JP2015502520A - オフセット補正によって光子を検出する放射線撮像装置 - Google Patents

オフセット補正によって光子を検出する放射線撮像装置 Download PDF

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Abstract

本発明は光子を検出する検出装置−たとえば放射線撮像装置において用いられる装置−に関する。検出ユニット(14)は、検出された光子(13)のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させる。検出値生成ユニット(16)は、前記検出信号パルスに依存してエネルギー分解された検出値を生成する。信号パルス発生ユニット(15)は、所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる。前記検出値生成ユニット(16)は、該検出値生成ユニット(16)によって観測される所定の閾値よりも大きな人工信号パルス高さを有する前記人工信号パルスの発生率である観測された発生率を決定し、かつ、前記の決定された発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定する。これにより、信頼性のある前記検出信号パルスのオフセット−たとえば放射線撮像装置の検出装置内での暗電流ドリフトによって生じる−の決定が可能となる。前記オフセットは、最終的に生成された検出値の補正に用いることができる。

Description

本発明は、光子を検出する検出装置、検出方法、及び検出用コンピュータプログラムに関する。本発明はさらに、対象物を撮像する撮像装置、撮像方法、及び撮像用コンピュータプログラムに関する。
非特許文献1は、検出された光子に依存して検出値を生成する光子計数検出器を開示している。具体的には直接変換材料が、光子を信号パルスへ変換するのに用いられている。ここで各信号パルスは単一光子に対応し、かつ、それぞれの信号パルスの信号パルス高さははそれぞれの光子のエネルギーを表す。信号パルスは複数のエネルギービンに分配される。各エネルギービンには検出値が生成される。生成された検出値は、それぞれのエネルギービンに割り当てられた信号パルスの発生率を表す。
信号パルス高さは永久電流によって生じるオフセットを含みうる。このオフセットは、エネルギービン間での信号パルスの分配を乱す恐れがあり、その結果生成された検出値の質が低下する恐れがある。
ロパート他(X. Llopart et al.)、IEEE Transactions on Nuclear Science誌、第49巻、pp.2279、2002年10月 ロッセル及びプロスカ(E. Roessl and R. Proksa)、Physics in Medicine and Biology誌、第52巻、pp.4679、2007年 タカハシとワタナベ(T. Takahashi and S. Watanabe)、IEEE Transactions on Nuclear Science誌、第48巻、pp.950、2001年8月
本発明の目的は、光子を検出する検出装置、検出方法、及び検出用コンピュータプログラムを供することである。本発明の他の目的は、対象物を撮像する、前記検出装置を備える撮像装置、撮像方法、及び撮像用コンピュータプログラムを供することである。
本発明の第1態様では、光子を検出する検出装置が供される。当該検出装置検出装置は以下を有する。
− 光子を検出する検出ユニット。前記検出ユニットは、前記の検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させるように構成される。
− 前記の検出信号パルスに依存してエネルギー分解された検出値を生成する検出値生成ユニット。
− 所定の人工信号パルス及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させ、かつ、前記の発生した人工信号パルスを前記検出値生成ユニットへ供する信号パルス発生ユニット。
前記検出値生成ユニットは、a)前記人工信号パルスを受け取り、b)所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記人工信号パルス高さは前記所定の人工信号パルス高さ以上である)、かつc)前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定するように構成される。
前記人工信号パルス高さの閾値が前記所定の人工信号パルス高さ以上であるため、前記観測発生率を決定する間、オフセットが存在しない場合には、前記観測発生率は非常に小さいか又はゼロである。オフセットが増大することで、前記観測発生率も増大する。その理由は、前記オフセットに起因して、前記人工信号パルス高さが当初発生した高さよりも高くなることで、より多くの人工信号パルスが、前記所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きな人工信号パルス高さを有するためである。よって前記観測発生率は、前記検出値生成ユニットによって受け取られる前記人工信号パルスのオフセットにとって、つまりは前記検出信号パルスのオフセットにとっての信頼できる指標である。従って前記検出信号パルスのオフセットは、前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して信頼できるように決定されうる。
前記検出ユニットは、直接変換材料−たとえばセレン化カドミウム(CdCe)又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)−を有することが好ましい。前記直接変換材料は、該直接変換材料に衝突する光子に依存して前記検出信号パルスを発生させる。
前記検出値生成ユニットは、前記観測発生率を決定するため、前記人工信号パルスと前記人工信号パルス高さの閾値とを比較するように構成されることが好ましい。前記検出値生成ユニットはさらに、エネルギービン間で前記検出信号パルスを分配するため、前記検出信号パルスと、前記エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較するように構成されることが好ましい。各エネルギービンについて、各エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表す検出値が決定される。前記検出信号パルス及び前記人工信号パルスとそれぞれの閾値とを比較する比較処理は、前記検出値生成ユニットの比較器によって実行されることが好ましい。
人工信号パルス高さが、前記検出値生成ユニット内において前記人工信号パルス高さの閾値と比較されるときには、前記観測発生率は、前記人工信号パルス高さの閾値よりも大きい前記人工信号パルス高さを有する人工信号パルスの発生率であることが好ましい。前記発生率は、前記信号パルス発生ユニットによって発生するそれぞれの発生率を意味する。
前記検出信号パルス高さは、所定の最大検出信号パルス高さよりも小さいことが好ましい。前記人工信号パルス高さの閾値は、前記最大検出信号パルス高さよりも大きい。これにより、人工信号パルスのみが前記観測発生率に寄与し、かつ、検出信号パルスが寄与しないことで、前記オフセットの決定の信頼性がさらに向上することが保証される。
前記検出値生成ユニットは、観測発生率と前記オフセットとの間での割り当てを含むことがさらに好ましい。前記検出値生成ユニットは、前記割り当てと実際の観測発生率に基づいて前記オフセットを決定するように構成される。前記割り当ては校正測定によって決定されて良い。前記観測発生率が決定される一方で、前記オフセットと前記所定の発生した人工信号パルス−つまり前記所定の発生した人工信号パルスのパルス高さと発生率−は既知である。前記割り当てはまた、前記観測発生率と前記オフセットとの間の関数として与えられても良い。前記関数は理論的考察に基づいて良い。
特に前記検出値生成ユニットは、i)a)人工信号パルスの発生率と、b)前記人工信号パルスにおけるノイズが、前記人工信号パルス高さの閾値から発生した人工信号パルス高さと前記オフセットを減じた値よりも大きくなる尤度を定義するノイズ尤度、との積として前記観測発生率をモデル化するモデルを供し、かつ、ii)決定されるべき前記オフセットを修正することで、前記のモデル化された観測発生率と実際観測発生率とのずれが減少することで、前記オフセットを決定するように構成されて良い。前記ノイズ尤度は、ノイズ尤度関数によって与えられることが好ましい。前記人工信号パルスにおけるノイズは、特に前記検出値生成ユニットの検出装置の特性である電子ノイズである前記人工信号パルスのランダムな揺らぎである。
前記尤度は、対応する尤度密度−たとえばガウス関数状尤度密度−をa)前記人工信号パルス高さの閾値から発生した人工信号パルス高さと前記オフセットを減じた値からb)∞まで積分することによって決定されうる。これにより、前記オフセットを非常に正確に決定することが可能となる。このとき、前記人工信号パルス高さと前記人工信号パルス高さの閾値とを比較するときに、前記人工信号パルス高さが、前記信号パルス発生ユニットによって発生する予め定められた本来の人工信号パルス高さと、ノイズと、前記オフセットが結合していることが前提されている。
前記検出値生成ユニットは、前記人工信号パルス高さの閾値よりも大きい結合信号パルス高さを有する検出信号パルスと人工信号パルとの結合パルスによって生じるパイルアップ効果をモデル化するパイルアップモデルを供し、かつ、前記人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルスの観測発生率を前記パイルアップモデルに基づいて補正するように構成されて良い。
本発明の実施例では、前記検出値生成ユニットは、前記エネルギービン間で前記検出信号パルスを分配するため、前記検出信号パルスと、前記エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較し、前記オフセットに基づいて検出信号パルスの分配を補正し、かつ、各エネルギービンについて各エネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す補正された検出値を生成することによって、前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成される。これにより、前記オフセットについて前記エネルギービン間での分配を補正することによって前記検出値の質の改善が可能となる。
前記検出値生成ユニットは、前記オフセットに対するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定し、かつ、前記オフセットと前記の決定された感度に基づいて前記エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を補正するように構成されることが好ましい。この発生率を補正しながら前記オフセットに対するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を考慮することで、前記検出値の質はさらに向上する。
前記エネルギービンは2つの検出信号パルス高さの閾値−つまり第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値−によって定められることがさらに好ましい。前記検出値生成ユニットは、
− a)前記第1検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第1発生率と、b)前記第2検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第2発生率、との差異としてエネルギービンの検出信号パルスの発生率を決定する、
− 前記第1検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第1感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第3発生率を決定する、
− 前記第2検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第2感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第4発生率を決定する、
− 前記第1発生率と前記第3発生率との差異及び前記第2発生率と前記第4発生率との差異に依存して前記オフセットに対する前記エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定する、
ように構成されることがさらに好ましい。
検出信号パルス高さのオフセットは、前記検出信号パルス高さが前記オフセットによって修正されず、それぞれのエネルギービンを定める前記検出信号パルス高さの閾値が対応して移動したと仮定することによって考慮されうる。よって、前記第1発生率と前記第3発生率との差異は、前記オフセットによって生じる前記第1検出信号パルス高さの閾値の移動に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた前記検出信号パルスの発生率の感度を表し、かつ、前記第2発生率と前記第4発生率との差異は、前記オフセットによって生じる前記第2検出信号パルス高さの閾値の移動に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた前記検出信号パルスの発生率の感度を表す。前記第1発生率と前記第3発生率との差異と前記第2発生率と前記第4発生率との差異との差をとる場合、その差は、オフセットが存在する場合には、それぞれのエネルギービンに割り当てられた前記検出信号パルスの発生率の変化を表す。従ってこの差は、前記オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度と考えることができる。
