JP2015213888A - 排ガスの処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】設置スペース及び運転動力が小さく、効率的に排ガス中の窒素酸化物及び硫黄酸化物を除去し、排水の処理負担を軽減可能であり、さらに消費電力を低減した排ガスの処理方法及び装置を提供する。【解決手段】排ガスの処理装置は、アノード槽及びカソード槽を有し、海水を電解して海水アノード液と海水カソード液とを生成する電解槽と、排ガスを海水と接触させて排ガスに含まれる硫黄酸化物を海水に吸収させる第1処理塔と、第1処理塔から排出される排ガスを、電解槽で生成した海水アノード液と接触させて排ガスに含まれる窒素酸化物を海水アノード液に吸収させる第2処理塔と、第2処理塔において吸収された窒素酸化物を含む海水アノード液を電解して窒素に還元するとともに、窒素酸化物を吸収して生成した硝酸成分を触媒手段を用いて窒素に還元する変換手段とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、ディーゼルエンジンなどの動力源によって排出される排ガスから窒素酸化物及び硫黄酸化物を除去するための排ガスの処理方法及び処理装置に関する。
船舶や車輌に動力源として用いられているディーゼルエンジンは、スモッグや酸性雨等の原因となる窒素酸化物及び硫黄酸化物を排出する。特に船舶用のディーゼルエンジンは、排気量が極めて大きいため、対策を施すことが急務となっている。このため、現状においては、排ガスに含まれる窒素酸化物を低減するために選択還元脱硝法(Selective Catalytic Reduction)を適用したり、硫黄酸化物を低減するために海水スクラバーを用いたりしている。
具体的には、下記特許文献1では、ハニカム型触媒を用いて窒素酸化物を含む排ガスを処理する排ガス処理方法及び船舶用排ガス処理触媒が記載されている。又、下記特許文献2では、海水によるスクラバー処理による排ガス中の酸性成分の除去方法を、下記特許文献3では、溢流壁及び処理液貯溜部を備えたスプレー塔において、塩水を電気分解した処理液を用いて排ガスを処理する排ガス浄化装置を記載している。
液相中の硝酸塩を還元する装置としては、例えば、下記特許文献4に記載されるバッチ式の水処理装置がある。又、下記特許文献5は、排ガス中の窒素酸化物及び硫黄酸化物を電気分解する排ガス処理装置を記載している。
排ガスに含まれる窒素酸化物及び硫黄酸化物を低減するには、各々を処理するための個別の設備が必要となるので、設備の設置スペースや運転動力が問題となる。また、特許文献3の排ガス浄化装置では、電解処理した海水を利用した湿式排ガス処理技術によって窒素酸化物の低減が可能であるが、吸収された窒素酸化物は硝酸塩として排出されるため、排水として廃棄する際に、周囲への影響を軽減するための処理の負担が非常に大きくなる。特許文献4の水処理装置は、連続的なガス洗浄と組み合わせるには不向きであり、設備の設置スペースや運転動力の節減も難しい。
また、温室効果ガス削減の観点から、船舶における二酸化炭素の排出抑制に対する要求も強まりつつあり、水の抵抗及び燃費を低減する試みがなされているが、排ガスから二酸化炭素を除去することも重要である。
さらに、特許文献5の排ガス処理装置においては、硝酸成分または亜硝酸成分を電解して窒素に還元しているため、電力の消費が大きかった。このため、排ガス処理に要する電力を低減することが求められていた。
本発明の課題は、上述の問題を解決し、設備の設置スペース及び運転動力が小さく、効率的に排ガス中の窒素酸化物及び硫黄酸化物を除去し、処理に使用した排水の廃棄における負担を軽減可能であり、消費電力を低減した排ガスの処理装置を提供することである。
又、本発明の課題は、船舶用ディーゼルエンジン等の動力源から排出される排ガスに適用可能で、効率的に排ガス中の窒素酸化物及び硫黄酸化物を除去し、処理後の排水を廃棄する際の負担を軽減可能であり、消費電力を低減した排ガスの処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、海水の電解処理液を用いて効率的に排ガスから窒素酸化物及び硫黄酸化物を除去可能であり、処理排水を支障なく廃棄可能であり、消費電力を低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、排ガスの処理方法は、アノード槽及びカソード槽を有する電解槽を用い、海水を電解して海水アノード液及び海水カソード液を生成する電解工程と、排ガスを海水と接触させて前記排ガスに含まれる硫黄酸化物を海水に吸収させる第1処理工程と、前記第1処理工程後の排ガスを、海水アノード液と接触させて前記排ガスに含まれる窒素酸化物を海水アノード液に吸収させる第2処理工程と、前記第2処理工程において吸収された窒素酸化物を含む海水アノード液を前記カソード槽に供給して電解処理することにより窒素に還元するとともに、窒素酸化物を吸収して生成した硝酸成分を硝酸窒素還元作用を有する触媒を用いて窒素に還元する変換工程とを有することを要旨とする。
