実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
トランジスタは半導体素子の一種であり、電流や電圧の増幅や、導通または非導通を制御するスイッチング動作などを実現することができる。本明細書におけるトランジスタは、IGFET(Insulated Gate Field Effect Transistor)や薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を含む。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様のタッチセンサ、タッチセンサを備えるタッチセンサモジュール、タッチパネル、およびタッチパネルモジュール等の構成について説明する。以下では、静電容量の変化を検知することにより、指やスタイラスなどの被検知体の接触または近接を検出する方式のタッチセンサを適用した場合の構成例について説明する。
なお、本明細書等において、タッチセンサを備える基板に、例えばFPCもしくはTCP(Tape Carrier Package)などのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG(Chip On Glass)方式等によりICが実装されたものを、タッチセンサモジュールと呼ぶ場合がある。またタッチセンサとしての機能と、画像等を表示する機能の両方を備える装置をタッチパネル(入出力装置)と呼ぶ場合がある。なお、タッチパネルに上記コネクターが取り付けられたもの、またはICが実装されたものをタッチパネルモジュール、または単にタッチパネルと呼ぶ場合がある。
本発明の一態様に適用することのできる静電容量方式のタッチセンサは、容量素子を備える。容量素子は例えば第1の導電層、及び第2の導電層と、これらの間に絶縁層とが挟持された積層構造を有する構成とすることができる。このとき第1の導電層と第2の導電層はそれぞれ容量素子の電極として機能する。また絶縁層は誘電体として機能する。
第1の導電層と第2の導電層のうち、第1の導電層がタッチ面(検出面)側に設けられるものとする。本発明の一態様のタッチセンサは、指やスタイラス等の被検出体と、第1の導電層との間に形成される容量を検出することで、タッチ動作を検出することができる。具体的には、第1の導電層と第2の導電層との間に所定の電位差が与えられていた時に、タッチ動作により形成させる容量により生じる、第1の導電層の電位の変化を検出することで、タッチ動作を検出することができる。
また、本発明の一態様のタッチセンサを、表示素子を備える画素を有する表示パネルと重ねて、タッチパネルを構成することができる。また画素はタッチ面(検出面)側に光を射出、または透過する。ここで、表示素子に重ねてカラーフィルタ(着色層ともいう)を設けると、画素からの光の色純度を高めることができる。また、隣接する2つのカラーフィルタの間に遮光層を設けると、隣接する2つの画素から射出される光の混色を抑制し、表示品位を高めることができる。
ここで、本発明の一態様は、容量を構成する2つの導電層のほかに第3の導電層を有する。第3の導電層は、容量素子の第1の導電層、第2の導電層、または他の回路等と電気的に接続する配線としての機能を有することが好ましい。このとき、第3の導電層を遮光層よりも表示素子側に設け、第3の導電層と遮光層とが互いに重なる領域を有する構成とすることが好ましい。こうすることで、タッチパネルの検出面側(すなわち表示面側)からみたときに、第3の導電層が遮光層によって隠され、視認されてしまうことを防ぐことができる。そのため、極めて視認性の高いタッチパネルとすることができる。
第3の導電層には、例えば金属や合金を含む材料を用いることが好ましい。金属や合金を含む材料は比較的導電性が高いため、配線や電極に用いた場合に信号の遅延が抑制され、タッチセンサの検出感度を向上させることができる。なお、このような材料の多くは可視光を遮光する性質を有するが、第3の導電層が遮光層に隠れて位置するため、画素からの光を遮ることがなく、タッチパネルの開口率を高めることができる。なお、第3の導電層は必ずしも光を遮光する材料を用いる必要はなく、例えば導電性酸化物や導電性有機化合物等の可視光の一部を透過する材料を用いることもできる。
またタッチパネルは、タッチセンサを支持する基板と、表示素子を支持する基板の2枚の基板を対向させて配置した構成を有することが好ましい。またこのとき、タッチセンサが備える複数のセンサ素子が、容量素子と、トランジスタなどの能動素子の両方を備える、アクティブマトリクス方式のタッチセンサとすることが好ましい。このような構成とすることで、表示素子を駆動させたときに生じるノイズの影響を、タッチセンサが受けにくくすることが可能となる。そのためタッチセンサと表示素子を2枚の基板の間に挟持させ、これらが近接して配置された構成としても検出感度の低下を抑えることができる。特に、一対の基板に可撓性を有する材料を用いることで、薄く、軽量で且つフレキシブルなタッチパネルを実現することができる。
またこのとき、タッチセンサを支持する基板にセンサ素子や回路を構成するトランジスタを形成し、トランジスタや容量素子と電気的に接続する配線として機能する導電層に、上記第3の導電層を適用することが好ましい。こうすることで、タッチパネルの検出面側にトランジスタ等の素子を設ける構成とした場合であっても、タッチパネルの検出面側から視認される電極や配線の面積を最小限にすることができ、視認性の悪化を抑制することができる。
以下では、本発明の一態様のより具体的な構成例について、図面を参照して説明する。
[構成例]
図1(A)は、本発明の一態様のタッチパネルモジュール10の斜視概略図である。また図1(B)は、タッチパネルモジュール10を展開した時の斜視概略図である。タッチパネルモジュール10は、タッチセンサモジュール20と、表示パネル30とが重ねて設けられた構成を有する。
タッチセンサモジュール20は、第1の基板21上にセンサ素子(検知素子ともいう)22を備えるタッチセンサ(タッチセンサパネルともいう)に、FPC41が設けられた構成を有する。センサ素子22は、第1の基板21上にマトリクス状に複数配置されている。また、第1の基板21上には、センサ素子22と電気的に接続される回路23、及び回路24を備えることが好ましい。
回路23及び回路24の少なくとも一方は、複数のセンサ素子22を選択する機能を有する回路を適用することができる。また、回路23及び回路24の少なくとも一方は、センサ素子22からの信号を出力する機能を有する回路を適用することができる。
FPC41は、センサ素子22、回路23及び回路24の少なくとも一に、外部からの信号を供給する機能を有する。または、FPC41は、センサ素子22、回路23及び回路24の少なくとも一からの信号を外部に出力する機能を有する。
表示パネル30は、第2の基板31上に表示部32を有する。表示部32はマトリクス状に配置された複数の画素33を備える。また第2の基板31上には、表示部32内の画素33と電気的に接続する回路34を備えることが好ましい。回路34は、例えばゲート駆動回路として機能する回路を適用することができる。
FPC42は、表示部32または回路34の少なくとも一に、外部からの信号を供給する機能を有する。また。図1では、第1の基板31に端子43を備える構成を有している。端子43には、例えばFPCを取り付けること、ソース駆動回路として機能するICをCOG方式またはCOF方式により直接実装すること、またはICが実装されたFPC、TAB、TCP等を取り付けること等が可能である。なお、表示パネル30にICやFPC等のコネクターが実装された形態を、表示パネルモジュールと呼ぶこともできる。
本発明の一態様のタッチパネルモジュール10は、複数のセンサ素子22によりタッチ動作が行われた際の容量の変化に基づく位置情報を出力することができる。また表示部32により画像を表示することができる。すなわち、タッチパネルモジュール10は入出力装置と言い換えることもできる。
[タッチパネルが有する積層構造について]
図2(A)に、図1(A)中の破線で示す領域を拡大した概略図を示す。
図2(A)には、図1(A)に示すセンサ素子22が備える容量素子110、画素33、配線25、及び配線26が設けられている例を示している。
容量素子110はマトリクス状に複数並べて配置されている。配線25は隣接する2つの容量素子110の間に配置され、配線26は配線25と交差する方向に複数配置されている。
画素33は、マトリクス状に並べて複数配置されている。複数の画素33のうち、一部は容量素子110と重ねて設けられ、他の一部は、隣接する2つの容量素子110の間の領域と重ねて設けられている。
