JP2015213496A - エーテル結合及び/又はチオエーテル結合とフッ素原子とを含むポリイミドを表面に含む細胞培養用基材 - Google Patents
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- UHOVQNZJYSORNB-UHFFFAOYSA-N c1ccccc1 Chemical compound c1ccccc1 UHOVQNZJYSORNB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- OHBQPCCCRFSCAX-UHFFFAOYSA-N COc(cc1)ccc1OC Chemical compound COc(cc1)ccc1OC OHBQPCCCRFSCAX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
Description
例えば特許文献1では、熱可塑性の有機ポリマーから形成された基体と、該基体から延伸した柱状微小突起群とを備え、柱状微小突起群の突起に細胞を付着させて培養する細胞培養シートが開示されている。また特許文献2では、平面方向の形状が多角形であると共に最小内径が3μm以下である微小セルが複数連続して形成された、細胞接着面として機能する凹凸構造を有する細胞内容構造体が開示されている。
前記ポリイミドが、繰り返し単位中に1個以上のフッ素原子を有する含フッ素ポリイミドであり、
前記ポリイミドを構成する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上である
ことを特徴とする。
主鎖中に式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0が2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン残基である前記単位を含むポリイミド、
主鎖中に式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0がビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基である前記単位を含むポリイミド、及び
主鎖中に式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0がビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基である前記単位を含むポリイミド
前記ポリイミドが、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上反応させて得られるポリイミドであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にフッ素原子を有するものであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にエーテル結合及び/又はチオエーテル結合を有するものであり、
前記ポリイミドを構成する前記酸二無水物及び前記ジアミンに由来する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上である
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、基材表面上での三次元的組織が形成され易く好ましい。
容器の少なくとも一部が前記細胞培養用基材により構成されていることを特徴とする細胞培養用容器に関する。
細胞を三次元培養する方法であって、
表面の少なくとも一部がポリイミドを含む樹脂組成物により構成される基材の、前記樹脂組成物により構成される表面上で細胞を三次元培養する工程を含み、
前記ポリイミドが、繰り返し単位中に1個以上のフッ素原子を有する含フッ素ポリイミドであり、
前記ポリイミドを構成する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上である、
ことを特徴とする方法に関する。
細胞を三次元培養する方法であって、
表面の少なくとも一部がポリイミドを含む樹脂組成物により構成される基材の、前記樹脂組成物により構成される表面上で細胞を三次元培養する工程を含み、
前記ポリイミドが、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上反応させて得られるポリイミドであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にフッ素原子を有するものであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にエーテル結合及び/又はチオエーテル結合を有するものであり、
前記ポリイミドを構成する前記酸二無水物及び前記ジアミンに由来する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上である、
ことを特徴とする方法に関する。
また本発明によれば細胞からスフェロイド、三次元細胞集合体等の三次元組織を形成することが可能である。
本発明で用いるポリイミドは、繰り返し単位中に1個以上のフッ素原子を有する含フッ素ポリイミドであり、典型的には、酸二無水物とジアミンとを各々1種以上反応させて得られる。また、該ポリイミドを構成する重合繰り返し単位(例えば酸二無水物及びジアミンに由来する重合繰り返し単位)中にエーテル結合及び/又はチオエーテル結合を有する。好ましくは、酸二無水物及びジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にエーテル結合及び/又はチオエーテル結合を有する。該ポリイミドを構成する重合繰り返し単位(例えば酸二無水物及びジアミンに由来する重合繰り返し単位)中のエーテル結合及びチオエーテル結合の総和は1以上であり、上限は特に限定されないが、6以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、4以下であることが更に好ましい。かかるエーテル結合及びチオエーテル結合の数がこの範囲内であるポリイミドは適度な柔軟性を有しており、それにより細胞の三次元的な培養が可能となる。
主鎖(主鎖骨格)中に前記式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0が2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン残基である前記単位を含むポリイミド、
主鎖(主鎖骨格)中に前記式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0がビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基である前記単位を含むポリイミド、及び
主鎖(主鎖骨格)中に前記式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0がビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基である前記単位を含むポリイミド、
からなる群から選択される少なくとも1種であることはない。
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物と、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンとを反応させて得られるポリイミド、
