JP2016004314A - タッチパネル付き表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示面が強く押された場合に発生する干渉縞を不可視化し、かつ、ギラツキを抑制することができるタッチパネル付き表示装置を提供する。
【解決手段】表示パネル20と、表示パネル20よりも観察者側に配置されたタッチパネル40とを備えるタッチパネル付き表示装置10であって、表示パネルとタッチパネルが、ギャップ11を介して配置され、表示パネルのタッチパネル側の表面、およびタッチパネル40の表示パネル20側の表面40Aの少なくとも一方の表面上に、第1の光透過性基材30と、第1の光透過性基材30上に積層された、凹凸面を有する凹凸層31とをこの順番で備え、かつ凹凸層の凹凸面がギャップ11側となるように配置された光学フィルム29を備え、光学フィルム29の内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、光学フィルム29の表面の平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル付き表示装置に関する。
従来から、液晶ディスプレイ等の表示パネル上にタッチパネルを配置したタッチパネル付き表示装置が知られている。このようなタッチパネル付き表示装置においては、画像表示面を指などで触れることにより情報を直接入力することができる。
タッチパネルを表示パネル上に固定する際、表示パネルとタッチパネルは離間して配置されることが多い、すなわち、表示パネルとタッチパネルは、エアギャップ(空気層)を介して配置されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−15412号公報
タッチパネル付き表示装置の画像表示面は、その性質上、指などで触れる程度のみならず、指などで強く押されることがある。画像表示面が強く押された場合、タッチパネルが変形するので、タッチパネルと表示パネルの間の距離が狭くなり(空気層の厚みが薄くなり)、タッチパネルの表示パネル側の表面で反射される光と、表示パネルのタッチパネル側の表面で反射される光とが干渉して、干渉縞(ニュートンリング、またはウォーターマークとも言う)が発生するおそれがある。
一方で、近年、タッチパネル付き表示装置の薄型化および大面積化が進んでいる。タッチパネル付き表示装置の薄型化が進むにつれて、タッチパネルと表示パネルとの間の距離がより狭くなり、またタッチパネル付き表示装置の大面積化が進むにつれて、タッチパネルが変形しやすくなっている。このため、上記した干渉縞の問題が顕著になる可能性がある。
さらに、スマートフォンやタブレットPCの普及に伴い、マルチタッチ機能を付与するのに適している静電容量方式のタッチパネルが広く用いられるようになってきている。しかも、スマートフォンやタブレットPCは近年、表示品位向上のため高精細化が急速に進んでおり、上記のような干渉縞を防止するために設ける光学フィルムの凹凸形状に起因するギラツキの問題が顕著になってきている。このような背景から、静電容量方式のタッチパネルを採用する場合に、上記した干渉縞の問題だけでなく、ギラツキの防止も求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、画像表示面が強く押された場合に発生する干渉縞を不可視化でき、かつ、ギラツキを抑制することができるタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、画像を表示するための表示パネルと、前記表示パネルよりも観察者側に配置されたタッチパネルとを備えるタッチパネル付き表示装置であって、前記表示パネルと前記タッチパネルが、ギャップを介して配置されており、前記表示パネルの前記タッチパネル側の表面、および前記タッチパネルの前記表示パネル側の表面の少なくとも一方の表面上に、第1の光透過性基材と、前記第1の光透過性基材上に積層された、凹凸面を有する凹凸層とをこの順番で備え、かつ前記凹凸層の前記凹凸面がギャップ側となるように配置された光学フィルムを備え、前記光学フィルムの内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、前記光学フィルムの表面の平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下である、タッチパネル付き表示装置が提供される。
本発明の一の態様のタッチパネル付き表示装置によれば、表示パネルのタッチパネル側の表面、およびタッチパネルの表示パネル側の表面の少なくとも一方の表面上に光学フィルムを備え、この光学フィルムの内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、この光学フィルムの表面の平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下であるので、画像表示面が強く押された場合に発生する干渉縞を低減でき、さらにギラツキも効果的に抑制できる。
第1の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。 平均傾斜角θaの測定方法を説明するための図である。 人間の目に干渉縞が認識されにくい傾斜角θを求めるための図である。 第2の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。 第3の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。 第4の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」には、「シート」や「板」等と呼ばれる部材も含まれる。また、本明細書において、「重量平均分子量」は、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。図1は、第1の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。なお、本明細書において「光学フィルムの表面」とは、凹凸層側(低屈折率層を有する場合は低屈折率層側)の面を意味する。
〔タッチパネル付き表示装置〕
図1に示されるように、タッチパネル付き表示装置10は、主に、画像を表示するための表示パネル20と、表示パネル20よりも観察者側に配置されたタッチパネル40と、表示パネル20の背面側に配置されたバックライトユニット80とを備えている。本実施形態においては、表示パネル20が液晶表示パネルであるので、タッチパネル付き表示装置10がバックライトユニット80を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライトユニット80を備えていなくともよい。表示パネル20とタッチパネル40は、エアギャップ等のギャップ11を介して配置されている。表示パネル20のタッチパネル40側の表面上には、光学フィルム29が備えられており、タッチパネル40の表示パネル20側の表面上には、光学フィルムや反射防止フィルムが備えられていない。
[表示パネル]
表示パネル20は、図1に示されるように、バックライトユニット80側から観察者側に向けて、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)等の保護フィルム21、偏光素子22、位相差フィルム23、透明粘着層24、表示素子25、透明粘着層26、位相差フィルム27、偏光素子28の順に積層された構造を有している。表示パネル20は、少なくとも表示素子25を備えていればよく、保護フィルム21等は備えていなくともよい。
位相差フィルム23、27としては、トリアセチルセルロースフィルムやシクロオレフィンポリマーフィルムが挙げられる。位相差フィルム27は、保護フィルム21と同一であってもよい。透明粘着層24、26を構成する透明粘着剤としては、感圧接着剤(PSA)が挙げられる。
表示素子25は液晶表示素子である。ただし、表示素子は液晶表示素子に限られず、例えば、有機EL表示素子であってもよい。表示素子が有機EL表示素子である場合には、偏光素子や位相差フィルムは設けられていなくともよい。液晶表示素子は、2枚のガラス基材間に、液晶層、配向膜、電極層、カラーフィルタ等を配置したものである。
表示パネル20の解像度については特に限定されないが、140ppi以上350ppi以下の解像度の高精細な表示パネルを用いることが好ましい。特に本発明に係る光学フィルムは、高い内部ヘイズ値を有するため、このような高精細な表示素子と組み合わせた場合であっても、ギラツキを効果的に抑えつつ、干渉縞も効果的に不可視化することができる。
[光学フィルム]
光学フィルム29は、第1の光透過性基材30と、凹凸面を有する凹凸層31と、低屈折率層32とをこの順で積層した構造を有しているが、低屈折率層32は有していなくともよい。また、光学フィルム29の表面29Aは、凹凸面となっている。
光学フィルム29は、表示パネル20のタッチパネル40側の表面上に備えられており、タッチパネル40の表示パネル20側の表面40Aとギャップ11を介して配置されている。光学フィルム29は、凹凸層31の凹凸面がギャップ11側となるように配置されている。ギャップ(間隙)は、通常、エアギャップ(空気層)であるが、空気の代わりに他の気体からなるギャップであってもよい。図1に示される光学フィルム29の表面29Aとタッチパネル40の表示パネル20側の表面40Aとの間の間隙の間隔dは、タッチパネル付き表示装置の薄型化の観点から50μm以上1000μm以下となっていることが好ましい。この間隔dは、観察者の指等が画像表示面10Aに触れていない状態の間隔である。
光学フィルム29においては、光学フィルム29の表面29Aの平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下となっている。平均傾斜角θaの定義は、表面粗さ測定器:SE−3400/(株)小坂研究所製取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。具体的には、図2に示すように、基準長さL内に存在する凸部高さh、h、・・・、hを用いて、次の式(1)で表される。
θa=tan−1{(h+h+h+・・・+h)/L} …(1)
光学フィルム29の表面29Aの平均傾斜角θaを0.074°以上に調整することによって、干渉縞を効果的に不可視化することができる。さらに干渉縞をより不可視化する観点から、上記平均傾斜角θaの下限値は、0.11°以上であることが好ましく、0.12°以上であることがより好ましい。また、平均傾斜角θaを2.000°以下とすることで、ギラツキを抑制することができる。上記平均傾斜角θaの上限値は、1.9°以下であることが好ましく、1.5°以下であることがより好ましい。理論に拘束されるものではないが、光学フィルム29の表面29Aの平均傾斜角θaの下限を上記範囲とすることで干渉縞が不可視化される理由として、以下のような理由が考えられる。
まず、干渉縞のピッチが人間の目の分解能よりも狭い場合には、ピッチが狭すぎて干渉縞(ニュートンリング)として認識されることはない。このことから、人間の目に干渉縞として認識されないためには、干渉縞のピッチを人間の目の分解能よりも狭くすることが必要である。ここで、明暗が矩形状に変化する場合には、視力1の人間の目の分解能は1分であるから、明視距離を25cmとした場合、人間は約70μmのピッチの明暗縞を検知することができる。しかしながら、明暗が矩形ではなく、グラデーションをもって変化する場合には、人間が検知できる感度は数倍から数十倍にも低下することが知られている。干渉縞はグラデーションをもって変化するものであるので、干渉縞(明線)のピッチが300μmであっても、干渉縞は人間の目には認識できないものと考えられる。したがって、干渉縞のピッチが300μm未満であれば干渉縞は人間の目には認識されないものと考えられる。