本発明の実施例では、前記検出値生成ユニットは、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)隣接するエネルギービンの幅に対する隣接するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均に基づいて前記オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定するように構成されて良い。これにより、上述の感度信号高さの閾値のような他の閾値との比較を必要とすることなく、前記検出信号パルス高さと、前記エネルギービンを定める前記検出信号パルス高さの閾値との比較に基づくだけで前記感度を決定することが可能となる。特に、それぞれのエネルギービンについて、第1平均と第2平均が決定されて良い。前記第1平均は、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)直前のエネルギービンの幅に対する直前のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均である。前記第2平均は、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)直後のエネルギービンの幅に対する直後のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均である。それぞれのエネルギービンの感度は、前記第1平均と前記第2平均との差をとることによって決定されて良い。
前記検出値生成ユニットは、前記オフセットと、該オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率との感度の積に基づいて、それぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を補正するように構成されて良い。これにより、相対的に単純に前記検出値を補正することが可能となる。特にあるエネルギービンについて、前記オフセットと前記感度との積が、それぞれの検出値を補正するために、前記エネルギービンに割り当てられた検出パルス信号の発生率に加えられて良い。
前記検出値生成ユニットは、前記オフセットに基づく前記検出信号パルスの補正、b)エネルギービン間での前記検出信号パルスを分配するための前記検出信号パルスと前記エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値との比較、及び、c)各エネルギービンについて、それぞれのエネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す検出値の生成によって、前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成されても良い。これにより、相対的に単純に前記オフセットに依存する前記検出値を補正するさらなる可能性が供される。
本発明の他の態様では、対象物を撮像する撮像装置が供される。当該撮像装置は以下を有する。
− 前記対象物を通り抜ける様々なエネルギーを有する光子を発生させる光子源。
− 前記対象物を通り抜けた後の光子を検出し、かつ、エネルギー分解された検出値を生成する請求項1に記載の検出装置。前記光子源は多色X線源であることが好ましい。前記検出装置は、前記対象物を通り抜けた後のX線光子を検出するように構成されることが好ましい。前記撮像装置は、コンピュータ断層撮像システム又はCアームシステムであることが好ましい。前記コンピュータ断層撮像システムとCアームシステムは、たとえば仮想的な円筒又は仮想的な球上に配置された軌道に沿って前記対象物の周りで前記光子源と前記検出装置を回転させることを可能にする。前記軌道はたとえば環状軌道又は螺旋状軌道である。
前記撮像装置は、前記光子源と前記検出装置を制御する制御ユニットを有して良い。前記検出ユニットが光子を検出しない場合には、前記人工信号パルスが発生し、かつ、前記検出値生成ユニットによって受け取られるように、前記光子源と前記検出装置は制御される。これにより、前記検出装置に前記光子源によって発生される光子が照射されない間に、前記オフセットの決定が可能となる。これにより、前記光子による前記オフセットの決定において一般的に考えられ得る阻害要因が軽減され、その結果前記オフセットの決定の信頼性がさらに向上する。
前記撮像装置は、前記エネルギー分解された検出値と前記オフセットに基づいて前記対象物の画像を再構成する再構成ユニットを有することが好ましい。特に前記再構成ユニットは、未補正のエネルギー分解された検出値と前記オフセットに基づいて前記対象物の画像を再構成するように構成されて良い。前記オフセットは、前記エネルギービンの検出信号パルス高さの閾値におけるずれと考えることができる。これらのずれた閾値はたとえば、前記検出値を様々な成分に分解する材料分解法によって考慮されて良い。前記様々な成分は、様々な材料−たとえば骨及び軟組織−及び/又は様々な物理的効果−たとえば光電効果、コンプトン効果、及びKエッジ効果−を表して良い。対応する分解法はたとえば非特許文献2に開示されている。
本発明の他の態様では、光子を検出する検出方法が供される。当該検出方法は以下の段階を有する。
− 検出ユニットによって光子を検出する段階。検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスが生成される。
− 検出値生成ユニットによって前記検出信号パルスに依存するエネルギー分解された検出値を生成する段階。
− 信号パルス発生ユニットによって所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる段階、並びに、前記の発生した人工信号パルスを前記検出値発生ユニットへ供する段階。
前記検出値生成ユニットは、a)前記人工信号パルスを受け取り、b)所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記人工信号パルス高さの閾値は前記所定の人工信号パルス高さ以上である)、かつ、c)前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定する。
本発明の他の態様では、対象物を撮像する撮像方法が供される。当該撮像方法は以下の段階を有する。
− 前記対象物を通り抜ける様々なエネルギーを有する光子を光子源によって発生させる段階。
− 前記光子を検出してエネルギー分解された検出値を生成する段階、及び、オフセットを決定する段階。
本発明の他の態様では、エネルギー分解された検出データを検出する検出用コンピュータプログラムが供される。当該検出用コンピュータプログラムは、検出装置を制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項12に記載の検出方法の段階を前記検出装置に実行させるプログラムコード手段を有する。
本発明の他の態様では、対象物を撮像する撮像用コンピュータプログラムが供される。当該撮像用コンピュータプログラムは、撮像装置を制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項13に記載の撮像方法の段階を前記撮像装置に実行させるプログラムコード手段を有する。
請求項1に記載の検出装置、請求項9に記載の撮像装置、請求項11に記載の検出方法、請求項13に記載の撮像方法、請求項14に記載の検出用コンピュータプログラム、及び請求項15に記載の撮像用コンピュータプログラムは、具体的には従属請求項に記載された同様の好適実施例及び/又は同一の好適実施例を有することに留意して欲しい。
本発明の好適実施例は、従属請求項とそれに対応する独立請求項との任意の組み合わせであって良いことに留意して欲しい。
本発明の上記及び他の態様は、以降で説明する実施例を参照することで明らかとなる。
対象物を撮像する撮像装置の実施例を概略図に例示している。 光子を検出する検出装置の実施例を概略図に例示している。 光子のスペクトルを概略図に例示している。 対象物を撮像する撮像方法の実施例を概略図に例示している。
図1は、コンピュータ断層撮像装置12である、対象物を撮像する撮像装置の実施例を概略図に例示している。コンピュータ断層撮像装置12はガントリー1を有する。ガントリー1は、z方向に対して平行に延びる回転軸Rの周りで回転することができる。光子源2−この実施例では多色X線管である−がガントリー1上に載置されている。光子源2にはコリメータ3が供される。コリメータ3は、この実施例では光子源2によって生成される光子からの錐体状放射線ビーム4を生成する。光子は、検査領域5−この実施例では円筒形である−内の対象物−たとえば患者−を通り抜ける。検査領域5を通り抜けた後、放射線ビーム4は、2次元の検出表面を有する検出装置6に入射する。検出装置6はガントリー1上に載置されている。
コンピュータ断層撮像装置12は2つのモーター7,8を有する。ガントリー1は、モーター7によって好適には一定だが調節可能な各速度で駆動される。モーター8は、検査領域5内の患者用テーブル上に配置される対象物−たとえば患者−を回転軸Rすなわちz軸の方向に対して平行に動かすために供される。たとえば光子源2と検査領域5が螺旋状軌道に沿って互いが相対的に移動するように、これらのモーター7,8は制御ユニット9によって制御される。しかし対象物が移動せずに光子源2のみが回転する、つまり光子源2が対象物又は検査領域5に対して環状軌道に沿って移動することも可能である。さらに他の実施例では、コリメータ3は他のビーム形状−具体的には扇形−を生成するように適合されて良く、かつ、検出装置6は、他のビーム形状−具体的には扇形−に対応する検出表面を有して良い。
光子源2と検査領域5が相対運動する間、検出装置6は、検出装置6の検出表面に入射する放射線に依存して検出値を生成する。検出値は、該検出値に基づいて対象物の画像を再構成する再構成ユニット10へ供される。再構成ユニット10によって再構成される画像は、再構成された画像を表示する表示ユニット11へ供される。
制御ユニット9は、光子源2、検出装置6、及び再構成ユニット10をも制御するように構成されることが好ましい。
図2は、検出装置6の検出ユニット14、信号パルス発生ユニット15、及び検出値生成ユニット16を概略図に例示している。検出ユニット14は、光子13を検出し、かつ、それぞれの検出された光子13のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させるように構成される。信号パルス発生ユニット15は、所定の人工信号パルス高さと所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させ、かつ、前記の発生した人工信号パルスを検出値生成ユニット16へ供するように構成される。
検出値生成ユニット16は、a)人工信号パルスを受け取り、b)所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記人工信号パルス高さは前記所定の人工信号パルス高さ以上である)、かつc)人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して検出信号パルスのオフセットを決定するように構成される。
検出ユニット14は、衝突する光子13に依存して検出信号パルスを発生させる直接変換材料−たとえばセレン化カドミウム(CdCe)又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)−を有することが好ましい。そのような直接変換材料を含む検出ユニットはたとえば、非特許文献3に開示されている。
信号パルス発生ユニット15は、アジレントテクノロジー社から市販されている信号パルス発生装置81130Aのような既知の信号発生装置であって良い。
検出値生成ユニット16は、観測発生率を決定するため、人工信号パルスと人工信号パルス高さの閾値とを比較するように構成される。検出値生成ユニット16はさらに、エネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、検出信号パルスと、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較するように構成される。各エネルギービンについて、各エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表す検出値が決定される。検出信号パルス及び人工信号パルスとそれぞれの閾値とを比較する比較処理は、検出値生成ユニット16の比較器によって実行される。検出値生成ユニット16内において比較器を用いることによって、人工信号パルス高さが人工信号パルス高さの閾値と比較されるとき、観測発生率は、人工信号パルス高さの閾値よりも高い人工信号パルス高さを有する人工信号パルスの発生率である。発生率は、信号パルス発生ユニット15によって発生する人工信号パルスの所定の発生率を意味する。
検出信号パルス高さは、所定の最大検出信号パルス高さよりも小さい。人工信号パルス高さの閾値は最大検出信号パルス高さよりも大きい。
検出値生成ユニット16は、観測発生率とオフセットとの間での割り当てを含む。検出値生成ユニット16は、割り当てと実際の観測発生率に基づいて前記オフセットを決定するように構成される。
前記割り当ては校正測定によって決定されて良い。観測発生率が決定される一方で、オフセットと所定の発生した人工信号パルス−つまり前記所定の発生した人工信号パルスのパルス高さと発生率−は既知である。割り当てはまた、観測発生率とオフセットとの間の関数として与えられても良い。前記関数は理論的考察に基づいて良い。特に検出値生成ユニット16は、a)人工信号パルスの発生率RGと、b)人工信号パルスにおけるノイズが、人工信号パルス高さの閾値VTから発生した人工信号パルス高さVPとオフセットVBを減じた値よりも大きくなる尤度を定義するノイズ尤度P、との積として観測発生率ROをモデル化するモデルを供して良い。この観測発生率ROのモデル化は次式で表すことができる。
