JP2015217639A - パターン形成方法及びその形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インターポーザとして必要となる導電性を損なうことなく、高アスペクト比のスルーホール内への導体形成および表・裏面間の低抵抗で微細な配線パターンを低減形成可能にする。
【解決手段】パターン形成装置のペースト吐出手段に、先端部分に凹部が形成されて表面に撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする吐出部を備え、パターン形成用マスクに押し当てたときに凹部の一端がマスクと接触して他端がマスクの側に突き出てマスクとの間に隙間を形成するように凹部を成形し、凹部の一端をマスクと接触させた状態で吐出部を移動させることによりペーストを吐出部の凹部とマスクとで囲まれた領域に溜め込んでマスクに形成されたパターンに押し込んで充填することにより、被パターン形成基材に形成されたスルーホールに導電性ペーストを充填し、被パターン形成基材の表・裏面に導電性ペーストによる配線パターンを形成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、被パターン形成基材に対し所定の開口パターンを有するパターン形成用マスクを介してパターン形成用材料を被パターン形成基材に吐出してスルーホール内への充填および配線パターンを形成するパターン形成方法及びその形成装置に関する。
半導体素子を実装(搭載)する基板として、シリコン、ガラス、セラミックス等の無機材料、ガラスエポキシ、ポリイミド等の有機材料が用いられる。半導体素子の高性能化、高密度化の要求に応えるため、半導体素子を搭載する基板にも、高密度で微細な配線や微細なスルーホール(ビア)が必要となっている。そこで、これらの微細な配線や微細なスルーホール(ビア)内への導体材料の形成が必須となっている。
半導体素子には微細なピッチで端子が形成されており、直接プリント基板等に実装することが困難になってきている。そのため、インターポーザ等の中間基板を用いる必要がある。インターポーザとしては、半導体素子と同一材料のシリコンやシリコンとプリント基板材料との熱膨張係数が中間程度のガラスやセラミックス材料が用いられる。
被パターン形成基材へのパターン形成方法として、一般的にスクリーンマスクによるパターン形成法が用いられている。特に、回路パターンのような複雑形状のパターン形成用マスクとしては、スクリーンマスクが用いられる。
スクリーンマスクによるパターン形成法では、パターン形成用マスク上に粘性パターン形成用材料(ペースト)をコートすることを目的としたスクレッパや、パターン形成用マスクに形成した開口パターン部内への粘性パターン形成用材料(ペースト)を充填することを目的としたスキージが用いられるのが一般的である。
また、パターン形成用マスクへの粘性パターン形成用材料(ペースト)の充填方法として、強制加圧用吐出機構部を用いる方法が、特開平11−268236号公報(特許文献1)に記載されている。この従来例を、以下では加圧吐出手段と記す。
この従来例によれば、高精度に充填圧力を制御でき、吐出口から適正な充填圧でパターン形成用マスクの開口部に充填することができるとともに、ペースト粘度や粘弾性等の物性に影響され難いことが記載されている。さらに、ペーストが吐出機構部密閉構造内にあることから、パターン形成時におけるペースト物性の変化(パターン形成用マスク上にペーストを放置した際の溶剤蒸発などが原因の粘度上昇、乾燥固形物混入)を防止でき、ペースト中へのエアーやごみの巻き込みを防止できる。
また、発明者らは、パターン形成用マスクと吐出機構を搭載したパターン形成装置を用い、太陽電池セルの電極配線形成に関する特許を出願している(特許文献2)。これによると、使用する基材、ペースト等により、目的とするパターンを形成するために必要なパターン形成方法を適正化することが記載されている。
特開平11−268236号公報 特開2014‐004819号公報
インターポーザの微細なスルーホールは、半導体製造プロセスで形成される。また、微細なスルーホール内への導体材料形成には、めっきプロセスが用いられている。しかし、微細なスルーホールのアスペクト比(深さ/穴径)が大きくなると、めっき液が入り難くなり、特別なプロセスで長時間を要することが課題であり、コスト高となっている。
したがって、インターポーザに形成された高アスペクト比(深さ/穴径)の非常に微細なスルーホール内に導体材料を形成することが課題となっている。また、インターポーザの表・裏面に形成する微細な配線パターンを低抵抗に形成することが課題となる。
現状のスクリーン印刷では、乳剤開口部の寸法差により乳剤開口部からのペースト吐出性に差が生じてしまい、形成する配線幅(乳剤幅) が狭くなると、ペーストの転写性が悪化し、印刷配線の厚さが薄くなるという問題が生じやすい。
一般的に、ペーストはシェア(せん断力)が加わることにより流動性が良くなることから、ローリングすることにより粘度が低下し、流動性が向上する。
特許文献1に記載されているような加圧吐出手段では、密閉加圧容器内に保持されたペーストは、流動が少なくシェア(せん断力)が加わらない。そのため、粘度が向上し流動性を損なう可能性がある。流動性が悪いとパターン形成用マスクへのペーストの充填性が損なわれ、パターン形成用マスク内のペースト量が不足するといった不具合が生じる場合がある。
スキージ或いは加圧吐出手段を用いてパターン形成すると同時に、スキージ或いは加圧吐出手段の吐出部先端からのペーストの離型性を良くしてペーストのローリング性を高めることによりパターン形成性(充填性・転写性)を向上することも課題である。
さらに、スキージを用いてペーストによるパターンを形成する際、ペーストはパターン形成用マスクと逆側のスキージ側面に沿ってせり上がるため、パターン形成用マスクへのペーストの充填不足が発生してしまうことも課題である。
このような課題を解決しうる特長を併せ持つパターン形成用マスクへのペーストの充填方法を見出すことが課題である。
また、ペーストはスキージ或いは加圧吐出手段の吐出部先端により、パターン形成用マスクに形成した開口パターンへ充填されるため、スキージ或いは加圧吐出手段の吐出部先端の形状がパターン形成用マスクへのペースト充填性を左右することになるため、充填性を従来のスキージ或いは加圧吐出手段の吐出部先端より向上することが可能な吐出機構部先端の構造および表面状態が課題である。特に、吐出機構部先端と被パターン形成基材のパターン形成面とのアタック角度により、ペーストに加わる力の方向が変わるため、パターン形成用マスクに形成した開口パターンへほぼ垂直方向からペーストを充填できるようにすることが課題である。
一方、一般的なスクリーンマスクによるパターン形成法においては、スキージ或いは加圧吐出手段の吐出部には印圧による荷重が加わるため、先端部が変形する。ウレタン製の平スキージは、全体的にしなりが生じるため、スキージ先端のアタック角度は非常に小さくなり、被パターン形成基材の段差によりそのアタック角度が変動することになる。アタック角度が変動すると、パターン形成用マスクの開口部への充填性が変わることになる。そこで、ペースト吐出機構部先端の構造を見出すことにより、ペーストのパターン形成用マスクへの充填性バラツキを低減することが課題である。
パターン形成対象物によって、パターン形成用マスクには、メタルマスク、メッシュマスク等使い分けを行うことがある。どのようなパターン形成用マスクに対しても対応可能な吐出機構部とすることが課題である。
また、パターン形成物の微細化に伴い、パターン形成用マスクに形成した開口部の大きさが小さくなってきており、その開口部の大きさにより被パターン形成基材へのペーストの転写厚さが少なくなることが懸念される。パターン形成用マスクとしては、パターン形成後にパターン形成用マスク内の開口パターン部のメッシュおよび乳剤に付着して残存するペーストを極力少なくし、ペーストを被パターン形成基材に所望の量を安定して転写することが課題である。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、インターポーザとして必要となる導電性を損なうことなく、高アスペクト比のスルーホール内への導体形成および表・裏面間の低抵抗で微細な配線パターンを低減形成可能なパターン形成方法およびその形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、パターン形成装置を、パターン形成用のマスクを保持するマスク保持手段と、パターン形成する被パターン形成基材を載置して被パターン形成基材をマスク保持手段に保持されたパターン形成用マスクの所定の位置に移動させるテーブル手段と、導電性ペーストを吐出する吐出機構を備えてマスク保持手段に保持されたパターン形成用マスクを介してテーブル手段に載置された被パターン形成基材に吐出機構から吐出された導電性ペーストによるパターンを形成するペースト吐出手段と、このペースト吐出手段の吐出機構をパターン形成用マスクに沿って往復移動させる吐出機構駆動手段とを備えて構成し、導電性ペースト吐出手段の吐出機構は、先端部分に凹部が形成されて表面に導電性ペーストに対して撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする1対の吐出部を所定の間隔あけて凹部が向き合うようにして対向させて配置し、凹部は1対の吐出部をパターン形成用マスクに押し当てたときにそれぞれの吐出部に形成された凹部の対向する吐出部から遠い側の端がパターン形成用マスクと接触して凹部の対向する吐出部に近い側の端がパターン形成用マスクの側に突き出てパターン形成用マスクとの間に隙間を形成するように成形されており、1対の吐出部のそれぞれの凹部の対向する吐出部から遠い側の端をパターン形成用マスクと接触させた状態で吐出機構駆動手段で往復移動させることにより所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを一対の吐出部に形成された凹部のうちの移動の方向に対して導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された凹部とパターン形成用マスクとで囲まれた領域に溜め込んでこの領域に溜め込んだペーストをパターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填することにより、被パターン形成基材に導電性ペーストによる配線パターンを形成するようにした。
また、上記課題を解決するために、本発明では、導電性ペーストを吐出する吐出機構の端部をパターン形成用マスクに接触させた状態でパターン形成する被パターン形成基材をパターン形成用マスクに密着又は近接させ、被パターン形成基材をパターン形成用マスクに密着又は近接させた状態で吐出機構に導電性ペーストを供給しながら吐出機構の先端部分をパターン形成用マスクに接触した状態を保って一方向に移動させ、吐出機構の一方向への移動が終了した状態でパターン形成用マスクを被パターン形成基材から引き剥がすことによりパターン形成用マスクに形成されたパターンを転写して被パターン形成基材に導電性ペーストによる配線パターンを形成するパターン形成方法において、吐出機構は、先端部分に凹部が形成されて表面に導電性ペーストに対して撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする1対の吐出部を所定の間隔あけて凹部が向き合うようにして対向して配置されており、吐出機構のパターン形成用マスクに接触させる端部は、先端部分に形成した凹部の端部のうち対向する吐出部から遠い側の端部であり、凹部の前記対向する吐出部に近い側の端部はパターン形成用マスクの側に突き出てパターン形成用マスクとの間に隙間を形成し、1対の吐出部のそれぞれの凹部の対向する吐出部から遠い側の端部をパターン形成用マスクと接触させた状態で一方向に移動させることにより所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを一対の吐出部に形成された凹部のうちの移動の方向に対して導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された凹部の対向する吐出部に近い側の端部とパターン形成用マスクとの間の隙間から凹部とパターン形成用マスクで囲まれた領域に溜め込んでこの領域に溜め込んだペーストをパターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填することにより、被パターン形成基材に導電性ペーストによる配線パターンを形成するようにした。
