JP2015519896A - 動物飼料製品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
一態様において、本発明の動物飼料製品は揮発分除去される。更に、種々の態様において、本発明の動物飼料は既に寸法減少され、これにより、ペレット化等の更なる緻密化及び/又は鉄道輸送のための他の調整処理のような取扱い及び輸送を容易にすることが可能になる。種々の態様において、本発明の動物飼料は、所望の栄養量を満足する低い硫黄含量、高いADF量、及び/又は高いデンプン量を有し、更に飼葉の実質的又は完全な代替物とすることを可能にする。更に、幾つかの態様において、動物飼料の製造で穀類は好ましくは使用せず、代わりに葉菜材料を用いる。【選択図】 図1
Description
本発明の幾つかの態様は、概して家畜飼料組成物及びその製造方法に関し、特にバイオマス材料から揮発性有機化合物を生成させることから得られる飼料組成物に関する。
このセクションは、本発明の代表的な態様と関係する可能性がある技術の種々の様相を紹介することを意図する。この議論は、本発明の特定の形態のより良好な理解を容易にするための枠組みを提供することを助けると考えられる。したがって、このセクションはこの観点で読むべきであり、必ずしも従来技術を認めるものではないことを理解すべきである。
反芻動物及び他の家畜の通常の食餌は飼葉である。飼葉には、芝類、豆類、及び他の好適な植物材料が含まれる。これらは、牧草又は細断青草として新鮮な状態;干草として乾燥形態;或いはサイレージとして保存状態;のいずれかで供給される。干草の俵は高価である。更に、干草は、火災、齧歯動物の被害、浮遊塵埃のような塵埃の増加した危険性を有する。生飼葉は、例えば、収穫された芝類、穀物類、豆類、及び他の植物材料から構成される。殆どの場合において、これは1年に数回、生育期中において収穫され、種々の季節の間に動物飼料として用いるために貯蔵される。貯蔵中は、幾つかの活性微生物が飼葉を代謝して、エタノールのような幾つかの揮発性有機化合物、及び有機酸を産生する。このように、飼葉は通常はサイレージ(発酵飼葉)になる。このような動物飼料は環境に対して有害であり、飼葉は、特にサイレージを動物に与える場合のように動物に給餌する間に有害な揮発性有機化合物を大気中に放出する。更に、飼葉の発酵及び酸性化は、畜牛のような餌を摂取する動物に対する飼葉の好ましさ、及びその結果として飼料変換効率に影響を与える。例えば、特に、高いレベルの酪酸は望ましくない。更に、飼葉は緩い材料であるので、単位あたりのその輸送コストは、より密な材料に関する輸送コストよりも高い傾向がある。
飼葉は、通常は、ホールサイレージの得られる粗穀物片を分離し、穀物蒸留産業において用いられる方法によって乾燥することによって、穀物又は穀物混合物のイースト発酵からの蒸留によってエチルアルコールを除去した後に得られる乾燥発酵滓のようなタンパク質を含む飼料製品が添加される。例えば、通常のエタノール製造プロセスにおいては、トウモロコシのようなデンプン含有供給材料を粉砕機に供給して粉砕トウモロコシを生成させる。次に、粉砕トウモロコシをミキサーに送って、ここで水及び酵素を加えて液状のマッシュを生成させ、これを次に発酵容器に送る。所望量の発酵が完了した後、通常は「ビール」と呼ばれる得られた生成物を蒸留ユニットに送り、そこでエタノールに富む(約95重量%のエタノールの)流れを、残りの発酵固形分及び水から分離する。残りの発酵固形分及び水は、一般にホールサイレージとして知られており、これは湿潤発酵滓に加工し、これを乾燥して、乾燥発酵滓(DDG)又は可溶分入り乾燥発酵滓(DDGS)として通常知られている動物飼料を製造することができる。通常のプロセスにおいては、ドラム乾燥機を用いて湿潤発酵滓を乾燥する。乾燥機は、通常は約1000°F〜1200°Fの入口温度を有する高温空気を用いて運転する。高温空気は、約200°F〜225°Fの排気温度を有して乾燥機から排出される前に、約5分間湿潤発酵滓と接触した状態で保持される。これらの条件においては、乾燥固形分中に含まれるタンパク質は変性する。
DDG又はDDGSは、生飼葉のように多くの揮発性有機化合物を大気中に放出しないが、これはタンパク質補助飼料であり、飼葉を完全に置き換えることはできない。DDG又はDDGSの添加割合は、それらの高い脂肪含量及び食餌における他の高脂肪成分の使用のためにしばしば制限される。更に、DDG又はDDGSに関する1つの品質的な懸念は、イオウの高い量である。より高い濃度が懸念の原因である。高いイオウ含量を有する飼料は、これらの飼料を摂取する畜牛に健康上の問題を引き起こす可能性がある。このように、DDG又はDDGSは、飼葉と混合して飼料全体又は乾燥物質中のイオウのレベルを減少させることがしばしば必要である。更に、デンプンは発酵プロセス中にエタノールに転化するので、DDGS中には少量のデンプンしか存在しない。これは、穀物発酵プロセスが、粉砕されたトウモロコシを、昇温温度を用いて且つ酸を加えて予備加熱し、次にデンプンを糖類に転化させる酵素を加えることのような、更なる発酵のためにデンプンを糖類に更に分解させる方法を用いているためである。更に、畜牛などの反芻動物のような特定の動物は、しばしば最小量の繊維(これは通常は酸性デタージェント繊維(ADF)のパーセントによって測定される)が必要である。例えば、乳牛は、バター脂肪の生成を維持するために約21%の総配給ADFレベルが必要であり、一方、他のタイプの畜牛は通常はより高いADF量が必要である。
更に、DDG及びDDGSを生成させる従来のエタノール製造は、穀物、トウモロコシ、及び小麦のような穀類を使用し、これは通常は有益な人間の食糧資源と競合する。この影響は、干ばつ及び洪水のような、毎年収穫される作物の量を減少させて、それによって価格をつり上げる益々より厳しくなっている気象条件によって更に拡大される可能性がある。
したがって、これらの課題に対処する動物飼料、及びかかる動物飼料を製造する方法に対する必要性が増加している。
一態様においては、揮発分除去されていて、約0.4重量%未満のイオウを含む植物材料を含む動物飼料製品が提供される。一態様においては、本動物飼料製品は、少なくとも約20重量%の酸性デタージェント繊維(ADF)を更に含む。他の態様においては、本動物飼料製品は、少なくとも約10重量%のデンプンを更に含む。他の態様においては、本動物飼料製品は、更に約3mm〜約80mmの粒径分布を有する。他の態様においては、植物材料(plant material)は葉菜材料(vegetative material)から実質的に構成される。更に他の態様においては、植物材料は、次のミスカンサス類、スイッチグラス、麻、トロピカルポプラ、柳、ソルガム、サトウキビ、サトウダイコン、任意のエナジーケーン(energy cane)、及びこれらの任意の組み合わせ;から選択される。
他の態様においては、糖類を含む固体バイオマスに、微生物、並びに場合によっては酸及び/又は酵素を含む少なくとも1種類の添加剤を加えることによって調製バイオマス材料を生成させ;調製バイオマス材料を貯蔵施設内において少なくとも約24時間貯蔵して、糖類の少なくとも一部から少なくとも1種類の揮発性有機化合物を生成させ;貯蔵されたバイオマス材料を無溶媒回収システムに供給して、貯蔵されたバイオマス材料を、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む少なくとも1種類の気体成分及び固体成分に分離することによって少なくとも1種類の揮発性有機化合物を捕捉し;そして、固体成分を、動物飼料製品として用いるために無溶媒回収システムから取り出す;ことを含む動物飼料製品の製造方法が提供される。
一態様においては、捕捉工程は、1種類以上の揮発性有機化合物を含む調製バイオマス材料を無溶媒回収システムの区画に導入し;調製バイオマス材料を区画内で、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む過熱蒸気流と接触させて、調製バイオマス材料中の当初の液体内容物の少なくとも一部を気化させ;調製バイオマス材料から、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む気体成分、及び固体成分を分離し;そして、気体成分の少なくとも一部を過熱蒸気流の一部として用いるために保持する;ことを含む。
他の態様においては、本方法は、固体成分を乾燥して湿分を更に除去することを更に含む。他の態様においては、本方法は、固体成分を緻密化して、動物飼料製品の密度を増加させることを更に含む。一態様においては、緻密化は、固体成分をペレット化することを含む。他の態様においては、本方法は、発酵性糖生成作物を、固体バイオマスとして用いるために約3mm〜約80mmの粒径分布を有する破片に切断することを更に含む。
上に記載する特徴に加えて、本発明の幾つかの態様は、植物の貯蔵及び輸送の必要性、短い収穫期間、糖類の迅速な分解、及び機器への大きな投資のような幾つかの課題に対処することによって、エタノール及び他の揮発性有機化合物のような代替燃料、並びに動物飼料のような他の関連する製品を、発酵性糖を含む植物から経済的に製造することを可能にする。本明細書に記載する態様の幾つかの形態は、発酵性糖を含む植物のような任意のバイオマス材料に適用することができる。本発明の態様の幾つかの特徴によって、代替燃料、化学物質、及び他の関連する製品を製造するために種々の植物を経済的に使用することが可能になり、これらはソルガム及び同様の課題を有する他の植物に限定されない。他の方法及びシステムでは、燃料、化学物質、及び他の関連する製品を製造するためにこれらの課題を有する作物を経済的に使用することはできなかったので、本発明においてはかかる課題を有する作物に焦点をあてている。このように、ソルガムに関する具体的な言及は限定を意図するものではなく、本発明の幾つかの態様の1つの特定の用途を示すものである。
本発明の幾つかの態様の他の特徴及び有利性は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明及び具体的な実施例は本発明の好ましい態様を示しているが、発明の精神及び範囲内の種々の変更及び修正はこの詳細な説明から当業者に明らかになるので、これらは例示のみの目的で与えているものである。
図面は、本発明の幾つかの態様の幾つかの特徴を示すものであり、本発明を限定又は規定するために用いてはならない。
本発明の幾つかの態様は、動物飼料製品及びその製造方法に関する。本発明の幾つかの態様は、飼葉及びDDG又はDDGSのような伝統的な飼料に関係する課題に対処した飼葉代替物を提供する。一態様においては、本発明の動物飼料製品は揮発分除去されており、特に飼料を拡げて動物に食べさせるために放置する給餌中において、有害な揮発性有機化合物が大気中に放出されるのを最小にする。本発明の幾つかの態様によれば、飼葉の実質的又は完全な代替物を与えて、それによって飼料として飼葉サイレージを用いることの有害な環境影響を減少させることができる。更に、種々の態様においては、本発明の動物飼料は既に寸法減少されており、これは干草などの伝統的な飼葉よりも密な形態で配され、これによって、ペレット化などの更なる緻密化のような取扱い及び輸送、及び/又は鉄道輸送のための他の調整プロセスを容易にすることが可能になる。これに対して、干草のような伝統的な飼葉は、他方において、その嵩高さ、塵埃、齧歯動物、又は他の危険性のような課題、及び鉄道などによってコスト効率よく輸送するため、或いはより密な材料としてそれを寸法減少して調整することができる前に寸法減少プロセスが必要であるために、コスト高の取扱い及び輸送が必要である。他方において、DDG又はDDGSは、粒径が小さすぎるので、反芻動物のような幾つかの動物による最適な消化のために望ましい食物繊維を与えない。
種々の態様においては、本発明の動物飼料は、所望の栄養量を満足する、低いイオウ含量、ADFの高い量、及び/又はデンプンの高い量を有し、更に飼葉の実質的又は完全な代替物にすることができる。更に、幾つかの態様においては、好ましくは動物飼料の製造において穀類を用いず、その代わりに主として葉菜材料を用いる。これにより、好ましくは食糧源と競合しない幾つかの態様が可能になる。
