JP2015511870A - 劣化油を浄化するための方法及びシステム - Google Patents

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Abstract

油溶性劣化物を含む劣化油を浄化するための方法及びその方法を実装するためのシステムが開示されている。本方法は、劣化油の入口流(1,1a,1b)を受け取るステップと、劣化油を冷却することによって油溶性劣化物を劣化油から沈殿させるステップと、沈殿した劣化物をフィルタ内に留めるために冷却された劣化油を濾過流(3,3a,3b)としてフィルタ(104,204,304)を通すステップと、浄化された油の出口流(2,2a,2b)を排出するステップとを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、油溶性劣化物を含む劣化油を浄化する方法に関する。さらなる態様によれば、本発明は、油溶性劣化物を含む劣化油を浄化するためのシステムに関する。
大規模産業及び工業設備において、油は機能的な液体として用いられている。そのような機能の例には、潤滑油、油圧技術、鉄鋼生産におけるクエンチ流体としての使用、などが含まれる。多くの浄化及び汚染のプロセスは油を用いる機械の作用、メンテナンス、及び最終的には耐用年数ばかりでなく、油の耐用年数にも影響を及ぼす。そのため、大規模設備で油を浄化し、交換することは、最も重要である。しかしながら、所与の設備におけるそのような油システムのメンテナンスは、大量の高性能の油の費用と、典型的には遥かに重大な設備のダウンタイムから生じる費用との両方の点で多額の費用がかかる。
設備を使用することによって油に相当な負荷がかかり、例えば、熱による負荷で油が酸化することにより、油の磨耗及び劣化につながる。油の劣化の主な原因は油の酸化であり、加えて熱的及び機械的な負荷、及びそのような劣化物のその後のさらなる酸化である。さらに、劣化物は互いに反応し、及び/又は重合することもある。そして、劣化プロセスは、新油に比べて使用済の油において誤った色を付与したり、匂いを変化させたりする原因となる成分はもちろん、ワニスの前兆を生成する。その後、劣化油は、典型的には、使用による油の劣化によって生成される、異なる多くの油溶性汚染物質を含む複雑な溶液となる。したがって、劣化/酸化物は油を汚染し、油の性能に影響を与える。生成された重合体は、設備の油システムの至るところの表面に堆積するワニスの原因となり、そのため設備の性能に影響を及ぼし、メンテナンスのためのダウンタイムの原因となり、設備の中心部の耐用期間を短縮させ、また、設備の致命的な故障にさえなることもある。
油の耐用期間を延長し、設備のダウンタイムに及ぶまでのサービス期間を延長するために、設備の構成要素を不可逆に劣化させる前に、設備の稼動中に油から汚染物質を除去することが望ましい。しかしながら、劣化/酸化物は油の中の溶液内にあるため、除去するのが難しいことがよくある。油から酸化物を除去するための既知の方法は、通常、ダウンタイムを必要とし、複雑であり、相当の投資を要し、又は、単に十分に効率的でない。
そのため、効率的に、油から油溶性の劣化/酸化物の濃度を低減することができ、好ましくは処理中に各構成要素をシャットダウンすることなく稼動中の大規模設置の油システムに接続するための適した方法及びシステムを提供することが望ましい。
そのため、一態様によれば、本発明の目的は、先行技術の問題を解決し、又は、少なくとも代替となる、使用済み油を浄化するための方法を提供することである。さらなる態様によれば、本発明の目的の1つは、使用によって劣化した油を浄化するための上記方法を実装するシステムを提供することである。
本発明の目的は、独立請求項1及び12に従った劣化油を浄化するための方法及び/又はシステムによってそれぞれ達成される。好適な実施形態は従属請求項によって記載される。
一実施形態によれば、油溶性劣化物を含む劣化油を浄化するための方法は、劣化油の入口流を受け取るステップと、劣化油を沈殿状態にまで冷却し、滞留時間の間、劣化油を沈殿状態に留めることによって劣化油から油溶性劣化物を沈殿させるステップと、沈殿した劣化物をフィルタ内に留めるために、濾過流としての冷却された劣化油を、フィルタを通すステップと、浄化された油の出口流を排出するステップと、を含む。
本発明の一見識は、冷却による沈殿によって、効率的にキャリアオイルから油溶性劣化物を分離できることが認められることである。適切に冷却し、さらにフロースルー法によって操作することによってこれらの劣化物が効率的に溶液から沈殿するような温度の低下とともに、使用済み油の中にある劣化物の溶解度は大幅に低減することが認められる。
用語「油溶性」は、油が溶媒として振る舞い、劣化物が溶質である溶媒溶質システムを参照するものである。上記のように、劣化物は油を汚染し、油を用いる機械/設備/施設の装置における性能、点検、メンテナンス、及び耐用期間に影響を及ぼす。本願の背景において、油を「浄化すること」は、油の中に溶けている油溶性の汚染/劣化物の濃度を低減させるプロセスを参照する。したがって、「浄化された油」は汚染レベル、例えば、劣化油の汚染物レベルに比べて油溶性の汚染/劣化物の濃度が低減した油を意味する。油の劣化レベルは、油の汚染レベルと関連付けることができ、例えば、油のサンプルの膜パッチ比色分析(MPC)値を測定することによって決定することができる。MPC値は、FLUITEC i-LAB 475分光光度計のような利用可能な機器に共通に実装され、標準化され校正された手順を用いて測定することができる。MPC値のスケールは、0−100の範囲内である。約20より高いMPC値の汚染レベルは、通常、油の汚染が高レベルであると考えられ、30より高いMPC値の濃度レベルは、通常、ほとんどの用途、特に大規模設備にとって危険であると考えられる。油の劣化は、例えば、酸化、加水分解、熱劣化を含む複雑なプロセスであり、結果として、アルデヒド、ケトン、及びカルボン酸のような多様な劣化物となるということが記されるべきである。鉄や銅のような金属は、劣化に含まれるプロセスにおいて触媒として振る舞うことができる。そのため、劣化油の成分は、その油に含まれる特定の油及び添加物、特定の装置における使用の状態、及び使用における劣化の過程に依存する。そのため、このような任意の測定で普遍的な校正をすることは困難である。それにもかかわらず、油の劣化を監視するための異なる多くの分析方法が存在する。任意の浄化プロセス及び所与の装置の性能を監視し、浄化プロセスの入出力を超えた及び/又は入出力の間の測定結果の偏差、変化、傾向を決定するために同一の分析方法が用いることができる。油の劣化を監視するためのこのような分析方法の例は、全酸価(TAN)の測定、粘性、超遠心分離機、赤外分光法、残存耐用年数評価(RULER)、上記膜パッチ比色分析(MPC)テスト、定量分光分析(QSA)、回転式圧力容器酸化試験(RPVOT)である。異なる分析方法から得られた情報は相補的とすることがきる。好適には、異なる方法は組み合わせて用いることができる。