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物と、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンとを反応させて得られるポリイミド、及び、
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物と、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンとを反応させて得られるポリイミド
からなる群から選択される少なくとも1種であることはない。
(1)1分子内にエーテル結合を2個有する酸二無水物と、分子内にエーテル結合及びチオエーテル結合を有さないジアミンとを、モル比1/1で反応させてポリアミド酸を得、ポリイミドを得る場合、エーテル結合及びチオエーテル結合の総和は、2×1+0×1=2個となる。分子内にエーテル結合及びチオエーテル結合を有さない酸二無水物と、1分子内にエーテル結合を2個有するジアミンとを、モル比1/1で反応させてポリアミド酸組成物を得、ポリイミドを得る場合も同様に計算され、2個となる。
(2)1分子内にエーテル結合を2個有する酸二無水物と、1分子内にエーテル結合を1個有するジアミンとを、モル比1/1で反応させてポリアミド酸を得、ポリイミドを得る場合、エーテル結合及びチオエーテル結合の総和は、2×1+1×1=3個となる。1分子内にエーテル結合を1個有する酸二無水物と、1分子内にエーテル結合を2個有するジアミンとを、モル比1/1で反応させてポリアミド酸を得、ポリイミドを得る場合も同様に計算され、3個となる。
(3)1分子内にエーテル結合を2個有する酸二無水物aと、分子内にエーテル結合及びチオエーテル結合を有さない酸二無水物bと、1分子内にエーテル結合を1個有するジアミンとを、モル比0.5/0.5/1.0で反応させてポリアミド酸を得、ポリイミドを得る場合、エーテル結合及びチオエーテル結合の総和は、2×0.5+0×0.5+1×1=2個となる。
(4)1分子内にエーテル結合を2個有する酸二無水物と、1分子内にエーテル結合を1個有するジアミンaと、1分子内にエーテル結合を2個有するジアミンbとを、モル比1/0.5/0.5で反応させてポリアミド酸を得、ポリイミドを得る場合、エーテル結合及びチオエーテル結合の総和は、2×1.0+1×0.5+2×0.5=3.5個となる。
なお、上記のように、全ての酸二無水物、ジアミン各々の和がそれぞれ等モルとなるように、原料成分の反応モル比を設定するものとする。
式(3)で示される繰り返し単位を含むポリイミドは、式(1)の酸二無水物と式(2)のジアミンとを反応させて得られるポリアミド酸をイミド化して得ることができ、該ポリアミド酸は、その主鎖(主鎖骨格)中に式(4)で表される繰り返し単位を含む。
芳香族酸二無水物とはX0が芳香族基を含む式(1)の化合物であり、芳香族ジアミンとはY0が芳香族基を含む式(2)の化合物である。芳香族ポリアミド酸は、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上重合させたポリアミド酸であって、重合に用いられる酸二無水物が、X0が芳香族基を含む式(1)の酸二無水物を少なくとも含み、重合に用いられるジアミンが、Y0が芳香族基を含む式(2)のジアミンを少なくとも含む。含フッ素芳香族ポリアミド酸とは、式(4)において、重合繰り返し単位に含まれる酸二無水物に由来するX0とジアミンに由来するY0の一方又は両方が1個以上のフッ素原子及び1個以上の芳香族環構造を有するものである。
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子のいずれかを示し、X1、Y1、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6の少なくとも1つはフッ素原子を1個以上含む。
上記式(I)及び(E1)中、p=0である場合は、X1は存在せず、左右のベンゼン環が直接結合しており、p=1である場合は、左右のベンゼン環がX1を介して結合する。
R1として特に好適な基としては、例えば、下記化学式で表される群から選択される少なくとも1つの基が挙げられる。
CF3−(CF2)7−(CH2)2−
CF3−(CF2)9−(CH2)2−
CF3−(CF2)2−CH2−
CF3−(CF2)3−CH2−
CHF2−(CF2)7−CH2−
(CF3)2−CF(CF2)2−(CH2)2−
CF3CH2−
HCF2CH2−
F(CF2)2CH2−
CHF2CF2CH2−
(CF3)2CH−
CF3CH2CH2−
H(CF2)2CH2−
Cl(CF2)2CH2−
(CF3)C(CH3)H−
F(CF2)3CH2−
F(CF2)2(CH2)2−
CF3CHFCF2CH2−
CF3(CH2)3−
F(CF2)2C(CH3)H−
CF3C(CH3)2−
CH3C(CF3)2−
(CF3)4C−
(CF3)2C(CCl3)−
F(CF2)4CH2−
F(CF2)3(CH2)2−
F(CF2)2(CH2)3−
CF3(CH2)4−
(CF3)2CFCH2CH2−
(CF3)2C(CH3)CH2−
H(CF2)4CH2−
Cl(CF2)4CH2−
Br(CF2)2(CH2)3−
CF3CH2CH(CH3)CH2−
CF3CF(OCF3)CH2CH2−
(CF3)2CHOCH2CH2−
F(CF2)3C(CH3)H−
F(CF2)5CH2−
F(CF2)4(CH2)2−
F(CF2)3(CH2)3−
F(CF2)2(CH2)4−
(CF3)2CF(CH2)3−
(CF3)3CCH2CH2−
CF3CF(OCF3)(CH2)3−
F(CF2)3OCF(CF3)CH2−
H(CF2)5CH2−
F(CF2)2C(CH3)2−
CF3CHFCF2C(CH3)2−
F(CF2)6CH2−
F(CF2)5(CH2)2−
F(CF2)4(CH2)3−
(CF3)2CF(CF2)2(CH2)2−
(CF3)2CFCHFCF(CF3)CH2−
CF3CF2CF(CF3)(CH2)3−
H(CF2)6CH2−
Cl(CF2)6CH2−
F(CF2)7CH2−
F(CF2)6(CH2)2−
F(CF2)5(CH2)3−
F(CF2)4(CH2)4−
F(CF2)2(CH2)6−
F(CF2)3OCF(CF3)(CH2)3−
(CF3)3C(CH2)4−
H(CF2)7CH2−
F(CF2)8CH2−
F(CF2)6(CH2)3−
(CF3)2CF(CH2)6−
(CF3)2CF(CF2)4(CH2)2−
F(CF2)3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2−
H(CF2)8CH2−
F(CF2)4(CH2)6−
CF3(CF2)7(CH2)2−
F(CF2)8(CH2)3−
(CF3)2CF(CF2)6(CH2)2−
H(CF2)10CH2−
F(CF2)6(CH2)6−
F(CF2)10(CH2)2−
H(CF2)12CH2−
F(CF2)8(CH2)6−
式(5)中、XAは2つともOであるか、2つともSであることが好ましく、2つともOであることが最も好ましい。
pが1であり、
X1が、上記のX1のうち、フッ素原子を含有するアルキレン基であるか、フッ素原子を有していてもよいアリーレンオキシ基であり、
