JP2016015026A - 作業対象確定プログラム、作業対象確定装置及び作業対象確定方法 - Google Patents

作業対象確定プログラム、作業対象確定装置及び作業対象確定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の指標に基づいて適切な作業対象を決定する技術を提供する。
【解決手段】作業対象確定プログラムは、コンピュータに、記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成するステップと、作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成するステップと、生成された補完候補から、評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する評価ステップと、を実行させる。
【選択図】図6A

Description

本発明は、作業対象確定プログラム、作業対象確定装置及び作業対象確定方法に関する。
従来、企業の業務プロセス、或いは、業務プロセスに付随した情報処理を行うための情報処理システムが知られている。情報処理システムは、例えば、複数のPC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置をネットワーク上に分散させて接続し、それぞれの
情報処理装置で業務プロセスに応じたコンピュータプログラムを実行する。情報処理システムでは、各情報処理装置の業務プロセスに応じたコンピュータプログラムが実行されることにより、例えば、生産管理、運行管理、企業内ネットワークや電子メールの運用管理といった、業務プロセスに係る情報処理が実現される。
情報処理システムの動作確認や運用時等においては、例えば、業務手順書等に基づいて情報処理システムのハードウェアの動作確認や、各情報処理装置等に搭載されたコンピュータプログラムによる業務プロセスの処理確認が行われる。業務手順書等には、例えば、情報処理システムに含まれる各情報処理装置の起動や終了時の確認手順や、各情報処理装置の起動後に実行される業務プロセスに対する処理確認の作業手順等が自然言語等で記述されている。情報処理システムの複数の管理者や作業者は、業務手順書等に記述された作業手順に沿って操作を行い、各情報処理装置の動作、業務プロセスの処理動作等の確認を行う。
近年の、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)の進展に伴い、情報処理システムの規模が大規模化する傾向にある。このため、業務手順書等に記述される作業手順の記載量も増大し、複数の作業者による運用が困難になってきており、各作業者が行っていた作業の手順を自動化する(以下、“自動実行フロー”と称す)ことが要望されている。
なお、本明細書で説明する技術に関連する技術が記載されている先行技術文献としては、以下の特許文献が存在している。
特開平05−250009号公報 特開2002−063161号公報 特開平05−324713号公報
自然言語等で記述された業務手順書等では、作業対象を明示しない作業が記述されている場合がある。また、明示されていない作業対象を特定しようとする場合、作業対象となり得る複数の候補が存在する場合がある。業務手順書等に記述された作業手順に基づいて、対象となる情報処理システムの自動実行フローを生成する場合、例えば、自然言語等で記述された業務手順書等に含まれる、目的語が不明確等の記載不備の作業に対する作業対象を明確化することが課題となる。
1つの側面では、本発明は、自然言語で記述された業務手順書から作業対象と作業の対
を抽出する際に、適切な作業対象を決定する技術を提供する。
上記技術は、次の作業対象確定プログラムの構成によって例示できる。すなわち、作業対象確定プログラムは、コンピュータに、記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成するステップと、作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成するステップと、生成された補完候補から、評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する評価ステップと、を実行させる。
上記の作業対象確定プログラムによれば、自然言語で記述された業務手順書から作業対象と作業の対を抽出する際に、適切な作業対象を決定する技術が提供できる。
比較例における業務手順書等を自動化する処理を説明する図である。 比較例における業務手順書等を自動化する処理を説明する図である。 比較例における業務手順書等を自動化する処理を説明する図である。 比較例における業務手順書等を自動化する処理を説明する図である。 業務手順書等と一般文書との解析処理の相違を説明する図である。 業務手順書等と一般文書との解析処理の相違を説明する図である。 本実施形態の情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態の情報処理装置の機能構成を説明する図である。 業務手順書例を示す図である。 作業解析結果リスト例を示す図である。 作業解析結果により生成された作業フロー例を示す図である。 関連作業の出現位置、及び、出現回数を説明する図である。 関連作業の出現位置、及び、出現回数を説明する図である。 関連作業の出現位置、及び、出現回数を説明する図である。 関連作業の出現位置、及び、出現回数を説明する図である。 関連作業の確からしさを説明する図である。 関連作業の確からしさを説明する図である。 関連作業の確からしさを説明する図である。 関連作業の確からしさを説明する図である。 関連作業の確からしさの評価を説明する図である。 作業リストDB例を示す図である。 関連作業定義DB例を示す図である。 関連作業推定処理の全体を例示するフローチャートの例示である。 図6Aの、S3の関連作業検索処理のフローチャートの例示である。 図6Aの、S4の確率値算出処理のフローチャートの例示である。 図6Aの、S5の重み付け処理のフローチャートの例示である。 図6Aの、S6の評価処理のフローチャートの例示である。 図6Aの、S7の作業対の象特定処理のフローチャートの例示である。 関連作業推定処理に係る定義関係の設定を説明する図である。 同時判定項目1の関連作業検索処理を説明する図である。 同時判定項目1の関連作業検索処理を説明する図である。 決定確率(SS)の算出処理を説明する図である。 決定確率(SS)の算出処理を説明する図である。 同時判定項目2の関連作業検索処理を説明する図である。 同時判定項目2の関連作業検索処理を説明する図である。 重み付け処理を説明する図である。 重み係数リスト例を示す図である。 作業対象の特定処理を説明する図である。 作業対象を補完した作業解析結果リスト例を示す図である。 変形例1の関連作業推定処理のフローチャートの例示である。 変形例2の関連作業推定処理を説明する図である。
以下、図面を参照して、一実施形態に係る情報処理装置について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、情報処理装置は実施形態の構成には限定されない。
以下、図1から図9の図面に基づいて、情報処理装置を説明する。
<比較例>
図1A−1Dに、比較例としての、業務手順書等に記述された作業の実行手順に沿って、情報処理システムでの処理結果の確認等の作業を自動化する場合の処理の説明図を例示する。なお、以下の説明において、業務手順書等に記述された作業の実行手順に沿って作成された情報処理システムでの処理結果の確認等の作業を自動化する処理を“自動実行フロー”と称する。また、自動実行フローが登録されて、業務手順書等に記述された作業の自動実行を行う設備等を“自動実行基盤”と称する。自動実行基盤には、例えば、作業対象となる情報処理システムに対して接続するインターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の情報処理装置が含まれる。また、作業対象となる情報処理システムには、
例えば、複数のPCやサーバ等の情報処理装置が含まれる。
作業対象となる情報処理システムには、例えば、自動実行基盤が実行可能な言語や文法等に沿って変換された“自動実行フロー”を登録し、実行することにより、情報処理システムの処理動作等の確認を最小限の手作業に抑え、自動的に行うことが可能となる。情報処理システムの処理動作確認等には、例えば、情報処理システムに含まれる各情報処理装置の動作確認、各情報処理装置で実行される業務プロセスの処理動作等の確認が含まれる。
図1A−1Dに例示の説明図において、業務手順書等に基づく自動実行フローは、例えば、図1A→1B→1C→1Dの処理順で生成することが可能である。図1Aは、自然言語等で記述された業務手順書等の例であり、例えば、情報処理システムに含まれるサーバ等の情報処理装置を換装する場合の作業手順を記述した業務手順書等の例である。自動実行フローは、例えば、電子ファイル等で提供される、自然言語等で記述された業務手順書等に基づいて生成される。図1Aに例示の業務手順書では、例えば、“1)”の項番号等で作業の実行手順が区切られて記述されている。また、業務手順書等に記述された作業は、例えば、「Sorry serverを起動する」といったように、作業(起動する)と作業対象(Sorry server)とが組み合わされて記述されている。
なお、図1Aに例示の業務手順書の項番号“8)”では、「結線が正常であることを確認して再起動。」と記載され、「再起動」との作業行為に対する作業対象が記載されていない。しかし、項番号“7)”では、「ここでWeb server機の交換作業に入る。まず電源ケーブルを抜き…」との記載があり、項番号“9)”では、「Web serverが起動していることを確認し、」との記載がある。業務手順書に沿って情報処理システムの動作確認等の作業を行う作業者は、例えば、項番号“8)”の前後の項番号に記載された内容から文脈を判断し、項番号“8)”に記載の作業対象は「Web server機」であることを類推するこ
とができる。
自動実行フローの生成処理では、例えば、図1Aに例示の業務手順書等に対し、ファイル記載形式を解析することにより、項番号等で区切られた作業の実行手順を特定する。そして、項番で区切られた実行手順を、一連の業務手順を作業者が実行する操作単位としての作業に分割する。
図1Bは、図1Aに例示の業務手順書等に対してファイル記載形式の解析を行い、作業者の実行手順を項番等で区切られた作業単位に分割処理した状態の説明図である。図1Bの説明図において、図1Aに例示の業務手順書は、“1)”等の項番毎の作業単位に分割されている。自動実行フローの生成処理では、例えば、図1Bに例示の、作業単位に分割処理された業務手順書等に対し、例えば、自然言語解析等を行い、作業の実施条件を抽出し、「作業」と該作業行為の対象である「作業対象」とが特定される。自動実行フローの生成処理では、例えば、項番毎に分割された作業単位と、特定した「作業」と該作業行為の対象である「作業対象」に基づいて、業務手順書等に基づく作業フローが生成される。
図1Cは、図1Bに例示の、作業単位に分割処理された業務手順書等に基づいて生成された作業フローの説明図である。図1Cの作業フローに記述された各処理は、例えば、自動実行基盤を介して自動実行される処理であり、図1Bの項番号順に配列されている。また、図1Aの業務手順書等に記述された「Sorry server」、「Web server」、「Gate」等の「作業対象」である情報処理装置が、「アドレス確定」、「server起動」、「更新」、「server停止」、「機器交換」といった作業と並列して記述されている。図1Cの作業フローにおいて、各処理は、自然言語解析等により特定された「作業対象」と該作業対象に対して実行される「作業」とが並列して記述されている。
図1Cに例示の作業フローにおいて、図1Bの項番号“8)”に対応する作業フローの処理では、作業対象には「???」と記載され、「起動」といった作業行為に対応する作業対象が特定されていない。図1Cに例示の作業フローを生成する過程で実行される自然言語解析では、記載された作業を特定できるが、記載されていない作業対象は特定することができない。例えば、項番号“8)”の前後の項番号に記載された内容から文脈を判断し、項番号“8)”の作業対象を類推することができない。このため、作業対象が記載されていない場合では、図1Bの項番号“8)”に対応するフローに記載のように、作業対象が不明確な状態で作業に係る処理が生成されてしまうこととなる。
図1Dは、図1Cに例示の作業フローを対象として、業務手順の自動化処理を実行する自動実行基盤の記載文法に変換された自動実行フローの説明図である。自動実行フローは、例えば、図1Cに例示の作業フローを業務手順の自動化処理を実行する自動実行基盤の記載文法に変換することで生成される。
図1Dに例示の自動実行フローでは、図1Cに例示の作業フローにおいて、「作業」と「作業対象」の対の組み合わせとして明確な処理が、例えば、「起動(Sorry server)」といった形式で記述されている。図1Dに例示の自動実行フローでは、「作業」と「作業対象」の対の組み合わせの明確な処理について、自動実行される作業についての作業対象が括弧書きにより並列して記述されている。
しかしながら、作業対象が特定されない処理では、自動実行基盤の記載文法に変換された後であっても、「起動(???)」というように作業対象が不特定の状態で自動実行に係る処理フローが生成されてしまうこととなる。作業対象が特定できない作業を含む不完全な状態の自動実行フローでは、情報処理システムの動作確認等を行うことができない。このため、例えば、自動実行フローの生成に係る作業者等が、生成された自動実行フロー
に対してチェックを行い、作業対象の不明確な作業を検出した場合には、逐次、業務手順書等を解読して作業対象を設定するという手直し作業が生じてしまうこととなる。
他の比較例として、作業対象が記載されていない作業について、例えば、業務手順書中の他の項番号の記述内容に対し、目的語解析、代名詞推論等の照応解析を適用し、作業対象候補を推定することが想定される。しかしながら、業務手順書等に記述される文章では、目的語や代名詞等の使用については、一般的な文書に記述された文章と異なる傾向がある。図2Aに、照応解析時における業務手順書等と一般文書との相違を説明する説明図を例示する。図2A(1)は一般文書についての説明図であり、図2A(2)は業務手順書等についての説明図である。
図2A(1)に例示の一般文書の文章に対して、例えば、目的語解析、代名詞推論等の照応解析を適用した場合、文章中の代名詞は、該代名詞が現れる直近の名詞句等に高い確率で対応する傾向にある。また、一の代名詞に対応付けられる名詞句等は、他の異なる複数の代名詞により指示することも可能である。
例えば、図2A(1)では、「F社は...増幅器において、最高レベルを実現する技術
を開発し、これを実現、(その)商品化に成功しました。」との文章において、“(その)”が指し示す語句は、“最高レベルを実現する技術”に対応付けることができる。また、文章中の「これを実現」では、例えば、“これ”が指し示す語句は直前の“最高レベル”、或いは、“最高レベルを実現する技術”に対応付けることができる。
業務手順書等においては、文章中に記述された代名詞の指し示す語句への対応付けは一般文書と異なる傾向となる。例えば、図2A(2)の業務手順書例では、「serverAを起動させ」→「その後serverBを起動」→「...に成功したら先のserverを停止させ」→「
電圧安定をみて(その)停止作業に入る」との4ステップの処理が記載されている。第3ステップの“先のserver”との記載は第2ステップの“serverB”を指し示し、第4ステップの“(その)”との記載は第1ステップの“serverA”を指し示している。
図2A(2)に例示のように、業務手順書等では、一の作業対象に対する同一の作業行為は重複することはない。例えば、作業対象である「serverA」が「起動」された場合、「serverA」の「停止」作業は一回であり、2回以上の「停止」作業が業務手順書中に記述されることはない。また、業務手順書等では、第2−3ステップの「serverB」の起動・停止の関係、第1、4ステップに示される「serverA」の起動・停止の関係に示されるように、相互の処理関係が交差することはない。つまり、「serverA」の起動作業後に実行される「serverB」の起動作業と停止作業の間に「serverA」の停止作業が発生することはない。
例えば、図2A(2)に例示の業務手順書に対し、一般文書による照応解析の判断を適用する場合、図2A(2)の第3ステップの“先のserver”には、第1ステップの“serverA”、或いは、第2ステップの“serverB”が対応付けられることとなる。また、第4ステップの“(その)”には、一の代名詞に対応付けられる名詞句等は、他の異なる複数の代名詞により指示することも可能なため、第2ステップの“serverB”が対応付けられることも可能となる。
しかしながら、同一の作業対象に対して同一の作業行為が重複されることはないため、第2ステップの“serverB”に対し、第3ステップの“先のserver”,第4ステップの“(その)”が重複することはない。また、第4ステップの“(その)”と第2ステップの“serverB”との対応付けの関係は、第3ステップの“先のserver”と第2ステップの“serverB”との対応付けの関係に交差することとなる。同時に、第4ステップの“(その
)”と第2ステップの“serverB”との対応付けの関係は、第3ステップの“先のserver”と第1ステップの“serverA”との対応付けの関係にも交差してしまう。さらに、第1ステップの“serverA”と第4ステップの“(その)”との位置関係は、直近の関係にない。
また、他の比較例として、作業対象が記載されていない作業について、例えば、“起動−停止”といった対となる作業関係が登録された作業関係辞書を使用し、作業対象の補完を行うことが想定される。図2Bに、作業関係辞書を用いた場合の作業対象に対する対応付けの説明図を例示する。
図2Bの業務手順書例では、「serverAを起動させ」→「その後serverBを起動し...
