JP2015525041A - 二重優先度アクセスのための無線リソース管理 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも基地局と端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理タスクを実行することに関する。遅延耐性アプリケーションと通常アプリケーションを同時に動作させることができる、二重優先度デバイスに対する無線リソース管理タスクを実行する際の矛盾を回避するために、デバイス優先度が変更されるときに、端末またはコアネットワークのいずれかから基地局に変更が指示される。デバイス優先度は、デバイス毎の全体的優先度として、または、そのデバイスに対して構成されているベアラ毎の優先度として指示される。【選択図】図2

Description

本発明は、セルラ通信に関し、特に、アドミッション制御および輻輳制御の両方を含むネットワーク負荷制御の分野に関する。
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)団体では、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))、およびユニバーサル移動体通信システム(UMTS)のようなモバイルセルラネットワークのアーキテクチャの仕様を定めている。UMTSなどの、WCDMA(登録商標)無線アクセス技術に基づく、第3世代モバイルシステムが、世界中に大規模展開されている。この技術の高度化または発展の第一歩は、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)とも称されるエンハンストアップリンクの導入であった。しかし、より長期的な観点では、利用者需要のさらなる増大に備え、新しい無線アクセスに対する競争力をつける必要がある。この難題に応えるために、3GPPは、発展型パケット・システム(EPS)という名称でも知られている、発展型3GPPパケット交換ドメインに至るスタディ・アイテムの検討を開始した。EPSは、発展型ユニバーサル無線アクセス・ネットワーク(E−UTRAN)と称される新世代のアクセスネットワーク技術、さらにはユニバーサル無線アクセスネットワーク(UTRAN)と称されるE−UTRANの1世代前の技術を接続することができる発展型パケットコア(EPC)ネットワークを組み合わせたものである。E−UTRAN(および同じ意味を持つ)に広く使用されている別の用語は、ロングタームエボリューション(LTE)である。LTEは、高速データおよびメディアトランスポートさらには次の10年に向けての大容量音声サポートに対する、加入者およびネットワーク通信事業者のニーズに応えるように設計されている。EPSのより詳細な説明は、参照により本明細書に組み込まれている、3GPPのウェブサイトを通じて無料で入手できる、非特許文献1に記載されている。
ネットワークエンティティ、およびこれらの間のインターフェースを含むLTEネットワークアーキテクチャは、図1に例示されている。図1からわかるように、LTEアーキテクチャでは、サービングGPRSサポートノード(SGSN)を介してEPCに接続される、UTRANまたはGERAN(GSM EDGE無線アクセスネットワーク)などの異なる無線アクセスネットワーク同士の相互接続をサポートする。これらのエンティティおよびインターフェースのいくつかについて以下で説明して、本発明の例示的な実施形態を理解する助けとする。
3GPPモバイルネットワークでは、モバイル端末110(ユーザ装置、UE、またはデバイスと称される)は、UTRANではノードB120(NB)を介して、E−UTRANアクセスでは発展型ノードB(eNB)を介してアクセスネットワークにアタッチされる。NBおよびeNB120エンティティは、他のモバイルネットワークでは基地局として知られる。UMTSおよびLTEにおけるNBおよびeNB120も、基地局の機能を遂行する、すなわち、セルラ無線端末の無線アクセスインターフェースを実現する。UEモビリティをサポートするためにEPSに2つのデータパケットゲートウェイ−サービングゲートウェイ(SGW)130とパケットデータネットワークゲートウェイ160(PDN−GWまたは略してPGW)−が配置される。SGWは、無線アクセスネットワーク、例えば、UTRANまたはE−UTRANに向かうインターフェースの終端である。1つの無線アクセスネットワーク(UTRANまたはE−UTRAN)内のモビリティは、アクセスに特有のものである。EPC内のモビリティは、PGWによって管理される。PGWとSGWとの間のEPCにおけるモビリティは、プロキシMIPv6(PMIP)プロトコルまたはGPRSトンネリングプロトコル(GTP)のいずれかに基づき管理される。SGWとPGWとの間のインターフェースは、S5と称され、GTPまたはPMIPv6プロトコルのいずれかに基づく。PGWは、UEのトラフィックを適切なサービス品質(QoS)レベルにマップするためにUEへのIPアドレス割り当て、およびパケット・フィルタリング(例えば、ディープパケットインスペクション、パケットスクリーニング)をさらに実行する。
E−UTRANアクセスを仮定すると、eNBエンティティ120は有線回線を通じて、S1−Uインターフェース(「U」は「ユーザプレーン」を意味する)を介して1つまたは複数のSGWに、S1−MMEインターフェースを介してモビリティ管理エンティティ140(MME)に接続されるものとしてよい。S1−Uインターフェースは、GTPプロトコルに基づき、S1−MMEインターフェースは、S1−APプロトコルに基づく。後者は、参照により本明細書に組み込まれている、3GPPのウェブサイトを通じて無料で入手可能である、非特許文献2において指定されている。
SGSN150およびMME140は、サービングコアネットワーク(CN)ノードとも称される。これらのネットワークノードは、ネットワーク内のUEのコンテキストを維持するが、コンテキストは、セキュリティパラメータ、モビリティ管理に使用されるパラメータ(例えば、UEが到達可能である場合に、どのセルにUEがキャンピングしているか)、および通信セッションを記述するQoSパラメータなどのセッション管理(SM)に使用されるパラメータを意味している。
SGW130は、eNodeB間ハンドオーバ中のユーザプレーンのモビリティアンカーとして、またLTEと他の3GPP技術との間のモビリティアンカーとしても動作しつつ、ユーザデータパケットをルーティングし、転送する(S4インターフェースを終端し、2G/3GシステムとPDN GWとの間のトラフィックを中継する)。アイドル状態のユーザ装置では、SGWはダウンリンクデータ経路を終端し、ユーザ装置に対してダウンリンクデータが到着したときにページングをトリガする。これは、ユーザ装置コンテキスト、例えば、IPベアラサービス、ネットワーク内部ルーティング情報のパラメータを管理し、格納する。また、合法的な傍受の場合にユーザトラフィックの複製も実行する。
MME140は、LTEアクセスネットワークに対するキー制御ノードである。これは、再送を含むアイドルノードユーザ装置トラッキングおよびページング手順を実行する役割を有する。これは、ベアラアクティベーション/デアクティベーションプロセスに関与し、また、初期アタッチのとき、およびコアネットワーク(CN)ノード再配置を伴うLTE内ハンドオーバの際にユーザ装置に対してSGWを選択する役割も有する。これは、ユーザを(HSSとインタラクティブにやり取りすることによって)認証する役割も有する。ノンアクセスストラタム(NAS)シグナリングは、MMEで終端し、これも、ユーザ装置への一時的識別子の生成および割り当てを受け持つ。これは、ユーザ装置がサービスプロバイダの公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)にキャンプオンする権限をチェックし、ユーザ装置のローミング制限を実行する。MME140は、NASシグナリングに対する暗号化/完全性保護のためのネットワーク内の終端点であり、セキュリティキー管理を取り扱う。シグナリングの合法的な傍受も、MMEによってサポートされている。MMEは、S3インターフェースがSGSN150からMME140で終端するLTEと2G/3Gアクセスネットワークとの間のモビリティに対する制御プレーン機能も備える。MMEは、ユーザ装置のローミングのためにホーム加入者サーバ(HSS)に向かうS6aインターフェースの終端ともなる。
E−UTRANは、eNodeBを備え、パケット・データ制御プロトコル(PDCP)、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)、および物理層プロトコル(PHY)を使ってE−UTRAユーザプレーンを、さらにはUEに向かう無線リソース制御(RRC)プロトコル終端を使って制御プレーンを実現する。eNodeB(eNB)は、ユーザプレーンヘッダ圧縮および暗号化の機能を含むPHY、MAC、RLC、およびPDCP層をホストする。UEとeNodeBとの間の制御プレーンにおいてRLC層が提供するサービスは、シグナリング無線ベアラ(SRB)と称される。ユーザプレーンにおいて、UEとeNodeBとの間でRLC層によって提供されるサービスは、無線ベアラ(RB)またはデータ無線ベアラ(DRB)と称される。eNBは、制御プレーンに対応するRRC機能も提供する。これは、無線リソース管理、アドミッション制御、スケジューリング、ネゴシエートされたアップリンクQoSの実行、セル情報ブロードキャスト、ユーザおよび制御プレーンデータの暗号化/暗号解読、およびダウンリンク/アップリンクユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/展開を含む多数の機能を実行する。X2インターフェースを使ってeNodeB同士が相互接続される。
とりわけ、上位層、すなわち、ノンアクセスストラタム(NAS)のメッセージは、UEとeNodeBとの間でRRCメッセージによって(例えば、RRC直接情報転送メッセージを使用して)搬送される。ノンアクセスストラタムは、UEとコアネットワーク(CN)との間で実行され、RRCの上に配置される機能層である。さらに、NASは、回線交換型音声およびデータに対する呼制御(CC)、パケット交換データおよびモビリティ管理(MM)に対するセッション管理(SM)、ならびにパケット交換および回線交換ドメインに対するショートメッセージサービス(SMS)向けのプロトコルの機能群である。NAS層で生成される制御メッセージは、NASメッセージと称される。そのようなメッセージは、例えば、モビリティ管理、セッション管理、SMSトランスポート、および呼管理を制御するために使用される。NASメッセージは、NASトランスポートをサポートするための機能およびプロトコルを含むアクセスストラタム層(層3−2−1、RRC、PDCP、RLC、MAC、PHY)を通じて透過的にトランスポートされる。初期ノンアクセスストラタムメッセージを送信するために、ユーザ装置は、最初に、エアーインターフェース(Uuインターフェース)上でeNodeBとの無線リソース制御(RRC)接続を確立する。RRC接続確立時に、ユーザ装置およびeNodeBは、同期を取り、ノンアクセスストラタムメッセージのトランスポートに使用することができるシグナリング無線ベアラ(SRB)を確立する。
アクセスストラタムは、アクセス技術に特有のプロトコルの機能群、この場合は、RRC、PDCP、RLC、MAC、およびPHYである。これは、無線関係情報の転送をサポートする、UEとアクセスネットワークとの間の無線リソースの使用を調整する、およびサービングネットワークからアクセスネットワークによって提供されるリソースへのアクセスをサポートするためのプロトコルを含む。アクセスストラタムは、サービスアクセスポイント(SAP)を通じてサービスをノンアクセスストラタム(CN関係のシグナリングおよびサービス)に提供する、すなわち、1つまたは複数の独立した同時UEコアネットワーク無線アクセスベアラサービスからなる、UEとコアネットワークとの間のアクセスリンク、およびUEの上位層エンティティとコアネットワークとの間の唯一のシグナリング接続を提供する。
UEがスイッチオフされるか、またはモバイルネットワークにアタッチされていないときに、UEは、DEREGISTERED状態にある。DEREGISTERED状態では、EPSモビリティ管理(EMM)コンテキストは存在せず、UEロケーションはMMEに知られず、したがって、MMEからは到達不可能である。
