JP2016010418A - 歯科用振動付与装置および歯科用振動付与方法 - Google Patents

歯科用振動付与装置および歯科用振動付与方法 Download PDF

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Abstract

【課題】治療期間の短縮に有効な振動特性の範囲を具体的にして、且つ患者への負担を軽減できる歯科用振動付与装置および歯科用振動付与方法を提供する。【解決手段】歯科矯正治療の期間を短縮する歯科用振動付与装置において、振動を生成する振動生成手段8と、使用者の歯、歯槽部粘膜、使用者の歯列に装着された歯科矯正装置の少なくとも一つと接触する接触手段7とを備え、振動生成手段8で生成した振動を、接触手段7を介して使用者の歯列3に付与する。【選択図】図12

Description

本発明は、歯科用振動付与装置および歯科用振動付与方法に関する。
歯科矯正治療は、歯に機械的な力(矯正力)を付与することで歯の移動を行い、歯並びを改善する治療である。
非特許文献1では、歯の移動の原理について詳細に解説している。
歯科矯正治療における歯の移動では、矯正装置により発現する機械的な力の受容組織として歯根膜が重要な役割を担っている。
歯根膜とは、歯槽骨と歯根表層を覆うセメント質の間に介在する、幅約0.2mmの線維性組織であり、線維芽細胞、骨芽細胞、破骨細胞、セメント芽細胞、マラッセの上皮遺残、マクロファージ、血管内皮細胞などの多様な細胞から構成されている。
生理的条件下において、歯根膜は、歯の支持、感覚の受容、血管網による栄養の供給、歯周組織の維持・再生に重要な役割を果たしている。また歯根膜は、咀嚼力や咬合力といった機械的刺激から歯と周囲組織を保護する緩衝帯としての役割を有する。
矯正力が負荷された歯の歯根膜および歯槽骨には、牽引力と圧迫力の異なる種類の機械的刺激が伝達され、組織学的に異なる様相を呈する牽引側と圧迫側の領域が発現する。牽引側では、歯根膜が伸張し歯根膜腔が拡大する。その後、歯槽骨表層における骨芽細胞が骨の添加を促すことにより、拡大した歯根膜腔は、生理的状況下と同等の幅へ戻る。一方、圧迫側では、歯根が歯槽骨に近接し、歯根膜の圧縮と歯根膜腔の狭小が認められる。その後、圧迫側歯槽骨表層の破骨細胞による歯槽骨の吸収が進む。
このように、移動する歯の前方部歯槽骨では主に骨の吸収が生じ、後方部歯槽骨では主に骨の添加、形成が生じることで、歯槽骨の形状が変化し、歯の移動を実現している。
現在の歯科矯正治療装置としては、マルチブラケット装置や矯正用のマウスピースが用いられている。これは、曲げられたワイヤーや、変形した高分子弾性材の戻り力で歯に持続的な力を付与するものである。
しかしながら、この持続的な力を用いた歯科矯正治療では、数年に及ぶ治療期間中は常に歯科矯正治療装置を歯列に装着する必要があり、患者の肉体的及び心理的負担は大きい。
歯科矯正治療期間を短縮するための方法の一つとして、持続的な力ではなく、振動のような動荷重を付与する方法が有効であるとされ、過去に幾つか研究がなされている。
非特許文献2(1978年)では、シェパード犬において、上顎左側犬歯に対してコイルスプリングを用いて69.3gfの持続的な力を与えた場合と、上顎右側犬歯に対して、同じくコイルスプリングとパルス発生装置を用いて力の大きさを制御することにより、最初の6日間では66.0gfの力を17秒間と力が作用しない3秒間を繰り返し、後半の6日間では49.0gfの力を17秒間と力が作用しない3秒間を繰り返す、という間歇的な力を付与した場合を比較している。そして、間歇的な力を付与した上顎右側犬歯の方が12日後の歯の移動量が増加すると報告している。
非特許文献3(1986年)では、ニホンザルにおいて、最大荷重40gf、平均荷重25gf、荷重振幅±15gf、周波数115〜140Hzの振動刺激を毎日1.5時間付与した上顎左側側切歯と、40gfの持続的な力を付与した上顎右側側切歯とを比較している。その結果、上顎左側側切歯の方が3週後の歯の移動量が増加すると報告している。
これらの非特許文献2、3においては、振動刺激の付与による歯科矯正治療期間の短縮効果を開示しているが、大型の加振装置を長時間装着し、荷重の大きい振動を継続して付与するものであり、ヒトへ適用するのは困難である。
非特許文献4(2001年)では、ビーグル犬の上顎第2小臼歯において、80gfの持続的な力に加えて、振幅100μm、周波数28.069kHzの高周波振動刺激を2週間に1回、2分間を与えた片側の第2小臼歯と、80gfの持続的な力のみを付与した反対側の第2小臼歯の移動量を同一個体内で比較している。その結果、持続的な力と高周波振動刺激を併用した方が持続的な力のみの場合より歯の移動量が増加していると報告している。
しかしながら、このような高周波の強制振動では、歯根膜への刺激を効率的に与えることができないと考えられる。以下にその根拠を示す。
