JP2015534090A - 流体試料のグルコース濃度又は試料充填エラーを判定するためのバイオセンサの初期試料充填時の試料体積の検出のためのシステム及び方法 - Google Patents
流体試料のグルコース濃度又は試料充填エラーを判定するためのバイオセンサの初期試料充填時の試料体積の検出のためのシステム及び方法 Download PDFInfo
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Abstract
バイオセンサのアッセイに適当な時点で検査シーケンスタイマーを始動することができるように、試料による検査チャンバの充填がほぼ停止した時点の判定を可能とする方法及びシステムについて記載する。この判定を用いて、バイオセンサの最初の充填後にバイオセンサが更なる流体試料によって充填されたか否かを評価することもできる。これらの方法及びシステムにより、より正確な分析物の検査結果を得ることができる。【選択図】図7D
Description
(優先権情報)
本出願は、米国特許法第119条及び第120条、並びにパリ条約の下、2012年11月9日に出願された先の出願である米国特許出願第13/673,119号(代理人整理番号CIL5036USNP)に基づく優先権の利益を主張するものであり、当該出願を恰もその全体が本明細書に記載されているかのように参照により本明細書に援用するものである。
本出願は、米国特許法第119条及び第120条、並びにパリ条約の下、2012年11月9日に出願された先の出願である米国特許出願第13/673,119号(代理人整理番号CIL5036USNP)に基づく優先権の利益を主張するものであり、当該出願を恰もその全体が本明細書に記載されているかのように参照により本明細書に援用するものである。
例えば、血液又は血液由来の製品などの生理学的流体中の分析物を検出することが、今日の社会では重要性を増している。分析物検出アッセイは、臨床検査、家庭検査などを含む様々な用途で用いられており、こうした検査の結果は、広範な疾病状態の診断及び管理において重要な役割を果たしている。目的となる分析物としては、糖尿病の管理のためのグルコース、コレステロールなどが挙げられる。こうした分析物検出の重要性の高まりに応じて、臨床的使用と家庭における使用との両方に対応する多様な分析物検出プロトコール及び装置が開発されてきた。
分析物検出に用いられる方法の種類の1つに電気化学的方法がある。こうした方法では、水性液体試料が、例えば、対電極及び作用電極のような2つの電極を含む電気化学セル内の試料受容チャンバに入れられる。分析物を酸化還元試薬と反応させて、分析物濃度に対応した量の酸化性(又は還元性)物質を形成させる。次いで、存在する酸化性(又は還元性)物質の量を電気化学的に推定して、初期試料中に存在する分析物の量と関連付ける。
こうしたシステムは、非効率性又は誤差を様々な形で生じやすい。
出願人は、参照開始時間からの正確な間隔の関数として特定の出力電流測定のシークエンスが行われる参照開始時間は、流体試料が、バイオセンサの検査チャンバ内への流入を停止した時点が正確に求められない場合には最適とならない可能性があることを認識するに至った。よって、出願人は、試料がバイオセンサの検査チャンバ内への流入を実質的に停止した時点の決定に基づいて、検査測定シークエンスを開始する時点を決定することを可能とする新規な方法をこれまでに発見した。
一態様では、検査ストリップ及び分析物モニタによって流体試料から分析物濃度を決定する方法が提供される。分析物モニタは、検査ストリップポートに結合され、検査ストリップの少なくとも2つの電極に接続された対応するコネクタを受容するように構成されたマイクロプロセッサを有する。本方法は、流体試料を少なくとも2つの電極上に付着する工程と、少なくとも2つの電極により流体試料のキャパシタンスを測定する工程と、測定工程において測定されたキャパシタンスが、第1の閾値を上回るか否かを評価する工程と、測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回らない場合には、測定工程を再び繰り返し、測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回る場合には、流体試料のキャパシタンスを確定する工程と、確定工程において確定されたキャパシタンスが、その前のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はこれよりも小さいかを評価する工程と、確定されたキャパシタンスがその前のキャパシタンスの測定値よりも小さくない場合には、確定工程を再び行い、確定されたキャパシタンスがその前の試料のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はこれよりも小さい場合には、確定されたキャパシタンスを第1のキャパシタンス値として保存し、保存工程の直後に検査シーケンス時間クロックを0に設定することによって、分析物測定検査シーケンス間隔の開始時間を規定する工程と、測定シーケンス間隔の間に、少なくとも2つの電極に、検査シーケンス時間クロックの時点0から開始して一連の電位を印加する工程と、測定検査シーケンス間隔の間に、少なくとも2つの電極から過渡電流出力をサンプリングして一連の過渡電流出力を得る工程と、サンプリング工程の一連の過渡電流出力から分析物濃度を計算する工程と、によって実現することができる。
別の態様では、検査ストリップ及び分析物モニタによって、流体試料から分析物濃度を決定する方法が提供される。分析物モニタは、検査ストリップポートに結合され、検査ストリップの少なくとも2つの電極に接続された対応するコネクタを受容するように構成されたマイクロプロセッサを有する。本方法は、流体試料を少なくとも2つの電極上に付着する工程と、少なくとも2つの電極により流体試料のキャパシタンスを測定する工程と、測定工程において測定されたキャパシタンスが、第1の閾値を上回るか否かを評価する工程と、測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回らない場合には、測定工程を再び繰り返し、測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回る場合には、流体試料のキャパシタンスを確定する工程と、確定工程において確定されたキャパシタンスが、その前のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はこれよりも小さいかを評価する工程と、確定されたキャパシタンスがその前のキャパシタンスの測定値よりも小さくない場合には、確定工程を再び行い、確定されたキャパシタンスがその前の試料のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はこれよりも小さい場合には、確定されたキャパシタンスを第1のキャパシタンス値として保存し、保存工程の直後に検査シーケンス時間クロックを0に設定することによって、分析物測定検査シーケンス間隔の開始時間を規定する工程と、測定シーケンス間隔の間に、少なくとも2つの電極に、検査シーケンス時間クロックの時点0から開始して一連の電位を印加する工程と、時間クロックを0に設定する工程の後、検査シーケンス間隔の間のキャパシタンスを測定する工程と、検査シーケンス間隔の間に測定されたキャパシタンスを第2のキャパシタンスとして保存する工程と、第2のキャパシタンスの大きさが、第1のキャパシタンスよりも大きいか否かを評価する工程と、評価する工程が、第2のキャパシタンスが第1のキャパシタンスよりも大きいことを示した場合に、検査シーケンス時間クロックの開始後に更なる流体試料が加えられたことによるエラーを通知する工程と、によって実現することができる。