モバイル端末(またはユーザ装置、UE)が、ネットワークにアタッチされたときに、UEは、いわゆるREGISTERED状態にある、つまり、EPSモビリティ管理コンテキストが確立され、既定のEPSベアラコンテキストがネットワーク内で、またUEにおいてアクティベートされている。UEがモバイルネットワークに対してREGISTERED状態にある場合、UEは、2つの異なる接続管理状態、IDLE状態およびCONNECTED状態に入っているものとしてよい。
UEは、送信のデータがなく、無線リソースが解放されているときにIDLE状態にあるが、UEは、それでも、有効なIP構成を有している。IDLE状態にあるUEは、eNBとの無線関連付け(すなわち、無線リソース制御接続、RRC)を有さず、したがって、確立されたシグナリングおよびデータ無線ベアラはない。さらに、UEとネットワークとの間に(例えば、MMEへの)ノンアクセスストラタム(NAS)シグナリング接続はなく、また、eNBとSGWとの間にもS1−U接続はない。
UEがCONNECTED状態にあり、ネットワーク(通常は、eNB)が、UEが特定の期間の間にデータを送信/受信していないことを検出した場合、ネットワーク(通常はeNB)は、無線リソースおよびS1接続を解放することを決定する。その結果、UEは、CONNECTED状態からIDLE状態に遷移する。また、MMEは、UEに対する内部状態をIDLEに変更し、SGWに、eNBへのS1−U接続を解放するよう通知する。
UEがIDLE状態にあり、アップリンクもしくはダウンリンクデータまたはシグナリング(例えば、TAU手順による、NASシグナリング)がUEとネットワークとの間で交換される必要がある場合、UEおよびMMEは、CONNECTED状態に入るものとする。それを行うために、UEは、最初に、Uuインターフェース上でeNBへの無線リソース制御(RRC)接続を確立する必要がある。RRC接続確立時に、UE110およびeNB120は、同期を取り、NASメッセージのトランスポートに使用することができるシグナリング無線ベアラ(SRB)を確立する。RRC層は、PDCP、RLC、MAC、および物理層を追加的に含むいわゆるアクセスストラタム(AS)の一部である。
上述のIDLEおよびCONNECTED状態は、NAS層状態図に関係付けられる。他方、AS層では、IDLEおよびCONNECTED状態も定義される。AS IDLEおよびCONNECTED状態は類似しているが、NAS IDLEおよびCONNECTED状態に完全に類似しているわけではない、すなわち、RRC接続が確立された場合、AS状態はCONNECTEDであり、そうでなく、RRC接続が解放されている場合、AS状態はIDLEである。常にではないがAS状態がCONNECTEDの場合、NAS状態もCONNECTEDである(例えば、アクティブフラグが立っていないTAU手順に対して)。RRC接続の確立、したがって、AS CONNECTED状態への遷移は、UEによって開始され、UEのみが「RRCConnectionRequest」メッセージを送信することができる。UEは、アップリンクデータまたはアップリンクシグナリングの利用可能性、またはダウンリンクデータもしくはダウンリンクシグナリングを受信するためにネットワークからのページングのいずれかにより、RRC接続確立を開始する。
例えば、UEに、送信すべきアップリンクデータまたはアップリンクNASシグナリングがある場合、UEは、NASサービス要求手順(上で引用されている非特許文献1で説明されている)を開始する。UEは、「サービス要求(Service Request)」メッセージを生成して、対応するRRC接続を確立するようにASをトリガする。「RRC接続要求(RRC Connection Request)」メッセージでeNBに送信されたRRCの確立原因は、「mo−Data」(モバイル発信データ、UEがアップリンクデータを送信したがっていることを意味する)、「mo−Signaling」(モバイル発信シグナリング、UEがアップリンクシグナリングを送信したがっていることを意味する)、またはセッション(接続)確立をトリガしたアプリケーションが遅延耐性アプリケーションであるときに使用される特別な値「遅延耐性アクセス(delay tolerant access)」に設定される。
他方で、ネットワーク(コアネットワーク)が、UEに対するダウンリンクデータまたはダウンリンクNASシグナリングを有している場合、ネットワークは、ページング手順を開始する。
最近、3GPPが、マシンタイプコミュニケーション(MTC)のネットワーク改善に関する活動を開始した。これらのサービス要件は、3GPPのウェブサイトから無料で入手可能である、非特許文献3で説明されているが、使用可能なアーキテクチャ・ソリューションの研究成果は、3GPPのウェブサイトから無料で入手可能である、非特許文献4に記載されている。MTC端末またはMTCデバイスは、これらが通常、人間によって操作されないことを特徴とする。むしろ、通信相手は、いわゆるMTCサーバまたは別のMTC端末(複数可)などの別のマシンである。MTCデバイスは、3GPPによって指定されているようなモバイル端末であってもよいので、「UE」などのより一般的な通知も、この説明全体を通して使用され、MTCデバイス、端末、またはUEは、入れ替えて使用することができる。
MTCは、通常人間対人間の通信と異なる特定のいくつかの特徴を有する。3GPPは、ネットワーク運用を最適化するためにこれらの特定の特徴を識別することを試みている。これらの仕様は、「MTCフィーチャー」と称される。例えば、MTCデバイスは、典型的には、より少ない量のデータを送信または受信する。MTCデバイスおよび3GPPコアネットワーク(CN)の別の特徴は、外部サーバ(MTCサーバ)がMTCサーバとの通信を開始するようにMTCデバイスをトリガすることを可能にする能力であるものとする。これは、いわゆる「デバイストリガリング」によって有効化される。デバイストリガリングは、MTCサーバによって開始され、異なる手段によって実行され得る。
MTCデバイスは、ネットワーク内の輻輳/過負荷の発生源となり得る。したがって、ネットワークには効率的な無線リソース管理(RRM)が必要であり、特に、無線アクセスネットワークには必要である。上で説明されているように、端末(UE)がネットワークにサービスを要求するときに、端末はかなり大量のシグナリングを発生する。MTCデバイス(非特許文献1、Section 4.3.17.2, "Overview of protection from Potential MTC Related Overload"を参照)の場合のように端末の量が多い場合、ネットワークは、適切なアドミッション(アクセス)制御が適用され得る前にたちまち過負荷(輻輳)状態になるおそれがある。
過負荷は、多数の端末からのシグナリングの総量が以下の少なくとも2つの例示的な状況において問題となる(問題となりえる)ことから生じる可能性がある。
− アプリケーション(多くのUEで動作している)が、多数のUEに、「何か」を同時に実行するよう要求するとき、および/または、
− 多くのUEがローミングサービス利用者であるときに、サービングネットワークに障害が生じた場合、これらはローカルの競合ネットワークに移動することを試みる可能性があるものとする。これは、潜在的に、障害を(まだ)生じていないネットワーク(複数可)には過剰な負担となる可能性がある。
一般に、3GPP標準化のリリース10(Rel−10)では、ネットワーク内の輻輳制御メカニズムは、NASレベル輻輳制御により拡張された。NASレベル輻輳制御の導入は、ネットワークへのマシンタイプコミュニケーションの影響について3GPPで実施した調査の結果であった。同時に動作する多くのMTCデバイスが、ネットワークに対し輻輳または過負荷を引き起こすおそれがあるという結論が得られた。そのような過負荷に対抗するために、3GPPでは、以下のいくつかの対策を仕様化した。
a)該当する場合、UEは、この後の項目において説明されているように機能強化に合わせて構成することができる。製造後構成は、リモートで実行することができる。
b)モバイル発信サービスについては、低いアクセス優先度に構成されているUEは、E−UTRANにRRC接続確立がE−UTRANへの接続を確立するときに低いアクセス優先度に構成されているUEからであることを示す情報を提供する。
c)RRCシグナリングでは、低いアクセス優先度に構成されているUEからのメッセージを拒否したときに「延長待ち時間タイマ」を用意することができる。
d)MMEは、UEのいくつかのサブカテゴリに対してE−UTRANにおけるRRC接続確立の拒否を開始することができる。それに加えて、MMEシグナリングまたは運用管理(O&M)シグナリングは、UEのいくつかのサブカテゴリに対して拡張アクセス禁止を開始するようにE−UTRANをトリガすることができる。
e)MMEからEーUTRANへの過負荷メッセージは、上記の項目b)、c)、およびd)における機能を実行するE−UTRANを補助するために拡張される。
f)長い最小周期PLMN探索制限時間(long minimum periodic PLMN search time limit)(上述の非特許文献4を参照)で構成されたUEでは、より好ましいPLMNに対して探索と探索との間の最短時間が長くなる。
NASレベルモビリティ管理制御は、サービングCNノード(MME/SGSN)における輻輳を引き起こす可能性のある、多くのUEがネットワークアクセス試行をほとんど同時に開始する状況に適用可能である。
セッション管理(SM)およびモビリティ管理(MM)は両方とも、UEおよびMME/SGSNにおけるNAS(ノンアクセスストラタム)層の輻輳と考えられる。通常、MME/SGSNおよびUEは、個別のMMおよびSMコンテキストを格納する。さらに、SMコンテキストは、PDP(パケットデータプロトコル)またはPDN(パケットデータネットワーク)接続毎にある。
二重優先度デバイスは、低優先度アプリケーション(遅延耐性アプリケーション)、通常優先度アプリケーション、または両方の種類のアプリケーションを同時に動作させる(実行する)ことができるデバイスである。
二重優先度デバイスは、したがって、代替的に、または同時に、異なる優先度のアプリケーションを実行することができる、すなわち、遅延耐性特性を有するサービス(例えば、MTCアプリケーション)、または通常サービス(例えば、電話、ストリーミング、またはインターネットアクセス)にアクセスすることができる。アプリケーション、したがって、サービスの要件(およびその優先度)も、接続時に変化し得る。しかし、無線アクセスネットワークおよび特に基地局は、初期ネットワークアクセスのときにデバイス優先度に関して通知を受けるだけである。したがって、基地局は、輻輳またはアクセス(アドミッション)制御などの無線リソース管理タスクを適切に実行することができない。端末の実デバイス優先度と基地局によって中継されるデバイス優先度との間に不一致があると、輻輳の状況において誤った決定に至る可能性がある。例えば、基地局は、端末が低優先度MTCアプリケーションを実行しているネットワークに最初にアクセスしたときに通常優先度端末の無線リソースを解放することを決定することができる。または、他方で、基地局は、端末が通常端末アプリケーションを実行しているネットワークに最初にアクセスしたときに低優先度端末にリソースを割り当てることを決定することができる。
3GPP Technical Specification (TS) 23.401; "General Packet Radio Service (GPRS) enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN) access"; v. 10.2.1 of January 2011 3GPP Technical Specification (TS) 36.413; "S1 Application Protocol (S1AP)"; v. 10.0.1, January 2011 3GPP TS 22.368, v.11.3.0, Oct. 2011, "Service requirements for Machine-Type Communications (MTC)" 3GPP TS 23.888, v.1.5.0, Oct. 2011, "System Improvements for Machine-Type Communications (MTC)" the RRC protocol specification 3GPP TS 36.331 by 3GPP RAN2 CR # R2-123045 3GPP TS 36.413, v. 10.5.0, "S1 Application Protocol (S1AP)" 3GPP TS 22.011, "Service Accessibility". 10.3.0, Section 4.3.1
