JP2015214962A - 自律的ピッチ・コントロール型風車ブレード形状 - Google Patents
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Abstract
【課題】風力発電装置において、風車コスト低減を実現する自律的ピッチ・コントロール型風車を提供する。【解決手段】従来型に見られる可変ピッチ制御機構装置を排除するために、風車ブレード形状に、自然風速変動に呼応して、可変ピッチ機能を維持し、風車ブレードに自律的にピッチ角を調整することが可能な形状を付与する。新しい風車ブレード形状は、反りを持つ翼型の空力特性を利用して、風車ブレード翼の翼幅に沿って途中の反転位置で翼型を反転させることによって、自然風速変動に呼応して風車ブレード翼内で自律的に捩りモーメントの釣り合いを実現する。このとき、反転した翼型に発生する揚力は、反転しない翼型と同様に、風車ブレード翼のハブ周りの回転方向に揚力の成分を有している点を特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、風車ブレードの可変ピッチ・コントロール機能を自律型とすることで、従来の可変ピッチ・コントロール機構装置を排除した省エネ環境適合型風車ブレード形状に関するものである。
風車ブレードでは、自然界から受ける風速の変動に呼応して、風車のブレードのピッチ角を変動させる必要があり、これは可変ピッチ・プロペラ型、又は、可変ピッチ・ブレード型と呼称されているが、この場合、従来の風車ブレードでは、このピッチ・コントロールのために、別途、可変ピッチ・コントロール機構装置を設置している。
この目的のために、従来の風車では、ハブと呼称される風車の回転中心に、可変ピッチ・コントロール機構装置を設置しており、それを内蔵するために、ナセルと呼称される壺状の覆いを取り付けている。
このような可変ピッチ・コントロール機構は、その主体がモーターおよび油圧装置から構成され、これを稼働させるために、風車で発電した電力を消耗する。このため発電効率が低減している。
さらに、可変ピッチ・コントロール機構は、風車の稼働に準拠して、定期的な整備作業を必要とする。これは、整備作業期間として、風車の稼働率を低減させ、さらに整備作業費として、風車の稼働収入を低減させている。
従来の風車には、このように可変ピッチ・コントロール機構を取り付けていることから、風車の建設費用が増大している。このような可変ピッチ・コントロール機構は、風車ブレード翼が、自然界の風速エネルギーを効率良く回転エネルギーとして取り出すための機構である。従って、風車ブレードの発電効率向上の観点から、その可変ピッチ・コントロール機能は維持しながら、その運用効率を低下させている複雑な可変ピッチ・コントロール機構装置を排除する技術が求められる。
本発明は、従来の風車ブレードに設置されている可変ピッチ・コントロール機構を排除するものである。但し、従来の風車ブレード翼であっても、小型のものは、そのブレードのピッチを可変型ではなく、固定型にしているものもある。
本発明は、ピッチ・コントロール機能を必要とする可変ピッチ型風車ブレードに対して、その可変性を維持し風車のエネルギー効率を損なうことなく、可変ピッチ・コントロール機構装置を排除することができる風車ブレード翼形状に関するものである。
このようにピッチ・コントロール機構装置を排除することによって、従来型で課題となっている風車建設と稼働維持に係わる大幅なコストを低減することが可能になり、広く自然エネルギー開発を普及させることに貢献することができる。
その鍵となる手段は、自然風速の変動に呼応して、自律的に風車ブレード翼に捩りモーメントが発生して、ブレード翼が、そのブレード翼の翼型空力中心点周りに回って、その結果、ブレードのピッチ角が自律的に釣り合い状態となり、風速変動に対して自律的にピッチ角が調整されるような風車ブレード翼形状を実現することにある。
一般に、風車ブレード翼では、その翼根から翼端に沿って、各断面に翼型を入れていくが、このとき、入れる翼型の特性に注目する。本発明では、この翼型は「反りを持つ翼型」を入れていくことを特徴とする。
