JP2015215187A - Maldi−tof質量分析計による獣毛繊維製品中の獣毛の混用率鑑定方法 - Google Patents
Maldi−tof質量分析計による獣毛繊維製品中の獣毛の混用率鑑定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】獣毛繊維製品中の獣毛の混用率の正確で簡便な定量方法を提供する。【解決手段】1)被検獣毛繊維製品よりドデシル硫酸ナトリウムと還元剤を含むタンパク質抽出液にてタンパク質を抽出する工程、2)抽出されたタンパク質をSDS−PAGE電気泳動にかける工程、3)分子量45000付近の電気泳動バンドを切り出す工程、4)分子量45000付近のバンドに含まれるタンパク質をトリプシンで処理する工程、5)トリプシン処理したタンパク質をMALDI−TOF質量分析計にかけ、m/e=2450−2750の領域にあるピークを記録する工程、5)記録されたピーク中の動物種特異的ピークにより獣毛に含まれる動物種を同定する工程、6)動物種特異的ピークの面積を測定する工程、および7)得られた動物種特異的ピークの面積より、獣毛繊維製品に含まれる獣毛の混用率を計算する工程を含む、獣毛繊維製品中の獣毛の混用率の定量方法。【選択図】図4
Description
本願はMALDI−TOF質量分析計を用いて獣毛繊維製品中の獣毛種の混用率を定量する方法を提供する。
カシミヤ、アルパカなど高級繊維と呼ばれるものは世界的な供給が限られているため、羊毛類などと比べてはるかに高価である。そのため、これらの高価な繊維からなる製品中の正確な組成を明らかにするための定量技術は非常に重要である。現在、このような繊維製品中の獣毛類の組成を決めることができる技術としては、光学顕微鏡、電子顕微鏡を利用する方法がほとんど唯一の方法である。繊維を短い断片に切断し、それを顕微鏡の視野下で観察し、繊維の太さ、スケールの状態、毛髄の状態などの情報を元にして瞬時に繊維の種類を判断し、本数を数え、全体の組成を求める。この方法は非常に時間がかかるだけでなく、技術者の技量に依存する部分が大きく、最近では、顕微鏡画像をコンピュータに取り込み、画像解析を使う方法なども取り入れられているが、多くの問題点が残されている。さらに、繊維の種類によっては判別が非常に難しいものがあるだけでなく、強い加工を施された繊維などはスケールの状態が変化しているものもあり、判別を誤ることもある。こうした状況から、顕微鏡法に代わる、または、補完する定量法の開発が強く望まれてきた。
顕微鏡法の代替法としてはDNA法の研究(非特許文献1−3)が最も進んでおり、一部実用化されているだけでなく、国際標準化に向けた手続きが進められている(非特許文献4)。また、リアルタイムPCR法を用いて獣毛繊維の混用率を求める方法が提案されている(特許文献1)。これらDNA法は感度が非常に高いのが特徴であるが、濃染色されたものなど、一部の試料については検出が困難な場合があることが報告されている(非特許文献2)。また、DNA法ではDNAの抽出量が加工の影響を大きく受けることから、定量分析には困難な要素があると考えられる。この他に、抗原−抗体反応を利用した方法(非特許文献5)などが報告されている。
獣毛は主にケラチンI、ケラチンII、ケラチン関連タンパク質などのタンパク質から構成されている。ケラチンタンパク質には構造のよく似た多種類の分子種が存在すること、近縁種の動物間ではそのアミノ酸配列が90%を超える相同性を有していることなどが知られている(非特許文献6)。
獣毛からのケラチンタンパク質の抽出において、カシミヤなどの獣毛をSDSを含むリン酸緩衝液中でDTTを還元剤として還元、溶解させると効率のよい抽出が達成されること、得られた抽出液をSDS-PAGE電気泳動で分離し、ケラチンIが含まれているバンドをトリプシン処理した後、MALDI−TOF質量分析計で分析するとm/e=2450-2750の領域に動物種特異的なピークが現れることが報告されている(非特許文献6)。しかしながら、動物種特異的ピークが定量に用い得るものかどうかは知られていない。
S.Subramanian, T. Karthik, N.N.Vijayaraaghavan, J. Biotechnol., 116, 153 (2005)