アプリケーション遅延耐性、すなわち優先度の観点から、遅延耐性および非遅延耐性の少なくとも2種類のデバイスがある。同じデバイスが、いくつかが遅延耐性であるが、それ以外は遅延耐性でない(以下では「通常アプリケーション」とも称する)アプリケーションを実行することもできる。これらのデバイスは、二重優先度デバイスまたは端末またはUEと称される。本発明に内在する問題は、二重優先度デバイスについて、基地局は端末接続の状態と矛盾する情報を使用することができるので無線リソース管理機能が不正確に実行され得るという観察結果に基づく。
発明の目的は、端末、無線アクセスネットワーク、およびコアネットワークが矛盾なく動作するように無線リソース管理処理を改善することである。
これは、独立請求項の特徴によって達成される。
有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の特定のアプローチは、基地局で過負荷状況の制御に関する正しい決定を実行することを可能にすることである。基地局が過負荷制御の決定を効率よく下すことができるように、基地局は、コアネットワーク(例えば、モビリティ管理エンティティ)から、または端末から、端末に関係する優先度または優先度の変更に関する情報を取得する。
本発明を使用すると、無線ネットワークはネットワーク過負荷の制御を正しく実行することを可能にすることによって無線リソース管理機能を効率よく実行することができる。過負荷は、コアネットワークまたは無線ネットワークにおいて発生する可能性がある。本発明を使用すると、ネットワークは輻輳発生時に通常優先度UEからリソースを取り上げることを回避することができ、また輻輳発生時に無線リソースが低優先度UEに割り当てられないようにすることが可能になる。
本発明の一態様によれば、基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するために、前記基地局で実行するための方法が提供される。この方法は、前記端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードから優先度のインジケータを受信するステップであって、前記優先度は、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す、ステップと、前記受信されたインジケータに基づいて、輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行するステップと、を含む。
本発明の別の態様によれば、基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するために、前記基地局で実行するための方法が提供される。この方法は、前記端末から新しい優先度のインジケータまたはベアラ毎の優先度のインジケータを受信するステップであって、前記優先度は、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す、ステップと、前記受信されたインジケータに基づいて、輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行するステップと、を含む。
上記方法の無線管理タスクを実行する前記ステップは、好ましくは、前記通信システムに輻輳が生じた場合において、前記対応する受信したインジケータが遅延耐性優先度を示しているときに、端末トラフィックを搬送するベアラおよび/または前記対応するRRC接続を削除するステップと、前記輻輳状態に応じて、前記対応する受信したインジケータが遅延耐性優先度を示していないときに、端末トラフィックを搬送するベアラおよび/または前記対応するRRC接続を削除するか否かを決定するステップと、を含む。
前記決定するステップは、通常優先度のベアラを自動的に削除しないようにも構成され得る。
本発明の別の態様によれば、基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するために、ネットワークノードで実行されるための方法が提供される。この方法は、端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を決定するステップと、前記基地局に前記決定した優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにするステップと、を含む。
好ましくは、前記インジケータは、前記端末にサービスを提供する前記モビリティ管理ノードから前記基地局へのS1−APプロトコルのメッセージに含まれる。
例えば、前記S1−APメッセージは、初期コンテキストセットアップ要求(Initial Context Setup Request)、E−RABセットアップ要求(E-RAB Setup Request)、およびE−RAB修正要求(E-RAB Modify Request)のうちの少なくとも1つである。しかし、本発明は、これら既存のメッセージに限定されず、S1−APメッセージは、新規メッセージであってもよく、これはその優先度または新しい優先度を搬送するように指定されたメッセージを意味する。基地局は、ネットワークノードまたは端末のいずれかから送信されるメッセージ内の変更フラグの設定によって優先度の変更について通知を受けることができることに留意されたい。
コンテキストセットアップ要求(Context Setup Request)、E−RABセットアップ要求、またはE−RAB修正要求などの前記S1−APメッセージは、スケジューリングを目的とする割り当て/保持優先度を搬送する情報要素(information element)を含むことができ、この情報要素は、所定の範囲の値から1つの値を取るように構成される。有利には、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す前記優先度の値は、前記所定の範囲からの1つ以上の前記値が、前記端末トラフィックが遅延耐性であることを示し、前記所定の範囲からの別の1つ以上の前記値が、前記端末トラフィックが遅延耐性でないことを示すように、前記所定の範囲の値にマッピングされる。
例えば、前記マッピングは、前記基地局、または、前記端末にサービスを提供する前記モビリティ管理ノードによって構成され、前記基地局、または、前記端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードは、前記構成されたマッピングを、前記端末にサービスを提供する前記モビリティ管理ノード、または、前記基地局に、それぞれ送信する。
本発明のさらに別の態様によれば、基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するために、前記端末で実行するための方法が提供される。この方法は、各端末ベアラに関係し、当該ベアラのトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を設定するステップと、前記基地局にその優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにするステップと、を含む。
本発明の別の態様によれば、基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するために、前記端末で実行するための方法が提供される。この方法は、優先度の変更後の端末に関係し、当該端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す新しい優先度を設定するステップと、前記基地局にその優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにするステップと、を含む。
好ましくは、前記端末トラフィックの優先度が変更され、この方法は、前記インジケータが送信される無線リソース制御、RRC、プロトコルメッセージを生成するステップをさらに含む。しかし、本発明は、それらに限定されず、別のRRCメッセージまたは新規指定されたRRCメッセージまたは他のメッセージも使用され得る。
例えば、前記RRCプロトコルメッセージは、RRC接続要求またはRRC接続再確立(RRC Connection Reestablishment)のいずれかである。
有利には、前記インジケータは、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す前記優先度が、前記基地局に知られている値から新しい値に変更された場合に送信される。好ましくは、前記優先度の値は、前記端末のUSIMの内容および/または前記端末のサービス品質であるQoSに関するベアラ特性に依存する。
例えば、前記インジケータは、すべての構成されたベアラを含む前記端末の全体的優先度であるデバイス優先度を示し、前記端末の前記全体的優先度は、前記端末の構成されたベアラの前記優先度の最大値である。あるいは、前記インジケータは、ベアラ毎のデバイス優先度を示す。
本発明の一態様によれば、基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行することができる前記基地局が提供される。この基地局は、前記端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードから優先度のインジケータを受信し、または、前記端末から新しい優先度もしくは特定のベアラに対する優先度のインジケータを受信する受信ユニットであって、前記優先度は、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す、受信ユニットと、前記受信されたインジケータに基づいて、輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行する無線リソース管理部と、を備える。
本発明の一態様によれば、ネットワークノード、基地局、および端末を含む通信システムにおける前記ネットワークノードが提供される。このネットワークノードは、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を決定する優先度決定ユニットと、前記基地局に前記決定された優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにする送信ユニットと、を備える。
本発明の一態様によれば、端末および基地局を含む通信システムにおいて動作する前記端末が提供される。この端末は、当該端末に関係し、当該端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を設定するための優先度決定ユニットと、前記基地局に前記優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにする送信ユニットと、を備える。
過負荷状況またはシナリオは、ネットワークが通信しているすべてのエンティティに対して十分なリソースを提供していないため輻輳および/またはアドミッション制御が実行されなければならない状況である。このコンテキストにおける過負荷制御は、端末または基地局などのエンティティが、通信のため接続(アドミッション制御)を確立するように、または通信のためのリソースを獲得するように有効化されるか否かを決定することに関係する。過負荷は、コアネットワークまたは無線アクセスネットワークにおいて発生し得る。
この優先度の目的は、例えば、MTCデバイス(端末)を他の端末(通常デバイス)から区別することにある。この区別では、典型的にMTC端末が直ちに配信することが必要ではない遅延耐性トラフィックの伝送を行うことを仮定する。一方、他の種類の端末は、通常、音声または任意のオーディオおよび/もしくはビデオストリームの伝送を含み得る、通話またはストリーミングなどの、遅延要求の厳しいサービスを送受信することができる。
本発明の別の態様によれば、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されているコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品が実現され、プログラムコードは本発明を実施するように適合されている。
