JP2015210485A - ドラム - Google Patents
ドラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015210485A JP2015210485A JP2014093848A JP2014093848A JP2015210485A JP 2015210485 A JP2015210485 A JP 2015210485A JP 2014093848 A JP2014093848 A JP 2014093848A JP 2014093848 A JP2014093848 A JP 2014093848A JP 2015210485 A JP2015210485 A JP 2015210485A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shell
- drum
- lower shell
- upper shell
- head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Auxiliary Devices For Music (AREA)
Abstract
【課題】 音色を変えることが可能なドラムを提供する。【解決手段】 ドラム1Aは、一端にバターサイドヘッド20が張設され、他端が開口している上シェル10と、一端にレゾナンスヘッド70が張設され、他端が開口している下シェル60とを有している。上シェル10のバターサイドヘッド20の反対側端には上係合部12が設けられており、下シェル60のレゾナンスヘッド70の反対側端には下係合部62が設けられている。上係合部12における上シェル10の内側面は、下係合部62における下シェル60の外側面に接触する。上シェル10と下シェル60とは、上係合部12と下係合部62とが接触しつつ上シェル10および下シェル60の回転軸に沿った方向に互いに摺動可能である。【選択図】図1
Description
この発明は、ドラムに関する。
打楽器の1つにドラムがある。ドラムは、一般に、円筒状のシェルを備えている。シェルの一端には、打面側のドラムヘッドであるバターサイドヘッドが張設されている。シェルの他端には、反響側のドラムヘッドであるレゾナンスヘッドが張設されている。ドラムは、ユーザによってバターサイドヘッドに打撃を与えられることにより音を発する。この種のドラムは、例えば、特許文献1に開示されている。
ドラムのシェル、バターサイドヘッドおよびレゾナンスヘッドは、ドラム内に閉空間を形成し、ドラムの音色はこの閉空間の形状および容積に影響を受ける。市場には、この閉空間の形状および容積が異なる複数種類のドラムが流通している。これら複数種類のドラムのうちから、ユーザが好みの音色のドラムや演奏する曲に合う音色のドラムを選ぶことができるようにするためである。ユーザが様々なジャンルの曲を演奏する場合、それらのジャンルあるいは曲に適した音色でドラム演奏を行うには、複数種類のドラムを予め準備しておくことが必要となる。しかし、音色の異なるドラムを複数種準備するには、費用がかかり、設置や保管場所も必要になる。
この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、音色を変えることが可能なドラムを提供することを目的としている。
この発明は、各々の軸に沿った方向に並べられて一組のシェルを形成する複数の筒状部材を有し、前記複数の筒状部材の並べられる方向の前記一組のシェルの長さを可変にしたことを特徴とするドラムを提供する。
この発明によれば、複数の筒状部材により形成される一組のシェルの長さが変わるため、当該一組のシェル内の容積が変わる。従って、本ドラムによれば、音色を変えることが可能である。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1(A)は、この発明の第1実施形態によるドラム1Aの構成を示す平面図であり、図1(B)は、同ドラム1AのA−A´線断面図である。ドラム1Aは、上シェル10、バターサイドヘッド20、フープ30、ラグ40、チューニングピン50、下シェル60およびレゾナンスヘッド70を有している。
<第1実施形態>
図1(A)は、この発明の第1実施形態によるドラム1Aの構成を示す平面図であり、図1(B)は、同ドラム1AのA−A´線断面図である。ドラム1Aは、上シェル10、バターサイドヘッド20、フープ30、ラグ40、チューニングピン50、下シェル60およびレゾナンスヘッド70を有している。
上シェル10は、両端が開口している円筒状の部材である。上シェル10は、例えば、木材を成形してなるものである。上シェル10の内径は、当該上シェル10の回転軸に沿ってほぼ同じになっている。なお、本明細書において軸とは、中心となる線のことを言い、軸に沿った方向とは、同一形状の断面の連続する方向のことを言い、特に、円形断面を有する円筒や円柱における軸のことを回転軸と言い、その円筒や円柱における軸に沿った方向のことを回転軸に沿った方向と言うこととする。
上シェル10の外側面には、複数(図1の例では6個)のラグ40が固定されている。ラグ40は、丸みを帯びたブロック状の部材である。ラグ40は、上シェル10の両端からの距離が同程度となる位置に設けられている。また、ラグ40は、上シェル10の円周方向に一定の間隔をあけて設けられている。ラグ40には、内側面にねじ溝が形成された円筒状のねじ受け部42が設けられている。
チューニングピン50は、側面にねじ山が形成された円柱状のねじ部52と、ねじ部52の一端に設けられた角柱状の頭部54とを有する。ねじ部52のねじ山は、ねじ受け部42のねじ溝に螺合する形状になっている。ねじ部52には、平らなリング状の座金部56が挿通されている。座金部56の内径は、チューニングピン50の回転軸に垂直な面で頭部54を切断したときの断面における対角線の長さよりも小さくなっている。
