JP2015221202A - 中足趾節関節底屈筋力の測定方法及び測定装置 - Google Patents

中足趾節関節底屈筋力の測定方法及び測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第1中足趾節関節(MTP関節)と第2ないし第5MTP関節における底屈筋力を個別に測定する方法及び装置を提供する。
【解決手段】第1中足趾節関節(MTP関節)と第2ないし第5MTP関節における底屈筋力の機能の独立性に基づき、第1中足趾節関節(MTP関節)及び第2ないし第5MTP関節において、任意の足関節及びMTP関節角度でMTP関節を底屈させ、各筋力を測定するステップを含む足趾筋力測定方法並びにそのための測定装置及びシステム。
【選択図】図2

Description

本発明は、中足趾節関節(metatarsopharangeal joint:以下「MTP関節」と記載)底屈筋力に対する測定方法並びにその測定装置及びシステムに関する。
MTP関節は、歩行、走行、ジャンプの蹴り出し時のプッシュオフ相や立位姿勢保持時に底屈トルクを発揮し、足関節の働きを補助する。足趾底屈筋力トレーニングがジャンプパフォーマンスを向上させること(非特許文献1)、ダイナミックバランスを向上させること(非特許文献2)が報告されている。
そして、MTP関節における底屈トルクを測定した場合に、最大トルクを発揮するのは、背屈位であり、歩行、走行及びジャンプ等の運動時においても、背屈位で底屈トルクが発揮されることが報告されている(非特許文献3、4、5)。
一方、第1MTP関節底屈筋群と第2ないし第5MTP関節底屈筋群は構造的に独立している。しかし、第1MTP関節底屈筋群と第2ないし第5MTP関節底屈筋群の筋力を種々の背屈角度で構造的な群毎に同時測定可能な装置はなく、この第1MTP関節底屈筋群と第2ないし第5MTP関節底屈筋群に関する両者の力発揮特性の差異については、全く知られていなかった。
従来、足趾底屈筋力の測定やトレーニングに、足趾力測定装置や足趾力強化装置が提案されている(特許文献1及び2)。しかし、この測定装置は、各足趾毎に測定可能であるが、単一のMTP関節底屈位のみでしか計測できず、足趾が最大トルクを発揮する関節角度で測定するものではない。前記のとおり、歩行等の運動は、MTP関節背屈位で力発揮を行い、関節角度が異なると筋が発揮できる力は異なる(非特許文献6)ため、従来の足趾筋力測定装置による測定結果は、歩行等の運動時の力発揮を必ずしも反映するものではなかった。また、前記足趾力強化装置は、母趾底屈筋群と第2ないし第5趾底屈筋群は構造的及び機能的に独立していることを前提として、足趾力を強化するものではなかった。
外反母趾等の下肢運動器変性疾患、及び前十字靭帯損傷等の下肢外傷は足部のアーチが低下することが原因で発症することがある(非特許文献7,8,9)。足部内側縦アーチは、母趾(第1趾)底屈エクササイズによって低下し、第2ないし第5趾底屈エクササイズによって上昇すること(非特許文献10) が報告されている。このことから、第1MTP関節底屈筋群と第2ないし第5MTP関節底屈筋群各筋力は足部アーチに対して異なる作用を持つことが考えられる。これらから、第1MTP関節底屈筋群と第2ないし第5MTP関節底屈筋力を種々の背屈角度で構造的な群毎に測定し、さらに各底屈筋力比率を求めることにより、足趾及び他の下肢関節の運動器疾患のリスクの把握及び評価が可能であると考えられる。
高齢者は脳神経の加齢変化により、その両側同時に力発揮した場合の機能低下が顕著に現れる(非特許文献11)。また、神経変性疾患等の神経疾患を有する者では複数の筋群を同時に力発揮させた際の機能低下が顕著に現れると考えられる。さらに、神経変性疾患等の神経疾患では、神経障害に基づく運動機能障害が知られている。第1MTP関節、第2ないし第5MTP関節及び第1ないし第5MTP関節における底屈筋力を測定し、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節底屈筋群を同時に力発揮させた際の機能低下率を求めることにより、加齢による神経機能低下及び神経変性疾患等の神経疾患の診断及び早期診断並びにそのための補助データを提供できると考えられる。
さらに、リハビリテーションにおいて、各筋力群毎に測定された筋力又は筋力比率を基にリハビリテーションの指針を与えることは種々の動作の改善に有用と考えられる。しかし、従来より、そのような試みはなされていなかった。
特開2006-6369号公報 特開2013-198663号公報
Unger, C.L.ら、J Strength CondRes 14; 2000: 373. Lynn, S.K.ら、J Sport Rehabil 21; 2012: 327. Mann, R.A.ら、Clin Orthopand Relat Res 24; 1979: 142. Stefanyshyn, D.J.ら、Med SciSports Exerc 32; 2000:471. Kelly, L.A.ら、Clin Biomech27; 2012: 46. Williams, M.ら、Phys Ther Rev 39; 1959: 145. Eustace, S.ら、Skeletal Radiol23; 1994: 191. Beckett, M.E.ら、J AthlTrain 27; 1992: 58. Bennett, J.E.ら、J OrthopSports Phys Ther 31; 2001: 504. 城下貴司ら、理学療法科学 27; 2012: 397. 竹林秀晃ら、土佐リハビリテーションジャーナル 3; 2004: 1.
