JP2016008843A - 喫煙物品の通気特性の測定方法及びその測定システム - Google Patents

喫煙物品の通気特性の測定方法及びその測定システム Download PDF

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敏隆 梅津
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【課題】喫煙物品の偏向通気性の良否を簡易にして短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる喫煙物品の通気特性の測定方法及びその測定システムを提供する。【解決手段】棒形状の喫煙物品(4)の通気特性の測定方法は、吸口端面(12)を閉塞するとともに開孔(16)を開放した状態で、喫煙物品内に第1通気量(Qt)の気体を軸線方向に沿って流す通気プロセス中、煙草部(6)の先端面(14)と開孔との間での通気の第1総圧力損失(B)を測定する第1工程(ステップ2)と、吸口端面を開放するとともに開孔を閉塞した状態で、喫煙物品内に第2通気量(Qt)の気体を軸線方向に沿って流す通気プロセス中、先端面と吸口端面との間での通気の第2総圧力損失(C)を測定する第2工程(ステップ3)と、第1及び第2総圧力損失(B、C)に基づいて偏向通気流の流出の良否を判定する判定工程(ステップ4)とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は喫煙物品の通気特性の測定方法及びその測定システムに関する。
特許文献1のシガレットは、煙草部と、吸口端面と、該吸口端面近傍に設けた開孔とを含む。吸口端面は、シガレットの軸線方向に沿う非偏向通気流の流出を許容し、一方、開孔はシガレットの軸線方向から偏向させた偏向通気流の流出を許容する。このシガレットを喫煙することにより、非偏向通気流のみならず偏向通気流が口内で拡散され、喫煙者に喫味の感覚的な変化(インパクト)をもたらす。
米国特許第4446878号明細書
喫煙物品内に一定通気量の気体を軸線方向に沿って流したとき、この一定通気量に対する偏向通気流の流出量の割合は、前述したインパクトの効果を推し量るための重要な特性値となる。
そこで、例えば前記偏向通気量及び非偏向通気量を流量計などで直接に測定し、喫煙物品の偏向通気性の良否を判定することが考えられる。しかし、吸口端面及び開孔における通気流量を厳密に測定するためには、吸口端面と開孔との間にそれぞれの通気領域を区画するための隔壁を設置する必要がある。吸口端面と開孔とは極めて近接していることから、前記隔壁を設置するためのスペースを確保することは困難である。したがって、例えば延長筒などの補助具を吸口端面に接続し、開孔から離れた場所まで非偏向通気流を誘導してその流量を測定せざるを得ない。
吸口端面に対する延長筒の接続は、吸口端面と延長筒との間で気体の漏洩が無いように、また、吸口端面と延長筒との境界に段差などが生じて通気抵抗とならないように、特段の注意を払って実施しなければならない。また、延長筒が接続されたシガレットは再利用することができず、廃棄する他ない。したがって、偏向通気量及び非偏向通気量の測定には長時間を要し、必然的に測定検体の数量も少量となり、喫煙物品の偏向通気性の良否を判定するための母集団が小さくならざるを得ない。つまり、シガレットの実製造工程において、喫煙物品の偏向通気性の良否を簡易にして短時間で安定的に判定するのは困難であり、判定の精度も確保できないという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、喫煙物品の偏向通気性の良否を簡易にして短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる喫煙物品の通気特性の測定方法及びその測定システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の喫煙物品の通気特性の測定方法は、棒形状の喫煙物品の通気特性の測定方法であって、前記喫煙物品は煙草部と、前記喫煙物品の軸線方向に沿う非偏向通気流の流出を許容する吸口端面と、該吸口端面近傍に前記喫煙物品の軸線方向から偏向させた偏向通気流の流出を許容する開孔とを含み、前記測定方法は、前記吸口端面を閉塞するとともに前記開孔を開放した状態で、前記喫煙物品内に第1通気量の気体を前記軸線方向に沿って流す通気プロセス中、前記煙草部の先端面と前記開孔との間での通気の第1総圧力損失を測定する第1工程と、前記吸口端面を開放するとともに前記開孔を閉塞した状態で、前記喫煙物品内に第2通気量の気体を前記軸線方向に沿って流す通気プロセス中、前記先端面と前記吸口端面との間での通気の第2総圧力損失を測定する第2工程と、前記第1及び第2総圧力損失に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定する判定工程とを含む。
