JP2015521616A - 1,1’−[[(置換アルキル)イミノ]ビス(アルキレン)]ビス−フェロセン及び目的とする基質を標識することによるi電気化学アッセイにおけるそれらの使用 - Google Patents

1,1’−[[(置換アルキル)イミノ]ビス(アルキレン)]ビス−フェロセン及び目的とする基質を標識することによるi電気化学アッセイにおけるそれらの使用 Download PDF

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Abstract

一般式Iの化合物:【化1】(式中、FcおよびFc’は、同一であっても異なっていてもよく、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位(proximal)シクロペンタジエニル環上に位置している;Xはスペーサーである;Yはスペーサーである;Zはスペーサーである;そして、Rはリンカー基である。)。化合物Iは、標識基質、標識基質を製造するための機能化化合物を製造するのに使用でき、また電気化学アッセイにおける標識として使用できる。

Description

本発明は、英国特許出願1211157.1(2012年6月22日出願)の利益を主張するものであり、あらゆる目的のために参考すべく、その全内容を本明細書に組み入れるものである。
本発明は、電気化学的検知方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、電気化学アッセイ、電気化学検知方法における使用のための電気化学的活性標識、およびそれらの使用に関する。
ある生物分子の検知は、生命のあらゆる側面において重要な役割を演じている。例えば、医学分野において、バクテリまたはウイルス病原体、すなわち生物分子を検出することの必要性が常に存在している。高感度アッセイが不可欠である他の分野としては、食糧産業や飲料産業が含まれる。
WO03/074731は、核酸を探る方法を開示している。核酸溶液を電気化学的に活性なマーカーを有しているオリゴヌクレオチドプローブと接触させる。該プローブに、該核酸溶液中に存在することもある相補的ターゲットシーケンスと少なくとも部分的に雑種核酸が生じる。該核酸プローブ酵素分解に続いて、マーカーに関する情報が電気化学的に決定される。該方法に使用する化合物もまた開示されている。
WO2005/005657は、サンプル溶液を、電気化学的活性マーカーを有するプロテアーゼ基質と接触させ、サンプルに存在するかもしれないなんらかのプロテアーゼが、該プロテアーゼ基質を分解し、電気化学的活性マーカーに関連する情報を電気化学的に決定する条件を提供する、というプロテアーゼを検知する方法を開示している。該方法に使用のためのいくらかの新規な化合物も開示された。
WO2012/085591は、電気化学標識として使用するためのジフェロセニル化合物を記載している。生物基質またはインジケータ、例えば、(単離形態、またはより高分子形態、例えば天然または合成オリゴヌクレオチドにおける)核酸、または(単離形態、またはより高分子形態、例えば天然または合成ペプチドにおける)アミノ酸が少量濃度で存在していても検知を可能とする標識を開発することが継続して必要とされている。特に、異なる酸化電位および/または異なる化学または物理特性を有し、それにより利用可能なアッセイの範囲を広げ、マルチプレックス反応の開発の範囲を増やす新規な標識が継続して必要とされている。
WO03/074731 WO2005/005657 WO2012/085591
本発明は、一般式Iによる化合物を提供しようとするものである:
Figure 2015521616

(式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位(proximal)シクロペンタジエニル環上に位置している;
Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
Xはスペーサーである;
Yはスペーサーである;
Zはスペーサーである;そして、
Rはリンカー基である。)。
本発明はまた、一般式Iの化合物の電気化学アッセイにおける標識としての使用を提供するものである:
Figure 2015521616

(式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位(proximal)シクロペンタジエニル環上に位置している;
Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
Xはスペーサーである;
Yはスペーサーである;
Zはスペーサーである;そして、
Rはリンカー基である。)。
本発明に従って使用される化合物は、電気化学アッセイにおいて使用するのに効果的な標識であることが見出された。特に、該化合物は、標識基質を形成するのに使用してもよい。標識化され得る基質として対象となる分子は、以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、炭水化物およびこれらの分子の誘導体または合成類似体。本発明の化合物を使用して標識化されてもよい他の基質としては、ラテックス/常磁性ミクロ粒子およびナノ粒子が含まれる。一般式Iの標識化合物および該標識化合物由来標識を含む標識分子は、該標識またはその環境についての情報を得るのに利用することのできる電気化学技術において潜在的に有用である。例えば、本発明の化合物は、WO03/074731に記載されているような方法またはWO2005/005657に記載されているような方法に使用されてもよい。本発明の標識化合物およびそれから由来する標識基質は、それらを従来公知の標識化合物に対して有用な補完物とする特性を提供し、適用スペクトルをより広くしており、例えば、存在しうる不純物妨害により測定電位が損なわれる条件を回避する更なる機会を提供したり、および/またはマルチプレックスアッセイにおいてより柔軟性をもたせたりする。多くの該化合物および対応する標識基質は、特に、以下の実施例に示されているように、比較的高い電位値を有している。特に、イオウ含有またはリン含有置換基を有する本発明の化合物およびそれらの対応する標識基質は、測定電位が、比較的高くなるような、例えば400mVを超える、例えば、450mVを超える、または500mVさえ超えるようなアッセイを提供するのに有用となるであろうと信じられている。少なくとも450mV、例えば、500mV以上の電気化学電位を有する化合物は、利用できる電位値範囲を広げるのに特に有用となり、それ故、より効果的なマルチプレックスアッセイを潜在的に提供することに特に有用となるであろう。高い電子吸引性の置換基、例えば、トリフルオロメチルまたはシアノを有する本発明の他の化合物は、高い電気化学電位値を提供し、それにより、有用な標識および標識基質の範囲を広げるという観点から、同様に有利な点を有していると信じられている。さらに、本発明の化合物および対応する標識基質は、より狭い電圧ピークを有しているという有利な点を提供するものもある。そのことは、マルチプレックスアッセイにおいて、より多数の標識を利用できるオプションを与えるということにおいて有利である。というのも、測定ピークが狭くなればなるほど、ピーク間のギャップがより広くなり、そのことは、該ギャップの範囲内にある電位を有する標識を所望によりさらに含ましめて利用しうるからである。
本発明のすべての局面において、以下のスペーサーが好ましい:Xは、所望により−O−、−S−、または−NR−(式中、Rは水素、またはC1ないしC6アルキルを表す)で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレン鎖である;Yは、所望により−O−、−S−、または−NR−(式中、Rは水素、またはC1ないしC6アルキルを表す)で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレン鎖である;そして、Zは、所望により置換されていてもよい、および/または所望により−O−、−S−、シクロアルキル、−CO−、−CONR−、−NRCO−または−NR−(式中Rは水素またはC1ないしC4アルキルを表す)により断続されていてもよいC1ないしC12アルキレン鎖である。
本発明により使用される化合物においては、Xは、所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレンを表す;Yは、所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレンを表す;そして、Zは、所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC8アルキレンを表す;ということが好ましい。それ故、これらの態様X、YおよびZは、式(CH−O−(CH(式中、a0およびb0)により表すことができる。XおよびYに対しては、a+b=1〜6.Zに対しては、a+b=1〜8である。理想的には、a1およびb1である。
Xは好ましくは、−(CH−(式中、xは1ないし6、好ましくは1ないし4、特に1または2);または酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレン、例えば、−(CH−O−CH−,(CH−O−(CH−,または−CH−O−(CH−である。
Yは好ましくは、−(CH−(式中、yは1ないし6、好ましくは1ないし4、特に1または2);または酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレン、例えば、−(CH−O−CH−,(CH−O−(CH−,または−CH−O−(CH−である。
好ましくは、XおよびYは、同じである。好ましくは、FcおよびFc’が同じであり、そしてXおよびYが、同じであることである。
一態様において、Zは、所望により置換されていてもよい、および/または所望により−O−、−S−または−NR−(式中、Rは水素またはC1ないしC4アルキルを表す)により断続されていてもよいC1ないしC12アルキレン鎖である。好ましくは、Zは、−(CH−(式中、zは1ないし8、好ましくは1〜6、特に、2ないし6である。);または酸素で断続されていてもよいC1ないしC8アルキレン、例えば、−(CH−O−(CH−または−(CH−O−(CH−である。1つの好ましい態様において、Xは、−(CH−(式中、xは1または2)である;Yは−(CH−(式中、yは1または2)である;そして、Zは、−(CH−(式中、zは1ないし8)である。XおよびYが、−NR−で断続されているアルキレン鎖を表すとき、Rは、好ましくは水素またはC1ないしC4アルキル、より好ましくは、水素である。
1つの好ましい態様において、本発明は、一般式IIの化合物の、電気化学標識としての、使用を提供する:
Figure 2015521616

式中、
Fcは、一般式Iについて、上記で定義したように置換フェロセニル部分である;
Fc’は、一般式Iについて、上記で定義したように置換フェロセニル部分であり、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
xは1または2である;
yは1または2である;
zは1ないし8である;そして
Rは、リンカー基である。
好ましくは、xおよびyはそれぞれ1に等しい。
フェロセニル部分は同じであるということが好ましく、それゆえ、FcおよびFc’は、同じ位置に同じ置換基を有することが好ましい。
文脈に反することが明らかな場合を除いて、用語「基質」は、天然基質および合成基質の両者を含むものとして本明細書を通して使用されており、本明細書におけるアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または炭水化物への言及は、天然または合成のアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または炭水化物に言及されているものとして理解されるべきものである。基質はまたポリペプチドで有ってもよい。合成基質は天然基質の合成類似体を含む。基質は、単一のヌクレオチドおよび単一のアミノ酸を含む。例えば、酵素による、基質の切断に依拠するアッセイの場合、単一のアミノ酸は基質とみなされ得る。なぜなら、それは、プロテアーゼ酵素により切断され得る内部結合を欠いているが、このような結合は、マーカーの結合を通して形成されてもよいからである。本明細書において、天然基質の誘導体に言及される場合、それらの誘導体は、基質の天然誘導体または合成誘導体であってもよい。
本発明は、本発明による化合物を使用して化学単位(entity)を検知する方法を提供する。本発明による電気化学アッセイにおける使用は、例えば、電気化学標識基質を検知するアッセイにあってもよい。電気化学アッセイは、例えば、電気化学標識基質の量を決定するアッセイであってもよい。アッセイは、有利には、標識基質が、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、ミクロ粒子およびナノ粒子から選択される、標識基質の量を検知または決定するためのものであってよい。ある好ましい態様においては、アッセイは、標識基質がヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドから選択される、標識基質の量を検知または決定するためのものである。もう一つの有利な態様においては、アッセイは、標識基質がアミノ酸、ペプチド、およびプロテインから選択される、標識基質の量を検知または決定するためのものである。
基質への結合の目的のために、標識は官能化基を付加させて官能化してもよい。かくして、本発明は、基質への結合を向上させるに適した官能化基へ結合した本発明の化合物由来部分を含有する官能化誘導体をさらに提供するものである。
本発明はまた、
一般式Iの化合物:
Figure 2015521616

