JP2015526414A - 脱水下でアルコールからカルボン酸エステルを製造する遷移金属カルベン錯体触媒法 - Google Patents

脱水下でアルコールからカルボン酸エステルを製造する遷移金属カルベン錯体触媒法 Download PDF

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Abstract

本発明は、カルボン酸エステルを製造する方法であって、中心原子(M)として周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の少なくとも1つの遷移金属原子と少なくとも1つの単座N-複素環式カルベン配位子とを有する遷移金属カルベン錯体触媒(K)の存在下、塩基の存在下での、少なくとも1種の第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応を含む方法において、その触媒Kが、その第一級モノアルコール及びその塩基の存在下で、周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の少なくとも1種の遷移金属原子を有するがカルベン配位子は有さない遷移金属化合物(V)をイミダゾリウム塩と反応させることによって製造され、この反応がバルク反応であることを特徴とする方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、遷移金属カルベン錯体触媒Kの存在下で、少なくとも1種の第一級モノアルコールを、又は第一級モノアルコールと当該第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物を反応させることによって、カルボン酸エステルを調製する方法に関する。
カルボン酸エステルは、例えば、溶媒、可塑剤、及び芳香剤、及びアロマ物質として使用される重要な化学化合物である。これらの調製には様々な方法があり、カルボン酸とアルコールとの反応が最も一般的である。
Figure 2015526414
この反応はほとんどの場合酸で触媒される平衡反応なので、高収率を実現するためには反応混合物から水又はカルボン酸エステルを取り出さなければならない。特に、低沸点カルボン酸及び低沸点アルコールの場合、プロセスにおいて望ましくない共沸混合物がしばしば形成され、それにより分離が妨げられる。
カルボン酸エステルを調製する別法は、酸無水物をアルコールと反応させるものである。
Figure 2015526414
この方法では、1当量のカルボン酸が形成され、これも同様に分離しなければならない。ここでもまた、共沸混合物がしばしば生じ、さらに、1当量のカルボン酸エステルには2当量のカルボン酸が必要である。
カルボン酸エステルを調製する別法は、アルコールの脱水素による遷移金属錯体触媒反応であり、以下、これを直接エステル形成と呼ぶ。ここで使用する出発材料はアルコールだけであるが、2種の反応物のうちの少なくとも1種は、第一級OH基、即ちCH2OH基を有さなければならない。
Figure 2015526414
この種のカルボン酸エステル合成では、カルボン酸を使用する必要がない。これは、低級カルボン酸が特に不快臭を有するので都合のよいことである。さらに、反応中に水が形成されず、これにより反応混合物の蒸留後処理が簡易化される。反応条件を非常に穏やかにしておくことができるおかげで、さらに、副生成物はほんの少ししか形成されない。
遷移金属錯体を使用した触媒作用による第一級アルコールのカルボン酸エステルへの転換は、何度も文献に記載されている。
Tetrahedron Lett.、1981、22、5327〜5330ページ及びJ. Org. Chem.、1987、52、4319〜4327ページは、第一級アルコールからカルボン酸エステル及びラクトンを調製する、触媒としてホスファン配位子を有するルテニウム錯体の使用を記載している。
J. Organomet. Chem.、1985、282、C7〜C10ページは、テトラフェニルシクロペンタジエノン配位子を有するルテニウム錯体を使用した、第一級アルコールからカルボン酸エステルを調製する触媒を記載している。
Chem. Rev.、2010、110、681〜703ページは、第一級アルコールからの直接エステル形成に関する様々な遷移金属錯体触媒を記載している。
Organometallics、2011、30、2180〜2188ページ、Organometallics、2011、30、5716〜5724ページ、及びJ. Am. Chem. Soc.、2005、127、10840〜10841ページは、第一級アルコールの直接エステル化の触媒作用に関するルテニウムピンサー錯体を記載している。
M. Nielsenら、Angew. Chem.、2012、124ページは、エタノールから酢酸エチルを合成するための多座の有機窒素及び有機リン配位子を有するルテニウム及びイリジウム錯体触媒を記載している。
Organometallics、2011、30、6044〜6048ページは、第一級アルコールからの直接エステル形成における触媒としてN-複素環式カルベンをベースとするルテニウム錯体化合物を記載している。ホスファートをルテニウム錯体に添加することが有利である。
カルボン酸エステルを合成するための上記方法の欠点は、使用する遷移金属錯体触媒を、複雑な合成で調製しなければならず、場合によっては単離しなければならいことである。さらに、酸化感受性で高価なホスファン配位子がしばしば使用される。このホスファン配位子は、不活性条件下で複雑な反応を実施する必要がある。さらに、この手法は主に、比較的大量の添加溶媒において行われ、その結果、反応混合物を複雑な方法で後処理しなければならず、空時収率が低減される。
本発明の目的は、第一級モノアルコールからの、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物からの遷移金属錯体触媒による直接エステル形成に関する方法を提供することである。
驚くべきことに、今回、この目的が、第一級モノアルコールを、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物を、塩基、及び元素周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の遷移金属原子の、以下により詳細に定義する少なくとも1種の遷移金属カルベン錯体触媒Kの存在下で希釈せずに反応させる方法であって、その触媒Kが、その第一級モノアルコール及びその塩基の存在下で、適切な非カルベノイド遷移金属化合物Vをイミダゾリウム塩と反応させることによって調製される、方法によって実現されることが分かった。