更なる態様では、検査ストリップ及び分析物モニタによって、流体試料から分析物濃度を決定する方法が提供される。分析物モニタは、検査ストリップポートに結合され、検査ストリップの少なくとも2つの電極に接続された対応するコネクタを受容するように構成されたマイクロプロセッサを有する。流体試料を少なくとも2つの電極上に付着する工程と、少なくとも2つの電極により流体試料のキャパシタンスを測定する工程と、測定工程において測定されたキャパシタンスが、第1の閾値を上回るか否かを評価する工程と、測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回らない場合には、測定工程を再び繰り返し、測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回る場合には、流体試料のキャパシタンスを確定する工程と、確定工程において確定されたキャパシタンスが、その前のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はこれよりも小さいかを評価する工程と、確定されたキャパシタンスがその前のキャパシタンスの測定値よりも小さくない場合には、確定工程を再び行い、確定されたキャパシタンスがその前の試料のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はこれよりも小さい場合には、確定されたキャパシタンスを第1のキャパシタンス値として保存し、保存工程の直後に検査シーケンス時間クロックを0に設定することによって、分析物測定検査シーケンス間隔の開始時間を規定する工程と、によって実現することができる。
いっそう更なる態様では、少なくとも1つの分析物検査ストリップ及び検査測定器を有する分析物測定システムが提供される。少なくとも1つの分析物試験ストリップは、その上に配置された試薬を有する基材と、試験チャンバ内の試薬に近接する少なくとも2つの電極と、を含む。分析物測定器は、2つの電極に接続するように配置されたストリップポートコネクタと、電源と、マイクロコントローラと、を含む。マイクロコントローラは、ストリップポートコネクタ及び電源と電気的に接続されることにより、検査ストリップがストリップポートコネクタに挿入され、流体試料が検査チャンバ内に付着されると、流体試料が検査チャンバの充填を停止した時点を決定することによって分析物検査シーケンスの開始時間を規定する。
上記の態様のそれぞれにおいて、以下の特徴のそれぞれを、上記の態様のそれぞれと、又は互いと組み合わせて用いることができる。これらの特徴としては、例えば、所定の周波数の交流信号を少なくとも2つの電極に印加し、少なくとも2つの電極から位相信号を測定すること、キャパシタンス測定用の約10nFの第1の閾値が含まれ、分析物はグルコースであってよい。
これら及び他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の様々な例示的な実施形態のより詳細な説明を、はじめに簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって、当業者にとって明らかになるであろう。
本明細書に援用し、本明細書の一部をなす添付図面は、現時点における本発明の好ましい実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明及び下記に述べる詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は同様の要素を表す)。
好ましい血糖測定システムを示す。
図1Aの測定器内に配置された様々な構成部品を示す。
本明細書に開示されるシステム及び方法における使用に適した、組み立てられた検査ストリップの斜視図を示す。
本明細書に開示されるシステム及び方法で用いるのに適した、組み立てられていない検査ストリップの分解斜視図を示す。
本明細書に開示されるシステム及び方法で用いるのに適した検査ストリップの近位部の拡大斜視図を示す。
本明細書に開示される検査ストリップの一実施形態の底面図である。
図2の検査ストリップの側面図である。
図3の検査ストリップの上面図である。
図4Aの検査ストリップの近位部の部分側面図である。
本明細書に開示される検査ストリップの一部と電気的にインターフェースをとる検査測定器を示す簡略図である。
図5の検査測定器によって、作用及び対電極に対して定められた時間間隔の間、印加される3つのパルス電位波形の例を示す。
生理学的試料によって生成された過渡電流CTを示す。
図6Aの異なる時間間隔について参照データとして開始時間を設定するための最初の試料充填の検出を示す。
最初の充填検出及び体積の検出についてキャパシタンスを測定することが可能なバイオセンサのキャパシタンスモデルを示す。
図7Bのバイオセンサモデルを表す電子回路を示す。
充填時間と、経時的な充填速度の変化率と、充填レベルと、キャパシタンスとの間の関係を、時間に対する充填レベル及びキャパシタンスの関数として示す。
ある試料体積を有するバイオセンサの最初の充填が達成された時点を判定するための第1の方法を示す。
バイオセンサの最初の充填を体積充足率の検出と比較して、バイオセンサに更なる試料が再適用されたか否かを判定する第2の方法を示す。
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は、必ずしも一定の縮尺を有さず、選択された実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
本明細書で使用する任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が本明細書に記載の意図された目的に沿って機能することを可能とするような、好適な寸法の許容誤差を示すものである。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は、任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。
図1Aは、測定器10と、グルコース検査ストリップ62の形態のバイオセンサとを含む、糖尿病管理システムを図示する。測定器(測定器ユニット)は、分析物測定及び管理ユニット、グルコース測定器、測定器、及び分析物測定デバイスと呼ばれる場合もあることに留意されたい。一実施形態において、測定器ユニットは、インスリン送達デバイス、更なる分析物検査デバイス、及び薬物送達デバイスと組み合わされてもよい。測定器ユニットは、ケーブル又は好適なワイヤレス技術、例えば、GSM(登録商標)、CDMA、BlueTooth(登録商標)、WiFi及び同様のものなどによって、リモートコンピュータ又はリモートサーバーと接続されてもよい。
再び図1Aを参照すると、グルコース測定器又は測定器ユニット10は、ハウジング11、ユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)、ディスプレイ14、及びストリップポート開口部22を含むことができる。ユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能とするように構成することができる。ユーザーインターフェースボタン18は、2方向トグルスイッチの形態であってよい。データには、分析物濃度又は個人の日常の生活習慣に関連した情報を表す値が含まれ得る。日常の生活習慣に関連した情報には、個人の食物摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに一般的健康状態及び運動レベルを挙げることができる。メータ10の電子要素は、ハウジング11内部の回路基板34上に配置され得る。
