JP2015198699A - 医療行為に用いるデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】電気刺激をすべき標的部位の良好な視野の確保と当該標的部位での電気刺激を簡易に達成できるデバイスを提供する。
【解決手段】医療行為に用いるデバイスであって、標的部位又はその近傍に配される透明性を有する先端部と、吸引手段に接続可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の吸引開口を備える液吸引路と、標的部位を通電刺激可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の電極と、を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】医療行為に用いるデバイスであって、標的部位又はその近傍に配される透明性を有する先端部と、吸引手段に接続可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の吸引開口を備える液吸引路と、標的部位を通電刺激可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の電極と、を提供する。
【選択図】図1
Description
本明細書は、医療行為に用いるデバイスに関する。
外科手術では、血液や組織液を吸引して術野の視認性等を確保することが重要である。こうした吸引機能付きのレトラクター等も開示されている(特許文献1)。
脳などの神経系外科手術においては、血液等の吸引は非常に重要である。吸引機能付きの先端部を備える、いわゆる脳ベラも知られている。
また、脳等の外科手術等においては、血液等を吸引する一方で、双極電極で脳の一部を順次刺激して、摘出可能部位を特定することが行われる場合がある。かかる摘出部位の特定操作においては、片方の手で脳ベラ等を用いて術野を確保しつつ、もう片方の手で一対の双極電極で異なる箇所を正確に連続的に刺激して、摘出部位を慎重に特定する必要がある。
しかしながら、吸引機能付きの脳ベラ等を使用する場合であっても、脳ベラ等で血液等を吸引できるのは刺激を付与するべき箇所の周辺であって、電気刺激を付与するべき箇所ではない。このため、脳等の神経系組織において摘出可能部位の特定は慎重に行われなければないにも関わらず、術者は、脳ベラ等と双極電極との双方をそれぞれを細々としかも頻繁に移動させながら、視野を確保しつつ電気刺激を行う必要があった。
本明細書は、こうした課題に鑑み、電気刺激をすべき標的部位の良好な視野の確保と当該標的部位での電気刺激を簡易に達成できるデバイスを提供する。
本発明者らは、こうした課題について検討し、脳ベラ等と双極電極とを複合して一体化することで、標的部位の視野を確保しつつ当該部位において簡易に電気刺激を行いうることを見出した。すなわち、吸引機能を備える先端部に複数個の電極を配置することで、電極を刺激部位毎に移動させなくても、異なる場所を刺激できて、正確にかつ簡易に特定部位を刺激できることを見出した。これらの知見によれば、以下の手段が提供される。
(1)医療行為に用いるデバイスであって、
標的部位又はその近傍に配置される透明性を有する先端部と、
吸引手段に接続可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の吸引開口を備える液吸引路と、
前記標的部位を通電刺激可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の電極と、
を備える、デバイス。
(2)前記2以上の電極が双極電極として備えられている、(1)に記載のデバイス。
(3)前記液吸引路は、2以上またはスリット状の吸引開口を備える、(1)又は(2)に記載のデバイス。
(4)前記液吸引路は、前記先端部の少なくとも一部に備えられる多孔質部に連通する、(1)〜(3)のいずれかに記載のデバイス。
標的部位又はその近傍に配置される透明性を有する先端部と、
吸引手段に接続可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の吸引開口を備える液吸引路と、
前記標的部位を通電刺激可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の電極と、
を備える、デバイス。
(2)前記2以上の電極が双極電極として備えられている、(1)に記載のデバイス。
(3)前記液吸引路は、2以上またはスリット状の吸引開口を備える、(1)又は(2)に記載のデバイス。
(4)前記液吸引路は、前記先端部の少なくとも一部に備えられる多孔質部に連通する、(1)〜(3)のいずれかに記載のデバイス。
本明細書の開示は、医療行為に用いるデバイスに関する。本開示のデバイス(以下、本デバイスともいう。)によれば、透明性の先端部を介して標的部位又はその近傍の血液等が吸引されるため、標的部位で良好な視野を確保でき、しかも、その状態で先端部に備えた電極によって標的部位を正確に刺激できる。このため、外科手術などにおいて摘出部位を特定するなど電気刺激を要する操作の際、視野確保等のためにレトラクターを操作しつつ、電極を操作するという煩雑で熟練を要する操作を回避できる。
特に、電極として双極電極の対を2以上配列して備えることで、標的部位を簡易にかつ精度よく電気刺激することができる。
また、本開示によれば、こうしたデバイスに用いる医療用の電極パッドが提供される。
本デバイスやパッドは、脳手術以外においても、通電刺激を要する手技や内視鏡下手術やカテーテル手術に用いることができる。
