以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、画像表示装置5側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部が画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが横方向に並んで設けられている。また、その上には、遊技媒体を振り分ける振分装置200が設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片6Ba(図2参照)を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片6Ba(図2参照)が垂直位置となることにより通常の開放状態になっている。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片6Ba(図2参照)が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通常よりも進入し易い拡大開放状態になる。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が第1可変状態よりも進入し難い通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
振分装置200の上部には、図2に示すように、遊技媒体が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技媒体を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図2(A)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図2(A)に示す状態において遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(B)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材202によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には、普通入賞球装置6Aによって形成される第1始動入賞口が位置しているので、左側流出口205から流出した遊技媒体は、第1始動入賞口に入賞する。振分部材202による振分時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図2(A)及び図2(B)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が左側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技媒体は右側通路204を通過可能となる。
次いで、そのような状態において、図2(C)に示すように、遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(D)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材202によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には普通可変入賞球装置6Bによって形成される第2始動入賞口が位置しているので、右側流出口206から流出した遊技媒体は、第2始動入賞口に入賞する。振分部材202による振分時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図2(C)および図2(D)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が右側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体は左側通路203を通過可能となる。
図2に示すような動作をすることにより、この実施の形態では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技媒体が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに交互に入賞可能となる。このため、第1始動入賞口に入賞する遊技媒体の数と第2始動入賞口に入賞する遊技媒体の数とは、略同数となる。なお、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片6Baが傾動位置となると、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる。特に、振分装置200内を通過しない遊技媒体が、振分装置200の横から第2始動入賞口に入賞しやすくなる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aとと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図3に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図3のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図3参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図3参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
図4は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8A01(H)は、第1始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第1始動入賞口指定コマンド)である。コマンド8A02(H)は、第2始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第2始動入賞口指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、及び、大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、はずれを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、15R大当り且つ確変を指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、15R大当り且つ非確変を指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動開始指定コマンド)である。第1図柄変動開始指定コマンドと第2図柄変動開始指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動開始指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に大入賞口である特別可変入賞球装置7の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知又は示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した合計保留記憶数を指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合計保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データを伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図3に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、各種の指令を生成する。例えば、例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123内には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路16を介して可動演出部材用モータ61を駆動して可動演出部材60を動かす。このようにして、各種の演出(後述する、リーチ演出、可動演出部材演出、画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出など、遊技の盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図3に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図3に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」(この実施の形態では、大当り種別が「確変」又は「非確変」となる「大当り」である。)となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーCといったリーチ演出が予め設定されている。スーパーA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、スーパーA〜Cのリーチ演出を、スーパーリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
スーパーリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。スーパーリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、スーパーリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。スーパーA又はBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。スーパーリーチCが実行された場合には、スーパーリーチCの実行後にスーパーリーチAが実行されることがある(スーパーリーチAに発展することがある)。スーパーリーチCが実行されたがスーパーリーチAに発展がない場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに負ける場合)には可変表示結果は「ハズレ」となる。一方で、スーパーリーチAに発展した場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに勝つ場合)には、可変表示結果は「大当り」になる可能性がある。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、スーパーリーチA又はBが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、スーパーリーチのうちでも、スーパーリーチA(スーパーリーチCから発展した場合も含む)が実行された場合には、スーパーリーチBが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図7参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図6は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データとともに対応付けて、図8に示すような特図保留記憶部にセットする。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データとともに対応付けて、図8に示すような特図保留記憶部にセットする。例えば、始動口バッファ値が「2」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データとともに対応付けて、図8に示すような特図保留記憶部にセットする。なお、このとき、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図8に示す特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、を入賞順(遊技球の検出順)に記憶する。一例として、特図保留記憶部は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と対応付けて、その遊技球の進入による第1始動条件又は第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶する。保留データは、第1始動入賞口への入賞と第2始動入賞口への入賞とのそれぞれについて、最大4つまで記憶される。こうして特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図又は第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。また、特図保留記憶部には、上述のように、各保留データが第1始動条件と第2始動条件とのうちのいずれの条件成立に基づいて抽出されたものであるかを示す前記の始動口データが各保留データに対応付けて記憶される。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時判定処理を行う(ステップS211)。始動入賞時判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図5のステップS110、図10)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図5のステップS111、図12)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図9は、始動入賞時判定処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、まず、例えばRAM102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図11に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、非確変状態及び確変状態に対応する特図表示結果決定テーブル(図11(A)参照)が用意されている。CPU103は、このテーブルのうち、現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。
その後、CPU103は、図6のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図12に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」又は「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、変動カテゴリ指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。
ステップS413の後、CPU103は、特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。具体的には、始動口バッファ値が「1」のときは、第1保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、第2保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。送信設定する第1保留記憶数指定コマンドや第2保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数(当該始動入賞によって1つ増えた記憶数)を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。ステップS414の後、入賞時乱数値判定処理は終了する。
上記一連の処理が実行されたあと、コマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンドまたは第2特図保留記憶数指定コマンド)という4つのコマンドが1セット(始動入賞時コマンド)として、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図5に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、図5のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図6に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS234の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図11(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データとに基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図11(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図5に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたに示す大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)に応じて、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図11(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図11(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
一方、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図5のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図12は、変動パターン設定処理として、図5のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図13は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1、PA1−2と、時短時用の変動パターンPB1−1、PB1−2と、が用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2−1(ハズレ用)及び変動パターンPA3−1(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2−2(ハズレ用)及び変動パターンPA3−2(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2−3(ハズレ用)及び変動パターンPA3−3(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチCを実行することを指定する変動パターンPA2−4(ハズレ用)及び変動パターンPA3−4(「大当り」)が用意されている。
図12に示すステップS262の処理では、例えば図14に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」又は「確変」のいずれの場合も共通して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPA3−3を選択する。
図12に示すステップS263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図15に示すハズレ変動パターン決定テーブルの非時短に対応する決定値を用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図15に示すハズレ変動パターン決定テーブルの時短に対応する決定値を用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
CPU103は、時短中であるか否かと、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、変動パターンPA2−1を選択する。
