JP2015229539A - 荷重補償装置及び補償荷重調整方法 - Google Patents

荷重補償装置及び補償荷重調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】荷重補償装置において補償する荷重をより適切に調整可能とすること。【解決手段】荷重補償装置1において、基台Bは、荷重補償装置1の支持体となる。下リンク部材L1は、基台に一端側が回転可能に連結される。上リンク部材L2は、基台に一端側が回転可能に連結され、下リンク部材L1と平行リンクを構成する。直動支持部材L3は、下リンク部材L1及び上リンク部材L2それぞれの他端側に回転可能に連結され、負荷となる物体の重さが作用する荷台Sを直動支持する。第3ばね部材C3は、直動支持部材L3に対して荷台Sを弾性支持する。第2ばね部材C2は、荷台Sに作用する物体の重さに応じて第3ばね部材C3が伸縮した長さに連動して伸縮し、当該重さを補償する弾性力を発生させる。【選択図】図1

Description

本発明は、アームの荷重に対してバランスさせる機能を備えた荷重補償装置及び補償荷重調整方法に関する。
近年、様々な場面で人力による重量物の運搬作業が行われており、その負担を軽減するための支援装置が使用されている。しかし、それらの多くがアクチュエータを使用するものであるため、電源を必要とすることによる使用場所の制限や、人間との協調作業における安全性の低下につながる。そのため、アクチュエータを使用しない機械的な荷重補償装置が有効であると考えられる。
ここで、特許文献1には、アクチュエータを使用しない機械的な荷重補償装置として、補償重量切換式荷重補償装置が開示されている。
特許文献1に記載された補償重量切換式荷重補償装置では、機械的自重補償機構の構造に加え、新たに荷重が追加された場合にも対応可能とするため、2つ目のばねと、歯車によって構成された切り換え機構とを追加することで、アームの自重補償状態、及び、設定した荷重が追加された場合の2つの状態の荷重補償を可能としている。
特開2011−098821号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含め、従来の機械的な荷重補償装置においては、重量に応じて手動調節を行うことにより重量を機械的に補償することを可能としている。そのため、従来の機械的な荷重補償装置を重量物の運搬作業を支援するために使用する場合、重量が未知であるような重量物の運搬において、手動調節により適切な補償力とすることが困難であると考えられる。補償力のずれが発生した場合には、補償トルクが不十分になることや、過剰な補償トルクが発生することが考えられ、荷重補償装置の挙動が不適切となる可能性がある。
即ち、従来の技術においては、荷重補償装置において補償する荷重を適切に調整可能とすることが困難であった。
本発明の課題は、荷重補償装置において補償する荷重をより適切に調整可能とすることである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る荷重補償装置は、
支持体となる基台と、
基台に一端側が回転可能に連結された第1リンク部材と、
基台に一端側が回転可能に連結され、前記第1リンク部材と平行リンクを構成する第2リンク部材と、
前記第1リンク部材及び前記第2リンク部材それぞれの他端側に回転可能に連結され、負荷となる物体の重さが作用する物体設置部を直動支持する第3リンク部材と、
前記第3リンク部材に対して前記物体設置部を弾性支持する位置調整用弾性部材と、
前記物体設置部に作用する前記物体の重さに応じて前記位置調整用弾性部材が伸縮した長さに連動して伸縮し、当該重さを補償する弾性力を発生させる荷重支持用弾性部材と、
を備える。
本発明によれば、荷重補償装置において補償する荷重をより適切に調整可能とすることが可能となる。