本明細書において用いる動物飼料製品とは、動物、特に哺乳動物用の食品又はおやつである。特に、本発明の幾つかの態様は、畜牛、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ、及び家禽のような家畜に適している。更に、本発明の幾つかの態様は、長期間貯蔵することができ、経済的に製造することができる動物飼料製品を提供する。
本明細書において用いる「揮発分除去する」という用語、又は「揮発分除去した」及び「揮発分除去」のような関連する用語は、VOC回収プロセスを用いて、1種類以上の揮発性有機化合物(VOC)を材料から除去及び捕捉することを指す。「葉菜」という用語は、少なくとも、大部分は穀類成分を含まない植物材料を指す。ここで種々の態様を参照し、その例を添付の図面において示す。しかしながら、これらの種々の代表的な態様は本開示を限定することは意図しない。
本出願全体にわたって、種々の態様の記載において「含む」の語を用いる可能性があるが、幾つかの特定の場合においては、1つの態様を代わりに「〜から実質的に構成される」又は「〜から構成される」の語句を用いて記載することができると理解される。
本教示の範囲をいかなるようにも限定することなく本教示をより良好に理解する目的で、単数形の使用は他に具体的に示さない限りにおいて複数形を包含することは、当業者に明確であろう。したがって、「a」、「an」、及び「少なくとも1つ」の用語は、本出願においては互換的に用いられる。
好ましい態様においては、本動物飼料製品は、約20%より多く、特に約20%より多くて約50%までの範囲の酸性デタージェント繊維(ADF)のパーセントを有する。一態様においては、ADFの量は、好ましくは約25%〜約45%、より好ましくは約30%〜約35%の範囲である。一態様においては、本動物飼料製品は約2mmより大きい粒径分布を有する。他の態様においては、本動物飼料製品は約3mm〜約80mmの粒径分布を有する。好ましい態様においては、粒径分布は約3mm〜約20mmであり、約3mm〜約13mmの例がより好ましい。下記において更に記載する特定の方法を用いるもののような幾つかの態様においては、粒径は所望のように調節することができ、これは作物の細断長さを調節することによって行うことができる。本発明の幾つかの態様によって製造される動物飼料の粒径分布は、伝統的な飼葉によって与えられるもののような消化を助ける所望の食物繊維を与え、DDG又はDDGSが少なく、一方、伝統的な飼葉に関連する取扱い及び輸送コストを削減する。
一態様においては、本動物飼料製品は揮発分除去されている。他の態様においては、本動物飼料製品は約0.40重量%未満のイオウを含む。特定の態様においては、本動物飼料製品は、約0.35重量%未満、約0.30重量%未満、約0.25重量%未満、約0.20重量%未満、約0.15重量%未満、又は約0.10重量%未満の量のイオウを含む。好ましい態様においては、本動物飼料製品は、約0.05重量%以上、約0.10重量%以下、約0.15重量%以下、約0.20重量%以下、約0.25重量%以下、又は約0.30重量%以下の量のイオウを含む。他の好ましい態様においては、本動物飼料製品は約0.10重量%〜約0.20重量%の量のイオウを含む。
一態様においては、本動物飼料は、少なくとも約10重量%の量のデンプンを含む。他の態様においては、本動物飼料は、約10重量%より多く約50重量%までの量のデンプンを含む。好ましい態様においては、本動物飼料は、約10重量%より多く約35重量%までの量のデンプンを含む。他の好ましい態様においては、本動物飼料は、約15重量%以上、約50重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、又は約25重量%以下の量のデンプンを含む。
一態様においては、請求項1の動物飼料製品は、葉菜材料から実質的に構成される植物材料を含む。更に、動物飼料製品の幾つかの態様には、粉餌及び液体結合剤に加えて更なる成分を含ませることができる。更なる成分としては、膨張剤、増量剤、保存料、香味料、食味剤、加工助剤等のような不活性成分が挙げられるが、これらに限定されない。
特に好ましい態様においては、本動物飼料製品は、バイオマス材料を製造し、及び/又は揮発性有機化合物を、かかる化合物を含む調製バイオマス材料から回収することによって得られる。かかるプロセスの代表的な記載は、2012年5月17日に出願の「エタノール及び他の揮発性有機物質を製造するための新規な方法」と題された米国仮出願61/648109、並びに2013年3月15日出願の「バイオマス材料から揮発性有機化合物を製造する方法」と題された米国仮出願61/786844及び61/786860において見ることができる。3つの出願全部の開示事項はそれらの全部を参照として本明細書中に包含する。
幾つかの態様においては、バイオマスは、少なくとも1種類の添加剤をそれに加えることによる調製バイオマスであり、少なくとも1種類の添加剤は、微生物、並びに場合によっては酸及び/又は酵素を含む。調製バイオマスは、調製バイオマス材料を貯蔵施設において少なくとも約24時間貯蔵して、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を生成させる。幾つかの態様においては、回収方法は、1種類以上の揮発性有機化合物を含むバイオマス材料を無溶媒回収システムの区画に導入し;バイオマス材料を、区画内において、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む過熱蒸気流と接触させて、バイオマス材料中の当初の液体内容物の少なくとも一部を気化させ;加熱されたバイオマス材料から、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む蒸気成分及び固体成分を分離し:そして、気体成分の少なくとも一部を、過熱蒸気流の一部として用いるために保持する;ことを含む。好ましい態様においては、固体成分は本発明の動物飼料製品として働く。
本明細書において用いる「固体バイオマス」又は「バイオマス」という用語は、少なくとも、生体又は最近まで生きていた有機体からの生物学的物質を指す。固体バイオマスとしては、繊維又はバイオ燃料などの他の工業化学物質に転化させることができる植物又は動物物質が挙げられる。固体バイオマスは、ミスカンサス、スイッチグラス、麻、トウモロコシ、トロピカルポプラ、柳、ソルガム、サトウキビ、サトウダイコン、及び任意のエナジーケーン、並びにユーカリからアブラヤシ(パーム油)の範囲の種々の樹種などの数多くのタイプの植物又は樹木由来のものであることができる。一態様においては、固体バイオマスは、少なくとも1種類の発酵性糖生成植物を含む。固体バイオマスは、発酵性糖生成植物などの2以上の異なる植物のタイプを含んでいてよい。本発明の範囲を限定することは意図しない好ましい態様においては、生産性の低い土地におけるその高い収量及び高い糖含量のためにソルガムが選択される。
「発酵性糖」という用語は、微生物によって炭素源(例えばペントース及びヘキソース)として用いられて、嫌気性及び/又は好気性条件下でアルコール、有機酸、エステル、及びアルデヒドのような有機生成物を生成することができるオリゴ糖及び単糖を指す。かかる有機生成物の生成は一般に発酵と呼ぶことができる。この少なくとも1種類の発酵性糖生成植物は、その成長サイクル中の1つの時点において、植物材料の水相中に溶解している発酵性糖を含む。発酵性糖生成植物の非限定的な例としては、ソルガム、サトウキビ、サトウダイコン、及びエナジーケーンが挙げられる。特に、サトウキビ、エナジーケーン、及びソルガムは、通常、水相中に約5%〜約25%(w/w)の可溶性糖を含み、それらがそれらの最大可能発酵性糖生成(例えば最大発酵性糖濃度)の付近か又はそのレベルにある場合に湿潤基準で約60%〜約80%の間の湿分含量を有する。
デンプンの大部分を発酵のために発酵性糖に転化させる幾つかの条件下において酵素を加える、DDG又はDDGSも生成させる従来のエタノール生成プロセスとは異なり、調製バイオマス中のデンプンの相当量は発酵性糖を生成して消失するということはない。したがって、発酵の前にバイオマス中に含まれるデンプンの当初の量の大部分は、発酵及び/又はそれに続く貯蔵期間の間に保持される。
「湿潤基準」という用語は、少なくとも、物質の一部として水を含む質量%を指す。好ましい態様においては、糖生成植物はソルガムである。炭水化物の揮発性有機化合物(VOC)への微生物変換を与えるソルガム属の任意の種又は亜種を用いることができる。ソルガムを用いる態様に関しては、植物は、水効率性、並びに干ばつ及び暑さに対する耐性などの幾つかの利益を与える。これらの特性によって、作物が、中国、アフリカ、オーストラリア、並びに米国、例えばハイプレーンズの幾つかの部分、西部、及び南テキサス全域のような地球の各地の種々の地域などの多くの場所に適するようになる。
ソルガムを用いる態様においては、ソルガムとしては、高い濃度の発酵性糖を有して収穫することができる任意の亜種又は複数の亜種の組み合わせを挙げることができる。好ましい特性を有するソルガムの幾つかの亜種は、時には「サトウモロコシ(sweet sorghum)」と呼ばれる。ソルガムとしては、サトウキビ粉砕操作における搾汁プロセスをサポートするのに十分な湿分を含んでいてもよく、又は含んでいなくてもよい亜種を挙げることができる。好ましい態様においては、固体バイオマスとしては、Advantaによって商業的に生産されているSugar Tソルガム亜種、及び/又はこれもAdvantaの商業的に入手できる製品であるSugar Tの雄親が挙げられる。好ましい態様においては、用いる作物は、約5〜約25ブリックス、好ましくは約10〜約20ブリックス、より好ましくは約12〜約18ブリックスを有する。ここで用いる「ブリックス」という用語は、少なくとも、水溶液中のグルコース、フルクトース、及びスクロースの含量を指し、1ブリックス度は、100gの溶液中の1gのグルコース、フルクトース、及び/又はスクロースであり、溶液の濃度を重量%(%w/w)として表す。他の好ましい態様においては、用いる作物の湿分含量は、約50%〜80%、好ましくは少なくとも60%である。
一態様においては、作物は、約18のブリックス値及び約67%の湿分含量を有するSugar Tの雄親である。他の態様においては、作物は、約12のブリックス値及び約73%の湿分含量を有するSugar Tである。これらの特定の態様において、ブリックス及び湿分含量は携帯型屈折計によって測定した。
当初のデンプン内容物の大部分は、発酵並びに貯蔵及びVOC回収のような引き続くプロセスの間において維持されるので、作物のタイプ及び/又は種は、約10重量%より多く約50重量%まで、例えば約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、又は約45重量%のような所望のデンプン含量を与えるように選択することができる。
少なくとも1種類の添加剤(微生物、場合によっては酸及び/又は酵素)を固体バイオマスに加えた後は、これは調製バイオマス材料になり、ここでは少なくとも1種類の添加剤によって発酵性糖のVOC(例えばエタノール)への転化が促進される。上述したように、及び下記において更に記載するように、調製バイオマス材料は、一定時間貯蔵してより多くのVOCを転化プロセスによって生成させるようにすることができる。次に、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を調製バイオマス材料から回収する。揮発性有機化合物は当業者に公知である。米国EPAは揮発性有機化合物(VOC)の説明を与えており、その1つは、一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸、金属炭化物又は炭酸塩、並びに炭酸アンモニウムを除く炭素の任意の化合物であり、これは大気光化学反応に関与し、但しEPAによって無視しうる光化学反応性を有するものとして指定されているものを除く(http://www.epa.gov/iaq/voc2/html#definitionを参照)。揮発性有機化合物又はVOCの他の説明は、その組成のために温度及び圧力の標準室内環境条件下でそれらを蒸発させることができる任意の有機化合物である。これは、科学文献において用いられているVOCの一般的な定義であり、屋内空気品質に関して用いられる定義と合致する。温度及び圧力の標準屋内環境条件とは、人間が使用する建物において通常見られる範囲の条件を指し、したがって建物のタイプ及びその地理的な場所によって変化する可能性がある。1つの代表的な標準屋内環境条件は、国際純正応用化学連合(IUPAC)及び米国標準技術局(NIST)によって規定されている。IUPACの標準は、0℃(273.15K,32°F)の温度及び100kPa(14.504psi)の絶対圧であり、NISTの規定は、20℃(293.15K、68°F)の温度及び101.325kPa(14.696psi)の絶対圧である。
