JP2015228006A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 明るさへの影響が小さく簡易な構成で様々なサイズの画像表示素子に対応する。【解決手段】 被投射面に表示される画像を表示する画像表示素子22と画像表示素子22を照明する照明光学系10とを有してなる画像表示装置120であって、画像表示素子22は、画像の表示サイズが可変であり、照明光学系10は、光源11と、光源11から出射した光を導光するロッドインテグレータ13と、ロッドインテグレータ13から出射した光を画像表示素子22に導く光学系と、を備え、光学系は、複数のレンズを有し、画像表示素子22の表示サイズを変更するとき、複数のレンズのうち少なくとも1枚のレンズ17が移動レンズとして移動される。【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置に関するものである。
パーソナルコンピュータから出力されるデータ画像などを拡大投射して表示させる画像表示装置(以下「プロジェクタ」ともいう。)は、会議や教育現場などの様々なシーンにおいて用いられている。
プロジェクタに用いられる画像表示素子には、様々な解像度があり、用途に応じて使い分けられる。通常、画像表示素子は、解像度によって画像表示素子上の有効エリアのサイズが異なる。画像表示素子上の有効エリアのサイズが異なる場合には、有効エリアを照明するための照明光学系も異なる構成にする必要がある。
そのため、異なる解像度の画像表示デバイスに対して同一の照明光学系を使用するために、照明光学系を構成する光学素子の仕様を変更することで、異なった解像度の画像表示デバイスに対応させるのが一般的である。ここで、変更される光学素子の仕様としては、ロッドインテグレータ(ライトガイド)の開口サイズ、あるいはフライアイレンズのピッチなどが挙げられる。
しかしながら、光学素子の仕様を変更することは、画像表示素子の解像度に応じてそれぞれの光学部品を製作する必要があるため、コストアップが問題となっていた。
また、画像表示素子の解像度に対応してロッドインテグレータの開口のサイズのみを変更する場合、ロッドインテグレータと画像表示素子の間の照明光学系の倍率は変わらない。このため、画像表示素子のサイズを小さくした場合には、ロッドインテグレータの開口のサイズも小さくなる。
画像表示素子のサイズを小さくした場合には、ロッドインテグレータの開口のサイズも小さくなることにより、光源からロッドインテグレータに入る光の取り込み効率が低下する。このため、画像表示素子のサイズを小さくした場合には、プロジェクタの明るさが低下するという問題があった.
なお、画像表示装置において、フライアイレンズを交換することで様々なサイズの画像表示デバイスに対応させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、画像表示装置において、照明光学系内の少なくとも1つの光学素子を所定の位置に装着することで、異なる種類の画像表示デバイスに対応させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、画像表示装置において、出射端の開口サイズの異なる複数のテーパー形状のロッドインテグレータを機械的に切り替えることで、異なるアスペクト比に対応した画像を表示する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、画像表示装置において、ロッドインテグレータの入射端を固定したまま出射端の位置を変化させることで、照明エリアの大きさを変化させる技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献1の技術は、画像表示素子のサイズに応じてフライアイレンズを製作しなければならないため、構成が複雑化しコストアップになるという問題があった。また、特許文献1の技術は、フライアイレンズの交換に伴って他の光学素子の位置も移動させる必要があるため、機構部が複雑になるという問題があった。
また、特許文献2の技術は、同じアスペクト比の画像表示素子にのみ対応させることができるものであり、異なるアスペクト比の画像表示素子に対応させることができなかったまた、特許文献2の技術は、画像表示素子上の照明エリアのサイズを変更することができなかった。
