JP2015523095A - 溶液中で生物学的分子及び細胞を分離する方法 - Google Patents

溶液中で生物学的分子及び細胞を分離する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015523095A
JP2015523095A JP2015524830A JP2015524830A JP2015523095A JP 2015523095 A JP2015523095 A JP 2015523095A JP 2015524830 A JP2015524830 A JP 2015524830A JP 2015524830 A JP2015524830 A JP 2015524830A JP 2015523095 A JP2015523095 A JP 2015523095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
channel
less
easily deformable
cross
molecules
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015524830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015523095A5 (ja
Inventor
オーレリアン バンコー、
オーレリアン バンコー、
ヒュベール ランション、
ヒュベール ランション、
Original Assignee
セントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ サイエンティフィック
セントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ サイエンティフィック
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ サイエンティフィック, セントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ サイエンティフィック filed Critical セントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ サイエンティフィック
Publication of JP2015523095A publication Critical patent/JP2015523095A/ja
Publication of JP2015523095A5 publication Critical patent/JP2015523095A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44756Apparatus specially adapted therefor
    • G01N27/44791Microapparatus
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44756Apparatus specially adapted therefor
    • G01N27/44765Apparatus specially adapted therefor of the counter-flow type

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は液体媒体中で複数の易変形性物、例えば生物学的細胞やDNA等の生物学的超分子、を、流体力学的流れを組み合わせた電気泳動技術の手段により分離する方法に関するものであり、該方法は、流れの軸(14)と前記流れの軸(14)に直交する断面とを有し、前記断面の最小寸法が50pm以下であるチャネル(1)に、易変形性物を導入する工程;及び、前記チャネル(1)中に電場を印加すると共に前記チャネル(1)中に流体力学的流れを与えて、前記易変形性物を前記流れの軸(14)に沿って前記チャネル(1)中で移動させ、前記流れの軸(14)に沿って分離させる工程を含む。本発明はさらに、この方法の実施に適したデバイスにも関する。電気泳動分離に使用される電解液は粘弾性を有する非ニュートン流体であり得る。

Description

本発明は、溶液中で分子及び易変形性物(objets deformables)を分離する方法並びにこの方法を行うことができるデバイスに関する。
核酸及びタンパク質等の生体分子をサイズにより分離する方法は研究及び診断活動の基礎である。
通常、分離は電気泳動によって、すなわち電場の作用下での分子の移動によって行われる。電気泳動は通常、ゲル又は重合体溶液であり得るマトリックス中で行われる。
しかし、従来のゲル電気泳動は、大量の材料を必要とし、時間がかかり、大きな分子サイズ(例えば、40又は50kbを超えるDNA分子)の分解能は限定的である。パルスフィールドの使用により、大サイズの分子の分解能力を改善することができるが、これは更に長い時間(10時間超)かけて行われる。
毛細管中で行われる電気泳動は従来のゲル電気泳動より迅速かつ効果的である。しかし、毛細管へのマトリックスの導入が問題である。in situにおけるゲルの架橋を再現することは困難であり、また高粘度の重合体溶液を使用するので、管に充填するため及び管を空にするためには非常に高い圧力を加える必要がある。
したがって、分離マトリックスを用いずにサイズによって生体分子を分離する利用可能な方法があることが望ましい。
Anal. Chem. 75:3675-3680 (2003)中のZheng & Yeungによる"Mechanism for the separation of large molecules based on radial migration in capillary electrophoresis"というタイトルの論文は、放射状泳動(migration radiale)という現象に基づく、分離マトリックスを用いずに内径75μmの毛細管中でDNAを分離する技術を記載している。この現象は、流体力学的流れ及び電場を一緒に適用することにより、流体力学的流れ及び電場の相対的方向に応じてキャピラリーの中央に向かって又はその末端部に向かってDNA分子を移動させることにある。著者らは、放射状泳動の速度は分子のサイズに依存すると述べている。したがって、彼らは、交互方向の流体力学的流れの周期的適用と組み合わせた電気泳動による約48kb及び5kbの2分子のサイズによる分離を提唱している。一方、一定の電場及び一定の流体力学的流れを使用した場合、満足な分解能が得られない。
J. Am. Chem. Soc. 133:6898-6901 (2011)中のLiu et al.による"Single molecule analysis enables free solution hydrodynamic separation using yoctomole levels of DNA"というタイトルの論文は、内径が2μmの毛細管中におけるマトリックスを用いない溶液中におけるサイズによるDNA分子の分離を記載しており、これは純粋に流体力学的なものである。
Anal. Chem. 79:8316-8322 (2007)中のPennathur et al.による"Free-solution oligonucleotide separation in nanoscale channels"という論文は、電場の作用下、分離マトリックスを用いない、ナノチャネル中における小サイズ(10〜100bp)のDNA分子の分離方法を記載している。著者らは、分子の泳動が、特に電気的二重層と分子との相互作用、立体障害、及びフルオレセイン基(小サイズの分子の電気泳動移動度を変える)を用いた末端標識の存在に依存すると説明している。
Trends in Analytical Chemistry, 35:122-134 (2012)中のWang et al.による"Resolving DNA in free solution"というレビューは、マトリックスを用いずにサイズによってDNAを分離するための複数のアプローチを記載している。前述のZheng & Yeungの技術に加えて、このレビューは、分子の末端標識を用いた電気泳動(これはDNA分子の末端に電荷が付加されることを必要とする)、エントロピートラッピング(de pi/egeage entropique)、及びDNAプリズム等の技術を記載している。
しかし、上記の方法は全て、比較的長い分離時間及び場合によっては非常に低い特殊な食塩水濃度の使用を必要とし、より一般的には実施が複雑であり、広い分子サイズ範囲の分解能が不十分であるという欠点がある。
したがって、先行技術の方法より分離時間が短く、より簡便であり、実施に柔軟性がある、分離マトリックスを用いずに分子又は他の易変形性物を分離する方法の開発に対するニーズがある。
本発明は、第1の態様では、液体媒体中で複数の分子又は易変形性物を分離する方法であって、
