−−−装置構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の連結納税システム導入支援装置100を含むネットワーク構成図である。図1に示す連結納税システム導入支援装置100は、ベンダ側の負担を従来よりも軽減しつつ、ベンダの顧客に対して連結納税システム導入のスケジュール及びコスト等に関する効率的な情報提供を可能とするコンピュータである。
この連結納税システム導入支援装置100は、ネットワーク20を介し、ユーザ端末200、およびファイルサーバ300と通信可能に結ばれている。これら連結納税システム導入支援装置100、ユーザ端末200、およびファイルサーバ300から連結納税システム導入支援システム10を構成するとしてもよい。
なお、連結納税システム導入支援装置100は、連結納税システム導入を顧客企業に提案するベンダが運用する情報処理装置である。一方、ユーザ端末200は、ベンダの顧客企業が使用する情報処理装置である。また、ファイルサーバ300は、連結納税システム導入支援装置100が所定の処理を実行して得た成果物を格納するサーバ装置である。
続いて上述の連結納税システム導入支援装置100の具体的な構成について説明する。図2は連結納税システム導入支援装置100の構成例を示す図である。この図2にて例示するように、連結納税システム導入支援装置100は、SSD(Solid State
Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置101、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ103、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU104(演算装置)、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置105、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置106、ネットワーク20と接続し他装置との通信処理を担う通信装置107、を備える。
なお、連結納税システム導入支援装置100に対するユーザの入力動作がユーザ端末200でのみ実行される状況の場合、上述の入力装置105及び出力装置106は必須構成ではない。他方、連結納税システム導入支援装置100がスタンドアロンコンピュータであり、ネットワーク20を介してユーザ端末200と接続されていない状況であれば、上述の通信装置107は必須構成ではない。
また、記憶装置101内には、本実施形態の連結納税システム導入支援装置100として必要な機能を実装する為のプログラム102と、各種テーブル115〜123が少なくとも記憶されている。このうちプログラム102は、連結納税システム導入支援装置100のCPU104がメモリ103に読み出して実行することで、連結納税パラメータ作成部110、連結納税スケジュール作成部111、および連結納税見積作成部112の各機能を実装するためのプログラムである。
上述のテーブルとしては、INPUTテーブル115、OUTPUTテーブル116、経理業務繁忙期マスタ117、価格(SaaS)マスタ118、価格(オンプレ)マスタ119、業務支援内容マスタ120、構築マスタ121、WORKテーブル122、およびシステム変数テーブル123が含まれている。これらテーブル類のデータ構造例については後述する。
一方、上述の連結納税システム導入支援装置100にネットワーク20を介してアクセスするのが、顧客企業が使用するユーザ端末200である。このユーザ端末200は、図3にて例示するように、記憶装置201、メモリ203、CPU204、入力装置205、出力装置206、及び通信装置207といった情報処理装置として一般的な構成を備えるコンピュータ端末である。上述の連結納税システム導入支援装置100と同様に、CPU204が記憶装置201に保持するプログラム202をメモリ203に読み出して実行し、必要な機能を実装する。
上述の顧客企業の担当者は、このユーザ端末200を操作し、その入力装置205において、情報の入力を行う。また上述の担当者は、連結納税システム導入支援装置100に
よる成果物を、出力装置206で表示させ、その内容を認識する。
続いて上述のファイルサーバ300の構成例について説明する。図4はファイルサーバ300の構成例を示す図である。このファイルサーバ300は、連結納税システム導入支援装置100での処理結果である成果物を格納するサーバ装置であり、記憶装置301、メモリ303、CPU304、および通信装置305から構成されている。
上述の記憶装置301には、サーバ装置として必要な機能を実装するためのプログラム302の他、スケジュールフォーマット310、見積フォーマット311、作成済みスケジュール格納フォルダ312、および作成済み見積格納フォルダ313が格納されている。このうちスケジュールフォーマット310は、連結納税システム導入支援装置100の連結納税パラメータ作成部110によって得られたパラメータに基いて、連結納税システムの導入スケジュールを作成するベースとなるものである。それによって作成された導入スケジュールが格納されるのが、作成済みスケジュール格納フォルダ312となる。また、連結納税システムに伴うコストの見積情報についても同様に、見積フォーマット311をベースに、連結納税システム導入支援装置100の連結納税見積作成部112によって作成された見積が作成済み見積格納フォルダ313に格納される。
続いて、本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が備える機能について説明する。上述したように、以下に説明する機能は、例えば連結納税システム導入支援装置100が備えるプログラム102を実行することで実装される機能と言える。