また、上記課題を解決するために、本発明では、被パターン形成基材に接する側に高解像性の乳剤の層と柔軟性の乳剤の層とが形成されており表面が導電性ペーストに対して撥液性を有しているパターン形成用マスクに導電性ペーストを吐出する吐出機構の端部を接触させた状態でパターン形成用マスクを被パターン形成基材に密着又は近接させ、被パターン形成基材をパターン形成用マスクに密着又は近接させた状態で吐出機構に導電性ペーストを供給しながら吐出機構の先端部分をパターン形成用マスクに接触した状態を保って一方向に移動させ、吐出機構の一方向への移動が終了した状態でパターン形成用マスクを被パターン形成基材から引き剥がすことによりスクリーンに形成されたパターンを転写して被パターン形成基材に導電性ペーストによる配線パターンを形成すると共に被パターン形成基材に形成されたスルーホールの内部に導電性ペーストを充填するパターン形成方法であって、吐出機構は、先端部分に凹部が形成されて表面に導電性ペーストに対して撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする1対の吐出部を所定の間隔あけて凹部が向き合うようにして対向して配置されており、吐出機構のパターン形成用マスクに接触させる端部は、先端部分に形成した凹部の端部のうち対向する吐出部から遠い側の端部であり、凹部の対向する吐出部に近い側の端部はパターン形成用マスクの側に突き出てパターン形成用マスクとの間に隙間を形成し、1対の吐出部のそれぞれの凹部の対向する吐出部から遠い側の端部をパターン形成用マスクと接触させた状態で一方向に移動させることにより所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを一対の吐出部に形成された凹部のうちの移動の方向に対して導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された凹部の対向する吐出部に近い側の端部とパターン形成用マスクとの間の隙間から凹部とパターン形成用マスクで囲まれた領域に溜め込んでこの領域に溜め込んだペーストをパターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填することにより、被パターン形成基材に導電性ペーストによる配線パターンを形成すると共に被パターン形成基材に形成されたスルーホールの内部に導電性ペーストを充填するようにした。
本発明の吐出機構を搭載したパターン形成装置によれば、インターポーザとして必要な配線抵抗を低減し、高速で安定してスルーホール内への導体充填形成および微細配線パターンを形成することができるようになった。
本発明の実施例1における吐出機構部を搭載するパターン形成装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1における吐出機構部を搭載するパターン形成装置でパターン形成を行う処理の流れを示すフロー図である。 本発明の実施例1におけるスルーホール内へのペースト充填状況を説明するプロセス概要図である。 本発明の実施例1におけるスルーホール内へのペースト充填用マスクを説明する局部的に拡大した断面図である。 本発明の実施例1における吐出機構でパターン形成したときのマスクに対する吐出機構部の動きと吐出機構部先端部分におけるペーストの流れの状態を説明する吐出機構部先端部分の正面図である。 本発明の実施例1における吐出機構でパターン形成したときの吐出機構部先端部分におけるペーストの流れの状態を説明する吐出機構部先端部分の正面図である。 本発明の実施例1における表・裏面電極配線のパターン形成状況を説明するプロセス概要図である。 本発明の実施例1における表・裏面電極配線に用いるパターン形成用マスクの断面を局部的に拡大した断面図である。 本発明の実施例3におけるスルーホール内へのペースト充填および表・裏面電極配線に用いるパターン形成状況を説明するプロセス概要図である。 本発明の原理を説明する図で、ペーストと接する部分を撥液性を有する膜で被覆した吐出機構部を矢印の方向へ移動させたときに、吐出機構部の先端部分の凹形状部とパターン形成用マスクとで形成される領域の内部でペーストのローリングの状態を説明する吐出機構部の先端部分の断面図である。 従来のスクリーン印刷を説明する図で、スキージの動きに対するペーストの流れる方向を示す従来の吐出機構部の先端部分の断面図である。 高アスペクト比のスルーホールが形成されたインターポーザの断面構造を示す図である。 液滴の外周部の基板と接触している点における液滴の角度(接触角)θを用いて撥液性を定量化する手法を説明する図であって、基板の表面落とした液滴の断面図である。
本発明は、吐出機構部を用いて所定の位置に開口部を有するパターン形成用マスクからペーストをテーブルに固定した被パターン形成基材の所定の位置に転写するパターン形成装置において、微細なパターンを精度良く安定してパターン形成できるパターン形成を実現するために、吐出機構部先端部分のパターン形成用マスクと接触する部分を凹形状に形成し、この凹形状部を含む吐出機構部の先端部分の表面に撥液性を有する膜で被覆して、所望のパターン開口部が形成されたパターン形成用マスクにペーストを充填させて、被パターン形成基材の所定の位置に転写する際、撥液性を有する膜で被覆した吐出機構部の先端部分の凹形状部とパターン形成用マスクとで形成される領域の内部でペーストのローリングを促進することによりパターン形成用マスクに対するペーストの吐出性を向上させ、微細なパターンを精度よくパターン形成できるようにしたものである。
本実施の形態において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
インターポーザ用高アスペクト比のスルーホール内の導電性を確保するためには、導電性ペースト(以下、ペーストと記す)の充填量を多くし、低抵抗化を図ることが必要である。また、インターポーザの表・裏面の微細配線パターンは、スルーホール部との位置合わせ精度や配線の低抵抗化が必要であり、良好な高周波特性を得るためには配線部の凹凸(高さおよび幅)を低減することも必要である。
従来のスクリーン印刷では、図10に示すように、スキージ1001の矢印1010の方向への動きに対してペースト1002が矢印1020の方向に流れるので、パターン形成用マスク1030に対して十分なペーストの吐出性得ることができないために、パターン形成用基板1040に形成された高アスペクト比のスルーホール1041内へペースト1002を充填する際、一工程では完全に充填できないため、複数回の充填工程を行う必要があるが、最初に充填したペーストが次のペースト充填工程を行う際の妨げになり、空気塊(ボイド)を形成するため、高抵抗化や断線が生じることがあり、後工程の熱処理時(はんだ実装等)の不良原因となる。また、微細接続パッドを有する半導体素子を実装するためには、薄膜等の再配線を形成する必要があり、スルーホール内のボイドは、薄膜形成プロセスの障害となり得る。
本発明の方法を利用すると、図9に示すように、ペーストと接する部分を撥液性を有する膜で被覆した吐出機構部901を矢印910の方向へ移動させたときに、吐出機構部901の先端部分の凹形状部902とパターン形成用マスク920とで形成される領域903の内部でペースト930の矢印940の方向へのローリングを促進することによりパターン形成用マスク920に対するペーストの吐出性を向上させることができる。その結果、パターン形成用マスクに対するペースト930の吐出性に優れていることから、パターン形成用基板950に形成された高アスペクト比のスルーホール951内に一工程でペースト930を充填することができ、さらにパターン形成マスク内のペーストまで転写されることから、熱処理等による乾燥収縮でスルーホール部の凹みが生じることが無く、低抵抗で完全充填されたスルーホール部を形成することができる。
また、微細な配線パターンを従来のスクリーン印刷で形成する際、パターン形成用マスクのメッシュや乳剤にペーストが残留し、配線パターン形状(高さおよび幅)に凹凸が生じてしまい、配線抵抗の高低部が形成されるため、ノイズの原因となり高周波特性が悪化する原因となる。
これに対して、本発明のパターン形成方法を利用すると、ペーストの吐出性に優れていることに加え、パターン形成マスク内(メッシュおよび乳剤)にペーストが残留しにくいことから、低抵抗で配線パターン形状(高さおよび幅)に凹凸が少ない高周波特性に優れた配線パターンを形成することができる。
本発明を実施するために使用したインターポーザ1100の高アスペクト比のスルーホール1110を形成する作成工程の一例を図11を参照して下記に示す。
少なくとも片面に鏡面研磨を施したシリコンウェハ1101に耐プラズマエッチング性に優れた感光性レジストを形成(液レジスト塗布又はドライフィルムラミネート)し、直描法による露光およびアルカリエッチング法により、スルーホール1110を形成する位置のレジストを除去する。その後、DRIE(深堀反応性イオンエッチング法)により高アスペクト比の穴を形成する。その際、最終的に必要となるインターポーザの厚みより深く穴を形成する必要がある。
レジストを除去した後、穴を形成した際の残渣等を除去・洗浄し、穴を形成した面の裏側からバックグラインドを行い、所望のインターポーザの厚みまで研磨する。鏡面とするため、CMP(化学機械研磨法)で最終仕上げを行う。シリコンは半導体であるため、絶縁性に課題がある。そこで、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)を用いた成膜法等により絶縁膜1120をスルーホール内を含む露出部全面に形成する。
この絶縁膜形成は、バックグラインドの後に表面およびスルーホール内部に形成し、裏面はバックグラインド後に形成しても構わない。また、絶縁膜の形成は、本方式のみに限定されるものではなく、インターポーザとして必要な絶縁性を確保できるものであれば構わない。このようにして、全面に絶縁膜が形成されたシリコンインターポーザの高アスペクトスルーホール形成品を作成した。
パターン形成装置への吐出機構部の取り付けは、実質的に垂直である。
吐出機構部を用いて所定の位置に開口部を有するパターン形成用マスクからペーストをテーブルに固定した被パターン形成基材の所定の位置に転写するパターン形成装置において、本発明の特徴の一つは、均一加圧方式によるパターン形成用マスクへのペーストの充填に加え、吐出機構部先端の円弧状の凹形状によるパターン形成用マスクへのペーストの充填を行うことにある。また、吐出機構本体への円弧状の凹形状を有する先端部の取り付け角度より吐出機構部と前記被パターン形成基材のパターン形成面とのアタック角度の方を変えることができるという特徴も有している。
それにより、吐出機構部先端の円弧状の凹形状部内でペーストが閉じ込められ、吐出機構部がパターン形成用マスクの吐出機構部を密着させながら駆動方向に摺動させる工程で、ペーストが吐出機構部先端の円弧状の凹形状に沿ってローリングすることができる。
さらに、本発明によるパターン形成装置では、少なくとも円弧状の凹形状部を含むペーストが接触する吐出機構部先端部の表面に撥液性を付与したことにより、ペーストと吐出機構部表面との摩擦力が低減され、ローリング性が向上する。ローリング性が向上すると、シェア速度が大きくなり、ペーストの粘度が低下し、より一層ペーストが流動しやすくなる。
ここで、撥液性を定量化する手法として、図12に示すように、基板1201の表面に液滴1210を落とし、液滴外周部の基板1201とが接触している点1211における液滴の角度(接触角)θを用いる。接触角θが小さいと、基板1201の表面に液滴1210が濡れ広がった状態を示し、逆に、接触角θが大きいと、基板1201の表面に液滴1210が盛り上がった形状になり、液滴がはじいている状態を示している。
吐出機構部表面の撥液性は、ペーストに含有する溶剤で評価する必要がある。ペーストに含有する溶剤を吐出機構部表面に落とし、その接触角が45度より小さい場合は、吐出機構部の表面に沿って、ペーストが盛り上がり、ローリングする速度が低下する。接触角が45度以上であれば、吐出機構部表面の撥液性が向上し、吐出機構部表面にペーストが濡れ広がりにくくなり、ペーストのローリング性が向上する。接触角は大きいほど良好である。
撥液性を有する膜としては、ペーストに含有する溶剤に溶解するものは好ましくない。ペーストに含有する溶剤に対し抵抗力があり、また、撥液性を有する材料として、SiO、フッ素樹脂、炭化水素、フッ素含有炭化水素が挙げられる。
また、吐出機構部に形状保持性と柔軟性を兼ね備えるために、吐出機構部先端のシム(図示していない)に接触する一部分に芯材を用いた。芯材は導電性を有するものが良く、特に、ステンレスからなる材料が良好である。芯材は、プラズマ処理による撥液性の膜を形成するための電極として使用することができる。
