JP2015521893A - 放射線撮影装置においてマルチエネルギーデータを推定する方法および装置 - Google Patents

放射線撮影装置においてマルチエネルギーデータを推定する方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、第1、第2セル集合を利用して第1、第2スペクトルを示す第1、第2データ集合を生成し、1つのディテクタアレイによってマルチエネルギー撮影をすることに関し、第1データ集合のセル数がより多い。第1データ集合は、第1セル集合の測定データと、第1スペクトルを感知する第2集合から生じた推定データからなる。第2データ集合は、第2セル集合の測定データと、第2スペクトルを感知する第1集合から生じた推定データからなる。【選択図】図6

Description

本発明は放射線撮影装置に関し、検査中の物体の物性(密度、有効原子数など)に関する情報を利用する医療、保安などの分野に適用される。
CT(computed tomography)装置や他の放射線撮影装置は、検査中の物体の内部特徴に関する情報や映像を求めるのに有効に使用される。一般的に放射線(X線やγ線)に物体が露出されると、この物体の内部特徴にしたがって吸収/減衰する放射線や物体を透過する光子数に基づいて映像が形成される。このように形成された映像は、検査中の物体内の下位物体それぞれの密度の関数であって、映像が色相や陰影を有するようになる密度映像や減衰映像である。例えば、密度が高い下位物体は密度が低い下位物体よりも放射線をさらに多く吸収するため、骨や金属のように高密度の下位物体は、筋肉や衣類のような低密度の下位物体とは異なる陰影を有する。
このような撮影装置が有用ではあっても、密度ではない他の成分に基づく映像がさらに有利になることもある。例えば、保安分野では、類似した密度を有する衣類や他の非危険物によって危険物を偽装する場合がある。したがって、空港のような場所では、検査中の物体の他の物性(有効原子数またはz−有効値)を決めることが好ましいことがある。この場合、密度は類似するが原子数は異なるため、危険物を区分することができる。
1992年初盤には、空港や軍事施設のような環境で検査中の物体の有効原子数のような情報を提供するマルチエネルギー撮影装置が開発された。このような装置は、密度を基準として下位物体を区分するとき、検査性能が改善されたりもしたが、誤った警報を出したりもした。
マルチエネルギー撮影装置は、多様な光子エネルギースペクトルを利用して物体の映像を再構成する。このようなスペクトルは多様な方法で測定することができる。例えば、(スペクトルがそれぞれ異なる放射線を選択的に感知する)エネルギー分解ディテクタや、(スペクトルがそれぞれ異なる放射線を放出する)2つの放射線ソースを利用したり、(エネルギーが電圧によって変わる)1つの放射線ソースにかかる電圧を変化させて測定することができる。マルチエネルギー撮影装置に追加のハードウェアが必要となるため、費用が上昇し、重量も大きくなることから、これによってマルチエネルギー撮影装置はシングルエネルギー撮影装置よりも高価で実現が難しい。
本発明は、第1放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第1集合と第2放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第2集合を含む多数のディテクタセルからなるディテクタアレイを備えた放射線撮影装置において、第1、第2放射線エネルギースペクトルを表現するデータを含むマルチエネルギーデータを推定する方法を提供する。
この方法は、第1集合から生じたデータを利用し、第2集合から生じたデータを排除した部分第1データ集合を生成する段階、第2集合から生じたデータを利用し、第1集合から生じたデータを排除した部分第2データ集合を生成する段階、部分第1データ集合に基づいて部分第1データ集合から排除されたデータを推定し、第1放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第1データ集合を生成する段階、および部分第2データ集合に基づいて部分第2データ集合から排除されたデータを推定し、第2放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第2データ集合を生成する段階を含む。
本発明は、マルチエネルギー放射線撮影装置も提供する。この装置は、放射線を放出する放射線ソース、放射線の第1、第2放射線エネルギースペクトルをそれぞれ感知する第1、第2集合を含む多数のディテクタセルを備えたディテクタアレイ、ディテクタセルの第2集合から生じたデータは排除したままでディテクタセルの第1集合から生じる部分第1データ集合と、ディテクタセルの第1集合から生じたデータは排除したままでディテクタセルの第2集合から生じる部分第2データ集合を生成するコンパイラ、および第1放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第1データ集合を生成するように部分第1データ集合に基づいて部分第1データ集合から排除されるデータと、第2放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第2データ集合を生成するように部分第2データ集合と完全な第1データ集合に基づいて部分第2データ集合から排除されるデータを推定する推定器を備える。
