JP2015530928A - 過酷な環境における産業機器の制御のための無線通信ネットワークセンサー情報 - Google Patents

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Abstract

或る特定の実施形態では、システムがマスターノード装置を備える。このマスターノード装置は、長距離通信リンクを介した溶接電源ユニットとの通信を容易にし、短距離無線通信ネットワークを介した1または複数の溶接関連装置との無線通信を容易にするように構成された通信回路部を備える。このマスターノード装置は、短距離無線通信ネットワークの物理的近傍内の1または複数のセンサーからセンサーデータを受信し、これらのセンサーデータをこれらの1または複数のセンサーの最終宛先にルーティングするように構成された制御回路部も備える。

Description

本発明は、包括的には、産業機器間の通信に関し、より詳細には、過酷な環境における産業機器の制御のための無線通信ネットワークに関する。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2012年8月17日に出願の「Wireless Communication Network Sensor Information for Control of Industrial Equipment in Harsh Environments」と題する米国仮特許出願第61/684556号の正規の米国特許出願であり、その仮特許出願は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
溶接ワイヤ送給装置、溶接トーチ、溶接ヘルメット、溶接制御ペンダント、溶接フットペダル等の溶接関連装置は、多くの場合、溶接電源ユニット等の電力源から遠隔にある溶接ロケーションにおいて操作される。例えば、そのような遠隔の溶接ロケーションは、電力源から300フィートに達する場合があり、さらには、300フィートを超える場合さえある。したがって、多くの場合、長いケーブルが、そのような遠隔の溶接ロケーションに延長され、これは、非常に煩雑になる可能性がある。その上、造船用途等の或る特定の溶接の用途では、複数の遠隔の溶接ロケーションが、任意の所与の時点において比較的小さなエリア内で用いられる場合があり、それによって、これらの遠隔の溶接ロケーションにケーブルを延長させることに関する問題が悪化する。さらに、そのような環境での無線通信技術の使用は、従来、少なくとも、雑音上の考慮すべき事項(一般に無線通信を阻害する)、セキュリティ上の考慮すべき事項等に起因して問題となっていた。
本発明のこれらの、そして他の特徴、態様および長所は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むときに、より理解が進むことになる。なお、図面全体を通して、類似の符号は類似の部品を表す。
一実施形態では、システムがマスターノード装置を備える。このマスターノード装置は、長距離通信リンクを介した溶接電源ユニットとの通信を容易にし、短距離無線通信ネットワークを介した1または複数の溶接関連装置との無線通信を容易にするように構成された通信回路部を備える。マスターノード装置は、短距離無線通信ネットワークの物理的近傍内の1または複数のセンサーからセンサーデータを受信し、センサーデータを1または複数のセンサーの最終宛先にルーティングするように構成された制御回路部も備える。
別の実施形態では、方法は、1または複数の溶接関連装置とマスターノード装置との間を、短距離無線通信ネットワークを介して無線で通信することも含む。本方法は、マスターノード装置と溶接電源ユニットとの間を、長距離通信リンクを介して通信することを更に含む。本方法は、短距離無線通信ネットワークの物理的近傍内の1または複数のセンサーからセンサーデータを受信することを更に含む。加えて、本方法は、センサーデータを1または複数のセンサーの最終宛先にルーティングすることを含む。
別の実施形態では、無線通信ネットワークが、1または複数の溶接関連装置を備える。1または複数の溶接関連装置は、溶接ワイヤ送給装置、溶接トーチ、溶接ヘルメット、溶接ペンダント、または溶接フットペダルを含む。無線通信ネットワークは、電力グリッドからの電力を、1または複数の溶接関連装置を用いて実行される溶接作業用の電力に変換するように構成された溶接電源ユニットも備える。無線通信ネットワークは、マスターノード装置を更に備える。マスターノード装置は、短距離無線通信ネットワークを介した1または複数の溶接関連装置とマスターノード装置との間の無線通信を容易にし、長距離通信リンクを介したマスターノード装置と溶接電源ユニットとの間の通信を容易にし、短距離無線通信ネットワークの物理的近傍内の1または複数のセンサーからセンサーデータを受信し、センサーデータを1または複数のセンサーの最終宛先にルーティングするように構成される。
本発明のこれらの、そして他の特徴、態様および長所は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むときに、より理解が進むことになる。なお、図面全体を通して、類似の符号は類似の部品を表す。
本開示の実施形態による、無線通信ネットワーキング技法を利用することができる溶接システムの一実施形態の図である。 本開示の実施形態による、溶接システムの溶接機器および溶接アクセサリーの多くが、当該溶接システムの溶接機器および溶接アクセサリーから遠隔に位置することができる関連付けられた溶接電源ユニットと通信するローカル無線ネットワークを形成する、図1の溶接システムの一実施形態の概略図である。 本開示の実施形態による、各溶接システムがそれ自体のローカル無線ネットワークおよび関連付けられた溶接供給ユニットを有する、同時に動作している複数の溶接システムを有する溶接用途の一実施形態の概略図である。 本開示の実施形態による、溶接電源ユニットのバックエンドにおいて外部の通信装置の接続を実施する溶接システムの一例示の通信システムの概略図である。 本開示の実施形態による、溶接電源ユニットのフロントエンドにおいて外部の通信装置の接続を実施する溶接システムの一例示の通信システムの概略図である。 本開示による、範囲拡張無線ルーターに取り付けられた一例示のローカル無線ネットワークの概略図である。 本開示の実施形態による、マスターノード装置および溶接電源ユニットが、マスターノード装置および溶接電源ユニット(または他の任意のアクセサリーノード)上のそれぞれの関連付けボタンの同時の押圧を通じて互いに関連付けられる概略図である。 本開示の実施形態による、ローカル無線ネットワークの動作を容易にする各装置の内部回路部を示す一例示の溶接電源ユニット、マスターノード装置、および溶接機器/アクセサリーノード装置の概略図である。 本開示の実施形態による、互いに通信し、互いの能力についての情報を共有し、それによって、複数のセンサーからのセンサーデータ送信を容易にする複数のマスターノード装置および関連付けられたローカル無線ネットワーク(例えば、溶接セル)のメッシュタイプネットワークのトポロジーを示す概略図である。
図を参照すると、図1は、本開示の実施形態による、無線通信ネットワーキング技法を利用することができる溶接システム10の一実施形態の図である。本明細書において説明する溶接システム10は、ガスメタルアーク溶接(GMAW)システム10として具体的に提示されるが、ここで開示する無線通信ネットワーキング技法は、他のアーク溶接プロセス(例えば、FCAW、FCAW−G、GTAW、SAW、SMAW、または同様のアーク溶接プロセス)とともに用いることもできることが理解されるべきである。より具体的には、以下でより詳細に説明するように、溶接システム10において用いられる全ての機器およびアクセサリーは、無線で互いに通信するとともに、集中型または分散型の溶接制御システムと通信するように構成することができる。溶接システム10は、溶接電源ユニット12、溶接ワイヤ送給装置14、ガス供給システム16、および溶接トーチ18を備える。溶接電源ユニット12は、一般に、溶接システム10および他の様々なアクセサリーに電力を供給し、溶接ケーブル20を介して溶接ワイヤ送給装置14に結合することができるとともに、クランプ26を有するリードケーブル24を用いて製造中の加工品22に結合することができる。図示した実施形態では、溶接ワイヤ送給装置14は、溶接システム10の動作中に溶接ワイヤおよび電力を溶接トーチ18に供給するために、溶接ケーブル28を介して溶接トーチ18に結合される。別の実施形態では、溶接電源ユニット12は、電力を溶接トーチ18に結合して直接供給することができる。
図1に示す実施形態では、溶接電源ユニット12は、一般に、交流電力源30(例えば、AC電力グリッド、エンジン/発電機セット、またはそれらの組み合わせ)から入力電力を受け取り、この入力電力を調節し、溶接ケーブル20を介してDC出力電力またはAC出力電力を提供する電力変換回路部を備えることができる。したがって、溶接電源ユニット12は、溶接システム10の要求に応じて、溶接ワイヤ送給装置14に電力を供給することができ、次に、溶接ワイヤ送給装置は、溶接トーチ18に電力を供給する。クランプ26において終端するリードケーブル24は、溶接電源ユニット12を製造中の加工品22に結合して、溶接電源ユニット12、製造中の加工品22、および溶接トーチ18の間の回路を閉じる。溶接電源ユニット12は、溶接システム10の要求に従って(例えば、溶接システム10によって実行される溶接プロセスのタイプ等に基づいて)、AC入力電力を、直流棒プラス(DCEP)出力、直流棒マイナス(DCEN)出力、DC可変極性、または可変平衡(例えば、平衡型または非平衡型)AC出力に変換することが可能な回路素子(例えば、変圧器、整流器、スイッチ等)を備えることができる。
図示した溶接システム10は、シールドガスまたはシールドガス混合物を溶接トーチ18に供給するガス供給システム16を備える。図示した実施形態では、ガス供給システム16は、溶接電源ユニット12からの溶接ケーブル20の一部であるガス導管32を介して溶接トーチ18に直接結合されている。別の実施形態では、ガス供給システム16は、代わりに、溶接ワイヤ送給装置14に結合することができ、溶接ワイヤ送給装置14は、ガス供給システム16から溶接トーチ18へのガスの流れを調整することができる。シールドガスとは、本明細書において用いられるとき、特定の局所的な大気を提供する(例えば、アークの遮蔽、アークの安定性の改善、金属酸化物の形成の制限、金属表面の湿潤の改善、溶着物の化学的性質の変更等を行う)ために、アークおよび/または溶接プールに提供することができる任意のガスまたはガスの混合物を指すことができる。
加えて、或る特定の実施形態では、他の溶接機器および溶接アクセサリー(例えば、溶接関連装置)を溶接システム10において用いることができる。例えば、ほとんどの溶接用途では、溶接システム10の作業者は、溶接ヘルメット34を装着することができる。溶接ヘルメット34は、溶接システム10の作業者を保護し、特に、溶接作業中に溶接アークに付随した閃光から作業者の眼を保護する。加えて、或る特定の実施形態では、溶接ヘルメット34は、溶接作業のパラメーターに関連したフィードバックを作業者に提供することができる。例えば、溶接ヘルメット34は、溶接作業中に溶接パラメーターを作業者に表示するように構成された内部ディスプレイを備えることができる。加えて、或る特定の実施形態では、溶接制御ペンダント36を用いて、溶接ワイヤ送給装置14と溶接トーチ18との間で通信することができる。溶接制御ペンダント36は、関連付けられた溶接電源ユニット12および/または溶接ワイヤ送給装置14から遠隔の溶接用途において用いることができるが、それでも、遠隔の溶接電源ユニット12および/または溶接ワイヤ送給装置14が提供する実質的に同じ表示および入力装置を提供することができる装置である。換言すれば、関連付けられた遠隔の溶接電源ユニット12および/または溶接ワイヤ送給装置14において制御パネルを用いることが実現可能でないときまたは実際的でないとき、溶接制御ペンダント36を遠隔制御パネルとして用いることができる。加えて、或る特定の実施形態では、フットペダル38も溶接システム10において用いることができる。フットペダル38は、溶接電源ユニット12および/または溶接ワイヤ送給装置14の溶接パラメーターを調整するのに用いることができる。例えば、溶接システム10の作業者がフットペダル38を踏み込むと、溶接ワイヤ送給装置14からの溶接ワイヤ送給速度および/または溶接電源ユニット12からの溶接電流を増加させることができる。
図1に示す溶接機器および溶接アクセサリーは例示にすぎず、限定を意図するものではない。他の多くのタイプの溶接機器および溶接アクセサリーも、溶接システム10とともに用いることができる。以下でより詳細に説明するように、溶接システム10と関連して用いられる全ての溶接機器および溶接アクセサリーは、無線で互いに通信するとともに、集中型および/または分散型の溶接制御システムと通信するように構成することができる。より具体的には、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法は、他の産業機器とのコマンドおよびデータの通信並びに他の産業機器間のコマンドおよびデータの通信を無線で制御および調整するのに用いられる(例えば、図1に示す例示の溶接機器および溶接アクセサリーにおける)インテリジェントな無線ノードおよび産業機器に対する電気的インターフェースを含み、そのため、通信ネットワークは、産業機器間での溶接パラメーター並びにジョブ情報および他のユーザーデータのシームレスでセキュアな交換を可能にする。そのような無線通信ネットワーキング技法によって、溶接作業員または他の産業機器作業員は、通信理論、無線周波数技術、または情報技術の分野の経験がほとんどまたは全くなくても、図1に示す溶接機器および溶接アクセサリー等の複数の様々な機器およびアクセサリーを備える無線通信ネットワークを容易に組み立てて動作させることが可能になる。本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法によって、上述した作業員が、作業現場で無線ネットワークを手動で組み立てることと、そのような無線ネットワークを用いて溶接機器および溶接アクセサリーの安全でセキュアな制御の実行並びに溶接工場内または溶接工場から遠隔のエリアにおける他の関係者との情報の交換を開始することが容易かつ直感的になる。
