JP2015202052A - Oscillatory wave motor - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、振動波モータに関し、特に、振動子に一方端で接触して該振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子と、該回転子の他方端と係合して該回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材とからなる振動波モータに関する。 The present invention relates to a vibration wave motor, and more particularly to a rotor that is brought into contact with a vibrator at one end and frictionally driven by vibration excited by the vibrator, and is engaged with the other end of the rotor to rotate the rotor. The present invention relates to a vibration wave motor including an output transmission member that transmits the output of a child to the outside.
一般に、振動波モータは、カメラレンズの駆動用などに製品応用がなされており、円環型のものと棒状型のものとが存在する。以下に、従来の棒状型の振動波モータについて説明する(例えば、特許文献1参照)。 In general, a vibration wave motor is applied to a product for driving a camera lens and the like, and there are an annular type and a rod type. A conventional rod-shaped vibration wave motor will be described below (see, for example, Patent Document 1).
図11は、従来の棒状振動子の断面構造(A)とその振動モード(B)とを示す図であり、図12は、この従来の棒状振動子からなり、カメラレンズ駆動用に用いられる振動波モータの構成を示す断面図である。図13は、この従来の棒状振動子を更に小型化した振動波モータの構成を示す断面図である。なお、図11および図12と図13との間において、同一機能部分には同一の参照符号を付すようにしている。 FIG. 11 is a diagram showing a cross-sectional structure (A) of a conventional rod-shaped vibrator and a vibration mode (B) thereof. FIG. 12 is a diagram of a vibration composed of this conventional rod-shaped vibrator and used for driving a camera lens. It is sectional drawing which shows the structure of a wave motor. FIG. 13 is a cross-sectional view showing the configuration of a vibration wave motor in which this conventional rod-shaped vibrator is further miniaturized. In addition, between FIG.11 and FIG.12 and FIG.13, the same referential mark is attached | subjected to the same function part.
図12および図13において、1は第1の弾性体、2は第2の弾性体、3は積層圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子)、4はシャフト、5はナットである。第1の弾性体1、第2の弾性体2、積層圧電素子3は、シャフト4及びナット5によって、所定の挟持力が付与されるように締め付けられている。
12 and 13, 1 is a first elastic body, 2 is a second elastic body, 3 is a laminated piezoelectric element (electro-mechanical energy conversion element), 4 is a shaft, and 5 is a nut. The first
7はロータ(回転子)であり、ロータ7の一方の面(図で下方端)が耐摩耗性部材6に接触する。耐摩耗性部材6は、第1の弾性体1の上方端に設けられる。ロータ7の一方の面は、他方の面(図で上方端)よりも接触面積が小さく、かつ適度なバネ性を有する構造となっている。また、ロータ7の他方の面にはギア(出力伝達部材)8が設けられ、ギア8は、ロータ7と一緒に回転し、振動波モータの出力を外部に伝達する。ロータ7の他方の面には凹部が形成され、ギア8に形成された凸部と係合する。さらに、ギア8は、振動波モータを取り付けるためのフランジ10により、シャフト4のスラスト方向に位置が固定されており、ロータ7に加圧力を付与するための加圧バネ15が、このギア8とロータ7との間に設けられている。
積層圧電素子3には、それぞれが2つの電極からなる電極群が含まれ、不図示の電源からそれぞれの電極群に位相の異なる交流電界が印加されると、棒状振動子に、直交する2つの曲げ振動が励振される。図11(B)は、2つの曲げ振動のうちの一方を図示し、他方は、紙面に垂直な方向に発生する。この印加交流電界の位相を調整することにより、2つの曲げ振動間に、90度の時間的な位相差を与えることができ、その結果、棒状振動子の曲げ振動がシャフト4の軸周りに回転する。