VN=VT-VP-VB (1)
RO=RGP (2)
尤度Pは、対応する尤度密度−たとえばガウス関数状尤度密度−を、人工信号パルス高さの閾値VTから発生した人工信号パルス高さVPと前記オフセットVBを減じた値から∞まで積分することによって決定されうる。結果として得られたガウス関数状確率は次式によって表すことができる。
Figure 2015502520
式(3)では、ガウス関数形状のゼロ平均電子ノイズが仮定された。ここでσNはノイズの分散を表す。特に検出値生成ユニット16の検出装置のノイズ分散は既知の方法によって事前に測定することができる。
検出値生成ユニット16は、オフセットVBを修正することで、モデル化された観測発生率と、実際に測定された実際の観測発生率とのずれが減少することで、前記オフセットを決定するように構成されて良い。
前記検出値生成ユニットは、人工信号パルス高さの閾値よりも大きい結合信号パルス高さを有する検出信号パルスと人工信号パルとの結合パルスによって生じるパイルアップ効果をモデル化するパイルアップモデルを供し、かつ、人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルスの観測発生率を前記パイルアップモデルに基づいて補正するように構成されて良い。
光子が、入力計数率RICRの検出ユニットにてポアソン分布すると仮定すると、入射光子に基づいて生成される検出信号パルスによる人工信号パルスのパイルアップの尤度PPは次式で定義されうる。
PP=1-exp(-RICRτ) (4)
τは期間を表す。その期間中、人工信号パルスの観測発生率の決定はパイルアップに敏感である。この期間は事前に校正測定によって決定されて良い。パイルアップ(チルダ)ROを起源とする発生率を含む人工信号パルスの観測発生率は、パイルアップの存在しない発生率ROとパイルアップに関連する発生率PP(RG-RO)を含む。パイルアップの存在しない発生率は次式によって推定することができる。
Figure 2015502520
よって検出値生成ユニット16は、(5)式に従って人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する人工信号パルスの観測発生率を補正するように校正されて良い。
検出値生成ユニット16は、a)エネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、前記検出信号パルスと、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較し、b)オフセットに基づいて検出信号パルスの分配を補正し、かつ、c)各エネルギービンについて、各エネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す補正された検出値を生成することによって前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成される。特に検出値生成ユニット16は、オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定し、かつ、オフセットと前記の決定された感度に基づいてそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を補正するように構成される。各エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率は、オフセットVBと該オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度Si(iは指数を表す)に基づいて補正されて良い。係る補正は典型的には次式で表すことができる。
Figure 2015502520
ここで、Ciは補正前のi番目のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表し、(チルダ)Ciは補正後のi番目のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表し、かつ、SiはオフセットVBに対するi番目のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を表す。
感度Siは次式で定義されうる。
Si=D(Ti+1)-D(Ti) (7)
Figure 2015502520
ここで、TiとTi+1はi番目のエネルギービンの第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値を表し、NTは検出信号パルス高さの閾値の数で、かつ、i=0,1,2…NT -1である。D(Ti)の値は、一部の離散的なTiに与えられるパルス発生率密度と考えることができる。
従って、オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度は、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)隣接するエネルギービンの幅に対する隣接するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均に基づいてを決定されて良い。
他の実施例では、パルス発生率密度D(Ti)は次式によって定義されて良い。
Figure 2015502520
(9)式では、検出信号パルス高さの閾値Tiよりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率がRiで表され、かつ、感度信号パルス高さの閾値TΔi−それぞれの検出信号パルス高さの閾値Tiよりもよりも小さい−よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率はRiで表される。よってそれぞれのエネルギービンの感度−対応する2つの検出信号パルス高さの閾値、つまり第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値、でのパルス発生率密度を考慮する−は以下のようにして決定されうる。
それぞれのエネルギービンの検出信号パルスの発生率は、a)第1検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第1発生率と、b)第2検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第2発生率、との差異として決定されうる。第1検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第1感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第3発生率が決定される。第2検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第2感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第4発生率が決定される。よってそれぞれのエネルギービンの第1パルス発生率密度は、第1発生率と第3発生率との差をとり、かつ、前記差を、第1検出信号パルス高さの閾値と第1感度信号パルス高さの閾値との差で除することによって決定される。第2パルス発生率密度は、第2発生率と第4発生率との差をとり、かつ、前記差を、第2検出信号パルス高さの閾値と第2感度信号パルス高さの閾値との差で除することによって決定される。よってオフセットに対するそれぞれのエネルギービンの感度は、このエネルギービンについて決定された第1パルス発生率密度と第2パルス発生率密度との差として定義されて良い。
それぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の上述した補正は、検出信号パルス高さのオフセットが、それぞれのエネルギービンの第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値のずれと考えることができるという知見に基づく。この知見から得られる補正については、以降で図3を参照しながら例示する。
図3は、検出信号パルス高さVに対する検出信号パルスの分布nを示している。それぞれのエネルギービンの検出信号パルス高さの閾値はT1とT2で表される。検出信号パルス高さの閾値はT1とT2との間の検出信号パルス高さを有するすべての検出信号パルスは、それぞれのエネルギービンに割り当てられなければならない。しかしオフセットに起因して、T1とT2は閾値TB1とTB2にずれる。従って当初それぞれのエネルギービンに割り当てられた未補正発生率は、ずれた閾値TB1とTB2との間の検出信号パルス高さを有する検出信号パルスに対応する。それぞれのエネルギービンに割り当てられた検出パルス信号の発生率を補正するため、当初割り当てられた発生率から閾値TB1とT1との比が減じられ、かつ、閾値TB2とT2との比が当初割り当てられた発生率に加えられなければならない。この補正は、(6)式と(7)式によって反映されている。
他の実施例では、検出値生成ユニット16は、a)オフセットに基づいて検出信号パルスを補正し、b)エネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、検出信号パルスと、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較し、かつ、c)各エネルギービンについて、各エネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す補正された検出値を生成することによって、前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成されても良い。特にエネルギービン間での検出信号パルスの分配前では、オフセットは検出信号パルス高さから減じられて良い。
制御ユニット9が採用されることで、検出ユニット14が光子を検出しない場合には、人工信号パルスが発生し、かつ、検出値生成ユニット16のみによって受け取られるように、光子源2と検出装置16は制御されうる。具体的には光子源2はグリッドスイッチ電極を備えるX線管であって良い。グリッドスイッチは、バイアス測定−つまりオフセットの測定−のためにX線管からの光子束を阻止するのに用いられて良い。これらのバイアス測定は、バイアスドリフト−つまりオフセット−を監視するために撮像手順に挿入されて良い。たとえば対象物を通り抜けた複数の光子が検出される直前、直後、又は、2つの照射期間の間に、バイアス測定は実行されて良い。他の実施例では、グリッドスイッチ電極を備えるX線管の代わりに、他の機構が、光子源のスイッチを一時的にオフにするのに用いられて良い。たとえば光子源は、スイッチのオン/オフが可能な標準的なX線管であって良い。あるいはバイアス測定を実行するために光子束を一時的に阻止することを可能にするシャッターが、光子源の前方で用いられても良い。バイアス測定を実行するために光子束を止めることができる場合、バイアス測定を実行するのに追加の閾値ユニットは必要とされない。しかし規則的な閾値/カウンタ対−検出信号が分配されるエネルギービンを定めるのに用いられる−が、バイアス測定を実行するために再プログラムされて良い。多数の対が、バイアス測定の範囲の拡張及び/又は精度の向上に用いられて良い。
他の実施例では、検出値生成ユニットは、オフセットに対して分配を補正することなくエネルギービン間での検出信号パルスを分配する。その代わりに再構成ユニット10が、未補正のエネルギー分解された検出値と前記オフセットに基づいて前記対象物の画像を再構成すると同時に、ずれた検出信号パルス高さの閾値−決定されたオフセットによってずれたものと考えることができる−を考慮するように構成されて良い。たとえば再構成ユニット10は、対象物の様々な成分に対応する様々な成分検出値に分解するように構成されて良い。これらの様々な成分は、様々な材料−たとえば骨及び軟組織−及び/又は様々な物理的効果−たとえば光電効果、コンプトン効果、及びKエッジ効果−を表して良い。対応する分解法はたとえば非特許文献2に開示されている。
本発明の実施例では、分解は次式−測定過程を表す物理的モデルの逆にしたものに基づく−に従って実行される。
Figure 2015502520
ここで、Ciはi番目のエネルギービン内での検出信号パルスの未補正発生率を表し、Bi(E)はi番目のエネルギービンのスペクトル感度を表し、F(E)は光子源のスペクトルを表し、jはMj個の各異なる成分の指数で、Ajはj番目の成分での吸収値の線積分を表し、かつ、Pj(E)はj番目の成分のスペクトル吸収を表す。TEiとTEi+1は、i番目をエネルギービンを定め、かつ、決定されたオフセットに従ってずれる。つまり検出信号パルス高さの閾値は、エネルギービンを定めるエネルギーの閾値のずれに対応する。この決定されたエネルギーのずれがΔEであるとし、かつ、そのずれを考慮しない場合の閾値がそれぞれTWiとTWi+1であるとすると、ずれた閾値は、TEi=TWi-ΔE及びTEi+1=TWi+1-ΔEによって定義されて良い。モデルが各測定に個別に適用されうるので、各測定について個別のバイアスが用いられて良い。
エネルギービンの数が少なくとも成分数に等しい場合、一連の式は既知の数値方法によって解くことができる。ここで、Bi(E)、F(E)、及びPj(E)が既知で、かつ、一連の式を解いた結果は線積分Ajである。放射線スペクトルF(E)及びスペクトル感度Bi(E)は、撮像システムの特性であり、かつ、たとえば対応する測定からわかる。成分のスペクトル吸収Pj(E)−たとえば骨と軟組織のスペクトル吸収−もまた、測定及び/又は文献からわかる。
