JP2015211830A - オーダーメイド枕及び該枕の設計方法 - Google Patents

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仁恵 下田
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Abstract

【課題】現在の枕及び現在のオーダーメイド枕でも解決できない肩こり等の問題を解消できる枕を提供すること。
【解決手段】重度の肩こりや緊張性頭痛(肩こりに起因する頭痛)の患者と肩こりを有さない健常者の様々な身体の外部情報及び内部情報を比較検討したところ、立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶ線による角度に有意な差異を有することを見出した。そして、該角度が肩こり等に影響を与えるという事実を基にして、該角度を調整可能な枕及び該枕の設計方法を完成した。
【選択図】なし

Description

本発明は、オーダーメイド枕及び該枕の設計方法に関する。
(現状の枕)
従来、安眠、肩こりの解消、脊髄・頸椎の矯正ために様々な枕が開発されている。これらの枕は、枕形状、枕の材質等を改良したものである。
しかし、これらの改良だけでは、各枕使用者によっては効果を感じることができない問題があった。
(オーダーメイド枕)
上記問題に対応すべく、各枕使用者の体形(骨格、身長)に併せたオーダーメイド枕が知られている。
例えば、枕使用者は、店舗に行き、自身の後頭部(頭)、首、背中、腰・お尻等の位置の測定や体重の測定を行う。
すなわち、枕の使用者の身体の外部情報のみを基にして、枕を設計している。
(先行報告)
下記記載のように枕に関する報告は存在する。
特許文献1は、「仰臥した時に後頭部を支える後頭部支持部、及び頸部を支える頸部支持部と、該後頭部支持部及び頸部支持部の両側に位置して、横臥した時に頭部両側を支える2個の頭部両側支持部とから構成され、該後頭部支持部と頸部支持部の高さが、仰臥した時の、鼻と顎の高さがほぼ水平になるように調整され、該頭部両側支持部の高さが、横臥した時の、頸椎と胸椎とがほぼ直線になるように調整されていることを特徴とする整体矯正枕」を開示している。
特許文献2は、「頭部を載置可能な主枕と、頸部を載置可能な補助枕とを備え、該補助枕に主枕よりも通気性の良好な詰物を充填した枕において、前記主枕の一端部に補助枕の一側面の中間部を揺動自在に連結し、該補助枕を前記連結部を中心に反転自在に設け、前記補助枕を主枕の表裏両面の一側に重合して配置可能にしたことを特徴とする枕」を開示している。
特許文献3は、「頚椎持ち上げ部を形成する弾性体上面の前面側に三重の円筒状弾性体を有し、芯部は円筒状の空洞の弾性体両側に一対のゴムチューブを設け中央部に横向き空洞を設け、その外周部は二重に円筒状に弾性体で形成し、前記円筒状弾性体中央部の横向き空洞に取り外し自在な頚骨持ち上げ円筒状パッドを設け、前記弾性体上面の前面側から中央側に向けて上向きの曲面を設け、頚椎斜面部前面側から中心線に沿って長手方向に空洞の縦溝を設け縦溝の上面両側に頚椎椎間関節受部を設けたことを特徴とする頚椎矯正枕」を開示している。
上記いずれの文献は、「オーダーメード枕」について開示又は示唆がない。
特許文献4は、「健康枕の使用者の写真を撮影してそれを通信手段により受注者コンピュータに送信し、受注者コンピュータにおいて受信した写真に撮影された使用者の姿勢状態を実際に布団に寝た場合の人間工学的設計による適正な姿勢状態として使用者と枕との必要測定部位を寸法基準により測定し、これらの測定値から予め設定したその使用者自身の健康に適した枕を設計するようにしたオーダーメイドシステムであって、前記人間工学的設計による適正な姿勢状態として使用者と枕との必要測定部位の測定は使用者が布団に仰向けに寝た状態で第七頚椎を支点xとして、この支点xから体の中心線dとの一定角度Qを有する標準傾斜線e上に頚部湾曲の最深部bが位置し、布団の床面から頚部湾曲の最深部bまでの高さNとこの高さNより一定値低い後頭部の凸部cまでの高さMとを測定するようにしたオーダーメイドシステムにおける枕の設計方法」を開示している。
しかしながら、該文献に記載のオーダーメイド枕は、身体の外部情報のみで設計されている。さらに、本発明の枕の特徴である「枕使用者が立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度が160〜175度になるように設計されていること」も開示していない。
特開平11−253287 特開2010−088548 特開2011−167325 特開2008−212669
本発明者(医師であり医学博士)は、現在の枕及び現状のオーダーメイド枕でも安眠、肩こり等の問題を解消できない患者を多数診察している。
そこで、本発明は、現在の枕及び現在のオーダーメイド枕でも解決できない肩こり等の問題を解消できる枕を提供することを課題とした。