K. Kerkhoff, G. Cescutti, L. Kruse, J. Muessig, Text. Res. J., 79, 69 (2009).
W. Ji, L. Bai, M. X. Yang, Forensic Sci. Int., 208, 139 (2011).
インターネットURLhttp://www.meti.go.jp/information/downloadfiles/c110204d02j.pdf
C. Tonetti, C. Vineis, A. Aluigi, C. Tonin, Text. Res. J., 82, 766 (2012).
大箸信一、出村由香、佐野元昭 繊維学会誌 68巻276頁(2012)
本願は、MALDI−TOF質量分析計を用いて獣毛繊維製品に使われる獣毛種の相対比を定量分析する方法を提供する。
本発明は下記方法を提供する:
1) 被検獣毛繊維製品よりドデシル硫酸ナトリウムと還元剤を含むタンパク質抽出液にてタンパク質を抽出する工程、
2) 抽出されたタンパク質をSDS−PAGE電気泳動にかける工程、
3) 分子量45000付近の電気泳動バンドを切り出す工程、
4) 分子量45000付近のバンドに含まれるタンパク質をトリプシンで処理する工程、
5) トリプシン処理したタンパク質をMALDI−TOF質量分析計にかけ、m/e=2450−2750の領域にあるピークを記録する工程、
5) 記録されたピーク中の動物種特異的ピークにより獣毛に含まれる動物種を同定する工程、
6) 動物種特異的ピークの面積を測定する工程、および
7) 得られた動物種特異的ピークの面積より、獣毛繊維製品に含まれる獣毛の混用率を計算する工程
を含む、獣毛繊維製品中の獣毛の混用率を定量する方法。
1) 被検獣毛繊維製品よりドデシル硫酸ナトリウムと還元剤を含むタンパク質抽出液にてタンパク質を抽出する工程、
2) 抽出されたタンパク質をSDS−PAGE電気泳動にかける工程、
3) 分子量45000付近の電気泳動バンドを切り出す工程、
4) 分子量45000付近のバンドに含まれるタンパク質をトリプシンで処理する工程、
5) トリプシン処理したタンパク質をMALDI−TOF質量分析計にかけ、m/e=2450−2750の領域にあるピークを記録する工程、
5) 記録されたピーク中の動物種特異的ピークにより獣毛に含まれる動物種を同定する工程、
6) 動物種特異的ピークの面積を測定する工程、および
7) 得られた動物種特異的ピークの面積より、獣毛繊維製品に含まれる獣毛の混用率を計算する工程
を含む、獣毛繊維製品中の獣毛の混用率を定量する方法。
本発明によって初めてMALDI−TOF質量分析計を用いた獣毛の混用率を正確に測定することが可能となった。本発明の方法は高い精度で比較的短時間かつ簡便に獣毛繊維の混用率を測定することができる。
本発明において「獣毛繊維」とはほ乳動物の毛部分を意味する。本明細書において「獣毛繊維製品」の語には、動物から刈り取られた、処理をされていない原毛、洗毛、精練、漂白、染色、加工などを施したもの、更にこれらを紡いだ糸を含むものとする。また、「獣毛繊維製品」には、糸、織物、編物などに加工された製品、衣類等の最終製品へと加工された製品のいずれも含有するものとし、また従来知られた加工、例えば防縮、防皺、撥水、防虫、消臭、防汚加工等を施された製品も含まれるものとする。さらに、毛を刈り取ることなく、毛皮として提供される獣毛も本明細書においては「獣毛繊維製品」に含まれるものとする。
また、本発明において「獣毛繊維製品」は獣毛のみからなる製品であっても、獣毛とその他綿、麻、絹等の天然繊維や各種合成繊維とを組み合わせて含む製品であってもよい。
本発明の方法において、被検対象となる獣毛繊維製品よりタンパク質を抽出する。必要に応じて、タンパク質の抽出処理の前に獣毛繊維の洗浄を行ってもよい。特に被検対象である獣毛繊維製品に繊維屑や油脂分が付着している場合には、洗浄をすることが好ましい。
獣毛繊維製品からのタンパク質の抽出は、従来公知のいずれの方法を用いてもよく、特に限定されない。具体的には、例えば獣毛繊維製品を細切、または破砕し、これを界面活性剤と還元剤とを含む緩衝液であるタンパク質抽出液にて処理することが挙げられる。
獣毛繊維製品はハサミで裁断、またはボールミルなどを用いて破砕すればよい。その後、乾燥させて以下の処理を行う。
還元剤としては、2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール(DTT)、トリブチルホスフィンが例示され、DTTが特に好適に用いられる。界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が好適に用いられる。緩衝液としては、リン酸緩衝液が例示される。
