JP2016008663A - 断熱多重管及びその製造方法 - Google Patents

断熱多重管及びその製造方法 Download PDF

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一彰 大西
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Abstract

【課題】断熱多重管において、特殊な製造設備や熟練した技術などを必要とすることなく容易に製造することができ、しかも確実な断熱性が得られ、製造から輸送に係るコストの低廉化や高能率化等が図れるようにし、更に流体の輸送効率を可及的に高めることができるようにする。【解決手段】金属製の輸送管と、輸送管の外面まわりを取り囲む状態に配置する断熱材層と、断熱材層の外面を1周以上連続して包囲することで輸送管の外面まわりに断熱材層を固定する可撓性包囲材と、断熱材層及び包囲材を含めて輸送管に外嵌装着される金属製の外装管とを有しており、輸送管の外径をd、外装管の内径をD、とするときに[1/2?D<d]を満たしたうえで断熱材層が[2t<d]を満すtを層厚として形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、断熱多重管と、この断熱多重管を製造する方法とに関する。
流体を保温しつつ輸送する際に、パイプ・イン・パイプ・アセンブリを採用することが知られている。このパイプ・イン・パイプ・アセンブリとは、キャリアパイプとして使用する内側パイプを同軸の外側パイプで取り囲み、内側パイプと外側パイプとの周間に形成される環状空間に断熱材を介在させる構造を言う。例えば特許文献1には、変形可能な容器に対し断熱材として使用する圧縮性部材を封入し、圧縮性部材を容器と共に圧縮(体積減少)させたうえで、この容器を内外パイプ間の環状空間へ配置し、その後に容器を破砕させ、場合によっては破砕後の容器を環状空間から除去することで圧縮性部材を膨張させ、環状空間内を圧縮部材で充満させる、という技術が開示されている。
なお、ここで言う「容器」とは、文字通りの「入れ物」であって、収容する圧縮性部材が漏れ出さないようにするための全周の壁を有したものとされている。この全周の壁は、弾力性のある素材(ゴム状のものと思われる)で形成されており、圧力チャンバ内で減圧しつつ圧縮性部材を封入後、大気圧下へ取り出した際には、収縮した圧縮性部材に引き寄せられるようにして(大気圧に押されて)容器内側へ撓み変形を起こし、この変形状態(減少した体積)を維持するものと説明されている。
また、容器の破砕は電熱線による発熱等で壁を溶かす手法等を採用すると説明されており、この破砕により、前記の変形状態(減少した体積)が元の大きな体積に戻る(膨張する)とされている。
このパイプ・イン・パイプ・アセンブリを製造する方法としては、外側パイプをプラスチック製とする場合を除き、一方のパイプを管軸方向に移動させて他方のパイプに挿通(内挿又は外挿)させるというものである。この場合、挿通を行うより前に内側パイプのまわりに容器を取り付けておくか、又は挿通を行った後に内外パイプ間の環状空間に対して容器を管軸方向へ押し込む必要がある。
特表2008−542670号公報
特許文献1に開示されたパイプ・イン・パイプ・アセンブリは、容器に圧縮性部材を封入しつつ容器全体を減圧させる減圧工程や、容器を破砕(減圧を解除)する特殊な工程を必要とすることから、製造が非常に複雑で面倒であり、しかも困難である。とても未経験者や非熟練者が実施できるようなものではない。また、容器の破砕に失敗するようなことがあれば、断熱材の充?分布が均一にならなかったり非充?箇所が発生したりする問題もあり、品質の低下にも繋がる。
のみならず、前記のような特殊工程が必要であるから、減圧用の圧力チャンバが必要になるなど製造設備としても非常に大がかりなものとなり、従って当然に、製造コストに悪影響が出るといった問題もあった。また、それ故、製造できる場所(工場)が限定されてしまう関係から、この製造場所を製品の形にして出荷後に、各地の使用現場へ輸送することが必定となり、輸送コストの負担増や輸送時間の長期化などにも繋がるといった具合に、多くの問題があった。
