JP2016015361A - 半導体素子の製造方法、半導体素子の製造デバイス、半導体素子、及び該半導体素子を用いてなる熱電変換素子 - Google Patents

半導体素子の製造方法、半導体素子の製造デバイス、半導体素子、及び該半導体素子を用いてなる熱電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便で、ドーピングの制御がしやすく、且つ、ドーピングの効果が高く、p型−n型の半導体素子の製造が可能な半導体素子の製造方法、半導体素子の製造デバイス、半導体素子、及び該半導体素子を用いてなる熱電変換素子を提供すること。【解決手段】2つの電極間に、一方の電極に近接して素子前駆体を載置すると共にイオン含有物を該素子前駆体と他方の電極間に置き、所定電圧を印加する、イオンドーピング工程を含み、上記素子前駆体がカーボンナノチューブ、層状2次元材料、又はナノワイヤーからなる成形体であることを特徴とするp型−n型制御可能な半導体素子の製造方法、上記製造方法に用いることができる半導体素子の製造デバイス、上記製造方法により得られる半導体素子、上記半導体素子を用いてなる熱電変換素子。【選択図】図1

Description

本発明は、簡便で、ドーピングの制御がしやすく、且つ、ドーピングの効果が高く、p型−n型の半導体素子の製造が可能な半導体素子の製造方法、半導体素子の製造デバイス、半導体素子、及び該半導体素子を用いてなる熱電変換素子に関するものである。
近年のエネルギー問題の解決法の一つとして、排熱の高効率な利用が提案されている。その為には、高性能な熱電変換素子の開発は必要不可欠である。熱電変換素子の性能を表す指標として“ゼーベック係数”がある。これは温度差を生じた時にどれくらい電圧を発生するかに関する指標であり、この“ゼーベック係数の絶対値が大きい程”熱電変換素子として好ましい。特に、熱電デバイスを作成する上では、このゼーベック係数が正の素子(p型)と、負の素子(n型)と、を交互に接続することにより、熱電変換効率が高いデバイスとなるため、ゼーベック係数がp型、n型の両方の素子を製造することは必要不可欠である。
また、このゼーベック係数を変化させる手法として、化学物質を用いたドーピング法が行われている。これは、電荷移動をさせることが可能な化学物質を物質表面に吸着させる方法である。
近年、本願発明者らは半導体型単層カーボンナノチューブが大きなゼーベック効果を示す、すぐれた優れた熱電変換素子であることを明らかにした(非特許文献1)。
しかしながら、カーボンナノチューブは、大気下ではp型の性質を示している。すぐれた熱電デバイスを構築する為には、n型の熱電変換素子を製造する必要があり、n型のカーボンナノチューブを製造するためには、ドーピング制御によりn型へと改質を行う必要がある。従来、ドーピング制御は、化学物質を吸着させることにより行い、n型の熱電変換素子を製造していた(例えば、特許文献1)。
また、カーボンナノチューブに対するものではないが、化学物質を用いたドーピング法ではなく、電界効果によるドーピング法も提案されており、例えば、非特許文献2においては、導電性ポリマーに電界効果によりドーピングを行う方法が提案されている。
特開2009−292714号公報
Yusuke Nakai, Kazuya Honda, Kazuhiro Yanagi, Hiromichi Kataura, Teppei Kato, Takahiro Yamamoto, and Yutaka Maniwa, "Giant Seebeck coefficient in semiconducting single-wall carbon nanotube film", Applied Physics Express, Vol. 7, No. 2, (2014) p. 025103 Olga Bubnova, Magnus Berggren, and Xavier Crispin, J. Am. Chem. Soc. 134, 16456, 2012
しかしながら、特許文献1のような化学物質を用いたドーピングでは、ドーピングにより構造が変化する、電荷移動の状況によって大きくドーピング量が変化する、制御が困難な吸着量によってドーピング量が変化するなどの問題がありドーピングの制御は困難で、その効果も不十分であった。また、p型にする場合と、n型にする場合とで、異なる化学物質を用いなければいけないため、簡便なものではなかった。
また、非特許文献2に記載のドーピング方法は、単に導電性ポリマーにドーピングを行うものであり、半導体素子を製造する場合に如何なる態様でドーピングを行えば最適に半導体素子の製造が行えるかについては、非特許文献2では何ら提案されていない。
要するに、従来提案されている技術ではドーピングを効率よく行ってp型−n型を制御できる半導体素子や熱電変換素子を製造することができず、より効率よくp型−n型の制御が可能な半導体素子の製造方法の開発が要望されている。