化合物の揮発性は一般にその沸点がより低いとより高いので、有機化合物の揮発性は時にはそれらの沸点によって規定及び分類される。したがって、VOCはその沸点によって説明することができる。VOCは、約101.3kPaの標準大気圧において測定して約50℃〜260℃の沸点範囲を有する任意の有機化合物である。本発明の幾つかの態様から回収されるVOCから回収及び/又は更に処理することができる多くの揮発性有機化合物は、香料及び香味料産業における用途を有する。かかる化合物の例は、エステル、ケトン、アルコール、アルデヒド、炭化水素、及びテルペンであってよい。下表1に、調製バイオマス材料から回収されるVOCから回収及び/又は更に処理することができる揮発性有機化合物の非限定的な例を更に与える。
エタノールが好ましい揮発性有機化合物である。このように、多くの例においてエタノールを具体的に言及している。しかしながら、この具体的な言及は本発明を限定することは意図しない。本発明の幾つかの形態は他の揮発性有機化合物にも等しく適用されることを理解すべきである。他の好ましい揮発性有機化合物は酢酸である。
本発明の幾つかの形態は、好ましいバイオマス材料中に含まれる揮発性有機化合物に有意に劣化することのない固体のバイオマス材料の長期間貯蔵を与え、これらはVOCを継続的に生成させることを可能にする糖保存を与える。この文脈において用いる「有意に」とは、少なくとも、調製バイオマス材料中の揮発性有機化合物の量又は濃度を測定した際の誤差範囲内を指す。一態様においては、誤差範囲は約0.5%である。
したがって、本発明の幾つかの態様によって、収穫期の長さに依存することなくVOCを連続的に生成させ、それによって伝統的なジャストインタイムの収穫及び回収プロセスにおける回収プラントの休止時間を排除又は最小にすることが可能である。このように、本発明の幾つかの態様によって、ピーク期よりも僅かに早い収穫及び僅かに遅い収穫のような収穫季節を長くするために通常行われる妥協を行うことなくそのピークで作物を収穫することが可能である。即ち、本発明の幾つかの態様によって、選択される作物が、揮発性有機化合物に転化させることができるその発酵性糖のピーク糖濃度又は量に到達した時点などにおいて、より短い収穫期間をもたらす場合であっても、高い圃場収量及び高い糖濃度で収穫することが可能である。一態様においては、固体バイオマスは、それがその可能な最大発酵性糖濃度の約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%である時点で収穫又は調製する。このように、本発明の幾つかの態様、特に回収段階は、固体バイオマス及びその中に含まれるVOCの損傷の恐れからの時間的制約なしに一年中連続して運転することができる。本発明の幾つかの態様によって、その最大糖生成可能性付近又はそのレベルで固体バイオマスを収穫することが可能であるが、固体バイオマス材料は、それが好適な量の糖を含むとみなされる任意の時点で収穫することができる。更に、収穫期間は、作物のタイプ及び地理的場所によって変化する。例えば、北米におけるソルガムに関する収穫時期は約1〜7か月の範囲であってよい。しかしながら、ブラジル及び他の赤道直下及び赤道付近の地域においては、収穫時期は最大で12か月までであってよい。
また、連続的に一年中運転する能力によって、動物飼料製品の幾つかの態様の連続的な一年中の製造も可能であり、これは法外に高い取扱いコスト及び一定の距離を超える輸送コストのために伝統的な飼葉が被る地理的制約なしに他の場所に輸送することができる。
固体バイオマスとして植物を用いる態様においては、当業者に公知の任意の好適な手段を用いて、固体バイオマスを圃場から回収又は収穫することができる。一態様においては、固体バイオマスは、植物の茎部分及び葉部分のような葉菜材料を含む。他の態様においては、固体バイオマスは穀物成分を更に含む。他の態様においては、固体バイオマスは葉菜材料から実質的に構成される。好ましい態様においては、固体バイオマスはフォレージハーベスター又はサイレージハーベスター(飼葉又はサイレージ細断機)を用いて収穫する。サイレージハーベスター又はフォレージハーベスターとは、小片に細断した芝類、トウモロコシ、又は他の植物であり、貯蔵サイロ、サイレージバンカー、又はサイレージバッグ内に一緒に圧縮されているサイレージを製造するために用いる農機具を指す。サイレージハーベスター又はフォレージハーベスターは、材料を細断して細断された材料を収穫機又は並走する他の車両のいずれかに接続されている容器中に移す、それに固定されている複数のナイフを有するドラム(カッターヘッド)又はフライホイールのいずれかのような切断機構を有する。フォレージハーベスターは、サトウキビハーベスター又は乾燥梱包システムを超える有利性を与えるので好ましい。例えば、フォレージハーベスターは、サトウキビハーベスターよりも高い密度の材料を与え、それによって収穫した材料のより効率的な輸送を可能にする。一態様においては、フォレージハーベスターを用いることによって、約300kg/m3の密度を有するサトウキビハーベスターによって収穫されるサトウキビ、及び約200kg/m3の密度を有するサトウキビハーベスターによって収穫されるソルガムと比較して、約400kg/m3の嵩密度を有する収穫されたソルガムを与える。一般に、より高い嵩密度の材料は、輸送がより安価である。輸送は、キビ類作物の収穫を行うことができる地理的範囲を制限する傾向がある。
而して、フォレージハーベスターは、ソルガムのような選択されるバイオマスを収穫するための、ケーンハーベスター又は乾燥梱包システムよりも全体として安価な手段である。理論には縛られないが、コスト削減は、部分的に、より大きい材料の処理量、及びフォレージハーベスターによって収穫される固体バイオマスのより高い嵩密度によるものであると考えられる。固体バイオマスは任意の長さで切断することができる。一態様においては、収穫機の細断長さは、約3mm〜約80mm、好ましくは約3mm〜約20mmの範囲に設定することができ、約3mm〜約13mmの細断長さの例が最も好ましい。これらの好ましい細断長さにおいては、フォレージハーベスターにおいて観察される水性排出物はなく、したがって損失は最小であった。細断長さを選択すると、収穫機によって、選択された細断長さの周辺の平均寸法又は長さ分布を有するバイオマスが与えられる。一態様においては、回収システムから排出される固体成分の平均寸法分布を所望のように調節することができ、これは収穫機の細断長さを調節することによって行うことができる。
少なくとも1種類の添加剤を固体バイオマスに加えて、適当な炭水化物の揮発性有機化合物への転化を助長及び/又は促進させる。選択された1種類又は複数の添加剤を加えた後は、固体バイオマスは調製バイオマス材料と呼ぶことができる。一態様においては、調製バイオマス材料は、上記に示した発酵性糖生成植物の少なくとも1つ又は任意の組み合わせを含んでいてよい。好ましい態様においては、選択された1種類又は複数の添加剤は、収穫中に収穫機を用いて簡便に加えることができる。
一態様においては、ソルガムに関して北米において約1〜7か月のような特定の地域の生育条件に基づく特定の収穫時期で、少なくとも約700トン、好ましくは少なくとも約100万トン、例えば少なくとも120万トン、又はより好ましくは少なくとも約500万トンの調製バイオマス材料が生成される。
少なくとも1種類の添加剤は、収穫プロセス中及び/又はその後の任意の時点で加えることができる。フォレージハーベスターを用いる好ましい態様においては、添加剤は調製バイオマス材料を生成させる収穫プロセス中に固体バイオマスに加える。特に、フォレージハーベスターは、固体及び液体添加剤の両方を収穫中に効率的に加えるように設計されている。上述したように、加える添加剤としては、少なくとも微生物(例えばイースト)、並びに場合によっては酸及び/又は酵素が挙げられる。好ましい態様においては、1種類又は複数の選択された添加剤は溶液として加える。可能な添加剤の更なる詳細を下記において更に与える。
フォレージハーベスター又は同様の機器を用いる態様に関しては、選択された1種類又は複数の添加剤は、収穫中において、全ての段階、例えば取り込み供給ローラーの前、取り込み中、細断中、細断後、ブロワーを通して、ブロワーの後、加速器内、ブーム(又は吐出口)内、及び/又はブームの後に加えることができる。酸及び酵素を加える一態様においては、酸は取り込み供給ローラーの付近で加え、微生物及び酵素はブーム内で加える。特定の態様においては、幅約30フィートの穂刈機を備えたV12原動機を有するKrone Big Xフォレージハーベスターを用いる。Kroneシステムを用いる態様においては、酸は、可撓管を通して溶液として加え、供給ローラーの真向かいにおいて溶液を排出する。このように、液体流を視認監視することができ、これによって、酸溶液と固体バイオマスが細断室の内部で速やかに混合されていることが示された。他の態様においては、酸を加えることはまた、Case New Holland FX58フォレージハーベスターを用いて実行可能な実施として示された。幾つかの態様においては、用いるフォレージハーベスターには、添加剤を収容して選択された少なくとも1つを収穫中に加えるための搭載ラックを含ませることができる。他の態様においては、収穫中に加える選択された1種類又は複数の添加剤は、トレーラー上で収穫機の後ろに牽引することができる。例えば一態様においては、イースト、酵素、及び酸の添加剤溶液を含むタンクを備えた改造ユーティリティートレーラーを、収穫機の通常の運転で最小の障害で用いることができ、それによって収穫プロセスの所期のコスト及び継続時間を実質的に維持することができることが示された。例えば、約4マイル/時で走行するサイレージハーベスターを用いる通常の収穫構成及びバイオマス収量は、一態様において上に記載した幾つかの添加剤を装備した際に、約4マイル/時の同等の回収速度を維持する。
本発明の幾つかの態様においては、調製バイオマス材料は最終的に貯蔵施設に輸送して、そこで固体バイオマスの発酵性糖の少なくとも一部から少なくとも1種類の揮発性有機化合物を生成させるのを可能にする時間貯蔵する。貯蔵段階の詳細を下記において更に与える。幾つかの態様においては、1種類又は複数の選択された添加剤を貯蔵施設において加えることもできる。例えば一態様においては、1種類又は複数の選択された添加剤は、積下ろし中、又は固体バイオマスを貯蔵施設において積下ろした後に加えることができる。一態様においては、輸送システムを用いて、貯蔵施設において選択された1種類又は複数の添加剤を加えることを助ける。貯蔵施設において固体バイオマスに加える1種類又は複数の添加剤は、加えられていない1種類又は複数のもの、或いは先に加えられた1種類又は複数のものの追加の量であってよい。したがって、選択された1種類又は複数の添加剤は、収穫プロセスの開始時から、貯蔵区域又は施設において調製バイオマス材料を貯蔵する前まで、例えば材料を移す任意の点で加えることができる。
上述したように、本発明の幾つかの態様に関する1種類又は複数の添加剤は、少なくとも微生物、並びに場合によっては酸及び/又は酵素を含む。選択された1種類又は複数の添加剤は、任意の順番で固体バイオマスに加えることができる。好ましい態様においては、酸は、微生物を加える前に固体バイオマスに加えて材料を調整して、微生物に関して好ましい成長環境を与える。
