JP2016019634A - 距離情報取得装置 - Google Patents

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裕之 古川
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Abstract

【課題】測定対象物のより大きな部分について、より高速に、かつ、より高精度に測定を行えるようにする。【解決手段】距離情報取得装置が、対象物に照射される光を出力する光出力部と、前記対象物で反射された光を受光する受光部と、前記光出力部が出力した光を、前記対象物に照射される照射光と、前記照射光とは異なる経路で前記受光部に到達する参照光とに分岐させる分岐部と、レンズを具備し、前記照射光を前記対象物にて集光させる集光部と、焦点可変レンズを具備し、前記照射光の前記対象物における集光位置を変化させる集光位置調節部と、前記受光部が受光した光における前記照射光と前記参照光との干渉に基づいて、前記照射光の集光位置に応じて前記対象物の複数箇所について、基準位置との距離を示す情報を取得する距離情報取得部と、を具備する。【選択図】図4

Description

本発明は、距離情報取得装置に関する。
光干渉式眼軸長測定装置(以下、単に眼軸長測定装置と称する)に関連して幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の干渉測定装置は、試料の干渉測定装置であって、試料に入射する測定ビームが通過する測定ビーム経路と、測定ビーム上に重ね合わされ、該測定ビームと干渉させられる参照ビームが通過する第1の参照ビーム経路とを含む短コヒーレンス干渉計装置を具備し、該干渉計装置が、光経路長が該第1の参照ビーム経路の光経路長とは異なる少なくとも1つの第2の参照ビーム経路であって、該経路長差が、該試料の深さ方向に離間した2つの試料領域の距離に従って選択される、少なくとも1つの第2の参照ビーム経路と、該検出され、かつ重ね合わされたビームから、該参照ビーム経路の該経路長差を考慮して、フーリエ・スペクトル分析によって該試料領域間の該距離を決定する制御デバイスとを具備する。
特許文献1では、これにより、眼のより大きな部分長を高速に測定することができる、とされている。
特許第5149196号公報
眼軸長測定装置において、眼球のより大きな部分について、より高速に測定を行えることに加えて、より高精度に測定を行えることが望ましい。
本発明は、例えば眼球など測定対象物のより大きな部分について、より高速に、かつ、より高精度に測定を行うことができる距離情報取得装置を提供する。
本発明の第1の態様によれば、距離情報取得装置は、対象物に照射される光を出力する光出力部と、前記対象物で反射された光を受光する受光部と、前記光出力部が出力した光を、前記対象物に照射される照射光と、前記照射光とは異なる経路で前記受光部に到達する参照光とに分岐させる分岐部と、レンズを具備し、前記照射光を前記対象物にて集光させる集光部と、焦点可変レンズを具備し、前記照射光の前記対象物における集光位置を変化させる集光位置調節部と、前記受光部が受光した光における前記照射光と前記参照光との干渉に基づいて、前記照射光の集光位置に応じて前記対象物の複数箇所について、基準位置との距離を示す情報を取得する距離情報取得部と、を具備する。
前記対象物は眼球であり、前記距離情報取得装置は、前記距離を示す情報に基づいて眼軸長を算出する眼軸長算出部を具備するようにしてもよい。
前記対象物は眼球であり、前記距離情報取得装置は、可動に設置された反射材を具備して前記分岐部から前記受光部までの前記照射光の経路の少なくとも一部を切り替える経路切替部を具備し、前記照射光の経路のうち、前記経路切替部によって切り替えられる部分の切替前後での経路の光学的な長さの差を、想定される眼軸長に応じた差に設定可能であるようにしてもよい。
本発明によれば、測定対象物のより大きな部分について、より高速に、かつ、より高精度に測定を行うことができる。
本発明の一実施形態における距離情報取得装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における光学ユニットの装置構成の例を示す概略構成図である。 同実施形態における光源装置が出力する光の周波数の例を示すグラフである。 同実施形態の照射光路側プローブ部における照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 同実施形態の照射光路側プローブ部における照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 同実施形態の参照光路側プローブ部における参照光の経路の例を示す説明図である。 同実施形態における照射光の光路長と参照光の光路長との関係を示す説明図である。 同実施形態における制御・処理ユニットの機能構成の例を示す概略ブロック図である。 同実施形態における距離情報取得部が行う処理手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態においてデータに示される角膜前面と網膜との位置関係を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第1の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第1の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第2の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第2の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 同実施形態において焦点可変レンズの前に凸レンズを設けた構成の例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態における距離情報取得装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、距離情報取得装置1は、光学ユニット100と制御・処理ユニット200とを具備する。