The laminated
この結果、ロータ7に接触する第1の弾性体1の上面には楕円運動が形成され、耐摩耗性部材6に押圧されたロータ7が摩擦駆動される。これによって、ロータ7、ギア8、加圧バネ15が一体となってシャフト4の軸周りに回転する。
As a result, an elliptical motion is formed on the upper surface of the first
振動波モータの出力は、ロータ7を介してギア8から外部ギアへ伝達される構造になっている(図12)。ロータ7は、回転軸回りの振れ回りを拘束するために、ギア8と内径で遊嵌合しており、ギア8もまた、モータ取り付けフランジ10の下部で径嵌合する構造になっている。
The output of the vibration wave motor is transmitted from the
図14は、ロータ7とギア8との係合部分を示す斜視図である。
FIG. 14 is a perspective view showing an engagement portion between the
ロータ7には円形凹部7cが設けられると共に、ロータ7の上面に、半径方向に延びた一対の溝部7a,7bが軸対称に設けられている。ギア8の下面には、ロータ7の円形凹部7cに係合するように、円筒状凸部8cが設けられる。それと共に、ロータ7の溝部7a,7bにそれぞれ係合するように、一対の突起部8a,8b(突起部8bは図14では図示せず)が設けられる。これらの係合により、ロータ7の回転がギア8に伝達されて出力が行われる構成になっている。
The
図15および図16は、ロータ7とギア8とが所定の位置関係で係合した状態において、図14に示す仮想面Lで切断したときのロータ7およびギア8を示す断面図である。ただし、図16は、ロータ7がギア8から反力を受けているときの断面図である。
15 and 16 are cross-sectional views showing the
ここで、ロータ7の円形凹部7cの内径をφD、ギア8の円筒状凸部8cの外径をφdとしたとき、ロータ7とギア8との径方向の隙間δR(=φD−φd)を適正な値に設定する。また、ロータ7の溝部7a,7bの幅をW、ギア8の突起部8a,8bの幅をBとしたとき、ロータ7の溝部7a,7bとギア8の突起部8a,8bとの周方向の各隙間δB(=W−B)を適正な値に設定する。このように隙間δRおよび隙間δBを適正な値にそれぞれ設定することにより、ロータ7が回転中心からずれたり、ロータ7本体をギア8の摺動面に対して倒すようなモーメントが作用したりすることがなくなる。これにより、ロータ7の第1の弾性体1との安定した接触状態が保たれる。
Here, when the inner diameter of the circular
ところで、図16に示すように、ロータ7に矢印A方向の回転力が発生すると、ロータ7の溝部7a,7bの周方向の一方側の壁7d,7eが、ギア8の突起部8a,8bにそれぞれ当接する。この結果、ロータ7の壁7d,7eは、ギア8の突起部8a,8bから、反力である偶力F101、F102をそれぞれ受けることになる。
By the way, as shown in FIG. 16, when the rotational force in the direction of arrow A is generated in the
しかしながら、上記従来の振動波モータにおいては、回転力の伝達部に隙間δRおよび隙間δBが存在するため、騒音問題が発生する。すなわち、ロータ7とギア8との隙間δRおよび隙間δBにおいて振動が発生して騒音を生じる。また、ロータ7が回転方向を反転したときに、ロータ7の溝部7a,7bの壁が、ギア8の突起部8a,8bに対して隙間δB分だけ助走して衝突するために、打突音が発生する。この現象を、図17〜図19を参照して、ロータ7の溝部7aとギア8の突起部8aとを例に挙げて、以下に詳しく説明する。
However, in the above conventional vibration wave motor, the clearance δR and the clearance δB exist in the transmission portion of the rotational force, which causes a noise problem. That is, vibration is generated in the gap δR and the gap δB between the
図17は、ロータ7の溝部7aとギア8の突起部8aとの係合状態を示す断面図である。図17は、図14に示す仮想面Lに対して垂直で、かつ周方向に沿った断面で溝部7aおよび突起部8aを切断したときの断面図である。
FIG. 17 is a cross-sectional view showing an engaged state between the
図17に示すように、ギア8の突起部8aの幅Bはロータ7の溝7aの幅Wに比べ小さく設定されており、隙間δB(=W−B)だけのガタを持っている。
As shown in FIG. 17, the width B of the
ここで、ギア8に外部から負荷トルクT±ΔT(ΔTは変動分)がかかり、ロータ7の壁7dが、ギア8の突起部8aの壁8aaから偶力F0±ΔFを受けるものとする。このとき、定常負荷トルクTが変動分ΔTよりも大きく、T±ΔT>0であれば、図18に示すように、常に、F0±ΔF>0となり、ロータ7とギア8とは常に接触して、一体となって回転するため、騒音は発生しない。図18は、ロータ7の壁7dがギア8の突起部8aの壁8aaから受ける偶力Fを示すグラフである。
Here, it is assumed that a load torque T ± ΔT (ΔT is a variation) is applied to the