したがって、本発明は、カルボン酸エステルを調製する方法であって、中心原子Mとして元素周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の少なくとも1つの遷移金属原子と少なくとも1つの単座N-複素環式カルベン配位子とを有する遷移金属カルベン錯体触媒Kの存在下、塩基の存在下での、少なくとも1種の第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応を含み、その触媒Kが、その第一級モノアルコール及びその塩基の存在下で、元素周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の少なくとも1つの遷移金属原子を有するがカルベン配位子は有さない遷移金属化合物Vをイミダゾリウム塩と反応させることによって調製され、この反応が希釈なしで行われる、方法に関する。
本発明による方法の利点は主に、反応条件が穏やかで、副生成物の形成が低いと同時に空時収率が高いことである。さらに、この方法では、触媒系を別々に調製する必要を回避することが可能である。さらなる利点は、反応が希釈なしで実施され、溶媒を分離する必要がないので、反応混合物の後処理が簡易化されることである。さらに、触媒系の酸化感受性が低いので、非不活性条件下でさえ反応を実施することが可能になる。さらに、この方法により、不快臭を有する低級カルボン酸の使用が避けられる。
本発明による方法では、元素周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の少なくとも1つの遷移金属原子を含む少なくとも1種の触媒Kを使用する。元素周期表(IUPAC)第8、9、及び10族の遷移金属としては、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金等が挙げられる。ルテニウム及びイリジウムから選択される少なくとも1種の遷移金属原子を含む触媒Kが好ましい。特に好ましい遷移金属は、ルテニウムである。
触媒Kは、少なくとも1つの、例えば、1、2、3、又は4つのN-複素環式カルベン配位子を有する。適切なN-複素環式カルベン配位子は、主としてイミダゾール配位子であり、その2位の炭素がカルベノイド供与体原子である。これらには、具体的には式(I)のものがあり、
Figure 2015526414
式中、
R1及びR4は、互いに独立に、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、環員としてO、N、及びSから選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、又はアリールであり、上述の4種の置換基は、非置換であるか、又はハロゲン、C1〜C10-アルコキシ、CN、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、フェニル、及びナフチルから選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、
R2及びR3は、互いに独立に、水素であるか、又はR1若しくはR4について示した意味の1つを有する。
ここ及び以下で置換基の定義に使用する接頭辞「Cp〜Cq-」は、置換基のあり得る炭素原子の数を示す。
本発明において、別段の記載がない限り、以下の一般的な定義が、置換基に関して使用される用語に適用できる。
「C1〜C10-アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキル基である。C1〜C10-アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソブチル、tert-ブチル(2-メチルプロパン-2-イル)、n-ペンチル(アミル)、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル及びそれらの構造異性体である。
「C3〜C10-シクロアルキル」は、3〜10個の炭素原子を有する一、二、三、又は四環式アルキル基である。その例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、及びアダマンチルである。
「アリール」は、置換されていても、非置換でもよい芳香族炭化水素基である。非置換アリールの例は、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、及び9-アントリルである。上記で定義したような1以上のC1〜C10-アルキル基で置換されていてもよいアリールの例は、2,6-ジ(イソプロピル)フェニル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、及びメシチルである。
「C1〜C10-アルコキシ」は、酸素原子によって結合される1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である。その例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブトキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブトキシ)、1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブトキシ)、n-ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、2-エチルプロポキシ、n-ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、3-エチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、1-エチル-2-メチルプロポキシ及び1-イソプロピルプロポキシである。
「5〜10員のヘテロアリール」は、環員としてO、N、及びSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を有する一又は二環式の5〜10員の芳香環である。その例は、チエニル、ベンゾチエニル、1-ナフトチエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリニル、キノリニル、アクリジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ピペリジニル、カルボリニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル及びイソオキサゾリルである。
「脂肪族オレフィン」は、一般に2〜10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状の一又は多不飽和炭化水素である。その例は、エテン、プロペン、1-ブテン、2-ブテン、1,3-ブタジエン、及び2-メチルプロポ-1-エンである。