非特許文献5では、ヒトの歯周組織の粘弾性特性を調べ、歯、歯根膜および歯槽骨により構成される力学系を、図1のようにモデル化している。
ここで、質量要素mは、歯の重さに起因する質量要素、mは、歯槽骨あるいは上下顎骨など歯を支持する歯根部の重さに起因する要素である。弾性要素kは、歯根膜の弾性に起因する要素、粘性要素cは、歯根膜の粘性に起因する要素、粘性要素cは、歯根部の粘性に関する要素である。
さらに、非特許文献5では、ヒトの上顎中切歯の代表的なパラメータとして、m = 2.9 g、m = 2.0×103 g、k = 1.0×106 N/m、c = 63.0 Ns/m、c = 980.0 Ns/mを報告している。
この報告に基づいて、上顎切歯に強制振動を与えた場合の振動を解析した結果を図2に示す。図2において、λは振動荷重の最大値と最小値の差F(N)と変位X(μm)との比、f(Hz)は周波数を、それぞれ示している。以下、振動荷重と記載し、かつ数値を示した場合、その数値は得られた振動波形の最大値と最小値の差を示す。
図2からは、周波数が数kHz以上の場合、与えた振動荷重に対する歯の変位が非常に小さくなることが分かる。例えば、周波数100 Hzでは、|λ| = 1.68 μm/Nであるのに対して、周波数28 kHzでは、|λ| = 0.011 μm/Nと小さい。この値より、0.04μmの変位を得るのに必要な振動荷重は、周波数100 Hzでは0.03N以上であるのに対して、周波数28 kHz では3.6N以上の振動荷重が必要になる。
前記の関係は、大臼歯のように、質量要素m、m、弾性要素kおよび粘性要素c、cが比較的大きい場合でも成り立つ。例えば、前記の上顎切歯に関するパラメータに対して、m、m、k、cおよびcが、いずれも、1.5倍となる歯周組織について考える。すなわち、m = 4.4 g、m = 3.0 kg、k = 1.5×106 N/m、c = 94.5 Ns/m、c = 1470.0 Ns/mとする。このとき与えた振動荷重に対する歯の変位は、周波数100 Hzでは、|λ| = 1.12 μm/Nであるのに対して、周波数28 kHzでは、|λ| = 0.007 μm/Nと、非常に小さくなる。この値より、0.04μmの変位を得るのに必要な振動荷重は、周波数100 Hzでは0.04N以上であるのに対して、周波数28 kHz では5.8N以上の振動荷重が必要になる。
ここで歯の変形がないとすると、前記で求めた歯の変位は歯根膜の変形に相当し、歯根膜の変形に関しても、高周波で小さくなると考えられる。
このことから、歯根膜に一定量以上の変形を与えるために、高周波の振動を用いる場合は、低周波の振動を用いる場合と比較して、非常に大きい振動荷重を与える必要がある。
しかし、振動荷重が大きくなるにつれて、人体に付与されるエネルギーは増大して、生体組織の温度上昇をもたらすため、注水下で実施するなどの安全策を講じる必要がある。
非特許文献6(2003年)では、成長期のウサギの頭蓋縫合部に最大荷重が5Nの圧迫力であって周波数1Hzの周期的な力を毎日10分、12日間付与することにより縫合部の成長が促進されると報告している。これらの荷重は粘弾性特性をもつ歯根膜を介した一定方向への歯の移動を目的とした荷重ではないため、歯科矯正における歯の移動で用いられる荷重よりも、かなり大きな荷重を用いている。また最大荷重と周波数に関しては言及されているものの、振動荷重の大きさに関しては開示されていない。
特許文献1(2000年)では、同じくウサギの頭蓋縫合部に最大荷重5Nもしくは2Nの力であって周波数が0.2, 0.4, 0.6, 0.8, 1.0Hzである周期的な力をそれぞれ、毎日10分、12日間付与することにより縫合部の成長が促進されると報告している。非特許文献6と同様、最大荷重と周波数に関しては言及されているものの、振動荷重の大きさに関しては開示されていない。
縫合は、脳頭蓋と顔面頭蓋を構成する骨を結合する線維性組織であり、骨格成長の主要部位として知られている。すなわち縫合部に存在する間葉系細胞が骨芽細胞前駆細胞を経て骨芽細胞へと分化し、それらが縫合部骨縁において、新生骨の添加を行うことにより、骨格の成長が導かれる。
骨添加が進行することにより、最終的に全ての縫合は骨結合へと移行する。ヒトにおいては、前頭縫合が生後1年で閉鎖し、さらに成人期にその他の縫合が段階的に骨結合へと移行する。この点において、生涯石灰化することなく、線維性組織としての恒常性を保つ歯根膜とは異なる性質を有すると考えられる。
