JP2015506407A - カルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩の濃縮された水溶液を製造するための方法 - Google Patents

カルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩の濃縮された水溶液を製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、カルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩の水溶液を製造するための新規な方法に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1.2のカルボキシメチル置換度を有する、カルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩を少なくとも20質量%含む水溶液を製造するための新規な方法に関する。

Description

本発明は、1.2以上のカルボキシメチル置換度を有するカルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩の、濃縮された均一な水溶液を製造するための新規な方法に関し、前記水溶液は、低減された量のアルカリ金属ハロゲン化物塩を含む。
フルクタンは、大部分がアンヒドロフルクトース単位を有するオリゴ糖及び多糖である。フルクタンは、多分散の鎖長分布を有することができ、直鎖又は分岐鎖であり得る。フルクタンは、少なくとも3から約1000の平均鎖長(重合度:DP)を有する。イヌリンは、還元末端にα−D−グルコピラノシル単位を有する(2−1)−β−D−フルクトフラノシル残基を含むフルクタンである。このフルクタンは、チコリ、キクイモ及びダリアなどの様々な植物における貯蔵多糖として見つけることができる。
カルボキシメチル化は、第1級及び/又は第2級アルコール基をカルボキシメチル基でエーテル化することにより、単糖、オリゴ糖及び多糖を誘導体化するための公知の方法である。こうして得られた誘導体は、(ポリ)−メチレンカルボキシレートであり、多くの用途、特に洗浄剤処方、製紙産業及び製油において使用される。
カルボキシメチル化製品の公知の例は、例えば米国特許第2639281号、米国特許第3284441号及び加国特許第523243号に記載されるカルボキシメチルセルロース(CMC)である。
このようなカルボキシアルキルイヌリン及びその製造方法に関する先行技術は、かなり実在し、多様である。カルボキシメチルイヌリン塩は長い間知られており、例えば1958/1959年のチェコ国特許第90980号を参照されたい。Chien、J. Immunology Methods、26(1979)、39〜46は、比較的低い温度において希釈されたアルカリ性溶液中の6倍モル過剰のクロロ酢酸ナトリウムを使用することによる、カルボキシメチルイヌリン(CMI)の調製に関する。こうして調製されたCMIは非常に低い置換度を有し、この方法は煩雑であり、経済的に実行可能な事業には適していない。
欧州特許第0733073号には、アルカリ性条件下でイヌリンとクロロ酢酸ナトリウムとを反応させることによる、カルボキシメチルイヌリンを製造するための方法が記載されている。この技術はとりわけ、低い転換率及び望まない副生成物を導き得る高い粘度の困難性にさらされる。さらに、反応混合物の後処理が、アブソルートメタノールなどの好適な溶媒による、反応の最後での反応混合物の沈殿を含む。
欧州特許第1713831号には、その中に分散されたハロゲノアルキルカルボキシレートのアルカリ金属塩を含有する水性媒体を調製する工程、実質的に中性のpH条件下で、カルボキシレート含有媒体にイヌリンを加え、続けてこの混合物を60℃から90℃の範囲の温度に加熱する工程、並びにpH8〜12のアルカリ性条件で反応を進行させ、同時に追加のハロゲノアルキルカルボキシレート及びアルカリ性水酸化物を加える工程を含む、カルボキシアルキルイヌリンのアルカリ金属塩を製造するための方法が記載されている。欧州特許第1713831号で請求されている方法は粘度の問題にさらされず、許容可能な収率、純度、及び約1.5から最大約3のカルボキシアルキル置換度(DS)を有する転換度を有するカルボキシアルキルイヌリンを調製することができる。こうして形成されたカルボキシアルキルイヌリンのアルカリ金属塩は、一般的に水で希釈されて、水中の均一なCMI溶液となる。