「シクロオレフィン」は、一般に4〜10個の炭素原子を有する環状の一又は多不飽和炭化水素である。その例は、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、及び1,5-シクロオクタジエンである。
「炭素環式芳香族」は、非置換、又はアルキル基で一若しくは多置換されている、一般に6〜10個の炭素原子を有する芳香族化合物である。その例は、ベンゼン、ナフタレン、及びp-シメンである。
「複素環式芳香族」は、O、N、及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する、一般に5〜10個の環原子を有する非置換又は置換芳香族化合物である。その例は、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、及びチアゾールである。
「アルデヒド」は、一般に1〜10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルデヒドである。その例は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、及びプロピオンアルデヒドである。
「ケトン」は、一般に3〜10個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状ケトンである。その例は、アセトン、ブタノン、2-ペンタノン、及び3-ペンタノンである。
「C1〜C10-カルボキシラート」は、1〜10個、具体的には1〜4個の炭素原子を有する飽和又は不飽和カルボン酸の陰イオンである。C1〜C10-カルボン酸イオンの例は、ギ酸イオン、酢酸イオン、アクリル酸イオン、メタクリル酸イオン、及びプロピオン酸イオンである。
「C1〜C10-アルコキシド」は、1〜10個、具体的には1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルコールの基である。その例は、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、n-ブチラート、2-ブチラート、及びtert-ブチラートである。
式(I)では、可変部分R1、R2、R3、及びR4は、互いに独立に、及び具体的には組み合わせて、以下の意味を有する。
式(I)では、R1及びR4は、互いに独立に、好ましくは、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、ベンジル、及びフェニルから選択される基であり、ここで、フェニル環は、上述の最後の2種の基において非置換であるか、又はC1〜C3-アルキルで一若しくは多置換、例えば、一、二、若しくは三置換されている。具体的には、R1及びR4は、C1〜C10-アルキル、詳細にはC1〜C6-アルキルである。
式(I)では、R2及びR3は、互いに独立に、好ましくは、水素、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、ベンジル、及びフェニルから選択される基であり、ここで、上述の最後の2種の基のフェニル環は、非置換であるか、又はC1〜C3-アルキルで一若しくは多置換、例えば、一、二、若しくは三置換されている。具体的には、R2及びR3は、水素又はC1〜C10-アルキル、詳細には水素又はC1〜C6-アルキル、より詳細には水素である。
触媒Kは、少なくとも1つの単座配位子のn-複素環式カルベン配位子に加えて、少なくとも1つのさらなる配位子Lを有し得る。配位子Lは、好ましくは、CO、ヒドリド、脂肪族オレフィン、シクロオレフィン、炭素環式芳香族、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、及びp-シメン、複素環式芳香族、具体的には、フラン、ピロール、イミダゾール、及びピラゾール、アルデヒド、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、及びプロピオンアルデヒド、ケトン、具体的には、アセトン、ブタノン、2-ペンタノン及び3-ペンタノン、ハライド、C1〜C10-カルボキシラート、メチルスルホナート、メチルスルファート、トリフルオロメチルスルファート、トシラート、メシラート、シアニド、イソシアネート、シアネート、チオシアネート、水酸化物イオン、C1〜C10-アルコキシド、シクロペンタジエニド、ペンタメチルシクロペンタジエニド、及びペンタベンジルシクロペンタジエニドから選択される。特に好ましい配位子Lは、p-シメン、クロリド、CO、ヒドリド、C1〜C10-アルコキシド、及びC1〜C10-カルボキシラートである。
本発明による方法において使用することができるイミダゾリウム塩は、主として一般式(II)のイミダゾリウム塩であり、
Figure 2015526414
式中、R1、R2、R3、及びR4は、上述した意味、具体的には、好ましい、特に(particularly)、又は特に(especially)としてそこに示した意味を有し、
Aは、H又はCOO-であり、
X-は、当量の陰イオン、具体的には、ハライド、C1〜C10-カルボキシラート、ベンゾアート、MeC6H4COO-、トシラート、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、メシラート、シアニド、イソシアネート、チオシアネート、テトラクロロアルミナート、テトラブロモアルミナート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、ヘキサフルオロアンチモナート、スルファート、水酸化物 ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、又はメチルスルファートであり、但し、AがCOO-である場合、X-は存在しない。
式(II)の特に好ましいイミダゾリウム塩では、可変部分X-、A、R1、R2、R3、及びR4は、互いに独立に、及び具体的には組み合わせて、以下の意味を有する。
X-は、好ましくは、クロリド、トシラート、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、メシラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、ヘキサフルオロアンチモナート、C1〜C10-カルボキシラート、スルファート、又はメチルスルファート、具体的には、クロリド、メタンスルホナート、又はC1〜C10-カルボキシラートである。
Aは、好ましくは水素である。