一方、図3に示されるように、例えば、凹凸面100Aを有する第1の層100上に、ギャップ101が形成されている場合において、第1の層100の凹凸面100Aがなす傾斜角をθとし、第2の層102の表面で反射される赤色光103、104と、第1の層100の凹凸面100Aで反射される赤色光105、106とが強め合うように干渉して、ピッチAで赤色光の明線R1、R2(以下、赤色光の明線を「赤色明線」と称する。)が発生したと仮定すると、上記の理論からピッチAが300μm未満であれば、赤色明線の干渉縞は、人間の目には認識されないこととなる。そこで、以下、図3において、ピッチAが300μmのときの傾斜角θを求める。なお、青色光や緑色光の明線は、赤色光の明線のピッチよりも狭いピッチで生じるので、赤色光の明線が認識できなければ、青色光や緑色光の明線が生じたとしても、人間の目には認識されない。また、図3に示される第1の層100は、第1の層100の一部を極めて拡大したものである。
まず、図3に示されるピッチA(300μm)を底辺とし、距離Bと高さとする三角形においては、下記式(2)が成り立つ。
tanθ=B/A=B/300 …(2)
式(2)中の距離Bは光学距離ではなく、実際の距離である。
また、赤色光104と赤色光105との光路差をbとすると、距離Bは、下記式(3)で表すことができる。
B=b/2 …(3)
ここで、赤色明線R1と赤色明線R2は隣り合い、しかも赤色光105は赤色光103と、赤色光106は赤色光104と強め合うように干渉しているので、赤色光の一波長を0.78μm(780nm)とすると、光路差bは、赤色光の一波長分、すなわち0.78μmとなる。
式(3)の光路差bに0.78μmを代入するとともに、式(2)のBに式(3)を代入すると、下記式(4)が得られる。
tanθ=0.78/(2×300) …(4)
そして、式(4)をθについて解くと、下記式(5)が得られる。
θ=tan−1(0.0013)
=0.074 …(5)
したがって、傾斜角θが0.074より大きければ、すなわち下記式(6)の関係を満たす傾斜角θであれば、第2の層102の表面で反射する光と、第1の層100の凹凸面100Aで反射する光とが干渉して干渉縞が発生したとしても、干渉縞は人間の目には認識されないと言える。
θ>0.074 …(6)
好ましくは、ピッチAが200μmでも干渉縞が認識できないようにするために、上記のAを200として導出した下記式(7)を満たせばよい。
θ>0.11 …(7)
光学フィルム29においては、内部ヘイズ値が1%以上30%以下となっている。ここで内部ヘイズ値とは、フィルムの組成に起因するフィルム内部の拡散によるヘイズ値のことをいう。すなわち、内部ヘイズ値は、フィルム表面の凹凸形状に起因する拡散の影響を除いたヘイズ値である。理論に拘束されるものではないが、内部拡散は大きな拡がりを持った拡散であるため、光学フィルム29の内部ヘイズ値を1%以上に調整することによって、輝度変化(ギラツキ)を抑制する効果があると考えられる。さらにギラツキを効果的に抑制する観点から、上記内部ヘイズ値の下限値は、1.5%以上であることが好ましく、1.9%以上であることがより好ましい。また、内部ヘイズ値を30%以下とすることにより、コントラスト及び視認性の低下を抑制することができる。上記内部ヘイズ値の上限値は、27%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
光学フィルムの内部ヘイズ値は以下のように求められる。凹凸層の凹凸上にペンタエリスリトールトリアクリレートなどの樹脂(モノマー又はオリゴマー等の樹脂成分を包含する)をトルエンなどで希釈し、固形分60%としたものをワイヤーバーで乾燥膜厚が8μmとなるように塗布する。これによって、凹凸層の表面凹凸がつぶれ、平坦な層となる。ただし、この凹凸層を形成する組成物中にレベリング剤などが入っていることで、リコート剤がはじきやすく濡れにくいような場合は、あらかじめ光学フィルムをケン化処理(2mol/lのNaOH(又はKOH)溶液を55度で3分間浸したのち、水洗し、キムワイプで水滴を完全に除去した後、50度のオーブンで1分間乾燥)により、親水処理を施すとよい。この表面を平坦にしたフィルムは、表面凹凸によるヘイズを持たず、内部ヘイズだけを持つ状態となっている。したがって、このヘイズを内部ヘイズとして求めることができる。そして、内部ヘイズを、元のフィルムのヘイズ(全体ヘイズ)から差し引いた値が、表面凹凸だけに起因するヘイズ(外部ヘイズ)として求められる。なお、内部ヘイズ値および全ヘイズ値は、JIS K7136に準拠して、例えば、村上色彩技術研究所製のHM−150等のヘイズメーターを用いて測定することができる。
光学フィルム29の全ヘイズ値の下限値は1.6%以上であることが好ましく、2.0%以上であることがより好ましい。また、全ヘイズ値の上限値は、41%以下であることが好ましく、38%以下であることがより好ましい。
光学フィルム29の表面29Aの算術平均粗さRaは0.03μm〜0.30μmであることが好ましく、十点平均粗さRzは0.10μm〜1.50μmであることが好ましい。なお、「Ra」および「Rz」の定義は、それぞれJIS B0601−1994に従うものとする。
光学フィルム29の表面29Aに存在する凹凸の平均傾斜角θa、ならびにフィルム表面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRzは、例えば、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/(株)小坂研究所製)を用いて、次の測定条件により測定して得られた値を用いることができる。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.25mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):1.25mm
・触針の送り速さ:0.1mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
光学フィルム29の表面29A側から測定した反射Y値は2.5%以下となっていることが好ましい。上記反射Y値は、干渉縞をより不可視化する観点から1.5%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更により好ましい。
反射Y値は、JIS Z8722に準拠するものである。反射Y値は、例えば、島津製作所株式会社製のMPC3100等の分光光度計を用いて、光学フィルムにおける表面側から入射角度8度の光を照射し、光学フィルムで反射された拡散光を含む反射光を、積分球を用いて受光して、380nm〜780nmの波長範囲の反射率を、BaSO粉末を固めた白色板を基準として測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフトウェア(例えば、MPC3100に内蔵されたソフトウェア)によって、「C光源、視野2度」の条件で算出することができる。本明細書において、「入射角度8度の光」とは、光学フィルムのフィルム面の法線方向を0度としたとき、前記法線方向に対して8度傾いた光を意味する。「フィルム面」とは、対象となる光学フィルムを全体的かつ大局的に見た場合におけるその平面方向と一致する面のことを言うものとする。なお、反射Y値を測定する場合、光学フィルムの裏面反射を防止するため、予め光透過性基材における凹凸層が形成されている面とは反対側の面に黒テープを貼ることが好ましい。
反射Y値が2.5%未満となる光学フィルム29は、主に、凹凸層31および/または凹凸層31上に積層された低屈折率層32の組成を調整することによって得ることができる。
光学フィルム29は、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。全光線透過率が85%以上であると、光学フィルム29を画像表示装置の表面に装着した場合において、色再現性や視認性をより向上させることができる。全光線透過率は、90%以上であることがより好ましい。全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K7361に準拠した方法により測定することができる。
光学フィルム29においては、0.125mm幅、0.5mm幅、1.0mm幅、2.0mm幅の4種類の光学くしにおける透過画像鮮明度の和が20%〜380%であることが好ましく、100%〜320%であることがより好ましい。透過画像鮮明度はJIS K7105の像鮮明度の透過法に準拠した透過像鮮明度測定装置によって測定することができる。このような測定装置としては、写像性測定器(ICM−1T、スガ試験機社製)等が挙げられる。
光学フィルム29は、第1の光透過性基材30と、第1の光透過性基材30上に積層された凹凸層31とを備え、好ましくは、凹凸層31上に凹凸層31よりも低い屈折率を有する低屈折率層32をさらに備える。このような低屈折率層32を備えることで、光学フィルム29の視認性(透過率)が向上するという有利な効果が奏される。このような低屈折率層32としては、例えば屈折率が1.45以下である低屈折率層を用いることができる。以下に、光学フィルム29の構成要素について説明する。
<第1の光透過性基材>
第1の光透過性基材30としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、セルロースアシレート基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリカーボネート基材、アクリル基材、ポリエステル基材、またはガラス基材が挙げられる。
セルロースアシレート基材としては、例えば、トリアセチルセルロース基材、ジアセチルセルロース基材が挙げられる。トリアセチルセルロース基材は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な基材である。トリアセチルセルロース基材の平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。
なお、トリアセチルセルロース基材としては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であってもよい。また、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステル、或いは可塑剤、紫外線吸收剤、易滑剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
シクロオレフィンポリマー基材としては、例えばノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィンモノマー等の重合体からなる基材が挙げられる。
ポリカーボネート基材としては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート基材、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート基材等が挙げられる。