なお、本発明は、第1放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第1集合と第2放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第2集合を含む多数のディテクタセルからなるディテクタアレイを備えた放射線撮影装置において、第1、第2放射線エネルギースペクトルを表現するデータを含むマルチエネルギーデータを推定する方法をプロセッサによって実行するコンピュータ命令語を含んでいるコンピュータ読み取り媒体も提供する。この方法は、第1集合から生じたデータを利用し、第2集合から生じたデータを排除した部分第1データ集合を生成する段階、第2集合から生じたデータを利用し、第1集合から生じたデータを排除した部分第2データ集合を生成する段階、部分第1データ集合に基づいて部分第1データ集合から排除されたデータを推定し、第1放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第1データ集合を生成する段階、および部分第2データ集合に基づいて部分第2データ集合から排除されたデータを推定し、第2放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第2データ集合を生成する段階を含む。
物体を検査する環境を示したブロック図である。 ディテクタセルの第1、第2集合を有するディテクタアレイを示した平面図である。 ディテクタセルの第1、第2集合を有するディテクタアレイを示した平面図である。 ディテクタセルの第1、第2集合を有するディテクタアレイを示した平面図である。 マルチエネルギー投射データを生成する装置を示したブロック図である。 マルチエネルギー投射データを生成する方法を示したフローチャートである。 第1放射線エネルギースペクトルを表示するディテクタセルの第1集合から生じたデータのグラフである。 第2放射線エネルギースペクトルを表示するディテクタセルの第2集合から生じたデータのグラフである。 第1放射線エネルギースペクトルを表示するディテクタセルの第1集合から生じたデータのグラフである。 第2放射線エネルギースペクトルを表示するディテクタセルの第2集合から生じたデータのグラフである。 第1、第2放射線エネルギースペクトルを表示するディテクタセルの第1、第2集合から生じたデータのグラフである。 マルチエネルギーデータを生成する方法を示したフローチャートである。 コンピュータ実行命令語を含んでいるコンピュータ読み取り媒体を示したブロック図である。
本発明は、放射線撮影装置においてマルチエネルギー投射データを推定するためものである。ディテクタアレイは第1、第2集合のディテクタセルを含み、(ろ過されていない)第1集合は第1放射線エネルギースペクトル(例:80〜100keV)を感知し、(ろ過された)第2集合は第2放射線エネルギースペクトル(例:90〜100keV)を感知してマルチエネルギーデータを効果的に生成する。
後述で詳しく説明するが、第1、第2集合の表面積は相当に相違することができる。例えば、ディテクタアレイが24列のディテクタセルで構成される場合、第2集合は2列であり、第1集合は残りの22列からなることができる。
一般的に、マルチエネルギー映像を形成したりデュアルエネルギーを分解するためには、ほぼすべてのディテクタセルで求めたデータを含む2つのほぼ完全なデータ集合が必要となる。完全な第1、第2データ集合はそれぞれ第1、第2スペクトルを示す。ディテクタアレイが2つの集合に分けられるため、測定データからは完全なデータ集合が生じることがない。すなわち、第2集合から生じた測定データは第2スペクトルを示し、第1スペクトルを示す完全な第1データ集合から排除される。第1集合から生じた測定データも同様である。
第1スペクトルを示す完全な第1データ集合を生成しようとすると、第2集合から生じたデータ推定値を第1集合から生じた測定データと結合させる。完全な第2データ集合も同様である。すなわち、完全な第1、第2データ集合はそれぞれ測定データと推定データの和であるが、推定データに対する測定データの比はデータ集合ごとに異なる。例えば、完全な第1データ集合に含まれる大部分のデータが測定データである反面、完全な第2データ集合に含まれる大部分のデータは推定データであることができる。
第2放射線エネルギースペクトルを感知するように構成された第1集合から生じたデータを推定しようとすると、完全な第1データ集合とここから生じた測定データを2つとも利用する。したがって、第1、第2スペクトルを示すデータを利用して第2スペクトルを感知する第1集合から生じたデータを推定する。このような方法により、第1、第2エネルギースペクトルの両者を1つのディテクタアレイだけで測定することができるため、経済的である。
図1の環境100のCT装置は、(一番目放射線エネルギースペクトルを示すデータと二番目放射線エネルギースペクトルを示すデータを含む)マルチエネルギー投射データを推定し、マルチエネルギー映像を生成する。ここでは、検査中の物体102のマルチエネルギー2次元、3次元、4次元などの映像を生成するCT装置を例示するが、マルチエネルギー2次元映像を生成するラインシステムや投射システムのような他の装置を考慮することもできる。配列も例示に過ぎず、例えば、データ取得機122がディテクタアレイ106内に含まれる他の配列を採択することもできる。
CT装置の検査部108は物体102を検査する場所であって、回転ガントリ104と(固定式)支持構造110を備え、支持構造は回転ガントリを囲んで内側の回転リングの外部を固定リングが囲んでいる構造である。検査中の物体102は検査区域114を通過する支持台112上に置くことができ、回転ガントリ104がモータ、駆動軸、チェーン、ローラトラックのような回転機116によって物体102の周りを回転する。
