JP2015228896A - 遊技機 - Google Patents

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高明 市原
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潤 五位渕
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Abstract

【課題】遊技の興趣の低下を抑制し得る遊技機を提供する。【解決手段】遊技領域内の特定の領域を遊技媒体が通過したことに基づくゲームを実行可能な遊技機であって、通常遊技状態、及び該通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態を少なくとも含む複数の遊技状態のいずれかの遊技状態に設定可能な遊技状態設定手段と、現在の遊技状態が有利遊技状態であるか否かを明瞭に報知しない不明瞭モードに設定可能な不明瞭演出態様設定手段と、遊技情報に基づいて生成された遊技状態報知コマンドを受信する遊技状態報知コマンド受信手段と、不明瞭モードで遊技が進行している間に、遊技状態報知コマンドを受信した場合に現在の遊技状態を報知可能な遊技状態報知手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
始動口に遊技球が入賞することによって大当りの抽選を行い、大当りに当選した場合には大入賞口(アタッカー)が開放状態となって、より多くの賞球を得ることが可能な遊技機が知られている。このような遊技機では、遊技者の大当りの期待感を与えて遊技興趣を高めるために、さまざまな趣向を凝らした演出を実行するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−178292号公報
しかしながら、あらかじめ設定された演出が実行されるため、演出内容が遊技者に把握されてしまうおそれがあった。
本発明が解決しようとする課題は、上記事情に鑑みなされたもので、遊技者が予測しにくい演出を実行することによって、遊技の興趣が低下することを抑制可能な遊技機を提供することにある。
本発明の代表的な一形態では、複数の遊技機が設置された遊技場において、遊技領域内の特定の領域を遊技媒体が通過したことに基づくゲームを実行可能な遊技機であって、通常遊技状態、及び該通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態を少なくとも含む複数の遊技状態のいずれかの遊技状態に設定可能な遊技状態設定手段と、現在の遊技状態が前記有利遊技状態であるか否かを明瞭に報知しない不明瞭モードに設定可能な不明瞭演出態様設定手段と、遊技に関わる遊技情報を外部に送信する遊技情報送信手段と、前記複数の遊技機から収集された遊技情報に基づいて生成された遊技状態報知コマンドを外部から受信する遊技状態報知コマンド受信手段と、前記不明瞭モードで遊技が進行している間に、前記遊技状態報知コマンドを受信した場合に現在の遊技状態を報知可能な遊技状態報知手段と、を備えることを特徴とする。
「遊技状態」は、例えば、ゲームの結果が特別結果(例えば、大当り)となる確率が異なる状態である。この場合、「複数の遊技状態」には、ゲームが特別結果となる確率が低い通常遊技状態や、ゲームが特別結果となる確率が高い有利遊技状態が含まれる。なお、「遊技状態」は、これに限らず、特定の演出を実行する確率であってもよいし、遊技者にとって有用な情報を報知する確率などであってもよい。
「遊技情報」は、いわゆる遊技機における遊技状態などの情報だけでなく、遊技者の個人情報などを含んでもよい。
本発明の一形態によれば、上記課題を解決し、遊技の興趣の低下を抑制し得る遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図である。 演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 タッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 ボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 皿ユニットの平面図である。 図31におけるA−A断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 図31におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 (a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図である。 扉右下演出ユニットを前から見た斜視図である。 扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 図34(b)の扉右下演出ユニットにおけるC−C断面図である。 扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。 (a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた 状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下皿球抜きユニットを後ろから見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を前方から俯瞰した斜視図である。 遊技盤を後方から俯瞰した斜視図である。 遊技球誘導路ユニット前面側の図示を省略した遊技盤の正面図である。 図51(a)は遊技球誘導路ユニットの拡大図であり、図51(b)は遊技球誘導路ユニット長手方向の断面図である。 可動役物が動作している形態に係る遊技盤の正面図である。 可動役物が動作している他の形態に係る遊技盤の正面図である。 可動役物が動作しているさらに他の形態に係る遊技盤の正面図である。 図55(a)は落下可動役物を正面から見た斜視図であり、図55(b)は落下役物を背面から見た斜視図である。 落下役物を正面から見た分解斜視図である。 落下役物を背面から見た分解斜視図である。 落下役物の第1の動作を示す正面図である。 落下可動役物の第2の動作を示す正面図である。 可動役物が動作している他の形態に係る遊技盤の正面図である。 パチンコ遊技機及びCRユニットから各種情報を管理するための情報管理装置及びネットワークの概略図の一例を示す図である。 主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図である。 図61Bのつづきを示すブロック図である。 主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図である。 図61Bのつづきを示すブロック図である。 周辺制御MPUの概略を示すブロック図である。 液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。 パチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。 図67のつづきを示すブロック図である。 主制御基板の回路を示す回路図である。 停電監視回路を示す回路図である。 主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。 払出制御部の回路等を示す回路図である。 払出制御入力回路を示す回路図である。 図73の続きを示す回路図である。 払出モータ駆動回路を示す回路図である。 CRユニット入出力回路を示す回路図である。 主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。 主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 図79の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルである。 主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。 電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。 タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。 特別制御処理の一例を示すフローチャートである。 始動口入賞処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動中処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。 大当りの種別毎にそれぞれの特性を示す表である。 通常外部不利遊技状態にて選択されうる変動パターンテーブルの一例を示す図である。 サブメイン処理の一例を示すフローチャートである。 16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。 第1演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225a)の一例を示すフローチャートである。 第2演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225b)の一例を示すフローチャートである。 (a)は、大当り時の延長演出パターンを説明する図であり、(b)は、小当り時の延長演出パターンを説明する図であり、(c)は、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図であり、(d)は、小当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図である。 主制御MPU4100a側から演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。 主制御MPU4100a側から演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。 (a)は、第1の演出モードにあるときの大当り期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表であり、(b)は、第2の演出モードにあるときのチャレンジボーナス突入期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表である。 第1の演出モードにあるときの演出コマンド「01H」に対応付けされる表示演出パターンについての別例を示すタイムチャートである。 第1の演出モードにあるときの演出コマンド「02H」に対応付けされる表示演出パターンについての別例を示すタイムチャートである。 上皿側液晶表示装置と遊技盤側液晶表示装置とを同期させた演出表示画面の例である。 各種変動番号のコマンド、変動内容、当落及び変動時間を例示した表図である。 各種変動パターンにおける演出のタイムチャートである。 各当選種の変動パターンの発生確率の振り分け条件の一例を示した表図である。 操作価値向上演出処理の一例を示すフローチャートである。 操作価値向上要素決定処理の一例を示すフローチャートである。 制限時間決定処理Aの一例を示すフローチャートである。 操作演出処理の一例を示すフローチャートである。 演出パターンの振り分け条件の一例を示した表図である。 (a)乃至(c)は、変動番号30乃至32における制限時間の振り分け条件をそれぞれ例示した表図である。 操作価値向上演出の導入演出において表示される初期画面を例示した画面図である。 (a)乃至(d)は操作価値向上演出において表示される一連の画面を例示した画面図である。 (e)乃至(h)は操作価値向上演出において表示される一連の画面を例示した画面図である。 演出ゲート通過演出の終了時に表示される別の画面を例示した画面図である。 操作演出において操作媒体が操作されなかった場合に表示される画面の例示した画面図である。 操作価値向上演出処理の一例を示すフローチャートである。 演出ゲート通過演出パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 必要個数と有効時間との対応関係を例示した表図である。 (a)乃至(c)は操作価値向上演出において表示される一連の画面を例示した画面図である。 演出ゲート通過演出が実行される変動パターンにおける演出のタイムチャートである。 演出ゲート通過演出のタイムチャートである。 操作価値向上演出処理の一例を示すフローチャートである。 必要個数と有効時間との対応関係を例示した表図である。 (a)乃至(d)は操作価値向上演出において表示される一連の画面を例示した画面図である。 (e)及び(f)は操作価値向上演出において表示される一連の画面を例示した画面図である。 演出ゲート通過演出のタイムチャートである。 (a)乃至(d)は操作価値向上演出において表示される一連の画面を例示した画面図である。 (e)及び(f)は操作価値向上演出において表示される一連の画面を例示した画面図である。 第1実施形態における不明瞭モード設定処理の一例を示すフローチャートである。 不明瞭モードにおける遊技状態不明瞭演出の一例を示す図である。 遊技状態報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。 遊技状態報知予告演出の一例を示す図である。 遊技状態報知演出の一例を示す図であり、(A)は現在の遊技状態が確変状態、(B)は現在の遊技状態が通常遊技状態であることを示す画面例である。 第2実施形態における情報管理装置の構成を示すブロック図である。 遊技機情報の一例を示す図である。 コマンド解析処理の手順の一例を示すフローチャートである。 遊技状態報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。 遊技状態報知演出の一例を示す図であり、(A)は不明瞭モードの画面例、(B)は遊技状態報知演出の画面例を示す。 遊技状態報知演出の一例を示す図であり、(A)は現在の遊技状態が確変状態、(B)は現在の遊技状態が通常遊技状態であることを示す画面例である。 遊技システムの構成の一例を示す図である。 演出管理装置の構成を示すブロック図である。 演出管理情報の一例を示す図である。 他の遊技機に遊技状態報知演出を実行させるための手順を説明するシーケンス図である。 他の遊技機の遊技状態を報知する画面の一例を示す図である。 会員管理装置の構成を示すブロック図である。 会員情報の一例を示す図である。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 遊技状態報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。 特定の条件が成立した場合に実行される遊技状態報知演出の一例を示す図である。 第3実施形態のコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 不明瞭モード設定処理の一例を示すフローチャートである。 遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。 特典振り分けテーブルの一例を示す図である。 (A)乃至(C)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 (A)乃至(B2)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 (A)乃至(C)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 第4実施形態における大当り及び小当りの特性を示す図である。 16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。 不明瞭モード設定処理の一例を示すフローチャートである。 先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。 保留表示態様決定テーブルの一例を示す図である。 遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。 (A)乃至(C)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 (A)乃至(C)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 (A)乃至(D)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 (A)乃至(C)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 変形例1の先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。 第5実施形態の変動開始処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。 報知設定テーブルの一例を示すフローチャートである。 (A)乃至(D)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。 変形例1のコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。 (A)乃至(C)は遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の平面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口528へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェース制御基板が収容されているインターフェース制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェース制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する案内レール1001を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板を内部に収容した主制御基板ボックス1300と、遊技パネル1100の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット(図示は省略)と、主制御基板ボックス1300の上側で遊技パネル1100の後側に取付けられ遊技パネル1100を通して遊技者側から視認可能な液晶表示装置を有した裏ユニット(図示は省略)と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
パチンコ機1の扉枠3について、図10乃至図16を参照して説明する。図10はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図11は扉枠の背面図である。図12は扉枠を右前から見た斜視図であり、図13は扉枠を左前から見た斜視図であり、図14は扉枠を後ろから見た斜視図である。図15は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図16は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図15及び図16に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿(側)液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット500は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサと、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサと、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図15及び図16等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイドと、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200について、図17乃至図33を参照して詳細に説明する。図17は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図18は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図19は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図20は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図21は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、図22は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図23は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図24は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図25は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図26は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図27は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図28はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図29は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図30はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図31は皿ユニットの平面図であり、図32は図31におけるA−A断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図33は図31におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図34(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図35は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、図36は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図37は、図34(b)の扉右下演出ユニットにおけるC−C断面図である。図38は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図39は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図40は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図41は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図42(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図43(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図44は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図45は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図46(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図19及び図20に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
皿ユニット200の上皿本体212は、図19及び図20に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212では、底面が全体的に右端を低くするように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
皿ユニット200の下皿本体214は、図19及び図20に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図21乃至図24に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図23乃至図26に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図33を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図32を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース230の貫通口230b内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237bの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図27及び図28に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿側液晶表示装置244と、上皿側液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿側液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿側液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図32を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシートと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿側液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿側液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図29及び図30に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
本実施形態の演出操作ユニット220は、図32に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図33に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図21等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿側液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿側液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿側液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者がタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が、前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿側液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル246の後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿側液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図17乃至図20に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図34乃至図42に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット220の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板(図示は省略)との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図40及び図41に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクタベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図42(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図42(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図19及び図20に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300全体が、後方が開放された容器状で透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図43乃至図45に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図43(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導路315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図46等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を、開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体214に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体214との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325bの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325bが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図19及び図20等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図19及び図20等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット220の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿側液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿側液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿側液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿側液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿側液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿側液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿側液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿側液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿側液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿側液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿側液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿側液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿側液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿側液晶表示装置244を備えているため、上皿側液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿側液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿側液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿側液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿側液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿側液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿側液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿側液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿側液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿側液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿側液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿側液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット220を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿側液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿側液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿側液晶表示装置244へ移すことができ、上皿側液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット220を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿側液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット220による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット220(上皿側液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿側液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット220による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット220にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿側液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿側液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿側液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの上皿側液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
パチンコ機1によると、遊技領域5aの下側で前方へ膨出した皿ユニット200の皿ユニットカバー260の上面にタッチパネル246と上皿演出ボタン257を備えていることから、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じてタッチパネル246や上皿演出ボタン257を用いた演出(操作演出)を遊技者に提示して演出中に遊技者にタッチパネル246や上皿演出ボタン257を操作させることで、能動的に遊技者を演出に参加させることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。そして、タッチパネル246を備えた皿ユニットカバー260における下皿開口部261(上皿下被覆部262)の上側の上下の厚さを、遊技者の手で掴むことができる15mm〜50mmの範囲内の厚さとしているため、遊技者がタッチパネル246を操作する際に、遊技者がタッチパネル246と上皿下被覆部262の間を掴みながらタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246を的確に操作することができる。
詳述すると、タッチパネル246の上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さを手で掴むことができる15mm〜50mmの範囲内の厚さとしているので、例えば、親指を除いた指を上皿下被覆部262の下面に当接させた状態で、親指をタッチパネル246の上側へ位置させると、親指の移動範囲内にタッチパネル246が位置することとなり、親指でタッチパネル246を操作することが可能となる。この状態では、親指を除いた指が上皿下被覆部262の下面に当接しているため、親指を安定させることが可能となり、親指によってタッチパネル246の所望する位置に触れたり、タッチパネル246上で指を所望する方向へ移動させたりすることができ、タッチパネル246の操作性を良くしてタッチパネル246を的確に操作することができる。また、親指を上皿下被覆部262の下面に当接させた場合は、その他の指でタッチパネル246を操作することができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。従って、タッチパネル246が操作し易くなることから、タッチパネル246を用いた演出の際に、的確にタッチパネル246を簡単に操作することができ、タッチパネル246の操作による演出により遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチパネル246を、皿ユニットカバー260の前端から後方へ60mmまでの範囲内に備えており、タッチパネル246と上皿下被覆部262とを前端側から掴んでタッチパネル246を操作する際に、操作する指が届く範囲にタッチパネル246が配置されるため、指を安定させた状態でタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチパネル246の上面を、前方側から後方側へ向かうに従って高くなるように傾斜させているため、タッチパネル246の面が遊技者側を向いてタッチパネル246が見易くなり、遊技者によるタッチパネル246の操作性を良くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タッチパネル246の上面が後方側へ向かうに従って高くなることから、タッチパネル246と上皿下被覆部262との間の厚さが後方側へ向かうに従って厚くなるため、後方側へ向かうに従って皿ユニット200の強度・剛性が高くなる。従って、タッチパネル246が上側から叩かれたり強く押圧されたりしても、タッチパネル246や皿ユニットカバー260等を壊れ難くすることができ、タッチパネル246等の破損によって遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを低減させることができる。
また、タッチパネル246を通して上側から視認可能とされた上皿側液晶表示装置244を備えているため、遊技者に対してタッチパネル246を操作させる際に、上皿側液晶表示装置244によってタッチパネル246の操作目的に応じた画像を表示させることで、遊技者がタッチパネル246の操作方法を知らなくても表示された画像の内容によってタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246の操作性を良くすることができる。
また、上皿側液晶表示装置244を備えているため、遊技状態に応じて演出画像を表示させることで、タッチパネル246の操作演出の他に、演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者を飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチパネル246を左右の中央に配置しているため、タッチパネル246が見易くなると共に、遊技者の左右両手の何れの側からも同じ距離となり、遊技者の使い易い側の手でタッチパネル246を操作すれば良く、使い易い手でタッチパネル246を操作させることでタッチパネル246の操作性を良くすることができる。従って、タッチパネル246を用いた演出が行われる際に、タッチパネル246を即座に視認して操作することができ、操作演出に対して素早く対応できることで遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技者が操作可能な上皿演出ボタン257を備えており、遊技状態に応じて提示される操作演出において、タッチパネル246によるタッチ操作に加えて、上皿演出ボタン257による押圧操作を行わせることができるため、多様な操作演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチパネル246の後辺に沿って遊技球を貯留する上皿201(上皿本体212)の一部(誘導通路部212a)が上方へ開口しているため、例えば、上皿201の誘導通路部212aに、親指を除いた指を係止させ、親指でタッチパネル246を操作することで、誘導通路部212aに係止させた指によって親指を安定させることができ、タッチパネル246の操作性を良くして上述と同様の作用効果を奏することができると共に、タッチパネル246と上皿下被覆部262との間を掴んだり誘導通路部212aに指を係止したりすることで、タッチパネル246を操作する指を安定させて操作性を高めることができるため、遊技者の癖や好みに応じて指を安定させるための手の置き方を選択させることができ、より多様な遊技者に対応することが可能となり、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤5の構成例について、図47−図49を参照して説明する。図47は遊技盤5の正面図であり、図48は遊技盤5を前方から俯瞰した斜視図であり、図49は遊技盤5を後方から俯瞰した斜視図である。図示するように、パチンコ機1における遊技盤5は外レール6002及び内レール6003を有し、遊技球が打ち込まれる遊技領域5aの外周を区画形成する枠状の前構成部材6001と、前構成部材6001の後側で遊技領域5aを閉鎖するように配置された遊技パネル1100と、遊技領域5aの外側でアウト口6006よりも左側の前構成部材6001下部に配置された機能表示ユニット6040と、遊技領域5a内の左右方向右側でアウト口6006の上側に配置され遊技パネル1100の前面に支持されるアタッカユニット2000と、遊技領域5a内の右側領域に配置され遊技パネル1100の前面でその上下に亘って支持される遊技球誘導路ユニット6010と、遊技領域5aの略中央部分に配置され遊技パネル1100に支持される枠状のセンター役物2300と、遊技パネル1100の後側に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技パネル1100及びセンター役物(枠状装飾体)2300の枠内を通して遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置(遊技盤側液晶表示装置)1400と、を主に備えている。
アタッカユニット2000は、遊技パネル1100における右側下部に形成された開口部に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1100の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2000は、遊技領域5a内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされる複数の受入口を有している。具体的には、左右方向の略中央に配置され、特別抽選結果が得られる第一始動口2001と、第一始動口2001の右側に配置され左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2003と、大入賞口2003の左側及び第一始動口2001の右側に配置された一般入賞口2004と、第一始動口と同様に特別抽選結果が得られる第二始動口を備えた第二始動口ユニット2005とを備えている。第二始動口ユニット2005は大入賞口2003のほぼ真上に存在する。
第二始動口ユニット2005は、遊技球の通過を契機として所定の普通抽選結果が抽選される普通ゲート2005aと、第二始動口2005cと、普通ゲートの普通抽選結果に応じて第二始動口を開閉する可動片2005bと、普通ゲート2005aを通過した後可動片2005bが閉鎖されていることによって第二始動口2005cへ行けない遊技球2006aを大入賞口へ向けて排出する遊技球排出ルート2005dと、普通ゲート2005aを通過した後可動片2005bが開放されていることによって第二始動口2005cへ遊技球を案内可能な遊技球案内ルート2005eと、が一体化したものとして構成されている。第二始動口ユニット2005の開始端は既述の遊技球誘導路ユニット6010の終端に連通しており、遊技球が右打ちされて遊技球誘導路ユニット6010に入ると遊技球誘導路ユニット6010内を落下して第二始動口ユニット2005に至る。次いで、遊技球はそのまま第二始動口ユニットの普通ゲート2005aを通過した後可動片2005bに至り、可動片2005bが開放している場合には遊技球案内ルート2005eを通過して第二始動口2005cに入球し、一方、可動片2005bが閉鎖されている場合には、遊技球排出ルート2005dを通過して大入賞口2003に向かって落下する。可動片2005bの開閉はソレノイドによって実行される。
第一始動口2001と一般入賞口2004は上側が開放されており遊技球が常時受入可能となっている。大入賞口2003は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2006によって開閉可能とされている。この開閉部材2006は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2003を閉鎖して遊技球を受入不能とし、上辺が前側へ傾斜するように回動すると、大入賞口2003を開放して遊技球を受入可能とするようになっている。この開閉部材2006は、通常の遊技状態では大入賞口2003を閉鎖した状態となっており、第一始動口2001や第二始動口2005cへ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで行われる特別抽選(大当り抽選)の結果に応じて(特別抽選の結果が「大当り」又は「小当り」の時に)アタッカソレノイドの駆動により開閉するようになっている。ただし後述するが、本実施形態にかかる開閉部材2006は、特別抽選の結果が「大当り(特別当り)」のときは、条件装置が作動したのちに有効ゲート(後述)への遊技球の受け入れがあったことを条件に、アタッカソレノイドの駆動により開閉可能とされる。有効ゲートは、条件装置が作動した後での物連続作動装置を有効にするための特殊ゲートである。有効ゲートは、大当りが当選されたときに、役物連続作動装置が作動するタイミングを遅延させることのできる機能をパチンコ機1に持たせるべく用意されたものである。
次に、遊技球誘導路ユニット6000の詳細について説明する。遊技球誘導路ユニット6000は、中空のチューブの形態に形成された樹脂部製品からなり、既述のとおり遊技領域5aの右側で上下に亘って遊技パネル1100に取り付けられている。図50は遊技球誘導路ユニット6010の前面側の部分の図示を省略して、中空チューブの内部構造を示している。図51の(a)は図50の遊技球誘導路ユニット6010を拡大したものであり、図51(b)は遊技球誘導路ユニット6010長手方向の断面図である。
遊技球誘導路ユニット6010の開始端6010aは遊技領域の右側ほぼ最上部の箇所で開放されて構成されており、右打ちされて反射板6010bで跳ね返され、遊技領域の右側を流下しようとする遊技球の全てが開始端6010aから遊技球誘導路ユニット6010内に供給される。遊技球誘導路ユニット6010の開始端6010aに続く所定幅の前半部領域はほぼ直行する直行部6010cとこれに続いて屈曲形状の屈曲部6010dとから形成されている。直行部6010cの終端で屈曲部6010dの始端には演出ゲート6011が形成されている。演出ゲート6011を遊技球が通過すると遊技球の通過情報は周辺制御基板(又は主制御基板)に供給され、周辺制御基板は遊技球の演出ゲート6011の通過を契機として、遊技球の右打ちを有効にする遊技状態において液晶表示装置1400を含む演出装置の所定演出情報を形成する。演出ゲート6011を通過した遊技球は屈曲部6010d内を左右方向に往復しながら通過した後直線部6010eに誘導される。屈曲部6010dは遊技球の進行を屈曲させることによって遊技球の落下速度を緩和させる。
遊技球誘導路ユニットの屈曲部6010dに続く直線部6010eは、比較的長い幅を持ってほぼ垂直に下降した直線状に形成されている。51図(b)に示すように、この直線部6010eにおける遊技球誘導路ユニットの前面側6010fにはその後面側6010gに部に向かって突出する、断面半球状の凸状体6010hが複数設けられ、後面部からも前面部に向かって突出する凸状体6010hが設けられている。前面側6010fにある凸状体と後面側6010gにある凸状体は千鳥状に形成されているため、直線部6010e内を流下する遊技機球6010iは千鳥状に配置された複数の凸状体に順番に接触して前後に短く曲がりながら進むため遊技球の落下速度が緩和される。凸状体6010hの前後方向の高さは、遊技球誘導路ユニットを通過する遊技球の進行を損なわない範囲で設定されている。なお、遊技球の落下速度を調整するために、一部の凸状体の遊技球の進行方向の幅を、符号6010jに示すように大きくするようにしてもよい。なお、直線部6010eは人の頭部型可動役物を避けるために、屈曲部6010dのように屈曲しないで直線状に形成されている。
遊技球誘導路ユニット6010の遊技領域下側領域には直線部6010eに続く膨出部6010kが形成されている。膨出部6010k内には内部チューブ6010mが形成されており、内部チューブ6010mは既述の第二始動口ユニット2005に通じている。内部チューブ6010mの開始端には既述の有効ゲート6010nが設けられており、直線部6010e内を落下しながら進む遊技球はそのまま内部チューブ6010mに向かい、有効ゲート6010nを通過した後第二始動口ユニット2005に到達する。遊技球誘導路ユニット6000内を通過する遊技球は、特に、屈曲部6010dと直線部6010e内を通過する過程でその落下速度が緩和される。したがって、遊技球がその速度が緩和されずに自由落下した場合に比較して、遊技球が演出ゲート6011を通過してから有効ゲート6010nを通過するまで時間を稼ぐことができる。したがって、その分、周辺制御基板は液晶表示装置等での演出に掛けられる時間に余裕を持つことができるため、効果的な演出を遊技者に対して提供することができる。このことの詳細については後述する。なお、普通ゲート2005a、演出ゲート6011、及び、有効ゲート6010nは遊技球の通過を検出するゲートスイッチ(ゲートセンサ)を備えている。
センター役物2300は、遊技パネル1100の略中央を貫通するように大きく形成された開口部に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1100の前面に固定されるものであり、図47等で図示するように、遊技領域5aの大半を占める大きさで枠状に形成されている。図52に示すように、センター役物2300の上部にはロゴを模したロゴ可動役物6200が正面視で右側を中心として遊技盤の中心に向けて反時計方向に往復傾動可能に設けられ、また、図53に示されるように、センター役物2300の右側には人(ゾンビ)の頭部を模したゾンビ可動役物6201が正面視で遊技パネル1100の右側から中心に向けて直線状に進退可能に設けられ、同じ図53に示されるように、センター役物左側には矩形状可動役物6202が下側を中心にて時計方向に往復傾動可能に設けられている。周辺制御基板は遊技状態に合わせて、可動役物の可動態様を制御する。
図49に示すように、裏ユニット3000は、遊技パネル1100の後側に取付けられており、主に、遊技パネル1100から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置1400を支持する裏箱3001と、裏箱3001内において、液晶表示装置1400の前方に配置される後述のシャッタ型可動役物と、液晶表示装置1400の前方を落下可能な爪を模した落下可動役物(後述)とを備えて構成されている。裏箱3001の下方には盤用基板ホルダ6023が固定されている。盤用基板ホルダ6023には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板を収納する主制御基板ボックス6024が備えられている。また、裏箱3001の背面には、周辺制御基板が収納される周辺基板ボックス6022が取り付けられている。
図54に示すように、シャッタ型可動役物6301は上側シャッタ体6302と下側シャッタ体6303とから構成されている。上側シャッタ体6302は液晶表示装置1400の前面でセンター役物2300上部の背面から液晶表示装置1400中心部との間を進退可能に裏箱3001に支持され、下側シャッタ体6303は液晶表示装置1400の前面でセンター役物下部の裏側から液晶表示装置の中心部との間を進退可能に支持されている。周辺制御基板は遊技状態に合わせて上側シャッタ体6020と下側シャッタ体6303とを別に或いは同時に可動させて、液晶表示装置1400の画像1400a前面で上側シャッタ体6302と下側シャッタ体6303とが合体した一体シャッタ体を形成する。
図60に示すように、落下可動役物6250は遊技パネル1100の上部の非開口領域から液晶表示装置1400の前面まで比較的大きな幅を突然に落下するものである。よって、遊技機は、遊技者の注意が既述の上皿側液晶表示装置244(タッチパネル246)に向いている場合に遊技者の注意、視点を遊技パネル1100側(遊技領域5a側)の液晶表示装置に向けさせることができる。次に、落下可動役物6250の詳細について説明する。図55(a)は落下可動役物を正面から見た斜視図であり、(b)は落下役物を背面から見た斜視図であり、図56は落下役物を正面から見た分解斜視図であり、図57は落下役物を背面から見た分解斜視図であり、図58は落下役物の第1の動作を示す正面図であり、図59は落下可動役物の第2の動作を示す正面図である。
落下可動役物は、爪を模した落下体6250aと、落下体を支持するアーム体6250bと、アーム体6250bの基部6251を支持して落下体6250aの落下挙動を制御するフォルダ6250cと、を備えて構成されている。フォルダ6250cは裏箱3001に対して遊技領域5aの右側でセンター役物2300の陰に来るように固定されている。
フォルダ6250cはフロントカバー6250dとリアカバー6253eによってアーム体6250bの駆動機構6250fが収容されるように構成されている。駆動機構6250fは、基部6251のテーパ部6250eの底面に接触するカム6251fと、カム6251fを回転駆動するための第1のモータ6250gと、基部6251の上下動作を案内する第1のレール6250h、及び、第2のレール6250iと、第2のレール6250iに沿って上下動するラック6250jと、ラック6250jに噛合してラック6250jを上下させるピニオン6250kと、ピニオンを回転駆動するための第2のモータ6250mと、を備えている。第1のレール6250hはフォルダ6250cのほぼ半分の高さに形成され、第1のレール6250hの下端部はリアカバー6253e内面のリブ6250rに嵌入されて支持されている。落下体6250aが下降する際には基部6251の下端がリブ6250rに当接することによって、落下体6250aの最下降位置がフォルダのほぼ中心に規制されている。
図58に示すように、カム6251fが基部6251のテーパ部6250eに接触していて、テーパ部6250eがカム6251fの最大径で支持されている場合(図58(a))では、落下体6250aはその最上端位置で支持されている。カム6251fが第1のモータ6250gによって時計方向に少ない角度の範囲内で往復すると、カム6251fとテーパ部6250eの底面との接触位置が図58の(b)で示すように僅かに上下動し、これに伴って、一点鎖線で示すように、落下体6250aもセンター役物2300の上端位置から僅かに露出するように上下動する。一方、カム6251fの回転角度が大きくなり、カム6251fとテーパ部6250eの底面との係合状態がついに解除されると、落下体6250aは自由落下してセンター役物2300の裏側から液晶表示装置1400の前面の中間位置くらいまでで一気に下降する(図59(a)、図60)。
この状態から第2のモータ6250mがピニオン6250kを回転させてラック6250jを上昇させると(図59(b))、ラック6250jに押されるようにして落下体6250aも上昇する。落下体6250aが最上端位置まで上昇された後、第1のモータ6250gがカム6251fをテーパ部6250eの底面に当接するまで回転することによって落下体6250aはカム6251fで支持され最上端位置に復帰する。次いで、第2のモータ6250mがピニオン6250kを逆回転させることによりラック6250jを最下端位置まで下降する。第2のレール6250iはラックの上下動をガイドするために、第1のレール6250hとは異なりフォルダ6250cの上下方向長さにほぼ等しい長さに形成されている。なお、カム6251fの位置、ラック6250jの位置はフォトセンサ6250p,6250qによって検出され、周辺制御基板はフォトセンサからの出力に応じて、第1のモータ6250g、及び、第2のモータ6250mの回転位置を制御する。
次に、遊技場(ホール)に設置される複数の遊技機の各種情報を管理する情報管理装置5000及びネットワークについて、図61Aを参照して説明する。図61Aはパチンコ遊技機及びCRユニットから各種情報を管理するための情報管理装置及びネットワークの概略図の一例を示す図である。本実施形態のパチンコ遊技機1は、他のパチンコ遊技機1や後述する情報管理装置5000(いわゆる、ホールコンピュータ)などの外部機器との間で通信可能に構成されている。
遊技場(ホール)側には、情報管理装置5000、会員管理装置5100、中継装置5200、及びネットワーク5250が備えられており、情報管理装置5000、会員管理装置5100、及び中継装置5200がLANケーブル等によって接続されることにより、ネットワーク5250が形成されている。
情報管理装置5000は、中継装置5200及びネットワーク5250を介して、ホールに設置されるパチンコ遊技機1と、パチンコ遊技機1と隣接して設置されるCRユニット6と、からの各種情報を収集し、遊技者の遊技を監視する。収集される各種情報には、パチンコ遊技機1によって払い出された遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等が含まれる。
会員管理装置5100は、会員登録した遊技者の会員情報を管理する。会員情報には、遊技者の個人情報や貯玉情報などが含まれる。パチンコ遊技機1のCRユニット6にプリペイドカード(会員カード、ワンデイカード)が挿入されると、会員管理装置5100から会員情報が取得される。このとき、会員情報として遊技場への来店回数などを更新してもよい。
図61Aに示す構成では、中継装置5200に2台のパチンコ遊技機1と、2台のCRユニット6と、が接続されており、パチンコ遊技機1及びCRユニット6からの各種情報を、ネットワーク5250を介して、情報管理装置5000に送信している。情報管理装置5000は、ホールに設置されたパチンコ遊技機1及びCRユニット6を台番号ごとに受信した各種情報を集計する。
また、情報管理装置5000は、パチンコ遊技機1から、中継装置5200及びネットワーク5250を介して、要求情報を受信すると、要求元のパチンコ遊技機1に情報を送信する。このとき、情報管理装置5000は、受信した要求情報を解析し、正常であるか否かを判定し、正常でなかった(異常であった)場合には、要求情報を再送信するように要求元のパチンコ遊技機1に応答する。要求情報が正常でない場合は、例えば、ノイズなどの影響により、信号が変化してしまった場合などがある。
一方、パチンコ遊技機1は、中継装置5200及びネットワーク5250を介して、情報管理装置5000から情報を取得することが可能に構成されている。また、パチンコ遊技機1は、情報管理装置5000との間以外に、他のパチンコ遊技機1との間で情報を送受信することができる。パチンコ遊技機1は、外部から取得した情報に基づいて、多様な演出を実行するように構成することができる。なお、パチンコ遊技機1が外部から情報を取得する場合には、遊技に影響を与えないように演出を制御する周辺制御基板4140(いわゆるサブ基板)のみがパチンコ遊技機1が外部から情報を取得できるようにしてもよい。
本実施形態では、後述するように、払出制御基板4110に接続された外部端子板784や周辺制御基板4140に接続された外部情報送受信基板5500を介して外部機器と通信する。外部端子板784からの通信は、パチンコ遊技機1から情報を送信する単方向通信となっており、外部情報送受信基板5500からの通信は双方向通信となっている。
また、パチンコ遊技機1が情報を取得する外部機器は、情報管理装置5000や他のパチンコ遊技機以外に、会員情報を管理する会員管理装置から会員個人の遊技情報を取得するようにしてもよい。さらに、演出制御情報を管理する演出管理装置(演出制御サーバ)をネットワーク5250に接続することによって、演出内容を遊技場(ホール)側で制御可能とするようにしてもよい。さらに、ネットワーク5250をインターネット等に接続し、複数の遊技場で利用可能な演出管理装置を設けるようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について、図61B〜図66を参照して説明する。図61B、図62及び図64は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図である。図61Bは主制御基板の構成、図62は払出制御基板及び電源基板の構成、図64は周辺制御基板の構成を示す。図63は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図である。図65は周辺制御MPUの概略を示すブロック図である。図66は液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ遊技機1の制御構成は、図61Bに示すように、主制御基板4100、払出制御基板4110及び周辺制御基板4140から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板について説明し、続いて払出制御基板、電源基板、そして周辺制御基板について説明する。
主制御基板4100は、遊技の進行を制御し、主制御MPU4100aと、主制御入力回路4100bと、主制御出力回路4100cと、主制御ソレノイド駆動回路4100dと、停電監視回路4100eと、を主として備えている。
主制御MPU4100aは、各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである。ROMには、例えば、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどが記憶される。
主制御入力回路4100bは、各種検出スイッチからの検出信号が入力される。主制御出力回路4100cは、各種信号を外部の基板等へ出力する。主制御ソレノイド駆動回路4100dは、可動役物用等各種ソレノイドを駆動する。停電監視回路4100eは、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する。
主制御MPU4100aには、RAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、ROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカーによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができる。
主制御入力回路4100bは、各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられておらず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路4100bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路4100bは、各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が、後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、当該情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路4100cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されている。主制御出力回路4100cは、リセット機能付き主制御出力回路4100caと、リセット機能なし主制御出力回路4100cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路4100caは、各種入力端子に各種信号を外部の基板等に出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有する。
リセット機能付き主制御出力回路4100caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路4100caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。
これに対し、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等に出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、当該情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
始動口スイッチ3022及び一般入賞口スイッチ3020からの検出信号、停電監視回路4100eからの信号は、主制御入力回路4100bを介して、主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。始動口スイッチ3022は、第一始動口スイッチと第二始動口スイッチとを総称したものであり、第一始動口2001、第二始動口2005c夫々に入球した遊技球を検出する。一般入賞口スイッチ3020は、一般入賞口2104に入球した遊技球を検出する。
また、ゲートスイッチ2352、カウントスイッチ2110、及び、磁気検出スイッチ3024からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継端子板4161、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。ゲートスイッチ2352は、普通ゲート2005a、有効ゲート6010nを通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2352を総称したものである。カウントスイッチ2110は、大入賞口2003に入球した遊技球を検出する。磁気検出スイッチ3024は、裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する。
主制御MPU4100aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路4100dからパネル中継端子板4161を介して始動口ソレノイド(可動片2005b駆動用ソレノイド)2105及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力する。
さらに、主制御MPU4100aは、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caからパネル中継端子板4161、そして機能表示基板1191を介して各種表示器に信号を出力する。各種表示器には、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、及びラウンド表示器1190が含まれる。
また、主制御MPU4100aは、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に各種情報(遊技情報)を出力する。さらに、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから停電監視回路4100eに信号(停電クリア信号)を出力する。
なお、本実施形態おいて、始動口スイッチ3022、ゲートスイッチ2352、及び、カウントスイッチ2110には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口スイッチ3020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2001や第二始動口2005cに頻繁に入球し、ゲートも頻繁に通過するため、始動口スイッチ3022、及び、ゲートスイッチ2352による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、始動口スイッチ3022、及びゲートスイッチ2352には、寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態(特別遊技状態)が発生すると、大入賞口2003が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントスイッチ2110による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントスイッチ2110にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対し、一般入賞口2004には遊技球が頻繁に入球しないため、一般入賞口スイッチ3020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口スイッチ3020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
払出制御基板4110は、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常に受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板4100に出力する。払主ACK信号は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
また、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路4100bで受信することにより、主制御入力回路4100bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。
制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常に受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力する。主払ACK信号は、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に出力される。
また、主制御MPU4100aは、所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信する。そして、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板4140に各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU4100aは、主制御CPUコア4100aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート4100ae等がバス4100ahを介して回路接続されている(図71を参照)。
主周シリアル送信ポート4100aeは、周辺制御基板4140に各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ4100aea、送信バッファレジスタ4100aeb、シリアル管理部4100aec等を主として構成されている(図71を参照)。
主制御CPUコア4100aaは、コマンドを送信バッファレジスタ4100aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部4100aecに出力する。そして、シリアル管理部4100aecは、送信バッファレジスタ4100aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ4100aebから送信シフトレジスタ4100aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア4100aaは、送信バッファレジスタ4100aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部4100aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板4140に送信している。
なお、主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図67を参照)を備えている。キャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。
主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されると、操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板4110から出力される。RAMクリア信号は、主制御入力回路4100bを介して、主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。主制御MPU4100aは、RAMクリア信号の入力を契機として、主制御内蔵RAMの内容を完全に消去(クリア)する。
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板4110は、図62に示すように、払出制御部4120と、操作スイッチ860aとエラーLED表示器860bと、を備える。払出制御部4120は、払い出しに関する各種制御を行う。操作スイッチ860aは、各種機能を兼用する。また、操作スイッチ860aは、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備え、操作によって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。エラーLED表示器860bは、パチンコ遊技機1の状態を表示する。
払出制御部4120は、図62に示すように、払出制御MPU4120aと、払出制御入力回路4120bと、払出制御出力回路4120cと、払出モータ駆動回路4120dと、CRユニット入出力回路4120eと、を備える。払出制御MPU4120aは、各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである。各種制御プログラムには、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムが含まれる。
払出制御入力回路4120bは、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される。払出制御出力回路4120cは、各種信号を外部の基板等へ出力する。払出モータ駆動回路4120dは、払出モータ744に駆動信号を出力する。CRユニット入出力回路4120eは、CRユニット6との各種信号をやり取りする。払出制御MPU4120aには、内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御によって、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御I/Oポートを介して払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。
また、払出制御プログラムは、エラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドを生成し、それぞれを払主シリアルデータ送信信号として払出制御I/Oポートを介して主制御基板4100の受信ポートに対し、シリアル方式のシリアルデータとして出力する(コマンド送信手段)。
エラー発生コマンドには、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として生成される枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)が含まれる。また、エラー解除ナビコマンドには、エラー解除部としての操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)に基づいて作成される16ビット(2バイト)のコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)が含まれる。
また、払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、すなわち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されたりして払出制御が開始された後、払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ860aの操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618から開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉枠開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619から開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618から閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)を出力するとともに、本体枠開放スイッチ619から閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路4120bは、各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路4120bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路4120bは、各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、当該情報に基づく各種信号が各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路4120cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、リセット機能付き払出制御出力回路4120caと、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有する。リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、リセット端子が設けられておらず、リセット機能を有していない。
リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等に出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、当該情報に基づく信号が各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。
これに対し、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等に出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、当該情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
球切れスイッチ750及び計数スイッチ751からの検出信号は、まず、賞球装置の賞球ケース内基板、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。球切れスイッチ750は賞球装置の供給通路内に遊技球の有無を検出し、計数スイッチ751は賞球装置の賞球通路内を流下する遊技球を検出する。
回転角スイッチ752からの検出信号は、まず賞球装置の回転角スイッチ基板753、そして賞球ケース内基板、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。回転角スイッチ752は、賞球装置の回転検出盤に形成された検出スリットを検出する。
また、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。扉枠開放スイッチ618は本体枠に対する扉枠の開放を検出し、本体枠開放スイッチ619は外枠に対する本体枠の開放を検出する。
また、満タンスイッチ550からの検出信号は、まずハンドル中継端子板192、電源基板851、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路4120bを介して、シリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)を、払出制御入力回路4120bを介して主制御基板4100に対して出力する。
払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから主制御基板4100に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU4120aは、シリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板4100は、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板4110に出力する。主払ACK信号は、払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
また、払出制御MPU4120aは、所定の出力ポートの出力端子から、払出モータを駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号を払出モータ駆動回路に出力する。払出モータ駆動回路に入力された駆動信号は、賞球ケース内基板を介して払出モータに出力される。さらに、払出制御MPU4120aは、所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、駆動信号をエラーLED表示器860bに出力する。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。
例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知する。また、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨を報知する。具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨を報知している。
数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨を報知する。具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路内に遊技球がない旨を報知している。数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨を報知する。具体的には、回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨を報知している。
数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨を報知する。具体的には、計数スイッチ751からの検出信号に基づいて計数スイッチ751に不具合が生じている旨を報知している。数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨を報知する。具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨を報知している。数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨を報知する。具体的には、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて貯留された遊技球で満タンである旨を報知している。
数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨を報知する。払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨を報知している。数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨を報知する。具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨を報知している。
また、払出制御MPU4120aは、所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力する。
また、払出制御基板4110は、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板に出力している。外部端子板は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ(情報管理装置5000、図61A)に遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容あるいはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。
外部端子板とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ遊技機1の外部端子板を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっている。また、ホールコンピュータからパチンコ遊技機1の外部端子板を経由して遊技を進行する主制御基板4100や払出等を制御する払出制御基板4110に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ遊技機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず、度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信する。球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号は、CRユニット入出力回路4120eを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新する。さらに、残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、度数表示板365に出力し、当該信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。また、残度数表示器365cに隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図67を参照)を備えている。キャパシタBC1により払出制御MPU4120aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することが可能となっている。
払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ860aが操作されると、操作信号が払出制御入力回路4120bを介して、払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。払出制御MPU4120aは、払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御内蔵RAMから記憶されている各種情報を完全に消去(クリア)する。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に出力されるようにも構成されている。
ここで、払出制御部4120とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図63に基づいて説明する。
遊技球等貸出装置接続端子板869は、図63に示すように、CRユニット6と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。
CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板4110との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板851からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。
CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365には球貸スイッチ365aと返却スイッチ365bが実装され、また、セグメント表示器である残度数表示器365cが実装されている。
球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bは、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸スイッチ365aは、貸球ボタン361が押圧操作されると、球貸スイッチ365aのスイッチが入り(ONし)、球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。返却スイッチ365bは、返却ボタン362が押圧操作されると、返却スイッチ365bのスイッチが入り(ONし)、返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが主扉中継端子板880、遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。
残度数表示器365cは、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御される。このような点灯制御によって、残度数表示器365cは、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。
残度数表示器365cには、デジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880を介して入力される。デジット信号DG0〜DG2は、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するための信号である。セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するための信号である。
残度数表示器365cは、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器を順次発光させ、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようにしている。
なお、残度数表示器365cに隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。CRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。
CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板851から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成している。球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bが有効である球貸可能な状態である場合には、球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って残度数表示器365cに入力されている。
CRユニット6は、貸球ボタンが押圧操作されると、球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力される。CRユニット6は、球貸操作信号TDSが入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力する。
そして、CRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力する。
BRDY及びBRQが入力される払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。また、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する。
なお、例えば、貸球ボタン361が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン362が押圧操作されて返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。返却されたプリペイドカードは、貸球ボタン361が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
次に、電源基板851について簡単に説明する。電源基板851は、電源スイッチ852と、電源制御部855と、発射制御部857と、を備えている。電源スイッチ852は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりする。電源制御部855は、各種電源を生成する。発射制御部857は、打球発射装置の発射ソレノイドによる発射制御及び球送ソレノイドによる球送制御を行う。
電源制御部855は、同期整流回路855aと、力率改善回路855bと、平滑化回路855cと、電源作成回路855dと、を備える。同期整流回路855aは、電源スイッチ852が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する。力率改善回路855bは、同期整流回路855aで整流された電力の力率を改善する。平滑化回路855cは、力率改善回路855bで力率が改善された電力を平滑化する。電源作成回路855dは、平滑化回路855cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する。
発射制御部857は、発射制御回路857aを主要な構成とし、発射ソレノイドによる発射制御と、球送による球送制御と、を行う。発射制御回路857aには、ハンドル中継端子板192を介して、ポテンショメータ512からの操作信号と、タッチスイッチ516からの検出信号と、発射停止スイッチ518からの検出信号と、が入力される。
ポテンショメータ512は、遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節する。タッチスイッチ516は、手のひらや指が触れているか否かを検出する。発射停止スイッチ518は、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する。
また、発射制御回路857aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板4110を介して入力される。
発射制御回路857aは、ポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド654に出力する制御を行う。
周辺制御基板4140は、図64に示すように、周辺制御部4150と、液晶及び音制御部4160と、リアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、音量調整ボリューム4140aと、を備える。
周辺制御部4150は、主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行う。液晶及び音制御部4160は、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行うとともにタッチパネル246の接触状態の検知制御を行う一方、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音制御を行う。
RTC制御部4165は、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持する計時手段である。音量調整ボリューム4140aは、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音量を、つまみ部を回動操作することにより調節する。
演出制御を行う周辺制御部4150は、図64に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4150aと、周辺制御ROM4150bと、周辺制御RAM4150cと、周辺制御SRAM4150dと、周辺制御外部ウォッチドックタイマ4150e(以下、「周辺制御外部WDT4150e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御ROM4150bは、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御する。また、電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する。
周辺制御RAM4150cは、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する。
周辺制御SRAM4150dは、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する。周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aが正常に動作しているか否かを監視する。
また、周辺制御部4150は、演出ゲート6011のスイッチによる遊技球の通過情報や、上皿演出ボタン257等演出操作手段の操作の入力情報を受け付けて演出動作を制御している。
周辺制御RAM4150cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)では記憶された内容を保持することができない。これに対し、周辺制御SRAM4150dは、電源基板に設けられた大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。
なお、電源基板にSRAM用電解コンデンサが設けられていることから、遊技盤5をパチンコ遊技機1から取り外すと、周辺制御SRAM4150dにバックアップ電源が供給されなくなる。その結果、周辺制御SRAM4150dは、記憶された内容を保持することができなくなり、その内容を失う。
周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかける。
つまり、周辺制御MPU4150aが一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT4150eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力しない場合にリセットがかかるようになっている。すなわち、周辺制御MPU4150aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力することによって周辺制御外部WDT4150eのタイマカウントを再スタートさせることが可能となり、リセットがかからないようにすることができる。
周辺制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵している。主制御基板4100からの各種コマンドを受信すると、受信した各種コマンドに基づいて、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、枠装飾駆動アンプ基板194等の演出制御用の各種基板に制御信号を送信する。
具体的には、周辺制御MPU4150aは、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データを、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信する。また、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信する。
周辺制御MPU4150aは、扉枠に設けたダイヤル駆動モータ等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板、そして周辺扉中継端子板を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。さらに、扉枠の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板、そして周辺扉中継端子板を介して枠装飾駆動アンプ基板に送信する。