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6がフッ素原子又は水素原子であり、
Y1が、上記のY1のうち、1又は2個のエーテル結合を含む有機基である。
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、全て水素原子であるか、全てフッ素原子であることが好ましく、
Y1は以下の基y1〜y8から選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましい。
この実施形態において、Y1としては特にy1〜y6が好ましい。
この実施形態において、X1は、基x1であることがより好ましい。
本発明において、着色の観点から芳香族ポリアミド酸樹脂の代わりに又はこれと共に脂肪族ポリアミド酸樹脂を採用することができる。
好適な脂肪族ポリアミド酸は、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上重合させたポリアミド酸であって、重合に用いられる酸二無水物が式(1)においてX0が式(E2)
好適な脂肪族ポリアミド酸は、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上重合させたポリアミド酸であって、重合に用いられる酸二無水物が式(1)においてX0が式(E3)
好適な脂肪族ポリアミド酸は、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上重合させたポリアミド酸であって、重合に用いられる酸二無水物が式(1)においてX0が式(E4)
上記式(IV)及び(E4)中、Z1、Z2、Z3、及びZ4は、各々同じであってもよく異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子から選ばれ、X4、Y4にフッ素原子が含まれない場合、Z1、Z2、Z3、及びZ4の少なくとも1つはフッ素原子である。X4及びY4のうち、少なくとも一方の主鎖にエーテル結合及び/又はチオエーテル結合が含まれていればよい。
式(4)或いはその具体例である式(I)、(II)、(III)又は(IV)で示される前記ポリアミド酸は、式(1)で示される芳香族又は脂肪族の酸二無水物と、式(2)で示される芳香族又は脂肪族のジアミンとを溶媒中で公知の手法によりアミド化反応させることにより、製造することができる。ここで、原料として用いる酸二無水物及びジアミン化合物は、得ようとするポリアミド酸樹脂の構造に応じて適宜選択すればよい。
前記ポリアミド酸を、熱イミド化又は化学イミド化のいずれかによりイミド化してポリイミドを含む樹脂組成物を得る。
ポリアミド酸をイミド化する際、ポリアミド酸が完全にポリイミドに転化されるとは限らず、生成された樹脂組成物中には、ポリイミドだけでなくポリアミド酸や、その他の成分が含まれていてよい。後述するイミド化率の範囲内でイミド化されていることが好ましい。
熱イミド化によりイミド化する場合、例えば、前記ポリアミド酸を、空気中で、又はより好ましくは窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、或いは真空中で、好ましくは温度50〜400℃、より好ましくは100〜380℃、好ましくは時間0.1〜10時間、より好ましくは0.2〜5時間の条件下で焼成してイミド化反応を行うことによりポリイミドを含む樹脂組成物を得ることができる。熱イミド化反応に供する前記ポリアミド酸は、適当な溶媒中に溶解された形態であることが好ましい。溶媒としては、ポリアミド酸を溶解するものであれば良く、アミド化反応に関して上記した溶媒を用いることもできる。例えば、N−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン、ジメチルスルフォキシド、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、メタノール等の極性溶媒;トルエンやキシレン等の非極性溶媒等が挙げられる。中でも、極性溶媒を用いることが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物として使用されてもよい。上記の通り、アミド化反応後の反応混合物をそのまま熱イミド化に供してもよい。前記ポリアミド酸の溶液中の前記ポリアミド酸の濃度は特に限定されないが、得られる樹脂組成物の重合反応性と重合後の粘度、その後の製膜、焼成での取り扱いやすさから、好ましくは、5重量%以上、より好ましくは10重量%、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。
化学イミド化によりイミド化する場合では、適当な溶媒中で後述の脱水環化試薬の使用によりポリアミド酸を直接イミド化することができる。
以上のようにして得られた樹脂組成物は、繰り返し単位構造中に1個以上のフッ素原子と、1つ以上のエーテル結合及び/又はチオエーテル結合とを有するポリイミドを含有する。該ポリイミドは、より好ましくは、下記式(V)で表される繰り返し単位構造を含む芳香族ポリイミドである。かかる特定構造を有するポリイミドを表面に含む基材では、細胞の三次元的な培養が可能である。
1.4.1.イミド化率
前記含フッ素ポリイミドを含む樹脂組成物は、イミド化の時点又は後述する細胞培養用基材の形態とする時点で加熱処理又は環化触媒処理を行うことによりイミド化率を高めることができる。
本発明の細胞培養用基材においてポリイミドを含む樹脂組成物(フィルム状、膜状、板状等の形状に加工された状態)により構成される表面の水接触角は、好ましくは70°以上、より好ましくは73°以上、更に好ましくは75°以上であり、好ましくは115°以下、より好ましくは112°以下、更に好ましくは110°以下である。水接触角がこの範囲内であるとき、細胞が基材表面に適度な強度で付着し易く、該表面を足場として細胞が三次元的な組織を形成することが可能となる。なお、接触角は自動接触角計(協和界面科学製:DM−500)を用いて温度25℃において水による接触角測定を行うことにより算出できる。
前記ポリイミドを含む樹脂組成物はまた、前記ポリイミドの重合単位がエーテル結合及び/又はチオエーテル結合を特定数有することに起因して、柔軟性に優れるものであるが、柔軟性は、引張弾性率によって評価することができる。例えば、引張弾性率が2GPa以下とすることができる。このように前記樹脂組成物が引張弾性率が2GPa以下である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。引張弾性率がこの範囲である柔軟性を有する樹脂組成物により構成される表面上において細胞は三次元組織を形成し易い。前記樹脂組成物の引張弾性率は、より好ましくは1.5GPa以下、更に好ましくは1.2GPa以下である。引張弾性率の下限は特に限定されないが、好ましくは0.3GPa以上、より好ましくは0.5GPa以上である。引張弾性率(GPa)は、実施例に示す、動的粘弾性測定方法により測定することができる。
前記樹脂組成物中での前記ポリイミドの分子量は、重量平均分子量として、1000〜100万であることが好ましく、5000〜70万であることがより好ましい。分子量がこの範囲内であると重合時にゲル化する恐れが無く、低粘度で重合やフィルム化が容易になり、適当な耐熱性や膜強度の付与と維持が期待できる。重量平均分子量は更に好ましくは1万〜50万である。
上記重量平均分子量は、後述する実施例と同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