回転ガントリ104は検査区域114を囲み、X線やγ線を放出する放射線ソース118とディテクタアレイ106を有し、ディテクタアレイは放射線ソース118の反対側に位置する。後述で詳しく説明するが、ディテクタアレイは放射線を感知する多数のディテクタセルからなり、第1ディテクタセル集合は第1放射線エネルギースペクトルを感知し、第2ディテクタセル集合は第2放射線エネルギースペクトルを感知する。これらのスペクトルは互いに重なってもよく、そうでなくてもよい。例えば、第1ディテクタセル集合が80〜100keVの放射線を感知し、第2ディテクタセル集合が90〜100keVの放射線を感知したり、第1ディテクタセル集合が75〜85keVの放射線を感知し、第2ディテクタセル集合が90〜100keVの放射線を感知することができる。放射線ソース118は、これらのディテクタセル集合の放射線エネルギースペクトルを含むエネルギー範囲の放射線を放出する。したがって、放射線ソース118が75〜100keVの放射線を放出することもできる。
物体102を検査するとき、放射線ソース118は、放射線120を扇形や他の形態で検査区域114に向かって放出する。このような放射線120は、連続的やパルス形態で断続的に放出することができる。
放射線は物体を透過しながら減衰し、物体の特性に応じて減衰率が異なり、ディテクタアレイ106で感知される量子数の変化や減衰率に基づいて映像が生成される。例えば、骨や金属のように密度が高い物体は、肌や衣類のように密度が低い物体よりも放射線120をさらに多く減衰させ、ディテクタアレイにぶつかる量子数も減少する。
ディテクタアレイ106は、感知された放射線を信号として非晶質セレンや他の直接変換物質を利用して直接的に変換したり、シンチレータや他の間接変換物質を利用して間接的に変換したりし、変換した信号はデータ取得機122に送られ、ここで投射データを生成する。
投射データ生成器124は、一定の時間間隔や測定間隔でディテクタにぶつかる放射線を示す投射データを編集する。このような測定間隔を「ビュー」といい、一般的に放射線ソースが物体に対して特定の角度範囲にある間に放出される放射線120から生じた信号を反映する。投射データ生成器124は、感知した放射線のエネルギースペクトルに基づいて投射データを編集する。例えば、一番目放射線エネルギースペクトルを感知する第1ディテクタセル集合から生じた投射データは、第2ディテクタセル集合から生じた投射データとは別途で編集される。したがって、測定間隔であるビューの間でデータが2つの(別途の)データ集合として編集される。第1データ集合は第1放射線エネルギースペクトルを示すデータを含み、第2データ集合は第2放射線エネルギースペクトルを示すデータを含む。
データ集合で映像を生成したり分解過程を実行しようとすると、各データ集合を完成しなければならない。すなわち、ディテクタアレイのほぼすべてのディテクタセルのデータをデータ集合として表現しなければならない。第1データ集合が第1放射線エネルギースペクトルだけを示すデータを含むため、第2ディテクタセル集合から生じたデータは第1データ集合から排除され、これは第2ディテクタセル集合から生じたデータが通常は他の放射線エネルギースペクトルを示すためである。同じように、第1ディテクタセル集合から生じたデータは第2データ集合から排除され、これは第2データ集合が第1ディテクタセル集合から生じたデータに表示された放射線エネルギースペクトルとは異なる放射線エネルギースペクトルを表示するためである。したがって、後述で詳しく説明するように、投射データ生成器は、それぞれのデータ集合から排除された測定データを評価/推定して少なくとも2つの完全なデータ集合を生成する。例えば、完全な第1データ集合は(実際にはディテクタセルの一部のデータのみを推定するとしても)第1エネルギースペクトルを感知するディテクタセルのほぼすべてを表示し、完全な第2データ集合は(実際にはディテクタセルの一部のデータのみを推定するとしても)第2エネルギースペクトルを感知するディテクタセルほぼすべてを表示する。
映像生成器126は、分解過程から生じたデータや投射データ生成器124で出力されたデータ集合を受け、投射空間である映像データを生成する。このようにすることにより、投射データはユーザ132が見て理解しやすいドメインである映像空間に変換される。
ワークステーションやコンピュータのような端末機128は、映像生成器で出力した映像データを受け、モニター130を利用しながら(保安要員や医師などの)ユーザ132に示す。このようにユーザ134は、映像を検査して物体102内の関心領域を確認することができる。端末機130は、ユーザ入力によって検査装置108の(回転速度やコンベアベルト速度などの)動作を直接操作することもできる。
コントローラ134は端末機と連結し、端末機から入力を受け、実行する動作を示す命令語を生成したりもする。例えば、ユーザ132が他のエネルギーレベルで物体102を再検査したいときには、コントローラ134は(物体を検査区域に戻すように)方向を変えるように支持台112に指示する命令を下すことができる。
以上は例示に過ぎず、上述した1つ以上の要素の機能を多数の要素に分割したり1つに統合することもでき、他の機能を行う他の要素を追加することもできる。
ディテクタアレイは2つ以上のディテクタセル集合で構成され、ディテクタセル集合ごとに放射線エネルギースペクトルが異なる。図2〜4は、このようなディテクタセル配列を示すディテクタアレイ200、300、400の平面図である。このような配列も例示に過ぎず、他の配列を採択することもできる。
図2において、ディテクタセル202は第1放射線エネルギースペクトルを感知し、ディテクタセル204は第2放射線エネルギースペクトルを感知し、ディテクタセル204はディテクタセル202の間に疎らに配列される。これらのディテクタセル202、204の割合は画質に応じて異なることがあるが、ディテクタセル202とディテクタセル204の割合は通常は3:1以下である。ディテクタアレイの総感知面積の25%未満をディテクタセル204が占めるのが通常である。