更に、容器は、減圧により壁を容器内側へ撓ませたときに、その後も封入状態の維持ができるほどの高い強度を必要とする。また内外パイプ間の環状空間に対して容器を管軸方向へ押し込むような場合では、壁が押し込み摩擦を原因として亀裂や破れ、或いは甚だしい変形(型崩れ)等を起こさない程度の高い強度及び剛性をも必要とする。これらのことから、容器は壁の分厚いものが必要となるばかりでなく、容器に封入する圧縮性部材(断熱材)も肉厚方向(径方向)にボリュウムの大きなものとする必要があった。
それ故、このような肉厚方向にボリュウムの大きな容器を収容するスペースを確保するためには、外側パイプの内径に対して内側パイプの外径を顕著に小さなものとして、環状空間の半径方向寸法を大きくする必要があった。すなわち、内側パイプの内径を大きくできないので、内側パイプ内を通す流体の輸送量(全体としての流体輸送効率)が低下するという重大な問題に繋がっていた(特許文献1の図4では内側パイプの外径が外側パイプの内径の半分以下に描かれている)。
なお、容器は、壁を分厚くしつつも破砕時には電熱線による発熱等で容易に溶けるものでなければいけないことから、材質の選択が難しいということも指摘できる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、特殊な製造設備や熟練した技術などを必要とすることなく容易に製造することができ、しかも確実な断熱性が得られ、製造から輸送に係るコストの低廉化や高能率化等が図れるようにした断熱多重管及びその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、流体の輸送効率を可及的に高めることができるようにした断熱多重管及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る断熱多重管は、管内部に流体の流通路を形成させる金属製の輸送管と、前記輸送管の外面まわりを取り囲む状態に配置する断熱材層と、前記断熱材層の外面を1周以上連続して包囲することで前記輸送管の外面まわりに前記断熱材層を固定する可撓性包囲材と、前記断熱材層及び前記包囲材を含めて前記輸送管に外嵌装着される金属製の外装管と、を有しており、前記輸送管の外径をd、前記外装管の内径をD、とするときに[1/2×D<d]を満たしたうえで前記断熱材層が[2t<d]を満すtを層厚として形成されていることを特徴とする。
前記包囲材は耐熱樹脂フィルム又は金属製シートとされており、前記輸送管の管端部で前記輸送管の外面に固着されていることにより前記断熱材層が前記輸送管の外面まわりに密封されたものとするとよい。
一方、本発明に係る断熱多重管の製造方法は、管内部に流体の流通路を形成させる金属製の輸送管に対してその外面まわりを取り囲む状態に断熱材層を配置し、前記断熱材層の外面へ可撓性包囲材を1周以上連続させながら包囲することにより当該包囲材によって前記断熱材層を前記輸送管の外面まわりに固定し、前記断熱材層及び前記包囲材を含めて前記輸送管へ金属製の外装管を外嵌装着させることにより、前記輸送管の外径をd、前記外装管の内径をD、とするときに[1/2×D<d]を満たしたうえで前記断熱材層が[2t<d]を満すtを層厚として形成されている断熱多重管を製造することを特徴とする。
前記包囲材は筒形に形成されており、前記断熱材層を含めた前記輸送管まわりへ前記包囲材を外挿することによって前記断熱材層の固定を行うようにするとよい。
前記包囲材は帯状に形成されており、前記断熱材層のまわりで前記輸送管の管軸方向に沿いつつ前記包囲材を螺旋状に巻き付けることによって前記断熱材層の固定を行うようにすることもできる。
この場合、前記包囲材は熱収縮フィルムによって形成されており、前記断熱材層のまわりへ包囲させた後に熱収縮させることによって前記断熱材層を層厚方向で圧縮させるようにしてもよい。