R1及びR4は、互いに独立に、好ましくは、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、ベンジル、及びフェニルから選択される基であり、ここで、上述の最後の2種の基のフェニル環は、非置換であるか、又はC1〜C3-アルキルで一若しくは多置換、例えば、一、二、若しくは三置換されている。具体的には、R1及びR4は、C1〜C10-アルキル、詳細にはC1〜C6-アルキルである。
R2及びR3は、互いに独立に、好ましくは、水素、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、ベンジル、及びフェニルから選択される基であり、ここで、上述の最後の2種の基のフェニル環は、非置換であるか、又はC1〜C3-アルキルで一若しくは多置換、例えば、一、二、若しくは三置換されている。具体的には、R2及びR3は、水素又はC1〜C10-アルキル、詳細には水素又はC1〜C6-アルキル、より詳細には水素である。
式(II)の適切なイミダゾリウム塩の例は、1,3-ジメチルイミダゾリウム塩、1-メチル-3-イソプロピルイミダゾリウム塩、1,3-ジエチルイミダゾリウム塩、1-メチル-3-n-プロピルイミダゾリウム塩、1-メチル-4-n-ブチルイミダゾリウム塩、1,3,4,5-テトラメチルイミダゾリウム塩、1,3-ジ-n-プロピルイミダゾリウム塩、1,3-ジイソプロピルイミダゾリウム塩、1,3-ジ-n-ブチルイミダゾリウム塩、1,3-ジ-sec-ブチルイミダゾリウム塩、1,3-ジ-tert-ブチルイミダゾリウム塩、1,3-ジシクロヘキシルイミダゾリウム塩、1,3-ジアダマンチルイミダゾリウム塩、1,3-ジフェニルイミダゾリウム塩、1,3-ジトリルイミダゾリウム塩、1,3-ジキシリルイミダゾリウム塩、1,3-ジメシチルイミダゾリウム塩、1,3-ビス[2,6-ジ(イソプロピル)フェニル]イミダゾリウム塩、具体的には、それらの塩化物、トシラート、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、メシラート、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、硫酸塩、C1〜C10-カルボン酸塩、及びメチル硫酸、詳細には、塩化物、メタンスルホン酸塩、及びC1〜C10-カルボン酸塩である。
N-複素環式カルベンは、トリアルキル又はトリアリールホスファンと同様の配位子性質を有するが、ホスファンと比較して、酸化感受性ではないという利点を有する。1,3-置換イミダゾールをベースとするN-複素環式カルベンは、合成的に非常に容易に入手可能であり、例えば、W. A. Herrmann、Angew. Chem.、2002、41、1290〜1309ページ、E. Peris、Top. Organomet. Chem.、2007、21、83〜116ページ、T. N. Tekavecら、Top. Organomet. Chem.、2007、21、159〜192ページ、F. Glorius、Top. Organomet. Chem.、2007、21、1〜20ページを参照されたく、その全体を本明細書において参照するものとする。
N-複素環式カルベンがベースとするイミダゾリウム塩は、市販されており、例えばイオン性液体、また溶媒としても知られている。
イミダゾリウム塩からの単座N-複素環式カルベン配位子の調製は、少なくとも1種の塩基の存在下で行われる。
適切な塩基は、例えば、アルカリ金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、アルコラート及びアミド、アルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、アルコラート及びアミド、有機アミン、アリールリチウム化合物、並びにアルキルリチウム化合物から選択される。
好ましくは、塩基は、次のものから選択される、
B1 アルカリ金属水酸化物、具体的には、LiOH、NaOH、又はKOH
B2 アルカリ土類金属水酸化物、具体的には、Ca(OH)2
B3 アルカリ金属水素化物、具体的には、LiH、NaH、KH
B4 アルカリ土類金属水素化物、具体的には、CaH2
B5 アルカリ金属アルミニウム水素化物、具体的には、LiAlH4
B6 アルカリ金属ホウ水素化物、具体的には、NaBH4、LiBH4
B7 アルカリ金属炭酸塩、具体的には、Na2CO3、Li2CO3、K2CO3
B8 アルカリ金属リン酸塩、具体的には、K3PO4、Na3PO4
B9 アルキルリチウム化合物、具体的には、n-ブチルリチウム、メチルリチウム、tert-ブチルリチウム
B10 アリールリチウム化合物、具体的には、フェニルリチウム
B11 アルカリ金属アルコラート、具体的には、リチウムメタノレート、リチウムエタノレート、リチウムn-プロピレート、リチウムイソプロピレート、リチウムn-ブチレート、リチウムイソブチレート、リチウムn-ペンチレート、リチウムn-ヘキシレート、リチウムn-ヘプチレート、リチウムn-オクチレート、リチウムベンジレート、リチウムフェノレート、カリウムメタノレート、カリウムエタノレート、カリウムn-プロピレート、カリウムイソプロピレート、カリウムn-ブチレート、カリウムイソブチレート、カリウムn-ペンチレート、カリウムn-ヘキシレート、カリウムn-ヘプチレート、カリウムn-オクチレート、カリウムベンジレート、カリウムフェノレート、ナトリウムメタノレート、ナトリウムエタノレート、ナトリウムn-プロピレート、ナトリウムイソプロピレート、ナトリウムn-ブチレート、ナトリウムイソブチレート、ナトリウムn-ペンチレート、ナトリウムn-ヘキシレート、ナトリウムn-ヘプチレート、ナトリウムn-オクチレート、ナトリウムベンジレート、ナトリウムフェノレート、また、明記したアルカリ金属アルコラートの構造異性体
B12 アルカリ金属ビス(トリメチルシリル)アミド、具体的には、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
B13 式R5NH2のアミン、式中、R5は、置換又は非置換のC1〜C10-アルキル、C1〜C4-アルキル-P(フェニル)2、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ヘテロシクリル(但し、C3〜C10-ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む)、C5〜C14-アリール、又はC5〜C10-ヘテロアリール(但し、C5〜C10-ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む)である