(式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置している;
Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
Xはスペーサーである;
Yはスペーサーである;
Zはスペーサーである;そして、
Rはリンカー基である。)
を官能化化合物と反応させ、一般式IIIの官能化標識化合物:
A−L−F III
(式中、Aは、
Figure 2015521616

(式中、Fc,Fc’ ,X,YおよびZは一般式Iに関して上記で定義したと同義;
Fは官能化部分、特に、標識部分を基質に結合するための基質と反応する官能化部分を表し;
Lはリンカー部分を表す。)
を得ること、
を含む、電気化学アッセイに使用する標識部分を含有する官能化標識化合物を製造する方法を提供するものである:
リンカー部分Lは、一般に、リンカー基R由来のリンカー部分となる。例えば、RがOHであるかまたはOHを含有する場合、Lは通常、−O−を表すか、−O−を含有するものとなる。
さらに、本発明は、一般式IIIの化合物:
A−L−F III
(式中、A、LおよびFは、上記と同義)
を、基質と反応させて、標識基質を形成すること、
を含む標識基質の製造方法を提供する。
本発明は、さらに、標識基質の製造に使用するための官能化標識化合物を提供するものであり、該官能化標識化合物は、一般式III:
A−L−F III
(式中、A、LおよびFは、上記と同義)
を有するものである。
本発明はまた、電気化学アッセイに使用する標識基質を提供するものであり、該標識基質は一般式IIIaである該標識基質:
A−L−F’−[S] IIIa
(式中、Aは、
Figure 2015521616