好ましい態様においては、選択された生来の微生物又は加えた微生物の成長を助長又は促進して、エタノール及び/又は揮発性有機化合物の生成を増加させる範囲まで固体バイオマスのpHを低下させるために、酸を加える。酸はまた、その後のVOC生成のための発酵性糖を消費する植物呼吸を停止又は遅延させることもできる。一態様においては、酸は、固体バイオマスのpHが約2.5〜約5.0の間、好ましくは約3.7〜約4.3の範囲、より好ましくは約4.2になるまで加える。用いる酸としては、硫酸、ギ酸、又はリン酸のような公知の酸を挙げることができる。下表2は、個々か又は組み合わせて用いることができる酸の非限定的な例を与える。
好ましい態様においては、酸を加えることによって固体バイオマスが所望のpHに達した後、微生物を加える。添加剤の関連における微生物とは、少なくとも、調製バイオマス材料に影響を与えるか又は作用することができる固体バイオマスに加える生命有機体を指す。加える1種類又は複数の微生物からの1つの代表的な影響又は効果としては、セルロース材料などの種々の供給源からの発酵性糖をエタノール又は他の揮発性有機化合物に転化させる発酵又は他の代謝を与えることが挙げられる。他の代表的な影響又は効果は、調製バイオマス材料中のセルロースを、エタノール又は他のVOCに代謝することができる発酵性糖に分解するのを助ける特定の1種類又は複数の酵素の産生であってよい。微生物によって与えられる更に他の代表的な影響又は効果としては、本明細書に記載する飼料製品の幾つかの態様の品質及びしたがってその価値を向上させることができる、ビタミン、補因子、及びタンパク質のような化合物の産生が挙げられる。更に、微生物活性によって飼料堆積物に熱が与えられる。微生物の細胞壁の一部又は他の異化生成物又は同化生成物も、回収ユニットによって回収することができる付加価値化学物質を与えることができる。これらの影響及び効果はまた、固体バイオマスが生来有する微生物によって与えられる可能性もある。
調製バイオマス材料に影響を与えるか又は作用することができる任意の微生物を加えることができる。好ましい態様においては、1種類又は複数の微生物としては、サイレージ、動物飼料、ワイン、及び工業用エタノール発酵用途において用いられている微生物を挙げることができる。一態様においては、選択される微生物としては、生成する有機分子の用途及び所望のプロファイルにしたがって、イースト、菌類、及びバクテリアが挙げられる。好ましい態様においては、イーストが選択される微生物である。他の態様においては、バクテリアを加えて乳酸又は酢酸を産生させることができる。また、特定の菌類を加えてこれらの酸を産生させることもできる。例えば、Acetobacterium acettiを加えて酢酸を産生させることができ;Lactobacillus、Streptococcus thermophilusを加えて乳酸を産生させることができ;Actinobacillus succinogenes、Mannheimia succiniciproducens、及び/又はAnaerobiospirillum succiniciproducensを加えてコハク酸を産生させることができ;Clostridium acetobutylicumを加えてアセトン及びブタノールを産生させることができ;及び/又はAerobacter aerogenesを加えてブタンジオールを産生させることができる。
下表3は、個々か又は組み合わせて用いることができる好ましい微生物の非限定的な例を与える。
好ましい微生物としてはまた、高いエタノール濃度に耐えることができ、そのそれぞれの微生物群において強力な競合物質であるSaccharomyces cerevisiae株も挙げられる。微生物は中温菌又は高温菌であってよい。高温菌は、約45℃より高い温度において最も良く成長し、生命体の3つのドメイン:バクテリア、古細菌、及び真核生物の全部において見られる生命体である。中温菌は、一般に約20℃〜45℃の間で活性である。Saccharomyces cerevisiaeの株を用いる態様においては、この株はLesaffreからのBiosaf、PhibroからのEthanol Red、及びLallamand活性化液体イーストのような商業的に入手できる供給源から由来するものであってよい。微生物を商業的供給源から得る場合には、微生物は供給会社の推奨割合にしたがって加えることができ、これは通常は湿潤トンあたりの予測される糖含量に基づいており、湿潤トンでは質量計算において水を含ませる。「湿潤トン」という用語は、少なくとも、水を含む質量単位を指す。推奨量は反応条件にしたがって調節することができる。加える微生物には、特定の微生物の1つの株又は複数の株を含ませることができる。一態様においては、微生物は、固体バイオマス1湿潤トンあたり500mL以下の割合で加える。商業的に入手できるイーストを用いる特定の態様においては、固体バイオマス1湿潤トンあたり約300mLのLallamandイースト製剤を加える。他の態様においては、更なるイースト株を加えることができる。例えば、Ethanol Redを、約0.001kg/湿潤トン〜約0.5kg/湿潤トンの間、特に約0.1kg/湿潤トンの割合で加えることができる。更に他の態様においては、他のイースト株、例えばBiosafを、約0.001kg/湿潤トン〜約0.5kg/湿潤トンの間、特に約0.1kg/湿潤トンの割合で加えることができる。他の量の任意のイースト株を加えることができると理解される。例えば、微生物の与えられる量の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約1.5倍、約2倍、約2.5倍、又は約3倍を加えることができる。
幾つかの態様においては、酵素を更に加える。酵素は、異なるセルロース材料のような微生物が代謝するのがより困難な植物材料から発酵性糖を産生させるのを助け、及び/又は飼料をより消化可能にすることなどによって本明細書に記載する動物飼料製品の幾つかの態様の価値を向上させるものであってよい。酵素はまた、下記において更に議論するリゾチームのような抗生物質であってもよい。加える酵素には、1つのタイプの酵素又は多くのタイプの酵素を含ませることができる。酵素は、商業的に入手できる酵素製剤から得ることができる。幾つかの代謝するのが困難な植物材料を発酵性糖に転化させるのを助ける酵素の非限定的な例としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、及び/又はプロテアーゼが挙げられる。また、更なる例としては、供給材料からの発酵性糖の産生を与えるか又はそれを助けるか、或いは本明細書に記載する飼料製品の幾つかの態様の価値を向上させる他の酵素も挙げられる。
幾つかの態様においては、幾つかの代謝するのが困難な植物材料を発酵性糖に転化させるのを助ける酵素は、植物それ自体によって、例えば植物内で産生する可能性がある。セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、及び他の植物高分子分解酵素を成長している植物の内部で産生することができる植物の例は、特許公開及び特許:WO2011057159、WO2007100897、WO9811235、及びUS6818803(これらは、植物の細胞壁を解重合する酵素を植物内で産生させることができることを示している)に記載されている。他の態様においては、エンシレージを用いて植物産生酵素を活性化し、並びにバイオマスを更なる処理のために調整することができる。1つの例は特許公開WO201096510に記載されている。用いる場合には、かかるトランスジェニック植物を任意の量で収穫中に含ませることができる。例えば、幾つかの態様においては、供給材料として特定のトランスジェニック植物を排他的に用いるか、或いはトランスジェニック植物を同様の作物又は異なる作物内に散在させるように導入することによって植物内で産生させた植物内酵素を用いることができる。
かかる植物高分子分解酵素を含める幾つかの態様においては、植物のセルロース部分からエタノールを産生させることができる。特定の態様においては、Novazymes CTEC2酵素を、推奨量を超えて、推奨量よりも約100倍多くソルガム貯蔵システムに加えると、当初の遊離糖含量に基づく理論エタノール転化効率の約152%が達成された。かかる量の酵素は商業的に入手できる配合物を用いて加えることができるが、そのようにすることはコスト高である可能性がある。他方において、かかる量の酵素は、これらの酵素を少なくともバイオマス作物の中に散在させて産生するトランスジェニック植物を成長させることによって、よりコスト効率よく得ることができる。
セルロースからのエタノール生成は、貯蔵段階中において、例えばサイレージにおいて起こり、約102日間の貯蔵の間安定であり、この後に実験を停止した。これは、この特定の実験の条件下においては、過剰の酵素活性によって、発酵性糖を用いてセルロースから少なくとも約52%のエタノールが生成されることを示す。理論に縛られることは意図しないが、幾つかの態様に関しては、実験において収穫中に酸を素早く加えると、pHを低下させて、これによって酵素活性を潜在的に誘発させることができ、これは植物が未だ成長している間に生起させると植物に損傷を与える可能性がある。
好ましい態様においては、酵素を加える場合には、酵素は任意の種類のセルラーゼ製剤であってよい。一態様においては、用いるセルロース製剤はNovozymes Cellic CTec 2又はCTec 3である。他の態様においては、線維分解酵素製剤、特にLiquicell 2500を用いる。用いる場合には、植物高分子を分解するために加える酵素の量は、推奨量のような植物材料の発酵性糖への所望の転化を達成する任意の量であってよい。特定の態様においては、バイオマス1湿潤トンあたり約80,000FPU〜約90,000,000FPU、好ましくは約400,000FPU〜約45,000,000FPU、より好ましくは約800,000FPU〜約10,000,000FPUの酵素を加える。「FPU」という用語は濾紙単位を指し、これは少なくとも、50℃、pH約4.8において、Whatman No.1濾紙の50mgの片から1時間で2mgの還元糖(例えばグルコース)を解離させるのに必要な酵素の量を指す。
幾つかの他の態様においては、加える選択される1種類又は複数の添加剤には、バクテリアの成長を遅延又は制御することができる他の物質を含ませることができる。これらの他の物質の非限定的な例としては、Lysovin(リゾチーム)及びLactrol(登録商標)(ヴァージニアマイシン、バクテリア抑制剤)のような抗生物質(抗生性酵素を含む)が挙げられる。バクテリア成長を制御することによって、適当な微生物によって揮発性有機化合物の産生を促進又は提供することが可能である。抗生物質は、生命体を抑制又は死滅させるものに関する一般的な用語である。抗生物質の例はバクテリア抑制剤である。一態様においては、バクテリアに影響を与え、他の微生物には影響を与えないことを意図する選択的抗生物質を用いる。選択的抗生物質の1つの例はLactrolであり、これはバクテリアに影響を与えるが、イーストには影響を与えない。
特定の態様においては、用いる場合にはLactrolは、調製バイオマス材料の水相中に溶解させて約1〜20ppm−w/v(液体の体積あたりのLactrolの重量)、例えば約5ppm−w/vの割合で加えることができる。バクテリア成長を制御するために酵素を用いる態様においては、リゾチームが好ましく用いられる。リゾチームは商業的な供給源から得ることができる。代表的な商業的に入手できるリゾチーム製剤はLysovinであり、これはワインのような食品中で用いることが許容されることが宣言されている酵素リゾチームの製剤である。
酵素及び/又は他の抗生材料は、用いる場合には、独立してか、又は互いと及び/又は微生物と組み合わせて加えることができる。幾つかの態様においては、微生物への栄養として機能して揮発性有機化合物の産生を促進及び/又は提供する他の化合物を、添加剤として加えることもできる。下表4は、固体バイオマスに加えることができる抗生物質などの他の物質の非限定的な例を与える。
小さい凝集体又はバイオフィルムとして個々に固体に付着するイースト及び他の微生物は、抑制性化合物に対する増加した耐性を有することが示されている。理論に縛られることは意図しないが、かかる微生物−固体の結合によって長期間醗酵が一部可能であるか又は増大する可能性がある。このように、微生物結合に最適化した微生物及び微生物に結合することができる添加剤を含む調製バイオマス材料は、より大きな程度の発酵及び/又は発酵効率を経験することができる。長期間発酵を与えるか及び/又は促進する物質は、発酵速度を増加させる物質とは異なる。幾つかの態様においては、発酵速度の増加は、特に数週間又は数ヶ月の期間にわたる長期間発酵ほどは重要なファクターではない。