図12に示すステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図13に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドなどを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンドなどを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図5のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図5のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグや小当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。
また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオフ状態である場合に、時短フラグがオン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減らし、減らした後のカウント値が「0」である場合に時短フラグをオフ状態にし、時短状態を終了させる処理や、大当りフラグがオン状態でない場合、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時や小当り時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図5のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理には、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間であり、予め設定された時間)が経過したか否かを判定する処理が含まれる。大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ、そのまま大当り終了処理を終了する。大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、大当り種別が「非確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「0」であれば)、確変フラグをオフ状態のままにして時短フラグをオン状態にし、大当り種別が「確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「1」であれば)、確変フラグ及び時短フラグをオン状態にする。このようにして、大当り種別が「非確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、時短制御のみの低確高ベース状態になり、大当り種別が「確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変制御及び時短制御がある高確高ベース状態になる。また、時短フラグをオン状態にした場合に、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する。大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には、最後に特図プロセスフラグの値が「0」に更新される。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図16は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す演出制御プロセス処理では、まず、演出制御用CPU120は、所謂先読み処理を行い(ステップS160)、次に、操作対応処理を行う(ステップS161)。その後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。ステップS175の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。
図17〜図19は、図15のステップS160にて実行される先読み処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、演出制御用CPU120は、主基板11からの第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力されたか否かを判定する(ステップS601)。
第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力されていない場合(ステップS601;No)には、先読み処理が終了する。一方、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドの入力は、特図保留記憶数が1増加したことを意味する。このため、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力された場合には(ステップS601;Yes)、演出制御用CPU120は、特図保留記憶数を示す保留記憶数カウント値を1増加させる(ステップS602)。保留記憶数カウント値は、例えば、RAM122に設けられ、0〜8の何れかの値となる。保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力される毎に1増加し、第1図柄変動開始指定コマンド又は第2図柄変動開始指定コマンドが入力される毎に1減少する。これにより、保留記憶数カウント値は、現在の特図保留記憶数を示すことになる。なお、保留記憶数カウント値が上限値の8である場合には、ステップS602において保留記憶数カウント値を1増加させる処理が実行されない。一方、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力されていない場合には(ステップS601;No)、先読み処理が終了する。
ステップS602の後、演出制御用CPU120は、現在の演出プロセスフラグの値が“4”以上であるか否かを判定する(ステップS603)。現在の演出プロセスフラグの値が“4”以上であるということは、大当り遊技状態であり、その大当り遊技状態に対応する演出が実行中であることを意味する。
現在の演出プロセスフラグの値が“4”以上でない場合(ステップS603;No)、演出制御用CPU120は、特別演出期間中残り変動カウント値が0であるか否かを判定する(ステップS604)。本実施形態では、後述するように、特図保留記憶数が上限値の8である場合に、特図保留記憶数に対応する全ての保留表示が、プッシュボタン31Bに対応するボタン保留表示で表示される場合がある。特別演出期間とは、通常、ボタン保留表示が開始されてから8回の可変表示が終了するまでの期間、換言すれば、8個の保留記憶が消化されるまでの期間である。特別演出期間中残り変動カウント値は、特別演出期間が終了するまでの可変表示の残り回数を示し、0である場合には、特別演出期間でないことを意味し、1〜8である場合には、特別演出期間中であることを意味する。例えば、特別演出期間中残り変動カウント値は、RAM122の所定領域に設定されている。演出制御用CPU120は、RAM122に設定された特別演出期間中残り変動カウント値を参照して、0であるか否かを判定する。
特別演出期間中残りカウント値が0である場合(ステップS604)、演出制御用PCU120は、保留記憶数カウント値が上限値の8であるか否かを判定する(ステップS605)。保留記憶数カウント値が上限値の8である場合(ステップS605;Yes)、演出制御用CPU120は、特別演出期間中残り変動カウント値を8に設定する(ステップS606)。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する保留設定情報(新たな保留表示に対応する保留設定情報)を追加し、全ての保留設定情報をボタン保留表示を行うものに設定する(ステップS607)。
保留設定情報は、保留記憶毎に設定される情報であり、例えば、RAM122に記憶される。図25は、保留設定情報の一例を示す図であり、図25(A)に示す保留設定情報1は、特定期間以外、保留記憶(保留記憶数カウント値)が4の場合の例であり、図25(B)に示す保留設定情報2は、特定期間内、保留記憶数(保留記憶数カウント値)が8の場合の例である。保留設定情報は、対応する保留記憶が最古の保留記憶から数えて何番目であるか(保留設定情報が何番目であるか)を示す保留順位と、対応する保留記憶の表示である保留表示の表示態様と、保留表示の表示色の遷移と、作用演出の有無との各情報により構成される。
ステップS607の段階では、保留記憶数カウント値が上限値の8であり、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報は存在しない。このため、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報を1つ追加し、8つの保留設定情報の全てについて、保留表示の表示態様をボタン保留表示に設定する。これにより、例えば、図25(B)に示す保留設定情報2のように、全ての保留設定情報内の保留表示の表示態様がボタン保留表示となる。表示色の遷移は、保留記憶の消化により保留記憶の順位が上昇するのに伴って、保留表示の表示色がどのように変化するかを示す情報である。作用演出の有無は、対応する保留表示を遊技者によるプッシュボタン31B等の操作によらずに変化させる演出である作用演出が実行されるか否かを示す情報である。本実施形態では、作用演出は、1個目及び5個目の保留記憶に対応する可変表示中に実行される可能性があり、作用演出有りの場合には、何個目の保留記憶に対応する可変表示中に実行されるかを示す情報が設定される。
再び、図17に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、表示色選択テーブルBに基づいて、各ボタン保留表示が丸形の表示である丸形保留表示に変化した後の当該丸形保留表示の表示色の遷移を決定し、保留設定情報に設定する(ステップS608)。
図21及び図22は表示色遷移選択テーブルの一例を示す図である。図21に示す表示色遷移決定テーブルA及び図22に示す表示色遷移テーブルBは、RAM122内に設定される。図21に示す表示色遷移選択テーブルAは、保留表示が丸形保留表示のまま維持される場合であって、且つ、保留記憶数(保留記憶数カウント値)が7の場合に用いられるものである。表示色遷移選択テーブルAは、保留記憶数1〜7のそれぞれに対応して用意される。一方、図22に示す表示色遷移選択テーブルBは、保留表示がボタン保留表示となり、その後に丸形保留表示に変化する場合に用いられるものである。表示色遷移選択テーブルAは、保留記憶数1〜8のそれぞれに対応して用意される。