骨格成長の役割に加えて、縫合は脳頭蓋と顔面頭蓋における機械的刺激を受容する役割を持つ。矯正歯科治療においては、顎顔面部の骨格的不調和を有する成長期の患者に対して、縫合部に機械的刺激を負荷し、顎整形力として用いる治療が行われる。縫合に伸展力を加えることにより、縫合の幅の増大、細胞増殖の亢進、骨縁における細胞外基質産生と石灰化の増加が認められる。このことから、伸展力を負荷することにより、縫合部における骨形成が促進することが示唆される。一方、縫合部に圧迫力を加えることにより、縫合部における成長が抑制されると考えられている。最近の報告では、縫合部に圧迫力を負荷した結果、破骨細胞の活性化、および骨吸収が認められ、縫合の圧縮により、骨の減少が起こりえることが示唆された。
歯根膜に機械的刺激を負荷すると、刺激の方向に応じて牽引側と圧迫側が同時に認められ、それぞれにおいて骨形成と骨吸収が進行する。一方、縫合において、牽引か圧迫のいずれかの機械的刺激による組織反応は、刺激が負荷された周囲の組織において、骨形成か骨吸収のいずれかが生じる。このように、機械的刺激が負荷された歯根膜と縫合とでは、異なる動態を示す。従って、非特許文献6および特許文献1で述べられている縫合部に対して振動を付与する場合は、歯根膜に振動を付与する場合と作用機序が異なるため、荷重や付与時間などの振動パラメータをそのまま歯科矯正治療に適用することはできない。
振動を歯に付与する装置の実用化を試みたものとして、振動子を接続させた板状の装置を使用者が咬合することで、歯列に振動を付与する装置(特許文献2)がある。また、金属線を埋め込んだマウスピースと口腔外のトランスデューサーとを連結し、マウスピースを装着することで、歯列全体にパルス状の荷重を付与する装置(特許文献3)がある。さらに、個別の歯に装着可能な環状の金属装具と口腔外のトランスデューサーを連結し、装具を装着した任意の歯にパルス状の荷重を付与する装置(特許文献4)がある。しかしながら、特許文献2は、歯肉血行促進や矯正治療に伴う痛みの緩和などを目的としており、歯科矯正治療の期間短縮については言及されていない。また、振動付与時間として、10〜15分間のパラメータを開示しているが、根拠となる実験データは無く、振動荷重の大きさに関する具体的な記述も開示されていない。特許文献3、4は、本発明と同様に歯科矯正治療の期間短縮を目的としているが、振動特性に関する具体的な記述は開示されていない。
歯科矯正治療期間の短縮を目的とし、必要な振動特性について言及しているバイトプレート型の装置がある(特許文献5、6、7)。
非特許文献5では、ウサギの実験データを基に、最大荷重0.1〜10N、0.1〜40Hzの振動を付与する装置を提案している。しかしながら、この値は、ウサギの頭蓋に振動刺激を付与することで、縫合部の成長が促進された実験データを基にしたものであり、最大荷重2Nと5Nの圧迫力を付与した場合の実験データを開示しているものの、それ以外の振動特性に関する記載はされていない。また、歯根膜を介した歯の移動に関する実験データは開示されていない。
特許文献6、7では、0.1〜10N、0.1〜1200Hzの振動を1〜60分間付与する装置を、特許文献8では、0.01〜3N、0.1〜1000Hzの振動を付与する装置を、それぞれ提案しており、装置構造とともにその振動特性を特定しているが、特に根拠となるデータは開示されていない。
米国仮出願60/234531号 米国特許第5967784号 米国特許第4123844号 米国特許第4229165号 米国特許第6832912号 国際公開公報 2009−123965号 米国公開公報 2011−136070号 国際公開公報 2009−048086号
平下斐雄,山本照子: 歯は動く 医歯薬出版株式会社 2006 J. C. Oates, R. N. Moore, and A. A. Caputo : Pulsating forces in orthodontic treatment. American Journal of Orthodontics, 74(5), 577−586, 1978 清水義之: 振動力を負荷したニホンザル上顎側切歯の移動に関する検討, 日本矯正歯科学会雑誌, 45(1), 56−72, 1986 大前正美, 斎藤茂, 諸橋富夫, 曲虹, 関健次, 倉林仁美, 山崎健一, 山田庄司, 岡野友宏, 柴崎好伸: 超音波振動による実験的歯の移動の促進効果 第1報 矯正力と同方向への超音波振動の付与, Orthod. Waves, 60(4), 201−212 ,2001 D. H. Noyes and C. W. Solt: Measurement of mechanical mobility of human incisors with sinusoidal forces", Journal of Biomechanics, 6, 439−442 ,1973 R. A. Kopher and J. J. Mao: Suture growth modulated by the oscillatory component of micromechanical strain, Journal of Bone and Mineral Research, 18(3) 521−528 ,2003 藤田恒太郎,桐野忠大,山下靖雄: 歯の解剖学 金原出版株式会社 1995