アクリル基材としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル基材、ポリ(メタ)アクリル酸エチル基材、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体基材等が挙げられる。
ポリエステル基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする基材等が挙げられる。
ガラス基材としては、例えば、ソーダライムシリカガラス、ホウ珪酸塩ガラス、無アルカリガラス等のガラス基材が挙げられる。
これらの中でも、以下の観点からアクリル基材が好ましい。第1の光透過性基材30の表示素子側の面には偏光素子が設けられているが、この偏光素子は湿気で偏光素子中のヨウ素が溶出してしまうおそれがある。したがって、偏光素子中のヨウ素の溶出を抑制するために第1の光透過性基材30としては、水分透過性が低い基材であるアクリル基材が好ましい。
第1の光透過性基材30の厚みは、特に限定されないが、5μm以上100μm以下とすることが可能であり、第1の光透過性基材30の厚みの下限はハンドリング性等の観点から15μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましい。第1の光透過性基材30の厚みの上限は薄膜化の観点から80μm以下であることが好ましい。
<凹凸層>
凹凸層31は、第1の光透過性基材30側の面とは反対の側の表面に、凹凸面を有している。凹凸層31は、主としてこの凹凸面に起因して、光学フィルム29の表面29Aに干渉縞防止機能を付与している。
凹凸層31は、干渉縞防止性以外の何らかの他の機能を付与され得る。一例として、ハードコート性、帯電防止性、または防汚性等の機能を付与され得る。ここで、「ハードコート性」とは、光学フィルムの耐擦傷性を向上させるために必要な性質であり、具体的には、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有することを言う。
凹凸層31の厚みは2.0μm以上7.0μm以下であることが好ましい。凹凸層31の厚みがこの範囲内であれば、凹凸層がハードコート性を有する場合に、凹凸層の薄膜化を実現しながら凹凸層31に十分な硬度を付与することができる。凹凸層31の十分な薄膜化が実現されることにより、凹凸層の割れやカールの発生を抑制することができる。なお、凹凸層31の厚みは、断面顕微鏡観察により測定することができる。凹凸層31の厚みの下限は3μm以上であることがより好ましく、上限は5μm以下であることがより好ましい。
凹凸層31は、例えば、(1)微粒子および重合後バインダ樹脂となる光重合性化合物を含む凹凸層用組成物を光透過性基材に塗布する方法、(2)凹凸層用組成物を光透過性基材に塗布し、その後表面に凹凸面の逆形状の溝を有する型を凹凸層用組成物に型押する方法、または(3)凹凸面に対応する凹凸形状を表面に有する円盤状粒子を分散させた凹凸層用組成物を、光透過性基材に塗布して、円盤状粒子を凹凸層の表面に配列する方法等によって、形成することが可能である。これらの中でも、製造が容易であることから、(1)の方法が好ましい。
上記(1)の方法においては、光重合性化合物が重合(架橋)して、バインダ樹脂となる際に、微粒子が存在しない部分においては、光重合性化合物が硬化収縮を起こすため全体的に収縮する。これに対し、微粒子が存在する部分においては、微粒子は硬化収縮を起こさないため、微粒子の上下に存在する光重合性化合物のみ硬化収縮を起こす。これにより、微粒子が存在する部分は微粒子が存在しない部分に比べて凹凸層の膜厚が厚くなるので、凹凸層の表面が凹凸形状となる。したがって、微粒子の種類や粒径および光重合性化合物の種類を適宜選択し、塗膜形成条件を調整することにより、光学フィルム表面のパラメータ(平均傾斜角θaなど)を調整することができる。
以下、凹凸層が、微粒子およびバインダ樹脂を含んでいる例について説明する。例えば、このような微粒子およびバインダ樹脂を含む凹凸層は、上記(1)の方法で形成することができる。
(微粒子)
微粒子は、無機微粒子または有機微粒子のいずれであってもよく、無機微粒子と有機微粒子とを組み合わせて用いてもよい。微粒子の種類および含有量を調整することで、光学フィルムの内部ヘイズを適宜調節することができる。無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO)微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、酸化スズ微粒子、アンチモンドープ酸化スズ(略称;ATO)微粒子、酸化亜鉛微粒子等の無機酸化物微粒子が好ましい。無機酸化物微粒子は、凹凸層中で凝集体を形成することが可能となり、この凝集体の凝集度合を調整することにより好適な凹凸面を形成することが可能となる。
有機微粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びポリフッ化エチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の材料からなる微粒子であることが好ましい。なかでも、スチレン−アクリル共重合体微粒子が好適に用いられる。
有機微粒子は、上述した硬化収縮において、微粒子が有する硬化収縮に対する抵抗力を適度に調整されていることが好ましい。この収縮に対する抵抗力を調整するには、事前に、三次元架橋の程度を変えて作成した、硬さの異なる有機微粒子を含む光学フィルムを複数作成し、光学フィルムの表面に存在する凹凸を評価することによって、好適な凹凸面を形成するのに適した架橋度合いを選定しておくことが好ましい。
微粒子として無機酸化物粒子を用いる場合、無機酸化物粒子は表面処理が施されていることが好ましい。無機酸化物微粒子に表面処理を施すことにより、微粒子の凹凸層31中での分布を好適に制御することができ、また微粒子自体の耐薬品性および耐鹸化性の向上を図ることもできる。
表面処理としては、微粒子の表面を疎水性にする疎水化処理が好ましい。このような疎水化処理は、微粒子の表面にシラン類やシラザン類等の表面処理剤を化学的に反応させることにより、得ることができる。具体的な表面処理剤としては、例えば、ジメチルジクロロシランやシリコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。微粒子が無機酸化物微粒子の場合、無機酸化物微粒子の表面には水酸基が存在しているが、上記のような疎水化処理を施すことにより、無機酸化物微粒子の表面に存在する水酸基が少なくなり、無機酸化物微粒子のBET法により測定される比表面積が小さくなるとともに、無機酸化物微粒子が過度に凝集することを抑制でき、好適な凹凸面を有する凹凸層を形成することができる。
微粒子として無機酸化物粒子を用いる場合、無機酸化物微粒子は非晶質であることが好ましい。これは、無機酸化物粒子が結晶性である場合、その結晶構造中に含まれる格子欠陥により、無機酸化物微粒子のルイス酸塩が強くなってしまい、無機酸化物微粒子の過度の凝集を制御できなくなるおそれがあるからである。
微粒子として無機酸化物粒子を用いる場合、無機酸化物微粒子は凹凸層31中において凝集体を形成していることが好ましい。この無機酸化物微粒子の凝集体は、凹凸層31中においては、無機酸化物微粒子が三次元的に連なった構造を有していることが好ましい。無機酸化物微粒子が三次元的に連なった構造としては、例えば籠状や糸毬状が挙げられる。無機酸化物微粒子が三次元的に連なった構造を有する凝集体は、硬化後バインダ樹脂となる光重合性化合物の硬化収縮の際に、容易に、かつ、均一性を持って潰れる。これにより、凹凸面を非常に滑らかな面とすることができるので、結果として急峻な斜面を有する凹凸面とはならず、好適な凹凸面を有する凹凸層を形成することができる。なお、上述したように有機微粒子を用いた場合であっても、架橋度を適度に調整すれば、好適な凹凸面を有する凹凸層を形成することができる。
凹凸層31に対する微粒子の含有量は特に限定されないが、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。微粒子の含有量が0.1質量%以上となっているので、好適な凹凸面をより確実に形成することができ、また微粒子の含有量が20.0質量%以下となっているので、凝集体が過度に生じることもなく、内部拡散および/または凹凸層の表面に大きな凹凸が生じることを抑制でき、これにより白濁感を抑制できる。微粒子の含有量の下限は0.5質量%以上であることがより好ましく、微粒子の含有量の上限は15.0質量%以下であることがより好ましい。
微粒子は、単粒子状態での形状が球状であることが好ましい。微粒子の単粒子がこのような球状であることにより、光学フィルムを画像表示装置の画像表示面に配置したときに、コントラストに優れた画像を得ることができる。ここで、「球状」とは、例えば、真球状、楕円球状等が含まれるが、いわゆる不定形のものは含まれない意味である。
微粒子として無機酸化物微粒子を用いる場合、無機酸化物微粒子の平均一次粒径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。微粒子の平均一次粒径が1nm以上となっているので、好適な凹凸面を有する凹凸層をより容易に形成することができ、また平均一次粒径が100nm以下となっているので、微粒子による光の拡散を抑制でき、優れた暗室コントラストを得ることができる。微粒子の平均一次粒径の下限は5nm以上であることがより好ましく、微粒子の平均一次粒径の上限は50nm以下であることがより好ましい。なお、微粒子の平均一次粒径は、断面電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型で倍率が5万倍以上のものが好ましい)の画像から、画像処理ソフトウェアを用いて測定される値である。
微粒子として有機微粒子を用いる場合、有機微粒子の大きさは、形成する凹凸層の厚さ等に合わせて適宜決定されるが、例えば、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下であることが好ましい。1.0μm以上であれば、有機微粒子の分散性が良好に制御でき、5.0μm以下であれば、形成する凹凸層表面の凹凸形状が大きくなりすぎず、ギラツキの問題も良好に抑えられる。より好ましい下限は2.0μmであり、より好ましい上限は4.0μmである。
微粒子として無機酸化物微粒子を用いる場合、無機酸化物微粒子の凝集体の平均粒子径は、100nm以上2.0μm以下であることが好ましい。100nm以上であれば、容易に好適な凹凸面を形成することができ、また2.0μm以下であれば、微粒子の凝集体による光の拡散を抑制でき、暗室コントラストに優れた光学フィルムの画像表示装置を得ることができる。微粒子の凝集体の平均粒子径は、下限が200nm以上であることが好ましく、上限が1.5μm以下であることが好ましい。
無機酸化物微粒子の凝集体の平均粒子径は、断面電子顕微鏡による観察(1万〜2万倍程度)から無機酸化物微粒子の凝集体が多く含まれる5μm四方の領域を選び、その領域中の無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径を測定し、上位10個の無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径を平均したものである。なお、上記「無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径」は、無機酸化物微粒子の凝集体の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、この2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。また、無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径は、画像解析ソフトを用いて算出してもよい。
