JP2015518794A - 胴体構造およびそこに特別に取り付けられる圧力隔壁を有する航空機の加圧胴体 - Google Patents

Abstract

本発明は、胴体構造（２）および、胴体−内部圧力領域（ａ）を形成するために前記胴体構造（２）において取り付けられる圧力隔壁（３）を有する航空機の加圧胴体であって、前記圧力隔壁（３）は、取付け手段を経由して前記胴体構造（２）の内側に対してエッジ領域において取り付けられ、前記取付け手段は、前記圧力隔壁（３）のエッジ側（４）上に配置される少なくとも１つのピボット式ソケット装置（５）であって、前記エッジ側（４）は、前記圧力領域（ａ）から外方を向き、前記胴体構造（２）と相互作用する、ピボット式ソケット装置（５）、および、反対のエッジ側（６）上に配置され、前記胴体構造（２）上に自身を支持する支持フレーム要素（７）、を含む、加圧胴体に関する。【選択図】図２

Description

［関連出願の参照］
この出願は、２０１２年６月５日に出願の独国特許出願第１０ ２０１２ ０１１ ０２７．８号および２０１２年６月５日に出願の米国仮特許出願第６１／６５５，５８５号の優先権を主張する。そして両出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。

［技術分野］
本発明は、胴体−内部圧力領域を形成するための胴体構造およびそこに特別に取り付けられる圧力隔壁を有する航空機の加圧胴体に関する。そしてその圧力隔壁は、取付け手段を経由して、胴体構造の内側に対してエッジ領域において取り付けられる。

飛行機において、特に事業用航空機において、キャビンスペースの空気圧を維持することは、必要である。そしてその空気圧は、正常圧力に対応する。これは、飛行中のこの種の航空機において、飛行機の内部圧力領域と外部領域ならびに特定の仕切られた外の領域との間に圧力差があることを意味する。この圧力差を維持するために、それに応じて胴体を設計すること、および、圧力壁を経由して、キャビンスペースとして必要とされないいかなる胴体領域も圧力に耐える方法で仕切ることが、必要である。

旅客機の場合、それは、したがって、圧力隔壁（「後部シェル」とも呼ばれる）を用いてキャビンスペースの後部を仕上げるのが一般的である。ほぼ０．６バールの比較的控えめな超過圧力にもかかわらず、飛行中に、この圧力隔壁は、領域に応じて比較的大きい負荷を受ける。したがって、特にワイドボディーの航空機において、非常に大きい力は、圧力隔壁に生じることがありえる。これらの力は、通常、航空機の胴体構造によって担われる。

特許文献１から、胴体−内部圧力領域を形成するように後部領域において圧力隔壁が配置される航空機の加圧胴体は、既知である。圧力隔壁は、そこから保持デバイスが負圧側に続く球形キャップの形状を有する。そしてそれは、キャビン領域から反対を向く。保持デバイスは、混交されたベルトのクローズメッシュのネットを備える。そしてそのネットは、胴体シェルの胴体フレームに取り付けられて、圧力隔壁に対してもたれかかるように張力をかけられる。ベルトは、圧力隔壁の領域を通じて一様に分布される弾性スペーサを経由して、後部において圧力隔壁を保持するプラスチックファイバを含む。この保持デバイスは、安全装置として圧力隔壁を支持する。

特許文献２から、胴体−内部圧力領域を形成する後部圧力隔壁は、既知である。そしてその圧力隔壁は、無負荷の状態において、ほぼ平坦であり、換言すれば、一種の平坦な隔壁として設計される。この結果、キャビンスペースのより良好な使用が可能である。平坦な圧力隔壁は、円形または卵形の設計を有して、フレームによって囲まれる隔壁主要部を本質的に含む。隔壁主要部は、周辺エッジを有する格子タイプの紐材から成るネット状の構成要素である。

フレームは、この隔壁主要部を担持して、軽金属の中空プロファイルから成る。隔壁主要部のウェブは、フレームに取り付けられる。そしてそれは、胴体構造にリベット締めされる。熱可塑性膜は、平面圧力隔壁の気密設計を達成するために、シーリング要素として隔壁主要部のウェブ上にシート状の方法でもたれかかる。

