図1は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した遊技機1の装置構成図の一例であって、図2は、本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35と、少なくとも2方向(通常4方向)へ押圧操作が可能な十字キー36とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ遊技球が1個ずつ送り出される。
そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を自由落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。
これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の第2始動口用可動片15bを有しており、これら一対の第2始動口用可動片15bが閉状態に維持される「第1の態様」と、一対の第2始動口用可動片15bが開状態となる「第2の態様」とに可動制御される。
このとき、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の第2始動口用可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには第1の態様に比べて遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると(始動条件が成立すると)、特別図柄判定用乱数値(「判定情報」、「遊技情報」とも称する)等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」、若しくは、「特別遊技を行うか否かの判断処理」という)が行われる。
また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合(すなわち、始動条件が成立した場合)にも、一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検知したときと同様に所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。
この第2大入賞口17の右端には、第2大入賞口用可動片17bが設けられており、この第2大入賞口用可動片17bの一方を支点として可動することによって第2大入賞口17への入賞を容易にする開放状態と入賞ができない閉鎖状態とを制御する。
そして、第2大入賞口用可動片17bが開放状態となると、その第2大入賞口用可動片17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には、第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、遊技領域6の左側の領域に遊技球を打ち出すよりも大きな力で打ち出されないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とにはその遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。
特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の第2始動口用可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13aが設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。この普通図柄ゲート13は、遊技領域の右側の領域にも設けられている。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成される第1液晶表示装置31(以下、「メイン液晶」とも称する)が設けられており、この第1液晶表示装置31の上方には、装飾装置33aが設けられている。また、この第1液晶表示装置31の上方には第1液晶表示装置31に比べて小さいサイズの第2液晶表示装置37(33b)(以下、「サブ液晶」とも称する)が設けられている。
装飾装置33aおよび第2液晶表示装置37(33b)は、演出用駆動装置33によって駆動されるものであって、すなわち、第2液晶表示装置37(33b)は、演出画像を表示する機能と駆動する機能とを有していることとなる。この第2液晶表示装置37(33b)は、画像制御基板150からの信号によって演出画像を表示し、演出用駆動装置33によって駆動される。
上記および図1では、その一例として第1液晶表示装置31のサイズ(19インチ)よりも小さいサイズ(4.3インチ)の第2液晶表示装置37の例を示しているが、これに限定されることなく、同サイズの表示装置であってもよく、さらには、第2液晶表示装置37の方が第1液晶表示装置31よりも大きいサイズであってもよい。
第1液晶表示装置31には、演出が行われていない待機中にデモ画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。中でも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄38が表示され、特定の演出図柄38の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選の結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄38をそれぞれスクロール表示(回転表示)による変動表示を行うとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄38を停止表示するものである。また、この演出図柄38の変動表示中に、キャラクタ等によって構成される演出画像を表示することによって、大当たり(特別遊技)に当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
上記演出用駆動装置33によって駆動される装飾装置33a等は、その演出画像を用いた動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。
この演出用駆動装置33によって駆動される装飾装置33aは、第2液晶表示装置37(33b)と同時に上下方向に移動することが可能(もちろん上下方向に限定されず上下左右に移動可能)であって、この上下方向の移動によって第1液晶表示装置31の前面に移動することとなる。また、装飾装置33aには、演出用照明装置34が搭載されており、装飾装置33aの移動と連動して若しくは単独で点灯する。
第2液晶表示装置37(33b)も装飾装置33aと同様に、演出用駆動装置33によって駆動されることにより移動することが可能であって、図1に示す第2液晶表示装置37は長辺を上下方向にした横向きの横向き態様で格納された状態を示している。
この横向き態様となっている状態で、第2液晶表示装置37は、下降する動作によって第1液晶表示装置の略中央部分の前面に移動することとなる。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしたものであって複数の位置に設けられている。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選の結果を報知するものであり、LED等によって構成される複数の点灯部材によって構成されている。大当たりの抽選の結果に応じて所定の1又は複数の点灯部材が点滅することとなり、点滅状態にある点灯部材が演出図柄38の停止表示と同時に点灯することとなる。
この第1特別図柄表示装置20は、7セグメントのLEDによっても構成することができる。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。言い換えると、判定情報若しくは遊技情報によって特別遊技を行うか否かを判定する処理を示している。この大当たりの抽選結果(特別遊技を行うか否かの判定結果)は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。言い換えると、特別遊技を行うか否かの判断処理の結果、特別遊技を行うと判断されたことを示す。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を所定回数(例えば、15回)行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。
つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。
より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留(第1保留および第2保留)は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から3つのLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から4つのLEDが点滅する。
また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。
ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、図3に示すように、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の第2始動口用可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口用可動片17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
このメインCPU110aでは、保留球における大当たり抽選を当該保留球における抽選処理よりも前に行い、抽選結果を先取得する(先読みする)ことも可能であって、このとき、先取得した抽選結果を演出制御基板120を介して画像制御基板150へと送出する。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、(1)大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、(2)普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル、(3)特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、(4)大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル、(5)第1大入賞口16および第2大入賞口17の開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、(6)第1大入賞口16および第2大入賞口17の開放態様を指定する大入賞口開放態様決定テーブル、(7)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
次に、図5から図10を参照して、主制御基板110のメインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図5は、本発明の実施の形態における遊技機において行う特別図柄および普通図柄ごとの当たり判定を行う判定テーブルの一例を示す図である。
図5(a−1)および図5(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。
図5(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブル(第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブル)であり、図5(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブル(第2特別図柄表示装置21用の大当り判定テーブル)である。この図5(a−1)と図5(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と、取得された特別図柄判定用乱数値とに基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」を判定するものである。
例えば、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」および「8」という全2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される一方で、高確率遊技状態であるときには、「7」乃至「26」の全20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、この図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれかの場合であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」および「100」および「150」および「200」の全4個の特別図柄判定用乱数値であったときには「小当たり」と判定される。なお、図示していないが、上記に示す特別図柄判定用乱数値以外の他の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が「0」から「598」であるから、低確率遊技状態のときに「大当たり」と判定される確率は「1/299.5」であり、高確率遊技状態のときに「大当たり」と判定される確率は略10倍の「1/29.9」である。
また、第1特別図柄表示装置20においては、「小当たり」と判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても「1/149.75」となる。
続いて、図5(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当たり判定テーブルを示す図である。
具体的には、この当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と、取得された普通図柄判定用乱数値とに基づいて、「当たり」か「ハズレ」を判定するものである。
例えば、図5(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される一方で、時短遊技状態であるときには、「0」乃至「65534」の全「65535」個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、図示していないが、上記に示す普通図柄判定用乱数値以外の他の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が「0」から「65534」であるから、非時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「1/65536」であり、時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「65535/65536」である。
図6は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図6(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
具体的には、図6に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置20においては、「大当たり」のときには図6(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変大当たり3))に決定する。
また、第1特別図柄表示装置20においては、「小当たり」のときには図6(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))に決定する。
また、「ハズレ」のときには図6(c)に示す図柄決定テーブルを参照し、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))に決定する。すなわち、「ハズレ」のときにはいずれの乱数値においても「00」の停止図柄データに決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、単位コマンドが「2バイト」のデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため「1バイト」分のMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す「1バイト」分のDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり遊技の種類(図8参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
図7は、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブルである。
この図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された状態とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定が行われる。
ここで、「遊技状態バッファ」とは、大当たり当選時の遊技状態を示す情報である。そして、遊技状態は、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。
具体的には、遊技状態バッファが「00H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない低確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「01H」であれば、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている高確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「02H」であれば、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない低確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「03H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている高確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。
図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルでは、同じ特別図柄の種類であっても、遊技状態バッファに記憶された情報に基づいて、時短遊技フラグの設定や時短回数(J)を異ならせることを可能にしている。
具体的には、特別図柄の種類が特別図柄3(停止図柄データ03、第1確変大当たり「3」に対応)の場合には、高確率遊技フラグ及び高確率遊技回数(X)に関しては、遊技状態バッファに記憶されている情報に関わらず、大当たり遊技終了後には高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)を「10000回」に設定する。
一方、時短遊技フラグ及び時短回数(J)に関しては、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されていない遊技状態を示す情報(「00H」または「01H」)が記憶されていれば、大当たり終了後には時短遊技フラグの設定は行わず、時短回数(J)も「0回」に設定する。これに対して、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されている遊技状態を示す情報(「02H」または「03H」)が記憶されていれば、大当たり遊技終了後には時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)を「10000回」に設定する。
これにより、大当たり当選時の遊技状態によって時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態に対する興味を遊技者に持たせることができる。
図8は、大入賞口開放態様決定テーブルを決定するための特別電動役物作動態様決定テーブルである。
図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大入賞口開放態様決定テーブルが決定される。
後述するように、この大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、大当たり遊技が実行されることから、大入賞口開放態様決定テーブルが大当たり遊技の種類を示すものといえる。
また、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルの特徴としては、第2始動口15に遊技球が入球した場合に作動される第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成されている。
これは、非時短遊技状態においては、第2始動口15に、ほとんど遊技球が入球しないのに、第2始動口15に遊技球が入球した場合に「短当たり」が決定されてしまうと、せっかく時短遊技状態を設けても、遊技者の遊技に対する意欲を減退させてしまうおそれがあるからである。
本実施形態では、第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成したが、もちろん、この第2特別図柄表示装置21においても「短当たりテーブル」を決定するように構成しても構わない。ただし、第2特別図柄表示装置21において「短当たりテーブル」を決定する場合には、第1始動口14に遊技球が入球した場合に作動される第1特別図柄表示装置20と比べて、上記のような理由によって「短当たりテーブル」が決定されにくく構成することで遊技意欲の減退を防止することができる。
図9は、図8で決定された大入賞口開放態様決定テーブルの構成を示す図であって、この大入賞口開放態様決定テーブルによって第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口用可動片17bの開閉条件が決定される。
図9(a)は、大当たり遊技のときに参照される大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群であり、長当たりテーブル、短当たりテーブル、発展当たりテーブルから構成されている。
図9(b)は、小当たり遊技のときに決定される小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群を示している。
そして、長当たりテーブルに基づいて長当たり遊技が実行され、短当たりテーブルに基づいて短当たり遊技が実行され、発展当たりテーブルに基づいて後述するような発展当たり遊技が実行され、小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて小当たり遊技が実行されることになる。
図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(R)と、1つのラウンドにおける大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、大当り遊技の開始から最初のラウンド遊技を実行するまでの開始インターバル時間と、各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放回数(K)と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の開放時間と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の閉鎖時間と、1つのラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技を実行するまでの大入賞口の閉鎖インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
これに対して、図9(b)に示す小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の小当たり遊技における最大開放回数(K)と、1回の小当たり遊技における大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、小当り遊技の開始から最初に大入賞口が開放するまでの開始インターバル時間と、各開放回数における大入賞口の開放時間と、各開放回数における大入賞口の閉鎖時間と、最後の大入賞口の閉鎖時間の終了から小当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの長当たりテーブルによれば、第1大入賞口開閉扉16bを作動させて、遊技領域6の右側にある第1大入賞口16を、1ラウンドあたり最大「略29秒」まで開放させることができる。
ただし、開放時間が「略29秒」を経過するまでに、規定個数(9個)の遊技球が第1大入賞口16に入賞すると、第1大入賞口開閉扉16bの作動が終了して、1ラウンド分の遊技が終了することになる。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの短当たりテーブルと図9(b)の小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルとは、最大ラウンド遊技回数(R)と最大開放回数(K)、閉鎖インターバル時間と各開放回数における大入賞口の閉鎖時間において、データの差異こそあるものの、同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が「0.052秒」間の開放と「2.0秒」間の閉鎖とを「15回」繰り返し)、遊技者は外見から「短当たり遊技」であるか「小当たり遊技」であるかを判別することはできない。
これにより、遊技者に「短当たり遊技」であるか「小当たり遊技」であるかを推測させることができる。
なお、本実施形態では、「短当たり遊技」における開放時間と「小当たり遊技」における開放時間とを同じ開放時間(「0.052秒」)に設定し、「短当たり遊技」における閉鎖時間と「小当たり遊技」における閉鎖時間とを同じ閉鎖時間(「2秒」)に設定した例を示している。
もちろん、これに限定されることなく、「短当たり遊技」であるか「小当たり遊技」であるかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けた構成であってもよい。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの発展当たりテーブルも、3回目の大入賞口の開放(K=3)までは、上述した短当たり遊技と小当たり遊技と同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が「0.052秒」の開放時間と「2.0秒」の閉鎖時間とを繰り返し)、遊技者は外見から「発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技」のいずれであるのかを判別することはできない。
しかしながら、4回目の大入賞口の開放(最大ラウンド遊技回数(R)=「2」、大入賞口の最大開放回数(K)=「1」)からは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間が長くなり(「略29秒」)、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別することができる。
このため、最初は遊技者に短当たり遊技または小当たり遊技であると認識させ、その後、遊技者に遊技球が獲得可能な大当たり遊技であると認識させる遊技(これを「発展当たり遊技」という)を行うことができる。
なお、本実施形態では、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別不能となる大入賞口の開放までは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の開放時間と同じ開放時間(「0.052秒」)に設定し、発展当たり遊技の大入賞口の閉鎖時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の閉鎖時間と同じ閉鎖時間(「2秒」)に設定した。しかしながら、同じ時間に設定せずとも、発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技のいずれであるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けてもよい。
また、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の短い開放時間(「0.052秒」)、「発展当たり遊技」の前半部の短い開放時間(「0.052秒」)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(「略0.6秒」)よりも短いため、第2大入賞口用可動片17bが作動したとしても、第2大入賞口17に入賞することが困難である。
このため、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の開放態様、「発展当たり遊技」の前半部の開放態様は遊技者にとって「不利な開放態様」といえる。
一方、「長当たり遊技」の長い開放時間(「略29秒」)、「発展当たり遊技」の後半部の長い開放時間(「略29秒」)は、遊技球が1個発射される時間(「略0.6秒」)よりも長いため、遊技者にとって「有利な開放態様」といえる。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルによれば、長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技に関わらず、全ての大当たりのときの最大ラウンド遊技回数(R)を同一の回数に設定している。このため、従来のようにラウンド遊技回数を識別させるための表示装置を設ける必要がなくなる。
図10は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。
そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが特定される。この変動パターン指定コマンドの一例を図11に示す。
したがって「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0から99)に設定されている。
ここで、特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため「1バイト」分のMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す「1バイト」分のDATAデータとから構成されている。
そして、MODEデータとして「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータとして「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
また、この図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルは、大当たりの判定結果がハズレの場合であって時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が「2」のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて「95%」の確率で変動時間が「3000ms」の変動パターン「9」(短縮変動)が決定される。それに対して、非時短遊技状態であるときには、変動時間が「3000ms」を超える変動パターンが決定される。
このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
以上に示すようなテーブルを主制御基板110のメインROM110bに記憶している。
続いて、主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
このときの記憶領域の例として、例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、第1大入賞口16および第2大入賞口17の大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。