図1Bは、回路基板34の上面上に配置された電子構成要素を(概略的な形で)示す。上面の電子構成要素には、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、マイクロコントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第1の無線モジュール46が含まれる。下面上の電子構成要素としては、電池コネクタ(図示せず)及びデータポート13を挙げることができる。マイクロコントローラ38は、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第1の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、電池、データポート13、並びにユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)に電気的に接続され得る。
オペアンプ回路35は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を提供するように構成された2つ以上のオペアンプを含み得る。ポテンシオスタット機能とは、検査ストリップの少なくとも2つの電極間に検査電圧を印加することを指し得る。電流機能とは、加えられた検査電圧によって生じる検査電流を測定することを指し得る。電流測定は、電流電圧変換器によって行うことができる。マイクロコントローラ38は、例えば、Texas Instrument MSP 430などの混合シグナルマイクロプロセッサ(MSP)の形態であってよい。TI−MSP 430は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を実行するようにも構成され得る。更に、MSP 430は揮発性及び不揮発性メモリも含み得る。別の実施形態では、電子部品の多くは、特定用途向け集積回路(ASIC)の形態のマイクロコントローラと一体化されてもよい。
ストリップポートコネクタ22は、検査ストリップと電気的接続を形成するように構成されてもよい。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成されてもよい。ディスプレイ14は、測定されたグルコース濃度を報告し、生活習慣に関連した情報の入力を容易にするための、液晶ディスプレイの形態であってよい。ディスプレイ14は、場合により背面照明を含んでもよい。データポート13は、接続リード線に取り付けられた好適なコネクタを受容することにより、血糖メータ10をパーソナルコンピュータなどの外部デバイスに接続することができるようになっている。データポート13は、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなど、データ送信を可能にする任意のポートであってよい。クロック42は、ユーザーが位置する地理的領域に関連する現在時刻を維持し、また時間を計測するように構成され得る。測定器ユニットは、例えば、電池などの電源に電気的に接続されるように構成され得る。
図1C〜図1E、図2、図3、及び図4Bは、本明細書に記載の方法及びシステムと共に使用するのに適した例示的な検査ストリップ62の様々な図を示す。代表的な実施形態では、図1Cに図示されるように、遠位端80から近位端82まで延び、かつ側縁部56、58を有する細長い本体を含む検査ストリップ62が提供される。図1Dに示されるように、検査ストリップ62はまた、第1の電極層66と、第2の電極層64と、2つの電極層64と66との間に挟まれるスペーサ60と、を含む。第1の電極層66は、第1の電極66と、第1の接続トラック76と、第1の接触パッド67と、を含むことができ、図1D及び図4Bに示されるように、第1の接続トラック76は、第1の電極66を第1の接触パッド67に電気的に接続する。図1D及び図4Bに示されるように、第1の電極66は、試薬層72の直下にある第1の電極層66の部分であることに留意されたい。同様に、第2の電極層64は、第2の電極64と、第2の接続トラック78と、第2の接触パッド63と、を含むことができ、図1D、図2、及び図4Bに示されるように、第2の接続トラック78は、第2の電極64を第2の接触パッド63に電気的に接続する。図4Bが示すように、第2の電極64は、試薬層72の上方にある第2の電極層64の部分であることに留意されたい。
図に示されるように、試料受容チャンバ61は、図1D及び図4Bに示されるように、第1の電極66、第2の電極64、及び検査ストリップ62の遠位端80の近くのスペーサ60によって画定される。第1の電極66及び第2の電極64は、図4Bに図示されるように、試料受容チャンバ61の底部及び上部をそれぞれ画定することができる。スペーサ60の切り欠き領域68は、図4Bに図示されるように、試料受容チャンバ61の壁部を画定することができる。一態様において、試料受容チャンバ61は、図1C〜図1Eに示されるように、試料入口又は脱気孔を提供するポート70を含んでもよい。例えば、ポートの1つは流体試料が入るのを可能にし、他のポートは空気が出るのを可能にし得る。
代表的な実施形態では、試料受容チャンバ61(若しくは検査セル又は検査チャンバ)の容量は小さくてもよい。例えば、チャンバ61は、約0.1マイクロリットル〜約5マイクロリットル、約0.2マイクロリットル〜約3マイクロリットル、又は好ましくは、約0.3マイクロリットル〜約1マイクロリットルの範囲内の容量を有してもよい。小さな試料容量を提供するために、切り欠き68は、約0.01cm2〜約0.2cm2、約0.02cm2〜約0.15cm2、又は好ましくは、約0.03cm2〜約0.08cm2の範囲の面積を有してもよい。更に、第1の電極66及び第2の電極64は、約1マイクロメートル〜約500マイクロメートルの範囲、好ましくは約10マイクロメートル〜約400マイクロメートルの範囲、より好ましくは約40マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲内で離間していてもよい。電極の間隔が比較的近いことは、酸化還元サイクルを発生させることも可能となり、その場合、第1の電極66で発生する酸化された媒介物質は、第2の電極64に拡散して還元され、続いて第1の電極66に拡散して戻って再び酸化される。電極の様々なそうした容量、面積、又は間隔は、本開示の趣旨及び範囲内であることを当業者なら理解するであろう。
一実施形態において、第1の電極層66及び第2の電極層64は、金、パラジウム、炭、銀、プラチナ、酸化スズ、イリジウム、インジウム、又はこれらの組み合わせ(例えば、インジウムドープ酸化スズ)などの材料から形成される導電材料であってもよい。更に、電極は、スパッタリング、化学めっき法、又はスクリーン印刷法によって導電材料を絶縁シート(図示せず)の上に配置することによって形成されてもよい。1つの代表的な実施形態において、第1の電極層66及び第2の電極層64は、それぞれ、スパッタされたパラジウム及びスパッタされた金から作製することができる。スペーサ60として使用することができる好適な材料としては、例えば、プラスチック(例えば、PET、PETG、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン)、シリコン、セラミック、ガラス、接着剤、及びこれらの組み合わせなどの様々な絶縁材料が挙げられる。一実施形態において、スペーサ60は、ポリエステルのシートの両面にコーティングされた両面接着剤の形態であってもよく、その場合、接着剤は、感圧性接着剤又は加熱活性化接着剤であってもよい。第1の電極層66、第2の電極層64、又はスペーサ60用の種々のその他の材料が、本開示の趣旨及び範囲内である点に出願人は触れておく。