・チャネル中に分子又は易変形性物を導入する工程であって、チャネルが流れの軸(axe d’/ecoulement)と流れの軸に直交する断面とを有し、前記断面の最小寸法が25μm以下である、工程;及び
・チャネル中に電場を印加すると共にチャネル中に流体力学的流れを与えて、分子又は易変形性物を流れの軸に従ってチャネル中で移動させ、流れの軸に沿って分離させる工程
を含む方法に関する。
「易変形性物(objets d/eformables)」とは、流体力学的流れ等の機械的ストレスの作用下で変形し得る、超分子集合体(assemblages supramol/eculaires)又は細胞若しくは細胞断片等の分子又は他のより複雑な物と理解される。好ましくは、変形能は易変形性物のヤング率によって測定され、ヤング率は10Pa以下でなければならず、実施形態では10Pa以下、10Pa以下、10Pa以下、10Pa以下、10Pa以下、又は10Pa以下である。
ヤング率は、機械的接触によって、例えば原子間力顕微法によって測定することができる。
例えば、DNAのヤング率は典型的には約300MPaであり、哺乳動物細胞のヤング率は約0.1〜100kPaである。
本願の範囲内では、易変形性物は特に以下のものと見なされる:少なくとも100(例えば少なくとも1000)塩基又は塩基対のDNA又はRNA分子;少なくとも100(例えば少なくとも200)アミノ酸単位のペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質;及び細胞。
ある実施形態では、分子又は易変形性物の導入はチャネルの導入ゾーン中で行われ、分子又は易変形性物の移動はチャネルの導入ゾーンから検出ゾーンへと行われ、方法は更に、
・検出ゾーンに到達した分子又は易変形性物を検出する工程
を含む。
ある実施形態では、
・チャネルの最小寸法は15μm以下、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であり;かつ/又は
・断面の最小寸法と、最小寸法の方向に直交する方向における断面の寸法と、の比率は、1/10以下、好ましくは1/15以下、更により好ましくは1/20以下であり;かつ/又は
・チャネルの導入ゾーンと検出ゾーンとの距離は500μm〜20cm、好ましくは1mm〜10cm、更により好ましくは2mm〜1cmである。
ある実施形態では、分子は、核酸分子、特に一本鎖DNA分子、二本鎖DNA分子、及びRNA分子、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質、他の重合体、炭水化物、脂質、代謝物質、及び医薬品化合物から選択される。分子は好ましくは重合体である。
ある実施形態では、易変形性物は、分子及び細胞から選択され、分子は、好ましくは、核酸分子、特に一本鎖DNA分子、二本鎖DNA分子、及びRNA分子、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質、重合体である炭水化物、及び他の重合体から選択される。
ある実施形態では:
・印加される電場は10V/m〜10,000V/m、好ましくは100V/m〜5000V/m、更により好ましくは200V/m〜1000V/mであり;かつ/又は
・チャネル中の流体力学的流れは、特に導入ゾーンと検出ゾーンとの間においては、平均速度が1〜10,000μm/s、好ましくは5〜5000μm/s、更により好ましくは10〜1000μm/sであることを特徴とする。
ある実施形態では、分離に用いられる液体媒体は非ニュートン流体である。
「ニュートン流体」とは、かかる機械的ストレス(単位面積当たりの流体に作用する力)と流体の剪断との間に直線関係(すなわち、流体の速度勾配)がある流体を意味すると理解される。したがって、「非ニュートン流体」とはニュートン流体でない流体である。
例えば、本発明に係る非ニュートン流体は、剪断に応じた粘度係数を有し得るか(静止流体)、弾性の挙動を示し得る。ある実施形態では流体は粘弾性である。ある実施形態では、流体は、流体がさらされる振動の周波数wと共に増大する貯蔵剪断弾性率G’(w)(実施例で定義される)を有する。ある実施形態では、流体は、閾値wより大きい振動周波数wで、損失剪断弾性率G’(w)’(実施例で定義される)より大きい貯蔵剪断弾性率G’(w)を有する。閾値wは、例えば0.01Hz〜10,000Hz、特に0.1Hz〜1000Hz、例えば1Hz〜100Hzであり得る。
ある実施形態では、液体媒体の粘度は周囲温度で1〜100cP(センチポアズ)、好ましくは2〜20cP、更により好ましくは2〜10cPである。特に断りのない限り、本願中で言及される粘度の値は静粘度の値である。
ある実施形態では、液体媒体は、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド、及びその混合物から選択されることが好ましい、非荷電重合体を含む。
「非荷電(non charg/e)」という用語は、問題の重合体の総静電荷が前述の液体媒体中で実質的にゼロであることを意味する。
そのような重合体が例えば水溶液中に存在することで、液体媒体を非ニュートン性(例えば粘弾性)にすることができる。
ある実施形態では、非荷電重合体は、0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、更により好ましくは1〜4%の質量濃度で存在する。
好ましくは、非荷電重合体の濃度は、臨界被覆濃度(concentration critique de recouvrement:重合体が接触し始める濃度)以上である。
ある実施形態では、非荷電重合体の(質量)平均分子量は10〜100,000kDa、好ましくは50〜10,000kDa、更により好ましくは〜100〜1000kDaである。
本発明は更に、液体媒体中で分子又は易変形性物を分離するためのデバイスであって、
・流れの軸と流れの軸に直交する断面とを有するチャネルであって、前記断面の最小寸法が25μm以下である、チャネル;
・チャネル中に流体力学的流れを与えるための手段;及び
・チャネル中に電場を印加するための手段
を備えたデバイスに関する。
好ましくは、チャネルには非ニュートン液体媒体が充填されている。
ある実施形態では、液体媒体の粘度は周囲温度で1〜100cP、好ましくは2〜20cP、更により好ましくは2〜10cPである。
ある実施形態では、液体媒体は、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド、及びその混合物から選択されることが好ましい、非荷電重合体を含む。
ある実施形態では、非荷電重合体は0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、更により好ましくは1〜4%の質量濃度で存在する。
ある実施形態では、非荷電重合体の(質量)平均分子量は10〜100,000kDa、好ましくは50〜10,000kDa、更により好ましくは100〜1000kDaである。
ある実施形態では、デバイスは、
・流れの軸(14)と流れの軸(14)に直交する断面とをそれぞれが有する複数のチャネル(1)であって、前記断面の最小寸法が25μm以下であり、各チャネル(1)に非ニュートン液体媒体が充填されている、チャネル;
・チャネル(1)中に流体力学的流れを与えるための手段(13a、13b);及び
・チャネル(1)中に電場を印加するための手段(10a、10b)
を備える。
ある実施形態では、チャネルは毛細管の内腔であり、あるいは、複数のチャネルは、平行に配置されていることが好ましい、毛細管の内腔である。
ある実施形態では、デバイスは、
・流れの軸に沿って間隔をおいて配置された、チャネル中の導入ゾーン及び検出ゾーン;
・検出ゾーンに到達した分子又は易変形性物を検出するための手段
を備える。
ある実施形態では、
・チャネルの最小寸法は15μm以下、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であり;かつ/又は
・断面の最小寸法と、最小寸法の方向と直交する方向における断面の寸法と、の比率は1/10以下、好ましくは1/15以下、更により好ましくは1/20以下であり;かつ/又は
・チャネルの導入ゾーンと検出ゾーンとの距離は500μm〜20cm、好ましくは1mm〜10cm、更により好ましくは2mm〜5cm、又は2mm〜1cmである。
ある実施形態では、チャネルの導入ゾーンは、チャネルと付加的チャネル(canal suppl/ementaire)との交差部によって形成され、デバイスは、分子又は易変形性物を付加的チャネル中に運び込むための手段と、付加的チャネル中に電場を印加するための手段及び/又は付加的チャネル中に流体力学的流れを与えるための手段を含むことが好ましい、分子又は易変形性物を交差部へと移動させるための手段と、を備える。
本発明は更に、化学的反応若しくは生化学的反応を行うデバイスの出口及び/又は分離された分子若しくは易変形性物を回収するための供給手段に連結された前述の分離デバイスを含むラブオンチップシステムに関する。