B14 式R6R7NHのアミン、式中、R6及びR7は、互いに独立に、置換又は非置換のC1〜C10-アルキル、C1〜C4-アルキル-P(フェニル)2、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ヘテロシクリル(但し、C3〜C10-ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む)、C5〜C14-アリール、又はC5〜C10-ヘテロアリール(但し、C5〜C10-ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む)である
B15 式R8R9R10Nのアミン、式中、R8、R9、及びR10は、互いに独立に、置換又は非置換のC1〜C10-アルキル、C1〜C4-アルキル-P(フェニル)2、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ヘテロシクリル(但し、C3〜C10-ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む)、C5〜C14-アリール、又はC5〜C10-ヘテロアリール(但し、C5〜C10-ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む)である。
アルカリ金属水酸化物、詳細には水酸化カリウム、並びにアルカリ土類金属水酸化物、また、本発明による方法において使用するアルコールのアルカリ金属アルコラート、詳細にはカリウム3-メチル-n-ブタノラート及びカリウム2-メチル-n-ブタノラートが、特に好ましい。
詳細には、水酸化カリウムは、塩基として使用する。
適切な遷移金属化合物Vは、元素周期表(IUPAC)第8、9、及び10族の遷移金属の錯体化合物及び塩、好ましくはルテニウム及びイリジウムの錯体化合物及び塩、特に好ましくはルテニウムの錯体化合物及び塩である。
特に好ましい適切な遷移金属化合物Vは、ルテニウム及びイリジウムから選択される遷移金属原子と、p-シメン、クロリド、ベンゼン、CO、1,5-シクロオクタジエン、アリル、アセチルアセトナート、ジメチルスルホキシド、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、インデニル、シクロオクテン、ヒドリド、エテン、及びH2Oから選択される少なくとも2つの配位子とを有する化合物である。
適切な遷移金属化合物Vは、例えば、[Ru(p-シメン)Cl2]2、[Ru(ベンゼン)Cl2]n、[Ru(CO)2Cl2]n(式中、各々の場合においてnは1〜100の範囲にある)、[Ru(CO)3Cl2]2 [Ru(1,5-シクロオクタジエン)(アリル)]、RuCl3・H2O、[Ru(アセチルアセトネート)3]、[Ru(ジメチルスルホキシド)4Cl2]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2Cl]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2]2、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2Cl]、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2]2、[Ru(インデニル)(CO)2Cl]、[Ru(インデニル)(CO)2H]、[Ru(インデニル)(CO)2]2、ルテノセン、[Ru(1,5-シクロオクタジエン)Cl2]2、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1,5-シクロオクタジエン)Cl]、[Ru3(CO)12]、IrCl3・H2O、KIrCl4、K3IrCl6、[Ir(1,5-シクロオクタジエン)Cl]2、[Ir(シクロオクテン)2Cl]2、[Ir(エテン)2Cl]2、[Ir(シクロペンタジエニル)Cl2]2、[Ir(ペンタメチルシクロペンタジエニル)Cl2]2及び[Ir(シクロペンタジエニル)(CO)2]及び[Ir(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2]である。
本発明による方法では、第一級モノアルコールを、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物を反応させて、カルボン酸エステルを得る。アルコール混合物を使用すると、混合カルボン酸エステルが形成される可能性がある。この反応は、以下の2つの反応式で説明することができる。
Figure 2015526414
第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物を反応させた場合、第一級モノアルコールは、好ましくは、アルコールの合計モル量に対して少なくとも50mol%の量で使用される。
本発明による方法において適切な第一級モノアルコールは、事実上全ての第一級モノアルコールである。第一級モノアルコールは、直鎖状、分岐状、又は環状であり得る。第一級モノアルコールは、一般に3〜10個の炭素原子を有する。第一級モノアルコールは、1個のヒドロキシル基のほかにさらなる官能基を一般に有さない。具体的には、第一級モノアルコールは、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する第一級アルカノール、第一級ヒドロキシ-C1〜C4-アルキルベンゼン、及び第一級ヒドロキシ-C1〜C4-アルキル-C3〜C8-シクロアルカンである。詳細には、第一級モノアルコールは、好ましくは3〜10個の炭素原子、具体的には3〜6個の炭素原子を有する第一級アルカノールである。適切な第一級モノアルコールは、例えば、1-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-n-プロパノール、1-ペンタノール、3-メチル-n-ブタノール、2-メチル-n-ブタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-n-ヘキサノール、2-プロピル-n-ヘプタノール、1-ヒドロキシメチルシクロヘキサン、ベンジルアルコール及び2-フェニルエタノールである。第一級モノアルコールはまた、混合物として使用することもできる。
場合により第一級モノアルコールと混合して使用するのに適したアルコールは、脂肪族、環状脂肪族、又は芳香族で、直鎖状又は分岐状であり得る。これらは、第二級でも第三級アルコールでもよい。第一級モノアルコールとは異なるアルコールは、一般に3〜10個の炭素原子を有する。第一級モノアルコールとは異なるアルコールは、好ましくはモノアルコールであり、1個のヒドロキシル基のほかにさらなる官能基を一般に有さない。具体的には、第一級モノアルコールとは異なるアルコールは、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する第二級又は第三級アルカノール、好ましくは5〜10個の炭素原子を有するシクロアルカノール、第二級又は第三級ヒドロキシ-C1〜C4-アルキルベンゼン、及び第二級又は第三級ヒドロキシ-C1〜C4-アルキル-C3〜C8-シクロアルカンである。このようなアルコールの例は、イソプロパノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1-フェニルエタノール、フェノール、又は1-メチル-n-ブタノールである。