第1MTP関節、第2ないし第5MTP関節、及び第1ないし第5MTP関節における底屈筋力を計測する方法及び装置はなかった。そこで、これらのための測定方法並びに測定装置及びシステムを創作し、第1MTP関節と第2ないし第5MTP関節の底屈筋力比率、及び両筋群を同時に力発揮させた際の機能低下の大きさを明らかにし、加齢及び神経疾患の診断及び早期診断並びにそのための補助データの提供、運動器疾患のリスク管理、並びに運動能力を向上させるためのトレーニング又は動作指導の指標を提供するための方法並びにそのための装置及びシステムを提供する。
本発明者は、第1MTP関節、第2ないし第5MTP関節及び第1ないし第5MTP関節の最大発揮トルクを種々の背屈角度でそれぞれ個別に測定し、第1MTP関節底屈筋群と第2ないし第5MTP関節底屈筋群は力発揮特性が異なること、及び第1ないし第5MTP関節底屈の最大トルクは、第1MTP関節底屈の最大トルク、及び第2ないし第5MTP関節底屈の最大トルクを合算した数値と比較して低値を示すことを見出した。この結果は、両者間に神経学的な制御機構が存在することを示すものであり、MTP関節底屈筋力を構造的な群ごとに測定することの重要性を示す知見を得て、本発明を完成させた。
具体的には、本発明は、第1中足趾節関節(MTP関節)及び第2ないし第5MTP関節において、任意の足関節及びMTP関節角度で底屈方向に力発揮させ、各筋力を測定するステップを含む足趾筋力測定方法を提供する。
本発明の前記足趾筋力測定方法において、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節の筋力比率を算出する場合がある。
さらに、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節底屈筋群を同時に力発揮した際の機能低下率を算出する場合がある。
本発明の前記足趾筋力測定方法において、前記第1、及び第2ないし第5MTP関節底屈筋力は、同時又は群ごとに測定される場合がある。
さらに、本発明は、左右両足の第1MTP関節の筋力を測定する第1フォースプレート、右足の第2ないし第5MTP関節の筋力を測定する第2フォースプレート、及び、左足の第2ないし第5MTP関節の筋力を測定する第3フォースプレートを備え、足部を固定する手段と、第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節の中足趾節関節の計測角度を調整する手段と、各フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段とを備える足趾筋力測定装置を提供する。
本発明の前記足趾筋力測定装置において、任意の足関節及びMTP関節角度で第1MTP関節の筋力の測定と第2ないし第5MTP関節の筋力の測定とが、同時又は群ごと測定される場合がある。
本発明の前記足趾筋力測定装置において、前記フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段は、1台以上のシングルポイント型又はマルチポイント型ロードセルから選択される場合がある。
本発明は、左右両足の第1MTP関節の底屈筋力を測定する第1フォースプレート、右足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第2フォースプレート、及び左足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第3フォースプレートを備え、足部を固定する手段と、第1MTP関節、第2ないし第5MTP関節の計測角度を調整する手段と、各フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段とを備える、下肢運動器障害のリスクを把握、加齢に伴う神経機能低下の評価、又は神経障害を診断及び早期診断するための診断装置を提供する。
前記診断装置は、左右両足の第1MTP関節の底屈筋力を測定する第1フォースプレート、右足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第2フォースプレート、及び左足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第3フォースプレートを備え、足部を固定する手段と、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節の計測角度を調整する手段と、各フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段とを備える、下肢運動器障害のリスク若しくは障害度の把握又は評価、神経機能低下若しくは転倒リスクの評価、運動トレーニングの達成度の評価、神経障害の診断若しくは早期診断又はそれらのための補助データの提供のための装置である場合がある。
本発明は、前記足趾筋力測定装置に、さらに、前記足趾筋力測定装置で測定した情報を増幅及び/又はデジタル化するための手段と、増幅及び/又はデジタル化された情報を解析し、表示し、記録する手段とを備える足趾筋力測定システムを提供する。
本発明は、前記診断装置に、さらに、前記足趾筋力測定装置で測定した情報を増幅及び/又はデジタル化するための手段と、増幅及び/又はデジタル化された情報を解析し、表示し、記録する手段とを備える下肢運動器障害のリスクを把握又は評価、加齢に伴う神経機能低下の評価、又は神経障害を診断及び早期診断するための診断装置若しくはシステムを提供する。
前記診断システムは、前記装置に、さらに、前記足趾筋力測定装置で測定した情報を増幅及び/又はデジタル化するための手段と、増幅及び/又はデジタル化された情報を解析し、表示し、記録する手段とを備える、下肢運動器障害のリスク若しくは障害度の把握又は評価、神経機能低下若しくは転倒リスクの評価、運動トレーニングの達成度の評価又は神経障害を診断若しくは早期診断又はそれらのための補助データの提供のためのシステムの場合がある。
本発明は、左右両足の第1MTP関節の底屈筋力を測定する第1フォースプレート、右足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第2フォースプレート、及び左足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第3フォースプレートプレートを備え、足部を固定する手段と、第1MTP関節、第2ないし第5MTP関節の計測角度を調整する手段と、各フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段と、測定した情報を増幅及び/又はデジタル化するための手段と、測定した荷重を表示し記録する手段を備える、下肢運動器障害のリスクを把握、加齢に伴う神経機能低下の評価、又は神経障害を診断及び早期診断するための診断方法若しくはそのための補助データを提供する方法を提供する。