以下に、1つの特定の態様に適用される添加剤の特定の量を与える。用いる場合には、酸を加える割合及び量は、その特定の酸を加える特定の固体バイオマスにおける緩衝能力によって変動する。硫酸を用いる特定の態様においては、9.3%w/wの硫酸を、1湿潤トンのバイオマスあたり約10リットル以下、例えば1湿潤トンのバイオマスあたり約3.8リットルの割合で加えて、約4.2のpHを達成する。他の態様においては、この割合は、酸、液体、及び他の内容物の濃度及びタイプ、並びに特定の固体バイオマスの緩衝能力、及び/又は所望のpHによって変動する。この特定の態様においては、Lactrolを、固体バイオマス1湿潤トンあたり約3.2gの割合で加える。イースト又は他の微生物は、供給者からの推奨割合にしたがい、1湿潤トンあたりに予測される糖含量などにしたがって加える。1つの特定の態様においては、Lallemand安定化液体イーストを1湿潤トンあたり約18液量オンスで加え、Novozymes Cellic CTec2を1湿潤トンあたり約20液量オンスで加える。
好ましい態様においては、1種類又は複数の選択された添加剤は、上に記載の本発明の幾つかの形態にしたがって収穫中に固体バイオマス流に加えて、調製バイオマス材料を生成させる。好ましくは、調製バイオマス材料は貯蔵施設に輸送して、調製バイオマス材料の炭水化物の所望量の揮発性有機化合物への転化を可能にし、及び/又は揮発性有機化合物が回収されるのを待つ。車両、列車等のような任意の好適な輸送方法及び/又は機器、並びに調製バイオマス材料を輸送手段上に配置する任意の好適な方法を用いることができる。バイオマス材料を輸送するのに用いることができる車両の非限定的な例としては、後部積下ろしダンプトラック、側部積下ろしダンプトラック、及び自動積下ろしサイレージトラックが挙げられる。好ましい態様においては、サイレージトラックを用いる。バイオマスを回収するためにフォレージハーベスターを用いる態様においては、嵩密度はフォレージハーベスターを用いて切断した固体バイオマスにおいてより高いので、かかる固体バイオマスの輸送は、サトウキビビレットのような従来の手段によって回収される材料の輸送よりも効率的である。即ち、より小さい片に細断した材料は、ビレット中の材料よりもより密に充填される。一態様においては、サイレージトラック中の嵩密度の範囲は、約150kg/m3〜約350kg/m3の間で変動し、例えば約256kg/m3である。幾つかの態様においては全ての選択される添加剤は収穫中に、好ましくは収穫機上で加えられるので、微生物は輸送中にバイオマスと相互作用し始める可能性があり、このように、輸送は全プロセスに対して不利益ではない。
バイオマスは、調製していても又はしていなくても、少なくとも1つの貯蔵区域又は施設に送る。貯蔵施設は、収穫場所から任意の距離に配置することができる。選択される1種類又は複数の添加剤を、それらが既に加えられていない場合か、又は調製バイオマス材料を生成させるために更なる量又はタイプを更に加える必要がある場合に加えることができる。好ましい態様においては、調製バイオマスは、調製表面上において少なくとも1つの堆積物中に所定時間貯蔵される。施設に人工又は天然の地形を含ませることができる。人工構造体には、水路及び水処理池のような、当初はサイレージ用に設計されていない場所における既存の構造体を含ませることができる。調製表面の非限定的な例としては、コンクリート、アスファルト、フライアッシュ、又は土壌の表面が挙げられる。少なくとも1つの堆積物は任意の寸法又は形状を有していてよく、これは利用できる空間、バイオマスの量、所望の貯蔵期間等のような運転条件によって定まる可能性がある。
発酵性糖の転化プロセスは発熱反応である。しかしながら過度に多い熱は、温度が調製バイオマス材料中の微生物に関する致死範囲内である場合には、転化プロセスに対して有害である可能性がある。しかしながら、約700湿潤トンのバイオマスを用い、約12フィートまで積みあげる態様においては、エタノールの生成及び安定性は満足できるものであった。したがって、より大きな堆積物はおそらくは過熱の影響を受けないであろう。一態様においては、堆積物の内部部分は、高温菌などの全てのタイプの微生物に関して約20℃〜約60℃の範囲の温度に維持される。高温菌を用いない態様においては、堆積物の内部部分は約35℃〜約45℃の範囲の温度に維持される。
貯蔵施設において少なくとも1つの堆積物として貯蔵されている調製バイオマス材料はまた、湿潤貯蔵バイオマス凝集体とも呼ぶこともできる。選択された1種類又は複数の添加剤を加えた後、糖類のエタノールへの発酵のように、固体バイオマスの少なくとも一部は揮発性有機化合物に転化する。一態様においては、調製バイオマス材料は、嫌気性環境を達成するのに十分な時間貯蔵する。好ましい態様においては、嫌気性環境は約24時間で達成される。他の態様においては、嫌気性環境は約4時間より多い時間で達成される。更に他の態様においては、嫌気性環境は約72時間以下で達成される。
堆積物は、自立型であってよく、或いは、水性流出液及び浸出液を回収するための設備、バイオマス上への防水シートの配置、及びバンカー中への効率的な最初のサイレージトラックの積下ろし及び通年のバイオマスの取り出しの両方を容易にするための設備を含む、サイレージを受け入れるように設計されているサイレージバンカーのような他の構造体内に形成することができる。個々のバンカーは、約700湿潤トン〜10,000,000湿潤トン又はそれ以上の年間供給材料必要量を支える大凡の寸法の大きさにすることができる。例えば、貯蔵施設は50のバンカーを有していてよく、それぞれの個々のバンカーは、100,000湿潤トンの調製バイオマス材料、合計に関してはどの時期においても最大約500万湿潤トンの貯蔵材料を受け入れることができる。エタノールが選択される揮発性有機化合物である好ましい態様においては、1湿潤トンの調製バイオマス材料あたり約14ガロン〜約16ガロンのエタノールが回収される。規定されている数は代表例であり、貯蔵施設が収容することができる調製バイオマス材料の量を限定することは意図しない。
特定の態様においては、貯蔵堆積場には浸出液回収システムが更に含まれる。一態様においては、回収システムを用いて貯蔵堆積場から回収される浸出液を除去する。例えば、浸出液回収システムは、貯蔵期間中の特定の時点において堆積場から液体を除去するように構成することができる。他の態様においては、浸出液回収システムは貯蔵堆積物中で液体を循環させるように構成する。例えば、循環には、回収された液体の少なくとも一部を採取して、それを堆積物に、好ましくは頂部部分又はその付近において戻すことを含ませることができる。かかる再循環によって、調製バイオマス材料の回収段階を開始し、調製バイオマス材料の非液体成分の部分を回収ユニットに送るのと同時に、堆積物中の液体の幾つかの部分の滞留時間をより長くすることが可能である。より長い滞留時間によってより長い微生物反応時間が与えられ、したがってエタノールのような有機揮発性化合物のより高い濃度が与えられる。
当業者に公知の任意の好適な浸出液回収システムを記載されているように用いることができる。特定の態様においては、浸出液回収システムは、好ましくは貯蔵堆積場又はそれを用いる場合にはバンカーの中央部付近に配置されている、堆積物の底部に沿った少なくとも1つのトラフを含み、貯蔵堆積場は、調製バイオマス材料からの液体を、トラフ及び所望の回収容器に送るか、又は他の用途に送るように設計されているグレードで形成される。
他の態様においては、浸出液回収システムは、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)製のパイプである1以上の有孔導管を含み、これは堆積物の底部に沿って伸びていて、これにより導管内に回収される液体を堆積物から取り除くことが可能になる。
一態様においては、調製バイオマス材料はバンカーに加えられるか、又は調製表面の上に積みあげられるので、トラクター又は他の重機械を堆積物の上に繰り返し乗り入れて充填を促進させる。一態様においては、充填は、調製バイオマス材料1立方フィートあたり約7ポンド/フィート3〜約50ポンド/フィート3の範囲である。好ましい態様においては、充填は、約30ポンド/フィート3〜約50ポンド/フィート3、特に約44ポンド/フィート3である。一態様においては、堆積場内で調製バイオマス材料を圧縮することによって、上に記載の好ましい時間で嫌気性環境を達成することが促進され、及び/又は可能になる。他の態様においては、充填を行った後、又は充填を行っている時間中に、通常はプラスチック防水シート目的用である空気不透過性の膜を堆積物の上に配置する。特定の態様においては、防水シートは実施可能な限り素早く堆積物上に配置する。例えば、防水シートは24時間以内に堆積物上に配置する。
一態様においては、調製バイオマス材料を少なくとも約24時間、好ましくは少なくとも約72時間(又は3日間)貯蔵して、エタノールのような揮発性有機化合物が産生するようにさせる。一態様においては、調製バイオマス材料は、約3日間、好ましくは10日間、より好ましくは10日より長く貯蔵する。一態様においては、調製バイオマスを貯蔵する期間は、約1日間〜約700日間、好ましくは約10〜700日間である。他の態様においては、バイオマス材料は約3年以下貯蔵する。一態様においては、調製バイオマス材料は、関係する生物化学的経路の化学量論的評価によって計算して理論生成効率の少なくとも約95%の少なくとも1種類の揮発性有機化合物への糖類の転化効率を可能にするのに十分な時間貯蔵する。他の態様においては、調製バイオマス材料は、少なくとも約100%の少なくとも1種類の揮発性有機化合物への糖類の計算転化効率を可能にするのに十分な時間貯蔵する。更に他の態様においては、調製バイオマス材料は、利用できる発酵性糖の当初の量を基準として理論値の約150%以下の少なくとも1種類の揮発性有機化合物への糖類の計算転化効率を可能にする酵素のような幾つかの添加剤を用いて調製する。理論に縛られることは意図しないが、100%又はそれ以上の効率で、当初に利用できる発酵性糖、及び調製バイオマス材料中のセルロース又は他の高分子材料からの発酵性糖の両方から1種類又は複数の有機化合物が生成され、これはバイオマスに加える幾つかの添加剤によって促進された酵素加水分解又は酸加水分解によって達成することができる。
エタノールのような生成する揮発性有機生成物は、貯蔵期間の間は貯蔵されている調製バイオマス材料中で安定なままである。特に、調製バイオマス材料は、揮発性有機化合物への有意な分解を起こすことなく700日間以下貯蔵することができる。この文脈における「有意」とは、少なくとも、調製バイオマス材料中の揮発性有機化合物の量又は濃度を測定する際の誤差範囲内を指す。一態様においては、誤差範囲は0.5%である。エタノールは、有意なエタノールの損失が観察されることなく、少なくとも約330日後に堆積物中で安定なままであることが示された。本発明の幾つかの態様のこの形態は、僅か約4か月の収穫期間で通年のVOCの製造及び回収を可能にする、少なくとも8か月の安定な貯蔵を与えるので重要である。本発明の幾つかの態様は、1年あたり4か月の収穫期間中にしか運転することができない従来のジャストインタイムの処理に対して、顕著に有利である。即ち、本発明の幾つかの態様は、僅か4か月の収穫期間を用いてプラントを通年運転することを可能にし、それによってジャストインタイムの処理のために用いていたものと同じ寸法のプラントに関する資本コストが減少する。
また、防水シートを用いる態様においては、防水シートの端の周り及びその上に土又は他の媒体を配置することによって、(1)防水シートを下方向に保持するための重量が与えられ;そして(2)堆積物からの発生ガスのバイオフィルターとして作用すると考えられる。かかる態様においては、バイオフィルターは、有機物及び一酸化炭素の解毒/分解のために効率的である。調製バイオマス材料はまた、圧縮モジュール、乗り入れ型堆積場、バンカー、サイロ、バッグ、チューブ、又は包装梱包物、或いは他の嫌気性貯蔵システムとして貯蔵することもできる。
