JP2016008929A - 回転数センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】検出対象以外の外部金属による影響を受け難くし、検出精度を向上させること。
【解決手段】回転数センサは、回転体(ホイール)1の回転数を検出する。ホイール1には、複数の突起状のブレード2が設けられる。回転数センサは、各ブレード2に対向可能に配置され、各ブレード2の通過を検出する渦電流式のセンサ部3と、センサ部3の各ブレード2と対向する一端面3aに設けられるコイル5とを備える。コイル5は、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイルが、センサ部3の一端面3aにて隣接して配置される。
【選択図】 図1
【解決手段】回転数センサは、回転体(ホイール)1の回転数を検出する。ホイール1には、複数の突起状のブレード2が設けられる。回転数センサは、各ブレード2に対向可能に配置され、各ブレード2の通過を検出する渦電流式のセンサ部3と、センサ部3の各ブレード2と対向する一端面3aに設けられるコイル5とを備える。コイル5は、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイルが、センサ部3の一端面3aにて隣接して配置される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、回転体の回転数、特に高い回転数を検出する回転数センサに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1には、ターボチャージャに設けられる回転数センサが記載されている。ターボチャージャは金属製のコンプレッサホイールを備え、コンプレッサホイールには、検出対象である突起状をなす複数のコンプレッサブレードが一体に形成される。回転数センサは、コンプレッサブレードとの距離を検出するギャップセンサを備える。ギャップセンサは、コンプレッサブレードと向き合うように固定された渦電流式のセンサ部を含む。このセンサ部は、コンプレッサブレードと向き合う位置に磁界を発生させるコイルを含む。このコイルは、一つの平面コイルで構成されると考えられる。例えば、略円形に巻かれた一つの平面コイルを使用することが考えられる。
ところが、特許文献1に記載の回転数センサでは、センサ部のコイルで発生する磁界が、検出対象であるコンプレッサブレード以外の外部金属による影響を大きく受けてしまうおそれがあった。このため、外部金属の存在によっては、回転数センサの検出精度を向上させることができなかった。
具体的に説明する。図12に、従来の回転数センサを概略図により示す。センサ部43は、樹脂により円筒形に形成され、その一端面43aにコイル45が形成される。センサ部43の外周には、外部金属を模擬的に存在させるために金属製筒46がスライド可能に設けられる。コイル45は、金属製の検出対象21に対向して配置される。ここでは、検出対象21とコイル45との間隔を一定値(例えば「0.1(mm)」)とし、センサ部43上にて筒46をスライドさせることにより、筒46の先端からコイル45の先端までの距離D1を最大値(例えば「9(mm)」)から最小値(例えば「0(mm)」)へ変化させた。このように距離D1を変化させたのは、コイル45の周辺に外部金属が近付くときの検出対象21に対するセンサ部43の感度の変化を再現したものである。図13に、距離D1に対するコイル45の測定値(インピーダンスの変化率X1)の関係をグラフにより示す。図13に示すように、距離D1を徐々に短くすると、変化率X1は低下していき、距離D1が「2(mm)」になるとほぼ「0」となる。すなわち、センサ部43のコイル45は、外部金属の影響を受けてセンシング感度を低下させることがわかる。
図14に、コイルの性能特性をグラフにより示す。このグラフは、横軸に周波数を、縦軸にコイルのインピーダンスZを示す。図14において、太線A1は、コイルの周囲に外部金属がなく、検出対象がない場合を、実線A2は、コイルの周囲に外部金属がなく、検出対象がある場合をそれぞれ示す。また、図14において、太破線B1は、コイルの周囲に外部金属があり、検出対象がない場合を、破線B2は、コイルの周囲に外部金属があり、検出対象がある場合をそれぞれ示す。図14に示すように、コイルの周囲に外部金属がない場合と、コイルの周囲に外部金属がある場合とでは、検出対象があるときとないときとで、周波数特性にずれがあることがわかる。すなわち、コイルが外部金属の影響を受けて出力を変化させることがわかる。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、検出対象以外の外部金属による影響を受け難くし、検出精度を向上させることを可能とした回転数センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回転体の回転数を検出する回転数センサであって、回転体には、回転体と一体に回転する突起部が設けられることと、突起部に対向可能に配置され、突起部の通過を検出する渦電流式のセンサ部と、センサ部の突起部と対向する端面にコイルが設けられることと、コイルは、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイルが端面にて隣接して配置されることとを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、センサ部の一端面に設けられるコイルが、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイルが隣接して配置されることにより構成されるので、コイルから発生する磁力線の分布(磁束分布)が狭くなり、検出対象である突起部へ向けて集中する。