微粒子としてシリカ粒子を用いる場合、シリカ粒子の中でも、容易に好適な凹凸面を有する凹凸層を形成することができる観点から、フュームドシリカ微粒子が好ましい。フュームドシリカとは、乾式法で作製された200nm以下の粒径を有する非晶質のシリカであり、ケイ素を含む揮発性化合物を気相で反応させることにより得ることができる。具体的には、例えば、四塩化ケイ素(SiCl)等のケイ素化合物を酸素と水素の炎中で加水分解して生成されたもの等が挙げられる。フュームドシリカ微粒子の市販品としては、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL R805等が挙げられる。
フュームドシリカ微粒子には、親水性を示すものと、疎水性を示すものがあるが、これらの中でも、水分吸収量が少なくなり、凹凸層用組成物中に分散し易くなる観点から、疎水性を示すものが好ましい。疎水性のフュームドシリカは、フュームドシリカ微粒子の表面に存在するシラノール基に上記のような表面処理剤を化学的に反応させることにより得ることができる。上記のような凝集体を容易に得るという観点からは、フュームドシリカはオクチルシラン処理されていることが最も好ましい。
フュームドシリカ微粒子は凝集体を形成するが、フュームドシリカ微粒子の凝集体は、凹凸層用組成物中においては、稠密な凝集体ではなく、籠状または糸毬状のような十分疎である凝集体を形成する。このため、フュームドシリカ微粒子の凝集体は硬化後バインダ樹脂となる光重合性化合物の硬化収縮の際に、容易に、かつ、均一性を持って潰れる。これにより、好適な凹凸面を有する凹凸層を形成することができる。
微粒子として、有機微粒子と無機微粒子とを合わせて用いる場合、無機微粒子としてシリカ微粒子、特にヒュームドシリカが好適に用いられる。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂は、光照射により光重合性化合物を重合(架橋)させて得られたものである。光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線のような電離放射線が挙げられる。
光重合性化合物としては、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、または光重合性プレポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して、用いることができる。光重合性化合物としては、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマーまたは光重合性プレポリマーとの組み合わせが好ましい。
光重合性モノマー
光重合性モノマーは、重量平均分子量が1000未満のものである。光重合性モノマーとしては、光重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。
2官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO等で変性したものが挙げられる。
これらの中でも硬度が高い凹凸層を得る観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)等が好ましい。
光重合性オリゴマー
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000以上10000未満のものである。光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性プレポリマー
光重合性プレポリマーは、重量平均分子量が10000以上のものであり、重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学積層体の外観が悪化するおそれがある。上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の成分
バインダ樹脂には、その他、必要に応じて、溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)、および/または熱硬化性樹脂が添加されていてもよい。
溶剤乾燥型樹脂を添加した場合、凹凸層31を形成する際に、塗液の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
バインダ樹脂に添加される熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
<低屈折率層>
光学フィルム29は、凹凸面を有する凹凸層31上にさらに低屈折率層32を備えている。低屈折率層32は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学フィルム29の表面にて反射する際に、その反射率を低下させるためのものである。低屈折率層32は任意の層であるため備えられていなくてもよいが、このような低屈折率層を凹凸層上に積層させることで、光学フィルムの視認性(透過率)が向上するという効果が得られるため好ましい。低屈折率層32は凹凸層31よりも低い屈折率を有する。具体的には、例えば、低屈折率は、1.43以下の屈折率を有することが好ましく、1.40以下の屈折率を有することがより好ましい。
低屈折率層32の厚みは、凹凸面を有する凹凸層31の凹凸を塞いでしまわない限り特に限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。低屈折率層32の厚みd(nm)は、下記式(8)を満たすものが好ましい。
=mλ/(4n) …(8)
上記式中、nは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1であり、λは波長であり、好ましくは480nm以上580nm以下の範囲の値である。
低屈折率層32は、低反射率化の観点から、下記式(9)を満たすものが好ましい。
120<n<145 …(9)
低屈折率層は単層で効果が得られるが、より低い最低反射率、あるいはより高い最低反射率を調整する目的で、低屈折率層を2層以上設けることも適宜可能である。2層以上の低屈折率層を設ける場合、各々の低屈折率層の屈折率及び厚みに差異を設けることが好ましい。
低屈折率層32としては、好ましくは1)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率粒子を含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質の薄膜等のいずれかで構成することが可能である。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述した凹凸層を構成するバインダ樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、シリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
さらに、低屈折率層32に含まれる低屈折率粒子として、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。具体例としては、多孔質シリカ微粒子の集合体(例えば、日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgel)や、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ)等が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、光重合性官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切持たないものである。
光重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとしては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等もある。
上記熱硬化する極性基として好ましいのは、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカ等の無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等が挙げられる。
上記光重合性官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
フッ素系樹脂としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。これらの中でも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
更には、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアネート基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアネート基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアネート基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合性化合物や重合体とともに、上記凹凸層31に記載したような各バインダ樹脂を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
≪光学フィルムの製造方法≫
上記のような光学フィルム29の製造方法をより詳細に説明する。なお、以下の説明は、上記(1)の方法によって、凹凸面を有する凹凸層31を形成するものである。
まず、第1の光透過性基材30の表面に、凹凸層用組成物を塗布する。凹凸層用組成物を塗布する方法としては、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
<凹凸層用組成物>
凹凸層用組成物は、少なくとも、微粒子、光重合性化合物を含むものである。その他、必要に応じて、凹凸層用組成物に、上記熱可塑性樹脂、上記熱硬化性樹脂、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。さらに、凹凸層用組成物には、凹凸層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
(溶剤)
溶剤としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテルジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