この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、十字キー検出スイッチ36a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータ(後述する演出パターン指定コマンド等)をランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、第1液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34、第2液晶表示装置37に所定の演出を実行させるためのデータ(後述する演出パターン指定コマンド等)を特定する。そして、特定したデータ(演出パターン指定コマンド等)を画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
このときの変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターン指定コマンドを特定する際に用いるテーブルの一例を図11に示している。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄38の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。
このときの演出パターン決定テーブルには、大当たり抽選がリーチ状態にあってそのリーチ状態におけるリーチ演出において大当たり抽選結果が、「ハズレ」であることを示唆させた後に、復活して大当たり抽選結果が「大当たり」となった演出を行う演出パターン(復活大当たり演出パターン)を記憶しているほか、遊技状態(遊技モード)を切り替える演出の演出パターン等を記憶している。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120は、図11に示すような演出パターン決定テーブル等を用いて演出パターン指定コマンドを作成してランプ制御基板140や画像制御基板150へと送出する。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
図11は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37において表示する演出図柄38の変動態様を決定するための演出パターン決定テーブルを示す図である。
図11(b)は、演出制御基板120が画像制御基板150から所定の時間を計時した通知を受け付けることによって移行し、その時間から一定時間経過したことの通知を受け付けることによって終了する演出モード(「特定演出モード」)において決定される変動演出パターンおよび演出パターン指定コマンドを示すテーブルである。
それに対して、図11(a)は、図11(b)に示す特定演出モードへと移行した状態以外の状態(「非特定演出モード」)において決定される変動演出パターンおよび演出パターン指定コマンドを示すテーブルである。
図11(a)および図11(b)に示す変動パターン指定コマンドは、主制御基板110から受信した情報であって、また、演出用乱数値1(0から99)は、乱数発生器(図示せず)によって発生された演出に用いられる乱数値であって、これらの情報を元に、サブCPU120aが変動演出パターン(およびその変動演出パターンにおける演出パターン指定コマンド)を決定するものである。
この図11では、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドをサブCPU120aが受信した場合であっても演出用乱数値1に基づいて異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、演出制御基板120で記憶する変動演出パターンに比べて主制御基板110で記憶する特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させている。
これにより、主制御基板110における記憶容量の削減を図ることができるとともに、バリエーション豊富な演出が可能となる。
この「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出内容(第1液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34、第2液晶表示装置37)における具体的な演出態様をいう。例えば、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37においては、この変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄38の変動態様が決定される。
また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄38が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せとして「777」の3つの演出図柄38の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄38が「7」で停止表示され、残りの演出図柄38が変動表示を行っている状態を「リーチ」という。
このようにして、変動パターン指定コマンドおよび演出用乱数値1を元にサブCPU120aが変動演出パターンを決定すると、サブCPU120aは、この変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを特定して画像制御基板150の液晶制御CPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、「1コマンド」が2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため「1バイト」分のMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す「1バイト」分のDATAデータとから構成される。
また、図11(a)に示す変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、「非特定演出モード」の場合であって、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、さらに、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
また、図11(b)に示す変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、「特定演出モード」の場合であって、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「Z1H」で設定され、さらに、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「Z2H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」等があり、サブCPU120aは、この各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
続いて、図4に示す払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。
この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。
このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、装飾装置33aを動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記第1液晶表示装置31および音声出力装置32および第2液晶表示装置37が接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37における画像の表示制御や、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
この画像制御基板150は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示する演出画像の画像表示制御を行うため液晶制御CPU150a、液晶制御RAM150b、液晶制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、RTC装置154、画像制御部(VDP(Video Display Processor))2000(以下、「VDP2000」と称する)、音声出力装置32から音情報を出力する制御を行う音制御回路3000を備えている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から受信した「演出パターン指定コマンド」に基づいて後述するディスプレイリストを作成し、このディスプレイリストをVDP2000に対して送信することによってCGROM151に記憶されている画像データを第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に表示させる指示を行う。
この画像制御基板150では、2つの非同期の計数装置(このほか、「計数機」、「数取器」、「カウンタ」とも称される)を有している。
一方の計数装置は、演出に用いられる第1カウンタ値(以下、「フレームカウンタ値」と称する)を計数する第1計数装置150d(「第1カウンタ」若しくは「フレームカウンタ」とも称し、以下では「フレームカウンタ150d」と称する)であって、他方の計数装置は、フレームカウンタ150dにおいて計数する計数間隔(計数幅)とは異なる計数間隔で第2カウンタ値(以下では、「RTCカウンタ値」と称する。詳細については後述する)を計数するRTC装置154(「第2計数装置154」とも称する)である。
このフレームカウンタ150dは、液晶制御CPU150aが具備している。また、RTC装置154は、画像制御基板150が具備しており、このRTC装置154と液晶制御CPU150aとはバスを介して接続されている。
もちろん、この構成は一例であって、フレームカウンタ150dを液晶制御CPU150aに接続した構成としてもよいし、RTC装置154を液晶制御CPU150aが具備していてもよい。
さらに、RTC装置154は、画像制御基板150が備えるのではなく、演出制御基板120が具備していてもよい。この場合、後述するように、RTCカウンタ値に基づく演出時間情報を画像制御基板150における演出制御CPU150aの液晶制御RAM150bで記憶するのではなく、演出制御基板120のサブRAM120cにおいて記憶する。
このときのフレームカウンタ150dは、後述する電源基板170からの電力供給を受けて演出の演出処理タイミングにフレームカウンタ値を計数することから、この電源基板170からの電力の供給が停止されると、フレームカウンタ値の計数を停止する。また、電源基板170による電力の供給が再開されると、フレームカウンタ150dは、レジスタに登録しているフレームカウンタ値を初期化して計数を再開する。
これに対して、RTC装置154は、電池やコンデンサなどの内部電源を備えており、フレームカウンタ150dとは異なり電源基板170による電力の供給が停止されることによっても内部電源から供給される内部電力を利用してRTCカウンタ値を継続して計数する。
すなわち、フレームカウンタ150dは、電源基板170による電力供給状態に応じてフレームカウンタ値の計数処理が実行若しくは停止されるものであるが、RTC装置154は、電源基板170による電力供給状態の如何に直接的に関わらずRTCカウンタ値の計数処理が行われることを示している。
この液晶制御CPU150aが具備するフレームカウンタ150dは、水晶発振器152において発生させるVブランク割込信号に基づく所定の割込タイミング(後述する「演出処理タイミング通知信号受信時」)をVDP2000から受信したときにフレームカウンタ値を計数する。すなわち、Vブランク割込信号が発生するたびにVDP2000から「演出処理タイミング通知信号」が通知されることで、フレームカウンタ150dは、フレームカウンタ値を計数するほか、所定回数のVブランク割込信号が発生したときにVDP2000によって通知される「演出処理タイミング通知信号」を受け付けることによりフレームカウンタ値を計数するようにしてもよい。
また、RTC装置154は、高周波モジュールである水晶振動体(「水晶振動子」とも称する)による発振周波数(例えば、32768Hz)に基づいてRTCカウンタ値を計数するRTC(Real Time Clock)であって、計数したRTCカウンタ値をRTCカウンタ値レジスタ(以下では、「時刻情報記憶部」とも称している)へと記憶する。また、このRTC装置154は、単に、「RTC154」とも称することがある。
さらに、画像制御基板150は、不揮発性メモリ155を備えており、このRTC装置154は、バスを介してこの不揮発性メモリ155との間で各種データの送受信が可能である。
この不揮発性メモリ155は、任意のデータを記憶する記憶装置(記憶領域)であって、電源基板170によって供給される外部電力が遮断(以下、「電断」とも称する)された状態においても、データを継続して保持し続けることができる。
この不揮発性メモリの一例として、例えば、強誘電体メモリ(FeRAM)があり、強誘電体において生じる履歴現象を利用して情報を記憶するものがある。この強誘電体メモリ(FeRAM)はあくまで不揮発性メモリの一例であって、記憶装置全ての記憶領域が不揮発性の記憶領域でなくとも、記憶装置の一部が不揮発性であればよい。
そして、RTCカウンタ値レジスタに記憶される情報は、RTCカウンタ値である時刻情報となる。RTCカウンタ値レジスタは、時刻情報を構成する時刻構成情報(時、分、秒、100ミリ秒など)ごとの詳細なレジスタによって構成されている。
上記に示す例では、RTC装置154によって計数されるRTCカウンタ値を時刻情報としているが、これに限定されることなく、RTC装置154は、所定の時間間隔を示すRTCカウンタ値を計数することによって時刻情報を設定するような構成とし、結果として、時刻情報を計時するようなものであってもよい。
RTC装置154に、水晶振動体を用いることでフレームカウンタ150dに比べて高精度でRTCカウンタ値を計数することが可能となる。本実施例では、RTC装置154は、ミリ秒を最小単位時刻として計数することができるものであって、100ミリ秒単位でRTCカウンタ値を計数する。例えば、「23時24分50秒000ミリ秒」を計数すると、続いて、「23時24分50秒100ミリ秒」、「23時24分50秒200ミリ秒」、「23時24分50秒300ミリ秒」のように計数することとなる。
このとき、液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dとRTC装置154は、相互通信が可能であって、フレームカウンタ150dは、RTC装置154へとRTCカウンタ値を要求することによりRTC装置154からRTCカウンタ値として時刻情報を読み取る。
このフレームカウンタ150dにおける詳細な構成を示すブロック図を図26に示し、また、RTC装置154における詳細な構成を示すブロック図を図27に示す。
このようにしてRTCカウンタ値を読み取ったフレームカウンタ150dは、読み取ったRTCカウンタ値で後述する液晶制御RAM150bにおいて記憶する「演出時間情報」(以下では説明の都合上、「演出時刻情報」とも称することがある)を更新する。
この演出時間情報は、液晶制御CPU150aにおける処理および演出制御基板120によって行われる演出制御処理において用いられる情報であって、RTC装置154とフレームカウンタ150dにおける計時処理によって計時される情報である。
フレームカウンタ150dが液晶制御RAM150bにおいて記憶する演出時間情報を更新するたびに、液晶制御CPU150aは、その演出時間情報が、液晶制御ROM150cにおいて記憶している特定演出に関する情報が対応付けられた時間情報となったかを判定する。
このとき、演出時間情報(演出時刻情報)が、特定演出に関する情報が対応付けられた時間情報となったか否かを判定すると表現しているが、これは、言い換えれば、RTC装置154とフレームカウンタ150dにおける計時処理によって、特定演出が対応付けられた時間情報を計時したか否かを判定することと同義である。以下同様とする。
その演出時間情報が特定演出に関する情報が対応付けられた時間情報となったと判定することにより、すなわち、特定演出に関する情報が対応付けられた演出時刻情報を計時することにより、液晶制御CPU150aは、特定演出が行われる特定演出モードを液晶制御RAM150bに設定する。さらに、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120へと特定演出モードとなったことを通知する。
なお、上記において示すように、RTCカウンタ値に基づく演出時間情報を、演出制御基板120のサブRAM120cにおいて記憶する場合、演出制御CPU150aは、サブRAM120cから演出時間情報を読み出して処理を行うこととなる。
このときの特定演出が対応付けられた時間情報は、液晶制御ROM150cで記憶しており、その時間情報を計時することにより行われる特定演出の演出内容に関する情報が対応付けられている。
演出制御基板120では、液晶制御CPU150aから特定演出モードが設定されたことが通知されると、特定演出モードに関するモードフラグ情報をサブRAM120cに設定記憶する。
演出制御基板120では、サブRAM120cに特定演出モードに関するモードフラグ情報が設定されていることにより、この特定演出モードに関するモードフラグ情報が設定されていない状態において変動演出パターンを決定するテーブルとは異なるテーブルを用いて変動演出パターンを決定する。
すなわち、特定演出モードに関する情報がサブRAM120cに設定されていない状態では、図11(a)に示す変動演出パターン決定テーブルを用いて画像制御基板150へと出力する演出パターン指定コマンドを決定するのに対して、特定演出モードに関するモードフラグ情報がサブRAM120cに設定されている状態では、図11(b)に示す変動演出パターン決定テーブル(特定演出モード用)を用いて画像制御基板150へと出力する演出パターン指定コマンドを決定する。
このときの液晶制御ROM150cに記憶された特定演出は、予め指定された時間情報となることによって行われる演出であって、その一例として、キャラクタによる楽曲公演を行う楽曲公演演出や、所定のゲームを遊技者に提供するゲーム演出などがある。もちろん、この楽曲公演演出やゲーム演出を複合させて特定演出とすることも可能である。
この楽曲公演演出は、遊技球を用いて行われる特典の抽選遊技における演出とその演出内容については関連する演出であるが、この特定演出が行われるタイミングは特典の抽選遊技の抽選結果とは関係しない演出である。
また、このゲーム演出は、そのゲーム演出を行うゲームモードを含むゲーム演出モードが開始されてから終了するまでに、始動口に遊技球が入球することで行われた特別遊技を行うか否かの判定処理の判定結果を報知する演出とすることができる。
これらの楽曲公演演出、ゲーム演出のいずれにおいても、予め指定された時間となっても行われる演出(特定演出)である。
特に、楽曲公演演出は、他の遊技機と同調させて表示させる演出とすることができることから、「同期演出」とも称することがある。すなわち、単体の遊技機それぞれにおいては、「楽曲公演演出」と称する特定演出が行われるものであるが、複数の遊技機がそれぞれ、この「楽曲公演演出」を行うことによって、複数の遊技機間で同調した演出が行われることになるものであるから、結果として、この楽曲公演演出が、複数の遊技機間で同期して行われることとなる。よって、以下では、この楽曲公演演出を「同期演出」と称することがある。
演出時間情報がその特定演出に対応付けられた時間情報を計時し、特定演出として楽曲公演が行われる状態で、演出制御基板120から特定演出モードにおける演出パターン指定コマンドを受信した液晶制御CPU150aは、例えば、図52に示すような演出画像を表示する。
図52の遊技機に設けられた第1液晶表示装置31に示す演出画像は、画像表示領域上部に楽曲公演に基づく楽曲公演演出画像を表示するものであり、演出制御基板120から特定演出モードにおける演出パターン指定コマンドに基づく演出画像(図52に示す例では、ドット変動表示画像)を画像表示領域下部に表示するものである。
このときの演出画像の表示形態は、遊技における図柄の変動状態や特定演出モードとなったタイミングに応じて異なるものである。
画像制御基板150の液晶制御CPU150aでは、演出制御基板120から図11(b)に示す変動演出パターン決定テーブル(特定演出モード用)を用いて決定した演出パターン指定コマンドを受信すると、その演出パターン指定コマンドに基づいてディスプレイリストを作成してそのディスプレイリストをVDP2000へと送出する。
液晶制御RAM150bにおいて記憶している時間情報として、例えば、12個の時間を記憶している場合における演出モードの状態を図41(a)に示している。すなわち、フレームカウンタ150dが更新した「演出時間情報」がこれらの時間情報となることによって、特定演出モードにおける特定演出が行われることになる。
この図41(a)に示す例では、図44および図45に示す特定演出実行シナリオテーブルに示された演出時刻情報に基づくものである。
このときの特定演出は、図41(b)に示すように、ゲーム演出モードにおけるゲーム演出と、同期演出モードにおける楽曲公演演出とによって構成されている。ゲーム演出は、指定した時間情報となってからの最初の30秒間でゲーム告知モードとして「スタンバイ演出(事前特定演出)」が行われた後に、ゲームモードにて行われる。また、楽曲公演演出は、指定した時間情報となってからの最初の60秒間で同期告知モードとして「スタンバイ演出(事前特定演出)」が行われた後に、同期モードにて行われる。
図41(b)に示す例では、ゲーム演出における30秒間、若しくは同期演出における60秒間のスタンバイ演出として、例えば、ゲーム演出若しくは楽曲公演演出が行われるまでの残り時間をカウントダウンする画像を表示する演出である。
液晶制御CPU150aが演出制御基板120に対して特定演出モードとなったことを通知してからその特定演出モードが終了するまでの特定演出において表示される特定演出画像(スタンバイ演出に基づく演出画像と、楽曲公演演出若しくはゲーム演出に基づく演出画像)と、特定演出モードにおいて演出制御基板120から送出されてきた演出パターン指定コマンドに基づいて表示する演出画像とを表示した例を図46に示している。
このときの図46において示している表示形態は、演出状態(特定演出モードにあるか否か、特定演出モードにある場合には同期告知モードであるか同期モードであるか、若しくは、ゲーム告知モードであるかゲームモードであるか)に応じて決定され、その決定された表示形態で表示する表示制御が行われる。
液晶制御CPU150aは、さらに、音制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
液晶制御RAM150bは、液晶制御CPU150aに内蔵されており、液晶制御CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、液晶制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
このとき液晶制御RAM150bに記憶する情報として、所定時間を計時することによって行われる特定演出を実行するために用いられる「演出時間情報」がある。
また、液晶制御ROM150cは、マスクROM等で構成されており、液晶制御CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報、特定演出に関する特定演出情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定した情報等などの情報を記憶している。
このアニメーション情報の一例を図13に示し、以下で説明する。
また、液晶制御ROM150cに記憶する特定演出情報は、特定演出を行う特定演出モードの時間情報とその時間情報となることによって行う特定演出に関する情報(映像データ、音データ等からなるムービーデータ)からなり、さらに、その特定演出におけるスタンバイ演出(事前特定演出)の「スタンバイ演出時間情報(日付、時刻情報)」および楽曲公演演出の「楽曲公演演出時間情報(日付、時刻情報)」を対応付けた構成であってもよい。
液晶制御CPU150aでは、画像制御基板150において演出画像を第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示させるときの表示形態を決定する際に用いる「演出状態情報」を、フレームカウンタ150dがRTC装置154から読み出したRTCカウンタ値における時刻情報を用いて決定し、その演出状態情報を液晶制御RAM150bへと記憶する。
このときの演出状態情報は、スタンバイ演出時間情報による時間を計時後、楽曲公演演出時間情報による時間を計時するまでのスタンバイ演出状態にあることを示すスタンバイフラグ情報、楽曲公演演出時間情報による時間を計時してからその楽曲公演演出が終了する終了時間を計時するまでの楽曲公演演出状態にあることを示す楽曲公演演出フラグ情報によって構成される。
すなわち、液晶制御CPU150aは、スタンバイ演出時間情報を計時するとスタンバイ演出状態であることを示すスタンバイフラグ情報を「有効(ON)」に設定し、この状態で、楽曲公演演出時間情報を計時すると楽曲公演演出状態であることを示す楽曲公演演出フラグ情報を「有効(ON)」に設定する。
これにより、スタンバイフラグ情報が「有効(ON)」となっている場合若しくは楽曲公演演出フラグ情報が「有効(ON)」となっている場合、画像制御基板150において「特別演出モード」となっていることを示している。
このときスタンバイフラグ情報と楽曲公演演出フラグ情報のいずれか少なくとも一方が「有効(ON)」となっているような場合、すなわち、「特定演出モード」となっている場合、上述するように、図11(a)に示すような変動演出パターン決定テーブルに代えて、図11(b)に示すような特定演出モードにおける変動演出パターン決定テーブルを用いて画像制御基板150に対して演出パターン指定コマンドを出力する。
また、液晶制御CPU150aでは、特定演出の終了時間を計時することによりこれらのフラグ情報(「スタンバイフラグ情報」および「楽曲公演演出フラグ情報」)全てを「無効(OFF)」と設定(初期設定)する。これにより、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120へと演出状態情報として、「特別演出モード」以外の演出モードである「非特定演出モード」を通知する。
さらに、液晶制御CPU150aは、通電時処理制御部150eを具備して構成される(図示せず)。この通電時処理制御部150eでは、電源基板170を介して外部電力が供給開始された時点(通電時)で行う「通電時処理」のほか、この通電時処理において用いられる電断時刻情報を記憶する「電断時刻情報記憶処理」が行われる。
この通電時処理は、通電の種別に応じてその通電後に行う特定演出を、電断時の時刻情報(電断時刻情報)と、通電時の時刻情報とに基づいて決定する処理である。また、電断時刻情報記憶処理は、通電時処理において特定演出を決定するために用いられる電断時刻情報を記憶する処理である。
液晶制御CPU150aにおいて行われるこれらの「通電時処理」および「電断時刻情報記憶処理」については後述する。
演出制御基板120は、画像制御基板150における演出状態情報(非特定演出モード)を受け付けて記憶する。
このとき、図11(b)に示すような特定演出モード用の変動演出パターン決定テーブルに代えて、図11(a)に示すような変動演出パターン決定テーブルを用いて画像制御基板150に対して演出パターン指定コマンドを出力する。
汎用基板39は、画像制御基板150と、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37との間に設けられ、画像データを表示させる際に所定の画像形式に変換して出力するブリッジ機能を有している。
この汎用基板39は、画像データを表示する第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37の性能に対応する画像形式に変換するブリッジ機能を有しており、例えば、SXGA(1280ドット×1080ドット)の19インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときと、XGA(1024ドット×768ドット)の17インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときとの解像度の違い等を吸収する。
続いて、CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32ピクセル×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、この画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
このCGROM151は、VDP2000によって画像データ単位で読み出しが行われ、このフレームの画像データ単位で画像処理が行われる。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、約16.6ミリ秒ごとにパルス信号(Vブランク割込信号)をVDP2000に出力し、VDP2000が、このパルス信号を分周することで制御を行うためのシステムクロック、第1液晶表示装置31や第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。また、このVRAM153は、図12に示すようなメモリマップによって構成されている。
図12は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において用いるフレームバッファの構成を示す構成図の例である。
図12(a)は、第1液晶表示装置31若しくは第2液晶表示装置37のいずれかを用いて画像データを表示する場合であって、特に、第1液晶表示装置31のみが画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、図4に示しているように第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37が接続された構成でなく、この第2液晶表示装置37を有していない場合の構成におけるメモリマップである。
図12(a)に示すメモリマップは、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域によって構成されている。
画像データ展開領域153bは、VDP2000に含まれる後述するような伸長回路により伸長された画像データを記憶する領域であって、ディスプレイリスト記憶領域153aは、液晶制御CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶する領域である。
また、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153dは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第1液晶表示装置31に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
ちなみに、その他の領域には、例えば、パレットデータ等が記憶される。
なお、このメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
図12(b)は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37の両表示装置に画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、図4に示しているように第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37が接続された構成におけるメモリマップである。
この図12(b)においても、図12(a)に示すメモリマップと同様、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域を具備し、さらに、サブ液晶用第1フレームバッファ153e、サブ液晶用第2フレームバッファ153fを具備して構成されている。