本発明のさらに別の態様によれば、上で説明されているような装置を具現化する集積回路が、実現される。
本発明の上記および他の目的および特徴は、以下の説明、および添付図面と併せて与えられている好ましい実施形態から、より明らかになるであろう。
マシンタイプコミュニケーションに対する現在の3GPPアーキテクチャを例示するブロック図である。 本発明の一実施形態による基地局の例示的処理を示すフローチャートである。 本発明の別の実施形態による基地局の例示的処理を示すフローチャートである。 既存のS1−APメッセージ内の新しい情報要素を使用するMMEからeNBへのデバイス優先度のシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 新しいS1−APメッセージを使用するMMEからeNBへのデバイス優先度のシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 既存のS1−APメッセージ内の利用可能な情報要素を再利用するMMEからeNBへのデバイス優先度のシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 MMEからeNBへの全体的デバイス優先度のシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 既存のRRC接続要求メッセージを使用する端末からeNBへのデバイス優先度のシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 既存のRRC接続再確立メッセージを使用する端末からeNBへのデバイス優先度のシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 通常使用され、またデバイス優先度のシグナリングに使用されるRRC接続要求手順を示す概略メッセージフローチャートである。 新しいRRCメッセージを使用する端末からeNBへのデバイス優先度のシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 デバイス優先度の一般的なシグナリングを示すメッセージフローチャートである。 端末、基地局、およびネットワークノードの機能構造を示すブロック図である。
背景技術の節に概要が述べられているように、二重優先度デバイス(端末)は、ネットワークに接続しているときにデバイス優先度を変更することができる。この場合に、デバイスに割り当てられ、コアネットワークに知られている優先度、また無線アクセスネットワークに知られている優先度の間に矛盾が生じ得る。
この問題を解消するために、本発明の一実施形態により、コアネットワーク(例えば、MME)または端末は、無線アクセスネットワーク(例えば、端末にサービスを提供する基地局、LTEではeNB)に、変更されたデバイス優先度を指示する。したがって、基地局は、ネットワーク輻輳が発生した場合に適切な無線リソース管理決定を下すことができる。
さらなる問題が、端末によって実行されるアプリケーションを区別することなく、したがって各アプリケーションに対するネットワークサービスに関する要件を区別することなく、したがってまたアプリケーションの通信を搬送するための各ベアラの「デバイス優先度」を区別することなく、初期アクセスで有効であり、シグナリングされるデバイス優先度は「全体的」デバイス優先度であるという事実から生じ得る。特に、低優先度アプリケーション(遅延耐性アプリケーション)および通常優先度アプリケーションを同時に実行する二重優先度デバイスは、基地局によって実行される無線リソース管理によって不適切に取り扱われ得る。言い換えると、ネットワークの観点からは、デバイス優先度は「UE毎」である、すなわち、無線ネットワークは、ネットワークにどのようにアクセスしたかに応じてUEを低優先度UEまたは通常優先度UEのいずれかとみなす。アクセスの方法は、RRC接続要求でシグナリングされる確立原因値によって与えられる。これは、UEを保持する、またはUEを解放する決定は、UEのRRC接続全体に対して下されることを意味する。
この問題を解決するために、本発明の一実施形態は、以下で詳しく説明されるように、ネットワーク接続全体を解放するのではなくて、低優先度アプリケーションに対するベアラのみを解放する可能性をもたらす。
デバイスの優先度(「デバイス優先度」)を区別する、特に、遅延耐性と、他の(「通常」)端末および/または端末のベアラとを区別することは、どの端末または端末のアプリケーションが輻輳状況、すなわち、利用可能なリソースよりも要求されたリソースが多い状況においてリソースを割り当てられるか、またはアクセスを認められるかを決定するための基準を無線アクセスネットワークに与えるために重要である。
デバイス優先度(以下では、「デバイス優先度」という用語は、デバイス優先度がベアラ固有である場合についても使用されるものとする)は、一般に、動作中の(実行されている)アプリケーションおよび/または汎用加入者識別モジュール(USIM)の構成に依存する。USIMは、SIMとともに、異なるモバイルデバイス間で転送され得る、取り外し可能なSIMカード内に埋め込まれた集積回路である。SIMカードは、その固有シリアル番号(ICCID)、国際移動電話加入者識別番号(IMSI)、セキュリティ認証および暗号化情報、ローカルネットワークに関係する一時的情報、ユーザがアクセスを有するサービスのリスト、および2つのパスワード、通常使用の暗証番号(PIN)とPINロック解除のためのPINブロック解除コード(PUK)を格納している。SIM(GSMとGPRSで使用される)とUSIMの違いは、USIMがUMTSに対して導入され、相互認証、より長い暗号鍵、および改善された電話帳などのいくつかのセキュリティの改善点を伴う点である。
輻輳状況(ネットワークが輻輳しているとき)において、低優先度端末は、さまざまなアクセス禁止の制御を受け、またCONNECTED状態からIDLE状態に移動される端末のうちの最初の端末とすることができる。したがって、基地局によって知られている優先度と端末の実際の優先度−変更後の通常優先度である−との間に矛盾がある場合、通常優先度アプリケーションは、基地局によって決定される輻輳制御対策で問題を生じる可能性がある。
本明細書では、「ネットワークノード」などの用語で、通信ネットワーク内の物理的エンティティを表す。1つのノードは、複数の機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、所定の機能セットをノードまたはネットワークの他の機能エンティティに実装し、および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを指す。ノードは、ノードが通信する際に使用することができる通信設備または媒体にノードをアタッチする1つまたは複数のインターフェースを有することができる。同様に、ネットワークエンティティは、他の機能エンティティまたは対応するノードと通信するために使用できる通信設備または媒体に機能エンティティをアタッチする論理インターフェースを有することができる。
「サーバ」または「トリガサーバ」は、本明細書では、ネットワーク内、または外部ネットワークもしくは外部ノード内にあり得るエンティティを指す。これは、例えば、データを、(MTC)端末または複数の端末から自動的に収集し、端末にトリガ要求を送信することができるサーバとすることができる。トリガ要求は、端末に伝達され、測定データ、サーバに送信されるべきデータ、またはその識別を示すための、または実際のデータが本発明によって提示されているように送信されるか、送信されないか、または遅延ありで送信されることを示すための単なるシグナリング・データなどのデータをネットワークおよび/またはサーバに提供するようにネットワークおよび/またはサーバへの接続を端末がセットアップすべきであることを示すメッセージまたはインジケータである。サーバは、別の端末によっても実装され得ることに留意されたい。例えば、第1の端末は、第2の端末をトリガするように構成され得る。そのような構成は、例えば、(場合によってユーザ操作)端末が別のMTC端末からデータを収集するときに有利であり得る。上の背景技術の節で説明されているように、端末は、LTE、UMTS、またはGSM/GPRS/EDGE端末であってよい。
典型的にはMTC端末によって提供される少量のデータは、小さなデータチャンクと理解することができ、これは小さなIPパケット、SMS、または他の何らかのアプリケーション固有のデータであり得る。データの量は、例えばそれがSMSに収まるよう十分に小さいと考えられ得る。したがって、小さなデータ量は、140バイト未満とすることが可能であり、これはSMSの現在のペイロードサイズである。
ユーザプレーンと制御プレーンとを区別することに関して、データベアラは、ユーザプレーンに関連付けられ、その一部である。これらは、ユーザデータをトランスポートするように確立される。対照的に、制御プレーンおよびシグナリングベアラは、一般に、制御シグナリングのトランスポート用である。
基地局は、RRC接続確立メッセージに基づき、特に「確立原因」を見ることによって、端末の初期アクセス優先度を知ることができる。確立原因は、遅延耐性デバイス優先度に対応し得る、例えば「遅延耐性アクセス」を示すことができるインジケータ(情報要素、すなわち、対応するプロトコル、この場合にはRRCプロトコル、の構文要素)である。この指示に基づき、基地局は、端末がMTC端末であると仮定することができる。そうでない場合、確立原因が「遅延耐性アクセス」でないときに、基地局は、端末が、通常端末、例えば、非MTC端末であると仮定することができる。しかし、後でUE接続中に、端末のデバイス優先度(端末のアクセス優先度)が変わってもよい。したがって、本発明では、端末から基地局への変更されたデバイス優先度のシグナリングを企図している。代替的に、またはそれに加えて、デバイス優先度および/またはその変更は、MMEから基地局にシグナリングされ得る。
任意のUEは、遅延耐性デバイスとして構成することも可能である。遅延耐性UEは、遅延耐性アプリケーション/サービス/ベアラが動作しているUEである。UEの優先度は、Initial Connection Establishment(RRC接続要求中の「Establishment cause」)から利用可能である。RRC Connectionにおいて、UEが、それが遅延耐性であると指示した場合、ネットワークは、ネットワーク側に輻輳が生じていた場合にConnection Requestを拒否することもあり得る。遅延耐性UEは、IDLEモードに入っている間に何らかの特別なシステム情報を維持するべきである。そのような情報は、例えば、3GPPのウェブサイトを介して無料で入手可能な、非特許文献5の5.2.2.3節に組み込まれる、「System Information Block Type 14 in LTE」である。これらの(遅延耐性)UEは、ネットワークにアクセスする(RRC接続確立(RRC Connection Establishment)を開始する)ことを試みることを、特定のUEのアクセスクラスに対する特別なシステム情報によって指示されるようにこれらのUEがその試みを禁止されていない場合にのみ行うことができる。UE NASは、いつ遅延耐性アクセスについて構成されるかをUE RRCに通知する。
本発明の一実施形態によれば、UE NASは、遅延耐性アクセスにもはや構成されていないときにそのことをUE RRCにも指示する(これは、USIM構成が変更されたか、またはNASに維持されているベアラコンテキスト上のいくつかの変更が遅延耐性アクセスにもはや構成されていないことを示唆する場合であってよい)。この指示を受け取った後、UEは、UE NASからさらに通知(さらなる通知は遅延耐性構成が再び適用された場合に続き得る)が届くまで特別なシステム情報を維持するのを停止する。この挙動により端末の電池の節電が可能になるが、それは、もはや特別なSIB(システム情報ブロック)を不必要に維持する必要がなくなるからである。UE NASは、NASプロトコルスタック上で、すなわちeNBに透過的にコアネットワークと通信する端末の機能部分である。UE RRCは、RRCプロトコルを含むRANプロトコルスタック上で、無線アクセスネットワークと、すなわちeNBと通信する端末の機能部分である。
このアプローチは、低優先度アプリケーション、通常優先度アプリケーション、または両方の種類を同時に動作させることができる、いわゆる二重優先度デバイスについて特に関連性がある。例えば、携帯電話は、通常の携帯電話であるものとしてよく、それに加えて、MTC機能を実装することができる。デバイス優先度の変更は、例えば、新しいアプリケーションを端末上で動作させることによって、引き起こされ得る。