図2は、本開示の実施形態による、溶接システム10の溶接機器および溶接アクセサリー(例えば、溶接ワイヤ送給装置14、溶接トーチ18、溶接ヘルメット34、溶接制御ペンダント36、フットペダル38等)の多くが、当該溶接システム10の溶接機器および溶接アクセサリーから遠隔に(例えば、300フィートに達してまたは300フィートを超えて離れて)位置することができる関連付けられた溶接電源ユニット12と通信するローカル無線ネットワーク40を形成する、図1の溶接システム10の一実施形態の概略図である。より具体的には、溶接システム10の溶接機器および溶接アクセサリーのそれぞれは、特に、マスターノード装置42と無線で通信するように構成することができ、このマスターノード装置は、次に、溶接システム10のそれぞれの溶接電源ユニット12と通信する。したがって、ローカル無線ネットワーク40は、マスターノード装置42と、溶接システム10の溶接機器および溶接アクセサリーとの間において(例えば、ローカル無線接続44を介した)スター構成として形成され、ローカルネットワーク40は、マスターノード装置42を通じて(例えば、長距離通信接続46を介して)それぞれの溶接電源ユニット12と無線で通信し、このマスターノード装置は、ローカル無線ネットワーク40用のネットワークコントローラーとして機能する。以下でより詳細に説明するように、或る特定の実施形態では、長距離通信接続46は、図2に示すように、(例えば、無線通信技法を用いた)長距離無線通信接続とすることができる。一方、他の実施形態では、長距離通信接続46は、(例えば、有線通信技法を用いた)長距離有線通信接続とすることができる。実際には、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、無線モードおよび有線モードの双方(または動作条件に応じて一方)で溶接電源ユニット12と通信するように構成することができる。
任意の特定の産業環境において、2つ以上の溶接システム10を互いに比較的近接させて用いることができることが理解されるであろう。例えば、造船用途では、幾つかの関連付けられた溶接電源ユニット12を有する幾つかの溶接システム10を任意の所与の時点において構築中の船舶上で用いることができる。そのようなシナリオでは、複数のローカル無線ネットワーク40(例えば、各溶接システム10につき1つ)を確立することができる。図3は、各溶接システム10がそれ自体のローカル無線ネットワーク40および関連付けられた溶接電源ユニット12を有する、同時に動作している複数の溶接システム10を有する溶接用途48の一実施形態の概略図である。図3に示すように、溶接システム10のうちの幾つかは、それぞれのローカル無線ネットワーク40のローカル無線カバレッジゾーン内(例えば、或る特定の実施形態では、約20フィート〜約25フィート内)に位置するそれらのそれぞれの溶接電源ユニット12を有することができるのに対して、他の多くの溶接システム10は、それぞれのローカル無線ネットワーク40のローカル無線カバレッジゾーンの外部に位置するそれらのそれぞれの溶接電源ユニット12を有することができる。加えて、ローカル無線ネットワーク40のローカル無線カバレッジゾーンの多くは重複する場合がある。以下でより詳細に説明するように、本明細書において提示する無線通信ネットワーキング技法は、そのような重複する無線カバレッジに関して生じ得る任意の課題に対処する。
図4は、本開示の実施形態による、溶接電源ユニット12のバックエンドにおいて外部の通信装置の接続を実施する溶接システム10の一例示の通信システム50の概略図であり、図5は、本開示の実施形態による、溶接電源ユニット12のフロントエンドにおいて外部の通信装置の接続を実施する溶接システム10の一例示の通信システム50の概略図である。本明細書において説明する通信システム50は、特定のスター構成として構成されるとともに、互いに適度に短い距離内に位置するネットワークコントローラー(すなわち、マスターノード装置42)および様々な溶接機器/アクセサリーノード装置52(例えば、溶接ワイヤ送給装置14、溶接トーチ18、溶接ヘルメット34、溶接制御ペンダント36、フットペダル38等)によって形成されたローカル無線ネットワーク40を明示したものである。例えば、適度に短い距離は、マスターノード装置42から約20フィート〜約25フィートとすることができ、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42から約10フィート〜約50フィートの範囲内、マスターノード装置42から約15フィート〜約40フィートの範囲内、マスターノード装置42から約20フィート〜約30フィートの範囲内、または他の任意の適した範囲内とすることができる。ローカル無線ネットワーク40の物理サイズ(例えば、無線送信範囲)は、必ずしも固定されておらず、また、ローカル無線ネットワーク40の適切な動作のための絶対要件でもない。例えば、或る特定の実施形態では、ローカル無線ネットワーク40の動作(例えば、無線送信)範囲は、マスターノード装置42のパラメーターとすることができ、このパラメーターは、マスターノード装置42が、最適な無線通信リンク品質を提供するように自動的に調整することができる。ローカル無線ネットワーク40の距離(例えば、無線動作範囲)は、固定されたパラメーターでもなければ、ローカル無線ネットワーク40の動作のための絶対要件でもないが、短いほど、無線通信リンクの完全性が相対的に高い状態に維持される可能性は高くなる。例えば、無線周波数(RF)波が進む距離が短いほど、一般に、維持される通信リンクの完全性は高くなる。さらに、ローカル無線ネットワーク40の通信距離が短いほど、ローカル無線ネットワーク40のセキュリティを更により一層高めることができるとともに、他のローカル無線ネットワーク40が互いに潜在的に干渉しないことを保証することができる。
各機器/アクセサリーノード装置52からの通信トラフィックは、図4および図5に示すように、マスターノード装置42に送信され、マスターノード装置は、ルーターおよび優先順位付けコントローラーとして動作し、正しいメッセージをそれらの最終宛先に適切な順序で最終的にルーティングする。より具体的には、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、長距離通信接続46としての無線周波数(RF)通信リンクを介して溶接システム10の溶接電源ユニット12と通信する。したがって、マスターノード装置42は、マスターノード装置42から300フィートに達する距離またはそれを超える距離に位置することができる溶接電源ユニット12と、有線通信を用いることなく通信することができる。ただし、或る特定の実施形態では、条件によって、マスターノード装置42と、関連付けられた溶接電源ユニット12との間の長距離通信接続46を介した通信が可能でない場合には、溶接ケーブル20、28(または専用デジタルリンク接続)をバックアップ通信チャネルとして用いることができる。
溶接ワイヤ送給装置14がローカル無線ネットワーク40に近接してかつ溶接電源ユニット12から遠隔で用いられる或る特定の実施形態では、マスターノード装置42を、例えば、溶接ワイヤ送給装置14に近接した図1に示す溶接ケーブル20の端部に取り付けることができる。同様に、溶接ワイヤ送給装置14がローカル無線ネットワーク40から遠隔で(例えば、溶接電源ユニット12に近接して)用いられる或る特定の実施形態では、マスターノード装置42を、例えば、溶接トーチ18に近接した図1に示す溶接ケーブル28(または専用デジタル通信ケーブル)の端部に取り付けることができる。上記で説明したように、マスターノード装置42は、ローカル無線ネットワーク40に関連付けられた無線装置であり、溶接作業に近接したその物理配置を通じて、溶接電源ユニット12まで比較的長い距離のリンクを延長することを可能にするか、または金属若しくは高密度のコンクリート壁、大量の土等のような物理障害物によって通常はブロックされるエリアを比較的長い距離のリンクにカバーさせることを可能にする無線装置である。長距離通信接続46(例えば、或る特定の実施形態では、RF通信リンク)は、比較的長い信号進行距離、RF見通し線の起こり得る喪失、マルチパス効果によって引き起こされる過度な反射、比較的低いRF送信電力等の、ローカル無線ネットワーク40に課せられる物理制約に起因して、ローカル無線ネットワーク40との特殊リンクとみなされる。
適切なクレデンシャルを有するとともに「ユーザーの意図」情報を同期させた機器およびアクセサリーのみをローカル無線ネットワーク40に「関連付ける」ことが認められている限り、ユーザーによって組み立てられるローカル無線ネットワーク40はセキュアである。加えて、マスターノード装置42は、1つの溶接電源ユニット12のみを制御することが認められる。或る特定の実施形態では、ローカル無線ネットワーク40を発信源とする制御および通信データの最終宛先は、様々な溶接機器/アクセサリーノード装置52である。例えば、図4および図5に示すように、溶接電源ユニット12は、ローカル無線ネットワーク40のカバレッジエリア内で作業している作業者が溶接電源ユニット12を制御することを可能にするとともに、溶接電源ユニット12から動作パラメーター(例えば、電圧およびアンペア数の設定、接触器のオン/オフステータス等)を読み取ることを可能にする。図4に示す実施形態では、溶接電源ユニット12は、様々なハードウェアインターフェース(例えば、溶接電源ユニット12の「バックエンド」)を通じてインターネット54上の遠隔のロケーション(例えば、クラウドストレージ)に転送されるローカル無線ネットワーク40からのデータのアクセスを提供することができる。上記様々なハードウェアインターフェースは、セルラーネットワーク通信56、WiFiアクセス58、有線イーサネット接続60(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN))、全地球測位システム(GPS)62等であるが、これらに限定されるものではない。
ローカル無線ネットワーク40は、本明細書において説明する特殊なセキュリティ機能の実施を通じて、ローカル無線ネットワーク40によって制御される溶接電源ユニット12または他の産業機器の「フロントエンド」と呼ばれるものに接続する。フロントエンドへのアクセスによって、作業員の安全性を確保するために、(例えば、溶接電源ユニット12上の)通常のユーザーインターフェースの電力供給およびロックアウトに対する全制御が可能になる。制御の基本的な考え方は、溶接電源ユニット12に関連付けられた溶接機器および溶接アクセサリー(例えば、溶接機器/アクセサリーノード装置52)の人間コントローラーがどの時点においても1人だけいることができるということである。ローカル無線ネットワーク40は、ローカル無線ネットワーク40への認可されていないアクセスを防止し、それによって、制御されている装置(例えば、溶接電源ユニット12)のフロントエンドへの認可されていないアクセスを防止する幾つかのセキュリティ機能を実施する。
溶接電源ユニット12のフロントエンドから溶接電源ユニット12の「バックエンド」へのデータ転送(このデータ転送を通じて、溶接電源ユニット12への/からの通信が行われる)およびこの逆のデータ転送は、(例えば、溶接電源ユニット12内の)独自のセキュリティファイアウォールを通じて制御することができる。このセキュリティファイアウォールは、機器の安全性およびローカル無線ネットワーク40内で生成されたデータの認可されたアクセスの全ての要件を満たすように設計されている。溶接電源ユニット12が外部の(公衆)ネットワークへのバックエンド接続を実施していない状況(例えば、図5参照)では、(例えば、溶接電源ユニット12の)フロントエンドにゲートウェイを設ける方法によって、インターネット54(例えば、クラウドストレージ、または他の集中型および/または分散型の制御システム)へのアクセスが可能になる。したがって、溶接電源ユニット12がインターネット54へのバックエンド接続性を実施するのに必要とされるハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えていない場合には、それらの接続を提供する特殊なゲートウェイ装置を実施することができる。例えば、このタイプの接続性は、セルラーネットワーク通信56、WiFiアクセス58、有線イーサネット接続60、GPS62等のいずれかまたは全てに接続されたときにフロントエンド機能およびバックエンド機能の双方を実施することができるドングルタイプ装置64において実施することができる。そのようなドングルタイプ装置64は、溶接電源ユニット12上の容易にアクセス可能なコネクターにプラグ接続することができ、ドングルタイプ装置64が様々な通信リンクのフルタイム維持に必要な電力を引き出すことを可能にする。有利には、この分野に既にある旧式の溶接電源ユニット12にそのようなドングルタイプ装置64を後付けすることができ、それらの旧式の溶接電源ユニットは、インターネット54へのデータアクセスに加えて、溶接電源ユニット12のインテリジェントな制御を提供することが可能になる。換言すれば、溶接電源ユニット12からの無線ノード接続は、溶接電源ユニット12内に組み込むこともできるし、溶接電源ユニット12内に実施される或るアクセスポートコネクターにプラグ接続することができるドングルタイプ装置64としてサポートすることもできる。
マスターノード装置42は、溶接システム10の溶接電源ユニット12との比較的長距離(例えば、長さが300フィートに達するか、またはこれを超えることもある)の通信接続46を保持し、それらの2つの間のリンクのデータ完全性が比較的高いとともに
フェイルセーフの動作モードを提供するようになっている装置である。マスターノード装置42は、ローカル無線ネットワーク40への関連付けに成功した様々な溶接機器/アクセサリーノード装置52によって形成されたローカル無線ネットワーク40も制御し、それらの溶接機器/アクセサリーノード装置52との比較的高いリンクサービス品質(LQS)を維持する。マスターノード装置42と溶接電源ユニット12との間の長距離通信接続46は、RS−485、RS−422、RS−644等であるがこれらに限定されない「差動シグナリング」モードのRFリンクまたはハードワイヤードデジタル通信とすることができる。
或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、図4および図5に示す溶接機器/アクセサリーノード装置52のうちの任意のもののエンクロージャ内にまたはそれに隣接して物理的に配置することができる。換言すれば、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、溶接ワイヤ送給装置14内、溶接トーチ18内、溶接ヘルメット34内、溶接制御ペンダント36内、フットペダル38内等で実施することができる。例えば、上記で説明したように、溶接ワイヤ送給装置14は、溶接の動作を達成するように様々なタイプおよびサイズの溶接ワイヤを溶接トーチ18に送給する。ワイヤ送給装置は、通常、溶接電源ユニット12等の溶接電源からそれらの入力を取り込み、溶接ケーブル(例えば、図1に示す溶接ケーブル20、28)を通じて溶接トーチ(例えば、溶接トーチ18)に送達されているエネルギーに応じた溶接ワイヤ送給速度を生成する。或る特定の実施形態では、マスターノード装置42の機能は、溶接ワイヤ送給装置14のエンクロージャ(例えば、ハウジング)内で実施することができる。