また、本発明の喫煙物品の通気特性の測定システムは、棒形状の喫煙物品の通気特性の測定システムであって、前記喫煙物品は煙草部と、前記喫煙物品の軸線方向に沿う非偏向通気流の流出を許容する吸口端面と、該吸口端面近傍に前記喫煙物品の軸線方向から偏向させた偏向通気流の流出を許容する開孔とを含み、前記測定システムは、少なくとも前記吸口端面及び前記開孔を外部と区画した第1気密室を形成する第1シェルと、前記喫煙物品内に前記軸線方向に沿って気体を流す通気装置と、前記煙草部の先端面と前記第1気密室との間での通気の総圧力損失を測定する圧力計と、前記吸口端面を開閉可能な第1閉塞部材と、前記開孔を開閉可能な第2閉塞部材と、前記第1閉塞部材により前記吸口端面を閉塞するとともに前記開孔を開放した状態で、前記通気装置を動作したときに前記圧力計で測定された通気の第1総圧力損失と、前記第2閉塞部材によって前記開孔を閉塞するとともに前記吸口端面を開放した状態で、前記通気装置を動作したときに前記圧力計で測定された通気の第2総圧力損失とに基づいて、前記偏向通気流の流出の良否を判定する判定装置とを備える。
本発明の喫煙物品の通気特性の測定方法及びその測定システムによれば、喫煙物品の偏向通気性の良否を簡易にして短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる。
本発明の実施形態1に係るシガレットの通気特性の測定システムのステップ1の状態を示す図である。 図1の状態における各通気流とそれらに発生する圧力損失との関係を示した模式図である。 図1の測定システムのステップ2の状態を示す図である。 図3の状態における各通気流とそれらに発生する圧力損失との関係を示した模式図である。 図1の測定システムのステップ3の状態を示す図である。 図5の状態における各通気流とそれらに発生する圧力損失との関係を示した模式図である。 本発明の実施形態2に係るシガレットの通気特性の測定システムのステップ1の状態を示す図である。 図7の測定システムのステップ2の状態を示す図である。 図7の測定システムのステップ3の状態を示す図である。 本発明の実施形態3に係るシガレットの通気特性の測定システムのステップ1の状態を示す図である。 本発明の実施形態4に係るシガレットの通気特性の測定システムのステップ2の状態を示す図である。 本発明の実施形態5に係るシガレットの通気特性の測定システムのステップ2の状態を示す図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
<実施形態1>
図1に示す測定システム2は、棒形状の喫煙物品の通気特性を測定し、例えばシガレット4の偏向通気性の良否(合否)を評価、判定する。喫煙物品には、シガレットの他、葉巻、シガリロ、電子デバイス加熱または熱源などによりたばこ香味を吸引する喫煙具(商品名:スチームホットワン)、非加熱型でたばこ香味を吸引する喫煙具(商品名:ゼロスタイルミント)などが含まれる。
シガレッ卜4は煙草部6とフィルタ部8とを備えている。煙草部6は、刻み葉(煙草)の周囲を巻紙で包んで円柱形に成形されている。フィルタ部8は、フィルタ本体及びフィルタ本体の周囲を覆う巻取紙を含む円柱形に成形され、煙草部6とフィルタ部8とはチップペーパにより連結されている。フィルタ部8の長手方向における略中間位置には、フィルタ部8の周方向に略等間隔を存して、例えば二列のベンチレーション孔10が環状をなして配列されている。ベンチレーション孔10は例えばチッフペーパ、或いはチップペーパ及び巻取紙をフィルタ本体に至るまで貫通して形成され、喫煙に伴い外部からフィルタ部8内に空気を供給し、主としてフィルタ部8内を流れる煙を薄める役割を果たす。
また、フィルタ部8の長手方向における端には吸口端面12が形成されている。吸口端面12は、煙草部6の先端面14からシガレット4内に流入してシガレット4の軸線方向に沿って流れる通気流Faを偏向されないままの状態で非偏向通気流Fndとして流出する。吸口端面12近傍には、フィルタ部8の周方向に略等間隔を存して、例えば一列の開孔16が環状をなして配列されている。開孔16は、例えば巻取紙、チップペーパ、及びフィルタ本体の一部を貫通して形成され、喫煙に伴いシガレット4の軸線方向の通気流Faを偏向させた偏向通気流Fdを外部に流出する。
測定システム2は、第1シェル18、第2シェル20、及び空気吸引流路(通気装置)22を備えている。第1シェル18は、ベンチレーション孔10と開孔16との間においてフィルタ部8の外周を保持し、吸口端面12及び開孔16を外部と区画した第1気密室24を形成している。第2シェル20は、第1シェル18に隣接され、先端面14近傍でシガレット4の煙草部6の外周を保持するとともに、ベンチレーション孔10と開孔16との間においてフィルタ部8の外周を保持し、煙草部6の先端面14を除いた巻紙からなる煙草部6の外周面28を外部と非通気に区画した第2気密室30を形成している。すなわち本実施形態の場合には、ベンチレーション孔10は第2気密室30に位置付けられ、ベンチレーション孔10及び煙草部6の外周面28は非通気の状態にされている。
空気吸引流路22は、空気配管32、流量計34、及び吸引ポンプ36などから構成されている。空気配管32は、第1シェル18に設けられた開口38に気密に接続され、空気配管32にはマスフローコントローラなどの流量計34が介装され、空気配管32の端には吸引ポンプ34が接続されている。吸引ポンプ34を作動し、流量計34を監視しながら吸引ポンプ34における空気の吸引圧力を調整することにより、外部に面した煙草部6の先端面14から第1気密室24に位置付けられる吸口端面12に向けて、一定通気量の空気(煙などでも良い)を流すことができる。
また、測定システム2はマノメータなどの圧力計35を備えている。検体であるシガレット4を測定システム2にセットし、吸引ポンプ34を作動させ、第1気密室24の空気を吸引することにより、圧力計35において、煙草部6の先端面14と第1気密室24との間の総圧力損失(差圧)を例えばmmH2O単位で測定可能である。