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、2つの平面コイルが、それぞれ略半円形に巻かれ、隣接して配置されることにより、コイルの全体が円形をなすことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、2つの平面コイルが略半円形に巻かれ、隣接して配置されることでコイルの全体が円形をなすことから、センサ部の一端面に比較的広い面積でコイルを設けることが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、2つの平面コイルが、それぞれ略円形に巻かれ、一部が重なるように隣接して配置されることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、2つの平面コイルが略円形に巻かれ、一部が重なるように隣接して配置されることから、平面コイルを従来の平面コイルと同様に略円形に巻けばよいので、コイルの製造が比較的容易となる。
請求項1に記載の発明によれば、検出対象である突起部以外の外部金属による影響を受け難くすることができ、回転数センサとしての検出精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、コイルの出力を大きくすることができ、その意味で回転数センサの検出精度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、回転数センサの製造を比較的容易化することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明の回転数センサを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の回転数センサを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態においてターボチャージャに設けられる回転数センサを概略構成図により示す。この回転数センサは、回転体の回転数を検出するように構成され、例えば、20万回転(rpm)程度の高回転を検出するために構成される。図1に示すように、ターボチャージャは金属製のコンプレッサホイール(以下、単に「ホイール」と言う。)1を備え、この回転数センサは、ホイール1を回転体として、その回転数を検出するように構成される。ホイール1には、突起状をなす複数のコンプレッサブレード(以下、単に「ブレード」と言う。)2が一体に形成される。複数のブレード2は、それぞれホイール1と一体に回転する本発明の突起部に相当する。回転数センサは、各ブレード2に対向可能に配置され、各ブレード2の通過を検出する渦電流式のセンサ部3と、そのセンサ部3からの出力信号を受けて処理をする信号処理回路4とを備える。センサ部3は、全体が円筒形状をなし、各ブレード2と対向する一端面3aには、磁界を発生させるコイル5が設けられる。
図2に、センサ部3の一端面3aに設けられるコイル5を平面図により示す。図2に示すように、コイル5は、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイル11,12が一端面3aにて隣接して配置される。2つの平面コイル11,12は、それぞれ略半円形に巻かれ、隣接して配置されることにより、コイル5の全体が円形をなす。
図3に、信号処理回路4の出力電圧の変化をタイムチャートにより示す。ホイール1が回転すると、センサ部3のコイル5から発生する磁界(磁力線)を各ブレード2が通過する。このとき、各ブレード2には、コイル5から発生する磁界(磁力線)を打ち消すように渦電流が発生する。そして、各ブレード2で発生する渦電流により、コイル5で発生する磁界(磁力線)の強さが変化する。これにより、コイル5に流れる電流値が変化し、信号処理回路4から、図3に示すような波形の電圧が出力される。
各ブレード2がセンサ部3に近付いたり、センサ部3から離れたりすることにより、すなわち、回転する各ブレード2の位置がセンサ部3の一端面3aと対向する位置(最も接近した位置)になる毎に、図3に示すように、信号処理回路4の出力信号にピーク値が現れる。
図4に、この実施形態におけるコイル5の性能特性をグラフにより示す。このグラフは、横軸に周波数を、縦軸にコイル5のインピーダンスZを示す。図4において、「A1,A2,B1,B2」の違いは、前述した図14の説明と同じである。図4に示すように、コイル5の周囲に外部金属がない場合と、コイル5の周囲に外部金属がある場合とでは、検出対象があるときとないときとで、周波数の特性にずれがないことがわかる。すなわち、共振周波数と共振点のインピーダンスの変化が小さくなっていることがわかる。これは、図14のグラフと対比することで明らかである。つまり、この実施形態では、コイル5が外部金属の影響を受けず、その出力を変化させないことがわかる。