したがって、本発明の目的は、簡便で、ドーピングの制御がしやすく、且つ、ドーピングの効果が高く、p型−n型の半導体素子の製造が可能な半導体素子の製造方法、半導体素子の製造デバイス、半導体素子、及び該半導体素子を用いてなる熱電変換素子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく、イオン含有物とカーボンナノチューブ成形体を用い電圧印加でドーピング方法について鋭意検討した結果、カーボンナノチューブ成形体を一方の電極に隣接させた際にドーピングの効率だけではなく、p型−n型の制御が可能であることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.2つの電極間に、一方の電極に近接して素子前駆体を載置すると共にイオン含有物を該素子前駆体と他方の電極間に置き、所定電圧を印加する、イオンドーピング工程を含み、
上記素子前駆体がカーボンナノチューブ、層状2次元材料、又はナノワイヤーからなる成形体である
ことを特徴とするp型−n型制御可能な半導体素子の製造方法。
2.素子前駆体にイオンドーピングを行いp型−n型制御可能な半導体素子とするためのデバイスであって、
2つの電極と、一方の電極に隣接して配置された、上記素子前駆体を載置する載置部と、素子前駆体が該載置部に載置された際に該素子前駆体及び他方の電極間に形成されるイオン含有物投入部とからなる、
ことを特徴とするデバイス。
3.1または2に記載される半導体素子の製造方法により得られる半導体素子であって、
薄膜状の上記素子前駆体と、その一表面に所定のイオン種が吸着されて形成されたイオン層とからなる
ことを特徴とするp型−n型制御可能な半導体素子。
4.3記載の半導体素子を用いてなる熱電変換素子。
本発明の半導体素子の製造方法は、製造する半導体素子のp型−n型を連続的にかつ高精度に制御することができ、簡便で、ドーピングの制御がしやすく、かつドーピングの効果が高いものである。
本発明のデバイスは、本発明の半導体素子の製造方法を簡便かつ効果的に行うことができるものである。
本発明の半導体素子は、p型−n型を連続的にかつ高精度に制御されたものであり、すぐれた性能を有するものである。
本発明の熱電変換素子は、優れた熱電変換能を有するものである。
図1は、本発明の半導体素子の製造方法の模式図であり、(a)は電圧印加前、(b)は電圧印加時、(c)及び(d)は製造した半導体素子を示す。 図2は、本発明のデバイスを示す模式図である。 図3は、実施例1で用いた本発明のデバイスの模式図(a)、図面代用写真(b)である。 図4は、実施例1で得られた印加電圧とゼーベック係数との関係を示すグラフである。
1:デバイス、10:デバイス本体、20:電極(作用極)、21:電極(対極)、30:素子前駆体、40:イオン含有物、41:イオン層、50:載置部、51:イオン含有物投入部、60:電源、70:配線、100:半導体素子
以下、まず、本発明の半導体素子の製造方法を詳細に説明する。
<全体構成(製造方法)>
本発明の半導体素子の製造方法は、2つの電極間に、一方の電極に近接して所定の素子前駆体を載置すると共にイオン含有物を該素子前駆体と他方の電極間に置き、所定電圧を印加する、イオンドーピング工程を含み、該工程を実施することにより、p型−n型に制御可能な半導体素子を製造することができるものである。
以下、詳細に説明する。
<イオンドーピング工程>
本発明の製造方法における上記イオンドーピング工程は、一方の電極に近接して所定の素子前駆体を載置すると共にイオン含有物を該素子前駆体と他方の電極間に置き、所定電圧を印加する工程である。これにより、ドーピングの効果が高く、製造する半導体素子のp型−n型を連続的にかつ高精度に制御することができる。
以下、図面を参照し詳細に説明する。
<デバイス>
まず、本発明の製造方法において用いられる本発明のデバイスについて説明する。
本発明のデバイス1は、図1(a)及び(b)に示すように、素子前駆体30にイオンドーピングを行いp型−n型制御可能な半導体素子100とするためのデバイスであって、2つの電極20、21と、一方の電極20に隣接して配置された、上記素子前駆体30を載置する載置部50と、素子前駆体30が該載置部50に載置された際に該素子前駆体30及び他方の電極21間に形成されるイオン含有物投入部51とからなる。
(電極)
2つの電極20、21は、上述のように素子前駆体30に電圧を印加するためのものであり、本実施形態においては絶縁性で断熱性の基板の上に形成されている。電極20、21は、所定距離離間されて配されるものであり、一方の電極20に近接して後述する素子前駆体30を載置し且つ素子前駆体30と他方の電極21との間にイオン含有物40を配することができるように離間されている。
具体的には、一方の電極20は図1(a)及び(b)に示すように、素子前駆体30が隣接されて素子前駆体30と電気的に結合している。
また、他方の電極21は、イオン含有物40と電気的に結合している。
なお、上記所定距離は、上記素子前駆体の大きさ、用いるイオン含有物、イオン濃度、所望のイオンドーピング量などに応じて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意の距離にすることができる。
