JP2015225994A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡素な構成で、中心部分と周辺部分との間の光の強度のばらつきを抑制した発光装置を提供する。
【解決手段】LED発光素子と、該LED発光素子を覆うように配置され、透光性材料を含んで成る透光性部材と、前記透光性部材の前記LED素子と対向する面と反対側の面を覆うように配置された蛍光体層と、を含み、該透光性部材は、前記透光性材料と異なる屈折率を有する散乱領域を複数有し、前記LED発光素子の出射角度が0°の方向に平行な方向からの上面視において、前記LED発光素子の直上に位置する前記散乱領域の寸法が、前記発光素子よりも外側に位置する前記散乱領域の寸法よりも小さいことを特徴とする発光装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、LED発光素子を利用した発光装置に関する発明である。
LED(発光ダイオード)発光素子を用いた発光装置は、小型化が容易であるというメリットと電力効率が高いメリットを有している。このため、近年、テレビを含む各種ディスプレイのバックライト、および照明装置等の多くの分野でLED発光素子を用いた発光装置が用いられている。
例えば、GaN系LED発光素子の青色発光のような波長の短い光を発光可能なLED発光素子は、1種以上の蛍光体材料と組み合わせ、この蛍光体材料を励起することにより、発光素子が発する光と蛍光体により励起された光とが混色されて白色を含む所望の色の発光することができる。
しかし、LED発光素子を用いたこのような従来の発光装置では、光の出射方向によらず比較的均一に光を発すること(均一な発光強度を得ること)が容易でないという問題があった。これは、LED発光素子の光が配向性を有し、出射角度(照射角度)により発光強度がかなり異なることに起因する。
図15は、LED発光素子の1種である青色LEDの出射角度θeと発光強度の関係を例示する図である。図15は、発光強度の相対値を示している。図15から、出射角度が0°のときに発光強度が最大となり、出射角度の絶対値が増加するにつれ、発光強度が減少していくことが分かる。図15に示す青色LEDでは、出射角度が60°(水平方向から30°)の発光強度は、出射角度が0°の時の発光強度の約半分と大きく減少している。従って、このようなLED素子を特段の対策を講ずることなく照明装置等の発光装置に用いると、中心部分(出射角度の小さい部分)が明るく、周辺部分(出射角度の大きい部分)が暗い、不均一な発光を生じる。
また、上述のように白色光等の所望の色の発光を得るために、蛍光体を用いてLED発光素子の発光の一部を波長の長い光に変換する場合、蛍光体の変換効率は励起に用いる光の強度により変わる。その結果、LED発光素子からの光がその出射角度により発光強度が大きく異なると、LED発光素子の発光のうち、蛍光体により変換されずに発光装置の外部に至る光と、蛍光体により変換された後発光装置の外部に至る光との比率がLED発光素子の出射角度により異なり、色むらを生じるという問題がある。
このため、発光装置から出る光の強度が出射角度に依らずある程度均一になるように、例えば散乱板等を設置することで出射角度が0°近傍である領域に到達する光を減少させることが行われている。
また、蛍光体を用いる場合、蛍光体は、例えば樹脂に埋め込まれてLED素子の周囲に配置されているが、この蛍光体の密度を出射角度に対応して、変化させることにより、蛍光体により変換されずに発光装置の外部に至る光と、蛍光体により変換されて発光装置の外部に至る光との比率がLED発光素子の出射角度により変化するのを抑制することで色むらの発生を抑制することが行われている。
さらには、特許文献1は、LEDの周囲を覆うレンズ内に光を散乱させるための散乱粒子を配置し、その散乱粒子の直径をLEDの出射角度が小さい領域では、0.15μmプラスマイナス0.05μm程度と小さくし、出射角度が大きい領域では、0.25μmプラスマイナス0.05μmと大きくすることで、LEDの出射角度の違いによる光の強度のばらつきを抑制することが開示されている。
米国特許公開公報第US2011/0001151号
「光学の原理III」, Born and Wolf, 東海大学出版会
しかし、上述のように散乱板を用いる方法は、LED発光素子の発光特性に合わせた最適な散乱板を作製することが容易ではないこと、および散乱板を保持するための機構を設ける必要があり、発光装置が大型化するという問題があった。また、散乱板を用いても出射角度の違いによる光の強度のばらつきの発生を充分に抑制できない場合があった。
さらに、特許文献1に記載の方法を用いても得られる効果が限定的であり、発光装置の中心部分と周辺部分と間の光の強度のばらつきの発生を充分に抑制できない場合があった。
そこで、本発明は、比較的簡素な構成で、中心部分と周辺部分との間の光の強度のばらつきを抑制した発光装置を提供することを目的とする。
本発明の態様の1つは、LED発光素子と、該LED発光素子を覆うように配置され、透光性材料を含んで成る透光性部材と、前記透光性部材の前記LED素子と対向する側と反対側の面を覆うように配置された蛍光体層と、を含み、該透光性部材は、前記透光性材料と異なる屈折率を有する散乱領域を複数有し、前記LED発光素子の出射角度が0°の方向に平行な方向からの上面視において、前記LED発光素子の直上に位置する前記散乱領域の寸法が、前記発光素子よりも外側に位置する前記散乱領域の寸法よりも小さいことを特徴とする発光装置である。
本発明の1つの実施形態に係る発光装置は、比較的簡素な構成で、中心部分と周辺部分との間の光の強度のばらつきが抑制される。