一態様において、調製バイオマス材料の堆積物からの発生ガス流を監視したところ、少量のレベルの有機物、及びこれも非常に低いレベルの窒素酸化物しか存在しなかったことが分かった。例えば、下表5.1、5.2、及び5.3は、本発明の幾つかの態様の1つの実施の貯蔵段階中に回収された種々の発生ガス試料の分析結果を示す。「BDL」という表示は、検出限界より低い量を指す。Summa及びTedlarは、商業的に入手できるガスサンプリング容器を指す。下記において示されるように、本発明の幾つかの態様は、従来の飼料製品及び/又はそれらの製造方法と比べて環境に対する有害性をより低くすることができる。
本発明の幾つかの態様は、比較的バンカー内に収容されていないにもかかわらず、環境的に無害でなければならない。その場合でも、防水シートの下からのガスの漏洩は実際放射状であるので、本発明の一定の形態は、土又は他の媒体をバンカーの周囲又はその上に配置されるバイオフィルターとして用いるのによく適している。このように、蒸気は、堆積物の端と接触しているより大きな量の表面積を有する。バイオフィルターを用いる態様においては、蒸気相が、大気中に導入される前に端の物体の付近に配置されるバイオフィルター(例えば土又はコンポスト)を通して放出される。バイオフィルターは貯蔵堆積物によって放出される大量の潜在的な環境汚染物質及び臭気を保持し、貯蔵堆積物から放出される潜在的に有害な発生ガスを排除又は大きく減少させる。
一態様においては、調製バイオマス材料は、約80重量%以下の液体を含むようになるまで貯蔵する。調製バイオマス材料は、それが当初の含量よりも少なくとも約4〜約5%高い量を含むようになるまで貯蔵する。この段階において、湿潤貯蔵バイオマス凝集体は、なお約20%を超える固形分を含んでいるので、未だ「ビール」とはみなされない。一態様においては、調製バイオマス材料は、約2重量%〜約50重量%の間のエタノール、好ましくは約4重量%〜約10重量%の間のエタノールを含むようになるまで貯蔵する。液体の残りは主として水であるが、酢酸、乳酸等のような多くの他の有機化合物を含む可能性がある。
本発明の幾つかの態様によれば、通常のサトウキビ搾汁操作よりも遙かに短い収穫期間で固体バイオマスを収穫することが可能であり、これによって、
(1)施設を配置することができる遙かに広い地理的地域;
(2)作物がその最も高い生産力を有する時点で作物を収穫すること;
(3)最も高い糖濃度が見込まれる時点で作物を収穫すること;
(4)より短い収穫期間でなお経済的であること;及び
(5)発酵のためにバイオマスから搾汁する必要性を切り離すこと;
が可能である。
(1)施設を配置することができる遙かに広い地理的地域;
(2)作物がその最も高い生産力を有する時点で作物を収穫すること;
(3)最も高い糖濃度が見込まれる時点で作物を収穫すること;
(4)より短い収穫期間でなお経済的であること;及び
(5)発酵のためにバイオマスから搾汁する必要性を切り離すこと;
が可能である。
幾つかの態様によって、より高いデンプン含量、より高いADF含量、及びより良好な粒径分布、並びに本明細書に記載する他のもののようなより大きい利益を有する動物飼料を生成させるのに最適で、VOCを大気中に放出する有害な環境影響を起こすことなく、飼葉に対する実質的又は完全な代替物として機能させることができる作物を選択することを更に可能にすることができる。選択される1種類又は複数の添加剤及びその量、並びに場所及び経過時間などの貯蔵条件を調節して、生成及び/又は回収するエタノールの量を考察することなく、飼料製品に関する最適の特性を達成することができる。即ち、幾つかの態様においては、本明細書に記載する方法及びシステムの焦点は、幾つかの特性の飼料製品を生成させ、VOCを生成及び回収しないことであってよい。
調製バイオマス材料が所望量の時間貯蔵され、及び/又は所望濃度のエタノールのような揮発性有機化合物を含むようになったら、特定の揮発性有機化合物を回収するための回収システムにこれを送ることができる。回収システム及び貯蔵施設は、互いから任意の距離に配置することができる。本明細書に記載するシステム及び方法の幾つかの態様によって、両方の地理的位置及び互いに対するそれらの位置における柔軟性が可能になる。特定の態様においては、回収システムは貯蔵施設から約0.5〜約2マイルに配置する。任意の好適な方法及び/又は装置を用いて、調製バイオマス材料を貯蔵施設から回収システムへ移送することができる。一態様においては、飼料ホッパーを用いる。一態様においては、サイレージフェーサー、フロントエンドローダー又はペイローダー、スイープオーガー、又は他のオーガーシステムを用いて、調製バイオマス材料を飼料ホッパー中に配することができる。材料は、飼料ホッパー中に直接配することができ、或いはベルトシステムのようなコンベヤーシステムによって移送することができる。次に、調製バイオマス材料を含む飼料ホッパーを回収システムに移動させることができる。
回収システムは無溶媒であり、調製バイオマス材料中の液体を気体成分に気化させるために過熱蒸気流を用い、これを次に回収することができる。過熱蒸気は、運転圧力においてその飽和温度よりも高い温度に加熱されている蒸気である。好ましい態様においては、回収システムが定常状態に達した後においては、過熱蒸気流は調製バイオマス材料から従前に蒸発した蒸気のみを含んでいるので、他のガスは導入されておらず、これによって揮発性有機化合物の燃焼及び/又は揮発性有機化合物の回収される生成物流の希釈の危険性が減少する。残りの固体成分はシステムから排出され、これらは種々のその後の用途を有する可能性がある。蒸気の一部を生成物として取り出し、残りは、新しく投入される調製バイオマス材料へ熱を伝達させるのに用いるために再循環して戻す。過熱蒸気をバイオマスと直接接触させて、エネルギーを伝達して、そこに存在する液体を気化させる。熱又は熱エネルギー源は、調製バイオマス材料と直接接触しない。したがって、VOC回収システムはまた、「間接」熱接触を与えるものとして説明することもできる。
揮発性有機化合物の無溶媒回収を与えるために、回収システムは、過熱蒸気を連続的に、即ち流れとして流動させることができる区画を含む。一態様においては、この区画はループ形状を有する。他の態様においては、この区画は回転ドラムを含む。この区画は、それを通して調製バイオマス材料を導入することができる入口を有する。一態様においては、入口は、圧密回転弁、プラグスクリュー、又は他の同様の器具を含み、これらは調製バイオマス材料を分離して過熱蒸気流に曝露される表面積を増加させるのを助けることができる。
更に他の態様においては、本システムは、液体を気化させる前に調製バイオマス材料中の液体の少なくとも一部を除去する脱水機構を含む。液体の除去は、調製バイオマス材料を区画に導入する前、及び/又は導入している間に行うことができる。調製バイオマス材料からの液体は少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含み、これは、液体を蒸留カラムに供給することのように、液体を更に処理することによって回収することができる。液体は、蒸留カラムのような更なる処理ユニットに直接送ることができる。或いは又はこれに加えて、本システムは、調製バイオマス材料から除去された液体を回収する回収ユニットを更に含む。回収された液体の任意の部分を、次に更に処理することができる。
一態様においては、脱水機構は、調製バイオマス材料から液体を搾汁するように構成されている部品を含む。かかる態様においては、搾汁は、調製バイオマス材料を区画中に供給しながら行うことができる。例えば、調製バイオマス材料を区画中に導入しながらそれから液体を搾汁する搾汁機構を入口に含ませることができる。或いは又はこれに加えて、搾汁は、調製バイオマス材料を区画に導入する前に別に行うことができる。かかる搾汁機構の非限定的な例はスクリュープラグフィーダーである。
一態様においては、液体除去機構は機械プレスを含む。機械プレスのタイプの非限定的な例としては、ベルトフィルタープレス、Vタイププレス、リングプレス、スクリュープレス、及びドラムプレスが挙げられる。ベルトフィルタープレスの特定の態様においては、調製バイオマス材料を2つの多孔質ベルトの間に挟み込み、ローラーの上下を通過させて湿分を搾り出す。他の特定の態様においては、ドラムプレスは、有孔ドラムに対して材料を押し付ける回転プレスロールをその内部に有する有孔ドラムを含む。更に他の態様においては、ボウル遠心分離機において、材料を円錐形の回転ボウルに導入し、その中で固形分を周縁上に堆積させる。
この区画は、過熱蒸気流を調製バイオマス材料と接触させて調製バイオマス材料から液体を気化させることができる空間を与える。液体の少なくとも一部の気化によって、調製バイオマス材料の気体成分及び固体成分が与えられる。本システムは更に、調製バイオマス材料の固体成分を気体成分から分離することができる分離ユニットを含んでいるので、それぞれの成分を更なる処理のために所望のように取り出すことができる。一態様においては、分離ユニットは遠心分離収集器を含む。かかる遠心分離収集器の例は、高効率サイクロン装置である。好ましい態様においては、分離ユニットはまた、固体成分のための出口としても機能する。例えば、分離ユニットによって無溶媒回収システムから固体成分を排出することができる。気体成分を蒸留のような更なる処理のためにシステムから排出することができる気体成分のための別の出口が存在する。一態様においては、分離ユニットは、第2の圧密回転弁などに更に接続して、固体成分を押出すか又は排出する。一態様においては、過熱蒸気は、熱源に接続されている熱交換コンポーネント(ここでは、過熱蒸気は熱源と接触しない)によってその飽和温度より高い目標温度又は所望の温度に維持される。熱源とシステムとの間の熱伝達は、過熱蒸気への対流によって行われる。一態様においては、熱源としては、電気素子、又は適当な熱交換器を通過した高温蒸気を挙げることができる。一態様においては、運転圧力は約1psig〜約120psigの範囲である。好ましい態様においては、運転圧力は約3psig〜約40psigの範囲である。特に好ましい態様においては、本システムは、約60psigの運転圧力で加圧して、蒸気成分をシステムから押出す。
一態様においては、回収システムの始動時において、調製バイオマス材料を、入口を通して区画中に導入する。まず水蒸気を過熱蒸気として用いて、調製バイオマス材料中の液体をまず気化させる。過熱蒸気は、区画を通して連続的に移動させる。調製バイオマス材料が過熱蒸気流に導入されると、それは流動化して流体のように区画を通して流れる。調製バイオマス材料を導入するにつれて、それは過熱蒸気流と接触する。過熱蒸気からの熱が調製バイオマス材料に移って、調製バイオマス材料中の液体の少なくとも一部が気化し、固体成分から分離されるが、固体成分はなお湿分を含む可能性がある。気体成分は、調製バイオマス材料中で生成した1種類又は複数の揮発性有機化合物を含む。好ましい態様においては、調製バイオマス材料からの液体が気化し始めるにつれて、気化した液体の少なくとも一部を過熱流体としてシステム内で再循環することができる。即ち、任意の1つのサイクル中において、気化した液体の少なくとも一部を区画内に保持して、より多くの調製バイオマス材料がシステム中に供給される次のサイクルまで、更なる処理のために回収する代わりに過熱蒸気として機能させる。
好ましい態様においては、当初の始動手順の間に、過熱流体は、定常状態(ここでは過熱蒸気は調製バイオマス材料の気化した液体のみを含む)が達成されるまで、必要に応じて好ましくは連続的に(間欠的に又は絶え間なく)パージすることができる。気体成分及び固体成分は、それぞれの出口を通して回収することができる。熱源に接続されている熱交換器を介して熱をシステムに連続的に(間欠的に又は絶え間なく)加えて、過熱蒸気の温度を維持するか、システム内の所望の運転圧力を維持するか、或いは目標気化割合を維持することができる。過熱蒸気流の流速、圧力、及び温度のようなシステムの種々の条件を調節して、所望の液体及び/又は揮発性有機化合物の除去割合を達成することができる。