2つの電極20、21は、配線70を介して不図示の定電流・定電圧の可変出力が可能である公知の電源装置に電気的に接続され、ユーザーが設定した電圧を印加することができるようになされている。
このように構成することにより、2つの電極20、21により電圧を印加すると、素子前駆体30と後述するイオン含有物40との界面に電気2重層を形成してイオン含有物40に含まれるイオンのドーピングをすることができる。詳細については後述する。
本発明で用いることができる上記電極の形成材料は、特に制限されず、例えば、金電極、白金電極、カーボン電極、導電ペーストなど、公知のものを使用することができる。
電極20、21の位置関係は、上述のように構成されていれば、特に制限されるものではない。また、大きさ、形成材料は、素子前駆体の大きさや材料に応じて任意であり、特に制限されるものではない。
(載置部)
載置部50は、一方の電極に隣接して配置された、素子前駆体30を載置するための部分である。載置部50に素子前駆体30を載置すると、素子前駆体30の少なくとも一部が電極20と接触し、上述のイオン含有物投入部51に投入したイオン含有物40と接触するようになされている。これにより、素子前駆体30にイオン含有物40を介して電圧を印加することができる。載置部50は一方の電極をそのまま利用して形成されていてもよく、他の導電性材料(たとえば上述の電極の形成材料等)を用いて形成してもよい。
また、載置部50は、後述するイオンドーピング処理の安定性に優れる点、後述するよう製造後の半導体素子のゼーベック係数測定手段を設ける場合に好ましいなどの点で、断熱性を有するのが好ましい。断熱性の付与は、特に制限なく公知の手段により行うことができ、例えば、実施例のようにパリレン(Parylene)(登録商標)等の断熱性を有する硬質ポリマーで電極の一部または全部を被覆するなどにより行うことができる。
載置部50の形状・位置・大きさは、特に制限されるものではなく、素子前駆体の大きさや材料に応じて任意であり適宜変更することができる。
(イオン含有物投入部)
イオン含有物投入部51は、載置部50と他方の電極21と間に形成され、イオン含有物40が投入できるようになされた部分である。本実施形態においては、特に図示しないがデバイスが電極20、21を含んで全体を覆うチャンバーを有し、該チャンバー内における電極21と載置部50との間にイオン含有物投入部51が形成されている。なお、チャンバーには開閉自在の材料投入口(図示せず)が設けられており、該材料投入口から素子前駆体及びイオン含有物を投排出することができる。イオン含有物投入部51に投入されたイオン含有物40は他方の電極21と接触し、且つ素子前駆体30と接触するようになされている。これにより、素子前駆体30にイオン含有物40を介して電圧を印加することができる。
イオン含有物投入部51は素子前駆体の大きさや材料に応じてその形状や大きさは任意である。本実施形態においては、図2に示すようにイオン含有物投入部51イオン含有物40を投入した際に、イオン含有物40が素子前駆体30の表面(載置部に当接下面以外の面)を上部から覆うようになっている。このように構成することにより素子前駆体30の表面に上記電気2重層を形成しイオンのドーピングをすることができ、ドーピングを効果的にすることができるようになる。
(素子前駆体)
本発明の半導体素子の製造方法で用いられる素子前駆体30は、カーボンナノチューブ(以下CNTと呼ぶことがある。)、層状2次元材料又は、ナノワイヤーからなる成形体である。
中でも、CNTからなる成形体の場合には、ゼーベック係数が高い点などの点で利点がある。
本発明の製造方法で用いられる上記CNTからなる成形体は、CNTからなるものであれば特に制限されない。すなわち、本発明の製造方法を用いてp型−n型が制御されるカーボンナノチューブは、特にその半導体型及び金属型のカイラリティの制御を行う必要がなく、いかなる比率で両者が混合されていてもよい。
ここで、本発明で用いられる半導体型CNTは、電気的に半導体の性質をもつCNTであれば特に制限なく用いることができる。
一般的に単層CNT(以下SWCNTと呼ぶこともある。)は、その構造が(n,m)と言う2つの整数の組からなるカイラル指数により一義的に定義される。半導体型CNTは上記カイラル指数がn−m=3の倍数でないものをいい、後述する金属型CNTはn−m=(3の倍数)であるものをいう。2層や多層のカーボンナノチューブは、複数のSWCNTからなり、その組み合わせにより、電気的に半導体の性質をもつ場合があり、このようなCNTも半導体型CNTと定義される。
本発明においてもゼーベック係数が高い点では半導体型を用いるのが好ましいと言えるが、本発明の製造方法によれば、特にカイラリティ制御をおこなわなくても高いp型−n型制御性能が得られるので問題なく使用することができる。
また、上記CNTは、上述のゼーベック係数が高い観点から、高純度の半導体型SWCNTであるのが好ましく、中でも半導体型SWCNTの純度が90%以上であるのがより好ましく、95%以上であるのがさらに好ましい。
