JP2015203631A - 試薬容器に設ける蓋体 - Google Patents

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【課題】 簡便かつ安価な方法で、液体試薬の劣化の原因となる空気中の気体の、液体試薬を収容した容器内への侵入および当該液体試薬への吸収を抑制し、液体試薬の長期間の安定性を保つ方法を提供すること。また、液体試薬を冷却保管した場合、液体試薬の濃度変化を起す水蒸気または結露水の、液体試薬を収容した容器内への侵入を抑制し、液体試薬の長期間の安定性を保つ方法を提供すること。
【解決手段】 液体試薬を収容した容器に設ける、前記液体試薬を外部へ供給するための流路と、前記容器内へ外気を取り込むための流路とを有し、前記外気を取り込むための流路が断面積S[mm]、長さL[mm]の管からなり、かつL/Sの値が100[mm−1]以上である蓋体により、前記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体試薬を収容する容器に設ける蓋体に関するものである。より詳しくは、容器に収容した液体試薬の性能を低下させる原因となる環境中の物質が前記容器内に侵入するのを防止可能な蓋体に関するものである。
免疫化学検査や生化学検査の分野で用いられる自動分析装置で使用する液体試薬は、空気中の酸素を吸収することに起因する酸化や、空気中の二酸化炭素を吸収することに起因するpHの低下によって、その性能が劣化する場合がある。特にアルカリ性の液体試薬は二酸化炭素を吸収しやすく、pHの低下が起きやすい。また空気中の水蒸気の吸収や、液体試薬から発生した蒸気の放出により、液体試薬の濃度変化が発生し、本来の性能が維持できなくなったり、劣化が加速される場合がある。特に液体試薬を収容した容器を冷却保管する場合は、空気中の水蒸気が結露し液体試薬に混入しやすくなる。
前記課題を解決するための手段として、特許文献1では、分析機構と連通可能に接続された試薬流路を通じて分析機構へ試薬を供給する試薬容器において、試薬容器に空気を供給する流路に脱酸素剤を設けて酸素を除去した空気を供給する機構を開示している。特許文献2では、ガス洗浄器を接続したストローアセンブリを通して、大気中の気体の汚染物質を除去した空気をバルク液体を収容した容器に空気を供給する機構を開示している。特許文献3では、液体試薬を可撓性の密閉容器に収容し、反応容器内まで完全閉鎖系で接続した機構を開示しており、これにより液体試薬内への気体の溶け込みや、液体試薬内への異物の混入を防止している。特許文献4では、チェック弁を付けた蓋を開示しており、これにより試薬容器側のみへの気体流入を許容している。
特開2000−009734号公報 特表2011−521261号公報 特開平8−271529号公報 実開平2−135866号公報
特許文献1および特許文献2は、脱酸素剤またはガス洗浄器のための試薬の管理が必要である。そのため、定期的に脱酸素剤またはガス洗浄器のための試薬の交換や再生が必要であり、それに伴う費用が発生する。また管理を誤れば、脱酸素剤やガス洗浄器のための試薬が空気供給の配管を通して試薬容器内に侵入し、容器内に収容した液体試薬の劣化を引き起こす可能性があるため、簡便で安価とはいえない方法である。
特許文献3は、液体試薬を大気から遮断する方法としては非常によい。しかしながら、液体試薬を効率よく低温で保管することを目的に、冷却部材を当該液体試薬を収容した容器の壁面に接触させることで当該液体試薬を冷却させようとした場合、当該容器が有する可撓性によって容器の壁面が変形するため、冷却部材と試薬容器の壁面を接触させることは困難である。すなわち、このような可撓性の試薬容器を使用する場合には、試薬容器の設置場所の雰囲気全体を冷却する保冷庫が必要であり、冷却効率が悪くまた冷却機能の費用が大きくなる。
特許文献4は、液体試薬が蒸発したり、液体試薬を収容した容器内の温度が上昇して容器内の圧力が上昇した場合、チェック弁から気体を放出できないため、試薬供給管へ試薬を押し出す圧力が加わり、試薬の供給量の精度が保てなくなる問題点がある。
本発明の課題は、上記従来技術の課題を鑑み、簡便かつ安価な方法で、液体試薬の劣化の原因となる空気中の気体の、液体試薬を収容した容器内への侵入および当該液体試薬への吸収を抑制し、液体試薬の長期間の安定性を保つ方法を提供することにある。また本発明の別の課題は、液体試薬を冷却保管した場合、液体試薬の濃度変化を起す水蒸気または結露水の、液体試薬を収容した容器内への侵入を抑制し、液体試薬の長期間の安定性を保つ方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、液体試薬を収容した容器に設ける蓋体の構造に着目して、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の第一の態様は、