別の例として、上記で説明したように、溶接ヘルメット34は、溶接システム10の作業者の頭部に装着され、溶接プロセス中に生成された紫外(UV)線および塵埃から作業者の眼を遮蔽する装置である。溶接ヘルメット34は、電圧、電流、接点開閉ステータス等の溶接電源ユニット12に現在設定されている溶接パラメーターに関するデータを(例えば、溶接ヘルメット34内のディスプレイパネルまたは他のインジケーターライトを用いることによって)作業者に提供することもできる。溶接ヘルメット34は、データを溶接電源ユニット12に送信することもでき、ここで、このデータは、(例えば、溶接ヘルメット34上のボタン、キーパッド、および他のユーザーインターフェース素子のアクティブ化を通じて)作業者によって生成される。或る特定の実施形態では、マスターノード装置42の機能は、溶接ヘルメット34内で実施することができる。
更なる例として、上記で説明したように、溶接制御ペンダント36は、多くの場合、作業者が溶接電源ユニット12(および或る特定の実施形態では、溶接ワイヤ送給装置14)の溶接パラメーターおよび設定を観察することを可能にするとともに、様々なモードで動作するように溶接電源ユニット12(および或る特定の実施形態では、溶接ワイヤ送給装置14)にコマンドを送信することを可能にするユーザーインターフェースを提供するグラフィックスディスプレイまたは7セグメントディスプレイを有するバッテリー電力供給型ハンドヘルド装置である。或る特定の実施形態では、溶接制御ペンダント36は、溶接電源ユニット12の作業者の制御を可能にする幾つかの制御ボタンを有する。加えて、ローカル無線ネットワーク40の様々な溶接機器/アクセサリーノード装置52からの他の情報を、溶接制御ペンダント36上に表示することができ、および/または溶接制御ペンダント36からローカル無線ネットワーク40の他の溶接機器/アクセサリーノード装置52に送信することができる。或る特定の実施形態では、マスターノード装置42の機能は、溶接制御ペンダント36内で実施することができる。
更なる例として、上記で説明したように、フットペダル38は、溶接システム10の作業者が、電圧、電流、接触器の状態等に対する或る特定の調整を溶接電源ユニット12(および或る特定の実施形態では、溶接ワイヤ送給装置14)にシグナリングするために、その上部足場を押圧することを可能にする床上に位置する装置である。或る特定の実施形態では、マスターノード装置42の機能は、フットペダル38の本体内で実施することができる。加えて、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42の機能は、溶接トーチ18の本体内で実施することができる。
図4および図5に示すように、ローカル無線ネットワーク40は、複数のセンサー66も備えることができる。これらのセンサーは、或る特定の実施形態では、近くの任意のマスターノード装置42と通信することができるバッテリー電力供給型RF装置とすることができる。センサー66は、データをインターネット54にアップロードすることができるように、マスターノード装置42を通じてデータを送信することができる。或る特定の実施形態では、センサー66は、実際には、特定のローカル無線ネットワーク40の動作に関連付けられない場合さえある。換言すれば、或る特定のセンサー66は、それらのセンサー66が通信するマスターノード装置42に関連付けられた溶接電源ユニット12を制御するのに用いられない場合がある。しかしながら、それにもかかわらず、センサー66が、それらのデータペイロードを特定の宛先(例えば、クラウドストレージまたは他の集中型および/または分散型の制御システム)にトランスポートすることを可能にするために、ローカル無線ネットワーク40を用いること、および任意のローカル無線ネットワーク40に自由に関連付けることを可能にすることができる。換言すれば、マスターノード装置42は、センサー66が溶接作業に用いられる溶接システム10の一部であるか否かにかかわらず、センサー66のデータ通信を可能にするのに用いることができ、ローカル無線ネットワーク40に参加する任意の手動の関連付け手段を必要としない。
長距離無線通信接続46を用いる或る特定の状況では、マスターノード装置42と制御されている溶接電源ユニット12との間の距離は、マスターノード装置42のRF波(または他の無線信号)が完全性を失うことなく(許容可能な完全性の喪失で)進むことができる距離よりも長くことができる。したがって、これらの場合には、範囲拡張無線ルーター68を用いて、マスターノード装置42と、関連付けられた溶接電源ユニット12との間のギャップをブリッジすることができる。図6は、本開示による、範囲拡張無線ルーター68に取り付けられた一例示のローカル無線ネットワーク40の概略図である。マスターノード装置42と同様に、範囲拡張無線ルーター68の理想的な範囲は、約300フィートとすることができ、マスターノード装置42と、関連付けられた溶接電源ユニット12との間の距離が300フィートよりもかなり大きい場合、マスターノード装置42と、関連付けられた溶接電源ユニット12との間に範囲拡張無線ルーター68を配置することができる。
或る特定の実施形態では、以下でより詳細に説明するように、マスターノード装置42とローカル無線ネットワーク40の様々な溶接機器/アクセサリーノード装置52との間の関連付けは、溶接システム10の作業者が2つの装置を極めて近接させて(例えば、約2フィート内に)保持し、各装置上の「関連付け」ボタンを同時に押下すると形成される。例えば、図7は、本開示の実施形態による、マスターノード装置42および溶接電源ユニット12が、マスターノード装置42および溶接電源ユニット12(または他の任意のアクセサリーノード)上のそれぞれの関連付けボタン70の同時の押圧を通じて互いに関連付けられる概略図である。ボタン70として図示しているが、或る特定の実施形態では、同期メカニズムが、装置を制御コマンドネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク40)に参加させたいという溶接作業者の希望を十分に伝達する限り、装置の関連付けを手動で開始する任意の適した手段(例えば、同期メカニズム)を用いることができる。様々な溶接機器/アクセサリーノード装置52も、当該溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との関連付けを手動で開始する同様の手段を備える。したがって、関連付け手順は、ローカル無線ネットワーク40を形成する際にユーザーの意図を受理し、このローカル無線ネットワークは、一旦形成されると、ネットワーキングセッションの継続期間の間、マスターノード装置42に関連付けられた溶接電源ユニット12を制御および監視するのに用いられる。ローカル無線ネットワーク40が確立されると、マスターノード装置42と追加の溶接機器/アクセサリーノード装置52との間の上記関連付け手順を繰り返すことによって、追加の溶接機器/アクセサリーノード装置52をローカル無線ネットワーク40に追加することができる。
マスターノード装置42は、制御セッションが終了するまで、マスターノード装置42のローカル無線ネットワーク40に関連付けられた溶接機器/アクセサリーノード装置52間の通信の全ての態様の経過を追跡し、当該全ての態様を制御する。制御セッションの終了は、幾つかの方法で行うことができる。例えば、制御セッションは、マスターノード装置42がローカル無線ネットワーク40から除去されたときに終了することができる。一例として、マスターノード装置42が、指定された時間(例えば、或る特定の実施形態では、約5秒)の間、制御信号をローカル無線ネットワーク40から受信しなかった場合またはローカル無線ネットワーク40に送信しなかった場合、ローカル無線ネットワーク40の制御セッションを終了することができる。この状態は、マスターノード装置42が電源オフにされている場合、またはマスターノード装置42が、任意の手段を通じて、その関連付けられた溶接機器/アクセサリーノード装置52との通信を阻止されている場合に起こり得る。或る特定の実施形態では、有効な「ハートビート」(すなわち、マスターノード装置42への通信またはマスターノード装置42からの通信のいずれか)がない場合、各溶接機器/アクセサリーノード装置52は、ローカル無線ネットワーク40から自身の関連付けを解除し、その対応する機能をアイドルに設定し、スタンバイモードまたはスリープモードに入る。このハートビートメカニズムは、マスターノード装置42と溶接電源ユニット12との間の通信リンクが不通にされた場合に、溶接電源ユニット12を安全な状態にインテリジェントに戻すことができる。制御セッションを終了することができる別の状況は、インターフェースドングルタイプ装置64が溶接電源ユニット12のアクセスポートコネクターから取り外されたとき、または溶接電源ユニット12が電力源から取り外されたとき(溶接電源ユニット12が代わりのバックアップ電力源へのアクセスを有していない場合)等、溶接電源ユニット12が、関連付けられていたローカル無線ネットワーク40から「消滅」したときである。或る特定の実施形態では、溶接電源ユニット12が指定された時間(例えば、或る特定の実施形態では、約5秒)の間アクセス可能でないことを、マスターノード装置42が観察した場合に、マスターノード装置42は、ローカル無線ネットワーク40の制御セッションが終了したと判断して、関連付けられた溶接機器/アクセサリーノード装置52の関連付けをローカル無線ネットワーク40から解除し、ネットワーキングセッションを閉鎖し、自身をスタンバイモードまたはスリープモードにすることができる。
ローカル無線ネットワーク40が確立されると、コマンドおよびメッセージをマスターノード装置42から溶接電源ユニット12に送信することができる。そのようなメッセージは、マスターノード装置42または関連付けられた溶接機器/アクセサリーノード装置52のいずれかを発信源とする。関連付けられた溶接機器/アクセサリーノード装置52からマスターノード装置42によって受信されたコマンドおよびメッセージは、パケット化され、最適なデータサイズおよびパケットレートに組み合わされ、マスターノード装置42によってバッファリングされるかまたは溶接電源ユニット12に直ちに送信される。各通信は、受信機によって肯定応答され、チェックサム、AES(次世代暗号化標準)セキュリティシグネチャ等を用いて完全性が確かめられる。
したがって、ローカル無線ネットワーク40は、様々な産業機器(例えば、溶接機器/アクセサリーノード装置52)間のコマンドおよびデータの通信を制御および調整するための無線通信ネットワーキング技法を実施する。より具体的には、ローカル無線ネットワーク40は、溶接機器/アクセサリーノード装置52および溶接電源ユニット12等の産業機器への電気的インターフェースを有するインテリジェントな無線ノードを備える。本明細書において説明する無線通信技法によって、ジョブが完了すると、古いローカル無線ネットワーク40の関連付けを解除し、溶接機器/アクセサリーノード装置52を、本明細書において説明する単純で直感的な方法を通じて新たなローカル無線ネットワーク40の溶接機器/アクセサリーノード装置52として手動で再プログラムすることによって、他のロケーションにおける他の作業員による溶接機器/アクセサリーノード装置52の再利用が可能になる。
加えて、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法は、改善されたネットワークロバスト性を提供する。例えば、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法によって、複数のローカル無線ネットワーク40を、隣接する無線ネットワーク(例えば、他のローカル無線ネットワーク40)において損害も混乱も発生することなく、互いのRF範囲内で動作させることが可能になる。特に、このアーキテクチャは、産業製造設備の溶接工場において多数の無線制御通信ネットワークをハンドリングするのに十分ロバストでインテリジェントである。例えば、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、新たなローカル無線ネットワーク40を確立すると、ISM(産業科学医療バンド)周波数範囲における全てのチャネルをスキャンして、隣接するローカル無線ネットワーク40を動作させる他のマスターノード装置42を探す。同じISMチャネルを用いる隣接するマスターノード装置42が見つかった場合、スキャンしているマスターノード装置42は、それ自身のローカル無線ネットワーク40を別のチャネルに移動させる可能性を調べ、近傍において検出された他のマスターノード装置42にその情報を通信する。
さらに、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法は、WiFi、Bluetooth、若しくはZigbee無線等の無許可のISMバンドにおいて動作する他の無線ノードまたは近傍において動作する他の溶接電源ユニット12等の一般の雑音源からの干渉に対処する改善された方法を提供する。そのような溶接雑音は、ISMバンドと重複する周波数バンドにおいて大きなRFエネルギースパイクを発生させる可能性を有する。マスターノード装置42は、新たなローカル無線ネットワーク40を確立すると、ISMバンドにおける全てのチャネルをスキャンして、雑音源を探す。雑音源が、マスターノード装置42によって現在用いられているISMチャネルにおいて検出された場合、マスターノード装置42は、移動先の他のISMチャネルを調べ、適したISMチャネルが見つかると、マスターノード装置42は、その関連付けられた溶接機器/アクセサリーノード装置52の全てを新たなISMチャネル番号に再プログラムする。或る特定の実施形態では、再帰的な検査が、最も雑音のない利用可能なISMチャネルを見つける試みを連続して行うことができる。
その上、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法は、溶接機器/アクセサリーノード装置52の改善された電力最適化を提供する。例えば、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法によって、ローカル無線ネットワーク40において組み立てられた溶接機器/アクセサリーノード装置52の低電力動作およびプログラム可能なウェイク時刻が可能になる。溶接機器/アクセサリーノード装置52への電力供給に関連したタイミングパラメーターは、利用可能なバッテリーエネルギーの関数の回りにバランスされた帯域幅および応答性の作業者のニーズに基づいて求められる。各マスターノード装置42は、当該マスターノード装置に関連付けられた溶接機器/アクセサリーノード装置52の要件を求め、サポートを要求する溶接機器/アクセサリーノード装置52に対して電力管理を実行する。マスターノード装置42によって電力管理を受ける必要がある溶接機器/アクセサリーノード装置52は、適切な通信および許容可能な応答レイテンシーを得るためのネットワークパラメーターによって必要とされる最小応答時間をそれでも可能にする時間についてプログラムされたウェイクタイマーを用いてスリープモードにすることができる。必要とされるレイテンシーが0(すなわち、即時)である場合、ローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52のいずれも、スリープモードになることが認められない。