確認後停止。」→「...に成功したら先のserverを停止させ」→「電圧安定をみて(その
)停止作業に入る」との4ステップの処理が記載されている。例えば、作業関係辞書に“起動−停止”といった対となる作業関係が登録されている場合では、第1ステップの“serverAを起動”との処理に対して、第2ステップ以降に記述される“停止”作業は、“serverA”を作業対象とすることが可能である。図2Bの例では、例えば、第3ステップの“先のserver”、第4ステップの“(その)”が指し示す作業対象の補完候補として“serverA”を選定することが可能となる。
しかしながら、第3ステップ、第4ステップの作業は同種の“停止”作業である。このため、作業関係が登録された作業関係辞書を用いた場合であっても、何れのステップに記載の作業に対して対応付けられる作業対象なのかを特定するには至らない。
<実施例>
本実施形態の情報処理装置は、例えば、電子ファイル等に格納された業務手順書等の実行手順に沿って、自然言語等で記述された作業の作業解析を行う。作業解析では、情報処理装置は、例えば、業務手順書等の項番号等に沿って、項番号等で区切られた作業間の順序関係を特定すると共に、項番号等で区切られた文章毎に形態素解析等を適用し、該文章に記述された作業対象と作業との対となる組み合わせを抽出する。なお、情報処理装置は、作業対象が明示されていない作業が存在する場合には、例えば、作業対象を不明の状態として、作業対象と作業との対となる組み合わせを抽出する。
本実施形態の情報処理装置は、複数の定義関係に基づいて、作業解析により抽出された、確定した作業対象と作業との対となる組み合わせの中から、不明の作業対象を確定するための補完候補となる作業を抽出する。そして、情報処理装置は、不明の作業対象と対となって抽出された作業と、確定された作業対象と対となって抽出された他の作業との間の関連性等を判定し、各補完候補の評価を行う。作業対象が不明の作業と、作業対象が確定された作業との間の関連性等の判定では、互いに独立した複数の評価項目に沿って、補完候補となる作業の作業対象を上記不明の作業対象とすることの確からしさが判定される。
本実施形態の情報処理装置は、例えば、各補完候補となる作業の評価結果に基づいて、補完候補の作業が行為の対象とする作業対象を不明の作業対象と同一であるとして特定する。この結果、本実施形態の情報処理装置では、例えば、情報処理装置の記憶手段等に格納された、自然言語で記述された業務手順書から作業対象と作業の対を抽出する際に、複数の指標に基づいて適切な作業対象を決定する技術が提供できる。
〔装置構成〕
図3に、本実施形態の情報処理装置のハードウェアの構成を例示する。図3に例示の情報処理装置10は、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ等のコンピュータであ
る。情報処理装置10は、接続バスB1によって相互に接続されたCPU(Central Proc
essing Unit)11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部14、出力部15、通信部
16を有する。主記憶部12及び補助記憶部13は、情報処理装置10が読み取り可能な記録媒体である。
情報処理装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されたプログラムを主記憶部12の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行う。これにより、情報処理装置10は、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
図3に例示の情報処理装置10において、CPU11は、情報処理装置10全体の制御を行う中央処理演算装置である。CPU11は、補助記憶部13に格納されたプログラムに従って処理を行う。主記憶部12は、CPU11がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりする記憶媒体である。主記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。
補助記憶部13は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部13は、外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部13には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部16を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、接続されたネットワーク上の、他のサーバ等の情報処理装置、外部記憶装置、通信機能を有する装置等が含まれる。
補助記憶部13は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ソリッドス
テートドライブ装置、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)装置等であ
る。また、補助記憶部13としては、例えば、CDドライブ装置、DVDドライブ装置、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)ドライブ装置等が提示できる。記録媒体としては、例えば、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ)を含むシリコンディスク、ハードディスク、CD、DVD、BD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード等がある。
入力部14は、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける。入力部14は、入力ボタン、キーボード14a、マウス14b、タッチパネル等のポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、マイクロフォン、カメラ等の入力デバイスである。入力部14から入力された情報は、接続バスB1を介してCPU11に通知される。
出力部15は、CPU11で処理されるデータや主記憶部12に記憶されるデータを出力する。出力部15は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)15a、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence
)パネル、有機ELパネル、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスである。通信部16は、例えば、ネットワーク等とのインターフェースである。情報処理装置10が接続するネットワークには、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット(Internet)等の公衆ネットワーク、通信基地局を含む携帯電話網等の無線ネットワーク等が含まれる。
情報処理装置10は、例えば、CPU11が補助記憶部13に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することにより、対象プログラムの実行と共に、図3に例示の各機能手段を実現する。情報処理装置10は、対象プログラムの実行と共に、図3に例示の文書入力部101、作業抽出部102、関連作業推定部103、作業手順出力部104を実現する。但し、図3に例示の各機能手段のいずれか、あるいは、これらの一部がハードウェア回路によって動作するものであってもよい。
なお、各機能手段のうち、いずれかが、他の情報処理装置等に含まれてもよい。例えば、文書入力部101を含む情報処理装置と、作業抽出部102を含む情報処理装置と、関連作業推定部103を含む情報処理装置と、作業手順出力部104を含む情報処理装置とがネットワーク等を介して接続し、情報処理装置10として機能するとしてもよい。同様に、情報処理装置10の用語辞書DB201、作業リストDB202、関連作業定義DB203は、複数の外部記憶装置に分散されて格納し、ネットワーク等を介して接続されるとしてもよい。情報処理装置10は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドとして実現できるため、各機能手段の処理負荷を軽減できる。
〔機能ブロック構成〕
図4Aに、本実施形態の情報処理装置10における、機能ブロックの説明図を例示する。図4Aに例示の説明図において、情報処理装置10は、文書入力部101、作業抽出部102、関連作業推定部103、作業手順出力部104の各機能手段を有する。また、図4Aに例示の説明図において、情報処理装置10は、以上の各機能手段が参照し、或いは、管理するデータの格納先として、例えば、用語辞書DB201、作業リストDB202、関連作業定義DB203を補助記憶部13に備える。また、情報処理装置10は、以上の各機能手段が参照し、或いは、管理するデータの格納先として、例えば、作業解析結果リスト204を有する。
図4Aに例示の、文書入力部101は、例えば、自然言語等で記述された非定型の業務手順書A1等を受け付ける。文書入力部101は、例えば、補助記憶部13を介して、CD、USBメモリ等の記録媒体に格納された業務手順書等A1を読み込むことで業務手順書等A1を受け付けることができる。また、文書入力部101は、ネットワーク等を介して他の情報処理装置、或いは、外部記憶装置に格納された業務手順書等A1を情報処理装置10に読み込むとしてもよい。自然言語等で記述された業務手順書等A1は、例えば、XXX.doc、XXX.pdf、XXX.xsl(“XXX”は対象となる業務手順書等のタイトル等を表す)等の、情報処理装置10が読み込み可能な電子ファイルの文書形式で表すことができる。文書入力部101は、例えば、情報処理装置10で受け付けた非定型の業務手順書等A1を、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
[作業抽出処理]
作業抽出部102は、例えば、用語辞書DB201を参照し、文書入力部101で受け付けた業務手順書等に対して形態素解析等を行うことにより、業務手順書等に記述された各作業の実行順序を特定する。作業抽出部102は、実行順序として、例えば、業務手順書等の項番号を抽出すればよい。また、作業抽出部102は、例えば、特定された各作業の実行順序ごとに、作業対象と該作業対象に施される作業との対となる組み合わせを抽出する。
作業抽出部102は、例えば、業務手順書等から「。」といった句読点を検出し、「。」等の句読点で区切られた範囲箇所を、該業務手順書に記述された文章の区切りとして特定する。そして、特定した文章に対して検出順に、業務手順書等における記述位置を示す識別番号等を付与する。作業抽出部102は、例えば、特定した文章を、文章毎に付与された識別番号順に整列することにより、該整列順を作業の実行順序と見做すことができる。なお、作業抽出部102で行われる各作業の実行順序の特定は、例えば、業務手順書等の項番号に従うとしてもよい。例えば、作業抽出部102は、文書入力部101で受け付けた業務手順書等に対してファイル記載形式等の解析を行い、文頭に設けられた項番号等を検出し、該項番号に沿って区切られた各作業の実行手順を特定することができる。
作業抽出部102は、例えば、用語辞書DB201を参照し、特定した文章に記述され
た作業対象、及び、該作業対象に施される作業の対となる組み合わせを抽出する。ここで、用語辞書DB201には、例えば、作業抽出部102で行われる形態素解析等に使用される各種辞書群が予め登録されている。用語辞書DB201に登録されている各種辞書群には、例えば、形態素解析等で使用される形態素等と品詞関係表、文章中に記述された作業を分類するための作業動詞と該作業が含まれるカテゴリ対応表等が含まれる。用語辞書DB201に登録される辞書として、例えば、情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency)等で公開している辞書等が利用可能である。なお、実験
的に業務手順書等を解析し、該業務手順書等で記述される作業行為を予めデータとして蓄積し、用語辞書DB201に登録するとしてもよい。
作業抽出部102は、特定した文章中に作業と組み合わせられる作業対象が明示されていない場合には、例えば、作業対象を空欄状態といった未確定の状態で、作業対象、及び、作業の対となる組み合わせを抽出する。作業抽出部102は、業務手順書等から抽出した作業対象と作業との対となる組み合わせを実行順序に整列し、例えば、実行順序に整列した作業対象と作業との対となる組み合わせを作業解析結果リスト204として生成する。また、作業抽出部102は、生成した作業解析結果リスト204に基づいて、各作業の実行手順をフローチャート化した作業フローを生成する。作業抽出部102は、生成した作業解析結果リスト204、作業フローを、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
図4Bに、業務手順書A1の一例を例示する。図4Bは、例えば、情報処理システムに含まれるサーバ等の情報処理装置を換装する場合の作業手順を記述した業務手順書例である。図4Bに例示の業務手順書A1では、例えば、“1)”の項番号等で作業の実行手順が区切られて記述されている。項番号等で区切られた各実行手順には、例えば、“Sorry server”といった作業対象に対する“起動する”といった作業が組み合わされて対となり、記述されている。作業抽出部102は、例えば、文頭に設けられた項番号を検出し、該項番号に沿って、各作業に対する実行手順を特定する。また、作業抽出部102は、例えば、用語辞書DB201を参照し、各項番号に記述された作業対象、及び、作業の対となる組み合わせを抽出し、作業解析結果リスト204、作業フロー等を生成する。
図4Cに、図4Bに例示の業務手順書A1に対し、作業抽出部102により生成された作業解析結果リスト204の一例を例示する。また、図4Dに、図4Cに例示の作業解析結果リスト204に基づいて生成された作業フローの一例を例示する。
図4Cに例示の作業解析結果リスト204は、「ID」、「形態素解析による情報抽出結果」、「作業抽出結果」のカラムを有する。「形態素解析による情報抽出結果」カラムは、さらに、「文書中の出現位置」、「作業表記」とのサブカラムを有する。「作業抽出結果」カラムは、さらに、「作業対象」、「作業」とのサブカラムを有する。「ID」カラムには、作業解析対象となる業務手順書A1から特定された作業対象と作業との対になる組み合わせを一意に識別する識別情報が格納される。なお、「ID」カラムに格納される識別情報は連番で付与される。連番による識別情報が付与されることにより、作業解析結果リスト204の各作業には、例えば、作業解析対象となる業務手順書A1に記述された実行順序が反映されることとなる。
「形態素解析による情報抽出結果」カラムには、形態素解析により作業解析対象となる業務手順書A1から抽出された所定の情報が格納される。ここで、業務手順書A1から抽出された所定の情報には、例えば、サブカラムで例示される、作業対象と作業とが対となる組み合わせで抽出された業務手順書A1中の「文書中の出現位置」、業務手順書A1中の記述表現である「作業表記」が含まれる。
「文書中の出現位置」カラムには、形態素解析により抽出された作業対象と作業との対となる組み合わせの、業務手順書A1中の表記位置が格納される。例えば、図4Bの業務手順書A1では、作業行為が記述された文章に対する項番号等が格納される。なお、「。」等の句読点を検出し、作業行為が記述された文章の区切りとする場合では、例えば、「。」等の句読点を検出した順に番号を付与し、該付与した番号を「文書中の出現位置」カラムに格納するとしてもよい。「作業表記」カラムには、形態素解析により抽出された作業対象と作業との対となる組み合わせの、業務手順書A1中の記述表現が格納される。「作業表記」カラムに格納される業務手順書A1中の記述表現は、例えば、文章中から抽出した作業対象の名詞に該作業対象に対する作業行為を示す動詞等を連結した形式で表現される。
例えば、図4Bに例示の業務手順書A1において、項番号“4)”には、「ここでSorry serverを起動する」との文章が記述されている。作業抽出部102は、例えば、項番号“4)”で示される文章に対して形態素解析を行い、作業対象となる名詞等の“Sorry server”、作業行為を示す動詞等の“起動”を抽出する。そして、作業抽出部102は、例えば、形態素解析により抽出した作業対象を示す名詞等と作業行為を示す動詞等とを、作業対象及び作業の順に連結し、「作業表記」カラムに格納する。例えば、図4Cの「文章中の出現位置」カラムに“4)”が格納されたレコードの「作業表記」カラムには、“Sorry server起動”との連結形式で表現された語句が格納されている。
図4Cの作業解析結果リスト204例の「作業抽出結果」カラムには、形態素解析により抽出された作業対象情報と作業情報が格納される。作業対象情報は、例えば、「作業対象」のサブカラムに格納され、作業情報は「作業」のサブカラムに格納される。「作業対象」サブカラムには、業務手順書A1中で記述された“Sorry server”といった作業行為の対象となる機器の名称が格納される。「作業」サブカラムには、作業対象に対する作業行為が格納される。例えば、図4Cの「文章中の出現位置」カラムに“4)”が格納されたレコードの「作業対象」サブカラムには、“Sorry server”との機器の名称が格納され、「作業」サブカラムには、“サーバを起動”との表現で作業対象に対する作業行為が格納されている。
なお、図4Bに例示の業務手順書A1の項番号“6)”では、「daemon停止」との情報処理装置等で実行されるプロセスの停止作業が記載されているが、作業対象となる、“daemon”を実行中の機器名は記載されていない。作業抽出部102では、“daemon”とのプロセス、“停止”との作業行為は抽出されるが、“daemon”プロセスを実行するサーバ等の情報処理装置は記載されていないため、「daemon停止」に対応する作業対象を抽出することはできない。このため、図4Cに例示の作業解析結果リスト204の「文章中の出現位置」カラムに“6)”が格納されたレコードの「作業対象」カラムでは、作業対象が未確定の状態を示す空欄状態となる。
なお、“daemon”プロセスは、サーバ等の情報処理装置で実行されるプロセスである。作業抽出部102は、例えば、用語辞書DB201を参照し、“daemon”とのプロセスをサーバ等の機器の動作に依存する処理プロセスとして特定する。作業抽出部102は、例えば、処理プロセスの作業が特定された場合には、該処理プロセスが依存するサーバ等の機器の動作に係る作業と判断する。このため、図4Cに例示の、「文章中の出現位置」カラムに“6)”が格納されたレコードの「作業」カラムでは、“サーバを停止”との表現で処理プロセスが依存するサーバ等に対する作業行為が格納される。
また、図4Bに例示の業務手順書A1の項番号“11)”では、「Gate復旧に成功した場合」との条件付けが行われた、「serverを停止させ、…」との作業行為が記載されている。作業行為の「停止」が行われる作業対象は「server」であるが、「server」が指し示
す具体的な機器名は記載されていないため、作業抽出部102では、作業行為の「停止」が行われる「server」を特定することができない。例えば、業務手順書A1では、項番号“11)”の作業が記述されるまでの間に、“Sorry server”、“gate”、“Web server”、“apache”といった機器が作業対象として記述されているが、何れの「server」を指し示しているかが不明確である。このため、図4Cに例示の作業解析結果リスト204の「文章中の出現位置」カラムに“11)”が格納されたレコードの「作業対象」カラムでは、作業対象が未確定の状態を示す空欄状態となる。
なお、“server停止”は、“server”といった不特定の機器名称に対する「停止」といった作業行為である。作業抽出部102は、例えば、用語辞書DB201を参照し、“server”と文字列を抽出し、サーバ等の機器に対する作業と特定する。このため、図4Cに例示の、「文章中の出現位置」カラムに“11)”が格納されたレコードの「作業」カラムでは、“サーバを停止”との表現で作業行為が格納される。
上述のように、作業抽出部102は、例えば、用語辞書DB201を参照し、業務手順書等に対して形態素解析等を行い、作業対象と作業とが対となる組み合わせを文章毎に抽出する。作業抽出部102で抽出された作業対象と作業とが対となる組み合わせは、例えば、業務手順書等に記述された作業の実行手順に沿って抽出される。作業抽出部102により抽出された、作業対象と作業とが対となる組み合わせは、例えば、業務手順書等に記述された作業の実行手順に沿って整列された作業解析結果リスト204として生成される。なお、作業抽出部102では、生成された作業解析結果リスト204に基づいて、図4Dに例示する作業フローが生成される。
図4Dに例示の作業フローにおいて、丸囲みで示される番号は、作業結果解析リスト204の「ID」カラムに格納される識別番号に対応する。丸囲みで示される番号には、対応する識別番号が作業結果解析リスト204の「ID」カラムに格納されたレコードの、「作業抽出結果」カラムの作業対象と作業との対となる組み合わせが対応する。図4Dの作業フローにおいて、丸囲みで示される番号の配列順は、作業フローの上部側から下部側に向かって整列されている。丸囲み番号の整列順は、例えば、業務手順書A1での丸囲み番号に対応する作業の実行手順を示している。
図4Cに例示の作業解析結果リスト204において、作業対象が記載されていない項番号“6)”の作業、作業対象が不明確な項番号“11)”の作業は、それぞれ、図4Dに例示の作業フローの丸囲み番号“4”、“11”に対応する。図4Dの作業フローでは、作業対象が記載されていない項番号“6)”の作業は、丸囲み番号“3”の作業後に実行され、作業対象が不明確な項番号“11)”の作業は、丸囲み番号“10”の作業後に実行されることが判る。作業フローの生成により、作業抽出部102は、作業対象が特定されていない状態であっても、業務手順書等に記載された各作業の実行手順を特定することができる。
なお、図4Dに例示の作業フローにおいて、丸囲み番号“8”では、該作業の実行に対する条件分岐枝が記載されている。図4Cに例示の作業解析結果リスト204では、丸囲み番号“8”に対応するレコードの「作業」カラムには、“起動を確認”との作業行為が格納されている。作業抽出部102では、作業フローの生成にあたり、“起動を確認”に対応付けて、“確認”が成功した場合、及び、“確認”が失敗した場合を分岐枝とした条件判定を自動的に挿入することができる。例えば、作業抽出部102は、“確認”、“チェック”、“判定”等の判断結果を伴う作業を検出した場合には、分岐枝を作るようにすればよい。なお、図4Dの作業フローの、丸囲み番号“8”の“確認”が失敗した場合のスキップ先は、例えば、作業解析対象となる業務手順書等の形態素解析等により特定される。
ここで、情報処理装置10の作業抽出部102は、記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成するステップの一例である。また、情報処理装置10は、記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成する手段の一例として作業抽出部102の処理を実行する。
[関連作業推定処理]
図4Aに例示の説明図に戻り、関連作業推定部103は、作業抽出部102において作業対象が未確定の状態の作業を抽出した場合に、作業リストDB202、関連作業定義DB203を参照し、未確定の作業対象に対する補完候補を生成する。作業リストDB202についての説明は、図5Aで後述する。また、関連作業定義DB203についての説明は、図5Bで説明する。
関連作業推定部103は、作業抽出部102で生成された作業解析結果リスト204に基づいて、未確定の作業対象に対する補完候補を生成する。そして、関連作業推定部103は、生成した補完候補に対して関連作業定義DBに登録された複数の評価項目による評価を行い、評価結果に基づいて補完候補を特定し、未確定の作業対象の明確化を行う。
(関連作業)
関連作業推定部103は、例えば、作業解析対象の業務手順書等に記述された作業の中から、作業対象が未確定の状態の作業に対する関連作業を抽出する。ここで、関連作業とは、同一の作業対象に対して実行される作業群である。同一の作業対象に対して関連作業として結び付けられる作業群は、例えば、業務手順書中における出現位置が所定条件を満たす位置関係で所定の出現回数を有する作業である。関連作業推定部103は、例えば、作業リストDB202、関連作業定義DB203を参照し、作業解析結果リスト204に基づいて、作業対象が未確定の状態の作業に対する関連作業を抽出する。