荷重補償装置1の全体構成を示す模式図である。 荷台Sに物体を載置した状態の荷重補償装置1を示す模式図である。 荷重補償装置1を構成する要素のパラメータを示す図であり、図3(A)は、荷重補償装置1全体のパラメータを示す図、図3(B)は、第2プーリP2、第4回転軸R4及び連結部材JのストッパーRからなる部分のパラメータを示す図である。 荷重補償装置1の実装例を示す斜視図である。 荷重補償装置1の実装例の動作状態を示す図であり、図5(A)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平で静止した状態の側面図、図5(B)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平で静止した状態の斜視図、図5(C)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平より下方で静止した状態の側面図、図5(D)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平より下方で静止した状態の斜視図である。 第2ばね部材C2によって自重を補償する場合の荷重補償装置1の全体構成を示す模式図である。 第2ばね部材C2によって自重を補償する場合の荷重補償装置1を構成する要素のパラメータを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
[構成]
図1は、本発明に係る荷重補償装置1の全体構成を示す模式図である。なお、図1においては、荷重補償装置1のリンク構造を模式的に示している。
図1において、荷重補償装置1は、基台Bと、下リンク部材L1(第1リンク部材)と、上リンク部材L2(第2リンク部材)と、直動支持部材L3(第3リンク部材)と、第1ばね部材C1(自重支持用弾性部材)と、第2ばね部材C2(荷重支持用弾性部材)と、第3ばね部材C3(位置調整用弾性部材)と、荷台S(物体設置部)とを備えている。
基台Bは、鉛直方向に起立する支柱(支持体)として機能し、荷重補償装置1の他の部材を支持する。
下リンク部材L1は、一端を第1回転軸R1を介して基台Bに回転可能に支持され、他端において、第2回転軸R2を介して直動支持部材L3の長手方向中央部を回転可能に支持する。
また、下リンク部材L1の先端側(第2回転軸R2寄り)の箇所に、第1ばね部材C1の一端が連結され、第1ばね部材C1の他端には、ワイヤW1の一端が連結されている。ワイヤW1の他端は、下リンク部材L1の第1回転軸R1寄りの箇所に設置された第1プーリP1を経由して、基台Bにおける第1回転軸R1と第3回転軸R3との間の連結点Qに連結されている。
この第1ばね部材C1は、下リンク部材L1と基台Bとを荷重(自重)に抗して弾性的に連結している。
上リンク部材L2は、一端を第3回転軸R3を介して基台Bに回転可能に支持され、他端において、第4回転軸R4を介して直動支持部材L3の上端部を回転可能に支持する。
また、上リンク部材L2の第3回転軸R3寄りの部分には、長手方向に延びる摺動孔G1が形成され、この摺動孔G1内を移動可能なレバーLvが備えられている。レバーLvには、第2ばね部材C2の一端がワイヤW2を介して連結されている。レバーLvは、摺動孔G1内の第3回転軸R3側の端部で係止可能であり、係止されることにより位置が固定された状態(以下、「レバーONの状態」と呼ぶ。)とすることができる。第2ばね部材C2の他端には、ワイヤW3の一端が連結されている。ワイヤW3の他端は、上リンク部材L2の第4回転軸R4寄りの箇所に設置された第2プーリP2を経由して、連結部材JのストッパーRに連結されている。レバーONの状態では、第2ばね部材C2は自然長より伸びた状態となり、弾性力を発生する。一方、レバーLvが係止されていない状態(以下、「レバーOFFの状態」と呼ぶ。)では、第2ばね部材C2は自然長に収縮し、弾性力を発生させない。
この第2ばね部材C2は、荷台Sと上リンク部材L2とを荷重に抗して弾性的に連結している。
直動支持部材L3は、第2回転軸R2を介して長手方向中央部において下リンク部材L1に回転可能に支持されている。また、直動支持部材L3は、第4回転軸R4を介して上端部において上リンク部材L2に回転可能に支持されている。
また、直動支持部材L3は、第3ばね部材C3を内蔵し、第3ばね部材C3の上端において、連結部材Jを介して荷台Sが連結されている。連結部材Jは、直動支持部材L3の長手方向に形成された摺動孔G2内を第3ばね部材C3の弾性力を受けながら移動可能であり、荷台Sに物体を載置すると、荷台Sに入力される物体の重さと第3ばね部材C3の弾性力とが釣り合う位置で静止する。連結部材Jには、連結部材Jの位置を直動支持部材L3に対して固定するストッパーRが備えられている。そのため、荷台Sに物体が載置され、その重さと第3ばね部材C3の弾性力とが釣り合った位置で静止した位置に、荷台Sを固定することができる。