図1は、本発明の1つの実施形態に係る発光装置100の断面図である。 図2は、出射角度の定義を説明するための断面図である。 図3(a)は、例えば0°のように、出射角度の絶対値がかなり小さい光Lが透光性部材4に入射した場合のMie散乱を示す模式断面図であり、図3(b)は、例えば30°または45°のように、出射角度の絶対値がある程度大きい光Lが透光性部材4に入射した場合のMie散乱を示す模式断面図である。 図4は、計算モデルの概念図である。 図5は、Mie散乱強度の出射角度依存性を計算した結果を示すグラフである。 図6は、透光性部材用材料を合成石英とし、散乱領域6として、空孔(真空)、中屈折率材料であるBK7および高屈折率材料であるLaSFN9を用いた場合の散乱プロファイルを示す。 図7は、散乱領域6を空孔とし、透光性部材用材料に合成石英、BK7およびLaSFN9を用いた場合のMie散乱プロファイルの計算結果を示す。 図8は、式(1)〜(4)により、空孔を有する透光性部材4を用いた場合の散乱強度を計算した結果(ω=86°、ωθ=45°、ωBG=8°)を示し、比較のために空孔を有しない透光性部材を用いた場合の散乱強度を計算した結果も併せて示す。 図9は、図8に示す、空孔を用いた場合の発光強度を分子とし、空孔を用いなかった場合の発光強度を分母として、両者の比を示すグラフである。 図10は、本計算例で用いた半値幅の分布関数ω(θ)を示すグラフである。 図11は、半値幅ωと空孔の寸法D(空孔径)との関係を、MiePlotを用いて計算した結果を示すグラフである。 図12は、式(5)を用いて求めた、空孔の寸法(空孔径)Dと出射角度θとの関係を示すグラフである。 図13は、図12に示した空孔の寸法(空孔径)Dと出射角度θとの関係と、式(6)を用いて得た近似式の結果(点線)を示す。 図14は、図12に示した空孔の寸法(空孔径)Dと出射角度θとの関係と、式(7)、(8)を用いて得た近似式の結果(点線)を示す。 図15は、LED発光素子の1種である青色LEDの出射角度θと発光強度の関係を例示する図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
本願発明者は、鋭意検討した結果、Mie(ミー)散乱を活用することで、出射角度の違いによる光の強度のばらつきを抑制できることを見出し、本発明の1つの実施形態に係る発光装置に至ったものである。
また、本発明の1つの実施形態に係る発光装置では、蛍光体層を有している。透光性部材によるMie散乱を活用するともに、Mie散乱を生じさせるために配置した透光性部材の発光素子と対向する面の反対側の面を覆うように蛍光体層を配置することで当該蛍光体層に入射するLED素子の光の強度の出射角度の違いによるばらつきが抑制されることより、色むらの発生が抑制される。
そこで、まずMie散乱の概要を説明し、その後、本発明に係る発光装置の詳細を説明する。
Mie散乱は、光の媒質中に屈折率が異なる領域が存在する場合に生じる光の散乱現象の一種であり、その領域の寸法が入射光の波長以上である場合に生じる光の散乱を、特に「Mie散乱」と呼ぶ。
すなわち、透光性材料から成る透光性部材の内部に、例えば空孔または粒子のように当該透光性材料と異なる屈折率を有する領域(以下、「散乱領域」と言う)を有している場合、この散乱領域の寸法Dと入射光の波長λの関係が、おおよそD/λ≧1.0の関係を満たすとMie散乱が生じる(例えば、非特許文献1を参照。)。
なお、散乱領域の寸法Dと入射光の波長λの関係がおおよそD/λ≧0.8の場合に生じる光の散乱もMie散乱の成分を多く含んでいることが知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。したがって、本明細書ではこのD/λ≧0.8の関係を満たす光の散乱も「Mie散乱」に含めて説明する。
Mie散乱の特徴は、散乱光が非常に大きい前方成分(前方に散乱する光の強度)を有すること、および上述の散乱領域の寸法を変えることにより、前方成分について、直進成分(入射光と同じ方向に進む光の強度)と直進方向からずれた方向に進む散乱光強度との比率等の散乱特性を制御できることである。
より具体的には、透光性部材の内部に入射光の波長よりも大きな寸法を有する散乱領域を配置することにより、Mie散乱を生じさせることができる。この結果、散乱光のほとんどを前方散乱(入射光の方向からプラスマイナス90°以内の方向への散乱)とすることができる。そして、散乱領域の寸法Dについて、D/λ≧1.0を満たしながら、かつDの値が大きい程、散乱光の直進成分および入射光の方向からのずれ(傾き)が小さい方向への散乱強度が増加する。一方、D/λ≧1.0を満たしながら、かつDの値が小さい程、入射光の方向からのずれ(傾き)が大きい方向の散乱強度が大きくなる。
本発明者は、このMie散乱を活用することで本発明の発光装置に至ったものである。
詳細を後述するように、本発明の1つの実施形態に係る発光装置では、LED発光素子を覆うように配置された透光性部材において、LED発光素子の発光のうち、出射角度が小さい(例えば、出射角度が0°)光が到達する部分には、寸法Dが小さい散乱領域を配置し、入射方向からずれた方向に散乱する光を増加させている。一方、LED発光素子の発光のうち、出射角度が大きい光が到達する部分には、寸法Dが大きい散乱領域を配置し、入射方向と平行に進む光(直進成分)および入射方向からのずれが小さい方向に散乱する光を増加させている。
これにより、中心部分と周辺部分との間の光の強度のばらつきを抑制できる。
図1は、本発明の1つの実施形態に係る発光装置100の断面図である。
以下に、発光装置100の詳細を説明する。
発光装置100は、LED発光素子2と、LED発光素子2を覆うように配置された透光性部材4とを有している。発光装置100は、また、必要に応じて、図1に示すように、透光性部材4を挟んでLED発光素子2の反対側に位置し、透光性部材4を覆うように配置された蛍光体層8(すなわち、透光性部材4のLED素子2と対向する面と反対側の面を覆うように配置された蛍光体層8)を有してよい。 以下に、LED発光素子2、透光性部材4および蛍光体層8について説明する。
・LED発光素子2
LED発光素子2は、赤色LEDチップ、緑色LEDチップおよび青色LEDチップを含む任意の発光ダイオード(LED)チップを含む素子であってよい。好ましいLED発光素子の例として、発光装置が蛍光体を含む場合に蛍光体を充分に励起できる比較的短い波長の光を発光できる青色LEDチップを挙げることができる。
図1に示す実施形態では、発光装置100は、1つのLED発光素子2を有しているが、これに限定されるものではなく、例えば発光装置100の中心部(図1の左右方向の中心)近傍に複数のLED発光素子2を配置する等、複数のLED発光素子2を配置してよい。