前述した背景技術は、歯科矯正治療の期間短縮を実現する振動特性の範囲について、1時間を超える長時間の刺激が必要であるものや、最大荷重で2Nや5Nと大きな圧迫力を付与するものであるため、患者への負担が極めて大きい。
本発明は前記問題を解消するためになされたもので、治療期間の短縮に有効な振動特性の範囲を具体的にして、且つ患者への負担を軽減できる歯科用振動付与装置および歯科用振動付与方法を提供することを目的とするものである。
本発明の歯科用振動付与装置は、歯科矯正治療の期間を短縮する歯科用振動付与装置において、振動を生成する振動生成手段と、使用者の歯、歯槽部粘膜、使用者の歯列に装着された歯科矯正装置の少なくとも一つと接触する接触手段とを備え、前記振動生成手段で生成した振動を、前記接触手段を介して前記使用者の歯列に付与することを特徴とするものである。
ここで、歯科用振動付与装置は、持続的な力を用いた歯科矯正治療に併用可能なものである。
歯根膜の周囲には歯槽骨が存在し、ヒトの歯根膜に直接振動荷重を与えることは困難である。よって、実用上は、歯槽部粘膜、あるいは萌出している歯や使用者の歯列に装着された歯科矯正装置に振動荷重を与えて、間接的に歯根膜に歪みを付与することになる。
歯槽部粘膜へ直接振動荷重を与える場合、歯肉などが緩衝材となり振動の伝達が阻害され、効率よく歯根膜に振動荷重を付与することができないことから、振動は歯や使用者の歯列に装着された歯科矯正装置に付与されることが望ましい。
前記使用者の歯と当接された部分での前記接触手段の変位が0.04μm以上であることが好ましい。
ここで、使用者の歯と当接された部分での前記接触手段の変位が0.04μm以上である場合、使用者の歯の変位もまた、0.04μm以上である。
この値は、後述のビーグル犬を用いた実験において効果を確認した3gf、100Hzの振動を付与した場合のヒトの歯の変位を、前記の非特許文献5に示された歯の力学モデルに基づいて推定した結果である。ただし、この推定において、各力学パラメータは、歯の重さに起因する質量要素m = 5.0 g、歯を支持する部分の重さに起因する質量要素m = 2.0×103 g、歯根膜および歯根部の弾性に起因する弾性要素k = 1.4×106 N/m、同じく粘性に起因する粘性要素c = 87.2 Ns/m、c = 1357.1 Ns/mを仮定している。これは、各歯のうち、最も体積が大きい歯、すなわち振動荷重に対する変位量が最も小さい歯である、上顎第1大臼歯を想定した値である。ここで、各歯の大きさの比較には、非特許文献7に示された平均値を参照した。上顎第1大臼歯を仮定した前記の各力学パラメータは、非特許文献5に示された上顎中切歯の各力学パラメータと、非特許文献7に示された上顎第1大臼歯と上顎中切歯との大きさの比から算出した。
なお、前記の各力学パラメータの算出においては、以下を仮定した。まず、歯の重さに起因する質量要素mは歯の体積に比例すると仮定した。歯を支持する部分の重さに起因する質量要素mは歯の大きさによらないと仮定した。歯根膜および歯根部の弾性に起因する弾性要素kおよび粘性に起因する粘性要素c、cは歯の表面積に比例すると仮定した。これは、歯根膜の厚さが歯によらないという仮定に基づく。また、上顎第1大臼歯および上顎中切歯の歯冠部の長さ、歯冠部の幅および歯の全長の平均値は、非特許文献7に基づいた。さらに、歯の体積を[歯冠部の長さ×歯冠部の幅×歯の全長]で規定した。歯の表面積は[歯の体積の3乗根の2乗]で規定した。参照した歯の大きさ、各力学パラメータおよび上顎第1大臼歯の変位を、図15に示す。図に示すように、その変位は0.04μmとなる。
前記振動は、1回あたりの使用に付き3600以上の波数をもつ振動であることが好ましい。
ここで波数とは振動の回数を示しており、振動が歯根膜に適切に伝わっている場合、歯根膜が変形する回数を意味する。
この波数の値は、後述のラットを用いた実験により治療期間短縮の効果を確認した値である。本発明は、振動により歯根膜に変形を与え、歯槽骨圧迫側においては破骨細胞による歯槽骨の吸収を、牽引側においては骨芽細胞による骨の添加を亢進することにある。
したがって、波数については、歯や体の大きさによらず、ラットとヒトとで、治療期間の短縮効果が得られる波数の範囲が同一であると考えられる。また、波数3600、10800、36000、108000の振動付与で、ほぼ同じ治療期間短縮の効果が得られたことから、治療期間を短縮する振動刺激の波数の値に上限はない。したがって、歯根膜に十分な回数の刺激が付与されれば、波数の多寡は期間短縮の効果に影響がないと考えられる。