本発明により先行技術の欠点を克服することができる。より具体的には、本発明は、先行技術の方法より分離時間が短く、より簡便であり、実施に柔軟性がある、分離マトリックスを用いずに分子及び他の易変形性物を分離する方法を提供する。
これは、小さな寸法、特に25μm未満のチャネル中で流体力学的流れの適用と共に電場を印加することによって実現される。
電場の値及び流体の平均速度(及び場合によりチャネルの寸法)を調節することにより、これらの条件は、大きく異なるサイズ範囲の分子及び他の易変形性物を良好な分解能で短時間に分離することを可能にする。
理論により限定されるものではないが、本発明者らは、本発明で行われる分子又は他の易変形性物の分離は、分子又は易変形性物への静電力と剪断力との複合的作用に基づくものであり、これにより、チャネルの最小寸法に従って分子又は易変形性物がそれらの各サイズに応じて異なる分布を生じ、そのため、チャネル中でのこれらの分子又は易変形性物の移動速度がそれらの各サイズに依存し、比較的中央位置にある分子又は易変形性物は、比較的中央から外れた位置の分子又は易変形性物より大きな流速にさらされると考えている。より具体的には、大サイズの分子は小サイズの分子よりチャネルの最小寸法に沿って中央位置から外れているので、小サイズの分子が大サイズの分子より速く検出ゾーンに移動することが観察されている。
理論により限定されるものではないが、本発明者らは更に、チャネル中の液体媒体が非ニュートン性である場合、さらされる剪断に依存する分子又は易変形性物の横断的泳動が容易化されることにより、分子又は他の易変形性物の分離が改善されると考えている。上記の本発明の主な特徴とは別に、本発明に係る方法及びデバイスは更に、以下の他の特徴の1つ又は複数を有し得る。ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物は、分離に用いられる液体媒体中で全体として正の電荷を有する分子又は易変形性物である。
ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物は、分離に用いられる液体媒体中で全体として負の電荷を有する分子又は易変形性物である。
ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物は、分離に用いられる液体媒体中で同じ(又は実質的に同じ、例えば約5、10、又は20%以内まで)電気泳動移動度を有する。
ある実施形態では、電場、流体力学的流れ、及び液体分離媒体の組成は、チャネルの断面中で、特に断面の最小寸法に相当する方向で、分子又は易変形性物が不均一に分布するように選択及び適合化され;より具体的には、チャネルの断面の最小寸法に対応する方向においてチャネルの壁からチャネルの中央へと分子又は易変形性物の濃度が減少するように選択及び適合化される。
ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物は生体分子である。
本発明の方法に供される分子又は易変形性物は一般的に、複数(すなわち、少なくとも2つ)の異なる種類の分子又は易変形性物を含み、各種の分子又は易変形性物は、単一の分子/易変形性物又は好ましくは複数(特に多数)の分子/易変形性物を含んでよい。本発明は、分子をその種類に従って分離することができ、又は易変形性物をその種類に従って分離することができる。
「分子の種類」とは、特に同じ又は同様の(特に、定義される値の範囲に属し、別の種類の分子の分子量又はサイズとは異なる)分子量又はサイズを有する分子を意味すると理解される。
特に、分子が重合体(例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質等)である場合、「分子の種類」は一般的に、所与のサイズ又は所与の範囲内のサイズ(すなわち、塩基、塩基対、又はアミノ酸の数等の、単量体単位の数)を有する重合体の1つを意味するものと理解される。したがって、この場合、異なる種類の分子は異なるサイズ(又はサイズ範囲)に相当する。
細胞との関連における「易変形性物の種類」とは特に、同じ又は同様の(特に、定義される値の範囲に属し、別の種類の細胞の移動度又はサイズのものとは異なる)サイズ又は電場の作用下での移動度(又は表面電荷密度)を有する細胞を意味すると理解される。
したがって、易変形性物が細胞(例えば線維芽細胞、骨芽細胞、内皮、又は上皮細胞等)である場合、「細胞の種類」は一般的に、同等又は同様の易変形性を有する細胞を意味すると理解される。
ある実施形態では、電場及び流体力学的流れは、導入ゾーンから検出ゾーンへの分子又は易変形性物の移動中、一定である。この実施形態は特に実施が簡便である。あるいは、分子又は易変形性物の移動中、流体力学的流れ及び/又は電場を、例えば周期的に、変化させることもできる。これにより、分離すべき特定の種類の分子又は易変形性物に特別に適応させた精巧なプログラムを定義することができる。
ある実施形態では、チャネル中に存在する液体媒体は、分離マトリックスを含まない溶液である。特に、その場合、ゲルは用いられず、液体媒体中に重合体は存在しない。但し、適切な場合、その上で分離が行われる重合体分子又は補助的機能を有する他の重合体(例えば、表面の不動態化、流体力学的相互作用のスクリーニング、又は液体媒体に望ましい非ニュートン特性を付与するポリビニルピロリドン等の重合体など)は例外である。
分離マトリックスは、事実上、分離操作中に前記マトリックスを動かさずに電場のみの作用下で電気泳動的分離の実施を可能にするゲル又は重合体溶液等の媒体である。
ある実施形態では、本発明の方法は、前述のチャネルを備えた分離デバイスに分子又は易変形性物を注入する工程を含む。好ましくは、注入工程は、体積が1ml以下、500μm以下、300μl以下、200μl以下、又は150μl以下である液体試料を注入することを含む。
ある実施形態では、チャネル中の分子又は易変形性物の濃度は10−18〜10−8mol/μl、10−18〜10−10mol/μl、10−17〜10−12mol/μl、又は10−16〜10−14mol/μlである。
ある実施形態では、チャネルの壁は、分離対象である分子又は易変形性物とこれらの壁との間の相互作用を低減又は防止するように適合化されているコーティングを有する。このコーティングは、壁に化学的にグラフトされてもよく、導入される溶液によって提供されてもよい。好ましくは、コーティングは、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド等の合成重合体又はウシアルブミン若しくは卵アルブミン等の生物学的重合体から選択される。
したがって、本発明の方法は、チャネルの壁にコーティングを形成するために溶液をチャネルに注入する予備的工程及びその後チャネルをすすぐ工程を含み得る。
あるいは、コーティングを提供する重合体は、分離対象である分子又は易変形性物を含む液体媒体中に直接含まれてもよい。
換言すると、前述したように、分離の実施に非荷電重合体を含む液体媒体が用いられる場合、これらの非荷電重合体は、分離対象である分子又は易変形性物と壁との間の相互作用を防止する機能も発揮する。
検出ゾーンにおける分子又は易変形性物の検出は特に以下によって行われ得る:
・検出ゾーンを照らして、光検出器を用いて蛍光シグナルを検出すること;
・検出ゾーンを照らして、目的の分子又は目的の易変形性物の特異的波長(例えば、タンパク質では280nm、DNAでは260nm)における吸光シグナルを検出すること;
・検出ゾーンに電気化学的プローブを配置し、電気的検出器を用いてインピーダンスの変動を検出すること;又は
・光検出器を用いて、検出ゾーンの前を易変形性物が通過することに伴う光シグナルの変動を検出すること。
適切な場合、本発明に係る方法は、分子又は易変形性物をフルオロフォア等の着色剤と接触させる予備的工程を含む。
ある実施形態では、本発明に係る方法は、様々な時点で、検出ゾーンで(例えば光検出器を用いて)、個々の分子又は個々の易変形性物を検出することを含む。あるいは(又は組み合せて)、本発明に係る方法は、様々な時点で検出ゾーンで分子又は易変形性物の濃度を測定することを含む。
ある実施形態では、流体力学的流れは層流タイプである。
ある実施形態では、チャネル中の電場は、分子又は易変形性物の移動に抵抗する傾向がある。
ある実施形態では、チャネルはその内壁に構造を有さない。
ある実施形態では、チャネルの断面は流れの軸に沿って一定であり、好ましくは、チャネルの断面は実質的に長方形である。
ある実施形態では、チャネルは流れの軸に沿って一直線である。あるいは、チャネルは、湾曲部によって連結された直線部分を含んでよく、その場合、流れの軸は実質的に折れ線である。あるいは、チャネルは、流れの軸に沿って湾曲していてもよく、例えば、流れの軸は円弧、らせんの一部等であり得る。
いくつかの変形例では、チャネルは1又は複数の枝分かれを含み得る。
ある実施形態では、前述した断面の最小寸法はチャネルの高さ(垂直方向の寸法に従う)である。