パターン形成後にパターン形成用マスク開口部に露出しているメッシュおよび乳剤の壁面に付着して残存するペーストがあると、被パターン形成基材に転写するペーストの量が安定しなくなることが考えられる。そこでこの問題を解決する方法としては、ペーストが付着すると考えられるパターン形成用マスク開口部に露出しているメッシュおよび乳剤の壁面と、被パターン形成基材側の乳剤面に撥液性を付与することが有効である。被パターン形成基材側の乳剤面に撥液性を付与するのは、被パターン形成基材に形成したパターン形成物のにじみを防止する必要があるためである。
また、本発明のパターン形成装置に搭載する吐出機構部は、パターン形成用マスクとして、パターン形成エリアが少なくとも金属メッシュと有機物からなる乳剤で構成され、乳剤に所定の開口部を有することを特徴とするパターン形成用マスク(メッシュマスク)が使用可能である。パターン形成用マスクとして、金属メッシュを使用する場合には、有機物からなる柔軟性を有する乳剤で開口部パターンを形成するため、乳剤により金属メッシュを被パターン形成基材から浮かせることができ、吐出機構部による被パターン形成基材表面へのダメージを低減するとともに、安定した膜厚のパターン形成を形成することが可能である。
また、ここで使用するパターン形成用マスクとしては、ペーストを被パターン形成基材に効率よく転写する必要があり、上記吐出機構部と同様に撥液性を付与することが可能である。パターン形成用マスクの開口パターン部に充填されたペーストは、流動性がないことから高粘度になっており、パターン形成用マスクの開口パターン部への粘着性が向上している。そのため、パターン形成用マスクの開口パターン部に撥液性が付与されると、パターン形成用マスクの開口パターン部に充填されたペーストがパターン形成用マスクの開口パターン部に残留することが低減し、転写量を向上することができる。
すなわち、本発明は、吐出機構部を用いて所定の位置に開口部を有するパターン形成用マスクからペーストをテーブルに固定した被パターン形成基材の所定の位置に転写するパターン形成装置において、微細なパターンを精度良く安定してパターン形成を実現するために、吐出機構部先端のパターン形成用マスクと接触する角部を凹形状に形成し、凹形状部を含む吐出機構部の先端部分の表面を撥液性を有する膜で被覆して、所望のパターン開口部を有するパターン形成用マスクにペーストを充填、転写する際、撥液性を有する膜で被覆した吐出機構部の先端部分の凹形状部とパターン形成用マスクとで形成される領域の内部でペーストのローリングを促進することにより、微細なパターンを精度よくパターン形成できるように促進させたものである。
本発明のパターン形成装置に搭載する吐出機構部を使用するパターン形成用マスクとしては、ここで説明したメタルマスク、メッシュマスクなどに限定するものではない。
本発明は、パターンを形成する方法、例えば、電子デバイス、太陽電池用セル表面への電極配線のパターン形成、プリント配線基板への電極配線のパターン形成、液晶ディスプレイ用基板への枠状シール材のパターン形成、プラズマディスプレイ用基板への誘電体層、画素間隔壁や電極配線および蛍光材料の充填パターン形成、バックコンタクト型太陽電池用セル貫通穴内への導体材料の充填パターン形成、半導体凹部開口部内への絶縁性材料の充填パターン形成、半導体パッド上への高アスペクト導電性ピラーパターン形成、半導体表面への絶縁層パターン形成、再配線パターン形成等、様々な分野のパターン形成で、従来技術では不可能であった、例えば幅が1μm以下の微細なパターンの形成や、径が1μm以下でアスペクト比が3以上の高アスペクト開口部への材料の充填等を、ペースト材料の転写による印刷技術を用いたパターン形成方法により実現できるようにしたものである。
以下に、具体的な例を挙げて本発明を説明する。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施例1に係る吐出機構部1を搭載するパターン形成装置100の構成を、図1を用いて説明する。図1は本実施例1の吐出機構部1を搭載したパターン形成装置100の正面図である。図1は簡略化のために、吐出機構部1先端の吐出部、装置の架台や側壁、支柱、支持部材などや、被パターン形成基材を搬送、移設する機構などの表示を省略している。
パターン形成装置100は、パターン形成用マスク部110、被パターン形成基材支持テーブル部23、吐出機構ユニット120、吐出機構部駆動機構部130、ペースト加圧機構2、ペースト導入路3、ペースト貯蔵槽4および制御部21を備えている。
パターン形成用マスク部110は、被パターン形成基材(例えばガラス基板)6の所望の回路パターンを形成するために設計されたパターン開口部が設けられたパターン形成用マスク11(実際には、後述するパターン形成用マスク40を使用)と、パターン形成用マスク11を囲むテンションメッシュで緊張状態を保持した平面視矩形状の版枠22と、この版枠を支持する支持部材111とを備えて構成されている。
被パターン形成基材支持テーブル部23は、被パターン形成基材6を載置するテーブル231、テーブル231に載置された被パターン形成基材6を固定するチャック部232、テーブル231を上下に駆動する上下駆動部233を備えている。
吐出機構ユニット120は、吐出機構部1、吐出機構部固定治具16、吐出機構部ヘッド15、エアシリンダ24を備えている。
エアシリンダ24は支持部材25に固定されており、エアシリンダ24と接続している吐出機構ユニット120を上下に駆動する。また、支持部材25は、駆動軸27と係合している軸受け部26で支持されている。
吐出機構部駆動機構部130の駆動軸27はボールねじで構成され、モータ30で回転駆動されることにより駆動軸27と係合している軸受け部26が図の左右方向に移動し、吐出機構ユニット120がガイド軸28に沿って図の左右方向に移動する。駆動軸27とガイド軸28とは、固定板29で支持されている。
制御部21は、パターン形成装置100の各部の動作を制御する。まず、制御部21からの制御信号でエアシリンダ24を駆動するエアシリンダ駆動部31を制御することにより、エアシリンダ24を駆動する。また制御部21からの制御信号により、モータ30のドライバ部32を制御してモータ30を正逆方向に回転させる。更に、制御部21からの制御信号により、被パターン形成基材支持テーブル部23のチャック部232を駆動するチャック駆動部34を制御してテーブル231に載置された被パターン形成基材6を固定するチャック部232の開閉動作を行わせる。
更にまた、制御部21からの制御信号により被パターン形成基材支持テーブル部23の上下駆動部233を駆動するテーブル駆動部33を制御して、テーブル231を上下に移動させる。更にまた、制御部21からの制御信号により被パターン形成基材支持テーブル部23のチャック232の駆動部34を制御してチャック232の開閉を行う。
以上の構成を備えたパターン形成装置の動作について図2のフロー図を用いて説明する。
まず、エアシリンダ駆動部31でエアシリンダ24を駆動して吐出機構部ヘッド15を下降させ吐出機構部1先端をパターン形成マスク11の上面に接触させ(S201)、図示していない搬送手段により被パターン形成基材6を被パターン形成基材支持テーブル231の上の所定の位置に載置し(S202)、被パターン形成基材支持テーブル231を搬送してパターン形成マスク11の所定の位置に配置し(S203)、チャック部232で被パターン形成基材6を被パターン形成基材支持テーブル23上に固定して保持する。
次に、テーブル駆動部32で上下駆動部233を駆動してテーブル231を上昇させ(S204)、被パターン形成基材6をパターン形成用マスク部110のパターン形成用マスク11とほぼ接触する位置に設置させる。表・裏面の配線パターンを形成する場合には、テーブル駆動部32で上下駆動部233を駆動してテーブル231を上昇させ(S204)、被パターン形成基材」6をパターン形成用マスク部110のパターン形成用マスク11と所定の距離を隔てて設置させる。次にエアシリンダ駆動部31でエアシリンダ24を駆動して吐出機構部ヘッド15を下降させ(S205)、吐出機構部1先端の吐出部101(図3参照)でパターン形成用マスク11を被パターン形成基材6に密着させる(S206)。このとき、吐出機構ユニット120は、図1の左端の部分に位置している。
次に、吐出機構部1先端の吐出部101(図示せず)のパターン形成用マスク11を被パターン形成基材6に密着させた状態で、制御部21からの制御信号によりドライバ部32でモータ30を駆動して駆動軸27を回転させる。駆動軸27が回転することにより吐出駆動ユニット120はガイド軸28に沿って移動し、吐出機構部1先端の吐出部は、パターン形成用マスク11に沿って、パターン形成用マスク11の被パターン形成基材6に密着させる位置を順次変えながら図1の左側から右側に向けて移動する(S207)。モータ30を駆動して吐出駆動ユニット120がガイド軸28に沿って移動を開始した直後、ペースト加圧機構2によりペースト貯蔵槽4の内部に貯蔵されたペーストに加圧し、ペースト導入路3を介して吐出機構部1内に加圧されたペーストを供給する(S208)。
加圧されたペーストを供給しながら、ドライバ部32を制御してモータ30を駆動し、ボールねじで構成された駆動軸27を回転させて吐出機構ユニット120とその先端に取り付けた吐出機構部1をパターン形成用マスク11に押し付けた状態でパターン形成用マスク11に沿って図1の左側から右側に向けて移動させることにより、ペーストによるパターン形成用マスク11のパターンを被パターン形成基材6上に形成する。ペースト加圧機構2は、吐出機構部1が所定の距離の移動を完了する直前にペーストの加圧を停止して、供給手段による吐出機構部1内へのペーストの供給を停止する(S209)。吐出機構部1が所定の距離移動した後、ドライバ部32はモータ30の駆動を停止して吐出機構部1の移動を停止させる。
次にエアシリンダ駆動部31でエアシリンダ24を駆動して吐出機構部ヘッド15Lを上昇させ(S210)、吐出機構部1をパターン形成用マスク11の上面の設置位置に戻して吐出機構部1によるパターン形成用マスク11の被パターン形成基材6への密着を解除する。この際、エアシリンダ24は、吐出機構部1先端とパターン形成用マスク11との接触した状態が維持される程度に吐出機構部1を上昇させる。吐出機構部1の先端とパターン形成用マスク11との接触した状態が維持されることにより、吐出機構部1に供給されたペーストが空気と触れることにより生じるペーストの表面の乾燥を防止することができる。
次に、テーブル駆動部33で上下駆動部233を制御してテーブル231を下降させ(S211)、テーブル231が下降端に達したら上下駆動部233によるテーブル231の下降は停止し、テーブル231を図示していない手段により移動させる(S212)。
最後に、チャック駆動部34を制御して被パターン形成基材6を保持しているチャック部232を開放し、図示していないハンドリング手段により被パターン形成基材6をテーブル231から取り外す(S213)。
この取り出した被パターン形成基材6が処理する最後の被パターン形成基材であるか否かを判定し、最後の場合には処理を終了するため、エアシリンダ駆動部31でエアシリンダ24を駆動して吐出機構部ヘッド15を上降させ、吐出機構部1先端をパターン形成マスク11の上面から離す。
一方、次に処理する被パターン形成基材が有る場合には、吐出機構部1先端とパターン形成マスク11の上面が接触している状態(S201)であるため、ここからの処理フローを再び実行する。但し、制御部21からの制御信号によりドライバ部32でモータ30を駆動して駆動軸27を逆方向に回転させることにより、パターン形成用マスク11に密着させた吐出機構部1を図1の右側から左側に向けて移動させてパターン形成を行う。
実施例1に係る吐出機構部1先端の吐出部101の構成を、図3および図4を用いて説明する。
図3は本実施例1の吐出機構部1先端の吐出部101からペーストを供給してパターン形成している状況を模擬した断面図である。図3は簡素化のために、パターン形成装置に吐出機構部1を固定する吐出機構部固定治具16、吐出機構部1にペーストを供給するペースト導入路3の表記を省略している。
図4は、パターン形成用マスク11として、本実施例1の被パターン形成基材6に設けられたスルーホール内にペーストを充填するために使用するパターン形成用マスク(メタルマスク)40の部分断面図である。
また、パターン形成用マスク11として、図3および図4に示した例においては、メタル板41に転写用パターン用の穴が形成されパターン開口部44が設けられているパターン形成用マスク40を用いた場合について説明する。