分解された検出値は、この実施例では、分解された投影データ−つまり線積分Aj−である。Ajの各々は、対象物のコンピュータ断層画像の再構成に用いられて良い。それによりたとえば各成分について対象物の成分画像が再構成されうる。たとえばコンプトン成分画像、光電成分画像、及び/又はKエッジ成分画像が再構成されて良い。投影データに基づいて画像を再構成するため、既知の再構成法−たとえばフィルタ補正逆投影法、ラドン逆変換等−が用いられて良い。
以降では、対象物を撮像する撮像方法が、図4に示されたフローチャートを参照しながら例示的に説明される。
段階101では、光子源2が様々なエネルギーを有する光子を発生させる。同時に光子源2と対象物は、光子が対象物を様々な方向に通り抜けることを可能にするため、互いに相対的に動く。特に光子源2が対象物の周りで環状軌道又は螺旋状軌道に沿って移動しながら、検出ユニット14は、対象物を通り抜けた光子を検出する。
段階102では、検出ユニット14が、それぞれの検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させる。たとえば直接変換材料が、それぞれの光子を、それぞれの光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスへ変換するのに用いられて良い。検出信号パルスの発生前、発生中、又は発生後、段階103では、信号パルス発生ユニット15が、所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる。前記の発生した人工信号パルスは検出値生成ユニット16へ供される。また検出信号パルスも検出値生成ユニット16へ供される。
段階104では、検出値生成ユニット16が受け取った検出信号パルスに依存するエネルギー分解された検出値を生成する。特にエネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、検出信号パルスの検出信号パルス高さは、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値と比較される。検出信号パルスはオフセット−永久電流によって生じうる−によって妨害されやすいので、検出信号パルス高さと検出信号パルス高さの閾値とを比較するとき、エネルギービン間での検出信号パルスの分配、つまりは生成されたエネルギー分解された検出値−の質は低下する恐れがある。
段階105では、検出値生成ユニット16が、所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きな人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測された発生率を決定する。前記人工信号パルス高さの閾値は前記所定の人工信号パルス高さ以上である。しかもこの実施例では、所定の人工信号パルス高さは、光子源の実際の動作設定に従って前記光子源によって発生する光子のとりうる最大のエネルギーによって定義される最大予測検出信号パルス高さよりも大きい。続いて検出値生成ユニット16は、人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して検出信号パルス高さのオフセットを決定する。
段階106では、エネルギービン間での検出信号パルスの分配は、補正されたエネルギー分解検出値を生成するために決定されたオフセットを用いて補正される。段階107では、再構成ユニット10が、たとえばコンピュータ断層画像再構成アルゴリズム−たとえばたとえばフィルタ補正逆投影法−を用いて補正されたエネルギー分解検出値に基づいて、対象物の画像を再構成する。段階108では、画像は表示ユニット11上に示される。
段階102乃至段階106は、光子を検出する検出方法の段階として考えることもできる。
図4を参照して上述した撮像方法の実施例では、撮像方法が、複数の段階からなる手順を含むが、他の実施例では、その手順は他の段階を含んで良い。たとえば検出ユニット光子を検出しない一方で、人工信号パルスの発生と人工信号パルスに基づくオフセットの決定が実行されて良い。しかもある実施例では、検出値はオフセットに基づいて補正されないが、再構成ユニットが、生成された検出値に基づいてずれた検出信号パルス高さの閾値によって再構成を実行することによってオフセットを考慮する。前記ずれはオフセットによって生じる。
光子計数検出器は、オーミックコンタクトを有し、かつ、変化する永久電流に悩まされる恐れがある。直接変換材料−たとえばCdCe又はCZT−における複数の物理的効果は、この非常に低周波の電流の変化を生じさせうる。検出装置の電子機器では、この電流は、バイアス又は直流(DC)オフセットの効果を有し、かつ、バイアス又は直流(DC)オフセットとしてモデル化されて良い。DCオフセットは仮想的にエネルギービンの閾値のずれと考えることが可能で、かつ、得られた情報を深刻に歪めてしまう恐れがある。従って撮像装置−特に検出装置−は、永久電流に関連するバイアス成分−つまりオフセット−を測定し、バイアス成分に対する感度−つまり潜在効果−を測定し、かつ、取得データの補正−つまりエネルギービン間での検出信号パルスの分配の補正−を実行するように構成されることが好ましい。
検出装置は、電子パルスをフロントエンドの電子機器−つまり検出値生成ユニット−の入力へ加える手段−つまり明確な電荷と繰り返し周波数を有する人工信号パルスを発生させる信号パルス発生ユニット−を有する。これらの電子パルスの実効エネルギーは、それぞれの撮像処理において光子源によって供される光子の最大エネルギーよりも大きいことが好ましい。閾値/カウンタ対は、これらの電子パルスを計数するのに用いられて良い。閾値は、電子パルスの実効エネルギー−つまり所定の発生した人工信号パルス高さ−を多少上回ることが好ましい。信号中にバイアスが存在しない場合、つまりパルス上部でのノイズがそれぞれの閾値に到達するのに十分高い場合のみ、カウンタは(ほとんど)信号パルスを計数しない。バイアスが増大することで、より多くのパルスが閾値に到達して、カウントを生成する。従って記録されたカウント数は、バイアス−つまりオフセット−を示すものと考えることができる。校正又は理論的考察に基づいて、この閾値/カウンタ対に記録されたカウントが与えられると、バイアスを推定することができる。検出ユニットの直接変換材料によって発生する検出信号パルスのパイルアップによる影響は、無視され、かつ、パイルアップモデルによって補正されうる。あるいは光子束は、パイルアップ効果を回避するために測定中に止められても良い。
バイアスを知ることで、直接補正することができる。しかしバイアスに対するエネルギービンの感度を測定するのも有利となりうる。典型的スペクトルと閾値T1とT2で囲まれる一のエネルギービンを示す図3を再度参照すると、バイアス−つまりオフセット−が仮想的にこれらの閾値をTB1とTB2へ移動させて良い。この移動は、間隔[TB1,T1]内の光子が誤って計数され、他方間隔[TB2,T2]内の光子は計数されない。たとえばT1とT2周辺でのパルス発生率とバイアスが既知である場合、これらの追加カウントと損失を推定することができる。閾値付近のパルス発生率は、その閾値がT1又はT2に近い場合の閾値/カウンタ対による追加測定から良好に推定することができる。特に閾値T1でのパルス発生率密度は(9)式に従って推定することができる。
本発明の実施例では、検出装置は、非特許文献1に記載されている光子計数検出器に基づく。人工信号パルスを発生させるさらなる信号パルス発生装置が、人工信号パルスを検出器の電子機器の入力へ加える。前記電子機器は、信号と閾値とを比較し、かつ、検出値を生成する信号を計数する。従って前記電子機器は、検出値生成ユニットの少なくとも一部と考えることができる。検出値生成ユニットは、検出装置の制御及び/又は特に上述の式に従った計算の実行のための計算ユニット−たとえばマイクロ制御装置−をさらに有して良い。
開示された実施例に対する他の変化型は、図面、開示、及び請求項を検討することで、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解及び実行されうる。
単一のユニット又は装置は請求項中に記載された複数の構成要素の機能を満たしうる。ある手段が相互に異なる従属請求項において再掲されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせが利点を有しないということを示唆しない。
1つ以上のユニット又は装置によって実行される比較操作、オフセットの決定、検出値−つまりエネルギービン間での検出信号パルスの分配−の補正、再構成操作等の操作は、他の数のユニット又は装置によって実行されて良い。これらの操作並びに/又は撮像方法による撮像装置の制御及び/若しくは検出方法による検出装置の制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段及び/又は専用ハードウエアによって実装されて良い。
コンピュータプログラムは、一緒に供給されるか又は他のハードウエアの一部として供給される適切な媒体−たとえば光ストレージ又は固体媒体−上に記憶/分配されて良いが、他の形式−たとえばインターネット又は他の有線若しくは無線遠隔通信システムを介して−で分配されても良い。
本発明は光子を検出する検出装置に関する。検出ユニットは、検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させる。検出値生成ユニットは、前記検出信号パルスに依存してエネルギー分解された検出値を生成する。信号パルス発生ユニットは、所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる。前記検出値生成ユニットは、該検出値生成ユニットによって観測される所定の閾値よりも大きな人工信号パルス高さを有する前記人工信号パルスの発生率である観測された発生率を決定し、かつ、前記の決定された発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定する。これにより、信頼性のある前記検出信号パルスのオフセット−たとえば放射線撮像装置の検出装置内での暗電流ドリフトによって生じる−の決定が可能となる。前記オフセットは、最終的に生成された検出値の補正に用いることができる。
本発明は、光子を検出する検出装置、検出方法、及び検出用コンピュータプログラムに関する。本発明はさらに、対象物を撮像する撮像装置、撮像方法、及び撮像用コンピュータプログラムに関する。
非特許文献1は、検出された光子に依存して検出値を生成する光子計数検出器を開示している。具体的には直接変換材料が、光子を信号パルスへ変換するのに用いられている。ここで各信号パルスは単一光子に対応し、かつ、それぞれの信号パルスの信号パルス高さははそれぞれの光子のエネルギーを表す。信号パルスは複数のエネルギービンに分配される。各エネルギービンには検出値が生成される。生成された検出値は、それぞれのエネルギービンに割り当てられた信号パルスの発生率を表す。
信号パルス高さは永久電流によって生じるオフセットを含みうる。このオフセットは、エネルギービン間での信号パルスの分配を乱す恐れがあり、その結果生成された検出値の質が低下する恐れがある。
特許文献1は、信号処理回路のガンマ線カメラデータ信号を補正する方法及び回路を開示している。ガンマ線シンチレーションカメラの光電子増倍管の出力で生成されるデータ信号を複製し、かつ、光電子増倍管によって発生するデータ信号と識別可能なままガンマ線カメラの内部処理回路内に挿入されるパルスが人工的に発生する。人工的に生成された多数の人工パルス及びガンマシンチレーションカメラのデータ処理回路によって実際に計数される多数のパルスを監視することによって、処理回路内のシンチレーションカウントの損失を示す因子を決定することができる。
米国特許第4058728号明細書
ロパート他(X. Llopart et al.)、IEEE Transactions on Nuclear Science誌、第49巻、pp.2279、2002年10月 ロッセル及びプロスカ(E. Roessl and R. Proksa)、Physics in Medicine and Biology誌、第52巻、pp.4679、2007年 タカハシとワタナベ(T. Takahashi and S. Watanabe)、IEEE Transactions on Nuclear Science誌、第48巻、pp.950、2001年8月
本発明の目的は、光子を検出する検出装置、検出方法、及び検出用コンピュータプログラムを供することである。本発明の他の目的は、対象物を撮像する、前記検出装置を備える撮像装置、撮像方法、及び撮像用コンピュータプログラムを供することである。
本発明の第1態様では、光子を検出する検出装置が供される。当該検出装置検出装置は以下を有する。
− 光子を検出する検出ユニット。前記検出ユニットは、前記の検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させるように構成される。
− 前記の検出信号パルスに依存してエネルギー分解された検出値を生成する検出値生成ユニット。
− 所定の人工信号パルス及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させ、かつ、前記の発生した人工信号パルスを前記検出値生成ユニットへ供する信号パルス発生ユニット。
前記検出値生成ユニットは、a)前記人工信号パルスを受け取り、b)所定の第1閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記所定の第1閾値は前記所定の人工信号パルス高さよりも大きい)、かつc)前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定するように構成される。