・透光性部材4
透光性部材4は、透光性材料を含んでおり、好ましくは透光性材料により形成されている。本明細書において「透光性材料」とは、入射したLED発光素子2からの光の少なくとも一部を透過させることができる材料を意味し、好ましくは、例えば50%以上、より好ましくは70%以上の内部透過率(後述の散乱領域6により散乱されて透過する光も透過光として含んだ透過率)を有する。透光性部材4を形成する透光性材料は、好ましくは、LED発光素子2のピーク波長の光に対して透明である。
透光性部材4を形成する透光性材料(以下、「透光性部材用材料」という場合がある)として、ガラス材料および樹脂材料を例示できる。具体的なガラス材料として、中屈折材料である、石英ガラス(例えば合成溶融石英ガラス)および硼珪酸ガラス(例えば、BK7(登録商標)、パイレックス(登録商標))を例示でき、高屈折材料として例えばLaSFN9(登録商標)ガラス例示できる。また、樹脂材料として、シリコーン樹脂およびポリイミド樹脂を例示することができる。
図1に示す実施形態では、透光性部材は球殻形状(球状でかつ中心部分に空洞(好ましくは図1に示すように球状の空洞)を有する)の一部分(図1では上半分)となっている。この球殻形状または球形状の一部分である形状だと、LED発光素子2と透光性部材4との距離および透光性部材4の厚さが、光の出射方向に依らず概ね一定となることから好ましい。
また、図1に示す実施形態では、透光性部材4とLED発光素子2とは離間している。これにより、透光性部材4がLED発光素子2の発熱による影響を受けにくくなるため好ましい。
しかし、透光性部材4の形状および配置はこれに限定されるものではなく、任意の形状を有してよく、またLED発光素子2と透光性部材4とが接触することを含め任意の配置を選択してよい。
図2は、出射角度の定義を説明するための断面図である。矢印Nは、LED発光素子2出射面(LED発光素子2のLEDチップの出射面)に垂直な方向(図2では、LED発光素子2の出射光がLED発光素子2の真上に進む方向)を示す。矢印L(出射光L)は、LED発光素子2からの発光の1つの出射方向を示す。出射角度θは、出射面に垂直な方向と、光の出射方向の為す角度、すなわち矢印Nと矢印Lの為す角度である。時計回りの方向を正としている。
また、図1に示す実施形態では、LED発光素子2の発光のうち、出射角度が−90°から+90°(出射角度の絶対値が90°以内)の光が透光性部材4に入射するようになっている。
しかし、本願発明は、Mie散乱を用いて、LED発光素子2の出射光のなかでも、とりわけ、出射角度の小さな光を出射方向からずれた広い角度範囲に散乱することを目的の1つとしている。このため、LED発光素子2の発光のうち、出射角度が比較的小さい光だけを透光性部材4に入射するようにしてもよい。すなわち、例えば、LED発光素子2の発光のうち、少なくとも出射角度が−45°から45°の範囲の光(または少なくとも−60°から60°の範囲の光)が入射するように透光性部材4を構成してよい。なおこのような構成では、出射角が大きな領域からの漏れ光を遮るための遮光板を設けることが好ましい。
透光性部材4は、その内部に複数の散乱領域6を有している。散乱領域6は、透光性部材を形成している透光性材料(透光性部材用材料)と屈折率が異なる。散乱領域6の屈折率は、透光性部材用材料よりも高くてもよく、また低くてもよい。
より確実にMie散乱の効果を得るためには、散乱領域6の屈折率と透光性部材用材料の屈折率とは0.005以上異なることが好ましく、0.40以上異なることがより好ましい。
散乱領域6は、透光性部材用材料と屈折率が異なる限り任意の材料を用いてよい。
例えば、散乱領域6の屈折率を透光性部材用材料の屈折率よりも0.40以上低くする方法として、空孔を散乱領域6として用いてよい。空孔の内部は、真空でよく、また気体で満たしてもよい。このような気体として、空気を用いてもよく、また例えば、窒素、ヘリウムおよびアルゴンのような、透光性部材用材料に対して活性でない気体を用いてもよい。このような空孔は屈折率が1.0である散乱領域6として機能する。
また、散乱領域6の屈折率を透光性部材用材料の屈折率よりも0.40以上高くする方法として、散乱領域6を例えば、LaSFN9のような屈折率が1.6以上の高屈折材料により形成してよい。
これ以外にも例えばシリコーン樹脂、BK7およびパイレックス(登録商標)を用いてよい。さらに粒径が比較的制御しやすい材料であるシリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムまたは酸化アルミナを用いてもよい。
散乱領域6は、その寸法Dが、LED発光素子2の発光ピーク波長の80%以上である。Mie散乱を起こさせるためには、散乱領域6の寸法が入射する光の波長λと同じかそれ以上(すなわち、D≧λ)であることが好ましい。一般に、LED発光素子は、そのピーク波長がλである場合、その発光スペクトルは、λよりも短い波長まで裾を有しており、λの80%程度になると発光強度も略ゼロに近づいている。従って、λの80%以上の寸法を有していれば、LED発光素子2からの入射光に対して、十分なMie散乱を生じさせることができる。
例えば、青色LED発光素子は、0.46μm程度の発光ピーク波長を有することが多い。従って、LED発光素子2が青色LED発光素子であれば、散乱領域6は、例えば、約0.37μm以上の寸法を有する。
本発明ではMie散乱による光の拡散効果を利用することから、散乱強度の計算が容易であり、設計が行いやすい球形が散乱領域6の好ましい形状の1つとなる。
なお、散乱領域6が球形の場合は、「散乱領域6の寸法」は、散乱領域6の直径を意味する。一方、散乱領域6の形状が球形以外の形状である場合、「散乱領域6の寸法」は、同じ体積を有する球の直径を意味する。
さらに、透光性部材4の内部における散乱領域6の寸法は、LED発光素子2の出射角度に対応して変化している。例えば、出射角度0°または出射角度0°近傍の光が入射する、LED発光素子2の直上(図2の紙面の上方向)に位置する散乱領域6の寸法が、出射角度が0°から傾いた光(出射角度の絶対値が0°から離れた光(例えば、出射角度の絶対値が15°、30°、45°または60°である光)が入射する部位に位置する散乱領域の寸法より小さくなっている。