図21に示す表示色遷移選択テーブルA及び図22に示す表示色遷移テーブルBは、何れも保留表示(丸形保留表示)の表示色の遷移と、大当りの場合の選択比率と、ハズレの場合の選択比率とにより構成される。表示色の遷移は、右から1番目に示される色が対応する保留記憶が1個目の場合の表示色、右から2番目に示される色が対応する保留記憶が2個目の場合の表示色、右から3番目に示される色が対応する保留記憶が2個目の場合の表示色というように、左に示される色ほど、対応する保留記憶の順位が低くなる。また、表示色の遷移のパターンに応じて、表示色遷移選択テーブルAではA1〜A14の各情報が設定され、表示色遷移テーブルBではB1〜B14の各情報が設定されている。本実施形態では、対応する保留記憶が最古の保留記憶から数えて1個目と5個目である場合に、保留表示の表示色が変化し得る設定となっている。保留表示の表示色は、大当りの期待度に対応しており、図23に示すように、青色、白色、黄色、赤色であり、青色及び白色は大当りの期待度が低く、黄色は大当りの期待度が中程度であり、赤色は大当りの期待度が高いという設定になっている。
図21に示す表示色遷移選択テーブルAと図22に示す表示色遷移選択テーブルBとについて、大当りの場合の選択比率を比較すると、表示色遷移選択テーブルBの方が白色の表示に変化する確率が高い。また、図21に示す表示色遷移選択テーブルAと図22の表示色遷移選択テーブルBとの何れにおいても、大当りの場合には、白色から黄色、赤色へ変化させる選択比率の合計値の方が、青色から黄色、赤色へ変化させる選択比率の合計値よりも多い。更には、図22の表示色遷移選択テーブルBにおいて、大当りの場合には、保留1個目で白色から赤色に変化する選択比率が11.0%、保留5個目で白色から赤色に変化する選択比率が13.0%であり、保留5個目の方が白色から赤色に変化しやすい設定となっている。一方、ハズレの場合には、保留1個目で白色から赤色に変化する選択比率が4.0%であり、保留5個目で白色から赤色に変化する選択比率が3.0%であり、保留1個目の方が白色から赤色に変化しやすい設定となっている。
ステップS608では、演出制御用CPU120は、8つの保留記憶のそれぞれについて、図柄指定コマンドに基づいて、大当りであるかハズレであるかを判定する。更に、保留設定情報内の保留表示の表示態様がボタン保留表示であるため、演出制御用CPU120は、表示色遷移選択テーブルBを用い、大当りであるかハズレであるかに応じた選択比率で、表示色の遷移を決定する。更に、演出制御用CPU120は、決定した表示色の遷移を、8つの保留記憶のそれぞれに対応する保留設定情報に設定する。
なお、新たに追加された保留設定情報以外の7つの保留設定情報については、既に表示色の遷移が設定されており、ステップS608では、その表示色の遷移が更新されることになる。但し、これら7つの保留設定情報内の表示色の遷移については、大当りの期待度を低下させるような所謂成り下がりが発生しないようにする。例えば、演出制御用CPU120は、ステップS606において保留設定情報が追加される前において、保留設定情報が何番目であるかによって一意に定まる現在の表示色を、その保留設定情報内の表示色の遷移により認識する。更に、演出制御用CPU120は、現在の表示色が赤色である場合には、その後に青色、白色、黄色に遷移するような表示色の遷移を選択しない。また、演出制御用CPU120は、現在の表示色が黄色である場合には、その後に青色、白色に遷移するような表示色の遷移を選択しない。また、演出制御用CPU120は、現在の表示色が白色である場合には、その後に青色に遷移するような表示色の遷移を選択しない。例えば、現在の表示色毎に、成り下がりが生じないような表示色の遷移を含んだ表示色遷移テーブル(青色用の表示色遷移テーブル、白色用の表示色遷移テーブル、黄色用の表示色遷移テーブル、赤色用の表示色遷移テーブル)を用意しておき、演出制御用CPU120は、現在の表示色に応じた表示色遷移テーブルを用いて、表示色の遷移を決定するようにしてもよい。あるいは、その後に必ず表示色が変化する表示色遷移のパターンを用意しておき、演出制御用CPU120は、現在の表示色の遷移を認識し、成り下がりが生じず、且つ、最後の表示色が現在の表示色の遷移における最後の表示色と同一となる表示色遷移のパターンを再選択するようにしてもよい。
再び、図17に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、作用演出無しを8つの保留設定情報の全てに設定する(ステップS609)。
次に、演出制御用CPU120は、保留設定情報に基づいて、8つの保留表示の全てについてボタン保留表示で表示させる制御を行う(ステップS610)。例えば、演出制御用CPU120は、8つの保留表示の全てについてボタン保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力指令に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに8つのボタン保留表示を表示させる。
一方、特別演出期間中残り変動カウント値が0でない場合(ステップS604;No)、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する保留設定情報(新たな保留表示に対応する保留設定情報)を追加し、その追加した新たな保留設定情報についてボタン保留表示を行うものに設定する(ステップS621)。
ステップS621の段階では、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報は存在しない。このため、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報を1つ追加し、その追加した保留設定情報について、保留表示の表示態様をボタン保留表示に設定する。
次に、演出制御用CPU120は、表示色選択テーブルBに基づいて、新たな保留設定情報に対応する新たなボタン保留表示について、丸形の表示である丸形保留表示に変化した後の当該丸形保留表示の表示色の遷移を決定し、ステップS621において追加した新たな保留設定情報に設定する(ステップS622)。
次に、演出制御用CPU120は、作用演出無しを新たな保留設定情報に設定する(ステップS623)。
次に、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報に基づいて、新たなボタン保留表示の制御を行う(ステップS624)。例えば、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報に基づいて、保留表示の表示態様を認識する。ここでは、新たな保留設定情報内の保留表示の表示態様はボタン保留表示である。更に、演出制御用CPU120は、ボタン保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力指令に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに新たなボタン保留表示を表示させる。
一方、保留記憶数カウント値が上限値の8でない場合(ステップS605;No)、図18の動作に移行し、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する保留設定情報(新たな保留表示に対応する保留設定情報)を追加し、その追加した新たな保留設定情報について丸形保留表示を行うものに設定する(ステップS631)。
ステップS631の段階では、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報は存在しない。このため、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報を1つ追加し、その追加した新たな保留設定情報について、保留表示の表示態様を丸形保留表示に設定する。
次に、演出制御用CPU120は、表示色選択テーブルAに基づいて、新たな保留設定情報に対応する新たな丸形保留表示について表示色の遷移を決定し、ステップS631において追加した新たな保留設定情報に設定する(ステップS632)。
次に、演出制御用CPU120は、新たな丸形保留表示について、ステップS632において決定した表示色の遷移と作用演出決定テーブルとに基づいて、作用演出の有無を決定し、ステップS631において追加した新たな保留設定情報に設定する(ステップS633)。
図24は、作用演出決定テーブルの一例を示す図である。例えば、作用演出決定テーブルはRAM122内に設定される。図24に示す作用演出決定テーブルは、対応する保留記憶が最古の保留記憶から数えて1個目と5個目である場合に実行され得る表示色の遷移毎に、作用演出有りの場合と作用演出無しの場合との選択比率とが設定されている。図24に示すように、作用演出有りの選択比率は、低い順に、表示色の遷移がない場合(C4:変化無し)、表示色の遷移が青色→白色の場合(C1)、青色→黄色又は白色→黄色(C3)、青色→赤色又は白色→赤色(C4)となっている。すなわち、遷移後の表示色に対応する大当りの期待度が高いほど、作用演出が実行される可能性が高くなっている。
演出制御用CPU120は、作用演出決定テーブル内のC1〜C4の中から、新たな丸形保留表示について、ステップS632において決定するとともに、新たな保留設定情報に設定した表示色の遷移に対応する情報を選択し、その情報内の選択比率に応じて、作用演出の有無を決定する。更に、演出制御用CPU120は、作用演出の有無の決定結果を、ステップS631において追加した保留設定情報に設定する。
再び、図11に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報に基づいて、新たな丸形保留表示の制御を行う(ステップS634)。例えば、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報に基づいて、保留表示の表示態様を認識する。ここでは、新たな保留設定情報内の保留表示の表示態様は丸形保留表示である。次に、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報内の作用演出の有無が作用演出無しである場合、その新たな保留設定情報内の表示色の遷移と、その新たな保留設定情報が何番目であるか(保留順位)とに基づいて、表示色を認識する。例えば、新たな保留設定情報が図25(A)の4番目の保留設定情報である場合を考える。この場合、保留順位が4番目であるため、演出制御用CPU120は、表示色遷移の右から4番目の色である黄色を認識する。更に、演出制御用CPU120は、認識した表示色の丸形保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。