又、本発明の一態様によれば、排ガスの処理装置は、アノード槽及びカソード槽を有し、海水を電解して海水アノード液と海水カソード液とを生成する電解槽と、排ガスを海水と接触させて前記排ガスに含まれる硫黄酸化物を海水に吸収させる第1処理塔と、前記第1処理塔から排出される排ガスを、前記電解槽で生成した海水アノード液と接触させて前記排ガスに含まれる窒素酸化物を海水アノード液に吸収させる第2処理塔と、硝酸成分を窒素に還元する作用を有する触媒手段と、を有し、前記第2処理塔において吸収された窒素酸化物から海水アノード液において生成する硝酸成分を、海水アノード液を前記カソード槽に供給して電解することにより窒素に還元するとともに、当該硝酸成分を前記触媒手段にて窒素に還元することを要旨とする。
前記触媒は、Pd、Cu、Pt、Ru、Ir、Rhの少なくとも1つを含み、アルミナ、シリカ、酸化チタン、活性炭、酸化ジルコニウム、酸化セリウムの少なくとも1つに担持され、粒子、ペレットまたはハニカム成型されている。
前記触媒手段は、前記触媒を含み、前記第1処理塔で使用した海水と前記海水カソード液とを混合する調整槽、前記カソード槽から前記調整槽に至る流路に設けられる前記第1の貯留槽、または前記アノード槽から前記カソード槽に至る流路に設けられる第2の貯留槽のいずれかに備えられる。
本発明によれば、船舶用ディーゼルエンジン等の排ガスの処理に海水を用い、使用した後の排水を廃棄する際の処理負担が軽減され、排ガスから窒素酸化物及び硫黄酸化物を除去する処理を効率的に少ないスペースで行うことができ、排ガス処理に要する電力消費を低減する排ガスの処理方法及び処理装置が提供できるので、大気汚染及び海洋汚染の防止並びに省エネルギーに寄与する。
エンジン等から排出される排ガスには、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、炭酸ガス及び粉塵等の微粒子が含まれ、排ガス中に含まれる硫黄酸化物及び二酸化炭素は水に可溶であり、水洗によって排ガスから除去することができる。一方、窒素酸化物の代表成分である一酸化窒素(NO)は水に溶解し難いが、海水を電解したアノード液を処理液として用いると、吸収することが可能となる。これは、電解によってアノード液中に生じる塩素及び次亜塩素酸に窒素酸化物が反応することによる。しかし、この結果、処理後の排水には硝酸が含まれ、廃棄するには更に生物的あるいは電気化学的な還元などの処置が必要となる。しかし、この点に関し、本発明では、海水の電解槽を利用して、硝酸を更に電解処理することにより、窒素ガスに変換して放出することが可能である。以下に、本発明について詳細に説明する。
海水等を含む水性液は、排ガスに含まれる窒素酸化物はほとんど吸収しないが、硫黄酸化物及び二酸化炭素は吸収し得るので、第1処理工程として、排ガスを海水と接触させて、排ガスに含まれる硫黄酸化物及び二酸化炭素を海水に吸収させて排ガスから除去する。排ガスに含まれる微粒子もこの時除去される。第1処理工程を施した後の海水は、硫酸イオン、亜硫酸イオン、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含み、pH4〜6程度の酸性液となる。第1処理工程を経た排ガスは、窒素酸化物を除去するために、第2処理工程として、海水の電解によって生成する海水アノード液に接触させて、第1処理工程後の排ガスから窒素酸化物を吸収させて除去する。
海水の電解工程では、隔膜によって分画された電解槽中で電極を用いて海水を電気分解し、正極側のアノード槽では、下記式の反応に従って、正極表面では塩素ガス又は酸素ガスが生成し、生成したガスの一部は海水に溶解して、溶存塩素の一部は次亜塩素酸イオンとなる。この電解によって海水アノード液は、pH2〜4程度の酸性液となる。
2Cl− → Cl2 + 2e−
Cl2 + H2O → 2H+ + Cl− + ClO−
2H2O → O2 + 4H+ + 4e−
Cl2 + H2O → 2H+ + Cl− + ClO−
2H2O → O2 + 4H+ + 4e−
上記のような海水アノード液が第2処理工程において排ガスと接触すると、排ガスに含まれる窒素酸化物は、下記式のように海水アノード液に含まれる塩素と反応して塩化ニトロシル(NOCl)に変換されて海水アノード液に溶解され、亜硝酸イオンに変換される。亜硝酸イオンは、海水アノード液に含まれる次亜塩素酸イオンと反応すると硝酸イオンに酸化されるので、排ガスと接触した後の海水アノード液には、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び塩素イオンが含まれる。
2NO + Cl2 → 2NOCl