本発明の細胞培養用基材は、表面の少なくとも一部が前記含フッ素ポリイミドを含む樹脂組成物により構成されていることを特徴とする。
本発明はまた、前記細胞培養用基材を少なくとも一部に備える細胞培養用容器を提供する。本発明の細胞培養用容器は、図8−1及び図8−2に示すような、細胞培養用基材を容器内部又は底部に設置したり、一方の表面が、細胞及び培地の収容部の底面を形成し、他方の表面が容器外に露出するように配置された細胞培養用基材、を少なくとも一部に備えるものであっても良い。
本発明はまた、細胞を培養する方法であって、前記細胞培養用基材の、前記ポリイミドを含む樹脂組成物により構成される表面上で細胞を培養する工程を含む方法を提供する。
その他に例えば、図7に示すように、細胞培養用基材10(図5又は図6に示す構造を有する)の、含フッ素ポリイミドを含む樹脂組成物により構成された表面S(図5、6参照)に細胞3及び培地2が接し、細胞培養用基材10の他方の表面が空気等の酸素含有ガス4に接した状態で細胞を培養しても良い。
本発明はまた、細胞を三次元培養する方法であって、前記細胞培養用基材の、前記ポリイミドを含む樹脂組成物により構成される表面上で細胞を三次元培養する工程を含む方法を提供する。
元素分析装置(ジェイサイエンス製 マイクロコーダー JM−10)により、ポリイミドフィルム中のフッ素含有量の定量を行った。
FT−IR(サーモフィッシャーサイエンティフィック製 Nicolet Nexus670)によるポリイミドフィルム分析で、ポリイミドのCN伸縮振動に由来する1370cm-1付近の吸光度(A(1370cm-1))とベンゼン環骨格振動に由来する1500cm-1付近の吸光度(A(1500cm-1))との吸光度比(A(1370cm-1)/A(1500cm-1))を用いて、以下の式に基づいてポリイミドフィルムのイミド化率を算出した。
イミド化率(%)
=[試料ポリイミドフィルムの(A(1370cm-1))/(A(1500cm-1))]÷[熱処理後の試料ポリイミドフィルムの(A(1370cm-1))/(A(1500cm-1))]×100
装置:東ソー株式会社製 HCL−8220GPC
カラム:TSKgel Super AWM−H
溶離液(LiBr・H2O、リン酸入りNMP):0.01mol/L
測定方法:0.5%の溶液を溶離液で作製し、ポリスチレンで作製した検量線をもとに分子量を算出した。
ポリアミド酸、ポリイミドともに同じ方法で測定可能である。
装置:ティー・エイ・インスツルメント社製
動的粘弾性 RSA III
測定方法:厚さ20μmのポリイミドフィルムを5×40mmの短冊状に作製し、25℃での伸びと応力を測定し、引っ張り弾性率を算出した。
装置:自動接触角計(協和界面科学製:DM−500)
測定方法:25℃の温度での水2μlの滴下直後の液滴の付着角度を測定した。
酸二無水物として、4,4’−[(2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)]ビス(3,5,6−トリフルオロフタル酸無水物)(10FEDAN)(自社合成品)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物(6FDA)(自社合成品)、無水ピロメリット酸(関東化学製)を用いた。
ジアミンとして、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPEQ)(和歌山静加工業株式会社)、2,6−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジフルオロ−4−(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロ−n−デカノキシ)ベンゾニトリル(AFDM)(自社合成品)、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)(和歌山静加工業株式会社)、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BAPP)(和歌山静加工業株式会社)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)(和歌山静加工業株式会社)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)(和歌山静加工業株式会社)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPER)(和歌山静加工業株式会社)、1,3−ジアミノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン(4FMPD)(自社合成品)を用いた。
100ml容量の三口フラスコに1,4−ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン2.976g(10.2ミリモル)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物4.524g(10.2ミリモル)、N、N−ジメチルアセトアミド42.5gを仕込んだ。窒素雰囲気下、室温で、5日間攪拌することで、含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度15.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は18万であった。
100ml容量の三口フラスコに2,6−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジフルオロ−4−(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロ−n−デカノキシ)ベンゾニトリル 4.855g(5.95ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド42.5gを仕込み溶解した。そこへ 4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物 2.645g(5.95ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、室温で5日間攪拌することで、含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度15.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は7万であった。
100ml容量の三口フラスコに2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン2.693g(5.19ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド42.5gを仕込み溶解した。そこへ4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物2.307g(5.19ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、室温で5日間攪拌することで、含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度15.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は50万であった。