そのカルボキシメチル置換度とは独立して、低いカルボキシメチルイヌリンの濃度でのみ、室温以下における水中で安定である。現在、最大15質量%のカルボキシメチルイヌリンの濃度を有する水溶液を、2.5のカルボキシメチル置換度に対して製造することができ、1.5のカルボキシメチル置換度に対しては最大25質量%である。それにもかかわらず、増加した濃度のカルボキシメチルイヌリンを有する水溶液は、輸送コストの減少−同じ量の活性物質を得るために輸送しなければならない水の量の減少だけでなく、固体のカルボキシメチルイヌリンを目的とする場合、水を蒸留するために減少した量のエネルギーが必要とされることにより、非常に大きな経済的及び生態学的な重要性を有する。さらに、濃縮された溶液は、その用途においてより実用的である。
カルボキシアルキルイヌリンは、当該技術分野においてよく知られている従来の方法により、回収及び精製することができる。ナノ濾過に続いての蒸発を使用して、塩化ナトリウム及びグリコール酸/ジグリコール酸などの低分子量の不純物のほとんどを除去する。この技術により、25重量%を超える高いカルボキシアルキルイヌリン濃度を得ることができる。それにもかかわらず、この技術は時間及びエネルギーを消費し、経済的ではなく、実際の近い将来の商業的な要求にはあまり適合しない。
米国特許第2639281号 米国特許第3284441号 加国特許第523243号 チェコ国特許第90980号 欧州特許第0733073号 欧州特許第1713831号
Chien、J. Immunology Methods、26(1979)、39〜46
本発明は、従来技術の方法の欠点が存在しない、カルボキシメチルフルクタン、好ましくはイヌリンのアルカリ金属塩の水溶液を製造するための方法を提供することを目的とする。
カルボキシメチルフルクタン、好ましくはイヌリンのアルカリ金属塩の均一な水溶液を製造するための、効率的かつ経済的な方法であって、カルボキシメチルフルクタン、好ましくはイヌリンのアルカリ金属塩が、1.2から最大3.0のカルボキシメチル置換度を有し、水溶液が少なくとも20質量%の濃度のカルボキシメチルフルクタン、好ましくはイヌリンのアルカリ金属塩、及び最大で10質量%の濃度のアルカリ金属ハロゲン化物塩を有する方法を提供することが、本発明の目的である。したがって、本発明のさらなる目的は、より簡単かつ費用が安く製造及び輸送でき、室温以下で、すなわち通常の使用及び船舶輸送で安定な、このような濃縮された溶液を得ることである。
本発明は、以下の工程:
a)水性媒体中で、約50℃から約100℃の間の温度においてアルカリ性水酸化物の存在下で、フルクタン、好ましくはイヌリンを、ハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩と反応させて、反応媒体を形成する工程;
b)反応媒体を40℃未満の温度まで冷却して、アルカリ金属ハロゲン化物の沈殿物を含むスラリーを形成する工程;
c)アルカリ金属ハロゲン化物の沈殿物をスラリーから分離し、少なくとも1.2のカルボキシメチル置換度を有する、カルボキシメチルフルクタン、好ましくはイヌリンのアルカリ金属塩を少なくとも20質量%含む水溶液を収集する工程
を含む、カルボキシメチルフルクタン、好ましくはイヌリンのアルカリ金属塩の水溶液を製造するための方法を開示する。
本発明の好ましい実施形態は、以下の特徴:
−工程a)が、以下の工程:
a.1)フルクタン、好ましくはイヌリンとアルカリ性水酸化物とを水性媒体に加え、約60℃から約100℃の間の温度まで加熱して、pHが約8から約13の範囲であることを特徴とする、水の量に対して表して約25質量%から約70質量%の間のフルクタン(イヌリン)を含む反応媒体を得る工程;
a.2)ハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩とアルカリ性水酸化物とを同時に徐々に加えて、約1.2から約5.0の、フルクタン(イヌリン)の繰り返し単糖単位に対するハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩のモル比、及び約8から約13の範囲のpHを得る工程;
a.3)反応媒体を、約60℃から約100℃の間の温度に維持し、カルボキシメチル化反応を完了させる工程
を含む;
−工程a)の水性媒体が、水、又はフルクタン(イヌリン)中の単糖単位のモル量(100%)に対して表して、約25モル%から約150モル%のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩を含む水性分散体である;
−ハロゲンが塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択され、アルカリ性イオンがナトリウム及びカリウムからなる群から選択される、工程a)のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩;
−工程a)のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩が、モノクロロ酢酸のナトリウム塩又はモノクロロ酢酸のカリウム塩、或いはこれらの混合物である;