タンパク質抽出液中、SDSの濃度は好ましくは1.5−8%、より好ましくは3−5%とすればよい。還元剤がDTTである場合、その濃度は好ましくは30−70mM、より好ましくは40−60mMとすればよい。緩衝液がリン酸緩衝液の場合、pHを中性から弱アルカリ性、pH7.0−9.0、好ましくはpH7.4−8.2好ましくは7.8程度とした0.1Mリン酸緩衝液が例示される。
タンパク質抽出液の量は特に限定的ではないが、細切または破砕した獣毛繊維重量に対して5−500倍容量、好ましくは10−50倍容量とすればよい。
細切または破砕した獣毛繊維をタンパク質抽出液へ投入してタンパク質の抽出を行う。抽出温度は高い方が抽出効率が良いが、比較的低い温度で長時間抽出を行っても構わない。抽出温度は好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上の温度とするのが効率が良い。
抽出時間は上記のとおり温度によって適宜設定すればよいが、例えば95℃にて抽出を行う場合は、30分−2時間、好ましくは約1時間抽出する。所定時間経過後、遠心分離により上清を分取する。なお、遠心分離後の不溶物にタンパク質抽出液を加え加温して、繰り返して抽出を行ってもよい。繰り返し抽出をすることにより、同一試料からより多くのタンパク質を抽出することができる。
得られた上清、すなわちタンパク質抽出液は常法に沿ってシステインのSH基をブロックする。SH基のブロックには例えばヨード酢酸アミド(IAA)によりSH基をカルバミドメチル化し、次いでDTTを加えて反応を停止させればよい。
得られたタンパク質抽出液をSDS−PAGE電気泳動に供する。SDS−PAGE電気泳動は従来公知の方法で行えばよい。
SDS−PAGE電気泳動により、分子量約45000(40000−50000の範囲にある最も45000に近いバンド)のゲルを切り出す。切り出したゲルを次いで常法によりトリプシン処理する。トリプシン処理は30−40℃で、2−24時間行う。
トリプシン処理後、ゲルよりペプチドを溶出し、MALDI−TOF用マトリックスと混合し、MALDI−TOF質量分析用金属プレートへスポットする。
MALDI−TOF質量分析によりトリプシン処理により得られたペプチドを分析する。MALDI−TOF質量分析により検出されるm/e=2450−2750の領域に生じるピークを記録する。
記録されたピークのうち、各獣毛が由来する動物種に対応する動物種特異的ピークを同定して獣毛が由来する動物種を決定する。獣毛繊維製品に含まれる可能性のある獣毛が由来する動物種を予測し、各動物種特異的ピークを予め確認しておく。動物種特異的ピークは標準獣毛繊維を上記のとおり分解してMALDI−TOF質量分析計により分析してm/e=2450−2750の領域に生じるメインピークを特定することによって確認することができる。
また、実施例4において確認されたように、哺乳動物のケラチンIのトリプシン分解物はm/e=2450−2750の領域に種特異的なピークを有しており、当該ピークはカシミヤのケラチン33Aの307−329位の配列(配列番号1)と高いホモロジーを有するペプチドに由来するものである。現在多くの動物種のケラチンタンパク質の配列がデータベースに登録されている。かかるデータベースよりNの隣のアミノ酸をN末端とし、C末端がRであって、かつ配列番号1のペプチドと高いホモロジーを示すペプチドを同定し、そのアミノ酸配列からm/e値を計算することができる。アミノ酸配列に基づくm/e値の計算は、手計算、または、適当な計算ツール、例えば、http://www.lfd.uci.edu/~gohlke/molmass/を用いて行うことができる。
かかるペプチドの例として、下記表4に記載のペプチドが挙げられ、これらのペプチドに基づき予め動物種特異的ピークを決定することができる。なお、MALDI−TOF質量分析結果のピーク位置から動物種特異的ピークを同定する場合、同定は測定値の誤差を考慮して行われる。
かかるペプチドの例として、下記表4に記載のペプチドが挙げられ、これらのペプチドに基づき予め動物種特異的ピークを決定することができる。なお、MALDI−TOF質量分析結果のピーク位置から動物種特異的ピークを同定する場合、同定は測定値の誤差を考慮して行われる。
得られたMALDI−TOFチャートより動物種に由来するピークを同定し、獣毛繊維が由来する動物種を決定する。動物種特異的ピーク面積を測定する。動物種特異的ピークの面積に基づき、獣毛繊維の比率を決定する。例えば、A1、A2、A3の3種類の獣毛の混紡製品であると特定された場合、獣毛繊維中のA1の相対比(A1(%))は下記計算式によって得られる:
A1(%)=PA1×100/(PA1+PA2+PA3)
(式中、PA1、PA2,PA3はそれぞれ獣毛繊維A1、A2およびA3のピーク面積を示す。)