一方、対応する保留設定情報内の作用演出の有無が作用演出有りである場合、演出制御用CPU120は、作用演出が何個目の保留記憶に対応する可変表示中に実行されるかを認識する。例えば、新たな保留設定情報が図25(A)の3番目の保留設定情報である場合を考える。この場合、保留1個目(保留順位1)で作用演出が実行されることが認識される。更に、演出制御用CPU120は、作用演出が実行される保留順位と、対応する新たな保留設定情報内の保留順位とが一致するか否かを判定する。作用演出が実行される保留順位と、対応する保留設定情報内の保留順位とが一致しない場合、上述と同様、演出制御用CPU120は、その新たな保留設定情報内の表示色の遷移と、その新たな保留設定情報が何番目であるか(保留順位)とに基づいて、表示色を認識する。更に、演出制御用CPU120は、認識した表示色の丸形保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。一方、作用演出が実行される保留順位と、対応する保留設定情報内の保留順位とが一致する場合、演出制御用CPU120は、その新たな保留設定情報内の表示色の遷移と、その新たな保留設定情報が何番目であるか(保留順位)とに基づいて定まる表示色の1つ前の表示色を認識する。更に、演出制御用CPU120は、認識した表示色の丸形保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力指令に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに、認識された表示色の新たな丸形保留表示を表示させる。
再び、図17に戻って説明する。現在の演出プロセスフラグの値が“4”以上でない場合(ステップS603;No)、図19に示す動作に移行し、演出制御用CPU120は、特別演出期間中残り変動カウント値を0に設定する(ステップS641)。特別演出期間中残り変動カウント値が0に設定されることは、特別演出期間でなくなることを意味する。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する保留設定情報(新たな保留表示に対応する保留設定情報)を追加し、その追加した新たな保留設定情報について丸形保留表示を行うものに設定する(ステップS641)。
ステップS641の段階では、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報は存在しない。このため、演出制御用CPU120は、ステップS601において入力が確認された第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口コマンドに対応する新たな保留表示に対応する保留設定情報を1つ追加し、その追加した新たな保留設定情報について、保留表示の表示態様を丸形保留表示に設定する。
次に、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報に対応する新たな丸形保留表示について表示色の遷移が青色のままとなるように決定し、ステップS641において追加した保留設定情報に設定する(ステップS642)。
次に、演出制御用CPU120は、作用演出無しを、ステップS641において追加した新たな保留設定情報に設定する(ステップS644)。
次に、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報に基づいて、新たな丸形保留表示の制御を行う(ステップS645)。例えば、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報に基づいて、保留表示の表示態様を認識する。ここでは、新たな保留設定情報内の保留表示の表示態様は丸形保留表示である。次に、演出制御用CPU120は、新たな保留設定情報内の表示色の遷移と、その新たな保留設定情報が何番目であるか(保留順位)とに基づいて、表示色を認識する。例えば、保留設定情報が図25(A)の4番目の保留設定情報である場合を考える。この場合、保留順位が4番目であるため、演出制御用CPU120は、表示色遷移の右から4番目の色である黄色を認識する。更に、演出制御用CPU120は、認識した表示色の丸形保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力指令に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに、認識された表示色の新たな丸形保留表示を表示させる。
再び、図16に戻って説明する。ステップS160における先読み処理の後、次に、演出制御用CPU120は、操作対応処理を行う(ステップS161)。
図20は、図15のステップS161にて実行される操作対応処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すように、まず、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31が押下されたか否かを判定する(ステップS671)。例えば、演出制御用CPU120は、プッシュセンサ35Bからの検出信号が入力された場合、プッシュボタン31Bが押下されたと判定し、入力されていない場合、プッシュボタン31Bが押下されていないと判定する。
プッシュボタン31Bが押下されていない場合(ステップS671;No)、操作対応処理が終了する。一方、プッシュボタン31Bが押下された場合(ステップS671;Yes)、演出制御用CPU120は、ボタン保留表示に対応する保留設定情報があるか否かを判定する(ステップS672)。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122内の各保留設定情報のうち、保留表示の表示態様がボタン保留表示となっているものがあるか否かを判定する。
ボタン保留表示に対応する保留設定情報がある場合(ステップS672;Yes)、演出制御用CPU120は、最古のボタン保留表示に対応する保留設定情報、換言すれば、保留表示の表示態様がボタン保留表示である保留設定情報のうち、保留順位が最も高い保留設定情報について、保留表示の表示態様をボタン保留表示から丸形保留表示に変更する(ステップS673)。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS673において、保留表示の表示態様をボタン保留表示から丸形保留表示に変更した保留設定情報の保留順位と、その保留設定情報内の表示色の遷移とに基づいて、ボタン保留表示から変更される丸形保留表示の表示色を決定する(ステップS674)。
例えば、保留設定情報が図25(B)の5番目の保留設定情報である場合(但し、保留表示の表示態様は丸形保留表示に変更されている)を考える。この場合、保留順位が5番目であるため、演出制御用CPU120は、表示色遷移の右から4番目の色である黄色を決定する。
更に、演出制御用CPU120は、保留表示の表示態様をボタン保留表示から丸形保留表示に変更した保留設定情報に基づいて、ボタン保留表示のうち、最上位のボタン保留表示について、ステップS674において決定された表示色の丸形保留表示に変更して表示させる保留表示の制御を行う(ステップS675)。
例えば、演出制御用CPU120は、保留表示の表示態様をボタン保留表示から丸形保留表示に変更した保留設定情報の保留順位に基づいて、最上位のボタン保留表示を特定する。更に、演出制御用CPU120は、特定したボタン保留表示を決定した表示色の丸形保留表示に変更するための出力指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力指令に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、最上位のボタン保留表示を決定された表示色の丸形保留表示に変更して表示させる。
一方、ボタン保留表示に対応する保留設定情報がない場合(ステップS672;No)、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの押下に応じてボタン保留表示を丸形保留表示に変更する演出(変化演出)以外の遊技者の操作に応じた演出である、他の操作演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS676)。例えば、RAM122内には、他の操作演出が実行中であるか否かを示す他操作演出実行中フラグが設定される。演出制御用CPU120は、他操作演出実行中フラグがオンである場合、他の操作演出が実行中であると判定する。
他の操作演出が実行中である場合(ステップS676;Yes)、演出制御用CPU120は、その他の操作演出の実行のための制御を行う(ステップS677)。一方、他の操作演出が実行中でない場合(ステップS676;No)、操作対応処理が終了する。
再び、図16に戻って説明する。ステップS161における操作対応処理の後、演出制御用CPU120は、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
図26は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1〜PA2−4)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄
決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「
中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525の後、演出制御用CPU120は、作用演出が実行される保留記憶があるか否かを判定する(ステップS526)。例えば、演出制御用CPU120は、各保留設定情報のうち、作用演出の有無が作用演出有りである保留設定情報を特定する。更に、演出制御用CPU120は、特定した保留設定情報の保留順位と、作用演出が何個目の保留記憶に対応する可変表示中に実行されるかを示す情報とが一致するか否か、換言すれば、今回の可変表示中に作用演出が実行されるか否かを判定し、今回の可変表示中に作用演出が実行される場合には、作用演出が実行される保留記憶があると判定する。