吐出機構部1先端の吐出部101は、ポリウレタン樹脂102からなり、その表面に撥液性の膜103が形成されている。また、吐出部101には、円弧状の凹形状部8が形成されている。吐出部101は、爪部124で吐出機構部1に固定され、保持されている。吐出部101の幅(図3の紙面に垂直な方向)の寸法は、被パターン形成基材6の印刷領域の幅に合わせて適宜決定される。また、吐出部101の円弧状の凹形状部8の幅方向の両端には、供給されたペースト9が外部に漏れ出るのを防止するために、側壁(図示せず)が形成されている。
パターン形成する際には、パターン形成用マスク40と吐出機構部1先端の吐出部101とを密着させるためにエアシリンダ24により印圧が付与され、吐出部101がパターン形成用マスク40に押し付けられる。
この状態で、ペースト貯蔵槽4に貯蔵されてペースト加圧機構2で加圧されたペースト9が、ペースト導入路3を通って吐出機構部1に内蔵されたペースト流路10から吐出機構部1先端の吐出部101に供給される。ペースト9が加圧して供給された状態で吐出機構部1をパターン形成方向200に移動させることにより、パターン形成用マスク40の乳剤開口パターン部44を介して、被パターン形成基材6に設けられたスルーホール61内にペースト91を充填することが出来る。
本実施例1の吐出機構部1先端の吐出部101の製造方法の一例を説明する。
まず、前工程として、吐出機構部1先端の吐出部101の基となる構造物を作成する。
この構造物は、以下の方法により作成される。まず、所定の寸法に加工された金型を用い、ポリウレタン樹脂102の原料となる溶液を芯材104がセットされた金型に流し込む。次に、適正な温度プロファイルで熱を加え、ポリウレタン樹脂102を硬化させる。温度が下がった段階で、金型から吐出機構部1を取り出すことにより、芯材104の周りにポリウレタン樹脂102が形成された吐出機構部1先端の吐出部101の構造物を作製した。
一例として、吐出機構部1の先端を所定の形状(円弧状の凹形状部8)になるように、ポリウレタン樹脂102に研磨機で加工を施す。吐出機構部1の先端の吐出部101を所定の形状(円弧状の凹形状部8)に成形するための研磨加工は、吐出機構部1の先端の吐出部101の両側のポリウレタン樹脂102に一対設置するため、一対を同時に形成する。
吐出機構部1の先端の吐出部101のポリウレタン樹脂102表面に撥液性を付与するために処理の一例として、炭化水素の膜を形成する方法を説明する。
炭化水素の膜は、プラズマ処理により行う。まず、前工程にて作製した吐出部101に、成膜が不要な個所はマスキングを行い、炭化水素の膜を成膜する箇所のみを露出させる。
吐出部101の芯材104に電源接続端子(図示せず)を取り付け、図示していない成膜装置チャンバー内に入れて材料ガスとして含炭素化合物ガスを導入した状態で電源接続端子を介して高周波電力を印加する。これにより成膜装置のチャンバー内にプラズマが発生して、吐出部101のマスキングされていない成膜する箇所の表面にダイヤモンドライクの炭化水素の膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)が形成される。
このようにして、吐出部101のポリウレタン樹脂102の表面に撥液性の膜103であるダイヤモンドライクカーボンを形成した。
吐出機構部1の構造は、図3の(a)に示したように、ペースト流路10を挟んで、左右で基本的には同じ構造になっている。吐出機構部1の先端の吐出部101には、ペースト流路10を挟んで左右対称に円弧状の凹形状部8が形成されている。
パターン形成する際には、ペースト9は吐出機構部1内のペースト流路10を通って、吐出機構部1の先端の吐出部101を形成するポリウレタン樹脂102のペースト接触面10L及び10R(図5B参照)に接触し、パターン形成用マスク40に形成された乳剤開口パターン部44にペースト9が挿入・充填される。さらに、ポリウレタン樹脂102表面の撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8とパターン形成用マスク11(40)の表面とで形成された空間内で凹形状部8の撥液性の膜103が形成された円弧状の面に沿ってペースト9がローリングしてパターン形成用マスク40の開口パターン部44を介して被パターン形成基材6に設けられたスルーホール61内に充填される。実際には、ペースト流路10を介して加圧されたペースト9が吐出機構部1先端の吐出部101に充填されているが、説明しやすくするため、ペースト9の一部のみ表記している。
図3の(a)は、パターン形成用マスク40を被パターン形成基材6に押し当てながら吐出機構部1を矢印200の方向へ移動させることにより、ペースト9をパターン形成マスク40のパターン開口部44を介して被パターン形成基材6に形成されたスルーホール61の中に充填している状況を示している。31は、パターン形成マスク40のパターン開口部44とスルーホール61の内部に重点ざれたペーストを表している。ここで、パターン形成用マスク40と被パターン形成基材6とは、基本的に接触している。
図4に示すように、パターン形成用マスク40は、開口部44のパターンが形成されたメタル板41を基材として被パターン形成基材6と接する側に柔軟性がある乳剤42が形成され、それらの露出した表面には撥液性膜43が形成されている。吐出機構部1の先端の吐出部101に印圧を加えた際に、この柔軟性がある乳剤42が変形することにより、パターン形成用マスク40と被パターン形成基材6とを確実に密着させることが出来るため、加圧されたペーストが被パターン形成基材6に設けられたスルーホール内にのみ充填され、パターン形成用マスク40と被パターン形成基材6との隙間にペーストが漏れることを防ぐことが出来る。
図3の(b)は、被パターン形成基材6へのペースト9によるペーストパターン31の形成が終った後、パターン形成用マスク40を被パターン形成基材6から離した状態を示している。その後、ペーストパターン31に含有している溶剤を乾燥させた状況を図3の(c)に示している。
図3の(b)のように転写されたペーストパターン31は、形成直後は溶剤を含有した状態で、被パターン形成基材6に設けられたスルーホール61内のみではなく、パターン形成用マスク40の開口部44内のペーストも転写されるため、被パターン形成基材6に設けられたスルーホール61の上にはみ出した状態でペーストパターン31が形成される。その後、乾燥させている段階でペーストパターン31に含有する溶剤が飛散(蒸発)することにより、ペーストパターン31が収縮し、図3の(c)に示すように被パターン形成基材6の厚みとほぼ同じ高さになり、ペーストパターン32のようになる。
吐出機構部1の先端の吐出部101を形成するポリウレタン樹脂102の円弧状の凹形状部8とパターン形成用マスク40の表面とで形成された空間内で凹形状部8の撥液性の膜103が形成された円弧状の面に沿ってペースト9がローリングしてパターン形成用マスク11のパターン開口部12に充填されることについて、図5Aおよび図5Bを用いて詳細に説明する。実際には、ペースト流路10を介して加圧されたペースト9が吐出機構部1の先端の吐出部101に充填されているが、説明しやすくするため、ペースト9の一部のみ表記している。
図5Aには、図3の(a)に示した吐出機構部1の先端の吐出部101の左側の状況について、添え字Lを記して説明する。右側も同様である。本実施例では、パターン形成用マスク40として、説明を簡単にするために、図4で説明した乳剤42及び撥液性膜43を省略して、メタル板41で形成されたパターン形成用マスク13(図4のメタル板41に相当)を用いた場合について説明する。
先ず、図5Aを用いて、吐出部101Lをパターン形成マスク13に押し当てながら矢印200の方向に移動させたときに、吐出部101Lの先端の表面に撥液性の膜103Lが形成された円弧状の凹形状部8Lからペースト9がパターン形成マスク13に形成されたパターン開口部12(図3の開口部44に相当)に充填される様子を(a)〜(e)まで時系列的に並べて模式的に説明する。6は被パターン形成基材を示している。また、図5Aにおいては、ペースト9の流れを矢印(イ)、(ハ)、(ト)で示し、ペースト9そのものの表示を省略している。
図5Aの(a)は、吐出部101Lのポリウレタン樹脂102Lの表面に撥液性の膜103Lが形成された円弧状の凹形状部8Lが、パターン形成マスク13に形成されたパターン開口部12に到達する前の状態を示している。吐出部101Lは、円弧状の凹形状部8Lの角部81Lがパターン形成マスク13に押し当てられた状態で円弧状の凹形状部8Lのもう一方の角部82Lがパターン形成マスク13に対して隙間が空き、角部82L近傍の円弧状の凹形状部8Lの接線方向が図4Aの状態で右下がりになるような状態(円弧状の凹形状部8Lにおいて、角部82Lがパターン形成マスク13の側に突出している状態、又は、円弧状の凹形状部8Lの頂点が角部81Lと角部82Lとの間に有る状態、又は、円弧状の凹形状部8Lの角部82Lが円弧状の凹形状部8Lの頂点よりも低い位置にある状態)で吐出機構部1に固定されている。
これにより、円弧状の凹形状部8Lとパターン形成マスク13とで形成される空間は、角部82Lとパターン形成マスク13で形成されるペースト9の入口(出口)の間隔よりも内部の間隔の方が大きい、すなわち、ペースト9の入口(出口)の角部82Lとパターン形成マスク13との間隔が狭く内部が膨らんだ空間が形成される。
図5Aの(a)に示したような吐出部101Lの角部81Lがパターン形成マスク13に押し当てられた状態で矢印200の方向に移動すると、吐出部101Lの進行方向前面に供給されたペースト9は吐出部101Lのペースト接触面10Lで押されて吐出部101Lと同じ方向に移動する。吐出部101Lと同じ方向に移動するペーストの一部は、吐出部101Lの表面に撥液性の膜103Lが形成された円弧状の凹形状部8Lの先端の下側(パターン形成マスク13の側)に突き出している角部82Lとパターン形成マスク13との間の隙間G(図5B参照)から円弧状の凹形状部8Lとパターン形成マスク13とで形成された空間の内側に入り込む(図5A(a)の(イ))。
円弧状の凹形状部8Lとパターン形成マスク13とで形成された空間の内側に入り込んだペースト9は、パターン形成マスク13に押し当てられている吐出部101Lの角部81Lに突き当たって上方に逃げる(図5A(a)の(ハ))。上方に逃げたペースト9は、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8Lの面に沿って角部82Lの側へ移動して、角部82Lとパターン形成マスク13との間の狭められた隙間G(図5B参照)から吐出部101Lのペースト接触面10Lの側に押出される(図5A(a)の(ト))。
吐出部101Lが矢印200の方向に更に進んで図5Aの(b)のように吐出部101Lの円弧状の凹形状部8Lの先端の下側(パターン形成マスク13の側)に突出している角部82Lがパターン形成マスク13に形成されたパターン開口部12の上方に到達する。
ここで、角部82Lとパターン形成マスク13との間の隙間Gから円弧状の凹形状部8Lとパターン形成マスク13とで形成された空間の内側に入り込み(図5A(b)の(イ))、吐出部101Lの角部81Lに突き当たって上方に逃げたペースト9(図5A(b)の(ハ))は、表面に撥液性の膜103Lが形成された円弧状の凹形状部8Lの面に沿って移動して角部82Lとパターン形成マスク13との間の狭められた隙間Gから吐出部101Lのペースト接触面10Lの側に押出されていたペースト9の一部が、角部82Lとパターン形成マスク13との間の狭められた隙間Gの部分で下向きの(角部82Lの側からパターン形成マスク13の側に向けた)圧力を受けて、ペースト9がパターン開口部12に押し込まれる(図5A(b)の(ト))。
吐出機構部1が矢印の方向に更に進むと、図5Aの(c)のように吐出部101Lの先端の角部82Lがパターン開口部12の上方を通過して円弧状の凹形状部8Lがパターン開口部12の上方に到達する。この状態では、ペースト9をパターン開口部12に押し込む力が弱くなり、図5Aの(a)の状態と同じように吐出部101Lの円弧状の凹形状部8Lの先端の角部82Lとパターン形成マスク13との間の隙間Gから円弧状の凹形状部8Lとパターン形成マスク13とで形成された空間の内側に入り込んだペースト9(図5A(c)の(イ))は、角部81Lに突き当たって表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8Lの面に沿って角部82Lの側に進み(図5A(c)の(ハ))、隙間Gから吐出部101のペースト接触面10Lの側に押出される(図5A(c)の(ト))。
吐出機構部1が矢印の方向に更に進んで図5Aの(d)のようにパターン形成マスク13に押し付けられている吐出部101Lの円弧状の凹形状部8Lの角部81Lがパターン形成用マスク13のパターン開口部12の上方に到達する。