上記の半導体型を90%以上の純度で含有するCNTとしては、半導体型と金属型とが混合されたCNT混合物を精製して半導体型の純度を90%以上としたもの、製造過程での作り分けにより半導体型の純度90%以上としたものなどを挙げることができ、市販品を用いることもできる。
ここで「%」とは、全CNT個数中の所定のCNTの個数を意味し、上記純度とはCNTの総分子数に対する所定のCNTの分子数の割合をいい、半導体型CNTの純度という場合は、CNTの総分子数に対する半導体型CNTの分子数の割合をいう。
上記純度は、例えば、SWCNTの場合、光吸収スペクトル法(例えば、Nairら,”Estimation of the(n,m)Concentration Distribution of Single-Walled Carbon Nanotubes from Photoabsorption Spectra”, Analytical Chemistry,2006,Vol.78,Issue.22, p7589-7596.)などの方法により測定することができる。
また、上記純度は、密度勾配超遠心(DGU)法(K.Yanagiら, ACS Nano 4, 4027 (2010)、K.Yanagiら、Applied Physics Express, 2008, Vol.1, No3, 034003、など)、アガロースゲルを用いた処理(電気泳動による分離、アガロースゲルを充填したカラムによる分離など)、NO 処理、H処理、アミン抽出処理、イオンクロマトグラフィー処理、樹脂への吸着を利用した処理などの方法により、上記の範囲内に調製することができる。
上記層状2次元材料とは、2次元の層状構造を有する材料をいう。このようなものとしては、例えば、式:MCh(式中Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wを表し、ChはS、Se、Teを表す。)で表される遷移金属ダイカルコゲナイド、GaS、GaSe、GaTe、InSe、GeS、SnS、SnSe、PbO、BiSe、BiTeなどの遷移金属カルコゲナイドおよびこれらの塩などの化合物を成分とする材料などの材料が挙げられる。
上記層状2次元材料からなる成形体は、上記層状2次元材料からなるものであれば、特に制限されないが、TiSからなるものであるのが、ゼーベック値が大きい点から好ましい。
なお、上述した層状2次元材料においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、用途や目的などに応じて他の成分を含有するものであってもよい。
上記ナノワイヤーとは、ナノメートルの大きさで構造が制御され、形状が線状の物質をいう。
本発明で用いられる上記ナノワイヤーの形成材料は、特に制限されず、公知の材料を用いることができる。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金などの金属材料、Si、Ge、ZnSe、CdS、ZnO、GaAs、InP、GaN、SiC、SiGe、CuInSeなどの半導体材料、テトラチオテトラセン誘導体、テトラチアフルバレン誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体などの有機化合物材料、ポリスチレン系樹脂などの高分子有機材料などが挙げられる。
上記ナノワイヤーからなる成形体は、上記ナノワイヤーからなるものであれば、特に制限されないが、シリコンナノワイヤーからなるものであるのが、ゼーベック値が大きい点から好ましい。
なお、上述したナノワイヤーにおいては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、用途や目的などに応じて他の成分を含有するものであってもよい。
上記素子前駆体の形状は、特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、目的や用途に応じて任意のものを用いることができるが、板状又は薄膜状であるとドーピング効果が1表面に重点的に現れ、ドーピングの効果を発揮させやすい点で好ましく、薄膜状であると単位重量当たりの表面量が多いため、よりドーピングの効果が大きくなるため好ましい。
また、上記素子前駆体の大きさは、特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、目的や用途に応じて任意のものを用いることができる。
(イオン含有物)
本発明の半導体素子の製造方法で用いられるイオン含有物40は、イオンを含有するものであれば特に限定されず、例えば、電解液、イオン液体、イオンを含有するゲルやポリマー(ゲル電解質)、固体電解質などを用いることができる。また、陽イオンおよび陰イオンを含有するものであるのが、印加電圧の正負の制御でp型−n型のドーピングの制御を簡便に行うことができる点で好ましい。
中でも、上記イオン液体である場合には、高イオン濃度であり導電率が高く低電圧で効果を発揮させることができドーピング効果にも優れる点、広い電位窓を有し電気化学的に安定であるため幅広い印加電圧においても安定である点、難揮発性であり扱いやすい点などの点で好ましい。