フープ30は、略リング状の部材である。フープ30の内径は、その回転軸に沿った方向の当該フープ30の中央近傍において階段状に変化している。フープ30の内径の小さい部分における当該フープ30の内径は、上シェル10の外径よりも大きくなっている。フープ30は、当該フープ30の回転軸が上シェル10の回転軸に重なるように上シェル10の一端近傍に配置される。フープ30は、ツバ部32を複数有している。ツバ部32は、フープ30の回転軸に垂直な面に平行な板状の部分であり、フープ30の回転軸から遠ざかる方向にフープ30の外側面から張り出した部分である。ツバ部32は、フープ30の円周方向に一定の間隔をあけて設けられている。ツバ部32の個数は、ラグ40の個数と同じであり、ツバ部32の間隔は、ラグ40の間隔と同じである。ツバ部32には、チューニングピン50のねじ部52を挿通する貫通孔が設けられている。
バターサイドヘッド20は、例えば、合成樹脂製フィルムや皮などを円形に成形してなるものである。バターサイドヘッド20の直径は、上シェル10の外径よりも大きくなっている。バターサイドヘッド20は、上シェルの一端(図1では、上シェル10の上方の端)を覆うように配置される。バターサイドヘッド20は、当該バターサイドヘッド20の周縁部にリング状のバターサイドヘッド固定部22を有する。バターサイドヘッド固定部22は、フープ30における内径が階段状に変化している部分により、上シェル10におけるバターサイドヘッド20の配置される端からラグ40方向へ押し付けられる。また、チューニングピン50のねじ部52の挿通されたフープ30のツバ部32は、チューニングピン50の頭部54および座金部56により、上シェル10におけるバターサイドヘッド20の配置される端からラグ40方向へ押し付けられる。そして、チューニングピン50のねじ部52とラグ40のねじ受け部42との螺合により、バターサイドヘッド20およびフープ30は、ラグ40および上シェル10に保持される。すなわち、バターサイドヘッド20は、上シェル10の一端に張設される。このバターサイドヘッド20は、打面側のドラムヘッドである。また、チューニングピン50の頭部54を回転させることにより、フープ30およびバターサイドヘッド固定部22をチューニングピン50の回転軸に沿った方向に移動させ、バターサイドヘッド20の張力(すなわちドラム1Aの音程)を変えることができる。
上シェル10におけるバターサイドヘッド20の反対側端には、上係合部12が設けられている。上係合部12は、上シェル10の内径を階段状に変化させた部分である。より詳細に説明する。上係合部12における上シェル10の内径は、上係合部12よりもバターサイドヘッド20側における上シェル10の内径よりも若干大きくなっている。上係合部12における上シェル10の内径は、上シェル10の回転軸に沿って同じになっている。上係合部12は、バターサイドヘッド20の反対側端からバターサイドヘッド20側端方向に所定の位置まで設けられている。例えば、図1に示すように、上係合部12は、バターサイドヘッド20の反対側端からラグ40近傍の位置まで設けられている。本実施形態では、上係合部12の設けられている領域であるバターサイドヘッド20の反対側端(すなわち開口端)からラグ40近傍の位置までの領域のことを上シェル10の開口端近傍と呼ぶ。
下シェル60は、上シェル10と同様、両端が開口している円筒状の部材である。下シェル60は、例えば、木材を成形してなるものである。下シェル60の内径は、当該下シェル60の回転軸に沿ってほぼ同じになっている。また、下シェル60の内径は、上シェル10の内径とほぼ同じになっている。また、下シェル60の外側面には、上シェル10と同様に、ラグ40が固定されている。
レゾナンスヘッド70は、例えば、バターサイドヘッド20よりも薄い合成樹脂製フィルムや皮などを円形に成形してなるものである。レゾナンスヘッド70の直径は、下シェル60の外径よりも大きくなっている。レゾナンスヘッド70は、下シェル60の一端(図1では、下シェル60の下方の端)を覆うように配置される。レゾナンスヘッド70は、当該レゾナンスヘッド70の周縁部にリング状のレゾナンスヘッド固定部72を有する。レゾナンスヘッド固定部72は、バターサイドヘッド固定部22と同様に、フープ30およびチューニングピン50により、下シェル60におけるレゾナンスヘッド70の配置される端からラグ40方向に押し付けられる。すなわち、レゾナンスヘッド70は、バターサイドヘッド20と同様に、下シェル60の一端に張設される。このレゾナンスヘッド70は、反響側のドラムヘッドである。レゾナンスヘッド70の張力の変更については、バターサイドヘッド20と同様である。
下シェル60におけるレゾナンスヘッド70の反対側端には、下係合部62が設けられている。下係合部62は、下シェル60の外径を階段状に変化させた部分である。より詳細に説明する。下係合部62における下シェル60の外径は、下係合部62よりもレゾナンスヘッド70側における下シェル60の外径よりも若干小さくなっている。下係合部62における下シェル60の外径は、下シェル60の回転軸に沿って同じになっている。下係合部62は、レゾナンスヘッド70の反対側端からレゾナンスヘッド70側端方向に所定の位置まで設けられている。例えば、図1に示すように、下係合部62は、レゾナンスヘッド70の反対側端からラグ40近傍の位置まで設けられている。本実施形態では、下係合部62の設けられている領域であるレゾナンスヘッド70の反対側端(すなわち開口端)からラグ40近傍の位置までの領域のことを下シェル60の開口端近傍と呼ぶ。また、下係合部62における下シェル60の外径は、上係合部12における上シェル10の内径とほぼ同じになっている。また、下シェル60の回転軸に沿った方向の下係合部62の長さは、上シェル10の回転軸に沿った方向の上係合部12の長さとほぼ同じになっている。