−工程c)から得られる水溶液が、約20質量%から約50質量%の間、好ましくは約25質量%から約40質量%の間のカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩を含む;
−工程c)から得られる水溶液のカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩が、約1.2から約3.0の間のカルボキシメチル置換度を表す;
−工程c)から得られる水溶液が、10質量%未満のアルカリ金属ハロゲン化物塩を含む;
−工程a.1)及びa.2)が、約70℃から約90℃の間の反応媒体の温度及び約9.5から約11.5の範囲のpHを維持して行われる;
−工程a.3)が、約70℃から約90℃の間の反応媒体の温度を維持して行われる;
−本方法の工程a)の反応媒体を、工程b)において約15℃から約30℃の間、好ましくは約15℃から約25℃の間の温度まで冷却する;
−工程c)が、従来の分離法を使用して、好ましくは遠心分離法によって行われる;
−好ましくは本発明の方法によって得られるカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩の水溶液が、少なくとも20質量%のカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩を含み、カルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩は、少なくとも1.2のカルボキシメチル置換度で特徴付けられる;
−好ましくは本発明の方法によって得られるカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩の水溶液が、約20質量%から約50質量%の間のカルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩、約5質量%から約10質量%の間のアルカリ金属ハロゲン化物塩、約5質量%から約15質量%の間のアルカリ金属グリコール酸塩、及び約1質量%から約10質量%の間のアルカリ金属ジグリコール酸塩を含む;
−好ましくは本発明の方法によって得られるカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩の水溶液を、スケール防止剤として、分散剤として、及び/又は金属カチオン封鎖剤として使用することができる
のうちの1つ以上を開示する。
本発明の方法は、カルボキシメチルフルクタン(好ましくはイヌリン)のアルカリ金属塩の濃縮された水溶液の直接の入手を提供する点で非常に用途が広く、水溶液は低いアルカリ金属ハロゲン化物含有量を有する点でさらに特徴付けられ、カルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩は高いカルボキシメチル置換度によってさらに特徴付けられる。カルボキシメチル置換度は、カルボキシメチル基によって置換されたフルクタンの単糖単位あたりのヒドロキシル官能基の平均数を定義する。
本発明の方法の重要な特徴は、工程b)において工程a)の反応媒体を冷却する際、すなわちカルボキシメチル化反応の完了後の、アルカリ金属ハロゲン化物塩の実質的に選択的な沈殿にあり、同時にカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩が少なくとも20質量%の濃度で水性媒体中に実質的に溶解されたままであることにある。この水性媒体からのアルカリ金属ハロゲン化物塩の実質的に選択的な沈殿は、有機オリゴマー(フルクタン)のアルカリ金属塩が水性媒体中に溶解されたままである一方、当該分野において一般的に予測されることとは反対である。工程b)における冷却の際の副生成物のアルカリ金属塩のこの実質的に選択的な沈殿を有するために、工程a1)から工程a3)において開示した条件及び仕様が必須である。
当該分野において一般的に実施されていることとは反対に、本発明の反応混合物は、水を加えることにより冷却しない。水を加えることにより反応混合物を冷却することは、一般的に、膜濾過に使用可能な均一な溶液を得るために行われる。
本発明の方法により、希釈された溶液が濾過を行うために必要とされ、例えば蒸留などにより濾液の濃縮がその後に必要とされる、ナノ濾過などの従来使用される膜濾過法を適用することなく、低減された量のアルカリ金属ハロゲン化物塩を有するカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩の均一な溶液を得ることができる。
本発明の方法は、原料及びエネルギーの効率的な利用だけでなく、低減された輸送コスト(より少ない量の溶媒が輸送される)により、大きな経済的利益を提供する。