前記所定の第1閾値(又は人工信号高さの閾値)が前記所定の人工信号パルス高さよりも大きいため、前記観測発生率を決定する間、オフセットが存在しない場合には、前記観測発生率は非常に小さいか又はゼロである。オフセットが増大することで、前記観測発生率も増大する。その理由は、前記オフセットに起因して、前記人工信号パルス高さが当初発生した高さよりも高くなることで、より多くの人工信号パルスが、前記所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きな人工信号パルス高さを有するためである。よって前記観測発生率は、前記検出値生成ユニットによって受け取られる前記人工信号パルスのオフセットにとって、つまりは前記検出信号パルスのオフセットにとっての信頼できる指標である。従って前記検出信号パルスのオフセットは、前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して信頼できるように決定されうる。
前記検出ユニットは、直接変換材料−たとえばセレン化カドミウム(CdCe)又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)−を有することが好ましい。前記直接変換材料は、該直接変換材料に衝突する光子に依存して前記検出信号パルスを発生させる。
前記検出値生成ユニットは、前記観測発生率を決定するため、前記人工信号パルスと前記人工信号パルス高さの閾値とを比較するように構成されることが好ましい。前記検出値生成ユニットはさらに、エネルギービン間で前記検出信号パルスを分配するため、前記検出信号パルスと、前記エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較するように構成されることが好ましい。各エネルギービンについて、各エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表す検出値が決定される。前記検出信号パルス及び前記人工信号パルスとそれぞれの閾値とを比較する比較処理は、前記検出値生成ユニットの比較器によって実行されることが好ましい。
人工信号パルス高さが、前記検出値生成ユニット内において前記人工信号パルス高さの閾値と比較されるときには、前記観測発生率は、前記人工信号パルス高さの閾値よりも大きい前記人工信号パルス高さを有する人工信号パルスの発生率であることが好ましい。前記発生率は、前記信号パルス発生ユニットによって発生するそれぞれの発生率を意味する。
前記検出信号パルス高さは、所定の最大検出信号パルス高さよりも小さいことが好ましい。前記人工信号パルス高さの閾値は、前記最大検出信号パルス高さよりも大きい。これにより、人工信号パルスのみが前記観測発生率に寄与し、かつ、検出信号パルスが寄与しないことで、前記オフセットの決定の信頼性がさらに向上することが保証される。
前記検出値生成ユニットは、観測発生率と前記オフセットとの間での割り当てを含むことがさらに好ましい。前記検出値生成ユニットは、前記割り当てと実際の観測発生率に基づいて前記オフセットを決定するように構成される。前記割り当ては校正測定によって決定されて良い。前記観測発生率が決定される一方で、前記オフセットと前記所定の発生した人工信号パルス−つまり前記所定の発生した人工信号パルスのパルス高さと発生率−は既知である。前記割り当てはまた、前記観測発生率と前記オフセットとの間の関数として与えられても良い。前記関数は理論的考察に基づいて良い。
特に前記検出値生成ユニットは、i)a)人工信号パルスの発生率と、b)前記人工信号パルスにおけるノイズが、前記人工信号パルス高さの閾値から発生した人工信号パルス高さと前記オフセットを減じた値よりも大きくなる尤度を定義するノイズ尤度、との積として前記観測発生率をモデル化するモデルを供し、かつ、ii)決定されるべき前記オフセットを修正することで、前記のモデル化された観測発生率と実際観測発生率とのずれが減少することで、前記オフセットを決定するように構成されて良い。前記ノイズ尤度は、ノイズ尤度関数によって与えられることが好ましい。前記人工信号パルスにおけるノイズは、特に前記検出値生成ユニットの検出装置の特性である電子ノイズである前記人工信号パルスのランダムな揺らぎである。
前記尤度は、対応する尤度密度−たとえばガウス関数状尤度密度−をa)前記人工信号パルス高さの閾値から発生した人工信号パルス高さと前記オフセットを減じた値からb)∞まで積分することによって決定されうる。これにより、前記オフセットを非常に正確に決定することが可能となる。このとき、前記人工信号パルス高さと前記人工信号パルス高さの閾値とを比較するときに、前記人工信号パルス高さが、前記信号パルス発生ユニットによって発生する予め定められた本来の人工信号パルス高さと、ノイズと、前記オフセットが結合していることが前提されている。
前記検出値生成ユニットは、前記人工信号パルス高さの閾値よりも大きい結合信号パルス高さを有する検出信号パルスと人工信号パルとの結合パルスによって生じるパイルアップ効果をモデル化するパイルアップモデルを供し、かつ、前記人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルスの観測発生率を前記パイルアップモデルに基づいて補正するように構成されて良い。
本発明の実施例では、前記検出値生成ユニットは、前記エネルギービン間で前記検出信号パルスを分配するため、前記検出信号パルスと、前記エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較し、前記オフセットに基づいて検出信号パルスの分配を補正し、かつ、各エネルギービンについて各エネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す補正された検出値を生成することによって、前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成される。これにより、前記オフセットについて前記エネルギービン間での分配を補正することによって前記検出値の質の改善が可能となる。
前記検出値生成ユニットは、前記オフセットに対するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定し、かつ、前記オフセットと前記の決定された感度に基づいて前記エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を補正するように構成されることが好ましい。この発生率を補正しながら前記オフセットに対するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を考慮することで、前記検出値の質はさらに向上する。
前記エネルギービンは2つの検出信号パルス高さの閾値−つまり第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値−によって定められることがさらに好ましい。前記検出値生成ユニットは、
− a)前記第1検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第1発生率と、b)前記第2検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第2発生率、との差異としてエネルギービンの検出信号パルスの発生率を決定する、
− 前記第1検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第1感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第3発生率を決定する、
− 前記第2検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第2感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第4発生率を決定する、
− 前記第1発生率と前記第3発生率との差異及び前記第2発生率と前記第4発生率との差異に依存して前記オフセットに対する前記エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定する、
ように構成されることがさらに好ましい。
検出信号パルス高さのオフセットは、前記検出信号パルス高さが前記オフセットによって修正されず、それぞれのエネルギービンを定める前記検出信号パルス高さの閾値が対応して移動したと仮定することによって考慮されうる。よって、前記第1発生率と前記第3発生率との差異は、前記オフセットによって生じる前記第1検出信号パルス高さの閾値の移動に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた前記検出信号パルスの発生率の感度を表し、かつ、前記第2発生率と前記第4発生率との差異は、前記オフセットによって生じる前記第2検出信号パルス高さの閾値の移動に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた前記検出信号パルスの発生率の感度を表す。前記第1発生率と前記第3発生率との差異と前記第2発生率と前記第4発生率との差異との差をとる場合、その差は、オフセットが存在する場合には、それぞれのエネルギービンに割り当てられた前記検出信号パルスの発生率の変化を表す。従ってこの差は、前記オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度と考えることができる。
本発明の実施例では、前記検出値生成ユニットは、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)隣接するエネルギービンの幅に対する隣接するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均に基づいて前記オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定するように構成されて良い。これにより、上述の感度信号高さの閾値のような他の閾値との比較を必要とすることなく、前記検出信号パルス高さと、前記エネルギービンを定める前記検出信号パルス高さの閾値との比較に基づくだけで前記感度を決定することが可能となる。特に、それぞれのエネルギービンについて、第1平均と第2平均が決定されて良い。前記第1平均は、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)直前のエネルギービンの幅に対する直前のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均である。前記第2平均は、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)直後のエネルギービンの幅に対する直後のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均である。それぞれのエネルギービンの感度は、前記第1平均と前記第2平均との差をとることによって決定されて良い。
前記検出値生成ユニットは、前記オフセットと、該オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率との感度の積に基づいて、それぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を補正するように構成されて良い。これにより、相対的に単純に前記検出値を補正することが可能となる。特にあるエネルギービンについて、前記オフセットと前記感度との積が、それぞれの検出値を補正するために、前記エネルギービンに割り当てられた検出パルス信号の発生率に加えられて良い。
前記検出値生成ユニットは、前記オフセットに基づく前記検出信号パルスの補正、b)エネルギービン間での前記検出信号パルスを分配するための前記検出信号パルスと前記エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値との比較、及び、c)各エネルギービンについて、それぞれのエネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す検出値の生成によって、前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成されても良い。これにより、相対的に単純に前記オフセットに依存する前記検出値を補正するさらなる可能性が供される。
本発明の他の態様では、対象物を撮像する撮像装置が供される。当該撮像装置は以下を有する。
− 前記対象物を通り抜ける様々なエネルギーを有する光子を発生させる光子源。
− 前記対象物を通り抜けた後の光子を検出し、かつ、エネルギー分解された検出値を生成する請求項1に記載の検出装置。前記光子源は多色X線源であることが好ましい。前記検出装置は、前記対象物を通り抜けた後のX線光子を検出するように構成されることが好ましい。前記撮像装置は、コンピュータ断層撮像システム又はCアームシステムであることが好ましい。前記コンピュータ断層撮像システムとCアームシステムは、たとえば仮想的な円筒又は仮想的な球上に配置された軌道に沿って前記対象物の周りで前記光子源と前記検出装置を回転させることを可能にする。前記軌道はたとえば環状軌道又は螺旋状軌道である。
前記撮像装置は、前記光子源と前記検出装置を制御する制御ユニットを有して良い。前記検出ユニットが光子を検出しない場合には、前記人工信号パルスが発生し、かつ、前記検出値生成ユニットによって受け取られるように、前記光子源と前記検出装置は制御される。これにより、前記検出装置に前記光子源によって発生される光子が照射されない間に、前記オフセットの決定が可能となる。これにより、前記光子による前記オフセットの決定において一般的に考えられ得る阻害要因が軽減され、その結果前記オフセットの決定の信頼性がさらに向上する。