距離情報取得装置1は、測定対象物に光を照射し、測定対象物からの反射光に基づいて、測定対象物における部分の位置(基準となる位置からの光学的距離)を測定する。以下では、測定対象物が眼球である場合を例に説明するが、距離情報取得装置1における測定対象物は眼球に限らない。
光学ユニット100は、眼球に光を照射し、眼球からの反射光と後述する参照光とを合波して得られる干渉光を電気信号に変換する。
制御・処理ユニット200は、後述するようにモードに応じて光学ユニット100を制御する。そして、制御・処理ユニット200は、光学ユニット100が取得した電気信号に基づいて、例えば角膜前面や網膜前面など、眼球における層の位置を測定する。特に、制御・処理ユニット200は、眼球における層の、光の進行方向における位置を測定する。以下では、眼球に照射する光の進行方向を、奥行き方向と称する。
制御・処理ユニット200は、さらに、眼球における層の位置情報に基づいて、眼軸長の算出を行う。
図2は、光学ユニット100の装置構成の例を示す概略構成図である。同図において、光学ユニット100は、光源装置110と干渉計120と光検出器190とを具備する。干渉計120は、光カプラ121、132、141および151と、偏光調整器131と、照射光路側プローブ部300と、参照光路側プローブ部400とを具備する。光カプラ121と偏光調整器131と、偏光調整器131と光カプラ132と、光カプラ132と照射光路側プローブ部300と、および、光カプラ132と光カプラ151とが、それぞれ光ファイバで接続されて照射光路W1を構成している。また、光カプラ121と光カプラ141と、光カプラ141と参照光路側プローブ部400と、および、光カプラ141と光カプラ151とが、それぞれ光ファイバで接続されて参照光路W2を構成している。
光源装置110は、光出力部の例に該当し、眼球に照射される光を出力する。なお、以下では、光源装置110が、波長可変にレーザ光を出力するレーザ光源であり、距離情報取得装置1がSS−OCT(Swept Source OCT)の方式で眼球の各部の位置を測定する場合を例に説明するが、距離情報取得装置1に適用可能なOCTの方式はSS−OCTに限らない。例えば、光源装置110が、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode;SLD)を含んで構成され、距離情報取得装置1が、SD−OCT(Spectral-domain OCT)の方式で眼球の各部の位置を測定するようにしてもよい。
図3は、光源装置110が出力する光の周波数の例を示すグラフである。同図の横軸は時刻を示し、縦軸は、周波数を示す。光源装置110は、SS−OCTの方式により、図3に示されるように周波数の変化するレーザ光を出力する。例えば、光源装置110は、図3の時刻T1からT2までの区間に示されるように、レーザ光の周波数を増加させる。光源装置110が光の周波数を変化させることで、眼球の奥行き方向についていろいろな位置の情報を得られる。
また、図3に示されるように、光源装置110は、周波数の変化するレーザ光を繰り返し出力する。この繰り返しの出力は、誤差低減のための、眼球の同一箇所に対する複数回の測定に用いられる。
干渉計120は、光源装置110からの光を照射光と参照光とに分割し、それぞれ照射光路W1、参照光路W2を経由させた後、合波して干渉を生じさせる。
具体的には、光源装置110から出力された光は、光ファイバを介して光カプラ121へ入力される。光カプラ121は、光源装置110からの光を、照射光と参照光とに分割する。そして、光カプラ121は、照射光を照射光路W1へ出力し、参照光を参照光路W2へ出力する。光カプラ121は、分岐部の例に該当する。
照射光路W1へ出力された照射光は、光ファイバを介して偏光調整器131へ入力される。偏光調整器131は、照射光と参照光とを合波した際に干渉光の振幅が大きくなるように、照射光の偏光状態を調整する。
偏光調整器131が偏光状態を調整した照射光は、光ファイバを介して光カプラ132へ出力される。光カプラ132は、偏光調整器131からの照射光を、光ファイバを介して照射光路側プローブ部300へ出力する。照射光路側プローブ部300は、光カプラ132からの照射光を眼球に照射し、眼球にて反射や後方散乱した照射光を、光ファイバを介して光カプラ132へ出力する。
照射光路側プローブ部300からの照射光を受けた光カプラ132は、当該照射光を、光ファイバを介して光カプラ151へ出力する。
一方、参照光路W2へ出力された参照光は、光ファイバを介して光カプラ141へ入力される。光カプラ141は、光カプラ121からの参照光を、光ファイバを介して参照光路側プローブ部400へ出力する。参照光路側プローブ部400は、光カプラ141からの参照光をミラー(鏡)で反射させて、光ファイバを介して光カプラ141へ出力する。ミラーは、反射材の例に該当する。
参照光路側プローブ部400からの参照光を受けた光カプラ141は、当該参照光を、光ファイバを介して光カプラ151へ出力する。