電力管理を要求する各溶接機器/アクセサリーノード装置52は、ウェイク時刻を用いてプログラムされると、所定の時間の間「ディープスリープモード」になることができる。スリープ期間が経過すると、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、ウェイクアップし、マスターノード装置42から送信されるハートビート肯定応答メッセージに応答するのに利用可能である。溶接機器/アクセサリーノード装置52は、ローカル無線ネットワーク40からの関連付けが解除されると、ディープスリープモードになるようにプログラムされ、作業者が当該溶接機器/アクセサリーノード装置を新たなローカル無線ネットワーク40内に関連付けるように試みたときにのみウェイクアップする。
或る特定の実施形態では、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法は、所与の作業現場における継続した動作の結果として蓄積された履歴および時間平均に基づいて種々の無線チャネル上の雑音源をいつ検査するのかを決定する「適応型」方法を更に提供することができる。適応型技法を用いることによって、マスターノード装置42は、雑音緩和対策を用いる必要性がより高いときを理解および予測することによって、溶接機器/アクセサリーノード装置52のバッテリー寿命を最大にすることが可能になる。
加えて、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法は、所与のローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52の改善された関連付けおよびセキュリティを提供する。例えば、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法によって、産業製造環境における溶接工等の産業環境における作業従事者は、種々の産業機器装置(例えば、本明細書において説明する溶接機器/アクセサリーノード装置52)を単に互いに極めて近接させて、双方の装置上の関連付けボタン70を同時に押下することによってそれらの産業機器装置を関連付けることが可能になり、セキュアな制御通信ネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク40)が形成される。追加の装置(例えば、本明細書において説明する溶接機器/アクセサリーノード装置52)は、上記のように、それらの装置をマスターノード装置42に関連付けることによってローカル無線ネットワーク40に追加することができる。
さらに、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法は、必要に応じて収集および分配されるネットワークセンサー情報を提供する。例えば、本明細書において説明する無線通信ネットワーキング技法によって、産業環境におけるセンサーノード(例えば、センサー66)を近くの任意のローカル無線ネットワーク40に関連付けることが可能になり、ローカルスーパーバイザー、クラウドストレージ、集中型および/または分散型の制御システム等へのセンサーデータのトランスポートが可能になる。最終宛先のIPアドレスを用いてプログラムされたセンサー66は、近くの任意のローカル無線ネットワーク40からそのロケーションへのアクセスを要求することができ、そのようなローカル無線ネットワーク40は、(それらの能力および近くの他のネットワークの能力のインテリジェントなマッピングを通じて)センサーデータをその最終宛先に転送することを可能にする。或る特定の実施形態では、センサー66は、(例えば、無限のデータ保持が可能にされていない場合には)センサーデータが受信され、全く破損していないというセキュアな肯定応答を最終宛先から受信するまで、それらのローカルデータを破棄しない。
図8は、本開示の実施形態による、ローカル無線ネットワーク40の動作を容易にする各装置の内部回路部を示す一例示の溶接電源ユニット12、マスターノード装置42、および溶接機器/アクセサリーノード装置52(例えば、溶接ワイヤ送給装置14、溶接トーチ18、溶接ヘルメット34、溶接制御ペンダント36、フットペダル38等)の概略図である。例えば、図8に示すように、マスターノード装置42は、長距離無線通信リンク(例えば、図2〜図5に示す長距離通信接続46)を介した溶接電源ユニット12との無線通信を容易にし、短距離無線通信ネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク40のローカル無線接続44)を介した1または複数の溶接関連装置(例えば、溶接機器/アクセサリーノード装置52)との無線通信を容易にするように構成された無線通信回路部72を備える。理解されるように、溶接電源ユニット12も、長距離無線通信リンク(例えば、図2〜図5に示す長距離通信接続46)を介したマスターノード装置42との無線通信を容易にするように構成された無線通信回路部72を備える。加えて、溶接機器/アクセサリーノード装置52も、短距離無線通信ネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク40のローカル無線接続44)を介したマスターノード装置42との無線通信を容易にするように構成された無線通信回路部72を備える。
上記で説明したように、或る特定の実施形態では、溶接電源ユニット12とマスターノード装置42との間の長距離無線通信リンク(例えば、図2〜図5に示す長距離通信接続46)は、RF通信リンクとして形成することができ、溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との間の短距離無線通信ネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク40のローカル無線接続44)も、同様にRF通信技法を利用することができる。したがって、或る特定の実施形態では、上記装置の無線通信回路部72は、RF送信機およびセンサー等のRF通信回路部を備えることができる。ただし、他の実施形態では、溶接電源ユニット12とマスターノード装置42との間および溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との間を無線で通信する任意の適した手段を利用することができる。
上記で説明したように、マスターノード装置42の無線通信回路部72および溶接電源ユニット12の無線通信回路部72は、溶接電源ユニット12とマスターノード装置42との間の長距離無線通信リンク(例えば、図2〜図5に示す長距離通信接続46)を約300フィートの送信範囲で確立して利用するように構成することができる。ただし、他の実施形態では、溶接電源ユニット12とマスターノード装置42との間の長距離無線通信リンク(例えば、図2〜図5に示す長距離通信接続46)の送信範囲は、本明細書において前述した300フィートを超えることができる。
加えて、上記で説明したように、マスターノード装置42の無線通信回路部72および溶接機器/アクセサリーノード装置52の無線通信回路部72は、溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との間の短距離無線通信ネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク40のローカル無線接続44)を、マスターノード装置42から約20フィート〜約25フィートの送信範囲で確立して利用するように構成することができる。ただし、他の実施形態では、溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との間の短距離無線通信ネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク40のローカル無線接続44)の送信範囲は、マスターノード装置42から約10フィート〜約50フィートの範囲内、マスターノード装置42から約15フィート〜約40フィートの範囲内、マスターノード装置42から約20フィート〜約30フィートの範囲内、または他の任意の適した範囲内とすることができる。一般に、ローカル無線ネットワーク40のローカル無線接続44は、あまりにも遠くに放射されず、それによって、電力が浪費されず、近くの他の装置と干渉する可能性がないように無線通信回路部72の電力を下げることによって作成される。
加えて、図8に示すように、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42および溶接電源ユニット12は、主通信モードとして、若しくは溶接電源ユニット12とマスターノード装置42との間の長距離無線通信リンク(例えば、図2〜図5に示す長距離通信接続46)上での通信が可能でないとき(例えば、長距離通信接続46の一時的な遮断中)、またはそれらの双方であるときに、溶接ケーブル(例えば、溶接ケーブル20、28)または他の有線デジタル通信リンクを介した溶接電源ユニット12との有線デジタル通信(例えば、溶接ケーブル通信(WCC)、および他の形態の有線デジタル通信)を容易にするように構成された有線通信回路部74を備える。
ネットワーク関連付けおよびセキュリティ
加えて、図8に示すように、マスターノード装置42は、溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との関連付けを容易にするとともに、例えば、溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との間に形成されたローカル無線ネットワーク40への認可されていないアクセスを防止することによって、溶接機器/アクセサリーノード装置52、マスターノード装置42、および関連付けられた溶接電源ユニット12が互いにセキュアに動作することを保証するためのネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76を備える。
上記で説明したように、各溶接機器/アクセサリーノード装置52からの通信トラフィックは、マスターノード装置42に送信され、マスターノード装置は、ルーターおよび優先順位付けコントローラーとして動作し、正しいメッセージを図4および図5に示すような最終宛先に最終的にルーティングする。適切なクレデンシャル(例えば、その装置が、マスターノード装置42とともに用いるのに適した認可および証明された装置であることを示す)を有するとともに、(例えば、上記で説明した関連付けボタン70等の同期メカニズムの押圧を介した)「ユーザーの意図」入力に基づいて同期された溶接機器/アクセサリーノード装置52のみをローカル無線ネットワーク40に「関連付ける」ことが認められている限り、溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との間に形成されたローカル無線ネットワーク40はセキュアである。さらに、マスターノード装置42は、1つの溶接電源ユニット12のみを制御することが認められ、それによって、形成されたローカル無線ネットワーク40のセキュリティは更に高められる。
上記で説明したように、或る特定の実施形態では、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76によって実行される関連付け手順は、ペアリングステップに関与する各装置の特殊設計された関連付けボタン70を手動で押下および維持することによって開始され、そのため、このペアリングは、マスターノード装置42と、作業者がローカル無線ネットワーク40に追加したい各装置との間で常に実行される。溶接機器/アクセサリーノード装置52は、マスターノード装置42への登録および関連付けに成功すると、ローカル無線ネットワーク40が解体されるまで、ローカル無線ネットワーク40におけるアクティブな参加者として留まる。ローカル無線ネットワーク40の解体の後、各溶接機器/アクセサリーノード装置52およびマスターノード装置42は、他のローカル無線ネットワーク40に自由に関連付けることができる。
マスターノード装置42(例えば、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76を用いる)は、溶接機器/アクセサリーノード装置52との予備通信を通じて、自身が通信セッションにおけるマスターノード装置42であると判断し、通信セッションにおける他方のノードが、特に、適切な認可クレデンシャル、MACアドレス、およびセキュリティアクセスコードを有する溶接機器/アクセサリーノード装置52であると判断する。この検証は、認可および証明されておらず、安全性および信頼性の標準規格を満たしていない他の無線装置(例えば、Zigbee無線装置)が、ローカル無線ネットワーク40に参加することを防止するとともに、ローカル無線ネットワーク40上の他の装置とデータを交換することができないようにするのに必要である。
溶接電源ユニット12が、マスターノード装置42によって受け付けられると、これらの2つの初期の装置は、ローカル無線ネットワーク40を形成する。ローカル無線ネットワーク40を形成するプロセスにおいてマスターノード装置42に参加する最初の装置は、常に溶接電源ユニット12、またはドングルタイプ装置64であり、したがって、最も単純かつ最小のネットワークは、通常はマスターノード装置42として識別される少なくとも1つのコントローラーと、ネットワークコントローラー(すなわち、マスターノード装置42)によって制御されると予想される装置とみなされる溶接電源ユニット12等のアクセサリーノードとからなる。
ローカル無線ネットワーク40を確立した後すぐに、マスターノード装置42(ここでも、一般にはネットワークコントローラーと呼ばれる)のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、チャネル番号、スリープ/ウェイクアップタイマー値、初期の送信電力レベル、およびローカル無線ネットワーク40内で送信を制御するのに必要とされる他のパラメーターを用いてアクセサリーノードをプログラムする。マスターノード装置42のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、バッテリーレベル、受信機感度、およびアクセサリーノードのRFリソースを管理する際に役立つ他のパラメーター等のステータス情報もアクセサリーノードに問い合わせる。これらのステップも、(例えば、単にローカル無線ネットワーク40の開始の際の溶接電源ユニット12またはドングルタイプ装置64だけでなく)ローカル無線ネットワーク40にその後に追加される様々な溶接機器/アクセサリーノード装置52を用いて行われることが理解されるであろう。