例えば、図4Bに例示の業務手順書A1の項番号“4)”では、「ここでSorry serverを起動する」と記述されているため、作業抽出部102では、作業対象である“Sorry server”に対する“起動”という作業が対となる組み合わせとして抽出される。
業務手順書等では、業務手順書等に記述された一連の作業手順が終了する際には、作業対象となる機器の状態を提供状態に戻す傾向にある。このため、例えば、作業対象である“Sorry server”に対して行われた“起動”作業に対し、“Sorry server”を提供状態に戻すための“停止”作業が発生する。ここで、“Sorry server”に対して行われる“起動”及び“停止”の関係は、“Sorry server”を同一の作業対象とした作業群の関係にあり、“Sorry server”の“起動”に対する“停止”、或いは、“Sorry server”の“停止”に対する“起動”は関連作業となる。なお、比較例で説明したように、同一の作業対象に対し、関連作業として結び付けられる作業間の関係は1対1の関係にあり、例えば、1回の“起動”作業が複数の“停止”作業と結びつくことはない。
同一の作業対象を作業行為の対象とした関連作業は、業務手順書等において、一定の位置関係で記述される。例えば、図4Bの項番号“4)”に記述された“Sorry server”に対する“起動”の例では、関連作業となる“Sorry server”の“停止”作業は、少なくとも項番号“4)”以降の作業として記述される。このため、“Sorry server”に対する“起動”作業が記述された項番号以前の、項番号“2)”等で“Sorry server”の“停止”作業が記述されることはない。
つまり、同一の作業対象に対して、1対1の関係で結び付けられる“起動”−“停止”
の関連作業の順序関係は、業務手順書等において、“起動”作業が“停止”作業の記述位置に先んじて出現する関係にある。言い換えれば、業務手順書等において、作業対象が不確定の“停止”作業が抽出された場合には、少なくとも、“停止”作業の出現位置より以前の記述位置に、同一の作業対象に対して1対1の関係で結び付けられる関連作業の“起動”が記述されることとなる。図5Bで後述するように、関連作業定義DB203には、作業対象を同一として結び付き得る関連作業の作業関係の定義が格納される。
関連作業推定部103は、作業抽出部102で生成された作業解析結果リスト204に基づいて、作業リストDB202、関連作業定義DB203を参照し、作業対象が未確定の状態の作業に対する関連作業を抽出する。そして、関連作業推定部103は、抽出された関連作業に対となり組み合わせられた作業対象を、未確定作業対象に対する補完候補として特定する。
図4E−4Hに、関連作業として結び付けられる複数の作業の出現位置、及び、出現回数についての説明図を例示する。業務手順書等において、同一の作業対象に対して、関連作業として結び付けられる複数の作業の出現位置関係は、上述した関係以外に、図4E−4Gに例示する位置関係を有する。
図4Eに例示の説明図において、曲線Z1、Z2は、同一の作業対象に対する関連作業としての結び付きを示している。図例では、第2ステップの“server起動”と第5ステップの“server停止”は、“server”を同一の作業対象とした関連作業であり、第3ステップの“Server起動”と第4ステップの“Server停止”は、“Server”を同一の作業対象とした関連作業である。
業務手順書等に記述される作業では、例えば、ある業務プロセスの実行は、依存関係を有する各種プログラムの起動、各種プログラムが搭載される情報処理装置等の起動、業務プロセスの実行に係る情報処理装置等の起動を前提としている。このため、作業対象が異なる関連作業間の関係では、同一の作業対象に対して結びつけられた関連作業の処理関係が交差することはない。例えば、図4Eの曲線Z1と曲線Z2との関係で例示されるように、同一の作業対象に対して結び付く関連作業と他の作業対象に対して結び付く関連作業とは交差することなく、入れ子構造(ネスト:Nest)となる。
例えば、図4Eに例示の説明図において、第4、5ステップの作業対象が未確定の場合、曲線Z3で示されるように、第2ステップの“server起動”と第4ステップの“停止”が関連作業として結び付けることができる。また、曲線Z4で示されるように、第3ステップの“Server起動”と第5ステップの“停止”が関連作業として結び付けることができる。しかしながら、曲線Z3により結び付けられる関連作業と、曲線Z4により結び付けられる関連作業とは、図4Eに例示のように相互の結び付きの関係が交差することとなるため、曲線Z3の関連作業と曲線Z4の関連作業とは同時に成立することはできない。このため、曲線Z3により結び付けられる関連作業、曲線Z4により結び付けられる関連作業は、“起動−停止”との関係が成立しても、関連作業としての結び付きとしては不適切なものとなる。
本実施形態では、関連作業推定部103は、図4Eに例示の説明図において、第4、5ステップの作業対象が未確定の場合、他の関連作業の処理関係と交差しないネスト構造を有する、曲線Z1、Z2で示される作業群を関連作業として抽出する。関連作業推定部103は、作業解析結果リスト204から、例えば、関連作業定義DB203に登録された定義関係に基づいて、作業対象が不明の第4、5ステップの作業に対する作業群を(曲線Z1、Z2)、関連作業として抽出する。
また、同一の作業対象に対し、関連作業として結び付く複数の作業には、出現位置として特定の順序関係を有する作業が含まれる。例えば、サーバ等に搭載されるソフトウェアの処理確認を行う場合では、ハードウェアとしての動作を確認した後に、ソフトウェアの処理確認を行う作業が実行される。ソフトウェアを実行するためのリソースとしてのハードウェアが動作しなければ、ソフトウェアの処理は機能しないからである。
業務手順書等では、例えば、“server”を作業対象として“起動”作業が記述される場合、“server”に対する“起動”作業の成否確認として、“起動確認”との作業が後手順として記述される。作業対象である“server”を同一として行われる“起動”作業と、“起動”作業の後手順として業務手順書等に出現する“起動確認”作業とは、関連作業として結び付けることができる。関連作業推定部103は、関連作業定義DB203を参照し、“起動”作業と、“起動”作業の後手順として出現する“起動確認”作業とを関連作業として抽出する。
図4Fに例示の説明図では、“A Server”を作業対象とする“起動”との作業の直後に、“Server”を作業対象とした“起動確認”作業が記述されている。“起動確認”作業の対象の“Server”との表現では、“A Server”と同一の作業対象であるかは不明である。しかし、“Server”を作業対象とした“起動確認”作業は、“A Server”を作業対象とする“起動”との作業の直後に出現していることから、両者は、“A Server”を作業対象とする関連作業として結び付けることができる。関連作業推定部103は、例えば、関連作業定義DB203に登録された定義関係に基づいて、作業解析結果リスト204の図4Fに例示の位置関係で出現した“起動”作業と“起動確認”作業とを、関連作業として抽出する。
業務手順書等に記述された作業の実行手順を、実行手順に沿って作業フローとした場合、関連作業として結びつく複数の作業の出現位置は、同一の処理経路上に出現する。例えば、“起動”作業と“停止”作業との作業関係は、同一の作業対象に対する関連作業として結び付く条件を満たす関係にある。しかし、2分岐された処理経路において、2分岐後の一方の処理経路に出現した“起動”作業と、他方の処理経路に出現した“停止”作業とは、処理経路が異なるため、関連作業として結び付くことはない。
図4Gに例示の説明図において、“A Server起動”→“Server停止(1)”→“B server停止確認”を含む処理経路は、例えば、2分岐された一方の処理経路であり、“server停止(2)”を含む処理経路は、2分岐された他方の処理経路と想定する。図例において、2分岐された一方の処理経路上の“Server停止(1)”では、“停止(1)”作業の作業対象である“Server”は、“A Server”と同一の作業対象であるか不明である。2分岐された他方の処理経路上の“server停止(2)”についても同様である。
“Server”を作業対象とした“停止(1)”作業は、“A Server”を作業対象とした“起動”作業と同一経路上に存在するため、“A Server”を作業対象とする“起動”作業に対して関連作業として結び付けることができる(曲線Z5)。しかし、“server”を作業対象とした“停止(2)”作業は、“A Server”を作業対象とした“起動”作業と異なる他方の経路上に存在する。このため、“server”を作業対象とした“停止(2)”作業は、“A Server”を作業対象とした“起動”作業に対して関連作業として結び付けることができない(曲線Z6)。分岐後の異なる経路に出現する作業間では、関連作業の関係を持つことができない。
関連作業推定部103は、図4Gに例示の、曲線Z5で示される、同一経路上に存在する複数の作業を関連作業として抽出する。関連作業推定部103では、図4Gに例示の、曲線Z6で示される、異なる処理経路上の複数の作業については作業対象を同一とする関
連作業として抽出されることはない。
なお、図4Gに例示の説明図において、“server”を作業対象とした“停止(2)”の作業後に、“B server停止確認”との処理に移行すると想定する。この場合、“B server”を作業対象とした“停止確認”作業と、“server”を作業対象とした“停止(2)”の作業とは同一の処理経路上に存在する位置関係となる。また、同様に、“B server”を作業対象とした“停止確認”作業と、“Server”を作業対象とした“停止(1)”の作業とは同一の処理経路上に存在する位置関係となる。
既に説明したように、“停止”作業の後手順として出現する“停止確認”作業は、関連作業として結び付くことができる。このため、関連作業推定部103では、“B server”を作業対象とした“停止確認”作業と、“server”を作業対象とした“停止(2)”の作業とが、関連作業として抽出されることとなる。分岐後の経路が合流する前に出現する“停止(2)”の作業と、分岐後の経路が合流した後に出現する“停止確認”作業とは、関連作業として結び付くことができる。同様に、関連作業推定部103では、“Server”を作業対象とした“停止(1)”の作業と、“停止(1)”作業の後手順として出現する、“B server”を作業対象とした“停止確認”作業とが、関連作業として抽出されることとなる。
図4Hに、関連作業として結び付けられる複数の作業の出現回数についての説明図を例示する。図4Hに例示の説明図において、曲線Z7、Z8は、作業対象を同一とする関連作業としての結び付きを示している。図例では、第2ステップの“server1停止”と第5
ステップの“server1再起動”は、“server1”を同一の作業対象とした関連作業であり、第3ステップの“server2停止”と第4ステップの“server2再起動”は、“server2”を
同一の作業対象とした関連作業とする。
業務手順書等に記述される作業では、例えば、一連の作業手順が終了する際には、作業対象となる機器の状態を提供状態に戻す傾向にある。このため、例えば、作業対象である“server1”に対して行われた“停止”との作業に対し、“server1”を提供状態に戻すための“再起動”、或いは、“再開”との作業が発生する。同一の作業対象について、一回の“停止”作業が存在する場合、後手順として、一回の“再起動”、或いは、“再開”との作業が存在する。作業対象を同一とする、“停止”と“再起動”、或いは、“再開”との作業は、関連作業として結び付けることができる。関連作業推定部103は、例えば、関連作業定義DB203に登録された定義関係に基づいて、作業解析結果リスト204の図4Hに例示の位置関係で出現した“停止”作業と“再起動”作業、或いは、“再開”作業とを、関連作業として抽出する。
例えば、図4Hに例示の説明図において、“server2再起動”の作業対象が不明の場合
、曲線Z9で示されるように、“server1停止”を関連作業として結び付けることができ
る。また、曲線Z10で示されるように、“server1再起動”の作業対象が不明の場合、
“server1停止”を関連作業として結び付けることができる。しかしながら、作業対象を
同一とする、一回の“停止”作業には、一回の“再起動”、或いは、“再開”作業が関連作業として結び付くことができる。このため、曲線Z9で示される関連作業が成立する場合には曲線Z10で示される関連作業は成立し得ず、曲線Z9、Z10の関連作業は同時に成立することはできない。
(関連作業の確かさらしさ)
・簡易例
関連作業推定部103は、関連作業定義DB203を参照し、作業解析結果リスト204から抽出された、作業対象が不明の作業に結び付けられる関連作業に対する確からしさ
を確率値により求める。関連作業の確からしさは、関連作業を抽出するために使用した独立した定義関係毎に求められる。例えば、関連作業を抽出するために使用した定義関係がネスト構造の確率(構造化確率)を有する場合には、関連作業の確からしさは、該ネスト構造の確率値と定義関係毎に付与された確率値とに基づいて求められる。ネスト構造の確率値、定義関係に対応する確率値は、例えば、関連作業定義DB203に登録される。関連作業推定部103は、作業対象が不明の作業に結び付けられる関連作業に対し、関連作業定義DB203に登録された定義関係に対応する確率値、ネスト構造の確率値に基づいて関連作業の成立し得る確からしさを求める。
・詳細例
関連作業推定部103は、作業解析結果リスト204で抽出された業務手順書等の各作業に対して、作業リストDB202、関連作業定義DB203を参照し、作業対象が未確定の作業に結び付けられる作業群を関連作業として抽出する。そして、関連作業推定部103は、例えば、関連作業定義DB203を参照し、関連作業として抽出された作業毎に、作業対象を不明とする作業との間で関連作業としての関係が成立し得る確からしさを確率値として求める。
図4J−4Lに、関連作業としての関係が成立する確からしさの説明図を例示する。図4E、4Fで説明したように、作業対象を同一とする作業群には、互いに異なる定義により結び付けることが可能な、複数の作業カテゴリが存在する。例えば、図4Eでは、作業対象を同一とする“起動”と“停止”との関連作業が例示され、図4Fでは、作業対象を同一とする“起動”と“起動確認”との関連作業が例示されている。
“起動”との作業に対して結び付けられる関連作業としての判定基準として、“停止”等の作業対象の状態を変更する作業カテゴリ、“起動確認”等の作業対象の状態を確認する作業カテゴリ等が複数に存在し得る。そして、それぞれの作業カテゴリは、互いに異なる定義基準により判定されるため、それぞれに独立して、作業対象の不明な作業に結び付けられる関連作業の関係が成立し得る。このため、作業対象が不明な作業と結び付けられた一方の作業カテゴリに属する関連作業の作業対象と、他方の作業カテゴリに属する関連作業の作業対象とが異なってしまうケースが発生することとなる。
関連作業推定部103は、例えば、関連作業定義DB203を参照し、それぞれに独立して関連作業の関係が成立し得る複数の作業カテゴリについて、作業カテゴリ毎に、関連作業として成立し得る確からしさの評価を行うための確率値を付与する。
図4Jに例示の説明図において、第1ステップには“A Server”を作業対象とした“起動”作業が記述され、第2ステップには、“Server”を作業対象とした“停止”作業が記述されている。また、図4Jの第3ステップには“B Server”を作業対象とした“停止確
認”作業が記述されている。第2ステップの、“Server”との表現では、“停止”作業の対象は、“A Server”、“B Server”の何れの“Server”サーバであるかが不明確である。
ここで、第2ステップの“Server”が第1ステップの“A Server”と同一の作業対象である場合、第2ステップの“停止”作業と第1ステップの“起動”作業とは、曲線Z11で示される関連作業の関係を満たす。また、第2ステップの“Server”が第3ステップの“B Server”と同一の作業対象である場合、第2ステップの“停止”作業と第3ステップの“停止確認”作業とは、曲線Z12で示される関連作業の関係を満たす。
作業対象を同一とする“起動”と“停止”の関連作業の関係と、“停止”と“停止確認”の関連作業の関係とは、異なる作業カテゴリに属し、それぞれに独立して関連作業とし
ての関係が成立し得る。関連作業推定部103は、例えば、関連作業定義DB203を参照し、図4Jに例示の曲線Z11,Z12で結ばれた、異なる作業カテゴリに属する各関連作業の関係に対し、関連作業として成立し得る確からしさを評価する確率値を付与する。図4Jの例では、曲線Z11で結び付く関連作業には“0.8”との確率値が付与され、曲線Z12で結び付く関連作業には“0.9”との確率値が付与されている。
なお、作業カテゴリ毎の関連作業に対して付与される確率値は作業毎に相違する。これは、業務手順書等に記述された作業手順の出現位置が、関連作業として結び付けるための基準となる作業カテゴリ毎に相違するためである。例えば、図4Jの説明例では、曲線Z12で結び付けられる“停止”作業と“停止確認”作業の位置関係は、曲線Z11で結び付けられる“起動”作業と“停止”作業の位置関係より出現度合いが大きい傾向にある。このため、例えば、曲線Z12で結び付く関連作業には、曲線Z11で結び付く関連作業より相対的に高い確率値が付与される。
なお、各作業カテゴリに属する関連作業の関係に付与される確率値は、例えば、実験的に業務手順書等を解析し、関連作業として出現する出現位置を特定し、関連作業として成立し得る確率値を決定するとしてもよい。また、各作業カテゴリに属する関連作業の関係に付与される確率値は、例えば、業務手順書等に記述された作業内容の種別毎に異なるとしてもよい。業務手順書等に記述された作業内容の種別に応じて、関連作業として成立し得る確からしさの精度を向上することができる。
図4Jの例では、第2ステップの“停止”作業は、例えば、確率値“0.8”が付与された第1ステップの関連作業よりも、確率値“0.9”が付与された第3ステップの関連作業に対して強く結び付けられると評価できる。この結果、第2ステップの“Server”との作業対象は、第1ステップの関連作業が作業対象とする“A Server”よりも第3ステップの関連作業が作業対象とする“B Server”に対して同一性の確からしさが高いと評価できる。
関連作業として結び付く作業群には、図4E等で例示した“起動”−“停止”といった関係のように、ネスト構造を有する作業群が含まれる。業務手順書等の操作対象として複数のPC等の機器が含まれる場合、それぞれの機器について“起動”−“停止”とのネスト構造を有する作業群が出現する。このため、作業抽出部102で生成される作業解析結果リスト204には、例えば、機器の台数に対応する“起動”−“停止”とのネスト構造を有する作業群が複数に出現する。ネスト構造を有する作業群を複数に含む場合、関連作業に対し、さらに、ネスト構造を成立させるための構造化確率が付与される。関連作業推定部103は、例えば、関連作業定義DB203を参照し、ネスト構造を有する作業群の関連作業に対し、ネスト構造を成立させるための構造化確率値を付与する。
ここで、ネスト構造を有する作業群の関連作業では、関連作業として成立し得る確率値を“S”とし、ネスト構造を成立させるための構造化確率値を“SA”とすると、作業対象の同一性は、“(S)×(SA)”との関係式で表すことができる。また、ネスト構造を有する関連作業の作業群において、関連作業が交差する場合には、作業対象の同一性は、“(S)×(1−(SA))”との関係式で表される。なお、ネスト構造を有さない関連作業については、“SA”=1とすることができるため、関連作業として成立し得る確率値“(S)=(S)×1”が、作業対象の同一性を示す確からしさとなる。
(作業出現位置、作業距離による重み付け)
・簡易例
関連作業推定部103は、関連作業として抽出された作業、及び、作業対象を不明とする作業の、業務手順書等での相対的な出現位置(記述位置)に基づいて、関連作業を評価
するための重み付けを行う。関連作業、作業対象を不明とする作業の相対的な出現位置は、例えば、作業解析結果リスト204のIDによって特定される。関連作業推定部103は、例えば、業務手順書等に記述された一連の作業手順の“開始”位置と、関連作業、または、作業対象を不明とする作業の、先手順として出現する作業との相対距離R1(前距離)を求める。また、関連作業推定部103は、例えば、業務手順書等に記述された一連の作業手順の“終了”位置と、関連作業、または、作業対象を不明とする作業の、後手順として出現する作業との相対距離R2(後距離)を求める。そして、関連作業推定部103は、各相対距離の差分:|R1−R2|から、業務手順書等における、関連作業、及び、作業対象を不明とする作業の相対的な出現位置に対する重みを求める。なお、複数の作業対象を不明とする作業に対する関連作業関係がネスト構造を有し、多重化する場合には、多重化された関連作業同士の位置関係に応じて相対距離R1,R2を算出し、それぞれの関連作業関係に対する相対的な出現位置の重みを求める。
・詳細例
図4Gに例示の説明図において、分岐経路が作業手順の処理フローに含まれる場合、関連作業として結び付く作業群は、同一経路上に出現する傾向にあることを説明した。分岐経路が作業手順の処理フローに含まれる場合、作業対象が不明確な作業に対して関連作業として結び付く作業は、作業対象が不明確な作業と同一の分岐経路上に出現することが想定できる。
図4Kに、2分岐された各経路で出現する作業に対して関連作業の関係が生ずる場合の説明図を例示する。図4Kに例示の説明図において、ステップA2とステップA3との間には経路2に移行する分岐処理が含まれている。図4Kの例では、ステップA1−A8との作業手順は経路1となり、ステップA1、A2、A9、A7、A8との作業手順は経路2となる。また、曲線Z13、Z14で結び付けられる作業群は、例えば、作業抽出部102の処理により作業対象が特定された関連作業である。
図4Kに例示の説明図において、ステップA3、A7では、作業対象の不明な“停止”との作業が記述されている。このため、作業抽出部102の処理では、経路1の作業手順における、作業対象を不明とする作業数は“2”となり、経路2の作業手順における、作業対象を不明とする作業数は“1”となる。
図4Kの説明図では、作業対象を不明とする作業に対し、前後するステップの作業に関連作業として結び付く経路毎の作業群は、太曲線Z15−Z17で例示されている。太曲線Z15−Z17で示される関連作業は、例えば、曲線Z13で示される作業関係に対して、それぞれにネスト構造を有している。
図4Kの経路1では、ステップA3の“停止”作業に対する関連作業として、例えば、太曲線Z15で示されるステップA2の“XXX”を作業対象とした“起動”作業を結び付
けることが可能である。同様に、ステップA7の“停止”作業に対する関連作業として、例えば、太曲線Z16で示される、ステップA6の“ZZZ”を作業対象とした“開始”作
業を結び付けることが可能である。また、経路2については、ステップA7の“停止”作業に対する関連作業として、例えば、太曲線Z17で示される、ステップA9の“zzz”
を作業対象とした“開始”作業を結び付けることが可能となる。なお、太曲線Z15−Z17で示される関連作業の結び付きは、作業抽出部102により特定された、曲線Z13、Z14で示される関連作業の結び付きに対して交差することはない。
図4Kで例示の関連作業に対し、関連作業として結び付けられる作業の出現位置の範囲を“経路1”とする場合、さらに、図4Lに例示する、太曲線Z18、Z19で示される関連作業の結び付きが可能となる。なお、図4Lの説明図では、経路2のステップA9を
省略し、“停止(A)”はステップA3、“停止(B)”はステップA7を示している。太曲線Z18、Z19で示される関連作業についても、それぞれにネスト構造を有している。
図4Lに例示の説明図においては、太曲線Z18で示される関係は、図4Kに例示のステップA2の作業とステップA7の作業とが関連作業として結び付く関係を示している。太曲線Z18の関連作業としての結び付きは、例えば、経路1、2のそれぞれについて成立し得る関係である。また、太曲線Z19で示される関係は、経路1における、ステップA3の作業とステップA6の作業とが関連作業として結び付く関係を示している。太曲線Z18、Z19で示される関連作業の結び付きは、作業抽出部102により特定された、曲線Z13、Z14で示される関連作業の結び付きに対して交差することはない。
以上のように、処理経路が分岐する場合には、分岐する経路毎に関連作業として結び付けることが可能な作業群が存在する。そして、関連作業として結び付けられる作業群の位置関係についても、前後するステップに出現する作業群と、作業群として出現する位置が所定の距離関係を有する作業群が存在することとなる。ここで、所定の距離関係とは、関連作業として結び付く作業群の、業務手順書等内に出現位置の相対的な距離関係を表す。例えば、図4Lの説明図において、太曲線Z18で示される関連作業の距離は、“5”ステップとなり、太曲線Z19で示される関連作業の距離は“3”ステップとなる。