冷却による沈殿には、外側から冷却を適用することができ、例えば、油の中に汚染物特有の溶媒を導入することを必要としないという利点がある。さらに、本方法は説明されたように、フロースルー法における動作に適している。そのため、本方法は、動作中に機械/産業設備/施設における所与の装置の油システムと結合して連続して使用することができる。本発明において、多くの装置における油の正常な使用による劣化物は、ときに比較的遅い割合で発生し、本方法は、油の連続的なメンテナンスのために低いフロー量の設計で使用する場合に好適となるよう構成することができ、この場合に適していると認められる。本発明にしたがった方法を用いて連続的に油を浄化することには、生成されたときに必然的に早い段階で劣化物を留めることによって、派生的な汚染物が形成されるのを防ぎ、効率的に油を清浄なままにするという利点がある。
冷却による沈殿はフィルタの上流で活性化する。油溶性の汚染物をフィルタの上流に沈殿させることによって、沈殿物はフィルタ材によって捕らえられ、そこに留められる。熱力学的な均衡が、所与の温度変化後に劣化油から沈殿する劣化物の総量を決定するのに対し、動力学が沈殿プロセスにおける沈殿物の量を決定する。沈殿は劣化油を沈殿状態に冷却することによって始まる。そして、続いて、滞留時間の間、沈殿状態内の温度で劣化油を留めておくことで沈殿物が形成され、古くなる。そのため、滞留時間は、劣化油が沈殿状態の温度にまで冷却された点の後に、劣化油の流れが、沈殿状態の温度で留められている時間であると考えられる。その滞留時間の間、沈殿物は、フィルタ材に留められている期間を経過する。典型的には、少なくとも劣化油の入口流が冷却された地点から、フィルタの冷却地点から、そして、フィルタそれ自体の中で、劣化油の流れは沈殿状態内の温度に維持される。さらに、冷たい劣化油と、フィルタ材及び既に留まっている沈殿物との吸着/吸収/融合のような相互作用によって、さらに沈殿物の形成を促進し、フィルタが沈殿物を留める効果が向上する。さらに、冷却された状態の劣化油がフィルタを通ることによって、フィルタ材によって既に留まっている劣化物が分解され、油は汚染しにくくなる。
(動力学によって決定された)均衡に到達する速度は、劣化油からの劣化物の沈殿の場合、急速な温度変化では好適であり、重合及び結晶化の種として振る舞う油の中の少量の不純物によって加速される。そのため、例えば、遅い冷却過程と比べて衝撃冷却のような急激な冷却によって、沈殿プロセスは加速される。
典型的な装置において、滞留時間は好ましくは、少なくとも1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分のような分の範囲内、又は、およそまたは最大で半時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間又は12時間といった時間の範囲内である。
上述したように、劣化油は、油の中で分解される、異なる多くの劣化物を含む複雑な流体である。それぞれの異なる劣化物にとって、沈殿の開始は、わずかに異なる温度で起こることもあり、冷却された劣化油の中での沈殿物の形成の開始は温度範囲を超えて観察されることもある。それでも、3つの温度範囲を区別することができる。高温において、基本的に全ての劣化物が溶解している溶解状態が存在する。低温において、基本的に油から取り除かれるべき全ての劣化物が沈殿物を生成する沈殿状態が存在する。溶解状態と沈殿状態との間の中間の温度で、取り除かれるべき劣化物の第1の部分はまだ沈殿物を形成していない一方で、取り除かれるべき劣化物の第2の部分はすでに沈殿物を形成している遷移状態が存在する。
本方法は、機械又は産業設備の所与の装置における劣化油を浄化するためのシステム(例えば、油浄化システム)に実装される。そのため、本方法は、油浄化システムの入口で劣化油の入口流を受け取るステップと、冷却手段を用いて劣化油を冷却することによって劣化油から油溶性沈殿物を沈殿させるステップと、フィルタ内に沈殿した劣化物を留めるために浄化システムの入口から出口の方向に冷却された劣化油を、フィルタを通すステップと、油浄化システムの出口を通って浄化された油の出口流を排出するステップと、を含むことができる。
油を浄化するためのシステムの効率性は、機械または産業設備の特定の装置についてのシステム設計、装置の中で用いられる油、使用中に油がさらされる動作条件に依存する。そのため、実装は、所与の装置で油を浄化するためのシステムを設計する設計フェーズを含むことができる。設計パラメータは冷却性能及び流動量仕様、フィルタ材及びサイズを選択すること等を含むことができる。
油を浄化するための所与のシステム設計にとって、浄化効率は、特定の装置、その装置で用いられる油、使用中に油がさらされる動作条件、入口流での油の劣化のレベル、及び、出口流で排出される油の所望の浄化レベルに関する、システムのために選択される実際の動作パラメータに依存する。例えば、濾過ステップの効率は、実際の入力/出力温度、冷却量、滞留時間、及び/又は流動量等に依存する。そのため、実装は、その装置における特定の使用済み油及び/又は特定の動作条件で、劣化油を浄化するための方法を実現するためのシステムをテストし、調整するフェーズを含む。テスト及び調整フェーズは、効率的で、あらかじめ決定された浄化後の汚染物のレベルを達成する濾過ステップのための適切な沈殿を実現するために劣化油が冷却される温度範囲によって特徴付けられる飽和状態を決定することを含む。また、テスト及び調整フェーズで、濾過ステップが効率的であるために要求される適切な沈殿を達成するために、及び浄化後にあらかじめ決定された汚染(浄化)レベルを達成するために、特定の装置内で劣化油を冷却し続ける滞留時間を決定することを含むことができる。浄化前後での汚染レベルの比較は、浄化プロセスの性能評価として用いることができる。汚染レベルは、例えば、MPC測定又は油の劣化を監視するための任意の他の分析方法によって決定することができる。
さらに、本発明に従った方法の一実施形態によれば、濾過の前に劣化油を冷却することには、フィルタの下流で油を入口流での劣化油の温度より低く冷却するステップと、濾過流をフィルタの下流の分岐点で出口を通って排出する出口流と再循環流へ分流するステップと、再循環流をフィルタの上流の再合流点へ戻すステップと、再循環流を入口流と再合流させるステップとを含むことができる。
本実施形態において、油の冷却はフィルタの下流、例えば、濾過側で行われる。定常運転において、濾過側の油の汚染レベルは、入口流又はフィルタの上流での濾過流の油と比較して非常に低減する。そのため、フィルタの下流の油を冷却するための冷却装置を配置することは、フィルタの上流の汚染された油の流れで直接、例えば、入口流で直接、沈殿温度への冷却が行われたときに、冷却装置の動作が冷却システムに定着又は堆積する沈殿物によってはとても影響を及ぼされないという利点がある。
冷却され浄化された油が、再循環流から戻されてフィルタの上流の再合流点で入口流の劣化油に混ざる。下流での冷却、冷却され浄化された油の再循環、及びフィルタの上流の再合流点で冷却された浄化済み油と劣化油とを混合することによって、冷却された浄化済み油は、冷却媒体として振る舞い、入口流の劣化油は急速かつ効率的に冷却される。急速な冷却による急速な温度降下は、油溶性劣化物の沈殿を引き起こす。そのため、沈殿の主要部は、実際の冷却が行われるのとは別の位置にあるフィルタの上流で引き起こされる。このようにして、汚染物質は、容易に留められることができる位置、すなわち、システム内の他のどこよりも容易に交換可能なフィルタ素子内で効果的に沈殿する。