光カプラ151は、光カプラ132からの照射光と、光カプラ141からの参照光とを合波する。この合波によって干渉が生じる。光カプラ151は、合波された光を、光ファイバを介して光検出器190へ出力する。
光検出器190は、光カプラ151からの合波された光を受光して電気信号に変換する。光検出器190は、得られた電気信号を制御・処理ユニット200へ出力する。光検出器190は、受光部の例に該当する。
図4は、照射光路側プローブ部300における照射光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼部の情報を取得するモードにおける、照射光の経路の例を示している。なお、光の経路を光路とも称する。
距離情報取得装置1のモードには、前眼部の情報を取得するモードと、後眼部の情報を取得するモードとがある。以下では、前眼部の情報を取得するモードを前眼部モードと称し、後眼部の情報を取得するモードを後眼部モードと称する。
距離情報取得装置1は、眼軸長を測定する際、モードを切り替えて角膜前面から網膜までの情報を取得し、角膜前面から網膜までの距離を眼軸長として算出する。
図4の例において、光ファイバを通って照射光路側プローブ部300に入った照射光は、コリメータレンズ301で平行光になって空気中に射出される。射出された照射光は、可動ミラー302、分散補償プリズム303、固定ミラー305、固定ミラー306、可動ミラー308、固定ミラー309、レンズ310、焦点可変レンズ311およびレンズ312を経由して眼球Eに照射される。
ここで、レンズ310、焦点可変レンズ311、レンズ312の組み合わせは、集光部の例に該当し、照射光を眼球Eにて集光させる(すなわち、焦点を結ばせる)。
照射光が眼球Eにおいて焦点を結ぶことで、距離情報取得装置1では、より高精度に情報を得られる。例えば、距離情報取得装置1が、眼球Eの角膜前面にて照射光の焦点を結ばせることで、角膜前面について走査対象となっている1点の位置を、焦点の1点で反射した照射光に基づいて検出することができる。
これに対して、例えば、眼球に平行光の照射光を照射して角膜前面の位置を検出する方式では、照射光は角膜前面に対して、焦点1点ではなく面に照射される。このため、当該方式では、角膜前面について走査対象となっている1点の位置を、面で反射した照射光に基づいて検出することになる。
距離情報取得装置1の方式と、眼球に平行光の照射光を照射して角膜前面の位置を検出する方式とを比較すると、距離情報取得装置1の方式のほうが、1点の位置情報を得るために、より高精度に照射光を照射することができ、従って、より高精度に情報を得ることができる。
また、焦点可変レンズ311は、焦点距離を変更可能なレンズである。焦点可変レンズ311は、集光位置調節部の例に該当し、照射光が眼球において焦点を結ぶ位置を変化させる。具体的には、焦点可変レンズ311の焦点を動かすことで、眼球Eの前眼部、後眼部のいずれでも、照射光に焦点を結ばせることができる。
図4の例では、照射光が、眼球Eの前眼部にて集光している。同図の例では、レンズ310は凹レンズとして機能し、レンズ310は、平行光にて入射された照射光を拡散させている。一方、焦点可変レンズ311は凸レンズとして機能し、レンズ310からの照射光を平行光に戻している。また、レンズ312は、凸レンズとして機能し、焦点可変レンズ311が平行光に戻した照射光を集光させている。レンズ312として、焦点距離がレンズ312から眼球Eの前眼部までの距離となっているレンズが用いられており、平行光にてレンズ312に入射された照射光が前眼部にて集光している。
眼球Eに照射された照射光は、眼球Eにて反射し、散乱し、また、吸収される。眼球Eにて反射した照射光や後方散乱した照射光は、進んできた光路を逆進し、コリメータレンズ301を経て光カプラ132(図2)へ戻り、光カプラ151で参照光と合波される。合波にて得られた干渉光が光検出器190へ出力される。
図5は、照射光路側プローブ部300における照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼部モードにおける、照射光の経路の例を示す。
図5の例では、可動ミラー302、308の向きが、いずれも図4の場合と異なっており、照射光は、分散補償プリズム303、固定ミラー305および306を経由する代わりに、固定ミラー307を経由している。
また、図5の例では、焦点可変レンズ311の焦点が、図4の場合と異なっている。これにより、図5の例では、照射光が、眼球Eの後眼部にて集光している。具体的には、焦点可変レンズ311を経由した照射光が、レンズ312よりも当該レンズ312の焦点距離だけ手前の位置で焦点を結ぶように、焦点可変レンズ311の焦点距離が調節されている。これにより、レンズ312に入射された照射光は、レンズ312にて平行光となって眼球Eに照射されている。平行光にて眼球Eに入射された照射光は、眼球Eにて屈折して網膜の位置で焦点を結んでいる。
図6は、参照光路側プローブ部400における参照光の経路の例を示す説明図である。同図の例において、光ファイバを通って参照光路側プローブ部400に入った参照光は、偏光調整器401を経由し、コリメータレンズ402で平行光になって空気中に射出される。射出された参照光は、分散補償プリズム403を経由してレンズ404に至る。レンズ404で集光された参照光は、固定ミラー405の位置で焦点を結び、固定ミラー405にて反射される。固定ミラー405で反射した参照光は、進んできた光路を逆進し、コリメータレンズ402を経て光カプラ141(図2)へ戻り、光カプラ151で照射光と合波される。