MTCアプリケーションは、遅延耐性(すなわち、低優先度)であってよいが、必要というわけではない。MTCデバイスは、一般的に、遅延耐性アプリケーションを動作させている可能性があるが、以下において、MTC関連の例がいくつか与えられたときでも必ずしも常にそうであるとは限らない。一方、通常の端末は、遅延耐性アプリケーションを動作させるように構成され得る。
LTE標準では、例えば、いわゆる割り当ておよび保持優先度(ARP)を定義しているが、ただし異なる目的に使用される。特に、割り当ておよび保持優先度は、所定の範囲の値を有するS1−APプロトコルの情報要素であり、その意味は携帯電話会社によって構成可能であり、スケジューラに対する追加の情報を提供することを目的としている。割り当ておよび保持優先度は、遅延耐性に関してデバイスを特徴付けないという点、および輻輳制御およびアドミッション制御などの、無線リソース管理機能に使用されないという点で、上で定義されているデバイス優先度と異なる。
デバイス優先度は、端末および/またはUSIM構成上で動作するアプリケーションによって与えられる。例えば、デバイス優先度は、端末に対して構成されているベアラのサービス品質(QoS)特性によって定義され得る。USIM構成に関して、これは、端末がMTCであるか通常端末であるかを指定することができる。低優先度端末は、異なるアクセス禁止の制限を受け、またネットワークに輻輳が生じたときにCONNECTED状態からIDLE状態に移動される最初の端末とすることができる。
端末の優先度は、USIMおよび特に管理オブジェクトとも称される以下の4つのパラメータを変更することによって構成し、再構成することができる。
− NAS_SignalingPriority
− ExtendedAccessBarring
− Override_NAS_SignalingLowPriority
− Override_ExtendedAccessBarring
これら4つのパラメータもしくはそのサブセットおよび/またはアプリケーションタイプは、端末の優先度に影響を及ぼすものとしてよい。この優先度は、NASレベルで、初期セットアップ後に、および/またはさらなる修正後に、MMEに伝達される。優先度は、好ましくは、UE特性に関係する情報要素内で伝達される。しかし、デバイスに対して構成されているベアラの特性に関する情報要素(複数可)によっても搬送され得る。
LTEシステムに関して、標準化における現在の状態の問題を以下にまとめた。端末が、ノンアクセスストラタム(NAS)によって指示されるような低優先度アクセスがあったためRRC接続を開始している場合、および後の段階で、アプリケーションが同じRRC接続で通常優先度アクセスに対してセットアップされているベアラをトリガした場合、無線アクセスネットワーク(基地局)は、その状況の更新、すなわち、優先度変更指示を取得しないであろう。この結果、ネットワーク内に輻輳が生じているときに、通常優先度アプリケーションが端末で動作していたとしても、RRC接続を解放する可能性がある。同様に、端末が、NASによって指示される通常優先度アクセスがあるためRRC接続を開始している場合、およびその後で、アプリケーションが同じRRC接続において低優先度アクセスに対してセットアップされているベアラをトリガした場合、無線アクセスネットワークには、この優先度変更に関する情報はない。これにより、無線アクセスネットワーク内に輻輳が生じている場合に、通常優先度アプリケーションが現在動作していないとしても、RRC接続を解放しない可能性がある。これは、アプリケーションにマイナスの影響を及ぼすことなく必要ならば低優先度デバイスのRRC接続が解放され得るような仕方で低優先度端末を定義する元々の意図に反する。
この問題の1つの解決策は、結果として優先度の変更を引き起こす新しいアプリケーションの開始後(またはベアラが古いためPDN接続の修正が行われた後)、端末は、RRC接続の解放を自律的にトリガし、その後、通常(遅延耐性でない)優先度アクセスで新しいRRC接続をさらに確立することができる。
しかし、LTEでは「上位層によって要求されたRRC接続解放」を除き、端末からの自律的解放は指定された手順ではなく、これにより現在のセルは禁止されているものとして取り扱われる。例えばNASから引き起こされた新しい解放により、端末が現在のセルを禁止されているものとして取り扱わなかった場合でも、RRC接続の自律的解放は、UMTSの経験に基づく3GPPによって回避される可能性の高い手段であり、電力のある程度の節約のためにのみ端末実装でRRC接続の解放がトリガされる可能性がある。さらに、RRC接続解放とそのすぐ後のRRC接続確立は、端末の古いコンテキスト作成と新しいコンテキスト作成に関してネットワーク内に混乱をもたらす可能性がある。その後の接続確立がすぐでない場合、これは、ある程度の遅延およびシグナリングオーバーヘッドを呼確立において引き起こす可能性もあり、これは特に通常ベアラには不利である。
本発明によれば、端末のノンアクセスストラタムは、新しいPDN接続を確立するためセッション管理シグナリングをトリガする新しいアプリケーションのアプリケーションタイプに基づき、オーバーライディングリーブ(overriding leaves)が構成されているか否かなどのUSIM情報に基づき、かつ/またはデバイスの現在優先度レベルに基づきデバイスの新しい優先度を決定すべきである。次いで、決定された優先度は、端末またはMMEのいずれかから基地局にシグナリングされる。MMEは、UEからこの優先度を受け取るので、優先度を知っている。
本発明の一実施形態に従う基地局による輻輳の処理は、図2に示されている。
特に、図2は、基地局で実行されるための方法を示すフローチャートである。この方法は、基地局、端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードなどのネットワークノード、および端末を含む通信システム内の輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行することを可能にする。この方法は、端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードから優先度のインジケータを、または優先度が変更されたときに端末から新しい優先度のインジケータを受信するステップ210であって、優先度は端末に関係し端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す、ステップ210を含む。受信された優先度は、基地局に格納され得る。ネットワークに輻輳が生じていない場合、優先度は使用しなくてもよい。しかし、ネットワークに輻輳が生じている場合(220)、基地局は、受信された優先度インジケータに基づき無線リソース管理230を実行する。
ネットワークに輻輳が生じている場合(ステップ220で「はい」)、無線リソース管理ステップ230は、対応する受信したインジケータが遅延耐性優先度を示しているとき(ステップ240で「はい」)に端末トラフィックを搬送するベアラおよび/または対応するRRC接続250を削除するステップをさらに含み得る。さらに、無線リソース管理ステップ230は、輻輳状態に従って、対応する受信したインジケータが遅延耐性優先度を示していない(ステップ240で「いいえ」)ときに端末トラフィックを搬送するベアラおよび/または対応するRRC接続を削除するかしないか(280)を決定する(270)ステップをさらに含み得る。
一般に、輻輳の状態は、利用可能なリソースまたは他の基準と要求されたリソースまたは他の基準との間の配分を反映するものとしてよい。図2は、ステップ270における、低優先度ベアラ/端末接続の解放の後に輻輳がまだ重大であるか否かの決定を示す。デバイス優先度がベアラ毎に利用可能である場合、ステップ260が存在し、これに従って、二重優先度デバイスに対してまだ何らかの通常優先度ベアラがある(ステップ260で「はい」)場合に、ステップ270において、これらが、低優先度ベアラを解放した後の輻輳状態に応じて、すなわち、輻輳のレベルに従って、解放されるべきか否かが決定される。
図3は、ベアラ毎にデバイス優先度が与えられる場合にLTE基地局によって適用される無線リソース管理アプローチを個別に示している。特に、図3は、ベアラ毎のデバイス優先度(「MTC優先度」)の受信320を含むRRC接続セットアップ手順310(以下で説明されるようにデバイス優先度の変更をシグナリングするためにも使用され得る)を使ったUE初期ネットワークアクセスを示す。ネットワークに輻輳が生じているときに受信されたデバイス優先度に基づき、端末または複数の端末の低優先度ベアラが解放される(330)。低優先度ベアラのみを有するデバイスについては、これは、デバイス接続の解放、すなわち、CONNECTE状態からIDLE状態へのデバイス(端末)の状態の変更も意味する。特に、解放330は、以下のように動作し得る。CONNECTEDモードのそれぞれのUE(デバイス)について、そのベアラの種類が評価される(340)。UEが通常優先度ベアラしか有していない場合、他のRRMアプローチが使用される(35)。可能ならば、通常優先度ベアラは解放されない。他のRRMアプローチは、例えば、接続が異なるシステムにリダイレクトされるか、またはこのUEのハンドリングを別のセル/システムなどに渡すように異なる原因値で接続を解放することであってよい。UEが低優先度の1つまたは複数のベアラ、および通常優先度の1つまたは複数のベアラを有する場合、低優先度ベアラのみが解放される(360)。UEが低優先度のベアラしか有していない場合、RRC接続解放が開始される(370)。
したがって、基地局は、ベアラの優先度を「見て」、輻輳が生じているときに必要ならば、低優先度ベアラのみのベアラ解放を開始する。こうして、RRC接続は、必ずしも解放される必要はない。RRC接続は、輻輳が生じている場合に必要ならば、「extendedWaitTime」をRRC接続解放(RRC Connection release)メッセージで設定して残りのベアラのみが低優先度ベアラである場合にのみ解放される。タイマの設定は、このタイマによって指示される時間内にUEが再び接続を試みることを許さない効果を有する。
RRC接続は、残りのベアラのみが通常優先度ベアラである場合に、解放されない。
基地局は、コアネットワークまたは端末からデバイス優先度に関する、またはデバイス優先度の変更に関する情報を取得することができる。以下では、第1のオプション、すなわち、コアネットワークから基地局にデバイス優先度指示情報を送信することについて説明する。
図4は、UEにサービスを提供するMMEがeNBに対して利用可能なS1−APメッセージ(複数可)内の新しい情報要素(IE)を使用して新しい、または修正されたベアラのデバイス優先度を指示する本発明の一実施形態を例示している。
特に、端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードなどのネットワークノード(コアネットワーク内のノード)において実行するための対応する方法は、端末に関係し端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を決定するステップを含む。図4の実施例では、優先度はベアラ毎に決定される。この決定は、ストレージから優先度を取り出すことによって、および/またはそれを、例えば「Device Property」と称されるIEを使用することによって新しいセッションを確立するときに端末から受信することによって実行され得る。
ネットワークノードによって実行されるこの方法は、基地局に、決定された優先度のインジケータを送信し、基地局が優先度に基づき輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにすることをさらに含む。
インジケータは、ネットワークノードから基地局へのS1−APプロトコル(3GPPによって定義されている)のメッセージに含まれ得る。S1−APメッセージは、LTEにおいてUEベアラの追加または修正または削除のためにMMEとeNBとの間で使用される。例えば、以下の既存のメッセージのうちの1つまたは複数が使用され得る。
− 初期コンテキスト・セットアップ要求(Initial Context Setup Request)
− E−RABセットアップ要求(E-RAB Setup Request)