NOCl + H2O → NO2 − + 2H+ + Cl−
NO2 − + ClO− → Cl− + NO3 −
NOCl + H2O → NO2 − + 2H+ + Cl−
NO2 − + ClO− → Cl− + NO3 −
第2処理工程後の海水アノード液を電解槽のアノード槽に供給して海水アノード液を循環させることによって、第2処理工程が繰り返されて窒素酸化物の吸収、亜硝酸イオン及び硝酸イオンの生成が更に進行する。
海水アノード液の一部を電解槽のカソード槽へ供給すると、下記式に示すように、硝酸イオンは、負極上での電解還元を経て、還元生成物と次亜塩素酸との反応によって窒素ガスに変換される。この反応は、カソード槽の電極材料として、例えば硝酸イオンの電解還元に活性を有する真鍮や高力黄銅等を用いた時に顕著になり、硝酸イオンは還元されてアンモニアが生成する。アンモニアは海水アノード液中ではアンモニウムイオンとして存在し、海水アノード液に含まれる次亜塩素酸イオンと反応して窒素に還元される。亜硝酸イオンも電解還元を経て窒素ガスに変換される。
NO3 − + 6H2O + 8e− → NH3 + 9OH−
NH3 + H2O → NH4 + + OH−
2NH4 + + 3HClO → N2↑ + 5H+ + 3Cl− + 3H2O
2H2O + 2e− → H2↑ + 2OH−
NH3 + H2O → NH4 + + OH−
2NH4 + + 3HClO → N2↑ + 5H+ + 3Cl− + 3H2O
2H2O + 2e− → H2↑ + 2OH−
なお、カソード槽においては、硝酸イオン及び亜硝酸イオンのすべてを電解処理する必要はなく、一部は後述する硝酸窒素還元触媒を用いて還元して窒素に変換される。このような触媒を用いた還元には電子を供給する必要がないので、電解還元反応で消費される電力が低減される。
上述の処理において、カソード槽における硝酸イオンの電解還元反応は、pH5〜9程度において反応効率が高く、硝酸イオンの過剰供給や水素発生によって上記範囲からpHが外れると、還元反応が好適に進行しなくなる。従って、反応を良好に進行させるには、pHがこの範囲になるように調整することが好ましい。又、カソード槽における硝酸イオンの反応には次亜塩素酸が必要であるので、上述のpH調整及び次亜塩素酸の供給を行う手段として、海水アノード液の利用は都合がよい。つまり、第2処理工程後の海水アノード液を、アノード槽との循環を経てカソード槽に供給することによって、排ガスの窒素酸
化物由来の成分濃度を増加させてカソード槽に供給できるだけでなく、酸性の海水アノード液によってカソード槽のpHを適正範囲に調整し、次亜塩素酸をカソード槽に供給することができる。
化物由来の成分濃度を増加させてカソード槽に供給できるだけでなく、酸性の海水アノード液によってカソード槽のpHを適正範囲に調整し、次亜塩素酸をカソード槽に供給することができる。
海水カソード液は、上記反応によって硝酸イオンが窒素ガスに変換されるとpH10程度の塩基性になる。これは、調整工程において、第1処理工程後の海水と併せることによって中和し、pHを調整することができる。又、第1処理工程後の海水に含まれる亜硫酸イオンは、下記式のように、海水カソード液に残留する次亜塩素酸によって硫酸イオンに酸化される。炭酸水素イオンは、海水に含まれるカルシウムと反応し、炭酸水素カルシウムを経て炭酸カルシウムとして沈殿するので、二酸化炭素の大気中への再放出は抑制される。このようにして、処理後の海水及び海水カソード液を混合してpH6〜8程度に調整すると、海洋に廃棄することができる。
SO3 2− + ClO− → SO4 2− + Cl−
2HCO3 − + Ca2+ → CaCO3 + H2O + CO2
2HCO3 − + Ca2+ → CaCO3 + H2O + CO2
この調整工程においては、pHを調整すると同時に、硝酸窒素還元活性を有する触媒を用い、以下のような式により排水中の硝酸イオン触媒還元反応を利用して、硝酸イオンを低減させる触媒還元工程を進めている。すなわち、(1)、(1)´式では水素ガスにより硝酸イオンを還元し、(2)、(2)´式では酸により硝酸イオンを還元している。ここで、式中の「→(触媒)→」は、触媒による作用を表す。
2NO3 − + 5H2 →(触媒)→ N2 + 2OH− + 4H2O (1)
2NO2 − + 3H2 →(触媒)→ N2 + 2OH− + 2H2O (1)´
2NO3 − + 10H+ →(触媒)→ N2 + 2OH− + 4H2O (2)
2NO2 − + 6H+ →(触媒)→ N2 + 2OH− + 2H2O (2)´
2NO3 − + 5H2 →(触媒)→ N2 + 2OH− + 4H2O (1)
2NO2 − + 3H2 →(触媒)→ N2 + 2OH− + 2H2O (1)´
2NO3 − + 10H+ →(触媒)→ N2 + 2OH− + 4H2O (2)