一態様においては、回収された気体成分は、精製プロセスに送って選択される1種類又は複数の揮発性有機化合物のより高い濃度を得ることのような更なる処理のために凝縮させる。好ましい態様においては、回収された気体成分は蒸留カラム中に直接供給し、これによって気体成分を凝縮させるために用いないでエネルギーの節約を与える。他の態様においては、気体成分は凝縮して、次の精製工程に液体として供給する。
一態様においては、回収段階に導入する前においては、調製バイオマス材料は、バイオマス材料を基準として少なくとも10重量%で約80重量%以下の当初の液体含量を有する。特定の態様においては、当初の液体含量は、バイオマス材料を基準として少なくとも約50重量%である。一態様においては、当初の液体内容物は、当初の液体内容物を基準として約2〜50重量%、好ましくは約4〜10重量%のエタノールを含む。
一態様においては、回収される固体成分は、エタノールの除去目標に応じて、約5重量%〜約70重量%、好ましくは約30重量%〜約50重量%の液体を含む。他の成分においては、回収される気体成分は、約1重量%〜約50重量%の間のエタノール、好ましくは約4重量%〜約15重量%の間のエタノールを含む。一態様においては、回収システムによって、調製バイオマス材料中に含まれる揮発性有機化合物の約50%〜約100%が回収される。調製バイオマスの滞留時間は、揮発性有機化合物の除去目標などの数多くのファクターに基づいて変動する。一態様においては、区画内における調製バイオマス材料の滞留時間は、約1〜約10秒間の範囲である。一態様においては、回収システムは約0.06barg〜約16bargの間で運転することができる。「barg」という用語は、当業者によって理解されるようにbarゲージ圧を指し、1barは0.1メガパスカルに等しい。一態様においては、回収システム内の気体は、約100℃〜約375℃、特に約104℃〜約372℃の範囲の温度を有し、システムから排出される固体成分は約50℃未満の温度を有する。好ましい態様においては、回収される固体成分は、本明細書に記載する動物飼料の一態様として機能させることができる。固体成分はまた、他の用途において用いることもできる。非限定的な例としては、プロセスエネルギーを供給するか又は電気を生成させるためにバイオマスバーナーに供給することが挙げられる。
無溶媒回収システムの運転条件としては、少なくとも、温度、圧力、流速、及び滞留時間が挙げられる。これらの条件の任意の1つ又は組合せを制御して、除去される当初の液体内容物の量、或いは回収システムから排出される分離された液体成分中に残留する液体の量のような目標又は所望の除去目標を達成することができる。一態様においては、少なくとも1つの運転条件を制御して、当初の液体内容物の約10〜90重量%、好ましくは約45〜65重量%、より好ましくは約50重量%の除去率を達成する。
好ましい態様においては、一定の圧力においてシステムの温度を上昇させることによって、バイオマス中の液体をより迅速に気化させ、これにより所定の滞留時間に関して、バイオマス中の液体のより高い割合を蒸発させる。システムから排出される蒸気の流速は、定常状態を達成するためのバイオマスからの液体の気化速度に合致させるように制御しなければならず、これはシステム圧力を制御する機構として用いることもできる。システム圧力を上昇させることによって、システム内の蒸気相中により多くのエネルギーが貯蔵され、これは、次に更なる処理を助けるか、或いは次の下流の処理ユニットへの蒸気の移動を助けるために用いることができる。システム中におけるバイオマス滞留時間を増加させることによって、より多くの熱が蒸気相からバイオマスに伝達され、これによってより多い液体が気化する。
具体的な代表的態様においては、回収システムは、商業的に利用できる供給源から得ることができる閉ループ空気圧過熱水蒸気乾燥機を含む。一態様においては、閉ループ空気圧過熱水蒸気乾燥機は、GEA Barr-Rosin Inc.のSSD(登録商標)モデルである。他の好適な商業的に入手できる装置としては、GEA Barr-Rosin Inc.からの過熱水蒸気処理装置SSP(登録商標)、GEA Barr-Rosin Inc.及びDuppsなどの幾つかの企業からのRing Dryer;Duppsからのエアレス乾燥機;DuppsEvactherm(登録商標)からのQuadPass(登録商標)回転ドラム乾燥機、Eirichからの真空過熱水蒸気乾燥機;Swiss Combi Ecodryからの過熱蒸気を用いる回転ドラム乾燥機;及びCeramic Drying Systems Ltd.からのエアレス乾燥機が挙げられる。
このプロセスのための揮発性有機物質回収ユニットとして機能させることができる間接乾燥機の更に他のタイプは、バッチトレイ乾燥機、間接接触回転乾燥機、回転バッチ真空乾燥機、及び撹拌乾燥機である。これらの乾燥機に関する基本原理は、これらを真空システムに収容してそれに接続して、固体から蒸気を、それらが生成するにつれて除去する(また、真空によって圧力を低下させることによって、揮発性物質をより容易に除去する)ことである。湿潤状態の固体をトレイ又はパドルのような高温の表面と接触させ、熱を湿潤状態の固体に伝達させて液体を蒸発させるので、それらを真空システム内に回収して凝縮させることができる。
図1は、システム100として示されている過熱水蒸気乾燥機を用いる代表的なVOC回収システム及びプロセスを示す。特定の態様においては、過熱水蒸気乾燥機はGEA Barr-Rosin Inc.から入手することができる。図1において、サイレージ堆積物中での固体状態発酵の後のエタノール及び/又は他のVOCを含む調製バイオマス材料1を、入口2を通して区画3中に供給する。示されている特定の態様においては、入口2はスクリュー押出機を含む。図1に示されているように、区画3に導入する前に調製バイオマス材料1の液体の少なくとも一部を除去する。脱水機構は、調製バイオマス材料1をそれに通して通過させるスクリュープラグフィーダーであってよい。バイオマス材料1から取り出される液体の少なくとも一部は、回収システム100に通さないで、流れ15を介して蒸留工程11に直接送ることができる。場合によっては、デランパーを脱水機構の出口に接続して、脱水したバイオマス材料を区画3中に導入するのを容易にするために用いることができる。
図1を参照すると、回収システム100は、適当な直径、長さ、及び形状を有する導管として示されており、調製バイオマス材料1の滞留時間、過熱蒸気への熱伝達、並びに運転圧力及び温度のような所望の運転条件を与えるように構成されている、加圧することができる区画3を含む。区画3に導入した後、定常状態運転中において、調製バイオマス材料1は、所望又は目標温度においてシステム100を通って流れる過熱蒸気と接触して流動状態になる。上に記載したように、好ましい態様においては、過熱蒸気又はその少なくとも一部は、VOC回収のためにシステム100中に従前に供給された調製バイオマス材料から得られる蒸気成分である。流動化したバイオマスは、目標流速で区画3を通って流れ、調製バイオマス材料1から所望量の液体を蒸発させるのに十分な目標滞留時間の間、過熱蒸気と接触状態に保持される。示されている態様においては、システム100を通る過熱蒸気及び調製バイオマス材料1の流れは、システムファン14によって促進される。システム100は1以上のファンを有していてよい。過熱蒸気及びバイオマス材料1の流速又は速度は、システムファン14によって制御することができる。バイオマス材料1は区画3を通って流れ、好ましくはサイクロン分離器である分離ユニット4に到達し、ここでバイオマス材料1の蒸気成分及び固体成分を互いから分離する。示されているように、蒸気成分は塔頂流5を介して固体成分から取り出され、バイオマス材料1の残りの部分は固体成分と考えられ、これは好ましくはスクリュー押出機6によって固体成分7として分離ユニット4から排出する。排出される固体成分7の少なくとも一部は、本発明の幾つかの形態にしたがって記載したように動物飼料として用いることができる。
図1を参照すると、流れ8として示されている蒸気成分の一部は保持して、新しく導入される調製バイオマス材料を気化させるために用いる過熱蒸気の一部として再循環させる。示されている態様においては、流れ8中の保持される蒸気成分は、熱交換器9を通して送って、それを目標運転温度に加熱する。熱源としては、水蒸気、電気、高温の燃焼排ガス、又は当業者に公知の任意の他の利用できる熱源を挙げることができる。
好ましい態様においては、温度は、システム内の圧力が目標値に維持され、所望量の液体を蒸発させるのに適当なエネルギーが存在するように制御する。圧力はまた、過熱蒸気流の流速及び熱交換器9への入熱によって制御することもできる。好ましくは、回収システム100は連続的に運転し、調製バイオマス材料1を所望の速度で連続的に供給し、蒸気成分10及び固体成分6を連続的な速度で連続的に取り出す。好ましい態様においては、1つの運転からの「新しい」蒸気成分8を目標割合で連続的に保持して、次の運転のための過熱蒸気流として用いる。任意のこれらの割合を調節して所望の運転条件を達成することができる。言及したように、システムファン14はシステム100を通して過熱蒸気流を循環させ、これは目標流速又は速度が得られるように調節することができる。
図1を参照すると、番号10として表されている蒸気成分流5の残りの部分は、蒸留工程11に送る。蒸留の構成によって、蒸気成分の部分10は、更なる精製の前に凝縮させることができ、或いは好ましくは蒸気として蒸留カラム中に直接供給することができる。好ましい態様においては、蒸留工程11からの蒸留生成物は約95.6重量%のエタノールのエタノール含量を有し(エタノール/水の共沸混合物)、これは工程12として示されている通常のエタノール脱水技術を用いて約99重量%超に更に精製することができる。次に、最終的なエタノール生成物13は、通常はガソリンとブレンドするためのバイオ燃料として用いることができる。
図2は、種々の製造者によって提供されているリング乾燥機で代表されるシステム200として示されている過熱水蒸気乾燥機を用いる他の代表的な回収システム及びプロセスを示す。好ましいバイオマス材料201を、好ましくはスクリュー押出機を含む入口202を通してシステム200中に供給する。一態様においては、システム200に導入する前に、調製バイオマス材料201の液体の少なくとも一部を除去する。脱水機構は、それを通して調製バイオマス材料201を通過させるスクリュープラグフィーダーであってよい。バイオマス材料201から取り出される液体の少なくとも一部は、回収システム200に通さないで、流れ215を介して蒸留工程211に直接送ることができる。場合によっては、デランパーを脱水機構の出口に接続して、脱水したバイオマス材料を区画203中に導入するのを容易にするために用いることができる。
図2を参照すると、回収システム200は、調製バイオマス材料201の滞留時間、過熱蒸気への熱伝達、並びに運転圧力及び温度などのVOC回収のための目標運転条件を与える回転ドラムを好ましくは含む区画203を含む。区画203に導入した後、定常状態運転中において、調製バイオマス材料201は、運転温度及び流速においてシステム200を通って流れる過熱蒸気と接触して流動状態になる。上に記載したように、好ましい態様においては、過熱蒸気又はその少なくとも一部は、VOC回収のためにシステム200中に従前に供給された調製バイオマス材料から得られる蒸気成分である。流動化したバイオマスは、目標流速で区画203を通って流れ、バイオマスからの液体の目標の気化を達成する目標滞留時間の間、過熱蒸気と接触状態に保持される。流動化されたバイオマスは次に、好ましくはサイクロン分離器である分離ユニット204に到達し、ここで蒸気成分及び固体成分を互いから分離する。示されているように、蒸気成分は塔頂流205を介して固体成分から取り出され、固体成分207は分離ユニット204から排出して、本発明の幾つかの形態による動物飼料製品として用いることができる。示されているように、固体成分207は押出機206を介してシステム100から排出される。流れ208として示されている蒸気成分の一部は保持して、新しく導入される調製バイオマス材料を気化させるために用いる過熱蒸気の一部として再循環させる。示されているように、保持される蒸気成分208は、熱交換器209を通して送って、それを所望又は目標温度に加熱する。熱源又は熱エネルギー源としては、水蒸気、電気、高温の燃焼排ガス、又は任意の他の望ましい熱源を挙げることができる。示されているように、高温の燃焼排ガスを用いる。温度は、システム内の圧力が目標値に維持され、所望量の液体を蒸発させるのに適当なエネルギーが存在するように制御する。圧力はまた、過熱蒸気流の流速及び熱交換器209への入熱によって制御することもできる。