ある実施形態では、チャネルの高さは25μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、8μm以下、7μm以下、6μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、又は800nm以下である。
ある実施形態では、直交する方向の断面の寸法はチャネルの幅である。
ある実施形態では、断面の最小寸法は、液体媒体中で分離される分子又は易変形性物の最大サイズ又は平均サイズに応じて選択される。
ある実施形態では、この最小寸法は100nm以上、200nm以上、300nm以上、又は500nm以上である。したがって、好ましくは、本発明に係る分離方法は、壁の領域の大きな電荷作用に基づくものではない。
ある実施形態では、この最小寸法は、分離対象である分子もしくは易変形性物のうち最大である分子若しくは易変形性物の種類の、溶液中における最大寸法の;又は分離対象である分子若しくは易変形性物のうち最大である分子若しくは易変形性物の種類の、溶液中における最大寸法と、分離対象である分子若しくは易変形性物のうち最小である分子若しくは易変形性物の種類の、溶液中における最大寸法と、の平均の;200倍以下、好ましくは100倍以下、50倍以下、又は20倍以下である。
ある実施形態では、この最小寸法は、分離対象である分子のうち最大である分子の種類の回転半径の;又は分離対象である分子のうち最大である分子の種類の回転半径と、分離対象である分子のうち最小である分子の種類の回転半径と、の平均の;200倍以下、好ましくは100倍以下、50倍以下、又は20倍以下である。分子がコイル型の形態を有する場合、回転半径から溶液中の分子の最大寸法が推定される。
例えば、良好な溶媒中で、サイズが数kb以上の二本鎖DNA分子の場合、回転半径はA×N(式中、Nは塩基対数、Aは代表長さ(longueur caract/eristique)、vは溶媒の性質に応じた指数(貧溶媒では約1/3、良溶媒では0.5〜0.6)である)である。
タンパク質の場合、回転半径又は流体力学的半径は一般的に、nmで表した場合、球状タンパク質では約0.75×M0.33、変性タンパク質では0.19×M0.54であると見なされる(式中、Mは分子量を意味する)。
ある実施形態では、細胞を分離する場合、最小寸法は、分離対象である細胞のうち最大である細胞の種類の平均直径の;又は分離対象である細胞のうち最大である細胞の種類の平均直径と、分離対象である細胞のうち最小である細胞の種類の平均直径と、の平均の;200倍以下、好ましくは100倍以下、50倍以下、又は20倍以下である。異方性細胞の場合、平均直径は、細胞の最大寸法の平均値を意味する。
ある実施形態では、分離対象である分子若しくは易変形性物の一部又は分離対象である分子若しくは易変形性物の全部は、
・100以下の数の塩基(もしくは塩基対)を含む;
・100〜1000の範囲の数の塩基(もしくは塩基対)を含む;
・1000〜10,000の範囲の数の塩基(もしくは塩基対)を含む;
・10,000〜100,000の範囲の数の塩基(又は塩基対)を含む;
・100,000〜1,000,000の範囲の数の塩基(もしくは塩基対)を含む;
・1,000,000〜10,000,000の範囲の数の塩基(もしくは塩基対)を含む;又は
・10,000,000〜100,000,000の範囲の数の塩基(もしくは塩基対)を含む
核酸分子である。
ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物は、1000超の塩基(若しくは塩基対)又は10,000超の塩基(もしくは塩基対)を含む核酸分子である。
ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物はゲノム核酸分子である。この場合、好ましくは、チャネルの断面の最小寸法は5〜25μm、特に5〜20μmであり、好ましくは10〜15μmである。
ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物は、50,000以下の塩基(又は塩基対)を含む核酸分子である。好ましくは、この場合、チャネルの断面の最小寸法は5μm以下、特に3μm以下、又は2μm以下である。
ある実施形態では、分離対象である分子又は易変形性物はタンパク質である。好ましくは、この場合、チャネルの断面の最小寸法は1μm以下、特に500nm〜1μm、例えば600nm〜800nmである。
ある実施形態では、チャネル中に流体力学的流れを印加するための手段は、流れの軸に対してチャネルの各末端に配置された2つの液体リザーバーを含み、前記リザーバーは圧力制御手段に連結されている。
例えば、その内容が参照により取り込まれる国際公開第2004/103566号に記載されている圧力制御手段を用いることができる。
あるいは、Science (2000), vol. 288, no. 5463, pp. 113-116中のUnger et al.による論文"Monolithic Microfabricated Valves and Pumps by Multilayer Soft Lithography"に記載されているようなバルブ及びポンプのシステムを用いることができる。
ある実施形態では、チャネル中に電場を印加するための手段は、流れの軸に対してチャネルの各末端に配置された2つの電極を含む。
ある実施形態では、付加的チャネル中に流体力学的流れを与えるための手段は、付加的チャネルの各末端に配置された2つの液体リザーバーを含み、前記リザーバーは圧力制御手段に連結されている。
ある実施形態では、付加的チャネル中に電場を印加するための手段は、付加的チャネルの各末端に配置された2つの電極を含む。
ある実施形態では、チャネルは支持体上に封止された超微細加工チップに組み込まれている。好ましくは、支持体は透明である。支持体は特にスライドガラスであり得る。超微細加工チップは特にガラス若しくはケイ素又は任意のその他実質的に非易変形性の材料(例えばプラスチック材料)でできていてよい。「実質的に非易変形性の」という表現は、流体力学的流れを与えるために通常用いられる圧力条件に関する。例えば、非易変形性の基準圧力は10barであり得る。
あるいは、チャネルは毛細管の内腔であり得る。この場合、チャネルの断面は好ましくは円形又は正方形であり、断面の最小寸法はそれぞれ、円形部分の直径又は正方形部分の一辺の寸法に対応する。
毛細管を使用することで、例えばElectrophoresis, 32(2):223-229 (2011)のRogers et al.による論文"Bundled capillary electrophoresis using microstructured fibres "に記載されているもののように、本発明に係るチャネルを毛細管の束の形態で容易に多重化することができる。この場合、流体力学的流れを与えるための手段及び電場を印加するための手段は、全ての毛細管に共通であってもよく、全ての毛細管で別個であってもよい。
本発明のある代替的形態では、チャネルの断面の最小寸法は、前述した25μm以下ではなく、200μm以下、100μm以下、75μm以下、又は50μm以下である。本説明の全体が必要な変更を加えて本発明のこの代替的形態に適用され、その場合、「25μm以下の断面の最小寸法」という表現は「200μm以下の断面の最小寸法」(又は考慮されている変形例に応じて100μm以下、75μm以下、若しくは50μm以下)と置き換えられなければならない、と読者によって理解される。
この代替的形態は、分離対象である易変形性物が大きなサイズのもの、例えば細胞である場合、特に適切である。好ましくは、この場合、チャネルの断面の最小寸法は100μm以下、特に10〜75μm、特に25〜50μmである。
この代替的形態は、使用される液体媒体が(流体力学的流れの適用を容易にするため、すなわち、必要な圧力差を低減するために)高粘度である場合にも適切である。
本発明の別の対象は、液体媒体中で易変形性物を分離するためのデバイスと組み合わされた(前述の)易変形性物を含むセット(又はキット)であって、分離デバイスが(その種々の変形例及び実施形態において)上記で説明したデバイスである、セットである。このセットの分離デバイスは、チャネル中に(分離に適した)液体媒体を含んでもよく、あるいは(チャネル中に液体媒体がなく)空であって単にこの液体媒体(好ましくは非ニュートン性)を受け入れることが意図されてもよい。
本発明のもう1つの対象は、易変形性物の分離に適した液体媒体と組み合せた、液体媒体中で易変形性物を分離するためのデバイスを含むセット(又はキット)である。分離デバイスは(その種々の変形例及び実施形態で)前述した通りであり、このセットでは、デバイスは空(すなわち、液体分離媒体なし)で提供される。液体媒体は(その種々の変形例及び実施形態で)前述した通りであり、特に非ニュートン性であり得る。
本発明のもう1つの対象は、液体媒体中で易変形性物を分離するためのデバイスの使用であって、デバイスが、
・流れの軸と流れの軸に直交する断面とを有するチャネルであって、前記断面の最小寸法が25μm以下であるチャネル;
・チャネル中に流体力学的流れを与えるための手段:及び
・チャネル中に電場を印加するための手段