画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域については、上記に示すと同様であり、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第2液晶表示装置37に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
なお、このサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
以上に示す以外にも、第2液晶表示装置37を有しない構成、すなわち、第1液晶表示装置31のみを有する構成であっても、図12(b)に示すような第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のフレームバッファを有するメモリマップを用いることも可能である。
この場合、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのフレームバッファは作業領域として用いられることはない。
続いて、VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、液晶制御CPU150aからの指示に基づいて、第1液晶表示装置31についてはメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dとのいずれか、第2液晶表示装置37についてはサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのいずれか、のフレームバッファのうち「表示用フレームバッファ」から画像データを読み出す。
そして、読み出した画像データに基づいて、映像信号(LVDS信号やRGB信号等)を生成して、第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に出力して表示させるものである。
このVDP2000は、図示しない制御レジスタ、CGバス I/F、CPU I/F、クロック生成回路、伸長回路、描画回路、表示回路、メモリコントローラを備えており、これらはバスによって接続されている。
制御レジスタは、VDP2000が描画や表示の制御を行うためのレジスタであり、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタは、VDP2000が動作するために必要な基本的な設定を行う「システム制御レジスタ」と、データの転送に必要な設定をする「データ転送レジスタ」と、描画の制御をするための設定をする「描画レジスタ」と、バスのアクセスに必要な設定をする「バスインターフェースレジスタ」と、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする「伸長レジスタ」と、表示の制御をするための設定をする「表示レジスタ」との6種類のレジスタを備えている。
CGバス I/Fは、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/Fを介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/Fは、液晶制御CPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、このCPU I/Fを介して液晶制御CPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号を液晶制御CPU150aに入力したりする。
データ転送回路は、各種デバイス間のデータ転送を行う。具体的には、液晶制御CPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路は、水晶発振器152よりパルス信号(Vブランク割込信号)を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を第1液晶表示装置31に出力する。
伸長回路は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを画像データ展開領域153bに記憶させる。
描画回路は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路は、VRAM153にあるメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cおよびメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dおよびサブ液晶用第1フレームバッファ153eおよびサブ液晶用第2フレームバッファ153fのうち、「表示用フレームバッファ」として機能するフレームバッファに記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示す映像信号を生成する。
そして、表示回路は、生成した映像信号を第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に出力する回路である。さらに、この表示回路は、第1液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力し、第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力する。
メモリコントローラは、液晶制御CPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを相互に役割を切り替える制御を行うものである。
音制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROM(図示せず)が備えられており、音制御回路3000が、演出制御基板120から送信された音声出力指示のコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
図13は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において用いるアニメーション情報を示す図である。
図13(a)に示すアニメパターンは、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示する演出画像を構成する構成情報であるオブジェクト等のほか、その演出画像の表示を行うタイミングや場面であるシーンが指定された情報であって、演出に際して表示する演出画像を成形する画像成形情報である。
このアニメパターンが1または複数、束ねられることによってグループ(以下、「アニメグループ」ともいう)を形成しており、例えば、図13(a)では、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ、演出図柄38のアニメーションを表示するための演出図柄グループを示している。
もちろん、これらはグループの一例を示したものに過ぎず、その他多数のグループが設けられているものである。
このアニメグループは、液晶制御ROM150cに記憶されている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120におけるサブCPU120aから演出パターン指定コマンドを受信し、この演出パターン指定コマンドに基づいて実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
図13(b)から図13(d)および図13(e)は、図11に示す演出パターン決定テーブルにおいて指定された演出パターン指定コマンドのうち、「A1H07H」の演出パターン指定コマンドを受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
この演出パターン指定コマンド(A1H07H)は、図11の変動パターン指定コマンドテーブルに示す通り、通常変動演出を「変動演出パターン7」の変動演出パターンによって行うことを指示するコマンドであって、例えば、その通常変動演出を行う際に用いる構成要素が属するアニメグループであって、変動演出に用いられる役割ごとに別けたアニメグループの少なくとも1つを特定するものである。
すなわち、液晶制御ROM150cには、演出パターン指定コマンドとその演出パターン指定コマンドの演出パターンに用いるアニメグループとが対応付けられたアニメグループ対応テーブル(図示せず)を記憶しておき、液晶制御CPU150aでは、このアニメグループ対応テーブルを用いて演出パターン指定コマンドに対して用いるアニメグループを決定する。
例えば、変動演出パターン「7」に対応する演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信すると、液晶制御CPU150aは、「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループ」の4つのグループを決定し、これら各アニメグループからアニメパターンの決定を可能とする。
一例として、背景グループから「アニメパターン1」を決定し、予告Aグループから「アニメパターン11」を決定し、予告Bグループから「アニメパターン21」を決定し、演出図柄グループから「アニメパターン501」を決定する。
このアニメパターンは、図13(b)から図13(d)および図13(e)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序や表示する表示装置を指定した情報等を記憶している。
例えば、図13(e)に示す演出図柄グループのアニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「サブ液晶(第2液晶表示装置37)」が指定されていることから、1番目にアニメシーン501が実行され、このアニメシーン501に続いて2番目にアニメシーン511が実行されて、サブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
液晶制御RAM150bには、1フレーム毎に計数して更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にこの「シーン切換カウンタ」が540を計数することによって、2番目のアニメシーン511へとアニメシーンが切り替わる。
そして、2番目のアニメシーン511を実行している間に「シーン切換カウンタ」によって「60」(60フレーム分)を計数されると、演出図柄グループのアニメパターンのアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であって、例えば、第1液晶表示装置31が1秒間に60フレームを表示する場合には、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されて行く。
上記の例では、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されていく例を示しているが、これに限定されることなく、「1/30秒(約33.3ms)」ごとに1フレームが更新されていくような構成であってもよい。この場合、表示装置は1秒間に30フレームを表示することとなる。
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、アニメーション情報として、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定する情報等などを記憶している。
例えば、図13(e)に示すアニメシーンでは、最初に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が所定の座標(第1図柄は座標(x30、y30)、第2図柄は座標(x40、y40)、第3図柄は座標(x50、y50)、第4図柄は座標(x60、y60))に20フレーム(約0.33秒)分、表示され続ける。
その後、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が別の座標(第1図柄は座標(x31、y31)、第2図柄は座標(x41、y41)、第3図柄は座標(x51、y51)、第4図柄は座標(x61、y61))に15フレーム(約0.25秒)分、表示され続ける。
以降も同様に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が予め定められたフレーム分、指定された座標に表示され続けていくと、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションとなる。
また、図13(b)から図13(d)に示す「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ」の各アニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「メイン液晶(第1液晶表示装置31)」が指定されており、背景グループでは図13(b)に示すようにアニメシーン1が「600」フレーム実行され、予告Aグループでは図13(c)に示すようにアニメ−シーン0が「120」フレーム実行された後にアニメシーン11が「180」フレーム実行され、予告Bグループでは図13(d)に示すようにアニメシーン0が「180」フレーム実行された後にアニメシーン21が「240」フレーム実行されて、メイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
以上のようなことから、図13(b)から図13(d)に示すように「背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と」の複数のアニメパターンが決定されてこれらのアニメパターンのアニメーションが時系列に並列して実行されることでメイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンに基づく演出画像が表示され、図13(e)に示すように、「演出図柄グループからはアニメパターン501」のアニメパターンが決定され、このアニメパターンのアニメーションが実行されることでサブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンに基づく演出画像が表示される。
これによって、第1液晶表示装置31の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。
なお、これらの画像は、第1液晶表示装置31の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて画像として視認できない状態となる。
さらに、第2液晶表示装置37の表示領域には、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)(停止時間)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。なお、第2液晶表示装置37には演出図柄のみを表示する例を示しているが、これに限定することなく、例えば、第1液晶表示装置31において表示した背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して表示するようにしてもよい。
図14は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの例であって、表示する表示装置ごとのディスプレイリストの例を示している。
図14(a)は、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第1ディスプレイリストの一例であり、図14(b)は、第2液晶表示装置37において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第2ディスプレイリストの一例である。
液晶制御CPU150aにおいて、上記で説明した図13に示すようなアニメーション情報を元にアニメパターンを決定すると、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37それぞれに表示する所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストをそれぞれ生成する。すなわち、表示装置の数に応じて単位フレームごとにディスプレイリストが生成されることとなる。
液晶制御CPU150aは、このようにして生成したディスプレイリストそれぞれをVDP2000に出力する。
ここで、ディスプレイリストの生成方法は、液晶制御CPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と、決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
以下に、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を構成するディスプレイリストの例を示す。
図14(a)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い「優先順位9」のデータが対応づけられ、予告Aグループには「優先順位8」のデータが対応づけられ、予告Bグループには「優先順位7」のデータが対応づけられ、・・(中略)・・、大当り演出グループには最も高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。
また、図14(b)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには優先順位の低い「優先順位2」のデータが対応づけられ、演出図柄グループには優先順位の高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。この図14(b)に示す例では、上記において、背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して第2液晶表示装置37に表示する場合におけるディスプレイリストの例を示している。もちろん、背景グループからなるアニメパターン1のみを表示するような場合には演出図柄グループのアニメシーン501のみを指定したディスプレイリスト、すなわち、図14(b)のアニメグループのカラムで「背景グループ」が指定されているレコードを含まないディスプレイリストとする。
そして、図14(a)では、上記の図13(b)から図13(d)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21との複数のアニメパターンが決定されたものとし、図14(b)では、上記の図13(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、第1液晶表示装置31に表示する演出画像に対応するディスプレイリストとして、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(大当り演出グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(a)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
次に、第2液晶表示装置37に表示する演出画像に対応するディスプレイリストとして、低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1と、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)との描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(b)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
この図14(a)および図14(b)に示すようなディスプレイリストは、液晶制御CPU150aが必要なデータを参照しながら生成される。
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめた表示装置ごとのディスプレイリスト(第1ディスプレイリストおよび第2ディスプレイリスト)を、液晶制御CPU150aがVDP2000に出力することによってVDP2000を構成する描画回路がディスプレイリストごとに演出画像を描画する描画処理を行い、描画処理された演出画像を対応する表示装置(第1液晶表示装置31若しくは第2液晶表示装置37)に表示する。
続いて、以下では、図15から図24までの全10図を用いて、本発明の実施の形態における遊技機において行われる各種の処理について説明する。
図15は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、メインCPU110aは、初期化処理を行う(S1501)。この初期化処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じてメインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されているフラグなどの初期化を行う処理を行う。
続いて、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う(S1502)。
そして、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う(S1503)。
このような処理が行われると、電源が遮断される電断処理が行われたかを判断し(S1504)、電断処理が行われるまで(S1504でNO)は割り込み処理が行われることによって演出用乱数値更新処理(S1502)以降を繰り返し行う。また、電断処理が行われると(S1504でYES)処理を終了する。
図16は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる(S1601)。
メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う(S1602)。
メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う(S1603)。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタをインクリメント(単位数加算)して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを「0(ゼロ)」に戻してその時の初期乱数値「0(ゼロ)」からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
続いて、メインCPU110aは、S1503と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う(S1604)。
メインCPU110aは、入力制御処理を行う(S1605)。
この入力制御処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15aからの各種検出信号を入力した場合には、ぞれぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
さらに、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
同様に、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
また、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
次に、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う(S1606)。続いて、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う(S1607)。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
そして、メインCPU110aは、払出制御処理を行う(S1608)。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う(S1609)。
メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させる出力制御処理を行う(S1610)。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。
メインCPU110aは、S1601で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる(S1611)。
図17は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われる特図特電制御処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、特図特電処理データの値をロードし(S1701)、ロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照する(S1702)。
このとき、特図特電処理データが「0(ゼロ)」であれば、特別図柄記憶判定処理を行い(S1703)、また、特図特電処理データが「1」であれば、特別図柄変動処理を行い(S1704)、さらに、特図特電処理データが「2」であれば、特別図柄停止処理を行う(S1705)。
また、特図特電処理データが「3」であれば、大当たり遊技処理を行い(S1706)、特図特電処理データが「4」であれば、大当り遊技終了処理を行い(S1707)、特図特電処理データが「5」であれば小当り遊技終了処理を行う(S1708)。
この「特図特電処理データ」は、特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
このときの特別図柄記憶判定処理として、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。この特別図柄記憶判定処理の詳細な流れを図18を用いて説明する。
図18は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われる特別図柄記憶判定処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定する(S1801)。
そして、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていなければ(S1801でNO)、特図特電処理データが「0(ゼロ)」を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば(S1801でYES)、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う(S1802)。
具体的には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このときにも、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
本実施形態では、第1特別図柄乱数値記憶領域よりも第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶された乱数値が優先してシフト(消化)されることになる。
これに限定されることなく、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
次に、メインCPU110aは、停止表示する特別図柄の種類を決定するための特別図柄決定処理を行う(S1803)。
この特別図柄決定処理では、上記大当り判定処理(S1802)において、「大当たり」と判定された場合には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄を決定する。
また、上記大当り判定処理(S1802)において、「小当たり」と判定された場合には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄を決定する。
さらに、上記大当り判定処理(S1802)において、「ハズレ」と判定された場合には、ハズレ図柄を決定する。
以上のようにして決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
次に、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間決定処理を行う(S1804)。
具体的には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶されたリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。その後、決定した特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。
メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。
これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記の処理によってLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータが出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
さらに、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示が開始されるとき(S1805)に、決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターン指定コマンド(第1特別図柄用変動パターン指定コマンドまたは第2特別図柄用変動パターン指定コマンド)をメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
メインCPU110aは、「特図特電処理データ=0」から「特図特電処理データ=1」にセットして(S1806)、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行って特別図柄記憶判定処理を終了する。
図19は、本発明の実施の形態における遊技機の演出制御基板120で行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、サブCPU120aは、初期化処理を行う(S1901)。
この初期化処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化して設定する処理を行う。
次に、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う(S1902)。
この演出用乱数更新処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。
続いて、電源が遮断される電断処理が行われたかを判断し(S1903)、電断処理が行われるまで(S1903でNO)は、所定の割込み処理が行われるまで演出用乱数更新処理以降を繰り返し行う。また、電断処理が行われた場合(S1903でYES)には処理を終了する。
図20は、本発明の実施の形態における遊技機の演出制御基板120で行われるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させ(S2001)、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う(S2002)。
次に、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う(S2003)。
このコマンド解析処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図21および図22を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、受信したコマンドの解析処理が行われる。
サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35a、十字キー検出スイッチ36aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行い(S2004)、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う(S2005)。