2NO2 − + 6H+ →(触媒)→ N2 + 2OH− + 2H2O (2)´
第2処理工程において吸収された窒素酸化物は、前述したカソード槽における電解還元反応及びこの触媒還元反応により還元され窒素に変換される。(1)、(1)´式及び(2)、(2)´式の触媒還元反応では、電解還元反応とは異なり電子を必要がないので、窒素酸化物の処理に要する消費電力を全体として低減することができる。
硝酸イオン触媒還元反応の触媒には、例えばPd及びCuからなるPd−Cu系(Pd 1〜30wt%、Cu 1〜30wt% 担体重量に対し)を用いることができる。また、Pd単独(Pd 1〜30wt%)も用いることができる。他に、Pt、Ru、Ir、Rhなどを用いることもできる。触媒の金属を担持する触媒担体には、アルミナ、シリカ、酸化チタン、活性炭、酸化ジルコニウム、酸化セリウムを用いることができる。
触媒還元反応において、(1)、(1)´式のように水素ガスを用いるよりも(2)、(2)´式のような溶解している酸を用いた方が、高い触媒活性を発現する。したがって、カソード槽に供給する液量を制御し、アノード槽から過剰の酸を導入すれば、触媒還元効率の高い(2)式の反応が利用可能となる。この時、調製槽に導入される排水は低pHであっても、(2)式のように硝酸イオンが還元されると同時に排水のpHはアルカリ側にシフトする。
ここで、前記触媒還元反応(1)、(1)´式で用いる水素ガスは、カソード槽において、硝酸還元活性を有するカソード電極を使用することで、(3)式、(4)式のような硝酸イオンの還元除去と同時に、(5)式のような反応で一部に生成する水素ガスを利用することができる。
NO3 − + 6H2O + 8e− → NH3 + 9OH− (3)
2NH3 + 3HClO → N2 + 3HCl + 3H2O (4)
2H2O + 2e− → H2 + 2OH− (5)
NO3 − + 6H2O + 8e− → NH3 + 9OH− (3)
2NH3 + 3HClO → N2 + 3HCl + 3H2O (4)
2H2O + 2e− → H2 + 2OH− (5)
なお、この触媒還元反応は、必ずしも調整工程において行う必要はない。例えば、カソード槽から海水カソード液を調整工程のために供給する工程において行うこともできる。また、アノード槽から海水アノード液をカソード槽に供給する工程において行うこともできる。
アノード槽への海水の供給速度と、アノード槽からカソード槽への海水アノード液の供給速度とが等しくなるように、これらの流量を調節すると、上述の処理を安定的に継続させることができる。又、カソード槽の処理済み海水カソード液を排出する流量も、これらと同等になるように調節するとよい。また、排ガスに含まれる窒素酸化物、硫黄酸化物及び二酸化炭素の濃度に応じて第1処理工程及び第2処理工程へ供給する海水及び海水アノード液の流量も調節すると、各工程において排ガスを十分且つ効率的に浄化することができる。
また、このように触媒還元反応を用いて電解槽外で電力を使用しないで硝酸あるいは亜硝酸イオンを窒素に還元除去することで、電解により還元除去する必要がある硝酸イオンあるいは亜硝酸イオンの量が低減し、ひいては排ガス処理において電解に要する消費電力を低減することができる。
上述のような排ガスの処理方法を適切に実施可能な排ガスの処理装置の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。
図1は、本発明に係る排ガスの処理装置の一実施形態を示し、排ガスの処理装置1は、第1処理塔3及び第2処理塔5と、電気分解するための2槽式の電解槽7とを有し、電解槽7は、直流電源9の正極側に接続されるアノード側の電極11と、電源9の負極側に接続されるカソード側の電極13とを有し、電極間を区画する隔膜15によってアノード槽17とカソード槽19とに分割されている。電極を構成する素材は、アノード側については、白金被膜チタン等の一般的に電極として利用可能な導電性材料が挙げられ、カソード側については、硝酸イオンの電解還元に活性を有する導電性材料が使用され、例えば、銅、ニッケル、鉄、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、白金、錫、アルミニウム、亜鉛、カドミウム等の一種又は複数の金属を用いた材料や、真鍮、高力黄銅等の合金が挙げられる。隔膜15としては、一般的に電気分解で使用される透過膜を使用することができ、例えば、表面を親水化処理した中性の樹脂隔膜、イオン交換膜などがあり、樹脂隔膜の素材としてはPTFE等のフッ素系樹脂、ナフィオン等の電解質膜などが挙げられる。電解槽7には海水が収容され、海水の電気分解によって、アノード槽17側では、電極11表面において塩素ガス及び/又は酸素ガスが生成し、塩素の一部は溶解して次亜塩素酸イオンに変化し、海水アノード液はpH2〜4程度の酸性液となる。カソード槽19側では、電極13表面において硝酸還元反応および一部水が電解して水素ガスが生成し、海水カソード液のpHは9〜10程度に上昇して塩基性液となる。