なお、分散補償プリズム403は、照射光が眼球Eを通る際に生じる光の屈折率による分散を補正するために設置されている。
図7は、照射光の光路長と参照光の光路長との関係を示す説明図である。同図(A)は、前眼部モードでの照射光路のうち、コリメータレンズ301と眼球Eとの光学的距離を示している。同図(A)の例では、照射光は眼球Eの角膜の位置で焦点を結んでおり、コリメータレンズ301と焦点位置との光学的距離がL11となっている。
一方、図7(B)は、参照光路のうち、コリメータレンズ402と固定ミラー405との光学的距離を示している。ここで、振幅の大きい干渉光を得るために、照射光の光路長と参照光の光路長とが等しい、または波長の整数倍となっている必要がある。
かかる光路長の関係を得るために、例えば、光カプラ121からコリメータレンズ301までの光学的な長さ(光学的距離)と、光カプラ121からコリメータレンズ402までの光学的な長さとが同じになっている。さらに、コリメータレンズ301から光カプラ151までの光学的な長さと、コリメータレンズ402から光カプラ151までの光学的な長さとが同じになっている。そして、図7(B)に示されるように、コリメータレンズ402と固定ミラー405との光学的距離が、同図(A)におけるコリメータレンズ301と焦点位置との光学的距離と同じL11となっている。
また、図7(C)は、後眼部モードでの照射光路のうち、コリメータレンズ301と眼球Eとの距離を示している。同図(C)の例では、照射光は眼球Eの網膜の位置で焦点を結んでおり、コリメータレンズ301と焦点位置との光学的距離が、同図(B)におけるコリメータレンズ402と固定ミラー405との光学的距離と同じL11となっている。
これにより、後眼部モードにおいても前眼部モードの場合と同じく、照射光の光路長と参照光の光路長とが等しくなり、振幅の大きい干渉波を得られる。
特に、図7の例では、前眼部モードでの、コリメータレンズ301から眼球Eにおける集光位置までの光路長と、後眼部モードでの、コリメータレンズ301から眼球Eにおける集光位置までの光路長とが等しくなっている。これにより、前眼部モードと後眼部モードとで同一の参照光路を用いて、何れのモードにおいても振幅の大きい干渉波を得られる。モード毎に参照光路を設ける必要がない点で、距離情報取得装置1の構造をより簡単にできる。
図7に示される距離の関係にするために、後眼部モードにおけるコリメータレンズ301からレンズ312までの光路長を、前眼部モードにおけるコリメータレンズ301からレンズ312までの光路長よりも距離L12だけ短くする。例えば、前眼部モードにおけるコリメータレンズ301からレンズ312までの光路長から、後眼部モードにおけるコリメータレンズ301からレンズ312までの光路長を減算した差が、光学的距離における眼軸長の一般的な値である30ミリメートル(mm)以上40ミリメートル以下の範囲になるように調整する。
図7(B)、(C)に示されるような、後眼部モードにおける照射光の光路長と参照光の光路長との一致は、距離情報取得装置1の設計および製造において光ファイバの長さや各部の設置位置を調整することで行われる。
一方、図7(A)、(B)に示されるような、前眼部モードにおける照射光の光路長と参照光の光路長との一致は、固定ミラー305および306(図4)の位置を調整することで行われる。当該調整のために、固定ミラー305および306は、移動ステージ304に設けられている。移動ステージ304は、図4に矢印で示す方向に移動可能であり、これにより、可動ミラー302と固定ミラー305との距離、および、固定ミラー306と可動ミラー308との距離を調整することができる。例えば、距離情報取得装置1の製造者が、移動ステージ304の位置を予め調整しておく。
なお、モードの切替が自動で行われるようにしてもよいし、手動で行われるようにしてもよい。特に、光学ユニット制御部210がモードの切り替えを自動で行い、信号処理部240が、前眼部についての処理と後眼部についての処理とを続けて行うことで、前眼部から後眼部まで眼球の深さ方向全体の情報を高速に取得し得る。これにより、例えば被測定者の動作などの誤差を低減させることができ、測定精度を高めることができる。
図8は、制御・処理ユニット200の機能構成の例を示す概略ブロック図である。同図において、制御・処理ユニット200は、光学ユニット制御部210と、アンプ220と、A/Dコンバータ230と、信号処理部240と、出力部250とを具備する。信号処理部240は、距離情報取得部241と、眼軸長算出部242とを具備する。
光学ユニット制御部210は、光学ユニット100を制御する。特に、光学ユニット制御部210は、光源装置110が光を出力するタイミングを指示する信号を出力する。あるいは、光源装置110から光の出力タイミングが送信される場合、光学ユニット制御部210は、このタイミング情報を信号処理部240に出力する。また、光学ユニット制御部210は、モード切替の際、可動ミラー302のドライバに対して、可動ミラー302の向きを指示する信号を出力する。同様に、光学ユニット制御部210は、モード切替の際、可動ミラー308のドライバに対して、可動ミラー308の向きを指示する信号を出力する。
アンプ220は、光検出器190(図2)が干渉光を変換して生成した電気信号を増幅する。
A/Dコンバータ230は、アンプ220が増幅した電気信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する。