そして、サブCPU120aは、S1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる(S2006)。
図21は、本発明の実施の形態における遊技機の演出制御基板120で行われるコマンド解析処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例であって、図22は、図21に示すコマンド解析処理の続きを示すフローチャートである。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する(S2101)。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければ(S2101でNO)、コマンド解析処理を終了する。また、受信バッファにコマンドがあれば(S2101でYES)続いて、受信バッファに格納されているそのコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する(S2102)。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば(S2102でYES)、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う(S2103)。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドでもなければ(S2102でNO)、続いて、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する(S2104)。
受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば(S2104でYES)、その特別図柄記憶指定コマンドを解析して第1液晶表示装置31及び/又は第2液晶表示装置37に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う(S2105)。
受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドでもなければ(S2104でNO)、続いて、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する(S2106)。
受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば(S2106でYES)、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、第1液晶表示装置31及び/又は第2液晶表示装置37に停止表示させる演出図柄38を決定する演出図柄決定処理を行う(S2107)。
この演出図柄決定処理は、具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄38の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データを示している停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
このとき、サブCPU120aは、さらに、上記において示すように更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う(S2108)。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドでもなければ(S2106でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する(S2109)。
受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば(S2109でYES)、サブCPU120aは、更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値1、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う(S2110)。
その後、かかる演出パターンに基づいて、第1液晶表示装置31、音声出力装置32、装飾装置33a、演出用照明装置34、第2液晶表示装置37が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄38の変動態様が決定されることとなる。
受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドでもなければ(S2109でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する(S2111)。
受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば(S2111でYES)、サブCPU120aは、演出図柄38を停止表示させるために演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う(S2112)。
受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドでもなければ(S2111でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(S2113)。
受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであれば(S2113でYES)、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域に設定する(S2114)。
受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドでもなければ(S2113でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する(S2115)。
受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであれば(S2115でYES)、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う(S2116)。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドでもなければ(S2115でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、第1大入賞口16及び/又は第2大入賞口17の開放を指示する大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する(S2117)。
受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであれば(S2117でYES)、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う(S2118)。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドでもなければ(S2117でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する(S2119)。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであれば(S2119でYES)、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う(S2120)。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
また、いずれのコマンドでもない場合(S2119でNO)には、本処理を終了することによってコマンド解析処理を終了する。
次に、図23は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
電源基板170により電源が供給されると、液晶制御CPU150aにシステムリセットが発生し、液晶制御CPU150aは、以下に示すようなメイン処理を行う。
液晶制御CPU150aは、初期化処理を行う(S2301)。
この初期化処理において、液晶制御CPU150aは、電源投入に応じて、液晶制御ROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、液晶制御CPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、液晶制御CPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、(1)VDP2000を構成する表示回路に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に「1」をセットしたり)、(2)VDP2000を構成する伸長回路に使用頻度の高い画像データ(演出図柄38等の画像データ)をVRAM153の画像データ展開領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、(3)VDP2000を構成する描画回路に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
続いて、液晶制御CPU150aは、描画実行開始処理を行う(S2302)。
この描画実行開始処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。
すなわち、電源投入開始時には上記のステップ(S2301)で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS2050で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
次に、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から送信された演出パターン指定コマンド(液晶制御RAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析制御処理を行う(S2303)。
なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析制御処理は、受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されていなければ、継続して行うが、受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されていれば、新たな演出パターン指定コマンドを読み込む処理を行う。読み込んだ演出パターン指定コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
そして、アニメパターンを決定すると、読み込んだ演出パターン指定コマンドを送信バッファから消去する。
次に、液晶制御CPU150aは、アニメーション制御処理を行う(S2304)。
このアニメーション制御処理において、後述する、更新される上記の「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」と、上記に示すような処理によって決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
これにより、液晶制御CPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していき、ディスプレイリストの生成が完了することによってそのディスプレイリストをVDP2000に出力する(S2305)。なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/F2030を介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
そして、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する(S2306)。
ここで、FB切換えフラグは、図24(b)で後述するように、「1/60秒(約16.6ms)」毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
FB切換えフラグが「01」であれば(S2306でYES)、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグを「00」に設定して(S2307)(FB切換えフラグをオフにして)処理を終了する。
それに対して、FB切換えフラグが「00」であれば(S2306でNO)、FB切換えフラグが「01」になるまで待機をする。
次に、図24は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われる割込処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。
なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図24を用いて説明を行うが、コマンド受信割込処理については、上記において説明をした通りであることから図示は省略する。
図24(a)は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われる描画終了割込処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
VDP2000は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、液晶制御CPU150aに描画終了割込信号を出力する。
液晶制御CPU150aは、VDP2000から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する
描画終了割込処理においては、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(S2401)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
図24(b)は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われるVブランク割込処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
画像制御基板150を構成する水晶発振器152は、「1/60秒(約16.6ms)」毎にパルス波形のVブランク割込信号(垂直同期信号)を発生させ、このVブランク割込信号を検知したVDP2000が所定のタイミングにおいて液晶制御CPU150aに対してそのVブランク割込信号に基づく「演出処理タイミング通知信号」を出力する。
これにより、液晶制御CPU150aでは、VDP2000からVブランク割込信号に基づく「演出処理タイミング通知信号」を受信し、この演出処理タイミング通知信号を受け付けることによって演出を行うために割込処理を行う。この割込処理による割込タイミングに演出処理が行われることとなる。
なお、VDP2000が「演出処理タイミング通知信号」を液晶制御CPU150aに対して出力する所定のタイミングとは、発生させたVブランク割込信号に基づいて決定される。
画像制御基板150によって行われる割り込み処理として、まず、液晶制御CPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを既存の値から単位数量だけ更新する処理を行う(S2402)。
続いて、液晶制御CPU150aは、これらの各種カウンタを更新する処理を行うと、「描画終了フラグ」に「01」が設定されているか否かを判断する(S2403)。この「描画終了フラグ」は、直前のフレームにおける演出画像の描画処理が終了しているか否かを判断するフラグ情報である。
液晶制御CPU150aは、「描画終了フラグ」が「01」であると判定する場合(S2402でYES)、すなわち、フレームにおける演出画像の描画が終了していると判断する場合には、「描画終了フラグ」に「00」を設定する(S2404)。
それに対して、「描画終了フラグ」に「01」が設定されていない場合(S2403でNO)、すなわち、フレームにおける演出画像の描画が終了していないと判断する場合には、今回のVブランク割込処理を終了する。これは、VDP2000からVブランク割込信号に基づく演出処理タイミング通知信号を受信したとしても、液晶制御CPU150aにおいて直前のフレームにおける演出画像の描画処理が終了していなければ以降の割り込み処理が行われないことを示している。
そして、直前のフレームにおける演出画像の描画が終了しており、「描画終了フラグ」に「00」が設定される(S2404)と、続いて、液晶制御CPU150aは、VDP2000を構成するメモリコントローラに対して、「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示とともに「演出処理タイミング通知信号」を出力する(S2405)。
この「演出処理タイミング通知信号」は、液晶制御CPU150aにおける演出処理タイミングを通知する信号である。
そして、液晶制御CPU150aは、「FB切換えフラグ」に「01」を設定し(FB切換えフラグをオンにし)(S2406)、待機状態を解除してVブランク割込処理を終了する。
これによって、液晶制御CPU150aでは、VDP2000のメモリコントローラに対して切替後の描画用フレームバッファに演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに対応するフレーム単位の演出画像の生成を指示する。
これにより、VDP2000では、CGROM151に記憶しているその演出画像を構成する画像情報を読み出してVRAM153上の描画用フレームバッファにフレームからなる演出画像を記憶する。
このほか、VDP2000では、水晶発振器152によって発生されたVブランク割込信号を検出しても直前にVブランク割込信号を検出したときに液晶制御CPU150aに対して演出処理タイミング通知信号を通知している場合には当該Vブランク割込信号のときには演出処理タイミング通知信号の通知を行わないようにし、反対に、直前にVブランク割込信号を検出したときに液晶制御CPU150aに対して演出処理タイミング通知信号を通知していない場合には当該Vブランク割込信号のときには演出処理タイミング通知信号の通知を行うこととしてもよい。
これは、例えば、VDP2000においてVブランク割込信号を検出したときに割込フラグが「有効(ON)」となっていることから演出処理タイミング通知信号を液晶制御CPU150aに通知し、その後、その割込フラグを「有効(ON)」から「無効(OFF)」と設定する。続いて、次のVブランク割込信号を受信したときには割込フラグが「無効(OFF)」と設定されていることから演出処理タイミング通知信号を液晶制御CPU150aに対して通知せずに割込フラグを「有効(ON)」と設定することによって、一回おきに(間隔をあけて)演出処理タイミング通知信号を通知することができるようになる。
図25は、本発明の実施の形態における遊技機において行われる信号処理の詳細な流れを示すタイミングチャートを示す図である。
図25には、複数の中から無作為に選択した2つの遊技機(遊技機Aおよび遊技機B)について記載されており、各遊技機の画像制御基板150が構成するフレームカウンタ150d、RTC装置154において行われる処理のタイミングチャートを示している。
まず、RTC装置154は、上述するように、内部電源を搭載していることから工場出荷時に電源投入されてから継続してRTCカウンタ値を計数している状態にある。このときのRTC装置154は、「10ミリ秒単位」でRTCカウンタ値を計数するものであって、日付情報のほか、時刻情報を有する。
それに対して、フレームカウンタ150dは、上述するように、遊技機の電源投入と同時に初期化処理が行われ、電源投入時から新たな時間情報を記録することとなる。
遊技機の電源投入が行われると、フレームカウンタ150dでは、RTC装置154において計数するRTCカウンタ値の読み取りを行う。
図25に示す例では、遊技機Aに電源投入されて行われた初期化処理においてRTC装置154から読み出したRTCカウンタ値における時刻情報が「23時24分50秒200ミリ秒」であって、フレームカウンタ150dは、この「23時24分50秒200ミリ秒」を、演出のうちの特定演出において用いる演出時間情報として記憶する。
また、フレームカウンタ150dでは、演出時間情報として記憶した「23時24分50秒200ミリ秒」を構成する時刻構成情報のうち、最小単位時刻となる「200ミリ秒」を、演出時間情報を更新する情報(「カウンタ更新判定情報」と称する)として記憶領域(カウンタ更新判定情報記憶領域)に記憶する。
また、遊技機Bにおいても同様に、遊技機Bに電源投入されて行われた初期化処理においてRTC装置154において計数したRTCカウンタ値における時刻情報として、フレームカウンタ150dでは、「23時24分49秒900ミリ秒」を読み取り、この「23時24分49秒900ミリ秒」を演出時間情報として記憶する。
このときの遊技機Aおよび遊技機Bの電源投入タイミングは略同時である。遊技機Aと遊技機Bとは、図53に示すように同一ホール内の同島に設置された遊技機であって、島単位で電源投入が行われるような状態にあることを示している。
しかしながら、略同時に電源投入したとしてもRTC装置154において計数するRTCカウンタ値に基づく時刻情報が異なっていることを示している。これは、RTC装置154の個体差および周辺基板からのノイズ等によって生じるRTCカウンタ値のズレ(誤差)によって時刻情報が異なることがある。
以上に示すように、遊技機Aおよび遊技機Bにおいてそれぞれ初期化処理を行って、当該初期化処理時におけるRTCカウンタ値に基づく情報を演出時間情報として記憶した状態となると、フレームカウンタ150dでは、所定のタイミングとなることによってフレームカウンタ値を計数することとなる。
このフレームカウンタ値は、水晶発振器152によって「約16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出したVDP2000が、そのVブランク割込信号を検出した所定のタイミングで「演出処理タイミング通知信号」をフレームカウンタ150dに通知している例を示している。
図25に示す例では、VDP2000は、水晶発振器152によって「約16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号の2回に1回に「演出処理タイミング通知信号」を液晶制御CPU150a(より詳細には、液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150d)に対して通知する例を示している。すなわち、VDP2000では、およそ「33ms(ミリ秒)」ごとに液晶制御CPU150aに演出処理タイミング通知信号を通知していることとなる。
よって、この液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dでは、この演出処理タイミング通知信号の通知を受けることによってフレームカウンタ値を計数することとなり、このフレームカウンタ150dを具備する液晶制御CPU150aは、「33ms(ミリ秒)」ごとに1フレーム当たりの演出画像を描画して表示させる処理を行う。
また、演出処理タイミング通知信号が通知されてフレームカウンタ150dがフレームカウンタ値を計数すると、液晶制御CPU150aでは、演出制御基板120から通知された演出パターン指定コマンドに基づく演出画像を表示させるためのディスプレイリストの生成処理およびこのディスプレイリストに基づく演出画像の表示指示をVDP2000へと行う。
フレームカウンタ150dでは、演出処理タイミング通知信号の通知を受けてフレームカウンタ値を計数することによってRTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報を読み出すと、その時刻情報における最小単位時刻とフレームカウンタ150dにおけるカウンタ更新判定情報記憶領域に記憶する「カウンタ更新判定情報」とを比較する。
そして、フレームカウンタ150dでは、RTC装置154から読み出したRTCカウンタ値における時刻情報における最小単位時刻とフレームカウンタ150dにおけるカウンタ更新判定情報記憶領域に記憶する「カウンタ更新判定情報」とから、RTCカウンタ値における時刻情報が、演出時間情報と比べて、演出に用いる演出最小単位時刻以上、時間経過したものであると判断する場合に、その演出最小単位時刻を用いて「演出時間情報」を更新する。
以下では、図25に示す遊技機を用いて具体的に説明する。
まず、図25に示す遊技機Aは、演出時間情報の演出最小単位時刻が「1秒」であって、この遊技機Aの電源投入時にRTC装置154から読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分50秒200ミリ秒」を仮時刻レジスタに記憶した状態にあって、このとき、カウンタ更新判定情報記憶領域にカウンタ更新判定情報の「200ms」を記憶した状態にある。なお、このとき液晶制御RAM150bで記憶する演出時間情報は、演出最小単位時刻未満を切り捨てた「23時24分50秒」を記憶している状態にある。
このような状態で、フレームカウンタ150dが、演出処理タイミング通知信号をVDP2000から受け付けたタイミングである「33ms」間隔でRTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報を読み取る。
このとき読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報が、「23時24分50秒300ミリ秒」である場合、最小単位時刻の「300ms」がカウンタ更新判定情報の「200ms」よりも新しい時間であるが、演出に用いる演出最小単位時刻である「1秒」を経過していないことから、フレームカウンタ150dは、演出時間情報の更新を行わないものとする。
それに対して、RTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報が「23時24分51秒400ミリ秒」である場合、最小単位時刻の「400ms」がカウンタ更新判定情報の「200ms」よりも新しい時間(大きい数値からなる時間)であって、演出に用いる演出最小単位時刻である「1秒」を経過していることから、フレームカウンタ150dは、この演出最小単位時刻を用いて「演出時間情報」を更新することとなる。すなわち、更新後の演出時間情報は、「23時24分50秒」に演出最小単位時刻である「1秒」を追加して更新した「23時24分51秒」となる。
また、RTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報が「23時24分51秒100ミリ秒」である場合、最小単位時刻の「100ms」がカウンタ更新判定情報の「200ms」よりも新しい時間(大きい数値からなる時間)ではない場合、フレームカウンタ150dは、演出時間情報の更新を行わないものとする。
次に、図25に示す遊技機Bは、演出時間情報の演出最小単位時刻が「1秒」であって、この遊技機Aの電源投入時にRTC装置154から読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分49秒900ミリ秒」を仮時刻レジスタに記憶した状態にあって、このとき、カウンタ更新判定情報記憶領域にカウンタ更新判定情報の「900ms」を記憶した状態にある。なお、このとき液晶制御RAM150bで記憶する演出時間情報は、演出最小単位時刻を切り捨てた「23時24分49秒」を記憶している状態にある。
このときのカウンタ更新判定情報の「900ms」とは、「10ミリ秒」でRTC装置154がRTCカウンタ値を構成しているときに、カウンタ更新判定情報として計数される最大の値の例を示している(上述するように、RTC装置154は100ミリ秒単位で計数するため最大の値が「900ms」となる)ことから、このカウンタ更新判定情報「900ms」と比較する最小単位時刻は全て小さいか若しくは同一としかならない状態を示している。
このような状態で、フレームカウンタ150dが、演出処理タイミング通知信号VDP2000から受け付けたタイミングである「33ms」間隔でRTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報を読み取る。
このとき読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報が、「23時24分50秒000ミリ秒」である場合であって、この最小単位時刻「000ms」がカウンタ更新判定情報の「900ms」よりも新しい時間(大きい数値からなる時間)ではなく、この時刻情報が演出に用いる演出最小単位時刻である「1秒」を経過していないことから、フレームカウンタ150dは、演出時間情報の更新を行わないものとする。
それに対して、RTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報が「23時24分51秒100ミリ秒」である場合、最小単位時刻の「100ms」がカウンタ更新判定情報の「900ms」よりも新しい時間ではないが、演出に用いる演出最小単位時刻である「1秒」を経過していることから、フレームカウンタ150dは、この演出最小単位時刻を用いて「演出時間情報」を更新することとなる。すなわち、更新後の演出時間情報は、「23時24分49秒」に演出最小単位時刻である「1秒」を追加して更新した「23時24分50秒」となる。
このことからも解るように、カウンタ更新判定情報として計数される最大の値(上記例では「900ms」)が、記憶されているような場合には、演出に用いる演出最小単位時刻である「1秒」を経過したか否かを判断することとなる。
これにより、フレームカウンタ150dによって生じる時間の最大のズレ(誤差)は、RTC装置154による最小単位時刻に過ぎず、上記の例では、「100ms(ミリ秒)」に過ぎず、この最小単位時刻を小さくすれば小さくするほど、ズレ(誤差)が小さくなることを示すものである。
このことから、ホール等に設置した遊技機の電源投入時間を同時にすれば、液晶制御CPU150aが具備するフレームカウンタ150dによるフレームカウンタ値の計数タイミングがずれたとしても、液晶制御RAM150bに記憶する演出時間情報は、最大で最小単位時刻でしかずれることはない。
したがって、この演出時間情報に対して全ての遊技機で同じ特定演出を設定すれば、全ての遊技機において略同じタイミングでその特定演出が行われることとなる。
なお、この程度のズレによって遊技者が違和感を生じることはなく、しかも、最大で最小単位時刻しかずれないことから、各遊技機間で相互に同期する処理を行うことなく、他の遊技機との間で特定演出を同期させたように感じさせることができる。
図26は、本発明の実施の形態における遊技機に搭載されたフレームカウンタ150dにおける詳細な構成を示す図である。
図26において、フレームカウンタ150dは、初期化処理部150d1、時刻情報記憶部150d2、更新処理制御部150d3、読み取り制御部150d4、割込信号検出部150d5を具備して構成される。
電源基板170から画像制御基板150に電力が供給されると、この画像制御基板150を構成する液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dは、時刻情報記憶部150d2で記憶する演出時間情報を示す時刻情報の初期化処理を行う。この時刻情報記憶部150d2を液晶制御CPU150aに設けてもよい。この時刻情報記憶部150d2に記憶する演出時間情報を用いて特定演出における演出画像が表示されることとなる。
この初期化処理は、時刻情報記憶部150d2を初期値設定するとともに、RTC装置154において計測するRTCカウンタ値を演出時間情報として時刻情報記憶部150d2へと記憶させる処理である。
後者のRTCカウンタ値を時刻情報記憶部150d2へと記憶させる処理では、初期化処理部150d1が読み取り制御部150d4へとRTCカウンタ値の読み取り要求を行い、これにより読み取り制御部150d4がRTC装置154からRTCカウンタ値を読み取る。
具体的には、図29を用いて後述する時刻情報記憶部150d2からRTCカウンタ値として時刻情報のほか、日付情報を読み取る。
そして、読み取り制御部150d4は、読み取ったこれらのRTCカウンタ値を更新処理制御部150d3へと送出する。