を含む、使用。
本発明のこの他の対象の実施形態では、易変形性物は、本発明の前述の対象に関連して上記で説明した特徴を有し;かつ/又は分離デバイスは、本発明の前述の対象に関連して上記で説明した特徴を有し;かつ/又は液体媒体は、本発明の前述の対象に関連して上記で説明した特徴を有する(かつ特に非ニュートン性である)。
本発明に係るデバイスの一実施形態の平面模式図である。 上記デバイスの断面A−A(拡大)を模式的に示す図である。 分離中のチャネル中の流体力学的及び電気泳動的力場を模式的に示す図である。 種々の電場及び流体力学的流れの条件で本発明の方法を用いた500〜10,000bpのDNA分子の分離結果を示す図である(以下の実施例1参照)。x軸は、泳動開始からの時間(分)を示し、y軸は検出器によって受け取られた光強度を示す。比較のために、従来のゲル電気泳動による試験DNA集団の分離も左下に示す。 図4に示した分離の3つをより詳細に示す図である。 個々の分子の可視化の可能性を更に示す、それらの分離の1つ(500mbar及び30V)及び各最大強度で得られた画像を示す図である。 種々の電位差(図中に記載)及び100mbarの固定された圧力差での48,000bpの個々のDNA分子の速度分布を示す図である(実施例2参照)。分子の速度はx軸にμm/sで示されており、事象のパーセンテージはy軸に示されている。 実施例2で説明されている、高さ2μmのチャネル中(左側)及び高さ12μmのチャネル中(右側)における48,000bpの蛍光DNA分子の空間的分布を示す図である。μmで表した高度(高度0がチャネルの中央に相当)をy軸、測定された光強度(任意単位)をx軸に示す。チャネルの壁の位置を点線で示す。種々の泳動条件、すなわち: ・高さ2μmのチャネルでは、15.4V/50mbar;23.5V/120mbar;29.4V/200mbar;及び45V/600mbarの電位差/圧力差の組み合わせ; ・高さ12μmのチャネルでは、15V/10mbar;59V/50mbar;83V/100mbar;及び114V/200mbarの電位差/圧力差の組み合わせ で得られた結果を図の2つの部分に重ねた。 種々の電場及び媒体中のポリビニルピロリドン(PVP)濃度条件で本発明の方法を用いた500〜10,000bpのDNA分子の分離結果を示す図である(以下の実施例3参照)。x軸は泳動開始からの時間(秒)を示し、y軸は検出器によって受け取られた光強度を示す。上のグラフは0.1%PVP、中央のグラフは2%PVP、下のグラフは4%PVPで得られた。 図10及び図11は2%PVPを含む溶液の流体力学的挙動を示す図である。図10中、Paで表した複素弾性率の成分(G’及びG’’)はy軸に、Hzで表した流体の反応頻度はx軸に示されている。 図11中、定常状態条件下の、Paで表した粘度はy軸に、s−1で表した剪断速度はx軸に示されている(実施例3参照)。
以下に本発明を非限定的に更に詳細に説明する。
特に断りのない限り、本願中に示されている濃度は質量濃度である。
図1及び図2を参照して、本発明に係るデバイスは、スライドガラス又はプレートであり得る支持体16と、本質的に公知の方法で支持体16に封止された、ケイ素でできていてよい、凹部を有する構造15(例えば超微細加工された構造)と、を含む。例えば、膜蒸着、フォトリソグラフィ、エッチング(化学的又はプラズマ)、及び接着結合の技術を用いることができる。膜蒸着は遠心、熱酸化、化学的又は物理的蒸着(CVD及びPVD)、低圧CVD、プラズマ増強CVD、噴霧化等によって行うことができる。
構造15(凹部を有する)及び支持体16によってチャネル1が画定される。チャネル1は断面が長方形である中空シリンダーの形態を有する。シリンダーの主軸は、チャネル1中の流れの軸14である。流れの軸14に垂直に、hで表される高さ及びLで表される幅によってチャネル1の断面が画定される。高さhは、断面の最小寸法に相当し(これは支持体16と構造15の凹部の底部との距離でもある)、幅Lは高さの方向と直交する方向の寸法に相当する。
一般的に、使用中、高さhは垂直方向に相当し、幅L及び流れの軸14は水平面にある。
hの値は、分離対象である分子又は易変形性物のサイズに応じて選択され得る。一般的に、チャネル1の高さに応じた剪断が分子又は易変形性物に作用する必要があり、それには、使用される液体媒体中の分子又は易変形性物の寸法がチャネル1の高さの200分の1以上、100分の1以上、50分の1以上、又は20分の1以上である必要がある。
チャネル1の2つの末端にはそれぞれ第1のリザーバー4及び第2のリザーバー6が備えられている。リザーバー4、6はそれぞれ圧力制御手段13a、13bを備える。チャネル1中に電場を発生させることができるように、リザーバー4、6の中に電極10a、10bが浸漬している。
付加的チャネル2がチャネル1と交差している(直交していてもしていなくてもよい)。付加的チャネル2はチャネル1と同様に形成される。チャネル1と付加的チャネル2との交差部は導入ゾーン9を画定する。
付加的チャネル2もその末端に第1のリザーバー3及び第2のリザーバー5を備える。リザーバー3、5はそれぞれ圧力制御手段12a、12bを備える。必要に応じて、リザーバー3、5は更に、付加的チャネル2中に電場を発生させるようになっている各電極11a、11bを備える。
使用中、チャネル1及び付加的チャネル2には、電気泳動に適した溶液が充填されている。付加的チャネル2の第1のリザーバー3を介して分析対象の分子又は易変形性物の試料がデバイスに導入される。付加的チャネル2中で生成した流体力学的流れにより、及び/又は付加的チャネル2中で生成した電場により、分析対象の分子又は易変形性物は、付加的チャネルに沿って第2のリザーバー5の方向に導入ゾーン9まで泳動する。
この第1の泳動工程により、導入ゾーン9に存在する分子又は易変形性物の実際の分離を開始する前に、導入ゾーン9中における分析対象の分子又は易変形性物の濃度を均一にすることができる。
第2段階では、泳動を中断し、次いで、分析対象の分子又は易変形性物をチャネル1中で流れの軸14に沿って第1のリザーバー4から第2のリザーバー6へと泳動させる。そのために、(特に、第1のリザーバー4及び第2のリザーバー6の圧力制御手段13a、13bによって、)チャネル1中で流体力学的流れを生じさせる。
共同して、リザーバー4、6中の各電極11a、11bを用いてチャネル1中で電場を発生させる。好ましくは、電場は、分離対象である分子又は易変形性物に、流体力学的流れとは反対方向にこれらを移動させる傾向がある静電力を印加するのに適している。したがって、電場の方向は、分離対象である分子又は易変形性物の全体的電荷の兆候によって決まる。
図3(図の上部は平面図であり、下部は側面図である)について、分離中、分離中のチャネル1中の電気泳動力場17は、チャネルの壁のすぐ近傍(寸法h及びLと比べて無視できる代表長さにわたる)を除いて、チャネル1の流れの軸14(y軸)、高さh(z軸)、及び幅L(x軸)の方向で実質的に均一である。
流体力学的力場18について、これは、チャネルの壁のすぐ近傍(寸法Lと比べて無視できる代表長さにわたる)を除いて、流れの軸14(y軸)の方向及び幅Lに沿って均一である。対照的に、これは高さh(z軸)に沿っては均一でない。一般的に、これはポワズイユの法則に特徴的な放物線型のプロファイルを示す。
チャネル1のアスペクト比L/hは、この形状の流体力学的力場が得られるように選択され、そのため、アスペクト比は通常、10、15、又は20以上である。高さに沿っての流体力学的力場18の非均一性は分子又は易変形性物の分離の有効性に重要である。幅Lに沿っての均一性のため、検出が一般的に検出ゾーン8で流れの軸に沿った所与の位置において(又は所与の間隔にわたり)行われ、幅Lに沿った信号を総計することによるものであれば、分解能の低下を回避することができる。
所望の流体力学的流れのプロファイル(特に所与の流れ及び平均速度の値によって特徴付けられる)は、1又は複数の入り口リザーバーと1又は複数の出口リザーバーとの間に圧力差が生じるように各圧力制御手段13a、13b(及び場合により12a、12b)を作動させることによって得られる。例えば、導入ゾーン9から検出ゾーン8への分離対象である分子又は易変形性物の泳動を確実にする流体力学的流れを生じさせるために、リザーバー3、4、5とリザーバー6との間で圧力差を生じさせる。例えば、チャネルの配置を考慮して、0.01〜10bar、好ましくは0.05〜4bar、更により好ましくは0.1〜1barの圧力差により、所望の流体力学的流れのプロファイルを得ることができる。
2つのチャネル1、2中の流れを互いに独立させるバルブシステムを設けてもよい。
検出手段は図示されていない。それらは、支持体16のチャネル1とは反対の側にある顕微鏡対物レンズ及びそれに連結された検出器、例えばCCDカメラを含み得る。このようにして、個々の分子又は個々の易変形性物を、取得された画像上で検出することができ、時間の関数としての検出ゾーン8又はその一部における全体的強度の測定を行うことができる。