また、測定システム2は後で詳述する第1閉塞部材40及び第2閉塞部材42を備えている。
ここで、シガレットにおいては、ISO9512(Cigarettes - Determination of ventilation - Definitions and measurement principles)に準拠した測定方法で、前述したフィルタ部8のベンチレーション孔10などにおける通気特性や、煙草部8の巻紙を通じた通気特性を測定することが知られている。この測定方法における総通気量は17.5cm3/sと規定されている。
そこで、本実施形態のシガレット4の通気特性の測定方法及び測定システム2においても、シガレット4の煙草部6の先端面14側から吸口端面12に向けたシガレット4の軸線方向の総通気流Ftの総通気量(第3通気量)Qtを17.5cm3/sと規定する。
さらに、総通気量Qtに対する偏向通気流Fdの偏向通気量Qdの割合(Qd/Qt)を偏向通気割合Fと規定する。また、偏向通気割合F(以下、F値ともいう)には適切な基準割合FS(例えば0.6など。以下、FS値ともいう)が存在することを前提とする。そして、測定装置2を用い、FS値を得るべく製造された喫煙物品の測定検体(シガレット4)の実際のF値がFS値に合致しているか否かを判定する測定方法を以下のステップ1〜4の順に段階的に説明する。
・ステップ1
図1に示すように、ステップ1では、第2シェル20により形成された第2気密室30により、煙草部6の巻紙及びフィルタ部8のベンチレーション孔10は外部と非通気の状態にあり、これら巻紙及ベンチレーション孔10からのシガレット4への空気流入は遮断されている。また、吸口端面12及び開孔16の双方は開放されている。
この状態において吸引ポンプ36を作動し、流量計34で測定される総通気量(第3通気量)Qtが17.5cm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整し、シガレット4の煙草部6の先端面14と吸口端面12との間に17.5cm3/sの空気を流す通気プロセスを行う。そして、この通気プロセス中の総圧力損失(第3総圧力損失)Aを前述した圧力計35により測定する(第3工程)。
ここで、煙草部6の先端面14からシガレット4に流入するシガレット4の軸線方向の通気流をFaとしたとき、通気流Faの一部が偏向される位置P、すなわち開孔16の位置よりも、通気流Faの流れ方向で見て上流における圧力損失、すなわち主として煙草部6を流れる通気流Faの圧力損失をRU(Resistance of Upperstream)とする。
また、通気流Faが偏向される位置Pよりも通気流Faの流れ方向で見て下流における、偏向されない非偏向通気流Fndの圧力損失、すなわち、主としてフィルタ部8を吸口端面12に至るまで流れる非偏向通気流Fndにおける圧力損失をRL(Resistance of Lowerstream、端面圧力損失)とする。
また、通気流Faが偏向される位置Pよりも通気流Faの流れ方向で見て下流における、偏向された偏向通気流Fdの圧力損失、すなわち、主としてフィルタ部8を開孔16に至るまで流れる偏向通気流Fdにおける圧力損失をRE(Resistance of Edge、開孔圧力損失)とする。
図2に示すように、図1の状態において前述した通気プロセスを行ったとき、シガレット4のF値がFS値に合致していれば、通気プロセス中、煙草部6の外周面28及びベンチレーション孔10は非通気状態であることから、シガレット6には通気流Fa、偏向通気流Fd、及び非偏向通気流Fnd以外は発生せず、通気流Fa、偏向通気流Fd、及び非偏向通気流Fndにそれぞれ基づいた圧力損失RU、RE、RLが発生する。
そして、各圧力損失RU、RE、RL及び総圧力損失Aには以下の関係式が成立する。なお、この関係式は総圧力損失Aから各圧力損失RU、RE、RLを算出するための一般に知られた式である。
Figure 2016008843
圧力損失RU、RE、RL及び総圧力損失Aの各記号に付された下付き符号は、F値に基づいて想定される通気流Fa、偏向通気流Fd、非偏向通気流Fnd、及び総通気流Ftの各通気量を示している。すなわち、総通気量Qtが17.5cm3/sである場合に実際に測定された総圧力損失Aは、煙草部6の先端面14から流入される通気流Faの通気量Qaが17.5cm3/sである場合における圧力損失RUと、開孔16から流出される偏向通気流Fdの偏向通気量Qdが17.5c×Fm3/sである場合における圧力損失REと、吸口端面12から流出される非偏向通気流Fndの非偏向通気量Qndが17.5×(1−F)cm3/sである場合における圧力損失RLとの3つの変数を有する関係式で表される。
・ステップ2
次に図3に示すように、ステップ2では、シガレット4の吸口端面12に、吸口端面12を開閉可能な着脱式の第1閉塞部材40を装着する。第1閉塞部材40は、例えばラテックスや、その他柔軟性のある樹脂製のプレートやキャップなどであって、吸口端面12の全域を覆う適切な形状を有し、装着に伴い吸口端面12からの非偏向通気流Fndの流出を完全に遮断する。なお、図3では空気吸引流路22の図示は省略し、以降の図面においても同様とする。