図4Lに例示の説明図において、例えば、太曲線Z15で示される関連作業の成立し得る確率値が“0.8”であり、太曲線Z19で示される関連作業の成立し得る確率値が“0.8”の場合を想定する。この場合では、関連作業として成立し得る、太曲線Z15、Z19の関係の確率値が同値となり、“停止(A)”との作業は、“XXX”或いは“ZZZ”の何れの作業対象と同一と見做すことができるかを判別することができない。太曲線Z16で示される関連作業と太曲線Z18で示される関連作業との関係についても同様である。
関連作業推定部103では、図4K、4Lに例示の、ネスト構造を有し、関連作業として成立し得る関係を判別するため、関連作業として結び付けられる作業群の出現位置、距離関係に基づいて重み付けを行う。なお、以下の説明では、図4Kに例示の太曲線Z15−Z17で示される、作業対象を不明とする作業に対して前後するステップの作業と結びつく関連作業の関係を“候補1”とする。また、図4Lに例示の太曲線Z18、Z19で示される、所定の距離関係を有して結び付く関連作業の関係を“候補2”とする。
業務手順書等において、作業対象が未確定な作業と、該作業に対して関連作業として結び付く作業群の出現位置の関係には、幾つかの出現傾向がある。先ず、作業対象の未確定な作業に結び付く“候補2”に属する関連作業では、出現位置間の相対的な距離が大きい場合、関連作業に係る作業対象の起動状態や停止状態といったステータスに依存する処理作業の、準備作業である傾向がある。
例えば、サーバ等の機器に搭載された業務プロセスのソフトウェアの換装処理に先立ち、データログの取得を開始し、該換装処理の完了後にデータログの取得を終了するといったケースが提示できる。このケースでは、業務プロセスのソフトウェアの換装処理の準備処理としてデータログの取得開始と取得終了とが関連作業として出現し、データログの取得開始と取得終了との出現位置間の距離は相対的に離れることとなる(距離が大きくなる)。
また、例えば、図4Aの業務手順書A1の例では、 “Web server”を“停止”させて
“apache”のアップデートやハードウェアの交換等の換装作業を行い、該換装作業が完了
後に提供状態に戻すための“Web server”の“再起動”作業といったケースが例示できる。このケースにおいても、“Web server”の“停止”と“再起動”は準備処理としての関連作業であり、業務手順書A1での“停止”と“再起動” とが出現する出現位置間の距
離は相対的に離れることとなる。
次に、ネスト構造を有し、関連作業として成立し得る“候補1”、“候補2”のそれぞれに、関連作業の実行に先立って出現する“開始”、或いは、関連作業の実行後に出現する“終了”が存在する。そして、“候補1”、“候補2”の関連作業と“開始”或いは“終了”との出現位置の位置関係には次の傾向がある。
例えば、業務手順書等に記述された“起動”作業と“停止”作業との関連作業では、“起動”作業の後手順として“停止”作業が出現する。ここで、“起動”作業と“停止”作業との関連作業に先立って“開始”が出現する場合、業務手順書等での“起動”作業と“開始”との出現位置の相対距離をR1とする。相対距離R1を“前距離”とも称する。
また、“起動”作業と“停止”作業との関連作業の実行後(後手順)に“終了”が出現する場合、業務手順書等での関連作業の“停止”作業と“終了”との出現位置の相対距離をR2とする。相対距離R2を“後距離”とも称する。業務手順書等での“起動”作業と“開始”との出現位置の相対距離R1と、“停止”作業と“終了”との出現位置の相対距離R2とは、同程度の距離関係となる傾向にある。業務手順書等では、関連作業の実行に先立って出現する“開始”、或いは、関連作業の実行後に出現する“終了”が存在する場合、“前距離”と“後距離”とが同程度の距離関係となる。
なお、相対距離R1、R2の算出にあたり、例えば、“Com1 start”と“Com1 end”といった同種の処理を示す関連作業が含まれる(出現する)場合には、関連作業としての組み合わせを1つのステップとして相対距離に換算する。“Com1 start”と“Com1 end”と
いった同種の処理を示す関連作業は、単一のステップとして換算されて相対距離が算出される。
また、関連作業として結び付く作業関係が複数に存在し、それぞれの作業関係がネスト構造として多重に折り重なる場合には、直近の外側のネスト構造の関係にある関連作業に対して、相対距離R1、R2の算出が行われる。複数の作業関係がネスト構造として多重に折り重なる場合には、直近の外側のネスト構造の関係にある関連作業の実行により、内側のネスト構造の関係にある関連作業が行われるからである。
例えば、図4Lの説明図では、太曲線Z18と太曲線Z19で示される関連作業は、太曲線Z19で示されるネスト構造の関連作業に太曲線Z18で示されるネスト構造の関連作業が多重に折り重なる関係である。太曲線Z19で結び付く作業関係は、太曲線Z18で結び付く作業関係の実行に依存する。このため、太曲線Z19で示される関連作業についての相対距離R1、R2は、例えば、直近の外側の太曲線18で示される関連作業との関係に対して求められる。つまり、太曲線Z19で示される関連作業での相対距離R1は、“停止(A)”作業と太曲線Z18で示される関連作業の“XXX起動”との位置関係に
より求められ、相対距離R2は、“ZZZ開始”と“停止(B)”作業との位置関係により
求められる。
図4Kに例示の“候補1”の太曲線Z15で示される関連作業では、ステップA2の“XXX起動”と作業対象が不明なステップA3の“停止”作業とが結び付けられている。例
えば、太曲線Z15で示される関連作業では、ステップA2の“XXX起動”と、曲線Z1
3で示されるステップA1の“update処理開始”との位置関係により、相対距離R1が求められる。また、太曲線Z15で示される関連作業では、例えば、ステップA3の“停止
”作業と、曲線Z13で示されるステップA8の“update処理終了”との位置関係により、相対距離R2が求められる。
なお、ステップA3の“停止”作業と、曲線Z13で示されるステップA8の“update処理終了”との間には、作業抽出部102で特定された“YYY開始”と“YYY終了”との同種の関連作業が含まれている。このため、相対距離R2の算出では、作業抽出部102で特定された“YYY開始”と“YYY終了”との同種の関連作業を単一のステップとして相対距離に換算される。また、ステップA3の“停止”作業と、曲線Z13で示されるステップA8の“update処理終了”との間には、太曲線Z16で示される関連作業としての、ステップA6の“ZZZ開始”とステップA7の“停止”作業が含まれる。関連作業として結び
付く作業群は同種の作業と言えるため、この場合にも、単一のステップとして換算し、相対距離R2が算出される。
この結果、図4Kに例示の“経路1”の太曲線Z15で示される関連作業では、相対距離R1は“1”ステップとなり、相対距離R2は“3”ステップとして算出される。“経路1”の他の関連作業についても、同様に相対距離R1、R2が算出される。太曲線Z16で示される関連作業では、ステップA6の“ZZZ開始”と、曲線Z13で示されるステ
ップA1の“update処理開始”との位置関係により相対距離R1が、求められる。ステップA6の“ZZZ開始”とステップA1の“update処理開始”との間には、単一のステップ
として換算される曲線Z13、太曲線Z15で示される関連作業が含まれるため、相対距離R1は、“3”ステップとなる。また、太曲線Z16で示される関連作業では、ステップA7の“停止”作業と、曲線Z13で示されるステップA8の“update処理終了”との位置関係により、相対距離R2が“1”ステップとして求められる。
太曲線Z17で示される関連作業では、ステップA9の“zzz開始”と、曲線Z13で
示されるステップA1の“update処理開始”との位置関係により相対距離R1が“2”として求められる。また、ステップA7の“停止”作業と、曲線Z13で示されるステップA8の“update処理終了”との位置関係により、相対距離R2が“1”ステップとして求められる。
図4Lに例示の、太曲線Z18、Z19で示される“候補2”の関連作業についても、同様に相対距離R1、R2が算出される。“候補2”での相対距離の算出を説明するために、図4Lに例示の“ZZZ開始”と“停止(B)”作業との間に、曲線Z20で示される
、“Com1 start”と“Com1 end”といった同種の処理を示す関連作業が含まれる場合の説明図を図4Mに例示する。“Com1 start”と“Com1 end”との同種の処理の関連作業は、例えば、作業抽出部102で特定されたものである。なお、図4Mの説明図において、太曲線Z18で示される関連作業は、2分岐された経路1、経路2に共通の関連作業として成立する。相対距離の算出では、関連作業が成立する経路毎に相対距離R1、R2が算出される。
図4Mに例示の説明図において、太曲線Z18で示される関連作業では、“XXX起動”
と、曲線Z13で示される“update処理開始”との位置関係により、相対距離R1が“1”ステップとして求められる。また、太曲線Z18で示される関連作業の、作業対象が不明な“停止”作業と、曲線Z13で示される“update処理終了”との位置関係により、相対距離R2が“1”ステップとして求められる。
太曲線Z19で示される関連作業では、作業対象が不明な“停止”作業と、太曲線Z18で示される“XXX起動”との位置関係により、相対距離R1が“1”ステップとして求
められる。太曲線Z19で示される関連作業の関係に対し、太曲線Z18で示される関連作業の関係は、直近の外側にネスト構造として多重に折り重なるためである。
同様にして、太曲線Z19で示される関連作業の“ZZZ開始”と、太曲線Z18で示さ
れる作業対象が不明な“停止”作業との位置関係により、相対距離R2が求められる。
太曲線Z19で示される関連作業の“ZZZ開始”と、太曲線Z18で示される“停止”作
業との間には、単一のステップとして換算される、曲線Z20で示される“Com1 start”と“Com1 end”との同種の処理を示す関連作業が含まれる。このため、太曲線Z19の“ZZZ開始”と太曲線Z18の“停止”作業との相対距離R2は、単純計算では“3”ステ
ップとなるが、単一ステップとして換算される曲線Z20の関連作業の関係により、“2”ステップの相対距離として算出されることとなる。
関連作業推定部103は、図4Lに例示の“候補1”となる関連作業、図4Mに例示の“候補2”となる関連作業のそれぞれに、相対距離R1、R2を算出し、算出した相対距離に基づく重み付け係数を算出する。重み係数は、複数の関連作業を含む“候補”毎に算出される。複数の関連作業が含まれる“候補”毎の重み係数として、例えば、“候補”毎の相対距離R1とR2との差分平均が例示できる。
図4Kに例示の“候補1”の関連作業には、太曲線Z15−Z17で示される3通りの関連作業が含まれる。例えば、太曲線Z15で示される関連作業の相対距離R1は“1”ステップであり、相対距離R2は“3”ステップであり、相対距離の差分は“2”ステップとなる。同様にして、太曲線Z16では、相対距離R1の“3”ステップと相対距離R2の“1”ステップから相対距離の差分は“2”ステップ、太曲線Z17では、相対距離R1の“2”ステップと相対距離R2の“1”ステップから相対距離の差分は“1”ステップとなる。
“候補1”の関連作業についての差分平均を“M1”とすると、例えば、M1=((2+2+1)/3)=(5/3)との値が算出される。関連作業推定部103では、例えば、上述のようにして算出した差分平均値:(5/3)を“候補1”に属する関連作業の重み係数とすることができる。
図4Mに例示の“候補2”の関連作業についても、同様にして、差分平均値を求めることができる。例えば、“候補1”の関連作業には、太曲線Z18、Z19で示される2通りの関連作業が含まれる。なお、太曲線Z18で示される関連作業は、2分岐された経路1、経路2毎に成立し得るため、相対距離の差分は経路毎に求められる。
例えば、経路1で成立し得る、太曲線Z18で示される関連作業の相対距離の差分は、相対距離R1の“1”ステップと相対距離R2の“1”ステップから、“0”ステップとなる。経路2で成立し得る、太曲線Z18で示される関連作業の相対距離の差分についても同様に、“0”ステップとなる。太曲線Z19で示される関連作業の相対距離の差分についても、同様にして、相対距離R1の“1”ステップと相対距離R2の“2”ステップから、“1”ステップとの差分が求められる。
“候補2”の関連作業についての差分平均を“M2”とすると、例えば、M2=((0+0+1)/3)=(1/3)との値が算出される。関連作業推定部103では、例えば、上述のようにして算出した差分平均値:(1/3)を“候補2”に属する関連作業の重み係数とすることができる。
(関連作業の確からしさの評価)
・簡易例
関連作業推定部103は、作業対象の不明な作業に関連作業として結び付く作業関係の確からしさを、関連作業定義DB203に登録された各確率値、相対距離R1、R2によ
り求められた重み係数に基づいて評価する。関連作業の確からしさの評価は、関連作業毎に行われる。関連作業の評価は、例えば、関連作業定義DB203に登録された各確率値、関連作業の出現位置関係に基づく重み係数を作業変数とした評価関数Fにより行われる。
・詳細例
関連作業推定部103では、作業対象が未確定な作業について、関連作業の関係が成立し得る複数の作業に対して付与された確率値、関連作業に属する各作業の出現位置と作業間距離に基づく重み係数により、関連作業として成立し得る確からしさの評価を行う。関連作業として成立し得る確からしさの評価は、例えば、評価関数Fを用いて行われる。ここで、評価関数Fとは、関連作業毎に付与された確率値、関連作業に属する各作業の出現位置による重み係数を作業変数とする評価関数である。このような評価関数は、例えば、予め実験的に業務手順書等を解析し、関連作業として特定された作業関係により定義することができる。
図4Nに、関連作業の確からしさの評価についての説明図を例示する。図4N(1)は、図4Lに例示の“候補1”で関係付けられる関連作業の説明図であり、図4N(2)は、図4Mに例示の“候補2”で関係付けられる関連作業の説明図である。なお、図4N(2)の説明図において、図4Mに含まれる“Com1 start”と“Com1 end”との同種の処理の関連作業の関係は含まれていない。
図4N(1)の説明図において、太曲線Z15で示される関連作業に付与される確率値は“P1”、太曲線Z16で示される関連作業に付与される確率値は“P2”、太曲線Z17で示される関連作業に付与される確率値は“P3”である。各関連作業に付与される確率値は、例えば、関連作業定義DB203を参照し、付与される。なお、作業抽出部102の処理により特定される曲線Z13、Z14で示される作業群については、作業対象が確定しているため確率値の付与は行われない。
また、太曲線Z15−Z17で示される関連作業が属する“候補1”には、例えば、図4K等で算出された相対距離の平均差分値が重み係数“M1”として付与される。関連作業推定部103は、例えば、“候補1”に属する各関連作業に対して付与された確率値である、“P1”、“P2”、“P3”と“候補1”の重み係数である“M1”に基づいて、“候補1”に属する関連作業が成立し得る確からしさの評価を行う。関連作業推定部103は、例えば、“P1”、“P2”、“P3”、“M1”を作業変数とした評価関数F(P1,P2,P3,M1)を用いて“候補1”に属する関連作業の評価を行う。評価関数F(P1,P2,P3,M1)では、“候補1”に属する関連作業に対する評価値“F1”が算出される。
“P1”、“P2”、“P3”、“M1”を作業変数とした評価関数F(P1,P2,P3,M1)として、例えば、「F=(P1×P2×P3×M1)」との関数形態が例示できる。関連作業推定部103は、例えば、各関連作業に付与された確率値、算出された重み係数値を評価関数F(P1,P2,P3,M1)の各作業変数に代入し、評価値“F1”を算出する。
図4N(2)に例示の“候補2”に属する関連作業についても、同様にして、評価値“F2”が算出される。例えば、図4N(2)の説明図において、太曲線Z18で示される、経路1の関連作業として付与される確率値は“P4”、経路2の関連作業として付与される確率値は“P6”、太曲線Z19で示される関連作業に付与される確率値は“P5”である。また、太曲線Z18、Z19の関連作業が属する“候補1”には、例えば、図4M等で算出された相対距離の平均差分値が重み係数“M2”として付与される。
関連作業推定部103は、例えば、“候補2”に属する各関連作業に対して付与された確率値である、“P4”、“P5”、“P6”と“候補2”の重み係数である“M2”に基づいて、“候補2”に属する関連作業が成立し得る確からしさの評価を行う。
関連作業推定部103は、例えば、“P4”、“P5”、“P6”、“M2”を作業変数とした評価関数F(P4,P5,P6,M2)を用いて“候補2”に属する関連作業に対する評価値“F2”を算出し、“候補2”に属する関連作業の評価を行う。評価関数F(P4,P5,P6,M2)の関数形態は、例えば、“候補1”に対する評価関数F(P1,P2,P3,M1)と同様の形態をとることができる。例えば、「F=(P4×P5×P6×M2)」との関数形態が例示される。関連作業推定部103は、例えば、各関連作業に付与された確率値、算出された重み係数値を評価関数F(P4,P5,P6,M2)の各作業変数に代入し、評価値“F2”を算出する。
関連作業推定部103は、“候補1”の関連作業について算出された評価値“F1”と、“候補2”の関連作業について算出された評価値“F2”との大小比較を行い、相対的に高い(大きい)評価値となる“候補”を、関連作業とする。例えば、F1>F2の場合では、評価値F1の“候補1”に属する関連作業を採用し、F1<F2の場合では、評価値F2の“候補2”に属する関連作業を採用する。そして、関連作業推定部103は、採用された“候補”に属する関連作業について、付与された確率値に基付いて作業対象が未確定の作業と結び付く関連作業を特定する。関連作業推定部103は、特定された関連作業の作業対象を、未確定の状態で抽出された作業に対する作業対象として確定する。
図4Aに例示の説明図に戻り、関連作業推定部103は、作業抽出部102で生成された作業解析結果リスト204の未確定の作業状態を、関連作業の関係から確定した作業対象により補完する。関連作業推定部103は、例えば、作業解析結果リスト204において、空欄状態となった「作業対象」カラムに、関連作業の関係から確定した作業対象を格納し、作業解析結果リスト204aを生成する。生成された作業解析結果リスト204aは、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶される。関連作業推定部103は、生成した作業解析結果リスト204aを、作業手順出力部104に引き渡す。
作業手順出力部104は、例えば、関連作業推定部103により未確定の作業対象が補完された作業解析結果リスト204aに基づいて、解析対象となった業務手順書A1に係る自動実行可能な作業手順を出力する。作業手順出力部104は、例えば、作業解析結果リスト204aの「作業対象」カラムに格納された作業対象、及び、「作業」カラムに格納された作業を、レコード毎に抽出する。作業手順出力部104は、例えば、レコード毎に抽出した作業対象と作業との対となる組み合わせを情報セットとし、該情報セットをレコードのID順に整列し、作業手順を生成する。なお、作業手順には、分岐処理等の情報セット間の呼び出し、戻り関係が含まれる。作業手順出力部104は、生成した作業手順を、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
作業手順出力部104は、例えば、生成した作業手順の形式を、自動実行基盤が実行可能なように成形し、業務フローB1として出力する。業務フローB1は、例えば、業務手順書等が対象とする情報処理システムの自動実行基盤に登録され、管理者等の操作により自動実行される。
〔データベース構成〕
(作業リスト)
図5Aに、作業リストDB202の一例を例示する。作業リストDB202には、例えば、解析対象となる業務手順書A1中に出現する作業を表現する文字列、作業に対応する
コマンド等の情報が格納される。作業リストDB202に格納された情報を参照することにより、例えば、情報処理装置10は、自然言語等で記述された業務手順書A1中に出現した作業を識別すると共に、作業の実行内容及び該作業の実行の際に入力されるコマンドの対応付けを行うことができる。
図5Aに例示の作業リストDB202は、「作業ID」、「作業名」、「操作表現(「/」区切り)」、「コマンド表現」のカラムを有する。「作業ID」カラムには、業務手順書等に出現する作業を一意に識別する識別子が格納される。「作業名」カラムには、作業対象に実行される作業の作業名称が格納される。
「操作表現(「/」区切り)」カラムには、業務手順書等に出現する(記述される)作業を表現する自然言語による文字列が格納される。なお、「操作表現(「/」区切り)」カラムに格納される作業表現には複数の同義語による表現が含まれる。同義語による作業表現を、複数に格納しておくことにより、例えば、業務手順書等に出現する作業表現の曖昧さを丸め込むことができる。
また、作業解析結果リスト204で抽出された作業表現と関連作業定義DB203に格納される作業表現との対応付けを省力化することができる。例えば、「操作表現(「/」区切り)」カラムに“サーバ停止”と“server stop”とを併記することにより、関連作
業定義DB203で関連付けられる“サーバ”を対象とした“停止−起動”の関連作業は、“server stop−サーバ起動”を包含するものとなる。
「コマンド表現」カラムには、業務手順書等に出現する作業を実行するためのコマンド列が複数に格納される。例えば、業務手順書等に記述された作業を実行する作業者等が、コマンドに従って情報処理装置等の機器に操作入力を行い、作業を行う場合がある。このため、業務手順書等では、“起動”、“停止”といった自然言語表現の他、“start”、
“stop”等のソフトウェアコマンドが記載される場合がある。コマンド表現で出現する業務手順書等に記述の作業関係は、自然言語表現で記述された作業表現より、関連作業としての結び付きが強い(確からしい)傾向にある。このため、自然言語による作業表現とは独立してカラムを設け、該カラムにコマンド表現を格納することにより、関連作業の評価精度を高めることが可能となる。
図5Aの例では、「作業ID」カラムに“006”が格納されたレコードの、「作業名」カラムには“サーバを停止”との“サーバ”を対象とした“停止”作業の作業名称が格納されている。同レコードの「操作表現(「/」区切り)」カラムには、“サーバ停止/サーバの停止”との“サーバ”を作業対象とした2種類の同義語が“/”を間に挿み併記されている。また、同レコードの「コマンド表現」カラムには、作業者等が操作入力可能な“(shutdown|halt)”との作業を実行するコマンドが格納されている。
また、図5Aの例において、「作業ID」カラムに“007”が格納されたレコードの、「作業名」カラムには“サーバを起動”との“サーバ”を対象とした“起動”作業の作業名称が格納されている。同レコードの「操作表現(「/」区切り)」カラムには、“サーバ起動/サーバの起動”との“サーバ”を作業対象とした2種類の同義語が“/”を間に挿み併記されている。また、同レコードの「コマンド表現」カラムには、作業者等が操作入力可能な“(reboot)*”との作業を実行するコマンドが格納されている。
なお、図5Aの「作業ID」カラムに“008”が格納されたレコードの、「作業名」カラム、「操作表現(「/」区切り)」カラムでは、作業ID:006のレコードと同一の情報が格納されている。但し、「作業ID」カラムに“008”が格納されたレコードの、「コマンド表現」カラムには、“\/etc\/.*stop”との、作業ID:006のレコー
ドとは異なるコマンドが格納されている。また、「作業ID」カラムに“009”が格納されたレコードの、「作業名」カラム、「操作表現(「/」区切り)」カラムでは、作業ID:007のレコードと同一の情報が格納されている。但し、「作業ID」カラムに“009”が格納されたレコードの、「コマンド表現」カラムには、“\/etc\/.*start”との、作業ID:007のレコードとは異なるコマンドが格納されている。
例えば、作業ID:006の“サーバ停止”との自然言語による操作表現で記述された“停止”作業が作業対象を未確定として抽出された場合、関連作業として作業ID:007、009の“サーバ起動”作業を結び付けることが可能である。しかしながら、作業ID:006の“サーバ停止”との自然言語による操作表現に“(shutdown|halt)”との
コマンドが付加、或いは、併記されている場合には、“(reboot)*”とのコマンドを含