画素33は、少なくとも表示素子を備える。表示素子としては、例えば有機EL(Electro Luminescence)素子などの発光素子を適用することが好ましい。そのほか、表示素子として、電気泳動方式や電子粉流体方式やエレクトロウェッティング方式などにより表示を行う素子(電子インクともいう)、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、液晶素子など、様々な表示素子を用いることができる。
また、透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイなどにも適用できる。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。また、適用する表示素子に好適な構成を様々な画素回路から選択して用いることができる。
図2(B)には、容量素子110と重なる領域における、積層構造を展開した概略図を示す。図2(B)に示すように、第1の基板21と第2の基板31の間に、第1の導電層111、絶縁層112、第2の導電層113、遮光層115、着色層114r、着色層114g、着色層114b、第3の導電層116、画素33が配置されている。ここでは、第3の導電層116が、図2(A)に示す配線26の一つに相当する。
なお、以降では着色層114r、着色層114g及び着色層114bを区別することなく、これらに共通する事項を説明する場合においては単に着色層114と表記する場合がある。
第1の導電層111と第2の導電層113との間に絶縁層112が挟持され、これらが容量素子110を構成している。
各着色層114は、特定波長帯域の光を透過する機能を有する。ここでは、着色層114rは赤色の光を透過し、着色層114gは緑色の光を透過し、着色層114bは青色の光を透過する。画素33と着色層114の一つが互いに重なるように配置されることで、画素33からの光のうちの特定波長帯域の光のみを第1の基板21側に透過させることができる。
遮光層115は、可視光を遮光する機能を有する。遮光層115は、隣接する2つの着色層114の間の領域と重なるように配置される。図2(B)では、遮光層115として開口部を有する形状とし、当該開口部が画素33及び着色層114と重なるように配置されている例を示している。
なお、図2(B)では着色層114よりも第1の基板21側に遮光層115を配置する構成を示しているが、遮光層115よりも第1の基板21側に着色層114を配置してもよい。
第1の導電層111、絶縁層112、及び第2の導電層113は、画素33及び着色層114のそれぞれと重なる領域を有する。そのため第1の導電層111、絶縁層112、及び第2の導電層113としては、それぞれ可視光を透過する材料を用いることが好ましい。
第3の導電層116は、遮光層115と画素33との間に位置するように配置される。言い換えると、第3の導電層116は、遮光層115よりも第2の基板31側に位置し、且つ画素33よりも第1の基板21側に位置する。
また第3の導電層116は、遮光層115と互いに重なるように配置されていることが好ましい。このような構成とすることで、画素33と第3の導電層116とが重ならないため、第3の導電層116に可視光を遮光する材料を用いたとしても、画素33の開口率の低下を防ぐことができる。
図3には、隣接する2つの第1の導電層111の間に、光学調整層119を配置した場合を示している。
光学調整層119を設けることにより、第1の基板21側から見たときに第1の導電層111のパターンが視認されにくくなり、表示品位を向上させることができる。
光学調整層119としては、第1の導電層111と近い光学特性(透過率、屈折率、反射率等)を有する材料を用いることができる。例えば、透過率が第1の導電層111の透過率のプラスマイナス5%以内である材料を用いることができる。特に、光学調整層119は、第1の導電層111と同一の材料を用いることが好ましい。このとき、同一の導電膜を加工することにより、第1の導電層111と光学調整層119を同時に形成すると、工程を簡略化できるため好ましい。
光学調整層119として導電性材料を用いた場合、光学調整層119に対して所定の電位を供給することが可能な構成とすることが好ましい。例えば共通電位、接地電位等の固定電位を光学調整層119に供給する構成とすればよい。または、第1の導電層111および第2の導電層113のいずれか一方と電気的に接続する構成としてもよい。
図4は、第1の基板21側から見たときの各構成要素の配置位置の例を示している。ここでは、第1の基板21側に、ボトムゲート構造のトランジスタ251が設けられている場合の例を示している。
図4では、トランジスタ251、第1の導電層111、第2の導電層113、遮光層115、第3の導電層116a乃至116g、第4の導電層117a、117bを示している。
トランジスタ251は、第1の基板21側(すなわち紙面手前側)からゲート電極131、半導体層132、電極133a及び電極133bを有する。電極133aは、ソース又はドレインの一方として機能し、電極133bはソース又はドレインの他方として機能する。
遮光層115は、マトリクス状に配置された複数の開口を有する。ここでは示さないが、遮光層115のそれぞれの開口は、画素33及び着色層114と重ねて設けられている。
第3の導電層116a乃至第3の導電層116gは遮光層115と互いに重なるように配置されているため、図4に示すように、第1の基板側から見たときに視認されることがない。
また、トランジスタ251は、図4に示すように遮光層115と重ねて設けられている。このような構成とすることで、画素の開口率を低下させることがないため好ましい。
また、トランジスタ251を構成するゲート電極131、半導体層132、電極133a及び電極133bは、それぞれの面積をできるだけ小さいものとするように、島状に加工されている。このような構成とすることで、検出面側(すなわち第1の基板21側)から視認されてしまう面積を小さくして目立たなくすることができ、タッチパネルの視認性を向上させることができる。
また図4では、トランジスタ251が有する半導体層132が、ゲート電極131よりも内側に重ねて設けられている例を示している。このような構成とすることで検出面側からトランジスタ251に外光が照射されたとしても半導体層132に光が当たらない構成とすることができる。そのため、外光の照射によるトランジスタの電気的特性の変動を抑制し、信頼性の高いタッチセンサを実現することができる。または、外光の照射の影響を低減する補償回路等を接続する必要がないため、タッチセンサ回路の構成を簡略化できる。
第1の導電層111は、島状の形状を有する。また、第2の導電層113は、後述する第1の導電層111と第3の導電層116aとのコンタクト部とその周辺部を含む領域と重なる部分、及びトランジスタ251とその周辺部を含む領域と重なる部分に開口を備える。
第1の導電層111は、遮光層115等に設けられた開口を介して第3の導電層116aと電気的に接続している。第3の導電層116aは、遮光層115等に設けられた開口を介して電極133bと電気的に接続している。電極133aは、遮光層115等に設けられた開口を介して第3の導電層116bと電気的に接続している。第3の導電層116bと第3の導電層116dは、第4の導電層117aを介して電気的に接続されている。第3の導電層116e及び116fはそれぞれ、遮光層115等に設けられた開口を介してゲート電極131と電気的に接続している。第3の導電層116fと第3の導電層116gは、第4の導電層117bを介して電気的に接続している。第3の導電層116cは、第4の導電層117a、117bと交差するように配置されている。
このように、第3の導電層116により形成される同一平面上の2つの配線が交差する箇所に、第3の導電層116の上方または下方に位置する第4の導電層117を配置する構成とすることで、2つの配線が電気的に短絡することなく、これらを交差するように配置することができる。
このとき、第4の導電層117は第3の導電層116と同様に、遮光層115よりも第2の基板31側(すなわち紙面奥側)に配置することで、検出面側から視認されることを抑制することができる。
[断面構成例]
以下では、タッチパネルモジュール10の断面構成例について説明する。
〔断面構成例1〕
図5(A)に、本発明の一態様のタッチパネルモジュールの断面概略図を示す。図5(A)に示すタッチパネルモジュールは、一対の基板間にアクティブマトリクス方式のタッチセンサ及び表示素子を有するため、薄型化を図ることができる。なお、本明細書等において、複数のセンサ素子の各々が能動素子を有するタッチセンサをアクティブマトリクス方式のタッチセンサと呼ぶ。
タッチパネルモジュールは、第1の基板21と第2の基板31とが接着層220によって貼り合わされた構成を有する。第1の基板21上には、容量素子110、トランジスタ251、トランジスタ252、コンタクト部253、着色層114、遮光層115、第3の導電層116a乃至116d、第4の導電層117a等が設けられている。また第2の基板31上には、トランジスタ201乃至トランジスタ203、発光素子204、コンタクト部205等が設けられている。
