JP2015517127A - プロジェクトの将来の知的財産権に関する経済的利益の売却による研究開発プロジェクトの資金調達 - Google Patents
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Abstract
本研究開発プロジェクトの資金調達方法は、金融市場の投資家が研究開発プロジェクトに投資することを可能とする。本方法では、右記の既存の2つの課題に対処する。(i)研究開発プロジェクトに関する金融情報の不足、および(ii)金融市場の投資家が認識している、研究開発プロジェクトに対する高い投資リスク。この方法は、研究開発プロジェクトの結果として期待される知的財産を経済的に評価することと、知的財産の経済的利益の所有権に関する経済的手段を作成すること(これにより、投資家はそれぞれのリスク特性により投資判断をすることが可能となり、その結果、知覚リスクが減る)、経済的手段の価格設定、投資家がこれらの経済的手段の投資に必要な金融情報を作成すること、経済的手段を提供することで成り立つ。これらの経済的手段の販売によって得られた利益では、研究開発プロジェクトを実施するための資金として使われる。
Description
本発明は、研究開発プロジェクトの資金調達方法に関するものである。
研究開発プロジェクトの従来の資金調達方法は次の通りである:
1.政府/非政府組織/個人による供与。
2.業界による供与。
通常、研究開発プロジェクトは高いリスク(研究結果における不確実性のため)と大きな投資が必要となるプロジェクトである。このためプロジェクトは、研究開発の資金調達に関する高いリスクに耐えうる能力を持ち必要な巨額の投資をなし得る組織、すなわち政府、一部の非政府組織、わずかな個人、業界から資金供与を受けている。上記の最初の3組織は研究開発プロジェクトに補助金として資金を供与する。これは研究あるいは特定分野での研究に資金を供与することが義務付けられているからである。一方で、業界はプロジェクトを実用化して投資リターンを得るために研究開発プロジェクトに資金を供与する。
1.政府/非政府組織/個人による供与。
2.業界による供与。
通常、研究開発プロジェクトは高いリスク(研究結果における不確実性のため)と大きな投資が必要となるプロジェクトである。このためプロジェクトは、研究開発の資金調達に関する高いリスクに耐えうる能力を持ち必要な巨額の投資をなし得る組織、すなわち政府、一部の非政府組織、わずかな個人、業界から資金供与を受けている。上記の最初の3組織は研究開発プロジェクトに補助金として資金を供与する。これは研究あるいは特定分野での研究に資金を供与することが義務付けられているからである。一方で、業界はプロジェクトを実用化して投資リターンを得るために研究開発プロジェクトに資金を供与する。
本発明は、研究開発プロジェクトの資金調達方法である。この方法は次のステップで構成される:(i)その研究プロジェクトによって生み出されると期待される知的財産権/技術/ノウハウの評価を実行する。(ii)研究プロジェクトの費用を予測する。(iii)プロジェクトの費用およびプロジェクトの期待される知的財産権/技術/ノウハウの価値に基づいて、販売されればそのプロジェクトに必要な資金を賄うことになると期待される知的財産権(IPR)の比率を決定する。(iv)ステップiiiに記載する比率は、各部分がそのプロジェクトから結果として生み出されると期待される知的財産権の経済的利益の所有権の割り当てを示すように分けられるが、プロジェクトの費用および投資家の購入力に基づいて、その分割数を予測する。(分割数をNとし、所有権の割り当てをS%とする)(v)プロジェクトの結果生まれると期待される知的財産権の経済的利益の所有権S%を示すN個の法的契約を作成する。これらの法的契約はまた、結果生まれるIPのライセンス権のような一定の具体的な知的財産権も示す)(vi)研究開発の費用およびステップiでなされる価値評価から計算されるN個の各法的契約の価値に基づいて、これらの法的契約の価格を決定する。これらの法的契約を、以降「経済的手段」あるいは「手段」と呼ぶ。(vii)投資家がこれらの経済的手段について購入決定を行うのに必要な経済的情報を作成する。経済的情報は、他の情報とは別に、リスクとプロジェクトの投資から期待されるリターンによって構成されると思われる。(viii)経済的手段を投資家に販売し、購入決定を行うのに必要な価格および経済的情報を開示する。(ix)取得された資金の全部または一部から、研究開発プロジェクトの資金調達を賄う。
上記発明は、投資家にリスク選好度によって研究開発プロジェクトに投資する選択肢を与える。従って、本発明は研究開発プロジェクトへの投資の知覚リスクを低減する。第二に、本発明は投資家に、研究開発プロジェクトの技術的詳細を知る必要なく、これまで締め出されてきたプロジェクトへの投資決定を行う助けとなる経済的情報も提供する。このように、これらの2つの課題に対応することで、本発明は金融市場の投資に研究開発セクターへの道を開くことになる。
(i)研究開発プロジェクトに関するリスクは高く、(ii)研究開発分野に精通することなく研究開発プロジェクトの経済的なリスクやリターンを確認するのが困難であるため、研究開発プロジェクトの資金源は限られている。成功すれば非常に大きな影響を生み出すことのできるプロジェクトの多くは、資金の不足から研究を進めることができない。