好適には、再合流点で提供される受動及び/又は活性混合強化手段を提供することによって混合が進む。入口流と、再循環流における冷却された浄化済み油との混合が進むことによって、沈殿を促すために冷却メカニズムを加速することができる。冷却が加速するのに加えて、混合によって、沈殿が開始する原因である乱流及び/又は局所的な不均質が発生し、それによりさらに沈殿プロセスが促進される。
さらに本発明に従った方法の一実施形態によれば、フィルタの下流での油の冷却は、分岐点と再合流点との間の再循環流の中で行われる。この好適な実施形態において、分岐点で濾過流を分流した後、再循環流が入口流と再合流する前に冷却される。それによって、冷却性能は再循環する油にだけ用いられ、出口を通って排出された浄化済み油の部分には用いられない。それによって、エネルギー消費は減少する。
補足的に、又は、加えて、フィルタの下流かつ分岐点の前で冷却することができる。このため、劣化油を浄化するための方法の一実施形態によれば、濾過前の劣化油の冷却は、フィルタの下流かつ分岐点で流れを分流する前に油を冷却することを含む。この実施形態には、例えば、出口流によって排出された浄化済み油を、冷却を目的として用いるという利点がある、
さらに、本発明に従った方法の一実施形態によれば、本方法はさらに、劣化油をプレ冷却するステップを含み、プレ冷却は劣化油を冷却することによって劣化油からの油溶性劣化物を沈殿させるステップの前に行われる。
機械/設備/施設の典型的な装置において、油は、50℃よりかなり高く、60℃よりかなり高く、70℃より高く、80℃より高く、又は90℃より高い(摂氏温度)といった上昇した温度で作用する。特に、連続的に、動作中の機械/設備/施設の装置内の油を浄化するための方法を実装するとき、入口流で受け取る劣化油は上昇した温度である。プレ冷却ステップには、次の沈殿ステップのために劣化油の入口流をプレ調整する目的がある。受け取った劣化油にプレ冷却が行われ、入口流のプレ冷却された油の温度は、再合流点での再循環流の冷却油の温度より高く維持される。このため、再循環流によって入口流は確実に冷却される。さらに、プレ冷却された油の温度、すなわち、プレ冷却ステップ後で再合流点の上流における入口流の劣化油の温度は、劣化物の沈殿が実質的に起こる温度よりかなり高く維持される。
さらに、本発明に従った方法の一実施形態によれば、劣化油の中の1つ以上の劣化物の溶解度を、劣化油に存在する1つ以上の劣化物の濃度より低くするように入口流の劣化油が冷却される。
油の中の劣化物の溶解度は温度の低下とともに低減する。結果として、1つ以上の異なる劣化物を含む劣化油を冷却するとき、油の中の所与の劣化物の溶解度は徐々に劣化物の濃度がその溶解度と等しくなる飽和点に近づく。結果として、溶液は、劣化物の濃度が、劣化物の沈殿物が形成され始める温度依存溶解度より高い超飽和状態に冷却される。
上記のように、劣化油は、油の中に溶解している、異なる多くの劣化物を含む複雑な流体である。これらの異なる劣化物のそれぞれは、異なる飽和点を有する。そのため、それぞれの異なる劣化物につき沈殿はわずかに異なる温度で開始され、そして、冷却された劣化油の中の沈殿物の形成の開始は1つの温度範囲を超えて観察されることがある。それでも、3つの温度範囲を区別することができる。高温において、基本的に全ての劣化物が溶解されている状態、すなわち、劣化物の濃度が、溶解状態における温度での溶解度より低い溶解状態が存在する(基本的に全ての劣化物は未飽和溶液である)。低温において、基本的に油から取り除かれるべき全ての劣化物の濃度が溶解度より高い沈殿状態が存在する(劣化物は過飽和状態にある)。溶解状態と沈殿状態との間の中間の温度である遷移状態において、劣化物の第1の部分はまだ沈殿物を形成せず、一方、劣化物の第2の部分はすでに濃度が溶解度を超え沈殿物を形成している遷移状態が存在する。
所与の装置における本発明に従った方法を実装するとき、上記状態に関連する温度範囲はその装置ごとに決定することができ、その後、本方法の異なるステップにおける動作温度はそれに伴って選択することができる。例えば、当業者は、異なる温度で得られた沈殿量を監視することによって、予め決定された浄化目標について、実装された方法の性能および選択された動作温度の性能を確認することができる。沈殿量は、例えば、フィルタ後の汚染レベルを検査又は測定することにより、(所与の入口流温度及び汚染レベルで)劣化油が冷却される温度及び/又は劣化油が沈殿ステップの前にプレ冷却される温度の関数として決定される。沈殿量、そしてそれゆえ浄化効率を最適化するという目的とは別に、沈殿ステップにおける冷却油の温度はまた、所与のフィルタを通って油を流すことができるような動作のさらなる制約条件を緩和する。
さらに、本発明の一実施形態によれば、濾過の前に劣化油が冷却される沈殿温度は20度Cより低く、あるいは15度Cより低く、あるいは10度Cより低く、あるいは8度Cより低く、あるいは6度Cより低く、あるいは5度Cより低く、あるいは4度Cより低く、あるいは3度Cより低く、あるいは2度Cより低く、あるいは0度Cより低く、あるいは−5度Cより低く、あるいは−15度Cより低い。
沈殿温度は、冷却後であるが、濾過より前の点での劣化油の温度である。例えば、再循環を用いる一実施形態において、沈殿温度は、再合流点とフィルタとの間の点で決定されるべきである。沈殿温度が低いほど、油溶性の劣化物、特に、においの原因となる汚染物質、異なる色を付ける原因となる汚染物質、及び/又は、低分子性の劣化物に関連するその他の汚染物質、及び/又は、有機窒素化合物を捕えることが難しい油溶性の劣化物を取り除くにはよい。特に、約摂氏5度より低い、最も低い沈殿温度の範囲で、そして、特に摂氏2度より低い沈殿温度で、またさらに特に摂氏0度より低い温度では、劣化物の出力レベルを顕著に低くすることができる。一実施形態において、摂氏0度以下への冷却が行われるとき、冷却装置/冷却装置で用いられる熱交換媒体/冷却剤は冷却剤中の凍結防止剤の使用を必要とすることもある。
液体の流動点とは、その液体が半固体となり、流動特性を失う最低温度である。そのため、本発明に従った本方法/システムを通る油の温度は、油が流れることができるように当の油の流動点より高く維持されるべきである。沈殿温度は流動点より高く、あるいは最低でも流動点より5度より高く、あるいは最低でも当の油の流動点より10度より高く維持される。所与の油の流動点データは通常、当の油のデータシートで見出され、そのため、所与の装置で用いられる油のために予め決定される。あるいは、油の流動点は、ASTM D97のようなASTM標準に関連した指示に従って決定される。しかしながら、入口に油が戻る前に多量の分離されていない水を含む油がある装置において、例えば、冷却装置の内部で氷の形成による問題を防ぐために0度Cより高い沈殿温度を維持することが求められる。
さらに、本発明に従った方法の一実施形態によれば、入口流でプレ冷却された油の温度は、劣化油における劣化物の溶解度が、劣化油に存在する沈殿物の濃度より高くなる温度に維持される。