一般に、翼型は、「対称翼型」では、その空力中心点回りのモーメントは、迎角に関係なく、ゼロとなり、さらに揚力は、正の迎角では、上方へ、負の迎角では、下方に向かって発生する。一方、「反りを持つ翼型」では、空力中心点回りのモーメントは、迎え角に依存することなく、有限な負の一定値をとり、また、揚力は、正の迎え角では、上方へ、負の迎角では、下方に向かって発生する。特に、この「反りを持つ翼型」では、空力中心点回りのモーメントが負の一定値をとること、並びに、迎角が負の値では、揚力の発生が下方に向かって発生することの「組み合わせ」を利用することが本発明の特徴である。
風車ブレード翼について、その翼根から翼端に向かって、翼幅の各断面に沿って、翼型を入れていくが、そのとき、翼幅の「ある位置」から、翼端に向かっては、翼型を、上方に反った形で入れ、その「ある位置」から、翼根に向かっては、翼型を下方に反った形で、つまり、翼型を反転した形で入れていくことを特徴とする新しい風車ブレード翼形状を提示する。この「ある位置」とは、翼型を反転させる翼幅方向の位置で、これを「反転位置」と称する。
この新しい風車ブレード翼形状が、自然風速を受けると、その翼端領域と翼根領域では、発生する捩りモーメントの方向が逆になっているので、風速の変動に呼応して釣り合い状態になるように、風車ブレード翼の空力中心点を軸として、自律的に、その軸周りに捩れ方向の回転が生じて、ブレードのピッチ角を自律的に調整することができる。
この場合、翼端から反転位置までは、翼型に発生する揚力は、上方に働き、これは、風車ブレードの回転方向の成分を有する。さらに、反転位置から翌根までは、翼型が反転されているので、その発生揚力が、下方へ向かって発生するが、その成分は、回転方向に向かうように、反転した翼型の迎角を、ゼロ揚力迎角以下の負の値に設定することができる。
これを可能ならしめるためには、翼幅の「反転位置」を決める必要がある。これは、自然風速の変動値に対する風車の回転速度の比を考慮して、その範囲内で、自然風速に対して、翼端から反転位置までの翼型が発生するモーメントと、反転位置から翼根までの反転した翼型が発生する逆モーメントが自律的に釣り合う位置として、計算によって「反転位置」を決定することができる。
従来の可変ピッチ風車ブレード翼においては、可変ピッチ・コントロール機構装置の搭載を必要としている。これは、主体がモーターと油圧装置から構成されており、ナセルに格納された形で風車のハブの部分に装着されている。本発明は、この機構を排除するが、従来のピッチの可変性は維持した新しいブレード形状を特徴とする。
このような新しい風車ブレード形状を搭載することによって、従来の可変ピッチ機構装置を排除することが可能になり、風車の建設コストを大幅に低減することができる。
従来の可変ピッチ機構装置の日常点検整備や補修コストも不要になり、風車の運用コストが大幅にカットされる。
従来方式では、発電した電力を、可変ピッチ機構装置の作動に使用しており、この点で発電効率を阻害している。本発明の新しい風車ブレード形状は、自律的ピッチ可変ブレードであるから、発電効率を低減することはない。
従来方式では、可変ピッチ機構装置を装備しており、自然風速の突風などの突然変化に、機構作動の迅速な呼応が困難で、しばしば、風車の破壊を招いている。本発明の風車ブレード形状は、自律的にピッチ角を調整するため、迅速な呼応が可能であり、突風に対してピッチ角がフエザーに向かい破壊安全性を有する。
従来の方式にまつわる運用を阻害する要素が排除され、このため長期的に風車発電システムの高効率と運用の省エネ化、さらに環境適合性を実現することができる。
1 風車ブレード翼端と、その翼型の翼弦線
2 風車ブレード翼端の翼型。翼型は、反りの上面が、上に反った形をしている
尚、翼型の上面は見えるので実線、下面は見えないので点線
3 風車ブレード翼型を反転させる位置「反転位置」と呼称する。
4 風車ブレード翼型を反転させる直前の翼型の翼弦線
これは風車ブレードの翼端の翼弦線に対して、角度δだけ下方へ捩じれている。