本発明の範囲内と考えられるフルクタン、好ましくはイヌリンは、還元末端にα−D−グルコピラノシル単位を有する、(2−1)−結合β−D−フルクトフラノシル残基からなるオリゴ糖であり、3から60、特に5から30の単糖単位の平均鎖長によって好ましくは特徴付けられる。本発明の方法内での使用に好適な変性フルクタンは、酵素的に増加した鎖長を有するレバン類、グラミナン類、及びイヌリン類、短縮された鎖を有するフルクタン加水分解物(フルクトオリゴ糖)、並びに調整された鎖長を有する分画生成物によって表すことができる。イヌリンの分画は、例えば低温結晶化(国際公開第94/01849号参照)、カラムクロマトグラフィー(国際公開第94/12541号参照)、膜濾過(欧州特許出願公開第0440074号、欧州特許出願公開第0627490号参照)又はアルコールによる選択的沈殿を含む公知の技術によって達成することができる。より短縮されたフルクタンを得るための加水分解を、例えば酵素的に(エンド−インスラーゼ)、化学的に(水及び酸)又は不均一触媒(酸イオン交換樹脂)により行うことができる。還元された、酸化された、ヒドロキシアルキル化された、及び/又は架橋されたフルクタンも、好適な出発物質を表す。実用的に好ましいものは、約10から約30の範囲の平均DPを有するイヌリンである。
本発明の範囲内のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩は、モノクロロメチルカルボキシレート、モノブロモメチルカルボキシレート又はモノヨードメチルカルボキシレートのナトリウム塩又はカリウム塩、及びこれらの任意の組合せ又は混合物から選択される。好ましくは、本発明の範囲内のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩は、モノクロロ酢酸のナトリウム塩である。
本発明の範囲内のアルカリ性水酸化物は、100%で又は水溶液として使用される、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム或いは混合物から選択される。好ましくは、本発明の範囲内のアルカリ性水酸化物は、水中の50質量%として使用される。
本発明の範囲内において、
工程a)の最初における水性媒体は、
−水、
−フルクタン(イヌリン)中の単糖単位のモル量(100%)に対して表して、約25モル%から約150モル%、好ましくは約70モル%から約100モル%のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩を含む水性分散体であって、約25℃から約45℃の間の温度で連続的に撹拌される水性分散体、
−(水性媒体に対して表して)最大35重量%、好ましい一態様において約10質量%から約30質量%のフルクタン(イヌリン)を含有する水性分散体(フルクタン(イヌリン)水溶液の水性媒体としての使用は、都合よく溶液として利用可能となり得るフルクタン(イヌリン)出発物質による)、
−(水性媒体に対して表して)最大35重量%、好ましい一態様において約10質量%から約30質量%のフルクタン(イヌリン)を含有し、フルクタン(イヌリン)中の単糖単位のモル量(100%)に対して表して、約25モル%から約150モル%、好ましくは約70モル%から約100モル%のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩を含む水性分散体であって、約25℃から約45℃の間の温度で連続的に撹拌される水性分散体
から選択される。
工程a.1)におけるフルクタン(イヌリン)の添加は撹拌しながら行われ、温度は徐々に約70℃から約90℃の間の値に上昇する。
工程a.1)におけるフルクタン(イヌリン)の添加により、スラリー中の水の量に対して表して、約25質量%から約70質量%の間、好ましくは約40質量%から約60質量%の間のイヌリン濃度を有するスラリーが得られる。
工程a.1)のスラリーは、ハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩のモル量に対して表して、約50モル%から約150モル%の間のアルカリ性水酸化物の量を、場合によって含む。
工程a.2)におけるハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩とアルカリ性水酸化物の同時の徐々の添加は、約60分から約180分の間の時間で行われ、約70℃から約90℃の間の反応媒体の温度で測定して、約8から約12、好ましくは約9.5から約11.5の間のpHを有する反応混合物が得られる。
工程a.2)におけるハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩とアルカリ性水酸化物の同時の徐々の添加は、反応媒体の温度が設定値で変わらないままであるように行われる。