好適には、プレ冷却によって、劣化油の入口流で遷移状態に近い温度となるが、明らかな沈殿が現れる遷移状態ではないプレ状態になる。これによって、劣化油の温度が、溶解状態から遷移状態を通って沈殿状態にまで下げられる次の沈殿ステップにおいて、低い冷却性能しか必要とされず、より急速に冷却を行うことができるという利点がある。さらに、溶解状態で温度を維持することによって、実際の沈殿ステップの前に明らかな沈殿は発生せず、それにより、フィルタの外側での不要な堆積が形成されるのを低減することができる。適切な冷却温度、所与の装置における沈殿ステップの前に劣化油がプレ冷却される適切な冷却温度を決定するための上記手順と類似の手順が通例の実験によって決定される。
本発明に従った方法の一実施形態によれば、プレ冷却は、熱交換器によって入口流から出口流へ熱を移動させることを含む。入口流をプレ冷却するために、出口流の浄化された低い温度の油を利用することによって、本方法はエネルギー効率がよくなる。さらに、装置に戻されるべき浄化された油は、その装置によって要求される油の動作温度に近い高温に戻る。
さらに一実施形態によれば、本発明による方法は、入口流における入口流量を制御し、冷却された劣化油がフィルタを通って通過する濾過流における濾過流量を制御し、及び/又は循環流における循環流量を制御する。流動量はポンプ、スロットル弁、サーモスタット弁、収縮部、バイアス逆止弁等のような流動制御手段を用いて制御することができる。特に、一実施形態によれば、入口流量は入口ポンプを用いて制御することができる。再循環流は再循環ポンプ、及び/又はサーモスタット弁によって制御することができ、サーモスタット弁はフィルタ内の油の温度を表す温度を測定する温度センサの入力に応答することができる。入口、濾過、再循環流量を互いに制御することによって、再循環率、すなわち、出口を通って排出される前に本システム内で、平均何回、油が再循環するかを制御することができる。再循環の分岐で冷却がされる場合、入口流における再循環流の冷却効果、ひいては沈殿量を制御することができる。
さらに、本発明の方法に従った方法の一実施形態によれば、本方法は、1時間当たりに浄化される油の量が0.05%から5%の間、好ましくは装置の総油量の0.1%から2%の間、である総油量を収容する装置に適用される。好適には、1時間あたりに浄化される油の量は、500リットル未満、あるいは400リットル未満、あるいは300リットル未満、あるいは200リットル未満、好ましくは100リットル未満である。浄化量は、例えば、入口流量を制御することによって制御され、出口流量は入口流量に相当する。劣化油を浄化するための方法は、連続的な/連続している動作モードで動作し、劣化油の入口流は動作中の装置から直接、受け取って、浄化された油の出口流は動作中の装置に戻る。連続的/連続している動作モードで浄化するとき、典型的には用いられる浄化量は少なく、それぞれの装置で観測され、又は知られている劣化の量により浄化量は適用されるべきである。そのため、バッチモードで実行する場合に比べて、連続的な動作モードで実行する場合は、より小規模な装置は本方法を行うことができる。さらに、劣化反応連鎖の初期段階で劣化物を留めるため、連続的/連続しているメンテナンスモードで浄化方法を動作させ、それにより、より高次の劣化物の形成を効果的に遮断するという利点がある。そのため、装置内の油の品質は高レベルに維持される。典型的な装置の連続的/連続している動作における浄化量のさらに好適な範囲は、装置の総油量の0.1%から1%の間、あるいは0.1%から0.5%の間、又は約0.2%である。あるいは、劣化油を浄化する方法は、バッチモードで動作することができ、劣化油の入口流は、劣化油の第1の貯蔵槽から受け取られ、清浄な/浄化された油の出口流は第2の貯蔵槽に排出される。典型的には、バッチモードで所与の装置から油の総量を浄化するとき、処理時間を減少させるために、浄化量が多いことが望まれる。
さらに一実施形態によれば、本発明に従った方法はさらに、滞留時間を制御することを含む。好適には、滞留時間は、上記の流動制御手段によって入口流量、出口流量、濾過流量、及び/又は再循環流量を制御することによって制御することができる。好ましくは、滞留時間は入口流における油の汚染レベルに応答して、及び/又は出口流における油の汚染レベルに応答して、制御される。上記のように、汚染レベルは油の劣化レベルを反映し、そして、油のサンプルのMPC値を測定するような既知の測定方法によって決定することができる。沈殿及び濾過の動態は入口流の劣化油の汚染レベルによる。入口流及び/又は出口流の汚染レベルに対応して滞留時間を調整することによって、入力された汚染レベルの沈殿及び濾過の動態に従って滞留時間を調整することができ、そのため本方法の浄化効率を最適化し、最適な浄化処理性能を実現し、そして結果的により低い出力汚染レベルを実現することができる。好ましくは、滞留時間は、入力汚染レベルを減少させるために濾過流量を減少することによって調整され、そのため、入力劣化レベルを減少させるために滞留時間を増加させる。そのため、濾過媒体内の沈殿物をよりよく留め、及び、それに相当したより低い出力汚染レベルが実現される。したがって、本浄化方法の開始段階である入口流において油の入力汚染レベルが高いために、濾過流量は高く維持され、それによって、出口流での高出力汚染レベルとのトレードオフで高い処理性能を実現する。好適には、滞留時間は、濾過流量を直接的に制御することによって、入口/出口流を制御することによって、及び/又は再循環流を制御することによって調整される。さらに好適には、滞留時間は、測定され、計算され、及び/又はシミュレートされた入力汚染レベルに応じて調整される。
劣化油を浄化するための方法の一実施形態によれば、好適には、本方法はさらに、入口流での油の汚染レベルに応じて沈殿ステップにおける冷却性能、及び/又は温度を制御し、及び/又は、入口流、及び/又は出口流での油の汚染レベルに応じてプレ冷却ステップにおけるプレ冷却性能、及び/又は温度を制御することを含む。
劣化油を浄化するための方法の一実施形態によれば、好適には、油とフィルタ材との間の濾過相互作用は、沈殿した汚染物質の吸着、及び/又は吸収である。さらに好適には、フィルタ材はセルロース繊維を含む。
本発明の一態様によれば、システムが提供され、そのシステムは、本出願で記載されているいずれかの実施形態に従った本方法を行うために設けられる。
本発明の一態様によれば、続いて、劣化油を浄化するためのシステムの好適な実施形態が記載されている。本発明に従った劣化油を浄化するためのシステムは、上記の劣化油を浄化するための方法についてと同様の検討および利点が得られる。
油溶性劣化物を含む劣化油を浄化するためのシステムの一実施形態によれば、本システムは、劣化油の入口流を受け取るための入口と、浄化された油の出口流を排出するための出口と、入口及び出口に接続しており、入口から出口への方向にフィルタを通る濾過量で濾過流を通すために調整されたフィルタを備える濾過分岐と、沈殿状態まで劣化油を冷却する手段と、油に溶解した劣化物を沈殿させ、フィルタ内の沈殿した劣化物を留めるために、濾過の前に滞留時間の間、劣化油を沈殿温度に維持する手段と、を備える。滞留時間の間、劣化油をその温度に維持する手段は、フィルタハウジングを断熱するほかに、システム内のパイプ及びチューブを断熱することができる。さらに、劣化油を冷たいままにしておくために、アクティブな冷却装置を提供することができる。