5 風車ブレード翼型を反転させる直前の翼型。
風車ブレード翼端の翼型と同じ翼型をしており、反りの上面が、上に反った形をしている。
6 風車ブレード翼型を反転させる位置「反転位置」である。
実施では、反転位置である符号3と符号6は、それぞれの翼幅位置は、同じ位置で、それら翼型は、互いに接した形で反転される。
7 風車ブレード翼型を反転させた直後の翼型の翼弦線。これは、風車ブレード翼端の翼弦線に対して、捩じれ角、符号δだけ、下方へ捩じれている。この捩じれ角は、符号4の捩れ角と同じ角度である。
8 風車ブレード翼型を反転させた直後の翼型。
風車ブレード翼端の翼型と同じ翼型をしているが、ここでは、その翼型の反り上面が、反転して、下に反った形をしている。
9 風車ブレード翼の前縁
10 風車ブレード翼の後縁
11 風車ブレード翼の翼根
12 風車ブレード翼の翼根の翼型の翼弦線。風車ブレード翼端に対して、捩じれ角、符号Δだけ、下方へ捩じれている。これは、符号4と符号7の捩り角符号δよりその角度は大きい。
13 風車ブレードの翼根の翼型。これは、風車ブレード翼端の翼型と同じ翼型をしているが、その翼型は、反転して、反りの上面が、下方に反った形をして、下面が上にきている。下面は見えるので実線。上面は、見えないので点線。
14 風車ブレード翼の、翼幅の各位置における翼型の翼弦長の、空力中心点の位置を、翼端から翼根までを、翼幅方向に連ねた仮想線。この位置が、捩り角を決める基準となる翼弦線の中心点となる。また、この空力中心点を風車ブレード翼の翼幅方向に連ねた軸は、風車ブレード翼が、発生するモーメントによって自律的に捩じれ、釣り合い状態となる捩り回転軸である。
δ 翼型を反転させる位置、及び、反転させた位置における翼型の同じ捩り角
Δ 翼根における翼型の捩り角
風車ブレード翼端の翼型の翼弦線、符号1を基準にして、そこから、翼根に向かって、途中の翼型反転位置の符号δを経て、翼根の符号Δまで、翼幅の各断面の翼型の迎角が、翼型の揚力係数の線形性の範囲内に納まるように、また、発生揚力が風車ブレードの回転方向の成分を有するように、それらの各断面の翼型の捩り角は決定される。
2 風車ブレード翼端の翼型。翼型は、反りの上面が、上に反った形をしている
尚、翼型の上面は見えるので実線、下面は見えないので点線
3 風車ブレード翼型を反転させる位置「反転位置」と呼称する。
4 風車ブレード翼型を反転させる直前の翼型の翼弦線
これは風車ブレードの翼端の翼弦線に対して、角度δだけ下方へ捩じれている。
5 風車ブレード翼型を反転させる直前の翼型。
風車ブレード翼端の翼型と同じ翼型をしており、反りの上面が、上に反った形をしている。
6 風車ブレード翼型を反転させる位置「反転位置」である。
実施では、反転位置である符号3と符号6は、それぞれの翼幅位置は、同じ位置で、それら翼型は、互いに接した形で反転される。
7 風車ブレード翼型を反転させた直後の翼型の翼弦線。これは、風車ブレード翼端の翼弦線に対して、捩じれ角、符号δだけ、下方へ捩じれている。この捩じれ角は、符号4の捩れ角と同じ角度である。
8 風車ブレード翼型を反転させた直後の翼型。
風車ブレード翼端の翼型と同じ翼型をしているが、ここでは、その翼型の反り上面が、反転して、下に反った形をしている。
9 風車ブレード翼の前縁
10 風車ブレード翼の後縁
11 風車ブレード翼の翼根
12 風車ブレード翼の翼根の翼型の翼弦線。風車ブレード翼端に対して、捩じれ角、符号Δだけ、下方へ捩じれている。これは、符号4と符号7の捩り角符号δよりその角度は大きい。
13 風車ブレードの翼根の翼型。これは、風車ブレード翼端の翼型と同じ翼型をしているが、その翼型は、反転して、反りの上面が、下方に反った形をして、下面が上にきている。下面は見えるので実線。上面は、見えないので点線。
14 風車ブレード翼の、翼幅の各位置における翼型の翼弦長の、空力中心点の位置を、翼端から翼根までを、翼幅方向に連ねた仮想線。この位置が、捩り角を決める基準となる翼弦線の中心点となる。また、この空力中心点を風車ブレード翼の翼幅方向に連ねた軸は、風車ブレード翼が、発生するモーメントによって自律的に捩じれ、釣り合い状態となる捩り回転軸である。