また、発酵源から得られる様々なアルコールの混合物、例えば、バイオエタノール(いわゆる「フーゼル油」)の工業的生産において副生成物として生成される3-メチル-n-ブタノール及び2-メチル-n-ブタノールの混合物を使用することも可能である。
さらに、第一級モノアルコール、また場合により使用される別のアルコールは、本発明による方法の反応条件下で不活性挙動を示す置換基、例えば、アルコキシ、アルケノキシ、ジアルキルアミノ、及びハロゲン(F、Cl、Br、I)を有し得る。
本発明の特定の一実施形態では、第一級脂肪族C3〜C10-アルコールを、又は第一級脂肪族C3〜C10-アルコール類の混合物を、具体的には、第一級脂肪族C4〜C6-アルコールを、又は第一級脂肪族C4〜C6-アルコール類の混合物を反応させる。
本発明のさらに特定の一実施形態では、反応させる第一級モノアルコールは、イソアミルアルコールであるか、又はイソアミルアルコールと2-メチル-n-ブタノールとの混合物である。
本発明による方法は、上記で定義したように遷移金属カルベン錯体触媒Kの存在下で行われる。触媒Kの触媒活性部が少なくとも部分的に液体反応媒体に溶解した形で存在する場合が有利なことが分かった。好ましい一実施形態では、各々の場合において液体反応媒体における合計量に対して、方法で使用する触媒Kの少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%、特に非常に好ましくは99%超が、溶解した形で液体反応媒体中に存在する。
本発明によれば、上記で定義した遷移金属カルベン錯体触媒Kは、第一級モノアルコール及び塩基の存在下で、遷移金属化合物Vをイミダゾリウム塩と反応させることによって調製する。
触媒中の金属成分、好ましくはルテニウム又はイリジウムの量は、各々の場合において液体反応混合物の合計重量に対して、一般に0.1〜5000ppm(重量部)、具体的には1〜2000ppm、詳細には50〜1000ppmの範囲にある。
塩基は、1当量のイミダゾリウム塩に対して、好ましくは1〜20当量の塩基の量で、具体的には1〜5当量の塩基の量で使用する。
イミダゾリウム塩は、遷移金属化合物Vの遷移金属1molに対して、好ましくは1〜20molの量で、具体的には1〜6molの量で使用する。
本発明によれば、遷移金属カルベン錯体触媒Kは、第一級モノアルコール及び塩基の存在下で調製する。これに関して、手法は、一般に、第一級モノアルコール、若しくは第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物、イミダゾリウム塩、遷移金属化合物V、及び塩基を反応空間へ一緒に導入するか、又は第一級モノアルコール、若しくは第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物、及び場合により塩基を反応空間へ最初に導入し、これに、触媒を形成する構成物質及び場合により塩基を添加するものである。
第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応は、20〜250℃の範囲の温度で一般に行われる。好ましくは、本発明による方法は、100℃〜200℃の範囲、特に好ましくは110〜200℃の範囲の温度で行われる。
第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応は、0.1〜20MPaの全体的な絶対圧で一般に行われ、この圧力は、反応温度でのこのアルコール類若しくはアルコールの固有圧、又は窒素、アルゴン、若しくは水素などのガスの圧力であり得る。好ましくは、本発明による方法は、最大10MPaの全体的な絶対圧、具体的には最大1MPaの全体的な絶対圧で行われる。
本発明によれば、第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応は、希釈なしで行われる。即ち、反応混合物に追加の溶媒は添加されない。したがって、反応混合物における溶媒の含有量は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、特に好ましくは2重量%未満、特に1重量%未満である。
反応時間は、反応温度、使用するアルコールの反応性、及び所望の転換によって一般に決定される。通例、第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応は、第一級モノアルコールに対して、転換が少なくとも10%、具体的には少なくとも20%、詳細には少なくとも25%になるまで行われる。完全に転換(第一級モノアルコールに対して100%)させるのではなく、高くても80%、具体的には高くても70%が転換するまで反応を行うのが有利であることが分かった。当業者なら、これに必要な反応時間をルーチン実験から確定することができる。反応時間は、一般に15分〜100時間の範囲、具体的には1時間〜50時間の範囲にある。
第一級アルコールのエステル化、又は第一級モノアルコールとこの第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物のエステル化は、本来、水素の脱離と共に起こる(上記の反応式を参照)。反応系から水素を除去するのが有利であることが分かった。この方法で転換を増大させることができる。これは、沸騰している未反応アルコールでストリッピングすることによって、又は窒素、二酸化炭素、若しくはアルゴンなどのストリッピングガスを導入することによって行う。
反応は、液体-ガス反応のための当業者に周知の通常の装置及び/又は反応器で行うことができ、ここで、触媒は、液相中に均一に溶解した形で存在している。本発明による方法では、原則として、規定の温度及び規定の圧力の下でガス-液体反応に基本的に適している全ての反応器を使用することが可能である。気体-液体及び液体-液体反応系に適した標準反応器は、例えば、K. D. Henkel、「Reactor Types and Their Industrial Applications」、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、2005、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、第3.3章:「Reactors for gas-liquid reactions」に論じられており、これを本明細書において参照する。例として、撹拌槽型反応器、管型反応装置、又は気泡塔反応器を挙げることができる。アルコール、遷移金属化合物V、イミダゾリウム塩、及び塩基の供給は、ここでは同時に又は互いに別々に行うことができる。ここでの反応は、バッチ方式で不連続的に、又は循環させながら若しくは循環させずに連続的、部分連続的に行うことができる。反応空間における平均滞留時間は、一般に15分〜100時間、具体的には1時間〜50時間である。