ここで、角部82Lとパターン形成マスク13との間の隙間Gから円弧状の凹形状部8Lとパターン形成マスク13とで形成された空間の内側に入り込んだペースト9(図5A(d)の(イ))は、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8Lの内部で角部81Lに突き当たりペースト9の一部はパターン形成用マスクのパターン開口部12に押し込まれて残りは上方に逃げて(図5A(d)の(ハ))、円弧状の凹形状部8Lの上面に沿って隙間Gから吐出部101のペースト接触面10Lの側に押出される(図5A(d)の(ト))。
吐出機構部1が矢印の方向に更に進んで図5Aの(e)のように、吐出部101Lの円弧状の凹形状部8Lの角部81Lがパターン形成用マスク13のパターン開口部12を通り過ぎると、ペースト9は(イ)、(ハ)、(ト)の順に動いて、パターン開口部12によるパターン形成は、終了する。
このように、先端の角部82Lが下側に突出してパターン形成用マスク13との間に狭められた隙間Gを作る円弧状の凹形状部8Lが形成された吐出部101Lを用いることにより、パターン形成マスク13のパターン開口部12にペースト9を押し込む力が、図5Aの(b)の状態と(d)の状態との2回に亘って強くなるので、パターン開口部12にペースト9を確実に充填することができる。
ここで、図5Aの(b)においてペースト9が表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8Lの内部でローリングしてその一部がパターン形成用マスク13のパターン開口部12の内部に押し込められる状態について図5Bを用いて更に詳しく説明する。
図5Bでは、吐出機構部1先端の吐出部101Lの表面に撥液性の膜103Lが形成された円弧状の凹形状部8Lにおけるペースト9の吐出部101Lとの相対的な位置の変化を、矢印で示す。なお、図5Bにおいてペースト9の動きを示す矢印に付した(イ)(ハ)(ト)は、図5Aに記載した(イ)(ハ)(ト)に対応している。また、図5Bには、吐出部101Lと対をなす吐出部101Rを形成するポリウレタン樹脂102Rと、ポリウレタン樹脂102Rのペースト接触面10R、ポリウレタン樹脂102Rに形成された凹部8R、端部82R、吐出部101Rの表面に撥液性の膜103Rも示してある。
吐出部101Lに形成された円弧状の凹形状部8Lの下端のエッジ部81Lがパターン形成マスク13に押し付けられた状態で、吐出機構部駆動機構130で駆動されて吐出部101Lが矢印200の方向に進むとき、ペースト接触面10Lとペースト接触面10Rとの間に供給されたペースト9は、(イ)の位置から吐出部101Lに形成された凹部8Lの端部82Lとパターン形成マスク13との間の隙間Gから表面に撥液性の膜103が形成された凹部8Lとパターン形成マスク13とで形成される空間の内部に入り込む(ロ)。
このとき既に(ロ)の位置に存在していたペースト9は、凹部8Lの端部81Lの側に押し出される。端部81Lはパターン形成マスク13に押し当てられているために、端部81Lに到達したペースト9は上方に押し上げられ(ハ)、その後、(ロ)の矢印方向とは逆の方向の端部82Lの側に押し戻される(ニ)。
これにより、既に(ハ)及び(ニ)の位置に存在していたペースト9は凹部8Lの壁面に形成された撥液性の膜103に沿って(ニ)の位置から更に逆の方向に押し戻されて凹部8Lの端部82L近傍の接線方向に沿った下向きの力を受けて押し出される(ホ)。ペースト9は、接線の方向が図4Bで右側に下がっている端部82Lで更に下向きの力を受けて押し出され、その一部はパターン形成マスク13に形成された開口部12の内部に押し込まれて(ヘ)、開口部12の内部がペースト9で充填される。
開口部12に入りきれなかったペースト9は端部82Lとパターン形成マスク13との隙間Gから吐出部101Lのペースト接触面10Lの側に排出される(ト)。即ち、凹部8Lの内部に入り込んだペースト9が、凹部8Lとパターン形成マスク13とで形成される領域(空間)でローリングして、端部82L及びその近傍でパターン形成マスク13の側に押し付ける力を受けながら再び凹部8Lの外部に排出される。
このようにして、吐出部101Lが矢印200の方向に進むときに吐出部101Lに形成された凹部8Lの端部82Lとパターン形成マスク13の表面との間の隙間Gから凹部8Lの内部に入り込んだペースト9は、表面に撥液性の膜103が形成された凹部8Lの内部でローリングして端部82Lとパターン形成マスク13の表面との間の隙間Gから凹部8Lの外側に排出されるときに、その一部がパターン形成マスク13に形成された開口部12の内部に押し込まれることにより、開口部12の内部に確実にペーストが充填される。
一方、吐出部101Lが矢印200と反対の方向に進むときには、吐出部101Rに形成されて表面に撥液性の膜103Rが形成された凹部8Rの端部82Rが上記に説明した端部82Lの役目を果して、ペースト9を凹部8Rの内部でローリングさせて端部82Rとパターン形成マスク13の表面との間の隙間Gから凹部8Rの外側に排出することにより、パターン形成マスク13に形成された開口部12の内部に確実にペースト9を充填することができる。
吐出機構部1を所定の距離だけ移動させてパターン形成マスク13に形成された開口部12の内部にペーストを充填させた後、パターン形成マスク13と被パターン形成基材6とを分離することにより、被パターン形成基材6の表面に、パターン形成マスク13の開口部12に充填させたペーストによるパターンが形成される。
上記した図5A及び図5Bにおいては、説明を簡単にするために、パターン形成用マスク11として、メタル板を採用したパターン形成用マスク13を用いた場合について説明したが、後述する表・裏面電極配線パターンを形成するために使用するパターン形成マスク70(図6および図7参照)に示すような、金属メッシュ75に乳剤71および72で転写用パターンが形成されパターン開口部74が設けられているパターン形成用マスク70を用いる場合も同様である。
上記に説明したように、ペースト9を、表面に撥液性の膜103が形成された凹部8Lとパターン形成マスク13とで形成される空間の内部でローリングさせてパターン形成マスク13に形成された開口部12の内部に押し込むことにより、開口部12の内部に確実にペーストを充填することができる。その結果、吐出機構部1を複数回移動させる必要がなく、吐出機構部1を一方向に所定の距離1回移動させるだけで、被パターン形成基材6上にペースト9によるパターンを形成することが可能になった。
また、表面に撥液性の膜103が形成された凹部8Lとパターン形成マスク13とで形成される空間の内部でペースト9をローリングさせてパターン形成マスク13に形成された開口部12の内部に押し込んで確実にペーストを充填することができるようにしたことと、パターン形成用マスク40を、開口部44のパターンが形成されたメタル板41を基材の被パターン形成基材6と接する側に柔軟性がある乳剤42を形成して被パターン形成基材6の表面との密着性を高めたことにより、従来と比べて比較的低い印圧で被パターン形成基材6上にパターンを印刷することができるようになった。
次に、図3で説明した工程によりスルーホール61の内部にペーストパターン32が充填された被パターン形成基材6の表・離面に電極配線パターンを形成する場合について図6および図7を用いて説明する。
図7には、図1に示したパターン形成用マスク11として用いる金属メッシュを用いたパターン形成用マスク(スクリーンマスク)70の部分断面構成を示す。図7に示したような断面構成を有するパターン形成用マスク70において、金属メッシュ75としては、線径16μm、紗厚30μmの高強度線材を用いた#360平織りを使用した。メッシュ作成後の紗厚が線径の2倍以上になるため、紗厚が線材の1.9倍程度になるようソフトなカレンダ処理を施して使用した。この金属メッシュに、高解像性の乳剤71および柔軟性の乳剤72を形成し、合計の乳剤厚さが20μmのライン幅50μmのパターン開口部74を形成し、乳剤71および72の上に撥液性の膜73、メッシュ75上に撥液性の膜76を形成したパターン形成用マスク70を使用した。
メッシュテンションを用いてパターン形成用マスク70と被パターン形成基材6との版離れを行うため、パターン形成用マスク70のテンションを0.2mm以下(プロテック(株)製テンションゲージSTG−80NAで測定)とした。
金属メッシュを用いたパターン形成用マスク70の検証実験で使用するペースト9として、粘度100Pa・sの銀を主成分とする導電配線形成用ペーストを用いた。この銀を主成分とする導電配線形成用ペーストは、熱処理温度が約150℃で十分な導電性が得られるものである。
図7に示すように、パターン形成用マスク70には、メッシュ75に高解像性の乳剤71および柔軟性の乳剤72が形成され、それらの露出した表面には撥液性膜73が形成されている。パターン形成用マスク70に形成された乳剤開口パターン部74以外は表面に撥液性膜73が形成され高解像性の乳剤71および柔軟性の乳剤72によりペースト9が転写されないため、パターン形成用マスク70と被パターン形成基材6とを版離れさせた後、被パターン形成基材6に転写されたペースト63が所望の配線パターンを形成することができる。
図6の(a)は、ペースト9を吐出機構部1先端の吐出部101からパターン形成マスク70のパターン開口部74から被パターン形成基材6上に転写している状況を示している。ここで、パターン形成マスク70と被パターン形成基材6とは、版離れを行うためのギャップを設けている。すなわち、図3で説明したメタル板41を基材としたパターン形成用マスク40を用いてパターンを転写する場合には図2に示したフロー図のS204において、被パターン形成基材6をパターン形成用マスク40とほぼ接触する位置に設置したが、パターン形成用マスク70を用いる場合には、S204において、被パターン形成基材6をパターン形成用マスク70に対して版離れを行うためのギャップ分だけ離れた位置まで上昇させて設置する。
吐出機構部1先端の吐出部101に印圧を加えた際に、パターン形成用マスク70に形成された柔軟性がある乳剤72が変形することにより、パターン形成用マスク70と被パターン形成基材6とを確実に密着させることができるため、加圧されたペーストが被パターン形成基材6の所望の位置に配線パターンを形成することができ、パターン形成用マスク70と被パターン形成基材との隙間にペーストが漏れることを防ぐことができた。パターン形成マスク70の乳剤71および72の上に形成された撥液性の膜73、メッシュ75上に形成された撥液性の膜76により、ペースト9がパターン形成マスク70の乳剤開口部74から離型し、配線パターンの形状(高さおよび幅)に凹凸が生じることがない。
図6の(b)は、図3の(b)に対応する図で、被パターン形成基材6へのペースト9によるペースト配線パターン63を形成した後、パターン形成用マスク70を被パターン形成基材6から離し、ペースト配線パターン63に含有している溶剤を乾燥させた状況を示している。
図6(a)のように転写されたペースト配線パターン63は、形成直後は溶剤を含有しているが、乾燥させている段階でペースト63に含有する溶剤が飛散することにより、ペースト63が収縮し、図6(b)に示すように被パターン形成基材6にペースト配線パターン64が形成される。図6(b)では、溶剤が飛散した際の収縮状況については図示していない。
次に、表面配線パターン64を形成した被パターン形成基材6を裏返しして、表面配線パターン64の形成と同様にして裏面配線パターンを形成するためのペースト配線パターン65を転写している状況を図6(c)に示している。図6(c)のように転写されたペースト配線パターン65は、形成直後は溶剤を含有しているが、乾燥させている段階でペースト65に含有する溶剤が飛散することにより、ペースト65が収縮し、図6(c)に示すように被パターン形成基材6にペースト配線パターン66が形成される。図6(c)では、溶剤が飛散した際の収縮状況については図示していない。
このようにして、図6(d)に示すような導体配線が形成されたインターポーザ600を作成することができた。
検証に用いる吐出機構部1先端の吐出部としては、同一形状で、本実施例で作製した表面に撥液性の膜103が形成されて撥液性を付与した吐出部101と、表面に撥液性の膜が形成されておらず撥液処理をしていない吐出部を用いて、比較検討した。
本実施例1の吐出機構部1の先端の吐出部101として、表面に撥液性の膜103が形成されて撥液性を付与した吐出機構部を用いた場合(図3及び図6参照)、吐出機構部1先端の円弧状の凹形状部8においてペースト9のローリングが生じ、ペースト9が低粘度化しパターン形成用マスク70に形成した乳剤開口パターン部74内への完全な充填が可能になった。
