を形成するように時分割的に作動する場合にも、複数色で映像を表示することが可能となる。とりわけ、投射装置20または透過型映像表示装置10において、照射装置60が、赤色光に対応する波長域のコヒーレント光と、緑色光に対応する波長域のコヒーレント光と、青色光に対応する波長域のコヒーレント光と、を含んだ白色光を照射することができる場合には、フルカラーで映像を表示することが可能となる。
なお、光学素子50に含まれるホログラム記録媒体55は、波長選択性を有している。
したがって、照射装置60が異なる波長域のコヒーレント光を照射する場合には、ホログラム記録媒体55が、各光源で発生されるコヒーレント光の波長域にそれぞれ対応したホログラム要素を、積層した状態で、含むようにしてもよい。各波長域のコヒーレント光用のホログラム要素は、例えば、図5および図6を参照しながら既に説明した方法において、露光用の光(参照光Lrおよび物体光Lo)として、対応する波長域のコヒーレント光を用いることにより、作製され得る。また、各波長域のホログラム要素を積層してホログラム記録媒体55を作製することに代え、各波長域のコヒーレント光からなる物体光Loおよび参照光Lrを、それぞれ同時にホログラム感光材料58に露光して、単一のホログラム記録媒体55によって、複数の波長域の光をそれぞれ回折するようにしてもよい。
(光学素子)
上述した形態において、光学素子50が、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラム55からなる例を示したが、これに限られない。既に説明したように、光学素子50は複数のホログラム記録媒体55を含んでいてもよい。また、光学素子50は、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプの体積型ホログラムを含んでもよい。さらに、光学素子50は、透過型の体積型ホログラム記録媒体を含んでいてもよいし、レリーフ型(エンボス型)のホログラム記録媒体を含んでいてもよい。
ただし、レリーフ(エンボス)型ホログラムは、表面の凹凸構造によってホログラム干渉縞の記録が行われる。しかしながら、このレリーフ型ホログラムの場合、表面の凹凸構造による散乱が、光量のロスあるいは意図しない新たなスペックル生成要因となる可能性があり、この点において体積型ホログラムの方が好ましい。体積型ホログラムでは、媒体内部の屈折率変調パターン(屈折率分布)としてホログラム干渉縞の記録が行われるため、表面の凹凸構造による散乱による影響を受けることはない。
もっとも、体積型ホログラムでも、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプのものは、銀塩粒子による散乱が光量のロスあるいは意図しない新たなスペックル生成要因となる可能性がある。この点において、ホログラム記録媒体55としては、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムの方が好ましい。
また、図3に示す露光工程では、いわゆるフレネルタイプのホログラム記録媒体が作成されることになるが、レンズを用いた記録を行うことにより得られるフーリエ変換タイプのホログラム記録媒体を作成してもかまわない。ただ、フーリエ変換タイプのホログラム記録媒体を用いる場合には、像再生時にもレンズを使用してもよい。
また、ホログラム記録媒体55に形成されるべき縞状パターン、例えば屈折率変調パターンや凹凸パターンは、現実の物体光Loおよび参照光Lrを用いることなく、予定した再生照明光Laの波長や入射方向、並びに、再生されるべき像の形状や位置等に基づき計算機を用いて設計されてもよい。このようにして得られたホログラム記録媒体55は、計算機合成ホログラムとも呼ばれる。また上述した変形例のように波長域の互いに異なる複数のコヒーレント光が照射装置60から照射される場合には、計算機合成ホログラムとしてのホログラム記録媒体55は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数の領域に平面的に区分けされ、各波長域のコヒーレント光は対応する領域で回折されて像を再生するようにしてもよい。
さらに、上述した形態において、光学素子50が、各位置に照射されたコヒーレント光を拡げて、当該拡げたコヒーレント光を用いて被照明領域LZの全域を照明する光拡散素子乃至光拡散要素として、ホログラム記録媒体55を、有している例を示したが、これに限られない。光学素子50は、ホログラム記録媒体55に代えて或いはホログラム記録媒体55に加えて、各位置に照射されたコヒーレント光の進行方向を変化させるとともに拡散させて、被照明領域LZの全域をコヒーレント光で照明する光拡散素子としてのレンズアレイを有するようにしてもよい。光拡散素子として機能するレンズアレイの具体例として、拡散機能を付与された全反射型または屈折型のフレネルレンズやフライアイレンズ等を挙げることができる。なお、本発明における光拡散素子における「拡散」とは、入射光を所定の方向に角度的に拡げて出射することを指し、ホログラム記録媒体等の回折光学素子やレンズアレイ等による拡散角が十分に制御された場合のみならず、オパールガラス等の散乱粒子により出射角を拡げる場合も含まれるものとする。このような照明装置40においても、照射装置60が、レンズアレイからなる光拡散素子上をコヒーレント光が走査するようにして、光学素子50にコヒーレント光を照射するようにし、且つ、照射装置60から光学素子50の各位置に入射したコヒーレント光が、光拡散素子をなすレンズアレイによって進行方向を変化させられて被照明領域LZを照明するよう、照射装置60および光学素子50を構成しておくことにより、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
(照明方法)
上述した形態において、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55やレンズアレイ等から構成される光拡散素子が各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するように、つまり拡げるように又は発散させるように構成され、これにより、照明装置40が二次元的な被照明領域LZを照明する例を示した。ただし、既に説明してきたように、このような例に限定されることはなく、例えば、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55やレンズアレイ等から構成される光拡散素子が各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するように、つまり拡げるように又は発散させるように構成され、これにより、照明装置40が二次元的な被照明領域LZを照明してもよい。
また、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55やレンズアレイ等から構成される光拡散素子が各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するように、つまり拡げるように又は発散させるように構成され、これにより、照明装置40が一次元的な被照明領域LZを照明するようにしてもよい。この態様において、照射装置60によるコヒーレント光の走査方向と、光学素子のホログラム記録媒体55やレンズアレイ等から構成される光拡散素子による拡散方向、すなわち光拡散素子によって拡げられる方向と、が平行となるようにしてもよい。
さらに、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向または二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55やレンズアレイ等から構成される光拡散素子が各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するように、つまり拡げるように又は発散させるように構成されていてもよい。
この態様において、既に説明したように、光学素子50がホログラム記録媒体55またはレンズアレイ等から構成される複数の光拡散素子を有し、各光拡散素子に対応した被照明領域LZを順に照明していくことによって、照明装置40が二次元的な領域を照明するようにしてもよい。この際、各被照明領域LZが、人間の目では同時に照明されているかのような速度で、順に照明されていってもよいし、あるいは、人間の目でも順番に照明していると認識できるような遅い速度で、順に照明されていってもよい。
(変形例の組み合わせ)
なお、以上において上述した基本形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
5 像
6 散乱板
10 投射型映像表示装置
15 スクリーン
20 投射装置
25 投射光学系
30 空間光変調器、デジタルマイクロミラーデバイス
31 変調画像形成面、入射面
32 微小ミラー
32a 反射面
35 空間光変調器、LCOS
36 入射面、変調画像形成面
40 照明装置
50 光学素子
55 ホログラム記録媒体
58 ホログラム感光材料
60 照射装置
61 光源機構
61a 光源、レーザ光源
65 走査デバイス
66 ミラーデバイス(反射デバイス)
66a ミラー(反射面)
67 集光レンズ
70 偏向素子
71 第1プリズム
71a 第1面
71b 第2面
71c 第3面
72 第2プリズム
72a 第1面