このように吸口端面12を閉塞するともに開孔16を開放した状態で吸引ポンプ36を作動し、流量計34で測定される総通気量(第1通気量)Qtが17.5×Fcm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整し、シガレット4の煙草部6の先端面14と吸口端面12との間に17.5×Fcm3/sの空気を流す通気プロセスを行う。すなわち、ステップ2の通気プロセスにおける総通気量(第1通気量)Qtは、ステップ1の通気プロセスにおける総通気量(第3通気量)Qtに基準割合(FS値)を乗した値である。そして、この通気プロセス中の総圧力損失(第1総圧力損失)Bを圧力計35により測定する(第1工程)。
図4に示すように、図3の状態において前述した通気プロセスを行ったとき、シガレット4のF値がFS値に合致していれば、通気流Fa、偏向通気流Fdにそれぞれ基づいた圧力損失RU、REが発生する。
そして、各圧力損失RU、RE及び総圧力損失Bには以下の関係式が成立する。
Figure 2016008843
すなわち、総通気量Qtが17.5×Fcm3/sである場合に実際に測定された総圧力損失Bは、通気流Faの通気量Qaが17.5×Fcm3/sである場合における圧力損失RUと、偏向通気流Fdの偏向通気量Qdが17.5×Fcm3/sである場合における圧力損失REとの2つの変数を有する関係式で表される。
ここで、第2シェル20により形成された第2気密室30によって、煙草部6の巻紙及びフィルタ部8のベンチレーション孔10は外部と非通気の状態にあり、これら巻紙及ベンチレーション孔10からのシガレット4への空気流入は遮断されている。したがって、圧力損失RUの値は総通気量Qtの値と比例関係にあり、総通気量Qtが17.5×Fcm3/sの場合のRUは以下の式で表すことができる。
Figure 2016008843
そして、数式3を数式2に代入すると、総通気量Qtが17.5×Fcm3/sの場合の総圧力損失Bは、以下の式で表される。
Figure 2016008843
この数式4に記載したFは、シガレット4の製造段階で予め設定されたFS値であって、前述したように0.6などの値が代入可能である。すなわち、総通気量Qtが17.5×Fcm3/sである場合に実際に測定された総圧力損失Bは、通気流Faの通気量Qaが17.5cm3/sである場合における圧力損失RUと、偏向通気流Fdの偏向通気量Qdが17.5×Fcm3/sである場合における圧力損失REとの2つの変数を有する関係式で表される。
・ステップ3
次に図5に示すように、ステップ3では、シガレット4の吸口端面12から第1閉塞部材40を取り外して吸口端面12を開放し、代わりに開孔16を開閉可能な着脱式の第2閉塞部材42を開孔16に装着する。第2閉塞部材42は、例えばラテックス製のチューブなどであって、各開孔16すべてを覆う適切な形状を有し、開孔16からの偏向通気流Fdの流出を完全に遮断する。なお、棒形状体の外周面からの通気流をラテックスチューブにより遮る方法として、例えば英国CERULEAN社製の測定器(QTM6-Pressure Drop for Filter Rods)を用い、シガレット用フィルターロッドの通気抵抗を測定することが一般に行われている。
このように吸口端面12を開放するともに開孔16を閉塞した状態で吸引ポンプ36を作動し、流量計34で測定される総通気量(第2通気量)Qtが17.5×(1−F)cm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整し、シガレット4の煙草部6の先端面14と吸口端面12との間に17.5×(1−F)cm3/sの空気を流す通気プロセスを行う。すなわち、ステップ3の通気プロセスにおける総通気量(第2通気量)Qtは、ステップ1の通気プロセスにおける総通気量(第3通気量)Qtに(1−基準割合(FS値))を乗した値である。そして、この通気プロセス中の総圧力損失(第2総圧力損失)Cを圧力計35により測定する(第2工程)。
図6に示すように、図5の状態において前述した通気プロセスを行ったとき、シガレット4のF値がFS値に合致していれば、通気流Fa、非偏向通気流Fndにそれぞれ基づいた圧力損失RU、RLが発生する。
そして、各圧力損失RU、RL及び総圧力損失Cには以下の関係式が成立する。
Figure 2016008843
ここで、ステップ2の場合と同様に、煙草部6の巻紙及びフィルタ部8のベンチレーション孔10は外部と非通気の状態にあり、これら巻紙及ベンチレーション孔10からのシガレット4への空気流入は遮断されている。したがって、圧力損失RUの値は総通気量Qtの値と比例関係にあるため、総通気量Qtが17.5×(1−F)cm3/sの場合のRUは以下の式で表すことも可能である。
Figure 2016008843
そして、数式6を数式5に代入すると、総通気量Qtが17.5×(1−F)cm3/sの場合の総圧力損失Cは、以下の式で表される。
Figure 2016008843
この数式7に記載したFは、シガレット4の製造段階で予め設定されたFS値であって、0.6などの値が代入可能である。すなわち、総通気量Qtが17.5(1−F)cm3/sである場合に実際に測定された総圧力損失Cは、通気流Faの通気量Qaが17.5cm3/sである場合における圧力損失RUと、非偏向通気流Fndの非偏向通気量Qndが17.5×(1−F)cm3/sである場合における圧力損失RLとの2つの変数を有する関係式で表される。
以上により各総圧力損失A、B、Cの測定作業は終了し、次にF値の推定に移行する。