しかし、定常負荷トルクTが変動分ΔTよりも小さく、T−ΔT<0となるようなことがあると、偶力F0−ΔF<0となる場合が、図19に示すように発生する。図19は、偶力F<0となる場合における、ロータ7の壁7dがギア8の突起部8aの壁8aaから受ける偶力Fを示すグラフである。
However, if the steady load torque T is smaller than the variation ΔT and T−ΔT <0, the couple F0−ΔF <0 may occur as shown in FIG. FIG. 19 is a graph showing the couple F received by the
この場合、ギア8からロータ7に働く偶力Fが負(F0−ΔF<0)となる瞬間と、正(F+ΔF>0)となる瞬間とが交互に発生するため、ロータ7の壁7dと、ギア8の突起部8aの壁8aaとが、接触、離間を繰り返すことになる。
In this case, the moment when the couple F acting on the
この離間から接触に移るときに、ロータ7の壁7dと、ギア8の突起部8aの壁8aaとが衝突し、一定周期の衝突音を発生する。
When shifting from this separation to contact, the
ところで、離間状態のとき、すなわちギア8がロータ7と接触せずに回転方向に自由な状態にあるときに、ギア8が低周波数の騒音を発生するという問題があることが分かった。これは特に、ロータ7が低回転数で、かつ低負荷トルクで回転しているときに起こりやすく、ロータ7の円周における1個所または2個所に、ギア8が回転方向の共振振動を起こす領域(区間)があることが、検討の結果判明した。
By the way, it has been found that there is a problem that the
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、ロータとギアとの間における周方向の隙間に起因する打突音や、低回転数、低負荷トルク時に発生する低周波振動の抑制を図った振動波モータを提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of such a problem, and is a low-frequency vibration generated at the time of low rotation speed and low load torque caused by a circumferential gap between the rotor and the gear. An object of the present invention is to provide a vibration wave motor that suppresses the above.
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、電気−機械エネルギー変換素子と弾性体とからなる振動子と、前記振動子に一方端で接触して前記振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子と、前記回転子の他方端と係合して前記回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材と、を有する振動波モータであって、前記出力伝達部材は、前記回転子の前記他方端に半径方向に延びて設けられた複数の溝部とそれぞれ係合するための複数の出力伝達部を有し、前記複数の出力伝達部はそれぞれ、バネ性を備えた複数の梁部を有し、前記複数の溝部それぞれにおいて、前記複数の梁部は、負荷トルクが作用しても、それぞれ対向する内壁と接触していることを特徴とする振動波モータが提供される。 In order to achieve the above object, according to the first aspect of the present invention, a vibrator comprising an electromechanical energy conversion element and an elastic body, and the vibrator is excited at the one end in contact with the vibrator. A vibration wave motor having a rotor that is frictionally driven by vibration and an output transmission member that engages with the other end of the rotor and transmits the output of the rotor to the outside. Has a plurality of output transmission parts for engaging with a plurality of grooves provided extending in the radial direction at the other end of the rotor, and each of the plurality of output transmission parts has a spring property. Provided with a plurality of beam portions, and in each of the plurality of groove portions, the plurality of beam portions are in contact with opposite inner walls even when a load torque is applied. Is done.