第1、第2放射線エネルギースペクトルが一部重なることがあるところ、例えば、第1、第2スペクトルの範囲がそれぞれ80〜100keVと90〜100keVであることがあり、この場合には第2スペクトルは完全に第1スペクトル範囲に属する。一方、これらのスペクトルが互いに重ならないこともあり、その範囲がそれぞれ75〜85keVと90〜100keVとなることもできる。
また、ディテクタアレイ200を製作するとき、第1、第2スペクトルを区分するようにしてもよく、後で区分するようにしてもよい。すなわち、ディテクタアレイを、初めは(1つの放射線エネルギースペクトルだけを感知する)シングルエネルギーディテクタアレイで構成した後に2種類のディテクタセル202、204を含むように改造したり、初めからマルチエネルギーディテクタアレイで構成することもできる。
一例として、ディテクタアレイ200を製作した後にフィルタを利用して放射線の一部分を減衰させ、二番目ディテクタセル204の感知面積を一部カバーし、ディテクタセル202とは異なるスペクトルを感知するようにする。このようなフィルタは放出した放射線の一部だけを減衰させるものであって、金属を含む減衰物質からなる。例えば、銅のような金属フィルタをディテクタセル204の感知面積に重畳させる。このようなフィルタは、接着テープのような接着剤を使用してディテクタアレイ200に選択的または永久的に付着する。この場合、他の放射線エネルギースペクトルをフィルタリング(減衰)する新たな接着剤を使用してディテクタセル204を後で再構成することもできる。
一方、両側ディテクタセル202、204を製造するときに、それぞれ異なるスペクトルを感知するように構成し、例えば、シンチレータ材料の厚さおよび/または種類をディテクタセルごとに異なるように付着することができる。
図3のディテクタアレイ300において、ディテクタセル302、304はそれぞれ第1、第2放射線エネルギースペクトルを感知する。具体的に、第2スペクトルを感知するディテクタセル304は2列のディテクタアレイ300を有し、残りの列は第1スペクトルを感知するディテクタセル302からなる。ディテクタセル304の列が2つ以上であることもあり、1列や1列の一部分であることもある。
図4のディテクタアレイ400ではそれぞれ第1、第2スペクトルを感知するディテクタセル402、404のうちのディテクタセル404は1つの行と1つの列からなり、ディテクタアレイ400の残りの行と列はディテクタセル402からなる。もちろん、このような構成は例示に過ぎず、他の配列も可能である。
図5は、放射線撮影装置で検査する物体の密度や原子数(例:z−有効値)特性を表示する映像を生成するために、図1の映像再構成機126に使用されるマルチエネルギーデータを生成するシステム、具体的には投射データ生成器500を示したブロック図である。
投射データ生成器500は、コンパイラ502、推定器504、精製器506、および分解器508を備え、この実施形態において、ある要素は投射データ生成器の外部に位置することもでき、2つ以上の要素が実行する機能を1つの要素が実行することもでき、さらにはある要素の機能を2つ以上に分離することもできる。また、以下の説明は、1回の測定期間を示すデータに対して実行される機能に関するものであるが、このような機能が必要である場合には多くのビューに対して繰り返されることもできる。
コンパイラ502は、データ取得機122で求めた測定データから2つ以上の部分データ集合を生成し、このデータはディテクタセルの放射線エネルギースペクトルに基づいてデータ集合に分割される。一例として、コンパイラ502が第1放射線エネルギースペクトルを感知する第1ディテクタセル202から生じた測定データを編集し、第1スペクトルを示す第1部分データ集合を生成することができる。同じように、このコンパイラは、第2ディテクタセル204を利用して第2部分データ集合を生成することもできる。コンパイラ502は、第2ディテクタセルから生じたほぼすべての測定データを第1部分データ集合から排除し、これは第1部分データ集合が第1エネルギースペクトルを表示し、第2ディテクタ集合は第2エネルギースペクトルを示すデータを生成するためである。同じように、コンパイラが第1ディテクタセルから生じたほぼすべての測定データを第2部分データ集合から排除するが、その理由は類似する。
推定器504は、完全なデータ集合のためにそれぞれの部分データ集合から排除されたデータを推定する。すなわち、完全なデータ集合は、ディテクタセルの全部から生じたデータを含むのが通常である。第2ディテクタセル集合から生じた測定データが第1データ集合から排除され、第1ディテクタセル集合から生じた測定データは第2データ集合から排除されるため、第1、第2部分データ集合すべては完全な集合ではない。このため、推定器502は、第1、第2部分データ集合から排除されたデータ、すなわち、第1データ集合のためには第2ディテクタセル集合から生じたデータを推定する。このような方法により、第1ディテクタセル集合の測定データと第2ディテクタセルから生じたデータの推定を利用して第1放射線エネルギースペクトルを示す完全な第1データ集合を生成する。同じように、推定器504は、第2データ集合のために第1ディテクタセル集合から生じたデータを推定する。第2ディテクタセル集合の測定データと第1ディテクタセルから生じたデータの推定を利用して第2放射線エネルギースペクトルを示す完全な第2データ集合を生成する。
第1、第2データ集合を誘導するのに利用された技術が互いに異なることもある。例えば、第2放射線エネルギースペクトルを示す測定データ量が第1放射線エネルギースペクトルを示す測定データ量よりも小さいことがあり、これは多数のセルが図2〜4のように第1放射線エネルギースペクトルを感知するためである。第1スペクトルを示す測定データ量が与えられると、推定器504はこのデータを補間して第2ディテクタセル集合から生じたデータを推定し、測定データから推定第1データ集合を誘導することができる。