・ステップ4
ステップ4では、総圧力損失A、B、Cに基づいてシガレット4の偏向通気性の良否を判定する(判定工程、判定装置)。
具体的には、ステップ1〜3で得られた以下の3式(数式1、4、7)を使用する。
Figure 2016008843
前述したように、各総圧力損失A、B、Cの値は、圧力計35による測定により既に得られている。また、Fには、シガレット4の製造段階で予め決定されたFS値として例えば0.6などの数値を代入可能である。したがって、数式8では、通気流Faの通気量Qaが17.5cm3/sである場合における圧力損失RUと、偏向通気流Fdの偏向通気量Qdが17.5c×Fm3/sである場合における圧力損失REと、非偏向通気流Fndの非偏向通気量Qndが17.5×(1−F)cm3/sである場合における圧力損失RLとの3つの変数が3つの関係式に表されている。この連立方程式を解き、それぞれ、17.5cm3/s、17.5c×Fm3/s、17.5×(1−F)cm3/sの各通気量における圧力損失RU、RE、RLの値を算出する。
一方、F値、すなわち総通気量Qtに対する偏向通気量Qdの割合(Qd/Qt)である偏向通気割合Fは、圧力損失RU、RE、RLを用いて計算することにより、以下の式で表される。
Figure 2016008843
そして、圧力損失RU、RE、RLの値を数式9に代入することによりF値を算出し、この推定されたF値がシガレット4の製造段階で予め設定されたFS値に合致しているか否かを判定する。例えば、FS値を予め0.6と設定した場合に、数式9により算出されたF値が0.6に合致する、或いは誤差として許容される範囲に入る場合には、シガレット4の偏向通気性は合格と判定される。一方、数式9により算出されたF値が0.6に合致しない、或いは許容範囲に入らない場合には、シガレット4の偏向通気性は不合格と判定する。
このように、ステップ4では、測定した総圧力損失A、B、Cから算出した圧力損失RL、REに基づいて、総通気量Qt(17.5cm3/s)に対する偏向通気量Qdの割合である偏向通気割合Fを算出し、この偏向通気割合Fを予め規定された基準割合FSと比較し、その結果に基づいて喫煙物品の偏向通気性の良否を判定する。
以上のように実施形態1によれば、偏向通気量Qd及び非偏向通気量Qndを流量計などで直接に測定しなくとも、喫煙物品の偏向通気性の良否を判定することができる。また、流量測定のために吸口端面12と開孔16との間を区画する必要はなく、吸口端面12に補助具を接続する必要もない。また、吸口端面12に補助具を接続する必要がないため、測定検体を損傷することのない非破壊測定が可能である。また、シガレット4の製造段階において大量の検体を容易に測定、判定することができるため、判定のための母集団が大きくなり、判定の精度も向上する。したがって、喫煙物品の偏向通気性の良否を簡易にして短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる。
また、通気プロセス中、第2シェル20により煙草部6の外周面28及びベンチレーション孔10を非通気状態にすることにより、シガレット6には通気流Fa、偏向通気流Fd、及び非偏向通気流Fnd以外は発生せず、通気流Fa、偏向通気流Fd、及び非偏向通気流Fndにそれぞれ基づいた圧力損失RU、RE、RLが発生する。このことは、喫煙物品の偏向通気性の良否判定のさらなる精度向上に寄与する。
<実施形態2>
図7に示すように、実施形態2の測定システム44は、実施形態1とは異なる第1シェル46、第2シェル48、及び第2閉塞部材50を備え、その他の構成は実施形態1と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
第1シェル46は、フィルタ部8を煙草部6との境界近傍において保持し、フィルタ部8の長手方向略全域であって、フィルタ部8の吸口端面12、開孔16、及びベンチレーション孔10を外部と区画した第1気密室52を形成している。
第2シェル48は、第1シェル18に隣接され、先端面14近傍で煙草部6を保持するとともに、フィルタ部8を煙草部6との境界近傍において保持している。また、第2シェル48は、シガレット4の巻紙からなる外周面28を外部と非通気に区画した第2気密室54を形成している。すなわち本実施形態の場合には、ベンチレーション孔10は第1気密室52に位置付けられている。
また、第2閉塞部材50は、実施形態1の第2閉塞部材42と同様の例えばラテックス製のチューブであるが、開孔16及びベンチレーション孔10を同時に閉塞可能な長さ及び形状を有して形成されている。すなわち、第2閉塞部材50をシガレット4の長手方向にずらして移動することにより、開孔16からの偏向通気流Fdの流出、及びベンチレーション孔10からの通気流の流入を同時に遮断可能である。
以下、シガレット4の通気特性の測定方法を実施形態1と同様にステップ1〜4の順に段階的に説明する。なお、実施形態1と同様の内容については説明を省略する。
・ステップ1
図7に示すように、ステップ1では、第2シェル48により形成された第2気密室54により、煙草部6の巻紙は外部と非通気の状態にあり、この巻紙からのシガレット4への空気流入は遮断する。また、第2閉塞部材54をフィルタ部8のベンチレーション孔10を閉塞するとともに開孔16を開放する位置に装着し、ベンチレーション10からの通気流の流出を完全に遮断する。一方、吸口端面12及び開孔16の双方は開放されている。