A1(%)=PA1×100/(PA1+PA2+PA3)
(式中、PA1、PA2,PA3はそれぞれ獣毛繊維A1、A2およびA3のピーク面積を示す。)
より詳細な混用率を求める場合には、予め各獣毛種の標準混合試料を本発明の方法により分析して検量線を作成し、得られるデータを検量線により補正してもよい。
本発明の方法によって、獣毛繊維製品の獣毛の混用率を高い精度で測定することが可能である。獣毛繊維製品が獣毛繊維と獣毛繊維以外の繊維とを組み合わせたもの、例えば混紡品や交ぜ織りなどであることが予測される場合は、本発明の方法を顕微鏡法等従来公知の方法と組み合わせて用いてもよい。例えば顕微鏡法、溶解法などで獣毛繊維以外の同定、混用率の定量を行い、獣毛繊維間の混用率を本発明の方法で測定することが例示される。
以下実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
獣毛の抽出及び同定に及ぼす繊維加工の影響
市販されている繊維製品のほとんどは、漂白、染色などさまざまな加工が加えられている。化学分析を行う場合、こうした加工が分析結果に影響を及ぼすことは少なくない。一方で、分析工程を単純化するためには前処理をできるだけ減らし、どの試料に対しても同一の前処理で済ませることが望ましい。そこで、獣毛製品の加工処理としてよく用いられている漂白、脱色、染色などのMALDI−TOF質量分析計による測定に対する影響を調べた。
市販されている繊維製品のほとんどは、漂白、染色などさまざまな加工が加えられている。化学分析を行う場合、こうした加工が分析結果に影響を及ぼすことは少なくない。一方で、分析工程を単純化するためには前処理をできるだけ減らし、どの試料に対しても同一の前処理で済ませることが望ましい。そこで、獣毛製品の加工処理としてよく用いられている漂白、脱色、染色などのMALDI−TOF質量分析計による測定に対する影響を調べた。
1 試料
分析試料はCCMI Fiber Box 2011(http://www.cashmere.org/cm/fiber-box.php)中の繊維、織物を用いた。試料は更なる洗浄などは行わず、そのまま用いた。
分析試料はCCMI Fiber Box 2011(http://www.cashmere.org/cm/fiber-box.php)中の繊維、織物を用いた。試料は更なる洗浄などは行わず、そのまま用いた。
2 試薬
リン酸水素二ナトリウム・12水塩、リン酸二水素ナトリウム、ジチオスレイトール(DTT)は和光純薬製試薬特級、生化学用、または同等品質の試薬を用いた。ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)はナカライテスク製を用いた。ヨード酢酸アミド(IAA)はBio−Rad社の製品を用いた。トリスヒドロキシメチルアミノメタン、炭酸アンモニウムはSigma−Aldrich社製を、トリシンは同仁化学研究所の製品を用いた。
アセトニトリルは関東化学製HPLC用を、トリフルオロ酢酸は和光純薬社製HPLC用を用いた。トリプシンはPromega社タンパク質配列決定用を用い、α−シアノ−4−ヒドロキシ安息香酸(CHCA)はSigma−Aldrich社より購入した。
リン酸水素二ナトリウム・12水塩、リン酸二水素ナトリウム、ジチオスレイトール(DTT)は和光純薬製試薬特級、生化学用、または同等品質の試薬を用いた。ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)はナカライテスク製を用いた。ヨード酢酸アミド(IAA)はBio−Rad社の製品を用いた。トリスヒドロキシメチルアミノメタン、炭酸アンモニウムはSigma−Aldrich社製を、トリシンは同仁化学研究所の製品を用いた。
アセトニトリルは関東化学製HPLC用を、トリフルオロ酢酸は和光純薬社製HPLC用を用いた。トリプシンはPromega社タンパク質配列決定用を用い、α−シアノ−4−ヒドロキシ安息香酸(CHCA)はSigma−Aldrich社より購入した。
3 繊維の粉砕
繊維はハサミで細断、または、レッチェ社製ボールミル(MM400)で粉砕した。粉砕した繊維は室温で真空乾燥後、用いた。
繊維はハサミで細断、または、レッチェ社製ボールミル(MM400)で粉砕した。粉砕した繊維は室温で真空乾燥後、用いた。
4 繊維からのタンパク質の抽出