また、この場合、前記包囲材には熱収縮作用が温度に拘わらず有限とされた素材を使用するとよい。
本発明に係る断熱多重管及びその製造方法では、特殊な製造設備や熟練した技術などを必要とすることなく容易に製造することができ、しかも確実な断熱性が得られ、製造から輸送に係るコストの低廉化や高能率化等が図れるようになる。また、流体の輸送効率を可及的に高めることができる。
本発明に係る断熱多重管の第1実施形態について一部を破砕して示した側面図である。 本発明に係る断熱多重管の使用例を示した模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る断熱多重管1の第1実施形態についてその一部を破砕して示した側面図である。この断熱多重管1は、同軸上で、相対的に内側へ配置する管材(輸送管2)と、相対的に外側へ配置する管材(外装管3)とを備えた多重管であって、且つこれら内外の管材(2,3)の周間に断熱材層4を設けて成るものである。
なお、本第1実施形態の断熱多重管1は、輸送管2と外装管3とによる二重管としてあるが、輸送管2の内側や外装管3の外側に同軸配置の管材を設けることは排除しない。
本発明の断熱多重管1において、断熱材層4はその外面が包囲材5によって全面的に包囲されており、この包囲材5により、輸送管2の外面まわりに断熱材層4が固定された構造となっている。なお、包囲材5の外面と外装管3の内面との間が固定されているか非固定であるかは特に限定されるものではない。すなわち、特段に固定することが要請されていない場合では、非固定としておけばよい。
包囲材5の外面と外装管3の内面との間を非固定にする場合は、これらの界面部に微少の隙間が点在分布状に生じていることになる。この隙間は、仮に周方向に連続しているとしても、断熱多重管1が長尺物として製造され、また使用されることから、管軸方向には不連続となることが殆どである。すなわち、輸送管2と外装管3との間は機械的に一体化されずに、空気層が介在した状態に保持させることになる。しかも、空気層の空気は非流通状態に保たれる。従って、このような空気層によっても輸送管2と外装管3との間の断熱効果を期待することができる。
本発明に係る断熱多重管1は、輸送管2の外径をd、外装管3の内径をD、とするときに[1/2×D<d]を満たしたうえで、尚かつ、断熱材層4が[2t<d]を満すtを層厚として形成されている。従って、外装管3の端面投影面積(管内の中空部を無視して外径のみで算出した中実円柱としての仮想断面積)に占める輸送管2の端面投影面積(同)は大きく、この輸送管2による流体の輸送量も多く確保できるので、断熱多重管1として高い流体輸送効率が得られる。
輸送管2及び外装管3は、いずれも引張強度や曲げ強度などの機械的強度に優れ、耐食性の高い金属製の管材とされる。好ましくは、熱伝導率の低い金属製管を選出するとよい。具体的には、ステンレス管(SUS430やSUS304等)をはじめ、鋼管や鋳鉄管、その他の各種合金製管を採用することができる。耐食性を高めるための表面処理を管外面、できれば管内面にも施しておくと尚一層よい。使用環境(輸送する流体温度や周囲温度など)によっては、銅管、アルミ管、真鍮管などを採用してもよい。なお、輸送管2と外装管3とを同じ金属種としてもよいし、異なる金属種としてもよい。異なる金属種とする場合にあって、一方の管材にステンレス管や鋼管を選択するのであれば、電食を防止するうえで他方の管材には、少なくともアルミ管を選択するのは避けるのがよい。
輸送管2は、その管内部に流体(液体のみならず気体でもよいものとする)の流通路を形成させるものである。そのため、前記した流体輸送効率を高めるためには、輸送管2及び外装管3の管厚(肉厚)を、必要とされる強度及び断熱性が得られる範囲で可及的に薄いものとすることで、輸送管2の内径を可及的に大きくすることが望まれる。
