JP2015209400A - 新規トリペプチド及びペプチド含有組成物、並びにそれらの使用、それらを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、メタボリックシンドローム予防改善剤、又は食欲調節用の食品組成物 - Google Patents

新規トリペプチド及びペプチド含有組成物、並びにそれらの使用、それらを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、メタボリックシンドローム予防改善剤、又は食欲調節用の食品組成物 Download PDF

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Koji Inoue
孝司 井上
耕作 大日向
Kosaku Ohinata
耕作 大日向
貴文 水重
Takafumi Mizushige
貴文 水重
諒 大前
Ryo Omae
諒 大前
知夏 奥田
Chinatsu Okuda
知夏 奥田
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Abstract

【課題】様々な分野に適用することができる新規トリペプチド及びペプチド含有組成物、並びにそれらの使用、それらを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、メタボリックシンドローム予防改善剤、又は食欲調節用の食品組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、アワ由来のピログルタミン酸−アルギニン−フェニルアラニンの配列からなる新規トリペプチドである。また、本発明は、前記新規トリペプチドを含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、又はメタボリックシンドローム予防改善剤である。また、本発明は、前記新規トリペプチドを含有する食欲調節用の食品組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規トリペプチド及びペプチド含有組成物に関し、さらには、それらの使用、それらを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、メタボリックシンドローム予防改善剤、又は食欲調節用の食品組成物に関する。
一般に、高カロリ食、飲酒・喫煙、運動不足、ストレス等の生活習慣が原因で生ずる病気として、肥満、高血圧、高血糖、高脂血症等の生活習慣病が知られている。これらの生活習慣病は、心筋梗塞、脳梗塞等の成人病の原因とされる動脈硬化症の危険因子として知られ、社会的に重大な問題となっている。一般に、上記生活習慣病のうち複数種類の生活習慣病を併発している症状をメタボリック症候群という。より具体的には、内臓脂肪蓄積等の中心性肥満の症状がある他に、高血圧、高血糖、及び高脂血症のうち2つ以上の症状に該当する場合をいう。これらの症状は、食生活の改善、適度な運動以外に根本的な治療法が確立されていないのが現状である。メタボリック症候群に該当する人は、健常者に比べ、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高いため、現在、高血圧等のメタボリック症候群該当因子の予防薬や治療薬の開発が急務となっている。
従来より、特許文献1,2に開示される特定のペプチドを含有する抗肥満剤が知られている。特許文献1は、アルギニン−芳香族アミノ酸配列を含む抗肥満ペプチドについて開示する。特許文献2は、天然素材として大豆ペプチド、コラーゲンペプチド、及びグルタミンを含有する体脂肪減少促進剤について開示する。
国際公開第2012/070554号パンフレット 特開2002−20312号公報
本発明の目的とするところは、様々な分野に適用することができる新規トリペプチド及びペプチド含有組成物、並びにそれらの使用、それらを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、メタボリックシンドローム予防改善剤、又は食欲調節用の食品組成物を提供することにある。
本発明は、アワ由来のグルテリン加水分解物から新規ペプチドを得たことに基づくものである。また、かかる新規ペプチドが優れた摂食抑制作用等を有することを見出したことに基づくものである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、アワ由来のピログルタミン酸−アルギニン−フェニルアラニンの配列からなる新規トリペプチドが提供される。また、本発明の別の一態様では、前記新規トリペプチドを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、又はメタボリックシンドローム予防改善剤が提供される。摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のために用いられる旨の表示を付すことが好ましい。また、本発明の別の一態様では、前記新規トリペプチドを含有する食欲調節用の食品組成物が提供される。本発明の別の一態様では、前記新規トリペプチドを経口摂取させることを特徴とする、摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のための使用(ヒトに対する医療行為を除く)が提供される。