信号処理部240は、A/Dコンバータ230がデジタル変換した信号を処理して、眼軸長を算出する。また、信号処理部240は、光学ユニット制御部210とタイミング情報をやり取りする。特に、信号処理部240は、制御・処理ユニット200が光源装置110に光の出力を指示したタイミングに応じて信号処理を行う。あるいは、光源装置110から光の出力タイミングが送信される場合、信号処理部240は、このタイミングに応じて信号処理を行う。
距離情報取得部241は、光検出器190が受光した光における照射光と参照光との干渉に基づいて、眼球の前眼部と後眼部との両方について、基準位置との距離を示す情報を取得する。具体的には、距離情報取得部241は、A/Dコンバータ230がデジタル信号に変換した測定データをフーリエ変換して、パワースペクトル、すなわち、周波数領域における測定データの分布状況を求める。
ここで、図3を参照して説明したように、光源装置110は周波数の変化するレーザ光を出力している。光カプラ151が合波した際に参照光と位相が合うための、照射光の光路長が、波長毎に異なる(従って、周波数毎に異なる)。この違いがパワースペクトルの違いとなって現れる。具体的には、反射面が眼球の奥側になるに従って、干渉信号の周波数が高くなる。
なお、光学ユニット制御部210や信号処理部240がコンピュータを用いて構成されていてもよい。例えば、制御・処理ユニット200がコンピュータを具備し、当該コンピュータのCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、当該コンピュータの記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで、光学ユニット制御部210や信号処理部240が構成されるようにしてもよい。
図9は、距離情報取得部241が行う処理手順の例を示すフローチャートである。なお、以下では、A/Dコンバータ230がデジタル変換した測定データをAラインデータ(A-Line Data)と称する。Aラインデータは、サンプリング時刻毎の電圧値(光検出器190が受光強度に応じて出力した電圧値)を示している。
ステップS101およびS102において、距離情報取得部241は、FFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)を行うための前処理を行う。
具体的には、距離情報取得部241は、Aラインデータのデータ数が2の乗数となるように、ダミーのデータを追加する(ステップS101)。例えば、Aラインデータのデータ数2000点の場合、距離情報取得部241は、値0のデータを48個加えて2048点のデータにする。
次に、距離情報取得部241は、ステップS101で得られたデータに窓関数を乗算する(ステップS102)。ここでの窓関数には、ハニングウィンドウ(Hanning window)またはハミングウィンドウ(Hamming window)など、いろいろな関数を用いることができる。
そして、距離情報取得部241は、ステップS102での窓関数処理後のAラインデータにFFTを適用して、Aラインデータのパワースペクトルを求める(ステップS103)。例えば、FFT適用前のAラインデータのデータ数が2048点の場合、FFTによって1024個の周波数成分が求められる。FFT適用後のAラインデータの中に、周波数の低い成分が含まれている場合、眼球の浅い位置(手前側の位置)に反射体や散乱体が存在することを示している。一方、FFT適用後のAラインデータの中に、周波数の高い成分が含まれている場合、眼球の深い位置(奥側の位置)に反射体や散乱体が存在することを示している。特に、周波数と奥行きとが一対一に対応している。また、FFT適用後のAラインデータにおいて、最も周波数の高い成分が計測可能距離を示している。例えば、角膜前面から水晶体後面までの前眼部の全範囲の長さを測る場合、12mmの計測可能距離が得られ、後眼部の長さを測る場合、6mmの計測可能距離が得られる。
ステップS103の後、図9の処理を終了する。
眼軸長算出部242は、距離情報取得部241が取得したFFT適用後のAラインデータに基づいて、眼軸長を算出する。具体的には、眼軸長算出部242は、前眼部モードにて検出される角膜前面の位置と、後眼部モードにて検出される網膜の位置との相対距離を求める。
図10は、データに示される角膜前面と網膜との位置関係を示す説明図である。同図において、グラフG1は、前眼部モードで得られたパワースペクトル(FFT適用後のAラインデータ)にて検出される、眼球内の各部の奥行き方向の位置を示している。また、グラフG2は、後眼部モードで得られたパワースペクトルにて検出される、眼球内の各部の奥行き方向の位置を示している。グラフG1、G2とも、横軸は、基準位置からの距離を示し、縦軸は、強度(干渉光における周波数成分の大きさ)を示す。
ここでの基準位置は、照射光の光路長と参照光の光路長とが等しくなる位置である。グラフG1では、原点Oの位置が基準位置になっており、グラフG2では、原点O’の位置が基準位置になっている。
グラフG1において信号が現れている位置P11、P12、P13、P14は、それぞれ、角膜前面、角膜後面、水晶体前面、水晶体後面の位置を示している。また、グラフG2において信号が現れている位置P15は、網膜表面の位置を示している。眼軸長は、角膜前面の位置P11から網膜表面の位置P15までの距離L22にて示される。
ここで、グラフG1に示される前眼部の測定データと、グラフG2に示される後眼部の測定データとは、モードを切り替えて測定されたデータであり、眼軸長として距離L22を算出するために、前眼部の測定データに示される位置と、後眼部の測定データに示される位置との位置関係を把握する必要がある。