(式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置している;
Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
Xはスペーサーである;
Yはスペーサーである;
Zはスペーサーである;
L−F’は、リンキング部分を表す;および
[S]は、基質を表す。)。
リンキング部分−L−F’−は、一般式IIIによる−L−F部分由来の部分であるか、一般式Iによる−R部分由来の部分である。1つの態様において、リンキング部分−L−F’−は、一般式IIIによる−L−F部分由来の部分である。
類推によって、本発明はまた、電気化学アッセイに使用するための標識基質を提供するものであり、標識基質は一般式IIIbを有している:
A−L−R’−[S] IIIb
(式中、R’は、本発明の化合物を基質と反応させた時に形成されるRの残基である。)。
本発明はさらに、本発明による基質を含有するアッセイを提供する。
詳細な記述
相反することを意図していることが明らかな場合を除いて、本明細書における「アルキル」への言及は、好ましくは1ないし6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子を有し、所望によりO,SおよびNから選択されるヘテロ原子で断続されていてもよく、および/または所望により1以上の置換基を有していてもよい、直鎖または分岐鎖アルキル基に及ぶものである。実例となるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチルを含む。
本明細書における「シクロアルキル」への言及は、8まで、好ましくは6までの環原子を有し、所望により1以上のヘテロ原子を含む、シクロアルキル基まで及ぶ。実例となるシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシルおよびピペリジニルおよびモルホリニル等の複素環基を含む。
本明細書における「アルケニル」への言及は、好ましくは1ないし6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子を有し、所望により1以上の置換基を有していてもよい、直鎖または分岐鎖アルケニル基に及ぶものである。実例となるアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニルである。
本明細書で使用されている用語「ハロアルキル」は、反するものが指摘されている場合を除いて、置換基として存在する1以上のハロゲン原子を有するアルキル基まで言及するものであり、該1以上のハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される。
反するものが指摘されなければ、「イオウ含有基」は、限定するものではないが、−S(O)−部分(本明細書において「スルホニル」と言う)、−S(O)−部分(本明細書において「スルフィニル」と言う)または−S−部分(本明細書において「スルフェニル」という)を含む置換基グループを含むものとして理解される。本発明によるフェロセニル環上に置換基として存在してもよい好ましいイオウ含有基は、イオウ原子が環炭素に直接結合しているものである。
反するものが指摘されなければ、「リン含有基」は、限定するものではないが、ホスフィンまたはホスフィンオキサイド、より具体的にはホスファニル(>P−)基およびホスフィニル(>P(O)−)基に基づくものを含む置換基グループを含むものとして理解される。本発明によるフェロセニル環上に置換基として存在してもよい好ましいリン含有基は、リン原子が環炭素に直接結合しているものである。
本明細書において言及されている「ヘテロアリール」は、1以上のヘテロ原子を含む単一または縮合芳香族部分を含むものとして理解されるべきものであり、該ヘテロ原子は好ましくは、酸素、イオウおよび窒素から選択される。1より多いヘテロ原子が存在する場合、該ヘテロ原子は同じであっても異なっていてもよく、それぞれ有利には、酸素、イオウおよび窒素から独立して選択される。実例となるヘテロアリール基は、限定するものではないが、フラニル、イミダゾリル、チアゾリルである。
本明細書において言及されている「アリール」は、単一または縮合芳香環系を含むものとして理解されるべきものであり、ヘテロ環系および他の環系の両者を含む。
本明細書で使用されている「置換フェニル」という表現は、環のどれかの環炭素原子でフェニル環に結合している1以上の置換基を有するどのようなフェニル基をも含むものである。フェニル環上に1より多くの置換基が存在する場合、それらの置換基はお互い同じであっても異なっていてもよい。
電気化学検知の応用は、蛍光検知を超える数多くの利点を有している。電気化学検知は、非常に高い感度レベルを有しており、蛍光よりより広いリニアーダイナミックレンジを示す。サンプルが光学的に透明である必要性はない。バックグラウンドコンタミナントからの干渉もより少ない(生物サンプルは、自己蛍光を発すものが多い)。
電気化学検知は、電気化学活性マーカーが、それが基質に結合しているかということと、基質の性質に依存して、異なる電気化学特性を示すことを観察することに基づいている。例えば、アミノ酸に結合した電気化学標識の場合、示される特性は、アミノ酸のアイデンティーだけでなく、アミノ酸残基がペプチドまたはプロテインに含まれているかどうかということにも依存するであろうし、このようなペプチドまたはプロテインの長さに依存するであろう。適切な環境下においては、アミノ酸残基に結合したマーカーの電気化学活性は、単一のまたは非常に少ないアミノ酸残基の結合の喪失に追従し検知可能な程度変化しうる。
電気化学活性マーカーが結合している分子のサイズと特性は、電気化学マーカーの観測可能な特性に影響を及ぼす。それは、例えば、拡散によるマーカーの移動速度または電場に反応した移動速度に影響を及ぼすことにより、生じるかもしれない。
マーカーの電気化学活性は、それがリンクされている分子の存在から結果として生じる立体効果にも影響される。例えば、立体障害は、マーカーが電極に接近することおよび電子の受け渡しを妨害することもある。
マーカーがペプチドに結合すると、(1次シークエンスにより主に決定されるような)ペプチドの2次構造が、マーカーの物理特性に影響を与えることもある。例えば、ペプチドの構造が、電気化学活性マーカーを立体的に邪魔するように、マーカーがペプチドにおけるアミノ酸残基に結合すると、ボルタメトリーにより観察可能なシグナルが、減少しうることもある。ペプチドの消化は2次構造体要素を破壊または放出し、ペプチド構造のマーカーへの影響を減少させるか、あるいは、なくしたりする。従って、ペプチドの消化は、変化、普通は、マーカー部分により引き起こされた電気シグナルの増加という結果になる。微分パルスボルタンメトリーの実験においては、特定印加電圧でのファラデー電流レスポンスは、ペプチドの消化により増加することもある。
同様に、マーカーがヌクレオチドに結合すると、電気化学特性は、ヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの長さによって、そして、特に、結合点の近辺におけるオリゴヌクレオチドのシークエンスによって、オリゴヌクレオチドに包含されるかどうかにより影響される。
電気化学活性マーカーに関する情報は、ボルタンメトリーにより、または電流測定法に得ることができる。微分パルスボルタンメトリーが、特に適している。所望であれば、電気化学検知ステップは、1以上の特性、例えばサイズ、電荷、または疎水性に基づいて、分子を選択的に排除することのできるメンブランにより被覆された1以上の電極を使用することにより行われてもよい。それは、例えば、溶液中の荷電種から生じるバックグラウンドノイズ電流を取り除く助けとなるであろう。
一般式I、II,およびIIIに基づく化合物、一般式IIIaの標識基質および一般式Iaの標識部分を含め、本発明に従い使用される(標識化合物、官能化標識化合物および標識基質を含む)化合物において、2つのフェロセニル基FcおよびFc’は、一般式Iについて上記で定義されたような1以上の置換基を有する置換フェロセニル基から各々独立して選択される。フェロセニル部分の1つまたは各々の1つまたは両ペンタジエニル環は、1以上の置換基により置換されていてもよく、それらの性質と位置は、フェロセン部分のレドックス特性に所望の方法で影響をあたえるように選択される。上記で定義された置換基に加えて、フェロセニル部分のペンタジエニル環は、標識の電気化学感度を実質的に減じないなんらかのさらなる環置換基で、または何らかの点において標識の電気化学特性または他の特性を高めるであろうなんらかのさらなる環置換基で、さらに置換されてもよい。
1つの好ましい1態様においては、FcおよびFc’が同じであり、それぞれが、
スルフェニル基、スルフィニル基およびスルホニル基から選択されるイオウ含有基、
ホスファニル基およびホスフィニル基から選択されるリン含有基、
アイオド、
クロロ、
シリル、
2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、
ヘテロアリール、および
置換フェニル
からなるグループから選択される少なくとも1つの置換基を含有している。
もう一つの態様においては、FcおよびFc’が同じであり、各FcおよびFc’部分のそれぞれの近位シクロペンタジエニル環上に位置しているシアノ基が置換基として存在している。
1つの好ましい1態様においては、FcおよびFc’が同じであり、それぞれが、イオウ含有基およびリン含有基から選択される少なくとも1つの環置換基を含有している。イオウ含有基およびリン含有基からなるグループからの以下の1つの実例となる実施例において、500mV以上の電気化学電位値を有する化合物が開示されている。イオウ含有基またはリン含有基を含んでいる本発明の化合物、特に、イオウ原子またはリン原子がフェロセニルの環炭素に直接結合している化合物は、そのような標識の利用できる電位値の範囲を拡大するのに有利であり、それらを電気化学アッセイにおける標識として有用なものとしている、と信じられている。特に、それらの化合物は、高い電気化学電位値が価値あるアッセイ、例えば、差別化の可能な電気化学電位を有する異なる標識の範囲を使用するマルチプレックスアッセイにおける使用の可能性を提供している。
ある好ましい化合物においては、式R15S(O)−(式中、R15は、分岐または直鎖アルキル、ハロアルキル、および置換または未置換アリールから選択される。)の基から選択される少なくとも1つのスルホニル置換基が、イオウ含有基として存在する。実例となるアルキル基R15は、例えば、メチル、エチル、プロピル、またはブチル、特にt-ブチルを含む。好ましいハロアルキル基R15は、例えば、1以上のフルオロ置換基を有するフルオロアルキル基、特にトリフルオロメチルを含む。ある好ましい態様においては、R15は未置換C1ないしC4アルキル;またはC1ないしC4ハロアルキル、例えば、C1ないしC4フルオロアルキル、特にトリフルオロメチルを表す。実例となるアリール基R15は、特に、フェニルを含み、それは置換されていても未置換でもよく、好ましい置換基としては、例えば、ハロ、未置換アルキル(好ましくは、C1ないしC4アルキル)、置換アルキル(例えば、ハロアルキル)、ニトロ、シアノ、アルコキシ(例えば、C1ないしC4アルコキシ、好ましくはメトキシ)およびイオウ含有基、例えばスルホニルを含む。他の実例となるアリール置換基R15は、酸素、イオウおよび窒素から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有するヘテロアリール基を含む。実例となる好ましいアリール基R15は、一般式(R16−Ar−、または(R16−HeAr−(式中、Arはアリールを表す;HeArはヘテロアリールを表す;R16は、ハロ、アルキル、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、アルコキシ、およびイオウ含有基、例えば、スルホニルから選択される置換基である;そして、aは0ないしアリールまたはヘテロアリール環における最大置換可能環位に等しい数の範囲の整数である。)のものである。例えば、R15は、F;Cl;Br;I;未置換C1ないしC4アルキル;C1ないしC4ハロアルキル、例えばトリフルオロメチル;ニトロ;シアノ;メトキシ;またはイオウ含有基、例えば、スルホニルで置換されているフェニルを表していてもよい。
さらなる態様において、リン含有置換基として、一般式(R17P(O)−(式中、R17は、独立して、分岐または直鎖アルキル、ハロアルキル、置換または未置換アリール、および置換または未置換ヘテロアリールから選択される。)の基が存在する。有利には、R17は、C1ないしC4アルキルを表し、好ましくは未置換で、例えば、メチル、エチル、プロピル、またはブチル、特にt-ブチルである。
実例となるアリール置換基R17は、フェニル基および酸素、イオウおよび窒素から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有するヘテロアリール基を含み、各々の基は未置換であっても置換されていてもよい。好ましいアリール基R17は、一般式(R18−Ar−、または(R18−HeAr−(式中、Arはアリールである;HeArはヘテロアリールである;R18は、ハロ、アルキル、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、アルコキシおよびイオウ含有基、例えばスルホニルから選択される置換基である;そして、bは0ないしアリールまたはヘテロアリール環における最大置換可能環位に等しい数の範囲の整数である。)のものを含む。例えば、R17は、F、Cl、Br、I、未置換C1ないしC4アルキル基、C1ないしC4ハロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、またはメトキシで置換されているフェニル基を表していてもよい。好ましくは、Arはフェニルを表し、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、及びアルコキシから選択される(同一であっても異なっていてもよい)1以上の置換基R18を含有している。より好ましくは、各R17は、同じで、少なくとも1つの置換基を有するフェニル、特に、4位に1つの置換基を有するフェニル基を表す。1つの好ましい態様においては、R17は分岐C1ないしC4アルキル、例えばt−ブチルを表す。
もう1つの有益な態様においては、フェロセニル基は同じで、各フェロセニル上の置換基として、少なくとも1つの置換フェニル基(該フェニル基は、ハロ、C1ないしC4アルキル、ニトロ、シアノ、C1ないしC4ハロアルキル、C1ないしC4アルコキシ、およびイオウ含有ラジカル、例えば、スルホニルから選択される少なくとも1つの置換基を有している)が存在する。フェニル上のこのような置換基の実例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、およびメトキシである。ある態様においては、各フェニルは、4位に位置していてもよい1つの置換基を有している。例えば。4−ニトロフェニル(フェロセニル基は、1位でフェニル基に結合している)である。
さらなる態様においては、各フェロセニル上の置換基として、未置換またはハロ、C1ないしC4アルキル、ニトロ、シアノ、C1ないしC4ハロアルキル、C1ないしC4アルコキシから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい少なくとも1つのヘテロアリール基が存在する。例えば、フラニルがヘテロアリール基として存在してもよい。
さらにさらなる態様においては、少なくとも1つのヨウ素または塩素原子が、各フェロセニル上の置換基として存在してもよい。他の可能な置換基としては、少なくとも1つのシリル置換基、好ましくは、アルキルシリル基、例えば、トリアルキルキルシリル、特にトリメチルシリルから選択されるシリル基を含む。
本明細書における一般式Iに関して定義された少なくとも1つの置換基に加えて、各フェロセニル部分は、少なくとも1つのさらなる置換基、例えば、ブロモ、フルオロ、C1ないしC4アルキル、ハロアルキル、およびC1ないしC4アルケニルから選択される少なくとも1つの更なる置換基で、所望によりさらに置換されていてもよい。さらなる態様によれば、FcおよびFc’は、各々その端部環上に少なくとも1つのシアノ基置換基をさらに有していてもよい。
フェロセニル部分は同一であることが好ましい。より強いシグナルが得られると考えられている。
Z部分は、未置換でも置換されていてもよい。存在するとき、置換基は、例えば、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、アミノ、および未置換または置換C1ないしC4アルキル、C1ないしC4アルケニル、またはアリールから選択される1以上の置換基であってよく、各場合において、所望の置換基は限定するものではないが、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、オキソ、アミノ、エステルまたはアミドを含む。Z部分は、所望により、−O−、−S−、ヘテロシクロアルキルを含むシクロアルキル、−CO−、−CONH−、−NHCO−および−NH−および−NR−(式中RはC1ないしC4アルキルを表す)から選択される1つの、または所望により1を超える、原子または部分により断続されていえもよい。Z部分内における断続部分として含まれていてもよいシクロアルキル部分の実例は、5ないし7の環原子、特に、6つの環原子を有するシクロアルキル環、例えばシクロヘキシル、ピペリジニル、モルホリニルである。
X部分およびY部分は、好ましくは同じであり、有利には、1ないし6、好ましくは1ないし4の炭素原子、特に、1または2の炭素原子、より特別には、1炭素原子の鎖長を有する。X部分およびY部分は各々、所望により−O−、−S−、または−NR−、例えば−NH−で断続されていてもよいアルキレン鎖を表す。好ましいX部分およびY部分は、例えば、−CH−,−CH−CH−,−(CH−O−CH−,−CH−O−(CH−,−(CH−O−(CH−,および−(CH−O−(CH−を含む。
いくつかの態様においては、本発明による標識は、還元剤の存在、適当な溶媒中で2当量の適当な置換フェロセンカルボキシアルデヒドを反応させることにより調製されてよい。Z部分の構造を含め、望ましい標識の構造は、適当な出発物質の選択および/または合成方法のルーチン修正により決定されてもよい。1つの実例となる方法に於いては、例えば、1’−アイオドフェロセンカルボキシアルデヒド、1’−クロロフェロセンカルボキシアルデヒド、1’−フラニルフェロセンカルボキシアルデヒドまたは2−tert−ブチルスルホニルフェロセンカルボキシアルデヒド等のフェロセン誘導体を、還元剤、例えば、トリアセトキシボロハイドライドナトリウムの存在下、適当な溶媒、例えばTHF中で、適当なアミン(例えば、6−アミノヘキサン−1−オール、グリシンまたは(アミノエトキシ)エタノール)と反応させてもよい。アミンとしてグリシンを使用するとき、結果として得られるジ−フェロセニルグリシン誘導体は、さらに変性して所望の構造を生成させてもよい。例えば、それはジクロロメタン中、オキサリルクロライドと反応させて、次に、4−(ヒドロキシメチル)ピペリジンで処理し、2−((ジフェロセニルメチル)アミノ)−1−(4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル)エタノンのフェロセン置換誘導体を生成させてもよい。もう一つの態様においては、アミンとしてグリシンを使用するとき、結果として得られるジ−フェロセニルグリシン誘導体は、ジクロロメタン中、オキサリルクロライドとさらに反応させて、次に、6−アミノヘキサン−1−オールで処理し、N、N−2−(ジフェロセニルメチルアミノ)アセチル−6−アミノヘキサノール(N−(6−ヒドロキシヘキシル)−2−((ジフェロセニルメチル)アミノ)−アセトアミドとも命名される))のフェロセン置換誘導体を生成させてもよい。本発明による他の化合物の適当な合成方法は、本明細書における開示に照らせば、当業者には明らかとなろう。
基質への結合は、適当な結合であればいかなるものによっても、特に、基質側鎖への結合によるものであってよい。一般式Iの化合物におけるリンカー基Rは、本明細書に記載されているように、直接にまたは官能化基を介して基質に結合を生じさせるに適しているいかなる基であってもよい。Rは、有利には、必ずというわけではないが、酸素原子を含有するリンカー基である。Rは、好ましくは、ヒドロキシル基または保護ヒドロキシル基、またはヒドロキシル基または保護ヒドロキシル基を含有する基である。しかしながら、何か他の適当なリンカー基Rは、使用において、化合物が結合すべき基質を考慮して選択されてもよいことは、正しく理解される。プロテイン側鎖、ペプチド側鎖またはアミノ酸側鎖または、プロテイン末端部分、ペプチド末端部分またはアミノ酸末端部分の誘導体化のための種々の合成方法が開発されてきた。例えば、プロテインにおけるリジン残基を、スクシンイミジルエステルと反応させて誘導体化してもよい。他のアミノ酸残基での誘導体化として、他の公知の合成方法を使用してもよい。例えば、マレイミド試薬を使用し、システイン残基を誘導体化してもよい。N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを使用し、プロテインまたはペプチドのアミノ末端または側鎖アミノ基、すなわちアミノ酸のアミノ部分を誘導体化してもよい。
ヌクレオチドの適当な誘導体化方法も、公知であり、例えば、ホスホラミダイト部分を使用する。
上記誘導体化方法は、本発明の化合物を基質へリンクさせるのに使用してもよい方法の実例となるものであり、他の方法を使用してもよい。
本発明による標識基質は、本発明の化合物を、所望により、誘導体化して官能化標識化合物を得た後、基質と、例えば、アミノ酸、ヌクレオチド(例えば、オリゴデオキシリボヌクレオチドまたはオリゴリボヌレオチド)、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、炭水化物およびそれらの分子の誘導体から選択される基質と反応させることにより調製されてよい。
好ましい態様においては、基質は、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドである。ヌクレオチドは、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジンまたはウリジンヌクレオチドから選択されてよい。好ましくは、ヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドのヌクレオチドは、例えば酸素または窒素原子を通じて、例えば、2’、3’または5’位において、ヌクレオチドのリボースまたはデオキシリボース基に結合した基を通して標識に結合している。最も好ましくは、ヌクレオチドは、3’または5’位で、例えば5’位で結合している。他の部位での結合もまた可能である。
ヌクレオチドの場合、本発明の標識を結合させる1つの有利な方法は、ホスホラミダイトでの官能化によるものである。ホスホラミダイト基のオリゴヌクレオチドへの結合は、オリゴヌクレオチド合成において広く行われており、それ故、ホスホラミダイトでの官能化された標識のオリゴヌクレオチドへの結合方法および条件は、当業者にとっては周知であり、ルーチンマターとなろう。さらに、有利なことにそのことは標準オリゴ製造方法の使用を可能とする。
本発明によるアッセイに使用するオリゴヌクレオチドは、有利には、2ないし50のヌクレオチド、より好ましくは2ないし40のヌクレオチド、特に、15ないし35のヌクレオチドを有するヌクレオチドであり、18ないし30のヌクレオチドが特に好ましい。一部の応用にとっては、より短いオリゴヌクレオチド、例えば2ないし14のヌクレオチド、より好ましくは2ないし10のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドが有用となる。
例えばシステインまたはリジンを介しての、プロテインへの結合は、適当なバッファー溶液中において室温でプロテインおよびフェロセニル標識を一緒にインキュベーションすることにより達成できるケースもある。標識は有利にはシステインまたはリジンに結合するが、基質シークエンスが適当な位置にシステインまたはリジンを含有していない場合、シークエンスは所望により変化させ、さらなる残基として、または別の残基の置換として、1以上のシステインまたはリジン残基を付加する。プロテインへの別の結合方法として、標識のビオチン化および市販品のストレプトアジピン化(streptavidinated)プロテインの使用を含む(逆もまた同様)。例えば、基質は、なんらかの標準技術により、例えば商業的に入手可能なビオチン化キットを使用することにより、ビオチン化されてもよい。ビオチン化基質は、抗体等のストレップアビジン(strepavidin)またはアビジン共役化合物(それらは商業的に広く入手可能である)に結合するであろう。