主制御基板4100からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、ハンドルユニット500に設けられた、ダイヤル操作部の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化される。そして、シリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板、枠周辺中継端子板、周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体(可動役物)の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号、さらに、演出ゲート6011のゲートスイッチからの検出信号、演出ボタン等の押圧スイッチからの検出信号は、モータ駆動基板4180等に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化される。シリアル化された検出データは、遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力される。
周辺制御MPU4150aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板4140とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行う。
なお、周辺制御MPU4150aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT4150eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
また、周辺制御MPU4150aは、外部情報送受信基板5500を介して双方向に外部機器と各種情報を送受信可能に構成されている。外部情報送受信基板5500は、ランプ駆動基板4170やモータ駆動基板4180と同様に、遊技盤5に取り付けられており、遊技場(ホール)側に備えられた、中継装置5200、ネットワーク5250を介して、外部機器と各種情報を送受信する。外部機器は、例えば、遊技場(ホール)の管理室に設置されたホールコンピュータである情報管理装置5000である。また、他の遊技機であってもよいし、情報管理装置5000以外の装置であってもよい。
外部情報送受信基板5500と外部機器とが双方向に各種情報を送受信することにより、周辺制御MPU4150aは、外部情報送受信基板5500を介して、各種情報を送受信可能に構成されている。なお、このように、外部情報送受信基板5500と外部機器との間は、双方向の通信であるのに対して、払出制御基板4110に接続された外部端子板784と中継装置5200との間は、外部端子板784から中継装置5200への単方向の通信である点で相違している。
周辺制御基板4140と主制御基板4100との間は、主制御基板4100から周辺制御基板4140への単方向の通信であるため、外部機器から受信した情報を利用しても大当りの確率を変更するなど、遊技者に付与される遊技価値を変更することはできないようにあっている。なお、後述するように、外部機器から受信した情報に基づいて演出を構成することが可能となっているため、よりバリエーションに富んだ演出を実行することが可能となっている。
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU4150aについて説明する。周辺制御MPU4150aは、図65に示すように、周辺制御CPUコア4150aaを中心に、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMA(Direct Memory Access)コントローラ4150ac、周辺制御バスコントローラ4150ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)4150ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMAコントローラ4150acに対し、内部バス4150ahを介して、各種データを読み書きする。一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150akに対しては、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、周辺バス4150aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御ROM4150bに対し、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、外部バス4150hを介して、各種データを読み込む。一方、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150dに対しては、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、各種記憶装置と各種入出力装置との間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラである。各種記憶装置には、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等が含まれる。また、各種入出力装置には、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等含まれる。周辺制御DMAコントローラ4150acは、4つのチャンネル(DMA0〜DMA3)を有している。
さらに具体的に説明すると、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに内蔵される周辺制御内蔵RAM4150abと、周辺制御MPU4150aに内蔵される各種入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う。そこで、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御内蔵RAM4150abに対して、内部バス4150ahを介して読み書きする一方、周辺制御MPU4150aに内蔵される各種入出力装置に対しては、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。周辺制御MPU4150aに内蔵される各種入出力装置には、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等が含まれる。
また、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに外付けされる各種記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される各種入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う。そこで、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに外付けされる各種記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び外部バス4150hを介してデータを読み書きする一方、周辺制御MPU4150aに内蔵される各種入出力装置に対しては、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介してデータを読み書きする。
なお、周辺制御MPU4150aに外付けされる各種記憶装置には、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等が含まれる。また、周辺制御MPU4150aに内蔵される入出力装置には、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等が含まれる。
周辺制御バスコントローラ4150adは、各種バスをコントロールして、各種記憶装置と、各種入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。各種バスには、内部バス4150ah、周辺バス4150ai、及び外部バス4150hが含まれる。各種記憶装置には、周辺制御CPUコア4150aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等が含まれる。各種入出力装置には、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等が含まれる。
周辺制御各種シリアルI/Oポート4150aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、及び操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)4150afは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかける。つまり、周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御内蔵WDTのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力しない場合にはリセットがかかるようになっている。すなわち、周辺制御MPU4150aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力することによってタイマカウントを再スタートさせることが可能となり、リセットがかからないようにすることができる。
周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT4150eにクリア信号を出力する。また、遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化し、シリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力する。
さらに、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agは、扉枠3における上部装飾ユニットの上部装飾基板に実装されたLEDの点灯信号を出力する。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータは、音量調整ボリュームと電気的に接続されており、音量調整ボリュームのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。
基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠4に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等)ための告知音も本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠3に設けたスピーカから出力される。報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。
以上のように構成されることによって、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカユニット430,480から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側液晶表示装置1400で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
周辺制御ROM4150bは、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶している。各種スケジュールデータには、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。
画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。
音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。音指令データには、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。
電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM4150bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また、周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM4150bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM4150bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側液晶表示装置1400の使用時間に応じて遊技盤側液晶表示装置1400の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。輝度補正プログラムは、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側液晶表示装置1400の経年変化にともなう輝度低下を補正する。具体的には、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。補正情報は、周辺制御ROM4150bに予め記憶されている。
輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。例えば、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得する。さらに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯する。
また、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得する。さらに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯する。
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cは、図65に示すように、バックアップ管理対象ワークエリア4150caと、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccと、各種制御プログラムコピーエリア4150cdと、各種制御データコピーエリア4150ceと、バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfと、が設けられている。
バックアップ管理対象ワークエリア4150caは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶する。バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccは、このバックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶する。
各種制御プログラムコピーエリア4150cdは、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する。各種制御データコピーエリア4150ceは、周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する。バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶する。
なお、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる。一方、バックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccについては、パチンコ遊技機1の電源投入時に主制御基板4100からの電源投入コマンドがRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するもの(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図61Bに示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示する)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150caは、Bank0(1fr)と、Bank0(1ms)と、から構成されている。Bank0(1fr)は、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶する。Bank0(1ms)は、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶する。
ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明する。「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150cbからバックアップ第2エリア4150ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。
「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP4160aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力するようになっている。そのため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。
「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150cae等が設けられている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaは、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域である。枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabは、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域である。
受信コマンド記憶領域4150cacは、主制御基板4100から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域である。RTC情報取得記憶領域4150cadは、RTC制御部4165(後述するRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
スケジュールデータ記憶領域4150caeは、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域4150caeには、周辺制御ROM4150bから各種制御データコピーエリア4150ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM4150bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、及び操作ユニット情報取得記憶領域4150cai等が設けられている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafは、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域である。モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagには、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域である。
可動体情報取得記憶領域4150cahは、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。操作ユニット情報取得記憶領域4150caiは、操作ユニットに設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部の回転(回転方向)及び押圧操作部の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニットに設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagとは、2つの領域(第1領域、第2領域)にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされる。さらに、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっている。すなわち、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。例えば、周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際にランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理が進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされる。さらに、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっている。すなわち、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。例えば、周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理が進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる。さらに、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっている。すなわち、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。例えば、周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる。さらに、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっている。すなわち、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。例えば、周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccについて説明する。バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。
通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに演出バックアップ情報(1fr)として高速にコピーされる。また、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに演出バックアップ情報(1ms)として高速にコピーされる。
また、1ページの整合性は、当該ページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。具体的には、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。
通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に高速にコピーされる。また、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に高速にコピーされる。ページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。
通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に高速にコピーされる。また、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に高速にコピーされる。ページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、すなわち、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに高速にコピーされる。また、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに高速にコピーされるようになっている。これらの周辺制御DMAコントローラ4150acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。すなわち、本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dは、バックアップ管理対象ワークエリア4150daと、バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcと、が設けられている。バックアップ管理対象ワークエリア4150daは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶する。バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcは、バックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶する。
なお、周辺制御SRAM4150dに記憶された内容は、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板4100からの電源投入コマンドがRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図61Bに示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM4150cのバックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccがゼロクリアされる点と、全く異なっている。
また、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、ハンドルユニット500のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従ってハンドルユニット500のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM4150cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM4150cと周辺制御SRAM4150dとで全く異なっている。
バックアップ管理対象ワークエリア4150daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。
ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150dbからバックアップ第2エリア4150dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。
「(SRAM)」は、周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcについて説明する。バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。
通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcに高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150dbでは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとし、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に高速にコピーされる。ページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150dcでは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとし、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるたびに、周辺制御DMAコントローラ4150acによって、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に高速にコピーされる。ページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとし、この1ペアを1ページとして管理するエリアである。また、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとし、この1ペアを1ページとして管理するエリアである。各ページの先頭と終端とには、すなわち、バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
液晶及び音制御部4160は、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の描画制御と本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音制御とを行う。液晶及び音制御部4160は、図64に示すように、音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)4160aと、液晶及び音制御ROM4160bと、オーディオデータ送信IC4160cと、を備えている。
音源内蔵VDP4160aは、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行う。液晶及び音制御ROM4160bは、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する。オーディオデータ送信IC4160cは、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。
液晶及び音制御ROM4160bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠4の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM4160bは、操作ユニットの押圧操作部(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。さらに、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。その後、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。
以上のように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
また、周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。さらに、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。その後、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。
以上のように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
音源内蔵VDP4160aは、上述した内蔵音源のほかに、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを記憶するためのVRAMを内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。
音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、入力された画面データに基づいて、図66に示すように、液晶及び音制御ROM4160bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成する。そして、作成されたスプライトデータに基づいて、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成する。
音源内蔵VDP4160aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側液晶表示装置1400に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1400に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力することで、遊技盤側液晶表示装置1400と上皿側液晶表示装置244との同期化を図っている。
また、音源内蔵VDP4160aは、タッチパネル246の接触面の接触状態に応じた検知信号が入力され、検知信号を受け取ると、周辺制御MPU4150aに対して出力することにより、演出制御プログラムがタッチパネル246の接触面の接触状態を把握することができる。
このように、周辺制御MPU4150aが遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力すると、音源内蔵VDP4160aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側液晶表示装置1400に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1400に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP4160aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1400に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れ可能な状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力する。
本実施形態では、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP4160aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP4160aは、主制御基板4100からのコマンドに基づいて周辺制御MPU4150aから上述した音指令データが入力されると、図66に示すように、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御する。そして、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込む。さらに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定し、本体枠4に設けたスピーカユニット920に収容されるスピーカ及び扉枠3に設けたスピーカユニット430,480から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれている。また、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。
具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定される。また、報知音に対しては、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、ハンドルユニット500のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードに移行して調節することが可能となっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれている。音出力制御としては、まず、
音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成する。そして、合成した演出音の音量を、実際に、本体枠に設けたスピーカユニット920に収容されるスピーカ及び扉枠3に設けたスピーカユニット430,480から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅する。さらに、増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力し、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルから音が出力される。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。
具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成する。そして、合成した演出音の音量を、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅する。さらに、増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
一方、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成する。そして、合成した報知音の音量を、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
ここで、演出音が本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れている場合に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明する。
まず、演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成する。合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
つまり、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。
本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れるようになっている。この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れるようになっている。
このように、演出音が本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れている間に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れる場合には、演出音の音量が消音になって報知音が本体枠4に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる。しかし、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
液晶及び音制御ROM4160bは、図66に示すように、遊技盤側液晶表示装置1400の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、上皿側液晶表示装置244の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
オーディオデータ送信IC4160cは、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板に向かって送信する。これにより、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC4160cは、周辺制御基板4140から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力する。これにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図64に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。RTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。すなわち、RTC4165aは、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ遊技機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットする。さらに、取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU4150aは、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU4150aは、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカーの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば、遊技盤側液晶表示装置1400の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ遊技機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ遊技機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。
パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示される。さらに、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるようにもなっている。
そして、設定モードの画面に従ってハンドルユニット500のダイヤル操作部や押圧操作部を操作することによってカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU4150aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側液晶表示装置1400の経年変化にともなう輝度低下を補正する。
具体的には、周辺制御MPU4150aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時を特定する。さらに、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定する。そして、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM4150bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得する。さらに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯させる。
また、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得する。さらに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯させる。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもよい。また、後述する周辺制御部電源投入時処理の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもよい。
音量調整ボリュームは、上述したように、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音量を、つまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリュームは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ4150akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。
本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠に設けたスピーカユニット920に収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音も本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる。しかし、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠に設けたスピーカユニット920に収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにする。一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知することもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示される。さらに、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるようになっている。
設定モードの画面に従って操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリュームのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ4150akZがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。調節された音量は、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量を調節する方法が2種類用意されている。一方は、音量調整ボリュームのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する方法である。他方は、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する方法である。
音量調整ボリューム4140aは、周辺制御基板4140に実装されているため、本体枠を外枠から必ず開放した状態にする必要がある。そのため、音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作することはホールの店員のみとなる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。
そこで、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示される。そして、この設定モードの画面に従って操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。
これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化される。
この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリュームのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで大きくすることができる。また、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
次に、パチンコ遊技機1の電源システムについて、図67及び図68を参照して説明する。図67及び図68はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。図67は電源基板、主制御基板及び払出基板の詳細を示す。図68(a)は周辺制御基板、(b)は枠装飾駆動アンプ基板の詳細を示す。まず、電源基板について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板851のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
電源基板は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチを操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板は、図67に示すように、電源制御部855、発射制御部857を備えている。電源制御部855は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板4100や払出制御基板4110へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射制御部は打球発射装置の発射ソレノイドや球送ユニット球送ソレノイドを駆動制御する回路である。
電源制御部855は、同期整流回路855a、力率改善回路855b、平滑化回路855c、電源作成回路855d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板851を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路855aに供給されている。同期整流回路855aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路855bに供給している。力率改善回路855bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路855cに供給している。平滑化回路855cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射制御部857の発射制御回路857a及び電源作成回路855dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給する。キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射制御部857の発射制御回路857aは、平滑化回路855cから供給される+37Vを駆動電源として、回転ハンドル本体の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイドに出力する制御を行う。さらに、球送ユニットの球送ソレノイドに一定電流を出力することにより球送ユニットの球送部材が皿ユニットの上皿に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置側に送る制御を行う。
電源作成回路855dは、平滑化回路855cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成して払出制御基板4110及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路855dで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路4110aを介して払出制御MPU4120aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路855dで作成される+12Vは、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されている。+5V作成回路4100gは、払出制御基板4110からの+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路4100hを介して主制御MPU4100aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板の電源作成回路で作成される+5Vは、払出制御MPU4120aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板の電源作成回路で作成される+5Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路で作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっている。そのため、払出制御MPU4120aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが主制御基板4100、そして払出制御基板4110から電源基板に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板851の電源作成回路で作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されるようになっている。そのため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板の電源作成回路で作成された+5V、+12V、及び+24Vの3種類の電圧は、図67に示すように、払出制御基板4110に供給される。これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vの2種類の電圧は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。また、電源基板の電源作成回路で作成された+5V、+12V、及び+24Vの3種類の電圧は、枠周辺中継端子板に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板を介して、周辺制御基板4140及び周辺扉中継端子板にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板4140に供給される+5V、+12V、及び+24Vの3種類の電圧は、図68(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤5の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。また、3種類の電圧のうち、+5V及び+12Vの種類の電圧が外部情報送受信基板5500に供給されている。
周辺制御基板4140は、枠周辺中継端子板から供給される+5Vから直流3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路4140bを備えている。+3.3V作成回路4140bが作成する+3.3Vは、遊技盤側液晶表示装置1400の液晶モジュール1900a、上皿側液晶表示装置244の液晶モジュール470a及びタッチパネル246のタッチパネルモジュール246aにそれぞれ供給されている。また、周辺制御基板4140に供給される+12Vは、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライト電源1900b及び上皿側液晶表示装置244のバックライド電源470bにそれぞれ供給されている。
外部情報送受信基板5500は、遊技場(ホール)側に備えられた中継装置5200などの外部機器と各種情報を双方向でやり取りするための送受信回路5500aを備えている。そして、+5Vが送受信回路5500aの制御電圧として供給され、+12Vが、外部情報送受信基板5500と周辺制御基板4140との通信用の基板間電圧(ON/OFF信号を作り出すための電圧)として供給されている。
これに対して、周辺扉中継端子板に供給される+5V、+12V、及び+24Vの3種類の電圧は、図68(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vの計4種類の電圧が扉枠3の各種装飾基板等に供給されている。
払出制御基板4110は、図67に示すように、払出制御MPU4120a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a等を備えている。払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4120の払出制御MPU4120a等に供給されている。電源基板851からの+12Vは、例えば、払出制御部4120の払出制御入力回路4120b等に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。
外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板851からの+24は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されている。
主制御基板4100は、図67に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、+5V作成回路4100g、主制御フィルタ回路4100h、停電監視回路4100e等を備えている。+5V作成回路4100gは、電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給され、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100において、+5V作成回路4100gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5V電源ラインと、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されている。そのため、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100の各種電子部品と電気的に接続されることがなく、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路4100hは、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100b等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100d等に供給されている。
停電監視回路4100eは、電源基板851からの+12V及び+24Vが払出制御基板4110を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU4100aに出力する。停電予告信号は、主制御基板4100、払出制御基板4110の払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板4100を介して周辺制御基板4140に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板4140、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882を介して、図68(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路4100eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比較して、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
次に、図61Bに示した主制御基板4100の回路等について、図69〜図71を参照して説明する。図69は主制御基板の回路を示す回路図である。図70は停電監視回路を示す回路図である。図71は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図67に示した主制御フィルタ回路4100hについて説明し、続いて主制御基板4100で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板4100は、図61B及び図67に示した、主制御MPU4100a、主制御入力回路4100b、主制御出力回路4100c、主制御ソレノイド駆動回路4100d、停電監視回路4100e、+5V作成回路4100g、及び主制御フィルタ回路4100hのほかに、周辺回路を備えている。具体的には、図69に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
主制御フィルタ回路4100hは、図69に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、1番端子に、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが印加され、2番端子がグランド(GND)と接地され、3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。
主制御MPU4100aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU4100aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU4100aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。
主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図67に示した電源基板851のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU4100aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。
以上のように構成されているため、上述したように、図67に示した電源基板851の電源作成回路855dで作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっている。そのため、主制御MPU4100aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図69に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU4100aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。
出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される。一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図69に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。VDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、平滑化された+5Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、A端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU4100aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
主制御入力回路4100bは、図61Bに示した、一般入賞口スイッチ3020、始動口スイッチ3022、磁気検出スイッチ304、カウントスイッチ2110、ゲートスイッチ2352からの検出信号のほかに、図62に示した払出制御基板4110に備える操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
まず、操作スイッチは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりする。また、操作スイッチは、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板4100には、払出制御基板4110が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチからの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板4100には、操作スイッチが操作されていないときには払出制御基板4110から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチが操作されているときには払出制御基板4110から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板4110から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110に備える操作スイッチからの操作信号を伝える伝送ラインは、図69に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地される。トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板4110における操作スイッチからの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチからの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。主制御基板4100は、操作スイッチが操作されていないときには払出制御基板4110からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される。一方、操作スイッチが操作されているときには払出制御基板4110からの操作信号がプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチが操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチからの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチが操作されているときには、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチからの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチからの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチからの操作信号が払出制御基板4110を介して入力されているためである。つまり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板4100に直接入力される、一般入賞口スイッチ3020、始動口スイッチ3022からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる。一方、図61Bに示したパネル中継端子板4161を介して入力される、磁気検出スイッチ3024、カウントスイッチ2110、一般入賞口スイッチ3020、有効ゲートのゲートスイッチ、及び、普通抽選の契機となるゲートスイッチからの検出信号は、主制御基板4100に直接入力されないため、操作スイッチからの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
主制御基板4100は、図67に示したように、電源基板851から+12V及び+24Vの2種類の電圧が払出制御基板4110を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路4100eに入力されている。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU4100aのほかに、払出制御基板4110の払出制御MPU4120aや周辺制御基板4140に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
停電監視回路4100eは、図70に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。
MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。
コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図70に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続される。さらに、抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図70に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続される。さらに、抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続される。さらに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。
また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)。一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。
また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子及びクロック入力端子である1CK端子がグランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。
DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。
なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されている。DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化される。接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地される。出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は、外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU4100aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路4100caを介して入力されている。停電クリア信号は、主制御MPU4100aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU4100aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU4100aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続される。そして、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbと電気的に接続される。そして、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力する。
主制御入力回路4100bは、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する。主制御入力回路4100bは、図70に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。
トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続される。さらに、非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。そのため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。そのため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力する。リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図70に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。
前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。
後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110と電気的に接続されている。
なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110と電気的に接続されると、払出制御基板4110における図62に示した払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図62に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路である。抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路である。これらのスイッチ回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなる。そして、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。
一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなる。そして、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。そのため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。そのため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
また、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力する。リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図70に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。
トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されている。なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されると、図64に示した周辺制御基板4140における周辺制御部4150の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図64に示した周辺制御MPU4150aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。そのため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。そのため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU4100aに停電予告信号として伝える主制御入力回路4100bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つ備えられている。
一方、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbには、前段と後段との2つのトランジスタが備えられている。払出停電予告信号の論理は、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。これに対し、リセット機能なし主制御出力回路4100cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されている。さらに、リセット機能なし主制御出力回路4100cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。
これは、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20と主制御MPU4100aとが主制御基板4100に実装されているため、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間、及び主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100a、払出制御MPU4120a、及び周辺制御MPU4150aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っているためである。
次に、主制御MPU4100aへの各種入出力信号について、図69を参照して説明する。主制御MPU4100aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図61Bに示した払出制御基板4110からのシリアルデータが主制御入力回路4100bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。
一方、主制御MPU4100aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板4110に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信する。次いで、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図61Bに示した周辺制御基板4140に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信する。さらに、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU4100aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力される。さらに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号が主制御入力回路4100bを介して入力されたり、図61Bに示した始動口スイッチ3022等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路4100bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、図61Bに示した、始動口ソレノイド2105に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dを介して始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したり、図61Bに示した第一特別図柄表示器1185等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり等する。
次に、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について、図71を参照して説明する。主制御基板4100は、図67に示した電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給される。+5V作成回路4100gは、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板4100は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板4140には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)を主として構成されている。
主制御基板4100のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板851から供給される+12Vが払出制御基板4110を介して印加される。また、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851からの電力が払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図69に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっている。そのため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、少なくとも、送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっている。そのため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信することができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ4100aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU4100aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10及びその配線(ハーネス)を介して、主制御基板4100のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板4140の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図69に示した主制御MPU4100aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板4140のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。
フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地される。また、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続される。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。
主周シリアルデータ送信信号は、停電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140に送信される。主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板4140で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140に送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっている。そのため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
一方、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっている。そのため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140に送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
以上のように、本実施形態では、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。
さらに、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、ダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板4140は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドすべてを主周シリアルデータとして、主制御出力回路4100cbを介して周辺制御基板4140に送信完了することができるように、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定される。なお、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成され、通信用インターフェース回路として機能させる。
これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して周辺制御基板4140に送信完了することができるため、周辺制御基板4140は、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
次に、図62に示した払出制御基板4110の回路等について、図72〜図77を参照して説明する。図72及び図73は払出制御部の回路等を示す回路図である。図73及び図74は払出制御入力回路を示す回路図である。図75は払出モータ駆動回路を示す回路図である。図76はCRユニット入出力回路を示す回路図である。図77は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
払出制御フィルタ回路4110aは、図72に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図77に示した電源基板851からの+5Vが印加される。さらに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板851からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU4120aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。
払出制御MPU4120aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU4120aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU4120aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU4120aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。
払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図67に示した電源基板851のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU4120aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。
以上のように構成することで、上述したように、図67に示した電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっている。そのため、払出制御MPU4120aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
払出制御部4120は、払出制御MPU4120a、払出制御入力回路4120b、払出制御出力回路4120c、払出モータ駆動回路4120d、CRユニット入出力回路4120eのほかに、周辺回路として、図72に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図72に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。
払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU4120aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される。一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される。
払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図72に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU4120aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU4120aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
払出制御入力回路4120bは、図72に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図67に示した主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号が入力される回路、図62に示したハンドル中継端子板、そして電源基板851を介して満タンスイッチ550からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ860aからの操作信号が入力される回路等である。
まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明する。続いて、本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タンスイッチや、図62に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであり、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路について説明する。
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、扉枠が本体枠から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠が本体枠に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地される。また、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
さらに、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図61Bに示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図61Bに示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠3が本体枠4から開放される際に、又は扉枠3が本体枠4に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。
また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。
また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。一方、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、本体枠が外枠から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠が外枠に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。
トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。
トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図61Bに示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図61Bに示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠4が外枠2から開放される際に、又は本体枠4が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。
また、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。
また、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態と、本体枠4が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板4100に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっている。そのため、図61Bに示した主制御基板4100の主制御MPU4100aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
さらに、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わる。ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を、外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠4が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を、外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地される。また、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続される。さらに、非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路4100eは、上述したように、電源基板851からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板4110に出力する。
停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。そして、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。そして、停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路4100eからの停電予告による、払出制御MPU4120aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
満タンスイッチ550からの検出信号は、ハンドル中継端子板、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110に入力されている。この満タンスイッチ550の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板4110において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地される。満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タンスイッチ550の検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。
トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地される。また、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タンスイッチ550からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タンスイッチ550は、上述したように、ファールカバーユニット520の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板、電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板4110に入力される。一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板、電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板4110に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板、電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タンスイッチ550からの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていた。一方、図62に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タンスイッチ550は、扉枠に取り付けられるファールカバーユニットに設けられているため、本体枠4に取り付けられる賞球装置に設けられる球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等と比較すると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タンスイッチ550は、ファールカバーユニットの第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。また、払出制御MPU4120aは、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ744の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。
つまり、満タンスイッチ550からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU4120aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ744の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もある。また、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ744を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ744に負荷が異常にかかり、払出モータが過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータの回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、このような問題が発生しないように、満タンスイッチ550からの検出信号を、まず満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
操作スイッチ860aの出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地される。また、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。
前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ860aの出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。
後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地される。また、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。
前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。
トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図69に示した、主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。
トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ860aが押圧操作される際に、操作スイッチ860aを構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ860aからの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ860aは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっている。そして、操作スイッチ860aは、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ860aからの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなる。また、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図69に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなる。さらに、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図69に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
次に、図払出モータに駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dについて説明する。払出モータ駆動回路4120dは、図75に示すように、電圧切替回路4120da、ドライブICPIC60を主として構成されている。
電圧切替回路4120daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路4120daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路4120daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替回路4120daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。
電圧切替回路4120daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ744の電源端子と電気的に接続される。そして、電圧切替回路4120daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ744に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地される。また、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、12番端子とそれぞれ対応している。
ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ744と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ744の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ744を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
次に、図63に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路4120eについて説明する。払出制御基板4110は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図63に示した電源基板851から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される。また、払出制御基板4110は、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図76に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。
フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地される。また、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図72に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されると、電源基板851において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板851に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子のほかに、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするようになっている。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。
フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地される。また、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子のほかに、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするようになっている。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。
フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするようになっている。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。
フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするようになっている。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。
フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地される。また、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
次に、払出制御MPU4120aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU4120aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図72に示すように、主制御基板4100からのシリアルデータが払出制御入力回路4120bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU4120aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板4100に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力される。さらに、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号が払出制御入力回路4120bを介して入力されたり、図62に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等からの検出信号が払出制御入力回路4120bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路4120cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路4120eに出力する。また、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替信号を電圧切替回路4120daに出力する。また、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払出モータ駆動信号を、払出モータ駆動回路4120dを介して払出モータ744に出力する。さらに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、図62に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり等する。
次に、払出制御基板4110と主制御基板4100との各種入出力信号と、払出制御基板4110から外部端子板784への各種出力信号について、図77を参照して説明する。
払出制御基板4110は、主制御基板4100と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図77(a)に示すように、払出制御基板4110は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板4100に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板4110は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)のほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板4100から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板4110の払出制御部4120の払出制御入力回路4120bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
払出制御基板4110は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図77(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号のほかに、払出モータが実際に払い出した遊技球の球数を示す賞球数情報出力信号、主制御基板4100から払出制御基板4110を介して、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号に加えて、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号等を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ(情報管理装置5000、図61A)に伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ遊技機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。また、パチンコ遊技機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力している。これにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
次に、主制御基板4100から払出制御基板4110へ送信される各種コマンドと、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて、図78〜図81を参照して説明する。図78は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。図79は主制御基板から周辺制御基板に送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。図80は図79の主制御基板から周辺制御基板に送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルである。図81は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図61Bに示した、一般入賞口スイッチ3020、始動口スイッチ3022、及びカウントスイッチ2110等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板に送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ遊技機1とCRユニット6(パチンコ遊技機1と通信して、パチンコ遊技機1(賞球装置740)の払出モータを駆動して貯留皿である、貸球として遊技球を払い出す装置とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「CR機」という。)、図78(a)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータを駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ遊技機1と球貸し機とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ遊技機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「一般機」という。)、図78(b)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図78(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板4110がCRユニット6との接続状態を確認する。
次に、主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板4140に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図79及び図80に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図79、図80に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
特図1同調演出関連は、図61Bに示した始動口スイッチ3022からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図79に示すように、図61Bに示した機能表示基板1191の第一特別図柄表示器1185に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものである。特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものである。特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものである。変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信される。特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信される。特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信される。変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
特図2同調演出関連は、第二始動口のスイッチからの検出信号に基づくものであり、その区分には、図79に示すように、図61Bに示した機能表示基板1191の第二特別図柄表示器1186に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものである。特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものである。特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信される。特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信される。特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
大当り関連という区分には、図79に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものである。大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(大入賞口2003のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものである。大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(大入賞口2003のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものである。大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個をカウントした旨(図61Bに示したカウントスイッチ2110によって検出された、大入賞口2003に入球した遊技球の球数)を伝えるものである。大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものである。小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放中又は開放開始)を指示するものである。小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された場合における演出)を指示するものである。小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信される。大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103のN回目のラウンドの開放時)に送信される。大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の閉鎖開始)に送信される。大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時、及び大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信される。大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信される。大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信される。小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信される。小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信される。小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
電源投入という区分には、図79に示すように、電源投入という名称の各種コマンドから構成されている。この電源投入コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入コマンドは、RAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、図62に示した電源投入時に払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)。
電源投入コマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入コマンドが送信される。
普図同調演出関連は、図61Bに示したゲートスイッチ2352からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図79に示すように、機能表示基板の普通図柄表示器に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものである。普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものである。普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものである。変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信される。普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信される。普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信される。変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
普通電役演出関連は、図61Bに示した始動口ソレノイド2105の駆動により開閉される可動片2005bに関するものであり、その区分には、図79に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものである。普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(可動片が始動口ソレノイドの駆動により拡開した状態)を指示するものである。普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信される。普電開放表示コマンドは、普電開放時(可動片が始動口ソレノイドの駆動により拡開する時)に送信される。普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
報知表示の区分には、図80に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、扉閉鎖、本体枠開放、及び本体枠閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、アタッカユニット2000の大入賞口2003に遊技球が入球してその遊技球をカウントスイッチ2110が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものである。接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものである。断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と、始動口スイッチ3022、カウントスイッチ2110等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものである。磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図61Bに示した磁気検出スイッチ3024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉枠開放コマンドは、図72に示した、払出制御基板4110を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものである。扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図62に示した、払出制御基板4110を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠が外枠に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものである。本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠が外枠に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板4100から払出制御基板4110へのコマンド送信時に払出制御基板4110からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信される。断線・短絡異常表示コマンドは、始動口スイッチ3022、カウントスイッチ2110等のうち、いずれが断線又は短絡状態となった時に送信される。磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出スイッチ3024の異常を検知した時に送信される。
また、扉枠開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合)に送信される。扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠が本体枠に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠が外枠に対して開放された状態である場合)に送信される。本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
状態表示の区分には、図80に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板4110から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図80に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
テスト関連の区分には、図80に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板4140の各種検査を指示するものである(例えば、図64に示した、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
その他の区分には、図80に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて第一始動口2001又は第二始動口2005cに遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものである。変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものである。高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものである。
特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(第一始動口2001に遊技球が入球して機能表示基板の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものである。特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(第二始動口2005cに遊技球が入球して機能表示基板の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものである。普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(普通ゲート2005aを遊技球が通過して機能表示基板の普通図柄表示器で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものである。
特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示基板の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示基板の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口スイッチからの検出信号に基づいて第一始動口2001に遊技球が入球した時や、第二始動口スイッチからの検出信号に基づいて第二始動口2005cに遊技球が入球した時)に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから主に音声でその旨を報知するために送信される。変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信される。高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信される。
特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2001に遊技球が入球して機能表示基板の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2005cに遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信される。特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2005cに遊技球が入球して機能表示基板の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2005cに遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信される。普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(普通ゲート2005aを遊技球が通過して機能表示基板の普通図柄表示器で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信される。
特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2001に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2005cに遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図64に示した周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ遊技機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカユニット430,480から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ遊技機では、周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音声で報知しない仕様のものもある。
次に、主制御基板4100が受信する払出制御基板4110からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板4110からの各種コマンドの区分には、図81に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、図62に示した計数スイッチ751の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信される。エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるコマンド送信処理で送信される。
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図82乃至図94を参照して説明する。図82は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図83は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図84はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図85は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図86は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図87は、変動開始処理を示すフローチャートである。図88は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図89は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、図90は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図91は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図92は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図93は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。図94は、特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。
メイン処理は、図82に示すように、パチンコ機1に電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別する。そして、バックアップデータが正常であればRAMに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行する。一方、バックアップデータが異常であればRAMをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAMに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAMに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチがオンであれば、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータが保存されていない場合には、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御基板4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御基板4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAMにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、本実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板によって生成される。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。
そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(本実施形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態を主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施形態においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、主制御MPU4100aは、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
次に、電源断発生時処理は、図83に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMのチェックサムを算出し、RAMの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAMの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAMの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理が終了すると、主制御MPU4100aは、RAMへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施形態の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図84に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、本実施形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変動させるとともに、普通電動役物(可動片2005b)を制御し、第二始動口2005cの開閉状態を変化させる処理を実行する。ステップS15の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器641,642で第一特別図柄(第一識別図柄)及び第二特別図柄(第二識別図柄)を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカソレノイドによって大入賞口2003を開閉する開閉部材2006)を制御し、大入賞口2003の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)及び乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。本実施形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定、大当り抽選とも呼ぶ)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄の停止図柄(大当りの種別(確変大当りや、ラウンド数など)に対応付けされている図柄)を決定するために用いられる大当り図柄用乱数、大当り抽選にて大当りと小当りとのいずれでもない旨(ハズレ)判断されたときにリーチ演出などの高期待演出を行うか否かについての判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器641,642に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間など)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、第二始動口2005cを開閉する可動片を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
また、後述するが、本実施形態にかかる大当り判定用乱数は、大当りに落選(ハズレ)された旨判断されたときに行われる特定の条件が満たされているか否かについての判断にも供される。また、大当り図柄用乱数は、大当りに当選したか否かが判断されたときに行われる大当りの種別(確率変動機能や時短機能を作動させるか否かや、大当り遊技(特別ボーナス遊技)における大入賞口2003の開放態様などが決定付けされている大当りの種別)にかかる判断にも供される。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び可動片2005bを開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生及び可動片2005bを開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可動片を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
次に、図85に基づいて特別制御処理について説明する。図85は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。
特別制御処理では、まず、第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を行う。この第一・第二始動口入賞処理では、第一始動口2001や第二始動口2005cに遊技球が入賞したか否かについての判断などが行われる。そして、この第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)が行われた後、主制御MPU4100aは、図中に示す複数の処理(ステップS120〜ステップS230)のうち、処理フラグの状態に応じた処理を選択的に行う。
より具体的には、第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、主制御MPU4100aは、まず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)、変動開始処理(ステップS130)を実行する。この変動開始処理(ステップS130)では、大当り抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始するための設定などが行われた後、処理フラグが「1」に更新される。
一方、主制御MPU4100aは、処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。そしてこの結果、処理フラグが1であれば(ステップS140にてYES)、変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器に表示される特別図柄(識別図柄)の変動パターン(第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器のいずれかにおいて特別図柄(識別図柄)の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)が決定された後、処理フラグが「2」に更新される。
一方、主制御MPU4100aは、処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。そしてこの結果、処理フラグが2であれば(ステップS170にてYES)、変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)にて設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を停止させる。その後、変動開始処理(ステップS130)にて変動表示ゲームの結果が大当りに当選していると判断された場合には、処理選択フラグが「3」に更新される。これに対し、大当りには落選しているものの、特定の条件が成立していると判断された(小当りに当選している)場合には、処理選択フラグが「4」に更新される。ただし、大当りに落選しており、且つ特定条件の成立もしていない場合(純ハズレ)には、処理選択フラグは「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理(ステップS130)から再びやり直すこととなる。
一方、主制御MPU4100aは、処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、処理フラグが3であるか否かを判断する(ステップS190)。その結果、処理フラグが3であれば(ステップS190にてYES)、大当り遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当り遊技開始処理では、大当りの種別が判断され、その種別に応じた大入賞口2003における開放態様(ラウンド回数、開放時間及び遊技球の入賞制限個数など)がセットされた後、処理フラグが「5」に更新される。
一方、主制御MPU4100aは、処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、処理フラグが4であるか否かを判断する(ステップS210)。そしてこの結果、処理フラグが4であれば(ステップS210にてYES)、小当り遊技開始処理(ステップS220)を実行する。この小当り遊技開始処理では、小当りに応じた大入賞口2003における開放態様(開閉部材2006の開放動作を制御するための開放回数及び開放時間など)がセットされた後、処理フラグが「6」に更新される。
一方、主制御MPU4100aは、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、処理フラグが5であるか否かを判断する(ステップS230)。そしてこの結果、処理フラグが5であれば(ステップS230にてYES)、大当り遊技処理(ステップS240)を実行する。この大当り遊技処理では、大当り遊技開始処理(ステップS200)においてセットされた大入賞口2003における開放態様に基づいて開閉部材2006にかかる開閉動作が制御される。また、大当り遊技が終了する場合には、確率変動機能や時短機能を作動させるか否かについての判断などが行われた後、処理フラグが「0」に更新される。この場合、次の割込処理では、変動開始処理(ステップS130)から再びやり直すこととなる。
一方、主制御MPU4100aは、処理フラグが5でなければ(ステップS230にてNO)、処理フラグは6であるとして、小当り遊技処理(ステップS250)を実行する。この小当り遊技処理(ステップS250)では、小当り遊技開始処理(ステップS220)においてセットされた大入賞口2003における開放態様に基づいて開閉部材2006にかかる開閉動作が制御される。また、小当り遊技処理が終了する場合には、処理フラグが「0」に更新される、すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理(ステップS130)から再びやり直すこととなる。
このように、ステップS130、ステップS150、ステップS180、ステップS200、ステップS220、ステップS240、及びステップS250の処理のいずれかが処理フラグの状態に基づいて選択的に実行された時点で、特別制御処理は終了される。
次に、第一・第二始動口入賞処理(ステップS110の処理)について図86に基づいて説明する。図86は、第一・第二始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)においては、大きく分けて、第一始動口2001や第二始動口2005cに遊技球が入賞された否かについての判断にかかる処理と、該入賞があった旨判断されたことを条件に、該当する特別図柄(第一特別図柄、もしくは第二特別図柄)の保留状態の更新にかかる処理とが行われる。
したがって、主制御MPU4100aは、まず、第二始動口センサから検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。その結果、第二始動口センサ(スイッチ)から検出信号が出力された旨判断されたときには、第二始動口2005cへの遊技球の入賞があったと判断し(ステップS201にてYES)、次にステップS202の処理を行う。このステップS202の処理では、第二大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を取得し、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第二保留数カウンタが4未満であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第二始動保留記憶処理(ステップS203)として、第二始動口2005cに遊技球が入賞したことによって取得された各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS204)として、RAMに設けられている第二保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップ203の処理においては、第二始動口2005cへの遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御基板4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御基板4140による制御を通じて、液晶表示装置1400などに第二始動口2005c側の保留表示をする場合に当該保留表示を迅速に更新させることができるようになる。
一方、主制御MPU4100aは、上記ステップS201の処理において、第二始動口センサからの検出信号が出力されていない旨判断されたときや、上記ステップS202の処理において、第二保留数カウンタの値が上限値となる4である旨判断されたときは、次にステップS205の処理として、第一始動口センサから検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第一始動口センサから検出信号が出力された旨判断されたときは、第一始動口2001への遊技球の入賞があった旨判断し(ステップS205にてYES)、次にステップS206の処理を行う。このステップS206の処理では、第一大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を取得し、主制御MPU4100aのRAMに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。その結果、第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第一始動保留記憶処理(ステップS207)として、第一始動口2001に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS208)として、RAMに設けられている第一保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップ207の処理においても、第一始動口2001への遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御基板4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御基板4140による制御を通じて、液晶表示装置1400などに第一始動口2001側の保留表示をする場合についても当該保留表示を迅速に更新させることができるようになる。
他方、主制御MPU4100aは、上記ステップS205の処理において、第一始動口2001への遊技球の入賞がなかった旨判断されたときや、上記ステップS206の処理において、第一保留数カウンタのカウンタ値が上限値となる4に達している旨判断されたときは、この時点で、当該第一・第二始動口入賞処理を終了する。
なお、本実施形態では、第二始動口2005cへの入賞処理(ステップS201〜ステップS204)を実行したのちに、第一始動口2001への入賞処理(ステップS205〜ステップS208)を実行している。ただし、これに代えて、第一始動口2001への入賞処理を実行したのちに、第二始動口2005cへの入賞処理を実行する態様であってもよい。
また、主制御MPU4100aは、取得された各種乱数に基づく先行判定処理を実行し、入賞通知コマンドとして、更に先行判定処理の結果を表すコマンドを、周辺制御基板4140に送信する場合がある。先行判定処理は、ステップS203、S207で記憶された乱数を用いた抽選(例えば、後述の大当り抽選、確変抽選、小当り抽選、変動表示パターンの決定)に先立って行われ、その抽選結果を事前に判定する処理である。先行判定処理では、ステップS203、S207で記憶された乱数と、先行判定テーブルとを用いて行われる。先行判定テーブルは、当該乱数を用いた抽選に利用されるテーブルと同様のテーブルである。先行判定処理では、当該乱数と先行判定テーブルとを比較することによって、当該乱数を用いた抽選が行われた場合の抽選結果(大当り又は小当りの当否と、大当りの種類と、変動表示パターン等)が判定される(このように抽選に先行して行われる判定は、「先読み判定」とも呼ばれる)。周辺制御基板4140は、受信した入賞通知コマンド(先行判定結果)を反映した演出を、当該乱数を利用した抽選が行われるよりも前に、実現してもよい(このような演出は、「先読み演出」とも呼ばれる)。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、先行判定テーブルの内容は、抽選に利用されるテーブルの内容と同じである。ただし、先行判定テーブルの内容の少なくとも一部が、抽選に利用されるテーブルの内容と異なっていてもよい。
また、主制御MPU4100aは、遊技状態が特定の条件を満たしている場合にのみ、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信し、特定の条件を満たしていない場合には、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。例えば、第一始動口2001への入賞に起因する変動表示が、入賞後すぐには開始されず保留される場合に、主制御MPU4100aは、当該入賞に関する先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信してもよい。ここで、大当り遊技状態と、時短遊技状態とにおいては、主制御MPU4100aは、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信せずに、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。第二始動口2005cに関する特定の条件も、同様であってよい。
処理フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、主制御MPU4100aは、まず、特別図柄表示器641、642に対応する二つの保留数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がいずれも「0」であるか否かを判断する(ステップS301)。ここで、特別図柄表示器641,642に対応する二つの保留数カウンタにおける値とは、第一始動記憶及び第二始動記憶にかかる保存領域(特別図柄用乱数記憶手段4515,4532(図94参照)に格納される乱数値の数をそれぞれ示すものである。したがって、保留数カウンタの値がいずれも「0」であれば(ステップS301にてYES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件がいずれも成立していないと判別され、次にステップS318の処理として、処理フラグを「1」に更新した時点で変動開始処理を終了する。
一方、第一始動記憶数及び第二始動記憶数がいずれも「0」でなければ(ステップS301にてNO)、保留状態とされている大当り抽選の実行にかかる順序を更新すべく、特別図柄用乱数記憶手段4515,4532におけるシフト処理を行う(ステップS302〜ステップS310)。
なお、図94(a)に示されるように、第一特別図柄用乱数記憶手段4515には、四つの記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[4]4515d)が設けられており、それら記憶領域は、第一始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。また、図94(b)に示されるように、第二特別図柄用乱数記憶手段4532にも、四つの記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[4]4532d)が設けられており、それら記憶領域は、第二始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。なお、各記憶領域4515a〜4515d,4532a〜4532dには、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域4580と、大当り図柄用乱数やリーチ判定用乱数、変動表示パターン乱数などが記憶される大当り図柄用乱数記憶領域4581とがそれぞれ設けられている。
すなわち、主制御MPU4100aは、特別図柄の変動に際し、乱数記憶領域におけるシフト処理(ステップS302〜ステップS310)として、これら記憶手段4515、4532にて記憶されている乱数を適宜操作することとなる。ただし後述するが、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第一特別図柄側の抽選処理にて大当りが当選された場合と、第二特別図柄側の抽選処理にて大当りが当選された場合とで遊技者に付与される利益(獲得可能な賞球数など)の期待値に差異はないものの、第一特別図柄側の抽選処理では、条件装置の作動を伴わない当り(小当り)に当選する場合があるのに対し、第二特別図柄側の抽選処理では、小当りに当選する確率が「0%」となっており、これによって第二特別図柄側の抽選処理だけが実行される限りは小当り遊技状態が発生されないようになっている。
この点、乱数記憶領域におけるシフト処理(ステップS302〜ステップS310)では、第一特別図柄の抽選の実行が必ず後回しにされて、条件装置の作動を伴わない当り(小当り)が当選されない上記第二始動口2005cへの入賞に基づく抽選(第二特別図柄の抽選)がすべて先に消化されるように、上記記憶手段4515、4532にて記憶されている乱数を操作するようにしている。これにより、第二特別図柄側の抽選にかかる保留数が途切れて「0」になるまでは上記小当りに当選されないもとでの遊技(第二特別図柄側の抽選)のみを順次行わせることができるようになる。また、これも後述するが、いわゆる時短機能が作動する遊技状態においては、先に消化される側である第二特別図柄の抽選(変動)の保留状態が途切れないように、同抽選(変動)の実行契機となる上記第二始動口2005cへの遊技球の入賞が容易な状態へと変化させる頻度が高められる制御が行われることから、第二特別図柄側の抽選(変動)のみの連続実行によって当該パチンコ機1に小当りが搭載されていることを遊技者に気付かせ難くすることができるようになる。
したがって、図87、図94に示されるように、乱数記憶領域におけるシフト処理(ステップS302〜ステップS310)に際しては、まず、ステップS302の処理として、優先的に消化される側である第二特別図柄表示器642に対応する保留数カウンタの値(第二始動記憶数)が「0」であるか否か、すなわち第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていないかを判断する。そしてこの結果、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていると判断された場合は(ステップS302にてNO)、同記憶領域[1]4532aから第二特別図柄に関する乱数を読み出してこれを取得する(ステップS303)。すなわち後述するが、こうして読み出された乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン乱数)が、大当りの抽選にかかる処理はもとより、特別図柄の変動パターン(変動時間や、停止表示態様など)の設定にかかる処理や、開閉部材2006の開閉態様の設定にかかる処理、遊技状態の設定にかかる処理、等々に供されることにより第二始動口2005cへの遊技球の入賞を契機とした第二始動遊技が進行されうるようになる。
次いで、主制御MPU4100aは、第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる消化順位を更新すべく、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4532b〜記憶領域[4]4532d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[3]4532c)にそれぞれシフトする(ステップS304)。これにより、少なくとも記憶領域[4]4532dには空きが生じるようになり、この記憶領域[4]4532dに第二特別図柄についての新たな始動情報(保留)が記憶可能とされるようになる。
その後、主制御MPU4100aは、第二特別図柄側の遊技(第二始動遊技)が進行される状態にあることが示されるように、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS305)。さらに、第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数を更新すべく、第二特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する(ステップS306)。この際、こうして更新された第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数が第二特別図柄記憶表示器644における点灯態様にも反映されるようにランプの点灯にかかる駆動制御が行われる。なお、こうして「1」にセットされた特別図柄変動フラグについては、当該変動開始処理が終了して以降、例えば、処理フラグが「0」に更新されるときにリセットされる。
これに対し、図87、図94に示されるように、主制御MPU4100aは、ステップS302の処理において、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていない旨判断された場合は(ステップS302にてYES)、第一特別図柄用乱数記憶手段4515の記憶領域[1]4515aから第一特別図柄に関する乱数を読み出してこれを取得する(ステップS307)。すなわち後述するが、こうして読み出された乱数が、大当りの抽選にかかる処理はもとより、特別図柄の変動パターンの設定にかかる処理や、開閉部材2006の開閉態様の設定にかかる処理、遊技状態の設定にかかる処理、等々に供されることにより第一始動口2001への遊技球の入賞を契機とした第一始動遊技が進行されうるようになる。
次いで、主制御MPU4100aは、第一特別図柄側の抽選(変動)にかかる消化順位を更新すべく、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4515b〜記憶領域[4]4515d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[3]4515c)にそれぞれシフトする(ステップS308)。これにより、少なくとも記憶領域[4]4515dには空きが生じるようになり、この記憶領域[4]4515dに第一特別図柄についての新たな始動情報(保留)が記憶可能とされるようになる。
その後、主制御MPU4100aは、第一特別図柄側の遊技(第一始動遊技)が進行される状態にあることが示されるように、特別図柄変動フラグに「2」をセットする(ステップS309)。さらに、第一特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数を更新すべく、第一特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する(ステップS310)。この際、こうして更新された第一特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数が第一特別図柄記憶表示器643における点灯態様にも反映されるように同ランプ643の点灯にかかる駆動制御が行われる。なお、こうして「2」にセットされた特別図柄変動フラグについても同様、当該変動開始処理が終了して以降、例えば、処理フラグが「0」に更新されるときにリセットされる。
その後、主制御MPU4100aは、確率変動機能作動中か否か、すなわち高確率である確率変動状態か否かを判別し(ステップS312)、確率変動状態でない場合には(ステップS312にてNO)、確率変動未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテーブルを選択する。一方、確率変動状態の場合には(ステップS312にてYES)、確率変動作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する。なお、本実施形態では、確率変動未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が1/400に設定され、確率変動作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が10/400に設定されている。
主制御MPU4100aは、ステップS313又はステップS314の処理において、何れかのテーブルが選択された後、そのテーブルに基づき、ステップS303又はステップS307の処理にて取得された、いずれかの特別図柄に関する大当り判定用乱数が、大当りに相当する乱数(大当り値)であるか否かを判別する(ステップS315(大当り抽選))。そして、大当り値である場合には(ステップS315にてYES)、同じくステップS303又はステップS307の処理にて取得された、何れかの特別図柄に関する大当り図柄用乱数に基づいて大当りの種別を判定する(ステップS316)。その後、大当りの種別に応じたフラグをON状態(セット)にして(ステップS317)、ステップS318に移行する。
一方、主制御MPU4100aは、取得した乱数が大当り値でないハズレである場合には(ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否かを判別する(ステップS319)。そして、小当り値である場合には(ステップS319にてYES)、予め定められた特定の条件が満たされているとして小当りフラグを「ON」にし(ステップS320)、ステップS318の処理に移行する。ただし、小当り値でない場合には(ステップS319にてNO)、予め定められた特定の条件は満たされていないとして、ステップS320の処理を経由することなく、ステップS318の処理に移行する。ステップS318の処理では、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、本実施形態では、小当りとなる確率は、遊技状態にかかわらず3/400に設定されている。
ところで、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれの抽選であるかにかかわらず、大当り図柄用乱数として例えば0〜99の乱数幅で発生する乱数値が用意されており、上記ステップS303又はステップS307の処理においては、これら乱数値のうち一つが大当り図柄用乱数の値として取得される。そして、この取得された乱数値は、上記ステップS316の処理にて大当りの種別を決定付ける処理に供されるようになっており、例えば、同乱数値が0〜52であれば大当りAと判定され、53〜57であれば大当りBと判定され、58〜63であれば大当りCと判定され、64〜81であれば大当りDと判定され、82〜99であれば大当りEと判定される。
このような判定手法によれば、図95に示されるように、大当り(条件装置の作動を伴う当り)の種別が「大当りA」と判定される確率は「53%」であり、大当りの種別が「大当りB」と判定される確率は「5%」であり、大当りの種別が「大当りC」と判定される確率は「6%」であり、大当りの種別が「大当りD」、「大当りE」と判定される確率はそれぞれ「18%」である。
ここで、「大当りA」に当選した場合は、該当選したときの遊技状態にかかわらず、当該大当りAの当選に応じた大当り遊技が行われた後、確率変動機能と時短機能(開放延長機能)とのいずれもが作動する確変外部有利遊技状態に制御される。この大当りAの当選に応じた大当り遊技では、開閉部材2006の開閉を、長時間開閉パターンで多数回(本実施形態では、16回)繰り返す長開放当り遊技として行われるようになっている。なお、長時間開閉パターンとは、開閉部材2006を閉状態から開状態とした後に、所定長時間(例えば、26秒〜33秒)経過すること、或いは、所定の大個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2003に入賞すること、の何れかの条件が充足すると開閉部材2006を閉状態に戻すパターンである。この長時間開閉パターンにおいて、開閉部材2006が開状態とされる時間は、後述の小時間開閉パターンにおいて、開閉部材2006が開状態とされる時間よりも長い。すなわち、長開放当り遊技では、特典として多量の賞球(本実施形態では、約1750個)が実質的に遊技者に獲得可能とされる。
これに対し、「大当りB」に当選した場合も、該当選したときの遊技状態にかかわらず、当該大当りBの当選に応じた大当り遊技が行われた後、確率変動機能と時短機能(開放延長機能)とのいずれもが作動する確変外部有利遊技状態に制御される。ただし、大当りBの当選に応じた大当り遊技では、開閉部材2006の開閉を、長時間開閉パターンで中数回(本実施形態では、9回)繰り返す中開放当り遊技として行われるようになっている。すなわち、中開放当り遊技では、特典として中量の賞球(本実施形態では、約1000個)が実質的に遊技者に獲得可能とされる。
一方、「大当りC」に当選した場合は、該当選したときの遊技状態が「時短機能が作動する外部有利遊技状態」であるときに限り、当該大当りCの当選に応じた大当り遊技が行われた後、確率変動機能と時短機能(開放延長機能)とのいずれもが作動する確変外部有利遊技状態に制御される。ただし、該当選されたときの遊技状態が「時短機能が作動する外部有利遊技状態」でないときには、当該大当りCの当選に応じた大当り遊技が行われた後、確率変動機能と時短機能(開放延長機能)とのうち、確率変動機能のみが作動する高確遊技状態(確変外部不利遊技状態)に制御される。なお、大当りCの当選に応じた大当り遊技では、開閉部材2006の開閉を、長時間開閉パターンで中数回(本実施形態では、9回)繰り返す上述の中開放当り遊技として行われる。
また一方、「大当りD」に当選した場合は、該当選したときの遊技状態にかかわらず、当該大当りDの当選に応じた大当り遊技が行われた後、確率変動機能と時短機能(開放延長機能)とのうち、確率変動機能のみが作動する高確遊技状態(確変外部不利遊技状態)に制御される。なお、大当りDの当選に応じた大当り遊技では、開閉部材2006の開閉を、長時間開閉パターンで中数回(本実施形態では、9回)繰り返す上述の中開放当り遊技として行われる。
他方、「大当りE」に当選した場合は、該当選したときの遊技状態にかかわらず、当該大当りEの当選に応じた大当り遊技が行われた後、確率変動機能と時短機能(開放延長機能)とのいずれもが作動しない通常遊技状態(通常外部不利遊技状態)に制御される。なお、大当りEの当選に応じた大当り遊技では、開閉部材2006の開閉を、長時間開閉パターンで中数回(本実施形態では、9回)繰り返す上述の中開放当り遊技として行われる。
ちなみに、このような大当りA〜E(条件装置の作動を伴う当り)に対し、小当り(条件装置の作動を伴わない当り)が当選された場合は、開閉部材2006の開閉を、小時間開閉パターンで少数回(本実施形態では、2回)繰り返す小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるだけであり、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる前と同遊技が行われた後とで遊技状態が異なるようなことはない。なお、小時間開閉パターンとは、開閉部材2006を閉状態から開状態とした後に、所定小時間(例えば、3秒〜6秒)経過、あるいは、所定の小個数(例えば、2個)の遊技球が大入賞口2003に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2006を閉状態に戻すパターンである。すなわち、小開放当り遊技(小当り遊技)では、特典として少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度)しか実質的に遊技者に獲得可能とされないことから、開閉部材2006が動作するにもかかわらず遊技興趣が低下しかねない点でその遊技設計上での取り扱い(位置づけ)に注意を要するものといえる。
このように、本実施形態にかかるパチンコ機では、条件装置の作動を伴う当り(大当り)の種別として「大当りA」〜「大当りE」が用意されている。したがって、上記ステップS317の処理をさらに詳述すると、大当りの種別が「大当りA」であるときには大当りフラグAをON状態(セット)にし、「大当りB」であるときには大当りフラグBをON状態(セット)にし、「大当りC」であるときには大当りフラグCをON状態(セット)にし、「大当りD」であるときには大当りフラグDをON状態(セット)にし、「大当りE」であるときには大当りフラグEをON状態(セット)にすることとなる。
次に、大当り抽選(ステップS315)の結果などに基づいて特別図柄の変動パターンが設定される変動パターン設定処理について説明する。図88は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
図88に示されるように、処理フラグが「1」のときに実行される変動パターン設定処理(ステップS150)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS401の処理として、大当りフラグが「ON」であるか否かを判断する。その結果、大当りフラグが「ON」であると判断されたときは(ステップS401にてYES)、大当りに当選している場合の変動パターンが設定されるように、後述の大当り変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS402)。
これに対し、主制御MPU4100aは、大当りフラグが「ON」でないと判断されたときは(ステップS401にてNO)、次にステップS403の処理として、小当りフラグが「ON」であるか否かを判断する。その結果、小当りフラグが「ON」である旨判断されたときは(ステップS403にてYES)、ハズレではあるものの特定の条件が満たされている状態にあるとして、小当りに当選されている場合の変動パターンが設定されるように、後述の小当り変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS404)。
一方、主制御MPU4100aは、小当りフラグが「ON」でないと判断されたときは(ステップS403にてNO)、次にステップS405の処理として、大当りへの当選の期待度が高い高期待演出(例えばリーチ演出など)を行うべきか否かを判断する。ステップS405の処理では、例えば、上記ステップS303(図87参照)の処理にて取得されたリーチ判定用乱数が所定の当り値であるときに高期待演出を行うと判断され、取得されたリーチ判定用乱数が所定の当り値でないときには高期待演出を行わないと判断される。その結果、高期待演出を行うべきであると判断されると(ステップS405にてYES)、高期待演出を行うときの変動パターンが設定されるべく、後述の高期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS406)。
なお、リーチ判定用乱数に対して用意される所定の当り値の数については、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)の各遊技状態の別に異ならせるようにしてもよい。例えば、本実施形態にかかるパチンコ機1では、通常外部不利遊技状態においては、リーチ判定用乱数が所定の当り値であることに基づいて高期待演出を行うべきであると判断される確率は「1/12」となっているが、通常外部有利遊技状態や確変外部有利遊技状態においては、リーチ時の期待度がより高められるように(若しくは、効率の良い保留消化が行われるように)、より低い確率をもって高期待演出を行うべきであると判断されるようにしてもよい。また逆に、確変外部不利遊技状態においては、大当りである可能性をより高い頻度で意識付けさせることができるように、より高い確率をもって高期待演出を行うべきであると判断されるようにしてもよい。
一方、主制御MPU4100aは、大当りへの当選の期待度が高い高期待演出を行うべきでないと判断されると(ステップS405にてNO)、高期待演出が行われないときのハズレ変動パターン(通常のハズレ変動パターン)が設定されるべく、低期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS407)。
ここで、低期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理にて設定されるテーブルは、複数の遊技状態の別にそれぞれ対応付けされるかたちで用意されており、例えば、通常遊技状態においては、保留数が所定値以上であるときに短縮変動が行われるようになっている。
ただし、時短機能が作動する遊技状態においては、小当りに当選する確率が「0」とされている第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数が途切れ難くなるように変動時間が設定されている。より具体的には、第二特別図柄側の保留数が所定値以下であるときには、時短機能が作動する遊技状態にあるにもかかわらず短縮変動を採用せず、通常遊技状態において短縮変動が採用されないときの変動時間と同等以上の長さをもった変動時間(通常遊技状態における短縮変動よりも長い変動時間)のみが選択されるようになっている。また、第一特別図柄側の変動時間についてはその保留数にかかわらず短縮変動を採用せず、通常遊技状態において短縮変動が採用されないときの変動時間と同等以上の長さをもった変動時間のみが選択されるようになっている。これにより、時短機能が作動する遊技状態にあるときは、小当りが当選されうる第一特別図柄側の保留が消化されることが抑制されるようになり、ひいては当該パチンコ機1に小当りが搭載されていることを遊技者に気付かせ難くすることができるようになる。
そして後述するが、図88に示されるように、ステップS402、ステップS404、ステップS406、及びステップS407のいずれかの処理において、変動パターンにかかる選択テーブルが設定されると、主制御MPU4100aは、次にステップS410の処理として、該設定された選択テーブルに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。次いで、ステップS411の処理として、こうして決定された特別図柄の変動パターン(変動時間)を演出コマンドとしてセットするとともに、大当りフラグ(ステップS317)や小当りフラグ(ステップS320)の状態に基づいて当選情報コマンド(当りにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)をセットする。
さらに、主制御MPU4100aは、上記決定された変動パターンに応じた変動時間の値をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットする(ステップS413)。この特図LED作動フラグがONにセットされると、上記ステップS305又は上記ステップS309の処理にて設定された特別図柄変動フラグの値に基づいて、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示が開始されるようになる。この後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS414)、変動パターン設定処理を終了する。
ところで、この変動パターン設定処理で設定された変動パターンは、上記ステップS411の処理にてセットされる演出コマンドとして、図84に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信される。これにより、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記演出コマンドにより示される変動パターンと上記当選情報コマンドにより示される情報とに基づいて、大当り抽選の結果が示されるように表示演出が行われるようになる。
ただし後述するが、本実施形態にかかるパチンコ機1では、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴わない当り(小当り)であるとき、液晶表示装置1400における表示演出については、上記設定された変動パターンの変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間にまで延長(演出時間を延長)させた上で、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に落選されたことを示すように実行されうるようにしてもよい(図104(b)の延長演出パターン)。すなわち、この場合、特別図柄の停止後、小開放当り遊技の実行に際し、賞球の獲得を煽るような表示演出が現れなくなることはもとより、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させることができるようになり、上記開閉部材2006が動作するまでの演出として何らかの期待を持たせてしまう可能性がある間延びも好適に回避されるようになる。
また、これも後述するが、本実施形態にかかるパチンコ機1では、特別図柄の停止後に大当りの落選であることが示される上述の小当り時の表示演出(延長ハズレ演出)に対し、特別図柄の停止後に大当りに当選されたことが示される表示演出(延長大当り演出)も用意している。すなわち、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるとき、液晶表示装置1400における表示演出については、上記設定された変動パターンの変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間にまで延長させた上で、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に当選されたことを示すように実行されうるようにしている(図104(b)の延長演出パターン)。
すなわちこの場合、上述の小当り時の表示演出が大当りの落選時に現れる単なるハズレ演出(高期待ハズレ変動パターン)として位置付けされることとなる。これにより、条件装置の作動を伴わない当り(小当り)が搭載されているパチンコ機1であることが気付かれ難くなり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材2006が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただし、パチンコ機1の機能表示ユニットとしては、7セグメントLEDに代えて、特定の記号をなさない八つのLED群を採用するようにしてもよい。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器と第二特別図柄表示器を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器と第二特別図柄記憶表示器、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニットでも上記と同様の作用効果を奏することができるほかに、第一特別図柄表示器と第二特別図柄表示器を何らの記号もなさない八つのLED群で構成するようにしているので、数字記号による意味を持つ7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。したがって、機能表示ユニットで表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニットの表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
そして、このような機能表示ユニットを採用した場合は、小当りの当選時における複数のLED(特別図柄)の点灯態様(特別図柄の停止時)については、大当りの当選時における複数のLED(特別図柄)の点灯態様(特別図柄の停止時)から1つのLEDが点灯しているか否かだけの違いとされるなど、互いに近似した態様として現れるように制御することが望ましい。すなわちこの場合、液晶表示装置1400における表示演出が特別図柄の停止後の期間にまで延長されたときに、同図柄(複数のLED)を見てもいずれの結果であるのかすぐ(少なくとも演出延長後に当落が明示されるまでの短い時間が経過するまでの間)には把握し難くなる。したがって、同延長された表示演出(延長演出)に集中させることができるようになることはもとより、特別図柄(複数のLED)に対する興味が減退されることによって特別図柄の停止後の期間にまで延長された表示演出であることすら遊技者が認識し難くすることができるようになる。これにより、延長演出が現れたときの特殊性によって当該パチンコ機1に小当りが搭載されていることが推測されてしまうようなことが抑制されるようになり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材2006が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
次に、図96に基づいて大当り時の変動パターン決定処理について説明する。図96は、通常時の大当り変動パターンテーブルT1、通常時の小当り変動パターンテーブルT2、及び通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3の一例を示す一覧表図である。なお、図96の当落の欄に記載の○は大当りを意味し、△はハズレ時の特定条件の成立(小当り)を意味し、×はハズレ時の特定条件の不成立(純ハズレ)を意味する。
上述の通り、いま、上記ステップS401(図88参照)の処理において、大当りフラグがONであると判断された場合には、主制御MPU4100aは、ステップS402(図88参照)の処理として、大当りに当選されている場合の変動パターンが設定されるべく、大当り変動パターンテーブル設定処理を行う。
大当り変動パターンテーブル設定処理では、まず、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)のいずれの遊技状態にあるかを判断する。すなわち、本実施形態にかかるパチンコ機1では、各遊技状態の別に異なる大当り変動パターンテーブル(図示は割愛する)が用意されており、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にある旨判断されたときには、大当りの種別にかかわらず図96に示した通常時の大当り変動パターンテーブルT1を選択するようにしている。
そして上述の通り、通常時の大当り変動パターンテーブルT1が選択されると、主制御MPU4100aは、該選択されたテーブルT1を参照しつつ、上記ステップS303(図87参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS410)。なおここでは、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器(LED)の停止(点灯)態様も決定される。
ここで、特別図柄の変動表示パターン乱数として例えば「0」〜「99」までの値が取得され得るとすると、通常時の大当り変動パターンテーブルT1では、これら「0」〜「99」までの値のうち、9個の特定の値が変動番号1(変動時間Ta1)に割り振られ(大当り時の選択率9%)、20個の特定の値が変動番号5(変動時間Tb1)に割り振られ(大当り時の選択率20%)、30個の特定の値が変動番号9(変動時間Tc1)に割り振られ(大当り時の選択率30%)、40個の特定の値が変動番号12(変動時間Td1)に割り振られ(大当り時の選択率40%)、1個の特定の値が変動番号15(変動時間Te)に割り振られる(大当り時の選択率1%)。このように、大当り確定の変動番号15を除けば、変動番号が大きくなるにつれて特定の値(大当り値)の割り振られる数が大きくなる傾向を持たせている。
なお後述するが、変動番号1(変動時間Ta1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a(若しくは、a´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われる。また、変動番号5(変動時間Tb1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b(若しくは、b´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号9(変動時間Tc1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われる。さらに、変動番号12(変動時間Td1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号15(変動時間Te1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「e」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われる。なお、演出内容a、演出内容a´、演出内容b、演出内容b´、演出内容c、演出内容c´、演出内容d、演出内容d´、演出内容eはいずれも、液晶表示装置1400にて現れる表示演出の種類(例えば、リーチ演出の種類やストーリー演出の種類)の異なるものである。
また、これも後述するが、変動時間の長さとしては、変動時間Ta1よりも変動時間Tb1のほうが長く、変動時間Tb1よりも変動時間Tc1のほうが長くなっている。さらに、変動時間Tc1よりも変動時間Td1のほうが長く、変動時間Td1よりも変動時間Teのほうが長くなっている。
そして上述の通り、このような通常時の大当り変動パターンテーブルT1において、上記ステップS303(図87参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されると、主制御MPU4100aは、該決定された変動パターンに対応付けされている演出コマンド(例えば、変動番号1であればコマンド「01H」)と、当選情報コマンド(当りにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)とをそれぞれセットする(ステップS411)。さらに、上記決定された変動パターンに対応付けされている変動時間の値(例えば、変動番号1であれば変動時間Ta1)をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットし(ステップS413)、処理フラグを「2」に更新(ステップS414)することとなる。
一方、大当り変動パターンテーブル設定処理を行うにあたり、通常外部不利遊技状態とは異なる他の遊技状態である旨判断されたときには、主制御MPU4100aは、該判断された遊技状態に対応付けされている大当り変動パターンテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づいて変動パターンを決定し、該決定された変動パターンに応じた各種コマンドを設定することとなるが、この説明については割愛する。
なお、本実施形態にかかるパチンコ機1では、通常外部不利遊技状態において、第一特別図柄側の抽選(変動)と第二特別図柄側の抽選(変動)とのいずれによって大当りが当選されたかにかかわらず、通常時の大当り変動パターンテーブルT1を選択することとしたが、第一特別図柄側の抽選(変動)が行われるときと、第二特別図柄側の抽選(変動)が行われるときとで、異なる内容とされた大当り変動パターンテーブルを選択することにより異なる内容の表示演出が現れるようにしてもよい。
また、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にあると判断されたときには、大当りの種別にかかわらず図96に示した通常時の大当り変動パターンテーブルT1を選択するようにしたが、大当りの種別に応じた大当りフラグの状態に基づいて、大当りの種別毎に用意された通常時の大当り変動パターンテーブルのいずれかを選択的に用いるようにしてもよい。
すなわちこの場合、大当りの種別に応じて変動パターンの選択率を異ならせることが可能となり、特定の変動パターンが現れたときには特定種別の大当りである確率を高くするなどの偏りを持たせられるようになる。また、変動時間が同じ場合であっても変動番号(演出コマンド)を大当りの種別に応じて異ならせることが可能となり、この場合には、演出コマンドを確認するだけで、変動パターンはもとより、大当りの種別を把握することができるようになる。このため、周辺制御基板4140側にて演出コマンドと当選情報コマンドとを比較してその適正性を判断するようにすれば、主制御基板4100との間での通信にかかる信頼度の向上を図ることができるようになる。
次に、図96に基づいて小当り時の変動パターン決定処理について説明する。
上述の通り、上記ステップS403(図88参照)の処理において、小当りフラグがONであると判断されたとすると、主制御MPU4100aは、ステップS404(図88参照)の処理として、小当りに当選されているときの変動パターンが設定されるべく、小当り変動パターンテーブル設定処理を行う。
小当り変動パターンテーブル設定処理では、まず、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)のいずれの遊技状態にあるかを判断する。すなわち、本実施形態にかかるパチンコ機1では、各遊技状態の別に異なる小当り変動パターンテーブル(図示は割愛する)が用意されており、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にあると判断されたときに、図96に示した通常時の小当り変動パターンテーブルT2を選択するようにしている。
そして上述の通り、こうして通常時の小当り変動パターンテーブルT2が選択されると、主制御MPU4100aは、該選択されたテーブルT2を参照しつつ、上記ステップS303(図877参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS410)。なおここでは、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器(LED)の停止(点灯)態様も決定される。
ここで、特別図柄の変動表示パターン乱数として例えば「0」〜「99」までの値を取得可能とすると、通常時の小当り変動パターンテーブルT2では、これら「0」〜「99」までの値のうち、35個の特定の値が変動番号2(変動時間Ta2)に割り振られ(小当り時の選択率35%)、30個の特定の値が変動番号6(変動時間Tb2)に割り振られ(小当り時の選択率30%)、30個の特定の値が変動番号10(変動時間Tc2)に割り振られ(小当り時の選択率20%)、5個の特定の値が変動番号13(変動時間Td2)に割り振られる(小当り時の選択率5%)。このように、変動番号が大きくなるにつれて特定の値(小当り値)の割り振られる数が小さくなる傾向を持たせている。
なお後述するが、変動番号2(変動時間Ta2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a(若しくは、a´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われる。変動番号6(変動時間Tb2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b(若しくは、b´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われる。変動番号10(変動時間Tc2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われる。変動番号13(変動時間Td2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われる。なお、大当り抽選の結果が示されるこのような表示演出としては、例えば、大当りに落選されたことが示される表示演出や、開閉部材2006の動作によって賞球獲得が可能とされる遊技状態に移行することが示される表示演出(大当りに当選された場合にも現れる表示演出)などが適宜に採用される。
また、これも後述するが、変動時間の長さとしては、変動時間Ta2は、変動時間Ta1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Ta1(変動番号1)や、変動時間Ta2(変動番号2)が選択されたときにはいずれも演出内容「a(若しくは、a´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。また、変動時間Tb2は、変動時間Tb1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Tb1(変動番号5)や、変動時間Tb2(変動番号6)が選択されたときにはいずれも演出内容「b(若しくは、b´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。
また、変動時間Tc2は、変動時間Tc1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Tc1(変動番号9)や、変動時間Tc2(変動番号10)が選択されたときにはいずれも演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。また、変動時間Td2は、変動時間Td1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Td1(変動番号12)や、変動時間Td2(変動番号13)が選択されたときにはいずれも演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。
そして上述の通り、このような通常時の小当り変動パターンテーブルT2において、上記ステップS303(図87参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されると、該決定された変動パターンに対応付けされている演出コマンド(例えば、変動番号2であればコマンド「02H」)と、当選情報コマンド(当りにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)とをそれぞれセットする(ステップS411)。さらに、上記決定された変動パターンに対応付けされている変動時間の値(例えば、変動番号2であれば変動時間Ta2)をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットし(ステップS413)、処理フラグを「2」に更新(ステップS414)することとなる。
一方、小当り変動パターンテーブル設定処理を行うにあたり、通常外部不利遊技状態とは異なる他の遊技状態である旨判断されたときには、該判断された遊技状態に対応付けされている小当り変動パターンテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づいて変動パターンを決定し、該決定された変動パターンに応じた各種コマンドを設定することとなるが、この説明については割愛する。ただし、時短機能が作動する遊技状態(外部有利遊技状態)において小当りが当選された場合は、単一の変動パターンが決定されて、期待感を煽ることなく淡々と表示処理(例えば、純ハズレ時の低期待演出と同じ表示処理)されるようにすることが望ましい。
次に、図96に基づいて高期待演出時の変動パターン決定処理について説明する。
上述の通り、上記ステップS405(図88参照)の処理において、高期待演出を行うべきであると判断されたとすると、主制御MPU4100aは、ステップS406(図88参照)の処理として、高期待演出を行うときの変動パターンが設定されるべく、高期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS406)。
この高期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理においても、まず、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)のいずれの遊技状態にあるかを判断する。すなわち、本実施形態にかかるパチンコ機1では、各遊技状態の別に異なる高期待ハズレ変動パターンテーブル(図示は割愛する)が用意されており、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にある旨判断されたときに、図96に示した通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3を選択するようにしている。
そして上述の通り、通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3が選択されると、主制御MPU4100aは、該選択されたテーブルT3を参照しつつ、上記ステップS303(図87参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS410)。なおここでは、第一特別図柄表示器641又は第二特別図柄表示器642(LED)の停止(点灯)態様も決定される。
ここで、特別図柄の変動表示パターン乱数として例えば「0」〜「99」までの値を取得可能とすると、通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3では、これら「0」〜「99」までの値のうち、40個の特定の値が変動番号3(変動時間Ta3)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率40%)、17個の特定の値が変動番号4(変動時間Ta4)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率17%)、25個の特定の値が変動番号7(変動時間Tb3)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率25%)、13個の特定の値が変動番号8(変動時間Tb4)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率13%)、3個の特定の値が変動番号11(変動時間Tc3)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率3%)、2個の特定の値が変動番号14(変動時間Td3)に割り振られている(高期待ハズレ時の選択率2%)。このように、変動番号が大きくなるにつれて特定の値(ハズレ値)の割り振られる数が小さくなる傾向を持たせている。
なお後述するが、変動番号3(変動時間Ta3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a、発展なし(若しくは、a´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われる。また、変動番号4(変動時間Ta4)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a、発展あり」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出、若しくは液晶表示装置1400において演出内容「c´」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われる。
また、変動番号7(変動時間Tb3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b、発展なし(若しくは、b´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われる。また、変動番号8(変動時間Tb4)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b、発展あり」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出、若しくは液晶表示装置1400において演出内容「d´」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われる。
さらに、変動番号11(変動時間Tc3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号14(変動時間Td3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われる。
なお、後述するが、変動番号4、8のときは、周辺制御基板4140側での制御モードに応じて異なる演出内容でのハズレ演出パターンとして現れるようになっており、これによって当該ハズレ演出パターンの変動番号4,8の対となる大当り演出パターンの変動番号が変動番号1,5と変動番号9,12との間で変更されるようになることから、周辺制御基板4140側での制御モードに応じて大当り期待度の異なる演出パターンが現れるようにすることができるようになる。
また、これも後述するが、変動時間の長さとしては、変動時間Ta3は、変動時間Ta1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Ta1(変動番号1)や、変動時間Ta2(変動番号2)、変動時間Ta3(変動番号3)が選択されたときにはいずれも演出内容「a」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。ただし、変動時間Ta1(変動番号1)や、変動時間Ta2(変動番号2)が選択されたときには、開閉部材2006によって大入賞口2003が開閉される前のオープニング期間にまで演出内容「a」にかかる演出が延長される場合があることから、こうした延長演出が行われるときの対となるハズレ演出パターンとして、変動時間Ta3(変動番号3)よりも長い変動時間Ta4(変動番号4)が用意されている。また、変動時間Ta4(変動番号4)は、変動時間Tc3(変動番号11)を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)としても設定されており、これによって周辺制御基板4140側での制御によっては、変動時間Tc3(変動番号11)の演出パターンとして用いることもできるようになっている。これにより、当該ハズレ演出パターンの変動番号4の対となる大当り演出パターンの変動番号が変動番号1と変動番号9との間で変更されるようになることは上述した通りである。
さらに、変動時間Tb3は、変動時間Tb1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Tb1(変動番号5)や、変動時間Tb2(変動番号6)、変動時間Tb3(変動番号7)が選択されたときにはいずれも演出内容「b」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。ただし、変動時間Tb1(変動番号5)や、変動時間Tb2(変動番号6)が選択されたときには、開閉部材2006によって大入賞口2003が開閉される前のオープニング期間にまで演出内容「b」にかかる演出が延長される場合があることから、こうした延長演出が行われるときの対となるハズレ演出パターンとして、変動時間Tb3(変動番号7)よりも長い変動時間Tb4(変動番号8)が用意されている。また、変動時間Tb4(変動番号8)は、変動時間Td3(変動番号14)を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)としても設定されており、これによって周辺制御基板4140側での制御によっては、変動時間Td3(変動番号14)の演出パターンとして用いることもできるようになっている。これにより、当該ハズレ演出パターンの変動番号8の対となる大当り演出パターンの変動番号が変動番号5と変動番号12との間で変更されるようになることは上述した通りである。
そして上述の通り、このような通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3において、上記ステップS303(図87参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されると、該決定された変動パターンに対応付けされている演出コマンド(例えば、変動番号3であればコマンド「03H」)と、当選情報コマンド(当りにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)とをそれぞれセットする(ステップS411)。さらに、上記決定された変動パターンに対応付けされている変動時間の値(例えば、変動番号3であれば変動時間Ta3)をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットし(ステップS413)、処理フラグを「2」に更新(ステップS414)することとなる。