25mgの繊維を1.5mlマイクロチューブに秤り取り、50mmol/lのDTTを含む4%SDSを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.8)であるタンパク質抽出液を0.5ml加え、95℃に保つことで反応を開始した。反応はアルミブロックバスを用い、静置状態で行った。1時間経過後、15000rpmで5分間遠心分離し、抽出液と不溶物を分けた。分離した抽出液に100mmol/lの濃度になるようにIAAを加え、25℃で30分間反応し、25mmol/lのDTT10μlを添加して反応を停止した。15000rpmで5分間遠心分離し、上清を以降の分析に用いた。遠心分離後の不溶物に再度、DTT、SDSを含むリン酸緩衝液を含むタンパク質抽出液を0.5ml加え、95℃で3時間反応させ、遠心分離後同様の操作を行った。
25mgの繊維を1.5mlマイクロチューブに秤り取り、50mmol/lのDTTを含む4%SDSを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.8)であるタンパク質抽出液を0.5ml加え、95℃に保つことで反応を開始した。反応はアルミブロックバスを用い、静置状態で行った。1時間経過後、15000rpmで5分間遠心分離し、抽出液と不溶物を分けた。分離した抽出液に100mmol/lの濃度になるようにIAAを加え、25℃で30分間反応し、25mmol/lのDTT10μlを添加して反応を停止した。15000rpmで5分間遠心分離し、上清を以降の分析に用いた。遠心分離後の不溶物に再度、DTT、SDSを含むリン酸緩衝液を含むタンパク質抽出液を0.5ml加え、95℃で3時間反応させ、遠心分離後同様の操作を行った。
5 電気泳動
SDS−PAGE電気泳動は既製ゲル(アトー社製e・パジェル、ゲルサイズ90mmx83mm、厚さ1mm)及び電気泳動槽(アトー社製AE−6513P型)を用いて行った。染色はクマシーブリリアントブルー(CBB)(アトー社製イージーステイン・アクア)で行い、水中で振とうして脱色した。
SDS−PAGE電気泳動は既製ゲル(アトー社製e・パジェル、ゲルサイズ90mmx83mm、厚さ1mm)及び電気泳動槽(アトー社製AE−6513P型)を用いて行った。染色はクマシーブリリアントブルー(CBB)(アトー社製イージーステイン・アクア)で行い、水中で振とうして脱色した。
SDS−PAGE電気泳動ゲルから分子量45000付近のバンドを切り出した。電気泳動ゲルからのバンドの切り出し、CBBの除去、ゲル内トリプシン処理、トリプシン処理ペプチドの溶出、マトリックスとの混合、およびMALDI−TOF質量分析用金属プレートへのスポッティングをxcise(ProteomeSystems、島津製作所)を用いて行った。MALDI−TOF質量分析のマトリックスとしてはCHCAを用いた。MALDI−TOF質量分析装置は島津AXIMA−CFRplusを用い、タンパク質の同定にはMatrixScience社製Mascotを用いた。測定並びに同定は各装置の販売元の提供するマニュアルに基づいて行った。データベースとしてはNCBIおよびMSDBを利用した。
図1は、未処理および漂白処理を行ったカシミヤのMALDI−TOF質量分析スペクトル(m/e=700−3000部分)を重ねたものである。
図1からわかるように、重ねた両者のスペクトルはほとんど違いがなく、加工により新たなピークが生じることもなかった。
図2は、加工、未加工のカシミヤ、羊毛、ヤクのMALDI-TOF質量分析スペクトルを示す。各使用した獣毛は下記である:
a) アラシャンホワイトカシミヤ、b) 漂白ホワイトカシミヤ、c) ブラウンカシミヤ、d) 脱色ブラウンカシミヤ、e) 極細原産羊毛、f) スケール除去極細原産羊毛、g) 蒸煮極細原産羊毛、h) ダークブラウンヤク、i) 漂白ヤク。
m/e=2450−2750の領域にはカシミヤでm/e=2692、羊毛で2665、ヤクで2504付近に動物種特異的ピークが現れるが、分析を行った全ての試料についてこれらのピークが認められた。また、各種加工により新たなピークの出現も認められなかった。
a) アラシャンホワイトカシミヤ、b) 漂白ホワイトカシミヤ、c) ブラウンカシミヤ、d) 脱色ブラウンカシミヤ、e) 極細原産羊毛、f) スケール除去極細原産羊毛、g) 蒸煮極細原産羊毛、h) ダークブラウンヤク、i) 漂白ヤク。
m/e=2450−2750の領域にはカシミヤでm/e=2692、羊毛で2665、ヤクで2504付近に動物種特異的ピークが現れるが、分析を行った全ての試料についてこれらのピークが認められた。また、各種加工により新たなピークの出現も認められなかった。
以上のことから、MALDI−TOF分析におけるピーク位置には白色繊維をより白くするための漂白、有色繊維を白くするための脱色などの加工の影響は全くないことが確認された。
次いで、カシミヤを染色し、ニットまたは織物に加工した試料について同様の分析を行った。結果を表1に示す。全ての試料について、図1と同位置のカシミヤ特異的ピーク(m/e=2692)が観察された。
綿、絹、化学繊維などとの混紡の影響