このような技法を、推定第2データ集合を誘導するのに活用してもよく、しなくてもよいが、これはこのような補間法を実行することができるデータが(第2ディテクタセル集合の数が少なくて)少ないためである。これによって推定器504は、第2ディテクタセル集合と完全な第1データ集合からの測定データを両者とも利用して推定第2データ集合を誘導する。このような方法により、第1、第2スペクトルを示すデータを利用して推定第2データ集合を求め、結果的には第2放射線エネルギースペクトルを示す完全な第2データ集合を求める。すなわち、第2スペクトルを示す測定データ量が第1スペクトルを示す測定データ量よりも小さいときは、第2データ集合の推定自体が不良設定問題となる。不良設定推定問題を安定させるためには、正規化方式を採択しなければならない。例えば、第2エネルギースペクトルを表示する測定データと第1エネルギースペクトルを表示する完全な第1データ集合にエッジ保全正規化方法を適用して推定第2データ集合や完全な第2データ集合の推定部を誘導/生成する。
精製器506は、完全な第2データ集合と完全な第1データ集合を比べて完全な第2データ集合やその一部分を精製する。一例として、完全な第1、第2データ集合が物体の同一するビューをそれぞれ異なるスペクトルで表現すると、これらの2つのデータ集合間の強度分布は互いに類似しながらも大きさは異ならなければならない。したがって、精製器506は、完全な第1、第2データ集合の強度を比較し、強度が大きさだけ変わるのか、または形状も変わるかを決める。形状が異なる場合、精製器は推定値を繰り返し精製して完全な第2データ集合やその一部を生成し、完全な第2データ集合で表現された強度分布が形状において第1データ集合で表現された強度分布と一致するまで、または他の停止臨界値を満たすまで繰り返す。
分解器508は、分析的や繰り返されるその他のマルチエネルギー分解技法を利用してそれぞれの完全なデータ集合の減衰係数を分解する。完全な第1、第2データ集合が互いに異なるスペクトルを示すため、データが同じ物体やビューを表現するとしても減衰係数が互いに異なり、z−有効情報と密度情報を誘導することができる。分解器で出力された分解されたマルチエネルギーデータは映像生成器126に送られ、ここでマルチエネルギーデータが投射空間から映像空間に変換されてマルチエネルギー映像を生成する。
図6は、それぞれ異なるスペクトルを示す2つの完全なデータ集合を生成してこれらを分解し、マルチエネルギー映像のためのマルチエネルギー投射データを生成するフローチャートである。
ディテクタアレイ600をなす多数のディテクタセルをそれぞれ異なるエネルギースペクトルを感知し、感知されたスペクトルを表示するデータを出力する2つの集合602、604に分ける。例えば、ディテクタアレイ600のハッチング部は第1集合602を、ハッチングのない部分は第2集合604である。ディテクタセルの第1集合602で出力されたデータはコンパイラ502によって編集され、第1スペクトルを示す(感知された放射線を示して測定第1データ集合ともいう)部分第1データ集合606と第2スペクトルを示す(測定第2データ集合ともいう)部分第2データ集合608を生成する。これらの部分第1、第2データ集合は、通常は物体の同一するビューを表現する。
(ディテクタアレイのハッチング部とは反対に)ディテクタセル全体の情報と第1スペクトルを示す完全な第1データ集合を生成しようとすると(610)、第2集合が第1放射線を感知するように構成された場合、第2集合で生成されたデータを推定するように612推定器504が部分/測定第1データ集合606を利用する。したがって、第1スペクトルを示す部分/測定第1データ集合と第1放射線エネルギーを示す推定第1データ集合に基づいて完全な第1データ集合が生成される。
ディテクタセル全体の情報と第2スペクトルを示す完全な第2データ集合を生成しようとすると(614)、第1集合が第2放射線を感知するように構成された場合、第1集合で生成されたデータを推定するように616推定器504が部分/測定第1データ集合608を利用する。しかし、(例えば、2列のディテクタセルだけがこのようなデータを生成して)部分/測定第2データ集合608を含む制限されたデータ量であるため、このようなデータ集合608は第2放射線エネルギースペクトルを表示するデータを推定するには不十分である。このために、第2スペクトルを感知するように構成された場合のディテクタセルの第1集合で生成された第2エネルギースペクトルを示すデータを推定するとき(616)、完全な第1データ集合610を活用する。したがって、第2エネルギーを示す部分/測定第2データ集合608と第1エネルギーを示す完全な第1データ集合610に基づいて完全な第2データ集合614を生成する。一例として、部分/測定第2データ集合608と完全な第1データ集合610に基づいてエッジ保全正規化アルゴリズムを適用して(完全な第2データ集合を設定するのに利用される)推定第2データ集合を生成する。
(測定データとは反対に推定データで構成される)完全な第2データ集合を精製するためには(618)、完全な第1データ集合610を完全な第2データ集合614と比較し、完全な第2データ集合に含まれたデータ(または推定値)を精製する。例えば、完全な第2データ集合614に含まれた推定値が正確なとき、生成されると予想される予想第1データ集合を生成するのに完全な第2データ集合を利用する。次に、予想第1データ集合を完全な第1データ集合610と比較し、その差に基づいて完全な第2データ集合614を精製する。