一方、大当り変動パターンテーブル設定処理を行うにあたり、通常外部不利遊技状態とは異なる他の遊技状態である旨判断されたときには、該判断された遊技状態に対応付けされている高期待変動パターンテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づいて変動パターンを決定し、該決定された変動パターンに応じた各種コマンドを設定することとなるが、この説明については割愛する。
このような通常時の大当り変動パターンテーブルT1、通常時の小当り変動パターンテーブルT2、及び通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3によれば、大当り期待度は、表示演出aよりも表示演出bのほうが高くなり、表示演出bよりも表示演出cのほうが高くなり、表示演出cよりも表示演出dのほうが高くなり、表示演出dよりも表示演出eのほうが高くなる。特に、表示演出eについては、大当りが当選されているときにのみ現れうることから、同演出eが現れた時点で大当りに当選されていることが確定されるようになる。
次に、処理フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS180)について説明する。図89は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
図89に示されるように、変動中処理(ステップS180)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS501の処理として、上記ステップS412(図88参照)の処理にてタイマにセットされた変動時間がタイムアップしたか否かを判断する。タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていなければ(ステップS501にてNO)、変動中処理を終了する。
主制御MPU4100aは、タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていれば(ステップS501にてYES)、上記ステップS413の処理にてONにセットした特図LED作動フラグをOFFにセットする(ステップS502)。この特図LED作動フラグがOFFにセットされると、上記ステップS305又は上記ステップS309の処理にて設定された特別図柄変動フラグの値に基づいて、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示(特別図柄の変動)が終了されるようになる。
また、主制御MPU4100aは、液晶表示装置1400において大当り抽選についての表示演出が行われているときにはこの表示演出を終了させるべく、周辺制御基板4140に対し、同表示演出における演出結果が確定表示されるべき旨を示す確定停止コマンドをセットする(ステップS503)。なお、この確定停止コマンドは、図84に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信される。これにより、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、同表示演出における演出結果を確定表示させるようになる。ただし、本実施形態にかかるパチンコ機1では、周辺制御基板4140における制御モードによっては、確定停止コマンドを受信したにもかかわらず液晶表示装置1400における表示演出を終了させずに、その後のオープニング期間まで当該表示演出が延長されるように制御することがあることは上述した通りである。
次いで、主制御MPU4100aは、大当りフラグがONであるか否かを判断する(ステップS504)。大当りフラグがONであれば(ステップS504にてYES)、大当りに当選されたことが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして処理フラグを「3」に更新し(ステップS505)、当該変動中処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、大当りフラグがONでなく大当りに落選されたハズレであるときは(ステップS504にてNO)、次にステップS506の処理として、小当りフラグがONであるか否かを判断する。小当りフラグがONであれば(ステップS506におけるYES)、小当りに当選されたことが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして処理フラグを「4」に更新し(ステップS507)、当該変動中処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、小当りフラグがONでなく純ハズレ(特定条件が満たされないハズレ)であるときは(ステップS506にてNO)、大当りと小当りとのいずれにも落選されたことが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして処理フラグを「0」に更新し(ステップS508)、当該変動中処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS130の処理にて保留消化されることを条件に、特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
次に、処理フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS200)について説明する。図90は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
図90に示されるように、大当り遊技開始処理(ステップS200)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS601の処理として、条件装置を作動させる。次いで、ステップS2602の処理として、通常外部不利遊技状態や通常外部有利遊技状態にあるときよりも条件装置の作動を伴う当り(大当り)の当選確率を高くする機能(確率変動機能)が作動中(確率変動状態)であるか否かを判断する。この結果、確変外部不利遊技状態、及び確変外部有利遊技状態のいずれかの遊技状態にあり、確率変動機能が作動中であると判断されたときには(ステップS602にてYES)、この確率変動機能の作動を停止させる(ステップS603)。
次に、主制御MPU4100aは、ステップS604の処理として、こうして確率変動機能の作動が停止されたもとで、上記第二始動口2005cに遊技球が入球され易くする機能(時短機能)が作動中(時短遊技状態)であるか否かを判断する。なお、上記ステップS602の処理にて確率変動機能が作動中であると判断されなかったときには、上記ステップS603の処理を実行することなく当該ステップS604の処理に移行する。この結果、通常外部有利遊技状態、及び確変外部有利遊技状態のいずれかの遊技状態にあり、時短機能が作動中である旨判断されたときには(ステップS604におけるYES)、この時短機能の作動を停止させる(ステップS605)。
次に、確率変動機能と時短機能との作動がいずれも停止されたもとで大当り遊技が行われるべく、ステップS606の処理として、主制御MPU4100aは、同大当り遊技にて大入賞口2003が繰り返し開放されるラウンド遊技の最大回数(本実施形態では、16回、若しくは9回)や、各ラウンド遊技にて大入賞口2003に遊技球が入球可能とされる上限数(所定の大個数)や、各ラウンド遊技における開閉部材2006の開閉動作制限時間(長時間開閉パターンの所定長時間)など、大当り遊技における開放態様をセットする。すなわち、ステップS606の処理では、まず、上記ステップS317(図87参照)の処理にてセットされた大当りフラグに基づいて、大当りの種別が判断される。そして、判断された大当りの種別(大当りA〜大当りE)ごとに対応付けされて用意されている「大当り遊技における開放態様」にかかる情報が主制御基板4100(主制御MPU4100a)のROMなどから読み出され、該読み出された情報がセットされることとなる。これにより、大当りの種別(大当りA〜大当りE)に応じた上述の開放態様をもって大当り遊技が実行可能とされるようになる。なお、上記ステップS604の処理にて時短機能が作動中である旨判断されなかったときには、上記ステップS605の処理を実行することなく当該ステップS606の処理を行うこととなる。
その後、主制御MPU4100aは、大当り遊技が行われるのに先立って、大当り遊技が行われる前のインターバル演出(例えば、「おめでとう」などのオープニング演出や、「出玉獲得のチャンス!」などのチャレンジボーナス演出)が実行可能とされるように、特別図柄の停止時から特別ボーナス遊技(大当り遊技)が開始されるまでの時間などが示される大当り時のインターバル演出コマンドをセットする(ステップS607)。ただし上述の通り、本実施形態にかかるパチンコ機1では、大当りの当選時においては、上記液晶表示装置1400における表示演出が特別図柄の停止後の期間にまで延長される演出(上述の如くの延長演出)が実行されうることから、こうしてセットされるインターバル演出コマンドとしてもこれを踏まえたものとして用意されている。
すなわち、小当り当選時にも現れる延長演出に要する時間との関係上、大当りの種別にかかわらず特定の一定時間(例えば8秒)が示されるインターバル演出コマンドのみがセットされるようになっている。そして、こうしてセットされたインターバル演出コマンドが、図84に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、当該コマンドにより示される特定の一定時間(例えば8秒)においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、液晶表示装置1400にて上述の如くのインターバル演出と上述の如くの延長演出とのいずれかが選択的に行われるようになる。
次いで、主制御MPU4100aは、上記ステップS607の処理にてセットされたインターバル演出コマンドに対応付けされたインターバル演出タイマ(例えば8秒)をセットするとともに(ステップS608)、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、当該大当り遊技開始処理を終了する。
次に、処理フラグが「4」のときに実行される小当り遊技開始処理(ステップS220)について説明する。図91は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
図91に示されるように、小当り遊技開始処理(ステップS220)では、主制御MPU4100aは、まず、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるべく、ステップS701の処理として、同小当り遊技にて大入賞口2003が繰り返し開放される回数(本実施形態では、2回)や、開放時に大入賞口2003に遊技球が入球可能とされる上限数(所定の小個数)や、開放時に開閉部材2006の開閉動作制限時間(小時間開閉パターン)など、小開放当り遊技(小当り遊技)における開放態様をセットする。
その後、主制御MPU4100aは、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるのに先立って、小遊技が行われる前のインターバル演出(例えば、「出玉獲得のチャンス!」などのチャレンジボーナス演出)が実行可能とされるように、特別図柄の停止時から小ボーナス遊技(小当り遊技)が開始されるまでの時間などが示される小当り時のインターバル演出コマンドをセットする(ステップS702)。ただし上述の通り、本実施形態にかかるパチンコ機1では、小当りの当選時においては、上記液晶表示装置1400における表示演出が特別図柄の停止後の期間にまで延長される演出(上述の如くの延長演出)が実行されうることから、こうしてセットされるインターバル演出コマンドとしてもこれを踏まえたものとして用意されている。すなわち、本実施形態にかかるパチンコ機1では、大当り当選時にも現れる延長演出に要する時間との関係上、小当り当選時の図柄乱数(大当り図柄用乱数)にかかわらず特定の一定時間(例えば8秒)が示されるインターバル演出コマンドのみがセットされるようにしている。延長演出が現れるときのこうした時間設定によって小当りの存在が推測されてしまうようなことが抑制されるようになり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材2006が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
次いで、主制御MPU4100aは、上記ステップS702の処理にてセットされたインターバル演出コマンドに対応付けされたインターバル演出タイマ(例えば8秒)をセットするとともに(ステップS703)、処理フラグを「6」に更新し(ステップS704)、当該小当り遊技開始処理を終了する。
なお後述するが、こうしてセットされたインターバル演出コマンドが、図84に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記インターバル演出コマンドにより示される時間だけインターバル演出が行われるようになる。
次に、処理フラグが「5」のときに実行される大当り遊技処理(ステップS240)について説明する。図92は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
図92に示されるように、大当り遊技処理(ステップS240)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS801の処理として、大当り遊技が既に行われている状態にあることを示す大当り遊技中フラグがON状態(セット)にあるか否かを判断する。
ここで、この大当り遊技中フラグは、当該大当り遊技処理(ステップS240)に移行してすぐの処理状況にあるときにはOFF状態に操作されている。したがって、当該大当り遊技処理(ステップS240)に移行してすぐの処理状況にあるときには、主制御MPU4100aは、大当り遊技中フラグがON状態(セット)にないと判断し(ステップS801にてNO)、次にステップS802の処理を行う。
ステップS802の処理では、主制御MPU4100aは、上述のインターバル演出(大当り確定のオープニング演出、大入賞口2003の開放確定(ボーナス遊技の実行確定)のチャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が終了したか否か、すなわち上記ステップS607(図90参照)の処理にてセットされたインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしたか否かについての判断を行う。インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしておらず、上述のインターバル演出(大当り確定のオープニング演出、大入賞口2003の開放確定のチャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が未だ実行中である場合には(ステップS802にてNO)、当該大当り遊技処理を一旦終了し、ステップS801及びステップS802の処理を通じてインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまで待機する(割込処理を繰り返す)こととなる。
ただし、本実施形態にかかる主制御MPU4100aでは、こうした処理が行われた結果、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップした場合であっても(ステップS802にてYES)、これのみをもって大当り遊技が開始されるようなことがないように、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップされた以降、有効ゲート6010n(特定の受入口)を遊技球が通過したか否かについての判断を行う(ステップS803)。この結果、有効ゲート6010nを遊技球が通過した旨判断されないときは、当該大当り遊技処理を一旦終了し、ステップS803の処理において有効ゲート6010nを遊技球が通過した旨判断されるまで待機する(割込処理を繰り返す)ことで、インターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップした以降に有効ゲート6010nに遊技球が受け入れられるまでは大入賞口2003の開閉部材2006を動作させることなくこれを閉状態にて延長維持制御させるようにしている。
このような大入賞口2003の閉制御期間にかかる延長制御によれば、大当りに当選したことに基づいて特別図柄が停止されてから大当り遊技が開始されるまでの閉制御期間(開閉部材2006が閉状態にて維持制御される期間)のうち、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間を「特別図柄が停止表示されてからの予め定められた長さをもった第1の閉制御期間」とするとき(ステップS802)、この第1の閉制御期間が経過した後には、「不定の長さをもった閉制御期間としての第2の閉制御期間」がさらに現れるようになる(ステップS803)。したがって、予め定められた長さをもった閉制御期間としての属性と、不定の長さをもった閉制御期間としての属性とを相互に利用した斬新な演出を実現することができるようになる。
より具体的には、第1の閉制御期間(ここでは8秒)については、例えば、上述の通り、上記設定された特別図柄の変動パターンの変動時間との加算時間として用い、この加算時間を一単位として、液晶表示装置1400における表示演出を特別図柄の変動表示に対して延長させて行うなど、予め定められた長さをもった閉制御期間としての属性を利用した演出を実現することができるようになる。なお後述するが、本実施形態では、大当り抽選にかかる表示演出が、特別図柄の変動時間と第1の閉制御期間とを加算した時間分の演出内容をもって実行される場合があるようにしている。これに対し、第2の閉制御期間(ここでは、有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間)については、例えば、同期間を利用して開閉部材2006が動作するまでの長編ムービーを液晶表示装置1400にて流すことなど、不定の長さをもった閉制御期間としての属性を利用した演出を実現することができるようになる。すなわち、第2の閉制御期間(ここでは、有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間)については、遊技者によって適宜に同期間を終了させることが可能であることから、長編ムービーなどの冗長な演出を実現した場合であっても、演出の間延びによって遊技興趣の低下などの弊害が生じることがなく、演出の幅を広げることができるようになる。
そして、こうした処理が行われた結果、ステップS803の処理において有効ゲート6010nを遊技球が通過した旨判断された場合には、役物連続作動装置が作動することによって大当り(条件装置の作動を伴う当り)の当選に応じた開閉部材2006の動作(大当り遊技)が可能とされる状態に移行する。すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、ステップS804の処理として、大当り遊技を開始させることを示す大当り開始コマンドをセットするとともに、大当り遊技が既に行われている状態にあることを示す上記大当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)し、次にステップS805の処理に移行する。
すなわち、後述するが、セットされた大当り開始コマンドが、図84に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記大当り遊技中における表示演出が行われるようになる。また、大当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)するようにしたことで、次回以降の割り込み制御にて当該大当り遊技処理(ステップS240)が開始されるときには、このようなステップS801〜ステップS804の処理を行うことなく、大当り遊技の実行にかかる処理を行うように以下のステップS805の処理から行われるようになる。
ステップS805の処理では、主制御MPU4100aは、大入賞口2003が開放中か否かを判断する。開放中の場合には(ステップS805にてYES)、次にステップS806の処理として、大入賞口2003の開放時間(開放した後の経過時間)が上記ステップS606(図90参照)の処理にて設定された開閉動作制限時間(所定長時間、若しくは所定中時間)に達したか否かを判断する。この結果、この開閉動作制限時間が経過したと判断されたときは(ステップS806にてYES)、開閉部材2006を閉動作させることにより大入賞口2003を閉鎖する(ステップS808)。
ただし、主制御MPU4100aは、上記ステップS806の処理において、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過していない旨判断された場合であっても(ステップS806にてNO)、大入賞口2003が開放された後に同大入賞口2003に入球した遊技球の個数が、上記ステップS606の処理にて設定された上限数(例えば10個)以上になっている場合には(ステップS807にてYES)、上記ステップS808の処理に移行して大入賞口2003を閉鎖する。これに対し、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過しておらず(ステップS806にてNO)、大入賞口2003に入球した遊技球の個数も上限数に未だ達していない場合には(ステップS807にてNO)、大入賞口2003を開放状態にて維持したままで、大当り遊技処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、上記ステップS805の処理において、大入賞口2003が開放中でない旨判断された場合には、開閉部材2006による大入賞口2003の開放回数(ラウンド遊技の回数)が、上記ステップS606(図90参照)の処理にて設定された最大回数(16回、若しくは9回)に到達しているか否かを判別する(ステップS809)。そして、到達していない場合には(ステップS809にてNO)、開閉部材2006を作動して大入賞口2003を開放し(ステップS810)、大当り遊技処理を終了する。
一方、上記ステップS809の処理において、ラウンド遊技が既に最大回数分だけ行われた旨判断されたときは、役物連続作動装置の作動が停止することによって大当り(条件装置の作動を伴う当り)に当選されたことに応じた開閉部材2006の動作(大当り遊技)が不可能とされる状態に移行することとなる。すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、ステップS811〜ステップS817の処理を実行することにより、例えばステップS317(図87参照)の処理にて大当りフラグとは別に主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにて記憶されている当該大当り遊技の実行契機とされた大当りの当選種に基づいて、大当り遊技後の遊技状態を設定してから当該大当り遊技処理を終了させる。なお、ここでの当選種とは、確率変動機能や時短機能を作動させる当選種であるか否かについてのものであり、例えば当該大当り遊技の実行契機とされた大当りが大当りCである場合には、当該大当りである旨判断されたときの遊技状態に応じて時短機能を作動させるものであるか否かについての情報の内容が異なることとなる。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、大当りフラグと大当り遊技中フラグとをそれぞれOFF状態に操作し(ステップS811)、当該大当り遊技の実行契機とされた大当りの当選種を判別する(ステップS812、ステップS814)。ここで、ステップS812の処理では、確率変動機能を作動させる当選種(大当りA〜D)であるか否かが判断される。そしてこの結果、確率変動機能を作動させる当選種でない旨判断されたときには、確率変動機能を作動させることなく、次に上記ステップS814の処理に移行する。これに対し、上記ステップS812の処理にて、確率変動機能を作動させる当選種である旨判断されたときには、確率変動機能を作動させてから(ステップS813)、次に上記ステップS814の処理に移行する。
また、ステップS814の処理では、時短機能を作動させる当選種(大当りA、大当りB、時短遊技状態であるときに当選された大当りC)であるか否かが判断される。そしてこの結果、主制御MPU4100aは、時短機能を作動させる当選種でない旨判断されたときには、時短機能を作動させることなく条件装置の作動を停止するとともに(ステップS816)、処理フラグを「0」をセットした時点で(ステップS817)、大当り遊技処理を終了する。これに対し、上記ステップS814の処理にて、時短機能を作動させる当選種である旨判断されたときには、時短機能を作動させてから(ステップS815)、条件装置の作動を停止するとともに(ステップS816)、処理フラグを「0」をセットした時点で(ステップS817)、大当り遊技処理を終了する。
このような大当り遊技開始処理によれば、ステップS807の処理にてラウンド遊技が最大回数に到達した旨判断されるまでの間、大入賞口2003は、大当りの種別に応じた開放態様(ステップS806、ステップS807、ステップS809)をもって繰り返し開放されるようになり、ひいては大当りの種別に応じた賞球が遊技者によって獲得可能とされるようになる。
次に、処理フラグが「6」のときに実行される小当り遊技処理(ステップS250)について説明する。図93は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
図93に示されるように、小当り遊技処理(ステップS250)においても、主制御MPU4100aは、まず、ステップS901の処理として、小当り遊技が既に行われている状態にあることを示す小当り遊技中フラグがON状態(セット)にあるか否かを判断する。
ここで、この小当り遊技中フラグは、当該小当り遊技処理(ステップS250)に移行してすぐの処理状況にあるときにはOFF状態に操作されている。したがって、当該小当り遊技処理(ステップS250)に移行してすぐの処理状況にあるときには、小当り遊技中フラグはON状態(セット)にないと判断され(ステップS901にてNO)、主制御MPU4100aは、次にステップS902の処理を行う。
ステップS902の処理では、主制御MPU4100aは、上述のインターバル演出(チャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が終了したか否か、すなわち上記ステップ703(図91参照)の処理にてセットされたインターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップしたか否かについての判断を行う。インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしておらず、上述のインターバル演出(チャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が未だ実行中である場合には(ステップS902におけるNO)、当該小当り遊技処理を一旦終了し、ステップS901及びステップS902の処理を通じてインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまで待機することとなる。
ただし、本実施形態にかかる小当り遊技処理(ステップS250)では、大当り遊技処理(ステップ240)とは異なり、こうした処理が行われた結果、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップした場合には(ステップS902におけるYES)、これのみをもって小当り遊技が開始されるべく、次にステップS903の処理として、小当り遊技を開始させることを示す小当り開始コマンドをセットするとともに、小当り遊技が既に行われている状態にあることを示す上記小当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)するようにしている。この場合、上述の第2の閉制御期間が現れないこと(一定の長さを持った第1の閉制御期間からの延長制御がないこと)を遊技者が確認しさえすれば、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に応じたボーナス遊技が行われるかもしれないことに対する期待感を完全に取り除いた上で(虚偽的な情報が多い演出による報知などではなく、遊技進行にかかる制御の有無によって期待感を取り除いた上で)遊技を行うことができるようにしている。
また、後述するが、上記ステップS903の処理にてセットされた小当り開始コマンドが、図84に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記小当り遊技中における表示演出が行われるようになる。また、小当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)するようにしたことで、次回以降の割込処理にて当該小当り遊技処理(ステップS250)が開始されるときには、このようなステップS902〜ステップS903の処理を行うことなく、小当り遊技の実行にかかる処理を行うように以下のステップS904の処理から行われるようになる。
ステップS904の処理では、主制御MPU4100aは、大入賞口2003が開放中か否かを判断する。開放中の場合には(ステップS904にてYES)、次にステップS905の処理として、大入賞口2003の開放時間(開放した後の経過時間)が上記ステップS701(図91参照)の処理にて設定された開閉動作制限時間(小時間開閉パターンの所定小時間)に達したか否かを判別する。この結果、この開閉動作制限時間が経過した旨判断されたときは(ステップS905にてYES)、開閉部材2006を閉動作させることにより大入賞口2003を閉鎖する(ステップS907)。
ただし、主制御MPU4100aは、上記ステップS905の処理において、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過していない旨判断された場合であっても(ステップS905にてNO)、大入賞口2003が開放された後に同大入賞口2003に入球した遊技球の個数が、上記ステップS701の処理にて設定された上限数(例えば、2個)以上になっている場合には(ステップS906にてYES)、上記ステップS907の処理に移行して大入賞口2003を閉鎖する。これに対し、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過しておらず(ステップS905にてNO)、大入賞口2003に入球した遊技球の個数も上限数に未だ達していない場合には(ステップS906にてNO)、大入賞口2003を開放状態にて維持したままで、小当り遊技処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、上記ステップS904の処理において、大入賞口2003が開放中でない旨判断された場合には、開閉部材2006による大入賞口2003の開放回数が、上記ステップS701(図91参照)の処理にて設定された最大回数(2回)に到達しているか否かを判別する(ステップS908)。そして、到達していない場合には(ステップS908にてNO)、開閉部材2006を作動して大入賞口2003を開放し(ステップS909)、小当り遊技処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、上記ステップS908の処理において、開閉部材2006による大入賞口2003の開放回数が既に最大回数分だけ行われた旨判断されたときは、小当りフラグと小当り遊技中フラグとをそれぞれOFF状態に操作し(ステップS910)、処理フラグを「0」をセットした時点で(ステップS911)、小当り遊技処理を終了する。
このような小当り遊技処理によれば、ステップS906の処理にて開閉部材2006による大入賞口2003の開放が最大回数に到達した旨判断されるまでの間、大入賞口2003は、大当りに応じた開放態様と比較すれば大入賞口2003への遊技球の入球は困難とされる開放態様ではあるものの、こうした開放態様に応じた分の賞球が遊技者によって獲得可能とされるようになる。
次に、周辺制御基板4140に搭載されている周辺制御MPU4150aによって実行される処理について、図97乃至図103を参照して説明する。図97は、サブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図98は、16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。図99は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフローチャートである。図100は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフローチャートである。図101は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。図102は、第1演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225a)の一例を示すフローチャートであり、図103は、第2演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225b)の一例を示すフローチャートである。
サブメイン処理では、図97に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4150aは、初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、周辺制御基板4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
ここで、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aは、2msが経過する毎に割込処理としての2ms定常処理を実行するものとなっている。すなわち、この2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタのカウンタ値がカウントアップ(カウンタ値に「1」を加算)されるようになっている。そして、2msが経過する毎にこうしてカウントアップが繰り返し行われた結果、同カウンタ値が8になったとき(16msが経過したとき)には、16ms経過フラグTがセットされるとともに、16ms経過監視カウンタのカウンタ値がリセットされる。
この点、上記ステップ1002の処理では、このような16ms経過フラグTが上述の2ms定常処理にてセットされるまでこれを監視することとなる(ループ処理)。この結果、周辺制御MPU4150aは、16ms経過フラグがセットされていると判断したときには(ステップ1002のYes)、16ms経過フラグをリセットした上で(ステップS1003)、後述の16ms定常処理を行うことで(ステップS1004)、当該16ms定常処理が16ms経過する毎に行われるようにしている。
16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した各種の演出コマンドに基づいて液晶表示装置1400、扉枠3や遊技盤5に備えられた各装飾基板のLED、扉枠3や本体枠4のスピーカを制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、上記ステップS1002の処理に戻り、16ms経過フラグTが上述の2ms定常処理にてセットされるまでこれを再び監視することとなる(ループ処理)。
図98に示されるように、16ms定常処理では、周辺制御MPU4150aが、まず、ステップS1100の処理として、主制御基板4100から受信した各種の演出コマンドを解析(コマンド解析処理)する。次いで、上記解析された演出コマンドに基づいて、液晶表示装置1400の演出表示にかかる制御(演出制御処理)を実行する(ステップS1200)。より具体的には、液晶表示装置1400の演出表示にて実行可能な予告演出の設定や、液晶表示装置1400の演出表示にて停止可能な装飾図柄の停止図柄の決定、等々を行う。
続いて、周辺制御MPU4150aは、遊技状態報知処理を実行する(ステップS1250)。遊技状態報知処理は、大当り遊技の終了後の遊技状態が明瞭に報知されていない場合(不明瞭モード)に、所定の条件が成立したことに基づいて、遊技状態を報知する処理である。
本実施形態では、図95に示したように、大当りの種類(大当りA〜E)に基づいて、大当り遊技の終了後の遊技状態が設定される。大当りB〜Eの場合では大当り遊技における大入賞口の開閉態様が同じであり、出球数が中程度となっているため、遊技状態が通常遊技状態であるか高確遊技状態(確変状態)であるかを遊技者が判別することが困難になる。そこで、本実施形態では、後述するように、遊技状態の判別が困難な場合には、大当り遊技が終了してから所定の条件が成立するまで遊技状態を明瞭に報知しない不明瞭モードに設定する。
次に、周辺制御MPU4150aは、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカの音出力にかかる音制御処理を実行する(ステップS1300)。さらに、扉枠3や遊技盤5に備えられた各装飾基板による発光装飾にかかる発光装飾制御処理を実行する(ステップS1400)。
その後、周辺制御MPU4150aは、ランプ駆動基板や、液晶制御基板対し、上記S1200〜S1400の各処理にてセットされたコマンド(後述の表示コマンドのほか、音出力コマンドや、発光装飾コマンドなど)が送信される情報出力処理を行う(ステップS1500)。これにより、液晶表示装置1400や、スピーカユニット430,480、扉枠や遊技盤に備えられた各装飾基板などを通じて、上記セットされたコマンドに応じた演出が行われるようになる。
情報出力処理(ステップS1500)が行われた後、周辺制御MPU4150aは、演出制御処理(ステップS1200)にて各種設定に用いられる乱数が更新される乱数更新処理を実行した時点で(ステップS1600)、当該16ms定常処理を終了する。
なお、ステップS1100〜ステップS1600の処理(16ms定常処理)は16ms以内に終了される処理量として設定されているが、仮に、16ms定常処理を開始してから16msの時間が経過した時点でステップS1600の処理までの実行が終了されていなかった場合であっても、上記ステップS1100の処理(コマンド解析処理から)に戻ることなく、その時点で実行途中の処理をそのまま継続するかたちで上記ステップS1600の処理まで行うこととなる。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別されたときに16ms定常処理を開始する。
また、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理及び16ms定常処理の何れか一方又は両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、コマンド解析処理(ステップS1100の処理)について、図99を参照しつつ説明する。
図99に示されるように、コマンド解析処理では、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)が、まず、主制御基板4100からの演出コマンドが当該周辺制御基板4140の受信コマンド格納領域(RAM)に記憶されているか否かを判断する(ステップS1101)。
すなわち、本実施形態にかかる周辺制御基板4140は、主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、このコマンド受信割込処理において、主制御基板4100からの演出コマンドを周辺制御基板4140の受信コマンド格納領域(RAM)に記憶するものとなっている。なお、受信コマンド格納領域には、主制御基板4100からの演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられており、コマンド受信割込処理では、それら演出コマンドが、その受信順に対応付けされるかたちでこうした複数の領域の別にそれぞれ記憶されるようになっている。
この点、上記ステップS1101の処理では、周辺制御MPU4150aは、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、主制御基板4100からの受信順が最も早い演出コマンドを上記受信コマンド格納領域から読み出すこととなる(ステップS1102)。
次いで、周辺制御MPU4150aは、該読み出した演出コマンドが上記ステップS411(図88参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされた演出コマンドのうちのパターンコマンド(変動パターンを示すコマンド)であるか否かを判断する(ステップS1103)。この結果、同演出コマンドである旨判断されたときは(ステップS1103にてYES)、周辺制御基板4140の変動表示パターン格納領域(RAM)に変動パターンコマンドを記憶するとともに、変動パターン受信フラグをセットした時点で(ステップS1104)、当該コマンド解析処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、上記読み出した演出コマンドがパターンコマンド(図96に示したコマンド)でないと判断されたときは(ステップS1103にてNO)、該読み出した演出コマンドが上記ステップS411(図88参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされた演出コマンドのうちの当選情報コマンド(当りにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示す当選情報コマンド)であるか否かを判断する(ステップS1105)。この結果、同演出コマンドである旨判断されたときは(ステップS1105にてYES)、周辺制御基板4140の当選情報格納領域(RAM)に当選情報コマンドを記憶した時点で(ステップS1106)、当該コマンド解析処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、上記読み出した演出コマンドが当選情報コマンドでない旨判断されたときは(ステップS1105にてNO)、周辺制御基板4140の対応する格納領域(RAM)にて受信した演出コマンドに対応したフラグをセットした時点で(ステップS1107)、当該コマンド解析処理を終了する。なお、こうした演出コマンドとしては、例えば、変動中処理におけるステップS503(図89参照)の処理にて主制御基板4100側にてセットされる確定停止コマンドや、大当り遊技開始処理におけるステップS606(図90参照)や小当り遊技開始処理におけるステップS702(図91参照)の処理にて主制御基板4100側にてセットされるインターバル演出コマンドや、大当り遊技処理におけるステップS803(図92参照)の処理にて主制御基板4100側にてセットされる大当り開始コマンドや、小当り遊技処理におけるステップS903(図93参照)の処理にて主制御基板4100側にてセットされる小当り開始コマンドなどがある。
次に、演出制御処理(ステップS1200の処理)について、図100を参照しつつ説明する。
図100に示されるように、演出制御処理は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値に基づいて、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)、装飾図柄変動処理(ステップS1220)、大当り表示処理(ステップS1230)、及び小当り表示処理(ステップS1240)のいずれかの処理を選択的に行うものとなっている。
すなわち後述するが、処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、コマンド解析処理のステップS1104(図99参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがセットされていることを条件に、装飾図柄の変動表示を含めて、液晶表示装置1400における表示演出を開始させるための処理を行う。例えば、パターンコマンドや当選情報コマンドに基づいて表示演出パターン(装飾図柄の停止図柄や、上述の延長演出の有無など)を決定し、該決定した表示演出パターンに応じた(液晶制御基板に対しての)表示コマンドをセットするほか、予告演出にかかる設定、等々の処理も行う。
また、処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、基本的には、上記ステップS1107(図99参照)の処理にて確定停止コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大当り抽選の結果が示されるように、装飾図柄の変動表示を含めて、液晶表示装置1400における表示演出を終了させるための(液晶及び音制御部4160に対しての)表示コマンドをセットする、等々の処理を行う。また、当該処理の終了に際しては、確定停止コマンドに対応したフラグがリセットされる。
また、処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では、上記ステップS1107(図99参照)の処理にて操作されうる大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大入賞口2003が開放されることを液晶表示装置1400にて示す表示や、大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御をそれぞれ行う。また、当該処理の終了に際しては、大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがリセットされる。
また、処理選択フラグが「3」の時に実行される小当り表示処理(ステップS1240)では、上記ステップS1107(図99参照)の処理にて操作されうる小当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、小当り開始コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大入賞口2003が開放されることを液晶表示装置1400にて示す表示や、小当り遊技状態中の演出表示をさせる制御をそれぞれ行う。また、当該処理の終了に際しては、小当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、小当り開始コマンドに対応したフラグがリセットされる。
ただし、上述の通り、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、液晶表示装置1400における大当り時や小当り時の表示演出については、上記受信されたパターンコマンドにより示される変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間(インターバル期間)にまで延長させた上で、この延長後の表示演出において大当り抽選の結果が示されうるように構成している。
すなわちこの場合、後述するが、上記装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、主制御基板4100から受信したパターンコマンドにより示される変動時間よりも長い、インターバル期間における延長演出に要する時間をも含めた表示演出パターンを決定し、該決定した表示演出パターンに応じた(液晶及び音制御部4160に対しての)表示コマンドをセットすることとなる。また、上記装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、確定停止コマンドに対応したフラグがセットされているにもかかわらず、液晶表示装置1400における表示演出が終了していない中途の演出段階が現れているもとで、当該処理を終了させることとなる。
そして、上記大当り表示処理(ステップS1230)、若しくは上記小当り表示処理(ステップS1240)において、こうして延長された表示演出が、上記装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)にてセットされた表示コマンドにより示される内容に応じたものとして継続して行われるように処理を行うこととなる。したがって、この延長時の処理では、インターバル演出コマンドに対応したフラグがセットされている場合であっても、該コマンドに応じた演出制御(大入賞口2003が開放されることを示す表示制御など)を行うことはない。
なお上述の通り、当該演出制御処理におけるステップS1210〜1240の処理においてセットされたコマンドは、図98に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信される。これにより、液晶制御基板側による制御を通じて、液晶表示装置1400において上記コマンドにより示される内容(表示演出パターンなど)の表示演出が現れるようになる。
演出制御処理は、また、タッチパネル処理を行う。このタッチパネル処理では、演出制御処理が、タッチパネル246から受け取った検知信号に基づいて、タッチパネル246の接触面における接触状態を検知する。演出制御処理は、上記接触状態に基づく接触部分の中心を示すタッチパネル246の接触面の座標値を取得し、この座標値で表される位置を検出ポイントとして特定し、この初期位置を含む操作情報を取得する。なお、この演出制御処理は、このような座標値を取得するのみならず接触面の範囲を取得するようにしてもよい。このタッチパネル処理の詳細については後述する。
次に、処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)について説明する。図101は、装飾図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
図101に示されるように、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、周辺制御MPU4150aは、まず、ステップS1221の処理として、上記ステップS1104(図99参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがON状態(セット)にあるか否かを判断する。すなわち、ステップ1221の処理では、主制御基板4100側にて所定の始動条件(ステップS301にてYES)が成立されることに基づいて、上記ステップS1104(図99参照)の処理にて上記変動パターン受信フラグがON状態に操作されるまで待機することとなる。
そして、変動パターン受信フラグがON状態に操作されるまでの間、周辺制御MPU4150aは、以下のステップS1232〜ステップS1237の処理によってデモ演出や演出モードにかかる制御を行う。
すなわち、周辺制御MPU4150aは、まず、液晶表示装置1400においてデモ演出を実行している状態にあるか否かを判断し(ステップS1232)、同状態にないと判断されたときには、前回の図柄変動などの表示演出が終了してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1236)。この結果、所定時間が経過したと判断されたときには、液晶表示装置1400においてデモ演出を開始させるための(液晶及び音制御部4160に対しての)表示コマンドをセットすることとなる。そして、こうしてセットされた表示コマンドが、図99に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信されることで、液晶及び音制御部4160側による制御を通じて、液晶表示装置1400においてデモ演出が実行されるようになる。
なお、上記ステップS1236の処理において所定時間が経過した旨判断されなかったときは、周辺制御MPU4150aは、当該装飾図柄変動開始処理を一旦終了し、変動パターン受信フラグがセットされるか(ステップS1221にてYES)、所定時間が経過するか(ステップS1236にてYES)のどちらかの条件が満たされるまで待機することとなる。
また、周辺制御MPU4150aは、ステップS1236及びステップS1237の処理を行った結果、上記ステップS1232の処理にて、液晶表示装置1400においてデモ演出を実行している状態にあると判断された場合は(ステップS1232にてYES)、演出モードに対する遊技者による操作が許容されている状態にあるか否かを判断する(ステップS1233)。
すなわち、本実施形態にかかるパチンコ機1では、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴わない当り(小当り)、若しくは条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるとき、液晶表示装置1400における表示演出については、第1の演出モードと、第2の演出モードとを用意している。第1の演出モードは、上記主制御基板4100側にて設定された変動パターンの変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間にまで延長させた上で、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に当選したか否かについての表示演出が現れうる表示演出パターン(延長演出パターン)を選択しうる。第2の演出モードは、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる。
ここで、第1の演出モードにあるときに選択されうる延長演出パターンと、第2の演出モードにあるときに選択されうるチャレンジボーナス演出パターンとの概要をそれぞれ説明する。図104(a)は、大当り時の延長演出パターンを説明するための図であり、図104(b)は、小当り時の延長演出パターンを説明するための図であり、図104(c)は、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図であり、図104(d)は、小当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図である。
第1の演出モードにおいて、開閉部材2006の動作によって賞球を得る機会(ボーナス遊技)が提供されることとなる結果が得られた場合は、特別図柄の変動停止後の期間まで延長された演出内容を含む延長時の表示演出パターン(延長演出パターン)が選択されうる。
例えば、図104(a)に示されるように、大当りに当選したことに基づいて延長時の表示演出パターン(延長演出パターン)が選択されたとき、周辺制御MPU4150aは、まず、特別図柄の変動開始に合わせるように(変動パターン受信フラグがセットされていることに基づいて)、液晶表示装置1400における表示演出を開始させる。ただしこの後、確定停止コマンドに対応したフラグ(特別図柄の変動終了時)やインターバル演出コマンドに対応したフラグ(オープニング期間への突入)がセットされた状況になっても、液晶表示装置1400における表示演出についてはこれを終了することなく継続させることとなる。
すなわち上述の通り、本実施形態にかかる主制御MPU4100aでは、大当りに当選したことに基づいて特別図柄が停止されてから大当り遊技が開始されるまでの閉制御期間については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(予め定められた長さをもった第1の閉制御期間)、及び、インターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップしてから有効ゲート6010n(図51参照)を遊技球が通過するまでの時間(不定の長さをもった第2の閉制御期間)として制御するようにしている。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、大当りに当選したことに基づいて延長時の表示演出パターン(延長演出パターン)が選択されたときは、図104(a)に示されるように、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)分だけ、特別図柄の変動時間に対して延長するかたちで、大当り抽選にかかる表示演出を行うようにしている。なお、このような表示演出としては、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに挑んでいる様子が映し出された演出などとして実現することができる。
そして、一定の長さをもった第1の閉制御期間が経過し、不定の長さをもった第2の閉制御期間として制御されるときに、液晶表示装置1400にて現れている演出内容を、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が明示される当落明示演出に切り替えるようにしている。なお、ここでは、当落明示演出については、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であることが明示される大当り演出として行われることとなり、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利した様子が映し出された演出などとして実現することができる。また、1つの表示演出パターンが、大当り抽選にかかる表示演出と、その演出結果が現れる当落明示演出とからなるものであることに鑑みれば、本実施形態にかかる大当り時の延長演出パターンとは、特別図柄の変動が停止されてから第1の閉制御期間が終了した後の、不定の長さをもった第2の閉制御期間内にまで演出内容が延長された演出パターンであるといえる。
その後、不定の長さをもった第2の閉制御期間が未だに継続されていることを条件に、当該第2の閉制御期間内における演出として、遊技球を比較的強く打ち出すことにより、センター役物2300の右側の遊技領域605に遊技球を流下させる右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す大当り遊技前のオープニング演出が液晶表示装置1400にて現れるように制御する。この結果、遊技者によって右打ち遊技が行われると、センター役物2300の右側の遊技領域605に打ち込まれた遊技球が有効ゲート6010nを通過することとなり、ひいては大当り開始コマンドがセットされることとなる。これにより、第2の閉制御期間が終了されることで、大入賞口2003が開放される大当り遊技が開始されるようになる(図92参照)。この際、ラウンド表示器648では、ラウンド数を示すように点灯する。
また、不定の長さをもった第2の閉制御期間が終了し、大入賞口2003が開放される大当り遊技が開始(大当り開始コマンドに対応したフラグがセット)されると、例えば、液晶表示装置1400にて現れている演出(当落明示演出、若しくはオープニング演出)を、同演出の内容が仮に中途段階にあったとしても、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されたことを示す大当り遊技中演出に強制的に切り替えるかたちで実行する。ただしその一方で、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した以降に有効ゲート6010nを遊技球が通過しない限りは、不定の長さをもった第2の閉制御期間が終了することはない(大当り開始コマンドに対応したフラグがセットされない)ことから、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されたことを示す大当り遊技中演出に強制的に切り替えられることもない。
このような大当り時の延長演出パターンによれば、特別図柄の停止時から一定の長さをもった第1の閉制御期間が経過した以降、少なくともハンドルレバー504が操作されなければ、有効ゲート6010nを遊技球が通過しないことから、大当り遊技の開始前演出(第2の閉制御期間中の演出)にて演出進行が停滞し続けることとなる。すなわちこの場合、遊技者は、大当り遊技の開始前演出(第2の閉制御期間中の演出)の意味するところを確実に理解するまで操作ハンドル部を操作しないようにしておくことで、当該開始前演出にて演出進行を停滞させ続けることができるようになる。その一方で、操作ハンドル部の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過したときには、大当り遊技の開始前演出が終了して次の演出(大当り遊技中演出)に進行するようになることから、遊技者の各々のペースに合わせたマイペース演出が実現されるようになり、換言すれば、演出の進行にかかるスピード感を老若男女問わずに幅広い客層に合わせた演出として実現させることができるようになる。
さらに、このような大当り時の延長演出パターンにあっては、大当り遊技の開始前演出からこうして演出が進行されない状況(周辺制御MPU4150aによる演出の停滞制御)にある限り、主制御MPU4100aは、不定の長さをもった第2の閉制御期間が終了されないように制御することで、遊技が進行して大当り遊技(賞球獲得が可能とされるボーナス遊技)が実行されてしまうようなことを回避するようにしている。したがって、遊技者側からすれば、自分のペースに合わせるように演出の進行にかかるスピードを調整するだけで、この調整された演出スピードに合わせるように遊技が進行されるように見えるようになり、これによって遊技の進行スピードを気にすることなく、液晶表示装置1400におけるマイペース演出を楽しむことができるようになる。
このように、大当り時の延長演出パターンとは、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後に、こうした閉制御期間が延長されるかたちで現れる第2の閉制御期間をある程度の時間分だけ継続させることを前提とした演出パターンであり、当該第2の閉制御期間内においては、同演出パターンにおける一部の演出内容(当落明示演出)と、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)とが行われうるようになっている。そして、これらの演出に対する各遊技者の理解スピードに合わせて当該第2の閉制御期間を適宜のタイミングにて終了させ、ひいては大当り遊技を適宜のタイミングにて開始させることが可能とされている。なお、第2の閉制御期間が必要以上に延長されないように主制御基板に対してタイマを設けてもよい。第1閉制御期間が終了後規定時間を経過すると主制御基板は大当り開始コマンドを強制的にセットすることができる。主制御基板はタイマをセットするか否かを抽選によって決定してもよい。
ただしその一方で、このような第2の閉制御期間とは、少なくともハンドルレバー504が操作されることに基づいて終了されるもの(不定の長さをもった期間)であることから、例えば、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了してすぐにハンドルレバー504の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過するように遊技した場合は、当落明示演出をその演出途中でカット、若しくはその演出自体をほぼ出現させることなく(演出飛ばし)、次の演出(大当り遊技中演出)に迅速に進行させることも可能としてもよい。また、上述の通り、こうして演出が早く進行されたときには、遊技制御自体も早く進行することとなり、大当り遊技がより早い段階にて開始されることとなる。したがって、液晶表示装置1400におけるマイペース演出を実現しつつも、ベテランなどの遊技者にとっては、演出飛ばしなどによって遊技をより早く進行させることによって効率が良くストレスのない迅速な遊技・演出性能を楽しむことができるようにしている。
特に、当落明示演出(大当り演出)が行われた後の、右打ちを促す遊技説明が行われるオープニング演出に要する時間(遊技時間)は、遊技者にとっては、2回目以降の遊技においては無駄な時間となることが多い。ただし、大当り時の延長演出パターンによれば、こうしたオープニング演出に要する時間(遊技時間)を用意しておきつつも、遊技者に対して無駄な時間としてしか機能しないような場合にはこれを適宜にカットして、演出と遊技とをより早く進行させることができるようにしている。これにより、各遊技者に対してそれぞれに合った演出と遊技とを提供することができるようになる。
ちなみに、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が示されるための演出時間(当落明示演出の時間)をもカットして演出(遊技)をより早く進行させた場合には、大当り時の延長演出パターンにおける最終的な演出結果(例えば、キャラクタがバトルに勝利するか否かなど)が十分に現れないままで、さらにはオープニング演出すらも現れることなく、大当り遊技中演出(ラウンド演出など)が突然現れることとなる。この場合、大当り時の延長演出パターンは、その演出結果が十分に現れる前の途中段階にて終了されることとなり、オープニング演出すらも割愛して大当り遊技を早期に開始させることができるようになる。
ところで、不定の長さをもった第2の閉制御期間内の演出では、まず、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であることが明示される当落明示演出が行われた後、右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始させるべき旨を促すオープニング演出が行われる。ただし、オープニング演出を所定時間だけ行った後(若しくは、オープニング演出を行いながら)、大当り時専用の長編ムービーを流すようにしてもよい。不定の長さをもった第2の閉制御期間によれば、このような冗長な演出を実現した場合であっても、演出の間延びによって遊技興趣の低下などの弊害が生じることがなく、演出の幅を広げることができるようになる。
また、この第2の閉制御期間においては、所定の操作手段(操作ボタンユニット等)に対する操作受け付けを許容し、該ボタンが操作されたことに基づいて遊技抽選の結果についての期待度が示されうる操作系演出(例えば、大当り遊技のラウンド数や、大当り遊技後の遊技状態などについての期待度を示唆する演出など)を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、遊技者は、操作可能とされる有効期限(操作受け付けが許容される期間)を気にすることなく、自分のペースにて操作可能な操作系演出を実現することができるようになる。
また、本実施形態にかかる主制御MPU4100aは、大当りの当選時にあって、特別図柄の停止時から一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した時点ではラウンド表示器648における点灯が行われないように制御している。そして、第1の閉制御期間が終了した以降に有効ゲート6010nを遊技球が通過したことを条件に同制御を解除することで、ラウンド表示器における点灯が行われるようにしている。これにより、第2の閉制御期間においては、ラウンド表示器が消灯されているもとで液晶表示装置1400にて当落明示演出を行うことができるようになる。また、第2の閉制御期間にてどれだけの演出停滞が生じた場合であっても、大当り遊技におけるラウンド数が遊技者に容易に把握可能とされてしまうことが回避されるようになる。
これに対し、図104(b)に示されるように、小当りが当選されたことに基づいて延長時の表示演出パターン(小当り時の延長演出パターン)が選択されたときも、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)分だけ、特別図柄の変動時間に対して延長するかたちで、大当り抽選にかかる表示演出を行うようにしている。なお、このような表示演出としては、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに挑んでいる様子が映し出された演出などとして実現することができる。
ただし上述の通り、本実施形態にかかる主制御MPU4100aでは、小当りが当選されたことに基づいて特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなるように制御している。したがって、このような小当り時の延長演出パターンにあっては、一定の長さをもった第1の閉制御期間(ここでは8秒)が経過し、小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるときに、液晶表示装置1400にて現れている演出内容を、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が明示される当落明示演出に切り替えるようにしている。
なお、ここでは、当落明示演出については、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)に落選したハズレであることが明示されるハズレ演出として行われることとなり、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに敗北した様子が映し出された演出などとして実現することができる。また、1つの表示演出パターンが、大当り抽選にかかる表示演出と、その演出結果が現れる当落明示演出とからなるものであることに鑑みれば、本実施形態にかかる小当り時の延長演出パターンとは、特別図柄の変動が停止されてから第1の閉制御期間が終了した後の、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる期間内にまで演出内容が延長された演出パターンであるといえる。
このような小当り時の延長演出パターンによれば、大当りに落選したハズレであることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)にかかる表示演出に移行させることができるようになる。さらに、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われている期間内にまで演出内容が延長されるようにしたことで、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行期間中においては、液晶表示装置1400に注目が向かう分だけ開閉部材2006の動作が注目され難くなる。すなわちこの場合、いわゆる高期待のハズレ演出(開閉部材2006が動作しないハズレ演出)であるときと同じような態様で演出内容が進行するようになることから、大当り時の延長演出パターンに対するハズレ演出パターン(対の演出)として位置づけされるようになり、ひいては条件装置の作動を伴わない当り(小当り)が搭載されているパチンコ機1であることが気付かれ難くなる。
しかも、本実施形態にかかるパチンコ機1によれば、このような小当りの当選に応じた小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるときの開閉部材2006の動作態様と近似、若しくは同一の動作態様をもって開閉部材2006を動作させる大当り遊技や、これを前提とした潜伏演出状態(いわゆる小当りを用いた潜伏演出状態)などは用意されていない。すなわち、第1の演出モードにあるときの大当り時の延長演出パターン(図104(a)参照)と、小当り時の延長演出パターン(図104(b)参照)とは、あくまでも小当りが搭載されているパチンコ機1であることを把握し難くする、といった技術思想(従来とは逆の技術思想)に基づいてなされたものであって、このような技術思想のもとで、特別図柄の変動及び停止、第1の閉制御期間、大入賞口の開放、といった小当り時における一連の挙動が大当り時にも現れることに鑑み、各演出パターンにおける演出内容をそれぞれ延長させたものとなっている。
なお、本実施形態にかかる大当り時の延長演出パターンと、小当り時の延長演出パターンとでは、図104(a)、(b)に示されるように、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(第1の閉制御期間)が経過した以降においてのみ、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての情報が示されるようにしている(当落明示演出)。
ただし、これらの延長演出パターンについては、第1の閉制御期間内にまで延長させるかたちで大当り抽選にかかる表示演出を行うものであれば、同表示演出のうち、第1の閉制御期間内にて現れる演出部分にて、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が示されるようにしてもよい。このような場合であっても、少なくとも大当りに落選したハズレであることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)にかかる表示演出に移行させることはできる。この場合、大当り時の当落明示演出においては、大当りに当選されていることが既に把握されているもとでキャラクタがバトルに勝利したことを祝福する大当り時の専用演出や、右打ちを促す遊技説明のための演出などが現れるとともに、小当り時の当落明示演出においては、大当りに落選したハズレであることが既に把握されているもとでキャラクタがバトルに敗北して悔しがる様子を映した小当り時の専用演出などが現れることとなる。
このような第1の演出モードにあるときの延長演出パターンに対し、第2の演出モードにおいて、開閉部材2006の動作によって賞球を得る機会(ボーナス遊技)が提供されることとなる結果が得られた場合は、液晶表示装置1400においては賞球獲得が可能とされる当りに当選されたことが示されるチャレンジボーナス演出パターンが選択されうる。このチャレンジボーナス演出パターンとは、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われる表示演出パターンである。
例えば、図104(c)に示されるように、第2の演出モードにおいて、大当りが当選されたことに基づいてチャレンジボーナス演出パターンが選択されると、周辺制御MPU4150aでは、特別図柄の変動開始に合わせるように(変動パターン受信フラグがセットされていることに基づいて)、液晶表示装置1400における表示演出を開始させる。そして、こうして開始された表示演出を、特別図柄の変動終了に合わせるように(確定停止コマンドに対応したフラグがセットされていることに基づいて)終了させる。
ただし、この表示演出は、大当りの当落にかかる抽選結果が示されるものではなく、大入賞口2003が開放されることによる賞球獲得の機会が付与される当り(大当り、若しくは小当り)に当選されているか否かが示されるものとなっている(チャレンジボーナスにかかる当落演出)。より具体的には、大当り、若しくは小当りに当選されているときは、特別図柄の変動期間内にて、大入賞口2003が開放されることによる賞球獲得の機会が付与されることが示される特定の表示画像が現れることとなる。この場合、遊技者は、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかは把握できないものの、大入賞口2003の開放によって賞球が獲得可能とされることは把握可能とされるようになる。
このようにチャレンジボーナスにかかる当落演出にて特定の表示画像が現れた後は、周辺制御MPU4150aは、インターバル演出コマンド(大当り時)に対応したフラグがセットされることに基づいて、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出を開始させるべく開始前演出を行う。後述するが、チャレンジボーナス演出は、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)が経過した以降、有効ゲート6010nを遊技球が通過することを条件に開始される。
ここで、チャレンジボーナス演出を開始させるべく開始前演出では、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの第1の閉制御期間を利用して、操作ハンドル部の操作量(右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うこと)や操作タイミングについての説明が行われる。
本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、このような開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出を行うようにしてもよい。このカウントダウン演出とは、例えば、右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うことを説明しつつ、例えば3〜5秒程度のカウントダウン表示が行われるものであり、このカウントダウン表示が「0」に変わったときにハンドルレバー504が適切な操作量で操作されると、当該第1の閉制御期間が終了してすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過するようになる。
したがって、このようなカウントダウン演出によれば、同演出の指示通りにハンドルレバー504が操作されたときには、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしてから比較的早く大当り開始コマンドのセットによって第2の閉制御期間が終了され、ひいては遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出と大当り遊技(特別ボーナス遊技)とが早期に開始されるようになる。この際、ラウンド表示器では、ラウンド数を示すように点灯する。
すなわち、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおけるこのような演出進行によれば、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしてから有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間(不定の長さをもった第2の閉制御期間)を、該時間が存在しない後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図104(d)参照)の場合と比較してもこれを演出的には無視できる程度に短くすることができるようになる。すなわち、上述のカウントダウン演出とは、このことを意図してなされたものであって、不定の長さをもった第2の閉制御期間を早期に終了させてこれをカットさせることで、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図104(d)参照)の場合と同様、一定の長さをもった第1の閉制御期間のみが大当り遊技前(チャレンジボーナス演出前)のインターバル期間として現れるかたちでの遊技進行(演出進行)を促すようにしている。これにより、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当り遊技と中開放当り遊技とはもとより、小開放当り遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。
また、本実施形態にかかる主制御MPU4100aは、大当りの当選時にあって、特別図柄の停止時から一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した時点ではラウンド表示器648における点灯が行われないように制御している。そして、第1の閉制御期間が終了して以降に有効ゲート6010nを遊技球が通過したことを条件に同制御を解除することで、ラウンド表示器648における点灯が行われるようにしている。これにより、液晶表示装置1400にてチャレンジボーナス演出が行われるのに先立って、ラウンド表示器648の点灯によって大当りに当選されていることや、大当り遊技(特別ボーナス遊技)におけるラウンド数が遊技者に容易に把握可能とされてしまうことが回避されるようになる。
しかも、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、カウントダウン表示が「0」に変わった以降は、遊技球が打ち出されてから有効ゲート6010nを通過するまでの時間を以下の先行演出(図示略)によって演出的に埋めるようにすることで、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしてから有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間(不定の長さをもった第2の閉制御期間)の存在が演出的にさらに隠匿されうるようにしている。
また、図示は割愛するが、本実施形態にかかるカウントダウン演出では、カウントダウン表示が「0」に変わるタイミングを、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするよりも若干だけ早いタイミング(第1の閉制御期間内)にて設定するようにしている。このようなカウントダウン演出によれば、ハンドルレバー504の操作によって遊技球が発射されてから有効ゲート6010nを同遊技球が通過するまでの時間の少なくとも一部が、第1の閉制御期間と第2の閉制御期間とのうち、第1の閉制御期間側の時間として含まれうるように遊技可能とされるようになり、ひいては不定の長さをもった第2の閉制御期間をその分(第1の閉制御期間側の時間として含まれる分)だけ短くすることができるようになる。なお、この場合、先行演出については、第2の閉制御期間に対しても先行して開始されることとなり、第1の閉制御期間と第2の閉制御期間とを跨ぐ可能性のある演出として位置づけされることとなる。
ここで、このようなカウントダウン演出から先行演出を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる一連の演出内容としては、例えば、カウントダウン演出においては、液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示と併せて、「カウントダウン表示が「0」になるタイミングで右打ち遊技を開始することにより敵キャラクタを攻撃しろ!」といった旨の演出表示を行い、有効ゲート2500を遊技球が通過(大当り開始コマンドに対応したフラグがセット)したことに基づいて、仕掛けた攻撃の結果が示されるチャレンジボーナス演出を開始させる、等々、によって実現することができる。
また、チャレンジボーナス演出としては、例えば、仕掛けた攻撃の結果として、敵キャラクタに対する攻撃が回避されたときには小開放当り遊技であることを示し、敵キャラクタに対して攻撃は命中したものの倒しきれなかったときには中開放当り遊技であることを示し、敵キャラクタが攻撃によって倒れたときには長開放当り遊技であることを示すことなどによって実現することができる。若しくは、敵キャラクタに対して攻撃は命中したものの倒しきれなかったときには、中開放当り遊技と長開放当り遊技とのいずれかであることを示し、その後のラウンド演出において、中開放当り遊技と長開放当り遊技とのいずれであるのかを明示するようにしてもよい。このようなチャレンジボーナス演出によれば、敵キャラクタに対して攻撃がヒットしさえすれば、獲得可能とされる賞球量はもとより、小当りの可能性が排除された分だけ、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれを飛躍的に高めることができるようになる。
ただし、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、カウントダウン演出におけるカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたってハンドルレバー504が操作されないような事態が生じることも想定される。すなわちこの場合、不定の長さをもった第2の閉制御期間が長い時間にわたって継続されることとなるが、この第2の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にてカウントダウン表示が「0」のままで表示されるなど、新たな演出が出現されないようにしておくことが、このような事態を生じさせる遊技者の興味を薄らげる上でより望ましい。
ただし、チャレンジボーナス演出パターンが出現した状況にあって、このような演出進行が停滞される事態は、大当りに当選された場合に限られるものであり、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図104(d)参照)の場合には生じ得ないものとなっている。すなわちこの場合、何らの演出も新たに行われない演出停滞の状態(無演出状態)にありながら、小開放当り遊技が行われる可能性が排除された分だけ、獲得可能とされる賞球量はもとより、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれが飛躍的に高められるようになる。
なお、カウントダウン演出については、カウントダウン表示によって実現することとしたが、操作ハンドル部を操作すべき特定のタイミングが把握可能とされるように行われるものであれば、必ずしもカウントするものでなくてもよい。
これに対し、図104(d)に示されるように、第2の演出モードにおいて、小当りが当選されたことに基づいてチャレンジボーナス演出パターンが選択されたときも、周辺制御MPU4150aは、特別図柄の変動開始に合わせるように(変動パターン受信フラグがセットされていることに基づいて)、液晶表示装置1400における表示演出を開始させる。そして、こうして開始された表示演出を、特別図柄の変動終了に合わせるように(確定停止コマンドに対応したフラグがセットされていることに基づいて)終了させる。
また、これも同様、小当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいても、特別図柄の変動期間にて行われるこうした演出(チャレンジボーナスにかかる当落演出)において、大入賞口2003が開放されることによる賞球獲得の機会が付与されることが示される特定の表示画像が現れる。これにより、遊技者は、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかは把握できないものの、大入賞口2003の開放によって賞球が獲得可能とされることは把握可能とされるようになる。
また、このようにチャレンジボーナスにかかる当落演出にて特定の表示画像が現れた後は、周辺制御MPU4150aは、インターバル演出コマンド(小当り時)に対応したフラグがセットされていることに基づいて、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出を開始させるための開始前演出を行う。
ただし上述の通り、小当りの当選時においては、特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなっており、同タイマがタイムアップしたときには、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無にかかわらず小開放当り遊技(小ボーナス遊技)が開始されるようになっている(図93参照)。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、小当りのチャレンジボーナス演出パターンにおいては、本来、操作ハンドル部の操作(有効ゲート6010nへの遊技球の通過)は遊技や演出を進行させる上で必要ないにもかかわらず、チャレンジボーナス演出を開始させるべく開始前演出として、上述の大当り時のチャレンジボーナス演出パターンの場合と同様、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの第1の閉制御期間を利用して、ハンドルレバー504の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出を行うようにしてもよい。
小当り時のチャレンジボーナス演出パターンによれば、同演出の指示通りに操作ハンドル部が操作されたときには、カウントダウン演出から先行演出を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンのときと同じ一連の演出内容によってチャレンジボーナス演出が開始されることとなる。これにより、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当り遊技と中開放当り遊技はもとより、小開放当り遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。
小当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、第1の閉制御期間が終了してからすぐに小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるにもかかわらず、カウントダウン演出にてカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたって操作ハンドル部が操作されないような事態が生じることも想定される。この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aは、カウントダウン表示が「0」に変わった時点で、液晶表示装置1400にて先行演出を虚偽開始させるとともに、該先行演出を虚偽開始してから所定の仮転動時間(例えば0.5秒)が経過したときにはさらにチャレンジボーナス演出をも虚偽開始させるように制御している。
小当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、操作ハンドル部に対する操作を必要とする操作系演出が行われたか否かにかかわらず、液晶表示装置1400においては、カウントダウン演出から先行演出を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる一連の演出内容が虚偽的に現れることとなる(虚偽演出)。したがって、遊技者は、操作ハンドル部に対する操作の有無や、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無などを確認することで、液晶表示装置1400を確認しようとする周囲の野次馬よりも先行して小開放当り遊技が行われることを把握可能とされており、これによって即座に遊技中断するなどの知的な行為を見せ付けることができるようになる。
このように、第1の演出モードにおける延長演出パターンとは、上述の通り、不定の長さをもった第2の閉制御期間をある程度の時間分だけ継続させることによって小当りの存在これ自体を隠匿することを狙った演出パターンであり、小当り時の演出パターンにも存在する一定の長さをもった第1の閉制御期間内にまで演出内容を延長させた上で、小当り時の演出パターンには存在し得ない第2の閉制御期間内において大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)が行われるようにしている。
これに対し、第2の演出モードにおけるチャレンジボーナス演出パターンとは、不定の長さをもった第2の閉制御期間をできる限り出現させないことによって小当りをも当りの1つとして扱うことを狙った演出パターンであり、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)としても、小当り時の演出パターンにも存在する一定の長さをもった第1の閉制御期間内にて完結しうるように行うものとなっている。
第1の演出モード時における延長演出パターンと第2の演出モード時におけるチャレンジボーナス演出パターンとによる、不定の長さをもった第2の閉制御期間が存在することを前提としたこのような演出構造(第2の閉制御期間内での右打ち遊技を促すタイミングを異ならせる演出構造)によれば、1つの演出コマンドに基づく表示演出パターン(特別図柄の変動時間が同一)であっても、第1の演出モード時と第2の演出モード時とで特別図柄(装飾図柄)の変動が開始されてから大当り遊技が開始されるまでに要する演出時間の長さを大きく異ならせることが可能となり、これによって主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
ところで、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図104(c)参照)と小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図104(d)参照)とによれば、当り時の表示演出(特定の表示画像)が現れた時点で、少なくとも特定数(例えば、少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度))の賞球は獲得可能とされるように賞球を得る機会が提供されることが遊技者に把握されているもとで、あとはどれだけの賞球数をボーナスとして上積み可能とされるか、といったラウンド抽選的な要素のあるチャレンジボーナス演出として行われるようになる。
また、さらに、賞球数の上積みがあったときには、遊技者に有利な遊技状態(確率変動機能や時短機能が作動する遊技状態)への変更が行われる可能性も生じる。したがって、このようなチャレンジボーナス演出においては、条件装置の作動を伴う当りの当選確率(1/400)に対し、条件装置の作動を伴わない当りの当選確率(3/400)を加えたより高い確率(1/100)をもって、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材2006が動作すること)のみならず、遊技者に有利な遊技状態に移行されうることをも意識付けさせることができるようになる。これにより、低く設定されている大当り(特別当り)の当選確率によって、単調なハズレ演出ばかりが繰り返し表示されるようなことが回避されるようになり、遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
また、このようなチャレンジボーナス演出によれば、大当りに落選した場合であっても、特定の条件を満たしているときには、液晶表示装置1400において当り時の表示演出(特定の表示画像)が現れるように制御して遊技者に対して賞球が払い出されうることと、遊技者に有利な遊技状態への変更とを意識付けさせるにもかかわらず、大入賞口2003の動作に際しては、大当りに当選されているときには現れない特定画像(操作ハンドル部に対する操作がないにもかかわらず先行演出やチャレンジボーナス演出などの虚偽演出が行われたときに現れる画像など)を液晶表示装置1400において表示させうるようにしている。
この場合、大当りの当選に応じて大入賞口2003が開放されるまでの間は、特定画像(虚偽演出)が出現するか否かの待ち演出期間としても機能しうることとなる。特に、特定画像(虚偽演出)が出現したときには、遊技者に有利な遊技状態への変更がないことはもとより、遊技者によって獲得可能とされる賞球数としても、同特定画像(虚偽演出)が出現しないときよりも大幅に少ない賞球数しか獲得可能とされないようになってしまうことから、遊技者が得られる利益のこのようなギャップの大きさも相まって、大当りが当選されたことが示される演出(第1の閉制御期間からの停滞演出)が現れたときの遊技興趣をより高めることができるようになる。
そして、このような2つの演出モードが採用される構成によれば、延長演出パターンを選択しうる第1の演出モードでは、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際し、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材2006が動作すること)を意識付けさせない演出が行われうる。これに対し、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる第2の演出モードでは、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際し、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材2006が動作すること)を意識付けさせる演出が行われうることとなる。これにより、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる第2の演出モードでは、延長演出パターンを選択しうる第1の演出モードにあるときよりも高い確率(大当りの当選確率「1/400」に、小当りの当選確率「3/400」を加えたより高い確率「1/100)」)をもって、遊技者に対して賞球が払い出されうることを意識付けさせる演出が現れるようになり、こうした演出モードの使い分けによって、条件装置の作動を伴った遊技状態の変化を生じさせずとも、遊技者に対して賞球が払い出されうるボーナス遊技(開閉部材2006による大入賞口2003の開放)の実行確率がその都度変化するかのようなより深みのある演出を実現することができるようになる。なお、こうした演出を実現することができるのは、第1の演出モードにおいて小当りが搭載されているパチンコ機1であることを遊技者に気付かれ難くした上で、第2の演出モードでは、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類として扱われる表示演出を行うようにしているからである。
特に、本実施形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU4150a)では、このような延長演出パターンを選択しうる第1の演出モードと、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されて、該強制決定されている演出モードからの遊技者の操作による変更が許容されないモード強制期間を創出するモード強制制御手段を備えている。
例えば、当該パチンコ機1がホールに納品されてからの第1の所定期間(例えば、1ヶ月間などの所定の月日が経過するまでの期間)を第1の演出モードに強制決定しておき、その第1の所定期間が経過してからの第2の所定期間(例えば、次の1ヶ月間などの所定の月日が経過するまでの期間)を第2の演出モードに強制決定するように上記モード強制期間の創出にかかる制御を行うようする。この場合、最初の1ヶ月間は、上述の如く小当りが搭載されていることを隠すように演出が行われることによって、大当りの当選確率のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうるパチンコ機1として稼動する。
これに対し、次の1ヶ月間は、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りの1つの種類として小当りが扱われる演出が行われることによって、大当りの当選確率よりも高い確率のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうるパチンコ機1として稼動するようになる。これにより、1つの遊技仕様しか搭載されていないパチンコ機1でありながら、最初の第1の所定期間においては小当りの存在が気付かれ難くされていたことも相まって、液晶表示装置1400における演出内容はもとより、出玉獲得にかかる遊技仕様すらも異なる別のパチンコ機が新たに稼動したかのような印象を遊技者に与えることができるようになる。なお、第2の所定期間が経過した後は、デモ演出中における操作手段に対する遊技者の操作に応じて演出モードが設定可能とされるようになる。
この点、図101に示されるように、上記ステップS1233の処理では、周辺制御MPU4150aが、まず、内蔵RTC4140aaのカレンダー情報や時刻情報などの時間情報に基づいて、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されているモード強制期間にあるか否かを判断する。この結果、第1の演出モードに強制決定されている旨判断したときや(例えば、当該パチンコ機1がホールに納品されてからの第1の所定期間にあるときなど)、第2の演出モードに強制決定されている旨判断したとき(例えば、第1の所定期間が経過してからの第2の所定期間にあるときなど)は、遊技者の操作による演出モードの変更は許容されないとして(ステップS1233にてNO)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を一旦終了する。この場合、デモ演出が実行されているもとで(ステップS1232にてYES)、変動パターン受信フラグがセットされる(ステップS1221にてYES)まで待機することとなる。
一方、周辺制御MPU4150aは、内蔵RTC4140aaのカレンダー情報や時刻情報などの時間情報に基づいて、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されている上記モード強制期間にないと判断したときは(例えば、第2の所定期間が既に経過している場合など)、遊技者の操作による演出モードの変更が許容される状態にあるとして(ステップS1233にてYES)、次にステップS1234の処理を行う。
このステップS1234の処理では、演出モードを変更させるべく遊技者による操作があったか否かを判断する。ここで、遊技者による操作としては、例えば、操作ボタンユニットやサブボタンに対する操作などであり、デモ演出が行われているもとでメインボタンやサブボタンが操作されると、液晶表示装置1400において演出モードの選択画面を出現させる表示制御を行うようにしておくことが考えられる。この場合、こうした選択画面が現れているときに、サブボタン372に対する操作で特定の演出モードを選択し、該選択された特定の演出モードをメインボタンに対する操作により決定させた場合に、周辺制御MPU4150aは、演出モードを変更させるための遊技者による操作があったと判断し(ステップS1234にてYES)、該決定された演出モードに変更するべく同演出モードにかかる設定処理を行う(ステップS1235)。
なお、こうした遊技者による操作対象となる手段としては、操作ボタンユニットのメインボタンやサブボタンでなくてもよく、タッチパネルによる近接操作なども含めて、遊技者による所定の操作が可能なものであればよい。また、遊技者による操作があった場合の処理としても、液晶表示装置1400における表示に変化を生じさせる制御(選択画面の出現、選択時の表示、決定時の表示など)のほか、例えば、透過性をもった遊技パネル1100における背面からの発光色を変更(青色から赤色に変更など)させるなど、所定の装飾部材における演出態様を異ならせることで、演出モードが切り替えられたことを遊技者に対して示すようにしてもよい。
他方、上記ステップS1221の処理において、上記ステップS1104(図99参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがON状態(セット)にある旨判断されたときは、主制御基板4100側にて所定の始動条件(ステップS301にてNO)が成立された状態にあるとして、液晶表示装置1400における表示演出を開始させるために以下のステップS1222〜ステップS1231の処理を行う。
すなわち、周辺制御MPU4150aは、まず、変動パターン受信フラグをOFF状態に操作(リセット)する(ステップS1222)。さらに、遊技状態フラグが通常外部不利遊技状態にあることを示しているか否かを判断する(ステップS1223)。なお、この遊技状態フラグは、例えば、大当り遊技の終了に際し(例えば、大当り表示処理(ステップS1230))、当該大当り遊技後に制御される遊技状態の種類を示すように操作されるものである。