市販されている獣毛製品の多くは、綿、絹、麻などの天然繊維やナイロン、レーヨンなどの化学繊維、他の獣毛繊維などと混紡されている。このような混紡製品であっても単品同様の方法で分析可能かどうかは、方法の汎用化にとって非常に重要である。
市販されている獣毛製品の多くは、綿、絹、麻などの天然繊維やナイロン、レーヨンなどの化学繊維、他の獣毛繊維などと混紡されている。このような混紡製品であっても単品同様の方法で分析可能かどうかは、方法の汎用化にとって非常に重要である。
混紡品を実施例1と同様の方法にて溶解、抽出してタンパク質溶液を得た。得られたタンパク質溶液をSDS−PAGE電気泳動により分離し、45000付近のバンドを切り出し、実施例1と同様にしてMALDI−TOF質量分析スペクトルを得た。
図3にm/e=2450−2750の範囲のMALDI−TOF質量分析スペクトルを示す。この範囲では獣毛特異的なスペクトルのみが認められ、混紡製品に由来する新たなピークは全く認められなかった。絹はタンパク質であり、妨害ピークが現れることが予測されたが、m/e=2450−2750の範囲には絹由来のピークは全く認められなかった。
カシミヤと羊毛の混紡品については両種の特異的なピークがそれぞれ認められた。
カシミヤと羊毛の混紡品については両種の特異的なピークがそれぞれ認められた。
実施例1および2に示す通り、カシミヤ、羊毛、ヤクについてはm/e=2450−2750の範囲に特異的なピークが認められる。他の獣毛において同じ範囲に特異的ピークが認められるかどうかを調べた。
表2に示す動物種の獣毛類について実施例1と同じ処理を行い、同様の分析を行った。その結果を表2に示す。
表2に示す動物種の獣毛類について実施例1と同じ処理を行い、同様の分析を行った。その結果を表2に示す。
全ての獣毛についてm/e=2450−2750の範囲に主ピークが認められ、多くの動物種についてその位置が互いに異なった。表中ピーク1は最もピーク面積の大きいピーク、ピーク2は2番目のピークを示す。
一部の近縁種、例えば、キャメルとアルパカ、カシミヤとモヘヤ、ウサギとアンゴラウサギなどはそれぞれ全く同じ位置にピークが現れた。いずれの獣毛についてもカシミヤ、羊毛、ヤクと重複するピークは示さず、この領域のピークを得る動物種の同定が可能であることが確認された。
MALDI−TOF質量分析により得られるm/e=2450−2750において認められるピークについて、MS/MS分析を行い、アミノ酸配列を決定した。
カシミヤ、羊毛、ヤクそれぞれの標品として中国産ホワイト、メンヤンロン、中国産ヤクの原毛を使用した。原毛中のタンパク質をそれぞれ実施例1の方法に従って抽出し、SDS−PAGE電気泳動で分離した。具体的にはSDS−PAGE電気泳動で抽出タンパク質を分離した後、分子量45000付近のバンドを切り出し、常法によりトリプシン処理した。処理液をnano−LC(KYテクノロジー社製)で分離し、各フラクションをCHCAと混合し、金属プレートにスポットした。
各フラクションをMALDITOF/TOF4800plus(ABSciex)でMS/MS分析し、NCBIデータベースを参照して各ピークのペプチドのアミノ酸配列を決定した。結果を表3に示す
m/e=2691付近に現れるカシミヤ特異的なピークのアミノ酸配列を決定し、このピークはケラチン33Aの307−329位の配列を有する部分ペプチドに由来することが確認された。同様に、m/e=2664の羊毛特異的ピークはケラチン33Bの307−329位に相当し、m/e=2504のヤク特異的ピークはケラチンIマイクロフィブリル47.6 kDa-likeの309−331に相当することが確認された。
23個のアミノ酸からなるこれらの部分配列は、お互いにその構造が非常によく似ており、カシミヤと羊毛では1個、カシミヤとヤクの間では4個のアミノ酸が置換しているのみであった。
NCBIのデータベースを使用し、上記のカシミヤのケラチン33Aの部分ペプチド配列(配列番号1)に対し、相同性の高い他の動物種の配列をBLAST検索した結果を表4に示す。多くの動物のケラチン33Aまたは配列類似タンパク質の相同性の高い配列が検出された。表中、下線はカシミヤのケラチン33Aの307−329位アミノ酸配列と相違するアミノ酸を示す。実施例2で示したようにカシミヤ、羊毛、ヤク以外の動物についてもm/e=2450−2750の領域に動物種特異的なピークが現れることから、これらのピークは各ペプチド配列に対応するものと考えられる。
なお、配列中にシステインが含まれ、切断されたSH基をカルバミドメチル基で保護する場合は、システイン基をカルバミドメチル化した値から計算されたm/e値を元に特異的ピークを特定する。
獣毛繊維混紡品中のカシミヤの定量分析