また、本発明の別の一態様では、アワ由来のグルテリンに疎水性アミノ酸のN末端を切断するプロテアーゼを作用させた酵素処理物を、特定の条件で高速液体クロマトグラフィによる分離処理に供したときに得られる成分を含有するペプチド含有組成物であって、前記特定の条件は、内径20mmで長さ250mmのODSカラムを使用すること、ODSカラムへの酵素処理物の投入時は、0.1%トリフルオロ酢酸/水混合物、その後、50分までの間に0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物が50容量%となる溶媒を移動相として使用すること、及び移動相の流速が10mL/分であることを含み、ODSカラムへの酵素処理物の投入後20〜30分までの間にカラムから溶出する成分を含有するペプチド含有組成物が提供される。前記プロテアーゼは、サーモリシンであることが好ましい。
また、本発明の別の一態様では、前記ペプチド含有組成物を有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、又はメタボリックシンドローム予防改善剤が提供される。摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のために用いられる旨の表示を付すことが好ましい。また、本発明の別の一態様では、前記ペプチド含有組成物を含有する食欲調節用の食品組成物が提供される。本発明の別の一態様では、前記ペプチド含有組成物を経口摂取させることを特徴とする、摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のための使用(ヒトに対する医療行為を除く)が提供される。
本発明によれば、新規トリペプチド及びペプチド含有組成物を様々な分野に適用することができる。
アワグルテリンの各プロテアーゼ分解物の動脈弛緩率及び腸内分泌細胞(SCT−1)のカルシウム応答性を示すグラフ。 アワグルテリンのサーモリシン分解物の消化管運動抑制作用及び血圧降下作用を示すグラフ(各数値は、平均±標準偏差を示す。*は、コントロール群に比べP<0.05である場合を示す)。(a)消化管運動抑制作用を示すグラフ。(b)血圧降下作用を示すグラフ。 アワグルテリンのサーモリシン分解物のHPLCチャートを示すグラフ。 アワグルテリンのサーモリシン分解物のHPLCの各フラクションにおける動脈弛緩率とSTC−1のカルシウム応答性を示すグラフ。 アワグルテリンのサーモリシン分解物のHPLCの各フラクション(細分取)における動脈弛緩率とSTC−1のカルシウム応答性を示すグラフ。 pyroGlu−Arg−Phe(pERF)配列及びArg−Phe(RF)配列の動脈弛緩作用と血圧降下作用を示すグラフ(各数値は、平均±標準偏差を示す。*は、コントロール群に比べP<0.05である場合を示す。**は、コントロール群に比べP<0.01である場合を示す)。(a)動脈弛緩率を示すグラフ。(b)血圧降下作用を示すグラフ。 pyroGlu−Arg−Pheの配列の摂食抑制作用を示すグラフ(各数値は、平均±標準偏差を示す。*は、コントロール群に比べP<0.05である場合を示す)。
以下、本発明のトリペプチドを具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態の新規トリペプチドは、ピログルタミン酸−アルギニン−フェニルアラニン(pyroGlu−Arg−Phe)の配列を有する。この新規トリペプチドを構成するアミノ酸は、L体のアミノ酸、D体のアミノ酸、又はDL体のアミノ酸(D体とL体が混合されたアミノ酸であればラセミ体といずれか一方のエナンチオマーが過剰なアミノ酸のいずれも含まれる)のいずれを使用してもよい。好ましくはL体のアミノ酸のみ、又はD体のアミノ酸のみからなるペプチドが用いられる。より好ましくは、L体のアミノ酸のみからなるペプチドがよい。本実施形態の新規トリペプチドは、塩、溶媒和物等の形態を包含する。
pyroGlu−Arg−Phe配列からなるトリペプチドの塩としては、酸付加塩と塩基塩が挙げられる。酸付加塩の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、過塩素酸等の無機塩、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸の塩が挙げられる。これらの酸付加塩は、1種類を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基塩の具体例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの塩基塩は、1種類を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒和物の具体例としては、水(水和物の場合)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、アセトアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメトキシエタン等の溶媒和物が挙げられる。これらの溶媒和物は、1種類を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、上記のように構成された本実施形態の新規トリペプチドの製造方法を説明する。