反応後、一般に、カルボン酸エステルを、好ましくは蒸留によって未反応アルコールと分離する。触媒Kは、高温沸点物と共に蒸留の底部に保持され、再使用することができる。未反応アルコールは、反応に戻すことができる。アルコール又はアルコール類、またカルボン酸エステルの熱分離は、当業者に周知の方法によって、好ましくは、エバポレータにおいて、又は複数のトレー、パッキング、若しくはパッキング体を通常有する、エバポレータ及びカラムを含む蒸留ユニットにおいて行われる。
本発明を以下の実施例によって詳細に説明する。
[実施例]
[実施例1]
水分離器及び温度計を備えた250ml容量の三つ口フラスコに、[Ru(1,5-シクロオクタジエン)Cl2]2 0.21g、1-メチル-3-n-ブチルイミダゾリウム塩化物0.7g、水酸化カリウム5g、及び3-メチル-n-ブタノールと2-メチル-n-ブタノールとの異性体混合物(フーゼル油から得られた蒸留生成物;80重量%の3-メチル-n-ブタノール、20重量%の2-メチル-n-ブタノール)100gを装入した。混合物を、大気圧において170℃のオイルバス温度で撹拌(マグネティックスターラー)しながら20時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物中に72.6%の未反応出発材料混合物及び27.1%のカルボン酸エステル(3-メチル-n-ブタノール及び2-メチル-n-ブタノールから形成された異性体混合物、転換はGC面積%から決定)が存在した。ロータリーエバポレータ(オイルバス温度80℃、20mbar)にて、反応放出物から46.3g(出発材料混合物とカルボン酸エステルとの混合物)を蒸留した。触媒及び塩基は、液体残留物中に残存し、再使用することができた。粗分離の留出物から、精密蒸留によってアルコール混合物とカルボン酸エステルを分離して、精密蒸留の底部において純度99.2%(GC面積%から決定)の純粋なカルボン酸エステル(異性体混合物)6.8gを得た。
[実施例2]
水分離器及び温度計を備えた250ml容量の三つ口フラスコに、[Ru(1,5-シクロオクタジエン)Cl2]2 0.21g、1-メチル-3-n-ブチルイミダゾリウム塩化物0.7g、水酸化カリウム5g、及び1-ヘキサノール100gを装入した。混合物を、大気圧において180℃のオイルバス温度で撹拌(マグネティックスターラー)しながら20時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物中に44.1%の未反応出発材料及び39.5%のカルボン酸エステル(ヘキサン酸ヘキシル、転換はGC面積%から決定)が存在した。反応放出物は、実施例1に記載したように後処理することができる。
[実施例3]
水分離器及び温度計を備えた250ml容量の三つ口フラスコに、[Ru(1,5-シクロオクタジエン)Cl2]2 0.21g、1-メチル-3-n-ブチルイミダゾリウム塩化物0.7g、水酸化カリウム5g、及びベンジルアルコール100gを装入した。混合物を、大気圧において240℃のオイルバス温度で撹拌(マグネティックスターラー)しながら20時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物中に10.4%の未反応出発材料、4.7%のベンズアルデヒド(反応中間体)、及び67.4%のカルボン酸エステル(安息香酸ベンジル、転換はGC面積%から決定)が存在した。反応放出物は、実施例1に記載したように後処理することができる。

Claims (16)

  1. カルボン酸エステルを調製する方法であって、中心原子Mとして元素周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の少なくとも1つの遷移金属原子と少なくとも1つの単座N-複素環式カルベン配位子とを有する遷移金属カルベン錯体触媒Kの存在下、及び塩基の存在下での、少なくとも1種の第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールと当該第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応を含み、前記触媒Kが、前記第一級モノアルコール及び前記塩基の存在下で、元素周期表(IUPAC)第8、9、又は10族の少なくとも1つの遷移金属原子を有するがカルベン配位子は有さない遷移金属化合物Vを、イミダゾリウム塩と反応させることによって調製され、前記反応が希釈なしで行われる、方法。
  2. 触媒Kが、中心原子Mとしてルテニウム又はイリジウムを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 触媒Kが、少なくとも1つの、例えば、1、2、3、又は4つの、式(I)のN-複素環式カルベン配位子を有する、請求項1又は2に記載の方法。
    Figure 2015526414

    (式中、
    R1及びR4は、互いに独立に、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、環員としてO、N、及びSから選択される1、2、若しくは3つのヘテロ原子を有する5〜10員のヘテロアリール、又はアリールであり、これらの4種の置換基は、非置換であるか、又はハロゲン、C1〜C10-アルコキシ、CN、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-シクロアルキル、フェニル、及びナフチルから選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、
    R2及びR3は、互いに独立に、水素であるか、又はR1若しくはR4について示した意味の1つを有する)
  4. 触媒Kが、少なくとも1つのN-複素環式カルベン配位子に加えて、CO、ヒドリド、脂肪族オレフィン、シクロオレフィン、炭素環式芳香族、複素環式芳香族、アルデヒド、ケトン、ハライド、C1〜C10-カルボキシラート、メチルスルホナート、メチルスルファート、トリフルオロメチルスルファート、トシラート、メシラート、シアニド、イソシアネート、シアネート、チオシアネート、水酸化物イオン、C1〜C10-アルコキシド、シクロペンタジエニド、ペンタメチルシクロペンタジエニド、及びペンタベンジルシクロペンタジエニドから選択される少なくとも1つのさらなる配位子Lを有する、請求項3に記載の方法。