本発明によれば、回転子(ロータ)と出力伝達部材(ギア)との間における周方向の隙間に起因する打突音や、低回転数、低負荷トルク時に発生する低周波振動を抑制することが可能となる。 According to the present invention, the impact noise caused by the circumferential clearance between the rotor (rotor) and the output transmission member (gear), and the low frequency vibration generated at the time of low rotational speed and low load torque are suppressed. It becomes possible.
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。 The best mode for carrying out the present invention will be described below with reference to the drawings.
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る振動波モータにおけるロータとギアとの係合部分を示す斜視図である。図2は、該振動波モータにおけるロータおよびギアの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。図3は、図2(A)の部分100の拡大図であり、図4は、図2(C)の部分200の拡大図である。以下、これらの図を適宜、参照しながら説明する。
[First Embodiment]
FIG. 1 is a perspective view showing an engagement portion between a rotor and a gear in the vibration wave motor according to the first embodiment of the present invention. 2A and 2B are diagrams showing the configuration of the rotor and gears in the vibration wave motor. FIG. 2A is a plan view, FIG. 2B is a front view, and FIG. 2C is a side view. FIG. 3 is an enlarged view of the
なお、図1〜図4においては、図12〜図19に示す従来の振動波モータにおけるロータおよびギアの構成と同一部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。 1 to 4, the same reference numerals are given to the same parts as those of the rotor and gear in the conventional vibration wave motor shown in FIGS. 12 to 19, and the description thereof is omitted.
先ず、ギア8には、ロータ(回転子)7と係合し、ロータ7との間で出力を伝達する2つの出力伝達部がある。一方の出力伝達部は、ギア8本体に連結しているブロック部83と、このブロック部83から半径方向にそれぞれ張り出した梁部81A,81Bとから構成される。また他方の出力伝達部は、ギア8本体に連結しているブロック部84と、このブロック部84から半径方向にそれぞれ張り出した梁部82A,82Bとから構成される。梁部81A,81B、82A,82Bの各先端部は、ロータ7の溝部7a,7bの周方向の壁面に適切なバネ力F0で接触している。またギア8の下側には、ロータ7の円形凹部7cと係合する円筒状凸部85が形成されている。
First, the
なお、図3に示すように、ギア8のブロック部83,84の周方向の幅B1は、ロータ7の溝幅Wよりも小さくなるように設定されている。例えば、W−B1=0.01mm〜0.1mmに設定される。また、梁部81A,81B(82A,82B)の先端がロータ7の溝部7a,7b壁面に触れていないときの幅L0(自由長)は、ロータ7の溝幅Wよりも大きくなるように設定されている。
As shown in FIG. 3, the circumferential width B1 of the
また、図2(B)に示すように、ギア8の軸方向の長さは、中央の円筒状凸部85が最も長く、次にブロック部84(83)、そして梁部81B(81A,82A,82B)の順に小さく設定されている。さらに、図4に示すように、ロータ7の溝部7a(7b)の入り口には面取りを施し、また、梁部81A,81B(82A,82B)の先端側にはテーパが施されている。これによって、図1に示す矢印の方向に、ギア8をロータ7の溝部7a,7bに係合する際に、治具を使わずとも容易に係合ができる。
As shown in FIG. 2B, the axial length of the
すなわち、加圧バネ15をロータ7とギア8との間に設置し、加圧バネ15を押圧しながら、ギア8を図1の上方からロータ7に押し込んで組み込む際、まず、中央の円筒状凸部85をロータ7の円形凹部7cに嵌合させて中心の位置出しを行う。次に、ギア8を回転させ、ブロック部83,84でロータ7の溝部7a,7bの位置を探る。ブロック部83,84とロータ7の溝部7a,7bとの位置がそれぞれ合ったところで、ギア8の梁部81A,81B,82A,82Bをロータ7の溝部7a,7bへそれぞれ押し込む。かくして、ギア8とロータ7との確実な係合が完了する。
Specifically, when the
このようにして、ロータ7にギア8が組み込まれると、ロータ7の溝部7a,7bの内壁には、ギア8の梁部81A,81B,82A,82Bが、前述したように、バネ力F0でそれぞれ接触する。このバネ力F0は、梁部81A,81B,82A,82Bのバネ係数をkとするとき、((L0−W)/2)×kで表され、このバネ力F0で付勢されて、ガタのない接触となる。