有機微粒子と無機微粒子(特にシリカ微粒子)とを組み合わせて用いる場合、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を含有することが好ましい。このような極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を含有することで、凹凸層用組成物中でシリカ微粒子の凝集体が過度に凝集することを防止できる。また、光透過性基材上に凹凸層用組成物を塗布した後に乾燥させた際、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤が他の溶剤よりも先に揮発するため、塗膜中の組成が変性する。その結果、塗膜中で有機微粒子の周囲にシリカ微粒子の凝集体が寄り集まるとともに、シリカ微粒子の凝集体同士も寄り集まって、シリカ微粒子の凝集体が粗密な状態、及び、有機微粒子の周囲に密に分布した状態を形成することができる。
極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤は、凹凸層用組成物に含まれる全溶剤中に20質量%以上50質量%以下の量で含有されることが好ましい。なお、本明細書において、「極性が高い溶剤」とは、溶解度パラメータが10[(cal/cm1/2]以上の溶剤を意味し、「揮発速度が速い溶剤」とは、相対蒸発速度が150以上の溶剤を意味する。従って、「極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤」とは、上記「極性が高い溶剤」及び「揮発速度が速い溶剤」の両方の要件を充足する溶剤を意味する。
本明細書において、溶解度パラメーターは、Fedorsの方法で計算される。Fedorsの方法は、例えば「SP値 基礎・応用と計算方法」(山本秀樹著 株式会社情報機構発行、2005年)に記載されている。Fedorsの方法において、溶解度パラメーターは下記式(10)より算出される。
溶解度パラメーター=[ΣEcoh/ΣV](10)
式中、Ecohは凝集エネルギー密度であり、Vはモル分子容である。原子団ごとに決められたEcoh及びVに基づき、Ecoh及びVの総和であるΣEcoh及びΣVを求めることによって、溶解度パラメーターを算出することができる。
また、本明細書において、相対蒸発速度とは、n−酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの相対蒸発速度をいい、ASTM D3539−87に準拠して測定される蒸発速度である。この値は下記式(11)により算出される。具体的には、25℃、乾燥空気下におけるn−酢酸ブチルの蒸発時間と各溶剤の蒸発時間を測定し算出する。
相対蒸発速度=(n−酢酸ブチル90重量%が蒸発するのに要する時間)/(測定溶剤の90重量%が蒸発するのに要する時間)×100 (11)
極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられるが、イソプロピルアルコールを用いることが好ましい。
(重合開始剤)
重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生して光重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
重合開始剤は、光照射によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されない。重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、具体的には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、上記バインダ樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。
凹凸層用組成物における重合開始剤の含有量は、光重合性化合物100質量部に対して、0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の含有量をこの範囲内にすることにより、ハードコート性能を充分に保つことができ、かつ硬化阻害を抑制できる。
凹凸層用組成物中における原料の含有割合(固形分)としては特に限定されないが、通常は5質量%以上70質量%以下が好ましく、25質量%以上60質量%以下とすることがより好ましい。
(レベリング剤)
レベリング剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が、凹凸層がベナードセル構造となることを回避することから好ましい。溶剤を含む樹脂組成物を塗工し、乾燥する場合、塗膜内において塗膜表面と内面とに表面張力差等を生じ、それによって塗膜内に多数の対流が引き起こされる。この対流により生じる構造はベナードセル構造と呼ばれ、形成する凹凸層にゆず肌や塗工欠陥といった問題の原因となる。
ベナードセル構造が存在すると、凹凸層の表面の凹凸が大きくなりすぎてしまうおそれがある。前述のようなレベリング剤を用いると、この対流を防止することができるため、欠陥やムラのない凹凸層が得られるだけでなく、凹凸層の表面の凹凸形状の調整も容易となる。
凹凸層用組成物の調製方法としては、各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
第1の光透過性基材30の表面に、凹凸層用組成物を塗布した後、塗膜状の凹凸層用組成物を乾燥させるために加熱されたゾーンに搬送し、各種の公知の方法で凹凸層用組成物を乾燥させ溶剤を蒸発させる。ここで、溶剤相対蒸発速度、固形分濃度、塗布液温度、乾燥温度、乾燥風の風速、乾燥時間、乾燥ゾーンの溶剤雰囲気濃度等を選定することにより、微粒子の凝集体の分布状態を調整できる。
特に、乾燥条件の選定によって微粒子の凝集体の分布状態を調整する方法が簡便で好ましい。具体的な乾燥温度としては、30〜120℃、乾燥風速では0.2〜50m/sであることが好ましく、この範囲内で適宜調整した乾燥処理を、1回又は複数回行うことで微粒子の凝集体の分布状態を所望の状態に調整することができる。
その後、塗膜状の凹凸層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより凹凸層用組成物を硬化させて、凹凸層31を形成する。
凹凸層用組成物を硬化させる際の光として、紫外線を用いる場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる紫外線等が利用できる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
上記の手順で形成された凹凸層31上に、必要に応じて、低屈折率層32を形成することができる。低屈折率層32の形成においては、上述した材料を添加した低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5mPa・s(25℃)、好ましくは0.7〜3mPa・s(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。これにより均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ、密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
低屈折率層用組成物の硬化手段は、上述した凹凸層31で説明したものと同様であってよい。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素系樹脂組成物に添加されることが好ましい。
[タッチパネル]
タッチパネル40は、センサ部50と、センサ部50より観察者側に配置されたカバーガラス70と、センサ部50とカバーガラス70とを固定するための透明粘着層42と、を備えている。タッチパネル40は、センサ部50を備えていればよく、カバーガラス70、透明粘着層42を備えていなくともよい。
≪センサ部≫
センサ部50は、タッチパネル40のセンサとして機能する部分である。センサ部50としては、特に限定されないが、例えば、投影型静電容量方式に用いられるセンサが挙げられる。図1に示されるセンサ部50は、パターニングされた導電層52が設けられた基材フィルム51と、パターニングされた導電層53が設けられた基材フィルム51とを、透明粘着層54を介して積層した構造となっている。
<基材フィルム>
図1に示される基材フィルム51は、光透過性基材55と、光透過性基材55の一方の面上に設けられたハードコート層56と、ハードコート層56上に設けられた高屈折率層57と、高屈折率層57上に設けられた低屈折率層58と、光透過性基材55の他方の面上に積層されたハードコート層59とを備えている。
基材フィルム51の代わりに、光透過性基材と、光透過性基材の一方の面上に設けられたハードコート層と、ハードコート層上に設けられた高屈折率層と、高屈折率層上に設けられた低屈折率層と、光透過性基材の他方の面上に設けられたハードコート層と、ハードコート層上に設けられた高屈折率層と、この高屈折率層上に積層された低屈折率層とを備えた基材フィルムを用いてもよい。この場合、基材フィルムの両面に存在する低屈折率層上にそれぞれパターニングされた導電層を設ける。
光透過性基材55、ハードコート層56、高屈折率層57、および低屈折率層58としては、通常のタッチパネルセンサに用いられている光透過性基材、ハードコート層、高屈折率層、および低屈折率層を用いることができるので、ここでは説明を省略するものとする。
<導電層>
導電層52、53の形状は特に限定されないが、例えば、正方形状やストライプ状が挙げられる。導電層52、53は取出パターン(図示せず)を介して端子部(図示せず)に接続されている。導電層52、53は、透明導電材料から構成された例を示しているが、導電層はメッシュ状の導線から構成することが可能である。透明導電材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛、酸化インジウム(In)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ、酸化亜鉛−酸化スズ系、酸化インジウム−酸化スズ系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物等が挙げられる。導線の材料としては、銀、銅、アルミニウム、またはこれらの合金等の遮光性のある金属材料が挙げられる。
導電層52、53の膜厚は、電気抵抗の仕様などに応じて適宜設定されるが、例えば10nm以上50nm以下であることが好ましい。
導電層52、53の形成方法は、特には限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、塗工法、印刷法などを用いることができる。導電層をパターニングする方法としては、例えばフォトリソグラフィー法が挙げられる。
導電層がメッシュ状の導線から構成されている場合、導線の幅は1μm以上20μm以下であることが好ましく、2μm以上15μm以下であることがより好ましい。これによって、観察者が視認する画像に対して導線が及ぼす影響を、無視可能な程度まで低くすることができる。
導電層がメッシュ状の導線から構成されている場合、導電層は導線によって形成された例えば矩形状の開口部を有している。導電層の開口率は、表示装置からの放出される映像光の特性などに応じて適宜設定されるが、例えば、80%以上90%以下の範囲内にある。また、開口部の配置ピッチは、求められる開口率や導線の幅の値に応じて、100μm以上1000μm以下の範囲内で適宜設定される。
