JP2015512734A - 寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために用いる装置 - Google Patents

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Abstract

被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために用いる装置であって、該装置は、装置本体と、被験者の寛骨臼縁上の第1の所定の装着位置に配置するための少なくとも第1のロケータとを有し、前記装置は、寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために設置されるときに前記被験者に対する方向および/または位置を規定する、装置。

Description

本発明は、被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために用いる装置に関する。また、本発明は、そのような装置のためのキット、および、そのような装置を被験者内に設置する方法に関する。
寛骨臼カップは、「球状(ball and socket)」股関節置換または股関節表面置換のソケット部分を形成する。寛骨臼カップは、骨盤中に埋め込まれるとともに球状の大腿骨頭インプラントを繋ぐことできる半球形状またはほぼ半球形状のシェルインプラントである。最近では、寛骨臼カップの方向付け、位置決め、および、寸法付けの重要性に関して論じる文献が多く、これらの文献は、好ましくないカップの位置が不具合につながることを示す臨床分析を伴う。
複数のセンターからのインプラント回復研究は、寛骨臼カップ位置決めと早期の不具合につながる加速度的な摩耗との間に有意な相関関係があることを明らかにしてきた。したがって、寛骨臼カップの方向付け、位置決め、および/または、寸法付けと早期の不具合との間で直接的な関連付けが行われてきた。また、これは実験的研究によって実証されてきた。セメント寛骨臼カップインプラントは、セメントレスインプラントほどカップ位置決めに影響されないようである。カップ方向付け、位置決め、および、寸法付けのための同じ方法が両方のインプラントタイプにおいて使用される。
カップ方向および位置は、傾斜角(横断面からの角度)および回転角(冠状面からの角度)およびカップ中心位置の観点から規定される。研究は、カップ傾斜の一貫したレベルが存在することを示しており、このレベルを超えると、加速度的な摩耗の可能性がかなり高くなるが、前記レベルを下回ると、衝突(動作中の骨とインプラントとの意図しないぶつかり)が生じる場合がある。傾斜の最適レベルは、人工カップの形状に依存する。半球に近いカップは最適には45°に傾けられるべきであり、一方、実質的に半球に満たない(股関節表面置換に適した大きい直径など)カップは、40°により近いより小さい傾斜(これは、摩耗パッチがカップの縁に達して端部荷重を引き起こさないようにするためである)である必要がある。装置のタイプごとに、傾斜および回転の安全性の容認された領域が存在するが、端部荷重も衝突も起こらないようにする最適な位置は患者間で異なる。
カップの位置は、股関節中心に関連して規定される。この股関節中心は、外科手術前、完全に正常であることはめったにない。一般に、股関節中心は、水平面または軸平面において深すぎるか浅すぎるかである。股関節中心は、浅いソケットを備える股関節においては、前すぎたり高すぎたりする場合もあり、あるいは、非常に深いソケットを備える股関節においては、後ろすぎたり高すぎたりする場合もある。人工カップは、カップ縁と軟組織との擦れ合いおよび/または衝突などの問題を回避するべく、最適な位置、最も重要なものとして深さで挿入されなければならない。
「回復向上」のためのカレントNHSイニシアチブがある。このプログラムは、術後の患者の回復を促進させることを目的としている。低侵襲な外科手術とは、周囲の軟組織の破壊を最小にしつつ小切開を通じて行われる外科手術のことである。外傷および血液損失を減少させることは、より速い患者の回復を促し、傷がより小さくなるという結果をもたらす。これは患者に対する配慮である。この種の外科手術は増える傾向にある。ほとんどの股関節置換術においては、寛骨臼カップインプラントが目測で方向付けられる。低侵襲外科手術に関連する小切開は、寛骨臼カップの視覚的な位置を分かりにくくし、それにより、位置異常の可能性が高まることとなる。
現在のカップ位置決め方法は、ローテクからハイテクに至るまで多岐にわたり、以下で説明する。ローテクな方法(視覚的な位置合わせ、簡単な機械的位置合わせガイド)は、ほとんどの外科手術で現在使用される方法であり、現在のところカップの位置異常を回避することができない。ハイテクな方法は、コンピュータ誘導型ナビゲーションであり、患者に適合したテンプレートである。これらの方法は、正確であるが、コストが高く、殆どの病院では定期的に得ることができないCTデータを必要とする。
視覚的位置合わせ/基本的な機械的位置合わせガイド
これまでで最も普及しているカップ位置決め技術は、視覚的な位置合わせである。整形外科カンパニーは、嵌め込み器具およびリーマ加工器具に接続する簡単なガイドを与えるが、これらのガイドは、部屋の水平面やベッドの長さなどの全体的な基準系に依存するため、カップ方向付けの曖昧で非特異的な目安しか与えることができず、カップ中心位置に関する情報を与えることができない。
コンピュータ誘導型ナビゲーション
National Joint Registry of England and Walesに報告された2010年に取り組まれた股関節置換処置の1%が、コンピュータ誘導型ナビゲーションを使用していた。これは取り組みが低いレベルであることを示唆している。2つのタイプのコンピュータ誘導型ナビゲーション、すなわち、CTに基づく撮像に依存するコンピュータ誘導型ナビゲーションと、それに依存しない(被験者の骨の解剖学的構造が術中に参照される)コンピュータ誘導型ナビゲーションとが存在する。両システムはかなりの設備投資を必要とし、また、CTに基づくシステムは、必要とされるCTスキャンに起因して長期のコスト増を必要とする。そのような出資は、これまでは、大容量センターにおいてのみ起こりそうである。腹部をCTスキャンすることは、患者を望ましくないレベルの放射線に晒すことにもなる。
患者適合型位置合わせガイド
患者適合型位置合わせガイドは、それぞれの特定の患者ごとにカップを理想的に配置できる被験者固有の位置合わせガイドを設計するために患者のCTデータを使用する。プロセスは、CTデータを必要とする(関連するコストおよび放射線の危険を伴う)とともに、患者適合型ガイドを(例えば3D印刷により)設計して形成するためにエンジニアの尽力を必要とする。これは、提案された計画と最終的なガイドとの間の遅延の点から見て、かなりの準備期間を外科手術に付加することとなる。
したがって、安価でCTに依存せず、既存のローテクな技術よりも正確な装置が必要とされている。
本発明の第1の態様によれば、被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にする際に用いる装置が提供される。前記装置は、装置本体と、被験者の寛骨臼縁上の第1の所定の装着位置に配置するための少なくとも第1のロケータとを有し、前記装置は、寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために設置されるときに前記被験者に対する方向および/または位置を規定する。
寛骨臼縁は、臼蓋窩に対する境界を形成する隆起した境界部であり、寛骨臼縁は、不均一であるとともに、一連の凹凸を有している。装置は、外科医によって視覚的にあるいは触診により容易に特定できるが臼蓋窩から離れているランドマークに位置決めすることによって基準面を規定するという従来技術のナビゲーションシステムとは異なり、被験者の寛骨臼縁上の少なくとも1つの装着位置に位置決めする股関節ナビゲーションシステムを備える。装置によって直接的に(例えば、被験者内に設置されるときに装置の少なくとも一部と寛骨臼構成要素とを位置合わせすることにより)あるいは間接的に(例えば、寛骨臼構成要素を位置合わせできるガイドを設置するために装置を使用することにより)規定される方向および/または位置に寛骨臼構成要素を位置合わせすることができる。
装置本体は、少なくとも第1のロケータを装置の残りの部分と結合する装置の任意の部分であってもよく、また、装置本体が任意の適した形状であってもよい。
好ましくは、装置は、被験者の寛骨臼縁上の第2の所定の装着位置に配置するための第2のロケータを更に備える。
好ましくは、装置は、被験者の寛骨臼縁上の第3の所定の装着位置に配置するための第3のロケータを更に備え、装置は、被験者内に設置されるときに寛骨臼縁平面を規定する。
好ましくは、前記ロケータまたは前記ロケータのうちの1つは、寛骨臼上縁上の所定の装着位置に配置するための上ロケータである。
好ましくは、前記ロケータまたは前記ロケータのうちの1つは、寛骨臼前縁上の所定の装着位置に配置するための前ロケータである。
好ましくは、前記ロケータまたは前記ロケータのうちの1つは、寛骨臼後縁上の所定の装着位置に配置するための後ロケータである。
寛骨臼縁上の1つのポイントに位置決めする前ロケータと、寛骨臼縁上の1つのポイントに位置決めする後ロケータとを有する装置により、該装置は、位置合わせされ得る寛骨臼構成要素の回転角に関して被験者固有のガイドを与える。従来技術の基本的ガイドは15°の理想的な回転を成し、一方、本装置は、被験者の解剖学的回転に基づいて被験者固有の回転に自動的に位置決めできる。
適切には、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータは、装置が被験者内に設置されるときに各ロケータが寛骨臼縁上のそのそれぞれの装着位置に位置決めできるように、1つの軸周りに互いに対して配置される。
好ましくは、装置は、設置時に被験者に対する少なくとも1つの基準ラインを規定し、前記基準ラインが前記第1の装着位置を含み、装置は、使用時に被験者の所定の天然ランドマークと位置合わせするための位置合わせ基準要素を更に備え、天然ランドマークがユーザによって特定でき、第1のロケータは、位置合わせ基準要素と天然ランドマークとの位置合わせ時に第1のロケータが第1の装着位置に位置決めするように位置合わせ基準要素に対して位置付けられる。適切には、天然ランドマークは、設置時に装置によって規定される基準ラインの外側にある。装置が設置時に基準面を規定する場合、前記基準面が第1の装着位置を含み、天然ランドマークは、設置時に装置によって規定される基準面の外側にある。
装置は、被験者の骨盤内の埋め込み部位に設置可能であるとともに、最適なカップ位置が規定され得る寛骨臼縁上の少なくとも1つの基準ポイントを見つけるために自動的に位置決めできる。天然ランドマークは、ユーザによって(視覚的にあるいは触覚によって)容易に特定され得る骨ランドマークである。天然ランドマークは、装置を装着位置に位置決めする役目を果たすだけであり、最適なカップ位置が規定され得る基準ラインまたは基準面を規定する役目は果たさない。
装置は、単一の特定の被験者と共に使用するように構成される被験者に固有の装置ではなく、汎用の装置である。言い換えると、装置は、複数の被験者のための寛骨臼構成要素位置合わせガイドとして使用され得る。従来技術の汎用の位置合わせガイドは、ユーザにより視覚的にあるいは触覚によって特定され得るランドマークに位置決めする必要がある一方で、寛骨臼縁上の特定のポイントを視覚的にあるいは触覚により特定できないため、臼蓋窩から離れたポイントに位置決めする。しかしながら、本発明の装置は、寛骨臼縁上の特定の基準ポイントに対して正確に且つ繰り返し位置決めできる。位置合わせ基準要素と第1のロケータとの配置により、装置は、第1のロケータを縁上の所定の基準ポイントに位置決めするために寛骨臼縁上以外の所定の特定可能な天然ランドマークに位置合わせされ得る。装置を使用して被験者内に位置決めされるべき寛骨臼構成要素は、試行カップ、リーマ、または、寛骨臼カップインプラントであってもよい。装置は、股関節置換処置で用いる低コストのナビゲーションシステムを提供する。
装置は、従来技術の患者適合型装置とは異なり、特定の被験者の骨盤構造の対応部分の形状および輪郭に正確に適合するように形成された任意の表面部分を含まない。したがって、本発明の装置は、被験者の骨盤に対して複数の空間的方向で配置され得る。位置合わせ基準要素は、少なくとも第1のロケータが対応する所定の装着位置に位置決めするように装置を位置合わせできるようにし、これにより、装置は、最適なカップ方向および/または位置が規定され得る方向および/または位置で被験者に対して設置され得る。
装置は、伝統的な外科手術で、および、寛骨臼カップの目に見える位置が分かりにくい低侵襲外科手術で使用され得る。装置は、高価な従来技術の患者適合型システムとは異なり、ロケータを対応する装着位置に位置決めするために被験者のCTスキャンを必要としない。
好ましくは、位置合わせ基準要素は、天然ランドマークで被験者の骨盤内におけるピンの配置を案内するためのピン配置ガイドを備える。適切には、装置は、ピンがピン配置ガイド内に設置されるときにピンに対して回動できる。