かかる位置関係の例として、グラフG1における基準位置と、グラフG2における基準位置との距離L12を用いることができる。この距離L12は、図4におけるコリメータレンズ301からレンズ312までの光路長と、図5におけるコリメータレンズ301からレンズ312までの光路長との差に相当する。従って距離L12は、可動ミラー302から固定ミラー305、306を経由して可動ミラー308までの光路長から、可動ミラー302から固定ミラー307を経由して可動ミラー308までの光路長を減算した差に相当する。
距離L12を用いて、眼軸長を示す距離L22は、式(1)のように示される。
Figure 2016019634
ここで、L21は、前眼部モードにおける基準位置(グラフG1の原点O)と角膜前面(位置P11)との距離を示す。L22は、後眼部モードにおける基準位置(グラフG2の原点O’)と網膜前面(位置P15)との距離を示す。
眼軸長算出部242は、予め登録されている距離L12と、測定データから得られる距離L21および距離L23とを式(1)に適用して、眼軸長(距離L22)を算出する。
なお、眼軸長算出部242が距離として光学的距離を用いるようにしてもよいし、光学的距離を屈折率で除算して実際の距離を求めるようにしてもよい。
出力部250は、眼球の測定結果を表示する。例えば、出力部250は、液晶ディスプレイなどの表示装置を有し、眼軸長算出部242が算出する眼軸長を表示する。但し、出力部250が眼球の測定結果を出力する方法は、表示による方法に限らない。例えば、出力部250が通信回路を有し、眼軸長算出部242が算出する眼軸長を、他の機器に送信するようにしてもよい。
以上のように、レンズ310、焦点可変レンズ311およびレンズ312は、照射光を眼球Eにて集光させる。また、焦点可変レンズ311は、照射光の眼球Eにおける集光位置を変化させる。そして、距離情報取得部241は、照射光と参照光との干渉に基づいて、照射光の集光位置に応じて眼球Eの前眼部と後眼部とについて、基準位置との距離を示す情報を取得する。
これにより、距離情報取得装置1は、眼球の角膜前面から網膜までの奥行き方向の全体について、コヒーレント長の長い光を必要とせずに測定を行うことができる。
ここで、コヒーレント長(可干渉距離)が眼軸長の光学的な長さ以上に長い光源があれば、前眼部と後眼部とでモードの切り替えを行わずとも、一度に両方の情報を取得し得る。しかしながら、水による減衰の影響が少ない波長帯域において、コヒーレント長が眼軸長の光学的な長さ以上に長い光源は、実用化されていない。ここで、可干渉距離は、パワースペクトルの減衰が6デシベル(dB)となるときの距離に相当する。
また、前眼部の情報と後眼部の情報とを1回の光の照射で同時に得る場合、眼球に平行光を照射することが考えられる。すると、平行光の太さにより、前眼部で得られる情報の精度が低下してしまう。
これに対して、距離情報取得装置1では、コヒーレント長の長い光を必要とせず、かつ、前眼部、後眼部のそれぞれで照射光の焦点を結ばせて、より高精度な情報を得ることができる。
また、眼球Eにおいて照射光が焦点を結ぶようにすることで、距離情報取得装置1では、より高精度に情報を得られる。
また、眼軸長算出部242は、距離情報取得部241によるFFT適用後のAラインデータに基づいて、眼軸長を算出する。これにより、眼軸長算出部242は、コヒーレント長の長い光を必要とせずに、眼軸長を求めることができる。
また、可動ミラー302および308は、自らの向きを切り替えることで照射光の経路の一部を切り替える。そして、照射光の経路のうち、可動ミラー302および308によって切り替えられる部分の切替前後での経路の光学的な長さの差を、想定される眼軸長に応じた差に設定可能である。
これにより、前眼部モードと後眼部モードとで同一の参照光路を用いることができ、距離情報取得装置1の構造を簡単化することができる。
なお、光源装置110として、水による減衰の影響が少なく、かつ、生体深くまで入る波長帯域を持つレーザを用いることが可能である。例えば、中心波長1060ナノメートル(nm)、掃引波長幅100ナノメートル、可干渉距離が18ミリメートル以上の性能のものを用いるようにしてもよい。
なお、固定ミラー309に代えてガルバノミラーを設置し、照射光にて眼球を走査するようにしてもよい。これにより、角膜前面、角膜後面、水晶体前面、および、水晶体後面のいずれか、またはこれらのうち複数について、曲率分布(トポグラフィ)を求めることができる。
<第1の変形例>
照射光路側プローブ部300における各部の配置は、図4および図5を参照して説明したものに限らない。以下では、照射光路側プローブ部300の変形例について説明する。
図11は、照射光路側プローブ部300の第1の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼部モードにおける照射光の経路の例を示している。同図において、図4の場合と同様である部分には同一の符号(301、310〜312、E)を付して説明を省略する。図11の構成では、図4の構成における可動ミラー302、308と、分散補償プリズム303と、移動ステージ304と、固定ミラー305、306、307、309とに代えて、可動ミラー321および328と、固定ミラー322、325、326および327と、分散補償プリズム323と、移動ステージ324とが設けられている。
可動ミラー321、328の組み合わせは、経路切替部の例に該当し、距離情報取得装置1のモードが切り替わる際に可動ミラー321、328自らの向きを変化させることで、照射光の経路を変化させる。