本実施形態では、上シェル10と下シェル60とが互いに係合することにより当該ドラム1Aが形成される。より詳細に説明する。上シェル10は、下シェル60の回転軸の延長線上に上シェル10の回転軸が重なるように配置される。換言すると、上シェル10および下シェル60は、各々の回転軸に沿った方向に並べられる。また、上シェル10は、下シェル60の下係合部62側端に上シェル10の上係合部12側端が向かい合う姿勢で配置される。そして、上係合部12における上シェル10の内側面が下係合部62における下シェル60の外側面に接触する。すなわち、上シェル10の開口端近傍の側面と下シェル60の開口端近傍の側面とが接する。これにより、ドラム1Aが形成され、上シェル10および下シェル60は、ドラム1Aのシェルとして機能する一組のシェルを形成する。また、バターサイドヘッド20およびレゾナンスヘッド70は、ドラム1Aの一対のドラムヘッドとして機能する。上係合部12と下係合部62とが接触しているため、バターサイドヘッド20、上シェル10、下シェル60およびレゾナンスヘッド70により、それらに囲まれた閉空間80が形成される。さらに、上係合部12と下係合部62とが接触しているため、上シェル10と下シェル60との間には摩擦力を生じる。この摩擦力により、バターサイドヘッド20に打撃が与えられても上シェル10と下シェル60とは互いに保持される。
上シェル10および下シェル60は、ドラム1Aの回転軸(上シェル10の回転軸および下シェル60の回転軸)に沿った方向に上シェル10と下シェル60との間の摩擦力以上の力(例えば、バターサイドヘッド20へ与えられる打撃よりも大きな力)が与えられると、ドラム1Aの回転軸に沿った方向に互いに摺動する。すなわち、ドラム1Aでは、上係合部12における上シェル10の内側面と下係合部62における下シェル60の外側面とを接触させつつ、上シェル10と下シェル60とをドラム1Aの回転軸に沿った方向に互いに移動させることができる。上シェル10と下シェル60とをドラム1Aの回転軸に沿った方向に互いに移動させると、ドラム1Aの回転軸に沿った方向のドラム1Aのシェルの長さが変化する。そして、バターサイドヘッド20とレゾナンスヘッド70との間の距離が変化する。その結果、閉空間80の容積が変化する。また、上係合部12と下係合部62とを接触させつつ上シェル10と下シェル60とを互いに移動させるため、閉空間80の密閉度合いは、上シェル10および下シェル60の移動の前後において保持される。閉空間80の密閉度合いが保持されるとは、具体的には、上シェル10と下シェル60との接触部分(上シェル10と下シェル60との間)を介してドラム1Aのシェルの内外の空気が互いに移動する度合いが、ドラム1Aのシェルの長さを短くした場合とドラム1Aのシェルの長さを長くした場合とにおいて、ほとんど変化しない、ということである。換言すると、ドラム1Aのシェル内の空気の状態が、ドラム1Aのシェルの長さを短くした場合とドラム1Aのシェルの長さを長くした場合とにおいて、ほとんど変化しない、ということである。さらに、上シェル10と下シェル60との間の摩擦力も同様に、上シェル10および下シェル60の移動の前後において保持される。
以上が、ドラム1Aの構成である。
以上が、ドラム1Aの構成である。
次に、本実施形態によるドラム1Aの動作を説明する。バターサイドヘッド20に打撃が与えられると、バターサイドヘッド20は、変位したり振動したりする。バターサイドヘッド20の変位および振動は、閉空間80の空気を振動させる。閉空間80の空気の振動は、バターサイドヘッド20側からレゾナンスヘッド70側に伝わり、レゾナンスヘッド70を振動させる。レゾナンスヘッド70の振動は、再度、閉空間80の空気を振動させる。そして、その閉空間80の空気の振動は、レゾナンスヘッド70側からバターサイドヘッド20側に伝わり、バターサイドヘッド20を振動させる。このように閉空間80を介してバターサイドヘッド20とレゾナンスヘッド70との間で振動が伝わることによって、ドラム1Aは、閉空間80の形状および容積に応じた所定の音色の音を発する。
次に、本実施形態によるドラム1Aの使用態様を説明する。ユーザは、演奏に先立ち、ドラム1Aの回転軸に沿った方向に上シェル10と下シェル60との間の摩擦力以上の力を与えて、上シェル10と下シェル60とを互いに摺動させる。そして、ユーザは、ドラム1Aの音色が所望な音色(例えば、曲のジャンルや演奏環境などに応じてユーザが求める音色)となるように、上シェル10と下シェル60との相対的な位置関係を決定する。
図2は、上シェル10と下シェル60とをドラム1Aの回転軸に沿った方向に互いに近づけたときのドラム1Aの構成例を示す断面図である。図2は、上係合部12における上シェル10の内側面の全面が下係合部62における下シェル60の外側面の全面に接触している状態を示している。この場合、ドラム1Aのシェルの長さは最短となり、バターサイドヘッド20とレゾナンスヘッド70との距離は最短となり、閉空間80の容積は最小となる。
図3は、上シェル10と下シェル60とをドラム1Aの回転軸に沿った方向に互いに遠ざけたときのドラム1Aの構成例を示す断面図である。図3は、上係合部12における上シェル10の内側面と下係合部62における下シェル60の外側面との接触面積を極力小さくした状態を示している。この場合、ドラム1Aのシェルの長さは長くなり、バターサイドヘッド20とレゾナンスヘッド70との距離は長くなり、閉空間80の容積は大きくなる。
図4は、ドラム1Aの周波数特性を示す概念図である。図4(A)は、上シェル10と下シェル60とをドラム1Aの回転軸に沿った方向に互いに近づけたときの(すなわち、図2の場合の)ドラム1Aの周波数特性を示している。図4(B)は、上シェル10と下シェル60とをドラム1Aの回転軸に沿った方向に互いに遠ざけたときの(すなわち、図3の場合の)ドラム1Aの周波数特性を示している。図4の横軸は発生音の周波数であり、縦軸は発生音の振動レベルである。図4(B)における低周波数領域の振動レベルのピークは、図4(A)における低周波数領域の振動レベルのピークよりも低域側にシフトしている。これは、上シェル10と下シェル60とを互いに遠ざけた場合、上シェル10と下シェル60とを互いに近づけた場合に比べ、ドラム1Aの音色は、低音域の強調された音色となる、ということを示す。また、図4(B)における高周波数領域の振動レベルのピークは、図4(A)における高周波数領域の振動レベルのピークとほぼ同様の周波数において発生している。高周波数領域の振動レベルのピークは、ドラム1Aの音色の明るさに影響を与え、音色の明るさはユーザの知覚する音の印象に影響を与える。図4(A)および(B)に示すように高周波数領域の振動レベルのピークの発生周波数が同じということは、ドラム1Aの音色の明るさが、上シェル10と下シェル60とを互いに近づけた場合と互いに遠ざけた場合とで変わらない、ということを示す。そして、ドラム1Aの音色の明るさが変わらないということは、上シェル10と下シェル60とを互いに移動させてもドラム本来の自然な音の印象が保たれる、ということを示す。