そして、周辺制御MPU4150aは、遊技状態フラグが通常外部不利遊技状態にあることを示しているときは(ステップS1223にてYES)、次にステップS1224の処理として、上記ステップS1235の処理における演出モードの設定状態、若しくは内蔵RTC4140aaのカレンダー情報や時刻情報などの時間情報に基づいて、第1の演出モードの設定状態にあるか否かを判断する。この結果、第1の演出モードに強制決定される期間にあるか、若しくは遊技者の操作による演出モードの変更が許容される期間において第1の演出モードが設定されている状態にあるときは、第1の演出モードの設定状態にあると判断し(ステップS1224にてYES)、次にステップS1225aの処理を行う。
ステップS1225aの処理では、第1の演出モードの設定状態にあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1400における演出パターン及び停止図柄を決定する。
次いで、周辺制御MPU4150aは、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判断が行われる予告選択処理を実行する(ステップS1226a)。すなわち、第1の演出モードにあるか第2の演出モードにあるかによって、液晶表示装置1400における演出パターンはもとより、予告演出の実行頻度やその演出内容が異なることから、予告選択処理では、第1の演出モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)を決定することとなる。
さらに、周辺制御MPU4150aは、大当り遊技の終了後の遊技状態(確率状態)を明瞭に報知しない不明瞭モードに設定するための不明瞭モード設定処理を実行する(ステップS1227)。不明瞭モード設定処理の詳細については、図135にて後述する。大当りAに当選した場合など、大当り遊技の終了後の遊技状態(確率状態)が明らかな場合には、不明瞭モード設定処理で特に処理を実行せずに、装飾図柄変動開始処理に復帰する。
そして、周辺制御MPU4150aは、こうして決定された第1の演出モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1228)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1229)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図98に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信されることで、液晶表示装置1400においては、液晶及び音制御部4160側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容(延長演出パターンなど)の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
一方、周辺制御MPU4150aは、上記ステップS1224の処理において、第2の演出モードに強制決定される期間にあるか、若しくは遊技者の操作による演出モードの変更が許容される期間において第2の演出モードが設定されている状態にあるときは、第1の演出モードの設定状態にないと判断し(ステップS1224にてNO)、次にステップS1225bの処理を行う。ステップS1225bの処理では、第2の演出モードの設定状態にあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1400における演出パターン及び停止図柄を決定する。次いで、第2の演出モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、予告演出を実行するか否かの判断を含めて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)が決定される予告選択処理を実行する(ステップS1226b)。
さらに、周辺制御MPU4150aは、第1の演出モードの場合と同様に、大当り遊技の終了後の演出内容を明瞭に報知しない不明瞭モードに設定するための不明瞭モード設定処理を実行する(ステップS1227)。
そして、周辺制御MPU4150aは、こうして決定された第2の演出モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1228)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1229)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図98に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信されることで、液晶表示装置1400においては、液晶及び音制御部4160側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
他方、周辺制御MPU4150aは、上記ステップS1223の処理において、遊技状態フラグが通常外部不利遊技状態にあることを示していないと判断されたときは(ステップS1223にてNO)、詳述は割愛するが、現在の遊技状態に応じた演出テーブルに基づいて演出パターンや停止図柄を決定するとともに(ステップS1230)、現在の遊技状態に応じた予告演出テーブルにおいて、予告演出を実行するか否かの判断を含めて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)が決定される予告選択処理を実行することとなる(ステップS1231)。
さらに、周辺制御MPU4150aは、第1の演出モード及び第2の演出モードの場合と同様に、大当り遊技の終了後の演出内容を明瞭に報知しない不明瞭モードに設定するための不明瞭モード設定処理を実行する(ステップS1227)。
そして、周辺制御MPU4150aは、こうして決定された現在の遊技状態に応じた演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1227)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1228)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図98に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信されることで、液晶表示装置1400においては、液晶及び音制御部4160側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
図102は、第1の演出モード時の演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1225a)についての一例を示すフローチャートである。
図102に示されるように、このステップS1225aの処理では、周辺制御MPU4150aは、まず、上記ステップS1104(図99参照)の処理にて変動表示パターン格納領域に記憶された変動パターンコマンドを読み出し、この変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターンを決定する(ステップS1301)。ここで、第1の演出モード時の演出パターン決定テーブルにおいては、1つの変動パターンコマンドに対しては、複数の演出パターンが対応付けされていてもよいし(図108、図109参照)、1つの演出パターンのみが対応付けされていてもよい(図105、図106参照)。なお、複数の演出パターンが対応付けされているときは、所定の演出用乱数を用いた演出抽選の結果に基づいていずれかの演出パターンを決定するか、大当りの種別に基づいていずれかの演出パターンを決定することとなる。
こうして特定の演出パターンが決定された後は、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)を決定することとなる。すなわち後述するが、液晶表示装置1400における装飾図柄については、特別図柄の停止時に表示演出が終了されない上記延長演出パターンが採用されている場合も含めて、特別図柄の変動停止に合わせるように(確定停止コマンドがセットされていることに基づいて)停止するものとなっている。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、当該停止図柄の決定に際しては、「延長演出パターン」と、「延長演出パターンではないものの、同延長演出パターンの対となる演出として用意されうるハズレ演出パターン」とのいずれかの演出パターンが上記ステップS1301の処理にて決定されているかについての判断を行う(ステップS1302)。この結果、それら演出パターンのいずれかが決定されているときは、予め定められた延長時の停止図柄(特定のリーチハズレ図柄など)を決定した時点で(ステップS1303)、当該ステップS1225a(図101参照)の処理を終了する。この場合、オープニング期間においては、延長時の停止図柄をもって装飾図柄が停止表示されている状態のもとで、キャラクタなどのストーリーを中心とした表示演出の内容が延長(発展)されるかたちで継続して現れることとなり、その後に、大当りに当選したか否かについての結果が明示されるようになる。
これに対し、「延長演出パターン」と、「延長演出パターンではないものの、同延長演出パターンの対となる演出として用意されうるハズレ演出パターン」とのいずれの演出パターンとも異なる通常の演出パターン(図105(c)、図108参照)が決定されているときは、ステップS1304〜ステップS1310の処理を通じて、当選情報コマンドにより示される大当り抽選の結果に応じた停止図柄を決定することとなる。
すなわち、周辺制御MPU4150aは、まず、上記ステップS1106(図99)の処理にて当選情報格納領域に記憶された当選情報コマンドに基づいて大当り抽選の結果が大当りであるか否かについての判断を行う(ステップS1304)。この結果、大当り抽選の結果が大当りであるときは、大当り時専用の停止図柄を決定した時点で(ステップS1305)、当該ステップS1225a(図101参照)の処理を終了する。
また、周辺制御MPU4150aは、大当り抽選の結果が大当りでないときは(ステップS1304にてNO)、同結果が小当りであるか否かについての判断を行い(ステップS1306)、大当り抽選の結果が小当りであるときは、小当り時専用の停止図柄を決定する(ステップS1307)。ただし、第1演出モードにあるとき、小当りについてはその存在が隠匿されるようにその演出コマンドは上記延長演出パターンに全て対応付けされるようにしていることから、上記ステップS1306の処理では必ず、大当り抽選の結果が小当りでない旨判断されることとなり、次にステップS1308の処理として、リーチが形成される表示演出(高期待ハズレ演出)であるか否かについての判断が行われる。
この結果、周辺制御MPU4150aは、リーチが形成される表示演出であるときは、リーチハズレの停止図柄を決定した時点で(ステップS1309)、当該ステップS1225a(図101参照)の処理を終了する。一方、リーチが形成される表示演出でないときは、リーチが形成されない不揃いの停止図柄を決定した時点で(ステップS1310)、当該ステップS1225a(図101参照)の処理を終了する。
図103は、第2の演出モード時の演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1225b)についての一例を示すフローチャートである。
図103に示されるように、このステップS1225bの処理では、周辺制御MPU4150aは、まず、上記ステップS1104(図99参照)の処理にて変動表示パターン格納領域に記憶された変動パターンコマンドを読み出し、この変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターンを決定する(ステップS1321)。ここで、第2の演出モード時の演出パターン決定テーブルにおいても、1つの変動パターンコマンドに対しては、複数の演出パターンが対応付けされていてもよいし、1つの演出パターンのみが対応付けされていてもよい。なお、複数の演出パターンが対応付けされているときは、所定の演出用乱数を用いた演出抽選の結果に基づいていずれかの演出パターンを決定するか、大当りの種別に基づいていずれかの演出パターンを決定することとなる。
こうして特定の演出パターンが決定された後は、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)を決定することとなる。すなわち上述の通り、第2の演出モードにおいては、液晶表示装置1400における装飾図柄については、賞球獲得が可能とされる抽選結果が得られたときに、特別図柄の変動停止に合わせるように(確定停止コマンドがセットされていることに基づいて)当り時の停止図柄(特定の表示画像)を停止させるものとなっている。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、当該停止図柄の決定に際しては、上記ステップS1106(図99参照)の処理にて当選情報格納領域に記憶された当選情報コマンドに基づいて、大当り抽選の結果が、賞球獲得が可能とされる当り(大当り、若しくは小当り)であるか否かについての判断を行う(ステップS1322、ステップS1324)。この結果、大当り抽選の結果が、賞球獲得が可能とされる当り(大当り、若しくは小当り)であるときは(ステップS1322にてYES、若しくはステップS1324にてYES)、大入賞口2003の開放確定であることが把握可能となるボーナスチャレンジ停止図柄を決定した時点で(ステップS1323)、当該ステップS1225b(図101参照)の処理を終了する。なお、ボーナスチャレンジ停止図柄としては、例えば、大当り図柄組み合わせの構成要素とはならない特殊図柄をその変動中に出現させた上で、停止時の図柄組み合わせに同特殊図柄が含まれるもの、等々によって実現することができる。
この場合、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れた後のオープニング期間においては、例えば、少なくとも特定数(例えば、少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度))の賞球は獲得可能とされるように賞球を得る機会が提供されることが遊技者に把握されているもとで、さらにどれだけの賞球数をボーナスとして上積み可能とされるか、といったラウンド抽選的な要素のあるチャレンジボーナス演出が行われることとなる。
一方、周辺制御MPU4150aは、大当り抽選の結果が、賞球獲得が可能とされる当り(大当り、若しくは小当り)でないときは(ステップS1322とステップS1324とのいずれの処理においてもNO)、次にステップS1325の処理として、リーチが形成される表示演出であるか否かについての判断が行われる。
この結果、周辺制御MPU4150aは、リーチが形成される表示演出であるときは、リーチハズレの停止図柄を決定した時点で(ステップS1326)、当該ステップS1225b(図101参照)の処理を終了するのに対し、リーチが形成される表示演出でないときは、リーチが形成されない不揃いの停止図柄を決定した時点で(ステップS1327)、当該ステップS1225b(図101参照)の処理を終了する。
以下、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aによるこうした各種処理(ステップS1210〜S1240)が進行されたときに現れる表示演出の一例について説明する。図105は、主制御MPU4100a側から図96に示した演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。
図105(a)に示されるように、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りが当選されたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta1である特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「01H」に対応付けされている大当り時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容を含む延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出aの内容を含む延長演出パターン(演出コマンド「01H」)は、変動時間Ta1の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt1が到来した状況にあっても、当該表示演出aを終了させることなく(特定のミッションaを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
また、演出コマンド「01H」のときの延長演出パターンの動的表示に際しては、装飾図柄の変動も開始させている。ただし上述の通り、この装飾図柄の変動については、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるようにしている。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、装飾図柄の確定停止に際しては、変動時間Ta1の時間内に当該装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。そして、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Ta1の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている。
すなわち、この場合、図96に示したコマンド「03H」に対応付けされている後述の表示演出a(発展なし、ハズレ)が用意されていることで、タイミングt1を経過した時点においても当該表示演出aが継続されているときにはこれが「発展後の表示演出a(特定のミッションaを成功させるチャンスが残された演出)」として機能することとなる。したがって、この「発展後の表示演出a」が現れているときには、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間にあるにもかかわらず、遊技者側からみれば、特別図柄が未だ変動されているものとして把握されうるようになる。また、液晶表示装置1400における装飾図柄についても、確定停止された後の状況にあるにもかかわらず、仮停止の状態が維持されているものとして把握されうるようになり、ひいては上述の延長時のハズレ停止態様が覆されるかたちで大当りに当選されていることが示されるチャンスが未だ残っているように見せることができるようになる。
この際、表示演出aの内容を含む延長演出パターン(演出コマンド「01H」)については、当該液晶表示装置1400のうちの大きな表示領域(表示領域の中央や全体)にて行うようにする。そして、装飾図柄の変動表示については、こうした表示演出aに対して当該液晶表示装置1400のうちの小さな表示領域(表示領域の端部分などの注目され難い箇所)においてのみ行われるようにすることが、装飾図柄の動きに注目させることなく、表示演出aにおける特定のミッションaを成功させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させる(キャラクタによる結果表示を行う)ようにする上でより望ましい。
すなわち、演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出a(大当り)の内容を有する延長演出パターンでは、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出a」が現れることとなる。この「発展後の表示演出a」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt2までの時間を利用して、例えばキャラクタAが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
ただし、後述するが、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間におけるこうした「発展後の表示演出a(特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出)」は、図96に示したコマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容を含む延長演出パターンにおいても行われる。そして、上述の通り、第1の演出モードにあるときは小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かれ難くするべく、表示演出a(小当り)においては、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることがより望ましい。
そこで、演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出a(大当り)の内容を含む延長演出パターンでは、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功した様子(キャラクタAが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタAが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)のみが現れるようにしている。これにより、第1の閉制御期間の終了タイミングt2以降に特定のミッションaに成功した様子が示されるかたちで大当り明示演出aが現れうるようになり、当該演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容aをもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし、上述の通り、大当り時の延長演出パターンにおいては、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れるようになっている。そして、当該第2の閉制御期間内において、大当り時の延長演出パターンにおける一部の演出内容(大当り明示演出a)と、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)とが行われうるようにしている。そして、これらの演出に対する各遊技者の理解スピードに合わせてハンドルレバー504が適宜のタイミングにて操作された結果、有効ゲート6010nを遊技球が通過すると(タイミングtx)、第2の閉制御期間が終了し、ひいては大当り遊技と大当り遊技中演出とが開始されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
また、図104(a)を参照しつつ上述した通りであるが、タイミングt2からタイミングtxまでの第2の閉制御期間は、ハンドルレバー504が操作されることに基づいて終了されるもの(不定の長さをもった期間)である。このことから、例えば、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了してすぐにハンドルレバー504の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過するように遊技した場合は、大当り明示演出aやオープニング演出などはその時点でカット、若しくはその演出自体をほぼ出現させることなく(演出飛ばし)、次の演出(大当り遊技中演出)に強制進行されることとなる。
これに対し、図105(b)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta2(ここでは、変動時間Ta1と同じ時間に設定されているものとして説明する)である特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「02H」に対応付けされている小当り時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容を含む延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出aの内容を含む延長演出パターン(演出コマンド「02H」)も、演出コマンド「01H」に対応付けされている延長演出パターン(図105(a)参照)のときと同様、変動時間Ta2の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt1が到来した状況にあっても、当該表示演出aを終了させることなく(特定のミッションaを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
また、演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容を含む延長演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させている。また、この装飾図柄の変動について、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させる点も、演出コマンド「01H」に対応付けされている延長演出パターン(図105(a)参照)のときと同様である。なお、この延長時のハズレ停止態様は、大当りのときと小当りのときとで大当りの抽選結果が異なっているにもかかわらず、単一の表示態様が採用されており、その表示態様に区別はされていない。
さらに、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Ta2の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「01H」に対応付けされている延長演出パターン(図105(a)参照)のときと同様である。
すなわち、演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容を含む延長演出パターンにおいても、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出a」が現れることとなる。そして、この「発展後の表示演出a」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt2までの時間を利用して、例えばキャラクタAが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
さらに、これも同様、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功した様子(キャラクタAが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタAが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)が現れる。ただし、図104(b)を参照しつつ上述した通り、演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容を含む延長演出パターンでは、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れることはない。したがって、第1の閉制御期間の終了タイミングt2以降、演出コマンド「02H」のときの小開放当り遊技(小当り遊技)における大入賞口2003の開放にかかる制御の終了タイミングt3までの間、特定のミッションaに失敗した様子が示されるかたちでハズレ明示演出aが実行されることとなる。これにより、当該演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容aをもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このハズレ明示演出aでは、例えば、キャラクタAによる攻撃がかわされて敵が逃亡してしまうとともに、その後、キャラクタAが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出として行われる。
このような演出コマンド「01H」、「02H」に対応付けされている延長演出パターンによれば、特別図柄の始動タイミングt0から大入賞口2003の開放終了タイミングt3(若しくは、第2の閉制御期間内における大当り明示演出aが終了するタイミング)までの時間が、大当りの当落にかかる1つの演出として機能することとなることから、こうした演出に遊技者の注視先を向けることができるようになり、ハズレ明示演出aが行われているときにおける大入賞口2003の開放、ひいては小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かせ難くすることができるようになる。
なお、こうした作用効果を得る上では、大入賞口2003が開放していることを遊技者が確認しても何らの情報も得られないようにしておく(同開放を確認する理由になりうる事象を排除した構成にしておく)ことが重要である。例えば、小開放当り遊技(小当り遊技)のときと同一、若しくは近似した開放態様をもって大入賞口2003を開放させる大当り遊技が実行されうるようなパチンコ機1では、同開放を確認することで、その後、条件装置の作動を条件に遊技状態が変更される可能性があることを認識することができるようになる。また、大当りの低い当選確率に見合わない出球が少ない大当りに当選してしまったという、遊技を辞める契機ともなりうる情報を遊技者は得ることができることから、大入賞口2003の開放に注視を向けさせてしまう一因ともなりかねない。
一方、同図105(c)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta3(ここでは、タイミングt0〜t1の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。ただし、こうして開始される表示演出aの内容を含む表示演出パターン(演出コマンド「03H」)は、変動時間Ta3の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt1が到来した時点で、当該表示演出aを延長させることなく(特定のミッションaを失敗させるかたちで)これを終了させる。
より具体的には、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(発展なし)の内容を含む表示演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させる。また、この装飾図柄の変動においても、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるにあたり、同装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。なお、この延長時のハズレ停止態様については、大当りのときと小当りのときと当該ハズレのときとで単一の表示態様が現れるようにしている。
また、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Ta3の経過によって当該装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「01H」、「02H」に対応付けされている延長演出パターン(図105(a)、(b)参照)のときと同様である。
ただし、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(発展なし)の内容を含む表示演出パターンにおいては、仮停止時における継続期待演出に失敗し(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がらなかった様子が示され)、特定のミッションに失敗したことが遊技者に把握されるようにしている。このような演出パターンを用意したことで、図105(a)、(b)、(d)に示されるタイミングt1以降も継続される演出パターンを、発展ありの演出パターンとして機能させることができるようになる。
一方、図105(d)に示されるように、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta4(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)である特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「04H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。ただし、こうして開始される表示演出aの内容を含む表示演出パターン(演出コマンド「03H」)は、非延長の表示演出パターンであるにもかかわらず、演出コマンド「01H」〜「03H」のときの特別図柄の変動時間ta1〜ta3の経過によってタイミングt1が到来した状況にあっても、当該表示演出aを終了させることなく(特定のミッションaを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。さらに、表示演出パターン(演出コマンド「04H」)の動的表示に際しては、装飾図柄の変動を開始させるものの、この装飾図柄の変動についても、上記タイミングt1において終了させることなくこれを継続させるものとなっている。
すなわち、ハズレ(純ハズレ)の場合、大当りや小当りの場合とは異なり、大入賞口2003の開放制御に要する時間はもとより、大入賞口2003の開放に先立ってこれを閉状態にて維持させる第1の閉制御期間も用意されることなくすぐに次変動に移行されてしまうことから、特別図柄の変動時間に対して表示演出aに要する時間を延長させることは行い難い実情にある。
この点、演出コマンド「04H」に対応付けされている表示演出パターン(表示演出a)については、主制御MPU4100aにおいて、小当り時の変動開始タイミングt0から大入賞口2003の開放終了タイミングt3までの時間を基準としてこれに合わせた長さの変動時間Ta4が選択されたときに採用されるものとして用意している。したがって、この表示演出パターン(表示演出a)では、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターン(表示演出a)のときと同様、液晶表示装置1400においては表示演出aの内容を含む演出が現れるものの、タイミングt1において特別図柄が停止されることはなく、そもそもより長い時間をもった表示演出となっている。
この場合、特別図柄と装飾図柄とについてはそれらいずれの変動についても、上記タイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させることはないにもかかわらず、それら図柄のうち、装飾図柄については、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターンのときと同様、変動時間Ta4に対しては単なる中途段階でしかないタイミングt1が経過する前の段階にて延長時のハズレ停止態様にて仮停止させる。そして、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、タイミングt1が到来するまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うこととなる。なお、この延長時のハズレ停止態様は、大当りのときと小当りのときと当該ハズレ(純ハズレ)のときとで大当りの抽選結果も変動時間も異なっているにもかかわらず、単一の表示態様が採用されており、その表示態様に区別はされていない。
そして、こうして装飾図柄が仮停止されているもとで継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がった)ような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出a」が現れることとなる。ただし、この後、仮停止されている装飾図柄が再び変動状態に戻されることはなく、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターンのときと同様、表示演出aに対して当該液晶表示装置1400のうちの小さな表示領域(表示領域の端部分などの注目され難い箇所)においてその停止状態(「01H」〜「03H」のときは確定停止、「04H」のときは仮停止)がタイミングt2まで維持されることとなる。
この「発展後の表示演出a」では、変動時間Ta4の時間内にて例えばキャラクタAが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出が行われる。ただし、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターンのときと同様、上記タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功した様子(キャラクタAが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタAが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)のみが現れるようにしている。
そして、タイミングt2以降、演出コマンド「02H」のときの小開放当り遊技(小当り遊技)における大入賞口2003の開放にかかる制御の終了タイミングt3までの間、特定のミッションaに失敗した様子が示されるかたちでハズレ明示演出aが現れることとなる。このハズレ明示演出aでは、演出コマンド「02H」のときと同様、例えば、キャラクタAによる攻撃がかわされて敵が逃亡してしまうとともに、その後、キャラクタAが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出として行われる。これにより、当該演出コマンド「04H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容aをもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このように、第1の演出モードにおいては、大当り抽選の結果がハズレであることに基づいて、液晶表示装置1400において特定の演出内容(表示演出a)が現れる特定のハズレ演出パターン(演出コマンド「04H」)にかかる表示制御を行うときは、主制御MPU4100a側にて特定の変動時間(変動時間Ta4)が決定されたときに、該決定された特定の変動時間(変動時間Ta4)内にて特定の演出内容(表示演出a)が現れるかたちで特定のハズレ演出パターンにかかる表示制御を行うようにしている。それにもかかわらず、大当り抽選の結果が当りであることに基づいて、液晶表示装置1400において特定の演出内容(表示演出a)が現れる、上記特定のハズレ演出パターン(演出コマンド「04H」)に対しての当り演出パターン(演出コマンド「01H」)にかかる表示制御を行うときは、主制御MPU4100a側にて上記特定の変動時間(変動時間Ta4)よりも短い変動時間(変動時間Ta1)が決定されたときに、該決定された短い変動時間(変動時間Ta1)のみならず、少なくとも所定のインターバル期間(第1の閉制御期間、第2の閉制御期間)を加えたより長い時間を演出時間として設定し、この演出時間内にて特定の演出内容(表示演出a)が現れるかたちで特定の当り演出パターンにかかる表示制御を行うようにした。
このような演出手法によれば、特別図柄の停止後の所定のインターバル期間においても、液晶表示装置1400においては当り(大当り、小当り)に当選しているか否かについての当落演出と、オープニング演出とが行われるようになる。また、これらの演出については適宜にカットして演出や遊技を進行させることができるようになっており、テンポのよい演出進行(遊技進行)を実現することができるようになる。また、こうした特定の演出内容(表示演出a)の表示演出パターンが現れたときには、その途中段階にて特別図柄が停止されるか否かといった点にも注目すべき演出要素が加わるようになり、停止が確認されたときには、大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会が付与されることが把握可能とされることで、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、演出コマンド「01H」、「02H」のときの延長演出パターンに対し、演出コマンド「04H」のときの当該表示演出パターンを用意するようにしたことで、「発展後の表示演出a」が現れたときの大当り期待度を、大当りと小当りとの出現比率に制約された範囲内で設定せざるを得なくなってしまうようなことが回避されるようになり、小当りが搭載されていることを認識し難くするこのような演出体系のもとであっても、図96に示されるようなより自由度の高い演出設計を行うことができるようになる。
また、演出コマンド「04H」のときの当該表示演出パターンでは、タイミングt1以降も特別図柄は変動していることから、遊技者に特別図柄の変動状態が確認された場合であっても何ら問題はない。そして、このような非延長の演出パターンを、上記延長演出パターンに対して混在させるかたちで用意したことで、延長演出パターンにおける特別図柄の停止状態が確認された場合であっても、遊技者に対して見間違いかもしれない意識付けを促すことができるようになる。
また、演出コマンド「04H」のときの当該表示演出パターンでは、ハズレ明示演出aが行われているときに大入賞口2003は開放されないことから、遊技者に大入賞口2003が確認された場合であっても何ら問題はない。そして、このような非開放のハズレ明示演出aを、上記演出コマンド「02H」のときのハズレ明示演出aに対して混在させるかたちで用意したことで、ハズレ明示演出aにおける大入賞口2003の開放が確認された場合であっても、遊技者に対して見間違いかもしれない意識付けを促すことができるようになる。
なお、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「01H」、「02H」、「04H」のときの表示演出パターンにおいては、タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功したか否か(キャラクタAが敵を倒すか否か)は示されることがないようにしたが、タイミングt2の到来に先立って、特定のミッションaに成功したか否か(キャラクタAが敵を倒すか否か)が示されるようにしてもよい。この場合、結果表示が現れて以降、大当り明示演出若しくはハズレ明示演出が行われることとなるが、このような演出手法であっても、小当り時の表示演出aにおいては、小当り時の第1の閉制御期間の大部分が表示演出aに用いられることはもとより、その後に、キャラクタAが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出が現れることで、大当りの落選演出が行われてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることはできる。
ところで、このような表示演出は、第1の演出モードにおいて、主制御MPU4100a側から図96に示した演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかが受信されたときに現れることは上述した通りである。そして、遊技者は、第1の演出モードにおけるこのような遊技性(演出性)を実現する上で特に必要とされていない小当りの存在を意識することなく、大当りの当選確率をもって大当りに当選するか否かについての遊技を楽しむこととなる。
ただし、主制御MPU4100a側から図96に示した演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかが受信された場合であっても、第2の演出モードに設定されているときは、主制御MPU4100a側からの当該演出コマンド「01H」〜「04H」自体の内容はもとより、通常外部不利遊技状態であることに何らの変化も生じていないにもかかわらず、小当りの当選による大入賞口2003の開放を前提とした演出内容の表示演出パターンを一転して積極的に採用することで、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)を実現するようにしている。
すなわち、図105(a)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りに当選したことに基づいて、図96に示した変動時間Ta1をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「01H」に対応付けされている大当り時の表示演出a´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
ただし、この第2の演出モードにおける表示演出a´は、第1の演出モードにおける表示演出aとはその内容が異なっており、例えば、特定のミッションa´を成功させることができるか(本実施形態では、装飾図柄を、大入賞口2003の開放確定であることが把握可能となるボーナスチャレンジ停止図柄にて停止表示させることができるか)否かなどの内容を含む表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)として用意されている。したがって、装飾図柄の変動表示としても、当該液晶表示装置1400の表示領域の全体にわたって(少なくとも表示領域の中央部分など、注目され易い箇所において)行われるようにしている。このように、第2の演出モードにおいては、装飾図柄の動きに注目させ、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄を停止表示させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させるようにしている。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、第1の演出モードと第2の演出モードとで、装飾図柄の表示形態についても異ならせるようにしている。例えば、第1の演出モードにおける装飾図柄は数字を主体とした比較的小さな図柄画像であるのに対し、第2の演出モードにおける装飾図柄はキャラクタを主体とした比較的大きな図柄画像として表示されるなど、第2の演出モードにおいては装飾図柄がより注目され易い表示形態として設定されている。
そして、演出コマンド「01H」のときの非延長の表示演出パターンでは、タイミングt1となるまでの変動時間Ta1において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容を含む表示演出a´が現れるとともに、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1においては、大入賞口2003の開放により賞球獲得が可能とされることが遊技者に把握可能とされるようにボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容a´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
また、こうして装飾図柄が、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって確定停止されたとき、液晶表示装置1400においては、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出の開始前演出として、ハンドルレバー504の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出a´を行うようにしている。
ここで、カウントダウン演出a´とは、上述の通り、例えば、右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うことを説明しつつ、例えば3〜5秒程度のカウントダウン表示が行われるものであり、このカウントダウン表示が「0」に変わったときにハンドルレバー504が適切な操作量で操作されると、当該第1の閉制御期間が終了してすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過するようになる。
したがって、このようなカウントダウン演出a´によれば、同演出の指示通りにハンドルレバー504が操作されたときには、図105(a)に示されるように、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来してからすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過することによって第1の演出モードの場合よりも第2の閉制御期間の終了タイミングtxが早期に到来することとなる。これにより、遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出が、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来してから比較的早期に開始されるようになり、当該演出において、いずれの開放態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって大入賞口2003が開放されるかなどが示されるようになる。この場合、遊技者は、大当り遊技はもとより、小開放当り遊技(小当り遊技)のときにも大入賞口2003に対して遊技球を打ち出すこととなり、これによって第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
ところで、これも図104(c)を参照しつつ上述したが、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、カウントダウン演出a´におけるカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたって操作ハンドル部が操作されないような事態が生じることも想定される。すなわちこの場合、不定の長さをもった第2の閉制御期間が長い時間にわたって継続されることとなるが、この第2の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にてカウントダウン表示が「0」のままで表示されるなど、新たな演出が出現されないようにしておくことが、このような事態を生じさせる遊技者の興味を薄らげる上でより望ましい。
ただし、チャレンジボーナス演出パターンが出現した状況にあって、このような演出進行が停滞される事態は、大当りに当選された場合に限られるものであり、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図104(d)、図105(b)参照)の場合には生じ得ないものとなっている。すなわちこの場合、何らの演出も新たに行われない演出停滞の状態(無演出状態)にありながら、小開放当り遊技が行われる可能性が排除された分だけ、獲得可能とされる賞球量はもとより、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれが飛躍的に高められるようになる。
これに対し、図105(b)に示されるように、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta2(ここでは、タイミングt0〜t1の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「02H」に対応付けされている小当り時の表示演出a´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示と装飾図柄の変動と、をそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出a´の内容を含む非延長の表示演出パターン(演出コマンド「02H」)も、タイミングt1が到来するまでの変動時間Ta2において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容を含む表示演出a´が現れるとともに、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1においては、大入賞口2003の開放により賞球獲得が可能とされることが遊技者に把握可能とされるようにボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容a´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし、上述の通り、小当りの当選時においては、特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなっており、タイマがタイムアップしたときには、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無にかかわらず小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるようになっている(図93参照)。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「02H」のときの表示演出パターンの場合であっても、演出コマンド「01H」のときの表示演出パターンの場合と同様、装飾図柄がボーナスチャレンジ停止図柄の現れる停止表示態様をもって確定停止されたときは、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出の開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出a´を行うようにしている。
すなわち、第2の演出モードにあるときの表示演出パターンでは、大当りと小当りとについてはいずれも大入賞口2003を開放させる当りであるとして同様に扱っており、装飾図柄の変動が開始されるタイミングt0からチャレンジボーナス演出が行われるまでの演出内容では区別されておらず、当該演出の指示通りに操作ハンドル部が操作されたときには、カウントダウン演出a´から先行演出(図示略)を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる、大当り時のチャレンジボーナス演出パターン(演出コマンド「01H」)のときと同じ一連の演出内容によってチャレンジボーナス演出が開始されることとなる。
したがって、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当り遊技と中開放当り遊技はもとより、小開放当り遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。これにより、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技のうち、小開放当り遊技は比較的短い時間にて終了してしまうことに鑑み、大当りA〜Eと小当りとのうち、小当りが当選されているか否かについては、第1の閉制御期間内における演出において大当りの当選時には現れない特定画像を表示させることにより遊技者が把握可能とされるようにしてもよい。
このように、演出コマンド「02H」のときの表示演出パターンについては、1つの演出コマンドに基づく表示演出パターンでありながらも、小当りを賞球獲得の機会が付与されないノーチャンスのハズレとして(純ハズレ時の演出パターン(演出コマンド「04H」)と同様に)扱われる第1の演出モード時の延長演出パターン、及び小当りを賞球獲得の機会が付与されるハイチャンスの当りとして(大当り時の演出パターン(演出コマンド「01H」)と同様に)扱われる第2の演出モード時の非延長の表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)のいずれかとして選択的に実行されるものである。この場合、当落にかかる演出情報が周辺制御MPU4150a側にて適宜に逆転されることとなり、これによって主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
また、さらに言えば、小開放当り遊技(小当り遊技)とは、特典として少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度)しか実質的に遊技者に獲得可能とされないばかりか、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる前よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行されることもないものであることから、開閉部材2006が動作するにもかかわらず遊技興趣が低下しかねない点でその遊技設定上での扱いに注意を要するものといえる。したがって、従来は、小当りを搭載するにあたっては、小開放当り遊技(小当り遊技)と同じような挙動をもって大当り遊技が行われるとともにその後には有利な遊技状態に移行させるように機能する特定の当選種をまずは用意しておき、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる状況にあっては、当該特定の当選種の当選に応じた大当り遊技である可能性を遊技者に意識付けさせることで、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるときの遊技興趣の維持を図るようにすることが大前提とされていた。ただし、このような従来の遊技機であっても、特定の当選種に当選された場合は、通常遊技状態においては極めて低く設定される大当りの当選確率のもとでようやく大当りに当選されたにもかかわらず、この低い確率に見合った分の賞球が獲得可能とされないことによる遊技興趣の低下(大当り確率と大当りの実質確率とのズレによる遊技興趣の低下)が避けられないものとなっていた。
この点、本実施形態にかかるパチンコ機1とは、小当りを搭載するにあたって、小開放当り遊技(小当り遊技)と同じような挙動をもって大当り遊技が行われるとともにその後には有利な遊技状態に移行させるように機能する特定の当選種が用意されない点で、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるときの遊技興趣の低下の抑制を図るべく技術思想が従来の遊技機とはそもそも大きく異なるものとなっている。
すなわち、本実施形態にかかるパチンコ機1では、小当りを搭載するにあたって、遊技者によって獲得可能とされる賞球量の異なる複数種の大当り遊技が実行されうるように大当りの当選種別(大当りA,大当りB〜E)を用意することとしている。そして、大入賞口2003の開放に際しては、まず、大当り抽選において大入賞口2003の開放が確定される抽選結果(多量の出玉獲得が期待される大当りA,中量の出玉獲得が期待される大当りB〜E、小量の出玉獲得が期待される小当り)が得られたか否かについての表示演出が行われるようにしている(当りの種別にかかわらずチャレンジボーナス演出パターンが現れるようにしている)。この結果、同抽選結果が得られていることが示されたときは、少なくとも小量の出玉は獲得可能とされている状態にあることが遊技者に把握可能とされているもとで、あとはどれだけの出玉を上積みさせることができるか(小量の出玉獲得から、中量、若しくは多量の出玉獲得まで上積みさせることができるか)についてのチャレンジボーナス演出がさらに行われるようにしている。
さらに、賞球数の上積みがあったときには、遊技者に有利な遊技状態(確率変動機能や時短機能が作動する遊技状態)への変更が行われる可能性も生じる。この点、本実施形態では、どれだけの出玉が上積みされるかによって(多量の出玉獲得が期待される大当りA,若しくは中量の出玉獲得が期待される大当りB〜E)、確率変動機能の作動に対する期待度(確率変動機能の作動する遊技状態への移行確率)を異ならせるようにしている。この場合、大入賞口2003の開放が終了した後に確率変動機能の作動する遊技状態への変更が行われる確率がそれぞれ異なるように複数種類用意されている動作態様のいずれが現れるかについてのチャレンジボーナス演出として機能するようになる。したがって、このようなチャレンジボーナス演出においては、条件装置の作動を伴う当りの当選確率「1/400」に対し、条件装置の作動を伴わない当りの当選確率「3/400」を加えたより高い確率「1/100」をもって、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材2006が動作すること)のみならず、遊技者に有利な遊技状態に移行されうることをも意識付けさせることができるようになる。
なお、本実施形態では、多量の出玉獲得が可能とされるまで上積みされたときの確率変動機能の作動に対する期待度(大当りAのときの確変期待度)は100%であり、少なくとも中量の出玉獲得が可能とされるまで上積みされたときの確率変動機能の作動に対する期待度(大当りA〜Eのときの確変期待度)は82%であり、中量の出玉獲得が可能とされるまで上積みされたときの確率変動機能の作動に対する期待度(大当りB〜Eのときの確変期待度)は61.7%であり、獲得可能とされる出玉数の期待値の多い状況にあるときほど、確変期待度も高くなるようになっている。
しかも、このようなチャレンジボーナス演出によれば、小量の出玉が獲得可能とされることがデフォルトの演出状態として位置付けされていることから、大当りの当選に応じた多量の出玉獲得があるか否かが基本遊技(基本演出)とされる従来の遊技機とは異なり、小量の出玉が獲得可能とされる小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる場合であっても、デフォルトの演出状態に即したかたちで大入賞口2003が開放されただけであることから、遊技興趣の低下は抑制されるようになる。さらに、第2の演出モードにあるときには、小量の出玉が獲得可能とされることがデフォルトの演出状態として位置付けされている分だけ、その当り演出の出現確率(チャレンジボーナスへの突入確率)としてもより高い確率(大当りの当選確率に、小当りの当選確率が加算されたより高い確率)に設定されており、これによって低い確率に見合った分の賞球が獲得可能とされないことによって遊技興趣が低下してしまうようなことも回避されている。
そして、このような遊技・演出性を実現しているチャレンジボーナス演出パターンが第2の演出モードにおいて持たせられるべく、第1の演出モードにおいても、小当りにかかる抽選が行われることはもとより、小当りの当選時には、大当りの当選時における特別図柄の変動時間Ta1〜Td1を基準としてこれに合わせた長さの変動時間Ta2〜Td2が選択されうるようになっている。ただし、第1の演出モードでは、本来、小当りは必要なく、大当り確率に基づいて大当りに当選されたか否かについての表示演出が基本的に行われるようになっている。したがって、第1の演出モードにおいては、小当りが搭載されているパチンコ機であることが遊技者に気付かれ難い表示演出を実現することが好都合であるが、液晶表示装置1400において特別図柄の変動停止時に大当り抽選の結果が現れる演出手法を単純に採用した場合には、特別図柄の停止後、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際してのオープニング期間やその後の大入賞口2003の開放期間の存在が目立ってしまい、遊技興趣が低下しかねない。
この点、本実施形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、第1の演出モードにおいては、確定停止コマンドに対応したフラグがセットされるタイミングt1(特別図柄の変動終了時)にあっても、液晶表示装置1400における表示演出を終了させることはなくこれを継続させる。また、第1の閉制御期間への突入に際しては、タイミングt1においてインターバル演出コマンドに対応したフラグがセットされることとなるが、周辺制御MPU4150aは、大入賞口2003が開放されることが示されるインターバル演出に切り替えることなく同コマンドのセットを無視し、液晶表示装置1400における表示演出を継続させる。そして、第1の閉制御期間が終了して第2の閉制御期間が開始されるタイミングt2にあるときに、液晶表示装置1400における表示演出を、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が示される当落明示演出、さらにはオープニング演出に切り替えるかたちで実行する。
この場合、上述の小当り時の演出が大当りの落選時に現れる一演出として位置付けされることはもとより、特別図柄の停止後、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際しての第1の閉制御期間やその後の大入賞口2003の開放期間にまでわたって行うようにしたことで、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)にかかる表示演出に移行させることができるようになる。これにより、いわゆる高期待のハズレ演出であるときと同じような態様で演出が進行するようになることから、条件装置の作動を伴わない当り(小当り)が搭載されているパチンコ機1であることが気付かれ難くなり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材2006が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
そして、このような第1の演出モードと第2の演出モードとが用意されるパチンコ機1にあって、特に、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aは、上述の通り、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されて、該強制決定されている演出モードからの遊技者の操作による変更が許容されないモード強制期間を創出するモード強制制御手段を備えている。そしてこの上で、当該パチンコ機1がホールに納品されてからの第1の所定期間(例えば、1ヶ月間)を第1の演出モードに強制決定しておき、その第1の所定期間が経過してからの第2の所定期間(例えば、次の1ヶ月間)を第2の演出モードに強制決定するように上記モード強制期間の創出にかかる制御を行うようにしている。
このようなモード強制期間によれば、ホール側は、第1の所定期間は、上述の如くの延長演出パターンが現れることによって、小当りが搭載されていながらも遊技者に対してはこれを隠匿させつつ、大当りの当選確率「1/400」に基づいて液晶表示装置1400における表示演出において当り表示を行うことで、大当りの当選確率「1/400」のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうる第1の遊技仕様のパチンコ機の稼動を開始させることができるようになる(第1の新装開店)。また、こうして第1の所定期間が経過した後の第2の所定期間においては、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類として扱われる上述のチャレンジボーナス演出パターンが現れるようにしたことで、第1の所定期間においては小当りの存在が気付かれ難くされていることも相まって、大当りの当選確率「1/400」よりも高い確率「1/100」に基づいて、液晶表示装置1400における表示演出において当り表示が行われるようになる。
この場合、大当りの当選確率「1/400」に小当りの当選確率「3/400」を加えたより高い確率「1/100」のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうる新たな第2の遊技仕様のパチンコ機の稼動を開始させることができるようになる(第2の新装開店)。これにより、本来は1つの遊技仕様しか搭載されていないパチンコ機1でありながら、液晶表示装置1400における演出内容はもとより、出玉獲得にかかる遊技仕様すらも異なる別のパチンコ機が新たに稼動するかのような印象を遊技者に与えることができるようになる。
さらに、このようなモード強制期間によれば、所定の月日(第1の所定期間)が経過していない状態にあり、特定の日時(第2の所定期間)にある旨判断されない限りは、第1の演出モードからの変更制御が許容されないのみならず、複数の演出モードのうちの一部の演出モード(第2の演出モード)は未だ出現されることなく隠匿されたままでの演出制御が行われることとなる。この場合、当該パチンコ機1がホールに納品されてから月日が経過するにつれて、それまで隠されていた演出機能が徐々に露わになっていくこととなり、最終的には、露わになった演出機能を遊技者の操作によって選択的に用いることができるようになることから、長い月日にわたって遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
一方、図105(c)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta3(ここでは、タイミングt0〜t1の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出a´の内容を含む非延長の表示演出パターン(演出コマンド「03H」)も、タイミングt1が到来するまでの変動時間Ta3において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容を含む表示演出a´が現れる。ただし、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1においては、適宜のキャラクタによる奮闘の甲斐なく、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる(チャレンジボーナス演出パターン)。これにより、当該演出コマンド「03H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容a´をもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このように、演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンについては、演出モードにかかわらず「非延長の表示演出パターン」とされている。したがって、同表示演出パターンは、第1の演出モードにあるときは、「延長演出パターン」が採用される大当り時の表示演出aの内容含む演出パターン(演出コマンド「01H」)との間での演出時間にズレが生じることから、大当り時の表示演出aの内容含む演出パターンに対してのハズレ時の演出パターンとして機能することはできず、表示演出aの内容が発展することなくその中途段階にて終了してしまう中途演出パターンとしてのみ機能することとなることは上述した通りである。
これに対し、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「01H」のときの大当り時の表示演出a´の内容含む表示演出パターンが「非延長の表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)」として現れることから、演出パターン(演出コマンド「01H」)との間での演出時間にズレが生じることがなく、大当り時の表示演出a´の内容含む演出パターン(演出コマンド「01H」)に対してのハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。また、上述の通り、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「02H」のときの小当り時の表示演出a´の内容を有する「非延長の表示演出パターン」も、当り時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる演出パターン)として現れることから、この演出パターン(演出コマンド「02H」)に対しても、ハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。
一方、図105(d)に示されるように、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta4(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「04H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。
すなわち、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンについては、上記演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンが、第1の演出モードにあるときに、大当り時の表示演出aの内容含む演出パターン(演出コマンド「01H」)に対してのハズレ時の演出パターンとして機能することができないことに鑑み、これ(第1の演出モードにあるときのハズレ時の演出パターン)を補填すべく用意されたものである。したがって、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンは、演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンとは逆に、第2の演出モードにあるときに、「非延長の演出パターン」が採用される大当り時の表示演出a´の内容含む演出パターン(演出コマンド「01H」)との間での演出時間にズレが生じることとなり、大当り時の表示演出a´の内容含む演出パターンに対してのハズレ時の演出パターンとして機能することはできないものとなっている。
この点、本実施形態にかかるパチンコ機1では、図96に示した変動番号「9」のときの変動時間Tc1や、変動番号「10」のときの変動時間Tc2を、変動番号「4」のときの当該変動時間Ta4と同じ長さをもった変動時間として用意することとしている。すなわちこの場合、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「09H」のときの大当り時の表示演出c´の内容含む後述の表示演出パターン(図106(a)参照)が「非延長の表示演出パターン」として現れることから、演出パターン(演出コマンド「09H」)との間での演出時間にズレが生じることがなくなる。したがって、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンについては、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「04H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示として開始させるようにすることで、大当り時の表示演出c´の内容を含む演出パターン(演出コマンド「09H」)に対してのハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能させるようにしている。
なお、こうして開始された表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターン(演出コマンド「04H」)では、タイミングt3が到来するまでの変動時間Ta4において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容を含む表示演出c´が現れる。ただし、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては、適宜のキャラクタによる奮闘の甲斐なく、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。
このように、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンについては、特定のハズレ変動時間Ta4が選択されているときに現れるものであるが、主制御MPU4100aからの演出コマンド(変動時間)が異なる2種類の演出内容a、c´の大当り表示演出パターンに対しての各ハズレ表示演出パターンとして機能しうるものとなっており、それら大当り表示演出パターンのいずれに対してのハズレ表示演出パターンとして機能するかについては、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれに設定されているかに基づいて選択的に設定されるようになっている。これにより、2つの大当り時の演出コマンド「01H」、「09H」については、第1の演出モードにあるときと、第2の演出モードにあるときとで、それら大当り時の演出コマンド「01H」、「09H」の大当り表示演出パターンに対して用意されるハズレ表示演出パターンの出現確率が変化しうるようになる。
より具体的には、演出コマンド「01H」の大当り演出パターンについては、第1の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されるにもかかわらず、第2の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されることはない。したがって、演出コマンド「01H」の大当り演出パターンについては、第1の演出モードよりも、第2の演出モードのときのほうが演出コマンド「04H」のハズレ演出パターンに対する出現確率が高くなるようになる。
また、演出コマンド「09H」の大当り演出パターンについては、第1の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されることはないにもかかわらず、第2の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されるようになる。したがって、演出コマンド「09H」の大当り演出パターンについては、第2の演出モードよりも、第1の演出モードのときのほうが演出コマンド「04H」のハズレ演出パターンに対する出現確率が高くなるようになる。これにより、主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても、演出モードに応じて期待度の異なる多種多様の表示演出パターンを出現させることができるようになる(図107参照)。
なお、こうした特殊演出を実現することのできる理由としては、1つのハズレ変動時間Ta4に対し、その特別図柄の停止タイミングt3までを演出時間として用いることによって互いの演出の長さを調整した演出コマンド「09H」の大当り演出パターンと、当該ハズレ変動時間Ta4よりも短い変動時間Ta1でありながらも、少なくとも図柄停止後の第1の閉制御期間をも演出時間として加算して用いることによって互いの演出の長さを調整した演出コマンド「01H」の大当り演出パターン(第1の演出モード)とが用意されているからにほかならない。すなわち、こうして演出時間の調整された大当り演出パターンを用意することで、1つのハズレ変動時間Ta4に対し、変動時間Ta1、Tc1の異なる演出コマンド「01H」、「09H」の大当り演出パターンを対応付け可能とし、このハズレ変動時間Ta4が選択されたときは、周辺制御MPU4150a側にていずれの演出内容a、c´を出現させるかを決定することができるようになる。またさらに、演出時間として加算されるこのような第1の閉制御期間としても、大入賞口2003を開放させる当り(大当り、若しくは小当り)に当選されたときには、その種別にかかわらず一定の長さをもった時間(例えば、8秒)として設定されるようにしていることも、特に小当り時の演出パターンをも含ませてこうした特殊演出を実現する上で重要である。
図106は、主制御MPU4100a側から図96に示した演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。
図106(a)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りが当選されたことに基づいて、図96に示した変動時間Tc1をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「09H」に対応付けされている大当り時の表示演出c(例えば、特定のミッションcを成功させることができるか(キャラクタCが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容を含む延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出cの内容を含む延長演出パターン(演出コマンド「09H」)は、変動時間Tc1の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt3が到来した状況にあっても、当該表示演出cを終了させることなく(特定のミッションcを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
すなわち上述の通り、図96に示した変動番号「9」のときの変動時間Tc1は、変動番号「4」のときの当該変動時間Ta4と同じ長さをもった変動時間として用意されるものではあるものの、第1の演出モードに設定されているときは、このような「延長演出パターン」が採用されることから、同演出パターン(演出コマンド「04H」)との間での演出時間にズレが生じるものとなっている。したがって、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1の演出モードにあるときは、変動番号「4」のときの表示演出パターンとの間で演出的な関連性(大当り演出パターン、ハズレ演出パターン)は持たせられていない。
また、演出コマンド「09H」のときの延長演出パターンの動的表示に際しては、装飾図柄の変動も開始させている。ただし、この装飾図柄の変動については、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるようにしている。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、装飾図柄の確定停止に際しては、変動時間Tc1の時間内に当該装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。そして、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Tc1の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出cについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている。
この場合、図96に示したコマンド「11H」に対応付けされている後述の表示演出c(発展なし、ハズレ)が用意されていることで、タイミングt3を経過した時点においても当該表示演出cが継続されているときにはこれが「発展後の表示演出c(特定のミッションcを成功させるチャンスが残された演出)」として機能することとなる。したがって、この「発展後の表示演出c」が現れているときには、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間にあるにもかかわらず、遊技者側からみれば、特別図柄が未だ変動されているものとして把握されうるようになる。また、液晶表示装置1400における装飾図柄についても、確定停止された後の状況にあるにもかかわらず、仮停止の状態が維持されているものとして把握されうるようになり、ひいては上述の延長時のハズレ停止態様が覆されるかたちで大当りに当選されていることが示されるチャンスが未だ残っているように見せることができるようになる。
ただし、この際、表示演出cの内容を含む延長演出パターン(演出コマンド「09H」)については、当該液晶表示装置1400のうちの大きな表示領域(表示領域の中央や全体)にて行うようにした上で、装飾図柄の変動表示については、こうした表示演出cに対して当該液晶表示装置1400のうちの小さな表示領域(表示領域の端部分などの注目され難い箇所)においてのみ行われるようにすることが、装飾図柄の動きに注目させることなく、表示演出cにおける特定のミッションcを成功させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させるようにする上でより望ましい。
すなわち、演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出c(大当り)の内容を含む延長演出パターンでは、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出c」が現れることとなる。この「発展後の表示演出c」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt4までの時間を利用して、例えばキャラクタCが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
ただし、後述するが、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間におけるこうした「発展後の表示演出c(特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出)」は、図96に示したコマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容を含む延長演出パターンにおいても行われる。そして、上述の通り、第1の演出モードにあるときは小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かれ難くするべく、表示演出c(小当り)においては、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることがより望ましい。
そこで、演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出c(大当り)の内容を含む延長演出パターンでは、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来するまでの間には、特定のミッションcに成功した様子(キャラクタCが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタCが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)が現れるようにしている。これにより、オープニング演出の終了タイミングt4以降に特定のミッションcに成功した様子が示されるかたちで大当り明示演出cが現れうるようになり、当該演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容cをもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし、上述の通り、大当り時の延長演出パターンにおいては、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れるようになっている。そして、当該第2の閉制御期間内において、大当り時の延長演出パターンにおける一部の演出内容(大当り明示演出c)と、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)とが行われうるようにしている。そして、これらの演出に対する各遊技者の理解スピードに合わせてハンドルレバー504が適宜のタイミングにて操作された結果、有効ゲート6010nを遊技球が通過すると(タイミングty)、第2の閉制御期間が終了し、ひいては大当り遊技と大当り遊技中演出とが開始されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
また、図104(a)を参照しつつ上述した通りであるが、タイミングt4からタイミングtyまでの第2の閉制御期間は、ハンドルレバー504が操作されることに基づいて終了されるもの(不定の長さをもった期間)であることから、例えば、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了してすぐにハンドルレバー504の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過するように遊技した場合は、大当り明示演出cやオープニング演出などはその時点でカット、若しくはその演出自体をほぼ出現させることなく(演出飛ばし)、次の演出(大当り遊技中演出)に強制進行されることとなる。
これに対し、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図96に示した変動時間Tc2(ここでは、変動時間Tc1と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「10H」に対応付けされている小当り時の表示演出c(例えば、特定のミッションcを成功させることができるか(キャラクタCが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容を含む延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出cの内容を含む延長演出パターン(演出コマンド「10H」)も、演出コマンド「09H」に対応付けされている延長演出パターン(図106(a)参照)のときと同様、変動時間Tc2の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt3が到来した状況にあっても、当該表示演出cを終了させることなく(特定のミッションcを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
また、演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容を含む延長演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させている。また、この装飾図柄の変動について、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させる点も、演出コマンド「09H」に対応付けされている延長演出パターン(図106(a)参照)のときと同様である。なお、この延長時のハズレ停止態様が、大当りのときと小当りのときとで大当りの抽選結果が異なっているにもかかわらず、単一の表示態様が採用されており、その表示態様に区別はされていないことは上述した通りである。
さらに、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Tc2の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出cについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「09H」に対応付けされている延長演出パターン(図106(a)参照)のときと同様である。
すなわち、演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容を含む延長演出パターンにおいても、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がった)ような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出c」が現れることとなる。そして、この「発展後の表示演出c」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt4までの時間を利用して、例えばキャラクタCが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
さらに、これも同様、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来するまでの間には、特定のミッションcに成功した様子(キャラクタCが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタCが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)が現れる。ただし、図104(b)を参照しつつ上述した通り、演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容を含む延長演出パターンでは、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れることはない。したがって、第1の閉制御期間の終了タイミングt4以降、演出コマンド「10H」のときの小開放当り遊技(小当り遊技)における大入賞口2003の開放にかかる制御の終了タイミングt5までの間、特定のミッションcに失敗した様子が示されるかたちでハズレ明示演出cが現れることとなる。これにより、当該演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容cをもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このハズレ明示演出cでは、例えば、キャラクタCによる攻撃がかわされて敵が逃亡してしまうとともに、その後、キャラクタCが悔しがる様子を映し出すなど、ハズレ明示演出aとは異なる大当りの落選演出として行われる。
このような演出コマンド「09H」、「10H」に対応付けされている延長演出パターンによれば、特別図柄の始動タイミングt0から大入賞口2003の開放終了タイミングt5(若しくは、第2の閉制御期間内における大当り明示演出cが終了するタイミング)までの時間が、大当りの当落にかかる1つの演出として機能することとなることから、こうした演出に遊技者の注視先を向けることができるようになり、ハズレ明示演出cが行われているときにおける大入賞口2003の開放、ひいては小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かせ難くすることができるようになる。
一方、図106(c)に示されるように、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図96に示した変動時間Tc3(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c(例えば、特定のミッションcを成功させることができるか(キャラクタCが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。ただし、こうして開始される表示演出cの内容を含む表示演出パターン(演出コマンド「11H」)は、変動時間Tc3の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt3が到来した時点で、当該表示演出cを延長させることなく(特定のミッションcを失敗させるかたちで)これを終了させる。
より具体的には、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c(発展なし)の内容を含む表示演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させる。また、この装飾図柄の変動においても、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるにあたり、装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。
また、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Tc3の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出cについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「09H」、「10H」に対応付けされている延長演出パターン(図106(a)、(b)参照)のときと同様である。
ただし、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c(発展なし)の内容を含む表示演出パターンにおいては、仮停止時における継続期待演出に失敗し(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がらなかった様子が示され)、特定のミッションに失敗したことが遊技者に把握されるようにしている。このような演出パターンを用意したことで、図106(a)、(b)に示されるタイミングt3以降も継続される演出パターンを、発展ありの演出パターンとして機能させることができるようになる。
なお、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「09H」、「10H」のときの表示演出パターンにおいても、タイミングt4が到来するまでの間には、特定のミッションcに成功したか否か(キャラクタCが敵を倒すか否か)は示されることがないようにしたが、タイミングt4の到来に先立って、特定のミッションcに成功したか否か(キャラクタCが敵を倒すか否か)が示されるようにしてもよい。すなわちこの場合、同結果表示が現れて以降、大当り明示演出若しくはハズレ明示演出が行われることとなるが、このような演出手法であっても、小当り時の表示演出cにおいては、小当り時の第1の閉制御期間の大部分が表示演出cに用いられることはもとより、その後に、キャラクタCが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出が現れることで、大当りの落選演出が行われてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることはできる。
ところで、このような表示演出は、第1の演出モードにおいて、主制御MPU4100a側から図96に示した演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかが受信されたときに現れることは上述した通りである。そして、遊技者は、第1の演出モードにおけるこのような遊技性(演出性)を実現する上で特に必要とされていない小当りの存在を意識することなく、大当りの当選確率をもって大当りに当選するか否かについての遊技を楽しむこととなる。
ただし、主制御MPU4100a側から図96に示した演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかが受信された場合であっても、第2の演出モードに設定されているときは、主制御MPU4100a側からの当該演出コマンド「09H」〜「11H」これ自体の内容はもとより、通常外部不利遊技状態であることに何らの変化も生じていないにもかかわらず、小当りの当選による大入賞口2003の開放を前提とした演出内容の表示演出パターンを一転して積極的に採用することで、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)を実現するようにしている。
すなわち、同図106(a)に示されるように、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りが当選されたことに基づいて、図96に示した変動時間Tc1をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「09H」に対応付けされている大当り時の表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
ただし、この第2の演出モードにおける表示演出c´は、第1の演出モードにおける表示演出cとはその内容が異なっており、例えば、特定のミッションc´を成功させることができるか(本実施形態では、装飾図柄を、大入賞口2003の開放確定であることが把握可能となるボーナスチャレンジ停止図柄にて停止表示させることができるか)否かなどの内容を含む表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)として用意されている。したがって、装飾図柄の変動表示としても、当該液晶表示装置1400の表示領域の全体にわたって(少なくとも表示領域の中央部分など、注目され易い箇所において)行われるようにしている。このように、第2の演出モードにおいては、装飾図柄の動きに注目させ、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄を停止表示させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させるようにしている。
そして、演出コマンド「09H」のときの非延長の表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)では、タイミングt3が到来するまでの変動時間Tc1において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容を含む表示演出c´が現れる。そして、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては、大入賞口2003の開放により賞球獲得の機会が付与されることが遊技者に把握可能とされるように、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容c´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
また、こうして装飾図柄がボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって確定停止されたとき、液晶表示装置1400においては、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出c´の開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出c´を行うようにしている。
ここで、このカウントダウン演出c´とは、上述の通り、例えば、右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うことを説明しつつ、例えば3〜5秒程度のカウントダウン表示が行われるものである。このカウントダウン表示が「0」に変わったときにハンドルレバー504が適切な操作量で操作されると、当該第1の閉制御期間が終了してすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過するようになる。ただし後述するが、このカウントダウン演出c´は、上述のカウントダウン演出a´とは期待度が異なっていることから、演出内容としてもこれを互いに異なるもの(例えば、背景色が異なるなど)として行うようにしている。
したがって、このようなカウントダウン演出c´によれば、演出の指示通りに操作ハンドルが操作されたときには、図106(a)に示されるように、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来してからすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過することによって第1の演出モードの場合よりも第2の閉制御期間の終了タイミングtyが早期に到来することとなる。これにより、遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出が、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来してから比較的早期に開始されるようになり、当該演出において、いずれの開放態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって大入賞口2003が開放されるかなどが示されるようになる。すなわちこの場合、遊技者は、大当り遊技はもとより、小開放当り遊技(小当り遊技)のときにも大入賞口2003に対して遊技球を打ち出すこととなり、これによって第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