次に、完全な第1データ集合と完全な/精製された第2データ集合を比較してマルチエネルギー分解過程を実行し(620)、物体の基本成分(密度、原子数など)を求める。
図7〜11は、図7の過程の測定間隔中のそれぞれのディテクタセルで測定した強度の分布を示したグラフであって、y軸702は強度を、x軸704は強度を測定するディテクタセルを示す。すなわち、それぞれのディテクタセルに番号を付けてx軸に配列する。第1ディテクタセルはx軸の第1位置に表現され、第2ディテクタセルはx軸の第2位置に表現され、ディテクタセルで測定した強度はy軸で表現される。
図7のグラフ700は、第1エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第1集合から生じた部分/測定第1データ集合606で表現された強度である。上述したように、部分第1データ集合は、第2スペクトルを感知するディテクタセルの第2集合から生じたデータを排除し、これは第2集合が第1集合とは異なるスペクトルを測定するためである。このため、部分/測定第1データ集合は不完全であると見なす。すなわち、第2スペクトルを感知するディテクタセルのデータが部分/測定第1データ集合に含まれず、グラフ(分布図)が不連続的である。
図8のグラフ800は、第2エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第2集合から生じた部分/測定第2データ集合608で表現された強度である。上述したように、部分第2データ集合は、第1スペクトルを感知するディテクタセルの第1集合から生じたデータを排除し、これは第1集合が第2集合とは異なるスペクトルを測定するためである。このため、部分/測定第2データ集合は不完全であると見なす。すなわち、第1スペクトルを感知するディテクタセルのデータが部分/測定第2データ集合に含まれない。図7〜8のグラフ700、800を結合すると、測定間隔中のディテクタアレイから生じたほぼすべてのデータが結合されて表現されるであろう。
図9のグラフ900は、(推定第1データ集合を求めて部分第1データ集合と結合した後の)完全な第1データ集合610の強度である。完全な第1データ集合の推定部は、ディテクタセルの第2集合で測定されたデータを示し、点線で表示される。実線は部分/測定第1データ集合である。部分第1データ集合から少量のデータが排除されると、図7のグラフで表示された部分/測定第1データ集合を補間して推定をする。
図10のグラフ1000は、(推定第2データ集合を求めて部分第2データ集合と結合した後の)完全な第2データ集合614の強度である。完全な第2データ集合の推定部は、ディテクタセルの第1集合で測定されたデータを示し、点線で表示される。実線は、ディテクタセルの第2集合から生じた部分/測定第2データ集合である。第2スペクトルを示す部分/測定データ量に対して相当量のデータを推定すると、第2スペクトルを示す部分/測定データだけの利用では、排除されたディテクタセルに対する推定できないはずである。このため、(図9のグラフのような)完全な第1データセットと第2スペクトルを表示する部分/測定データを利用しながら、図10のグラフ1000のような完全な第2データ集合を求める。
図11のグラフ1100は、完全な第1データ集合に関する強度であって、完全な第2データ集合に関する強度グラフ1102と形状は似ているが大きさが異なる。このような原理に基づいて完全な第1、第2データ集合を比較し、停止臨界値を満たすまで、完全な第2データ集合に含まれた推定値を繰り返して精製する。このようにすることにより、それぞれ異なるスペクトルを示す2つの完全なデータ集合を2つの部分/測定データ集合で生成し、このときにディテクタアレイは1つだけ使用する。
図12は、第1、第2放射線エネルギースペクトルを表示するデータを含むマルチエネルギー投射データを推定する方法1200を示したフローチャートである。ディテクタアレイのディテクタセルの第1集合202と第2集合204がそれぞれ第1、第2スペクトルを感知する。本実施形態は例示に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
1202段階から始まり、1204段階で部分第1データ集合を生成し、このデータ集合は第1放射線エネルギースペクトルを表示するものであって、測定間隔であるビュー間にディテクタセルの第1集合から生じた測定データを含む。すなわち、検査中の物体とその下のディテクタアレイが放射線に露出され、ディテクタアレイのディテクタセルにぶつかる放射線がアナログ信号に変換し、結果的には投射データに変換する。第1集合から生じた投射データを編集して部分第1データ集合を求める。
第2集合から生じた投射データは部分第1データ集合には含まれておらず、これは第2集合から生じた測定データが第1スペクトルとは異なる第2スペクトルを示すためである。したがって、第2集合から生じた測定データは、第1スペクトルを示す部分第1データ集合から排除される。
1206段階で、部分第2データ集合が生成され、このデータ集合は第2スペクトルを示すものであって、測定間隔の間の第2集合から生じた測定データを含む。すなわち、第2集合から生じた測定データを編集して部分第2データ集合を生成する。第1集合から生じた投射データが部分第2データ集合には含まれておらず、これは第1集合から生じた測定データが第1スペクトルを示すためである。したがって、第1集合から生じた測定データは、第2スペクトルを示す部分第2データ集合から排除される。
1208段階で、部分第1データ集合から排除されたデータを推定する。すなわち、ディテクタセルが第1スペクトルを感知する場合、第2集合から生じた投射データを推定して部分第1データ集合と結合し、第1スペクトルを示す完全な第1データ集合を求める。このように推定されたデータを推定第1データ集合といい、これは第1データ集合に関連し、部分/測定第1データ集合と共に完全な第1データ集合を生成するのに利用されるためであり、ここで、完全な第1データ集合は、推定第1データ集合と部分第1データ集合の和を含む。