以上のような構成において、荷重補償装置1の下リンク部材L1と上リンク部材L2とは、長さが略等しく、平行に設置されている。また、下リンク部材L1における第1回転軸R1と第2回転軸R2との距離は、上リンク部材L2における第3回転軸R3と第4回転軸R4との距離と同一に設定されている。即ち、基台B、下リンク部材L1、上リンク部材L2及び直動支持部材L3は、平行リンク機構を構成している。そのため、下リンク部材L1及び上リンク部材L2が基台Bに対して搖動する場合、直動支持部材L3は、基台Bと平行な状態(即ち、鉛直方向に延びる状態)を維持して移動する。
なお、図1における第1回転軸R1〜第4回転軸R4は、いずれも紙面に垂直な回転軸である。
そして、下リンク部材L1、上リンク部材L2、直動支持部材L3、第1ばね部材C1、第2ばね部材C2、第3ばね部材C3及び荷台S等の自重は、下リンク部材L1及び第1ばね部材C1からなるリンク構造によって補償される。
また、荷台Sに載置された負荷となる物体の重さによる荷重は、上リンク部材L2、第2ばね部材C2及び第3ばね部材C3からなるリンク構造によって補償される。
図2は、荷台Sに物体を載置した状態の荷重補償装置1を示す模式図である。
図2に示すように、荷台Sに物体を載置した場合、物体の重さによって第3ばね部材C3が押し下げられ、連結部材Jの変位によって、レバーONの状態とされたときの第2ばね部材C2の伸長の度合いが変化する。
このとき、第2ばね部材C2のばね定数を物体が載置された際の荷台Sの変位と対応させたものとすることで、荷台Sに載置された物体の荷重も補償することが可能となる。
以下、荷重補償装置1における荷重補償の原理について説明する。
[荷重補償の原理]
図3は、荷重補償装置1を構成する要素のパラメータを示す図であり、図3(A)は、荷重補償装置1全体のパラメータを示す図、図3(B)は、第2プーリP2、第4回転軸R4及び連結部材JのストッパーRからなる部分のパラメータを示す図である。
図3に示すように、下リンク部材L1の第1回転軸R1と第1プーリP1との距離をp、第1回転軸R1と自重mの重心との距離をl、第1プーリP1と連結点Qとの距離をx1、第1回転軸R1と連結点Qとの距離をh、上リンク部材L2の第3回転軸R3と第4回転軸R4との距離をl’、第2プーリP2と第4回転軸R4との距離をp’、第2プーリP2と連結部材JのストッパーRとの距離をx2、第4回転軸R4とストッパーRとの距離をh’、下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平方向となす角度をθとする。また、上リンク部材L2と第2プーリP2を経由したワイヤW3とがなす角度をφ、第1ばね部材C1のばね定数をk1、第2ばね部材C2のばね定数をk2、第3ばね部材C3のばね定数をk3、荷台Sに載置される物体の重さをm’とする。
このとき、物体の重さによるモーメントは、m’×g×l’×cosθと表され、第2ばね部材C2によるモーメントは、p’×k2×x2×sinφ=h’×p’×k2×cosθと表され、第3ばね部材C3により定まるh’は、h’=m’×g/k3と表される。
荷重補償装置1の自重を補償するための釣り合いの条件式は、
h×p×k1×cosθ=m×g×l×cosθ
であるため、物体の荷重を含めて荷重を補償するための釣り合いの条件式は、
h×p×k1×cosθ+h’×p’×k2×cosθ
=m×g×l×cosθ+m’×g×l’×cosθ (1)
となる。
即ち、第2ばね部材C2及び第3ばね部材C3のばね定数は
k2=m’×g×l’/(h’×p’) (2)
k3=m’×g/h’ (3)
と表される。
これらを充足するばね定数k2の第2ばね部材C2及びばね定数k3の第3ばね部材C3を選択することで、種々の荷重を与える物体に対しても、補償する荷重を適切に調整することが可能となる。
[作用]
上述の構成を有する荷重補償装置1では、荷台Sに物体が載置されていない場合、第1ばね部材C1によって、荷重補償装置1の自重が補償され、下リンク部材L1及び上リンク部材L2等を含む可動部は、任意の角度で静止することができる。
ここで、荷台Sに種々の重さを有する物体が載置される場合、レバーLvをレバーOFFの状態として荷台Sに物体を載置する。なお、可動部を任意の角度とした状態で荷台Sに物体を載置することが可能であるが、下リンク部材L1及び上リンク部材L2が直立した状態とすることで、物体の重さにより下リンク部材L1及び上リンク部材L2が揺動することを防止できる。