100ml容量の三口フラスコに2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン 3.602g(8.77ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド42.5gを仕込み溶解した。そこへ4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物3.898g(8.77ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、室温で5日間攪拌することで、含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度15.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は28万であった。
100ml容量の三口フラスコに4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル 3.400g(9.23ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド42.5gを仕込み溶解した。そこへ 4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物 4.100g(9.23ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、室温で5日間攪拌することで、含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度15.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は22万であった。
100ml容量の三口フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 2.330g(11.64ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド42.5gを仕込み溶解した。そこへ 4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物5.170g(11.64ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、室温で5日間攪拌することで、含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度15.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は19万であった。
100ml容量の三口フラスコに1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン2.976g(10.2ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド42.5gを仕込み溶解した。そこへ 4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物4.524g(10.2ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、室温で5日間攪拌することで、含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度15.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は18万であった。
100ml容量の三口フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル2.393g(12.0ミリモル)、無水ピロメリット酸2.607g(12.0ミリモル)、N、N−ジメチルアセトアミド45.0gを仕込んだ。窒素雰囲気下、室温で、5日間攪拌することで、エーテル結合を含むがフッ素原子を含まないポリアミド酸樹脂組成物(固形分濃度10.0質量%)を得た。該ポリアミド酸の重量平均分子量は80万であった。
調製例1において得られた含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物を、硝子基材上に、ダイコーターを用いて、焼成後の含フッ素ポリイミドフィルムの厚みが30μmとなるようにフィルム状に製膜し、300℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成を行った後、硝子より剥離し、含フッ素ポリイミドフィルムを得た。
得られた含フッ素ポリイミドフィルムのフッ素含有量は17質量%であり、イミド化率は90%であり、水接触角は88°であり、引張弾性率は2.31GPaであった。引張弾性率の値は当初の測定では63.9MPaであったが誤りがあり再測定した結果2.31GPaに訂正した。
調製例1において得られた含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物20gを100mlガラス容器に移し、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン0.013g(0.01ミリモル)、無水酢酸0.8744g(8.5ミリモル)を加え、5分間撹拌反応させた後24時間静置することで、含フッ素ポリイミド樹脂溶液を得た。得られた含フッ素ポリイミド樹脂溶液をアセトンで希釈し、水及びメタノール中に再沈させて、精製し、得られた粉末状含フッ素ポリイミド樹脂を15%濃度の2−ブタノン溶液に溶解させて含フッ素ポリイミド樹脂組成物を得た。この含フッ素ポリイミド樹脂組成物を、硝子基材上に、ダイコーターを用いて、焼成後の含フッ素ポリイミドフィルム厚みが30μmとなるようにフィルム状に製膜し、200℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成を行った後、基材より剥離し、含フッ素ポリイミドフィルムを得た。得られた含フッ素ポリイミドフィルムのフッ素含有量は17質量%であり、イミド化率は93%であり、水接触角は88°であり、引張弾性率は2.02GPaであった。当該ポリイミドフィルムを溶媒に溶解して測定された重量平均分子量は25万であった。引張弾性率の値は当初の測定では64.5MPaであったが誤りがあり再測定した結果2.02GPaに訂正した。
調製例2の含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により含フッ素ポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムにおけるフッ素含有量、イミド化率、水接触角、引張弾性率をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。なお、引張弾性率の値は当初の測定では20.8MPaであったが誤りがあり再測定した結果0.93GPaに訂正した。