作用演出が実行される保留記憶がある場合(ステップS526;Yes)、演出制御用CPU120は、作用演出の演出パターン設定処理を行う(ステップS527)。
作用演出の演出パターンの設定後(ステップS527の後)、又は、作用演出が実行される保留記憶がない場合(ステップS526;No)、演出制御用CPU120は、演出パターンの設定処理を行う(ステップS529)。
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS527やステップS529において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。ここで、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの押下に応じてボタン保留表示を丸形保留表示に変更する演出以外の演出であって、プッシュボタン31Bに対する操作を行った後に実行される所定の演出(他操作演出)については、実行が制限される場合(例えば実行制限フラグがオンである場合)には、当該他操作演出の実行を制限した演出制御パターンを選択する。なお、他操作演出とは、例えば、ボタン保留表示の表示後に所定の操作が行われることでキャラクタや文書が表示される演出、異なる表示に変更される演出、可動演出部材60を動作させる演出、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光態様を変更させる演出等を含む。なお、他操作演出は、遊技者の操作によらず、赤外線センサ等により遊技者の動作を検出し、その動作に対応する演出であってもよい。
続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
次に、演出制御用CPU120は、可変表示開始時保留表示更新設定を行う(ステップS533)。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122内に記憶されている保留設定情報のうち、最古のボタン保留表示に対応する保留設定情報、換言すれば、保留設定情報のうち、保留順位が最も高い保留設定情報を削除する。次に、演出制御用CPU120は、残りの保留設定情報内の保留順位を1つ繰り上げる更新処理を行う。更に、演出制御用CPU120は、更新後の残りの保留設定情報に基づいて、それまでの保留表示の数から1つ減少した保留表示を表示させるシフト表示の制御を行う。シフト表示の制御においては、演出制御用CPU120は、各保留設定情報のそれぞれに基づいて、各保留表示の表示態様を認識する。次に、保留設定情報内の保留表示の表示態様がボタン保留表示である場合には、演出制御用CPU120は、その保留設定情報に対応して、ボタン保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。一方、保留設定情報内の保留表示の表示態様が丸形保留表示である場合には、演出制御用CPU120は、その保留設定情報内の表示色の遷移と、その新たな保留設定情報が何番目であるか(保留順位)とに基づいて、表示色を認識する。更に、演出制御用CPU120は、認識した表示色の丸形保留表示とする出力指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力指令に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに、ボタン保留表示や、認識された表示色の新たな丸形保留表示を表示させる。
次に、演出制御用CPU120は、特別演出期間中カウント処理を行う(ステップS534)。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122内に設定された特別演出期間中残り変動カウント値が1〜8の何れかである場合、その値を1減算する。なお、特別演出期間中残り変動カウント値が0である場合には、ここで減算は行われなくてよい。また、ステップS525において大当りの最終停止図柄が決定された場合、換言すれば、今回の可変表示の結果が大当りとなる場合には、特別演出期間中残り変動カウント値を一律0として特別演出期間を終了させる設定が行われてもよい。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
再び、図16に戻って説明する。ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。
図27は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS541;No)、演出制御用CPU120は、作用演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS542)。例えば、図26のステップS527において作用演出に対応する演出パターンが設定され、更に、ステップS530において、作用演出に対応する演出制御パターンが選択された場合には、演出制御用CPU120は、作用演出に対応する演出制御パターンに基づいて、作用演出実行期間であるか否かを判定することができる。
作用演出実行期間である場合(ステップS542;Yes)、演出制御用CPU120は、作用演出の実行制御を行う(ステップS543)。例えば、演出制御用CPU120は、作用演出に対応する演出制御パターンの各情報(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に演出画像(キャラクタ画像、表示色が変化する保留表示の画像など)を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった作用演出の実行制御を行う。
作用演出実行制御の後(ステップS543の後)、又は、作用演出実行期間でない場合(ステップS542;No)、次に、演出制御用CPU120は、リーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS544)。例えば、図26のステップS529においてリーチ演出に対応する演出パターンが設定され、更に、ステップS530において、リーチ演出に対応する演出制御パターンが選択された場合には、演出制御用CPU120は、リーチ演出に対応する演出制御パターンに基づいて、リーチ演出実行期間であるか否かを判定することができる。
リーチ演出実行期間である場合(ステップS544;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ演出の実行制御を行う(ステップS545)。例えば、演出制御用CPU120は、リーチ演出に対応する演出制御パターンの各情報(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5にリーチ演出の画像を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった作用演出の実行制御を行う。
次に、演出制御用CPU120は、作用演出やリーチ演出以外の各種演出の実行制御を行う(ステップS546)。上述と同様、例えば、演出制御用CPU120は、各種演出に対応する演出制御パターンの各情報(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5にリーチ演出の画像を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった作用演出の実行制御を行う。
一方、ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS541;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS547)。
図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がない場合(ステップS547;No)、演出制御用CPU120は、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
一方、図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS547;Yes)、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して、停止表示されている特殊画像を消去して飾り図柄を表示させて、確定飾り図柄(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄、消去される特殊画像は、この確定飾り図柄を構成する飾り図柄を覆うように配置される。)を導出表示させる制御を行う(ステップS548)。
更に、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS549)。更に、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS550)、可変表示中演出処理を終了する。
再び、図16に戻って説明する。ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS175の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図28〜図32は、保留表示の遷移の第1の例〜第5の例を示す図である。
図28は、全ての保留表示がボタン保留表示となる場合の例である。図28(A)に示すように、保留記憶数が6であることに対応して、6つの保留表示701〜707が丸形保留表示で表示された状態から、保留記憶数が1増加すると、図28(B)に示すように、保留表示707が追加され、丸形保留表示で表示される。更に、保留記憶巣が1増加して上限値の8になった場合には、図28(C)に示すように、全ての保留表示701〜708をボタン保留表示に変化させるための演出が実行されて、演出画像720が表示され、その後、図28(D)に示すように、全ての保留表示701〜708がボタン保留表示に変更される。なお、本実施形態では、特別演出期間とボタン保留表示が表示されている期間とは一致しないため、図28(A)〜(D)に示すように、特別演出期間であることを示す「保留変化チャンス」との表示が行われることにより、ボタン保留表示が表示され、通常時よりも保留表示の態様が変化しやすいことが報知される。なお、この報知は、特別演出期間の残り時間や残り変動回数を表示するものでもよいし、通常とは異なる特別な背景画像が表示されるものでもよいし、特別なキャラクタが表示されるものでもよい。