液体試薬を収容した容器に設ける、前記液体試薬を外部へ供給するための流路と、前記容器内へ外気を取り込むための流路とを有した蓋体であって、
前記外気を取り込むための流路が断面積S[mm]、長さL[mm]の管からなり、かつ、L/Sの値が100[mm−1]以上である、前記蓋体。
また本発明の第二の態様は、前記外気を取り込むための流路が可撓性を有した管である、前記第一の態様に記載の蓋体である。
さらに本発明の第三の態様は、前記第一または第二の態様に記載の蓋体と液体試薬を収容した容器とを備えた、液体試薬の供給手段である。
また本発明の第四の態様は、液体試薬を収容した容器が、液体試薬の外部への供給により形状が変化しない容器である、前記第三の態様に記載の供給手段である。
また本発明の第五の態様は、液体試薬を収容した容器を保冷するための冷却部材を設けた保冷手段をさらに備えた、前記第三または第四の態様に記載の供給手段である。
また本発明の第六の態様は、保冷手段が、冷却部材と液体試薬を収容した容器とを接触または近接させることで、液体試薬を収容した容器を保冷する手段である、前記第五の態様に記載の供給手段である。
さらに本発明の第七の態様は、前記第三から第六の態様のいずれかに記載の供給手段と、試料を分析する手段とを備えた分析装置である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の蓋体は、液体試薬を収容した容器に設ける、前記液体試薬を外部へ供給するための流路と、前記容器内へ外気を取り込むための流路とを有した蓋体であって、前記外気を取り込むための流路が、液体試薬を外部へ供給する際は外部への供給量に影響を与えない程度に外気が取り込まれる一方、液体試薬の外部への供給を停止した際は外気が試薬容器内へ取り込まれない流路であることを特徴としている。前記外気を取り込むための流路の条件は、流路の断面積S[mm]と流路の長さL[mm]に依存し、断面積Sが大きい管を用いる場合は長さLを長くする必要があり、断面積Sが小さい管を用いる場合は長さLは短くしてよい。具体的には、L/Sの値が100[mm−1]以上であればよく、150[mm−1]であれば好ましく、300[mm−1]以上であればより好ましく、600[mm−1]以上であればさらに好ましい。
本発明の蓋体における、外気を取り込むための流路は、断面積Sの大きさにもよるが、長さLを比較的長くとる必要がある。従って、外気を取り込むための流路として、管内が閉塞することなく自由に曲げることが可能な、可撓性を有した管を用いると、曲げたり畳んだりすることで収容場所を小さくすることができるため、好ましい。
本発明の蓋体を液体試薬を収容した容器の開口部に取り付けることで本発明の液体試薬供給手段を得ることができる。前記蓋体と前記開口部とは気密に接続されていればよく、スクリューキャップなどで螺合させて接続してもよいし、嵌合させて接続させてもよいし、簡単に扱うことが可能な圧着させての接続であってもよい。
本発明の液体試薬供給手段における液体試薬を収容した容器の材質に特に限定はないが、本発明の液体試薬供給手段が、液体試薬を収容した容器を保冷するための冷却部材を設けた保冷手段をさらに備えた手段である場合、前記冷却部材と液体試薬を収容した容器の壁面との接触または近接が容易な点で、液体試薬の外部への供給により形状が変形しない(可撓性を有しない)容器としたほうが好ましい。
本発明の液体供給手段における、液体試薬を外部に供給する流路に、ポンプやシリンジ等を取り付けることで、液体試薬を外部に供給することができ、供給した試薬と試料とを反応させ、その反応物を分析することで試料中の特定成分を分析することができる。
本発明は、液体試薬を収容した容器に設ける、前記液体試薬を外部へ供給するための流路と、前記容器内へ外気を取り込むための流路とを有した蓋体であって、前記外気を取り込むための流路が断面積S[mm]、長さL[mm]の管からなり、かつ、L/Sの値が100[mm−1]以上であることを特徴としている。
本発明により、液体試薬の劣化の原因となる空気中の物質の試薬容器内への侵入を、簡便かつ安価な構造で、抑制することができる。特に本発明を、保冷が必要な液体試薬を収容した容器に設ける蓋体に適用する場合、液体試薬の劣化の原因となる空気中の物質の試薬容器内への侵入を抑制するのとともに、液体試薬の濃度変化の原因となる空気中の水蒸気または結露水の試薬容器内への侵入も抑制することが可能である。従って、本発明により、免疫化学検査や生化学検査の分野で用いられる自動分析装置で使用する液体試薬の性能を長期間維持することができる。