本発明の方法又はそのための装置若しくはシステムを用いることにより、第1MTP関節、及び第2ないし5MTP関節の底屈筋力を短時間で簡便に、再現性高く、かつ、高い精度で測定することができる。
本発明の測定装置の全体図。 本発明の測定システムで被験者が中足趾節関節底屈筋力を測定する際の座位、足関節中間位を維持した全身の固定姿勢と測定状態を表す図。 本発明の測定システムで被験者が中足趾節関節底屈筋力を測定する際の座位、足関節中間位を維持した固定姿勢と測定状態を表す図。 本発明の測定装置の第1ないし第2フォースプレート部、及び中足趾節関節(MTPJ)底屈筋力測定時の右側足部の固定位置を表す図。 本発明の測定装置の第1ないし第3フォースプレート部、及び中足趾節関節(MTPJ)底屈筋力測定時の左側足部の固定位置を表す図。 第1ないし第5中足趾節関節背屈0°、25°、35°及び45°での底屈トルク値を示すグラフ。 第1中足趾節関節(MTPJ)及び第2ないし第5中足趾節関節(MTPJ)の背屈0°、25°、35°及び45°での底屈トルク値を示すグラフ。 第1中足趾節関節(MTPJ)底屈トルク値と第2ないし第5中足趾節関節(MTPJ)底屈トルク値の和と、第1ないし第5中足趾節関節(MTPJ)底屈トルク値とを示すグラフ。
本発明の方法及び装置を使用することにより、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節の各底屈筋力を、MTP関節の背屈角度及び足関節の角度を変えて測定する。
本明細書において、「MTP関節の背屈角度」とは、各中足骨と各基節骨とによって決定される角度であり、背側方向に屈曲させた場合の角度をいう。
本明細書において、「足関節の角度」とは、腓骨への垂直線と第5中足骨の角度をいう。また、本明細書において、座位で、腓骨への垂直線と第5中足骨の角度が0度となる足関節を中間位という。
本明細書において、「筋力」とは、最大発揮トルク、力の立ち上がりにおける単位時間あたりの力の変化率、及び一定強度の筋収縮を維持する際の安定性を含むが、これに限定されない。
本明細書において、「診断」とは、疾患を有する患者の病状を判断すること、及び、疾患を有する患者の病状の判断を補助するための情報を提供すること、並びに、加齢に伴う神経機能による運動障害を判断又は判断するための情報を取得することを含む。さらに、本発明は、他の方法を用いて得られる理学的所見、病理学的所見、生理学的所見及び/又は生化学的所見とを組み合わせて診断するための、補助データの提供を含む態様でも使用される。
本発明は、第1MTP関節底屈筋群と第2ないし第5MTP関節底屈筋群は力発揮特性が異なること、両者間は神経学的に相互に制御されることを新たに見出し、これらを短時間で簡便に精度及び再現性高く測定できる測定方法及びそのための測定装置を製造したことに基づく。そして、これらのMTP関節における底屈筋力を任意のMTP関節及び足関節角度で個別に測定し、各角度での筋力及び筋力比率、並びに全MTP関節底屈筋群を同時に力発揮させた際の機能低下率を比較することは、運動能力の向上や運動能力に障害を有する者のリハビリテーションにおける筋力トレーニングや動作指導のための補助データの提供、運動器疾患及び転倒のリスク管理や、加齢及び神経障害を有する者の診断及び早期診断又はそれらのための補助データの提供に有用であることを見出した。
ヒトが歩行、走行又はジャンプの運動を行うとき、足趾は背屈位である。また、足趾及び足関節の角度によって発揮できるトルクは異なる。したがって、運動時の足趾の機能を評価するために、筋力測定装置を用いて歩行時等と同じ足趾及び足関節角度で筋力を測定することが必要となる。
本発明の方法は、例えば、これに限定されない図1に記載の測定装置(1)によって行われる。図1の測定装置において、右側のMTP関節底屈筋力を測定するには、被験者は座位を維持し、第1フォースプレート(2)に右側下肢の第1趾を固定し、第2フォースプレート(3)に右側の第2ないし第5趾を固定し、足部固定ベルトとベルト固定用金具等からなる足部固定手段(4〜7)で右側足関節及びMTP関節を任意の角度に固定した後、右側第1MTP関節、あるいは第2ないし第5MTP関節を底屈することによりフォースプレートに負荷される荷重をロードセル等の荷重測定手段(10)で感知して測定される。測定装置上部より下垂した角度調整手段(9)に負荷荷重測定手段(10)を連結し、下垂位置及び下垂長を変更することにより、右側足趾底面とフォースプレート面に対する角度を各種調節変更でき、MTP関節での背屈角度の調節が可能である。MTP関節における背屈角度を種々変更し、第1フォースプレート、及び第2フォースプレートに負荷される荷重をロードセルによって測定することにより、各種背屈角度における右側第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節における底屈筋力を測定する。
本装置の使用により、右側第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を同時に測定することが可能である。その際、第1フォースプレート及び第2フォースプレートで計測された荷重を合算することにより、種々のMTP関節背屈角度で右側第1ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定可能である。
また、例えば、第1又は第2フォースプレートの一方に右側の第1趾ないし第5趾を固定し、第1MTP関節ないし第5MTP関節を底屈させる場合の右側各MTP関節底屈筋力を測定することができる。
さらに、本測定装置を用いることにより、各種の角度で固定した場合の右側各MTP関節底屈筋力を測定することができる。
また、左側のMTP関節底屈筋力を測定するには、図1の装置において、例えば、被験者は座位を維持し、第1フォースプレート(2)に左側の第1趾を固定し、第3フォースプレート(4)に左側下肢の第2ないし第5趾を固定し、足部固定ベルトとベルト固定用金具等からなる足部固定手段(4〜7)左側足関節及びMTP関節を任意の角度に固定した後、左側第1MTP関節、あるいは第2ないし第5MTP関節を底屈することによりフォースプレートに負荷される荷重をロードセル等の荷重測定手段(10)で感知して測定される。測定装置上部より下垂した角度調整手段(9)に負荷荷重測定手段(10)を連結し、下垂位置及び下垂長を変更することにより、足趾底面とフォースプレート面に対する角度を各種調節変更でき、MTP関節における背屈角度の調節が可能である。