さらに一実施形態によれば、本発明に従ったシステムはさらに、フィルタの下流に配置されたフロー分流部から、フィルタの上流に配置されたフロー合流部へ延在している再循環分岐を備え、フロー分流部は濾過流を出口流と再循環流に分流するために設けられ、再循環分岐は、再循環流をフロー分流部からフロー合流部の方向に通すように設けられ、フロー合流部は、入口流を再循環流に合流させ、濾過流としての合流を濾過のための濾過部に通すように設けられ、冷却手段は、再循環流をフロー合流器での入口流の油の温度より低い温度に冷却するためにフィルタの下流に配置された冷却器を備える。冷却された浄化済み油をフィルタの上流の地点で濾過流に戻すとともに濾過された油を下流で冷却することによって、沈殿、浄化の効率がより良くなり、そして、そのうえ、浄化システムの信頼性が向上する。本実施形態において、劣化油は、入口流に追加して混ぜ合わされた冷却媒体としての中間的に浄化された油によって冷却される。このことは、冷却効果を達成するために、再循環流が、フロー合流器での劣化油の入口流又はフロー合流部でのフローの再合流又は混合の直前での温度より低い温度であるべきことを意味する。
本実施形態はまた、冷却装置が、低濃度の油溶性の劣化物を有する浄化された油上で動作するという利点がある。それゆえ、開放タンク、フロースルー冷却器等のような使用される冷却装置はそこにある沈殿物質の著しい堆積によって影響は及ぼされない。
さらに、本発明に従ったシステムの一実施形態によれば、冷却手段は再循環分岐に配置される。再循環分岐におけるフロー分流器の下流に冷却手段を配置することによって、再循環流での浄化済み油のみが冷却され、出口流では冷却されない。そのため、冷却システムから排出される油に対して冷却性能を浪費することを避けることができる。
さらに、本発明に従ったシステムの一実施形態によれば、混合強化手段はフロー合流器によって提供される。混合を強化するための手段は、流動混合スパイラル、又は入口流と再循環流とが再合流した後の濾過流へのバッフルの配置といったような受動的な混合手段とすることができ、及び/又は、撹拌装置等のような能動的な混合手段とすることができる。入口流と、再循環流の冷却された浄化済み油との混合を強化することによって、沈殿が発生する過飽和状態でフィルタの上流の濾過流の中で油を急速に搬送することができ、非常に効率的で急速な冷却メカニズムが提供される。さらに、混合によって、初期の沈殿の源となる乱れ及び/又は局所的な不均質を発生することができ、それゆえ、さらに沈殿プロセスの動特性が加速する。
さらに、一実施形態によれば、本発明に従ったシステムはさらに、入口で受け取った油をプレ冷却するためのプレ冷却手段を備える。劣化油を浄化する方法について上述したように、プレ冷却の目的は、沈殿状態ではなく、明らかな沈殿が生じる温度近くに上昇する動作温度となる装置から受け取る劣化油を搬送することである。
さらに、本発明に従ったシステムの一実施形態によれば、プレ冷却手段は入口流から出口流へ熱を移すための熱交換器を備える。入口流における油のプレ冷却は、熱交換の手段によって温かい入口流から冷たい出口流へ熱を移すことによって、十分に提供されないまでも、少なくともサポートされる。同時に、出口流からの油は、油が戻される装置によって要求される油の動作温度に近い温度へ予め加熱される。そのため、浄化システムのエネルギー効率は向上する。好適には、熱交換器は、直交流熱交換器とすることができる。さらに、プレ冷却手段は、例えば、空冷熱交換器、及び/又は、冷却ファンを備えることができる。
さらに、一実施形態によれば、本発明に従ったシステムは、さらに、入口流を制御するための手段、濾過流を制御するための手段、及び/又は、再循環流を制御するための手段を備える。
さらに、一実施形態によれば、本発明に従ったシステムは、さらに、入口流の入口流量を制御するための手段、濾過流の濾過流量を制御するための手段、及び/又は、再循環流の再循環流量を制御するための手段を備える。
さらに、本発明に従ったシステムの一実施形態によれば、入口流、濾過流、及び/又は再循環流を制御するための手段は、弁及び/又はバイアス逆止弁によって制御される注入手段、及び/又は、サーモスタットを備える。注入手段は、入口流、再循環流、及び/又は濾過流の流動量を設定するために使用することができる。所望の流動量は、センサ入力及び/又はプログラム制御に応じて決定される。好適には、一実施形態において、弁によって制御されるサーモスタットは、フィルタ内の油の温度を表す信号入力に応答した再循環流量を制御するために再循環分岐に配置することができる。バイアス逆止弁は、本システムの異なる分岐での流動方向と最低圧力を制御するために用いることができる。例えば、バイアス逆止弁は、一実施形態に従ったシステムの分岐点と出口流との間に配置することができ、バイアス逆止弁は、浄化済み油の出口流を、出口を通って排出するために0.5バールより高い圧力で開き、出口からシステムへの少しの油の逆流も止める。
以降において、本発明はさらに、好適な実施形態を参照することによって説明され、参照番号は相当する特徴/類似のものを参照する。
本発明の一実施形態による劣化油を浄化するシステム及び方法の図である。 本発明の他の実施形態による劣化油を浄化するシステム及び方法の図である。 本発明のさらなる実施形態による劣化油を浄化するシステム及び方法の図である。
図1−3は、劣化油を浄化するための方法及びシステムの異なる実施形態100,200,300を概略的に示す。図1は、フィルタ104の上流に配置された沈殿冷却器105を備える簡易な実施形態100を示し、図2及び3は、冷却器205,305がフィルタ204,304の下流に配置され、フィルタ204,304の上流の再合流点208、308で劣化油を冷却された再循環油と混合することによって冷却による沈殿が行われる再循環分岐206,306を備える、より複雑な実施形態200,300を示す。図2の実施形態200と図3の実施形態300との間の主な違いは、前者200が、出口流と再循環流とに流動を分ける分岐点207前で濾過物を冷却することを含み、一方、後者300は、分岐点307と再合流点308との間の再循環分岐306において濾過物を冷却することを含むことである。全ての実施形態100,200,300において好適には、フィルタ材に沈殿物を留めるための濾過相互作用は吸着、及び/又は吸収である。
図1の実施形態100において、例えば、装置内での使用に起因する劣化を抑える油の総量を収容する(図示しない)装置から劣化油の入口流1を入口101で受け取る。ポンプ112は、入口流量に相当する流動量の劣化油の温度を沈殿状態にまで低下させるために用いられる冷却器105を通って、受け取った入口流量の油を押し流す。上述したように、本方法/システムによって取り除かれるべき劣化物の溶解度は温度とともに低下する。沈殿状態において、劣化油から取り除かれるべき油溶性劣化物の溶解度はこれらの劣化物の濃度より低く、これらの劣化物が実質的に沈殿するのが観察される。冷却器105から、冷たい劣化油がフィルタ104を通して濾過流3が流れる。劣化物の沈殿が形成され、フィルタ材に留まる滞留時間、フィルタ104の容量及び濾過流量はフィルタ内の冷たい油を維持するために用いられる。最終的に、入口流1の劣化油と比べて油溶性劣化物の濃度が減少した浄化済み油の出口流2は、出口102を通って排出され、また、装置に戻ることもできる。ポンプ112、冷却器105、及び、フィルタ104は、入口101から出口102まで延在している濾過分岐103を形成する同じ列に直列に配置される。