本発明の液体試薬供給手段の一態様を示した図である。 本発明の液体試薬供給手段の別の態様を示した図である。 本発明の液体試薬供給手段のさらに別の態様を示した図である。
以下、図面を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の液体試薬供給手段の一態様を図1に示す。図1の液体試薬供給手段100は、液体試薬30を収容した容器20と、外部(例えば試料を分析する分析装置)へ液体試薬30を供給するための供給チューブ11と容器20内へ外気を取り込むための吸気チューブ12とを有した蓋体10、とを備えている。
供給チューブ11には液体試薬30を外部(例えば分析装置)へ供給するためのポンプや送液経路を制御する弁等が設けられており、必要な量の液体試薬30を所定の速度で装置に供給することができる。吸気チューブ12は、容器外側から内側まで一体となった態様であってもよいし、蓋体10の貫通部分と容器の外側または容器の内側とが分離可能な態様であってもよい。さらに吸気チューブ12の容器外側には塵や埃等が侵入するのを防ぐフィルターをさらに有してもよい。供給チューブ11と吸気チューブ12は、気密に蓋体10に接続されている。さらに蓋体10と試薬容器20の開口部とも気密に接続されている。蓋体10と試薬容器20の開口部との接続は、スクリューキャップなどによる螺合が一般的だが、押し込んだり押し被せることで嵌合させて接続してもよい。試薬容器20は、比較的硬質で気体の透過性が低い素材からなり、液体試薬の吸引(外部への供給)や内容量の変化でその形状が変わらない容器である。一般的には樹脂製が好ましいが、ガラス製や金属製でもよい。
容器20内に収容された液体試薬30が供給チューブ11で吸引されて外部(例えば試料を分析する手段)に供給されると、容器20内の圧力が下がり、容器20内から減少した液体試薬の容量に応じて空気が吸気チューブ12を通って容器20内に吸引される。また容器20の温度が下がったときには、容器20内の蒸気の凝集や容器20内部の気体収縮によって、容器20内の圧力が下がることがある。また容器20の温度が上がったときには、液体試薬30の蒸発や容器20内部の気体膨張によって、容器20内の圧力が上がることがある。このような状況であっても吸気チューブ12から空気が出入りすることで、容器20内の圧力変化が小さくなるため、液体試薬30供給量に影響を及ぼすことは少ない。
吸気チューブ12は、前述した液体試薬30の外部供給に伴う外気の取り込みは許容する一方、液体試薬の外部への供給を停止した際は外気が試薬容器内へ取り込まれないことが必要である。上記条件を満たすには、吸気チューブ12の断面積S[mm]と長さL[mm]を調整することで、L/Sの値を100[mm−1]以上とすればよい。
本発明の液体試薬供給手段の別の態様を図2に示す。図2の液体試薬供給手段100では、蓋体10と試薬容器20の開口部とは圧着して気密に接続されている。また図2の液体試薬供給手段では、液体試薬30を収容する容器20を保冷するための冷却部材41と容器20全体を覆う断熱材42とを設けた保冷手段40も備えており、保冷手段40により容器20を断熱保冷する構造となっている。なお冷却部材41と容器20とは互いに接触または近接している。
図2の液体試薬供給手段における保冷手段40は、液体試薬30を収容した容器20を設置した保管庫の空間全体を冷却する必要がなく、液体試薬30を効率よく保冷することができる。しかしながら、容器30内における外気の交換が容易な蓋体、例えば外気の出入りを可能にするために蓋体と容器の開口部との螺合、嵌合や圧着を緩めた場合、取り込まれる外気は冷却されていないため、容器内に入った時点で冷却されて空気中の水蒸気が凝集し、結露水となって液体試薬30に混入するおそれがあり、これにより液体試薬30の濃度が低下して性能を大きく損なうおそれがある。しかし本発明の蓋体10では、容器20内外の空気の出入りが抑制されるため、外気が容器20内に必要以上に侵入し結露水を生じることが少なくなる。
本発明の液体試薬供給手段のさらに別の態様を図3に示す。図3の液体試薬供給手段100では、液体試薬30を収容した容器20を2つ備えており(20a・20b)、蓋体10は前記2つの容器20a・20bを圧着により同時に気密に接続することができる。そのため、2種類の試薬容器の試薬交換を容易に行なうことができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は前記例に限定されるのものではない。