本明細書における医療行為に用いるデバイスは、その医療用機器としての用途を限定するものではない。したがって、例えば、レトラクター、電極パッド、電気刺激デバイス、脳手術等の摘出部位特定デバイス等として使用できる。また、デバイスの適用される手術の種類も限定されないが、例えば、外科手術用、カテーテル手術用、内視鏡手術用とすることができる。また、手術における適用部位を限定するものではないが、例えば、電気刺激部位に関して高い精度が要求される、脳、脊髄などの中枢神経及び末梢神経等の神経系組織とすることができる。特に好ましくは、脳である。
以下、本開示について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1には、本デバイス10の一例を示し、図2には、本デバイス10における液吸引路4及び吸引開口6のパターンの態様を示す。なお図2では、電極を省略している。
本デバイス10は、図1に示すように、先端部2と、吸引開口6を備える液吸引路4と、双極電極8(8a、8b、8c、8d、8e、8f)と、を備えている。
先端部2は、ヒト等に対する各種形態での手術において標的部位やその近傍に配して、牽引、開創及び露出などをするための機能的部位である。ここで手術とは、いわゆる外科手術のほか、内視鏡下手術やカテーテル手術を包含している。先端部2は、標的部位や手術の種類や術式に応じて多様な形状を取りえ、その形態は特に限定されない。略平板状等のヘラ状であってもよいし、球状であってもよいし、棒ないし針状等であってもよい。また、組織を教示可能な略二股状であってもよい。電極8の配置を考慮すると、平板状であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
先端部2は、透明性を有している。先端部2における透明性は、少なくとも電極8の形成部位を含む領域において有していればよいが、そのおおよそ全体において透明性であることがより好ましい。
先端部2は、後述する液吸引路4を備えているが、そのマトリックスは緻密質であってもよいし多孔質であってもよい。後述するように、多孔質部を有する場合には、当該多孔質部を介して液吸引が可能となる。
こうした先端部2は、透明性を有する材料で構成されていればよく、その材料は特に限定されないが、種々の付着性等を考慮するとシリコーン樹脂製等であることが好ましい。
先端部2には液吸引路4が備えられている。図1に示すように、液吸引路4は、図示しない吸引手段に接続可能に構成され、排出口7を備えている。液吸引路4は、1以上備えられていればよく、2以上備えられていてもよい。また、液吸引路4は、先端部2の成形に際して先端部2内を貫通する管孔部として形成されてもよいし、こうした管孔部に対して別途管状体を挿入するようにして形成されていてもよい。なお、図1においては、排出口7は、先端部2から突出した状態に備えられているが、これに限定するものではなく、管路を有する吸引手段の管路を差し込み可能な排出口7を先端部2内に備えるようにしてもよい。
液吸引路4は少なくとも1つの吸引開口6を備えることができる。吸引開口6の個数、開口部位及び開口形状については特に限定されないで、種々の形態を包含する。液吸引路4は、当該吸引路4が備える吸引開口6の個数等によって全体として多様なパターンで先端部2内に備えられる。
図1に示すように、吸引開口6は、先端部2の一つの側面に一箇所のみ開口するものであってもよい。吸引開口6は2以上備えられることが好ましい。2以上備えられることで、血液等の目詰まりを抑制でき、操作時間にわたり継続する吸引が可能となる。例えば、図2(a)に示すように、先端部2の1つの側面に複数開口してもよいし、また、先端部2の複数の側面においてそれぞれ開口していてもよい。さらに、先端部2の標的部位に当接される面(下面)に開口するものであってもよい。
また、吸引開口6の開口形状は、図2(a)に示すように、1つの領域(側面)においてそれぞれに独立するように複数個備えられる程度のものでもよいが、スリット状であってもよい。図2(b)に示すように、スリット状開口は、例えば、1つの側面におおよそ対応する1つのスリット状であってもよい。
液吸引路4及び吸引開口6の形成パターンは、上記のように種々の形態を含みうるが、後述する電極8aの設置やこれらによる標的部位に対する通電刺激を妨げないパターンであることが好ましい。したがって、電極8等の設置箇所を回避して液吸引路4及び吸引開口6を備えていることが好ましい。
さらに、液吸引路4は、いわゆる流路形態に適合したものに限定されないで、先端部2の少なくとも一部に標的部位に対して露出して備えられる多孔質部に連通するものであってもよい。この場合、多孔質部が吸引開口を兼ねることになる。多孔質部は、先端部2の一部であってもよいが全体であってもよい。標的部位の視認性の観点からは、先端部2の一部分であることが好ましい。なお、先端部2が多孔質部を備える場合であっても、当該多孔質部において別途吸引開口6と液吸引路4とを備えていてもよい。
先端部2には、1又は2以上の電極8を備えることができる。電極8は、図1に示すように、複数個を備えることが好ましい。こうすることで、通電する電極8を適宜選択するだけで、本デバイス10を移動させることなく異なる電極8に対して通電刺激が可能となる。
電極8は、それぞれ単電極として設置して、いずれかの場所に備える基準電極との間で通電するようにしてもよい。また、例えば、双極電極を構成するようにしてもよい。すなわち、図1に示すように、電極8a、8bを双極電極としてそれぞれの間で通電させるようにしてもよい。電極構成の各種態様は、当業者であれば、通電形式や配線構造によって適宜構成し変更することが可能である。