図29は、プッシュボタン31Bの押下に応じて、ボタン保留表示が丸形保留表示に変化する場合の例である。図29(A)に示すように、全ての保留表示701〜708がボタン保留表示で表示された状態において、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、図29(B)に示すように、最古(1番目)の保留記憶に対応する保留表示701がボタン保留表示から丸形保留表示に変化する。このとき、丸形保留表示の表示色は対応する保留設定情報内の表示色の遷移と保留順位とに基づいて一意に定まる。次に、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、図29(C)に示すように、2番目の保留記憶に対応する保留表示702がボタン保留表示から丸形保留表示に変化する。更に、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、図29(D)に示すように、3番目の保留記憶に対応する保留表示702がボタン保留表示から丸形保留表示に変化する。なお、上述と同様、図29(A)〜(D)に示すように、特別演出期間であることを示す「保留変化チャンス」との表示が行われることにより、ボタン保留表示が表示され、通常時よりも保留表示の態様が変化しやすいことが報知される。
図30は、図29に示す状態から、遊技者がプッシュボタン31Bを押下することにより、ボタン保留表示が丸形保留表示に変化し、更に保留記憶が一部消化された後であって、特別演出期間が継続している場合において、新たな保留記憶がボタン保留表示で表示される場合の例である。図30(A)に示すように、一部の保留記憶が消化されて、残りの保留表示704〜707が丸形保留表示、保留表示708がボタン保留表示で表示された状態において、保留記憶数が1増加すると、特別演出期間が継続しているため、、図30(B)に示すように、保留表示709が追加され、ボタン保留表示で表示される。更に、図30(C)に示すように、可変表示が終了して確定図柄が表示されると、次の可変表示の開始時において、図30(D)に示すように、シフト表示が行われる。このとき、保留表示のうち、各丸形保留表示の表示色は、対応する保留設定情報内の表示色の遷移と保留順位とに基づいて一意に定まり、シフト表示とともに変化し、一方、作用演出は実行されない。なお、上述と同様、図30(A)〜(D)に示すように、特別演出期間であることを示す「保留変化チャンス」との表示が行われることにより、ボタン保留表示が表示され、通常時よりも保留表示の態様が変化しやすいことが報知される。
図31は、図30に示す状態の後、特別演出期間が終了した場合の例である。図31(A)に示すように、保留表示705〜708が丸形保留表示、保留表示709がボタン保留表示で表示された状態において、図31(B)に示すように特別演出期間が終了すると、図31(C)に示すように、保留表示709は、ボタン保留表示のままであり、更に、図31(D)に示すように、シフト表示が行われても、ボタン保留表示のままである。そして、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、図31(E)に示すように、保留表示709がボタン保留表示から丸形保留表示に変化する。なお、上述と同様、図31(A)に示すように、特別演出期間であることを示す「保留変化チャンス」との表示が行われることにより、ボタン保留表示が表示され、通常時よりも保留表示の態様が変化しやすいことが報知される。更に、その後に特別演出期間が終了した場合には、その旨を示す「保留変化チャンス終了」との表示が行われる。
図32は、作用演出が実行される場合の例である。図32(A)に示すように、保留表示731が白色の丸形保留表示で表示された状態から、図32(B)に示すようにキャラクタ画像730が表示され、保留表示731に対する作用(表示色の変化)を予告する演出が実行される。ここで、保留表示731に対応する保留設定情報内の作用演出の有無が作用演出有りであり、且つ、作用演出が何個目の保留記憶に対応する可変表示中に実行されるかを示す情報が今回の可変表示であることを示す場合には、図32(C)に示すように、作用演出が実行され、保留表示731が白色の丸形保留表示から赤色の丸形保留表示に変化する。一方、保留表示731に対応する保留設定情報内の作用演出の有無が作用演出有りであるが、作用演出が何個目の保留記憶に対応する可変表示中に実行されるかを示す情報が今回の可変表示であることを示していない場合には、作用演出は実行されず、保留表示731が白色の丸形保留表示のままとなる。なお、保留表示731に対応する保留設定情報内の作用演出の有無が作用演出無しである場合には、図32(B)〜(D)の遷移にはならない。
以上、本実施形態では、保留記憶数カウント値に応じて保留表示が表示されるが、保留記憶数カウント値が上限値8であるときには、全ての保留表示がボタン保留表示で表示され得る。その後、全ての保留表示についてのボタン保留表示が開始されてから8回の可変表示が終了するまでの期間である特別演出期間において発生した保留記憶に対応する保留表示についてもボタン保留表示で表示される。但し、演出プロセスフラグの値が4以上でなく(大当り遊技状態でない)、特別演出期間中残り変動カウント値が0でなく、保留記憶数カウント値が上限値8である場合にのみ、全ての保留表示をボタン保留表示で表示する制御を行い、それ以外の場合には、全ての保留表示をボタン保留表示で表示する制御は行われない。
これにより、保留記憶数カウント値が上限値8であっても、演出プロセスフラグの値が4以上である場合や、特別演出期間中残り変動カウント値が0である場合には、全ての保留表示をボタン保留表示で表示する制御は行われないため、他の演出に遊技者が着目しなくなる等が防止され、遊技興趣が向上する。
また、本実施形態では、保留表示がボタン保留表示で表示されているときに、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下が検出された場合には、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させるが、特別演出期間中の場合には、他の期間よりも、大当りの場合に、白色の丸形保留表示に変化させて表示させる確率が高く、更には、白色の丸形保留表示から更に他の色の丸形保留表示に変化させて表示される確率も高くなっている。
これにより、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させるとともに、更に、特定の表示色に変化させる割合を高くし、更に他の表示色にに変化させる割合を高くすることができる、換言すれば、大当りの期待度を高める表示制御を行うことができるため、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させた後の遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出の他に、保留表示を遊技者によるプッシュボタン31B等の操作によらずに変化させる演出である作用演出が実行可能であり、特別演出期間以外では、作用演出が実行され得る一方、特別演出期間では、作用演出は実行されない。
これにより、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出が行われる場合には、作用演出が制限されるため、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出に着目させ、更には、その変化後の遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、大当り遊技状態に制御されるか否かが、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される前に決定される。これにより、その後の大当り遊技状態となることに応じた演出を適切に行うことが可能となる。
また、本実施形態では、プッシュボタン31Bが押下されたことに対応して、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出が実行される場合には、当該演出以外の操作に応じた他の操作演出の実行が制限される。これにより、他の操作演出の実行が制限されて、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出に着目させることができる。
また、本実施形態では、保留記憶数カウント値が上限値8である場合に、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出が実行され得る。これにより、保留記憶の増加がボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出の実行に繋がり、当該演出の効果を高めることができる。
また、本実施形態では、特別演出期間において、プッシュボタン31Bが押下され、ボタン保留表示に対応する保留設定情報がある場合には、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出を実行し、当該演出以外の操作に応じた演出の実行が制限される。これにより、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出に着目させることができる。