前記振動は、その振動荷重の大きさの最大値と最小値の差が3gf〜10gfの振動であることが好ましい。ここで、振動の荷重は、使用者の各歯が、装置から受ける振動荷重である。この振動荷重範囲は、本発明者らが後述のビーグル犬を用いた実験により、治療期間短縮の効果を確認した値である。ラットおよびビーグル犬で、同じく3gfの振動荷重で治療期間短縮の効果が得られたこと、および、ビーグル犬の歯の大きさはヒトの歯とほぼ同等であることから、ヒトにおいても同じ振動荷重範囲でも治療期間短縮の効果が得られると推測できる。さらに、実験結果より、1gf、50gfの振動付与では治療期間短縮の効果は小さいと考えられる。
前記振動は、1回あたりの使用に付き1分間〜30分間付与する振動であることが好ましい。
この付与時間範囲は、本発明者らが後述のラットを用いた実験により、その効果を確認した値である。本発明は、振動により歯根膜に変形を与え、歯槽骨圧迫側においては、破骨細胞による歯槽骨の吸収を、牽引側においては、骨芽細胞による骨の添加を亢進することにある。したがって、振動付与時間については、歯や体の大きさによらず、ラットとヒトで治療期間短縮の効果が得られる波数の範囲が同程度であると考えられる。また、3分間と30分間の振動付与において、ほぼ同等の治療期間短縮の効果が得られたことから、本発明では記述した適切な範囲の振動が付与されていれば、1〜30分の付与時間の違いは、期間短縮の効果に影響がないと考えられる。
前記振動は、各回の使用と次の使用との間の期間を、少なくとも1週間以上もち、各回の使用に付き1分間〜30分間付与する振動であることが好ましい。
この期間は、後述のラットを用いた実験により治療期間短縮の効果を確認した値である。
本発明の歯科用振動付与方法は、前記歯科用振動付与装置を用いたことを特徴とするものであり、前記歯科用振動付与装置と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の装置および方法によれば、治療期間短縮に有効な振動特性の範囲を具体的にして、且つ患者へ適正な振動刺激を付与し、歯根膜および歯槽骨の代謝を活性化することで、歯科矯正の治療期間を短縮することができる。
ヒトの歯、歯根膜および歯槽骨により構成される力学系をモデル化した模式図である。 強制振動の荷重と変位との比と、周波数との関係を示したグラフである。 (a)はラットを用いた実験系、(b)はビーグルを用いた実験系の模式図である。 実験に用いた振動装置の振動荷重波形のグラフである。 ラットを用いた実験における歯の移動量の比較写真である。 ラットを用いた実験における歯の移動量の経過のグラフである。 ラットを用いた実験における12日経過時点の歯の移動量の比較である。 ラットを用い、異なる振動荷重の振動付与を行った実験における12日経過時点の歯の移動量の比較のグラフである。 ラットを用い、異なる波数の振動付与を行った実験における12日経過時点の歯の移動量の比較のグラフである。 ビーグル犬を用いた実験における6週間経過時点の歯の移動量の比較のグラフである。 矯正装置を装着した下顎歯列の斜視図である。 本発明の実施形態の一例であるマウスピース型の振動付与装置であり、(a)は振動マウスピースを歯列に装着した斜視図、(b)は(a)のI−I線断面図、(c)は(a)のII−II線断面図である。 本発明の実施形態のプローブ型の振動付与装置であり、(a)は斜視図、(b)〜(d)は使用要領の側面図である。 本発明の実施形態のバイトプレート型の振動付与装置の斜視図である。 3gf、100Hzの振動を付与した場合における、上顎第1大臼歯の変位の推定結果の表である。
本発明者らは、前述した歯科矯正治療の期間短縮の効果を得られる振動刺激特性の検証を下記の方法で行った。
振動刺激特性の検証には、22週齢以上のWistar系雄性ラット、および10か月齢以上の雄性ビーグル犬を用いた。実験系の模式図を図3に示す。(a)はラットを用いた実験系、(b)はビーグル犬を用いた実験系の模式図である。
ラットを用いた実験においては、歯の移動方法として、上顎右側第1臼歯に口蓋側方向へ15gfの持続的な力がかかるように、歯科矯正用ワイヤー21を用いた装置を作製し、全てのラットに装着した。
歯列への振動付与には、DCモータ(ミネベア製の型番KHN4NZ1R)にタングステン製の錘(φ4×2mm)を取り付けた偏芯振動モータ22を用いた。偏芯振動モータ22は、歯周組織や、舌との干渉によりモータの回転が阻害されないよう、ABS樹脂製のケース23に入れ、モータの振動と移動対象歯の振動が同一になるよう上顎の咬合面に結紮線により完全に固定した。振動荷重の測定には、ロッド型のロードセル25(共和電業製の型番LTS−500GA)を使用し、ロッドの先端部を上顎第1臼歯に押し当てることで計測した。なお、24は電源である。