また、固定ミラー325および326は、移動ステージ324に設けられている。移動ステージ324は、図11に矢印で示す方向に移動可能であり、これにより、固定ミラー322と固定ミラー325との距離、および、固定ミラー326と固定ミラー327との距離を調整することができる。例えば、距離情報取得装置1の製造者が、移動ステージ324の位置を予め調整しておく。
図11の例において、光ファイバを通って照射光路側プローブ部300に入った照射光は、コリメータレンズ301で平行光になって空気中に射出される。射出された照射光は、可動ミラー321、固定ミラー322、分散補償プリズム323、固定ミラー325、326および327を経由して可動ミラー328に至る。参照光が可動ミラー328で反射した後は図4の場合と同様である。
図12は、照射光路側プローブ部300の第1の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼部モードにおける照射光の経路の例を示している。
図12の例では、可動ミラー321の向きが図11の場合と異なっており、照射光は、固定ミラー322、分散補償プリズム323、固定ミラー325、326および327を経由せずに直接、可動ミラー328に至っている。参照光が可動ミラー328で反射した後は図5の場合と同様である。
図4および図5の例の場合と同様、レンズ310、焦点可変レンズ311およびレンズ312は、照射光を眼球Eにて集光させる。また、焦点可変レンズ311は、照射光の眼球Eにおける集光位置を変化させる。そして、距離情報取得部241は、照射光と参照光との干渉に基づいて、照射光の集光位置に応じて眼球Eの前眼部と後眼部とについて、基準位置との距離を示す情報を取得する。
これにより、距離情報取得装置1は、眼球の角膜前面から網膜までの奥行き方向の全体について、コヒーレント長の長い光を必要とせずに測定を行うことができる。
また、照射光が眼球Eにおいて焦点を結ぶことで、距離情報取得装置1では、より高精度に情報を得られる。
また、可動ミラー321は、自らの向きを切り替えることで照射光の経路の一部を切り替える。そして、照射光の経路のうち、可動ミラー321によって切り替えられる部分の切替前後での経路の光学的な長さの差を、想定される眼軸長に応じた差に設定可能である。
これにより、前眼部モードと後眼部モードとで同一の参照光路を用いることができ、距離情報取得装置1の構造を簡単化することができる。
なお、可動ミラー328をガルバノミラーとして用いて、照射光にて眼球を走査するようにしてもよい。これにより、角膜前面、角膜後面、水晶体前面、および、水晶体後面のいずれか、またはこれらのうち複数について、曲率分布を求めることができる。この場合、図11、12の例において可動ミラー328をガルバノミラーとして用いる構成の方が、図4、5の例において固定ミラー309に代えてガルバノミラーを設置する構成よりも可動ミラーの数が少ない。この点において、照射光路側プローブ部300の構成や、光学ユニット制御部210が行う制御を、より簡単にすることができる。
<第2の変形例>
図13は、照射光路側プローブ部300の第2の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼部モードにおける照射光の経路の例を示している。同図において、図4の場合と同様である部分には同一の符号(301、309〜312、E)を付して説明を省略する。図13の構成では、図4の構成における可動ミラー302、308と、分散補償プリズム303と、移動ステージ304と、固定ミラー305、306、307とに代えて、コリメータレンズ301よりも上流側(光源装置110に近い側)に、光スイッチ331および336と、距離調整用ファイバ332と、コリメータレンズ333および335と、分散補償プリズム334とが設けられている。
光スイッチ331および336の組み合わせは、経路切替部の例に該当し、距離情報取得装置1のモードが切り替わる際に光スイッチ自らの接続を変化させることで、照射光の経路を変化させる。
図13の例において、光源装置110側からの照射光は、光スイッチ331および距離調整用ファイバ332を経由して、コリメータレンズ333で平行光になって空気中に射出される。射出された照射光は、分散補償プリズム334を経由してコリメータレンズ335に照射される。コリメータレンズ335に照射された照射光は、光ファイバの中を通って、光スイッチ336を経由してコリメータレンズ301で再び平行光になって空気中に射出される。射出された照射光は、固定ミラー309に至る。固定ミラー309以降は図4の場合と同様である。
図14は、照射光路側プローブ部300の第2の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼部モードにおける照射光の経路の例を示している。
図14の例では、光スイッチ331および336の接続先が図13の場合と異なっており、光スイッチ331を経由した照射光は、光ファイバの中を通ってそのまま光スイッチ336に至る。
図4および図5の例の場合と同様、レンズ310、焦点可変レンズ311およびレンズ312は、照射光を眼球Eにて集光させる。また、焦点可変レンズ311は、照射光の眼球Eにおける集光位置を変化させる。そして、距離情報取得部241は、照射光と参照光との干渉に基づいて、照射光の集光位置に応じて眼球Eの前眼部と後眼部とについて、基準位置との距離を示す情報を取得する。
これにより、距離情報取得装置1は、眼球の角膜前面から網膜までの奥行き方向の全体について、コヒーレント長の長い光を必要とせずに測定を行うことができる。