MTP関節における背屈角度を種々変更し、第1フォースプレート、及び第3フォースプレートに負荷される荷重をロードセルによって測定することにより、各種背屈角度における左側第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節における底屈筋力を測定する。本装置の使用により、左側第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を同時に測定することが可能である。その際、第1フォースプレート及び第3フォースプレートで計測された荷重を合算することにより、種々のMTP関節背屈角度で左側第1ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定可能である。
また、例えば、第1又は第3フォースプレートの一方に左側の第1趾ないし第5趾を固定し、第1MTP関節ないし第5MTP関節を底屈させる場合の左側各MTP関節底屈筋力の全体を測定することができる。
さらに、本測定装置を用いることにより、足関節を中間位ではなく、各種の角度で固定した場合の左側各MTP関節底屈筋力を測定することができる。
本発明の前記測定装置において、前記荷重測定手段(10)は、シングルポイント型ロードセルを1台又は複数台使用される場合があり、又は、マルチポイント型ロードセルを1台又は複数台使用される場合がある。
前記方法で測定された両側の第1MTP関節、第2ないし第5MTP関節、及び第1ないし第5MTP関節の底屈筋力、それらから算出された筋力比率、並びに第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節底屈筋群を同時に力発揮させた際の機能低下率は、健常人の値と比較することにより、加齢及び神経疾患の診断及び早期診断、運動器疾患のリスク管理、あるいは筋力トレーニングや動作指導の指標とすることができる。
また、本方法又は本装置を用いて得られた測定値を補助データとして、理学的所見、病理学的所見、生理的所見、生化学的所見等の他の診断的所見を組み合わせることにより、足部障害若しくは転倒リスクの評価、神経機能障害若しくは運動機能障害等の診断又はそれらの早期診断に使用できる。
前記指標としては、以下に限定されない下記の指標が算出され、評価に使用される。
(1)加齢及び神経疾患を有する者の第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節同時底屈時の機能低下率。
(2)MTP関節底屈筋力、及び筋力比率と歩行時の荷重位置の関係。
(3)MTP関節底屈筋力、及び筋力比率とバランス能力の関係。
(4)MTP関節底屈筋力、及び筋力比率とジャンプパフォーマンスの関係。
(5)MTP関節底屈筋力、及び筋力比率と動作時の下肢アライメントの関係。
(6)MTP関節底屈筋力、筋力比率、及びその測定肢位と高齢者の転倒の関係。
本発明の方法及び装置を用い、各第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節における底屈筋力を測定することにより、各底屈筋力を少ない測定回数で短時間で簡便に測定可能であり、この測定回数の低下は、繰り返し測定によってもたらされる筋肉疲労による影響を受けることなく、高い精度で底屈筋力を測定可能である。
目的に応じた任意の足関節及びMTP関節の肢位での各MTP関節の底屈筋力及び筋力比率に基づき、第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節の各底屈筋群を個別にトレーニングすることにより、運動能力や歩行能力を向上させることができる。
第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節の各底屈筋群の筋力を向上させるトレーニング方法として、例えば、本測定装置を用いて、足関節やMTP関節を目的とする力発揮角度や、力発揮を行いやすい角度に設定し、第1MTP関節あるいは第2ないし第5MTP関節を底屈させる方法、本測定装置を用いず、第1趾あるいは第2ないし第5趾で床、ボール等を押す方法がある。
また、本発明の前記測定装置は、各第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節における底屈筋力を個別に又は総合的にトレーニングするために、使用できる。
足趾底屈筋力をトレーニングすることにより、歩行、走行及びジャンプにおけるパフォーマンスの向上や、ダイナミックバランスを向上させることができる。
足部内側縦アーチは、母趾底屈エクササイズによって低下し、第2ないし第5趾底屈エクササイズによって上昇する(非特許文献6)。本発明の方法又は装置を用いて、内在筋の力発揮が行いやすい足関節及びMTP関節角度で第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節における底屈筋力を測定し、各筋力比率を求め、健常人の値と比較した結果を指標として、各足趾底屈筋群をトレーニングすることにより、足部形態を改善することが可能となる。
さらに、足部アーチの低下が原因で疼痛を誘発するとされる、有痛性外脛骨患者に対し、母趾をトレーニングした場合、自覚症状に変化はないが、第2ないし第5趾をトレーニングした場合に疼痛が軽減する(Shiroshita, T.ら、J. Phys. Ther. Sci. 23:2011;455)。本発明の方法又は装置を用いて、内在筋の力発揮が行いやすい足関節及びMTP関節角度で第1MTP関節及び第2ないし第5MTP関節における底屈筋力を測定し、各筋力比率を求め、必要な側の足趾底屈筋群をトレーニングすることで、足部アーチの低下によりもたらされる運動器疾患の疼痛を軽減することが可能となる。
また、本発明によって得られる任意の足関節及びMTP関節角度でのMTP関節底屈筋力及び筋力比率について、健常人の値と比較した結果を指標としてリハビリテーションを行うことにより、健常者及び高齢者の運動能力、歩行能力及びバランス能力を向上し、ひいては、加齢や疾病等で運動機能が低下した者の転倒リスクを低下させることができる(非特許文献1及び2、半田幸子ら、日本私立医科大学理学療法学会誌22;2005:77、村田伸ら、国立大学理学療法士学会誌24; 2002:8並びに八谷瑞紀ら、ヘルスプロモーション理学療法研究3;2013:53)。
さらに、本発明は、神経変性疾患や脳血管障害を有する者の早期発見にも使用できる。これらの者は、神経障害又は神経機能の低下を伴うため複数の筋群を同時に力発揮した際の、神経的に制御される機能低下が一般成人よりも大きく、本発明の方法及び装置は、この機能低下を鋭敏に測定可能であり、診断及び早期診断を行うための装置として使用可能である。
本発明によって足趾底屈筋群の筋力向上の指標としてリハビリテーションに使用される疾患又は診断及び早期診断の対象となる疾患の中、前記神経変性疾患として、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知障害又はレビー小体病などから選択されるがこれらに限定されない。