すると、物体の重さによって、第3ばね部材C3の弾性力に抗して荷台Sが押し下げられる。
さらに、物体の重さと第3ばね部材C3の弾性力とが釣り合った位置で、ストッパーRによって荷台Sを固定する。このとき、荷台Sが押し下げられた距離は、物体の重さに応じた距離となっている。
荷台Sを固定した状態で、レバーLvをレバーONの状態とすると、第2ばね部材C2には、物体の重さに応じた伸び(即ち、荷台Sが押し下げられた距離に応じた伸び)が発生する。
物体の重さによるモーメントと、荷台Sが押し下げられる距離(即ち、第3ばね部材C3の弾性力)と、荷台Sが押し下げられることによって生じる第2ばね部材C2によるモーメントは、上述の関係を有するものとされているため、荷重補償装置1の自重を含めて、種々の重さを有する物体の荷重が補償される。
これにより、種々の重さを有する物体を荷台Sに載置する場合であっても、その物体の重さに応じて、補償する荷重を適切に調整することが可能となる。
[荷重補償装置の実装例]
図4は、荷重補償装置1の実装例を示す斜視図である。
また、図5は、荷重補償装置1の実装例の動作状態を示す図であり、図5(A)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平で静止した状態の側面図、図5(B)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平で静止した状態の斜視図、図5(C)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平より下方で静止した状態の側面図、図5(D)は下リンク部材L1及び上リンク部材L2が水平より下方で静止した状態の斜視図を示している。
図4及び図5に示す実装例では、図1に示す基台Bと、下リンク部材L1と、上リンク部材L2と、直動支持部材L3と、第1ばね部材C1と、第2ばね部材C2と、第3ばね部材C3と、荷台Sとが金属製の各部材によって構成されている。
なお、図4及び図5に示す実装例において、第2ばね部材C2の他端に連結されたワイヤW2は、基台Bの第3回転軸R3の位置に設置された軸部材に架け渡され、ワイヤW2の先端は、レバーLvとしての金属ロッドMの中央に連結されている。摺動孔G1は、基台Bの下部に鉛直方向に延びる孔として形成され、摺動孔G1の上下端は鉤型に屈曲している。したがって、金属ロッドMが摺動孔G1上端の鉤型部分に係止されている場合、レバーOFFの状態となり、金属ロッドMが摺動孔G1下端の鉤型部分に係止されている場合、レバーONの状態となる。
図4及び図5に示す荷重補償装置1の実装例においても、荷台Sに物体が載置されていない場合、第1ばね部材C1によって、荷重補償装置1の自重が補償され、下リンク部材L1及び上リンク部材L2等を含む可動部は、任意の角度で静止することができる。
そして、荷台Sに物体が載置される場合、金属ロッドMをレバーOFFとなる位置(摺動孔G1の上端)に係止させ、物体の重さと第3ばね部材C3とが釣り合った位置で、ストッパーRによって荷台Sを固定する。その後、金属ロッドMをレバーONとなる位置(摺動孔G1の下端)に係止させることにより、第2ばね部材C2によって、物体の重さに応じた荷重を補償することができる。
[応用例]
上記実施形態では、第1ばね部材C1によって荷重補償装置1の自重を補償し、第2ばね部材C2によって荷台Sに載置された物体の重さによる荷重を補償するものとして説明した。
これに対し、第1ばね部材C1を備えることなく、第2ばね部材C2によって荷重補償装置1の自重も補償する構成とすることができる。
図6は、第2ばね部材C2によって自重を補償する場合の荷重補償装置1の全体構成を示す模式図である。
また、図7は、第2ばね部材C2によって自重を補償する場合の荷重補償装置1を構成する要素のパラメータを示す図である。
図6に示す構成のように、第1ばね部材C1を備えることなく、第2ばね部材C2によって荷重補償装置1の自重を補償する場合、図7に示すように、荷重補償装置1の自重が補償される位置(以下、「自重補償位置」と呼ぶ。)に規制部材STが設置され、規制部材STの位置を上端として、荷台Sの直動範囲が規制される。図7では、第4回転軸R4から距離hだけ下方の位置が自重補償位置となっている。なお、レバーLvがOFFの状態で規制部材STの位置に荷台Sがある場合、第3ばね部材C3には規制部材STから力が作用せず、荷台Sを弾性支持する状態となる。この状態を初期状態と呼ぶ。