ビーグル犬を用いた実験においては、歯の移動方法として、上顎左右の第3切歯、第2小臼歯および第3小臼歯に歯科矯正用のブラケット20を接着し、第3切歯では口蓋側方向へ50gfの持続的な力がかかるように、また第2小臼歯および第3小臼歯には100gfの持続的な力がかかるように、歯科矯正用ワイヤー21を用いた装置を作製し装着した。
歯列への振動付与は、ラットの実験に用いたものと同じ偏芯振動モータ22を移動対象歯の頬側に光重合レジンにより接着固定することで行った。振動荷重の測定には、コイン型のロードセル26(共和電業製の型番LMA−A−5N)を用いた。偏芯振動モータ22と歯の間に固定用プレート27と固定用ネジ28を用いた冶具でコイン型のロードセル26を固定することで、歯に付与される振動荷重を計測した。
図4は、ラットへの振動付与時における振動荷重の波形グラフである。得られた波形の最大値と最小値の差は3gfであった。
図5、図6、図7は、ラットにおける治療期間短縮の効果の検証結果である。期間短縮効果の評価は、歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力に加えて1週間に1回、荷重3gf、波数10800の振動を付与した持続的な力と振動付与群(C+V、5匹)と、歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力のみを付与した持続的な力のみの群(C、5匹)の歯の移動量を比較することにより行った。図5は実験に用いたラットの歯型の一例であり、この歯型から歯の移動量の評価を行った。
図6は、図5に示した個体における、歯の移動曲線のグラフである。2回目の振動を付与した7日目以降で両個体の移動量に差が出始めた。21日経過時点で持続的な力のみの群の個体の歯の移動量が0.18mmであったのに比べ、持続的な力と振動付与群の個体の歯の移動量は0.30mmであった。また、0.20mmの移動量に到達した時間は、持続的な力と振動付与群の個体で12日であったのに比べ、持続的な力のみの群の個体では21日を要した。
図7は、持続的な力と振動付与群と持続的な力のみの群の12日経過時点での移動量を比較したグラフである。持続的な力と振動付与群は、持続的な力のみの群に比べ移動量が有意に増加しており(Student’s T test 、P<0.05)、その増加量は約1.4倍であった。
図8、図9は、ラットにおける、異なる荷重、波数の振動付与による治療期間短縮の効果への影響を検証した結果である。
治療期間短縮の効果の評価は、下記の各群(A)〜(C)の歯の移動量を比較することにより行った。
(A) 歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力に加えて、1週間に1回、荷重1gf、3gf、6gf、10gf、および50gfの振動付与を行った持続的な力と振動付与群(C+V(1gf)、C+V(3gf)、C+V(6gf)、C+V(50gf)、各4匹ずつ)
(B) 歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力に加えて1週間に1回、荷重3gf、波数3600、10800、36000、および10800の振動付与を行った持続的な力と振動付与群(C+V(3600)、2匹、C+V(10800)、4匹、C+V(36000)、2匹、CT+V(108000) 群、2匹)
(C) 歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力のみを付与した持続的な力のみの群(C、4匹)
図8は、異なる荷重の振動付与を行った実験における12日経過時点の歯の移動量を比較したグラフである。持続的な力に加え3gfの振動と6gfの振動をそれぞれ付与した群の歯の移動量はいずれも、持続的な力のみの群と比べて有意に増加していた(Student’s T test 、P<0.05)。また、1gfの振動と50gfの振動をそれぞれ付与した群の歯の移動量はいずれも、持続的な力のみの群と比べて顕著な差は見られなかった。
図9は異なる波数の振動付与を行った実験における12日経過時点の歯の移動量の比較である。全ての持続的な力と振動付与群で、持続的な力のみの群と比べて、歯の移動量は増加する傾向を示し、持続的な力に加えて、波数10800の振動を付与した群は持続的な力のみの群と比べて歯の移動量は有意に増加していた(Student’s T test 、P<0.05)。
ビーグル犬における、治療期間短縮の効果の評価は、下記の(D)〜(F)の6週間後の歯の移動量を比較することで行った。
(D) 歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力に加えて2週間に1回、荷重3gf、波数18000の振動を付与した右側の歯(C+V(3gf))、5本。
(E) 歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力に加えて、1週間に1回、荷重10gf、波数102000の振動を付与した右側の歯(C+V(10gf))、3本。