また、特許文献3の技術は、複数のロッドインテグレータと複数のロッドインテグレータの切り替え機構が必要であるため、構成が複雑化しコストアップになるという問題があった。
さらに、特許文献4の技術は、ロッドインテグレータの出射端の位置を移動させるための機構が必要となるため、構成が複雑化しコストアップになるという問題があった。また、特許文献4の技術は、ロッドインテグレータの出射端近辺に配置される光学素子により、出射端の位置の移動範囲が限定されるため、光源による照明エリアのサイズを大きく変更することができないという問題があった。
本発明は、簡易な構成で様々なサイズの画像表示素子に対応することができる画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、被投射面に表示される画像を表示する画像表示素子と画像表示素子を照明する照明光学系とを有してなる画像表示装置であって、画像表示素子は、前記画像の表示サイズが可変であり、照明光学系は、光源と、光源から出射した光を導光するロッドインテグレータと、ロッドインテグレータから出射した光を画像表示素子に導く光学系と、を備え、光学系は、複数のレンズを有し、画像表示素子の表示サイズを変更するとき、複数のレンズのうち少なくとも1枚のレンズが移動レンズとして移動される、ことを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で様々なサイズの画像表示素子に対応することができる。
本発明に係る画像表示装置の実施の形態を示す光学配置図である。 図1に示す画像表示装置が備えるロッドインテグレータの例を示す斜視図である。 図1に示す画像表示装置が備える照明光学系の第1の実施例を示す光学配置図である。 図3に示す照明光学系が備えるリレーレンズが所定の位置にあるときの照度分布図である。 図3に示す照明光学系が備えるリレーレンズを光軸に沿ってマイナス方向に移動させたときの照度分布図である。 図3に示す照明光学系が備えるリレーレンズを光軸に沿ってプラス方向に移動させたときの照度分布図である。 図3に示す照明光学系が備えるリレーレンズをアナモルフィックレンズにしたときの照度分布図である。 図1に示す画像表示装置が備える照明光学系の第3の実施例を示す光学配置図である。 図8に示す照明光学系の斜視図である。 図8に示す照明光学系が備えるリレーレンズが所定の位置にあるときの照度分布図である。 図8に示す照明光学系が備えるリレーレンズを光軸に沿ってマイナス方向に移動させたときの照度分布図である。 図8に示す照明光学系が備えるリレーレンズを光軸に沿ってプラス方向に移動させたときの照度分布図である。
以下、本発明に係る画像表示装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る画像表示装置の実施の形態を示す光学配置図である。同図に示すように、本実施の形態において、画像表示装置120は、いずれも後述する照明光学系10と投射光学系121とを有する。また、画像表示装置120は、この他にいずれも不図示の凹面反射ミラーやカバーガラスなどを有していてもよい。
画像表示装置120は、図示しないスクリーンに投射される光が通過するカバーガラスを有する。画像表示装置120は、スクリーンとの設置距離が短い至近距離プロジェクタである。
●照明光学系の構成
次に、画像表示装置120の照明光学系の構成について説明する。
照明光学系10は、光源であるランプユニット11から出た光が後述する光学素子を経ることにより、DMD(Digital Micromirror Device)などにより構成される画像表示素子22を照明する。そして、画像表示装置は、画像表示素子22上の拡大像を不図示の投射光学系で不図示のスクリーンに投射する。
図1に示すように、照明光学系10は、ランプユニット11から順に、カラーホイール12と、ロッドインテグレータ13と、リレーレンズ14,リレーレンズ15と、ミラー16と、リレーレンズ17と、不図示の開口絞りと、ミラー18とが配置されている。また、照明光学系10は、ミラー18の後に、リレーレンズ19から順に、プリズム21と、画像表示素子22とが配置されている。