その結果、パターン形成用マスク70と被パターン形成基材6とを版離れさせた際、パターン形成用マスク70に撥液処理を施していない場合は、メッシュおよび乳剤開口部内にペーストが残存し、配線パターンに凹凸(高さおよび幅)が生じた。一方、パターン形成用マスク70に撥液処理を施した場合(図7参照)は、メッシュおよび乳剤開口部内にペーストが残存することがなく、配線パターンに凹凸(高さおよび幅)が生じなかった。
このように、本実施例1で説明したような吐出部101を備えた吐出機構部1をパターン形成装置100に搭載することにより、パターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74における開口面積の大小に関わらず、ペースト9を乳剤開口パターン部74に確実に充填させることができ、精度良く安定してパターン形成することができる。
そのためには、吐出部101を図5A及び図5Bに示したような円弧状の凹形状部8で下側に突出した端部82が形成されたような特殊な形状に加工し、少なくともペースト9が接触する吐出部101の表面に撥液性を付与することが重要になる。これにより、所望の開口部を有するパターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74へのペースト9の充填、被パターン形成基材6へのペースト9の転写に際し、パターン形成用マスク70と吐出部101の先端の円弧状の凹形状部8とで形成された領域内でのペースト9のローリングを促進させることができる。
その結果、ペースト9に対しパターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74にほぼ垂直方向に充填する力を付加することができ、パターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74へのペースト9の充填性を促進することができるようになった。
本実施例に係る吐出機構を有するパターン形成装置は、ペーストの吐出性に優れていることから、一工程で高アスペクト比のスルーホール内にペーストを充填することができ、さらにパターン形成マスク内のペーストまで転写されることから、熱処理等による乾燥収縮でスルーホール部の凹みが生じることが無く、低抵抗で完全充填されたスルーホール部を形成することができた。
また、ペーストの吐出性に優れていることに加え、パターン形成マスク内(メッシュおよび乳剤)にペーストが残留しにくいことから、低抵抗で配線パターン形状(高さおよび幅)に凹凸が少ない配線パターンを形成することができた。
更に、表面に撥液性の膜103が形成された凹部8Lとパターン形成マスク70とで形成される空間の内部でペースト9をローリングさせてパターン形成マスク70の乳剤開口パターン部74の内部に押し込んで確実にペーストを充填することができるようにしたことと、パターン形成用マスク70の被パターン形成基材6と接する側に柔軟性がある乳剤72を形成して被パターン形成基材6の表面との密着性を高めたことにより、従来と比べて比較的低い印圧で被パターン形成基材6上にパターンを印刷することができるようになった。
本実施例1の結果、インターポーザ600用高アスペクト比のスルーホール内の導電性ペーストの充填量を多くし、低抵抗化を図ることができたため、必要とされる導電性を確保できた。また、インターポーザ600の表・裏面の微細配線パターン部の凹凸(高さおよび幅)を低減することができ、良好な高周波特性を得ることができた。撥液性を付与したパターン形成用マスクと低印圧でペーストを吐出することができる吐出機構を有するパターン形成装置を用いることで、パターン形成用マスクの変形を防止することができたため、スルーホール部との位置合わせ精度や配線の低抵抗化が実現できた。
このようにして作成したインターポーザ600に対し、表・裏面配線によるデイジーチェーン抵抗評価、デイジーチェーン間の絶縁抵抗評価、スルーシリコンビア間の絶縁抵抗評価、クロストークノイズ測定評価およびプローブによる高周波特性測定評価を行い、良好な結果を得ることができた。
実施例1において図3又は図6に示した吐出機構部の吐出部101のポリウレタン樹脂102の表面に形成する撥液性の膜103の材質を変えた場合について説明する。
本実施例2は、吐出部101のポリウレタン樹脂102の表面に形成する実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜として、SiO(二酸化ケイ素、シリカ又は無水ケイ酸)又はフッ素樹脂を使用する以外は、上記実施例1と同様である。
まず、吐出部101のポリウレタン樹脂102の表面に形成する実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜として、SiOを用いた。吐出機構部1の少なくともペースト9が接触する部分にアルコキシシラン含有溶液をスプレー法により塗布した。その後乾燥することにより、吐出部101のポリウレタン樹脂102の表面に実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性を有するSiOを形成することが出来た。
ここで用いたアルコキシシランから生成された膜はペースト9に含有する各種溶剤に対して汚染されることが無く、安定であり、水や溶剤に対する撥液性が優れていた。
ここでは、成膜方法としては、スプレー法を用いたが、アルコキシシラン含有溶液をエアロゾルデポジション法或いはディップ法により塗布し、乾燥することにより実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜を形成することが可能である。
このようにして、吐出部101のポリウレタン樹脂102の少なくともペースト9が接触する部分にSiOからなる実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜を有する本実施例2で使用する吐出機構部1を作成することが出来た。
つぎに、吐出部101のポリウレタン樹脂102の表面に形成する実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜として、フッ素樹脂を用いた。吐出機構部1先端の吐出部101の少なくともペースト9が接触する部分にテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)をポリウレタン樹脂に混合し、スプレー法により塗布した。その後吐出機構部の硬化と同様の温度プロファイルで加熱硬化することにより、吐出機構部1先端の吐出部101の表面に撥液性を有するテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)を全面に均一に分散した膜を形成することが出来た。
撥液性を有するフッ素樹脂として、PFA以外に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)等があるが、耐有機溶剤性に優れ、接触角が大きく、摩擦係数が小さいものとしては、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)からなる膜が最も良好であった。
ここでは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体を有する膜を形成する方法として、ポリウレタン樹脂に混合し、スプレー法により塗布し、加熱硬化して実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜を形成したが、ディップ法により塗布し、硬化することにより実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜を形成することが可能である。
このようにして、少なくともペースト9が接触する部分にテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体を分散した実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜を有する本実施例2で使用する吐出機構部1を作成することが出来た。
本実施例2でパターン形成状況を検証した結果は、実施例1でパターン形成状況を検証した結果とほぼ同様の結果が得られた。
このように、本実施例2に使用した吐出機構部1を搭載したパターン形成装置は、パターン形成用マスク40の開口パターン部44へのペーストの充填、被パターン形成基材6に形成された高アスペクト比のスルーホール内へのペースト充填を確実に形成でき、また、パターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74における開口面積の大小に関わらず、ペーストを精度良く安定してパターン形成することができる。そのためには、吐出機構部1先端の吐出部101を特殊な形状に加工し、少なくともペースト9が接触する吐出機構部1先端の吐出部101への撥液性を付与することが必要である。
これにより、実施例1で説明したように、所望の開口部を有するパターン形成用マスク40の開口パターン部44へのペーストの充填、被パターン形成基材6に形成された高アスペクト比のスルーホール内へのペースト充填に際し、ペーストのローリングが促進される。ペーストをローリングさせることにより、ペーストに対しパターン形成用マスク40の開口パターン部44にほぼ垂直方向に充填する力を付加することができる。その結果、パターン形成用マスク40の開口パターン部44および被パターン形成基材6に形成された高アスペクト比のスルーホール内へのペーストの充填性を促進することができるようになった。
実施例1の場合と同様に、本実施例2の吐出機構部1先端の吐出部101として、表面に実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜が形成されて撥液性を付与した吐出部101を用いたため、吐出部101の先端の円弧状の凹形状部8においてペースト9のローリングが生じ、ペースト9が低粘度化し、パターン形成用マスク40に形成した開口パターン部44内および被パターン形成基材6に形成された高アスペクト比のスルーホール内への完全な充填が可能になった。
また、本実施例2に使用した吐出機構部1を搭載したパターン形成装置は、パターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74における開口面積の大小に関わらず、ペーストを精度良く安定してパターン形成することができる。そのためには、吐出機構部1先端の吐出部101を特殊な形状に加工し、少なくともペースト9が接触する吐出機構部1先端の吐出部101への撥液性を付与することが必要である。
これにより、実施例1で説明したように、所望の開口部を有するパターン形成用マスク11の乳剤開口パターン部74へのペーストの充填、被パターン形成基材6へのペーストの転写に際し、ペーストのローリングが促進される。ペーストをローリングさせることにより、ペーストに対しパターン形成用マスク70の開口部乳剤開口パターン部74にほぼ垂直方向に充填する力を付加することができる。その結果、パターン形成用マスク11の乳剤開口パターン部12へのペーストの充填性を促進することができるようになった。
実施例1の場合と同様に、本実施例2の吐出機構部1先端の吐出部101として、表面に実施例1の撥液性の膜103に相当する撥液性の膜が形成されて撥液性を付与した吐出部101を用いたため、吐出部101の先端の円弧状の凹形状部8においてペースト9のローリングが生じ、ペースト9が低粘度化しパターン形成用マスク70に形成した乳剤開口パターン部74内への完全な充填が可能になった。
本実施例2の結果、実施例1と同様に、インターポーザ用高アスペクト比のスルーホール内の導電性ペーストの充填量を多くし、低抵抗化を図ることができたため、必要とされる導電性を確保できた。また、インターポーザの表・裏面の微細配線パターン部の凹凸(高さおよび幅)を低減することができ、良好な高周波特性を得ることができた。撥液性を付与したパターン形成用マスクと低印圧でペーストを吐出することができる吐出機構を有するパターン形成装置を用いることで、パターン形成用マスクの変形を防止することができたため、スルーホール部との位置合わせ精度や配線の低抵抗化が実現できた。
このようにして作成したインターポーザに対し、表・裏面配線によるデイジーチェーン抵抗評価、デイジーチェーン間の絶縁抵抗評価、スルーシリコンビア間の絶縁抵抗評価、クロストークノイズ測定評価およびプローブによる高周波特性測定評価を行い、良好な結果を得ることができた。