測定値を分析するため及び得られたデータを提示するための手段がこのデバイスに連結され得る。
デバイスは更に、例えば前述したものと同様の別のチャネル、リザーバー、及び/又は電極を含む、ラブオンチップに組み込まれてもよい。例えば、ラブオンチップは、本発明に係る分離デバイスが下流に接続された化学的反応又は生化学的反応を行うデバイスを備え得る。したがって、本発明に係る分離方法の実施は、ラブオンチップ上で行われた化学的又は生化学的反応の生成物を分析することを可能にする。
ラブオンチップは更に、分離された種々の分子又は易変形性物に対応する画分を回収するための手段を備え得る。これらの回収手段は検出ゾーン8の下流に設けられ得る。あるいは、これらが検出ゾーン8に取って代わってもよく、その場合、デバイスは調製目的にのみ用いられる。
これらの回収手段は、前述した化学的反応又は生化学的反応を行うデバイスと組み合わされて、又は組み合わされずに、提供され得る。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、これは発明を限定するものではない。
実施例1−二本鎖DNA分子集団の分離
本実施例中、本発明は、サイズが500bp、1000bp、1500bp、2000bp、3000bp、4000bp、5000bp、6000bp、8000bp、及び10,000bpの二本鎖DNA分子の集団の分離を達成するために行われる。
分子集団は、180mMのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、180mMのホウ酸、4mMのエチレンジアミン四酢酸、0.5μMのジチオスレイトール、及び2質量%のポリビニルピロリドン(PVP、360kDa)を含むバッファー溶液中に希釈され、核酸塩基の総濃度は5ng/μlとし、これは各サイズを考慮するとそれぞれ5×10−12M(500bp)、1.3×10−12M(1000bp)、4.8×10−13M(1500bp)、3.6×10−13M(2000bp)、4.2×10−13M(3000bp)、6.3×10−14M(4000bp)、5.1×10−14M(5000bp)、4.2×10−14M(6000bp)、2×10−14M(8000bp)、1.3×10−14M(10,000bp)のモル濃度に相当する。
核酸は、4塩基対に1つのプローブの割合で挿入剤(YOYO(登録商標)、モレキュラープローブス社製)を用いて標識することにより蛍光化される。
この分子集団の分離及び分析に用いられるデバイスは図1に示される通りである。チャネル1及び付加的チャネル2は、幅が100μm、高さが2μmである。導入ゾーン9と検出ゾーン8との間隔は5mmである。
生物学的試料を含まない200μlのバッファー溶液を、チャネル1のリザーバー3、4、5、及び6と付加的チャネル2に配置する。30分間にわたってPVPで表面を飽和させることができるように圧力を調節することにより、リザーバー3、4、5からリザーバー6への溶液の流れを作り出す。次いで、目的の試料を含む200μlの溶液を付加的チャネル2の第1のリザーバー3に配置する。
チャネル1中の電位差及び圧力差をそれぞれ0〜40V及び200〜700mbarの複数の異なる値に調節することにより、複数の泳動試験を行う。
検出ゾーン8における強度を、蛍光顕微鏡(拡大率100倍)を用いてモニタリングし、CCDカメラを5Hzの周波数で用いて画像化する。
500〜10,000bpの範囲全体にわたる最良の分解能は、20V及び200mbar又は30V及び50mbarで得られる(後者の構成は更に、確実に泳動時間を8分未満にする)。
結果を図4〜6に示す。
実施例2−単一分子のモニタリングによる分離メカニズムの説明
本実施例では、先の実施例と同じ実験デバイスを用いる。チャネル中における約48,000塩基対のDNA(ラムダファージDNA)の泳動を調べる。ポリビニルピロリドン(PVP、360kDa)の質量濃度は2%である。最初の段階では、圧力差100mbarを印加し、電位差0、5、10、15、及び20Vで泳動を行う。これらの電位差のそれぞれについて、多数の個々の蛍光DNA分子の速度を測定し、速度分布を調べる。
結果を図7に示す。
電位差が増すと速度のばらつきが減少することが見出され、これはチャネル中におけるDNA分子の空間的局在の作用の証拠である。
第2段階では、チャネルの高さ方向におけるDNA分子の分布を分析する。そのために、対物レンズの圧電探査装置(positionneur pi/ezo/electrique de l’objectif)を用いて種々の焦平面で蛍光強度測定を行う。結果を図8の左側に示す。
4組の圧力差及び電位差条件を用いて、実質的にゼロのDNA分子泳動速度(チャネルの軸に沿った)が得られた。これらの条件の組み合わせは以下の通りである:15.4V/50mbar;23.5V/120mbar;29.4V/200mbar;及び45V/600mbar。4つの対応する光強度曲線は概ね重なり、DNA分子が壁の近傍で濃縮されていることを示している。
次いで、12μmのより大きなチャネル高さを有するデバイスを用いて実験を繰り返す。結果を図8の右側に示す。チャネルに沿った分子泳動速度を相殺できる、使用された条件の組み合わせは以下の通りである:15V/10mbar;59V/50mbar;83V/100mbar;及び114V/200mbar。やはり、DNA分子はチャネルの壁の近傍に位置していることが見出される。
実施例3−液体媒体の性質の影響
本実施例では、実施例1と同じ実験デバイスを用い、同じDNA集団の分離を調べる。分離の有効性に対する液体媒体の非ニュートン特性の影響を調べる。
そのために、バッファー溶液中のPVPの濃度を0.1%、2%(実施例1と同じ)、及び4%の値に変えて泳動を行う。
濃度0.1%では、媒体はニュートン流体である。濃度2及び4%では、媒体は非ニュートン流体である。
印加される圧力差は、PVP濃度0.1%、2%、及び4%のそれぞれについて50mbar、150mbar、及び600mbarである。印加される電位差は、実験に応じて0、10、20、23、30、及び40Vである。結果を図9に示す。非ニュートン特性を付与する特定の閾値である被覆濃度0.4%のPVP(340kDa)に近い値よりも高いPVP濃度を分離媒体が含む場合に、分離が大幅に改善されることが見出される。
これらの非ニュートン特性は、Couetteレオメーターを用いた動力学的分析法により実証される。
より正確には、流体を、半径Rの中央シリンダーと周辺シリンダーとの間に配置する(2つのシリンダー間の距離はΔRで表され、シリンダーの高さはhで表される)。中央シリンダーをある回転頻度(s−1)で回転させ、周辺シリンダーで誘起された機械的モーメントMを測定する。ストレスはσ=M/(2πRh)として決定される。剪断速度はτ=R・w/ΔRとして定義される。
正弦的関数に従って経時的に可変なシリンダーの回転が加えられる時、ストレス及び剪断速度を複素数による時間の関数、すなわちσ(t)=σ(w)・eiwt及びτ(t)=γ(w)・ei(wt+φ)として表すのが実用的である。これにより、流体の複素粘度μ(w)=μ’(w)−iμ’’(w)(式中、μ’(w)及びμ’’(w)は実数を表す)及びσ(t)=μ(w)・τ(t)を定義することができる。更に弾性率G’(w)=w・μ’’(w)(貯蔵弾性率)及びG’’(w)=w・μ’(w)(損失弾性率)が定義される。
ニュートン流体の場合、G’(w)=0及びG’’(w)=w・μであり、μは流体の(一定の)粘度である。
対照的に、2%PVPを含む溶液は、高頻度(約30Hz)で優勢になる、ゼロでない成分G’(w)を有する(図10)。一方、定常状態条件下では、剪断速度が変わっても粘度は一定である(図11)。

Claims (22)

  1. 流れの軸(14)と前記流れの軸(14)に直交する断面とを有し、前記断面の最小寸法が50μm以下であるチャネル(1)に、易変形性物を導入する工程;及び
    前記チャネル(1)中に電場を印加すると共に前記チャネル(1)中に流体力学的流れを与えて、前記易変形性物を前記流れの軸(14)に沿って前記チャネル(1)中で移動させ、前記流れの軸(14)に沿って分離させる工程
    を含む、液体媒体中で複数の易変形性物を分離する方法。
  2. 前記易変形性物の導入が、前記チャネル(1)の導入ゾーン(9)中で行われ、前記易変形性物の移動が、前記導入ゾーン(9)から前記チャネル(1)の検出ゾーン(8)へと行われ、前記方法が更に、
    前記検出ゾーン(8)に到達した易変形性物を検出する工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記チャネル(1)の最小寸法が25μm以下、15μm以下、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であり;かつ/又は
    前記断面の最小寸法と前記最小寸法の方向に直交する方向における前記断面の寸法との比率が1/10以下、好ましくは1/15以下、更により好ましくは1/20以下であり;かつ/又は