Thus, when the
このバネ力F0は、ギア8の外部連結ギア(不図示)から伝達される負荷トルクTの変動分ΔTに対応するバネ力変動分ΔFよりも大きく設定される(詳しくは後述)。そして、ギア8に付加される定常負荷トルクTが小さなときでも、ロータ7とギア8との連結部で、ロータ7とギア8とが離れることはなくなるため、従来発生したような衝突音は発生せず、また静かでしかも安定した出力が得られる。
This spring force F0 is set to be larger than the spring force variation ΔF corresponding to the variation ΔT of the load torque T transmitted from an externally connected gear (not shown) of the gear 8 (details will be described later). Even when the steady load torque T applied to the
なお、バネ力F0の設定に関しては、ギア8に付加される負荷トルクTの変動分ΔTなどを考慮し、適切に設定する必要がある。すなわち、バネ力F0を大きくし過ぎると、図4に示すように、ギア8の梁部81A,81Bとロータ7の溝部7aの内壁との摩擦力(μ×F0)が大きくなる。これによって、ギア8の振れ回り等による軸方向の変動の影響を、ロータ7の軸方向の偏荷重として受けやすくなり、特性の低下や鳴きなどの原因につながる。逆にバネ力が小さ過ぎると、すなわち梁部の撓みが小さいと、前述したように、変動負荷との関係で一方の梁部が溝部内壁から離れることになり、ガタを無くすようにした効果が薄れることになる。
Note that the spring force F0 needs to be set appropriately in consideration of the variation ΔT of the load torque T applied to the
なおまた、梁部81A,81B,82A,82Bのバネ剛性を小さくすると、過大な負荷が加わったときに、これら梁部が破損する可能性がある。そこで、本実施の形態では、ギア8のブロック部83,84の周方向の幅と、ロータ7の溝部7a,7bの幅Wとの差(隙間)を適切な値に設定して、梁部81A,81B,82A,82Bの破損を防ぐようにしている。図5は、過大な負荷が加わったときにおける、ギア8の梁部81A,81Bの撓みを示す図であり、(A)は、過大な負荷が加わる前の梁部81A,81Bを、(B)は、過大な負荷が加わったときの梁部81A,81Bの撓みを示している。
Furthermore, if the spring stiffness of the
以上のように、第1の実施の形態では、振動波モータが、電気−機械エネルギー変換素子(圧電素子3)と弾性体1、2とからなる振動子と、該振動子に一方端で接触して該振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子(ロータ7)によって構成される。さらに振動波モータは、回転子の他方端と係合して該回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材(ギア8など)から構成される。この振動波モータは、上記回転子の上記他方端に半径方向に延びて設けられた複数の溝部7a,7bを有する。また、上記出力伝達部材における回転子と対向する端面に設けられ、溝部7a,7bとそれぞれ係合するための複数の係合部(円筒状凸部85、ブロック部83,84)を有する。さらに、上記複数の係合部にそれぞれ形成され、各一端が複数の溝部7a,7bのうちの対応する各1つの内側壁に所定の力で接触するバネ性を有した複数の梁部81A,81Bを有する。
As described above, in the first embodiment, the vibration wave motor is in contact with the vibrator composed of the electromechanical energy conversion element (piezoelectric element 3) and the
これにより、回転子(ロータ7)と出力伝達部材(ギア8など)との間における周方向の隙間に起因する打突音や、低回転数、低負荷トルク時に発生する低周波振動を抑制することが可能となる。
This suppresses impact noise caused by the circumferential clearance between the rotor (rotor 7) and the output transmission member (
なお、上記の所定の力を適切に設定することで、負荷トルクの変動があっても、複数の梁部81A,81Bが複数の溝部7a,7bの内側壁に常時、隙間なくそれぞれ接触する。これにより、回転子(ロータ7)と出力伝達部材(ギア8など)との結合ガタがなくなり、低負荷トルク時の負荷変動または回転ムラ等により、従来、これらの部材間で発生していた打突音を無くすることができる。
By appropriately setting the predetermined force, the plurality of
また、こうした結合ガタを無くすことで、従来、低負荷トルク時に発生していた回転方向のガタに起因する低周波数の振動を無くすことができ、騒音が発生しなくなると同時に、これらの挙動に起因する出力低下を防ぐことができる。 In addition, by eliminating such joint play, it is possible to eliminate the low-frequency vibration caused by the play in the rotational direction that has been generated at the time of low load torque, and no noise is generated. It is possible to prevent a decrease in output.