調製例3の含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により含フッ素ポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムにおけるフッ素含有量、イミド化率、水接触角、引張弾性率をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。なお、引張弾性率の値は当初の測定では42.6MPaであったが誤りがあり再測定した結果2.3GPaに訂正した。
調製例4の含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により含フッ素ポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムにおけるフッ素含有量、イミド化率、水接触角、引張弾性率をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。なお、引張弾性率の値は当初の測定では48.4MPaであったが誤りがあり再測定した結果1.94GPaに訂正した。
調製例5の含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により含フッ素ポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムにおけるフッ素含有量、イミド化率、水接触角、引張弾性率をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。なお、引張弾性率の値は当初の測定では44.6MPaであったが誤りがあり再測定した結果1.94GPaに訂正した。
調製例6の含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により含フッ素ポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムにおけるフッ素含有量、イミド化率、水接触角、引張弾性率をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。なお、引張弾性率の値は当初の測定では57.7MPaであったが誤りがあり再測定した結果2.62GPaに訂正した。
調製例7の含フッ素ポリアミド酸樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により含フッ素ポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムにおけるフッ素含有量、イミド化率、水接触角、引張弾性率をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。なお、引張弾性率の値は当初の測定では23.9MPaであったが誤りがあり再測定した結果1.02GPaに訂正した。
比較調製例1において得られたポリアミド酸樹脂組成物を、硝子基材上に、ダイコーターを用いて、焼成後のポリイミドフィルム厚みが30μmとなるようにフィルム状に製膜し、340℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成を行った後、硝子基材より剥離し、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムのフッ素含有量は0質量%であり、イミド化率は95%であり、水接触角は68°であり、引張弾性率は3.0GPaであった。なお、引張弾性率の値は当初の測定では100MPaよりも大きい値であったが誤りがあり再測定した結果3.0GPaに訂正した。
1:線維芽様細胞の培養
線維芽様細胞であるL929細胞をDSファーマバイオメディカル社より購入した。L929細胞を、ウシ胎児血清(FBS)(DSファーマバイオメディカル社)を終濃度10vol%となるように添加したDMEM培地(DSファーマバイオメディカル社)で懸濁し、100mmセルカルチャーディッシュ(BD Falcon社)に播種、37℃,5% CO2条件下で培養した。90%コンフルエントの状態となるまで培養後、0.25%トリプシン/50mM EDTA溶液で処理、10% FBS添加DMEM培地を添加してトリプシン反応を停止させ、L929細胞の浮遊細胞懸濁液を得た。L929細胞の浮遊細胞懸濁液中の細胞数を0.4w/v%トリパンブルー溶液(和光純薬)及び血球計算盤を用いて測定し、5.3×104cells/cm2となるようにマルチウェルセルカルチャープレート 24well(BD Falcon社)、実施例1で得られた6FDA/TPEQ膜、浮遊細胞用ペトリディッシュ(Nunc社)及び超低接着表面24ウェルプレート(Corning社)に播種、37℃,5% CO2条件下で培養した。なお、6FDA/TPEQ膜は高圧蒸気滅菌処理後に細胞培養に使用した。培養5日目の位相差顕微鏡写真を図1に示す。
Wistarラット、オス、6週齢、体重130gを日本エスエルシー株式会社より購入した。ラット初代肝細胞の取得は培養細胞実験ハンドブック (羊土社) 第10章、肝細胞記載の方法を参考に実施した。具体的には、Wistarラットをペントバルビタール麻酔下で開腹し、門脈にカテーテルを挿入して前かん流液(Ca2+とMg2+不含のEGTA溶液)を注入した。同時に肝臓下部の下大静脈を切開して血液を放出させた。次に胸腔を開き、右心房に入る下大静脈を切開し、肝臓下部の下大静脈をかん止で止めてかん流を行った。肝臓からの脱血が十分になされたことを確認した後にかん流を止め、かん流液をコラゲナーゼ溶液に換えて、かん流を行った。細胞間組織がコラゲナーゼにより消化されたことを確認した後、かん流を止めた。肝臓を切り離し、ガラスシャーレに移した後、冷したハンクス溶液を添加して、ピペッティングにより細胞を分散させた。次に150mm濾過器により未消化の組織を除去した。細胞懸濁液は、50G、1分の遠心分離を数回繰り返して非実質細胞を除去した。得られた肝細胞の生存率はトリパンブルー排除法で計測し、生存率70%以上の肝細胞をラット初代肝細胞として培養試験に使用した。
前述の方法で取得したラット初代肝細胞を、以下組成の培地で懸濁し、5.3×104cells/cm2となるようにマルチウェルセルカルチャープレート 24well(BD Falcon社)、実施例1で得られた6FDA/TPEQ膜、NanoCulture(登録商標) Plate MSパターン/高接着/24ウェル(サイバックス社)及びPrimeSurfaceマルチウェルプレート24well(住友ベークライト社)に播種し、37℃,5% CO2条件下で培養した。6FDA/TPEQ膜は高圧蒸気滅菌処理後に細胞培養に使用した。培地は毎日交換した。なお、NanoCulture(登録商標) Plate MSパターン/高接着/24ウェル(サイバックス社)には微細な凹凸が存在するため、細胞懸濁液を播種する前に以下の操作を行い、凹凸内の気泡を除去する脱気作業を実施した。
・William’s E medium(和光純薬)を1wellあたり500μLづつ分注した。
・300−500×g、3分間遠心分離。
・室温で30分間静置。
William’s E medium(和光純薬)+10% FBS(和光純薬) + 8.6nM インスリン + 255nM デキサメサゾン + 50ng/mL EGF + 5KIU/mL アプロチニン + 抗生物質(ペニシリン(100unit/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)/アムホテリシンB(0.25μg/mL))
培養5日目の位相差顕微鏡写真を図2に示した。