ここで、この回転数センサにおいて、コイル5が外部金属の影響を受けない理由について説明する。図5に、従来例の回転数センサにつき、金属製の検出対象21がコイル45から離れた離間状態を概念図により示す。図6に、従来例の回転数センサにつき、金属製の検出対象21がコイル45に近付いた接近状態を概念図により示す。図5の離間状態では、コイル45から磁力線31(便宜上6本の磁力線31を示す。)が発生し、それら磁力線31の分布(磁束分布)がコイル45の半径方向と軸線方向へ広がる。そして、図6に示すように、検出対象21がコイル45に近付くと、検出対象21の影響によって磁力線31が打ち消される(便宜上6本の磁力線31が打ち消される)。ここで、打ち消される磁力線31が多いほど、コイル45の特性への影響が大きくなるため、図6においては、回転数センサの検出性能は磁力線31の本数分となる。
図7に、従来例の回転数センサにつき、金属製の検出対象21がコイル45から離れた離間状態であって、センサ部43の外周に金属製筒46を被せてコイル45の近傍に外部金属を模擬的に施した場合を概念図により示す。図8に、従来例の回転数センサにつき、金属製の検出対象21がコイル45に近付いた接近状態であって、センサ部43の外周に金属製筒46を被せてコイル45の近傍に外部金属を模擬的に施した場合を概念図により示す。図7の離間状態では、コイル45から発生する磁力線31がコイル45の半径方向と軸線方向へ広がるが、金属製筒46の影響によって一部の磁力線31(6本のうち4本)が打ち消される。これは、離間状態においても外部金属によってコイル45の特性が悪化することを意味する。そして、図8に示すように、検出対象21がコイル45に近付くと、検出対象21の影響によって更に磁力線31(残りの2本)が打ち消される。ここで、金属製筒46がある場合に、検出対象21により打ち消される磁力線31が少なく(2本)なることから、金属製筒46がない場合(図5、図6参照)と比較して、回転数センサの検出性能が低下する。
図9には、本実施形態の回転数センサにつき、金属製の検出対象21がコイル5から離れた離間状態であって、センサ部3の外周に金属製筒6を被せてコイル5の近傍に外部金属を模擬的に施した場合を概念図により示す。この実施形態では、センサ部3の一端面3aに設けられるコイル5が、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイル11,12が隣接して配置されることで構成されるので、磁力線31の分布(磁束分布)がコイル5の半径方向において狭まると共に、軸線方向において検出対象21へ向けて集中することになる。そのため、磁力線31が金属製筒6の影響を受け難くなる。すなわち、この磁力線31は、金属製筒6によっては打ち消されなくなる。この結果、離間状態での回転数センサの検出性能の低下が起こり難くい。
以上説明したこの実施形態の回転数センサによれば、センサ部3の一端面3aに設けられるコイル5が、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイル11,12が隣接して配置されることで構成される。従って、コイル5から発生する磁力線31の分布(磁束分布)がコイル5の半径方向へ狭くなり、検出対象であるブレード2へ向けて集中することになる。このため、コイル5の近傍に外部金属が存在しても、検出対象であるブレード2以外の外部金属による影響を受け難くすることができ、回転数センサとしての検出精度を向上させることができる。
この実施形態によれば、2つの平面コイル11,12が略半円形に巻かれ、隣接して配置されることでコイル5の全体が円形をなすことから、センサ部3の一端面3aに比較的広い面積でコイル5を設けることが可能となる。このため、コイル5の出力を大きくすることができ、その意味でも回転数センサの検出精度を向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の回転数センサを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明の回転数センサを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この第2実施形態において、第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、コイル5の構成の点で第1実施形態と異なる。図10に、センサ部3の一端面3aに設けられるコイル5を平面図により示す。この実施形態では、コイル5を構成する2つの平面コイル16,17が、それぞれ略円形に巻かれ、一部が重なるように隣接して配置される。
図11に、この実施形態におけるコイル5の性能特性をグラフにより示す。このグラフは、横軸に周波数を、縦軸にコイル5のインピーダンスZを示す。図11において、「A1,A2,B1,B2」の違いは、図14の説明と同じである。図11に示すように、コイル5の周囲に外部金属がない場合と、コイル5の周囲に外部金属がある場合とでは、検出対象があるときとないときとで、周波数のピークに多少の違いはあるものの、特性にずれがないことがわかる。これは、図14のグラフと対比することで明らかである。すなわち、この実施形態でも、コイル5が外部金属の影響を受け難く、その出力を変化させ難いことがわかる。