処理装置1は、海水Wを供給するためのポンプ21を有し、ポンプ21は、流路23を通じて、第1処理塔3内の頂部に配置される噴霧器25に海水Wを供給し、流路23から分岐する流路27によって、海水の一部はアノード槽17に供給可能である。第1処理塔3の底部には、排ガスGを導入する導入口29を備え、第1処理塔3に供給される排ガスGは、第1処理塔3の頂部と第2処理塔5の底部とを接続する配管31によって第2処理塔5へ供給される。従って、排ガスGは、第1処理塔3内を上昇する間に、噴霧器25から滴下される海水Wと気液接触し、硫黄酸化物及び二酸化炭素が海水Wによって吸収・除去され、粉塵等の粒子状物質も洗浄除去される。
更に、処理装置1は、アノード槽17内の海水アノード液Waを第2処理塔5に供給するポンプ33を有し、流路35を通じて、第2処理塔5内の頂部に配置される噴霧器37に海水アノード液Waを供給し、海水アノード液Waの一部をカソード槽19に供給可能なように分岐した流路39を備えている。第2処理塔5に供給される排ガスGは、第2処理塔5内を上昇する間に、噴霧器37から滴下される海水アノード液Waと気液接触し、窒素酸化物が海水アノード液Waによって吸収・除去されて、第2処理塔5の頂部の排出口41から排出される。窒素酸化物を吸収した海水アノード液Waにおいては、窒素酸化物から亜硝酸イオン及び硝酸イオンが生成し、これらの成分は、海水アノード液Waと共に第2処理塔5の底部から流路43を通じてアノード槽17へ還流される。
海水アノード液Waは、アノード槽17と第2処理塔5との間を循環し、その間に排ガスGから窒素酸化物を吸収することによって、次々と亜硝酸イオン及び硝酸イオンがアノード槽17へ供給され、亜硝酸イオンはアノード槽17内で次亜塩素酸イオンによって硝酸イオンに酸化されて硝酸イオン成分の濃度が増加する。海水アノード液Waの硝酸イオン成分をカソード槽19において電解還元するには、流路35から分岐する流路39の調整弁45を開き、ポンプ33によって流路39を通じて海水アノード液Waをカソード槽19へ供給する。これによってアノード槽17の海水量が減少するので、これに対応する量の海水Wをアノード槽17へ補充するために、流路23から分岐する流路27の調整弁47を開き、ポンプ21によって流路27を通じて海水Wをアノード槽17へ供給する。
カソード槽19に供給された海水アノード液に含まれる硝酸イオン及び亜硝酸イオンは、海水カソード液Wc中での電解還元を経て窒素ガスに変化し、水素ガスと共に放出される。硝酸イオン成分が所定レベル以下に減少した海水カソード液Wcは、流路49から調整槽51へ供給され、カソード槽19の水位が一定に保持される。調整槽51への供給流量は、ポンプ等の駆動制御によって調節したり、カソード槽19の水位が所定水位を超えた分をオーバーフローさせたりして調節するように構成することができる。
調整槽51には、硝酸窒素還元作用を持つ触媒71が備えられる。この触媒71は、図2に示すように、例えばアルミナを触媒担体73として、例えばPd−Cu系を担持金属75a〜75cとして担持し、粒子、ペレットまたはハニカム形状に成型されている。カソード槽19から排出される海水カソード液Wc中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンは、調整槽51において触媒71と接触することにより窒素ガスに還元除去され、硝酸イオン成分は許容レベル以下に低減する。
また、調整槽51に供給された海水カソード液Wcは、第1処理塔3から流路53を通じて排出される海水と混合されて互いに中和され、この海水W’に含まれる亜硫酸イオンは、海水カソード液Wcに残留していた次亜塩素酸によって硫酸イオンに酸化される。排ガスに含まれる窒素酸化物はカソード槽19または調整槽51において窒素ガスとして放出され、二酸化炭素の一部は調整槽51においてカルシウム塩として析出する。調整槽51の海水W’を外部廃棄に適したpHに更に調整する必要がある場合、図示するように、pH測定器55、pH調整液を収容する容器57、及び、pH測定器55と電気的に接続されるポンプ59を用いて調整できる。pH測定器55によって測定される調整槽51内の海水W’のpHに応じてポンプ59が作動し、中和に必要な量のpH調整液を容器57から調整槽51へ供給するように制御される。容器57に収容されるpH調整液は、金属水酸化物等の塩基性化合物水溶液が使用され、水酸化ナトリウム等の水溶液が実用的である。