む作業が関連作業として成立し得る。例えば、作業ID:007の“サーバ起動”との自然言語による操作表現に“(reboot)*”とのコマンドが付加、或いは、併記されている
場合には、高確率で作業ID:007は関連作業として作業ID:006に結び付くと言える。
このように、コマンド表現を含む作業リストDB202を参照することにより、作業対象が未確定の状態で抽出された作業に対する関連作業を、コマンド表現に基づいて高確率で抽出することができる。なお、作業リストDB202は、例えば、対象となる業務手順書等の、記述された作業内容の種別毎に設けるとしてもよく、複数種類の業務手順書等に対応する作業リストDB202から業務手順書等の作業内容、作業種別等に応じて関連する一部を抽出して適用するとしてもよい。
(関連作業定義)
図5Bに、関連作業定義DB203の一例を例示する。関連作業定義DB203には、例えば、業務手順書等に出現する各作業について、関連作業として結び付けられる作業群の出現順序や出現回数、出現位置等の出現傾向の定義が関連作業毎に格納される。なお、関連作業定義DB203に格納される関連作業は、例えば、作業リストDB202の作業IDを使用した表現により記述される。関連作業を作業リストDB202の作業IDを使用して表現することにより、例えば、業務手順書等に出現する作業の自然言語表現、或いは、コマンド表現との関連付けを効率的に行うことができる。
また、関連作業定義DB203に格納される関連作業には、例えば、関連作業として結び付く確からしさの評価のための確率情報が、定義付けされる関連作業毎に付加される。関連作業毎に、確率情報が付加されることにより、複数の候補が関連作業として出現した場合に、何れの候補を採用すべきかを、関連作業として成立し得る確率情報に基づいて評価することができる。
図5Bに例示の関連作業定義DB203は、「関連ID」、「同時判定項目」、「構造化確率」、「関連作業」、「操作表現確率」、「コマンド表現確率」のカラムを有する。「関連ID」カラムには、作業対象が未確定の作業と結び付く関連作業を一意に識別する識別情報が格納される。
「同時判定項目」カラムには、関連作業として成立し得る作業間の結び付きを抽出するための判定項目を一意に識別する識別情報が格納される。例えば、図4G、H等に例示したように、作業対象を同一とする作業群には、“起動−停止”、“停止−停止確認”、“停止−再起動”といった複数の関連作業として成立し得る関係が含まれる。“停止”作業の作業対象が未確定の場合、関連作業として“起動”作業、“停止確認”作業、“再起動”作業のそれぞれが関連作業として結び付き得る。関連作業の判定においては、業務手順書等に出現する各作業に対し、「同時判定項目」カラムに格納された、それぞれに独立し
た作業関係の定義を複数に適用する。例えば、「同時判定項目」カラムに“1”−“3”の判定項目が格納されている場合では、関連作業の判定として、業務手順書等に出現する各作業に対して“1”−“3”の判定項目が適用される。この結果、例えば、作業対象を未確定とする作業に結びつく、“起動”作業、“停止確認”作業、“再起動”作業との関連作業が抽出されることとなる。
「構造化確率」カラムには、作業対象を未確定とする作業と結びつく関連作業の関係がネスト構造を持つ確率値が格納される。作業対象を未確定とする作業と結びつく関連作業の関係は、「関連作業」カラムにて定義される。
「関連作業」カラムには、作業対象を未確定とする作業に結び付き得る作業の出現順序、出現回数、出現位置等の出現傾向を定義する情報が格納される。なお、「関連作業」カラムに格納される定義情報においては、関連作業として結び付く作業には、例えば、作業リストDB202の作業IDが使用される。なお、関連作業として結び付く作業は、例えば、“s作業ID”との形式で表現され、「関連情報」カラムに格納される関連作業の定義は、以下の形式で表現される。
・「a*b」:作業“a”と作業“b”の出現回数は各1回の出現であり、作業“a”は作業“b”の先手順として出現する。
・「a−b」:作業“a”と作業“b”の出現回数は各1回の出現であり、作業“a”の出現直後に作業“b”が出現する。
・「(a|b)」:作業“a”、または、作業“b”を表す。
・{x,y}$:業務手順書等の作業関係の出現範囲が“x”から“y”の範囲で出現することを表す。“x”,“y”は、例えば、業務手順書等の項番号でもよく、頁番号を表すとしてもよい。
「操作表現確率」カラムには、作業リストDB202の「操作表現」カラムに格納された表現で関連作業となる関係が抽出された場合の、関連作業として成立し得る確からしさを表す確率情報が格納される。「コマンド表現確率」には、作業リストDB202の「コマンド表現」カラムに格納された表現で関連作業となる関係が抽出された場合の、関連作業として成立し得る確からしさを表す確率情報が格納される。図5Aで説明したように、関連作業として成立し得る確からしさは、操作表現<コマンド表現の関係となる。このため、「操作表現確率」カラムに格納される確率情報は、「コマンド表現確率」カラムに格納される確率情報よりも低く(小さく)なる。
図5Bに例示の関連作業定義DB203は、作業対象を未確定とする作業に結び付く関連作業を判定するために、3種の判定項目を用いる場合の例である。図例では、「関連ID」カラムに“1”−“4”が格納されたレコードの「同時判定項目」カラムには判定項目の種別を識別する“1”が格納されている。また、「関連ID」カラムに“5”が格納されたレコードの「同時判定項目」カラムには判定項目の種別を識別する“2”が格納され、「関連ID」カラムに“6”が格納されたレコードでは、判定項目の種別を識別する“3”が格納されている。
また、「関連ID」カラムに“1”−“4”が格納されたレコードの「構造化確率」カラムには確率情報としての確率値“0.9”が格納され、「関連ID」カラムに“5”、“6”が格納されたレコードの「構造化確率」カラムでは、確率情報は格納されていない。図5Bの例では、同時判定項目“1”では、確率値“0.9”となるネスト構造の、関連作業の関係が判定され、同時判定項目“2”、“3”では、ネスト構造に限定されない関連作業の関係が判定される。同時判定項目“1”−“3”を合わせて、業務手順書等に出現する各作業との関連作業の関係を判定することにより、未確定の作業対象が推定される。
「関連ID」カラムに“1”が格納されたレコードの「関連作業」カラムには、“(s006*s007|s007*s006)”との関連作業の関係を定義する情報が格納されている。同レコードの「操作表現確率」カラムには確率情報としての確率値“0.8”が格納され、「コマンド表現確率」カラムには確率情報としての確率値“0.9”が格納されている。「操作表現確率」カラムに格納される確率値と「コマンド表現確率」カラムに格納される確率値の大小関係は、コマンド表現確率>操作表現確率である。
“(s006*s007|s007*s006)”との情報は、例えば、作業リストDB202の作業ID:006、007が、関連作業として出現する出現順序、出現回数、出現位置の関係を定義付けするものである。図5Aに例示の作業リストDB203では、作業ID:006の作業名は“サーバを停止”であり、作業ID:007の作業名は“サーバを起動”である。
“(s006*s007|s007*s006)”で結び付けられる関連作業は、例えば、「“サーバ”を作業対象として“起動”作業と“停止”作業とが“起動”作業を“停止”作業の先手順として、各1回の出現回数で出現する。」との関係を表している。或いは、「“サーバ”を作業対象として“停止”作業と“起動”作業とが“停止”作業を“起動”作業の先手順として、各1回の出現回数で出現する。」との関係で結び付けられる関連作業を表している。
上述の関連作業の関係が、作業リストDB202の「操作列表現」の文字列との照応により抽出された場合での、関連作業として成立し得る確率値は「操作表現確率」カラムに格納された「0.8」となる。また、作業リストDB202の「コマンド表現」の作業コマンドとの照応により抽出された場合では、関連作業として成立し得る確率値は「コマンド表現確率」カラムに格納された「0.9」となる。
図5Bの「関連ID」カラムに“5”が格納されたレコードの「関連作業」カラムには、“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”との関連作業の関係を定義する情報が格納されている。同レコードの「操作表現確率」カラムには確率情報としての確率値“0.7”が格納されている。
“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”との情報は、作業リストDB202の作業ID:006、007、008、009、103が、関連作業として出現する出現順序、出現回数、出現位置の関係を定義付けするものである。図5Aに例示の作業リストDB203では、作業ID:006、008の作業名は“サーバを停止”、作業ID:007、009の作業名は“サーバを起動”、作業ID:103の作業名は“停止を確認”である。なお、作業ID:006、008は、「コマンド表現」が異なる“サーバを停止”であり、作業ID:007、009は、「コマンド表現」が異なる“サーバを起動”である。
“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”で結び付けられる関連作業は、例えば、「“サーバ”を作業対象として“停止”作業の直後に“停止を確認”作業が各1回の出現回数で出現する。」との関係を表している。或いは、「“サーバ”を作業対象として“停止を確認”作業の直後に“起動”作業が各1回の出現回数で出現する。」との関係を表している。“サーバ”を作業対象とする“停止”作業には、「コマンド表現」が異なる2種類の“停止”作業が含まれ、“サーバ”を作業対象とする“起動”作業についても同様である。つまり、関連ID:5で定義される関連作業の関係は、“サーバ”の“起動”作業、“停止”作業について、「コマンド表現」には限定されずに成立し得る関係を表している。
このため、関連ID:5で定義される関連作業の関係では、「コマンド表現確率」カラムが空欄状態であり、関連作業として成立し得る確率値は「操作表現確率」カラムに格納された「0.7」となる。関連ID:5で定義される関連作業の関係では、作業リストDB202の「コマンド表現」の作業コマンドとの照応により抽出された場合であっても、「操作列表現」の文字列との照応により抽出された場合と同値の確率値となる。
図5Bの「関連ID」カラムに“6”が格納されたレコードの「関連作業」カラムには、“s1001(s*){1,3}$”との関連作業の関係を定義する情報が格納されている。同レコードの「操作表現確率」カラムには確率情報としての確率値“0”が格納されている。
“s1001(s*){1,3}$”との情報は、作業リストDB202の作業ID:1001が、他の作業(“s*”)との関係において、出現する位置範囲の関係を定義付けするものである。図5Aに例示の作業リストDB203では、作業ID:1001の作業名は“施錠”である。“s1001(s*){1,3}$”で示される情報は、例えば、「“施錠”作業が他の作業と共に業務手順書の頁番号“1”−“3”の範囲に出現する。」との関係を表している。“s1001(s*){1,3}$”との関係が、作業リストDB202の「操作列表現」の文字列との照応により抽出された場合での、成立し得る確率値は「操作表現確率」カラムに格納された「0」となる。言い換えれば、「“施錠”作業が他の作業と共に業務手順書の頁番号“1”−“3”の範囲に出現する。」関係は成立し得ないこととなる。例えば、“施錠”作業は、少なくとも業務手順書の頁番号“1”−“3”を除く頁番号に出現すると推定できる。
関連作業推定部103では、上述した、作業リストDB202、関連作業定義DB203に格納された情報に基づいて、作業対象を未確定とする作業に結び付く関連作業を抽出する。関連作業の抽出は、関連作業定義DB203の「同時判定項目」に登録された判定項目を複数に用いて行われる。関連作業定義DB203の「同時判定項目」に登録された複数の判定項目により、出現順序、出現回数、出現位置等の出現傾向が異なる作業群を関連作業として抽出することができる。
〔処理フロー〕
(全体処理)
以下、図6A−6F、図7A−7H、7J−7Lに例示の図面を参照し、本実施形態の情報処理装置10の関連作業推定処理を説明する。図6A−6Gに例示の関連作業推定処理では、情報処理装置10は、例えば、自然言語等で記述された非定型の業務手順書等から生成された作業結果解析リスト204等の各作業に対して、作業対象を不明とする作業との間で関連作業として成立し得る関係を推定する。関連作業推定処理では、情報処理装置10は、例えば、図5A、5Bに例示の作業リストDB202、関連作業定義DB203を参照し、作業対象が不明の状態で抽出された作業に対し、作業対象を同一とされる複数の関連作業を補完候補として抽出する。情報処理装置10は、抽出された各補完候補に対して、関連作業定義DB203の「同時判定項目」に登録された複数の判定項目により、出現順序、出現回数、出現位置等の出現傾向の評価を行い、作業対象の不明な作業の関連作業を特定する。情報処理装置10は、例えば、特定した関連作業の作業対象を、不明な作業対象と同一であると決定する。
図6Aは、関連作業推定処理の全体処理を示すフローチャートの例示である。図6Aに例示のフローチャートにおいて、関連作業推定処理の開始は、例えば、作業解析結果リスト204において、作業対象の不明な作業の抽出のときが例示できる。情報処理装置10は、例えば、業務手順書等の作業解析の結果、作業対象の不明な作業が抽出された場合、
作業解析結果リスト204の作業対象と作業とが対となる組み合わせで抽出された各作業に対して、関連作業推定処理を行う。なお、作業解析結果リスト204においては、作業対象の不明な作業は、作業対象を空欄状態として抽出される。
図6Aに例示のフローチャートにおいて、関連作業推定処理の実行あたり、情報処理装置10は、例えば、作業解析の対象となる業務手順書等に応じて適用する、関連作業定義DB203の設定の確認を行う(S1)。関連作業推定処理では、情報処理装置10は、例えば、図5Aに例示の作業リストDB202、図5Bに例示の関連作業定義DB203を複数に備え、各DBの中から作業解析対象となる業務手順書等に応じて処理の実行に使用するDBを選択することができる。情報処理装置10は、例えば、業務手順書等の作成者や、業務手順書等の作業種別等に応じて、関連作業推定処理に使用するDBを選択することができる。
図7A(1)に、関連作業定義DB203に対する設定例を例示する。図7A(1)は、例えば、関連作業定義DB203に登録された複数の同時判定項目の中で、関連作業推定処理で使用する同時判定項目を設定した使用範囲リストの例である。図7A(1)の例では、関連作業推定処理で使用する関連作業定義DB203の同時判定項目は、例えば、図5Bに例示の関連作業定義DB203の中で、「関連ID」カラムに“1”、“2”が格納された同時判定項目を使用することを表している。なお、図7A(2)に、同時判定項目の使用範囲が“1”、“2”として限定された関連作業定義DB203を例示する。図7A(2)に例示の関連作業定義DB203では、例えば、図5Bに例示の関連作業定義DB203の3種の同時判定項目に対して、“3”を除く“1”、“2”の2種の同時判定項目に制限されている。なお、以下の説明において、識別番号が“1”の同時判定項目を、同時判定項目1とし、識別番号が“2”の同時判定項目を同時判定項目2として説明する。
図7Aでは、関連作業定義DB203に対する制限例を説明したが、図5Aに例示の作業リストDB202についても同様の制限が可能である。関連作業推定処理において、作業リストDB202、関連作業定義DB203の適用範囲を作業解析の対象となる業務手順書等に応じて設定することにより、関連作業推定処理に係る作業負担の低減が可能となる。
図6Aに例示のフローチャートに戻り、情報処理装置10は、例えば、図5Aに例示の作業リストDB202、図7A(2)に例示の関連作業定義DB203、図4Cに例示の作業解析結果リスト204の読み込みを行う(S2)。情報処理装置10は、例えば、S2の処理で読み込んだ各種データを、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。なお、情報処理装置10は、作業解析結果リスト204に基づいて、図4Dに例示の作業フローを生成する。情報処理装置10は、例えば、作業解析結果リスト204の「ID」カラムに格納された識別番号順に対応する作業抽出結果である、作業対象と作業との対となる組み合わせを整列させ、作業フローを生成する。生成された作業フローには、例えば、抽出された作業対象と作業との対となる組み合わせが、NET状に配列し、各作業間の実行手順に沿った遷移関係が記述される。
図6Aに例示のフローチャートにおいて、S3−S6の処理は、例えば、関連作業定義DB203に登録された同時判定項目毎に実行される。情報処理装置10は、例えば、図7A(2)に例示の、関連作業定義DB203の「同時判定項目」カラムに格納された識別番号毎に、S3−S6の処理を実行する。
S3−S6の処理では、相互に独立した判定基準である各同時判定項目に沿って、作業対象が不明な作業に結び付く関連作業が判定され、関連作業として成立し得る確率値がそ
れぞれに算出される。なお、関連作業に対する確率値は、例えば、図7A(2)に例示の関連作業定義DB203に登録された、「構造化確率」、「操作表現確率」、「コマンド表現確率」に基づいて算出される。なお、S3の処理は図6B、S4の処理は図6C、S5の処理は図6D、S6の処理は図6E、S7の処理は図6Fに例示のフローチャートで詳細を説明する。
S3の処理では、情報処理装置10は、例えば、作業解析結果リスト204で抽出された各作業の中から、作業対象が不明な作業に結びつく作業群を関連作業の候補として抽出する。情報処理装置10は、例えば、作業リストDB202、関連作業定義DB203を参照し、関連作業の候補を作業解析結果リスト204から抽出する。情報処理装置10は、例えば、S3の処理で抽出した、作業対象が不明な作業に結び付く関連作業の複数の候補を作業対象候補リストとして生成する。なお、作業対象を未確定とする作業に対して結び付けられる関連作業の各候補には、例えば、関連作業として結び付き得るための判定基準として使用した同時判定項目に基づく確率値が付与される。
また、S3の処理では、情報処理装置10は、例えば、作業対象が不明な作業と結びつく関連作業が関連付けられないことを示す“null”を設定し、確率値を付与し、作業対象候補リストを生成する。作業対象の不明な作業と結びつく関連作業が関連付けられないことを示す“null”に対し、例えば、中立状態を示す確からしさとしての確率値“0.5”を付与することができる。情報処理装置10は、例えば、生成した作業対象候補リストを確率値と共に、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
S4、S5の処理では、情報処理装置10は、例えば、図4N(1)、(2)で説明したように、関連作業としての結び付きを判定するための独立した判定基準である同時判定項目の、成立し得る確率値を算出し、出現位置に基づく重み付けを行う。なお、S4、S5の処理は並列して実行されるとしてもよい。S4、S5の処理では、情報処理装置10は、例えば、関連作業定義DB203の、関連作業候補を抽出するために使用した定義関係(同時判定項目)に対応する「構造化確率」、「操作表現確率」、「コマンド表現確率」に基づいて確率値を算出する。
S4の処理では、情報処理装置10は、例えば、S3の処理で生成された作業対象候補リスト内の各関連作業候補に対して、関連作業の判定基準として使用した同時判定項目としての成立し得る確率値を算出する。算出された確率値は、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶される。
S5の処理では、情報処理装置10は、例えば、図4K,4Mで説明したように、関連作業として結び付く複数の作業対の出現位置等から、作業対毎に前距離である相対距離R1、後距離である相対距離R2を算出し、算出した各距離の差分から作業距離を求める。情報処理装置10は、例えば、作業対毎に求められた作業距離を平均し、重み係数Mを算出する。算出された重み係数Mは、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶される。
S6の処理では、情報処理装置10は、例えば、S3の処理により、関連作業候補として抽出された作業候補毎に重み付けを行い、処理中の同時判定項目における関連作業候補を特定する。関連作業候補の特定は、例えば、図4N(1)等で説明したように、同時判定項目に沿って付与された確率値、及び、S5の処理で求められた重み係数を作業変数とする評価関数Fにより決定される。情報処理装置10は、例えば、処理中の同時判定項目に基づいて特定した関連作業候補を主記憶部12の所定の記憶領域に一時的に記憶する。
S7の処理では、情報処理装置10は、例えば、S3−S6の処理で同時判定項目毎に
特定された関連作業候補について、S4の処理で算出された確率値に基づいて、作業対象が不明な作業に結びつく関連作業候補を特定する。情報処理装置10は、同時判定項目毎に特定された関連作業候補、及び、作業対象の不明な作業と結びつく関連作業が関連付けられないことを示す“null”を含め、作業対象の未確定な作業と結び付く一つの関連作業候補を特定する。
S7の処理では、作業対象の不明な作業と結びつく関連作業が関連付けられないことを示す“null”を関連作業候補の選定に含めることにより、例えば、業務手順書等における実行手順の書き忘れや記載漏れといった記載不備に対処することができる。例えば、“サーバA”、“サーバB”、“サーバC”を作業対象とした“起動”作業に対し、それぞれの“起動”作業に結びつく“停止”作業が存在し得る。しかし、記載漏れ等の不備により、1つの“停止”作業が欠落し、作業対象を未確定とする“停止”作業が2か所に出現する場合が生じ得る。このような場合の関連作業推定処理では、関連作業として結び付く作業群の数が足りないためエラーが発生し、情報処理装置10は、関連作業を推定することができない。本実施形態の情報処理装置10では、例えば、“null”を関連作業候補の選定に含めることにより、エラーを発生させず、作業対象が不明な作業に結び付く一つの関連作業候補を特定することができる。
情報処理装置10は、S1−S7の処理で特定した、作業対象が不明な作業に対し作業対象が関連付けられないことを示す“null”を含め、一つの関連作業候補に基づき作業対象を特定する(S8)。情報処理装置10は、例えば、特定された関連作業候補の作業対象を作業解析結果リスト204から抽出し、抽出した作業対象を不明であった作業対象と同一であるとして特定する。情報処理装置10は、例えば、特定された作業対象を、作業解析結果リスト204の「作業対象」カラムが空欄状態であった作業のレコードに格納し、作業対象が補完された作業解析結果リスト204aとして主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。作業対象が補完された作業解析結果リスト204aは、例えば、図4Aに例示の作業手順出力部104に引き渡される。
ここで、情報処理装置10で実行されるS1−S6の処理は、作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成するステップの一例である。また、情報処理装置11のCPU91等は、作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成する手段の一例としてS1−S6の処理を実行する。
また、情報処理装置10で実行されるS7−S8の処理は、生成された補完候補から、評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、補完候補の作業対象を不明の作業対象として特定する評価ステップの一例である。また、情報処理装置11のCPU91等は、生成された補完候補から、評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、補完候補の作業対象を不明の作業対象として特定する評価手段の一例としてS7−S8の処理を実行する。
(関連作業検索処理)
図6Bに例示のフローチャートを参照し、図6Aに例示のS3の関連作業の検索処理を説明する。図6Bに例示の関連作業の検索処理は、例えば、作業解析結果リスト204の作業対象が不明、つまり、「作業対象」カラムが空欄状態の作業に対して、それぞれに行われる。情報処理装置10は、例えば、作業解析結果リスト204の作業対象が明確な作
業を対象として、「作業対象」カラムが空欄状態の各作業と結び付き得る関連作業の検索を行う。