あるいは、位置合わせ基準要素は、使用時に天然ランドマークと位置合わせされ得る位置合わせマーカを備える。例えば、位置合わせマーカは、ある種のポインタまたは基準マークであってもよく、また、装置は、位置合わせマーカが天然ランドマークの方を向いて天然ランドマークと位置合わせするまで、使用時に臼蓋窩内で回転され得る。
好ましくは、装置は、位置合わせ基準要素が被験者の外閉鎖筋腱溝内で骨隆起部と位置合わせされ得るように構成される。これは、ユーザによって容易に特定され得る天然ランドマークである。
好ましくは、装置は、被験者の寛骨臼縁上の第2の所定の装着位置に配置するための第2のロケータを更に備え、第2のロケータは、位置合わせ基準要素と天然ランドマークとの位置合わせ時に第2のロケータが第2の装着位置に位置決めするように使用時に位置合わせ基準要素に対して位置付けられる。
好ましくは、装置は、使用時に被験者の寛骨臼縁上の第3の所定の装着位置に配置するための第3のロケータを更に備え、第3のロケータは、位置合わせ基準要素と天然ランドマークとの位置合わせ時に第3のロケータが寛骨臼縁上の第3の装着位置に位置決めするように位置合わせ基準要素に対して位置付けられる。
第1、第2、および、第3のロケータは、使用時に、最適なカップ位置を基準付けることができるとともに、人同士の間で再現性がある(すなわち、人同士の間で低いばらつきを示す)特定のランドマークであってもよい所定の第1、第2、および、第3の装着位置のそれぞれに位置決めする。
適切には、装置は、位置合わせ基準要素と天然ランドマークとの位置合わせ時に、上ロケータが被験者の寛骨臼上縁上の所定の装着位置に位置決めし、前ロケータが被験者の寛骨臼前縁上の所定の装着位置に位置決めし、および、後ロケータが被験者の寛骨臼後縁上の所定の装着位置に位置決めするように構成される。
好ましくは、位置合わせ基準要素は、被験者の外閉鎖筋腱溝内で骨隆起部を備える天然ランドマークと位置合わせされるようになっており、被験者の寛骨臼中心と上ロケータとの間の第1のベクトルと被験者の寛骨臼中心と天然ランドマークとの間の第2のベクトルとの間の角度Aは、第1および第2のベクトルが矢状面上に投影されるときに、装置が設置される際に測定して、約112〜132°、好ましくは約120〜124°、より好ましくは約122°である。
好ましくは、前後ロケータ間の間隔をユーザにより調整できる。このようにすると、異なる寛骨臼サイズに応じて装置を調整できる。間隔は、X線または他の撮像方法から測定されるあるいは被験者から切除された大腿骨頭の直径を測定することにより得られる大腿骨頭サイズに基づいて調整され得る。
好ましくは、装置本体が第1および第2の部分を有し、上ロケータは使用時に装置本体の第1の部分上にあるか第1の部分に結合されており、前後ロケータは使用時に第2の部分上にあるか第2の部分に結合されており、第2の部分は使用時に第1の部分にスライド可能に装着される。好ましくは、装置の第2の部分は使用時に第1の部分にキー止めされ、それにより、第1および第2の部分が使用時に軸方向周りに互いに対して回転可能に固定される。
好ましくは、装置は、位置合わせ基準要素が被験者の外閉鎖筋腱溝内で骨隆起部を備える天然ランドマークと位置合わせされ得るように構成され、被験者の寛骨臼中心と後ロケータとの間の第1のベクトルと被験者の寛骨臼中心と天然ランドマークとの間の第2のベクトルとの間の角度Bは、第1および第2のベクトルが矢状面上に投影されるときに、装置が設置される際に測定して、約36〜56°、好ましくは約44〜48°、より好ましくは約46°である。
好ましくは、前ロケータは、後ロケータとほぼ正反対に位置している。
好ましくは、装置が設置時に寛骨臼中心位置を規定し、前記寛骨臼中心位置から寛骨臼構成要素中心を基準付けることができ、寛骨臼中心位置は、装置が設置されるときに、前ロケータと後ロケータとの間の中間点である。言い換えると、装置により規定される所定の寛骨臼中心位置は、寛骨臼縁上の前後装着位置間のラインの中間点に関連して規定される。本明細書中で使用されるロケータという用語は、装置が設置されるときに寛骨臼縁上に載置する装置のポイントのことであってもよい。装置は、適切には、被験者の臼蓋窩に対する寛骨臼構成要素の位置決めを最適化する。装置は、被験者に対する寛骨臼構成要素の位置決めを被験者の寛骨臼縁平面に基づいて制御できるように構成される。適切には、装置は、寛骨臼構成要素の位置決めを被験者の天然の縁平面に基づいて制御できるようにするべく予め調整される。装置は、寛骨臼構成要素が設置されるようになっている臼蓋窩の縁平面を入力として取得するとともに、プロテーゼの縁を天然の縁平面に適合させた状態で寛骨臼構成要素を位置決めできるようにする。装置は、臼蓋窩の奥行きのなさに応じるように被験者の天然の寛骨臼中心位置を復元することを目的としておらず、寛骨臼カップ中心は天然の寛骨臼中心と一致しなくてもよい。装置は、臼蓋窩内の所定の深さに最終カップ中心位置を与えることを目的としており、それにより、寛骨臼カップインプラントの縁は、盛り上がっておらず、したがって、いずれの軟組織とぶつかることもない。
好ましくは、装置は、被験者から測定される寛骨臼センターエッジ角に基づいて、被験者に対する寛骨臼構成要素の方向を制御できるように構成される。
本発明の第2の態様によれば、被験者の臼蓋窩に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために用いる装置が提供され、該装置は、被験者から測定される寛骨臼センターエッジ角に基づいて、被験者に対する寛骨臼構成要素の方向を制御できるように構成される。適切には、装置は、寛骨臼構成要素の方向を被験者から測定されるセンターエッジ角の値に基づいて制御できるように予め調整される。装置は、寛骨臼構成要素が設置されるようになっている臼蓋窩のセンターエッジ角の値を入力として取得するとともに、寛骨臼構成要素を所定の傾斜に位置合わせできるようにし、前記所定の傾斜は、最適な「安全域」範囲内の傾斜である。傾斜の「安全域」範囲は、30〜50°、または、より好ましくは35〜45°として規定されてもよい。一部の患者は、所定の範囲内の傾斜に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために本装置を使用できることを妨げる寛骨臼形態を有する場合があるが、装置は、大部分の被験者のための配置を正確に案内するはずである。
好ましくは、装置は,使用時に被験者の骨盤に設置することができ、装置は、設置時に被験者に対する少なくとも1つの基準ラインを規定し、装置は、寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために装置が設置されるときに被験者に対する方向を規定するための少なくとも1つのガイド部を更に備え、ガイド部は、被験者から測定されるセンターエッジ角に基づいて設置時に被験者に対する方向を与える。適切には、基準ラインは、使用時に寛骨臼縁上の上装着位置に装着される上ロケータと装置を使用して規定される被験者の臼蓋窩のほぼ中心にあるポイントとの間のラインであってもよい。被験者の臼蓋窩のほぼ中心にあるポイントは、装置が位置決めする寛骨臼縁上の前後装着位置間の中間点として規定される、被験者の臼蓋窩のほぼ中心にあると推定されるポイントであってもよい。
言うまでもなく、寛骨臼構成要素を所定の傾斜範囲内に向けられるように方向付けるためのこの手段は、被験者固有の回転を規定するために寛骨臼後縁上および寛骨臼前縁上のそれぞれの装着位置に装着する前後ロケータを伴ってあるいは伴わずに作用状態に置くことができる。これは、寛骨臼構成要素を所定の回転に方向付けるための他の手段を使用できるからである。例えば、回転を制御するために、寛骨臼横靭帯を患者固有の基準として使用して、寛骨臼構成要素を位置合わせすることができる(例えば、ORTHOPEDICS September 2010;33(9):631におけるBeverlandにより説明される方法を参照)。したがって、前述した安全域内に傾斜を制御するためにセンターエッジ角の値を入力として使用する装置を、回転を制御するために寛骨臼横靭帯を使用する方法または装置特徴、または、他の適した回転制御特徴と組み合わせて使用することができる。
好ましくは、装置は、測定されたセンターエッジ角値に応じてガイド部を基準ラインまたは基準面に対して所定の傾斜角に設定できるように構成することができる。好ましい実施形態において、装置は、寛骨臼上縁上、寛骨臼前縁上、および、寛骨臼後縁上のそれぞれの所定の装着位置に位置決めする上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータと、ガイド部とを備え、装置は設置時に寛骨臼縁平面を規定し、ガイド部は、設置時に、被験者に対する方向を規定するために、縁平面に対して所定の方向を向き、設置時の上装着位置に対するガイド部の傾きはユーザにより調整できる。
好ましくは、装置は、寛骨臼構成要素を設置できる装置が設置されるときに被験者に対する方向を規定するための少なくとも1つのガイド部を更に備える。
好ましくは、ガイド部が少なくとも1つのピン配置ガイドを備える。ピン配置ガイドは、ピン配置ガイドにより規定される方向および/または位置でピンを被験者内に配置するために適切に使用され得る。あるいは、ガイド部が長尺ハンドルなどの長尺ロッドを備えてもよい。
好ましくは、被験者から測定される前記センターエッジ角が被験者のレントゲンから得られる。
好ましくは、上ロケータの位置を装置本体に対してユーザにより調整できる。装置は、装置本体に対する選択された位置で第1のロケータを解放可能にロックするための手段を含むことが好ましい。
ユーザにより調整できる上ロケータを有するのではなく、装置本体が目盛を刻んだスケールを有してもよく、スケール上の値は、ピンまたはガイドを所定の傾斜角にほぼ位置合わせするべく、ピンまたは他のガイドが位置合わせされてもよいセンターエッジ角値に対応するように予め調整される。
好ましくは、装置本体に対する上ロケータの位置は、被験者から測定されるセンターエッジ角に基づいてユーザにより選択され得る。
好ましくは、上ロケータを装置に対して回動可能に調整できる。あるいは、上ロケータを装置に対してスライド可能に調整できてもよい。適切には、上ロケータと、装置が設置されるときに所定の方向に向く装置の位置合わせ軸(例えばガイド部)との間の距離は、装置本体に対する上ロケータの位置を調整することにより装置が被験者内の着座位置にあるときの被験者に対する装置の寛骨臼位置合わせ軸の方向を調整できるように、調整可能である。装置が被験者内の着座位置にあるときには、少なくとも第1のロケータがその対応する所定の装着位置に載置している。
好ましくは、装置は、ユーザが装置により規定される基準ラインまたは基準面に対して選択された傾きに寛骨臼構成要素を方向付けることができるようにするための方向インジケータを有し、インジケータは、被験者から測定されるセンターエッジ角の値を使用して所定の傾きを選択できるようにするべく予め調整される。
好ましくは、装置および/または方向インジケータは、センターエッジ角値に対応する複数の視覚的なマーキングを有する。較正された視覚的なマーキングは、測定されたセンターエッジ角の値に基づいてユーザにより上ロケータを調整できるようにする。
好ましくは、装置は、被験者の臼蓋窩の中心を実質的に規定するための手段を更に備える。被験者の臼蓋窩の中心を規定するための手段は、寛骨臼後縁上および寛骨臼前縁上のそれぞれの対向するポイントに位置決めする後ロケータおよび前ロケータによるものであってもよく、推定された中心ポイントは、装置が設置されるときの後ロケータと前ロケータとの間の中間点に関連付けられる。
好ましくは、装置は、被験者の臼蓋窩の中心を実質的に規定する臼蓋窩心出し構成要素を使用時に更に備える。適切には、これは、臼蓋窩の中心を規定するために臼蓋窩内に位置決めするべく適切に形成される任意の装置、例えばカップ形状構成要素(すなわち、略半球形状の構成要素)または三脚状構成要素であってもよい。
好ましくは、装置本体は、臼蓋窩心出し構成要素に取り付くための手段を有する。好ましくは、臼蓋窩心出し構成要素は、装置本体に取り付けることができるカップ形状構成要素、リーマ、または、寛骨臼カッププロテーゼを備える。前述した装置を備えるキットが提供されてもよく、この場合、少なくとも2つの臼蓋窩心出し構成要素が設けられ、各臼蓋窩心出し構成要素が異なるサイズを有する。臼蓋窩心出し構成要素は、例えばX線または他の撮像プロセスから測定される被験者の大腿骨頭直径に基づいてユーザが適切な臼蓋窩心出し構成要素を選択できるように交換可能であってもよい。
好ましくは、第1のロケータおよび/または第2のロケータおよび/または第3のロケータはそれぞれ、装置が設置されるときにそれらのそれぞれの装着位置とほぼ点接触または線接触するように構成される。前記ロケータのそれぞれは、それらのそれぞれの装着位置に載置するように構成され、それにより、設置時に寛骨臼縁と点接触するあるいは線接触する。
好ましくは、装置は、設置時に被験者に対する基準面を規定する。この面は、方向情報および位置情報の両方を与える。