前記撮像装置は、前記エネルギー分解された検出値と前記オフセットに基づいて前記対象物の画像を再構成する再構成ユニットを有することが好ましい。特に前記再構成ユニットは、未補正のエネルギー分解された検出値と前記オフセットに基づいて前記対象物の画像を再構成するように構成されて良い。前記オフセットは、前記エネルギービンの検出信号パルス高さの閾値におけるずれと考えることができる。これらのずれた閾値はたとえば、前記検出値を様々な成分に分解する材料分解法によって考慮されて良い。前記様々な成分は、様々な材料−たとえば骨及び軟組織−及び/又は様々な物理的効果−たとえば光電効果、コンプトン効果、及びKエッジ効果−を表して良い。対応する分解法はたとえば非特許文献2に開示されている。
本発明の他の態様では、光子を検出する検出方法が供される。当該検出方法は以下の段階を有する。
− 検出ユニットによって光子を検出する段階。検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスが生成される。
− 検出値生成ユニットによって前記検出信号パルスに依存するエネルギー分解された検出値を生成する段階。
− 信号パルス発生ユニットによって所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる段階、並びに、前記の発生した人工信号パルスを前記検出値発生ユニットへ供する段階。
前記検出値生成ユニットは、a)前記人工信号パルスを受け取り、b)所定の第1閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記所定の第1閾値は前記所定の人工信号パルス高さよりも大きい)、かつ、c)前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定する。
本発明の他の態様では、対象物を撮像する撮像方法が供される。当該撮像方法は以下の段階を有する。
− 前記対象物を通り抜ける様々なエネルギーを有する光子を光子源によって発生させる段階。
− 前記光子を検出してエネルギー分解された検出値を生成する段階、及び、オフセットを決定する段階。
本発明の他の態様では、エネルギー分解された検出データを検出する検出用コンピュータプログラムが供される。当該検出用コンピュータプログラムは、検出装置を制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項12に記載の検出方法の段階を前記検出装置に実行させるプログラムコード手段を有する。
本発明の他の態様では、対象物を撮像する撮像用コンピュータプログラムが供される。当該撮像用コンピュータプログラムは、撮像装置を制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項13に記載の撮像方法の段階を前記撮像装置に実行させるプログラムコード手段を有する。
請求項1に記載の検出装置、請求項9に記載の撮像装置、請求項11に記載の検出方法、請求項13に記載の撮像方法、請求項14に記載の検出用コンピュータプログラム、及び請求項15に記載の撮像用コンピュータプログラムは、具体的には従属請求項に記載された同様の好適実施例及び/又は同一の好適実施例を有することに留意して欲しい。
本発明の好適実施例は、従属請求項とそれに対応する独立請求項との任意の組み合わせであって良いことに留意して欲しい。
本発明の上記及び他の態様は、以降で説明する実施例を参照することで明らかとなる。
対象物を撮像する撮像装置の実施例を概略図に例示している。 光子を検出する検出装置の実施例を概略図に例示している。 光子のスペクトルを概略図に例示している。 対象物を撮像する撮像方法の実施例を概略図に例示している。
図1は、コンピュータ断層撮像装置12である、対象物を撮像する撮像装置の実施例を概略図に例示している。コンピュータ断層撮像装置12はガントリー1を有する。ガントリー1は、z方向に対して平行に延びる回転軸Rの周りで回転することができる。光子源2−この実施例では多色X線管である−がガントリー1上に載置されている。光子源2にはコリメータ3が供される。コリメータ3は、この実施例では光子源2によって生成される光子からの錐体状放射線ビーム4を生成する。光子は、検査領域5−この実施例では円筒形である−内の対象物−たとえば患者−を通り抜ける。検査領域5を通り抜けた後、放射線ビーム4は、2次元の検出表面を有する検出装置6に入射する。検出装置6はガントリー1上に載置されている。
コンピュータ断層撮像装置12は2つのモーター7,8を有する。ガントリー1は、モーター7によって好適には一定だが調節可能な各速度で駆動される。モーター8は、検査領域5内の患者用テーブル上に配置される対象物−たとえば患者−を回転軸Rすなわちz軸の方向に対して平行に動かすために供される。たとえば光子源2と検査領域5が螺旋状軌道に沿って互いが相対的に移動するように、これらのモーター7,8は制御ユニット9によって制御される。しかし対象物が移動せずに光子源2のみが回転する、つまり光子源2が対象物又は検査領域5に対して環状軌道に沿って移動することも可能である。さらに他の実施例では、コリメータ3は他のビーム形状−具体的には扇形−を生成するように適合されて良く、かつ、検出装置6は、他のビーム形状−具体的には扇形−に対応する検出表面を有して良い。
光子源2と検査領域5が相対運動する間、検出装置6は、検出装置6の検出表面に入射する放射線に依存して検出値を生成する。検出値は、該検出値に基づいて対象物の画像を再構成する再構成ユニット10へ供される。再構成ユニット10によって再構成される画像は、再構成された画像を表示する表示ユニット11へ供される。
制御ユニット9は、光子源2、検出装置6、及び再構成ユニット10をも制御するように構成されることが好ましい。
図2は、検出装置6の検出ユニット14、信号パルス発生ユニット15、及び検出値生成ユニット16を概略図に例示している。検出ユニット14は、光子13を検出し、かつ、それぞれの検出された光子13のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させるように構成される。信号パルス発生ユニット15は、所定の人工信号パルス高さと所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させ、かつ、前記の発生した人工信号パルスを検出値生成ユニット16へ供するように構成される。
検出値生成ユニット16は、a)人工信号パルスを受け取り、b)所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記人工信号パルス高さは前記所定の人工信号パルス高さ以上である)、かつc)人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して検出信号パルスのオフセットを決定するように構成される。
検出ユニット14は、衝突する光子13に依存して検出信号パルスを発生させる直接変換材料−たとえばセレン化カドミウム(CdCe)又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)−を有することが好ましい。そのような直接変換材料を含む検出ユニットはたとえば、非特許文献3に開示されている。
信号パルス発生ユニット15は、アジレントテクノロジー社から市販されている信号パルス発生装置81130Aのような既知の信号発生装置であって良い。
検出値生成ユニット16は、観測発生率を決定するため、人工信号パルスと人工信号パルス高さの閾値とを比較するように構成される。検出値生成ユニット16はさらに、エネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、検出信号パルスと、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較するように構成される。各エネルギービンについて、各エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表す検出値が決定される。検出信号パルス及び人工信号パルスとそれぞれの閾値とを比較する比較処理は、検出値生成ユニット16の比較器によって実行される。検出値生成ユニット16内において比較器を用いることによって、人工信号パルス高さが人工信号パルス高さの閾値と比較されるとき、観測発生率は、人工信号パルス高さの閾値よりも高い人工信号パルス高さを有する人工信号パルスの発生率である。発生率は、信号パルス発生ユニット15によって発生する人工信号パルスの所定の発生率を意味する。
検出信号パルス高さは、所定の最大検出信号パルス高さよりも小さい。人工信号パルス高さの閾値は最大検出信号パルス高さよりも大きい。
検出値生成ユニット16は、観測発生率とオフセットとの間での割り当てを含む。検出値生成ユニット16は、割り当てと実際の観測発生率に基づいて前記オフセットを決定するように構成される。
前記割り当ては校正測定によって決定されて良い。観測発生率が決定される一方で、オフセットと所定の発生した人工信号パルス−つまり前記所定の発生した人工信号パルスのパルス高さと発生率−は既知である。割り当てはまた、観測発生率とオフセットとの間の関数として与えられても良い。前記関数は理論的考察に基づいて良い。特に検出値生成ユニット16は、a)人工信号パルスの発生率RGと、b)人工信号パルスにおけるノイズが、人工信号パルス高さの閾値VTから発生した人工信号パルス高さVPとオフセットVBを減じた値よりも大きくなる尤度を定義するノイズ尤度P、との積として観測発生率ROをモデル化するモデルを供して良い。この観測発生率ROのモデル化は次式で表すことができる。
VN=VT-VP-VB (1)
RO=RGP (2)
尤度Pは、対応する尤度密度−たとえばガウス関数状尤度密度−を、人工信号パルス高さの閾値VTから発生した人工信号パルス高さVPと前記オフセットVBを減じた値から∞まで積分することによって決定されうる。結果として得られたガウス関数状確率は次式によって表すことができる。
Figure 2015502520
式(3)では、ガウス関数形状のゼロ平均電子ノイズが仮定された。ここでσNはノイズの分散を表す。特に検出値生成ユニット16の検出装置のノイズ分散は既知の方法によって事前に測定することができる。
検出値生成ユニット16は、オフセットVBを修正することで、モデル化された観測発生率と、実際に測定された実際の観測発生率とのずれが減少することで、前記オフセットを決定するように構成されて良い。
前記検出値生成ユニットは、人工信号パルス高さの閾値よりも大きい結合信号パルス高さを有する検出信号パルスと人工信号パルとの結合パルスによって生じるパイルアップ効果をモデル化するパイルアップモデルを供し、かつ、人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルスの観測発生率を前記パイルアップモデルに基づいて補正するように構成されて良い。
光子が、入力計数率RICRの検出ユニットにてポアソン分布すると仮定すると、入射光子に基づいて生成される検出信号パルスによる人工信号パルスのパイルアップの尤度PPは次式で定義されうる。
PP=1-exp(-RICRτ) (4)
τは期間を表す。その期間中、人工信号パルスの観測発生率の決定はパイルアップに敏感である。この期間は事前に校正測定によって決定されて良い。パイルアップ(チルダ)ROを起源とする発生率を含む人工信号パルスの観測発生率は、パイルアップの存在しない発生率ROとパイルアップに関連する発生率PP(RG-RO)を含む。パイルアップの存在しない発生率は次式によって推定することができる。
Figure 2015502520
よって検出値生成ユニット16は、(5)式に従って人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する人工信号パルスの観測発生率を補正するように校正されて良い。
検出値生成ユニット16は、a)エネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、前記検出信号パルスと、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較し、b)オフセットに基づいて検出信号パルスの分配を補正し、かつ、c)各エネルギービンについて、各エネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す補正された検出値を生成することによって前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成される。特に検出値生成ユニット16は、オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定し、かつ、オフセットと前記の決定された感度に基づいてそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を補正するように構成される。各エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率は、オフセットVBと該オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度Si(iは指数を表す)に基づいて補正されて良い。係る補正は典型的には次式で表すことができる。
Figure 2015502520
ここで、Ciは補正前のi番目のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表し、(チルダ)Ciは補正後のi番目のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を表し、かつ、SiはオフセットVBに対するi番目のエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を表す。
感度Siは次式で定義されうる。