連結納税システム導入支援装置100は、連結納税システムの導入支援対象の企業すなわち上述の顧客企業に関して、決算期、上場状況、および決算方法、の各情報を入力装置105又はユーザ端末200から受け付け、ここで受け付けた決算期の情報を所定アルゴリズムに適用し、連結納税制度の申請時期を算定する機能を備えている。この機能は連結納税パラメータ作成部110の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述で顧客企業から受け付けた上場状況または決算方法の少なくともいずれかの情報を所定アルゴリズムに適用し、連結納税に伴う作業に応じた支援業務を特定する機能を備えている。この機能は、連結納税パラメータ作成部110の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述で特定した支援業務に応じた所定期間を、該当顧客企業に関して既に特定している上述の申請時期に加算して、連結納税システムの導入スケジュールにおける終了時期を算定し、当該算定した終了時期から所定期間を減算して導入スケジュールにおける開始時期を算定する機能を備えている。この機能は、連結納税パラメータ作成部110の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述で特定した支援業務の工数を記憶装置101の業務支援内容マスタ120から特定し、当該特定した支援業務の工数を、上述で算定してある開始時期及び終了時期の間を導入期間としたスケジュールフォーマット310(ファイルサーバ300から取得)において、該当支援業務の実行順に設定して、連結納税システムの導入スケジュールを生成し、当該導入スケジュールを出力装置106又はユーザ端末200に出力する機能を備えている。この機能は、連結納税スケジュール作成部111の機能に含まれる。
なお、連結納税システム導入支援装置100は、上述の導入スケジュールの生成に際し、該当顧客企業に関して算定している申請時期が本年中か否か判定し、この申請時期が本年中である場合に、導入スケジュールの生成を実行する機能を更に備えている。この機能
は、連結納税スケジュール作成部111の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述の導入スケジュールの生成に際し、上述の顧客企業から受け付けた決算期の情報を、経理業務繁忙期マスタ117に照合し、該当顧客企業における繁忙期を特定し、上述の導入期間における工数の設定対象期間から排除する機能を更に備えている。この機能は、連結納税スケジュール作成部111の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述の顧客企業に関して連結グループの企業数の情報を、入力装置105又はユーザ端末200から受け付け、ここで受け付けた連結グループの企業数の情報を、記憶装置101における価格(SaaS)マスタ118または価格(オンプレ)マスタ119に照合し、該当顧客企業における運用コストを特定する機能を備えている。この機能は、連結納税見積作成部112の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述にて特定した各支援業務の情報を、記憶装置101における業務支援内容マスタ120に照合し、該当顧客企業において連結納税システム導入に伴う各支援業務のコストを特定する機能を備えている。この機能は、連結納税見積作成部112の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述で特定した運用コストおよび各支援業務のコストを見積フォーマット311(ファイルサーバ300から取得)に設定してコスト見積情報を生成し、当該コスト見積情報を出力装置106又はユーザ端末200に出力する機能を備えている。この機能は、連結納税見積作成部112の機能に含まれる。
また、連結納税システム導入支援装置100は、上述の顧客企業に関して連結納税システムの導入形態(例:SaaS、もしくはオンプレミス)の指定を入力装置105又はユーザ端末200から受け付け、ここで受け付けた指定が示す導入形態の情報を、記憶装置101における構築マスタ121に照合し、該当顧客企業における連結納税システムの構築コストを特定する機能を更に備えている。この機能は、連結納税見積作成部112の機能に含まれる。
なお、オンプレミス(on−premises:オンプレ)とは、企業において自社で用意した設備にてシステムを導入、運用する、いわゆる自社運用の形態を示す。
なお、連結納税システム導入支援装置100は、上述のコスト見積情報の生成および出力に際し、上述にて特定した連結納税システムの構築コストを見積フォーマット311に更に設定してコスト見積情報を生成し、当該コスト見積情報を出力装置106又はユーザ端末200に出力する機能を更に備えている。この機能は、連結納税見積作成部112の機能に含まれる。
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が用いるテーブルにおける具体的なデータ構造例について説明する。図5は本実施形態における連結納税システム導入支援装置100が保持するINPUTテーブル115のデータ構成例を示す図である。
このINPUTテーブル115は、顧客企業の担当者がユーザ端末200より入力してきた各種情報を取得し、格納するテーブルである。当該INPUTテーブル115が格納している情報としては、顧客企業を一意に示す会社名401、顧客企業における決算期402、連結納税の対象となる連結グループ社の数たる連結Gr社数403、四半期決算方法404、上場区分405、および連結納税制度の制度申請状況406の各情報となる。
図6は本実施形態における連結納税システム導入支援装置100が保持するOUTPUTテーブル116のデータ構成例を示す図である。
このOUTPUTテーブル116が格納している情報としては、上述のINPUTテーブル115における会社名401と共通する会社名501、該当顧客企業における繁忙期502、連結納税制度の制度申請時期503、連結納税システム導入プロジェクトの開始時時期たるPJ開始時期504、同様に終了時期たるPJ終了時期505、連結納税システム導入に際して必要となる連結対象子会社での研修回数たる子会社研修回数506、連結対象となる連結グループ社数たる連結Gr社数507、開始年フラグ508(後述)、終了年フラグ509(後述)、導入形態510、直前期税効果511(後述)、四半期決算512(後述)、年度末決算513(後述)、申告514(後述)の各情報となる。このOUTPUTテーブル116は、連結納税パラメータ作成部110にて作成されたパラメータを格納するテーブルである。
図7は本実施形態における連結納税システム導入支援装置100が保持する経理業務繁忙期マスタ117のデータ構成例を示す図である。この経理業務繁忙期マスタ117が格納している情報としては、該当顧客企業における決算期601、およびこの決算期に対応して繁忙期となることが予想される繁忙期602の各情報となる。上述の顧客企業における経理担当者は決算期によって業務繁忙期(決算、申告)が決まっており、その情報をこの経理業務繁忙期マスタ117にて格納している。本マスタ117はOUTPUTテーブル211と「決算期」の情報をキーに相互に対応づけられている。