ランプユニット11は、光源であるランプと、ランプが発した光を一定の方向(カラーホイール12が配置されている方向)に向けて反射するランプカバーと、を有する。
ここで、ランプは、光源として超高圧水銀ランプや、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)などの固体光源を使用することができる。光源としてLDやLEDを使用することにより、ランプは、超高圧水銀ランプを使用した場合に比べて長寿命であり色再現性が向上する。
カラーホイール12は、ランプユニット11からの光の進行方向に配置されている。カラーホイール12は、ランプユニット11からの光が通過するときに、光の色変換を行う色変換手段である。
ロッドインテグレータ13は、光の進行方向において、カラーホイール12の後段に配置されている。ロッドインテグレータ13は、入射した光の照度を均一にして出射する照度均一化素子である。
図2は、図1に示す画像表示装置が備えるロッドインテグレータ13の例を示す斜視図である。同図に示すように、ロッドインテグレータ13は、両端に開口部を有する四角柱型の中空構造を有する。
ロッドインテグレータ13は、中空構造の内面が4枚の反射ミラー131で構成されている。つまり、ロッドインテグレータ13は、一端の開口部から入射した光が反射ミラー131により内部反射して、他端の開口部から均一な照度分布の光として出射するように構成されている。ここで、ロッドインテグレータ13の開口部の開口のサイズは、例えば6mmx4mmである。
図1に戻る。リレーレンズ14とリレーレンズ15は、ロッドインテグレータ13からの光の進行方向において、ロッドインテグレータ13の後段に配置されている。リレーレンズ14とリレーレンズ15は、ロッドインテグレータ13から出射された光をミラー16へと導光する導光手段である。
ミラー16は、ロッドインテグレータ13からの光が画像表示素子22を照明するように、光の進行方向を変更する手段である。ミラー16によって、図1の+A軸方向へと進行してきた光は、+B軸方向へと進行方向が変更される。
リレーレンズ17は、ミラー16からの光の進行方向において、ミラー16の後段に配置されている。リレーレンズ17は、ミラー16により出射された光をミラー18へと導光する導光手段である。
ミラー18は、リレーレンズ17からの光をリレーレンズ19に入射させるように、光の進行方向を変更する手段である。ミラー18によって、図1の+B軸方向へと進行してきた光は、+A軸方向へと進行方向が変更される。
リレーレンズ19は、ミラー18からの光の進行方向において、ミラー18の後段に配置されている。リレーレンズ19は、ミラー18から出射された光をプリズム21へと導光する導光手段である。
プリズム21は、それぞれ三角プリズムであり、プリズム21の斜面の角度を設定することにより入射した光がプリズム21の斜面で全反射し、画像表示素子22に導かれる。
画像表示素子22は、複数の微小ミラーが二次的に配置されている画像形成素子である。画像表示素子22は、例えば、一辺が10μm程度の正方形ミラーを表示画素に対応させて配列してなる。表示する画像の解像度の規格がWXGA規格であれば、これに対応する画像表示素子22の微小ミラーは、1280×800個の配列になる。画像表示素子22上の画像の表示サイズは、変更可能(可変)である。
画像表示素子22が備える各微小ミラーの形状は、正方形である。各微小ミラーは、2次元的に配列された状態から対角方向において±12度の傾きを形成できるようになっている。この各微小ミラーの傾きは、被投射面であるスクリーンに表示する画像の映像信号に基づいて適宜制御されて切り替わる。
例えば、微小ミラーの角度が+12度の状態をON状態、微小ミラーの角度が−12度の状態をOFF状態とする。画像表示素子22を照明した光は、ON状態の微小ミラーによって投射光学系121に向けて反射される。一方、OFF状態のミラーを照明した光は、投射光学系121が配置されている方向とは異なる方向へと反射される。投射光学系121に向けて反射された光は、画像情報として投射光学系121を通過して、スクリーン上へと投射される。一方、その他の反射光は、照明光学系10が設置される図示しないハウジングに配置されている吸収部材などによって吸収される。
ここで、画像表示素子22は、微小ミラーを照明する光により、2次的な面光源(ライトバルブ)として作用するため、反射型ライトバルブともいう。