以上説明したこの実施形態の回転数センサによれば、第1実施形態の作用効果に対し、次の点で異なる。すなわち、2つの平面コイル16,17が略円形に巻かれ、一部が重なるように隣接して配置されることから、平面コイル16,17を従来の平面コイルと同様に略円形に巻けばよいので、コイル5の製造が比較的容易となる。このため、この意味で第1実施形態に比べ回転数センサの製造を容易化することができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することができる。
例えば、前記各実施形態では、ターボチャージャのホイール1の各ブレード2を検出対象とする回転数センサに具体化したが、検出対象はこれに限られるものではなく、回転体に設けられる突起部であればよい。
この発明は、回転体の回転数、特に高い回転数を検出する回転数センサに利用することができる。
1 ホイール(回転体)
2 ブレード(突起部)
3 センサ部
3a 一端面
5 コイル
11 平面コイル
12 平面コイル
16 平面コイル
17 平面コイル
2 ブレード(突起部)
3 センサ部
3a 一端面
5 コイル
11 平面コイル
12 平面コイル
16 平面コイル
17 平面コイル
Claims (3)
- 回転体の回転数を検出する回転数センサであって、
前記回転体には、前記回転体と一体に回転する突起部が設けられることと、
前記突起部に対向可能に配置され、前記突起部の通過を検出する渦電流式のセンサ部と、
前記センサ部の前記突起部と対向する端面にコイルが設けられることと、
前記コイルは、互いに巻き方向が異なる2つの平面コイルが前記端面にて隣接して配置されることと
を備えたことを特徴とする回転数センサ。 - 前記2つの平面コイルが、それぞれ略半円形に巻かれ、隣接して配置されることにより、前記コイルの全体が円形をなすことを特徴とする請求項1に記載の回転数センサ。
- 前記2つの平面コイルが、それぞれ略円形に巻かれ、一部が重なるように隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の回転数センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014130946A JP2016008929A (ja) | 2014-06-26 | 2014-06-26 | 回転数センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014130946A JP2016008929A (ja) | 2014-06-26 | 2014-06-26 | 回転数センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016008929A true JP2016008929A (ja) | 2016-01-18 |
Family
ID=55226568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014130946A Pending JP2016008929A (ja) | 2014-06-26 | 2014-06-26 | 回転数センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016008929A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018105728A1 (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-14 | ナブテスコ株式会社 | 速度検出装置 |
WO2018105727A1 (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-14 | ナブテスコ株式会社 | 速度検出装置 |
-
2014
- 2014-06-26 JP JP2014130946A patent/JP2016008929A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018105728A1 (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-14 | ナブテスコ株式会社 | 速度検出装置 |
WO2018105727A1 (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-14 | ナブテスコ株式会社 | 速度検出装置 |
CN110050191A (zh) * | 2016-12-09 | 2019-07-23 | 纳博特斯克有限公司 | 速度检测装置 |
CN110050191B (zh) * | 2016-12-09 | 2021-07-09 | 纳博特斯克有限公司 | 速度检测装置 |
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