δ 翼型を反転させる位置、及び、反転させた位置における翼型の同じ捩り角
Δ 翼根における翼型の捩り角
風車ブレード翼端の翼型の翼弦線、符号1を基準にして、そこから、翼根に向かって、途中の翼型反転位置の符号δを経て、翼根の符号Δまで、翼幅の各断面の翼型の迎角が、翼型の揚力係数の線形性の範囲内に納まるように、また、発生揚力が風車ブレードの回転方向の成分を有するように、それらの各断面の翼型の捩り角は決定される。
翼型: NACA層流翼型633−618
風車ブレード平面形: 翼根から翼端に向かって細くなる台形
翼幅: 10m
翼根幅: 0.3m
翼端幅:0.1m
風速比=自然風速/風車翼端回転速度: 3羽根風車の経験値幅3〜6.5
翼型反転位置; 翼根から翼端に向かって75%位置
風車ブレード捩り角
翼幅方向代表点
翼端:翼幅は、100%.点。捩り角は、風車ブレード回転面の基準面に対してゼロ度
翼幅 75%点:捩り軸を中心に、下方へ捩り下げ角 2度
翼幅 50%点:下方へ捩り下げ角 6 度
翼幅 30%点;下方へ捩り下げ角 16度
翼幅 10%点:下方へ捩り下げ角 45度。翼根と呼称する。
風車ブレード平面形: 翼根から翼端に向かって細くなる台形
翼幅: 10m
翼根幅: 0.3m
翼端幅:0.1m
風速比=自然風速/風車翼端回転速度: 3羽根風車の経験値幅3〜6.5
翼型反転位置; 翼根から翼端に向かって75%位置
風車ブレード捩り角
翼幅方向代表点
翼端:翼幅は、100%.点。捩り角は、風車ブレード回転面の基準面に対してゼロ度
翼幅 75%点:捩り軸を中心に、下方へ捩り下げ角 2度
翼幅 50%点:下方へ捩り下げ角 6 度
翼幅 30%点;下方へ捩り下げ角 16度
翼幅 10%点:下方へ捩り下げ角 45度。翼根と呼称する。
この実施例では、風車ブレード捩り軸は、翼弦長の空力中心点0.267%点を翼幅方向に連ねたブレード軸。本発明の風車ブレードは、この捩り回転軸周りに自由に回転できるようにハブに取り付けられ、ピッチ角は自然風速に呼応して自律的に回転して調整される。
風車ブレード翼幅は、この実施例では、翼端100%から翼幅10%までが、風車ブレード翼幅である。翼幅10%からハブまでは、さらに風車ブレード軸が伸び、風車ブレード翼の空力中心点を翼幅方向に連ねた捩り回転軸が、自然風速に呼応して自由に回転できるように風車ブレード翼は、ハブに固定される。
本発明は、風力発電の風車ブレード翼の従来型に見られる可変ピッチ機構の複雑な機械装置を装着することなく、自然風速に呼応して、風車ブレード・ピッチ角をコントロールすることができ、また、風車建設コストの低減、これら機械装置に発生する整備や点検、修理や部品交換コストを排除することができ、風車発電効率を大幅の改善することができる新しい自律的ピッチ・コントロール型風車ブレード形状を特徴とする。
本発明は、機構的には、従来の複雑な可変ピッチ機構を有しないが、自律的にピッチ角を可変することができる。このため、風車ブレード翼が、自然風エネルギーを受け取る点では、可変ピッチ機構を有する従来型と同じである。しかし、従来型では、風車が受け取った自然風エネルギーで発電した電力を可変ピッチ機構の作動に消費している。本発明の新しい自律的ピッチ・コントロール型風車ブレード翼では、このような無駄な電力消費の必要性が皆無であり、このため、効率の良い風力発電を可能とする。
本発明は、自然風の突風に際して、風車ブレード翼に、ブレード捩り回転軸周りに捩りモーメントが発生し、風車ブレード翼型が自然風速流に対して、平行になるように向かい、ブレード・ピッチ角は、自律的にフエザー状態を実現する。このため、突風に対して破壊することなく安全である。
本発明は、低コスト建設と整備運用、無駄のない高効率発電、さらに、突風安全性を有することを特徴とし、環境型適合風力発電の広範囲な普及に貢献する。
Claims (16)