本明細書において説明する関連付け方法は、無線ノードが単に一意のシリアルナンバー(例えば、ノードID)を提供することによって接続することを可能にする通常の関連付け方法(例えば、Zigbee関連付け方法)とは異なる。制御通信ネットワークを実施するとき、そのような方法は、事実上任意の装置が正しい製造者範囲および適切なフォーマットでノードIDを模倣することができ、したがって、アクセスが適切でない状況においてアクセスの許可を受けることができるので、所望のレベルのセキュリティを提供せず、その結果、特に、安全でない動作がもたらされる可能性がある。
図7に関して上記で手短に説明したように、マスターノード装置42のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76が、2つの装置上におけるユーザーからの関連付けキーの押下(例えば、専用関連付けボタン70の押圧)を認識すると、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、関連付けプロセスを開始する。ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、ボタン70がユーザーによって押下された状態にある間、関連付けモードの状態にある。関連付けモードにある間、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、最初に、通信チャネルを15に設定し、チャネル15上でクリアチャネル評価を要求し、他の溶接機器/アクセサリーノード装置52がそのビーコンを聞いて参加を決定することができる送信範囲を制限するために、マスターノード装置42の(例えば、無線通信回路部72の)送信電力を、チップセットによって許容される最低レベル(例えば、或る特定の実施形態では、約−17dBm)に下げる。
次に、マスターノード装置42は、チャネル15上でビーコンを送出し、自身が、無線送信範囲内の溶接機器/アクセサリーノード装置52のネットワークコーディネーターとして利用可能であることをアナウンスする。マスターノード装置42および/または溶接機器/アクセサリーノード装置52のエネルギー検出回路部78が、チャネル15を比較的雑音の多いチャネルとみなさない限り、全ての関連付けはチャネル15上で行われる。チャネル15が比較的雑音の多いチャネルとみなされた時点で、次の利用可能なチャネル(例えば、チャネル20、25、および26)が用いられる。或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、ビーコンを10ミリ秒ごとに繰り返し、マスターノード装置42との関連付けを望む任意の溶接機器/アクセサリーノード装置52からの応答を20ミリ秒間待つ。返答が、所与の時間(例えば、或る特定の実施形態では、1000ミリ秒)の間、チャネル15上で受信されず、エネルギー検出回路部78のアルゴリズムが、比較的低いエネルギー(すなわち、チャネルが、通信を行うのに十分クリアである)を報告した場合、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、マスターノード装置42との関連付けを望む溶接機器/アクセサリーノード装置52が存在しないと仮定し、関連付けトランザクションを終了する。エネルギー検出回路部78のアルゴリズムが、チャネル15上で雑音を検出し、ユーザーがマスターノード装置42上の関連付けボタン70をまだ押下している場合、マスターノード装置42は、2つのことのいずれか、すなわち、(1)溶接機器/アクセサリーノード装置52が見つかり、関連付け手順がネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76によって開始されること、または(2)チャネルシークカウンターが他の全ての利用可能なチャネル(例えば、或る特定の実施形態では、チャネル20、25、および26)をトラバースした後、15の値に折り返すこと、が生じるまで、次の利用可能なチャネル(例えば、チャネル20)上でビーコンを送出し、ビーコン手順を繰り返す。ユーザーが、マスターノード装置42上の関連付けボタン70を押下し続けている間、アルゴリズムは、雑音が存在するとき、マスターノード装置42への溶接機器/アクセサリーノード装置52の関連付けを完了するのに用いることができるクリアなチャネルを見つけるために、チャネルを切り替え続ける。
溶接機器/アクセサリーノード装置52が検出された場合、マスターノード装置42は、溶接機器/アクセサリーノード装置52をローカル無線ネットワーク40内にマッピングするのかまたはそれを拒絶するのかを決定するために、特にMAC(媒体アクセス制御)アドレスおよびアクセサリーノード機能コードを溶接機器/アクセサリーノード装置52に要求する。この方法は、装置が「正しい」タイプである場合にそれらの装置が関連付けを行うことを可能にする(すなわち、エンドポイントノードは、コーディネーターノードに常に接続することができる)通常のノード関連付け方法論(例えば、Zigbee)とは異なる。マスターノード装置42との関連付けを要求する溶接機器/アクセサリーノード装置52は、少なくとも3つの最小基準を満たさなければならない。第1に、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、0xFFFFの「ショートネットワークアドレス」を有しなければならない。これは、溶接機器/アクセサリーノード装置52が別のマスターノード装置42によるアドレスを用いて永続的にプログラムされていなかった(すなわち、溶接機器/アクセサリーノード装置52は別のローカル無線ネットワーク40に属する)ことを意味する。第2に、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、適切な製造者の範囲内のMACアドレスを処理しなければならない。第3に、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、関連付けルールのシーケンスごとに正しい機能を処理しなければならない。例えば、上記で説明したように、マスターノード装置42に接続する最初のノードは、機器ノード(例えば、制御されている溶接電源ユニット12または他の産業機器)である。加えて、溶接機器/アクセサリーノード装置52のタイプの重複は制限され、場合によっては防止される。例えば、幾つかのノードタイプは、ローカル無線ネットワーク40内に各タイプの複数のインスタンスを有することが認められている一方、幾つかは認められていない(例えば、溶接トーチ18は、各ローカル無線ネットワーク40につき1つしか存在することができない一方、センサー66は、各ローカル無線ネットワーク40につき複数存在することができる)。さらに、関連付けルールは、節電およびデータスループットの最小セットが、マスターノード装置42が構築するローカル無線ネットワーク40のタイプによって必要とされることを保証する。
溶接機器/アクセサリーノード装置52が、マスターノード装置42に関連付けられるための最小基準に合格したと仮定すると、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、溶接機器/アクセサリーノード装置52をローカル無線ネットワーク40内にマッピングし、溶接機器/アクセサリーノード装置52を、その機能を表す(ローカル無線ネットワーク40内の)「ショートネットワークアドレス」および他の階層的ネットワークパラメーター、並びに溶接機器/アクセサリーノード装置52が動作中に一時的にスリープする必要があるバッテリー電力供給型装置である場合にはスリープモードタイミングを用いてプログラムする。溶接機器/アクセサリーノード装置52がローカル無線ネットワーク40に追加されると、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、ローカル無線ネットワーク40の安全機能およびセキュリティ機能を維持するために、ハートビート間隔を用いて溶接機器/アクセサリーノード装置52をプログラムし、当該溶接機器/アクセサリーノード装置がまだ活動しているという周期的な表示を提供するように当該溶接機器/アクセサリーノード装置に要求する。溶接機器/アクセサリーノード装置52からのハートビートデータパケットは、特に、次のデータ、すなわち、(1)溶接機器/アクセサリーノード装置52のバッテリーレベル(例えば、高、中、または低)、(2)溶接機器/アクセサリーノード装置52の送信電力レベル設定、(3)以前のパケットから測定された受信機感度、および(4)溶接機器/アクセサリーノード装置52のオプションのカスタムシグネチャ、を含むことができる。或る特定の実施形態では、このデータのありとあらゆるサブセットを溶接機器/アクセサリーノード装置52が提供することができることが理解されるであろう。
溶接機器/アクセサリーノード装置52が、電気的または機械的な機能不良に起因してローカル無線ネットワーク40からドロップし、そのような溶接機器/アクセサリーノード装置52が、マスターノード装置42との3つの連続したハートビートサイクルのログ記録に失敗した場合、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、次のように動作する。溶接機器/アクセサリーノード装置52が、溶接電源ユニット12等のアクティブ制御機器である(例えば、制御される機器のための最後の制御コマンドがその溶接機器/アクセサリーノード装置52から来たと判断される)場合、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、その溶接機器/アクセサリーノード装置52の関連付けをローカル無線ネットワーク40から直ちに解除し、ユーザーフィードバックを提供するのに用いられるエラーフラグを溶接機器/アクセサリーノード装置52に送信する。溶接機器/アクセサリーノード装置52がユーザーディスプレイ装置等の「セーフティノンクリティカル(safety non-critical)」である場合、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、溶接機器/アクセサリーノード装置52が消失したことをバッファーにログ記録し、関連付けビーコンを繰り返すことによって溶接機器/アクセサリーノード装置52を突き止めようと試み、(1)溶接機器/アクセサリーノード装置52を最初の段階で関連付けたローカル無線ネットワーク40がまだ動作している(例えば、ローカル無線ネットワーク40が取り除かれていない)こと、および(2)ショートネットワークアドレス、ノード機能、および製造者コードが、喪失が検出されたノードと一致すること、を条件として、その特定のアドレスを有するその特定の溶接機器/アクセサリーノード装置52が自動的に再関連付けされることのみを可能にする。
いずれかの溶接機器/アクセサリーノード装置52が、適切に関連付けられたローカル無線ネットワーク40から接続解除されたと判断した場合、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、マスターノード装置42を突き止める一連のインテリジェントなステップを行う。例えば、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、チャネル雑音を検査し、偶然にも雑音が多い所定のチャネル(例えば、マスターノード装置42によって設定される)からチャネルを切り替えることができる。加えて、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、その送信電力を最大許容可能なものに増加させることができる。さらに、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、当該溶接機器/アクセサリーノード装置52が例えばRF送信に問題があることをマスターノード装置に告げる「危険状態(distress)」パケットをマスターノード装置42に送出することができる。これに応答して、以下でより詳細に説明するように、マスターノード装置42のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、「危険状態にあるノード」のその特殊な状況を緩和するために、「ネットワークフットプリント」を調整する(例えば、マスターノード装置42の無線通信回路部72の信号強度を増加させる)ことができる。
これらのステップが失敗した場合、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、関連付けられたローカル無線ネットワーク40から孤立したと判断し、例えば、そのショートネットワークアドレスを0xFFFFに変更し、その通信チャネルをチャネル15に変更し、そのステータスを「関連付けられていない」に変更し、そのログ記録およびハートビート設定をクリアし、自身を低電力モードまたはOFFモードにすることによって、関連付けられていないタイプのノードに自身をリセットし、作業者がその関連付けボタン70を押下することによってウェイクされるのを待つ。溶接機器/アクセサリーノード装置52がマスターノード装置42にまだ接続されているか否かを告げるのに用いるメカニズムは、そのハートビートパケットのそれぞれに応答してマスターノード装置42によって送信される肯定応答(「ACK」)パケットの詳細を観察することである。各パケットは、ハートビートであるか否かを問わず、マスターノード装置42が所与の時間(例えば、或る特定の実施形態では、100ミリ秒)内に肯定応答しなければならない。ACKパケットを読み取った結果として収集される他のデータは、溶接機器/アクセサリーノード装置52がマスターノード装置42との無線通信リンクを喪失する危険な状態にあるか否かを判断することを助ける。これを行うためのメカニズムは、以下でより詳細に説明される。
マスターノード装置42のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、制御されている装置(例えば、溶接電源ユニット12)への長距離通信接続46の喪失の結果として、自身が形成したローカル無線ネットワーク40の解体を決定した場合、ローカル無線ネットワーク40に関連付けられた各溶接機器/アクセサリーノード装置52に、関連付けを解除する要求を送信し、その関連付け解除要求コマンドに対するACKを用いて応答した装置の情報のそのテーブルエントリーを削除する。マスターノード装置42に以前に関連付けられた全ての溶接機器/アクセサリーノード装置52の関連付け解除が成功すると、マスターノード装置42は、スリープモードまたはOFFモードに入り、ユーザーがその関連付けボタン70を押下することによってウェイクされるのを待つ。
改善されたロバスト性