工程a.2)において加えられるハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩の量は、工程a.1)のスラリー中に存在するフルクタン(イヌリン)の量に対するものであり、フルクタン(イヌリン)の繰り返し単糖単位に対するハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩の合計のモル比は、約1.2から約5.0の間、好ましくは約1.5から約4.5の間である。
工程a.2)において加えられるアルカリ性水酸化物の量は、反応媒体に加えられるハロゲノメチルカルボキシレートの金属塩の合計と等モル量である。場合によって、フルクタン(イヌリン)の単糖単位のモル量に対して最大50モル%の量のさらなる量のアルカリ性水酸化物が加えられる。
工程a.2)において加えられるアルカリ性水酸化物の量は、反応媒体のpHが、反応媒体の温度(約70℃から約90℃の間)で測定して、約8から約12の間、好ましくは約9.5から約11.5の間となるものである。
全ての反応剤が加えられた後、工程a.3)が、カルボキシメチル化反応が完了するまで、撹拌しながら、かつ、約30分から約4時間の間の時間、約70℃から約90℃の間の反応媒体の温度に維持しながら行われる。
工程a)の反応媒体は、カルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩、アルカリ金属ハロゲン化物塩、アルカリ金属グリコール酸塩、及び/又はアルカリ金属ジグリコール酸塩を含む。
アルカリ金属ハロゲン化物塩は、アルカリ性水酸化物の存在下でのフルクタン(イヌリン)とハロゲノメチルカルボキシレートの金属塩との反応を通して形成される。
本方法の工程a)の反応媒体は、工程b)において、撹拌しながら、約15℃から約25℃の間の温度まで冷却され、工程a)で生成したアルカリ金属ハロゲン化物塩の沈殿を生じる。
アルカリ金属ハロゲン化物塩の沈殿は、本方法の工程c)において、従来の分離法を使用することによって、好ましくは遠心分離法によって、水溶液を含むカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩から分離される。
好ましくは本発明の方法から得られる、本発明によるカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩は、約1.2から約3.0の間のカルボキシメチル置換度によって特徴付けられる。カルボキシメチル置換度は、有機酸基の滴定、HPLC分析、及び13C NMRなどの当業者によく知られている技術を使用して、有機化学の分野の当業者によって容易に測定/計算され得る。D. Verraestら、Carbohydrate Research、271、101〜112(1995)で読むことができるとおり、3つの分析法によって得られる結果はよく一致し、全てがカルボキシメチルイヌリンのカルボキシメチル置換度を測定するための方法として適していると結論付けることができる(104頁、第3項目の第6行目、Results and discussion)。
本方法の工程c)から得られる水溶液は、約20質量%から約50質量%、好ましくは約25質量%から約40質量%のカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩を含む。
本方法の工程c)から得られる水溶液は、約5質量%から約10質量%の間のアルカリ金属ハロゲン化物塩、約5質量%から約15質量%の間のアルカリ金属グリコール酸塩、及び約1質量%から約10質量%の間のアルカリ金属ジグリコール酸塩をさらに含む。
好ましくは本発明の方法によって得られる本発明によるカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩の水溶液は、主に水性媒体に基づく用途で使用されることが意図される。
好ましくは本発明の方法によって得られる本発明によるカルボキシメチルフルクタン(イヌリン)のアルカリ金属塩の水溶液は、スケール防止剤として、分散剤として、及び/又は金属カチオン封鎖剤として使用されることが意図される。制御可能な金属イオンの例には、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びマグネシウムなどのアルカリ土類金属イオン、並びに鉄、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル及び銅などの金属イオンが含まれる。無機堆積物の形成を有効に制御すること、特にしばしば水中の炭酸カルシウム、炭酸マンガン、硫酸バリウム、及び硫酸ストロンチウムを含む堆積物などの形成を防止することが、良く知られている。