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
[Second Embodiment]
Next, a second embodiment of the present invention will be described.
第2の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施の形態の構成と同じであるので、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付して、第1の実施の形態の説明を流用し、異なる部分だけを説明する。 Since the configuration of the second embodiment is basically the same as the configuration of the first embodiment, in the description of the second embodiment, the same parts as the configuration of the first embodiment are used. Are denoted by the same reference numerals, and the description of the first embodiment is used, and only different portions will be described.
第2の実施の形態では、ギア8の梁部の形状が、第1の実施の形態におけるギア8の梁部81A,81B,82A,82Bの形状と異なり、先端に行くほど曲げ剛性が小さくなるような形状としている。
In the second embodiment, the shape of the beam portion of the
図6は、第2の実施の形態におけるギア8のブロック部823および梁部821A,821Bの構成を示すとともに、過大な負荷が加わったときにおける梁部821A,821Bの撓みを示す図である。なお、図示及び説明を省略するが、ブロック部823および梁部821A,821Bに対して軸対称のブロック部824および梁部822A,822Bがそれぞれ存在し、同一の構成となっている。ここでは、ブロック部823および梁部821A,821Bを例に挙げて説明する。
FIG. 6 is a diagram illustrating the configuration of the
梁部821A,821Bは、先端に行くほど細くなって、曲げ剛性が小さくなるような形状とする。梁部821A,821Bをこのような形状にすると、該梁部の曲げのバネ係数が変形量と共に増大する漸硬バネが形成される。
The
まず、図6(A)に示すような初期状態(ロータ7にギア8を嵌合しただけの状態)では、溝部7aの内壁にかかる梁部821A,821Bからの圧接力はそれぞれF0である。このとき、溝部7aの内壁に対する梁部821A,821Bの接触位置が、径方向の中心側の基準位置から距離R0の位置であるとする。
First, in an initial state as shown in FIG. 6A (a state where only the
次に、図6(B)に示すように、ロータ7からギア8に対して矢印の方向にトルクT1がかかると、ギア8の梁部821Aは変形し、溝部7aの内壁に対する梁部821Aの接触位置は、上記の基準位置から距離R1の位置へ移る。距離R1は距離R0よりも小さく、梁部821Aにおける接触位置が片持ち梁部の根元に近づくため、梁部821Aの曲げ剛性が、図6(A)に示す初期状態に比べ大きくなる。さらに梁部821Aの形状に起因する剛性増加分も加味されるため、梁部821Aのバネ係数はさらに大きくなる。このため、ギア8にトルクT1がかかっても、ギア8とロータ7との間の相対的な回転ズレは、小さく押さえることができる。
Next, as shown in FIG. 6B, when the torque T1 is applied from the
また、ギア8の内周側にブロック部823を設けているため、図6(C)に示すように、さらに大きなトルクT2(>T1)がロータ7からギア8に対して加わると、ロータ7の溝部7aの内壁面にブロック部823が接触する。このときの溝部7aの内壁に対する梁部821Aの接触位置は、上記の基準位置から距離R2の位置である。
Further, since the
次に、図6(D)に示すように、さらに大きなトルク(T2+ΔT)がロータ7からギア8に対して加わると、ロータ7の溝部7aの内壁面にブロック部823から圧接力ΔTが加わるようになる。この場合、溝部7aの内壁に対する梁部821Aの圧接力は、図6(C)の場合と同じであり、また、溝部7aの内壁に対する梁部821Aの接触位置も、図6(C)の場合と同じ距離R2の位置である。すなわち、ロータ7の溝部7aの内壁面にブロック部823が接触すると、それ以上のトルクΔTが付加されても、その付加分ΔTは、ブロック部823が受け持ち、梁部821Aの溝部7aの内壁に対する圧接力は、増加しないことになる。
Next, as shown in FIG. 6D, when a larger torque (T2 + ΔT) is applied from the