これにより、更新処理制御部150d3は、初期化処理におけるRTCカウンタ値の更新処理として読み取り制御部150d4によって読み取ったRTCカウンタ値の時刻情報および日付情報を時刻情報記憶部150d2に記憶する。このときの日付情報は、初期化処理によってのみ読み取られる情報の一例を示している。
時刻情報記憶部150d2では、演出時間情報を、例えば、図27(a)および図28(a)に示すようなレジスタ構成によって記憶する。
図27(a)は、図25において示す遊技機Aによって行われる初期化処理において読み出したRTCカウンタ値における時刻情報を各単位時刻でビット列表現したものである。
図27(a)に示す時刻情報は、初期化処理によって、RTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分50秒200ミリ秒」を読み出したときのビット列である。
図28(a)は、図25において示す遊技機Bによって行われる初期化処理において読み出したRTCカウンタ値における時刻情報を各単位時刻でビット列表現したものである。
図28(a)に示す時刻情報は、初期化処理によって、RTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分49秒900ミリ秒」を読み出したときのビット列である。
更新処理制御部150d3は、時刻情報のうち最小単位時刻を特定し、特定した最小単位時刻を時刻情報記憶部150d2のカウンタ更新判定情報記憶領域に記憶する。
このカウンタ更新判定情報記憶領域の一例を図27(b)および図28(b)に示す。
図27(b)に示すカウンタ更新判定情報記憶領域は、図25において示す遊技機Aによって行われる初期化処理において読み出したRTCカウンタ値における時刻情報を構成する最小単位時刻をビット列で表したものであって、図27(a)に示す「10ミリ秒」のレジスタにおいて格納されたビット列と同値である。
すなわち、図25において示す遊技機Aによって行われる初期化処理においてRTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分50秒200ミリ秒」を読み出すと、図27(b)に示すカウンタ更新判定情報記憶領域には、「200」をビット表記(2進数表記)した「011001000」が記憶された状態となる。
図28(b)に示すカウンタ更新判定情報記憶領域は、図25において示す遊技機Bによって行われる初期化処理において読み出したRTCカウンタ値における時刻情報を構成する最小単位時刻をビット列で表したものであって、図28(a)に示す「10ミリ秒」のレジスタにおいて格納されたビット列と同値である。
すなわち、図25において示す遊技機Bによって行われる初期化処理においてRTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分49秒900ミリ秒」を読み出すと、図28(b)に示すカウンタ更新判定情報記憶領域には、「900」をビット表記(2進数表記)した「111000100」が記憶された状態となる。
この図27(b)および図28(b)に示すカウンタ更新判定情報記憶領域に記憶される最小単位時刻は、上記において示す通り、演出時間情報を演出最小単位時刻で更新するための判定に用いられる情報である。
このような初期化処理が行われた状態となり、割込信号検出部150d5によってVDP2000によって出力された演出処理タイミング通知信号を検出すると、割込信号検出部150d5は、読み取り制御部150d4に対してRTCカウンタ値の読み取りを指示する。
読み取り制御部150d4は、RTC装置154からRTCカウンタ値の読み出しを行う。具体的には、図29に示すRTC装置154の時刻情報記憶部154dに記憶している時刻情報であるRTCカウンタ値の読み出しを行う。この場合、初期化処理とは異なる読み取り処理であることからRTCカウンタ値のみが読み取られることになる。
このとき、読み取り制御部150d4では、このようにしてRTCカウンタ値をRTC装置154から読み取ると、更新処理制御部150d3へとRTCカウンタ値を送出する。
なお、読み取り制御部150d4によってRTCカウンタ値を読み取ることによって、更新フラグを初期設定の「無効(OFF)」から「有効(ON)」へと変更する。そして、続いて行われるRTCカウンタ値の読み取り処理の際に、更新フラグが「有効(ON)」となってから、演出処理タイミングであると通知された回数を計数し、その回数が予め指定された回数以上となったかを判断する。
その予め指定された回数に満たない場合における演出処理タイミング通知である場合にはRTCカウンタ値の読み取り処理は行われず、その回数を記憶する。
それに対して、予め指定された回数を満たす場合における演出処理タイミング通知である場合には、読み取り制御部150d4は、それまでに計数した回数情報を初期化して更新フラグを「無効(OFF)」へと変更してRTC装置154から時刻情報であるRTCカウンタ値を読み取る。
これにより、読み取り回数を軽減することができるとともに、確実に時刻情報を読み取ることが可能となる。
RTCカウンタ値における時刻情報を読み取った読み取り制御部150d4は、読み取った時刻情報を仮時刻情報レジスタ(図示せず)に記憶し、仮時刻情報レジスタに時刻情報を記憶したことを更新処理制御部150d3へと通知する。
この更新処理制御部150d3は、読み取り制御部150d4によってRTC装置154から読み取ったRTCカウンタ値における「最小単位時刻」の時刻構成情報と、時刻情報記憶部150d2の「カウンタ更新判定情報記憶領域」に記憶している「最小単位時刻」の時刻構成情報とから、仮時刻情報レジスタに記憶しているRTCカウンタ値における時刻情報が、演出時間情報と比べて、演出に用いる「演出最小単位時刻」以上、時間経過しているか否かを判断する。
「演出最小単位時刻」以上、時間経過したものであると判断されない場合には、演出時間情報は更新されず、続いて割込信号検出部150d5において演出処理タイミング通知信号するまで待機状態となる。
それに対して、「演出最小単位時刻」以上、時間経過したものであると判断する場合には、フレームカウンタ150dは、時刻情報記憶部150d2で記憶している演出時間情報を、演出に用いる演出最小単位時刻を用いて更新する。上記に示す例では、演出最小単位時刻が「1秒」であることから、時刻情報記憶部150d2に記憶している演出時間情報に「1秒」を追加加算して演出時間情報を更新する。
このようにして時刻情報記憶部150d2で記憶する演出時間情報は、液晶制御CPU150aにより特定演出に際して用いられる情報である。
図29は、本発明の実施の形態における遊技機に搭載されたRTC装置154における詳細な構成を示す図である。
図29において、RTC装置154は、水晶振動体154a、RTCカウンタ値更新部154b、情報保持部154c、時刻情報記憶部154dを具備して構成されている。
工場出荷時の電源投入や遊技機のセットアップが行われると、水晶振動体154aは、所定の発振周波数(例えば、32768Hz)の発振を開始する。この水晶振動体154aは、高周波モジュールであって「水晶振動子」とも称される。
水晶振動体154aによる発振周波数の発振は、RTCカウンタ値更新部154bへと通知される。
これにより、RTCカウンタ値更新部154bは、所定の発振周波数を発振した旨の通知を受け付けた状態となり、情報保持部154cにおいて保持する直前の時刻情報を元にRTCカウンタ値を更新する。このときのRTCカウンタ値は、10ミリ秒単位で計数するものであって、この10ミリ秒は最小単位時刻を示すものである。
続いて、RTCカウンタ値更新部154bは、RTCカウンタ値を更新するとその更新後のRTCカウンタ値である時刻情報を時刻情報記憶部154dへと記憶する。
時刻情報記憶部154dは、RAM領域からなり、RTCカウンタ値レジスタとも称される。
この時刻情報記憶部154dは、日付情報記憶領域および時刻情報記憶領域からなり、RTCカウンタ値を構成する更新後の時刻情報を図30および図31に示すような時刻情報記憶領域に記憶する。また、時刻情報記憶部154dは、その時刻情報記憶領域に記憶する時刻情報に基づく日付情報を日付情報記憶領域に記憶する。
続いて、図30および図31には、時刻情報を記憶するレジスタの構成を示している。このレジスタは、時、分、秒、10ミリ秒の各情報を記憶する領域が設けられている。
図30(a)および図31(a)は、初期設定されたレジスタ構成を示している。
また、図30(b)は、図25に示す遊技機Aにおける、図30(a)に示すようなレジスタ構成において、上記において示す遊技機AのRTC装置154で行われる初期化処理の際に格納されているデータを示しており、この図30(b)では、RTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分50秒200ミリ秒」を計数したときのデータである。
さらに、図30(c)は、図30(a)に示すレジスタ構成において、上記において示す遊技機AのRTC装置154で、RTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分50秒300ミリ秒」を計数したときに格納されるデータを示す図である。
また、図31(b)は、図25に示す遊技機Bにおける、図31(a)に示すようなレジスタ構成において、上記において示す遊技機BのRTC装置154で行われる初期化処理の際に格納されているデータを示しており、この図31(b)では、RTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分49秒900ミリ秒」を計数したときのデータである。すなわち、この図31(b)に示す時刻情報における10ミリ秒のレジスタには、カウンタ更新判定情報として計数される最大の値が示されている。
さらに、図31(c)は、図31(a)に示すレジスタ構成において、上記において示す遊技機BのRTC装置154で、RTCカウンタ値における時刻情報として「23時24分50秒000ミリ秒」を計数したときに格納されるデータを示す図である。
このようなレジスタ構成からなる時刻情報記憶部154dは、液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dからの読み取り処理によってRTCカウンタ値である時刻情報が読み出される。
なお、図26に示すフレームカウンタ150dの読み取り制御部150d4からの読み取り要求に応じて、時刻情報記憶部154dの日付情報記憶領域に記憶している日付情報および時刻情報記憶領域に記憶している時刻情報の少なくとも一方が読み出されることとなる。
より詳細には、フレームカウンタ150dにおいて初期化処理における読み取りでは、これらの情報(時刻情報および日付情報)が読み取られ、初期化処理以外の読み取りでは時刻情報のみが読み出される。
続いて、液晶制御CPU150aにおいて行われる通電時処理および電断時刻情報記憶処理について説明する。
まず、「通電時処理」は、遊技機に対して電源基板170から外部電力が供給されたときの行われる処理である。この「通電時処理」は、外部電力の供給が停止した電断状態(電力供給再開タイミング前)となって外部電力が供給されて通電された状態(電力供給再開タイミング)となったときに、電断が継続した時間情報(以下では、「電断継続時間」と称している)に基づいて、特定演出を実行する演出時刻情報の更新に用いられる時刻構成情報の置換制御を行うとともに、その電断している間に、演出時刻情報が対応付けられた特定演出の数量を特定する処理を行い、その特定した特定演出の数量を元に、通電後に行う特定演出を特定する。
この通電時処理において用いられる、通電時における現在時刻情報は、RTC装置154における時刻情報記憶部154dに記憶されており、その他の電断時刻情報や、今回の通電時の前の通電時(前回の通電時)における時刻情報(第1通電時刻情報)(詳細については後述する)は不揮発性メモリ155に記憶されている。
この「通電時処理」に際して、液晶制御CPU150aは、RTC装置154の時刻情報記憶部154d、不揮発性メモリ155からそれぞれ所定の情報を読み出すこととなる。
次に、液晶制御CPU150aによって行われる「電断時刻情報記憶処理」は、外部電力の供給が遮断されたとみなす電断時刻情報を不揮発性メモリ155に記憶する処理である。すなわち、本遊技機において電断されたタイミング(電断タイミング)は、液晶制御CPU150aが不揮発性メモリ155に最後に電断時刻情報を書き込んだタイミングである。直接的に表せば、不揮発性メモリ155に最後に電断時刻情報を書き込んだタイミングを電断タイミングと擬制するものである。以下に詳細を記載する。
この電断時刻情報記憶処理は、上記に示す通り、電断時における時刻情報を不揮発性メモリ155に記憶する処理である。しかしながら、電断されたときの時刻情報は、電力が供給されていない状態であることから記憶することができない。このため、予め指定したタイミングで電断されたものとみなして時刻情報を更新して不揮発性メモリ155に記憶していく処理である。
これによって、その時刻情報を、電断された電断時刻情報とみなすことができるものである。
なお、電断時刻情報記憶処理は、RTC装置154の時刻情報記憶部154d(レジスタ)において記憶している現在時刻情報を液晶制御CPU150aが読み取り、読み取ったその現在時刻情報を不揮発性メモリ155に設けられた2つの記憶領域に、異なるタイミングで記憶していく処理である。
すなわち、不揮発性メモリ155の2つの記憶領域には同じ現在時刻情報が異なるタイミングで記憶されることとなる。このときの記憶処理として、一方の記憶領域に現在時刻情報の記憶が完了したことを確認後、他方の記憶領域に同現在時刻情報を記憶する処理である。
これによって、一方の記憶領域に現在時刻情報を記憶している途中に電断が行われたとしても、他方の記憶領域に記憶している現在時刻情報を電断時刻情報とすることができる。
これは、電断によって、遊技機における重要な電力の供給が停止したとしても確実にその電断時刻情報を不揮発性メモリ155に記憶しておくことができるための処理および構成である。
また、このときの不揮発性メモリ155は、図32および図33に示すようなアドレス空間によって構成されている。
図32には、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板に搭載された不揮発性メモリ155のアドレス空間を示す図である。
図32は、全[N+1]ビットからなるデータ記憶領域が複数、設けられたアドレス空間を示しており、各記憶領域にその記憶領域を特定するためのリンクアドレス情報が指定されている。
図32に示す例では、リンクアドレスが「000BH」であるデータ記憶領域に、「電源投入時刻情報(第1通電時刻情報)」が記憶された状態にあることを示している。また、リンクアドレスが「000CH」であるデータ記憶領域に、「電断時刻情報(第1電断時刻情報)」が記憶された状態にあることを示している。さらに、リンクアドレスが「000DH」であるデータ記憶領域に、「電断時刻情報(第2電断時刻情報)」が記憶された状態にあることを示している。
この図32に示す、リンクアドレス「000CH」のデータ記憶領域に、記憶した「電断時刻情報(第1電断時刻情報)」と、リンクアドレス「000DH」のデータ記憶領域に、記憶した「電断時刻情報(第2電断時刻情報)」が、上記の2つの記憶領域に記憶した情報を示している。
これによって、電断割込が発生した直前に記憶領域に記憶した現在時刻情報が電断時刻情報と見なすことができる。すなわち、現在時刻情報を不揮発性メモリ155の記憶領域に記憶するタイミング間隔を短くすればするほど、実際の電断割込の時刻との乖離を小さくすることができる。
本実施例では、その所定のタイミングをフレームカウンタがRTCカウンタ値を読み取るタイミングとしており、上記の例では、「33ms(ミリ秒)」間隔でフレームカウンタがRTCカウンタ値を読み取ることから「33ms(ミリ秒)」ごとに現在時刻情報を不揮発性メモリ155の記憶領域に記憶することとなる。
このことから、実際の電断割込が発生した時刻情報と、不揮発性メモリ155に記憶する電断時刻情報との間で生じる最大乖離時間は「33ms(ミリ秒)」となる。
上記の2つの情報(「電源投入時刻情報(第1通電時刻情報)」、「電断時刻情報」)を記憶している記憶領域は、図33(a)に示すようなビット列を示している。
図33は、図32に示すような不揮発性メモリ155のアドレス空間における詳細を示した図である。
まず、図33(a)は、全39ビットからなるビット配列を示しており、このビット列では時刻情報を構成する「年(year)」、「月(month)」、「日(day)」、「時(hour)」、「分(minute)」、「秒(second)」、「10ms秒(10ms)」の配列を示している。すなわち、これらの情報それぞれが時刻構成情報であって、その中でも特に、特定演出で用いられる単位時間(秒)を「特定時刻構成情報」とも称する。
上記において示すように、図33(a)では、全39ビットからなるビット配列を示しているが、これに限定されることなく、データの取り扱い上、有用な4バイト(32ビット)構成からなるような構成であってもよい。
この場合、例えば、「年(year)」におけるビット列、および、「月(month)」におけるビット列以外の他のビット配列によって構成されることとしてもよい。詳細については後述する。
図33(a)において、「38ビット目〜34ビット目」の全5ビット(32種類分)が「年(year)」の時刻構成情報を表すビット列であって、「33ビット目〜29ビット目」の全5ビット(32種類分)が「月(month)」の時刻構成情報を表すビット列である。
また、「28ビット目〜24ビット目」の全5ビット(32種類分)が「日(day)」の時刻構成情報を表すビット列であって、「23ビット目〜19ビット目」の全5ビット(32種類分)が「時(hour)」の時刻構成情報を表すビット列であって、「18ビット目〜13ビット目」の全6ビット(64種類分)が「分(minute)」の時刻構成情報を表すビット列であって、「12ビット目〜7ビット目」の全6ビット(64種類分)が「秒(second)」の時刻構成情報を表すビット列であって、「6ビット目〜0ビット目」の全7ビット(128種類分)が「10ms(10ms)」の時刻構成情報を表すビット列である。
このうち、「38ビット目〜34ビット目」の全5ビット(32種類分)が「年(year)」の時刻構成情報を表すビット列と、「33ビット目〜29ビット目」の全5ビット(32種類分)が「月(month)」の時刻構成情報を表すビット列とは、上記において示すように、必ずしも必要な時刻構成情報ではない。
これらのビット列は、より明確な時刻情報を記憶するために設けられたものである。すなわち、この「年(year)」の時刻構成情報と、「月(month)」の時刻構成情報とを設けない時刻情報をFeRAMにおいて管理する場合、前回からの電断された間隔を最大32日とすることとなる。
この最大間隔32日(日付が「32種類」保持することができるため)よりも長い時間継続して電断されているような場合には、32日を1単位期間としてその1単位期間の倍数を減算した期間が、電断継続時間として算出されることとなる。例えば、「67日間」継続して電断されているような場合、32日の単位期間が2回継続した後の3日後に通電されたと判断され、実際には「67日間」の電断が継続する時間があったにもかかわらず、3日間の電断継続時間であると判断される。
これによって、「32日」以上の電断については想定しないような場合には「年(year)」の時刻構成情報と「月(month)」の時刻構成情報とを構成しない時刻情報によって差分時間を計算することができ、計算処理の負荷を軽減することができる。
それに対して、図33(a)に示すように、年(year)までの時刻構成情報を有する電断時刻情報を記憶するような場合には最大32年の差分時間を計算することができる。
図33(b)および図33(c)には、図33(a)に示すようなビット配列によって構成される不揮発性メモリ155に、前回の電源投入を行った時刻情報である電源投入時刻情報と、電断された電断時刻情報とが記憶された状態を示し、RTC装置154のレジスタに今回の電源投入を行った時刻情報である電源投入時刻情報を記憶した状態を示している。
図33(b)では、具体例1を示しており、(A)前回の電源投入時刻情報として、「2014年5月16日9時30分39秒50ミリ秒」を記憶しており、(B)電断時刻情報として、「2014年5月16日11時25分48秒29ミリ秒」を記憶しており、(C)今回の電源投入時刻情報として、「2014年5月16日11時33分40秒15ミリ秒」を記憶している。
このことから、単純に、電断から通電までの時間情報は、(C)今回の電源投入時刻情報の「2014年5月16日11時33分40秒15ミリ秒」から(B)電断時刻情報の「2014年5月16日11時25分48秒29ミリ秒」を減算した差分時間を計算することで算出することができる。算出した結果、電断継続時間は「472秒(7分52秒)」である。
この電断継続時間は、判定時間情報(15分(900秒))以内であることから、「(C)今回の電源投入時刻情報」は15分以内の再通電(第2通電)であると判断することができる(通電種別を「第2通電」と判別できる)。
また、「(A)前回の電源投入時刻情報)」を基準として、(C)今回の電源投入時刻情報の「2014年5月16日11時33分40秒15ミリ秒」から(A)前回の電源投入時刻情報の「2014年5月16日9時30分39秒50ミリ秒」を減算した差分時間として「3781秒」を算出し、さらに、(B)電断時刻情報の「2014年5月16日11時25分48秒29ミリ秒」から(A)前回の電源投入時刻情報の「2014年5月16日9時30分39秒50ミリ秒」を減算した差分時間として「3309秒」を算出し、そして、これらの差分時間の時間差を電断継続時間として算出することも可能である。
この場合、前回の電源投入時間からの連続時間によってその電断継続時間を算出することができる。
図33(c)では、具体例2を示しており、(A)前回の電源投入時刻情報として、「2014年5月16日9時30分39秒50ミリ秒」を記憶しており、(B)電断時刻情報として、「2014年5月16日11時25分48秒29ミリ秒」を記憶しており、(C)今回の電源投入時刻情報として、「2014年5月16日11時45分58秒15ミリ秒」を記憶している。
このことから、上記の図33(b)に示す例と同様に計算すると、電断継続時間を「1210秒(20分10秒)」を算出することが可能である。
この電断継続時間は、判定時間情報(15分(900秒))以上であることから、「(C)今回の電源投入時刻情報」は15分以上の初期通電(第1通電)であると判断することができる(通電種別を「第1通電」と判別できる)。
よって、(C)今回の電源投入時刻情報の「2014年5月16日11時33分40秒15ミリ秒」を、新たな(A)前回の電源投入時刻情報として更新する。すなわち、「2014年5月16日11時33分40秒15ミリ秒」が新たな(A)前回の電源投入時刻情報としてFeRAMにおいて管理されることとなる。
図34は、本発明の実施の形態における遊技機におけるフレームカウンタ150dにおいて行われる処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図34において、画像制御基板150の液晶制御CPU150aが具備するフレームカウンタ150dでは、まず、遊技機の電源が投入され、電力が供給されて通電された状態となったかを判断する(S3201)。通電された状態となるまで(S3201でNO)は処理が行われない。
また、少なくとも画像制御基板150に対して通電された状態となると(S3201でYES)、フレームカウンタ150dは、演出の特定演出に用いられる「演出時間情報」の初期化処理を行う(S3202)。この演出時間情報は、例えば、上記において示すように「時、分、秒」の時間単位によって表されるものであって、演出最小単位時刻を「1秒」としている。
この初期化処理は、例えば、図36に示すような処理であって、電源投入時におけるRTC装置154により計数するRTCカウンタ値を読み出して時刻情報記憶部に記憶更新する処理を行う。この初期化処理についての詳細は後述する。
ちなみに、この初期化処理では、電源投入時におけるRTCカウンタ値をRTC装置154から読み取って記憶するとともに、そのRTCカウンタ値を構成する最小単位時刻を「カウンタ更新判定情報記憶領域」に記憶する処理が行われる。
このような初期化処理が行われると、フレームカウンタ150dは、水晶発振器152により発振されるVブランク割込信号に基づいてVDP2000から演出処理タイミング通知信号を受け付けることによってフレームカウンタ値を計数する処理を行う(S3203)。この計数処理は、上述するように、水晶発振器152によって「16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出することによってVDP2000が所定のVブランク割込信号を検出したときに通知される演出処理タイミング通知信号に基づいてフレームカウンタ値を計数する処理である。
この計数処理によってフレームカウンタ値が計数されると、フレームカウンタ150dは、演出処理タイミングとなったか否かを判断する(S3204)。
すなわち、「16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出してそのたびにVDP2000から演出処理タイミング通知信号が通知される場合には、このVブランク割込信号を検出することによって検出フラグを「有効(ON)」、「無効(OFF)」で切り替え、演出処理タイミング通知信号が通知されたときに、検出フラグが「有効(ON)」となっていると演出処理タイミングとなったと判断するのに対して、演出処理タイミング通知信号が通知されたときに、検出フラグが「無効(OFF)」となっていると演出処理タイミングではないと判断する。
以上に示すようにフレームカウンタ150dによって演出処理タイミングとなるまでは(S3204でNO)、引き続き、フレームカウンタ値の計数処理を行う。
また、フレームカウンタ150dによって演出処理タイミングとなったと判断すると(S3204でYES)、フレームカウンタ150dは、RTC装置154によって計数したRTCカウンタ値の読み取り処理を行う(S3205)。
フレームカウンタ150dでは、読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報を「仮時刻情報レジスタ」に記憶する(S3206)。この「仮時刻情報レジスタ」に登録される時刻情報は、RTCカウンタ値であることから、「10ミリ秒」を最小単位時刻としている。すなわち、演出時間情報とRTCカウンタ値における時刻情報とは異なる最小の時間単位によって形成されることを示している。
このようにしてRTC装置154から読み取ったRTCカウンタ値を「仮時刻情報レジスタ」に記憶すると、フレームカウンタ150dでは、「仮時刻情報レジスタ」で記憶するRTCカウンタ値における「最小単位時刻」の時刻構成情報と、「カウンタ更新判定情報記憶領域」に記憶している「最小単位時刻」の時刻構成情報とを元に、その仮時刻レジスタに記憶しているRTCカウンタ値における時刻情報が、演出時間情報と比べて、演出に用いる「演出最小単位時刻」以上、時間経過しているか否かを判断する(S3207)。
RTCカウンタ値における時刻情報が、演出に用いる「演出最小単位時刻」以上、時間経過していると判断する場合(S3207でYES)には、演出に用いる演出最小単位時刻「1秒」を用いて演出時間情報を更新する(S3208)。
もちろん、この演出時間情報を演出最小単位時刻「1秒」で更新する以外に、「仮時刻情報レジスタ」に登録したRTCカウンタ値における時刻情報を用いて演出時間情報を更新することとしてもよい。
次に、演出時間情報を演出最小単位時刻で更新すると、若しくは、RTCカウンタ値における時刻情報が、演出に用いる「演出最小単位時刻」以上、時間経過していると判断されない場合(S3207でNO)に、第1カウンタ値フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われたかを判断する(S3209)。この計数の停止処理として、例えば、電断処理がある。
フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われたと判断する場合(S3209でYES)には本フローチャートにおける処理を終了する。また、フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われるまで(S3209でNO)は、続いて、Vブランク割込信号を用いたフレームカウンタ値の計数処理(S3203)以降を行う。
図35は、本発明の実施の形態における遊技機におけるフレームカウンタ150dにおいて行われる処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図35に示すフローチャートは、図34に示すフローチャートと類似するものであって、S3207における処理をより詳細に示したものである。
図35において、画像制御基板150の液晶制御CPU150aが具備するフレームカウンタ150dでは、まず、遊技機の電源が投入され、電力が供給されて通電された状態となったかを判断する(S3301)。通電された状態となるまで(S3301でNO)は処理が行われない。
また、少なくとも画像制御基板150に対して通電された状態となると(S3301でYES)、フレームカウンタ150dは、演出の特定演出に用いられる「演出時間情報」の初期化処理を行う(S3302)。この演出時間情報は、例えば、上記において示すように「時、分、秒」の時間単位によって表されるものであって、演出最小単位時刻を「1秒」としている。
この初期化処理は、例えば、図36に示すような処理であって、電源投入時におけるRTC装置154により計数するRTCカウンタ値を読み出して時刻情報記憶部に記憶更新する処理を行う。この初期化処理についての詳細は後述する。
ちなみに、この初期化処理では、電源投入時におけるRTCカウンタ値をRTC装置154から読み取って記憶するとともに、そのRTCカウンタ値を構成する最小単位時刻を「カウンタ更新判定情報記憶領域」に記憶する処理が行われる。
このような初期化処理が行われると、フレームカウンタ150dは、水晶発振器152により発振されるVブランク割込信号に基づいてVDP2000から演出処理タイミング通知信号を受け付けることによってフレームカウンタ値を計数する処理を行う(S3303)。この計数処理は、上述するように、水晶発振器152によって「16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出することによってVDP2000が所定のVブランク割込信号を検出したときに通知される演出処理タイミング通知信号に基づいてフレームカウンタ値を計数する処理である。
この計数処理によってフレームカウンタ値が計数されると、フレームカウンタ150dは、演出処理タイミングとなったか否かを判断する(S3304)。
すなわち、「16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出してそのたびにVDP2000から演出処理タイミング通知信号が通知される場合には、このVブランク割込信号を検出することによって検出フラグを「有効(ON)」、「無効(OFF)」で切り替え、演出処理タイミング通知信号が通知されたときに、検出フラグが「有効(ON)」となっていると演出処理タイミングとなったと判断するのに対して、演出処理タイミング通知信号が通知されたときに、検出フラグが「無効(OFF)」となっていると演出処理タイミングではないと判断する。
以上に示すようにフレームカウンタ150dによって演出処理タイミングとなるまでは(S3304でNO)、引き続き、フレームカウンタ値の計数処理を行う。
また、フレームカウンタ150dによって演出処理タイミングとなったと判断すると(S3304でYES)、フレームカウンタ150dは、RTC装置154によって計数したRTCカウンタ値の読み取り処理を行う(S3305)。
フレームカウンタ150dでは、読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報を「仮時刻情報レジスタ」に記憶する(S3306)。この「仮時刻情報レジスタ」に登録される時刻情報は、RTCカウンタ値であることから、「10ミリ秒」を最小単位時刻としている。すなわち、演出時間情報とRTCカウンタ値における時刻情報とは異なる最小の時間単位によって形成されることを示している。
このようにしてRTC装置154から読み取ったRTCカウンタ値を「仮時刻情報レジスタ」に記憶すると、フレームカウンタ150dでは、「仮時刻情報レジスタ」に記憶したRTCカウンタ値における時刻情報の最小単位時刻が、「カウンタ更新判定情報」よりも新しい時間(大きな数値による時間)であるか否かを判断する(S3307a)。