以下の実施例は本発明を例示する。それらは本発明を例示することのみを意味しており、本発明の範囲を限定又は規定することを予定していない。
(実施例1)
1リットルの丸底フラスコ中で、30.9gのモノクロロ酢酸ナトリウム塩(SMCA)を113.6gの水中に撹拌しながら溶解し、反応フラスコを最大約35〜40℃の温度まで加熱した。この溶液に、113.6gのイヌリン(Cosucra−WarcoingからのFibruline(登録商標) instant)を激しく撹拌しながら加えた。粘性のあるスラリーが得られた。温度を70℃まで徐々に上げた。続けて、50質量%の水酸化ナトリウムの水溶液を、1分あたり2.3gの全速度で6分間スラリーに加えた。こうして得られた反応媒体は、約75℃の温度及び10.2を超えるpH値を有する。
その後、50質量%の水酸化ナトリウムの水溶液とSMCAとを同時に加えて、反応温度を74から78℃の範囲に、pH値を10.2超に維持した。
したがって、
−50質量%の水酸化ナトリウムの水溶液を、1分あたり1.7gの全速度で128分間加え(すなわち217.6gの合計量);
−固体のSMCAを、1分あたり2.3gの全速度で121分間小分けで加えた(すなわち278.3gの合計量)。
反応剤の添加の完了後、暗色のスラリー(767.8gの合計量)を、撹拌しながらさらに1時間、75℃で維持した。
その後、反応混合物を撹拌しながら室温まで冷却し、沈殿物が形成した。
沈殿物を水溶液から分離した:741.5gの上記スラリーを遠心分離機に注ぎ込み、131.6gの沈殿物と609.9gの水溶液を得た。
固体の単離の操作条件は以下のとおりである:
粘性液体から固体画分を単離するために使用した装置は、20ミクロンの開口部のポリプロピレンのかごをホスティング(hosting)するローターを取り付けた遠心分離機Rousselet Robatel(登録商標)Type RA20 VxRである。反応混合物のスラリーを、室温でかごに徐々に注ぎ入れ、遠心分離機を徐々に2000rpmまで回転させた。全ての液体を加えた後、遠心分離法を2000rpmで30分間行い、液体を遠心分離器の流出口から回収した。
かご内を収集して得られた固体及び液体を、AgNOによる古典的な滴定により測定された塩化ナトリウム含有量を除いて、D. Verraestら、Carbohydrate Research、271、101〜112(1995)により記載された方法に従って、HPLCによって分析した。
沈殿物は、以下:
−塩化ナトリウム:86.50質量%
−カルボキシメチルイヌリンのナトリウム塩:5.31質量%
−グリコール酸ナトリウム:1.60質量%
−ジグリコール酸ナトリウム:1.10質量%
によって特徴付けられる。
水溶液は、以下:
−カルボキシメチルイヌリンのナトリウム塩:30.60質量%
−カルボキシメチル置換度(DS):2.47
−塩化ナトリウム:6.90質量%
−グリコール酸ナトリウム:10.00質量%
−ジグリコール酸ナトリウム:6.85質量%
−モノクロロ酢酸のナトリウム塩:<0.1質量%
によって特徴付けられる。
(実施例2)
1リットルの丸底フラスコ中で、38.8gのモノクロロ酢酸ナトリウム塩(SMCA)を95.8gの水中に撹拌しながら溶解し、反応フラスコを最大約35〜40℃の温度まで加熱した。この溶液に、142.0gのイヌリン(Cosucra−WarcoingからのFibruline(登録商標) instant)を激しく撹拌しながら加えた。粘性のあるスラリーが得られた。温度を70℃まで徐々に上げた。続けて、50質量%の水酸化ナトリウムの水溶液を、1分あたり1.9gの全速度で8分間スラリーに加えた。こうして得られた反応媒体は、約75℃の温度及び10.2を超えるpH値を有する。
その後、50質量%の水酸化ナトリウムの水溶液とSMCAとを同時に加えて、反応温度を74から78℃の範囲に、pH値を10.2超に維持した。
したがって、
−50質量%の水酸化ナトリウムの水溶液を、1分あたり2.15gの全速度で88分間加え(すなわち189.2gの合計量);
−固体のSMCAを、1分あたり3.5gの全速度で67分間小分けで加えた(すなわち234.5gの合計量)。
反応剤の添加の完了後、暗色のスラリー(715.4gの合計量)を、撹拌しながらさらに1時間、75℃で維持した。
その後、反応混合物を撹拌しながら室温まで冷却し、沈殿物が形成した。
沈殿物を水溶液から分離した:715.4gの上記スラリーを遠心分離機に注ぎ込み、136.7gの沈殿物と561.2gの水溶液を得た。
沈殿物は、以下:
−塩化ナトリウム:73.74質量%
−カルボキシメチルイヌリンのナトリウム塩:12.31質量%
−グリコール酸ナトリウム:2.90質量%
−ジグリコール酸ナトリウム:1.40質量%
によって特徴付けられる。
水溶液は、以下:
−カルボキシメチルイヌリンのナトリウム塩:38.30質量%
−カルボキシメチル置換度(DS):2.11
−塩化ナトリウム:6.90質量%
−グリコール酸ナトリウム:9.40質量%
−ジグリコール酸ナトリウム:4.60質量%
−モノクロロ酢酸のナトリウム塩:<0.1質量%
によって特徴付けられる。
(実施例3)
1リットルの丸底フラスコ中で、54.3gのモノクロロ酢酸ナトリウム塩(SMCA)を144.0gの水中に撹拌しながら溶解し、反応フラスコを最大約35〜40℃の温度まで加熱した。この溶液に、198.8gのイヌリン(Cosucra−WarcoingからのFibruline(登録商標) instant)を激しく撹拌しながら加えた。温度を70℃まで徐々に上げた。続けて、50質量%の水酸化ナトリウムの水溶液を、1分あたり2.5gの全速度で6分間イヌリン/SMCA混合物に加えて、約75℃の温度及び10.2を超えるpH値を有する反応混合物を得た。
その後、50質量%の水酸化物の水溶液と固体のSMCAとを同時に加えて、反応温度を74から78℃の範囲に、pH値を10.2超に維持した。
したがって、
−50質量%の水酸化物の水溶液を、1分あたり約2.51gの全速度で68分間加え(すなわち170.7gの合計量);
−固体のSMCAを、1分あたり4.03gの全速度で46分間小分けで加えた(すなわち185.4gの合計量)。
反応剤の添加の完了後、暗色のスラリー(768.1gの合計量)を、撹拌しながらさらに1時間、75℃で維持した。
その後、反応混合物を撹拌しながら室温まで冷却し、沈殿物が形成した。
上記スラリーの遠心分離によって沈殿物を水溶液から分離し、92.8gの沈殿物と660.53gの水溶液を得た。
沈殿物は、以下:
−塩化ナトリウム:73.20質量%
−カルボキシメチルイヌリンのナトリウム塩:12.43質量%
−グリコール酸ナトリウム:2.40質量%
−ジグリコール酸ナトリウム:1.02質量%
によって特徴付けられる。
水溶液は、以下:
−カルボキシメチルイヌリンのナトリウム塩:36.90質量%
−カルボキシメチル置換度(DS):1.54
−塩化ナトリウム:7.96質量%
−グリコール酸ナトリウム:7.90質量%
−ジグリコール酸ナトリウム:2.10質量%
−モノクロロ酢酸のナトリウム塩:<0.1質量%
によって特徴付けられる。
(比較例)(従来技術の方法による)
実施例1の暗色のスラリーに、614.4gの冷却水を撹拌しながら加えて、以下の分析パラメータ:
−カルボキシメチルイヌリンのナトリウム塩:15.50質量%
−カルボキシメチル置換度(DS):2.47
−グリコール酸ナトリウム:5.85質量%
−ジグリコール酸ナトリウム:3.85質量%
−モノクロロ酢酸のナトリウム塩:<0.1質量%
−塩化ナトリウム:7.85質量%
によって特徴付けられる、1382.2gの均一な溶液を生成した。この溶液は、室温で均一な液体である。
比較例は、従来技術による方法を行うことにより、2.47のカルボキシメチル置換度を有するカルボキシメチルイヌリンのアルカリ金属塩を15.5質量%含む、均一な水溶液をもたらすことができるのみであることを示す。本発明による方法を適用することにより、同じカルボキシメチル置換度を有するカルボキシメチルイヌリンのアルカリ金属塩を30.6質量%含む、均一な水溶液をもたらすことができる。
上記の実施例は、本発明の方法により、高いカルボキシメチル置換度(1.2から3の間)によって特徴付けられるカルボキシメチルイヌリンのアルカリ金属塩の濃縮された水溶液(≧20質量%)が得られ;水溶液は、低い濃度のアルカリ金属ハロゲン化物塩(<10質量%)によってさらに特徴付けられることを明らかに示している。本発明の方法は、簡単かつ経済的な方法で、前記水溶液を調製することができる。
本発明の方法によって得られる水溶液が、低いアルカリ金属ハロゲン化物塩の濃度を有することは、非常に重要である。驚くべきことに、カルボキシメチル化反応の完了後に反応媒体を冷却する際、形成した沈殿物はほとんどアルカリ金属ハロゲン化物塩のみを含む一方、有機化合物、より具体的にはカルボキシメチルイヌリンのアルカリ金属塩は、水中に溶解したままであることが観察される。

Claims (13)

  1. 以下の工程:
    a)水性媒体中で、50℃から100℃の間の温度においてアルカリ性水酸化物の存在下で、フルクタンをハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩と反応させて、反応媒体を形成する工程であって、前記フルクタンの繰り返し単糖単位に対する前記ハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩のモル比が1.2から5.0の間である工程;
    b)前記反応媒体を40℃未満の温度まで冷却して、アルカリ金属ハロゲン化物の沈殿物を含むスラリーを形成する工程;