カシミヤと羊毛、カシミヤとヤクの標準混合試料を作成し、混合組成と特異ピークの面積比との関係を調べた。標準試料の作成にはカシミヤとして中国産ホワイト、羊毛としてメンヤンロン、ヤクとして中国産ヤクの原毛を使用した。混合比に応じて各試料を正確に秤量し、ハサミでカットしながら混合した。さらに、ミキサーミル用の金属容器に移し、液体窒素で冷却、粉砕し、微粒子化すると共に、完全な混合状態とした後、室温で真空乾燥した。
カシミヤと羊毛、カシミヤとヤクの標準混合試料を作成し、混合組成と特異ピークの面積比との関係を調べた。標準試料の作成にはカシミヤとして中国産ホワイト、羊毛としてメンヤンロン、ヤクとして中国産ヤクの原毛を使用した。混合比に応じて各試料を正確に秤量し、ハサミでカットしながら混合した。さらに、ミキサーミル用の金属容器に移し、液体窒素で冷却、粉砕し、微粒子化すると共に、完全な混合状態とした後、室温で真空乾燥した。
それぞれの混合比の試料を実施例1と同じ方法にて還元・溶解してタンパク質を抽出し、SDS−PAGE電気泳動で分離し、分子量45000付近のケラチンIに相当するバンドを切り出した。切り出したバンドをトリプシン処理後、マトリックスと混合し、MALDI−TOF質量分析を行った。例として、カシミヤ−羊毛系でカシミヤ80%、50%、20%の場合のスペクトルを図4に示した。得られた質量分析スペクトルでそれぞれの動物種特異的ピークの面積を出力し、次式にしたがってピーク面積比を求めた。なお、データの正確性を期すため、MALDI−TOF質量分析の測定は各試料につき最低6回行い、その平均値を使用した。
カシミヤ−羊毛混紡系
カシミヤピーク(%)=PACx100/(PAc+PAw)
カシミヤ−ヤク混紡系
カシミヤピーク(%)=PACx100/(PAc+PAY)
カシミヤピーク(%)=PACx100/(PAc+PAw)
カシミヤ−ヤク混紡系
カシミヤピーク(%)=PACx100/(PAc+PAY)
ここで、PAC:カシミヤ特異的ピークの面積
PAW:羊毛特異的ピークの面積
PAY:ヤク特異的ピークの面積
PAW:羊毛特異的ピークの面積
PAY:ヤク特異的ピークの面積
カシミヤ−羊毛系の結果を図5に、カシミヤ−ヤク系の結果を図6に示す。両者とも良好な直線関係が認められ、図5グラフはy=0.9926x−1.9275、図6のグラフはy=0.9994x−3.6834であった。
カシミヤと羊毛またはカシミヤとヤクからなる混用率未詳の試料について、それぞれの特異的ピーク面積比(%)を図5または図6のグラフで補正することにより、より正確な混用率の測定が可能となる。
実施例5において用いたものと同一試料について、抽出作業から実施例5と同じ試験を繰り返した。試料の保存による結果のバラツキを確認するため、1日−4.5ヶ月の期間室温で保存した試料を用いた試験を行った。カシミヤ−羊毛試料の保存期間を表5に、カシミヤ−ヤクの保存期間を表6に示す:
結果を図7及び8に示す。図7はカシミヤ−羊毛系について作成した7本の検量線であり、図8はカシミヤ−ヤク系について作成した9本の検量線を示す
いずれも繰り返し再現性は極めてよかった。カシミヤ−羊毛系において図7に示した検量線は最大4ヶ月保存したものであるが、1年以上保存したものからもほぼ同一の検量線が得られ、繊維抽出液は1年以上安定であることが確認された。
カシミヤ−ヤク系についてはカシミヤ−羊毛系に比べて分析ごとの変動が多少見られたが、実用には十分耐える再現性を示した。
カシミヤ−ヤク系についてはカシミヤ−羊毛系に比べて分析ごとの変動が多少見られたが、実用には十分耐える再現性を示した。
本方法の有効性を更に明らかにするため、試料作成第三者のみが混合比を知るブラインドテスト用試料9種の供与を受け、定量分析を行った。各試料の混用率は分析終了後に試料作成者から通知を受けた。
試料はいずれもスライバーで、大部分は茶、黒などに染色されていた(内訳)。試料をハサミでカットした後、ミキサーミルで粉砕し、実施例1の方法に従って、抽出、分離、分析を行った。タンパク質抽出は2回行い、2回の抽出液を混合して分析試料とした。それぞれの分析試料についてのMALDI−TOF質量分析計による測定チャートのm/e=2450−2750の範囲に認められる、カシミヤ、羊毛、ヤクそれぞれの代表ピークの面積を測定し、その比を算出した。例としてカシミヤ配合量の計算式を下記に示す。
カシミヤ混用率(%)=PAc×100/(PAc+PAw+PAy)
カシミヤ混用率(%)=PAc×100/(PAc+PAw+PAy)
MALDI−TOF質量分析計による測定は6回以上繰り返し、計算された混用率の平均値を得た。結果を表7に示す。
表7中、括弧内の数値は分析後に試料作成者より通知された混用率を示す。
試料1-01から試料1-09迄の9試料全てについて混用率と本発明の方法による分析値が極めてよく一致し、本分析法の妥当性が支持される。