この状態において吸引ポンプ36を作動し、流量計34で測定される総通気量(第3通気量)Qtが17.5cm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整し、シガレット4の煙草部6の先端面14と吸口端面12との間に17.5cm3/sの空気を流す通気プロセスを行う。そして、この通気プロセス中の総圧力損失Aを圧力計35により測定する(第3工程)。
・ステップ2
次に図8に示すように、ステップ2では、第2閉塞部材54でベンチレーション孔10のみを閉塞した状態で、吸口端面12に第1閉塞部材40を装着し、吸口端面12からの非偏向通気流Fndの流出を完全に遮断する。このように吸口端面12を閉塞するともに開孔16を開放した状態で吸引ポンプ36を作動し、流量計34で測定される総通気量(第1通気量)Qtが17.5×Fcm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整した通気プロセスを行い、総圧力損失Bを圧力計35により測定する(第1工程)。
・ステップ3
次に図9に示すように、ステップ3では、シガレット4の吸口端面12から第1閉塞部材40を取り外して吸口端面12を開放し、第2閉塞部材50を開孔16が閉塞可能な位置まで吸口端面12側にずらし、ベンチレーション孔10からの通気流の流入と同時に、開孔16からの偏向通気流Fdの流出を完全に遮断する。このように吸口端面12を開放するともに開孔16を閉塞した状態で吸引ポンプ36を作動し、流量計34で測定される総通気量(第2通気量)Qtが17.5×(1−F)cm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整した通気プロセスを行い、総圧力損失Cを圧力計35により測定する(第2工程)。
・ステップ4
ステップ4では、ステップ1〜3で測定した各総圧力損失A、B、Cに基づいて、実施形態1の場合と同様にシガレット4の偏向通気性の良否を判定する(判定工程、判定装置)。
以上のように実施形態2によれば、ベンチレーション孔10が第1気密室52に位置付けられていても、第2閉塞部材50によってベンチレーション孔10を常時閉塞することができる。したがって、実施形態1の第2シェル20の機能の一部を第2閉塞部材50に持たせることができるため、第2シェル20のシール性能の確保のための措置が軽減され、より一層簡易な構成で、喫煙物品の偏向通気性の良否を短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる。
<実施形態3>
図10に示すように、実施形態3の測定システム56は、実施形態2の第2シェル48を除外した形態であり、その他の構成は実施形態2と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。また、シガレット4の通気特性の測定方法についても実施形態2と同様であるため、ステップ1のみ代表して説明し、その他のステップ2〜4については説明を省略する。
・ステップ1
ステップ1では、煙草部6の巻紙は外部と通気可能な状態にある。例えば総通気量Qtと総圧力損失Aとがほぼ比例関係と判断される場合や、巻紙を通じた煙草部6への空気流入が微量である場合などは、空気が巻紙を通して煙草部6に流入したとしても、総圧力損失Aの測定、ひいてはシガレット4の偏向通気性の判定において、巻紙を通じた煙草部6への空気流入の影響を無視することができる。
そして、第2閉塞部材54をフィルタ部8のベンチレーション孔10を閉塞するとともに開孔16を開放する位置に装着し、ベンチレーション10からの空気流入を完全に遮断する。この状態において吸引ポンプ36を作動し、流量計34で測定される総通気量(第3通気量)Qtが17.5cm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整し、圧力計35により総圧力損失Aを測定する(第3工程)。
以上のように実施形態3によれば、第2シェル48を要しないため、第2シェル20のシール性能の確保のための措置が削減され、より一層簡易な構成で、喫煙物品の偏向通気性の良否を短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる。
<実施形態4>
図11に示すように、実施形態4の測定システム58は、実施形態1の第1シェル18を除外し、実施形態1とは異なる第2シェル60を備えている。第2シェル60には開口62が設けられ、この開口62に前述した空気吸引流路22の空気配管32が気密に接続されている。その他の構成は実施形態1と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。また、シガレット4の通気特性の測定方法についても実施形態1と同様であるため、ステップ2のみ代表して説明し、その他のステップ1、3、4については説明を省略する。
・ステップ2
ステップ2では、シガレット4の吸口端面12に、吸口端面12を閉塞する着脱可能な第1閉塞部材40を装着し、吸口端面12からの非偏向通気流Fndの流出を完全に遮断している。この状態において吸引ポンプ36を作動し、煙草部6の先端面14側から空気を吸引して実施形態1とは逆向きの総通気流Ftを発生させ、流量計34で測定される総通気量(第1通気量)Qtが17.5×Fcm3/sとなるように吸引ポンプ36の吸引圧力を調整し、圧力計35により総圧力損失Bを測定する(第1工程)。