図8は本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が保持する価格(SaaS)マスタ118のデータ構成例を示す図である。この価格(SaaS)マスタ118は、連結納税システムを顧客企業にSaaS(Software as a Service)形式で導入する場合の、システム利用料を規定したマスタとなる。こうした価格(SaaS)マスタ118が格納しているデータとしては、連結Gr社数701、およびこの連結グループ社数に応じた連結納税システムの月額利用料702、の各情報となる。
図9は本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が保持する価格(オンプレ)マスタ119のデータ構成例を示す図である。この価格(オンプレ)マスタ119は、連結納税システムを顧客企業に上述のオンプレミス形式(すなわち自社運営)で導入する場合の、月額管理費用等を規定したマスタとなる。こうした価格(オンプレ)マスタ119が格納しているデータとしては、連結Gr社数801、およびこの連結グループ社数に応じた連結納税システムの月額利用料802、の各情報となる。
図10は本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が保持する業務支援内容マスタ120のデータ構成例を示す図である。この業務支援内容マスタ120が格納しているデータとしては、連結納税システム導入に伴って必要となる支援作業を一意に特定する作業NO901、該当支援作業の作業名称902、属性903、作業工数904、および費用905、の各情報となる。本マスタ120は、上述のOUTPUTテーブル211との間で、直前期税効果511、四半期決算512、年度末決算513、申告514の各フラグによって相互に対応づけられており、後述のWORKテーブル122に格納する情報を決定している。
図11は本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が保持する構築マスタ121のデータ構成例を示す図である。この構築マスタ121は、連結納税システムの導入形態(Saasまたはオンプレミス)毎に、連結納税システム構築作業の期間及び費用を格納したテーブルである。こうした構築マスタ121が格納している情報としては、連結納
税システムの構築作業を一意に特定する作業NO1001、構築する連結納税システムの導入形態を示す属性1002、作業名称1003、作業工数1004、および費用1005、の各情報となる。なお、現時点における連結納税システム導入形態に対応した属性1002として、SaaSとオンプレミスを想定しているが、その後のIT技術の進化によって該当項目は今後変化すると想定される。
図12は本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が保持するWORKテーブル122のデータ構成例を示す図である。WORKテーブル122は、連結納税パラメータ作成部110による処理結果を格納するテーブルであり、格納情報としては、連結納税システム導入に伴う支援作業を一意に特定する作業NO1101、フラグ1102、属性1103、作業名称1104、作業工数1105、および費用1106、の各情報となる。
本テーブル122は、OUTPUTテーブル116における直前期税効果511、四半期決算512、年度末決算513、および申告514の各フラグと、業務支援内容マスタ120における属性903の値と、ユーザ端末200より入力を受け付けた導入形態2507(図26参照。後述)の値によって構築マスタ121から得た属性1002の値と、から各レコードを構成している。このWORKテーブル122の情報によって連結納税見積作成部112による処理が行われ、成果物である作成済み見積が作成される。
図13は本実施形態の連結納税システム導入支援装置100が保持するシステム変数テーブル123のデータ構成例を示す図である。このシステム変数テーブル123が格納している情報としては、変数1201、およびその名称1202、の各情報となる。本実施形態においては、連結納税システムの導入スケジュールを作成する上で、作業期間を特定するために、連結納税システム導入支援装置100は、現在の日付として、当該連結納税システム導入支援装置100ないしユーザ端末200のシステム日付を利用する。具体的にはシステム日付の「年」に該当する部分であり(xxxx/yy/zz)の表現では(xxxxに該当する部分を取得している。)
−−−処理手順例−−−
以下、本実施形態における連結納税システム導入支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する連結納税システム導入支援方法に対応する各種動作は、連結納税システム導入支援装置100がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
図14は、本実施形態における連結納税システム導入支援方法の処理手順例1を示すシーケンス図であり、具体的には、連結納税システム導入支援方法の全体手順例を示す図である。なお以降は、決算期が3月期(決算期間:X年4月1日〜X+1年3月31日)である顧客企業をユーザとして説明を進める。また、当該シーケンスにおける、ステップS1302〜S1305の各処理は、連結納税システム導入支援装置100の連結納税パラメータ作成部110が実行し、ステップS1306及びS1307は連結納税スケジュール作成部111が実行し、ステップS1308及びS1309は連結納税見積作成部112が実行するものとする。
このシーケンスのステップS1300において、ユーザ端末200は、例えば顧客企業の担当者からの指示を入力装置205で受けてプログラム202を起動し、続くステップS1301において、入力画面2500(図26参照)を連結納税システム導入支援装置100に要求して出力装置206に表示させる。この時、連結納税システム導入支援装置100は、図26に例示する入力画面2500の画面データを記憶装置101から読み出して、ユーザ端末200に返すこととなる。
また上述のステップS1301におけるユーザ端末200は、上述の入力画面2500を出力装置206に表示し、当該入力画面2500の各項目に関する入力を入力装置205で受け付け、これを連結納税システム導入支援装置100に送る。ここでユーザ端末200から連結納税システム導入支援装置100に送信される情報は、図26にて示すように、該当顧客企業の社名2501、決算期2502、連結グループ会社の数である社数2503、連結納税制度の申請予定2504、制度申請状況2505、上場区分2506、連結納税システムの導入形態2507、四半期決算の方法2508、決算時の連結納税システムの利用有無2509の各情報となる。