また、照射光が眼球Eにおいて焦点を結ぶことで、距離情報取得装置1では、より高精度に情報を得られる。
また、光スイッチ331および336は、自らの接続先を切り替えることで照射光の経路の一部を切り替える。そして、照射光の経路のうち、光スイッチ331および336によって切り替えられる部分の切替前後での経路の光学的な長さの差を、想定される眼軸長に応じた差に設定可能である。
これにより、前眼部モードと後眼部モードとで同一の参照光路を用いることができ、距離情報取得装置1の構造を簡単化することができる。
なお、光スイッチの切替前後での、照射光の経路の光学的な長さの差の調整は、距離調整用ファイバ332の長さを調整することで行える。当該調整は、例えば、距離情報取得装置1の製造者が行う。
また、図13、14の例では、図4、5の例と異なり可動ミラーは用いられておらず、代わりに光スイッチ331および336が用いられている。可動ミラーの設置の際、可動ミラーが特定の向きを向くよう、例えばストッパの設置などの調整が必要であるのに対し、光スイッチ331や336として市販の光スイッチを用いることができ、特に調整を行う必要はない。図13、14の例では、この点において、距離情報取得装置1の製造や調整をより簡単にできる。
なお、照射光路側プローブ部300が具備するレンズの組み合わせとして、いろいろな組み合わせを用いることができる。例えば、図4では、焦点可変レンズ311の前に、凹レンズであるレンズ310を設ける場合を例に説明したが、焦点可変レンズ311の前(照射光の経路におけるコリメータレンズ301側)に、凸レンズを設けるようにしてもよい。
図15は、焦点可変レンズ311の前に凸レンズを設けた構成の例を示す説明図である。同図は、図4におけるレンズ310から眼球Eまでの部分に対応する部分を示しており、凹レンズであるレンズ310に代えて、凸レンズであるレンズ341が用いられている。
図15の例において、レンズ310を通った照射光は、一旦焦点を結んだ後、焦点可変レンズ311を通る。
前眼部モードの場合、焦点可変レンズ311は、照射光を平行光にする。平行光になった照射光は、レンズ312を通過して、図4の場合と同様に眼球Eの前眼部で焦点を結ぶ。
一方、後眼部モードの場合、焦点可変レンズ311の焦点距離が前眼部モードの場合よりも短く設定され、焦点可変レンズ311は、照射光を集光する。焦点可変レンズ311を通過した照射光は、一旦焦点を結んだ後レンズ312を通り、レンズ312にて平行光になり、図5の場合と同様に眼球Eの後眼部で焦点を結ぶ。
このように、図15に示す構成でも図4の構成と同様に、前眼部、後眼部のいずれにおいても照射光を集光させることができる。なお、図15に示す構成は、上述した第1の変形例や第2の変形例にも適用可能である。
なお、光学ユニット制御部210や信号処理部240の機能の一部または全部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することで各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 距離情報取得装置
100 光学ユニット
110 光源装置
120 干渉計
121、132、141、151 光カプラ
131、401 偏光調整器
190 光検出器
200 制御・処理ユニット
210 光学ユニット制御部
220 アンプ
230 A/Dコンバータ
240 信号処理部
241 距離情報取得部
242 眼軸長算出部
250 出力部
300 照射光路側プローブ部
301、333、335、402 コリメータレンズ 301
302、308、321、328 可動ミラー
303、323、334、403 分散補償プリズム
304、324 移動ステージ
305、306、307、309、322、325、326、327、405 固定ミラー
310、312、341、404 レンズ
311 焦点可変レンズ
332 距離調整用ファイバ
331、336 光スイッチ
400 参照光路側プローブ部

Claims (3)

  1. 対象物に照射される光を出力する光出力部と、
    前記対象物で反射された光を受光する受光部と、
    前記光出力部が出力した光を、前記対象物に照射される照射光と、前記照射光とは異なる経路で前記受光部に到達する参照光とに分岐させる分岐部と、
    レンズを具備し、前記照射光を前記対象物にて集光させる集光部と、
    焦点可変レンズを具備し、前記照射光の前記対象物における集光位置を変化させる集光位置調節部と、
    前記受光部が受光した光における前記照射光と前記参照光との干渉に基づいて、前記照射光の集光位置に応じて前記対象物の複数箇所について、基準位置との距離を示す情報を取得する距離情報取得部と、
    を具備する距離情報取得装置。
  2. 前記対象物は眼球であり、
    前記距離情報取得装置は、
    前記距離を示す情報に基づいて眼軸長を算出する眼軸長算出部を具備する請求項1に記載の距離情報取得装置。
  3. 前記対象物は眼球であり、
    前記距離情報取得装置は、
    可動に設置された反射材を具備して前記分岐部から前記受光部までの前記照射光の経路の少なくとも一部を切り替える経路切替部を具備し、
    前記照射光の経路のうち、前記経路切替部によって切り替えられる部分の切替前後での経路の光学的な長さの差を、想定される眼軸長に応じた差に設定可能である、請求項1に記載の距離情報取得装置。
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