本発明で用いることができる上記イオン液体としては、上述のような特性を有するものであれば特に制限されず、例えば、N,N,N-Trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide(略称:TMPA-TFSI)、N,N-Diethyl-N-methyl-N-(2-methoxyethyl)ammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide(略称:DMEA-TFSI)などを用いることができる。中でも、得られる素子の制御や熱電変換素子として用いる場合の熱電変換効率を向上させる観点から、TMPA-TFSI及びDMEA-TFSIの陰イオン種が下記化1に示す〔(CFSON〕であるのが好ましい。

また、同様の観点から、TMPA-TFSI及びDMEA-TFSIの陽イオン種が、それぞれ下記化2に示す4級アンモニウムカチオンであるであるのが好ましい。
また、上記イオン含有物が上記イオン液体を含有するゲルである場合は、本イオンドーピング工程を行う際のハンドリング性に優れる点で好ましい。
上記のゲルの形成材料は、特に制限されず、公知の高分子材料などを用いることができ、中でも、トリブロックコポリマーであるのが、ハンドリング性、強度、イオンの導電性等の観点から好ましく、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート−ポリスチレン(PS-PMMA-PS)からなるトリブロックコポリマーであるのがより好ましい。また、上記ゲルの濃度は、特に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で目的などに応じて任意のものを用いることができる。また、上記ゲルに含有させるイオン液体は、上述のイオン液体を用いることができる。
上記イオン含有物の量は、上記電極(対極)及び上記素子前駆体と接する量であれば、特に制限されないが、ドーピングを行うことができる面積が広くなる点、電圧の印加を安定して行う点から、上記素子前駆体の外表面を覆うことができる量であるのが好ましい。
また、イオン含有物におけるイオン量は、上記素子前駆体の外表面にイオンドーピングされて表面全体にイオンを吸着させることができる量であればよく、上記素子前駆体の大きさ形状などにより適宜変更されうる量である。
また、上記イオン含有物におけるイオンの濃度は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に制限されないが、通常はイオン濃度が高い方が好ましく、例えば、イオン含有物として上記イオン液体を用いる場合は原液を用いるのが好ましい。
(所定電圧)
上記所定電圧は、上記2つの電極間においた上記素子前駆体と上記イオン含有物とに、印加する電圧であり、用いるイオン種や素子前駆体、ドーピング量により決定されるもので特に制限はされないが、例えば、実施例のような条件においては−3.0〜+3.0Vである。
電圧を印加することにより、上記素子前駆体の表面にイオン含有物に含有するイオンが集まり上記素子前駆体に電気2重層が形成され、該イオンが上記素子前駆体の表面に吸着することでイオンがドーピングされる。また、印加する電圧を変化させることにより、イオンのドーピング量が制御される。また、印加する電圧の正負を制御することで、ドーピングするイオンの正負を制御することができ、これにより、p型−n型を連続的に且つ高い精度で制御することができる。
上記所定電圧の範囲には、実施例、図4に記載するように、製造する半導体素子のp型−n型を連続的に変化させることができる電圧の範囲が通常含まれる。例えば、実施例の条件において、ゼーベック係数がp型の最大値(138μVK−1)であるものを製造する場合には、−0.1Vの電圧を印加することにより製造することができ、n型の最大値(−57μVK−1)のものを製造する場合には0.4Vの電圧を印加することにより製造することができ、これらはp型、n型として性能が高いものである。
なお、ゼーベック係数が最小値、最大値になるような印加電圧は予め実験をするなどして設定することができる。したがって、本発明の製造方法においては、上述のイオンドーピング工程の他に、イオンドーピング工程と同じイオン含有物及び素子前駆体を用い、印加する電圧を変化させ、熱電変換素子のゼーベック係数が最小値〜最大値までの印加電圧条件を得、ゼーベック係数が最大値または最小値の熱電変換素子を選択する工程を設けてもよい。この工程を設けることでゼーベック係数が最大値または最小値のものを得ることができる。
上記所定電圧の印加時間は、特に制限されず、通常数秒程度で十分であるが、上記素子前駆体の大きさ・種類、使用するデバイス、ドーピングするイオンの量やドーピング量の精度など、条件などに応じて数時間にするなど印加時間を長くしてもよい。一般的には、印加時間を長くすることによりイオンのドーピング量をより厳密に制御することができる。
(工程概要)
上記イオンドーピング工程における電圧の印加を行った後、該イオンが上記素子前駆体の表面に吸着することで、イオンがドーピングされた本発明の半導体素子を得ることができる。
本発明の半導体素子の製造方法におけるイオンドーピング工程は以下の様にして行う。