排ガスの処理が良好に遂行されるように、排ガスに含まれる各成分の処理による濃度変化を調べる測定システムが処理装置1に備えられる。具体的には、導入される排ガスGの窒素酸化物、硫黄酸化物及び二酸化炭素の濃度を測定する濃度計及びガス流量を測定する流量計を備えた測定部61が導入口29に設けられ、処理後の排ガスG’の窒素酸化物、硫黄酸化物及び二酸化炭素の濃度を測定する濃度計63が排出口41に設けられる。測定部61で検出されるガス流量と硫黄酸化物及び二酸化炭素の濃度に基づいて、第1処理塔2に適正量の海水Wが供給されるようにポンプ21の作動が調節され、濃度計63で検出される硫黄酸化物及び二酸化炭素の濃度に応じて、海水Wの供給流量を増加して各濃度が許容範囲に収まるように調整する。又、測定部61で検出されるガス流量と窒素酸化物の濃度に基づいて、抵抗回路等を利用した電源9の出力制御によって電解槽7における通電量を制御し、アノード槽17で生成する塩素ガスの量が、窒素酸化物の吸収に要する量及び硝酸の電解還元に要する次亜塩素酸を供給可能な量の合計になるように調整する。これらの制御は、測定システムとポンプ21及び電源9とを電気的に制御する制御部を設けることによって、測定値に基づいて自動的に実施可能である。
又、カソード槽19における海水カソード液WcのpH値は、酸性の海水アノード液Waをカソード槽19に供給することによって低下して、硝酸イオンの電解還元に適するpH6〜8の範囲に近づくが、過剰に供給すると適正範囲を下回る。他方、硝酸イオンの電解還元の進行や水素ガスの放出が起こると、海水カソード液WcのpH値は上昇する。つまり、海水アノード液Waによって供給される硝酸イオン量と電解還元によって減少する硝酸イオン量とのバランスを取って安定的に処理を継続するには、海水カソード液WcのpH値を電解還元に適したpHに維持することが肝要であり、カソード槽19内のpHに応じて海水アノード液Waの供給流量を適正量に調節する必要がある。このため、本発明では、海水カソード液WcのpHを検出するpH測定器65を備え、検出されるpH値に応じて調整弁45の開度を調節してカソード槽19内のpHが上記適正範囲になるような流量で海水アノード液Waをカソード槽19へ供給する。同時に、調整弁47の開度も調節して、アノード槽17内の海水アノード液Waの液量が一定に維持されるように同じ流量で海水Wをアノード槽17へ供給する。但し、硝酸イオンの電解還元反応は、次亜塩素酸が不足すると進行しないので、排ガスGに含まれる高濃度の窒素酸化物によって海水アノード液Waの次亜塩素酸が消費されると、カソード槽19内のpHを上記適正範囲に調整しても、次亜塩素酸の不足のために硝酸イオンの還元が進行しない。この場合は、アノード槽17での塩素発生量を増加させることによって対応可能であり、そのためには、電源9の出力制御によって電極間の通電量を増加させる。しかし次亜塩素酸は、必要量を超えて存在しても反応を阻害する恐れはないが、大気への過剰塩素ガスの放出及びエネルギー節減の観点から、前述したように、排ガスGの窒素酸化物濃度と対応させて適正な通電量になるように調節することが好ましい。
上述の様な処理条件の調整に際し、海水アノード液Waの供給過剰や電力供給過剰等によって適正pHから外れた場合、あるいは、より迅速にpHを低下させる必要がある場合などに、補助的にpHを調整するために、pH調整液を収容する容器67、及び、pH測定器65と電気的に接続されるポンプ69を備えると有用であり、pH測定器65によって測定されるpH値に基づいて、必要に応じてポンプ69を作動してpH調整液をカソード槽19に添加する。容器67に収容されるpH調整液は、電力過剰によるpH上昇の解消用及び急速調整用としては酸性水溶液が用いられ、海水アノード液Waの供給過剰によるpH低下の解消用としては、金属水酸化物等の塩基性化合物水溶液が使用され、実用的には、硫酸、水酸化ナトリウム等の水溶液が用いられる。塩基性化合物水溶液については、容器57に収容されるpH調整液を代用してもよい。
第2処理塔5による1回の処理で海水アノード液の硝酸イオン濃度が著しく上昇するような形態では、アノード槽17と第2処理塔5との間で海水アノード液Waを循環させる必要性が低下する。この場合、第2処理塔5から排出される海水アノード液は、アノード槽17へ還流させずに、ポンプ33の上流側又は流路39へ供給するように応用してもよい。第2処理塔5からポンプ33の上流側へ海水アノード液を供給する構成では、第2処理塔5の海水アノード液は、アノード槽17の海水アノード液Waと混合されて、その一部がカソード槽19へ供給される。第2処理塔5から流路39へ海水アノード液を供給すると、アノード槽17の海水アノード液Waとの混合液全てがカソード槽19へ供給される。何れにおいても、第2処理塔5の海水アノード液は、アノード槽17での電解を経ずに、次亜塩素酸イオンが添加されてカソード槽19に供給され、含まれる硝酸イオン及び亜硝酸イオンが還元される。