このように、本実施形態によるドラム1Aは、一端にバターサイドヘッド20が張設され、他端が開口している上シェル10と、一端にレゾナンスヘッド70が張設され、他端が開口している下シェル60とを有している。この上シェル10の開口端近傍の側面(具体的には上係合部12における上シェル10の内側面)と下シェル60の開口端近傍の側面(具体的には下係合部62における下シェル60の外側面)とが接することにより両端に一対のドラムヘッドが張設されたシェルが形成される。そして、ドラム1Aでは、上シェル10の開口端近傍の側面と下シェル60の開口端近傍の側面とを接触させつつ、ドラム1Aの回転軸に沿った方向(換言すると、上シェル10と下シェル60の並べられる方向)のドラム1Aのシェルの長さが変わるようにしている。すなわち、ドラム1Aでは、バターサイドヘッド20、上シェル10、下シェル60およびレゾナンスヘッド70により形成される閉空間80の密閉度合いを保持しつつ、ドラム1Aの回転軸に沿った方向のドラム1Aのシェルの長さが変わるようにしている。このため、ドラム1Aでは、閉空間80の容積が変わる。従って、ドラム1Aによれば、当該ドラム1Aの音色(特に低音域の音色)を変えることが可能である。そして、ユーザは、ドラム1Aの音色を演奏する曲のジャンルや演奏環境などに応じた所望の音色に調整してドラム1Aの演奏をすることができる。さらに、ユーザは、音色の異なる複数種類のドラムを準備する必要がなくなるため、ドラムを準備する費用を抑えることができ、設置場所や保管場所を少なくすることができる。
ところで、ドラム内の閉空間の容積を変化させる態様として、シェルの内径を変化させる態様も考えられる。図5は、シェルの内径を変えたドラムの構成を示す模式図である。図5(A)は、シェルの内径を大きくした場合を示しており、図5(B)は、シェルの内径を小さくした場合を示している。図5(A)に示すように、シェルの内径を大きくした場合、その内径を大きくした部分において音波が乱反射する。このため、この場合、ドラム本来の音とは異なる不要な音が生じる。また、図5(B)に示すように、シェルの内径を小さくした場合、音波は、その内径を小さくした部分においてドラムヘッド側に反射し、ドラムヘッドの振動を抑制する。このため、この場合、ドラムの音は、ドラム本来の自然な音色の音にならない。このように、シェルの内径を変化させることによりドラム内の閉空間の容積を変える態様では、ドラム本来の自然な音の印象を保ったままドラムの音色(特に低音域の音色)を変えることができない。これに対して、本実施形態によるドラム1Aでは、ドラム1A本来の自然な音の印象を保ったまま(すなわちドラム1Aの音色の明るさを保ったまま)ドラム1Aの音色(特に低音域の音色)を変えることができる。
また、ドラム1Aでは、ドラム1Aのシェルの長さが変わっても、閉空間80の密閉度合いが保持されてドラム1Aのシェル内の空気の状態が変わらないため、この点からもドラム1Aの音の印象が保たれると言える。
また、ドラム1Aでは、上シェル10と下シェル60とを互いに摺動させるため、ドラム1Aのシェルの長さを連続的に変化させることができる。このため、ドラム1Aでは、ドラム1Aの音色を細かく調整することができる。さらに、摺動という単純な構成によりシェルの長さの可変を実現しているため、ドラム1Aでは、当該ドラム1Aの製造コストを抑えることができる。また、ドラム1Aでは、ドラム1A内の閉空間80の容積を大きく変化させることができる。従って、ドラム1Aでは、ダイナミックにドラム1Aの音色を変化させることができる。また、ドラム1Aの内径は大きくても小さくても良い。すなわち、小さいドラムでもダイナミックにドラムの音色を変化させることができる。また、ドラム1Aでは、バターサイドヘッド20にミュート部材を設置する等の処理を施さずに音色を変化させているため、ドラム本来の鳴りを維持することができる。
<第2実施形態>
図6は、この発明の第2実施形態によるドラム1Bの構成の一部を示す断面図および側面図である。本実施形態によるドラム1Bは、上シェル10に代えて上シェル10Bを設け、下シェル60に代えて下シェル60Bを設け、さらに上下シェル固定ピン90Bを設けた点において第1実施形態によるドラム1Aと異なる。上シェル10Bは、上係合部12に代えて上係合部12Bを設けた点において上シェル10と異なる。下シェル60Bは、下係合部62に代えて下係合部62Bを設けた点において下シェル60と異なる。
図6は、この発明の第2実施形態によるドラム1Bの構成の一部を示す断面図および側面図である。本実施形態によるドラム1Bは、上シェル10に代えて上シェル10Bを設け、下シェル60に代えて下シェル60Bを設け、さらに上下シェル固定ピン90Bを設けた点において第1実施形態によるドラム1Aと異なる。上シェル10Bは、上係合部12に代えて上係合部12Bを設けた点において上シェル10と異なる。下シェル60Bは、下係合部62に代えて下係合部62Bを設けた点において下シェル60と異なる。
上係合部12Bは、上下シェル固定孔14Bを設けた点において上係合部12と異なる。上下シェル固定孔14Bは、上係合部12Bにおける上シェル10Bの外側面と内側面との間を貫通する孔である。また、上下シェル固定孔14Bは、上シェル10Bの回転軸に沿った方向に長い略長方形の孔である。上下シェル固定孔14Bは、例えば、上シェル10Bの円周方向に一定の間隔で複数個設けられる。
下係合部62Bは、ねじ穴64Bを設けた点において下係合部62と異なる。ねじ穴64Bは、その内側面にねじ溝が形成された穴である。ねじ穴64Bは、下係合部62Bのなかでもより下シェル60Bの開口端に近い位置に設けられている。ねじ穴64Bは、例えば、下シェル60Bの円周方向に一定の間隔で複数個設けられている。ねじ穴64Bの個数は、上下シェル固定孔14Bの個数と同じであり、ねじ穴64Bの間隔は、上下シェル固定孔14Bの間隔と同じである。ねじ穴64Bの直径は、上係合部12Bの上下シェル固定孔14Bの短辺(円周方向の辺)の大きさよりも小さくなっている。