    前記チャネル(1)の前記導入ゾーン(9)と前記検出ゾーン(8)との距離が500μm〜20cm、好ましくは1mm〜10cm、更により好ましくは2mm〜1cmである、
    請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記液体媒体が非ニュートン流体である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記液体媒体の粘度が、1〜100cP、好ましくは1〜20cP、更により好ましくは2〜10cPである、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記液体媒体が、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド、及びその混合物から選択されることが好ましい非荷電重合体を含む、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記非荷電重合体が0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、更により好ましくは1〜4%の質量濃度で存在する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記非荷電重合体の平均分子量が10〜100,000kDa、好ましくは50〜10,000kDa、更により好ましくは100〜1000kDaである、請求項6又は請求項7に記載の方法。
  9. 前記易変形性物の弾性率が10Pa以下、10Pa以下、又は10Pa以下である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記易変形性物が、分子及び細胞から選択され、前記分子が好ましくは、核酸分子、特に一本鎖DNA、二本鎖DNA、及びRNA分子、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質、及び他の重合体から特に選択される、重合体分子である、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 印加される前記電場は10V/m〜10,000V/m、好ましくは100V/m〜5000V/m、更により好ましくは200V/m〜1000V/mであり;かつ/又は
    前記流体力学的流れは、平均速度が1〜10,000μm/s、好ましくは5〜5000μm/s、更により好ましくは10〜1000μm/sであることを特徴とする、
    請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 流れの軸(14)と前記流れの軸(14)に直交する断面とを有し、前記断面の最小寸法が50μm以下であり、非ニュートン液体媒体が充填されている、チャネル(1);
    前記チャネル(1)中に流体力学的流れを与えるための手段(13a、13b);及び
    前記チャネル(1)中に電場を印加するための手段(10a、10b)
    を含む、液体媒体中で易変形性物を分離するためのデバイス。
  13. 前記液体媒体の粘度が1〜100cP、好ましくは2〜20cP、更により好ましくは2〜10cPである、請求項12に記載のデバイス。
  14. 前記液体媒体が、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド、及びその混合物から選択されることが好ましい非荷電重合体を含む、請求項12又は請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記非荷電重合体が、0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、更により好ましくは1〜4%の質量濃度で存在する、請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記非荷電重合体の平均分子量が10〜100,000kDa、好ましくは50〜10,000kDa、更により好ましくは100〜1000kDaである、請求項14又は請求項15に記載のデバイス。
  17. 流れの軸と前記流れの軸に直交する断面とをそれぞれが有し、前記断面の最小寸法が50μm以下であり、非ニュートン液体媒体が充填されている、複数のチャネル;
    前記チャネル中に流体力学的流れを与えるための手段;及び
    前記チャネル中に電場を印加するための手段
    を含む、請求項12〜請求項16のいずれか一項に記載のデバイス。
  18. 前記チャネルが毛細管の内腔であるか、または
    前記複数のチャネルが、平行に配置されていることが好ましい、毛細管の内腔である、
    請求項12〜請求項17のいずれか一項に記載のデバイス。
  19. 前記流れの軸(14)に沿って間隔をおいて並べられた、前記チャネル(1)中の導入ゾーン(9)及び検出ゾーン(8);
    前記検出ゾーン(8)に到達した易変形性物を検出するための手段
    を含む、請求項12〜請求項18のいずれか一項に記載のデバイス。
  20. 前記チャネル(1)の最小寸法が25μm以下、15μm以下、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であり;かつ/又は
    前記断面の最小寸法と前記断面の前記最小寸法の方向に直交する方向における寸法との比率が1/10以下、好ましくは1/15以下、更により好ましくは1/20以下であり;かつ/又は
    前記チャネル(1)の前記導入ゾーン(9)と前記検出ゾーンとの距離が500μm〜20cm、好ましくは1mm〜10cm、更により好ましくは2mm〜1cmである、
    請求項12〜請求項19のいずれか一項に記載のデバイス。
  21. 前記チャネル(1)の前記導入ゾーン(9)が、前記チャネル(1)と付加的チャネル(2)との交差部によって形成され、前記デバイスが、前記易変形性物(3)を前記付加的チャネル(2)中に運び込むための手段と、前記付加的チャネル(2)中に電場を印加するための手段(11a、11b)及び/又は前記付加的チャネル(2)中に流体力学的流れを与えるための手段(12a、12b)を含むことが好ましい、前記易変形性物を前記交差部に向かって移動させる手段と、を含む、請求項12〜請求項20のいずれか一項に記載のデバイス。
  22. 分離された前記易変形性物を回収するための供給手段及び/又は化学的反応若しくは生化学的反応を行うデバイスの出口に連結された請求項12〜請求項21のいずれか一項に記載の分離デバイスを含むラブオンチップシステム。
JP2015524830A 2012-08-03 2013-07-29 溶液中で生物学的分子及び細胞を分離する方法 Pending JP2015523095A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1257587A FR2994103B1 (fr) 2012-08-03 2012-08-03 Procede de separation de molecules en solution
FR12/57587 2012-08-03
PCT/FR2013/051821 WO2014020271A1 (fr) 2012-08-03 2013-07-29 Procede de separation de molecules et cellules biologiques en solution

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015523095A true JP2015523095A (ja) 2015-08-13
JP2015523095A5 JP2015523095A5 (ja) 2015-10-29

Family

ID=46963946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015524830A Pending JP2015523095A (ja) 2012-08-03 2013-07-29 溶液中で生物学的分子及び細胞を分離する方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10107781B2 (ja)
EP (1) EP2880434B1 (ja)
JP (1) JP2015523095A (ja)
FR (1) FR2994103B1 (ja)
WO (1) WO2014020271A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10359354B2 (en) * 2013-12-18 2019-07-23 Azure Biosystems, Inc. Chip assembly, flow cell and flow cytometer for characterizing particles