上述の排ガスの処理において、利用される海水の成分は塩素イオンであることから、上記処理は、海水に限らず、塩水を用いて実施することが可能である。但し、吸収した二酸化炭素は、カルシウムとの析出によって再放出が抑制されるので、この点を実現するには、カルシウム成分を含んだ塩水が使用される。海水に通常含まれる各種有機及び無機成分の配合が許容される。
この排ガス処理装置の実施形態は、調整槽51に硝酸窒素還元作用を持つ触媒71を備えることにより構成できるので、このような触媒71を備えない既存の排ガス処理装置においても調整槽51に触媒71を追加することにより、排ガス処理性能を維持しつつ消費電力の低減を図ることができる。
〔変形例1〕
図3に示すように、変形例1は、カソード槽19から調整槽51に海水カソード液Wcを供給する流路49中に一時貯留槽81を備え、この一時貯留槽81に触媒71が備えられる点が図1に示した排ガスの処理装置と相違している。他の構成は、図1に示した排ガスの処理装置と同様である。
図3に示すように、変形例1は、カソード槽19から調整槽51に海水カソード液Wcを供給する流路49中に一時貯留槽81を備え、この一時貯留槽81に触媒71が備えられる点が図1に示した排ガスの処理装置と相違している。他の構成は、図1に示した排ガスの処理装置と同様である。
図4に示すように、一時貯留槽81は、略円筒形状の容器であり、粒子、ペレットまたはハニカム形状に成型した触媒71による触媒層を備え、容器下部にカソード槽19からの流路85(流路49の上流側に相当する。)を介して海水カソード液Wcが供給され、容器本体を占める触媒層を通過した海水カソード液Wc87は容器上部から排出され、流路87(流路49の下流側に相当する。)を介して一時貯留槽81に向けて供給される。
なお、一時貯留槽81には、pH測定器83を備えることもできる。このpH測定器83による測定値に基づいて、一時貯留槽81に供給される海水アノード液Wcは硝酸窒素還元反応に好適なpHに調整するように制御することができる。
この変形例1においては、海水カソード液Wcにのみ触媒71を作用させているので、調整槽51に触媒71を設置する場合に比べて処理する液体の量を低減することができ、還元効率を向上させることができる。したがって、触媒71の量の低減を図ることができる。また、還元効率の向上により触媒還元反応による硝酸イオンの分解を促進し、電解還元反応を補うことにより消費電力の低減を図ることができる。
〔変形例2〕
図5に示すように、変形例2は、アノード槽17からカソード槽19に海水アノード液Waを供給する流路39中に一時貯留槽81を備え、この一時貯留槽81に触媒71を備える点が図1に示した排ガスの処理装置と相違している。この場合、硝酸イオン成分は、一時貯留槽81を経て所定レベル以下になり、さらにカソード槽19にて許容レベル以下とされて排水される。
図5に示すように、変形例2は、アノード槽17からカソード槽19に海水アノード液Waを供給する流路39中に一時貯留槽81を備え、この一時貯留槽81に触媒71を備える点が図1に示した排ガスの処理装置と相違している。この場合、硝酸イオン成分は、一時貯留槽81を経て所定レベル以下になり、さらにカソード槽19にて許容レベル以下とされて排水される。
一時貯留槽81は、図4に示した変形例1の場合と同様の構成であるが、容器下部にアノード槽17からの流路85(流路39の上流側に相当する。)を介して海水アノード液Waが供給され、容器本体を占める触媒層を通過した海水アノード液Waは、容器上部から排出され流路87(流路39の下流側に相当する。)を介してカソード槽19に向けて供給される点において相違している。他の構成は、図1に示した排ガスの処理装置と同様である。
この変形例2においては、海水アノード液Waにのみ触媒71を作用させているので、調整槽51に触媒71を設置する場合に比べて処理する液体の量が低減されるとともに、海水アノード液Waは酸性液であるので効率の高い還元作用が実現できる。このように、この変形例2においては、還元作用の高い効率を実現でき、触媒の量をさらに低減することができる。また、触媒還元反応をさらに促進することにより、電解処理が必要な硝酸イオン成分を低減し、消費電力を低減することができる。
ディーゼルエンジン等の排ガスに含まれる硫黄酸化物、窒素酸化物、炭酸ガス及び粉塵等を、海水を用いて効率的に除去でき、処理に用いた海水を外部に廃棄する際の調整も軽減され、消費電力も低減されるので、船舶等における排ガス処理に適した、簡便且つ効率的な排ガスの処理装置が提供され、海洋での大気汚染の軽減及び省エネルギーに貢献可能な排ガスの処理方法が実施可能である。
1:処理装置、 3:第1処理塔、 5:第2処理塔、 7:電解槽、
9:直流電源、 11,13:電極、 15:隔膜、 17:アノード槽、
19:カソード槽、 21,33,59,69:ポンプ、
23,27,35,39,43,49,53:流路、 25,37:噴霧器、
29:導入口、 31:配管、 41:排出口、 45,47:調整弁、