- 本発明の風車ブレード形状は、その作動機能において、反りを持つ翼型のモーメント特性と発生する揚力特性に注目し、そのモーメントの釣り合いと発生する揚力の風車ブレード翼のハブ周りの回転方向成分を利用して、自律的に風車ブレードのピッチ角をコントロールする新しい風車ブレード形状である。このために、反りを持つ翼型を反転させることを利用する風車ブレード形状の全てに特許範囲は及ぶと同時に含まれる。
- 本発明の風車ブレード形状の設計には、反りを持つ翼型の空力特性を利用し、これを反転させることを特徴とする。即ち、翼型の迎角の変化に対して、翼型の空力中心点周りのモーメント係数が、ゼロでは、なく、負の値で、しかも一定値を取っている点である。さらに、迎角が、正の場合には、その発生する揚力が、上方に向かうが、また、翼型が反転して、その発生する翼力が下方に向かっても、それらが発生する揚力は、風車ブレード翼のハブを中心とした回転方向の成分を有する点も利用することを特徴とする。さらに、これは、風車ブレード翼の捩り角を翼幅方向に沿って変化させ分布させることによって実現されることを特徴とする。
- 本発明の風車ブレード形状は、翼端領域と翼根領域に、風車ブレード翼幅の翼型反転位置を境界にして、翼端領域には、反りを持つ翼型をそのままの形で、他方、翼根領域には、反転させた形で、翼幅に沿って入れ、これによって、自然風速の変動に呼応して、翼端部分と翼根部分に発生する風車ブレード翼型の空力中心点の捩り軸周りの捩りモーメントが逆転することで、釣り合い点のピッチ角が自律的に形成されることを特徴とする。このように、正逆の捩りモーメントの釣り合いを利用してピッチ角を自律的にコントロールする風車ブレード形状を特徴とする。
- 本発明の風車ブレード形状の設計は、先ず、自然風速に対する風車ブレード翼のハブ周りの翼先端回転速度の経験比から、風車ブレード翼の翼幅に沿う各翼断面の回転速度を求め、さらに、これらから、各翼断面の回転前進角を求める。
- 回転前進角の翼幅方向の分布は、風車ブレード翼の翼幅に沿う各断面が受ける自然風速とそのブレード翼断面のハブ周りの回転速度との比が、回転前進角の正接に等しいとして求める。これは、その各断面の翼型の迎角とピッチ角の和に等しい。
- 次に、風車ブレード翼の平面形を決めて、ブレード翼の翼幅方向の各断面の翼弦長と風車ブレード翼の翼面積を求め、さらに、自然風速に対する風車ブレード翼のハブ周りの翼先端回転速度との比から、ブレード翼の翼幅方向に沿う各翼断面の自然風速と回転速度の速度比を求めて、これらから、翼幅方向に沿うモーメント分布を計算することを特徴とする。
- このモーメント分布は、翼型が反転する前では、正の値をとり、反転した後では、負の値を取るので、この両者が釣り合う翼幅方向の翼幅位置を求める。この点が、翼型を反転させる翼幅方向の反転位置である。翼端から、この反転位置までは、反りを持つ翼型を、上方に反った形で、翼幅に沿って各断面に入れていく。そして、この反転位置から、翼幅の翼根までは、翼型は、反りを下方に向ける形で、反転させて入れていくことを特徴とする。
- これによって、翼端から反転位置までに発生するモーメントと、反転位置から翼根までに発生するモーメントが、相互に逆向きになり、自然風速の大きさに呼応して発生モーメントが自律的に釣り合うことになり、また、その釣り合いを実現するピッチ角が自律的に存在することを特徴とする。
- この反転位置を決定する場合には、自律的モーメントの計算を実施する。これは、風車ブレード翼の各翼断面における自然風速と風車ブレード翼のハブ周りの回転速度の速度経験比に対する風車ブレードに流入する自然風速との速度ベクトルの和をブレード翼の各翼断面の一様流風速とし、さらに翼型のモーメント係数と風車ブレード翼平面形から求まめることができる。翼型を反転していない翼端部と翼型を反転した翼根部の自律的モーメントは、逆向きになっており、この両者が、釣り合うブレード翼の翼幅方向の位置が、反転位置である。
- 風車ブレード翼のピッチ角は、先ず、風車ブレード翼幅に沿う速度経験比の分布から、風車ブレード翼の各翼断面の回転前進角が求まり、それから、各翼断面の迎角を引き算して求められる。この場合、迎角は、翼型の揚力が線形を維持する範囲内に選択することができる。