本発明の更なる態様は、被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために用いる装置が提供される。該装置は、装置本体と、被験者の寛骨臼上縁上の第1の所定の装着位置に配置するための上ロケータと、寛骨臼前縁上の第2の所定の装着位置に配置するための前ロケータと、寛骨臼後縁上の第3の所定の装着位置に配置するための後ロケータとを有する。該装置は、寛骨臼構成要素が設置されるときに寛骨臼構成要素が位置合わせされるようになっている少なくとも1つの方向に設置時に向く寛骨臼位置合わせ軸を有する。寛骨臼位置合わせ軸に対して垂直な平面内で寛骨臼位置合わせ軸周りに測定される上ロケータと後ロケータとの間の角度Cは、約66〜86°であり、好ましくは約74〜78°であり、より好ましくは約76°である。前ロケータは、後ロケータと実質的に反対側に適切に位置している。該装置は、患者の骨形態を解析して、最適なカップ位置が規定され得るランドマークを抽出することによって開発された。上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータは、最適な寛骨臼構成要素位置が基準付けられ得る寛骨臼縁上の骨ランドマークに位置決めするように配置される。
本発明は、本発明の任意の態様に係る前述の装置を組み付ける時に供給する部品のキットも提供する。
本発明の更なる態様によれば、被験者の股関節に本発明の任意の態様に係る装置を設置する方法が提供され、該方法は、少なくとも第1のロケータが第1の装着位置に位置決めするように位置合わせ基準要素を天然ランドマークと位置合わせするステップを備える。
本発明の更なる態様によれば、被験者の股関節に本発明の任意の態様に係る装置を設置する方法が提供される。該方法は、装置が設置されるようになっている被験者の臼蓋窩におけるセンターエッジ角を測定するステップと、被験者から測定されるセンターエッジ角に基づいて装置本体に対する上ロケータの位置を調整するステップと、第1のロケータが被験者の寛骨臼縁と接触するように装置を被験者内に配置するステップとを備える。好ましくは、該方法は、装置が設置されるようになっている股関節の大腿骨頭における大腿骨頭直径を測定するステップと、装置を設置する前に寛骨臼心出し構成要素を装置に取り付けるステップとを更に含み、寛骨臼心出し構成要素は、測定された大腿骨頭直径に基づいて被験者の臼蓋窩のサイズに適合するべく寸法付けられるように選択される。あるいは、寛骨臼構成要素のサイズは、被験者の寛骨臼縁の直径に基づいてユーザにより設定された前後ロケータ間の間隔に基づいて選択され得る。
本明細書中で使用される患者という用語は、任意の人または動物の被験者のことを指してもよい。
本明細書中で使用される基端という用語は、装置が取り付けポイントへ向けて設置されるおよび/または位置されるときに被験者の身体の中心付近または該中心へ向けて位置されることを意味してもよい。本明細書中で使用される先端という用語は、装置が取り付けポイントから離れて設置されるおよび/または位置されるときに身体の中心から離れて位置されることを意味してもよい。
ここで、特に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を単なる一例として説明する。
骨盤に埋め込まれる寛骨臼カップの図を示す。 骨盤に埋め込まれる寛骨臼カップの図1Aとは異なる図を示す。 寛骨臼カップの方向が傾斜角Iと回転角Vとによってどのように規定されるのかを示す骨盤内に設置される寛骨臼カップの線図である。 臼蓋窩のセンターエッジ角Vceを示す股関節の線図である。 外閉鎖筋腱溝天然ランドマークを示す骨盤骨の図である。 Vce角と推定傾斜との間の相関関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る装置であり、図3Bとの間での上ロケータの調整を示す、装置の第1の部分の斜視図である。 図3Bは、本発明の第1の実施形態に係る装置における、図3Aとの間での上ロケータの調整を示す、装置の第1の部分の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る装置であり、カップ形状構成要素が取り付けられる導入器に対して取り付けられる装置の第1の部分を示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置であり、装置の第2の部分が図4の装置に組み付けられている状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、装置の第2の部分が第1の部分上にスライド可能に更に装着されている状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、最初に被検者の左臼蓋窩へ導入される図6のアセンブリを示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、装置位置合わせピンが設置された図7のアセンブリを示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、ロケータが寛骨臼縁上に載置するように図8のアセンブリが傾けられた状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置であり、図9のアセンブリの更なる図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、装置位置合わせピンが取り外されて、一対の寛骨臼構成要素位置合わせピンが設置されている、図9のアセンブリを示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、装置アセンブリが取り外されて、寛骨臼構成要素位置合わせピンが被験者に設置されたままである、臼蓋窩を示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、寛骨臼構成要素位置合わせピン上に設置されるカップガイドを示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置における、図13のカップガイドの更なる図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る装置であり、カップガイドが嵌め込み後の方向・位置決めチェックとして使用されている、カップガイドの真下で被験者に設置される寛骨臼カップインプラントを示す。 カップ形状構成要素または導入器が装置に組み付けられていない状態の図6の装置の軸方向下面図を示す。 65人のサンプル被験者において理論的な位置決めのために達成されるレントゲン撮影の回転および傾斜のグラフを示す。 本発明の第2の実施形態における、第2の実施形態の装置の正面図を示す。 本発明の第2の実施形態における、隠れた特徴が点線で示された、図18の装置の他方側からの図を示す。 本発明の第2の実施形態における、図18の装置の背面図を示す。 本発明の第2の実施形態における、図18の装置の斜視図を示す。 本発明の第2の実施形態における、図18の装置の平面図を示す。 本発明の第2の実施形態における、図18の装置の底面図を示す。 本発明の第3の実施形態における、第3の実施形態の装置の左側面図を示す。 本発明の第3の実施形態における、図24の装置の正面図を示す。 本発明の第3の実施形態における、図24の装置の右側面図を示す。 本発明の第3の実施形態における、図24の装置の斜視図を示す。 本発明の第3の実施形態における、図24の装置の底面図を示す。
本実施形態は、発明を実施する出願人が現在知る最良の方法を表す。しかし、これらの実施形態は、発明を実施するための唯一の方法ではない。これらの実施形態が図示されており、ここで、これらの実施形態を単なる一例として説明する。
図1Aおよび図1Bを参照すると、寛骨臼構成要素が、埋め込み部位16における股関節プロテーゼの埋め込みに関連して天然の骨盤14の臼蓋窩12内の所定位置に埋め込まれて示される寛骨臼カップ10の形態で示される。臼蓋窩は、寛骨臼軸20が通過する寛骨臼中心18を有し、また、寛骨臼カップ10は、該寛骨臼カップの回転中心32を通る極軸30を有し、回転中心32は、図1Aに示されるケースでは、カップが設置されるときに臼蓋窩の回転中心18と一致する(しかしながら、カップ中心は必ずしも寛骨臼中心と一致する必要はない)。寛骨臼カップは前面34を有する。
カップの方法および位置は、傾斜角(横断面からの角度)および回転角(冠状面からの角度)とカップ中心との観点から規定される。図1Cは、寛骨臼カップの方向が傾斜角Iと回転角Vとによってどのように規定されるのかを示す骨盤内に設置される寛骨臼カップの線図である。Murray(J Bone Joint Surg Br.1993 Mar;75(2):228−32)によって説明されるように、角度を決定するために使用される評価に応じて、傾斜および回転の3つの別個の定義、すなわち、手術的(operative)、解剖学的(anatomical)、および、レントゲン的(radiographic)な定義が存在する。1つの定義から他の定義への傾斜角または回転角の変換は、良く理解されており、数学的に行うことができる。明細書の全体にわたって、傾斜および回転という用語は、様々な定義間の変換が当該技術分野において公然知られている知識をもって、任意の定義にしたがって角度を示すために使用されてもよい。明細書の全体にわたって、傾斜および回転という用語は、装置の寛骨臼構成要素または任意の他の構成要素、例えばピンまたはカップガイドなどの傾斜および回転を示すために使用されてもよい。
本発明に係る装置の実施形態は、局所的な寛骨臼ランドマークと最適な寛骨臼カップ配置との間の関係を研究することによって考え出された。人同士の間のランドマーク関係の再現性を解析するために特別に開発されたスクリプトを使用して骨形態解析が行われた。初期調査の基本的なプロセスは以下の通りであった。
a)複数の患者に関するCT(コンピュータ断層撮影)スキャンからの患者データをセグメント化する。
b)セグメント化されたスキャンを一群のポイントへと変換する。
c)スクリプトを使用して、臼蓋窩および寛骨臼縁プロファイルの位置決めをする。
d)スクリプトを使用して、球などの幾何学的形状により局所的な寛骨臼骨ランドマークの範囲を規定する。
e)スクリプトを使用して、患者間のランドマーク位置および縁プロファイルを関連付ける。
f)スクリプトを使用して、2Dレントゲン撮影から測定され得るセンターエッジ角などの標準的な外科的寛骨臼形態寸法の範囲を測定する。
g)再現性およびこのデータ内の相関関係を見る。
h)スクリプトを使用して、機械的に複製され得る臼蓋窩への位置決め技術を評価する。
センターエッジ角(Vce、「カバレッジ角」としても知られる)は、2Dレントゲン撮影から測定され得る標準的な外科的寛骨臼形態測定値である。図1Dは、臼蓋窩のセンターエッジ角Vceが示された股関節を示す。
72人の患者から標準的な2次元Vce角を測定して、それを、上縁上のポイントと寛骨臼中心との間で規定されるベクトルと横断面との間の角度として測定される推定傾斜と比較することによってVce角と傾斜との間の相関関係を調べるために、72人の患者からのデータに関して解析が行われた。Vce角と推定傾斜との間の相関関係が図2に示される。相関係数は0.968である。データ解析は、2D測定されたセンターエッジ角とカップ傾斜角との間の強い相関関係を明らかにした。
次に、最適なカップ位置を規定できる再現可能な骨ランドマークの位置が、以下に記されるステップを使用して決定された。このプロセスにおいて、再現可能な骨ランドマークは、人工股関節置換術中に外科医により視覚的に容易に特定され得る有用なランドマークである外閉鎖筋腱溝内の骨隆起部から基準付けられた。
1.骨盤CTデータのサンプルを収集して、焦点を合わせるべき左半骨盤または右半骨盤のいずれかを選択する。CTデータをセグメント化して、注意深く骨棘を除去する。
2.少なくとも60個のポイントを用いて臼蓋窩の縁(窩を含まない)の位置決めをする。これは、手動であるいは自動スクリプトを用いて行うことができる。
3.球を臼蓋窩に適合させて、寛骨臼中心の位置決めをする。これは、手動であるいは自動スクリプトを用いて行うことができる。
4.2つの上前腸骨棘(ASIS)を1つの軸に沿って位置合わせすることによって骨盤を冠状面内で方向付ける。
4.寛骨臼縁プロファイルを冠状面内で2D画像に投影することによってカバレッジ角を測定する。2つのベクトルを生成する。ベクトル1は、臼蓋窩上の最も張り出した上ポイントと寛骨臼中心との間にある。ベクトル2は、2つのASIS間の軸に対して垂直である。カバレッジ角は、これらの2つのベクトル間の鋭角である。
5.全ての骨盤を前骨盤面(APP)(左右ASISおよび恥骨結節の中間点を通る平面)へと方向付ける。XYを横断面として規定し、XZを冠状面として規定し、YZを矢状面として規定する。
6.寛骨臼縁プロファイルの全てをそれらの寛骨臼中心と共にAPP内で抽出する。激しい異形成(25度未満のカバレッジ角として規定される)または激しい挟み衝突(50度を超えるカバレッジ角として規定される)を伴う寛骨臼縁プロファイルを排除する。
7.X軸と平行な臼蓋窩の中心を通る軸を規定する。
8.縁プロファイルを矢状面へと投影する。これは、歪んだ不完全な円のように見えるべきである。