断熱材層4は、断熱性を有するものであればその材質が特に限定されるものではない。ただ、前記したように断熱材層4の層厚tは、必要とされる断熱性が得られる範囲内において可及的に薄くするのがよい。ここで言う断熱性は、熱伝導率の低い材料を形成素材とすることで得るものでもよいし、高空隙率構造(例えば多孔質)に形成することで得るものでもよい。使用環境が高温環境となる場合には、シリカ系とし且つ多孔質にすることが好ましい。
ただ、硫黄ガスや硫酸ガス等が発生する高濃度ガス環境下などで使用する場合であれば、それらのガスに対する耐性を備えた材料(フッ素系など)を選択するのが好適である。具体的には、エアロゲル(キャボット・コーポレイション製の『Nanogel』)、エ
アロジェル(グンゼエンジニアリング社製AEG)等を使用可能である。
包囲材5は、耐候性、耐薬品性、耐熱性などに優れた可撓性の素材によって形成されたフィルム又はシートである。例えば耐熱性樹脂フィルムや非耐熱性樹脂フィルム、熱収縮性フィルム、金属製シート、金属線により形成された繊維構造物(編物、織物、組み紐構造物等)などを採用することができる。
この包囲材5は、輸送管2に対して断熱材層4が巻き付かれた状態にあるときに、この断熱材層4の外面を包囲した状態にある。この包囲により、輸送管2の外面まわりに断熱材層4を固定している。輸送管2の管端部では、包囲材5を直接に輸送管2の外面まで届かせて固着するのが好適である。すなわち、このようにすることで断熱材層4が輸送管2の外面まわりに封じ込められるようになるので、断熱材層4による断熱性が一層向上するものとなる。また、輸送管2に対する断熱材層4の固定を強化する効果もある。
この包囲材5は筒形に形成されたものとすることができる。この場合は、断熱材層4を含めた輸送管2まわりへ包囲材5を管軸方向に沿って外挿させるようにする。なお、包囲材5を熱収縮フィルム製としておけば、包囲材5を断熱材層4まわりへ包囲後(外挿後)に加熱収縮させることができるので、包囲材5は、収縮前の状態として断熱材層4の外径よりも大口径の筒形とすることができる。すなわち、包囲材5の外挿が容易に行えるものとなる。
また、包囲材5を断熱材層4まわりへ包囲後に加熱し、熱収縮させれば、断熱材層4を層厚方向に圧縮させることができる。これにより、断熱材層4を径方向にコンパクト化でき、それだけ外装管3の内径Dに対する輸送管2の外径dを大きくできることに繋がる。また、断熱材層4の層中に内在する空隙を圧縮して空気流通の遮断効果を高めたり、断熱素材の高密度化ができたりするので、いずれも断熱性の向上に有益となる。
本発明に係る断熱多重管1は、例えば図2に示すような地熱発電システムにおいて採用することができる。この地熱発電システムは、岩盤、熱水、マグマ等から得た地熱でタービンTを稼働させ、このタービンTで発電機Gを作動させて発電するシステムである。
具体的には、地盤に掘削した縦孔に有底の立管11を立て込み、この立管11内へ一回り径小の循環用パイプ12を挿入する。そして、立管11の内周面と循環用パイプ12の外周面との周間に形成される環状空間を送り側通路13(還元井)とし、循環用パイプ12の内部を受け側通路14(生産井)として熱媒体となる流体(水、蒸気、低沸点流体など)を循環させると、送り側通路13の下端域で加熱された流体が受け側通路14から汽水分離器15(セパレータ)を介して送り側通路13へと循環するようになる。そこで汽水分離器15で発生させた蒸気によりタービンTを稼働させて発電機Gにて発電させるというものである。タービンTから排出された蒸気は復水器16(コンデンサ)を介して汽水分離器15へ戻すように循環させる。
このような地熱発電システムにおいて、本発明に係る断熱多重管1は、循環用パイプ12として使用する。地盤に掘削した縦孔は場所によって数1000mにも及ぶことがあり、立管11及び循環用パイプ12はそれに対応した長さが必要になる。従って、発明に係る断熱多重管1は、1本あたり数十m(10m以下でもよい)の長さに製造しておき、管軸方向に連結を繰り返しながら立管11内へ立て込むようにする。