続いてステップS1302において、連結納税システム導入支援装置100は、ユーザ端末200から得た上述の入力情報を、INPUTテーブル115の各対応欄に格納する。なお、INPUTテーブル115のデータレイアウトは図5にて既に示した通りである。
次にステップS1303において、連結納税システム導入支援装置100は、連結納税システムの導入スケジュール及び見積を作成するために必要なパラメータを算出する。このステップS1303の詳細を図15に示す。
この場合、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS1400において、上述の入力画面2500を介してユーザ端末200から取得した、決算期2502の情報をキーに経理業務繁忙期マスタ117から該当決算期に対応した繁忙期602の値を取得する。例えば決算期が3月期の場合、業務繁忙期として、4月、7月、10月、1月の値を取得することになる。
次にステップS1401において、連結納税システム導入支援装置100は、入力画面2500を介してユーザ端末200から取得した、会社名2501、社数2503、導入形態2507の各値をOUTPUTテーブル116の該当欄に格納する。
また、ステップS1402において、連結納税システム導入支援装置100は、INPUTテーブル115における決算期402の値より制度申請時期を算出する。この制度申請時期の算出処理の詳細は図16に示す。図16のフローにおいて、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS1500で、INPUTテーブル115より決算期402の値を取得し、この値が4より小さいか判定する(S1502)。これは決算期より3ヶ月以上前に連結納税制度の利用申請をする必要があることを踏まえた判定となる。
この判定の結果、決算期402の値が4より小さいことが判明した場合(S1502:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、制度申請時期を、決算期の月に9ヶ月を加算した時期であると算定する(S1503)。例えば、該当顧客企業の決算期が3月であった場合、制度申請時期は、3+9=12月、であると算出される。
他方、上述の判定の結果、決算期402の値が4より大きいことが判明した場合(S1502:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、制度申請時期を、決算期の月から3ヶ月を減算した時期であると算定する(S1504)。例えば、該当顧客企業の決算期が5月であった場合、制度申請時期は、5−2=3月、であると算出される。
ここで図15のフローの説明に戻る。次にステップS1403において、連結納税システム導入支援装置100は、業務支援内容の判定を行う。この業務支援内容の判定処理の詳細を図17に示す。この場合、連結納税システム導入支援装置100は、上述の入力画面2500を介してユーザ端末200から得ている、決算時のシステム利用有無2509
の値が、連結納税システムの利用有り、または利用無し、のいずれを示すか判定する(S1600)。
例えば、決算時のシステム利用無しであった場合(S1600:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116における申告フラグ514に申告業務を行う旨を示す「1」を設定し(S1607)、当該フローを終了する。
他方、決算時のシステム利用有りであった場合(S1600:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、INPUTテーブル115における四半期決算方法404の値が原則法か簡便法のいずれか判定する(S1601)。この判定の結果、四半期決算方法404の値が原則法であることが判明した場合(S1601:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をステップS1603に進める。他方、上述の判定の結果、四半期決算方法404の値が簡便法であることが判明した場合(S1601:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をステップS1604に進める。
ステップS1603において、連結納税システム導入支援装置100は、該当顧客企業において、四半期決算、年度末決算、および申告の各業務が実施されることを特定する。他方、ステップS1604において、連結納税システム導入支援装置100は、該当顧客企業において、年度末決算および申告の各業務が実施されることを特定する。
次にS1605において、連結納税システム導入支援装置100は、INPUTテーブル115における上場区分405の値に基づいて、該当顧客企業が上場企業か非上場企業か判定する。この判定の結果、該当顧客企業が上場企業であることが判明した場合(S1605:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をステップS1606に進め、該当顧客企業において直前期税効果の業務も実施することを特定する。一方、上述の判定の結果、該当顧客企業が非上場であることが判明した場合(S1605:NO)、連結納税システム導入支援装置100は処理をステップS1607に進める。
最後に、ステップS1607において、連結納税システム導入支援装置100は、これまでのステップS1600〜S1606で特定した情報に基づき、OUTPUTテーブル116における該当業務の欄にてフラグを立てる。実施することを特定した業務については、「1」を設定し、非実施の業務については「0」)を設定する。例えば、該当顧客企業において、「直前期税効果」、「四半期決算」、「年度末決算」、および「申告」の各業務が実施されることが特定された場合、OUTPUTテーブル116における、直前期税効果511、四半期決算512、年度末決算513、申告514の各欄にフラグとして「1」が設定されることになる。
ここで再び図15のフローの説明に戻る。次にステップS1404において、連結納税システム導入支援装置100は、連結納税システムの「導入PJ終了月」を算出する。この処理の詳細を図18〜図19に示す。この場合、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116の直前期税効果511、四半期決算512、年度末決算513、および申告514の各フラグと、制度申請時期503の値とに基づき、導入PJ終了月を判定する。この導入PJ終了月は、ベンダが顧客企業と協働するなどして、連結納税システムの導入プロジェクトを実施する期間のうち、最終月を示している。