培養5日目に6FDA/TPEQ膜上に形成された細胞凝集塊のカドヘリン及びアクチンの免疫染色を実施した。具体的には、固定液として4%パラホルムアルデヒド/PBS(−)溶液、ブロッキング液として0.1% BSA添加PBS(−)溶液、洗浄液として0.05% Triton−X/PBS(−)溶液を使用した。また、抗体としては、Rabbit E-cadherin polyclonal antibody(Santa Cruz社)、Biotinylated anti-rabbit IgG antibody(Vector Laboratories社)、Streptavidin-Fluorescein(PerkinElumer社)、Rhodamine phalloidin(Invitrogen社)を使用し、共焦点レーザースキャン顕微鏡 LSM700 (ZEISS社)を使用して蛍光顕微鏡写真の撮影を行った。図3に蛍光顕微鏡像を示した。緑色がカドヘリン(図3A)、赤色がアクチン(図3B)である。
これにより、6FDA/TPEQ膜上に形成された細胞凝集塊がカドヘリンを発現したスフェロイドであることが確認された。
培養5日目の各試験区の培養液を用いてアルブミンの定量を実施した。アルブミンの定量にはRat Albumin ELISA Quantitation Set (Bethyl Laboratories社)を使用し、添付されているプロトコールに従ってアルブミンの定量実験を行った。各試験区のアルブミン定量の結果を図4に示した。なお、PrimeSurfaceマルチウェルプレート24well(住友ベークライト社)ではアルブミンが検出されなかった。
凹凸がない6FDA/TPEQ膜を使用してもNanoCulture Plate MSパターン/高接着と同程度のアルブミン生成が可能であることがわかった。
6FDA/TPEQ膜(実施例2)6FDA/AFDM膜(実施例3)、6FDA/HFBAPP膜(実施例4)、6FDA/BAPP膜(実施例5)、6FDA/BAPB膜(実施例6)、6FDA/ODA膜(実施例7)、6FDA/TPER膜(実施例8)、ピロメリット酸/ODA膜(比較例1)を用いた培養試験を実施した。なお、各試験膜は高圧蒸気滅菌後に培養試験に使用した。上述と同様の方法でWistarラット、オス、6週齢、体重130gからラット初代肝細胞を取得し、上述と同様の培養条件及び培地を用いて培養試験を行った。培養5日目に位相差顕微鏡を用いて各試験区の培養細胞の様子を観察したところ、比較例1以外の試験区では細胞凝集塊の形成が確認された。ただし、実施例2で得られた6FDA/TPEQ膜上で形成された細胞凝集塊は、実施例3〜8で得られた膜上の細胞凝集塊と比較して、凝集塊の大きさが小さく凝集塊の個数も少なかった。
1.ラット初代肝細胞の取得
Specific viral pathogen freeのWistarラット、オス、9週齢、体重200gを日本エスエルシー株式会社より購入した。ラット初代肝細胞の取得は培養細胞実験ハンドブック (羊土社) 第10章、肝細胞記載の方法を参考に実施した。具体的には、Wistarラットをイソフルラン麻酔下で開腹し、門脈にカテーテルを挿入して以下の表4に示す組成の前かん流液を注入した。同時に肝臓下部の下大静脈を切開して血液を放出させた。次に胸腔を開き、右心房に入る下大静脈を切開し、肝臓下部の下大静脈をかん止で止めてかん流を行った。肝臓からの脱血が十分になされたことを確認した後にかん流を止め、かん流液を以下の表4に示す組成のコラゲナーゼ溶液に換えて、かん流を行った。細胞間組織がコラゲナーゼにより消化されたことを確認した後、かん流を止めた。肝臓を切り離し、ガラスシャーレに移した後、冷したハンクス溶液を添加して、ピペッティングにより細胞を分散させた。次に150mm濾過器により未消化の組織を除去した。細胞懸濁液は、50G、1分の遠心分離を数回繰り返して非実質細胞を除去した。得られた肝細胞の生存率はトリパンブルー排除法で計測し、生存率85%以上の肝細胞をラット初代肝細胞として培養試験に使用した。
前述の方法で取得したラット初代肝細胞を、以下の表5に示す組成の無血清培地で懸濁し、1.33×104細胞/cm2となるように、6.25×105細胞/mLのラット初代肝細胞懸濁液0.4mLを、NanoCulture Plate MSパターン/高接着/24ウェル(サイバックス社)、PrimeSurfaceマルチウェルプレート24well(住友ベークライト社)、及び6FDA/TPEQ(実施例1)24wellプレートに添加し、37℃,5%CO2条件下で培養を行った。培地交換は播種後4時間、培養1日目、3日目、5日目に培地を全量除去後、無血清培地を0.4mL添加して行った。なお、NanoCulture Plate MSパターン/高接着/24ウェル(サイバックス社)には微細な凹凸が存在するため、細胞懸濁液を播種する前に以下の操作を行い、凹凸内の気泡を除去する脱気作業を実施した。
各培養5日目にPrimeSurfaceマルチウェルプレート24well(住友ベークライト社)及び6FDA/TPEQ(実施例1)24wellプレート上の細胞を用いて、CYP1A活性の測定を実施した。培地を除去し、3−メチルコラントレンが終濃度で2μMとなるように調整した上記無血清培地を添加した。培地を添加してから24時間経過した後に、培地を除去した。次に、エトキシ−レゾルフィンが終濃度で10μMとなるように調整した上記無血清培地を添加して、37℃,5%CO2条件下で75分インキュベートした。インキュベート後の各ウェル内の蛍光強度を蛍光光度計を用いて測定した。結果を図12に示した。
前述の方法で取得したラット初代肝細胞を、以下組成の血清培地で懸濁し、1.33×104細胞/cm2となるように、6.25×105細胞/mLのラット初代肝細胞懸濁液0.4mLを、コラーゲンタイプIコートマイクロプレート24ウェル(旭硝子社)、NanoCulture Plate MSパターン/高接着/24ウェル(サイバックス社)、PrimeSurfaceマルチウェルプレート24well(住友ベークライト社)、Lumoxマルチウェルプレート24ウェル(グライナー社)、及び6FDA/TPEQ(実施例1)24wellプレートに添加し、37℃,5%CO2条件下で培養を行った。培地交換は播種後4時間、培養1日目、3日目、5日目に培地を全量除去後、血清培地を0.4mL添加して行った
William’s E medium(和光純薬)+10%FBS(和光純薬)+8.6nMインスリン+255nMデキサメサゾン+50ng/mL EGF+5KIU/mLアプロチニン+抗生物質(ペニシリン(100unit/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)/アムホテリシンB(0.25μg/mL))
培養5日目の各ウェル上の細胞の位相差顕微鏡写真を図13に示した。
培養5日目の各試験区の培養液を用いてアルブミンの定量を実施した。アルブミンの定量にはRat Albumin ELISA Quantitation Set (Bethyl Laboratories社)を使用し、添付されているプロトコールに従ってアルブミンの定量実験を行った。各試験区のアルブミン定量の結果を図14に示した。
6FDA/TPEQ(実施例1)24wellプレートでもっとも高いアルブミン生成を確認した。6FDA/TPEQ(実施例1)24wellプレート上で形成された適切な大きさの細胞凝集塊では効率的に培地成分や酸素が細胞に供給され、高い肝機能を発現したと考えられる。