本明細書において説明する無線ネットワークアーキテクチャは、比較的雑音の多い工場環境において通常生じる送信遮断、通信リンク喪失、およびデータエラーに対して耐性がある産業用の無線ネットワークアーキテクチャを可能にし、ローカル無線ネットワーク40を構成するノード(例えば、マスターノード装置42および溶接機器/アクセサリーノード装置52)に組み込まれたプロトコルインテリジェンスを通じて、RF送信の物理的限界を回避する方法を含む。本明細書において説明する技法は、RF送信が或る程度信頼できないものであるという本来的な性質に対処する。どの特定の送信も喪失される場合もあるし、そのデータが破損する場合もあり、どのリンクも、かつてはどんなに堅固に見えた場合であっても、急速に信頼できないリンクになる可能性がある。そのような物理的限界に対処し、改善されたネットワークロバスト性を提供するためのインテリジェンスが、以下でより詳細に説明される。これらの技法は、マスターノード装置42と溶接機器/アクセサリーノード装置52との間(および、長距離無線通信接続46を用いる実施形態では、マスターノード装置42と関連付けられた溶接電源ユニット12との間)の無線通信の信頼性の絶え間ない改善(例えば、或る特定の実施形態では、約100ミリ秒ごとに更新される)を保証する。
上記で説明したように、ローカル無線ネットワーク40を構成するノード(例えば、マスターノード装置42および溶接機器/アクセサリーノード装置52)間の通信リンクは、人間の作業者が、例えば、ペアリングされる各装置上の関連付けボタン70を押下することによって、通信リンクを形成する意図を示したときにのみ確立される。上記でも説明したように、各ローカル無線ネットワーク40のネットワーク構成は、常に、溶接機器/アクセサリーノード装置52とCID(例えば、溶接電源ユニット12)との間でマスターネットワークコントローラーとして動作するマスターノード装置42を用いて形成された「スター」構成である。これによって、1つのマスターコントローラー(すなわち、マスターノード装置42)のみがローカル無線ネットワーク40のセットアップおよび管理を担当し、適切なクレデンシャルを有する溶接機器/アクセサリーノード装置52のみがローカル無線ネットワーク40に参加することを可能にし、ローカル無線ネットワーク40内のデータのあらゆる送信元および宛先を知っていることが確保される。
或る特定の実施形態では、上記で説明した関連付け手順を用いてリンクを形成するとき、接続される2つのノードの無線通信回路部72は、それらの信号を他のより遠方のマスターノード装置42が検出することができないように、最低RF電力モード(例えば、比較的短い送信範囲を有する)に設定され、そのため、作業者が関連付けることを意図したノードの関連付けの間違いがなくなる。例えば、関連付けられるノード(例えば、マスターノード装置42および溶接機器/アクセサリーノード装置52)上の関連付けボタン70が押下されると、ノードの最大送信範囲は、約2フィート未満になるように調整することができる。
上記で説明したように、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、クレデンシャルをマスターノード装置42のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76に提供し、それによって、それらの溶接機器/アクセサリーノード装置が本明細書において説明するローカル無線アーキテクチャに属することが証明される。例えば、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、特に、適切なMACアドレス範囲、ネットワーク装置分類、ネットワーク機能、および関連付けられた正しいパスワードを提供する。クレデンシャル要件は、通常はZigbee(802.15.4)、WiFi(802.11.a/b/g/n)、またはBluetooth(802.15.1)を通じて可能になる通常のアドホック無線接続とは異なる。これらのアドホック無線接続は、通常、適切な無線機を有する任意の装置が、(ほとんど場合)そのネットワーク機能を指定することを条件としてネットワークに参加することを認める。本明細書において説明するクレデンシャル要件の増加によって、最も高い標準規格において製造および証明された装置のみがローカル無線ネットワーク40の一部になることを認められることが保証される。より具体的には、本明細書において説明するクレデンシャル要件の増加によって、ローカル無線ネットワーク40において用いられる全ての装置が比較的エラーがなく動作することが十分に試験および証明されていることが確保される。したがって、従来の無線装置(例えば、従来のZigbee装置)は、作業者によってセットアップされたローカル無線ネットワーク40にアクセスすることができない。
一組の溶接機器/アクセサリーノード装置52は、関連付けられると、(それぞれのマスターノード装置42を通じて)1つの溶接電源ユニット12しか制御することができず、近傍における他の溶接電源ユニット12を意図せず制御する可能性が取り除かれる。これらの厳格な関連付けルールによって、産業環境内の人間の作業者の安全性が保証される。加えて、ノード間の全ての通信が、ローカル無線ネットワーク40の形成時に各マスターノード装置42によって、ローカル無線ネットワーク40に公開されたAES(次世代暗号化標準)キーを用いて暗号化される。したがって、ローカル無線ネットワーク40のノード間の通信は、ローカル無線ネットワーク40のRFの非常に近接した装置がハッキングすることができない。
ローカル無線ネットワーク40内の各溶接機器/アクセサリーノード装置52は、当該溶接機器/アクセサリーノード装置52を識別するコードのハードウェア修正を通じた場合を除いて変更することができないハードコーディングされた機能分類を有する。したがって、例えば、溶接ワイヤ送給装置14は、関連付けられた任意のローカル無線ネットワーク40においてワイヤ送給装置として常に動作する。加えて、各マスターノード装置42のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、必要となる各特定の機能タイプの或る特定の数のノードしか特定の溶接タスクを実行することを可能にしない。例えば、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、2つ以上の溶接ワイヤ送給装置14または2つ以上の溶接トーチ18をローカル無線ネットワーク40に関連付けることを可能にしない場合がある。なぜならば、1人の作業者しか存在せず、その作業者は一時に1つの溶接トーチ18しか操作することができず、所与の溶接トーチ18は、一時に1つの溶接ワイヤ送給装置14しか利用しないからである。逆に、複数の装置が、溶接作業に関連したデータを表示することができるので、複数のディスプレイノードを可能にすることができる。ただし、関連付けられた溶接電源ユニット12に直接命令することが可能にされるのは、1つのそのようなディスプレイノード(例えば、所与の溶接ペンダント36)のみである。或る特定の実施形態では、制御の担当は、マスターノード装置42が或る装置から別の装置(この装置が溶接電源ユニット12を制御する能力を備えることを条件とする)に移すことができるが、どの時点においても1つの特定の装置にしか存在することができない。
上記で説明した関連付けルールを通じて確立されたローカル無線ネットワーク40は、関連付けられた溶接電源ユニット12がアクティブである間しか存在しない。溶接電源ユニット12がオフにされるか、またはドングルタイプ装置64が溶接電源ユニット12の14ピンコネクターから取り外されると、ローカル無線ネットワーク40は、インテリジェントなマスターノード装置42によって解体される。加えて、マスターノード装置42は、それらの周囲のRF環境をアクティブに監視し、比較的雑音の多い産業環境においてローカル無線ネットワーク40の最大の共存を可能にするために、他のマスターノード装置42と異なるチャネルを取り決める。マスターノード装置42は、詳細な送信肯定応答を通じて溶接機器/アクセサリーノード装置52と溶接電源ユニット12との間の通信リンクも維持し、例えば、バッテリーの寿命、並びに周期的なハートビートのRF品質および発行を監視する。ローカル無線ネットワーク40内の全ての通信リンクは、ローカル無線ネットワーク40の寿命の継続期間の間、インテリジェントに維持される。
ライン電力供給型でない溶接機器/アクセサリーノード装置52のバッテリーレベルが過度に低く、許容可能なRFリンクを提供することができないとみなされた場合、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、ローカル無線ネットワーク40に参加することが可能ではない。そのような場合、作業者が低いバッテリー容量を有する溶接機器/アクセサリーノード装置52のバッテリーを充電するように要求するステータス警告が、溶接ヘルメット34または溶接ペンダント36等の、ローカル無線ネットワーク40内のディスプレイノードのうちの1つの作業者に示される。加えて、以下でより詳細に説明するように、マスターノード装置42は、ローカル無線ネットワーク40の溶接機器/アクセサリーノード装置52のそれぞれにおける電力レベルを絶えず監視し、溶接機器/アクセサリーノード装置52が、(バッテリー電力供給型である場合に)プログラムされたウェイク時刻にウェイクアップすることができるとともに、マスターノード装置42とのそれらのそれぞれの無線通信リンクを維持することができることを確保する。
各溶接機器/アクセサリーノード装置52は、ローカル無線ネットワーク40に関連付けられると、ハートビートパケットをマスターノード装置42に所定の時間間隔で提供する。或る特定の数のハートビートが連続して欠落していることは、通常、特定の溶接機器/アクセサリーノード装置52とマスターノード装置42との間のRFリンクが喪失されていることを示し、溶接機器/アクセサリーノード装置52は、ローカル無線ネットワーク40から関連付けを解除される。
加えて、マスターノード装置42のエネルギー検出回路部78は、ローカル無線ネットワーク40内で送信を行うために、現在のチャネル上でチャネル雑音を連続して監視し、許容可能な「サービスの品質」の見込みがあることを確かめる。現在のチャネル上で検出された雑音が或る特定の(例えば、所定のまたは事前に設定された)閾値を上回る場合、マスターノード装置42は、比較的クリアなチャネルを見つけ、そのローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52の全てをこの新たなチャネルに移す。マスターノード装置42は、そのローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52の全てによって確実に検出されるが、近くの他のネットワークを妨害するほど「大きすぎ」ない適切な信号強度でデータを送出することを確保するために、マスターノード装置42は、各溶接機器/アクセサリーノード装置52によって提供される受信機感度データも連続して監視し、その(正:its)送信電力(例えば、無線通信回路部72の信号強度)をそれに応じて調整する。換言すれば、マスターノード装置42は、溶接機器/アクセサリーノード装置52からの受信機感度データを信号強度フィードバックデータとして利用して、マスターノード装置42からの送信の信号強度を適切に調整する。加えて、マスターノード装置42は、溶接機器/アクセサリーノード装置52の送信電力を同様に調整させることができる。
マスターノード装置42と溶接電源ユニット12との間の長距離通信接続46の喪失は、溶接電源ユニット12によって迅速に検出され、装置は、安全な動作モードに置かれる。RFリンクの一時的な喪失を緩和するための或る特定の方法、および喪失したリンクを再確立する方法は、上記でより詳細に説明されている。これらの方法によって、通常ならば信頼できないRFリンクとみなされ得るものを維持するために、最大限の努力がマスターノード装置42および溶接機器/アクセサリーノード装置52によって確実になされる。
加えて、マスターノード装置42および溶接機器/アクセサリーノード装置52へ転送されるデータおよびこれらから転送されるデータは、最適なサイズのパケットにパケット化される。上記で説明したように、ローカル無線ネットワーク40のスタートポロジーによって、マスターノード装置42と溶接機器/アクセサリーノード装置52との間のデータの順序だった送信とともに、各ローカル無線ネットワーク40のための単一のインテリジェントなコントローラー(例えば、マスターノード装置42)が保証される。これによって、行われる無線送信の量が最小になり、溶接機器/アクセサリーノード装置52が、従来のアドホックトポロジーのように、自身の時間を自身の通信の順番を調停することに費やすことがないことが確保される。マスターノード装置42は、そのローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52の全てからデータを受信し、マスターノード装置42は、最適なパケットサイズおよびタイミングを用いて、それらのデータをパケット化して最終宛先に送信する。この最適なタイミングは、ローカル無線ネットワーク40の履歴性能の監視からリアルタイム(例えば、或る特定の実施形態では、約50ミリ秒ごとに更新される)で決定される。これは、異なる溶接機器/アクセサリーノード装置52間のデータ送信の衝突の削減に役立つとともに、送信品質を改善する。
電力の管理および最適化
溶接機器/アクセサリーノード装置52のうちの幾つか(または全て)は、電力源にプラグ接続されることとは対照的にオンボードバッテリー80によって電力供給され、遠隔のロケーション間での溶接機器/アクセサリーノード装置52の携帯性が促進される。ローカル無線ネットワーク40内の全ての溶接機器/アクセサリーノード装置52(並びにマスターノード装置42および溶接電源ユニット12)におけるオンボードバッテリー80の使用を容易にするために、マスターノード装置42(および他の装置)は、引き続き必要な最小レイテンシーおよび十分な可用性レベルを維持しつつ、独特の方法を用いて溶接機器/アクセサリーノード装置52間で電力を節約するように構成された電力最適化回路部82を備える。これらの電力最適化方法は、引き続き必要とされる可用性レベルを維持しつつ、他の無線ネットワークとは独立にローカル無線ネットワーク40ごとに最適なスリープ/ウェイクタイミングが何であるのかを求める適応型アルゴリズムを実施する。
上記で説明したペアリング手順の後、マスターノード装置42の電力最適化回路部82は、このマスターノード装置が組み立てたローカル無線ネットワーク40についての少なくとも次のパラメーターを求める。すなわち、(1)ローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52の数、(2)ローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52のタイプ、(3)最も重要な溶接機器/アクセサリーノード装置52のタイミング要件(例えば、最大レイテンシー)、(4)各溶接機器/アクセサリーノード装置52に関連付けられた送信の最後のセットからのローカル無線ネットワーク40の送信電力フットプリント、および(5)(例えば、上記で説明したように、近くの装置からの最小量の測定雑音)内で動作する最適なチャネルを求める。以下でより詳細に説明するように、この情報を用いて、マスターノード装置42の電力最適化回路部82は、ローカル無線ネットワーク40の全てのパラメーターが確実に満たされるように、その制御下にある全ての溶接機器/アクセサリーノード装置52の「スリープモード戦略」およびスケジュールを策定する。