本発明によって足趾底屈筋群の筋力向上の指標としてリハビリテーションに使用される疾患又は診断及び早期診断の対象となる疾患の中、前記脳血管障害として、脳梗塞、ラクナ梗塞、皮質枝梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、血管性認知障害、脳出血又はクモ膜下出血が挙げられるが、これらに限定されない。
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
<第1MTP関節底屈筋群及び第2ないし第5MTP関節底屈筋群の機能の独立性と同時の力発揮における相互影響>
第1MTP関節底屈筋群及び第2ないし第5MTP関節底屈筋群の機能の独立性及び同時の力発揮における相互影響の存在を本件発明の方法及び装置を用いて検討した。
材料及び方法
被験者の選定
研究の趣旨及び内容が十分に説明され、試験への協力についての文書による同意を得られた健常成人男性10名(年齢:23.2±1.9歳、身長:169.2±3.7 cm、体重: 58.4±8.1 kg)が被験者として選定された。いずれの被験者においても下肢に成形外科的疾患や疼痛などの既往はなく、前記被験者の10足が試験された。
実験には、図1に記載の筋力測定装置の一部を改変し、発明者によって作製された足趾筋力測定装置を使用した。具体的には、第1フォースプレート(2)、足部を固定するためベルトや金具(5〜7)、第1、第2ないし第5又は第1ないし第5中足趾節関節の測定角度を調整するための手段として、ロードセルの下垂位置と下垂長を変更するための吊り下げ具(9)を設置し、各フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段としてロードセル(TEAC社製:TU-BR 500N型ロードセル)を、測定した情報を増幅及びデジタル化するための手段(13)として増幅器(共和電業社製:DPM-711B型増幅器)及びアナログ-デジタル変換器(AD instruments社製Power Lab)、並びに、測定した荷重を表示し記録し、表示する手段(14)として解析用ソフトウェア(AD instruments社製:LabChart7.1)をインストールしたパーソナルコンピュータを使用した。
測定は、フォースプレートに第1中足趾節関節、第2ないし第5中足趾節関節又は第1ないし第5中足趾節関節の等尺性最大随意底屈トルク値を測定可能なように足部を固定し、それぞれの底屈トルクを前記ロードセルに負荷される荷重値を測定することにより測定した。
MTP関節底屈値の測定
前記被験者は、座位で、足関節中間位で足部をMTP関節底屈筋力測定装置に固定され、中足趾節関節の測定角度が調節された。その後、右足の第1中足趾節関節(以下、「第1〜第5MTP関節」と記載)、第2ないし第5中足趾節関節(以下、「第2〜第5MTP関節」と記載)、及び第1〜第5MTP関節の最大随意底屈によってフォースプレートに負荷された荷重が測定された。具体的には、第1〜第5MTP関節、第1MTP関節及び第2〜第5MTP関節における等尺性最大随意底屈トルク値がMTP関節背屈0°、25°、35°及び45°でそれぞれ測定された。測定はランダムに施行された。各施行間の休憩時間は、筋疲労を考慮して2分間以上設けられた。
日間の再現性の評価
MTP関節背屈45°での底屈トルク値が、同一の検者及び被験者に対して、異なる日に測定され、級内相関係数(ICC(1,1))が算出された。
統計処理
各MTP関節角度、及び底屈トルク値の関係について、一元配置分散分析が行われた。また、第1MTP関節底屈トルク値と第2〜第5MTP関節底屈トルク値の和と、第1〜第5MTP関節底屈トルク値とが二元配置分散分析を用いて比較した。
結果
MTP関節背屈0°、25°、35°及び45°での底屈トルク値の級内相関係数(ICC(1,1))は、0.77よりも高かった(表1)。したがって、日間の再現性を有することが確認された。
(表1)
MTP関節底屈トルク値の測定
図6は、第1〜第5MTP関節背屈0°、25°、35°及び45°での底屈トルク値を示すグラフである。各実験条件の誤差棒は同一条件で10回繰り返した実験結果の計算値の標準偏差を示す。アスタリスク(*)は危険率p値が5%未満であることを示す。背屈25°及び35°での第1〜第5MTP関節底屈トルク値は、背屈0°での第1〜第5MTP関節底屈トルク値と比較して統計学的に有意に高かった。
図7は、第1MTP関節及び第2〜第5MTP関節の背屈0°、25°、35°及び45°での底屈トルク値を示すグラフである。各実験条件の誤差棒は同一条件で10回繰り返した実験結果の計算値の標準偏差を示す。アスタリスク(*)は危険率p値が5%未満であることを示す。
背屈25°及び35°での第2〜第5MTP関節底屈トルク値は、背屈0°での第1〜第5MTP関節底屈トルク値と比較して統計学的に有意に高かった。これらの結果から、底屈トルク値について、第1〜第5MTP関節及び第2−第5MTP関節の背屈至適角度は25°ないし35°であることが明らかとなった。なお、背屈25°及び35°での第1MTP関節底屈トルク値は、背屈0°での第1MTP関節底屈トルク値と比較して統計学的な有意差を認めなかった(図7)。したがって、第1MTP関節の力発揮はMTP関節背屈角度の影響を受けにくく、第1MTP関節と第2〜第5MTP関節では、力発揮特性が異なることが示された。
第1MTP関節底屈トルク値と第2〜第5MTP関節底屈トルク値の和と、第1〜第5MTP関節底屈トルク値との比較
図8は、第1MTP関節底屈トルク値と第2〜第5MTP関節底屈トルク値の和と、第1〜第5MTP関節底屈トルク値とを示すグラフである。各実験条件の誤差棒は同一条件で10回繰り返した実験結果の計算値の標準偏差を示す。アスタリスク(*)は危険率p値が5%未満であることを示す。第1MTP関節底屈トルク値と第2〜第5MTP関節底屈トルク値の和は、第1〜第5MTP関節底屈トルク値と比較して統計学的に有意に高かった。
本結果は、第1MTP関節底屈筋群及び第2〜第5MTP関節底屈筋群は、同時に力発揮をした際に相互に影響し得ることを示す。
また、上記測定において、測定に要した時間は、約1〜10分であり、短時間で、簡便に第1MTP関節底屈トルク値と第2〜第5MTP関節底屈トルク値の和は、第1〜第5MTP関節底屈トルク値の測定が可能であった。
<足部機能の指標である足趾底屈トルクと足部アーチ構造の指標である舟状骨沈降度との関係の評価>