各微小ミラーの傾きは、映像信号に基づいて制御される。また、照明光の色変換を行うカラーホイール12の動作も映像信号に基づいて制御される。この制御によって、映像信号に基づく画像が画像表示素子22によって形成され、これがスクリーン上に拡大投射されて表示される。
なお、画像表示素子22の前面側(微小ミラーの反射面が配置されている側)には、保護ガラスが配置されている。
照明光学系10は、画像表示素子22として、DMD(Digital Micromirror Device:デジタルマイクロミラーデバイス)を用いることができる。DMDを用いることで、照明光学系10を小型にすることができる。
ここで、照明光学系10の作用について説明する。ランプユニット11からの光は、カラーホイール12により色変換された後、ロッドインテグレータ13に入射する。ロッドインテグレータ13に入射した光は、ロッドインテグレータ13の中で多重反射した後、ロッドインテグレータ13の出射端において、均一な照度分布の2次的な面光源となる。
そして、ロッドインテグレータ13から出射した光は、リレーレンズ14,リレーレンズ15を通過し、ミラー16により反射された後にリレーレンズ17と開口絞りを通過してミラー18で反射される。ミラー18で反射された光は、リレーレンズ19とプリズム21を通過した後、画像表示素子22に対して略テレセントリック(平行)に照射される。
●投射光学系の構成
次に、画像表示装置120が備える投射光学系121の構成について説明する。
投射光学系121は、照明光学系10が備える画像表示素子22において反射された光を図示しないスクリーンに投射するための投射レンズ群である。なお、図1において、投射レンズ群を所定の配置で保持するレンズ鏡胴などは図示を省略している。
照明光学系10によって画像表示素子22に照射された光のうち、画像表示素子22の個々の微小ミラーのON状態の画素に対応する光が、画像情報として投射光学系121を通り抜けて拡大投射される。投射光学系121を通過した光は、図示していないスクリーンに投射されスクリーン上に画像を形成する。
●照明光学系の実施例●
次に、画像表示装置120が備える照明光学系の具体的構成の実施例について説明する。
まず、画像表示装置120が備える照明光学系の第1の実施例について説明する。
図3は、図1に示す画像表示装置120が備える照明光学系の第1の実施例を示す光学配置図である。同図に示すように、照明光学系10は、先に説明したランプユニット11とカラーホイール12とロッドインテグレータ13とミラー16と不図示の開口絞りとミラー18を有する。また、照明光学系10は、以下の表1に示す画像表示素子22と、表2に示すリレーレンズ14,リレーレンズ15,リレーレンズ17,リレーレンズ19,プリズム21を有する。
表1は、画像表示素子22として、DMDを用いる場合における、解像度と有効エリアのサイズの関係の一例を示す。
表1
表1に示すように、同じ解像度(例えばXGA)でも異なる表示サイズのDMDがあることがわかる。一般に、画像表示素子の有効エリアのサイズが大きい方が、プロジェクタが明るくなるものの、プロジェクタのサイズが大きくなるというデメリットがある。
また、表1の解像度がWXGAと720Pのもの、あるいは1080PとWUXGAのものを比較するとわかるように、長手方向の画素数が同じで短手方向の画素数が異なるものがあることがわかる。また、表1の解像度がXGAとWXGAのものように、短手方向の画素数がほぼ同じで長手方向の画素数が異なるものがあることがわかる。
表1から、用途に応じて様々な種類のDMDが用意されていることがわかる。
表2は、リレーレンズ14,リレーレンズ15,17,19,プリズム21の仕様を示す。ここで、リレーレンズ14の焦点距離は41.9mm、リレーレンズ15の焦点距離は51.1mm、リレーレンズ17の焦点距離は76.5mm、リレーレンズ19の焦点距離は82.3mmである。
表2
プリズム21の角度は、例えば、96.2°,33.8°に設定することで、プリズム21の斜面で全反射した光が画像表示素子22に導かれる。
照明光学系10において、2枚のミラー16,18を用いて光路を変更しているのは、光路を変更する(折り曲げる)ことにより、画像表示装置の高さ方向のサイズを小型化するためである.