ところで、図104(c)を参照しつつ上述したが、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、カウントダウン演出c´におけるカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたってハンドルレバー504が操作されないような事態が生じることも想定される。この場合、不定の長さをもった第2の閉制御期間が長い時間にわたって継続されることとなるが、この第2の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にてカウントダウン表示が「0」のままで表示されるなど、新たな演出が出現されないようにしておくことが、このような事態を生じさせる遊技者の興味を薄らげる上でより望ましい。
ただし、チャレンジボーナス演出パターンが出現した状況にあって、このような演出進行が停滞される事態は、大当りに当選された場合に限られるものであり、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図104(d)、図106(b)参照)の場合には生じ得ないものとなっている。この場合、何らの演出も新たに行われない演出停滞の状態(無演出状態)にありながら、小開放当り遊技が行われる可能性が排除された分だけ、獲得可能とされる賞球量はもとより、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれが飛躍的に高められるようになる。
これに対し、同図106(b)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図96に示した変動時間Tc2(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「10H」に対応付けされている小当り時の表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示と装飾図柄の変動と、をそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターン(演出コマンド「10H」)も、タイミングt3が到来するまでの変動時間Tc2において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容を含む表示演出c´が現れるとともに、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容c´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし、上述の通り、小当りの当選時においては、特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなっており、同タイマがタイムアップしたときには、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無にかかわらず小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるようになっている(図93参照)。
この点、本実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「10H」のときの表示演出パターンの場合であっても、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンの場合と同様、装飾図柄がボーナスチャレンジ停止図柄の現れる停止表示態様をもって確定停止されたときは、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口2003の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出の開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出c´を行うようにしている。
すなわち、第2の演出モードにあるときの表示演出パターンでは、大当りと小当りとについてはいずれも大入賞口2003を開放させる当りであるとして同様に扱っており、装飾図柄の変動が開始されるタイミングt0からチャレンジボーナス演出が行われるまでの演出内容では区別されておらず、同演出の指示通りにハンドルレバー504が操作されたときには、カウントダウン演出c´から先行演出(図示略)を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる、大当り時のチャレンジボーナス演出パターン(演出コマンド「09H」)のときと同じ一連の演出内容によってチャレンジボーナス演出が開始されることとなる。したがって、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当り遊技と中開放当り遊技はもとより、小開放当り遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。これにより、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技のうち、小開放当り遊技は比較的短い時間にて終了してしまうことに鑑み、大当りA〜Eと小当りとのうち、小当りが当選されているか否かについては、第1の閉制御期間内における演出において大当りの当選時には現れない特定画像を表示させることにより遊技者が把握可能とされるようにしてもよい。
このように、演出コマンド「10H」のときの表示演出パターンについては、1つの演出コマンドに基づく表示演出パターンでありながらも、小当りを賞球獲得の機会が付与されないノーチャンスのハズレとして扱われる第1の演出モード時の延長演出パターン、及び、小当りを賞球獲得の機会が付与されるハイチャンスの当りとして(大当り時の演出パターン(演出コマンド「09H」)と同様に)扱われる第2の演出モード時の非延長の表示演出パターンのいずれかとして選択的に実行されるものである。この場合、当落にかかる演出情報が周辺制御MPU4150a側にて適宜に逆転されることとなり、これによって主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
一方、図106(c)に示されるように、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図96に示した変動時間Tc3(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出c´の内容を含む非延長の表示演出パターン(演出コマンド「11H」)も、タイミングt3が到来するまでの変動時間Tc3において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容を含む表示演出c´が現れる。ただし、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては、適宜のキャラクタによる奮闘の甲斐なく、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる(チャレンジボーナス演出パターン)。これにより、当該演出コマンド「11H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容c´をもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このように、演出コマンド「11H」のときの表示演出パターンについては、演出モードにかかわらず「非延長の表示演出パターン」とされている。したがって、同表示演出パターンは、第1の演出モードにあるときは、「延長演出パターン」が採用される大当り時の表示演出cの内容含む演出パターン(演出コマンド「09H」)との間での演出時間にズレが生じることから、大当り時の表示演出cの内容含む演出パターンに対してのハズレ時の演出パターンとして機能することはできず、表示演出cの内容が発展することなくその中途段階にて終了してしまう中途演出パターンとしてのみ機能することとなることは上述した通りである。
これに対し、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「09H」のときの大当り時の表示演出c´の内容含む表示演出パターンが「非延長の表示演出パターン」として現れることから、演出パターン(演出コマンド「09H」)との間での演出時間にズレが生じることがなく、大当り時の表示演出c´の内容含む演出パターン(演出コマンド「09H」)に対してのハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。また上述の通り、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「10H」のときの小当り時の表示演出c´の内容を有する「非延長の表示演出パターン」も、当り時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる演出パターン)として現れることから、この演出パターン(演出コマンド「10H」)に対しても、ハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。
このように、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンは、図105(a)に示した演出コマンド「01H」のときの表示演出パターンに相当しており、演出コマンド「10H」のときの表示演出パターンは、図105(b)に示した演出コマンド「02H」のときの表示演出パターンに相当しており、演出コマンド「11H」のときの表示演出パターンは、図105(c)に示した演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンに相当しており、相当する演出パターンの間では、互いの演出内容こそ異なるものの、自身に宛がわれた演出シリーズ(演出内容aシリーズ、演出内容cシリーズ)に対しては互いにほぼ同様の役割を有する演出パターンとして機能するものとなっている。
ただし、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)においては、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)における演出コマンド「04H」に相当する表示演出パターンは用意されていない。すなわち、演出内容cシリーズにおいても、演出コマンド「04H」に相当する表示演出パターンを用意してしまうと、第1の演出パターンにおいては、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンに対してのハズレ表示演出パターンとしてこれを有効に機能させることができるものの、第2の演出パターンにおいては、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンに対してのハズレ表示演出パターンとして機能させることができないことから、比較的長い時間が持たせられているにもかかわらず、大当り図柄組み合わせが現れることのないハズレ専用の表示演出パターンとして存在することとなり、これによって遊技興趣が低下しかねないことを懸念したものである。
したがって、第1の演出モードにあるとき、演出コマンド「09H」のときの当り演出パターンに対しては、そのハズレ演出パターンとして、特定の条件が満たされないハズレ(純ハズレ)時の演出パターンが採用されることがなくなり、特定の条件が満たされたときの演出パターン(演出コマンド「10H」のときの表示演出パターン)のみが、当該ハズレ(純ハズレ)時の演出パターンに代わる唯一の存在として機能するようになる。すなわち、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)では、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)とは異なり、「発展後の表示演出c」が現れたときの大当り期待度を、大当りと小当りとの出現比率に制約された範囲内で設定せざるを得なくなる。しかしながら、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)の演出内容cについては、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)の演出内容aよりも長い時間が持たされており、その大当り期待度としても演出内容aよりも高い期待度の演出として実行されるものとなっている。したがって、「発展後の表示演出c」が現れたときの大当り期待度については、大当りと小当りとの出現比率に制約された範囲内であってもこれを要求されている後述の適正値として設定することは比較的容易となっている。
また、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)のうちの演出コマンド「04H」に対応付けされている表示演出パターンについては、第2の演出モードにあるときは、演出内容aシリーズの当り演出パターン(演出コマンド「01H」、「02H」)ではなく、演出内容cシリーズの当り演出パターン(演出コマンド「09H」、「10H」)に対してのハズレ演出パターンとして機能させることで、大当り図柄組み合わせが現れることのないハズレ専用の表示演出パターンとして存在してしまうことを回避するようにしていることは上述した通りである。したがって、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)では、第2の演出モードにあるとき、当り演出パターン(演出コマンド「09H」、「10H」)に対して用意されているハズレ演出パターン(演出コマンド「11H」)の比率よりも、演出コマンド「04H」の表示演出パターンの選択確率が加えられた分だけハズレ演出パターンがより高い確率をもって出現するようになっている。
また、詳細は割愛するが、図96に示した演出内容bシリーズの演出コマンド「05H」、「06H」、「07H」、「08H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンは、演出内容aシリーズの演出コマンド「01H」、「02H」、「03H」、「04H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図105(a)〜(d)参照)と同じ態様をもった表示演出パターンとして設定されている。さらに、図96に示した演出内容dシリーズの演出コマンド「12H」、「13H」、「14H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンは、演出内容cシリーズの演出コマンド「09H」、「10H」、「11H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図106(a)〜(c)参照)と同じ態様をもった表示演出パターンとして設定されている。すなわち、図96に示した演出内容bシリーズの演出コマンド「05H」、「06H」、「07H」、「08H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンと、図96に示した演出内容dシリーズの演出コマンド「12H」、「13H」、「14H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンとの間での演出関係が、演出内容aシリーズの演出コマンド「01H」、「02H」、「03H」、「04H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図105(a)〜(d)参照)と、演出内容cシリーズの演出コマンド「09H」、「10H」、「11H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図106(a)〜(c)参照)との間での上述した演出関係となるように設定されている。
図107(a)は、第1の演出モードにあるときの大当り期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表であり、図107(b)は、第2の演出モードにあるときのチャレンジボーナス突入期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表である。なお、確率を示す数値については、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までの数値として示していることから、各要素の確率合計値が100%とならない場合がある。
このような表示演出パターンにかかる設定態様によれば、第1の演出モードにおいて当り演出が現れる期待度である大当り期待度については、図107(a)に示されるように、演出内容aの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「0.5%」であり、演出内容bの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「1.5%」であり、演出内容cの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「13.7%」であり、演出内容dの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「33.1%」である。なお、演出内容eの表示演出パターンが出現したときには大当り期待度が「100%」となることから、表中においてはこれを割愛している。この演出内容eの表示演出パターンでは、演出モードにかかわらず、大当りに当選されていることの確定演出が現れる。
また、第1の演出モードにあるときに出現しうる各表示演出パターンが発展した段階にあるときの大当り期待度(当り演出が現れる期待度)については、発展後の演出内容aが出現したときの大当り期待度が「1.3%」であり、発展後の演出内容bが出現したときの大当り期待度が「3.7%」であり、発展後の演出内容cが出現したときの大当り期待度が「25%」であり、発展後の演出内容dが出現したときの大当り期待度が「72.7%」である。
これに対し、第2の演出モードにおいて当り演出が現れる期待度であるチャレンジボーナス突入期待度については、図107(b)に示されるように、演出内容a´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「7.9%」であり、演出内容b´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「11.8%」であり、演出内容c´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「15.4%」であり、演出内容d´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「10%」である。
すなわち上述の通り、演出内容a〜dのうちの演出内容a、bの各表示演出パターンに限っては、延長演出パターンとして設定されている大当り演出パターン(演出コマンド「01H」、演出コマンド「05H」)に対して当該第1の演出モードにあるときにしかハズレ演出パターンとして機能し得ない非延長の表示演出パターン(演出コマンド「04H」、演出コマンド「08H」)を用意することとしている。この上で、こうして用意された非延長の表示演出パターン(演出コマンド「04H」、演出コマンド「08H」)を、第2の演出モードにおいては、演出内容c´の当り演出パターン(演出コマンド「09H」、演出コマンド「10H」)と、演出内容d´の当り演出パターン(演出コマンド「12H」、演出コマンド「13H」)とに対する各ハズレ演出パターンとしてそれぞれ転用するようにした。
このような演出コマンド「04H」、「08H」に対応付けされた表示演出パターンによれば、第1の演出モードにあるときには、発展後の演出内容a、bを含めて、当り演出が現れる期待度(大当り期待度)は低くなるものの、演出内容a、bの各表示演出パターンの出現確率は(演出内容c、dの各表示演出パターンに対して)高められるようになり、これによって大当りに対する期待の持てない表示演出パターンばかりが繰り返し行われるようなことを回避させることができるようになる。さらに、演出内容c、dの各表示演出パターンについては、発展後の演出内容c、dを含めて、出現確率は低くなるものの、演出内容c、dの各表示演出パターンにおいて当り演出が現れる期待度(大当り期待度)は(演出内容a、bの各表示演出パターンに対して)高められるようになり、これによって特定の表示演出パターン(演出内容c、d)が現れたときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また逆に、このような演出コマンド「04H」、「08H」に対応付けされた表示演出パターンは、第2の演出モードにあるときには、演出内容c,dシリーズの表示演出パターンとして一転して用いられることによって、演出内容c,dシリーズの出現確率がその分だけ高められるようになる(出現確率に対する操作)。これにより、演出内容a〜dの間における出現確率や当り演出が現れる期待度の格差を第1の演出モードにあるときよりも縮小させることができるようになり、主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
しかも、第2の演出モードにあるとき、当り演出が現れる期待度(チャレンジボーナス突入期待度)についての演出内容間における格差については、演出コマンド「04H」、「08H」に対応付けされた表示演出パターンが演出内容c,dシリーズの表示演出パターンとして一転して用いられることのほか、大入賞口2003の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類として扱われることによってもさらに縮小させるようにしている(当り演出が現れる期待度の格差を縮小させる操作)。
このような第2の演出モードにあるときの演出態様によれば、演出内容a´〜d´の表示演出パターンは、演出内容a´〜d´の種類にかかわらずいずれも比較的出現し易くなる。また、賞球獲得の機会付与が確定されるチャレンジボーナス演出の突入確率(当り演出の実行確率)についても、第1の演出モードにあるときよりも均等化されることとなり(ここでは、演出内容a´〜d´の種類の間で±10%の範囲内)、上述の出現確率の格差が埋められたことも相まっていずれの演出内容a´〜d´が現れた場合であっても、遊技者は、賞球獲得の機会が付与されることを期待し易くなる。
この点、第2の演出モードにあるときは、チャレンジボーナス演出に突入(実行)したときの「大入賞口2003がいかなる態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって開放されるか」といった演出に特徴を持たせていることから、演出内容a´〜d´の表示演出パターンとしても、いずれかに偏って出現させる場合よりも、いずれも比較的出現し易くするほうが遊技興趣の低下を抑制する上でより望ましい。
すなわち、図106(b)に示されるように、本実施形態にかかる演出内容a´〜d´の表示演出パターンでは、長、中開放当り遊技の出現確率については、演出内容a´が最も小さくなっており、演出内容b´、c´、d´の順に次第に大きくなっている。また、小開放当り遊技の出現確率については、演出内容a´が最も大きくなっており、演出内容b´、c´、d´の順に次第に小さくなっている。したがって、演出内容a´の表示演出パターンが現れた場合には、小開放当り遊技により大入賞口2003が開放される可能性は確かに高いものの、特典として少なくとも少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度)は獲得可能とされることが確定されているもとで、長開放当り遊技や中開放当り遊技により大入賞口2003が開放されることへの期待感のある色合いの演出として楽しむことができるようになる。また、演出内容d´の表示演出パターンが現れた場合には、長開放当り遊技や中開放当り遊技により大入賞口2003が開放される確率が、小開放当り遊技により大入賞口2003が開放される確率よりも高くなっていることから、特典として少なくとも少量の賞球は獲得可能とされることが確定されているというよりは、むしろ長開放当り遊技や中開放当り遊技により大入賞口2003が開放されるか否かといった色合いの演出として機能することとなる。そして、演出内容b´、c´の表示演出パターンは、こうした演出内容a´の表示演出パターンと、演出内容d´の表示演出パターンとの間くらいの色合いの演出としてそれぞれ機能することとなるが、演出内容b´の表示演出パターンのほうが、演出内容a´の表示演出パターンの演出の色合いが濃く、演出内容c´の表示演出パターンのほうが、演出内容d´の表示演出パターンの演出の色合いが濃くなっている。したがって、このような演出内容a´〜d´の表示演出パターンがいずれも比較的出現し易くなっていることで、遊技者は、様々な色合いの演出を楽しむことができるようになる。
またさらに、本実施形態にかかるパチンコ機1では、演出内容間における当り演出が現れる期待度の格差を第1の演出モードにあるときよりも縮小させる上述の操作については、当り演出が現れる期待度の大小関係が演出モードに応じて逆転されるかたちで行うこととしている。より具体的には、図106(a)、(b)に示されるように、第1の演出モードにあるときは、演出内容b、cの期待度がそれぞれ「1.5%」、「13.7%」であり、演出内容dの期待度「33.1%」よりも小さくなっているのに対し、第2の演出モードにあるときは、演出内容b´、c´の期待度がそれぞれ「11.8%」、「15.4%」であり、演出内容d´の期待度「10%」よりも大きくなっている。このような設定態様によっても、主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
ただし、演出内容d´の演出パターンが現れたときは、演出内容b´、c´の演出パターンが現れたときよりも当り演出(チャレンジボーナス演出)が実行される期待度(確率)は確かに低いものの、チャレンジボーナス演出に突入しさえすれば、演出内容b´、c´の演出パターンのときよりも高い確率で長、中開放当り遊技により大入賞口2003が開放されるようになっており、多量の出玉を獲得し易いものになっている。したがって、演出内容b´、c´の演出パターンと、演出内容d´の演出パターンとについては、遊技者に応じて好みの分かれるところであり、表示演出パターンに応じてこうした様々な色合いが持たせられていることで、遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
次に、通常外部不利遊技状態にあるときの大当り抽選の結果に基づいて、大入賞口2003の開放にかかる制御が行われているときに液晶表示装置1400にて現れる演出例について説明する。
図96、図105(a)及び図106(a)に示されるように、本実施形態にかかるパチンコ機1によれば、第1の演出モードにおいては、大当りの種類(大当りA〜大当りE)に応じて演出内容が異なっていることがなく、且つその種類は示されることなく秘匿にされたままで大入賞口2003の開放にかかる制御(ここでは、大当り遊技にかかる制御)が開始されることとなる。したがって、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1の演出モードにおいては、大入賞口2003の開放にかかる制御が行われているときの期間を利用して、大当りの種類や当該期間が終了した後の遊技状態などが示されうる演出を行うこととなる。
すなわち上述の通り、通常外部不利遊技状態にあるときの大当り抽選の結果が大当りA、Bのいずれかであるときは、大当り遊技が終了した後、時短機能と確率変動機能とのいずれもが作動する確変外部有利遊技状態に制御されることとなる。したがって、大当りA、Bのいずれかが当選されているときは、液晶表示装置1400において、まず、大当り明示演出a〜dとして大当りに当選されたことを明示した後、長時間開閉パターンと中時間開閉パターンとのいずれをもって大入賞口2003が開放されているかについての出玉量にかかる情報(ビッグボーナス、若しくはレギュラーボーナスなど)が示される演出を行うこととなる(大当り遊技中演出)。なお、このような出玉量にかかる大当り遊技中演出としては、大当り明示演出a〜dが行われた後に行われるものでなくても、大当り明示演出a〜dにおいて大当りが当選されていることを明示するときに、出玉量にかかる情報(大当りの種別)を併せて表示(同時表示)するものであってもよい。
また、通常外部不利遊技状態にあるときの大当り抽選の結果が大当りC〜Eのいずれかであるときは、大当り遊技が終了した後、時短機能が作動しない外部不利遊技状態(確率変動機能も作動しない通常外部不利遊技状態、若しくは確率変動機能が作動する確変外部不利遊技状態)に制御される。そして、大当り遊技が終了した後の演出状態としては、確率変動機能が作動している状態にあるか否かが秘匿にされる所定の潜伏演出状態に制御されることとなる。
したがって、大当りC〜Eのいずれかが当選されているときは、液晶表示装置1400において、まず、大当り明示演出a〜dとして大当りに当選されたことを明示した後、大当りA、Bのいずれかが当選されているときの大当り遊技中演出とは異なる演出を行うことで、大当りA〜Eのうちの大当りC〜Eのいずれかに当選されていることが示される演出を行うこととなる(大当り遊技中演出)。なお、大当りC〜Eの当選時にはいずれも中開放当り遊技の開放態様が採用されることから、大当りC〜Eのいずれかに当選されていることを示すだけで、出玉量にかかる情報も示されたこととなる。また、大当りC〜Eのいずれかに当選されていることが示される演出についても、大当り明示演出a〜dが行われた後に行われるものでなくても、大当り明示演出a〜dにおいて大当りが当選されていることを明示するときに併せて表示(同時表示)するものであってもよい。
一方、図96、図105(a)及び図106(a)に示されるように、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第2の演出モードにおいては、大入賞口2003を開放させる契機となる当りの種類(大当りA〜大当りE、小当り)に応じて演出内容が異なっていることがなく、且つその種類は示されることなく秘匿にされたままで大入賞口2003の開放にかかる制御(ここでは、大当り遊技、若しくは小当り遊技にかかる制御)が開始されることとなる。したがって、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第2の演出モードにおいては、大入賞口2003の開放にかかる制御が行われているときの期間を利用して、当りの種類(大当り、小当り、大当りの種類)や当該期間が終了した後の遊技状態などが示されうる上述のチャレンジボーナス演出を行うこととなる。
すなわち、第2の演出モードにおける開放中演出(チャレンジボーナス演出)においては、まず、大入賞口2003がいかなる態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって開放されるかについての出玉量にかかる情報(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、若しくはスモールボーナスなど)が示される演出を行うこととなる。この結果、長開放当り遊技により大入賞口2003が開放されていることが示されたときは(ビッグボーナス)、大当りAの当選に基づいて確変外部有利遊技状態に制御されることが自ずと示されることとなる。また、小開放当り遊技により大入賞口2003が開放されていることが示されたときは(スモールボーナス)、小当りの当選であり、遊技状態が変更されることはないことが自ずと示されることとなる。
ただし、中開放当り遊技により大入賞口2003が開放されていることが示されたときは(レギュラーボーナス)、開放中演出として、所定のキャラクタによるバトル演出がさらに行われる。この結果、同バトル演出にてキャラクタが勝利したときには、大当りBの当選に基づいて確変外部有利遊技状態に制御されることが示されるようになる。これに対し、同バトル演出にてキャラクタが敗北したときは、大当りC〜Eのいずれかに当選していることが示されるようになり、当該開放中演出(大当り遊技)が終了した後、時短機能が作動しない外部不利遊技状態(確率変動機能も作動しない通常外部不利遊技状態、若しくは確率変動機能が作動する確変外部不利遊技状態)に制御される。そして、大当り遊技が終了した後の演出状態としては、確率変動機能が作動している状態にあるか否かが秘匿にされる所定の潜伏演出状態に制御されることとなる。
なお、本実施形態にかかるパチンコ機1では、所定の潜伏演出状態を特定の回数(例えば、10回)の特別図柄が変動するまでの期間に限定して行うこととしている。例えば、同期間の終了時まで特定の敵キャラクタと遭遇しなかったときには、確変外部不利遊技状態にあることを示す一方で、同期間中に特定の敵キャラクタと遭遇したときには所定のバトル演出を行うようにしている。そして、このバトル演出にてキャラクタが勝利したときには、大当りに当選されていることを示すとともに、同キャラクタが敗北したときには、通常外部不利遊技状態にあることを示すことで、同期間が終了するまで待機することなく当該潜伏演出状態を終了させるようにしている。
このように、遅くとも特定の回数(例えば、10回)の特別図柄が変動するまでの期間が終了するまでの間には現在の遊技状態が示される潜伏演出手法によれば、遊技者としてはいずれの遊技状態にあるのかを純粋に楽しみやすくなり、時短機能が作動しないにもかかわらず長期にわたって遊技状態が秘匿にされることによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。なお、潜伏演出状態(後述する「不明瞭モード」)における遊技状態を報知する演出の別形態について、図135以降にて後述する。
ところで、図105(a)を参照しつつ上述した例では、第1の演出モードにあるときの図96に示した演出コマンド「01H」には、表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」のみが対応付けされているが、図108に示されるように、当該「延長演出パターン」のほか、表示演出aの内容を含む「非延長の表示演出パターン」も対応付けされているようにしてもよい。
すなわちこの場合、第1の演出モードにおいて、図96に示した演出コマンド「01H」が受信された場合、周辺制御MPU4150aは、表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」と、表示演出aの内容を含む「非延長の表示演出パターン」とのいずれかを選択し、該選択した表示演出パターンの動的表示を液晶表示装置1400にて開始させることとなる。
ここで、表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」と、表示演出aの内容を含む「非延長の表示演出パターン」との選択にかかる手法としては、例えば、(イ)乱数に基づく所定の演出抽選の結果に基づいて、表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」又は表示演出aの内容を含む「非延長の表示演出パターン」のいずれかを選択する手法や、(ロ)大当り抽選にて当選されている大当りの種別に基づいて、表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」又は表示演出aの内容を含む「非延長の表示演出パターン」のいずれかを選択する手法等々のほか、(イ)及び(ロ)を組み合わせた手法などを採用することができる。
このうち、(イ)の手法を採用する場合には、取得されうる乱数の値のうちのどれだけの値が「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」とにそれぞれ対応付けされるか、といった予め対応付けされている乱数値の比率によって、第1の演出モードにおいて、図96に示した演出コマンド「01H」が受信された場合における表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」と、表示演出aの内容を含む「非延長の表示演出パターン」との各出現確率が定められることとなる。こうした出現確率の設定については、「非延長の表示演出パターン」よりも「延長演出パターン」のほうが現れたときのほうが、大当り期待度が高くなるようにしておくことが、当該表示演出パターンの最後まで演出を楽しませる上でより望ましい。
また、(ロ)の手法を採用する場合には、特定の当選種(例えば、大当りA)が当選されているとき、表示演出aの内容を含む「非延長の表示演出パターン」の動的表示を液晶表示装置1400にて開始させることとなる。このような演出手法によれば、タイミングt1においては少なくとも特定の当選種(例えば、大当りA)についての当落結果が示されるようになる。
例えば、特別図柄の停止タイミングt1において「非延長の表示演出パターン」による大当り図柄(大当りであることが明示される大当り明示演出)が現れたときには、遊技者にとって最も有利度の高い「大当りA」に当選されたことが把握可能となり、第1の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にて「おめでとう!」などの遊技者を祝福するオープニング演出が行われるようになる。そして、例えば、第1の閉制御期間が終了し、第2の閉制御期間が開始されるタイミングt2において、右打ち遊技によって大当り遊技を開始させるべき旨の演出表示に切り替えるようにすれば、有効ゲート6010nを遊技球が通過するタイミングtxが延長時の表示演出パターンの場合よりも比較的早く到来し易くなり、この後の大当り遊技において、当該「大当りA」専用の大当り演出が行われることとなる。ただし、特別図柄の停止タイミングt1において「非延長の表示演出パターン」による当り演出(大当りであることが明示される大当り明示演出)が現れなかったときには、遊技者にとって最も有利度の高い「大当りA」には当選されていないことが逆に把握可能とされるようになる。そしてこの場合は、「延長演出パターン」による上述の継続期待演出を経て、大当り明示演出が現れたとき、「大当りB」〜「大当りE」のいずれかが当選されたことが把握可能とされることとなる。
また、(イ)及び(ロ)を組み合わせた手法を採用する場合には、大当りの種別毎に演出抽選テーブルを用意しておき、この演出抽選テーブルを参照しつつ、取得された乱数値に基づいて、表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」又は「非延長の表示演出パターン」のいずれかを選択することとなる。すなわち、大当りの種別毎に演出抽選テーブルが用意されることで、各テーブルにおける「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」との選択率を異ならせることができるようになる。これにより、例えば、「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」とのいずれで大当りに当選していることが明示されるかによって、当選している大当りの種別の期待度を異ならせることができるようになるほか、「非延長の演出パターン」のほうが大当り期待度は低いものの大当りであることが明示されたときには最も有利度の高い「大当りA」である期待度は高くなっており、「延長演出パターン」のほうが大当り期待度は高いものの大当りであることが明示されたときには最も有利度の高い「大当りA」である期待度は低くなっている、といったような演出設定を行うことも可能となる。
なお、「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」との選択にかかる手法については、上述の演出コマンド「01H」の表示演出パターンのほか、図96に示した演出コマンド「05H」、「09H」、「12H」の各表示演出パターンについても同様に採用することはできる。ただし、演出コマンド「01H」、「05H」の表示演出パターンに採用した場合には、当り演出パターンとしての当該表示演出パターンに対し、演出コマンド「03H」、「07H」の表示演出パターンをハズレ演出パターンとして機能させることができるようになる。
また、図106(a)を参照しつつ上述した例では、第1の演出モードにあるときの図96に示した演出コマンド「02H」には、表示演出aの内容を含む「延長演出パターン」のみが対応付けされているが、図109に示されるように、当該「延長演出パターン」のほか、表示演出cの内容を含む「延長演出パターン」も対応付けされているようにしてもよい。
すなわち、こうして演出コマンド「02H」に対応付けされる「表示演出cの内容を含む延長演出パターン」では、特別図柄の停止タイミングt1を延長して表示演出が行われるものであるにもかかわらず、その演出内容としては、第1の演出モードにあるときの演出コマンド「11H」の表示演出パターン(図106(c)参照)でしかなく、大当り期待度がより高くなる発展後の表示演出が現れない演出内容とされることとなる。したがって、第1の演出モードにおいて、図96に示した演出コマンド「02H」が受信された場合、その一部を、このような発展後の表示演出が現れない演出内容に割り振るようにすることで、第1の演出モードにあるときの発展後の表示演出の出現確率を低く抑えたままで、小当りの当選確率をより高く設定することができるようになる。この場合、第2の演出モードにあるときは、小当りの当選確率がより高く設定された分だけチャレンジボーナス演出への突入確率(当り演出が現れる期待度)が高められるようになり、これによって大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会をより高い確率で付与することができるようになる。
この場合、第1の演出モードにおいて、図96に示した演出コマンド「02H」が受信されたときには、周辺制御MPU4150aは、「表示演出aの内容を含む延長演出パターン」と、「表示演出cの内容を含む延長演出パターン」とのいずれかを選択し、該選択した表示演出パターンの動的表示を液晶表示装置1400にて開始させることとなる。また、「表示演出aの内容を含む延長演出パターン」と、「表示演出cの内容を含む延長演出パターン」との選択にかかる手法としては、例えば、乱数に基づく所定の演出抽選の結果に基づいて、「表示演出aの内容を含む延長演出パターン」と、「表示演出cの内容を含む延長演出パターン」とのいずれかを選択する手法を採用することができる。この手法を採用した場合、取得されうる乱数の値のうちのどれだけの値が「表示演出aの内容を含む延長演出パターン」と、「表示演出cの内容を含む延長演出パターン」とにそれぞれ対応付けされるか、といった予め対応付けされている乱数値の比率によって、第1の演出モードにおいて、図96に示した演出コマンド「02H」が受信された場合における「表示演出aの内容を含む延長演出パターン」と、「表示演出cの内容を含む延長演出パターン」との各出現確率が定められることとなる。
また、「表示演出aの内容を含む延長演出パターン」と、「表示演出cの内容を含む延長演出パターン」との選択にかかる手法については、上述の演出コマンド「02H」の表示演出パターンのほか、図96に示した演出コマンド「06H」の表示演出パターンについても同様に採用することはできる。この演出コマンド「06H」の表示演出パターンに採用した場合は、「表示演出bの内容を含む延長演出パターン」と、「表示演出dの内容を含む延長演出パターン」との選択を行うこととなる。
また、本実施形態にかかるパチンコ機1では、大当り確定用の図96に示した変動パターン(変動番号「15」、演出コマンド「15H」)を用意することとしたが、この変動パターンについては割愛してもよい。すなわちこの場合、第2の演出モードにおける大入賞口2003の開放に際しては、チャレンジボーナス演出パターンを必ず出現させることができるようになる。
ところで、大当りの際の遊技の処理パターンが、役物連続作動装置の開始を遊技球が有効ゲート6010nを通過することを契機としている形態(既述のチャレンジボーナスの場合)では、そもそも、小当りに当選した場合に、遊技者に大当りではないことが容易に把握されてしまう問題がある。すなわち、条件装置の作動を伴う大当りの場合では、右打ちされた遊技球が遊技球誘導路ユニット6010に供給されて遊技球が有効ゲート6010nに導かれ、これを通過することによって、役物連続作動装置が有効化されてアタッカーが開放される。このように、条件装置の作動を伴う大当りでは役物連続作動装置の作動が遊技者のタイミングに委ねられているのに対して、条件装置の作動を伴わない小当りの場合には、遊技球が有効ゲート6010nを通過するか否かには関係なく、すなわち、役物連続作動装置が作動しなくても、一定の長さをもった第1の閉制御期間経過後、大入賞口2003が開放されてしまう。したがって、液晶表示装置1400(上皿側液晶表示装置244)から右打ちを教示されても、遊技者が意図的あるか否かは別にして右打ちをしない遊技者、あるいは、遅れて右打ちをしようとしている遊技者には、抽選結果が大当りであるか、又は、小当りであるかが容易に判別できてしまう。
そこで、本実施形態の遊技機1では、右打ちされた遊技球が有効ゲート6010nを通過する前に演出ゲート6011を通過させ、遊技球が有効ゲート6010nを通過するのに先駆けて先行演出(予告演出)が実行されるようにした。したがって、遊技者は抽選結果が大当りであるか小当りであるかに拘わらず先行演出に期待して、液晶表示装置の教示に基づいて直ちに右打ちを行い、遊技状態が小当りであっても第1の閉制御期間内に遊技球は有効ゲート6010nを通過するようになる。この結果、抽選結果が小当りの場合でも、右打ちされた遊技球が有効ゲート6010nを通過したのち大入賞口2003が開放(短期間開放)されるようになるため、遊技者には抽選結果が大当りであるか、又は、小当りであるかが、直ちに判別し難いようになる。なお、遊技球が有効ゲート6010nを通過したタイミング以降での大入賞口2003の短期間開放は、抽選結果が大当りの場合、例えば、確率変動状態を明示することなく潜伏状態にする、所謂潜伏確変でも生じ得るため、遊技者は大入賞口2003の短期間開放でも抽選結果が大当りであることに期待を持つこともできるようになる。
本実施形態の遊技機では、遊技領域5aの右側に遊技球誘導路ユニット6010を設けて、右打ちされた全ての遊技球が遊技球誘導路ユニット6010に供給されるようにしている。遊技球誘導路ユニット6010の入口端は遊技領域5aの右上で開口しているため、右打ちされて遊技領域5aの右側に到達した遊技球は即遊技球誘導路ユニット6010に進入することになる。その後、遊技球が遊技球誘導路ユニット6010の開口部直下の演出ゲート6011を通過した後、必ず、有効ゲート6010nを通過する。したがって、遊技球が演出ゲート6011を通過した段階では遊技球が有効ゲート6010nを通過していないものの、遊技球が有効ゲートを通過する事に対する先駆けの演出が遊技機によって行われてもよいことになる。
既述のとおり遊技球の落下速度は、遊技球誘導路ユニット(ワープユニットと云ってもよい。)6010の屈曲部6010dと直線部6010eで緩和されるため、遊技球は所定時間を費やして遊技球誘導路ユニット6010内を通過して遊技球誘導路ユニット下部の有効ゲート6010nに至る。このように、遊技機は、遊技球が演出ゲート6011を通過してから有効ゲート6010nを通過するまでに遊技球が自由落下する場合に比較して時間を稼ぐことができるために、この稼いだ時間を利用して遊技球が演出ゲート6011を通過した際に発生される先行演出、示唆演出、予告選出等の各種の演出処理のための処理時間を十分に長くとって、演出の品質を向上することができる。
次に、演出ゲート6011と有効ゲート6010nとを利用して、抽選結果が大当り又は小当りの際に行われる遊技処理を行う場合の効果的な実施形態について説明する。主制御基板4100が第一始動口2001への入球によって抽選を行い、大当り・小当りの成立を判定すると、周辺制御基板4140は主制御基板4100からのコマンドを受けて、抽選結果を示唆する複数の演出パターンの中から所定の演出パターンを決定して特殊演出を開始する。
特殊演出として、液晶表示装置1400には、例えば、敵キャラクタ(ボスゾンビ)が登場し遊技者側キャラクタ(ゾンビと戦う戦士)とが戦う決闘シーンが表示される。次いで、周辺制御基板4140はボスゾンビが遊技者を攻撃するかのようなシーンの静止画像を液晶表示装置1400に表示し、加えて「右打ち」の教示を表示する。遊技者がこの教示を受けて右打ちを行うと、右打ちされた遊技球が演出ゲート6011を通過し、周辺制御基板4140がゲートセンサから検出信号を受信すると、スピーカから遊技者の興趣を誘う効果音を、遊技球が役物連続作動装置を作動させるための有効ゲート6010nを通過する前に鳴動させる。この時点では、遊技者は抽選結果が実際には小当りであっても、大当りであることに期待あるいは錯覚している。演出ゲート6011を通過した遊技球が有効ゲート6010nを通過して、周辺制御基板4140が有効ゲート6010nのゲートスイッチから検出信号を受信すると、抽選結果が大当りの場合には、戦士がゾンビに勝つ演出(大当り結果演出)を液晶表示装置1400に表示して遊技者に大当りを示唆する。
そして、遊技球が有効ゲート6010nを通過することによって役物連続作動装置が有効化されているために、周辺制御基板4140は大入賞口2003が複数ラウンド開放されることに合わせて大当りのための演出を実行する。一方、抽選結果が小当りの場合、役物連続作動装置の作動を伴わないため、有効ゲート6010nでの遊技球の通過を契機とすることなく、主制御基板4100は大入賞口2003の短期間の開放を行う。一方、周辺制御基板4140はこの戦士がゾンビに負ける演出(小当り結果演出)を液晶表示装置1400で実行して、遊技者には大当りではないことを示唆する。液晶表示装置1400での教示によって、遊技者が遅滞なく遊技球を右打ちする事によって、小当りの場合における大入賞口の短期間開放は実際には遊技球が有効ゲート6010nを通過した以降に行われる。
なお、演出ゲート6011を設けることなく、遊技球が有効ゲート6010nを通過する既述の先行演出を行おうにも、遊技者による遊技球の発射タイミングが不定であり、結果演出に先駆けて先行演出が発生させることはそもそも困難である。大当りか、大当り以外の小当り等かを区別する結果演出だけが遊技球の有効ゲートの通過を契機として行われるとすると、そもそも演出は単調で興趣に欠けた形態に成らざるを得ず、したがって、遊技者は右打ちの教示があってもこれを重要視せず有効ゲート6010nに向けて遊技球を発射させようとするインセンティブを十分に持ち得なくなる。その分余計に、遊技者には大当りか小当りかが簡単に分かってしまうということに成り兼ねない。そこで、本実施形態に係る遊技機は、既述のように、演出ゲート6011を設けることとした。なお、演出ゲート6011のゲートスイッチの検出情報は、周辺制御基板4140に入力されることとして説明したが、演出ゲート6011のゲートスイッチの検出情報は主制御基板4100に入力されるようにしてもよい。この際、周辺制御基板4140は主制御基板4100からのコマンドによって演出ゲートを遊技球が通過したことを認識することができる。
演出ゲート6011を遊技球が通過したことによる先行演出は遊技球が有効ゲート6010nを通過したことによる結果演出に関連されるために、周辺制御基板4140は、抽選結果に応じて先行演出の形態を変えるようにしてもよい。例えば、抽選結果が大当りの場合の先行演出を高周波数音のパターンとし、抽選結果が小当りの場合の先行演出をこのパターンとは別の低周波音のパターンとするなどである。また、先行演出として、抽選結果における大当りに対する期待度・信頼度をパーセントの形態で液晶表示装置に表示するようにしてもよい。また、結果演出の一部を先行演出として表示して、結果演出を特別な形態としてもよい。例えば、ゾンビとのバトルの勝敗結果を先行演出として表示し、結果演出として大当りの期待度を表示するようにしてもよい。具体的には、小当りであっても先行演出でゾンビに打ち勝つ演出を行い、結果演出として低確率を表示する等である。
演出ゲート6011を遊技球が通過したことによる演出は有効ゲート6010nにおける遊技球の通過に先行したものになるために、演出ゲート6011を通過した遊技球は、管理された時間内で確実に、有効ゲート6010nを通過できなければならない。そこで、演出ゲート6011と有効ゲート6010nとを遊技球誘導路ユニット6010を用いて直結することによってこのことを実現した。演出ゲートを単に遊技領域5aの右側上部に設けただけでは、たとえ、遊技球が演出ゲートを通過できても有効ゲート6010nを通過できるとは限らない。また、遊技球誘導路ユニット6010から演出ゲートを取り除いて、例えば、レール6033の終端にセンサを設けることも考え得るが、この構成ではセンサを通過した遊技球がハンドル装置によって強く打ち出されたとしても、例外なく遊技領域5aの右側領域に到達するというものではない。ましてや、演出ゲートを遊技領域5aの左側に設けることはできない。
一方で、大当り遊技が開始される前に右打ちされ、遊技球誘導路ユニット6010(遊技球浪費手段)内に進入した遊技球は、遊技球誘導路ユニット内で外部とは隔離されているために、第一始動口2001や一般入賞口2004に入球することができずに消費、浪費され、換言すれば、遊技者に抽選を受けさせる機会の放棄を強いる、いわば無駄球である。その反面、遊技球が遊技球誘導路ユニット内で演出ゲート6011を確実に通過するために、遊技機は遊技者に無駄球の対価の代償、引き換えとして遊技者に追加演出の機会を与えたり、大当り状態(有利遊技状態)に移行させるか否かに関する事前示唆演出(演出表示装置1400の演出表示)に変化を当ることができることになる。追加演出を抽選結果演出に関連する形態で結果演出に先行させることができるために、単純に抽選結果演出が行われる場合と比較して、遊技者は先行演出と結果演出とを合わせた演出が高品質に提供されるという利益を享受することができる。
このように、所定の始動口へ受け入れられることのない所定の領域に発射手段によって発射された遊技球は、演出ゲート6011及び/又は有効ゲート6010nによってメイン基板(以上特定検出手段)によって検出され、周辺制御基板(演出実行手段)によって行われている演出のうち所定の演出が行われている際に特定検出手段によって遊技球が検出された場合には、抽選される機会が失われるものの遊技者にとって有益となり得る特定の演出を表出させることで演出の価値を高めることができる(価値向上手段)。大入賞口が開放されていない遊技状態(大当り遊技状態)ではなく、また、時短状態ではない、通常の遊技状態で、抽選結果が大当り又は小当りの場合で、右打ちの教示がされた以降で、小当りの場合は規定時間内で、最初に演出ゲートを通過した遊技球は、右打ちの教示を契機に打ち出したものの、入球の機会が無い無駄球であることが明らかであるので、周辺制御基板は、この無駄球を検出し、遊技状態に応じて、例えば、大当り同士の間の無駄球の数の累積数に応じて(累積数が多い程無駄球の対価が嵩む)、液晶表示装置1400に優待演出画像や補償演出動画を特別演出(例えば、プレミアムなキャラクタ)として表示するようにしてもよい。
また、演出ゲートを無駄球として複数の遊技球が通過した場合には(大当りの際、遊技球が有効ゲートを通過しても大入賞口が開放される前に演出ゲートを遊技球が通過した場合も含む)、周辺制御基板4140は、通過した球の数に応じて演出を変化させてもよい。さらに、遊技球の価値に応じて、すなわち、4パチ、1パチ等に応じて演出の変化度合を変えてもよい。例えば、4パチの場合と比較して1パチの場合には、演出の変化度合を1/4にする。4パチの場合には遊技球1球で演出に所定の変化が生じる場合、1パチの場合には、4球が無駄玉として供給されて初めて演出に同じような変化が生じる。1パチの遊技球が無駄球として演出ゲートを通過する毎に演出画面のフォーカスが合ってきたり、演出画面の濃度を高めたりする等である。
なお、既述の説明では、抽選結果が小当りの場合でも大当りの場合と同様に有効ゲート6010nでの遊技球の通過を契機として抽選結果の演出(ゾンビが負ける演出)が行われるとしたが、小当りの場合では条件装置が作動されずに役物連続作動装置を有効にする意義もないために、抽選結果の演出を有効ゲート6010nにおける遊技球の通過を契機とすることなく、遊技球が演出ゲート6011を通過してから丁度有効ゲート6010nを通過するタイミングで抽選結果の表示演出が行われるようにしてもよい。既述のとおり、遊技球が演出ゲート6011を通過してから有効ゲート6010nに到達するまでの時間を、遊技球誘導路ユニット6010の既述の遊技球落下速度緩和手段によって特定の範囲に収めることができるため、遊技機は遊技者に抽選結果が小当りでも大当りのように見せて、抽選結果が大当りであるか小当りであるかを判別し難くできる。
また、抽選結果が小当りの場合、遊技球が有効ゲート6010nを通過した際に行われる結果演出が、戦士が敵キャラクタに敗北するものとしたが、抽選結果が大当りの場合と同様に戦士が敵キャラクタに勝利するようにしてもよい。また、遊技球誘導路ユニット6010内の演出ゲート6011及び/又は有効ゲート6010nを遊技者に視認し難いようにし、例えば、遊技球誘導路ユニット6010の樹脂製ケース部材を不透明にしてもよいし、あるいは、演出ゲート6011及び/又は有効ゲート6010nの領域を化粧板で覆うようにしてもよい。演出ゲート6011が遊技者に視認できつつも有効ゲート6010nが遊技者に対して視認し難いようにすることによって、遊技機は遊技者に演出ゲート6011に遊技球が通過することによって生じた演出を突然抽選結果演出に発展させて遊技の興趣を向上させることができる。
一方、演出ゲート6011を遊技者に視認し難くすることによって、有効ゲート6010nに遊技球が通過することにより発生する結果演出の前に、突然関連演出が発生するかのような意外感を遊技者に与えることができる。なお、抽選結果が小当りの場合で遊技者が右打ちのタイミングが遅れた場合、また、大入賞口が短期間開放をし終えた場合では、周辺制御基板4140は遊技球が演出ゲートを通過しても先行演出を発生させないようにしている。また、周辺制御基板4140は、遊技球が演出ゲート6011を通過することによる先行演出として、既述の音演出に限らず可動役物を挙動させてもよい。
また、遊技球が演出ゲート6011を通過し、続けて、有効ゲート6010nを通過することに合わせて、周辺制御基板4140は音演出、液晶演出、可動役物演出等の関連演出をステップアップさせるようにして実行することもできる。例えば、抽選結果が大当りの場合、遊技球が演出ゲート6011を通過した時点で可動役物の動作量を少なくし、有効ゲート6010nを遊技球が通過した時点で可動役物の動作量を大きくしたり、あるいは、前者の場合で所定の可動役物を動作させ、後者の場合で他の可動役物を動作させる等である。また、遊技機は、演出ゲート6011に対する遊技球の所定時間内での通過数に応じて、演出ゲート6011及び/又は有効ゲート6010nにおける演出の態様を変化させるようにしてもよい。このように、遊技球が有効ゲート6010nを通過する前に必ず演出ゲート4011を通過するようにしたため、抽選結果演出が遊技者のタイミングに委ねられる遊技機でありながら、遊技結果が外れ(小当りを含む。)の場合であっても、遊技者は最後まで大当りに期待し得る遊技機を実現することができる。
次に、本実施形態のパチンコ機1の最も特徴的な機能である操作価値向上機能について説明する。本実施形態では、大当り遊技終了後に開始される右打ち遊技の期間中におけるリーチ演出として操作価値向上演出を実行し得る構成について説明する。また、ここでは変動パターンとして、図96に示されている変動番号1〜15を含む変動番号1〜36の変動パターンがあり、そのうちの変動番号30〜32の変動パターンが操作価値向上演出の変動パターンであるものとする。
図111には、変動番号30〜36のコマンド、変動内容、当落及び変動時間が一覧として例示されている。
変動番号30〜32の変動パターンの演出内容は、いずれも導入演出IA、演出ゲート通過演出II、操作演出IIIA及び結果演出IVからなる表示演出fである。当選種はそれぞれ大当り、小当り、ハズレと異なるが、変動時間Tf1〜Tf3はいずれも40秒である。主制御MPU4100aは、これらの変動パターンが選択された場合、対応するコマンド30H〜32Hを周辺制御基板4140に送信する。
変動番号33〜35の変動パターンの演出内容は、いずれも導入演出IA、操作演出IIIB及び結果演出IVからなる表示演出gである。当選種はそれぞれ大当り、小当り、ハズレと異なるが、変動時間Tg1〜Tg3はいずれも30秒である。主制御MPU4100aは、これらの変動パターンが選択された場合、対応するコマンド33H〜35Hを周辺制御基板4140に送信する。
変動番号36の変動パターンの演出内容は、導入演出IBのみからなる表示演出gである。当選種はハズレであり、変動時間Th1は10秒である。主制御MPU4100aは、この変動パターンが選択された場合、対応するコマンド36Hを周辺制御基板4140に送信する。
導入演出IAは、演出ゲート通過演出の発生を報知し当該演出への遊技者の参加を促す画面を遊技盤側液晶表示装置1400(演出表示手段)に表示する表示演出である。図120は、導入演出IAを例示している。具体的な説明は後述するが、所定期間(例えば5秒)経過するまでは図120の画面1410の中央部に敵キャラクタであるゾンビ1411が表示され、所定期間が経過すると、画面1410にメッセージ画像1413及び右打ちを促す画像1414を表示し、遊技者が参加する必要がある旨を報知する。
導入演出IBは、演出ゲート通過演出が発生するかと見せかけて終了する所謂ガセの表示演出である。導入演出IAと同様に所定期間(例えば5秒)経過するまでは図120の画面1410の中央部に敵キャラクタであるゾンビ1411が表示されるが、導入演出IAとは異なり所定期間が経過しても画面1410にメッセージ画像1413及び右打ちを促す画像1414が表示させずに装飾図柄1412(左図柄、右図柄及び中図柄)を停止表示態様で表示する。すなわち、導入演出IAと導入演出IBは所定期間が経過するまで遊技盤側液晶表示装置1400(演出表示手段)に表示する表示演出態様が同じであるため、図120の画面1410の中央部に敵キャラクタであるゾンビ1411が表示されたときに、演出ゲート通過演出IIが発生することへの期待感を持たせることができる。
演出ゲート通過演出IIは、タッチパネル246や上皿演出ボタン257など演出操作媒体(演出操作手段)の操作が無効化されている間に、演出ゲート(特定の領域)6011を遊技球が通過したことが検出される毎に、遊技盤側液晶表示装置1400による表示の態様を変化させる表示演出である。図121(a)〜(d)及び図122は、演出ゲート通過演出IIを例示している。
操作演出IIIAは、演出操作媒体の操作が有効化された後、当該演出操作媒体が操作されたか否かに基づいて、遊技盤側液晶表示装置1400による表示の態様を変化させる表示演出である。後述するように、演出操作媒体の操作の有効化は、演出ゲート通過演出IIの実行期間(T1)に含まれる所定の制限期間T2内に所定の球数Nの遊技球が演出ゲート6011を通過したことを条件になされる。図121(e)〜(g)及び図123は、操作演出IIIAを例示している。
操作演出IIIBは、遊技球が演出ゲート6011を通過したか否かに関係なく、演出操作媒体が操作されたことに基づいて、遊技盤側液晶表示装置1400による表示の態様を変化させる表示演出である。
結果表示演出Dは、抽選結果を報知する表示演出である。図121(h)は、結果報知演出Dを例示している。
図112には図111の場合における各種演出のタイムチャートが例示されている。図112(a)に示すように、変動番号30〜32の変動パターン(操作価値向上演出の変動パターン)は、40秒間の変動時間のうち、初めの10秒間は導入演出IAに、次の10秒間(T1)は演出ゲート通過演出IIに、更に次の10秒間は操作演出IIIAに、最後の10秒間は結果演出IVに、それぞれ割り当てられている。
図112(b)に示すように、変動番号33〜35の変動パターンは、30秒間の変動時間のうち、初めの10秒間は導入演出IAに、次の10秒間は操作演出IIIBに、最後の10秒間は結果演出IVに、それぞれ割り当てられている。
図112(c)に示すように、変動番号36の変動パターンは、10秒間の変動時間の全てが導入演出IBに割り当てられている。
図113には、各当選種(大当り、小当り、ハズレ)における変動番号1〜36の変動パターンの発生確率の振り分け例が示されている。このように、当選種に応じて各種変動パターンの発生確率の振り分けを異ならせておくことにより、どのような変動パターンの演出がなされるかにより大当り発生の期待度を異ならせることができる。
図113の例では、演出ゲート通過演出IIが実行される変動パターンである変動番号30〜32の変動パターンの発生時における大当りの確率は、50%(20/40)、小当りの確率は37.5%(15/40)、ハズレの確率は12.5%(5/40)となる。また、演出ゲート通過演出IIが実行されない変動パターンである変動番号33〜35の変動パターンの発生時における大当りの確率は20%(5/25)、小当りの確率は40%(10/25)、ハズレの確率は40%(10/25)となる。この場合、前者の変動パターン発生時に大当りが発生する期待度は、後者の変動パターン発生時に大当りが発生する期待度の2倍以上である。このように、演出ゲート通過演出IIが実行されるか否かにより大当り発生の期待度が異なる構成としたことで、演出ゲート通過演出IIが実行されるか否かによって大当り発生の期待度を遊技者に認識させることができ、ひいては大当り発生の期待度が高い表示演出である演出ゲート通過演出IIが実行されることにより、操作価値向上演出への遊技者の参加意欲を向上させて当該演出の実行性を高め得る。
次に、本実施形態の動作例について説明する。
主制御MPU4100aは、大当り抽選がなされる度に、その当選種に応じた変動パターンを図113のテーブルに基づいて決定し(図88のステップS411)、当該変動パターンのコマンドを周辺制御基板4140に送信する(図84のステップS17)。周辺制御MPU4150aは、主制御MPU4100aからコマンド30H〜32Hのうちの何れかを受信した場合に、当該コマンドによって決定される操作価値向上演出を実行する。
図114は周辺制御MPU4150aによる操作価値向上演出処理の一例を示すフローチャートである。
操作価値向上演出処理では、まず、周辺制御基板4140の変動表示パターン格納領域(RAM)にコマンド30H〜32Hのうちいずれかのコマンドの受信フラグがセットされたか否か判別する(ステップS1701)。当該フラグがセットされたならば(ステップS1701でYes)、操作有効フラグリセット処理、すなわち、タッチパネル246や上皿演出ボタン257など演出操作媒体の操作を無効化する処理が実行される(ステップS1702)。続いて、操作価値向上要素決定処理(ステップS1703)が実行される。操作価値向上要素決定処理(ステップS1703)では、後述するように、演出パターン、有効球数N及び有効期間T2が決定される。有効球数Nは、演出ゲート6011を通過させるべき残りの球数(必要球数)nの初期値である。演出パターンは、所定の振り分け条件に従って決定される。図118には、演出パターンの振り分け条件の一例が示されている。有効期間T2は、遊技球の通過検出が有効とされる時間(有効期間)tの初期値であり、所定の振り分け条件に従って、演出ゲート通過演出IIに割り当てられた時間T1以下の所定の時間に設定される。図119には、有効期間T2の振り分け条件の一例が示されている。
操作価値向上要素決定処理(ステップS1703)により決定された有効球数N及び有効期間T2の値をそれぞれ必要球数n、有効時間tの初期値として球数カウンタ及びタイマにセットした後(ステップS1704)、遊技球の通過及び有効時間の監視を開始する。ここでは、遊技球が演出ゲート6011を通過する度に、すなわち遊技球が演出ゲート6011のゲートスイッチにより検出される度に(ステップS1705にてYes)、nを1ずつ減算していく(ステップS1706)。そして、有効時間tが0すなわち有効期間T2の残り時間がなくなったか否かの判定がなされる(ステップS1707)。
判定の結果、有効時間tが0でなければ(ステップS1707にてNo)、次の遊技球の通過を監視する(ステップS1705)。有効時間tが0ならば(ステップS1707にてYes)、必要球数nが0以下すなわち演出ゲート6011を通過させるべき球数が0になったか否かの判定がなされる(ステップS1707)。判定の結果、必要球数nが0以下ならば(ステップS1708にてYes)、操作有効フラグセット処理すなわち操作媒体の操作を有効化する処理が実行された後(ステップS1709)、操作演出処理(ステップS1710)が実行される。一方、必要球数nが0でなければ(ステップS1708にてNo)、操作有効フラグセット処理(ステップS1709)を経ずに操作演出処理(ステップS1710)が実行される。
図115は操作価値向上要素決定処理の一例を示すフローチャートである。
操作価値向上要素決定処理(ステップS1703)では、まず、図118に例示されている演出パターン振り分け条件に従って、演出パターンの抽選が行われる(ステップS1801)。図118の例では、3つの演出パターンA、B、Cが用意されている。演出パターンAは、有効球数Nが10に設定される演出パターンである。演出パターンBは、有効球数Nが5に設定される演出パターンである。演出パターンCは、有効球数Nが1に設定される演出パターンである。抽選の結果、演出パターンAが当選したならば(ステップS1802にてYes)、演出ゲート通過演出IIとして演出パターンAをセットし(ステップS1803)、有効球数Nを10に設定した後(ステップS1804)、制限時間決定処理A(ステップS1805)に進む。演出パターンBが当選したならば(ステップS1802でNo、ステップS1806にてYes)、演出ゲート通過演出IIとして演出パターンBをセットし(ステップS1807)、有効球数Nを5に設定した後(ステップS1808)、制限時間決定処理B(ステップS1809)に進む。演出パターンCが当選したならば(S1802にてNo、ステップS1806にてNo)、演出ゲート通過演出IIとして演出パターンCをセットし(ステップS1810)、有効球数Nを1に設定した後(ステップS1811)、制限時間決定処理C(ステップS1812)に進む。
図116は制限時間決定処理Aの一例を示すフローチャートである。
制限時間決定処理A(ステップS1805)では、まず、図119に例示されている制限時間振り分け条件に従って、演出パターンAの有効期間T2の抽選Aが行われる(ステップS1821)。抽選Aの結果、10秒が当選した場合(ステップS1822にてYes)、有効期間T2を10秒に設定する(ステップS1823)。5秒が当選した場合(ステップS1822にてNo、ステップS1824にてYes)、有効期間T2を5秒に設定する(S1825)。1秒が当選した場合(ステップS1822にてNo、ステップS1824にてNo)、有効期間T2を1秒に設定する(ステップS1826)。他の制限時間決定処理B及びCのフローも同様であり、図116中の「A」を「B」又は「C」に置き換えたものが制限時間決定処理B又はCのフローになる。
図117は操作演出処理の一例を示すフローチャートである。
操作演出処理(ステップS1710)では、操作有効フラグがセットされているか否か判別する(S1901)。操作有効フラグがセットされているならば(ステップS1901にてYes)、操作媒体の操作信号を監視する(ステップS1902)。操作信号が検出されたならば(ステップS1902にてYes)、すなわち操作媒体の操作が有効である期間(操作有効期間)に当該操作媒体が操作されたならば、当該操作信号に基づいて、遊技盤側液晶表示装置1400によりなされている表示演出の演出態様を変化させる(ステップS1903)。一方、操作有効フラグがセットされていなければ(ステップS1901にてNo)、操作信号の検出(ステップS1902)は行われない。このため、操作媒体が操作されたとしても、当該操作が当該操作媒体の操作有効期間になされない限り、演出態様を変化させる処理(ステップS1903)は実行されない。
図118に例示する演出パターンの振り分け条件では、変動番号30〜32の変動パターンごとに、演出パターンA、B、Cの発生確率が異なるように条件設定されている。変動番号30〜32の変動パターンのときには、演出パターンAが60%の確率で、演出パターンBが75%の確率で、演出パターンCが90%の確率で、それぞれ発生する。変動番号33〜35の変動パターンのときには、演出パターンAが75%の確率で、演出パターンBが20%の確率で、演出パターンCが5%の確率で、それぞれ発生する。変動番号36の変動パターンのときには、演出パターンAが90%の確率で、演出パターンBが10%の確率で、それぞれ発生する。必要球数Nは、演出ゲート通過演出IIの際、攻撃対象として遊技盤側液晶表示装置1400により画面に登場する敵キャラクタ(ゾンビ)の数に対応している。すなわち、演出パターンAでは10体の敵キャラクタが、演出パターンBでは5体の敵キャラクタが、演出パターンCでは1体の敵キャラクタが、それぞれ画面に登場することになる。
そして、後述するように、有効球数n(初期値はN)が1減る毎に、すなわち演出ゲート6011を遊技球が1個通過する度に、敵キャラクタが1体ずつ倒されていく表示演出がなされる。このように、必要球数Nを登場する敵キャラクタ(ゾンビ)の数に対応させ、有効球数nが必要球数Nから1ずつ減っていく毎に、敵キャラクタが1体ずつ倒されていく表示演出がなされる構成とすることで、演出ゲート6011を通過した遊技球の数(N―n)を、敵キャラクタを倒した数として遊技者に認識させ、敵キャラクタを倒したことによる達成感を遊技者に与えつつ演出を進行させることができるので、有効球数nを単に数字などの文字情報やヒストグラム(インジケータ)などによる指示情報で報知する構成と比較して、演出ゲート通過演出IIの興趣性を格段と向上させ得る。
図118の振り分け条件によれば、敵キャラクタ(ゾンビ)が10体登場した場合、大当が発生する確率(発生確率約27%)が最も小さいが、最大登場数である10体の敵キャラクタが登場し倒されていく表示演出がなされ、その後に大当が発生したときに遊技者に高い達成感を与えることができる。一方、敵キャラクタが1体しか登場しなかった場合にはほぼ確実に大当りが発生(発生確率90%)するので、演出ゲート通過演出IIが開始され、敵キャラクタが1体しか登場しない表示演出がなされることにより、大当り発生への遊技者の期待感を高揚し得る。そして、敵キャラクタが1体しか登場しなかった場合でも、小当りが発生(発生確率10%)することもあるので、遊技者の緊張感を維持することができる。
図119に例示する制限時間の振り分け条件では、変動番号30、31、32ごとに、各演出パターンA、B、Cが当選した場合における有効期間T2の振り分け条件が設定されている。
図119(a)は、変動番号30の変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に使用される振り分け条件である。この振り分け条件によれば、演出ゲート通過演出IIとして演出パターンAがセットされている場合、制限時間10秒が60%の確率、制限時間5秒が40%の確率、制限時間3秒が0%の確率でそれぞれ当選する。演出パターンBがセットされている場合、制限時間10秒が50%の確率、制限時間5秒が40%の確率、制限時間3秒が10%の確率でそれぞれ当選する。演出パターンCがセットされている場合、制限時間10秒が5%の確率、制限時間5秒が15%の確率、制限時間3秒が80%の確率でそれぞれ当選する。
図119(b)は、変動番号31の変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合の振り分け条件である。この振り分け条件によれば、演出ゲート通過演出IIとして演出パターンAがセットされている場合、制限時間10秒が40%の確率、制限時間5秒が40%の確率、制限時間3秒が20%の確率でそれぞれ当選する。演出パターンBがセットされている場合、制限時間10秒が20%の確率、制限時間5秒が30%の確率、制限時間3秒が50%の確率でそれぞれ当選する。演出パターンCがセットされている場合、制限時間10秒が5%の確率、制限時間5秒が35%の確率、制限時間3秒が60%の確率でそれぞれ当選する。
図119(c)は、変動番号32の変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合の振り分け条件である。この振り分け条件によれば、演出ゲート通過演出IIとして演出パターンAがセットされている場合、制限時間10秒が30%の確率、制限時間5秒が60%の確率、制限時間3秒が10%の確率でそれぞれ当選する。演出パターンBがセットされている場合、制限時間10秒が10%の確率、制限時間5秒が50%の確率、制限時間3秒が40%の確率でそれぞれ当選する。演出パターンCがセットされている場合、制限時間10秒が2%の確率、制限時間5秒が3%の確率、制限時間3秒が95%の確率でそれぞれ当選する。
図119(a)の振り分け条件(大当りが発生時の条件)によれば、登場する敵キャラクタ(ゾンビ)の数が多いほど、すなわち有効球数N(必要球数nの初期値)が大きいほど、有効期間T2が長くなる確率が大きくなるので、必要球数nが1減る毎に、敵キャラクタが1体ずつ倒されていく表示演出において、有効期間T2内に敵キャラクタを全滅させることに成功する可能性を大きくし得る。これに対し、図119(b)及び(c)の振り分け条件(小当り又はハズレ発生時の条件)では、有効球数N(初期値)が大きくても、有効期間T2が長いとは限らないので、有効期間T2内に敵キャラクタを全滅させることに失敗する可能性が大きくなる。このように、制限時間内に敵キャラクタを全滅させることに成功した場合には大当が発生しやすく、失敗した場合には小当り又はハズレが発生しやすい演出が実現される。たとえば、1分間における遊技球の発射数を約100発とすると、10秒間に16発程度遊技球を発射することができるので、N=10、T2=10の場合、十分余裕を持って10体全ての敵キャラクタを倒すことができる。これに対し、N=10、T2=3の場合、有効期間T2内に敵キャラクタを全滅させることはほとんど不可能である。
次に、操作価値向上演出の具体例を図120乃至図124を用いて説明する。ここでは、タッチパネル246の操作が無効化され、有効期間T2内に有効球数Nの遊技球が演出ゲート6011を通過したことを条件にタッチパネル246の操作が有効化されるものとし、遊技盤側液晶表示装置1400によりなされる表示演出について説明する。また、ここでは、T2=10(秒)、N=10(個)として説明する。
図120は、操作価値向上演出の開始直後に遊技盤側液晶表示装置1400に表示される演出画面(導入演出IAの初期画面)1410の態様を例示している。この例では、画面中央部に敵キャラクタであるゾンビ1411が表示されている。
画面左下部には、リーチ状態であることを示す装飾図柄1412すなわち、停止表示態様の左図柄(「7」)及び右図柄(「7」)と、変動表示態様の中図柄が小さく表示されている。そして、画面上部には「右打ちしてゾンビを倒せ!」というメッセージ画像1413が、画面下部にはハンドルを右側(時計回り)に回している様子を示す画像1414が、それぞれ表示されている。
遊技者は、これらの画像1413、1414に促されて右打ちを行う。本実施形態では、時短遊技中は右打ち遊技の有効期間であり、右打ち遊技の有効期間におけるリーチ演出の一つとして操作価値向上演出が行われる。本実施形態では、時短遊技中は右打ち遊技の有効期間であり、右打ち遊技の有効期間におけるリーチ演出の一つとして操作価値向上演出が行われるため、基本的に遊技者は右打ちをするものであるが、当該リーチ演出が長々と継続するものである場合などには遊技球の発射をしばらく休止する遊技者も少なくないため、あえて右打ちを促す画像1413、1414を表示することにより、特別図柄の変動開始後、当落結果の表示に至るまでの期間に遊技者が遊技球の発射を休止するのを抑制し得るので、操作価値向上演出の実行性を高める上でも遊技球の発射を促進する上でも有効である。
また、図120の画面1410には、このときタッチパネル246の操作が無効になったことを示唆する画像1444が表示される。この画像1444により、遊技者に対し、タッチパネル246の操作が無効になったことを報知するとともに、当該操作を行うことができれば大当りが発生するかもしれないという期待感を与えることができる。図示されていないが、この画像1444は図121(a)〜(e)の画面1415、1419、1422、1426、1429にも表示される。
図121(a)は、図120の画面1410に続いて表示される画面1415の態様を例示している。この例では、画面1415のほぼ全体を示す領域を使用して10体のゾンビの画像1416が表示されている。画面左下部には、図120の画面1410と同じく、リーチ状態であることを示す装飾図柄1412が表示されている。画面中央には、ゾンビの画像1416が表示されている領域に重畳させて「ゾンビ10体」というメッセージ画像1417が表示されている。画面上部には、「10秒以内に全滅させたらボス出現!」というメッセージ画像1418が、画面右端から現れ画面左側に消えていく態様で表示されている。これらゾンビの画像1416及びメッセージ画像1417,1418により、遊技者に対し、ゾンビを10体倒すとボスゾンビが登場するというストーリーを教示するとともに、ゾンビを10体倒して更にボスゾンビを倒せば大当りが発生するのでは、という期待を抱かせることができる。遊技者は、図120の画面1410により右打ちを促された上で、図121(a)の画面1415により大当りの期待が高められることにより、より積極的に右打ちを行うようになる。図121(a)の画面1415が表示された時点から、有効時間tの監視が開始される。
図121(b)の画面1419は、1体目のゾンビに攻撃を与えたシーンを表している。この画面1419は、操作価値向上演出の開始後、右打ちにより発射された遊技球が最初に演出ゲート6011を通過し、必要球数nがN−1すなわち9になった際に表示される。この画面1419には、攻撃を受けたゾンビの画像1420が戦士(遊技者側のキャラクタ)の視線で表示されている。画面下部には、1体目のゾンビを撃破したことを示す「1体撃破!」というメッセージ画像1445が表示されている。これらの画像1420、1445により、1体目のゾンビを倒すことができたこと、すなわち必要球数nが9になったことを遊技者に認識させ、2体目のゾンビを倒すべく遊技球の発射継続を促すことができる。画面上部には、「ボスを倒せばチャンス!」というメッセージ画像1421が、画面右端から現れ画面左側に消えていく態様で表示されている。このメッセージ画像1421が、演出ゲート通過演出IIが実行されている期間中表示されることにより、ボスゾンビが登場するまで遊技球の発射継続を促すことができる。
図121(c)の画面1422は、3体目のゾンビに攻撃を与えたシーンを表している。この画面1422は、操作価値向上演出の開始後、右打ちにより発射された遊技球が3回目に演出ゲート6011を通過し、必要球数nがN−3すなわち7になった際に表示される。この画面1422には、攻撃を受けた2体目と3体目のゾンビの画像1423、1424が「3体撃破!」というメッセージ画像1425とともに表示されている。攻撃を受けた2体目、3体目のゾンビの画像1423、1424の周囲には、続々と迫り来る4体目、5体目、・・・のゾンビの画像が表示されている。
図121(d)の画面1426は、10体のゾンビを全て倒したシーンを表している。この画面1426には、複数体のゾンビが倒れている様子を表した画像1427が「殲滅成功!(10体撃破)」というメッセージ画像1428とともに表示されている。この画面1426は、有効時間tが0秒になる以前に、球数の必要球数nが0になった場合に表示される。
図121(e)は、ボスゾンビが出現した様子を表している。この画面1429は、図121(d)の画面1426が所定時間(たとえば3秒)表示された後に突然画面が切り替わる態様で表示される。この画面1429には、いかにも怖そうなボスゾンビの画像1420が「ボス出現!」というメッセージ画像1431とともに表示されている。
図121(f)は、図121(e)の画面1429に続いて表示される画面1432の態様を例示している。この画面1432は、タッチパネル246の操作が有効化された直後に表示される。この画面1432には、タッチパネル246の操作を促す画像1433(指先をタッチパネルに接触させつつ移動させるいわゆるフリック操作を促す画像)が表示されている。タッチパネル246の操作が無効になったことを示唆する画像1444が表示されていた図121(e)の画面1429から、タッチパネル246の操作を促す画像1433が表示されている図121(f)の画面1432に切り替わることにより、タッチパネル246の操作が有効になったことを遊技者に認識させ、タッチパネル246を操作できることの達成感を与えることができる。遊技者は、この画面1432に促されてタッチパネル246を操作する。
図121(g)は、図121(f)の画面1432に続いて表示される画面1434の態様を例示している。この画面1434は、遊技者によりタッチパネル246の操作がなされた場合に表示される。この画面1434には、攻撃により倒されたボスゾンビの画像1435が「ボス撃破成功!」というメッセージ画像1436とともに表示されている。
図121(h)は、図121(g)の画面1434に続いて表示される画面1437の態様を例示している。この画面1437は、抽選の結果を報知する画面であり、特別図柄の変動時間が終了するタイミングに合わせて表示される。図121(h)は、抽選の結果が大当りの場合を例示しており、画面1437には、大当りを示す装飾図柄1438すなわち、左図柄、右図柄及び中図柄が同一図柄で揃った停止表示態様(この例では「7」、「7」、「7」)で表示されるとともに、大当りの発生を報知するメッセージ画像1439が大きく表示されている。
一方、図121(a)の画面1415が表示されてから10秒(T2)が経過する前に、10個の遊技球が演出ゲート6011を通過しなかった場合、すなわち遊技球が有効時間tが0秒になる以前に、必要球数nが0にならなかった場合、図122の画面1440が表示される。この画面1440には、倒されなかったあるいは復活したゾンビの画像1441が「殲滅失敗!」というメッセージ画像1442とともに表示される。そして、抽選の結果が小当り又はハズレの場合には、図122の画面1440が表示された後、特別図柄の変動時間が終了するタイミングに合わせて、抽選の結果が小当り又はハズレである旨を当選種に応じて報知する画面が表示される。一方、抽選の結果が大当りの場合は、図122の画面1440が一旦表示された後、図121(d)の画面1426に切り替わり、特別図柄の変動時間が終了するタイミングに合わせて、抽選の結果が大当りであることを報知する図121(h)の画面1437が表示される。
また、図121(f)の画面1432が表示された後、タッチパネル246の操作有効期間内に操作がなされなかった場合、図123の画面1442が表示される。この画面1442には、ボスゾンビの画像1430が「ボス撃破失敗!」というメッセージ画像1443とともに表示される。そして、そして、抽選の結果が小当り又はハズレの場合には、図123の画面1442が表示された後、特別図柄の変動時間が終了するタイミングに合わせて、抽選の結果が小当り又はハズレである旨を当選種に応じて報知する画面が表示される。一方、抽選の結果が大当りの場合は、図123の画面1442が一旦表示された後、図121(g)の画面1434に切り替わり、特別図柄の変動時間が終了するタイミングに合わせて、抽選の結果が大当りであることを報知する図121(h)の画面1437が表示される。
上記のように構成されたパチンコ機1は、大当り遊技終了後、時短遊技が開始され且つその時短遊技中にリーチが発生した場合に、リーチ演出として操作価値向上演出を実行し得る。操作価値向上演出が実行されると、タッチパネル246や上皿演出ボタン257の操作が一時的に無効化されるとともに、遊技盤側液晶表示装置1400(演出表示手段)により特定の表示演出(上記の例では、右打ちして10体のゾンビを倒すとボスゾンビが出現する演出)がなされる。タッチパネル246や上皿演出ボタン257の操作が無効化されている間、タッチパネル246や上皿演出ボタン257を操作して当該特定の表示演出の表示態様を変化させる演出(上記の例では、タッチパネル246を操作してボスゾンビを倒す演出)は実行不能である。当該操作が有効化するのは、制限時間(所定の期間)T2(上記の例では、T2=10(秒))内に演出ゲート(特定の領域)6011を有効個数(所定個数)N(上記の例では、N=10)以上の遊技球が通過した場合のみである。このため遊技者は、当該操作を有効化するべく遊技球の発射操作を積極的に行うようになる。そして、有効期間T2内に演出ゲート6011を有効個数N以上の遊技球を通過させることに成功したならば、当該操作に基づいて当該特定の表示演出の表示態様を変化させる演出を実行させることができる。
このように、上記実施形態によれば、操作価値向上演出を実行することにより、制限時間(所定の期間)T2内に演出ゲート(特定の領域)6011を有効個数N以上の遊技球が通過した場合のみ、タッチパネル246や上皿演出ボタン257による操作を有効化し得るので、タッチパネル246や上皿演出ボタン257を操作することにより、遊技盤側液晶表示装置1400による特定の演出の演出態様が変化されたときの有利遊技に対する期待を従来の遊技者参加型演出よりも格段と向上させて、タッチパネル246や上皿演出ボタン257を用いた演出の興趣を維持し得る。その結果、タッチパネル246や上皿演出ボタン257を用いた演出への遊技者の参加率を高めることができる。また、タッチパネル246や上皿演出ボタン257を操作できること自体に達成感を与えているので、仮に当該操作後に報知される抽選の結果が好ましくない場合でも落胆の度合いを軽減できる効果が得られる。
特に、演出ゲート(特定の領域)6011を所定個数N以上の遊技球が通過したとしても、それが制限時間(所定の期間)T2内に達成されなければ、タッチパネル246や上皿演出ボタン257による操作が有効化されない構成としたことにより、遊技者に対し、時間が限られていることによる緊迫感を与えて、演出の興趣を維持し得る。そして、制限時間(所定の期間)T2内に達成されたことをもって当該操作が有効化され、当該操作を行うことによって演出態様を変化させ得るため、制限時間が設定されている緊迫した状況下で当該操作を行うことに成功したことによる達成感を遊技者に与えて演出の興趣を高め得る。
また、演出ゲート(特定の領域)6011を遊技球が通過したとしても、通過した遊技球の数が有効球数N未満であれば、タッチパネル246や上皿演出ボタン257による操作が有効化されない構成としたことにより、遊技者に対し、有効球数Nに達するまで遊技球の発射を継続しなければならないという使命感を与えて、演出の興趣を維持し得る。そして、有効球数Nに達したことをもって当該操作が有効化され、当該操作を行うことによって演出態様を変化させ得るため、有効球数Nが設定されている緊迫した状況下で当該操作を行うことに成功したことによる達成感を遊技者に与えて演出の興趣を高め得る。
また、図118の振り分け条件によれば、敵キャラクタの登場数に概ね反比例して大当りが発生しやすいので、制限時間内に敵キャラクタを全滅させることに成功せずとも、敵キャラクタの登場数がより少ないほど大当りの期待度が高くなる。つまりは、操作価値向上演出によって操作媒体の操作が有効とならない場合においても、敵キャラクタの登場数によって大当り期待度を示唆することができる。
従来の遊技者参加型演出は、上皿演出ボタンなどの操作を遊技者に促し、当該操作が有効な期間に当該操作がなされたならば、遊技球が発射されているか否かにかかわらず、当該操作がなされたことのみをトリガとして、何らかの演出態様の変化を生じさせるというものでしかなかった。このため、たとえば保留球数が満杯の状態で、リーチ演出が長々と継続している間など、遊技球を発射する意義が低下している期間が生じた場合、遊技球の発射をしばらく休止する遊技者も少なくない。これでは、遊技球を発射して賞球を獲得するというパチンコ機の本来の遊び方による興趣の低下を招くことになる。これに対し、上記実施形態のパチンコ機1は、リーチ演出が長々と継続している間などにおいても、操作価値向上演出を実行することにより遊技球の発射を促進し得るので、パチンコ機の本来の遊び方による興趣の低下も抑制し得る。
なお、上記の実施形態では、右打ちされた全ての遊技球が演出ゲート6011を通過するものとして説明したが、演出ゲート6011に到る遊技球の通過領域に障害釘などを設け、右打ちしても全ての遊技球が演出ゲート6011を通過するとは限らない構成としてもよい。この構成によれば、右打ちにより遊技球を演出ゲート6011に通過させること自体にも遊技性を持たせて操作価値向上演出の興趣を向上させ得る。
また、上記の実施形態では、図121(b)、(c)に示すように、「1体撃破!」、「3体撃破!」といった倒した敵キャラクタの数を示すメッセージ画像1445、1425を表示することにより、更に倒すべき敵キャラクタの数すなわち必要球数nを遊技者に認識させる構成としたが、必要球数nを表示しない構成としてもよい。必要球数nをあえて表示しないことにより、既に何体の敵キャラクタを倒したか、あと何体の敵キャラクタを倒さなければ操作媒体の操作が有効化されないのかといったことを遊技者自身が判断しつつ遊技球を発射しなければならないので、遊技球の発射数に応じて敵キャラクタが倒されていく演出への遊技者の注意を喚起するとともに、遊技球を発射すること自体の興趣性を高めることができる。
また、上記の実施形態では、操作価値向上演出において、演出ゲート6011を遊技球が通過したことに基づいて、操作媒体の操作を有効化する構成としたが、演出ゲート6011以外の領域を特定の領域とし、当該特定の領域を遊技球が通過したことに基づいて、当該操作を有効化する構成としてもよい。たとえば、普通ゲート2005aを遊技球が通過したことに基づいて、当該操作を有効化する構成としてもよい。この構成の場合、普通ゲート2005aは演出ゲート6011よりも遊技球の通過率が低いので、操作媒体の操作が有効化したときの達成感を向上させて、操作価値向上演出の興趣を向上させ得る。また、普通ゲート2005aを遊技球が通過したことを契機として普通抽選がなされるため、当該普通抽選の結果に基づく演出と操作価値向上演出とを関連させることにより、多様な演出を実現し得る。
また、遊技領域5a内の遊技球が通過し得るその他の特定の領域にセンサを設け、当該センサにより遊技球が検出されたことに基づいて、操作媒体の操作を有効化する構成としてもよい。たとえば、遊技領域5a内の複数箇所(左側と右側など)にセンサを配置し、所定の条件下では左打ち、別の所定の条件下では右打ちといった具合に、左右への遊技球の打ち分けを遊技者に要求し、当該要求どおりに遊技球が左右に打ち分けられて特定の領域を通過したことに基づいて、当該操作を有効化する構成としてもよい。この構成によれば、特定の領域に遊技球を通過させることだけでなく、状況に応じて遊技球を左右に打ち分けるべく発射操作を行うこととの相乗効果として、操作価値向上演出の興趣を格段と向上させ得る。
次に、操作価値向上機能に関する別の実施形態について説明する。本実施形態では、主制御MPU4100aにより変動番号30〜32の変動パターンが選択された場合、周辺制御MPU4150aは、操作価値向上演出の演出パターンとして、上記実施形態の演出パターンすなわち、有効時間tが0になるまで演出ゲート通過演出IIを常に継続する演出パターン(以下、パターン1と記す。)と、所定の条件が成立した場合には、有効時間tが0になる前でも演出ゲート通過演出IIを終了させる演出パターン(以下、パターン2と記す。)のどちらかを選択し得る構成とする。
図124は、この実施形態における操作価値向上演出処理の一例を示すフローチャートである。図125は、図124の処理に含まれる演出ゲート通過演出パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図124のフロー中の処理のうち、図114乃至図117のフロー中の処理と同一の処理には同一のステップ番号が付されている。
図124の操作価値向上演出処理においては、変動番号30〜32の変動パターン受信フラグがセットされたならば(S1701でYes)、まず演出ゲート通過演出パターン設定処理(S1720)が実行される。
演出ゲート通過演出設パターン定処理(S1720)では、操作価値向上演出の演出パターンとしてパターン1又はパターン2を選択するかの抽選が実行される(S1721:演出パターン抽選処理)。その結果、パターン1以外のパターン(この場合、パターン2)が選択されたならば(S1722でNo)、状況判定フラグをセットして(S1723)、パターン1が選択されたならば(S1722でYes)、状況判定フラグをセットせずに、操作価値向上要素決定処理(S1703)に進む。
パターン1の演出態様では演出ゲート通過演出がなされる期間が一定であるのに対して、パターン2の演出態様では演出ゲート通過演出がなされる期間が短縮される可能性があるので、演出ゲート通過演出中に発射される遊技球の球数は、パターン2よりもパターン1の方が多くなる可能性が高い。したがって、演出のために遊技球を消費したくない遊技者にとってはパターン2の方が好ましい演出態様であるといえる。そこで、本実施形態では、演出パターン抽選処理(S1721)において、パターン1よりもパターン2の方が高い確率で当選するように、当選確率の振り分けがなされている。
具体的には、大当り当選時である変動パターン30が選択されている時には、パターン1が選択される割合は4割とするのに対し、パターン2が選択される割合は6割とし、小当り当選時である変動パターン31が選択されている時には、パターン1が選択される割合は3割とするのに対し、パターン2が選択される割合は7割とし、ハズレ当選時である変動パターン32が選択されている時には、パターン1が選択される割合は2割とするのに対し、パターン2が選択される割合は8割としている。この構成によれば、最も多く発生するハズレ当選時には、殆ど遊技球の消費が少ないパターン2が選択されることとなるので、演出のために遊技球を消費してしまうことに対する遊技者の嫌悪感を抑制し得る。さらに、パターン1の演出がなされた場合の当選種は大当りであることが多いため、パターン1の演出によって多くの遊技球を損失したとしても、パターン1の演出がなされることにより大当りへの期待感が高められるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
演出ゲート通過演出パターン設定処理(ステップS1720)の後、既述の実施形態と同じく、操作有効フラグリセット処理(ステップS1702)、操作価値向上要素決定処理(S1703)が順次実行され、操作価値向上要素決定処理(ステップS1703)により決定された有効球数N及び有効期間T2の値がそれぞれ必要球数n、有効時間tの初期値としてセットした後(ステップS1704)、遊技球の通過及び有効時間の監視を開始する。ここでは、遊技球が演出ゲート6011を通過する度に(ステップS1705にてYes)、nをデクリメントする(ステップS1706)。そして、有効時間tが0か否かの判定がなされる(ステップS1707)。
本実施形態では、有効時間tが0でなければ(ステップS1707にてNo)、状況判定フラグがセットされているか否か判定する(ステップS1711)。その結果、状況判定フラグがセットされていなければ(ステップS1711にてNo)、遊技球検出処理(ステップS1705)に戻る。一方、状況判定フラグがセットされているならば(ステップS1711にてYes)、有効時間tが予め設定された状況判定時間tcであるか否か判定する(ステップS1712)。その結果、t=tcであれば(ステップS1713にてYes)、演出ゲート通過演出IIを終了すべき状況であるか続行すべき状況であるかを判定する状況判定処理(ステップS1713)を実行する。ここで、状況判定時間tcは、有効時間tと必要個数nとの関係すなわち、有効期間T2の残り時間にあと何個通過させる必要がある状況であるかを確認する時点として設定されるものであり、後述するように、有効期間T2の開始後、所定の時点から例えば1秒刻みで設定される。
状況判定処理(ステップS1713)においては、所定の条件が成立しているか否か判定し、当該所定の条件が成立していない場合には、演出ゲート通過演出IIを続行すべき状況であると判定する(ステップS1713にてNo)。この場合、遊技球検出処理(ステップS1705)に戻る。一方、所定の条件が成立している場合には、演出ゲート通過演出IIを終了すべき状況であると判定する(ステップS1713にてYes)。この場合、状況判定フラグをリセットした後(ステップS1714)、操作演出処理(ステップS1710)に進む。
状況判定処理(ステップS1713)は、有効時間tが状況判定時間tcになる度に実行される。状況判定時間tcが、たとえば8秒、7秒、6秒、5秒、4秒及び3秒に設定されている場合、有効時間tが8秒になった時点から有効時間tが3秒になるまで1秒刻みで実行される。図126には、演出ゲート通過演出IIの終了を決定する条件となる必要個数nの値(終了カウント数)ncと有効時間tとの対応関係が例示されている。発射間隔は0.6秒である。
この例では、有効時間tが8の時点で必要球数nが10の場合、演出ゲート通過演出IIを終了させる。有効時間が8秒あればその間に10個の遊技球を通過させることは十分可能(最大13個通過可能)であるが、必要球数nが10であるということは、遊技球が全く発射されていないか遊技球が右打ちにより発射されていないということであるため、演出ゲート通過演出IIを終了させる。また、有効時間tが7秒、6秒、5秒、4秒、3秒の時点で必要球数nがそれぞれ9以上、8以上、7以上、6以上、5以上の場合、演出ゲート通過演出IIを終了させる。これらの場合も、終了カウント数ncの遊技球を通過させることは可能であるが、有効時間tの割に必要個数nが大きいため、有効時間t内に遊技球が1乃至2個分発射されないだけで、10秒以内に10個の遊技球を通過させるというミッションに成功する可能性が小さいため、遊技球を無駄に消費することになる遊技者の不利益を考慮して演出ゲート通過演出IIを終了させる。
また、図124には示されていないが、状況判定処理(S1713)が実行される際には、併せて必要球数nを警告カウント数ncとして表示する警告カウント数処理が実行される。警告カウント数処理も状況判定処理(S1713)と同様、有効時間tが状況判定時間tc、たとえば8秒になった時点から開始され、有効時間tが3秒になるまで1秒刻みで実行される。図127(a)はその一態様を例示している。図127(a)の画面1471は、図121で説明した例と同じ条件において、有効時間tが6秒の時点で必要球数nが6個のときに表示されるものであり、画面1471の中央部に、「あと6秒」という残り時間を報知するメッセージ画像1481とともに、「あと6体」という警告カウント数ncを報知するメッセージ画像1482が表示されている。この画面1471により、あと4秒の間にあと6体のゾンビを倒さなければミッションを達成することができないことを遊技者に報知し、ミッションを達成しようとする遊技者に対し緊張感を与えることができる。
図127(b)の画面1472は、画面1471の1秒後に表示される画面であり、残り時間を報知するメッセージ画像1481は、「あと5秒」という表示に変化している。一方、必要球数nは6個から減っていないため、警告カウント数ncを報知するメッセージ画像1482は「あと6体」のまま変化していない。この場合、次の一秒後すなわち有効時間tが4秒になった時点で必要球数nが6個のままであると、ミッションを達成することが困難になるため、その旨を報知する「警告」というメッセージ画像1483が画面1472に多数表示されるとともに、画面1472の背景全体が赤色、黄色といった注意を引く色で点滅表示される。この画面1472により、ミッションを達成しようとする遊技者に対し、ゾンビを攻撃し続けなければもうすぐミッションを達成できなくなることを遊技者に報知し、ミッションを達成しようとする遊技者に対し遊技球の発射を促すことができる。更に1秒経過した後の時点でも必要球数nが6個のままであったならば、演出ゲート通過演出IIは終了となり、図127(c)の画面1473が表示される。この画面1473には、殲滅されなかったゾンビの画像1483が表示されている。この場合、演出ゲート通過演出IIが有効期間T2よりも短い時間で終了するため、演出ゲート通過演出IIが終了してから操作演出処理(S1710)が開始されるまでの間、図127の画面1473を表示し続けるなどの間繋ぎ演出が実行される。