また、複数個の電極8a等は、一定のパターンで配列されていることが好ましい。典型的には、線状にあるいはドットマトリックス等のアレイ状に配列されていることが好ましい。こうした構成を採ることで、例えば、脳手術等において摘出部位の特定等が正確かつ容易になる。複数個の電極8a等の配列形態は、先端部2の形態に応じて、あるいは摘出部位の特定のために必要な位置精度等に応じて適宜設定される。
電極8a等は、それぞれ図示しないリード線に接続されて、所定の通電装置に接続可能となっている。リード線は、液吸引路4又は液吸引路4の連結先に沿って配設されるようになっていてもよい。
なお、以上の説明によれば、本デバイス10は、先端部2に双極電極などの電極8を備える、医療用の双極電極パッド等としても利用可能であることは明らかである。
次に、本デバイス10を用いて、脳手術時の摘出可能部位の特定操作を実施する工程について説明する。
操作に先立って、本デバイス10の液吸引路4は、適当な液吸引装置に接続され、また、電極8は、適当な通電装置に接続される。術者は、例えば、開頭して、脳を露出した後、本デバイス10の先端部2を摘出部位の候補部位(標的部位)に当接させて、吸引装置を作動させて吸引を開始する。これにより、先端部2及びその周囲の血液が吸引除去されて、先端部2の当接下及びその周囲の視野が良好になる。特に、先端部2下にあっては、先端部2で当接された結果、効果的に血液等が除去され良好な視野が確保される。
次いで、先端部2に備えた電極8a〜8f(ここでは双極電極構成とし、双極電極3組備えることとなる。)の、電極8a、8bの対に通電する。かかる通電による生理的あるいは機能的変化を評価することで、当該電極8a、8b間の領域が摘出可能部位であるか否かを判定できる。
次いで、電極8c、8dに通電して、同様の評価を行い、さらに、電極8e、8fについての同様に評価する。
なお、通電している間においても、連続して又は必要に応じて、吸引装置を作動して先端部2及びその近傍の血液等を吸引除去する。この結果、本デバイス10を移動させることなく、電極8a〜8fの電極、すなわち、4つの双極電極の対について通電してこれら領域を評価することができた。これらの電極8a〜8fは、予め決められた配列で配置されているため、これらの評価結果は極めて信頼性の高いものとなる。
さらに、本デバイス10を隣接箇所に移動させて、同様の評価を行う。こうした評価を行うことで、手術における摘出可能部位を正確に、容易に、しかも効率的に評価し、特定できる。
従来は、レトラクターによって標的部位を牽引し血液等を吸引しつつ、双極電極を移動させる必要があり、非常に煩雑であり慎重に行わざるを得ない熟練を要する操作であった。しかしながら、本デバイス10を用いることで、標的部位の視認性を確保しつつ当該部位において容易にかつ確実に通電刺激を行って正確な評価ができる。また、複数の標的部位についても、本デバイスを移動させることなく通電刺激を連続して行うことができるため、正確な評価を容易に連続して行うことができる。
以上の説明では、本デバイス10の脳手術の際の摘出可能部位の特定への適用を例示したが、本デバイス10は、電極による刺激や位置特定が必要な操作において広く適用できる。
以上説明したように、本デバイスによれば、電気刺激をすべき標的部位の良好な視野の確保と当該標的部位での電気刺激を簡易に達成できる。このため、デバイス標的部位に対する通電刺激という慎重でかつ熟練の必要な操作を、容易にかつ正確に行うことができる。
2 先端部
4 液吸引路
6 吸引開口
7 排出口
8a、8b、8c、8d、8e、8f 電極
10 デバイス
4 液吸引路
6 吸引開口
7 排出口
8a、8b、8c、8d、8e、8f 電極
10 デバイス
Claims (4)
- 医療行為に用いるデバイスであって、
標的部位又はその近傍に配置される透明性を有する先端部と、
吸引手段に接続可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の吸引開口を備える液吸引路と、
標的部位を通電刺激可能に前記先端部に備えられる1又は2以上の電極と、
を備える、デバイス。 - 前記2以上の電極が双極電極として備えられている、請求項1に記載のデバイス。
- 前記液吸引路は、2以上またはスリット状の吸引開口を備える、請求項1又は2に記載のデバイス。
- 前記液吸引路は、前記先端部の少なくとも一部に備えられる多孔質部に連通する、請求項1〜3のいずれかに記載のデバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014077746A JP2015198699A (ja) | 2014-04-04 | 2014-04-04 | 医療行為に用いるデバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014077746A JP2015198699A (ja) | 2014-04-04 | 2014-04-04 | 医療行為に用いるデバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015198699A true JP2015198699A (ja) | 2015-11-12 |
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JP2014077746A Pending JP2015198699A (ja) | 2014-04-04 | 2014-04-04 | 医療行為に用いるデバイス |
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2014
- 2014-04-04 JP JP2014077746A patent/JP2015198699A/ja active Pending
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