実施例1 冷蔵保管時のpH変化に対する効果(その1)
容器内へ外気を取り込むための流路(吸気チューブ)の長さと、空気中の二酸化炭素の容器内への取り込み(それに伴うpHの低下)との関係を調べた。
(1)液体試薬としては、100mM 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)緩衝液(pH10.1)を用い、容量100mLのネジ口瓶型の高密度ポリエチレン製の容器に前記試薬を80mL入れた。
(2)ネジ口瓶の蓋体に吸気チューブとして内径2mm(断面積S=3.14[mm])のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のチューブを気密に貫通させて接続し、蓋体と液体試薬を収容した容器とを螺合により気密に接続した。なお蓋体は、液体試薬供給停止時を想定して、液体試薬を外部へ供給する流路(供給チューブ)が無いものを使用した。また吸気チューブの長さは、2mm、5mm、100mmまたは600mmとした。
(3)(2)で作製した試薬容器供給手段を4℃設定の冷蔵庫に保管し、経時的に試薬のpHを測定した。
保管時間による、吸気チューブの長さと液体試薬のpHとの関係を表1に示す。長さLが600mmの吸気チューブ(L/S=191[mm−1])を蓋体に接続した場合は、157日間の保管であっても、密閉容器で保管した場合と同じpHを維持した。一方長さLが100mm以下の吸気チューブを蓋体に接続した場合は、保管に伴い、密閉容器で保管した場合と比較しpHが低下していた。
Figure 2015203631
実施例2 冷蔵保管時のpH変化に対する効果(その2)
容器内へ外気を取り込むための流路(吸気チューブ)の内径を変化させて、実施例1と同様な実験を行なった。
(1)液体試薬としては実施例1と同じ試薬を用い、容量100mLのネジ口瓶型の高密度ポリエチレン製の容器に前記試薬を80mL入れた。
(2)ネジ口瓶の蓋体に吸気チューブとして内径0.75mm(断面積S=0.442[mm])のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製のチューブを気密に貫通させて接続し、蓋体と液体試薬を収容した容器とを螺合により気密に接続した。なお蓋体は、液体試薬供給停止時を想定して、液体試薬を外部へ供給する流路(供給チューブ)が無いものを使用した。また吸気チューブの長さは、5mm、50mmまたは300mmとした。
(3)(2)で作製した試薬容器供給手段を4℃設定の冷蔵庫に保管し、経時的に試薬のpHを測定した。
保管時間による、吸気チューブの長さと液体試薬のpHとの関係を表2に示す。長さLが50mm(L/S=113[mm−1])または300mm(L/S=679[mm−1])の吸気チューブを蓋体に接続した場合は、157日間の保管であっても、密閉容器で保管した場合と同じpHを維持した。一方長さLが2mmの吸気チューブ(L/S=4.53[mm−1])を蓋体に接続した場合は、保管に伴い、密閉容器で保管した場合と比較しpHが低下していた。
Figure 2015203631
実施例1および2の結果をまとめると、L/S値が100[mm−1]以上の吸気チューブを蓋体に接続することで、空気中の二酸化炭素の容器内への取り込みが抑制され、長期間保管しても密閉容器で保管した場合と同じpHを維持できることがわかる。
実施例3 冷蔵保管時の結露水侵入に対する効果
(1)容量50mLのネジ口瓶型の高密度ポリエチレン製の容器に水を20mL入れた。
(2)ネジ口瓶の蓋体に吸気チューブとして内径1mm(断面積S=0.785[mm])、長さLが300mmのPEEK製のチューブ(L/S=382[mm−1])を気密に貫通させて接続し、蓋体と液体試薬を収容した容器とを螺合により気密に接続した。なお蓋体は、液体試薬供給停止時を想定して、液体試薬を外部へ供給する流路(供給チューブ)がないものを使用した。
(3)図2に示す保冷手段40に(2)で作製した液体試薬供給手段を載置し、設定温度12℃にして保冷した。なお試験装置は、室温33℃湿度80%の試験室内に設置した。
(4)比較として、水を20mL入れた容量50mLのネジ口瓶型の高密度ポリエチレン製の容器に、ネジ口瓶の蓋体を緩めた状態で螺合したものを作製した。これは外気の取り込み抵抗が少ない(外気の出入りが自由な)液体試薬供給手段に相当する。