推定は部分第1データ集合に基づく。すなわち、第1スペクトルを示す測定データを利用して第1スペクトルを示す推定データを求める。例えば、部分第1データ集合を利用して推定データを求め、補間法を含んだ多様な分析法や反復法を利用することができる。
1210段階で、部分第2データ集合から排除されたデータを推定する。すなわち、ディテクタセルが第2スペクトルを感知する場合、第1集合から生じた投射データを推定して部分第2データ集合と結合させ、第2スペクトルを示す完全な第2データ集合を求める。このように推定されたデータを推定第2データ集合といい、これは第2データ集合に関連し、部分/測定第2データ集合と共に完全な第2データ集合を生成するのに利用されるためであり、ここで、完全な第2データ集合は、推定第2データ集合と部分第2データ集合の和を含む。
図2〜5で説明したように、部分第2データ集合に含まれたデータ量は、推定第2データ集合を推定するのに不十分である。すなわち、部分第2データ集合は、推定第2データ集合を求める補間法を実行するのに十分なデータを有することができない。このため、図5〜6で説明したように、完全な第1データ集合と部分第2データ集合を利用して推定第2データ集合を求める。例えば、部分第2データ集合から排除されたデータを推定するとき、完全な第1データ集合と部分第2データ集合の両者を利用するエッジ保全技法を利用して推定第2データ集合を求める。
1212段階で、部分第2データ集合から排除されたデータを精製して推定値の正確度を改善する。例えば、部分第1データ集合から部分第2データ集合まで排除された推定データをマッピングして第1、第2完全なデータ集合と比較する。次に、部分第2データ集合から排除されたデータ推定値を部分第1データ集合の軸線勾配に基づいたマッピングに合わせてアップデートする。このような生成は停止臨界値を満たすまで繰り返され、満たされたときには完全な第2データ集合の現在反復値が分解器508に出力される。
1214段階で、完全な第1データ集合と完全な第2データ集合の現在反復値が合わさる。例えば、完全な第1、第2データ集合を分解して検査物体の特徴(例:密度や原子数)を確認するのにマルチエネルギー分解アルゴリズムを利用することができる。このような方法によって密度や原子数を示す映像を生成する。すなわち、分解アルゴリズムを利用しながら、マルチエネルギー投射データからマルチエネルギー映像を生成する。
1216段階で終了する。
本発明は、上述した技術を実現するプロセッサ実行命令語を含んでいるコンピュータ読み取り媒体も提供する。図13に示された実施形態1300のコンピュータ読み取り媒体1302は、CD−R、DVD−R、ハードディスクドライバのプラッタであって、コンピュータ読み取りデータ1304がエンコードされている。コンピュータ読み取りデータ1304はコンピュータ実行命令語1306を含み、このような命令語によって図12の方法1200と同じ方法1308が実行される。コンピュータ実行命令語1306は、図1の環境100や図5の環境500のようなシステムを実現してもよい。

Claims (20)

  1. 第1放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第1集合と第2放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第2集合を含む多数のディテクタセルからなるディテクタアレイを備えた放射線撮影装置において、第1、第2放射線エネルギースペクトルを表現するデータを含むマルチエネルギーデータを推定する方法1200であって、
    第1集合から生じたデータを利用し、第2集合から生じたデータを排除した部分第1データ集合を生成する段階1204、
    第2集合から生じたデータを利用し、第1集合から生じたデータを排除した部分第2データ集合を生成する段階1206、
    部分第1データ集合に基づいて部分第1データ集合から排除されたデータを推定し、第1放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第1データ集合を生成する段階1208、および
    部分第2データ集合に基づいて部分第2データ集合から排除されたデータを推定し、第2放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第2データ集合を生成する段階1210
    を含むことを特徴とするデータ推定方法。
  2. 部分第2データ集合から排除されたデータを推定するとき、エッジ保全正規化アルゴリズムを利用することを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  3. 部分第1データ集合から排除されたデータを推定するとき、部分第1データ集合を利用した補間法を実行することを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  4. 部分第2データ集合から排除されたデータ推定値を精製するとき、完全な第1、第2データ集合を利用することを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  5. 部分第2データ集合から排除されたデータ推定値を精製するとき、部分第1データ集合から部分第2データ集合まで排除されたデータ推定値をマッピングした後、このマッピングに基づいて部分第2データ集合から排除されたデータ推定値をアップデートすることを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  6. 完全な第1、第2データ集合を合わせて、検査中の物体の密度と原子数を示す映像を生成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  7. 完全な第1、第2データ集合を合わせるとき、マルチエネルギー分解アルゴリズムを利用することを特徴とする、請求項6に記載のデータ推定方法。