本実施形態の新規トリペプチドは、例えば天然のタンパク質やポリペプチドをプロテアーゼによる加水分解処理により得ることができる。加水分解されるタンパク質やポリペプチドとしては、アワ由来のグルテリンが挙げられる。グルテリンは、穀物の種子中に含まれ、穀物の具体例としては、アワ、小麦、大麦、ライ麦、米、ヒエ等が挙げられる。これらの原料の中で、効率的に新規トリペプチドが得られる観点からアワグルテリンが用いられる。
これらのアワ素材由来のグルテリンは、天然素材をそのままプロテアーゼ処理してもよく、必要に応じて濃縮、脱塩、抽出、精製等の処理を行った後、プロテアーゼ処理してもよい。グルテリンの食品素材からの抽出又は精製方法としては、公知の方法、例えばアルカリ抽出法を採用することができる。
加水分解処理に用いられるプロテアーゼとして、疎水性アミノ酸のN末端を切断するプロテアーゼが用いられる。より具体的には、サーモリシン等が挙げられる。サーモリシンは、金属プロテアーゼに分類され、至適pHは約6.5〜8.5である。サーモリシンは、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン等の大きな疎水性側鎖を持つアミノ残基のN末端を優先的に切断するエンドペプチダーゼである。また、単独で又は組み合わせることによりサーモリシンと同様の部位を切断することができる他のプロテアーゼ又は他のプロテアーゼの組み合わせも使用することができる。サーモリシンを用いたタンパク質分解酵素処理は、好ましくは10〜55℃、より好ましくは20〜45℃、さらに好ましくは30〜40℃の条件下で行われる。処理時間は、処理温度により適宜設定されるが、処理効率等の観点から0.5〜48時間程度反応させる。
グルテリンに疎水性アミノ酸のN末端を切断するプロテアーゼを作用させて得られた酵素処理物は、さらに1又は2以上のクロマトグラフィを用いて分離する工程を経ることにより、新規トリペプチドを分離・精製することができる。抽出又は精製工程における分離・精製の程度は、精製された新規トリペプチドを指標とすることにより、又は各種成分分析することにより行うことができる。クロマトグラフィとしては、公知のクロマトグラフィ、例えばガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、超臨界流体クロマトグラフィ、及び薄層クロマトグラフィを用いることができる。液体クロマトグラフィとしては、例えばカラムクロマトグラフィを用いることができ、より具体的には高速液体クロマトグラフィ(HPLC)及びオープンカラムクロマトグラフィを挙げることができる。クロマトグラフィ担体としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィ、分配クロマトグラフィ(順相・逆相クロマトグラフィ)、吸着クロマトグラフィ、及び分子排斥クロマトグラフィが挙げられる。分配クロマトグラフィとして、具体的にはシリカゲル担体を用いることが抽出成分の分離効率が優れる観点から好ましい。シリカゲル担体として、表面がオクタデシルシリル基(ODS)等により表面修飾されたものを使用してもよい。
例えば、以下の方法により、グルテリンに疎水性アミノ酸のN末端を切断するプロテアーゼを作用させて得られた酵素処理物から新規トリペプチドを分離・精製することができる。前記酵素処理物は、特定の条件で高速液体クロマトグラフィによる分離処理に供される。前記特定の条件として、内径20mmで長さ250mmのODSカラムが使用される。ODSカラムへの酵素処理物の投入時は、0.1%トリフルオロ酢酸/水混合物、その後、50分までの間に0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物が50容量%の線形濃度勾配となる溶媒を移動相として使用される。移動相の流速は、10mL/分である。ODSカラムへの酵素処理物の投入後20〜30分までの間にカラムから溶出する成分中に新規トリペプチドが含有される。
かかる新規トリペプチドが含有される画分は、さらにクロマトグラフィに供することにより、又は画分をより細分取することにより、目的とする新規トリペプチドを得ることができる。
次に、本実施形態の新規トリペプチドの作用について説明する。
本実施形態の新規トリペプチドは、高い摂食抑制作用、抗肥満作用、動脈弛緩作用、及び血圧降下作用を有している。また、これらの作用により、メタボリックシンドローム予防改善作用を併せて有している。よって、新規トリペプチドを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、及びメタボリックシンドローム予防改善剤として、好ましく適用することができる。また、それにより、好ましくはヒトに対する医療行為を除く、新規トリペプチドを経口摂取させることを特徴とする、摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のための使用が提供される。
本実施形態の新規トリペプチドの生体への投与経路は特に限定されず、経口投与、及び非経口投与のいずれを採用してもよい。より具体的には、これらの剤は、各作用の効果・効能とする医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、飲食品等の形態で適用され得る。飲食品として適用する場合、さらに食欲調節用の食品組成物として構成してもよい。