RTCカウンタ値における時刻情報の最小単位時刻が、「カウンタ更新判定情報」よりも新しい時間(大きな数値による時間)であると判断する場合(S3307aでYES)には、続いて、フレームカウンタ150dでは、「仮時刻情報レジスタ」に記憶したRTCカウンタ値における時刻情報が、演出時間情報から演出に用いる「演出最小単位時刻」を経過したか否かを判断する(S3307b)。
それに対して、RTCカウンタ値における時刻情報の最小単位時刻が、「カウンタ更新判定情報」よりも新しい時間(大きな数値による時間)であると判断しない場合(S3307aでNO)、フレームカウンタ150dでは、そのRTCカウンタ値における時刻情報の最小単位時刻が、「カウンタ更新判定情報」として設定される最大値であるかを判断する(S3307c)。
RTCカウンタ値における時刻情報の最小単位時刻が、「カウンタ更新判定情報」として設定される最大値であると判断する場合(S3307cでYES)、フレームカウンタ150dでは、続いて、フレームカウンタ150dでは、演出時間情報から演出に用いる「演出最小単位時刻」を経過したか否かを判断する(S3307b)。
また、RTCカウンタ値における時刻情報の最小単位時刻が、「カウンタ更新判定情報」として設定される最大値であると判断しない場合(S3307cでNO)、フレームカウンタ150dでは、後述する計数停止処理が行われたか否かの判断処理を行う(S3309)。
そして、演出時間情報から演出に用いる「演出最小単位時刻」を経過したと判断する場合(S3307bでYES)、フレームカウンタ150dでは、演出に用いる演出最小単位時刻「1秒」を用いて演出時間情報を更新する(S3308)。演出時間情報から演出に用いる「演出最小単位時刻」を経過したと判断しない場合(S3307bでNO)、フレームカウンタ150dでは、後述する計数停止処理が行われたか否かの判断処理を行う(S3309)。
この計数の停止処理として、例えば、電断処理がある。
フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われたと判断する場合(S3309でYES)には本フローチャートにおける処理を終了する。また、フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われるまで(S3309でNO)は、続いて、Vブランク割込信号を用いたフレームカウンタ値の計数処理(S3303)以降を行う。
上記において図25を用いて説明した例を、図35に示すフローチャートに適用させると以下のようになる。
まず、第1の例として、RTC装置154から読み出したRTCカウンタ値における時刻情報が「23時24分50秒200ミリ秒」である場合、ステップ3306の処理においてこの「23時24分50秒200ミリ秒」を仮時刻情報レジスタに記憶する。
続いて、仮時刻情報レジスタに記憶した「23時24分50秒200ミリ秒」を解析することによって最小単位時刻として特定した「200ms」をカウンタ更新判定情報記憶領域に記憶する。なお、このとき液晶制御RAM150bで記憶する演出時間情報は、演出最小単位時刻未満を切り捨てた「23時24分50秒」を記憶している状態にある。
このような状態で、フレームカウンタ150dが、演出処理タイミング通知信号VDP2000から受け付けたタイミングである「33ms」間隔でRTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報の読み取り処理を行う。このとき読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報が、「23時24分50秒300ミリ秒」である場合、最小単位時刻の「300ms」が、カウンタ更新判定情報記憶領域に記憶しているカウンタ更新判定情報の「200ms」よりも新しい時間であるかをステップ3307aにおける処理として判断する。
この場合、「200ms」よりも「300ms」の方が最小単位時刻だけで比較すると、新しい時間となることから、続いて、ステップ3307bの処理において、仮時刻情報レジスタに記憶された時刻情報が演出時間情報から、演出最小単位時刻となる「1秒」を経過したものであるかを判断する。
「23時24分50秒200ミリ秒」と「23時24分50秒300ミリ秒」とを比べると、演出最小単位時刻となる「1秒」を経過したものではないことから、フレームカウンタ150dは、演出時間情報の更新を行わないものとする。なお、例えば、読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報が、「23時24分51秒300ミリ秒」である場合には、ステップ3307bにおける処理として、演出最小単位時刻となる「1秒」を経過したものと判断されることから、ステップ3308の処理において、演出時間情報に演出最小単位時刻となる「1秒」を追加して更新する。
このとき、演出時間情報として、「23時24分50秒」に「1秒」を追加した「23時24分51秒」を記憶した状態となる。
次に、第2の例として、RTC装置154から読み出したRTCカウンタ値における時刻情報が「23時24分49秒900ミリ秒」である場合、ステップ3306の処理においてこの「23時24分49秒900ミリ秒」を仮時刻情報レジスタに記憶する。
続いて、仮時刻情報レジスタに記憶した「23時24分49秒900ミリ秒」を解析することによって最小単位時刻として特定した「900ms」をカウンタ更新判定情報記憶領域に記憶する。なお、このとき液晶制御RAM150bで記憶する演出時間情報は、演出最小単位時刻未満を切り捨てた「23時24分49秒」を記憶している状態にある。
また、カウンタ更新判定情報記憶領域に記憶した「900ms」は、カウンタ更新判定情報における最大値を示している。
このような状態で、フレームカウンタ150dが、演出処理タイミング通知信号VDP2000から受け付けたタイミングである「33ms」間隔でRTC装置154からRTCカウンタ値における時刻情報の読み取り処理を行う。このとき読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報が、「23時24分50秒100ミリ秒」である場合、最小単位時刻の「100ms」が、カウンタ更新判定情報記憶領域に記憶しているカウンタ更新判定情報の「900ms」よりも新しい時間であるかをステップ3307aにおける処理として判断する。
この場合、「900ms」よりも「100ms」の方が最小単位時刻だけで比較すると、新しい時間とはならないことから、続いて、ステップ3307cの処理において、カウンタ更新判定情報記憶領域に記憶した「900ms」が、カウンタ更新判定情報における最大値であるかを判断する。
この例では、カウンタ更新判定情報における最大値であることから、続いて、ステップ3307bの処理において、仮時刻情報レジスタに記憶された時刻情報が演出時間情報から、演出最小単位時刻となる「1秒」を経過したものであるかを判断する。カウンタ更新判定情報における最大値でない場合には、演出時間情報は更新されない。
続いて、「23時24分49秒900ミリ秒」と「23時24分50秒100ミリ秒」とを比べると、演出最小単位時刻となる「1秒」を経過したものではないことから、フレームカウンタ150dは、演出時間情報の更新を行わないものとする。なお、例えば、読み取ったRTCカウンタ値における時刻情報が、「23時24分51秒000ミリ秒」である場合には、ステップ3307bにおける処理として、演出最小単位時刻となる「1秒」を経過したものと判断されることから、ステップ3308の処理において、演出時間情報に演出最小単位時刻となる「1秒」を追加して更新する。
このとき、演出時間情報として、「23時24分49秒」に「1秒」を追加した「23時24分50秒」を記憶した状態となる。
図36は、図34および図35に示す演出時間情報の初期化処理の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図36において、フレームカウンタ150dは、電源が投入されると処理が開始され、RTC装置154において計数するRTCカウンタ値の読み取りを行う(S3401)。
次に、液晶制御RAM150bに記憶する演出時間情報における日付情報として、RTCカウンタ値に含まれる若しくはRTCカウンタ値とともに読み取る日付情報を更新する(S3402)。また、液晶制御RAM150bに記憶する演出時間情報における時刻情報として、RTCカウンタ値に含まれる時刻情報を更新する(S3403)。
そして、フレームカウンタ150dは、この時刻情報を構成する最小単位時刻を「カウンタ更新判定情報記憶領域」に記憶する(S3404)。この最小単位時刻は、フレームカウンタ150dによって時刻情報を元に解析されて特定された後に、ビット展開されて「カウンタ更新判定情報記憶領域」に記憶される。
この「カウンタ更新判定情報記憶領域」に記憶された最小単位時刻は、図27(b)および図28(b)に示すようにビット列で記憶された状態となる。
図37は、本発明の実施の形態における遊技機におけるRTC装置154において行われる処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図37において、RTC装置154は、初期設定された日付情報および時刻情報に基づくRTCカウンタ値の計数が開始されたかを判断する(S3501)。
この開始処理は、例えば、工場出荷時やホールで遊技機をセットアップした時に行われる。RTCカウンタ値の計数が開始されるまで(S3501でNO)は以降の処理は行われない。
RTCカウンタ値の計数が開始されると(S3501でYES)、続いて、RTC装置154は、単位時間の振動が行われたかを判断する(S3502)。この判断処理は、RTC装置154が水晶振動体によって構成されているときに最小単位時刻を計測するための周波数の振動が行われたか否かを判断する処理である。
単位時間の振動が行われるまで(S3502でNO)は処理を繰り返し行い、単位時間の振動が行われたと判断すると(S3502でYES)、RTC装置154は、最小単位時刻(秒、ミリ秒等)を計数する(S3503)。上記において示す例では、1秒ごとに計数していることから最小単位時刻として「1秒(=1000ミリ秒)」を計数する。
続いて、RTC装置154は、計数した最小単位時刻に基づく時刻情報でRTCカウンタ値を更新する(S3504)。
そして、RTCカウンタ値の計数を停止する処理が行われたか否かを判断し(S3505)、RTC装置154は、RTCカウンタ値の更新が停止する処理が行われた場合(S3505でYES)に、RTCカウンタ値の計数を停止して本フローチャートにおける処理を終了する。
RTCカウンタ値の計数を停止する処理が行われるまで(S3505でNO)は、RTC装置154は、引き続き単位時間の振動が行われたか否かの判断処理(S3502)以降を行う。
このときのRTCカウンタ値の更新が停止する処理とは、内部電源が切断された場合や規定の電力量以下の電力しか供給できない状態(電力低下状態)となったときに行われる処理である。
以上に示すような処理によって、特定演出を行う時間情報の計時が行われることとなる。
続いて、図38は、本発明の実施の形態における遊技機の液晶制御CPU150aにおいて電断継続時間を計算する方法を示した図である。
複数の遊技機がホールに設置された遊技環境において、そのうちのいずれかの遊技機(以下では、「遊技機A」とする)に外部電力が供給された給電状態と、その外部電力の供給が停止した電断状態とを示す外部電力の供給状態のほか、その電断状態が継続した時間(以下、「電断継続時間」と称する)を計算する方法について示したものである。
まず、遊技機Aは、所定のタイミングAに外部電力が供給されて通電された状態となることで、遊技機Aの外部電力の供給状態を示すタイミングチャートを「Low(L)」から「High(H)」に変更している。このとき、外部電力を用いてフレームカウンタ値を計数するフレームカウンタにおいても「Low(L)」から「High(H)」に変更される。この所定のタイミングAを「通電タイミングA」とも称する。
次に、通電タイミングAから所定時間を経過後のタイミングBに電断されると、外部電力の供給状態を示すタイミングチャートを「High(H)」から「Low(L)」に変更する。また、同様にフレームカウンタにおいても「High(H)」から「Low(L)」に変更する。この所定のタイミングBを「電断タイミングB」と称する。
続いて、電断タイミングBから所定時間を経過後のタイミングCに再度、通電されると、再度、遊技機Aの外部電力の供給状態を示すタイミングチャートを「Low(L)」から「High(H)」に変更している。また同様に、フレームカウンタにおいても「Low(L)」から「High(H)」に変更される。すなわち、このタイミングCのときに、遊技機Aに対して外部電力の供給が再開されたことを示している。
なお、このときのRTC装置154は、内部電力によってRTCカウンタを計数していることから、常に(外部電力の供給状態に関わらず)、「High(H)」の状態にあることを示している。すなわち、RTCカウンタ値に基づく時刻情報を計時していることを示している。
さらに、通電タイミングA以降、液晶制御CPU150aでは、所定の間隔でRTC装置154のレジスタから現在時刻情報を読み取り、その現在時刻情報を不揮発性メモリ155(例えば、FeRAM)に記憶する処理が行われることを示している。このときの現在時刻情報を記憶する処理は、フレームカウンタがRTCカウンタから時刻情報を読み出すタイミングに行われる。本実施例では、フレームカウンタからRTCカウンタにおける現在時刻情報の読み出しが「33ms(33ミリ秒)」毎に行われていることから、液晶制御CPU150aは、「33ms」間隔で現在時刻情報を不揮発性メモリ155に記憶することを示している。
このとき、不揮発性メモリ155に記憶される現在時刻情報は、「時間」、「分」、「秒」、「1/100秒」によって構成されており、一例として、「11時25分48秒200ミリ秒」などの情報である。
続いて、図38では、「通電タイミングA」以降、3回の時刻情報を記憶するタイミングを迎えた状態を示しており、そのタイミングを「時刻情報記憶タイミング(1)」、「時刻情報記憶タイミング(2)」、「時刻情報記憶タイミング(3)」と称する。「時刻情報記憶タイミング(1)」は、通電タイミングA後であって、初めてフレームカウンタがRTCカウンタから時刻情報を読み出すタイミングを示している。また、「時刻情報記憶タイミング(2)」は、「時刻情報記憶タイミング(1)」後のタイミングであって、「時刻情報記憶タイミング(3)」は、「時刻情報記憶タイミング(2)」後のタイミングである。
そして、図38は、「時刻情報記憶タイミング(3)」後に続いて時刻情報を記憶するタイミング(仮に、「時刻情報記憶タイミング(4)」と称する)を迎える前に、電断処理が行われた状態にあることを示している。この電断処理が行われたタイミングを、「電断タイミングB」と称している。すなわち、「時刻情報記憶タイミング(3)」を経過後であって、その「時刻情報記憶タイミング(3)」から33ms(ミリ秒)を経過する前のタイミングが「電断タイミングB」であることを示している。
よって、「時刻情報記憶タイミング(3)」で記憶した現在時刻情報が、「電断タイミングB」の電断時刻情報として扱われることとなる。これによって、いつ何時、電断処理が行われたとしても確実に電断時刻情報(電断された時刻と見なす電断時刻情報)を保持することが可能となる。
さらに、図38では、上記に示すような外部電力の供給状態における所定のタイミングに行う処理について記載している。
まず、遊技機Aに外部電力が供給された「初期通電タイミングA」において、液晶制御CPU150aは、その初期通電タイミングAにおける現在時刻情報をRTC装置154のレジスタから読み出して不揮発性メモリ155に記憶する。この現在時刻情報は、初期通電(第1通電)における時刻情報であることから、「電源投入時刻情報(第1通電時刻情報)」として不揮発性メモリ155(FeRAM)に記憶する。
続いて、フレームカウンタ150dがRTCカウンタ値に基づく時刻情報を読み出すタイミング(時間情報記憶タイミング)(1回目)となると、液晶制御CPU150aは、現在時刻情報を読み出して不揮発性メモリ155にその現在時刻情報を記憶する。この時間情報記憶タイミング(1回目)に読み出した現在時刻情報は、不揮発性メモリ155において、電断時刻情報として記憶されることとなる。このようにして不揮発性メモリ155が電源時刻情報として現在時刻情報を記憶した状態となり、その後、次の時間情報記憶タイミング(2回目)となると、その時間情報記憶タイミング(2回目)にも同様に、液晶制御CPU150aは、現在時刻情報を電断時刻情報として不揮発性メモリ155に記憶する。以降、時間情報記憶タイミング(3回目)、時間情報記憶タイミング(4回目)と、液晶制御CPU150aは、現在時刻情報を電断時刻情報として不揮発性メモリ155に記憶していく。
この各時間情報記憶タイミング(上記例では、1回目から4回目)それぞれにおいて、液晶制御CPU150aは、現在時刻情報を不揮発性メモリ155上の異なる記憶領域に別々に記憶する。
これによって、不揮発性メモリ155の現在時刻情報を電断時刻情報として記憶する2つの記憶領域には同一の現在時刻情報が記憶されることとなる。
このとき、上記において示すように、液晶制御CPU150aは、異なるタイミングで同一の現在時刻情報を不揮発性メモリ155の2つの記憶領域に記憶することとなる。
そして、電断された状態にある遊技機Aに、再度、外部電力が供給されて通電された状態のタイミング(再通電タイミングC)となると、この通電時における処理(通電時処理)として、液晶制御CPU150aは、RTC装置154のレジスタに記憶する現在時刻情報の読み出しを行う。
液晶制御CPU150aは、続いて、読み出した現在時刻情報を液晶制御RAM150bに記憶する。もちろん、この読み出した、通電時における現在時刻情報を不揮発性メモリ155に記憶するような構成であってもよい。
続いて、液晶制御CPU150aは、このレジスタに記憶した再通電タイミングCにおける「現在時刻情報」と、不揮発性メモリ155(FeRAM)で記憶している「電断時刻情報」とに基づいて、電断が継続した時間(「電断継続時間」と称している)を算出する。
そして、この電断継続時間が、予め指定された指定時間外であるか指定時間以内であるかを判断する。この指定時間は、電断継続時間に基づいて通電の種別を判定する際に用いられる情報である。よって、この停止時間は、「判定時間情報」とも称する。この判定時間情報の一例として、「15分」と設定することができる。以下、「指定時間」を「判定時間情報」と称する。
すなわち、液晶制御CPU150aでは、この電断継続時間が、判定時間情報(15分)以上であるか否かを判断する処理が行われ、この判定時間情報に基づいて電断継続時間後の通電の種別を決定することとなる。
まず、電断継続時間が「判定時間情報(15分)」以内である場合には、液晶制御CPU150aは、「再通電タイミングC」における通電を「再通電(第2通電)」と判断する。液晶制御CPU150aでは、「再通電(第2通電)」と判断することによって、再通電タイミングCにおいてレジスタで記憶する現在時刻情報の時刻構成情報(具体的には、1/100msの時刻構成情報)を、不揮発性メモリ155で記憶する初期通電タイミングAにおいて記憶している時刻情報の時刻構成情報(具体的には、1/100msの時刻構成情報)で置換する処理を行う。同一単位次元間の置換処理を行う。
これによって、判定時間情報(15分)以内の再通電である場合には、液晶制御CPU150aは、初期通電時における時刻構成情報を用いて、特定演出(ゲーム演出、同期演出)における時刻情報の計時を行うことが可能になる。このことから、この時刻構成情報は、特定演出に用いられる時刻情報の最小単位(秒)を更新するために用いられる情報であると言える。
次に、電断継続時間が、予め指定された「判定時間情報(15分)」以上である場合には、液晶制御CPU150aは、「再通電タイミングC」における通電を「初期通電(第1通電)」と判断する。すなわち、この「再通電タイミング」にレジスタに記憶した現在時刻情報で、不揮発性メモリ155に記憶している電源投入時刻情報(第1通電時刻情報)を更新して新たに記憶する。
したがって、液晶制御CPU150aによって通電が、「初期通電(第1通電)」と判断されると、特定演出実行シナリオテーブルは、予め指定された特定演出のシナリオ情報において指定された、特定演出の演出時刻情報がリセット(初期化)されてその初期通電における電源投入時刻情報に基づいて新たな特定演出の演出時刻情報が指定された状態となる。
図39は、本発明の実施の形態における遊技機に対する外部電力の供給状態の遷移を示したタイミングチャートである。
図39に示すタイミングチャートにおいて、横軸は「時間」を示し、縦軸は「電力量」を示している。このときの縦軸として、電断された状態における外部電力の供給電力量である「電断電力(Low)」と、遊技が可能な電力量である「基準電力(High)」とが示されている。
このときの電断電力(Low)は、外部電力が全く供給されていない状態における電力量であるから一般的には「0(ゼロ)W」である。なお、電断電力は、客待ち演出(待機演出)における画像を表示しておく待機状態における電力量(待機電力)とは異なるものである。また、基準電力(High)は、遊技媒体を用いた遊技が可能な電力であることから、基準電力は電断電力よりも大きな電力量であることを示している。
図39では、初期状態の電断電力(Low)にある遊技機に対して、外部電力が供給されると、一定の起動時間後に、「電断電力」から「基準電力」へと遷移することを示している。このときの起動時間は、一般的には遊技を行うための初期化処理に要する時間である。
そして、この基準電力は、完全通電状態(遊技が可能な通電状態)を示している。図39では、このタイミングを「完全通電1」と称している。
そして、図39では、この「完全通電1」となって所定の時間を経過した後に電断されると、その電断されたタイミングに遊技を行うことができなくなることを示しており、このとき、供給されていた電力量が低下して「基準電力」から「電断電力」へと遷移することを示している。この「基準電力」から「電断電力」となるまでの時間は、「電断電力」から「基準電力」となるまでに要する起動時間に比べて短いものである。
このことから、電断された時間を計時する開始タイミングはこの電断されたタイミングである。すなわち、この電断されたタイミングが電断継続時間の開始タイミングとなる。
より詳細に言えば、この電断されたタイミングの直前に不揮発性メモリ155の記憶領域に現在時刻情報を記憶したタイミングをその電断継続時間の開始タイミングとなる。
これによって、電断されても、RTC装置154では、内部電力を用いてRTCカウンタ値を計時している。
このようにして完全電断された状態から所定時間を経過後、再度、外部電力が供給されたタイミングを「通電2」と称している。この「通電2」は、通電が開始されたタイミングを示したものであるが、未だ遊技を行うことができる電力状態にはない。
この「通電2」における「電断電力」から「基準電力」へと遷移することで「完全通電2」となると、遊技機は、遊技を行うことが可能になる。したがって、この「完全通電2」となるタイミングが、電断継続時間の終了タイミングとなる。
より詳細に言えば、液晶CPU150aがRTC装置154のレジスタで記憶する時間情報を読み取ったタイミングが通電タイミングであって、この通電タイミングが電断継続時間の終了タイミングである。
よって、電断されたタイミングからこの「完全通電2」となるまでの継続時間が、「電断継続時間」を示している。
さらに、この「通電2」のタイミングには、電断継続時間に応じた通電種別が決定される。この通電種別の決定方法として、電断継続時間が、予め指定された判定時間情報(15分)以内であれば、この通電2を「再通電(第2通電)」と決定することができ、判定時間情報(15分)以上であれば、この通電2を「初期通電(第1通電)」と決定することができる。
この決定した通電種別に応じて行われる処理が異なるものとなる。
続いて、電断された状態から復帰して、外部電力が供給されたときに表示される画面について説明する。
図40は、本発明の実施の形態における遊技機において表示される画面の一例を示す図である。
図40には、2つの画面が示されており、外部電力が通電された状態となったときに液晶制御CPU150aによって通電時処理が行われ、VDP2000によって表示制御される画面である。
より詳細には、液晶制御CPU150aによって通電時処理が行われて「(1)判定時間情報(15分)を超過し、その後に電源投入された」ことを識別すると、この液晶制御CPU150aは、VDP2000に対して図40(a)に示すような画面の表示を指示する。また、液晶制御CPU150aによって通電時処理が行われて「(2)判定時間情報(15分)以内であって、その後に電源投入された」ことを識別すると、図40(b)に示すような画面の表示を指示する。
図40(a)に示す画面は、液晶制御CPU150aが「(1)判定時間情報(15分)を超過し、その後に電源投入された」ことを識別したときに表示する画面であるが、この内容は以下のようなものである。
すなわち、その内容として、図40(a)に示す画面では、外部電力が供給されたときの時刻情報と直前の電断時の時刻情報との差分時間が、判定時間情報(15分)以上であることを通知している。
また、この図40(a)に示す画面には、この判定時間情報(15分)以上、経過して電源が投入されたときに、他の遊技機と同期させて特定演出を行う方法について明記されており、画面上には、その方法として、「同期させる遊技機を一斉に電源投入すること」、「この一斉に電源投入するタイミングを、同期させる遊技機のうち最後に電断されたタイミングから判定時間情報(15分)以上経過したいずれかのタイミングとすること」が、少なくとも示されている。
なお、一斉に電源投入する方法として、遊技機が設けられた島設備と称される、遊技媒体の供給を行う媒体管理装置、コインメックやビルバリなどの硬貨紙幣管理装置、ホールコンピュータと称される遊技機の管理装置などによって構成される、遊技機において遊技を提供する設備に対して一括して外部電力を供給する方法がある。
図40(b)に示す画面は、液晶制御CPU150aが「(2)判定時間情報(15分)以内であって、その後に電源投入された」ことを識別することにより表示される画面である。
その内容として、図40(b)に示す画面では、外部電力が供給されたときの時刻情報と直前の電断時の時刻情報との差分時間が、判定時間情報(15分)以内であることを通知している。
また、この図40(b)に示す画面では、判定時間情報(15分)以内で電源が投入されたときに、前回の通電時の時刻情報(第1通電時刻情報)を用いて他の遊技機と同期させて特定演出を行うことが可能であることを示している。
より詳細には、図47に示すようなフローチャートの処理によって、第1通電時刻情報を構成する時刻構成情報で、第2通電時刻情報の時刻構成情報を置換する処理が行われ、その置換後の時刻構成情報により構成される第2通電時刻情報を用いて、他の遊技機と同期させた特定演出を行うことが可能であることを示している。
以上に示すように、通電時に液晶制御CPU150aで行われる通電時処理の処理内容に応じて図40(a)、図40(b)に示すいずれかの画面が表示されることとなる。
図41は、本発明の実施の形態における遊技機において特定演出を行うタイムスケジュールを可視化した図である。
図41において、特定演出(ゲーム演出、同期演出)のタイムスケジュールは、図44や図45に基づいて設定される特定演出の演出時刻情報に基づくものであって、図41では、図44に示す演出時刻情報に基づいて可視化したものである。
図41において、遊技機に電源投入を行った時間が、「9時30分」であって、その遊技機が設けられたホールの開店時間が「10時00分」であって、その遊技機が設けられたホールの閉店時間が「22時00分」であることを示している。
この図41に示すタイムスケジュールでは、電源投入から1時間後(開店時間から「30分後」)にゲームモードでのゲーム演出を行うことが指定されており、このゲーム演出を行うゲームモードはその直前に「30秒」のゲーム告知演出を行うゲーム告知モードが設けられている。
よって、このゲーム告知モードおよびゲームモードを「ゲーム演出モード(特定演出モード)」と称し、このゲーム演出モードとなるタイミングは、電源投入から59分30秒後の「10時29分30秒」である。
このゲーム告知モードでのゲーム告知演出を行う「10時29分30秒」は、ゲーム演出を行うゲームモードとなる「10時30分00秒」から「30秒」を逆算することで(遡ることで)設定される時刻情報である。
この「10時29分30秒」をRTCカウンタが計時すると、ゲーム告知モードにおけるゲーム告知演出の演出画面が表示されることとなり、また、「10時30分00秒」をRTCカウンタが計時すると、ゲームモードにおけるゲーム演出の演出画面が表示されることとなる。
また、この図41に示すタイムスケジュールでは、ゲームモードでのゲーム演出の開始時刻「10時30分00秒」から30分後の「11時00分00秒」に、同期モードで同期演出を行うことが指定されており、この同期演出を行う同期モードはその直前に「1分(60秒)」の同期告知モードでの同期演出告知演出を行うことが指定されている。
よって、この同期告知モードおよび同期モードを「同期演出モード(特定演出モード)」と称し、この同期演出モードとなるタイミングは、電源投入から1時間29分30秒後の「10時59分30秒」である。
この同期告知モードでの同期告知演出を行う「10時59分00秒」は、ゲーム演出を行うゲームモードとなる「11時00分00秒」から「1分(60秒)」を逆算することで(遡ることで)設定される時刻情報である。
以上に示すように、ゲーム演出モードは、「30秒」間のゲーム告知モードと、「60秒」間のゲームモードとによって構成されており、これもまた、特定演出モードの一例である。同様に、同期演出モードは、「1分(60秒)」間の同期告知モードと、「5分(300秒)」間の同期モードとによって構成されており、特定演出モードの一例である。
なお、上記例では、遊技機に電源投入を行った「09時30分」から、電源投入して「59分30秒」後の「10時29分30秒」までは、ゲーム演出(ゲーム告知演出を含む)および同期演出(同期告知演出を含む)のいずれの特定演出も行われていない状態を示しており、このいずれの特定演出も行われていない状態を「非特定演出モード」と称する。
さらに、ゲームモードでのゲーム演出が終了した「10時31分00秒」から同期告知モードでの同期告知演出が開始する「10時59分00秒」までも、いずれの特定演出も行われていない状態であることから「非特定演出モード」である。
以後、特定演出として、「ゲームモードでのゲーム演出」と「同期演出モードでの同期演出」とが交互に、「30分」おきに行われるタイムスケジュールとなっている。よって、この図41に示す例では、この「30分」が特定演出(ゲーム演出と同期演出)の演出間隔時間(「特定演出間隔時間」とも称する)となる。
言い換えれば、この演出間隔時間を経ることによっていずれかの特定演出が行われることを示しており、この演出間隔時間を経過する前と経過した後に行われる特定演出の種類(ゲーム演出か、同期演出か)が異なっている。
このときのゲーム演出は、そのゲーム演出を行うゲームモードを含むゲーム演出モードが開始されてから終了するまでに、始動口に遊技球が入球することで行われた特別遊技を行うか否かの判定処理の判定結果を報知する演出である。
また、同期演出は、所定の楽曲を公演する演出であって、上記に示すように、特別遊技を行うか否かの判定処理の判定結果とは全く異なる演出である。すなわち、その特別遊技を行うか否かの判定結果に関わらず行われる演出である。
このように、遊技機では、特定演出間隔時間(30分)ごとに特定演出が行われ、さらに、そのときの特定演出として、特定演出間隔時間の前後で異なる種類の特定演出が行われることを示している。
この特定演出は、広義では所定の演出(ゲーム演出、同期演出)と告知演出とを含み、狭義では所定の演出(ゲーム演出、同期演出)を示している。
図42は、本発明の実施の形態における遊技機において特定演出を行うタイムスケジュールを複数の所定期間ごとに示した図である。
この図42では、電断されたタイミングを示す線を示しているほか、その電断後に行う特定演出を決定する基準となる境界線を示している。
図42に示すタイムスケジュールは、図44に示す特定演出実行シナリオにおいて示された演出時刻情報とその演出時刻情報に対応付けられた特定演出とを示したものである。
すなわち、図44では、特定演出シナリオ1に基づいて特定演出を所定の時間に実行する期間(所定期間1)、特定演出シナリオ2に基づいて特定演出を所定の時間に実行する期間(所定期間2)等の全13種類の所定期間に対するシナリオ情報が指定されている。