51:調整槽、 55,65:pH測定器、 57,67:容器、
61:測定部、 63:濃度計、71:触媒、81:一時貯留槽
G,G’:排ガス、
W:海水、 Wa:海水アノード液、 Wc:海水カソード液。
9:直流電源、 11,13:電極、 15:隔膜、 17:アノード槽、
19:カソード槽、 21,33,59,69:ポンプ、
23,27,35,39,43,49,53:流路、 25,37:噴霧器、
29:導入口、 31:配管、 41:排出口、 45,47:調整弁、
51:調整槽、 55,65:pH測定器、 57,67:容器、
61:測定部、 63:濃度計、71:触媒、81:一時貯留槽
G,G’:排ガス、
W:海水、 Wa:海水アノード液、 Wc:海水カソード液。
Claims (10)
- アノード槽及びカソード槽を有する電解槽を用い、海水を電解して海水アノード液及び海水カソード液を生成する電解工程と、
排ガスを海水と接触させて前記排ガスに含まれる硫黄酸化物を海水に吸収させる第1処理工程と、
前記第1処理工程後の排ガスを、海水アノード液と接触させて前記排ガスに含まれる窒素酸化物を海水アノード液に吸収させる第2処理工程と、
前記第2処理工程において吸収された窒素酸化物を含む海水アノード液を前記カソード槽に供給して電解処理することにより窒素に還元するとともに、窒素酸化物を吸収して生成した硝酸成分を硝酸窒素還元作用を有する触媒を用いて窒素に還元する変換工程と
を有する排ガスの処理方法。 - アノード槽及びカソード槽を有し、海水を電解して海水アノード液と海水カソード液とを生成する電解槽と、
排ガスを海水と接触させて前記排ガスに含まれる硫黄酸化物を海水に吸収させる第1処理塔と、
前記第1処理塔から排出される排ガスを、前記電解槽で生成した海水アノード液と接触させて前記排ガスに含まれる窒素酸化物を海水アノード液に吸収させる第2処理塔と、
硝酸成分を窒素に還元する作用を有する触媒手段と、
を有し、
前記第2処理塔において吸収された窒素酸化物を含む海水アノード液を前記カソード槽に供給して電解することにより窒素に還元するとともに、窒素酸化物を吸収して生成した硝酸成分を前記触媒手段にて窒素に還元することを特徴とする排ガスの処理装置。 - 前記第1処理塔で使用した海水と、前記海水カソード液とを混合する調整槽を有し、前記触媒手段は前記調整槽に備えられる請求項2記載の排ガスの処理装置。
- 前記カソード槽から前記調整槽に至る流路に第1の貯留槽を設け、前記触媒手段は前記第1の貯留槽に備えられる請求項2記載の排ガスの処理装置。
- 前記アノード槽から前記カソード槽に至る流路に第2の貯留槽を設け、前記触媒手段は前記第2の貯留槽に備えられる請求項2記載の排ガスの処理装置。
- 前記触媒手段は、触媒として、Pd、Cu、Pt、Ru、Ir、Rhの少なくとも1つを含む請求項2〜5のいずれか一項に記載の排ガスの処理装置。
- 前記海水アノード液に生成する硝酸成分、及び、次亜塩素酸成分を、前記電解槽のカソード槽に供給する供給手段を有する請求項2〜6のいずれか一項に記載の排ガスの処理装置。
- 前記供給手段は、前記電解槽のアノード槽からカソード槽に海水アノード液を供給する第1の流路を有し、これにより、前記海水アノード液に含まれる次亜塩素酸成分が前記カソード槽に供給される請求項7に記載の排ガスの処理装置。
- 更に、前記電解槽のカソード槽におけるpHを5〜9に調整するためのpH調整手段を有する請求項2〜8のいずれか一項に記載の排ガスの処理装置。
- 更に、排ガスに含まれる成分の濃度の変化を調べるための測定システムと、前記電解槽に電気分解を行う電気エネルギーを供給する電源とを有し、前記測定システムの測定に基づいて、前記電源による通電量、前記第1処理塔へ供給される海水の流量、及び、前記第2処理塔へ供給される海水アノード液の流量が調整される請求項2〜9のいずれか一項に記載の排ガスの処理装置。
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JP2014099317A JP2015213888A (ja) | 2014-05-13 | 2014-05-13 | 排ガスの処理方法及び処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105888784A (zh) * | 2016-05-27 | 2016-08-24 | 青岛大学 | 一种机动车尾气处理装置 |
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-
2014
- 2014-05-13 JP JP2014099317A patent/JP2015213888A/ja active Pending
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