しかしながら、適当な標識官能基を使用することにより、多くの位置の選択された1つの位置で、同様な標識を基質へ結合させてもよいということは、当業者にとっては明らかとなる。
一般式III:
A−L−F III
の官能化標識化合物において、
A−Lは、好ましくは一般式Iによる化合物から誘導される部分であり、Fは、官能化基である。一般式IIIの好ましい官能化標識化合物は、一般式IIIb:
A−O−F IIIb
(式中、A−Oは、一般式Iによる化合物から誘導される部分であり、好ましくは、一般式Iのリンカー基Rがヒドロキシルまたはヒドロキシル含有基、または保護ヒドロキシルであるとき、ヒドロキシ水素原子または保護基の喪失により誘導される;そしてFは官能化基である。)
の化合物を含む。
一般式IIIおよび一般式IIIbにおいて官能化基Fとして含まれている、本発明の標識と共に使用可能で適当な官能化基は、限定するものではないが、スクシンイミジルエステル基、ホスホラミダイト基、マレイミド基、ビオチンおよびアジド基を含む。しかしながら、標識化合物の、標識されるべき基質への結合を容易にする官能化基であればいかなるものでも使用してもよいということは正しく理解される。
本発明はまた、(例えばPCR法または別の核酸増産技術で)核酸を増産する任意ステップ、続いて、相補的核酸プローブとアンプリコン(または核酸)間でハイブリッド化を可能とする条件下でアンプリコン(または核酸)を該プローブと接触させるステップ、続いて、(例えば、単鎖または二本鎖の特定のヌクレアーゼを使用することにより)ハイブリッド化または非ハイブリッド化プローブのいずれかを選択的に分解するステップを含む、サンプル中の核酸(例えば、RNAまたはDNA)を検知する方法を提供するものであって、該プローブは、本発明の電気化学活性物質で標識化されており、該方法は、プローブを標識化している化合物の電気化学活性を測定する方法を提供するものであって、該電気化学活性は、プローブの分解の程度に量的または質的に依存している。
本発明はまた、本発明の電気化学活性化合物で、(例えば、アッセイにおけるターゲット抗原に結合しているかもしれない)抗体または誘導体を検知する方法であって、該化合物の電気化学活性を測定するステップを含む、該方法を提供する。該方法は、量的または質的に行うことができる。
本発明はまた、被験者の組織または体液において病気に関連するプロテアーゼまたはプロテアーゼインヒビターの検知に、本発明の方法を使用することを含む、被験者の病気を診断またはモニターする方法を提供する。プロテアーゼ用基質は、本発明により標識化することができる。
本発明はまた、本発明の方法を使用し、被験者の組織または体液において病気に関連するペプチドまたはプロテインを検知することを含む、被験者の病気を診断またはモニターする方法を提供する。
本発明はまた、被験者の組織または体液において病気に関連するヌクレアーゼまたはヌクレアーゼインヒビターの検知に、本発明の方法を使用することを含む、被験者の病気を診断またはモニターする方法を提供する。
さらに、本発明は、被験者の病気を感知する本発明方法の使用を提供する。
本発明はまた、本発明の方法を使用することを含む、微生物(特に、病原体または他の望ましくない有機体、例えば、食品の損傷有機体)を検知する方法を提供する。微生物からの(または、病原体由来の、例えば、病原体におけるターゲット核酸シークエンスを使用して製造された核酸アンプリコン)基質は、本発明により標識化できる。標識基質の検知は、微生物の検知を示していることに使用できる。
本発明はまた、所望により他のアッセイコンポーネント、例えばサンプル容器、電気化学検知用電極、アッセイにおいて使用する酵素または標準物質および制御装置を有する容器と組み合わせて、本発明の標識基質を使用するステップを含む、アッセイを提供する。該アッセイは、本発明の1を超える異なる標識基質を使用してもよい。もしそうだとしたら、異なる標識基質の存在を、異なる電気化学特性(例えば、異なる酸化電位)を有する本発明の電気化学標識でそれらを標識化することにより、区別して検知することができ、それにより、同じサンプル容器に存在する異なる基質を識別できるマルチプレックス式(例えばデュプレックス)アッセイを可能とする。
下記表1aは、本発明に従い電気化学アッセイにおいて標識として使用でき、また本発明による官能化標識化合物および標識基質を製造するに使用できる、本発明による化合物の実例となる式を例示したものである。表Iaはまた、本発明による対応官能化標識化合物を第2欄に挙げている。表Ib,2、3および4は実例となる本発明の化合物の一般式をさらに挙げたものである。表Ib,2、3および4で特定した化合物に対応する官能化化合物は、示されていないが、その示されている化合物は適当な官能化部分を付加することにより官能化されることは正しく理解される。Ia、Ibおよび2ないし4における式において、立体障害を考慮するとそれに不利に作用する場合を除いて、各フェロセニルは、1を超える置換基を有していてもよく、その置換基は同じであっても異なっていてもよく、また環のどの位置にあってもよい。両フェロセニル基は、同じ位置に同じ置換基を有すること、すなわち両フェロセニル基は同じであることが好ましい。
Figure 2015521616
Figure 2015521616
Figure 2015521616
上記化合物6ないし8は、適当な方法で、例えば、上記表1に示した化合物1ないし5に対すると同様にホスホラミダイト化(phosphoramidation)することにより、官能化してもよい。
下記表2には、フェロセニル基がスルホニル基で置換されている本発明の好ましい態様を記載した一般式が例示されている。下記表3には、フェロセニル基がホスフィニル基で置換されている本発明の好ましい態様を記載した一般式が例示されている。表2および3における化合物は、各々、適当な方法で官能化、例えばホスホラミダイト化してもよい。本発明は、表Ia,Ib,2および3に規定されている化合物の官能化類似体、ならびにそれらから誘導される標識基質を包含する。
を包含する。
Figure 2015521616
Figure 2015521616
上記式9ないし20において、
15は、アルキル、例えば、t−ブチル、ハロアルキル、特に、フルオロアルキル、例えばCF、フェニルまたは置換フェニルを表す;
Wは、(CH(式中、nは0ないし6)、O、SまたはNR20(式中、R20はアルキル、例えばC1ないしC4アルキル)を表す;
Vは、(CH(式中、mは、2ないし6を表し、所望によりO原子により断続されてもよい)を表す;および
16は、存在する場合、F、Cl、Br、I、アルキル、NO、シアノ、CFおよびメトキシから選択される1以上のラジカルを表す。
Figure 2015521616
Figure 2015521616
Figure 2015521616
Figure 2015521616
上記式21ないし32において、
17は、アルキル、例えば、t−ブチル、フェニルまたは置換フェニルを表す;
Wは、(CH(式中、nは0ないし6)、O、SまたはNR20(式中、R20はアルキル、例えばC1ないしC4アルキル)を表す;
Vは、(CH(式中、mは、2ないし6を表し、所望によりO原子により断続されてもよい)を表す;および
18は、F、Cl、Br、I、アルキル、NO、シアノ、CFおよびメトキシから選択される1以上のラジカルを表す;特に好ましい態様においては、R18は、該ラジカルの1つを表し、4位に位置する。
表Ia、Ibおよび2および3における一般式およびそれらの官能化対応物においては、1以上の環置換基が、各フェロセニル近位のペンタジエニル環、すなわち該分子の残余に直接結合している環上に存在するとき、該結合に対して隣接した環位置に、該置換基が存在することが好ましい。1を超える環置換基が各近位ペンタジエニル環上に存在するとき、それらの置換基はお互いに関していかなる位置にあってもよい。1を超える環置換基が、各フェロセニルの各末端ペンタジエニル環、すなわちフェロセニルを該分子の残余に連結している結合から遠く離れた環上に存在するとき、それらの置換基は、互いに関していかなる位置にあってもよい。上記表に示された化合物においては、近位の環または末端の環上に環置換基が示されているが、各フェロセニルの両ペンタジエニル環が1以上の置換基を有することも可能である。
本明細書実施例に例証されているように、各フェロセニル基上に1以上の置換基(各フェロセニル上の置換基は同じ)を組み入れて、変性電気化学特性を有する化合物を得ることができ、マルチプルレックス反応の目的に選択される一組の2以上の化合物が、適当な置換基の選択を通じて提供される。
良好な電気化学特性を有するとして見出された本発明による化合物の実例となるものが、以下の表4に例示されている。本発明は、表4の化合物に加え、本発明に従いそれらの化合物由来の官能化標識化合物および標識基質を包含するものである。
Figure 2015521616
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好ましい態様の詳細な記述
次の実施例は、FcおよびFc’が同じである本発明の化合物を例証するものである。
材料および方法
1’-アイオドフェロセンカルボキシアルデヒドを、Organometallics, 2011, 30, 3504 - 3511に記載された方法を使用して、アイオドフェロセンから合成した。
1’-フラニルフェロセンカルボキシアルデヒドを、Angewandte Chemie, 2006, 45, 1282 - 1284から適合された方法を使用して、1’-アイオドフェロセンカルボキシアルデヒドから合成した。
1-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-(ジ-tert-ブチルホスフィニル)-フェロセンを、Organometallics, 1985, 7 1297-1302から適合された方法を使用して、ジメチルアミノメチルフェロセンから合成した。
1'-クロロフェロセンカルボキシアルデヒドを、Coll. Chechoslovak. Chemm. Commun., 1987, 52, 174-181からの手順を使用してクロロフェロセンから調製した。
2-tert-ブチルスルホニルフェロセンカルボキシアルデヒドを、Organometallics, 1985, 7, 1297-1302から適合された方法を使用して、ジメチルアミノメチルフェロセンから合成した。
2-シアノエチルジイソプロピルクロロホスホルアミダイトをSigma-Aldrichから入手した。
6-ビス(2-ホルミル)-1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オールを、Journal of Organic Chemistry, 1997, 62, 6733-6745から適合された方法を使用して、(+/-)-4-(メトキシメチル)-2-フェロセニル-1,3-ジオキサンから合成した。
適当な求電子としてヨウ素を利用し、Journal of Organometallic Chemistry, 2011, 696, 1536-1540に記載された方法を採用し、フェロセンからアイオドフェロセンを合成した。
塩素化試薬としてヘキサクロロエタンを使用して、J.Organomet. Chem., 1996, 512, 219-224からの手順を修正使用し、フェロセンからクロロフェロセンを調製した。
6-アミノヘキサノール、フェロセン、ジメチルアミノメチルフェロセンおよび4-ニトロベンゼンボロン酸を、Sigma-Aldrichから入手した。
1-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-(t-ブチルチオ)-フェロセンを、Organomet., 1988, 7, 1297-1302からの手順を使用して調製した。
3-tert-ブチルスルフィニルフェロセンカルボキシアルデヒドを、Chem.Commun., 2004, 598- 599に記載の手順に従って調製した。
電気化学電位の決定
以下に述べられている電気化学電位値は、印刷カーボン作用電極、印刷カーボン対向電極および銀/塩化銀参照電極、それらはすべて銀電極を有する、を使用し、塩化ナトリウム100mM水溶液をバックグラウンド電解液として含んでいる電気化学セルを使用して測定された。電極は、ポリマー基体(例えば、マイラー)上にインクベースでスクリーン印刷され、熱硬化を行った。実例として、以下のようにサンプルを調製してよい:フェロセニル標識前駆物質(2ng)を、DMSO(1ml)に溶解する。10μLのアリコートを、この溶液から取り出し、バッファー(500μL)中にさらに希釈する。次に、アリコート(20μL)をいスクリーン印刷電極に接触させ、電気化学スキャンを行う。好適なセルの実例となる形態が、WO2012/085591に記載され、図示されている。
実施例1:6-(ビス((1'-アイオドフェロセニル)-1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オールの合成
Figure 2015521616
1'-アイオドフェロセンカルボキシアルデヒド(259mg、0.76mmol)を乾燥THF(7cm3)に溶解し、6-アミノヘキサン-1-オール(44mg、0.38mmol)およびナトリウムトリスアセトキシボロハイドライド(313mg、1.91mmol)で連側的に処理した。該溶液を一晩室温で撹拌した。その後、反応を、NaHCO3(飽和)(10cm3)を添加して急冷した。有機層を分離し、次に、水層をEtOAc(3 x 10cm3)で逆抽出した。有機抽出物を合わせて、MgSO4上で乾燥し、濾過し、次に、減圧濃縮し、オレンジ色のオイルを得た。生成物を、1:1(EtOAc:ヘキサン)+1% NH3OHで溶出して、シリカクロマトグラフィーで精製し、オレンジ色オイルとして所望の生成物123mg, 42%を得た。1H NMR (300 MHz; d6-ベンゼン) δ: 4.28 (4H, t, J 1.8, FcH), 4.14 (4H, t, J 1.5, FcH), 4.11 (4H, t, J 1.5, FcH), 4.06 (4H, t, J 1.8, FcH), 3.60 (2H, t, J 6.6, CH2O), 3.41 (4H, s, FcCH2N), 2.27 (2H, t, J 7.4, NCH2), 1.55-1.23 (8H, m, CH2); 13C NMR (75 Mhz; d6-ベンゼン) δC: 85.2, 75.1, 73.3, 70.9, 69.4, 62.98, 52.02, 51.8, 40.5, 32.7, 27.1, 27.0, 25.5; HRMS (ESI) m/z C28H33NOFe2I2 計算値 765.9428, m/z 実測値 765.9460。
電気化学電位を測定したところ、442 mVであった。
実施例2 :6−(ビス((1’−(4−ニトロフェニル)フェロセニル)1−メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン−1−オールの合成
Figure 2015521616
シュレンク(Schlenk)チューブに、4-ニトロベンゼンボロン酸(39.6 mg、0.23mmol)、トリスジベンジリデンアセトンパラジウム(Pd2(dba)3-1.9 mg、2 mol%)、トリシクロヘキシルホスフィン(1.4 mg、4.8 mol%)を添加した。フラスコをシールし、真空にし、アルゴンで充填した。4回行った。次に、6-(ビス((1'-アイオドフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オール(83 mg, 0.11 mmol)の1,4-ジオキサン(2 cm3)溶液を、該フラスコに添加した。続いて、1.27 M K3PO4 (水) (141 μl, 0.18 mmol)を添加した。次に、フラスコを一晩100℃で加熱した。その後、反応を室温まで冷却し、次に、EtOAc (5 cm3) および H2O (5 cm3)で希釈した。有機層を分離し、次に、水層をEtOAc(3 x 5cm3)で逆抽出した。次に、有機物を合わせてブライン(飽和)(10 cm3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮し、パープル色の固体を得た。生成物を、EtOAc+1% NH3OHで溶出して、シリカクロマトグラフィーで精製し、非晶質固体として所望の生成物11mg, 13%を得た。1H NMR (300 Mhz; d6-ベンゼン) δ: 8.05 (4H, app d, J 8.9, ArH), 7.08 (4H, app t, J 8.9, ArH), 4.39 (4H, t, J 1.8, FcH), 4.24 (4H, t, J 1.8, FcH), 3.96 (4H, t, J 1.8, FcH), 3.88 (4H, t, J 1.8, FcH), 3.52 (2H, t, J 5.8, CH2OH), 3.01 (4H, s, CH2Fc), 2.28 (2H, t, J 6.9, NCH2), 1.50-1.26 (8H, m, CH2)。
電気化学電位を測定したところ、437 mVであった。
実施例3:6−(ビス((1’−(1−フラニル)フェロセニル)1−メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン−1−オールの合成
Figure 2015521616
1'-フラニルフェロセンカルボキシアルデヒド(34 mg, 0.12 mmol)を、THF(1 cm3)に溶解し、6-アミノヘキサン-1-オール(7 mg, 0.06 mmol)およびナトリウムトリスアセトキシボロハイドライド(49 mg, 0.3 mmol)で連続的に処理した。該溶液を一晩室温で撹拌した。その後、反応を、NaHCO3(飽和)(5cm3)を添加して急冷した。有機層を分離し、次に、水層をEtOAc(3 x 5cm3)で逆抽出した。有機抽出物を合わせて、MgSO4上で乾燥し、濾過し、次に、減圧濃縮し、オレンジ色のオイルを得た。生成物を、1:1(EtOAc:ヘキサン)+1% NH3OHで溶出して、シリカクロマトグラフィーで精製し、オレンジ色オイルとして所望の生成物15mg, 39%を得た。1H NMR (300 Mhz; d6-ベンゼン) δ: 7.26 (2H m, ArH), 6.25 (2H, dd, J 6.5, 1.8, ArH), 6.20 (2H, dd, J 6.5, 0.7, ArH), 4.61 (4H, t, J 1.9, FcH), 4.21 (4H, t, J 1.9, FcH), 4.12 (4H, t, J 1.9, FcH), 4.05 (4H, t, J 1.9, FcH), 3.44 (2H, t, J 6.3, CH2OH), 3.35 (4H, s, CH2Fc), 2.40 (2H, t, J 7.2, CH2N), 1.56-1.27 (8H, m, CH2), 13C NMR (75 Mhz; d6-ベンゼン) δC: 154.2, 141.6, 111.9, 104.4, 86.1, 77.8, 72.2, 69.6, 66.5, 63.03, 52.4, 33.5, 27.9, 27.63, 26.3, HRMS (ESI) m/z C36H39Fe2NO3 計算値 668.15264 m/z 実測値 668.1558。
電気化学電位を測定したところ、339 mVであった。
実施例4: 6−(ビス((2−ジ−tert−ブチル−ホスフィニル−フェロセニル)1−メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン−1−オールの合成
6−(ビス((2−ジ−tert−ブチル−ホスフィニル−フェロセニル)1−メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン−1−オールを下記スキームに示したように合成した。
Figure 2015521616
1-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-(ジ-tert-ブチルホスフィニル)-フェロセン(145 mg, 0.3 mmol)のジエチルエーテル(5 cm3)溶液に、メチルアイオダイド(111 μl, 1.7 mmol)を添加した。オレンジ色の溶液を1時間N下室温で撹拌した。次に、形成されたオレンジ色の懸濁液を、減圧濃縮し、明るいオレンジ色の固体を得た。次に、この明るいオレンジ色の固体をアセトニトリル(3 cm3)中に取り出し、そして、6−アミノ-ヘキサン−1−オール(17.5 mg, 0.15 mmol)で処理した。次に、フラスコをシールし、18時間還流温度で加熱した。その後、ダークオレンジ色の溶液を室温まで冷却した。反応を、CH2Cl2 (5 cm3) と NaHCO3 (飽和) (5 cm3)との間で分割し、オレンジ色の層を分離し、そして、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、次に、減圧下濃縮し、ブラウン色のオイルを得た。2% MeOH : CH2Cl2で溶出する塩基性アルミナクロマトグラフィーで精製を行い、オレンジ色のオイルとして所望の生成物を得た(8 mg, 7% 収率)。
1H NMR (250 MHz; d6-ベンゼン) δ 4.63 (2H, app s, FcH), 4.14 (12H, s, FcH), 3.85 (6H, br s, FcH + FcNCH2), 3.55 (2H, app s, OCH2), 2.45 (2H, app s, CH2N), 1.47-0.95 (44H, m, tBu + CH2), 31P NMR (121 MHz; d6-ベンゼン) δP 61.3, HRMS (ESI μTOF) m/z C44H69NO3Fe2P2 計算値 834.3529 m/z 実測値 834.3603。
電気化学電位(DPV)を測定したところ、512 mVであった。
実施例5: 6-(ビス((1’-クロロフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オール
5: 6-(ビス((1’-クロロフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オールを下記スキームに示したように合成した。
Figure 2015521616
1'-クロロフェロセンカルボキシアルデヒド(1.35g, 5.44 mmol)を、THF(50 cm3)に溶解し、6-アミノヘキサン-1-オール(318 mg, 2.72 mmol)およびナトリウムトリスアセトキシボロハイドライド(1.11 g, 6.80 mmol)で連続的に処理した。該溶液を一晩室温で撹拌した。その後、反応を、NaHCO3(飽和)(30cm3)を添加して急冷した。有機層を分離し、次に、水層をEtOAc(3 x 30cm3)で逆抽出した。有機抽出物を合わせて、MgSO4上で乾燥し、濾過し、次に、減圧濃縮し、オレンジ色のオイルを得た。生成物を、1:1(EtOAc:ヘキサン)+1% NH3OHで溶出して、シリカクロマトグラフィーで精製し、オレンジ色オイルとして所望の生成物892 mg, 56%を得た。
1H NMR (300 MHz; d6-ベンゼン) δ 4.18 (4H, t, J 1.6, FcH), 4.14 (4H, t, J 1.8, FcH), 3.98 (4H, t, J 1.6, FcH), 3.65 (4H, t, J 1.8, FcH), 3.65 (4H, s, NCH2, FcCH2N), 3.34 (2H, t, J 6.3, OCH2), 2.41 (2H, t, J 7.0, NCH2), 1.55 - 1.23 (8H, m, CH2), 13C NMR (75 MHz; d6-ベンゼン) δC 93.4, 86.6, 72.9, 70.6, 69.1, 68.1, 67.3, 63.0, 52.8, 33.6, 28.1, 27.7, 26.3, HRMS (ESI μTOF) m/z C28H33NOFe2Cl2 計算値 582.0716 m/z 実測値 582.0722。
電気化学電位(DPV)を測定したところ、452 mVであった。
実施例 6: 6-(ビス((2-シアノ)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オール
Figure 2015521616