第2の基板31上には接着層211を介して絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層215、絶縁層216、絶縁層217、絶縁層218、スペーサ219、導電層225等を有する。
絶縁層217上に発光素子204が設けられている。発光素子204は、第1の電極221、EL層222、第2の電極223を有する(図5(B)参照)。また第1の電極221とEL層222との間には、光学調整層224が設けられている。絶縁層218は、第1の電極221および光学調整層224の端部を覆って設けられている。
図5(A)では、画素33に、電流制御用のトランジスタ201と、スイッチング制御用のトランジスタ202を有する構成を示している。トランジスタ201は、ソース又はドレインの一方が導電層225を介して第1の電極221と電気的に接続している。
図5(A)では、回路34にトランジスタ203が設けられている例を示している。
図5(A)では、トランジスタ201およびトランジスタ203として、チャネルが形成される半導体層を2つのゲート電極で挟持する構成を適用した例を示している。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルまたはタッチパネルを大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することが可能である。
なお、回路34が有するトランジスタと画素33が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路34が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、画素33が有するトランジスタは、同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、第1の基板21側に設けられるトランジスタ(トランジスタ251、トランジスタ252等)においても、同様の構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
発光素子204はトップエミッション構造の発光素子であり、第2の電極223側に光を射出する。発光素子204の発光領域と重ねて、トランジスタ201、トランジスタ202等のほか、容量素子や配線を配置することで、画素33の開口率を高めることができる。
第1の基板21の第2の基板31側には、接着層261を介して絶縁層262、絶縁層263、絶縁層264、絶縁層265、第1の導電層111、絶縁層112、第2の導電層113、絶縁層266、絶縁層267、絶縁層268、着色層114、遮光層115、第3の導電層116a乃至116d、第4の導電層117a等を有する。ここで、図5(A)の一部は、図4中に示す切断線A−Bに相当する断面構造を示している。
第1の導電層111は、絶縁層112、絶縁層266、遮光層115、絶縁層267に設けられた開口を介して、第3の導電層116aと電気的に接続している。第3の導電層116aは、絶縁層264、絶縁層265、絶縁層112、絶縁層266、遮光層115、絶縁層267に設けられた開口を介してトランジスタ251のソース又はドレインの一方と電気的に接続している。
第3の導電層116bとトランジスタ251のソース又はドレインの他方とは、これらの間の各絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。第4の導電層117aは絶縁層268に設けられた開口を介して第3の導電層116b及び116dと電気的に接続している。また、第4の導電層117aと重ねて、第3の導電層116cが配置されている。
なお、図5(A)では第4の導電層117aを第3の導電層116a等よりも第2の基板31側に配置する構成を示したが、この積層順を入れ替えてもよい。すなわち、第3の導電層116a等を絶縁層268よりも第2の基板31側に配置し、第4の導電層117a等を絶縁層267と絶縁層268の間に配置してもよい。
発光素子204の発光領域と着色層114は互いに重ねて設けられ、発光素子204から射出された光は着色層114を透過して第1の基板21側に射出される。図5(A)に示すように、第1の導電層111および第2の導電層113を発光素子204と重ねて配置する場合には、これらに可視光に対して透光性を有する導電性材料を用いることが好ましい。
また第1の基板21と第2の基板31に可撓性を有する材料を用いることで、フレキシブルなタッチパネルを実現できる。
また、本発明の一態様のタッチパネルはカラーフィルタ方式を用いている。例えば着色層114としてR(赤)、G(緑)、B(青)のうちいずれかが適用された3色の画素により1つの色を表現する構成としてもよい。また、これに加えてW(白)やY(黄)の画素を適用した構成としてもよい。
着色層114と、光学調整層224によるマイクロキャビティ構造の組み合わせにより、本発明の一態様のタッチパネルからは、色純度の高い光を取り出すことができる。光学調整層224の厚さは、各画素の色に応じて異なる厚さとすればよい。また画素によっては光学調整層224を有さない構成としてもよい。
また発光素子204が備えるEL層222として、白色を発光するEL層を適用することが好ましい。このような発光素子204を適用することで、各画素にEL層222を塗り分ける必要がないためコストを削減できるほか、画素の高精細化が容易となる。また各画素における光学調整層224の厚さを変更することにより、各々の画素に適した波長の発光を取り出すことができ、色純度を高めることができる。なお、各画素に対してEL層222を塗り分ける構成としてもよく、その場合には光学調整層224を用いない構成とすることもできる。
第2の基板31上に設けられたコンタクト部205と重なる領域に位置する各絶縁層等には開口部が設けられ、当該開口部に配置された接続層260によりコンタクト部205とFPC41とが電気的に接続している。また、第1の基板21と重なる領域に位置する各絶縁層等には開口部が設けられ、当該開口部に配置された接続層210を介してコンタクト部253とFPC42が電気的に接続している。
図5(A)では、コンタクト部205がトランジスタのソース電極及びドレイン電極と同一の導電膜を加工して形成された導電層を有する構成を示している。またコンタクト部253は、トランジスタのゲート電極と同一の導電膜を加工して形成された導電層、トランジスタのソース電極及びドレイン電極と同一の導電膜を加工して形成された導電層、及び第2の導電層113と同一の導電膜を加工して形成された導電層の積層構造を有する構成を示している。このように、コンタクト部を複数の導電層を積層した構成とすることで、電気抵抗を低減するだけでなく、機械的強度を高めることができるため好ましい。
接続層210や接続層260としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
絶縁層212および絶縁層262は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層212および絶縁層262はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、第1の基板21や第2の基板31として透湿性を有する材料を用いたとしても、発光素子204や各トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能で、信頼性の高いタッチパネルを実現できる。
〔各構成要素について〕
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。図5(A)には、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合を示している。
なお、本発明のタッチパネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、酸化物半導体、シリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えば、4族の元素、化合物半導体又は酸化物半導体を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む酸化物半導体などを適用できる。
特に、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
例えば、上記酸化物半導体として、少なくともインジウム(In)もしくは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。より好ましくは、In−M−Zn系酸化物(MはAl、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)で表記される酸化物を含む。