FR3024544B1 (fr) * 2014-08-01 2019-06-21 Centre National De La Recherche Scientifique Procede et dispositif de concentration de molecules ou objets dissous en solution.
FR3038718B1 (fr) 2015-07-10 2022-04-29 Picometrics Tech Systeme de concentration, preconcentration par empilement d'echantillon et/ou purification pour analyse
KR101824080B1 (ko) * 2016-01-15 2018-01-31 고려대학교 산학협력단 비뉴턴성 유체 기반 고수율, 고효율 미세입자 분리 소자
CN108686725B (zh) * 2017-06-29 2024-03-19 宁波奥丞生物科技有限公司 一种微流体分析盒
CN109055181B (zh) * 2018-07-24 2024-09-24 国家纳米科学中心 基于界面效应的癌细胞分离装置
FR3128231A1 (fr) * 2021-10-14 2023-04-21 Adelis Procédé et dispositif de dessalage et de concentration ou d’analyse d’un échantillon d’acides nucléiques

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995016910A1 (en) * 1993-12-17 1995-06-22 Perkin-Elmer Corporation Uncharged polymers for separation of biomolecules by capillary electrophoresis
JP4417116B2 (ja) * 2002-03-05 2010-02-17 カリパー・ライフ・サイエンシズ・インク. 混合式マイクロ流体システム
FR2855076B1 (fr) 2003-05-21 2006-09-08 Inst Curie Dispositif microfluidique
WO2006102516A2 (en) * 2005-03-23 2006-09-28 California Institute Of Technology Devices exhibiting differential resistance to flow and methods of their use
US20070209941A1 (en) * 2006-03-13 2007-09-13 West Virginia Universtiy Non-mechanical liquid crystal-based fluid control
CA2964611C (en) * 2007-03-28 2021-06-01 Bionano Genomics, Inc. Methods of macromolecular analysis using nanochannel arrays

Also Published As

Publication number Publication date
US10107781B2 (en) 2018-10-23
EP2880434B1 (fr) 2017-12-13
FR2994103B1 (fr) 2016-05-27
EP2880434A1 (fr) 2015-06-10
WO2014020271A1 (fr) 2014-02-06
US20150204816A1 (en) 2015-07-23
FR2994103A1 (fr) 2014-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10107781B2 (en) Method for separating biological molecules and cells in solution
US20060105461A1 (en) Nanopore analysis system
McClain et al. Microfluidic devices for the high-throughput chemical analysis of cells
Lee et al. Poly (dimethylsiloxane)-based protein preconcentration using a nanogap generated by junction gap breakdown
Lan et al. Nanoparticle transport in conical-shaped nanopores
Foquet et al. DNA fragment sizing by single molecule detection in submicrometer-sized closed fluidic channels
US8771933B2 (en) Continuous-flow deformability-based cell separation
Driehorst et al. Distinct conformations of DNA-stabilized fluorescent silver nanoclusters revealed by electrophoretic mobility and diffusivity measurements
US20120312083A1 (en) Biopolymer analysis method, biopolymer analyzer, and biopolymer analysis chip
US20060210995A1 (en) Nanopore analysis systems and methods of using nanopore devices
JP2003510034A (ja) 流体の静電容量の変化を検出するためのマイクロ流体およびナノ流体電子素子並びに使用方法
JP2024133651A (ja) 等電点電気泳動デバイスおよび固定具
Van Orden et al. Fluorescence correlation spectroscopy for rapid multicomponent analysis in a capillary electrophoresis system
KR100883775B1 (ko) 모세관 전기영동 칩상에 집적된 전기화학적 검출기 및 이의제조방법
Zhang et al. Electromigration of single molecules of DNA in a crystalline array of 300-nm silica colloids
Morani et al. Recent electrokinetic strategies for isolation, enrichment and separation of extracellular vesicles
Wu et al. Flexible and efficient eletrokinetic stacking of DNA and proteins at an HF etched porous junction on a fused silica capillary
Gadd et al. Sizing subcellular organelles and nanoparticles confined within aqueous droplets
Chen et al. Silicate polymerization for the preparation of bed-retention frits in capillary electrochromatography
US11262333B2 (en) Method and device for concentrating molecules or objects dissolved in solution
JP6487190B2 (ja) 分子検出システム
KR101776134B1 (ko) 미세유체칩 기반의 병원균 검출에서 계면동전기 흐름전위에 의한 비표지 센싱 방법 및 장치
Hahn et al. Microsystem for field-amplified electrokinetic trapping preconcentration of DNA at poly (ethylene terephthalate) membranes
WO2015079446A1 (en) Metod and device for accelerated surface-based reactions
KR20180109647A (ko) 단일 지점 검출 방식 미소유체 등전점 전기영동 및 미소유체 칩

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150902