Si=D(Ti+1)-D(Ti) (7)
Figure 2015502520
ここで、TiとTi+1はi番目のエネルギービンの第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値を表し、NTは検出信号パルス高さの閾値の数で、かつ、i=0,1,2…NT -1である。D(Ti)の値は、一部の離散的なTiに与えられるパルス発生率密度と考えることができる。
従って、オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度は、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)隣接するエネルギービンの幅に対する隣接するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均に基づいてを決定されて良い。
他の実施例では、パルス発生率密度D(Ti)は次式によって定義されて良い。
Figure 2015502520
(9)式では、検出信号パルス高さの閾値Tiよりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率がRiで表され、かつ、感度信号パルス高さの閾値TΔi−それぞれの検出信号パルス高さの閾値Tiよりもよりも小さい−よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率はRiで表される。よってそれぞれのエネルギービンの感度−対応する2つの検出信号パルス高さの閾値、つまり第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値、でのパルス発生率密度を考慮する−は以下のようにして決定されうる。
それぞれのエネルギービンの検出信号パルスの発生率は、a)第1検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第1発生率と、b)第2検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第2発生率、との差異として決定されうる。第1検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第1感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第3発生率が決定される。第2検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第2感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第4発生率が決定される。よってそれぞれのエネルギービンの第1パルス発生率密度は、第1発生率と第3発生率との差をとり、かつ、前記差を、第1検出信号パルス高さの閾値と第1感度信号パルス高さの閾値との差で除することによって決定される。第2パルス発生率密度は、第2発生率と第4発生率との差をとり、かつ、前記差を、第2検出信号パルス高さの閾値と第2感度信号パルス高さの閾値との差で除することによって決定される。よってオフセットに対するそれぞれのエネルギービンの感度は、このエネルギービンについて決定された第1パルス発生率密度と第2パルス発生率密度との差として定義されて良い。
それぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の上述した補正は、検出信号パルス高さのオフセットが、それぞれのエネルギービンの第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値のずれと考えることができるという知見に基づく。この知見から得られる補正については、以降で図3を参照しながら例示する。
図3は、検出信号パルス高さVに対する検出信号パルスの分布nを示している。それぞれのエネルギービンの検出信号パルス高さの閾値はT1とT2で表される。検出信号パルス高さの閾値はT1とT2との間の検出信号パルス高さを有するすべての検出信号パルスは、それぞれのエネルギービンに割り当てられなければならない。しかしオフセットに起因して、T1とT2は閾値TB1とTB2にずれる。従って当初それぞれのエネルギービンに割り当てられた未補正発生率は、ずれた閾値TB1とTB2との間の検出信号パルス高さを有する検出信号パルスに対応する。それぞれのエネルギービンに割り当てられた検出パルス信号の発生率を補正するため、当初割り当てられた発生率から閾値TB1とT1との比が減じられ、かつ、閾値TB2とT2との比が当初割り当てられた発生率に加えられなければならない。この補正は、(6)式と(7)式によって反映されている。
他の実施例では、検出値生成ユニット16は、a)オフセットに基づいて検出信号パルスを補正し、b)エネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、検出信号パルスと、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較し、かつ、c)各エネルギービンについて、各エネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す補正された検出値を生成することによって、前記エネルギー分解された検出値を生成するように構成されても良い。特にエネルギービン間での検出信号パルスの分配前では、オフセットは検出信号パルス高さから減じられて良い。
制御ユニット9が採用されることで、検出ユニット14が光子を検出しない場合には、人工信号パルスが発生し、かつ、検出値生成ユニット16のみによって受け取られるように、光子源2と検出装置16は制御されうる。具体的には光子源2はグリッドスイッチ電極を備えるX線管であって良い。グリッドスイッチは、バイアス測定−つまりオフセットの測定−のためにX線管からの光子束を阻止するのに用いられて良い。これらのバイアス測定は、バイアスドリフト−つまりオフセット−を監視するために撮像手順に挿入されて良い。たとえば対象物を通り抜けた複数の光子が検出される直前、直後、又は、2つの照射期間の間に、バイアス測定は実行されて良い。他の実施例では、グリッドスイッチ電極を備えるX線管の代わりに、他の機構が、光子源のスイッチを一時的にオフにするのに用いられて良い。たとえば光子源は、スイッチのオン/オフが可能な標準的なX線管であって良い。あるいはバイアス測定を実行するために光子束を一時的に阻止することを可能にするシャッターが、光子源の前方で用いられても良い。バイアス測定を実行するために光子束を止めることができる場合、バイアス測定を実行するのに追加の閾値ユニットは必要とされない。しかし規則的な閾値/カウンタ対−検出信号が分配されるエネルギービンを定めるのに用いられる−が、バイアス測定を実行するために再プログラムされて良い。多数の対が、バイアス測定の範囲の拡張及び/又は精度の向上に用いられて良い。
他の実施例では、検出値生成ユニットは、オフセットに対して分配を補正することなくエネルギービン間での検出信号パルスを分配する。その代わりに再構成ユニット10が、未補正のエネルギー分解された検出値と前記オフセットに基づいて前記対象物の画像を再構成すると同時に、ずれた検出信号パルス高さの閾値−決定されたオフセットによってずれたものと考えることができる−を考慮するように構成されて良い。たとえば再構成ユニット10は、対象物の様々な成分に対応する様々な成分検出値に分解するように構成されて良い。これらの様々な成分は、様々な材料−たとえば骨及び軟組織−及び/又は様々な物理的効果−たとえば光電効果、コンプトン効果、及びKエッジ効果−を表して良い。対応する分解法はたとえば非特許文献2に開示されている。
本発明の実施例では、分解は次式−測定過程を表す物理的モデルの逆にしたものに基づく−に従って実行される。
Figure 2015502520
ここで、Ciはi番目のエネルギービン内での検出信号パルスの未補正発生率を表し、Bi(E)はi番目のエネルギービンのスペクトル感度を表し、F(E)は光子源のスペクトルを表し、jはMj個の各異なる成分の指数で、Ajはj番目の成分での吸収値の線積分を表し、かつ、Pj(E)はj番目の成分のスペクトル吸収を表す。TEiとTEi+1は、i番目をエネルギービンを定め、かつ、決定されたオフセットに従ってずれる。つまり検出信号パルス高さの閾値は、エネルギービンを定めるエネルギーの閾値のずれに対応する。この決定されたエネルギーのずれがΔEであるとし、かつ、そのずれを考慮しない場合の閾値がそれぞれTWiとTWi+1であるとすると、ずれた閾値は、TEi=TWi-ΔE及びTEi+1=TWi+1-ΔEによって定義されて良い。モデルが各測定に個別に適用されうるので、各測定について個別のバイアスが用いられて良い。
エネルギービンの数が少なくとも成分数に等しい場合、一連の式は既知の数値方法によって解くことができる。ここで、Bi(E)、F(E)、及びPj(E)が既知で、かつ、一連の式を解いた結果は線積分Ajである。放射線スペクトルF(E)及びスペクトル感度Bi(E)は、撮像システムの特性であり、かつ、たとえば対応する測定からわかる。成分のスペクトル吸収Pj(E)−たとえば骨と軟組織のスペクトル吸収−もまた、測定及び/又は文献からわかる。
分解された検出値は、この実施例では、分解された投影データ−つまり線積分Aj−である。Ajの各々は、対象物のコンピュータ断層画像の再構成に用いられて良い。それによりたとえば各成分について対象物の成分画像が再構成されうる。たとえばコンプトン成分画像、光電成分画像、及び/又はKエッジ成分画像が再構成されて良い。投影データに基づいて画像を再構成するため、既知の再構成法−たとえばフィルタ補正逆投影法、ラドン逆変換等−が用いられて良い。
以降では、対象物を撮像する撮像方法が、図4に示されたフローチャートを参照しながら例示的に説明される。
段階101では、光子源2が様々なエネルギーを有する光子を発生させる。同時に光子源2と対象物は、光子が対象物を様々な方向に通り抜けることを可能にするため、互いに相対的に動く。特に光子源2が対象物の周りで環状軌道又は螺旋状軌道に沿って移動しながら、検出ユニット14は、対象物を通り抜けた光子を検出する。
段階102では、検出ユニット14が、それぞれの検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させる。たとえば直接変換材料が、それぞれの光子を、それぞれの光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスへ変換するのに用いられて良い。検出信号パルスの発生前、発生中、又は発生後、段階103では、信号パルス発生ユニット15が、所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる。前記の発生した人工信号パルスは検出値生成ユニット16へ供される。また検出信号パルスも検出値生成ユニット16へ供される。
段階104では、検出値生成ユニット16が受け取った検出信号パルスに依存するエネルギー分解された検出値を生成する。特にエネルギービン間で検出信号パルスを分配するため、検出信号パルスの検出信号パルス高さは、エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値と比較される。検出信号パルスはオフセット−永久電流によって生じうる−によって妨害されやすいので、検出信号パルス高さと検出信号パルス高さの閾値とを比較するとき、エネルギービン間での検出信号パルスの分配、つまりは生成されたエネルギー分解された検出値−の質は低下する恐れがある。
段階105では、検出値生成ユニット16が、所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きな人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測された発生率を決定する。前記人工信号パルス高さの閾値は前記所定の人工信号パルス高さ以上である。しかもこの実施例では、所定の人工信号パルス高さは、光子源の実際の動作設定に従って前記光子源によって発生する光子のとりうる最大のエネルギーによって定義される最大予測検出信号パルス高さよりも大きい。続いて検出値生成ユニット16は、人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して検出信号パルス高さのオフセットを決定する。
段階106では、エネルギービン間での検出信号パルスの分配は、補正されたエネルギー分解検出値を生成するために決定されたオフセットを用いて補正される。段階107では、再構成ユニット10が、たとえばコンピュータ断層画像再構成アルゴリズム−たとえばたとえばフィルタ補正逆投影法−を用いて補正されたエネルギー分解検出値に基づいて、対象物の画像を再構成する。段階108では、画像は表示ユニット11上に示される。
段階102乃至段階106は、光子を検出する検出方法の段階として考えることもできる。
図4を参照して上述した撮像方法の実施例では、撮像方法が、複数の段階からなる手順を含むが、他の実施例では、その手順は他の段階を含んで良い。たとえば検出ユニット光子を検出しない一方で、人工信号パルスの発生と人工信号パルスに基づくオフセットの決定が実行されて良い。しかもある実施例では、検出値はオフセットに基づいて補正されないが、再構成ユニットが、生成された検出値に基づいてずれた検出信号パルス高さの閾値によって再構成を実行することによってオフセットを考慮する。前記ずれはオフセットによって生じる。