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面、または半導体層の上面に対し概略垂直に配向し、且つ隣接する結晶部間には粒界を有さない酸化物半導体膜を用いることが好ましい。
このような酸化物半導体は、結晶粒界を有さないために表示パネルを湾曲させたときの応力によって酸化物半導体膜にクラックが生じてしまうことが抑制される。したがって、可撓性を有し、湾曲させて用いるタッチパネルなどに、このような酸化物半導体を好適に用いることができる。
また半導体層としてこのような酸化物半導体を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
また、その低いオフ電流により、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各表示領域に表示した画像の諧調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、シリコンを用いることが好ましい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。このような多結晶半導体を画素に適用することで画素の開口率を向上させることができる。また極めて高精細に画素を有する場合であっても、ゲート駆動回路とソース駆動回路を画素と同一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、タッチパネルを構成する各種配線および電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンからなる単体金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
また、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、またはチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。
各種絶縁層、スペーサ219等に用いることのできる絶縁材料としては、例えばアクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂のほか、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また上述のように、発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性の低下を抑制できる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/m2・day]以下、好ましくは1×10−6[g/m2・day]以下、より好ましくは1×10−7[g/m2・day]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/m2・day]以下とする。
各接着層としては、熱硬化樹脂や光硬化樹脂、2液混合型の硬化性樹脂などの硬化性樹脂を用いることができる。例えば、アクリル、ウレタン、エポキシ、またはシロキサン結合を有する樹脂などの樹脂を用いることができる。
EL層222は少なくとも発光層を有する。EL層222は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層222には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層222を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
遮光層115に用いることのできる材料としては、カーボンブラック、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。
着色層114に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料又は染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
なお、遮光層115の代わりに、異なる色の着色層114を積層した積層構造を、遮光層115として機能させてもよい。例えば、隣接する画素33のそれぞれに重ねて設けられる2つの着色層114の一部を重畳させ、遮光層115として用いる構成としてもよい。
また、遮光層115を、隣接する画素のうち同色の画素の間には配置せず、異色の画素の間にのみ配置する構成としてもよい。その場合には、隣接する2つの同色の画素の間の領域と、第3の導電層116(及び/または第4の導電層117)とが互いに重なるように配置すればよい。または、第4の導電層117として透光性を有する材料を用い、遮光層115が設けられていない部分に配置される第4の導電層117を介して、遮光層115と重ねて設けられる2つの第3の導電層116を電気的に接続する構成としてもよい。
〔作製方法例〕
ここで、可撓性を有するタッチパネルを作製する方法について説明する。
ここでは便宜上、画素や回路を含む構成、カラーフィルタ等の光学部材を含む構成またはタッチセンサを含む構成を素子層と呼ぶこととする。素子層は例えば表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
またここでは、素子層が形成される絶縁表面を備える支持体(例えば第1の基板21または第2の基板31)のことを、基材と呼ぶこととする。
可撓性を有する絶縁表面を備える基材上に素子層を形成する方法としては、基材上に直接素子層を形成する方法と、基材とは異なる剛性を有する支持基材上に素子層を形成した後、素子層と支持基材とを剥離して素子層を基材に転置する方法と、がある。
基材を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基材上に直接素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基材を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。
また、素子層を支持基材上に形成した後に、基材に転置する方法を用いる場合、まず支持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基材と素子層を剥離し、基材に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。
例えば剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上に窒化シリコンや酸窒化シリコンを複数積層した層を用いることが好ましい。高融点金属材料を用いると、素子層の形成工程の自由度が高まるためこのましい。
剥離は、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面の一部に液体を滴下して剥離界面全体に浸透させることなどにより剥離を行ってもよい。または、熱膨張の違いを利用して剥離界面に熱を加えることにより剥離を行ってもよい。
また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いて、有機樹脂の一部をレーザ光等を用いて局所的に加熱することにより剥離の起点を形成し、ガラスと絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。または、支持基材と有機樹脂からなる絶縁層の間に金属層を設け、当該金属層に電流を流すことにより当該金属層を加熱することにより、当該金属層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。このとき、有機樹脂からなる絶縁層は基材として用いることができる。
可撓性を有する基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10−6/K以下であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグとも記す)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布または不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を可撓性を有する基板として用いても良い。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好ましい。
または、可撓性を有する程度に薄いガラス、金属などを基材に用いることもできる。または、ガラスと樹脂材料とが貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