9.外閉鎖筋腱溝内の骨隆起部の位置を突き止める。また、このポイントを2D平面へ投影する。
10.寛骨臼縁の周囲で骨隆起部候補から時計回りに5度ごとに(窩で円が途切れるポイントを除く)縁プロファイルポイントを移動させる。
11.それぞれのポイントごとに5度間隔で、ポイントと寛骨臼中心との間のベクトルと、中心と骨隆起部との間のベクトルと、の間の範囲の角度を計算する。この角度を、縁ポイントを通る最適な面に対して垂直な面へ投影するとともに、横断面へ投影する。この角度は、傾斜に関連付けられ、推定傾斜と呼ぶことができる。
12.それぞれのポイントごとに5度間隔で、回転に関連付けられる角度を計算する。ポイントをそれらの径方向に対向するポイントと結合する(例えば、25度および205度)。2つのポイント間のベクトルとY軸との間の角度を計算する。この角度は、回転に関連付けられ、推定回転と呼ぶことができる。
13.第1に、傾斜に焦点を合わせる。5度間隔縁ポイントのそれぞれごとに、臼蓋窩の全てにわたってセンターエッジ角と推定傾斜との間の相関関係を規定する。
14.カバレッジ角に対する最も高い相関関係を有する縁ポイント角度位置を選択する。この時点で、カバレッジ角に対して高い相関関係を有する縁上のポイントにおける角度定義が得られた。
15.第2に、回転に焦点を合わせる。5度間隔縁ポイントのそれぞれごとに、横断面へ投影される、各縁ポイントとその径方向に対向する相手側との間のベクトルと、患者自然回転との間の相関関係を規定する。また、規定された5度間隔縁ポイントにおける各被験者にわたる回転の全範囲も記録する。
16.3つの縁ポイントを選択する。上縁ポイントは、センターエッジ角と最も高度に相関した骨隆起部とのその角度関係によって規定されるポイントである。前ポイントは、自然回転と最も高度に相関した縁ポイントとして選択され、全ての被験者にわたって許容できる低い範囲の回転も有する。後ポイントは、前ポイントから180度に規定される。上縁ポイントと寛骨臼中心との間のベクトルを規定する。このベクトルをカバレッジ角から計算される大きさだけY軸周りに回転させる。この大きさは、カバレッジ角と推定傾斜との間の最適な関係を規定するとともに、これを使用して、ベクトルを標的位置へ垂直から40度回転させることによって見出される。カップ法線は、このベクトルと、前縁ポイントと後縁ポイントとの間のベクトルとの外積である。最終的なカップ中心は、前縁ポイントと後縁ポイントとの中間点に位置する。
これは、骨盤の全方向を基準付けることができる、カップ平面をもたらす縁ポイントを見出す方法を明らかにする。したがって、最適なカップ方向および/または位置を基準付けることができる。以下、上記の方法により特定されるこれらの縁ポイントを使用する装置について説明する。
図6を参照すると、被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするための本発明の一実施形態に係る組み付けられた装置100が示される。装置100は、図3Bに示されるような第1の部分110と、第1の部分110に取り付け可能な第2の部分120とを備える。アセンブリは、カップ形状構成要素130と、装置に取り付けられる導入器150とを更に備える。
図3Bを参照すると、装置100の第1の部分110が示される。第1の部分は、先端シャフト部113と基端シャフト部114とを有する装置本体111を備え、先端および基端シャフト部113,114は、長尺であるとともに、長手方向軸113aに沿って同一直線上にある長手方向軸を有する。また、第1の部分110は、使用時に被験者の寛骨臼上縁上の装着位置に位置決めするためのロケータ112も備える(ロケータが上ロケータ112と称されてもよい)。上ロケータ112は、使用時に装置本体111に取り付けられるフォーク端部112bと、設置時に被験者の寛骨臼縁と接触するためのフォークステム112aとを有するフォークを備える。フォーク端部112bは、装置本体の長手方向軸113aに対して垂直な軸の周りで上ロケータ112が装置本体111に対して回動できるように装置本体111に取り付けられる。
上ロケータ112は、ユーザにより選択される装置本体111に対する位置に、装置本体111に対して回動可能に調整でき、ネジロック手段などのロック手段(図示せず)によって選択された形態でロックすることができる。
上ロケータ112は、以下で更に詳しく説明するように、選択された位置に合わせる上ロケータ112の調整によって寛骨臼構成要素を所定の傾斜角範囲内にほぼ位置合わせできるようにユーザが装置100を構成できるという点において傾斜ロケータである。したがって、装置の第1の部分110は、装置の傾斜基準部である。調整中に上ロケータ112を位置合わせできる長手方向軸113aに対する角度を示すためのマーキング(図示せず)が第1の部分110の装置本体111上にあることが好ましい。
図4を参照すると、装置の第1の部分110は、寛骨臼構成要素を被験者の臼蓋窩内へ挿入するために、導入器150に取り付けられて示される。導入器150は、ユーザによって握られるべきハンドル151と、その基端に取り付けられるカップ形状構成要素130とを有する。本実施形態に示される導入器150において、装置の第1の部分110の基端シャフト114は、導入器150の対応する孔(図では見えない)内に挿入するが、装置100は、他の既存の導入器に取り付けるための適した取り付け手段を有することができる。装置100は、第1の部分110を導入器150に対して強固に固定するための適した手段を有する。例えば、基端シャフト114に雄ネジが形成されてもよく、それに対応して、第1の部分110を導入器150に固定するべく、導入器150の対応する孔に雌ネジが形成される。
導入器の基端のカップ形状構成要素130は、異なる直径のカップ形状構成要素と置き換えられてもよい。アセンブリは、直径が異なる一連のカップ形状構成要素が備えられるキットとして提供することができる。
図5を参照すると、装置の第2の部分120が第1の部分110に組み付けられて示される。第2の部分120は、第1の部分110の先端シャフト部113を受けるようになっている中心孔121aを有する本体部121を備え、該第2の部分120が第1の部分110の先端シャフト部113上にわたってスライドして先端シャフト部113上に受けることができる。第1の部分110および第2の部分120はそれぞれ、組み付けられるときにこれらの部分を軸方向面内で互いにロックすることによって、第1および第2の部分110,120をキー止めするための対応する手段を含み、それにより、第2の部分が長手方向軸113a周りで第1の部分に対して回転できない。装置の第1の部分110と第2の部分120とが組み付けられると、それぞれの装置本体111,121は、共に合わさって、長手方向軸113aを有する組み付けられた装置の装置本体を形成する。
第2の部分120の本体121からは、使用時に被験者の寛骨臼前縁上の装着位置に位置決めするための第1のロケータ122(以下、前ロケータ122と称される)と、使用時に被験者の寛骨臼後縁上の装着位置に位置決めするための第2のロケータ123(以下、後ロケータ123と称される)とが延びている。前後のロケータ122,123は、第2の部分120の本体部121から反対方向に離れるように延びるアームである。前後のロケータ122,123は湾曲アームであり、それぞれの湾曲アームは、一対のロケータ122,123がC形状をほぼ形成するように、本体部121とのその取り付けポイントから離れるように湾曲する。前ロケータの先端122aは、設置時に寛骨臼縁上の装着位置に位置決めするようになっており、また、後ロケータの先端123aは、設置時に後縁上の装着位置に位置決めするようになっている。
装置100の第2の部分120は、以下で更に詳しく説明するように、所定の回転に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを可能にする回転基準部である。
図6を参照すると、本実施形態において、前後のロケータ122,123は弾力性があり、そのため、前後のロケータ122,123のそれぞれの先端122a,123bは、前後のロケータの先端122a,123a間の間隔を選択的に調整するように、カップ形状構成要素130に対して調整可能に固定され得る。先端122a,123aのそれぞれは、雄ネジ山が切られたネジ124を受けるための開口を有する。各ネジは、カップ形状構成要素130の対応する雌ネジが形成された孔(図では見えない)内に受けられ得る。各ネジ124がカップ形状構成要素130に対して捩じ込まれあるいは緩められることによって、ユーザは、装置が組み込まれるようになっている被験者の寛骨臼縁の直径とほぼ適合するように前後のロケータ122,123の先端122a,123a間の間隔を調整することができる。このようにすると、装置100を異なる寛骨臼縁直径の被験者に合うように調整することができる。
図8を参照すると、第2の部分120は、位置合わせピン配置ガイドである位置合わせ基準要素140を更に備える。以下で更に詳しく説明するように、位置合わせ基準要素は、設置のために寛骨臼縁の平面内で装置100を被験者に対して方向付けるために、被験者の特定できる天然のランドマークと位置合わせすることができ,これによって、ロケータ112,122,123を寛骨臼縁上のそれらのそれぞれの装着位置に位置決めする。位置合わせピン配置ガイド140は、装置100の長手方向軸113aに対して略垂直な面で後ロケータの先端123aから延びる延在部141によって後ロケータの先端123aに強固に取り付けられる。位置合わせピン配置ガイド140は、図8に示されるように、被験者の骨盤に取り付けるための装置位置合わせピン142を挿通して受けるための孔を有する。装置位置合わせピン142は標準的な骨ピンであってもよい。
図11を参照すると、第2の部分120は、ピン配置ガイド144,145の更なるペアを更に備える。一方のピン配置ガイド144は、後ロケータ123の延在部141に対して強固に取り付けられる。他方のピン配置ガイド145は、第2の部分の装置本体121の中心孔121a付近から延びる延在部146に対して強固に取り付けられる。ピン配置ガイド144,145のそれぞれは、図11に示されるように、被験者の骨盤に取り付けるための寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aを挿通して受けるための孔を有する。ピン144a,145aは標準的な骨ピンであってもよい。位置合わせピン配置ガイド140とは異なり、ピン配置ガイド144,145は、それぞれのピン144a,145aに対して締め付けられ得るケーブルグランドまたは他の適したコレットを構成しており、ケーブルグランドが締め付けられると、ケーブルグランドは、その内側のそれぞれの骨ピンに対して回動できない。図12を参照すると、ケーブルグランド144,145は装置100に対して取り外し可能に固定することができ、それにより、装置をケーブルグランド144,145から取り外して、ピン144a,145aを被験者の骨盤の所定位置に所定の方向で固定されたまま残すことができるとともに、ケーブルグランド144,145のそれぞれを被験者の骨盤から所定の間隔をもって離間させたままにすることができる。ピン144a,145aは、装置を使用して設置されると、設置時に寛骨臼構成要素極軸における所定の方向と平行である軸Pと平行に方向付けられる。
設置された寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aは、寛骨臼構成要素の位置合わせを支援するための図13および図14ではピンに設置されて示されるカップガイド160などの二次ガイドを支持するために使用され得る。カップガイド160は弓形のフランジ部161を有する。弓形のフランジ部161からは、第1および第2の延長要素162,163が延びている。各延長要素162,163の先端にはフード162a,163aがあり、各フードは、それぞれのピン144a,145aを受けるように寸法付けられた孔を有する。フード162a,163aが対応するケーブルグランド144,145上に落とし込まれるまで、第1のフード162aを第1のピン144a上にわたって配置することができ、第2のフード163aを第2のピン145a上にわたって配置することができる。カップガイド160は、フード162a,163aが対応するケーブルグランド144,145上に設置されるときに寛骨臼構成要素が所定の方向および位置で設置される際の寛骨臼構成要素の縁と平行に隣接するべくカップガイドの弓形のフランジ部161が方向付けられて位置されるように形成される。このようにすると、ユーザは、寛骨臼構成要素を臼蓋窩内において所定の方向および位置に容易に方向付けて位置決めすることができる。カップガイド160は、キットの一部として装置100と共に提供され得る。