    c)前記アルカリ金属ハロゲン化物の沈殿物を前記スラリーから分離し、少なくとも1.2のカルボキシメチル置換度を有する、カルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩を少なくとも20質量%含む水溶液を収集する工程
    を含む、カルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩の水溶液を製造するための方法。
  2. 工程a)が、以下の工程:
    a.1)前記フルクタンと前記アルカリ性水酸化物とを前記水性媒体に加え、60℃から100℃の間の温度まで加熱して、8から13の間の範囲のpHにおいて、水の量に対して表して25質量%から70質量%の間のフルクタンを含む反応媒体を得る工程;
    a.2)前記ハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩と前記アルカリ性水酸化物とを同時に徐々に加えて、1.2から5.0の、フルクタンの繰り返し単糖単位に対するハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩のモル比、及び8から13の間の範囲のpHを得る工程;
    a.3)前記反応媒体を、60℃から100℃の間の温度に維持し、カルボキシメチル化反応を完了させる工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)の前記水性媒体が、水、又はフルクタン中の単糖単位のモル量(100%)に対して表して、25モル%から150モル%のハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩を含む水性分散体である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. −前記ハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩のハロゲンが、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択され;
    −アルカリ性イオンが、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程a)の前記ハロゲノメチルカルボキシレートのアルカリ金属塩が、モノクロロ酢酸のナトリウム塩又はモノクロロ酢酸のカリウム塩、或いはこれらの混合物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程c)から得られる前記水溶液が、20質量%から50質量%の、好ましくは25質量%から40質量%のカルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程c)から得られる前記水溶液のカルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩が、液体クロマトグラフィーで測定して、1.2から3.0の間のカルボキシメチル置換度によって特徴付けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程c)から得られる前記水溶液が、2.1から2.8の間のカルボキシメチル置換度によって特徴付けられるカルボキシメチルフルクタンのアルカリ金属塩を25質量%から38質量%含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程c)から得られる前記水溶液が、10質量%未満のアルカリ金属ハロゲン化物塩を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程a.1)及びa.2)が、70℃から90℃の間の前記反応媒体の温度及び9.5から11.5の間のpHを維持して行われる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程a.3)が、70℃から90℃の間の前記反応媒体の温度を維持して行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程a)の前記反応媒体を、工程b)において15℃から30℃の間、好ましくは15℃から25℃の間の温度まで冷却する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記フルクタンがイヌリンである、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
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