次に、照明光学系10により得られる照度分布について説明する。
図4は、図3に示す照明光学系10が備えるリレーレンズ17が所定の位置にあるときの照度分布図である。また、図5は、図3に示す照明光学系10が備えるリレーレンズ17を光軸に沿ってマイナス方向(図1における−B軸方向、リレーレンズ17がミラー16に近づく方向)に8mm移動させたときの照度分布図である。また、図6は、図3に示す照明光学系10が備えるリレーレンズ17を光軸に沿ってプラス方向(図1における+B軸方向、リレーレンズ17がミラー16から離れる方向)に8mm移動させたときの照度分布図である。
ここで、図4〜図6における照度は、画像表示素子22内の最大照度により規格化している。
また、図4〜図6は、ランプユニット11からの光が照明光学系10を通して画像表示素子22に照射されたときの照度分布図を示す。図4〜図6に示す照度分布は、コンピュータプログラム上で照明光学系10のモデルを作成し、その照明光学系10のモデルによる照度分布をシミュレーションしたものをグラフ化したものである。
図4〜図6において、縦横のスケールは、画像表示素子22上の座標を示すものである。このスケールにおける座標(0,0)は、画像表示素子22の中心に合致する位置を示している。
図4〜図6において、グラフの左下側は、照明光学系10から投射された投射画像が不図示の投射光学系によって不図示のスクリーンに投射された場合の投射画像の左下側の位置に相当する。
また、図4〜図6において、黒枠220は、画像表示素子22が0.67インチの表示サイズのWUXGAである場合の有効エリアを示す。図4〜図6において、色の濃い部分が照度の強い部分である。
図4と図5とを比較すると、照明光学系10の絞り位置近傍(近辺)に配置されているリレーレンズ17を光軸方向に沿ってマイナス方向に移動させると、画像表示素子22上の照明エリアが大きくなることがわかる。
また、図4と図6とを比較すると、照明光学系10の絞り位置近辺に配置されているリレーレンズ17を光軸方向に沿ってプラス方向に移動させると、画像表示素子22上の照明エリアが小さくなることがわかる。
ここで、リレーレンズ17の移動機構としては、例えば投射光学系のバックフォーカス調整に一般的に使用されるようなヘリコイドなどによるものなどが挙げられる。
また、上述の通り照明光学系10は略テレセントリックな照明系であるため、図5や図6に示すようにリレーレンズ17の移動によって画像表示素子22上の照明エリアのサイズが変わっても、照度分布が大きく変わらないことがわかる。
そのため、照明光学系10は、表1で示したような、同じ解像度でサイズが異なる画像表示素子22を交換した際に、リレーレンズ17のみを移動させることによって画像表示素子22のサイズに合わせて照明エリアのサイズを変更することができる.
次に、本発明に係る画像表示装置が備える照明光学系の第2の実施例について説明する。本実施例において、照明光学系は、表2に示したリレーレンズ17の裏面(表2における第8面)をアナモルフィック形状にした点が、先に説明した第1の実施例の照明光学系10と相違する。
図7は、図3に示す照明光学系10が備えるリレーレンズ17をアナモルフィックレンズにしたときの照度分布図である。
ここで、画像表示素子22上の短手方向の照度分布に寄与するリレーレンズ17の裏面の曲率半径は、45mmとしている。
図7によれば、リレーレンズ17の裏面をアナモルフィック形状にすることによって、画像表示素子22上の短手方向の照明エリアが小さくなり、図4と比較するとアスペクト比が変更されていることが分かる。
つまり、本実施例の照明光学系10によれば、レンズ面の形状がアナモルフィック形状のリレーレンズ17を移動機構により光軸方向に沿って移動させることにより、アスペクト比や大きさが異なる画像表示素子22上を照明することができる。
次に、本発明に係る画像表示装置が備える照明光学系の第3の実施例について説明する。