作業解析結果リスト204の作業対象が明確な作業を対象とする関連作業の検索処理は、例えば、関連作業定義DB203に登録された、処理中の同時判定項目に属する関連ID毎に行われる。例えば、処理中の同時判定項目の識別番号が“1”の場合には、図7A(2)に例示の関連作業定義DB203の「関連ID」カラムに格納された“1”−“4”のレコードの関連作業に対する処理が行われる。また、例えば、処理中の同時判定項目の識別番号が“2”の場合には、図7A(2)に例示の関連作業定義DB203の「関連ID」カラムに格納された“5”のレコードの関連作業に対する処理が行われる。
図6Bに例示のフローチャートにおいて、S31の処理では、情報処理装置10は、関連作業定義DB203に登録された関連作業の条件に基づき、作業解析結果リスト204の作業対象の明確な作業に対する検索を行う。例えば、情報処理装置10は、作業リストDB202を参照し、作業解析結果リスト204に抽出された各作業を、作業リストDB202に登録された作業IDに置き換える。そして、情報処理装置10は、処理中の同時判定項目の識別番号に属する関連作業毎に、作業対象が不明な作業に対して、「関連作業」カラムに格納された関連作業関係の条件を満たす作業群を検索する。関連作業関係の条件を満たす作業群の検索は、作業解析結果リスト204に抽出された各作業に対して行われる。
検索の結果、関連作業関係の条件を満たす作業群が検出された場合には、情報処理装置10は、例えば、検出した作業の作業ID、検出した作業の作業対象等を取得する。また、情報処理装置10は、関連作業定義DB203に登録された処理中の関連IDのレコードの「操作表現確率」に格納された確率値を取得する。そして、情報処理装置10は、取得した作業ID、作業対象、「操作表現確率」に格納された確率値を処理中の関連IDに対応付けて、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
なお、情報処理装置10は、例えば、作業リストDB202の「コマンド表現」カラムに格納されたコマンドとの合致により、関連作業関係の条件を満たす作業を検出した場合には、処理中の関連IDのレコードの「コマンド表現確率」に格納された確率値を取得する。情報処理装置10は、取得した「コマンド表現確率」に格納された確率値を、検出された作業ID、作業対象、処理中の関連IDに対応付け、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
S32の処理では、情報処理装置10は、S31の処理で検出された複数の作業を、作業対象が不明な作業と結び付き得る関連作業候補として、作業対象候補リストを生成する。作業対象候補リストは、例えば、作業対象が不明な作業毎に生成される。なお、S32の処理では、情報処理装置10は、例えば、作業対象が不明な作業に対し作業対象が関連付けられないことを示す“null”を設定し、確率値を付与する。情報処理装置10は、作業対象が関連付けられないことを示す“null”に対し、例えば、中立状態を示す確からしさとしての確率値“0.5”を付与する。なお、作業対象が関連付けられないことを示す“null”の設定は、作業対象が不明な作業毎に設定される。情報処理装置10は、S32の処理で生成した作業対象候補リストを、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
《同時判定項目1》
図7B、7Cに、図7A(2)に例示の関連作業定義DB203における、同時判定項目1を関連作業の判定条件とした場合の関連作業検索処理の説明図を例示する。図7Bは、図4Cに例示の作業解析結果リスト204について、関連作業として結び付きが判定さ
れる作業関係を示す説明図である。なお、図4Cに例示の作業解析結果リスト204において、ID4、ID11は、作業対象が不明の“サーバを停止”との作業である。
情報処理装置10は、例えば、図5Aに例示の作業リストDB202を参照し、ID4、ID11の“サーバを停止”との作業に対応する作業ID:006を特定する。図7A(2)に例示の関連作業定義DB203では、作業ID:006に関係付けられる同時判定項目1は、関連ID:1のレコードに対応する関連作業である。情報処理装置10は、S31の処理では、例えば、関連ID:1の「関連作業」カラムに格納された“(s006*s007|s007*s006)”との定義関係に基づいて、ID4、ID11に結び付けられる関連作業候補の抽出を行う。関連作業候補の抽出は、作業解析結果リスト204の作業対象と作業とが対となる組み合わせで抽出された作業関係を対象として行われる。
なお、“(s006*s007|s007*s006)”で結び付けられる関連作業は、例えば、「“サーバ”を作業対象として“起動”作業と“停止”作業とが“起動”作業を“停止”作業の先手順として、各1回の出現回数で出現する。」との関係を表す。或いは、「“サーバ”を作業対象として“停止”作業と“起動”作業とが“停止”作業を“起動”作業の先手順として、各1回の出現回数で出現する。」との関係で結び付けられる関連作業を表す。
図7Bの説明図において、曲線Z20は、形態素解析等により確定した関連作業である。また、同図に例示の、太曲線Z21−Z23は、ID4の作業に対して関連作業として結び付き得る関連作業候補の関係を表し、太曲線Z24−Z26は、ID11の作業に対して関連作業として結び付き得る関連作業候補の関係を表す。情報処理装置10は、関連ID:1の作業関係に基づいて、作業対象が不明なID4、ID11の作業について、太曲線Z21−Z26の関連作業として結び付き得る作業候補の抽出を行う。情報処理装置10は、例えば、作業解析結果リスト204の「作業」カラムに格納された文字列を対象として、関連ID:1の作業関係を満たす関連作業候補の抽出を行う。
情報処理装置10は、例えば、ID4の作業について、(s006*s007)の作業関係を満たす、ID4の先手順として出現するID2の“Sorry server”を作業対象とした“サーバを起動”との作業を関連作業候補として抽出する(太曲線Z21)。同様に、ID4の作業について、情報処理装置10は、(s007*s006)の作業関係を満たす、ID4を先手順として出現する“サーバを起動”との作業を関連作業候補として抽出する。図7Bの例では、ID7の“Web server”を作業対象とする作業(太曲線Z22)、ID9の“apache”を作業対象とする作業(太曲線Z23)が、関連作業候補として抽出される。
ID11の作業についても同様に、情報処理装置10は、例えば、(s006*s007)の作業関係を満たす、ID11の先手順として出現するID2、ID7、ID9の“サーバを起動”との作業を関連作業候補として抽出する。情報処理装置10は、ID2の“Sorry server”を作業対象とする作業(太曲線Z26)、ID7の“Web server”を作業対象とする作業(太曲線Z25)、ID9の“apache”を作業対象とする作業(太曲線Z24)を、関連作業候補として抽出する。なお、情報処理装置10は、ID11について、(s007*s006)の作業関係を満たす関連作業候補は、作業解析結果リスト204に含まれないことを確認する。
S32の処理では、情報処理装置10は、ID4、ID11のそれぞれについて、同時判定項目1の関連ID:1の作業関係に基づいて抽出された複数の関連作業候補を含む、作業対象候補リストを生成する。作業対象候補リストには、抽出された各関連作業候補の
ID、作業対象、確率値が含まれる。なお、図7Bの例では、作業対象候補リストに含まれる確率値は、例えば、同時判定項目1の関連ID:1のレコードの「操作表現確率」カラムに格納された確率値である。
図7Cに、ID4、ID11のそれぞれについて抽出された関連作業候補が含まれる、作業対象候補リスト例を例示する。図7Cに例示の作業対象候補リストは、「作業対象不明な作業のID」、「関連作業候補」、「作業対象」、「確率S」のカラムを有する。なお、作業対象候補リストには、作業対象が不明な作業毎に、作業対象が関連付けられないことを示す“null”を設定したレコードが含まれる。“null”が設定されたレコードの「確率S」カラムには、例えば、中立状態を示す確からしさとしての確率値“0.5”が格納される。
「作業対象不明な作業のID」カラムには、作業解析結果リスト204の作業対象を不明とする作業の識別情報(ID)が格納される。「関連作業候補」カラムには、作業解析結果リスト204において同時判定項目の関連作業の定義関係を満たす作業の識別情報(ID)が格納される。「作業対象」カラムには、関連作業候補として抽出された作業の作業対象が格納される。「確率S」カラムには、関連作業候補の抽出条件として使用した操作表現、或いは、コマンド表現に対応する確率値が格納される。図7Bの例では、操作表現により関連作業候補を抽出しているため、例えば、関連作業定義DB203の「操作表現確率」カラムに格納された確率値が格納される。
図7Cの例では、「作業対象不明な作業のID」カラムには、関連作業検索を行ったID4、ID11の識別情報が格納されている。ID4についての「関連作業候補」カラムには、関連作業候補として抽出されたID9、ID7、ID2の識別情報が格納されている。また、ID11についての「関連作業候補」カラムには、関連作業候補として抽出されたID9、ID7、ID2の識別情報が格納されている。
「作業対象」カラムには、関連作業候補として抽出された作業の作業対象がそれぞれに格納されている。例えば、ID9では“apache”、ID7では“Web server”、ID2では“Sorry server”との作業対象が格納されている。また、“null”が設定されたレコードの「作業対象」カラムには作業対象が関連付けられないことを示す“null”が格納される。
「確率S」カラムには、関連作業候補を抽出した定義条件に応じた確率値が格納されている。例えば、ID4について、関連作業候補としてのID9、ID7、ID2の各作業は、関連作業定義DB203の関連ID:1の定義条件により抽出されている。このため、ID9、ID7、ID2に対応する各レコードの「確率S」カラムには、関連作業定義DB203の関連ID:1のレコードの「操作表現確率」カラムに格納された確率値“0.8”が格納されている。ID11についても同様にして、ID9、ID7、ID2の各作業を関連作業候補として抽出した、関連作業定義DB203の関連ID:1の定義条件に対応する確率値“0.8”が格納されている。なお、“null”が設定されたレコードの「確率S」カラムでは、確率値“0.5”が格納されている。
《同時判定項目2》
同時判定項目2についても、同様にして、作業リストDB202、関連作業定義DB203に基づいて、同時判定項目2の定義関係に基づく、関連作業候補が抽出される。図7F、7Gに、図7A(2)に例示の関連作業定義DB203における、同時判定項目2を関連作業の判定条件とした場合の関連作業検索処理の説明図を例示する。図7Fは、図4Cに例示の作業解析結果リスト204について、関連作業として結び付きが判定される作業関係を示す説明図である。
同時判定項目1で説明したように、図4Cに例示の作業解析結果リスト204において、作業対象が不明のID4、ID11は、同時判定項目1と同様に“サーバを停止”との作業である。作業リストDB202における、“サーバを停止”との作業に対応する、作業IDは“006”である。また、関連作業定義DB203における、同時判定項目2に属する関連ID:5の関連作業の定義関係は、“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”である。情報処理装置10は、同時判定項目2のS31の処理では、例えば、“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”との定義関係に基づいて、ID4、ID11と結び付く関連作業候補の抽出を行う。
なお、“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”で結び付けられる関連作業は、例えば、「“サーバ”を作業対象として“停止”作業の直後に“停止を確認”作業が各1回の出現回数で出現する。」との関係を表す。或いは、「“サーバ”を作業対象として“停止を確認”作業の直後に“起動”作業が各1回の出現回数で出現する。」との関係を表す。
図7Fの説明図において、曲線Z27は、形態素解析等により確定した関連作業であり、太曲線Z28は、ID11の作業に対して関連作業として結び付き得る関連作業候補の関係を表す。情報処理装置10は、例えば、作業解析結果リスト204の「作業」カラムに格納された文字列を対象として、関連ID:5の作業関係を満たす関連作業候補の抽出を行う。情報処理装置10は、関連ID:5の作業関係に基づいて、作業対象が不明なID4、ID11の作業について、太曲線Z28の関連作業として結び付き得る作業候補の抽出を行う。
情報処理装置10は、例えば、ID4の作業について、“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”の作業関係を満たす作業の検索を行い、作業関係に該当する作業が作業解析結果リスト204に含まれないことを確認する。
ID11の作業についても同様に、情報処理装置10は、例えば、“((s006|s008)−s103)|s103−(s007|s009)”の作業関係を満たす作業の検索を行い、太曲線Z28で示される関連作業候補を抽出する。情報処理装置10は、ID11の直後に出現する、ID12の“hostSO_01”を作業対象とした“停止を確認”作業
を、関連ID:5で定義された作業関係を満たす関連作業候補として抽出する。
S32の処理では、情報処理装置10は、同時判定項目1の関連ID:1の作業関係に基づいて抽出した関連作業候補の作業対象候補リストを生成する。作業対象候補リストには、抽出された関連作業候補のID、作業対象、確率値が含まれる。なお、図7Fの例では、作業対象候補リストに含まれる確率値は、例えば、同時判定項目2の関連ID:5のレコードの「操作表現確率」カラムに格納された確率値である。
図7Gに、同時判定項目2の定義関係により抽出された関連作業候補の作業対象候補リスト例を例示する。図7Gに例示の作業対象候補リストの表現形式は、図7Cに例示の作業対象候補リストと同様である。また、図7Gに例示の作業対象候補リストにおいても、作業対象を不明とする作業のID毎に、作業対象が関連付けられないことを示す“null”を設定したレコードが含まれる。“null”が設定されたレコードの「確率S」カラムには、例えば、中立状態を示す確からしさとしての確率値“0.5”が格納される。
図7Gの例では、「作業対象不明な作業のID」カラムには、関連作業検索を行ったID4、ID11の識別情報が格納されている。また、ID11について、「関連作業候補」カラムには、関連作業候補として抽出されたID12の識別情報が格納され、「作業対
象」カラムには、関連作業候補として抽出された作業の“hostSO_01”との作業対象が格
納されている。なお、ID4、ID11の“null”が設定されたレコードの「作業対象」カラムには作業対象が関連付けられないことを示す“null”が格納される。
「確率S」カラムには、ID11について、関連作業候補を抽出した定義条件である、関連作業定義DB203の関連ID:5のレコードの「操作表現確率」カラムに格納された確率値“0.7”が格納されている。また、ID4、ID11の“null”が設定されたレコードの「確率S」カラムでは、確率値“0.5”が格納されている。
以上説明したように、図6Bに例示の関連作業検索処理では、関連作業定義DB203に登録された、関連作業の関係を定義する条件毎に関連作業候補が抽出され、複数の関連作業候補を含む、作業対象候補リストが生成される。作業対象候補リストには、作業解析結果リスト204の、作業対象の不明な作業の識別情報毎の、関連作業候補、作業対象、確率値等が含まれる。また、作業対象候補リストには、作業対象の不明な作業の識別情報毎に、作業対象が関連付けられないことを示す“null”を設定したレコードが含まれる。
(関連作業定義による確率値算出処理)
図6Cに例示のフローチャートを参照し、図6Aに例示のS4の関連作業定義による関連作業として成立し得る確率値の算出処理を説明する。図6Cに例示の関連作業定義による確率値算出処理は、関連作業候補を抽出した定義関係毎に行われる。情報処理装置10は、例えば、図7Cに例示の作業対象候補リスト等に基づいて、関連作業候補を抽出した同時判定項目1の定義関係が成立し得る確率値を算出する。また、情報処理装置10は、図7Gに例示の作業対象候補リスト等に基づいて、関連作業候補を抽出した同時判定項目2の定義関係が成立し得る確率値を算出する。情報処理装置10は、例えば、関連作業候補を抽出した定義関係毎に、定義関係が成立し得る確率値を算出することにより、図4N(1)、(2)に例示の、“候補1”及び“候補2”に属する関連作業の関係を評価することができる。
図6Cに例示のフローチャートにおいて、S41の処理では、情報処理装置10は、例えば、処理中の関連作業の抽出に係る定義関係が、構造化確率(SA)を有するか否かを判定する。例えば、図7A(2)に例示の関連作業定義DB203では、同時判定項目1の定義関係は「構造化確率」カラムに確率値を有し、同時判定項目2の定義関係は「構造化確率」カラムに確率値を有さない。情報処理装置10は、例えば、関連作業定義DB203を参照し、処理中の関連作業の定義関係である同時判定項目が構造化確率を有するか否かを判定する。
情報処理装置10は、例えば、処理中の同時判定項目が構造化確率を有する場合には(S41,YES)S42の処理に移行し、処理中の同時判定項目が構造化確率を有さない場合には(S41,NO)S44の処理に移行する。情報処理装置10は、処理中の同時判定項目が同時判定項目1の場合には、S42−S43の処理を実行し、処理中の同時判定項目が同時判定項目2の場合には、S44の処理を実行し、S45の処理に移行する。
S42の処理では、情報処理装置10は、例えば、作業解析結果リスト204から、形態素解析等により、作業対象が確定した作業について、作業対象を同一とする作業群を関連作業(A)として抽出する。図7Bに例示の説明図では、例えば、曲線Z20の関係で示される“Web server”を作業対象としたID5の“サーバを停止”との作業、及び、ID7の“サーバを停止”との作業の対を関連作業(A)として抽出する。
S43の処理では、同時判定項目1の定義関係を満たす各関連作業候補について、S42の処理で抽出した関連作業(A)の関係に交差することなく、作業対象が不明の作業に
対して同時にネスト構造が成立する決定確率(SS)が算出される。決定確率(SS)は、例えば、図4J等で説明したように、確率(S)と構造化確率(SA)との確率積により算出される。なお、一つの作業対象が不明な作業に結び付く関連作業候補と他の作業対象が不明な作業に結び付く関連作業候補の結び付きの関係が交差する場合には、決定確率(SS)は、確率(S)と構造化確率(SA)の補数(1−(SA))との確率積により算出される。
S43の処理では、情報処理装置10は、例えば、図7Cに例示の作業対象候補リストに抽出された、“null”をも含む関連作業候補に対して、作業対象が不明な複数の作業について同時に成立し得る関連作業候補の組み合わせを総当たりで取得する。
図7D、7Eに、S43の処理における決定確率(SS)の算出処理の説明図を例示する。図7Dは、図7Cに例示の作業対象候補リストに対する、作業対象が不明な作業と関連作業候補との結び付きの説明図である。図例において、例えば、“ID4_9”との表
現は、作業対象を不明とするID4の作業に結び付けられたID9の作業についての関連作業候補を表す。“ID4_9”との表現で表された関連作業候補では、作業対象が不明
な作業の識別番号が先行し、関連作業候補とて結び付けられた作業の識別番号が後続する。なお、“UD4_0”との表現は、作業対象が不明なID4の作業に対し“null”が設
定されたことを表す。
図7Dに例示のように、作業対象候補リストに抽出された、ID4に結び付く、“null”をも含む関連作業候補として、ID4_9,ID4_7,ID4_2,UD4_0との4候補が存在する。また、ID11に結び付く、“null”をも含む関連作業候補として、ID11_9,ID11_7,ID11_2,UD11_0との4候補が存在する。ID4、ID11の双方の作業に対して、同時に成立し得る関連作業候補の関係は、{ID4_9,I
D4_7,ID4_2,UD4_0}×{ID11_9,ID11_7,ID11_2,UD11_0}の16通りの組み合わせとなる。
情報処理装置10は、例えば、上述の16通りの組み合わせに対し、ID5とID7との関連作業(A)の関係に交差しない作業関係を抽出する。情報処理装置10は、例えば、ID5、ID7との各作業の識別番号から、関連作業(A)の出現範囲をID5−ID7と特定する。情報処理装置10は、例えば、特定した出現範囲の中に識別番号を有する関連作業候補を、関連作業(A)と交差する作業関係にある関連作業候補として除外する。例えば、作業対象が不明なID4についてはID4_7の関連作業候補が該当し、同様
にして、ID11についてはID11_7の関連作業候補が該当する。情報処理装置10
は、ID4_7、ID11_7の関連作業候補を含む組み合わせを16通りの組み合わせから除外する。このため、決定確率(SS)の算出対象となる関連作業候補の組み合わせは、{ID4_9,ID4_2,UD4_0}×{ID11_9,ID11_2,UD11_0}の9通りとなる。
情報処理装置10は、関連作業(A)の関係に交差しない9通りの関連作業候補の組み合わせに対し、例えば、同一のIDの作業に対して関連作業候補が重複する組み合わせを除外する。同一の作業に対して、作業対象の不明な異なる作業が同時に関連作業候補として成立することはないからである。情報処理装置10は、例えば、ID4の関連作業候補の識別番号を用いて、ID11の関連作業候補の識別番号の検索を行い、重複する識別番号を有する関連作業候補の組み合わせを抽出する。9通りの関連作業候補の組み合わせから、(ID4_9)×(ID11_9)、(ID4_2)×(ID11_2)の2通りの組み合わせが抽出され、除外される。この結果、決定確率(SS)の算出対象となる関連作業候補の組み合わせは、以下の7通りとなる。すなわち、(ID4_9×ID11_2)、(ID4_9×UD11_0)、(ID4_2×ID11_9)、(ID4_2×UD11_0)
、(UD4_0×ID11_9)、(UD4_0×ID11_2)、(UD4_0×UD11_0)の組み合わせである。
情報処理装置10は、上述の7通りの組み合わせについて、図7Cに例示の作業対象候補リスト、図7Bに例示の関連作業定義DB203を参照し、確率(S)、構造化確率(SA)に基づく決定確率(SS)を算出する。情報処理装置10は、例えば、組み合わされた一方の関連作業候補の構造化確率(SA)と確率(S)との確率積を算出し、他方の関連作業候補についても同様に確率積を算出する。そして、情報処理装置10は、それぞれに算出した確率積の総和を求め、確率積の総和を作業対象が不明な作業数で除算した値を、関連業候補の組み合わせとしての決定確率(SS)とする。つまり、処理中の同時判定項目毎の、作業対象が不明な複数の作業と結び付く関連作業の関係が、同時に成立し得る確からしさが、関連作業候補の組み合わせとしての決定確率(SS)として算出される。
図7Eに、同時判定項目1における関連作業候補の組み合わせについての決定確率(SS)についての説明図を例示する。図7Eにおいて、曲線Z20、太曲線Z21、Z23,Z26は、作業結果解析リスト204で抽出された各作業に対し関連作業として結び付く関係を表している。曲線Z20は、形態素解析等により確定した関連作業関係であり、太曲線Z21、Z23,Z26は、作業対象を不明とするID4、ID11に関連作業候補として結び付く作業関係である。なお、太曲線Z21、Z23,Z26の関連作業の関係は、16通りの関連作業候補の組み合わせから決定確率(SS)の算出対象として抽出された関連作業候補である。
例えば、(ID4_9×ID11_2)の関連作業候補の組み合わせについて、ID4_
9との関連作業候補では、作業対象候補リストに抽出された確率(S)=0.8である。また、ID4_9との関連作業候補を抽出した定義関係である関連ID:1の構造化確率
(SA)=0.9である。ID4_9との関連作業候補の確率積は(0.9×0.8)=
0.72となる。また、ID11_2との関連作業候補では、作業対象候補リストに抽出
された確率(S)=0.8であり、ID11_2との関連作業候補を抽出した定義関係で
ある関連ID:1の構造化確率(SA)=0.9である。ID11_2との関連作業候補
の確率積は(0.9×0.8)=0.72となる。情報処理装置10は、ID4_9、I
D11_2のそれぞれに算出した確率積を足し合わせて得られた総和を、作業対象の不明
な作業数:2で除算し、(0.72+0.72)/2=0.72との決定確率(SS)を算出する。
また、例えば、(ID4_2×ID11_9)の関連作業候補の組み合わせについて、ID4_2との関連作業候補では、作業対象候補リストに抽出された確率(S)=0.8で
ある。また、ID4_2との関連作業候補を抽出した定義関係である関連ID:1の構造
化確率(SA)=0.9である。ID4_2との関連作業候補の確率積は(0.9×0.