本発明者は、現在の枕及び現在のオーダーメイド枕でも安眠、肩こり等の問題を解消できない重度の肩こりや緊張性頭痛(肩こりに起因する頭痛)の患者と肩こりを有さない健常者の様々な身体の外部情報及び内部情報を比較検討したところ、立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶ線による角度に有意な差異を有することを見出した(参照:図7)。そして、該角度が肩こり等に影響を与えるという事実を基にして、該角度を調整可能な枕及び該枕の設計方法を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
「1.下記の構造を有する枕、
(1)後頭部の最凸部(大後頭隆起)周辺支持部(B)、
(2)第4頸椎周辺の支持部(D)及び
(3)第7頸椎周辺の支持部(E)を有し、
枕使用者が布団に仰向けに寝た状態での該布団の床面から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さをHB、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さをHD及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さをHEとし、
該枕使用者が立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度N1が160〜175度になるようにHB、HD及びHEの高さが設定されていることを特徴とする枕。
2.さらに、頭部両側周辺の支持部(C)を含む前項1に記載の枕。
3.前項1又は2の枕において、
枕使用者の撮影画像測定により、肩甲骨の接線L2から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さをhb、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さをhd及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さをheとし、
(1)角度N1の測定値が160〜175度の場合には、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、hd及びheであり、
(2)角度N1の測定値が175度を超える場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdh(hdより高い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdh及びheであり、
(3)角度N1の測定値が160度未満の場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdl(hdより低い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdl及びheである、と設定することを特徴とする枕。
4.前記枕使用者の立位の状態とは、枕使用者がスニージングポジションの立位の状態である前項1〜3のいずれか1に記載の枕。
5.前記枕使用者の立位の状態とは、枕使用者がアロマを嗅いでいるスニージングポジションの立位の状態である前項1〜3のいずれか1に記載の枕。
6.下記の工程を含む枕の設計方法、
枕使用者の立位の状態での撮影画像により、
(1)枕使用者の肩甲骨の接線L2から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さであるhb、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さであるhd及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さであるhe、を設定する工程、
(2)枕使用者の立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度N1を設定する工程、
(3)下記の工程により、後頭部の最凸部(大後頭隆起)周辺支持部(B)の高さであるHB、第4頸椎周辺の支持部(D)の高さであるHD、及び第7頸椎周辺の支持部(E)の高さであるHEを設定する工程、
I:角度N1の測定値が160〜175度の場合には、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、hd及びheであり、
II:角度N1の測定値が175度を超える場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdh(hdより高い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdh及びheであり、
III:角度N1の測定値が160度の未満の場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdl(hdより低い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdl及びheであると設定する。」
本発明の枕は、使用者のアンケートより以下の効果を有することを確認した。
(1)肩こりの軽減効果
(2)首痛(特に、朝起きた時の首痛)の軽減効果