これは、換言すれば、LED発光素子2の出射角度が0°の方向に平行な方向からの上面視(すなわち、図1、2において紙面の上方から下方を見た場合(図2の矢印Nと反対の方向から見た場合))において、LED発光素子2の直上に位置する散乱領域6の寸法が、当該直上部の外側に位置する散乱領域6の寸法よりも小さいことを意味する。
このような散乱領域6の寸法分布による効果を、図3を用いて説明する。図3(a)は、例えば0°のように、出射角度の絶対値がかなり小さい光Lが透光性部材4に入射した場合のMie散乱を示す模式断面図であり、図3(b)は、例えば30°または45°のように、出射角度の絶対値がある程度大きい光Lが透光性部材4に入射した場合のMie散乱を示す模式断面図である。
図3(a)では、LED発光素子2から出射された光Lは、LED発光素子2の直上のように、透光性部材4において、寸法の小さい散乱領域6が配置されている領域に入射する。そして、光Lは、寸法の小さい散乱領域6によりMie散乱される。この結果、光L2のように光Lと同じ方向に進む光以外に、光L1およびL3のように、光Lの進行方向からずれた方向に進む散乱光を生じる。そして、散乱領域6の寸法が小さいことから、光L1およびL3は、光Lの方向から、大きく離れた角度であっても比較的高い強度を有する。
図3(b)では、LED発光素子2から出射された光Lは、上面視において、LED発光素子2の直上よりも外側に位置し(直上部から離れている)、寸法の比較的大きい散乱領域6が配置されている領域に入射する。そして、光Lは、寸法の比較的大きい散乱領域6によりMie散乱される。この結果、光L2のように光Lと同じ方向に進む光以外に、光L1およびL3のように、光Lの進行方向からずれた方向に進む散乱光を生じる。しかし、散乱領域6の寸法が比較的大きいことから、光L1およびL3は、光Lの方向から、大きく離れた角度では低い強度しか有しない。
このことは、LED発光素子2の発光のうち、出射角度が小さく、従って強度が強い光Lは、散乱領域6により、かなり広い角度範囲に亘り強い強度で散乱されるため、透光性部材から外に出る際には、元々の出射角度と同じ方向に進む光(直進成分)の強度は、かなり低くなり、当該出射角度から逸れた方向に進む光が増加すること意味する。
さらには、LED発光素子2の発光のうち、出射角度が大きく、従って強度が弱い光Lは、散乱領域6により、出射角度と同じ方向進む光(直線成分)の比率が高く、狭い角度範囲を中心に散乱されるため、透光性部材から外に出る際も、元々の出射角度と同じ方向に進む光(直進成分)の強度は、それほど低下しないことを意味する。
この結果、発光装置100は、透光性部材4の内部の散乱領域6の寸法分布を適正にするという極めて簡素な構成によって、LED発光素子2からの出射光が透光性部材4に入射する際は、透光性部材4の中心部分(LED発光素子2の絶対値の小さい出射角度の方向)と周辺部分(LED発光素子2の絶対値の大きい出射角度の方向)との間で光の強度に大きな違い(すなわち、ばらつき)を有しても、透光性部材4の外側(すなわち、発光装置100の外側)においては、中心部分と周辺部分との光の強度の差が充分に抑制されている。
このような、散乱領域6の寸法の分布は、様々な形態により実現しうる。例えば、図1に示すように出射角度θの絶対値が多くなるとともに暫時(連続的に)散乱領域6の寸法を増加させてよい。
また、例えば30°毎のように一定の角度範囲毎にゾーンを区切って(例えば、θの絶対値が0°〜30°、30°〜60°および60°〜90°のような3つのゾーン)、各ゾーン毎に散乱領域6の寸法を変えてもよい(同一ゾーン内では、散乱領域6同程度の寸法を有する)。この場合、ゾーンの区切り方は、30°毎以外、10°毎または15°毎のように一定の角度範囲としてもよく、またゾーン毎に角度範囲を変えてもよい。
これら2つの方法を組み合わせて、散乱領域6の寸法が、暫時増加する部分と、角度範囲毎に増加する部分との両方を形成してもよい。
さらには、上述の3つの方法と組み合わせて、出射角度が高角度(例えば、出射角度θの絶対値が60°以上または70°以上)の範囲については、散乱領域6を設けない構成としてもよい。出射角度が大きい光については、散乱をさせず、直進成分のみとするためである。
なお、以上の分布において、出射角度θの絶対値の増加に対して、どのような比率で散乱領域6の寸法を増加させるかについては、用いるLED発光素子2のスペクトル(ピーク波長等)、透光性部材4の形状、透光性部材用材料の屈折率、散乱領域6の屈折率等のパラメータを考慮の上、適宜定めてよい。
1つの好ましい形態として、LED発光素子2の出射角度θが0°の方向における散乱領域6の寸法に対して、LED発光素子2の出射角度θの絶対値が30°の方向における散乱領域の寸法が1.5倍以上であることを例示できる。
なお、当業者であれば容易に理解するように、空孔を形成または、透光性部材用材料と異なる屈折率を有する部材を配置する等により、散乱領域6を形成した場合、喩え同じ寸法を意図して形成しても得られる散乱領域6の実寸法はばらつきを有している。
従って、本明細書おいて「散乱領域6の寸法」という場合は、平均値を意味する。すなわち、透光性部材4の該当する領域に存在する個々の散乱領域6の実寸法の平均値を意味する。
また、透光性部材4において、LED発光素子2の特定の出射角度θの方向の散乱領域6の寸法と言う場合(例えば、「LED発光素子2の出射角度の絶対値が30°の方向の散乱領域6の寸法」)と言う場合、当該出射角度θの方向に進む直線が透光性部材4内を通過する部分のみならず、θから例えばプラスマイナス2.5°のような所定の角度範囲内に進む直線が通過する領域にある散乱領域6の実寸法の平均をいう。
さらに、散乱領域6の実寸法を容易に得るために、その測定を出射角度θが0°の線を通る断面上で行ってもよい。
また、出射角度0°線は、上面視したLEDチップの中心から、上述のように出射面に垂直な方向に伸びる線としてよい。LEDチップが複数ある場合は、複数のLEDチップの発光を合成した発光特性において強度が最大となる方向を1個のLEDチップの上面視における中心から出射面に垂直な方向に伸びる線とするのが適当である。