以上のように実施形態4によれば、煙草部6の先端面14側から空気を吸引し、総圧力損失A、B、Cを測定することができる。この場合には、ステップ2においては第1閉塞部材40を吸口端面12に、ステップ3においては第2閉塞部材42を開孔16に、空気の吸引力を利用して密着させることができる。これにより、装着箇所に対する第1及び第2閉塞部材40、42の嵌め合いや密着性等を厳密に管理しなくとも、第1及び第2閉塞部材40、42における空気の遮断を容易に行うことができる。したがって、第1及び第2閉塞部材40、42におけるシール性能の確保のための措置が軽減され、より一層簡易な構成で、喫煙物品の偏向通気性の良否を短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる。
<実施形態5>
図12に示すように、実施形態5の測定システム64は、実施形態1の第2シェル20を除外し、実施形態4の場合と同様に実施形態1とは逆向きの総通気流Ftを発生させるが、第1シェル18の開口38には空気吸引流路22の代わりに図示しない空気吐出流路(通気装置)が気密に接続される。その他の構成は実施形態1と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。また、シガレット4の通気特性の測定方法についても実施形態1と同様であるため、ステップ2のみ代表して説明し、その他のステップ1、3、4については説明を省略する。
・ステップ2
ステップ2では、シガレット4の吸口端面12に、吸口端面12を閉塞する着脱可能な第1閉塞部材40を装着し、吸口端面12からの非偏向通気流Fndの流出を完全に遮断している。この状態において空気吐出流路を構成する図示しない吐出ポンプを作動し、第1気密室24の内圧を上昇させることにより、開孔16から空気を押し込んで実施形態1とは逆向きの総通気流Ftを発生させる。そして、流量計34で測定される総通気量(第1通気量)Qtが17.5×Fcm3/sとなるように吐出ポンプの吐出圧力を調整し、圧力計35により総圧力損失Bを測定する(第1工程)。なお、煙草部6から巻紙を通した空気流出の影響は実施形態3の場合と同様に無視できるものとする。
以上のように実施形態5によれば、シガレット4の吸口端面12側から空気を押し込んで総圧力損失A、B、Cを測定することができる。この場合には、ステップ2においては第1閉塞部材40を吸口端面12に、ステップ3においては第2閉塞部材42を開孔16に、空気の押込力を利用して密着させることができる。これにより、実施形態4の場合と同様に、装着箇所に対する第1及び第2閉塞部材40、42の嵌め合いや密着性等を厳密に管理しなくとも、第1及び第2閉塞部材40、42における空気の遮断を容易に行うことができる。したがって、第1及び第2閉塞部材40、42におけるシール性能の確保のための措置が軽減され、より一層簡易な構成で、喫煙物品の偏向通気性の良否を短時間で安定的に且つ高精度に判定することができる。
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、前述した各実施形態のステップ4において、F値の推定まで行わなくとも、総圧力損失A、B、Cをそれぞれ予め規定された基準圧力損失AS(第3基準圧力損失)、BS(第1基準圧力損失)、CS(第2基準圧力損失)と比較し、該比較結果に基づいて喫煙物品の偏向通気性の良否を判定可能である。
また、前述した各実施形態のステップ1は必ずしも行わなくとも良く、少なくともステップ2、3でそれぞれ測定した総圧力損失B、Cのみに基づいて、ステップ4で喫煙物品の偏向通気性の良否を判定可能である。詳しくは、総圧力損失B、Cをそれぞれ予め規定された基準総圧力損失BS、CSと比較し、該比較結果に基づいて喫煙物品の偏向通気性の良否を判定しても良い。
また、前述した各実施形態のステップ4において、総圧力損失A、B、Cから、吸口端面12における圧力損失RLと、吸口端面12の開孔16における圧力損失REとを算出する。したがって、F値の推定まで行わなくとも、これら圧力損失RL、REに基づいて喫煙物品の偏向通気性の良否を判定可能である。詳しくは、圧力損失RL、REをそれぞれ予め規定された基準圧力損失RLS(第4基準圧力損失)、RES(第5基準圧力損失)と比較し、該比較結果に基づいて喫煙物品の偏向通気性の良否を判定しても良い。
また、前述した各実施形態ではシガレット4の通気特性の測定方法及び測定システムについて説明したが、これら測定方法及び測定システムは、前述した葉巻、シガリロ、電子デバイス加熱または熱源などによりたばこ香味を吸引する喫煙具、非加熱型でたばこ香味を吸引する喫煙具などの棒形状の喫煙物品全般に適用可能である。
最後に、前述した各実施形態における各構成要素及び各条件設定は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、個別に独立してそれぞれを組合せ可能である。
2 測定システム
4 シガレット(喫煙物品)
6 煙草部
12 吸口端面
14 先端面
16 開孔
18 第1シェル
20 第2シェル
22 空気吸引流路(通気装置)
24 第1気密室
28 外周面
30 第2気密室
35 圧力計
40 第1閉塞部材
42 第2閉塞部材

Claims (11)