  5. 触媒Kの調製に関して、一般式(II)のイミダゾリウム塩が使用される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
    Figure 2015526414

    (式中、R1、R2、R3、及びR4は、請求項3に記載した意味を有し、
    Aは、H又はCOO-であり、
    X-は、当量の陰イオン、具体的には、ハライド、C1〜C10-カルボキシラート、ベンゾアート、MeC6H4COO-、トシラート、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、メシラート、シアニド、イソシアネート、チオシアネート、テトラクロロアルミナート、テトラブロモアルミナート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、ヘキサフルオロアンチモナート、スルファート、水酸化物 ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、又はメチルスルファートであり、但し、AがCOO-である場合、X-は存在しない)
  6. 式(I)及び(II)において、可変部分R1及びR4が、互いに独立に、C1〜C10-アルキル、具体的には分岐状C3〜C10-アルキル、詳細にはイソプロピルであり、R2及びR3が、各々の場合において水素であり、Aが水素である、請求項3又は5に記載の方法。
  7. 塩基が、アルカリ金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、アルコラート及びアミド、アルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、アルコラート及びアミド、有機アミン、アリールリチウム化合物、並びにアルキルリチウム化合物から、具体的には、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコラートから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 塩基が、1当量のイミダゾリウム塩に対して1〜20当量の塩基の量で使用される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. イミダゾリウム塩が、遷移金属化合物Vの遷移金属1molに対して1〜20molの量で使用される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 遷移金属化合物Vが、カルベン配位子を有さないルテニウム又はイリジウムの錯体化合物及び塩から選択され、詳細には、ルテニウムの錯体化合物及び塩から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 遷移金属化合物Vが、ルテニウム及びイリジウムから選択される少なくとも1つの遷移金属原子を有し、p-シメン、クロリド、ベンゼン、CO、1,5-シクロオクタジエン、アリル、アセチルアセトナート、ジメチルスルホキシド、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、インデニル、シクロオクテン、ヒドリド、エテン、及びH2Oから選択される少なくとも2つの配位子を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 遷移金属化合物Vが、[Ru(p-シメン)Cl2]2、[Ru(ベンゼン)Cl2]n、[Ru(CO)2Cl2]n(式中、各々の場合においてnは1〜100の範囲にある)、[Ru(CO)3Cl2]2 [Ru(1,5-シクロオクタジエン)(アリル)]、RuCl3・H2O、[Ru(アセチルアセトネート)3]、[Ru(ジメチルスルホキシド)4Cl2]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2Cl]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2]2、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2Cl]、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2]2、[Ru(インデニル)(CO)2Cl]、[Ru(インデニル)(CO)2H]、[Ru(インデニル)(CO)2]2、ルテノセン、[Ru(1,5-シクロオクタジエン)Cl2]2、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1,5-シクロオクタジエン)Cl]、[Ru3(CO)12]、IrCl3・H2O、KIrCl4、K3IrCl6、[Ir(1,5-シクロオクタジエン)Cl]2、[Ir(シクロオクテン)2Cl]2、[Ir(エテン)2Cl]2、[Ir(シクロペンタジエニル)Cl2]2、[Ir(ペンタメチルシクロペンタジエニル)Cl2]2及び[Ir(シクロペンタジエニル)(CO)2]及び[Ir(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2]から選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 遷移金属化合物Vが、1重量部の第一級モノアルコール、又は1重量部の第一級モノアルコールと当該第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物に対して、0.1〜5000ppm重量部の量で使用される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 第一級脂肪族C3〜C10-アルコールを、又は第一級脂肪族C3〜C10-アルコールの混合物を、具体的には、第一級脂肪族C4〜C6-アルコールを、又は第一級脂肪族C4〜C6-アルコールの混合物を反応させる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. イソアミルアルコールを、又はイソアミルアルコールと2-メチルブタノールとの混合物を反応させる、請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも1種の第一級モノアルコールの反応、又は第一級モノアルコールと当該第一級モノアルコールとは異なる少なくとも1種のアルコールとの混合物の反応が、20〜250℃の範囲の温度で行われる、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
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