実施例1及び2においては、被パターン形成基材6のスルーホール61の内部へのペーストの充填と被パターン形成基材6の表裏両面への電極パターンの印刷とを順次行う場合について説明したが、本実施例においては、スルーホール61の内部へのペーストの充填と被パターン形成基材6の表または裏面への電極パターンの印刷とを同時に行う方法について説明する。
すなわち、実施例1及び2においては、被パターン形成基材6のスルーホール61の内部にペースト9を充填する場合には、図4に示したようなメタル板41を基材とするパターン形成用マスク40を用い、電極パターンの印刷を行う場合には図7に示したような金属メッシュ75を基材とするパターン形成用マスク70を用いて、被パターン形成基材6のスルーホール61の内部へのペーストの充填と被パターン形成基材6の表裏両面への電極パターンの印刷とを順次行う方法であった。
これに対して本実施例3においては、実施例1において図7で説明したような、金属メッシュ75を基材とするパターン形成用マスク70を用いて、被パターン形成基材6のスルーホール61の内部へのペースト9の充填と電極パターンの印刷とを同時に行う方法に関するものである。
本実施例3では、図8に示すように、スルーホール61の内部へのペースト充填および表面電極配線パターンを同時に形成する以外は、上記実施例1および2で説明したものと同様である。
図8の(a)は、パターン形成マスク70のパターン開口部74から被パターン形成基材6に形成した高アスペクト比のスルーホール61の内部へ、吐出機構部1先端の吐出部101からペースト9を充填するのと同時に被パターン形成基材6上に配線パターンを転写している状況を示している。ここで、パターン形成マスク70と被パターン形成基材6とは、実施例1において説明したのと同様に、版離れを行うためのギャップを設けている。
図7に示したように、パターン形成用マスク70には、メッシュ75に高解像性の乳剤71および柔軟性の乳剤72が形成され、それらの露出した表面には撥液性膜73が形成されている。吐出機構部1先端の吐出部101に印圧を加えた際に、この柔軟性がある乳剤72が変形することにより、パターン形成用マスク70と被パターン形成基材6とを確実に密着させることができる。その結果、加圧されたペーストが被パターン形成基材6に形成した高アスペクト比のスルーホール内へ充填されると共に、被パターン形成基材6の所望の位置に配線パターンを形成することができ、パターン形成用マスク70と被パターン形成基材6との隙間にペーストが漏れることを防ぐことができた。パターン形成マスク70の乳剤71および72の上には撥液性の膜73、メッシュ75上には撥液性の膜76が形成されている。これらの撥液性の膜73及び76により、パターン形成マスク70の乳剤開口部74からのペースト9の離型性が向上し、被パターン形成基材6上に形成した配線パターンの形状(高さおよび幅)として、凹凸が少ない配線パターンを形成することができた。
図8の(b)は、被パターン形成基材6へのペースト9によるペースト配線パターン93を形成した後、パターン形成用マスク70を被パターン形成基材6から離し、ペースト配線パターン93に含有している溶剤を乾燥させた状況を示している。
図8の(a)のように転写されたペースト配線パターン93は、形成直後は溶剤を含有しているが、乾燥させている段階でペースト93に含有する溶剤が飛散することにより、ペースト93が収縮し、図8の(b)に示すように被パターン形成基材6にペースト配線パターン94が形成される。図8の(b)では、溶剤が飛散した際の収縮状況については図示していない。
次に、表面配線パターン94を形成した被パターン形成基材6を裏返しして、表面配線パターン94の形成と同様にして裏面配線パターンを形成するためのペースト配線パターン95を転写している状況を図8の(c)に示している。図8の(c)のように転写されたペースト配線パターン95は、形成直後は溶剤を含有しているが、乾燥させている段階でペースト95に含有する溶剤が飛散することにより、ペースト95が収縮し、図8の(c)に示すように被パターン形成基材6にペースト配線パターン96が形成される。図8の(c)では、溶剤が飛散した際の収縮状況については図示していない。
このようにして、図8の(d)に示すような導体配線が形成されたインターポーザ800を作成することができた。
図8に示したパターン形成用マスク70は図7に示したものと同じで、パターン形成用乳剤として、硬度が高く解像性に優れた乳剤71と柔軟性に優れた乳剤72の積層構造とし、メッシュ75の露出部に撥液性の膜76と乳剤71および72の露出部に撥液性の膜73を形成した。柔軟性の乳剤72を追加することにより、パターン形成用基材6の表面への密着性が向上した。
撥液性の付与は、実施例1及び2に記載の吐出部101先端の円弧状の凹形状部8に形成した方法と同様である。
パターン形成用マスク70に撥液性を付与したことにより、パターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74内のペースト9の残量が低下し、パターン形成用マスク70から被パターン形成用基材6へのペースト9の転写量が増加した。そのため、乳剤開口パターン部74内にペースト9が残存しないため、ペーストの乾燥による目詰まりを防止することが出来、量産時の不良を低減することが出来た。
本実施例1および2で作製した撥液性を付与した吐出部101の方が、吐出部101の代わりに撥液処理をしていない吐出部を用いた場合に比べ、ペースト9の転写量が多くなった。これは、実施例1で説明したように、吐出機構部1先端の吐出部101に形成した円弧状の凹形状部8の表面が撥液性を有しているため、ペースト9のローリング性を阻害することが無く、ペースト9の粘度が低い状態に保てたことが要因であると考えられる。
本実施例3でパターン形成状況を検証した結果は、実施例1〜2でパターン形成状況を検証した結果と同様の結果が得られた。
本実施例3に使用した吐出機構部1を搭載したパターン形成装置100は、パターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74における開口面積の大小に関わらず、ペースト9を精度良く安定してパターン形成することができる。そのためには、吐出機構部1先端の吐出部101を特殊な形状に加工し、少なくともペースト9が接触する吐出機構部1の先端の吐出部101への撥液性を付与することが必要である。
これにより、実施例1および2で説明したように、所望の開口部を有するパターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74へのペースト9の充填、被パターン形成基材6へのペースト9の転写に際し、ペースト9のローリングが促進される。ペースト9を吐出部101を形成するポリウレタン樹脂102に形成された凹形状部8の表面の撥液性の膜103が形成された円弧状の面に沿ってローリングさせることによりペースト9を低年度化させると共に、ペーストに対しパターン形成用マスク70の開口部乳剤開口パターン部74にほぼ垂直方向に充填する力を付加することができる。その結果、パターン形成用マスク70の乳剤開口パターン部74へのペーストの充填性を促進させ、乳剤開口パターン部74内へ完全に充填することができるようになった。
本実施例3の結果、実施例1および2と同様に、インターポーザ用高アスペクト比のスルーホール内の導電性ペーストの充填量を多くし、低抵抗化を図ることができたため、必要とされる導電性を確保できた。また、インターポーザの表・裏面の微細配線パターン部の凹凸(高さおよび幅)を低減することができ、良好な高周波特性を得ることができた。撥液性を付与したパターン形成用マスクと低印圧でペーストを吐出することができる吐出機構を有するパターン形成装置を用いることで、パターン形成用マスクの変形を防止することができたため、スルーホール部との位置合わせ精度や配線の低抵抗化が実現できた。
更に、本実施例によれば、スルーホール内へのペーストの充填と基板の一方の面の側の配線パターンの形成とを同時に行えることで、微小なスルーホールと微細な配線パターンとの位置合わせを行う回数を減らすことができ、スループットを向上させることができる。
このようにして作成したインターポーザに対し、表・裏面配線によるデイジーチェーン抵抗評価、デイジーチェーン間の絶縁抵抗評価、スルーシリコンビア間の絶縁抵抗評価、クロストークノイズ測定評価およびプローブによる高周波特性測定評価を行い、良好な結果を得ることができた。
本実施例4は、被パターン形成基材6に設けられたスルーホール61内に充填する導体ペースト9および表・裏面の電極配線パターンを形成する導体ペースト9として、銅系のペーストを使用する以外は、基本的に上記実施例1から3と同様である。ここで使用する銅系のペーストは、銅を主成分とし、低融点の金属材料を添加し、熱処理過程で低融点金属が軟化して焼結するものである。また、粘度が200Pa・sで、熱処理温度が180℃で十分な導電性が得られるものである。実施例1〜3の熱処理は大気中で行ったが、実施例4の熱処理の雰囲気は、酸素濃度200ppm以下の窒素雰囲気で行った。
本実施例4でパターン形成状況を検証した結果は、実施例1〜3でパターン形成状況を検証した結果と同様の結果が得られた。
本実施例4の結果、実施例1〜3と同様に、インターポーザ用高アスペクト比のスルーホール内の導電性ペーストの充填量を多くし、低抵抗化を図ることができたため、必要とされる導電性を確保できた。また、インターポーザの表・裏面の微細配線パターン部の凹凸(高さおよび幅)を低減することができ、良好な高周波特性を得ることができた。撥液性を付与したパターン形成用マスクと低印圧でペーストを吐出することができる吐出機構を有するパターン形成装置を用いることで、パターン形成用マスクの変形を防止することができたため、スルーホール部との位置合わせ精度や配線の低抵抗化が実現できた。
このようにして作成したインターポーザに対し、表・裏面配線によるデイジーチェーン抵抗評価、デイジーチェーン間の絶縁抵抗評価、スルーシリコンビア間の絶縁抵抗評価、クロストークノイズ測定評価およびプローブによる高周波特性測定評価を行い、良好な結果を得ることができた。
本実施の形態1から4で説明した発明においては、吐出機構部1の先端の吐出部101を、パターン形成用マスク70に押し当てたときにパターン形成用マスク70との間で形成される空間の開口部をパターン形成用マスク70の側に突き出した円弧形状に加工し、少なくとも円弧形状内の内面を含むペースト9が接触する吐出部101の表面に撥液性を付与するように形成した。これにより、所望の開口部を有するパターン形成用マスク70の吐出機構部1側の乳剤パターン開口部74へのペースト9の充填、被パターン形成基材6へのペースト9の転写に際し、吐出部101をパターン形成用マスク70に押し当てたときにパターン形成用マスク70との間で形成される空間内におけるペースト9のローリングを促進することができるようになった。その結果、ペースト9に対しパターン形成用マスク60の吐出部101の側の乳剤開口パターン部74にほぼ垂直方向に充填する力を付加することができ、パターン形成用マスク70の吐出機構部1側の乳剤開口パターン部74へのペースト9の充填性を促進することができるようになった。
上記したような特徴を有する吐出部101を備えた吐出機構部1をパターン形成装置100に搭載することにより、パターン形成用マスク70の吐出機構部1側の乳剤開口パターン部74における開口面積の大小に関わらず、被パターン形成基材6にペースト9によるパターンを精度良く安定して形成することができるようになった。
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
1・・・吐出機構部 2・・・ペースト加圧機構 3・・・ペースト流路 5・・・パターン形成用マスク表面 6・・・被パターン形成基材 8・・・吐出機構部先端の円弧状の凹形状部 9・・・ペースト 11・・・パターン形成用マスク 21・・・制御盤 22・・・版枠 23・・・被パターン形成基材支持テーブル部 231・・・テーブル 100・・・パターン形成装置 101・・・吐出部 102・・・ポリウレタン樹脂 103・・・撥液性の膜 110・・・パターン形成用マスク部 120・・・吐出機構ユニット 130・・・吐出機構ユニット駆動機構部 13、40・・・パターン形成用マスク(メタルマスク) 41・・・メタル 42・・・柔軟性乳剤 43、73、76・・・撥液性膜 12、44・・・パターン開口部 70・・・パターン形成用マスク(スクリーンマスク) 71・・・高解像性乳剤 72・・・柔軟性乳剤 74・・・乳剤開口部 75・・・メッシュ。

Claims (14)

  1. パターン形成用のマスクを保持するマスク保持手段と、