第1の電極66又は第2の電極64のいずれかは、印加された試験電圧の大きさ又は極性に応じて、作用電極の機能を実行することができる。作用電極は、還元された媒介物質の濃度に比例する限界検査電流を測定することができる。例えば、電流制限種が還元された媒介物質(例えば、フェロシアニド)の場合、第2の電極64に関して検査電圧が酸化還元媒介物質の電位よりも十分に大きい限り、その媒介物質は第1の電極66で酸化され得る。このような状況では、第1の電極66は作用電極の機能を果たし、第2の電極64は対電極/参照電極の機能を果たす。対電極/参照電極を単に参照電極又は対電極として参照してもよいことに出願人は触れておく。制限酸化は、測定された酸化電流が、バルク溶液から作用電極表面へ拡散する還元された媒介物質の流量に比例するように、全ての還元された媒介物質が作用電極面で枯渇したときに生じる。「バルク溶液」という用語は、枯渇領域内に還元された媒介物質が位置しない、作用電極から十分に離れた溶液の一部を指す。検査ストリップ62に関して特に明記しない限り、以下、検査測定器10により印加された電位は全て、第2の電極64に関して記述されるものであることに留意すべきである。
同様に、検査電圧が酸化還元媒介物質の電位より十分に低い場合には、その還元された媒介物質は次に、制限電流として第2の電極64で酸化され得る。このような状況では、第2の電極64は作用電極の機能を実行し、第1の電極66は対電極/参照電極の機能を実行する。
初めに、分析は、所定量の流体試料をポート70を介して試料受容チャンバ61内に導入することを含み得る。一態様において、ポート70又は試料受容チャンバ61は、毛細管作用により流体試料が試料受容チャンバ61を充填するように構成され得る。第1の電極66又は第2の電極64は、試料受容チャンバ61の毛管現象を促進するために、親水性試薬でコーティングされてもよい。例えば、2−メルカプトエタンスルホン酸などの親水性部分を有するチオール誘導体化試薬を、第1の電極又は第2の電極にコーティングしてもよい。
上記のストリップ62の分析では、試薬層72は、PQQ補助因子をベースとしたグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)及びフェリシアニドを含むことができる。別の実施形態では、PQQ補助因子をベースとした酵素GDHは、FAD補助因子をベースとした酵素GDHと置き換えられてもよい。血液又は対照溶液が試料反応チャンバ内に投入されると、グルコースは、下の化学変化T.1に示されるように、GDH(ox)により酸化され、このプロセスにおいてGDH(ox)をGDH(red)に変化させる。GDH(ox)はGDHの酸化状態を指し、GDH(red)はGDHの還元状態を指すことに留意されたい。
T.1 D−グルコース+GDH(ox)→グルコン酸+GDH(red)
T.1 D−グルコース+GDH(ox)→グルコン酸+GDH(red)
次に、GDH(red)は、下の化学変化T.2に示すように、フェリシアニド(即ち、酸化された媒介物質又はFe(CN)6 3−)により活性化した酸化状態に戻る。GDH(ox)を再生する処理において、T.2に示すように、フェロシアニド(即ち、還元された媒介物質又はFe(CN)6 4−)がこの反応により生成される。
T.2 GDH(red)+2Fe(CN)6 3−→GDH(ox)+2Fe(CN)6 4−
T.2 GDH(red)+2Fe(CN)6 3−→GDH(ox)+2Fe(CN)6 4−
図5は、第1の接触パッド67a、67b及び第2の接触パッド63とインターフェースをとる検査測定器100を示す簡略図を提供する。図2に図示されるように、第2の接触パッド63を使用して、検査測定器に対する電気的接続を、U字形の切欠き部65を介して確立することができる。一実施形態において、検査測定器100は、図5に示されるように、第2の電極コネクタ101と、第1の電極コネクタ(102a、102b)と、検査電圧ユニット106と、電流測定ユニット107と、プロセッサ212と、記憶装置210と、表示装置202とを備え得る。第1の接触パッド67は、67a及び67bで表わされる2つのプロングを含むことができる。1つの代表的な実施形態において、第1の電極コネクタ102a及び102bはそれぞれ、プロング67a及び67bに別々に接続される。第2の電極コネクタ101は、第2の接触パッド63に接続することができる。検査測定器100は、検査ストリップ62が検査測定器10に電気的に接続されているか否かを判定するために、プロング67aと67bとの間の抵抗又は電気的導通を測定することができる。ここで電極64及び66を用い、交流信号を用いて試料の物理特性を検出することができる。あるいは、別の更なる電極を検査チャンバ内に設けることによって交流信号を用いた試料の物理特性を可能としてもよい。
測定器10は、複数の電圧を検査ストリップ62に印加し、かつ検査ストリップ62の検査チャンバ内の電気化学反応により生じる過渡電流出力を測定するために使用されてもよい電子回路を含んでもよい。測定器10は、本明細書に開示されるように、流体試料中の分析物濃度を判定する方法のための一連の命令を含む信号プロセッサも含んでもよい。
知られているように、ユーザーは、検査ストリップを検査測定器のストリップポートコネクタに挿入することで検査ストリップの少なくとも2つの電極をストリップ測定回路と接続させる。これにより測定器100が起動され、測定器100は、第1の接触パッド67と第2の接触パッド63との間に、試験電圧又は電流を印加することができる。工程602においてストリップ62が挿入されたことを試験測定器100が認識した時点で、試験測定器100が流体検出モードを開始する。流体検出モードでは、検査測定器100は、約1マイクロアンペアの定電流を第1の電極66と第2の電極64との間に印加する。検査ストリップ62は最初乾燥しているため、検査測定器10によって測定される電圧は比較的大きい。流体試料が検査チャンバ上に付着されると、試料は第1の電極66と第2の電極64との間の間隙を架橋し、検査測定器100は、所定の閾値よりも低い、測定電圧の低下を測定し、これにより検査測定器10は、第1の電圧E1を印加することによりグルコース検査を自動的に開始する。
図6Aにおいて、試料中の分析物は、ストリップ充填(図7A)の検出により設定され、第1の長さt1の間、電位をE1に設定する検査シーケンスタイマーによって、T=0における検査シーケンスの開始とともに開始する検査チャンバ内における電気化学反応によって1つの形態(例えば、グルコース)から別の形態(例えば、グルコン酸)に変換される。システムは、第1の電圧をE1から、第1の電圧と異なる第2の電圧E2に第2の長さt2の間、切り換える(図6A)ことによって進行し、次いでシステムは、第2の電圧を、第2の電圧E2と異なる第3の電圧E3に第3の長さt3の間変化させる(図6A)。