72b 第2面
72c 第3面
73 空隙
75 偏向素子、偏光ビームスプリッター
76 分離面、反射面
LZ 被照明領域
RAm 回動軸線

Claims (31)

  1. 矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  2. 前記ホログラム記録媒体は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状である、請求項1に記載の投射装置。
  3. 矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記ホログラム記録媒体は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状である、投射装置。
  4. 前記矩形状の前記一辺は、前記矩形状の短辺である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投射装置。
  5. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記空間光変調器は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  6. 前記ホログラム記録媒体は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状である、請求項5に記載の投射装置。
  7. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記空間光変調器は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記ホログラム記録媒体は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状である、投射装置。
  8. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  9. 前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、請求項8に記載の投射装置。
  10. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、投射装置。
  11. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記ホログラム記録媒体上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  12. 前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、請求項11に記載の投射装置。
  13. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    ホログラム記録媒体を含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査し、且つ、前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記ホログラム記録媒体は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、投射装置。
  14. 前記照射装置は、前記偏光ビームスプリッターの前記分離面で反射されるようになる偏光成分のコヒーレント光が前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の投射装置。
  15. 矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  16. 前記光拡散素子は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状である、請求項15に記載の投射装置。
  17. 矩形状の変調画像形成面を有する空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記光拡散素子は、前記変調画像形成面をなす矩形状の一辺と平行な方向に延びる細長状である、投射装置。
  18. 前記矩形状の前記一辺は、前記矩形状の短辺である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の投射装置。
  19. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記空間光変調器は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
    前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  20. 前記光拡散素子は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状である、請求項16に記載の投射装置。
  21. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、を有し、
    前記光拡散素子は、互いに平行な回動軸線を中心として回動可能な複数の反射面を含むデジタルマイクロミラーデバイスであり、
    前記光拡散素子の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記光拡散素子は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記反射面の前記回動軸線と平行な方向に延びる細長状である、投射装置。
  22. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  23. 前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏向素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、請求項22に記載の投射装置。
  24. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、前記照射装置からのコヒーレント光を反射して前記空間光変調器へ向ける反射面を含む偏向素子と、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光素子の前記反射面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、投射装置。
  25. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記コヒーレント光が、前記光拡散素子上において、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向と平行な直線状の経路を繰り返し走査する、あるいは、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状の領域内を走査する、投射装置。
  26. 前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、請求項25に記載の投射装置。
  27. 空間光変調器と、
    前記空間光変調器を照明する照明装置と、を備え、
    前記照明装置は、
    入射光の進行方向を変化させる光拡散素子を、含む光学素子と、
    コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査し、且つ、前記光拡散素子の各位置に入射した前記コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する照射装置と、
    前記照射装置からのコヒーレント光の前記空間光変調器までの光路における前記光学素子と前記空間光変調器との間に配置され、特定の偏光成分の光を反射し他の偏光成分の光を透過する分離面を有した偏光ビームスプリッターと、を有し、
    前記ホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光によって照明される前記空間光変調器上の領域は、少なくとも一部分において重なり合い、
    前記光拡散素子は、前記空間光変調器の入射面への法線方向と前記偏光ビームスプリッターの前記分離面への法線方向との両方向に直交する方向に延びる細長状である、投射装置。
  28. 前記照射装置は、前記偏光ビームスプリッターの前記分離面で反射されるようになる偏光成分のコヒーレント光が前記空間光変調器を照明するように、前記コヒーレント光を前記光学素子へ照射する、請求項25〜27のいずれか一項に記載の投射装置。
  29. 前記光拡散素子はレンズアレイである、請求項12〜28のいずれか一項に記載の投射装置。
  30. 前記空間光変調器によって生成された変調画像をなす光を投射する投射光学系を、さらに備える、請求項1〜29のいずれか一項に記載の投射装置。
  31. 請求項1〜30のいずれか一項に記載の投射装置と、
    前記空間光変調器によって生成された変調画像を投影されるスクリーンと、を備える、投射型映像表示装置。
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