6-(ビス((2-ホルミル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オール(1当量)をエタノールに添加し、ヒドロキシルアミンハイドロクロライド(5当量)およびナトリウムアセテート(5当量)で処理する。次に、得られた懸濁液を18時間還流温度で加熱する。その後、反応を室温に冷却し、減圧下濃縮する。次に、固体残渣を、クロロホルムとNaHCO3(飽和)との間で分割する。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥し、減圧下濃縮し、対応するオキシムを得る。次に、該オキシムを、乾燥THF中に取り出し、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP-2当量)で処理し、5分間撹拌する。次に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(2.3当量)を添加する。次に、溶液を90分撹拌する。反応をEtOAcで希釈し、水およびブライン(飽和)で洗浄する。オレンジ色の相をMgSO4上で乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮する。
実施例 7: 6-(ビス((2-tert-ブチル-スルホニルフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オール
Figure 2015521616

2-tert-ブチルスルホニルフェロセンカルボキシアルデヒド(1当量)を乾燥THFに溶解し、6-アミノヘキサン-1-オール(0.5当量)およびナトリウムトリスアセトキシボロハイドライド(2.5当量)で連続的に処理した。該溶液を一晩室温で撹拌する。その後、NaHCO3(飽和)を添加し、反応を急冷する。有機層を分離し、次に、水層をEtOAcで逆抽出する。有機抽出物を合わせて、MgSO4上で乾燥し、濾過し、次に、減圧濃縮する。
実施例8: 6-(ビス((2-tert-ブチル-スルフィジルフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オール
6-(ビス((2-tert-ブチル-スルフィジルフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オールを、下記スキームに示したように合成した。
Figure 2015521616
1-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-(t-ブチルチオ)-フェロセン(1.21g、3.49 mmol)を、無水酢酸(10 cm3)溶解した。次に、ブラウン色の溶液を1時間還流し、この時点で、TLCが、出発物質の完全な消費を示した。該溶液を室温に冷却し、次に、該溶液を元の体積の約90%まで減圧下濃縮した。次に、得られたブラウン色のオイルをEtOAc(25 cm3)中に取り出し、NaHCO3 (飽和)(20 cm3)およびブライン(飽和)(20 cm3)で洗浄した。次に、ブラウン色の溶液をMgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮し、さらに精製の必要のない、オレンジ/ブラウン色オイルとして、所望のアセトキシエステル(1.12g、93%)を得た。
1H NMR (250 MHz, C6D6) δ5.37 (2H, d, J = 1.43 Hz),4.51 (1H, dd, J = 2.6, 1.4), 4.44 (1H, dd, J = 2.6, 1.4), 4.07 (1H, t, J = 2.6),4.07 (5H, s) 1.82 (s, 3H), 1.33 (9H, s)。
水素化アルミニウムリチウム(369 mg、9.71mmol)のEt2O(15 cm3)懸濁液に、0℃で、アセトキシエステル(1.12 g、3.23 mmol)をシリンジを介して滴下した。 添加が完結すると、該スラリーを室温まで暖め、30分撹拌した。その後、フラスコを0℃に冷却し、次に、H2O(369μl)、続いて15%NaOH(水溶液)(369μl)およびH2O(1.1cm3)を順次添加することにより、急冷した。次に、懸濁液を室温まで温め、10分間撹拌し、濾過し、減圧下濃縮し、さらに精製の必要のない、オレンジ色の固体として、所望の生成物を得た(790 mg, 80%)。
1H NMR (250 MHz, C6D6) δ 4.64 (2H, s), 4.41 (1H, dd, J = 2.4, 1.5 Hz), 4.32 (1H, dd, J = 2.4, 1.5 Hz), 4.17 (5H, s), 4.08 (1H, t, J = 2.6 Hz), 1.28 (9H, s)。
1-tert-ブチルスルフィジル-2-ヒドロキシメチルフェロセン(304mg、1 mmol)およびマンガン酸バリウム(1.02 g、4 mmol)を、シュレンクチューブに入れ、該フラスコをシールし、次に、排気し、アルゴンで充満しもどし、それを4回繰り返し、最後にアルゴン雰囲気のままとした。次に、該フラスコに、ベンセ゛ン(15cm)を充填し、該スラリーを一晩室温で撹拌した。該スラリーを、セライトで濾過し、洗浄液がクリアーになるまで、Et2Oで洗浄した。オレンジ色の溶液を減圧下濃縮し、さらに精製の必要のない、レッド色のオイルとして、所望の生成物を得た(239 mg, 79%)。
1H NMR (250 MHz, C6D6) δ 10.69 (1H, s), 5.08 (1H, dd, J = 2.5, 1.3 Hz), 4.47 (1H, dd, J = 2.5, 1.3 Hz), 4.27 (1H, t, J = 2.5 Hz), 4.13 (5H, s), 1.17 (9H, s)。
2-tert-ブチルスルフィジル-フェロセンカルボキシアルデヒド(237 mg、0.78 mmol)を、6-アミノヘキサノール(46 mg、0.39 mmol)が入った丸底フラスコ内に入れ、乾燥THF(5 cm3)に溶解させた。次いで、懸濁液をナトリウムトリスアセトキシボロハイドライド(322mg、1.96 mmol)で処理した。フラスコにコンデンサーを装備し、1晩還流した。その後、該フラスコを室温まで冷却した。反応を、NaHCO3(飽和)(10cm)を加えて急冷した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(3×5 cm3)で逆抽出した。有機物を合わせて、ブライン(飽和)(10cm)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮し、ブラウン色のオイルを得た。50%EtOAc:nHex+ 2%TEAで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、オレンジ色のオイルとして所望の生成物を得た2%(18mg、7%)。
1H NMR (250 MHz, C6D6) ・δ4.52 (2H, app s), 4.19-4.15 (14H, m), 3.91 (4H, s), 3.54 (2H, t, J = 7.3), 2.64 (2H, t, J = 7.3), 1.69-1.43 (26H, m); m/z (ESI μTOF, M+H) C36H52NOS2Fe2 m/z 計算値 690.2143 実測値 690.2158。
電気化学電位(DPV) 369 mV。
実施例9: 6-(ビス((2-tert-ブチル-スルフィニルフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オール
6-(ビス((2-tert-ブチル-スルフィニルフェロセニル)1-メチルフェロセニル)アミノ)ヘキサン-1-オールを、下記スキームに示したように合成した。
Figure 2015521616
3-tert-ブチルスルフィニルフェロセンカルボキシアルデヒド(26.5mg、0.083mmol)を乾燥THF(1 cm3)に溶解させ、6-アミノヘキサン-1-オール(4.8 mg、0.041 mmol)で処理した。ナトリウムトリスアセトキシボロハイドライド(34 mg、0.2ミリモル)を添加する前に、ブラウン色の溶液を10分間撹拌した。次に、ブラウン色の懸濁液を一晩室温で撹拌した。その後、該原料を減圧下濃縮し、ブラウン色の固体を得た。2.5%MeOH:CH2Cl2 + 2%NH3OHで溶出するシリカクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物をイエロー色オイルとして得た(4 mg, 14%)。
1H NMR (250 MHz, C6D6) δ5.12 (2H, app s), 4.92 (2H, app s), 4.39 (14H, m), 4.22 (4H, s), 3.69 (2H, t, J = 7.1 Hz), 2.45 (2H, t, J = 7.1 Hz), 1.50-1.18 (26H, m), m/z (ESI μTOF, M+H) C36H52NO3S2Fe2 m/z 計算値722.2087 実測値 722.2089.m/z; 電気化学電位 (DPV) 532 mV。
実施例10:ホスホルアミダイト官能基を結合するための一般的な合成手順
Figure 2015521616