図8は、図1に示す画像表示装置が備える照明光学系の第3の実施例を示す光学配置図である。同図に示すように、照明光学系70は、ランプユニット71から順に、カラーホイール72と、ロッドインテグレータ73と、リレーレンズ74とが配置されている。
また、照明光学系70は、リレーレンズ74の後に、不図示の開口絞りと、リレーレンズ75と、ミラー76と、コンデンサレンズ77と、画像表示素子78とが配置されている。
ランプユニット71とカラーホイール72とは、先に説明したランプユニット11とカラーホイール12と同様の構成である。
ロッドインテグレータ73は、図2に示した第1の実施例のロッドインテグレータ13と同様に4枚の反射ミラーで構成される中空構造である。ロッドインテグレータ73の開口部のサイズは、例えば5.95mmx3.4mmである。
リレーレンズ74は、ロッドインテグレータ73からの光の進行方向において、ロッドインテグレータ73の後段に配置されている。リレーレンズ74は、ロッドインテグレータ73から出射された光を開口絞りへと導光する導光手段である。
リレーレンズ75は、開口絞りからの光の進行方向において、開口絞りの後段に配置されている。リレーレンズ75は、開口絞りを通過した光をミラー76へと導光する導光手段である。
ミラー76は、リレーレンズ75からの光がコンデンサレンズ77を通過するように、光の進行方向を変更する手段である。ミラー76によって、図8の+A軸方向へと進行してきた光は、+B軸方向へと進行方向が変更される。
コンデンサレンズ77は、両凸形状の球面レンズであって、画像表示素子78で反射された光がコンデンサレンズ77により蹴られないように、切り欠き771を有している。
画像表示素子78は、先に説明した画像表示素子22と同様の構成を有し、同様に動作する。
ランプユニット71からの光は、カラーホイール72により色変換された後、ロッドインテグレータ73に入射する。ロッドインテグレータ73に入射した光は、ロッドインテグレータ73の中で多重反射した後、ロッドインテグレータ73の出射端において、均一な照度分布の2次光源となる。
そして、ロッドインテグレータ73から出射した光は、リレーレンズ74と開口絞りを通過した後,リレーレンズ75を通過し、ミラー76により反射された後にコンデンサレンズ77と通過した後、画像表示素子78に照射される。
表3は、リレーレンズ74,75,コンデンサレンズ77の仕様を示す。ここで、リレーレンズ74の焦点距離は25.5mm、リレーレンズ75の焦点距離は27.1mmである。また、コンデンサレンズ77は、両凸の球面形状であり、焦点距離が38.3mmである。
コンデンサレンズ77は、通過する光を集光させる作用を奏する。このコンデンサレンズ77によって均一であった照度が不均一になる。そして、コンデンサレンズ77によって照度が不均一になった光によって、画像表示素子78が照明される。
表3
照明光学系70は、その光軸が画像表示素子78に対して偏心していて、さらに、画像表示素子78を照明する光の照度を敢えて不均一にする。この照明光学系70の構成から生ずる作用によって、スクリーン上の投射画像における右下付近の照度は、その他の部分の照度と同等になる。すなわち、照明光学系70は、その構成により、スクリーン上の投射画像の照度分布を均一にすることができる。
次に照明光学系70の光軸の偏心量を表4に示す。表4は、画像表示素子78を基準としたときの照明光学系70の光軸の偏心量を示している。
表4
ここで、表4に示されている「α回転」と「β回転」及びxシフトとyシフトについて説明する。
図9は、照明光学系10の斜視図である。図9は、光源であるランプユニット71から出射された光がミラー76に向って進行する方向の斜め左方向から見た図である。
図9において、画像表示素子78における微小ミラーが配置されている面の法線方向をZ軸とする。また、図9において、Z軸と直交し、ランプユニット71が配置されている方向をX軸とする。また、図9において、z軸とx軸に直交する軸をy軸とする。
α回転は、画像表示素子78に対する照明光学系70の光軸のyz平面内における回転をいう。α回転は、z軸からy軸方向への反時計周りの回転をプラス方向の回転(プラス回転)とする。