図6Aは、所定の間隔で検査ストリップ62に印加される複数の検査電圧の例示的な図である。複数の検査電圧は、充填検出回路が、試料が加えられたことを示した場合に、システムが開始時間(T=0)を設定することで開始する第1の時間間隔t1にわたった第1の検査電圧E1を含み得る。t1後、第2の時間間隔t2にわたった第2の検査電圧E2が印加され、第3の時間間隔t3にわたって第3の検査電圧E3が印加される。第3の電圧E3の起電力の大きさ、極性、又はこれら両方の組み合わせは、第2の検査電圧E2と異なっていてもよい。好ましい実施形態において、E3はE2と同じ大きさであるが、極性が逆であってもよい。グルコース試験の時間間隔tGは、グルコース試験を実施する時間量を示す(但し、グルコース試験に関連する全算出期間とは限らない)。グルコース試験の時間間隔tGは、約1.1秒〜約5秒の範囲であってもよい。更に、図6Aに図示されるように、第2の試験電圧E2は、直流(DC)検査電圧成分及び重畳された交流(AC)、すなわち交互に振動する検査電圧成分を含んでもよい。重畳された交流又は振動検査電圧成分は、tcapで示される時間間隔にわたって印加される。この重畳された交流電圧は、ストリップが、充分な量の検査対象となる流体試料を有しているか否かを判定するために用いられる。電気化学的検査を行うための充分な量を判定するためのこの方法の詳細については、米国特許第7,195,704号、同第6,872,298号、同第6,856,125号、同第6,797,150号に図示及び説明されており、これらの文書の複写を補遺に添付し、恰も本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に援用するものである。
時間間隔のいずれかにおける複数の検査電流値の測定は、1マイクロ秒毎に約1回の測定から100ミリ秒毎に約1回の測定の範囲のサンプリング頻度、好ましくは、約10〜約50ミリ秒毎に約1回の測定の頻度で行うことができる。ここでは3つの検査電圧が順次用いられる実施形態について述べているが、グルコース検査は、異なる数の開回路及び検査電圧を含んでもよい。例えば、別の実施形態として、グルコース検査は、第1の時間間隔における開回路と、第2の時間間隔における第2の検査電圧と、第3の時間間隔における第3の検査電圧とを含み得る。名称「第1」、「第2」、及び「第3」は便宜上選択されたものであり、検査電圧が印加される順番を必ずしも反映するものではないことに留意されたい。例えば、一実施形態では、第1及び第2の検査電圧を印加する前に第3の検査電圧が印加される電位波形を有してもよい。
この例示的なシステムでは、システムのプロセスは、第1の電極66と第2の電極64との間に第1の時間間隔t1(例えば、図6Aでは1秒)にわたって第1の検査電圧E1(例えば、図6Aにおけるおよそ20mV)を印加することができる。第1の時間間隔t1は、約0.1秒〜約3秒の範囲、好ましくは約0.2秒〜約2秒の範囲、最も好ましくは約0.3秒〜約1.1秒の範囲とすることができる。
第1の時間間隔t1は、試料受容又は検査チャンバ61が完全に試料で充填され、試薬層72が少なくとも部分的に溶解又は溶媒和し得るように充分な長さとすることができる。一態様において、第1の検査電圧E1は、比較的小さな還元又は酸化電流が測定されるように媒介物質の酸化還元電位に比較的に近い値とすることができる。図6Bは、第2の時間間隔t2及び第3の時間間隔t3と比べて、第1の時間間隔t1の間に比較的小さな電流が観察されたことを示している。例えば、フェリシアニド又はフェロシアニドを媒介物質として用いた場合、図6Aの第1の試験電圧E1は、約1mV〜約100mVの範囲、好ましくは約5mV〜約50mVの範囲、及び最も好ましくは約10mV〜約30mVの範囲であり得る。印加電圧は、好ましい実施形態では正の値として与えられているが、負の領域の同じ電圧を用いて特許請求の範囲に記載される発明の所望の目的を達成することができる。
再び図6Aを参照すると、第1の試験電圧E1を印加した後、検査測定器10は、第1の電極66と第2の電極64との間に第2の試験電圧E2(例えば、図6Aではおよそ300mV)を、第2の時間間隔t2(例えば、図6Aでは約3秒間)にわたって印加する。第2の検査電圧E2は、第1の検査電圧E1と異なる値であってもよく、制限酸化電流が第2の電極64で測定されるように、媒介物質の酸化還元電位に対して充分に大きな負であってよい。例えば、フェリシアニド及びフェロシアニドを媒介物質として用いる場合、第2の試験電圧E2は、約0mV〜約600mVの範囲、好ましくは100mV〜約600mVの範囲であってよく、より好ましくは約300mVである。
第2の時間間隔t2は、還元された媒介物質(例えば、フェロシアニド)の生成速度を制限酸化電流の大きさに基づいて監視することができるように、充分に長くなければならない。還元された媒介物質は、試薬層72による酵素反応により生成される。第2の時間間隔t2の間、還元された媒介物質の制限量が第2の電極64で酸化され、酸化された媒介物質の非制限量が第1の電極66で還元されることで、第1の電極66と第2の電極64との間に濃度勾配が生じる。
例示的な実施形態では、第2の時間間隔t2も、充分な量のフェリシアニドが第2の電極64に分散され得るように、又は第1の電極上の試薬から分散され得るように、充分に長くなければならない。第3の検査電圧E3の間に、第1の電極66でフェロシアニドを酸化させるための制限電流が測定されるように、第2の電極64において充分な量のフェリシアニドが要求される。第2の時間間隔t2は、約60秒未満であってもよく、好ましくは約1.1秒〜約10秒、より好ましくは約2秒〜約5秒の範囲であってもよい。同様に、図6Aでtcapと指示された時間区分はまた、時間の範囲を超えて持続してもよいが、1つの代表的な実施形態では約20ミリ秒の長さである。1つの代表的な実施形態において、重畳された交流検査電圧成分は、第2の検査電圧E2を印加後、約0.3秒〜約0.4秒後に印加されて、周波数約109Hz、振幅約+/−50mVの正弦波を誘発する。
図6Bは、第2の時間間隔t2の開始後の相対的に小さなピークipbと、その後に続く第2の時間間隔t2の間の酸化電流の絶対値の漸増を示している。小さいピークipbは、第1の電圧E1から第2の電圧E2への遷移の後、内因性又は外因性の還元剤(例えば、尿酸)の酸化により発生する。その後、小さなピークipbが試薬層72によるフェロシアニドの発生により引き起こされた後に酸化電流の絶対値が漸減し、このフェロシアニドは次いで第2の電極64へと拡散する。
第2の試験電圧E2の印加後、検査測定器10は、第3の時間間隔t3(例えば、図6Aで1秒)にわたって第1の電極66と第2の電極64との間に第3の試験電圧E3(例えば、図6Aの約−300mV)を印加する。第3の検査電圧E3は、第1の電極66で制限酸化電流が測定されるように、媒介物質の酸化還元電位に対して充分に大きな正の値とすることができる。例えば、フェリシアニド又はフェロシアニドを媒介物質として用いる場合、第3の試験電圧E3は、約0mV〜約−600mVの範囲、好ましくは約−100mV〜約−600mVの範囲であってよく、より好ましくは約−300mVである。
第3の時間間隔t3は、第1の電極66の近傍で還元された媒介物質(例えば、フェロシアニド)の拡散を酸化電流強度に基づいてモニターするために充分な長さであってよい。第3の時間間隔t3の間、還元された媒介物質の制限量が第1の電極66で酸化され、また酸化された媒介物質の非制限量が第2の電極64で還元される。第3の時間間隔t3は、約0.1秒〜約5秒、好ましくは約0.3秒〜約3秒、より好ましくは約0.5秒〜約2秒の範囲であってもよい。