まずステップS1700において、連結納税システム導入支援装置100は、直前期税効果511のフラグが「1」であるか否か判定し、当該フラグが「1」であった場合(S1700:YES)、処理をS1701に進める。このステップS1701において、連結納税システム導入支援装置100は、導入PJ終了月の値を、制度申請時期503の値に3ヶ月を加算して算定する。例えば、制度申請時期503の値が12月であれば、導入
PJ終了月の値を、12+3=15と算定することとなる。
他方、上述の判定の結果、直前期税効果511のフラグが「1」でなかった場合(S1700:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をS1702に進める。このステップS1702において、連結納税システム導入支援装置100は、更に、四半期決算512のフラグが「1」であるか判定し、当該フラグが「1」であった場合(S1702:YES)、導入PJ終了月の値を、制度申請時期503の値に6ヶ月を加算して算定する(S1703)。
また、上述の判定の結果、四半期決算512のフラグが「1」でなかった場合(S1702:NO)、処理をS1704に進める。このステップS1704において、連結納税システム導入支援装置100は、更に、年度末決算513のフラグが「1」であるか判定し、当該フラグが「1」であった場合(S1704:YES)、導入PJ終了月の値を、制度申請時期503の値に15ヶ月を加算して算定する(S1705)。他方、年度末決算513のフラグが「1」でなかった場合(S1704:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、導入PJ終了月の値を、制度申請時期503の値に19ヶ月を加算して算定する(S1706)。
こうして導入PJ終了月を算定した後、連結納税システム導入支援装置100は、図18に示すステップS1800において、導入PJ終了月が13より小さいか判定する。この判定の結果、導入PJ終了月が13より小さいことが判明した場合(S1800:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、既に算定している導入PJ終了月をそのままOUTPUTテーブル116のPJ終了時期505の欄に登録し、本フローを終了する。
他方、上述の判定の結果、導入PJ終了月が13より大きいことが判明した場合(S1800:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、既に算定している導入PJ終了月から12を減算して、OUTPUTテーブル116での登録値としてのPJ終了月を算定する(S1802)。また連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116における終了年フラグ509の値に「1」を加算する(S1803)。これは、連結納税システム導入プロジェクトの期間が本年から翌年に跨がっていることを示している。なお、このステップS1803の後、連結納税システム導入支援装置100は、処理をステップS1800に戻し、ステップS1802で13より小さい値となった導入PJ終了月の値で、上述のステップS1800、S1801の各処理を実行することとなる。
ここで再び図15のフローの説明に戻る。この場合、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS1405において導入PJ開始月の算出を実行する。この導入PJ開始月は、ベンダが顧客企業と協働するなどして、連結納税システムの導入プロジェクトを実施する期間のうち、開始月を示している。
このステップS1405の詳細処理を図20〜図21に示す。この場合、まずステップS1900において、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116における終了年フラグ509の値が「1」であるか判定する。この判定の結果、終了年フラグ509の値が「1」であった場合(S1900:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、S1901の処理に進み、PJ終了月505の値に12を加えて導入PJ終了月の値を算定する。例えばPJ終了月505の値が3である場合、これに12を加えて、当該フローで利用する導入PJ終了月の値として15を算出することとなる。
またステップS1904において、連結納税システム導入支援装置100は、ステップ
S1901で得ている導入PJ終了月の値から現在のシステム日付(月)を減算し、この値が4より大きいか判定する。例えば導入PJ終了月の値が15、現在のシステム日付が示す月が10月であったとすると、「15−10」=5>4であり、この場合は、図21のフローへ処理が移る。一方、現在のシステム日付(月)が11月であったとすると、15−11=4となり、連結納税システム導入支援装置100は、処理をS1905の処理に進み、エラーメッセージをユーザ端末200に返し、処理を終了する。このようにエラーメッセージを返す状況は、現在の日付からでは標準スケジュールにて連結納税システム導入を行うことが難しいことを意味しており、ベンダによる顧客企業への別途の個別対応を行う必要がある。
一方、上述のステップS1900の判定の結果、終了年フラグ509の値が「1」でなかった場合(S1900:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、S1902の処理に進み、更に、終了年フラグ509の値が「2」であるか判定する。この判定の結果、終了年フラグ509の値が2であった場合(S1902:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、PJ終了月505の値に24を加えて導入PJ終了月の値を算定する。他方、上述の判定の結果、終了年フラグ509の値が2でなかった場合(S1902:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をステップS1904に進める。
上述の図20のフローに引き続き、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2000において、導入PJ終了月の値から5を減算し、この値が13より小さいか判定する。この判定の結果、導入PJ終了月の値から5を減算した値が13より小さいものであった場合(S2000:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をS2001の処理に進める。このS2001において、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116におけるPJ開始月504の欄に、上述のステップ2000で行った、導入PJ終了月の値から5を減算した値を登録し、本フローを終了する。