初期状態において、レバーLvをレバーONの状態とすると、第2ばね部材C2の弾性力により、荷重補償装置1の下リンク部材L1及び上リンク部材L2等からなる可動部分は、荷台Sに物体を載置しない限り、任意の位置で静止することができる(図7の初期状態)。
一方、荷台Sに物体が載置される場合、物体の重さと第3ばね部材C3の弾性力とが釣り合う位置で、ストッパーRによって荷台Sを固定する。このとき、荷台Sが押し下げられた距離は、物体の重さに応じた距離となっている。図7では、物体の重さと第3ばね部材C3の弾性力とが釣り合った位置は、初期状態から距離h’だけ荷台Sが押し下げられた位置となっている。
このように荷台Sを固定し、レバーLvをレバーONの状態とすると、第2ばね部材C2には、初期状態の伸びに加え、物体の重さに応じた伸びが発生する。
このとき、物体の重さによるモーメントは、m’×g×l’×cosθと表され、第2ばね部材C2によるモーメントは、(h+h’)×p’×k2×cosθと表され、第3ばね部材C3により定まるh’は、h’=m’×g/k3と表される。
物体の荷重を含めて荷重を補償するための釣り合いの条件式は、
(h+h’)×p’×k2×cosθ
=m×g×l×cosθ+m’×g×l’×cosθ (4)
となる。
即ち、第2ばね部材C2及び第3ばね部材C3のばね定数は、
k2=m×g×l/(h×p’) (5)
k3=m×g×l/(h×l’) (6)
と表される。
これらを充足するばね定数k2の第2ばね部材C2及びばね定数k3の第3ばね部材C3を選択することで、種々の荷重を与える物体に対しても、第1ばね部材C1を備えることなく、補償する荷重を適切に調整することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る荷重補償装置1は、基台Bと、下リンク部材L1と、上リンク部材L2と、直動支持部材L3と、第3ばね部材C3と、荷重支持用弾性部材を構成する第2ばね部材C2と、を備える。
基台Bは、荷重補償装置1の支持体となる。
下リンク部材L1は、基台に一端側が回転可能に連結される。
上リンク部材L2は、基台に一端側が回転可能に連結され、下リンク部材L1と平行リンクを構成する。
直動支持部材L3は、下リンク部材L1及び上リンク部材L2それぞれの他端側に回転可能に連結され、負荷となる物体の重さが作用する荷台Sを直動支持する。
第3ばね部材C3は、直動支持部材L3に対して荷台Sを弾性支持する。
第2ばね部材C2は、荷台Sに作用する物体の重さに応じて第3ばね部材C3が伸縮した長さに連動して伸縮し、当該重さを補償する弾性力を発生させる。
これにより、荷台Sに種々の重さの物体が載置された場合に、それぞれの物体の重さに応じて第3ばね部材C3が伸縮し、その伸縮した長さに連動して第2ばね部材C2が伸縮する。第2ばね部材C2の伸縮により、物体の重さによる荷重が補償される。
したがって、荷重補償装置1において補償する荷重をより適切に調整することが可能となる。
また、荷重補償装置1は、自重支持用弾性部材を構成する第1ばね部材C1を備える。
第1ばね部材C1は、荷重補償装置1を構成する部材の自重を支持する。
これにより、荷重補償装置1を構成する部材の自重を補償しながら、物体が載置された場合には、その物体の重さを適切に補償することが可能となる。
また、第1ばね部材C1は、下リンク部材L1と基台Bとを自重に抗して弾性的に連結する。
第2ばね部材C2は、荷台Sと上リンク部材L2、または、荷台Sと基台Bとを物体の重さによる荷重に抗して弾性的に連結する。
これにより、簡単な構造で、荷重補償装置1において補償する荷重をより適切に調整することが可能となる。
また、第2ばね部材C2は、荷重補償装置1を構成する部材の自重及び物体の重さによる荷重を支持する。
これにより、1つの弾性部材によって、荷重補償装置1の自重及び荷台Sに載置された物体の重さによる荷重を適切に調整しながら補償することが可能となる。
また、第2ばね部材C2は、荷台Sと上リンク部材L2、または、荷台Sと基台Bとを物体の重さによる荷重に抗して弾性的に連結する。
これにより、1つの弾性部材を適切な部材間に設置して、荷重補償装置1において補償する荷重をより適切に調整することが可能となる。