− E−RAB修正要求(E-RAB Modify Request)
図4に示されているように(「アプリケーションに対するデバイス優先度」を参照)、これらのNASメッセージのそれぞれは、有利には、特定のベアラのデバイス優先度がどのようなものかをeNBに指示する新しいIEを含むべきである。輻輳が生じた後、eNBは、どのベアラが遅延耐性を有し、上で示されているように削除/解放され得るかを決定すべきである。そのようなベアラについて、eNBは、RRC Connection ReconfigurationメッセージをUEに送信して、対応する無線ベアラを削除することができる(「Release RB Y」を参照)。必要ならば、同じことがeNBによってMMEに伝達される。特に、eNBは、eNBが無線ベアラを解放するときにベアラ解放の指示をMMEに送信する。この指示は、ベアラ解放要求(Bearer Release Request)(EPS Bearer Identity)メッセージでMMEに送信されるか、あるいは初期コンテキストセットアップ完了(Initial Context Setup Complete)、ハンドオーバ要求ACKおよびUEコンテキスト応答(Handover Request Ack and UE Context Response)、パートスイッチ要求(Part Switch Request)、または他のメッセージで送信され得る。通常優先度ベアラ(RB「X」、ベアラ「X」を参照)は、構成されたままである。
図5は、新しいS1−APメッセージを使用してMMEからUEにベアラ毎のデバイス優先度がシグナリングされる本発明の例示的な一実施形態を示している。これは、利用可能な(既存の)S1−APはどれも使用されていないが、むしろ、新しいS1−APメッセージがS1−APプロトコルにおいて定義されていることを意味する。新しいメッセージは、有利には、構成されたベアラのそれぞれが低優先度ベアラであるか、通常優先度ベアラであるかをシグナリングするための情報要素を有する。これからわかるように、図5は、新しいS1−APメッセージ「New S1 AP message containing device priority of the application」(新しいS1ーAPメッセージがアプリケーションのデバイス優先度を含む)がMMEからeNBに送信されるという点で図4と異なっている。
図6は、MMEがeNBに対してすでに利用可能なS1−APメッセージ内のすでに利用可能なIEを再利用することによって新しい、または修正されたベアラのデバイス優先度を指示する本発明の別の実施形態を示している。例えば、IEは、割り当ておよび保持優先度(ARP)であってよい。
この実施形態では、したがって、デバイス優先度インジケータをシグナリングするためのS1−APメッセージは、スケジューリングを目的として割り当て/保持優先度を搬送する情報要素を含み、この情報要素は所定の範囲の値から1つの値を取るように構成される。端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度の値は、所定の範囲からの1つ以上の値が、端末トラフィックが遅延耐性であることを示し、所定の範囲からの別の1つ以上の値が、端末トラフィックが遅延耐性でないことを示すように、前記所定の範囲の値にマッピングされる。マッピングは、基地局、または、端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードによって構成され得る。基地局、または、端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードは、構成されたマッピングを互いにそれぞれ送信することができる。
上ですでに説明されているように、何らかの情報が、新しい、または修正されたベアラ(複数可)のQoS特性を指示するために、MMEによってeNBにシグナリングされる。この情報は、3GPPのウェブサイト上で無料で入手可能な、非特許文献6の9.2.1.60節で指定されているようなQoSクラス識別子(QCI)値または割り当ておよび保持優先度(ARP)とすることも可能である。ARPは、ベアラセットアップおよびベアラ修正時にMMEによってeNBに送信される。
第1の可能性は、新しい要素「MTC優先度」を搬送するように拡張することによって「優先度レベル」、「プリエンプション能力」、「プリエンプション脆弱性」要素を含むARP情報要素を使用することである。ARPは、ベアラセットアップおよびベアラ修正時にMMEによってeNBに送信される。eNBは、MTC優先度から、確立されているベアラが低または通常優先度ベアラ(または他のもの)であると結論することが可能である。例えば、通常優先度アクセスは、既存のアクセス識別子を含まないアクセス、すなわち、「低優先度」(遅延耐性)として識別され得る。「特別なアクセスクラス11−15」または「緊急通話」などの「他の」何らかの既定のアクセス、すなわち、非特許文献7のアクセス禁止を目的とするクラスなどの、既存の既定のアクセスもあり得る。
以下の表は、新規に追加された(下線付きで示されている)「MTC優先度」のARPの対応する修正された情報要素を示している。
Figure 2015525041
別の可能性は、ARPにおいて要素「優先度レベル」を再利用することである。例えば、ARPの内側の「優先度レベル」を再利用して、(新しい/修正された)アプリケーションのデバイス優先度を示すことが可能である。
これは、すでに利用可能なIEの値のサブセットに対して新しい意味を指定することによって、例えば、既存の「優先度レベル」値を新しいデバイス(MTC)優先度にマッピングする、すなわち、少なくともレベル「遅延耐性」または「通常」を「優先度レベル」値にマッピングすることによって達成され得る。
可能な一例は以下のとおりとすることができる。
− 優先度レベル0から5:低優先度(例えば、MTCデバイスまたはMTCアプリケーションを実行するベアラ)
− 優先度レベル6から15:通常優先度(例えば、非MTCデバイスまたは通常の非MTCアプリケーションを実行するベアラ)
これは、一例にすぎず、優先度レベルの割り当ては、別の方法で選択することができることに留意されたい。例えば、mを0からM−1までの整数として(Mは最大値、この例ではM=15)、優先度レベル0からmは、低優先度を指示し、残りのm+1からM個の値は通常優先度を指示する。あるいは、「その他」などのデバイス優先度の別のレベル(複数可)または既定のアクセスクラスに対応する特定の優先度レベルを定義することができる。
ARPの「優先度レベル」IEへのデバイス優先度のマッピングは、標準で定義済みであるものとしてよい。しかし、これも構成可能であり得る。これは、MMEとeNBとの間で、すでに利用可能なIEの値のサブセットに対する新しい意味を構成することによって達成され得る(例えば、上記の例における優先度レベル)。
これは、図6に示されており、S1セットアップ時に、優先度レベルとデバイス優先度構成との間の可能なマッピングが、eNBとMMEとの間で行われる。これは、矩形「S1 APセットアップ:優先度レベルおよびデバイス優先度のマッピング/構成」によって例示されている。この交換は、eNBからMMEへの方向(eNBがマッピングを構成し、それをMMEに送信する)またはその逆の方向(MMEがマッピングを構成し、それをeNBに送信する)で行うことができる。
その後、eNBは、優先度レベルの値を解釈して、新しい、または修正されたアプリケーションもしくはベアラが遅延耐性もしくは通常(または場合によっては、他の所定のレベル)であるかを調べる。これは、eNB側の機能ボックス「ARPの優先度レベルフィールドからデバイス優先度をマッピングする」によって示されている。解釈に従って、輻輳が生じている場合に、低優先度ベアラが解放され得る。そのような低優先度ベアラ(図中で、ベアラ「Y」)について、eNBは、RRC接続再構成をUEに送信して、対応する無線ベアラ(RB)を削除する。必要ならば、同じことがeNBによってMMEに通知される。
上記の説明において、デバイス優先度は、ベアラ毎の、すなわち、ベアラによって搬送されるアプリケーショントラフィック毎の、デバイス優先度を示すものとして図示されている。しかし、本発明は、それに限定されない。本発明の別の実施形態によれば、(優先度)インジケータは、すべての構成されているベアラを含む端末の全体的優先度であるデバイス優先度を示す。好ましくは、端末の全体的優先度は、端末の構成済みベアラ(実行されているアプリケーション)の優先度の最大値として定義される。
図7は、MMEから全体的優先度の基地局へのシグナリングを示している。
代替的形態の一部として、MMEからeNBへの上記の指示(デバイス優先度に関する)は、「UE毎の」デバイス優先度が変更されたときにのみ存在する。アプリケーション/ベアラに適用されたときの「デバイス優先度」という用語は、アプリケーション/ベアラが遅延耐性であるかないかを示す。アプリケーション/ベアラが、遅延耐性である場合、これは、輻輳が生じたときにeNBによって削除される可能性がある。アプリケーションは遅延耐性を有しているため、ある程度の遅延に耐えることができ(ネットワークサービスを受ける際に)、したがって、取り除いた後、UEは、指定された時間の間に、そのようなアプリケーションによるネットワークへの接続要求を開始すべきでない(例えば、「ExtendedAccessBarringタイマ」によるLTE RRC指定を仮定する)。
デバイスに適用されたときの「デバイス優先度」という用語は、デバイスの「全体的」遅延耐性を意味する。複数のアプリケーション/ベアラがアクティブである場合、デバイスの「全体的」遅延耐性は、最小遅延耐性アプリケーション/ベアラの遅延耐性に等しいものとする。例えば、UEにおいて2つのアプリケーション/ベアラがアクティブであり、その一方が遅延耐性を有し、他方は遅延耐性を有していない場合、デバイスに適用されたときの「デバイス優先度」は、デバイスの「全体的」優先度(遅延耐性)が「通常」であることを意味することになる。
この観点から、デバイス優先度の「UE毎の」指示は、デバイスの「全体的」優先度(遅延耐性)を指す。上で示されているように、S1−APメッセージは、新しい、または既存のS1−APメッセージを使用して(現在の)優先度または優先度の変更を示すべきである。
したがって、ネットワークの観点からは、優先度は「UE毎」の優先度である、すなわち、無線ネットワーク側では、UE(RRC接続要求の確立原因値、または別の実施形態について以下で説明されているように)またはMME(上記の実施形態で説明されているように)のいずれかから利用可能な最近の情報に基づきUEを低優先度UEまたは通常優先度UEのいずれかとみなす。UEは、RRC接続確立メッセージにおいてモバイル発信(MO)呼に対して低優先度アクセスを指示し(「EstablishmentCause」を「delayTolerantAccess」として設定することによって)、したがって、無線ネットワーク側ではこのUEを低優先度UEとして分類し、そうでない場合(他の「EstablishmentCause」により)UEは通常優先度UEとみなされる。
これは、UEを保持する、またはUEを解放する決定は、UEのRRC接続に対して全体として下されることを意味し、(例えば)低優先度アプリケーションに対するベアラのみを解放するのではない。
図7は、デバイス優先度が端末のアプリケーション/ベアラではなく端末に割り当てられた全体的優先度であると仮定したメッセージの流れの一例を示している。
この例は、UEが低優先度(遅延耐性)アプリケーションでネットワークにアクセスしている状況を示している。したがって、UEは、RRC接続要求を原因「遅延耐性アクセス」でeNBに送信する。次いで、UEは、通常優先度を有するアプリケーションを追加し、そこでベアラ修正手順が開始され、新しい通常優先度ベアラが追加される。上で説明されているように、この実施形態では、デバイス優先度は、UEに割り当てられ、その特定のベアラには割り当てられない。MMEは、UEによって実行されるアプリケーションの優先度に関して通知を受ける。特に、UEは、低優先度アプリケーションを実行しただけなので、低優先度UEとして起動される。次いで、通常優先度アプリケーションが追加されており、その結果、UEの全体的優先度は通常優先度に変更される。
より高い(最高の)優先度を取ることには、輻輳が生じた場合に、通常のアプリケーションのリソースが、同じ端末で低優先度アプリケーションも動作しているという理由だけで不足してしまうことがないという利点がある。