他方、上述の判定の結果、導入PJ終了月の値から5を減算した値が13より大きいものであった場合(S2000:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をS2002の処理に進める。このS2002において、連結納税システム導入支援装置100は、上述の導入PJ終了月の値から12を減算して、本フローにおける導入PJ開始月をあらためて算定する。また、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2003において、OUTPUTテーブル116における開始年フラグ508の値に「1」を加算する。なお、このステップS2003の後、連結納税システム導入支援装置100は、処理をステップS2000に戻し、ステップS2002で13より小さい値となった導入PJ終了月の値で、上述のステップS2000、S2001の各処理を実行することとなる。
ここで図14のフローの説明に戻る。続いて連結納税システム導入支援装置100は、ステップS1305において、上述の顧客企業が本年における連結納税システム導入支援対象であるか判定する。この処理の詳細については図22に示す。
この場合、まずS2100において、連結納税システム導入支援装置100は、入力画面2500を介してユーザ端末200から得ている制度申請予定2504の値を、システム日付の年の値と比較する。
この判定の結果、該当顧客企業が指定してきた制度申請時期が「C年」であった場合(S2101:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、処理をステップS2012に進める。ここで“C”とは図13のシステム変数テーブル123の変数217の値
であり、「システム日付の年」を意味している。例として、現在のシステム日付の年が2013年の場合、「C年」は2013年となる。
一方、上述の判定の結果、制度申請予定が「C年以降」である場合(S2101:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、支援対象ユーザではないと判定し、ステップS2103にてエラーメッセージ(例:下記連絡先へご連絡ください)をユーザ端末200宛てに出力し、本フローを終了する。
続いてステップS2102において、連結納税システム導入支援装置100は、INPUTテーブル115における制度申請状況406の値を取得する。また、ステップS2104にて連結納税システム導入支援装置100は、上述のステップS2102で得た制度申請状況406の値が、制度申請を未実施であるか判定する。この判定の結果、制度申請状況406の値が「未」つまり制度申請未実施の場合(S2104:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、S2105の処理へ進む。他方、上述の判定の結果、制度申請状況406の値が「済」つまり制度申請実施済の場合(S2104:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、本フローを処理を終了する。
続いてステップS2105において、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116における制度申請時期503が示す月と、現在のシステム日付が示す月とを比較し、現在のシステム日付が示す月が制度申請月より前であるか判定する。この判定の結果、現在のシステム日付が示す月が制度申請月より後であった場合(S2105:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、該当顧客企業が本年に制度申請することは不可能であると特定し、ステップS2106においてエラーメッセージ(例:下記連絡先へご連絡ください)をユーザ端末200宛てに出力し、本フローを終了する。他方、上述の判定の結果、現在のシステム日付が示す月が制度申請月より前であった場合(S2105:YES)、連結納税システム導入支援装置100は処理を図14のステップS1306に移す。
ここで再び図14のフローの説明に戻る。続いて連結納税システム導入支援装置100は、ステップS1306及びS1307の処理を実行する。この処理の詳細を図23に示す。この場合、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2200において、スケジュールフォーマット310をファイルサーバ300から取得する。
図27に示す導入スケジュール2600は、所定の値をスケジュールフォーマット310に設定して作成したものである。ここでは図27の導入スケジュール2600の形態をスケジュールフォーマット310の例として説明に用いる。この場合、スケジュールフォーマット310は、PJ開始年を示す開始年2601とPJ終了年を示す終了年2602とで規定される導入支援期間の時間軸に対し、連結納税システム導入支援に際してベンダが行う各支援業務2603の実行時期とその工数をマトリクスにて示すチャートとなっている。
次に連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2201にて、OUTPUTテーブル116におけるPJ開始月504とPJ終了月505の各値を取得し、ここで取得した各値で規定される期間を、スケジュールフォーマット310における、上述の開始年2601および終了年2602として記入する。なお、導入スケジュール作成上の「年」の区別はOUTPUTテーブル116における開始年フラグ508と終了年フラグ509の各値を用いる。これらフラグが「1」の場合、「C+1年」が開始年ないし終了年の実際の値であり、フラグが「2」の場合「C+2年」が開始年ないし終了年の実際の値となる。例えば、C=2012であり、開始年フラグが「1」の場合、スケジュールフォーマット310に設定する開始年は、「2013年」とし、開始年フラグが「2」の場合、
スケジュールフォーマット310に設定する開始年は、「2014年」とする。
また連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2202にて、OUTPUTテーブル116における繁忙期1702の値を取得し、スケジュールフォーマット310における該当時期のセル2603をグレーアウトさせる。