図42に示すタイムスケジュールは、図44に示す特定演出実行シナリオテーブルにおける各シナリオ情報で指定された所定期間ごとの特定演出を行うタイムスケジュールを示している。
より具体的には、図44では、全13個の所定期間におけるシナリオ情報が設定されていることから、図42においてもこれらの各所定期間におけるシナリオ情報に基づくタイムスケジュールを示している。但し、記載スペースの関係上、図42には、所定期間1と、所定期間2と、所定期間13とを選んで示している。
まず、図42(a)には、図44に示す特定演出実行シナリオテーブルにおいて、所定期間1が設定された「特定演出シナリオ1」に基づいて特定演出を実行するときのタイムスケジュールを示している。なお、図42では、説明の都合上、特定演出が行われない期間の非特定演出モードについての記載は省略している(空白としている)。
この図42(a)、図42(b)、図42(c)に示すタイムスケジュールは、図41に示す例と同様に、遊技機に対する外部電力の供給が「9時30分00秒」に行われ、遊技機が設置されたホールの開店時間が「10時00分00秒」であって、閉店時間が「22時00分00秒」とした例を示している。
この図42(a)、図42(b)、図42(c)には、図41に示すと同様の時間に特定演出が行われることを示しており、ゲーム演出と同期演出とが特定演出間隔時間(30分)を経て交互に行われることを示している。
まず、図42(a)には、特定演出である同期演出として「同期演出A」を、行うことを示しており、また、特定演出であるゲーム演出として4種類のゲーム演出(ゲーム演出(1)、ゲーム演出(2)、ゲーム演出(3)、ゲーム演出(4))を順番に行うことが示されている。このときの同期演出とゲーム演出とは交互に行うことを示している。
より具体的には、ゲーム演出として「ゲーム演出(1)」が行われ、特定演出間隔時間を経過後、同期演出として「同期演出A」が行われ、また、特定演出間隔時間を経過すると、ゲーム演出として「ゲーム演出(2)」が行われ、さらに、特定演出間隔時間を経過後、同期演出として「同期演出A」が行われる。以降同様に、特定演出として、ゲーム演出および同期演出を繰り返し交互に行う。
このように、図42(a)に示す「所定期間1」では、同一の同期演出が行われるとともに、ゲーム演出については「ゲーム演出(1)」→「ゲーム演出(2)」→「ゲーム演出(3)」→「ゲーム演出(4)」をワンサイクル(単位周期)として繰り返し行うことが示されている。言い換えれば、複数種類のゲーム演出を、指定された順序に基づいて繰り返し行うことが示されている。
続いて、図42(b)には、図44に示す特定演出実行シナリオテーブルにおいて、所定期間2が設定された「特定演出シナリオ2」に基づいて特定演出を実行するタイムスケジュールを示している。
この図42(b)においても、図42(a)と同様に、ゲーム演出と同期演出が交互に行われる例を示している。このときの同期演出として「同期演出B」を行うことが示されており、ゲーム演出として図42(a)と同様のサイクルによって繰り返し行うことが示されている。
図42(a)と図42(b)とを比べると、特定演出として行う同期演出の種類が、「所定期間1」で行う特定演出と「所定期間2」で行う特定演出とで異なることを示しており、ゲーム演出については同一のゲーム演出を行うことを示している。
さらに、記載スペースの関係上、図示していないが、図44に示す特定演出実行シナリオテーブルにおいて、所定期間3乃至所定期間12が設定された「特定演出シナリオ3」乃至「特定演出シナリオ12」に基づいて特定演出を実行するタイムスケジュールにおいても、図42(a)や図42(b)と同様、ゲーム演出については「ゲーム演出(1)」→「ゲーム演出(2)」→「ゲーム演出(3)」→「ゲーム演出(4)」をワンサイクルとして繰り返し行うことを示しており、また、同期演出については「所定期間3」のときは「同期演出C」が行われ、「所定期間4」のときは「同期演出D」が行われ、同様に、「所定期間12」のときは「同期演出L」が行われることを示している。
このように、いずれかの所定期間となると、その所定期間に対応する同期演出が行われることを示している。このときの同期演出を、例えば、楽曲発表演出とすれば、所定期間毎に異なる楽曲を発表することができるようになる。また、同期演出を異なるキャラクタを用いて行うとすれば、所定期間毎に異なるキャラクタを用いて演出を行うことができるようになる。
いずれにせよ、いずれかの所定期間となれば、その所定期間に対応する同期演出が行われて順次、その同期演出における内容(楽曲、キャラクタ)が公開されていくことを示している。
そして、図42(c)は、図44に示す特定演出実行シナリオテーブルにおいて、所定期間13が設定された「特定演出シナリオ13」に基づいて特定演出を実行するタイムスケジュールである。
この図42(c)に示すタイムスケジュールは、所定期間13における特定演出を実行するタイムスケジュールであって、この所定期間13は、所定期間12を経過後の全期間を示している。すなわち、所定期間12を経過すると、その後のいずれのときも「所定期間13」であることを示している。
上記に示すように、所定期間1から所定期間12までは順次、その所定期間に対応する同期演出が行われてその同期演出の内容が公開されていくが、所定期間13となると、それまでの所定期間(所定期間1〜所定期間12)において各所定期間において行われた同期演出を順番に行うことを示している。
このときの順番は、その一例として、所定期間の早い順とすることのほか、ランダムに決定することができる。前者の場合、本実施例においては、「同期演出A→同期演出B→・・・→同期演出L」の順に行うこととなる。また、後者の場合、本実施例においては、例えば、「同期演出C→同期演出F→・・・→同意演出D」の順に行うこととなる。
また、ゲーム演出においては、図42(a)や図42(b)に示すものと同様に、「ゲーム演出(1)」→「ゲーム演出(2)」→「ゲーム演出(3)」→「ゲーム演出(4)」をワンサイクルとして繰り返し行うこととなる。
図42(c)では、特定演出として「ゲーム演出(1)」が行われた後、特定演出間隔時間を経過すると、「同期演出A」が行われ、その後、さらに特定演出間隔時間を経過すると、「ゲーム演出(2)」が行われる。また、特定演出間隔時間を経過すると、「同期演出B」が行われ、その後、さらに特定演出間隔時間を経過すると、「ゲーム演出(3)」が行われる。そして、この「ゲーム演出(3)」が行われた後、特定演出間隔時間を経過すると、「同期演出C」が行われ、その後、さらに特定演出間隔時間を経過すると、「ゲーム演出(4)」が行われる。以後は、順次、同期演出とゲーム演出とが交互に行われる。
このようなタイムスケジュールにおいて特定演出が行われる予定であって、図42においては、一例として、時刻情報「11時25分48秒」に電断処理が行われたことを示している。
以下では、「所定期間1」の時刻情報「11時25分48秒」に電断処理が行われた場合について説明する。
図42に示すようなタイムスケジュールにおいて、この所定期間1の「11時25分48秒」はいずれの特定演出の行われていない状態(非特定遊技モードにある状態)であって、電断処理が行われなければその直後に行われる特定演出が、「ゲーム演出(2)」であることを示している。
この「11時25分48秒」に電断処理が行われたとき、その後に行われた通電が「初期通電」であるか、若しくは「再通電」であるかを判定(決定)する判定時間情報(15分)を経過したときの時刻情報が「11時40分48秒」であることを示している。
すなわち、この「11時40分48秒」となって通電されると、そのときの通電の種類を「初期通電」と判定されることを示し、反対に、「11時40分48秒」よりも前に通電されると、そのときの通電の種類を「再通電」と判定されることを示している。
さらに、図42には、電源投入された時刻情報の他の例として、「20時15分48秒」を示している。
初期通電として、「9時30分00秒」に電源投入された行われた後に、「11時25分48秒」に電断され、さらにその後、「20時15分48秒」に電源投入された状態を示している。
これにより、「9時30分00秒」に電源投入(初期通電)されてから、「20時15分48秒」に電源投入されるまでの「電源投入間の時間情報(電源投入間隔時間)」は、「10時間45分48秒(38,748秒)」となる。また、「11時25分48秒」に電断されてから「20時15分48秒」に電源投入されるまでの電断継続時間は、「8時間50分00秒(31,800秒)」となる。
この電断継続時間「8時間50分00秒(31,800秒)」が、判定時間情報(15分)以上であることから、「20時15分48秒」の電源投入は、「初期通電(第1通電)」であると判定される。
図43は、本発明の実施の形態における遊技機において特定演出を行うタイムスケジュールを所定期間毎に示した他の図である。
図43に示すタイムスケジュールは、図45に示す特定演出実行シナリオにおいて示された特定演出を行う演出時刻情報に基づくものであって、図42に示すタイムスケジュールと類似するものである。
図42に示すタイムスケジュールは、ある所定期間毎における特定演出を示したものであるのに対して、図43に示すタイムスケジュールは、図42のタイムスケジュールにおける所定期間をより細分化したものである。
具体的には、図42に示すタイムスケジュールでは、所定期間として「1週間(7日間)」を指定することができ、このように指定した場合、図43に示すタイムスケジュールにおける所定期間としてその1週間のうちの「1日」若しくは「2日間」を指定することができる。
例えば、図42に示すタイムスケジュールにおける所定期間として、「2014年4月1日〜2014年4月7日」の1週間を指定したとき、図43に示すタイムスケジュールにおける所定期間の、第1例として、「2014年4月1日」、「2014年4月2日」、「2014年4月3日」、「2014年4月4日」、「2014年4月5日」、「2014年4月6日」、「2014年4月7日」のように一日単位を所定期間として指定することができ、第2例として、「2014年4月1日〜2014年4月2日」、「2014年4月3日」、「2014年4月4日〜2014年4月5日」、「2014年4月6日〜2014年4月7日」のように一日単位または二日単位を所定期間として指定することができる。
第1例のように、単位日当たり(1日単位で)所定期間を設定すると、毎日、特定演出のタイムスケジュールを異なるものとすることができ、第2例のように、一日または二日などの不規則な所定期間を設定すると、いつどのような特定演出が行われるか不明とするタイムスケジュールとすることができる。
図43では、図42に示す「所定期間1」を4つの期間(所定期間1−1、所定期間1−2、所定期間1−3、所定期間1−4)に分けて、実行する特定演出を指定したものである。
上記の例に適用すると、この4つの期間の「所定期間1−1」が、「2014年4月1日〜2014年4月2日」に対応し、「所定期間1−2」が、「2014年4月3日」に対応し、「所定期間1−3」が、「2014年4月4日〜2014年4月5日」に対応し、「所定期間1−4」が、「2014年4月6日〜2014年4月7日」に対応する。
この図43におけるタイムスケジュールに基づいて行われる特定演出は、ゲーム演出と同期演出とが交互に所定時間(30分)おきに行われる図42(a)に対応したものであるが、図42(a)においては所定期間内に行われるゲーム演出が同一であるのに対して、図43においてはゲーム演出の種類を変更したものである。
すなわち、図43(a)では、ゲーム演出の種類として4種類設け、この4種類のゲーム演出を「ゲーム演出(1)」→「ゲーム演出(2)」→「ゲーム演出(3)」→「ゲーム演出(4)」の順に繰り返し行うことが指定されている。また、図43(b)では、図43(a)と同様に、ゲーム演出の種類として4種類設け、この4種類のゲーム演出を図43(a)とは異なる順である、「ゲーム演出(2)」→「ゲーム演出(3)」→「ゲーム演出(4)」→「ゲーム演出(1)」の順に繰り返し行うことが指定されている。
同様に、図43(c)では、ゲーム演出の種類として4種類設け、この4種類のゲーム演出を「ゲーム演出(3)」→「ゲーム演出(4)」→「ゲーム演出(1)」→「ゲーム演出(2)」の順に繰り返し行うことが指定されている。また、図43(d)では、ゲーム演出の種類として4種類設け、この4種類のゲーム演出を「ゲーム演出(4)」→「ゲーム演出(1)」→「ゲーム演出(2)」→「ゲーム演出(3)」の順に繰り返し行うことが指定されている。
図44および図45は、特定演出のシナリオ情報を指定した特定演出実行シナリオテーブルを示す図である。
図44に示す特定演出実行シナリオテーブルは、遊技機において特定演出が行われる全ての期間のシナリオを指定したテーブルであって、この図44に示すテーブルを「特定演出実行シナリオ(全期間)テーブル」と称する。
それに対して、図45に示す特定演出実行シナリオテーブルは、遊技機において特定演出が行われる全ての期間のうち開始時と終了時とを有する所定期間に対して、より詳細なシナリオを指定したテーブルであって、この図45に示すテーブルを「特定演出実行シナリオ(所定期間)テーブル」と称する。
図44に示す特定演出実行シナリオ(全期間)テーブルは、遊技機における遊技の提供を開始する電源投入時刻と、特定演出を行う演出時刻情報と、その演出時刻情報を計時されることで行う特定演出を指定した複数のシナリオ情報とが指定された構成である。
このときの特定演出は、図41において示すように、ゲーム演出や同期演出によって構成されており、ゲーム演出は、このゲーム演出を告知する告知演出を有し、また、同期演出は、この同期演出を告知する告知演出をそれぞれ有している。
これらの告知演出は、その特定演出に応じて設定されており、ゲーム演出に対して設定された告知演出はゲーム告知演出であって、ゲーム演出の開始タイミングから逆算して(遡って)「30秒」間、行われ、また、同期演出に対して設定された告知演出は同期演出告知演出であって、同期演出の開始タイミングから逆算して(遡って)「1分(60秒)」間、行われる。
例えば、特定演出であるゲーム演出が「10時30分00秒」に行われると設定されているような場合、このゲーム演出の開始タイミングである「10時30分00秒」から告知演出が行われる「30秒」間を逆算した「10時29分30秒」にゲーム告知演出を開始する。また、特定演出である同期演出が「11時00分00秒」に行われると設定されているような場合、この同期演出の開始タイミングである「11時00分00秒」から告知演出が行われる「60秒」間を逆算した「10時59分00秒」に同期演出告知演出を開始する。
よって、特定演出が行われる演出時刻情報はあくまで、上記の例では、「10時30分00秒」と「11時00分00秒」であって、告知演出はこの演出時刻情報から逆算して指定される時刻情報に行われるものである。
そして、シナリオ情報は、指定されている演出時刻情報が計時されることで行う特定演出の種別(「特定演出種別」とも称する)と、その種別で指定された特定演出を実行したか否かの実行済フラグの設定が可能な属性情報と、によって構成されている。
図44に示す特定演出実行シナリオテーブルには、電源投入された時刻情報として「09時30分00秒」が指定されており、また、特定演出を実行する演出時刻情報が「24個」指定されている。
そして、この図44に示されたシナリオ情報の特定演出種別には、特定演出の種別として、「ゲーム演出」および「同期演出」が交互に実行されるように指定されており、これらの各特定演出に対して属性情報として実行済フラグが指定されている。
この実行済フラグは、所定期間内に、指定された演出時刻情報が計時されることで実行された特定演出(「ゲーム演出」および「同期演出」)を指定する情報であって、実行済フラグが有効化(「1(ON)」)されている特定演出については所定期間内に、演出時刻情報が計時されることで特定演出が行われたことを示している。
それに対して、実行済フラグが有効化されていない(無効化されている)(「0(OFF)」)特定演出は、所定期間内に演出時刻情報を計時していないか、若しくは、電断された状態となって実行することができていないことを示したものである。
図44に示すシナリオテーブルでは、全13種類のシナリオが指定されており、各シナリオにはそのシナリオに基づいて特定演出を実行する期間(所定期間)が指定されている。このときの各所定期間は連続する期間である。
図44に示す例では、特定演出シナリオ1に対応付けられた所定期間1を経過後の期間である所定期間2が特定演出シナリオ2に対応付けられている。また同様に、特定演出シナリオ2に対応付けられた所定期間2を経過後の期間である所定期間3が特定演出シナリオ3に対応付けられている。
このように、図44に示すシナリオテーブルでは、特定演出シナリオ1に対応付けられた所定期間1から特定演出シナリオ13に対応付けられた所定期間13まで連続した所定期間が指定されている。
なお、この所定期間13は、所定期間の開始時点のみが指定されており、所定期間の終了時点は指定されていない。言い換えれば、その開始時点以降はずっと所定期間13であることを示している。
その一例として、所定期間1として「2014年3月10日から2014年3月16日」が指定されており、所定期間2として「2014年3月17日から2014年3月23日」が指定されており、他の所定期間(所定期間3乃至所定期間12)も同様に、一週間(7日)間隔の所定期間が指定されている。このときの所定期間12は「2014年5月26日から2014年6月1日」であることから、所定期間13は「2014年6月2日以降」と指定されている。
このように、所定期間は連続する期間がシナリオ情報に指定されている。ただし、特定演出を行わない除外日を指定することは可能である。例えば、所定期間2として「2014年3月17日から2014年3月23日(但し、2014年3月18日は除く)」と指定することが可能である。
また、特定演出シナリオ1乃至特定演出シナリオ12は、特定演出として「ゲーム演出」と「同期演出」とが交互に指定されているほか、ゲーム演出の種類として「4種類」が設けられ、また、同期演出の種類として「1種類」設けられている。このとき、「4種類」のゲーム演出は順次、実行されて、かつ、繰り返し実行されるように指定されたものであって、同期演出は1種類の同期演出を繰り返し行うように指定されたものである。
このことから、各特定演出シナリオが実行される所定期間(所定期間1から所定期間12まで)は各所定期間毎に異なる同期演出が行われることを示している。
それに対して、特定演出シナリオ13は、所定期間1から所定期間12までの各特定演出シナリオにおいて行われた全同期演出(全12種類)を1つの同期演出ずつその同期演出が指定された演出時刻情報が計時されることで繰り返し行うことが指定されたものである。
なお、この特定演出シナリオ13に指定されたゲーム演出は特定演出シナリオ1乃至特定演出シナリオ12で指定されたゲーム演出と同様に、4種類のゲーム演出が順番に実行されるように指定されている。
図45には、特定演出実行シナリオ(所定期間)テーブルの一例を示しており、図44の特定演出実行シナリオ(全期間)テーブルに示されている、「所定期間1」が対応付けられた特定演出シナリオ1を代替するシナリオ情報の一例である。
この図45では、7種類のシナリオ情報が指定されており、各シナリオ情報にも所定期間がそれぞれ対応付けられている。このときの所定期間として、「1日(単位日)」とすることができる。すなわち、毎日、異なるシナリオ情報を用いて特定演出が行われることを示している。
上記の例に示すように、図44に示す特定演出シナリオ1に対応付けられた所定期間1が、「2014年3月10日から2014年3月16日まで」の1週間(7日)であることから、図45に示すシナリオ情報の所定期間がそれぞれ「2014年3月10日」、「2014年3月11日」、「2014年3月12日」、「2014年3月13日」、「2014年3月14日」、「2014年3月15日」、「2014年3月16日」の単位期間となる。
この図45に示すシナリオ情報において指定された特別演出である「同期演出」は、全ての日付(「2014年3月10日」から「2014年3月16日」)において「同期演出A」が指定されており、「ゲーム演出」は、一日おきに異なるゲーム演出が行われるように指定されている。
続いて、このようなシナリオ情報に基づいて行われる特定演出と、図柄の変動状態との関係を説明する。
図46は、特定演出モードと図柄変動の関係について記載したタイミングチャートの一例を示す図である。このときの図柄変動とは、大当たり抽選処理に用いられる演出図柄が変動した状態(抽選処理状態)にあることを示す。
まず、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が同期告知モード中に終了した場合について説明する。
図46(a)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が同期告知モードの同期演出告知演出中に終了した場合の演出表示例を示す。
図46(a)に示すように、遊技機の液晶制御CPU150aは、通常の遊技演出モード中に図柄変動を開始することによって図柄変動表示を行う。この液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動表示では、例えば、演出図柄38の変動表示や変動用の演出表示画面等の表示を行う。そして、液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動中に同期告知モードの開始時刻となってもそれまでの図柄変動における演出表示を継続する。
また、液晶制御CPU150aは、同期告知モードの開始時刻となると、演出制御基板120に同期告知モードとなったことを通知する。演出制御基板120は、この同期告知モードの通知により、次回変動以降の演出表示を、特定演出モードにおける同期告知モードの演出表示に変更する。
ここで、特定演出モードにおける同期告知モード演出表示とは、特定演出モード用の変動演出パターン決定テーブルによって決定される変動演出パターンによる演出である。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期告知モード中に当該図柄変動が終了し、次の図柄変動を開始する場合には、表示画面領域を、上大画面領域と、下小画面領域とに分割する。
液晶制御CPU150aは、下小画面領域に上記演出制御基板120に選択された下小画面領域用の変動演出パターンによる変動画像を表示する。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、同期モードにおける同期演出がもうすぐ開始されることの告知画面を表示する。この告知画面は、例えば、図46(a)に示すように、同期モードで行われる同期演出における楽曲名や、同期モードが開始されるまでの時間のカウントダウン等が表示される。
このことから、同期モードを「楽曲公演モード」とも称することが可能である。
また、液晶制御CPU150aは、告知画面でカウンタダウンする時間を、フレームカウンタ150dによって記憶している演出時間情報に基づいて表示する。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期告知モード中に当該図柄変動が終了せず、同期モードの開始時刻となると、上大画面領域に、同期モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。また、液晶制御CPU150aは、下小画面領域に、図柄変動を示す表示画面を、演出図柄38の変動表示のみ等で継続して表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの開始時刻となると、演出制御基板120に同期モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この同期モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、同期モード用の演出表示に変更する。
ここで、同期モード用の演出表示は、上記同期告知モードの演出表示と同様である。なお、本実施の形態においては、同期モード用の演出表示と、同期告知モードの演出表示と、を同様のものとしたが、同期モード用の演出表示と、同期告知モードの演出表示と、を異なるものとしても良い。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
次に、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、同期告知モードを経て、同期モード中まで継続した場合について、説明する。図46(b)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が同期告知モードを経て、同期モード中まで継続した場合の演出表示例を示す。
図46(b)に示すように、遊技機1の液晶制御CPU150aは、通常の遊技演出モード中に図柄変動を開始した場合には、図46(a)の場合と同様に、図柄変動表示を行う。そして、液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動中に同期告知モードの開始時刻となっても、それまでの図柄変動における演出表示を継続する。
また、液晶制御CPU150aは、同期告知モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に同期告知モードの開始時刻となったことを通知する。
演出制御基板120は、この同期告知モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、同期告知モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。ただし、本例の場合、同期告知モード中に次変動は開始されず、同期モードに突入する。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期告知モード中に当該図柄変動が終了せず、同期モードの開始時刻となった場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と、小窓縮小画面(いわゆる、ワイプ画面)領域と、に分割する。液晶制御CPU150aは、全面大画面領域に継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、小窓縮小画面領域に、同期モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に同期モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この同期モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、同期モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期モード中に当該図柄変動が終了し、次の図柄変動を開始する場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と小窓縮小画面領域との分割から、上大画面領域と下小画面領域との分割に変更する。
液晶制御CPU150aは、下小画面領域に次の図柄変動を示す表示画面を表示する。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、同期モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
次に、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、同期告知モードを経て、同期モード中まで継続するが、当該図柄変動が複数の演出(例えば、リーチ演出、発展リーチ演出、スペシャルリーチ演出等)に分割され、図柄変動中に演出の境界を有している場合について、説明する。図46(c)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が同期告知モードを経て、同期モード中まで継続するが、同期告知モード中に演出の境界が発生する場合の演出表示例を示す。
図46(c)に示すように、遊技機1の液晶制御CPU150aは、通常の遊技演出モード中に図柄変動を開始した場合には、図46(a)、図46(b)の場合と同様に、図柄変動表示を行う。そして、液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動中に同期告知モードの開始時刻となっても、それまでの図柄変動における演出表示を継続する。
また、液晶制御CPU150aは、同期告知モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に同期告知モードの開始時刻となったことを通知する。
演出制御基板120は、この同期告知モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、同期告知モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。ただし、本例の場合、同期告知モード中に次変動は開始されず、演出制御基板120による演出表示の変更は行われない。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期告知モード中に当該図柄変動における演出の境界があった場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と、小窓縮小画面領域と、に分割する。液晶制御CPU150aは、全面大画面領域に継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、小窓縮小画面領域に、同期モードがもうすぐ開始されることの告知画面を表示する。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期告知モード中に当該図柄変動が終了せず、同期モードの開始時刻となった場合には、全面大画面領域と小窓縮小画面領域との分割表示を継続する。そして、液晶制御CPU150aは、全面大画面領域に継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、小窓縮小画面領域に、同期モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。したがって、楽曲公演は、縮小表示される。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に同期モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この同期モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、同期モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期モード中に当該図柄変動が終了し、次の図柄変動を開始する場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と小窓縮小画面領域との分割から、上大画面領域と下小画面領域との分割に変更する。液晶制御CPU150aは、下小画面領域に次の図柄変動を示す表示画面を表示する。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、同期モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。
演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
次に、図柄変動が通常の遊技演出モード中にない状態で同期告知モードに突入し、同期告知モード中に図柄変動が発生し、同期モード中まで継続した場合について、説明する。図46(d)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中にない状態で同期告知モードに突入し、同期告知モード中に図柄変動が発生し、同期モード中まで継続した場合の演出表示例を示す。
図46(d)に示すように、遊技機1の液晶制御CPU150aは、図柄変動表示がなく、同期告知モードの開始時刻となった場合には、表示画面領域を、上大画面領域と、下小画面領域と、に分割する。液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、同期モードがもうすぐ開始されることの告知画面を表示する。なお、上記と同様に、液晶制御CPU150aは、告知画面でカウンタダウンする時間を液晶制御RAM150bによって記憶している演出時間情報に基づいて表示する。