8)=0.72となる。同様に、ID11_9との関連作業候補では、作業対象候補リス
トに抽出された確率(S)=0.8であり、ID11_9との関連作業候補を抽出した定
義関係である関連ID:1の構造化確率(SA)=0.9である。ID11_9との関連
作業候補の確率積は(0.9×0.8)=0.72となる。情報処理装置10は、ID4_2、ID11_9のそれぞれに算出した確率積を足し合わせて得られた総和を、作業対象の不明な作業数:2で除算し、(0.72+0.72)/2=0.72との決定確率(SS)を算出する。
同様にして、(ID4_9×UD11_0)、ID4_2×UD11_0)、(UD4_0
×ID11_9)、(UD4_0×ID11_2)、(UD4_0×UD11_0)との他の
候補についても、図7Eに例示の決定確率(SS)が算出される。
S44の処理では、情報処理装置10は、例えば、作業対象候補リストに抽出された、“null”をも含む関連作業候補に対して、作業対象の不明な複数の作業に対して同時に成立する関連作業候補の組み合わせを総当たりで取得する。例えば、図7Gの例では、作業対象が不明な作業は、ID4、ID11の2つの作業である。情報処理装置10は、ID4に対する関連作業候補とID11に対する関連作業候補の2つの作業が同時に成立し得る組み合わせを取得する。
例えば、図7Gの例では、作業対象が不明なID4については、関連作業となる作業関係では“null”が設定されるため、ID4に対する関連作業候補の関係を“UD4_0”
となる。同様にして、例えば、作業対象が不明なID11については、作業解析結果リスト204から抽出されたID12、及び、“null”設定に対する作業関係の2通りが存在する。このため、ID12に対する関連作業候補の関係は“ID11_12”となり、“null”設定に対する作業関係は“UD11_0”となる。
情報処理装置10は、例えば、作業対象が不明なID4、ID11の作業に対する、上述の“null”設定を含む作業関係について、関連作業候補の組み合わせを(UD4_0)
×(ID11_12,UD11_0)との総当たりで取得する。総当たりの結果、(UD4_0)×(ID11_12)、(UD4_0)×(UD11_0)の2通りの関連作業候補の組み合わせが取得される。
図4J等で説明したように、同時判定項目2は構造化確率を有さないため、各関連作業候補に対する決定確率値(SS)は、作業対象候補リストの確率値(S)で表すことができる。このため、例えば、(UD4_0)×(ID11_12)との組み合わせの決定確率値(SS)は、各関連作業候補に付与された確率値(S)の総和を平均したもので表すことができ、SS=((0.5+0.7)/2)となる。また、同様にして、(UD4_0
)×(UD11_0)の組み合わせでは、SS=((0.5+0.5)/2)となる。
ここで、ID4、ID11に対する関連作業候補の組み合わせで算出された決定確率(SS)を比較すると、(UD4_0)×(ID11_1)>(UD4_0)×(UD11_0)の関係となる。つまり、S44の処理においては、作業対象が不明な作業毎に抽出された関連作業候補の中で、最大の確率値を有する関連作業候補同士の組み合わせが決定確率(SS)として採用される。
S45の処理では、情報処理装置10は、S43,S44の処理で算出された決定確率(SS)を、同時判定項目の種別、関連作業候補に対応付けて、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
(出現位置等による重み付け処理)
図6Dに例示のフローチャートを参照し、図6Aに例示のS5の関連作業の出現位置、相対距離に基づく重み付け処理を説明する。図6Dに例示の重み付け処理は、例えば、関連作業定義DB203に登録された複数の定義関係において、構造化確率を備える定義関係に対して行われる。例えば、図7A(2)の例では、構造化確率を持つ、同時判定項目1の定義関係で抽出された関連作業候補に対して、重み付け処理が行われる。なお、図4K、4L等で説明したように、重み付け処理では、関連作業候補毎に算出された相対距離R1(前距離)、R2(後距離)の差分を平均した値に基づいて重み係数(M)が算出される。
図6Dに例示のフローチャートにおいて、S51の処理では、情報処理装置10は、例えば、処理中の関連作業の抽出に係る定義関係が、構造化確率(SA)を有するか否かを
判定する。情報処理装置10は、例えば、関連作業定義DB203を参照し、処理中の関連作業の定義関係である同時判定項目が構造化確率(SA)を有するか否かを判定する。
情報処理装置10は、例えば、処理中の同時判定項目が構造化確率(SA)を有する場合には(S51,YES)、S52の処理に移行し、処理中の同時判定項目が構造化確率(SA)を有さない場合には(S51,NO)、重み付け処理を終了する。情報処理装置10は、例えば、処理中の同時判定項目が同時判定項目1の場合には、S52−S55の処理を実行し、処理中の同時判定項目が同時判定項目2の場合には、S52−S55の処理をスキップし終了する。
なお、S52−S55の処理は、例えば、図6Cに例示のS43の処理で取得した、作業対象が不明の各作業についての関連作業候補の組み合わせに基づいて行われる。情報処理装置10は、例えば、{ID4_9,ID4_7,ID4_2,UD4_0}×{ID11_9,ID11_7,ID11_2,UD11_0}との組み合わせで取得される16通りの中の所定条件を満たす組み合わせに対して、S52−S55の処理を行う。すなわち、S52−S55の処理は、(ID4_9×ID11_2)、(ID4_9×UD11_0)、(ID4_2×ID11_9)、(ID4_2×UD11_0)、(UD4_0×ID11_9)の組み合わせに対して行われる。また、S52−S55の処理は、(UD4_0×ID1
1_2)、(UD4_0×UD11_0)の組み合わせに対して行われる。
S52の処理では、情報処理装置10は、作業対象が不明な各作業に対して抽出された関連作業候補同士の組み合わせについて、組み合わせられた関連作業候補のそれぞれの出現位置について、直近の外側にネスト構造として多重に折り重なる作業関係を検出する。情報処理装置10は、直近の外側にネスト構造として多重に折り重なる作業関係を検出しなかった場合には、例えば、解析対象となった業務手順書等における処理の開始(start
)位置、終了(end)位置を、相対距離算出のための対象位置とする。
S53の処理では、情報処理装置10は、S52の処理で検出した直近の外側にネスト構造として折り重なる関連作業候補の出現位置、或いは、業務手順書等における処理の開始(start)位置、終了(end)位置を、対象位置として相対距離の算出を行う。相対距離の算出では、関連作業候補同士の組み合わせについて、例えば、関連作業候補として出現する出現位置が先手順となる作業と直近の外側にネスト構造として折り重なる関連作業候補の先手順として出現する作業との相対距離R1(前距離)が算出される。また、相対距離の算出では、例えば、関連作業候補同士の組み合わせについて、関連作業候補として出現する出現位置が後手順となる作業と直近の外側にネスト構造として折り重なる関連作業候補の後手順として出現する作業との相対距離R2(後距離)が算出される。
また、関連作業候補同士の組み合わせについて、直近の外側にネスト構造として折り重なる作業関係が検出されなかった場合では、例えば、関連作業候補の先手順として出現する作業と業務手順書等における処理の開始位置との相対距離R1(前距離)が算出される。また、例えば、関連作業候補の後手順として出現する作業と業務手順書等における処理の終了位置との相対距離R2(後距離)が算出される。
情報処理装置10は、関連作業候補の出現位置から算出した相対距離R1とR2の差分を求め、関連作業候補の作業距離とする。そして、情報処理装置10は、組み合わせられた関連作業候補同士の作業距離の平均を重み係数(M)として算出する(S54)。情報処理装置10は、算出された重み係数(M)を、関連作業候補同士の組み合わせに対応付けて、例えば、重み係数リストとして主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する(S55)。
図7H(1)、(2)に、重み付け処理の説明図を例示する。図7H(1)は、作業対象を不明とするID4、ID11で抽出された関連作業候補の内、(ID4_9×ID1
1_2)に対する重み付け処理の説明図である。図7H(2)は、同様に、(ID4_2×ID11_9)に対する重み付け処理の説明図である。なお、図7H(1)、(2)に例
示の説明図は、例えば、図4Dに例示の作業フロー上に、作業対象が不明な作業に対し関連作業候補として結び付く、各作業を配置したものである。図7H(1)、(2)の説明図において、“start”は業務手順書等における処理の開始を表し、“end”は業務手順書等における処理の終了を表す。また、同図の番号“XX(XXは1−13)”は、例えば、業務手順書等に出現する作業の出現位置を表し、各作業の識別番号に対応する。例えば、ID4の作業は番号“4”に対応し、ID11の作業は番号“11”に対応する。
図7H(1)の説明図において、曲線Z20は形態素解析等により、作業対象が確定した関連作業を表し、太曲線Z23はID4_9の関連作業候補、太曲線26はID11_2の関連作業候補を表している。太曲線Z26で結び付く作業関係は、太曲線Z23で結び付く作業関係に対し、直近の外側にネスト構造として折り重なる作業関係となる。このため、情報処理装置10は、太曲線Z23の関連作業候補では、太曲線Z26の関連作業候補を対象として相対距離R1、R2を算出する。なお、太曲線Z26で結び付く作業関係では、直近の外側にネスト構造として折り重なる作業関係は存在しない。このため、情報処理装置10は、太曲線Z26の関連作業候補では、処理の開始である“start”位置、
及び、処理の終了である“end”位置を対象として相対距離R1、R2を算出する。
S52の処理では、情報処理装置10は、(ID4_9×ID11_2)との関連作業候補の組み合わせに対し、それぞれの関連作業候補の作業のID番号の結び付きから、直近の外側にネスト構造として折り重なる作業関係を検出する。例えば、情報処理装置10は、関連作業候補であるID4_9の各作業番号と、組み合わせられた関連作業候補である
ID11_2の各作業番号とを作業番号順に整列する。そして、情報処理装置10は、整
列した作業番号の大小関係において、関連作業候補で結び付く一方のID対が、他方の関連作業候補で結び付くID対を包含することを検出する。
情報処理装置10は、(ID4_9×ID11_2)との関連作業候補の組み合わせに対し、ID11_2の作業関係がID4_9の作業関係を包含すること、つまり、直近の外側にネスト構造として折り重なる作業関係であることを検出する。また、情報処理装置10は、(ID4_9×ID11_2)との関連作業候補の組み合わせに対し、ID11_2の
作業関係を包含する作業関係が存在しないことを検出する。
S53の処理では、情報処理装置10は、(ID4_9×ID11_2)との関連作業候補の組み合わせに対し、関連作業候補毎に作業距離の算出を行う。関連作業候補であるID4_9の作業距離の算出では、情報処理装置10は、ID11_2の関連作業候補に対して相対距離R1、R2を算出し、各相対距離の差分から作業距離を算出する。
情報処理装置10は、例えば、ID4_9の関連作業候補において先手順として出現す
るID4と、ID11_2の関連作業候補において先手順として出現するID2との間で
相対距離R1を算出する。図7H(1)で“L3”として例示のように、情報処理装置10は、例えば、ID4の出現位置とID2の出現位置から“|2−4|”より、相対距離R1=2を算出する。また、例えば、情報処理装置10は、ID4_9の関連作業候補に
おいて後手順として出現するID9と、ID11_2の関連作業候補において後手順とし
て出現するID11との間で相対距離R2を算出する。図7H(1)で“L4”として例示のように、情報処理装置10は、例えば、ID9の出現位置とID11の出現位置から“|11−9|”より、相対距離R2=2を算出する。そして情報処理装置10は、算出された相対距離R1、R2から“|2−2|”より、差分としての作業距離=0を算出す
る。
同様にして、情報処理装置10は、処理の開始である“start”位置、及び、処理の終
了である“end”位置を対象として、関連作業候補であるID11_2の作業距離の算出を行う。例えば、情報処理装置10は、ID11_2の関連作業候補において先手順として
出現するID2と、“start”位置との間で相対距離R1=2(図7H(1)では“L1
”)を算出する。また、例えば、情報処理装置10は、ID11_2の関連作業候補にお
いて後手順として出現するID11と、“end”位置との間で相対距離R2=3(図7H
(1)では“L2”)を算出する。そして情報処理装置10は、算出された相対距離R1、R2から“|2−3|”より、差分としての作業距離=1を算出する。
S54の処理では、情報処理装置10は、関連作業候補であるID4_9、及び、ID
11_2で算出された作業距離を平均し、(ID4_9×ID11_2)との関連作業候補
の組み合わせに対する重み係数(M)を算出する。情報処理装置10は、関連作業候補であるID4_9で算出された作業距離:0と、ID11_2で算出された作業距離:1から作業距離平均を“(0+1)/2”より、“0.5”として算出する。そして、情報処理装置10は、算出された作業距離平均:0.5の逆数を求め、(ID4_9×ID11_2)との関連作業候補の組み合わせに対する重み係数(M)=2を算出する。
図7H(2)に例示の、(ID4_2×ID11_9)との関連作業の組み合わせについても同様にして重み係数が算出される。図7H(2)の説明図において、曲線Z20は形態素解析等により、作業対象が確定した関連作業を表し、太曲線Z21はID4_2の関
連作業候補、太曲線24はID11_9の関連作業候補を表している。
図7H(2)に例示のように、太曲線Z21で結び付く作業関係、太曲線Z24で結び付く作業関係は、相互に独立して出現するため、ネスト構造として折り重なる作業関係を取らない。このため、太曲線Z21、Z24の関連作業候補では、それぞれに処理の開始である“start”位置、及び、処理の終了である“end”位置を対象として相対距離R1、R2が算出される。
S52の処理では、情報処理装置10は、(ID4_2×ID11_9)との関連作業候補の組み合わせについて、例えば、ID4_2の各作業番号と、組み合わせられた関連作
業候補であるID11_9の各作業番号とを作業番号順に整列する。そして、情報処理装
置10は、整列した作業番号の大小関係において、一方の関連作業候補で結び付くID対が、他方の関連作業候補で結び付くID対を包含しないことを検出する。情報処理装置10は、ID4_2の関連作業候補とID11_9の関連作業候補とが、相互に独立して出現することを検出する。
S53の処理では、情報処理装置10は、(ID4_2×ID11_9)との関連作業候補の組み合わせに対し、関連作業候補毎に作業距離の算出を行う。情報処理装置10は、ID4_2、ID11_9のそれぞれに、処理の開始である“start”位置、及び、処理の
終了である“end”位置を対象として相対距離R1、R2を算出し、算出された相対距離
R1、R2の差分から作業距離を算出する。
情報処理装置10は、例えば、ID4_2の関連作業候補において先手順として出現す
るID2と、“start”位置との間で相対距離R1=2(図7H(2)では“L5”)を
算出する。また、例えば、情報処理装置10は、ID4_2の関連作業候補において後手
順として出現するID4と、“end”位置との間で相対距離R2(図7H(2)では“L
6”)を算出する。但し、相対距離R2の算出においては、図4M等で説明したように、ID4の作業と“end”位置との間に出現する関連作業の関係となる作業は、相対距離R
2を算出するための処理ステップに含めない。
図7H(2)の例では、曲線Z20で結び付くID5、及び、ID7、太曲線Z24で結び付くID9、及び、ID11の各作業は、相対距離R2を算出するための処理ステップとして換算しない。このため、ID4の作業と“end”位置との相対的な実距離は“end”を処理番号“14”とし、“|14−4|”より“10”となるが、上述の4作業が処理ステップとして含まれないため、“|10−4|”より“6”との相対距離R2が算出される。そして、情報処理装置10は、ID4_2の関連作業候補について、算出された
相対距離R1、R2から“|2−6|”より、差分としての作業距離=4を算出する。
同様にして、ID11_9の関連作業候補についての作業距離が求められる。例えば、
情報処理装置10は、ID11_9の関連作業候補において先手順として出現するID9
と、“start”位置との間で相対距離R1(図7H(2)では“L7”)を算出する。I
D9の作業の出現位置と“start”位置との間には、関連作業として結び付く曲線Z20
、太曲線Z21が出現する。このため、ID5、ID7、ID4、ID2の各作業は、相対距離R1を算出するための処理ステップに換算されない。ID9の作業と“start”位
置との相対的な実距離は“start”を処理番号“0”とし、“|0−9|”より“9”と
なるが、上述の4作業が処理ステップとして含まれないため、“|0−5|”より“5”との相対距離R1が算出される。
また、例えば、報処理装置10は、ID11_9の関連作業候補において後手順として
出現するID11と“end”位置との間で、“end”を処理番号“14”とし、相対距離R2=3(図7H(2)では“L8”)を算出する。そして、情報処理装置10は、ID11_9の関連作業候補について、算出された相対距離R1、R2から“|5−3|”より
、差分としての作業距離=2を算出する。
そして、情報処理装置10は、S54の処理では、関連作業候補であるID4_2、及
び、ID11_9で算出された作業距離を平均し、(ID4_2×ID11_9)との関連
作業候補の組み合わせに対する重み係数(M)を算出する。情報処理装置10は、関連作業候補であるID4_2で算出された作業距離:4と、ID11_9で算出された作業距離:2から作業距離平均を“(4+2)/2”より、“3”として算出する。そして、情報処理装置10は、算出された作業距離平均:3の逆数を求め、(ID4_9×ID11_2)との関連作業候補の組み合わせに対する重み係数(M)=1/3を算出する。
情報処理装置10は、S52−S54の処理を繰り返し実行し、他の関連作業候補の組み合わせについても作業距離に基づく重み係数(M)を算出する。そして、情報処理装置10は、算出された重み係数(M)を関連作業候補の組み合わせに対応付けて、例えば、重み係数リストとして主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
図7J(1)に、S51−S55の処理で生成された重み係数リスト例を例示する。図7J(1)に例示の重み係数リストでは、S51−S55の処理で対象となる7通りの関連作業候補の組み合わせ毎のカラムを有する。図7J(1)の重み係数リスト例は、(ID4_9×ID11_2)、(ID4_9×UD11_0)、(ID4_2×ID11_9)、(ID4_2×UD11_0)、(UD4_0×ID11_9)の各カラムを有する。また、図7J(1)の重み係数リスト例は、(UD4_0×ID11_2)、(UD4_0×UD
11_0)の各カラムをさらに有する。
重み係数リストの各カラムには、それぞれの関連作業候補の組み合わせで算出された重み係数(M)が、“重み”レコードに対応する値として格納される。また、重み係数リストの各カラムには、それぞれの関連作業候補の組み合わせで算出された重み係数(M)の
中で最大値の重み係数(M)に対する相対比が、“最大重みとの比較”レコードに対応する値として格納される。
図7J(1)の例では、関連作業候補の組み合わせの中で、(ID4_9×ID11_2)との、作業対象が不明な作業に対する関連作業候補の組み合わせで算出された重み係数(M)が“2.000”となり最大値となる。情報処理装置10は、各関連作業候補の組合せで算出された重み係数(M)の係数値の大小比較を行い、重み係数(M)の最大値を求める。そして、情報処理装置10は、例えば、(ID4_9×ID11_2)で算出された重み係数(M)に対する相対比を、それぞれの関連作業候補カラムの“最大重みとの比較”とのレコードに格納する。例えば、(ID4_2×ID11_9)とのカラムの“最大重みとの比較”レコードでは、図7H(2)で算出された重み係数(M)=0.333に対する相対比として“0.167”との値が格納されている。
(同時判定項目における評価)
図6Eに例示のフローチャートを参照し、図6Aに例示のS6の、処理中の同時判定項目における関連作業候補の評価処理を説明する。図6Eに例示の関連作業候補の評価処理は、関連作業候補を抽出した定義関係である同時判定項目毎に行われる。情報処理装置10は、例えば、作業対象が不明な作業に対する関連作業候補の組み合わせ毎に算出された決定確率(SS)、図7J(1)に例示の重み係数リストで“最大重みとの比較”レコードに格納された値に基づいて、関連作業候補の評価処理を行う。関連作業候補の評価処理では、例えば、図4Nで説明したように、決定確率(SS)と重み係数リストで“最大重みとの比較”レコードに格納された値を作業変数とした評価関数Fにより算出された評価値により評価が行われる。
図6Eに例示のフローチャートにおいて、S61の処理では、情報処理装置10は、例えば、関連作業候補の組み合わせ毎の決定確率(SS)、及び、重み係数リストで“最大重みとの比較”レコードに格納された値を取得し、評価値の算出を行う。評価値の算出は、関連作業候補の組み合わせ毎に行われる。また、評価値の算出は、例えば、決定確率(SS)と重み係数リストで“最大重みとの比較”レコードに格納された値との積を算出する評価関数Fにより行われる。
情報処理装置10は、例えば、評価対象となる作業対象が不明な作業に対する関連作業候補の組み合わせについて、決定確率(SS)、重み係数リストで“最大重みとの比較”レコードに格納された値を取得する。そして、情報処理装置10は、取得した決定確率(SS)と重み係数リストで“最大重みとの比較”レコードに格納された値とを掛け合わせ、評価対象となる関連作業候補の組み合わせについての評価値を算出する。算出された評価値は、例えば、評価対象となる関連作業候補の組み合わせと対応付けて、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶される。
S62の処理では、情報処理装置10は、例えば、評価対象となった関連作業候補の組み合わせ間で、S61の処理で算出した評価値の大小関係の相対比較を行う。情報処理装置10は、関連作業候補毎に算出された評価値の相対比較の結果、評価値が最も大きい関連作業候補の組み合わせを抽出する。抽出された評価値が最も大きい関連作業候補の組み合わせから、情報処理装置10は、それぞれの関連作業候補の作業対象を取得する。情報処理装置10は、それぞれの関連作業候補から取得した作業対象を、関連作業として結び付けられた、作業対象が不明な作業に対する同一の作業対象として特定する。
情報処理装置10は、例えば、特定した作業対象を、作業対象が不明な作業のID、関連作業候補のID、評価値Fに対応付けて、同時判定項目毎の評価リストとして主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
図7J(2)に、S61−S62の処理で生成された同時判定項目1についての評価リスト例を例示する。なお、図7J(2)において、“ID4_9”、“ID11_2”との表現は、評価対象となった関連作業候補の組み合わせにおける、関連作業として結び付く作業関係を表す。
図7J(2)に例示の評価リスト例では、「作業対象不明な作業のID」、「関連作業候補」、「作業対象」、「評価値」とのカラムを有する。「作業対象不明な作業のID」カラムには、評価対象となった関連作業候補と結び付けられた、作業対象を不明とする作業のIDが格納される。「関連作業候補」カラムには、評価対象となった関連作業候補の作業のIDが格納される。「作業対象」カラムには、評価対象となった関連作業候補の作業対象が格納される。「評価値」カラムには、評価対象となった関連作業候補の組み合わせに対して算出された評価値が格納される。
図7J(2)の評価リスト例では、「作業対象不明な作業のID」カラムに“4”が格納されたレコードの「関連作業候補」カラムには“9”が格納されている。同レコードの「作業対象」カラムにはID9の作業の作業対象である“apache”が格納されている。また、同レコードの「評価値」カラムには評価関数Fにより算出された評価値:0.72が格納されている。
また、図7J(2)の評価リスト例では、「作業対象不明な作業のID」カラムに“11”が格納されたレコードの「関連作業候補」カラムには“2”が格納されている。同レコードの「作業対象」カラムにはID2の作業の作業対象である“Sorry server”が格納されている。また、同レコードの「評価値」カラムには評価関数Fにより算出された評価値:0.72が格納されている。
同時判定項目1の処理の結果、作業対象が不明なID4の作業に対する関連作業候補として、ID9の作業との結び付きが最も確からしいと評価されたことが判る。同様に、作業対象が不明なID11の作業に対する関連作業候補として、ID2の作業との結び付きが最も確からしいと評価されたことが判る。そして、ID4の作業に対し、同一の作業対象は“apache”と特定されたことが判る。また、ID11の作業に対し、同一の作業対象は“Sorry server”と特定されたことが判る。
以上、関連作業候補を抽出する定義関係として、構造化確率を有する同時判定項目1についての評価処理を説明したが、同様にして同時判定項目2についても評価処理が行える。但し、同時判定項目2は、構造化確率を有さないため、評価関数Fの作業変数は、重み係数(M)を含まずに、作業対象が不明な作業に対する関連作業候補の組み合わせで算出された決定確率(SS)となる。このため、同時判定項目2では、決定確率(SS)が評価値となる。例えば、同時判定項目2では、関連作業候補の組み合わせ間で決定確率(SS)の大小関係の相対比較を行うことにより、作業対象が不明な作業に対する関連作業候補の組み合わせを特定することができる。
同時判定項目2に対するS61−S62の処理では、情報処理装置10は、例えば、図6CのS44の処理で説明したように、(UD4_0)×(ID11_12)、(UD4_
0)×(UD11_0)の2通りの関連作業候補の組み合わせを評価対象とする。情報処
理装置10は、例えば、各関連作業候補の組み合わせで算出された決定確率(SS)の大小比較を行い、決定確率(SS)が最も大きい(UD4_0)×(ID11_12)との関連作業候補の組み合わせを特定する。(UD4_0)×(ID11_12)の決定確率(SS)は“0.65”である。