本実施形態の新規トリペプチドを医薬品、医薬部外品、及び皮膚外用剤として使用する場合は、服用(経口摂取)、血管内投与、経腸投与、経皮投与、腹腔内投与の他、患部に塗布又は直接患部に投与する方法等のあらゆる投与方法を採用することが可能である。これらの中で、容易に摂取が可能なことから服用が好ましい。
剤形としては、各投与方法に適した剤形を適宜採用することができるが、例えば、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、坐剤、液剤、注射剤、軟膏、スプレー剤、シート剤、散剤等が挙げられる。医薬組成物の形で投与される場合、製剤用担体と混合して調製されることが好ましい。製剤用担体としては、製剤分野において公知の担体を適用することができるが、本実施形態の新規トリペプチドと反応しない物質が好ましく適用される。尚、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な溶媒に溶解又は懸濁する形態であってもよい。錠剤又は顆粒剤の場合、周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本実施形態の新規トリペプチドを水、生理食塩水、又はブドウ糖溶液に溶解させて調製してもよい。また緩衝剤及び保存剤を添加してもよい。
本実施形態の新規トリペプチドを飲食品に適用する場合、各疾患の患者用の飲食品に好ましく採用される。本実施形態の新規トリペプチドを種々の食品素材又は飲料品素材に添加することによって使用することができる。また、本実施形態の新規トリペプチド自体を、食欲調節用の食品組成物として構成してもよい。飲食品の形態としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状等のいずれであってもよく、また剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤のいずれであってもよい。その中でも、吸湿性が抑えられることから、カプセル剤であることが好ましい。飲食品は、製剤用担体と混合して調製されてもよい。
上述した医薬品又は飲食品に用いることができる製剤用担体、経口摂取用担体、希釈剤、又は賦形剤の具体例としては、乳糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、蔗糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、流動パラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン性界面活性剤、プロピレングリコール、水等が挙げられる。
経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤成分、例えば乳糖、澱粉、結晶セルロース、乳酸カルシウム、無水ケイ酸等と混合して散剤とする。さらに必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤等を加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とすることができる。錠剤を製造するには、これらの散剤及び顆粒剤をそのまま打錠してもよく、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤を加えて打錠してもよい。これらの顆粒又は錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチルポリマー等の腸溶剤基剤で被覆して腸溶剤製剤、又はエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油等で被覆して持続性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造する場合、散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填してもよく、有効成分をそのまま、又はグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油等に溶解した後ゼラチン膜で被覆し軟カプセルとすることができる。
経口投与用の液状製剤を製造するには、有効成分と白糖、ソルビトール、グリセリン等の甘味剤とを水に溶解して透明なシロップ剤、更に精油、エタノール等を加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴム、トラガント、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を加えて乳剤又は懸濁剤としてもよい。これらの液状製剤には所望により矯味剤、着色剤、保存剤等を加えてもよい。