図7からわかるように、変更された−現在通常の−優先度は、S1−APメッセージ内でMMEからUEにシグナリングされる。S1−APメッセージは、図4から6を参照しつつ説明されている上記の実施形態に示されているように既存の、または新しいS1−APメッセージであるものとしてよい。これは、図7において、「新しいS1 APメッセージが全体的デバイスに対して現在のデバイス優先度を含む」によって例示されている。この例の現在のデバイス優先度は、非遅延耐性デバイス(端末)であることを示す通常デバイス優先度である。したがって、ネットワークに輻輳が生じている場合、RRC接続は解放されず、この実施形態ではデバイス優先度はUE毎に適用可能であり、この例ではデバイス優先度は遅延耐性であるアプリケーションが少なくとも1つあるので「通常」であるため、低デバイス優先度ベアラですら維持される。一般に、「n」個のアプリケーション/ベアラが一度にアクティブである場合、UE毎に適用可能なデバイス優先度は、遅延耐性を有するアプリケーション/ベアラが少なくとも1つある限り「通常」である。
これは、一例にすぎず、可能な例示的な実施形態はさらにあることに留意されたい。例えば、全体的デバイス優先度は、複数の低優先度アプリケーションが動作していて、高々1つが通常アプリケーションであるなどの場合に低であると判定され得る。一般に、全体的デバイス優先度では、2つより多いレベル(通常、低)を区別することができる。したがって、この区別は、低優先度アプリケーションの数と動作している通常優先度アプリケーションの数とに基づき実行され得る。例えば、動作している低優先度アプリケーションと高優先度アプリケーションとの比を使用して、優先度レベルを判定することができる。特に、デバイス優先度を既存のARP優先度レベルにマッピングする場合、この区別は、シグナリングのオーバーヘッドを増やすことなく容易に実装可能である。
上記の実施形態では、デバイス優先度は、MMEから基地局に指示されている。以下の実施形態において、ベアラ毎もしくは端末毎のデバイス優先度の変更について、またはベアラ毎の現在の優先度について基地局に通知するのは端末である。
本発明の例示的な一実施形態によれば、アプリケーション(ベアラ)の追加または削除は、端末が疑似命令を使って説明されている以下の手順を実行するトリガとなる。
RECEIVE (new_event);
If (new_event != NULL)
If (優先度の変更がUSIM構成から許される)
If addition_of_new_application
If this_app_priority > current_priority
current_priority = new_app_priority;
SEND current_priority to eNB;
Else (既存のAppの解放)
temp_priority = max(remaining app priority);
if this_app_priority > temp_priority
current_priority = temp_priority;
SEND current_priority to eNB;
}
}
} (優先度の変更が許されていない場合には何もしない)
}
ここで、「current_priority」は、eNBに最後にシグナリングされたデバイス優先度を表し、「this_app_priority」は、注目しているアプリケーション/ベアラの優先度を表す。
特に、「new_event」は、新しいアプリケーションに対するベアラの修正または追加である。デバイスが二重優先度デバイスである場合、すなわち、優先度の変更が許されているときに、新しいアプリケーションが現在の優先度より高い優先度で追加された場合、現在の優先度はより高い優先度に変わる。そうでない場合(「else」)、すなわち、ベアラ/アプリケーションが削除されたとき(「既存のappの解放」)、デバイス優先度は、残りのアプリケーションの優先度の最大数として判定される。判定されたデバイス優先度は、基地局に送信される。したがって、eNBは、新しいデバイス優先度を構成された優先度の最大(追加の場合には現在+新、または削除の場合には残り)として計算し、新しいデバイス優先度に基づきRRC接続を取り扱う。eNBは、それぞれのベアラの優先度を別々に知るので、これは、必要ならば個別のベアラ(RRC接続全体の代わりに)−上記の実施形態においてすでに説明されているように、特に図2および3を参照しつつ説明されているもの−を解放することを決定することができる。
UEは、前の実施形態で説明されているMMEと同様に、全体的優先度、または−代替的に−アプリケーション毎の(ベアラ毎の)デバイス優先度のいずれかをシグナリングすることもできることに留意されたい。したがって、UEは、eNBに対してそれぞれの新しいアプリケーションまたはベアラのデバイス優先度(通常/遅延耐性)を指示することができる。次いで、eNBは、受け取ったデバイス優先度を無線ベアラとEPSベアラの両方のベアラ識別子(ID)にマッピングする。無線ベアラは、無線アクセスネットワークのベアラであるが、EPSベアラは、コアネットワークのベアラである。
さらに、本文書では、「ベアラ」という用語は一般的用語であり、データベアラおよび/またはシグナリングベアラを指すことに留意されたい。さらに、これは、無線ベアラも、またEPSベアラも指す。特に、「ベアラ」という用語は、対応するアプリケーションに必要な通信手段およびトラフィック特性を含む。
新しいデバイス優先度の指示は、UEによって、既存メッセージを使用するか、または新しいメッセージを指定することによって送信され得る。指示は、好ましくは、RRCプロトコルを使用して送信される。
図8は、新しいデバイス優先度(「初期アクセスの後に変更される」という意味で新しい)が、RRC接続要求メッセージに含まれる一例を示している。RRC接続確立の後に、端末のNASがデバイス優先度変更のイベントを検出した場合、これは、新しい優先度を示す原因とともにRRC接続要求を発行する。次いで、eNBは、輻輳状態にあるときに、図2および3に示され、上で説明されているように決定を実行することができる。特に、eNBは、低優先度(LP)デバイスまたは無線ベアラについてそれぞれ、「RRC接続解放」を使って接続を解放するか、または「無線ベアラ解放(Radio Bearer Release)」を使って無線ベアラを解放することを決定することができる。したがって、無線ベアラの解放は、MMEに指示される。
図9は、新しいデバイス優先度をシグナリングするためにRRC接続要求を利用せず、むしろRRC接続再確立を利用するという点で図8の例と異なる、別の例を示している。
RRC接続要求または再確立要求の送信は、通常、これらの初期メッセージとは別に、UEとeNBとの間のメッセージのさらなる交換を含む各接続セットアップ(Connection Setup)手順および接続再確立(Connection Reestablishment)手順で接続される。
図10は、左側部分に、この実施形態による新しい優先度を指示するために使用される典型的なRRC接続再確立手順を例示している。UEは、eNBに、「RRC接続再確立要求(RRC Connection Reestablishment Request)」を−例えば、ここでは、この実施形態による原因「優先度の変更」で−送信し、eNBは、「RRC接続再確立」で応答して要求された再確立を実行するようにUEに指令し、最終的に、UEは、「RRC接続再確立完了(RRC Connection reestablishment Complete)」メッセージで応答して再確立が完了したことを指示する。
しかし、RRC接続再確立手順全体が、必ずしも実行される必要はない。RLF/T310/T311フェーズは必要なく、UEは、セル選択を実行する必要がない。また、eNBからの「RRC接続再確立」メッセージおよびUE側からの「RRC接続再確立完了」は、必ずしもこの実施形態の目的に必要でない。eNBによる新しい優先度の指示の受信を確認するために、レイヤ2(L2)応答で十分であり得る。したがって、本実施形態は、以下の再確立手順ステップがない場合のみ「RRC接続再確立要求」によって実装され得る。これには、必要なシグナリングの量を減らし、手順の遅延を短縮するという利点がある。
同様に、既存のRRC接続セットアップ手順は不要なものが削られ、したがって、この実施形態において効率よく使用することができる。例えば、ネットワークからの対応する応答メッセージは、本発明の目的には、すなわち、eNBへの新しいデバイス優先度の指示にはもはや必要ない。しかし、ネットワーク側では、再利用されるメッセージを処理/破棄するかを決定することができる必要があり、いくつかの変更が手順に導入されるものとしてよい。
MMEは、例えば、初期コンテキストセットアップ要求において、UEのDPA(二重優先度アプリケーション)能力を送信する。eNBは、DPA対応UEのテーブルを維持し、これらのUEのCRNTIを関連付ける。UEは、RRC接続要求をSRB1(DCCH)でのみ送信して、確立原因をしかるべく設定することによってデバイス優先度を遅延耐性から通常またはその逆に変更する。ネットワーク(基地局)は、接続モードのUEからRRC接続要求を受信した後に、DPA対応テーブル内でそのエントリが利用可能であるか否かを調べる。利用可能であれば、メッセージを処理し、「確立原因」に基づきMTC優先度変更を記録するものとする。利用可能でなければ、RRC接続要求メッセージを破棄すべきである。
次いで、UEは、RRC接続要求のみを送信して、確立原因をしかるべく設定することによってデバイス優先度を遅延耐性から通常またはその逆に変更する。ネットワーク(eNB)は、接続モードのUEからRRC接続要求を受信した後に、これが「確立原因」を調べた後に再確認するデバイス優先度を変更するために送信されたと仮定するものとする。したがって、ネットワークは、さらなるメッセージ、特にRRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)またはRRC接続再確立メッセージを送信せず、またセットアップまたは再確立の完了に関して端末からさらなる確認を予期しない。
したがって、図10の右側部分は、既存の「RRC接続要求」を使って接続モードのUEからeNBにデバイス優先度を指示するための縮小された手順を示している。同様に、「RRC接続再確立」を使用する手順も縮小できる。
デバイス優先度インジケータをシグナリングする別の可能性は、新しいRRCメッセージをこの目的のために指定することである。図11は、このアプローチを示している。図11は、異なる目的で既存のRRCメッセージを再利用するのではなく優先度の変更を指示する「新しいRRCメッセージ」を示すことによって図9および10と異なる。これと、さらには図9および10の前の例では、デバイス優先度は、アプリケーション毎に(ベアラ毎に)または端末毎に、すなわち、すべての端末のベアラについて1つ、シグナリングされ得る。
図12は、発明の一実施形態による全体的動作をまとめたものであり、異なるネットワークノードに対する手順の影響を示している。特に、UE側で実行されるステップ0は、UEによるデバイス優先度の判定(確立)を指し、これは、例えばアプリケーション(バリア)の追加または削除によってトリガされ得る。本発明により、基地局は、端末またはネットワークノード(UE、MME)のいずれかから現在の、または新しい優先度に関して通知を受ける。したがって、ネットワークに輻輳が生じた場合、上で説明されているように、ステップ2が基地局で実行される、すなわち、基地局は、RRC接続および/または特定のバリアを解放するか、または維持するかの決定を下す。基地局が、RRC接続または無線バリアを解放すると決定した場合、RRC接続解放またはRRC無線バリア解放手順が開始され、解放されるべきと決定された低優先度バリアに対してUEとeNBとの間で実行される。さらに、無線バリアの解放、または接続は、ネットワーク、すなわち、端末およびS−GUUにサービスを提供するMMEを含むコアネットワークに指示される。