本実施形態によれば、表示パネル20上に、内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、表面29Aの平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下である光学フィルム29が備えられているため、画像表示面10Aが強く押された際に、タッチパネル40の表示パネル側の表面40Aで反射される光と、表示パネル20上に備えられた光学フィルム29の表面29Aで反射される光とが干渉して生じる干渉縞(ニュートンリング、またはウォーターマークとも言う)を不可視化でき、かつ、ギラツキを抑制することができる。理論に拘束されるものではないが、光学フィルム29の平均傾斜角θaが上記の範囲に調整されているため、干渉縞は人間の目には認識されなくなり、干渉縞を効果的に不可視化することができる。また、内部ヘイズ値が上記の範囲に調整されているため、光が大きな拡がりを持って拡散され、ギラツキも効果的に抑制することができる。さらに、本実施形態によれば、表示パネル20上に光学フィルム29が備えられているため、ギラツキをより効果的に抑制することができる。また、タッチパネル40が指等で強く押されて、タッチパネル40の表示パネル20側の表面40Aと表示パネル20上に備えられた光学フィルム29の表面29Aとが接触した場合であっても、光学フィルム29の表面29Aの凹凸の存在により、タッチパネル40の表面40Aと光学フィルム29の表面29Aとの接触面積が小さくなるため、貼り付きが効果的に抑制されるという利点がある。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置について、図面を参照しながら説明する。図4は第2の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。
〔タッチパネル付き表示装置〕
図4に示される第2の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置110は、図1に示される第1の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置10と同様に、主に、画像を表示するための表示パネル20と、表示パネル20よりも観察者側に配置されたタッチパネル40と、表示パネル20の背面側に配置されたバックライトユニット80とを備えている。本実施形態においては、表示パネル20が液晶表示パネルであるので、タッチパネル付き表示装置110がバックライトユニット80を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライトユニット80を備えていなくともよい。表示パネル20とタッチパネル40は、例えばエアギャップ等のギャップ111を介して配置されている。タッチパネル40の表示パネル20側の表面上には、凹凸層31の凹凸面がギャップ111側となるように配置された光学フィルム29が備えられており、光学フィルム29とタッチパネル40の表示パネル20側の表面との間には透明粘着層41を備えていてもよい。なお、表示パネル20のタッチパネル40側の表面20A上には、光学フィルムや反射防止フィルムが備えられていない。
表示パネル20、タッチパネル40および光学フィルム29は、それぞれ第1の実施形態のものと同様のものであるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態によれば、タッチパネル40上に、内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、表面29Aの平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下である光学フィルム29が備えられているため、画像表示面110Aが強く押された際に、タッチパネル40上に備えられた光学フィルム29の表面29Aで反射される光と、表示パネル20のタッチパネル40側の表面20Aで反射される光とが干渉して生じる干渉縞(ニュートンリング、またはウォーターマークとも言う)を不可視化でき、かつ、ギラツキを抑制することができる。理論に拘束されるものではないが、光学フィルム29の平均傾斜角θaが上記の範囲に調整されているため、干渉縞は人間の目には認識されなくなり、干渉縞を効果的に不可視化することができる。また、内部ヘイズ値が上記の範囲に調整されているため、光が大きな拡がりを持って拡散され、ギラツキも効果的に抑制することができる。また、タッチパネル40が指等で強く押されて、タッチパネル40上に備えられた光学フィルム29の表面29Aと表示パネル20のタッチパネル40側の表面20Aとが接触した場合であっても、光学フィルム29の表面29Aの凹凸の存在により、光学フィルム29の表面29Aと表示パネル20の表面20Aとの接触面積が小さくなるため、貼り付きが効果的に抑制されるという利点がある。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置について、図面を参照しながら説明する。図5は、第3の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。
〔タッチパネル付き表示装置〕
図5に示される第3の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置210は、図1に示される第1の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置10と同様に、主に、画像を表示するための表示パネル20と、表示パネル20よりも観察者側に配置されたタッチパネル40と、表示パネル20の背面側に配置されたバックライトユニット80とを備えている。本実施形態においては、表示パネル20が液晶表示パネルであるので、タッチパネル付き表示装置210がバックライトユニット80を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライトユニット80を備えていなくともよい。表示パネル20とタッチパネル40は、エアギャップ等のギャップ211を介して配置されている。表示パネル20のタッチパネル40側の表面上には、凹凸層31の凹凸面がギャップ211側となるように配置された光学フィルム29が備えられており、さらに、タッチパネル40の表示パネル20側の表面上にも、凹凸層31の凹凸面がギャップ211側となるように配置された光学フィルム29が備えられている。光学フィルム29とタッチパネル40の表示パネル20側の表面との間には透明粘着層41を備えていてもよい。
表示パネル20、タッチパネル40および光学フィルム29は、それぞれ第1の実施形態のものと同様のものであるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態によれば、表示パネル20上とタッチパネル40上の両方に、内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、表面29Aの平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下である光学フィルム29が備えられているため、画像表示面210Aが強く押された際に、タッチパネル40上に備えられた光学フィルム29の表面29Aで反射される光と、表示パネル20上に備えられた光学フィルム29の表面29Aで反射される光とが干渉して生じる干渉縞(ニュートンリング、またはウォーターマークとも言う)を不可視化でき、かつ、ギラツキを抑制することができる。理論に拘束されるものではないが、光学フィルム29の平均傾斜角θaが上記の範囲に調整されているため、干渉縞は人間の目には認識されなくなり、干渉縞を効果的に不可視化することができる。また、内部ヘイズ値が上記の範囲に調整されているため、光が大きな拡がりを持って拡散され、ギラツキも効果的に抑制することができる。また、タッチパネル40が指等で強く押されて、タッチパネル40上に備えられた光学フィルム29の表面29Aと表示パネル20上に備えられた光学フィルム29の表面29Aとが接触した場合であっても、光学フィルム29の表面29Aの凹凸の存在により、タッチパネル40上と表示パネル20上の両方に備えられた光学フィルム29の表面29A同士の接触面積が小さくなるため、貼り付きが効果的に抑制されるという利点がある。
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置について、図面を参照しながら説明する。図6は、第4の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の概略構成図である。
〔タッチパネル付き表示装置〕
図6に示される第4の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置310は、図1に示される第1の実施形態に係るタッチパネル付き表示装置10と同様に、主に、画像を表示するための表示パネル20と、表示パネル20よりも観察者側に配置されたタッチパネル40と、表示パネル20の背面側に配置されたバックライトユニット80とを備えている。本実施形態においては、表示パネル20が液晶表示パネルであるので、タッチパネル付き表示装置110がバックライトユニット80を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライトユニット80を備えていなくともよい。表示パネル20とタッチパネル40は、エアギャップ等のギャップ311を介して配置されている。本実施形態において、タッチパネル付き表示装置は、表示パネルのタッチパネル側の表面、およびタッチパネルの表示パネル側の表面のうちいずれか一方の表面上に光学フィルムを備え、表示パネルのタッチパネル側の表面、およびタッチパネルの表示パネル側の表面のうち光学フィルムが設けられていない表面上に、第2の光透過性基材と、第2の光透過性基材上に積層されたハードコート層と、ハードコート層上に積層された反射防止層とをこの順番で備える反射防止フィルムをさらに備える。図6では、表示パネル20のタッチパネル40側の表面上に、凹凸層31の凹凸面がギャップ311側となるように配置された光学フィルム29が備えられており、タッチパネル40の表示パネル20側の表面上にも、後述する反射防止層63がギャップ311側となるように配置された反射防止フィルム60がさらに備えられている。反射防止フィルム60とタッチパネル40の表示パネル20側の表面との間には透明粘着層41を備えていてもよい。
表示パネル20、タッチパネル40および光学フィルム29は、それぞれ第1の実施形態のものと同様のものであるため、ここでは説明を省略する。
[反射防止フィルム]
反射防止フィルム60は、光学フィルム29に対して離間している。図6に示される光学フィルム29の表面29Aと反射防止フィルム60の表面60Aとの間のギャップの間隔dは、タッチパネル付き表示装置の薄型化の観点から50μm以上1000μm以下となっていることが好ましい。この間隔dは、観察者の指等が画像表示面310Aに触れていない状態の間隔である。
反射防止フィルム60は、表示パネル20側に向けて、第2の光透過性基材61と、ハードコート層62と、反射防止層63とをこの順で積層した構造を有している。第2の光透過性基材61は第1の光透過性基材30と同様のものであるので、ここでは説明を省略するものとする。ハードコート層62としては、一般的な反射防止フィルムに用いられるハードコート層を用いることができる。
また、反射防止層63としては、一般的な反射防止フィルムに用いられる反射防止層を用いることができ、特に構成や組成は限定されない。例えば、反射防止層63は、高屈折率層64と高屈折率層64上に設けられた低屈折率層65とから構成されていてもよいが、これに限定されず、低屈折率層65のみから構成されていてもよい。