  1. 棒形状の喫煙物品の通気特性の測定方法であって、前記喫煙物品は煙草部と、前記喫煙物品の軸線方向に沿う非偏向通気流の流出を許容する吸口端面と、該吸口端面近傍に前記喫煙物品の軸線方向から偏向させた偏向通気流の流出を許容する開孔とを含み、
    前記測定方法は、
    前記吸口端面を閉塞するとともに前記開孔を開放した状態で、前記喫煙物品内に第1通気量の気体を前記軸線方向に沿って流す通気プロセス中、前記煙草部の先端面と前記開孔との間での通気の第1総圧力損失を測定する第1工程と、
    前記吸口端面を開放するとともに前記開孔を閉塞した状態で、前記喫煙物品内に第2通気量の気体を前記軸線方向に沿って流す通気プロセス中、前記先端面と前記吸口端面との間での通気の第2総圧力損失を測定する第2工程と、
    前記第1及び第2総圧力損失に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定する判定工程と
    を含むことを特徴とする喫煙物品の通気特性の測定方法。
  2. 前記吸口端面及び前記開孔の双方を開放した状態で、前記喫煙物品内に第3通気量の気体を前記軸線方向に沿って流す通気プロセス中、前記先端面と前記吸口端面との間での通気の第3総圧力損失を測定する第3工程をさらに含み、
    前記判定工程では、前記第1〜第3総圧力損失に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  3. 前記判定工程では、前記第1及び第2総圧力損失をそれぞれ予め規定された第1及び第2基準圧力損失と比較し、該比較結果に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  4. 前記判定工程では、前記第1〜第3総圧力損失をそれぞれ予め規定された第1〜第3基準圧力損失と比較し、該比較結果に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定することを特徴とする請求項2に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  5. 前記判定工程では、前記第1〜第3総圧力損失から、前記非偏向通気流による端面圧力損失と、前記偏向通気流による開孔圧力損失とを算出し、前記端面及び開孔圧力損失に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定することを特徴とする請求項2に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  6. 前記判定工程では、前記端面及び開孔圧力損失をそれぞれ予め規定された第4及び第5基準圧力損失と比較し、該比較結果に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定することを特徴とする請求項5に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  7. 前記判定工程では、前記端面及び開孔圧力損失に基づいて、前記第3通気量に対する前記偏向通気流の流量の割合である偏向通気割合を算出し、該偏向通気割合を予め規定された基準割合と比較し、該比較結果に基づいて前記偏向通気流の流出の良否を判定することを特徴とする請求項5に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  8. 前記第1通気量は、前記第3通気量に前記基準割合を乗した値であり、
    前記第2通気量は、前記第3通気量に(1−前記基準割合)を乗した値であることを特徴とする請求項7に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  9. 前記通気プロセス中、前記煙草部の外周面を非通気の状態にすることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の喫煙物品の通気特性の測定方法。
  10. 棒形状の喫煙物品の通気特性の測定システムであって、前記喫煙物品は煙草部と、前記喫煙物品の軸線方向に沿う非偏向通気流の流出を許容する吸口端面と、該吸口端面近傍に前記喫煙物品の軸線方向から偏向させた偏向通気流の流出を許容する開孔とを含み、
    前記測定システムは、
    少なくとも前記吸口端面及び前記開孔を外部と区画した第1気密室を形成する第1シェルと、
    前記喫煙物品内に前記軸線方向に沿って気体を流す通気装置と、
    前記煙草部の先端面と前記第1気密室との間での通気の総圧力損失を測定する圧力計と、
    前記吸口端面を開閉可能な第1閉塞部材と、
    前記開孔を開閉可能な第2閉塞部材と、
    前記第1閉塞部材により前記吸口端面を閉塞するとともに前記開孔を開放した状態で、前記通気装置を動作したときに前記圧力計で測定された通気の第1総圧力損失と、前記第2閉塞部材によって前記開孔を閉塞するとともに前記吸口端面を開放した状態で、前記通気装置を動作したときに前記圧力計で測定された通気の第2総圧力損失とに基づいて、前記偏向通気流の流出の良否を判定する判定装置と
    を備えることを特徴とする喫煙物品の通気特性の測定システム。
  11. 前記煙草部の外周面を外部と非通気に区画した第2気密室を形成する第2シェルを備えることを特徴とする請求項10に記載の喫煙物品の通気特性の測定システム。
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