また、液晶制御CPU150aは、下小画面領域に、前回変動表示において停止表示した演出図柄38を表示する。このとき、下小画面領域に表示する演出図柄38を、簡略化したドット表示画像等で表示する。
また、液晶制御CPU150aは、同期告知モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に同期告知モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この同期告知モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、同期告知モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期告知モード中に図柄変動が発生した場合には、上大画面領域と下小画面領域との分割表示を継続する。液晶制御CPU150aは、下小画面領域に当該図柄変動を示す表示画面を表示する。
また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、同期モードがもうすぐ開始されることの告知画面を継続して表示する。また、このときも上記と同様に、液晶制御CPU150aは、告知画面でカウンタダウンする時間を液晶制御RAM150bによって記憶している演出時間情報に基づいて表示する。
次いで、液晶制御CPU150aは、同期告知モード中に当該図柄変動が終了せず、同期モードの開始時刻となった場合には、上大画面領域と下小画面領域との分割表示を継続する。液晶制御CPU150aは、下小画面領域には継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、同期モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に同期モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この同期モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、同期モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
さらに、液晶制御CPU150aは、同期モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
このように、遊技機1は、液晶制御RAM150bによって記憶している演出時間情報によって、所定の時刻となると、同期モードとなり、ライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
図47は、本発明の実施の形態における遊技機が備える液晶制御基板の液晶制御CPU150aで行われる通電時処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
この通電時処理は、外部電力の供給時に行われる処理であって、特定演出を決定することが可能な処理である。
図47において、液晶制御CPU150aでは、電源基板170から外部電力の供給された状態(通電状態)となると、10ms(ミリ秒)(100分の1秒)の時間情報を含む「第1通電時刻情報」を不揮発性メモリ155(以下、「不揮発性記憶領域」とも称している)において記憶しているか否かを判断する(S4701)。
この通電状態は、外部電力が定圧状態となった状態である。
このときの10msの時間情報は、「単位時間更新基準時刻構成情報」とも称しており、特定演出を行う時間であるかの判断に用いられる時刻情報の単位時間(1秒)を更新するために用いられる情報である。
この10msの単位時間更新基準時刻構成情報を含む「第1通電時刻情報」を記憶していない場合(S4701でNO)、液晶制御CPU150aは、通電処理が初めて電源投入によるものであると判断して、その電源投入されたときの時刻情報を「第1通電時刻情報」として不揮発性メモリ155の所定の記憶領域(アドレス空間)に記憶する(S4702)。
このときの「第1通電時刻情報」は、電源投入された時刻情報を示し、電断が継続した電断継続時間を計るために用いられる。
この遊技機に初めての電源投入が行われると、初めて不揮発性メモリ155に、通電した時刻情報が記憶された状態となる。この時刻情報が記憶されるまでは、所定の記憶領域に初期設定値が設定された状態にある。
この初めて電源投入される状況として、例えば、遊技機の生産拠点である工場内での初期点検時のほか、ホールに遊技機が導入されてから1回目の電源投入時がある。
このように、初めて遊技機に電源投入された場合には、通電した時刻情報が不揮発性メモリ155の所定の記憶領域に、第1通電時刻情報として記憶された状態となり、本フローチャートにおける処理を終了する。
これに対して、不揮発性メモリ155に既に「第1通電時刻情報」を記憶していると判断される場合(S4701でYES)、すなわち、少なくとも一度は通電状態となったことがあることを示しており、このような場合、液晶制御CPU150aは、続いて、電断時刻情報が不揮発性メモリ155に記憶されているか否かを判断する処理を行う(S4703)。
このときの電断時刻情報は、不揮発性メモリ155に記憶される情報であるが、その記憶領域は、第1通電時刻情報が記憶されている不揮発性メモリ155上の記憶領域とは異なる他の記憶領域(他のアドレス空間)である。
この電断時刻情報は、液晶制御CPU150aで行われる電断時刻情報記憶処理によって記憶された情報である。
そして、この電断時刻情報が記憶されているか否かの判断処理(S4703)において、電断時刻情報が不揮発性メモリ155に記憶されていないと判断される場合とは、初めて通電状態となって、かつ、その通電状態となってから一度も電断されていない状態を示している。
すなわち、工場内での初期点検時のほか、ホールに遊技機が導入されてから1回目の電源投入時において、電断された状態にないことを示している。
この判断処理(S4703)によって、電断時刻情報が記憶されていると判断されない場合(S4703でNO)、液晶制御CPU150aは、本フローチャートにおける処理を終了する。
それに対して、この判断処理(S4703)で電断時刻情報が記憶されていると判断される場合(S4703でYES)、液晶制御CPU150aは、RTC装置154が内部電源を用いて計数するRTCカウンタ値に基づいて計時される、通電時における「現在時刻情報(第2通電時刻情報)」をRTC装置154から取得する(S4704)。
この現在時刻情報(第2通電時刻情報)は、前回の通電時における時刻情報として、第1通電時刻情報が不揮発性メモリ155に記憶されている状態で、新たに通電されたときに取得する時刻情報である。
続いて、液晶制御CPU150aは、取得したこの現在時刻情報(第2通電時刻情報)と、不揮発性メモリに記憶されている電断時刻情報とを用いて、電断された状態が継続した電断継続時間を算出する(S4705)。
そして、液晶制御CPU150aは、算出したこの電断継続時間および現在時刻情報(第2通電時刻情報)をレジスタに記憶する(S4706)。
さらに、液晶制御CPU150aは、レジスタ等で記憶している判定時間情報を読み出す(S4707)。この判定時間情報は、上記のS4706における処理で算出した電断継続時間を経過後の通電が、後述する「初期通電(第1通電)」であるか、若しくは、後述する「再通電(第2通電)」であるかを判断するために用いられる基準時間情報である。この判定時間情報として、特定演出が行われる間隔時間に基づいて指定することができ、その特定演出が「30分間隔」で行われるような場合、例えば、判定時間情報としてこの「30分間隔」よりも短い、「15分」とすることができる。
このように、判定時間情報が読み出されると、液晶制御CPU150aは、算出した電断継続時間が、この判定時間情報と比べて長い時間であるか、同一の時間であるか、短い時間であるかを判断する。このときの一例として、液晶制御CPU150aは、電断継続時間が判定時間情報以上であるかを判断する(S4708)。
算出した電断継続時間が判定時間情報以上であると判断する場合(S4708でYES)、液晶制御CPU150aは、判定時間と同一の時間若しくは長い時間、継続して電断された状態にあることから、第2通電時刻情報を第1通電時刻情報として改めて(更新して)不揮発性メモリに記憶する(S4714)。すなわち、液晶制御CPU150aが検知した通電を、「初期通電」(第1通電)とみなすこととなる。
言い換えれば、「初期通電」(第1通電)の際は、第2通電時刻情報が新たな第1通電時刻情報として記憶されることを示している。
このようにして「初期通電」(第1通電)とみなされたとき、液晶制御CPU150aは、通電されたときの現在時刻情報を元に、この現在時刻情報が属する所定期間が指定されたシナリオ情報を特定する。そして、液晶制御CPU150aは、特定したシナリオ情報の実行済フラグを初期化(「0(ゼロ)」設定)する。
これによって、液晶制御CPU150aは、初期通電後、改めて特定演出を順次実行していくことが可能になる。
なお、初期通電と判断される前と後とでシナリオ情報に対して設定された所定期間が異なる場合、すなわち、今まで用いていたシナリオ情報とは異なる新たなシナリオ情報を用いて特定演出を行うような場合、液晶制御CPU150aは、初期通電と判断された後の所定期間で用いるシナリオ情報の実行済フラグを初期化することとなる。もちろん、予め初期化された状態で記憶しておいてもよい。
このとき、初期通電と判断される前の所定期間が対応付けられたシナリオ情報における各特定演出に対する実行済フラグは有効化(「1」設定)されたままの状態となる。
すなわち、所定期間を経過したシナリオ情報の実行済フラグはその間、一度も電源が投入されていないような場合を除いて、有効化(「1」設定)されたままの状態となる。これは、シナリオ情報に基づいて特定演出が行われた履歴となる。
以上のように、電断継続時間が判定時間情報以上(15分以上)であるときには、不揮発性メモリに記憶している第1通電時刻情報が第2通電時刻情報で更新されることとなり、前回の通電であると判断されるタイミングが第2通電時刻情報のタイミングに変更されることを示している。
これに対して、S4708に示す判断処理において、電断継続時間が、判定時間情報以内(15分以内)であると判断される場合(S4708でNO)、液晶制御CPU150aは、不揮発性メモリに記憶している「第1通電時刻情報」を構成する100分の1秒(10ms)の時刻構成情報を読み出す(S4709)。この時刻構成情報は、「単位時間更新基準時刻構成情報」とも称し、特定演出を実行する演出時刻情報の単位時間(秒)を更新するための基準となる時間情報であることを示す。
続いて、液晶制御CPU150aは、レジスタに記憶している「第2通電時刻情報」を構成する100分の1秒(10ms)の時刻構成情報を、不揮発性メモリ155で記憶している「第1通電時刻情報」を構成する100分の1秒(10ms)の時刻構成情報で置換する(S4710)。
これによって、第2通電時刻情報の時刻構成情報が第1通電時刻情報の一部によって更新され、新たな第2通電時刻情報となる。これは、第2通電時刻情報が新たに再構成されることを示している。
そして、液晶制御CPU150aは、再構成された第2通電時刻情報で、レジスタに記憶されている第2通電時刻情報を上書き記憶(上書き更新)する(S4711)。
すなわち、このような場合、上記において示す通電を、「再通電」(第2通電)と見なすこととなる。よって、この再通電は、判定時間情報以内(15分以内)に再び、通電されたことを示し、この場合には、第2通電時刻情報の時刻構成情報が第1通電時刻情報の一部によって更新され、新たな第2通電時刻情報が上書き更新された状態となることを示している。
続いて、液晶制御CPU150aは、「第1通電時刻情報」と更新後の新たな「第2通電時刻情報」とに基づいてこれらの時刻情報が乖離する間隔時間(差分時間)である「外部電力供給間隔時間情報」を算出する(S4712)。
また、液晶制御CPU150aは、特定演出間隔時間ごとに実行する特定演出の演出時刻情報を記憶している状態で、上記の処理によって算出した「外部電力供給間隔時間情報」内に経過した演出時刻情報が対応付けられた特定演出の特定演出数を算出する(S4713)。
すなわち、電断されている間に、本来、電源投入された状態にあれば実行されていたと想定される特定演出の数量を含む特典演出数を算出することとなる。
この算出処理では、特定演出実行シナリオテーブルを用いることで、外部電力が供給されて通電された状態となってから最初の(初期の)特定演出を実行するまでの時間を特定することができ、この時間をも考慮して特典演出数を算出することしてもよい。
言い換えれば、通電された状態となってから最初の(初期の)特定演出を実行するまでの時間を外部電力供給間隔時間情報から減算する。この減算後の新たな電源投入時間情報は、最初の特定演出を行うときから、更新後の新たな第2通電時刻情報となるまでの時間となり、この新たな外部電力供給間隔時間情報を用いて実行擬制特定演出数を算出することとなる。
これによって、電源投入から初期の特定演出が行われるまでの時間が、特定演出間隔時間(30分)とは異なる時間であっても、より正確な「特定演出数」を算出することができるようになる。
以下に、特定演出実行シナリオテーブルを用い、外部電力が供給されて通電された状態となってから最初の(初期の)特定演出を実行するまでの時間を考慮して特典演出数を算出する処理の具体例を示す。
例えば、図44に示すように、外部電力が供給されて通電された状態となった時刻が「9時30分00秒」であって、最初の特定演出を実行するまでの時間が「1時間(3600秒)」である場合について説明する。なお、この最初の特定演出を実行するまでの時間「1時間(3600秒)」は、特定演出間隔時間とは異なる時間である。
上記では、この特定演出間隔時間が「30分」である。もちろん、異なる時間である必要はなく、この最初の特定演出を実行するまでの時間と特定演出間隔時間とが同一であってもよい。
このように、最初の特定演出を実行するまでの時間と、特定演出間隔時間とが異なっている場合において、第1通電時刻情報が「9時30分00秒」であって、第2通電時刻情報が「20時15分48秒」とすると、外部電力供給間隔時間情報は、「10時間45分48秒(38,748秒)」と算出することができる。そして、この外部電力供給間隔時間情報「10時間45分48秒(38,748秒)」から、最初の特定演出を実行するまでの時間「1時間(3600秒)」を減算すると、減算後の新たな外部電力供給間隔時間情報は、「9時間45分48秒(35,148秒)」となる。
よって、この減算後の新たな外部電力供給間隔時間情報「9時間45分48秒(35,148秒)」に基づいて、予め指定された特定演出間隔時間(30分)ごとに行われる特定演出のうち、第2電力供給時時刻情報後に行う特定演出を決定する。
さらに詳細には、この減算後の新たな外部電力供給間隔時間情報「9時間45分48秒(35,148秒)」を、予め指定された特定演出間隔時間「30分(1,800秒)」で除算することで、特定演出に対応付けて記憶している演出時刻情報のうち、この外部電力供給間隔時間情報内に経過した演出時刻情報が対応付けられた特定演出の特定演出数を算出する。
本例においては、外部電力供給間隔時間情報を、予め指定された特定演出間隔時間で除算すると、およそ「19.5」と算出されることから、その外部電力供給間隔時間情報内に経過した演出時刻情報が「19」個である。これに、減算後の新たな外部電力供給間隔時間情報「9時間45分48秒(35,148秒)」の開始時点に行われる特定演出の演出時間情報の数量「1」を加算することで、特定演出の数量(特定演出数)を「20個」と算出することができる。
このようにして特定演出数を算出すると、液晶制御CPU150aは、図49における処理を行う。この図49に示すフローチャートでは、その算出した特定演出数を実行擬制特定演出数として記憶するほか、第2通電時刻情報をも液晶制御RAM150bに記憶し、これらの情報を元に、電源投入後(第2通電後)の特定演出を決定する処理が行われる。
よって、液晶制御CPU150aは、通電時における処理として、判定時間情報以内の電断継続時間であれば、前回の通電時において不揮発性メモリ155に記憶している第1通電時刻情報の時刻構成情報で、第2通電時刻情報を構成する時刻構成情報を置換することが可能になる。また、このときの時刻構成情報は、上記に示すように、特定演出に用いられる時刻情報の単位時間(秒)を更新する基準として用いられる情報である。
上記の例では、図44に示す特定演出実行シナリオテーブルを元に、第1通電時刻情報から「20個」が外部電力供給間隔時間情報内に経過した演出時刻情報であることから、第1通電時刻情報から「21個目」の特定演出である、「ゲーム演出(3)」を外部電力が供給された「第2通電時刻情報」を経過した後に行う特定演出として決定することとなる。
図48は、本発明の実施の形態における遊技機が備える液晶制御基板の液晶制御CPU150aで行われる通電時処理の詳細な流れを示す他のフローチャートである。
この図48に示すフローチャートにおける処理の流れは、図47に示すフローチャートにおける処理の流れと類似しているものである。
図48において、液晶制御CPU150aが、電源基板170から外部電力の供給された状態(通電状態)になると、10ms(ミリ秒)(100分の1秒)の時間情報を含む「第1通電時刻情報」を不揮発性メモリ155(以下、「不揮発性記憶領域」とも称している)において記憶しているか否かを判断する(S4801)。
このときの10msの時間情報は、「単位時間更新基準時刻構成情報」とも称しており、特定演出を行う時間であるかの判断に用いられる時刻情報の単位時間(1秒)を更新するために用いられる情報である。
この10msの単位時間更新基準時刻構成情報を含む「第1通電時刻情報」を記憶していない場合(S4801でNO)、液晶制御CPU150aは、電源投入が初めて電源投入であると判断して、その電源投入されたときの時刻情報を「第1通電時刻情報」として不揮発性メモリ155の所定の記憶領域(アドレス空間)に記憶する(S4802)。
このようにして、遊技機に初めての電源投入が行われると、初めて不揮発性メモリ155に、通電した時刻情報が記憶された状態となる。この時刻情報が記憶されるまでは、所定の記憶領域に初期設定値が設定された状態にある。
この初めて電源投入される状況として、例えば、遊技機の生産拠点である工場内での初期点検時のほか、ホールに遊技機が導入されてから1回目の電源投入時がある。
このように、初めて遊技機に電源投入された場合には、通電した時刻情報が不揮発性メモリ155の所定の記憶領域に、第1通電時刻情報として記憶された状態となり、本フローチャートにおける処理を終了する。
これに対して、不揮発性メモリ155に既に「第1通電時刻情報」を記憶していると判断される場合(S4801でYES)、すなわち、少なくとも一度は通電状態となったことがあることを示しており、このような場合、液晶制御CPU150aは、続いて、電断時刻情報が不揮発性メモリ155に記憶されているか否かを判断する処理を行う(S4803)。
このときの電断時刻情報は、不揮発性メモリ155に記憶される情報であるが、その記憶領域は、第1通電時刻情報が記憶されている不揮発性メモリ155上の記憶領域とは異なる他の記憶領域(他のアドレス空間)である。
この電断時刻情報は、図51に示す、液晶制御CPU150aで行われる電断時刻情報記憶処理によって記憶された情報である。図51における電断時刻情報記憶処理の詳細な流れについては後述する。
そして、この電断時刻情報が記憶されているか否かの判断処理(S4803)において、電断時刻情報が不揮発性メモリ155に記憶されていないと判断される場合とは、初めて通電状態となって、かつ、その通電状態となってから一度も電断されていない状態を示している。すなわち、工場内での初期点検時のほか、ホールに遊技機が導入されてから1回目の電源投入時において、電断された状態にないことを示している。
この判断処理(S4803)によって、電断時刻情報が記憶されていると判断されない場合(S4803でNO)、液晶制御CPU150aは、本フローチャートにおける処理を終了する。
それに対して、この判断処理(S4803)で電断時刻情報が記憶されていると判断される場合(S4803でYES)、液晶制御CPU150aは、RTC装置154が内部電源を用いて計数するRTCカウンタ値に基づいて計時される、通電時における「現在時刻情報(第2通電時刻情報)」をRTC装置154から取得する(S4804)。この現在時刻情報(第2通電時刻情報)は、前回の通電時における時刻情報として、第1通電時刻情報が不揮発性メモリ155に記憶されている状態で、新たに通電されたときに取得する時刻情報である。
続いて、液晶制御CPU150aは、「第1通電時刻情報」と更新後の新たな「第2通電時刻情報」とに基づいてこれらの時刻情報が乖離する間隔時間である「外部電力供給間隔時間情報」を算出する(S4805)。
また、液晶制御CPU150aは、特定演出間隔時間ごとに実行する特定演出の演出時刻情報を記憶している状態で、上記の処理によって算出した「外部電力供給間隔時間情報」内に経過した演出時刻情報が対応付けられた特定演出の特定演出数を算出する(S4806)。
この算出処理では、特定演出実行シナリオテーブルを用いることで、外部電力が供給されて通電された状態となってから最初の(初期の)特定演出を実行するまでの時間を特定することができ、この時間をも考慮して特典演出数を算出することしてもよい。
言い換えれば、通電された状態となってから最初の(初期の)特定演出を実行するまでの時間を外部電力供給間隔時間情報から減算する。この減算後の新たな電源投入時間情報は、最初の特定演出を行うときから、更新後の新たな第2通電時刻情報となるまでの時間となり、この新たな外部電力供給間隔時間情報を用いて実行擬制特定演出数を算出することとなる。
これによって、電源投入から初期の特定演出が行われるまでの時間が、特定演出間隔時間(30分)とは異なる時間であっても、より正確な「特定演出数」を算出することができるようになる。
このようにして特定演出数を算出すると、液晶制御CPU150aは、この特定演出の数量と、特定演出実行シナリオテーブルにおける、特定演出を実行する演出時刻情報とに基づいて、外部電力が供給された「第2通電時刻情報」を経過した後に行う特定演出を決定することができるようになる。
以上の図48に示すようなフローチャートでは、図47に示すフローチャートと比べて、電断継続時間に基づいて行われる処理が含まれていない。すなわち、図48に示すようなフローチャートでは、電源が投入されて通電状態となったときの処理として、電断継続時間に関わらず、電断されていた状態から復帰して通電状態となったときに、直前の通電の時刻情報(第1通電時刻情報)と今回の通電の時刻情報(第2通電時刻情報)とに基づく外部電力供給間隔時間情報を用いて特定演出数を算出する処理が行われる。
図49は、本発明の実施の形態における遊技機の液晶制御基板における液晶制御CPU150aで行われる処理の詳細な流れを示すフローチャートであって、図47および図48に示す処理の続きを示すフローチャートである。
図49において、液晶制御CPU150aが「実行擬制特定演出数」を算出すると、液晶制御CPU150aは、「実行擬制特定演出数」および「第2通電時刻情報」を液晶制御RAM150b等の記憶領域に記憶する(S4901)。
続いて、液晶制御CPU150aは、記憶したこの「実行擬制特定演出数」および「第2通電時刻情報」のほか、特定演出を実行する際に用いられる特定演出実行シナリオテーブルを用いて、外部電力が供給されて通電された状態となった後に行う特定演出を決定する(S4902)。この特定演出を決定する処理の詳細な流れを図50に示し、後述する。
このような処理によって、この特定演出決定制御処理は、第1通電時刻情報が記憶された状態で、かつ、電断継続時間が判定時間情報(15分)以内であるときに、図47に示すフローチャートにおける処理によって第2通電時刻情報の時刻構成情報が第1通電時刻情報の時刻構成情報で置換された新たな第2通電時刻情報を用いて、所定の演出時刻情報が計時されることで行う特定演出を決定する処理であることを示している。
図50は、図49に示す特定演出決定制御処理において行われる特定演出を決定する処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
この処理の前提として、液晶制御RAM150bには、特定演出の一形態である「同期演出」を実行するシナリオ情報、および、特定演出の一形態である「ゲーム演出」を実行するシナリオ情報を記憶している。このときの各シナリオ情報は、1つのテーブルにおいて管理することができ、特定演出である同期演出およびゲーム演出を実行する演出時刻情報に対して、実行する特定演出(同期演出若しくはゲーム演出)のほか、その特定演出が実行されたか否かを示す属性情報が対応付けられている。
このようなシナリオ情報が液晶制御RAM150bに記憶されている状態において、液晶制御CPU150aは、まず、記憶している「電断継続時間」および「第2通電時刻情報」を読み出す(S5001)。続いて、液晶制御CPU150aは、不揮発性メモリ155に記憶している「第1通電時刻情報」を読み出す(S5002)。
このようにして、「第1通電時刻情報」、「第2通電時刻情報」および「電断時刻情報」が、不揮発性メモリ155やレジスタ等から読み出された状態となると、続いて、液晶制御CPU150aは、第1通電時刻情報を基準として、この第1通電時刻情報と他の時刻情報との差分時間をそれぞれ算出し、算出した各差分時間を基本単位に統一換算する処理を行う(S5003)。このときの基本単位は、特定演出を行う際に用いられる時刻情報の最小単位であって、本実施例においては「秒」である。
また、算出される差分時間は、「第2通電時刻情報」と「第1通電時刻情報」との差分時間(以下、「第1差分時間」とも称する)のほか、「電断時刻情報」と「第1通電時刻情報」との差分時間(以下、「第2差分時間」とも称する)である。
以下では、一例を説明する。
一例として、第1通電時刻情報として「09時30分00秒」が記憶されており、第2通電時刻情報として「11時33分40秒」が記憶されており、電断時刻情報として「11時25分48秒」が記憶されている状態とする。
この状態においては、第1差分時間として「2時間3分1秒」が算出され、これを基本単位に統一換算すると「7381秒」となる。
また、第2差分時間として「1時間55分9秒」が算出され、これを基本単位に統一換算すると「6909秒」となる。
このように、各差分時間が算出され、それぞれ基本単位に統一換算されると、液晶制御CPU150aは、続いて、特定演出を実行する演出時刻情報が指定された特定演出実行シナリオテーブルを用いて、差分時間(第1差分時間(上記の例では「7381秒」))(この第1差分時間は、「第2通電時刻情報」と「第1通電時刻情報」とに基づいて算出される時間情報である)と、特定演出実行間隔情報(30分)とに基づいて、電断が継続している時間内に演出時刻情報が設定された特定演出がある場合にはその特定演出を特定する(S5004)。
もちろん、電断が継続した時間が短く(より具体的には、特定演出実行間隔情報(30分)以内)、その間に特定演出を行う演出時刻情報が指定されていないような場合には、S5004における処理によっていずれの特定演出も特定されることはない。
そして、液晶制御CPU150aは、特定した特定演出がある場合には、特定演出実行シナリオテーブルにおいて指定されたその特定した特定演出に対する属性情報である実行済フラグを有効化設定(「1(実行済)」を設定)する(S5005)。
このような処理によって、この特定演出決定処理では、特定演出実行シナリオテーブルに実行済フラグを設定することができる。
この特定演出決定処理において実行済フラグが設定されている特定演出は、実行されたことを示すものであって、実行済フラグが設定されていない特定演出はこの未実行であることを示すこととなる。
このことから、特定演出決定処理では、実行済フラグが設定されていない特定演出(未実行であると判断される特定演出)であって、かつ、シナリオ情報に基づいて最も古い演出時刻情報が設定された特定演出が、第2通電後に最初に行う特定演出として決定されることとなる。その後は、シナリオ情報に基づいて設定された特定演出を順次、実行していくこととなる。
図51は、本発明の実施の形態における遊技機の液晶制御基板における液晶制御CPU150aで行われる電断時刻情報記憶処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図51において、液晶制御CPU150aは、まず、フレームカウンタがRTCカウンタ値の取得要求を行ったか否かを判断する(S5101)。なお、この処理はフレームカウンタがRTC装置154からRTCカウンタ値の取得要求を行っているが、これに限定されることなく、液晶制御CPU150aがRTC装置154にRTCカウンタ値の取得要求を行うこととしてもよい。この場合、液晶制御CPU150aがRTC装置154にRTCカウンタ値の取得要求を行ったか否かを判断することとなる。
そして、フレームカウンタがRTCカウンタ値の取得要求を行ったと判断する場合(S5101でYES)、若しくは、液晶制御CPU150aがRTC装置154にRTCカウンタ値の取得要求を行ったと判断する場合、液晶制御CPU150aは、RTC装置154のレジスタから、RTCカウンタ値に基づく現在時刻情報を取得する(S5102)。すなわち、液晶制御CPU150aは、フレームカウンタからのRTCカウンタ値の取得要求タイミングごとに、現在時刻情報を取得することとなる。
続いて、液晶制御CPU150aは、取得した現在時刻情報「電断時刻情報」として不揮発性メモリ155の第1の記憶領域に記憶させる処理を行う(S5103)。すなわち、フレームカウンタがRTCカウンタ値の取得要求を行ったタイミングに取得した現在時刻情報を仮の「電断時刻情報」として第1の記憶領域に記憶しておくことを示したものである。
このときの第1の記憶領域は、第2の記憶領域と比べて記憶優先順位が高く設定されており、書き込み禁止条件が設定されていない限り、第2の記憶領域よりも優先して記憶される。
続いて、液晶制御CPU150aは、第1の記憶領域への現在時刻情報の記憶が完了したか否かを判断する(S5104)。すなわち、記憶処理中ではなく、完全に現在時刻情報が記憶されたか否かを判断するものである。
完全に現在時刻情報を第1の記憶領域に記憶したと判断されるまで(S5104でNO)、液晶制御CPU150aは以降の処理は行わない。
それに対して、液晶制御CPU150aは、第1の記憶領域に現在時刻情報を完全に記憶したと判断する場合(S5104でYES)、第1の記憶領域に記憶完了フラグを設定する(S5105)。すなわち、この記憶完了フラグが設定されている第1の記憶領域には新たに情報を記憶することを禁止している。すなわち、第1の記憶領域に書き込み禁止条件を設定する。なお、以下の処理において、この記憶完了フラグが解除されることで新たな情報の記憶が可能となる。
このようにして第1の記憶領域に記憶完了フラグが設定されると、続いて、液晶制御CPU150aは、その取得した同現在時刻情報を電断時刻情報として不揮発性メモリ155の第2の記憶領域に記憶する(S5106)。
この場合も、第1の記憶領域のときと同様に、液晶制御CPU150aは、第2の記憶領域への現在時刻情報の記憶が完了したか否かを判断する(S5107)。すなわち、記憶処理中ではなく、完全に現在時刻情報が記憶されたか否かを判断するものである。
完全に現在時刻情報を第2の記憶領域に記憶したと判断されるまで(S5107でNO)、液晶制御CPU150aは以降の処理は行わない。
それに対して、液晶制御CPU150aは、第2の記憶領域に現在時刻情報を完全に記憶したと判断する場合(S5107でYES)、第1の記憶領域に設定されている記憶完了フラグを解除する(S5108)。
このような電断時刻情報記憶処理を行うことによって、不揮発性メモリ155の第1の記憶領域および第2の記憶領域のいずれにも同一の現在時刻情報が異なるタイミングで記憶された状態となる。
以上のような処理によって、いつ何時に電断処理が行われたとしても、フラグ設定された記憶領域にある電断時刻情報が、電断処理が行われる直前に記憶された最新の電断時刻情報として取り扱うことが可能となる。
図53には、本発明の実施の形態を提供した遊技機を複数、店舗の通路を挟んで左右横一列にそれぞれ整列された状態を示す図を示している。
上記に示すような構成とすることによって、各遊技機が略同時に、特定演出モードとなることによって一斉に同じ特定演出(スタンバイ演出、楽曲公演演出)が行われることとなる。すなわち、同じ映像が表示され、同じ音データが報知されることとなる。
これにより、各遊技機が連動して特定演出を行っているように感じられ、一体感を持った演出が可能となる。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。