次に、本発明に係る断熱多重管1を製造する方法について説明する。まず、輸送管2に対してその外面まわりに断熱材層4を巻き付かせ、この断熱材層4の外面へ包囲材5を1周以上連続させながら包囲させる。「1周以上」とは、断熱材層4の外周面において、周方向で包囲材5の存在しない空白部分が生じないようにすることを言う。
すなわち、包囲材5が前記のように筒形に形成されている場合では、包囲材5が断熱材層4の外周面全部を取り囲むようになるので、周方向に空白部分が生じることはなく、何ら問題はない。また、包囲材5は帯状に形成して、断熱材層4のまわりで輸送管2の管軸方向に沿いつつ螺旋状に巻き付けるようにしてもよい。このようにすることでも、断熱材層4の外面へ包囲材5を1周以上連続させながら包囲できることになるので、輸送管2に対して断熱材層4を固定できる。なお、この場合、包囲材5の幅方向両側縁部が若干重なるようにするのが好適である。
包囲材5を帯状に形成する場合は、断熱材層4の外面の周長よりも小さな寸法を帯幅とする帯状に形成することもできる。このようにすることで、包囲材5としての製造が容易となり、また帯形体を巻き取ったときに嵩の小さな物とできるために取り扱い(包囲材5の輸送や在庫、或いは断熱材層4への巻き付け作業)上の利便性や低コスト化が図れるといった利点がある。
包囲材5として熱収縮性フィルムを使用する場合は、巻き付け後に加熱して包囲材5を収縮させ、巻き締め効果を得る。包囲材5の形成素材に熱収縮作用が有限とされた素材を使用することで、加熱温度の管理が容易となり(熱収縮に必要な最低温度さえ上回るように管理するだけでよい)、作業性を向上させることができる。
なお、このような熱収縮による巻き締め力の発生は特に限定されるものではない。例えば、巻き締め力を伴わない緩い巻き付け(包帯を巻くような状態)としたり、接着剤や硬化剤などを利用して包囲材5を貼り付けたりすることも可能である。
このようにして包囲材5により断熱材層4を輸送管2の外面まわりに固定する。そして、断熱材層4及び包囲材5を含めて、輸送管2のまわりを取り囲む状態で外装管3を外嵌装着させる。なお、ここで言う「外嵌」は、嵌め合いの手順や動作の対象を指示したものではなく、嵌め合いの状態を言うものである。従って、輸送管2を外装管3内へ挿入する方法でも、輸送管2に対して外装管3を外挿する方法でも、これら挿入と外挿とを同時に行う方法でもよい。
このような製造方法であると、熟練を要する作業工程は一切不要であり、また圧力チャンバのような特殊な装置も必要ない。そのため熟練技術者は不要であり製造場所も選ばない。従って例えば、前記したような地熱発電システムを建設する現場などであろうとも、輸送管2、外装管3、断熱材層4、包囲材5の個別搬入が可能であれば、断熱多重管1の製造ができることになる。当然に、特殊な工程は存在しないので、製造後の断熱多重管1には確実な断熱性が得られているものとなる。このようなことから、断熱多重管1の製造では、製造から輸送に係る全般においてコストの低廉化や高能率化等が図れるようになっている。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、包囲材5は、本発明に係る断熱多重管1の使用環境温度で溶融する材質のものとしてもよい。すなわち、包囲材5の主な作用は輸送管2に対して断熱材層4を固定してこの固定状態での取り扱いを容易化すること、及びこの固定状態のものに対して外装管3を外嵌させる作業を容易化させることにある。そのため、外装管3の外嵌後にあっては包囲材5が消失してもよいものとする。なお、このような理由から、包囲材5は断熱多重管1の製造後(使用前)であっても必須不可欠ではないので、本発明に係る製造方法によって製造されたものであれば、包囲材5を備えない構成の断熱多重管1においても本発明の範疇とおく。
また、包囲材5は布のようなものでもよい。
断熱材層4を形成するための断熱素材は、輸送管2に対して外挿可能な円筒形に形成されたものや、輸送管2の周長を帯幅とするような帯形に形成されたものとしてもよい。また、塗布により輸送管2のまわりに付着させるような液体状乃至ゲル状のもの(塗布後に発泡するものを含む)としてもよい。