情報処理装置10は、特定された、(UD4_0)×(ID11_12)との関連作業候補の組み合わせから、それぞれの関連作業候補の作業対象を取得する。情報処理装置10は、例えば、作業対象を不明とするID4の作業については“null”を取得し、ID11の作業についてはID12の作業対象である“Web server”を取得する。情報処理装置10は、例えば、同時判定項目2により特定した“null”、“Web server”との作業対象を、作業対象が不明な作業のID、関連作業候補のID、評価値Fに対応付けて、同時判定項目2の評価リストとして主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
同時判定項目2では、作業対象が不明なID4の作業に対する関連作業候補として、作業対象が関連付けられないことを示す“null”との結び付きが最も確からしいと評価される。また、作業対象が不明なID4の作業に対する関連作業候補として、ID12の作業との結び付きが最も確からしいと評価される。そして、ID11の作業に対し、同一の作業対象はID12の作業対象である“Web server”と特定される。
(作業対象の特定)
図6Fに例示のフローチャートを参照し、図6Aに例示のS7の作業対象の特定処理を説明する。図6Fに例示の作業対象の特定処理は、例えば、図7Bに例示の作業解析結果リスト204において、作業対象が不明(空欄状態)な作業毎に行われる。作業対象の特定処理では、例えば、同時判定項目毎に特定された作業対象に対して評価値の大小比較が行われ、評価値の大きい同時判定項目の作業対象が、不明とされた作業対象と同一の作業対象であるとして採用される。
図6Fに例示のフローチャートにおいて、S71の処理では、情報処理装置10は、例えば、図6Eに例示のS62の処理で生成された、同時判定項目毎の評価リストを取得する。そして情報処理装置10は、例えば、全ての同時判定項目毎の評価リストに処理中の、作業対象が不明な作業に対する作業対象、及び、評価値が存在しないことを判定する。
情報処理装置10は、例えば、同時判定項目1、2の評価リストの双方に、処理中の作業対象が不明な作業に対する作業対象、及び、評価値が存在しない場合には(S71、NO)、他の作業対象が不明な作業について、S71−S73の処理を繰り返す。また、情報処置装置10は、例えば、同時判定項目1、2の評価リストの少なくとも一方に、処理中の作業対象が不明な作業に対する作業対象、及び、評価値が存在する場合には(S71、YES)、S72の処理に移行する。
S72の処理では、情報処理装置10は、例えば、同時判定項目毎の評価リストから、処理中の作業対象が不明な作業に対する作業対象、及び、評価値を取得する。そして情報処理装置10は、同時判定項目間で取得した評価値の大小比較を行い、評価値が最も大きい作業対象を、不明とされた作業対象と同一の作業対象として選択する。
S73の処理では、情報処理装置10は、例えば、S72の処理で選択した作業対象を、処理中の作業対象が不明な作業に対する作業対象として採用する。情報処理装置10は、採用した作業対象を、処理中の作業対象が不明な作業のIDと対応付けて、例えば、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。情報処理装置10は、S73の処理で最小下作業対象を、処理中の作業対象が不明な作業のIDと対応付けて、例えば、図6Aに例示のS8の処理に引き渡す。
図7Kに、作業対象が不明の作業に対する作業対象の特定処理の説明図を例示する。図7Kに例示の作業解析結果リスト204において、「作業対象」カラムが空欄状態のID4、ID11が作業対象の不明な作業である。情報処理装置10は、例えば、同時判定項目1、2の評価リストを参照し、ID4、ID11に対する作業対象、評価値を取得する
。例えば、図7J(2)に例示の同時判定項目1の評価リストでは、ID4に対する作業対象は“apache”であり、評価値は“0.72”である。一方、同時判定項目2の評価リストでは、例えば、ID4については作業対象が関連付けられないことを示す“null”となる。
図7Kに例示のように、作業対象が不明なID4の作業に対し、同時判定項目1では、作業対象である“apache”が存在し、同時判定項目2では作業対象が関連付けられない“null”である。このため、情報処理装置10は、作業対象が存在する同時判定項目1の“apache”を、ID4の作業と同一の作業対象であると特定する。
ID11についても同様に、例えば、図7J(2)に例示の同時判定項目1の評価リストでは、ID11に対する作業対象は“Sorry server”であり、評価値は“0.72”である。また、同時判定項目2の評価リストでは、ID11に対する作業対象は“Web server”であり、評価値は“0.65”である。評価値の大小関係は、“0.72”>“0.65”となる。
情報処理装置10は、ID11に対する作業対象として、例えば、同時判定項目1、2間でそれぞれの作業対象に対応する評価値の大小比較を行い、評価値の高い(大きい)同時判定項目1により特定された作業対象である“Sorry server”を選択する。図7Kに例示のように、評価値の高い(大きい)同時判定項目1の“Sorry server”が、ID11の作業と同一の作業対象であると特定される。
情報処理装置10は、特定した作業対象に基づいて作業解析結果リスト204を補完し、図7Lに例示の作業解析結果リスト204aを作成する。図7Lに例示の作業解析結果リスト204aは、例えば、図6Aに例示のS8の処理により生成される。
図7Lに例示の作業解析結果リスト204aでは、図7B等に例示の作業解析結果リスト204において作業対象が不明(空欄状態)の作業に対し、作業対象の補完が行われている。例えば、ID4のレコードの「作業対象」カラムには図6Fに例示のS71−S73の処理で特定された“apache”との作業対象が格納されている。また、例えば、ID11のレコードの「作業対象」カラムには図6Fに例示のS71−S73の処理で特定された“Sorry server”との作業対象が格納されている。
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10では、業務手順書等に記述された作業手順を解析し、作業と作業行為の対象となる作業対象との対となる組み合わせを実行順に抽出した、作業解析結果リスト204を生成することができる。作業解析結果リスト204には、目的語が不明確、記載漏れ等の記載不備を起因とした不明確な作業対象を空欄状態として抽出した、作業と作業対象の対となる組み合わせが含まれる。
情報処理装置10は、作業対象が空欄状態となった作業に対して、作業対象を同一として結び付き得る作業群を関連作業候補として、作業解析結果リスト204に含まれる作業対象を明確として抽出された作業の中から抽出することができる。関連作業候補の抽出は、作業の実行順序における、関連作業候補の出現位置、出現回数、出現順序等の出現傾向を定義した複数の評価項目により行われる。複数の評価項目では、それぞれに独立した基準により、関連作業候補の出現位置、出現回数、出現順序等の出現傾向が定義され、作業対象が空欄状態となった作業に結び付き得る確からしさが確率値として付加される。情報処理装置10は、作業対象が空欄状態となった1つの作業に対して、複数の評価項目による関連作業候補としての結び付きを同時に判定することにより、相互に独立した基準で結び付き得る複数の関連作業候補を抽出することができる。複数の評価項目は、例えば、同時判定項目として関連作業定義DB203に登録される。
情報処理装置10は、作業解析結果リスト204の作業対象を明確とする作業を対象として、作業対象が空欄状態の作業に作業対象を同一として結び付き得る作業群を評価項目毎に抽出し、評価項目毎の関連作業候補を生成する。情報処理装置10では、例えば、評価項目毎に、作業対象が空欄状態となった作業のIDに対応付けて、関連作業候補、関連作業候補の作業対象、作業対象が空欄状態となった作業に結び付き得る確率を含む作業対象候補リストを生成することができる。
情報処理装置10は、評価項目毎に生成した作業対象候補リストに含まれる各関連作業候補に対し、各関連作業候補に対応付けられた確率値に基づいて、作業対象が空欄状態となった作業に結び付き得る確からしさを評価することができる。情報処理装置10では、評価の結果に基づいて、作業対象が空欄状態となった作業に作業対象を同一として結び付き得る関連作業候補を特定できる。この結果、本実施形態の情報処理装置10では、特定した関連作業候補の作業対象を、作業対象が空欄状態となった作業と同一の作業対象として決定することができる。本実施形態の情報処理装置10では、自然言語で記述された業務手順書から作業対象と作業の対を抽出する際に、複数の指標に基づいて適切な作業対象を決定する技術が実現される。
<変形例1>
実施例1の関連作業推定処理では、図4Aで説明したように、空欄状態の作業対象が補完された作業解析結果リスト204aに基づいて、自動実行基盤が実行可能な業務フローB1が生成される。変形例1の関連作業推定処理では、空欄状態の作業対象に対する補完候補が決定された後処理として、例えば、一つの補完候補に対して作業対象の置き換えを行い、再度、他の空欄状態の作業対象についての関連作業推定処理を実行するとしてもよい。
例えば、図6Aに例示のS1−S8の処理で生成された作業結果解析リスト204aを業務手順書等の作成者や作業管理者等に提示することにより、関連作業推定処理により補完された作業対象の置き換えを促すことができる。作業解析結果リスト204aの補完された作業対象について置き換えが生じた場合、置き換えられた作業対象を確定要素として関連作業推定処理を実行する。この結果、例えば、空欄状態の作業対象が複数に存在する場合の、補完候補の推定精度を向上させることが期待できる。また、3個の“起動”作業に対し2個の“停止”作業が抽出された場合のように、業務手順書等の記載漏れ等を検出することが期待できる。
図8に例示のフローチャートを参照し、変形例1の関連作業推定処理を説明する。図8に例示のフローチャートのS1−S8の処理は、図6Aに例示のS1−S8の処理と同様である。情報処理装置10は、例えば、S1−S8の処理で生成した、空欄状態の作業対象を補完した作業結果解析リスト204aを、例えば、CRT等の出力部15に出力する。
情報処理装置10は、例えば、CRT等に表示された空欄状態の作業対象を補完した作業結果解析リスト204aに対する修正等の再設定に係る操作入力を判定する(S81)。情報処理装置10は、例えば、CRT等に表示された作業結果解析リスト204aの、作業対象が補完された領域に対する、表示情報の取り消し、文字列の入力といったユーザ操作を検出する。
情報処理装置10は、例えば、CRT等に表示された作業結果解析リスト204aの、作業対象が補完された領域に対するユーザ操作を検出しなかった場合には(S81,NO)、変形例1の関連作業推定処理を終了する。情報処理装置10は、S1−S8の処理で
生成した作業結果解析リスト204aを、例えば、図4Aに例示の作業手順出力部104に引き渡す。一方、情報処理装置10は、例えば、CRT等に表示された作業結果解析リスト204aの、作業対象が補完された領域に対するユーザ操作を検出した場合には(S81,YES)、S82の処理に移行する。
S82の処理では、情報処理装置10は、例えば、業務手順書等の作成者、作業管理者等のユーザ操作により、作業対象が補完された領域に入力された他の作業対象を検出する。そして、情報処理装置10は、例えば、ユーザ操作により入力された作業対象情報を確定要素として、出力中の作業解析結果リスト204a対応する作業解析結果リスト204を読み出し、該作業解析結果リスト204の空欄状態の作業対象に設定する(S83)。
情報処理装置10は、例えば、S83の処理で確定要素としての作業対象が設定された作業解析結果リスト204を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。そして、情報処理装置10は、S83の処理で確定要素としての作業対象が設定された作業解析結果リスト204を処理対象として、S1−S8、S81−S83の処理を繰り返し実行する。
<変形例2>
図5Aに例示したように、作業リストDB202には、解析対象となる業務手順書等に対応する作業表現が、操作表現、コマンド表現として作業種別(作業ID)毎に格納される。実施例1、変形例1の関連作業推定処理では、情報処理装置10は、作業リストDB202に登録された、操作表現、コマンド表現を参照し、作業解析結果リスト204に抽出された各作業に対する関連作業候補の抽出が行われる。変形例2の関連作業推定処理では、情報処理装置10は、例えば、作業解析結果リスト204に基づいて抽出された関連作業候補に対して、作業リストDB202に登録されたコマンド表現に基づいて、作業表現の補完を行うとしてもよい。作業リストDB202に登録されたコマンド表現に基づいて作業表現の補完を行うことにより、例えば、解析対象となる業務手順書等に記述された作業内容の充実を図ることができる。
図9に変形例2の関連作業推定処理の説明図を例示する。図9において、業務手順書A1の項番号“6)”には、「apacheの停止作業」との記述に併記して「#/etc/S85apache stop」とのコマンド表現を用いた作業が記述されている。また、業務手順書A1の項番号“9)”には、「Web serverが起動していることを確認し、apacheをrestartする」との
作業が記述されている。
作業リストDB202に登録された、作業ID008の「コマンド表現」カラムには、“\/etc\/.*stop”との、サーバの停止操作にかかる操作コマンドが格納されている。こ
のため、情報処理装置10の関連作業推定処理においては、業務手順書A1の項番号“6)”に対し、併記された「#/etc/S85apache stop」とのコマンド表現と作業リストDB202の“\/etc\/.*stop”との表現を照応させた作業ID008が特定される。
関連作業定義DB203に登録された定義関係では、例えば、同時判定項目1の関連ID:2の関連作業の定義関係がコマンド表現による作業ID008を含む。関連ID:2の定義関係では、作業ID008の後手順として出現する作業ID009が関連作業として関係付けられる。このため、例えば、項番号“9”の「apacheをrestartする」との作
業が関連作業候補として抽出される。
作業リストDB202の作業ID009の「コマンド表現」カラムには、“\/etc\/.*start”との、作業ID008の“\/etc\/.*stop”とのコマンド表現と対をなす、操作コ
マンドが格納されている。例えば、項番号“6)”に対する関連作業候補として抽出され
た項番号“9)”が補完候補として特定された場合には、項番号“9)”の作業の記述表現に作業ID009の “\/etc\/.*start”とのコマンド表現を補完することができる。
図9の業務手順書A2は、作業リストDB202に登録されたコマンド表現に基づいて、業務手順書A1の項番号“9)”の作業記述を補完した例である。図9の補完後の業務手順書A2の項番号“9)”には、「Web serverが起動していることを確認し、apacheをrestartする」との作業に対し、「#/etc/S85apache start」との操作コマンドの記述が補完されている。
変形例2の情報処理装置10は、上述のように、例えば、関連作業定義DB203に登録された、対応するコマンド表現で結び付く定義関係において、一方の作業IDのコマンド表現に照応した作業との間で特定された関連作業候補について、作業表現の補完を行う。作業表現の補完は、例えば、関連作業定義DB203に登録された、対応するコマンド表現で結び付く定義関係の他方の作業IDの、例えば、作業リストDB202に登録されたコマンド表現で行われる。
情報処理装置10は、例えば、コマンド表現が記述された作業に対して補完された関連作業候補の作業表現がコマンド表現を持たない場合には、コマンド表現で結び付く定義関係の他方の作業IDのコマンド表現を取得する。そして、情報処理装置10は、取得したコマンド表現と、関連作業候補のIDとを対応付け、例えば、補完された作業解析結果リスト204aと共に、主記憶部12の所定の領域に記憶する。情報処理装置10は、例えば、補完された作業解析結果リスト204a、関連作業候補のID、取得したコマンド表現に基づいて、解析対象となった業務手順書A1の関連作業候補の記述表現を補完した、自動実行に係る作業手順を生成すればよい。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
《その他》
以上の実施形態は、さらに以下の付記と呼ぶ態様を含む。以下の各付記に含まれる構成要素は、他の付記に含まれる構成と組み合わせることができる。
(付記1)
コンピュータに、
記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成するステップと、
前記作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成するステップと、
前記生成された補完候補から、前記評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、前記補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する評価ステップと、
を実行させるための作業対象確定プログラム。
(付記2)
前記評価項目は、前記補完候補の出現位置、出現回数、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業との位置関係を含む出現傾向を定義する、付記1に記載の作業対象確定プログラム。
(付記3)
前記評価ステップは、前記業務手順書中の、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の相対的な出現位置、及び、該作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある補完候補の相対的な出現位置に基づいて、前記補完候補の評価を行う、付記1または2に記載の作業対象確定プログラム。
(付記4)
前記評価ステップで特定された作業対象に対し、他の作業対象の置き換えを受け付けるステップを備え、
前記受け付けた置き換えに係る作業対象を、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業に対する確定要素として補完候補を生成する、付記1から3の何れか一の付記に記載の作業対象確定プログラム。
(付記5)
前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の記述表現に基づいて、前記評価ステップで特定された補完候補に対応する作業の、前記業務手順書中の記述表現を補完する、付記1から4の何れか一の付記に記載の作業対象確定プログラム。
(付記6)
コンピュータが、
記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成するステップと、
前記作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成するステップと、
前記生成された補完候補から、前記評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、前記補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する評価ステップと、
を実行する作業対象確定方法。
(付記7)
前記評価項目は、前記補完候補の出現位置、出現回数、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業との位置関係を含む出現傾向を定義する、付記6に記載の作業対象確定方法。
(付記8)
前記評価ステップは、前記業務手順書中の、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の相対的な出現位置、及び、該作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある補完候補の相対的な出現位置に基づいて、前記補完候補の評価を行う、付記6または7に記載の作業対象確定方法。
(付記9)
前記評価ステップで特定された作業対象に対し、他の作業対象の置き換えを受け付けるステップを備え、
前記受け付けた置き換えに係る作業対象を、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業に対する確定要素として補完候補を生成する、付記6から8の何れか一の付記に記載の作業対象確定方法。
(付記10)
前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の記述表現に基づいて、前記評価ステップで特定された補完候補に対応する作業の、前記業務手順書中の記述表現を補完する、付記6から9の何れか一の付記に記載の作業対象確定方法。
(付記11)
記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成する手段と、
前記作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成する手段と、
前記生成された補完候補から、前記評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、前記補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する評価手段と、
を備える作業対象確定装置。
(付記12)
前記評価項目は、前記補完候補の出現位置、出現回数、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業との位置関係を含む出現傾向を定義する、付記11に記載の作業対象確定装置。
(付記13)
前記評価手段は、前記業務手順書中の、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の相対的な出現位置、及び、該作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある補完候補の相対的な出現位置に基づいて、前記補完候補の評価を行う、付記6または7に記載の作業対象確定装置。
(付記14)
前記評価手段で特定された作業対象に対し、他の作業対象の置き換えを受け付ける手段を備え、
前記受け付けた置き換えに係る作業対象を、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業に対する確定要素として補完候補を生成する、付記11から13の何れか一の付記に記載の作業対象確定装置。
(付記15)
前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の記述表現に基づいて、前記評価手段で特定された補完候補に対応する作業の、前記業務手順書中の記述表現を補完する、付記11から14の何れか一の付記に記載の作業対象確定装置。
10 情報処理装置
11 CPU
12 主記憶部
13 補助記憶部
14 入力部
14a キーボード
14b マウス
15 出力部
15a LCD
16 通信部
101 文書入力部
102 作業抽出部
103 関連作業推定部
104 作業手順出力部
201 用語辞書DB
202 作業リストDB
203 関連作業定義DB
204 作業解析結果リスト
204a 作業解析結果リスト(補完後)
A1 業務手順書
A2 業務手順書(補完後)
B1 業務フロー

Claims (7)

  1. コンピュータに、
    記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成するステップと、
    前記作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成するステップと、
    前記生成された補完候補から、前記評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、前記補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する評価ステップと、
    を実行させるための作業対象確定プログラム。
  2. 前記評価項目は、前記補完候補の出現位置、出現回数、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業との位置関係を含む出現傾向を定義する、請求項1に記載の作業対象確定プログラム。
  3. 前記評価ステップは、前記業務手順書中の、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の相対的な出現位置、及び、該作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある補完候補の相対的な出現位置に基づいて、前記補完候補の評価を行う、請求項1または2に記載の作業対象確定プログラム。
  4. 前記評価ステップで特定された作業対象に対し、他の作業対象の置き換えを受け付けるステップを備え、
    前記受け付けた置き換えに係る作業対象を、前記作業対象の不明な状態で抽出された作業に対する確定要素として補完候補を生成する、請求項1から3の何れか一項に記載の作業対象確定プログラム。
  5. 前記作業対象の不明な状態で抽出された作業の記述表現に基づいて、前記評価ステップで特定された補完候補に対応する作業の、前記業務手順書中の記述表現を補完する、請求項1から4の何れか一項に記載の作業対象確定プログラム。
  6. コンピュータが、
    記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成するステップと、
    前記作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し、補完候補を生成するステップと、
    前記生成された補完候補から、前記評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、前記補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する評価ステップと、
    を実行する作業対象確定方法。
  7. 記憶手段に格納された業務手順書から作業対象と作業との組み合わせを含む作業解析結果を生成する手段と、
    前記作業解析結果について、作業間の関連性について相互に独立した基準で定義された複数の評価項目が記憶された関連作業定義を参照し、評価項目毎に作業対象の不明な状態で抽出された作業に対して作業対象が一致する可能性のある作業を補完候補として判定し
    、補完候補を生成する手段と、
    前記生成された補完候補から、前記評価項目毎に定義された所定の評価条件により評価された結果に基づいて、前記補完候補の作業対象を前記不明の作業対象として特定する手段と、
    を備える作業対象確定装置。
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