透光性部材4に上述の寸法分布を有する散乱領域6を形成することは、既知の方法を用いて行ってよい。
散乱領域6が空孔である場合には、例えば、通常の多孔質ガラスの作製方法(例えば、矢澤, New Glass, vol. 23, p3を参照)を用い、空孔径を所望の値に制御することで得ることができる。
散乱領域6が透光性部材用材料と屈折率が異なる物質により形成される場合、例えば、当該屈折率が異なる物質について、予め所望の粒径分布を有する粒子を得て、これを溶融状態の透光性部材用材料内に弱攪拌等で配置することにより、得ることができる。また、透光性部材4内に散乱領域6を構成する材料を添加するとともに散乱領域形成の核となる別の材料を適宜添加し、熱処理による凝集効果を利用することにより本発明における散乱領域6を形成することができる。
・蛍光体層8
上述のように、発光装置100は、必要に応じて、透光性部材4を挟んでLED発光素子2の反対側に位置し、透光性部材4を覆うように配置された蛍光体層8(すなわち、透光性部材4のLED素子2と対向する面と反対側の面を覆うように配置された蛍光体層8)を有してよい。
なお、図1に示す実施形態では、蛍光体層8は、透光性部材4と接触しているが、これに限定されるものではない。例えば、透光性部材4から蛍光体層8に熱が伝わるのを抑制し、蛍光体層8が劣化するのを防止する等を目的として、蛍光体層8は、透光性部材4から離間して透光性部材4を覆うように配置されてよい。例えば、ドーム形状(例えば、透光性部材を収納するための空間を中心部に有する、半球体等の球体の一部分)に形成させた蛍光体層8は、その形状と同心球となるドーム形状(例えば、発光素子を収納するための空間を中心部に有する、半球体等の球体の一部分)に形成させた透光性部材から間隔を空けて、同一の基板上に配置することにより、両部材を離間させることができる。このとき、間隔は、蛍光体層が熱の影響を受けにくい距離だけ空けることが好ましい。また、透光性部材も、発光素子からの熱の影響を受けにくい距離だけ、発光素子との間隔を空けることが好ましい。
蛍光体層8は、例えば蛍光体を含む樹脂層であってもよく、また、透光性部材4の表面に塗布された蛍光体であってもよい。蛍光体は、赤色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体(例えば、YAG蛍光体)を含む、従来のLED発光素子を用いた発光装置に用いられている任意の蛍光体であってよい。赤色蛍光体として、窒化物蛍光体や、Mn4+付活Mgフルオロジャーマネート蛍光体(3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+)及びM :Mn4+(M=Li,Na,K,Rb,Cs,NH ;M=Si,Ge,Sn,Ti,Zr)蛍光体が好適な具体例として挙げられる。
また、緑色発光する蛍光体として、Si6−zAl8−z:Eu、Eu付活クロロシリケート蛍光体、Eu付活シリケート蛍光体、Eu付活βサイアロン蛍光体、Eu付活チオガレート蛍光体、希土類アルミン酸塩蛍光体などが用いられる。蛍光体は1種類のみでもよく、また2種類以上を用いてもよい。
上述のように、発光装置100では、透光性部材4から出る光は、中心部と周辺部とで強度の差が抑制されている。このため、LED素子2の光が透光性部材を透過した後蛍光体層8に入射するように、蛍光体層8を透光性部材4のLED素子2と対向する面と反対側の面を覆うように配置することで、喩え、用いる蛍光体の変換効率が入射する光の強度により変動する場合であっても色むらの発生を抑制できる。
すなわち従来のLED発光素子と蛍光体層とを用いた発光装置では、均一な配光を得るために、例えば蛍光体層の内部に含まれる蛍光体の量や密度をLED発光素子の配光特性(出射角度θによる発光強度の変化)に応じて変化させる必要があったが、本発明の1つの携帯にかかる発光装置ではそのような構成を用いずに色むらの抑制された高い演色性を得ることができる。このことは、蛍光体層8の厚さおよびその内部の蛍光体密度を一定にしても高い演色性を得ることができることを示している。
また、蛍光体層8を透光性部材4のLED素子2と対向する面を覆うように配置する(すなわち、透光性部材に対して蛍光体層8とLED素子2が同じ側に位置する)と、透光性部材4には、LED素子2から出射し、波長が変換されることなく蛍光体層8を通過した光と、蛍光体層8により波長が変換された光とが入射することなる。光の波長に応じて透光性部材4での散乱特性が異なるため、蛍光体層8により波長が変換されていない光と波長が変換された光の両方を透光性部材4の外側に均一に出射することは困難である。このような理由からも蛍光体層8は、透光性部材4のLED素子2と対向する面と反対側の面を覆うように配置される。
透光性部材を透過する光の散乱特性は、散乱領域が設けられた透光性部材を透過する光の波長に依存する。例えば、透光性部材を蛍光体層の外側に設ける(すなわち、蛍光体層を透光性部材のLED発光素子と対向する面を覆うように配置する)と、透光性部材を透過する2種類の光、すなわち、LED発光素子からの光と蛍光体層で波長変換された波長の大きく異なる光のそれぞれに対して散乱領域の大きさを調節する必要がある。それに対し、本発明は、蛍光体層の内側に透光性部材を設けている(すなわち、蛍光体層を透光性部材4のLED発光素子と対向する面と反対側の面を覆うように配置している)。そのため、本発明は、蛍光体層からの光を考慮することなく、発光素子の光に対して散乱領域の大きさを調節するだけで済むので光学設計が容易となる利点がある。
・本発明の効果の検証
図1に示す発光装置100において、透光性部材4を形成する透光性材料(透光性部材用材料)を合成石英ガラス(屈折率1.465)とし、散乱領域6を球形の空孔(内部は真空:屈折率1.00)とし、寸法(直径)Dを入射波の波長サイズと同じ0.46μmから1.38μmまで変化させ、波長0.46μmの光が入射した場合のMie散乱強度の出射角度(すなわち、Mie散乱を起こした後、透光性部材4の外側に出射した角度(散乱角度))依存性を計算した。なお本計算はMie散乱計算プログラムであるMieplot(http://www.philiplaven.com参照、Switzerland)を用いて行った。入射光は無偏光と仮定した。またこの計算に用いた上述の屈折率は青色LEDの主発光ピーク波長である波長0.46μmでの値である。