上下シェル固定ピン90Bは、例えば、蝶ねじである。より詳細に説明する。上下シェル固定ピン90Bは、ねじ部92Bと頭部94Bとから構成されている。ねじ部92Bは、側面にねじ山が形成された円柱状の部材である。ねじ部92Bのねじ山は、下係合部62Bのねじ穴64Bのねじ溝に螺合するように形成されている。ねじ部92Bは、少なくとも、上係合部12Bにおける上シェル10Bの肉厚以上の長さを有している。ねじ部92Bの一端は、頭部94Bの円形ブロック部分に連続している。頭部94Bの円形のブロック部分の直径は、上下シェル固定孔14Bの短辺の大きさよりも大きくなっている。また、頭部94Bは、ユーザによる上下シェル固定ピン90Bの回転を補助するための2枚の取手を有している。
本実施形態によるドラム1Bは、上係合部12Bにおける上シェル10Bの内側面が下係合部62Bにおける下シェル60Bの外側面に接触することにより当該ドラム1Bが形成される点において第1実施形態によるドラム1Aと同様である。ドラム1Bは、側面からドラム1Bを見たときに上下シェル固定孔14Bとねじ穴64Bとが重なるように上係合部12Bと下係合部62Bとを接触させる点においてドラム1Aと異なる。ドラム1Bでは、上係合部12Bと下係合部62Bとが接触している状態で上下シェル固定孔14Bに上下シェル固定ピン90Bのねじ部92Bが挿通される。そして、挿通されたねじ部92Bがねじ穴64Bに螺合されることによって、上下シェル固定ピン90Bの頭部94Bが上シェル10Bの外側面に押し当てられる。その結果、上シェル10Bと下シェル60Bとが互いに固定される。すなわち、上シェル固定孔14B、ねじ穴64Bおよび上下シェル固定ピン90Bは、上シェル10Bと下シェル60Bとを互いに固定する固定手段として機能する。ユーザは、上シェル10Bに対して上下シェル固定ピン90Bを緩めた状態で上シェル10Bと下シェル60Bとを互いに摺動させた後に、上シェル10Bに対して上下シェル固定ピン90Bを締め付ける。
このように、本実施形態によるドラム1Bは、上シェル10Bと下シェル60Bとを互いに固定する手段(具体的には、上下シェル固定孔14B、ねじ穴64Bおよび上下シェル固定ピン90B)をさらに有している。このため、上シェル10Bと下シェル60Bとは、互いに強固に固定される。上シェル10Bと下シェル60Bとが互いに強固に固定されるため、上シェル10Bおよび下シェル60Bは、それらが一体となったシェルとして機能する。上シェル10Bと下シェル60Bとが一体として機能するため、ドラム1Bの発音に際し生じる上シェル10Bの振動は、下シェル60Bに効率良く伝えられる。上シェル10Bの振動が下シェル60Bに効率良く伝えられるため、ドラム1Bは、より自然に振動する。従って、ドラム1Bでは、より自然な音を発生させることができる。また、ドラム1Bは、上シェル10Bと下シェル60Bとを互いに固定可能に構成した点を除いて、第1実施形態によるドラム1Aと同様であるから、本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、上シェル10Bと下シェル60Bとを互いに固定する手段は、本実施形態の態様に限られない。
<第3実施形態>
図7は、この発明の第3実施形態によるドラム1Cの構成の一部を示す断面図である。本実施形態によるドラム1Cは、上シェル10に代えて上シェル10Cを設け、下シェル60に代えて下シェル60Cを設けた点において第1実施形態によるドラム1Aと異なる。上シェル10Cは、上係合部12に代えて上係合部12Cを設けた点において上シェル10と異なる。下シェル60Cは、下係合部62に代えて下係合部62Cを設けた点において下シェル60と異なる。
図7は、この発明の第3実施形態によるドラム1Cの構成の一部を示す断面図である。本実施形態によるドラム1Cは、上シェル10に代えて上シェル10Cを設け、下シェル60に代えて下シェル60Cを設けた点において第1実施形態によるドラム1Aと異なる。上シェル10Cは、上係合部12に代えて上係合部12Cを設けた点において上シェル10と異なる。下シェル60Cは、下係合部62に代えて下係合部62Cを設けた点において下シェル60と異なる。
上係合部12Cは、当該上係合部12Cにおける上シェル10Cの内側面にねじ溝が形成されている点において上係合部12と異なる。下係合部62Cは、当該下係合部62Cにおける下シェル60Cの外側面にねじ山が形成されている点において下係合部62と異なる。下係合部62Cにおけるねじ山は、上係合部におけるねじ溝に螺合するように形成されている。なお、上係合部12Cにおける上シェル10Cの内側面にねじ山が形成され、下係合部62Cにおける下シェル60Cの外側面にねじ溝が形成されても良い。
本実施形態によるドラム1Cでは、上係合部12Cにおける上シェル10Cの内側面と下係合部62Cにおける下シェル60Cの外側面とが螺合することにより上シェル10Cと下シェル60Cとが接触する。上シェル10Cおよび下シェル60Cは、下シェル60Cに対して上シェル10Cを円周方向に回転(あるいは、上シェル10Cに対して下シェル60Cを円周方向に回転)させることにより、上シェル10Cと下シェル60Cとが互いに接触しつつドラム1Cの回転軸に沿った方向に互いに移動する。これにより、上シェル10Cと下シェル60Cとにより形成されるシェルの長さが変わる。そして、バターサイドヘッド20、上シェル10C、下シェル60Cおよびレゾナンスヘッド70により形成される閉空間80Cの容積が変化する。本実施形態によるドラム1Cは、上係合部12Cにおける上シェル10Cの内側面と下係合部62Cにおける下シェル60Cの外側面とを螺合させた点を除いて、第1実施形態によるドラム1Aと同様であるから、本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。また、ドラム1Cでは、上係合部12Cのねじ溝および下係合部60Cのねじ山によってドラム1Cの回転軸に沿った方向に抵抗がある。このため、ドラム1Cは、第1実施形態によるドラム1Aに比べ、例えば、予期せぬ力がドラム1Cの回転軸に沿った方向に加えられても、上シェル10Cおよび下シェル60Cがドラム1Cの回転軸に沿った方向に誤って移動するのを抑止することができる。