前記のとおり、足部には内側縦アーチ、外側縦アーチ及び横アーチの3つのアーチ構造があり、荷重ストレスを分散して足底軟部組織に対し除圧する役目や、歩行時にスプリングとして力の伝達効率を向上する役目を果たす(金井秀作:足アーチの運動学.理学療法士のための足と靴のみかた(坂口顕 編),文光堂,東京, 2013,p25)。その中でも内側縦アーチは、頂点のランドマークとなる舟状骨が触知しやすく、軟部組織のずれが少ないことから、足部アーチの評価指標として臨床において頻回に評価される。内側縦アーチの計測方法には様々なものがあり、その中に、足部形態の指標となる、座位での舟状骨高と立位での舟状骨高の差を計測する舟状骨沈降度がある(Brody DM: Techniques in the evaluation and treatment of the injured runner. Orthop Clin North Am, 1982, 13: 541-58)。舟状骨沈降度は下肢障害と関係しており、足部障害を持つランナーの舟状骨沈降度は、健常ランナーよりも大きく(Bennett JE, ReinkingMF, Pluemer B et al.: Factors contributing to the development of medial tibial stress syndrome in high school runners. J Orthop Sports Phys Ther, 2001, 31: 504-10)、膝前十字靱帯損傷者の舟状骨沈降度は,健常者よりも大きい(Beckett ME, Massie DL, Bowers KD et al.: Incidence of Hyperpronationin the ACL Injured Knee: A clinical Perspective. J AthlTrain, 1992, 27: 58-62)。
内側縦アーチの高さと形状は、足底腱膜や靭帯などの受動的因子と筋などの能動的因子によって維持される。また、足趾底屈筋は内側縦アーチの形成に大きく関与しており、足趾のエクササイズ後に舟状骨沈降度が減少する(Mulligan EP, Cook PG: Effect of plantar intrinsic muscle training on medial longitudinal arch morphology and dynamic function. Man Ther, 2013, 18(5): 425-30)。これらのことより、足趾底屈筋の機能がアーチ構造の変化や下肢の傷害と関連することを示し、舟状骨沈降度は足部障害や膝外傷と関係する。
舟状骨沈降度の測定は検者の熟練度の影響を受け、専門家がいない環境では評価することができない。そのため、専門家がいない環境で足部の機能を評価するためには、足趾底屈筋力の測定が必要である。前記のように、従来、足趾底屈筋力の測定やトレーニングに、足趾力測定装置や足趾力強化装置が提案されている(特許文献1及び2)。しかし、この測定装置は、各足趾毎に測定可能であるが、足趾底屈位のみでしか計測できなかった。
成人男性10名10脚を対象とした。
前記実施例1で使用したMTP関節底屈トルクメータを用い、第1MTP関節及び第2〜第5MTP関節における等尺性最大随意底屈トルクを算出した。底屈トルクは2つの肢位で測定した。1つはMTP関節底背屈0°で足関節底背屈0°(両関節を中間位)とし、もう1つはMTP関節背屈45°で足関節底屈20°とした。測定順はランダム化し、各肢位にて2回測定した。被験者は座位にて体幹、大腿、下腿及び足部を非伸縮性のベルトで固定し、体幹は垂直に保たれるようにした。測定の際には体幹の反動を使わないように指示し、第1MTP関節または第2〜第5MTP関節の最大等尺性収縮を3秒間保持した。筋疲労の影響をなくすため、施行間の休憩を2分間以上設けた。
MTP関節底屈トルクは、実施例1に記載の装置を用いて計測した。計測した最大底屈トルクから安静時の受動トルクを引き、最大随意収縮(Maximal voluntary contraction; MVC)とした。計測したトルクは各被験者の体重で正規化した。
舟状骨高の計測では、足部の運動器疾患の臨床経験が3年以上ある理学療法士がノギスを用いて床面から被験者の舟状骨結節までの高さを計測した。舟状骨沈降度は,座位と立位での舟状骨高の差として算出した.
統計解析では,正規化したMTP関節底屈トルクと舟状骨沈降度の関係について、ピアソンの積率相関係数を算出した。なお、危険率5%未満をもって有意とした。
その結果、母趾外転筋、短母趾屈筋、母趾内転筋等の内在筋のみを伸張させた肢位での足趾底屈トルクと舟状骨沈降度との間に有意な負の相関が認められた。一方、足趾及び足関節中間位での舟状骨沈降度と各足趾底屈トルクについては有意な相関を示さなかった(表2)。なお、腓骨への垂直線と第5中足骨の角度が0度である場合を中間位とし、最大トルクは被験者の体重で正規化し、体重当たりの最大発揮トルク(Nm/kg)に換算して表示した。
(表2)
第1及び第2〜第5中足趾節関節最大等尺性底屈トルク測定肢位と舟状骨沈降度の関係
上記結果より、MTP関節底屈内在筋は内側縦アーチの形成に大きく貢献しており、足趾底屈内在筋の力発揮がしやすい、足関節底屈位かつ足趾背屈位での筋力が舟状骨沈降度と関係することが明らかとなった。すなわち、後述する足部障害と関連する足部形態、特にアーチ形態と、本発明の測定装置で測定する特定のMTP関節角度での第1MTP関節及び第2〜5MTP関節底屈トルクとの相関性を本結果は示すものである。
本発明のMTP関節底屈トルク測定器は足関節及び足趾を足部内在筋が活動しやすい肢位で固定した上で筋力を測定することができる。そのため、本トルク測定器で足趾底屈内在筋の機能を評価することにより、足部アーチの低下に起因する下肢障害の発生リスクを把握及び評価でき、さらに、熟練性が必要な専門家を必要とせずに、下肢障害の程度を、高い精度で鋭敏に、簡潔かつ迅速に評価できる。
<第1趾底屈筋と第2〜第5趾底屈筋の機能的差異の評価 ―足趾底屈筋のウォーミングアップの効果の比較による検討―>
足趾底屈筋は、片脚立位時の姿勢制御に関与し、足趾底屈筋のトレーニングによる動的な姿勢制御能力の改善や、片脚立位時の身体重心の軌跡の外周面積及び総軌跡長と足趾把持筋力の相関が報告されている(Lynn SK, Padilla RA,Tsang KKW: Differences in static- and dynamic-balance task performance after 4 weeks of intrinsic-foot-muscle training: the short-foot exercise versus the towel-curl exercise. J Sport Rehabil, 2012, 21(4): 327-33、及び、村田伸:開眼片足立ち位での重心動揺と足部機能との関連. 理学療法科学19(3), 2004,p245-249)。しかしながら、第1趾底屈筋と第2〜第5趾底屈筋それぞれが姿勢制御に及ぼす影響は明らかでなかった。