すなわち、図1に示す本発明のデバイスを用い、図1の(a)に示すように、一方の電極20に近接して素子前駆体30を載置すると共にイオン含有物40を該素子前駆体30と他方の電極21間に置く。
次に、図1の(b)に示すように、一方の電極20が正で、他方の電極21が20負になるように電圧を印加すると、イオン含有物40のイオンは電離し、対極20の界面、素子前駆体30の界面に電気2重層が形成される。このとき、素子前駆体30の電気2重層では素子前駆体30が負で、その表面はイオン含有物の陽イオンが集まり正の状態になる。通常の化学物質のドーピングにおけるキャリア量と比較すると、この電気2重層のキャリアの量は大変に多いものである。すなわち、通常の化学物質のドーピング法と比較すると、イオンのドーピングは効率が高いものであるといえる。
図1(b)のように電圧を印加すると、電気2重層が形成され、イオンがドーピングされる。これにより、図1(c)に示すように表面にドーピングされたイオンが吸着している本発明の半導体素子100を得ることができる。
なお、上述の電圧の印加を逆にした場合は、電気2重層の正負も逆になり、図1(d)に示す本発明の熱電変換素子100’を得ることができる。
また、印加電圧を変化させることで、電気2重層を形成するイオンの量を変化させることができ、ドーピングするイオンの量を変化させることができる。これにより、印加する電圧を変化させることで、製造する半導体素子をp型−n型に連続的にかつ高い精度で制御することができる。
以上説明したように、本発明の半導体素子の製造方法では、化学物質を用いたドーピング法において見られる種々問題が生じない。すなわち、構造が変化する、電荷移動の状況によって大きくドーピング量が変化する、制御が困難な吸着量によってドーピング量が変化する、p型にする場合とn型にする場合とで異なる化学物質を用いなければいけない、などの問題がない。また、上述のように簡易且つ簡便な方法で、効率的にイオンのドーピングを行うことができ、製造する半導体素子をp型−n型に連続的にかつ高い精度で制御することができるものである。
そして、イオンドーピング工程終了後素子をデバイスから取り出し、水などで洗浄して半導体素子を得ることができる。
(用途)
本発明の半導体素子の製造方法によれば、上述のように優れた半導体素子を簡易且つ簡便に製造することができ、製造する半導体素子をp型−n型に制御することができるものである。
また、得られる半導体素子は熱電変換素子として有用である。上述のようにドーピングするイオンの量を変化させることで、熱電変換素子のゼーベック係数を所望の範囲に調整することが簡易且つ簡便にできる。
なお、本明細書において熱電変換素子とは、熱を電力に変換する素子をいい、ゼーベック効果を利用して熱と電力とを変換する素子などをいう。
ここで、ゼーベック効果とは、物質の両端に温度差を設けた場合、その両端には温度差に応じた電圧が生じるという現象をいい、その熱起電力Vは下記式(I)で示され、ゼーベック係数が大きいほど起電力が高くなる。
V=S(T2−T1)・・・(I)
(式中、Vは電圧を表し、Sはゼーベック係数を示し、T1及びT2は両端の温度を意味する。)
<デバイス>
本発明のデバイスは上述のように図1に示す形態のものなどが挙げられるが、より具体的な例を図2を参照して説明する。
なお、以下の説明においては特に説明しない点については上述の図1の説明においてした説明が適宜適用される。
本実施形態のデバイス1’は、素子前駆体30’にイオンドーピングを行いp型−n型制御可能な半導体素子100’とするためのデバイスであって、2つの電極20’、21’と、一方の電極20’に隣接して配置された、上記素子前駆体30’を載置する載置部50’と、素子前駆体30’が該載置部50’に載置された際に該素子前駆体30’及び他方の電極21’間に形成されるイオン含有物投入部51’とからなる。
2つの電極20’,21’は、絶縁性で断熱性の基板の上に形成されている。
2つの電極20’,21’は、配線70’を介して不図示の定電流・定電圧の可変出力が可能である公知の電源装置に電気的に接続され、ユーザーが設定した電圧を印加することができるようになされている。
イオン含有物投入部51’は、載置部50’と他方の電極21’と間に2つの電極20’、21’及び載置部を囲うようにチャンバー(図中の破線で示す中空構造体)に覆われた部分として形成され、チャンバーの開閉自在な投入排出口を介してイオン含有物40’並びに素子前駆体30’が投入できるようになされている。イオン含有物投入部51’に投入されたイオン含有物40’は他方の電極21’と接触し、且つ素子前駆体30’と接触する。
(使用方法)
本発明のデバイスは、上述のように電圧を印加することにより、本発明の半導体素子の製造方法を簡易且つ簡便に実施することができる。
<半導体素子>
次に、本発明の製造方法により得られる半導体素子を詳細に説明する。
(全体構成:半導体素子)
半導体素子は、上記半導体素子の製造方法により得られる半導体素子であり、上記素子前駆体の表面にイオンドーピングがなされ、p型−n型に制御された半導体素子である。