上記反応スキームにおいて出発物質として示されたフェロセニル誘導体は、例示的なものであり、上記1〜9の実施例で作られた任意の化合物のモル当量で置き換えることができる。
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、8.4mmol)を、窒素雰囲気下でフェロセン誘導体(2.1mmol)の乾燥THF(25mL)溶液に撹拌しながら添加した。2-シアノエチルジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(0.2ml、3.15mmol)を滴下し、得られた混合物を15分間撹拌した。ミリQ濾過水(200mL)を加え、溶液をさらに30分間撹拌した。酢酸エチル-トリエチルアミン(1:1、25mL)を添加し、沈殿物を形成した。混合物を飽和NaCHCO3(25mL)とミリQ濾過水(25mL)で洗浄した。有機画分をMgSO4上で乾燥し、溶媒を減圧下除去した。次に、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(石油エーテル:酢酸エチル 9: 1)。
実施例11−標識のプロテインへの結合
本発明の標識は、例えば、ペプチド中のリジン残基を遊離アミンへ結語させることによってペプチドに結合される。結合は、活性NHSエステルを形成する標識化合物の官能化および該官能化エステルのペプチド遊離アミン基との反応を含む従来の技術で行ってよい。
ビオチン分子を標識、例えば、実施例1〜9で作られたようなどれかの標識に連結する。ビオチン標識は、オートメーション化されたオリゴヌクレオチドシンセサイザーで実施することができるし、また、フェロセニルホスホラミダイト標識をビオチンのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルと反応させる標準的ラボラトリー条件を使用することにより実施することができる。
常磁性トレプタビジン(treptavidin)粒子を、3回洗浄(リン酸緩衝液)し、ビオチン化標識と混合し、続いて、混合しながら室温で1時間インキュベーションする。該粒子を、2回洗浄(リン酸緩衝液)し、1回洗浄(PCR緩衝液)する。それらを、最終緩衝液(PCR緩衝液)に再懸濁する。各洗浄工程に続いて、浮遊物の、電気化学シグナルを検査し、必要により、浮遊物が遊離電気化学標識の表示を示さなくなるまで洗浄を繰り返した。
粒子の磁気キャプチャおよび緩衝液容積の範囲における再懸濁を使用して、これらの粒子を、種々の濃度範囲で分析し、観測された電気化学シグナルが、磁気粒子に連結した標識に帰属できるということを確認する。
下記表5においては、フェロセニル基が未置換の化合物であるN、N-ジフェロセニルメチル-6-アミノヘキサノールの比較値と共に、実施例1ないし5、8および9で作られた化合物の電極電位を一覧表にしている。N、N-ジフェロセニルメチル-6-アミノヘキサノールの合成方法は、WO2012/085591に開示されている。
Figure 2015521616
上記表中のデータは、実施例1ないし5、8および9の化合物が、有用な電気化学活性標識を提供しているということを示している。標識は、所望の範囲の値の範囲内で電気化学シグナルを与えるのに使用できる。それらは、ほぼ同じ電位値を有する他の標識化合物に代わるもう一つの標識として有用になりうる。そのような場合としては、例えば、それらの他の標識化合物が、問題のアッセイにおいて不利な特性を有する場合、例えば、アッセイ中に存在する不純物または他の化合物との不和合性または測定条件との不和合性などなど、測定感度に影響を与えるであろう場合が挙げられる。同様に、または代わりに、それらは、1を超える標識が存在し1つのサンプルにおいて2以上の測定値が得られるマルチプレックスアッセイにおける1以上の他の標識と共に使用してもよい。その環境中で異なる電気化学特性を有する2以上の標識を使用すると、測定対象のそれぞれの種に関連する測定値を効果的に識別できる。