HepG2細胞をDSファーマバイオメディカル社より購入した。HepG2細胞を、終濃度10%のウシ胎児血清(FBS)(DSファーマバイオメディカル社)、100×MEM用非必須アミノ酸(DSファーマバイオメディカル社)、及び終濃度2mMのグルタミン溶液(DSファーマバイオメディカル社)を添加したEMEM培地(DSファーマバイオメディカル社)で懸濁し、100mmセルカルチャーディッシュ(BD Falcon社)に播種、37℃,5%CO2条件下で培養した。70%コンフルエントの状態となるまで培養後、0.25%トリプシン/50mM EDTA溶液で処理、前述の培地を添加してトリプシン反応を停止させ、HepG2細胞の浮遊細胞懸濁液を得た。HepG2細胞の浮遊細胞懸濁液中の細胞数を0.4w/v%トリパンブルー溶液(和光純薬)を用いて測定し、3.13×104細胞/cm2となるようにマルチウェルセルカルチャープレート24well(BD Falcon社)、6FDA/TPEQ膜(実施例1)、PrimeSurfaceマルチウェルプレート24well(住友ベークライト社)に播種し、37℃,5%CO2条件下で培養した。培養4日目に培地全量を除去後、前述の培地1mLを添加して培地交換を実施した。なお、6FDA/TPEQ膜は高圧蒸気滅菌処理後に細胞培養に使用した。
培養7日目の倒立顕微鏡写真を図15に示した。
Claims (9)
- 細胞培養用基材であって、表面の少なくとも一部がポリイミドを含む樹脂組成物により構成され、
前記ポリイミドが、繰り返し単位中に1個以上のフッ素原子を有する含フッ素ポリイミドであり、
前記ポリイミドを構成する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上である
ことを特徴とし、
ただし
前記ポリイミドが、主鎖中に式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0が2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン残基である前記単位を含むポリイミドである場合、
主鎖中に式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0がビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基である前記単位を含むポリイミドである場合、及び
主鎖中に式(3)で示される繰り返し単位であって、式中X0が4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物残基であり、Y0がビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基である前記単位を含むポリイミドである場合
細胞培養用基材。 - 前記ポリイミドが、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上反応させて得られるポリイミドであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にフッ素原子を有するものであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にエーテル結合及び/又はチオエーテル結合を有するものであり、
前記ポリイミドを構成する前記酸二無水物及び前記ジアミンに由来する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上であり、
ただし
前記ポリイミドが、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物と、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンとを反応させて得られるポリイミドである場合、
前記ポリイミドが、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物と、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンとを反応させて得られるポリイミドである場合、及び
前記ポリイミドが、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物と、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンとを反応させて得られるポリイミドである場合
を除く、
請求項1に記載の細胞培養用基材。 - 前記樹脂組成物におけるフッ素含有量が1〜60質量%であり、イミド化率が20%以上である、請求項1又は2に記載の細胞培養用基材。
- 細胞培養用容器であって、
前記容器の少なくとも一部が請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞培養用基材により構成されている
ことを特徴とする細胞培養用容器。 - 細胞の培養方法であって、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の基材の、前記樹脂組成物により構成される表面上で細胞を培養する工程を含む方法。 - 細胞を三次元培養する方法であって、
表面の少なくとも一部がポリイミドを含む樹脂組成物により構成される基材の、前記樹脂組成物により構成される表面上で細胞を三次元培養する工程を含み、
前記ポリイミドが、繰り返し単位中に1個以上のフッ素原子を有する含フッ素ポリイミドであり、
前記ポリイミドを構成する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上である、
ことを特徴とする方法。 - 前記ポリイミドが、酸二無水物とジアミンとを各々1種又は2種以上反応させて得られるポリイミドであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にフッ素原子を有するものであり、
前記酸二無水物及び前記ジアミンのうち少なくとも1種の化合物は、分子内にエーテル結合及び/又はチオエーテル結合を有するものであり、
前記ポリイミドを構成する前記酸二無水物及び前記ジアミンに由来する重合繰り返し単位中でのエーテル結合及びチオエーテル結合の総和が1以上である、
請求項6に記載の方法。 - 細胞を三次元培養する前記工程が、前記細胞を培養してスフェロイド又は三次元細胞集合体を形成する工程である、請求項6又は7に記載の方法。
- 前記樹脂組成物におけるフッ素含有量が1〜60質量%であり、イミド化率が20%以上である、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
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JP2014030405A (ja) * | 2012-08-06 | 2014-02-20 | Jsr Corp | 細胞凝集体の形成方法、細胞凝集体形成用基材の製造方法及び細胞凝集体形成用基材 |
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POLYMERS FOR ADVANCED TECHNOLOGIES, vol. 19, no. 8, JPN6015022020, August 2008 (2008-08-01), pages 1002 - 1008, ISSN: 0003944340 * |
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