(3)熟睡(安眠)効果(特に、夜中に覚醒しなくなった)
(4)イビキ軽減効果
(5)歯ぎしり軽減効果
本発明の枕の上面図。 (1)本発明の枕の側面図(AはB、C、D、Eを覆っており、かつCを通過する側面断面図)、(2)本発明の枕の側面図(AはB、C、D、Eを覆っており、かつBを通過する側面断面図)、(3)本発明の枕の側面図(AはB、C、D、Eを覆っておらず、かつBを通過する側面断面図)。 hb、hd及びheを設定するための撮影画像(レントゲン写真)。 角度N1を測定するための撮影画像(レントゲン写真)。 (1)N1が175度を超える時のHDの設定方法、(2)N1が160度未満の時のHDの設定方法。 本発明の簡易版枕の上面図。 左図:肩こりを有さない健常者の頸椎の撮影画像(レントゲン写真)。右図:肩こりを有する患者の頸椎の撮影画像(レントゲン写真)。 病態別の患者の頸椎角度(角度N1)の表。NP:健常、MCH:筋緊張性頭痛、Migren:片頭痛、MCH+Migren:筋緊張性頭痛・片頭痛併発。*はP<0.05。
(本発明の枕)
本発明の枕は、下記の構造を有する(参照:図1、2)。
(1)後頭部の最凸部(大後頭隆起)周辺支持部(B)
(2)第4頸椎周辺の支持部(D)
(3)第7頸椎周辺の支持部(E)
枕使用者が布団に仰向けに寝た状態での該布団の床面から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さはHB、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さはHD及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さはHEである。
該枕使用者が立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度N1が160〜175度になるようにHB、HD及びHEの高さが設定されている。
本発明の枕は、好ましくは、さらに、頭部両側周辺の支持部(C)及び/又は頭頂部から肩甲骨部までの枕の最上層となる部分(A)も含む。
(本発明の枕の設計方法)
本発明の枕の設計方法(参照:図3、4)は、少なくとも下記の工程を含む。
枕使用者の立位の状態での撮影画像により、
(1)枕使用者の肩甲骨の接線L2から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さであるhb、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さであるhd及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さであるhe、を設定する工程、
(2)枕使用者の立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度N1を設定する工程、及び
(3)下記の工程により、後頭部の最凸部(大後頭隆起)周辺支持部(B)の高さであるHB、第4頸椎周辺の支持部(D)の高さであるHD、及び第7頸椎周辺の支持部(E)の高さであるHEを設定する工程。
I:角度N1の測定値が160〜175度の場合には、HB、HD及びHEを、それぞれ、hb、hd及びheに設定し、
II:角度N1の測定値が175度を超える場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdh(hdより高い値)として、HB、HD及びHEを、それぞれ、hb、chdh及びheに設定し、
III:角度N1の測定値が160度未満の場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdl(hdより低い値)として、HB、HD及びHEを、それぞれ、hb、chdl及びheに設定する。
なお、角度N1の測定値が175度を超える場合とは、〜約260、〜約230度、〜約200度の範囲を含む。
(枕使用者の撮影画像)
枕使用者の撮影画像は、従来のオーダーメイド枕とは異なり、身体の内部情報(N1、hb、hd、he等)が必要である。よって、撮影画像は、特に限定されないが、外来診療等によるレントゲン撮影画像が好ましい。
(枕使用者の撮影画像測定)
枕使用者の撮影画像測定は、立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度N1(参照:図4)の角度が測定できれば特に限定されない。特に、枕使用者のエックス線撮影条件では、立位側面で撮影し、肩甲骨から大後頭隆起までの照射野をとり角度N1が測定できれば特に限定されない。
さらに、好ましくは、枕使用者にスニージングポジションをとらせることが望ましい。スニージングポジションとは、匂いをかぐときに鼻とあごを前に突き出すようにする姿勢である。なお、測定時の必要に応じて、アロマ等の臭いを嗅いでもらって、鼻を前に突き出すような姿勢にしても良い。スニージングポジションにより、気道が一番開く姿勢になり、イビキが発生しにくくなる事実が知られているため、それを寝姿勢に応用する。さらに歯ぎしりが発生しにくくなることを目的とするため、リラックスした状態で、くちを閉じた状態で上下歯をお互いに接触させないようにして撮影することが望ましい。