(F) 歯科矯正用ワイヤーによる持続的な力のみを付与した左側の歯(C)、5本。
図10は、8週経過時点での移動量を比較したグラフである。
3gfの振動と、10gfの振動を、それぞれ付与した歯のいずれも、持続的な力のみを付与した歯と比べて移動量は増加する傾向を示した。また、3gfの振動を付与した歯では、持続的な力のみを付与した歯と比べて、歯の移動量は有意に増加していた(Student’s T test 、P<0.05)。
次に、振動生成手段を有し、この生成手段で発生する振動を使用者の歯もしくは歯槽部粘膜に付与する歯科矯正の治療期間短縮に使用する装置の実施形態を説明する。
本発明における矯正歯科の治療期間短縮に使用する装置は、振動生成手段、振動生成手段への電源供給(給電手段)手段、制御手段、生成した振動を歯に伝達するための接触手段とを備える。
図11は、矯正装置を装着した下顎側歯列の斜視図である。図11のように、歯列及び歯周組織1の内、の歯列3(a〜n)の各歯3b〜3mの頬側面には、ブラケット4がそれぞれ固定され、各ブラケット4に一連のワイヤー5を係止している。そして、ワイヤー5の戻り力で歯列3に持続的な力を付与することで、これらの矯正装置で歯並びや咬み合わせを治すことができる。なお、ブラケット4を固定する歯やワイヤー5を係止するブラケット4は、図11に例示したものに限られるものではない。
図12(a)〜(c)は、使用者が歯列3に装着することで、歯列3に振動を付与することができるマウスピース型装置の実施形態である。
図12(a)は電動モータ(振動子)8を内蔵したマウスピース7を装着した斜視図、(b)、(c)は(a)の断面図である。本実施形態のマウスピース7は、図12(a)のように、例えば前述のブラケット4とワイヤー5の矯正装置を取り付けた歯列3に装着するものである。
マウスピース7は、図12(b)のように、歯列3に直接被せる内側マウスピース7Aと、内側マウスピース7Aの外側に被せる外側マウスピース7Bとで構成されている。
内側マウスピース7Aと外側マウスピース7Bの材料としては、マウスピースの材料として普通に用いられ、衛生面の安全性が保証された材料、例えば高分子材料であるEVA(エチレン酢酸ビニル樹脂)シートを成形したものが好ましい。つまり、歯や歯肉へのアレルギー等の影響を抑えることができる。材料としてはEVAに限られるものではないが、EVAシートは電気的絶縁性が確保され、断熱材としても機能するためにより好ましい。特に内側マウスピース7AにEVAシートを用いると、内側マウスピース7Aに軟質性を持たせることができる。これによって、後述する電動モータ8から矯正対象歯に伝わる機械的振動の高速成分に対して緩和作用が働くので、矯正対象歯の損傷を防止することが可能となる。
外側マウスピース7Bの表面側には、アクチュエータである電動モータ8の外形状よりもやや大きい内形状の外向き膨らみ部7aが形成されている。この膨らみ部7a内の空隙に小型・軽量の電動モータ8が横向きに(振動方向が歯列3に対して略直角方向となるように)格納されている。
この電動モータ8は、例えば、携帯電話のバイブレータなどに使われている偏芯回転モータなどを用いれば、安価に振動を生成することができる。振動生成手段(電動モータ8)は、接触手段(マウスピース7)に内蔵させても、また接触手段と振動生成手段とに分割してもよい。
そして、膨らみ部7aに電動モータ8を格納した外側マウスピース7Bの内側に、内側マウスピース7Aを被せる。この状態で、内側マウスピース7Aの外面と外側マウスピース7Bの内面とは、重ね合わせ面から膨らみ部7a内に唾液や洗浄水等が入らないように気密に接合して一体化されるようになる。ここで、気密とは、実際には、水分が浸入しないように、水密が保たれるレベル以上であれば良い。電動モータ8が直流(DC)モータである場合には、その給電線9は、外側マウスピース7Bの膨らみ部7aに形成された貫通穴から気密に外部に引き出されて、さらに唇の間から口外に引き出されて、制御手段(スイッチやモータ回転数の制御回路等)や電源供給手段(電池等の直流(DC)電源)と接続される。なお、電動モータ8が交流(AC)モータである場合の電源供給手段は、交流(AC)電源である。
このように、持続的な力を付与する矯正装置(4,5)を取り付けた歯列3に、振動を付与するマウスピース7を装着することによって、患者の負担が軽減され、歯科矯正の治療期間を短縮することができる。
図13(a)〜(d)は、使用者が歯に接触させることで、歯列3に振動を付与することができるプローブ型装置の実施形態である。
図13(a)は、振動発生プローブ11であり、振動発生プローブ11の内部で生成された振動を、ボール状のプローブヘッド11aを介して、矯正装置(4、5)に振動を付与するものである。