上記の説明および図からわかるように、本発明は、端末、基地局、またはネットワークノードによって実装される。したがって、これらの通信デバイスは、図13に示されている機能構造を有する。特に、基地局1310は、無線リソース管理を適切に実行できるように、端末に関係するデバイス優先度のインジケータを受信し、端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを指示するための受信ユニット1312を備える。上で説明されているように、端末1331のトラフィックは、対応する特定のデバイス優先度が与えられる特定のバリアのトラフィックであるか、または全体的デバイス優先度を1つ有する端末全体のトラフィックであってもよい。受信ユニットは、ネットワークノード1320から現在の優先度のインジケータを受信するか、またはネットワークノード1320もしくは端末1330のいずれかから新しい優先度のインジケータを受信する。基地局は、受信されたインジケータに基づき輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行するための無線リソース管理ユニット1315をさらに備える。特に、無線リソース管理ユニットは、ネットワークに輻輳が生じた場合に低優先度バリアを解放するか、またはUE接続を解放するかを決定することができる。同様に、デバイス優先度は、端末の新しいアプリケーション(バリア)を認めるか、または認めないかを決定するために利用され得る。
端末1330にサービスを提供するLTEにおけるMMEなどのネットワークノードは、端末に関係する優先度を決定し、端末のトラフィックが遅延耐性であるか否か(すなわち、デバイス優先度)を指示するための優先度決定ユニット1325を備えることができる。これは、基地局1310に、決定された優先度のインジケータを送信し、基地局1310が指示された優先度に基づき無線リソース管理タスクを実行できるようにするための送信ユニット1322をさらに備えることができる。ネットワークノード1320、端末1330、および基地局1310は、1つの通信システムを形成する。端末は、端末にサービスを提供する基地局1310上で、また端末1330にサービスを提供するネットワークノード1320上で通信する。
同様に、本発明の一実施形態による、通信システム内で動作することができる、端末1330は、端末に関係する優先度を決定し、端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを指示するための優先度決定ユニット1335を備える。これは、基地局に、優先度のインジケータを送信し、基地局が指示された優先度に基づき輻輳およびアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにするための送信ユニット1332をさらに備える。
上記の背景技術の節で述べた説明は、本明細書で説明されている特定の例示的な実施形態をよりよく理解できるようにすることを意図されており/よりよい理解を求めるためのものであり、本発明を3GPP標準に準拠するネットワークなどの移動体通信網におけるプロセスおよび機能の説明されている特定の実装に制限するものとして理解されるべきでない。しかしながら、本明細書で提案されている改善は、背景技術の節で説明されているアーキテクチャ/システムに容易に適用することができ、また本発明のいくつかの実施形態では、これらのアーキテクチャ/システムの標準のおよび改善された手順を使用することもできる。当業者であれば、広い意味で説明されているように本発明の精神または範囲から逸脱することなく特定の実施形態において示されているようなさまざまな変更形態および/または修正形態が本発明に加えられ得ることを理解するであろう。
本発明の別の実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを使用する上述のさまざまな実施形態の実装に関係する。本発明のさまざまな実施形態は、コンピューティング・デバイス(プロセッサ)を使用して実装されるか、または実行され得ることは理解される。コンピューティング・デバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラム可能な論理デバイスなどとすることができる。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスを組み合わせて実行または具現化することもできる。
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、プロセッサによって、またはハードウェアで直接的に、実行される、ソフトウェアモジュールを使って実装することもできる。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装との組み合わせも可能であるものとしてよい。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納され得る。
要約すると、本発明は、少なくとも1つの基地局と1つの端末とを含む通信システム内で無線リソース管理タスクを実行することに関係する。遅延耐性アプリケーションと通常アプリケーションとを同時に動作させることができる、二重優先度デバイスに対する無線リソース管理タスクを実行する際の矛盾を回避するために、デバイス優先度が変更されるときに、端末またはコアネットワークのいずれかから基地局に変更が指示される。デバイス優先度は、デバイス毎の全体的優先度として、またはそのデバイスに対して構成されているベアラ毎の優先度として指示される。

Claims (15)

  1. 基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するための方法であって、前記方法は、前記基地局において実行され、
    前記端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードから優先度のインジケータを受信し、または、前記端末から新しい優先度のインジケータを受信するステップであって、前記優先度は、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す、ステップと、
    前記受信したインジケータに基づいて、輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行するステップと、
    を含む、前記方法。
  2. 前記通信システムに輻輳が生じた場合に、無線管理タスクを実行する前記ステップは、
    前記対応する受信したインジケータが遅延耐性優先度を示している場合に、端末トラフィックを搬送するベアラおよび/または前記対応するRRC接続を削除するステップと、
    前記輻輳状態に応じて、前記対応する受信したインジケータが遅延耐性優先度を示していない場合に、端末トラフィックを搬送するベアラおよび/または前記対応するRRC接続を削除するか否かを決定するステップと、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するための方法であって、前記方法は、前記端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードにおいて実行され、
    前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を決定するステップと、
    前記基地局に前記決定した優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにするステップと、
    を含む、前記方法。
  4. 前記インジケータは、前記端末にサービスを提供する前記モビリティ管理ノードから前記基地局へのS1−APプロトコルのメッセージに含まれる、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記S1−APメッセージは、初期コンテキストセットアップ要求、E−RABセットアップ要求、およびE−RAB修正要求のうちの少なくとも1つである、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記S1−APメッセージは、スケジューリングを目的とする割り当て/保持優先度を搬送する情報要素を含み、前記情報要素は、所定の範囲の値から1つの値を取るように構成され、
    前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す前記優先度の値は、前記所定の範囲からの1つ以上の前記値が、前記端末トラフィックが遅延耐性であることを示し、前記所定の範囲からの別の1つ以上の前記値が、前記端末トラフィックが遅延耐性でないことを示すように、前記所定の範囲の値にマッピングされる、
    請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記マッピングは、前記基地局、または、前記端末にサービスを提供する前記モビリティ管理ノードによって構成され、
    前記基地局、または、前記端末にサービスを提供する前記モビリティ管理ノードは、前記構成されたマッピングを、前記端末にサービスを提供する前記モビリティ管理ノード、または、前記基地局に、それぞれ送信する、
    請求項6に記載の方法。
  8. 基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行するための方法であって、前記方法は、前記端末において実行され、
    前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を設定するステップと、
    前記基地局に前記優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにするステップと、
    を含む、前記方法。
  9. 前記端末トラフィックの前記優先度が変更される場合に、
    前記インジケータが送信される無線リソース制御、RRC、プロトコルメッセージを生成するステップ、
    をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記RRCプロトコルメッセージは、RRC接続要求またはRRC接続再確立のいずれかである、
    請求項9に記載の方法。
  11. 前記インジケータは、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す前記優先度が、前記基地局に知られている値から新しい値に変更された場合に送信され、
    前記優先度の値は、前記端末のUSIMの内容および/または前記端末のサービス品質であるQoSに関するベアラ特性に依存する、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記インジケータは、すべての構成されたベアラを含む前記端末の前記全体的優先度であるデバイス優先度を示し、前記端末の前記全体的優先度は、前記端末の構成されたベアラの前記優先度の最大値である、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 基地局および端末を含む通信システムにおいて無線リソース管理を実行することができる前記基地局であって、
    前記端末にサービスを提供するモビリティ管理ノードから優先度のインジケータを受信し、または、前記端末から新しい優先度のインジケータを受信する受信ユニットであって、前記優先度は、前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す、受信ユニットと、
    前記受信されたインジケータに基づいて、輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行する無線リソース管理部と、
    を備える、前記基地局。
  14. ネットワークノード、基地局、および端末を含む通信システムにおいて前記端末にサービスを提供する前記ネットワークノードであって、
    前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を決定する優先度決定ユニットと、
    前記基地局に前記決定された優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにする送信ユニットと、
    を備える、前記ネットワークノード。
  15. 端末および基地局を含む通信システムにおいて動作する前記端末であって、
    前記端末に関係し、前記端末のトラフィックが遅延耐性であるか否かを示す優先度を設定する優先度決定ユニットと、
    前記基地局に前記優先度のインジケータを送信して、前記基地局が前記優先度に基づいて輻輳またはアドミッション制御を含む無線リソース管理タスクを実行できるようにする送信ユニットと、
    を備える、前記端末。
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