<第4実施形態>
図8は、この発明の第4実施形態によるドラム1Dの構成の一部を示す断面図である。本実施形態によるドラム1Dは、上シェル10に代えて上シェル10Dを設け、下シェル60に代えて下シェル60Dを設け、さらに中シェル100を設けた点において第1実施形態によるドラム1Aと異なる。上シェル10Dは、上係合部12に代えて上係合部12Dを設けた点において上シェル10と異なる。下シェル60Dは、下係合部62に代えて下係合部62Dを設けた点において下シェル60と異なる。
図8は、この発明の第4実施形態によるドラム1Dの構成の一部を示す断面図である。本実施形態によるドラム1Dは、上シェル10に代えて上シェル10Dを設け、下シェル60に代えて下シェル60Dを設け、さらに中シェル100を設けた点において第1実施形態によるドラム1Aと異なる。上シェル10Dは、上係合部12に代えて上係合部12Dを設けた点において上シェル10と異なる。下シェル60Dは、下係合部62に代えて下係合部62Dを設けた点において下シェル60と異なる。
上係合部12Dは、上シェル10Dのバターサイドヘッド20の反対側端をバターサイドヘッド20側に後退させた点において上係合部12と異なる。すなわち、上係合部12Dでは、上係合部12Dにおける上シェル10Dの長さが上係合部12における上シェル10の長さよりも短くなっている。下係合部62Dは、下シェル60Dのレゾナンスヘッド70の反対側端をレゾナンスヘッド70側に後退させた点において下係合部62と異なる。すなわち、下係合部62Dでは、下係合部62Dにおける下シェル60Dの長さが下係合部62における下係合部60の長さよりも短くなっている。下係合部62Dにおける下シェル60Dの長さは、上係合部12Dにおける上シェル10Dの長さとほぼ同じになっている。また、下係合部62Dにおける下シェル60Dの外径は、上係合部12Dにおける上シェル10Dの内径とほぼ同じになっている。
中シェル100は、両端が開口している円筒状の部材である。中シェル100は、例えば、木材を成形してなるものである。中シェル100の内径は、当該中シェル100の回転軸に沿ってほぼ同じになっている。また、中シェル100の内径は、上シェル10Dの内径および下シェル60Dの内径と同じになっている。また、ドラム1Dでは、中シェル100の回転軸に沿った方向の中シェル100の長さが異なる複数種類の中シェル100が用意されている。
中シェル100の一端には、中上係合部102が設けられている。中上係合部102は、中シェル100の外径を階段状に変化させた部分である。より詳細に説明する。中上係合部102における中シェル100の外径は、中上係合部102よりも中シェル100の他端側における中シェル100の外径よりも若干小さくなっている。中上係合部102における中シェル100の外径は、中シェル100の回転軸に沿って同じになっている。中上係合部102における中シェル100の長さは、上係合部12Dにおける上シェル10Dの長さとほぼ同じになっている。また、中上係合部102における中シェル100の外径は、上係合部12Dにおける上シェル10Dの内径とほぼ同じになっている。
中シェル100の他端には、中下係合部104が設けられている。中下係合部104は、中シェル100の内径を階段状に変化させた部分である。より詳細に説明する。中下係合部104における中シェル100の内径は、中下係合部104よりも中シェル100の一端側における中シェル100の内径よりも若干大きくなっている。中下係合部104における中シェル100の内径は、中シェル100の回転軸に沿って同じになっている。中下係合部104における中シェル100の長さは、下係合部62Dにおける下シェル60Dの長さとほぼ同じになっている。また、中下係合部104における中シェル100の内径は、下係合部62Dにおける下シェル60Dの外径とほぼ同じになっている。
ドラム1Dでは、上シェル10Dと中シェル100と下シェル60Dとが互いに係合することにより当該ドラム1Dが形成される。より詳細に説明する。上シェル10D、中シェル100および下シェル60Dは、各々の回転軸が同一直線上に並ぶように配置される。また、上シェル10Dは、中シェル100の中上係合部102側端に上係合部12Dが向かい合う姿勢で配置され、下シェル60Dは、中シェル100の中下係合部104側端に下係合部62Dが向かい合う姿勢で配置される。そして、上係合部12Dと中上係合部102とが組み合わされ、下係合部60Dと中下係合部104とが組み合わされる。これにより、ドラム1Dが形成される。この場合、上シェル10D、中シェル100および下シェル60Dによりドラム1Dにおけるシェルが形成され、バターサイドヘッド20、上シェル10D、中シェル100、下シェル60Dおよびレゾナンスヘッド70によりドラム1D内に閉空間80Dが形成される。
一方、ドラム1Dでは、上シェル10Dと下シェル60Dとが互いに係合することによっても当該ドラム1Dが形成される。図9は、上シェル10Dと下シェル60Dとを互いに係合させた場合のドラム1Dの構成の一部を示す断面図である。上シェル10Dは、その回転軸が下シェル60Dの回転軸の延長線上に重なるようにして配置され、下シェル60Dの下係合部62D側端に上係合部12Dが向かい合う姿勢で配置される。そして、上係合部12Dと下係合部62Dとが組み合わされる。これにより、ドラム1Dが形成される。この場合、上シェル10Dおよび下シェル60Dによりドラム1Dにおけるシェルが形成され、バターサイドヘッド20、上シェル10D、下シェル60Dおよびレゾナンスヘッド70によりドラム1D内に閉空間80Dが形成される。