ここで表面とは、素子前駆体の形状や載置台への素子前駆体の載置形態に応じて任意であるが、例えば薄膜状で、表裏両面における一方の面のみを載置台に接触させて設置した場合、半導体素子は、薄膜状の上記素子前駆体と、その一表面に所定のイオン種が吸着されて形成されたイオン層とからなる本発明の半導体素子となる。例えば、上述の図1(c)や(d)に示すように、イオン層41が薄膜状の素子前駆体30と表面に所定のイオン種が吸着されて形成されることになる。
(素子の構成材料)
上記半導体素子は、素子前駆体とその表面に吸着され層を構成してなるイオン種とからなる。素子前駆体については上述したとおりである。
上記薄膜状の素子前駆体の厚みは、特に制限はされず、目的などに応じて任意であり、原理的に種々の厚みに対応することができるが、薄すぎると強度が弱くなる点、ドーピングの効果などの点から10〜1000nmの厚みであるのが好ましく、50〜300nmであるのがより好ましい。
(イオン層)
上記イオン層は、本発明の製造方法により、上記素子前駆体の表面に所定のイオン種が吸着されて形成されたものである。
上記イオン層は、上述のように製造方法で用いるイオン含有物や印加する電圧の大きさ・正負、取り出し方などにより、イオン層の形成イオン種、その量や層の形状が種々制御されるものである。
上記イオン層におけるイオンの量は、ドーピングするイオンの量など目的などにより異なるものであり、目的とするゼーベック係数を維持可能な量であれば特に制限されない。また、イオンドーピングにより形成されるイオン層の厚みは、素子前駆体が薄膜状である場合、ドーピングされるイオン分子の直径以上の厚みを有すると考えられる。また、ドーピングするイオンの量が少ない場合などにおいては、イオン層が上述の範囲内の厚みで上記素子前駆体の表面に部分的に形成される場合もあると考えられる。
(用途)
本発明の半導体素子は、上述のように、本発明の製造方法によりp型−n型に連続的にかつ高い精度で制御されて製造された半導体素子であり、そのp型−n型の性能が効果的に引き出されたものである。このため、半導体素子として優れた性能を発揮する。特に、p型・n型の両方において優れた素子であることからp型n型接合用の半導体素子として好適に用いることができる。
また、本発明の半導体素子は、上述のように、連続的にかつ高い精度でゼーベック係数のp型−n型及び大きさが制御されたものであり、ゼーベック性能が効果的に引き出されたものである。このため、熱電変換素子として好適に用いることができ、特に、p型・n型の両方において優れた素子であることからp型n型接合用の熱電変換素子として好適に用いることができる。
本発明は上述した実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、リファレンス電極(電圧測定手段)を備えることができる。この場合、素子前駆体30にかかる実際の電圧を測定することができるので好ましい。
また、例えば、素子前駆体30のゼーベック係数を測定するための手段として、ヒーターなどの加熱手段、熱電対などのゼーベック係数測定手段を備えることができる。この場合、製造した熱電変換素子のゼーベック係数をすぐに調べることができるため好ましい。
また、例えば、2つの電極20,21と他の電極とで、電極を電界効果トランジスタのゲート・ソース・ドレインのように構成にして、ソース・ドレインの2つの電極により素子前駆体30に直接通電可能にしてもよい。このように素子前駆体に直接通電させその通電量を測定するなどによりドーピング量などの表面状態を測定することができる。
以下、本発明について実施例及び比較例を示してさらに具体的に説明するが本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕半導体素子の製造
(素子前駆体原料)
素子前駆体の原料として、半導体型単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を用いた。
用いたSWCNTは、既報の方法(Yanagi et al., ACS Nano 4, 4027 (2010))に従って、密度勾配遠心分離によって、原料として用いた市販のSWCNT(商品名:ArcSO、名城ナノカーボン社製)より分離精製を行ったものである。なお、精製後のSWCNTの純度は、光吸収スペクトルより評価を行い、半導体型が95%の高純度のSWCNTであることを確認した。
(デバイス)
図3に示す本発明のデバイスを以下のように製造した。
まず、ポリイミド基板上に断熱を行うために、厚み約10μmのパリレン(登録商標)薄膜(商品名:パリレンHT、日本パリレン合同会社製)を基板上に形成した。該パリレン薄膜を形成した基板上に、図3に示すようにソース(S)(作用極)・ドレイン(D)・ゲート(G)(対極)・リファレンス(R)の電極を形成した。なお、上記の電極は金を用い、長さは10mm、幅は数mm、厚みは100nm程度に、真空蒸着装置(型名:SVC−700TMSG、サンユー電子社製)により基板に蒸着させることで形成し、上記ソース(S)(作用極)−ゲート(G)(対極)の電極間の距離は10mmで形成した。