例えば、図5(A)に示す構成の場合、第1の支持基材上に第1の剥離層、絶縁層262を順に形成した後に、それよりも上層の構造物を形成する。またこれとは別に、第2の支持基材上に第2の剥離層、絶縁層212を順に形成した後に、それよりも上層の構造物を形成する。続いて、第1の支持基材と第2の支持基材を接着層220により貼り合せる。その後、第2の剥離層と絶縁層212との界面で剥離することで第2の支持基材及び第2の剥離層を除去し、絶縁層212と第2の基板31とを接着層211により貼り合せる。また、第1の剥離層と絶縁層262との界面で剥離することで第1の支持基材及び第1の剥離層を除去し、絶縁層262と第1の基板21とを接着層261により貼り合せる。なお、剥離及び貼り合せはどちら側を先に行ってもよい。
以上が可撓性を有するタッチパネルを作製する方法についての説明である。
〔断面構成例2〕
図6に、図5とは構成の一部が異なる断面構成例を示す。図6に示す構成は、図5で示した構成と比較し、第1の導電層111の構成が異なる点で主に相違している。
図6では、図5における第1の導電層111に代えて、トランジスタ251およびトランジスタ252の半導体層と同一の膜を加工して形成した半導体層を有する第1の導電層111aを適用した場合を示している。また第1の導電層111aは、絶縁層265に接して設けられている。
ここで、第1の導電層111aは酸化物半導体を含むことが好ましい。酸化物半導体は、膜中の酸素欠損または/及び水素、水等の不純物濃度によって、抵抗を制御することができる半導体材料である。そのため、第1の導電層111aに適用する半導体層と、トランジスタに適用する半導体層とを同一の半導体膜を加工して形成した場合であっても、それぞれの半導体層に対して、酸素欠損または/及び不純物濃度が増加する処理、または酸素欠損または/及び不純物濃度が低減する処理を選択して施すことにより、これら半導体層の抵抗率を制御することができる。
具体的には、容量素子110の電極として機能する第1の導電層111aに含まれる酸化物半導体層にプラズマ処理を行い、酸化物半導体層中の酸素欠損を増加させる。または/及び酸化物半導体層中の水素、水等の不純物を増加させることによって、キャリア密度が高く、低抵抗な酸化物半導体を含む第1の導電層111aとすることができる。また酸化物半導体層に水素を含む絶縁膜(絶縁層265)を接して形成し、該水素を含む絶縁膜から酸化物半導体層に水素を拡散させることによって、キャリア密度が高く、低抵抗な酸化物半導体層とすることができる。このような酸化物半導体層を第1の導電層111aに適用することができる。
一方、トランジスタ251やトランジスタ252上には、酸化物半導体層が上記プラズマ処理に曝されないように、絶縁層264を設ける。また、絶縁層264を設けることによって、酸化物半導体層が水素を含む絶縁層265と接しない構成とすることができる。絶縁層264として、酸素を放出することが可能な絶縁膜を用いることで、トランジスタの酸化物半導体層に酸素を供給することができる。酸素が供給された酸化物半導体層は、膜中または膜の界面における酸素欠損が低減され高抵抗な酸化物半導体層となる。なお、酸素を放出することが可能な絶縁膜として、例えば酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、酸化物半導体層に行うプラズマ処理としては、代表的には、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe)、リン、ボロン、水素、及び窒素の中から選ばれた一種を含むガスを用いたプラズマ処理が挙げられる。より具体的には、Ar雰囲気下でのプラズマ処理、Arと水素の混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、アンモニア雰囲気下でのプラズマ処理、Arとアンモニアの混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、又は窒素雰囲気下でのプラズマ処理などが挙げられる。
上記プラズマ処理によって、酸化物半導体層は、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損が形成される。当該酸素欠損は、キャリアを発生する要因になりえる場合がある。また、酸化物半導体層の近傍、より具体的には、酸化物半導体層の下側または上側に接する絶縁層膜から水素が供給され、上記酸素欠損に水素が入ると、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、プラズマ処理によって酸素欠損が増加された第1の導電層111aに適用する酸化物半導体層は、トランジスタに適用する酸化物半導体層よりもキャリア密度が高い。
一方、酸素欠損が低減され、水素濃度が低減されたトランジスタに適用する酸化物半導体層は、高純度真性化、又は実質的に高純度真性化された酸化物半導体層といえる。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体のキャリア密度が、1×1017/cm3未満であること、好ましくは1×1015/cm3未満であること、さらに好ましくは1×1013/cm3未満であることを指す。または、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性又は実質的に高純度真性とよぶ。高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、当該酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がプラスとなる電気特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)になりやすい。また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体層は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度を低減することができる。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体層は、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅が1×106μmでチャネル長Lが10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。したがって、酸化物半導体層にチャネル領域が形成されるトランジスタ251やトランジスタ252等は、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、第2の基板31側に設けられるトランジスタ201、トランジスタ202、トランジスタ203等も同様の酸化物半導体層を適用することが好ましい。
また、図6においては、絶縁層264は容量素子110の電極として機能する第1の導電層111aと重なる領域が選択的に除去されるように設けられている。また、絶縁層265は、第1の導電層111aと接して形成した後、第1の導電層111a上から除去されていてもよい。絶縁層265として、例えば水素を含む絶縁膜、換言すると水素を放出することが可能な絶縁膜、代表的には窒化シリコン膜を用いることで、第1の導電層111aに水素を供給することができる。水素を放出することが可能な絶縁膜は、膜中の含有水素濃度が1×1022atoms/cm3以上であると好ましい。このような絶縁膜を第1の導電層111aに接して形成することで、第1の導電層111aに効果的に水素を含有させることができる。このように、上述したプラズマ処理と合わせて、酸化物半導体層に接する絶縁膜の構成を変えることによって、酸化物半導体層の抵抗を任意に調整することができる。なお、十分に低抵抗された酸化物半導体を含む層を酸化物導電体層と言い換えることもできる。
第1の導電層111aに含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。当該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合することで、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、水素が含まれている第1の導電層111aに含まれる酸化物半導体は、トランジスタに適用する酸化物半導体よりもキャリア密度が高い。
トランジスタのチャネル領域が形成される酸化物半導体層は水素ができる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体層において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、5×1018atoms/cm3未満、好ましくは1×1018atoms/cm3以下、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm3以下とする。