図13(b)〜(c)のように、歯列3に装着された矯正装置であるブラケット4には、プローブヘッド11aの位置決め部があってもよい。位置決め部を有することで、毎回同じ位置にプローブヘッド11aを接触させることが可能になり、正確に対象歯列に振動を付与できる。図13(b)では、ブラケット4に、マーキング(着色目印)10aを施し、位置決め部としている。なお、このマーキングはワイヤー5にあってもよい。
このマーキング10aに代えて、図13(c)のように、ブラケット4に、位置決め部である窪み10bを形成することもできる。この窪み10bは、プローブヘッド11aの形状と合致していることが望ましい。さらに、図13(d)のよう、例えば歯3gと歯3hとの接触面間の凹み、を位置決め部である窪み10cとすることもできる。
プローブヘッド11aは、弾性材により構成されていてもよい。これにより、振動付与に伴う衝撃の発生を緩和することができる。
このように、持続的な力を付与する矯正装置(4,5)を取り付けた歯列3に、振動発生プローブ11のプローブヘッド11aを接触させることによって、患者の負担が軽減され、歯科矯正の治療期間を短縮することができる。
図14は、使用者が咬合することで、歯列3に振動を付与することができるバイトプレート型装置の実施形態である。
バイトプレート12は、略U字形状を有しており、内部に電動モータ8を内蔵する。電動モータ8は、口腔外に設置された電源供給手段13、電源スイッチ14、ボリューム調整手段15などと電気的に接続される。本実施形態によれば、使用者がバイトプレート12を咬合するだけで、電動モータ8で生成された振動を歯列3に付与することが可能となる。
このように、持続的な力を付与する矯正装置(4,5)を取り付けた歯列3で、バイトプレート12を咬合することによって、患者の負担が軽減され、歯科矯正の治療期間を短縮することができる。
前記実施形態では、振動生成手段、接触手段として、マウスピース7、振動発生プローブ11およびバイトプレート12を例示したが、これらに限られるものではない。
1 歯列及び歯周組織
3 歯列
4 ブラケット(矯正装置)
5 ワイヤー(矯正装置)
7 マウスピース(接触手段)
7A 内側マウスピース
7B 外側マウスピース
7a 膨らみ部
8 電動モータ(振動生成手段)
9 給電線
10 振動プローブの位置決め部
11 振動プローブ(接触手段)
11a プローブヘッド
12 バイトプレート(接触手段)
13 電源供給手段
14 電源スイッチ
15 ボリューム調整手段
20 実験に用いた歯科矯正用ブラケット
21 実験に用いた歯科矯正用ワイヤー
22 実験に用いた偏芯振動モータ
23 樹脂ケース
24 電源
25 ロッド型ロードセル
26 コイン型ロードセル
27 固定用プレート
28 固定用ネジ

Claims (8)

  1. 歯科矯正治療の期間を短縮する歯科用振動付与装置において、
    振動を生成する振動生成手段と、使用者の歯、歯槽部粘膜、使用者の歯列に装着された歯科矯正装置の少なくとも一つと接触する接触手段とを備え、
    前記振動生成手段で生成した振動を、前記接触手段を介して前記使用者の歯列に付与することを特徴とする歯科用振動付与装置。
  2. 前記使用者の歯と当接された部分での前記接触手段の変位が0.04μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用振動付与装置。
  3. 前記振動は、1回あたりの使用に付き3600以上の波数をもつ振動であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用振動付与装置。
  4. 前記振動は、各回の使用と次の使用との間の期間を、1週間以上もち、各回の使用に付き、3600以上の波数を持つ振動であることを特徴とする請求項3に記載の歯科用振動付与装置。
  5. 前記振動は、その振動荷重の大きさの最大値と最小値の差が3gf〜10gfの振動であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用振動付与装置。
  6. 前記振動は、1回あたりの使用に付き1分間〜30分間付与する振動であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用振動付与装置。
  7. 前記振動は、各回の使用と次の使用との間の期間を、少なくとも1週間以上もち、各回の使用に付き1分間〜30分間付与する振動であることを特徴とする請求項6に記載の歯科用振動付与装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用振動付与装置を用いたことを特徴とする歯科用振動付与方法。
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