また連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2203にて、OUTPUTテーブル116における直前期税効果511、四半期決算512、年度末決算513、及び申告514の各フラグに基づき、業務支援内容マスタ120において、対応する属性903に紐付いている作業工数904の各値を含むレコードを取得し、WORKテーブル122に格納する。同様に連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116における導入形態510の値に基づき、構築マスタ121において、対応する属性1002に紐付いている作業工数、費用等の情報を含むレコードを取得し、WORKテーブル122に格納する。こうしたWORKテーブル122への各支援作業に関する情報の格納は、予め定めている支援作業間の優先順(連結納税システム導入期間における開始優先度)に応じてWORKテーブル122において上位のレコードになるよう実行される。つまりWORKテーブル122における上位のレコード(テーブル中のレコードのうち最上段にあるレコード)から順に、以降のステップS2204が実行される。
続いてステップS2204において、連結納税システム導入支援装置100は、スケジュールフォーマット310において、各支援作業に関して作業工数分のセルに色をつける。この処理の詳細を図24に示す。この場合、ステップS2300において、連結納税システム導入支援装置100は、WORKテーブル122におけるフラグ1102が「1」の作業に関し、プログラムの配列Zi(例として配列名をZi(i=1,2,3・・・)とする)に、WORKテーブル122の作業工数1105の値を格納する。
続いてステップS2301において、連結納税システム導入支援装置100は、上述の配列Ziを作業個数分(i)処理を繰り返す。またステップS2302において、連結納税システム導入支援装置100は、上述のi=1を初期値としてステップS2303の繰り返し処理を実行する。
また、ステップS2304において、連結納税システム導入支援装置100は、上述のスケジュールフォーマット310において、各支援作業の工数だけセルに着色処理を実行する。但しここで、対象セルが上述のステップS2202の処理でグレーになっているか確認しておく。対象セルがグレーであった場合(S2304:YES)、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2305の処理に移り、対象セル(列)を横に、すなわち実行時期を一つ後ろにずらす処理を行う。具体的には「対象セル(列)」=「対象セル(列)」+1を行う。他方、対象セルがグレーでなかった場合(S2304:NO)、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2306の処理に移り、対象セル(列)をグレー以外の所定色で着色し、Ziの値から1を引く処理を行う。
例えば連結納税システム導入支援装置100は、WORKテーブル122において、直前期税効果の支援作業に関する作業工数1105の値が「2」である場合、スケジュールフォーマット310において直前期税効果に関する行2605にて、それ以前に実行される「子会社研修」(すなわち、WORKテーブル122において直前期税効果のレコードより上位にレコードが登録されていた支援作業)の支援作業の実行期間、2013年12月第1週に引き続き、2013年12月第2週及び第3週の2マス分のセル2606に対し、黒色で着色する。このように連結納税システム導入支援装置100は、WORKテーブル122におけるレコードの登録順、すなわち導入支援作業の実行順に、スケジュールフォーマット310における開始年2601の最先時期のセルから順次着色する作業を、
該当顧客企業に関して予定される全ての導入支援作業(WORKテーブル122における各レコードに対応)について順次実行する。
また四半期決算(税効果)の支援作業に関する作業工数1105の値が「2」である場合、スケジュールフォーマット310において四半期決算(税効果)に関する行2607にて、それ以前に実行される直前期税効果の支援作業の実行期間、2013年12月第3週に引き続き、2013年12月第4週のセル2608に対し、黒色で着色する。しかし、2014年第1週はグレーで着色されたセル2603、すなわち経理業務繁忙期であるため、これを上述のステップS2304にて認識した連結納税システム導入支援装置100は、対象セル(列)を横にずらす処理を、2014年1月第4週の終了まで繰り返す。2014年2月第1週はグレーに着色されていない、すなわち経理業務繁忙期でないため、これを上述のステップS2304にて認識した連結納税システム導入支援装置100は、この2014年2月第1週のセル2609に対し、黒色で着色する。
続いてステップS2307において、連結納税システム導入支援装置100は、上述のZiが0になるまで処理を行うという終了条件をもった繰返し処理を実行する。このステップの処理の結果、連結納税システム導入支援装置100は、再度ステップS2303に戻り、S2304の処理を行う。なお、上述のステップS2306により、Ziの値から1を引く処理を行った後、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2307において、再度Ziの値がゼロかどうかを確認し、ゼロでない場合は上述の処理(ステップS2303〜S2307)を繰り返す。
続いてステップS2308にて、連結納税システム導入支援装置100は、上述のステップS2301の処理を、iが作業個数分全て終わるまで処理を繰り返す。上記によって、図27に例示する連結納税システムの導入スケジュール2600が作成される。
ここで再び図14のフローの説明に戻る。続いて連結納税システム導入支援装置100は、ステップS1308及びS1309の処理を行う。この処理の詳細を図25に示す。この場合、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2401の処理において、OUTPUTテーブル116より、導入形態510の値を取得し、図8及び図9のいずれかの「価格マスタ」のタイプであるか決定する。例えば、導入形態510の値が「SaaS」である場合、連結納税システム導入支援装置100は価格(SaaS)マスタ118を利用すると決定する。
次にステップS2402において、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116における連結Gr社数507の値を、上述のステップS2401で決定した価格マスタに照合し、対応する社数の月額利用料の値を取得を行う。例えば、連結Gr社数が「3」であり、使用する価格マスタが価格(SaaS)マスタ118である場合、月額利用料「12500」の値を取得出来る。