図6Bは第3の時間間隔t3の始まりにある相対的に大きなピークipcと、これに続く定常電流iss値への減少を示している。一実施形態において、第2の試験電圧E2は第1の極性を有してもよく、また第3の試験電圧E3は、第1の極性と逆の第2の極性を有してもよい。他の実施形態では、第2の試験電圧E2は、媒介物質の酸化還元電位に対して充分に負であってもよく、また第3の試験電圧E3は、媒介物質の酸化還元電位に対して充分に正であってもよい。第3の検査電圧E3は、第2の検査電圧E2の直後に印加することができる。しかしながら、当業者は、第2及び第3の検査電圧の大きさ及び極性は、分析物濃度を判定する方法に従って選択することができることを理解するであろう。
図6Bを参照すると、システムは工程612において更に、第2の電圧から第3の電圧への変化後に電極からの過渡電流の第2の電流出力を測定し、次いでシステムは、第3の電圧が電極で維持された後の過渡電流の安定状態の電流出力を近似する電流を推定することによって進行する。
過渡電流CTからのグルコース濃度の測定については、発明の名称が「Method and Apparatus for Rapid Electrochemical Analysis」である、2005年9月30日に出願され、2010年7月6日に特許を取得した米国特許第7,749,371号に見ることができ、当該特許の全容を本出願に参照により援用し、補遺の一部として本明細書に添付するものである。
出願人は、検査シーケンスの適当な開始時間(試料が付着された後、検査シーケンスクロックがT=0に設定される時点)は、本明細書で用いられるバイオセンサの試料検知器の性質のために適当でない場合があることを見出した。第1、第2及び第3の間隔のタイミングを決めるためのクロックが、検査シーケンスを開始するための適当な時間に設定されていない場合、グルコース濃度を計算するために図6Bにおいて過渡電流CTがサンプリングされる時点が適当なサンプリング時点ではない場合があり、これにより不正確又は更には誤ったグルコース値の結果につながる可能性がある。これは、バイオセンサ62が別の試料検出電極を用いていないことによるものと考えられる。代わりに、バイオセンサ62は、図7Aに示されるように電極63と電極67とにわたって発生する電圧を監視しつつ、電極63と電極67との間に約600ナノアンペアのほぼ一定の電流を流そうと試みる。
図7Aを参照すると、システムは、t開始後のT付着において試料が最初に付着される時点を決定することができるが、これは、いかなる量の試料も充分に低い抵抗を生じるためにシステムは任意の量の試料が時点T付着の近くで電極上に置かれると直ちに電圧の低下を検出することが可能であることによる。チャンバ61上に最初に付着される所定量の試料が遅すぎて検査チャンバ61が充填されない場合には問題が生じる。これを改善するため、システムは、ローリング平均電圧U平均が約0.5V以下となるまで2個の電極間で検出される電圧のローリング平均(U平均)を取るように設計されている。これにより、図6Aのタイミング間隔t1、t2、及びt3を開始するために、システムがシーケンス検査タイミングクロックをT=0に設定する際にシステムに時間遅れを組み込むことが可能となる。しかしながら、出願人は、流体試料がどれだけ速やかに、又はどれだけ遅く検査チャンバ61を満たそうとも、遅れ時間は通常、約75ミリ秒であることを見出した。試料が高い粘度を有する場合(ヘマトクリット値(%)が高い血液試料など)、75ミリ秒は試料がチャンバに流入するのに充分な時間ではない場合がある。チャンバの充填が不充分であると、検査シーケンスクロックが時間間隔t1、t2、及びt3において0に設定される際に電気化学反応が意図したとおりに進行せず、不正確な結果につながり得る。一方、試料が低い内部摩擦又は低い粘度を有する場合(ヘマトクリット値(%)が低い血液試料など)、検査チャンバに極めて速やかに流入し得る試料となり、検査シーケンスクロックが0に設定される前であっても電気化学反応が所定の時間、進行し得る。その結果、低粘度又は高粘度の試料では、検査シーケンスは試料がチャンバに流入する前に開始してしまうか、又は検査シーケンス(検査シーケンスクロックは0に設定されている)は検査チャンバが完全に満たされる前であっても開始してしまう可能性がある。したがって、適当な時点に検査シーケンスの開始時間を設定することで、バイオセンサの正確性及び精度を更に高めることができると考えられる。
検査シーケンスタイムクロックが開始される前に検査チャンバ61の充填が停止したことをシステムが検出できるようにするため、出願人は、試料充填プロセスのキャパシタンス検出を用いた新規な方法を実行した。この方法では、検査チャンバ61に流入する試料のキャパシタンスを用いて、検査チャンバの試料液による充填が停止した時点を決定する。同時に、キャパシタンスを用いて、検査シーケンスが開始した時点で別の電位の問題を解決するために試料サイズの体積を推定することができる。
しかしながら、この方法の概説を述べる前に、本明細書に述べられるバイオセンサのキャパシタンス検出の簡単な説明を与えておくことは意義があろう。図7Bを参照すると、電極層を有するバイオセンサ検査ストリップ80及び検査セル61が、一連の抵抗器(図7Bに概略的な形態でRPd接点、RPdフィルム、RAu接点、及びRAuフィルム)として表され、検査セル61が、図7Bにおいて、Rセルコンダクタンス及びC二重層を有する抵抗器−コンデンサ並列回路として表されている。本明細書に図7Cとして示されるように、ストリップ80及び検査セル61の抵抗器−コンデンサ並列回路の抵抗は、図7Cにおいて、バイオセンサの金及びパラジウム層に対する直列抵抗器Rストリップと、検査セル61に対する抵抗器Rセル及びコンデンサCの並列回路とを有する回路の形態でモデル化することができる。図7CのこのRC回路では、システムは、周波数f及び二乗平均平方(「RMS」)振幅Vを有する交流電圧を生じ、全電流iTをRMS値及び位相角φとして測定することが可能であり、検査セル61のキャパシタンスCを、ストリップ抵抗率Rストリップ及び測定回路によって生じるあらゆる位相シフトを説明するための適当なオフセットで導出することができる。詳細には、キャパシタンスCは、下式1により求めることができる。
印加される信号の大きさは約50mVであり、周波数は約109Hzである。このキャパシタンス測定法の更なる詳細については、同時係属中の米国特許出願公開第20110208435号、同第20110301861号、及び同第20110309846号に見られるが、これらの出願を本明細書に恰もそれらの全体が記載されているかのように参照により援用する。
図7Dを参照すると、出願人は、試料のキャパシタンスを用いて、流体試料による検査チャンバの充填が停止して検査シーケンスを時間T=0で開始することができる時点を求めることができることを見出した。詳細には、図7Dにおいて、高速デジタルカメラを使用して、充填段階におけるバイオセンサのキャパシタンス測定と比較して検査チャンバの充填が停止するか、又は実際に充填が完了した時点を求めた。図7Dから、適当な試料(例えば、血液、又はこの場合、このストリップで利用可能な最も粘度が高い、すなわち最高粘度のコントロール溶液であるコントロール溶液)が検査チャンバ上に付着されると、測定されるキャパシタンスは、ストリップ充填の開始からおよそ200ミリ秒後にその速度及び方向(又は変曲)が急激に変化するまで増大したことが分かる。キャパシタンスの変曲点は、デジタルカメラで観察される実際の充填状態と比較的よく一致する。このため、キャパシタンス測定値の変曲点を用いて、流体試料による検査ストリップの充填が停止する時点を高い信頼度で示すことにより、検査シーケンスクロックTを0に設定した状態で検査シーケンスを開始することができる。その結果、出願人は、検査ストリップのキャパシタンスの変曲挙動を利用して図8A及び8Bに図示及び説明される新規な方法を実現したものである。