図2の実施形態200において、例えば、装置内で使用に起因する劣化を抑える油の総量を収容する(図示しない)装置から劣化油の入口流1aを入口201で受け取る。入口流1aは、受け取った劣化油の温度を低下させるために、プレ冷却器210を通る。装置の動作中に装置の油を浄化するために本システム/方法を動作させるとき、すなわち動作温度に上昇した劣化油を装置から直接、受け取る場合に、プレ冷却器の使用は特に利点がある。プレ冷却後の入口流1bの油の温度は、取り除くべき油溶性劣化物の溶解度に依存する温度が、劣化油中に存在するこれらの劣化物の濃度より高い溶解状態で維持されるべきである。すなわち、プレ冷却ステップは、沈殿ステップを先に行ってしまうことのないように使用されるべきである。ポンプ212は、入口流1bが再循環分岐206から受け取った再循環流6と混合し、濾過流3aとして濾過流量で濾過分岐203に配置されたフィルタ204の方へ、さらにまた、フィルタ204の下流の濾過分岐に配置された冷却器205の方へ通り過ぎる、フロー合流器208を備える再合流点まで、プレ冷却された油1bを、入口流量で押し流す。そのため、実施形態200の濾過分岐203は、フィルタ204及び冷却器205の両方を備える。しかしながら、実施形態100とは対照的に、冷却器205は濾液側のフィルタ204の下流に配置される。冷却器205の下流の濾過分岐における冷却油3bの流れは、分岐点でフロー分流器207によって出口流2b及び再循環流6に分流され、再循環流6は、再循環分岐206を介してフィルタ204の上流の再合流点208に戻される。再循環分岐206ではなく、分岐点207で流れを分流する前に冷却器205を濾過分岐203に配置することによって、冷却器205の冷却性能は、再循環流6と出口流2bとの両方に使用される。再循環流6から入口流1bに冷たい濾過された油を混合することによって、劣化油は冷却される。冷却器205の冷却性能は、濾過流3aにおける劣化油の温度を沈殿状態に低下させるために用いられ、劣化油から取り除かれるべき油溶性劣化物の実質的な沈殿が観察される。沈殿物は、再合流点208で、又は、再合流点の後で形成され、沈殿物はフィルタ204に留められる。フィルタ204の容量及び濾過流量は、劣化物の沈殿物を形成し、フィルタ材に留まるように、滞留時間の間、フィルタ204に冷たい油を維持するように採用される。
始動期間に、例えば、劣化油を浄化するための方法/システムを、既に、油溶性劣化物を含む高い汚染レベルの劣化油を含んでいる動作中の装置に接続するとき、初期に入口流量及び濾過流量を高く保持し、汚染レベルが下がるに伴い流動量を安定状態の設定にまで減少させる間に、冷却器205の冷却性能を段階的に強化しなければならない。代わりに、又は、追加して、より迅速に、よい浄化性能を達成するために浄化方法/システムを装置に結合する前に、冷却器は、予め清浄な油で満たされ、動作温度に冷却することができる。
劣化油の入口流1aをプレ冷却するために、冷たく、清浄な油の出口流2bを使用することができる。この目的を達成するために、好適にはプレ冷却器210は、入口流1aにおける劣化油からの熱を出口流2bにおける冷たく清浄な油に移す直交流熱変換器とすることができる。それによって、プレ加熱された出口流2aとして出口202を通って排出される前に出口流2bの清浄な油はプレ加熱され、装置に戻る。上記のように、実施形態200における冷却器205の冷却性能は、再循環流6と出口流2bとの両方に使用される。それによって、熱交換器210のプレ冷却効果は増大する。
図3は、劣化油を浄化すための方法/システムのさらなる実施形態300の図を示す。実施形態300は、劣化油の入口流1aを受け取るための入口301、浄化済み油の出口流2aを排出するための出口302、入口流1aから出口流2b及び2aに熱を移すための直交流熱交換機310、好ましくは補助的なファン、液相気相熱交換器311を備えるプレ冷却器を通して、入口流1aを押し流す入口ポンプ312を備える。プレ冷却された入口流1bはフロー合流器308を有する再合流点で再循環流6bと混合し、濾過流3aとして、入口301を出口302に接続する濾過分岐303に配置されたフィルタ304の方へ通過する。
図2の実施形態200のように、図3の実施形態300は、フィルタ304の下流に配置された冷却器305と、フィルタ304の下流のフロー分流器307がある分岐点から、フィルタ304の上流の再合流点308にまで延在している循環分岐306とを備える。しかしながら、実施形態200と対照的に、実施形態300の冷却器305は再循環分岐306に配置される。そのため、冷却器305は、再循環流6a及び6bに直接的に動作し、出口流2bを間接的にのみ冷却する。好ましくは、再循環流は、再循環分岐306に配置された再循環ポンプ314によって押し流される。再循環流量は、フィルタ304内の油の温度を測定する温度センサに反応するサーモスタット弁313のような、さらなる流動制御手段によって制御することができる。再合流点308でのフロー合流器は沈殿反応器として動作する。再循環流6bと入口流1bとの再合流を加速するために、再合流点308でフロー合流器に追加的な混合強化手段309を提供することができ、このため、フィルタ304の上流の濾過流3aにおける沈殿が促進される。
劣化油を浄化するための方法/システムの、特に装置における使用への応用は、冷却器の冷却性能、フィルタサイズ、流量及び/又は流動容量を適合させることを含むことができる。適合させることは、浄化システムの設計段階で、寸法を決め、調整すること、及び導入フェーズの間にパラメータ設定を調整し、及び/又は、動作中にパラメータ設定を調整し、制御することを含む。動作中に、制御機能は、与えられたパラメータ、随意に与えられたパラメータの実際の値、又はそのパラメータに影響する量を測定するセンサ入力と組み合わせて、予め調整した目標値設定に応答することができる。
続いて、総量約40,000リットルの油を収容する発電所のタービン装置内の油の連続した浄化に使用される方法/システムの一例が記載される。以下の数字に見られるように、連続的に使用中の油を浄化することの利点の1つは、劣化した量ごとに浄化が行われるため、必要とされる浄化システムが、処理装置をバッチで処理するものに比べて驚くほど小さく、それゆえかかる費用は少ないということである。加えて、生成されたときに基本的に油溶性劣化物を取り除くことによって、ワニスの前兆、及び他の劣化物を形成する反応連鎖を比較的早い段階で遮ることができ、そのため、ワニスとして装置内に堆積する、より高次の劣化物が形成するのを防ぎ、及び/又は、その他の点で油や装置自体の性能に重大な影響を及ぼす。このように装置の耐用年数をさらに伸ばし、はるかに重要なことに装置の動作可能時間を非常に延ばすことができる。
[実施例]