成人男女34名68脚(男性17名:年齢22.8±2.4歳、身長170.0±4.5 cm、体重62.3±6.2 kg、女性17名:年齢21.8±1.8歳、身長159.7±3.0 cm、体重54.8±5.2 kg、足趾の変形による疼痛がある者,及び下肢または中枢の神経疾患を有する者は含まれない)を対象とした。
被験者は重心動揺計(GP6000,アニマ,日本)の上に立ち、30秒間の開眼片脚立位を行い、その際の重心軌跡を周波数20Hzで記録した。その後,被験者は立位で片側第1趾底屈筋の6秒間の足趾最大等尺性底屈(Ex.1)、第2〜第5趾底屈筋の6秒間の足趾最大等尺性底屈(Ex.2)、または1分間の開眼安静立位(Control)の介入を実施した。Ex.1及びEx.2の介入では、足底圧分布計(F-scan II,ニッタ,日本)を用い、目的とする足趾に圧力がかかっていること、及び目的としていない足趾に圧力がかかっていないことを確認し、視覚的フィードバックを行いながら足趾最大等尺性底屈を行った。介入から1分後に再度30秒の片脚立位課題を行い、重心軌跡を計測した。また、介入から1日以上間隔を空け、同じ手順で異なる介入を行った。介入の種類はランダムな順で実施した。
解析では、前後、左右それぞれの方向の重心最大変位(mm)、及び荷重軌跡の前後、左右成分(mm)を求めた。計測された重心変位幅は被験者の身長で正規化した。また、荷重軌跡の前後成分及び左右成分は測定時間(s)で除し、前後及び左右重心動揺速度(mm/s)とした。
統計処理ソフト(SPSS Statistics 22,IBM,日本)を用い、各群における介入の効果について、各方向の重心最大変位または重心動揺速度と介入の種類を変数とした二元配置分散分析を行い、事後検定にはBonferroniの多重比較検定を用いた。なお、それぞれの検定において危険率5%未満を有意とした。
その結果、第1趾底屈筋と第2〜第5趾底屈筋ではコンディショニング収縮の即時効果が異なり、第1趾の力発揮の立ち上がりを促通すると、前後方向の重心最大変位が減少し、第2〜第5趾底屈筋の力発揮の立ち上がりを促通すると、前後重心動揺速度が減少した(表3)。
(表3)
足趾底屈筋ウォーミングアップの介入効果
これらのことから、片脚立位時、第1趾底屈筋は重心動揺の大きさに関与し、第2〜第5趾底屈筋は重心動揺の速度に関与することが明らかとなった。
過去1年以内に転倒経験のある高齢者では、足趾屈曲筋の単一角度での把持力を簡易的に測定し、第1趾の底屈筋力低下はなかったが、第2〜第5趾の筋力低下が認められたとの報告がある(Menz HB,Morris ME, Lord SR: The paper grip test for screening on intrinsic muscle paralysis in the foot of leprosy patients. Int J Lepr Other Mycobact Dis, 2002, 70(1): 16-24)。先行研究において、加齢に伴う片脚立位時の重心動揺速度の増加が報告されており(Amiridis IG, Hatzitaki V, Arabatzi F: Age-induced modifications of static postural control in humans. Neurosci Lett, 2003, 350(3): 137-40)、さらに,本研究において,第2〜第5趾は前後方向の重心動揺速度に関連することが示された。これらから、第2〜第5趾底屈筋のエクササイズにより筋機能を強化し、重心動揺速度を改善することで高齢者の転倒防止に繋がると推察される。
一方、スポーツにおいて、高度な姿勢制御能力が必要とされる体操やダンス競技者では、重心動揺速度を示す軌跡長は他の競技経験者と同等であるが、重心動揺の大きさを示す重心軌跡面積は小さな値を示すことが報告されている(Asseman FBら: Are there specific conditions for which expertise in gymnastics could have an effect on postural control and performance? Gait Posture, 2008, 27(1): 76-81、及び、Gerbino PGら: Comparison of standing balance between female collegiate dancers and soccer players. Gait Posture, 2007, 26(4): 501-7)。また、本研究において、第1趾底屈筋のウォーミングアップに前後方向の重心動揺の大きさが改善した。これらから、負荷量の大きい動作において、重心の大きな変位を抑制する場合、即ち、負荷量の大きい動作の際の姿勢制御には、第1趾の機能強化が重要となることが示された。
前記実施例に記載のとおり、本発明の方法及びその装置は、第1趾底屈筋力と第2〜第5趾底屈筋力とを個別に本発明の方法及び装置を用いて評価できる。すなわち、本発明の方法及びその装置は、第1趾底屈筋力と第2〜第5趾底屈筋力とを独立してトレーニングし、そのトレーニングの達成度を評価できる。したがって、本実施例で認められた第1趾底屈筋と第2〜第5趾底屈筋のウォーミングアップの独立した効果と姿勢制御との関連性は、高齢者の転倒防止や、スポーツにおける高度な姿勢制御能力が必要とされる競技者のトレーニングの達成度の評価に、本発明の方法及び装置が使用できることを示すものである。
すなわち、本発明の方法、装置及びシステムを使用することにより、健康診断等で任意の足関節及びMTP関節角度における第2〜第5MTP関節底屈筋力及び第1MTP関節底屈筋力に対する第2〜第5MTP関節底屈筋力の比率を測定し、従来のスクリーニングと組み合わせることで高齢者の転倒リスクを従来よりも鋭敏に評価できる他、目標筋力値を具体的に提案することができ、エクササイズのモチベーション向上の繋げることができる。
また、本発明の方法、装置及びシステムは、体操やダンス競技等、高度な姿勢制御能力が必要とされる競技では、競技中の各動作における足関節及びMTP関節角度で第1MTP関節底屈筋力及び第2〜第5MTP関節底屈筋力に対する第1MTP関節底屈筋力の比率を計測し、数値的な目標を提案することで競技中の姿勢制御能力の向上に繋げることができる。
<筋力トレーニング負荷量のフィードバック>
トレーニングには、運動の強度、運動の持続時間及び運動の頻度という条件があり、3条件が満たされてはじめてトレーニング効果が期待できる(市橋則明:運動療法学−障害別アプローチの理論と実際.文光堂,東京,2008)。しかし、従来より、足趾底屈筋力トレーニングにおいて、トレーニング強度を客観的に評価しながら行う方法はなく、そのような試みはなされていなかった。