注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じて塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸、ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調整剤、塩化ナトリウム、ブドウ糖等の等張化剤と共に注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填することができる。更にマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、ゼラチン等を加えて真空凍結乾燥し、用時溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレシチン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等を加えて水中で乳化させることにより注射剤用乳剤とすることもできる。
経腸投与又は経皮投与を製造する場合、有効成分をカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリコール等の座剤用基材と共に加湿して溶解し型に流し込んで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコール、大豆油等に溶解した後、ゼラチン膜で被覆してもよい。
皮膚用外用剤を製造する場合、有効成分を白色ワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等に加えて必要ならば加湿して練合し軟膏剤とすることができる。また、ロジン、アクリル酸アルキルエステル重合体等の粘着剤と練合した後ポリアルキル等の不織布に展延してテープ剤とする。
飲食品の具体例としては、飲料類(コーヒー、ココア、ジュース、清涼飲料、ミネラル飲料、茶飲料、緑茶、紅茶、烏龍茶、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料等)、ガム、グミ、ゼリー、キャンデー、クッキー、クラッカー、ビスケット、氷菓(アイスクリーム、アイスキャンディ、シャーベット、かき氷等)、レトルト食品、ゼリー状食品(ゼリー、寒天、ゼリー状飲料等)等を挙げることができる。
本実施形態に係る新規トリペプチドを添加・配合して調製しうる食品としては、いわゆる健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、特定保健用食品、病者用食品・病者用組合わせ食品(厚生労働省、特別用途食品の一種)又は高齢者用食品(厚生労働省、特別用途食品の一種)としてもよく、素錠、フィルムコート錠、糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカプセルとソフトカプセルとのいずれも含む。)、チュアブルタイプ、シロップタイプ、ドリンクタイプ等とすることもできる。本実施形態に係る新規トリペプチドを添加・配合した食品の調製は、公知の方法を適宜採用することができる。
本実施形態の新規トリペプチドの投与量は、特に限定されないが、投与方法、投与される者の状態や年齢等により適宜決定される。例えば、成人1日あたり通常は0.01mg/kg(体重)〜500mg/kg(体重)、好ましくは0.05mg/kg〜100mg/kg、より好ましくは0.1〜30mg/kgである。
上記実施形態の新規トリペプチドによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の新規トリペプチドは、高い摂食抑制作用、抗肥満作用、動脈弛緩作用、血圧降下作用、メタボリックシンドローム予防改善作用を有している。したがって、上記摂食抑制作用等を目的とした医薬品等の各種用途に好ましく適用することができる。
(2)本実施形態の新規トリペプチドは、天然成分であるアワ由来のグルテリンに疎水性アミノ酸のN末端を切断するプロテアーゼを作用させた酵素処理物を、各種クロマトグラフィを用いて分離・精製することにより得ることができる。したがって、安価に入手することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・アワ由来のグルテリンに疎水性アミノ酸のN末端を切断するプロテアーゼを作用させて得られた酵素処理物を、特定の条件で高速液体クロマトグラフィによる分離処理に供したときに得られる成分をペプチド含有組成物として、上述した医薬品及び飲食品等の各種用途に適用してもよい。上記特定の条件は、内径20mmで長さ250mmのODSカラムが使用される。ODSカラムへの酵素処理物の投入時は、0.1%トリフルオロ酢酸/水混合物、その後、50分までの間に0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物が50容量%となる溶媒を移動相として使用される。移動相の流速が10mL/分である。ODSカラムへの酵素処理物の投入後20〜30分までの間にカラムから溶出する成分である。かかる構成によっても、高い摂食抑制作用、抗肥満作用、動脈弛緩作用、血圧降下作用、及びメタボリックシンドローム予防改善作用を期待することができる。よって、ペプチド含有組成物を有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、及びメタボリックシンドローム予防改善剤として適用することができる。また、それにより、好ましくはヒトに対する医療行為を除く、ペプチド含有組成物を経口摂取させることを特徴とする、摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のための使用が提供される。ペプチド含有組成物は、食欲調節用の食品組成物として構成してもよい。