続いてステップS2403において、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116より開始年フラグ508、終了年フラグ509、PJ開始月503、およびPJ終了月504の各値を取得する。連結納税システム導入支援装置100は、ここで得た値を元に次なるステップS2404の処理を行う。
ステップS2404において、連結納税システム導入支援装置100は、連結納税システム導入後の初年度期間を、「PJ終了月」−「PJ開始月」+1、の算定式にて算出する。この時、連結納税システム導入支援装置100は、OUTPUTテーブル116における終了年フラグ509の値を取得し、該当値が「1」であれば、PJ終了月505の値に12を加え、該当値が「2」であれば24を加える。同様に連結納税システム導入支援
装置100は、開始年フラグ508の値を取得し、該当値が「1」であれば、PJ開始月504の値に12を加え、該当値が「2」であれば24を加える。連結納税システム導入支援装置100は、こうした処理で得た値に基づいて、「PJ開始月」―「終了月」+1の算定を行い、該当期間に対し、上述のS2402の処理で得ている月額利用料(例:12500)を乗じて、該当顧客企業におけるシステム利用料の初年度の費用を算出する。
次にステップS2405において、連結納税システム導入支援装置100は、WORKテーブル122より、作業名称1104と費用1106の各値を取得する。
最後にステップS2406において、連結納税システム導入支援装置100は、見積フォーマット311をファイルサーバ300から取得し、この見積フォーマット311の該当箇所に上述のステップS2404およびS2405で得た金額、及び対応する作業名称を転記し、図28に例示する概算見積書2700(コスト見積情報)を作成する。なお、見積フォーマット311は、この概算見積書2700におけるシステム利用料2701、作業費用欄2702における作業名称2703、および作業費用2704の各欄が空欄となったフォーマットが該当する。従って、連結納税システム導入支援装置100は、ステップS2404で算定したシステム利用料の値を、システム利用料2701の欄に設定し、ステップS2405でWORKテーブル122より得た、作業名称1104と費用1106の各値を、作業費用欄2702における作業名称2703および作業費用2704の各欄に設定する。
その後、こうして導入スケジュール2600および概算見積書2700を作成した連結納税システム導入支援装置100は、これら成果物をユーザ端末200に送信し、ユーザ端末200ではこれを受信して取得し(S1310)、処理を終了する(S1311)。該当顧客企業の担当者は、ユーザ端末200にて上述の成果物、すなわち導入ジュール2600および概算見積書2700を閲覧し、自社に連結納税システム導入を行うか否か、スケジュールとコストの両面を認識しつつ検討することとなる。
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
こうした本実施形態によれば、ベンダ側の負担を従来よりも軽減しつつ、ベンダの顧客に対して連結納税システム導入のスケジュール及びコスト等に関する効率的な情報提供が可能となる。
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の連結納税システム導入支援装置において、前記演算装置は、前記導入スケジュールの生成に際し、該当企業に関して算定している前記申請時期が本年中か否か判定し、前記申請時期が本年中である場合に、前記導入スケジュールの生成を実行するものである、としてもよい。
これによれば、連結納税システム導入が来年となる企業に関しては導入スケジュール作成を回避し、全体の処理効率を良好なものとすることが可能となる。
また、本実施形態の連結納税システム導入支援装置において、前記記憶装置は、決算期に応じた繁忙期の情報を更に記憶したものであり、前記演算装置は、前記導入スケジュールの生成に際し、前記受け付けた決算期の情報を前記繁忙期の情報に照合し、前記企業における繁忙期を特定し、前記導入期間における前記工数の設定対象期間から排除する処理を更に実行するものである、としてもよい。
これによれば、連結納税システム導入に伴う作業を繁忙期に行う事態を回避し、該当企業における連結納税システム導入を、より容易なものとして提案可能となる。
また、本実施形態の連結納税システム導入支援装置において、前記記憶装置は、連結グループの企業数に応じた連結納税システムの運用コストと、連結納税に伴う各作業に応じてベンダが提供する支援業務のコストと、の各情報を更に記憶したものであり、前記演算装置は、前記企業に関して連結グループの企業数の情報を入力装置又は所定端末から受け付ける処理と、前記受け付けた連結グループの企業数の情報を、前記記憶装置における前記企業数に応じた連結納税システムの運用コストの情報に照合し、前記企業における運用コストを特定する処理と、前記特定した各支援業務の情報を、前記記憶装置における支援業務のコストの情報に照合し、前記企業において連結納税システム導入に伴う各支援業務のコストを特定する処理と、前記特定した前記運用コストおよび前記各支援業務のコストを所定フォーマットに設定してコスト見積情報を生成し、当該コスト見積情報を出力装置又は所定端末に出力する処理と、を更に実行するものである、としてもよい。
これによれば、連結納税システム導入に伴うコストについて該当企業に提示することが可能となる。該当企業では連結納税システム導入に際して必要となるコストを事前に認識し、システム導入可否についての重要な判断材料を得られる。
また、本実施形態の連結納税システム導入支援装置において、前記記憶装置は、連結納税システムの導入形態に応じたシステム構築コストの情報を更に記憶したものであり、前記演算装置は、前記企業に関して連結納税システムの導入形態の指定を入力装置又は所定端末から受け付ける処理と、前記受け付けた指定が示す導入形態の情報を、前記記憶装置における前記導入形態に応じた構築コストの情報に照合し、前記企業における連結納税システムの構築コストを特定する処理とを更に実行し、前記コスト見積情報の生成および出力に際し、前記特定した連結納税システムの構築コストを前記所定フォーマットに更に設定してコスト見積情報を生成し、当該コスト見積情報を出力装置又は所定端末に出力するものである、としてもよい。
これによれば、連結納税システムを、例えばクラウドサービスとして導入するか、或いは顧客企業の建屋内で管理するサーバ装置として導入するか、といった導入形態の違いに応じた連結納税システムの構築コストを該当企業における提示することが出来る。該当企業では連結納税システム導入に際して必要となるコストとして、システム構築費用についても事前に認識し、システム導入可否についての重要な判断材料を更に得られる。