図5は、Mie散乱強度の出射角度依存性を計算した結果を示すグラフである。すなわち、Mie散乱された光の進む方向である出射角度(散乱角度)と発光強度との関係を示す。図5中の記載「D=0.46μm」、「D=0.92μm」および「D=1.38μm」はそれぞれ空孔の直径を表している。発光強度は、それぞれ、出射角度が0°の時を1として、規格化している。空孔の直径が異なると散乱光強度の出射角度依存性が異なることが分かる。より詳細には、散乱領域6の直径Dが0.46μmの場合、散乱光は半値幅が約50°と拡がっているのに対し、直径Dが1.38μmの場合、散乱光は半値幅が13°程度とあまり拡がっていないことが分かる。これから例えば、出射角度が0°の付近に直径が0.46μmと寸法の小さな散乱領域6を配置し、出射角度の絶対値が30°以上の部分に寸法が2倍(0.92μm)または3倍(1.38μm)の散乱領域6を配置することにより、発光強度の均一性を向上できることを示している。
次に透光性部材用材料を合成石英(屈折率1.465)とし、散乱領域6として、空孔(真空、屈折率1)、中屈折率材料であるBK7(屈折率1.523、硼珪酸ガラス)および高屈折率材料であるLaSFN9(屈折率1.871)を用いた場合の散乱プロファイルを図6に示す。ここで計算に用いた、散乱領域の寸法、および入射波の波長は0.46μmである(散乱領域6がLaSFN9の場合のみ、入射波長は0.480μm)。なおBK7、LaSFN9はSchott Glass社の製品である。図6に示すように、Mie散乱の強度は、散乱領域6が空孔である方が、散乱領域6が微粒子(BK7およびLaSFN9)の場合より大きくなっている。 また、散乱領域6が空孔である場合の方が、出射角度の絶対値がより大きい範囲までMie散乱を生じることが分かる。また、BK7とLaSFN9とを比べると屈折率の大きいLaSFN9よりも屈折率の小さいBK7の方がより大きな出射角度までMie散乱が生じることが分かる。しかし、これらの差は比較的小さい。従って、散乱領域6が、透光性部材用材料(合成石英)と比べて屈折率がかなり小さい空孔(透光性部材用材料より屈折率が0.465小さい)、 透光性部材用材料と比べて屈折率が僅かに大きいBK7(透光性部材用材料より屈折率が0.058大きい)および透光性部材用材料と比べて屈折率がかなり大きいLaSFN9(透光性部材用材料より屈折率が0.406大きい)のいずれを用いても充分にMie散乱を生じ、本発明の効果を得ることができることが分かる。
なおLaSFN9のみ計算に用いた波長が0.020μm大きくなっているが、LaSFN9の波長−屈折率表から推定した屈折率の違いは非常に小さく、波長が0.460μmの場合の計算結果とほぼ同じ結果を与えるため、後述する計算においても LaSFN9については波長を0.480μmとして計算を行った。
図7に散乱領域6を空孔(内部は真空)とし、透光性部材用材料(透光性部材4を形成する材料)に合成石英、BK7およびLaSFN9を用いた場合のMie散乱プロファイルの計算結果を示す。
空孔の寸法および用いた波長は0.46μm(LaSFN9のみ波長は0.48μm)である。透光性部材用材料が合成石英(透光性部材用材料より屈折率が0.465大きい)およびBK7(透光性部材用材料より屈折率が0.523大きい)である場合は、ほぼ同じ散乱プロファイルが得られているのに対し, 透光性部材用材料が高屈折率材料であるLaSFN9(透光性部材用材料より屈折率が0.871大きい)を用いた場合は、Mie散乱を生じる出射角度の範囲が多少狭くなっていることが分かる。しかしながらいずれの計算例でも広い範囲の出射角度領域で散乱が生じており、透光性部材用材料が異なる場合でもMie散乱を用いて、出射角度の違いによる光の強度のばらつきを抑制できることを示している。
次に、LED発光素子2の出射角度0°の方向に位置する散乱領域6の寸法を0.45μmとし、LED発光素子2の出射角度が大きくなる方向に、連続的に散乱領域6の寸法を増加させて(出射角度に比例して寸法を増加させて)、LED発光素子の出射角度90°の方向に位置する散乱領域の寸法を1.35μmとした場合のMie散乱プロファイルを評価した。
最初にこの計算を行うに当たって用いた計算モデルの概念図、計算に用いた変数の説明および計算式を示す。
図4は、計算モデルの概念図である。垂直方向(すなわち、LED発光素子2の出射角度0°の方向)をZ方向とし、水平方向をX方向とし、垂直方向からの角度θの発光強度(散乱後の発光強度)の計算を行った。また角度θは時計回りを正とした。出射角度θ方向の散乱後の発光強度をI(θ)とすると、I(θ)はLED発光素子2の発光強度I(θ)のうち散乱後も直進方向に進む光の強度(直線成分)に加えθからφだけずれた方向に進むLED発光素子2からの出射光が散乱領域6によってθ方向に散乱された散乱光の強度を足したものとなる。以下に本モデルにおける計算式を示す。
Figure 2015225994
ここで式(1)は、Mie散乱が生じた後のθ方向の発光強度の計算式であり、式(2)は、θ方向に進むLED発光素子2の発光強度の計算式であり、式(3)はφ方向に進む光のMie散乱の強度プロファイルを正規分布関数で近似したときの計算式を示す。なおMie散乱の散乱拡がりを示すパラメータであるωはパラメータθにも依存するため式(3)は角度θおよびφの関数となる。
また式(2)中のaはLED発光素子2からの発光の強度(配向性)が真円ではなく楕円状となる場合に楕円度を示すパラメータ(a=1のときが真円となる)である。
式(3)は角度パラメータとしてθとφの2つのパラメータを持つが、これはLED発光素子2からθ−φ方向に放射された光が散乱領域6によって散乱され、θ方向に進むことによるものである。
なお、一般にMie散乱の散乱プロファイルの出射角度依存性は非常に複雑になるが、本計算例ではMie散乱の散乱強度が強い領域を主に利用するため、散乱強度プロファイルを、半値幅ω(θ)を有する正規分布関数で近似しても問題はない。