以上のように、第2の実施の形態では、ギア8の梁部821A,821B,822A,822Bを漸硬バネ構造にすることで、ロータ7の加圧ムラ要因となるバネ力F0を小さくしつつ、回転力を伝えるための回転剛性を大きく取ることができる。また、さらに安定した出力が得られる。なお、上記の加圧ムラ要因とは、ギア8の歯面が軸方向に上下動するような変動をする場合のその要因をいう。
As described above, in the second embodiment, the spring force F0 that causes the pressure unevenness of the
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
[Third Embodiment]
Next, a third embodiment of the present invention will be described.
第3の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施の形態の構成と同じであるので、第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付して、第1の実施の形態の説明を流用し、異なる部分だけを説明する。 Since the configuration of the third embodiment is basically the same as the configuration of the first embodiment, in the description of the third embodiment, the same parts as the configuration of the first embodiment are used. Are denoted by the same reference numerals, and the description of the first embodiment is used, and only different portions will be described.
第3の実施の形態では、ギア8の梁部及びブロック部の形状が、第1の実施の形態におけるギア8の梁部81A,81B,82A,82Bおよびブロック部83,84の形状とそれぞれ異なる。
In the third embodiment, the shapes of the beam portion and the block portion of the
図7は、第3の実施の形態におけるギア8のブロック部833および梁部831A,831Bの構成を示す斜視図である。図8は、第3の実施の形態におけるギア8のブロック部833および梁部831A,831Bの構成を示す垂直断面図である。図9は、第3の実施の形態におけるギア8のブロック部833および梁部831A,831Bの構成を示す水平断面図である。なお、図7及び図8では、図示を省略するが、ブロック部833および梁部831A,831Bに対して軸対称のブロック部834および梁部832A,832Bがそれぞれ存在し、同一の構成となっている。ここでは、ブロック部833および梁部831A,831Bを例に挙げて、図7〜図9を参照して説明する。
FIG. 7 is a perspective view showing the configuration of the
第3の実施の形態では、梁部831A,831Bが、ギア8本体からロータ7の溝部7aに向かって軸方向に張り出した形状となっている。過大な負荷トルクを受けるためのブロック部833は、構造上、梁部831A,831Bとは独立して、ギア8の円筒状凸部8cに設けられる。
In the third embodiment, the
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
[Fourth Embodiment]
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described.
第4の実施の形態では、振動波モータが円環型振動子で構成される。 In the fourth embodiment, the vibration wave motor is constituted by an annular vibrator.
図10は、第4の実施の形態における円環型振動子のロータおよびギアの構成を示す図であり、(A)は垂直断面図、(B)は(A)に示すC−C面による水平断面図である。 FIGS. 10A and 10B are diagrams showing the configuration of the rotor and gears of the annular vibrator in the fourth embodiment. FIG. 10A is a vertical cross-sectional view, and FIG. 10B is a CC plane shown in FIG. It is a horizontal sectional view.