(角度N1)
本発明者は、重度の肩こりや緊張性頭痛(肩こりに起因する頭痛)の患者と肩こりを有さない健常者の様々な身体の外部情報及び内部情報を比較検討したところ、立位の状態での角度N1に有意な差異を有することを確認している。より詳しくは、重度の肩こりや緊張性頭痛の患者の角度N1は平均180度であり、肩こりを有さない健常者の角度N1は平均173度であった。
よって、本発明の枕では、枕使用者が、立位の状態でのN1角度が160度〜175度の範囲に維持できるように、枕の後頭部の最凸部(大後頭隆起)周辺支持部(B)、第4頸椎周辺の支持部(D)及び第7頸椎周辺の支持部(E)の高さを各使用者に併せて設定する。
(角度N1の補正方法)
本発明では、上記新たな知見により、枕使用者が、立位の状態でのN1角度が160度〜175度の範囲に維持できるように、第4頸椎周辺の支持部(D)の高さHDを設定する。
(1)角度N1の測定値が160〜175度の場合には、補正する必要がない。よって、HB、HD及びHEを、それぞれ、hb、hd及びheにする。
(2)角度N1の測定値が175度を超える場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、図5(1)に記載のように、hdを補正してchdh(hdより高い値)を設定する。そして、HB、HD及びHEを、それぞれ、hb、chdh及びheにする。
(3)角度N1の測定値が160度未満の場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、図5(2)に記載のように、hdを補正してchdl(hdより低い値)を設定する。そして、HB、HD及びHEを、それぞれ、hb、chdl及びheにする。
通常は、HB及びHEは、それぞれ、hb及びheである。
しかし、枕使用者が、円背、ヘルニア及び変形性頸椎症状がある場合には、HB及びHEも調整することもできる。
より詳しくは、N1の調整を少なくするために、hb及びheを調整して、もとの形でのカーブを支持する等を行う。
{頭頂部から肩甲骨部までの枕の最上層となる部分(A)}
頭頂部から肩甲骨部までの枕の最上層となる部分(A)は、A1、A2を含む。なお、Aでは、綿が偏らないように、縫い目Mを入れてA1とA2を分けている。縫い目Mは、綿がよれてAの表面に高低差を出ることを抑えることができる。
さらに、枕使用者の肩が接する部分(S)は、厚みが出ないように綿を減らしている{参照:図2(2)(3)のSL}。
Aは、AがBとCに接する境界で二つ折りにして、B、C、D及びEの表面(上面)を覆うことにより、B、C、D及びE間の高低差による枕使用者の違和感を抑えることができる。
Aの形状は、特に限定されないが、四角柱が好ましい。
Aの材質は、特に限定されないが、綿が好ましい
{後頭部の最凸部周辺支持部(B)}
後頭部の最凸部周辺支持部(B)は、好ましくは、縫い目Mを有する。
縫い目Mは、首が左右にずれるのを抑えることができる。
Bの形状は、特に限定されないが、四角柱が好ましい。
Bの材質は、特に限定されないが、高さを保てる程度の硬さのあるプラスティックチューブが好ましい。プラスティックチューブは、チャックのついたBの部位よりBの内部に出し入れすることにより、容易にHBの高さを変えることができる。
{頭部両側周辺の支持部(C)}
側頭部周辺の支持部(C)は、Bの両側に位置し、好ましくは、縫い目Mを有することが好ましい。
縫い目Mは、充填しているプラスティックチューブが重さで偏って不安定になることを抑えることができる。すなわち、下顎をしっかり支えることができる。
Cの形状は、特に限定されないが、四角柱が好ましい。
Cの材質は、特に限定されないが、プラスティックチューブが好ましい。
HCは、特に限定されないが、好ましくは、枕使用者が横向きで寝たときの高さ(肩幅)に設定する。より詳しくは、メジャー等を用いて耳介から方に向けて垂線を下ろし、そこと肩関節の最外側となる上腕骨大結節部位までの距離に設定する。例えば、女性は平均8cm〜12cm程度、男性は10cm〜15cm程度に設定する。
{第4頸椎周辺の支持部(D)}
第4頸椎周辺の支持部(D)の形状は、特に限定されないが、円柱の形状が好ましい。
Dの材質は、特に限定されないが、プラスティックの粒が好ましい。プラスティックの粒は、圧することにより中の充填物が動き形や高さが変化することが起こりにくい素材である。さらに、プラスティックの粒は、数を変えることにより、HDを微調整することができる。
{第7頸椎周辺の支持部(E)}
第7頸椎周辺の支持部(E)は、少なくともE1を含み、好ましくはE2も含む。さらに、E1とE2の仕切り線L3を有する。Eは、第7頸椎から両肩甲骨間を保持するための支持部である。
E1の形状は、特に限定されないが、四角柱が好ましい。E2の形状は、特に限定されないが、三角柱が好ましい。E1、E2において、これらの高さをE1>E2とする。これらの高さにより、第7頚椎から両肩甲骨間に緩やかなカーブを保持することにより頚椎、胸椎が急な角度で接地することを防ぎ肩甲骨間の筋肉の緊張を和らげることができる。さらに、円背などのある人において最凸部に床ずれが生じないよう体圧を分散することもできる。