・上記実施形態の新規トリペプチド又はペプチド含有組成物は、ヒトが摂取する医薬品又は飲食品等に対して適用することができるのみならず、家畜等の飼養動物に対する飼料、薬剤等に適用してもよい。
・上記実施形態の新規トリペプチド又はペプチド含有組成物は、高い摂食抑制作用、抗肥満作用、動脈弛緩作用、血圧降下作用、メタボリックシンドローム予防改善作用を有している。上記実施形態の新規トリペプチド又はペプチド含有組成物を実験用・研究用試薬として適用してもよい。摂食抑制作用等が関係する生理作用のメカニズムの解明等を目的として用いることができる。
・上記実施形態の新規トリペプチド又はペプチド含有組成物は、好ましくは摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、及びメタボリックシンドローム予防改善剤として適用される。しかしながら、上記実施形態の新規トリペプチドの使用は、これらの用途に限定されるものではない。
・上記実施形態の新規トリペプチド又はペプチド含有組成物は、好ましくは医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、飲食品等の形態で適用され得る。これらに適用する場合、摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のために用いられる旨の表示を付すことが、表示のないものと区別することができる観点からより好ましい。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験例1:アワグルテリンの加水分解物の血圧降下作用及び摂食抑制作用に関する試験>
アワグルテリンの各種プロテアーゼによる加水分解物について、血圧降下作用及び摂食抑制作用について測定した。
(1−1)アワグルテリンの抽出及びプロテアーゼ処理
原料としてアワ(400g)に食塩水(3%NaCl)4,000mLを添加し、超音波微細化粉砕装置(ウルトラソニック)を用いて、4℃で所定時間粉砕・微細処理を行った。その後、遠心分離(17,000×g、20分、4℃)し、得られた沈殿について、さらに70%エタノールを添加し、再懸濁した。所定時間撹拌後、遠心分離(17,000×g、20分、4℃)を行った。得られた沈殿について、さらに0.1%水酸化ナトリウム液を2400mL加え1時間室温で攪拌し、遠心分離(17,000×g、20分、4℃)にて上清を得た。その上清を0.05M酢酸でpH4.5に調整した後、更に遠心分離(17,000×g、20分、4℃)で沈殿させた画分を凍結乾燥することによってグルテリンを含有する組成物を得た。本操作を9回おこない、組成物として27g(タンパク質含有率41.79%)を得た。
上記のように得られたグルテリンを含有する組成物に水を加え(20mg/mL)、酵素処理用の水溶液を調製した。次に、前記水溶液に、次の各プロテアーゼを添加することにより、反応液を調整した。中性プロテアーゼとしてサーモリシン、アルカリ性プロテアーゼのサチライシン、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)由来の中性プロテアーゼ(スミチームFP)の3種類を使用した。反応液は、各プロテアーゼの至適pHに調整し、酵素:タンパク質=1:100となるように、酵素を添加した。続いて、サーモリシン及びサチライシンを添加した反応液を37℃で、スミチームを添加した反応液を50℃で、インキュベートすることにより、プロテアーゼ分解酵素処理を実施した。5時間後、分解処理を終了し、アワグルテリンの各プロテアーゼ分解物を得た。
(1−2)アワグルテリンのプロテアーゼ分解物の動脈弛緩率及び腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性に関する試験
上記のように得られた各プロテアーゼ分解物について、血圧降下作用に関連する動脈弛緩率、及び摂食抑制作用に関連する腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性について試験を行った。
(a)使用動物
高血圧自然発症の雄ラット(SHRs/Izm)及び雄性ddYマウス(日本SLC社製)を使用した。各動物は、23℃、12時間/12時間の明暗サイクルに制御された部屋で飼育した。餌は、固形SP飼料(船橋農場社製)及びCE−2(日本クレア社製)を与え、水と共に自由摂取させた。
(b)動脈弛緩実験
高血圧自然発症ラット(SHR)(15〜34週齢)の腸間膜動脈を摘出し、螺旋状に切開して標本を作成した。Krebs-Henseleit栄養液((120mMのNaCl,4.7mMのKCl,1.2mMのMgSO,1.2mMのKHPO,2.5mMのCaCl,25mMのNaHCO,10mMのグルコース)、37℃、5%CO、95%O混合ガス飽和)を満たしたマグヌス管中にこの標本を懸垂し、その張力(緊張)変化を歪みトランスデューサー(三栄社製)を介してポリグラフ上に記録した。尚、上記試験の装置は、例えば国際公開第2012/070554号パンフレットの図1を参酌してもよい。