大きな資金プールを構成する金融市場の投資家は、上記の点から研究開発セクターに投資することができない。この資金源が研究開発セクターに利用できるようになれば、多数の研究開発プロジェクトが研究を進め、成功すれば高い影響を生み出すことになる。
本発明は上記2つの問題に対応する。これによって、研究開発セクターに金融市場の投資を呼び込むことになり、その研究開発セクターが利用できる資金プールが増加することになる。
以前の技術に対して記載される発明の効果は、次の内容である:(i)金融市場に研究開発プロジェクトに対応する経済的情報を提供することで、金融市場を研究開発セクターへの新しい資金供給源とする道を開く。(ii)金融市場の投資家にリスク選好度に応じて投資する選択肢を与え、研究開発プロジェクトに投資する知覚リスクを低減する。
発明のステップi、つまり、評価手順に関する最良の形態は、知的財産の実用化が可能な企業や事業と、潜在的な知的財産権の実用化に関する覚書を交わすことである。覚書には事前に定義された測定可能なパラメータ(例えば、プロセスのコストの5%削減、純利益の4%の増加、売上高の10%の増加など)より良好な場合に実用化するという条件を記載することができる。これにより、覚書に署名した会社は、IPプロセスのコスト5%以上減少し、純利益が4%以上が増加し、総売上高が10%以上増加しない限り実用化しないことを約束することができる。また、測定可能なパラメータは、実用化された知的財産からくる経済的利益を、所有者へのロイヤリティとして(または他の形態で)支払う際の計算にも活用される。(たとえば、知的財産権所有者の知的財産権に対して、コスト削減分の50%をロイヤリティとして支払う、など)。覚書は、発明の実用化について意見の違いが生じた際に法的処置の範囲を規定するものにもなり得る。更に覚書は、両方の当事者の合意により、実用化に対する意見の違いが生じた際に、解決を可能とする個人や組織を特定することができる。このように、潜在的な知的財産権の実用化については、これらの覚書に基づいて評価することが可能である。研究プロジェクトが成功し、実用化が行われた際には、経済的手段の所有者は、経済的利益の一部を受領し始める。経済的手段の所有者は、経済的手段の売却に使われるウェブサイトを通じて収益を受け取ることになる。
前述の通り、発明の評価手順(ステップi)の実行するための最良の形態は、研究開発プロジェクトに期待される知的財産権の実用化に関する覚書を作成し、これらの覚書に基づいて評価することである。
また、本発明全体を実行するための最良の形態は、下記の実施例に記載された通り、ウェブサイト上で実行すべき手順に従いウェブサイト上の全ての機能を使用して評価を実施することである。
発明の実施例の一例としては、異なる(複数の)研究開発プロジェクトを、特定の比率で包括した経済的手段を作成することである(例えば、研究A:研究Bを1:2の割合で包括するなど)。これらの新しい手段は投資信託と似通った機能を有する。経済的手段の価格と投資家向けの経済的情報は個別に決定される。これらの新しい手段は、投資家の運用ポートフォリオを多様化することでリスクをさらに低減することができる。
発明の実施例の一例としては、研究開発プロジェクトに関する情報、および、研究開発プロジェクトに関する経済的手段の投資家情報を広めるために、ウェブサイトを活用することができることである。投資家は、これら経済的手段をウェブサイト経由で購入することができる。ウェブサイトには投資家情報や、彼らが所有する経済的手段の情報を保存する。ウェブサイトイトは、取引の度に購入者の銀行口座から引き落とし、研究開発資金の銀行口座に振り込む手続き機能を有する。
発明の実施例の一例としては、経済的手段の価格を設定した後でも、投資家は、研究開発を実施している研究者及び研究チームと、これらの経済的手段や、その経済的利益の所有権や知的財産権に関する価格について協議することを可能とすることである。
発明の実施例の一例としては、上記のような投資家と研究者間の協議を、投資家への手段販売に使用されているウェブサイト上で実施することを可能とすることである。
発明の実施例の一例としては、研究開発の進捗状況に関する情報を定期的に投資家に開示するという情報開示契約を経済的手段(契約書)に含むことを可能とすることである。この情報に基づく研究の進捗状況に投資家が満足していない場合、投資家は経済的手段を売却することができる。他に本手段の購入を希望する投資家がいれば、売却が可能である。
発明の実施例の一例としては、情報開示契約に基づき、まずこれらの手段を販売するウェブサイト上で投資家と研究者が情報を交換することができることである。また、投資家が手段の売却をする際には、ウェブサイト上でこの手段を他の投資家に販売することができる。購買を希望する投資家は、ウェブサイトに登録し、ログインの後、この手段を別の投資家から購入することができる。ウェブサイトには、この取引において、購入者の銀行口座から必要額を引き落とし、売却者の銀行口座に振り込む機能を有する。このウェブサイトは取引された手段の所有権に関する詳細情報をアップデートする。
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