一方、容量素子110の電極として機能する第1の導電層111aに含まれる酸化物半導体は、上記トランジスタに適用される酸化物半導体よりも、水素濃度または/及び酸素欠損が多く、低抵抗化されている。
第1の導電層111a及びトランジスタに適用する酸化物半導体層は、代表的には、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Mg、Al、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、又はHf)等の金属酸化物で形成される。なお、第1の導電層111a及びトランジスタに適用する酸化物半導体層は、透光性を有する。
なお、第1の導電層111a及びトランジスタに適用する酸化物半導体層がIn−M−Zn酸化物の場合、In及びMの和を100atomic%としたとき、Inが25atomic%以上、Mが75atomic%未満、又はInが34atomic%以上、Mが66atomic%未満とする。
第1の導電層111a及びトランジスタに適用する酸化物半導体層は、エネルギーギャップが2eV以上、又は2.5eV以上、又は3eV以上であることが好ましい。
第1の導電層111a及びトランジスタに適用する酸化物半導体層の厚さは、3nm以上200nm以下、又は3nm以上100nm以下、又は3nm以上60nm以下とすることができる。
第1の導電層111a及びトランジスタに適用する酸化物半導体層がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:1.5、In:M:Zn=2:1:2.3、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2等が好ましい。なお、成膜される第1の導電層111a及びトランジスタに適用する酸化物半導体層の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
また、酸素欠損が形成された酸化物半導体に水素を添加すると、酸素欠損サイトに水素が入り伝導帯近傍にドナー準位が形成される。この結果、酸化物半導体は、導電性が高くなり、導電体化する。導電体化された酸化物半導体を酸化物導電体ということができる。一般に、酸化物半導体は、エネルギーギャップが大きいため、可視光に対して透光性を有する。一方、酸化物導電体は、伝導帯近傍にドナー準位を有する酸化物半導体である。したがって、該ドナー準位による吸収の影響は小さく、可視光に対して酸化物半導体と同程度の透光性を有する。酸化物導電体は、縮退半導体であり、伝導帯端とフェルミ準位とが一致または略一致しているということもできる。このため、酸化物導電体膜を、容量素子の電極等に用いることが可能である。
図6に示す構成とすることで、第1の導電層111aをトランジスタの作製工程で同時に形成することができるため、工程を簡略化することが可能となる。また図6における第1の導電層111aを形成する際のフォトマスクを必要としないため、作製コストを削減することも可能である。
以上が、断面構成例についての説明である。
なお、本実施の形態では、タッチセンサとして、センサ素子がトランジスタ等の能動素子を備えるアクティブマトリクス方式のタッチセンサを例示したが、能動素子を有さないパッシブマトリクス方式のタッチセンサとしてもよい。また、本実施の形態では、タッチセンサを支持する第1の基板と、表示素子を支持する第2の基板の2枚の基板を有する構成を示したが、これに限られない。例えば表示素子を2枚の基板で挟持し、これにタッチセンサを支持する第1の基板を貼り合せ、3枚の基板を有する構成としてもよいし、表示素子及びタッチセンサのそれぞれを2枚の基板で挟持したものを貼り合せて、4枚の基板を有する構成としてもよい。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様のタッチセンサの構成例と、その駆動方法の例について、図面を参照して説明する。
[構成例]
図7(A)は、本発明の一態様のタッチパネル(入出力装置ともいう)が有する構成を説明するブロック図である。図7(B)は、変換器CONVの構成を説明する回路図である。図7(C)はセンサ素子22の構成を説明する回路図である。また図7(D−1)及び図7(D−2)はセンサ素子22の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
本実施の形態で例示するタッチセンサは、マトリクス状に配置される複数のセンサ素子22と、行方向に配置される複数のセンサ素子22が電気的に接続される信号線DLと、センサ素子22、走査線G1及び信号線DLが配設される可撓性の基板21と、を有する(図7(A)参照)。
例えば、複数のセンサ素子22をn行m列(n及びmはそれぞれ1以上の自然数)のマトリクス状に配置することができる。
なお、センサ素子22は検知素子として機能する容量素子Cを備える。容量素子Cは実施の形態1における容量素子110に相当する。例えば、容量素子Cの第1の電極が実施の形態1における第1の導電層111に相当し、第2の電極が第2の導電層113に相当する。
また、信号線DL、走査線G1等の配線に、実施の形態1における第3の導電層116や第4の導電層117を適用することができる。
容量素子Cの第2の電極は配線CSと電気的に接続されている。これにより、容量素子Cの第2の電極の電位を、配線CSが供給する制御信号を用いて制御することができる。
本発明の一態様のセンサ素子22は、少なくともトランジスタM1を有する。またトランジスタM2及び/またはトランジスタM3を備える構成としてもよい(図7(C)参照)。
トランジスタM1は、ゲートが容量素子Cの第1の電極と電気的に接続され、第1の電極が、配線VPIと電気的に接続されている。配線VPIは、例えば接地電位を供給する機能を有する。
トランジスタM2は、ゲートが走査線G1と電気的に接続され、第1の電極がトランジスタM1の第2の電極と電気的に接続され、第2の電極が信号線DLと電気的に接続されている。走査線G1は、例えば選択信号を供給する機能を有する。また信号線DLは、例えば検知信号DATAを供給する機能を有する。
トランジスタM3は、ゲートが配線RESと電気的に接続され、第1の電極が容量素子Cの第1の電極と電気的に接続され、第2の電極が配線VRESと電気的に接続されている。配線RESは、例えばリセット信号を供給する機能を有する。配線VRESは、例えばトランジスタM1を導通状態にすることのできる電位を供給する機能を有する。
容量素子Cの容量は、例えば、第1の電極または第2の電極にものが近接すること、若しくは第1の電極および第2の電極の間隔が変化することにより変化する。これにより、センサ素子22は容量素子Cの容量の変化に基づく検知信号DATAを供給することができる。
また、容量素子Cの第2の電極に電気的に接続される配線CSは、容量素子Cの第2の電極の電位を制御する制御信号を供給する機能を有する。
なお、容量素子Cの第1の電極、トランジスタM1のゲート及びトランジスタM3の第1の電極が電気的に接続されて形成されるノードを、ノードAという。
図8(A)には、センサ素子22を行方向に2個、列方向に2個、それぞれ配置した場合の回路図の例を示す。
図8(B)には、センサ素子22が有する第1の導電層111(第1の電極に相当)と、各配線との位置関係の例を示している。第1の導電層111は、トランジスタM1のゲートとトランジスタM3の第2の電極がそれぞれ電気的に接続されている。また第1の導電層111は、図8(C)に示す複数の画素33と互いに重なるように配置されている。また図8(B)に示すように、トランジスタM1乃至M3を、第1の導電層111と重ならない領域に配置することが好ましい。
また、図9(A)乃至(C)に示すように、センサ素子22がトランジスタM2を有さない構成としてもよい。このとき、行方向に複数配置されるセンサ素子22において、各々の容量素子Cの第2の電極が、配線CSに代えて走査線G1と電気的に接続する構成とすればよい。
図7(B)に示す配線VPO及び配線BRは、例えばトランジスタを導通状態にすることができる程度の高電源電位を供給する機能を有する。また信号線DLは検知信号DATAを供給する機能を有する。端子OUTは検知信号DATAに基づいて変換された信号を供給する機能を有する。
変換器CONVは変換回路を備える。検知信号DATAを変換して端子OUTに供給することができる様々な回路を、変換器CONVに用いることができる。例えば、変換器CONVをセンサ素子22に電気的に接続することにより、ソースフォロワ回路またはカレントミラー回路として機能する回路を適用してもよい。
具体的には、トランジスタM4を用いた変換器CONVを用いて、ソースフォロワ回路を構成できる(図7(B)参照)。なお、トランジスタM1乃至M3と同一の工程で作製することのできるトランジスタをトランジスタM4に用いてもよい。