図16を参照すると、第1および第2の部分110,120が組み付けられるときに、装置の長手方向軸113aの周りで測定される位置合わせピン配置ガイド140と上ロケータ112との間の角度Aは122°である。装置の長手方向軸113aの周りで測定される位置合わせピン配置ガイド140と後ロケータ123との間の角度Bは46°である。前ロケータ122は、装置の長手方向軸113aの周りで測定して、後ロケータ123から180°に配置される。上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ112,122,123の特定の角度配置により、ロケータは、位置合わせピン配置ガイド140が選択された天然ランドマークと位置合わせされるときに最適なカップ方向および/または位置を規定できるそれぞれの装着位置に位置する。角度AおよびBはそれぞれ、10°程度増大され/減少されてもよく、それでも依然として、傾斜の安全域内での解剖学的回転に合わせたカップ配置を可能にする。言い換えると、位置合わせ基準要素140に対するロケータ112,122,123のそれぞれの角度配置は、図16に示される角度配置から±10°ほど変更されてもよく、それでも依然として、傾斜の安全域内での解剖学的回転に合わせたカップ配置を可能にする。
術中、寛骨臼構成要素を被験者に対して所定の方向および位置に方向付けて位置決めできるように装置を設置するべく、最初に、被験者のセンターエッジ角と、装置が設置されるようになっている股関節における大腿骨頭直径とが、平面的なレントゲン撮影から測定される(この情報は、無論、被験者の埋め込み部位からあるいはCTデータから直接に測定され得る)。装置100は、該装置100が被験者の臼蓋窩内の着座位置にあるときにピン配置ガイド144,145を被験者に対して所定の方向および位置に方向付けて位置決めするように構成され、それにより、所定の方向および位置を、寛骨臼構成要素を位置合わせするための基準として使用することができる(すなわち、寛骨臼構成要素の極軸は、ピン配置ガイド144,145を使用して設置されるピンまたはカップガイドに対して寛骨臼構成要素を位置合わせすることにより、装置がその着座位置にあるときに装置100によってピン配置ガイド144,145が方向付けられる軸と平行になるように位置合わせされ得る。つまり、寛骨臼構成要素は、ピンまたはカップガイドが装置100を使用して設置される位置に基づいて、特定の位置に位置合わせされ得る)。
図3Aおよび図3Bを参照すると、上ロケータ112は、装置が被験者内の完全着座位置にあるときに装置の長手方向軸113aが方向付けられる傾斜を制御するべく装置本体111に対して調整される。装置本体111上のマーキング(図示せず)にはそれぞれセンターエッジ角値が割り当てられ、それにより、装置が設置されるようになっている被験者の臼蓋窩におけるセンターエッジ角値に対応するマーキングと上ロケータ112が位置合わせされると、上ロケータ112は、装置が被験者内のその着座位置にあるときのピン配置ガイド144,145の結果として得られる方向が被験者に対する傾斜角の所定の安全域内にあるように装置本体111に対して位置決めされる(すなわち、寛骨臼構成要素は、ピン配置ガイド144,145によって出力される方向に合わされると、所定の安全域内の傾斜角を有するはずである)。装置は、好ましくは、傾斜の所定の安全域が35〜45°となるように形成されるが、装置を他の目標傾斜角範囲に合わせするように製造できることが理解される。
ユーザは、装置を所定の傾斜角範囲内に設置するために被験者から測定されるセンターエッジ角値を使用して何らかの計算を行う必要がなく、代わりに、装置は、測定されたセンターエッジ角値に対応するマーキングとの位置合わせが存在するように上ロケータ112が調整されるときに装置を設置時の所定の傾斜範囲内に方向付けるべく上ロケータ112が装置本体に対して適切な大きさだけ傾けられるように調整される。
適切なサイズのカップ形状構成要素130は、直径が異なる一連のカップ形状構成要素から選択される。カップ形状構成要素130は、利用できる一連のカップ形状構成要素の中から、例えば被験者のレントゲン撮影から測定される被験者の大腿骨頭直径と適合するあるいは最も密接に適合する直径を有するように選択される。このようにすると、被験者の寛骨臼中心を規定するべく、装置100の設置中にカップ形状構成要素を被験者の臼蓋窩内に着座させることができる。図4に示されるように、選択されたカップ形状構成要素130が導入器150の基端に取り付けられ、また、第1の部分110を導入器150に組み付けるために第1の部分110が導入器150に挿入される。カップ形状構成要素130は、該カップ形状構成要素130が臼蓋窩内に載置するために着座されるときに被験者の寛骨臼中心を規定する。上ロケータ、および、カップ形状構成要素130により規定される寛骨臼中心は、装置が設置されるときに被験者に対する基準ラインを規定する。
図5および図6を参照すると、装置の第2の部分120は、第2の部分120を先端シャフト部113上にわたってスライドさせることによって第1の部分110に組み付けられる。必要な場合には、被験者の寛骨臼縁直径/大腿骨頭直径に応じて、前後ロケータ122,123の先端122a,123a間の間隔を調整することができる。
図7を参照すると、導入器150は、組み付けられた装置100を被験者のリーマ加工されない臼蓋窩へ向けて内側に(空間内で垂直に)近づけるために使用される。装置100は、被験者が側臥位置にあるときに被験者に装着するように形成されている。図3A〜図16に示される装置100は、左股関節内への寛骨臼構成要素の位置合わせを案内するためのものであるが、右股関節内への寛骨臼構成要素の位置合わせを案内するのに適した装置を製造できることが理解される。右股関節用の装置は左股関節用の装置の鏡像である。言い換えると、装置の底面から見て、左股関節用の装置では、上ロケータが前ロケータから反時計回りに位置され、一方、右股関節用の装置では、上ロケータが前ロケータから時計回りに位置される。装置100を被験者の左股関節に設置するためには、被験者が右側臥位置で横たわっていなければならない。
図8を参照すると、装置位置合わせピン142が位置合わせピン配置ガイド140に挿通される。外科医は、被験者の外閉鎖筋腱溝と、任意の被験者の天然のランドマークとして容易に特定できる骨隆起部を特定しなければならない。このランドマークは、坐骨の稜部として規定することもできるが、以下では外閉鎖筋腱溝または「天然ランドマーク」と称される。図1Eを参照すると、この天然ランドマークは、Lの標示が付されたマークによって特定される。装置100は、位置合わせピン配置ガイド140がこの所定の天然ランドマークと位置が合うまで臼蓋窩内で回転される。位置合わせピン配置ガイド140が天然ランドマーク上に位置しているときに、装置位置合わせピン142は、天然ランドマーク上に載置するように位置付けられ、あるいは、そのポイントで被験者の骨内へ挿入される。
図8および図9を参照すると、装置位置合わせピン142が天然ランドマーク上に載置している状態であり、その後、上ロケータ112、前ロケータ122、および、後ロケータ123が被験者の寛骨臼縁上に載置するまで導入器150が傾けられる。装置位置合わせピン142が被験者の骨に挿入されるようになっている実施形態において、位置合わせピン配置ガイド140は、装置位置合わせピン142が被験者の骨盤に挿入されたときに位置合わせピン配置ガイド140、したがって装置100が装置位置合わせピン142に対して回動できるように形成される。第2の部分120は、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ112,122,123がそれぞれ寛骨臼縁上に載置できるようにするべく第1の部分110に対してスライドできる。位置合わせピン配置ガイド140を天然ランドマークに位置合わせすることにより、組み付けられた装置における位置合わせピン配置ガイド140および上ロケータ112の固定された角度配置に起因して、使用時に上ロケータ112を被験者の寛骨臼上縁上の所定の装着位置上に載置するように自動的に位置決めできる。寛骨臼上縁上の装着位置は、前述したサンプル患者に関するデータ解析から決定されるセンターエッジ角と高度に相関するように見出されたポイントである。同様に、前ロケータ122は、後縁ポイントと組み合わされるときに自然回転と高度に相関するとともに全ての被験者にわたって許容できる低い範囲の回転も有したベクトルをもたらす前縁上の装着位置に位置する。後ロケータ123は、前装着位置から180°にある後縁上の装着位置に位置する。
寛骨臼縁上の上装着位置、前装着位置、および、後装着位置は、外科医が視覚的にあるいは触診によって確実に特定することが難しいが、装置100は、位置合わせピン配置ガイド140と天然ランドマークとの位置合わせによってユーザが上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ112,122,123をそれらのそれぞれの装着位置に位置決めできるようにする。
上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ112,122,123がそれぞれ寛骨臼縁上に載置し且つカップ形状構成要素130が臼蓋窩内に着座されると、装置100が完全着座位置にある。その後、第1および第2の寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aが対応するケーブルグランド144,145に挿通される。一方のピン144aが被験者の坐骨中へ食い込まれ、他方のピン145aが被験者の腸骨中へ食い込まれる。図11に示される位置以外の適した位置に寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aを位置決めするべくケーブルグランド144,145を装置本体に対して配置できることが理解される。ケーブルグランド144,145は、これに挿通された対応するピンの周囲で締め付けられる。装置位置合わせピン142は、寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aが被験者内に設置される前または後に除去することができる。
図12を参照すると、装置100は、ケーブルグランド144,145からねじられて取り外され、それにより、寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aがそれに取り付けられたケーブルグランド144,145と共に被験者内に設置されたまま残される。装置100を使用して設置された寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aは、上装着位置、前装着位置、および、後装着位置に配置された上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータにより規定される所定の方向および位置で被験者に対して位置合わせされる。上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータは、装置が設置されるときに被験者に対して1つの平面を規定し、この場合、この平面は、寛骨臼構成要素のカップ前面が位置合わせされるべき所定の平面を規定するために使用される。ピン144a,145aが装置100によって位置合わせされる所定の方向は、設置されるべき寛骨臼構成要素が位置合わせされるようになっている方向であり、この所定の方向は所定の回転および傾斜を有する。所定の方向は、前装着位置および後装着位置に基づく被験者固有の回転角を備え、それにより、寛骨臼構成要素を特定の被験者における解剖学的回転に合わせすることができる。所定の方向は、(大部分の被験者において)35〜45°の範囲内の傾斜角を備える。この所定の方向は、装置本体に対する上ロケータ112の傾斜角によって制御され、この傾斜角は、上装着位置と寛骨臼中心(カップ形状構成要素130により規定される)とを含む平面内で装置の長手方向軸113aが上装着位置に対して傾く大きさを制御する。
ピン144a,145aが装置100によって位置決めされる所定の位置は、前後ロケータ122,123間の中間ポイント(すなわち、寛骨臼前縁および寛骨臼後縁のそれぞれと接触する装置のポイント)によって決定される。第2の部分120は装置の第1の部分110に対してスライドするため、第2の部分120は、ケーブルグランド144,145が設置時に骨盤に対して位置される深さも決定する。このようにして、前後ロケータ122,123を含む第2の部分がピン144a,145aの位置を規定し、それにより、カップガイド160の弓形フランジ部161の概念上の中心は、寛骨臼構成要素を所定の位置に位置合わせするときに寛骨臼構成要素の中心が位置合わせされるべき所定のポイントに位置される。装置は、臼蓋窩の奥行きのなさに応じるように被験者の天然の寛骨臼中心位置を復元することを目的としておらず、寛骨臼カップ中心は天然の寛骨臼中心と一致しなくてもよい。装置は、臼蓋窩内の所定の深さに最終カップ中心位置を与えることを目的としており、それにより、寛骨臼カップインプラントの縁は、盛り上がっておらず、したがって、どの軟組織ともぶつからない。この股関節中心を規定する3つのポイントは、その後、カップ前面の平面を規定するために使用され、それにより、ケーブルグランド144,145は、被験者の天然の臼蓋窩に対して所定の高さに位置決めされる。ケーブルグランド144,145がその上に位置するピン144a,145a上にカップガイド160が位置されることにより、寛骨臼構成要素を被験者の臼蓋窩に対して所定の位置におよび所定の方向に位置決めすることができる。