光子計数検出器は、オーミックコンタクトを有し、かつ、変化する永久電流に悩まされる恐れがある。直接変換材料−たとえばCdCe又はCZT−における複数の物理的効果は、この非常に低周波の電流の変化を生じさせうる。検出装置の電子機器では、この電流は、バイアス又は直流(DC)オフセットの効果を有し、かつ、バイアス又は直流(DC)オフセットとしてモデル化されて良い。DCオフセットは仮想的にエネルギービンの閾値のずれと考えることが可能で、かつ、得られた情報を深刻に歪めてしまう恐れがある。従って撮像装置−特に検出装置−は、永久電流に関連するバイアス成分−つまりオフセット−を測定し、バイアス成分に対する感度−つまり潜在効果−を測定し、かつ、取得データの補正−つまりエネルギービン間での検出信号パルスの分配の補正−を実行するように構成されることが好ましい。
検出装置は、電子パルスをフロントエンドの電子機器−つまり検出値生成ユニット−の入力へ加える手段−つまり明確な電荷と繰り返し周波数を有する人工信号パルスを発生させる信号パルス発生ユニット−を有する。これらの電子パルスの実効エネルギーは、それぞれの撮像処理において光子源によって供される光子の最大エネルギーよりも大きいことが好ましい。閾値/カウンタ対は、これらの電子パルスを計数するのに用いられて良い。閾値は、電子パルスの実効エネルギー−つまり所定の発生した人工信号パルス高さ−を多少上回ることが好ましい。信号中にバイアスが存在しない場合、つまりパルス上部でのノイズがそれぞれの閾値に到達するのに十分高い場合のみ、カウンタは(ほとんど)信号パルスを計数しない。バイアスが増大することで、より多くのパルスが閾値に到達して、カウントを生成する。従って記録されたカウント数は、バイアス−つまりオフセット−を示すものと考えることができる。校正又は理論的考察に基づいて、この閾値/カウンタ対に記録されたカウントが与えられると、バイアスを推定することができる。検出ユニットの直接変換材料によって発生する検出信号パルスのパイルアップによる影響は、無視され、かつ、パイルアップモデルによって補正されうる。あるいは光子束は、パイルアップ効果を回避するために測定中に止められても良い。
バイアスを知ることで、直接補正することができる。しかしバイアスに対するエネルギービンの感度を測定するのも有利となりうる。典型的スペクトルと閾値T1とT2で囲まれる一のエネルギービンを示す図3を再度参照すると、バイアス−つまりオフセット−が仮想的にこれらの閾値をTB1とTB2へ移動させて良い。この移動は、間隔[TB1,T1]内の光子が誤って計数され、他方間隔[TB2,T2]内の光子は計数されない。たとえばT1とT2周辺でのパルス発生率とバイアスが既知である場合、これらの追加カウントと損失を推定することができる。閾値付近のパルス発生率は、その閾値がT1又はT2に近い場合の閾値/カウンタ対による追加測定から良好に推定することができる。特に閾値T1でのパルス発生率密度は(9)式に従って推定することができる。
本発明の実施例では、検出装置は、非特許文献1に記載されている光子計数検出器に基づく。人工信号パルスを発生させるさらなる信号パルス発生装置が、人工信号パルスを検出器の電子機器の入力へ加える。前記電子機器は、信号と閾値とを比較し、かつ、検出値を生成する信号を計数する。従って前記電子機器は、検出値生成ユニットの少なくとも一部と考えることができる。検出値生成ユニットは、検出装置の制御及び/又は特に上述の式に従った計算の実行のための計算ユニット−たとえばマイクロ制御装置−をさらに有して良い。
開示された実施例に対する他の変化型は、図面、開示、及び請求項を検討することで、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解及び実行されうる。
単一のユニット又は装置は請求項中に記載された複数の構成要素の機能を満たしうる。ある手段が相互に異なる従属請求項において再掲されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせが利点を有しないということを示唆しない。
1つ以上のユニット又は装置によって実行される比較操作、オフセットの決定、検出値−つまりエネルギービン間での検出信号パルスの分配−の補正、再構成操作等の操作は、他の数のユニット又は装置によって実行されて良い。これらの操作並びに/又は撮像方法による撮像装置の制御及び/若しくは検出方法による検出装置の制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段及び/又は専用ハードウエアによって実装されて良い。
コンピュータプログラムは、一緒に供給されるか又は他のハードウエアの一部として供給される適切な媒体−たとえば光ストレージ又は固体媒体−上に記憶/分配されて良いが、他の形式−たとえばインターネット又は他の有線若しくは無線遠隔通信システムを介して−で分配されても良い。
本発明は光子を検出する検出装置に関する。検出ユニットは、検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させる。検出値生成ユニットは、前記検出信号パルスに依存してエネルギー分解された検出値を生成する。信号パルス発生ユニットは、所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる。前記検出値生成ユニットは、該検出値生成ユニットによって観測される所定の閾値よりも大きな人工信号パルス高さを有する前記人工信号パルスの発生率である観測された発生率を決定し、かつ、前記の決定された発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定する。これにより、信頼性のある前記検出信号パルスのオフセット−たとえば放射線撮像装置の検出装置内での暗電流ドリフトによって生じる−の決定が可能となる。前記オフセットは、最終的に生成された検出値の補正に用いることができる。

Claims (15)

  1. 光子を検出する検出装置であって:
    光子を検出する検出ユニットであって、前記の検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスを発生させるように構成される検出ユニット;
    前記の検出信号パルスに依存してエネルギー分解された検出値を生成する検出値生成ユニット;
    所定の人工信号パルス及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させ、かつ、前記の発生した人工信号パルスを前記検出値生成ユニットへ供する信号パルス発生ユニット;
    を有し、
    前記検出値生成ユニットは、a)前記人工信号パルスを受け取り、b)所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記人工信号パルス高さは前記所定の人工信号パルス高さ以上である)、かつc)前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定するように構成される、
    検出装置。
  2. 前記検出信号パルス高さが所定の最大検出信号パルス高さよりも小さく、かつ、
    前記人工信号パルス高さの閾値は、前記最大検出信号パルス高さよりも大きい、
    請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記検出値生成ユニットが、観測発生率と前記オフセットとの間での割り当てを含み、
    前記検出値生成ユニットは、前記割り当てと実際の観測発生率に基づいて前記オフセットを決定するように構成される、
    請求項1に記載の検出装置。
  4. 前記検出値生成ユニットが:
    a)人工信号パルスの発生率と、b)前記人工信号パルスにおけるノイズが、前記人工信号パルス高さの閾値から発生した人工信号パルス高さと前記オフセットを減じた値よりも大きくなる尤度を定義するノイズ尤度、との積として前記観測発生率をモデル化するモデルを供し;かつ
    決定されるべき前記オフセットを修正することで、前記のモデル化された観測発生率と実際観測発生率とのずれが減少することで、前記オフセットを決定する;
    ように構成される、
    請求項1に記載の検出装置。
  5. 前記検出値生成ユニットが、前記エネルギービン間で前記検出信号パルスを分配するため、前記検出信号パルスと、前記エネルギービンを定める検出信号パルス高さの閾値とを比較し、前記オフセットに基づいて検出信号パルスの分配を補正し、かつ、各エネルギービンについて各エネルギービンの検出信号パルスの発生率を表す補正された検出値を生成することによって、前記エネルギー分解された検出値を生成することにより、各エネルギービンについて、それぞれのエネルギービンの検出信号パルスを表す補正された検出値を生成するように構成される、請求項1に記載の検出装置。
  6. 前記検出値生成ユニットが、前記オフセットに対するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定し、かつ、前記オフセットと前記の決定された感度に基づいて前記エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率を補正するように構成される、請求項5に記載の検出装置。
  7. 前記エネルギービンは2つの検出信号パルス高さの閾値である、第1検出信号パルス高さの閾値と第2検出信号パルス高さの閾値、によって定められ、かつ、
    前記検出値生成ユニットは、
    a)前記第1検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第1発生率と、b)前記第2検出信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第2発生率、との差異としてエネルギービンの検出信号パルスの発生率を決定し、
    前記第1検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第1感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第3発生率を決定し、
    前記第2検出信号パルス高さの閾値よりも小さい第2感度信号パルス高さの閾値よりも大きい検出信号パルス高さを有する検出信号パルスの発生率である第4発生率を決定し、
    前記第1発生率と前記第3発生率との差異及び前記第2発生率と前記第4発生率との差異に依存して前記オフセットに対する前記エネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定する、
    ように構成される、請求項6に記載の検出装置。
  8. 前記検出値生成ユニットが、a)それぞれのエネルギービンの幅に対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比と、b)隣接するエネルギービンの幅に対する隣接するエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の比、との平均に基づいて前記オフセットに対するそれぞれのエネルギービンに割り当てられた検出信号パルスの発生率の感度を決定するように構成される、請求項6に記載の検出装置。
  9. 対象物を撮像する撮像装置であって:
    前記対象物を通り抜ける様々なエネルギーを有する光子を発生させる光子源;
    前記対象物を通り抜けた後の光子を検出し、かつ、エネルギー分解された検出値を生成する請求項1に記載の検出装置;
    を有する撮像装置。
  10. 前記光子源と前記検出装置を制御する制御ユニットをさらに有する請求項9に記載の撮像装置であって、
    前記検出ユニットが光子を検出しない場合には、前記人工信号パルスが発生し、かつ、前記検出値生成ユニットによって受け取られるように、前記光子源と前記検出装置は制御される、撮像装置。
  11. 前記エネルギー分解された検出値と前記オフセットに基づいて前記対象物の画像を再構成する再構成ユニットをさらに有する請求項9に記載の撮像装置。
  12. 光子を検出する検出方法であって:
    検出ユニットによって光子を検出する段階であって、検出された光子のエネルギーを表す検出信号パルス高さを有する検出信号パルスが生成される、段階;
    検出値生成ユニットによって前記検出信号パルスに依存するエネルギー分解された検出値を生成する段階;
    信号パルス発生ユニットによって所定の人工信号パルス高さ及び所定の発生率を有する人工信号パルスを発生させる段階;並びに、
    前記の発生した人工信号パルスを前記検出値発生ユニットへ供する段階;
    を有し、
    前記検出値生成ユニットは、a)前記人工信号パルスを受け取り、b)所定の人工信号パルス高さの閾値よりも大きい人工信号パルス高さを有する前記の受け取られた人工信号パルスの発生率である観測発生率を決定し(前記人工信号パルス高さの閾値は前記所定の人工信号パルス高さ以上である)、かつ、c)前記人工信号パルスの決定された観測発生率に依存して前記検出信号パルスのオフセットを決定する、
    方法。
  13. 対象物を撮像する撮像方法であって:
    前記対象物を通り抜ける様々なエネルギーを有する光子を光子源によって発生させる段階;
    前記光子を検出してエネルギー分解された検出値を生成する段階、及び、オフセットを決定する請求項12に記載の段階;
    を有する撮像方法。
  14. 検出装置を制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項12に記載の検出方法の段階を前記検出装置に実行させるプログラムコード手段を有する、エネルギー分解された検出データを検出する検出用コンピュータプログラム。
  15. 撮像装置を制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項13に記載の撮像方法の段階を前記撮像装置に実行させるプログラムコード手段を有する、対象物を撮像する撮像用コンピュータプログラム。
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