例えば実施の形態1で例示したトランジスタ251またはトランジスタ252等の構成を、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれに適用することができる。
なお、変換機CONVの構成は、図7(B)に示す構成に限られない。図10に変換器CONVの異なる構成例を示している。
図10(A)に示す変換器CONVは、トランジスタM4に加えてトランジスタM5を有する。具体的にはトランジスタM5は、ゲートが信号線DLと電気的に接続し、第1の電極が端子OUTと電気的に接続し、第2の電極が配線GNDと電気的に接続する。配線GNDは、例えば接地電位を供給する機能を有する。また、図10(B)に示すように、トランジスタM4及びトランジスタM5が、それぞれ第2のゲートを有する構成としてもよい。このとき、第2のゲートは、ゲートと電気的に接続する構成とすることが好ましい。
また図10(C)に示す変換器CONVは、トランジスタM5及び抵抗Rを有する。具体的には、トランジスタM4はゲートが配線BR1と電気的に接続する。トランジスタM5は、ゲートが配線BR2と電気的に接続し、第1の電極が端子OUT、及び抵抗Rの第2の電極と電気的に接続し、第2の電極が配線GNDと電気的に接続する。抵抗Rは、第1の電極が配線VDDと電気的に接続している。配線BR1及び配線BR2は、例えばそれぞれトランジスタを導通状態にすることのできる程度の高電源電位を供給する機能を有する。配線VDDは、例えば高電源電位を供給する機能を有する。
[駆動方法例]
続いて、図7を参照してセンサ素子22の駆動方法について説明する。
〔第1のステップ〕
第1のステップにおいて、トランジスタM3を導通状態にした後に非導通状態にするリセット信号を、トランジスタM3のゲートに供給し、容量素子Cの第1の電極の電位(すなわちノードAの電位)を所定の電位にする(図7(D−1)、期間T1参照)。
具体的には、リセット信号を配線RESに供給する。リセット信号が供給されたトランジスタM3は、ノードAの電位を例えばトランジスタM1を導通状態にすることのできる電位にする。
〔第2のステップ〕
第2のステップにおいて、トランジスタM2を導通状態にする選択信号をトランジスタM2のゲートに供給し、トランジスタM1の第2の電極を信号線DLに電気的に接続する(図7(D−1)、期間T2参照)。
具体的には、走査線G1に選択信号を供給する。選択信号が供給されたトランジスタM2は、トランジスタM1の第2の電極を信号線DLに電気的に接続する。
〔第3のステップ〕
第3のステップにおいて、制御信号を容量素子Cの第2の電極に供給し、制御信号及び容量素子Cの容量に基づいて変化する電位をトランジスタM1のゲートに供給する。
具体的には、配線CSに矩形の制御信号を供給する。矩形の制御信号を容量素子Cの第2の電極に供給すると、容量素子Cの容量に基づいてノードAの電位が変化する(図7(D−1)、期間T2の後半を参照)。
例えば、容量素子Cが大気中におかれている場合、大気より誘電率の高いものが、容量素子Cの第2の電極に近接して配置された場合、容量素子Cの容量は見かけ上大きくなる。
これにより、矩形の制御信号がもたらすノードAの電位の変化は、大気より誘電率の高いものが近接して配置されていない場合に比べて小さくなる(図7(D−2)、実線参照)。
または、タッチパネルの変形に伴い、容量素子Cの第1の電極と第2の電極の間隔が変化した場合にも、容量素子Cの容量が変化する。これにより、ノードAの電位が変化する。
〔第4のステップ〕
第4のステップにおいて、トランジスタM1のゲートの電位の変化がもたらす信号を信号線DLに供給する。
例えば、トランジスタM1のゲートの電位の変化がもたらす電流の変化を信号線DLに供給する。
変換器CONVは、例えば信号線DLを流れる電流の変化を電圧の変化に変換して供給する。
〔第5のステップ〕
第5のステップにおいて、トランジスタM2を非導通状態にする選択信号をトランジスタM2のゲートに供給する。
以上で、1つの走査線G1に電気的に接続される複数のセンサ素子22の動作が完了する。
n個の走査線G1有する場合には、走査線G1(1)乃至走査線G1(n)について、それぞれ第1のステップから第5のステップを繰り返せばよい。
または、配線RES及び配線CSを、各センサ素子22に共通とした場合には、図11に示すような駆動方法を行ってもよい。すなわち、まず配線RESにリセット信号を供給する。次いで、配線CSに制御信号を供給した状態で、走査線G1(1)乃至走査線G1(n)に、順次選択信号を供給することにより、ノードAの電位の変化がもたらす信号を信号線DL(1)乃至信号線DL(m)に供給する。
このような方法により、リセット信号の供給及び制御信号の供給の頻度を少なくすることができる。
以上が駆動方法についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様を適用して作製できる電子機器及び照明装置について、図12及び図13を用いて説明する。
本発明の一態様のタッチパネルは可撓性を有する。したがって、可撓性を有する電子機器や照明装置に好適に用いることができる。また、本発明の一態様を適用することで、信頼性が高く、繰り返しの曲げに対して強い電子機器や照明装置を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様のタッチパネルは可撓性を有するため、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器は、タッチパネル及び二次電池を有していてもよい。このとき、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、タッチパネル及びアンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図12(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402のほか、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、本発明の一態様のタッチパネルを表示部7402に用いることにより作製される。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯電話機を歩留まりよく提供できる。
図12(A)に示す携帯電話機7400は、指などで表示部7402に触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指などで表示部7402に触れることにより行うことができる。
また、操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7402に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
図12(B)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7100は、筐体7101、表示部7102、バンド7103、バックル7104、操作ボタン7105、入出力端子7106などを備える。
携帯情報端末7100は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部7102はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7102はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7102に表示されたアイコン7107に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
操作ボタン7105は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7100に組み込まれたオペレーションシステムにより、操作ボタン7105の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯情報端末7100は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7100は入出力端子7106を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7106を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7106を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯情報端末7100の表示部7102には、本発明の一態様のタッチパネルが組み込まれている。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯情報端末を歩留まりよく提供できる。