Claims (46)

  1. 一般式Iの化合物の電気化学アッセイにおける標識としての使用:
    Figure 2015521616

    (式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位(proximal)シクロペンタジエニル環上に位置している;
    Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
    Xはスペーサーである;
    Yはスペーサーである;
    Zはスペーサーである;そして、
    Rはリンカー基である。)。
  2. Xは所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレンを表す;Yは所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレンを表す;Zは所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC8アルキレンを表す、請求項1に記載の使用。
  3. Xは-(CH−(式中、xは1または2である);Yは-(CH−(式中、yは1または2である);-(CH−(式中、zは1ないし8である)、請求項1に記載の使用。
  4. FcおよびFc’が同じであり、XおよびYが同じである、請求項1ないし3いずれかに記載の使用。
  5. アッセイが、電気化学標識基質を検知するためのものである、請求項1ないし4いずれかに記載の使用。
  6. アッセイが、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドから、またはアミノ酸、ペプチドおよびプロテインから選択される生物基質を検知するためのものである、請求項1ないし5いずれかに記載の使用。
  7. アッセイが、合成ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドから、または合成アミノ酸、ペプチドおよびプロテインから選択される合成基質を検知するためのものである、請求項1ないし6いずれかに記載の使用。
  8. 一般式Iの化合物:
    Figure 2015521616

    (式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置している;
    Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
    Xはスペーサーである;
    Yはスペーサーである;
    Zはスペーサーである;そして、
    Rはリンカー基である。)
    を官能化化合物と反応させ、一般式IIIの官能化標識化合物:
    A−L−F III
    (式中、Aは、
    Figure 2015521616

    (式中、Fc,Fc’,X,YおよびZは上記と同義;
    Fは官能化部分を表し;
    Lはリンカー部分を表す。)
    を得ること、
    を含む電気化学アッセイに使用するための標識部分を含有する官能化標識化合物の製造方法。
  9. 一般式IIIの化合物:
    A−L−F III
    (式中、A、FおよびLは、請求項8で定義したものと同義)
    を、基質と反応させて、標識基質を形成すること、
    を含む標識基質の製造方法。
  10. 基質が、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、ミクロ粒子およびナノ粒子から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 基質が、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドから、またはアミノ酸、ペプチドおよびプロテインから選択される生物基質である、請求項9または請求項10に記載の方法。
  12. 基質が、合成ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドから、または合成アミノ酸、ペプチドおよびプロテインから選択される合成基質である、請求項9または請求項10に記載の方法。
  13. 請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の方法に使用するための官能化標識化合物であって、該官能化標識化合物が、一般式IIIを有する:
    A−L−F III
    (式中、Aは一般式Iaの標識部分を表す:
    Figure 2015521616