また、本発明に係る補償荷重調整方法では、負荷となる物体の重さを弾性支持し、無負荷の状態から弾性支持によって釣り合った状態までの位置変化を荷重支持用弾性部材を構成する第2ばね部材C2の伸縮として伝達し、第2ばね部材C2の伸縮が物体の重さによる荷重を補償する弾性力を発生させる。
これにより、荷重補償装置1において補償する荷重をより適切に調整することが可能となる。
なお、上記実施形態において、荷台Sに物体を載置する場合を例に挙げて説明したが、本発明によって荷重を補償する対象としては、荷台Sに物体を載置する場合に限られない。即ち、着脱式あるいはねじ止め等によって先端部分の部材や負荷を取り換え可能なシステム(例えば種々の遮断棒を設置可能な手動式の遮断機等)に本発明を適用することが可能である。
また、本発明は、電源を必要とすることなく、補償する荷重を適切に調整可能な構成を有しているため、広範な状況において利用可能である。
例えば、農作業におけるパレタイズ作業、トラックの荷台への積み込み作業、荷捌き作業、障害者用車両における乗降補助、あるいは、立ち上がりを補助する椅子等に本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態において示す荷重補償装置1のリンク構造と実質的に同一の機能を奏するものであれば、弾性部材を複数に分割して設置したり、1つのリンクを複数に分割して設置したりすることが可能である。
なお、上記実施形態は、本発明を適用した一例を示しており、本発明の技術的範囲を限定するものではない。即ち、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができ、上記実施形態以外の各種実施形態を取ることが可能である。本発明が取ることができる各種実施形態及びその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 荷重補償装置、B 基台、L1 下リンク部材、L2 上リンク部材、L3 直動支持部材、C1 第1ばね部材、C2 第2ばね部材、C3 第3ばね部材、S 荷台、R1 第1回転軸、R2 第2回転軸、R3 第3回転軸、R4 第4回転軸、W1〜W3 ワイヤ、P1,P2 プーリ、G1,G2 摺動孔、Lv レバー、R ストッパー

Claims (6)

  1. 支持体となる基台と、
    基台に一端側が回転可能に連結された第1リンク部材と、
    基台に一端側が回転可能に連結され、前記第1リンク部材と平行リンクを構成する第2リンク部材と、
    前記第1リンク部材及び前記第2リンク部材それぞれの他端側に回転可能に連結され、負荷となる物体の重さが作用する物体設置部を直動支持する第3リンク部材と、
    前記第3リンク部材に対して前記物体設置部を弾性支持する位置調整用弾性部材と、
    前記物体設置部に作用する前記物体の重さに応じて前記位置調整用弾性部材が伸縮した長さに連動して伸縮し、当該重さを補償する弾性力を発生させる荷重支持用弾性部材と、
    を備えることを特徴とする荷重補償装置。
  2. 当該荷重補償装置を構成する部材の自重を支持する自重支持用弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の荷重補償装置。
  3. 前記自重支持用弾性部材は、前記第1リンク部材と前記基台とを前記自重に抗して弾性的に連結し、
    前記荷重支持用弾性部材は、前記物体設置部と前記第2リンク部材、または、前記物体設置部と前記基台とを前記物体の重さによる荷重に抗して弾性的に連結する請求項2に記載の荷重補償装置。
  4. 前記荷重支持用弾性部材は、当該荷重補償装置を構成する部材の自重及び前記物体の重さによる荷重を支持することを特徴とする請求項1に記載の荷重補償装置。
  5. 前記荷重支持用弾性部材は、前記物体設置部と前記第2リンク部材、または、前記物体設置部と前記基台とを前記物体の重さによる荷重に抗して弾性的に連結することを特徴とする請求項4に記載の荷重補償装置。
  6. 荷重補償装置において補償する荷重を調整する補償荷重調整方法であって、
    負荷となる物体の重さを弾性支持し、無負荷の状態から弾性支持によって釣り合った状態までの位置変化を荷重支持用弾性部材の伸縮として伝達し、当該荷重支持用弾性部材の伸縮が前記物体の重さによる荷重を補償する弾性力を発生させることを特徴とする補償荷重調整方法。
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