本発明の筋力測定器装置並びにこれを用いた測定装置及びシステムは、そのモニターユニットに表示された画面を見ながら,自分が最大筋力の何%の力を出しているのかを視覚的に確認することができる。
従って、本発明の方法、並びにその測定装置及びシステムを用いて足趾の筋力トレーニングをすることで、使用者にとって最も効果的な強度や収縮時間で足趾の筋力トレーニングをすることができる。
<総括>
本発明の測定方法並びに測定装置及びシステムを用いることにより、簡便かつ迅速に再現性及び精度の高い第1MTP関節底屈筋と第2〜第5MTP関節底屈筋の筋力を個別又は総合して測定できることが示された。さらに、第1MTP関節底屈筋と第2〜第5MTP関節底屈筋の筋力を個別又は総合して測定可能な本発明の測定方法、測定装置及びシステムを使用することにより、MTP関節底屈運動では、中間位よりも背屈位においてより高いパフォーマンスを発揮することが示された。また、第1MTP関節と第2〜第5MTP関節では、力発揮特性が異なることが明らかとなり、第1MTP関節と第2〜第5MTP関節では、その機能が独立することが示された。さらに、第1MTP関節と第2〜第5MTP関節の底屈筋群は、力発揮時に相互に影響し得ることが示された。また、立位の姿勢制御において、第1趾と第2〜第5趾底屈筋の機能が異なることが明らかとなり、第1MTP関節底屈筋と第2〜第5MTP関節底屈筋のトレーニングとその達成度の評価に対して、本発明の方法、装置及びシステムを用いることが可能であることが示された。
本発明の測定方法並びにそのための測定装置及びシステムを用いて、第1MTP関節、第2〜第5MTP関節及び/又は第1〜第5MTP関節の底屈トルク値を評価することにより、運動器疾患のリスク管理、加齢に伴う神経機能の低下の評価、神経障害を有する者の診断、早期診断及びそれらの診断のための補助データの提供、筋力トレーニングや運動指導を行い、高齢者や子供の転倒防止、運動能力の改善、効率的な足部形態の改善を行うことができる。
本発明の方法及び装置は、高齢者や神経障害を有する者のリハビリテーション評価、高齢者の転倒リスクのチェック、スポーツ選手のパフォーマンス評価及び小児の足趾の発育状態のチェック等での使用、さらに、加齢に伴う神経機能の低下の評価、及び神経障害を有する者の早期発見を目的として、大学等の研究施設、スポーツ現場、アスレチックジム、病院及び教育機関等で利用される。
1 足趾筋力測定装置
2 第1フォースプレート
3 第2フォースプレート
4 第3フォースプレート
5 足根部固定手段
6 足底部固定手段
7 下腿部固定手段
8 座位維持用椅子
9 第1ないし第3フォースプレートの角度調整手段
10 負荷荷重測定手段
11 体幹固定手段
12 足部固定手段
13 増幅及び/又はデジタル化手段
14 解析・記録・表示手段
15 足趾筋力測定システム

Claims (10)

  1. 第1中足趾節関節(MTP関節)及び第2ないし第5MTP関節において、任意の足関節及びMTP関節角度で底屈方向に力発揮させ、各筋力を測定するステップを含むことを特徴とする、足趾筋力測定方法。
  2. さらに、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節の各底屈筋力比率を算出するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の足趾筋力測定方法。
  3. さらに、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節底屈筋群を同時に力発揮させた際の機能低下率を算出するステップを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の足趾筋力測定方法。
  4. 前記第1、及び第2ないし第5MTP関節底屈筋力は、同時又は群ごとに測定されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の足趾筋力測定方法。
  5. 左右両足の第1MTP関節の筋力を測定する第1フォースプレート、右足の第2ないし第5MTP関節の筋力を測定する第2フォースプレート、及び、左足の第2ないし第5MTP関節の筋力を測定する第3フォースプレートを備え、足部を固定する手段と、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節の中足趾節関節の計測角度を調整する手段と、各フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段とを備えることを特徴とする、足趾筋力測定装置。
  6. 任意の足関節及びMTP関節角度で第1MTP関節の筋力の測定と第2ないし第5MTP関節の筋力の測定とが、同時又は群ごと測定されることを特徴とする、請求項5に記載の足趾筋力測定装置。
  7. 前記フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段は、1台以上のシングルポイント型又はマルチポイント型ロードセルから選択されることを特徴とする、請求項5又は6に記載の足趾筋力測定装置。
  8. 左右両足の第1MTP関節の底屈筋力を測定する第1フォースプレート、右足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第2フォースプレート、及び左足の第2ないし第5MTP関節の底屈筋力を測定する第3フォースプレートを備え、足部を固定する手段と、第1MTP関節、及び第2ないし第5MTP関節の計測角度を調整する手段と、各フォースプレートに負荷される荷重を測定する手段とを備えることを特徴とする、下肢運動器障害のリスク若しくは障害度の評価、神経機能低下若しくは転倒リスクの評価、運動トレーニングの達成度の評価、神経障害の診断若しくは早期診断又はそれらのための補助データの提供のための装置。
  9. 請求項5ないし7に記載の足趾筋力測定装置に、さらに、前記足趾筋力測定装置で測定した情報を増幅及び/又はデジタル化するための手段と、増幅及び/又はデジタル化された情報を解析し、表示し、記録する手段とを備えることを特徴とする、足趾筋力測定システム。
  10. 請求項8に記載の装置に、さらに、前記足趾筋力測定装置で測定した情報を増幅及び/又はデジタル化するための手段と、増幅及び/又はデジタル化された情報を解析し、表示し、記録する手段とを備えることを特徴とする、下肢運動器障害のリスク若しくは障害度の評価、神経機能低下若しくは転倒リスクの評価、運動トレーニングの達成度の評価又は神経障害を診断若しくは早期診断又はそれらのための補助データの提供のためのシステム。
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