本実施形態によれば、有効期間T2内に演出ゲート(特定の領域)6011を有効個数N以上の遊技球が通過するというミッションに成功した場合のみ演出操作媒体による操作を有効化する一方、有効時間tに対して必要個数nが明らかに多ければ有効期間T2の経過前でも演出ゲート通過演出IIを終了させる構成としたことにより、演出操作媒体を操作することができた遊技者に達成感を与えるとともに、演出操作媒体を操作することができなかった場合に消費される遊技球の球数を削減して、遊技球を演出のために無駄に消費することになる遊技者の不利益を軽減できる。
なお、上記実施形態では、有効時間tが0になるまでに必要個数nの遊技球を通過させることに成功する可能性が残されている状況であっても、有効時間tの割に必要個数nが多い所定の条件が成立した場合には、状況判定処理(S1713)において、演出ゲート通過演出IIを終了すべき状況であると判定しているが、有効時間tが0になるまで演出ゲート通過演出IIを続けたとしてもミッションに成功することが不可能になった場合に限り演出ゲート通過演出IIを終了すべき状況であると判定するように構成してもよい。たとえば、発射間隔が0.6秒、有効期間T2が10秒、有効個数Nが10個であるとして、有効時間tが残り3秒の時点で必要個数nが6個以上の場合、残り3秒では最大あと5個しか通過させることができないため、有効時間tが0になるまで演出ゲート通過演出IIを続けたとしても合計10個以上の遊技球を通過させることは不可能である。このような場合、状況判定処理(S1713)により演出ゲート通過演出IIを終了すべき状況であると判定される。この構成によれば、遊技者にミッションに成功する可能性が残っている最後の時点まで演出ゲート通過演出IIを楽しませることができる。
次に、操作価値向上機能に関する更に別の実施形態について説明する。本実施形態では、主制御MPU4100aにより変動番号30〜32の変動パターンが選択された場合、周辺制御MPU4150aは、操作価値向上演出の演出パターンとして、有効時間tが0になったら演出ゲート通過演出IIを常に終了する演出パターン(パターン1)、と、所定の条件が成立した場合には、有効時間tを延長する演出パターン(以下、パターン3と記す。)のどちらかを選択し得る構成とする。
図128には、本実施形態の操作価値向上演出(変動番号30〜32の変動パターン)における各種演出のタイムチャートが、図129には、本実施形態の演出ゲート通過演出IIのタイムチャートが、それぞれ例示されている。変動番号33〜36の変動パターンのタイムチャートは図112(b)及び(c)と同様である。図128に示すように、本実施形態における変動番号30〜32の変動パターンは、40秒間の変動時間のうち、初めの10秒間が導入演出IAに、次の13秒間(T1)が演出ゲート通過演出IIに、更に次の7秒間が操作演出IIIAに、最後の10秒間が結果演出IVに、それぞれ割り当てられている。そして、図129に示すように、演出ゲート通過演出IIに割り当てられた13秒間(T1)のうち初めの10秒間は当初の有効期間(T2)に、残りの3秒間は、所定の条件が成立した場合に延長可能な期間(T3:延長期間)に、それぞれ割り当てられている。
図130は、本実施形態における操作価値向上演出処理の一例を示すフローチャートである。なお、図130のフロー中の処理のうち、図114乃至図117及び図124のフロー中の処理と同一の処理には同一のステップ番号が付されている。
図130の操作価値向上演出処理においても、変動番号30〜32の変動パターン受信フラグがセットされたならば(ステップS1701にてYes)、まず演出ゲート通過演出パターン設定処理(ステップS1720)が実行される。そして、演出ゲート通過演出パターン設定処理(ステップS1720)において、操作価値向上演出の演出パターンとしてパターン1又はパターン3が選択される。
本実施形態の場合、パターン1の演出態様では演出ゲート通過演出がなされる期間が一定であるのに対して、パターン3の演出態様では演出ゲート通過演出がなされる期間が延長される可能性があるので、演出ゲート通過演出中に発射される遊技球の球数は、パターン1よりもパターン3の方が多くなる可能性が高い。したがって、演出のために遊技球を消費したくない遊技者にとってはパターン1の方が好ましい演出態様であるといえる。そこで、本実施形態では、演出パターン抽選処理(S1721)において、パターン3よりもパターン1の方が高い確率で当選するように、当選確率の振り分けがなされている。
具体的には、大当り当選時である変動パターン30が選択されている時には、パターン1が選択される割合は6割とするのに対し、パターン3が選択される割合は4割とする。また、小当り当選時である変動パターン31が選択されている時には、パターン1が選択される割合は7割とするのに対し、パターン3が選択される割合は3割とする。さらに、ハズレ当選時である変動パターン32が選択されている時には、パターン1が選択される割合は8割とするのに対し、パターン3が選択される割合は2割としている。この構成によれば、最も多く発生するハズレ当選時には、遊技球の消費が少ないパターン1がほとんど選択されることとなるので、演出のために遊技球を消費してしまうことに対する遊技者の嫌悪感を抑制し得る。さらに、パターン3の演出がなされた場合の当選種は大当りであることが多いため、パターン3の演出によって多くの遊技球を損失したとしても、パターン2の演出がなされることにより大当りへの期待感が高められるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
周辺制御MPU4150aは、演出ゲート通過演出パターン設定処理(ステップS1720)の後、既述の実施形態と同じく、ステップS1702乃至S1704の処理を実行した後、遊技球の通過及び有効時間を監視する(ステップS1705乃至S1707)。そして、有効時間tが0でなければ(ステップS1707にてNo)、状況判定フラグがセットされているか否か判定し(ステップS1711)、状況判定フラグがセットされていなければ(ステップS1711にてNo)、遊技球検出処理(ステップS1705)に戻る。一方、状況判定フラグがセットされているならば(ステップS1711にてYes)、有効時間tが予め設定された状況判定時間tcであるか否か判定する(ステップS1712)。その結果、t=tcであれば(ステップS1713にてYes)、演出ゲート通過演出IIを当初の有効期間T2で終了すべき状況であるか有効時間tを延長すべき状況であるか判定する状況判定処理(ステップS1713)を実行する。ここで、状況判定時間tcは、有効時間tと必要個数nとの関係すなわち、有効期間T2の残り時間にあと何個通過させる必要がある状況であるかを確認する時点として設定されるものであり、後述するように、有効期間T2の開始後、所定の時点から例えば1秒刻みで設定される。
状況判定処理(ステップS1713)においては、周辺制御MPU4150aは、所定の条件が成立しているか否か判定し、当該所定の条件が成立している場合には、演出ゲート通過演出IIを当初の有効期間T2で終了せず延長すべき状況であると判定する(ステップS1713にてYes)。この場合、有効期間延長処理(ステップS1714)を実行し、状況判定フラグをリセットした後(ステップS1715)、遊技球検出処理(ステップS1705)に戻る。一方、当該所定の条件が成立していない場合には、演出ゲート通過演出IIを当初の有効期間T2の終了時に終了すべき状況であると判定する(ステップS1713でNo)。この場合、有効期間延長処理(ステップS1714)及び状況判定フラグリセット処理(ステップS1715)を経ずに、遊技球検出処理(ステップS1705)に戻る。
状況判定処理(ステップS1713)は、有効時間tが状況判定時間tcになる度に実行される。状況判定時間tcが、たとえば3秒、2秒、1秒に設定されている場合、有効時間tが3秒になった時点から開始され、1秒になるまで1秒刻みで実行される。図131には、演出ゲート通過演出IIの延長を決定する条件となる必要個数nの値(延長閾値nc)と有効時間tとの対応関係が例示されている。発射間隔は0.6秒である。この例では、有効時間tが3秒、2秒、1秒の時点で必要球数nがそれぞれ5個以上、3個以上、1個以上の場合、有効時間tを延長期間T3(この場合3秒)延長する。その結果、それぞれ最大あと10個、8個、6個の遊技球を通過させる得る十分に長い有効時間tが確保されるので、ミッションに成功する可能性を十分残すことができる。このように、有効時間tと必要個数nとの関係で有効球数N以上の遊技球を通過させることが困難な状況になったときに有効時間tを延長して、ミッションに成功する可能性を残すことにより、残り時間が少なくなったためミッションの達成を諦め、遊技球の発射を中止しようとする遊技者に、遊技球の発射継続を促すことができる。
また、図130には示されていないが、本実施形態の操作価値向上演出では、有効時間tがある程度少なくなった時点からその値を残り時間として表示する残り時間警告処理が実行される。残り時間警告処理は、状況判定処理(S1713)が実行されるか否かにかかわらず、有効時間tが例えば5秒になった時点から開始され、有効時間tが1秒になるまで1秒刻みで実行される。図132(a)はその一態様を例示している。図133(a)の画面1474は、図121で説明した例と同じ条件において、有効時間tが5秒になった瞬間に表示されるものであり、画面1474の中央部に、「あと5秒」という残り時間を報知するメッセージ画像1484が表示されている。図133(b)の画面1475は、有効時間tが4秒になった瞬間に表示されるものであり、残り時間を報知するメッセージ画像1484は「あと4秒」という表示に変化している。これらの画面1474、1475により、それぞれあと5秒、あと4秒の間に残りのゾンビを倒さなければミッションを達成することができないことを遊技者に報知し、ミッションを達成しようとする遊技者に対し緊張感を与えることができる。
図132(c)の画面1476及び図132(d)の画面1477はいずれも、図132(b)の画面1475が表示されてから1秒後に表示される演出画面である。図132(c)は有効時間tが延長されなかった場合、図132(d)は有効時間tが延長された場合である。図132(c)の画面1476におけるメッセージ画像1484が報知する残り時間は「あと4秒」から「あと3秒」に減少しているが、図132(d)の画面1477におけるメッセージ画像1484が報知する残り時間は、有効時間tが3秒になった時点で3秒延長されたため「あと6秒」に増加している。そして、メッセージ画像1484の近傍には、有効時間tが3秒延長されたことを報知する「3秒延長!」というメッセージ画像1485が表示されている。
図132(e)の画面1478及び図132(f)の画面1479は、図132(c)の画面1475が表示されてからそれぞれ1秒後、2秒後に表示される演出画面である。どちらも有効時間tが延長された場合であり、図132(e)の画面1478におけるメッセージ画像1484が報知する残り時間は、有効時間tが2秒になった時点で有効時間tが3秒延長されたため「あと5秒」に増加し、図132(f)の画面1479におけるメッセージ画像1484が報知する残り時間は、有効時間tが1秒になった時点で有効時間tが3秒延長されたため「あと4秒」に増加している。
このように、当初の有効期間T2の後半開始時点から1秒刻みで残り時間警告処理を実行し、刻々と減っていく有効時間tを画面1474、1475、1476に表示することにより、当初の有効期間T2の残り時間がもうすぐなくなるという緊迫感を遊技者に与えることができる。そして、有効時間tが延長される度にその延長後の有効時間tを画面1477,1478,1479に表示することにより、残り時間が延長されたためミッションを達成し得る可能性がまだ十分あるという期待を遊技者に与えて、遊技球の発射継続を促すとともに演出の興趣を維持することができる。
なお、本実施形態では、状況判定処理(S1713)により有効時間tを延長すべきと判断された場合、有効時間tを一津に延長期間T3に相当する時間(上記の例では3秒)延長する構成としたが、有効時間tと必要個数nとの関係に基づいて延長する時間を異ならせるように構成してもよい。たとえば、有効時間tが3秒、2秒、1秒の時点で必要球数nがそれぞれ5個以上、3個以上、1個以上の場合、有効時間tをそれぞれ1秒、2秒、3秒延長する。その結果、有効時間tがいずれも4秒、になり、最大であと6個の遊技球を通過させることが可能になるので、有効時間tが3秒の時点で必要球数nが5乃至6個、有効時間tが2秒の時点で必要球数nが3乃至4個、有効時間tが1秒の時点で必要球数nが1乃至2個であればミッションに成功する可能性を残すことができる。このように、有効時間tと必要個数nとの関係で有効球数N以上の遊技球を通過させることが困難な状況になったときに、有効時間tを少し延長(1乃至3秒)し、必要球数nが1乃至2個であればミッションに成功する可能性を残すことにより、残り時間が僅かになったためミッションの成功を諦め、遊技球の発射を中止しようとする遊技者に、遊技球の発射継続を促すことができる。
また、本実施形態においては、有効時間tが延長されない場合及び延長される時間が延長期間T3未満(上記の例では3秒未満)の場合、演出ゲート通過演出IIに割り当てられている時間(13秒)よりも短い時間で演出終了となってしまうため、当初の有効期間T2が終了してから操作演出処理(S1710)が開始されるまでの間、何らかの間繋ぎ演出が実行されるようにしておくことが望ましい。
次に、操作価値向上機能に関する更に別の実施形態について説明する。本実施形態では、主制御MPU4100aにより変動番号30〜32の変動パターンが選択された場合、周辺制御MPU4150aは、操作価値向上演出の演出パターンとして、有効時間tが0になったら演出ゲート通過演出IIを常に終了する演出パターン(パターン1)、と、所定の条件が成立した場合には、有効時間tを当初の有効期間T2と同時間分延長する演出パターン(以下、パターン4と記す。)のどちらかを選択し得る構成とする。
本実施形態の操作価値向上演出(変動番号30〜32の変動パターン)における各種演出のタイムチャートは図128と同様である。すなわち、40秒間の変動時間のうち、初めの10秒間が導入演出IAに、次の13秒間(T1)が演出ゲート通過演出IIに、更に次の7秒間が操作演出IIIAに、最後の10秒間が結果演出IVに、それぞれ割り当てられている。
図133には、本実施形態における演出ゲート通過演出IIのタイムチャートが例示されている。図133に示すように、この実施形態では、演出ゲート通過演出IIに割り当てられた13秒間(T1)のうち初めの5秒間は当初の有効期間(T2)に、次の3秒間は継続演出期間(T4)に、残りの5秒間は所定の条件が成立した場合に延長される期間(T3:延長期間)に、それぞれ割り当てられている。
本実施形態の操作価値向上演出における一連の処理は、図130及び図125のフローチャートと同様になされる。すなわち、本実施形態では、演出ゲート通過演出パターン設定処理(ステップS1720)において、操作価値向上演出の演出パターンとしてパターン1又はパターン4が選択される。そして、パターン4が選択された場合(ステップS1722にてNo)、状況判定処理(ステップS1713)において、所定の条件が成立しているか否か判定し、当該所定の条件が成立している場合には、有効時間tを延長すべき状況であると判定する(ステップS1713でYes)。状況判定処理(ステップS1713)は、有効時間tが状況判定時間tc、たとえば当初の有効期間T2が終了する時点(t=0)で実行され、この時点で必要球数nが0でなければ、有効時間tを延長すべき状況であると判定され(ステップS1713にてYes)、有効期間延長処理(ステップS1714)が実行される。有効期間延長処理(ステップS1714)では、延長期間の値T3が当初の有効期間の値T2にセットされる。
本実施形態の場合、パターン1の演出態様では演出ゲート通過演出がなされる期間が一定であるのに対して、パターン4の演出態様では演出ゲート通過演出がなされる期間が延長される可能性があるので、演出ゲート通過演出中に発射される遊技球の球数は、パターン1よりもパターン4の方が多くなる可能性が高い。したがって、演出のために遊技球を消費したくない遊技者にとってはパターン1の方が好ましい演出態様であるといえる。そこで、本実施形態では、演出パターン抽選処理(S1721)において、パターン4よりもパターン1の方が高い確率で当選するように、当選確率の振り分けがなされている。
具体的には、大当り当選時である変動パターン30が選択されている時には、パターン1が選択される割合は6割とするのに対し、パターン4が選択される割合は4割とする。また、小当り当選時である変動パターン31が選択されている時には、パターン1が選択される割合は7割とするのに対し、パターン4が選択される割合は3割とする。さらに、ハズレ当選時である変動パターン32が選択されている時には、パターン1が選択される割合は8割とするのに対し、パターン4が選択される割合は2割としている。この構成によれば、最も多く発生するハズレ当選時には、遊技球の消費が少ないパターン1が殆ど選択されることとなるので、演出のために遊技球を消費してしまうことに対する遊技者の嫌悪感を抑制し得る。そして、パターン4の演出がなされた場合の当選種は大当りであることが多いため、パターン4の演出によって多くの遊技球を損失したとしても、パターン4の演出がなされることにより大当りへの期待感が高められるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
次に、本実施形態における操作価値向上演出の具体例について説明する。図134は演出ゲート通過演出IIの際に遊技盤側液晶表示装置1400に表示される一連の演出画面を例示している。本実施形態においても、図120、図121(e)乃至(h)、図122及び図123に例示されている演出画面を使用して説明する。また、ここでは、演出ゲート通過演出IIとしてパターン4が選択され、T2=T3=5(秒)、T4=3(秒)であり、N=5(個)の場合について説明する。
図134(a)は、図120の画面1410に続いて表示される画面1481の態様を例示している。この例では、画面1481のほぼ全体を示す領域を使用して5体のゾンビの画像1416が表示されている。画面左下部には、図120の画面1410と同じく、リーチ状態であることを示す装飾図柄1412が表示されている。画面中央には、ゾンビの画像1416が表示されている領域に重畳させて「ゾンビ5体」というメッセージ画像1417が表示されている。画面上部には、「5秒以内に全滅させたらボス出現!」というメッセージ画像1418が、画面右端から現れ画面左側に消えていく態様で表示されている。これらゾンビの画像1416及びメッセージ画像1417,1418により、遊技者に対し、ゾンビを5秒以内に5体倒すとボスゾンビが登場するというストーリーを教示するとともに、ゾンビを5体倒して更にボスゾンビを倒せば大当りが発生するのでは、という期待を抱かせることができる。遊技者は、図120の画面1410により右打ちを促された上で、図134(a)の画面1481により大当りの期待が高められることにより、より積極的に右打ちを行うようになる。図134(a)の画面1481が表示された時点から、有効時間tの監視が開始される。
図134(b)の画面1482は、1体目のゾンビに攻撃を与えたシーンを表している。この画面1482は、操作価値向上演出の開始後、右打ちにより発射された遊技球が最初に演出ゲート6011を通過し、必要球数nがN−1すなわち4になった際に表示される。この時点は未だ当初の有効期間T2内であり、有効時間tは4秒である。この画面1482には、攻撃を受けたゾンビの画像1420が表示されている。画面には、1体目のゾンビを撃破したことを示す「1体撃破!」というメッセージ画像1445とともに、有効時間tが4秒であることを報知する「あと4秒」というメッセージ画像1491が表示されている。画像1420、1445により、1体目のゾンビを倒すことができたこと、すなわち必要球数nが4になったことを遊技者に認識させ、2体目のゾンビを倒すべく遊技球の発射継続を促すことができる。そして、メッセージ画像1491により、残された時間があと4秒であることを遊技者に認識させることができる。画面上部には、図121(b)と同様、「ボスを倒せばチャンス!」というメッセージ画像1421が表示されている。このメッセージ画像1421が、演出ゲート通過演出IIが実行されている期間中表示されることにより、ボスゾンビが登場するまで遊技球の発射継続を促すことができる。
図134(c)の画面1483は、3体目のゾンビに攻撃を与えたシーンを表している。この画面1483は、操作価値向上演出の開始後、右打ちにより発射された遊技球が3回目に演出ゲート6011を通過し、必要球数nがN−3すなわち2になった際に表示される。この時点で有効時間tは0秒になっている。この画面1483には、図121(c)と同様、攻撃を受けた2体目と3体目のゾンビの画像1423、1424が「3体撃破!」というメッセージ画像1425とともに表示され、同時に、有効時間tが0秒になったことを報知する「あと0秒」というメッセージ画像1492が表示されている。この画面1483が表示された次の瞬間から継続演出が開始される。
継続演出では、ゾンビの殲滅に失敗したことを示す図122の画面1440が一旦表示された後、図134(d)に示す画面1484の表示に切り替わる。この画面1484には、ミッションを継続可能であることを報知する「まだまだぁー!」というメッセージ画像1493が表示されている。この画面1484が表示された次の瞬間から延長期間(T3)に入る。
延長期間(T3)に入ると、まず図134(e)の画面1485が表示される。この画面1485は、図134(c)の画面1483と同じシーンを表現した演出画面であるが、有効時間tを報知するメッセージ画像1494は、有効時間tが5秒延長されたため「あと5秒」と表示されている。
延長期間(T3)内に残りの2体のゾンビを倒すことに成功したならば、図134(f)の画面1485が表示され、失敗したならば、図122の画面1440が表示され、その後は場合に応じて、図121(e)乃至(h)の画面1429、1432、1434、1437及び図123の画面1442が表示される。
このように、演出ゲート通過演出IIとしてパターン4が選択された場合、当初の有効期間T2の終了時点で必要球数nが0でなければ、有効時間(残り時間)tが当初の有効期間T2と同時間分延長される構成としたことにより、当初の有効期間T2の終了時点ではミッションが達成されていなかった場合でも、延長期間T3に達成することが十分可能となるので、当初の有効期間T2内にミッションを達成できなかったため遊技球の発射を中止した遊技者に対し遊技球の発射の再開を促すことができる。遊技球の発射を再開すればミッションを十分達成可能であるため、当初の有効期間T2内にミッションを達成できなかった場合には当該ミッションが未達成のまま演出ゲート通過演出IIを終了とする構成と比較して興趣を向上できる。また、当初の有効期間T2が終了した後、継続演出期間T4を経て延長期間T3が開始される構成としたことにより、当初の有効期間T2内にミッションを達成できなかったために低下した大当りへの遊技者の期待を継続演出により高めた上で延長期間T3を開始することができるので、遊技球の発射再開をより効果的に促すことができる。
なお、上記実施形態では、延長期間T3が当初の有効期間T2と同時間に設定されているが、延長期間T3の方が当初の有効期間T2よりも長時間に設定されてもよい。すなわち、当初の有効期間T2は、延長後の有効期間(T2+T3)の1/2以下の期間であればよい。延長期間T3を当初の有効期間T2よりも長時間とすることで、当初の有効期間T2内にミッションが全く進行していない、すなわち必要球数nが全く減っていない場合でも、延長期間T3にミッションを達成し得る可能性を大幅に高めることができる。また、延長により有効期間が当初の有効期間T2の2倍以上になることで、ミッションを達成することが格段と容易になるので、遊技球の発射操作に不慣れなパチンコ初心者などに優しい演出ゲート通過演出IIを実現し、操作価値向上演出への遊技者の参加意欲を高めることができる。
また、本実施形態では、当初の有効期間T2の後、継続演出期間T4を経て延長期間T3が始まるようにしたが、当初の有効期間T2の後、直ぐに延長期間T3が開始される構成としてもよい。この構成によれば、当初の有効期間T2が終了したことを遊技者に意識させることなく、演出ゲート通過演出IIを延長期間T3においても継続させることができる。また、この構成においても、当初の有効期間T2が終了する際に、そのことを報知する報知演出を実行することにより、当初の有効期間T2が終了してしまったことを認識させた上で、突然、延長期間T3に移行することにより、遊技者に驚きとともに、ミッションを達成できる可能性が再び生じたことへの喜びと大当りへの期待感を与えて、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態においては、演出ゲート通過演出パターン設定処理(S1720)において、パターン1又はパターン2が選択される構成、パターン1又はパターン3、及びパターン1又はパターン4が選択される構成を例示したが、演出ゲート通過演出パターン設定処理(S1720)において、パターン1乃至4の4つのパターンの中から1のパターンが選択される構成としてもよい。また、これら4つのパターンのうちの3つのパターンの中から1のパターンが選択される構成としてもよい。この構成によれば、演出ゲート通過演出IIの多様性を高めより興趣の高い演出を実現できる。
次に、遊技盤側液晶表示装置1400と上皿側液晶表示装置244とを関連させた遊技処理の実施形態について説明する。上皿側液晶表示装置244は遊技盤側液晶表示装置1400と遊技者が同時に視認できない位置に配設されており、遊技盤側液晶表示装置1400に対する補助表示装置としての役割を持つことができる。周辺制御基板4140は抽選結果に基づいて演出画像を遊技盤側液晶表示装置1400に表示する際に、常時或いは特定の遊技状態の場合に、遊技盤側液晶表示装置1400と上皿側液晶表示装置とを同期させる。この同期処理では、周辺制御基板4140は、遊技盤側液晶表示装置1400に表示される演出動画に関連する動画、特に、遊技盤側液晶表示装置1400に表示される演出動画と実質的に同一の動画を上皿側液晶表示装置244に表示させる。実質的に同一とは完全に同一の画像及び画像の要部が同一なほぼ同一画像を含む。したがって、遊技者は遊技盤側液晶表示装置1400を観賞しながらも遊技を継続できるようになる。
遊技盤側液晶表示装置1400と上皿側液晶表示装置244の同期処理の過程では、周辺制御基板4140は遊技者の上皿側液晶表示装置244に対する入力を有効化し、この入力情報に基づいて演出画像を変化させ、変化後の演出画像を遊技盤側液晶表示装置1400と上皿側液晶表示装置244の双方に展開させる。上皿側液晶表示装置244に対する入力はタッチパネル246を利用してタッチやタップ等によって可能になる。タッチパネルを利用することによって、遊技者の入力は上皿側液晶表示装置244に表示される演出の全面にまで可能になりながら、表示画面の所定又は所望の箇所に対する入力も同時に可能となる。入力情報は、タッチパネル246によって2次元の座標情報として周辺制御基板4140に供給される。周辺制御基板4140は座標情報に基づいて表示されている画像のどの部分に入力があったかを判定し、この入力箇所の領域を変化させたり、動画の展開を分岐させたりする等の画像処理を実行する。
例えば、図110(a)に示すように、戦士(遊技者側のキャラクタ)が洋館を探索しながら、洋館に潜むゾンビ(敵キャラクタ)8000,8002を攻撃して倒すことをシミュレートする特別なモードやシーン(遊技盤側液晶表示装置1400によって表示される演出が所定の演出である場合)では、戦士側の視点から見た動画像が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されている。符号8004は洋館の構造物の一部である天井の空調ダクトである。このモードの初期の段階では、遊技者は遊技盤側液晶表示装置1400をモード以前に引き続いて注視しながら遊技を進めている。
周辺制御基板4140は、遊技が進行するに伴って、洋館内にゾンビA,Bを出現させる(図110(a)の状態)。これらゾンビは戦士に向かって徐々に近づいて、戦士に向かって攻撃を仕掛けてくる。この攻撃の前に戦士がゾンビを打倒せないと、戦士がゾンビからの攻撃によって戦死してしまう映像に切り替わってしまう。そこで、周辺制御基板4140は、遊技者側に反撃のための入力を可能にする。周辺制御基板4140は、タッチパネルへの入力を有効化しながら、遊技盤側液晶表示装置1400の表示画面に上皿側液晶表示装置244の側を注視することを促す促進表示8006(例えば、タッチパネルのアイコン)を表示して、遊技者側に入力の機会を報知する。
遊技者がこの促進表示に基づいて視点を遊技者正面の遊技領域5aから転じて遊技領域外の上皿を見下ろすと、上皿側液晶表示装置244に遊技盤側液晶表示装置1400とほぼ同一な演出動画像が表示されている(図110(b))。周辺制御基板4140は、上皿側液晶表示装置244の表示画面において、ゾンビを排除するために効果的な入力対象領域を他の領域から区別できるように、効果的な入力箇所を例えば、図110(b)のようにフラッシュさせたり、半透明にしたり、色を変えたりして遊技者に明確に判別されるように強調する。図110(b)の例では、ゾンビAの領域8000がフラッシュされているので、遊技者がこの領域をタッチしたり、タップしたりして入力処理を実行すると、入力位置の2次元座標情報が周辺制御基板4140にタッチパネル246から送られる。周辺制御基板4140は2次元座標情報がゾンビAの領域8000内に含まれていることを判定すると、ゾンビAが戦士から銃撃を受けて打倒される画像を上皿側液晶表示装置244に展開する。ゾンビBの領域8002についても同様である。
また、ダクトの領域8004をタップするとダクトがゾンビA,Bの上に落下する画像が展開される。遊技者がフラッシュされている領域外をタップしても、入力位置はゾンビA,Bを打倒可能な領域外であるために、ゾンビA,Bに対する攻撃を仕掛ける画像は展開されない。このように、遊技者は上皿側液晶表示装置244の表示画面のほぼ全領域のうち所望の箇所に対して入力を行うと、周辺制御基板4140は入力箇所の特定情報(座標)に基づいて入力の適否を判定する。遊技盤側液晶表示装置1400にも、上皿側液晶表示装置244と同様に、遊技者の入力によって変化する過程の映像が表示されるが、遊技盤側液晶表示装置1400への遊技者の入力はできないため、好適な入力領域を遊技者に示唆する演出(フラッシュ等)は行われない。遊技者の注目を上皿側液晶表示装置244に向かせるために、既述の促進表示は遊技盤側液晶表示装置1400に継続的に表示されていてもよい。なお、上皿側液晶表示装置244及びタッチパネルは、遊技者が操作可能とされる操作可能表示部に相当し、周辺制御基板(操作含有演出表示手段)は、操作可能表示部に所定の演出を表示する。
好適な入力領域は演出の展開に応じて刻々と変化する。例えば、戦士に最も近いゾンビAがさらに戦士に接近して、もはや戦士からの攻撃が間に合わないタイミングに成った場合には、周辺制御基板4140は上皿側液晶表示装置244の表示画面においてゾンビAの領域8000に対する入力勧奨演出(フラッシュ)を終了させる。なお、入力勧奨演出を消失させることなく、入力対象(ゾンビAの領域8000)の戦士側との距離、あるいは、入力のタイミングに応じて、入力座標位置は入力適切範囲(フラッシュの領域)内であるものの、周辺制御基板4140は入力結果判定において、入力対象への入力を不成功と判定してもよい。
上皿側液晶表示装置244と遊技盤側液晶表示装置1400とに表示される同期演出画像は、抽選結果に基づくものであるため、遊技者は、襲いかかってくるゾンビを全て排除して、戦士が洋館からの脱出に成功するように、タッチパネル246への入力を精力的に行おうとする。周辺制御基板4140は、抽選結果に応じて、上皿側液晶表示装置244に表示される対象を変化させることができる。例えば、抽選結果が大当りの場合には、ゾンビの出現数を減らしたり、ゾンビへの攻撃力を増大或いはゾンビの防御力を減少、例えば、ゾンビの領域を複数回タップしなければならなかったのを1回のタップでゾンビを打倒せるようにしたりして演出が成功裏(戦士が洋館から脱出)に進み易くする。
一方、抽選結果が外れや小当りの場合には、遊技者の操作が長けていても、演出が失敗(戦士が洋館からの脱出に失敗)に進み易くする。例えば、入力勧奨領域を正確かつタッチ回数が他の遊技者より多くなるように操作して、周辺制御基板4140は、遊技者の入力回数を少なくしたり、敵キャラクタへ与える入力一回当りのダメージを少なくしたり、遊技者に示す入力勧奨領域の一部への入力が実際には有効にしなかったり等どんなに遊技者の操作のための行為が優れていても、どんなに意欲的に操作をしても、或いは、どんなに早い速度で操作をしても、操作の結果が失敗になるようにする。遊技者は、自身の入力が効果的に演出表示に変化されている、例えば、ゾンビを効率的に駆逐できている場合には、抽選結果が大当りであることを期待することができる。
上皿側液晶表示装置244の演出と遊技盤側液晶表示装置1400の演出を同期させ、上皿側液晶表示装置244の演出に対して遊技者の入力を可能とすることにより、遊技者の入力による演出の変化を遊技盤側液晶表示装置1400の演出にも反映させることができる。したがって、遊技領域5a内の演出が遊技領域越えて域外に展開、拡張されるという効果がある一方で、遊技者の注目が上皿側液晶表示装置244に向き、遊技盤側液晶表示装置1400に対する注意がおろそかになってしまう懸念もある。抽選結果が大当りであるか否かの最終分岐演出は遊技盤側(遊技領域側)で行われるために、この時点では遊技者に遊技盤側液晶表示装置1400に注目させることが有益であるものの遊技者が上皿側液晶表示装置244にいつまでも注目し続けると、遊技盤側における抽選結果が大当りであるか否かの最終演出に気付かなかったり、気付くことが遅れたりしてしまう。
一方、遊技者に上皿側液晶表示装置244に注目しながら遊技盤側液晶表示装置1400にも注意することを求めるのは酷となり得る。そこで、周辺制御基板4140は、遊技者に遊技盤側液晶表示装置1400に注目し直す契機を与えるための演出を実行する。周辺制御基板4140は、例えば、鳴動音を発生させたり、「正面の液晶を見て」の表示を上皿側液晶表示装置244から報知したり、あるいは、既述の落下可動役物6250をセンター役物2300の上部裏側から遊技盤側液晶表示装置1400の前面に急に落下させる等の可動役物の驚き動作によって、最終分岐演出の実行前、或いは最終分岐演出の実行開始後直ちに、上皿側液晶表示装置244に注目している遊技者の視点を遊技盤側に引き寄せる。
タッチパネル246に対して許容される入力の形態は、既述のように、ゾンビ等特定表示領域に対して攻撃を仕掛けるための形態に限られない。例えば、上皿側液晶表示装置244に表示された方向キーのうちどの向きの方向キーを遊技者がタッチしたかによって、周辺制御基板4140は戦士の活動領域(洋館)における進行方向を変えた演出画像を上皿側液晶表示装置244と周辺制御基板4140とに表示する。また、他の入力装置(演出ボタン、演出ダイヤル)をタッチパネル246の入力の補助或いは補強として利用することができる。既述のようにタッチパネルの入力が2次元情報として特定されるが、他の入力装置からの情報を追加次元情報として用いることによって、入力情報を多彩にすることができる。例えば、周辺制御基板4140は、タッチセンサに押圧センサを組み合わせることによって、タッチセンサのパネルに対する遊技者の押圧力を、タッチによる2次元情報に加えて利用することができる。押圧力をz軸方向の情報としたり、あるいは方向性を示す情報として利用することができる。また、上皿側液晶表示装置244に小型カメラを組み込み、周辺制御基板4140は小型カメラからの情報に基づいて顔認識技術によって遊技者の視線方向を検出し、遊技者が今、上皿側液晶表示装置244に注目しているか、あるいはそうではないか(遊技盤側液晶表示装置1400に注目しているか)を判定することができる。
既述の上皿側液晶表示装置244に表示された特定領域における入力勧奨演出(フラッシュ)は、遊技盤側液晶表示装置1400には表示されないために、遊技者側に向けた固有情報であるが、その他の固有情報として、例えば、ゾンビに対する攻撃が成功されて大当りが期待できる場合における期待度情報等がある。遊技者が上皿側液晶表示装置244に注目していると、遊技者の頭部が上皿側液晶表示装置244に傾動している分、当該遊技者の周囲の遊技鑑賞者は上皿側液晶表示装置244の演出画面に同期している遊技盤側液晶表示装置1400を観賞し易くなる。この際、周辺制御基板4140は遊技者の入力状況をモニタリングして、周囲の遊技観賞者の側に即した情報、例えば、遊技者の入力優劣を評価する情報(ゾンビに負けそうだ、あるいはゾンビに勝ちそうだ等のテキスト表示)を遊技盤側液晶表示装置1400に固有情報として表示してもよい。
タッチパネルによって遊技者の入力の際の自由度が増し、かつ、入力によって上皿側液晶表示装置244の表示ばかりか遊技盤側液晶表示装置1400の表示も同期して変更されるために、遊技者自身が遊技盤側液晶表示装置1400の表示画面を所望の形態に変更でき、この結果、遊技者の演出に対する参加意識を向上させて遊技の興趣を高めることができる。なお、周辺制御基板4140は、上皿側液晶表示装置244の表示画像と遊技盤側液晶表示装置1400の表示画像とを同期させつつも、両者の表示形式を異なるようにしてもよい。例えば、前者の画像を遊技者側キャラクタの主観視点(戦士自身の視点)から表示されるようにし、後者の画像を、遊技者側キャラクタを俯瞰する客観視点から表示されるようにしてもよい。また、後者の映像をゾンビ側から戦士を見た映像にする等である。
なお、画像への入力を遊技盤側液晶表示装置1400の側に対して可能にすること、例えば、遊技盤の前面ガラスにタッチパネルを設けることによって実現し得るが、遊技者にとっては真正面の被操作物に操作を加えることは負担が大きく、かつ、操作が回りから視認できてしまうために、上皿側液晶表示装置244の側からの操作の方が好適である。また、演出のためのデータ空間を3次元データから構成することにより、遊技者は、タッチパネルによって仮想カメラの位置を制御して、演出画面をより自由度を持って変更することができる。さらに、上皿側液晶表示装置244に表示される演出と遊技盤側液晶表示装置1400で表示される演出の仮想カメラの位置を変えることによって、同じ画像処理空間でありながら夫々別の演出画像を表示することできる。
ここで説明した遊技機は演出実行手段(周辺制御基板4140)によって実行される演出のうち所定の演出が行われている際、補助表示装置(上皿側液晶表示装置244)に対して操作機会を付与し、さらには、遊技者が補助表示装置を視認することでゲームの進行が把握可能とされるように演出表示装置(遊技盤側液晶表示装置1400)に表示される所定の演出と略同一の演出を記補助表示装置に表示させることで、遊技領域(5a)を超えて演出を展開可能にする(越境手段)ことによって、遊技者に遊技に対する参加意識を積極的に持たせることができ、その結果、遊技の質を高めることができる。
また、ここで説明した遊技機は、周辺制御基板4140(操作含有演出表示手段)によって上皿側液晶表示装置244の表示画面(操作可能表示部)に所定の演出が表示されている際、上皿側液晶表示装置244の表示領域の略全域、又は、所定の演出が表示されている範囲の略全域を操作対象として操作機会を付与し得るようにし(全域操作対象手段)、こうすることによって全域が操作可能とされた際、略全域のうちいずれの領域が操作されたとしても、操作された領域に基づいて所定の演出の表示態様を可変させることで、所定の演出が遊技者の意思を反映させたような創造演出とする(所望演出創出手段)ことができ、したがって、遊技者に遊技に対する参加意識を積極的に持たせることができ、また、遊技の質を高めることができる。なお、上皿側液晶表示装置244に表示される所定の演出の内容に応じて、既述の全域操作可能範囲を変更するようにしてもよい。
続いて、遊技状態(確率状態)を明瞭に報知しない演出態様である不明瞭モード(潜伏演出状態)について説明する。不明瞭モードには、所定の条件を満たした場合、例えば、所定の大当り(大当りB〜E)が発生し、大当り遊技が終了した後に移行(突入)する。不明瞭モードは、比較的長期間(例えば、50回)、又は、遊技状態(確率状態)が報知(示唆)されるまで継続する。以下、図135から図139を参照して、本実施形態の遊技機における不明瞭モード及び遊技状態の報知(示唆)演出について説明する。
〔不明瞭モード設定処理〕
まず、図135を参照しながら、装飾図柄変動開始処理(図101)における不明瞭モード設定処理(ステップS1227)の手順について説明する。図135は、本実施形態における不明瞭モード設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
周辺制御MPU4150aは、不明瞭モード設定処理が開始されると、まず、変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS1251)。変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(ステップS1251にてNo)、具体的には、小当り又はハズレの場合には、本処理を終了する。
なお、図135に示した不明瞭モード設定処理では、大当りの場合に不明瞭モードに突入可能としているが、これに限られない。例えば、小当り遊技と同じ態様の大当り遊技が実行可能な場合には、小当りの場合であっても不明瞭モードに突入するようにしてもよい。すなわち、遊技者が区別できない態様の当り(大当り、小当り)及び当り遊技が定義されており、当り遊技の終了後に確変機能が作動するか否かを遊技者が判断できなければ不明瞭モードに突入するようにしてもよい。また、当りが発生しない場合であっても、遊技者が当りと区別できない態様の演出を実行した後に不明瞭モードに突入するようにしてもよい。
一方、周辺制御MPU4150aは、変動表示ゲームの結果が大当りである場合には(ステップS1251にてYes)、さらに、大当りの種類が大当りB〜Eのいずれかであるか否かを判定する(ステップS1252)。大当りの種類が大当りB〜Eのいずれかでない場合(ステップS1251にてNo)、具体的には、大当りAの場合には、大当り遊技の態様によって大当り遊技終了後の確率状態を遊技者が把握可能なため、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、大当りの種類が大当りB〜Eのいずれかの場合には(ステップS1251にてYes)、不明瞭モード抽選処理を実行する(ステップS1253)。不明瞭モード抽選処理では、不明瞭モードに移行するか否かを、例えば、乱数を抽出して確率的に抽選する。なお、不明瞭モード抽選処理を実行せずに、常に不明瞭モードに移行するようにしてもよいし、時短機能の作動状態が変化しない場合にのみ不明瞭モードに移行するようにしてもよい。また、時短機能の作動状態が変化しても、遊技者が確率機能の作動状態を把握できない場合に不明瞭モードに移行するようにしてもよい。
周辺制御MPU4150aは、不明瞭モード抽選処理による抽選の結果、不明瞭モードに移行するか否かを判定する(ステップS1254)。不明瞭モードに移行しない場合には(ステップS1254にてNo)、本処理を終了する。
周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードに移行する場合には(ステップS1254にてYes)、不明瞭モードに移行することを示す不明瞭モードフラグをセットする(ステップS1255)。不明瞭モードフラグが設定されると、後述する遊技状態報知処理において、遊技状態(通常遊技状態であるか確変状態(高確遊技状態、有利遊技状態)であるか)を報知する抽選及び演出が実行される。
最後に、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードを実行中であることを示す演出である遊技状態不明瞭演出を設定する(ステップS1256)。遊技状態不明瞭演出では、通常遊技状態であるか確変状態であるかを明確にせずに遊技者の期待感を刺激する演出を行う(図136)。
図136は、本実施形態の不明瞭モードにおける遊技状態不明瞭演出の一例を示す図である。不明瞭モードにおける遊技状態不明瞭演出では、図136に示すように、最前面に装飾図柄1412が変動表示され、装飾図柄1412の背面側に背景を覆うように複数の雲が配置されている。例えば、雲の裏側にキャラクタ等(例えば、ゾンビ)が隠れている場合には、大当りとなる確率の高い確変状態であり、何もいない場合には通常遊技状態となる。
図136に示す画面1410では、画面上部に打球方向(「左打ち」)や不明瞭モードであることを示すメッセージが表示されている。また、画面下部には、左側に第一始動記憶を示す第一始動記憶表示1409a、右側に第二始動記憶を示す第二始動記憶表示1409bが配置される。第一始動記憶は丸、第二始動記憶は四角の形状で表示される。なお、図136では、実際に発生している始動記憶は実線で表示され、発生していない始動記憶は破線で表示されているが、発生していない始動記憶は表示しなくてもよい。
また、演出態様が不明瞭モードの状態で後述する遊技状態報知演出(遊技状態報知予告演出)を実行する前、又は、遊技状態報知演出とは独立して、確変状態である可能性を示唆する演出(遊技状態示唆演出)を実行してもよい。例えば、不明瞭モードであることを示すメッセージの表示態様を変更する。具体的には、確変状態の可能性が高いことを示唆する場合には、「確変」の文字を「通常」の文字よりも大きく表示したり、逆に「通常」の文字を「確変」の文字よりも小さく表示したりする。また、確変の期待度に応じて文字の大きさを変更してもよい。さらに、確変状態の可能性が高いことを示唆するのではなく、遊技状態報知演出(遊技状態報知予告演出)の実行を示唆するものとしてもよい。このように構成することによって、遊技状態報知演出を実行する前に遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができる。
また、不明瞭モードであることを示すメッセージの文字色を確変状態の期待度に応じて変更させるようにしてもよい。例えば、確変状態の期待度が高くなるにつれて文字色を「青」→「緑」→「赤」の順で設定する。また、メッセージの文字色を遊技の進行に伴って段階的に変化させるようにしてもよい。このように構成することによって、不明瞭モードが継続している間に遊技者の期待感が低下することを抑制し、遊技者に期待感を維持させることができる。
さらに、画面上部に表示するメッセージ全体を横方向にスクロールさせてもよい。このとき、確変状態の期待度に応じてスクロールさせる速度を設定するようにしてもよい。例えば、確変状態の期待度が高いほどスクロールの速度を高速に、確変状態の期待度が低いほど低速に設定する。このように構成することによって、確変状態の期待度が高いことを遊技者が認識しやすくなる。
また、大当りが期待される始動記憶は、先読み予告(先読み示唆演出)として形状や色彩を変更してもよい。例えば、ゾンビを撃退するための武器の形状とし、武器の形状となっている始動記憶が消化されたタイミングで主人公のキャラクタが装備している武器を変更するようにしてもよい。このように、始動記憶の表示態様と画面1410に表示されているキャラクタとを関連付けた演出を実行することによって興趣を高めることができる。
また、始動記憶の表示態様を変化させることによって確変状態の期待度を報知する演出(遊技状態示唆演出)を実行するようにしてもよい。例えば、確変状態の期待度が高い場合に始動記憶の表示態様を変更する。このとき、先読み予告と区別するために、遊技状態示唆演出による始動記憶の表示態様は先読み予告の場合とは異なるようにしてもよい。また、表示されているすべての始動記憶の表示態様を同時に変更することによって、個別の始動記憶の大当りの期待度ではなく、遊技状態に対する期待度であることを示唆するようにしてもよい。
さらに、不明瞭モードにおける先読み予告の実行頻度によって確変状態の期待度を報知してもよい。例えば、確変状態の場合に先読み予告の実行頻度を多くしてもよいし、逆に、遊技者の期待感を持続させるために通常遊技状態で先読み予告の実行頻度を多くしてもよい。なお、先読み予告の実行頻度に基づく遊技状態の報知については後述する実施形態にて詳細を説明する。
〔遊技状態報知処理〕
続いて、不明瞭モードにおいて、現在の遊技状態を報知する遊技状態報知処理について説明する。遊技状態報知処理は、16ms定常処理における遊技状態報知処理(ステップS1250)で実行される。すなわち、遊技状態報知処理は、16msごとに定期的に実行される。そして、不明瞭モードが実行されている場合に、遊技状態を報知する条件(本実施形態では、現在の時刻が特定の期間内である場合)を満たすと、遊技状態を報知する演出を実行するための設定を行う。
図137は、本実施形態の遊技状態報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、前述したRTC制御部4165から取得された時刻情報に基づいて、遊技状態を報知するか否かを判定する。このとき、複数の遊技機で同じタイミングで遊技状態を報知する演出を実行することによって、あたかも複数の遊技機の演出が同期しているかのように見える。すなわち、遊技状態報知処理を実行する周辺制御MPU4150aは複数の遊技機で同期して遊技状態を示唆する同期示唆実行手段をなす。
周辺制御MPU4150aは、遊技状態報知処理が開始されると、まず、不明瞭モードフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1261)。不明瞭モードフラグは、大当り遊技終了後に不明瞭モードに移行している場合に、前述した不明瞭モード設定処理(図135)のステップS1245の処理でセットされる。不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS1261にてNo)、不明瞭モードに移行していないので、本処理を終了する。
周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS1261にてYes)、不明瞭モードに移行しているため、現在の時刻に基づいて遊技状態を報知するか否かを判定する。まず、RTC制御部4165から時刻情報を取得する(ステップ1262)。RTC制御部4165から取得される時刻情報は、現在時刻そのものであってもよいし、基準時刻からの経過時間であってもよい。
前述のように、本実施形態では、演出態様が明瞭に報知されない不明瞭モードである場合に、現在時刻が所定時刻になると遊技状態を報知する。このとき、遊技状態報知演出を突然実行することで遊技者に驚きを与えるようにしてもよいし、遊技状態報知演出の実行前に所定のタイミングで予告演出を実行するようにしてもよい。本実施形態では、図138にて後述するように、遊技状態を明確に報知する前に、予告演出を実行し、遊技者の期待感を高めるようにしている。
周辺制御MPU4150aは、取得した時刻情報に基づいて現在時刻を特定し、現在時刻が予告期間内であるか否かを判定する(ステップS1263)。現在時刻が予告期間内である場合には(ステップS1263にてYes)、遊技状態報知予告設定を実行する(ステップS1264)。
遊技状態報知予告は、前述のように、遊技状態の報知演出の実行を予告(示唆)するための演出である。図138は、本実施形態の遊技状態の報知の予告演出の一例を示す図である。遊技状態報知予告演出では、図138に示すように、遊技状態報知が実行されるまでの時間をカウントダウン表示する。カウントダウン表示を開始する前に画面を点滅させたり、役物を可動させるなど、遊技状態報知予告演出が開始されることを示唆する演出を実行してもよい。
図138に示す遊技状態報知予告演出では、まず、背景を覆っていた雲が移動する演出を開始し、雲の後ろに何らかのキャラクタが表示されていることを示唆する演出を実行する。雲の後ろに何らかのキャラクタが表示されていることを示唆する演出は、例えば、後述するようにキャラクタのシルエットを表示するものであってもよいし、キャラクタが雲の背後を移動して、雲の合間からキャラクタを一瞬視認できるようにするものであってもよい。遊技者が雲の後ろに表示されたキャラクタを認識できるまでの時間が予告期間となり、例えば、遊技状態の報知演出の開始15秒前から予告期間が開始される。
雲の後ろに何らかのキャラクタが表示されていることを示唆する演出について、さらに詳しく説明すると、キャラクタのシルエットを表示する構成の場合には、遊技状態に対応して表示されるキャラクタを設定するようにしてもよい。また、確変状態であるか否かではなく、確変状態である期待度にキャラクタを対応させてもよい。このとき、予告期間の経過にともなって遊技者がキャラクタを認識できるようにシルエットから徐々に変化させる。そして、予告期間終了時に遊技者がキャラクタを特定可能となるようにし、報知演出実行時に実際の遊技状態を報知する。このように構成することによって、シルエットが表示されたとき(予告期間開始時)から遊技者の期待感を徐々に高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。さらに、シルエットだけでは区別しにくいキャラクタを混在させることによって、より遊技者の期待感を高めることできる。また、遊技状態が通常遊技状態の場合には、キャラクタを表示しないようにしてもよいし、通常遊技状態に対応するキャラクタを設定することによって、予告演出の最後まで遊技者に期待感を持たせるようにしてもよい。
一方、雲の合間からキャラクタを一瞬視認できるように構成する場合には、雲の移動(消滅)が完了するまで(予告期間が終了するまで、報知演出が開始されるまで)、キャラクタが存在するか否かを遊技者が認識しにくいように構成する。例えば、雲の背後にキャラクタが移動する演出を実行する。このとき、キャラクタをシルエットで表示してもよい。そして、予告期間が終了した後(報知演出が開始されると)、遊技状態が確変状態の場合には雲の消滅とともにキャラクタを表示させる一方、遊技状態が通常遊技状態の場合には、雲の消滅とともにキャラクタを表示させない(消える)ようにする。さらに、予告演出の前半にキャラクタの存在を期待させて後半にキャラクタの不在を予感させるようにしながら、最後に消滅した雲の背後にキャラクタを突然登場させるようにしてもよい。以上のように構成することによって、遊技者に期待感を変化させながら予告演出の最後まで持続させ、遊技の興趣を一層高めることができる。
なお、カウントダウン終了後に実行される演出が遊技状態の報知演出でなくてもよい。演出態様が不明瞭モードでなくてもカウントダウン演出を実行することによって、前述のように、複数の遊技機で同じタイミングで演出を実行することが可能となり、あたかも複数の遊技機で同期した演出が行われているかのように見せることができる。このように、所定の時刻に、遊技状態の報知だけではなく、さまざまな種類の演出を実行することによって、特定の時刻の遊技の興趣を向上させることが可能となる。これにより、当該特定の時刻における遊技場への来場者の増加を期待できる。
また、カウントダウン終了後に遊技状態の報知演出を実行するか否かを抽選するようにしてもよく、抽選に外れた場合には、所定時間経過後に再び予告演出を実行して再抽選する演出(再トライ演出)を実行して、遊技者の期待感を継続させるようにしてもよい。
ここで、図137のフローチャートの説明に戻ると、周辺制御MPU4150aは、現在時刻が予告期間内でない場合には(ステップS1263にてNo)、さらに、現在時刻が遊技状態の報知演出を実行する所定期間(報知期間)内であるか否かを判定する(ステップS1265)。現在時刻が所定期間内でない場合には(ステップS1265にてNo)、遊技状態の報知予告演出も報知演出も実行しないため、本処理を終了する。
遊技状態の報知演出を実行可能な所定期間は、遊技機ごとに設定される。例えば、遊技機の電源投入時に情報管理装置5000から所定期間の設定情報を取得し、取得された設定情報に基づいて遊技状態報知演出を実行するようにしてもよい。このとき、RTC制御部4165の時刻情報を情報管理装置5000と同期させることによって、各遊技機の演出実行タイミングをより一致させることが可能となる。
一方、周辺制御MPU4150aは、現在時刻が遊技状態の報知演出を実行する所定期間内である場合には(ステップS1265にてYes)、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する(ステップS1266)。そして、現在の遊技状態が確変状態の場合には、確変状態であることを報知するための演出を設定する一方(ステップS1267)、現在の遊技状態が確変状態でない場合、すなわち、通常遊技状態の場合には、通常遊技状態であることを報知するための演出を設定する(ステップS1268)。
ここで、遊技状態報知演出の画面例について説明する。図139は、本実施形態の遊技状態報知演出の一例を示す図である。遊技状態報知演出は、遊技状態報知の予告演出が終了した後、背景を覆っていた雲が消え、雲の後ろに配置されたキャラクタを遊技者が認識可能になる。
図139(A)に示すように、雲の後ろにゾンビがいる場合には、現在の遊技状態が確変状態であることが報知され、確変状態の演出態様に切り替わって遊技が継続される。一方、図139(B)に示すように、雲の後ろに何もいない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であることが報知され、通常の演出態様で遊技が継続される。
なお、遊技者に期待感を維持させるために、雲が完全に消滅するまでの間は、予告期間も含めて、遊技状態が確変状態であるか通常遊技状態であるかにかかわらず、キャラクタをシルエットで表示したり、半透明の状態で表示したりしてもよい。また、前述のように、雲が消滅した後、再び雲が発生させて不明瞭モードを継続させてもよい。この場合には、次の遊技状態の報知タイミングまで継続するのではなく、再トライ演出として、一定の時間が経過した後、遊技状態報知予告演出又は遊技状態報知演出を実行するようにしてもよい。
図137のフローチャートの説明に戻る。最後に、周辺制御MPU4150aは、遊技状態の報知演出の設定が終了すると、不明瞭モードフラグをリセット(解除)し(ステップS1269)、本処理を終了する。
なお、遊技状態を報知可能な所定期間内に不明瞭モードに突入した場合には、即座に予告演出を実行してもよいし、予告演出を実行せずに直ちに報知演出を実行してもよい。また、所定期間となってから経過した時間に基づいて、短縮された予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、不明瞭モードの演出態様を数秒間継続した後、所定の予告期間よりも短い予告期間(例えば、3秒間)で予告演出を実行し、その後、遊技状態の報知演出を実行するようにしてもよい。
(第1実施形態の効果)
ここで、パチンコ機やスロットマシンなどが設置されている遊技場では、遊技者の多い曜日と少ない曜日、また、遊技者の多い時間帯と少ない時間帯がある。遊技場にとって遊技者の少ない曜日や時間帯にできるだけ多くの来場者を確保することによって、遊技機の稼働時間を増加させることが期待できる。例えば、遊技者の少ない時間帯に遊技者にとって特典となる演出を多く実行するによって、当該時間帯における遊技者の来場を促すことなどが考えられる。
本実施形態では、遊技状態が明確に報知されていない不明瞭モードにおいて、各遊技機に備えられた計時手段(RTC制御部4165)を利用することによって、所定時刻になった場合に複数台の遊技機で遊技状態を一斉に報知することができる。遊技状態が一斉報知される所定時刻を遊技者の少ない時間帯に多く設定し、この所定時刻を遊技者に告知することによって、当該時間帯における来場する遊技者の増加を期待できる。
また、時間帯ごとの遊技者数については、情報管理装置5000や会員管理装置5100(図61A)によって集計してもよい。例えば、遊技機に備えられたCRユニット6に会員カードやワンデイカードが挿入又は取り出された時刻に基づいて集計するようにしてもよいし、時間帯ごとの遊技球の発射数(アウト数)などに基づいて集計してもよい。
また、遊技者は、遊技状態が報知されていない不明瞭モードの実行中であっても、所定のタイミングで(例えば、所定時刻になれば)、遊技状態が報知されるため、安心して遊技を継続することができる。
さらに、遊技状態が報知されるタイミングを遊技者が把握していない場合であっても、遊技状態が報知される前に予告演出が実行されるため、遊技者の期待感を高めることができる。このとき、遊技状態の報知演出以外にも特別な演出を実行するように構成することによって、遊技の興趣が減退することを防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第1実施形態では、計時手段(RTC制御部4165)から取得した時刻情報に基づいて、不明瞭モードにおける遊技状態を報知していたが、第2実施形態では、外部から受信した信号(コマンド等)に基づいて不明瞭モードにおける遊技状態を報知する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1において、第1実施形態のパチンコ遊技機1と共通する構成については説明を省略し、相違する構成についてのみ説明する。
パチンコ遊技機1には、図64に示したように、周辺制御基板4140に外部との信号の送受信を可能とする外部情報送受信基板5500が備えられている。外部情報送受信基板5500は、前述のように、外部に情報を送受信可能となっており、例えば、情報管理装置5000や他のパチンコ遊技機との間で情報を送受信する。また、スロットマシンなどの異なる種類の遊技機との間で情報を送受信してもよい。
本実施形態では、不明瞭モードにおける遊技状態を報知する対象となるパチンコ遊技機をグループ化し、グループ内のいずれかのパチンコ遊技機1で所定の条件(例えば、大当りの発生)を満たした場合に、当該パチンコ遊技機1がグループ内の他の遊技機に遊技状態報知演出の実行コマンド(遊技状態報知コマンド)を送信する。以下、本実施形態の詳細について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、図97に示したサブメイン処理の初期設定(ステップS1001)において、外部情報送受信基板5500を介して情報管理装置5000から遊技機情報を取得し、遊技状態報知コマンド送信先となるパチンコ遊技機を特定する。取得した遊技機情報は、周辺制御部4150に備えられた記憶装置(例えば、周辺制御RAM4150c)に記憶する。
〔情報管理装置の構成〕
図140は、本実施形態の情報管理装置の構成を示すブロック図である。情報管理装置5000は、前述のように、いわゆるホールコンピュータであり、遊技場内に配置された遊技機から遊技情報を収集し、収集した遊技情報等を管理する。情報管理装置5000は、CPU5001、ROM5002、RAM5003、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ、HDD)5004、ネットワークインターフェイス(I/F)5006及び入出力(I/O)ポート5007を備える。CPU5001、ROM5002、RAM5003、HDD5004、ネットワークI/F5006及びI/Oポート5007は、バスによって接続されている。
CPU5001は、ROM5002又はRAM5003に記憶されたプログラムを実行することによって各種処理を実行する。ROM5002は、書き込みが禁止された記憶装置であって、プログラムや更新不要なデータなどを記憶する。
RAM5003は、記憶内容を更新することが可能な記憶装置であって、HDD5004に格納されたプログラムやデータを一時的に記憶したり、CPU5001によるプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する。RAM5003には、遊技場に設置されたパチンコ遊技機やスロットマシンなどの遊技機を管理する遊技機情報5030が格納される。遊技機情報5030の詳細については、図141にて後述する。
HDD5004は、大容量のデータを格納可能な不揮発性の磁気記憶装置である。HDD5004には、遊技機情報や収集された遊技情報などが格納される。遊技機やCRユニットから収集された遊技情報は、一時的にRAM5003に記憶されるが、RAM5003の容量には制限があるため、容量が不足した場合などにはHDD5004に書き込まれる。
ネットワークI/F5006は、ネットワーク5250(図61A)を介して中継装置5200及び会員管理装置5100に接続する。中継装置5200は、一又は複数の遊技機に接続される。
I/Oポート5007は、例えば、USBポートなどのインターフェースであり、情報管理装置5000にマウスやキーボードなどの入力装置5010や表示装置(ディスプレイ)などの出力装置5011等を接続する。また、I/Oポート5007には、停電などの発生時に電力を供給する無停電電源装置(UPS)が接続され、収集した遊技情報の消失を防ぐ。
〔遊技機情報〕
図141は、本実施形態の遊技機情報の一例を示す図である。遊技機情報5030は、台番号5031、アドレス5032、機種名5033、メーカー5034、グループ5035、通信可否5036などの情報を含む。台番号5031は、遊技機を識別する番号である。アドレス5032は、遊技機のネットワーク内の識別情報であり、例えば、IPアドレスである。台番号5031及びアドレス5032は、他の遊技機と重複しない値が設定される。機種名5033は、遊技機の機種名であり、メーカー5034は、遊技機を製造したメーカーである。
グループ5035は、連携(コマンド送受信)可能な遊技機に対して付与される識別情報であり、本実施形態では同じグループの遊技機に対して遊技状態報知コマンドを送信する。すなわち、同じグループに属する遊技機で連携した演出を実行することが可能となっている。
通信可否5036は、他の遊技機などの外部との通信を許可するか否かを指定する情報である。すなわち、通信可否5036が「可」の場合に同じグループの他の遊技機と通信することが可能となっており、通信可否を「否」に設定することによって遊技状態報知コマンドを送受信するか否かを遊技機ごとに設定することができる。
なお、パチンコ遊技機に搭載された遊技用マイコンのチップIDを台番号と対応付けて格納してもよい。こうすることによって、遊技機の電源投入時などの初期化時にパチンコ遊技機からチップID及び台番号を含むコマンドを送信させることによって、遊技用マイコンが交換されたことを検知することが可能となり、基板を交換するなどの不正行為を発見することができる。
各パチンコ遊技機には、台番号及びアドレスが設定されており、サブメイン処理の初期設定(ステップS1001)において、遊技状態報知コマンドを送信する他の遊技機の情報を取得するために、台番号及びアドレスを含むグループ要求コマンドを送信する。情報管理装置5000は、受信したグループ要求コマンドに含まれる台番号及びアドレスに基づいて、遊技機情報5030から同じグループの遊技機を特定する情報(例えば、台番号5031、アドレス5032)を取得し、送信元の遊技機に応答する。なお、パチンコ遊技機1と情報管理装置5000との通信でアドレスを使用する場合には、コマンドに含まれるアドレスから遊技機情報5030のレコードを特定するようにしてもよい。
以上のように、パチンコ遊技機1の電源投入後、遊技状態報知コマンドを送受信する他のパチンコ遊技機の送信先を取得する。そして、演出態様が不明瞭モードの場合に他のパチンコ遊技機からの遊技状態報知コマンドを受信すると、第1実施形態に示したように、遊技状態の報知演出が実行される。
〔コマンド解析処理〕
図142は、本実施形態のコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態におけるコマンド解析処理では、周辺制御MPU4150aは、遊技状態報知コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1108)、遊技状態報知コマンドを受信した場合には(ステップS1108にてYes)、遊技状態報知フラグを設定する(ステップS1109)。ステップS1108及びステップS1109以外の処理については、第1実施形態と同様である。このように、外部情報送受信基板5500は、外部からの遊技情報(遊技状態報知コマンド)の入力を受け付ける遊技情報受付手段を構成している。
なお、本実施形態のコマンド解析処理では、主制御基板4100から送信されたコマンドだけでなく、外部情報送受信基板5500を介して外部から送信されたコマンドを受信可能に構成されている。
〔遊技状態報知処理〕
以上のように、遊技状態報知コマンドを受信して遊技状態報知フラグがセットされたタイミングで、演出態様が不明瞭モードであれば、16ms定常処理における遊技状態報知処理(ステップS1250)で遊技状態を報知する遊技状態報知が実行される。図143は、本実施形態の遊技状態報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同じ処理については共通の符号を割り当てている。
周辺制御MPU4150aは、遊技状態報知処理が開始されると、まず、不明瞭モードフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1261)。不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS1261にてNo)、不明瞭モードに突入していないので、本処理を終了する。
周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS1261にてYes)、不明瞭モードに移行しているため、遊技状態報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ1271)。前述のように、不明瞭モードフラグは、外部(他の遊技機)から遊技状態報知コマンドを受信した場合にセットされる。周辺制御MPU4150aは、遊技状態報知フラグがセットされていない場合には(ステップS1271にてNo)、遊技状態報知演出を実行しないため、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、遊技状態報知フラグがセットされている場合には(ステップS1271にてYes)、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する(ステップS1266)。そして、現在の遊技状態が確変状態の場合には、確変状態であることを報知するための演出を設定する一方(ステップS1267)、現在の遊技状態が確変状態でない場合、すなわち、通常遊技状態の場合には、通常遊技状態であることを報知するための演出を設定する(ステップS1269)。
以上のように制御することによって、周辺制御MPU4150aは、遊技情報(遊技状態報知コマンド)の入力に基づいて演出態様を不明瞭モードから遊技状態を明確に報知する態様に変更する演出態様変更手段を構成する。また、確変状態又は通常遊技状態であるが明瞭な演出態様では、大当りの発生しやすさ(確変状態であれば早期に大当りが発生する可能性が高く、通常遊技状態であれば早期に大当りが発生する可能性が低いことが推測できるため)を示唆することになるため、周辺制御MPU4150aは、演出態様を不明瞭モードから確変状態又は通常遊技状態であるが明瞭な演出態様に移行させることによって、特別遊技状態に移行する可能性を示唆する演出態様に移行させる示唆演出態様移行手段を構成することになる。
図144及び図145は、本実施形態の遊技状態報知演出の一例を示す図である。図144(A)は不明瞭モードの画面例を示しており、図136に示した第1実施形態と同様に構成されている。
図144(B)は他の遊技機から遊技状態報知コマンドを受信したタイミングで実行され、遊技状態報知演出の開始を報知(示唆)している。画面1410には「何かがやってきた!!」とメッセージが表示され、流れ星とともに雲が消えていく演出が実行される。このとき、雲の後ろにキャラクタ(ゾンビ)のシルエットが表示され、遊技者の期待感を高めている。
このとき、遊技状態報知コマンドを送信した遊技機に関する報知演出をしてもよい。また、遊技状態報知演出を実行する前にコマンド送信元の報知演出を実行してもよい。例えば、大当りが発生した場合に「○○で大当り発生!?ラッキーのおすそ分け」などのメッセージを表示するようにしてもよい。このように構成することによって、同じグループに属する遊技機の遊技者が多いほど遊技状態を報知する可能性が高くなり、遊技の興趣を高めることができる。特に複数人で一緒に遊技を行う場合に自分の遊技で大当りが発生した場合に他の遊技者に特典を与えることが可能となり、他の遊技者を連れ立って遊技場を訪れるメリットが生じることになる。なお、遊技状態が確変状態の場合にのみこのようなメッセージを表示するようにしてもよい。遊技状態が通常遊技状態の場合に、遊技者の期待感を高めておきながら最終的に落胆させることになってしまうため、遊技の興趣が低下することを防ぐことができる。
その後、図145(A)に示すように、雲の後ろにゾンビがいる場合には、現在の遊技状態が確変状態であることが報知され、確変状態の演出態様に切り替わって遊技が継続される。一方、図145(B)に示すように、雲の後ろに何もいない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であることが報知され、通常の演出態様で遊技が継続される。
図143のフローチャートの説明に戻ると、周辺制御MPU4150aは、遊技状態の報知演出の設定が終了すると、不明瞭モードフラグをリセット(解除)する(ステップS1269)。さらに、遊技状態報知フラグをリセット(解除)し(ステップS1272)、本処理を終了する。
〔遊技状態報知コマンドの送信〕
以上、本実施形態におけるパチンコ遊技機が遊技状態報知コマンドを受信した場合の処理について説明した。続いて、遊技状態報知コマンドを送信する場合について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技中に所定の条件を満たすと、他のパチンコ遊技機1に対して、遊技状態報知コマンドを送信可能に構成されている。所定の条件の一例としては、大当りや小当りが発生した場合である。例えば、小当り発生時に遊技状態報知コマンドを送信する場合、小当り表示処理(図100のステップS1240)の終了時(又は開始時)に、初期設定で取得したグループ内の他の遊技機に、外部情報送受信基板5500を介して遊技状態報知コマンドを出力すればよい。
なお、他のパチンコ遊技機に遊技状態報知コマンドを直接送信するのではなく、情報管理装置5000に送信するようにしてもよい。情報管理装置5000は、遊技状態報知コマンドを受信すると、送信元の遊技機を特定し、特定された遊技機と同じグループの遊技機に対して遊技状態報知コマンドを送信する。このように構成することによって、初期設定時に同じグループの他の遊技機のアドレス等を取得する必要がなく、遊技機側の処理を簡略化することができる。
さらに、不明瞭モードに移行した場合に情報管理装置5000に信号を出力し、情報管理装置5000が遊技機情報5030に演出態様が不明瞭モードであるか否かを示す情報を遊技機情報に保持することによって、遊技状態報知コマンドの送信先をさらに限定することができる。このように構成することによってネットワークの負荷を低減することができる。
このように、情報管理装置5000で各遊技機の遊技状態が把握されている場合には、同じグループに属する遊技機であって、演出態様が不明瞭モードでない他の遊技機に対して別の演出を実行するためのコマンドを送信するようにしてもよい。このように、情報管理装置5000で各遊技機の遊技状態を管理することによって、一の遊技機における特定条件の成立に基づいて、同じグループに属する他の遊技機の演出に影響を与えることができる。
さらに、ネットワークに接続されたすべての遊技機に対して遊技状態報知コマンドを送信するようにしてもよい。このように構成することによって、ネットワークの負荷は増加するが、コマンド送信先の遊技機を特定する必要がなくなるため、初期設定時の負荷を低減することができる。なお、遊技状態報知コマンドを受信した遊技機が、不明瞭モードでなく遊技状態報知を行わない場合には、受信したコマンドを破棄してもよいし、コマンド受信を契機として特別な演出を実行するようにしてもよい。また、別のグループに属する遊技機からのコマンドを受信した場合には、受信したコマンドを破棄してもよいし、専用のイベントを発生させてもよい。
(演出管理装置による遊技状態報知制御)
以上、他の遊技機からの遊技状態報知コマンドに基づいて遊技状態報知演出を実行する例について説明したが、ここでは、演出管理装置によって各遊技機の演出制御を行う構成について説明する。
〔遊技システム構成〕
図146は、本実施形態の遊技システムの構成の一例を示す図である。本実施形態では、第1実施形態における遊技システムと比較して、演出の制御を行う演出管理装置5300を備える点で相違する。演出管理装置5300は、ネットワーク5250に接続された中継装置5200を介して各遊技機に接続される。演出管理装置5300は、各遊技機の演出内容を管理可能に構成される。演出管理装置5300の詳細な構成については、図147にて後述する。
なお、本実施形態では、後述するように、演出管理装置5300は、情報管理装置5000及び会員管理装置5100と直接データをやりとりしないように構成されている。そのため、ネットワーク5250とは別のネットワークを構成し、当該ネットワークには、演出管理装置5300と各遊技機の外部情報送受信基板5500のみが接続されるようにしてもよい。このように構成することによってセキュリティを強化することができる。この場合、インターネットを介して外部に設置された演出制御サーバに接続できるようにしてもよい。このように構成することによって、演出管理装置5300を介して各遊技機に演出内容の更新データを配布することが可能となる。
〔演出管理装置〕
図147は、本実施形態の演出管理装置の構成を示すブロック図である。演出管理装置5300は、会員登録された遊技者の情報を管理する計算機である。演出管理装置5300は、CPU5301、ROM5302、RAM5303、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ、HDD)5304、ネットワークインターフェイス(I/F)5306及び入出力(I/O)ポート5307を備える。CPU5301、ROM5302、RAM5303、HDD5304、ネットワークI/F5306及びI/Oポート5307は、バスによって接続されている。
CPU5301は、ROM5302又はRAM5303に記憶されたプログラムを実行することによって各種処理を実行する。ROM5302は、書き込みが禁止された記憶装置であって、プログラムや更新不要なデータなどを記憶する。
RAM5303は、記憶内容を更新することが可能な記憶装置であって、HDD5304に格納されたプログラムやデータを一時的に記憶したり、CPU5301によるプログラムの実行に必要なデータを記憶する。例えば、各遊技機の演出に関連する情報(演出管理情報5330)が記憶される。演出管理情報5330には、遊技機ごとの遊技状態や遊技状態報知コマンドを送信する遊技機のグループなど、演出制御に必要な情報が格納される。演出管理情報5330の詳細については、図148にて後述する。
HDD5304は、大容量のデータを格納可能な不揮発性の磁気記憶装置である。HDD5304には、例えば、演出管理情報5330のうち、遊技状態によらない情報などが格納され、演出管理装置5300の電源投入時にRAM5303にロードされる。そして、各遊技機の電源投入時や遊技開始時に必要な情報を収集し、演出管理情報5330を更新する。
ネットワークI/F5306は、ネットワーク5250(図146)を介して中継装置5200に接続する。なお、I/Oポート5307は、情報管理装置5000及び会員管理装置5100に接続するようにしてもよい。情報管理装置5000のI/Oポート5007と同様に、入力装置5310や出力装置5311、無停電電源装置(UPS)が接続される。
〔演出管理情報〕
図148は、本実施形態の演出管理情報の一例を示す図である。演出管理情報5330は、台番号5331、グループ5332、通信可否5333、遊技状態5334、演出態様5335、会員5336及び遊技中5337などの情報を含む。
台番号5331は、遊技機を識別する番号である。グループ5332は、連携(コマンド送受信)可能な遊技機に対して付与される識別情報である。通信可否5333は、他の遊技機などの外部との通信を許可するか否かを指定する情報である。
遊技状態5334は、現在の遊技状態を特定するための情報である。例えば、「確変状態」や「通常遊技状態」などが設定される。その他にも、時短機能が作動している「時短状態」、大当り遊技中に対応する「大当り遊技状態(特別遊技状態)」などを設定してもよく、必要に応じて詳細に設定すればよい。
演出態様5335は、現在実行中の演出モードである。例えば、「明瞭モード」や「不明瞭モード」が設定されるが、さらに詳細な演出モードを設定してもよい。演出態様(演出モード)は、例えば、遊技状態に対応して設定され、大当りに当選した場合など、遊技状態の変化に伴って別の演出態様に移行する。なお、遊技状態と演出態様は一対一である必要はなく、一の遊技状態に複数の演出態様を設定してもよい。例えば、「確変状態」では「明瞭モード」及び「不明瞭モード」の両方が設定される可能性がある。
会員5336は、遊技者が会員か否かを特定するための情報である。会員である場合には「Y」、会員でない場合には「N」が設定される。遊技中5337は、台番号5331に対応する遊技機で遊技が行われているか否かを特定するための情報である。遊技中である場合には「Y」、遊技中でない場合には「N」が設定される。
以上のように、演出管理情報を設定することによって、遊技状態報知コマンドの送信元となる遊技機が演出管理装置5300に遊技状態報知コマンドの送信要求を送信し、演出管理装置5300が送信先の遊技機を選択し、演出管理装置5300から遊技状態報知コマンドを送信することが可能となる。このように制御することによって、演出態様が不明瞭モードの遊技機を選択して遊技状態報知コマンドを送信することができる。また、各遊技機の遊技状態に応じた遊技状態報知コマンドを送信することが可能となるため、例えば、会員の非会員とで異なる演出を実行するように遊技機ごとに異なるコマンドを送信することも可能となる。
このように、本実施形態によれば、遊技状態報知演出を実行可能な遊技機を選択し、さらに、選択された遊技機における遊技状態に適した演出を実行するように指示することができる。このとき、遊技状態報知演出を実行しない遊技機、すなわち、演出態様が不明瞭モードでない遊技機に対しても、特別な演出を実行させるコマンド(演出実行コマンド)や実行する演出を変更するコマンド(演出変更コマンド)を出力するようにしてもよい。このように構成することによって、遊技状態報知演出以外にも他の遊技者による遊技に基づく演出が実行され、遊技者が予測できない(予期しない)タイミングで演出を実行することが可能となり、遊技の興趣を低下させにくい遊技機を提供することができる。
〔演出制御手順〕
続いて、本実施形態における遊技システムの処理手順について説明する。図149は、本実施形態の遊技システムにおいて、遊技状態報知演出を実行するための手順を説明するシーケンス図である。
(A)は遊技が行われていない遊技機に遊技者が会員カードを挿入して遊技を開始する場合の手順を示している。遊技者が遊技装置(具体的には、遊技機に接続されたCRユニット)に会員カードを挿入すると、会員管理装置5100に会員情報の取得要求を送信する。会員管理装置5100は、要求された会員情報を取得し(ステップS3001)、応答する。
なお、遊技者が会員ではなく、ワンデイカードを挿入した場合であっても同様の処理である。このとき、会員管理装置5100から会員情報を取得せずに非会員である旨の会員情報を生成するようにしてもよいし、会員管理装置5100から対応するワンデイカード用の遊技者情報を取得するようにしてもよい。
遊技機は、会員情報を取得すると、遊技機情報とともに会員情報を演出管理装置5300に送信する。演出管理装置5300は、遊技機情報及び会員情報を受信すると、これらの情報を演出管理情報5330に登録する(ステップS3002)。
(B)は他の遊技機に遊技状態報知コマンドを送信する手順を示している。ここでは、遊技状態報知コマンドを送信する条件を大当りが発生した場合としている。遊技中に大当りが発生すると(ステップS3011)、遊技機は、演出管理装置5300に遊技状態報知コマンドを送信する。遊技状態報知コマンドの送信タイミングは、大当り発生時(大当り遊技開始時)であってもよいし、大当り遊技終了時であってもよい。
演出管理装置5300は、遊技状態報知コマンドを受信すると、演出管理情報5330を参照し、遊技状態報知コマンドを送信した遊技機のグループを特定する。そして、コマンド送信元の遊技機の通信可否5333の値が「可」であれば、同じグループであって通信可否5333の値が「可」である他の遊技機を選択する(ステップS3012)。なお、大当りが発生した遊技機の通信可否5333の値が「否」であればそのまま処理を終了する。
さらに、演出管理装置5300は、特定された他の遊技機のうち、演出態様が「不明瞭」である遊技機に対し、遊技状態報知コマンドを送信する。このとき、さらに、会員であるか否かなどによって遊技状態報知コマンドを送信するか否かを決定してもよい。また、前述のように、遊技状態報知コマンドを複数種類用意し、確変状態の場合と通常遊技状態の場合とで異なる遊技状態報知コマンドを送信してもよい。
その後、演出管理装置5300は、遊技状態報知コマンドを送信先となる他の遊技機に送信する。遊技状態報知コマンドを受信した他の遊技機は、受信したコマンドの内容に基づいて、遊技状態報知演出を実行する(ステップS3013)。このとき、演出管理装置5300は、前述のように、演出態様が不明瞭モードでない遊技機に対して、遊技状態報知演出とは異なる別の演出を実行させるためのコマンドを送信してもよい。
なお、各遊技機は、遊技状態や演出態様が変化するたびに演出管理装置5300に通知し、演出管理装置5300は通知された内容に基づいて演出管理情報5330を更新する。
(C)は遊技を終了し、会員カードを取り出す場合の手順を示している。会員カードを取り出すと、遊技装置は、演出管理装置5300に遊技機情報及び会員情報の初期化要求を送信する。演出管理装置5300はこれらの情報の初期化要求を受信すると、送信元の遊技機に対応する演出管理情報を更新する(ステップS3021)。例えば、会員5336を空欄とし、遊技中5337を「Y」から「N」に設定する。
以上が、遊技の開始(会員カード挿入)から終了(会員カード取り出し)までの手順である。本実施形態では、会員カード(ワンデイカード)の挿入時に演出管理装置5300に会員情報及び遊技機情報を自動的に登録し、カード取り出し時に登録された情報を初期化する。このように構成することによって、演出管理情報を適切に更新することができる。このため、遊技場側では、特別な操作を行う必要がなく、本実施形態の遊技システムを運用することが可能となる。
また、大当りの発生などの特定条件の成立を契機として演出が実行されるため、遊技者にとって演出が実行されるタイミングを予測しにくくなるため、遊技者に飽きさせずに興趣が低下することを抑制することができる。また、大当りに当選した場合だけでなく、より成立しやすい特定条件(例えば、小当りの発生、演出ゲートに所定数の遊技球が追加した場合等)に設定することによって、演出の実行頻度を多くしてさらに興趣を高めることができる。
さらに、複数の遊技機の遊技情報に基づいて演出を実行するようにしてもよい。例えば、同じグループに属する各遊技機において、それぞれ特定の演出ゲートを通過した遊技球の数を計数し、その合計数が所定数以上となった場合にグループに属する各遊技機に演出実行コマンドを送信するようにしてもよい。さらに、同じグループに属する各遊技機の合計の始動数(始動口に遊技球が入賞した回数)が所定回数(例えば、1000回)を超えた場合でもよいし、グループ内のいずれかの遊技機で特定の回数(例えば、400回)以上、変動表示ゲームを実行したにもかかわらず大当りが発生しなかった場合でもよいし、特定のリーチが所定の回数(例えば、期待の高いリーチ)出現した場合でもよい。
以上のように構成することによって各遊技者で協力して特別な演出を実行させることが可能となり、個人で遊技を行うだけでなく、複数人で遊技を楽しむことが可能となる。また、より多くの遊技者が同時に遊技を行うように促すことが可能となり、当該遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、以上の構成において、演出管理装置5300から所定の時間間隔又は所定時刻に所定の演出を実行するためのコマンドを各遊技機に出力することも可能である。これにより、第1実施形態のように遊技機に備えられたRTCを利用せずに定期的(定時)に演出を実行させることも可能となる。このように構成することで、遊技機ごとに時刻合わせを行う必要がなくなる。また、演出を実行するタイミングを演出管理装置5300のみで設定すればよいため、遊技場側で演出の実行タイミングをより柔軟に設定することが可能となる。
ここで、演出態様が不明瞭モードのまま遊技を終了した場合、会員カードを取り出したタイミングで、同じグループの遊技機で遊技している遊技者に報知してもよい。図150は、演出態様が不明瞭モードのまま遊技を終了した場合に他の遊技機に報知する画面の一例を示す図である。図150に示すように、同じグループ内の遊技機で不明瞭モードの状態で会員カードを取り出した場合には、なお、遊技者の退席とともにすぐに次の遊技者が着席する場合も考えられるため、所定期間経過後にこのような報知を行うようにしてもよい。また、この報知は所定回数以上大当りが発生していない遊技機に対して報知するものであってもよい。このような報知を行うことによって、遊技を終了しようとした遊技者が期待を持って別の遊技機で遊技を継続することを促すことができ、遊技機の稼働率を向上させることを期待できる。
通常、パチンコ遊技機やスロットマシンによる遊技は、個人で行われる場合が多く、他の遊技者と連携して遊技されることは少なくなっている。そのため、遊技者は遊技場に単独で来場する場合が多かった。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機のように、他の遊技機と連携して遊技を行うことによって、遊技者がグループで来場するように促すことが期待でき、遊技場への来場者の増加を期待できる。このとき、遊技者のグループを、遊技状態報知演出を実行する遊技機のグループに対応付けてもよい。
また、グループ化された遊技機(例えば、特定の同一機種)で遊技する遊技者が多いほど演出のバリエーションも増加し、不明瞭モードにおける遊技状態(確率状態)を報知しやすくなるため、当該機種における遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、同じ機種で長期間遊技を継続すると、演出のパターンなどが単調になるおそれがあり、遊技の興趣が低減してしまうおそれがある。これに対し、他人の遊技に基づいて送信されるコマンドによって演出を実行することが可能に構成されているため、遊技者の予測のできないタイミングで特定の演出を実行することが可能となり、遊技の興趣が減退することを抑制することができる。
(会員情報に基づく遊技状態報知制御)
ここまでグループ内の報知を行う場合について説明したが、会員管理装置から取得した会員情報に基づいて遊技状態報知演出の演出内容を設定するようにしてもよい。例えば、会員登録を行っている遊技者の情報(例えば、生年月日)に基づいて、遊技状態を報知する確率を高めるようにしたり、特別な演出を実行したりする。以下、会員情報に基づく遊技状態報知演出を実行するための構成及び制御について説明する。
〔会員管理装置〕
図151は、本実施形態の会員管理装置の構成を示すブロック図である。会員管理装置5100は、会員登録された遊技者の情報を管理する計算機である。会員管理装置5100は、CPU5101、ROM5102、RAM5103、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ、HDD)5104、ネットワークインターフェイス(I/F)5106及び入出力(I/O)ポート5107を備える。CPU5101、ROM5102、RAM5103、HDD5104、ネットワークI/F5106及びI/Oポート5107は、バスによって接続されている。
CPU5101は、ROM5102又はRAM5103に記憶されたプログラムを実行することによって各種処理を実行する。ROM5102は、書き込みが禁止された記憶装置であって、プログラムや更新不要なデータなどを記憶する。
RAM5103は、記憶内容を更新することが可能な記憶装置であって、HDD5104に格納されたプログラムやデータを一時的に記憶したり、CPU5101によるプログラムの実行に必要なデータを記憶する。例えば、会員情報5130が記憶される。会員情報5130には、会員の個人情報や遊技情報、景品と交換せずに遊技場に預け入れた遊技媒体の数(貯球、貯メダル)に関する情報などが格納される。会員情報5130の詳細については、図152にて後述する。
HDD5104は、大容量のデータを格納可能な不揮発性の磁気記憶装置である。HDD5104には、会員情報全体が格納される。会員情報5130は会員数に応じてデータ容量が大きくなるため、RAM5103には一部の会員情報が一時的に記憶される。例えば、遊技機等から要求されたデータを送信するために、必要な会員情報5130をHDD5104から取得し、要求に応じた形式にデータを加工し、要求元に応答する。その後、RAM5103に格納された会員情報5130は消去され、使用されていた記憶領域は解放される。
ネットワークI/F5106は、ネットワーク5250(図61A)を介して中継装置5200、情報管理装置5000に及び精算装置5400接続する。精算装置5400は、遊技終了後、遊技者が会員カード(又はワンデイカード)を挿入することによって、当日投入した現金を払い戻したり、残額をホールに預けたりするなどの清算を行うことができる。
I/Oポート5107は、例えば、USBポートなどのインターフェースであり、会員管理装置5100にマウスやキーボードなどの入力装置5110や表示装置(ディスプレイ)などの出力装置5111等を接続する。また、I/Oポート5107には、停電などの発生時に電力を供給する無停電電源装置(UPS)が接続される。会員情報は、入力装置5110を介して入力される。
〔会員情報〕
続いて、会員情報の詳細について説明する。図152は、本実施形態の会員情報の一例を示す図である。会員情報5130は、会員ID5131、氏名5132、性別5133、生年月日5134、貯玉5135、貯メダル5136、来店回数5137、最終来店日5138及び登録日5139などの情報を含む。
会員ID5131は、会員である遊技者を識別する識別情報である。氏名5132、性別5133及び生年月日5134は、遊技者の個人情報である。これらの情報以外にも、例えば、住所や電話番号、メールアドレスなどが登録される。
貯玉5135及び貯メダル5136は、遊技者がホールに預けている遊技媒体の数である。本実施形態では、前述のように、遊技者は遊技終了後に残った遊技媒体をホールに預けることが可能となっている。なお、貯玉5135及び貯メダルについては、遊技の当日であれば現金による清算を可能とし、それ以前の場合には再プレイのみ可能としている場合には、清算可能な遊技媒体の数を別に保持するようにしてもよい。
来店回数5137は、会員登録してから遊技場に来店した回数である。最終来店日5138は、会員である遊技者が最後に来店した日である。登録日5139は、会員登録を行った日である。これらの来店情報をもとに、遊技者の来店頻度などを特定することができる。来店情報には、遊技で費やした遊技媒体数(金額)等を保持させてもよい。また、会員情報に遊技者の遊技機ごとの遊技履歴を含めてもよい。
本実施形態では、会員情報に基づいて、遊技者の遊技状況に応じた特典を付与する。例えば、来店頻度の多い遊技者には遊技中に実行される演出を特別なものとしたり、遊技状態報知演出の実行頻度を高くしたりしてもよい。さらに、遊技機ごとの遊技履歴を保持している場合には、遊技者がデモ中に遊技履歴を参照できるようにしてもよい。また、遊技者の遊技履歴に基づいて演出を実行するようにしてもよい。例えば、現在遊技中の遊技機の遊技頻度が高い場合には、特典として、遊技状態報知演出を実行させるための遊技状態報知コマンドや特別な演出を実行させるため演出実行コマンド(演出変更コマンド)を送信する頻度を高めるようにしてもよい。なお、遊技履歴は会員情報に含めるのではなく、会員情報にリンクされた別のテーブルに格納してもよい。
〔会員情報取得処理〕
本実施形態では、前述のように、パチンコ遊技機1のCRユニット6に会員カードが挿入されると、パチンコ遊技機1に会員情報が取得される。会員情報は、周辺制御基板4140に取り込まれる。以下、会員情報を取得する処理について説明する。
本実施形態では、パチンコ遊技機1のCRユニット6に会員カードが挿入されると、CRユニット6から主制御基板4100に会員カードの識別情報が入力される。主制御基板4100は、会員カードに記録された識別情報を取得すると、会員IDを含む信号(カード挿入コマンド)を周辺制御基板4140に入力する。
図153は、本実施形態のコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態におけるコマンド解析処理では、周辺制御MPU4150aは、カード挿入コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1110)、カード挿入コマンドを受信した場合には(ステップS1110にてYes)、会員情報取得処理を実行する(ステップS1111)。なお、ステップS1110及びステップS1111以外の処理については、図142に示したコマンド解析処理と同様である。
会員情報取得処理が実行されると、周辺制御MPU4150aは、カード挿入コマンドに含まれる会員IDを含む会員情報取得要求を生成し、会員管理装置5100に送信する。会員管理装置5100は、会員情報取得要求の入力を受け付けると、会員情報取得要求に含まれる会員IDに基づいて、HDD5104から対応する会員情報のレコードを取得し、RAM5103に会員情報5130として記憶する。さらに、会員情報5130をネットワークI/Fを介して要求元のパチンコ遊技機1に送信する。周辺制御MPU4150aは、会員情報を受信すると、周辺制御RAM4150cの所定の領域に受信した会員情報を記憶する。その後、周辺制御MPU4150aは、記憶された会員情報に基づいて遊技に関する演出の態様を設定する。
以上のように、周辺制御基板4140(周辺制御部4150)は、外部情報送受信基板5500を介して入力された会員の識別情報(会員ID)に基づいて、会員情報を取得する会員情報取得手段を構成している。
〔遊技状態報知処理〕
続いて、会員情報に基づく遊技状態報知演出を実行させる手順について説明する。図154は、本実施形態の遊技状態報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、図143に示したフローチャートと同じ処理については共通の符号を割り当てて説明を省略する。
ステップS1266までの処理については、図143に示したフローチャートと同様である。周辺制御MPU4150aは、現在の遊技状態が確変状態の場合には(ステップS1266にてYes)、会員情報に基づく特定条件が成立しているか否かを判定する(ステップS1281)。会員情報に基づく特定条件とは、例えば、遊技を行っている日付の「月」が誕生月であるか否かである。また、誕生日の「日」が同じであるか否かなどであってもよい。例えば、誕生日当日であれば、特別な演出(例えば、遊技状態報知演出)を100%実行し、誕生日から遠ざかるにつれて特別な演出を実行する確率が低くなるように設定してもよい。また、遊技場でレディースデイを設定している場合には遊技者が女性の場合に限り、特別な演出を実行する確率を高くするようにしてもよい。さらに、会員情報に基づく特定条件には、複数の条件を設定し、条件ごとに抽選を行うようにしてもよい。
周辺制御MPU4150aは、会員情報に基づく特定条件が成立している場合には(ステップS1281にてYes)、確変状態であることを報知するための特別な演出を設定する(ステップS1282)。図155は、本実施形態の特定の条件が成立した場合実行される遊技状態報知演出の一例を示す図である。図155では、特定条件を生年月日とし、誕生月における遊技で特定条件が成立する場合を例としている。
図150に示す演出についてさらに説明すると、会員情報に基づく特定条件が成立すると、図145(A)に示したようにゾンビが単体で登場するのではなく、複数のゾンビが登場する。このとき、図155に示すように、誕生月に基づく演出であることを示すメッセージを表示してもよい。また、画面が切り替わるタイミングで音楽を切り替えてもよい。例えば、ゾンビが登場するような恐怖を感じさせる音楽からアップテンポの音楽に切り替えて、音楽に合わせてゾンビがダンスを踊るような演出を実行してもよい。また、特定条件が生年月日に基づくものであれば、誕生日を祝う音楽に設定してもよい。このように構成することによって、遊技者に驚きを与えながら遊技者に有利な遊技状態であることを報知し、遊技の興趣を高めることができる。
また、保留されている始動記憶に大当りが含まれている場合には、現れるゾンビの数を増加させてもよい。また、図155に示す例では、中央のゾンビの顔のみが正面を向いているが、保留されている始動記憶に大当りが含まれている場合には、大当りの種類に応じて顔が正面を向くゾンビの数を増やしてもよい。例えば、大当りAの場合にはゾンビ全員の顔が正面を向き、大当りによって遊技者が得られる遊技者の利益に応じてゾンビの顔の向きを変更する。確変状態であっても保留されている始動記憶に大当りが含まれていない場合には、ゾンビ全員の顔の向きが横方向になるようにする。
また、所定ゲーム数を消化するまでの間、誕生月を祝うメッセージ等を表示し、この間に大当りとなる始動記憶が発生した場合に所定ゲーム数を消化後ゾンビの顔の向きを変更するなどしてもよい。こうすることによって、確変状態でありながら大当りがすぐに発生しないことを遊技者に把握させずに期待感を高く保ったまま遊技を継続させることができる。このように、特定条件が成立することで実行される特別な遊技状態報知演出では、遊技状態だけでなく、先読み予告としても機能させることができる。
以上のように構成することによって、遊技状態の報知だけでなく、特定の条件が満たした場合には、先読み予告の実行といった特典がさらに付与されるため、さらに遊技の興趣を向上させることができる。これにより、遊技者個人の会員情報に基づいて遊技場への来場を喚起することが可能となり、遊技場における遊技機の稼働率を向上させることができる。なお、遊技者の生年月日だけでなく、例えば、会員登録日などに基づいて、特定の条件を設定するようにしてもよい。
また、特定条件の成立を二段階とし、遊技状態の報知だけを行う場合と、遊技状態報知とともに先読み予告を行う場合とを切替可能に構成してもよい。例えば、誕生日を含む週に遊技を行っている場合には、遊技状態報知とともに先読み予告を行い、これ以外の誕生月(誕生日前後2週間などでもよい)の場合には、先読み予告の実行確率を低くしたり、先読み予告の実行態様を不明瞭(例えば、大当りの種類までは特定しない)にしたりしてもよい。このように構成することによって、演出のバリエーションを増やすことが可能となり、同じパターンの演出が繰り返されて遊技の興趣が低下することを防ぐことができる。