胴体構造の範囲内に圧力隔壁を据え付けるための取付け手段は、圧力隔壁の周辺エッジと胴体構造のしたがって胴体シェルの周辺エッジとの間に機械的結合を確立する。

特に、平坦な隔壁の方法で設計される圧力隔壁は、外部圧力と比較してキャビンスペースの超過圧力の結果として、外側へ隆起する。

圧力隔壁と胴体構造との間に安全なそして確実な機械的結合を創造すると同時に、取付け手段が圧力隔壁の弾性変形を許容することは、したがって、本発明の目的である。

欧州特許第０ ２１７ １１７ Ａ１号 独国特許出願公開第１０ ２００６ ０２９ ２３１ Ａｌ号

本発明は、圧力隔壁を胴体構造に添付するための取付け手段が、圧力隔壁のエッジ側上に配置される少なくとも１つのボールソケット自在接手装置または傾きスライドベアリング装置であって、そのエッジ側が圧力領域から外方を向き、胴体構造と相互作用する、装置、および、ピボット式ベアリング装置を固定するために、反対のエッジ側上に配置され、胴体構造上に自身を支持する支持フレーム要素、を含む技術的な教示を含む。

本発明による解決策の利点は、特に、正当な技術的支出によって造られうる創造される好ましくは平坦な圧力隔壁と胴体構造との間の非常に安定した関節接続から成る。ピボット式ベアリング装置は、飛行の間、航空機のキャビンスペースと外部領域との間の圧力差の結果として生じる非常に高い力を吸収することが可能である。この装置において、圧力差の結果として生じる圧力隔壁のいかなる変形も、本発明による取付け手段によって吸収される。この装置において、ピボット式ベアリング装置の反対側に配置される支持フレーム要素は、特に外部圧力がキャビンスペースの範囲内の圧力よりもいくらか高いときに、ピボット式ベアリング装置がその有効位置から移動することができないことを確実にする。

本発明の好ましい実施形態によれば、ピボット式ベアリング装置は、圧力隔壁のエッジ側に添付される半球状のピボット式ヘッドを含む。そしてそのピボット式ヘッドは、胴体シェル上に据え付けられるピボット式ソケットユニットと相互作用する。この装置において、ピボット式ヘッドは、半球よりも小さいように設計されることもできる。ピボット式ヘッドのセクター部の寸法および直径は、ピボット式ソケット装置によって吸収される力に、および必要な運動範囲に依存する。ピボット式ヘッドは、圧力隔壁のエッジに対してより単純な方法で（好ましくはねじ込まれて）添付されることができる。これとは対照的に、対応するピボット式ソケットユニットは、胴体構造に対して動くことができないで添付される。

好ましい実施形態において、ピボット式ソケットユニットは、ボックス形状の設計であり、ピボット式ソケット窪みを有するピボット式面および胴体構造と相互作用する隣接する取付け面を含む。一方ではボックス形状のピボット式ソケットユニットの十分な機械的安定性を確実にして、そして他方では圧力隔壁の弾性変形も許容するために、ピボット式面は、７０°〜９０°の範囲の角度で隣接する取付け面に対して配置される。この趣旨で、ボックス形状のピボット式ソケットユニットは、圧力隔壁のエッジ領域に対して十分な間隔が維持されるように据え付けられなければならない。

本発明をさらに改善する方策によれば、ピボット式ソケットユニットのピボット式ソケット窪みおよび／またはピボット式ヘッドがテフロン（登録商標）コーティングを含むことが提案される。このテフロン（登録商標）コーティングは、ピボット式ソケット装置の低摩擦機能を確実にする。そして、さらに、潤滑油（例えばグリースまたはオイル）を提供する必要がない。さらに、圧力隔壁の音響特性（すなわちその音響非干渉化）は、支持される。

その有効位置においてピボット式ベアリング装置を保持する支持フレーム要素は、一端には胴体構造に対する取付けのための第１の取付け面を備え、他端には圧力隔壁に対する取付けのための第２の取付け面を備える、多様に曲がった平坦なプロファイル要素として設計されることが好ましくい。支持フレーム要素は、低質量でかつ、横方向の柔軟性を提供すると同時に優れた半径方向の強度を確実にするために、炭素繊維強化プラスチック（ＣＲＰ）または好ましくはチタンから製造されることができる。支持フレーム要素は、圧力隔壁の気密を確実にするために圧力隔壁の周囲全体にわたってリング形状の方法で延びることができる。または、それは、対応する封止手段を用いて圧力隔壁の周囲のセクター部にわたってのみ配置されることができる。好ましくは、支持フレーム要素は、それぞれの取付け面を経由して胴体構造におよび圧力隔壁に、多列のリベット締めを経由して取り付けられる。レンズ状の平坦な圧力隔壁のために、「フローティング」ベアリング装置を実施するための支持フレーム要素と圧力隔壁との間のリベット締めは、隙間嵌めアセンブリまたは、長穴内にピンまたはボルトから成る接続手段によって置き換えられることができる。