図12(C)〜(E)は、照明装置の一例を示している。照明装置7200、照明装置7210、及び照明装置7220は、それぞれ、操作スイッチ7203を備える台部7201と、台部7201に支持される発光部を有する。
図12(C)に示す照明装置7200は、波状の発光面を有する発光部7202を備える。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
図12(D)に示す照明装置7210の備える発光部7212は、凸状に湾曲した2つの発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7210を中心に全方位を照らすことができる。
図12(E)に示す照明装置7220は、凹状に湾曲した発光部7222を備える。したがって、発光部7222からの発光を、照明装置7220の前面に集光するため、特定の範囲を明るく照らす場合に適している。
また、照明装置7200、照明装置7210及び照明装置7220の備える各々の発光部はフレキシブル性を有しているため、発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
なおここでは、台部によって発光部が支持された照明装置について例示したが、発光部を備える筐体を天井に固定する、又は天井からつり下げるように用いることもできる。発光面を湾曲させて用いることができるため、発光面を凹状に湾曲させて特定の領域を明るく照らす、又は発光面を凸状に湾曲させて部屋全体を明るく照らすこともできる。
ここで、各発光部には、本発明の一態様のタッチパネルが組み込まれている。本発明の一態様により、湾曲した発光部を備え、且つ信頼性の高い照明装置を歩留まりよく提供できる。
図12(F)には、携帯型のタッチパネルの一例を示している。タッチパネル7300は、筐体7301、表示部7302、操作ボタン7303、引き出し部材7304、制御部7305を備える。
タッチパネル7300は、筒状の筐体7301内にロール状に巻かれたフレキシブルな表示部7102を備える。
また、タッチパネル7300は制御部7305によって映像信号を受信可能で、受信した映像を表示部7302に表示することができる。また、制御部7305にはバッテリをそなえる。また、制御部7305にコネクターを接続する端子部を備え、映像信号や電力を有線により外部から直接供給する構成としてもよい。
また、操作ボタン7303によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え等を行うことができる。
図12(G)には、表示部7302を引き出し部材7304により引き出した状態のタッチパネル7300を示す。この状態で表示部7302に映像を表示することができる。また、筐体7301の表面に配置された操作ボタン7303によって、片手で容易に操作することができる。また、図12(F)のように操作ボタン7303を筐体7301の中央でなく片側に寄せて配置することで、片手で容易に操作することができる。
なお、表示部7302を引き出した際に表示部7302の表示面が平面状となるように固定するため、表示部7302の側部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によって音声を出力する構成としてもよい。
表示部7302には、本発明の一態様のタッチパネルが組み込まれている。本発明の一態様により、軽量で、且つ信頼性の高いタッチパネルを歩留まりよく提供できる。
図13(A)〜(C)に、折りたたみ可能な携帯情報端末310を示す。図13(A)に展開した状態の携帯情報端末310を示す。図13(B)に展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の携帯情報端末310を示す。図13(C)に折りたたんだ状態の携帯情報端末310を示す。携帯情報端末310は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。
表示パネル316はヒンジ313によって連結された3つの筐体315に支持されている。ヒンジ313を介して2つの筐体315間を屈曲させることにより、携帯情報端末310を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。本発明の一態様のタッチパネルを表示パネル316に用いることができる。例えば、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができるタッチパネルを適用できる。
なお、本発明の一態様において、タッチパネルが折りたたまれた状態又は展開された状態であることを検知して、検知情報を供給するセンサを備える構成としてもよい。タッチパネルの制御装置は、タッチパネルが折りたたまれた状態であることを示す情報を取得して、折りたたまれた部分(又は折りたたまれて使用者から視認できなくなった部分)の動作を停止してもよい。具体的には、表示を停止してもよい。また、タッチセンサによる検知を停止してもよい。
同様に、タッチパネルの制御装置は、タッチパネルが展開された状態であることを示す情報を取得して、表示やタッチセンサによる検知を再開してもよい。
図13(D)(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末320を示す。図13(D)に表示部322が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末320を示す。図13(E)に、表示部322が内側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末320を示す。携帯情報端末320を使用しない際に、非表示部325を外側に折りたたむことで、表示部322の汚れや傷つきを抑制できる。本発明の一態様のタッチパネルを表示部322に用いることができる。
図13(F)は携帯情報端末330の外形を説明する斜視図である。図13(G)は、携帯情報端末330の上面図である。図13(H)は携帯情報端末340の外形を説明する斜視図である。
携帯情報端末330、340は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用いることができる。
携帯情報端末330、340は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン339を一の面に表示することができる(図13(F)(H))。また、破線の矩形で示す情報337を他の面に表示することができる(図13(G)(H))。なお、情報337の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、電子メールやや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名、電子メールなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報337が表示されている位置に、情報337の代わりに、操作ボタン339、アイコンなどを表示してもよい。なお、図13(F)(G)では、上側に情報337が表示される例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、図13(H)に示す携帯情報端末340のように、横側に表示されていてもよい。
例えば、携帯情報端末330の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末330を収納した状態で、その表示(ここでは情報337)を確認することができる。
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末330の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末330をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
携帯情報端末330の筐体335、携帯情報端末340の筐体336がそれぞれ有する表示部333には、本発明の一態様のタッチパネルを用いることができる。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高いタッチパネルを歩留まりよく提供できる。
また、図13(I)に示す携帯情報端末345のように、3面以上に情報を表示してもよい。ここでは、情報355、情報356、情報357がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。
携帯情報端末345の筐体354が有する表示部358には、本発明の一態様のタッチパネルを用いることができる。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高いタッチパネルを歩留まりよく提供できる。