ここで、図154のフローチャートの説明に戻る。周辺制御MPU4150aは、会員情報に基づく特定条件が成立していない場合には(ステップS1281にてNo)、通常の確変報知演出を実行するための設定を行う(ステップS1283)。通常の確変報知演出は、会員情報などの特定の条件にかかわらずに実行される演出であり、例えば、図145(A)に示した演出である。
なお、前述した特別な遊技状態報知演出を通常の確変報知演出を実行する場合も、確率的に抽選又は会員情報に基づかない条件で成立させるようにしてもよい。例えば、比較的来場者の少ない天候の日(例えば、雨の日)や遊技場の記念日(例えば、開店○○周年)に抽選確率を高めるなどしてもよい。このように構成することによって、遊技者の少ない日に対する集客を期待できたり、遊技場にとって特別な日に遊技者に特典を付与することができる。遊技者にとっても、通常と異なる演出が実行され、興趣の高い遊技を期待できるため、遊技場を訪れる動機付けとなり得る。
また、周辺制御MPU4150aは、現在の遊技状態が確変状態でない場合には(ステップS1266にてNo)、通常遊技状態であることを報知するための演出を設定する(ステップS1269)。通常遊技状態を報知するための演出において特別な演出を実行しない理由は、遊技者に過度な期待をさせることによって遊技の興趣が低下することを防ぐためである。以降の処理については、図143に示したフローチャートと同様である。
なお、遊技状態報知演出の実行タイミング(例えば、不明瞭モードにおけるゲームの上限実行回数)があらかじめ定義されている場合には、本実施形態のように、遊技機の外部から取得した情報に基づいて報知演出を実行することで、遊技状態報知演出の実行タイミングを変更することとなり、周辺制御基板4140及び外部情報送受信基板5500等の構成は、状態報知演出タイミング変更手段をなすこととなる。
(第2実施形態の効果)
以上のように、本実施形態では、遊技機の外部(他の遊技機、情報管理装置5000、演出管理装置5300、会員管理装置5100)と通信することによって演出内容を変化させることを可能としている。これにより、情報管理装置5000、演出管理装置5300、会員管理装置5100に格納された情報を有効に活用することが可能となり、前述のように、他の遊技者の遊技、遊技者ごと情報などと関連付けた演出を実行することが可能となっている。このように構成することによって、よりバリエーションに富んだ演出を実行することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、演出管理装置5300を遊技機に設け、当該演出管理装置5300に信号線を介して他の遊技機と接続するようにしてもよい。すなわち、各遊技機が情報管理装置5000や会員管理装置5100から取得した情報に基づいて遊技情報を生成し、外部(他の遊技機)に送信する。そして、遊技情報を受信した遊技機が当該遊技情報に基づいて遊技状態報知コマンドや演出実行コマンド等の演出情報を生成し、グループ内の遊技機に送信すればよい。これにより、演出管理装置5300を遊技場内に別途設置する必要がなく、設置コスト及び管理コストを削減できる。このとき、演出管理装置5300のすべての機能を各遊技機が有している必要はない。例えば、遊技情報の送信機能及び演出情報の受信機能はグループ内のすべての遊技機に実装される一方、遊技状態報知コマンドや演出実行コマンド等の演出情報を生成する機能及び演出情報の送信先(遊技機)を選択する機能については一部の遊技機に実装されていればよい。したがって、遊技機の新規導入時には、演出情報の生成や当該演出情報の送信先を選択する管理機能を有する遊技機を1台と、遊技情報の送信及び演出情報の受信機能を有する遊技機を必要なだけ設置すればよく、導入費用を抑制することができる。なお、演出管理装置5300に相当する機能を周辺制御基板4140に実装してもよい。
また、本実施形態によれば、遊技状態に応じた演出を動的に行うことが可能となるため、遊技者にとって予期しにくい驚きを与える演出を実行することが可能となり、演出内容が単調になることによって遊技の興趣が低下することを防ぐことができる。また、遊技状態に応じた演出を動的に行う場合であっても、遊技場において特別な設定をほとんど行う必要がなく、遊技場側の負担を最小限に抑えることができる。また、演出を実行するタイミングや条件の設定を変更することができるため、演出内容を遊技場側で柔軟に変更することができる。
(第3実施形態)
ところで、遊技状態を明確に報知しない不明瞭モードは、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(有利遊技状態、ここでは確変状態)であるかもしれないと遊技者に期待感を抱かせるために設けている。しかしながら、不明瞭モード期間が長いと遊技者の期待感を維持できず、かえって遊技の興趣を低下させてしまうおそれがある。
そこで、上記事情に鑑み、本発明の第3実施形態では、図156から図172を参照して遊技の興趣低下を抑制可能な遊技機を開示する。なお、本実施形態の遊技機は前述の第1実施形態における遊技機をベースとしている。以下では、本実施形態特有の構成について説明する。
本実施形態では、遊技状態が明確でない(不明瞭モード中である)場合に、始動記憶領域に記憶されている始動記憶(保留数、乱数情報)に基づいて、現在の遊技状態の報知にかかる特典が付与されることを特徴とする。
また、本実施形態において、主制御MPU4100aは、第一・第二始動口入賞処理(図86参照)の第一始動保留記憶処理(ステップS207)及び第二始動保留記憶処理(ステップS203)において、第一始動口2001又は第二始動口2005cへの遊技球の入賞があった旨を示す入賞通知コマンドをセットし、タイマ割込処理(図84参照)のコマンド送信処理(ステップS17)において、該入賞通知コマンドを、該入賞を契機に取得される各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を示す先行判定コマンド(先行判定処理の結果)とともに、周辺制御基板4140に送信することを特徴とする。
以下、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4150aによって実行される本実施形態特有の処理について説明する。
〔コマンド解析処理〕
図156は、第3実施形態のコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。前述の第1実施形態のコマンド解析処理(図99)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
まず、周辺制御MPU4150aは、受信したコマンドを読み出した後(ステップS1102)、受信したコマンドが入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS2001)。そして、受信したコマンドが入賞通知コマンドである場合は(ステップS2001にてYes)、周辺制御RAM4150cに設けられる保留数カウンタを1加算更新する(ステップS2002)。保留数カウンタには、第一始動口2001と第二始動口2005cとに対応して第一保留数カウンタと第二保留数カウンタとが設けられており、ここでは入賞した始動口側の保留数カウンタが更新される。第一保留数カウンタ及び第2保留数カウンタの値は、主制御MPU4100aが有する特別図柄用乱数記憶手段4515、4532(図94参照)に格納される乱数の数と連動して同じ値となる。なお、主制御MPU4100aから送信される入賞通知コマンドに保留数情報を含める場合は、周辺制御RAM4150cにおいて保留数情報を記憶すればよい。
そして、周辺制御MPU4150aは、入賞通知コマンドに基づいて液晶表示装置1400における保留表示を設定する保留表示コマンド設定処理を実行する(ステップS2003)。その後、本処理を終了する。
こうして設定された保留表示コマンドは、前述の16ms定常処理(図98参照)の情報出力処理(ステップS1500)において液晶及び音制御部4160に送信される。液晶及び音制御部4160は、液晶表示装置1400において保留表示を点灯させる等することで、現在の保留数を迅速に更新し、遊技者が正しく始動口への入賞を認識できるように報知している。
一方、周辺制御MPU4150aは、受信したコマンドが入賞通知コマンドでない場合は(ステップS2001にてNo)、ステップS1103以降の処理を実行する。
〔不明瞭モード設定処理〕
図157は、本実施形態の不明瞭モード設定処理の一例を示すフローチャートである。前述の第1実施形態の不明瞭モード設定処理(図135)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
周辺制御MPU4150aは、今回の変動表示ゲームの結果が「大当り」でない場合には(ステップS1251にてNo)、該変動表示ゲームの結果が「第2演出モードでの小当り」であるか否かを判定する(ステップS2011)。そして、該変動表示ゲームの結果が「第2演出モードでの小当り」でない場合には(ステップS2011にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、今回の変動表示ゲームの結果が「第2の演出モードでの小当り」である場合には(ステップS2011にてYes)、不明瞭モードフラグをセットし(ステップS2012)、小当り遊技後の遊技状態不明瞭演出を設定した後(ステップS2013)、本処理を終了する。小当り遊技後の遊技状態不明瞭演出とは、小当り遊技後、液晶表示装置1400において遊技状態を報知しない不明瞭モードに突入したことを表示する演出などである。
このように本実施形態では、第2の演出モードの小当りにも小当り遊技後の遊技において遊技状態を明瞭に報知しないことを特徴とする。前述したように、第1の演出モードでは小当り遊技の実行に際し、遊技者に「小当り」が搭載されている遊技機1であることを意識させないようにしている。これに対し、第2の演出モードでは賞球の獲得機会が付与される当りの1つとして「小当り」を扱い、「大当り」だけでなく「小当り」でも遊技者に賞球が払い出されうることを意識させるようにしている。
そこで、本実施形態では、「第2の演出モードでの小当り」に対して小当り遊技後に不明瞭モードとなる機会を与える。これにより、小当りと同等の賞球獲得機会(大入賞口2003の開放態様)が付与される「大当り」に当選し、確変状態に移行したのではないという期待(錯覚)を遊技者に抱かせることが可能となる。
〔遊技状態報知処理〕
図158は、本実施形態の遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。
まず、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2021)。本実施形態では、前述したように、変動表示ゲームの結果が「大当りB」〜「大当りE」のいずれかであって、かつ、所定の確率の抽選に当選した場合、又は、変動表示ゲームの結果が第2の演出モードでの「小当り」であった場合に、大当り遊技又は小当り遊技後の遊技モードが遊技状態(大当り確率状態)を明示しない不明瞭モードに設定される。そして、不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS2021にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS2021にてYes)、周辺制御RAM4150cの保留数カウンタを読み出し(ステップS2022)、読み出した保留数カウンタの値が上限値に到達したか否かを判定する(ステップS2023)。そして、保留数カウンタの値が上限値に到達していない場合には(ステップS2023にてNo)、本処理を終了する。
ここで、本実施形態は、第一始動口2001と第二始動口2005cとにそれぞれ保留上限値(4個)が設定されているが、どちらの始動口の保留数カウンタを読み出してもよい。第二始動口2005cへの入賞は可動片2005bが開放状態になければならず、また、第二始動口2005cへの入賞による始動記憶から優先的に消化されるので、第二始動口2005cよりも保留上限値に到達する頻度が高い第一始動口2001の保留数カウンタを対象としてもよいし、時短機能が作動している場合には第二始動口2005cの保留数カウンタを対象としてもよい。
また、遊技機には、第一始動口及び第二始動口への入賞順に始動記憶を消化するものや、第一始動口と第二始動口とに入賞を振り分け可能な振り分け装置を有するものがある。このような遊技機では、第一始動口及び第二始動口のどちらか一方の保留数カウンタに限定することなく、双方の保留数カウンタの合計値を対象とすればよい。
次に、周辺制御MPU4150aは、保留数カウンタの値が上限値に到達した場合には(ステップS2023にてYes)、遊技者に付与する特典を決定する特典決定処理を実行する(ステップS2024)。特典決定処理では、図159の特典振り分けテーブルを用い、保留上限値到達時の始動記憶(4番目の保留)の当選情報に応じて特典番号「0」、「1」、「2」のいずれかを決定する。特典振り分けテーブルの詳細については、図159にて後述する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、決定した特典番号により処理を分岐する(ステップS2025)。
特典番号が「0」である場合には、周辺制御MPU4150aは、現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)を明確に報知する一発明瞭報知の設定を実行する(ステップS2026)。その後、不明瞭モードフラグをリセットして(ステップS2027)、本処理を終了する。
特典番号が「1」である場合には、周辺制御MPU4150aは、現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)を明確に報知するか否かの抽選を行う明瞭報知抽選処理を実行する(ステップS2028)。明瞭報知抽選処理では、特典振り分けテーブル(図159)で当選情報毎に異なって設定される当選確率に基づいて抽選を実行する。そして、明瞭報知抽選処理における抽選演出の設定を実行する(ステップS2029)。
次に、周辺制御MPU4150aは、明瞭報知抽選に当選したか否かを判定する(ステップS2030)。そして、抽選に当選した場合には(ステップS2030にてYes)、現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)を明確に報知する明瞭報知の設定を実行する(ステップS2031)。その後、不明瞭モードフラグをリセットして(ステップS2032)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、抽選に落選した場合には(ステップS2030にてNo)、再び特典を獲得するために始動記憶を溜めることを促す再トライ演出の設定を実行する(ステップS2034)。その後、本処理を終了する。
特典番号が「2」である場合には、周辺制御MPU4150aは、現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)を明確に報知する明瞭報知の実行確率を上げる(ステップS2033)。具体的には、前述の特典決定処理(ステップS2024)で用いる特典振り分けテーブルをテーブルAからテーブルB(図159参照)に切り替え、次回は特典番号「2」が付与されることがないようにする。そして、再び特典を獲得するために始動記憶を溜めることを促す再トライ演出の設定を実行する(ステップS2034)。その後、本処理を終了する。
〔特典振り分けテーブル〕
図159は、本実施形態の特典振り分けテーブルの一例を示す図である。特典振り分けテーブルは、前述した遊技状態報知処理(図158)の特典決定処理(ステップS2024)において用いられる。
本実施形態の特典振り分けテーブルは、保留上限値に到達したときの始動記憶の当選情報(振り分け情報)に応じて特典番号「0」〜「2」の振分率が設定されており、振分率が異なるテーブルAとテーブルBとが設けられている。通常はテーブルAが用いられる。
特典振り分けテーブルAでは、具体的に、当選情報が「大当り」である場合には、30%の振分率で特典番号「0」が選択され、50%の振分率で特典番号「1」が選択され、20%の振分率で特典番号「2」が選択される。そして、特典番号「1」が選択された場合には、明瞭報知抽選処理(ステップS2028)における当選確率が70%に設定される。
また、当選情報が「小当り」である場合には、45%の振分率で特典番号「0」が選択され、50%の振分率で特典番号「1」が選択され、5%の振分率で特典番号「2」が選択される。そして、特典番号「1」が選択された場合には、明瞭報知抽選処理(ステップS2028)における当選確率が80%に設定される。
また、当選情報が「ハズレ」である場合には、50%の振分率で特典番号「0」が選択され、50%の振分率で特典番号「1」が選択され、特典番号「2」が選択されることはない。そして、特典番号「1」が選択された場合には、明瞭報知抽選処理(ステップS2028)における当選確率が90%に設定される。
このように、当選情報が遊技者を落胆させる「ハズレ」である場合には、必ず一発明瞭報知もしくは明瞭報知抽選が行われ、高い確率で現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)が明確に報知される。発生確率が高く遊技者に不利な結果であるほど一発明瞭報知が選択される確率及び明瞭報知抽選に当選する確率を高く設定することで、特典付与条件が成立しても肝心の明瞭報知が成されない状態が繰り返されるのを防止し、本来の目的(特典付与条件の成立による遊技状態の報知)が達成されるように導いている。
本実施形態では、始動記憶数が保留上限値に到達した場合には遊技状態の明瞭報知にかかる特典が何かしら必ず付与されるので、特典付与条件を成立させた遊技者を落胆させることがなく、信頼性が高い特典付与演出を提供することができる。また、始動記憶数が保留上限値に満たないうちは遊技状態の明瞭報知にかかる特典は何も付与されない。
なお、本実施形態では、振り分け情報として特典付与条件が成立したとき(保留上限値に到達したとき)の始動記憶の当選情報を挙げたが、これに限らない。保留中の全始動記憶に「大当り」の当選情報を含んだ始動記憶があるか否かに応じて特典番号の振分率が設定されてもよいし、始動記憶の情報に関係なく一律の振分率が設定されてもよい。
特典振り分けテーブルBは、前述の遊技状態報知処理(図158)の特典決定処理(ステップS2024)において特典番号「2」が選択された場合に、次回の特典決定処理においてテーブルAに代えて用いられる特典振り分けテーブルである。ここでは、次回の特典決定処理1回のみ特典振り分けテーブルBに切り替え、その後は再び特典振り分けテーブルAに戻す。
特典振り分けテーブルBでは、具体的に、当選情報が「大当り」である場合には、50%の振分率で特典番号「0」が選択され、50%の振分率で特典番号「1」が選択され、特典番号「2」が選択されることはない。そして、特典番号「1」が選択された場合には、明瞭報知抽選処理(ステップS2028)における当選確率が90%に設定される。
また、当選情報が「小当り」もしくは「ハズレ」である場合には、50%の振分率で特典番号「0」が選択され、50%の振分率で特典番号「1」が選択され、特典番号「2」が選択されることはない。そして、特典番号「1」が選択された場合には、明瞭報知抽選処理(ステップS2028)における当選確率が100%に設定される。
このように、保留上限値まで始動記憶を溜めたにも関わらず、一発明瞭報知及び明瞭報知抽選のいずれの特典も遊技者が獲得できなかった場合に、次は必ずどちらかの特典を獲得できるようにすることで、本来の特典付与の目的から乖離することなく特典付与におけるゲーム性を高めて遊技の興趣を高めることができる。
また、特典振り分けテーブルBは前述の特典決定処理(ステップS2024)において特典番号「2」が付与された直後の特典決定処理でのみ有効なので、新たに不明瞭モードが発生する場合は特典振り分けテーブルAが用いられる。このように特典番号「2」の特典効力を1回に限定することで、不明瞭モード発生毎に特典番号「0」〜「2」に選択の可能性があり、2段階演出(再トライ演出を経て明瞭報知)の可能性も大いにあるので、特典付与を単調にしない。よって、特典付与におけるゲーム性を高めて遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では特典振り分けテーブルBは1回の使用だが、一旦切り替わった後は継続して特典振り分けテーブルBが用いられるようしてもよい。例えば、同一遊技者が遊技を続ける限り特典振り分けテーブルBが用いられるようにすれば、新たに不明瞭モードが発生した場合にも高い確率で遊技状態の明瞭報知が行われる。1度獲得した特典番号「2」の特典効力が後の遊技にも影響するので、特典番号「2」の特典価値を高めるとともに、遊技者に遊技の継続を促すことができる。
〔画面遷移例〕
続いて、図160〜図162は、本実施形態の遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。図160〜図162を参照して、液晶表示装置1400の画面1410における画面遷移の一例について説明する。
図160(A)に示すように、変動表示ゲームの結果が中開放大当りとなると、液晶表示装置1400の画面1410には、対応する装飾図柄1412(「555」)が表示され、大当りとなったことが報知される。ここでは、該変動表示ゲームに対する装飾図柄変動開始処理の不明瞭モード設定処理(図157)において、不明瞭モード抽選に当選したものとする。
不明瞭モード抽選に当選すると、図160(B)に示すように、大当り遊技の最終ラウンド(9R)の終了画面では、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態か通常確率状態か明確に報知されない不明瞭モードに突入することが報知される。ここでの遊技状態不明瞭演出では、装飾図柄の背景に複数の雲が表示される。
続いて、図160(C)に示すように、大当り遊技終了後の画面1410では、画面上部に打球方向(「左打ち」)や不明瞭モードであることを示すメッセージ(「確変?通常?」)が表示される。このとき、画面下の保留表示領域1409付近には「保留を溜めて」のメッセージが表示され、遊技者に保留を溜めると何かが起こることを示唆する。なお、図160(B)及び(C)における不明瞭モードにかかる表示は、前述の不明瞭モード設定処理(図157)のステップS1256の処理で設定される。
そして、第一始動口2001の始動記憶に対応する保留表示数が上限4個に到達すると、前述の遊技状態報知処理(図158)の特典決定処理(ステップS2024)において特典振り分けテーブルAに基づいて付与される特典番号が決定される。ここでは、特典番号が「0」であって、一発明瞭報知が設定されたものとする(ステップS2026)。
このとき、画面1410では、図161(A)に示すように、特典決定処理の実行契機(特典付与条件の成立)となる4個目の保留表示に稲妻が走る演出が表示され、次の瞬間、図161(B1)又は(B2)に示すように、現在の遊技状態(確率状態)が明確に報知される。図161(B1)は確変中(高確率状態)であることを報知する画面であり、背景の雲が消えるとゾンビが現れる。図161(B2)は通常状態であることを報知する画面であり、背景の雲が消えても何も現れない。
なお、特典番号が「2」であった場合は、図162(A)に示すように、特典決定処理の実行契機(特典付与条件の成立)となる4個目の保留表示に稲妻が走る演出が表示されるものの、次の画面1410では、図162(B)に示すように、現在の遊技状態(確率状態)が明確に報知されることなく、再び保留を溜めることを促す「もっともっと!」のメッセージが表示される再トライ演出が行われる。この場合、次回の特典決定処理ではほぼ100%の確率で明瞭報知が行われることになるので、画面1410では再トライ演出として背景の雲の後ろに見え隠れするゾンビが表示される。
この間も保留中の始動記憶は順次消化され、保留表示数は一旦上限値から減算されることになるが、再度上限値に到達したタイミングで行われる特典決定処理(ステップS2024)では、特典振り分けテーブルがテーブルAからテーブルBに切り替わっているので(ステップS2033)、ほぼ100%の確率で明瞭報知が行われる。再トライ演出後、再度保留表示数が上限値に到達し、特典振り分けテーブルBに基づいて一発明瞭報知が設定された場合には、図162(C)に示すように、間髪入れずに確率状態(ここでは確変中)が報知される。このとき画面1410では、背景の雲が消えるとゾンビが現れる演出が行われる。
(第3実施形態の効果)
このように、本実施形態では、遊技状態が明瞭に報知されずに遊技が継続している状態(不明瞭モード)である場合に、保留数カウンタ(保留記憶数)が上限値に到達したことを特典付与条件の成立とし、特典付与条件の成立に基づいて現在の遊技状態の報知にかかる特典が付与されることを特徴とする。具体的には、前述の図158の特典決定処理(ステップS2024)において、一発明瞭報知(特典番号「0」)、明瞭報知を行うか否かの明瞭報知抽選(特典番号「1」)、及び明瞭報知実行確率の向上(特典番号「2」)のいずれかが特典として決定される。そして、遊技状態報知処理(図158)において、決定された特典に応じた報知演出設定(ステップS2026、ステップS2031、ステップS2034)が実行される。
本来、不明瞭モードは遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(有利遊技状態)であると遊技者に期待感を抱かせるために設けていたが、その期間が長いと遊技者の期待感を維持できずに遊技の興趣を低下させてしまうという逆効果を招くおそれがあった。また、遊技球の入賞毎に演出モードの切り替え抽選を内部制御で実行し、遊技状態における演出モードの切り替えによって有利遊技状態に対する期待度を表すものがあるが、内部制御で自動的に抽選が行われるので遊技者に抽選への参加意識を誘発できず遊技の興趣に乏しい。さらに、切り替え後の演出モードから遊技者が遊技状態を推測するものでは、遊技状態の把握は遊技者の熟練度に依存するところが大きく、熟練していない遊技者にとっては困難であった。このような理由からも不明瞭モード中の遊技の興趣を維持できない懸念があった。
そこで、本実施形態では、不明瞭モードを終了させる、すなわち遊技状態を明瞭に報知するタイミングを決定する指標として保留記憶数を用い、特典付与条件として保留記憶数の上限値到達を設定している。
本実施形態では、遊技者の遊技意思があってこそ発生し得る始動記憶の保留記憶数を用いて不明瞭モードの終了(遊技状態の報知)タイミングを決定している。したがって、遊技者毎にタイミングが異なる。さらには、遊技者の遊技意欲の度合に応じてタイミングが異なる。このように、その時々の状況に応じて不明瞭モードの終了タイミングが変化するので、遊技の興趣低下を防止することができる。
また、遊技者は現在の遊技状態を把握するために始動記憶を溜めよう(発生させよう)と遊技球を打ち出す。遊技者自身の行動によって遊技状態報知にかかる特典を獲得することができるので、遊技者の遊技意欲(参加意識)を高めることができ、遊技の興趣低下を抑制することができる。また、遊技状態を知りたい遊技者は上限値まで早く始動記憶を溜めようとする。このように、遊技者の遊技意欲を高めることで、不明瞭モード長期化に伴う遊技の興趣の低下が招く遊技機の稼働率低下を抑制することが可能である。
また、現在の遊技状態を把握したいと思わない(期待感を抱き続けていたい)遊技者は、上限値まで始動記憶を溜めないように遊技球を打ち出す。これにより、遊技者は不明瞭モードにおける遊技を存分に楽しむことができる。遊技者自身の行動によって遊技状態報知が行われないようにするという特典を獲得することができるので、これまで遊技機の内部制御によって自動的に遊技状態が報知されてしまうことに不満を抱いていた遊技者の遊技意欲(参加意識)も高めることができ、遊技の興趣低下を抑制することができる。このように、遊技状態が判明することが遊技中断の要因となっていた遊技者を遊技継続に導くことができるので、意図しない不明瞭モード終了に伴う遊技の興趣低下が招いていた遊技機の稼働率低下を抑制することが可能である。
本実施形態では、始動記憶数が保留上限値に満たないうちは遊技状態の明瞭報知にかかる特典は何も付与されず、始動記憶数が保留上限値に到達した場合には遊技状態の明瞭報知にかかる特典が何かしら必ず付与されるので、遊技者が遊技状態を把握したいか否かに応じて遊技球の打ち出し方を変化させることで自身の望む状態で遊技を行うことができる。現在の遊技状態を把握したい遊技者と、現在の遊技状態を把握したくない遊技者との双方の意向をふまえた遊技を提供することができるので、遊技の興趣低下を防止することができる。
なお、具体的に本実施形態内では保留記憶数を指標とし、保留記憶数の上限値到達を特典付与条件としているが、これに限らず、始動記憶領域に記憶される始動記憶に基づく情報を指標としてもよい。例えば、始動記憶の特定変動パターン情報含有を特定付与条件としてもよい。
また、特典付与条件の成立に伴い決定される特典(特典番号)は、振り分け情報に応じて振分率が異なる。ここで、振り分け情報とは、本実施形態では上限値に到達したときの始動記憶、すなわち特典付与条件成立時に発生した始動記憶の当選情報を示す。このとき、遊技者に不利な当選情報であるほど明瞭報知の実行確率(一発明瞭報知選択率、明瞭報知抽選の選択率及び抽選当選率)を高く設定する。これにより、特典付与条件が成立しても肝心の明瞭報知が実行されない状態が繰り返されるのを防止し、本来の目的(特典付与条件の成立による遊技状態の報知)が達成されるように導くことで、遊技状態の報知にかかる特典の多様化と報知実行とのバランスをとって遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、特典付与条件の成立に伴い決定される特典(特典番号)が明瞭報知実行確率の向上(特典番号「2」)であった場合や明瞭報知抽選(特典番号「1」)となったが落選した場合には、上限値まで始動記憶を溜めたにも関わらず、特典付与機会に明瞭報知を獲得できない。この間も上限値まで溜めた始動記憶は順次消化されているので、始動記憶数は一旦上限値から減算される可能性が高いが、再度上限値に到達させて特典付与条件を成立させることは比較的容易なので遊技者に負担を与えない。そして、再度上限値に到達したときの特典付与機会では明瞭報知の実行確率が高くなるよう設定されるので、本来の特典付与の目的から乖離することなく特典付与におけるゲーム性を高めることができる。
なお、上限値まで始動記憶を溜めたにも関わらず、特典付与機会に明瞭報知を獲得できなかった場合に、その後の所定期間は前述の遊技状態報知処理(図158)の実行を禁止するようにしてもよい。始動記憶数がある程度減算されて所定値(例えば、「2」)に減算到達したときに禁止を解除することで、遊技者には始動記憶数の加算だけでなく減算が求められる期間が生じるので遊技の興趣を高めることができる。
なお、振り分け情報として本実施形態内では特典付与条件を成立させた(保留上限値に到達したときの)始動記憶の当選情報を挙げたが、これに限らない。保留中の全始動記憶において特定の当選情報(例えば「大当り」)を含んだ始動記憶の数でもよい。
(第4実施形態)
前述の第3実施形態では、遊技状態が明確でない不明瞭モードである場合に、始動記憶領域に記憶されている始動記憶(保留数、乱数情報)に基づいて現在の遊技状態の報知にかかる特典が付与される。これに対し、本発明の第4実施形態では、遊技状態が明確でない不明瞭モードである場合に、不明瞭モード中の先読み演出の実行回数に基づいて現在の遊技状態の報知にかかる特典が付与される。
以下、図163から図172を参照して、第4実施形態の遊技機について説明する。なお、第4実施形態の遊技機は前述の第3実施形態における遊技機をベースとしている。以下では、第4実施形態特有の構成を中心に説明する。
なお、本実施形態においても、主制御MPU4100aは、第3実施形態と同様に、第一始動口2001又は第二始動口2005cへの遊技球の入賞が発生した際、入賞通知コマンドとともに該入賞を契機に取得される各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を示す先行判定コマンドを周辺制御基板4140へ送信する。
〔大当り及び小当りの特性〕
図163は、第4実施形態における大当り及び小当りの特性を示す図である。本実施形態では、小当りの当選に応じた小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるときの開閉部材2006の動作態様と同一(若しくは近似)の動作態様をもって開閉部材2006を動作させる大当り遊技となる大当りFを備えることを特徴とする。
図163(A)に示すように、本実施形態では、条件装置の作動を伴う当り(大当り)の種別として「大当りA」〜「大当りE」だけでなく「大当りF」が用意されている。「大当りA」〜「大当りE」の特性は前述の第1実施形態(図95)と同じであり、「大当りD」及び「大当りE」の選択率が「18%」から「12%」に変更となるのみであり、説明を省略する。
「大当りF」に当選した場合は、当選したときの遊技状態が通常遊技状態又は高確遊技状態である場合には当該大当りFの当選に応じた大当り遊技が行われた後、遊技状態は、時短機能(開放延長機能)は作動せず確率変動機能のみが作動する高確遊技状態(確変外部不利遊技状態)に制御される。また、当選したときの遊技状態が時短遊技状態である場合には当該大当りFの大当り遊技後、遊技状態は、そのまま時短機能(開放延長機能)の作動が継続し、確率変動機能も作動する確変外部有利遊技状態に制御される。なお、「大当りF」の当選によって付与される機能の特性は、前述の「大当りC」と同じである。
そして、「大当りF」に対応する大当り遊技では、開閉部材2006の開閉を小時間開閉パターンで少数回(本実施形態では、2回)繰り返す。すなわち、前述の小開放当り遊(小当り遊技)と同様の遊技が行われる。
ここで、図163(B)を参照して、「小当り」の特性について説明する。「小当り」の特性は、本発明の第1実施形態〜第3実施形態における「小当り」と同じ特性である。前述したように、小当りの当選を機に遊技状態が変化することはない。
なお、本実施形態では、大当り種別が「大当りF」である場合と「小当り」である場合とで、提供される演出及び開閉部材2006の開閉態様から「大当りF」と「小当り」との区別がつかないよう設定されている。
したがって、大当り抽選の結果が「大当りF」である場合及び「小当り」である場合では、第1実施形態の延長演出パターンのように大当り抽選の結果を明示する当落明示演出は行われず、代わりに大当り抽選に当選したのか否かが不明な当落不明瞭演出が行われる。当落不明瞭演出は、例えば、特定のキャラクタと敵のキャラクタとのバトルに挑んで決着がつかないまま終了する演出などが液晶表示装置1400に映し出される。
また、大当り抽選の結果が「大当りF」である場合は、大当り時の延長演出パターンのときの第2の閉制御期間(図104(a)参照)で大当り遊技(大入賞口2003の開放)が行われる。
また、第1実施形態のチャレンジボーナス演出パターンは大入賞口2003の開放態様(小開放、中開放、大開放)により演出が異なり、大当り抽選の結果が「大当りF」である場合と「小当り」である場合とで同じ小開放当り遊技が行われることになるので、第1の閉制御期間内に有効ゲート6010nに遊技球が通過した場合は「大当りF」と「小当り」とで差異がない。なお、大当り抽選の結果が「大当りF」であって、第1の閉制御期間内に有効ゲート6010nに遊技球が通過しない場合には、「小当り」である場合と同様に第1の閉制御期間が終了したら有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無にかかわらず小開放当り遊技が開始されるようにすればよい。
また、大当り種別が「大当りF」である場合は、大当り変動パターンテーブルにおける各変動番号の選択率を小当り変動パターンテーブルにおける各変動番号の選択率と同じに設定してもよい。
続いて、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4150aによって実行される本実施形態特有の処理について説明する。
〔16ms定常処理〕
図164は、本実施形態の16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。前述の第1実施形態の16ms定常処理(図98)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
まず、周辺制御MPU4150aは、液晶表示装置1400の演出表示にかかる制御として演出制御処理(ステップS1200)を実行後、先読み演出設定処理を実行する(ステップS2060)。なお、先読み演出設定処理の詳細については、図166にて後述する。
次に、周辺制御MPU4150aは、先読み演出の実行回数に応じて遊技状態の報知制御を行う遊技状態報知処理を実行し(ステップS1250)、ステップS1300以降の処理を実行する。なお、遊技状態報知処理の詳細については、図168にて後述する。
〔不明瞭モード設定処理〕
図165は、本実施形態の不明瞭モード設定処理の一例を示すフローチャートである。前述の第3実施形態の不明瞭モード設定処理(図157)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
周辺制御MPU4150aは、今回の変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合には(ステップS1251にてYes)、大当りの種別が「大当りF」であるか否かを判定する(ステップS2051)。そして、大当りの種別が「大当りF」でない場合には(ステップS2051にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、大当りの種別が「大当りF」である場合には(ステップS2051にてYes)、大当り遊技後の遊技状態を明確に報知しない不明瞭モードとするための処理(ステップS1255及びステップS1256)を実行した後、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4150aは、今回の変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合には(ステップS1251にてNo)、該変動表示ゲームの結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS2052)。そして、該変動表示ゲームの結果が「小当り」でない場合には(ステップS2052にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、今回の変動表示ゲームの結果が「小当り」である場合には(ステップS2052にてYes)、小当り遊技後の遊技状態を明確に報知しない不明瞭モードとするための処理(ステップS2012及びステップS2013)を実行した後、本処理を終了する。
このように本実施形態では、変動表示ゲームの結果が「大当りF」又は「小当り」となる場合に、遊技状態を明確に報知しないことを特徴とする。
なお、ステップS2051の処理において、第3実施形態と同様に「大当りB」〜「大当りE」も対象としてもよい。「大当りB」〜「大当りE」は、所定の確率で不明瞭モードに移行するようにしてもよいし、時短機能の作動状態が変化しない場合にのみ不明瞭モードに移行するようにしてもよい。
〔先読み演出設定処理〕
図166は、本実施形態の先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。先読み演出設定処理(事前報知手段)は、前述の16ms定常処理(図164)において実行される。なお、事前報知手段は、始動記憶に基づき遊技状態を有利遊技状態(確変状態)に移行可能な抽選遊技(変動表示ゲーム)が実行される前に該抽選遊技の結果情報を報知可能な手段である。
周辺制御MPU4150aは、まず、主制御MPU4100aから先行判定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2061)。そして、先行判定コマンドを受信していない場合には(ステップS2061にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、先行判定コマンドを受信した場合には(ステップS2061にてYes)、不明瞭モードフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2062)。
そして、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS2062にてNo)、保留表示態様決定テーブルA(図167)をセットする(ステップS2063)。また、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS2062にてYes)、保留表示態様決定テーブルB(図167)をセットする(ステップS2064)。なお、保留表示態様決定テーブルについての詳細は、図167にて後述する。
次に、周辺制御MPU4150aは、ステップS2063又はステップS2064の処理にてセットされたテーブルに応じて保留表示態様を決定する(ステップS2065)。そして、保留表示態様の変更があり、かつ、不明瞭モードフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2066)。
ここで、液晶表示装置1400において保留中の始動記憶は、通常白色で保留表示される。本処理のステップS2065の処理の結果、該始動記憶が他の表示色で保留表示される場合に、保留表示の先読み演出が実行されたものとする。
周辺制御MPU4150aは、保留表示態様の変更がない、もしくは、不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS2066にてNo)、液晶表示装置1400の保留表示は通常表示で先読み表示を行わないので、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、保留表示態様の変更があり、かつ、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS2066にてYes)、液晶表示装置1400の保留表示は先読み表示を行うので、先読み実行カウンタを1加算更新する(ステップS2067)。先読み実行カウンタは、周辺制御RAM4150cに設けられる。その後、本処理を終了する。
〔保留表示態様決定テーブル〕
図167は、本実施形態の保留表示態様決定テーブルの一例を示す図である。保留表示態様決定テーブルは、前述の先読み演出設定処理(図166)のステップS2063又はステップS2064の処理でセットされる。
本実施形態の保留表示態様決定テーブルは、対象となる始動記憶の先行判定コマンドに基づいて該始動記憶の消化前に判定された先読み情報(大当り抽選の当落、変動パターン等)に応じて保留表示態様「白」、「青」、「緑」及び「赤」の選択率が設定されている。保留表示態様は、「白」、「青」、「緑」及び「赤」の順に「大当り」となる期待度(信頼度)が高いことを表す。そして、選択率が異なるテーブルAとテーブルBとが設けられている。
保留表示態様決定テーブルAでは、具体的に、当選情報が「大当り」である場合には、70%以上の確率で保留表示の先読み演出が行われる。「大当りA」である場合には、100%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき50%の確率で「赤」が選択され、30%の確率で「緑」が選択され、20%の確率で「青」が選択される。「大当りB」〜「大当りE」である場合には、90%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき25%の確率で「赤」が選択され、35%の確率で「緑」が選択され、30%の確率で「青」が選択される。また、「大当りF」である場合には、70%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき10%の確率で「赤」が選択され、25%の確率で「緑」が選択され、35%の確率で「青」が選択される。
また、当選情報が「小当り」である場合には、40%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき15%の確率で「緑」が選択され、25%の確率で「青」が選択される。先読みの信頼度が高い「赤」は選択されない。
また、当選情報が「ハズレ」である場合には、変動パターン(リーチあり、リーチなし)に応じて先読み表示実行率が異なるよう設定される。変動パターンが「リーチあり」である場合には、30%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき10%の確率で「緑」が選択され、20%の確率で「青」が選択される。先読みの信頼度が高い「赤」は選択されない。また、変動パターンが「リーチなし」である場合には、10%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき10%の確率で「青」が選択される。先読みの信頼度が高い「赤」及び「緑」は選択されない。
このように、遊技者にとって有利な結果となる始動記憶の保留表示ほど、先読み演出が行われる確率が高く、また、信頼度の高い保留表示態様が選択される確率が高くなるように設定される。
次に、保留表示態様決定テーブルBは、当選情報が「大当り」である場合はテーブルAと同じである。また、当選情報が「小当り」である場合には、40%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき10%の確率で「赤」が選択され、50%の確率で「緑」が選択され、30%の確率で「青」が選択される。
また、当選情報が「ハズレ」である場合には、変動パターン(リーチあり、リーチなし)に応じて先読み表示実行率が異なるよう設定される。変動パターンが「リーチあり」である場合には、80%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき10%の確率で「赤」が選択され、30%の確率で「緑」が選択され、40%の確率で「青」が選択される。また、変動パターンが「リーチなし」である場合には、30%の確率で先読み演出(保留表示態様の変更)が行われ、このとき5%の確率で「赤」が選択され、10%の確率で「緑」が選択され、15%の確率で「青」が選択される。
このように、不明瞭モード中に発生した保留表示に用いられる保留表示態様決定テーブルBは、通常用いられる保留表示態様決定テーブルAに比して、小当り及びハズレとなる場合に先読み演出が行われる確率が高く、全ての先読み演出表示態様(「赤」、「緑」及び「青」)が選択可能に設定される。
したがって、前述の先読み演出設定処理(図166)において保留表示態様決定テーブルAを用いて複数の態様から一の態様を選択するステップS2063及びステップS2065の処理を報知態様選択手段、保留表示態様決定テーブルAに代わり保留表示態様決定テーブルBをセットするステップS2064の処理を確率変更手段として位置付けることができる。また、ステップS2064の処理は、保留表示態様決定テーブルAと比して先読み演出が行われる確率を変更する実行率変更手段と、保留表示態様決定テーブルAと比して期待度の高い保留表示態様が選択される確率を変更する態様選択確率変更手段とを兼ね備える。本実施形態では、あらかじめ保留表示態様決定テーブルAから実行率変更手段及び態様選択確率変更手段を実行した保留表示態様決定テーブルBを用意しており、ステップS2064の処理ではテーブルの切り替えを行っているが、所定条件(例えば、当選情報)に基づいて保留表示態様決定テーブルAに対して実行率変更手段及び態様選択確率変更手段の少なくとも一方を実行するようにしてもよい。ステップS2064の処理では、保留表示態様決定テーブルAとは先読み演出の実行率及び先読み態様の選択確率のうち少なくとも一方が異なる(テーブルAよりも高く設定される)テーブルがセットされればよい。
これにより、遊技状態(高確率状態か否か)が不明な状態であっても、この間に発生する保留表示は先読み表示実行率が高くなるので、遊技者の期待感を継続させることが可能であり、遊技興趣の低下を抑制することができる。
〔遊技状態報知処理〕
図168は、本実施形態の遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。前述の第3実施形態の遊技状態報知処理(図158)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。遊技状態報知処理は、前述の16ms定常処理(図164)において実行される。
周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS2021にてYes)、周辺制御RAM4150cの先読み実行カウンタを読み出し(ステップS2071)、読み出した先読み実行カウンタの値が所定値(ここでは、7)に到達したか否かを判定する(ステップS2072)。そして、先読み実行カウンタの値が所定値に到達していない場合には(ステップS2072にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、先読み実行カウンタの値が所定値に到達した場合には(ステップS2072にてYes)、ステップS2024〜ステップS2034の処理に移行し、付与する特典を決定して演出の設定を実行する。
周辺制御MPU4150aは、遊技状態を明確に報知する明瞭報知の設定(ステップS2026、ステップS2031)を実行した場合は、先読み実行カウンタをリセットした後(ステップS2073、ステップS2074)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4150aは、明瞭報知ではなく再度特典獲得のために先読み実行回数を増やすよう促す再トライ演出の設定(ステップS2034)を実行した場合は、上限に到達した先読み実行カウンタを3減算して(ステップS2075)、本処理を終了する。
〔画面遷移例〕
続いて、図169〜図172は、本実施形態の遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。図169〜図172を参照して、液晶表示装置1400の画面1410における画面遷移の一例について説明する。
図169(A)に示すように、変動表示ゲームの結果が「大当りF」となると、液晶表示装置1400の画面1410では、対応する装飾図柄1412(「357」)が表示されるが、「大当りF」となったことは報知されない。ここでの画面表示は、変動表示ゲームの結果が「小当り」となる場合と同じである。ここでは、該変動表示ゲームに対する装飾図柄変動開始処理(図101)の不明瞭モード設定処理(図165)のステップS1255の処理において、不明瞭モードに設定される。
その後、図169(B)に示すように、画面1410では、変動表示ゲームの結果が大当りとなったのか否かが不明な当落不明瞭演出(例えば、バトルの決着が不明な演出)が行われ、「どっちだ!?」のメッセージの表示とともに画面が雲に覆われて不明瞭モードに突入する。ここでは、不明瞭モード設定処理(図165)のステップS1256の処理において、当落不明瞭演出(遊技状態不明瞭演出)が設定される。
続いて、図169(C)に示すように、小開放当り遊技後の画面1410では、画面右側に下方から上方に向かってポイントがチャージされる先読みゲージが表示される。先読みゲージの上端には「確変?通常?教えるよ!」のメッセージが表示され、遊技者に先読みゲージのポイントをチャージするよう促す。なお、図169(B)及び(C)における不明瞭モードにかかる表示(雲、メッセージ、先読みゲージ)は、前述の不明瞭モード設定処理(図165)のステップS1256の処理で設定される。
図169(C)に示すように、不明瞭モード中、第一保留表示領域1409aに新規に表示される保留表示が先読み表示態様であれば、先読みゲージのポイントが1つチャージされる。保留表示の表示態様及び先読みゲージのチャージは、それぞれ前述の先読み演出設定処理(図166)のステップS2065及びステップS2067の処理に基づいて設定される。
続いて、不明瞭モード中の先読み演出の実行回数が7回(先読みゲージが満タン)に到達すると、前述の遊技状態報知処理(図168)の特典決定処理(ステップS2024)において特典振り分けテーブルAに基づいて特典番号が決定される。ここでは、特典番号が「1」であって、明瞭報知抽選に当選する抽選演出が設定され、さらに確変状態を報知する明瞭報知が設定されたものとする(ステップS2028→ステップS2029→ステップS2030にてYes→ステップS2031)。
このとき、画面1410では、図170(A)に示すように、先読みゲージの上端のメッセージが「達成!」に変更され、7回目の先読み演出の対象となった保留表示には目印に稲妻画像が表示される。そして、図170(B)に示すように、先読みゲージの上端には「抽選中!わかるかな!?」のメッセージが表示され、対象の保留が消化されるまで遊技状態を報知するか否かを抽選で決める明瞭報知抽選が行われる。このとき、抽選演出として、画面背景の雲の後方にゾンビが見え隠れするように表示されることで明瞭報知抽選に興味を抱かせる。また、抽選演出として遊技者が参加可能なバトルゲーム等を行えば、明瞭報知の機会獲得のチャンスとともにゲームへの参加も遊技者にとって特典となるので、より多くの特典を得た満足感を遊技者に与えることができる。
その後、図170(C)に示すように、対象の保留が消化されて対応する変動表示ゲームが開始されるタイミングで、遊技状態(ここでは、確変状態)が報知される。画面1410には、先読みゲージの上端のメッセージ領域が画面中央に拡大表示され「確変!どんどん打って!」のメッセージが表示されるとともに、雲が消えてゾンビが現れる。
なお、遊技状態の明瞭報知は、先読みゲージが満タンになったときの始動記憶の変動開始タイミングではなく先読みゲージが満タンとなったタイミングで行なってもよい。特典番号が「1」で明瞭報知抽選に当選しても報知結果が通常遊技状態である場合には、対象の始動記憶の変動開始まで遊技者の期待を引き延ばしても遊技者の有利な遊技状態の報知ではないので、遊技への興趣低下を煽りかねない。したがって、抽選演出(ステップS2029)を短時間に設定して変動表示ゲームの進行に関係なく明瞭報知(ステップS2030)が行われるようにしてもよい。
また、特典番号が「0」で一発明瞭報知を実行する場合には、先読みゲージが満タンになったときの始動記憶の変動開始タイミングではなく先読みゲージが満タンとなったタイミングで行う。一発明瞭報知では、前述の図170(B)に示すような明瞭報知抽選の演出時間を確保する必要がないので、前述の図170(A)に示す画面表示の後、前述の図170(C)に示すような現在の遊技状態を報知する画面表示が行われる。
次に、特典番号が「1」で明瞭報知抽選に落選する場合や特典番号が「2」で明瞭報知の実行確率を上げる場合など特典として明瞭報知が付与されない場合に行われる再トライ演出について説明する。
まず、図171を参照して、特典番号が「2」であって先読み実行回数7回到達後、再トライ演出が行われる場合(ステップS2033→ステップS2034)の画面遷移の一例を説明する。
図171(A)に示すように、先読み演出の実行回数が7回に到達して先読みゲージが満タンになると、画面1410では、先読みゲージの上端のメッセージが「達成!」に変更され、7回目の先読み演出の対象となった保留表示には目印に稲妻画像が表示される(前述の図170(A)と同じ画面)。
そして、図171(B)に示すように、画面1410には、先読みゲージの上端のメッセージ領域が新たに3層の放射状に拡がるレイヤに変わり、「もっともっと!あと3つ!」のメッセージが表示される。ここでは、前述の遊技状態報知処理(図168)において、再トライ演出の設定(ステップS2034)が行われるとともに先読み実行カウンタが3減算される(ステップS2075)。このため、さらに3回の先読み演出が実行されない限り、再び遊技状態報知処理のステップS2072の処理において先読み実行カウンタが所定値(7回)に到達しない。そこで、画面1410では、さらに先読み演出の実行回数を増やすように遊技球の入賞を促す演出が行われる。
その後、図171(C)に示すように、先読み表示の保留が発生すると、画面1410では、先読みゲージ上端の3層のレイヤが外側からポイントチャージされ、カウントダウンメッセージが表示される。
そして、図171(D)に示すように、3層のレイヤも満タンになると、先読みゲージのメッセージ「達成!」がレイヤ前面に表示されるとともに、レイヤを満タンにした保留表示に目印の稲妻が表示される。このときの特典決定処理(ステップS2024)では特典振り分けテーブルB(図159)が用いられるので、特典番号として「0」又は「1」が選択される。
このため、この後続く画面表示は、特典番号が「0」である場合には、前述の図170(C)に示すような遊技状態(確率状態)を明確に報知する一発明瞭報知画面となる。また、特典番号が「1」である場合には、前述の図170(B)に示すような抽選演出画面を経て図170(C)に示すような明瞭報知画面となる。なお、特典振り分けテーブルBでは、特典付与条件を成立させた始動記憶の当選情報が大当り以外の場合は、報知抽選(特典番号「1」)の当選確率が100%に設定されているので、次に必ず遊技状態が報知されることになる。また、特典振り分けテーブルBでは、特典付与条件を成立させた始動記憶の当選情報が大当りの場合は、報知抽選(特典番号「1」)の当選確率が100%ではない。しかし、抽選結果の当落が判明するとき、すなわち、該始動記憶に対応する変動表示ゲームが開始されるときに遊技状態の報知が行われなくても、該変動表示ゲームの結果は大当りとなり新たな遊技状態に移行するので、遊技状態が報知されなかったことに対する遊技者の落胆を継続させることがない。
次に、図172を参照して、特典番号が「1」で明瞭報知抽選に落選した後、再トライ演出が行われる場合(ステップS2028→ステップS2029→ステップS2030にてNo→ステップS2034)の画面遷移の一例を説明する。
図172(A)は、前述の図170(A)及び図171(A)と同じ画面表示であり、特典付与条件が成立したときの画面表示である。
図172(B)は、前述の図170(B)と同じ抽選演出(ステップS2029)の画面表示の別例であり、抽選演出として遊技者参加型のバトルゲームが行われる。例えば、演出操作ユニット220を用いてゾンビを倒すゲームが行われる。このとき、先読みゲージの上端のメッセージ領域には、「倒せ!」のメッセージが表示される。そして、抽選演出に当選(遊技状態の明瞭報知)する場合には、特典付与条件を成立させた始動記憶に対応する変動表示ゲームの開始時までにゾンビを倒すことができ勝利演出が表示され、落選(再トライ演出表示)する場合には、時間内にゾンビを倒せず敗北演出が表示される。
ここでは、明瞭報知抽選に落選するので、図172(C)に示すように、画面1410には、倒れなかったゾンビとともに遊技状態が報知されないことを伝える「残念」のメッセージが表示される。そして、前述の遊技状態報知処理(図168)において、再トライ演出の設定(ステップS2034)が行われるとともに先読み実行カウンタが3減算されているので(ステップS2075)、画面1410では、先読みゲージのチャージが先読み演出3回分減らされ、ゲージ上端のメッセージ領域には「再トライ!」のメッセージが表示される。
なお、前述の図171(B)における特典番号「2」からの再トライ演出では、先読みゲージのチャージを減らすことなくメッセージ領域に追加チャージするレイヤを設けている。これは、バトルゲーム等の抽選演出なしにこれまでのチャージ分を減算されては遊技者を落胆させてしまう可能性があるためであり、再トライ演出として追加チャージが必要になった旨を伝える演出が行われる。これに対し、特典番号「1」からの再トライ演出では、抽選演出に絡んで、抽選落選のペナルティとしてこれまでのチャージ分から所定分を減算する演出が行われる。このように抽選演出としてバトルゲーム等、遊技者が楽しめる演出を提供することで一定の特典は付与することができるので、チャージ減算の落胆を抽選演出の興趣によって埋め合わせすることができ、遊技の興趣を保つことができる。
(第4実施形態の効果)
このように、本実施形態では、遊技状態が明瞭に報知されずに遊技が継続している状態(不明瞭モード)である場合に、不明瞭モード中の先読み保留表示の実行回数が所定値に到達したことを特典付与条件の成立とし、特典付与条件の成立に基づいて現在の遊技状態の報知にかかる特典が付与されることを特徴とする。具体的には、前述の図168の特典決定処理(ステップS2024)において、一発明瞭報知(特典番号「0」)、明瞭報知を行うか否かの明瞭報知抽選(特典番号「1」)、及び明瞭報知実行確率の向上(特典番号「2」)のいずれかが特典として決定される。そして、遊技状態報知処理(図158)において、決定された特典に応じた報知演出設定(ステップS2026、ステップS2031、ステップS2034)が実行される。
本実施形態では、不明瞭モードを終了させる、すなわち遊技状態を明瞭に報知するタイミングを決定する指標として不明瞭モード中の先読み演出の実行回数を用い、特典付与条件として不明瞭モード中の先読み演出の実行回数の所定回数到達を設定している。ここでは、遊技者の遊技意思があってこそ発生し得る始動記憶の先読み演出を用いて不明瞭モードの終了(遊技状態の報知)タイミングを決定する。また、遊技者は現在の遊技状態を把握するために始動記憶を発生させて先読み演出を獲得しようと遊技球を打ち出す。このため、前述の第3実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、始動記憶の発生だけではなく先読み演出という内部制御が追加考慮されることによるゲーム性の向上効果が期待できる。
なお、具体的に実施形態内では不明瞭モード中の先読み演出の実行回数を指標とし、実行回数の所定回数到達を特典付与条件としているが、これに限らず、先読み演出情報を指標としてもよい。例えば、特定の先読み演出の出現を特定付与条件としてもよい。
また、本実施形態では、不明瞭モードである場合に、先読み実行確率及び信頼度が高い先読み表示態様の選択率を通常よりも高く設定したテーブルを用いて先読み演出が制御されることを特徴とする。具体的には、前述の先読み演出設定処理(図166)において、不明瞭モード中である場合は(ステップS2062にてYes)、保留表示態様決定テーブルB(図167)を用いて保留表示の先読み演出態様が決定(設定)される(ステップS2064→ステップS2065)。
一般的に、変動表示ゲームの結果が特定結果となったことを契機に遊技状態が通常遊技状態(通常状態)から遊技者にとって有利な有利遊技状態(高確率状態、確変状態)に移行したり、通常遊技状態を維持したりする遊技機は、本実施形態における「大当りF」及び「小当り」のような特定結果で小開放当り遊技及び演出態様の区別がつかないように設定し、その後の遊技状態を不明瞭モードとしている。そして、通常状態が維持される「小当り」の場合にも遊技者に確変状態への移行を期待させ、遊技の興趣を高めていた。しかしながら、通常遊技状態が維持される特定結果の場合には、遊技者の期待を煽ったところで、内部確率状態が通常である以上、新たに信頼度の高い演出を獲得できる可能性が低いことから、かえって遊技の興趣低下を招くおそれがあった。
そこで、本実施形態では、不明瞭モード中の先読み演出は、先読み実行確率及び期待度が高い先読み表示態様の選択率を通常(保留表示態様決定テーブルA)よりも高く設定した保留表示態様決定テーブルBを用いて演出態様が決定される。これにより、不明瞭モード中の先読み演出の実行頻度及び期待度の高い先読み演出の出現頻度が高くなるので、遊技者は、現在の遊技状態は有利遊技状態(確変状態)なのではないかと期待する。よって、不明瞭モード中の遊技者の期待感の維持を図り、遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、特典付与条件の成立に伴い付与される特典(特典番号)の決定方法や付与方法は、前述の第3実施形態と同様である。したがって、第3実施形態と同等の効果を奏する。ここで本実施形態における振り分け情報とは、不明瞭モード中の先読み演出の実行回数が所定回数に到達したときの始動記憶、すなわち特典付与条件成立時に発生した始動記憶の当選情報を示す。
なお、振り分け情報として本実施形態では特典付与条件を成立させた(不明瞭モード中の先読み演出の実行回数が所定回数に到達したときの)始動記憶の当選情報を挙げたが、これに限らない。例えば、保留中の始動記憶における特定の当選情報(例えば「大当り」)の有無でもよい。
また、先読み演出の実行回数が所定回数に到達する以前に「小当り」の当選等、不明瞭モードフラグをONにセットする条件が成立した場合には、先読み実行カウンタが所定値に到達していなくとも前述の遊技状態報知処理(図168)の特典決定処理(ステップS2024)が実行されるようにしてもよいし、特典決定処理を省いて即一発明瞭報知(ステップS2026)が実行されるようにしてもよい。また、この場合の特典として、設定されている所定値(ステップS2072の処理における閾値)の減算抽選が実行されるようにしてもよい。これにより、本実施形態の特典付与条件成立前であっても「小当り」等が発生した場合は遊技者にとって有益な特典を付与するので、該当りを契機に何ら変化が生じないことに対するストレス(心的負担)を遊技者にかけることがない。したがって、遊技者がストレスを感じることによって遊技の興趣が低下してしまう懸念を解消することができる。
さらには、不明瞭モードフラグをONにセットする条件が成立した場合には、先読み実行カウンタの所定値が再セットされるようにしてもよい。前述したように画面1410には先読み実行回数がカウント(ポイントチャージ)される先読みゲージが表示されるゲームが開始されている(図169(C))。満タンになるチャージ量の変動はゲーム性を高めるとともに、遊技者にさらなる期待感を抱かせることが可能であり、遊技の興趣を高めることができる。
(第4実施形態の変形例1)
前述の第4実施形態では、不明瞭モードであれば必ず先読み実行確率及び信頼度が高い先読み表示態様の選択率を通常よりも高く設定したテーブルB(図167)を用いて先読み演出が制御される。これに対し、変形例1では、不明瞭モードであって、かつ、通常状態である場合に限りテーブルBを用いて先読み演出が制御される点に特徴がある。
以下、図173を参照して、第4実施形態の変形例1の遊技機について説明する。なお、第4実施形態の変形例1の遊技機は前述の第4実施形態における遊技機をベースとしている。以下では、第4実施形態の変形例1特有の構成について説明する。
〔先読み演出設定処理〕
図173は、本実施形態の変形例1の先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。前述の本実施形態の先読み演出設定処理(図166)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
周辺制御MPU4150aは、ステップS2062の処理で不明瞭モードフラグがセットされていると判定した場合には(ステップS2062にてYes)、さらに、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS2080)。なお、不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS2062にてNo)、これまで通り保留表示態様決定テーブルA(図167)をセットする(ステップS2063)。
そして、周辺制御MPU4150aは、高確率状態である場合には(ステップS2080にてYes)、保留表示態様決定テーブルA(図167)をセットする(ステップS2063)。一方、高確率状態でない場合には(ステップS2080にてNo)、保留表示態様決定テーブルB(図167)をセットする(ステップS2064)。ステップS2065以降の処理は前述と同様である。
(第4実施形態の変形例1の効果)
このように変形例1では、不明瞭モードかつ通常状態である場合、すなわち内部低確状態である場合に限り、先読み演出が実行されやすく、信頼度が高い先読み表示態様となりやすく設定される。これにより、通常状態が維持される小当り遊技後の遊技において、これまでの遊技よりも先読み演出の実行頻度が高く、信頼度の高い先読み演出の出現頻度が高くなる。よって、遊技者は、現在の遊技状態は有利遊技状態(確変状態)なのではないかと期待する。変形例1では不明瞭モード中の通常状態に限定することで、前述の第4実施形態よりも目的に則したメリハリある先読み演出制御を提供することができる。そして、遊技者の期待感の維持を図り、遊技の興趣低下を抑制することができる。
なお、保留表示態様決定テーブルB(図167)は、前述の遊技状態報知処理(図168)において一発明瞭報知設定(ステップS2026)又は抽選当選による明瞭報知設定(ステップS2031)が行われ、不明瞭モードフラグがOFFにリセットされる(ステップS2027又はステップS2032)まで用いられるが、これに限らない。保留表示態様決定テーブルBの使用を止める条件として、例えば、大当りの期待が高いリーチ演出の実行、大当りの期待が高い保留表示態様の表示、不明瞭モード中における変動表示ゲームの所定回数達成などを設定してもよい。
さらには、「小当り」の当選によって不明瞭モードフラグをONにセットする条件が成立する契機が発生した場合には、遊技状態に応じて保留表示態様決定テーブルBの使用を止める条件を再設定したり、継続したりしてもよい。例えば、不明瞭モード中における変動表示ゲームの所定回数達成が条件であれば、所定回数の1/2の変動表示ゲームをすでに消化している場合には条件を再設定し、1/2を消化していない場合には条件を継続してもよい。
このように、先読み演出において保留表示態様決定テーブルBから保留表示態様決定テーブルAに戻すタイミングに関して、条件を設け、遊技状態に応じて条件内容を変更可能にすることで、より先読み演出制御を多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
(第5実施形態)
前述の実施形態における第二始動口2005cは、遊技球の通過による普通ゲート2005aの普通抽選に当選して可動片2005bが動作することで入賞可能となる始動口であった。また、第一始動記憶に対して第二始動記憶が優先消化されていた。このため、第一始動記憶数及び第二始動記憶数の双方を上限値に到達させることは困難であり、第一始動記憶数及び第二始動記憶数のどちらか一方しか特典付与条件の指標とすることができなかった。
これに対し、本発明の第5実施形態では、第一始動口2001と第二始動口2005cとに振り分け可能な振り分け装置(図示省略)を有する。したがって、第一始動口2001及び第二始動口2005cは、振り分け装置による振り分けによって遊技球が入賞可能となる。また、第一始動記憶と第二始動記憶とは、優劣なく入賞順に消化される。これにより、第一始動記憶数(第一保留数カウンタ)及び第二始動記憶数(第二保留数カウンタ)の双方を上限値に到達させることが実際に可能となる。そこで、本実施形態では、特典付与条件の指標として第一始動記憶数及び第二始動記憶数の合計始動記憶数を用いる。
また、第3実施形態及び第4実施形態では特典付与条件が成立すると現在の遊技状態の報知にかかる特典として、一発明瞭報知(特典番号「0」)、明瞭報知を行うか否かの明瞭報知抽選(特典番号「1」)、及び明瞭報知実行確率の向上(特典番号「2」)のいずれかが遊技者に付与されていた。これに対し、本実施形態では、合計始動記憶数の上限値が「8」となる特典付与条件の成立までに別途複数の特典付与条件が設けられ、合計始動記憶数に応じて報知の信頼度が異なる特典が遊技者に付与される。
以下、図174から図178を参照して、第5実施形態の遊技機について説明する。なお、第5実施形態の遊技機は前述の第4実施形態における遊技機をベースとしている。以下では、第5実施形態特有の構成を中心に説明する。
なお、本実施形態においても、主制御MPU4100aは、第3実施形態及び第4実施形態と同様に、第一始動口2001又は第二始動口2005cへの遊技球の入賞が発生した際、入賞通知コマンドとともに該入賞を契機に取得される各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を示す先行判定コマンドを周辺制御基板4140へ送信する。
〔変動開始処理〕
図174は、本実施形態の変動開始処理の一例を示すフローチャートである。前述の第1実施形態の変動開始処理(図87)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
主制御MPU4100aは、第一始動記憶数及び第二始動記憶数がいずれも「0」でない場合には(ステップS301にてNo)、次の消化順にあたる始動記憶が第二始動記憶であるか否かを判定する(ステップS2081)。
そして、主制御MPU4100aは、消化する始動記憶が第二始動記憶である場合には(ステップS2081にてYes)、第二特別図柄乱数を取得し(ステップS303)、乱数記憶領域におけるシフト処理を実行した後(ステップS304〜ステップS306)、ステップS312以降の処理にて第二始動口2005cへの遊技球の入賞を契機とした第二始動遊技が進行されうるように設定する。
一方、主制御MPU4100aは、消化する始動記憶が第二始動記憶でない場合には(ステップS2081にてNo)、第一特別図柄乱数を取得し(ステップS307)、乱数記憶領域におけるシフト処理を実行した後(ステップS308〜ステップS310)、ステップS312以降の処理にて第一始動口2001への遊技球の入賞を契機とした第一始動遊技が進行されうるように設定する。
〔コマンド解析処理〕
図175は、本実施形態のコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。前述の第1実施形態のコマンド解析処理(図99)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
まず、周辺制御MPU4150aは、受信したコマンドを読み出した後、受信したコマンドが入賞通知コマンドである場合には(ステップS1101にてYes→ステップS1102→ステップS2001にてYes)、入賞通知コマンドに基づいて液晶表示装置1400における保留表示を設定する保留表示コマンド設定処理を実行する(ステップS2091)。
次に、周辺制御MPU4150aは、周辺制御RAM4150cに設けられる合計保留数カウンタを1加算更新する(ステップS2092)。合計保留数カウンタは、第一始動口2001及び第二始動口2005cへの遊技球の入賞回数を計測するカウンタであり、第一保留数カウンタ値と第二保留数カウンタ値を合算した値である。その後、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、受信したコマンドを読み出した後、受信したコマンドが入賞通知コマンドでない場合には(ステップS1101にてYes→ステップS1102→ステップS2001にてNo)、ステップS1103以降の処理を実行する。
〔遊技状態報知処理〕
図176は、本実施形態の遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。前述の第4実施形態の遊技状態報知処理(図168)と同じ処理には同符号を付する。
まず、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2021)。そして、不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS2021にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS2021にてYes)、周辺制御RAM4150cの合計保留数カウンタを読み出し(ステップS2101)、読み出した合計保留数カウンタの値が上限値(ここでは「8」)に到達したか否かを判定する(ステップS2102)。
周辺制御MPU4150aは、読み出した合計保留数カウンタの値が上限値(ここでは「8」)に到達していない場合には(ステップS2102にてNo)、第二所定値(ここでは「6」)に到達したか否かを判定する(ステップS2103)。そして、合計保留数カウンタの値が第二所定値(ここでは「6」)に到達していない場合には(ステップS2103にてNo)、第一所定値(ここでは「4」)に到達したか否かを判定する(ステップS2104)。そして、合計保留数カウンタの値が第一所定値(ここでは「4」)に到達していない場合には(ステップS2104にてNo)、本処理を終了する。
周辺制御MPU4150aは、合計保留数カウンタの値が第二所定値「6」には到達していないが第一所定値「4」に到達した場合には(ステップS2104にてYes)、後述の報知設定テーブル(図177)に基づいて約33%の信頼度で現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)を報知する報知する第一報知の演出の設定を実行し(ステップS2105)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4150aは、合計保留数カウンタの値が上限値「8」には到達していないが第二所定値「6」に到達した場合には(ステップS2103にてYes)、後述の報知設定テーブル(図177)に基づいて約66%の信頼度で現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)を報知する第二報知の演出の設定を実行し(ステップS2106)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4150aは、合計保留数カウンタの値が上限値「8」に到達した場合には(ステップS2102にてYes)、後述の報知設定テーブル(図176)に基づいて100%の信頼度で現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)を明確に報知する明瞭報知の設定を実行する(ステップS2107)。その後、不明瞭モードフラグをリセットして(ステップS2108)、本処理を終了する。
〔報知設定テーブル〕
図177は、本実施形態の報知設定テーブルの一例を示すテーブルである。報知設定テーブルは、前述の遊技状態報知処理(図176)の第一報知設定(ステップS2105)、第二報知設定(ステップS2106)及び明瞭報知設定(ステップS2107)において用いられる。
報知設定テーブルは、各報知段階と現在の遊技状態(高確率状態もしくは通常確率状態)に応じた報知態様が選択可能に設けられている。本実施形態では、保留数が4個に到達すると信頼度レベル3段階のうち最低レベル1の第一報知が行われ、保留数が6個に到達すると信頼度レベル3段階のうち中間レベル2の第二報知が行われ、保留数が上限8個に到達すると信頼度レベル3段階のうち最高レベル3(信頼度100%)の明瞭報知が行われる。
第一報知では、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、三分の一の確率で演出Aが選択され、三分の二の確率で演出Bが選択される。例えば、演出Aでは味方のキャラクタが立ち上がる演出が行われ、演出Bでは敵のゾンビ1体が立ち上がる演出が行われる。また、現在の遊技状態が通常確率状態である場合には、三分の二の確率で演出Aが選択され、三分の一の確率で演出Bが選択される。
第二報知では、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、三分の二の確率で演出Cが選択され、三分の一の確率で演出Dが選択される。例えば、演出Cでは味方のキャラクタが立ち上がって武器を持つ演出が行われ、演出Dではさらに敵のゾンビ1体が立ち上がる演出が行われる。また、現在の遊技状態が通常確率状態である場合には、三分の一の確率で演出Cが選択され、三分の二の確率で演出Dが選択される。
明瞭報知では、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、演出Eが選択される。例えば、演出Eでは味方キャラクタが敵のゾンビを倒して勝つ演出が行われる。また、現在の遊技状態が通常確率状態である場合には、演出Fが選択される。例えば、演出Fでは敵のゾンビが味方キャラクタを倒して勝つ演出が行われる。
このように本実施形態では、第一報知、第二報知、明瞭報知の順に報知信頼度が上がるように設定される。すなわち、遊技者が始動記憶を溜めるほど信頼度が高い報知が特典として付与される。
〔画面遷移例〕
続いて、図178は、本実施形態の遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。図178を参照して、液晶表示装置1400の画面1410における画面遷移の一例について説明する。本実施形態では、変動表示ゲームの結果が「大当りF」及び「小当り」となる場合に不明瞭モードに突入する。ここでは、「大当りF」に対応する大当り遊技終了後の画面遷移を例に説明する。なお、「大当りF」(「小当り」)に当選したときの画面表示は、前述の図169(A)と同じである。
図178(A)に示すように、「大当りF」に対応する大当り遊技終了後の画面1410では、変動表示ゲームの結果が大当りとなったのか否かが不明な当落不明瞭演出(例えば、バトルの決着が不明な演出)が行われ、「確変?通常?どっちだ!?」のメッセージの表示とともに画面が雲に覆われて不明瞭モードに突入する。ここでは、不明瞭モード設定処理(図165)のステップS1256の処理において、当落不明瞭演出(遊技状態不明瞭演出)が設定される。なお、本実施形態では、第一保留表示領域と第二保留表示領域との区別がない保留表示領域1409に第一始動記憶(丸形)と第二始動記憶(四角形)とが交互に保留表示される。
その後、図178(B)に示すように、保留表示領域1409に表示される保留表示が4個(第一所定値)に到達すると第一報知が実行される。ここでは、遊技状態報知処理(図176)のステップS2105の処理において、信頼度レベル1の第一報知が設定される。そして、第一報知における報知態様として、報知設定テーブル(図177)によって演出Bが設定される。現在の遊技状態が高確率状態であっても、第一報知では三分の二の確率で通常確率状態(遊技者に有利ではない状態)を示唆する演出Bが選択される。このため、画面1410では、画面中央で味方キャラクタ及びゾンビの双方が倒れていてバトルの決着が不明な状態から、一体のゾンビが立ち上がる演出が行われる。そして、第一段階の報知実行により不明瞭モードを象徴して表示されている雲が減る演出が行われる。また、画面上部には、今回が第一報知であり、報知の信頼度が三段階のレベルのうち最低レベル1であることがメッセージと画像で表示される。このように、保留表示が4個に到達したときに付与される特典(第一報知)では、現在の遊技状態が遊技者に有利ではないことを示唆する演出が行われる。また、4個目の保留表示に、第一報知の実行契機となった(特典付与条件を成立させた)印に表示輝度を高める演出が行われる。
なお、本実施形態では、保留表示領域1409に表示される保留表示が5個になった場合にも第一報知が実行される。このとき、遊技状態報知処理(図176)のステップS2105の処理において、報知設定テーブル(図177)によって新たに演出A又は演出Bが設定される。演出Aが設定された場合は味方キャラクタが立ち上がる演出が行われ、再び演出Bが設定された場合はさらにもう一体のゾンビが立ち上がる演出が行われる。ここで、保留表示が5個に到達したときに付与される特典(第一報知)として演出Bが設定されたものとする。
次に、図178(C)に示すように、保留表示領域1409に表示される保留表示が6個(第二所定値)に到達すると第二報知が実行される。ここでは、遊技状態報知処理(図176)のステップS2106の処理において、信頼度レベル2の第二報知が設定される。そして、第二報知における報知態様として、報知設定テーブル(図177)によって演出Cが設定される。第二報知では三分の二の確率で現在の遊技状態に応じた演出が選択される。このため、画面1410では、画面中央で味方キャラクタが立ち上がって武器を持つ演出が行われる。そして、第二段階の報知実行により第一報知からさらに雲が減る演出が行われる。また、画面上部には、今回が第二報知であり、報知の信頼度が三段階のレベルのうちレベル2であることがメッセージと画像で表示される。このように、保留表示が6個に到達したときに付与される特典(第二報知)では、現在の遊技状態が遊技者に有利であることを示唆する演出が行われる。また、6個目の保留表示に、第二報知の実行契機となった(特典付与条件を成立させた)印に表示輝度を高める演出が行われる。
なお、本実施形態では、保留表示領域1409に表示される保留表示が7個になった場合にも第二報知が実行される。このとき、遊技状態報知処理(図176)のステップS2106の処理において、報知設定テーブル(図177)によって新たに演出C又は演出Dが設定される。再び演出Cが設定された場合は立ち上がって武器を持った味方キャラクタが攻勢にでる演出が行われ、演出Dが設定された場合はさらにもう一体のゾンビが立ち上がる演出が行われる。ここで、保留表示が7個に到達したときに付与される特典(第二報知)として演出Cが設定されたものとする。
続いて、図178(D)に示すように、保留表示領域1409に表示される保留表示が8個(上限値)に到達すると明瞭報知が実行される。ここでは、遊技状態報知処理(図176)のステップS2107の処理において、信頼度レベル3(100%)の明瞭報知が設定される。そして、明瞭報知における報知態様として、報知設定テーブル(図177)に基づいて演出Eが設定される。明瞭報知では、現在の遊技状態に応じた演出が選択される。このため、画面1410では、画面中央で味方キャラクタがゾンビを撃退して勝利する演出が行われる。また、画面上部には、今回が明瞭報知であり、報知の信頼度が三段階のレベルのうち最高レベル3であることがメッセージと画像で表示される。そして、画面中において「確変中!」と現在の遊技状態が明示され、不明瞭モードを象徴する雲が消える演出が行われる。このように、保留表示が上限値8個に到達したときに付与される特典(明瞭報知)では、現在の遊技状態が遊技者に有利な高確率状態(確変中)であることを明瞭に報知する演出が行われる。また、8個目の保留表示に、明瞭報知の実行契機となった(特典付与条件を成立させた)印に表示輝度を高める演出が行われる。
(第5実施形態の効果)
このように、本実施形態では、遊技状態が明瞭に報知されずに遊技が継続している状態(不明瞭モード)である場合に、保留記憶数が所定値に到達したことを特典付与条件の成立とし、特典付与条件の成立に基づいて現在の遊技状態の報知にかかる特典が付与されることを特徴とする。具体的には、前述の遊技状態報知処理(図176)において、保留記憶数が第一所定値(「4」)に到達した場合には低信頼度の第一報知(ステップS2105)、保留記憶数が第二所定値(「6」)に到達した場合には中信頼度の第二報知(ステップS2106)、保留記憶数が上限値(「8」)に到達した場合には高信頼度の明瞭報知(ステップS2107)が特典として設定される。
本実施形態では、不明瞭モードを終了させる、すなわち遊技状態を明瞭に報知するタイミングを決定する指標として保留記憶数を用い、特典付与条件として保留記憶数の所定値到達を設定している。本実施形態では実際に記憶可能な保留記憶数として「0」〜「8」の幅広いレンジを有し、保留記憶数の増加に応じて段階的に信頼度を上げる報知特典を提供することを特徴とする。
このように本実施形態では、遊技者の遊技意思があってこそ発生し得る始動記憶の保留記憶数を用いて不明瞭モードの終了(遊技状態の報知)タイミングを決定する。そして、不明瞭モードの終了に至るには複数の特典付与条件と複数の特典とが設けられ、保留記憶数の増加に応じて段階的な報知が行われる。このため、保留記憶数の上限値到達のみが特典付与条件であった第3実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、さらに特典付与にかかる一連の遊技価値(ゲーム性)を高めることができる。
また、本実施形態における特典には、保留記憶数の増加に応じた段階的な信頼度の異なる報知(第一報知、第二報知、明瞭報知)の付与を例に挙げたが、これに限らない。前述の第3実施形態及び第4実施形態における一発明瞭報知(特典番号「0」)、明瞭報知を行うか否かの明瞭報知抽選(特典番号「1」)及び明瞭報知実行確率の向上(特典番号「2」)のいずれかが付与されるようにしてもよい。前述の第3実施形態の遊技状態報知処理(図158)において「保留数カウンタ」に変えて本実施形態の「合計保留数カウンタ」とし、上限値を「8」にすれば、特典付与条件の成立から条件を成立させた始動記憶の消化までの時間を十分に確保できることから、明瞭報知抽選が行われる場合にも抽選演出の自由度が高く、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技状態報知処理(図176)において、合計保留数カウンタが第一所定値(「4」)になったら明瞭報知の実行確率が上がり、第二所定値(「6」)になったら明瞭報知抽選が行われ、上限値(「8」)になったら一発明瞭報知が行われるようにしてもよい。なお、各所定値に到達する度に前述の特典決定処理(ステップS2024)が実行されてもよい。
また、第一始動記憶もしくは第二始動記憶に3個目の始動記憶が発生した場合(すなわち合計保留数カウンタが5になった場合)は、次変動の変動パターンとして変動時間が比較的短い短縮変動が選択される割合を高くし、保留記憶数「6」(第二所定値)の到達を困難にしてもよい。目標とする保留数カウンタ値に応じて到達の難易度を変化させることで、到達した際に遊技者に充実した達成感を与えることができる。
また、リーチ演出が実行されている場合とリーチ演出が実行されていない場合とでは、合計保留数カウンタを「8」(上限値)に到達させる難易度の差が大きい。そこで、リーチ演出が実行されているか否かを判定するリーチ演出実行判定手段を備え、リーチ演出実行の有無に応じて特典を変化させてもよい。例えば、リーチ演出が実行されていない場合は、リーチ演出が実行されている場合よりも高い信頼度の報知を付与してもよい。
また、遊技状態に応じて各所定値を設定するようにしてもよい。例えば、短縮変動が選択される割合異なる状態ごと、リーチ演出実行の有無ごと等に応じて各所定値を変化させてもよい。
このように本実施形態では、第一保留数カウンタと第二保留数カウンタを合算した保留記憶数が「0」〜「8」の幅広いレンジで変化することから、第3実施形態や第4実施形態よりも特典付与条件の成立や特典付与にかかる演出パターンを多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
(第5実施形態の変形例1)
前述の第5実施形態では、保留状態の始動記憶数(第一始動記憶数と第二始動記憶数の合計)に基づいて特典(第一報知、第二報知、明瞭報知)を付与し、特典は設定した所定値(第一所定値、第二所定値、上限値)に保留記憶数が到達していれば始動記憶が発生する毎に付与される。これに対し、変形例1では、不明瞭モード中に発生した始動記憶の数(入賞数)に基づいて特典を付与し、特典は設定した所定値に入賞数が合致したときのみ付与される。
以下、図179〜図181を参照して、第5実施形態の変形例1の遊技機について説明する。なお、第5実施形態の変形例1の遊技機は前述の第5実施形態における遊技機をベースとしている。以下では、第5実施形態の変形例1特有の構成について説明する。
〔コマンド解析処理〕
図179は、本実施形態の変形例1のコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。前述の本実施形態のコマンド解析処理(図175)と同じ処理には同符号を付し、説明を省略する。
周辺制御MPU4150aは、受信したコマンドが入賞通知コマンドである場合には、保留表示コマンド設定処理及び合計保留数カウンタの更新を実行した後(ステップS1101にてYes→ステップS1102→ステップS2001にてYes→ステップS2091→ステップS2092)、不明瞭モードフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2111)。そして、不明瞭モードフラグがセットされていない場合には(ステップS2111にてNo)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされている場合には(ステップS2111にてYes)、周辺制御RAM4150cに設けられる入賞数カウンタを1加算更新する(ステップS2112)。ここで、入賞数カウンタは、不明瞭モード中における第一始動口2001及び第二始動口2005cへの遊技球の入賞回数を計測するカウンタである。
そして、周辺制御MPU4150aは、入賞数カウンタに基づいて液晶表示装置1400における演出を設定する入賞数演出コマンド設定処理を実行する(ステップS2113)。その後、本処理を終了する。
〔遊技状態報知処理〕
図180は、本実施形態の変形例1の遊技状態報知処理の一例を示すフローチャートである。前述の本実施形態の遊技状態報知処理(図176)と同じ処理には同符号を付して説明を省略する。
変形例1において、周辺制御MPU4150aは、不明瞭モードフラグがセットされている場合に(ステップS2021にてYes)、入賞数カウンタの値を読み出す(ステップS2121)。そして、読み出した入賞数カウンタの値が第一所定値(「4」)に到達した場合に(ステップS2104にてYes)、第一報知済フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2122)。そして、第一報知済フラグがセットされている場合には(ステップS2122にてYes)、本処理を終了する。一方、第一報知済フラグがセットされていない場合には(ステップS2122にてNo)、第一報知設定を実行し(ステップS2105)、第一報知済フラグをセットした後(ステップS2123)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4150aは、読み出した入賞数カウンタの値が第二所定値(「6」)に到達した場合に(ステップS2103にてYes)、第二報知済フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2124)。そして、第二報知済フラグがセットされている場合には(ステップS2124にてYes)、本処理を終了する。一方、第二報知済フラグがセットされていない場合には(ステップS2124にてNo)、第二報知設定を実行し(ステップS2106)、第二報知済フラグをセットした後(ステップS2125)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4150aは、読み出した入賞数カウンタの値が上限値(「8」)に到達し、明瞭報知設定及び不明瞭モードフラグのリセットを実行した場合には(ステップS2102にてYes→ステップS2107→ステップS2108)、入賞数カウンタをリセットし(ステップS2126)、本処理を終了する。
このように変形例1では、不明瞭モード中の入賞数が所定値(第一所定値、第二所定値、上限値)に到達したタイミングでのみ特典が付与される。具体的には、入賞数が第一所定値(ここでは「4」)に到達した場合にのみ第一報知が実行され、入賞数が「5」となった場合には第一所定値に到達していても第一報知は実行されない。そして、入賞数が第二所定値(ここでは「6」)に到達した場合にのみ第二報知が実行され、入賞数が「7」となった場合には第二所定値に到達していても第二報知は実行されない。
〔画面遷移例〕
続いて、図181は、本実施形態の変形例1の遊技状態報知にかかる演出の一例を示す図である。図181を参照して、液晶表示装置1400の画面1410における画面遷移の一例について説明する。図181(A)、(B)及び(C)の画面表示は、前述の図178(A)、(B)及び(D)の画面表示に対応する。ここでは、前述の本実施形態の画面表示(図178)と異なる点について説明する。
図181(A)に示すように、画面1410には、不明瞭モード中に発生した入賞数(始動記憶数)を報知するカウント表示領域1408が設けられる。カウント表示領域1408は、前述のコマンド解析処理(図179)のステップS2113の処理において入賞数演出コマンドが設定されることにより、対応する領域が点灯表示される等の演出が行われる。したがって、「大当りF」に対応する大当り遊技終了後の画面1410では、前述の不明瞭モード設定処理(図165)のステップS1256の処理において設定される当落不明瞭演出(遊技状態不明瞭演出)のひとつとしてカウント表示領域1408が表示される。ここで、カウント表示領域1408は設定される上限値の数(ここでは「8」)に区切られた領域を有し、入賞毎に領域を一つ点灯表示することで遊技者が入賞数を容易に把握できるようにするとともに全領域点灯(始動記憶の発生)を促す。ここでは、不明瞭モード開始時の入賞数カウンタは0なので、カウント表示領域1408の8つの領域は全て消灯状態となる。
次に、図181(B)に示すように、不明瞭モードに突入してから4個の始動記憶が発生した場合には、画面1410では、カウント表示領域1408の4つの領域が点灯状態となり、第一報知が行われる。ここでは、カウント表示領域の点灯は、コマンド解析処理(図179)の入賞数演出コマンド設定処理(ステップS2113)にて設定される。また、遊技状態報知処理(図180)のステップS2104の処理において入賞数カウンタの値が第一所定値(「4」)に到達したと判定され、ステップS2122の処理において第一報知済フラグはセットされていないと判定されるので、ステップS2105の処理において第一報知が設定される。このとき、4個目の始動記憶が第一報知の実行契機となった(特典付与条件を成立させた)ことを遊技者が把握可能なように、カウント表示領域1408の4個目の始動記憶に対応する領域から吹き出しが表示され、吹き出し内に第一報知にかかるメッセージ等が表示される演出が行われる。
なお、変形例1では、入賞数が第一所定値の4個になったときのみ第一報知が行われ、5個(第一所定値を超えて第二所定値未満)になったときには第一報知は行われない。5個目の始動記憶が発生した場合には、画面1410では、カウント表示領域1408の5つの領域が点灯状態となる。ここでは、遊技状態報知処理(図180)のステップS2104の処理において入賞数カウンタの値が第一所定値(「4」)に到達したと判定されるが、入賞数が4個となって第一報知が設定されたときに第一報知済フラグがセットされているので、ステップS2122の処理において第一報知を設定することなく遊技状態報知処理を終了するよう導かれる。
図示は省略するが、6個目の始動記憶が発生した場合には、画面1410では、カウント表示領域1408の6つの領域が点灯状態となり、第二報知が行われる。ここでは、遊技状態報知処理(図180)のステップS2103の処理において入賞数カウンタの値が第二所定値(「6」)に到達したと判定され、ステップS2124の処理において第二報知済フラグはセットされていないと判定されるので、ステップS2106の処理において第二報知が設定される。また、7個目の始動記憶が発生した場合には、カウント表示領域1408の点灯領域が追加されるのみで、第二報知は行われない。
そして、図181(C)に示すように、8個目の始動記憶が発生した場合には、画面1410では、カウント表示領域1408の8つ全ての領域が点灯状態となり、明瞭報知が行われる。ここでは、遊技状態報知処理(図180)のステップS2102の処理において入賞数カウンタの値が上限値(「8」)に到達したと判定されるので、ステップS2107の処理において明瞭報知が設定される。
(第5実施形態の変形例1の効果)
このように変形例1では、不明瞭モードを終了させる、すなわち遊技状態を明瞭に報知するタイミングを決定する指標として不明瞭モード中の入賞数を用い、特典付与条件として入賞数の所定値到達を設定している。不明瞭モード中に発生した入賞数は、保留記憶数(第一保留数カウンタと第二保留数カウンタとの合計値)のように上限値が「8」までと決まっておらず、自由に上限値を設定可能なので(8個より多くてもよいので)、第5実施形態と同等の効果はもとより、より幅広いレンジで入賞数の増加に応じた段階的な特典付与や自由度の高い演出を提供することができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
また、不明瞭モード中の入賞数には、保留記憶数(保留可能な始動記憶)だけでなく所謂オーバーフロー数(保留できない始動記憶)も含まれる。現在の遊技状態を把握したい遊技者は上限の入賞数まで遊技球を入賞させようと遊技球を打ち出すので、保留記憶数のみを特典付与条件の指標とするよりもさらに遊技者の遊技意欲を高めるとともに、遊技機の稼動効率を向上させることが可能である。
また、変形例1では、不明瞭モード中の入賞数が所定値(第一所定値、第二所定値、上限値)に到達したタイミングでのみ報知特典が付与される。各所定値に対応する特典は一回限りの実行となるので、特典のプレミア感(希少価値)を高めることができる。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等であっても、本発明は適用されうる。なお、パチスロ機への本発明の適用を考え、上記各構成にある「遊技球」を「遊技媒体」としてもよい。
パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(すなわち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出画像表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組み合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
また、上述の実施形態における演出表示装置は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置及びCRT等の表示装置等であってもよい。
1 パチンコ機
4 遊技盤
5a 遊技領域
220 演出操作ユニット
244 上皿側液晶表示装置(演出表示手段)
246 タッチパネル(演出操作手段)
257 上皿演出ボタン(演出操作手段)
504 ハンドルレバー(発射操作手段)
1400 遊技盤側液晶表示装置(演出表示手段)
4100 主制御基板(抽選手段、遊技状態設定手段、始動記憶手段)
4140 周辺制御基板(操作変化演出手段、検出有効化手段、検出回数計測手段、操作価値向上手段、有効期間延長手段、有効期間報知手段、消費度合示唆手段、演出態様設定手段、演出態様変更手段、示唆演出態様移行手段、不明瞭モード設定手段、期待モード設定手段、特典付与手段、遊技状態報知手段、抽選遊技実行手段、事前報知手段、報知態様選択手段、態様選択確率変更手段、実行率変更手段、確率変更手段、情報提供手段、遊技状態報知禁止手段)
4165 リアルタイムクロック(RTC)制御部(同時示唆実行手段)
5500 外部情報送受信基板(遊技情報受付手段)
6011 演出ゲート(特定の領域)

Claims (1)

  1. 複数の遊技機が設置された遊技場において、遊技領域内の特定の領域を遊技媒体が通過したことに基づくゲームを実行可能な遊技機であって、
    通常遊技状態、及び該通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態を少なくとも含む複数の遊技状態のいずれかの遊技状態に設定可能な遊技状態設定手段と、
    現在の遊技状態が前記有利遊技状態であるか否かを明瞭に報知しない不明瞭モードに設定可能な不明瞭演出態様設定手段と、
    遊技に関わる遊技情報を外部に送信する遊技情報送信手段と、
    前記複数の遊技機から収集された遊技情報に基づいて生成された遊技状態報知コマンドを外部から受信する遊技状態報知コマンド受信手段と、
    前記不明瞭モードで遊技が進行している間に、前記遊技状態報知コマンドを受信した場合に現在の遊技状態を報知可能な遊技状態報知手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
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