マスターノード装置42の電力最適化回路部82は、ローカル無線ネットワークのネットワークレイテンシーを、ローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52のうちの任意のものの最も厳格な要件のネットワークレイテンシーに設定することによって開始する。例えば、溶接ワイヤ送給装置14の要件が、その送給レートが100ミリ秒ごとを下らない頻度で更新されなければならないことである場合、ローカル無線ネットワーク40は、少なくとも100ミリ秒内に応答するように設定される。被制御産業用装置(CID:Controlled Industrial Device)(例えば、溶接電源ユニット12)を制御するノードは、本明細書において、例えば、ドングルタイプ装置64と呼ばれてきた。この装置ノードは、常に、図1に示す電力源30等のAC電力源によって電力供給されることが前提とされ、そのため、この装置ノードは、マスターノード装置42にアラートを送信することまたはマスターノード装置42からコマンドを受信することに常に利用可能である。この装置ノードは、安全性要件によって決まる最大レイテンシー要件、およびその制御システムの或る特定のループダイナミクスを有する。
機器の安全動作に重要でない溶接機器/アクセサリーノード装置52は、例えば、ユーザーの更新は重要なものとしてではないので、より多くの時間をスリープモードで費やすことができるように、マスターノード装置42の電力最適化回路部82は、ローカル無線ネットワーク40内の各溶接機器/アクセサリーノード装置52の「実際のレイテンシー」時間を求める。一般に、溶接電源ユニット12、溶接ワイヤ送給装置14、および溶接制御ペンダント36は、機器の安全動作に重要であるとみなされる。実際のレイテンシーパラメーター(例えば、あまり厳格でないレイテンシー要件)をサポートすることができる各溶接機器/アクセサリーノード装置52は、上記で説明したペアリングおよび関連付け手順の完了の際に、このことをマスターノード装置42に通信する。一般に、実際のネットワークレイテンシーパラメーターは、上記で説明したように、ローカル無線ネットワークの最も厳格な要件に基づいて設定されるローカル無線ネットワーク40の全体的なネットワークレイテンシーパラメーターよりも一般に大きい許容可能な応答時間である。
マスターノード装置42の電力最適化回路部82は、次のウェイクアップ時刻から、フルタイム動作(例えば、ローカル無線ネットワーク40の形成後の最初の5分間)から最初に求められる「ネットワークレイテンシーパラメーター」を引いたものを用いて、各溶接機器/アクセサリーノード装置52をプログラムし、溶接機器/アクセサリーノード装置52に、それらの個々のタスクリストが空になる(例えば、保留中の要求または実行すべきスケジュールタスクがない)とすぐにスリープモードになるように通信する。或る特定の実施形態では、このネットワークレイテンシーパラメーターは、ローカル無線ネットワーク40内の最も遅い溶接機器/アクセサリーノード装置52の平均送信レイテンシーの2倍になるように計算される。或る特定の実施形態では、最後の3つの送信の平均レイテンシーが、最初に計算された値よりも大きい場合、ネットワークレイテンシーパラメーターに対する調整が行われる。上記最後の3つの送信の平均レイテンシーが、最初に計算された値よりも大きいということは、時間とともに、或る特定のチャネル上の雑音の起こり得る増加、複数の雑音源によるRFスペクトルの過密化等に起因して、溶接機器/アクセサリーノード装置52がウェイクアップしてマスターノード装置42と通信するのにより多くの時間を必要とすることを意味する。加えて、マスターノード装置42の電力最適化回路部82は、ローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52の全てをプログラムした時間の量の約95%の継続時間の間、マスターノード装置42をスリープモードにする。マスターノード装置42がスリープモードになるとき、全てのネットワーク固有情報(例えば、ルーティングテーブル、レイテンシータイミング、ノードの機能等)が、マスターノード装置42がウェイクアップしたときの使用に備えて、マスターノード装置42の不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)84に記憶される。
スリープモードにある間、マスターノード装置42は、作業者が、通常認められるネットワークレイテンシーよりも素早くCID(例えば、溶接電源ユニット12)と通信する必要がある場合に、マスターノード装置42上の特殊な作業者入力装置86(例えば、図7に示すように、マスターノード装置42の外表面上のタッチスクリーン、ボタン、キー、スイッチ等)を監視する。これらの作業者入力装置86のうちのいずれかをアクティブ化することによって、マスターノード装置42を制御するプロセッサ88(例えば、或る特定の実施形態では、マイクロプロセッサ)に割り込みが生成され、これによって、マスターノード装置42は、スリープモードからウェイクし、マスターノード装置42は、ローカル無線ネットワーク40内の溶接機器/アクセサリーノード装置52との通信を開始することが可能になる。例えば、作業者は、スリープモードにある溶接制御ペンダント36(ローカル無線ネットワーク40のマスターノード装置42として機能する)をピックアップして、この溶接制御ペンダント36上のボタンを押下することができる。このボタンの押下は、プロセッサ88のウェイクイベントとしての役割を果たす。プロセッサ88は、ボタンの押下によって引き起こされた割り込みに起因してウェイクアップし、このボタンの押下を特定のコマンドとして解釈し、そのコマンドをCID(スリープモードに決してならないCID)に送信し、その後まもなく、要求されたコマンドに肯定応答し、このコマンドを実行する。CIDまたはマスターノード装置42以外のノード(例えば、溶接機器/アクセサリーノード装置52)が、同様の方法でユーザー入力を受信した場合、それ自身のプロセッサ88(例えば、或る特定の実施形態では、マイクロプロセッサ)が、それ自身の不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)84内のキューにそのコマンドをログ記録し、マスターノード装置42への情報送信前にネットワークレイテンシータイマーが満了するのを待つ。
本明細書において説明する実施形態は、(例えば、エンジン駆動ユニットの場合、メインモーターがシャットオフされたとき)CID(例えば、溶接電源ユニット12)および/またはドングルタイプ装置64がオンボードバッテリー80によって電力供給を受けることも可能にする。この場合、CIDまたはドングルタイプ装置64は、上記で説明したように、溶接機器/アクセサリーノード装置52およびマスターノード装置42の標準的なスリープモード動作を観察する。CIDまたはドングルタイプ装置64がマスターノード装置42に報告する最小レイテンシー値は、当該CIDまたはドングルタイプ装置がアロケートされたネットワークレイテンシー内で応答することが安全であることを確実にするために、当該CIDまたはドングルタイプ装置64のタイミングダイナミクスおよびタイミング要件の全てを考慮に入れる。上記で説明した関連付け手順に従って確立されたローカル無線ネットワーク40は、ローカル無線ネットワーク40が意図的に解体されない限り、無限個のスリープ状態を通じて存続する。
本明細書において説明するバッテリー監視方法論は、タイミングの良い正確なユーザー通知によって、溶接機器/アクセサリーノード装置52のオンボードバッテリー80の容量が管理されること、およびそのような情報がユーザーに適切に表示されることが確保されることを可能にする。例えば、各溶接機器/アクセサリーノード装置52は、バッテリーステータス情報をマスターノード装置42に送信し、マスターノード装置は、各ノードのバッテリー残量の表示90(例えば、図7参照)をユーザーに提供する。或る特定の実施形態では、そのような通知は、現在の使用状態の下での「残り使用時間」表示(例えば、時間および分による)とともに、5%またはより良好な解像度のバッテリー残量を有するバッテリーレベルのグラフィカル表現を示す。加えて、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、それ自身のバッテリー容量および残り使用時間に関する同じ情報を表示することができる。充電情報も、そのようなノードがバッテリー充電器にプラグ接続されたときに、各溶接機器/アクセサリーノード装置52からマスターノード装置42に送信することができ、表示90上に表示することができる。例えば、充電情報は、「充電電流」およびフル充電までの推定時間を示すことができる。さらに、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、溶接機器/アクセサリーノード装置52のうちのいずれかのバッテリーレベルが所与の閾値未満(例えば、約30%未満)に下がった場合に、視覚アラームおよび/または可聴アラームを提供することができ、特定のオンボードバッテリー80が再充電されるまで、周期的なアラームを提供し続ける。加えて、或る特定の実施形態では、マスターノード装置42は、溶接機器/アクセサリーノード装置52のオンボードバッテリー80が電力を使い尽くした場合、その溶接機器/アクセサリーノード装置52の関連付けを解除し、音響キューおよび/または視覚キューを通じて取られた動作を、表示90を介してユーザーに報告する。
センサーデータ送信
上記で説明したように、溶接作業には必ずしも必要とされない場合があるセンサー66も、工場作業員によってセットアップされるローカル無線ネットワーク40を利用することができる。ローカル無線ネットワーク40は、ランダムに確立され、比較的短い時間の間しか存在しない場合があるので、センサー66は、関連付けることができ、そのデータペイロードを外部の宛先(例えば、クラウドストレージまたは他の集中型および/または分散型の制御システム)に転送することができるマスターノード装置42を絶えず見つけるように試みなければならない場合がある。或る特定の実施形態では、センサー66は、その指定された監視入力(複数の場合もある)のサンプルを、無線リンクを通じてプログラム可能であり得る規則的な間隔(例えば、約100ミリ秒ごと)で取り、センサー66が、ローカル無線ネットワーク40に接続することができ、バッファリングされたデータをその最終宛先に送信することができるようになるまで、データをその不揮発性メモリにバッファリングする。或る特定の実施形態では、センサー66は、当該センサー66がそのデータを送信すべきターゲットロケーションを表すハードコーディングされた宛先IPアドレスを用いて最初にプログラムすることができる。この宛先IPアドレスは、その後、適切なクレデンシャルを有する要求元が(例えば、マスターノード装置42またはローカル無線ネットワーク40の他のディスプレイ装置を通じて)変更することができる。
センサー66は、次のように、利用可能なマスターノード装置42に関連付けることができる。関連付けられていないセンサー66は、ウェイクアップし、近くの任意のマスターノード装置42によって送出されたビーコンをリスンすることができる。マスターノード装置は、自身が、現在確立されているローカル無線ネットワーク40のマスターノード装置42であること、および自身が近くの任意のセンサー66(または溶接機器/アクセサリーノード装置52)との関連付けを認める準備ができていることをアナウンスしている。マスターノード装置42がセンサー66のRF範囲内で検出された場合、このセンサーは、マスターノード装置42に関連付ける許可を要求する。この時点で、マスターノード装置42およびセンサー66は、上記でより詳細に説明したように、マスターノード装置および溶接機器/アクセサリーノード装置52がクレデンシャルを交換したのと同じ方法でクレデンシャルを交換する。例えば、センサー66は、特に、適切なMACアドレス範囲、ネットワーク装置分類、ネットワーク機能、および関連付けられた正しいパスワードに関する情報をマスターノード装置に伝達し、マスターノード装置42のネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76は、センサー66がマスターノード装置42に適合しているか否かを判断する。センサー66およびマスターノード装置42が適合していると判断された場合、センサー66とマスターノード装置42との間のデータリンク接続が確立される。この接続は、溶接機器/アクセサリーノード装置52とともに行われる通常の「コマンドおよび制御」の関連付けと同じではない。それとは逆に、センサー66とマスターノード装置42との間の接続は、センサーデータが、センサー66と他の或る宛先エンドポイントとの間で移動することを単に可能にするだけのものである。換言すれば、マスターノード装置42は、センサー66への/からのセンサーデータのインテリジェントなルーターとして機能する。
センサー66とマスターノード装置42との間の接続リンクが確立されると、センサー66は、「能力リスト」をマスターノード装置42に要求する。この能力リストは、(1)マスターノード装置42が、ワールドワイドウェブ(WWW)へのアクセスを有するか否か、(2)マスターノード装置42が、WWWへのアクセスを有する近傍の他のマスターノード装置42に気付いているか否か、(3)マスターノード装置42によって確立されたローカル無線ネットワーク40の寿命継続期間、(4)マスターノード装置42のバッテリーステータス(およびマスターノード装置がライン電力供給型であるのかまたはバッテリー電力供給型であるのか)、および(5)マスターノード装置42によって制御されるローカル無線ネットワーク40のスリープ期間(センサー66は、これを用いて自身を同期させることができる)をセンサー66に告げる。或る特定の実施形態では、「能力リスト」は、これらのリストされた項目のサブセットを含むことができることが理解されるであろう。
マスターノード装置42がWWWへの接続をアドバタイズした場合、またはセンサー66が関連付けられているマスターノード装置42が、WWWへの接続をアドバタイズした近くの近傍における他のマスターノード装置42について知っている場合、センサー66は、ピング(ping)要求を、そのデータレポジトリの最終宛先を提示するマスターノード装置42に送信する。マスターノード装置42は、それ自体インターネット接続を有する場合があり、この場合、マスターノード装置42は、自身がマスターとなっているローカル無線ネットワーク40とWWWとの間のブリッジとして動作するか、または上記で説明したように、CID(例えば、溶接電源ユニット12)のバックエンドを通じて要求を転送することができる。