Eの材質は、特に限定されないが、ソフトチューブ(エラストマー)が好ましい。ソフトチューブ(エラストマー)は、柔らかいため違和感が少なく一箇所に体圧がかかることを抑制する。
(簡易枕)
本発明では、上記HB、HD及びHEを各枕使用者に併せて作成した枕だけでなく、図6に記載のように、HB、HD及びHEを各枕使用者に併せて作成していない簡易枕も対象とする。
本発明の簡易枕は、A(A1及びA2)、B、2つのC、D及びEからなる。
A、B、C、D及びEの材質は、特に限定されないが、それぞれ、綿、プラスティックチューブ、プラスティックチューブ、ソフトチューブ(エラストマー)及びプラスティックチューブが好ましい。
枕使用者は、プラスティックチューブ及びソフトチューブの量を変更することにより、HB、HC、HD及びHEを適宜調整することができる。
(各支持部の高さ)
上記各支持部の高さは、角度N1が160〜175度の範囲に設定できる限りには、枕使用者と接する面のすべての高さが均一かつ設定値である必要はない。例えば、HB、HD及びHEは、設定値±5cmでも良い。
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(病態別の角度N1の測定)
本発明の枕を、肩こり・頭痛を有する外来患者・入院患者に併せて作製するために、健常者15人、筋緊張性頭痛患者28人、片頭痛患者12人、及び筋緊張性頭痛・片頭痛併発患者10人の角度N1を計測した。詳しくは、以下の通りである。
健常者および各患者のエックス線撮影画像を撮影した。撮影条件は、立位側面で撮影し、肩甲骨から大後頭隆起までの照射野をとり、アロマのにおいを嗅いでもらい、スニージングポジションをとった。
(病態別の角度N1の測定結果)
図7の画像から明らかなように、健常者と筋緊張性頭痛患者では頸椎の角度(頸椎のカーブ)に明らかな差がみられた。各患者のエックス線撮影画像から角度N1を測定し、病態別の角度N1の測定結果を図8に示す。図8の結果より、健常者、筋緊張性頭痛患者、並びに、片頭痛患者筋緊張性頭痛・片頭痛併発患者の平均値及び中央値は、それぞれ、173及び171、182及び180、173及び173、並びに180及び180であった。
図8が示すように、筋緊張性頭痛患者では、健常者の平均である173度に比べて角度N1が平均で9度大きかった。筋緊張性頭痛・片頭痛併発患者では、健常者に比べて角度N1が平均で7度大きかった。肩こりに起因しない病態である片頭痛患者では、健常者と有意差がみらなかった。
以上の結果から、肩こりを有さない健常者と肩こりを有する患者を比較すると、立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶ線による角度N1に有意な差異を有することを見出し、さらに該角度が肩こりに影響を与えることを確認した。
(本発明の枕使用による効果の確認)
本発明の枕設計方法により、肩こり・頭痛を有する外来患者・入院患者に併せた枕を作成して、該枕を使用した後の患者の感想を確認した。
○使用者の1人は、普段使用している枕との感触が異なるので、最初は違和感(戸惑った)があった。しかし、初日から熟睡できた。さらに、約1週間継続して使用することにより、肩こりが軽減できた。その他の使用者は、初日からの違和感があるとの感想はなかった。
○横向きで寝ても肩・首が痛くなかった。
○朝起きたときに頭部が軽く感じた(朝の頭痛・肩こりが軽減した)。
○夜中に覚醒しなくなった(安眠、熟睡できた)。
○イビキが少なくなった。
○歯ぎしりがなくなった。
以上により、本発明の枕は、肩こりの軽減効果、首痛(特に、朝起きた時の首痛)の軽減効果、熟睡(安眠)効果、イビキ軽減効果及び歯ぎしり軽減効果を有する。
本発明によれば、新規な枕及び該枕の設計方法を提供することができる。
A:頭頂部から肩甲骨部までの枕の最上層となる部分
B:後頭部の最凸部周辺支持部
C:頭部両側周辺の支持部
D:第4頸椎周辺の支持部
E:第7頸椎周辺の支持部
HB:枕使用者が布団に仰向けに寝た状態での該布団の床面から大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さ
HC:枕使用者が布団に仰向けに寝た状態での該布団の床面から頭部両側周辺の支持部までの距離の高さ
HD:枕使用者が布団に仰向けに寝た状態での該布団の床面から第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さ
HE:枕使用者が布団に仰向けに寝た状態での該布団の床面から第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さ
L1: 第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶ線
N1:第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶ線L1による角度(L1に仕切られる線による顎とは反対側の角度)
L2:枕使用者の肩甲骨の接線
hb:枕使用者の肩甲骨の接線L2から大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さ