実験では、腸間膜動脈標本を予めフェニレフリン(血管収縮剤)で収縮させ、その後、上記各プロテアーゼ分解物を添加して添加後の動脈の張力変化を観察した。尚、コントロールとして蒸留水を使用した。結果を図1に示す。
(c)腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性試験
マウス腸内分泌細胞STC−1を用いて、各プロテアーゼ分解物を添加し、細胞応答性を検討した。STC−1細胞において、CCK分泌の際に細胞内カルシウム濃度が上昇することが既に知られている。CCKは、内因性摂食抑制ホルモンであり、その分泌が刺激されると満腹感を惹起することが知られている。CCK分泌能を有する腸内分泌細胞として知られるSTC−1では、細胞内Ca2+濃度上昇後にCCK分泌が促進される。細胞内Ca2+濃度は、カルシウム蛍光指示薬Fluo-4を用いて測定した。結果を図1に示す。
図1に示されるように、特に、アワグルテリンのサーモリシン分解物が、優れた動脈弛緩作用を有することが確認された。アワグルテリンのサーモリシン分解物をSTC−1細胞の培養液中に添加したところCa2+濃度が認められ、実際にCCK遊離が促進しているものと考えられる。特に、アワグルテリンのサーモリシン分解物が、優れた動脈弛緩作用及び腸内分泌細胞反応性を有することが確認された。
(1−3)アワグルテリンのサーモリシン分解物の消化管運動抑制作用及び血圧降下作用に関する試験
さらに、アワグルテリンのサーモリシン分解物について、消化管運動抑制作用及び血圧降下作用について試験した。
(a)消化管運動抑制作用
CCKの代表的な生理作用として消化管運動抑制作用が知られている。雄性ddYマウスを使用した。18時間絶食後、図2(a)に示される投与量でアワグルテリンのサーモリシン分解物を胃ゾンデにより経口投与し、その30分後に色素溶液を経口投与した。さらに、色素溶液投与5分後に、頚椎脱臼に安楽死させ、消化管を取り出し、色素溶液の移動距離を測定した(n=5)。移動率は、以下の式により算出した。結果を図2(a)に示す。
移動率(%)=(色素溶液移動距離(cm)/小腸の長さ(cm))×100
(b)血圧降下作用の検討
高血圧自然発症ラット(SHR)に図2(b)に示される投与量でアワグルテリンのサーモリシン分解物を胃ゾンデにより経口投与した。無麻酔下のラットについて、tail-cuff法での収縮期血圧(Systolic blood pressure)を測定した。血圧測定にはMK-2000(室町機械社製)を使用した。投与前、投与2時間後の血圧を測定し、測定した血圧の変化の結果を図2(b)に示す。
図2(a)に示されるように、アワグルテリンのサーモリシン分解物により消化管運動抑制作用を示し、CCK様作用を示すことが確認された。また、アワグルテリンのサーモリシン分解物により高血圧自然発症ラット(SHR)において血圧降下傾向を示すことが確認された。
<試験例2:新規トリペプチド(pyroGlu−Arg−Phe)の血圧降下作用及び摂食抑制作用に関する試験>
上記のように得られたアワグルテリンのサーモリシン分解物について、逆相HPLCにより、その作用本体について、単離を試みた。
(2−1)アワグルテリンの加水分解物のHPLCの各画分における動脈弛緩率及び腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性に関する試験
(a)上記のように得られたアワグルテリンのサーモリシン分解物について、下記HPLCの条件にて、分離処理を行った。溶出液は、5分単位で50分間採取した。それぞれフラクションA〜Jとする。HPLCチャートを図3に示す。
<HPLC条件>
カラム(ODSカラム(コスモシール5C18-ARII:ナカライティスク社製),20mm×250mm)
移動相:A(0.1%TFA H2O):B(0.1%TFA CH3CN)
B:0(0分)→50%(50分)、直線グラジェント(1%/分)
流速:10mL/分
(b)上記のように得られたフラクションA〜Jについて、動脈弛緩率及び腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性について測定した。測定方法は、上記(1−2)欄に示される方法に従った。結果を図4に示す。
図4に示されるように、優れた動脈弛緩率又は腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性を示すフラクションとして溶出時間20〜30分のフラクションE,Fが認められた。
かかるフラクションE,Fの溶出時間の範囲について、さらに15秒単位で細分取を試みた。得られた各フラクションについて、上記と同様に動脈弛緩率及び腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性について測定した。結果を図5に示す。
図5に示されるように、溶出時間24〜25分付近のフラクションNo.45について、優れた動脈弛緩率及び腸内分泌細胞(STC−1)のカルシウム応答性の両方を示すことが確認された。
(2−2)活性成分の特定、及び新規トリペプチド(pyroGlu−Arg−Phe)の血圧降下作用及び摂食抑制作用に関する試験
(a)上記フラクションNo.45について、LC/MSにより機能性分子の同定を試みた。その結果、pyroGlu−Arg−Phe(pERF)に相当する分子が含まれていることが判明した。さらに、pERFを化学合成し、その生理作用を検討した。