図13を参照すると、カップガイド160のフード162a,163aは、該フードがケーブルグランド144,145上に落とし込まれるまで、寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145a上にわたってスライドされる。この位置にあると、カップガイドの弓形フランジ部161が所定の方向および位置に方向付けられて位置決めされ、それにより、カップまたはリーマなどの寛骨臼構成要素を、それを被験者に対して所定の方向および位置に方向付けて位置決めするべく弓形フランジ部161に対して位置合わせすることができる。カップガイド160は、フード162a,163aが対応するケーブルグランド144,145上に設置されるときに寛骨臼構成要素が所定の方向および位置で設置される際の寛骨臼構成要素の縁と平行に隣接するべくカップガイドの弓形のフランジ部161が方向付けられて位置されるように形成される。このようにすると、ユーザは、寛骨臼構成要素を臼蓋窩内において所定の方向および位置に容易に方向付けて位置決めすることができる。カップガイド160は、キットの一部として装置100と共に提供され得る。
術中、寛骨臼カップを所定の方向および位置に設置するために、その後、臼蓋窩がリーマ加工される。カップガイド160および/または寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aを使用して、必要なサイズおよび深さへの一連のリーマ加工中にリーマを方向付けるおよび/または位置決めすることができる。
図15を参照すると、臼蓋窩がリーマ加工された時点で、寛骨臼カップ10が臼蓋窩内に設置されて嵌め込まれる。寛骨臼カップを臼蓋窩内へ導入するために任意の適したカップ導入器が使用されてもよい。カップガイド160および/または寛骨臼構成要素位置合わせピン144a,145aを使用して、設置中及び/または嵌め込み中に、寛骨臼カップが被験者に対して所定の方向および位置に位置されるように寛骨臼カップを方向付けるおよび/または位置決めすることができる。リーマ加工、カップサイズ試行、および、嵌め込みの全ては、設置されたカップガイド160の真下で行うことができ、あるいは、代わりに、カップガイド160をピン144a,145aの上方へ移動させるあるいは完全に除去することができる。嵌め込み中にカップガイド160が除去される場合には、嵌め込み中/嵌め込み後チェックとして使用するためにカップガイドを置き換えることができる。したがって、装置100は、寛骨臼構成要素が位置合わせされ得る基準方向および基準位置を規定することよってリーマ、試行カップ、または、寛骨臼カップインプラントなどの寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にする。
外閉鎖筋腱溝以外の天然ランドマークが位置合わせ基準要素140を位置合わせするための基準として使用されてもよいことが理解される。外閉鎖筋腱溝以外の天然ランドマークを使用するように装置が形成される場合、装置の長手方向軸113a周りで測定される上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ112,122,123のそれぞれと位置合わせ基準要素との間の角度は、装置100に関して説明された角度とは異なるが、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ112,122,123のそれぞれの間の角度は前述した角度と同様であり、それにより、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータはそれぞれ、被験者の臼蓋窩上のそれらの対応する装着位置に位置できる。
被験者ごとに装置100がどの方向で寛骨臼カップを位置決めするのかを理論的に決定するために65人の被験者からのCTデータに関する理論的な解析が行われた。また、その結果が図17に示される。データは、被験者ごとに装置がカップを35〜45°の目標範囲内のレントゲン撮影傾斜角を有するように位置決めすることを示す。被験者のために達成されるレントゲン撮影回転角の広がりは更に大きかった。これは、装置がそれぞれの特定の被験者における解剖学的回転と合うようにカップを方向付けるからである。
図18〜図23を参照すると、本発明に係る更なる実施形態が示される。図20を参照すると、被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするための組み付けられた装置200が示される。装置200は左半骨盤で使用するためのものであり、右側用の装置200は図18〜図23における装置の鏡像である。装置200は図3A〜図16の装置100に非常に類似しているが、装置200は、装置100におけるようなピン配置ガイド140ではなく、被験者上の所定の特定可能なランドマークと位置合わせするための位置合わせマーカ240を有する。装置200の類似する要素が類似する参照数字により示される。
装置200は、第1の部分210と、第1の部分210に装着可能な第2の部分220とを備え、図18〜図23ではこれらの部分が互いに組み付けられて示される。図19を参照すると、第1の部分210は、先端シャフト部213と基端シャフト部214とを有する略円筒状の装置本体211を備え、先端シャフト部および基端シャフト部213,214は、長手方向軸213aに沿って同一直線上にある長手方向軸を有する。第1の部分は、被験者の寛骨臼上縁上の装着位置に位置決めするために、装置本体211に移動可能に取り付けられる上ロケータ212を備える。上ロケータ212は、装置本体211の長手方向軸に対して垂直な軸212cの周りで装置本体211に対して回動可能に移動できる回動可能なアーム212bを備える。上ロケータ212は、設置時に被験者の寛骨臼縁と接触するための脚部212aをその先端(装置本体211との回動接続部212cから離れた端部)に有する。上ロケータ212は装置本体211の中空部内に位置され、この場合、脚部212aが被験者の寛骨臼縁と接触できるように、脚部212aが装置本体211の開口215を通じて突出する。
上ロケータ212は、ユーザにより選択される装置本体211に対する位置に、装置本体211に対して回動可能に調整され得るとともに、ネジロック手段などのロック手段(図示せず)によって選択された形態でロックされ得る。調整中に上ロケータ212を位置合わせできる長手方向軸213aに対する角度を示すためのマーキング(図示せず)が上ロケータ212上及び/または装置本体上にあることが好ましい。
図19,21,22を参照すると、装置の第2の部分220は、該第2の部分120が第1の部分210の先端シャフト部213上にわたってスライドして先端シャフト部213上に受けられ得るように第1の部分110の先端シャフト部112を受けるようになっている中心孔221aを有する本体部221を備える。第2の部分220は、中心孔221aの内面に沿って長手方向に延びるキー溝225を有し、このキー溝225は、第1の部分210の対応するキー部分216を受けるようになっており、それにより、第2の部分220は、第1の部分210に対して長手方向軸213a周りで回転できない。
装置100と同様に、装置200の第2の部分220は、寛骨臼前縁上および寛骨臼後縁上のそれぞれの装着位置に位置決めするための前ロケータ222および後ロケータ223を有する。装置100とは異なり、前後ロケータ222,223は、長手方向軸213aに対して調整できず、剛体アームである。装置200は、第2の部分220を選択できるキットとして提供されてもよく、それぞれの第2の部分は、異なる寛骨臼縁直径の被験者に適合するために、前後ロケータ222,223の先端222a,223a間の間隔が異なる。
図21を参照すると、装置100のピン配置ガイドの代わりに、装置200は、装置本体から延びる位置合わせマーカ240を有する。位置合わせマーカ240は、装置の第1の部分210または第2の部分220から延びてもよい。位置合わせマーカ240は、使用時に、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ212,222,223に対して回転して固定され、それにより、各ロケータは、位置合わせマーカ240に対して長手方向軸213a周りに固定された角度で位置される。図21から分かるように、位置合わせマーカ240は、装置200を被験者へと方向付けて、ロケータ112,122,123の先端を寛骨臼縁上のそれらのそれぞれの装着位置に載置するように位置決めするために、被験者の特定可能な天然ランドマークと位置合わせするべく使用され得る矢印形状のポインタを備える。
図23を参照すると、装置100と同様に、装置200は、被験者の骨盤に対する取り付けのための寛骨臼構成要素位置合わせピン(図示せず)を受けるために一対のピン配置ガイド244,245を有する。
図23を参照すると、上ロケータ212、前ロケータ222、後ロケータ223と装置200の位置合わせマーカ240との間の角度配置は、装置100の場合と同じである。したがって、位置合わせマーカ240と上ロケータ212との間の角度Aは122°である。位置合わせマーカ240と後ロケータ223との間の角度Bは46°である。前ロケータ222は後ロケータ223から180°に配置される。これらの角度は装置の長手方向軸213a周りで測定される。角度AおよびBはそれぞれ、10°程度増大され/減少されてもよく、それでも依然として、傾斜の安全域内での解剖学的回転に合わせたカップ配置を可能にする。言い換えると、位置合わせ基準要素240に対するロケータ212,222,223のそれぞれの角度配置は、図23に示される角度配置から±10°変更してもよく、それでも依然として、傾斜の安全域内でのカップ配置を可能にする。
術中、被験者の臼蓋窩に対する装置200の設置は、装置100におけるそれと非常に類似する。最初に、被験者のセンターエッジ角と、装置が設置されるようになっている股関節における大腿骨頭直径とが、平面的なレントゲン撮影から測定される。その後、装置が被験者内の完全着座位置にあるときに装置の長手方向軸213aが方向付けられる傾斜を制御するべく上ロケータ212が装置200に対して調整される。装置上のマーキング(図示せず)にはそれぞれセンターエッジ角値が割り当てられ、それにより、装置が設置されるようになっている被験者の臼蓋窩のセンターエッジ角値が割り当てられたマーキングとの位置合わせが存在するまで上ロケータ212を調整できる。ユーザは、選択された位置で上ロケータ212をロックする。装置200に対する上ロケータ212の傾斜角は、上ロケータ212が位置決めする上装着位置に対して装置の長手方向軸213aが傾く大きさを制御する。装置200は、被験者から測定されるセンターエッジ角に基づき、測定されたセンターエッジ角値に対応するマーキングとの位置合わせが存在するまで上ロケータ212を位置合わせすることにより、装置の長手方向軸213aを35〜45°の安全域内の傾斜に方向付けることができるように予め較正される。
装置100と同様に、適切なサイズのカップ形状構成要素(図示せず)は、被験者から測定される大腿骨頭直径に基づき、直径が異なる一連のカップ形状構成要素から選択される。あるいは、サイズを変えることができる直径を有するカップ形状構成要素を使用することができ、直径は、被験者から測定される大腿骨頭直径に基づいて調整される。選択されたカップ形状構成要素は、装置の基端シャフト部214に取り付けられる。基端シャフト部214には雄ネジ(図示せず)が形成され、それにより、基端シャフト部は、カップ形状構成要素の対応する雌ネジと結合できる。無論、カップ形状構成要素を装置に対して取り付けるための他の手段、例えば圧入取り付けが使用されてもよい。
カップ形状構成要素が組み付けられた装置200は、その後、リーマ加工されていない臼蓋窩へ導入され、また、装置200は、位置合わせインジケータ240が外閉鎖筋腱溝と位置合わせするまで臼蓋窩内で回転される。位置合わせインジケータ240が外閉鎖筋腱溝と位置合わせされると、その後、装置200は、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ212,222,223が被験者の寛骨臼縁上に載置するまで傾けられる。第2の部分120は、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ212,222,223の全てが寛骨臼縁上に載置できるようにするべく第1の部分110に対してスライドできる。位置合わせインジケータ240を天然ランドマークと位置合わせすることにより、ロケータを、他の方法では確実に特定することが難しい寛骨臼縁上の所定の装着位置に載置するように自動的に位置決めできる。
上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ212,222,223が寛骨臼縁上のそれらの対応する装着位置に載置されると、第1および第2のピンがピン配置ガイド244,245のそれぞれに挿通される。ピンは被験者の骨盤中へ食い込まれる。ピン配置ガイド244,245は、ピンがピン配置ガイド内にあるときにピンを装置の長手方向軸213aと平行に位置合わせする細長い孔を有し、それにより、ピンは、装置の長手方向軸と平行に被験者内に設置される。