輸送管2や外装管3の径サイズ、管厚、管長さ、材質などは、使用環境や使用条件などに応じて適宜設定すべきものであって、何ら限定されるものではない。断熱材層4や包囲材5の材質についても同様に、何ら限定されるものではない。
断熱多重管1としての用途は何ら限定されるものではなく、例えば温泉の汲み上げなど、流体温度を保温しつつ輸送することが要請される場合において、広く使用可能である。
輸送管2と外装管3との周間に気体を充?し、この周間で作用する内圧(断熱材層4の外周面を径方向内方へ押す圧力)を高い状態に保持させることも可能である。このようにすることで、断熱多重管1としての耐圧縮性を飛躍的に高めることができ、これに伴って輸送管2や外装管3をそれぞれ管厚の薄いものに設定できることになる。それ故、外装管
3の内径Dに対する輸送管2の外径dを大きくできることに繋がるので、断熱多重管1として高い流体輸送効率が得られる。
この場合、気体や、両管2,3の周間に気体を充?する方法としては特に限定されるものではない。例えば、輸送管2と外装管3との周間に予め固体のドライアイスを配置しておき、この周間の管軸方向両端部(輸送管2及び外装管3の両管端位置)を封鎖する。そのうえで、周間に配置したドライアイスを気化させる方法を採用することができる。
1 断熱多重管
2 輸送管
3 外装管
4 断熱材層
5 包囲材
11 立管
12 循環用パイプ
13 送り側通路
14 受け側通路
15 汽水分離器
16 復水器

Claims (6)

  1. 管内部に流体の流通路を形成させる金属製の輸送管と、
    前記輸送管の外面まわりを取り囲む状態に配置する断熱材層と、
    前記断熱材層の外面を1周以上連続して包囲することで前記輸送管の外面まわりに前記断熱材層を固定する可撓性包囲材と、
    前記断熱材層及び前記包囲材を含めて前記輸送管に外嵌装着される金属製の外装管と、を有しており、
    前記輸送管の外径をd、前記外装管の内径をD、とするときに[1/2×D<d]を満たしたうえで前記断熱材層が[2t<d]を満すtを層厚として形成されていることを特徴とする断熱多重管。
  2. 前記包囲材は耐熱樹脂フィルム又は金属製シートとされており、前記輸送管の管端部で前記輸送管の外面に固着されていることにより前記断熱材層が前記輸送管の外面まわりに密封されていることを特徴とする請求項1記載の断熱多重管。
  3. 管内部に流体の流通路を形成させる金属製の輸送管に対してその外面まわりを取り囲む状態に断熱材層を配置し、
    前記断熱材層の外面へ可撓性包囲材を1周以上連続させながら包囲することにより当該包囲材によって前記断熱材層を前記輸送管の外面まわりに固定し、
    前記断熱材層及び前記包囲材を含めて前記輸送管へ金属製の外装管を外嵌装着させることにより、
    前記輸送管の外径をd、前記外装管の内径をD、とするときに[1/2×D<d]を満たしたうえで前記断熱材層が[2t<d]を満すtを層厚として形成されている断熱多重管を製造する
    ことを特徴とする断熱多重管の製造方法。
  4. 前記包囲材は筒形に形成されており、前記断熱材層を含めた前記輸送管まわりへ前記包囲材を外挿することによって前記断熱材層の固定を行うことを特徴とする請求項3記載の断熱多重管の製造方法。
  5. 前記包囲材は帯状に形成されており、前記断熱材層のまわりで前記輸送管の管軸方向に沿いつつ前記包囲材を螺旋状に巻き付けることによって前記断熱材層の固定を行うことを特徴とする請求項3記載の断熱多重管の製造方法。
  6. 前記包囲材は熱収縮フィルムによって形成されており、前記断熱材層のまわりへ包囲させた後に熱収縮させることによって前記断熱材層を層厚方向で圧縮させることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の断熱多重管の製造方法。
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