本実施形態によれば、表示パネル20上に、内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、表面29Aの平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下である光学フィルム29が備えられているため、画像表示面310Aが強く押された際に、タッチパネル40上に備えられた反射防止フィルム60の表面60Aで反射される光と、表示パネル20上に備えられた光学フィルム29の表面29Aで反射される光とが干渉して生じる干渉縞(ニュートンリング、またはウォーターマークとも言う)を不可視化でき、かつ、ギラツキを抑制することができる。理論に拘束されるものではないが、光学フィルム29の平均傾斜角θaが上記の範囲に調整されているため、干渉縞は人間の目には認識されなくなり、干渉縞を効果的に不可視化することができる。また、内部ヘイズ値が上記の範囲に調整されているため、光が大きな拡がりを持って拡散され、ギラツキも効果的に抑制することができる。さらに、本実施形態によれば、表示パネル20上に光学フィルム29が備えられているため、ギラツキをより効果的に抑制することができる。また、タッチパネル40が指等で強く押されて、タッチパネル40上に備えられた反射防止フィルム60の表面60Aと表示パネル20上に備えられた光学フィルム29の表面29Aとが接触した場合であっても、光学フィルム29の表面29Aの凹凸の存在により、光学フィルム29の表面29Aと反射防止フィルム60の表面60Aとの接触面積が小さくなるため、貼り付きが効果的に抑制されるという利点がある。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<凹凸層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、凹凸層用組成物を得た。
(凹凸層用組成物1)
・有機微粒子(アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径2.0μm、屈折率1.55、積水化成品工業社製):3質量部
・フュームドシリカ(オクチルシラン処理、平均粒子径12nm、日本アエロジル社製):1質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名:PETA、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学社製、重量平均分子量2000、官能基数10):40質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:105質量部
・イソプロピルアルコール:30質量部
・シクロヘキサノン:15質量部
(凹凸層用組成物2)
・有機微粒子(アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径3.5μm、屈折率1.55、積水化成品工業社製):12質量部
・フュームドシリカ(オクチルシラン処理、平均粒子径12nm、日本アエロジル社製):3質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名:PETA、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学社製、重量平均分子量2000、官能基数10):40質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:105質量部
・イソプロピルアルコール:30質量部
・シクロヘキサノン:15質量部
(凹凸層用組成物3)
・有機微粒子(ポリスチレン粒子、平均粒子径3.5μm、屈折率1.60、綜研化学社製):15質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:105質量部
・シクロヘキサノン:35質量部
(凹凸層用組成物4)
・有機微粒子(ポリスチレン粒子、平均粒子径3.5μm、屈折率1.60、綜研化学社製):17質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:105質量部
・シクロヘキサノン:35質量部
(凹凸層用組成物5)
・不定形シリカ粒子(無機微粒子、疎水化処理、平均粒子径(レーザー回折散乱法)2.7μm、富士シリシア社製):7質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:150質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):35質量部
(凹凸層用組成物6)
・有機微粒子(ポリスチレン粒子、平均粒子径3.0μm、屈折率1.60、積水化成品工業社製):10質量部
・無機微粒子(平均一次粒子径12nm、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤MIBK、固形分30%、日産化学社製):160質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):10質量部
・ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学社製、重量平均分子量2000、官能基数10):40質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.1質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):70質量部
(凹凸層用組成物7)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名:PETA、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学社製、重量平均分子量2000、官能基数10):40質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:105質量部
・イソプロピルアルコール:30質量部
・シクロヘキサノン:15質量部
(凹凸層用組成物8)
・有機微粒子(アクリルースチレン共重合体粒子、平均粒子径5.0μm、屈折率1.56、積水化成品工業社製):8質量部
・不定形シリカ(平均粒子径1.5μm):6質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):90質量部
・PMMAポリマー(分子量75000):10質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:150質量部
・シクロヘキサノン:80質量部
<ハードコート層用組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、ハードコート層用組成物を得た。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名:KAYARAD DPHA、日本化薬社製):100質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・レベリング剤(製品名:F−568、DIC社製):0.1質量部(固形分100%換算値)
・メチルイソブチルケトン(MIBK):120質量部
<低屈折率層用組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、低屈折率層用組成物を得た。
(低屈折率層用組成物1)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子の固形分:20質量%、溶液:メチルイソブチルケトン、平均粒径:60nm):30質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):10質量部
・重合開始剤(イルガキュア127;BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):160質量部
(低屈折率層用組成物2)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子の固形分:20質量%、溶液:メチルイソブチルケトン、平均粒径:60nm):70質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):10質量部
・重合開始剤(イルガキュア127;BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):500質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):160質量部
<サンプル1>
光透過性基材としての厚さ40μmのトリアセチルセルロース樹脂フィルム(コニカミノルタ社製、KC4UAW)を準備し、トリアセチルセルロース樹脂フィルムの片面に、凹凸層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、4μm厚み(硬化時)の凹凸層を形成した。次いで、凹凸層上に、上記低屈折率層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で40℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で40℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、100nm厚み(硬化時)の低屈折率層を形成した。これにより、サンプル1に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル2>
サンプル2においては、凹凸層用組成物1に代えて凹凸層用組成物2を用いて、5μm厚み(硬化時)の凹凸層をサンプル1と同様にして形成した。サンプル2においては、低屈折率層は形成していない。これにより、サンプル2に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル3>
サンプル3においては、凹凸層用組成物2に代えて凹凸層用組成物3を用いて、4.5μm厚み(硬化時)の凹凸層を形成した以外は、サンプル2と同様にしてサンプル3に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル4>
サンプル4においては、凹凸層用組成物3に代えて凹凸層用組成物4を用いて、4.0μm厚み(硬化時)の凹凸層を形成した以外は、サンプル2と同様にしてサンプル4に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル5>
サンプル5においては、低屈折率層を形成しないこと以外は、サンプル1と同様にしてサンプル5に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル6>
サンプル6においては、凹凸層用組成物2に代えて凹凸層用組成物5を用いて、2.0μm厚み(硬化時)の凹凸層を形成した以外は、サンプル2と同様にしてサンプル6に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル7>