このように、本実施形態によるドラム1Dは、上シェル10Dと下シェル60Dとの間に中シェル100を組み入れるか否かにより、ドラム1D内の閉空間80Dの密閉度合いを保持しつつ、ドラム1Dの回転軸に沿った方向のドラム1Dのシェルの長さを変えるものである。ドラム1Dは、上シェル10Dと下シェル60Dとの間に中シェル100を着脱可能にした点を除いて、第1実施形態によるドラム1Aと同様であるから、本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。また、ドラム1Dでは、中シェル100を組み入れるか否かによりシェルの長さおよび閉空間80Dの容積を所定の値にすることができるため、ドラム1Dの音色を所定の音色に効率良く変えることができる。また、ドラム1Dでは、中シェル100の長さが異なる複数種の中シェル100の中からユーザによって選択された1の中シェル100を上シェル10Dと下シェル60Dとの間に組み入れることにより、ドラム1Dのシェルの長さをより細かく変えることができる。なお、中シェル100は複数種用意されていなくても良い。少なくとも1つの中シェル100が用意されていれば、ドラム1Dのシェルの長さを変えることができるからである。
<他の実施形態>
以上、この発明の第1から第4実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
以上、この発明の第1から第4実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記各実施形態における上シェル10〜10D、下シェル60〜60Dおよび中シェル100は、各々、木材を成形してなるものであった。しかし、上シェル、下シェルおよび中シェルの各々は、木材を成形してなるものでなくても良い。例えば、上シェル、下シェルおよび中シェルの各々は、金属を成形してなるものであっても良い。また、上シェル、下シェルおよび中シェルの各々は、同一の素材からなるものであっても良いし、異なる素材からなるものであっても良い。例えば、上シェルと下シェルとは、木材を成形してなるものであり、中シェルは金属を成形してなるものである、という具合である。また、上シェル、下シェルおよび中シェルの各々は、同一種類の木材を成形してなるものであっても良く、異なる種類の木材を成形してなるものであっても良い。例えば、上シェルと下シェルとは、メープルを成形してなるものであり、中シェルはマホガニーを成形してなるものである、という具合である。金属に関しても同様である。このようにすることで、より細かくドラムの音色を変えることが可能となる。
(2)上記各実施形態における上シェル10〜10D、下シェル60〜60Dおよび中シェル100は、各々、円筒状の部材であった。しかし、上シェル、下シェルおよび中シェルは、筒状の部材であれば良く、円筒状の部材に限られない。例えば、上シェル、下シェルおよび中シェルは、それらの軸(中心となる線)に垂直な切断面の形状が方形の筒状の部材であっても良いし、同切断面の形状が多角形の筒状の部材であっても良い。このとき、上シェル、下シェルおよび中シェルの各々の断面形状が同じになっていることが好ましい。
(3)上記各実施形態における技術的特徴を組み合わせても良い。例えば、上シェルと下シェルとの間に中シェルを組み合わせることを可能にするとともに、中シェルと上シェルとの間で中シェルと上シェルとをドラムの回転軸に沿った方向に互いに摺動可能にする、という具合である。
(4)上記第1〜第3実施形態によるドラム1A〜1Cでは、上係合部12〜12Cにおける上シェル10〜10Cの内側面に下係合部62〜62Cにおける下シェル60〜60Cの外側面を接触させていた。しかし、上シェルの外側面に下シェルの内側面を接触させるように上係合部および下係合部を形成しても良い。また、上記第4実施形態によるドラム1Dでは、上係合部12Dにおける上シェル10Dの内側面と中上係合部102における中シェル100の外側面とが接触し、下係合部62Dにおける下シェル60Dの外側面と中下係合部104における中シェル100の内側面とが接触するように上シェル10Dと中シェル100と下シェル60Dとが組み合わされていた。しかし、上シェルの外側面と中シェルの内側面とが接触し、下シェルの内側面と中シェルの外側面とが接触するように上係合部、中上係合部、下係合部および中下係合部を形成しても良い。さらに、上記各実施形態における上係合部12〜12D、下係合部62〜62D、中上係合部102および中下係合部104は、上シェル10〜10D、下シェル60〜60Dおよび中シェル100の各々の内径または外径を階段状に変化させたものに限られない。少なくとも、シェルの回転軸に沿った方向のシェルの長さを変えることができる構成であれば良い。
(5)上記第4実施形態では、上シェル10Dと下シェル60Dとの間に中シェル100を組み入れていた。この態様において組み入れる中シェル100の数は、1であっても良いし、複数であっても良い。
(6)上シェル10〜10D、下シェル60〜60Dおよび中シェル100に空気抜き孔を設けても良い。この場合、閉空間80〜80Dは完全に密閉されないが、上記各実施形態と同様に、閉空間80〜80Dの密閉度合いはシェルの長さを変化させる前後において保持されるからである。従って、この態様においても、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
(7)上記各実施形態による技術的特徴は、例えば、スネアドラム、バスドラム、タム、マーチングドラムなど、各種のドラムに適用することが可能である。
1A,1B,1C,1D…ドラム、10,10B,10C,10D…上シェル、12,12B,12C,12D…上係合部、14B…上下シェル固定孔、20…バターサイドヘッド、22…バターサイドヘッド固定部、30…フープ、32…ツバ部、40…ラグ、42…ねじ受け部、50…チューニングピン、52,92B…ねじ部、54,94B…頭部、56…座金部、60,60B,60C,60D…下シェル、62,62B,62C,62D…下係合部、64B…ねじ穴、70…レゾナンスヘッド、72…レゾナンスヘッド固定部、80,80B,80C,80D…閉空間、90B…上下シェル固定ピン、100…中シェル、102…中上係合部、104…中下係合部。
Claims (4)
- 各々の軸に沿った方向に並べられて一組のシェルを形成する複数の筒状部材を有し、
前記複数の筒状部材の並べられる方向の前記一組のシェルの長さを可変にしたことを特徴とするドラム。 - 前記複数の筒状部材として、
第1の筒状部材と、