図8Aは、この新規な検査開始時間の設定方法を用いて試料中の分析物濃度を決定するためのロジック800を示している。工程802は、測定器又はモニターが起動されることで開始するが、これは特定の測定器では、バイオセンサの挿入又は電源スイッチの作動によって行うことができる。工程804において検査チャンバ61内の電極上に付着させ、工程806において試料のキャパシタンスを測定することができる。工程808において、測定工程において測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回るか否かについて評価が行われる。測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回らない場合、すなわち工程808が「いいえ」を返す場合、測定工程806が再び繰り返される。これに対して、測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回った場合、すなわち、工程808が「はい」を返す場合、工程810において流体試料の別のキャパシタンスが確定される。工程812において、工程810において確定されたキャパシタンスが、その前のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はそれよりも小さいかについて評価が行われる。確定されたキャパシタンスがその前のキャパシタンスの測定値よりも小さくない場合、すなわち工程812が「いいえ」を返す場合、確定工程810が再び実行され、確定されたキャパシタンスがその前の試料のキャパシタンスの測定値とほぼ同じであるか又はそれよりも小さい(すなわち工程812が「はい」を返す)場合、工程814において、確定されたキャパシタンスが第1のキャパシタンス値「C開始」として保存される。これと同時又はその直ぐ後、システムは更に、検査シーケンス時間のクロックを0に設定することによって、図6A及び6Bにおけるグルコース測定の検査シーケンス間隔TGの参照開始時間をシステムが定義することが可能となる。
簡単にまとめると、マイクロコントローラ106を含む本明細書に述べられるシステムは、(電極との接続を介して)流体試料による検査チャンバ61の充填が停止した時点を(工程806〜812により、試料のキャパシタンスの変化の変曲点の検出により)決定することによって、分析物検査シーケンスの開始時間T=0を定義することが可能である。説明を簡単にするため、このようなキャパシタンス測定は、第1に、流体試料が検査チャンバへの流入を停止したか否かを判定するためのものであり、第2に、充分な量が検査チャンバに流入したか否かを判定するためのものである点に留意されたい。
図8Aを参照すると、工程816において、測定シーケンス間隔の間に、少なくとも2つの電極に図6Aの検査シーケンス時間クロックの時点0から開始して一連の電位が印加される。工程818を参照すると、このロジックでは更に、測定検査シーケンス間隔において少なくとも2つの電極からの過渡電流出力CTを測定又はサンプリングすることにより、一連の過渡電流出力が得られる(本明細書の図6Bに示される)。工程820において、分析物濃度(例えば、グルコース濃度)を式2〜4を用いて過渡電流出力から計算することができる。
一実施形態では、pは約0.523であり、aは約0.14であり、zgrは約2である。
この例示的実施形態では、ipbはおよそ1.1秒の時点で測定された電流であり、ipcはおよそ4.1秒の時点のストリップ62の電極から測定された電流であり、issはおよそ5秒の時点で測定された電流である。表記を簡単にするため、この既知のグルコース濃度計算のための式3は、式4として以下の表記で表すことができる。
印加電圧は、好ましい実施形態では正値として与えられているが、負の領域の同じ電圧を用いて特許請求される発明の所望の目的を実現することもできる。
再び図8Aを参照すると、グルコース濃度が計算された時点で、システムは、その結果を工程822において通知することができる。本明細書で用いるところの「通知する」なる用語及びその語幹の変化形は、文字、音声、画像又はすべての通信の態様の組み合わせによってユーザーに通知がなされることを意味する。
出願人は、工程814で得られる全キャパシタンスC開始の決定には、検査ストリップの「二重試料供給」としても知られる、検査シーケンスの開始後に不正確な結果につながり得る、検査ストリップの最初の試料供給の後に検査ストリップにユーザーが更に試料を加える場合を検出するという別の利点もあることを更に見出したものである。検査チャンバ61の二重又は多重試料供給を検出するため、出願人は、図8Bにロジック800’によって図示及び説明される別の方法を考案した。
図8Bにおいて、参照符合とアスタリスクで示した工程は、図8Aで述べた対応する参照符合と同じ機能を有するため、説明を簡潔にするために再び述べることはしない。そこで、出願人は、検査シーケンスクロックTが0にリセットされ、検査シーケンスがこの時点で開始される工程817について述べる。図6Aに示されるように、第1の電位E1は、第1の時間間隔t1(図8Aの工程816又は工程817において検査シーケンスクロックが0に設定されるT=0から測定される)にわたって印加される。第1の時間間隔t1後、第2の電位E2が第2の時間間隔t2にわたって印加される。この時間間隔t2(例えば、図6Aにおいて約1.3秒の時点)の間、所定の周波数(約109Hz)の交流信号(AC)により、工程826において検査チャンバのキャパシタンスが決定され、工程828においてCAPT2として保存される。出願人は、この第2のキャパシタンス測定は、第1のキャパシタンス測定と異なり、主として、充分な量の試料があるか否かを判定することを目的としたものである点に触れておく。この測定の詳細は、米国特許第6,872,298号に述べられており、当該特許を本明細書に恰もその全体が記載されているかのように援用するものである。
工程830において、第2の時間間隔におけるキャパシタンス(すなわちCAPT2)が、第1の時間間隔t1よりも前の初期充填段階において測定されたキャパシタンス(すなわちC開始)よりも大きいか否かについての評価が行われる。これが真である場合、ロジックは工程832に進み、最初の充填後に検査ストリップに複数回の試料供給があったというエラーが通知される。これに対して、評価工程830が「いいえ」を返した場合、ロジックは工程834に進み、検査シーケンスは上記に述べたように工程818、820、及び822に進む(図8A)ことによって継続する。
出願人らは、この新規な方法があらゆる分析物の測定に適用可能であり、血糖値の測定に限定されない点に触れておく。例えば、当業者であれば、閾値及びキャパシタンスの測定に適宜変更を行い、尿酸、ケトン、コレステロール、クレアチンなどの他の分析物の測定にこの方法を本明細書に述べられるのと同じ趣旨及び意図で適用することが可能である。したがって、本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上記に述べた変形例又は図に限定されない点は認識されるであろう。更に上述の方法並びに工程が特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、当業者には特定の工程の順序が変更可能であり、そうした変更は本発明の変形例に従うものである点が認識されよう。更に、こうした工程のうちのあるものは、上述のように順次行われるが、場合に応じて並行したプロセスで同時に行われてもよい。したがって、開示の趣旨及び請求項に見出される本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。