図10において、振動板20に圧電素子21が接着されてステータを形成し、ロータ22が、加圧バネ25により適切な加圧力で振動板20の摺動面に押し付けられている。ロータ22およびギア23は、上記第1〜第3の実施の形態のいずれかにおけるロータ7およびギア8と同様の構成であるとする。
In FIG. 10, a
〔他の実施の形態〕
上記第1〜第4の実施の形態においては、梁部が軸中心側から径方向の外側に向かって張り出した形状となっている。本発明は、これに限定されることは無く、例えば、ギアの外周側にブロック部を形成し、該ブロック部から軸中心方向に向かって延びる梁部を設けるようにしてもよい。
[Other Embodiments]
In the said 1st-4th embodiment, it has the shape which the beam part protruded toward the outer side of radial direction from the axial center side. The present invention is not limited to this. For example, a block portion may be formed on the outer peripheral side of the gear, and a beam portion extending from the block portion toward the axial center direction may be provided.
また、上記第1〜第4の実施の形態においては、ロータとギアとの間の出力伝達部分が周方向に沿って2箇所であるが、これに限定されることはなく、3箇所以上であってもよい。 Moreover, in the said 1st-4th embodiment, although the output transmission part between a rotor and a gear is two places along the circumferential direction, it is not limited to this, It is three or more places. There may be.
1 第1の弾性体
2 第2の弾性体
3 圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子)
4 シャフト
5 ナット
6 耐摩耗性部材
7 ロータ(回転子)
7a,7b 溝部
8 ギア(出力伝達部材)
81A、81B 梁部
83,84 ブロック部(係合部)
85 円筒状凸部(係合部)
DESCRIPTION OF
4
7a,
81A,
85 Cylindrical convex part (engagement part)
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、電気−機械エネルギー変換素子と弾性体とからなる振動子と、前記振動子に一方端で接触して前記振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子と、前記回転子の他方端と係合して前記回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材と、を有する振動波モータであって、前記出力伝達部材は、前記回転子の前記他方端に半径方向に延びて設けられた複数の溝部とそれぞれ係合するための複数の出力伝達部を有し、前記複数の出力伝達部はそれぞれ、バネ性を備え、負荷トルクに応じて変形可能に構成された複数の梁部を有し、前記複数の溝部それぞれにおいて、前記複数の梁部は、負荷トルクが作用しても、それぞれ対向する内壁と接触していることを特徴とする振動波モータが提供される。 In order to achieve the above object, according to the first aspect of the present invention, a vibrator comprising an electromechanical energy conversion element and an elastic body, and the vibrator is excited at the one end in contact with the vibrator. A vibration wave motor having a rotor that is frictionally driven by vibration and an output transmission member that engages with the other end of the rotor and transmits the output of the rotor to the outside. Has a plurality of output transmission parts for engaging with a plurality of grooves provided extending in the radial direction at the other end of the rotor, and each of the plurality of output transmission parts has a spring property. A plurality of beam portions configured to be deformable according to a load torque, and each of the plurality of groove portions is in contact with an opposing inner wall even when a load torque acts on each of the plurality of groove portions. The vibration wave mode is characterized by There is provided.
Claims (1)
前記振動子に一方端で接触して前記振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子と、
前記回転子の他方端と係合して前記回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材と、を有する振動波モータであって、
前記出力伝達部材は、前記回転子の前記他方端に半径方向に延びて設けられた複数の溝部とそれぞれ係合するための複数の出力伝達部を有し、
前記複数の出力伝達部はそれぞれ、バネ性を備えた複数の梁部を有し、
前記複数の溝部それぞれにおいて、前記複数の梁部は、負荷トルクが作用しても、それぞれ対向する内壁と接触していることを特徴とする振動波モータ。 A vibrator comprising an electromechanical energy conversion element and an elastic body;
A rotor that is frictionally driven by vibrations that come into contact with the vibrator at one end and are excited by the vibrator;
A vibration wave motor having an output transmission member that engages with the other end of the rotor and transmits the output of the rotor to the outside,
The output transmission member has a plurality of output transmission parts for engaging with a plurality of grooves provided extending in the radial direction at the other end of the rotor,
Each of the plurality of output transmission portions has a plurality of beam portions having spring properties,
In each of the plurality of groove portions, the plurality of beam portions are in contact with opposing inner walls even when a load torque is applied.
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