    パターン形成する被パターン形成基材を載置して該被パターン形成基材を前記マスク保持手段に保持されたパターン形成用マスクの所定の位置に移動させるテーブル手段と、
    導電性ペーストを吐出する吐出機構を備えて前記マスク保持手段に保持された前記パターン形成用マスクを介して前記テーブル手段に載置された被パターン形成基材に前記吐出機構から吐出された導電性ペーストによるパターンを形成するペースト吐出手段と、
    該ペースト吐出手段の吐出機構を前記パターン形成用マスクに沿って往復移動させる吐出機構駆動手段とを備えたパターン形成装置であって、
    前記導電性ペースト吐出手段の吐出機構は、先端部分に凹部が形成されて表面に前記導電性ペーストに対して撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする1対の吐出部を所定の間隔あけて前記凹部が向き合うようにして対向させて配置し、前記凹部は前記1対の吐出部を前記パターン形成用マスクに押し当てたときにそれぞれの吐出部に形成された前記凹部の前記対向する吐出部から遠い側の端が前記パターン形成用マスクと接触して前記凹部の前記対向する吐出部に近い側の端が前記パターン形成用マスクの側に突き出て前記パターン形成用マスクとの間に隙間を形成するように成形されており、前記1対の吐出部のそれぞれの凹部の前記対向する吐出部から遠い側の端を前記パターン形成用マスクと接触させた状態で前記吐出機構駆動手段で往復移動させることにより前記所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを前記一対の吐出部に形成された凹部のうちの前記移動の方向に対して前記導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された前記凹部と前記パターン形成用マスクとで囲まれた領域に溜め込んで該領域に溜め込んだペーストを前記パターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填することにより、前記被パターン形成基材に前記導電性ペーストによる配線パターンを形成することを特徴とするパターン形成装置。
  2. 前記吐出部に形成された凹部は曲面で形成されており、前記1対の吐出部のそれぞれの凹部の前記対向する吐出部に近い側の端を前記パターン形成用マスクと接触させた状態で前記吐出機構駆動手段で往復移動させることにより前記所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを前記一対の吐出部に形成された凹部のうちの前記移動の方向に対して前記供給された導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された前記凹部と前記パターン形成用マスクとで囲まれた領域に溜め込んだ前記導電性ペーストを前記曲面で形成された凹部に沿って前記領域内でローリングさせながら前記パターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填することを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
  3. 前記1対の吐出部の主成分の樹脂はポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
  4. 前記先端部分に凹部が形成されて表面に前記導電性ペーストに対して撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする1対の吐出部は、該1対の吐出部のそれぞれの先端部分に形成された前記凹部の表面にダイヤモンドライクカーボン膜、又は二酸化ケイ素の膜、又はフッ素樹脂の膜の何れかが形成されていることを特徴とする請求項1又は3に記載のパターン形成装置。
  5. 前記パターン形成用マスクは、前記被パターン形成基材と接触する側に高解像性の乳剤の層と柔軟性の乳剤の層とが形成されており、表面が前記導電性ペーストに対して撥液性を有していることを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
  6. 前記パターン形成用マスクは、金属メッシュを用いたスクリーンマスクであることを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
  7. 導電性ペーストを吐出する吐出機構の端部をパターン形成用マスクに接触させた状態でパターン形成する被パターン形成基材を前記パターン形成用マスクに密着又は近接させ、
    前記被パターン形成基材を前記パターン形成用マスクに密着又は近接させた状態で前記吐出機構に導電性ペーストを供給しながら前記吐出機構の先端部分を前記パターン形成用マスクに接触した状態を保って一方向に移動させ、
    該吐出機構の一方向への移動が終了した状態で前記パターン形成用マスクを前記被パターン形成基材から引き剥がすことにより前記スクリーンに形成されたパターンを転写して前記被パターン形成基材に前記導電性ペーストによる配線パターンを形成するパターン形成方法であって、
    前記吐出機構は、先端部分に凹部が形成されて表面に導電性ペーストに対して撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする1対の吐出部を所定の間隔あけて前記凹部が向き合うようにして対向して配置されており、前記吐出機構の前記パターン形成用マスクに接触させる端部は、前記先端部分に形成した凹部の端部のうち前記対向する吐出部から遠い側の端部であり、前記凹部の前記対向する吐出部に近い側の端部は前記パターン形成用マスクの側に突き出て前記パターン形成用マスクとの間に隙間を形成し、前記1対の吐出部のそれぞれの凹部の前記対向する吐出部から遠い側の端部を前記パターン形成用マスクと接触させた状態で前記一方向に移動させることにより前記所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを前記一対の吐出部に形成された凹部のうちの前記移動の方向に対して前記導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された前記凹部の前記対向する吐出部に近い側の端部と前記パターン形成用マスクとの間の隙間から前記凹部と前記パターン形成用マスクで囲まれた領域に溜め込んで該領域に溜め込んだペーストを前記パターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填することにより、前記被パターン形成基材に前記導電性ペーストによる配線パターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  8. 被パターン形成基材に接する側に高解像性の乳剤の層と柔軟性の乳剤の層とが形成されており表面が導電性ペーストに対して撥液性を有しているパターン形成用マスクに導電性ペーストを吐出する吐出機構の端部を接触させた状態で前記パターン形成用マスクを前記被パターン形成基材に密着又は近接させ、
    前記被パターン形成基材を前記パターン形成用マスクに密着又は近接させた状態で前記吐出機構に導電性ペーストを供給しながら前記吐出機構の先端部分を前記パターン形成用マスクに接触した状態を保って一方向に移動させ、
    該吐出機構の一方向への移動が終了した状態で前記パターン形成用マスクを前記被パターン形成基材から引き剥がすことにより前記スクリーンに形成されたパターンを転写して前記被パターン形成基材に前記導電性ペーストによる配線パターンを形成すると共に前記被パターン形成基材に形成されたスルーホールの内部に前記導電性ペーストを充填するパターン形成方法であって、
    前記吐出機構は、先端部分に凹部が形成されて表面に導電性ペーストに対して撥液性を備えて形成された樹脂を主成分とする1対の吐出部を所定の間隔あけて前記凹部が向き合うようにして対向して配置されており、前記吐出機構の前記パターン形成用マスクに接触させる端部は、前記先端部分に形成した凹部の端部のうち前記対向する吐出部から遠い側の端部であり、前記凹部の前記対向する吐出部に近い側の端部は前記パターン形成用マスクの側に突き出て前記パターン形成用マスクとの間に隙間を形成し、前記1対の吐出部のそれぞれの凹部の前記対向する吐出部から遠い側の端部を前記パターン形成用マスクと接触させた状態で前記一方向に移動させることにより前記所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを前記一対の吐出部に形成された凹部のうちの前記移動の方向に対して前記導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された前記凹部の前記対向する吐出部に近い側の端部と前記パターン形成用マスクとの間の隙間から前記凹部と前記パターン形成用マスクで囲まれた領域に溜め込んで該領域に溜め込んだペーストを前記パターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填することにより、前記被パターン形成基材に前記導電性ペーストによる配線パターンを形成すると共に前記被パターン形成基材に形成されたスルーホールの内部に前記導電性ペーストを充填することを特徴とするパターン形成方法。
  9. 前記吐出部に形成された凹部は曲面で形成されており、前記1対の吐出部のそれぞれの凹部の前記対向する吐出部に近い側の端を前記パターン形成用マスクと接触させた状態で前記吐出機構を一方向に移動させる工程において、前記所定の間隔あけた一対の吐出部の間に供給された導電性ペーストを前記一対の吐出部に形成された凹部のうちの前記移動させる一方向に対して前記供給された導電性ペーストよりも後方の側にある吐出部に形成された前記凹部の前記対向する吐出部に近い側の端部と前記パターン形成用マスクとの間の隙間から前記凹部と前記パターン形成用マスクとで囲まれた領域に溜め込んだ前記導電性ペーストを前記曲面で形成された凹部に沿って前記領域内でローリングさせながら前記パターン形成用マスクに形成されたパターンに押し込んで充填するにより前記被パターン形成基材に前記導電性ペーストによる配線パターンを形成することを特徴とする請求項7又は8に記載のパターン形成方法。
  10. 前記被パターン形成基材に形成されたスルーホールに前記導電性ペーストを充填するための前記パターン形成用マスクペーストがメタル板に前記被パターン形成基材に形成されたスルーホールの所望の位置に開口部を形成し、前記メタル板の前記被パターン形成基材に有機材料の乳剤を形成したメタルマスクであり、前記被パターン形成基材の表・裏面に前記導電性ペーストによる配線パターンを形成するための前記パターン形成用マスクペーストが金属メッシュに有機材料の乳剤により表・裏面の配線パターンに対応した開口部を形成したメッシュマスクを使用することを特徴とする請求項7記載のパターン形成方法。
  11. 前記パターン形成用マスクのメタルマスクに形成された有機材料の乳剤は柔軟性を有しており、前記被パターン形成基材に形成されたスルーホールに前記導電性ペーストを充填する際に前記被パターン形成基材と密着し、少なくとも前記乳剤の開口部の内壁、前記被パターン形成基材側の前記乳剤の表面に撥液性の被膜を形成していることを特徴とする請求項10記載のパターン形成方法。
  12. 前記パターン形成用マスクのメッシュマスクに形成されたマスクパターンは乳剤に加工された開口部で形成されており、前記乳剤が高解像性の乳剤と柔軟性を有する乳剤の2層構造からなり、少なくとも前記乳剤の開口部の内壁、前記被パターン形成基材側の前記乳剤の表面に撥液性の被膜を形成していることを特徴とする請求項10記載のパターン形成方法。
  13. パターン形成に使用する導電性ペーストとして、少なくとも導電性無機材料、導電性有機材料を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載のパターン形成方法。
  14. 導電性無機材料として、少なくとも金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、錫およびこれらの化合物を主成分として含有することを特徴とする請求項13に記載のパターン形成方法。
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JP2018129381A (ja) * 2017-02-08 2018-08-16 矢崎総業株式会社 印刷回路の電気接続方法及び印刷回路の電気接続構造

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