次に、上述の計算式を用い、空孔(散乱領域6)により、発光装置の配光性がどのように変化するかを計算した例を示す。なお本計算例では前述のようにMie散乱の強度プロファイルを正規分布関数で近似しているため、全散乱強度は空孔の寸法によらず一定となる。実際には一つの空孔によるMie散乱の積分強度は空孔の寸法に対して依存性を持つが、LED発光素子2から放射される光が進行する方向の空孔数を適当に変化させることにより、本計算で用いた仮定(Mie散乱の積分強度が一定)を満足させることが可能である。
また本計算では数値計算上の複雑さを避けるために、計算パラメータとして、Mie散乱のパラメータとして図5に示されている空孔の大きさDではなくMie散乱の強度式(式(3)中に示されている半値幅ω(θ)を用いた。この理由は、図5に示されている様にMie散乱近似式(式(3))のωと空孔の寸法Dは基本的には1対1の関係にあり、半値幅ωの分布関数から空孔の寸法Dの分布関数を容易に求めることができるためである。
以下の計算例では最初に半値幅ωのθに対する分布関数ω(θ)を仮定し、これに対応する散乱プロファイルI(θ)を計算した。また前述の計算とは独立して空孔の寸法Dの半値幅ω依存性を示す分布関数D(ω)を求め。最終的に散乱プロファイルI(θ)に対応する空孔の寸法Dの分布関数D(ω)を得た。
半値幅の分布関数ω(θ)として、いろいろな分布関数が考えられるが、ここでは種々の物理量を示す分布関数として一般的なものであるGauss関数タイプの分布関数を用いた(式(4))。用いた分布関数はLED発光素子2の出射角度が0°のときに半値幅が最大となり(ω=ω+ωBG)、θが大きくなるに従い半値幅が小さくなる関数であり、θ=ωθのときにω=ω/2+ωBGとなる。
Figure 2015225994
図8は、式(1)〜(4)により、空孔(散乱領域6)を有する透光性部材4を用いた場合(図中の「空孔内包ガラス球殻」)の散乱強度を計算した結果(ω=86°、ωθ=45°、ωBG=8°)を示し、比較のために空孔を有しない透光性部材を用いた場合(図中の「空孔なし」)の散乱強度を計算した結果も併せて示す。なお本計算では垂直方向(θ=0)の発光強度を1としている。
空孔を有しない場合と比較すると、明らかに垂直方向以外の方向の発光強度が増加しており、空孔(散乱領域6)を用いたため、より均一な発光強度がかられていることが分かる。空孔を用いない場合、出射角度が垂直方向から少しでもずれると発光強度が減少し、出射角度が60°では、出射角度0°の場合と比較して発光強度が半分以下にまで減少し、配光性が低下していることが分かる。これに対し、空孔を用いた場合、出射角度が40°近辺まではほぼ一定の発光強度が得られており、出射角度が60°の方向でも出射角度が0°の場合の70%程度の発光強度が得られている。
図9は、図8に示す、空孔用いた場合の発光強度を分子とし、空孔を用いなかった場合の発光強度を分母として、両者の比を示すグラフである。図9は、空孔を用いることによりどの程度配光性が向上したかを示している。
出射角度が大きくなるとともに空孔の散乱による寄与が増大し、出射角度60°付近では発光強度は空孔を用いない場合と比較すると1.5倍程度大きくなっていることが分かる。なお相対的な散乱強度は出射角度が60°を超えた辺りから若干減少しているが、これは空孔からの散乱が主に垂直方向から生じるため、 出射角度が60°よりも大きい領域ではその寄与が減少してしまうためと思われる。しかし発光装置100の用途(照明、バックライト等)を考慮すると、出射角度が90°に近い領域は例えば照明器具等の側面方向に対応しており、この領域での発光を利用するケースはほとんどないと考えられ、散乱による発光強度の増加が減少しても実用的には問題ない場合がほとんどである。
図10は、本計算例で用いた半値幅の分布関数ω(θ)を示すグラフである。
図10に示す分布関数では出射角度θ=0での半値幅は約94°となっており、この値はMie散乱の計算結果から求めた空孔の寸法である約0.24μmに対応している。
図11は、半値幅ωと空孔の寸法D(空孔径)との関係を、MiePlotを用いて計算した結果を示すグラフである。なお、この計算例では、波長を0.46μm、透光性部材用材料は石英ガラス(屈折率n=1.47)、空孔の屈折率n=1.0として計算を行った。
図11から、空孔の寸法が1μm、Mie散乱の半値幅ωが10°近傍で空孔の寸法との関係が大きく変化していることが分かる。特に空孔の寸法が1μm以上の場合のMie散乱の半値幅は1μm以下の場合と比較するとあまり変化しておらず、 空孔の寸法(空孔径)は最大でも2μm程度あればよいことを示している。
次に空孔の寸法分布の出射角度依存性を求める。このためには図11のグラスの横軸をMie散乱の半値幅ωではなく、LED発光素子2からの光の出射角度に変換する必要がある。上述のようにMie散乱の半値幅ωの分布関数としてGauss関数(式(4))を仮定していることから、式(5)を用いることによりωをθの変換を行うことができる。
Figure 2015225994
図12は、式(5)を用いて求めた、空孔の寸法(空孔径)Dと出射角度θとの関係を示すグラフである。
なお、ここで出射角θは正負のいずれの値も取ることが可能であるが、半値幅ωは定義より正のみの値となる。但し出射角θの正負はあくまでも角度の符合の定義方法のみ(例えば時計回りを正とする等)で決まるため、符合の正負について本質的な違いはない。
図12から分かるように出射角度が増加するに従い、空孔の寸法も増大していることが分かる。また、おおよそ出射角度が45°、空孔の寸法(空孔径)Dが1μmを境界として出射角度と空孔の寸法との間の関数系が異なっていることも分かる。本計算例では、透光性部材用材料として石英、散乱領域6を空孔(真空)として計算して、図11および図12の関係を得たが、透光性部材用材料および/または散乱領域6に、本計算例と異なる屈折率を有する材料を用いた場合も同様の計算を行うことが可能である。例えば、透光性部材用材料として石英ガラスを用い、散乱領域6として、屈折率の異なるBK2を用いた場合も図6に示したようにMie散乱を生じることから。本計算例と同様の計算を行い、図11および図12に相当する結果を得ることにより、配光性の改善を図ることができる。