本発明の好ましい実施形態によれば、上記のようないくつかのピボット式ベアリング装置およびそれぞれ関連する支持フレーム要素、または連続するリング形状の支持フレーム要素が相互作用することは、提案される。この設計において、いくつかのピボット式ベアリング装置は、圧力隔壁の周囲に沿って等距離に離間するように配置されることができる。

本発明の好適な例示的実施形態の説明と共に、本発明を改善するさらなる方策は、図を参照して以下でさらに詳細に示される。
図１は、航空機の後部に一体化された圧力隔壁の領域における航空機の加圧胴体の部分断面図である。 図２は、胴体構造に対する圧力隔壁のピボット式取付けのための取付け手段の領域における部分断面図である。 図３は、図２による取付け手段の斜視図である。 図４は、図３による取付け手段の上面図である。

図１によれば、事業用航空機の圧力隔壁の胴体シェル２（図において、後部領域１の断面でのみ示される）は、胴体−内部圧力領域ａを形成するために圧力隔壁３を含む。圧力領域ａ内には機室圧力があるが、圧力隔壁３によって切り離される圧力領域ｂには雰囲気圧力がある。圧力隔壁３に作用している機室圧力は、矢印ｐ_Ｉの列によって示される。圧力隔壁３の反対側に作用している外部圧力は、矢印ｐ_Ａの列によって示される。

圧力隔壁３は、平坦な隔壁の方法で設計されて、この点で平面の横断面を備える。胴体−内部圧力領域ａと外部圧力領域ｂとの間の圧力差の結果として生じている圧力差を吸収するために、そしてその圧力差の結果としての圧力隔壁３のいかなる変形も吸収するために、エッジにおいて圧力隔壁３は、領域Ａに配置される取付け手段を経由して胴体構造２に対して内部においてピボット式に取り付けられる。

図２によれば、胴体構造２に対する圧力隔壁３のピボット式接続は、例えば、圧力隔壁３のエッジ側４に配置される少なくとも１つのピボット式ソケット装置５を経由して行われる。そしてそのエッジ側４は、圧力領域ａから外方を向き、そしてそのピボット式ソケット装置５は、胴体構造２に動くことができないで接続している。圧力隔壁３の反対のエッジ側６には、圧力隔壁３のエッジ領域をピボット式ソケット装置５に添付する支持フレーム要素７が配置される。支持フレーム要素７は、胴体構造２と圧力隔壁３のエッジ側６との間に延びる。

ピボット式ソケット装置５は、圧力隔壁３のエッジ側４に取り付けられる半球状のピボット式ヘッド８を本質的に備える。そしてそのピボット式ヘッド８は、胴体構造２上に据え付けられるピボット式ソケットユニット９と相互作用する。ピボット式ソケットユニット９は、ピボット式面１１上のピボット式ソケット窪み１０、およびピボット式面１１に隣接する取付け面１２を備える。取付け面１２は、胴体構造２と相互作用して、胴体構造２に対してピボット式ソケットユニット９を取付けることを可能にする。好ましくは、ピボット式ソケット窪み１０は、接合面の摩擦を最小化するためのテフロン（登録商標）コーティングを備える。

支持フレーム要素７は、多様に曲がった平坦なプロファイル要素として設計される。支持フレーム要素７は、一端において、胴体構造２に取付けるための第１の取付け面１３を備え、他端において、圧力隔壁３に取付けるための取付け面１４が提供される。胴体構造２に対する、または圧力隔壁３に対する接続は、破線によって線図に示される複数のリベット締めを介して両取付け面１３および１４を経由して行われる。

胴体構造２に対するピボット式接続を確立するために、いくつかの個々のピボット式ソケット装置５が圧力隔壁３の周囲に沿って予め定められた間隔に配置されることも、可能である（図３参照）。これと対照的に、これらのいくつかのピボット式ソケット装置５の反対側に位置する線図に例としてのみ示される支持フレーム要素７は、リング形状の方法で周囲にあるように好ましくは設計される。