試験室内に設置してからの経過時間と液体試薬供給手段の重量増加との関係を表3に示す。外気の出入りが自由な液体試薬供給手段(表3(b))は、65時間後に402mgの重量増加が観察された。これは空気中の水蒸気が凝集した結露水が容器内に侵入したことによるものと考えられる。一方、吸気チューブを付けた本発明の液体試薬供給手段(表3(a))は、238時間後であっても34mgの重量増加にとどまり、本発明の蓋体にが結露水侵入抑制効果を有していることがわかる。
Figure 2015203631
実施例4 分析装置で使用した際の効果(その1)
(1)図3で示す液体試薬供給手段において、左側の液体試薬容器20aとして、容量50mLの高密度ポリエチレン製の容器に2.0mM 1,2−ジオキセタン誘導体を含む50mM 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール緩衝液(pH10.3)を40mL入れたものを、右側の液体試薬容器20bとして、容量50mLの高密度ポリエチレン製の容器に0.3mM フルオレセインと4mM ホスホニウム塩を含む500mM 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール緩衝液(pH10.3)を40mLを入れたものを、それぞれ用意した。
(2)2つの液体試薬容器20を、内径1mm(断面積S=0.785[mm])、長さLが300mmのPEEK製の吸気チューブ(L/S=382[mm−1])を接続した2連結の蓋体10を圧着させることで気密に接続した。
(3)保冷手段40により設定温度12℃で保冷した状態で、液体試薬供給手段を室温33℃、湿度80%の試験環境で約160時間設置した。
前記(3)の試験環境に設置した直後および設置約160時間経過後に、2つの液体試薬容器20に収容した液体試薬を免疫反応試薬を収容した容器に分注し、アルカリフォスファターゼによる酵素反応を行なうことで、免疫反応試薬を収容した容器から発する化学発光を測定した。化学発光の測定値は試験環境に設置した直後と約160時間経過後とでほぼ同じ値を示した。
比較例1
液体試薬容器20の蓋を空気の出入りが自由な状態とし、液体試薬供給手段の設置条件を室温25℃、湿度50%の試験環境で約20時間、または室温33℃湿度80%で約50時間設置した他は、実施例4と同様な評価を行なった。結果、化学発光の測定値は、試験環境に設置した直後と比較し、20%以上減少していた。本評価では、試験環境に設置直後と前記時間経過後とで試薬の重量に大きな変化がなかったため、蒸発や結露水の侵入は無く試薬濃度の変化は無かったと考えられることから、液体試薬のpHが空気中の二酸化炭素を吸収することで低下したため、測定値が低下したと考えられる。
以上の結果をまとめると、断面積S[mm]、長さL[mm]の管からなり、かつ、L/Sの値が100[mm−1]以上の吸気チューブを有した蓋体を、液体試薬を収容した容器に設けることで、当該液体試薬の性能を維持する効果があることがわかる。
本発明の蓋体は、免疫化学検査や生化学検査などの分析装置に備える液体試薬供給手段における液体試薬を収容する容器に設けることで、当該液体試薬の性能を長期間維持することができる。
100:液体試薬供給手段
10:蓋体
11:供給チューブ
12:吸気チューブ
20:液体試薬容器
30:液体試薬
40:保冷手段
41:冷却部材
42:断熱材

Claims (7)

  1. 液体試薬を収容した容器に設ける、前記液体試薬を外部へ供給するための流路と、前記容器内へ外気を取り込むための流路とを有した蓋体であって、
    前記外気を取り込むための流路が断面積S[mm]、長さL[mm]の管からなり、かつ、L/Sの値が100[mm−1]以上である、前記蓋体。
  2. 前記外気を取り込むための流路が可撓性を有した管である、請求項1に記載の蓋体。
  3. 請求項1または2に記載の蓋体と液体試薬を収容した容器とを備えた、液体試薬の供給手段。
  4. 液体試薬を収容した容器が、液体試薬の外部への供給により形状が変化しない容器である、請求項3に記載の供給手段。
  5. 液体試薬を収容した容器を保冷するための冷却部材を設けた保冷手段をさらに備えた、請求項3または4に記載の供給手段。
  6. 保冷手段が、冷却部材と液体試薬を収容した容器とを接触または近接させることで、液体試薬を収容した容器を保冷する手段である、請求項5に記載の供給手段。
  7. 請求項3から6のいずれかに記載の供給手段と、試料を分析する手段とを備えた分析装置。
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