サンプル7においては、凹凸層用組成物2に代えて凹凸層組成物6を用いて、6.0μm厚み(硬化時)の凹凸層を形成した以外は、サンプル2と同様にしてサンプル7に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル8>
サンプル8においては、凹凸層用組成物2に代えて凹凸層用組成物7を用いて、4.0μm厚み(硬化時)の凹凸層を形成した以外は、サンプル2と同様にしてサンプル8係る光学フィルムを作製した。
<サンプル9>
サンプル9においては、凹凸層用組成物2に代えて凹凸層用組成物8を用いて、4.0μm厚み(硬化時)の凹凸層を形成した以外は、サンプル2と同様にしてサンプル9に係る光学フィルムを作製した。
<サンプル10>
サンプル10においては、凹凸層用組成物1に代えて、ハードコート層用組成物を用いて、8.0μm厚み(硬化時)のハードコート層を形成し、低屈折率層用組成物1に代えて、低屈折率層用組成物2を用いた以外は、サンプル1と同様にしてサンプル10に係る反射防止フィルムを作製した。
<全光線透過率、ヘイズの測定>
サンプル1〜10の全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K7361に準拠した方法により測定した。ヘイズは、JIS K7136に準拠し、ヘイズメーターHM−150(村上色彩技術研究所社製)により測定した。それぞれの結果を表1に示す。
<透過画像鮮明度の測定>
サンプル1〜10の透過画像鮮明度は、写像性測定器(ICM−1T、スガ試験機社製)を用いてJIS K7105に準拠した方法により測定した。結果を表1に示す。
<反射Y値の測定>
サンプル1〜10について、分光光度計(MPC3100、島津製作所株式会社製)を用いて、反射Y値を測定した。具体的には、それぞれのフィルムにおける表面側(サンプル1〜9の光学フィルムにおいては凹凸層または低屈折率層の表面側、サンプル10の反射防止フィルムにおいては低屈折率層の表面側)から入射角度8度の光を照射し、それぞれのフィルムで反射された拡散光を含む反射光を、積分球を用いて受光して、380nm〜780nmの波長範囲の反射率を、BaSO粉末を固めた白色板を基準として測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフトウェア(例えば、MPC3100に内蔵されたソフトウェア)によって、「C光源、視野2度」の条件で反射Y値を算出した。なお、反射Y値の測定は、トリアセチルセルロース基材における凹凸層またはハードコート層が形成されている面とは反対側の面(裏面)に黒テープ(寺岡製作所製)を貼り付けた状態で行った。
<表面粗さ(Ra、Rz、θa)の測定>
サンプル1〜9の光学フィルムの表面(凹凸層または低屈折率層の表面)、およびサンプル10の反射防止フィルムの表面(低屈折率層の表面)において、平均傾斜角θa、算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRzは、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/(株)小坂研究所製)を用いて、下記の測定条件により測定した。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.25mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):1.25
・触針の送り速さ:0.1mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
以下、結果を表1に示す。
Figure 2016004314
<実施例1〜8および比較例1〜4>
サンプル1〜10に係るフィルムの中から1枚または2枚のフィルムを取り出し、一方をフィルムA(表示パネル側のフィルム)とし、他方をフィルムB(タッチパネル側のフィルム)とした。各実施例および比較例におけるフィルムの組み合わせは、表2に示す。そして、フィルムAとフィルムBを用いて、以下の干渉縞評価、ギラツキ性評価、および視認性性評価を行った。
<干渉縞評価>
まず、フィルムAを透明粘着剤を介して、黒アクリル板に貼り付けた。また、フィルムBを、厚さが0.7mmであり、かつ大きさが10cm×10cmのガラス板に透明粘着剤(製品名「PD−S1」、パナック社製)を介して貼り付けた。そして、フィルムAの表面(サンプル1〜9においては凹凸層または低屈折率層の表面、サンプル10においては低屈折率層の表面)とフィルムBの表面(サンプル1〜9においては凹凸層または低屈折率層の表面、サンプル10においては低屈折率層の表面)が互いに離間して向き合うように、フィルムA付きアクリル板の両端にテープを貼り、フィルムB付きガラス板を配置させた。フィルムAの表面とフィルムBの表面との間のエアギャップの間隔は0.1mmであった。そして、フィルムB付きガラス側から指で押した状態で、フィルムB付きガラス上に配置されたナトリウムランプから光を照射し、干渉縞が確認されるか否か調べた。評価基準は以下の通りとした。
◎:干渉縞が確認されなかった。
○:若干干渉縞が観察されたが問題のないレベルであった。
×:干渉縞が明確に確認された。
<ギラツキ評価>
まず、フィルムB付きガラス板のフィルムBの表面の両端にテープを貼った。そして、輝度1500cd/mのライトボックス(白色面光源)、350ppiのブラックマトリクスガラス、フィルムA、フィルムB付きガラス板の順に下から重ねた状態にし、30cm程度の距離から上下、左右様々な角度から、被験者15人が目視評価を行った。ギラツキが気になるか否かを判定し、下記の基準によりギラツキを評価した。
◎:良好と答えた人が13人以上であった。
○:良好と答えた人が7〜12人であった。
×:良好と答えた人が6人以下であった。
<視認性評価(コントラスト比)>
コントラスト比を以下の方法により測定した。まず、バックライトユニットとして冷陰極管光源に拡散板を設置したものを用意した。その上に2枚の偏光板(サムスン社製 AMN−3244TP)を配置し、さらにその上に、フィルムAとガラス付きフィルムBを、エアギャップを介して配置した。フィルムAの表面とフィルムBの表面との間のエアギャップの間隔は0.1mmであった。そして、その上から透過光の輝度を測定した。2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の輝度のLmaxを、クロスニコルに設置したときに通過する光の輝度のLminで割った値(Lmax/Lmin)をコントラストとした。そして、サンプル1〜9のフィルムのコントラスト(L)を、サンプル1〜9の代わりに光透過性基材(トリアセチルセルロース樹脂フィルム)としたときのコントラスト(L)で割った値(L/L)×100(%)をコントラスト比とした。なお、輝度の測定は5lx以下の暗室下で行った。上記輝度の測定には、色彩輝度計(トプコン社製 BM−5A)を用い、色彩輝度計の測定角は、1°に設定し、サンプル上の視野φ5mmで測定した。また、バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が3600cd/mになるように設置した。
◎:コントラスト比が60%以上であった。
○:コントラスト比が30%以上60%未満であった。
×:コントラスト比が30%未満であった。
以下、結果を表2に示す。
Figure 2016004314
表1および表2に示されるように、比較例1においては、光学フィルムの内部ヘイズ値が1%未満であったため、ギラツキが確認された。比較例2においては、内部ヘイズ値が30%を超えていたため、視認性(コントラスト比)が劣ることが確認された。これに対し、実施例1〜8においては、内部ヘイズ値が1%以上30%以下である光学フィルムを用いていたため、ギラツキが確認されなかったか、または若干ギラツキが確認されたが、問題のないレベルであった。
比較例3においては、光学フィルムの表面の平均傾斜角θaが0.074°未満であったため、干渉縞が明確に確認された。比較例4においては、平均傾斜角θaが2.000を超えていたため、内部ヘイズが1%以上30%以下であったが、ギラツキが確認された。これに対し、実施例1〜8においては、表面の平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下の光学フィルムを用いていたため、干渉縞が確認されなかったか、または若干干渉縞が確認されたが、問題のないレベルであった。
10、110、210、310…タッチパネル付き表示装置
10A、110A、210A、310A…画像表示面
11、111、211、311…ギャップ
20…表示パネル
20A…表示パネルのタッチパネル側の表面
25…表示素子
29…光学フィルム
29A…光学フィルムの表面
30…第1の光透過性基材
31…凹凸層
32…低屈折率層
40…タッチパネル
40A…タッチパネルの表示パネル側の表面
60…反射防止フィルム
60A…反射防止フィルムの表面
61…第2の光透過性基材
62…ハードコート層
63…反射防止層
64…高屈折率層
65…低屈折率層

Claims (6)

  1. 画像を表示するための表示パネルと、前記表示パネルよりも観察者側に配置されたタッチパネルとを備えるタッチパネル付き表示装置であって、
    前記表示パネルと前記タッチパネルが、ギャップを介して配置されており、
    前記表示パネルの前記タッチパネル側の表面、および前記タッチパネルの前記表示パネル側の表面の少なくとも一方の表面上に、第1の光透過性基材と、前記第1の光透過性基材上に積層された、凹凸面を有する凹凸層とをこの順番で備え、かつ前記凹凸層の前記凹凸面がギャップ側となるように配置された光学フィルムを備え、
    前記光学フィルムの内部ヘイズ値が1%以上30%以下であり、前記光学フィルムの表面の平均傾斜角θaが0.074°以上2.000°以下である、タッチパネル付き表示装置。
  2. 前記光学フィルムの表面側から測定した反射Y値が2.5%以下である、請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
  3. 前記光学フィルムが、前記凹凸層上に、前記凹凸層よりも低い屈折率を有する低屈折率層をさらに備える、請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
  4. 前記表示パネルの前記タッチパネル側の表面上に前記光学フィルムを備える、請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
  5. 前記表示パネルの前記タッチパネル側の表面、および前記タッチパネルの前記表示パネル側の表面のうちいずれか一方の表面上に前記光学フィルムを備え、
    前記表示パネルの前記タッチパネル側の表面、および前記タッチパネルの前記表示パネル側の表面のうち前記光学フィルムが設けられていない表面上に、第2の光透過性基材と、前記第2の光透過性基材上に積層されたハードコート層と、前記ハードコート層上に積層された反射防止層とをこの順番で備える反射防止フィルムをさらに備える、請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
  6. 前記凹凸層が、シリカ微粒子と、有機微粒子と、バインダー樹脂とを含む、請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
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