その後、装置200がピンから取り外されて、ピン200が被験者内に設置されたまま残されてもよい。したがって、ピンは、上装着位置、前装着位置、および、後装着位置と装置200に対する上ロケータ212の傾きとによって規定される基準平面により定められる所定の方向に寛骨臼構成要素を位置合わせするべく、寛骨臼構成要素を位置合わせするための基準方向として使用され得る方向で被験者内に設置される。
ピンがピン配置ガイド内に設置されるときのピンに対するピン配置ガイド244,245の位置を使用して規定される位置でピンのそれぞれにケーブルグランドまたはコレット(図示せず)を設置できる。このようにすると、ケーブルグランドをカップ形状構成要素により規定される被験者の寛骨臼中心に対する所定の高さに位置決めすることができる。ピンおよびケーブルグランドは、装置200を使用して予め規定される所定の方向および位置に対してリーマ、試行カップ、または、寛骨臼カップインプラントなどの寛骨臼構成要素を位置合わせするための基準として使用されるべく、カップガイドを支持するために使用され得る。
装置100,200のいずれにおいても、装置の基端に取り付けられるべきカップ形状構成要素がカップ形状である必要がないことが理解される。代わりに、被験者の寛骨臼中心をほぼ規定するために使用され得る任意の構成要素、例えば臼蓋窩内に着座する3つの脚を有する三脚構成要素を使用して、寛骨臼中心を規定することができる。
また、カップ形状構成要素の代わりに、装置100,200を他の寛骨臼構成要素に取り付けることができることも理解される。例えば、装置100または200を寛骨臼リーマ構成要素に直接に組み付けることができ、それにより、装置を使用して、リーマを臼蓋窩に対して所定の方向および位置に方向付けることができる。そのような構造において、寛骨臼構成要素を臼蓋窩内で直接に方向付けて位置決めするために装置が使用されている場合には、第1の実施形態のピン144a,145aなどの位置合わせピンが、装置が臼蓋窩から除去された後に寛骨臼構成要素を位置合わせするための基準ガイドとして作用する必要がない。
図24〜図28を参照すると、本発明に係る更なる実施形態が示される。図24〜図28は、被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするための更なる装置300を示す。装置300は、左半骨盤で使用するためのものであり、右側用の装置は図24〜図28における装置の鏡像である。装置300は、該装置300が被験者上の所定の特定可能なランドマークと位置合わせするための位置合わせマーカ340を有するとともに寛骨臼縁上に装着するための上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ312,322,323を有し、ロケータのそれぞれが位置合わせマーカ340に対して装置の軸313a周りで測定される固定された角度で配置されるという点において装置200に類似している。しかしながら、装置100,200とは異なり、装置300は、カップ形状構成要素130,230などの寛骨臼心出し構成要素に取り付かない。また、装置100,200とは異なり、装置300は、装置100,200が除去された後に寛骨臼構成要素を位置合わせするための基準としてその後に使用される基準ピンを所定の方向および位置に方向付けるように構成されない。代わりに、装置300は、該装置300が被験者の臼蓋窩に設置されたままである間に寛骨臼構成要素を位置合わせするための基準として使用され得る長尺なハンドル318を有する。装置300の類似する要素は、装置100,200に関して使用された参照数字と類似する参照数字によって示される。
装置100,200とは異なり、装置300は、使用時に互いに対してスライドできる第1および第2の部分から構成されない。装置300は、装置本体311と、寛骨臼上縁上の装着位置に位置決めするための上ロケータ312とを有する。上ロケータ312は、装置本体311にスライド可能に装着される湾曲アーム312bである。図24を参照すると、上ロケータアーム312bは、アームに沿って延びる湾曲した細長いスロット(図示せず)を有する。装置本体311に装着されるピン312cが上ロケータアーム312bのスロットを貫通し、それにより、アーム312bが装置本体311に対してスライドできる。上ロケータ312は、設置時に被験者の寛骨臼縁と接触するための脚部312aを一端に有する。上ロケータ312が装置本体311に対してスライドすることによって調整されると、上ロケータが仮想回動軸周りに効果的に回動する。
装置100,200と同様に、装置300の上ロケータ312は、ユーザによって装置本体311に対して位置調整され得るとともに、ネジロック手段などの適したロック手段(図示せず)によって選択された形態でロックされ得る。上ロケータ312上及び/または装置本体311上にマーキング(図示せず)があることが好ましく、各マーキングはセンターエッジ角値に対応し、それにより、装置が設置されるようになっている被験者の臼蓋窩に関して測定されたセンターエッジ角値と合うように上ロケータ312を調整することができる。
図27を参照すると、装置300は、寛骨臼前縁上および寛骨臼後縁上のそれぞれの装着位置に位置決めするために、前ロケータ322および後ロケータ323を有する。装置100とは異なり、前後ロケータ322,323間の間隔を調整できない。複数の装置300を備えるキットが提供されてもよく、各装置は、異なる寛骨臼直径の被験者と適合するべく、前後ロケータ322,323間の間隔が異なる。装置300は、装置本体311から延びてC形状を形成する第1および第2の湾曲アーム322b,322bを有する。前後ロケータ322,323は、各アーム322b,323bのそれぞれの先端322a,323aから内側に延びる突起である。突起322,323は、装置が設置されるときに被験者の寛骨臼縁上に載置するように構成される。
図27を参照すると、装置300は位置合わせマーカ340も備える。位置合わせマーカ340は、前ロケータ322を越えて延びるアーム322bの延在部の先端の尖った端部である。位置合わせマーカ340は、装置300を被験者へと方向付けて、ロケータ312,322,323を寛骨臼縁上のそれらのそれぞれの装着位置に載置するように位置決めするために、被験者の特定可能な天然ランドマークと位置合わせするべく使用され得る。
図27を参照すると、装置300は、装置本体311から延びる長尺ハンドル318を備える。長尺ハンドル318は、装置300をその着座位置に方向付けるためにユーザが握ることができ、着座位置では各ロケータ312,322,323がその対応する装着位置に載置する。また、長尺ハンドル318は、装置300が着座位置に設置されるときに装置300が長尺ハンドル318を被験者に対して所定の方向に向けるため、寛骨臼構成要素を位置合わせできるガイド部としても作用する。したがって、長尺ハンドルの少なくとも一部は、寛骨臼構成要素を位置合わせするべく、寛骨臼構成要素の極軸を平行に位置合わせできる基準軸として使用され得る。
図28を参照すると、装置300の上ロケータ312、前ロケータ322、後ロケータ323、および、位置合わせマーカ340の角度配置は、装置100,200の場合と同じである。したがって、位置合わせマーカ340と上ロケータ312との間の角度Aは122°である。位置合わせマーカ340と後ロケータ323との間の角度Bは46°である。前ロケータ322は後ロケータ323から180°に配置される。これらの角度は、前ロケータ322と後ロケータ323との間の線の中間点を通る装置の仮想長手方向軸313a周りで測定され、また、これらの角度を規定するための、長手方向軸線313aと上ロケータ312、前ロケータ322、後ロケータ323、および、位置合わせマーカ340のそれぞれとの間のベクトルが、ハンドル318に対して垂直な平面上に投影された。角度AおよびBはそれぞれ、10°程度増大され/減少されてもよく、それでも依然として、傾斜の安全域内でのカップ配置を可能にする。言い換えると、位置合わせ基準要素340に対するロケータ312,322,323のそれぞれの角度配置は、図28に示される角度配置から±10°変更されてもよく、それでも依然として、傾斜の安全域内でのカップ配置を可能にする。
術中、寛骨臼構成要素を被験者に対して所定の方向に向けることができるように装置300を被験者の臼蓋窩に設置するために、最初に、被験者のセンターエッジ角と、装置が設置されるようになっている股関節における大腿骨頭直径とが、平面的なレントゲン撮影から測定される。ハンドル318が被験者内の完全着座位置にあるときに方向付けられる傾斜を制御するべく上ロケータ312が装置本体311に対して調整される。装置上のマーキング(図示せず)にはそれぞれセンターエッジ角値が割り当てられ、それにより、装置が設置されるようになっている被験者の臼蓋窩のセンターエッジ角値が割り当てられたマーキングとの位置合わせまで上ロケータ312を調整できる。ユーザは、選択された位置で上ロケータ212をロックする。ハンドル318に対する上ロケータ312の脚部312aの傾斜角は、上ロケータ212が設置時に位置決めする上装着位置に対してハンドル318が傾く大きさを制御する。装置300は、上ロケータ312が被験者の臼蓋窩のセンターエッジ角に対応するマーキングと位置合わせされるときにハンドルを所定の傾斜範囲内に方向付けるべく設置時にハンドル318が臼蓋窩に対して適切な大きさだけ傾けられるように予め調整される。
装置が埋め込み部位へ導入され、また、装置は、位置合わせマーカ340が外閉鎖筋腱溝と位置合わせされるまで臼蓋窩に対して回転される。位置合わせマーカ340が外閉鎖筋腱溝と位置合わせされると、その後、装置300は、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ312,322,323が被験者の寛骨臼縁上に載置するまで傾けられる。位置合わせマーカ340を所定の天然ランドマークと位置合わせすることにより、ロケータを寛骨臼縁上の対応する所定の装着位置に載置するように自動的に位置決めできる。したがって、装置300が完全着座位置にあって、上ロケータ、前ロケータ、および、後ロケータ312,322,323のそれぞれが対応する装着位置に載置していると、ハンドル318は、寛骨臼構成要素を位置合わせするための基準方向として使用され得る被験者に対する所定の方向に位置合わせされる。例えば、リーマを臼蓋窩へ導入することができ、リーマを所定の方向に向けるために、リーマのハンドルが装置300のハンドル318の少なくとも一部と平行に位置合わせされる。装置300のアーム322b,323bによって形成されるC形状の形態が寛骨臼縁を部分的に取り囲み、それにより、装置300がその着座位置で所定位置にとどまる間に寛骨臼構成要素を臼蓋窩へ導入でき、その場合、寛骨臼構成要素を方向付けるための基準軸としてハンドル318を使用できるようになっている。
装置300の場合、被験者の臼蓋窩の中心は、着座位置に設置されるときの前後ロケータ322,323間の中間点として推定される。装置300は該装置に取り付くカップ形状構成要素と組み合わせて使用されないため、装置300は、寛骨臼構成要素を所定の方向に位置合わせすることができるだけであり、寛骨臼構成要素を臼蓋窩に対して所定の深さに位置合わせすることができない。
本明細書中に示される装置は、以下を含む多くの利点を有する。
−装置は、患者固有の情報の2つの断片を入力(センターエッジ角および大腿骨頭直径)として取得して、装置が臼蓋窩内に配置されるときに所定の基準ポイントを縁上に見出すべく自動位置決めする。外科医は、案内位置を最終決定するために1つの位置合わせを行うだけで済む。入力情報の2つの断片は、全ての人工股関節置換手術で撮られる平面的なレントゲン写真から測定することができる。測定データは、外科医が取得に精通する標準的な測定値である。
−装置は、カップ回転角に関して被験者固有のガイドを与える。従来技術の基本的なガイドは15°の理想的な回転を成すが、実際には、回転の解剖学的変化は傾斜よりもかなり幅広い。装置は、解剖学的回転および最適な傾斜に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを支援することを目的とする。
−装置は、視覚的な位置合わせのために必要とされるキューの全てを適切に見ることができない低侵襲手術中などの視認性が低い状況で使用できる。
−装置は設備投資を必要としない。したがって、装置は、能力が高い外科医および能力が低い外科医に利用できる(能力が低い外科医とは、彼らの経験量が少ないことから案内装置の特定の必要性を伴う外科医であると論じることができる)。
−装置を使い捨てできるように形成することができ、また、コストは、他の外科消耗品のコストに相当し得る。
−装置は、CTデータの解析や、患者に適合する装置の製造を待つなどといった、準備期間を何ら有さない。
−本発明は、寛骨臼構成要素を所定の方向だけでなく所定の位置に位置合わせするのを支援するために使用され得る。本発明に係る装置は、寛骨臼構成要素中心位置の位置合わせを示すために使用され得る。

Claims (46)

  1. 被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために用いる装置であって、