また、β回転は、画像表示素子78に対する照明光学系70の光軸のxz平面内における回転をいう。β回転は、z軸からx軸方向への反時計周りの回転をプラス方向の回転(プラス回転)とする。
xシフトは、画像表示素子78に対する照明光学系70のx軸方向のシフト量をいう。yシフトは、画像表示素子78に対する照明光学系70のy軸方向のシフト量をいう。表4に示すとおり、照明光学系70の光軸は、画像表示素子78に対して偏心している。
照明光学系70において、コンデンサレンズ77の中心から画像表示素子78の中心までの距離は、16.98mmである。照明光学系70において、この距離が長いとコンデンサレンズ77のサイズが大きくなるため、コストアップの要因となる。
一方、コンデンサレンズ77のサイズを小さくするために、コンデンサレンズ77を画像表示素子78に近づけた場合には、画像表示素子78として用いるDMDにより反射されて投射光学系に入るべき光がコンデンサレンズ77により多く蹴られてしまう。つまり、コンデンサレンズ77を画像表示素子78に近づけた場合には、コンデンサレンズ77により蹴られる光により、光の利用効率の低下や、スクリーンでの照度ムラが生じる。
そのため、照明光学系70は、照明光学系70の光軸を画像表示素子78に対して偏心させることにより、コンデンサレンズ77から画像表示素子78の距離を短くしつつ、コンデンサレンズ77で蹴られる光を少なくして光の利用効率を高めている。
次に、照明光学系70により得られる照度分布について説明する。
図10は、図8に示す照明光学系70が備えるリレーレンズ75が所定の位置にあるときの照度分布図である。また、図11は、図8に示す照明光学系が備えるリレーレンズ75を光軸に沿ってマイナス方向(リレーレンズ75がリレーレンズ74に近づく方向)に2mm移動させたときの照度分布図である。また、図12は、図8に示す照明光学系70が備えるリレーレンズ75を光軸に沿ってプラス方向(リレーレンズ75がリレーレンズ74から離れる方向)に2mm移動させたときの照度分布図である。
ここで、図10〜図12における照度は、画像表示素子78内の最大照度により規格化している。
また、図10〜図12は、ランプユニット71からの光が照明光学系70を通して画像表示素子78に照射されたときの照度分布図を示す。図10〜図12に示す照度分布は、コンピュータプログラム上で照明光学系70のモデルを作成し、その照明光学系70のモデルによる照度分布をシミュレーションしたものをグラフ化したものである。
図10〜図12において、縦横のスケールは、画像表示素子78上の座標を示すものである。このスケールにおける座標(0,0)は、画像表示素子78の中心に合致する位置を示している。
図10〜図12において、グラフの左下側は、照明光学系70から投射された投射画像が不図示の投射光学系によって不図示のスクリーンに投射された場合の投射画像の左下側の位置に相当する。
また、図10〜図12において、黒枠180は、画像表示素子78が0.67インチのWUXGAである場合の有効エリアを示す。図10〜図12において、色の濃い部分が照度の強い部分である。
図10と図11とを比較すると、照明光学系70の絞り位置近辺に配置されているリレーレンズ75を光軸方向に沿ってマイナス方向(図8における−A軸方向)に移動させると、画像表示素子78上の照明エリアが大きくなることがわかる。
また、図10と図12とを比較すると、照明光学系70の絞り位置近辺に配置されているリレーレンズ75を光軸方向に沿ってプラス方向(図8における+A軸方向)に移動させると、画像表示素子78上の照明エリアが小さくなることがわかる。
ここで、照明光学系70は,非テレセントリックな照明光学系であり、リレーレンズ75の移動によって図11,図12から、画像表示素子78上の照度分布に大きな変化があることがわかる。すなわち、画像表示素子78の変更に伴って照度分布の変化が起こることが望ましくない場合は,先に説明した第1の実施例で示したような略テレセントリックな照明光学系の方が好適である.