hd:枕使用者の肩甲骨の接線L2から第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さ
he:枕使用者の肩甲骨の接線L2から第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さ
chdh:角度N1の補正により得られる高さ(hdよりも高い)
chdl:角度N1の補正により得られる高さ(hdよりも低い)
L3:E1とE2を仕切る線
M:縫い目
S:枕使用者の肩が接する部分
SL:綿を減らしている部分

Claims (6)

  1. 下記の構造を有する枕、
    (1)後頭部の最凸部(大後頭隆起)周辺支持部(B)、
    (2)第4頸椎周辺の支持部(D)及び
    (3)第7頸椎周辺の支持部(E)を有し、
    枕使用者が布団に仰向けに寝た状態での該布団の床面から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さをHB、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さをHD及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さをHEとし、
    該枕使用者が立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度N1が160〜175度になるようにHB、HD及びHEの高さが設定されていることを特徴とする枕。
  2. さらに、頭部両側周辺の支持部(C)を含む請求項1に記載の枕。
  3. 前記請求項1又は2の枕において、
    枕使用者の撮影画像測定により、肩甲骨の接線L2から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さをhb、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さをhd及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さをheとし、
    (1)角度N1の測定値が160〜175度の場合には、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、hd及びheであり、
    (2)角度N1の測定値が175度を超える場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdh(hdより高い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdh及びheであり、
    (3)角度N1の測定値が160度未満の場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdl(hdより低い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdl及びheである、と設定することを特徴とする枕。
  4. 前記枕使用者の立位の状態とは、枕使用者がスニージングポジションの立位の状態である請求項1〜3のいずれか1に記載の枕。
  5. 前記枕使用者の立位の状態とは、枕使用者がアロマを嗅いでいるスニージングポジションの立位の状態である請求項1〜3のいずれか1に記載の枕。
  6. 下記の工程を含む枕の設計方法、
    枕使用者の立位の状態での撮影画像により、
    (1)枕使用者の肩甲骨の接線L2から、大後頭隆起部の頭皮外側までの距離の高さであるhb、第4頚椎棘突起の位置の筋層の外側までの距離の高さであるhd及び第7頚椎の棘突起先端までの距離の高さであるhe、を設定する工程、
    (2)枕使用者の立位の状態での第2頚椎歯突起後面と第4頚椎椎体後面中央中心と第7頚椎椎体後面を結ぶL1による角度N1を設定する工程、
    (3)下記の工程により、後頭部の最凸部(大後頭隆起)周辺支持部(B)の高さであるHB、第4頸椎周辺の支持部(D)の高さであるHD、及び第7頸椎周辺の支持部(E)の高さであるHEを設定する工程、
    I:角度N1の測定値が160〜175度の場合には、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、hd及びheであり、
    II:角度N1の測定値が175度を超える場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdh(hdより高い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdh及びheであり、
    III:角度N1の測定値が160度未満の場合には、N1が160〜175度の範囲に入るように、hdを補正してchdl(hdより低い値)として、HB、HD及びHEが、それぞれ、hb、chdl及びheであると設定する。
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