また、本実施形態では、特別演出期間中残り変動カウント値が8に設定された後、保留記憶の消化に応じて、特別演出期間中残り変動カウント値が1ずつ減少し、0になると特別演出期間が終了する。これにより、特別演出期間と、ボタン保留表示を丸形保留表示に変化させる演出とを関連付けて、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、丸形保留表示の表示色を変化させることができ、大当りの期待度に応じた表示色が設定される。表示色の遷移は、表示色遷移選択テーブルに基づいて決定されるが、大当りの場合とハズレの場合とで表示色遷移の選択比率が異なっており、図22の表示色遷移選択テーブルBにおいて、白色から黄色、赤色へ変化させる選択比率の合計値の方が、青色から黄色、赤色へ変化させる選択比率の合計値よりも多くなっており、更には、大当りの場合には、保留1個目で白色から赤色に変化する選択比率よりも、保留5個目で白色から赤色に変化する選択比率の方が高く、ハズレの場合には、保留1個目で白色から赤色に変化する選択比率よりも、保留5個目で白色から赤色に変化する選択比率が低くなっている。これにより、遊技者は表示色の変化に着目するため、遊技興趣が向上する。なお、白色から黄色、赤色へ変化させる選択比率の合計値の方が、青色から黄色、赤色へ変化させる選択比率の合計値よりも少なくなっていてもよいし、更には、大当りの場合には、保留1個目で白色から赤色に変化する選択比率よりも、保留5個目で白色から赤色に変化する選択比率の方が低く、ハズレの場合には、保留1個目で白色から赤色に変化する選択比率よりも、保留5個目で白色から赤色に変化する選択比率が高くなっていてもよい。
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。例えば、上記実施形態では、大当り遊技状態の場合に、全ての保留表示をボタン保留表示で表示させる演出が制限されたが、これに限定されず、例えば、スーパーリーチでのリーチ演出の実行中や、表示中の丸形保留表示に赤色の丸形保留表示が含まれる場合には、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させる演出が実行されないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させる場合に、特別演出期間中残り変動開始カウント値を保留記憶数の上限値8に設定し、その後、保留記憶が消化される毎に1減少させて、0になった場合、すなわち、可変表示が8回実行された場合に特別演出期間が終了するようにした。しかし、これに限定されず、また、特別演出期間中残り変動開始カウント値に8以外の所定の数値(例えば、16)を設定し、可変表示がその所定数値に対応する回数実行された場合に特別演出期間が終了するようにしてもよい。また、特別演出期間中残り変動開始カウント値は、複数の数値を設定可能であり、適宜選択して設定するようにしてもよい。また、特別演出期間を可変表示の回数でなく時間(例えば、1分間)で設定し、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させた後の経過時間が所定時間になった場合に、特別演出期間が終了するようにしてもよい。また、また、特別演出期間の時間は、複数の時間を設定可能であり、適宜選択して設定するようにしてもよい。更には、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させた後、プッシュボタン31Bの押下に応じて、全てのボタン保留表示が丸形保留表示に変化したときに特別演出期間が終了するようにしてもよい。また、保留表示の表示色の遷移は、上記実施形態に限定されない。例えば、始動入賞時の最初の保留表示の表示色が赤色や黄色であってもよい。また、黄色から赤色に変化してもよいし、赤色よりも大当りの期待度の高い表示色(例えば金色)に変化したり、大当りであることが確定することを示す表示色(例えば虹色)に変化してもよい。また、表示色の変化の回数は限定されず、3回以上変化してもよく、表示色の変化のタイミングも保留1個目と5個目とに限定されない。また、上記実施形態では、変化後の表示色と変化タイミングとが一括して決定されたが、各々個別に決定されてもよい。例えば、最終的な表示色を決定し、その上で変化の回数とタイミングが決定されてもよい。
また、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させ、特別演出期間が開始されるタイミングについても限定されず、例えば、保留記憶数が上限値の8に達した後、更に保留記憶が発生した場合に、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させ、特別演出期間が開始されるようにしてもよい。また、保留記憶数が上限値の8以下の所定の数値(例えば、4)になった場合に、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させ、特別演出期間が開始されるようにしてもよい。また、例えば、複数のパチンコ遊技機1において、一斉に特別演出期間の開始と終了とが設定されるようにしてもよい。また、1又は複数の条件が成立した場合、例えば、スーパーリーチのリーチ演出が実行され、更に可変表示の結果がハズレとなった後に特別演出期間が開始されるようにしてもよい。また、特別演出期間以外においてもボタン保留表示が表示されてもよい。この場合、特別演出期間後にプッシュボタン31Bの押下に応じてボタン保留表示を丸形保留表示に変更する場合には、特定の表示色(例えば、黄色、赤色)が高い割合で表示されるようにしてもよい。
また、特別演出期間中に、再度、保留記憶数が上限値の8に達した場合には、その都度、特別演出期間が延長されるようにしてもよい。また、大当り遊技状態において、保留記憶数が上限値の8に達した場合には、全ての保留表示がボタン保留表示で表示させる演出は制限されるが、当該演出以外の特別な演出が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図26の可変表示開始設定処理において、保留記憶の消化に応じて特別演出期間中残り変動カウント値を1減少させ、0になった場合には特別演出期間が終了するようにしたが、保留記憶の消化に応じて特別演出期間中残り変動カウント値を1減少させる処理は、図16のステップS173における特図当り待ち処理内で行われるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、プッシュボタン31Bの押下に応じてボタン保留表示を丸形保留表示に変更する演出が実行される場合には、プッシュボタン31B以外の操作部であるスティックコントローラ31A等に対する操作に応じた演出も制限されたが、プッシュボタン31B以外の操作部に対する操作に応じた演出は制限されなくてもよい。また、プッシュボタン31Bの押下に応じてボタン保留表示を丸形保留表示に変更する演出が実行される場合には、プッシュボタン31B以外の操作部に対する操作に応じた演出を制限する一方で、別の演出(例えば、ステップアップ予告演出)が実行されるようにし、一方、制限されていない場合には、プッシュボタン31B以外の操作部に対する操作に応じた演出と、別の演出との何れかが所定の実行割合で実行されるようにしてもよい。また、他操作演出は全て制限されなくてもよく、少なくとも一部の他操作演出が制限されればよい。い。例えば、リーチ前に実行される他操作演出は制限されるが、リーチ後に実行される他操作演出については制限されなくてもよい。また、保留表示を変更するための遊技者の動作を検出する検出手段と同一の検出手段によって検出された遊技者の動作等に対応する操作演出が制限され、異なる検出手段による検出(例えば赤外線カメラによる遊技者の動作の検出)に対応する操作演出は制限されなくてもよい。
また、上記実施形態では、作用演出は、可変表示中に行われるようにしたが、保留記憶が消化されてシフト表示される際に実行されるようにしてもよい。また、上記実施形態では、特別演出期間では、作用演出が実行されないようにしたが、特別演出期間であっても、特別演出期間以外よりも低い確率で作用演出が実行されるようにしてもよい。また、特別演出期間に作用演出が実行される場合には、特別演出期間以外よりも、表示色が変化しない作用演出が実行される確率が低くなるようにしてもよい。
また、大当りの演出中は、保留表示が行われなくてもよい。この場合、保留表示の内容は決定されるが、表示処理は実行されないものでもよい。また、表示処理は実行されるが、大当りの演出の画像が手前に表示されることで、保留表示が隠れるようにしてもよい。
また、8個目の保留記憶に対応する始動入賞が、現在実行中の可変表示の終了間際(例えば、終了1秒前以内)のときは、全ての保留表示をボタン保留表示で表示する演出の実行が制限されてもよい。
また、保留記憶が7であるときの可変表示の期間は、保留記憶が6、5等のときの可変表示の期間よりも長くなる等、保留記憶の数が多いほど、可変表示の期間が長くなるようにしてもよい。これにより、保留記憶が8になる可能性を高くすることができ、更には、保留記憶が8の状態から1つの保留記憶が消化されて7になったときに遊技者にプッシュボタン31Bを操作させるための十分な時間を確保することができ、演出効果を高めることができる。
また、上記実施形態においては、演出制御基板12の演出制御用CPU120が、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
上記実施形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信するが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施形態では、遊技媒体となる遊技球を遊技領域に発射して、特別図柄や飾り図柄を可変表示するパチンコ遊技機1に、特定演出が実行されることを認識可能に報知するための構成や、操作内容に応じて異なる特典を付与するための構成などを、設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも、この発明の特徴となる構成や機能を適用することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機等の他の遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、上記実施形態における「割合」、「確率」なる用語は、70:30のような双方が0以外の数値である場合の割合に限定されず、100:0のような場合をも含む趣旨で用いられる。
また、上記実施形態では、パチンコ遊技機1は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うが、例えば、遊技領域に設けられたアタッカー内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。