試料1-01から試料1-09迄の9試料全てについて混用率と本発明の方法による分析値が極めてよく一致し、本分析法の妥当性が支持される。
繊維製品の定量分析と顕微鏡法との比較
実施例7において本方法が未知の獣毛繊維の混用率の定量分析に適用可能であることを明らかにした。また、実施例1で種々の加工を施しても本発明の方法に用いられるピーク位置に変化が無いことを確認した。次いで本発明者らは本発明の定量分析法と現在用いられている顕微鏡法にて種々の試料の混用率の分析を行った。
実施例7において本方法が未知の獣毛繊維の混用率の定量分析に適用可能であることを明らかにした。また、実施例1で種々の加工を施しても本発明の方法に用いられるピーク位置に変化が無いことを確認した。次いで本発明者らは本発明の定量分析法と現在用いられている顕微鏡法にて種々の試料の混用率の分析を行った。
用いた試料は、カシミヤ100%の製品、カシミヤと羊毛の混紡品、カシミヤ、羊毛とシルク、綿などとの獣毛ではない天然繊維との混紡品、カシミヤ、羊毛とナイロン、レーヨン等の化学繊維との混紡品を用いた。
カシミヤ単独及びカシミヤと羊毛の混紡品については表8に示すように様々な色に染色されたニット、織物など14製品について分析、比較を行った。いずれの試料についても抽出、分析ともに特に問題になる点はなく、全て同じ方法で結果を得ることができた。比較したほとんどの試料について顕微鏡法との違いは大きくても5%程度で、非常によく一致した。
カシミヤ、羊毛と天然繊維、化学繊維との混紡品については表9に示す15試料の結果を示した。獣毛繊維並びに絹以外の繊維はタンパク質抽出液にほとんど不溶であると考えられ、実施例1の方法で、抽出、分析を行った。絹はタンパク質であり、質量分析に影響を及ぼすことが懸念されたが、特に影響は認められなかった。
なお、本発明の方法では獣毛部分のみの分析結果となる。表9の顕微鏡法の結果には、全体における混用率と獣毛部分のみの混用率を記載して両法の比較を行った。両法の結果は極めてよく一致し、化学繊維等の混在が獣毛繊維部分の混用率の分析に全く影響を及ぼさないことが示された。特に、全体の中でカシミヤ部分の含量が3−4%と非常に低い試料、3−06、3−13、3−15についてもよい一致が見られており、本発明の方法は獣毛含量が低い試料に対しても有効であることがわかる。
Claims (5)
- 1) 被検獣毛繊維製品よりドデシル硫酸ナトリウムと還元剤を含むタンパク質抽出液にてタンパク質を抽出する工程、
2) 抽出されたタンパク質をSDS−PAGE電気泳動にかける工程、
3) 分子量45000付近の電気泳動バンドを切り出す工程、
4) 分子量45000付近のバンドに含まれるタンパク質をトリプシンで処理する工程、
5) トリプシン処理したタンパク質をMALDI−TOF質量分析計にかけ、m/e=2450−2750の領域にあるピークを記録する工程、
5) 記録されたピーク中の動物種特異的ピークにより獣毛に含まれる動物種を同定する工程、
6) 動物種特異的ピークの面積を測定する工程、および
7) 得られた動物種特異的ピークの面積より、獣毛繊維製品に含まれる獣毛の混用率を計算する工程
を含む、獣毛繊維製品中の獣毛の混用率を定量する方法。 - 還元剤がジチオスレイトールである、請求項1記載の方法。
- ある動物の動物種特異的ピークを、データベースにより当該動物のケラチンIタンパク中、N隣のアミノ酸がN末端、C末端がRであって、かつ配列番号1のペプチドと高いホモロジーを示すペプチドを検索し、当該ペプチドのアミノ酸配列から計算して決定する、請求項1または2記載の方法。
- 予め獣毛種を複数の混用率で混合した試料を用いて作成された検量線を用いて、得られた混用率を補正する工程を更に含む、請求項1−3いずれかに記載の方法。
- カシミヤ、羊毛、ヤクからなる群から選択される2以上の獣毛繊維の混用率を調べる、請求項1−4いずれかに記載の方法。
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CN113125546A (zh) * | 2020-11-06 | 2021-07-16 | 郑州安图生物工程股份有限公司 | 一种毛发质谱检测芯片及毛发快速鉴定方法 |
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-
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- 2014-05-08 JP JP2014096801A patent/JP2015215187A/ja active Pending
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