(b)pERF配列の動脈弛緩活性及び血圧降下作用に関する試験
化学合成したpERF配列について、上記(1−2)欄に示される方法に従って動脈弛緩活性について試験した。比較例として、Arg−Phe(RF)配列を有するジペプチドについても同様に試験した。結果を図6(a)に示す。また、上記(1−3)欄に示される方法に従って血圧降下作用について試験した。尚、コントロールとして蒸留水を使用した。血圧は、投与前、経口投与後2時間毎に6時間まで測定し(n=3〜7)、測定した血圧の変化の結果を図6(b)に示す。
図6(a)(b)に示されるように、pERFは、動脈弛緩作用を示すとともに、経口投与により血圧降下作用を示すことが確認された。pERFは、従来動脈弛緩活性を有することが知られているArg−Phe(RF)配列を有するジペプチドよりも優れた動脈弛緩作用を有することが確認された。
(c)pERF配列の摂食抑制作用に関する試験
化学合成したpERF配列について、摂食抑制作用について試験した。試験方法は、雄性ddYマウスを使用し、18時間絶食後に、pERF配列含有試料を図7に示される投与量において腹腔内投与し、20分間の摂食量を測定した(n=6,7)。結果を図7に示す。
図7に示されるように、pERF配列は、摂食抑制作用を併せ持つことが確認された。
以上により、新規トリペプチドpERFは、アワタンパク質由来の初めての機能性ペプチドである。摂食抑制作用と血圧降下作用の両方を併せ持つ新規トリペプチドpERFは、上記試験結果に示されるように、肥満と高血圧の両方を予防又は改善することが期待される。したがって、抗メタボリックシンドローム素材としての応用が期待される。尚、メタボリックシンドローム患者では、CCK反応性が低下しているとの報告があり、今回発見した新規トリペプチドpERFは、CCK分泌促進作用を有することが強く予想される。かかる観点からも、抗メタボリックシンドローム素材としてより好適である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)医薬品又は飲食品として適用される前記新規トリペプチド又はペプチド含有組成物。

Claims (11)

  1. アワ由来のピログルタミン酸−アルギニン−フェニルアラニンの配列からなる新規トリペプチド。
  2. 請求項1に記載の新規トリペプチドを有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、又はメタボリックシンドローム予防改善剤。
  3. 摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のために用いられる旨の表示を付した請求項2に記載の摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、又はメタボリックシンドローム予防改善剤。
  4. 請求項1に記載の新規トリペプチドを含有する食欲調節用の食品組成物。
  5. 請求項1に記載の新規トリペプチドを経口摂取させることを特徴とする、摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のための使用(ヒトに対する医療行為を除く)。
  6. アワ由来のグルテリンに疎水性アミノ酸のN末端を切断するプロテアーゼを作用させた酵素処理物を、特定の条件で高速液体クロマトグラフィによる分離処理に供したときに得られる成分を含有するペプチド含有組成物であって、
    前記特定の条件は、内径20mmで長さ250mmのODSカラムを使用すること、ODSカラムへの酵素処理物の投入時は、0.1%トリフルオロ酢酸/水混合物、その後、50分までの間に0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物が50容量%となる溶媒を移動相として使用すること、及び移動相の流速が10mL/分であることを含み、ODSカラムへの酵素処理物の投入後20〜30分までの間にカラムから溶出する成分を含有するペプチド含有組成物。
  7. 前記プロテアーゼは、サーモリシンである請求項6に記載のペプチド含有組成物。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のペプチド含有組成物を有効成分として含有する摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、又はメタボリックシンドローム予防改善剤。
  9. 摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のために用いられる旨の表示を付した請求項8に記載の摂食抑制剤、抗肥満剤、動脈弛緩剤、血圧降下剤、又はメタボリックシンドローム予防改善剤。
  10. 請求項6又は請求項7に記載のペプチド含有組成物を含有する食欲調節用の食品組成物。
  11. 請求項6又は請求項7に記載のペプチド含有組成物を経口摂取させることを特徴とする、摂食抑制、抗肥満、動脈弛緩、血圧降下、又はメタボリックシンドローム予防改善のための使用(ヒトに対する医療行為を除く)。
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