- 本発明の風車ブレード形状に発生する揚力は、2次元翼型の揚力と迎角の空力特性を、3次元ブレード翼形状の縦横比によって、3次元空力特性に換算する。翼型を反転させても、反転させない翼型と同様に発生する揚力は、風車ブレード翼のハブ周りの回転方向に成分を有し、揚力は迎角に対して直線的に増加する領域を利用するので、3次元特性が風車ブレード翼の回転を阻害することはない。
- 翼幅方向に沿う各断面のピッチ角分布を求めるとき、先ず、翼型反転位置においては、反転前と反転後の翼型の迎角が、翼型のゼロ揚力迎角の絶対値より大きいか、また、等しいことを特徴とする。実際、その迎角の符号は、翼端から反転位置までの翼型では、正の値を取り、反転位置から翼根までは、翼型に対しては、負の値を取っているが、翼型を変転するので、絶対値を取ることを特徴とする。
- 翼型反転位置のピッチ角は、その断面の回転前進角から、その断面の迎角の差として求められる。この反転位置では、反転直前と反転直後の双方の翼型は、接近しており、従って、それらのピッチ角は、等しいことを特徴とする。
- 翼幅に沿う、その他の各断面のピッチ角は、先ず、風車ブレード翼の3次元空力特性の失速状態を回避する迎角範囲内から迎角を選択して、翼幅に沿う迎角分布を求め、翼幅に沿う各断面の回転前進角からの、各断面の迎角の差として求められる。
- 本発明の風車ブレード形状の翼幅方向に固定する捩り角は、風車ブレード翼のハブ周りの回転平面を基準にして、翼幅に沿う各断面のピッチ角から、基準となる翼端のピッチ角を差し引いた角度として求められる。このようにして求められた捩り角は、速度経験比の幅内では、速度経験比に拘わらず、同じ分布を持たせることができることを特徴とする。
- 本発明の風車ブレード形状は、反転位置で翼型を反転させることによって、自律的に可変ピッチ機能は維持しながら、従来の可変ピッチ機構装置を排除することができ、風力発電の効率の向上に資し、建設費と運用費を低減させ、風力発電の一層の普及と環境問題の解決に貢献することを特徴とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014109524A JP2015214962A (ja) | 2014-05-12 | 2014-05-12 | 自律的ピッチ・コントロール型風車ブレード形状 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014109524A JP2015214962A (ja) | 2014-05-12 | 2014-05-12 | 自律的ピッチ・コントロール型風車ブレード形状 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015214962A true JP2015214962A (ja) | 2015-12-03 |
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JP (1) | JP2015214962A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018119483A (ja) * | 2017-01-26 | 2018-08-02 | 国立大学法人鳥取大学 | 翼及びそれを用いた風車 |
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2014
- 2014-05-12 JP JP2014109524A patent/JP2015214962A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018119483A (ja) * | 2017-01-26 | 2018-08-02 | 国立大学法人鳥取大学 | 翼及びそれを用いた風車 |
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