    前記装置は、装置本体と、被験者の寛骨臼縁上の第1の所定の装着位置に配置するための少なくとも第1のロケータとを有し、前記装置は、寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために設置されるときに前記被験者に対する方向および/または位置を規定する
    装置。
  2. 前記装置は、前記被験者の寛骨臼縁上の第2の所定の装着位置に配置するための第2のロケータを更に備える
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記装置は、前記被験者の寛骨臼縁上の第3の所定の装着位置に配置するための第3のロケータを更に備え、前記装置は、前記被験者内に設置されるときに寛骨臼縁平面を規定する
    請求項1または請求項2に記載の装置。
  4. 前記ロケータまたは前記ロケータのうちの1つは、寛骨臼上縁上の所定の装着位置に配置するための上ロケータである
    請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記ロケータまたは前記ロケータのうちの1つは、寛骨臼前縁上の所定の装着位置に配置するための前ロケータである
    請求項1から4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記ロケータまたは前記ロケータのうちの1つは、寛骨臼後縁上の所定の装着位置に配置するための後ロケータである
    請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記装置は、設置時に前記被験者に対する少なくとも1つの基準ラインを規定し、前記基準ラインが前記第1の装着位置を含み、前記装置は、使用時に前記被験者の所定の天然ランドマークと位置合わせするための位置合わせ基準要素を更に備え、前記天然ランドマークがユーザによって特定でき、前記第1のロケータは、前記位置合わせ基準要素と前記天然ランドマークとの位置合わせ時に前記第1のロケータが前記第1の装着位置に位置決めするように前記位置合わせ基準要素に対して位置付けられ、前記天然ランドマークが設置時の前記装置によって規定される前記基準ラインの外側にある
    請求項1から6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記位置合わせ基準要素は、前記天然ランドマークで前記被験者の骨盤内におけるピンの配置を案内するためのピン配置ガイドを備える
    請求項7に記載の装置。
  9. 前記位置合わせ基準要素は、使用時に前記天然ランドマークと位置合わせされ得る位置合わせマーカを備える
    請求項7に記載の装置。
  10. 前記装置は、前記位置合わせ基準要素が被験者の外閉鎖筋腱溝内で骨隆起部と位置合わせされ得るように構成される
    請求項7から9のいずれかに記載の装置。
  11. 前記装置は、被験者の寛骨臼縁上の第2の所定の装着位置に配置するための第2のロケータを更に備え、前記第2のロケータは、前記位置合わせ基準要素と前記天然ランドマークとの位置合わせ時に前記第2のロケータが前記第2の装着位置に位置決めするように使用時に前記位置合わせ基準要素に対して位置付けられる
    請求項7から10のいずれかに記載の装置。
  12. 前記装置は、使用時に前記被験者の寛骨臼縁上の第3の所定の装着位置に配置するための第3のロケータを更に備え、前記第3のロケータは、前記位置合わせ基準要素と前記天然ランドマークとの位置合わせ時に前記第3のロケータが寛骨臼縁上の前記第3の装着位置に位置決めするように前記位置合わせ基準要素に対して位置付けられる
    請求項7から11のいずれかに記載の装置。
  13. 前記装置は、前記位置合わせ基準要素が被験者の外閉鎖筋腱溝内で骨隆起部を備える天然ランドマークと位置合わせされ得るように構成され、前記被験者の寛骨臼中心と前記上ロケータとの間の第1のベクトルと前記被験者の寛骨臼中心と前記天然ランドマークとの間の第2のベクトルとの間の角度Aは、前記第1および第2のベクトルが矢状面上に投影されるときに、前記装置が設置されるときに測定して、約112〜132°、好ましくは約120〜124°、より好ましくは約122°である
    請求項7から12のいずれかに記載の装置。
  14. 前記前後ロケータ間の間隔をユーザにより調整できる
    請求項6から13のいずれかに記載の装置。
  15. 前記装置本体が第1および第2の部分を有し、前記上ロケータが使用時に前記装置本体の前記第1の部分上にありあるいは前記第1の部分に結合され、前記前後ロケータが使用時に前記第2の部分上にありあるいは前記第2の部分に結合され、前記第2の部分が使用時に前記第1の部分にスライド可能に装着される
    請求項6から14のいずれかに記載の装置。
  16. 前記装置の前記第2の部分が使用時に前記第1の部分にキー止めされ、それにより、前記第1および第2の部分が使用時に軸方向周りに互いに対して回転可能に固定される
    請求項15に記載の装置。
  17. 前記装置は、前記位置合わせ基準要素が被験者の外閉鎖筋腱溝内で骨隆起部を備える天然ランドマークと位置合わせされ得るように構成され、前記被験者の寛骨臼中心と前記後ロケータとの間の第1のベクトルと前記被験者の寛骨臼中心と前記天然ランドマークとの間の第2のベクトルとの間の角度Bは、前記第1および第2のベクトルが矢状面上に投影されるときに、前記装置が設置されるときに測定して、約36〜56°、好ましくは約44〜48°、より好ましくは約46°である
    請求項7から16のいずれかに記載の装置。
  18. 前記前ロケータは、前記後ロケータとほぼ直径方向に対向して位置される
    請求項6から17のいずれかに記載の装置。
  19. 前記装置が設置時に寛骨臼中心位置を規定し、前記寛骨臼中心位置から寛骨臼構成要素中心を基準付けることができ、前記寛骨臼構成要素中心は、前記装置が設置されるときに、前記前ロケータと前記後ロケータとの間の中間点である
    請求項18に記載の装置。
  20. 前記装置は、前記被験者から測定される寛骨臼センターエッジ角に基づいて前記被験者に対する前記寛骨臼構成要素の方向を制御できるようにするべく構成される
    請求項1から19のいずれかに記載の装置。
  21. 被験者の臼蓋窩に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするときに用いる装置であって、
    前記装置は、前記被験者から測定される寛骨臼センターエッジ角に基づいて前記被験者に対する前記寛骨臼構成要素の方向を制御できるようにするべく構成される
    装置。
  22. 前記装置を使用時に被験者の骨盤に設置することができ、前記装置は、設置時に前記被験者に対する少なくとも1つの基準ラインを規定し、前記装置は、寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするために前記装置が設置されるときに前記被験者に対する方向を規定するための少なくとも1つのガイド部を更に備え、前記ガイド部は、前記被験者から測定されるセンターエッジ角に基づいて設置時に前記被験者に対して所定の方向に向く
    請求項20または請求項21に記載の装置。
  23. 前記装置は、寛骨臼構成要素を設置できる前記装置が設置されるときに少なくとも前記被験者に対する方向を規定するための少なくとも1つのガイド部を更に備える
    請求項1から19のいずれかに記載の装置。
  24. 前記装置は、測定されたセンターエッジ角値に応じて前記ガイド部が前記基準ラインに対して所定の傾斜角に設定され得るように構成できる
    請求項22または請求項23に記載の装置。
  25. 前記ガイド部が少なくとも1つのピン配置ガイドを備える
    請求項22から24のいずれかに記載の装置。
  26. 前記ガイド部が長尺ロッドを備える
    請求項22から24のいずれかに記載の装置。
  27. 前記被験者から測定される前記センターエッジ角が前記被験者のX線から得られる
    請求項20から26のいずれかに記載の装置。
  28. 前記上ロケータの位置を前記装置本体に対してユーザにより調整できる
    請求項4から21のいずれかまたは請求項23から27のいずれかに記載の装置。
  29. 前記装置本体に対する前記上ロケータの位置は、前記被験者から測定されるセンターエッジ角に基づいてユーザにより選択され得る
    請求項28に記載の装置。
  30. 前記上ロケータを前記装置に対して回動可能に調整できる
    請求項28または請求項29に記載の装置。
  31. 前記上ロケータを前記装置に対してスライド可能に調整できる
    請求項28または請求項29に記載の装置。
  32. 前記装置は、ユーザが前記装置により規定される基準ラインに対して選択された傾きに寛骨臼構成要素を方向付けることができるようにするための方向インジケータを有し、前記インジケータは、前記被験者から測定されるセンターエッジ角値を使用して所定の傾きを選択できるようにするべく予め調整される
    請求項20から31のいずれかに記載の装置。
  33. 前記装置および/または前記方向インジケータは、センターエッジ角値に対応する複数の視覚的なマーキングを有する
    請求項20から32のいずれかに記載の装置。
  34. 前記装置は、被験者の臼蓋窩の中心を実質的に規定するための手段を更に備える
    請求項1から33のいずれかに記載の装置。
  35. 前記装置は、被験者の臼蓋窩の中心を実質的に規定する臼蓋窩心出し構成要素を使用時に更に備える
    請求項1から34のいずれかに記載の装置。
  36. 前記装置本体は、前記臼蓋窩心出し構成要素に取り付くための手段を有する
    請求項35に記載の装置。
  37. 前記臼蓋窩心出し構成要素は、前記装置本体に取り付くことができるカップ形状構成要素、リーマ、または、寛骨臼カッププロテーゼを備える
    請求項35または請求項36に記載の装置。
  38. 少なくとも2つの前記臼蓋窩心出し構成要素が設けられ、前記各臼蓋窩心出し構成要素が異なるサイズを有する
    請求項35から37のいずれかに記載の装置。
  39. 前記第1のロケータおよび/または前記第2のロケータおよび/または前記第3のロケータはそれぞれ、前記装置が設置されるときにそれらのそれぞれの装着位置とほぼ点接触するように構成される
    請求項1から38のいずれかに記載の装置。
  40. 前記装置は、設置時に前記被験者に対する基準面を規定する
    請求項1から39のいずれかに記載の装置。
  41. 被験者の骨盤に対する寛骨臼構成要素の位置合わせを容易にするときに用いる装置であって、
    前記装置は、装置本体と、前記被験者の寛骨臼上縁上の第1の所定の装着位置に配置するための上ロケータと、寛骨臼前縁上の第2の所定の装着位置に配置するための前ロケータと、寛骨臼後縁上の第3の所定の装着位置に配置するための後ロケータとを有し、前記装置は、少なくとも前記寛骨臼構成要素が設置されるときに前記寛骨臼構成要素が位置合わせされるようになっている方向に設置した時に向く寛骨臼位置合わせ軸を有し、前記寛骨臼位置合わせ軸に対して垂直な平面内で前記寛骨臼位置合わせ軸周りに測定される前記上ロケータと前記後ロケータとの間の角度Cは、約66〜86°、好ましくは約74〜78°、より好ましくは約76°である
    装置。
  42. 請求項1から41のいずれかに記載の装置を組み付け時に提供するための部品のキット。
  43. 被験者の股関節に装置を設置する方法であって、
    前記方法は、請求項7から41のいずれかに記載の装置を用意するステップと、少なくとも前記第1のロケータが前記第1の装着位置に位置決めするように前記位置合わせ基準要素を前記天然ランドマークと位置合わせするステップとを備える
    方法。
  44. 被験者の股関節に装置を設置する方法であって、
    前記方法は、請求項28から41のいずれかに記載の装置を用意するステップと、前記装置が設置されるようになっている被験者の臼蓋窩におけるセンターエッジ角を測定するステップと、前記被験者から測定されるセンターエッジ角に基づいて前記装置本体に対する前記上ロケータの位置を調整するステップと、前記上ロケータが前記被験者の寛骨臼縁と接触するように前記装置を前記被験者内に配置するステップとを備える
    方法。
  45. 前記方法は、前記装置が設置されるようになっている股関節の大腿骨頭における大腿骨頭直径を測定するステップと、前記装置を設置する前に寛骨臼心出し構成要素を前記装置に取り付けるステップとを更に含み、前記寛骨臼心出し構成要素は、測定された大腿骨頭直径に基づいてそれが前記被験者の臼蓋窩のサイズに適合するべく寸法付けられるように選択される
    請求項44に記載の装置を設置する方法。
  46. 実質的に添付図面の任意の組み合わせに関連して本明細書中に記載され,添付図面の任意の組み合わせで示される装置、キット、および/または、方法。
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