●実施の形態の効果●
以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、照明光学系10,70を備えることにより、サイズやアスペクト比など仕様が異なる画像表示素子22,78に対応して照明エリアのサイズを低コストで変更することができる。
つまり、本実施の形態に係る画像表示装置120は、1枚のレンズ(リレーレンズ17またはリレーレンズ75)のみを移動レンズとして移動させる。これにより本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、低コストで様々なサイズやアスペクト比の画像表示素子22,78の照明エリアに対応することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、1枚のレンズのみを球面レンズまたはアナモルフィックレンズに交換することにより、低コストで様々なサイズやアスペクト比の画像表示素子22,78の照明エリアに対応することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、略テレセントリックな照明光学系10を用いることにより、様々なサイズやアスペクト比の画像表示素子22,78の照明エリアにおいても照度分布の変化を小さくすることができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、画像表示素子22,78にDMDを用いることにより、装置の構成を小さくすることができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置120は、開口絞り位置近辺に配置されるリレーレンズ17またはリレーレンズ75を光軸に沿って移動させる。これにより、本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、低コストで様々なサイズやアスペクト比の画像表示素子22,78の照明エリアに対応することができる。ここで、リレーレンズ17,75の移動距離をzとしたとき,−10mm<z<10mmとすることにより、画像表示素子22,78上の照明エリアの調整幅を大きくすることができる.
また、本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、光源として超高圧水銀ランプを利用することにより、高効率で明るい画像表示装置を提供することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置120によれば、光源としてLDやLEDなどの固体光源を使用することにより、超高圧水銀ランプを使用した場合に比べて長寿命かつ色再現性の良い画像表示装置を提供することができる。
10 照明光学系
11 ランプユニット
22 画像表示素子
12 カラーホイール
13 ロッドインテグレータ
14 リレーレンズ
15 リレーレンズ
16 ミラー
17 リレーレンズ
18 ミラー
19 リレーレンズ
21 プリズム
70 照明光学系
71 ランプユニット
72 カラーホイール
73 ロッドインテグレータ
74 リレーレンズ
75 リレーレンズ
76 ミラー
77 コンデンサレンズ
78 画像表示素子
120 画像表示装置
121 投射光学系
特許第4534602号公報 特開2004−198771号公報 特開2007−310277号公報 特開2010−281944号公報

Claims (9)

  1. 被投射面に表示される画像を表示する画像表示素子と前記画像表示素子を照明する照明光学系とを有してなる画像表示装置であって、
    前記画像表示素子は、前記画像の表示サイズが可変であり、
    前記照明光学系は、光源と、前記光源から出射した光を導光するロッドインテグレータと、前記ロッドインテグレータから出射した光を前記画像表示素子に導く光学系と、を備え、
    前記光学系は、複数のレンズを有し、前記画像表示素子の表示サイズを変更するとき、前記複数のレンズのうち少なくとも1枚のレンズが移動レンズとして移動される、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記移動レンズは、前記移動レンズの光軸方向に移動される、
    請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記光学系は、開口絞りを有する、
    請求項1または2記載の画像表示装置。
  4. 前記移動レンズは、前記複数のレンズのうち、前記開口絞り近傍のレンズである、
    請求項3記載の画像表示装置。
  5. 前記移動レンズは、前記複数のレンズのうち、最も前記開口絞りに近いレンズである、
    請求項3記載の画像表示装置。
  6. 前記複数のレンズのうち、前記移動レンズは、球面またはアナモルフィック形状である、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 前記ロッドインテグレータの出射端から出射した光は、前記画像表示素子を略テレセントリックに照明する、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の画像表示装置。
  8. 前記画像表示素子は、デジタルマイクロミラーデバイスであり、
    前記デジタルマイクロミラーデバイス上の画像情報を被投射面に拡大投射する投射レンズを備えた、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の画像表示装置。
  9. 前記光源は、超高圧水銀ランプ,あるいは固体光源である、
    請求項1乃至7のいずれかに記載の画像表示装置。
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