次に、上記ソース・ドレイン間の載置部に、上記素子前駆体としてのSWCNT薄膜の形成を行った。上記SWCNT薄膜の形成は、Yanagi et al., Adv. Mater. 23, 2811 (2011)に記載される方法に従って行った。なお、形成した上記SWCNT薄膜の膜厚は100nm〜500nmの範囲であり、典型的なものは150nmであった。
概要は、以下のとおりである。
上記SWCNT薄膜の形成は、精製後の上記素子前駆体原料を、ニトロセルロースメンブレンフィルター(商品名:GSWPシリーズ、ミリポア社製)上に減圧濾過により半導体型SWCNT薄膜を形成させて乾燥させた。乾燥後、アセトンを用いて該フィルターを溶かし、半導体型SWCNT薄膜を上記基板に転写することで形成した。
また、図3に示すように上記SWCNT薄膜のドレイン端子側に、加熱手段としての微小ヒーターとしての歪ゲージ(型名:KFR-02N-120-C1-16、共和電業社製)を形成し、温度差を形成させ、熱起電力(ゼーベック係数)の大きさを評価した。また、上記温度評価の為、熱電対(クロメル・アルメル)を上記素子前駆体の両端に形成した。
また、図3に示すようにソース−ゲート間にリファレンス電極を設け、実際に上記素子前駆体に印加される電圧を測定した。
(半導体素子の製造(イオンドーピング工程))
図3の基板上のイオン含有物投入部にイオン含有物としてのイオン液体(N,N,N-Trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide(略称:TMPA-TFSI)、関東化学社製)を2mL程度滴下して投入し、これをゲート絶縁体として用いた。
イオン含有物の投入後、上記のゲート(対極)−ソース(作用極)間に、電圧の印加を行い、本発明の半導体素子を得た。得られた半導体素子は熱電変換素子でもある。
なお、電圧の印加は、定電圧を一般的な定電圧供給装置で、60分オーダーで加えることにより行った。電圧の印加時間は、本実施例において60分オーダーで印加しているのは精密測定のためであり、原理的には数秒で可能である。
また、本実施例では、正または負の種々の電圧(−3.0〜+3.0V)において上記の工程を行い、印加電圧が異なる条件における本発明の半導体素子を製造した。また、電圧印加後に得られた半導体素子について上記加熱手段で温度差を形成させて熱起電力を測定することによりゼーベック係数の評価を行った。
得られた結果(リファレンス電圧とゼーベック係数との関係)を図4に示す。
(結果と考察)
図4は、実施例1で得られた本発明の半導体素子としてのSWCNT薄膜のゼーベック係数とリファレンス電圧と関係を示すグラフである。
結果から、印加電圧を変化させることにより、連続的にゼーベック係数を変化させることができ、p型−n型の制御が可能であることが分かる。
また、結果から、p型の最大値は、138μVK−1、n型の最大値は−57μVK−1を示した。この結果は、本発明の製造方法は、大きなゼーベック係数の値の範囲で制御可能であることを示している。また、p型・n型において最大値のものが得られたことから、p型・n型の両方において性能が効果的に引き出すことが可能であることがわかる。
以上から、本発明の半導体素子の製造方法は、製造する半導体素子のp型−n型を連続的にかつ高精度に制御することができ、簡便で、ドーピングの制御がしやすく、かつドーピングの効果が高いものであることがわかる。
また、本発明のデバイスは、本発明の半導体素子の製造方法を簡便かつ効果的に行うことができるものであることがわかる。
また、本発明の半導体素子は、高い効果のドーピングがされ、且つ、p型−n型を連続的にかつ高精度に制御されたものであり、すぐれた性能を有するものであることがわかる。
また、本発明の熱電変換素子は、高い効果のドーピングがされ、且つ、p型−n型を連続的にかつ高精度に制御されたものであり、優れた熱電変換能を有するものであることがわかる。

Claims (4)

  1. 2つの電極間に、一方の電極に近接して素子前駆体を載置すると共にイオン含有物を該素子前駆体と他方の電極間に置き、所定電圧を印加する、イオンドーピング工程を含み、
    上記素子前駆体がカーボンナノチューブ、層状2次元材料、又はナノワイヤーからなる成形体である
    ことを特徴とするp型−n型制御可能な半導体素子の製造方法。
  2. 素子前駆体にイオンドーピングを行いp型−n型制御可能な半導体素子とするためのデバイスであって、
    2つの電極と、一方の電極に隣接して配置された、上記素子前駆体を載置する載置部と、素子前駆体が該載置部に載置された際に該素子前駆体及び他方の電極間に形成されるイオン含有物投入部とからなる、
    ことを特徴とするデバイス。
  3. 請求項1または2に記載される半導体素子の製造方法により得られる半導体素子であって、
    薄膜状の上記素子前駆体と、その一表面に所定のイオン種が吸着されて形成されたイオン層とからなる
    ことを特徴とするp型−n型制御可能な半導体素子。
  4. 請求項3記載の半導体素子を用いてなる熱電変換素子。
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