総量40,000リットルの油を収容する発電所タービンの典型的な装置において、入口で受け取った油は約90度Cの温度であり、約30というMPC値によって特徴付けられる入力汚染レベルである。補助ファン付き液相気相熱交換器を用いた第1のプレ冷却段階は入口流の温度を50度Cに低下させる。入口流から出口流に熱を移すための直交流熱交換器を用いた、さらなるプレ冷却段階は、さらに入口流の温度を再循環油と混合する前のフロー合流部で約20度Cに低下させる。再循環油は、再循環分岐に配置された冷却器から受け取ることができ、温度20度Cの入口流からの劣化油と混合する前のフロー合流部で約3−4度Cの温度である。
安定状態の局面において、約40−50l/hの入口流で入口ポンプによって入口流を制御することができる。再循環ポンプによって、入口流量より高い流量、例えば、入口流量の10倍まで、又は入口流量の約6倍で再循環流を制御することができる。合流において、入口流量及び再循環流量によって濾過流量が決まる。濾過流量に分流するフィルタの容積によって油の滞留時間が決まる。入口流量及び/又は再循環流量を変更することで濾過流量を調整することによって、油とフィルタ内のフィルタ材との相互作用のための滞留時間を制御することができる。連続動作モードの安定状態における滞留時間の典型的な値は、約1時間とすることができるが、例えば、入口流における汚染負荷及び/又はフィルタの圧力降下によって、半時間或いは3又は6時間までの間で変えることもでき、汚染レベルをより低く、すなわち、油溶性劣化物の汚染濃度を、入力MPC値が10−20、出力MPC値が10より低い程度にまで低くするには、滞留時間を長くすることが必要とされる。
本発明のいくつかの実施形態に従った方法/システムの効率を維持することは、冷却後で濾過ステップ/フィルタの前での濾過流の沈殿温度を調整することによって影響を受け取ることもある。Regal R&O 46、Mobil DTE 832、又はMobil DTE 732のようなISO VG 32又はISO VG 46タービンオイルを用いた所与の発電所タービン装置において、入口流で一切の積極的な冷却をしなくても入口流を約摂氏30度にプレ冷却してさえいれば出口流で出力MPC値は約20となる。劣化油を約摂氏9度の沈殿温度に冷却することによって、出力MPC値は約8となり、一方、約摂氏2度の沈殿温度で出口流における出力MPC値は約2となる。特に、より低い沈殿温度で、匂い及び色付けに関係のある劣化物が極めてよく除去されるのが観察される。
本方法及び本システムは、総量10,000リットル以上、典型的には約40,000リットル又は100,000リットルの油を収容する大規模設備/施設の装置として作られる一方、少量の油のために用いられる装置において行われるよう変更することができる。
[油の劣化を監視するための分析方法]
上述のように、好ましくは相当する新油の基準測定を参照して、油の浄化プロセス及び所与の装置の性能を監視するために有用な、異なる多くの分析方法が利用可能である。測定は、任意の偏差/変化/傾向を決定するために、経時的に及び/又は浄化プロセスの入出力の間にすることができる。そのような油の劣化を監視するための分析方法の例は、次に説明される。
全酸価(TAN):カルボン酸の増加によって全酸価が増加する。TANは水酸化カリウム(KOH)を用いた滴定によって測定され、その結果は、油のサンプルにおける1グラム当たりの酸を中和するために用いられるmgKOHとして得られる。例:TAN:0.35mgKOH/g
粘性:酸化副産物は結合し、より大きい分子を形成する傾向にあり、このプロセスは重合といわれる。油の粘性は分子の大きさに関係があるため、重合は油の粘性を増加させる。重合はスラッジにつながり、油の中でワニスが形成される。
超遠心分離機(UC):所与の量の油は、超遠心分離機の中で30分間、18,000rpmで遠心分離される。沈殿物の量は、UCの評価尺度に相当し、UC値(1〜8)は視覚的な評価に基づいて得られる。
赤外分光(典型的にはFT−IR):FT−IRスペクトルは、赤外線が油のサンプルを通る時の、4000cm−1−5000cm−1のスペクトル領域での赤外吸収の度合いを測定することによって得られる。アルデヒド、ケトン、カルボン酸のような酸化副産物は全て、炭素−酸素二重結合(カルボニル基)を含む。これらのカルボニル基は、赤外スペクトル1740cm−1の領域で赤外線を吸収する。この領域で、酸化が進むにつれて吸収ピークは増大する。油のタイプ、添加物、劣化のタイプ等で差が見られる。1740cm−1では基油の熱劣化は顕著ではなく、その代わり、1640−1600cm−1でピーク(ニトロ化ピーク)が見られる。
残存耐用年数評価手順(RULER):RULERは、テストが直接的には酸化測定に関係しないように、しかし、初期段階で今後に酸化が起こることを示すことができるように、鉱物及び合成基油内の抗酸化及び耐摩耗添加物のレベルを測定する。テストは、電極を用いた測定の後に、油のサンプルをバイアル瓶の中で溶媒及び固体基質とともに混ぜ、それにより、油から抗酸化剤を分離することによってなされる。そして、測定されたRUL数は、同じ種類の新油の基準RUL数と比較される。酸化によって添加物は減少する(RUL数が減少する)。添加物の減少をチェックすることによって、油の劣化は初期段階で検出される。
膜パッチ比色分析(MPC):不溶解度の沈殿物が、0.45μmの硝酸セルロースパッチ、真空濾過及び溶媒としての石油エーテルを用いて油のサンプルから抽出される。膜は残って乾燥し、パッチの色は携帯できる分光光度計を用いて分析される。結果は、ΔEの値として報告される。デルタEの値は、正常範囲:ΔE<15、チェック範囲:ΔEが15−30、異常範囲:ΔEが30−40、及び臨界範囲:ΔE>40とする重要性で4つの範囲に分けられて解釈される。
定量分光分析(QSA):このテストはMPCテストと同様である。不溶解度の沈殿物が、0.45μmの硝酸セルロースパッチ、真空濾過及び溶媒を用いて油のサンプルから抽出される。膜は残って乾燥し、パッチの色が測定される。1から100の評点によって潤滑油がスラッジ及びワニスを形成する傾向を示す。
回転式圧力容器酸化試験(PROVOT):PROVOT分析は、上昇した温度での圧力下で酸素が充填された密封容器内での急速に酸化したときの油の酸化状態を測定する。サンプルは研磨された銅製コイルを用いた容器の中に置かれる。そして、容器には酸素が充填され、150度Cの一定温度で電解槽の中に置かれる。油が酸素を吸収すると、密封容器内の圧力は低下する。その結果は、あらかじめ決められたレベルに圧力が低下するのに必要な時間(分)として示される。
1 入口流
1a 入口流
1b 入口流
2 出口流
2a 出口流
2b 出口流
3 濾過流
3a 濾過流
3b 濾過流
6 再循環流
100 浄化システム
200 浄化システム
300 浄化システム
101 入口
201 入口
301 入口
102 出口
202 出口
302 出口
103 濾過分岐
203 濾過分岐
303 濾過分岐
104 フィルタ
204 フィルタ
304 フィルタ
105 冷却器
205 冷却器
305 冷却器
206 再循環分岐
306 再循環分岐
207 分岐点、流動分流部
307 分岐点、流動分流部
208 再合流点、フロー合流部
308 再合流点、フロー合流部
309 混合手段