  8. 部分第1データ集合を生成するときに投射空間の部分第1データ集合を生成し、部分第2データ集合を生成するときに投射空間の部分第2データ集合を生成することを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  9. 完全な第1、第2データ集合が投射空間ドメインにあることを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  10. 放射線撮影装置がCT装置を含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  11. ディテクタセルの第2集合がフィルタを含み、第2集合が第2放射線エネルギースペクトルのエネルギーを有する放射線だけを感知するように、第2集合にぶつかる放射線の少なくとも一部をろ過することを特徴とする、請求項1に記載のデータ推定方法。
  12. 前記フィルタが第2集合に含まれたそれぞれのディテクタセルの感知面に接着する接着剤を含むことを特徴とする、請求項11に記載のデータ推定方法。
  13. 放射線を放出する放射線ソース118、
    放射線の第1、第2放射線エネルギースペクトルをそれぞれ感知する第1、第2集合を含む多数のディテクタセルを備えたディテクタアレイ106、
    ディテクタセルの第2集合から生じたデータは排除したままでディテクタセルの第1集合から生じる部分第1データ集合と、ディテクタセルの第1集合から生じたデータは排除したままでディテクタセルの第2集合から生じる部分第2データ集合を生成するコンパイラ502、および
    第1放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第1データ集合を生成するように部分第1データ集合に基づいて部分第1データ集合から排除されるデータと、第2放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第2データ集合を生成するように部分第2データ集合と完全な第1データ集合に基づいて部分第2データ集合から排除されるデータを推定する推定器504
    を備えることを特徴とする、マルチエネルギー放射線撮影装置。
  14. 完全な第1、第2データ集合を比較して部分第2データ集合から排除されたデータ推定値を精製する精製器をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載のマルチエネルギー放射線撮影装置。
  15. 完全な第1、第2データ集合を利用して密度と原子数を示す映像を生成する映像生成器をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載のマルチエネルギー放射線撮影装置。
  16. マルチエネルギー分解アルゴリズムを利用して完全な第1、第2データ集合を合わせてマルチエネルギーデータを生成する分解器をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載のマルチエネルギー放射線撮影装置。
  17. 前記推定器がエッジ保全正規化アルゴリズムを利用して部分第2データ集合から排除されるデータを推定することを特徴とする、請求項13に記載のマルチエネルギー放射線撮影装置。
  18. ディテクタセルの第2集合がフィルタを含み、このフィルタは、放出された放射線の一部をろ過して第2放射線エネルギースペクトルのエネルギーを有する放射線だけを透過させることを特徴とする、請求項13に記載のマルチエネルギー放射線撮影装置。
  19. 前記フィルタが第2集合のディテクタセルに選択的に付着される付着部材を含むことを特徴とする、請求項18に記載のマルチエネルギー放射線撮影装置。
  20. 第1放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第1集合と第2放射線エネルギースペクトルを感知するディテクタセルの第2集合を含む多数のディテクタセルからなるディテクタアレイを備えた放射線撮影装置において、第1、第2放射線エネルギースペクトルを表現するデータを含むマルチエネルギーデータを推定する方法1308をプロセッサによって実行するコンピュータ命令語1306を含んでいるコンピュータ読み取り媒体1302であって、
    前記方法が、
    第1集合から生じたデータを利用し、第2集合から生じたデータを排除した部分第1データ集合を生成する段階1204、
    第2集合から生じたデータを利用し、第1集合から生じたデータを排除した部分第2データ集合を生成する段階1206、
    部分第1データ集合に基づいて部分第1データ集合から排除されたデータを推定し、第1放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第1データ集合を生成する段階1208、および
    部分第2データ集合に基づいて部分第2データ集合から排除されたデータを推定し、第2放射線エネルギースペクトルを表示する完全な第2データ集合を生成する段階1210
    を含むことを特徴とする、コンピュータ読み取り媒体。
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