    (式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置している;
    Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
    Xは、所望により−O−、−S−、または−NR−(式中、Rは水素、またはC1ないしC6アルキルを表す)で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレン鎖である;
    Yは、所望により−O−、−S−、または−NR−(式中、Rは水素、またはC1ないしC6アルキルを表す)で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレン鎖である;
    Zは、所望により置換されていてもよい、および/または所望により−O−、−S−、シクロアルキル、−CO−、−CONR−、−NRCO−または−NR−(式中、Rは水素またはC1ないしC4アルキルを表す)により断続されていてもよいC1ないしC12アルキレン鎖である。);
    Lは、リンカー部分を表す;および
    Fは,標識部分が基質へ結合するための該基質と反応するための官能化部分を表す。)。
  14. Fが、天然または合成アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、ミクロ粒子およびナノ粒子から選択される天然または合成基質と反応するための官能化部分を表す、請求項13に記載の官能化標識化合物。
  15. 官能化基Fが、スクシンイミジル(succinimidyl)エステル基、ホスホラミダイト基、マレイミド基、ビオチンおよびアジド基から選択される、請求項13または請求項14に記載の官能化標識化合物。
  16. 官能化部分が、ホスホラミダイトであるか、ホスホラミダイトから由来する、請求項13〜15いずれかに記載の官能化標識化合物。
  17. 電気化学アッセイに使用する標識基質であって、該標識基質が一般式IIIaである該標識基質:
    A−L−F’−[S] IIIa
    (式中、Aは、
    Figure 2015521616

    (式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置している;
    Fc’は、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
    Xはスペーサーである;
    Yはスペーサーである;
    Zはスペーサーである;
    L−F’は、リンキング部分を表す;および
    [S]は、基質を表す。)。
  18. 基質が、生物分子、生物分子の合成類似体、ミクロ粒子およびナノ粒子から選択される、請求項17に記載の標識基質。
  19. 基質が、天然または合成アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ペプチド、プロテイン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、および炭水化物から選択される生物分子または合成類似体である、請求項17または請求項18に記載の標識基質。
  20. 基質が、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドから選択される、請求項17または請求項18に記載の標識基質。
  21. 基質が、合成または天然オリゴヌクレオチドであるか、または、それを含有する、請求項17ないし20いずれかに記載の標識基質。
  22. 基質が、アミノ酸、糖、ペプチド、およびプロテインから選択される、請求項17ないし19いずれかに記載の標識基質。
  23. アッセイキットが、請求項17ないし22いずれかに記載の標識基質を含む、アッセイターゲットの存在を決定するためのアッセイキット。
  24. 一般式Iで表される化合物:
    Figure 2015521616

    (式中、Fcは、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置している;
    Fc’は、スルホニルからなるグループ選択される少なくとも1つの置換基を有し、イオウ含有基、リン含有基、アイオド、クロロ、シリル、2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、ヘテロアリール、置換フェニル、およびシアノから選択される少なくとも1つの環置換基を有する置換フェロセニル部分であり、単独の置換基として存在するとき、該シアノ基は、近位シクロペンタジエニル環上に位置しており、Fcと同じであっても、異なっていてもよい;
    Xはスペーサーである;
    Yはスペーサーである;
    Zはスペーサーである;そして、
    Rはリンカー基である。)。
  25. (a) Xは、所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレンである;
    Yは、所望により酸素で断続されていてもよいC1ないしC6アルキレンである;そして
    Zは、所望により酸素により断続されていてもよいC1ないしC8アルキレンである;
    または、
    (b)Xは、−(CH−(式中、xは1ないし6である。)を表す;そして
    Yは、−(CH−(式中、yは1ないし6である。)を表す;
    いずれかである請求項24に記載の化合物。
  26. Zは、所望により酸素により断続されていてもよいC6ないしC8アルキレンである、請求項24または請求項25に記載の化合物。
  27. 請求項24ないし26いずれかに記載の化合物であって、リンカー基Rが、官能化部分または基質の適合性基と反応し、該化合物を該官能化部分または該基質に結合することができる基を含有する、該化合物。
  28. FcおよびFc’が同じである、請求項1ないし7いずれかに記載の使用、請求項8ないし12いずれかに記載の方法、請求項13ないし16いずれかに記載の官能化標識化合物、請求項17ないし22いずれかに記載の標識基質または請求項24ないし27いずれかに記載の化合物。
  29. FcおよびFc’が同じであり、それぞれが、
    スルフェニル基、スルフィニル基およびスルホニル基から選択されるイオウ含有基、
    ホスファニル基およびホスフィニル基から選択されるリン含有基、
    アイオド、
    クロロ、
    2以上のフッ素原子を含有するフルオロアルキル基、
    ヘテロアリール、および
    置換フェニル
    からなるグループから選択される少なくとも1つの置換基を含有する、請求項1ないし7いずれかに記載の使用、請求項8ないし12いずれかに記載の方法、請求項13ないし16いずれかに記載の官能化標識化合物、請求項17ないし22いずれかに記載の標識基質または請求項24ないし27いずれかに記載の化合物。
  30. FcおよびFc’が同じであり、各FcおよびFc’部分のそれぞれの近位シクロペンタジエニル環上に位置しているシアノ基が置換基として存在する、請求項1ないし7いずれかに記載の使用、請求項8ないし12いずれかに記載の方法、請求項13ないし16いずれかに記載の官能化標識化合物、請求項17ないし22いずれかに記載の標識基質または請求項24ないし27いずれかに記載の化合物。
  31. FcおよびFc’が同じであり、それぞれが、イオウ含有基およびリン含有基から選択される少なくとも1つの環置換基を含有する、請求項1ないし7いずれかに記載の使用、請求項8ないし12いずれかに記載の方法、請求項13ないし16いずれかに記載の官能化標識化合物、請求項17ないし22いずれかに記載の標識基質または請求項24ないし27いずれかに記載の化合物。
  32. 式R15S(O)−(式中、R15は、分岐または直鎖アルキル、ハロアルキル、および置換または未置換アリールから選択される。)の基から選択される少なくとも1つのスルホニル置換基が、イオウ含有基として存在する、請求項31に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  33. 15が、アルキル、例えばC1ないしC4アルキル;またはC1ないしC4ハロアルキル、例えば、C1ないしC4フルオロアルキル、特にトリフルオロメチルを表す、請求項32に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  34. 15が、(R16−Ar−、または(R16−HeAr−(式中、Arはアリールを表す;HeArはヘテロアリールを表す;R16は、ハロ、アルキル、ニトロ、シアノ、ハロアルキルおよびアルコキシから選択される置換基である;そして、aは0ないしアリールまたはヘテロアリール環における最大置換可能環位に等しい数の範囲の整数である。)を表す、請求項32または請求項33に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  35. FcおよびFc’が同じであり、それぞれが、式(R17P(O)−(式中、R17は、独立して、分岐または直鎖アルキル、ハロアルキル、置換または未置換アリール、および置換または未置換ヘテロアリールから選択される。)の基から選択される少なくとも1つの置換基を含有する、請求項31に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  36. 17が、アルキル、例えばC1ないしC4アルキルを表す、請求項35に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  37. 17が、未置換アリールまたは未置換ヘテロアリールを表すか、または(R18−Ar−、または(R18−HeAr−(式中、Arはアリールである;HeArはヘテロアリールである;R18は、ハロ、アルキル、ニトロ、シアノ、ハロアルキルおよびアルコキシから選択される置換基である;そして、bは0ないしアリールまたはヘテロアリール環における最大置換可能環位に等しい数の範囲の整数である。)を表す、請求項35に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  38. Arは、フェニルを表し、そして、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、およびアルコキシ、およびイオウ含有基から選択される1以上の置換基R18(同じであっても異なっていてもよい)を含有する、請求項37に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  39. 17が、分岐C1ないしC4アルキル、例えば、t-ブチルを表す、請求項36に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  40. 各フェロセニル上の置換基として、少なくとも1つの置換フェニル基が存在し、該フェニルが、ハロ、C1ないしC4アルキル、ニトロ、シアノ、C1ないしC4ハロアルキル、C1ないしC4アルコキシおよびイオウ含有基、例えば、スルフィニル、スルフェニルおよびスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基を有する、請求項29に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  41. 各フェロセニル上の置換基として、ハロ、C1ないしC4アルキル、ニトロ、シアノ、C1ないしC4ハロアルキルおよびC1ないしC4アルコキシから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていなくてもよく、または、置換されていてもよい、少なくとも1つのヘテロアリール基が存在する、請求項29に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  42. ヘテロアリール基がフラニルである、請求項41に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  43. 各フェロセニル上の置換基として、少なくとも1つのヨウ素または塩素原子が存在する、請求項29に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  44. FcおよびFc’が同じであり、それぞれが、置換基として、少なくとも1つのシリル置換基、好ましくは、アルキルシリル基、例えばトリメチルシリルから選択されるシリル基を含有する、請求項1ないし7いずれかに記載の使用、請求項8ないし12いずれかに記載の方法、請求項13ないし16いずれかに記載の官能化標識化合物、請求項17ないし22いずれかに記載の標識基質または請求項24ないし27いずれかに記載の化合物。
  45. 各フェロセニル部分が、さらに少なくとも1つのさらなる置換基で置換されている、請求項28ないし44いずれかに記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
  46. 各フェロセニル部分が、さらに、ブロモ、フルオロ、C1ないしC4アルキル、ハロアルキル、およびC1ないしC4アルケニルから選択される少なくとも1つのさらなる置換基で置換されている、請求項45に記載の使用、方法、官能化標識化合物、標識基質または化合物。
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