Claims (9)
- 検査ストリップと、該検査ストリップの少なくとも2つの電極に接続された対応するコネクタを受容するように構成された検査ストリップポートに結合されたマイクロプロセッサを有する分析物モニタとによって、流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
流体試料を前記少なくとも2つの電極上に付着する工程と、
前記少なくとも2つの電極により前記流体試料のキャパシタンスを測定する工程と、
前記測定する工程において測定されたキャパシタンスが、第1の閾値を上回るか否かを評価する工程と、
前記測定されたキャパシタンスが前記第1の閾値を上回らない場合には、測定する工程を再び繰り返し、前記測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回る場合には、流体試料のキャパシタンスを確定する工程と、
前記確定する工程において確定されたキャパシタンスが、以前のキャパシタンスの測定値よりも小さいか又は実質的に同じであるかを評価する工程と、
前記確定されたキャパシタンスが以前のキャパシタンスの測定値よりも小さくない場合には、確定する工程を再び行い、前記確定されたキャパシタンスが以前の試料のキャパシタンスの測定値と実質的に同じであるか又は小さい場合には、前記確定されたキャパシタンスを第1のキャパシタンス値として保存し、保存する工程の直後に検査シーケンス時間クロックを0に設定することによって、分析物測定検査シーケンス間隔の開始時間を規定する工程と、
測定シーケンス間隔の間に、前記少なくとも2つの電極に、前記検査シーケンス時間クロックの時点0から開始して一連の電位を印加する工程と、
測定検査シーケンス間隔の間に、前記少なくとも2つの電極から過渡電流出力をサンプリングして一連の過渡電流出力を得る工程と、
前記サンプリング工程の前記一連の過渡電流出力から分析物濃度を計算する工程と、
を含む、方法。 - 検査ストリップと、該検査ストリップの少なくとも2つの電極に接続された対応するコネクタを受容するように構成された検査ストリップポートに結合されたマイクロプロセッサを有する分析物モニタとによって、流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
流体試料を前記少なくとも2つの電極上に付着する工程と、
前記少なくとも2つの電極により前記流体試料のキャパシタンスを測定する工程と、
前記測定する工程において測定されたキャパシタンスが、第1の閾値を上回るか否かを評価する工程と、
前記測定されたキャパシタンスが前記第1の閾値を上回らない場合には、測定する工程を再び繰り返し、前記測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回る場合には、流体試料のキャパシタンスを確定する工程と、
前記確定する工程において確定されたキャパシタンスが、以前のキャパシタンスの測定値と実質的に同じであるか又は小さいかを評価する工程と、
前記確定されたキャパシタンスが以前のキャパシタンスの測定値よりも小さくない場合には、確定する工程を再び行い、前記確定されたキャパシタンスが以前の試料のキャパシタンスの測定値と実質的に同じであるか又は小さい場合には、前記確定されたキャパシタンスを第1のキャパシタンス値として保存し、保存する工程の直後に検査シーケンス時間クロックを0に設定することによって、分析物測定検査シーケンス間隔の開始時間を規定する工程と、
測定シーケンス間隔の間に、前記少なくとも2つの電極に、前記検査シーケンス時間クロックの時点0から開始して一連の電位を印加する工程と、
前記時間クロックを0に設定する工程の後、前記検査シーケンス間隔の間のキャパシタンスを測定する工程と、
前記検査シーケンス間隔の間に測定されたキャパシタンスを第2のキャパシタンスとして保存する工程と、
前記第2のキャパシタンスの大きさが、前記第1のキャパシタンスよりも大きいか否かを評価する工程と、
前記評価する工程が、前記第2のキャパシタンスが前記第1のキャパシタンスよりも大きいことを示した場合に、前記検査シーケンス時間クロックの開始後に更なる流体試料が加えられたことによるエラーを通知する工程と、
を含む、方法。 - 検査ストリップと、該検査ストリップの少なくとも2つの電極に接続された対応するコネクタを受容するように構成された検査ストリップポートに結合されたマイクロプロセッサを有する分析物モニタとによって、流体試料の分析物測定検査シーケンスの開始時間を決定するための方法であって、
流体試料を前記少なくとも2つの電極上に付着する工程と、
前記少なくとも2つの電極により前記流体試料のキャパシタンスを測定する工程と、
前記測定する工程において測定されたキャパシタンスが、第1の閾値を上回るか否かを評価する工程と、
前記測定されたキャパシタンスが前記第1の閾値を上回らない場合には、測定する工程を再び繰り返し、前記測定されたキャパシタンスが第1の閾値を上回る場合には、流体試料のキャパシタンスを確定する工程と、
前記確定する工程において確定されたキャパシタンスが、以前のキャパシタンスの測定値と実質的に同じであるか又は小さいかを評価する工程と、
前記確定されたキャパシタンスが以前のキャパシタンスの測定値よりも小さくない場合には、確定する工程を再び行い、前記確定されたキャパシタンスが以前の試料のキャパシタンスの測定値と実質的に同じであるか又は小さい場合には、前記確定されたキャパシタンスを第1のキャパシタンス値として保存し、保存する工程の直後に検査シーケンス時間クロックを0に設定することによって、分析物測定検査シーケンス間隔の開始時間を規定する工程と、
を含む、方法。 - 前記測定する工程が、所定の周波数の交流信号を前記少なくとも2つの電極に印加することと、前記少なくとも2つの電極から位相信号を測定することと、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第1の閾値が約10nFである、請求項4に記載の方法。
- 分析物がグルコースを含む、請求項1に記載の方法。
- 分析物検査ストリップであって、
基材の上に配置された試薬を有する該基材と、
検査チャンバ内で前記試薬に近接する少なくとも2つの電極と、
を含む分析物検査ストリップと、
分析物測定器であって、
前記2つの電極と接続するように配置されたストリップポートコネクタと、
電源と、
前記ストリップポートコネクタ及び前記電源と電気的に接続されることにより、前記検査ストリップが前記ストリップポートコネクタに挿入され、流体試料が前記検査チャンバ内に付着されると、前記流体試料が前記検査チャンバの充填を停止した時点を決定することによって分析物検査シーケンスの開始時間を規定するマイクロコントローラと、
含む分析物測定器と、
を有する、分析物測定システム。 - 前記マイクロコントローラが、試料による検査チャンバの充填が停止したとマイクロコントローラが判定した時点で検査タイミングクロックを始動させ、それぞれの時間間隔にわたって前記少なくとも2つの電極に一連の電位を印加し、同じそれぞれの時間間隔にわたって過渡電流出力をサンプリングし、前記サンプリングされた過渡電流出力から分析物濃度を計算するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
- 分析物がグルコースを含む、請求項7に記載のシステム。
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