一方の開口端近傍の側面が前記第1の筒状部材の一方の開口端近傍の側面に接する第2の筒状部材と、を有し、
前記第1の筒状部材、前記第2の筒状部材および前記第1の筒状部材の他端と前記第2の筒状部材の他端とに張設される一対のドラムヘッドにより閉空間が形成され、
前記第1の筒状部材の前記開口端近傍の側面と前記第2の筒状部材の前記開口端近傍の側面とを接触させつつ、前記第1の筒状部材と前記第2の筒状部材の並べられる方向に前記第1の筒状部材と前記第2の筒状部材とを互いに移動可能にしたことを特徴とする請求項1に記載のドラム。 - 前記第1の筒状部材と前記第2の筒状部材とを互いに固定する固定手段をさらに具備したことを特徴とする請求項2に記載のドラム。
- 前記複数の筒状部材として、
第1の筒状部材と、
第2の筒状部材と、
一方の開口端が前記第1の筒状部材の一方の開口端に組み合わされ、他方の開口端が前記第2の筒状部材の一方の開口端に組み合わされる第3の筒状部材と、を有し、
前記第1の筒状部材、前記第2の筒状部材、前記第3の筒状部材および前記第1の筒状部材の他端と前記第2の筒状部材の他端とに張設される一対のドラムヘッドにより閉空間が形成されることを特徴とする請求項1に記載のドラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014093848A JP2015210485A (ja) | 2014-04-30 | 2014-04-30 | ドラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014093848A JP2015210485A (ja) | 2014-04-30 | 2014-04-30 | ドラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015210485A true JP2015210485A (ja) | 2015-11-24 |
Family
ID=54612682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014093848A Pending JP2015210485A (ja) | 2014-04-30 | 2014-04-30 | ドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015210485A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105741825A (zh) * | 2016-04-07 | 2016-07-06 | 太仓市方克乐器有限公司 | 一种螺纹连接式架子鼓 |
-
2014
- 2014-04-30 JP JP2014093848A patent/JP2015210485A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105741825A (zh) * | 2016-04-07 | 2016-07-06 | 太仓市方克乐器有限公司 | 一种螺纹连接式架子鼓 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9087497B1 (en) | Adjustable cajón instrument | |
US7692082B2 (en) | Drum | |
JP2007171233A (ja) | 打楽器用ピックアップ、電気打楽器 | |
US20100037750A1 (en) | Method and apparatus for optimizing sound output characteristics of a drum | |
JP6307614B2 (ja) | 音色調節部材 | |
JP2015210485A (ja) | ドラム | |
JP6390293B2 (ja) | ドラム | |
US11114071B2 (en) | Percussion instrument | |
US20150294655A1 (en) | Pitch and tone altering drum cover | |
WO2014151576A1 (en) | Mutable high-hat tambourine | |
JP2007156048A (ja) | 減音ドラムヘッド、減音ドラム | |
US20150206519A1 (en) | Musical drum | |
US20220172697A1 (en) | Tone-enhancing drum shell and methods of making and using same | |
US8962963B1 (en) | Shape adjustable tambourine | |
WO2022009334A1 (ja) | シンバル | |
US20080216634A1 (en) | Construction of a drumshell | |
Worland | Drum tuning: an experimental analysis of membrane modes under non-uniform tension | |
JP6953585B2 (ja) | 楽器用拡声器スピーカー | |
US20170094413A1 (en) | Soundboard speaker of digital piano | |
Richardson et al. | Analysis and manipulation of modal ratios of cylindrical drums | |
US20230395045A1 (en) | Drum | |
JP3205157U (ja) | 打楽器 | |
US10460708B2 (en) | Frequency control cymbal | |
US20230252965A1 (en) | Percussion instrument driving device and percussion instrument kit | |
JP6893620B2 (ja) | 振動発音式楽器 |