次に本計算例で示すような透光性部材4を作製することを考えると、1つの方法として透光性部材4が図12に示すような空孔の寸法分布を持つように作製することを挙げることができる。しかしながらこの方法を用いた場合、得られた透光性部材4内の空孔の寸法分布が設計値と同等となっているかの検証が容易ではない場合がある。このため2つ目の方法として空孔の寸法(空孔径)の分布を適当な関数で近似することを考えた。
この場合すべての出射角度に対して一つの近似関数を用いる方法、透光性部材4をいくつかの領域に分割し、それぞれの領域に対して十分な精度を持つ関数で近似する方法がある。
最初に、1つの分布関数ですべての出射角度における空孔の寸法を近似する方法について述べる。図12から分かるように空孔の寸法(空孔径)の分布の近似関数としては上向きに凸であり、かつ出射角度の原点(0°)に対して対称な関数を選択すれば良いことが分かる。このような関数は一般に偶関数と呼ばれるものであり、種々の近似関数が考えられる。一番簡単な例として、空孔の寸法(空孔径)Dが出射角度の二次関数で近似できる場合について述べる。式(6)に空孔の寸法Dの近似関数を示す。
Figure 2015225994
式(6)はLED発光素子2の出射角度が0°の方向にある空孔(散乱領域6)の寸法をDとした時、出射角度θにおける空孔の寸法が、D+aθで表されることを示している。
図13は、図12に示した空孔の寸法(空孔径)Dと出射角度θとの関係と、式(6)のを用いて得た近似式の結果(点線)を示す。図13の近似式は、式(6)を用い、最小二乗フィッティングによりDと比例定数aを決定して求めた。
最小二乗フィッティングにより得られたDとaの値はそれぞれD=0.216μm、a=0.000532であった。このことは、LED発光素子2の出射角度が0°の方向の空孔の寸法は、0.216μmであり、出射角度θの方向では、出射角度θ(単位は°)の値を2乗し、これに0.000532を乗じた値だけDよりも大きい空孔寸法孔に制御することにより、発光装置の配光性を改善できることを示している。
なお出射角度が45°から60°の領域では空孔の寸法が近似関数の値よりもMie散乱から計算した値の方が大きくなっており、この領域では図8で計算した配光プロファイルと若干異なった配光性が得られる可能性があることが分かる。
次に透光性部材4を領域に分割し、出射角度の値に応じて異なる近似関数を用いた場合について述べる。図12の結果から、本計算例では出射角度約45°を境に二つの関数で近似するのが適当であると思われること、図12から出射角度が45°よりも小さい領域は一つの近似関数を用いる場合と同様に上に凸となる関数、出射角度が45°よりも大きい領域では下に凸となる関数で近似するのが適当であることが分かる。
式(7)、(8)にこのような条件を満足する近似関数を示す。
Figure 2015225994
ここでDおよびaは、1つの近似関数式(6)を用いた場合と同じパラメータ、すなわち、DはLED発光素子2の出射角度が0°の方向にある空孔(散乱領域6)の寸法であり、aは比例定数である。θは、領域を分割する部分の出射角度の値、bおよびθは、1つ目の領域とは異なる領域の近似関数を表すパラメータを示す。
図14は、図12に示した空孔の寸法(空孔径)Dと出射角度θとの関係と、式(7)、(8)を用いて得た近似式の結果(点線)を示す。
最小二乗法によりパラメータを決定することにより、図14に示す空孔の寸法と出射角度の近似関数を求めた。
最小二乗フィッティングにより得た、パラメータD、a、b、θおよびθの値は以下の通りである。D=0.216μm、a=0.000532、b=0.00224423、θ=43.0およびθ=63.9588。
透光性部材4内の空孔の寸法の分布を1つの分布関数で近似した場合(図13)と比較すると、図14では、出射角度が大きな領域でもMie散乱から計算した空孔の寸法との乖離が小さく、より良好な配光特性が得られることが分かる。
なお出射角度が約55°よりも大きな領域では近似関数のフィッティング精度が減少しているが、必要があればさらに近似領域を分割し、新たなフィッティング関数を代入すればよりフィッティング精度を向上させることも可能である。
2 LED発光素子
4 透光性部材
6 散乱領域
8 蛍光体層
100 発光装置

Claims (7)

  1. LED発光素子と、
    該LED発光素子を覆うように配置され、透光性材料を含んで成る透光性部材と、
    前記透光性部材の前記LED素子と対向する面と反対側の面を覆うように配置された蛍光体層と、
    を含み、
    該透光性部材は、前記透光性材料と異なる屈折率を有する散乱領域を複数有し、
    前記LED発光素子の出射角度が0°の方向に平行な方向からの上面視において、前記LED発光素子の直上に位置する前記散乱領域の寸法が、前記発光素子よりも外側に位置する前記散乱領域の寸法よりも小さいことを特徴とする発光装置。
  2. 前記散乱領域が、空孔であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記散乱領域が、前記透光性材料よりも屈折率の大きい材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記透光性材料と前記散乱領域の屈折率の差が、0.05以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記LED発光素子の出射角度が30°の方向に位置する前記散乱領域の寸法が、前記LED発光素子の出射角度が0°の方向に位置する前記散乱領域の寸法の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記散乱領域は、寸法が前記発光素子の発光ピーク波長の80%以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記蛍光体層は、前記透光性部材から離間させて基板上に配置されている請求項1〜6いずれか1項に記載の発光装置。
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