図４によれば、ピボット式ソケット装置５のピボット式ソケットユニット９は、ボックス形状の設計であり、圧力隔壁３に取り付けられる関連するピボット式ヘッド８と相互作用する。

加えて、「含む」は、他の要素またはステップを除外しないと、そして「１」または「１つ」は、複数の数を除外しないと指摘されなければならない。さらに、上記の例示的実施形態のうちの１つに関して記載された特徴またはステップは、上記の他の例示的実施形態の他の特徴またはステップと組み合わせて用いられることもできると指摘されなければならない。請求項の参照符号は、制限として解釈されるべきでない。

１…後部領域
２…胴体シェル
３…圧力隔壁
４…エッジ側
５…ピボット式ソケット装置
６…エッジ側
７…ピボット式フレーム要素
８…ピボット式ヘッド
９…ピボット式ソケットユニット
１０…ピボット式ソケット窪み
１１…ピボット式面
１２…取付け面
１３…取付け面
１４…取付け面
ａ…圧力領域、内部
ｂ…圧力領域、外部
ｐ_Ｉ…矢印の列、機室圧力
ｐ_Ａ…矢印の列、外部圧力
Ａ…ピボット式接続の領域

Claims (11)

1. 胴体構造（２）および、胴体−内部圧力領域（ａ）を形成するために前記胴体構造（２）において取り付けられる圧力隔壁（３）を有する航空機の加圧胴体であって、前記圧力隔壁（３）は、取付け手段を経由して前記胴体構造（２）の内側に対してエッジ領域において取り付けられ、前記取付け手段は、前記圧力隔壁（３）のエッジ側（４）上に配置される少なくとも１つのピボット式ソケット装置（５）であって、前記エッジ側（４）は、前記圧力領域（ａ）から外方を向き、前記胴体構造（２）と相互作用する、ピボット式ソケット装置（５）、および、反対のエッジ側（６）上に配置され、前記胴体構造（２）上に自身を支持する支持フレーム要素（７）、を含む、加圧胴体。
2. 前記ピボット式ソケット装置（５）は、前記圧力隔壁（３）の前記エッジ側（４）に添付される半球状のピボット式ヘッド（８）を含み、前記ピボット式ヘッド（８）は、前記胴体構造（２）上に据え付けられるピボット式ソケットユニット（９）と相互作用する、請求項１に記載の加圧胴体。
3. ボックス形状の前記ピボット式ソケットユニット（９）は、ピボット式ソケット窪み（１０）を有するピボット式面（１１）、および前記胴体構造（２）と相互作用する隣接する取付け面（１２）を含む、請求項２に記載の加圧胴体。
4. 前記ピボット式ソケット窪み（１０）および／または前記ピボット式ヘッド（８）は、テフロン（登録商標）コーティングを含む、請求項３に記載の加圧胴体。
5. 前記ピボット式面（１１）は、前記取付け面（１２）に対して７０°〜９０°の範囲の角度で配置される、請求項３に記載の加圧胴体。
6. 前記支持フレーム要素（７）は、一端には前記胴体構造（２）に対する取付けのための第１の取付け面（１３）を備え、他端には前記圧力隔壁（３）に対する取付けのための第２の取付け面（１４）を備える、多様に曲がった平坦なプロファイル要素として設計される、請求項１に記載の加圧胴体。
7. 前記支持フレーム要素（７）は、多列のリベット締めを経由して、前記胴体構造（２）におよび／または前記圧力隔壁（３）に取り付けられる、請求項６に記載の加圧胴体。
8. 前記支持フレーム要素（７）は、チタン材を含む、請求項６に記載の加圧胴体。
9. 前記ピボット式ソケットユニット（９）および／または前記支持フレーム要素（７）は、多列のリベット締めを経由して前記圧力隔壁（３）に取り付けられる、請求項１〜８のいずれか１項に記載の加圧胴体。
10. 前記圧力隔壁（３）は、平坦な隔壁の方法で設計される、請求項１〜９のいずれか１項に記載の加圧胴体。
11. いくつかのピボット式ソケット装置（５）は、圧力隔壁（３）の周囲に沿って配置される、請求項１〜１０のいずれか１項に記載の加圧胴体。

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