図2を参照すると、番号210として表されている蒸気成分流205の残りの部分は、蒸留工程に送る。蒸留の構成によって、蒸気成分の部分210は、更なる精製の前に凝縮させることができ、或いは好ましくは蒸気として蒸留カラム中に直接供給することができる。蒸留工程からの生成物は、公知のプロセスを用いて更に濃縮することができる。
好ましくは、回収システム200は連続的に運転し、調製バイオマス材料201を所望の速度で連続的に供給し、蒸気成分210及び固体成分206を連続的な速度で連続的に取り出す。好ましい態様においては、1つの運転からの「新しい」蒸気成分208を目標割合で連続的に保持して、次の運転のための過熱蒸気流として用いる。任意のこれらの割合を調節して、所望の運転条件を達成することができる。システムファン214は過熱蒸気流の循環ループを生成させ、これは目標流速が得られるように調節することができる。
幾つかの態様においては、本明細書に記載した無溶媒回収システムに乾燥機を更に含ませて、固体成分から更なる湿分を除去して、動物飼料としての特定の湿分レベルを達成することができる。これに加えて又はこれに代えて、乾燥機は、無溶媒回収ユニットを配置する場所以外の他の場所に配することができる。当業者に公知の任意の好適な乾燥機を用いることができる。種々の態様においては、1種類以上の飼料添加剤の添加、ペレット化等のような固体成分の更なる処理を貯蔵施設の近辺で続いて行うことができ、及び/又は固体成分を、最終的な動物飼料製品にする処理のための他の場所に輸送することができる。幾つかの態様においては、固体成分の更なる処理は必要でない可能性があり、固体成分を最終的な動物飼料製品として供給することができる。
本発明の幾つかの形態による無溶媒回収システムを用いることによって、システム内の熱伝達点、即ちシステムへの熱の付加、調製バイオマス材料への熱伝達は、好ましい態様においては蒸気相中で行われ、蒸気相熱伝達(対流)は調製バイオマス材料(これは断熱特性を有しているので悪い伝熱体である)における固相熱伝達(伝導)よりも効率的であるので、これによって有利性が与えられる。上述したように、幾つかの態様においては、定常状態に達したら、調製バイオマス材料の液体から気化したもの以外の蒸気はシステム内の調製バイオマス材料の固体成分及び気体成分と接触せず、これによってプロセス流又は過熱蒸気流を補充するための他の蒸気の添加に起因する希釈が阻止又は減少される。回収される気体成分は、所望の1種類又は複数の揮発性有機化合物を分離するための蒸留カラムに直接供給することができ、これによって大きな省エネルギーを与えることができる。このシステムの有利性は、湿潤状態の固体に接触する蒸気が、固体から従前に取り出された蒸気のみであるので、希釈又は爆発の危険性がないことなどである。
以下の実施例は本発明を更に例示するために示すが、これらは本発明の範囲を限定するように解釈すべきではない。
実施例A:
本実施例においては、フレッシュな細断ソルガムの種々の飼料を、表A.1に示す種々の添加成分と混合した。添加剤の添加割合を表A.2に示す。表A.3は、ADF、デンプン、及びイオウ(S)の当初の量、並びにこれらの飼料に関する貯蔵後約11日目における量を重量%で示す。これらの値は、100%乾燥物質基準である。サンプリング時期は、発酵性糖の転化(例えば発酵)の大部分が完了した後であった。
本実施例においては、フレッシュな細断ソルガムの種々の飼料を、表A.1に示す種々の添加成分と混合した。添加剤の添加割合を表A.2に示す。表A.3は、ADF、デンプン、及びイオウ(S)の当初の量、並びにこれらの飼料に関する貯蔵後約11日目における量を重量%で示す。これらの値は、100%乾燥物質基準である。サンプリング時期は、発酵性糖の転化(例えば発酵)の大部分が完了した後であった。
示されるように、実験1〜9の調製バイオマス中のADFの量は20重量%より多く、約25重量%〜約35重量%の範囲であり、これは約22重量%〜約23重量%の当初の量から増加していた。実験1〜9の調製バイオマス中のデンプンの量は10重量%より多く、約12重量%〜約18重量%の範囲であった。T=0における約18重量%〜21重量%の当初の量からのデンプンの量の種々の減少があったが、実験1〜9のデンプンの値は、本発明の幾つかの態様の条件を調節して、転化プロセスを経由するデンプンの維持を最適化することができることを示す。実験1〜9の調製バイオマス中のイオウの量は約0.40重量%未満であり、約0.05重量%〜約0.15重量%の範囲であった。
実施例B:
実施例Bにおいては、種々のタイプのソルガムを用い、表B.1に示す条件下、及び表B.2に示す添加剤の添加割合において更なる実験を行った。表B.3は、少なくとも1か月より長い貯蔵後のADF、デンプン、及びイオウの量を示す。これらの実験はバンカー内で行って、本発明の幾つかの態様は商業的規模において効率的である可能性があることを示した。貯蔵された調製バイオマスの幾つかの実験の2つの試料を、バンカーの頂部、及び表B.3において示されるように利用できる場合には底部から回収した。
実施例Bにおいては、種々のタイプのソルガムを用い、表B.1に示す条件下、及び表B.2に示す添加剤の添加割合において更なる実験を行った。表B.3は、少なくとも1か月より長い貯蔵後のADF、デンプン、及びイオウの量を示す。これらの実験はバンカー内で行って、本発明の幾つかの態様は商業的規模において効率的である可能性があることを示した。貯蔵された調製バイオマスの幾つかの実験の2つの試料を、バンカーの頂部、及び表B.3において示されるように利用できる場合には底部から回収した。
実施例Bの実験は、寸法効果、並びに、大部分の転化活性が完了した後においてもバイオマス中に残留するようなより多くの量のデンプンを与えるために一定のタイプの植物を選択することができるという事実に関する。この実験はまた、ADF及びイオウの量は、それぞれ20重量%超及び0.40重量%未満に維持されることも示す。
実施例C:
これらの実験においては、実施例A及びBのソルガム亜種と異なる他のタイプのソルガムを用いた。この特定のタイプのソルガムを、上記の表B.1に示す条件、及び表B.2に示す添加剤の添加割合にかけた。更に、実験の幾つかにおいては、無溶媒回収ユニットとしてGEA SSD(登録商標)を用いて揮発分除去した。下表C.1は、VOC回収プロセス(表示なし)及び揮発分除去実験(「揮発分除去」と表示する)にかけた両方の実験に関する、ADF、デンプン、及びイオウの量を示す。
これらの実験においては、実施例A及びBのソルガム亜種と異なる他のタイプのソルガムを用いた。この特定のタイプのソルガムを、上記の表B.1に示す条件、及び表B.2に示す添加剤の添加割合にかけた。更に、実験の幾つかにおいては、無溶媒回収ユニットとしてGEA SSD(登録商標)を用いて揮発分除去した。下表C.1は、VOC回収プロセス(表示なし)及び揮発分除去実験(「揮発分除去」と表示する)にかけた両方の実験に関する、ADF、デンプン、及びイオウの量を示す。
これらの実験は、本発明の幾つかの形態による揮発分除去の効果は、ADF、デンプン、及びイオウの値に大きくは影響を与えないことを示す。例えば、ADFの量は実施例21〜22と揮発分除去実験17〜20との間で大きくは増加していない。これらの実験においてはデンプン値は低かったが、これは発酵又は揮発分除去プロセスのためではない。むしろ、これは選択された作物が低いデンプンの当初の量を有していたからである。これらの実験は、揮発分除去プロセスがデンプンの量を大きくは減少させないことを示す。更に、イオウの量は揮発分除去によって大きくは増加しなかった。
本発明の種々の形態の更なる修正及び別の態様は、この記載を考慮すれば当業者に明らかになるであろう。したがって、この記載は例示のみのものとして解釈すべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のものである。本明細書において示され且つ記載されている本発明の幾つかの形態は現時点で好ましい態様として解釈すべきであると理解すべきである。本明細書に示し且つ記載しているものの代わりに幾つかの構成要素及び材料を用いることができ、部品及びプロセスを反対にすることができ、本発明の幾つかの特徴は独立して用いることができ、これらは全て本発明のこの記載の利益を与えた後は当業者に明らかになるであろう。特許請求の範囲に記載されている発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載する構成要素において変更を加えることができる。
Claims (17)
- 揮発分除去されていて、約0.4重量%未満のイオウを含む植物材料;
を含む動物飼料製品。 - 少なくとも約20重量%の酸性デタージェント繊維(ADF)を更に含む、請求項1に記載の動物飼料製品。
- 少なくとも約10重量%のデンプンを更に含む、請求項1に記載の動物飼料製品。
- 更に約3mm〜約80mmの粒径分布を有する、請求項1に記載の動物飼料製品。
- 植物材料が葉菜材料から実質的に構成される、請求項1に記載の動物飼料製品。
- 植物材料が、ミスカンサス類、スイッチグラス、麻、トロピカルポプラ、柳、ソルガム、サトウキビ、サトウダイコン、あらゆるエナジーケーン、及びこれらのあらゆる組み合わせから選択される、請求項1に記載の動物飼料製品。
- 糖を含む固体バイオマスに、微生物、並びに任意に酸及び/又は酵素を含む少なくとも1種類の添加剤を加えることによって調製バイオマス材料を生成させること;
調製バイオマス材料を貯蔵施設内において少なくとも約24時間貯蔵して、糖の少なくとも一部から少なくとも1種類の揮発性有機化合物を生成させること;
貯蔵されたバイオマス材料を無溶媒回収システムに供給して、貯蔵されたバイオマス材料を、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む少なくとも1種類の気体成分及び固体成分に分離することによって少なくとも1種類の揮発性有機化合物を捕捉すること;及び
動物飼料製品として用いるために固体成分を無溶媒回収システムから取り出すこと;
を含む動物飼料製品の製造方法。 - 動物飼料製品が約0.4重量%未満のイオウを含む、請求項7に記載の方法。
- 動物飼料製品が少なくとも約20重量%の酸性デタージェント繊維(ADF)を含む、請求項7に記載の方法。
- 動物飼料製品が少なくとも約10重量%のデンプンを含む、請求項7に記載の方法。
- 動物飼料製品が約3mm〜約80mmの粒径分布を有する、請求項7に記載の方法。
- 固体バイオマスが葉菜材料から実質的に構成される、請求項7に記載の方法。
- 固体成分を乾燥して湿分を更に除去することを更に含む、請求項7に記載の方法。
- 固体成分を緻密化して、動物飼料製品の密度を増加させることを更に含む、請求項7に記載の方法。
- 緻密化が固体成分をペレット化することを含む、請求項14に記載の方法。
- 発酵性糖生成作物を、固体バイオマスとして用いるために約3mm〜約80mmの粒径分布を有する破片に切断することを更に含む、請求項7に記載の方法。
- 捕捉工程が、
1種類またはそれより多い種類の揮発性有機化合物を含む調製バイオマス材料を、無溶媒回収システムの区画に導入し;
調製バイオマス材料を前記区画内で、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む過熱蒸気流と接触させて、調製バイオマス材料中の当初の液体内容物の少なくとも一部を気化させ;
調製バイオマス材料から、少なくとも1種類の揮発性有機化合物を含む気体成分、及び固体成分を分離し;そして
気体成分の少なくとも一部を、過熱蒸気流の一部として用いるために保持する;
ことを含む、請求項7に記載の方法。
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