210 プレ冷却手段
310 プレ冷却手段
311 プレ冷却手段
112 流動制御手段
212 流動制御手段
312 流動制御手段
313 流動制御手段
314 流動制御手段

Claims (17)

  1. 油溶性劣化物を含む劣化油を浄化する方法であって、
    劣化油の入口流(1,1a,1b)を受け取るステップと、
    前記劣化油を沈殿状態まで冷却し、滞留時間の間、前記劣化油を前記沈殿状態に留めることによって、前記劣化油から油溶性劣化物を沈殿させるステップと、
    沈殿した前記劣化物をフィルタ内に留めるために、冷却された前記劣化油を濾過流(3,3a,3b)として、フィルタ(104,204,304)に通すステップと、
    浄化された油の出口流(2,2a,2b)を排出するステップと、
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    濾過の前に前記劣化油を冷却するステップは、
    前記フィルタの下流の前記油を、前記入口流での前記劣化油の温度より低い温度に冷却するステップと、
    前記フィルタの下流の分岐点(207,307)で前記濾過流を、前記出口を通って排出される前記出口流と再循環流(6,6a,6b)とに分流するステップと、
    前記フィルタの上流の前記再循環流を再合流点(208,308)に戻すステップと、
    前記再循環流を前記入口流に再合流させるステップと、
    を含む方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記フィルタの下流の前記油を冷却するステップは、前記分岐点と前記再合流点との間の前記再循環流で行われる方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法において、前記劣化油の中の1以上の劣化物の溶解度が、前記劣化油の中の1以上の劣化物の濃度より低くなるように、前記入口流の前記劣化油を冷却する方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法において、濾過の前に前記劣化油が冷却される沈殿温度は20度Cより低く、或いは15度Cより低く、或いは10度Cより低く、或いは5度Cより低く、或いは0度Cより低く、或いは−5度Cより低く、或いは−10度Cより低く、濾過の前の前記沈殿温度は流動点より高く、或いは流動点の5度上の温度より高く、或いは流動点の10度上の温度より高く維持される方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法において、さらに、前記劣化油をプレ冷却するステップを含み、
    プレ冷却は、前記劣化油を冷却することによって前記劣化油から油溶性劣化物を沈殿させるステップの前に行われる方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、前記入口流の中のプレ冷却された前記油の温度は、前記劣化油の中の沈殿生成物の溶解度が前記劣化油の中の劣化物の濃度より高くなるような温度に維持される方法。
  8. 請求項6又は7に記載の方法において、プレ冷却するステップは、熱交換器(210,310)によって前記入口流から前記出口流に熱を移すステップを含む方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法において、
    前記入口流の入口流量を制御するステップと、
    冷却された前記劣化油を前記フィルタに通すために、前記濾過流の濾過流量を制御するステップと、
    前記再循環流の再循環流量を制御するステップとをさらに含む方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法において、1時間当たりに浄化される油の量が、前記装置における油の前記総量の0.05%と5%の間であり、好ましくは0.1%と2%の間であるような総量の油を収容する装置に用いられる方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法において、好ましくは前記入口流の前記油の汚染レベル応じて及び/又は前記出口流の前記油の汚染レベルに応じて、前記滞留時間を制御するステップをさらに含む方法。
  12. 油溶性劣化物を含む劣化油を浄化するシステム(100,200,300)であって、
    劣化油の入口流(1,1a,1b)を受け取る入口(101,201,301)と、
    浄化された油の出口流(2,2a,2b)を排出する出口(102,202,302)と、
    前記入口と前記出口とを接続する濾過分岐(103,203,303)と、
    前記油の中に溶解している劣化物を沈殿させ、沈殿した前記劣化物をフィルタ内に留めておくように、前記劣化油を沈殿状態にまで冷却する手段(105,205,305)と、濾過の前に、滞留時間の間、前記劣化油を沈殿温度に維持する手段と、を備え、
    前記濾過分岐は、前記入口から前記出口への方向に濾過流量で濾過流(3,3a,3b)を通すために配置されたフィルタ(104,204,304)を備えるシステム。
  13. 請求項12に記載のシステムにおいて、
    前記フィルタの下流に配置されたフロー分流部(207,307)から、前記フィルタの上流に配置されたフロー合流部(208,308)にまで延在する再循環分岐(206,306)をさらに備え、
    前記フロー分流部は、濾過流を前記出口流及び再循環流(6,6a,6b)に分流するために用いられ、前記再循環分岐は、前記フロー分流部からフロー合流部の方向に前記再循環流を通すために用いられ、前記フロー合流部は、前記入口流を前記再循環流に合流させ、合流した流れを濾過流として濾過するためのフィルタ部に通すために用いられ、前記冷却する手段は、前記フロー合流部で前記入口流の油の温度より低い温度に前記再循環流を冷却するための前記フィルタの下流に配置された冷却器(205,305)を備えるシステム。
  14. 請求項13に記載のシステムにおいて、前記冷却手段は前記再循環分岐に配置されるシステム。
  15. 請求項13又は14に記載のシステムにおいて、混合強化手段(309)が前記フロー合流部内に提供されるシステム。
  16. 請求項12乃至15のいずれか一項に記載のシステムにおいて、さらに、前記入口で受け取った前記油をプレ冷却するプレ冷却手段(210,310,311)を備え、
    前記プレ冷却手段は、好ましくは、前記入口流から前記出口流に熱を移す熱交換器(210,310)を備えるシステム。
  17. 請求項12乃至16のいずれか一項に記載のシステムにおいて、さらに、前記入口流を制御する手段(112,212,312)、前記濾過流を制御する手段、及び/又は前記再循環流を制御する手段(313,314)を備え、
    前記入口流を制御する手段、及び/又は前記濾過流を制御する手段、及び/又は前記再循環流を制御する手段は、好ましくは、ポンプ手段(112,212,312,314)、及び/又はサーモスタット弁(313)及び/又はバイアス逆止弁を備えるシステム。
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