マスターノード装置42が、WWWへの接続、または(例えば、他のマスターノード装置42を通じて)WWWにどのようにアクセスするのかの何らかの知識をアドバタイズしない場合、センサー66は、WWWへのマスターノード装置42のアクセスを評価する目的で一時的に接続されたマスターノード装置42から自身の関連付けを解除し、上記で説明したように、その発見ルーチンを継続する。或る特定の実施形態では、以前に検出されたマスターノード装置42がセンサー66の発見ルーチンによって再び検出された場合、マスターノード装置42は、センサー66のハードコーディングされたMACアドレスをそのメモリ84に(例えば、WWWアクセス能力の評価の目的で)一時的に接続されたものであったとして記憶し、マスターノード装置42が、センサー66との最後の関連付けが要求された以降の時間においてWWWへのアクセスを取得していない限り、そのローカル無線ネットワーク40への関連付けを認めない。したがって、センサー66の時間が節約され、センサー66が既に確定したものを再評価することにバッテリー電力を不必要に浪費しない(すなわち、マスターノード装置42がWWWへのアクセスを提供することができない)ようになる。
マスターノード装置42が、WWWへのアクセスをセンサー66に提供することができる場合、マスターノード装置42は、センサー66によって提供された宛先アドレスへのピングの送信を試み、宛先アドレスからの応答を待つ。マスターノード装置42が、宛先アドレスからピングの応答を受信し、宛先アドレスが有効である場合、マスターノード装置42は、宛先アドレスとの通信リンクを確立することができること、およびセンサー66からデータを受信する準備ができていることをセンサー66に通知する。センサー66は、次に、宛先アドレスに転送することを意図している全パケットのカウントを最初のデータパケットとともに送信する。マスターノード装置42は、このデータをバッファリングし、全てのセキュリティおよびチェックサムをこのデータに対して実行して、このデータが破損していないことを確かめ、マスターノード装置がセンサー66のために以前にピングした宛先アドレスにこのデータパケットを送信する。
最終宛先におけるサーバーは、データを受け取り、チェックサムを計算し、このチェックサムおよび「現在の受信パケット」カウントをACKとしてマスターノード装置42に送信する。マスターノード装置42は、最終宛先におけるサーバーから受信されたACK情報をセンサー66に転送する。ACK情報で満たされる場合、センサー66は、そのパケットカウントをディクリメントし、次のパケットをマスターノード装置42に送信する。センサー66は、最終宛先IPアドレスにおけるサーバーが受信に成功したとの肯定応答を受けた全てのデータをその不揮発性メモリバッファーから永久的に削除する。加えて、センサー66は、時刻および日付、最終宛先に転送されたデータのサイズ、並びに転送されたデータの時刻および日付の範囲を示すログエントリーを「循環バッファーログ」に作成する。センサー66がどの近くのマスターノード装置42(例えば、適切なアクセス能力を有する)を通じても長期間の間、WWWにアクセスすることができず、センサー66が不揮発性バッファーメモリを使い果たしそうになっている場合、センサー66は、収集された最も新しいセンサーデータ用の場所を空けるために、最も古いセンサーデータの削除を開始する。
データ収集方法およびタイミングパラメーター、スリープ/ウェイクアップおよびサーチタイミングパラメーター、並びにセンサー66の最終宛先IPアドレスパラメーターは全て、適切なクレデンシャルを有するとともにその発信元(送信元)IPアドレスが特定のセンサー66の最終宛先IPアドレスと一致するサーバーから無線で再プログラム可能である。したがって、センサー66によってその最終宛先としてシークされているサーバーであり、センサー66から少なくとも1つのデータパケットを受信し、これに肯定応答したサーバーのみが、クレデンシャルの交換に成功した後に、センサー66のIPアドレス設定および他の設定を変更する権利を有する。適切なクレデンシャルを有する最終宛先におけるサーバーは、センサー66の現在の設定について問い合わせ、要求に応じて、このセンサーに送信されるログ記録を送信する能力も有する。標準的なセンサーデータは、サーバーへのアップロードに成功した後、通常は削除されるが、最終宛先サーバーによって要求されたそのようなステータス情報は、センサー66上では削除されない。
マスターノード装置42のメッシュタイプ接続によって、センサーデータは、インターネットへのアクセスを有する溶接セルへのパスを見つけることが可能になる。図9は、本開示の実施形態による、互いに通信し、互いの能力についての情報を共有し、それによって、複数のセンサー66からのセンサーデータ送信を容易にする複数のマスターノード装置42および関連付けられたローカル無線ネットワーク40(例えば、溶接セル)のメッシュタイプネットワーク92のトポロジーを示す概略図である。マスターノード装置42はそれぞれ、それら自身のローカル無線ネットワーク40および関連付けられた溶接電源ユニット12のみを制御することができるが、マスターノード装置42は、互いに通信することができ、センサーデータが、インターネットへのアクセスを有する装置に到達するまで、マスターノード装置42間を移動することを可能にすることができる。そのような装置は、図9に示す溶接セル#3等の、フロントエンド(産業制御側)とバックエンド(インターネットアクセス)との間にある組み込み式ゲートウェイを有する溶接電源ユニット12とすることができる。ローカル無線ネットワーク40の形成は、通常の工場環境では比較的ランダムな場合があるので、上位レベルのサービス保証が所望される場合には、ローカル無線ネットワーク40のいずれにも関連付けられていない範囲拡張無線ルーター68も、インターネットへのゲートウェイとして動作することができる。
次に図8に戻ると、マスターノード装置42および溶接機器/アクセサリーノード装置52の或る特定の要素(例えば、ネットワーク関連付け/セキュリティ回路部76、エネルギー検出回路部78、および電力最適化回路部82)は、「回路部」として特徴付けられている。或る特定の実施形態では、これらの回路部は、ハードウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、またはソフトウェアのみとして具現化することができることが理解されるであろう。例えば、これらの回路部がソフトウェアである或る特定の実施形態では、これらの回路部は、メモリ84に記憶されるとともに特定の装置のプロセッサ88上で実行可能であるコンピューター可読命令を含むことができる。ただし、他の実施形態では、回路部は、ハードウェア素子も含むことができる。例えば、或る特定の実施形態では、エネルギー検出回路部78は、雑音レベルの検出を支援する或る特定のハードウェア素子を含むことができる。
本明細書において、本発明の或る特定の特徴だけが図示および説明されてきたが、当業者には多くの変更および変形が思い浮かぶであろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨に入る全ての変更および変形を包含することを意図していることを理解されたい。

Claims (25)

  1. マスターノード装置を具備するシステムにおいて、前記マスターノード装置が、
    長距離通信リンクを介した溶接電源ユニットとの通信を容易にし、短距離無線通信ネットワークを介した1または複数の溶接関連装置との無線通信を容易にするように構成された通信回路部と、
    前記短距離無線通信ネットワークの物理的近傍内の1または複数のセンサーからセンサーデータを受信し、該センサーデータを前記1または複数のセンサーの最終宛先にルーティングするように構成された制御回路部とを具備するシステム。
  2. 前記制御回路部は、前記センサーが前記マスターノード装置とともに用いることができることを示す認可クレデンシャルを該センサーが備えている場合にのみ、前記1または複数のセンサーと前記短距離無線通信ネットワークとの関連付けを可能にするように構成されている請求項1に記載のシステム。
  3. 前記認可クレデンシャルは、少なくとも前記センサーの媒体アクセス制御(MAC)アドレスおよび機能コードを含む請求項2に記載のシステム。
  4. 前記制御回路部は、前記1または複数のセンサーからの要求に応じて、該1または複数のセンサーに能力リストを提供するように構成され、前記能力リストは、前記マスターノード装置がワールドワイドウェブ(WWW)へのアクセスを有するか否か、前記マスターノード装置が、WWWへのアクセスを有する他のマスターノード装置に気付いているか否か、前記短距離無線通信ネットワークの寿命期間、前記マスターノード装置のバッテリーステータス、および前記短距離無線通信ネットワークのスリープ期間を含む請求項1に記載のシステム。
  5. 前記制御回路部は、前記1または複数のセンサーのそれぞれから送信されるセンサーデータの複数のパケットを追跡し、前記センサーデータをその最終宛先にルーティングする前に、前記1または複数のセンサーのそれぞれから受信される前記センサーデータに対してセキュリティおよびチェックサムを実行するように構成されている請求項1に記載のシステム。
  6. 前記制御回路部は、前記1または複数のセンサーのそれぞれの動作パラメーターを、前記それぞれのセンサーの前記最終宛先におけるサーバーからの入力に基づいて再プログラムするように構成され、前記動作パラメーターは、センサーデータ収集タイミングパラメーター、スリープタイミングパラメーターおよびウェイクタイミングパラメーター、並びに最終宛先IPアドレスパラメーターを含む請求項1に記載のシステム。
  7. 前記制御回路部は、前記1または複数のセンサーのうちの一センサーの前記最終宛先におけるサーバーに、前記最終宛先を有する前記センサーに関する情報を提供するように構成されている請求項1に記載のシステム。
  8. 前記1または複数の溶接関連装置は溶接ワイヤ送給装置を含む請求項1に記載のシステム。
  9. 前記1または複数の溶接関連装置は溶接トーチを含む請求項1に記載のシステム。
  10. 前記1または複数の溶接関連装置は溶接ヘルメットを含む請求項1に記載のシステム。
  11. 前記1または複数の溶接関連装置は溶接ペンダントを含む請求項1に記載のシステム。
  12. 前記1または複数の溶接関連装置は溶接フットペダルを含む請求項1に記載のシステム。
  13. 前記1または複数の溶接関連装置のうちの或る溶接関連装置は、前記マスターノード装置を含む請求項1に記載のシステム。
  14. 前記通信回路部は、無線周波数(RF)送信機およびセンサーを備える請求項1に記載のシステム。
  15. 1または複数の溶接関連装置とマスターノード装置との間を、短距離無線通信ネットワークを介して無線で通信することと、
    前記マスターノード装置と溶接電源ユニットとの間を、長距離通信リンクを介して通信することと、
    前記短距離無線通信ネットワークの物理的近傍内の1または複数のセンサーからセンサーデータを受信することと、
    前記センサーデータを前記1または複数のセンサーの最終宛先にルーティングすることとを含む方法。
  16. 前記センサーが前記マスターノード装置とともに用いることができることを示す認可クレデンシャルを該センサーが備えている場合にのみ、前記1または複数のセンサーと前記短距離無線通信ネットワークとの関連付けを可能にすることを含む請求項15に記載の方法。
  17. 前記認可クレデンシャルは、少なくとも前記センサーの媒体アクセス制御(MAC)アドレスおよび機能コードを含む請求項16に記載の方法。
  18. 前記1または複数のセンサーからの要求に応じて、該1または複数のセンサーに能力リストを提供することであって、前記能力リストは、前記マスターノード装置がワールドワイドウェブ(WWW)へのアクセスを有するか否か、前記マスターノード装置が、WWWへのアクセスを有する他のマスターノード装置に気付いているか否か、前記短距離無線通信ネットワークの寿命期間、前記マスターノード装置のバッテリーステータス、および前記短距離無線通信ネットワークのスリープ期間を含むことを含む請求項15に記載の方法。
  19. 前記無線マスターノード装置を用いることであって、前記マスターノード装置を用いて前記1または複数のセンサーのそれぞれから送信されるセンサーデータの複数のパケットを追跡し、前記センサーデータを前記マスターノード装置からその最終宛先にルーティングする前に、前記1または複数のセンサーのそれぞれから受信される前記センサーデータに対してセキュリティおよびチェックサムを実行することを含む請求項15に記載の方法。
  20. 前記1または複数のセンサーのうちの或るセンサーの動作パラメーターを、該センサーの前記最終宛先におけるサーバーからの入力に基づいて再プログラムすることを含み、前記動作パラメーターは、センサーデータ収集タイミングパラメーター、スリープタイミングパラメーターおよびウェイクタイミングパラメーター、並びに最終宛先IPアドレスパラメーターを含む請求項15に記載の方法。
  21. 前記1または複数のセンサーのうちの或るセンサーの前記最終宛先におけるサーバーに、前記最終宛先を有する前記センサーに関する情報を提供することを含む請求項15に記載の方法。
  22. 前記短距離無線通信ネットワークは、前記マスターノード装置から約20フィート〜約25フィートの送信範囲を有する無線通信ネットワークを含み、前記長距離通信リンクは、前記マスターノード装置から前記溶接電源ユニットまで約300フィート以上の送信範囲を有する無線通信リンクを含む請求項15に記載の方法。
  23. 前記1または複数の溶接関連装置は、溶接ワイヤ送給装置、溶接トーチ、溶接ヘルメット、溶接ペンダントまたは溶接フットペダルを含む請求項15に記載の方法。
  24. 前記1または複数の溶接関連装置のうちの或る溶接関連装置は、前記マスターノード装置を含む請求項15に記載の方法。
  25. 溶接ワイヤ送給装置、溶接トーチ、溶接ヘルメット、溶接ペンダント、または溶接フットペダルを含む、1または複数の溶接関連装置と、
    電力グリッドからの電力を、前記1または複数の溶接関連装置を用いて実行される溶接作業用の電力に変換するように構成された溶接電源ユニットと、
    マスターノード装置であって、短距離無線通信ネットワークを介した前記1または複数の溶接関連装置と該マスターノード装置との間の無線通信を容易にし、長距離通信リンクを介した該マスターノード装置と前記溶接電源ユニットとの間の通信を容易にし、前記短距離無線通信ネットワークの物理的近傍内の1または複数のセンサーからセンサーデータを受信し、該センサーデータを前記1または複数のセンサーの最終宛先にルーティングするように構成されたマスターノード装置とを具備する無線通信ネットワーク。
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